09/03/31 第3回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会議事録     第3回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会          日時 平成21年3月31日(火)          16:00〜          場所 厚生労働省専用第22会議室 ○井村座長 これより第3回「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」を開催い たします。まさに年度末のいちばん最後の日で、皆様方お忙しいところをお集りいただ き、誠にありがとうございます。まず委員の出欠状況を報告していただきます。 ○薬事企画官 事務局よりご報告します。本検討会19名の委員の先生方がいらっしゃい ますが、本日は下村委員がご欠席です。ほかの18名の委員の方々、お忙しい中ご出席い ただいております。ありがとうございます。以上です。 ○井村座長 委員の交代がありましたので、新しい委員のご紹介をお願いいたします。 ○薬事企画官 お手元の配付資料は後ほど改めて確認させていただきますが、資料の1 に構成委員の名簿を改めてお配りしております。その中で上から6人目の大山恵造委員 が今回から出席していただいております。ご紹介いたします。 ○大山委員 大山恵造です。 ○井村座長 いま、資料1のご説明がありましたが、それ以外の資料の確認をお願いい たします。 ○薬事企画官 お手元の資料をご確認ください。まず、議事次第がありまして、その下 に座席表をお配りしております。その次から資料番号が振ってあるものです。資料1と して構成委員の名簿です。資料2が「これまでの議論を踏まえて今後検討すべき項目」 という資料です。そのほかは資料番号を振っておりませんが、従来と同様、各委員から 予めご提出いただいた資料をお配りしております。説明順ということで配付しておりま すが、三木谷委員提出資料、後藤委員提出資料、綾部委員提出資料、児玉委員提出資料、 小田委員提出資料、足高委員提出資料、以上委員からの提出資料6種類です。配付資料 は以上です。それとお手元にファイルで置いてある資料は過去2回の資料を束ねたもの で、その都度議論の際お使いいただくということで、委員の先生方に席上置いているも のです。以上です。 ○井村座長 はい、ありがとうございました。それでは議事に入りたいと思います。 ○薬事企画官 これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただき ます。プレス関係の方々、ご協力をよろしくお願いいたします。 ○井村座長 議事に入ります。本日はこの前も最後に申しましたように、先達ての議論 につきまして事務局のほうで論点の整理をある程度やっていただきました。皆様方のお 手元にあるかと思いますが、論点ペーパーとも呼んでおります。これについて事務局の ほうから簡単に説明してください。 ○薬事企画官 お手元の資料2になりますが、後ほど各委員からご提出していただいて いる資料も含めてご紹介いただくことになりますが、その提出資料の中には、資料2に 関係する内容も含まれておりますので、まず資料2のほうから先にご紹介させていただ き、そのあと各委員の提出資料、さらには意見交換という流れで進めていきたいと思い ます。簡単に読上げるようなイメージで説明いたします。4頁にわたる資料ですが、項 目としては、これまでの議題の立て方と同様、1「薬局・店舗等では医薬品の購入が困難 な場合の対応策」。これが2頁ほど続いており、3頁から議題の2として従来から立てお ります「インターネット等を通じた医薬品販売の在り方」という大きな2つの柱立てを しております。  それぞれの内容は、まず1頁の1「薬局・店舗等では医薬品の購入が困難な場合の対 応方策」です。薬局・店舗等では医薬品の購入が困難な場合とは、以下が考えられるが どうか。(1)薬局・店舗等がない離島やへき地に居住する場合。(2)薬局・店舗等が存在す る都市部に居住しているが、身体等の事情により薬局・店舗等に行けない場合。(3)薬局・ 店舗等では販売していない医薬品を購入する場合。こういったもののほか何かありまし たら、また後ほど議論していただければと思います。  2つ目の○として、購入が困難な場合には、現在インターネット等の郵便等販売でど の程度購入しているのか。この辺が実状という部分に当たると思います。3つ目の○で す。購入が困難な場合の実状を知るため、この検討会でヒアリングを求める意見がある がどうかということで、ヒアリングを行うことについてもいろいろなご意見をいただけ ればと思います。その場合どういった対象に対してヒアリングを行うかということも併 せて議論いただければと思います。  (2)は購入が困難な場合の対応方策です。対応方策として提案されている、以下(1)〜(3) の実効性をどのように担保するのかということです。次に2つ目の○です。薬局・店舗 等において対面での販売が行われたあと、薬局・店舗等が実際購入者に医薬品を届ける ことについてどう考えるかという点です。  2頁目、常備薬などとして長年使用している医薬品の購入に当たり、毎回情報提供が 必要か。その場合、購入しようとする医薬品が過去に購入したものであることをどのよ うに確認したらよいかということです。ここで言う常備薬は長年ずっと使い続けている という意味にとどまらず、何かあったときにその都度使うという意味でも常に備えてい るという意味の常備薬、というような意味で言葉を使ってあります。配置販売業による 対応において、離島やへき地に対してどのぐらいの頻度で対応することが可能か。また 相談応需はどのように行うのかといった論点です。  (3)はいわゆる伝統薬の販売方法です。いわゆる伝統薬については、製造販売業者が直 接購入者と電話等により連絡を取る方法で販売されているとのことであるが、具体的に どのような方法がとられているかということです。2つ目の○です。全国の薬局・店舗 等が自ら陳列または購入者の希望・注文に応じて取り寄せる方法により、購入が困難な 状態が解消されると考えてよいかという点です。そのほかにも購入が困難な場合に関す る議論すべき点がある場合には、その都度ご意見として追加等をいただければと思いま す。  3頁目は2つ目の議題に関してです。(1)としてインターネット販売等における責任の 所在です。業務手順を定め公開するとともに、販売概況を公開することにより、不測の 事態が生じた際にも、その責任の所在や過失の有無の検証が可能になるとしているがど うかということです。これは前回までに提出していただいた資料の中に、このように書 かれているものを引用した形でご紹介しております。それから、インターネット販売等 において、場を提供している者にはどのような責務があると考えるかという点です。  (2)が個人認証です。インターネット販売等における個人認証についてどのように考え るか、現状インターネット販売等においてどのような認証が行われているのか、という 2つの論点です。  (3)は情報提供・相談対応です。現在行われているインターネット販売等において、ど のような履歴を取っているのか。インターネット等において、購入業者側と販売業者側 との間で双方向のコミュニケーションは可能なのか。特に販売者側が行う情報提供の内 容を購入者側がどの程度理解しているかを確認するためには、具体的にどのような方法、 あるいはその情報の内容も含めて考えられるかという点です。  4頁目は、インターネット等によって医薬品を販売する場合、購入した医薬品に関す るその後の相談対応はどのように行われるのか。購入者からの副作用に関する報告はど のように受けるのか。また報告を受けた場合どのように対処するのか。専門家が情報提 供等を行っていることを購入者はどのように確認できるのか。  (4)は、年齢とか使用対象者などが限定されている場合のケースです。使用年齢が限定 されている医薬品をインターネット等により販売する場合、どのような方法が考えられ るか。妊婦への使用を避けるべきなど、使用対象者が限定されている医薬品をインター ネット等により販売する場合、どのような方法が考えられるか。インターネット販売等 は安易な購入や不適正な使用につながり、また悪用されやすいとの指摘があるがどうか。 インターネット販売等による過剰購入、大量購入をどのように抑止していくのかといっ た点です。  繰り返しになりますが、ほかにも論点とすべきことがある場合には、その都度ご意見 としてご追加いただくということも含め、本日ご提出していただいた資料などを基にし まして、これらの点について議論をしていただければというふうに考えた次第です。以 上です。 ○井村座長 どうもありがとうございました。前回までの議論をまとめて整理をしてい ただいたのですが、これ以外にも当然、委員の皆様方からいろいろお考えがあると思い ますが、それはディスカッションの中で出していただければよろしいかと思います。  それでは先ほどもご紹介がありましたが、委員の皆様方から6つの資料が出ておりま して、お手元にあるその順番でご説明を5分間でお願いしたいと思います。資料の厚さ から見て5分ではとても無理かと思うものもありますが、そこは要領よく5分におまと めいただき、よろしくお願いいたします。まずは、三木谷委員どうぞ。 ○三木谷委員 お手元の資料、「医薬品の通信販売規制の問題」ということで、まず21 頁です。今回こちらのほうに少しお持ちしておりますが、ネットそれからオフラインで 実の署名を集めまして、既に107万件の署名が集まりました。その方々が本当に困ると いうことでいただいております。その中のいろいろなコメントをいただきました。改め て既に850万人の方が薬を非対面で買っているということもあり、こんなことはどうす るのだろうかと、簡単にご紹介したいと思っております。  この方は北海道の離島に住んでいらっしゃるということで、薬局が2軒ありますが、 ドラックストアのように種類は決して多くありませんということです。特に、町の人が ほとんど知合いで、妊娠検査薬等を買うときは「できたのか」と言って聞かれてしまう ということです。女性では特に痔や妊娠というふうな匿名性の高いものについては、非 常に恥ずかしいということです。それから島から出れば、あるけれども、1泊2日かか ってしまいますということであったり、家庭用常備薬といっても限りがありますという ことです。こういうのをずっと読んでもいいのですが、時間がありませんので、最後の 頁の23頁です。たしかに説明を受けても守らない人がいるというのは残念ですが、その ような一部の例で大多数の不便を感じる人の意見を蔑ろにするのは大変問題である、と いうふうにおっしゃっていらっしゃいます。  続きまして、資料の1頁のほうから我々の論点を説明いたします。今回の件は本当に 消費者側の問題であると考えております。その中において代替案ということが出てきて いますが、我々もいろいろと勉強する中で、やはり薬というのは非常に種類が多いとい うことで、配置販売だけで対応するのは極めてエンドユーザーからすると難しいであろ うと考えております。現実的なソリューションではないと考えております。30頁に、い ろいろな業者さんがあり、我々が調べた限りですが、ネット販売をしているところの医 薬品の全体、通信販売会社A社ですが、約4,000件の種類。それから別の会社では約1,400 の商品を取り扱っていらっしゃいます。配置業者のC社さんは52種類であり、とても多 様なニーズに応えることは難しいのではないかと思っております。  2番目が、購入代行をすればいいのではないかという意見もありますが、それでは対 面の原則はどこにいくのでしょうかと思っております。  3番目は、介護事業者等の付き添い対応をすればいいのではないかということですが、 本当にコストが高すぎて、いくらの話になるのでしょうかということだと思います。そ れと取寄対応ということですが、現状は本当にロウコストでこれを取り寄せて対応でき るのかということと、近くに薬局がないという問題は引き続きあるということだと思い ます。  5番目は論点整理の中に入れておいていただきたいのですが、やはり対面購入が難し いという方の問題です。資料につけた手紙の中身も是非読んでいただきたいと思います けれども、視覚障害者の方、聴覚障害者の方というような方がたくさんいらっしゃいま す。そういう方に対して、6月1日からどうするのかという問題に、十分に対応してい かなくてはいけないと思っております。  