09/03/06 第16回医薬品・医療機器等対策部会議事録 第16回 医薬品・医療機器等対策部会         日時 平成21年3月6日(金)          14:00〜16:00         場所 ホテルはあといん乃木坂・健保会館                        6階「ソレイユ」 ○事務局  開会に先立ちまして、傍聴の皆様にお知らせします。傍聴に当たりましては、既 にお配りしておりますが、注意事項をお守りくださいますようよろしくお願いします。  定刻になりましたので、ただいまから「第16回医薬品・医療機器等対策部会」を 開会します。本日の部会は、従来の取扱いと同様、公開で行うこととしています。カ メラ撮りは、議事に入る前までとしますので、マスコミ関係者の方々におかれまして は、ご理解とご協力のほどよろしくお願いします。  本日ご出席の委員の先生方におかれましては、ご多用のところご出席いただき、 誠にありがとうございます。本日は、本部会委員14名中9名の出席をもちまして、 部会を開催します。なお、稲垣委員、木下委員、永池委員、原田委員、望月委員は 欠席との連絡をいただいています。また、木村委員は少し遅れているということです。 一時、委員を休職されていた日経BP社の編集委員北澤京子委員が復職されまし たので、ご紹介します。  それから、事務局に変更がありましたのでご紹介します。大臣官房審議官医薬担 当黒川に替わりまして、岸田修一審議官です。  以後の議事進行は、桜井部会長にお願いします。 ○桜井部会長  初めに、資料の確認をお願いします。   ○事務局  配付資料の確認をします。お手元にお配りしました資料、一番上に第16回の議 事次第があります。1枚めくると委員の名簿、もう1枚めくると配付資料一覧です。 資料1「第24・25・26回医薬品ヒヤリ・ハット事例等収集結果」、資料2「インスリン製 剤の販売名変更について」、資料3「第24・25・26回医療機器ヒヤリ・ハット事例等 収集結果」、資料4-1「ウォータートラップにかかる安全使用対策について」、資料 4-2「人工呼吸器回路内のウォータートラップの取扱いに関する医療事故防止対策 について」、資料5「医療用配合剤及びヘパリン製剤(注射剤)の販売名命名並びに 注射剤に添付されている溶解液の表示の取扱いについて」、資料6-1「抗リウマチ 剤メトトレキサート製剤の誤投与(過剰投与)防止のための取扱いについて」、資料 6-2「PMDA医療安全情報(抗リウマチ剤メトトレキサート製剤の誤投与(過剰投与) について」、資料7「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・ 徹底について(注意喚起)」、参考資料として、当部会の設置要綱が付いています。 資料は以上です。過不足等がございましたら、お申し付けください。   ○桜井部会長  よろしいですか。本日は検討事項が2つ、報告事項が4つです。議題1「医薬品 ヒヤリ・ハット事例等収集結果について」を事務局から説明をお願いします。   ○事務局  資料1をご覧ください。本報告書は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が、 医薬品の使用方法及び名称・包装等の物理的要因の観点から、財団法人日本医 療機能評価機構がホームページ等で公開している医療事故情報等収集事業の第 11回・12回・13回の報告書の中にあります、ヒヤリ・ハット事例記述情報及び医療 事故事例の概要について報告したものです。内容は、別添の1)、2)、3)です。また、 通し番号として、別添のほうには右の下に、縦向きで通し番号がうってあります。  今回のヒヤリ・ハット事例等の報告の内容です。第11回報告書の医療事故関係 については、平成19年7月1日から9月30日の間に報告された事例。ヒヤリ・ハ ットの関係については、平成19年5月22日から平成19年8月20日の間に報告 された事例です。以下12回・13回となっておりまして、医療事故のほうは平成20 年3月31日までに報告された事例です。また、ヒヤリ・ハット関係については、平成 20年2月18日までに報告された事例です。医薬品に起因するヒヤリ・ハット等の事 例について、医薬品の使用方法及び名称・包装等の観点から、安全管理対策に関 する専門的な検討を行うため、各医療関係職能団体代表等の委員から構成される 医薬品・医療機器安全使用対策検討会、こちらは総合機構にありますが、この会 で検討した内容を報告いただいたものです。今回の調査結果によりますと、報告書 中の記述情報は全例で276例でした。  