09/03/25 第130回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録          第130回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成21年3月25日(水)11:04〜12:13 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員       対馬忠明委員 小島茂委員 北村光一委員 高橋健二委員(代 清水)       竹嶋康弘委員(代 中川) 藤原淳委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員        山本信夫委員       坂本すが専門委員        <参考人>       西岡清DPC評価分科会長        <事務局>       水田保険局長 榮畑審議官 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官 他 (4)議題  ○DPCについて        ・新たな機能評価係数の検討について        ・今後の課題について       ○その他 ○遠藤小委員長  それでは、ただいまより、第130回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員 会を開催したいと思います。  まず、本日の出欠状況について御報告をいたします。本日は松浦委員が御欠席です。ま た、高橋委員の代理で、全日本海員組合の清水保さんが、また竹嶋委員の代理で、日本医 師会の中川さんがお見えになっておられます。なお、保険局長は公務のため遅れて出席さ れる旨の連絡を受けております。  それでは、初めに、DPCにおける新たな機能評価係数の検討についてを議題としたい と思います。  DPCの議論につきましては、診療報酬調査専門組織のDPC分科会とも連携をしなが ら議論を進めてまいりましたし、今後もその必要性があることから、本日は西岡DPC分 科会会長にも御出席をいただいております。  本日は、西岡分科会会長から機能評価係数に関する分科会での議論の状況を御報告いた だきまして、それを踏まえて皆様と議論を進めていきたいと思います。  それでは、西岡分科会長、よろしくお願いいたします。 ○西岡DPC評価分科会長  西岡でございます。よろしくお願いします。  まず、中医協診−1−1及び1−2の資料をごらんいただきたいと思います。この1− 1は全体的な流れでございますが、これに沿って御説明させていただきます。1−2は分 科会におきまして出されました意見を集約したものを各項目ごと同じ並びでそろえてござ います。  まず、今までDPCにおける新たな機能評価係数にかかわるこれまでの議論の経緯をI の概要のところに示しております。それから、前回の基本問題小委員会のときに 御議論いただきました評価すべき項目を出させていただきました。そ れに基づきまして、このIの[4]のところにございます3つの項目、新たな機能評価係数に 関する基本的考え方と合致するかどうか。この基本的考え方は別紙として一番最後のとこ ろについてございます。それから、現行のDPCの影響評価に関する調査、DPCデータ が活用できるかどうか。現行の機能評価係数や出来高部分と評価が重複する可 能性がある項目の整理という観点で、以下整理しております。  なお、新たな機能評価係数といたしまして、直ちに評価が困難であっても、医療の質等 に関して重要な項目については病院ごとに当該データを入力及び公開すること等による評 価が可能かどうか検討してはどうかという提案も出されてございます。  以下に、評価すべき候補といたします項目を並べておりますが、これにつきまして御検 討いただければありがたいと思います。  まず、この4つの部分に分けまして、まず1つ目はDPCデータを用いて分析が可能な もの。それから、2がDPCデータによって一部分析が可能でございますし、また医療機 関の負担が少なく、速やかにデータが把握できるもの。それから、3といたしまして、そ の他既存の制度との整合性等を図る必要があるもの、及び4といたしまして、医療機関の 負担が大きく、速やかにデータを把握することが困難であるもの、またはDPCにおける 急性期としての評価が困難であるものと、4つの項目に分けてございます。  まず1番目の、DPCデータを用いて分析が可能であるものといたしましては、DPC 病院として正確なデータを提供していることを評価してはどうか。[2]といたしまして、効 率化に対する評価、[3]といたしまして、手術症例割合に応じた評価。それから、4つ目は、 複雑性指数による評価。5つ目が、診断群分類のカバー率による評価。6つ目が、高度医 療指数。これは診断群分類点数が一定程度高いものの算定割合を出すというものでござい ます。それから、7つ目が小児・救急医療の実施状況及び救急における精神科医療への対 応状況を評価してはどうか。それから、8つ目が、患者の年齢構成による評価でございま す。これらに関するデータがあるということでございます。  2つ目のDPCデータによって一部分析が可能なもの、または医療機関の負担が少なく 速やかにデータを把握することが可能なものといたしまして、診療ガイドラインを考慮し た診療体制確保の評価。術後合併症の発生頻度。医療計画で定める事業について、地域で の実施状況。産科医療の実施状況。そして、5つ目といたしまして、医師、看護師、薬剤 師等の人員配置による評価をしてはどうかというものでございます。  そして3番目の既存の制度との整合性等を図る必要があるものといたしまして、まず (1)でございますが、既に機能評価係数として評価されているもの、これは特定機能病 院、また大学病院の評価。地域医療支援病院の評価。臨床研修に対する評価、医療安全に 対する評価でございます。  (2)といたしまして、既に診断群分類の分岐として評価されているものでございます。 標準レジメンによるがん化学療法の割合、それから副傷病、希少性指数といったものが分 岐として評価されているものでございます。  (3)の出来高で評価されているものとしましては、退院支援の評価、それから地域連 携に対する評価。それから、望ましい5基準に係る評価、これは下の括弧でくくったもの でございます。さらに、ICU入院患者の重症度による評価。全身麻酔を実施した患者の 割合による評価、病理医の数による評価、術中迅速病理組織標本作製の算定割合による評 価、病理解剖数(割合)またはCPC開催状況による評価、というものでございます。さ らに、高度な施設に対する評価。それから、がん診療連携拠点病院の評価。  それから、(4)といたしましては、後発医薬品の使用状況による評価。治験、災害等 の拠点病院の評価でございます。  次に4番目の、医療機関の負担が大きく速やかにデータを把握することが困難であるも の、またはDPCにおける急性期としての評価が困難であるものとして、以下の10項目 が並んでおります。1つ目は、重症度・看護必要度による改善率。合併症予防の評価。再 入院予防の評価。救急医療における患者の選択機能(トリアージ)に対する評価。全診療 科の医師が日・当直体制をとっていることに対する評価。地方の診療所や中小病院へ医師 を派遣することに対する評価。それから、在宅医療への評価。新規がん登録患者数による 評価。高齢患者数の割合による看護ケアの評価。それから、第三者による外部評価を受け ていることを評価してはどうかといった意見が出されてございます。  これに関しまして、それぞれの分科会での意見は中医協診1−2のところに集約されて おります。また、基本的な考え方との合致項目というものもこの表の中にそれぞれ記載し てございます。