次に配置薬は非常に伝統的なご商売であり、しかしながら我々がいま提供しておりま す広範な選択肢を遠隔地の方々に提供するということに関しては、極めて困難であると 考えております。そして今後ますますUターン現象ということで地域の活性化が叫ばれ る中、コストも抑えながら、セルフメディケーションという中でどうやって安全に薬を 届けるのかということを、真剣に考えていかなくてはいけないのではないかと考えてい る次第でございます。  4頁以降、こちらのほうでまたいろいろなコメントを書かせていただいております。 私の切なるお願いとしては、是非、消費者の問題がいちばんだと思いますので、エンド ユーザーを、今回も厚生労働省の皆さんにお願いしたのですが、この場に呼んで意見を 聞いていただきたいと思っております。  例えば7頁になりますが、現実的に無理の方もいらっしゃるわけです。この東京都の 御蔵島という所にいらっしゃる男性ですが、東京から7時間30分です。薬局・薬店は一 軒もありません。重篤な病気になった場合は緊急ヘリが飛ぶような場所であります。村 の診療所は1軒ありますが、普段使いの薬を買うことはできません。自分は薬疹があり 決まった薬しか飲めないとあります。このような方が何万人、何十万人と、正確に数え ているわけではありませんが、たくさんいらっしゃいます。ですから6月1日というこ とで、非常に足下が本当に困ってしまう人がたくさんいるということ。それから経済合 理性のある形でセルフメディケーション、それからしっかりと説明をした上で、こうい う方に応えていく必要があると思っております。  最後にこの論点整理の中に是非加えていただきたいのが、パブリックコメントが 2,000件以上あります。それとネットの署名も107万件集まりました。多分200万件ぐ らい集まるのではないかなと思っております。そういう方々の意見もしっかりと検討す るということを入れていただきたいと思います。以上です。 ○井村座長 はい、どうもありがとうございました。質疑応答はいちばん最後に意見の 交換をさせていただきますので、そのときまでお待ちいただきたいと思います。次は後 藤委員、資料の説明をお願いいたします。 ○後藤委員 ちょっと資料が分厚いのですが、できるだけ5分以内でやりたいと思いま す。まず私のお配りしました資料1「『医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会』に おける論点整理および検討順序について」というものです。今回の論点整理は、いまま での検討会で出てきた論点をある程度網羅しているとは思いますが、論じる順序におい て最も重要な点を見落としています。それは6月1日以降、インターネット販売を含む 通信販売が3類以外の医薬品に対して禁止されるということは、生活者の権利を大幅に 制約するし、多くの事業者を廃業の危機に追いやる。そして、そもそもこの禁止する省 令自体が違法であり、憲法違反であるということです。  したがって、まず今回の省令で医薬品の購入が困難になる方々にヒアリングするのは もちろん必要ですが、続いてインターネット販売、伝統薬を含む通信販売の安全策をし っかり議論し、検証しなければなりません。そして通信販売の安全性をしっかりと確保 した上で、安全な通信販売が6月1日以降も継続できるように省令を改定しなければな りません。  次に資料2「パブリックコメントに寄せられた生活者の声の分析結果概要(速報)」で す。今回の省令案に対するパブリックコメントのうち、通信販売の規制に反対するパブ リックコメントは2,303件。そのうち自分自身の状況に関する具体的な記載がある329 件を対象に調査したものです。その結果、329名の中で外出や対面が困難・苦痛な方が 76名、生活圏内に薬局・店舗がほとんどない方が58名、時間的制約が強く生活上の支 障が増す方が95名、近隣店舗に対する不審・不安感を持たれる方が247名、自らが信頼 する店舗から購入したい方が171名と、複合的な要因が浮き彫りになりました。これら は近隣店への取寄せや、配置等の単純な代案では解決できないものです。  また患者様の意向としても「納得できる薬局・店舗を自ら選択し、そこから希望する 薬を購入したい」が300名、「日常生活上の支障はあるものの、できる限り自立の努力を したい」が85名と、今回の改正薬事法のねらいでもあるセルフメディケーションに自ら 取り組もうとしていることが伺えます。  これらを踏まえると、当該省令のままでは時間距離的な理由により、利用できる薬局・ 店舗が事実上大幅に制限されてしまうため、生活上の支障が増す。近隣の店舗には不審・ 不安がある。今回の省令はセルフメディケーションの妨げとなる。そもそも今回の省令 は違法・違憲の可能性が高い。このような理由により、生活者サイドから見ても安全を 担保した通信販売を実現するためのルール構築を急ぐべきとの結論になります。一方で 事業者サイドから見ても、今回の省令の再改正は非常に急を要しています。  次に資料3です。日本オンラインドラッグ協会が、通信販売も含む薬局25軒に対して 行ったアンケート調査結果です。山形県の薬局Iの場合、医薬品を年間7千万円ほど売 上げていますが、省令が施行されると売上げが70%、粗利益が50%減少します。宮城県 の薬局Cの場合、医薬品を年間1億円ほど売上げていますが、省令が施行されると売上 げが70%、粗利益が60%減少します。広島県のK薬局の場合、医薬品を年間5千万円程 度売上げていますが、省令施行により、売上げ、粗利益ともに6割が減少します。8頁 にありますとおり、これらの通信販売を営む薬局は、その4分の3以上が年商1億円未 満の零細な事業者で、9頁のように、その過半数以上の店舗において売上げが半減以下 になります。これは廃業の危機であり、官製不況というよりも、まさしく厚生労働省に よる薬局の大虐殺ともいえる事態です。  前回の検討会でも申し上げましたが、行政法学者である阿部泰隆神戸大学名誉教授の 意見書によれば、一般用医薬品のインターネット販売そのものを禁止するような規制、 しかも省令による規制は法律的な見地から見ても行き過ぎた過度の規制であって、憲法 に違反するものです。憲法に違反した状態を解消するためには、販売そのものの禁止で はなく、インターネットで安全に販売するためになすべきことと、それを守らせるため の規制を定めなければなりません。これらを定めることなしに6月を迎えるということ になれば、厚生労働省およびこの検討会は生活者の利益、権利が大幅に制限されること、 事業者が廃業に追い込まれることを知りながらそうなってもかまわないということで、 敢えてそれを見過ごしたことになります。  今回の改正薬事法では従来の薬事法に比べ、店舗販売・配置薬販売の安全性はある程 度向上しました。一方で今回の省令により、権利を大幅に制限される生活者、廃業の危 機にさらされる多数の事業者が存在することを改めて認識し、適切な論点整理に則って 今後の議論を進めていかなければなりません。すべての国民が安全に、平等に医薬品を 入手できる環境づくりを行うためにまず何を話し合うべきか、何をなすべきか、限られ た時間の中で最大限知恵をしぼっていきましょう。以上です。 ○井村座長 ありがとうございました。引き続いて、綾部委員お願いします。 ○綾部委員 全国伝統薬連絡協議会からの資料は3枚になります。大きく資料は(1)(2)(3) となっておりまして、資料(1)では、今回第3回への当協議会のお願いと宣言というのを 載せております。「伝統薬の電話等販売の継続について」という表題です。資料(2)は、先 日から第2回まで、どういった方が利用者として困るのかという話がありましたので、 伝統薬を購入する方の特徴的な困る事例というのを「お声」のほうでご提出させていた だいております。資料(3)は、先ほどから論点整理でも出ておりますが、「薬局・薬店およ び配置販売での『伝統薬』受け渡しについて」ということで、当協議会の意見を整理さ せていただいております。  まず、資料(1)のほうをお話させていただきます。資料(1)で下線を引いた5行は、最初 冒頭に読ませていただきます。「当検討会に於いては、下記の理由により、伝統薬は従来 と同様の事業継続が可能になるよう特段のご配慮をお願い致します。当協議会では、今 回の薬事法改正に伴う規制強化の趣旨に則って、伝統薬業界における薬剤師および登録 販売者の資質向上や自主規制のルール化により、一層の安全性確保のための対策を実施 致します」。ここは下記の理由でのお願いと、我々としての宣言になりますが、そこで下 記の理由をご説明させていただきます。  大きく1、2、3と理由を述べております。1つ目は、後ほどの添付資料にも載ってい ます伝統薬の利用者の「お声」ということで、どういった困難な方が生じるかといった ことを、具体的な理由として出させていただいております。2番目は、これまでもお話 してきましたが、伝統薬販売の実績と実態、どういった販売方法をしているかというこ とについて、理由として述べさせていただいております。3番目の理由は、伝統薬が存 続していく意義というものを示させていただいております。  この場では5分ということですので、理由1については、これまであまり具体的に説 明しておりませんでしたので、理由1を中心に説明させていただきます。理由1の実際 の具体的なお客様を大きく分析して見たところ、この●に示す3つに分けられます。ど んな方かと言いますと、伝統薬利用者で1つ特徴的なのは、ほかに代替する薬や治療が なくて、伝統薬に救われているという方が多く存在します。病院や市販薬などをいろい ろ試したのですが、なかなか症状が改善されずに、ここで出会った伝統薬によって和ら いで、その伝統薬がなくなってしまうと、非常にいままでの健康維持の治療ができない。 なくてはならない、この薬しかないと言われる方が数多く存在する。それらの声のいく つか事例を、後ろのほうに抜粋しています。  2つ目は、伝統薬特有の利用者の都合による通信販売が必要な方のお声を聞き取りま した。どういったことかというと、伝統薬の利用者は、例えば痛みや神経痛など慢性疾 患の方が多くいらっしゃいます。そういう痛みや神経痛などで薬局等に行くことが困難 な方が、電話等による購入ができなくなる事態に不安の声を多く寄せられている。  3つ目の利用者の特徴としては、製造販売者との直接のやり取りに安心を感じている 方の声ということで、情報提供やアドバイスなど、対面同等の親身な対応に生きる希望 を見出している利用者の方や、伝統薬メーカーの電話等の直接な販売だからこそ安心と 安全が得られている利用者の声というのも、多く我々としてはいただいておりまして、 その事例について提出させていただいております。具体的なお声は後ろに載っています が、これを一つひとつ説明すると時間がかかりますので、これは後ほど見ていただきた いのです。  特に3つ目の電話等の販売、お声の13、14になりますが、例えばお声の13を見てい ただきますと、下線を引いていますが、ほかに飲んでいる薬との飲合せにも丁寧に対応 していただき、細かい相談にもきちんと対応をいただいております。お声14、毎月の電 話でのアドバイス等、非常に助けられ、励まされました。服用者の身になって相談して いただき本当にありがたかったですということで、専門家が直接対応することでこのよ うな安心・安全を届けているという事例をいくつか載せさせていただいています。  そういった事例を基に※を理由1に載せているのですが、薬局・薬店、配置販売業に よって購入の困難がカバーできる旨の意見に対しては、物理的にも機能的にも代替対応 が不可能であるというのが我々の主張です。ここがちょっと説明不足ですので、資料(3) という形で説明させていただいています。  資料(3)の薬局・薬店、配置というところで、代替策がこれまで提案されてきましたが、 大きく1と2という理由から、我々は見解を出しております。1に何を載せているかと いうと、「物理的な可能性と、コンセンサスの困難性について」ということで、(1)(2)(3)(4) と挙げています。  (1)は、伝統薬の年間注文件数は約300〜500万件です。この300〜500万件が、物理的 に対応をいただくことで可能かどうかというのが1つ目の不安です。(2)は、流通や料金 回収方法というのが薬局・薬店、配置それぞれ複雑にあると思います。例えば卸を通じ て入れているところもあれば、直販で入れていたり、配置のほうの流通等もそれぞれの 企業でいろいろな流通をとられている。