09/03/25 第5回重篤副作用総合対策検討会議事録              第5回重篤副作用総合対策検討会          日時 平成21年3月25日(水)          10:00〜          場所 霞が関ビル33階東海大学校友会館                        「阿蘇の間」 ○事務局 ただいまより、「第5回重篤副作用総合対策検討会」を開催します。ご出席の 委員の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうござい ます。本検討会は公開で行うこととしていますが、カメラ撮りは議事に入る前までとし ていますので、マスコミ関係者の方々におかれましてはご理解とご協力のほど、よろし くお願いします。  本日の会議は池田委員、岩田委員、木下委員、栗山委員からご欠席の連絡をいただい ています。10名の先生方にご出席いただいています。また、本日ご検討いただく重篤副 作用疾患別対応マニュアルの作成にご協力賜りました日本眼科学会から、井上眼科病院 長若倉先生、北里大学医療衛生学部視覚機能療法学専攻教授庄司先生、日本呼吸器学会 から信州大学医学部長兼信州大学医学部内科第一講座教授久保先生、日本糖尿病学会か ら東京大学医学部附属病院22世紀医療センター統合的分子代謝疾患科学講座特任准教 授山内先生、日本皮膚科学会から杏林大学医学部皮膚科准教授狩野先生、日本神経学会 から東京医科歯科大学脳神経病態学教授水澤先生、日本口腔外科学会から大阪医科大学 医学部口腔外科教授島原先生、日本内分泌学会から獨協医科大学内分泌代謝内科教授笠 井先生、日本消化器病学会から関西医科大学内科学第三講座教授岡崎先生、日本循環器 学会より東京女子医科大学循環器内科准教授志賀先生、国立循環器病センター病院長友 池先生、日本整形外科学会から新潟大学大学院医歯学総合研究科機能再建医学講座整形 外科学分野教授遠藤先生に参考人としてご出席いただく予定としています。よろしくお 願いします。  続いて、前回検討会後に事務局に人事異動がありましたので、ご紹介します。安全対 策課長の森です。 ○安全対策課長 森です。よろしくお願いします。 ○事務局 議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。以後の 進行は、座長の松本先生にお願いします。 ○松本座長 おはようございます。お忙しい中をお集まりいただき、ありがとうござい ます。それでは、まず事務局から資料の確認をお願いします。 ○事務局 本日席上にお配りしている資料として、「第5回重篤副作用総合対策検討会」 の議事次第、委員の名簿、冊子となっている資料1-1から資料1-20までのマニュアル案 です。いちばん最後に参考資料として、「重篤副作用疾患別対応マニュアル作成状況」の 一覧表が付いています。審議の途中で過不足等がありましたら、事務局までお申し出い ただければと思います。 ○松本座長 よろしいですか。議事次第に従って議事を進めます。資料1として、20疾 患のマニュアル案が配付されています。事務局から説明をお願いします。 ○事務局 まず、「網膜・視路障害」のマニュアル案について、概要をご説明します。6、 7頁をご覧ください。「網膜・視路障害」というものの代表的な症状は、「視力が下がる」 「近くのものにピントが合いにくい」「色が分かりにくくなる」「暗くなると見えにくい」 「視野が狭くなる」「視野の中に見えない部分がある」「光が見える」「ものがゆがんで見 える」などという症状で、これらの持続あるいは急激に悪くなるものです。イラストと しては8頁に、視力が下がる、視野が狭くなる、光が見えるというものを挙げています。 以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。参考人の若倉先生から、補足がありましたらお 願いします。 ○若倉参考人 特に補足はありません。 ○松本座長 委員の先生方からご意見、ご質問等がありましたらお願いします。よろし いですか。大変よくできているみたいなのでご意見はないと思いますが、よろしいよう でしたら、本案を了承したいと思います。 ○笠原委員 いまの資料の26頁です。副作用の頻度から言いますと、平成18年も平成 19年も、ベルテポルフィンが非常に多いですね。ただ、本文中にはそのことが一言も触 れられていないと思いますが、この辺はあまり重要ではないと考えていますか。 ○若倉参考人 このベルテポルフィンというのは、眼科で用いる光力学療法という、そ もそも黄斑部に出血のあるような加齢黄斑変性症に用いる薬剤で、光凝固の感度を高め るためにこういうポルフィリン製剤を使うわけですが、32と多いのは、おそらく自然経 過でも出血をするというそもそもの病気ですので、こういう治療をしても十分に効果が ないものも含まれているということで、多くの報告があるものと考えています。このマ ニュアルが眼科向けというよりも一般向けであるということを考えまして、このことに は特に触れなかったわけです。  ちなみに、同じ頁の網膜症のところに「グ・インターフェロン」と書いてありますが、 これはおそらく「ペグ・インターフェロン」の間違いだと思いますので、そこだけご訂 正をお願いします。 ○松本座長 ほかにありますか。 ○山地委員 全体を通してですが、誤字脱字等は後ほどメール等で事務局に届けること でよろしいですか。一つひとつを指摘するのも大変ですので。 ○松本座長 それは、事務局にお考えをお知らせください。 ○市川委員 12頁の上から5行目にチオリダジン、フェノチアジン系抗精神病薬、13 頁の上から5行目にもチオリダジンを挙げていただいていますが、チオリダジンは既に 国内販売中止になっていまして、承認整理済み品目です。もしチオリダジンを挙げるの であれば、その後ろに「(国内承認整理済み)」と併記するか、ほかにもフェノチアジン 系抗精神病薬にレボメプロマジンとかペルフェナジンとかプロペリシアジンとかいろい ろあるかと思いますので、違うものと差し替えていただくなりご検討いただければと考 えています。 ○松本座長 その辺はどうでしょうか。 ○若倉参考人 要するに、フェノチアジン製剤ということを言いたいためなので、「クロ ルプロマジンなどの」だけでいいのかなと思いますので、チオリダジンが使われていな いということであれば、そのようにしていただいて結構です。 ○松本座長 ほかにありませんか。よろしいようでしたら、そういうことで事務局と修 正を行った上で、これはこれでよろしいですね。承認していただいたものとします。若 倉先生、どうもありがとうございました。  続きまして、「緑内障」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 「緑内障」についてご説明します。同様に5、6頁をご覧ください。医薬品に よる緑内障は、頻度は多くありませんが、総合感冒薬、アレルギー薬など、何らかのお 薬(点眼薬および軟膏も含む)を使用したあとに発症する場合があります。急激に発症 する場合には、「目の充血」「目の痛み」「目のかすみ」「頭痛・吐き気」を生じ、慢性に 進行すると、「視野の中に見えない部分がある」「視野が狭くなる」等の症状が現れます。 7頁は、目の痛み、目のかすみ、頭痛・吐き気をイラスト化しています。事務局からは 以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。庄司先生から、何か補足はありますか。 ○庄司参考人 誤字が1カ所ありますので、それは後ほど。 ○松本座長 それは直していただければと思います。委員の先生方からご意見、ご質問 等はありますか。よろしいですか。大したことはないですが、5頁の黄色の中に急激に 発症する場合、赤字のところと遠視眼、中高年女性に発症しやすいというのは、なんと なくつながりが悪いような感じがしますが、これでよろしいですね。実際に、言おうと していることはよろしいみたいですが、何か文章のつながりが悪いような印象がありま す。 ○庄司参考人 後半部分はリスクファクターということで。 ○松本座長 そうですね。あとは、7頁の「ウッ」が病気の場合のあれでニュアンスが 少し違いますが、悪いことではありません。ほかに何かご意見はありますか。ないよう でしたら、承認していただいたものとします。庄司先生、ありがとうございました。  呼吸器領域の「肺水腫」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 肺水腫に移ります。資料は1-3です。5頁になりますが、肺に血液の液体成 分が血管の外にしみ出してたまる肺水腫は、医薬品の服用によっても起こる場合があり ます。症状としては、「息が苦しい」「胸がゼーゼーする」「咳・痰が出る」「呼吸がはや くなる」「脈がはやくなる」等です。イラストとしては、7頁の呼吸が苦しい、ゼーゼー というものを挙げています。以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。久保先生から補足はありますか。 ○久保参考人 少し誤字等がありますが、それはあとから連絡します。 ○松本座長 ありがとうございました。委員の先生方から何かご意見、ご質問等はあり ますか。 ○山地委員 18頁です。今日の資料の真ん中あたりに「BAL(表4)」とありますが、こ のマニュアル中には「表4」が欠落しています。 ○久保参考人 そうですね。データがありませんので、至急確認しまして、こちらに送 ります。 ○松本座長 よろしくお願いします。ほかにありませんか。 ○森田委員 12頁の肺水腫の分類ですが、圧上昇型肺水腫と非心原性肺水腫と大きく分 けられています。1番目の圧上昇型肺水腫の中に、A.心原性肺水腫、B.体内水分貯留に よる肺水腫と分かれていて、心原性肺水腫と非心原性肺水腫という分類だと非常にわか りやすいのですが、心原性肺水腫は圧上昇型肺水腫のところに含まれているので、ちょ っと論理的にわかりにくいと思います。これはやむを得ないことかもしれませんが、例 えば、2番目を透過性亢進型とかにすると、すっきりするように思います。 ○久保参考人 12頁の2)の非心原性肺水腫を、確かに透過性亢進型肺水腫としたほうが わかりやすいでしょうか。そのように改正しておきます。 ○松本座長 ありがとうございます。ほかにありますか。先ほど久保先生が言われたよ うに直されるかもしれませんが、6頁の下段の4行、内容が入り組んでわかりにくいと ころがあります。文章中の「は」を取ったほうがわかりやすいかと思います。いかがで すか。ちょっと内容が、一般の人が読むにはわかりにくいような気がします。 ○久保参考人 ALIとARDSとを説明して鑑別するのが非常に特殊なものですから、こう いう回りくどい文章になってしまいます。 ○松本座長 「は」と「は、」を取れば、比較的にわかりやすいかと。ほかにありません か。よろしいですか。それでは、その辺を訂正していただきまして、これをもう1回委 員の先生方に拝見していただいてよろしいですか。 ○久保参考人 はい。 ○松本座長 よろしくお願いします。久保先生、どうもありがとうございました。  続きまして、「胸膜炎、胸水貯留」のマニュアル案についてお願いします。 ○事務局 「胸膜炎、胸水貯留」についてご説明します。こちらも頁が入っていません が、胸膜炎、胸水貯留で「患者の皆様へ」のところを説明します。肺を覆う胸膜に炎症 を起こしたり、胸腔内の胸水が増加する胸膜炎が起こることがあります。症状としては、 「息が苦しい」「胸が痛い」となっています。こちらでは胸膜炎の説明のために、胸腹腔 のイラストを載せています。