09/03/19 第7回ナノマテリアルの安全対策に関する検討会議事録 第7回ナノマテリアルの安全対策に関する検討会議事録 日時 平成21年3月19日(木)15:00〜17:00 場所 経済産業省別館10階1012号会議室 ○事務局  ただいまから第7回「ナノマテリアルの安全対策に関する検討会」を開催いたします。 本日の検討会は公開で行いますのでよろしくお願いいたします。  まずは配付資料の確認をさせていただきます。最初に座席表があります。庄野委員の 座席が入っているのですが、急に用事が入られたということで、欠席のご連絡をいただ いています。2枚目が委員名簿、議事次第、資料1検討会の「報告書(案)」、参考資料 の2は「議事録」です。参考資料の3は横の図、参考資料の4が1枚の資料、最後に「開 催要綱」、参考資料5とつけております。委員のみの配付になっておりますが、資料の 番号をつけていない2つの資料がありまして、「各ナノマテリアル概要」、「ナノマテリ アルの健康影響に関する文献調査」について。こちらは後ほどご相談いたしますが、検 討会の報告書の参考資料として添付したいと考えております。過不足等ございましたら 事務局にお知らせください。  以降の議事進行につきまして、座長の福島委員にお願いしたいと思います。 ○福島座長  それでは、これから私が進行を務めさせていただきます。まず、議題の1「ナノマテ リアルの安全対策に関する検討会報告書(案)」についてです。これまでこの検討会でい ろいろ議論してまいりました。我々の検討会の報告書に盛り込むことは議論し尽くされ たと私は理解しています。これまで委員の皆様からいただいた意見を事務局のほうで再 度、この報告書を修正していただきまして、本日、案として出されております。本日は この案について、もう一度2時間かけて議論していきたいと思います。もちろん、新た に盛り込むことがある場合には、また検討していきますが、先ほど申しましたように、 本日はこれまでの議論を踏まえて報告書を最終的なものにするというのが目的ですので、 ご協力をお願いします。事務局より資料について説明をお願いします。 ○事務局  それではお手元の資料1をご覧ください。こちらが前回ご提出しました報告書につき ましていただいたご意見を踏まえて修正した資料です。1枚おめくりいただきまして、 まず主な修正点を中心にご説明したいと思います。目次ですが、先ほど申し上げました 参考資料としてお付けしたいと考えている資料が2つありまして、それぞれ平成19年 度、厚生労働省委託業務の報告書から引用している資料です。1つが「各ナノマテリア ル概要」ということで、資料の2を見ていただきたいのですが、それぞれの物質につい ての生産量、あるいはどれぐらいの大きさか、または用途を記載しています。参考資料 2として、「ナノマテリアルの健康影響に関する文献調査について」です。こちらにつき ましても、平成19年度の文献調査の結果をまとめています。よろしければ、この2つ を報告書の参考資料として添付したいと考えています。  本文に移りますが、修正点として、1頁目の18行目から始まる段落と、24行目の「そ こで」から始まる段落のつながりが悪いということで、18行目から22行目の書く順番 を修正しております。  2頁目ですが、2.「検討の範囲」についてということで、それぞれの安全対策の検討 の範囲を示しているのですが、ナノマテリアルの労働現場におけるばく露防止について は、厚生労働省労働基準局、環境中に排出されるナノマテリアルの管理方策等について は環境省と、どこで検討しているのか、明確に記載させていただいております。  11行目ですが、ナノオーダーサイズの粒子を分子と言ってもよいというご意見もあり まして、どちらかに統一するのではなく、括弧書きで記載させていただいています。以 後「粒子」というところは、(分子)とつけております。  3頁の「開発の現状及び最新の化学的知見」ですが、(ウ)の酸化チタンについて、前 回お示した資料に付け加えて、より詳細に記載させていただきました。  4頁の34行目の、(ケ)として、銀+無機微粒子、(コ)として、ナノクレイ。こちら につきましては、3頁にこの2つの物質の名前が出てまいりますので、これについても 紹介しております。  