料金回収方法も同じで、業態によって料金回収 方法も違う中で、いま伝統薬のメーカーそれぞれがこういったことを具体的に、各薬局・ 薬店でいくと5万1,000店舗ほどあると認識しておりますが、そういった日本各地の店 舗と、もしくは配置薬の業者様方とスムーズにコンセンサスを得て進められるかという ことの実現性に、疑問を持っております。  (3)は、伝統薬メーカーと利用者が、電話注文で情報をやり取りする。また店舗のほう でも情報をやり取りする。その情報の共有というものをどういった連携でやっていける かというところも、利用者のためには考えていかなければいけないと思っていまして、 そこでの課題にもまだ現時点では疑問を感じております。(4)は、伝統薬メーカーが対応 可能なマージンで、このスキームが成り立つかというところに疑問を感じる。これが物 理的な我々の感じている課題です。  利用者や一般生活者からの視点で言うと、まず(1)の利用者の指定する店舗や最寄りの 店舗もしくは配置販売業というものを、利用者との意思疎通がスムーズにできるだろう かというところに疑問を持ちます。先ほど申し上げましたように5万1,000店舗ほどあ る店舗などで、どの店舗のことをお客様が言っているのかということを、ちゃんと把握 する仕組みなどを作っていかないと、やり取りすることの中でスムーズな意思疎通がで きないのではないか。(2)に挙げているのが、仮に受渡し方法が確立したとしても、それ は利用者としては手間としか捉えられないものになって、購入意思への障害となるので はないかというのが2つ目。  (3)は、これは先般三村委員のほうからもお話がありましたが、これまで製造から販売 まで一貫でやっていたものが、間にどこか商品を置いてもらったりするような流通リス ク等も発生する、というところも危惧しています。(4)に、先ほど申し上げました伝統薬 の利用者というのは神経痛、リウマチや慢性疾患が多い中で、結果家族が代理で取りに いくということになると、対面性という実質的な対面の目的が果たせないのではないか と、そういったところに疑問を感じております。  以上の観点から伝統薬業界としては、現時点では実現性が低く、仮に実現しても利用 者からの信頼を損ないかねない、実用性に欠けるものと感じておりまして、購入が困難 な状態が解消される対策案としてはなり得ないというのが、当協議会からの結論です。 以上の理由で、今回お願いと、その代わり我々としても安全確保のための対策案、自主 規制をとっていきたいと思っていますので、どうぞご理解のほどをお願いしたいという のが、今回の資料になります。よろしくお願いします。 ○井村座長 ありがとうございました。それでは児玉委員、資料のご説明をお願いしま す。 ○児玉委員 私のほうからは前回、前々回を通じて、今日の論点にもありますように、 今回の薬事法施行で困る方があってはいけないと、これが大きな論点です。その中で特 に地域的な、つまり山間へき地、離島について、そういった方があれば大変問題であろ うということで、1回目、2回目の資料を出しておりました。今回はより具体的に、では、 どういった所がというところで、さらに細かく資料を出させていただきました。  非常に見にくいのですが、北海道から沖縄まで、前回申し上げた薬局もなく、一般販 売業薬店もなく、薬種商もないと、いわゆる店舗のない所が95カ所と申し上げたわけで すが、その95カ所が北海道から沖縄まで、いちばん右側にすべて記載してあります。こ れをさらにわかりやすく、2枚目の裏側になりますが、それを色付けをさせていただき ました。お手元にありますようにほとんど白ですが、これが薬局・薬店等がある所です。 青い所は薬局はないですが、一般販売業薬店・薬種商があるという所です。ピンクの所 は先ほど少し出ておりましたが、薬局・薬店、薬種商もない所、つまり供給する場所が ない所になります。  したがいまして、先ほどもそのような声がありましたが、私どもは全体のほとんどの 所は供給が可能である。しかしながら約10%の市町村にご迷惑をおかけすることは困る と。そういった意味で、こういう所については、まさに当該地域と接している薬局・薬 店が対応する、あるいは配置さんが担当するというところで、いま申し上げた地域的な 困難性はカバーできるのではないかと思うわけです。  ただ先ほど少し声として出ていましたように、そうはいってもいろいろな声があるの は承知しておりますので、これから施行に向けて、少なくとも地域性の不利があっては いけないということで、今後も準備をしていきたいと思っています。以上です。 ○井村座長 ありがとうございました。引き続いて小田委員、お願いします。 ○小田委員 それでは、お手元の私どもが提出させていただいた資料に基づいて説明し ます。先ほども後藤委員から話がありました違憲のことです。先達てからも話がありま したので、このことに対しての私どもの意見です。「改正薬事法が憲法22条に違反し『違 憲』とするご意見に関する意見書」。平成18年6月14日に公布された改正薬事法に伴う 厚生労働省の検討会は、改正薬事法36条の5の「一般用医薬品の販売に従事する者」同 法36条6の「情報提供の方法」について、それぞれの法文中にある「厚生労働省令で定 めるところにより」の委任を受けて、その運用内容を検討してきたものです。  この法律は、国の最高議決機関である衆参両院での議論を経て決議され、その実施内 容に関する省令についても生活者、有識者、業界代表の方々が検討し、それらの理解を 得て、国民・医薬品利用者の「安心・安全」を担保するための議論を経てまとめられま した。したがって、不当な競争を避け、一部の事業者の利益を守るために設けられた、 いわゆる「薬局の距離制限」の判例は昭和50年4月30日ですが、これには当たらない と考えます。  このときの違憲の根拠となったのが3番目に書かれていることです。憲法22条におけ る「職業選択の自由」は、「公共の福祉に反しない限り」により「営業の自由」を認めて いるということです。しかしながら周知のとおり、昨今のインターネットによる事故、 犯罪、瑕疵の状況および責任所在の不明確さが大きな社会問題となっており、現状のま まで「公共の福祉に反しない」と断言できる根拠は見当たりません。インターネットに よる便利さが「人の安全性に関する問題」を超えるものであるとは到底思えません。  国会で成立した改正薬事法は、販売業形態を「店舗販売業」と「配置販売業」として おり、そのうち「店舗販売業」が第3類医薬品を郵便等で販売可能としている。店舗販 売を行う場合は、その形態や実態からして、この範囲は法的、論理的な整合性があるも のと考えられます。  「医薬品を買えない人がいる」という理由で発足したこの検討会であるが、前回、基 本的には、この前にも説明がありましたが、現医薬品販売業者で医薬品の供給は可能で ある旨が確認されました。私どものほうでは、前回配置の方が北海道を例にして行いま したが、北海道の今回児玉委員が話された14カ所のお店がない所にも、配置の方が行っ ておられることを説明させていただきました。次に指摘があった法律の違憲性を問う発 言については、我々の検討会を超えた問題提起であると思います。  したがって、改正薬事法を「違憲」とするなら法廷の場で明らかにすべきであり、イ ンターネットを新しい販売業としてルールの整備を行うべきと主張するのであれば、審 議を国会の場に移すべきであると思います。これらのいずれかの場合、この検討会の議 論は意味がなく、即刻中止もしくは廃止すべきであると。これは先ほど後藤委員もネッ トについての議論の場が必要であるということをおっしゃっておられましたが、全くそ のとおりで、この場ではなくきちっとした場を設けて議論をして、三木谷委員も言って おられた方々に対することを、根底から考えていく必要があるのではないかと思ってい ます。以上です。 ○井村座長 最後に足高委員、ご説明をお願いします。 ○足高委員 重複するところはありますが、まずご提案したいのが、この検討会の課題 が、当初舛添厚生労働大臣の会頭のお言葉、「安全確保が第一である。すべての国民に安 全に、医薬品が供給できるか」という問題で提議が成り立った以上、前回の児玉委員を はじめ各委員のご発言で、供給体制については確保されていることが確認されたと思い ます。  同時にE-Cについて、その安全性について議論が分かれている状況です。よってE-C の推進論の先生方が安全性を担保する論拠を、それ以外の我々委員に納得せしめるか、 あるいは児玉委員をはじめとする「国民に医薬品を供給する体制はできている」という 意見を覆すような具体的な論拠を示されない限り、この検討会はもはや意義は終わって いるものと感じております。検討会の閉会を提起するぐらいの気持です。  その根拠として、第2回提出意見書でも述べましたが、困っている人々という具体的 な姿が見えてこないと。困っている、困っているという意見はあっても、特にE-Cの場 合はトレーサビリティーが優れていると強調されている以上、年商800億円以上に上る 消費者からの購入実績もあるとおっしゃっている以上、どこのどのような、例えば、ど こからのご注文がいちばん多いのか、どういう方からのご注文がいちばん多いのか。や はりそこのところをデータで開示して、困っている人々がいるというような状況をご説 明いただかないと、あくまでも抽象論に堕していると判断しております。  またE-Cを、前回も申し上げましたが否定するものでもありませんし、その可能性、 利便性、将来性については、高く評価しているつもりです。しかし生活者の安全性を確 保することが第一とする我々の立場、およびこの改正薬事法の見地から見ると、現在医 薬品を扱っておられるE-C業界のあり方、いろいろな方々がおられるからということも ありますが、容認しづらい。医薬品の場合は命に直結する存在であって、お菓子やチョ コレートといったものとは違うわけです。たとえ前回後藤委員が述べられたように「5% の悪い業者がいるからといって、全体を判断するな」と。それはそれでよくわかるご意 見ではありますが、やはり容認できない。仮に1%の悪い業者がいても、それで薬害事 象が発生した場合には、その被害者の方にとっては100%大変な問題になるわけです。 なるべくその可能性を除去していくことが、我々の責務だと思っています。  申し訳ないのですが、後藤委員のご発言には、独善と決めつけが多すぎると思ってい ます。先ほども出ていますが、まず例えば1回目、私がインターネット上で発表したコ メントをずっと読み上げられました。私は、ネットにものを書き込んだ覚えは1度もな いです。どこからそれを引っ張ってこられたのか。たぶん新聞か雑誌から引っ張ってこ られたと思うのですが、2次、3次ソースからでしょう。そういった形でインターネット に載ったものを無批判に採用される、そういったところの意識に疑問を感じております。 前回も私の発言を名指しでミスリーディングするものとおっしゃったが、一体どういう ものか、ミスリーディングとは何を指すのか、その辺りはやはり私は疑問を感じていま す。  先ほど小田委員からもありましたが、1人の行政法学者、それがどのような権威の方 かは知りませんが、それだけを基にして前回ここにいる委員全員を、「憲法に違反してい る省令の施行に加担している」と決めつけられましたが、そこまで言われると、名誉毀 損からいろいろなことにまで発生するような言い方ではないですか。それならば本当に 違憲だと思われるのならば、そのまま裁判所に違憲裁判で持っていかれたらどうですか。  もう1つポイントとしては、やはり疑問に思うのは、平成18年の6月に、改正薬事法 を成立してから3年間経っています。日本オンラインドラッグ協会で、改正薬事法の趣 旨の「生活者にいかにより安全に医薬品を供給するか」という問題、目的に即して、ど ういった業界で自浄努力を行ってこられたのか。具体的な行動と具体的にこういう結果 を出したということを、やはり明示してほしい。言葉というのは言うのは易しいですが、 行うのは難しい。それは業界の中で先ほどおっしゃいましたように、いろいろな弱小、 零細業者もおられたら、やはりそこのところの経営問題もいろいろあるでしょうから、 いかにルールを作ってやっていくかというのは難しいことはわかります。ただそれを行 っていただいてはじめて、コンプライアンスでもデューデリジェンスでも、CSRでも何 でも結構ですが、社会的責任を果たしているのではないですか。  前回と同様に「第3類医薬品の販売が今後も許されていることから見ても、E-Cは合 法的な問題でしょう」という見解が述べられているのですが、同じポイントで私も思っ ています。