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  事務局、何か補足がありますか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  今、西岡分科会長のほうから御説明いただいたんですけれども、このペーパーはあくま で分科会の御意見ということですので、もちろんこの小委の中で、いや、「このカテゴリ に入っているこの項目は別のカテゴリのほうがふさわしい」とか、そういうことがあれば そういう御意見もいただきたいと思います。  また、今後の作業の時間を考えますと、来年の改定に間に合わせなければいけないので、 そろそろデータをとるのがなかなか難しいものなどについては、例えば来年の改定に間に 合うかどうかとかそういう観点から、ある程度係数の議論を今後も続けていくべきか、あ るいはそういった一次スクリーニング的なというかそういう観点から、来年の改定にはち ょっと間に合わないのではないかというようなものについても御意見等いただければあり がたいと思います。  よろしくお願いいたします。 ○遠藤小委員長  以上でございまして、ここに書かれているものはその分科会でかなり慎重な御議論がさ れまして、分科会の委員の先生方から出されたもの、あるいはヒアリングによって出てき た項目、そういったものを少し分科会として練って、さらにそれをカテゴリで少し分けた と。大事であるけれども、データがとれないとか、いろいろ分けたものだというふうな位 置付けになっております。  ということで、これは今現在の分科会としてのまとまった意見というふうに考えてよろ しいかと思いますけれども。これについて今度は基本問題小委として何がしかの意見、方 向性を示していただきますと、分科会としての動きもしやすくなるということもあります し。時間的にももうそろそろ来年度ということになりますので、基本問題小委としてこれ をベースに御議論いただきたいということであります。  ただ、中身について細かなこともお知りになりたいかもしれませんので、御質問御意見 あれば御自由にどうぞ。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  II.の4に関連することなのですが。私どもの認識としてはDPCはある程度重症の、 急性期の入院医療を担うといいますか、DPCはそういった急性期入院医療であるはずだ というふうに思っておりますけれども。この中の[6]と[7]ですね、地方の診療所や中小病院 へ医師を派遣することに対する評価とか、あるいは在宅医療への評価、こうしたものは最 初のDPCの位置付けからかなり外れていると。  もっと言えば、がん自体も慢性期疾患ですので、これがこの中に入って同じような議論 を進められているのは何となく違和感を持つのですけれども。  つまり、DPCが急性期を看板とする意味が既になくなってきているのではないかと。 そのあたりの議論について分科会ではどういうふうになっているのかを教えていただきた いと思います。 ○遠藤小委員長  まず4番、藤原委員が御指摘されました4番の[6]、[7]については、まさにDPCにおけ る急性期としての評価が困難でというところにそういう意味合いが含まれておりますので、 そういう意味でこれを評価してくださいという、この項目を評価してくださいというそう いうことです。  ただ、これについて何か分科会で御議論ございましたでしょうか。 ○西岡DPC評価分科会長  はい、これは地域の病院の方々との意見交換の場で出てきた項目でございます。ただ、 分科会といたしましてはこれは本来の急性期医療というものから外れるのではないかとい うことでここにカテゴリとして、意見という形で出させていただいたということでござい ます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  藤原委員、よろしいですか。 ○藤原委員  この小委員会としてもDPCがそんな広がりを持っていいのかどうか、それはコンセン サスが得られているんでしょうか。  私の考えになるかと思うんですけれども、急性期はバリエーションがあって、むしろガ イドライン等になじまないと、ケースもいいのではないかと。むしろ慢性期のほうがそう いった包括といいますか、定番的なものが多いわけですから、そういったものがなじむわ けで。DPCというのはある程度形が決まったものだという認識を持っていますけれども。 そういったことも含めて議論はされているのか。  まず1点は、この小委員会でDPCは今までのあり方を少し広げているけれども、それ はそれでいいと認識されているかどうか、まずお伺いしたいと思いますけれども。 ○遠藤小委員長  基本問題小委の話ですか。 ○藤原委員  そうですね。 ○遠藤小委員長  基本問題小委はケースミックスを入れた段階においては、ケースミックスも評価すると いう形にしたわけですね。 ○藤原委員  そうですね、ということになりますと、急性期という看板を外してもいいのではないか ということも成り立つんですが。急性期はどうしても外さないというのがこれまでのいき 方になっておりますけれども、いかがなんでしょうか。 ○遠藤小委員長  それでは、過去の議論を踏まえまして、事務局、その辺の急性期の在り方とケースミッ クスの話を関連づけてちょっと御説明いただければ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  まず、急性期については、ちょっとお手元に資料ないんですが、昨年度の中医協の議論 の中で急性期の定義というものを行いまして、それが中医協の合意事項ということでござ います。  ちょっと正確な文言は覚えていないんですけれども、患者さんの病態が不安定な段階か ら、ある程度安定した状態に至るまでというような、たしかそのような定義だったと思う んですけれども。そういった急性期の入院医療を扱うものがDPCであるということがま ず第一の定義として、これについては動いてございません。  それから、また、ケースミックスとおっしゃいました、ケアミックスのことだと思いま すけれども、ケアミックス病院が入ってくるに当たっていろいろ御議論いただきましたが、 それは急性期を扱うということ自体が変わるということではなくて、ケアミックスという のは急性期の性質を持った病棟と、それから慢性期あるいは精神、そういった他の性質を 持った病棟と、それが混在する病院について指しているわけでありまして。その病院の中 の急性期病棟の部分をDPCで評価するということでございますので、急性期自体が変わ るということではございません。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  そういう過去の経緯があります。 ○藤原委員  最初の質問に戻るんですけれども。この4の[6]、[7]についてはそれに該当するとはとて も思えませんけれども、その辺の理解はどうすればいいんでしょうか。 ○遠藤小委員長  ですから、ここでの議論は、分科会から急性期としての評価が困難であるということで こういうものが出てきておりますので、ここでその議論をしていただければよろしいのか と思います。分科会はそのレスポンスをお待ちになっているのだと思います。  ですから、藤原委員はまさにこのことを、急性期としての評価は[6]、[7]はちょっと違う のじゃないかと、こういう御指摘だと理解しています。  よろしいでしょうか。 ○藤原委員  だから、そろそろ外す時期に来てるんじゃないかと私は言いたいんですが。 ○遠藤小委員長  したがって、[6]、[7]は外したらいいのではないかというのが藤原委員の御意見。  