09/03/24 第41回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録   第41回労働政策審議会職業能力開発分科会                                                   日時 平成21年3月24日(火)        10:00〜          場所 中央合同庁舎7号館共用会議室1(9階) ○今野分科会長 ただいまより、「第41回の労働政策審議会職業能力分科会」を開催しま す。  本日は水町委員、高倉委員、滝澤委員、大野委員、山野委員がご欠席であります。まず議 題の前に委員交代がございますのでご報告させていただきます。お手元に参考資料1という のがございますのでご覧になってください。長谷川委員に代わりまして、同じく日本労働組 合総連合の花井委員がご就任をされましたのでよろしくお願いします。 ○花井委員 花井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 ○今野分科会長 それでは厚生労働省に人事異動がありましたのでご紹介いたします。基盤 整備室の福味室長です。 ○福味室長 福味と申します。よろしくお願いします。 ○今野分科会長 それでは議題に移ります。今日はまず全体としては3件の諮問案件と4 件の報告案件がございます。更に報告案件の中の1つに「その他」というのがあるのですが その中がまた7つぐらいに分かれてますので、今日は報告案件が多いので効率的に進めたい というふうに思ってます。  まず1番目から3番目の議題、諮問案件ですが、まず説明をしていただいて議論をしたい と思います。諮問案件は「職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱につい て」と「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について」と、もう1つは「介 護労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱案につい て」です。これらについては厚生労働大臣から労働政策審議会長宛に諮問がなされていると ころであります。これを受けて本分科会において審議を行うものであります。まず内容につ いて事務局から説明をお願いします。 ○姉崎総務課長 それでは資料を一括してご説明をさせていただきます。最初に、資料の 1-1は職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案の関係でございまして、1頁目 は諮問文でございます。2頁目のところで省令案の要綱が付いております。それから5頁目 のところに、省令案は2つございましてもう1つのほうの諮問、それで6頁のところで改正 の省令案の要綱というふうになっておりまして、中身につきましては資料の1-2というほう でご説明をさせていただきます。いま見ていただきましたように省令案2つございますけれ ども改正点は3点ございます。資料の1-2の最初の頁のところですが、最初の省令のほうは 2つありまして1つは「技能検定関係」、それから2つ目が「認定実習併用職業訓練関係」 でございます。それぞれ別紙でまたご説明させていただきます。2頁のところに技能検定の 関係のものが書いてあります。「改正の趣旨」というのがありますけれども、現在、技能検 定136の職種について厚生労働大臣が実施をすると、こういうふうになっていますけれど もその一部の職種、ファイナンシャル・プランニングですとかビルクリーニングですとか現 在11なんですけれども、民間の指定試験機関に試験業務を行わせることができるというふ うになっておりまして、民間の機関に実施をさせているところでございます。それで、その 次のパラグラフにあるのですが昨年の3月31日に行政改革推進本部というところで、「国 からの指定に基づき特定の事務・事業を実施する法人に対する国の関与等に係る見直しにつ いて」というちょっと長いんですが閣議決定をされておりまして、ここの中で平成20年度 中、今年度中に指定試験機関の指定基準に関するいろんな事項をその内部の通達等で定めて たものを、それでは駄目で法令あるいは告示等でちゃんと定めなさい、とこういうことが決 められましたので今般、職業能力開発促進法施行規則の中で定めるというようにしましょう と、こういうことでございます。それで何を定めるのかというのがこの今回の主な改正内容 というところでございますけれども技能検定の指定試験機関にかかる指定の基準というこ とで具体的な指定の基準としてその試験業務の実施にかかる計画におきまして職員、それか ら事務所の確保、試験業務の対象、経理区分の整理にかかる基準が定められていること、そ れから全国的な規模で継続して毎年1回以上技能検定を実施できる資産、能力があること、 試験業務以外の業務を行っている場合にはその業務により試験業務が不公正になるおそれ がないこと等々を規定をするということでございます。併せて1つのその技能検定職種につ いて2つ以上のその指定試験機関が実施するというようなときの取り扱いの基準ですとか、 指定の申請方法等についての規定の整備を行うというようなちょっと技術的なものでござ います。  それから3頁目のところが行革本部の決定の本文でございまして4頁目のところで上か ら3つ目のところでこの技能検定のところに平成20年度中に措置しなさいということが書 いてあるものでございます。以上が1つ目でございます。  それから2つ目の改正がジョブ・カードの関係なんですけれども7頁でございます。ジョ ブ・カード制度で提供する訓練の中には「雇用型訓練」と「委託型訓練」というのがありま すけれども、この雇用型訓練の内の「実践型人材養成システム」でございますけれども、こ れは新規学卒者を中心に15歳以上35歳未満の若年者を対象というような年齢のその要件 を付けているところでございますけれども、政府の行うその若年者対策全体が30代後半の 方々も対象にしていく、支援をしていくということの考え方に合わせまして対象の年齢を 15歳以上40歳未満というふうに年齢要件の緩和をする、こういうような中身のものでござ います。  それからもう1つの省令で3点目でありますけれども8頁でございまして、こちらも少し ややテクニカルなものでございますが、主にその新規高卒を対象とした普通課程の職業訓練 の訓練基準の見直しでございます。「職業能力開発促進法施行規則(規則別表第2)」と書い てありますけれども公共職業能開施設、訓練施設で実施する職業訓練につきましてはこの規 則別表というところで主な訓練科目毎に標準的なその訓練内容等を示しているものでござ います。それで平成18年度以降、その科目の見直しを順次しておりますけれども中段右側 のほうに書いてあります、今年度は「建築・土木分野についての見直し」をいたしましてこ の4月から新しい基準で実施するために見直しをするというものです。それで中身ですが、 下のほうでございます。建築・土木分野の関係でまずインテリア・サービス科というのがご ざいますけれども、近年のインテリア業界では建築主とか現場監督等へのプレゼンテーショ ンが要求されるようになってきているということでこの能力を修得できるように科目、教科 を整備するということでございます。それから建築物の建築設備の施工にかかる訓練科なん ですけども、冷凍空調設備科、配管科及び住宅設備機器科がございます。これらは近年ISO とか省エネルギー等の環境に対する知識が要求をされているということで教える教科の中 に「環境工学概論」の追加をするというような見直しでございます。以上が能力開発促進法 の関係でございます。  それから次が雇用保険法施行規則の関係です。まず、資料の2-1のほうは雇用保険法施行 規則等の一部を改正する省令案要綱の諮問文でございますがその次の頁に省令案の要綱が 付いておりますけれども「キャリア形成促進助成金の改正」でございます。キャリア形成促 進助成金の中の労働者の自発的職業能力開発を支援する部分の内容の拡充ということにな っております。説明は資料の2-2というほうで説明をさせていただきます。「新旧対照表」 というふうになっております。左側のほうが現行でございますけれども、事業概要というと ころに書いておりますが事業主が事業内職業能力開発計画に基づき作成した年間計画に基 づいてその雇用する労働者の申し出によって(1)、(2)ですね、それぞれのことについてのその 経費を負担するような場合にその費用の一部を助成するということで中小企業3分の1、大 企業4分の1ということで助成をしているところですけれども、右側のほうで平成21年度 ですけれどもこのそれぞれ現行ある助成率を中小企業については2分の1、大企業について は3分の1に拡充をするということでございます。それからもう1つが(3)ということで新し い措置として労働者の自発的な能力開発のための時間的配慮を行う企業に対する助成措置 というものを新規に設けるというものでございまして、2つございます。1つ目は最初の○ のところにあります「自発的職業能力開発時間確保措置を実施した場合」ということで※が 付いておりますけれども労働者が夜だと学校に行くとかいうことを踏まえましてその始業 及び終業時間を変更する、勤務時間を短縮する、あるいは時間外労働を制限するといったよ うなことを「自発的職業能力開発時間確保措置」というふうにしてますけれども、この制度 を利用して労働者がその教育訓練機関の講座の受講を受けた際の受講料を事業主が負担し た場合にその経費についてあるいはその間に支払った賃金について大企業については3分 の1、中小企業については2分の1を助成をするということでございますけれども、この制 度を導入するに当たりまして制度導入費として30万円、制度利用者1人当たりまで発生し たときに5万円を支給するというような中身でございます。それからもう1つが3つ目の○ でございますが長期教育訓練休暇期間中に関する助成ということでございまして、従業員が 長期の能力開発休暇を利用して教育訓練機関の講座など受講した際の授業料を事業主が負 担した場合にその経費についてあるいはその間に支払った賃金について、大企業が3分の1、 中小企業については2分の1の助成をするというものでございまして、これにつきましても 制度を導入し、実際に従業員が利用した場合に制度導入費として30万円、制度利用費1人 当たり10万円を別途支給をするというような拡充のものでございます。特にいま舛添大臣 が少し職業生涯の節目の中で長期の休暇をとるというようなことを普及してはどうかとい うようなこともございまして大臣の意向も踏まえまして平成21年度、こうしたことを新規 に取り入れるというような中身でございます。