09/03/25 第1回「健やか親子21」の評価等に関する検討会議事録 第1回「健やか親子21」の評価等に関する検討会 議事録 日時:2009年3月25日(水) 9:30〜11:45 場所:航空会館701・702会議室 出席者:   柳澤座長、井上委員、今村委員、衞藤委員、岡本委員、奥山委員   桑原委員、齊藤委員、迫 委員、高山委員、田中委員、三上委員   森田委員、山縣委員、渡辺委員  厚生労働省   村木雇用均等・児童家庭局長、北村審議官、高倉総務課長、宮嵜母子保健課長   朝川少子化対策室長、杉上虐待防止対策室長、小林課長補佐、今村課長補佐   大内指導課専門官、山本生活習慣病対策室長補佐 議事:  1. 開会    挨拶    座長選出  2. 議題    (1)「健やか親子21」推進の状況について    (2)「健やか親子21」計画期間の延長について    (3)「健やか親子21」第2回中間評価の進め方について  3. その他  4. 閉会 配布資料:  資料1 「健やか親子21」の評価等に関する検討会開催要綱  資料2 「健やか親子21」概要  資料3 「健やか親子21」の推進状況  資料4 「健やか親子21」に関連する行政計画や国民運動計画の周期  資料5 「健やか親子21」第2回中間評価の進め方(案)  資料6 「健やか親子21」の評価等に関する検討会スケジュール(案) 議事: ○宮嵜母子保健課長  定刻となりましたので、ただ今から「第1回『健やか親子21』の評価等に関する検討会」 を開催いたします。本日は朝早くから、またお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にあ りがとうございます。  開会に当たりまして、厚生労働省雇用均等・児童家庭局の村木局長より、ご挨拶を申し上 げます。 ○村木雇用均等・児童家庭局長  おはようございます。雇用均等・児童家庭局長の村木でございます。「『健やか親子21』の 評価等に関する検討会」の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。  本日はお忙しい中を検討会にご参集いただきまして、心より御礼を申し上げます。また、 委員の先生方には、日ごろから母子保健また「健やか親子21」の推進にご理解とご協力をい ただいておりますことに心から御礼を申し上げます。  「健やか親子21」は母子保健分野において、「健康日本21」の一翼を担うという位置付け と、さらに次世代育成支援対策の一環としての位置付けを有する国民運動計画として平成13 年にスタートし、本年で9年目ということでございます。この間、平成17年には1回目の中 間評価を実施し、それまでの取組を評価し、必要な見直しを行ったところでございます。そ れに引き続きまして、今回は2回目の中間評価を実施したいということで、この検討会を発 足させていただいたところでございます。  この検討会では、「健やか親子21」がスタートしてからの9年間、あるいは、1回目の中間 評価が終わった後の4年間に関する評価と、それから昨今の新しいニーズへの対応を含めた 見直しを実施したいと考えておりますので、先生方から幅広いご意見をいただきたいという ことで、多方面のご専門の先生方にお集まりいただくことができました。本当にありがたい と思っております。  今日、我が国は世界で最も少子化の進んだ国といわれております。こういった環境の中で 次世代を担う子どもたちが健やかに生まれ育つための環境づくりは非常に大きな課題だと思 っております。  「健やか親子21」についても、スタートから加えて平成17年には次世代育成支援対策推 進法がスタートして、それに基づく行動計画、また一方で、少子化社会対策大綱に基づく具 体的な実施計画である「子ども・子育て応援プラン」の連携も図りながら、さらにこの運動 を発展させていきたいと考えております。  とりわけ、昨今の状況を踏まえまして、母子保健の分野においては、一つには産婦人科医 療や小児科医療における医師不足の問題や周産期医療体制の整備は大きな課題だと思ってお ります。また、子どもの事故防止対策等の小児保健医療の向上、それから、子どもの心の問 題への対応や虐待防止対策、そして四つ目は思春期の保健対策、こういった問題が非常に対 応を急がれている重要課題ではないかと考えております。そういった意味では、これらの問 題も既に「健やか親子21」の運動の中でも、取り上げてやってきた問題ではありますが、さ らに発展させて積極的な運動としてやっていきたいと思っております。  こういった課題も含めまして、幅広に委員の先生方のご意見をいただければと思います。 これまでの「健やか親子21」の取組や実績について、率直に評価をいただきまして、この運 動がより充実したものになるように、議論をお願いできればと思っております。  簡単でございますが、開会に際してのご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願 いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  どうもありがとうございました。局長は、他の公務のために途中で退席することとなりま すので、あらかじめご了承いただければと思います。  それでは、議事に入ります前に、委員の先生方をご紹介させていただきます。お手元のク リップ留めの資料集をめくっていただきますと4枚目、外してしまわれた方は資料1の2枚 目になりますが、この名簿に従ってご紹介させていただければと思います。  まず最初に、井上美津子委員です。 ○井上委員  井上でございます。よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  今村定臣委員です。 ○今村委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  衞藤 隆委員です。 ○衞藤委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  岡本喜代子委員です。 ○岡本委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  奥山千鶴子委員です。 ○奥山委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  桑原正彦委員です。 ○桑原委員  よろしくお願いします。 ○宮嵜母子保健課長  齊藤万比古委員です。 ○齊藤委員  よろしくお願いします。 ○宮嵜母子保健課長  迫 和子委員です。 ○迫 委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  高山佳洋委員です。 ○高山委員  よろしくお願いします。 ○宮嵜母子保健課長  田中政信委員です。 ○田中委員  田中です。よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  三上智代委員です。 ○三上委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  森田佳重委員です。 ○森田委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  柳澤正義委員です。 ○柳澤委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  山縣然太郎委員です。 ○山縣委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  それから、山極清子委員は本日ご欠席との連絡をいただいております。  渡辺顕一郎委員です。 ○渡辺委員  よろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  事務局につきましては、お手元の2枚目にあります配席図をもって紹介に代えさせていた だきます。  それでは、ここで座長の選出をお願いしたいと思いますが、座長につきまして立候補され る方、あるいはご推薦等がございましたら、よろしくお願い申し上げます。  齊藤委員、どうぞ。 ○齊藤委員  前回の2005年中間評価にもかかわられました柳澤委員が適当ではないかと私は考えます ので、推薦させていただきます。 ○宮嵜母子保健課長  ありがとうございます。齊藤委員から柳澤委員を座長にということでございますが、皆さ ま、いかがでしょうか。 (拍手にて承認) ○宮嵜母子保健課長  それでは、柳澤委員、お願いいたします。座長席の方へのご移動をお願いいたします。  それでは、一言ご挨拶をいただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○柳澤座長  ただ今、座長に選出いただきました日本子ども家庭総合研究所の柳澤と申します。大変微 力ではありますが、この検討会がきちんとした結果を報告できるように頑張っていきたいと 思います。  委員の皆さま方には、それぞれお忙しい立場ではありますけれども、ぜひご協力・ご支援 をいただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○宮嵜母子保健課長  それでは、この後の議事進行につきましては、柳澤座長にお願いしたいと思います。よろ しくお願いいたします。 ○柳澤座長  では、早速議事を進めさせていただきます。はじめに、資料の確認を事務局からお願いい たします。 ○小林課長補佐  それでは、お手元にお配りしております資料の確認をさせていただきます。  まず議事次第の1枚紙を用意しております。次に座席表、その下に配布資料といたしまし て、資料1〜6まで番号を振っております。ご確認いただければと思います。  それから、委員の先生方には参考資料として冊子を配付させていただいております。まず 一つが「子ども・子育て応援プラン」の冊子でございます。その次に「健康日本21」のリー フレット。それから「妊婦健診を受けましょう」という水色のリーフレット。それから「健 やか親子21」中間評価報告書、これは、平成17年度に行われた推進検討会の報告書でござ います。それからピンク色の表紙の「健やか親子21」関連資料(母子保健レポート2008)を準 備させていただいております。  以上、資料の不足等がございましたら、お申し付けいただければと思います。 ○柳澤座長  よろしいでしょうか。それでは、早速議題に入ります。本日の議題は3題ございます。限 られた時間ですので、ご協力よろしくお願いいたします。  なお、本日は初回ですので、最後にフリーディスカッションの時間を設けて、委員の皆さ ま全員からご発言をいただく機会を持ちたいと思っております。そのためにも、時間を残し たいと思いますので、議事の進行にご協力をお願いいたします。  では、まずこの検討会の設置の概要について、事務局からご説明をお願いいたします。 ○小林課長補佐  それでは、資料1をご覧いただきたいと思います。この検討会の開催要綱の案について説 明させていただきます。  この会議の目的でございますが、「健やか親子21」の内容については後ほどご説明させて いただきます。21世紀初頭における母子保健の国民運動計画として、2001年(平成13年)か ら始まり、2005年(平成17年)に中間評価が行われたところでございます。その結果を踏ま えて重点取組項目が設定される等、さらに取組が推進されてきたところでございます。  今回、新たな指標を追加した再評価等について検討を行うことを目的として、厚生労働省 雇用均等・児童家庭局長が学識経験者・関係団体代表者等の参集を求め、本検討会を開催さ せていただくこととしたものでございます。  「構成」につきましては、先ほど課長から紹介させていただいた先生方16名ということで ございます。  「検討項目」につきましては、「健やか親子21」の評価等、幅広く母子保健の取組につい てご意見をいただければと考えております。  原則公開で開催させていただきたいと考えております。  庶務につきましては、雇用均等・児童家庭局母子保健課において行うこととしております。  この要綱に定める事のほか、検討会の運営に関して必要な事項については、座長が雇用均 等・児童家庭局長と協議の上定めるということで、要綱案についてご確認いただきたいと思 います。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。それでは、今ご説明いただいたこの検討会について、ご 承認いただけますでしょうか。既に始まっている検討会を、改めてご承認いただくというの も少し変ですが、よろしいでしょうか。 (承認) ○柳澤座長  ありがとうございます。それでは次に、「健やか親子21」の概要を、これまでの推進状況 を含めて、事務局から説明をお願いいたします。 ○小林課長補佐  それでは、資料2に基づきまして、ご説明させていただきます。既に委員の先生方には「健 やか親子21」の取組にご尽力いただいておりますが、本日は1回目の会議ということでござ いますので、改めてこの「健やか親子21」の概要について、ご説明させていただきます。  資料2の一番上に、「『健やか親子21』概要」と書かせていただいておりますが、当初、平 成12年3月に「『健やか親子21』検討会」が発足いたしまして、9回の会議を経て平成12年 10月に報告書がまとめられています。その際の検討会の報告書の概要でございますけれども、 冒頭の第1章第1節に基本的な考え方が書いてあります。先ほどの局長の挨拶にもございま したけれども、21世紀の母子保健の主要な取組を提示するビジョンであり、かつ関係者、関 係機関・団体が一体となって推進する国民運動計画ということでございます。  この計画は二つの意味合いを持っておりまして、一つには、安心して子どもを産み、ゆと りを持って健やかに育てるための家庭や地域の環境づくりという少子化対策、次世代育成支 援対策という位置づけです。  それからもう一つが、少子・高齢化社会において国民が健康で元気に生活できる社会の実 現を図るための国民健康づくり運動。これは別途健康局を中心に行われております「健康日 本21」という国民運動がございますけれども、その一翼を担う母子保健版という二つの意味 合いを持っているものでございます。  当初、平成12年に検討会を行ったときには、計画の対象期間といたしまして、2001年か ら2010年までの10年間とし、中間評価を平成17年に行い、最終評価を平成22年に行うと いうことを当初の計画とさせていただいたところでございます。  第2節の「基本的視点」ですが、20世紀中に達成した母子保健の水準、これは改めて申し 上げるまでもございませんけれども、新生児の死亡率・乳児死亡率は世界のトップクラスで ございますけれども、関係者のご尽力によって達成できた水準を低下させないための努力が 引き続き必要であろうということが1点ございます。  それから二つ目には、20世紀中に達成されなかった課題について、早期に克服するという こと。  それから20世紀終盤に顕在化して21世紀にさらに深刻化することが予想される問題、こ れは子どもをめぐる、いろいろな子どもの心の問題ですとか、新たな深刻化する問題に対し て、速やかに適切な対応を行っていく。  それから四つ目といたしまして、新たな価値尺度や国際的な動向を踏まえた斬新な発想や 手法により取り組むべき課題を探求するというところが、基本的な視点として盛り込まれて おります。  次に、「課題設定」ということでございますけれども、母子保健には幅広い課題がございま すけれども、主要な四つ課題を設定しまして、各課題ごとに現状に対する見解と主要課題と して選定した理由や取組に当たっての基本的な方向性などが報告書の中に盛り込まれており ます。  この四つ課題というのは、健やか親子21の取組における主要な軸でございますけれども、 課題1といたしまして「思春期の保健対策の強化と健康教育の推進」、課題2といたしまして 「妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援」、課題3といたしまして「小児 保健医療水準を維持・向上させるための環境整備」、課題4といたしまして「子どもの心の安 らかな発達の促進と、育児不安の軽減」という4つの課題を設定しております。  それから、「推進の方策」でございますけれども、国民運動の理念の基本として、1986年 にオタワで開催されましたWHO国際会議において提唱された公衆衛生戦略であるヘルスプロ モーションにおくということが謳われております。関係者、関係機関・団体が寄与しうる取 組の内容の明確化と自主的な活動の推進。それから、各団体の活動の連絡調整等を行う「健 やか親子21推進協議会」を設置する。この活動状況については、後ほど報告させていただき ます。それから、計画期間と達成すべき具体的課題を明確にした目標を設定するということ でございます。  次に1枚おめくりいただきますと、「第2章 主要課題」ということで、四つの課題ごとに 問題認識や具体的な取組について概説されております。一つ目が「思春期の保健対策の強化 と健康教育の推進」。2ページ目の下の方でございますけれども、第2節に「妊娠・出産に関 する安全性と快適さの確保と不妊への支援」、それから、3ページの下の方に第3節がござい ます。4ページ目の下からは、第4節として「子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安 の軽減」について記載されております。  5ページの第3章は「推進方策」ということで、「健やか親子21」の推進方策について記載 されています。「課題達成に向けて、一人一人の国民はもとより保健・医療・福祉・教育・労 働などの関係者、関係機関・団体がそれぞれの立場から寄与することが不可欠」ということ が謳われております。  それから、「取組内容の明確化」でございますけれども、子どもの健康が重視され、思春期 の子どもに対する適切な応援や妊産婦や不妊の夫婦に対する優しい配慮がなされ、健康な子 どもと障害や疾病を持つ子どもの育ちやその親を支援できる地域社会の実現のための取組を 国民一人一人が行えるようにすることが重要。このような取組がなされるよう、関係者、関 係機関・団体として国民、地方公共団体、国、専門団体、民間団体の順にその寄与しうる取 組内容を各課題ごとに記述するということでございます。それから、「健やか親子21推進協 議会」を設置して、運動を盛り立てていくということでございます。  それから第4節には「目標の設定」について書いてあります。7ページ以下に各指標と目 標などについてリストアップしてありますけれども、四つの分野ごとに六十数個の数値目標 を定めております。目標の設定についての考え方でございますが、ヘルスプロモーションの 基本理念に基づき、次の三つの段階に分けて策定されております。  一つには「保健水準の指標」で、達成すべきQOLを含む、住民の保健水準を示すというこ とで、住民や関係機関等が目指すべき方向性の指標を盛り込んでおります。  二つ目が、「住民自らの行動の指標」ということで、各課題を達成する上で、住民一人一人 が取り組むべき事項を示しております。親子や各家庭での保健行動や生活習慣に関する指標 と、知識・技術などの学習の指標を含んだものでございます。  それから三つ目が、「行政・関係機関等の取組の指標」です。事業の実施、サービスの提供、 施設・設備の整備など資源・環境の整備に対して行政や関係機関・団体が寄与しうる取組を 表すものでございます。  それから「指標設定のプロセス」でございますけれども、これも後ほどご説明させていた だきますけれども、従前、全国の各市町村において、母子保健計画というものが定められて いたところでございますが、保健水準の指標ですとか、住民自らの行動の指標を設定してい ただいております自治体の母子保健計画などを参照しまして、平成12年行われた検討会にお いて指標として取り上げるべき項目を抽出し、定められたものでございます。その後、平成 17年の中間評価を経て、指標の見直し行われていますけれども、現在の指標が7ページ以下 のものでございます。  ざっと見ていただきますと、7ページの課題1ということで「思春期の保健対策の強化と 健康教育の推進」ということでは、15の指標が盛り込まれています。例えば1-1は「十代の 自殺率」ということでございます。これにつきましては、策定当時の現状値ということで、 2000年の数値ですが、対10万人で10〜14歳で1.1人、15〜19歳では6.4人という自殺率で ございましたが、右側に「目標」と書いてありますが、減少させることを目標と明記してい ます。それから二つ目の1-2「十代の人工妊娠中絶率」でございますが、これも目標は「減 少傾向へ」ということ。それから、1-3「十代の性感染症罹患率」、1-4「15歳の女性の思春 期やせ症の発生頻度」、それから1-5につきましては、平成17年の中間評価を踏まえて追加 された項目でございますけれども、「児童・生徒における肥満児の割合」についても、いずれ も「減少傾向へ」が目標となっています。、1-6といたしまして「薬物乱用の有害性について 正確に知っている小・中・高校生の割合」という指標がございます。それから8ページの1-7 「十代の喫煙率」、1-8「十代の飲酒率」については「なくす」というのが目標です。、それか ら1-9も平成17年の中間評価以降に新たに盛り込まれた指標でございますが、「性行動によ る性感染症等の身体的影響等について知識のある高校生の割合」については増やしていくと いうのが目標です。それから1-10といたしまして「学校保健委員会を開催している学校の割 合」、1-11「外部機関と連携した薬物乱用防止教育等を実施している中学校・高校の割合」、 1-12「スクール・カウンセラーを配置している中学校の割合」、これらにつきましては、「100%」 が目標です。1-13「思春期外来(精神保健福祉センターの窓口を含む)の数」は「増加傾向へ」 が目標。それから1-14といたしまして「思春期保健対策に取り組んでいる地方公共団体の割 合」を100%にするという目標で、これも平成17年の中間評価後に新たに追加されたもので ございます。1-15も平成17年に追加された指標ですが、「食育の取組を推進している地方公 共団体の割合」を100%にするということが目標として盛り込まれております。  次に、9ページを見ていただきますと、課題2の「妊娠・出産に関する安全性と快適さの 確保と不安への支援」でございます。この課題2につきましては、12の指標がございます。 2-1「妊産婦の死亡率」については「半減」という目標が定められております。ちなみに、2000 年の時点で妊産婦死亡率は対10万人の出生で6.6、出産で6.3という数字でございまして、 2004年の中間評価の時点では4.3でしたが、昨年はさらに成績が向上して周産期医療がいろ いろな課題がございます中で、半減という目標が達成されたという状況でございます。それ から2-2といたしまして「妊娠・出産について満足している者の割合」ですが、計画が策定 された段階では84.4%でしたけれども、これを100%にすることを目標にしているところで ございます。2-3は「産後うつの発生率」です。これを減少傾向にもっていくのが目標でご ざいます。それから2-4といたしまして「妊娠11週以下での妊娠の届け出率」の割合を100% にする。2-5「母性健康管理指導事項連絡カードを知っている就労している妊婦の割合」です が、直近の数字ということで、2005年の段階では19.8%ということで、必ずしも普及してい ないということで、これを100%にもっていくのが目標でございます。それから2-6「周産期 ネットワークの整備」につきましては、全都道府県に整備するのが目標です。2-7「正常分娩 緊急事対応のためのガイドラインの作成」については「作成」が目標です。2-8「産婦人科医・ 助産師の数」については「増加傾向へ」というのが目標です。2-9「不妊専門相談センターの 整備」、2-10「不妊治療を受ける際に、患者が専門家によるカウンセリングが受けられる割合」、 2-11「不妊治療における生殖補助医療技術の適用に関するガイドラインの作成」については、 生殖補助医療関係の指標です。2-12「出産後1か月時の母乳育児の割合」について目標が定 められています。  10ページでございますが、課題3といたしまして、「小児保健医療水準を維持・向上させ るための環境整備」に関して、22の指標が定められております。上から順番に見ていきます が、3-11といたしまして「周産期死亡率」の目標といたしましては、「世界最高水準を維持」 するということでございます。3-2「全出生数中の極低出生体重児の割合」「全出生数中の低 出生体重児の割合」を減少傾向にもっていくのが目標でございます。3-3「新生児死亡率・乳 児(1歳未満)死亡率」は「世界最高水準を維持」するのが目標。それから3-4「乳児のSIDS 死亡率」、3-5「幼児(1〜4歳)死亡率」、3-6「不慮の事故死亡率」はいずれも「半減」が目標 です。3-7「う歯のない3歳児の割合」は、平成17年度の中間評価の後に定められた項目で ございますが、「80%以上」という目標が定められています。