5頁の7行目になりますが、(2)「ナノマテリアルが使用されている代表的な製品」の (イ)として化粧品ですが、化粧品の項目にリポソームの話を追加したらどうかという ご意見がありましたので、化粧品としてナノサイズのリポソームが利用された事例も確 認されているという表現を追記させていただいております。  次の頁の(ケ)の「その他」に、カーボンブラックが主にタイヤに使用されていると いうことがあります。その表記が前の案ではありませんでしたので、ここにタイヤのゴ ム用途としてカーボンブラックが使われているという表現を追記させていただいており ます。  8頁の使用量と粒子(分子)径の関係を示す図です。こちらに先ほど追記した銀+無機 微粒子、ナノクレイについての矢印を追加しております。  10頁の11行目以降に、「カーボンブラックの疫学調査について」の記載がありました が、ナノサイズのものかどうか、確認されていない文献でしたので、ここからはすべて 落としております。  続きまして11頁の4.「規制の現状」です。追加している部分としては、13行目から 15行目に、労働現場でどのような規制が行われているかという表現を追加させていただ いております。  30行目から12頁の14行目まで、国連食料農業機関、世界保健機関(WHO)合同食品 添加物専門家会議、通称JECFAの状況を記載いただきたいというご意見がありました ので、こちらについても現状を調べて追記しております。12頁の下に、その参考文献と して脚注を追記しております。  22行目から労働の規制が行われているという表現を追記しておりますので、それを受 けた形で対策については、労働の検討会の報告書で述べられているということで、その 表現を追記しております。  続きまして、5.「安全対策に係る課題と今後の方向」につきまして、(1)「安全対策に 係る課題」の4行目から6行目に、ハザードの情報のみを前回の案には書いておりまし て、ばく露が増えるといったような表現を追記すべきというご指示もありましたので、 一般消費者向けの利用が拡大しているといった表現を追記しております。  17行目から18行目ですが、前回の検討会のときにご意見がありまして、ナノマテリ アルに関して、国、事業者、消費者間での情報交換が十分でないということも課題とし て挙げられるといったようなご意見がありましたので、その旨追記しております。  23から24行目です。こちらも前回ご意見がありまして、収集された情報を消費者へ 積極的に提供するという表現を追記しております。  28行目から29行目。前回にご意見がありまして、開発の段階から有害性の情報を考 えて開発すべきだといったご意見がありましたので、開発の段階から事業者が主体的に 安全対策を進めるべきだと修正させていただいております。  (3)「今後の具体的な対応」。(1)の表題が少し変わっておりまして、「ナノマテリアルの 安全性及びその使用の実態等に関する情報の収集」と、書いてある内容を明確にさせて いただいております。  次の頁ですが、こちらも前回ご意見がありまして、(2)の表題が同様に修正されており まして、「ナノマテリアルの安全性に関する試験・研究の推進」と修正しております。  21頁です。3行目から始まるパラグラフですが、5行目から10行目に、箇条書きで どういった手法を開発すべきかといった項目を並べております。こちらは前回は文章で 並べて書いてあり、少しわかりにくいというご指摘がありましたので、よりわかりやす く書かさせていただきました。  22頁の11行目の(5)が大きく変わっておりまして、「消費者とのリスクコミュニケーシ ョンの充実」を、具体的な方策の中に入れさせていただいております。事業者はリスク コミュニケーションの観点から、消費者が必要とする情報についての意見を積極的に取 り入れつつ、製品に使用されているナノマテリアルの人の健康に与える影響等について、 積極的に情報を収集し、その情報をわかりやすい形で積極的に公開し、または提供する ことにより、消費者の信頼性を確保すべきである。また、ナノマテリアルの安全対策に 当たって、消費者の意見をより積極的に反映させる仕組みについても検討すべきである というように修正させていただいております。  (4)「今後の課題」ですが、27行目からのパラグラフに、ナノマテリアルの実用化が 進展し、様々な製品に使用され、ばく露が増えているといった旨の表現を追記させてい ただいております。