このキャリア形成促進助成金の平成21年度 予算全体として約60億円ございますけれども、この(1)、(2)、(3)の労働者の自発的な能力開 発に関する支援の部分につきましては約、合計で予算額としては約7,000万円を予定をして いるところでございます。  以上が雇用保険法施行規則の関係でございまして3つ目が資料の3-1で、介護労働者の雇 用管理の改善等に関する法律施行規則の一部を改定する省令案要綱の諮問文とその次の頁 が要綱でございます。すみません、これも3-2というのがありまして3-2で説明をさせてい ただきますが、これも先ほどの技能検定と同じでございまして1の「改正の趣旨」でありま すけれども、介護労働者の雇用管理の改善に関する法律に基づきまして厚生労働大臣が介護 労働安定センターという法人を指定をするというふうになっているのですけれども、先ほど の行政改革推進本部の決定を踏まえましてこの介護労働安定センターの指定に関する基準 というものを法令で、規則できちんと定めなさいということですので定める、こういうこと でして2の「改正内容」でありますけど、以下を第2条の2として加えるということでして 指定の基準ということで必要な職員が確保されていること、必要な事務所、その他の設備が 確保されていること、経理が申請者の行う他の業務他の業務に係る経理ときちっと区分され て整理されていること、介護労働安定センター業務以外の業務を行っている場合にはその業 務を行うことによってそのセンター業務が不公正になるおそれがないものであることとい ったような指定の基準として規則に定めると、こういうようなものでございます。  以下は参照の条文でございまして4頁、5頁のところは行革本部の決定の該当部分のとこ ろでございます。  簡単でございますが、以上でございます。 ○今野分科会長 それではただいまの説明についてご質問、ご意見がございましたらお願い いたします。いかがでしょうか。ございませんか。いちばん最初、案件が多いから効率的に と言ったのが意見を抑えているようでしたら撤回しますけど。よろしいでしょうか。                (異議なし) ○今野分科会長 それではいま説明のありました諮問案件、3件ですけど、これについては 妥当と認める旨の報告を私から労働政策審議会会長宛に行うということにしたいと思いま すが、よろしゅうございますでしょうか。                (異議なし) ○今野分科会長 ありがとうございます。それではそのように報告をさせていただきます。 続いて4番目の議題は、「職業訓練実施計画(平成21年度)の概要」についての報告です。 事務局からお願いします。 ○美濃能力開発課長 それでは職業訓練の実施状況並びに職業訓練実施計画(平成21年度) につきまして報告をさせていただきます。昨年来、雇用状況の悪化が続く中で、職業能力開 発分野において、雇用のセーフティネットの一翼を担う離職者訓練等につきまして対応を取 ることが求められております。こうした中で、昨年、政府においては生活対策や生活防衛の ための緊急対策等に基づきまして、2度にわたる補正予算並びに平成21年度予算(案)に おいて必要な対策を盛り込んで、一部既に実施をしてきたというところです。  まず、「平成19年度の公共職業訓練の実施状況」につきまして御説明を申し上げます。 資料4-2の2頁をご覧いただきたいと存じます。平成19年度の実施状況については、全体 で約27万6,000人ということで、平成18年度から比較しますと約6万1,000人減となっ ております。これは当時の雇用失業者情勢を反映した計画数になっておりまして、実際の受 講者数についても減少ということです。平成19年度から新たに年長フリーターといった真 に支援を必要とされている方への訓練といったことで、支援の重点化を図ったところです。  資料4-2の3頁、平成20年度の、特に「離職者訓練の実施状況」については、離職者訓 練の計画数につきましては15万人ということで、平成21年1月末ないし平成20年12月 末等の執行状況が約11万7,000人となっておりまして、執行率は77.3%ということで、ま ずは順調に推移してきているかと存じます。  資料4-1の1頁、平成21年度の「職業訓練実施計画」については、下線部が平成20年 度からの計画の変更点となっております。  まず1「計画の目的」については、平成21年度中における職業訓練対象者数を明確にし て、計画的な訓練の実施を通じて、労働者の雇用の安定等を図っていこうというものです。  2「労働市場の動向」の2番目、雇用失業情勢につきましては、下線部のところですが、 厳しさを増していると。今後はさらに離職を余儀なくされた非正規労働者の方の離職の増加 が見込まれる次第です。  そうした中にありまして、離職者の再就職の実現に資する多様な職業訓練を効果的に実施 していくことが重要であるということです。特に、これまで能力形成機会に恵まれていなか った方に対してジョブ・カード制度を推進して、2頁目になりますが、安定した雇用の移行 を促進していきたいということです。  3「実施する職業訓練の対象者数及び主な取組」については、(1)「離職者訓練」の対象者 数につきましては17万3,300人となっております。うち民間教育訓練機関への委託訓練の 実施分が14万人となっております。この委託訓練のうち3,800人分につきましては、介護 福祉士の資格取得を支援する2年間の訓練として設定しております。さらに1万人につきま しては年長フリーターの方を対象とした職業訓練として、3,000人分につきましては、基礎 的な能力を向上させる実践的な職業訓練への橋渡しとなるような職業訓練として実施をし たいと考えております。  主な取組としては、住居喪失不安定就労者の方、あるいはその配偶者からの暴力を受けた 方、刑務所を出所された方等、求職者の特性に応じた訓練を新たに実施していきたいと思っ ております。さらに効果的な公共職業訓練の実施のための取組として、安定的な雇用の実現 のために長期間の訓練、先ほどの介護福祉士の2年間の訓練や6カ月の委託訓練という形で 長期間の訓練を積極的に設定していきたいと考えております。  (2)「在職者訓練」の対象者数につきましては、5万7,000人ということになっています。 真に高度なものに特化をしていくということです。  3頁目、(3)「学卒者訓練」関係の対象者数は6,300人ということです。  さらに、(4)「障害者に対する職業訓練」として、1万3,600人を設定しております。う ち民間教育訓練機関等への委託訓練としては9,600人となっております。障害者の関係で申 し上げますと、委託訓練におきまして新たに在職の障害者を対象とした委託訓練を実施して いきたいということです。以上です。 ○今野分科会長 ただいまの説明について御質問、御意見をお願い致します。 ○花井委員 質問ですが、在職者訓練につきましては、能力開発機構で行う在職者訓練につ いても雇用調整助成金の対象になるのかということですが、いかがですか。質問でございま す。 ○美濃能力開発課長 雇用調整助成金の教育訓練の対象になれば、ポリテクセンターと言い ますか、雇用能力開発機構で行う職業訓練についても対象になるということです。 ○花井委員 もしそういうことであるならば、今回のこの計画を見させていただくと、離職 者の訓練のところは対象者数が大変増えているということですが、在職者訓練と学卒者訓練 のところの計画上人数が減っていると示されておりますが、先ほど大変雇用情勢が厳しいと いう御報告がありましたように、在職者訓練を行うことで雇用調整助成金を活用して雇用を 維持するということがこれから大変重要になってくるかと思うのですが、これをどうして減 らしたのかなというのが1つです。  それから、学卒者訓練につきましても、高卒の内定率が大変落ち込んでいるという報道も されており、能開機構で行う訓練については非常に訓練費用が安いとか、就職率が高いとか プラスの面があるかと思っているものですから、これらをむしろ増やすべきではないかと考 えておりますが、この2つについて計画上の対象人数を減らした理由についてお聞かせいた だければと思います。 ○美濃能力開発課長 まず1点目の在職者訓練の関係について、どうして減らしたのかとい う点については、これは独立行政法人雇用能力開発機構法上、真に高度なものに特化すべし という規定がございます。その規定を受けてこういう形になっているということです。  2点目の、雇用調整助成金を活用して、教育訓練を行う事業主の方が増えてきているので はないかとの御指摘ですが、雇調金を活用して教育訓練を行いたいということで、例えば相 談がハローワークなりにあった場合には、機構の都道府県センターの方へ積極的に誘導する ようにとの通知を職業安定局から出しておりまして、それを受ける形で機構のポリテクセン ター、すなわち職業能力開発促進センターにおきましても、例えば職業訓練指導員の派遣や 施設を提供したりとか、真に高度以外の在職者訓練といいますか、教育訓練的なものを事業 主支援としてできないか、きちんと取り組むようにということで、当局からも関係する機構 の方に通知を行っているところです。  さらに加えて申し上げますと、ポリテクセンターの離職者訓練並びに在職者訓練の施設の みならず、こうした雇用情勢が厳しい状況にあるということで、ポリテクカレッジという学 卒者訓練の施設も活用して、教育訓練的な事業主支援ができないかということで、それにつ いても積極的に取り組むように、当局から雇用能力開発機構の関係部局に通知を行っている 状況です。  2点目の学卒者訓練の関係については、平成20年度の応募状況と平成21年度の応募状況 を比較しますと、応募倍率につきましては、実際、それほど数字としては変わっていないと いうことです。いずれも1.5倍弱ということになっております。これは雇用・能力開発機構 の見直しの論議の影響もあったのかもしれませんが、実際上の数字としては、応募倍率自体 はそんなには変わっていないということです。訓練の計画数を減らした理由については、平 成18年に、総務省に設置されている政策評価・独立行政法人評価委員会から、学卒者訓練 を行っているポリテクカレッジにおいて、訓練ニーズ、あるいは訓練実績等も勘案して、訓 練定員の見直しを行うべしという勧告の方向性というものが出されております。それを受け る形で今回見直しを行ったということです。中期目標・中期計画にも、その旨の記述がある ということです。  