3-8「妊娠中の喫煙率、育児期 間中の両親の自宅での喫煙率」を「なくす」という目標を定めております。3-9「妊娠中の飲 酒率」を「なくす」、3-10「かかりつけの小児科医を持つ親の割合」を「100%」、3-11「休日・ 夜間の小児救急医療機関を知っている親の割合」を「100%」にするという目標。それから事 故防止関係では、3-12「事故防止対策を実施している家庭の割合」、3-13「乳幼児のいる家庭 で風呂場のドアを乳幼児が自分で開けることができないよう工夫した家庭の割合」、3-14「心 肺蘇生法を知っている親の割合」については、いずれも「100%」が目標です。3-15「乳幼児 にうつぶせ寝をさせている親の割合」を「なくす」。予防接種の関係では、3-16「6か月まで にBCG接種を終了している者の割合」、それから3-17「1歳6か月までに三種混合・麻しんの 予防接種を終了している者の割合」を「95%」にするのが目標です。3-18「初期、二次、三次 の小児救急医療体制が整備されている都道府県の割合」を100%、3-19「事故防止対策を実 施している市町村の割合」を100%に。3-20「小児人口に対する小児科医・新生児科医師・児 童精神科医師の割合」は増加傾向へ。それから3-21「院内学級・遊戯室を持つ小児病棟の割 合」を100%に。それから3-22「慢性疾患児等の在宅医療の支援体制が整備されている市町 村の割合」を100%に、という目標が定められております。  それから、課題4でございます。「子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減」と いうことでございます。これにつきましては、18の指標と目標を定めています。まず、4-1 「虐待による死亡数」を「減少傾向へ」。4-2「法に基づき児童相談所等に報告があった被虐 待児数」を、「増加を経て減少へ」。4-3「子育てに自信が持てない母親の割合」を「減少傾向 へ」。4-4「子どもを虐待していると思う親の割合」を「減少傾向へ」。4-5「ゆったりとした 気分で子どもと過ごせる時間がある母親の割合」、4-6「育児について相談相手のいる母親の 割合」、4-7「育児に参加する父親の割合」、4-8「子どもと一緒に遊ぶ父親の割合」、4-9は2-12 の再掲でございますけれども、「出産後1か月時の母乳育児の割合」について、いずれも「増 加傾向へ」が目標です。それから4-10でございますけれども、「周産期医療施設から退院し たハイリスク児へのフォロー体制が確立している保健所の割合」、4-11「乳幼児の健康診査に 漓足している者の割合」を「増加傾向へ」、4-12「育児支援に重点をおいた乳幼児健康診査を 行っている自治体の割合」を「100%」、4-13、「乳児健診未受診時など生後4か月までに全乳 児の状況把握に取り組んでいる市町村の割合」を「100%」。4-14、これも1-15の再掲ですが、 「食育の取組を推進している地方公共団体の割合」を「それぞれ100%」、4-15「子どもの心 の専門的な診療ができる医師がいる児童相談所の割合」を「100%」、4-16「情緒障害児短期 治療施設数」を「全都道府県」に整備するのが目標。4-17「育児不安・虐待親のグループ活 動の支援を実施している保健所の割合」を「100%」、4-18「親子の心の問題に対応できる技 術を持った小児科医の数」を「増加傾向」というのが目標です。  以上67の指標を現行では定めているところです。これを見ていただいてわかりますように、 非常に多様な指標が盛り込まれております。私ども母子保健課が直接所管する施策に関する 項目と、省内他の部局・他の省庁の施策に関する項目もありますが、子どもの健やかな育ち、 それから母親の妊娠・出産に対する支援ということに関する幅広な指標が盛り込まれており ます。  続きまして14ページを見ていただきますと、「第1回中間評価について」という資料を準 備しております。これは平成17年にそれまでの状況等の評価をし必要な見直しを行うという ことで、「「健やか親子21」推進検討会」というものを開催いたしました。第1回の中間評価 の際にも、柳澤先生を座長として検討をし報告書をまとめていただいたところです。平成17 年の時点では、四つの主要課題について、当時は61の指標があったわけですが、それぞれの 指標の達成状況と、関係者の取組状況の評価を行っていただきました。中間評価の結果です が、「指標の達成状況」ということで、当時あった61の指標のうち、直近の値が得られまし た58の指標について目標に向けて順調に計画が進んでいるかどうかの評価をいただいたの ですが、全体の70.7%に値します41の指標については良くなっている。13の指標、率にし て22.4%の指標については、悪くなっている又は変わらないとなっています。それから4つ の指標については、目標値からかけ離れているということで、かけ離れている数値について は、それぞれ適切な対応の取組や見直しが必要だろうということで検討が行われたところで す。  そして、目標からかけ離れている指標については、現実的な指標をもう一度考え直す。そ れから悪くなっている又は変わらない指標について重点的に取り組んでいくということで検 討が行われ、新たな目標が再度設定されています。  また、「関係者の取組状況」ということで、「健やか親子21」推進協議会について、担当者 を決めて、年次計画に「健やか親子21」関連の事業を盛り込んだ団体は、8〜9割に上ってい るということです。しかし、成果(アウトカム)や事業量(アウトプット)に関する目標値を設 定している団体は3割前後にとどまっている。また、定期的に取組の評価を行ったとする団 体も3割強ということで、より一層の取組の推進をいただきたいと指摘されています。自治 体の状況につきましては、「健やか親子21」の計画を策定した都道府県は約8割。 それから 「健やか親子21」を踏まえた母子保健計画の見直しを行った市町村は約6割であり、課題に ついて住民や関係者と協議する機会を持っていない都道府県が約3割、市町村が約5割見ら れたということです。それを踏まえて、関係者の連携を強化して取組を推進する。それから、 母子保健情報の収集と利活用のためのシステムの構築をめざすことが、今後の必要な施策と して中間評価の際に取りまとめられています。  ちなみに15〜16ページは、中間評価の時点で、今後重点的な取組が必要とされた課題を列 記したものです。課題1につきましては、自殺率が10〜14歳で減少しており、15〜19歳で 増加しているということで、きめ細かな対策が必要であるということが指摘されています。 思春期の不健康なやせは増加しているということで、適切な対応と啓発の必要性が指摘され ています。人工妊娠中絶実施率は低下しているということですが、性感染症については増加 しているということで、さらなる要因の分析や調査が必要となっています。それから、十代 の喫煙率ですとか飲酒率は改善していますが、さらなる取組が必要であるということです。  課題2につきましては、妊娠・出産に関する保健水準は改善しているので、さらなる周産 期医療の充実が必要である。産婦人科の医師数の減少ということで、産婦人科医の地域偏在、 あるいは医師のみならず助産師の施設間の偏在の是正が必要であるということが謳われてい ます。それから妊娠・出産に関する満足度は増加しているということですけれども、主観的 な要素もありまして評価が難しいのですが、真の満足度を向上するための取組の支援が必要 である。それから不妊症の患者に対する支援ですが、施設整備は達成されていますので、質 の向上に向けた取組への転換が必要だということが謳われています。  16ページの課題3につきましては、麻しんの予防接種率は順調に向上していますが、医療 と保健が一体となったさらなる推進が必要である。事故防止対策は目標からかけ離れている ということで、小児の不慮の事故の死亡率自体は改善傾向にあるものの、今なお死因の1位 を占めているということで、今後も取組を推進していく必要がある。その際に、より現実が 反映できるようなモニタリング方法を見直すべきであるということです。病児支援設備が不 十分ということで、環境整備の推進の必要性が謳われています。低出生体重児の割合が増加 しているということで、食育の推進ですとか妊婦の喫煙対策の推進が必要とされています。 低出生体重児の増加につきましては、因果関係や原因は必ずしもよくわかっていませんが、 喫煙との関係や食生活の関係などが指摘されていますので、そういった観点からの指導・取 組が必要だということです。  課題4につきましては、子どもの虐待防止対策は引き続き強化が必要。父親の育児参加は 増加傾向にありますが、さらなる父親の育児参加に向けたサポート環境の向上が必要である。 乳幼児健診の満足度は、必ずしも満足とするレベルが高くないということですので、乳幼児 健診の満足度向上をはじめとした受け入れの体制の充実が求められているところです。それ から、子どもの心の健康に対応できる医療従事者が不足しているということで、子どもの心 の健康に対応できる小児科医の養成と、児童相談所での児童精神科の医師の確保の促進とい うことです。これにつきましては、私ども厚生労働省の方で、平成17年、18年に「子ども の心の診療医の養成に関する検討会」を開催しまして、それを踏まえて今、取組を進めてい るところです。母乳育児の推進の必要性も謳われています。平成17年の検討会を踏まえまし て、17ページに書いているような指標の見直しが行われています。  18ページですが、中間評価の結果、引き続き検討が必要とされた項目もありまして、中間 評価の検討会が終わった後に、「『健やか親子21』の指標に関する研究会」が、新たに開催さ れていまして、この中間評価の際に指摘された指標の五つの見直しと、未収集の指標の評価 が行われたわけです。最初に説明した7ページ以下の現行の指標につきましては、中間評価 あるいはこの研究会での議論を踏まえた指標でございます。現行の取組につきましての資料 2の説明は以上です。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。「健やか親子21」の概要、特に指標を一つずつ取り上げて 説明いただきました。また、その推進状況や中間評価の結果等についてのご説明がありまし た。ただ今のご説明に対して、何かご質問はありますか。よろしゅうございますか。 ○小林課長補佐  それでは、資料3についてもご説明させていただきます。資料3は推進状況ということで すが、「健やか親子21」の取組状況の詳細につきましてはピンク色の冊子、「健やか親子21」 関連資料(母子保健レポート2008)を参照していただければと思いますが、その概略がこの資 料です。(1)として推進協議会の参加団体です。リストは3ページにありますが、当初平成 13年の時点では70の団体に参加いただいていましたが、参加団体も増加傾向で、現在は85 の団体にご協力をいただいているところです。課題ごとに活動実績数をまとめていますが、 課題1につきましては25、課題2につきましては22、課題3につきましては33、課題4につ きましては45の課題が実績として挙がっています。毎年、総会を行っています。連携のため の推進協議会の運動方針等重要事項の決定や団体間の連携強化のための総会を年1回開催し ています。直近では今年の2月4日に第8回目の総会を開催したところです。  1枚めくりますと、幹事会の取組ということで、課題ごとに幹事会を置きまして、取組の 効果的な推進を行っていただいております。各幹事会ごとに年に1回やっている所、あるい は複数回開催していただいている幹事会もありますが、例えば課題1の思春期の問題につき ましては、日本児童青年精神医学会、日本家族計画協会などの6団体で取り組んでいただい ています。課題2の妊娠・出産に関する問題につきましては、日本母乳の会、日本産婦人科 医会、日本産科婦人科学会、日本助産師会の四つの団体。それから課題3の小児医療につき ましては、全国保健所長会や日本小児科医会など八つの団体、課題4の子どもの心の問題に ついては、日本小児保健協会や児童虐待防止協会など五つの団体に参画いただいて、それぞ れ意見交換や取組の調整などを行っていただいているところです。3ページが現在の参加団 体のリストです。  4ページは、「地方公共団体の取組状況について」です。(1)の「健やか親子21」の公式ホー ムページにつきましては、厚生科学研究班の研究活動の一環ということで、山梨大学の山縣 委員の研究班に運用いただいてきたところですが、3月19日現在で4,063件が登録されてい ます。課題1、課題2、課題3、課題4、それから「健康日本21」関連についても幅広く情報 が掲載されています。