藤原委員、今の話をもう少し詰めますと、[6]、[7]については急性期の医療機関の評価と しては適切ではないので、外すべきではないかと、このような御意見だと。 ○藤原委員  そういう意見になります。 ○遠藤小委員長  分かりました。  ほかに、御質問御意見ございますでしょうか。  中川委員、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  今のところですけれども、4.の[1]から[10]はこれ10項目とも難しいという考え方で整 理してここにお挙げになったという理解でよろしいですか。 ○遠藤小委員長  では、分科会長、よろしくお願いします。 ○西岡DPC評価分科会長  まず1つは、調査をするに当たりまして、かなりの医療機関の負担をいただかなければ いけないということがまず1つと。それから、今御指摘ございましたように、この項目は 急性期には合致していないなという、そういった意味でこの2つを、出ました意見をすべ て並べたわけでございます。  ですから、むしろ先ほどのように、これは適さないんだから外せというふうな御意見を いただけたら、そのほうが我々としては先の活動がやりやすくなるということでございま す。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  中川さん、よろしいですか。はい。  ほかに御意見ございますか。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  ちょっと素人的な質問ですが、お答えいただきたい。DPCというのは出来高と違って、 ある目的からつくられたと思います。当然その目的、例えば何回か前に標準化とか、それ から効率性とかそういうのがありましたが、そういうもののためにデータを集めてそして 評価しようということだった、それがDPCデータということだと思います。ところが、 今回新たな係数を考えるときにどう見るかという御検討が行われていますが、その中にD PCデータを用いて分析が可能あるいは可能でないという、何か逆転してきているような 感じがするのです。もし必要ならば最初にそういうデータを、というかこれからでもいい のですが。DPCをつくった、こういう目的のために、それではどういうデータが必要な のだろうということでデータを集める。今度は機能係数を考えるときに目的を何にしよう かということで、従来あるデータでそれがとれるかとれないかと、何かまた戻っているよ うな気がするのですけれども。その辺はいかがでしょうか。 ○遠藤小委員長  分科会長、よろしくお願いします。 ○西岡DPC評価分科会長  御指摘よく分かるんですが。実際には最初にスタートいたしましたときにDPCとして データをたくさん集めております。たくさん集めた分が解析十分でない部分もあるかもし れないんですが、その中で種々データを提出してまいりました。それをそのまま即使える ものであるかどうかということと。ただ、今回の新たな機能評価係数ということは、これ まで調整係数の中に埋め込まれておりました病院の機能が種々あるわけですね。それに対 するデータまでは十分集まっていなかったということでございます。  ですから、もしこれを医療の質を向上させるというふうなこと、あるいは標準化、透明 化にとって非常に重要であるというふうなものであれば、さらにそれを広げていくという ことになります。  と申しますのは、今までデータを出していただいていたんですが、かなり医療機関に負 担を強いていたわけですね。そのために、例えば正確なデータの提出といったようなDP Cデータを用いての1のところがあるんですが、そこで最初は患者の重症度なども入れた ような様式1を出していただくということだったんですが、負担が大きいということで、 これは必須項目でないというところになってしまったわけです。そのため、そのデータが 不足している形になります。いろいろな施設からこのデータ提出の負担が大き過ぎるので、 減少させてもらえないかということで、一部データを撤退したところもあったということ でございます。  ただ、病院の機能を十分に評価するためには、そういったデータもさらに必要ではない かということで、今回御提案させていただいたわけでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  そうしますと、それはわかりましたが。目的といいますか、DPCの目的に関しては変 わっていないということですか。 ○西岡DPC評価分科会長  変わっておりません。 ○牛丸委員  そこで改めて現在使われているデータ、不備な点があるかもしれないので、その目的か ら考えてもう少し広げるとか削除するとか、そこでそれを踏まえてこの係数を考えていこ うと、そういうふうなことですか。 ○西岡DPC評価分科会長  はい。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  データをここで新たにとるものをつけ加えるとか、今のDPCでやっている調査をまた 項目を新たにとるとかそういうところまでは現時点では考えてございません。経緯として は今西岡分科会長がお話になったように、当初とっていたデータから医療機関の負担を考 えて、どちらかというと点数設定に必要なものにだんだん絞り込まれてきたというそうい う状況はあるんですけれども、それを今回の議論でまた新たにデータをとるとしても、こ れが使えるようになるのはまた1年後、2年後になってしまいますので、そうしますと来 年の改定には間に合いませんので。ですから、そこを加えるという話をするのではなくて、 少なくとも今あるデータが使えるかどうかというそういう観点からの御議論ということで ございます。  機能評価係数を議論するに当たって、そういったどのデータが使える、使えないという ことを抜きにして、各先生方からまずどういうものが必要かということを項目として出し ていただいたので、これは目的と違っているとかそっているとかいう観点ではなくて、あ くまでデータと関係なく必要性から出していただいたと、それをデータの観点から今回再 整理させていただいたということですので。目的自体は変わっていませんし、またこれを もとにデータをとる範囲を広げて、来年の改定で使うということでもございませんので、 その辺、よろしくお願いいたします。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  坂本委員、どうぞ。 ○坂本専門委員  2ページの2の[5]なんですが。医師、看護師、薬剤師等の人員配置による評価というふ うに挙げておられます。等のところに、私は臨床工学技士がやはり急性期においては大変 活躍されていると思いますので、こういうような議論がございましたでしょうか。なけれ ば、等ではなくて、臨床工学技士をぜひここに載せていただくような方法はないでしょう か。 ○遠藤小委員長  分科会長、お願いします。 ○西岡DPC評価分科会長  入っております。あと、栄養管理士だとかその他のいろいろな職種の方を、MSWを含 めたコメディカルの方たちの人員配置を評価してほしいという御意見でございます。 ○遠藤小委員長  よろしいでしょうか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  ちょっと確認なんですけれども、今しているのは、あくまでも医療機関別係数の中の調 整係数が廃止されるから、それに代わるものという議論をしているはずで、DPCの範囲 がどうこうの議論じゃないということですね、まず1つ確認したいのは。 ○遠藤小委員長  DPCの範囲というのは。 ○西澤委員  要するにDPCの対象疾患の話をしているわけじゃないということを確認したいと思い ます。  