具体的な考え方としては、最近の応募率、あるいは入校率等が100%を切っているような ところについては見直しを行っていくということで、具体的には情報技術関係を電子技術関 係と再編するような形で、電子技術科と情報技術科を電子情報技術科に再編するという形を 取りまして、訓練の定員数の見直しを行ったということです。積極的に捉えれば、電子技術 と情報技術双方を持った高度実践技能者といったニーズも高うございますので、こういった ニーズに応えていくという観点から再編を行ったということです。 ○花井委員 私は離職者訓練を相当数増やしたというのは、それはそれで重要なことだと思 っているのですが、そうしますと、これは決して予算上の制約で特化して重点化したという ことではなくて、平成18年の政策評価に基づいてということですね。その確認です。 ○美濃能力開発課長 学卒者訓練の方は、いま御指摘にありました平成18年の政策評価・ 独立行政法人評価委員会の勧告の方向性に基づきまして、それを踏まえて今回見直しを行っ たということです。 ○今野分科会長 他にいかがですか。 ○黒澤委員 今のお話に関連するのですが、私も在職者訓練というのは、ますます今後離職 者訓練のところでワークファースト的な傾向が強まる中、在職者にもやはり訓練の機会を与 えるというのは非常に重要で、先ほどのキャリア形成促進助成金でもそういったことが充実 化されたばっかりで、中小企業の方々の統計を見ても、こういった公共職業訓練機関で中小 企業の在職者が訓練を受けるという数字が多いですし、実態もありますので、在職者訓練の ところで定員が切られているというのはちょっと残念です。  それに関連して、私もよく分からなくて、資料4-2の1頁のところに、在職者訓練総数で 平成20年度と平成21年度というのがあって、対象者数が、例えば平成20年度は8万4,000 人で、備考のところで(8万4,000人)とそのまま書いてあって、注を見ると備考欄の中の ものは、例えば在職者については能開機構でやっていると。そうすると、在職者訓練はすべ て能開機構でやっているということで、都道府県はこの中には入っていないということです か。 ○美濃能力開発課長 資料4-1の3頁目をご覧いただければと思います。その一番下のとこ ろに※で書いてありますが、訓練実施計画数については、都道府県が実施する公共職業能力 開発施設内、いわゆる訓練校内での訓練を除くとなっております。これはどういうことかと 言いますと、資料の1頁の「参考」をご覧いただければと思います。そもそも計画の設定自 体が、国が設置する訓練校が行う職業訓練と、国が行う前条第1項ただし書に規定する職業 訓練は委託訓練ですが、その2つにつきましては計画に基づいて実施をするということにな っております。御指摘がありましたように、都道府県の訓練はこの計画の中には含まれてい ない整理になっているのです。そういった整理に基づいて作られた計画であるということで 御理解をいただければと思います。 ○黒澤委員 理解しました。つまり、ここに書いてある削減された在職者訓練の対象者数と いうのは、そういう意味で能開機構でのみ行うということで、真に高度なものだけと。  私が追加したかったのは、都道府県で行われている在職者訓練の中には、いわゆるオーダ ーメイド訓練とか、積極的な地域の中小企業の事業所のニーズを踏まえた、それこそ訓練科 の設定というよりも訓練の内容の柔軟なコーディネーター的な役割というものを、都道府県 における公共職業訓練機関が行っているという認識で、そこの部分というのは今後拡充して いくべきだと思いましたので、その余地はこの計画の中にも含まれているという理解でよろ しいのでしょうか。 ○美濃能力開発課長 都道府県の方でも、平成21年度計画で申し上げますと、約7万500 人ぐらいなのですが、在職者訓練を行う予定になっております。都道府県の場合は、機構サ イドで真に高度なということになっておりますが、それに対して、比較的基礎的な部分を中 心に行っているということです。 ○今野分科会長 ついでに。都道府県の方は増えているのですか、減っているのですか。 ○美濃能力開発課長 都道府県の方も在職者訓練につきましては、若干減少しております。 ○今野分科会長 いま黒澤委員のコメントの前半で「残念だ」という感想があったのですが、 それに対して何かありますか。 ○黒澤委員 都道府県の数字はそんなに増えてはいないということです。 ○美濃能力開発課長 これも機構の独立行政法人の全体の予算の関係がございまして、毎年 毎年いわゆる運営費交付金といいますか、そういった予算につきましては削減の状況にある という次第でありまして、こういった状況にもなってきているということです。 ○草野職業能力局長 全体として独立行政法人の予算を増やすということが、いま行革とい う流れの中で難しかったという事情がございます。その中で離職者訓練にかなりシフトして おりますので、その分はどこかで削らなければいけないみたいな話に現在なっているのです。 国の方はそうですし、都道府県の方はまた予算が非常に厳しいという状況の中でドンドン地 方の財政が削られているというのが実態で、国も県も縮小しているという状況です。  ただ、こういう雇用失業情勢になりますので、当然あとで述べますが、大幅に訓練をやら なければいけないという要請がございますので、来年度の補正とか、そういう話も出てます し、労使からもいろいろ御意見をいただいております。与野党でもそういう議論があります ので、ここはそういう状況はまた別として、今の雇用失業情勢にどう対応するかという観点 からの議論というのは当然必要になってくるという状況です。 ○井上委員 資料4-2の1頁ですが、職業訓練実施計画の対象者数というところで、今お話 がありましたが、離職者訓練の方にシフトをしているということで、予算も多く付いている ということですが、そうは言っても、委託のところで母子母等に関しては、平成20年度と 比較すると、対象者数が減っている状況にあると思います。これがどういう理由なのかとい うことを教えていただきたいというのが1つあります。  母子家庭の母に関しては、特に現場の方で話を聞くのですが、やっぱり、子どもを抱えな がら訓練を受けなければいけないということで、非常に受ける講座も限られてくる。あるい は最近IT関係が機構から外れているということもあるようで、そうなってくると、受講し やすい講座が結果的になくなってきていて、母子家庭の母の皆さんが訓練をする講座がなく なってきているという状況があるというのも聞いています。そういう意味では、離職者訓練 にシフトしていながらも、そういういちばん弱い立場の人たちが訓練を受けられない状況に なっているのではないかと思いますので、前年と比べて26.3%も減っているというところ についての御説明をお願いします。 ○美濃能力開発課長 母子家庭の母親の職業的自立支援事業、この項目ですが、これは平成 20年度の予算額が3,000人に対して、平成20年度の訓練開始数が1,846人ということで、 こうした状況の中で平成21年度の訓練実施計画の対象者数を2,200人程度に設定したとい うことが1つございます。  一方、母子家庭のお母さんに対しては、能力形成機会に恵まれない方が多いかと思います ので、むしろ民間教育訓練機関における座学と企業における実習等を組み合わせたデュアル システムの方で、実践的な職業訓練プログラム、委託訓練活用型のデュアルシステムの方で 数を増やしていって就職に結び付けていきたいと考えております。  これはなぜかと言いますと、母子家庭のお母さんの職業的自立支援事業の就職率は 72.7%なのですが、委託デュアルの方が若干高くて76.9%という数字で、そちらの数を増 やすことによって対応していきたいと思っております。  IT関係の訓練が機構の関係から減っているのではないかというお尋ねだったかと思いま すが、これは離職者訓練全体の数で、都道府県の訓練校における訓練も含めての数で申し上 げますと、平成20年度の15万人から平成21年度は19万2,000人ということで約4万人 を超えて計画数を増やしているということです。この計画数は、失業率が5.4%であった平 成14年度の18万人の実績を超える水準となっています。そうした中で、従来の3カ月訓 練は、都道府県からの委託訓練という形になるのですが、都道府県の委託訓練をかなり増や していますので、IT関係や介護関係も含めた3カ月訓練につきましては訓練数の拡充を図 っているということです。拡充は1万7,500人を超える数になっております。  さらに長期間の訓練として6カ月のIT訓練や介護福祉士の2年間ということで、長期間 の訓練も1万7,500人程設定したいと思います。これは都道府県からの民間教育訓練機関へ の委託訓練という形ですが、新たに実施をしていきたいと考えております。  託児サービスと言いますか、母子家庭のお母さんが訓練を受ける場合のケアという点に関 しては、平成21年度予算案につきまして、まずDV被害者の方から特に手厚い支援が必要 な母子家庭のお母さんに対して、精神的なケア等細かな配慮をした上で、訓練を行っていく ということで考えております。その訓練におきましては、320人程ですが、託児サービスに ついても併せて提供していきたいと考えております。その実施状況を踏まえながら、今後も お子さんを有される母子家庭のお母さんが安心して訓練を受講していただけるように、積極 的に検討していきたいと考えております。 ○今野分科会長 よろしいですか。他にいかがですか。 ○玄田委員 今お話があった離職者訓練のところで1つ伺いたいと思います。2頁目の「主 な取組」の下線部です。ここに書いてあるいくつかの事例については、直近の状況で大変深 刻さが増している部分についての重点的な施策という意味で理解しておりますが、これはあ る種例示であるのかどうか。つまり、例えば「住居喪失不安定就労者」と書いてありまして、 特に住居喪失というところが今の雇用情勢の中での新しい対象としてよく理解できるので すが、2003年ぐらいの状況のときを考えますと、不安定就労者もこれから増加する可能性 はありますが、一方で不安定就労すらも断念した無業者というのもこれから大変増えていく 可能性というのが、過去の状況を見て考えたときに、これはあくまで住居喪失の不安定就労 者に限定しているのか、それとも完全失業者もそうですし、ニート状態も含めて就職断念者、 つまりは無業者も含めて施策を検討されているのかということをまず1点伺いたいと思い ます。  同じ意味で、今まさにDVの話もございましたが、昨今の状況を見ますと、もちろん配偶 者からの暴力というのも大変大きな問題ですが、やや問題なのはその配偶者関係だけではな く、ある意味では家族全体の中でのネグレクトもそうですし、親子間での貧困の再生産と呼 ばれるような、いま家庭内の問題というのは単に配偶関係だけに限定されないのではないか。 