37行目の「さらに」から始まるパラグラフについては、前回の案で すと(1)の情報収集にあった表現ですが、情報収集のところに記載するというよりも、「今 後の課題」がよかろうということで、こちらにそのまま移しております。  23頁の2行目まで、「検討すべきである」というところまで移しております。  (5)として、5行目の「予防的原則も踏まえ」といった表現を追加させていただいてお ります。  続いて参考資料の説明をします。前回、各省の役割分担が不明確、わかりにくいとい うことで、そういった図がないかというご指示がありまして、その要望に沿ったもので ないかもしれませんが、参考資料の3として、内閣府でまとめている、各省での検討会、 あるいは研究を1つにまとめた文になっております。研究開発の推進、評価計測の技術、 リスク管理、リスクコミュニケーションと、下から上に伸びる図になっています。左の ほうは国の取組み、右が民間の取組みです。国の取組みで、半分より上の部分がその領 域が少し分れておりまして、環境の領域、健康安全の領域、その中に労働衛生の領域と なっています。1つご紹介しますと、健康安全の領域のところで、ナノマテリアルの安 全対策調査業務は、当室が担当している業務でございまして、その下の化学物質リスク 研究として、厚生化学研究は、厚生労働省が行っていることが紹介されています。  続きまして、新たに収集された文献情報がありましたので、そちらも簡単こご紹介さ せていただきました。こちらは参考資料の4ですが、「酸化チタンの毒性に関する研究 論文について」ということで、東京理科大学の武田教授による研究で、日本薬学会の雑 誌の『Journal of Health Science』の2月号に掲載されております。研究内容ですが、 ナノサイズの酸化チタン(アナタース型)を研究されていますが、酸化チタンを0.1g、 合計4回妊娠したマウスに皮下注射した結果、その子どものマウスに、精子形成の減少 や脳内での細肺腫が確認されたという研究です。こちらについては、今後さらに実際の ばく露を想定したリスク評価の研究が必要であるとされております。説明は以上です。 ○福島座長  少しずつ分けてご意見、ご質問をいただきます。まず1頁の1.「検討の背景」につい ていかがでしょうか。用途、開発、生体影響、安全対策などが書かれていますが、よろ しいでしょうか。また何かありましたら、後で発言していただきます。  2頁の2.「検討の範囲」についてはいかがでしょうか。 ○高野委員  必ずしも明確でなかった気もしますので、1点だけ確認させていただきます。10行目 に「検討対象とするナノマテリアルの範囲は」とありまして、「粒子及びその凝集体とし た」とあります。この場合に粒子ですが、固体であって、粒子であって、サイズが小さ いというのが危惧されている点かと思われるのですが、水や油に溶けるものについては、 特別なことではなくて通常の毒性を検討すれば済む話なのではないかと思います。そう だとすれば、この検討対象から除外していいのではないかと考えるわけです。ここでは 不溶性以外のものも、この粒子の中に入るということで検討会の皆さんの合意があるの でしょうか。私の考え方が違っているのかもしれませんが、そこをご確認していただけ ればと思います。 ○福島座長  高野委員が言われるのは、不溶性のものを検討対象とすると。 ○高野委員  はい。そこで切ってもいいのではないかということです。 ○福島座長  そうすると、物理性状による健康影響が出るようなナノマテリアル、という意味で解 釈していいのですか。 ○高野委員  水溶性とか油溶性になると、これまでの毒性試験の手法で解決するのではないかとい う意味です。 ○福島座長  菅野委員、いかがですか。 ○菅野委員  その前にですが、大きさの下限の定義は1ナノ以上でしたか。そこら辺の論議はどこ かにあったかと思いまして、粒子同士のインタラクションの性質が変わる手前までのと ころを扱うと認識していました。それは水溶化しようが何しようが、大もとの材料をつ くる段階で、何かのものをナノ粒子化することによって何かしようという企みに基づい てやられていれば、ナノの対象であると考えていたので、水溶化すれば対象外、例えば フラーレンのOH44が水溶化するから、それは除外という論理にはすぐには与せないな というところです。