取組内容別の事業登録件数につきましては[3]に書いている通りです。 いずれの項目についても登録件数が増加傾向にあります。  5ページは、母子保健計画の見直しにおける「健やか親子21」推進の状況ということですが、 これについては後ほど説明します。  6ページは国の取組状況です。普及啓発による推進ということで、全国大会、公開シンポ ジウムを毎年開催しています。直近では平成20年11月26日から28日にかけて、福岡県で 全国大会を開催しています。厚生労働科学研究はさまざまな研究が進められていますが、母 子保健分野につきましては、子ども家庭総合研究という事業があります。研究成果を公表し て、国民に普及啓発を行っていくため、公開シンポジウムを毎年開催しております。直近で は平成21年3月6日に開催しています。  7ページですが、先ほど説明しました公式ホームページが平成13年5月18日に開設されて います。普及啓発用のポスターやリーフレットを作成して、地方公共団体や関係団体等に配 布しています。それからシンボルマークの活用推進を図っています。厚生労働科学研究にお いて、関連する施策についての研究を行っていただいています。ちなみに、平成20年度につ きましては、8ページに書いているような25の研究課題について、事業費が5億2,800万円 程度で研究を推進しています。資料の説明は以上です。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。ただ今ご説明いただいた推進状況と、それに先ほどご説 明の概要あるいは中間評価も含めて、何かご質問・ご意見はありますでしょうか。よろしゅ うございますか。それでは、今までの概要と推進の状況について、ご理解いただいたという ことにします。どうもありがとうございました。  次に、議題の2に移りたいと思います。「健やか親子21」の計画期間の延長についてという ことですが、事務局からご説明をお願いします。 ○小林課長補佐  それでは資料4に基づきまして、ご説明をさせていただきます。「健やか親子21」につきま しては、先ほども説明しましたように、そもそも「健康日本21」という健康増進の国民運動 の母子保健版という位置付けと、次世代育成支援すなわち子育て支援、少子化対策という位 置付けの二つの意味合いをもってスタートしたものです。関連する事業にはさまざまなもの がありますが、それらを一覧にしたものが資料4の1ページ目です。1番左側に次世代育成 支援対策推進法という法律に基づく次世代育成行動計画、これは都道府県、各市町村、事業 主に作成していただくべきものですが、これにつきましては、平成16年に策定されて、平成 17年から平成21年までを前期の行動計画の推進期間、平成22年から平成26年までを後期の 計画の推進期間ということで定められているものです。別途、子ども子育て応援プランとい うものがあります。これにつきましては、3ページを見ていただきますと少子化対策の経緯 がありますが、少子化対策は平成に入ってからさまざまな対策・取組が進められてきました が、平成6年12月に「エンゼルプラン」が文部科学省、厚生労働省、労働省、建設省の合意 で始まりましたが、それから5年後の平成11年12月には「新エンゼルプラン」が始まって います。それをさらに拡充するということで、平成15年7月には少子化対策基本法が定めら れ、平成16年6月には基本法を受けて少子化社会対策大綱が定められました。それを受けて、 具体的な計画として定められたものが平成16年12月の「子ども・子育て応援プラン」です。 これは国として定めた少子化対策に関する基本的な計画ですが、これにつきましては平成17 年から平成21年までの目標として定められています。これも内閣府で今後の新しいプランに ついての検討が始まろうとしているところです。  そういう流れがある中で、先ほど申し上げました母子保健計画、一番真ん中に書いている 市町村の計画ですが、2ページを見ていただきますと、これは平成15年の主管課長会議と いいまして都道府県の担当者向けの会議の場で配付した資料ですが、母子保健計画につきま しては当初、平成8年の厚生省児童家庭局母子保健課長通知ということで、市町村において、 妊娠、出産、育児その他健やかな子育てに関する現状分析と今後の望ましい方向性等につい て検討を加え、地域の母子の健康や生活環境の向上を図るための体制の確立に向けた母子保 健計画の策定を求めたものです。平成8年度中の作成を求めて、概ね5年ごとに再検討を加 えてくださいということで平成8年に通知を発出しております。約9割の市町村で策定され ておりましたが、当初は母子保健の単独の行政計画として、母子保健計画の策定を求めてき たわけですが、下の方に書いていますが、次世代育成支援対策推進法に基づく次世代育成行 動計画の内容とかなりオーバーラップするところが多いということで、平成17年度以降は 母子保健計画を市町村行動計画の中に組み込んで、一体的に対策に取り組んでいただきたい というお願いをしています。したがって、現在では母子保健計画単独でというよりは、次世 代育成行動計画に包括されているという認識を持っています。ということで、資料4の1ペ ージに戻っていただきますと、いわゆる母子保健計画は平成8年から始まったわけで、平成 13年に中間的な見直しを行っていただいた自治体もありますが、平成17年から次世代育成 行動計画の一環として取組を進めていただいております。  「健やか親子21」は当初平成13年から始まって平成22年に終わる予定でしたが、これを いつまで延長するかについて、先ほど申し上げた次世代育成行動計画につきまして、平成22 年から平成26年まで後期の取組も始まるということですので、市町村あるいは都道府県、事 業主等の取組と一体的に取組の連動を図っていくという観点から、平成22年までとしていた 「健やか親子21」につきまして、平成26年まで4年間延長するということでどうかと事務局 では考えているところです。  ちなみに、一番右側にある「健康日本21」につきましては、5ページに資料がありますが、 21世紀における国民健康づくり運動ということで、平成12年3月に「21世紀における国民 健康づくり運動(健康日本21)の推進について」という通知が、当時の健康局から出ています が、この通知の中に謳われていますのが、健康寿命を伸ばすことを実現する観点から、2010 年度を目途とした具体的な目標等を提示することによる国民運動ということで、目標につき ましては、栄養や食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコー ル、歯の健康、糖尿病、循環器病、がんということについて、70の項目についての目標設定 がされています。「健康日本21」につきましては、当初は法的な根拠をもたずに始まった事 業ですが、次の6ページに「健康日本21の改正について」という資料がありますが、平成 15年に健康増進法が制定されまして、健康増進法の第7条第1項に「国民の健康の増進の総 合的な推進を図るための基本的な方針」が定められています。この基本的な方針に基づく目標 期間や目標数値を有する具体的な計画という位置付けが、現在はなされております。当初「健 康日本21」についても、母子保健領域における「健やか親子21」と同様に、2001年から2010 年の10年間が当初の期間として設定されていたわけですが、6ページの資料の3「改正の内 容」の[2]に書いています運動期間の変更を見ていただきますと、医療費適正化計画につきま しては、高齢者の医療の確保に関する法律第9条に基づいて平成20年から24年を計画とし た全国医療費適正化計画、それから各都道府県における都道府県医療費適正化計画が今スタ ートしていまして、平成24年までが計画の期間となっていますが、そちらとの整合性を図る という観点から2010年度から最終評価を行い、その評価を2013年度以降の運動の推進に反 映させることとしたとなっていまして、平成22年度で終わる予定が平成24年度までという ことで「健康日本21」は2年間延長されています。そういったことで「健やか親子21」につ きましても、「健康日本21」と整合性をとって、平成24年度までの延長という考え方もあり ますが、どちらかというと「健康日本21」の方が医療費適正計画との整合性を図っていたと いうことで平成24年度までの延長となったのですが、私どもの方はどちらかというと次世代 育成支援行動計画との足並みをそろえることから、平成26年度までに延長していきたい、4 年間延長したらどうかと考えているところですので、委員の先生方の意見をいただければと 考えています。 ○柳澤座長  ありがとうございました。「健やか親子21」は当初平成22年までを目標とする計画であっ たのですが、次世代育成支援行動計画との関連性から「健やか親子21」の計画期間を平成26 年度まで延長したいという提案がありました。それについて、何かご質問・ご意見はありま せんでしょうか。よろしゅうございますか。  それでは、この「健やか親子21」の計画期間を平成26年度まで延長するということで、 ご承認いただけますでしょうか。 (異議なしとの声あり) ○柳澤座長  どうもありがとうございました。  それでは、続いて議題3に移りたいと思います。議題3「健やか親子21」第2回中間評価の 進め方について検討していきたいと思います。それについて、事務局から中間評価の進め方 についての案を提示していただいていますので、ご説明をお願いします。 ○小林課長補佐  資料5の中間評価の進め方の案という資料を用意しています。これに基づいて説明します。 先ほど説明しましたように「健やか親子21」の四つの課題について67の指標、目標値を定 めています。各指標、各目標値の進捗状況、現状についてデータを収集していく必要があり ます。集まったデータに基づいて、各指標についての達成度の分析・評価を行っていただく ことを考えています。  それから右側のBと書いていますが各関係団体、各機関等における取組状況、「健やか親子 21」推進協議会における取組状況、地方公共団体における取組状況、国における取組状況に ついての分析・評価を行っていく。そして新たなニーズに対する指標の設定について検討を 行っていき、追加する指標については現状値を明らかにするとともに、今後の目標(値)を設 定していくということを考えています。  Cとして、今後の推進体制及び推進方策等の検討ということで、これらの基礎的なデータ の収集を受けまして、「健やか親子21」推進協議会、地方公共団体、国における効果的・効 率的な活動方策について検討を行っていただく。そして今後の推進方策について検討いただ く。それを最終的に検討会の報告書として取りまとめていただくことを考えていますが、平 成17年度に行われました第1回中間評価の検討のスキームがありますので、それをある程度 参照しながら、進めていけばよいと考えています。委員の先生方のお手元に「健やか親子21」 の中間評価の報告書の冊子を配っていますので、それをご覧いただければと思います。この 冊子の54ページをお開きいただけますか。中間評価報告書の54ページに「「健やか親子21」 における目標値に対する直近値の分析・評価」という資料があります。これは前回の中間評 価の際の作業のスキームですが、各指標ごとに個票のシートを作っていただきまして、例と して挙がっているのが、課題3の「小児保健医療水準を維持向上させるための環境整備」の 中の3-2の「全出生数中の低出生体重児の割合」、それから「全出生児数の低出生体重児の割 合」ということで、「策定時の現状値」を書いてあります。何をベースラインとして、何を根 拠として数を把握したのか。その目標値がどうであったのか。直近の値がどうであったのか。 その直近の値は何を根拠にしたものか。例えば低出生体重児の数については、人口動態統計 のデータを参照にしたということです。それについて各指標ごとに「結果」を評価していた だく。直近値が目標に対してどのような動きになっているのか。留意点を含んで記載をして いただいております。「分析」については、施策や各種の取組との関連を見て、データの変化 の根拠を分析し記載していく。「評価」につきましては目標に対する直近値をどう読むかとい うことを記載していただく。「調査・分析上の課題」につきましては、調査・分析をする上で の課題がある場合に記載していただく。「目標達成のための課題」ということで、目標からか け離れている、あるいは悪化している場合には、その課題について記載するというもので、 例えば55ページに、「1-1十代の自殺率」についてのシートがございます。