前回そういうことでは、新たな機能評価係数の基本的考え方というのをここで承認され たはずなのですが、その中に4番目に地域医療への貢献という視点も検討する必要性があ るという項目があったと。それをもとにして評価分科会では、先ほどちょっと否定された と思うんですけれども、地域の診療所や中小病院への云々という項目も出てきたのではな いかなと思います。  ですから、ここで承認された内容で分科会で出てきたということはきちっと私たちは認 めなければならないと。お門違いなものが出てきたというふうなとらえ方は違うのではな いかなと思います。 ○遠藤小委員長  それでは、その地域医療への貢献といったような幾つかのカテゴリがございましたけれ ども、その地域医療の貢献に関して、どの項目が該当するのかということについてもちょ っと御説明いただきたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  今の地域医療貢献のお話ですが、本日の診1−2の資料の表の真ん中あたりの項目で、 「基本的考え方との合致」という部分の中に地域医療というのが入っている部分が該当す るということです。もうちょっとそういうものをまとめたものということであれば、机上 のハードカバーのファイルの、前回2月25日の基本問題小委員会の診1の参考資料とし て、やはりこの横長の具体的な項目の提案等についてというのが入ってございます。それ の14分の6ページというところから、地域医療への貢献の評価についてと。これはまさ に今西澤先生おっしゃったんですが、基本的考え方に沿った整理の仕方を前回お示しさせ ていただきましたので、そこのページのところにどういうものが上がっているかというこ とは一覧として出てございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  そうすると、西澤委員の御意見としましては、地域医療の貢献というものの中にさっき の3ページ、4.の[6]などというものは該当するのであるから、という意味合いで御発言 されたと考えてよろしいですか。 ○西澤委員  意見として、今回入れるかどうかということでは、入れるのはかなり難しいけれども、 こういう項目が入っているのがおかしいという議論は違うのではないかということを言い たいということです。あくまで本日提出されたものはすべてここで認められたことに従っ て議論した報告書だと思います。  その中で、今回新たに来年から早く入れられるか、入れるのが難しいかということでは、 確かに私もこれは次年度からすぐ入れるのは難しい分類だとは思っております。でも、こ こに書かれているものが全く今回の議論の筋に合わないというのはちょっと違うんじゃな いかという意見を申し上げただけでございます。 ○遠藤小委員長  なるほど。それは、[6]だけですか、それとも[7]、在宅医療も含めてということですか。 ○西澤委員  含めてです。 ○遠藤小委員長  含めてということですね、はい、わかりました。  関連でしょうか。では、中川さん、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  この[6]ですけれども、いわゆる医師不足に対して貢献しているということですよね。医 師不足の最大の原因は絶対数の不足とともに、偏在です。この派遣できる病院は偏在され て、それだけ医師数が多いのですから、医師不足の原因になっている病院が派遣している ことを評価してほしいという見方もできるわけですよね。だから、私はこの[6]は非常に問 題だと。反対します。 ○北村委員  この案件ならよろしいわけでしょう。今の中川先生のお話に直接関係なくてもいいわけ ですよね。 ○遠藤小委員長  結構です。 ○北村委員  私は、今議論伺っていまして、例えば12月17日の機能評価係数の基本的な考え方と いうのをここで議論して、大体基本的なことがまとまっていますよね。ですから、解釈す れば、今中川先生のおっしゃったようなことも実はここに入っている。  何が言いたいかというと、分科会で大変慎重に御議論いただいてこういうふうにまとめ ていただいていると。ただ、それが私思うに、そのまま出てきて、例えば4の[1]から[9]、 1項目ずつこの中医協のこの基本小委で○×つけろとおっしゃっているようにいかにも聞 こえる。そうじゃなくて、これをもう一度事務局でよく整理統合して、とりあえず4項目 に分類してみて、さらにその各項目をこのように分類しているけれども、やはり機能評価 係数を再考するに当たって、こうすべきだというふうに事務局とかは思うけれども、それ はここの場でいかがかというふうに言われれば分かるんですが。今ポンと出てきてこれ1 項目ずつ1つ1つ議論していても、結局では12月17日の議論に入っているじゃないか、 入ってないじゃないかとか、勝ち組だとか負け組だとかとか、そういう話になったんじゃ 全く生産的じゃないというふうに思います。 ○遠藤小委員長  藤原委員から、どうぞ。 ○藤原委員  ここでも4疾病5事業なんかも議論したと思います。それは地域医療の貢献ということ からも議論しました。その4疾病5事業の中にも必ずしも急性期でないのも入っていた。 しかし、ここではそういったことを認めるという方向での議論はあったと思います。しか し、そういうことになれば、やはりDPCというのは変質してきた、そもそものある程度 重症の急性期入院医療をというようなことで包括されてきたものから変わってきているの で、そこのところをきちっとこの小委員会で議論しておかないと、混乱が広がるばかりで はないかと思います。  だから、そういったもう少し広げてもいいよというような話に、やはりいいのかどうか ということをきちっと議論する必要があるんじゃないでしょうか。 ○遠藤小委員長  先ほど事務局から報告いただいたDPCの急性期の考え方というのではよろしくないの でしょうか。 ○藤原委員  いや、だから、そもそもそこの4を全部否定するならそれは話は非常にきれいだと思う んですが。やはり在宅医療も評価してほしいとか、派遣のことも評価してほしいというこ とになりますと、やはりDPCの定義が変わってきているのではないかということを言い たいわけです。 ○遠藤小委員長  よく理解できました。  先ほどの北村委員の御意見から、もう少しこれ分科会で出てきた議論を、ある程度整理 はされているわけですけれども、もう少し具体的な審議できる形に料理してから出すべき だというお話だと思います。ある段階ではそうしてもらうことになると思うのですけれど も、かなり政策的な話であるということもあって、余り事務局が料理をする前に一度ここ へ出していただいて、基本問題小委としての意向をまた踏まえて、それに手を加えていく というプロセスで進めています。そういうことで割と荒削りの段階で出てきたということ です。  まさに先ほどから、いや、これは急性期の病院の機能としてはおかしいんじゃないかと いう基本的な議論が出てきている。こういうことをフィードバックしていくことで進めて いく。もちろんいつまでもフィードバックしてられないのですけれども、時間的な制約が ありますから。  ですから、ある段階ではかなり整理されたものになってくると思いますので、そういう 意味でも忌憚のない御意見をできるだけいただければと思います。  それから、4番だけではなく、ほかのところも。実は分科会のほうでもいろいろ議論も あって、私も傍聴しておりましたけれども、いろいろ反対意見のあるものも入っていたり していますのでさまざまな議論があります。これは大きいほうの表の中にいろいろと書い てありますから、細かくごらんになれば分かるかと思いますけれども。  