もうちょっと論理立ててお答えできればいいのですが、想定してい なかったものでまとまりませんが。 ○福島座長  高野委員のおっしゃるのは、菅野委員が言われるようなフラーレンなども頭に入れて の話ですか。 ○高野委員  それも一応頭には入っているのですが、そこは当然私にもわからないのです。これま で世の中に出ているものを考えていたときには、私が申し上げたようなところでの切り 口もあるのではないかと。不溶性と水溶性、油溶性のようなところは、線が引けるので はないかなということです。 ○板倉委員  私は素人なので詳しいことはわかりませんが、消費者側から見まして、例えばリポソ ームのようなものは可溶性ということで、いままでのものと同じであれば、それを謳っ て商品化すること自体もおかしいわけであって、逆に言えば、何らかの差異があるから こそリポソーム化して、用途として用られているのではないかということがあります。  そうすると、必ずしもメリットだけではなくて、デメリットもどこかにあるのではな いかという不安も、消費者側からすればあることですので、それがきちんと科学的にデ ータなどがあって、差がないということであれば排除していいと思いますが、それがわ からない段階で不溶性のものに特化していくということは、議論としておかしいのでは ないかと思います。 ○高野委員  いまリポソームの話が出たのですが、それについては、例えば化粧品や医薬部外品に おいては、厚生労働省から、このようなデータが必要ですというご指示があるわけです。 つまり、ナノとリポソームとが一緒ではなくて、ナノはナノ、リポソームはリポソーム と分けて捉えてもいいのではないかという気がします。逆に言えば、リポソームはある 程度指針のようなものができていると見られるものですから。その辺について、事務局 はどうですか。 ○事務局  ナノマテリアルの検討会については、どこかに絞って検討する形でやってきているわ けではなくて、どういった情報があるのかを広く集めて検討するという趣旨だったと理 解していますので、ここで何かを排除することは、検討会の趣旨としてふさわしくない かと思っています。  先ほど板倉委員がおっしゃったように、安全だということがわかれば、そこは規制が 必要になった際に区別すればいいのであって、検討会で検討する範囲としては、広くナ ノサイズに入ってくるものは報告書の中に盛り込むという方針でよいのかと思っていま す。 ○土屋委員  私は専門が呼吸器であり、がんも専門ですが、通常は呼吸器系に吸い込まれるという のは液体物ではなくて、これは異常な状態で、気体や微粒子が入るということからいく と、そのときに、催奇形性があるかないかということが大事なのですが、ただ単に物理 的な変化であっても炎症性の変化は起きますし、悪性腫瘍の発現というのはありますの で、必ずしも液性の状態での毒性というのは、そのまますべてに通用するかどうかは疑 問だと思います。  ナノ粒子というのは、通常は入っていかない奥まで入っていきますので、そういうと ころでの変化というのは、まだ十分には解明されていないと思います。自然界の物質で は、アスベストの影響が問題になったのは、かなり物理的な要素が想像されていますの で、その点はいま早急に除外しないほうがいいのではないかと思います。病変の観点か ら見た感想です。 ○福島座長  そうしましたら、先ほどの事務局からの内容で、ナノオーダーサイズの粒子、各分子 及びその凝集体としたという大きな枠組みの中で、この検討会としては対象としていく ことにします。よろしいですか。 (異議なし) ○福島座長  ほかにございますか。 ○板倉委員  12行目から13行目にかけて、「自然発生物や不純物、夾雑物といった非意図的に生成 されるナノマテリアルについては」とありますが、これは例えばディーゼルで問題にな っているものとか、最近ですと黄砂の関係で、海外から風に乗って来るものの中にナノ 化されているものもあるという話も聞いていますが、それについては除くということで すね。 ○福島座長  そうですね。 ○板倉委員  それが検討されるとしたら、環境省において検討されるものだということですね。 ○福島座長  環境省できちんと検討してもらえるという理解です。  次に3頁の3.