09/03/30 平成21年3月30日薬事・食品衛生審議会薬事分科会議事録 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録 1.日時及び場所   平成21年3月30日(月)10:00〜   厚生労働省専用第22会議室 2.出席委員(22名)五十音順 赤 堀 文 昭、 飯 島 正 文、 池 田 康 夫、 井 部 俊 子、 大 野 泰 雄、 笠 貫   宏、 神 山 美智子、 木 津 純 子、 黒 木 由美子、 宗 林 さおり、 竹 嶋 康 弘、 土 屋 文 人、 西 島 正 弘、 早 川 堯 夫、 藤 田 利 治、 本 田 圭 子、 松 井   陽、 松 本 和 則、 溝 口 昌 子、◎望 月 正 隆、 ○山 口   徹、 吉 田 茂 昭   ◎薬事分科会長 ○薬事分科会長代理   欠席委員(1名)   永 井 良 三、    3.行政機関出席者   高 井 康 行(医薬食品局長) 岸 田 修 一(大臣官房審議官) 川 尻 良 夫(総務課長) 中 垣 俊 郎(審査管理課長)、俵 木 登美子(医療機器審査管理室長)、 山 本 順 二(化学物質安全対策室長) 森   和 彦(安全対策課長)、倉 持 憲 路(安全使用推進室長)、 林   憲 一(血液対策企画官)、 境   政 人(農林水産省消費・安全局畜産水産安全管理課長)、他 4.備考   この会議は、非公開で開催された。 ○総務課長 定刻となりましたので、ただ今から「薬事・食品衛生審議会薬事分科会」 を開催いたします。まず、本日の委員の出欠状況ですが、委員数23名のうち22名の委 員に御出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたしま す。それでは以降の進行につきましては、望月分科会長にお願いいたします。念のため、 報道関係者の取材はここまでという形にしておりますのでよろしくお願いいたします。 ○望月分科会長 それでは本日の薬事分科会を始めたいと思います。最初に事務局から 配布資料の確認をお願いいたします。 ○総務課長補佐 資料の確認をお願いいたします。審議事項につきましては、資料1〜 2、報告事項につきましては資料3〜20となっております。当日配布資料ですが、資料 14の当日差し替え資料、資料21競合品目・競合企業リスト、議事次第、座席表、委員 名簿、「メドウェイ注の自主回収について」をお配りしております。また、文書報告の 資料は既に先生方に送付しておりますが、お手元には参考までに「文書報告一覧」を配 布しております。  続きまして、審議参加に関する御報告をいたします。申請資料作成に関与した委員で すが、該当委員はいらっしゃいません。また、本日の審議事項に関する競合品目・競合 企業について資料21として配布しております。その選定理由等を説明させていただきま す。いずれも、関係部会で報告した内容となっております。  資料21に沿って説明をしたいと思います。1ページのクロザリル錠25mg、同錠100mg です。本品目の申請会社はノバルティスファーマ株式会社です。本剤の予定されている 効能・効果は、治療抵抗性統合失調症であり、「他の抗精神薬では十分な効果が得られ ない患者」及び「副作用等により、他の抗精神薬を使用できないか又は十分な効果が得 られる用量を服用できない患者」が投与の対象となるため、効能・効果及び投与対象患 者を勘案し、本申請品目の競合する品目はないとされております。また、当該効能・効 果に対して開発中の品目についての調査では、対象患者の観点から本剤と競合すると想 定される製品情報は確認できなかったということです。  次に2ページです。ファイザー株式会社から申請されているインプロバックです。本 剤については効能・効果、薬理作用、組成及び化学構造式等の類似性、構造及び原理、 使用目的、性能等の類似性等の観点から競合する品目は存在しないと考えられておりま す。競合品目に係る説明は以上です。 ○望月分科会長 ただ今の事務局からの説明につきまして、特段の御意見はございます か。よろしいですか。それでは本分科会における審議参加規程に関する事項については、 競合品目・競合企業の妥当性も含め了解を得たものといたします。続いて、委員からの 申出状況について報告をお願いいたします。 ○総務課長補佐 各委員からの申出状況について報告させていただきます。議題1、「医 薬品クロザリル」については退室委員は池田委員、議決に参加しない委員はいらっしゃ いません。議題2、「動物用医薬品インプロバック」については、退室委員はいらっし ゃいません。議決に参加しない委員は池田委員。以上です。 ○望月分科会長 ありがとうございます。それでは議事1に入りたいと思います。池田 委員におかれましては、本議題の審議の間別室で御待機いただくことにいたします。 ── 池田委員退室 ── ○望月分科会長 それでは議題1、資料1、「医薬品クロザリル錠の生物由来製品及び 特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又 は劇薬の指定の要否について」です。本品目は既承認の類似薬がない新有効成分を含有 する医薬品に係る事項ですので、薬事分科会における確認事項第3項に基づき、医薬品 第一部会での審議結果を踏まえて、薬事分科会にて審議を行うこととなっております。  はじめに部会の審議結果等を御報告いただいた後、当分科会で審議をいたしたいと思 います。それでは医薬品第一部会長の松井委員から御説明をいただきたいと思います。 よろしくお願いいたします。 ○松井委員 資料1-1及び1-2のクロザリル錠25mg、同錠100mg、クロザピンについて 概要を説明します。  このクロザリル錠はジベンゾジアゼピン系化合物でありまして、審査の詳細について は後ほど事務局から説明をいたします。  本剤の有効成分であるクロザピンはスイス・ワンダー社(現在のノバルティスファーマ 社)で合成され、海外では1969年10月にオーストリアで初めて承認されております。し かし、1975年に承認されたフィンランドにおきまして、発売後6か月間で死亡例8例を 含む16例の無顆粒球症の発現が報告され、世界各国で販売停止、又は販売中止等の措置 が行われた経緯がございます。しかし、その後、既存の抗精神病薬で治療困難な統合失 調症に対する有効性が認められたこと。本剤投与で認められる無顆粒球症に対し、患者 モニタリングを導入することで、早期発見、治療が可能になり、無顆粒球症による死亡 率を減少させることが示されたこと。  2008年10月現在、治療抵抗性の統合失調症を適用として、欧州、米国等、97か国で 承認されております。  本邦では、□□年に□□□□□□□□□(□□□□□□□□□□□□□□)により承認 申請が行われましたが、先ほどの海外での無顆粒球症の報告を踏まえて、承認申請は取 り下げられています。  その後、□□年□月に至りまして、サンド薬品株式会社(現在のノバルティスファーマ 社)により、治療抵抗性統合失調症を対象とした臨床開発が再開され、治療抵抗性の統合 失調症患者における有効性及び安全性並びに本邦における患者モニタリングシステムの 実施可能性等が検討され、これらの結果に基づき、今般の承認申請が行われております。  本剤につきましては、去る2月27日に開催された医薬品第一部会におきまして審議し た結果、承認して差し支えないとの判断に至りました。部会において審議した結果、本 剤は、治療抵抗性の統合失調症の治療における最終選択薬であり、本剤投与時には患者 モニタリングを徹底することで、本剤のベネフィットはリスクを上回ると判断いたしま した。以上、本剤の概要について説明いたしましたが、事務局から詳しい説明をお願い いたします。以上です。 ○望月分科会長 ありがとうございます。 ○機構 それでは事務局より御説明させていただきます。審査の概略について、主に臨 床成績を中心に御説明させていただきます。  本剤の有効性について、審査報告書44ページの表を御覧ください。治療抵抗性の統合 失調症患者を対象とした国内臨床試験におきまして、各評価時期の簡易精神症状評価尺 度、以下「BPRS」と略しますが、このBPRSの合計スコアのベースライン、又は 投与前からの変化量を示しております。ベースライン又は投与前からの変化量は、最終 評価時におきましていずれも有意に低下しており、国内で実施した1301試験におきまし ては、−17.2というスコアが出ております。  本剤については、海外において治療抵抗性の統合失調症に対する最終選択薬として、 ガイドライン等で広く認識されており、国内の臨床試験結果とあわせて評価した結果、 本剤の治療抵抗性統合失調症患者に対する有効性は示されていると判断いたしました。  次に安全性について説明させていただきます。審査報告書59ページの上から1行目を 御覧ください。本剤の投与により、発現する無顆粒球症等を早期に発見し、治療を行う ため、海外と同様の患者モニタリングシステム、これを以下「CPMS」と略しますが、 このCPMSを本邦においても導入することとなっております。CPMSには患者のほ か、本剤を処方する医師、本剤を管理する薬剤師及びそのコーディネート業務を行う者 が登録されておりまして、(1)〜(7)の要件を満たす医療機関においてのみ本剤を処方する ことが可能となるように規定しております。  またCPMSにおきましては、審査報告書58ページの表を御覧ください。こちらにあ るように、白血球数及び好中球数の基準に則って、血液検査を実施し、白血球数が3,000 未満、又は好中球数が1,500未満の場合には、本剤の投与を中止するということが規定 されております。  また審査報告書52ページの上の表を御覧ください。本剤による耐糖能異常発現のリス クは、既に承認されている統合失調症の治療薬であるオランザピン及びクエチアピンと 同等以上と考えられますが、本剤は、治療抵抗性の統合失調症に対する最終選択薬とい う臨床的位置付けを踏まえると、糖尿病を合併する統合失調症患者への本剤の投与につ いても考慮する必要があると考えております。  そこで審査報告書62及び63ページの表を御覧ください。本剤投与中には、血糖値及 びHbA1c等を定期的にモニタリングすることを義務付けることとしております。糖尿病 又は糖尿病の既往のある患者に対する本剤の投与について、原則禁忌の項を設定して、 これらの患者に対する投与については注意喚起をすることが適切と判断いたしました。  審査報告書67ページを御覧ください。これまで説明させていただいた検討内容を踏ま えて、本剤の承認に当たっては3つの承認条件を付与することが適切と判断しました。 