そうすると、一番大きな問題は、まず4番のところをどう扱うかというところは、基本 小委として方向性を指示しておいたほうが無駄な議論をしなくて済みますので決めておき たいと思います。未来永劫やるかやらないかではなく、次回の改定で扱うかどうかという 考え方でいいかと思います。次回改定としてはこの辺はやはりよくないのではないかとか そういう意見がもしあれば。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  ここに提案のとおり、来年の診療報酬改定で導入するには困難だということですので、 次年度にはこの4の項目は省いていいんじゃないかなと思います。しかし、その後、やは りここに書いてあることはすべて重要ですので、引き続き検討はしていただきたい。いず れ機能評価係数等々にする可能性がある項目だということでは残していただきたい。しか し、次年度に関しては検討から外していいのではないかと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ただいまの西澤委員の御発言について、何か関連の御発言ありますか。  中川さん、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  この項目は分科会で医療機関の意見交換のときに上がった項目を全部書いているわけで すよね。それを全部残して検討すべきだというのは、ちょっと私は異論がありますが。や はりある程度の絞込みというのをしていただかないと。  西岡先生、さっき私確認したかったのは、4.の[1]から[10]、これは否定的にお出しにな ったんだというふうに私認識しているんですけれども、それはある程度の御意見がないと、 ただお出しいただいてもちょっと。 ○西岡DPC評価分科会長  すみません、そのためにこの診1−2の大きな資料を掲げさせていただいているんです が。その中に賛成意見、反対意見、両方ございます。その中で、実際委員会ではこれは対 象にならないということで外れたものもございます。  特に今問題になっております4と5に関しては、特に地域の、地方のといっていいのか どうか分かりませんが、地域の病院の代表の方々から、どうしても地域の特性を考えた上 でこういうことも検討してほしいという御意見でございました。そのために、ここで私た ちといたしましては1つのリストとして挙げさせていただいた。それを採用するかどうか はまたこの場で御検討いただければありがたいというのが現状でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  よろしいでしょうか。  そうすると、先ほど中川さんがおっしゃられた話というのは、[1]から[10]までを検討項目 としてそのまま残す。まずはあれですね、次回改定でこれをやるということに対して反対 であるという点では御納得いただいていますが、その後、これを[1]から[10]まで全部検討の 対象とするかどうかということについてはおかしいのではないかと、そういうお話ですね。  これはどうでしょうか、[1]から[10]まで検討の対象にするかどうかということも含めて議 論をするということにして、とりあえずは直近の課題としては、次回改定に間に合わせた 形で係数をつくらなければいけませんので、もしよろしければ、この4番の[1]から[10]まで は次回改定ではこの要素は入れないということを基本問題小委として御賛同いただければ、 そのようにしたいと思いますけれども。  何か御意見ございますでしょうか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  今の整理でよろしいかというふうに思います。分科会でよく整理はいただいているので すけれども、一方では改定からスケジュールを逆算していきますと、これから極めて大変 だなという感じもしないこともないのですよね。ですから、そういう意味ではある程度絞 込みをしなくてはいけませんので、北村委員が言われたこともそのとおりだと思います。 少なくとも22年度改定の中からこの項目を外すということは、それはそれで結構ではな いかと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、そのようにさせていただきたいと思います。  もう時間も余りないのですけれども、この4番以外のところで御質問御意見。  山本委員、どうぞ。 ○山本委員  先ほど遠藤委員長が料理をこれからするというお話がありましたので、料理をされてし まって落ちてしまうと困りますので、意見を申し上げておきます。  まず、2.の[5]でありますが、医師、看護師と並んで薬剤師をチーム医療の中で評価す るというふうに記載されたこと、大変ありがたく思っておりますけれど、具体的に1−2 のほうを拝見しますと、薬剤部のことであったり、あるいは読み方によって病棟に配置し たということもあります。具体的に考えれば、確かに全体の数はもちろん必要なのだろう と思うのですけれども、チーム医療として医師、看護師と同時に働くとすれば、当然病棟 に配置される薬剤師の数が当然大きな問題になってくるだろうと思います。  したがって、そもそも薬剤師の数がなければ病棟にも配置ができませんが、そうした指 標としては、いわゆる病棟にどれだけ薬剤師が配置されているかというようなことも大き な基準になるのではなかろうかと考えます。  現在病棟に働く薬剤師は、例えば専門外の診療科あるいは医薬品については医師の方々 に情報を提供したり、あるいは医療安全の観点から病棟にあります薬剤を整理・管理した りというようなことにつきましては、包括的になかなか評価の対象になっておりません。 薬剤師がそこに勤務するということが実は医療安全から見ても、あるいは患者の安全の質 から見ても極めて高くなるということがございますので、ぜひそういった意味での評価を 指標として残していただきたいと思います。  もう1点は、後発品に関して前回も御議論がありまして、この1−2の中では後発品は なじまないのではないかというネガティブな意見が多いようでありますけれども。実は後 発品を使うことは、前回も申し上げましたように、医療費を下げていくということからす れば、DPCを採用している医療現場では、他の部分に費用が振り当てられるということ が考えられます。そのほかに、どの医薬後発品を使うことが治療を受ける患者にとって最 適か、あるいは医療機関にとって最適かということの判断につきましては、やはり薬剤師 が絡むべきだろうと思います。  その一方で、現在使われている先発品についても当然評価の対象にしつつ、全体を、い わゆる医薬品全体を見るということが薬剤師の仕事でありますので、その結果、例えば医 療機関の中で使う医薬品リストをつくろうというようなことができますと、これは医療安 全というよりは薬物治療の質の向上ということにも、間接的とはいいながらもつながると いうふうに考えておりますので。  ぜひ後発品を使うことがあたかもDPCの病院がお金をもうけるのではないかという御 指摘が中にはありましたが、そうではなしに、全体の医療の質を上げる、薬物治療の質を 上げていくという観点からもこの部分はぜひ評価の軸として残しておいていただきたいと 思います。よろしくお願いいたします。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  では、そのような御意見があったことをまた踏まえて御審議をいただければと思います ので、よろしくお願いいたします。  それでは、ほかにも出来高で評価をされているものをどう評価するかとか幾つかのカテ ゴリに分かれておりまして、これ議論すれば個別の中身を詳しく議論をしていかなければ なりませんので、事務局にもう少し次回の議論のときには中身が分かるようにして、同時 に全体整理をした形で、先ほどの北村委員のお考えも反映した形で提出をお願いしたいと 思います。  