むしろ家庭内では様々な厳しい状況にある人々というのが、今の離職者訓練を必要とすると ころに含まれているのではないかという認識もございます。  同じ意味で、ここでは刑務所ということで非常に踏み込んだ施策であることも理解できま すが、ここには刑務所に限定されるのか、例えば少年院等の別途の施設とも考えているのか ということで、あくまでこれが1つの象徴的な事例という意味なのか、少なくとも来年度に ついてはここに限定してということなのか1つお聞かせいただければと思います。 ○美濃能力開発課長 まず全体の離職者訓練の中で、いま御指摘があった無業者といった方 も含めて対応していくというのは基本的な方針だと思います。その中で、より配慮といいま すか、いろいろな方に対して訓練コース、カリキュラムも含めて一定のものを設定して対応 していくということで、例示として書いたものということです。  例えば住居喪失不安定就労者の方ですと、既に愛知、大阪で10名程度ずつスタートして おりまして、平成21年度においても数十名単位の規模になるかもしれませんが、対応して いきたいということです。  刑務所の関係は、茨城の方で法務省が設置している自立更生支援センターというのがあり まして、そこと連携をしながら、まずは1歩といいますか、モデル的にそういった訓練を行 っていきたいと考えているということです。  全体の無業者関係はこれから増えてくるのではないかという御指摘ですが、現在、労使、 あるいは与野党からいろいろな御提言等をいただいております。そういった中で、行政とし てもいろいろな観点から検討していく必要があるのではないかと考えている次第です。また 後ほど御説明することになるかと思います。 ○今野分科会長 他にどうでしょうか。 ○玄田委員 就業困難者を広くという意味で理解いたします。もう1点別の観点で、3頁の 障害者に対する職業訓練のところで、これは若干超越的な質問になって恐縮ですが、ここ最 近の障害者に対する訓練のことを考えてみますと、まさに現場レベルでもそうですし、現状 の中でも、グレーゾーンという言葉を頻繁に耳にするようになっている印象がございます。 つまりは、障害者手帳を持っているというのであれば、まさに障害者として認定されて様々 な施策というのが対応なのですが、一方で、いわゆる障害者手帳を持っているという段階で はなく、従来考えていた職業訓練を施す前段階で立ち止まっている、つまりは日常生活、基 本的な生活習慣等について非常に困難を抱えている人々が実は多いのではないかと。それを 示唆するのが数年前に確か厚生労働省がジョブカフェ等々に訪問する方々について、社会経 済生産性本部と連携して調べた調査の中で、確か3割弱の方が何らかの障害に類するような 状況にあって、より特別なサポートを必要としているのではないかといったような報告をな されたような記憶がございます。  そう考えますと、もしかしたら障害者と言ったときに先のグレーゾーンと考えると、大変 これは人権上の問題等もあって非常に難しい対応ではあるかと思うのですが、いわゆる厚生 行政と雇用能力開発との狭間であって、サポートがない層というのが実際には少なからずい るのではないかという問題意識を持って、少なくとも検討等を始める段階に来ているのでは ないかという印象がございます。  そういう意味で障害者に対する訓練といった場合に、従来と同様な形の方々を対象として いるのはもちろんですが、その層については広く検討する段階に来ているのではないかとい う問題意識についてどのようにお考えであるか少しお聞かせいただければありがたいと思 うのですが、いかがでしょうか。 ○美濃能力開発課長 直接のお答えになるかどうかということはありますが、まず1つ、来 年度に考えているのは、先ほども申し上げた橋渡し訓練というものがございます。これは例 えばニートの方や非正規労働者の方、あるいは職業訓練プログラム、実践的な訓練プログラ ムを受けたいのだけれども、なかなかその選考に受からないような方というのが実際上おら れます。そういった方に対して、まずは1カ月なり3カ月程度基礎的な学力の向上とか、あ るいはヒューマンスキルとか、そういった観点からまさに「橋渡し」訓練を行った上で、実 践的な訓練プログラム、座学と実習を組み合わせたデュアルシステム等につなげていくこと はできないかということで考えております。  障害者の訓練ということで申し上げますと、3頁目のところで、若干書いてあるのですが、 一般の公共職業能力開発施設でも障害者向けの訓練コースを設定して、モデル的にやってい こうという取組を行っています。これは障害者校ということで言いますと、もちろん数も限 られていますし、逆に心理的にハードルが高いという方もおられるということで、一般校の 中で受け入れて訓練コースで、それは特別な障害者向けということになるのですが、一般校 の中で訓練コースを設定して受け入れていく中で、ある程度いろいろな方とも接触しながら、 より社会性を身につけていただいて、次のステップにつなげていくことができればといった モデル事業的なものは行っております。そういうところを活用しながら、御指摘があったよ うな方については対応できればと思っております。 ○今野分科会長 よろしいでしょうか。それでは次にいきたいと思います。次は5番目と6 番目の議題ですので、まとめて説明していただけますか。 ○姉崎総務課長 それでは資料5-1と資料6-1です。平成20年度の第二次補正予算と平成 21年度の予算の関係です。資料5-1の平成20年度の第二次補正予算は4億2,000万円とい うことです。1つは離職者訓練の拡充ということで、第一次補正予算で雇用情勢が厳しい8 道県につきまして3,000人の上乗せをしましたが、二次補正でさらにその他厳しい地域につ いては2,200人分の離職者訓練の上乗せを行ったものです。  その下の訓練期間中の経済的支援等の拡充ということで、ジョブ・カード制度の雇用型訓 練を実施する企業への助成率の引上げ等や、訓練を受けているときに、雇用保険の受給資格 のある方は雇用保険の失業給付が延長してもらえるのですが、雇用保険の受給資格のない方 については訓練は無料で受けられるのですが、その間、生活費がないということで生活費を お貸しする。一定の要件の下に返還を免除するという仕組みを第一次補正で設けたのですが、 第二次補正の中で対象者の年齢要件を緩やかにするとか、原則10万円ということでしたが、 扶養家族のいる方については月12万円にするという拡充を行ったということです。  資料6-1が平成21年度予算の関係です。概算要求の段階でもご説明をさせていただいて おりますので、簡単にご説明いたします。全体で8つの柱がございます。1が「雇用状況の 改善のための緊急対策の推進」ということです。先ほどもご説明がありましたが、離職者訓 練の予算の関係で質・量ともに拡充をするということで241億円。ジョブカード制度の雇 用型訓練を行う企業に対する助成、生活費のない訓練生に対する生活費の貸与の関係の予算 が33億円。  3大都市圏等で非正規労働者就労支援センターを設置ということで、これは雇止め、解雇 になった派遣労働者等に対しても職業訓練を受けていただくという趣旨で、ここに項目とし て書いているものです。  2のジョブ・カード制度の関係については、委託訓練の予算は93億円。日本版デュアル システムの関係です。2頁、先ほども能開課長からありましたが、すぐにジョブ・カード制 度の実践的な訓練になかなか行けない人に対して1カ月から3カ月ぐらいの橋渡しとなる ような、少し基礎的な訓練を実施するということで、第一次補正で作りましたが、それを平 成21年度平年度ベースでやっていく。  ジョブ・カードセンターは平成20年度に商工会議所に委託をしておりますが、その運営 の関係の予算です。キャリア・コンサルティング、アドバイザー等の経費、それから研修の 予算の関係です。  3は「若者の自立の実現」、1つがフリーターの関係につきましては企業実習選考型の訓 練、あるいは再チャレンジコースということで委託訓練を実施しているものです。もう1 つはニートですが、地域における拠点としての地域若者サポートステーション設置箇所数の 拡大ということで平成21年度は92カ所。それから教育訓練機関とのネットワーク機能の 強化等々の内容の充実も図っていく。「若者自立塾」については、平成21年度も全国30カ 所ということですが、従前の3カ月のコースに加えて6カ月のコース。3カ月、6カ月の並 立型のプログラムの実施等に新たに取り組んでいくということです。  次の頁の4は「いくつになっても働ける社会の実現」です。「団塊世代のフロンティアプ ロジェクトの推進」と書いてあって3つあります。1つはジョブ・カードを使った高齢者の 円滑な再就職の支援、2つ目が職業キャリアを活かす地域貢献活動の情報提供です。これは コミュニティ・ジョブ支援事業と言っており、平成20年度から新しく全国3カ所で行って いますが、この実施の箇所数を10カ所に拡大する、あるいは技能継承インストラクターの 養成ということで、団塊の世代で退職される方で、優れた技能を持っている方に教え方を教 えてあげるということで、インストラクターに養成するという事業です。  5番目は障害者の関係です。最初の○で3つぐらい内容が入っていますが、1つは委託訓 練を受け入れて、中小企業に対して一貫した支援を行う。これは障害者職業訓練トレーナー を配置して、中小企業に対して支援を行います。2つ目は特別支援学校の生徒を対象として、 就職が決まらない子について、早期の委託訓練を実施する。3つ目は、在職障害者を対象と した職業訓練で、新たに在職障害者の職場の定着あるいは職種転換のための委託訓練を実施 するということです。  その下の発達障害者の関係については、一般の職業能力開発校で発達障害者のための訓練 コースを設定していくということで、いま全国6カ所で行っているのを10カ所に拡大して いく。  先ほども能開課長から説明がありましたが、母子家庭の母親については、ノウハウがある 民間団体と共同で訓練運営マニュアルやモデルカリキュラムを開発して訓練を実施する。茨 城県ですが、法務省、農水省と連携して刑務出所者の職業訓練を実施していくというもので す。  4頁の6は、地域中小企業の関係で、職業訓練を行う中小企業に対する支援ということで キャリア形成助成金で支援をしていく。ものづくり立国の関係で、ものづくり分野の人材育 成に取り組む都道府県に対する支援が新規です。