やはり第3類も医薬品とおっしゃっている以上、去年後藤さんがヒアリング で出てこられた検討会で私も発言しましたが、そのときに、やはり第3類も医薬品であ る以上、法の整合性から考えて第3類を医薬品から外すのか、全面禁止は禁止にきちん とするのか、そういった整合性がとれた判断をしていただいたほうがいいのではないか と思っています。こういったようなことを考えています。  先ほどから医薬品の供給に関して「ライフライン」という言葉が出ています。ライフ ラインというのは生命線という言葉です。いまライフラインの例示で出てくるのが、選 択肢が狭められるという例示が多いです。確かに選択肢は狭まりますが、非常に多い選 択肢を自由に取れる所は、東京の真ん中ぐらいしかないのではないですか。それをここ の場での話になると医療格差の問題とか、そういった厚み、薄みがいっぱいあります。 それは行政のほうで今後も対処を考えられていくと思います。  私どもの配置としては、本当に雪が降って道路が止まって、自衛隊が出ていかなけれ ばならなくなった状況とか、そういった所で、避難村のお客さんにライフラインとして の配置箱を使っていただいたと。あるいは山越村の地震があって車も入っていかれない ときに、本当の意味でのライフライン、生命線として医薬品を使っていただいた。そう いうことに自負を持っております。だからライフラインという言葉をお使いになるなら、 もうちょっとその辺のところを、選択肢の問題と有る無しの問題は大きく違うと思いま すので、そういったことを申し上げたい。  提言としては、もう6月の法施行も迫っているので、この検討会も今回当たりで終了 にしていただいてはいかがかと思っております。以上です。 ○井村座長 どうもありがとうございました。6人の方から提出資料のご説明をいただ きましたので、ここで意見交換を開始したいと思います。順序としては、やはり2つの 議題を出しております。先ほど後藤委員から順序がおかしいのではないかというご提案 がありました。そこにあります2つ目に「インターネット等を通じた医薬品販売の在り 方」と書いてありますが、これは医薬品の購入が困難な場合の対応方策としてのインタ ーネットのあり方、というように捉えていただければよろしいのではないかと考えてい ます。それも含めまして、皆様のご議論をお願いしたいと思います。どうぞご自由にご 発言ください。 ○三木谷委員 私は消費者のことを、ちゃんと考えてあげるべきだなと思うのです。お っしゃるとおり、とりあえず薬へのアクセサビリティがあるという問題と選択肢が多い という問題とをどのように考えるのですかという話と、我々はインターネットショッピ ングのビジネスをずっとやってきていますので、ロジスティックスを日本全国に完璧に やることがどれくらい難しいことかということについては、やはりいちばんわかってい ると思うのです。  例えばコンビニで商品の取継ぎをしようと言っても、コンビニの人にはなかなかちゃ んとできないという問題であったり、では、田舎の人は100個の薬があればいいだろう ということで、本当にいいのかという議論だと思うのです。ですから、小田先生が、と りあえず可能である旨が確認されたとおっしゃっているのですが、私はここについては、 現代ですからいろいろなニーズがあるのだと思うのです。妊娠検査薬も欲しければ、ち ょっと人に言いたくないような薬というのもあるわけではないですか。だからそういう ものを田舎の人はなくていいのだと、あるいは何カ月かに1回届けてくれればいいのだ というのは、それはちょっとかわいそうなのではないですかと思うのです。  いまやっている人たちというのは、基本的に薬局等の人がちゃんと相談に乗りながら 売るというのが原則ですから、いまのネットであれ、電話による漢方薬の受注であれ、 伝統薬であれ、基本的にはしっかりと相談に乗った上で、そして説明をしましょうとい うことです。ただ、ネットのほうももっとちゃんと説明しろという議論もあるのだろう なと思うのです。正直言って。もうこんなにリスクはあるのですよと、妊婦の人は絶対 飲んではいけませんよとか、そういう説明を徹底的にしろということがあると思います。 それは我々としても、正直言ってやるべきだと思います。  それはそうなのですが、ただ足下のところで言うと、6月1日からはもう一切いまの ような人たちは、もしかしたら何万人かもしれないですが、買えなくなってしまうとい うのは、それはお前らは田舎だから100種類で我慢しろというのは、ちょっとやはり議 論に無理があるのではないかと思います。 ○井村座長 ありがとうございました。ほかにご意見は。 ○高柳委員 先ほどから配置のお話が出ているようなのですが、私はいまの議論で疑問 を覚えるところがあるのです。配置販売については使うか使わないかわからないが置い ておいて、すぐに使えるというところの利便性を強調している商売でありますので、通 販がすべて配置で代替できる、そういうサービスが行えるというような品目を単に比べ られるというのは、ちょっと比較にならないのではないのかなと思っております。通販 のほうは注文をしてから送られるわけですから、どうしてもすぐには使えないというデ メリットがある中で、でもたくさんのものが選べるというのが通販のメリットであると 思いますし、配置販売はすぐに使えるというのが配置販売のメリットであるので、そこ で品目を比べて多い、少ないという議論は、なかなか成り立ちにくいのではないかなと 思っています。  もう1つ、ちょっとこれは確認です。先ほど三木谷委員が示された資料の中に、通販 会社A、B、配置Cというのがあるのですが、この中に風邪薬が入っているのです。私の 認識の中では、通販で風邪薬は扱っていいのかどうかというところで、扱ってはいけな い品目になっているのではないのかなという理解をしているのですが、ここら辺は事務 局のほうでもどのようにお考えなのか、ちょっとお聞かせいただければ大変ありがたい かなと思います。 ○井村座長 わかりますか。 ○薬事企画官 1回目の資料でお配りしてある、インターネットに関する通知がござい ます。その中で一通り薬効群として、とりあえず現行の薬事法の下において、カタログ を含めたいわゆる通信販売というものに対する対象となる製品群を掲げております。そ の中には、一応解熱鎮痛薬をはじめとして、総合感冒薬といった、いわゆる風邪薬は含 まれておりません。 ○井村座長 ということです。 ○三木谷委員 ただ私は、どうしても本当に現実的に、100種類の薬でいいのかという ことです。やはり現代ですから、それは本当にいろいろな症状があります。いつも言っ ていますが、例えば、手に入りにくい水虫の薬については田舎の人は何日以内で、いく らのコストで薬局を通じて届けることができるのですか。本当にそれは断らないのです か。いくらのコストで何日以内でできるのだということまでお示ししていただいて、そ このロジスティックスの完璧な、こういう形であればできるのだということを示してい ただきたい。  それはEverything is possibleですから、可能性はあると思います。しかし実行的に は極めて私は難しいと、ロジスティックスに半分かかわっている者としては思います。 ○阿南委員 先ほど、三木谷さんが消費者のニーズに応えていく体制をとるべきだとお っしゃっていましたけれども、私は、消費者が安全であるということを最優先に考える べきだと思っています。だからこそ、消費者が薬を使用する際の安全性を確保するため に、今回の薬事法の改正がなされたのだと、販売制度もこのように決まったのだという ことだと捉えています。ですから、そういう観点で言っていかないといけないと思うの です。  もう時間がなくて、6月になったらすぐにとおっしゃいましたけれども、私はこの検 討会の議論をできるだけ早く終えて、本当に薬事法の改正がどのような趣旨で、販売制 度がどのように作られようとしているのかを一刻も早く国民に説明する、準備を整える ということのほうが何よりも重要だと思うのです。それは、インターネットの皆さんた ちの責任でもあると思うのです。制度はこうなりますと、まずはそこからやるべきだと 思います。  1点質問いたします。楽天さんの資料の8頁に「署名を求めるページについて」と書 かれています。「意図せず署名した場合は、取消しができるような仕組みが提供されてい る」としてありますが、これは最初に署名を開始したときからこうでしたか。明示して いたでしょうか、そうではなかったように思います。それと署名を取る際に、改正薬事 法の趣旨ですとか、これが消費者を守るためにこうなのだというふうなことが、十分に 説明されないまま署名が取られているような気がするのですけれども、その辺はいかが でしょうか。 ○三木谷委員 最初の20万人ぐらいに達するまでは、署名後はここで取り消せますとい うことは書いていませんでした。その後はページ上にもはっきり書いてあります。 ○阿南委員 20万人ですか。 ○三木谷委員 20万人か30万人か後で正確にお答えします。残りの方々についてはそ のようにやっています。それから、署名された後にもメールを送っていて、これについ てもしいやな方がいればキャンセルは対応しますということで、1日大体15人か20人 ぐらいの方は、やはりやめますという方がいます。ですので全く問題はありません。  我々のほうは、我々の主張をしっかりと書いて、ネットで買えなくなるということに 関しては、例えばいままで飲んでいた薬が飲めなくなってしまって、病状が悪化すると か、水虫が悪くなるとか、そのような方はいっぱいいると思うのです。買っていた方々 で深刻になってしまうような方々がいると考えます。そういう人に対してはどのように するのだという議論もする必要があると思うのです。皆さんは安全性と利便性をすり違 えるなと言っているのですけれども、この安全性と利便性ということを言うと、少なく とも販売されている薬に関しては、厚生労働省が一般的に販売をしていいということで、 しっかりと審査をしてやっているものです。いまは説明が、ネットでコンセンサスをと った上で売ることでいけるのではないかという議論をやるべきではないかと思います。 ○小田委員 私は前回のときに、先ほど出てきた孤島であるとか、いろいろなお店に来 られない方々の問題に関して、行政が対応するテーマではないかと申し上げたことに関 して、いま議論されていたこととプラスして述べてみたいと思います。まず認識してい ただきたいのは、薬局・薬店の数というのは、全国の小学校の数よりも多くあるという こと、これは1つの比較ですけれどもご認識いただきたいと思います。逆に小学校のほ うが少ないということです。  薬局・薬店、一方でいま社会問題となっております病院や診療所はもっと少なくて、 もっと大変な事態になっています。そういう面でもこれは行政としてどう考えていくか というのは今後の問題だと思うのです。確かに三木谷委員がおっしゃっていたような、 妊娠診断薬を買いづらいであるとか、東京の離島の方々のことというのは、私もなるほ どと思わせるものがあります。こうしたものに関しては、我々業者としてもそうですし、 行政としても、これからの問題として考えていくべきですので、テーブルを変えて、き ちんと論理していくべきだと思います。  いま妊娠診断薬と水虫の話が出てきたので、そのことに関して私は薬剤師ですのでコ メントしておきます。薬局・薬店では妊娠診断薬は簡単に手に入ります。ところが、も し子宮外妊娠等の場合は非常に判定が難しいです。パッケージにも書いてあるとおり、 これはあくまでも目安であって、きちんとしたことに関しては、産婦人科の専門家の判 断を仰いでほしいということがコメントされているはずです。もし子宮外妊娠等で、そ の辺の動きが遅れますと母体も危なくなることは事実です。仮にそういう不便な所でそ ういう事態になった場合に、それはどうなってしまうのかという問題があります。  それから水虫の問題ですけれども、水虫は皮膚科医でもなかなか判定が難しいときが あります。そういうときに湿疹であるとか、いちばん間違いやすいのは掌蹠膿疱症とい う、これはあまり痒くはないのですけれども、同じような形をしているものに、仮に水 虫のいまおっしゃっていたような効き目の強い薬を使うと悪化してしまうのです。  そのようなことを我々が見ることによって、もしくは経過を見ることによって、それ は違うのだから薬を変えなければ駄目であるとか、もしくは皮膚科医を訪ねろというコ メントもできます。