あと、分科会としましてはそういう方向で議論するのに分かりやすいようなエビデンス 等々があれば、できるだけそういったものも踏まえていただければと思います。  あと、4番については検討はしないということを基本問題小委としてはとらせていただ きました。  何か分科会として基本問題小委に対して御要望はありますか。 ○西岡DPC評価分科会長  形として今まで意見をたくさんいただきまして、そして項目を出させていただきました ので、これをこのまますべてを新たな機能評価係数にするというのは全く無理でございま す。それで、データのあるものと突合しながら、そしてデータに基づいた形でどういうふ うな機能評価係数になるかというのに進めていきたいと考えております。できるだけ少な い項目数にしていただけると我々としても作業がしやすくなります。実際にはこれ全部一 たんデータを出さなければいけないと思っておりますが。 ○遠藤小委員長  大変な作業だと思いますけれども、よろしくお願いいたします。どうもありがとうござ いました。  それでは、本日の意見を踏まえまして、さらに分科会のほうで御検討いただきたいと思 います。  西岡分科会長につきましては、長時間、どうもありがとうございました。  次に、DPCの今後の課題について議論したいと思います。  事務局から説明をお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  まだDPCの話が続きますので、分科会長にはまだ。 ○遠藤小委員長  そうですか、失礼いたしました。引き続きご参加していただきたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  資料中医協診1−3をごらんいただきたいと思います。DPCにおける今後の課題 (案)ということでございますが。  大きく分けて2つ。1つは、DPC対象病院の参加及び退出、それからその他というこ とでございます。  まず、1ページ目でございますが、DPCの対象拡大を進めてきたところでございます けれども、現状といたしまして、(1)にございますように、参加のルール、対象病院の 基準を満たした病院で参加の意思があることということで、これは別紙のほうに具体的な 基準を書いてございます。  DPCから外れる場合のルールというものは、(2)に書いてございますように、入院 基本料の基準を満たせなくなった病院、具体的には10対1の要件を満たせなくなったと いう場合のみについて、こちらに書いてあるようなルールがございます。  それから、3番目といたしまして、この2年間のデータを用いて計算をしている、ある いは対象病院については告示において病院名及び調整係数を示していると、こういう現状 がある中で、今後御議論いただきたいのは、論点として3つございます。  1つ目としては、対象病院の条件を満たせなくなった場合の取扱い。先ほどの2の (2)にあるようなこのようなものだけでよろしいのかというようなことについての御議 論。  それから(2)、今は基準を満たさなかった場合のみのルールということになってござ いますが、一定のルールのもとに、自主的に対象病院から出来高病院へ退出することにつ いてどのように考えるべきか。  これにつきましては、その次の資料、平成20年10月22日付けの、このときに基本 問題小委に2号側から提出された資料がございます。遠藤会長宛てに、2号側から、DP Cに関する方向性についてという紙が出されまして、その4番目のところに、DPC準備 病院、DPC対象病院ともに、個々の医療機関が、一定のルールの下に、自主的にDPC を辞退することができるようにすると、このような提案がございます。  こういったことを踏まえて、先ほどの診1−3にお戻りいただきたいんですが、こうい ったDPC対象病院から退出することについてどのように考えるべきかと。  (3)ですけれども、こういった退出を可能とした場合、どのようなルールが適切か。 それから、退出した病院がまた再参加することについてどのように考えるべきか。極端に 言いますと、DPCがもうかるかもうからないかということで出たり入ったりみたいなそ ういうようなことは困るというか、以前にもそのような御議論あったと思いますけれども、 そういったところについてどのように考えるかということでございます。  続きまして、2ページでございます。その他として3点示してございます。まず1点目 ですが、平成21年度のDPC準備病院の募集、これまで毎年のように募集してございま したが、今度の21年度も募集すべきかどうかということについて御検討いただきたいと。  これにつきましては別紙2という資料がございますが、別紙2の上のほうがこれまでの DPC病院の病院数、それから病床数、ちょっと古い資料でございます。これまでにも何 回かお示ししてございますが、上のほうの表でございますと、平成20年度の対象病院ま でで718病院ございます。19年度の710病院のうち570ほどが今度入ってくると いうようなことになってございまして。そうしますと、トータルとしてこの4月あるいは 7月で1,200病院に、1,200を超える見込みとなっているところでございます。  一方、その下のほうに書いてございますように、これは経済財政諮問会議のほうに平成 19年5月に提出したプログラムでございますが。平成20年度から24年度までの5年 間で主な目標・指標というところに書いてございます、24年度までにDPC支払い対象 病院数、18年度当時は360でございましたが、それを当面1,000にするというよ うな目標がございました。それがこの4月−7月に達成できるということになるわけです けれども、こういう状況の中で21年度準備病院というものを募集するかどうかという御 検討をいただきたいということでございます。  2ページに戻っていただきまして、その他の(2)でございますが、調整係数廃止後の 包括評価点数の在り方についてということで、これは診断群分類ごとに平均在院期間及び 平均点数を用いて、入院初期に手厚くなるように包括評価をしているんですが、救急疾患 等においては入院初期の投入量が包括点数を上回ってしまう状況も指摘されていると。  これについては別紙3というところをごらんいただきたいんですが。別紙3にございま すように、DPCの包括点数はこのような階段状の設定をしてございます。これによって 期間が短いほうが高い点数がとれるようになってございますが、その下の(2)のほうに ございますように、悪性腫瘍の化学療法などの場合は非常に短期間に集中的にお金がかか るということで、通常の設定方法よりさらに短い期間に高い点数になるような設定にして ございますが。それでも疾患によっては足が出てしまうというか、ある期間以上入院させ なければペイしないというような御指摘も受けているところでございまして。  そういったことを踏まえて、こういった点数設定についてどのように考えるかというこ とをまた御検討いただきたいということでございます。  それから、すみません、また2ページに戻っていただきまして、(3)でございますが。 経過措置でございます。調整係数の廃止に関しては、前回の改定までは維持するというこ とで、次回、来年以降、22年改定以降廃止ということにはなっているんですが、これを 一遍に廃止してしまうのか、あるいは何段階かに分けて廃止するのかということについて、 これまである程度御意見はいただいておりますが、まだ中医協として決定されておりませ んので、そろそろその辺も決定していただいたほうが、今後の機能評価係数の議論をして いく上でも一遍に調整係数がなくなるのか、あるいは何段階かに分けてなくなるのかで変 わってくると思いますので、その辺についても御議論いただきたいということでございま す。  