一つ目は、本剤のリスクに十分対応でき、白血球数、好中球数及び血糖値等の検査を定 期的に実施すること。二つ目としては、患者に対してあらかじめ文書により同意を得る こと。三つ目としては、製造販売後に全例を対象とした使用成績調査を実施することを 承認条件として義務付けるというように考えております。以上、総合機構の審査及び医 薬品第一部会での審議の結果、本剤は治療抵抗性統合失調症に対する有用性は認められ、 安全性についても患者モニタリングの実施等を義務付けることで、本剤投与による無顆 粒球症等の発現については管理可能と考えられ、先ほど御説明させていただいた承認条 件を付与した上で、本剤は承認して差し支えないと判断し、薬事分科会で審議されるこ とが適切と判断いたしました。  なお、再審査期間は8年、原薬及び製剤は劇薬に該当し、特定生物由来製品には該当 しないと設定することが適切と判断されております。以上です。よろしく御審議のほど をお願いいたします。 ○望月分科会長 ありがとうございました。ただ今の説明につきまして、御意見、御質 問等はございますか。 ○土屋委員 今回有害事象の発現防止、あるいは重篤化の防止のために極めて厳しい管 理を行いながらやるということについては、十分必要なことだと思っております。確認 をしたいのですが、先ほどもありましたが、原則入院中ということであっても、退院す ることはあり得るという場合に、実は二つのケースがありまして、一つは例えばこうい う患者さんが骨折をされたりとかで、全く別の病院に入院してきて、持参薬としてこう いう薬を持ってくることがあります。そうすると、この規定によると、登録されている 医療施設のみに本剤は供給されるわけです。そのルールが悪いというわけでは全くなく て、それは必要だと思っていますが、そういうケースで薬の投与はどうしているのか。 現実として、結構そういうことは困ったりすることがあるものですから、通常の縛りは 当然是とした上で、そういうことが起きたときの対処方法のルール化を考えておく必要 があるのかなという気がいたします。とにかく、そういうことが起きたときにだれがモ ニタリングをして、どうするのかと。恐らく入院していた所の病院の薬剤師もきちんと 講習を受けて、テストを受けて合格しているということですが、そういうことで入院さ れてくる所というのは突然なので、事前の準備ができないものですから、そういったと きの方法論というのもこういう時代ですので考えておいた方がいいのかなという気がい たします。 ○望月分科会長 ありがとうございました。事務局から、今の点について何か御意見は ございますか。 ○機構 先生、コメントをありがとうございます。もう一度申請者の方と再度詰めたい と思います。現時点での我々の考えを申しますと、基本的にはそういった患者さんはま ず一時的にもともと処方されていた病院へコンタクトをしていただいて、それから行く 病院との連携をとっていただくのだろうと考えております。  例えば、いきなり骨折で運ばれた病院へ行っても、そこには登録医等がおりませんの で、そういった場合は基本的には投与できないということになりますし、そこには薬が ないという前提ですから、その場合には薬はいったん中断される可能性があるというこ とです。そういったことを避けるために、退院してから患者さんに何かが起こった場合、 まずは、今かかりつけの登録医がいる病院にコンタクトをしていただいて、そことの連 携を図っていただくということを考えていく必要があるのだろうと思います。  少なくとも、今ここで考えているCPMSの頻度に基づいてもともとある病院、ある いは登録医がいるような病院へ行ける状態でないと、この薬については投与ができない ことになるかと思います。 ○土屋委員 それを十分分かった上で、ただ例えば救急車が選んでくれるわけではない ので、事前に何とかするというのはなかなか難しいので、そういうことが起きたあとに どうするかということは、事前に起きる可能性は低いとは思いますが、方法は何か考え ておいた方がいいだろうなと。恐らく退院時の服薬指導、その他でその辺のことはきち んと説明をするのだとは思います。あるいは将来的に見れば院外処方箋ということもあ り得るのかもしれませんので、そういったときのことも含めて、例外的なケースだと思 いますが、例外に対しても手順を決めておいた方が、結果として全体が安全なやり方に なると思いますので御検討いただければと思います。 ○望月分科会長 いかがでしょうか。事務局からどうぞ。 ○事務局 先生のコメントを踏まえて、再度手順を確認させていただきたいと思います。 ○望月分科会長 お願いいたします。ほかにどなたかいかがでしょうか。 ○松本委員 若干、今の土屋先生の御質問と関連性はあるのですが、この医薬品の使用 に際して、やはり大きな障害となっているのは無顆粒球症だろうと思うのです。これに 対して、先ほどCPMSの導入などの安全対策が講じられております。ただ、無顆粒球 症の早期発見、早期治療というのは大変重要ではないかと感じている次第です。  それと関連して、事務局の方に御検討をお願いしたいのですが、今日は安全対策課長 の森課長がおられますが、安全対策課が行っている事業の1つに、重篤副作用総合対策 事業というのがあります。この中に「重篤副作用疾患別対応マニュアル」が作られてお りまして、無顆粒球症も入っており、一般に公開されております。大変よくできている マニュアルです。今、池田先生は退室されておりますが、日本血液学会に依頼して作ら れたものです。  これを見ますと、患者さんにとっても、薬剤師さんとか、医療従事者の方、専門外の 医師にも分かりやすいように作られております。この薬の使用に関してはぴったりのマ ニュアルではないかと思います。せっかくいいものができておりますので、安全対策課 と相談の上、このマニュアルの活用に関して検討していただければと思いますので、ど うぞよろしくお願いいたします。 ○望月分科会長 ありがとうございます。安全対策課長、どうぞ。 ○安全対策課長 大変有り難い御指摘でございました。全面的に協力をいたします。患 者さんに対する注意喚起のために役立てていただければ幸いです。 ○望月分科会長 ありがとうございます。笠貫委員、どうぞ。 ○笠貫委員 66ページのところで御指摘をいただいた無顆粒球症、好中球減少症、白血 球減少症を加えますと、日本のデータは77例と少な過ぎるので、比較することが妥当か どうかは分かりませんが、海外での発現のパーセンテージから言うと5倍以上あり、高 血糖についても10倍以上になります。これから副作用の発現に人種差があるかどうかに ついてのお考えと、もし人種差として日本人に起こりやすいということでしたら、CP MSをさらに注意喚起する必要があるかどうか。それも添付文書で触れるかどうかにつ いて教えていただきたいと思います。添付文書の「副作用の頻度」のところで、日本は 無顆粒球症が2.6%ですが、この頻度は添付文書の「副作用」のところには「白血球減 少12例」としか書いてないのですが、添付文書に無顆粒球症をきちんと書かれた方がい いのではないか。この二点についてお伺いしたいと思います。 ○望月分科会長 ありがとうございます。ただ今の二点についてお答えをいただきたい と思います。 ○機構 コメントをありがとうございます。まず、頻度の話です。先生御指摘のように、 国内の臨床試験で高い結果が出ております。例数が少ないために一概的には言えません が、我々としては人種差があるのではないかと。日本人の方が高く出る可能性はあると 考えていまして、それについては十分な注意が必要だと思っています。  CPMSの基準については、先ほど御説明した審査報告書58ページの表を御覧いただ くと分かるかと思います。実は週1回の検査に移行する、あるいは週2回の検査に移行 する基準を海外よりも厳しく設定しております。海外は例えば白血球数は3,500ですが、 日本の場合は4,000となっていて、比較的早い段階からその頻度を増やして検査をする ということを規定をしております。CPMSの規定自体は、むしろ海外よりも国内の方 が厳しく設定している状況です。  したがって、これで十分かどうかは市販後の全例調査の中でさらに対応を検討してい きたいと思います。我々としては、先生御指摘の点も十分に考えながら、検討を進めて いきたいと思っております。  添付文書の注意喚起につきましては、先生御指摘の点は、国内の方が高いのではない かということをきちんと頻度として明記しろという御指摘かと思いますので、その点に ついては再度こちらの方で書き振りも含めて検討させていただきたいと思います。 ○望月分科会長 ありがとうございます。ほかに御意見はございますか。神山委員、お 願いします。 ○神山委員 初歩的な質問ですみませんが、有効性を判断するというときの指数とか、 添付文書で反応がない場合にはやめるということが書いてあるのですが、具体的に臨床 的な症状としてどういうことがあると効いた、効かないと判断するのか、ちょっと理解 できないので、素人的で申し訳ありませんが教えてもらいたいと思います。 ○望月分科会長 ありがとうございます。御説明をいただけますでしょうか。 ○機構 非常に難しい御質問かと思います。統合失調症患者さんの精神症状というのは 一概ではなくて、陰性のような症状と少し興奮した状態の陽性症状の2つの面がござい ますので、その患者さんのそれぞれの症状に応じた治療がなされていると理解しており ます。  現在はBPRS等が治験で使用されていますが、それ以外にPANSSというスコアも使 われておりますので、そういった患者さんの一つ一つの症状を見ながら、実際に先生が 御判断をされている。効かないというのは、これまでは非定型の抗精神病薬が中心にな っておりますが、それがオランザピンであるとかリスペリドンといった薬がありますが、 そういった薬を承認されている用量をある一定期間使っても、やはりそういう症状には 改善が見られない場合、その薬では反応がない、治療抵抗性になるという認識です。今 リスペリドンを投与されていても、なかなか症状が改善できないために退院できないよ うな患者さんがいらっしゃる。そういった場合に、クロザリルという薬を投与すること で、改善するのではないかと期待されているということになるかと思います。 ○望月分科会長 よろしいでしょうか、神山委員。 ○神山委員 それでも抽象的ですが、例えば自分の中に閉じこもってしまって、自分の ことしか考えていなくて、病院の行事にも参加しないという患者さんもいるのですが、 そういうような人が少しは心を開くようになるとか、そういったような効果が期待でき ないか。 ○事務局 例えば、典型的なものであれば妄想症状ですね。実際には、統合失調症の患 者さんで起こるのは、現実的にはないことを考えていて、それを相手に対して話をしな がら、私は脅されているとか、通常は見えないものが見えている。そういった症状のた めに周りに対して混乱を来す。そういった症状の改善というのが期待されているわけで すが、症状が今のリスペリドンやオランザピンでも十分に治ってこない。そういった場 合にクロザリルという薬の効果が期待されているということかと思います。 ○望月分科会長 よろしいですか。ほかにどなたかございますか。木津委員、お願いし ます。 ○木津委員 添付文書の用法・用量のところで、このお薬は、初日は25mg錠を半分に割 って、半分だけを飲んでくださいという形になって、次の日からは1日1回25mg錠を服 用するとなっています。  添付文書の8ページを拝見しますと、「PTP包装から取り出した錠剤はなるべく速 やかに使用すること。PTP包装から取り出し無包装状態で放置すると光により退色す ることがある。退色が認められるものは使用しないこと。」ということになっておりま すが、半分に割った残りというのは、例えば褐色の密封のところに入れるとどのくらい とか、保存のものの製剤の方は非常に安定であるというデータが載っているのですが、 PTPから取り出したときの安定性の試験とか、その辺はどうなっているのかお教え願 えますか。 ○望月分科会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。事務局の方からお答え願 えますか。 ○機構 御指摘をありがとうございます。基本的に、この薬は最初は必ず入院で投与さ れますので、初日の投与というのは薬剤師なり、医師の下で半分に割った錠剤でそのま ま患者さんに渡されますから、残った半分というのは病院の方で管理をされて、患者側 にいくことはないと我々としては想定しています。 ○木津委員 病院での管理方法というのが、たまたま2例続いて入ってきたときも、半 分に割ったものが使えるのか、使えないのかとか、結構薬剤師さんは細かく見ると思う のですが。これだと半分は管理して使えるのか、使えないのかよく分からない。 ○機構 PTP包装から取り出したあとの安定性ということに関しては、申し訳ないで すが、具体的なデータを持ち合わせていませんので、その辺も含めて何か情報提供でき るものがあれば考えさせていただきたいと思います。 ○木津委員 多分いろいろなところで問い合わせ等々があるかと思いますので、どうい う包装にしたら退色が起こらないで、中の成分が安定であるというところをお知らせい ただけると、現場では大変助かるのではないかと思います。 ○機構 コメントありがとうございました。主旨は理解いたしました。 ○望月分科会長 現場の薬剤師によく分かるような指示を付けていただくということ で。ほかにどなたかございますか。それでは幾つか御指摘いただいた点を申請者に戻し ていただくということで、特段の御異議がなければ議決に入りたいと思いますが、よろ しいでしょうか。それでは部会の報告を踏まえ、当分科会として本品目について、製造 販売承認を可、再審査期間は8年、原体、製剤ともに劇薬に指定し、生物由来製品及び 特定生物由来製品の指定は不要とすることが適当であると認める旨、議決いたしたいと 思いますがよろしいでしょうか。  ありがとうございます。御異議なしと認めます。それでは薬事・食品衛生審議会規程 第3条第1項の規定に基づき、当分科会の議決をもって審議会の議決とし、厚生労働大 臣に答申することといたします。答申書の文案、その他の取扱いについては私に御一任 いただいてよろしいでしょうか。  ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。ありがとうござい ました。 ── 池田委員入室 ── ○望月分科会長 それでは次の議題に入りたいと思います。議題2、資料2、「動物用 医薬品インプロバックの製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の 指定の要否について」です。  本品目は、既承認の類似薬がない新有効成分を含有する動物用医薬品に係る事項です ので、薬事分科会における確認事項第3項に基づき、動物用医薬品等部会での審議結果 を踏まえて、薬事分科会にて審議を行うこととなっております。  初めに部会での審議結果等を御報告いただいた後、当分科会で審議をいたしたいと思 います。それでは動物用医薬品等部会長の赤堀委員から御説明をいただきたいと思いま す。どうぞよろしくお願いします。 ○赤堀委員 インプロバックはファイザー株式会社から製造販売承認申請されたもの で、性腺刺激ホルモン放出ホルモンとジフテリアトキソイドを結合させたものでありま して、豚の免疫学的去勢効果を効能とする製剤です。本剤は11週齢以上の無去勢豚に4 週間隔で2回頚部皮下投与することで、性腺刺激ホルモン放出ホルモンに対する抗体を 産生し、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを特異的に中和することから、結果として去勢 と同じような効果を発揮するものです。  少し補足的になりますが、雄豚は性成熟期に達しますと、雄特有の行動を起こします。 例えば順位を決めるための闘争であるとか、あるいは雌豚を追いかけるというような行 動が見られます。また、独特の肉のにおいがありまして、これは人の場合ですと男性ホ ルモンでしょうか、私たちは雄性ホルモンと言っておりますが、アンドロゲン依存性で においの原因物質であるアンドロステノン、これはフェロモンでして、人では汗に含ま れるステロイドですけれども、このにおいは男性は40%、女性は60%の方が、そのにお いを感じるというように言われています。  豚では、これが唾液中に存在しておりまして、その量は雌よりも雄の方で多いという ことがわかっております。雌の豚はこのにおいをかぐことで、交尾姿勢をとることも知 られておりますが、これが肉に移行し、肉のにおいになっております。このにおいが着 きますと、商品価値が低下し全く売れない。すなわち消費者が買わないということにな りまして、古くから雄豚の肥育では、1週齢の時点で、外科的処置として去勢を行って おります。この去勢の方法は無麻酔で陰嚢を切開いたしまして、挫滅式で精巣を摘出す るという方法で行っております。しかしながら、その外科的去勢におきましては、リス クが伴います。例えば豚に対してストレスがかかるとか、あるいは感染症のリスク、あ るいは飼料効率が低下するというリスクが起こってまいりますが、肉のにおいが商品価 値を下げるということと比べますと、それでも外科的処置をして、肉を、消費者に買っ ていただくという選択を取ってきております。  本剤の使用によりまして、性成熟期に伴い発現する雄豚の行動や、独特の肉のにおい を抑制できるというのが、本剤の特徴であります。その上、外科的去勢をしないために、 無去勢の豚と同じような高い生産性を維持することが可能となります。また、外科的去 勢の代替法となりますので、動物福祉や感染防止の観点からも有用性が高い製剤として 開発されたものであります。  本剤はオーストラリア及びニュージーランドで1998年に承認されたあと、現在では世 界17か国で承認されておりますが、我が国では初めての新有効成分を含有する動物用医 薬品として、動物用医薬品等部会の審議を経て本日御審議いただくものです。詳細につ きましては事務局の方からお願いいたします。 ○望月分科会長 ありがとうございました。事務局の方から補足等説明をお願いいたし ます。 ○事務局 農林水産省でございます。補足の説明をさせていただきます。資料2を御用 意いただきたいと思います。「概要」の1ページを御覧ください。本剤につきましては、 先ほど赤堀部会長より御説明いただきましたとおり、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、 以下「GnRH」と略しますが、これに対する特異的抗体を産生させまして、GnRH を中和するということで、免疫学的な去勢効果を発揮するというものです。この合成の GnRHですが、アミノ酸ということでかなりの低分子のため、免疫原性はこれだけで はかなり低いということから、ジフテリアトキソイドをキャリアー蛋白として結合させ まして、GnRHに対する抗体を産生するものでございます。本剤の主剤の合成GnR H・ジフテリアトキソイド結合物につきましては、ホルモン活性がないということが確 認されています。  本剤の有効性、安全性について御説明します。概要の74ページを御覧いただきたいと 思います。こちらの表ホ-1-1のラットでの皮下及び経口投与による急性毒性試験の結果 及び76ページの表ホ-1-2にラットに2か月間2回経口及び皮下投与した場合の反復投 与の毒性試験の成績を示しております。これらの試験におきましては、経口投与による 毒性作用等はないという結果になっております。  次に81ページを御覧いただきたいと思います。本剤の常用量及び10倍用量を用法・ 用量に基づいて、豚に投与いたしまして、安全性について検討しております。成績につ きましては、82〜88ページにありますが、常用量群につきましては、注射局所の一過性 の発疹や腫脹のみが見られております。また10倍用量群では、一般徴候といたしまして、 元気消失、食欲不振、投与局所発疹、腫脹等が認められております。これらの結果から、 本剤を常用量使用する場合であれば、安全性に特に問題はないということが結論付けら れております。  次に94ページを御覧いただきたいと思います。用量あるいは出荷適期に関する設定試 験となっております。成績については96〜114ページですが、その結果、本剤の主剤0.4mg を4週間隔で2回皮下注射いたしまして、4〜6週後が出荷適期となっております。ま た、113ページの表ヘ-24にありますように、本剤投与6週以降では、このGnRHに対 する抗体が減衰をするということで、テストステロン濃度の上昇、あるいは陰嚢幅の拡 大、精巣重量の回復傾向が見られることから、本剤による去勢効果につきましては、可 逆的な反応であることが示唆されております。  次に125ページの表チ-1を御覧いただきたいと思います。こちらの方で外科的去勢を 行った群、本剤投与群、無去勢豚群を設定いたしました臨床試験を実施しております。 この評価の結果、本剤の投与により免疫学的な去勢効果が認められまして、かつ安全で あるという判定がされています。