副作用のイラストとしては、「早期発見と早期ポイント」の 頁にありますように、息が苦しい、胸が痛いというものを挙げています。以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。久保先生から何かありますか。 ○久保参考人 わかりにくいと思いますが、内容はそれほど難しくないのではないかな と思います。よろしくお願いします。 ○松本座長 委員の先生方から、ご意見、ご質問等はありますか。 ○森田委員 絵の頁の次に「胸膜炎とは?」とありますね。そこに「肺は胸腔という胸 の中」とありますが、これは「腔」ではないでしょうか。「胸」というと、おかしいよう に思います。「胸腔という腔の中」ではないかと思います。それだけです。 ○久保参考人 そうですね、わかりました。 ○山地委員 頁がわからないので、(7)の副作用の発現頻度のところですが、その2行上 の全身性エリテマトーデスが"systematic lupes erythematosus"となっていますが、こ れは"systemic"です。 ○久保参考人 (7)の副作用の発現頻度の上ですね。 ○山地委員 そうです。 ○飯島委員 "systematic"ではなくて、"systemic"。 ○久保参考人 そうですね。綴りが違っていますね。 ○飯島委員 ラテン語では使いますが。 ○久保参考人 綴りです。すみません。 ○松本座長 その辺は訂正してください。ほかにありませんか。その辺を訂正していた だければ、これはよろしいですね。そういうことで、訂正した上で了承したいと思いま す。久保先生、どうもありがとうございました。  それでは、代謝内分泌領域の「高血糖」のマニュアルについて説明をお願いします。 ○事務局 資料1-5、「高血糖」の説明をします。5頁の「患者の皆様へ」です。血液中 のブドウ糖濃度が高くなった状態である「高血糖」は、医薬品によって引き起こされる 場合もあります。副腎皮質ステロイド薬、インターフェロン製剤、高カロリー輸液など でみられることがあります。症状としては、「口渇(のどがかわく)」「多飲」「多尿」「体 重減少」などが見られ、これらの症状が急に出現したり、持続したりするというものが あります。また、高血糖になっても症状が見られず、血糖を測定してはじめて指摘され ることもあります、という注意喚起をしています。イラストは7頁にありますように、 倒れてしまうもの、多飲で水を飲んでいる絵、多尿で尿がたくさん出ている絵を描いて います。事務局からは以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。山内先生、何か追加はありますか。 ○山内参考人 特にありません。 ○松本座長 委員の先生方からご質問、ご意見等はありませんか。これも、先ほどの7 頁の倒れているのが少し見るときにわからない以外は、非常によくできていると思いま すが、よろしいですか。ご質問等がないようですので、この案を了承します。 ○森田委員 10頁の2にグルココルチコイドとあります。これは副腎皮質ステロイド薬 とか、統一したらよろしいのではないかなと思いました。 ○事務局 確かに、いままでのマニュアルはそのような形で統一していますので、統一 します。 ○松本座長 山内先生、どうもありがとうございました。この案を了承したいと思いま す。  続きまして、皮膚科領域の「急性汎発性発疹性膿疱症」のマニュアル案について、説 明をお願いします。 ○事務局 5頁をご覧ください。重篤な皮膚症状を伴う「急性汎発性発疹性膿疱症」は、 多くが医薬品によるものと考えられています。抗菌薬、痛風治療薬、抗てんかん薬など で見られ、また総合感冒薬のような市販の医薬品でも見られることがあります。症状と しては、「高熱(38℃以上)」「皮ふの広い範囲が赤くなる」「赤くなった皮ふ上に小さな 白いブツブツ(小膿疱)が出る」「全身がだるい」「食欲がない」などが見られます。イ ラストとしては38℃以上の高熱、赤い上に白いポツポツの出た皮膚の症状を示していま す。事務局からは以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。狩野先生、何か追加はありますか。 ○狩野参考人 8頁にカルバマゼピンとありますが、括弧内の表記が一方は抗てんかん 薬、一方は抗けいれん薬となっていましたので、どちらかに統一すべきだったかと思っ ています。 ○事務局 いままでは抗てんかん薬になっていたと思いますので、統一します。 ○狩野参考人 私のほうにいただいたのは、両方になっていました。 ○松本座長 ありがとうございます。ほかに委員の先生方からご意見、ご質問等はあり ませんか。これはあまり問題はないですが、専門でないとわかりませんが、14頁の錯角 化という言い方は普通しますか。専門であればわかるわけですね。 ○狩野参考人 普通の言い方だと思います。 ○松本座長 よろしいですか。それでは、この案を了承したいと思います。狩野先生、 どうもありがとうございました。  神経・筋骨格領域の「末梢神経障害」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 こちらも「患者の皆様へ」の5頁で説明します。末梢神経障害は、医薬品に より引き起こされる場合があります。主に高脂血症治療薬、抗悪性腫瘍薬、抗ウイルス 薬、抗結核薬などで見られることがあります。症状としては、「手や足がピリピリとしび れる」「手や足がジンジンと痛む」「手や足の感覚がなくなる」「手や足に力がはいらない」 「物がつかみづらい」「歩行時につまずくことが多い」「イスから立ち上がれない」「階段 を昇れない」などがあります。イラストとしては、7頁に手足がピリピリと痺れる、物 を落とす、つまずくを挙げています。以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。水澤先生、何か補足はありますか。 ○水澤参考人 特にありません。 ○松本座長 委員の先生方から、ご質問、ご意見等はありませんか。よろしいですか。 大変難しいものですが、結構きれいに作っていただきました。ご質問、ご意見等がない ようですので、この案を了承したいと思います。  「ギラン・バレー症候群」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 5頁の「ギラン・バレー症候群」の説明をします。主に、インフルエンザや ポリオなどのワクチン、インターフェロン製剤、ペニシラミン、ニューキノロン系抗菌 薬、抗ウイルス薬、抗がん剤などで見られることがあります。症状としては、「両側の手 や足に力が入らない」「歩行時につまずく」「階段を昇れない」「物がつかみづらい」「手 や足の感覚が鈍くなる」「顔の筋肉がまひする」「食べ物が飲み込みにくい」「呼吸が苦し い」などがあります。イラストは、8頁に階段を上れない、物を飲み込めないというも のを挙げています。以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。水澤先生、何か補足はありますか。 ○水澤参考人 これに補足ということではないですが、お気付きのように末梢神経障害 に一応ギラン・バレーも含まれますが、別の名前で副作用が記載されていることもあり ますし、疾患もお薬もワクチン類が主に入ってくることもありまして、このように2つ に分けて書いています。ご理解いただければと思います。 ○松本座長 委員の先生方、ご意見ご質問等はありませんか。 ○飯島委員 8頁のイラストですが、「飲み込めない」というのは、何か液体を飲み込め ないというイメージです。物を飲み込めないときは、どういう字を使うのでしょうか。 犬伏先生は、どういうイメージかを聞かせていただければ。 ○松本座長 難しい字になりますね。もし書くなら、平仮名のほうがいいけれども。そ れは事務局のほうとも相談して。そのほうがいいですか。 ○事務局 「飲む」の字を平仮名に直します。 ○松本座長 ほかにご意見はありますか。よろしいですか。このギラン・バレー症候群 も非常によくできていると思いますので、もしご質問等がなければ、「飲」を「の」にす ることで了承したいと思います。  続きまして、「ジスキネジア」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 5頁をご覧ください。ジスキネジアとは、自分では止められない、または止 めてもすぐに出現する以下のようなおかしな動きをまとめた呼び名で、このような症状 は、医薬品の服用によって起こる場合もあります。抗精神病薬、パーキンソン病治療薬 などの薬を服用していて、次の症状が見られた場合には医師、薬剤師に連絡してくださ いということです。症状としては、「繰り返し唇をすぼめる」「舌を左右に動かす」「口を もぐもぐさせる」「口を突き出す」「歯を食いしばる」「目を閉じるとなかなか開かずしわ を寄せている」「勝手に手が動いてしまう」「足が動いてしまって歩きにくい」「手に力が 入って抜けない」「足が突っ張って歩きにくい」というものを挙げています。イラストと しては7頁に、舌を突き出している絵を書いています。なお、このマニュアルの作りと して、ジスキネジアと遅発性ジスキネジアに分けて編集しています。以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。水澤先生、何か補足はありますか。 ○水澤参考人 特にありませんが、体の動きが鈍くなるパーキンソン症候群と、勝手に 動いてしまうというジスキネジアに大きく分けられるので、パーキンソンは第1回で終 わって、今回は第2部の形でお出ししています。 ○松本座長 委員の先生方からご意見、ご質問等はありませんか。この辺は大変難しい ところですが、犬伏委員、一般的に見ていかがですか。内容的によろしいですか。 ○犬伏委員 一般的に知られています「パーキンソン」という病気の症状とよく似てい ると思いますので、この症状から、副作用として理解するのは大変難しく思います。そ の上、パーキンソンの治療薬によって出現となると、副作用なのか、病気そのものなの かを見抜くのは、患者や家族には、パーキンソンの症状そのものの説明を懇切にしてい ただかないと無理なのではと言う気がします。 ○松本座長 医師のほうとしても、神経の専門家以外でも、このジスキネジア自体を理 解するのはなかなか難しいですから、これはわかりやすく書いてあるほうだとは思いま す。いかがでしょうか。 ○水澤参考人 このようにおっしゃっていただくと、なかなかお答えしにくいのですが、 たぶんご覧になれば、今風にビデオが出るとかの動きを入れられれば一目瞭然で、全然 難しくないです。  パーキンソニズムという言葉のパーキンソン症候群の中に、手の震えとかも入ってい るのでちょっとややこしいのですが、一般的に動きが鈍くなるほうと逆に勝手に動いて しまうほうと両方が出てきます。しかし、パーキンソン病の薬で出てくるのが多いこと も事実ですので、致し方ないところもあります。すみません。 ○松本座長 確かに水澤先生がおっしゃるように、ビデオを見ると私たちでもよくわか るので、是非いろいろとご覧になってください。神経内科の先生は、結構きれいなビデ オを持っておられますよね。 ○水澤参考人 将来的には入るのでしょうか。何かWeb上で出るようなことになれば。 ○松本座長 確かにビデオみたいなものでやるほうが、こういう書面よりも。 ○安全対策課長 紙で配るほうではなかなか難しいですが、最近これはWebに掲載をし て、PMDAのホームページに載せたりしています。そうした場合に関連する資材として、 著作権の問題があるので工夫が要ると思いますが、一応そういう典型的な症状のビデオ みたいなものを一緒に載せることも手としては考えられますので、ご協力いただければ そういう方法も取れるかなと思います。 ○松本座長 将来はそういうことも考えていただいて、より分かりやすくしていただけ ればと思います。これはこれで了承したいと思いますが、よろしいですか。 ○上田委員 7頁は絵がただ書いてあるだけの感じなので、もう少し何か。吐き出して いるような感じでもありますし。 ○水澤参考人 口が動いている感じなどの線を入れるとかしていただくといいかもしれ ませんね。あとで、またご相談を申し上げて、出たり入ったりとか。動きを絵で出すの がなかなか難しいところがありまして、おっしゃるとおりだと思います。少し、また検 討します。 ○松本座長 動きがあればいいですが。ほかにありませんか。 ○笠原委員 29頁に、実際の症状の投薬してからのパターンが3つのタイプでこうなる ということが一応図示になっていますが、19頁との関連がここはわかりにくいので、本 当はそこでもう少し関連を付けていただけると、読みながらこの図で理解できるように なるかなと思います。 ○水澤参考人 後ろのほうではなくて、19頁に入れ込むような感じがよろしいですか。 分解して、ここに入れることはできますかね。 ○事務局 表の場所を動かすということですか。 ○水澤参考人 19頁のピークドーズの説明があるところで本文が一旦中断してしまい ますが、そこに少しずつ3つのパターンを入れ込んでいくのは可能ですか。 ○事務局 わかりました。19頁の後ろに入れるような形にします。 ○水澤参考人 後ろに入れると3つに分かれているので、その下に3つずつ分けて。一 度に入れてしまうと頁が離れてしまうので、後ろに持っていったのですよね。なので、1 頁開けないで、3つの段落の下に入れるような感じにしたらどうでしょうか。そうすれ ば、本文の中に入り込むことができると思います。 ○事務局 では、それぞれの説明の下に1個ずつ絵を入れることにします。 ○山地委員 6、7頁のジスキネジア、早期発見のところの症状ですが、ジスキネジアの 下のアカシジアのあと、「足を組んだりはずしたり云々」があります。それが7頁のほう にいきますと、「手の回内回外(ドアノブを回すような動き)を繰り返したり」が1と2 で外れていますが、何か意図的に外されたのですか。 ○水澤参考人 特にそういうことはなくて、前にたくさんの例があるので。この部分で すね。おっしゃるように、「手の回内回外」が前のほうにはないということですね。 ○山地委員 そうです。 ○水澤参考人 特に意図的というわけではなくて、あまりたくさんではなくてもいいか なということで、たまたまこうなっていたということです。深い考えはなかったのです が、統一したほうがいいですか。そのように直して、前のほうに入れておくと、すっき りするかもしれません。 ○松本座長 その辺は、事務局と検討してください。 ○笠原委員 非常に細かいところで申し訳ないですが、33頁の副作用では副作用名が 「ジスキネジー」で、本文は「ジスキネジア」ということですが、この辺は用語の統一 というのをうまくされていないのでしょうか。 ○水澤参考人 いま、一般的にはジスキネジアのほうが多いですが、用語集で確認しま す。ドイツ語読みの「ジスキネジー」の33頁のほうが古いのが残っていると思いますが、 表をそのまま持ってきたのです。その場合はどうしたらいいでしょうか。 ○事務局 33頁はMedDRAという国際副作用用語集からのものですが、こちらの将来的 な見直しのときに、医学用語集等も確認しまして。 ○水澤参考人 こちらが引用文献ですよね。本文は、全部ジスキネジアという今風の英 語読みになっていますが、こちらは引用なのでそのまま残っています。もし問題なけれ ば変えてもらってもいいと思いますし、そういう版権的なものがあればまた検討してく ださい。意味は非常によくわかると思います。 ○事務局 本文と違っていて誤解が生じるといけませんので、括弧書で併記するような 形で検討します。 ○松本座長 よろしいですか。ほかにありませんか。このジスキネジアに関しては、先 ほどの点を事務局と水澤先生のほうとで協議されて訂正した上で、もう一度委員の先生 方に見せていただければと思います。それでよろしいでしょうか。そのようにさせてい ただきます。ありがとうございました。  引き続きまして、「痙攣・てんかん」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 5頁をご覧ください。痙攣・てんかんは、医薬品の服用によって起こる場合 もあります。解熱消炎鎮痛薬、抗生物質をはじめとするさまざまな薬で起こることが知 られています。症状としては、「顔や手足の筋肉がぴくつく」「一時的にボーっとして意 識が薄れる」「手足の筋肉が硬直しガクガクと震える」があります。7頁のイラストでは、 ガクガクと震えるというものを挙げています。事務局からは以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。水澤先生、何か補足はありますか。よろしいで すか。 ○水澤参考人 ありません。 ○松本座長 委員の先生方からご意見、ご質問はありますか。 ○市川委員 16頁と17頁の2点あります。まず、16頁の上から5行目から6行目にか けてですが、ニューキノロン系抗菌薬に関する説明の4番目としてNSAIDsとの併用で、 既に報告されているエノキサシンからニューキノロン系抗菌薬が書いてあって、いきな りフェンブフェン、ケトプロフェンとNSAIDsが併記されています。たぶん、ここはエノ キサシン、ノルフロキサシン、シプロフロキサシンはフェンブフェン、ケトプロフェン のみならず、NSAIDs全般についても併用を避ける併用禁忌となっていることをご説明い ただいているのかなと思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。 ○水澤参考人 おっしゃっていることは、シプロフロキサシンの後に「は」と入れてで しょうか。 ○市川委員 はい。つまり、ニューキノロンとNSAIDsとは併用禁忌だということをここ でご説明されているのかなと。 ○水澤参考人 そうですね、ここは抜けていますかね。「は」ですね。 ○市川委員 あと、フェンブフェンは既に国内に存在しない、国内に承認整理済みの成 分です。17頁の典型的症例の症例1に、ノルフロキサシンとフェンブフェンの併用例が 書かれていますが、この2つは併用禁忌ですので、この2つを併用すると痙攣が起こる というのは周知の事実ですが、あえて併用禁忌例をここで典型的症例として取り上げら れているのかということをお伺いしたかったのと、もしそうでもないのであれば、あま り併用禁忌例は典型的症例として取り上げないほうがいいのかなと思いますが、いかが でしょうか。あとは、フェンブフェンについては既に国内承認整理済みの成分ですので、 併用機会ももうないということを鑑みて、ご検討いただければと思います。 ○水澤参考人 そうですね。このことを検討したときには、そういうお話は全然なくて、 お薬の専門家の方もお出でになったのですが、これは最近でしょうか。いまここに私は 呼ばれていますが、1年ぐらい前にある程度完成していたので。 ○市川委員 フェンブフェンは私も調べてみたのですが、ここ数年前に承認整理済みで した。最近、個人輸入とかもできる時代かとは思いますが、併用禁忌例ですのでどうな のかなと思いました。 ○水澤参考人 そうですね。大変貴重なご指摘をありがとうございました。 ○林委員 いまのところの考え方ですが、確かにもう販売されていないお薬であるとい うことは明記していく必要はあるかと思われますが、どんな出来事が起こるのかという のを経験した医療関係者が少ないケースでは、併用したらこういうことが起こるよとい うことを1回典型的なものとして見せておくことは、その他もう少し起こりそうもない けれども偶然にあった場合に、発見の端緒になると思いますので、そういう意味でいえ ばいまは売られていないことというのを明記した上で、どういう出来事が時系列で起こ るのかを見せる意味では残したほうが。読者にとっては、初めて記載上でそういう時系 列に起こるのだということを習得しやすいという利点もあると思われますので、残され る方向も1つの考え方だと思います。 ○水澤参考人 きちんとそれを記載してということになりますね。 ○松本座長 フェンブフェンは既にないと言って、例としてはこういうこともあり得る ということで、出すこと自体は悪いことではないと思いますが、どうでしょうか。 ○市川委員 そういう理解で結構かと思います。ただ、副作用防止用のためのマニュア ルということを鑑みれば、どうなのかなと気になったのです。 ○松本座長 上田先生、いかがですか。 ○上田委員 併用禁忌薬を出した場合、おかしいのではないかというのがおかしいと思 います。併用禁忌の薬でこうやってやると、こういうことが起こるよということも示す のは非常に重要なことだということで、併用禁忌薬を出してはいけないというのは許し ていただきたいということです。 ○松本座長 確かに市川委員の立場からいけば言えるかと思いますが、これも1つのや り方で私は構わないと思いますが、よろしいですか。これはこのまま、先ほどの細かい 点を訂正した上で承認していただいてよろしいですか。承認したいと思います。水澤先 生、ありがとうございました。  結構順調に来ましたので、少し余裕を持ってディスカッションしてよろしいですので、 お願いします。今日は議題が多かったものですから、少し急がせて申し訳ありません。 それでは、口腔領域の「ビスホスホネート系薬剤による顎骨壊死」のマニュアル案につ いて説明をお願いします。 ○事務局 まず、このマニュアルのタイトルですが、元々「顎骨壊死」ということで昨 年度作成リストに挙げましたが、原因薬剤が特定されてビスホスホネート系薬剤がメイ ンとなっていることから、タイトルも「ビスホスホネート系薬剤による顎骨壊死」に修 正しています。副作用の説明ですが、ビスホスホネート系薬剤による治療中に、ある種 の医薬品、局所(あご付近)への放射線治療、抜歯などの歯科処置、口腔内の不衛生な どの条件が重なった場合に、あごの骨に炎症が生じ、さらに壊死する顎骨壊死が見られ ることがあります。ビスホスホネート系薬剤を使用している間に、「口の中の痛み、特に 抜歯後の痛みがなかなか治まらない」「歯ぐきに白色あるいは灰色の硬いものが出てき た」「あごが腫れてきた」「下くちびるがしびれた感じがする」といった症状が出た場合 には、医師や薬剤師に連絡してくださいという形にしています。イラストは8頁にあり ますが、口の中の痛み、歯がとれたということで挙げています。以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。参考人の島原先生から補足がありましたらお願 いします。 ○島原参考人 特にありませんが、最近この症例報告がこの2、3年で非常に多くなって きました。この内容は、特にいま変える必要はありませんが、非常に多くの症例報告が 出てきていますので、今後ある程度、多少方向性を変える必要があるのではないかとも 考えています。いまは、これで十分にいけると思います。 ○松本座長 それは、そのときでよろしいと思います。委員の先生方からご質問、ご意 見等はありますか。 ○市川委員 5頁と6頁を見比べていただければと思います。6頁のアンダーラインを引 いている最後に「歯がぐらついてきて、自然に抜けた」という言葉があるかと思います。 5頁には書いていなくて、8頁のイラストには歯が自然にとれたことをイメージされた図 があると思います。