以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  以上、4つの検討課題であったわけでありますが、何か御質問ございますでしょうか。  それでは、4つの項目がありましたけれども、比較的今までの御議論の中で合意が得や すそうなものから議論をしていったらいいかなと思います。  私の独断と偏見で申し上げますと、その他(3)経過措置ということについては、いか がでございましょうか。つまり、機能評価係数がきちんと調整係数を代替するようにうま くできれば問題はないわけですけれども、そうでない場合もあり得るわけでありますし、 あるいは個々の医療機関の収益への激変緩和という意味合いもあるということで、経過措 置を入れたらどうかというのは従来から出てきた議論です。これについて何か御意見ござ いますか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  今分科会のほうでいろいろ検討していただいている中ですので、なかなか確定的なこと は言いがたいのですけれども。ただ、1回の改定だけではやはり難しいかなというのは、 大分時期も迫ってきていますので、そろそろ決断の時期かなというふうに思います。  どの程度かというのは、まさにこれからの新機能係数の議論なり結論なり方向性なりが 出ないとなかなか決められないというところもありますので、今の段階では、複数回、複 数年というのでしょうか、そのぐらいにとどめておいて、例えば3年がいいとか5年がい いとか10年がいいというところを判断するまでは材料がそろってないのではないかと思 います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  ただいま対馬委員からそのような御発言がありましたけれども、何段階によって調整す るかはともかくとして、経過措置を設けるというようなことの御発言だったと思いますけ れども。  いかがでございましょうか。  では、経過措置を設けるということを基本問題小委としては決めたということでよろし ゅうございますか。  はい、ありがとうございました。  それでは、経過措置はとるということにしたいと。  それから、次が最初に戻りまして、3の論点のところでありますけれども、一定のルー ルの下で退出するということについて、お考えをいただければと思いますが、いかがでし ょうか。  中川委員、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  先ほど企画官からDPCがもうかるかどうかという表現がございましたけれども、今一 般病院だけでも42%も赤字、全体を見ても72%も赤字という状況で、もうかるかどう かというレベルで判断するところはないのです。必死で経営しているわけです。病院の機 能というのはその患者さんの状況やいろいろな状況で機能が変わっていきますから、それ でDPCがいいのか出来高がいいのかということをデータをとりながら判断しながら経営 していくという状況なので、そういうDPCがもうかるかもうからないかで出たり入った りするのは困るというような表現は謹んでいただきたいなという要望が1つございます。 ○遠藤小委員長  わかりました、ということですので、よろしくお願いします。  それだけでよろしいですか。はい。  このルールについては何か御意見はありますか、ルールを設けて退出するという。ルー ルの中身がまだ議論してない。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  ある程度のたたき台を提示していただいたほうが議論としてはいいかなと思うんですが。 ○遠藤小委員長  この段階ではそれが出てないと議論はできないということですね。  ほかに何か御意見ございますか。一定のルールですね。  小島委員、どうぞ。 ○小島委員  今は退出のルールというのは何もないということなので、それをつくるかどうかという ことなのですけれども。中川委員がおっしゃったように、各医療機関は入院患者の状態に よって変わってくるということでありますので、そういう場合には自主的に退出するとい うようなことも今後は検討すべきではないか。これだけ対象病院がふえていくことになれ ば、そういうこともあるだろう。  そのときのルールが必要だろう。いつでも退出するということではなくて、例えば年度 初めとか年初とかに退出する。それが診療報酬改定時の2年に一度がいいのか、毎年にす るかといったようなことが考えられる。  それともう1つは、また入院患者、急性期入院が多くなったということで、DPCへの 再参加というようなこともあります。これも状況に対応して臨機応変にということだと思 います。そうはいっても今でも準備病院というのがありますので、そこでデータ等を再整 理していただくということで一定期間準備病院に位置付けるといったようなことは検討し ていいのではないかと思います。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  まず、前者のほうでは、一定ルールの下で自主的に退出するという、ルールをどうする かは問題ですけれども、そういうルールの下で自主的に退出するということについては、 これは中川さんもそれは御納得いただけますか。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  はい、了解しました。 ○遠藤小委員長  ほかに。  そうしましたら、一定ルールの下で自主的に退出できるというルールをつくるというこ とについてはいかがでございましょうか、反対の方いらっしゃいますか。ルールの中身は また議論になると思いますが。  わかりました。それでは、一定のルールの下で自主的に出来高のほうへ移っていくとい うことについては認めるということを基本問題小委としては決めたいと思います。  北村委員、どうぞ。 ○北村委員  今の件で、退出して、もしかしてもう一度入るとか、そういうときに患者さんへの影響 ってどうなんでしょう。医療費のあれで。その辺。 ○遠藤小委員長  今の議論では、退出してまた入るかどうかの議論はしていないんですけれども、ただ、 関連ということで。退出してまた入るときに、患者さんの負担という…… ○北村委員  また入らなくてもいいんですよね。退出して、だからDPCと退出後。 ○遠藤小委員長  患者さんの自己負担ということですか。 ○北村委員  はい、そうですね。 ○遠藤小委員長  いかがでしょうか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  現状でも疾患によっては、例えば包括対象であったものが出来高対象に切り替わるとか そういうこともございますので、個々の患者さんについてはそれほど大きな影響はないの かなとは思っております。ただ、病院全体としてそういうふうに変わるということであれ ば、やはり患者さんに対する周知期間とかそういうものも設けないと、突然支払い方法が 変わったとかいうのもやはり患者さんとしても納得できない面もあるかもしれませんし、 そこも十分考えてつくらなければならないのではないかというふうに思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今一定のルールの下で自主的に退出する議論されているのですが、片方で(1)にある とおり、条件を満たさなくなった場合があるわけですね。このときも当然のことながらD PC対象病院から外れるわけで、そのときは出来高払いだと思いますが。その満たさなく なった場合の退出と、この自主的に出るときのルールが同じなのか、違うのかということ をも議論していただきたいと思います。  