医薬品の安全使用に関して、製販業者等による対策が必要又は可能と考えられ た事例、製販業者等により既に対策が取られているもの、若しくは対策を既に検討 中の事例、ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例、 情報不足等のため、製販業者等による対策が困難と考えられた事例の4つの事例 に分けまして、各報告書中の件数を掲げた表です。今回、医薬品の安全使用に関 して、製販業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例は医薬品について はありませんでした。また、製販業者等により、既に対策が取られているもの、若し くは既に対策を検討中の事例としては、全部で4件ありました。また、ヒューマンエラ ーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例が263件、情報不足等のた め、製販業者等による対策が困難と考えられた事例が9件でした。  検討結果の調査については、別添1をご覧ください。第13回のヒヤリ・ハットで報 告された事例で、タケプロンという注射剤をヴィーンDという補液に入れたところ、時 間の経過とともに、点滴ボトルの色が黒紫色に変化してしまったという事例です。こ ちらは配合変化と考えられまして、タケプロンの添付文書の適用上の注意、配合変 化の欄には、生食または5%のブドウ糖以外の溶解液、輸液、補液及び他の製剤 と混合しない旨が記載されていますので、特段この件について対策を取るというこ とではないと分類されています。  第13回のヒヤリ・ハットで報告されたラキソベロン液は下剤の液体ですが、これを 家族が点眼薬と間違えて点眼してしまったということです。こちらは、平成12年9月 の935号通知の中で、まず点眼剤に類似した容器の取扱いについて注意喚起をし ております。それから、平成16年6月にも同様の通知を出していまして、点眼剤に 類似した外用剤については目に入れないこと、若しくはそのものの名前を書くように 指導しております。本件についても、製剤については直接の容器に下剤若しくは眼 に入れないことというのが表記されています。ヒューマンエラー、ヒューマンファクタ ーのほうは時間の関係で割愛いたします。  83頁の情報不足等のため、製販業者による対策が困難と考えられた事例です。 第13回のヒヤリ・ハットで報告された事例です。こちらは、電子カルテシステムの処 方オーダー上で、薬剤の組み合わせによっては「絶対禁忌」「相互作用禁忌」の警 告メッセージが出るようになっているものではありますが、パソコンの修理等のとき に担当のSEが元に戻す作業を忘れたまま稼働させてしまったため、そういう注意 喚起がされなかったということです。こちらは物的要因、医薬品についての改善等 は難しいと考えますし、またシステム上の問題と思われますので、対象外としていま す。  84頁の1、2、3、4については、その持つ医薬品の副作用症状が報告されていま すので、副作用症状については本会の検討対象から除外しております。  85頁の5は、事例の概要としては輸液ポンプで1時間に50mLのシスプラチンを 注入するところ、10分程度で終了したという内容で、この内容だけでは詳細情報が 不明であり、評価不能と考えられた事例です。6、7は、いずれも医薬品の副作用と 考えられる事例ですので、対象外としております。8は、退院10日後に初めて外来 の受診を受けて、そのときに手足の痺れを訴えて、入院中に行った点滴漏れでは ないかと訴えた事例です。ただ、入院中、患者様は特に投与部の疼痛や痺れ等は なく、退院後に気付いたということであったため、こちらのほうも点滴内容等も不明 ですし、評価不能と考える事例になったものです。資料1については以上です。  資料2は、インスリンの販売名規格単位等の取り間違いについての対策として取 ったものです。こちらは、本年の3月末にインスリンの販売名命名の原則を通知し たものに則って、インスリン製販メーカーが各製品の販売名を変更したものです。昨 年4月に医療事故防止に係る販売名変更の代替新規申請が行われ、販売名が順 次変更されて、現在のようになっています。資料2は日本製薬団体連合会で作成 いただいたものですが、同様の内容が総合機構のホームページに掲載されており ます。  今回のインスリンの販売名の変更について、簡単にご説明します。