これを見ていた だきますと、十代の自殺率につきまして、ベースラインにつきましては、平成12年の人口動 態統計の結果が、10〜14歳で1.1、15〜19歳で6.4という数字に対して、直近の値というこ とで平成17年の時点では平成16年の人口動態統計のデータに基づいて記載されていますが、 10〜14歳が0.8、15〜19歳が7.5というように、10〜14歳では改善していますが、15〜19 歳でやや悪化しているという状況です。これについての分析結果を検討会としてまとめてい ただいたものですが、例えば「結果」を見ていただきますと、10〜14歳については平成16 年には0.8と減少している。一方15〜19歳については、ベースライン調査時の6.4から7.5 と増加傾向が見られる。性別で見るとどちらの年齢層においても、女子において増加傾向が 見られた。しかし、実数自体が少なく、年によって率が変動しやすいため、ただちに結論付 けられないところもあるという結果がまとめられています。この「分析」につきましては動 機別のデータから検討する。動機別のデータは警察庁の報告の内容ですが、健康問題や学校 問題等が動機の場合が多いが、遺書の信憑性や数が少なく変動しやすいことから、一概に結 論付けられるものではないため、不明な部分が多い。それから、「評価」につきましては、「目 標に向けて改善しておらず達成が難しい」。「調査・分析上の課題」については、「関連するデ ータが厚生労働省と警察庁から出されており、両者を踏まえた検討が必要である」。「達成目 標のための課題」ということで、「女子については、まず増加傾向を抑えることが必要である ため、要因分析の研究が急務である。  このように、約60の指標についてそれぞれ個票が作成されています。全く同じような方法 でやっていただく必要はないのですが、今回も同じように各指標ごとにデータを収集して、 その上で委員の先生方に評価をまとめていただければと考えております。  それから約67ほど指標がございますが、戻っていただきまして資料5の2ページは指標別 にどのようにデータを収集していくのかということです。さまざまな指標がございまして、 例えば実際に子育てを行っている親御さんに対するアンケートを行って、親御さんの認識、 住民の認識を聞くような、住民自らの行動に関する指標につきましては2ページを見ていた だきますと一番上の方に「保健水準の指標」ですとか「住民自らの行動の指標」としまして 2-2の「妊娠・出産について満足している者の割合」、それから「母性健康管理指導事項連絡 カードを知っている就労している妊婦の割合」といったようなものもございますが、こうい った指標につきましては、妊婦あるいは子の親に対してアンケートをとって把握していくの がよいのではないかということで、そのような指標を約21ほど考えています。  それから2ページの下から二2つ目を見ていただきますと1-13の「思春期外来の数」、そ れから一番下の1-14の「思春期保健対策に取り組んでいる地方公共団体の割合」といった自 治体の取り組みにつきましては、自治体に厚生労働省から調査をかけてデータを解析してい くのが適切ではないかと考えておりまして、自治体に対する調査を行う項目を約12ほど考え ております。  それから3ページの上から1-15の食育の問題、3-19の「事故防止対策を実施している市 町村の割合」、こういったものは市町村に対してアンケートをして集計していくということで ございますが、上から10項目を見ていただきますと、2-3に「産後うつ病の発生率」という ことが書いてあります。産後うつ病の発生率につきましては、EPDSを実施している自治体に 協力をいただいて、実際の状況を把握していきたいと考えております。  それから真ん中辺りにあります1-1「十代の自殺率」それから1-2「十代の人工妊娠中絶実 施率」、これらの指標につきましては既存の統計調査を引用すればデータが得られると考えて おります。こういう既存の調査データを引用して把握できるものが約15ほどあると考えてお ります。  それから4ページの一番上に3-20「小児人口に対する小児科医・新生児科医師・児童精神 科医師の割合」ということで、小児科医については既存の調査結果を引用する。それから4-2 「法に基づき児童相談所等に報告があった被虐待児数」も既存のデータから引用していく。  それから、上から三つ目の3-20「児童精神医学分野での医師の割合」につきましては、関 係団体に照会して把握していくとうことです。  それから4-18「親子の心の問題に対応できる技術を持った小児科医の数」についても、関 係団体に照会していくということで考えております。  それから1-10「学校保健委員会を開催している学校の割合」、1-12のように「スクールカ ウンセラーを配置している学校の割合」といったものは文部科学省に照会する。  4-1「虐待による死亡数」、あるいは2-6「周産期医療ネットワークの整備」、2-7「正常分 娩緊急時対応のためのガイドラインの作成」といったところは厚生労働省も含め関係省庁に 確認しながら把握していくということを考えています。  それから4ページの下の五つにつきましては、どのような方向で調査してデータを把握す るかということを事務局で検討しているところでございます。以上のような事務局の方針に ついて、この後、委員の先生方からもご意見やコメントをいただければと考えております。  5ページをご覧ください。これは先ほどの2ページと3ページにありました母子保健課か ら自治体の協力を得てアンケートを送る項目の案でございますが、3か月、4か月健診それか ら1歳半健診、3歳の健診それぞれについて、数千名の親御さんからアンケートを回収して その結果を分析していきたいと考えております。そのアンケートの案ですが、これにつきま しては前回平成17年度の案の内容をベースにしまして山縣委員の研究班のご協力も得て事 務局で案を作成させていただいたものでございます。  例えば5ページは3ヶ月から4か月健診に受診した親を対象としたアンケートの様式の案 ですが、問1としまして「お子さんは何番目のお子さんですか」、子どもの性別を聞き、どこ で出産したか、そして出産したときの母親の年齢、それから母児同室であったかどうか、そ れから出産時の妊娠週数とその体重を聞く。そして出産についての満足状況を問7で聞く。 それから問8については、具体的な妊娠・出産に関する満足の度合いや出産の場所、希望す る場所で分娩できたかどうか、出産した場所までの距離や交通の便が満足できたかどうか、 あるいは14や15に書いてある通り、妊娠・出産に関する職場の理解や対応に満足できたか どうか、社会の理解や対応に満足できたかどうかなど事細かく聞いております。それから、 問9で「次のお子さんを産みたいと思いますか」ということと、問10以降で親の喫煙や飲酒 についての状況を聞いております。  それから7ページの問16を見ていただきますと、妊娠中に働いていたかどうか、それから 問17で妊娠中にマタニティマークを知っていたかどうかということ、それから問18で出産 1か月の時点での栄養が母乳だったか人口乳か混合だったかということを聞きたいと考えて おります。それから問19〜22で子育ての状況、母親の就労状況はどうなのかといったこと、 それから次の8ページの問23で母親の子どもの虐待に対しての認識はどうか、父親は育児を するか、または遊んだりするかといったこと。それから問27で、これはSIDSの関係でござ いますが「お子さんを寝かせ始めるときは、どのように寝かせていますか」、問28で「かか りつけの医師はいますか」、問29で3か月4か月時点での栄養法がどうなのかを聞ききたい と考えております。  それから9ページは1歳6か月健診を受診した親御さんに対するアンケート様式の案でご ざいます。3か月、4か月の時点のアンケート様式と共通する項目も多数ございますが、この 時点での特徴的な項目として例えば11ページを見ていただきますと問28、問29、問30で予 防接種の状況について聞いています。問28でBCGの予防接種を済ませたかどうか、問29で 三種混合DTPワクチンの予防接種を済ませたかどうか、問30で麻疹の予防接種を済ませたか どうかを聞いております。それから問33は子どもの事故防止対策についての項目ですが、例 えば1)でベビー用品やおもちゃを購入するとき、デザインよりも安全性を重視していますか。 2)に「子どもを家に一人残して出かけることや、車の中に一人で乗せておくことがあります か」、3)に「自動車に乗るときは、チャイルドシートを後部座席に取り付けて乗せていますか」、 4)には「水槽に水をためたままにしないように注意していますか」ということを聞いており ます。  それから、13ページは3歳児健診を受診した親御さんに対するアンケート様式の案でござ います。これも基本的には1歳半の時点と項目は似ているのですが、3歳の時点での特徴的 な項目として、例えば16ページの子どもの事故防止の関係で問30の子どもの事故防止の対 策ですが、1歳半の時点と共通する項目は多いのですが、8)の「お箸や歯ブラシをくわえて 走り回ることがありますか」、9)に「すべり台やブランコの安全な乗り方を教えていますか」、 10)に「ベランダや窓の側に、踏み台になるものがありますか」といったことを盛り込んでお ります。  このアンケートは4月以降に実施したいと考えていますが、最終的な評価はこの委員会で 行っていただくわけですが、基礎的なデータの収集や整理につきましては、まず山縣委員の 方で来年度、研究班が採択されていますので、山縣委員の研究班で基礎的なデータ収集や整 理等の作業をまずお願いできればと考えています。研究班での作業の過程で、この委員会の 先生方に個別に意見をお伺いすることもあろうと思いますが、いずれにしても、まずは山縣 委員の班でデータを収集していただき、研究班での作業の結果をこの検討会で更に検討・評 価していただくということを考えております。  事務局としては、今回の中間評価の作業の進め方をこのように考えておりますが、委員の 先生方からご意見をいただければと考えております。 ○柳澤座長  ありがとうございました。「健やか親子21」の第2回の中間評価の進め方についてご説明 いただきました。基本的に第1回の中間評価の進め方を踏襲するという面もありますが、指 標別のデータの収集に関しては研究班による調査の実施、それから集計・分析というところ が出てきました。以上が事務局としてのご提案です。  この「健やか親子21」の評価に関しては、今までの取組の評価をするということと、それ から目標として掲げている指標についてその達成状況を評価するという二つの視点からの評 価が必要になるかと存じます。それについて第1回の中間評価の作業のやり方を踏襲しつつ やっていくというのが事務局の方針となっているわけです。具体的な作業は事務局と今ご紹 介がありました山縣委員が研究代表者として行われる予定の子ども家庭総合研究の研究班と 共同でやっていただいて、この検討会の場ではそれへの肉付けや承認を行っていくというこ とになろうかと存じます。  主に母親を対象としたアンケート調査や推進協議会ですとか地方自治体の取組の評価など、 それぞれの評価の材料をこれから早速集計・分析していき、それを評価するということにな るわけですが、今の事務局のご説明に何かご質問がございますか。  山縣委員から、研究班のことについて、既に採択されているということであれば少しご説 明いただいてもよろしいのでしょうか。 ○小林課長補佐  先日、採択が決まり、山縣委員に通知を送らせていただいたところでございますので、進 め方について山縣委員から何かあればお願いします。 ○山縣委員  今、小林課長補佐が言われた通りです。私どもは事務局と一緒に先ほど中間評価報告書の 54ページからにあります個別の個々の目標に対する評価シートを作成するための統計資料 を収集するということを基本的な任務としておりまして、このたたき台を一緒に作ってこち らに提出して、それを議論していただくということになろうかと思います。  基本的には前回と同様に、乳児、1歳6ヶ月、3歳それぞれ7,000名を対象に行う予定でご ざいます。せっかくですので前回の2005年に市町村に協力のお願いした市町村に今回もお願 いすることによって2005年と2009年の比較が出来るという市町村にとってのメリットもあ りますし、ここでの議論の助けにもなろうかと思っております。  さらに、市町村、都道府県に対する調査も同時に行いますので、市町村や自治体のいろい ろな取組状況とそこにお住まいになっている方々の行動や状況についての関連を見るという ことも可能になっておりますので、そういった解析をしたいと思っております、以上です。