そういう役割が今回の対面というところにあるのではないかと思っ ておりますので、付け加えさせていただきました。 ○後藤委員 先ほどの小田委員と足高委員のところに関していくつかあります。まず小 田委員のほうからですが、「周知のように昨今のインターネットにおける事故、犯罪、瑕 疵の状況および責任所在の不明確さが大きな問題となっており、現状のままで『公共の 福祉に反しない』と断言できる根拠は見当たらない」とあります。インターネットが公 共の福祉に反するようなものだというコンセンサスがあるのかどうか。いまは電子政府 などが進められている中で、なんで医薬品のところだけこういうものが出てくるのかと いうのはちょっと疑問に思いました。  足高委員の意見書の冒頭のところに、舛添大臣の言葉として「安全確保が第一である。 すべての国民に安全に、医薬品が供給できるか」とあります。私の覚えている限りでは、 すべての国民に「平等に」医薬品が供給できるかと伺ったと覚えています。その平等に という部分が達成されているかどうかといったところには、まだ大きな疑問があると思 っております。  先ほど、距離制限に関する最高裁判決のことがありました。これは事務局にお伺いし たいのですが、その違憲判決についてどのように考えているか。あるいは今回の「違憲 である、違法である」といったことに関して、内閣法制局のほうに確認しているのか。 また確認している場合、どのような見解なのか。あるいは通信販売が店舗販売に入るか どうかといったところに関して、事務局としてはどのように認識されているかをお伺い します。 ○小田委員 私が申し上げた社会問題化しているというのは、医薬品のことではなくて 全般的なことです。例えばアダルトなものであったり、麻薬であったり、もしくは殺人 ナイフまでネットで売られてしまったということを申し上げたのでありまして、医薬品 のことのみについて言っているのではありません。 ○井村座長 事務局から何かおっしゃることはありますか。 ○総務課長 法制的な話ですので、本来事務局がお答えするのが適当かどうかわかりま せんが、規制改革会議でも議論したことについてお話いたします。今回の省令の規定に つきましては、何人かの委員からコメントもありましたように、あくまで薬事法に根拠 条文があって、それに基づいて専門家が販売、あるいは情報提供に当たりどういう関与 をするか、その具体的な関与の方法を省令で定めるという構成になっております。  違法な省令という問題提起については、改正薬事法の授権を超えた規定を今回の省令 で置いたのではないかというお話であろうかと思います。私どもといたしますと、今回 の薬事改正法を提出する以前から、基本的には通信販売については第3類に限るという ことを明示した上で、法律案を作成しておりますし、国会でもそういう議論がありまし た。そういう一連の経緯を踏まえ、薬事法に基づく省令として出させていただいており ますので、法律の授権の範囲を超えた省令であるというふうには考えておりません。  憲法違反ということにつきましては、薬事法の改正案を提出いたします前には、内閣 法制局の審査も経た上で提出しておりますし、その考え方の根拠としては、一般薬を売 る場合に専門家がどのように関与するかを省令委任するという条文でもって法制局の審 査をいただいているということです。そういうことでして、内閣法制局が法案を審査す る段階で、これが憲法に違反するような法案であるとしたという事実はないと思います。 ただ、これは違憲立法審査権の話ですので、当然最後は裁判所によって判断がされるべ きものだと思います。 ○後藤委員 この省令に関しても、内閣法制局に意見を求めることはできないのですか。 ○総務課長 省令については内閣が作るものではなくて、厚生労働大臣が定めるという ことですので、内閣法制局に意見を求める仕組みにはなっておりません。 ○後藤委員 足高委員が、この検討会自体を終了させるべきではないかとおっしゃって いるような問題点というのは一体どういうことかということを、内閣法制局に意見を求 めることが事務局側からあってもよろしいかと思うのですが、いかがですか。 ○井村座長 いまのご意見は、私にはよくわからなかったのですが、もう少しわかりや すくご発言ください。 ○後藤委員 前回阿部先生からの意見書だとか、私のほうは読み上げたのですけれども、 こういうことは該当しないのではないかと足高委員がおっしゃって、違憲・違法に関し ていろいろな議論があるのですけれども、そのことに関して内閣法制局のほうに意見を 事務局側から求めて、これは一体どういうことなのかという、いまの位置づけを明らか に評価していただくという手続はいかがでしょうかと提案しているのです。 ○総務課長 本検討会の検討テーマが何かということであろうかと思います。違法であ り、あるいは違憲でありということについて、この検討会でご議論いただく前提で何か を聞くという話であれば、それはあるかもしれませんが、私どもの気持とすると、そう いう問題をここで議論するというのは、大変失礼ながら、そういう前提で委員が選ばれ ているわけではありません。あとはこの検討会としてどういうことを事務局にお求めい ただくかにもよると思います。私どもとすると先ほど言いましたように、法案作成の段 階で、内閣法制局の審査を受けておりますし、その後は淡々と法律の授権の範囲内でや らせていただいているというふうに思っております。 ○薬事企画官 いま後藤委員から、大臣のご発言について、足高委員との見解の相違が ありましたが、事実関係ということでミスリードしないようにお伝えしておきます。1 回目の議事録を辿りますと、後藤委員がおっしゃられたとおり、「すべての国民が平等に 必要な医薬品を入手できる」というフレーズもあります。ただ、一方で足高委員が触れ られておりますように、「安全確保ということが第一である」という点と、「すべての国 民に安全に医薬品をお届けする」といった記述もあります。どちらも話の流れの中で存 在しているということです。どちらが正しい、間違っているということではありません。 ○井村座長 私の希望としては、どういうことを言った、言わないという話はなるべく 議論したくありませんので、話が前へ進むような議論をしていただきたいと思います。 ○國領委員 私も話が前に進むといいなと思いつつなのですが、似たようなことを前回 も申し上げました。こういう方式だと安全で、こういう方式だと安全ではないという議 論というのは、この議論においてはある種不毛で、薬というのはどういう売り方をして も危険だというところから始めないといけないのだろうと思っております。  その意味では、これは安全とか品質改善ということについての考え方の一般論なので すけれども、簡単に言うためには二通りあって、1つはこのやり方がいいやり方だとし て、それをそのとおりにやりなさいという考え方です。もう1つの考え方というのは、 常に問題はあるのだ、要するに正しいやり方はないのだという前提の下に問題点を常に 発見して、改善をし続ける。これはPDCAとよく言うのですが、同じ厚生労働省でも食品 安全などについての考え方の中にはそれを色濃く採用していただいているのだと思いま す。こちらのほうが、どちらかというと安全を考える上では主流の考え方ではないかと 思います。  その意味で、本日せっかく出していただいたのにあまり議論になっていない、検討す べき項目ですけれども、率直に言ってネットの販売業者が安全対策をちゃんと出すのが 随分遅くて、もっと早くやらないのかというのが私の気持であり続けてきました。せっ かく出していただいて、それが本当に安全につながる改善につながるかという視点で考 えたいし、それに対して疑問を出していただいています。このようなものについては、 ちゃんと耐えられるものなのかを考えたいです。  これを全部見てみると、個人認証というような話も、同じことを配置とか店頭販売の 方式についても当てはめて考えていく。それは粗探しをしたいからではなくて、必ず粗 があるのです。必ず粗がある状況の中で、どのようにより安全な状態をつくっていくこ とができるのか。そういう発想でいって、この検討会も残りわずかですけれども、私は 最終的に安易に規制するとかえって危ないと思っているので、しないほうがいいと結論 としては思っていますが、それは皆さんの判断で、あっちとかこっちとか決まることだ と思うのです。とにかくギリギリのところまで、より安全な仕組みというのはどうやっ てつくり、それが1回こっきり、ここでこうやってこのやり方で決めますというのは、 必ず気持の緩みにつながって、また危ない状態になってしまうものなので、やはりプロ セスの透明性とか、監査がどのぐらいできるような状態になっているか、記録をどのよ うに残していくか、継続的にチェックが必要だということ。  医薬品は特別であることは認めつつ、唯一の危険物ではなくて、世の中に危険物はい っぱいあるわけです。危険物の取扱いについての考え方があるのだろうと思うのです。 それが、このプロセスの中にしっかり入って、すべての業態において現状に満足するこ となく、改善する方策をしっかり入れていくのが、こんなに時間を使っている、このグ ループとしては使命なのではないかと思います。 ○増山委員 最初に、いまの國領委員の意見に関連してです。この検討会は本日で3回 目なのですが、内容についてほとんど一歩も足を踏み出していないと思うのです。新し く何かが決まったという実績はまだないと思うのです。実際に内容の議論を深められた かというと深めてもいないと思うのです。なぜそんなことになっているかというと、こ の検討会は一体何のために開いているのかというところに、少し不明確なところがある のではないかと思います。  後藤委員も、國領委員も、例えば違憲ではないかとか、ネットは医薬品販売をするの に耐え得るものなのかどうか、そういうことをきちんと検討すべきだといういろいろな 話が出てきています。ただ私が記憶しているのは、大臣が最初にこのネットを立ち上げ ると記者会見で話されたときに、困っている人たちがもしネットで薬を買うことに依存 しているのであれば、それはなんとか困っている人たちのことを考えなければいけない とおっしゃっているわけです。つまり、困っている人の対策の中で、どうするかという 脈絡の中でネットの話が出ているのだと私は理解しています。  ネットでの販売の是非というか、そのものがどうあるべきかということをもう一回話 し合う場なのかどうなのかというのは、前回の意見書の中でも申し上げています。何を この範囲で話すのか。私もそうですけれども、皆さんも委員として委嘱されていて、例 えば法律違反かどうかということを議論していただいても、そういうことを想定してき ているわけではないので、検討会の想定する議論を超えたところに踏み込んでいると理 解します。そういう議論をされたいのだったら、ここで皆さんがそういう議論に乗るの か乗らないのか、あるいは事務局のほうで、そういう議論はここでは想定していないと いうことをはっきりおっしゃっていただいて、その議論を何度も繰り返すことのないよ うにお願いしたいということが1点です。  もう1点は署名のことについてです。私どもの団体や、消費者団体等で、昨年暮れ辺 りから、この署名活動について何回か質問状を出させていただきました。医薬品で困っ ている人の対策をどうするかという話からすると少し外れた話になるので、そこについ てはあまり触れてこなかったのですが、ただどうしても気になることが何点かあります ので質問させていただきます。  毎回三木谷委員から、いまどれぐらいの署名が集まったということを発表される度に、 これは国民の声なのだとか、消費者の声だということを何度もおっしゃっていて、それ は根も葉もないとは全然思ってはいないです。ただわかっていただきたいのは、全消連 も私どもも消費者の立場で参加して、この検討会の当初から、消費者の目線で何が安全 性を担保することになるのかということでずっと議論に入ってきました。私たちの団体 の中では、一個人の判断で発言しているのではなくて、会員に対してはこのような議題 で話しているということも含めて報告しながら、こういう意見を言おうとか決めていま す。  申し訳ないのだけれども、いま署名で、皆さんいろいろな資料の中に、消費者からの 声がありますというのは、本当に一消費者の声で、その方がいままでの背景とか、いろ いろなものを理解した上で意見を言っているとは限らないと、正直なところ署名の内容 を見て感じています。  