なお、本剤につきましては、2回投与後、最低4週の 出荷適期がありますので、有効性を担保するという観点から、「と畜場出荷前4週間は 使用しないこと」という使用制限期間が設定されています。  最後に本剤の劇毒薬の指定についてですが、本剤につきましては、劇薬成分とされて おります、ジフテリアトキソイドが主剤に含まれておりますので、本剤につきましては 劇薬と指定するという取扱いとさせていただきたいと考えております。本剤につきまし ては、新有効成分含有動物用医薬品ということで、動物医薬品等部会の審議を経まして、 本日上程されるものです。なお、再審査期間につきましては6年間とされているところ です。  続きまして委員の先生から事前にいただいた質問にお答えさせていただきたいと思い ます。神山委員からいただいた御質問ですが、まず一つ目ですが、動物福祉の観点から 検討されていないのかという御質問です。こちらにつきましては、現在食肉ということ で出荷されるために飼育されている豚につきましては、先ほど赤堀委員より説明があっ たとおり、雄臭による商品価値の低下を防止するために、我が国だけではなく諸外国も 含めまして、この外科的な去勢を行っているところです。陰嚢切開で行われる外科的な 去勢については、苦痛とストレスを与えるということが考えられることから、注射のみ で同様の効果を得られる本剤につきましては、動物福祉の観点からも有用であると考え ております。また、産業動物に対する動物福祉ということにつきましては、近年EU、 米国あるいは動物衛生関係の国際機関でもあります、国際獣疫事務局、OIEと申しま すが、そちらにおいて、基準策定等の取組みが進んでいます。我が国におきましても、 このような動向に的確に対応するために、社団法人畜産技術協会が中心になりまして、 平成19年度より、アニマルウェルフェアに対応した家畜の飼養管理に関する検討会を開 催いたしまして、動物福祉に対応した家畜別の飼養管理指針の策定等を検討していると ころです。  次に雄臭とはどのようなものかという御質問です。豚の雄臭につきましては、性成熟 期に達した雄豚の肉を調理あるいは食べたときに、多くの消費者が感じます、鼻を突く ような不快な臭気あるいは味覚というものです。具体的には尿、糞便、あるいは汗のに おいのようなものです。この主な原因は、先ほど赤堀委員よりありました、アンドロス テノン、あるいはスカトールといった物質ですが、これらにつきましては、雄性ホルモ ンに依存して増加するということから、雄豚の性成熟にともない、脂肪に蓄積しまして、 豚肉の商品価値を低下させるというものです。説明は以上でございます。御審議のほど よろしくお願い申し上げます。 ○望月分科会長 ありがとうございました。ただ今の説明につきまして御意見、御質問 等いただけますでしょうか。 ○黒木委員 使用上の注意のところで教えていただきたいのですが、使用者に対する注 意ということで、人に誤って注射しないように十分注意すること、また誤って注射した 場合は、医師の診察を受けることとなっておりますが、その場でできる応急手当、実際 病院に行ったときにどのような処置になるか教えていただければと思います。  もう一点は、海外の事故事例などがありましたら教えてください。 ○望月分科会長 この二点につきましていかがでしょうか。 ○事務局 まず現場における応急処置ですが、これにつきましては、取りあえず投与さ れたものを吸引する等して除くということになると思います。 ○事務局 代わってお答えいたします。治療の観点ですが、海外での事故事例がまだご ざいません。ただし、この製剤は、資料を確認していただくと、中にも含まれていると 思いますが、1回投与によっては、それほど抗体が上がるものではございません。2回 投与ということで、抗体が上がってくるような製剤になっております。したがいまして、 ただ今御覧いただいております「使用上の注意」の「使用者に対する注意」の(4)に、 「誤って人に注射した場合は、本使用説明書を持参し、医師の診察を受けること。以後、 本剤を取り扱わないこと」とありますように、2回目の接種をしないことでもって、そ れほど大きな被害を生じるものではないと考えております。 ○望月分科会長 よろしいでしょうか。 ○黒木委員 ありがとうございます。そうしますと、逆に1回目ということであれば、 その場で吸い取った方がいいのか、切開して出して洗った方がいいのか、それともその まま医師にそちらもお任せするという形で、すぐに水洗いなどして受診した方がいいの かといった点はいかがでしょうか。  もう一点。使用する手袋等の何か基準はありますでしょうか。 ○望月分科会長 今の二点についてお願いいたします。 ○事務局 切開した方がいいのかという点ですが、今のところそのようなことをまずな さらずに、この添付文書をお持ちになって、医師の診察を受けること、その場で雑菌な どが入ったら、別な被害も生じることから、そういうことを考えております。また、本 剤につきましては、専用の注射器がありまして、注射をするときには、セーフガードが 付いている形で、ただ刺しただけでは注射されないような注射器を専用に用いるという ことになっております。またメーカーさんの方も、使用される方には十分な指導をした 上で使用するというようなことになっております。被害はなるべく最大限防ぐような形 の仕様になっております。 ○望月分科会長 よろしいですか。溝口委員、お願いいたします。 ○溝口委員 チメロサールについて2、3お伺いしたいと思います。有機水銀であるチ メロサールが、現在人のワクチンに含まれていることが問題視されて、含有量を減らし たり、チメロサールを含まないワクチンが作られたりしているところだと思います。皮 膚科領域から言わせていただきますと、チメロサールによるパッチテストをしますと、 大変陽性率が高くて、その原因はワクチンの防腐剤、保存剤と言うべきかもしれません が、チメロサールが使用されているためですし、ピロキシカムによる光過敏症もチメロ サールと関係があると内外から既に10年前に報告されています。この概要の36ページ の表ロ-25を見ますと、本ワクチンのチメロサール含有量は、90〜100μgで、今インフ ルエンザワクチンで10μgですから、大体約10倍と推定されますし、人と違いまして、 倍量の2ccを2回注射しますので、約40倍にチメロサールがなると思うのです。ただ、 大きな豚に注射しますので、その段階でかなり希釈されますので、問題になる量ではな いのかもしれません。ただし、外国と違いまして牛肉が高いので安い豚肉がかなり食べ られると思うのです。非常によく食べられる食肉だと思います。ちょっと考えてもトン カツとかしょうが焼きとか、カレーライスとかいろいろありますし、子どもの給食にも たくさん出てくると思います。そうなりますと、微量であっても、その有機水銀である チメロサールが長い間体内に蓄積されることも問題ですが、アレルゲンとして抗体がで きて、アレルギー反応の原因になったりする可能性もあると思うのですが、そういった 心配がないかどうかお伺いしたいのですが。 ○望月分科会長 ただ今の質問についてお願いします。 ○事務局 御質問ありがとうございます。農林水産省といたしましても、ただ今おっし ゃられましたチメロサールの毒性については、十分考えております。また、できれば使 わないようにという指導もしているのですが、今のところチメロサールの代替となるよ うなものがないというものにつきましては、この製剤のように入っているものもござい ます。また、本会で御審議いただいた後、食品安全委員会で、食品の観点からの評価を いただくことになっております。現在、チメロサールを含有するほかのワクチンなので すが、そのようなものにつきましても、食品安全委員会で御審議いただいた上、安全性 を確認して使用している次第ですので、後日、食品安全委員会で、これについても検討 いただくようお願いするところです。 ○溝口委員 ここに17か国で既に承認されていると書かれていますが、オーストラリア でも日本と同じようにチメロサールが含まれていると書かれていまして、オーストラリ アでは牛肉ばかり食べますから、余り豚肉は食べないのではないかと思いますが、それ は別として、アメリカやスイスを除くヨーロッパでは承認されていないみたいですし、 ほかの承認された国でも全部チメロサールが使われているのでしょうか。 ○望月分科会長 いかがですか。 ○事務局 承認されている国におきましては、すべて同じ成分・分量のものが販売され ております。 ○望月分科会長 濃度的にも同じ性状のものですか。 ○事務局 そうでございます。 ○農林水産省畜水産安全管理課長 畜水産安全管理課長ですが、豚肉の消費量の指摘が ありましたので、年間1人当たりの豚肉の消費量は日本は19.5kgですが、オーストラリ アは21.6kg、アメリカは27.9kg、EUは38.8kgということで、日本は欧米に比べます と、豚肉の消費量が少ないという状況になっております。 ○溝口委員 分かりました。どうもありがとうございました。ただ、安全性の確認も、 どうぞよろしくお願いいたします。 ○望月分科会長 ただ今溝口委員の意見を、今度の食品安全委員会の中で議論して御検 討ください。ほかにはどなたか。 ○神山委員 動物福祉の観点で、もう一点伺いたいのですが、ヨーロッパは去勢に否定 的で、ノルウェーでは獣医師が局所麻酔を実施して去勢を実施することが法律で定めら れていて、2009年に去勢が全面的に禁止されると書いてあるのですが、ヨーロッパやノ ルウェーでは、全く去勢をしない、こういう薬剤による去勢もしないで、雄臭いにおい のままで豚肉を食べているということなのでしょうか。 ○事務局 こちらにございますように、ヨーロッパ等におきましても、麻酔下で去勢を するというような手法が取られております。 ○望月分科会長 ただ今の質問に対する答えと違うような気がするのですが。 ○神山委員 今いろいろなところで日本人の超潔癖症とか、無臭社会とかいうようなこ とが言われています。それが決して正常ではないと思いますし、生きている動物をいた だくのに、くさいから嫌だとか言っていて、それを無理矢理薬を飲ませて去勢をすると か、そういう方向にいくということ自体が、私はおかしいのではないかと感じていると いうことをお伝えすれば、それで結構です。 ○望月分科会長 ということをお伝え願いたいということです。 ○事務局 ありがとうございました。 ○木津委員 専用の注射器のことなのですが、後ろの方にオーストラリアの添付文書と の比較対照表が載っているのですが、そこのところですと、本品の投与には針が安全に 遮蔽された専用のとか、非常に親切に書いてあるのですが、日本のものを見てみますと、 専用の注射器を用いることというのは書いてあるのですが、別紙の使用上の注意の4番 を拝見いたしますと、「本剤を筋肉内に投与しないよう、15mm以下の短い針を使用し、 皮膚に垂直に針を刺すこと」と。