できれば、8頁のイメージ図とリンクさせる意味でも、5頁のいちば ん最後の「下くちびるがしびれた感じがする」のあとに、6頁に書いてある「歯がぐら ついてきて、自然に抜けた」という言葉を追記されたらいかがかなと思います。 ○松本座長 よろしいですか。入れられるのが簡単であればお願いします。ほかにあり ますか。これは、もしそれを入れられるのであればそれを入れて、ここで承認していた だいてもよろしいですね。入れたあとの文章をもう1回ご覧になりますか。よろしいで すね。そういうことで、そこを訂正した上でこの案を了承したいと思います。  続きまして、「薬物性口内炎」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 資料1-12「薬物性口内炎」について説明します。なお、口内炎については、 抗がん剤で起こるものとその他の薬剤で起こるものを分けて作成していまして、こちら は抗がん剤以外のものをメインに書いています。重篤な薬物性口内炎は、その多くが医 薬品によるものと考えられています。抗菌薬、解熱消炎鎮痛薬や抗てんかん薬でみられ、 また総合感冒薬(かぜ薬)などの市販の医薬品でみられることもあります。「高熱(38℃ 以上)」「目の充血」「口の中やくちびるのただれ」「のどの痛み」「皮ふが広い範囲にわた り赤くなる」などの症状が挙げられています。7頁のイラストとしては、口の中と口の まわりのただれ、38℃以上の高熱を挙げています。事務局からは以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。島原先生、何か補足はありますか。 ○島原参考人 特にありませんが、次のものと関係するのですが、抗がん剤ということ で特殊なので、今回は2つに分けました。 ○松本座長 委員の先生方からご意見、ご質問等はありますか。 ○市川委員 マニュアルのタイトル名に「薬物性口内炎」というタイトルを使っていた だいていますが、既に公表されているマニュアルで、例えば「薬剤性過敏症症候群」と か「薬剤性貧血」というように、薬剤性なのか薬物性なのかというところですが、これ は薬剤性口内炎ではなく、薬物性口内炎が正しいのでしょうか。 ○事務局 ここは学会での使用に従いまして、たしか肝障害のときは薬物性肝障害にし たと思います。 ○松本座長 肝障害は、「薬物性肝障害」が正式病名になっていますので、学会のほうで 薬物性ということであれば薬物性でよろしいと思いますし、それは決まりですかね。薬 物性にするか薬剤性にするかは、口腔外科学会のほうで確認してください。 ○島原参考人 もう一度確認します。 ○飯島委員 私どものDrug-induced hypersensitivity syndromreは、「薬剤性過敏症症 候群」と登録しています。 ○市川委員 このマニュアルでなく、事務局のほうにまたあとでご連絡と思ったのです が、13、14頁にかなり引用されているので指摘と思ったのです。通常このマニュアルで は、一般名記載をするのが原則になっていたかと思います。例えば、1つしか特定でき ない成分であれば販売名を記載してよろしいかと思いますが、ほかにも後発を含めた薬 剤が存在する場合に、このように主な含嗽剤と使用方法として販売名を記載することに よって、販売名を推奨するようなイメージで誤解されないかなという懸念があるのでは ないかと思います。できれば、スクラルファートの後ろのアルサルミンとか、ポラプレ ジンクのプロマックとかも、あまり販売名は併記しないほうがいいのではないかなと思 いますが、いかがでしょうか。 ○松本座長 これは、事務局でいままでと統一してもらって。 ○事務局 ハチアズレだけはアズレン、重曹と書いても何かがわからないので残します が、ほかのものについては原則は抜く形で検討します。アルギン酸ナトリウムのアルロ イドGについても、こちらで剤型、後発品の有無等を確認して検討します。 ○松本座長 よろしくお願いします。 ○上田委員 口内炎とスティーブンス・ジョンソンは別にありますよね。過敏症症候群 とか。何かこれはかぶってしまって、口内炎というのは高熱が先に出てきてしまいます ね。そうすると、スティーブンス・ジョンソンなどとどう違うのか。どちらかというと 口内炎というと、口の中のあれとしてはメトトレキセサートとかの口内炎のイメージが ありますが、その辺はどうでしょうか。 ○松本座長 これは難しいですね。委員の先生方、これに関してご意見はありますか。 皮膚科領域との兼ね合いが出てきました。 ○飯島委員 これは注意事項に、例えば6頁にその辺が書いてありますので、皮膚にあ った場合には、そちらを参考にしてくださいという言い方でいいのかなと思って、軽く 流してしまいました。 ○松本座長 それしかないと思います。 ○上田委員 高熱というのがいちばん気になります。いちばん最初に出てきているから。 ○飯島委員 熱のない口内炎はたくさんあると思いますが、その辺はいかがでしょうか。 ○上田委員 そうです。そこで高熱というのが。 ○松本座長 それは先生、いかがですか。 ○島原参考人 熱のないのもありますし、もっと低い場合もありますので。おそらく典 型例を記載したのですね。 ○松本座長 単純な口内炎でも、かなり高い熱が出ることはあるわけですね。 ○島原参考人 あります。ちょっといろいろな症状の記載がありますので、特に口内炎 はケースによって、かなり異なります。 ○松本座長 高熱だけでは言えないわけで、口内炎があって高熱というのが意味を持つ わけですから、高熱そのものはなくても。 ○島原参考人 それだったら、単に発熱とか、そういう形にしましょうか。 ○松本座長 何かご意見はありますか。重篤副作用として取り上げていますから、あま り軽いということになると。上田先生、いかがしましょうか。高熱をそのまま。スティ ーブンス・ジョンソンとの関係も、先ほどの程度の記載でよろしいですか。 ○飯島委員 それに関して気になるのは、10頁の病理組織所見のところも、「皮膚では 表皮細胞の全層にわたる壊死と表皮-真皮間の裂隙形成」というのは、明らかにスティー ブンス・ジョンソン、あるいはTENを意識した病理組織所見です。粘膜の所見に止めて いただいたほうが、その場合は完全にスティーブンス・ジョンソン、TENの所見なので す、病理組織は。 ○松本座長 皮膚まで入っていますからね。 ○飯島委員 まず粘膜がありまして、あと4行は皮膚の所見なので、これは我々のほう の領域かなと思って言ったのです。 ○島原参考人 これは省きましょうか。 ○松本座長 先ほどのスティーブンス・ジョンソンも、しかしある程度は頭の中に。口 内炎で、いちばん問題はスティーブンス・ジョンソンも入るわけですから。 ○飯島委員 それに関して言うと15頁の図を見ていただくと、確かに口内炎もあります が、血性のさく皮を伴うような口唇びらんがかなり高度になっていますから、これは粘 膜から皮膚のほうに出てきている症状です。たぶん、スティーブンス・ジョンソンを意 識して書かれているのかなと思いますが、これは非常に難しいです。移行があるもので すから。 ○松本座長 ある程度ダブッてもいいわけですよね。スティーブンス・ジョンソンがこ の中に含まれていても、それは警告信号なわけですから、これはこれで。 ○飯島委員 逆にそうしますと、病理組織もスティーブンス・ジョンソンやTENの場合 にこういうことが見られるというように、10頁はただし書きで皮膚に見られるときはス ティーブンス・ジョンソン、TENですと書いていただければいいかなと。 ○松本座長 口内炎という広い意味でのバックグラウンドからいけば、これはこれであ る程度いいのではないかとは思いますが、口腔外科的にはこのような処理の仕方しかあ りませんよね。どうですか。 ○飯島委員 一般の方に向けて、こういうものがあったときには口内炎から口唇びらん に来ていますから、当然なことながら皮膚にもあった場合には、スティーブンス・ジョ ンソン、TENを念頭に置くという書き方になっていますので、基本的にはこれでいいだ ろうと思います。 ○松本座長 そこまでこのマニュアルで述べるのはかなり厳しいかもしれないですが、 現象として書くこと自体においては、そんなに問題はないかもしれないと思います。 ○上田委員 先ほどの発熱で、いちばん最初に重篤な薬物性口内炎とありますから、私 の意見は取り消してよろしいかと思います。あくまでも、「重篤な」という言葉で引かれ ていますので、どうもすみません。 ○松本座長 次のものも含めて、スティーブンス・ジョンソンを含めた重篤な病気も入 るわけですので、これはこれで。いかがでしょうか、特にご意見ありますでしょうか。 ○飯島委員 口内炎というイメージで申し上げますと、ちょうど11頁の判別すべき疾患 で天疱瘡とベーチェットが出ています。まさに、こういうものを私たちは口内炎という イメージで見ています。11頁の写真、あるいは12頁にもベーチェットの写真が出てい ますが、こういうものがやはりイメージとしてはいちばん口内炎なのかなと思います。 むしろ、典型的症例の場合、むしろ口内炎プラス口唇炎、口唇びらんが出てくる。この 辺が難しいところだと思います。 ○松本座長 領域別でいけば、こういうことはどうしても起こり得ることなのです。で すから、ダブるのはやむを得ないのではないかと思います。いわゆる取り落とさなけれ ば、拾い上げればいいという。やはり口内炎というマニュアルでいった場合、このよう な内容になるのはいた仕方がないところがあるのではないかと思います。いかがでしょ うか、よろしいでしょうか。その辺まで入れると、とてもでないけれどもまとまらない でしょう。スティーブンス・ジョンソン、皮膚科領域との区別まで付けていくと。類似 疾患ということで入っているので。ただ、こんがらがる可能性はありますね。どうです か。 ○飯島委員 5頁、最初から目のことが入っていますね。「高熱(38℃以上)」「目の充血」 というのが入っています。目の充血ということは、これはあくまでもスティーブンス・ ジョンソンの点を意識しているということです。 ○松本座長 具体的に言っておられますものね。 ○飯島委員 熱があって、目が来て、口が来たらスティーブンス・ジョンソン、TENだ なと疑ってかかります。 ○松本座長 重篤なものを意識して書いてありますものね。ですから、口腔外科的にマ ニュアルを作る場合にはこのようになるのはやむを得ないと思うのです。クリアカット にスティーブンス・ジョンソンと違うような書き方をするというと、かなり難しいので はないかという気がします。どうでしょうか。これはいまの訂正の部分、いくつかあり ましたかね。その辺を含めて、またもう1回、できたものを委員の先生方に見せていた だいてそれでどうするかを最終的に決めましょうか。よろしいですか。 ○事務局 了解しました。もう一度、作成したものをお送りします。いまの病理所見の ところ、患者向けのほうには、「SJS等のマニュアルを参照」と書いてありますが、医療 従事者向けのほうにはあまり書いておりません。場合によっては、ここの部分に「SJS のマニュアル参照」という形で追記させていただければと思います。 ○飯島委員 14頁の下から3行目の病理組織診断、「浸出性紅斑」というのは、いま現 在は「滲出性紅斑」で、「滲」という字を使いますので、あとで何かあれば。 ○松本座長 その辺も統一してもらえばいいと思います。 ○戸田委員 先ほどの薬物性か薬剤性かということですが、14頁を見ると、症例が薬剤 性となっています。おそらく、薬物性か薬剤性かというのはかなり混乱がある。肝臓学 会では多分「薬物性肝障害」になっているのですが、実際「薬剤性肝障害」という言葉 も使われています。どうするかということなのですが、「薬剤」と言ったら医薬品なので す。 ○松本座長 そういう前提でしょう。 ○戸田委員 それに対して、「薬物」と言ったら医薬品以外のケミカルも含まれる。