昨日まで兵庫県で「技能グランプリ」とい う大会が開かれていましたが、技能グランプリや技能五輪大会、現在の名工の表彰等の関係 の予算です。  7は「仕事と生活の調和の実現」です。障害キャリア形成支援の積極的展開ということで、 先ほど雇用保険法施行規則の改正のところでお話した自己啓発の支援の関係です。もう1 つが企業が行う従業員のキャリア形成の取組みを診断するサービスの提供で、平成20年度 に診断システムの開発をしていますが、それに基づいて平成21年度にモデル的に少し個人 向けのキャリア研修とセットでの企業診断サービスみたいなものをやっていくことを予定 しています。  その次の頁の8が「外国人労働者問題等への適切な対応」で、外国人研修技能実習制度の 関係ですが、予算としては、巡回指導の関係と母国語による電話相談。平成21年度は、新 たに技能実習生の技能修得を促進するためのモデル事業ということで、業界団体に委託をし て、技能検定3級の受験促進のためのモデル事業を新たらに実施をしようということで考え ているところです。簡単ですが以上です。 ○今野分科会長 それでは、ご質問、ご意見をお願いします。 ○佐藤委員 ジョブ・カード制度でお願いというか、私だけなのかもわかりませんが、先ほ ど非正規で長く働いていた人や、無業者でこれから再就業する人とか、母子家庭の話があり ましたが、そういう人の就業促進という点で、ジョブ・カード制度を核にして進めようとい うことですが、そういう意味で企業にジョブ・カード制度を理解してもらい、活用してもら い、これから働こうとしている人をエントリーしようと思っています。  ただ、ネーミングが中身と合っているのかなという気がします。1つは、カードがあって、 能力開発を含めてジョブ・カード制度と言っているのですが、ジョブ・カード制度というと、 知らないと、カードの能力を評価してもらって、働くときも評価してもらえば、それをジョ ブ・カード制度と言われているように受け取りがちではないか。つまり、教育訓練とセット になっているというイメージが、なかなか伝わらないということで、私だけかもしれません が、どうもジョブ・カードとジョブ・カード制度の区別がつかないのではないか。カードと 仕組みがジョブ・カード制度のようなイメージで捉えがちなのです。いろいろ私も聞かれて 説明すると、ああ、そういうものなのですかと、説明されて初めてわかるということがあり ます。例えば、ジョブ・カードだけではなく、ジョブ・カード能力開発制度をジョブ・カー ド訓練制度でもいいのですが、何かくっ付けないとジョブ・カード制度というので中身の意 味が伝えやすいのかなと。ネーミングだけなのですが、理解してもらうということは、すご く大事なので、事業主もジョブ・カードというだけではなくて、能力開発の仕組みとセット になっているということが伝わるような、あるいはこれから利用しようという人にも伝わる ようなネーミングがいいかなと思われる方がおられるのなら検討いただきたいというお願 いです。 ○今野分科会長 名前が悪いということですが、どうですか。 ○草野職業能力開発局長 おっしゃるように、ジョブ・カード制度というのは、ジョブ・カ ードだけではなく、キャリア・コンサルティングを受けてから、実践的な訓練を受け、かつ、 その企業実習での能力を能力評価シートの形で事業主にしていただいて、その企業に就職す るのが駄目な場合でも、その評価シートを持って、ほかの企業に就職するという一連の制度 ですし、我々も先生がおっしゃるようなことで、多分に誤解に直面しておりますので、ジョ ブ・カード推進協議会という場もありますので、ネーミングについてはご相談させていただ きたいと思います。 ○江上委員 2点ほどあります。3頁の4の「いくつになっても働ける社会の実現」ですが、 これは団塊世代のフロンティアプロジェクトということで、すごくネーミングも格好いいし、 いい政策だと思うのですが、シルバー人材センターという拠点が全国にあります。私は豊島 区に住んでおりまして、シルバー人材センターによくお願いしているのですが、いま非常に ニーズも高くて、登録者数も増えていて、そこでできる技能や職種のメニューも幅が広くな っていて、非常に労働意欲が高くて、能力の高い人たちがシルバー人材センターに集まって きています。実態的にそういう拠点があるので、ああいったものをさらに拡充・強化して、 何か既にある、あのシルバー人材センターの拠点ともう少しリンクした形で実効性が上がる 方向とか、技能研修インストラクター等のメニューもそこに増やすとか、そんなことは考え られないのかなと思います。シルバー人材センターとの接点との活用の問題が1つです。  もう一点は、7の「仕事と生活の調和の実現」ということで、私もワークライフバランス の推進活動をしていますので、これはありがたい施策ですが、ここに26億円使うというの は、いま国の優先度からいうと、若干疑問もあります。というのは、8の「外国人労働者問 題等への適切な対応」は6.4億円で、いま本当に日本が長期的に必要な介護現場での労働力 不足とか、いろいろ考えていったり、製造関係で外国人労働者の仕事がなくなって、どんど ん本国に帰っているとか、そういうことを考えると、8のほうが国として緊急度がかなり高 いのではないかという気がしています。その辺についてのお考えを教えていただければと思 いました。 ○岩崎能力評価課長 まず技能継承等インストラクターの制度についてご意見をいただき ました。技能継承等インストラクターの事業ですが、現在、高度熟練技能者の登録・派遣制 度を都道府県の職業能力開発協会で行っています。ただ、これについては、例えば県の工業 試験場や中小企業施策との連携が非常に重要であり、江上委員からご指摘のあったように、 シルバー人材センターにも非常に優秀な技能者がおられるということで需要がありました なら、是非県の施策との連携の一環として、シルバー人材センターとの連携も、今後検討し てまいりたいと思います。 ○今野分科会長 2点目はどうしますか。端的に言えば、ワークライフバランスは予算を減 らせ、ほかにもっと回す所があるだろうという話ですね。 ○草野職業能力開発局長 これはある意味で短期的なことと、中長期的施策という観点があ って、これは大臣の肝煎りで行った研究会で、結局人生80年と、さらに延びていく中で、 人生二毛作というか、そういう考え方を大臣が持っていて、これから長期的に仕事をやって いく。いまよりさらにキャリアという観点で伸びていくとすると、その間、二毛作に向けて 勉強する機会をどうしても作っていく必要があるだろうという強い考え方があって、こうい う制度を入れているわけです。  今後の展開については、先ほどあったような休業して、教育訓練をするということもあり ますので、そういうことと合わせて中長期的な施策と短期施策をどう結び付けていくかを課 題として考えていきたいと思います。 ○今野分科会長 何かありますか。いまのはもう終わりました。 ○江上委員 外国人労働者問題は。 ○草野職業能力開発局長 ご存じのとおり、昨年から今年にかけて急激に変わってきている ので、平成21年度予算要求の時点では、まだそれほど顕著ではなかったわけです。結局、 来年度当初の補正ということも出てきていますので、その中でどう対応するかは考えさせて いただきたいと思います。技能実習ですから、1つの所が倒産しても、次の新たな受入れ先 で訓練できるようにやるのは当然ですし、そういうシステムでやっています。例えば、自動 車、電気の下請関連の機械・金属は、押し並べてみんな駄目で、1つの企業が倒産したから といって、ほかの企業を紹介する余力はないわけです。そうすると、帰国していただくこと になりますが、一応、事業主ないし受入れ団体に帰国するための旅費を貯めておいてもらう という制度があるので、それを使っていただきます。しかしながら、中にはそういう準備が できていない企業等もありますので、そういうものに対する手当ては補正などで考えていき たいと思っています。 ○黒澤委員 1頁の「離職者訓練の実施規模の拡充等」ですが、私はワークファーストの傾 向が強まっているのではないかと思ったのですが、ここには長期間の訓練を大幅に拡充する と書いてあります。諸外国を見ると、何でもいいから、とにかく就職させようという傾向が 強まっているので、日本もそうなのかと思ったら、そうではないことがわかったのです。た だし、長期間の方が就職率が高まるという傾向は確かに見られると思います。  少し戻りますが、先ほどのお話で介護福祉士の資格取得のための離職者訓練で2年という 話があって、これは新規でということでしたが、公的に資金を投入してということになると、 期待便益の中での私的便益が小さい部分と限定されることがあると思います。もちろん就職 率を高めることも、マンパワー施策として必要となるような職種に人材を提供することも、 1つの施策の重要なポイントですが、介護福祉士の2年間というのは、非常に高度なものを 目指しているのか、その辺りを説明していただければと思います。 ○美濃能力開発課長 最初に御指摘のあったなぜ長期間の訓練を設定するのかというお話 ですが、現在のような厳しい雇用情勢の中で、直ちに再就職先を見出し難いという状況です。 そうした中で、ある程度スキルを高めるというか、技術・知識を身に付けていただいて、そ の上で安定的な雇用につなげていこうという狙いというか、考えの下に、長期間の訓練を設 定しています。その間の生活保障的なもの、例えば雇用保険なり、訓練期間中の生活保障を しながら、踊り場的な色彩を含めた意味合いとして、長期間の訓練を設定しています。  2点目は介護福祉士の訓練の内容ですが、これは2年間の訓練ということで、現行制度で 言いますと、厚生労働大臣が指定する2年間の養成施設を卒業すれば、介護福祉士という国 家資格が得られます。まず国家資格が得られるということで、より安定的な雇用につながっ ていくだろうと。さらに介護現場は恒常的な人材不足にあるということで、そうした国の予 算を投入して人材を養成する価値は見出せる分野ではないかと思っています。  さらに介護報酬の中でも、介護福祉士が多数在籍する事業所に対して、介護報酬を手厚く 配分していこうという流れにあります。そういう流れの中で、より高いスキル、あるいは知 識を持った介護福祉士を養成して、国家資格を得た上で、介護現場に入っていただき、活躍 してもらいたいという考えの下に、こうした訓練を設定しました。 ○黒澤委員 この場合、2年分の授業料は無償ということですか。 ○美濃能力開発課長 自分の手元に残るテキストなどは実費弁償的なものがありますが、基 本的な受講料は無料です。 ○黒澤委員 受講期間中の生活費は不可欠だと思いますが、授業料も含めて貸与という形で 提供するとか、部分的な費用負担をするとか、そういうことをした方が、より多くの人々に 対して、結果的にも介護福祉士がより多く生まれ、その促進ができるという効果も狙えると 思います。  何を言いたいかというと、離職者訓練の大部分が、長期と言っても6カ月です。そういう 中で2年というのは、今まではどちらかというと、都道府県で行っているような、若年層の 部分に限定されていたと思いますが、2年ということで、これだけの人数でやると、たくさ んの人がやりたいとか、配分の部分でなかなか難しいこともあるかと思うので、その辺りの 柔軟な運用の可能性も考慮していただければ、その方が効率的な運用ができると思います。 ○美濃能力開発課長 まず、雇用保険の受給資格者について言いますと、訓練延長給付とい うことで、最大2年間給付が出るという制度があります。それを活用して生活費を手当して いくという形になると思います。  一方で雇用保険受給資格がない方については、先ほど予算の中で御説明した訓練期間中の 生活保障ということで、奨学金的な制度として、技能者育成資金というのがあって、被扶養 者がいる方は月額12万円ですが、月額10〜12万円を貸し付けて、就職をすれば全額免除 するという形で手当てをしていこうということで、現在行っています。 ○玄田委員 今の点に関連して、訓練期間中の経済的支援等の拡充について伺いたいと思い ます。この施策はある意味では非常に画期的なものであろうと、平成20年度の補正予算か ら考えています。能力開発も含めたこれまでの雇用政策と社会保障政策も、従来は非常にあ る種の線引きがあったのが、1つのパッケージ化をされるということは、施策の柔軟性を増 す上で、非常に大きな意味があると思っていますし、そういう意味では、来年度拡充される ことは、大いに賛成したいと思います。  一方で、平成20年度の実績等を計る時期ではないのかもしれませんが、やや実際の利用 件数等を見ますと、まだ当初の予想よりも伸び悩んでいるというのが、全般的な印象ではな いかと考えております。  とすれば、その背景にあるのは何かということを、ある程度認識しておかないと、折角の 大規模な拡充が効果を持たないのかもしれません。1つは、先んじて予想めいたことを申し 上げるとすれば、条件である基礎的な導入訓練や、先ほどの介護もそうですし、実践的職業 訓練の要件について、果たして現状が厳しすぎるということはあり得ないのかどうかを、是 非、来年度実施する上で御検討いただきたいと思います。  例えば、具体例を1つ申し上げるとすれば、この予算の中でもあるとおり、若者自立塾と いう事業があります。こちらも私の知る限りでは、大変多くの問合せ件数があります。入塾 に至るまでに大いにギャップがあるのは、生活費1カ月当たり平均8万円程度を自分で負担 するということが、非常に大きなボトルネックとなっている可能性があります。そうすると、 ここで考えている基礎的な導入訓練というのは、先ほど御説明のあった橋渡し的な訓練もそ うですし、自立塾等の既存の訓練事業に対して幅広く考えていかないと、実際には効果を持 たないのではないか。そういう意味で、訓練とか、実践的職業訓練の意味合いを、場合によ っては非常に幅広に考えていくことが、現状よりも利用度を高めていくことの1つの大きな 施策だと思いますし、まずこういうものがあるのだということの認知をどのようにして高め ていくのかというのは、非常に重要だろうと思っています。  就業困難な方にはアナウンスが非常に届きにくい環境にあるという面が非常に多くて、伝 え聞くところによりますと、こういう施策を打っても、なかなかそれが認知されていないと いうところに大きな問題があるとすれば、これはいわゆる狭い意味では広報とは違うとは思 いますが、どういう形でアナウンスを広げていくのか。今回の非正規就労支援センターもそ うですし、サポステもそうだし、ある意味では、ここに来れば、そういう職業パッケージ、 経済的な支援と訓練が同時に受けられるということを、即座に広げていくようなことを。も ちろんセンターだけではなく、学校関係など、非常に幅広い所で、こういう制度があるのだ ということを伝えていくための施策の必要性があると思っています。  そういう意味では、こういう経済的支援とパッケージについて、利用度が伸び悩んでいる ことに対応するための訓練内容の柔軟的な取扱いと、認知、アナウンスについて、どういう ことを考えておられるか、お聞かせ願いたいと思います。 ○美濃能力開発課長 まず、最初の御指摘については、第1次補正の段階ですと、ジョブ・ カード制度における委託訓練活用型デュアルシステムということで、対象となる訓練プログ ラムが、非常に限定されていました。貸付プラス返還免除ということで、生活保障をできる だけそういう方向にしていきたいということで、本当に小さな風穴を開けていったことが、 第1次補正だったと思います。  第2次補正の段階で、昨今、マスコミ等で報道されている派遣労働者等の解雇・雇止め等 に対応するということで、対象者について、派遣労働者等の解雇・雇止めにあった非正規労 働者を対象に加えるということで、ようやく1月から対象者が少し広がったという状況です。  さらに当初は、訓練に専念する必要があるということで、アルバイト禁止要件や、年収を 判断するのもジョブ・カードの能力形成機会に恵まれない方に引きずられる形で、前年度の 年収で判断をしていたという状況がありました。これは2月23日以降については、アルバ イトは年間200万円までやっても良くて、計算しますと、貸付金も含めて、月額26万円ぐ らいの収入で暮らしていけるということになりますので、相当な収入は得られるのではない かと思います。  さらに年収の判断についても、これまで能力形成機会に恵まれなかった方は、前年度収入 で判断していたのですが、解雇された方は生活の糧がないわけですから、解雇された以降と いうか、現時点から以降、どれだけの収入が見込めるかということで判断をしていこうとい うことで、年収200万円という要件がありますが、これは通常の場合は、ほぼ実質的な要 件としてはなくなる状況になってきたかと思います。  最近の実績ですが、当初、訓練プログラムが限定されていたということで、相談件数自体 も少なかったのですが、2月23日以降の相談件数で申し上げますと、619件となっており、 全体でも1,000件に迫る相談件数になっています。貸付決定件数はまだまだ少ないのですが、 申請を実際に行っている方も71件ほど出てきていますので、徐々にですが、認知されてき ているのではないかと思います。 ○佐藤委員 先ほどの介護福祉士のところですが、直接これにというわけではなく、福祉人 材の養成はすごく大事だと思います。お願いは能開行政というか、労働行政と厚生行政で、 厚生行政も例えば、介護福祉士の養成校に入る人の奨学金が倍増し、5年働くと返さなくて も良くなったと思います。例えば、そういう厚生関係の福祉人材の養成のプログラムと、能 開の方で福祉関係のプログラムがかなり重なっていたり、その辺の調整がやられているのか どうか。向こうも見ながら、是非やっていただければと思っています。  例えば、今回のこちらの介護福祉士は委託になります。たぶん養成校に委託するのだろう と思いますが、養成校のほうは定員割れを起こしていて、厚生行政のほうで、定員割れの率 が高い所には、人材格差のある所に要員を配置するみたいですが、定員割れの要因は、1つ は全体として多少介護離れになるということと、学校ごとに自助努力をしていなくて、入校 者が落ちている所もあるので、委託先を選ぶ場合も、減っている所に委託するという形では なくて、少し考えて委託先を選んでいただくことも大事かと思います。  これは話が別ですが、労働行政の方では福祉人材育成と、厚生のほうでも育成にかかわる 部分は相当やっていますので、その辺のすり合わせです。あるいは両方入っている場合は使 えるのかどうかということもあると思いますので、その辺は是非お願いできればと思います。 ○美濃能力開発課長 いま御指摘のあった点については、例えば、介護の関係で言いますと、 社会援護局の福祉基盤課あるいは老健局の振興課、職業安定局の雇用政策課など、能力開発 局でいうと、能力開発課になるのですが、4課で会議を行って情報交換を行ったり、その4 課ないしは4局共同で、介護関係の団体に対して合同で説明会を行ったりと、取組を行って います。訓練設定に関しても、老健局や介護福祉士の担当部局である社会援護局といろいろ 連携を取りながら、設定をしているという状況です。 ○今野分科会長 まだ他に御質問があるかと思いますが、報告がまだいっぱい残っています ので、次に進めさせていただきます。次は7の「外国人研修技能実習制度の見直しについて」 です。 ○藤枝海外協力課調査官 資料7-1でご説明いたします。「外国人研修・技能実習制度」に ついては、これまでいわゆる1年目の研修生が実質的には低賃金労働として扱われています。 本来してはいけない残業までさせられて、時給300円だ、100円だという悪質な事例も報 道されたりしている状況があり、政府内でも検討を進めてきたところです。厚生労働省でも、 今野先生に座長になっていただいて研究会でご提言をいただきましたし、その他、経済財政 諮問会議の労働市場改革専門調査会でもご提言がされたりということで、政府内外でいろい ろ見直しについてのご議論がありました。  先ほど江上委員から予算の話がありましたが、予算の措置と合わせて、やはり制度的な見 直しを図るべきだろうということで、こういった提言を踏まえた見直しを行い、今般、法務 省でこれに対応した入管法の改正案を作成し、今国会に提出したところです。その内容につ いて、簡単にご説明させていただきます。  1枚目に簡単な絵を付けてありますが、現行制度はいわゆる1年目が研修生として入国を して、技能検定試験等に合格した場合には2年目以降、技能実習に移り、計3年で帰国して 技能を移転するという制度です。  特に1年目が研修生で労働者ではないということで、基本的には勉強していただくという 性格ですが、働かせられている実態があって、ここを何とかしなければいけないというのが 主な議論の課題でした。  今回、改正案として、この研修部分については、雇用関係をちゃんと結んで、労働法の保 護の下で技能を身に付けていただくことにしようということで、技能実習という在留資格を 新たに作って、1年目から3年目まで雇用契約の下で技能を身に付けていただくという形に することにしています。ただ、日本語教育とか、実際に訓練を行うに当たって、安全衛生、 基本的な技能などは、いわゆる座学をしていただく必要があるということで、入国当初に2 カ月程度の講習(座学)を実施した上で、雇用契約の下での実習に入っていくというスキー ムにすることにしています。  