それと、3番目のところで、イのところで、一度退出した病院が再参加ということを書 いているのですけれども、これは上のところが自主的に退出したことしか書いてないので すが、条件を満たさなくなったところも再参加というのはあるので、ここの並べ方を変え ていただければと思います。イのほうは全部にかかるんじゃないかなと思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。  そこもどう違いがあるのかないのかも含めて、自主的に退出した場合とデータが出せな くなって退出した場合に、再参加するときに違いがあるのかないのかも含めた議論という ことを多分することになるのだと思います。  そうすると、本日は、一定ルールの下で自主的に退出するということを認めるというこ とと、経過措置は認めましょうという大枠について御同意を得たわけでありますが。  あと、実はその他の(1)21年DPC準備病院の募集というのも、これはかなり時間 的にも重要な話でありまして、どうするのかということは早々に決めなければなりません。 先ほどのお話では、もう既に予定には達していると、数の上では達しているということな のですけれども。21年度に入ろうと思っているところもあるかもしれませんので、そう いうことを考えて、どう対応するかということだと思います。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  これに関しましては、たしか昨年度も議論したと思いますけれども、募集しない理由は 何もないと思いますので、今までに従って21年度も募集していただきたいと思っており ます。 ○遠藤小委員長  これについて、何か今御意見ありますか。ある意味でいうと、私はこの問題は審議が必 要かなと思ったので次回に少し延ばそうかなと思っていたんですけれども、今関連で何か おありになればお聞きしたいと思いますが。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  実態がよく分かりませんので、少しかみ砕いていただければありがたいと思います。先 ほど20年度までの対象病院に、新たに710の準備病院から570ぐらいが入ってくる ということでした。今足元で20年度の準備病院はどのくらいか、さらに21年度はそう いった動きがあるのかないのか、そのあたりの具体的な話がないと、なかなかいいとか悪 いとかという議論は難しいんじゃないかと思います。 ○遠藤小委員長  わかりました。そのとおりだと思いますので、またこれはタイムリミットってあるんで すか、事務局にお尋ねしますけれども。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  例年募集するとすれば、5月には募集いたしますので、4月には決めていただきたいと いうふうに思っております。 ○遠藤小委員長  わかりました。そうすると、ただいま対馬委員からも御要望のあった資料の提出という ことがありますので、それも含めまして、次回あたりにこの議論を進めていきたいという ふうに思います。  よろしゅうございますか。  それと、(2)の調整係数ですね、2ページの調整係数廃止後の包括評価の点数の在り 方ということでありますが。何か事務局ありますか。いいですか。  これは、1つだけ私から質問させてください。従来抗がん剤の療法などは傾斜を高めた わけですね。傾斜を高めた形でやってきたわけでありますけれども、(2)では従来のや り方をそのまま踏襲するというのではなくて、新たに調整係数を廃止するとともに、別個 傾斜を高めるようなものをつくりたいとおっしゃっている、そこら辺はどういうことなの でしょう、従来のやり方では対応できなかったということなのでしょうか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  そうでございます。疾患によってはこの高め方ではまだ足りないというものがございま すので、さらにもうちょっと短期のほうに寄せるようなそういう設定を考えるのか。ある いは、例えば救急みたいなものでしたら、むしろこの点数設定よりは機能評価係数のほう でみていくべきという考えもございますし。だからそういう意味ではもう少し複雑な話で ございます。 ○遠藤小委員長  わかりました。  機能評価係数のほうに入れるということも含めた議論ということでありますので、その ためにはもう少しデータがないと議論にならないというところもあるかと思いますので、 (2)につきましてはもう少しエビデンスをそろえてまた議論したいと思います。  一応検討事項についてはざっと触れましたけれども、何か御意見御質問ございますか。 よろしゅうございますか。  そういう意味で今後の検討課題まだ残っておりますので、引き続き議論を進めていきた いと思います。  以上が、基本問題小委の議論ということで、西岡分科会長にはまた分科会のほうで引き 続き御審議のほういただければと思いますので、よろしくお願いします。  では、企画官、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  今のこのルールとかあるいは調整係数廃止後の包括点数の話については、今データをと いうお話もございましたし、細かい点もございますので、できたら分科会のほうに下して いただいて。 ○遠藤小委員長  そうですね、これはまさにテクニカルな話になりますので、西岡分科会長、大変恐縮で すけれども、分科会のほうでまた御議論いただければと思いますので、よろしくお願いい たします。  それでは、DPCに関しての本日の議論はこれにて終了したいと思います。  西岡分科会長におかれましては、本当に長時間ありがとうございました。今度は本当で ございますので、ありがとうございました。(笑)  実はもう1つ基本診療料の入院に関しての基本診療料の議論が用意してあるのですけれ ども、本日ちょっと時間的にお忙しいという方が何人かいるということ私情報受けており ますので、緊急性はないので。できれば基本診療料、入院については資料を整理していた だいた上で次回に議論したいと思いますけれども。  事務局、そういう対応でよろしいでしょうか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  結構でございます。 ○遠藤小委員長  そうですか。  ということでありますので、本日の基本問題小委員会はこれにて終了したいと思います。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  これをこのままずれ込ませるんですか。私どもの希望としては、外来診療料について次 回は検討していただきたいと思っていますので。 ○遠藤小委員長  いいんですか、そちらが何か時間がないという話だったんですけれども。 ○藤原委員  いやいや、今日じゃないですよ。だから、この次ですよ、次の中医協で。だから、その ままずれ込んでしまうと、この議論で終わってしまいそうですから。その辺はちょっと。 ○遠藤小委員長  そうですね、段取りですので、事務局とも相談してやっていただければと思います。  では、本日はそういうことでございますので、これにて閉会したいと思います。  次回日程につきまして、事務局から何かありますか。 ○事務局(佐藤医療課長)  日時は未定でございますが、判明次第、また御連絡をさせていただきます。よろしくお 願いします。 ○遠藤小委員長  それでは、本日の小委員会はこれで閉会いたします。  どうもありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)