「薬 物性肝障害」と言った場合、健康食品は医薬品ではないわけなのですが、健康食品によ る肝障害を含めていますので「薬物性肝障害」という形にしました。薬物性か、薬剤性 かというのはかなり混乱はしているのですが、肝臓学会はそういう考えで「薬物性」と いうようにしています。 ○松本座長 ありがとうございます。肝臓学会はそれでいいのですが、「薬物性」と「薬 剤性」の違いというのは公式なものが何かありますか。先ほど言われたようにクリアカ ットに、医薬品は薬剤性、そうでないものは農薬も含めたものを入れれば薬物性と言う というのが決まった言葉かどうか。一応、肝臓学会としては、「薬剤性」という場合は医 薬品を前提に考える。「薬物性」という場合は。 ○戸田委員 そうなのですが、薬物性の場合には薬剤も含まれますから、医薬品も含ま れていますよね。 ○松本座長 薬物性は。 ○上田委員 腎臓のほうは大体薬剤性、薬物性というのはまずない。薬剤性腎症。 ○松本座長 その場合には、農薬によるものとかいうのは含まれるのですか。 ○上田委員 含まれませんね。 ○松本座長 医薬品ばかり。 ○上田委員 はい、そうですね。 ○戸田委員 農薬による場合は副作用ではないわけですから。 ○松本座長 もちろん。 ○上田委員 健康食品による場合、最近サプリメントとか、そういうものの副作用によ る肝障害というのは最近非常に増えてきているものですから、これは薬物性で良かった かなと思っています。 ○松本座長 薬剤性とは確かに言わないのですが、薬物性と言っていいのかな。その辺 は事務局のほうでも統一して。肝臓学会のほうはもちろん決まりですのでそれはそれで いいと思います。1つのマニュアルの中で。 ○戸田委員 肝臓学会でも決まってはいないのです。厚生労働省の「副作用感染症等判 定調査部会委員会」、そこでは「薬物性」に統一しようとなったので、薬物性になったと いうことです。 ○松本座長 この前、うっかり「薬剤性」と言ったら、肝臓学会の先生から「肝臓学会 では薬物性にしていますから統一してください」と言われた記憶があります。 ○戸田委員 薬物性に統一しようとしているのです、いま。 ○松本座長 それはそれでいいと思います。口腔外科のほうも、マニュアルの中で薬剤 性と薬物性を両方使うのはまずいので、どちらかに統一していただければと思います。 それでよろしいでしょうか。この問題はそのようにさせていただきます。  続いて、「抗がん剤による口内炎」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 5頁、抗がん剤治療に伴う口内炎は、薬による直接的な作用と抵抗力の低下 による細菌などの感染により発生します。発生頻度は30〜40%と比較的高い副作用です が、重くなると治療の継続に悪影響を及ぼすこともあります。  主な症状として、「口のなかの痛み・出血・熱いものや冷たいものがしみる」「口の乾 燥、口のなかが赤くなったり腫れる」「口が動かしにくい」「物が飲み込みにくい」「味が かわる」を挙げています。イラストは6頁になります。口の中の痛み、熱いものや冷た いものがしみる、口の中が乾燥するというものを挙げています。事務局からは以上です。 よろしくお願いいたします。 ○松本座長 ありがとうございました。島原先生、何か追加はありますでしょうか。 ○島原参考人 ありません。 ○松本座長 委員の先生方、どうぞ。 ○市川委員 細かい指摘で申し訳ありません。11頁の3、「副作用の判定基準」、CTCAE のタームを使っていただいています。そのCTCAEのスペルが違って、"Common Toxicity" になっていますが、用語集なので"Terminology"ではないでしょうか。"Common Terminology Criteria for Adverse Events"だと思いますのでご確認いただければと思 います。 ○松本座長 ここは島原先生、よろしいですか。確認していただければと思います。ほ かにご意見等ありますか。 ○山地委員 10頁の(6)「薬剤ごとの特徴」のアルキル化剤のところに白金製剤が入っ ています。これはちょっと、分類上、まずいのではないかと思います。「その他」にした ほうがよい。シクロホスファミド、メルファラン、これはいいと思うのですが、白金製 剤は、できれば5番目として「その他抗腫瘍剤」ということにしたほうがいいのではな いかと思います。  11頁の主な抗がん剤の3番目ですが、「抗がん剤性抗生物質」となっています。これ は「抗腫瘍性抗生物質」に変えられたほうが一般的ではないかと思います。 ○松本座長 ありがとうございます。事務局と相談して、良いほうに変えていただけれ ばと思います。ほかにございませんでしょうか。 ○飯島委員 これも「飲み込みにくい」となっている。違和感があるのですが。 ○松本座長 「飲み込みにくい」ね。 ○飯島委員 一般の世界でどうとらえるか知りませんが。 ○松本座長 「嚥下」はちょっと難しいので。 ○飯島委員 まぎらわしい場合、私はいつも平仮名にしています。 ○松本座長 平仮名にしていただきますか。この「飲み込みにくい」というのは、6頁 の「ものが飲み込みにくい」、やはり「飲」になっているのですが平仮名にしていただい たほうが。ほかにございませんでしょうか。こちらはその点を変更していただければ、 このまま認めていただいてよろしいでしょうか。 ○上田委員 白金製剤はただ、そのまま白金製剤で5番目でということで問題ないので はないでしょうか。「その他」ということではなくて、白金製剤ということで独立させる ということでどうでしょうか。 ○山地委員 それで結構だと思います。 ○松本座長 事務局でまた検討していただいて、いちばん良い方法で分類していただけ ればと思います。よろしいでしょうか。それでは、そのようにさせていただきます。ど うも島原先生、ありがとうございました。それでは、代謝内分泌領域の「甲状腺中毒症」 のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 資料1-14「甲状腺中毒症」についてご説明いたします。5頁の「患者の皆様 へ」をご覧下さい。血中甲状腺ホルモンが高値となることで起こる「甲状腺中毒症」は、 医薬品によって起こる場合があります。症状としては、「動悸(胸がドキドキする)」「頻 脈(脈が速くなる)」「手指のふるえ」「食欲があるのに体重が減少する」「汗が多い・暑 がり」「全身倦怠感(体がだるい)」「疲労感(疲れやすい)」「神経質で気分がイライラす る」「微熱」というものが挙げられています。  また、医薬品によっては、上記の症状が自然に軽快したあとに、甲状腺ホルモン不足 の症状(元気がない、まぶたが腫れぼったい、寒がり、体重増加、動作がおそい、いつ も眠たいなど)が現れることがあります。このようなときには、もう1つのマニュアル である「甲状腺機能低下症」を参照するように記載しています。イラストについては7 頁、胸がドキドキする、手足のふるえ、体重の減少を挙げています。事務局からは以上 です。 ○松本座長 ありがとうございました。笠井先生、何か補足はございますでしょうか。 ○笠井参考人 甲状腺に関しては、薬剤性甲状腺機能異常ということで最初承ったので すが、甲状腺中毒症と甲状腺機能低下症のほうに分けてマニュアルを作らせていただき ました。甲状腺中毒症というのが甲状腺ホルモンの過剰による症状なのですが、それに はいわゆる甲状腺機能自身が亢進して中毒症になる場合と、甲状腺濾胞が破壊されて、 溜まっていたホルモンが血中に漏れ出て一過性に起こるものと2つございます。そのよ うに分けて記載をさせていただきました。  いくつかマイナーなポイント、特に文献の記載が統一されていませんので、あとで全 部訂正して事務局にもう一度渡したいと思います。それから、例えばいまのイラストな のですが、7頁の真ん中の「ブルブル」というのはむしろ中毒症なので熱い感じがする のではないか。これは寒くてブルブルしているような感じですので、これを取るか、も う少し暖かい色で書いていただくとか、そういう工夫をしていただいたほうがいいので はないかと思います。以上です。 ○松本座長 ありがとうございます。イラストと文献のほうはよろしくお願いいたしま す。委員の先生方、何かご意見、ご質問等ありませんでしょうか。私たちは「甲状腺機 能亢進症」という名前で教えていただきましたが、いまはこういうように「中毒症」と するわけですね。よろしいでしょうか、大変よくまとまっていると思いますが。 ○市川委員 マイナーチェンジで申し訳ありません。9頁目に3カ所あるのですが、9 頁目の半ばぐらいの遊離型サイロキシンの下、「トリヨードサイロニン」のところ、 (triiodothyronie:T3)の、スペルの最後が"nie"で終わっていますが"nine"です。その1 つ下の(free triiodothyronie:FT3)も"nine"です。5つ下がった「抗甲状腺ペルオキシ ダーゼ抗体」なのですが、これも"anti-thyroid"というタームと、あと"peroxidase"と いう2つの単語で確か形成されているのではないかと思います。 ○笠井参考人 上のほうはありがとうございます。「thyroid peroxidase」と言う場合と、 「thyroperoxidase」、両方2通りございますので、それはそれでよろしいのではないか と思います。 ○松本座長 よろしくお願いします。ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょ うか。こちらのほうも一応、先ほどの訂正をしていただければ、このマニュアルはお認 めいただいてよろしいでしょうか。それでは、そのようにさせていただきます。続いて、 「甲状腺機能低下症」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 資料1-15、「甲状腺機能低下症」についてご説明いたします。5頁の「患者の 皆様へ」をご覧ください。甲状腺機能低下症が、ヨード含有医薬品、リチウム製剤、イ ンターフェロン製剤などの医薬品により引き起こされる場合もあります。また、甲状腺 ホルモン製剤服用中に、他の薬を服用することで起こる場合もあります。主な症状とし ては、「前頸部の腫れ」「元気がない」「疲れやすい」「まぶたが腫れぼったい」「寒がり」 「体重増加」「動作がおそい」「いつも眠たい」「物覚えが悪い」「便秘」「かすれ声」を挙 げています。また、先ほどと同様に、医薬品によっては、甲状腺ホルモンの過剰な症状 (脈が速い、心臓がドキドキする、体重減少、手のふるえ、汗をかき易いなど)に引き 続いて、甲状腺機能低下症が起こる場合がある旨を追記しています。7頁、イラストと しては、のどが腫れたというものを挙げています。事務局からは以上です。よろしくお 願いいたします。 ○松本座長 ありがとうございました。笠井先生、何か追加はありますか。 ○笠井参考人 甲状腺機能低下症に関しては、非常にたくさんの薬剤があります。文献 も100ぐらい引用させていただいています。これも文献が統一されていませんので、私 が直したものを事務局に提出いたします。それから、副作用ということなのですが、14 頁の7、「医薬品ごとの特徴」というところで抗甲状腺薬、これはもちろん主作用で甲状 腺ホルモンの合成を抑える薬です。結構頻度が高いということと、妊娠していた場合等 のこともありますので、主作用ですがここに入れさせていただきました。よろしいでし ょうか。 ○松本座長 ありがとうございます。先ほどの笠井先生のご質問に対して、委員の先生 方からご意見、ご質問、いかがでしょうか。確かに微妙なところは微妙なところですね。 14頁の副作用に入れるかどうかに関しては。