その他としては、いわゆるブローカーと言われる存在が指摘されており、不法就労への手 引きをしたりということが指摘されております。そういった対策の1つとして、不正目的、 不法就労へのあっせん等を目的とした外国人については、退去強制処分の対象にすることも 追加しています。  法律的には技能実習という在留資格を整備して、雇用契約の下での技能修得という身分を 設けることが主な内容ですが、当然これまで研究会報告等で指摘されていたように、その他、 この制度の適正化を図るために、いろいろな措置をしていかなければいけないという課題が あります。具体的には入管法の政省令、告示あるいはその他のガイドライン等で、今後定め ていくことになりますが、現時点で考えているものを若干整理しているのが2枚目以降です。  真ん中に厚生労働省研究会報告のポイント、右に改正案。現在法務省で検討しているもの を書いています。いくつかかいつまんでご説明しますと、まず2段目の「受入れ団体の適正 化」については、研究会報告でも、いまの研修中については事業協同組合等の受入れ団体が 監理することになっていますが、技能実習中については企業に任されているという状況です。 これは技能実習トータルで事業協同組合等の受入れ団体がちゃんと責任を持って監理する ことにすべきという指摘をいただいておりますが、これについては法務省としても、こうい う方向で考えております。  また不正行為を行った場合には、現行制度では新規の受入れを3年間ストップするという 制裁を加えていますが、悪質な事例については5年以上受け入れできないようにするという ペナルティーの強化を考えているところです。その他、受入れ管理費についての透明化、受 入れ団体の役割の強化についても措置する方向で検討しています。  なお、研究会の最終報告では、受入れ団体について、実習生のマッチングや専門的な技術 的支援を実施するという観点から、許可制などを検討したらどうかという提言をいただいて おります。これについては、現行制度の枠組みを越えて新たな立法措置も必要になってきま す。現時点では検討課題として結論にまでは至っておりませんが、今後適正化をさらに進め るための検討課題の1つとして考えていきたいと思っています。  次の頁ですが、4つ目の箱にある「再技能実習」です。1度研修・実習を受けた方が、母 国に帰ってからもう一度やって来ることも、経済界からの要望もあって論点の1つになって いましたが、今回の改正では制度見直し後の適正化の状況を踏まえて、今後検討することに なっています。  チェック体制の強化は、先ほどの予算の話とも関連しますが、研究会報告の中では一定の 公的な機関が権限を持って指導勧告をしていくべきということになっています。いまの行政 組織を取り巻く環境の中で、新しい組織がすぐにはできないという状況で、これも検討課題 としており、当面はJITCOによる巡回指導を強化するとともに、入国管理局、労働基準監 督署、さらにはハローワークといった関係行政機関が情報共有を密にして、連携をして JITCOの巡回指導と併せて、重層的な監視体制を作ることが何よりも大切だと思っていま すので、そういう指導の強化を図っていきたいと思っています。以上です。  法案は国会にいま提出されていますが、審議がまだ始まっていない状況で、仮に成立すれ ば、1年以内に政令で定める日を施行日として、5月とか、6月を目処に施行したいと考え ているところです。それまでに政省令や、そういった運営の体制についても詰めていきたい と思っています。 ○今野分科会長 ご質問、ご意見はありますか。 ○花井委員 2つ質問と、1つ意見を述べさせていただきたいと思います。まず質問ですが、 1点目は2頁に、「厚生労働省研究会報告」の箱の中に、技能検定3級というのがあります。 これは現在も行われているかと思いますが、この制度自体が海外への技術移転を目的として いるとすれば、検定試験というのは、すべての外国人が受けるべきではないかと考えており ますが、実態はどこのぐらい受けて、合格率はどのぐらいなのか教えていただきたいと思い ます。  2つ目の質問は、先ほどのご説明にあった再技能実習制度です。これは私どもは反対で認 めるべきではないと考えております。今後検討するとなっていますが、どういう場で検討さ れるのか、厚生労働省なのか、法務省なのか、そこを教えていただきたいと思います。  要望も含んでいますが、意見としては、技能実習生の研修の部分を技能実習ということで、 労働法が適用されることは1歩前進で、最低賃金等も適用されるということで、前向きに評 価する部分はありますが、一方で、現在大変問題になっている長時間労働等、さまざまな人 権侵害も含めて、ある意味では労働の世界ではそのことが合法化されることにもなろうかと 思います。そういうことから技能実習が目的だとすれば、36協定の特別条項の適用はしな いとか、夜間のシフトには入れないとか、さまざまな技能実習生としてきちんと実習できる ような体制整備という意味で、労働のところについて、そういうことを外国人労働者を受け 入れる企業に対して、きちんと指導できるような通達を出すべきだと考えますが、その辺は どのようにお考えかをお聞かせいただければと思います。 ○藤枝海外協力課調査官 まず1点目の技能検定ですが、現行制度は1年目が終わったとこ ろでの基礎2級試験は必須で受けて、合格しないと次のステップに進めないという仕組みで す。技能実習終了時の3年目が終わったところでの技能検定等の試験は、いまは義務づけが ない状況の中で、JITCO等を通じて、できるだけ受検させて技能を身に付けさせるように という奨励はしています。  現状を申し上げますと、2007年度で3級レベルの試験を受検した方は366名で、対象者 を分母にすると0.89で、1%に満たない状況です。受けた方の合格率を見ますと、366名の うちの330名、90.2% が合格しているという状況です。  3級の試験、技能実習修了時の試験の実施については、研究会報告の中では、これを義務 づけるべきであろうというご提言をいただいております。私どもとしても基本的な考え方と してはそうだと思っていますが、いまのような受検実態からして、いきなり義務づけること が実際にできるかどうかという点があります。ただ、研究会の中間報告でも、技能検定試験 そのものではなくても、何らかの評価、例えば評価シートのようなもので、どこまで技能が 身に付いたかチェックするといったことも検討すべきではないかという提起をいただいて おりますので、引き続き法務省と協議をしてまいりたいと思います。できるだけ本来の目的 である実習の成果が図れる形にしていきたいと思っており、省令等を定める際に、さらに協 議をしていきたいと思っているところです。  2点目の再技能実習ですが、これは厚生労働省としては、厚生労働省の研究会報告を受け て、仮に導入するとしても、企業単独型に限定すべきだろうと考えています。企業単独型と いうのは、中国なら中国の現地に工場や子会社があって、そこの従業員を日本に連れてきて スキルアップを図るというものですので、まさに企業グループ内の人材育成という意味と、 帰国後の技能の移転がしっかり図られることが制度的に担保されるであろうということか ら、企業単独型に限定して認めるべきではないかという主張をしているところです。  再技能実習は今後どういう場面で検討していくのかですが、法務省と関係省庁、政府内で も、例えば内閣府の中で高度人材受入れ推進会議という場での議論もされておりますが、い ろいろな議論がありますので、各種提言を踏まえて、関係省庁あるいは関係者で検討してい くことがあると思いますが、現時点では具体的にどこで議論するかは決まっておりません。  3番目の点です。ご指摘のご趣旨はごもっともだと思います。外国人研修・技能実習制度 は技能の修得を目的としている制度で、労働力として受け入れる制度ではありません。今の 技能実習生についても、労働法の適用があるわけで、JITCOで作っている技能実習ガイド ラインの中でも、法定の手続を踏まえて時間外労働や休日労働をさせる場合でも、技能実習 制度の趣旨に鑑みて、適正な時間となるように配慮すべきだということを明記しているとこ ろです。制度改正後は1年目から労働法令が適用され、雇用契約の下で技能修得活動をする ことになりますので、この趣旨は徹底し、徹底する方策については検討してまいりたいと思 います。 ○今野分科会長 議事進行が悪くて心配になってきました。もう1つ「その他」ですが、そ こに報告が7件もあります。ということですので、まだほかにご意見があると思いますが、 最後の「その他」に移らせていただきたいと思います。申し訳ありませんが、なるべく短く お願いします。たぶん時間がオーバーすると思いますので、委員の方でご都合のある方は黙 って出ていって結構ですので、そういうことでやらせていただきます。 ○高野育成支援課長 それでは、資料8-1に基づきまして、「『教育訓練給付金の支給の対象 となる教育訓練の指定基準』の改正について」ご説明します。教育訓練給付制度については、 1.のとおり、雇用保険の被保険者が、自ら費用を負担して、厚生労働大臣が指定する教育訓 練を受けて修了した場合にその費用の2割、上限10万円を支給するということです。  そこで厚生労働大臣が指定する教育訓練ですが、これは毎年4月と10月の2回指定を行 っており、昨年10月時点で5,236の講座を指定しています。これについて指定の基準を今 回見直したいというものです。  2.「指定基準改正の趣旨」ですが、現在指定と対象となる訓練の訓練期間について、原則 1年以内、例外として高度な専門教育については、概ね2年以内としています。これに対し て、先般、内閣府に設けらた規制改革会議に規制改革要望が寄せられ、その中で看護師養成 課程で3年間を訓練期間とするものについても指定してほしいという要望があったところ です。  これを検討したところ、この課程を修了しますと、看護師試験の受験資格が取得できます。 すなわち修了すると、公的な資格の受験資格が取得できますので、当然効果があるものであ ろうから、これを指定するのは何ら問題がないだろうということで、こういうものも対象に するようにしたいと思います。具体的には3.「改正内容」に書いているとおりで、例外的 な措置の対象のものについては、訓練期間の上限を現在2年としているのを、3年まで引き 上げることにしたいと思います。併せてこの際、訓練時間についての下限要件もありました が、これもそういった公的な職業資格につながるものであれば、そういうものを撤廃しても 差し支えないだろうということで撤廃したいと思います。  