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。以上、ご説明あるいはご提案いただいた2回目の中間評 価についての今後の進め方について、何かご意見やご質問はございませんでしょうか。 ○今村委員  この数年間の母子保健にかかわる厚生労働省の取組というのは非常に立派なものがあると 私どもも評価しております。特に産婦人科の領域で画期的だったのが、昨年3月までは公費 負担が2回だったものが昨年の4月から概ね5回ほどになりました。今度の4月からは14回 を目標にするということで、その財源的な手当ても100%十分とは言えないまでも相当のご 努力をいただいたと考えております。  そこで、評価項目の中に問8というのがあります。妊娠出産に関しての問いかけがござい ますけれども、中間評価の段階で妊婦健診の数といいますか、実際に妊婦健診に何回かから れましたかというのを入れていただければ、最終評価のときの比較で、公費負担の役割がど れほどあったのかということが評価できるのではないかと思うので、この問の15の中のどこ かに妊婦健診の回数を入れていただければありがたいと思います。ちょうど問6に妊娠期間 何週というものがありますので、この段階で出産してその時点までに妊婦健診が何回であっ たかということがわかると非常に私どもとしては、この妊婦健診の公費負担の効果というも のを判定するのにありがたいと思います。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。ただ今、今村委員からご意見がありましたのは、資料5 の6ページにある問8に挙げられている15の項目ですが、これに関連して行政的に妊婦健診 を15回まで無料化という施策が行われるわけですが、それについての項目も加えてはどうか というご意見でした。事務局あるいは山縣委員から何かありますか。 ○小林課長補佐  この調査項目につきましては、前回の中間評価の際の結果と比較していくという観点から、 聞きたいことが多くある中で絞りに絞って各時点で調査用紙がA4サイズ4枚に収まるよう に、かなり精査をして作ってきた経緯がございます。  妊婦健診につきましては、今村委員からあったように、いろいろな項目についてデータを とっていく必要があると思いますので、この中でまとめて調査するのが良いのか、あるいは 別途その調査をやっていく方が良いのかという点もございますので、その扱いについては山 縣委員と相談しながら対応していきたいと思います。 ○今村委員  もちろん中間評価の中で必ず入れていただきたいということではなくて、別の調査でもよ いので、どこかの段階でぜひ、その効果を入れていただきたいと思います。 ○柳澤座長  大変ごもっともなご意見だと思います。他に、何かありますでしょうか。 ○桑原委員  桑原でございます。少し質問が違うかもしれませんが資料2の「内容」のところですが、 この基本的な考え方を読み直してみますと、例えば第3節に健康教育の推進、育児不安の軽 減というようなことが書いてありまして、保護者の皆さま方の教育であるとか育児に対する 不安を何とか軽くしていこうという目的が「健やか親子21」の一つの大きなテーマだと思い ますが、その後も見せていただきまして2005年の3月作成の評価目標は例えば「減少傾向へ」、 あるいは「増加傾向へ」、それから「半減」などと非常に曖昧な言葉になっていますよね。こ れは設定の段階で目標値がしっかりと数字で出なかったこともあるのでしょうけれども、あ まりにも項目の中の、言い方は悪いですがいい加減というか大雑把な言葉がたくさん出てく るわけです。これで本当に評価しているのか、目標になっているのか、ただ減ればよいのか ということになるわけでありますから、ここのところは何とかならないのかと思います。  長くなりますが、例えば昨年から東京消防庁が救急車の出動回数を減らすために「シャー プ7119」という電話相談を始めています。ここでの相談は年間60万件くらいあるのですが、 5人のスタッフがいます。その中の15歳未満の相談が28万件で育児不安の相談が60パーセ ントということで、大変都会の人たちも困っているという中で、やはりこの辺のしっかりし た数字を出すことが必要なのではないか、出すということは努力をするということですけれ ども、必要なのではないかと思って言わせていただきました。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。指標について「増加傾向」とか「減少傾向」とか「半減」 などの言葉が多く使われていることは確かですが、その辺についての最初の考え方、それか ら桑原委員がおっしゃったことに関しての今後の取組について、何か事務局の方からありま すでしょうか。 ○小林課長補佐  確かに資料2の7ページ以降の各指標と目標値を見ていただきますと、100%とか0%とい う具体的な数字を書いているところと、今ご指摘あったように「増加傾向」や「減少傾向」 など少し曖昧な記載をしているところがありまして、本来はしっかりとした数字を盛り込め れば良いのですが、当初平成13年に指標を作ったときは十分な情報が無い中で、まずは良い 方向に持っていこうと努力目標的な意味合いで「増加傾向」や「減少傾向」という目標を定 めた項目があると思います。  一方で、100%という目標は、ものによっては達成可能なものと、達成は非常に難しいけれ ども理想的な状況を示したものもあるなど指標の位置付けによって意味も違ってきていると いう気はしているのですが、目標値の妥当性についてもこの検討会で議論いただいて、指標 自体あるいは目標の数値を今後の2014年までの活動に向けて再度設定していただければと 考えている次第でございます。 ○柳澤座長  山縣委員からもどうですか、何かありますか。 ○山縣委員  要するに「減少傾向」や「増加傾向」というのは減少した方がよいものは減少傾向、増加 した方がよいものは増加傾向としているわけですが、こういった目標値を立てるときには経 年的な傾向を見ながら、それが増えているのは良くないので減少傾向にしようとか、それが 減っているのは良くないから増加傾向にと。そうすると、その傾向を見ながらどの程度増や したらよいか、減らしたらよいかがわかるのですが、残念ながら多くの指標でベースライン しかないデータが多いわけです。ですから、それがこれまでどのようにそこへ達したかとい うことがわからなかったために明確な数値が出なかったケースが多かったと思います。  桑原委員が言われるように、2005年に中間評価をやりましたので、これからもう一度評価 をやることによって、どういう傾向でいくかということがわかれば明確な目標値が今後立て られる可能性があると思っております。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。最初のスタート時にはベースラインのデータしか無かっ たということで、それをさらに減少させる、あるいは増加させる、半減させるという目標を 立てたわけですが、中間評価のデータもあるということに関しては、その動きからまたさら に最終的には平成26年における目標というのは、ある程度数値化できるものもあるかもしれ ないというご説明であったと思います。 ○桑原委員  今度の調査で2点取れますので、<代表値>が取れますよね。このままで良いのか、もっ と上げなければいけないのかというところは、もう少しその<代表値>だけではいけないと ころがあると思いますのでご検討いただきたいと思います。 ○柳澤座長  よろしいでしょうか。他にありますか。 ○高山委員  資料5の指標別データ収集方法に関してですが、139の市町村にアンケート調査を実施す るということで、それぞれの母子の健康診査は受診率が非常に高いですからとても良いと思 うのですが、この139の市町村の選び方ですよね。実はかなり母子保健の指標というのは社 会経済状況と密接に関連していると思います。近年特に格差の問題が大きくクローズアップ されていますので、そういう社会経済状況のバックグラウンドがきちんと押さえられている ような選び方、特に社会経済状況が悪い地域にもきちんと焦点を当てて選ぶ必要があるので はないかと思います。  もちろん前回との比較という観点がございますので、それはそれで大事にするとして、も し前回そういう部分が少ないのであれば、今回は焦点をそこに当てて明らかにするべきでは ないかと思います。 ○柳澤座長  今の高山委員のご意見に対しては、何かございますか。 ○小林課長補佐  基本的には前回との継続性という観点から、前回の中間評価、平成17年のときに協力いた だいた自治体を中心に調査への協力をお願いする予定です。前回そもそも対象自治体を決め るときの考え方が人口規模別が大きいところから何箇所、人口が少ないところから何箇所と、 人口規模ですとか地域的なばらつきがないように無作為抽出して候補を選んで、その中から 協力いただけた自治体を調査の対象としたという経緯がございます。個別に地域の特性など 細かくは解析していないのですが、若干気になるのは、協力いただいている自治体というの はおそらく母子保健活動に熱心な自治体ですので、熱心な自治体であれば地域の方々の満足 度も高いという可能性があるかも知れません。  山縣委員から追加でコメントをお願いします。 ○山縣委員  前回のこの139市町村というのは2段階の無作為抽出です。それに対して今回は市町村に 少なからず負荷がありますので、市町村にもメリットがあるように前回との比較をして差し 上げるということが一つありました。  それから今、高山委員が言われたことはとても大切なことだと私も認識しておりまして、 特に母子保健事業は、かなり市町村の取組にばらつきが出てきたということは事実だと思い ます。そのために、「健やか親子21」のホームページの中にそれぞれ市町村の取組が、4,000 件近く入っておりまして、取り組みを積極的にやっている市町村とそうでない市町村との比 較できるということと、あとはいろいろな経済的なことに関しては、市町村別に出ているデ ータを使ったり既存のデータを活用することも出来るかと思いますので、今回どこまで出来 るかわかりませんがなるべくそういうところまで解析できればと思っています。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。先ほど手を挙げていただいた岡本委員どうぞ。 ○岡本委員  日本助産師会は課題2の方に所属しているのですけれど、昨今の出産を取り巻く環境の非 常に激変の中で最初にできた段階では出産の安全性と快適さという辺りで、特に快適さが表 に出てきたことに関して非常に妊婦さんにとっていい方向であると関心を持ちましたが、今 の状況はやはり安全性のところがかなり逼迫した状況で、喫緊の課題となっています。その ときに指標の中で周産期医療ネットワークの整備などは指標としてあがっているのですけれ ども、もう少し違った角度の検討も要るのかなと思われます。特に、最近は快適性において 病院等におきまして、正常の場合は院内助産システムの推進ということが出てきておりまし て、新たな指標も必要かと思っています。 ○柳澤座長  ありがとうございました。確かに今、ここのところ医療・保健のシステム自体も移り変わ っているところですので、スタートのときの指標そのままでよいのかどうかと、いろいろな 問題点が出てこようかと思います。まず、この2回目の中間評価の進め方について今ご意見 をいただきましたが、それに関連して他にございますでしょうか。では、先に手を挙げられ た衞藤委員。 ○衞藤委員  基本的に中間評価ですから、前との比較ということで項目を設定しているのは当然だと思 いますが、ただこの間に社会の状況の変化によって、やはり子どもが育つ上での新たな問題 が生じているということに目を向けなくてはいけないと思います。一つは子どもの犯罪被害 をどうやって防ぐかという観点。それは虐待とか不慮の事故に加えて、その点を見る必要が ないかということで、これは直接進め方そのものではないのですけれども、状況の変化に伴 う新たな課題をどう位置づけていくのかということも検討した方が良い。できれば始めるに 当たって検討しておいた方が良いと思います。 ○柳澤座長  先ほどの岡本委員のご意見、それから衞藤委員のご意見も、昨今の新たな状況の変化に今 度の中間評価はどのように取り込んでいくか、反映させるかという観点のご意見だと思いま すが、それはどうでしょうか。 ○小林課長補佐  中間評価ということで、ベースにはこれまでの取組の評価をいただくということがまずあ って、今後またプラス4年間延長で2014年まで続いていきますので、今後の取組を推進して いく上で新たな指標を盛り込んでいくといったことはこの検討会で大いに議論いただければ と考えております。  