もう少し「専用の注射器を使用する際は」とか、専用 の注射器を使ってきちんとやるということとか、例えば専用の注射器だとこういう仕組 みになっているとかいうのが、もう少し親切に書いてあってもいいような気がしたので すが、その辺について御意見を教えてください。 ○事務局 専用の注射投与器につきましても、別途医療機器としての届出がされる予定 になっております。そちらの方でも、当然医療機器としての詳細な使用について記載す ることになると考えております。 ○木津委員 確かに専用の注射器を見ますと、そこに詳細な説明書があると思うのです が、使われる薬剤に対してもそれがないと、やはりそれをどこかで情報が漏れた場合に は、違う注射器でやるおそれがあると思いますので、是非薬剤にもその辺のところが情 報としてついているような形が望ましいと思いますので、御検討いただければ幸いです。 ○事務局 御意見を踏まえて整理させていただきたいと思います。ありがとうございま す。 ○望月分科会長 ほかには何か御意見ございますか。 ○本田委員 先ほど、食の安全ということで少し議論があったようですが、食品安全委 員会で検討していただくということですが、多くの場合、日常的な平均摂取量というと ころで、安全かということが議論されがちですが、この件に関しましては、最大可能性 のある摂取量で御検討いただきたいということをお願いいたします。 ○望月分科会長 よろしいでしょうか。最大摂取量で検討してほしいということですが。 ○事務局 はい、その旨、反映させていただきたいと思います。 ○土屋委員 極めて些末な話でございますが、先ほど話が出ておりましたが、「使用者 に対する注意」の(4)ですが、「誤って人に注射した場合には、本使用説明書を持参し、 医師の診察を受けること」というのは、主語を考えますと、日本語の表現としては、打 たれた人が行くというのは、もちろん誤解しないとは思いますが、外から見られる文書 ですので、日本語はきちんと使い分けた方がいいという気がいたします。 ○事務局 ありがとうございます。見直して整理させていただきたいと思います。 ○望月分科会長 ほかにはどなたか御意見ございますか。 ○井部委員 神山委員の話と関連しているのですが、今日本で食べている豚というのは、 つまり去勢しているか、このインプロバックを使うか、必ずそういう処置がされている 肉でないと市販されていないということですか。本論と外れているかもしれませんが。 ○赤堀委員 私の方からお答えします。今すべての雄豚は外科的に去勢しております。 それをしないと商品価値がなくなりますので、生産者としては売れない物を生産しても しょうがないということでやっております。それは、これまで議論してきましたように、 いかにも動物福祉の観点から、家畜に対してひどいことであろうということで、EUや 欧米では廃止の方向に進んでおりますが、日本では外科的に去勢をしております。した がって、それに代わるものとして、免疫学的な去勢処置をすることによって、肉として の商品価値を保持するという形で対応していると、御理解ください。 ○井部委員 何もしないと非常にひどいにおいが肉に付いているということですか。 ○赤堀委員 恐らく。人の汗の方もそうですが、男性の場合は気にならない方が60%ぐ らい、女性の方は60%が気になるということがありますので、人によって官能テストみ たいなものですが、一般的に考えてみると、やはり雄豚のくささを取ることによって、 商品価値が上がるということで養豚家は対応しているというように御理解いただければ いいと思います。 ○井部委員 ありがとうございました。 ○竹嶋委員 実際に現場の医師の方に見えたときに、処置は何をすればよいのか。消毒 するぐらいしかないのでしょうか。確認ですが、先ほど確かほかの国でもそういう事例 はありませんでしたということですが、そのことを再確認しておきたいのですが、医師 のところに来ても、私はどうするかというと消毒するしかない。その程度でしょうか。 ○望月分科会長 いかがですか。何かお答えはありますか。 ○竹嶋委員 答えは難しいですね。要するに、海外でもまだ事例はないということです ね。そこだけ確認しておきます。 ○望月分科会長 特にコメントはされませんか。 ○事務局 海外では、誤注射の事例はないという報告をメーカーから受けています。 ○望月分科会長 竹嶋委員の指摘に対しては、今のところはないということですね。大 野委員お願いします。 ○大野委員 先ほどの本田委員のコメントに関係していますが、こういうペプタイドは、 蛋白合成阻害剤を併用すると、意外に消化管から吸収される場合があります。そうなる と、ごく微量のものをずっと摂取した場合に、どういう影響が出るかという反復投与の ときの影響が蓄積されるのかどうかを含めて、吸収と反復投与したときの毒性が蓄積さ れるのかどうか。その両方を含めて、食品安全委員会で審議していただけると有り難い と思います。 ○望月分科会長 ありがとうございました。ただ今の点も含めて、よろしいですか。 ○事務局 対応させていただきたいと考えています。 ○望月分科会長 ほかには、御意見等ありますか。幾つか意見が出されましたが、これ を食品安全委員会及び申請者に連絡して、検討していただくということでいきたいと思 います。  それでは、特段の御異議がないようですので、議決に入りたいと思います。池田委員 におかれましては、寄附金等に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いた だくこととします。部会の報告を踏まえ、当分科会としても本品目について、製造販売 承認を可、再審査期間は6年、劇薬に指定することが適当であると認める旨議決したい と思いますが、よろしいですか。  ありがとうございます。御異議なしと認めます。それでは、薬事・食品衛生審議会規 程第3条第1項の規定に基づき、当分科会の議決をもって審議会の議決とし、厚生労働 大臣に答申することとします。答申書の文案その他の取扱いについては、私に御一任い ただいてよろしいでしょうか。  それでは、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。  これより、報告事項に入ります。御担当の部会ごとに区切って報告をいただくことと します。まずは、「副作用・感染等被害判定第一部会」及び「副作用・感染等被害判定 第二部会」の関係の議題3から、簡単に説明をお願いします。 ○事務局 資料3を御覧ください。平成20年12月、平成21年1月及び2月に開催され た判定第一部会及び判定第二部会の結果について御報告します。資料は、まず3回分を まとめたものをお示しし、その後ろに各部会の判定結果を示しています。  資料に1か所誤りがありましたので、訂正をさせていただきます。4ページを御覧く ださい。表題部分です。「平成20年度第5回副作用・感染等被害判定第二部会」とあり ますが、「第一部会」の誤りです。申し訳ありません。  それでは、1ページの判定結果まとめに沿って報告します。副作用被害判定について は、新規181件、継続16件、現況35件、改定1件の計233件について御審議いただき ました。結果は、「支給決定とすることが適当と考えられるもの」が198件あり、その 内訳は「請求どおり支給決定するもの」103件等となっています。また、「不支給決定 することが適当と考えられるもの」は35件あり、その内訳は「医薬品の使用が適正であ ったと認められないため」10件等です。感染被害判定については、判定第二部会におい て3事例について御審議いただきました。結果は、「支給決定することが適当と考えら れるもの」2件、「不支給決定することが適当と考えられるもの」1件でした。以上、 副作用・感染等被害判定第一及び第二部会の結果の報告です。  次に、神山委員より事前に御質問いただいています。御質問は第二部会と2月26日第 一部会の不適正使用の具体的内容です。以下、各事例について簡潔に回答します。資料 14ページの48番は、肝機能異常が認められているにもかかわらず、原因医薬品を継続 しており、不適正とされています。52番は、ディプリバン注の投与中に気道の確保がさ れていないことなどから、不適正とされています。54番は、アザルフィジンENについ て行うべき血液検査が実施されておらず、不適正とされています。55番は、行うべき血 液検査が実施されておらず、不適正とされています。  21ページの76番は、レクチゾール錠について効能・効果以外の結節性紅斑に対して 使用しており、不適正とされています。79番は、状態の良くない患者に向精神薬6種の 投与を継続しており、不適正とされています。81番は、投与禁忌の患者に原因医薬品が 使用されており、不適正とされています。82番は、原因医薬品を効能・効果以外の乾癬 に対し使用しており、不適正とされています。事前にいただいた御質問については以上 です。報告は以上です。 ○望月分科会長 ありがとうございます。委員の方々から御意見、御質問等はあります か。 ○神山委員 状態が良くないのに向精神薬を6種類も投与して亡くなったこととか、血 液検査をしないで無顆粒球症になるといったようなことの、医療現場での使い方につい ての指導というのは、どのようになっているのでしょうか。 ○望月分科会長 ただ今の御意見について、いかがでしょうか。 ○飯島委員 15ページのパナルジンについては、平成14年と平成16年だと思いますが、 既にイエローペーパーを二度出しています。ジェネリックも出ている時代になっていま すが、きちんと周知、徹底を図っていると聞いています。 ○安全対策課長 基本的に、医薬品の副作用として注意喚起をすべきもの、そのために 必要な検査はどれくらいの間隔で行うべきなのかといった点については、飯島先生の御 説明のように、それぞれの医薬品について処置をしてきています。ただ、それが医療現 場の皆様の方に十分に伝わっていない課題もまたあるという御指摘は多うございまし て、これについて現場に対する情報の伝わり方、伝え方はどのように確認し、行き届い ていないものについて徹底をすることが今後必要だと考えています。したがいまして、 そういった実態について関係の学会等にも御協力いただいて、情報提供、伝達の現状に ついて調査をしてきています。今後さらに、もう少し詳しい実情を把握する調査を計画 していまして、その中からまた現場への適切な情報の伝え方ということをさらに改善を していくという取組みをしたいと考えています。  