特に楽天さんの署名の画面を読むと、あれは薬の販売云々というより、便利がいいの、 不便がいいのということを聞いているわけで、薬のリスクについて少しでも説明がある とか、制度設計がいまどうで、今後どういうふうに変わるのだという全般なことは解説 されていないということで、私身は署名の集め方に問題があると思っています。  質問させていただきたいと申し上げましたのは、知合いがアフィリエイトに登録して います。その方が楽天さんのほうから送られてきたメールの中に、このような医薬品が 売れなくなれば広告費が入ってこなくなるようなことが起きてくるかもしれませんとい った内容で、利益を誘導するような内容になっていたと。 ○三木谷委員 そういうことを言われたということではなくて、そのメールがあればい ただけますか。もしそういうことがあり問題があれば正します。私はたぶんないと思い ますので、うちの営業の話なので。 ○増山委員 ありますので提出します。そういうメールが楽天さんから送られていると いうことをご存じないということですね。 ○三木谷委員 私個人は認識していないです。 ○増山委員 わかりました。お聞きしたかったのは、それを送られたのかどうかという ことでした。 ○三木谷委員 いま質問がありましたので署名のことについてコメントさせていただき ます。署名に関しては、当然署名された方にほぼ毎週メールをお送りして、こういうこ とになっていますという現状を報告します。当然我々は販売継続を求める意見ですから、 販売は継続させていただきたいということで問いかけをさせていただいております。し かしながら、薬は何がなんでも安全であるとか、そういう間違えた誘導というのはして いないと思いますし、買えなくなるから不便になりますということは当然ページ上でご 説明させていただいていると思います。  それから、小田委員からコメントのありましたのは、まさしくそのとおりだと思うの です。私も今回の検討会がすごくよかったと思うのは、薬というのは危険なのだという ご意見があったということで、そうなのだという認識も新たにしました。児玉先生のお っしゃるように、薬剤師なり薬種商の方が責任を持ってやらなければいけないのだとい うのは、そうだと思うのです。ですから、我々としては基本的には薬剤師であったり、 あるいはドラッグストアであったり以外は、ネットでその辺の本屋が売るとか、コンビ ニエンスストアが売るとかということではなくて、そういうちゃんとした人が困った人 に届ける手段として、これだけいるのだからやるべきだということだと思うのです。  その上で、対面販売のときに、例えば水虫の薬を買うときにはこんなリスクがありま すよ、あなたわかりましたねというように、金融商品取引法みたいに、全部サインして、 私はわかりました、説明を聞いてわかりましたと、本来そこまでやるべきだと思います。 タスポみたいなものを作って、ここまでわかった、リスクがあるのだ、それでも飲むの だなというやり方もあります。リアルの店も全部そのようにやるのだというのだったら、 それはそれでいいと思います。伝統薬も全部駄目だと、全部紙で同意を取って、これだ け危ないのだ、それでも飲むのだなということまでやるのかということです。金商法は そうなっていますが、そのようにやるかというとそうではないといったときに、相談で きればいいということで考えれば、我々のほうは、薬剤師のいる薬局・薬種商にしか出 店していただいていないわけです。  そういう人たちが、この薬はこんなに危ないということをいままで以上にちゃんと認 識してもらって、それをわかりましたとクリックした人だけに買えるようにしてあげな いと、田舎の人がいま飲んでいる薬とか、自分に合う薬がある人がいると思うのでまず いですよね。別の手段で代替できるということであれば、百歩譲っていいと思うのです けれども、しかしながら現実的にはたぶん難しいです。なんとか田舎の人にも、自分に 合った薬が飲めるように道を開いておいてあげるべきではないかと私は切に思います。 ○松本委員 議論が進んでいないという増山委員のご指摘には全く同感です。いろいろ お話を聞いていますと、誰のどのような利益のために今回の議論をしているのかという ことで3つあるのではないか。1つは医薬品のユーザーである国民全般にとっての安全 という利益の観点。その中の一部のユーザーで、入手が困難になる人についての入手の 利便性をどう図るのかという利益。既存の通信販売、あるいはネット販売をやっている 業者が商売できなくなるのではないかという業者の利益。この3つの異なった利益がそ れぞれ組み合わせて主張されている感じがします。  議論をするとすれば、おそらく安全、利便、業者の利益という順番になると思います。 安全については、この検討会の以前の検討会でかなりやってきました。そうしますと、 ここでやるべきなのは2つ目の、入手困難な人についてどうするのかという議論をきち んとするということ。ただ、それは安全性を犠牲にしてやってもいいという話ではない わけですから、安全を確保しつつ、利便を確保するためにどういうことが可能なのかと いうことだろうと思います。その場合に通信販売、あるいはネット販売というのが1つ の手法として検討対象になるというのは十分あり得ることです。その場合に安全がきち んと確保できるのかどうかということを併せて議論する必要があるのだろうと思います。  先ほどから、違憲だという議論がいきなり出ていますが、違憲かどうかという議論は、 おそらくここまでこないと議論にならない。即ち安全なのに不合理な規制がなされてい るのだということであれば、それは経済的な業態の差別だということになってきて、違 憲だという議論が出てくる可能性はあるわけです。そこの議論をする前の段階から、い きなり違憲だ、違法だという議論をしてもこれは話が進まないです。事務局から出てい る順で、1はまさに入手困難な人はどうするのだという話をやって、その対応として通 信販売、インターネット販売等できちんと安全を確保できるのか、そのためにどうすれ ばいいのかという議論をするということでいいと思うのです。  最後に、ユーザーの声として、恥ずかしいから近所では買えないものがあるのだとい うことなのですが、これは薬剤師とか医薬品販売業者というのは、非常に厳しい守秘義 務が課されています。これは刑法に規定されている刑事罰、直罰なのです。ですから、 もし医薬品販売業者に、すぐに近所に言いふらすような人がいるのだったら、これは刑 法違反になるのだということを業界としてきちんと徹底していただきたい。医師、薬剤 師、医薬品販売業者というのはプライバシーにかかわる部分が多いので、安心して、信 頼をして相談に乗ってもらえる体制をとらないと、自分たちの足場を崩すことになると いうことを徹底していただきたいと思います。 ○足高委員 松本先生が、非常にきれいにわかりやすく分解してくれました。私は、入 手困難という言葉については前回も前々回も言っていますけれども2つあると思うので す。不能、入手不可能と、それから極端に言えば1万種類のアイテムから選ぶことがで きないよね、ということの入手困難も議論としては分けて展開を進めていくべきだと思 います。恥ずかしいということも先生におっしゃっていただきましたが、恥ずかしいと いうことはコインの裏表で、妊娠判断テスターを買いに行くのが恥ずかしい、でもそれ と同じように恥ずかしいから、少年が睡眠薬を一生懸命買いに行くのも恥ずかしい、ほ かのちょっと悪用することが恥ずかしいということもあるかと思うのです。その辺を先 生は非常に上手に整理していただきましたので、その辺りをもうひとつ整理していただ けましたら、議論を進めていくのに助かると思います。 ○児玉委員 いま議論の話があったのですが、先ほど國領委員のほうから投げかけがあ っていまこういう議論になっています。ときどきここの委員の中から、なぜこういう検 討会をやっているのか意味がよくわからないという話が出ます。私は三木谷委員、國領 委員、後藤委員等々におわかりいただきたいのですけれども、この議論は4、5年前から やっていると私は申し上げました。その中で、まさに國領委員がおっしゃるように、い まの供給体制の中で、より安全な、より消費者のためにいい供給体制はどうあるべきか、 安全性を担保しつつということを4、5年前から一生懸命やってきたわけです。  その中での結論は、専門家による対面による情報提供がいちばんよかろうということ になったわけです。そうは言っても、ときどきお話が出るように、全く消費者の利便性 を無視できないというのはそのとおりです。そこで出てきたのが専門家、当時は薬剤師 でありますから、薬剤師だけで供給をきちんと担保できればそれはそれでいいわけです。 ところが、そうなると供給拠点が限定されてくるだろう。それをもう少し広くする必要 があるのではないか。かつ、いま申し上げたような基本的な姿勢を崩さないためにはど うあるべきか、これを真摯に議論した結果、登録販売者というものが今回生まれたわけ です。  そして、今回約5万5,000人が1年間で生まれました。そうすることによって、おそ らく供給拠点がいまは5万1,000、5万2,000ですけれども、たぶん6万、7万に増えて くるでしょう。そうすることによって消費者に対しての利便性、かつ安全性を担保する という方向性を示してきた。これが今回の薬事法の流れなのです。したがって、我々は 利便性を無視したわけでもなくて、消費者の立場に立ってここまで来ています。これ以 上まだ別の安全性を担保する、その長期体制を議論する必要が本当にあるのだろうか、 これが我々の気持なのです。そこをわかっていただきたいということです。 ○井村座長 そろそろ行き先を整理していかなければいけないのではないかと思います。 それに対して後藤委員は何かご意見はありますか。 ○後藤委員 先ほど松本委員から、安全なのに不合理な規制があると憲法違反などにな っていくということでしたが、まさしくそういうことだと思うのです。ですから、イン ターネット販売の安全性について、2番の「インターネット等を通じた医薬品販売の在 り方」をしっかりと議論していくことが、そうならないようにするための最大の近道で あると考えております。 ○三木谷委員 今後の対応というところで私は思うのですけれども、当然安全性という ことはいちばん重要なところだと思います。省令で決めろということであれば、1人た りともこういうものによって、本当にいままで使っていたような薬が買えなくなってし まうような人がいるというのはいけない状態だと思います。田舎の人もそうですし、広 くあまねく国民全員、末端まで同じようなユニバーサルサービスを提供していくことが とても重要なことだと思います。  私が今回の論点ペーパーの中でいちばん重要だと思っているのは、エンドユーザーの 声を聞くということだと思うのです。是非、次回の検討会にはエンドユーザーの方を呼 んでいただきたいと思います。もしできれば、それを議論する中でいちばん最初に取り 扱っていただきたいと思います。 ○國領委員 児玉委員の発言に反応させていただきます。これも、前回ここは一致して いるのだろうと私が発言させていただいたとおりで、薬事法の基本的な考え方は、危険 性を正しく伝達するというところについては全く異議のないところです。この検討会が、 すごく真摯にその実現方法について考えてこられたという部分については、全く敬意を 持っています。結論について、この数年間の急激な社会的な変化の中で検討が長すぎて、 その間に状況がかなり変化したのではないかということを感じています。  ある意味で逆に言うと、ネットの中のいろいろな問題を知っていれば知っているほど、 合法的に真っ当にやっている人がちゃんとやることが大事で、それが違法ではなくて脱 法、海外へ行って個人輸入というようなことがあることがわかっている分だけ、ちょっ と申し訳ないですけれども、この結論の部分で。それも去年の9月の双方コミュニケー ションがなければ駄目ですというような、改正薬事法の話が進んでいるという話を読ん でいたときには、真っ当でいいことだと思っていましたが、この実施の仕方はかえって 危ないと思っております。それに対して最終的なタイミングになってしまって、このド タバタで変なのですけれども、何らかの手当てをしたほうがよろしいのではないかと思 っています。 ○三村委員 議論の中心に、國領委員がおっしゃったようにインターネット販売の安全 性のところに焦点がいくということであると思いました。逆に、先に残されている問題 について私の意見を申し上げておきたいと思います。それは本日の論点の整理の仕方の 中で、(1)のところと、(2)のところということであります。「薬局・店舗等において対面 での販売が行われた後、薬局・店舗等が購入者に医薬品を届けることについてどう考え るか」という提案があります。