こういうことも起こるので、この場合はよ ろしいのでしょうかね。どうですか。降圧剤で血圧が下がり過ぎるのと似たような感じ でしょうか。 ○戸田委員 薬物によって期待される治療的ではなく、有害事象が起きた場合、薬理作 用が過剰に発現した場合であっても副作用にしていることが多いですよね。 ○松本座長 そうですね。そちらのほうとこちらは少し違うので。ここは警告する意味 のほうが強いわけですので、いかがでしょうか。そういうことでよろしいでしょうか。 ほかにご意見等ありますでしょうか。 ○市川委員 いくつか細かいこともあるのですが、9頁目のところ、先ほど抗甲状腺ペ ルオキシダーゼについては、"thyroperoxidase"という言葉だというご説明をいただきま した。9頁の上から7行目ぐらいにも「ペルオキシダーゼ」があります。ここは"thyroid peroxidase"になっているので、ちょっと合わせていただければと思います。  12頁の4、副作用の判別基準のところ、上から4行目に「非甲状腺疾患に低T3症候」 で、「群」が抜けています。  あと、17頁の下から10行目ぐらいに「未熟児」という言葉を使っています。ここ最 近、「未熟児」は「低出生体重児」という言葉を使っていますので、もし変更できるので あれば「低出生体重児」に変更いただければと思います。 ○松本座長 ありがとうございます。 ○市川委員 18頁の上から4行目、「ホルモン過剰」の後ろに、カッコ書きで(中毒症 の項参考)とあります。最初、この「中毒症の項参照」とは何だろうと思っていたので すが、多分甲状腺中毒症のマニュアルのことを意味しているのではないかと思います。 その旨、わかるように記載いただければと思います。以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。 ○上田委員 15頁、16頁のことなのですが、甲状腺機能低下症に対して、子供のことと か、授乳婦に対することまで、ここで言及すべきことなのか。ヨードがこれだけ入って いるものがあるということがここに必要であるかどうか、少し疑問があります。 ○松本座長 いかがでしょうか。 ○笠井参考人 表1と表2は最初のマニュアルには入れてはいなかったのですが、これ を入れたほうがわかりやすいだろうということで表1、表2を追加させていただきまし た。 ○笠原委員 もし、いまの2番のところに表1、表2を入れるとすると、ヨードを含む 食品のことで、(2)のところは「ヨードあるいはヨード含有医薬品」と書いてあります。 ただ、含有医薬品はこの章ではなくてアミオダロンとかのところになります。ここはヨ ード含有食品のことなのではないでしょうか。日本人の場合、食品でヨードのホルモン 過剰になることはほとんどないということで、場合によってはいいのかもしれません。 それを一言書いておいたほうがいいと思います。 ○笠井参考人 日本では過剰になることはなくて、こんぶの常食というか、健康に良い ということで毎日たくさん食べる。あるいは、うがい薬で毎日うがいをすると、甲状腺 機能低下症になる例がございます。食品ということも入れたほうがよかったのかもしれ ませんが、ヨードというところに食品のことも含めたつもりで入っていると考えていた だければと思います。 ○松本座長 いかがですか、それでよろしいですか。そういう意図のもとであればよろ しいですか。上田先生はいいですか、先ほどのご質問は。 ○上田委員 薬の副作用かなという感じがあったので、それが気になりました。 ○笠井参考人 そうですね。あと、例えば中毒症のところ、外国から個人輸入している、 いわゆる日本で発売されていないようなやせ薬、いろいろなサプリメントの中に甲状腺 ホルモンが入っていて、中毒症になる場合もあります。広い意味でとらえていますので、 薬品とは違うのですがここにヨードの部分も入れさせていただいています。 ○松本座長 よろしいですか、ほかにご質問等ありませんでしょうか。これはもう一度 全体的に訂正していただいた上で、委員の先生方がもう1回ご覧になりますか。事務局、 それでよろしいですか。問題は少ないかと思います。笠井先生、どうもありがとうござ いました。それでは、消化器領域の「急性膵炎(薬剤性膵炎)」のマニュアル案について 説明をお願いします。 ○事務局 資料1-16、「急性膵炎(薬剤性膵炎)」について説明をいたします。5頁の「患 者の皆様へ」をご覧ください。膵臓に炎症を起こす急性膵炎は抗てんかん薬、免疫抑制 薬、抗原虫薬(トリコモナス治療薬)などでみられるので、何らかの薬を服用していて 次のような症状が見られた場合には連絡してください、ということで、「急に胃のあたり がひどく痛む」「吐き気」「おう吐」がみられる、お腹の痛みはのけぞると痛くなり、か がむと弱くなるというものを挙げています。イラストについては、6頁に吐き気と痛み を挙げています。事務局からは以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。岡崎先生、何か追加ありますか。 ○岡崎参考人 ありません。 ○松本座長 委員の先生方、ご質問、ご意見等ありますでしょうか。 ○戸田委員 イラストを見ると胸のあたりが痛んでいるように見えます。もう少し下の ほうに手を持っていってもいいのではないかと思います。 ○事務局 わかりました。確かに胸が痛いようにも見えますので変えたいと思います。 ○松本座長 これは大したことないのですが、8頁の「増感」というのは一般に言いま すかね。よろしいですか。下から3行目ぐらいに「増感されるとの報告がある」という のは。「増強」とか。あまり不思議でなければいいのですが。  8頁の下から3行目に、「トピラマートの併用で増感され」、確かに増感は増感ですか らね。増強とか。 ○上田委員 「増悪」がいいのではないですか。 ○松本座長 「増悪」とか「増強」という言葉がいいのではないか。あまり、「増感」と いう言葉は使わないような気がします。  何かご意見、ご質問等ありませんでしょうか。よろしいでしょうか。あまり問題がな いのではないかと思うのですが、もしあれば事務局と相談の上、戸田先生の意見も含め て少し訂正していただいた上で、これは承認してよろしいですか。 ○山地委員 14頁の3行目、「19種類あり、我が国で販売されているのは、表4の17 種類である」ということになっています。この表4というのは19種類ありますので、「す べてを満たす薬剤は表4の19種類あり、我が国で販売されているのはそのうち17種類 である」というように直されたほうが齟齬がないと思います。 ○松本座長 今日のものは訂正されているのですか。委員の先生方に渡したものと、今 日のこの資料とは少し言葉づかいが違うようです。 ○山地委員 直っていないですね。 ○事務局 表の中身は変えておりませんのでそのままだと思います。薬の数え方につい ては表を修正したりして、数が変わっている可能性がありますので、確認いたします。 ○松本座長 その辺、調整していただければと思います。ほかにございませんでしょう か、よろしいでしょうか。それでは、委員の先生方から出ました意見を参考に、訂正し た上で認めさせていただきます。どうもありがとうございました。それでは、心臓循環 器領域の「心室頻拍」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 資料1-17、「心室頻拍」についてご説明いたします。5頁の「患者の皆様へ」 をご覧下さい。お薬を服用中に、不整脈が発生することがあります。また、不整脈を治 療するための薬により、ときに不整脈を悪化させたり、新たな不整脈を引き起こすこと があります。症状として、「めまい」「動悸」「胸が痛む」「胸部の不快感」のような症状 がみられた場合には、危険な不整脈の初期症状の可能性がありますので、すぐに医師・ 薬剤師に連絡してください。また、「意識消失」「失神」「けいれん」等の症状が見られた 場合には、救急車等を利用して医療機関に受診してください、というような形で対応を 記載しています。7頁にイラストを描いています。意識が遠くなる、胸が痛む、心臓が ドキドキする、倒れる等が挙げられています。事務局からは以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。参考人の志賀先生、何か補足はありますでしょ うか。 ○志賀参考人 私どもとしては、心室頻拍の場合の約1割が実際になってしまうという ことで、早期発見が非常に重要であるということに重きを置き、言葉としては非常に曖 昧な言葉になってしまうかもしれませんが、目まいであったり、動悸ということ、こう いうなかなか俗っぽい言葉というのはあまり科学的ではなくて、何を表しているのかわ からないという意見もあるかもしれません。しかし、一般の方がいちばんなじみがあっ て、こういったものを早期発見に結びつけられるという言葉を使おうということで、こ のような言葉を表記させていただいたということです。 ○松本座長 ありがとうございました。委員の先生方、ご意見、ご質問等ありますでし ょうか。 ○戸田委員 8頁にもあるのですが、Naチャネル遮断作用を有するI群抗不整脈薬、Ia、 IC、あるいはIII群とかいろいろなものが出てきます。専門以外の者にとってはどれがI 群か、どれがII群か、どれがIII群かわからないので、表か何かにまとめていただけない かと思います。 ○志賀参考人 ごもっともです。これはスタンダードな分類表がありますので、それを きちんと記載したいと思います。ありがとうございます。 ○松本座長 よろしくお願いします。ほかにございませんでしょうか。 ○市川委員 10頁なのですが、「投薬上のリスク因子」ということで、文章で原因医薬 品、主に相互作用に関する原因医薬品を記載していただいています。通常のマニュアル というのは原因医薬品というタイトルを挙げて、具体的にどのような医薬品かというよ うに、一目見てわかりやすく記載されているかと思います。この心室頻拍はそういう書 き方は難しいですか。 ○志賀参考人 ごもっともです。多分、この表で書くとしたら2つのことがあるかと思 います。まず、その医薬品自体がQT延長作用を起こすリスクがある。それは実は後ろの ほうに報告例をまとめてあります。もう1つ、今度は相互作用として、特に薬物動態的 相互作用が来たときに起こし得る薬となってくると、これは非常に幅が広くなってまい ります。例えば、代謝酵素の2D6にかかわるのか、3A4にかかわるのかによって、併用 してくる薬は全然違います。それを全部羅列していった場合、かえってどうかと思いま した。文献上はそれを拾えれば1頁分ぐらいのことにはなってしまうのですが、可能性 のある薬をある程度すべて挙げてしまうとなると、皆さん、こういった薬を飲んでいる とき、それを併用している可能性もあるので、かえって混乱を招くかなと思ったところ もありました。  そこで、一応代表的な薬だけということで、ここは一応医療従事者と薬剤師が見るペ ージだろうということで、あえて書いてしまうとこれがレッテルになってしまうかもし れないというところもあってこういう表現にさせていただきました。委員の先生方のご 意見で修正、もしくは加筆をやりたいと思います。すみません、かえって投げ返すよう で申し訳ありません。 ○松本座長 そうしますか、それではお願いします。 ○上田委員 「患者の皆様へ」のいちばん最初の見出しなのですが、「意識消失、失神、 けいれんのあるような症状が見られた場合には、救急車等を利用して医療機関に受診さ せてください」のほうがいいのではないか。これは日本語のつまらない点ですが、患者 の方は結構そういうことを気になさいますから、そのほうがよろしいかと思います。