「開発の現状及び最新の科学的知見」です。ここの(1)「我が国における ナノマテリアルの用途、生産量」についていかがでしょうか。これは8頁の図表2まで ありますが、少し長いので「前文」についてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 ここは先ほど言いましたように、「分子」というのを入れるということです。  (1)「主なナノマテリアルの使用状況」についてはいかがでしょうか。先ほど、銀+無 機微粒子の記載の追加がありました。よろしいですね。  5頁7行目の(2)「ナノマテリアルが使用されている代表的な製品」についてはいかが でしょうか。よろしいですか。  次に9頁の(2)「ナノマテリアルの性状」です。ここについてはほとんど修正がありま せん。よろしいでしょうか。 ○菅野委員  9頁の31行目からの(3)のパラグラフですが、先頭から終わりのほうにこれと類似し た表記が数カ所出てくるのですが、「現段階ではナノマテリアルが人の健康に影響を及ぼ すという報告はないが、未だ十分に解明されているという状況にはない」とあります。 これについて、何が十分に解明されればいいのかということを考えると、人への影響が 解明される、あるいは人での被害が報告されればいいとも読めてしまいます。  正しくは、「幸いにも、まだ人での影響の報告はないが」という含みがあって、未然防 止あるいは事前防止の概念を入れるとすれば、後半部分は「人での健康影響を十分に予 測するための情報が十分にあるわけではない」という書きぶりのほうが正しいのだと思 います。数カ所出てきますが、一律にそのように修正していただいたほうがいいのでは ないかと提案します。 ○福島座長  要するに、例えば動物実験など、人に外挿できるようなもののデータがないというこ とですね。 ○菅野委員  そうです。 ○福島座長  わかりました。そのような内容に改めます。よろしいですね。 (異議なし) ○福島座長  ありがとうございます。  次に11頁の4.「規制の現状」です。まず、11頁から12頁の25行目までの「前文」 について、いかがでしょうか。先ほどの事務局からの報告で、いろいろなところが追加、 変更になっています。内容的にはしっかりしたと思います。最初のパラグラフは、安全 性の担保など、前文でそのような仕組みについて述べて、18行目からは、FDAやEU の規制の動き、30行目からはJECFAでの動向が書かれています。よろしいですか。 (異議なし) ○福島座長  そうしましたら、12頁の27行目の(1)「薬事法」についてはいかがでしょうか。ここ は現在のことがずっと書かれています。よろしいですね。 (異議なし) ○福島座長  13頁から15頁の3行目までです。15頁では、(2)「食品衛生法」についての記載が あります。16頁の33行目以下には、(3)「家庭用品に含まれる化学物質等に係る規制」 です。17、18頁まであります。この内容以外に、すでに皆様チェックしていただけたと 思うのですが、事務局で「てにをは」の修正がなされています。よろしいですね。 (異議なし) ○福島座長  そうしましたら、19頁の5.「安全対策に係る課題と今後の動向」に入ります。初めに、 3行目の(1)「安全対策に係る課題」について、ご審議をお願いします。ここは先ほどの 説明ですと、相当修正されています。ファーストパラグラフでは、ナノマテリアルの有 害性の懸念、12行目から15行目では情報収集、in vivo試験、in vitro試験等の実施の 必要性が謳ってあります。17行目では、情報交換が課題の1つだということが述べられ ています。よろしいでしょうか。 (異議なし) ○福島座長  次に(2)「安全対策の方向」です。ここについては、25行目から26行目で、「事業者、 国が一体となって、主体的に安全対策に取り組む」ということが書かれています。よろ しいでしょうか。 (異議なし) ○福島座長  次に(3)「今後の具体的な対応」です。まず、(1)「ナノマテリアルの安全性及びその使 用の実態等に関する情報の収集」ですが、20頁の31行目まで続いています。32行目の (1)のタイトルに一部修正が加わって、「ナノマテリアルの安全性及びその使用の実態等に 関する情報の収集」ということです。