ただ、一番の問題は、実際にそういった注意喚起を御覧になっていただく先生は大丈 夫ですが、そういうものに関心のない、見られない方がいらっしゃるのが一番頭の痛い 課題であることは申し上げます。 ○望月分科会長 ありがとうございます。神山委員よろしいですか。 ○神山委員 医薬品に限らず、関心がなくて読まない人にどうやって読んでもらうかが 一番の課題であるということは、すべての問題に共通だと思いますが、人の命に関わる ことですので、無関心でいていいわけがないので、是非なんとか努力していただきたい と思います。 ○望月分科会長 事務局はよろしいですか。努力をお願いします。 ○安全対策課長 引き続き、努力をしたいと思います。 ○望月分科会長 ほかには何かありますか。よろしいですか。それでは、本件について は御確認いただいたことにします。  続いて、医薬品第一及び第二部会の関係の議題4〜11について、説明をお願いします。 ○事務局 資料4から御覧ください。議題4の医薬品ストラテラカプセル5mg他です。 本剤は表紙の6にある効能・効果、「小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」 の効能で申請されたもので、本年1月30日の医薬品第一部会で御審議いただき、承認し て差し支えないとの御見解をいただきました。なお、本品目について神山委員より御質 問をいただいていますので、御紹介申し上げます。  本品目に関して神山委員より、「効能・効果は小児期におけるAD/HDなのに、妊婦 に対して有益性が危険性を上回る場合に投与できるのはなぜか」との御質問です。本剤 については、具体的には審査報告書72ページに表を付けています。国内での臨床試験に おいて、18歳未満の患者が組み入れられていまして、40例弱が13歳以上で組み入れら れている状況です。72ページの表の国内LYBCを御覧いただきますと、そのようにな っています。このような年齢層の患者において、妊娠の可能性はゼロとは言えないこと から、本剤を投与する場合に妊娠を考慮する必要があると考えたものです。また、この 場合審査報告書25ページ以降を御覧いただきますと、非臨床試験においてラットあるい はウサギにおいて行った試験の結果、胎児の体重の減少とそれに伴う発育遅延を示唆す る所見が認められています。また、審査報告書17ページで本品目の体内の分布を調べた ところ、ラットにおいて本剤が胎盤を通過し、胎児に移行することが示唆されているこ とから、添付文書において妊娠又は妊娠している可能性のある婦人への注意喚起として、 資料4の後ろから2枚めくったところの右側の中ごろの使用上の注意の5.「妊婦、産婦、 授乳婦等への投与」の(1)に記載のあるような注意喚起をしたというものです。議題4 については以上です。  議題5のアラミスト点鼻液27.5μg56噴霧用です。本剤の一般名は、フルチカゾンフ ランカルボン酸エステルで、効能・効果はアレルギー性鼻炎です。本剤については、本 年2月27日の医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の御結 論をいただきました。  議題6のアピドラ注カートほかです。本剤は、一般名インスリングルリジン(遺伝子組 換え)で、効能・効果はインスリン療法が適応となる糖尿病です。本剤についても、本年 2月27日の医薬品第一部会において御審議いただき、承認して差し支えないとの御回答 をいただきました。  議題7のジェービックVです。本剤は、乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンで、効能・効 果は日本脳炎の予防に使用するものです。本品目については、資料7の表紙の下ですが、 備考欄に記載のあります承認条件を付した上で、承認して差し支えない旨の御結論をい ただきまして、委員の先生方に事前に資料を送りましたが、本年2月23日付けで承認し ましたので、併せて御報告します。  議題8のオラペネム小児用細粒10%です。本剤の一般名はテビペネムピボキシルで す。本品目についての効能・効果は、テビペネムに感性の黄色ブドウ球菌ほかを適応菌 種とし、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎を適応症とするものです。本品目は本年1月29日の医 薬品第二部会で御審議いただき、資料8の表紙の一番下にある承認条件を付した上で、 承認して差し支えないとの御結論をいただきました。  議題9は、資料9のタイケルブ錠250mgです。本剤の一般名は、ラパチニブトシル酸 塩水和物です。効能・効果は、HER2過剰発現が確認された手術不能又は再発乳癌で す。本剤については、承認条件は2ページの10の備考欄に記載がありますが、こういっ た全例調査を承認条件とすることにより、承認して差し支えない旨の御結論をいただき ました。  議題10の生物学的製剤基準の一部改正です。資料10は先ほど御説明申し上げました ジェービックV、乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンの承認に伴いまして、このワクチン等 生物学的製剤の基準を定めた本基準において、本品目の各条を追加するという変更です。 こちらについても、ジェービックの承認と同日で改正を行うところです。  議題11の希少疾病用医薬品の指定です。資料11に、今回指定した3品目のリストが あります。1品目目は、化学及血清療法研究所のMC710(乾燥濃縮人血液凝固第X因子 加活性化第VII因子)です。本品目の予定される効能又は効果は、血液凝固第VIII因子又は第 IX因子に対するインヒビターを保有する先天性血友病患者の出血抑制で、本品目につい ては本年2月9日付けで、オーファンに指定をしたところです。2品目目はSUN11031、 アスビオファーマ株式会社が申請者です。効能・効果は、神経性食欲不振症(制限型)及 び特定不能の摂食障害(摂食量が少なく低体重で、無茶喰いまたは排出行動がない場合) における経口摂食の増加です。本品目についても、平成21年2月9日付けで希少疾病用 医薬品の指定を行いました。3品目目は、グラチラマー酢酸塩、テバファーマスーティ カル株式会社が申請したものです。効能・効果は、再発寛解型多発性硬化症における再 発頻度の軽減ということで、こちらについては本年3月10日付けで希少疾病用医薬品の 指定を行いました。医薬品に関しては以上です。 ○望月分科会長 ありがとうございます。医薬品第一部会長の松井委員からは、追加の 御発言等はありますか。 ○松井委員 ありません。 ○望月分科会長 医薬品第二部会長の吉田委員からは、追加の御発言等はありますか。 ○吉田委員 ありません。 ○望月分科会長 委員の方々から御意見、御質問等はありますか。 ○神山委員 資料4のAD/HDの治療薬ですが、添付文書の「重要な基本的注意」(1) に、「保護者などに、位置付けと副作用発現等リスクについて十分な情報提供をすると ともに、適切な使用法について指導すること」とあって、(2)に「自殺念慮や関連行動 が認められている」とあります。こういう指導の表や文章で分かりやすい、保護者に「こ ういうことがあったらこうしてください」とか、これがきちんと守られるというマニュ アルや何か仕組みができているのかどうかを伺いたいと思います。 ○望月分科会長 ただ今の点について、いかがでしょうか。 ○事務局 本剤については、実際の使用に当たりまして患者向けの適正使用ガイド等を 作成し、用いることになっていますので、そういった形で患者あるいはその家族への情 報提供を行うこととしています。 ○望月分科会長 ほかには、委員の先生方から何か御意見はありますか。よろしいです か。それでは、本件について御確認いただいたものとします。  続いて、医療機器・体外診断薬部会の関係の議題12〜14について、説明をお願いしま す。 ○事務局 資料12〜14については、2月26日の医療機器・体外診断薬部会で御審議を いただいたものの報告です。議題12、資料12です。非視力補正用コンタクトレンズ、 いわゆるおしゃれ用カラーコンタクトレンズですが、本年11月4日より薬事法の規制の 対象となります。視力補正用のコンタクトレンズと同様に、品質の確保のために薬事法 第42条の基準を定めるというもので、中身については視力補正用のコンタクトレンズと ほぼ同様のものです。  議題13は、医療機器エンデバーコロナリーステントシステムです。こちらは日本で4 つ目の薬剤溶出性ステントです。この医療機器は、新規のゾタロリムスという物質をス テントから溶出するようにしたもので、御審議の結果、再審査期間3年です。それから 別紙の3にありますが、市販後の調査の承認条件の上、承認して差し支えないとされた ものです。なお、こちらは3月24日に承認しています。  議題14は、資料の一部に誤りがありまして、大変申し訳ありません。差し替えを当日 配布していますので、御覧いただければと思います。こちらは希少疾病用医療機器の指 定で、現在開発中のものの指定をしまして、今後の開発を支援するというものです。申 請者はテルモ株式会社。こちらの品目は補助人工心臓ですが、EUでは既にCEマーク を得て、昨年11月までに45台が出荷されています。米国においては、臨床試験中のも のです。こちらについては患者数、疾患の重篤性、開発の可能性を考慮しまして、指定 して差し支えないという御結論をいただいています。以上です。 ○望月分科会長 ありがとうございます。医療機器・体外診断薬部会長の笠貫委員から 追加の御発言はありますか。 ○笠貫委員 資料13の冠動脈ステント、エンデバーコロナリーステントシステムは、現 在4つ目のDrug-Eluting Stentになりますが、ステント血栓症が問題として指摘されて います。添付文書の中でも抗血小板薬の使い方、アスピリンとクロピドグレルの使い方 について、警告で書いていますが、議論されました。留置後1年後も、遅発性ステント 血栓症が出るということの注意も喚起しています。さらに、先ほど副作用の方で問題に なりましたチクロピジンを使うことについても言及していることが追加です。 ○望月分科会長 ありがとうございます。委員の方々から御意見、御質問等ありますか。 ○宗林委員 確認ですが、非視力補正のコンタクトレンズの基準の制定のことです。今 の御説明ですと、視力補正用のコンタクトレンズとほぼ同じという御説明でしたので、 次のページに付いているアにいろいろ書いてありますが、これですべてということでは なくて、例えば科学的な要求要件だったりとか、そういった溶出のような話なども含め てという意味だろうと思いますが、確認のために教えてください。 ○事務局 薬事法第42条基準については、保健衛生上必要なものという部分で、御存じ のとおり、これ以外に個別の承認が必要となります。こちらは必要な品質の基準という ことで、横断的というか必要な基準として、強制規格として定めています。その他の部 分については、承認という部分で確保していく形になっています。 ○池田委員 Drug-Eluting Stentの話ですが、このゾタロリムスは国内外では、まだそ のものは承認をされた薬ではないと伺ったのですが、こういう場合の取扱いについての 基本的な考え方をもう少し確認します。いかがでしょうか。 ○事務局 こちらについては、新たな作用機序を持つ等の医療機器ではありませんので、 こちらについては機器部会で御審議をいただきまして、分科会に報告する形にしていま す。 ○池田委員 同様の薬で、Drug-Eluting Stentがあった場合に、比較というのをどの程 度要求されるのかも含めて、これは非常に大切なことでして、それ自体は既に欧米でも たくさん使われているので、問題ないと思いますが、基本的な考え方としてどのように 理解したら良いのか。これは、もし全く類似のものがなくて、新規のものが塗られてい るようなものであった場合には、どうなるかということです。恐らく、今後医療機器と 細胞と薬剤の3つが、いろいろな形の組合せで治療に使われる状況というのがかなり出 てくると思うので、その辺のことについての基本的な考え方を教えていただきたいので す。 ○事務局 こちらについては作用機序というか、医療機器の場合は御存じのとおり、そ の機構というかその方式、どのような新しい治療のためのメカニズムがあるかといった 観点から、報告や新規御審議を決めています。こちらについては、新しい成分ではあり ますが、今までに薬剤溶出性ステントという形で溶出されるこういうものが承認されて いますので、このような取扱いとしたところです。 ○望月分科会長 承認されていない場合には、どのような取扱いとなるのでしょうか。 ○事務局 新たにこういうような、例えば部位が違うとか、新しいメカニズムでものが 出てきた場合については、そちらを御審議いただく形で考えています。 ○池田委員 その点では、通常の薬物の審査とは少し違うという考えでいいですか。 ○機構 実際に審査しましたPMDAの医療機器審査部です。こちらについては、毒性、 規格等についても通常の医薬品と同様の審査を行っていまして、安全性の確認も十分に できているということで審査をしました。ただ、薬物の含有量が大変少ないということ で、その点も考慮しまして審査しています。安全性については、十分確認しています。 ○池田委員 そうすると、国内外でまだ承認されていない新規のものであれば、通常の 薬物と同じように、用量が非常に少ないとか、比較的局所にしか分布しないとか、しか しもちろん全身に回ってしまいます。そういうことを加味しながらも、新薬と同じよう な格好で審査をしているという理解でよろしいですね。 ○機構 そのように理解しています。 ○池田委員 ありがとうございます。 ○山口分科会長代理 この冠動脈ステントで少し問題になっているのは、ずっと前から 抗血小板療法についていろいろ言われています。特にクロピドグレルとチクロピジンの 使用が必須だということは言われています。しかし、常に問題になるのはクロピドグレ ルの適用症が急性冠症候群のあとのみとなっていますが、今回のこのエンデバーのステ ントでは明確に、クロピドグレル又はチクロピジンの投与を推奨するとなっています。 従来のクロピドグレルの適用から、本来はこうあるべきだと思っていますが、一歩踏み 出したような形の表現になっていますが、これについてはこれでよろしいのでしょうか。  それから、先ほど副作用の審査がありましたが、例えばこういうふうにクロピドグレ ルで急性冠症候群以外で副作用が起こった場合には、不適正使用ということで却下され るということはないのでしょうか。 ○望月分科会長 今の二点について、いかがですか。どちらからお答えしますか。飯島 委員からコメントをお願いします。 ○飯島委員 判定を担当している者としても、部会での審査の実際を申し上げますと、 例えば学会の各疾患の治療ガイドラインに適用外であっても、書いてある部分について は現在、疑わしきは救済という形で救済しています。場合によっては適用がない。この 場合は、使用上の注意に明記されていますので、現実に山口先生の御指摘のことが起こ った場合には、きちんと検査もされているというのであれば、多分救済せざるを得ない のではないかなという印象です。森課長、それでよろしいですか。 ○望月分科会長 事務局からのコメントをお願いします。 ○安全対策課長 山口先生も、この辺りの事情についてはお詳しいと存じ上げています が、こうした適用が十分そろっていない中であっても、現場のドクターの手技の最先端 のところで、こういったステントが使われていることが現実の姿だと承知しています。 できるだけ、薬剤についての適応がカバーされることが望ましいということは、関係す るもの皆理解はしていまして、できるだけそうした形のエビデンスにサポートされた適 応症に改善すべく、それぞれが取り組んでいる状況にはあります。まずは、患者さんの 命を守るためには、こうした薬剤の使用は不可避であるという考え方で、添付文書には このように書かれていると思いますので、これをもって適応がないからということだけ で不適正使用と、機械的に判定をすることはないのではないかと考えています。 ○笠貫委員 部会長としてお答えします。今、池田委員から御指摘がありましたように、 医療機器にこのように塗布されている薬物、その医療機器が許可されたあとの薬物療法 の適応については、これからの大きな課題だと認識しています。そういう意味で、この Drug-Eluting Stentを認可する場合に、先ほどのような問題が生じてきていることも承 知していますし、これをどのように患者の視点から認可をしていくかという枠組として、 多分医薬品、医療機器という縦割ではむずかしく、両サイドからのアプローチが必要だ ろうと思っています。先ほどのクロピドグレルの件も、医療機器のあとに薬物としてど う認可をされていくのか。そこにギャップが生じたとき、どうなるかということも現実 の問題として受け止めながら、これからの在り方を今模索しているところだと認識して います。そういう観点でいきまして、今回の御指摘のあったように、現時点での添付文 書の書き方については、もう少し事務局でも御検討いただいた方がいいのかなという感 じがしました。Drug-Eluting Stentが4つ目になりますので、これまでの3つの整合性 を御検討いただけたら有り難いと思います。 ○望月分科会長 ありがとうございます。それでは、その方向で事務局で対応を願いま す。 ○医療機器審査管理室長 医療機器審査管理室の俵木です。遅れて参りまして、大変申 し訳ありません。御議論を全部お聞きできなかったのですが、クロピドグレルの適用の 問題についても御指摘があったということで、クロピドグレルについては、DESはこ れが4つ目ですが、クロピドグレルが承認になったときに適用の範囲に含まれるという ことで、既に承認になったものについても使用上の注意の改訂を行って、これと同じよ うな対応を取っています。 ○山口分科会長代理 今のことは、これまでに承認になっているほかの薬剤溶出ステン トについても、これと同じ表現だという理解でいいということですか。 ○医療機器審査管理室長 はい、そうです。 ○山口分科会長代理 もう今は、世界的にはこのクロピドグレルを標準使用するのが当 たり前になっていますので、日本だけがいつまで経ってもこのややこしいところをうろ うろしているので、是非すっきりした形でこう変えていただければ、非常にすっきりと するとは思います。 ○医療機器審査管理室長 既存の薬剤用ステントについても、これと同じ表現になって います。 ○望月分科会長 ほかには御意見ありますか。ありがとうございました。本件について も御確認いただいたものとします。  続いて、日本薬局方部会の関係の議題15について、説明をお願いします。 ○事務局 議題15、資料15の日本薬局方の一部改正について御報告します。まず、一 般試験法の改正ですが、一般試験法のうち微生物限度試験法、無菌試験法、崩壊試験法 及び溶出試験法の4つの試験法について、日・米・欧の三薬局方で調和合意された内容 を反映するというものです。その他として、生薬のリュウコツの改正及び、リュウコツ 末の新規収載とするものです。本件については、平成20年12月9日開催の日本薬局方 部会において御審議いただき、その結果、日本薬局方の一部を改正することに御了承を いただいたものです。平成21年3月31日の告示、施行の予定です。以上です。 ○望月分科会長 ありがとうございます。日本薬局方部会長の早川委員から、追加の御 発言等はありますか。 ○早川委員 ありません。 ○望月分科会長 本件について、御確認いただいたものとしてよろしいですか。御意見 はありますか。  続いて、生物由来技術部会の関係の議題16、議題17について御説明をお願いします。 ○事務局 資料16を御覧ください。遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多 様性の確保に関する法律。これは一般にカルタヘナ法と呼ばれるものですが、この第4 条に基づく動物用遺伝子組換え生ワクチンの第一種使用規程の承認についてです。この 法律の第4条において、遺伝子組換え生物の第一種使用等は、遺伝子組換え生物の開放 系での使用、例えば野外での治験とかが当たりますが、この使用をしようとする者は、 その使用等に関する使用規程を定め、それについて主務大臣の承認を受けなければなら ないとされています。動物用組換えDNA技術応用医薬品調査会及び、その親部会であ る生物由来技術部会において所定の整備を行うことを条件として、第一種使用等に関す る使用規程を承認して差し支えないとされ、本分科会に報告されたものです。  (1)遺伝子組換え生物等の種類の名称ですが、これはニューカッスル病ウイルス由来 F蛋白遺伝子導入マレック病ウイルス1型207株というものですが、採卵鶏、食用鶏を 対象としたニューカッスル病ウイルスとマレック病ウイルスの感染予防のための遺伝子 組換え生ワクチンの成分です。(2)承認申請者は、化学及血清療法研究所です。(3)審 議経過ですが、平成19年3月、6月、12月の3回の動物用組換えDNA技術応用医薬 品調査会を経まして、平成20年4月の生物由来技術部会の審議において、所定の整備を 行うことを条件として、薬事分科会に報告されたということです。