周 辺の方がという意味で、どうでしょうか。 ○志賀参考人 まず、本人が自分で呼んで行くことはないと思います。そのとおりだと 思います。そう修正させていただきたいと思います。 ○林委員 同じ点で、私も感じていたのですが、「また、」のあとに「予めご家族等にお 知らせしておくなどして」というか、確かそういう文があったと思います。意識がなく なられてしまった場合の対処は、いま上田先生がおっしゃったように誰かに呼んでもら わないといけないので、「それを家族に予め相談しておいて」ということを一言入れてお かれると、もっと現実的かなと思います。 ○松本座長 そうですね、この場合はかなり特殊ですからね。 ○志賀参考人 わかりました、そこの文章も考えてみたいと思います。ありがとうござ います。 ○松本座長 よろしくお願いいたします。ほかにございませんでしょうか。それでは市 川委員、上田委員、戸田委員のご意見を踏まえて、事務局と相談して訂正していただけ ればと思います。委員の先生方はもう一度、それをご覧になりますか。 事務局、もう1回見せていただけますか。よろしいですか。 ○事務局 はい、もう一度相談させていただきたいと思います。 ○松本座長 私はよく出来ていると思います。 ○志賀参考人 最後にもう一度確認になるのですが、先ほど市川先生からご指摘のあり ました一覧のことについては、最終的にはどのようにすればよろしいでしょうか。 ○市川委員 私自身も非常に記載しづらいと思いました。通常、マニュアルというのは 「原医薬品」とタイトルを起こして書いていたものですから、その点、どのようにお考 えなのかということをちょっと確認したかっただけです。私自身はこれで結構です。 ○松本座長 市川委員の要求はカットしてください。 ○志賀参考人 ありがとうございます。 ○松本座長 そうすると、戸田先生のご意見は入れればいいわけだからあまり問題はな いですよね。 ○戸田委員 分類表を入れていただけたらと思います。 ○松本座長 やさしくしてもらえばいいわけですが。やさしくなっているかどうか確認 しますか。よろしいですか ○戸田委員 結構です。 ○松本座長 よろしいそうですので、訂正をすることによって承認させていただきます がよろしいですか。それではそうさせていただきます。どうもありがとうございました。  続いて、「うっ血性心不全」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 1-18、「うっ血性心不全」についてご説明いたします。5頁の「患者の皆様へ」 をご覧ください。心臓から全身に身体が必要とする量の血液を送り出すことができなく なり、肺に血液が貯まってきて、息切れ、疲れやすいなどの症状を示す「うっ血性心不 全」が、抗不整脈薬、β遮断薬、副腎皮質ステロイド薬、解熱消炎鎮痛薬(非ステロイ ド性抗炎症薬など)、抗がん剤などの医薬品によって引き起こされる場合もあります。症 状として、「動くと息が苦しい」「疲れやすい」「足がむくむ」「急に体重が増えた」「咳と ピンク色の痰」を挙げています。7頁にイラストを挙げており、階段を昇って苦しいと 言っている、ピンク色の痰が出ている、足がむくんだという絵を挙げています。事務局 からは以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。参考人の友池先生、何か追加はありますでしょ うか。 ○友池参考人 大変重篤ですが、鑑別診断の難しい病態でもありますので、出来るだけ 詳細に至らないように簡単なレベルで押さえたつもりです。以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。委員の先生方からご質問、ご意見等はあります でしょうか。よろしいでしょうか。非常に微妙な問題なのですが、9頁の(5)のいちばん 下の段が「有害事象と判断できる」というように、いちばん無難な表現を用いておられ ますが、よろしいですか。  かなり漠然としているわけですが、「薬剤による有害事象」とするかということを意図 しているのでしょうけれども、何となく薄まったような感じがしないでもない。ここで 初めてこういう言葉が出てきたものですから、薬の副作用として処理しているものです から。ただ、有害事象に関してはいろいろな解釈の仕方があって微妙なところがあるわ けです。いかがでしょうか。 ○友池参考人 「副作用」と変えさせていただきます。 ○松本座長 「薬剤の副作用と判断できる」としたほうがはっきりするのではないかと 思います。 ○友池参考人 はい。それでは、ここは「副作用」に変えさせていただきます。 ○松本座長 ここだけ「有害事象と判断できる」となると、何となく漠然とし過ぎるの ではないかと思います。何か、ご意見はありませんでしょうか。よろしいでしょうか。 それでは、そのように訂正していただいて、この案件は承認させていただこうと思いま すがよろしいでしょうか。そうさせていただきます。先生、どうもありがとうございま した。  骨領域の「骨粗鬆症」のマニュアル案について説明をお願いします。 ○事務局 資料1-19、「骨粗鬆症」をご覧ください。5頁の「患者の皆様へ」からご説明 いたします。骨が弱く、もろくなる骨粗鬆症は、医薬品で引き起こされる場合もあり、 気付かずに放置していると、骨折等が生じ健康に影響を及ぼすことがあります。経口(飲 み薬)のステロイド薬、メトトレキサート、ヘパリン製剤、ワルファリン、抗てんかん 薬、リチウム製剤、性腺刺激ホルモン放出ホルモン作動薬(子宮筋腫・子宮内膜症・前 立腺肥大治療薬)、タモキシフェン(乳がん治療薬)、アロマターゼ阻害薬(乳がん治療 薬)等でみられます。  症状として、「過去に背骨、大腿骨の付け根(股関節)、骨盤、手首、肩などに骨折を 生じたことがある」「身長が2cm以上低下した」「背中が丸くなった」「経口ステロイド薬 を毎日、3か月以上使用している。あるいは3か月以上使用予定である」「経口ステロイ ド薬を使用していて、背中や腰の痛み、大腿骨の付け根の痛みがある。下肢のしびれや 下肢に力がはいりづらいことがある」を挙げています。  7頁にイラストを挙げています。身長の低下、背中が丸くなる、背中・腰等の痛みを 挙げています。事務局からは以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。遠藤先生、何か追加はございますでしょうか。 ○遠藤参考人 非常に多くの薬が関連するのですが、現実的にはステロイド剤が最も臨 床的に問題だろうということで、ステロイド剤を中心に記載させていただきました。最 後のほうにはほかの薬も一部追加しています。以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。委員の先生方からご質問、ご意見等ありますか。 ○森田委員 15頁から何回か出てくるのですが、「ビスフォスフォネート」は今回のマ ニュアルのタイトルにもありましたが「ビスホスホネート」なので、これはそういうよ うに変更したほうがよろしいのではないかと思います。 ○松本座長 これは事務局のほうで訂正してください。ほかにありますか。 ○上田委員 いちばん最初の患者さん向けのところですが、「次のような患者さんは医 師・薬剤師に連絡してください」ということですが、「骨折を生じたことがある」という ことで連絡することはあまりないわけですよね。医者に言っておくことが大切ではない か。それと同じように「身長が2cm以上低下した」とか、「背中が丸くなった」とか、「腰 が痛い」とかということが初期症状ではないかと思います。これは患者さんが医師に対 して伝えておかなければいけないということと、あと「経口ステロイド剤を毎日、3か 月以上使用している」ということが副作用ということではないと思います。初期症状で はないわけです。これはあくまでも、骨粗鬆症が非常に起きやすいというリスクを表現 しているのではないでしょうか。ここではやはり、本当に骨粗鬆症の症状が出てきたと きのことを言って、また書くとしたら「こういうことが危険因子です」、「起こしやすく なります」という書き方にしないと、全員、こういう方が医師や薬剤師に連絡するとい うのはちょっとおかしいかなと思います。 ○松本座長 背景因子みたいな感じになっているので、できれば実際上の症状のほうが いいのではないかということですが、遠藤先生、いかがでしょうか。 ○遠藤参考人 お話の趣旨は、ある面ではそのとおりかと思います。しかし、骨粗鬆症 というのはサイレント・ディジーズとも言われています。症状が出るということは、逆 に骨折等が起こったということですから終末像ということになります。その前の、骨の 脆弱化が見られる時点で、ある程度注意を喚起するということも必要ではないか。それ で、あえて、ここで危険因子を含めて書かせていただいて、多分医師や薬剤師に行くと いうことは何らかの薬を飲んでいるとか、いろいろな病気を持っていかれる方があるわ けです。そういった方々で過去に骨折等がある、ステロイドを飲んでいるということは、 それ自体が背景因子、あるいは危険因子として重要ではないかという観点であえてここ に載せていただいたところなのです。 ○上田委員 その場合でしたら、「こういう危険因子のある方は骨粗鬆症の専門医(整形 の先生)に受診したほうがよい」とか、そういう書き方がよろしいのではないでしょう か。もし、そういうことでしたら。先生がお書きになった「2cm以上低下した」、「背中 が丸くなった」、それは初期症状として置いておいて、このような条件のある方は定期的 に専門の医師にかかりましょうとか、そういう文面になさるとよろしいのではないかと 考えます。どうでしょうか。 ○遠藤参考人 それはご指摘のとおりにいたします。ここで記載したほうがいいのか、 それとも別な項がいいのか、そこを少しご指示いただければと思います。 ○松本座長 ここを具体的に変えるというとなかなか難しい。黒字で書いてある「医師・ 薬剤師に連絡してください」というのが結構厳しい。こういう情報は確かに必要なので す。こういう書き方しかないのではないかという理解はできますけれども。事務局、何 か具体的に案がありますか。 ○事務局 いままでのマニュアルでもリスク因子ないし危険因子と症状を別々に書いた ものがありますので、その辺りをこの枠に入る分量で工夫して検討させていただければ と思います。 ○松本座長 ほかにありませんでしょうか。8頁の表1、「骨折のリスク因子」というの は結構難しい。骨密度が「1SD低下で」とか、飲酒が「1日2単位以上で」というのは一 般的でしょうか。2単位というのはどれぐらいでしょうか。 ○遠藤参考人 2合ちょっとです。 ○松本座長 日本酒に換算して2合ということですね。どうですか、これでいいですか。 ○戸田委員 単位というのは。 ○松本座長 あまり単位というのは使わないのです、飲酒で、日本酒だったら2合とか。 ○遠藤参考人 そこまで細かくということであれば直します。 ○松本座長 先生、こういう表があるわけですか。先生の学会のほうに。 ○遠藤参考人 そうです、下のほうに予防と治療のガイドラインをあげています。 ○松本座長 では、やむを得ないですかね。ただ、これ、ちょっとわかりにくいですね。 私らにとって、いちばん上の骨密度のところも、パーセンテージで書いてもらったほう がわかりやすいとかあるのですが。先生方の専門だと簡単なのでしょうが。 ○遠藤参考人 現時点でどうしてもSD表示というか、外国はSD表示が主になって、そ れとの整合性もあってということになります。 ○松本座長 やむを得ないですかね。その辺、もし可能であれば、わかりやすいように 変えていただければと思います。飲酒、日本酒換算だったら2合とか、何グラムという ほうが。