最初のところでは、現在の法規制について、規制 がないというようなことが書かれています。  20頁の4行目から10行目に関しては、これまでの情報収集の取組みなどが書かれて います。15行目から19行目にかけては、積極的に情報収集をすべきであるというよう なこと、情報の資質にも注意が必要であるという内容になっています。21行目から25 行目については、動物への影響がないといっても、必ずしも人への影響がないというわ けではないので、そのような点にも留意して情報収集すべきという書きぶりです。内容 的によろしいでしょうか。 (異議なし) ○福島座長  次に20頁の33行目の(2)「ナノマテリアルの安全性に関する試験・研究の推進」です。 21行目で、これまで羅列していたのを改行して、句読点を付けてわかりやすくしたとい うことです。 ○竹村委員  21頁の1行目で、初めてOECDのことが出てきていますが、ちょっと唐突な感じが します。たぶん11頁の「規制の現状」のところで、国連の機関の紹介があるので、こ こで少し触れておけば違和感はないと思うのです。 ○福島座長  そうすると、ここの2行目の「OECD等における国際的な取組状況を踏まえつつ」の 「取組状況」というのを前のほうに記載してはどうかと。 ○竹村委員  そうです。11頁の「規制の現状」のところです。 ○福島座長  そこを一部紹介するという形で、11頁に入れ込むことにします。ここの内容はよろし いですね。  24行目から27行目に関しては、疫学的調査についての内容を盛り込んでいます。い かがでしょうか。よろしいですか。 (異議なし) ○福島座長  次に21頁の29行目からの(3)「関係府省庁等との連携」です。ここでは現在の状況、 今後も情報の共有に努めていく必要があるという内容になっています。よろしいですか。 (異議なし) ○福島座長  それでは(4)「国際機関等との協力」です。ここでは、現在もOECD、FDAといった 海外の機関等とも情報交換を行っており、今後も継続すべきであるという内容です。よ ろしいですか。 (異議なし) ○福島座長  それでは(5)「消費者とのコミュニケーションの充実」です。ここは新しくご意見をい ただきまして、加えています。情報収集を積極的にし、それをまた提供する、それの仕 組みなどについて検討すべきであるということです。よろしいでしょうか。 ○板倉委員  内容はこれでいいと思うのですが、「積極的」という言葉がものすごくたくさん出てく るので、どこかで全部が反映できるような文章にしていただいたほうが読みやすいので はないかと思います。 ○福島座長  そこは修文します。ほかによろしいですか。 (異議なし) ○福島座長  そうしましたら、22頁の25行目の(4)「今後の課題」になります。先ほど最初のパラ グラフのところに事務局より意見をいただきまして、修正しています。情報の収集、安 全性試験の実施をする必要があるという内容です。22頁の36行目から23頁にかけて は、前にあったものを持ってきたということです。何かございますか。「今後の課題」と 書いていますが、私の理解としては、我々のまとめ的な意味も含んでいると思います。 ○長谷川委員  この検討会は製品にターゲットを絞っているということですが、36行目から37行目 にかけて、「製造事業所付近の健康影響」とありまして、これは製品と言うべきなのか、 製造現場と言うべきなのか、その辺が重なっていると感じたのですが、いかがでしょう か。 ○化学物質安全対策室長  ここはナノマテリアルの関連情報について幅広く情報を集めるための仕組みを考えた らどうかということで、若干検討会の範囲より広めに取っています。 ○福島座長  過去にあった事例で、製造事業所、さらには周辺まで健康影響が広がったという事例 があるということからも、このような書きぶりになっています。広い意味で一般環境と 解釈してはどうでしょうか。長谷川委員の言われるのは、ここは馴染まないのではない かという意味ではないのですね。 ○長谷川委員  どこの管轄になるのかなという疑問も含めてです。 ○菅野委員  環境省と労働系と、2者の文書がほぼ同時に出ているのではないかと思うのですが、 その守備範囲を見ていると、人間に被害が及んだときの対応は「ここ」なのだろうと思 うのです。土屋委員もおられますし。それなので、これは残しておいていいのではない でしょうか。 ○土屋委員  アスベストの経験からいくと、ちょうどここが谷間になっているのです。むしろ入れ ておいてほうが安全という気がします。 ○福島座長  そういう意味からすると、事業所周辺に限る必要もないのであって、我々が扱うナノ マテリアルの一般環境における健康被害ということになるのではないでしょうか。ただ、 どうしても起こるのは、このような周辺ということはウォッチングしておく必要はある のではないでしょうか。よろしいでしょうか。 ○菅野委員  先ほどの私のコメントに関係するのですが、29行目の「現状ではナノマテリアルの人 の健康への影響等に関する情報が不足している」というところで、人への影響の情報が ないのも事実ですし、「等」という漢字1つに、先ほど私がお願いした、人間の安全性 を評価するためのデータが足りないというのが入ってしまっているのですが、「等」だけ だと弱いので、可能であれば一律に入れていただければと思います。 ○福島座長  わかりました。人への健康影響、さらに動物における安全性に関する情報が少ないと いう内容を入れます。ほかにございますか。 ○板倉委員  19頁の17行目から18行目にかけての情報交換の部分です。「課題」というときに、 十分ではないということが課題となるのは、日本語としてはおかしいと思います。「また、 現時点では、不十分なナノマテリアルに関して、国、事業者及び消費者の間での情報交 換を充実していくということも」とか、マイナスということではなくて。 ○福島座長  ポジティブな書き方にするべきだということですね。 ○板倉委員  「活発にすべき」とか、どのような言葉を使うかは選んでいただければと思いますが、 十分でないことが課題というのは、意味はわかるのですが趣旨が十分に伝わらないと思 います。 ○福島座長  確かにそうですね。事務局に修文を検討してもらいます。 ○長谷川委員  言葉の問題ですが、20頁の24行目の真ん中の付近に、「発症し得る副作用等を」とあ りまして、最初に出てくる医薬品の付近から受けているとは思うのですが、そのあとに、 化粧品、食品等も一緒に受けているわけで、ここは「副作用等」というより、「有害影響」 というような表現のほうが適切ではないかと思います。 ○福島座長  人が発症し得るような有害影響、健康影響といった表現でしょうか。 ○長谷川委員  それでも結構です。 ○福島座長  「健康影響」にします。  そうしましたら、19頁から最後の23頁までで、ほかに何かございますか。よろしい ですか。 (異議なし) ○福島座長  そうしましたら、もう一度確認したいのですが、全体を通していかがでしょうか。よ ろしいですね。 (異議なし) ○福島座長  ありがとうございました。  そうしましたら、ただいまいただいたご意見を基に、もう一度事務局で修正してもら います。今日いただいたご意見は本質的なことではありませんので、直したものを委員 の方々にメールでお送りして、最終的なものにしたいと思います。よろしいですか。 (異議なし) ○福島座長  ありがとうございます。あとは事務局に作業をしてもらいます。それを私と事務局で 検討して、その結果を委員の皆様にメールでお送りします。その答えをまた皆さんに反 映して、最終的なものにします。  そうしますと、最終報告書に関する審議は、これをもって終わります。議題1を終了 します。  議題2「その他」です。何かございますか。 ○菅野委員  参考資料3なのですが、私は前回「文科省の部分が足りないのではないか」と申し上 げたのですが、それは製造者が使うもの、あるいはそれ以前の材料の情報を、最終的な 製品を作られる人に渡すときに、有害性情報を伴って、特に慢性情報を伴ってお渡しす れば、有害性の高い製品を市販しなくて済むのではないかという意図で申し上げたので すが、これを見ると、縦軸に対して真横に入っているのです。「社会需要のための基盤 云々」とか、そういう研究があるにもかかわらず、本当は社会需要のためというと、縦 長の研究でないといけないのだろうと思います。NBCIぐらいしかそういうのがないの です。これが1つ問題点になっているのではないかと思います。全部横に領域がまたが るような研究班で、いままで成り立ってこられたというのは、既存化学物質とか、一定 の手続きに則って対応するもので済んでいたからだと思うのです。