この議論の中で、当 該遺伝子組換えウイルスは、拡散を水平伝播する性質はないものと考えられる。接種鶏 から、感染性を保持した形で排泄されることはないため、ワクチンとして接種された鶏 の体内から、環境中に出ることはないということが確認されています。  (4)遺伝子組換え生物等の第一種使用等の内容について記載しています。この内容を まとめて申し上げますと、運搬及び保管、これは接種を行った鶏の運搬も含みます。そ れから、治験計画書に従った使用、承認申請書に従った使用及び廃棄です。今後、動物 用医薬品等部会において、薬としてのまた別の審議があります。それから、食品安全委 員会に接種された鶏が、食品として安全かどうかの確認を今後行う予定です。 ○事務局 続きまして、議題17、資料17、生物由来原料基準の一部改正です。1ページ に概要をお付けしています。生物由来原料基準については、医薬部外品、化粧品及び医 療機器に使用される、ヒトその他の生物に由来する原材料についての基準を設けていま す。それらのうち、今回の改正の対象となるのはウシ等の反芻動物に由来する原材料に 関するもので、ウシ等の反芻動物由来の原料については、現在使用可能国及び使用禁止 部位を定めていまして、原則としてその基準にのっとった原材料を使用することとなっ ています。ただし、米国を原産国とする反芻動物由来原材料については、2ページの左 側(3)のア〜エに記載があるようなものに限りまして、伝達性海綿状脳症の潜在的伝播 の理論的リスクが低いことから、その使用を認めてきているということです。  今般の改正の内容は、3ページの2のカナダを原産国とする反芻動物由来原材料の取 扱いですが、先ほど申し上げましたとおり、この生物由来原料基準において、使用可能 国あるいは使用禁止部位に適合しない原材料をやむを得ず使用する場合には、その妥当 性について薬事法に基づく製品の製造販売の承認の際に交付される承認書に記載するこ ととの規定がありまして、その規定にのっとり、個別製品ごとにリスク評価を行い、そ の妥当性を判断してまいりました。今般、カナダを原産国とする反芻動物由来原材料を 使用しているものとして、資料の4ページに記載しているものについてそのリスク評価 を行っていました。  これらの評価を踏まえまして、カナダを原産国とする反芻動物由来原材料についても、 アメリカ産原料と同様の範囲で使用を認めても差し支えないものと考えられることか ら、今回基準の一部を改正して、カナダ産原料についても米国産原料と同様の範囲にお いて、その使用を認める扱いとしたいと考えまして、今回改正を行うものです。なお、 この改正の案文については資料の6ページ以降に記載があります。形式的に米国産原料 の取扱いについて書き振りが変わっていますが、あくまでも平成16年に告示されたとき のただし書から範囲は変わらないものです。以上です。 ○望月分科会長 ありがとうございました。生物由来技術部会長の早川委員から、追加 の御発言はありますか。 ○早川委員 特にありません。 ○望月分科会長 ただ今の件について、委員の先生方から御意見はありますか。 ○神山委員 資料16の「所定の整備を行うことを条件として」の所定の整備とは何でし ょうか。 ○事務局 お答えします。所定の整備と申しますのは、本ワクチンのニューカッスル病 に対する有効性を確認できる資料とか、本来は薬の審査に属しますが、このウイルスの ワクチンとしての性質に関する質問、マレック病ウイルスの中にF蛋白ニューカッスル 病ウイルスのF蛋白質というものを入れていますが、それを入れた場所の機能はどうい うものか。特に、これといった機能はないという回答です。それから、米国で使用され ている本製品の類似製品において、F蛋白質の挿入部位について確認することというよ うな、非常にテクニカルな質問が中心です。それから、調査会でマレック病の組換えウ イルスの全塩基配列を念のため決定しておいてくださいと。それは、これから食品安全 委員会に諮られるということで、我が国における食用動物に使われる最初の組換え生ワ クチンということで、念のために全塩基配列ということをメーカーが決定したというこ とです。 ○神山委員 資料17について、事前に「厳重管理が解除されるのはいつですか」という 質問を送っていますが。 ○事務局 連絡がうまくいかなくて失礼しました。厳重管理と申しますか、これまでも 使用を認める範囲については個々に評価を行いましたが、今回はそれを一つ一つ記載す るに当たり、生物由来技術部会等で御審議を行わないようにするのが今回の改正の中身 ですので、あくまでもこれは承認書の中に、こういった部位で使っているということは 記載をいただくというものです。なお、この改正についてはこの分科会の審議の後、答 申を踏まえましてパブリックコメントを行い、基準の告示の改正をする予定にしていま して、通常の流れで申しますと夏ごろになろうかと考えています。以上です。 ○神山委員 例えば、5ページの表みたいなものや2〜4ページのようなものを、私が 今日もらって帰ってはいけないのでしょうかということを聞きたいだけなのです。 ○事務局 御質問の趣旨を取り違えていまして、申し訳ありません。資料17の厳重管理 がいつ取れるのかということですが、今回、4ページの別添1にあるこれまでに評価し た品目の中のリスク合計値という部分を非公開という形にしていることから、この資料 全体を厳重管理としています。それ以外の部分は公表して差し支えありませんので、後 ほどその部分を見え消し等にして委員の方にお送りしたいと思います。また、ほかにも 必要の方がいらっしゃいましたら事務局までお知らせいただければ増刷できます。以上 です。 ○望月分科会長 もし欲しい方は、手を挙げていただければお送りします。 ○事務局 もし構わなければ、一律送ります。 ○望月分科会長 一応全員に。 ○事務局 全員に送りますので、よろしくお願い申し上げます。 ○望月分科会長 ほかには、御意見等ありますか。それでは御確認いただいたことにし ます。  続いて、血液事業部会の関係の議題18〜20について、説明をお願いします。 ○血液対策企画官 議題18、資料18は、平成21年度の献血の推進に関する計画です。 この計画は、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、いわゆる血液法の規定 に基づいて定められるもので、平成21年度に献血により確保すべき血液の目標量を確保 するために必要な措置に関する事項等について定めています。本計画は、去る3月10 日に開催された薬事・食品衛生審議会血液事業部会で御審議、御了承いただき、それを 受けて3月25日に官報告示を行いました。4月1日から適用の予定です。  議題19、資料19、平成21年度の献血の受入に関する計画の認可について御報告しま す。本計画も血液法に基づき、採血事業者の、日本赤十字社が作成する献血の受入に関 する計画です。献血により受け入れる血液の目標量を確保するために必要な措置や取組 等について定めたものです。この計画についても、3月10日の血液事業部会において審 議、了承され、それを受けて3月25日に認可を行っています。  議題20、資料20、平成21年度の血液製剤の安定供給に関する計画、いわゆる需給計 画です。この計画は、血液法に基づく血液製剤の安定供給に関する計画です。内容は、 平成21年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量。国内において製造され、又は輸 入されるべき血液製剤の種類及び量の目標。確保されるべき原料血漿の量の目標等の事 項が定められています。これも、3月10日の血液事業部会において審議、了承いただき、 それを受けて3月25日に官報告示を行い、4月1日から適用の予定です。説明は以上で す。 ○望月分科会長 ありがとうございます。血液事業部会長の池田委員から、追加の御発 言等はありますか。 ○池田委員 特にありません。 ○望月分科会長 委員の先生方から御意見、御質問等はありますか。よろしいですか。 それでは、本件について御確認いただいたものとします。  本日の議題はすべて終了しましたが、当日配布資料について事務局より説明願います。 ○事務局 監視指導・麻薬対策課です。本日、先生方にお配りしている当日配布資料を 御覧ください。3月24日付けで、監視指導・麻薬対策課及び審査管理課の連名にて、厚 生労働記者会に対してプレスリリースした資料です。  一枚おめくりください。3月24日付けで、田辺三菱製薬株式会社代表取締役社長から 医薬食品局長宛に、「遺伝子組換え人血清アルブミン製剤『メドウェイ注5%』製造販 売承認の取下げおよび『メドウェイ注5%』『メドウェイ注25%』自主回収について」 という報告がなされました。具体的な内容ですが、中身は、真ん中辺りの2段落目のメ ドウェイ注5%の承認申請に際して、GMP関連の試験であるPCA反応試験のデータ を差し替えたこと。さらに、メドウェイ注5%の有効期限延長のための一部変更承認申 請に際して、安定性試験の結果を差し替えたということでございます。さらに、標準操 作手順書等から外れた試験操作をしていた項目もあったということです。このことを受 けまして、田辺三菱製薬株式会社としては、メドウェイ注5%については承認を取り下 げるとともに、自主的に回収するとしています。また、メドウェイ注25%について、こ のような違反行為は確認されていないものの、同一時期に同一箇所において製造されて いたこともあり、こちらについても自主的に回収し、当面販売を見合わせるということ です。  厚生労働省としては、現在関連機関と連携しまして本件にかかる一連の経緯、さらに 田辺三菱製薬株式会社の行った社内調査の内容等について詳細を明らかにするため、必 要な調査を行っています。今後これらの調査の内容を踏まえまして、田辺三菱製薬株式 会社等に立入検査を行うこととしています。これらの結果、薬事法に抵触するような事 実がございますれば、厳正な対応を図る予定です。以上です。 ○望月分科会長 ありがとうございました。何か御意見はありますか。よろしいですか。  本日の分科会は終了します。次の薬事分科会は6月を予定していますが、後日各委員 へ日程調整の御連絡をしますので、よろしくお願いします。  以上で、薬事分科会を閉会します。本日は長い時間、ありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先:医薬食品局 総務課 課長補佐 菊池(内線2714)