インスリンの販 売名は、これまでmLあたりの単位を表示しているものや、1バイアルあたりの単位 を表示しているものが混在している状況もありましたし、カートリッジ製剤、キット製 剤が販売名で区別されていない実態もありましたので、今回は主にそれについて整 理したものです。まず、バイアル製剤については、ブランド名+製剤の組成情報及 び注射という剤形、そして後ろにmLあたりの単位を記載することとしました。カート リッジ、キット製剤については、ブランド名のあとに製剤の組成情報+剤形である注 射、そして容器の情報、こちらはカートリッジ若しくはキットに該当する名前を付ける ように変更し、変更前後については、こちらに製品の写真とともに掲載しています。 以上です。 ○桜井部会長   ありがとうございました。ただいま医薬品に関係する事例のご説明がありました が、土屋先生何か追加はありますか。 ○土屋委員   このヒヤリ・ハットを集め出してから時間が経ちますが、ある意味では対症療法か もしれませんが、とりあえずいろいろなものの対策というものが取られてきたことに よって、かなりいろいろなものが防げてきたのかなという気がします。例えばインスリ ンですと、当時名前のルールということをやろうにも、40単位と100単位への切り換 えというものをいかにうまくやるかということに主眼を置いていたために、名称につ いてはいままで触らずにいたということです。それが100単位の切り換えがうまくい ったものですから、今度は根本的に命名方法についてやったというところがあります。 ただ、いまご説明がありました別添1の1頁に当たるラキソベロンの点眼をしてしま ったというのは、ある意味では相変わらず起きていることになるわけで、ここのところ をどうするのか。特にこの場合、点眼液とラキソベロンが一緒に並べてあったことか らいくと、いままでは取り違いを防ぐ対策でやったのが、今度は置き方についての 注意をしておかないといけないのかなということを示していまして、薬剤単体での話 ではなくて、それを使う上での注意喚起をどのように行っていくか。あるいは、これ は家族の方がおやりになっていますので、本人だったら間違いなかったかもしれま せんが、家族の方がその薬の情報をよく聞いていなかったかもしれない。入院中に 患者には説明しますが、家族の方が聞いているかどうかというのは確かにわからな いこともありますので、どちらかというと初期の段階は情報が不足だったとか、そう いうところで起きていた、あるいは物を替えなければいけないという話が多かったの が、最近は本当に使い勝手とか、最後のところで情報伝達エラーが起きている気が しますので、これをどう防いでいくかというのは、専門家による情報提供の仕方をど のようにする。あるいは、点眼液とラキソベロンが出ているときには、これを並べて 置かないようなことを考えないといけないのかなということです。 ○桜井部会長   大澤委員、何かありますか。 ○大澤委員   いま、土屋先生がおっしゃったのが本筋だと思います。いずれにしてもメーカーは かなりの努力をしているのは事実ですが、いま土屋先生がご指摘になったような点 を今後どういう形で、単なる注意のパンフレットを作って渡すだけでいいのか、お使 いいただくときに、きちんとそういう説明を家族まで含めていただくのがいいのか、い ろいろなやり方があると思いますが、どこまで本当に徹底してご指導していただいた らいいのか。我々メーカーも、どういうことまでやればいいのかというのは、今後よく 考えていかなければいけないと思っていますので、よろしくお願いします。 ○桜井部会長   木村先生よろしいですか。 ○木村委員   入院中のことは、看護師たちと連携を取ることで良いですが、いま在宅療養して いる方が非常に多くなっています。今回、介護保険関係の報酬改定で、薬の管理と いうよりも使用に当たって、うまく使えない場合は具体的にはヘルパーさんとか、そ れをマネジメントするケアマネージャーとか、もっと情報共有、助言をしていくのは薬 剤師という形で、仕組み的にもほかの職種の人たちと一緒に使用間違いをしないよ うな形に持っていく方向で、いま改正がされて4月から始まります。先般も、日本薬 剤師会としてそのようなことで、ほかの職種の人たちと一緒に使用間違いのないよ うに、もっと言うなら今日とジャンルは違いますが、飲み残しのないようにやっていく 方向でいま進めていますので、鋭意現場で、ほかの人たちと一緒に間違いないよう にしていこうということで進めています。 ○土屋委員   ルールとか、そういうものが決まったのは非常に重要なことだと思いますが、例え ば資料2を見ると、メーカー側の対応として、今回はmLあたり何単位かということを 明確にした。