それから、岡本委員の関係でお産の快適性という観点の議論だったかと思いますけれども、 現行では例えば資料2の9ページを見ていただきますと、課題2-2で「妊娠出産について満 足している者の割合」が指標としてございます。これは何をもって妊娠・出産の満足かとい うのは結構個人によって捉え方も違いますし、非常に主観的というか曖昧な記載なのですが、 何をもっての評価というのは非常にばらつきがあると思いますので、ここは今回、先ほどの 資料5の6ページを見ていただきますと、これは3か月、4か月健診のときの親に対するアン ケート用紙ですけれども、妊娠・出産について満足だったかということを15のパラメータを 設定しまして細かく聞いていきたいと思います。例えば出産する場所がどうであったのか、 今は医師不足や医療機関の不足という話もございますので、自分が希望する場所で出産の予 約できたかどうか、医療機関と距離的にアクセスがどうであったか、病院での食事や環境面 でのアメニティがどうだったか、自分から主体的に健康管理に取り組めたかどうか、助産師 から指導やケアを受けることができたかどうかといったようなことを細かく設定しておりま すので、そういったことを個別に評価しながら、また今後の指標の見直しにもつなげていけ ればと考えています。 ○柳澤座長  他にございますか。齊藤委員。 ○齊藤委員  1点意見を言わせていただきたいと思います。この二つの時点での数字の比較ということ がベースラインとこれから調査するものとその二つのところでしか調べられないものに関し てはそれでよいと思いますけれども、例えば私が専門としている領域でいいますと、十代の 自殺率といった課題は、実は警察統計にしても厚生労働省にしても、それから文部科学省に してもかなり長い期間の資料があります。そういった課題は二次点の数値の比較ではなく、 長い資料の中でこの10年はどうであったのかといった動態を見ないとまずいと思うのです。 例えばこの報告書、中間報告のときの平成12年から16年の5年間の数字がプロットされて いますけれども、これはたまたまこの5年間の動向にすぎず、もっと前の10年間や、この後 の5年間をプロットしていくとこれとは異なる特有な傾向が見えてきて、要するにこの10年 間は子どもの自殺は比較的落ち着いているのか、それとも増えている傾向にあるのかという 真の動態が見えてくるということもあるのではないでしょうか。長い資料を利用できるもの に関しては、少しそういう観点も導入しなければいけないのではないかと思っています。 ○柳澤座長  今の齊藤委員からのご指摘の視点についてはどうでしょうか。山縣委員から何かあります か。 ○山縣委員  おっしゃる通りだと思います。長期的に見て、最近どうなのかということを出す必要があ ると思っています。 ○柳澤座長  どうぞ。 ○迫委員  栄養の観点から一つ話をさせていただきたいと思います。思春期の女性のやせの問題、そ れから低出生体重児の問題、この両面にはやはり栄養の問題が非常に大きく絡んでいると思 っています。そういう中で、妊娠中の体重増についての産婦人科の医師からの指導等が大き く変わってきて、特にやせの女性に対しての体重増ということをはっきりと指導していただ いている中で、実際に現場での話を聞くと、やせの女性、つまり妊娠前から食事が上手にと れていない、そういう習慣のない女性が体重を増やすのはかなり難しいということを聞いて おります。食事をとる習慣がなかった人が妊娠をしたからといって、急激に体重を増やして いって10キロ以上の体重が増やせるかというと、その辺が非常に難しい。その辺が、今回の 低出生体重児の評価ともつながってくるのではないかと思うわけです。そうすると、今回の アンケート調査等をしていただく中で、妊娠中の体重増の状況、それと出生時の状況がこの アンケートではなくて他の調査でも構わないのですが、具体的に肥満傾向者、普通、やせの それぞれの分類でどうなのかという辺りを追うことができないだろうかと、その辺を追加で きれば大変ありがたいと思っています。 ○柳澤座長  今、言及のあった妊産婦に対しての食事の指針についても、前回中間評価を行った「健や か親子21」推進検討会の中で検討して発表したものですけれど、今ご意見のあったようなこ とに関して、事務局から何かありますか。 ○小林課長補佐  引き続き、検討させていただきます。 ○柳澤座長  いろいろご意見はあろうかと思いますけれど、ご承認いただけますでしょうか。このよう な案で進めていきたいということについてはよろしいでしょうか。 (拍手にて承認) ○柳澤座長  では、そういうことで進めさせていただくということで、指標についてはデータがそろい 次第、随時研究班等で分析していただき、それをたたき台として検討会で評価するというこ とになろうかと思います。第1回中間評価で実施したようなシートを指標ごとに作成してい くことになるわけですが、また検討会の場や委員個々にご相談いただくなどして進めていた だければよろしいのではないかと思います。  ここで、今後のスケジュールをお話しいただけますでしょうか。 ○小林課長補佐  資料6をご覧いただきたいと思います。今後のスケジュール案ということでお示しさせて いただいておりますけれども、本日3月25日の第1回の会議で「健やか親子21」の推進の状 況を計画期間の4年間延長ということで、今ご承認いただいたわけです。それから進め方に ついての予定でございますけれども、次回は7月ごろに第2回の検討会を予定しております。 推進協議会の取組の評価をどうするのか、国民運動の全体の推進をどうするのかということ を主にご議論いただくこと、それから第3回を平成21年の10月ごろ、これは山縣委員にや っていただく研究班での調査のデータの収集状況によって時期がまた違ってくるかと思いま すけれども、その評価の指標、各指標の評価、それから推進方策の検討、今後指標をどうし ていくかということを検討していく。それから、推進協議会や実際の取組状況の評価、これ は1回で終われば第3回が10月ごろということですけれども、1回で終わらなければ2回、3 回とやることも場合によってはあるかと思います。最終的には平成22年の2月ごろにこの検 討会としての最終的な評価の報告書をまとめていただければと考えております。現時点では 4回の予定となっておりますけれども、場合によればもう少し回数が膨らむことになるかと 思いますので、委員の先生方のご協力をいただければと考えております。 ○柳澤座長  ありがとうございました。一応、今ご説明いただいたようなスケジュールで検討を進めて、 来年の2月ごろに報告書の取りまとめにかかるという計画をお話しいただきました。以上、 事務局からの提出資料、資料1から資料6に基づいて議事を進めてまいりました。  今回は第1回ですので、委員の皆さま方から簡単に一言ずつ、それぞれの専門分野で課題 となっていること、今後の5年間を見据えて新たに取り組むべきことなどについてご意見を 頂戴したいと思います。今までの議論の中で発言された方はごく短く、それ以外の方は自分 の分野に関して今後の取組へのご意見・ご要望などをお話しいただければと思います。残さ れた時間がちょうど20分くらいですので、できるだけ手短にお願いしたいと思います。それ では、井上委員から。 ○井上委員  井上です。歯科の方から少し報告させていただきます。私どもの指標としましては、3歳 児のう歯の話が出ておりますが、実は幼児期のう蝕といいますか虫歯はかなり現状で減って おります。ただ、少数の虫歯のある子どもが比較的重症な部分が多いのと、これがやはり育 児困難といいますか、虐待までいきませんけれどネグレクトの関連などが考えられておりま して、その辺の重症う蝕に対する対応が必要です。また思春期になりますと口腔衛生に対す る関心が非常に薄れまして、それが出産につながっていくというところが少し問題になって おります。結局は、今8020といって80歳までに20本の歯を残そうという運動があります。 といいますけれど、とても男女差がありまして、女性は8020の達成率が男性の半数です。そ ういう状況で、30代、40代とどんどん女性の歯科の指標が悪くなっております。その辺は、 やはり妊娠・出産からの絡みがあるのかということと、それからまた更年期の問題もござい ます。そういう中で歯科の方ですとなかなか妊産婦の歯科健診などを実行されている自治体 がまだ少ないといいますか、半分ぐらいでございます。妊婦健診の方は非常に最近手厚くな った状況ですが、妊婦の歯科健診に関しまして、また産婦の健診等に関しましても、まだ自 治体の取組が少し弱い部分がありますので、そういう部分も今後健診のところで検討してい ただければと考えています。よろしくお願いいたします。 ○柳澤座長  それでは順番に、今村委員。 ○今村委員  手短に。厚生労働省母子保健課のこの1、2年の行動を非常に評価しています。今後ともよ ろしくお願いします。 ○衞藤委員  では手短に申し上げますけれども、この資料の4にあります中に、一つ参照してはどうか と思うのは、昨年の7月に政府として「教育振興基本計画」というものを策定しております。 これは文部科学省でということではなくて内閣としてつくっているものですので、そこには 「健やか親子21」とかかわる部分、特に幼児期の問題等があろうかと思いますので、それも 参照することが必要かと思っています。  それから、全体のイメージとしましては、先ほど格差の問題などのご指摘がございました が、母子保健の水準を維持するという部分と、より発展させるという二つの視点でやはり見 ていくことが大事だろうと思っております。  それからあと一つ、子ども、特に時期でいうと幼児期の心や体をどのように健やかに育め るかということについて述べます。例えば産後うつ病などということもその女性自身が幼児 期にどのように育てられてきたかというのがリスクファクターだというエビデンスが出てき ています。第4課題に関連するのですけれども、幼児期の子どもの心の健やかな発達だけで はなくて、身体面の例えば体力の低下などにかかわる部分もやはり見ておく必要があるだろ うと思っております。 ○岡本委員  岡本です。先ほど少し話しましたので、前回の中間報告書のところで産婦人科医師不足は 本当に今も深刻ですけれども、「助産師は偏在」という言い方になってるのですが、やはり助 産師もかなり不足しているということがございます。現在、「助産所業務ガイドライン」の見 直しをやっておりますので、その結果からまた何か提案していければと思っています。 ○奥山委員  0歳から3歳の小さい子どもたちとそのご家族が日常的にすごせる地域子育て支援センタ ー・ひろば、こういったところの運営をしております。やはりこういった専門家の方々がお 持ちのいろいろな知見を具体的に子育て家族にどう伝えるかということが課題だと思ってお ります。このアンケートにしましても、次世代育成支援の行動計画のアンケートがほとんど の自治体で終わっているのではないかと思います。その辺りの結果も踏まえてうまく乗せて くことが大事ではないかと思っています。  また、乳幼児期の子育て家庭を見ていて思うのは、親子関係支援というか、そこが今、求 められていると思っています。アンケートの中でも「お父さんは育児をしていますか」とか、 「よく遊んでいますか」と相談相手のことを聞いていますが、それ以上にもっと親子関係が うまくできているのですかというところを踏み込んで聞いていかないと、「育児はしている」 とか「相談相手はいる」と言われるぐらいで終わってしまいますので、もっとここを踏み込 んで今の親たちのメンタル面を探っていかなくてはいけないのではないかと日ごろの活動を 通して感じております。 ○桑原委員  三つほどあるのですけれども、先日の「健やか親子21」推進協議会総会でも出ておりまし たように、国の予防接種行政のまずさ、長期展望のなさ、これは非常に子どもたちの健康に とって問題であります。特に最近問題になりましたヒブワクチンの問題、それから新日本脳 炎ワクチンの問題など、本当に現場は混乱しています。総会でもどなたか発言されて文部科 学省がその気になって各都道府県に通達していただきましたけれども、ぜひともそういうこ とをやっていただきたいのが一つ。  それから、今私どもの日本小児科医会では、子どもの心の相談員というのを養成しており ますが、今1,100まできました。もっともっと底辺を広げて、必要のある方は専門医に診て いただくようにしてあげたいと思っておりまして、それに協力していただきたいと思ってお ります。  それから3番目は、1989年でしたか、国際連合で児童憲章が批准されて7年遅れて日本は やっと批准した。