さらに現在例外措置の対象としているものを、従来、高度な専門教育という抽象的な規定 にしていて、わかりにくかったものですから、公的な資格を取得したり、あるいは公的な資 格の受験資格を取得できるといった一定のものということで、明確化したいということで解 消したいというものです。これについては、今年の10月の指定から適用したいと考えてい ます。以上です。 ○今野分科会長 それでは次をお願いします。  ○岩崎能力評価課長 続きまして、能力評価関係のご説明をさせていただきます。資料9-1 は、「職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令について」、技能検定の試験基準を 見直す関係の資料です。技能検定の試験科目については、法に基づき、職業能力開発促進法 施行規則により定められているところですが、これについては技術・技能の進歩や社会のニ ーズに合わせて見直しが必要で、これまでも計画的に定期的な見直しを行っています。  今年度においても有識者で構成される専門調査員会を設置し、検討した結果、真ん中の枠 にあるように、等級の見直し、試験科目の範囲を見直すとか、選択科目の作業を追加すると いう内容の改正で、またこれに付随しての改正を行うというもので、既に2月27日に省令 改正の公布を終えており、本年4月から施行するというものです。詳細については、お手元 に新旧対照表あるいは官報の写しを付けておりますので、後ほど参照いただきたいと思いま す。  資料10-1です。これは「技能検定の職種等の見直しに関する専門調査員会の報告」で、 本年1月に報告をとりまとめて、公表しています。この検討の背景ですが、平成19年12 月に規制改革推進のための第2次答申において、検定職種の統廃合について、作業計画を策 定する等の措置を講ずるということですし、あるいは指定試験機関の関係で、現在、非営利 団体に限られているものを、営利団体への開放について検討するようにといった点が盛り込 まれたところです。  これを受けて昨年5月から、この専門調査員会を開催して、本年1月に報告をまとめてい ただきました。1つには検定職種の統廃合の関係で、考え方として2番、3番にあるように、 受検者数のみで統廃合の結論を得るのは適当ではないという考え方の下に、まず受検者数を 基準に統廃合の検討対象職種を選び、その上でその職種の社会的便益を勘案して、統廃合の 可否について検討、結論づけることが適当であるということです。  受検者数100人以下のものが、20以上の職種で見込まれるところで、3年間に分けて検 討を進めるべきという内容です。  また下の枠ですが、指定試験機関の営利団体への開放の関係ですが、これについては技能 検定が持っている意義、あるいは安定性・継続性、中立性・公平性を営利団体に開放した場 合には、担保できないという問題があることを踏まえると、営利団体への開放は不適当であ るという結論です。  今後の発展に向けてということですが、技能検定の社会的意義は大変大きなもので、これ について国民一般への理解を促進するということですし、あるいは検定職種が社会的ニーズ を反映したものになるように、上に従って職種の統廃合を進めるとか、資料9でご説明した ように、試験内容を最新内容に見直していくことが必要であるというものです。また、単に 統廃合を進めるだけではなく、社会ニーズを把握し、新規職種の追加についても積極的に検 討を行い、技能検定制度全体の社会的意義をさらに高めるようにというご提言の内容です。  私どもとしては、この専門調査員会の報告に基づいて、来年度以降、職種の統廃合等を進 めてまいりたいと考えています。 ○星実習併用職業訓練推進室長 資料11-1に基づいて、「ジョブ・カード制度の現状につい て」ご報告いたします。資料の1頁には、これまでジョブ・カード制度の訓練にかかる制度 改正について行ってきた内容を色つきで入れてありますが、補正予算の説明等で触れた内容 と重複しますので、この部分は割愛させていただきます。  2頁はジョブ・カード制度の進捗状況です。ジョブ・カードの取得者数は、今年度は初年 度ということで、目標数10万人ということで進めておりますが、2月末の段階で、約5万 5,000人が取得しています。年度当初は初年度という中で、若干出遅れた感はありましたが、 夏以降、月に約7,000件前後ずつ、数を伸ばしています。  訓練受講者数については、年間目標については5万4,000人ということで、1月末の段階 で約3万1,000人が受講を開始しています。このうち、雇用型訓練は1月末で訓練開始者数 が、約1,200人という数にとどまっていますが、一方で、これまで2,600社を超える企業か ら今後の活用の申し出をいただいていますので、これらの企業において、1日でも早く訓練 機会が提供できるよう、訓練計画の策定等を引き続き支援していきたいと考えています。  また第2次補正予算で企業に対する助成措置も大幅に拡充してきておりますので、今後と も産業界のご協力もいただきながら、ジョブ・カード制度の活用をさらに促進してまいりた いと考えています。 ○姉崎総務課長 資料12-1です。ニートの関係で「青少年総合対策推進法案」です。昨年 秋に麻生総理が総理になられた最初の臨時国会の所信表明演説の中で、「悩んでいる困って いる若者を支援するための新法を検討します」と述べられまして、この3月に内閣府で検討 しており、国会に法案が提出されました。  背景として、若者の深刻化、厳しさを増す状況ということで、右側にありますが、枠組み の整備、青少年を支援するためのネットワーク整備ということで、国が青少年総合対策推進 要綱を作る。そのために総理が本部長となった本部を作る、都道府県も努力義務として市町 村青少年計画を作る、あるいは地方自治体がネットワークとしての地域協議会を作らなけれ ばならないという、何らかのもので、資料12-2に条文も付いていますが、後ほどご参考に していただければと思います。  資料13-1は「雇用・能力開発機構の廃止について」ということで、昨年12月24日の閣 議決定です。平成19年12月の「独立行政法人整理合理化計画」に基づいて、雇用・能力 開発機構については、法人自体の存廃について、1年を目途に検討を行うとされています。 その結論として、昨年12月24日に廃止についてということで、閣議決定をされたもので す。  廃止については、法人が廃止になるわけですが、Iの「全般的事項」の(1)ですが「国の産 業政策・中小企業政策等との連携を強化し、雇用対策や、国際競争力強化に資するものづく り支援の一環として、国の責任において職業訓練を行う組織とする」ということで、次の頁 にII「法人の廃止」がありますが、雇用・能力開発機構という法人自体は廃止しますが、国 が責任を持ってきちんと職業訓練を行うということで、(1)「職業能力開発業務は、独立行政 法人高齢・障害者雇用支援機構に移管する」ということで、業務はこちらに移管をして、職 業訓練業務はしっかりやっていくということです。  次の頁に3.「私のしごと館業務」が書いてありますが、私のしごと館についても、1年以 内にあり方について検討を行うこととされており、遅くとも平成22年8月までに廃止をす るという結論になっています。  実施時期として、法制上の措置については、平成22年度末までを目途に講ずる。法改正 を待つまでもなく、やることについては速やかに実施をしていくということで、順次できる ことはやっていき、来年の通常国会に関係、必要な法案を提出するということで準備を進め ていきたいと考えています。  資料14-1ですが、先般、3月19日に自民党、公明党で与党新雇用対策に関するプロジェ クトチームを作っており、そこが「さらなる緊急雇用対策に関する提言」のとりまとめを行 い、同日、麻生総理にも報告されました。与党の提言を受けて、政府においても、ちゃんと 検討しろという話があったわけです。  いくつか柱がありますが、職業訓練の関係については、IIIの「再就職支援・能力開発対策」 ということで、緊急人材育成・就職支援基金(仮称)の創設で、雇用保険を受給していない 人に対して、職業訓練の抜本的拡充、訓練期間中の生活保障のための訓練生活支援給付の支 給という提言をいただいています。与党の話では、雇用調整助成金の関係は、労働保険特別 会計で6,000億円ぐらい、緊急人材育成・就職支援基金の関係が、一般会計で7,000億円ぐ らい、IV「雇用創出対策」で緊急雇用創出事業の積み増しということで、一般会計3,000 億円ぐらいで、全体として1兆6,000億円程度を考えているということで、政府はこれを踏 まえて、よく検討しろということですので、これからしっかり検討していきたいと考えてい ます。詳細は中身をご覧にいただければと思います。  別途の配布で、資料番号が付いていない「雇用安定創出の実現に向けた政労使合意」とい う資料がありますが、昨日、総理官邸で、ここに書いてある労使の皆様方が集まって合意が されました。現在の非常に厳しい状況の中で、政・労・使の3者が一体となってこの難局に 立ち向かおうということで、一致協力して雇用の安定、創出の実現に向けて協力していこう ということで合意をしたという中身です。政府はこれに則っていろいろやっていくというこ とです。次の頁に「5つの取組み」ということで、雇用維持、職業訓練・職業紹介の雇用セ ーフティーネットの拡充・強化とあり、職業訓練について、雇用のセーフティーネットとし て位置づけて、しっかりやっていくということが書いてあります。  3つ目が就職困難者の訓練期間中の生活の安定を確保・長期失業者の就職の実現、雇用創 出、政労使合意の周知徹底となっています。 ○今野分科会長 報告は終わりですね。非常に短時間で、ご協力ありがとうございました。 それでは、ご質問がありましたらお願いします。 ○花井委員 現在の雇用情勢が厳しい中で、政労使合意の中身に雇用維持、職業訓練、職業 紹介の雇用セーフティーネットの拡充・強化をすると謳われておりますが、そういう段階を 踏まえますと、職種の見直しについては当分の間は凍結するべきではないかとも考えている、 ということを意見として述べさせていただきます。 ○今野分科会長 ほかにございますか。いまの花井委員の話はご意見としてお聞きしておき ます。それでは、少し時間がオーバーしましたが、今日はこの辺で終了したいと思います。  議事録署名ですが、本日は労働側は中村正武委員、使用者側は浦元献吾委員にお願いしま す。それでは、本日はこれで終わります。ありがとうございました。 【照会先】職業能力開発局総務課総括係 内線5738