ですから、むしろ民 間のほうが縦長のものを作ったという意味では、先例を付けているのかもしれないけれ ども、国の側にそういうのがないことがこの絵でわかってしまうのではないかと思いま す。  ですから、そういう意味で、いままでの化審法に乗らないと言っていることが、如実 に表われているのではないかということです。これは報告書に参考資料としてお付けに なるのでしたか。 ○化学物質安全対策室長  国全体でどのようにやっているかを整理する目的で付けようかと思ったのですが、必 ずしもそれを示す資料になり得ないかもしれないので。 ○菅野委員  現状の穴を示してしまうことになるかなと危惧したところです。 ○化学物質安全対策室長  報告書の記述と趣旨が合わないのであれば、これはあえて付けないこととします。 ○菅野委員  そこは別の図を描くことができるのであれば、そのほうがいいかもしれません。 ○福島座長  むしろ前回の参考資料3の図で、文科省の研究というのは別の枠ですよね。そのほう がわかりやすくなりませんか。今回は相当詳しく描かれていると思います。委員の先生 方、いかがでしょうか。いま菅野委員から、文科省の研究開発ということについて、こ のままにしておくとバランスを欠くということでありましたが。 ○竹村委員  この「ナノマテリアルの社会受容のための基盤技術の開発」というのは、実際には物 質材料研究機構が担当しています。この中には菅野委員がおっしゃるとおり、標準ナノ 物質の創成がありますが、ほかに評価計測技術に関するものもあります。直接ハザード 評価を行うわけではないのですが、そのハザード評価に必要な技術を開発するという立 場です。さらにリスク管理についても、生体影響評価の基本になる生体とナノ粒子の界 面の挙動などを研究しています。このようなことから、確かにご指摘のとおり、図の描 き方には工夫が必要かと思います。 ○福島座長  ただ、結果として得られるものが、いろいろな社会需要に対するものに貢献している ということですね。 ○竹村委員  はい。 ○福島座長  そうしましたら、これをもう一度事務局で検討してもらいます。それで、うまい図が できたら採用すると。もしどうしても誤解を招くような絵になった場合には、この絵に ついて削除することにしたいと思いますが、いいですか。 (異議なし) ○福島座長  事務局で検討してもらいますのでお願いします。  ほかに何か事務局からありますか。 ○事務局  今回がナノマテリアルの検討会の最終回ですので、大臣官房審議官の岸田より、一言 ご挨拶がございます。 ○審議官(医薬担当)  昨年3月から7回にわたって活発なご議論をいただいて、今日こうやって報告書をほ ぼまとめていただいたということで、各先生方におかれましては非常にお忙しい中を何 回も足を運んでいただきましてありがとうございました。  今回の報告書の中でも、今後の具体的な対応として、安全性、使用実態に関する情報 収集あるいは安全性に関する試験・研究の推進、関係府省庁との連携、国際機関等との 協力、消費者とのリスクコミュニケーションの充実など、様々な課題を検討すべしとい うことが盛り込まれていますので、今後この報告書に盛り込まれたことを、着実に実施 していきたいと思っています。  また、今回の様々な議論の中でも、情報がまだ十分ではなかったといったところが種々 ございましたので、新たな情報が入手されました際には、先生方にまたご相談申し上げ たいと思っております。どうもありがとうございました。 ○福島座長  1点確認ですが、最初に事務局から提案のあった参考資料ですが、これを報告書に付 けるということでよろしいですね。 (異議なし) ○福島座長  ありがとうございます。ほかに何かありますか。 ○事務局  報告書については、取りまとまり次第速やかにホームページに掲載したいと考えてい ます。本日の議事録については、委員の先生にご確認いただいた上、これまでと同様、 後日公開させていただきますので、よろしくお願いします。事務局からは以上です。 ○福島座長  本日の検討会を終了します。長い間ご苦労さまでした。どうもありがとうございまし た。 照会先 厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室 電話03-5253-1111(内線2798)