しかし都道府県や指定行政都市などを見てみますと、それに伴うような条 例がほとんどないわけです。13大都市は先行してやっているところが幾つかあるのですけれ ども、ぜひこういう「健やか親子21」の基本になるような児童憲章を、ぜひともこの「健や か親子21」の中の一番のベースとして考えていただくようにお願いしたいと思っています。 ○齊藤委員  私は子どもの心の健康というところからかかわらせていただくことになると思いますけれ ども、個々の障害、疾患の指標よりも、やはり子どもの心の診療というものがいかにシステ ムとして日本全国に広がっていくかというところに一番大事な指標があるように思いますの で、そこを注目したいと思っています。以上です。 ○柳澤座長  ありがとうございました。それではこちらに移って迫委員。 ○迫委員  私は2点ほどお話しさせていただきます。1点目は近年の妊産婦の食生活指針、それから 授乳・離乳の支援ガイド、それから保育所における保育指針の中での食育の徹底、この辺の ところを盛り込んでいただいたことに対しては深く感謝申し上げます。ありがとうございま す。  それからもう1点ですけれども、栄養上の課題の中でも先ほどやせの問題をお話しさせて いただきましたが、やはり朝食の欠食の問題が今もこれからも一層大きな問題になるだろう と思っています。親世代の欠食率が非常に高いこと、それから1歳から6歳までの子どもの 欠食も5〜7%あるというところが出てきていまして、これから徹底的な活動が必要だろうと 考えております。以上です。 ○高山委員  私どもが思いますのは今回の「健やか親子21」は国民運動ということなのですけれども、 ぼんやりとした論点整理ではなくて、やはり公と民の役割分担を明確にできるような整理が されるべきではないかと思っています。といいますのは、今自治体は非常に厳しい行財政改 革が進行する中で、行政が果たすべき役割は非常に厳しく問われていまして、首長から問わ れていますし、住民の皆さんからも問われていまして、そういう意味で行政が絶対逃げては ならない役割は何なのかというものを明確にする必要があるのではないか。それと、対極に ある民の側も何でも行政に丸投げするということではなくて、民としてもしっかり果たさな ければいけない役割は何なのかといった論点をもっと明確にして、国民運動として整理をし ていただいたらよいのではないかと思います。 ○田中委員  東邦大学の田中と申します。多分社団法人日本産婦人科医会の常務理事ということも絡め ての出席だと理解しています。今日見てみますと、私は課題2のところの担当でいろいろや ってまいりました。今、大分意見が出ておりますが、何しろ産婦人科医師がいない、助産師 がいない、これでは安全・安心な医療を提供するのが非常に困難である。それを困難にしな いためには助産師、医師が自分の体力・時間を割かなければいけない。これであれば何しろ 恐らく満足度というところから見れば、アメニティをいくらよくしてもやる人の問題があり ますので、満足度が果たしてOKということになるかどうか非常に不安でございます。この課 題の中に満足度もありますが、「指導連絡カード」などもあります。そうすると私は東邦大学 ですが、大田区ではまずお産をするのに、妊婦さんの2人に1人はできない。要するに分娩 する施設がないわけです。そうすると、中小企業も多いところですから、そこに働いている 妊婦さんの具合が悪いので、連絡カードを書いてあげるよと言っても、いや書かないでくれ と、「あれを出すと、私は多分くびになる」ということで、要するに彼女たちも働きたいのだ けれども、休みたいのだけれども、どちらを取ろうか。これは今の社会情勢、先ほども話が 出ましたが社会の状況によっていろいろ妊婦さんや医療状況も変わってきますので、ではど うしたらよいか。今お話がありましたが、医療職の者もこういうことをやらなければいけな い、でも民の人も本来はこうしなければいけないということはたくさんあると思うのです。 では官の人はどうか。産婦人科医会でしたら性教育の問題や性犯罪の問題にも取り組んでい るのですが、どうも文部科学省と厚生労働省では、厚生労働省の方は一生懸命やっていただ くのですが、どうも文部科学省は頭が固いところがあるというところもありますので、ぜひ その辺のところは、官も民も当然自分たちがやらなければいけない医療職の者も、それぞれ の立場で、権利のみを言うのではなくて義務を果たすというところを社会に啓発していかな ければいけないと思っている昨今でございます。よろしくお願いいたします。 ○三上委員  失礼いたします。保育園の方をやらせていただきました三上です。よろしくお願いします。 今、保育園はいろいろな問題をどこの園でもたくさん抱えています。また、母親たちの心の 病という理由で入ってきている人たちも随分増えてきました。そういう母親たちへの支援、 言葉かけということもこれから学んでいかないといけないという大きな課題を持っています。 また乳児がたくさんいますので、入所のときにはやはり母親の喫煙状況や寝かせ方、SIDSに 関する基本調査は必ずさせていただいています。それで先ほどもアンケートのところで言お うかなと思っていたのですけれども、奥山委員がおっしゃったように、母親と子どもとの関 係が大変薄くなってきていると思うのです。私がここに入れてほしいなと思ったのが、「おむ つは1日にどれくらい替えますか」ということです。紙おむつができてから、替えなくても いいですよという宣伝でほとんどの方が紙おむつを利用して入所してきます。唯一保育園で は必死で布おむつをと叫んでいるのですが、園によっては布おむつをしているところも紙の ところもあるのです。それで、おむつを替えるときに声をかけたり、スキンシップというこ とを私たちはとても大事にして、心を育てるというのはそこではないかということでやって いるのですけれども、多分月齢でいえば皆さん紙おむつかと思うのですが、実は昨年4月に 初めて家庭から園へ入ってきたときに唖然としたことがあります。「先生、うんちをしなかっ たら紙パンツをはかせてください。その中でならうんちをしますから」といった声が母親か ら平気で返ってきているような子育ての状況で、現代の子育ての状況を一番もろに受けてい るのが保育園なのではないかと思っています。またアレルギーの子どもも本当に増えてきて、 給食室ではその対応に栄養士が奮闘しているような状況ですので、母親の子育てもですが、 保育園としては母親の子育ての支援にも力を入れてという、全般的なことをさせていただい ているというのが現状で、何ということはないですけれども知っていただきたいと思いまし た。ありがとうございます。 ○森田委員  母子保健の現場からまいりました、南健康福祉センターの森田と申します。乳幼児健診等 をやっておりまして、だいたい1単位で30人くらいの子どもがいらっしゃいます。平成の始 めころは30人が健診して5人くらいの子どもが発育・発達で継続して相談をされますが、今 は2倍で、30人健診をすれば10人が継続支援になっています。その増えた分がやはり母親 の育児不安ですとか育児能力からかかってくる問題ということなのです。それをもう少し掘 り下げて支援を継続していくと、生まれてからではもう遅いという、やはり妊娠中からのい ろいろなトラブルがあるというところで、安全なお産や良いお産ができるように私たち母子 保健も妊娠中からの取組を積極的にしています。現状としては、病院が見つからなかったり、 お金がない、望まない妊娠、そして、今日もニュースでやっていましたがDVの問題等さまざ まな要因から、妊娠中からの支援を必要としているというところで取り組んでおります。  こちらには初めて参加させていただいたのですけれども、実際にここ数年の動きというの は、この「健やか親子21」の中で決められたことが財政難の中でも、私たちの取組を後押し してくれているというのが現場の声ですので、私自身も勉強させていただきながら、一緒に やらせていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○柳澤座長  それでは山縣委員、付け加えることがあれば。 ○山縣委員  前回の中間評価のときに、やはり連携と情報の利活用ということがとても大切な点でした ので、これを今度は具体的にどのように実現していくかということについて、皆さんとご検 討できればと思っております。以上です。 ○柳澤座長  それでは、渡辺委員。 ○渡辺委員  児童福祉分野に身を置く者として、虐待予防もそうですし、子育て支援も、それから障害 のある子どもたちに対する対応という意味でも、母子保健との連携は非常に大切だと常日ご ろから感じております。  特にその中でも乳幼児健診については、私はこれを申し上げるためにここへ来ているつも りなのですが、単に健康のチェックや発達のスクリーニングの場というだけではなくて、こ こをぜひとも多様な児童福祉にもかかわるさまざまなサービスへの入り口というかエントリ ーとしてしっかり位置付けていただきたいと思っています。  とかく最近はモンスター扱いされたり、いろいろなご批判を受けることが多い日本の母親 たちですけれども、それでも、役所からハガキ1枚で何月何日に健診がありますから来てく ださいといえば90%以上の母親たちが子どもを連れてやってくるわけです。仕事をしている 母親たちは仕事を休んで来られるわけですから、私は今の母親たちはよく子育てをしている と思っています。地域の関係もずたずたに切れて孤立している中で、よく子育てをしている と思っています。その親御さんたちをどう支えていくかというときに、ハガキ1枚で90%以 上の母親たちが子どもを連れてやってくるという、この場を最大限に活用するということは 非常に重要だと思っています。  先ほどの中間報告の中にもありましたように、健診の満足度は30%というのは、私には非 常によくわかります。それはなぜかというと、母親たちと話していて、よく言われるのは「と にかく1時間とか1時間半の待ち時間は耐えられない」ということです。私どもの保健師で さえ「うちの子どもでも30分が限界でしょうね」と言っているぐらいですから、発達障害の 子どもを連れてくる母親は非常にその時間が苦痛で、その時間をもっと有効に生かすべきだ と思っています。  例えば、その場に奥山委員の所のような子育ての出張広場をやって子どもたちと一緒に遊 ばせることができたり、地域の障害や発達関係のいろいろな専門職が来ていて自由に相談が できる場があったり、それから自治体によっては健診などに住民の方々がブックスタートな どで参加されていて、そこが住民の方々との出会いの場になっているというような取組も始 まっている所もありますので、ぜひ、母子保健だけの場ではなくて母子保健が中心ですけれ ども、そこに多様な専門職あるいは地域の方々が集まってきて、特に0歳児健診などは初め て母親がそこへデビューしてくるわけですから、そこでの印象はやはり非常に大事で、そこ でこれから自分はいろいろな方々に支えられて子育てしていけるのだという安心感を得られ るかどうかという意味でも、ぜひとも乳幼児健診の在り方については、この報告書の中にも ありますが、母子保健と他の専門職との関連、地域との連携という位置付けの中で、しっか りと地域とのつながりを得るためのエントリーとしての位置付けをしっかりしていただける と大変助かります。児童福祉部門にいる者としては、そのように常に思っております。以上 です。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。委員お一人お一人から大変建設的かつ貴重なご意見を伺 いました。今お述べいただいたご意見なども十分に考えながら、2回目の中間評価を進めて いきたいと思いますし、それに向けて委員の皆さま方にはご協力・ご支援をお願いしたいと 思います。  それでは最後に事務局から、お願いします。 ○宮嵜母子保健課長  柳澤座長、どうもありがとうございました。今後、事務局と研究班とで協働して、あるい は省内の関係部局あるいは関係省庁とも連携して準備を進めてまいりたいと考えております。 委員の先生方には1年間、さまざまなご助言を賜ることになるかと思いますので、どうぞよ ろしくお願い申し上げます。  次回につきましては、先ほど申し上げましたように7月ごろと考えておりますが、具体的 な日程につきましては、また改めて調整させていただければと考えております。  それでは、これをもちまして「第1回『健やか親子21』の評価等に関する検討会」を閉会 させていただきます。どうもありがとうございました。 ○柳澤座長  どうもありがとうございました。 照会先:厚生労働省 雇用均等・児童家庭局  母子保健課 山口 内線 7940