厳密に通信販売という言い方をしますと、実は情報を提 供し、注文を取るのがメディアの上で行われるということが前提ですので、これはB to Bで行われている商物分離という考え方とは違う。もう1つの言い方をしますと、これ は将来的に医療用医薬品において、当然調剤薬局に来て処方せんを出しても、薬局に薬 がない場合が結構あります。その場合にもう一度来てもらうのは大変厳しいということ がありますので、多くの場合届けている薬局が結構あると聞いております。  ただ医療用医薬品の場合には、そこで服用指導ということが必要になりますので、当 然薬剤師がやると私は伺っています。一般用医薬品に薬剤師が、あるいは今回の専門家 がそこまで行く必要があるのかという話は当然出てくると思います。このような設定の 仕方をしますと、これは商物が分離されている。商というのは販売活動等、それから物 流という医薬品を届ける活動が分離されているということですので、間違いなく買った 医薬品であるかどうかということをきちんと証明することができるのであれば、これは 一般的な通信販売という定義には当てはまらないと私は判断いたします。  ただ、これがかかりつけ薬局でやっている方法に結構近いのだろうと思います。先ほ ど常備薬という言葉が出てきたり、よく対症完療のために長期的に使用されている薬は 結構あります。そういう場合には、できればそれを相談に乗って、それを勧めていただ いた薬局と薬剤師から、きちんと相談を受けながら、情報提供を受けながら購入したい という、それがかかりつけ薬局という定義になると思います。その場合には、その薬局 とか薬剤師を信頼していますので、別の薬局に行って同じ薬を買ってくださいと言われ ても、やはりそうはいかないだろう。  私にもそういう知人がいるのですが、自分の住居地と、仕事地と、それからその店舗 が完全に地理的、空間的に離れている場合には、年がら年中お店に来てくれるのかとい う話も当然あります。この場合には時間的、場所的な不便さを超えるために、何らかの 方法がそれを補完するために入るということは、特に今後の薬局のあり方からしたら当 然の方法だと私は思っております。そのときに、この下にありますように顧客購入デー タとか、相談データとか、それはできるだけ対面販売で消費者とちゃんと相談しながら 購入した薬であって、その後はどうですかということをきちんと後で調整しながらとい うことでやるのならば、これは今回決められた薬事法の規定に決して反しないと感じて おります。それが1番目です。  2番目は、伝統薬についてもう一度私の考え方を申し上げます。伝統薬というのはど んな分野が多いのか資料も拝見いたしました。これは通信販売を成立させる要件に、こ の商品分野は入ってまいります。それは何よりも非常に需要が小さいこと、需要が極め て分散的であること、需要が非標準化されていて個別的であること、そして代替しにく い独自性があるとき、これは一般の店舗販売ではなかなか乗りにくいということがあり ます。将来的には、できればこのような伝統薬等に積極的に取り組む薬局・薬店という か店舗販売業が増えていくのがいいことだと思います。そのためには取寄せとか、一種 のパートナーシップを組むような店舗が増えていくことを、これから少しずつやってい ただくのがいいと思います。  ただ、それには相当時間もかかるだろうということですので、これについては店舗販 売をそのまま代替させることは難しいと。先ほどおっしゃいましたように、卸売業者が 扱わないと、普通の店舗はその商品を購入することができません。卸売業者がその商品 のデータを持っていない限り、なかなかできないということがあります。それについて は、これについての適合する販売制度とか、販売の仕組みを今回を機会に考えたらいい のではないかと考えます。いままでのように、薬事法の規定の中で、店舗販売を主流に した中で、どうやって自分のやり方を合わせていくかということで相当苦労されたと思 うのです。これは商品特性が違う可能性があることを前提にして、販売の仕組みを設計 するということがあっていいのではないかと考えております。  ただ、そのときには先ほどご提案がありましたように、安全性を基本的にまず重視す るということでありますので、できるだけ伝統薬とか、あるいは充実した漢方も含むと いうことですから、扱っている業者が社会的ネットワークを組んで、自分たちの存在を きちんと社会に発信していただく。その組織を通して、自主規制とか自主ルール、つま り今回の薬事法の精神に合った形で自主ルールを作っていただく、あるいはそれをある 意味できちんと守る体制を作っていただく。さらに、それに県の担当とか、薬事行政の 担当という方たちがきちんとコミットする形を作っていただく。  通信販売においては、阿南委員がよく指摘されていることでもあるのですが、消費者 トラブルがあります。そうすると、相談窓口が必要になるということです。単純な消費 者相談窓口では対応できないかもしれないとしたら、むしろそのような方たちが中心と なって、それからこの分野に非常に詳しい医学とか薬学の専門の方たちに参画していた だいて、きちんとした相談と情報提供体制を作っていただく方向性を考えていただいた らどうかと考えております。これが私の意見です。 ○井村座長 わかりやすいご提案でした。 ○綾部委員 この検討会は、伝統薬連絡協議会からすると非常にありがたい存在であり ます。これまでなかった協議会がつくられて、当初34社だったのがいまは40社を超え る数まで増えております。家庭薬等との連携も検討しながら、いま三村委員からご指摘 していただいたような、業界としてのきちんとしたルールであったり、そのルールを守 っていけるような関係、社会的な関係構築をいまやっていこうとしています。この検討 会があったから、そういう動きが進んでおります。  先ほどご指摘いただいたように、伝統薬というのは非常に代替性が低くて、店舗等で 利用者がすぐに入手できるかというとなかなか入手できない状況の中で、そういう形を これから構築していくという宣言のもとに、何かしらご理解いただけるような形をいた だければというのが切に願うところです。 ○三木谷委員 私は、伝統薬がどうしたらいいということではなくて、これは安全性を 問題にしているので、伝統薬だけ別というのはおかしいと思います。もし伝統薬を第3 類にするという議論であればいいと思うのです。伝統薬というのを別カテゴリーにする のか、あるいは第3類に入れるのかということであればいいと思いますけれども、基本 的には安全性に関して、厚生労働省からしっかりとしたコメントをいただかないと、伝 統薬だけかわいそうだから助けましょうみたいな議論というのは整合性が成り立たない と思います。 ○三村委員 1つだけ反論いたします。別に私は伝統薬が気の毒だという形で申し上げ ているのではなくて、今回は店舗販売と、対面販売と、通信販売という業態のあり方と して議論されております。そのときに、伝統薬というのは商品特性上、これは通信販売 という方法論をある意味ではとらないと基本的には成り立ちにくい業種だと。ただ、先 ほど来配置薬があるではないかという話はあり得るのですが、これはあくまで一般論と して、そういう解釈が成り立つということで申し上げているということです。 ○後藤委員 伝統薬のところで、いま論点整理の中でも「製造販売業者が直接購入者と 電話等により連絡を取る」とあるのですが、これはたぶんできないことだと思うのです。 伝統薬メーカーといっても、製造販売業者としての許可と、一般販売業としての許可の 両方を取っていないと、消費者に届けるというのは、いま現在の薬事法下でもできない はずなので、あくまでも製造販売業者と一般販売業者が、たまたま一緒というだけの話 だと思うのです。ですから、伝統薬の枠組みというのも、そもそも一般販売業、あるい は今後は店舗販売業と全く同じ通信販売、店舗販売業の中の通信販売の枠組みの中で整 理して考えるべきだと考えます。 ○綾部委員 おっしゃるとおりで、製造販売業と、一般販売業の両方を取っているとこ ろの業態になっています。我々も、かわいそうだからというところを求めているわけで はなくて、利用者がこの伝統薬で救われているという方が数多くいらっしゃいます。そ の利用者が、このままいったときに引き続き入手しようとすると、通常の一般薬であれ ば販路の問題だけで、こっちでは買えなかったけれども、薬局で買えるという方法もで きるのですが、伝統薬といういまの業態上は、いまの販売方法で買えない場合に、近く の薬局へ行ったら買えるかというと買えなくなるというのが利用者側の1つの問題です。 そこをどう解決するかというところで、我々も解決策の1つとして、今回の論点整理の 中でも1番の中の論点に入っているというのはそういう意味だと理解しています。 ○増山委員 関連してですが、私も伝統薬については検討会が立ち上がるぐらいのとき に名前をお聞きして認識したような状況です。もともと業態ではないということがある と思うのですが、ここではっきりお聞きしたほうがいいかと思ったのは、伝統薬は物理 的というのか、一応製造業の資格もあって、卸の資格も取っていらっしゃいますね。そ こに販売の資格も取っていらっしゃるところが多いですね。3つ取っていますね。 ○綾部委員 取っていない。卸は取っていない。 ○増山委員 でも、自分たちで作って、そこで直接売るというだけなのですか。 ○綾部委員 中には卸も持っているところもあって、卸も持っているところは薬局に売 るために持っているのですが、ここで、いま上げている話というのは、基本的に製造販 売業と一般販売業で直接ユーザーの方に販売するケースです。 ○増山委員 少し躊躇する話なのですが、というのは卸の資格自体はたぶんそんなに難 しいわけではないですね。製造の資格を持っていて、販売の資格を持っていれば、基本 的に専門家が必ずどこかで関与しているわけなので、やろうと思えばできる話だと思う のです。ただ、それを必要としてないか、しているかの判断だと思います。  何を申し上げたいかというと、伝統薬さんが通信販売、カタログで販売しているとい うのは、言ってみれば、大概は1つのお店に1つ、あっても2つぐらいの商品しかない わけですね。その商品をずっと売っているわけです。それが先祖伝来というような形で、 普通に市販されているものとはちょっと違うものがあるというような形だと思いますが、 結局お店に卸せない、あるいは全国展開して、ちゃんとどこかに支部を設けられないと いうのは、例えば経営的にそういうことをやると成り立たなくなるからですか。それと も、直接売れていたので、そういうことをいままで考えたことがないからですか。 ○綾部委員 もともとは自分のお店で売っていたという業態をやっていたところがほと んどですので、やはりケースとしてはいろいろな地方に行った方々から電話等で注文が あったときに、それに対応するためには薬局等に出せずにそのまま送るということで。 また、やはり経営上の問題が大きいと思います。 ○増山委員 私が1つ申し上げたいのは、つまり卸の資格を取るのは簡単で、例えば薬 局と提携して、そこで卸してもらうということは、物理的にはそんなに難しくないとい うふうには思うのですが、もし資格を持っているのであれば。それは今後模索できるの でしょうか。どこかの販売業態と提携して売るということは、いまの時点ではお考えに なっていないのですか。 ○綾部委員 これまでもご提案がいろいろとございましたので、我々も店舗等にうまく お送りして、対面というのを成り立たせて販売法というのを検討してまいりまして、本 日1つその答えとして資料3というのをお出しいたしました。これから先も、やはりそ ういう提携というのは考えていかなければいけないと思っています。やはり、先ほど三 村委員の話にもありましたように、結構ロジスティックスの部分だったり、料金回収の 問題だったり、利用者がきちんとそれを意思疎通できながら受け渡たすというためには、 まだ時間がかかるなということを感じているので、全く提携を考えていないというわけ ではないです。 ○井村座長 よろしいでしょうか。 ○望月委員 ちょっと違うお話になってしまうのですが、國領委員のお話の中に関連し て、意見を述べさせていただきたいと思います。國領委員はリスクコミュニケーション も専門家で、対面販売というのがリスク回避のいまの段階ではいちばんいいツールであ るというのはよくわかっているのです、ということを前にお話されていて、私も全くそ れに関して同感です。