それから、次の頁、9頁の「副作用の概要」で、「ステロイド性骨粗鬆症とは」 と限定されているのは、先生の先ほどの説明から言ってもやむを得ないところでしょう か。ほとんどがステロイド性なので。副作用の概念の説明で、ほとんどこれで終わって いるわけなのですが。 ○遠藤参考人 これは8頁のところ、最初の数行に書いてありますけれども、「骨粗鬆症 の原因として」、最後に「以下は主として経口ステロイド薬について記載する」というこ とから始めましたので、全体をステロイド剤を中心に記載させていただいたという趣旨 です。 ○松本座長 これはこれでよろしいですか。12頁、これは細かい点なのですが、「副作 用の判別基準」で「YAM」という略字があります。先生、「YMA」というのもあるのですが、 「YAM」が一般的なのですか。 ○遠藤参考人 Young Adult Mean。 ○松本座長 「YAMA」というのもあるみたいなのですが、これは間違いですか。 ○遠藤参考人 普通は「YAM」を使っていますので、「YAM」でよろしいかと思います。 ○松本座長 「YAMA」でもいいわけですか。 ○遠藤参考人 いや、「YAM」です。 ○松本座長 「YAM」が正しい。ほかにご意見ありますか、いかがでしょうか。先ほどの 委員の先生方のご意見を踏まえて訂正してもらうということでよろしいですか。飲酒に ついては確かに診断基準が決まっていますから、書き換えるのが難しければ、差し当た りはこれでよろしいかもしれません。わかりにくい点はわかりにくいと思います。それ では、そういうことで訂正してもらうことを条件にお認めいただいてよろしいですか。 そうさせていただきます。先生、どうもありがとうございました。  最後になりますが、泌尿器領域の「尿閉・排尿困難」のマニュアル案について説明を お願いします。 ○事務局 資料1-20、「尿閉・排尿困難」のマニュアルをご覧ください。5頁の「患者の 皆様へ」ですが、膀胱収縮力と尿道抵抗のバランスがくずれて、尿が膀胱に充満してい て、尿意があるのに排尿できない尿閉や尿が出づらくなる排尿困難が医薬品によって引 き起こされる場合があります。主に抗ムスカリン様作用を有する薬物を含む、過活動膀 胱治療薬、胃腸薬、下痢止め薬、抗精神病薬・抗うつ薬、抗不整脈薬などでみられ、総 合感冒薬のような市販の医薬品でもみられることがあります。  症状としまして、「尿意があるのに排尿できない」「尿の勢いが弱い」「尿をしている間 に尿が何度もとぎれる」「尿が出るまでに時間がかかる」「尿をし始めるためにお腹に力 を入れる必要がある」「尿をしたあとにまだ尿が残っている感じがある」などを挙げてい ます。7頁にイラストを挙げていまして、女性が座っているほうでは尿が出にくく力が 要るもの、男性では尿線が途切れるというのを書いています。また、8頁には尿の勢い が弱いものを書いています。事務局からは以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。この「尿閉・排尿困難」を作成いただいた日本 泌尿器学会からは、都合がつかず参考人の先生は来られませんが、委員の先生方からこ れをお読みになって、ご意見、ご質問等はありませんか。 ○森田委員 一般の方へのところが、ちょっと理解が難しいような気がします。例えば 「尿閉と排尿困難とは」は難しいと思いますが、これはやむを得ないような気もします。 ○松本座長 少しわかりやすい絵があるかどうか。 ○事務局 やさしくはしたつもりですが、もう少しわかりにくいということであれば、 また学会とご相談して修正します。専門用語等が確かにまだたくさん残っていますので、 必要に応じてお直しします。 ○松本座長 やむを得ないところもあるかと思いますが、ほかにありますか。 ○山地委員 18頁の図6の「経腹的超音波像 198mLの残尿が認められる」というのは、 その前の表記のどこにかかっているのかがわかりにくいので、図6を説明しているので あれば文中に図6の箇所を指摘していただいたほうがいいと思います。 ○松本座長 そうですね。なかなか難しいところがある。図6が文章のどこにあるか。 ○市川委員 17頁の上から2行目に書いてあります。 ○松本座長 図6はかなり離れているので、このエコーだけを見たら何が何だかわから ないところが確かにあります。 ○事務局 図は、症例の2がワードの編集でずれてしまったみたいなので直します。 ○松本座長 3に付いています。これは医者向けだからいいとは思いますが、ほかにあ りませんか。よろしいですか。これも、その点を訂正していただければよろしいのでは ないかと思います。了承して承認してよろしいですか。そういうことで、学会と、Aの 「患者の皆様へ」のほうだけを相談なさって、それから先ほどの図6を置く場所を検討 していただいた上で、訂正していただければと思います。 ○事務局 了解しました。それと、先ほど肺水腫のときにご説明するのを忘れてしまい ましたが、栗山先生から誤字等の指摘がありまして、これもまた後ほど学会と連絡をし まして修正したいと思います。 ○松本座長 こちらのほうには出なかったのですが、よろしくお願いします。  事務局から、今後の予定について説明をお願いします。 ○事務局 ご審議ありがとうございました。ご了承いただきましたマニュアルについて は、今後修正等の作業を行った上で、厚生労働省及び医薬品医療機器総合機構のホーム ページに掲載するとともに、学会等へも情報提供していきたいと考えています。それか ら参考資料の1、最後に付いているテーブルですが、こちらに現在作成中または既に公 表済みのものの一覧表を添付していますが、その中で「作業中」となっているマニュア ルについては、関係学会の先生方及び日本病院薬剤師会WGの先生方とともに作業を進め、 マニュアル案として取りまとめたいと考えています。今後まとまり次第、順次本検討会 にお諮りして公表したいと考えています。  なお、本事業は平成17年から4年間の事業であり、本年度が最終年度となっています が、来年度以降も2年間継続できるように予算要求をしていますので、今後ともよろし くお願いします。以上です。 ○松本座長 ありがとうございました。議事の(2)「その他」について、事務局から何か ありますか。 ○事務局 1点提案させていただきます。本マニュアルについて、「患者の皆様へ」のと ころに、医薬品医療機器総合機構へのリンクとして添付文書のアドレスが書いてありま すが、合わせて救済制度についても紹介したほうがいいのではないかというご意見があ りました。また、本マニュアルを重篤な副作用に実際に遭われた方が見る機会もあると 考えられることから、各マニュアルのいちばん最初の記載事項の説明のところと一般の 方への説明のところ、及び参考1の副作用の一覧表に救済制度のリンク先を掲載して、 併せて周知を図っていきたいと考えていますが、いかがでしょうか。 ○松本座長 どうでしょうか。これは、むしろそのほうがよろしいのではないかと思い ますが、ご意見はありますか。よろしいですか。そのようにお願いします。 ○事務局 ありがとうございます。それでは、今回ご審議いただいたマニュアルから、 順次追記を行いたいと思います。それから次回以降の日程については、後日改めて調整 します。よろしくお願いします。 ○松本座長 本日の議題はすべて終了します。随分たくさんの議題で、終われるかどう かに自信がなかったのですが、順調に終わることができました。ありがとうございまし た。  最後に全体を通じて、ご発言はありますか。 ○市川委員 先ほど、この検討会を2年間延長して、引き続き継続されるというご説明 を事務局からいただきました。当初、4年間で120副作用疾患のマニュアルを作成する となっていましたが、いまお手元に配付していただいた参考資料の重篤副作用疾患のタ イトルを数えると、計72あります。お聞きしたいのは、この「作業中」と書いてあるも のをこれから2年間で作成してコンプリートということなのか、あるいは「作業中」と 書いてあるもの以外にも、今後増やすご計画なのかということを教えていただければと 思います。 ○安全使用推進室長 まず、その数の数え方については、いま作業中のものを含めて当 初予定した4年間でのものということになります。ですから、新たにこの4月からの2 年度分については、この検討会の場でさらに追加すべき重篤な副作用疾患について、ご 意見をいただいた上で、また学会等に委託をして、新たに作成の作業を進めていきたい と考えています。  あと、既にいちばん古いものですと平成18年に公表されたものについて、その後何か 改定が必要そうなものといったようなものがありましたら、この2年間で必要な改定と いうこともご検討をいただきたいと考えています。  4年度で120の疾患については、メインの副作用名で数えると、いま言ったような数 になりますが、別名やそれに付随するような副作用疾患もありますので、そういったも のも含めて最終的な数にしたいのですが、いま現在メインは70で、そういったものを含 めていくつになるかというのは、整理をしたいと思っています。 ○飯島委員 私たちは、スティーブンス・ジョンソンのマニュアルを第1回でやりまし たが、症例写真を差し替えたいという要望があるなど、学会として、自主的に点検する という意味ですか。それとも見直し作業について要望するということですか。 ○安全使用推進室長 そこも各学会とのご相談ですが、学会のほうからいまの時点の目 でご覧になって、もし学会として改定をしたいということがあれば当然またご相談しま すが、例えばその後新たな新薬とかが出てきて、比較的マニュアルにあるような副作用 が多いとかで、やはり追加したほうがいいのではないかということで、こちらの問題意 識として学会にご相談をするようなケースもあると思っています。特に初期のころに作 成されたものについては、こちらからいずれにしても学会にご相談して、まず学会とし て改定されたいというご希望があるかということを確認した上で、ご相談をしたいと思 っています。 ○市川委員 私も質問ですが、このマニュアルのいちばん最後に参考2として、MedDRA の一覧表を添付しています。参考2は私のほうで作成していますが、ご存じのように MedDRAは半年に2回バージョンアップをしていきます。既に公表されているものについ ては随分古いバージョンですが、こういったMedDRAのバージョンアップも随時更新して いく予定なのか、もう既に作ったものは作ったものと割り切ってしまってよろしいのか、 その点について確認したいのです。同じように参考1は、厚生労働省で企業報告の上位 10位を挙げていただいていますが、そういったものについても年度ごとアップデートを されていくご予定なのかを確認させてください。 ○安全使用推進室長 改定のやり方については、また次回の検討会でご相談をさせてい ただきますが、いま市川委員からご指摘のあったような、わりあいと機械的なものにつ いては機械的に、個別にこの会議の場でご了解をいただくということではなく対応して、 先ほど申し上げたような新薬で追加したほうがいいのではないかとか、本質的な議論を 少ししていただいたほうがいいような件については、この場で議論して改定をご検討い ただくという整理にしたいと思いますが、いま言ったようなことはいろいろなケースが ありますので、少しこちらのほうで整理をして、またご相談をしたいと思いますので、 よろしくお願いします。 ○松本座長 今後のことについては、事務局のほうできちんとフォローするようにして いただければと思います。ほかにはよろしいですか。ないようでしたら、本日はこれで 閉会します。どうもありがとうございました。 照会先:厚生労働省医薬食品局安全対策課  電話:03−5253−1111