今回ネット等による販売によっていちばん心配されていることは、 個人輸入等の域に入っていってしまって、別のルートから情報提供もなく入手した上で 使っていくということに流れて行ってしまうということを心配されている、と先ほどお っしゃっていたのですが、そこに関して、私もそういう心配はあるだろうと思います。  ただ、いま現在通知に基づいてきちんと売られている範囲のお薬に関して、それが仮 に入手できなくなったとして、そういう形には今後の中でもないのですが、仮にそうい うふうになったとしても、おそらくそれらのお薬を国外の訳のわからないサイトから購 入するような類のお薬は、まずそこには入っていません。それから、もしそれが2類と か1類とかに広がったとしても、いわゆる一般用医薬品というものをわざわざ国外から 輸入するような類のものは、そこにはないと私は思います。それをするのだったら、む しろ医療機関を受診して、お薬を処方していただくというほうが経費的にもいいだろう と思いますし、日本はそれだけ医療機関に対するアクセスがいいと思いますので、目的 が一般用医薬品という範囲のものであれば、先生のおっしゃるような心配は私は発生し ないだろうと思っています。 ○三木谷委員 一応、私はネットの専門家だと思いますが、しかも海外にも会社があり ます。ドラッグストア.comとか、いろんな会社があります。私、これも大変申し訳ない のですが、私が飲んでいる薬は大体アメリカの薬です。やはりアメリカに住んでいたこ とがあるので、アメリカに行ったときにアメリカの薬を買ってきますし、それから厚生 労働省の言われている中で、いわゆる個人輸入の範囲内では別に合法的に買えるので、 そういう方はたくさんいらっしゃいます。外国人の方もいらっしゃいますから、そうい う方を、例えば日本の薬をまだ飲めというのは無理だと思うので、外国の薬を買ってい らっしゃる方もいます。  それから、別に違法ドラッグではなくて、ちゃんとしたタイレノールとか、そういう アメリカの薬をネット上で買って、決められた分量以下で個人輸入するのは合法である し、それが1つの代替手段になってしまうという可能性はあって、その場合には、やは り厚生労働省さんの安全運用基準上、なかなかコントロールができないように、かえっ て流れてしまうのではないかというお話だと思います。違法ドラッグということではな くて。 ○望月委員 いまのお話は、根本的にこの制度を全く無視するお話だと思います。私は 医薬品をリスクの程度に応じて分類して、その分類に基づいて消費者の方の安全をいか に確保しつつ、利便性も確保できるような制度になるかというのをここで検討してきて いるのですね。  その中でそういうお話ですと、どんな方策をとったとしても個人輸入というのはずっ と存在するわけで、それは実行責任の世界なのかなというふうに思うのですね。私たち は、やはり日本において一般用医薬品というものを流通させていく中で、いかに買って いただく方、使っていただく方の安全を確保できるようにしていくかというのが今回の この制度だと思っておりますので、そういう意味でそれを購入したいと考えていて、そ れが購入できないというふうになった場合にどうなるかという、そういうお話の中で、 そうした薬は特に外国に頼らなくても十分賄っていけるだろうというのが私の意見だっ たのです。 ○三木谷委員 それはエンドユーザーが決めることなので。 ○今地委員 事務局から議論を踏まえて、今後検討すべき項目ということで論点整理が されていますが、いろいろな議論が行われております。ただ、平成21年、今年6月1 日と尻が決まっておりまして、先日もちょっと都道府県の立場ということでお話をさせ ていただきましたが、周知する時間とか、そういった手続的にもいろいろ地方は地方で 法律施行に当たってやらなくてはいけないことが山積している状況でございます。  そういう中で、論点整理がされておりますが、今後スケジュールと落ち着く先という か、その辺がどうなるかというのをみんな非常に関心を持つというか、いつまでに具体 的なものを示すんだと非常に我々も言われているわけです。そういった点で、その辺の ところ、この検討会でどこまで議論をするのか、あるいは6月を越えても議論をするの か、その辺をもしお考えがあれば、お聞かせいただけるとありがたいのですが。 ○井村座長 本日せっかく論点の整理が行われて、これだけのものが出来ているにもか かわらず、それをうまく使えなくて非常に時間が経ってしまいました。予定の時間を過 ぎてしまっております。いま今地委員が言われましたように、お困りになる面も多々あ るだろうと想像いたします。今後のスケジュールとしましては、本日まず困難な場合の 対応方策については、かなり議論は出来たと思います。だけれど、具体的なイメージは なかなか涌いてこないので、私も皆さん方の意見をできるだけ聞きたいと思っていたの です。ですけれども、三木谷委員から再三にわたって要望がありましたエンドユーザー の意見を聞くというような話は、これは皆さん方のご意見が聞いてみようというご意見 であれば、そうしてよろしいのではないかと私は思います。スケジュールの中に入れた いと思いますが、それはいかがでございますか。 ○三木谷委員 よろしくお願いします。 ○井村座長 本当にお困りになる方ということなのだろうと思います。それは伺うこと にして、それは複数いろいろな立場の方をお願いして、ご意見を伺うということになる だろうと思います。  それから今後でございますが、今日はこれまた何度もご要望があったのですが、イン ターネットによる医薬品の販売の安全性について、もうちょっと突っ込んだ議論をした いと。これは最後にやはりやりたいと思います。ですから、あと何回になるかわかりま せんが、もうちょっとこの検討会を続けさせていただきたいと思います。何でこんなも のをやっているんだ、やめてしまえというご意見もかなり強くあるようですが、もうち ょっとお付合いをいただければ、ありがたいと思います。 ○足高委員 やめてしまえの立場からですが、インターネットでこういう安全策をとる ということでしたら、いまインターネットでどういう安全策をとってられるのか、どう いうふうに模索されてきたか、そういうことをまずは開示して。逆に言いまして、イン ターネットをどうしようこうしようというのは、挙証責任というか、それの説得責任は たぶん推進派の方にあると思うので、こういうことをやっていたという実例を見せてほ しいですね。 ○井村座長 この前の検討会におきましても、たしか後藤委員にいらしていただきまし てヒアリングを行いました。そのときの委員の印象としては、まだ安全性についてどう いうことを試みられていますかという問いに、「いま検討中です」というご意見が返って きたと思います。私ははっきり覚えていますが、いま検討中では、というのが委員の大 方の心証だったのではないかと思います。 ○後藤委員 それは改正薬事法に合わせた1類とか、2類とか、あの当時に分かれてき たものに対して、どういうふうに対応していくかということを「検討中」ですというふ うに申し上げました。 ○三木谷委員 前回より詳しくご説明させていただいて、いまの現状とのギャップとい うことも、ちゃんとご説明させていただくということでよろしいですか。 ○井村座長 ええ、とにかく委員の皆様方がどういうふうにそれをお感じになるかとい うことが大事なことなのでございまして、それを是非やっていただきたい。 ○児玉委員 これを続けろというふうに座長がおっしゃったので、であれば、やはりき ちっと議論を前に進めるという意味では、今日せっかく論点整理をしていただいている わけです。一部はありましたが、結局時間がなくてこれはできなかったのですね。やは り議論を整理するためには、これを是非、順次きちっとそれはそれで議論いただきたい と思います。その上で、先ほどちょっと出ていた本当に困っている人がいるなら、それ は意見はお聞きすべきだろう。したがって、これをもしやるのなら次にやっていただき たいと思います。もっと極端に言えば、私ども毎回この意見を出しているほうですから、 あまり言えませんが、何であれ時間がもったいないのであれば、こういう意見書を出す のはやめて、論点を整理されることもひとつの方法かなと思いますので、よろしくお願 いします。 ○井村座長 ご意見はよくわかりましたが、本日ご意見を伺っておりますと、なかなか これ以上核心に迫るようなご意見が出てくることはないかなという気がしております。 困難な場合の対応方策としましては、ある程度はアウトラインが見えてきたのかなとい う気がしております。それにつきましても、インターネットの困難な場合の対応方策の 1つとして取り上げたいと思っておりますので、そういう意味でヒアリングをさせてい ただきたいと思っています。 ○増山委員 それに関連してなのですが、先ほど阿南委員からも要望があったのですが、 それと同じ話ですが、楽天さんのほうでいろいろなデータ、履歴をお持ちであれば、例 えば実際、今日児玉委員から出された薬局も薬店も一般販売店もないという地域なら、 どれぐらいの人が医薬品を買っているかとか、何かそういった、困っている人たちが実 際どこにいるかということが具体的にわかるようなテータは、何か出していただけない のでしょうか。 ○三木谷委員 できるだけ努力したいと思います。どこまでできるか、ちょっと検討し ます。 ○増山委員 そうですね。本当に、それが数字として確認できるように、見たいのです が。 ○三木谷委員 わかりました。 ○後藤委員 私のほうから1回目の中で、離島ですとか、そういった所でどのぐらいの 方が購入されているかという資料をお出しているので、是非1回目の私から提出した資 料をご覧ください。 ○井村座長 よろしいですか。 ○増山委員 困っている人の議論のときにですね。どこに困っている人がいるかという。 ○三木谷委員 どれぐらい困っている人がいるんだという、そういう話ですね。わかり ました。 ○井村座長 それは出していただけますか。 ○三木谷委員 事務局の方とご相談しながらやらせていただきます。 ○井村座長 この論点整理は大いにこれからも利用させていただきたいと思っています ので、それに従って細かく検討していきたいと思います。それでは事務局は何かいまの 議論の進め方について、ご意見がございますか。 ○総務課長 確かに私どもも論点を出させていただいたので、できましたら、順番はい ろいろご議論があるかもしれませんが、とにかく全部論点を尽くすような形でご議論を いただければと思います。それから、座長のお話のありました次回ヒアリングというこ とにつきましては、人選がいろいろあると思いますが、それも含めてよく調整をさせて いただきたいと思います。 ○井村座長 それでは、皆さん方のご意見を最後にもう1回だけ伺いたいと思います。 次回ですが、論点整理をもう少しきちっと始末をするのが先か、ヒアリングをするのが 先かということでご意見を伺います。 ○三木谷委員 両方です。 ○井村座長 いや、わかりましたけど。ヒアリングを早くしろというご意見だろうと思 いますから、それだったら、伺うまでもないのですが。それ以外の委員の方々から、ど うでしょうか。どちらを先にしましょうか。 ○三木谷委員 先ほどヒアリングをしていただけるということだったので、我々のほう も情報提供しますので、是非ヒアリングを優先していただければと思います。 ○小田委員 ヒアリングをしていただければ、論点整理の議論にも役立つかもしれませ んので、それで結構だと思います。 ○井村座長 はい。ほかにご反対ございませんか。 ○倉田委員 ヒアリングをしていただくのでしたら、偏りのない立場の方をお願いいた します。 ○井村座長 是非そうしていただきたいと思います。ほかにございませんか。よろしい ですか。ではヒアリングを含めて、整理された論点について1つひとつつぶしていくと いうことで、やらせていただきます。 ○三木谷委員 どうもありがとうございました。 ○井村座長 よろしいですか。事務局、何かございますか。 ○総務課長 そういうことでございますので、次回の日程につきましては、追ってご連 絡をさせていただくようにいたします。 ○井村座長 それではそのようにさせていただきます。本日は不手際でだいぶ時間がか かってしまいました。どうもありがとうございました。 <連絡先> 〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2 厚生労働省医薬食品局総務課 古江 代表 03(5253)1111(内線4211) 直通 03(3595)2377 FAX 03(3591)9044