ところが、全量を示す1個目の5頁ですと、「1000単位/10mL」というも のもあれば、「1000単位・10mL」という表現、あるいは「1000単位 10mL」というもの は、ひょっとすると次にこれの解釈の違いというものを生む可能性があるので、なる べくここは/(スラッシュ)なら/(スラッシュ)と統一をしておいたほうがいいのかなという ことがあります。ルールを適用するときに表示の仕方ではありますが、そういったこ とが今後必要になってくるかなと。ルールとしては良いと思いますが、適用の仕方と しての指導が必要になるのかなという気がします。 ○桜井部会長   ありがとうございました。ほかに何かご意見はありますか。 ○外委員   全体のことで、直接医薬品そのものではないですが、ヒューマンファクターで分類 されたところで、気になったものがあったので発言します。67頁の7は白内障の患 者さんで、消毒液と生理食塩水を間違ったということで、患者さんの眼が消毒液に よって障害を生じたという事例です。昨今、眼科の消毒というのは問題になっていま して、銀座の某眼科クリニックで消毒がおろそかだった。これを読むと、この中で発 言しているところは、医師が「今回は1針縫合するだけだから、消毒はいい」、消毒 は要らないと指示したのを聞き間違ったようです。こういうふうに、消毒はいいという 手術が一般化している状況がもしこういうところから読み取れるとすると、1針だか ら消毒は要らないという形で、不潔な眼窩操作が行われているのが本当に日常的 にあるのかはよくわかりませんが、1つはそのことに危惧を抱きました。  もう1つは、生理食塩水とヒビテン・グルコネート液を、いくらカラーシールで区別さ れたコップで通常準備したとしても、透明な液体であり間違えば、失明のおそれが あるわけです。こういうものを同じ手元に置くのは、非常に危険な気がします。です から、これは注意喚起というか、眼科ではどうなっているのか。私も前の施設で似た ようなことがあったものですから、ここは現場で非常に注意しなければいけないこと だと思います。ですから、同じ所に置かない。必要なときだけ、消毒液は別に出すこ とを施設ではやっていましたが、この辺はアラームというか、注意しておく必要があ るのではないかと思いました。 ○桜井部会長   ありがとうございました。この表は、発生段階、事故の程度、事例の概要、調査 結果と終わるわけですが、おそらく私どものこの委員会というのは、このあとどうし たらいいかということを考えるのが役目だと思うので、いまの先生のお話は大変貴 重で、あとで皆さんにそれについて、まとまったご意見をいただこうかなと思ってい ます。ありがとうございました。ほかによろしければ、議題2に移ります。説明をお願 いします。 ○事務局   事務局から説明します。資料3をご用意ください。こちらは先ほどの医薬品と同 様、「第24・25・26回医療機器ヒヤリ・ハット事例等収集結果」です。報告書で言うと、 第11回・12回・13回のものです。1枚めくると報告内容として、第11回から第13 回の報告書の医療事故については、平成19年7月1日から第13回報告書終了 の平成20年3月31日までに報告された事例です。ヒヤリ・ハット関係については、 平成19年5月22日から平成20年2月18日の間に報告された事例です。検討 方法については、医療機器に起因するヒヤリ・ハット等の事例について、医療機器 としての観点から安全管理対策に関する専門的な検討を行うため、各医療機関の 職能団体、学識経験者等の代表から構成される総合機構の医薬品・医療機器安 全使用対策検討会において、医療機器の物的要因に対する安全管理対策につい て検討されたものです。  調査結果です。今回対象となった記述情報は、157件でした。そのうち、医療機器 の安全使用に関して、製販業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例は、 第12回報告書で報告されています人工呼吸器に関するもので件数は2件です。そ れから、製販業者等により、既に対策が取られているもの、若しくは対策を検討中 の事例として、3回の報告書を合わせて20件。こちらは、人工呼吸器が3件、輸液 ポンプ等が17件ありました。ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると 考えられた事例は、全部で116件ありました。情報不足等のため、製販業者による 対策が困難と考えられた事例は、人工呼吸器に関して14件、輸液ポンプに関して 4件の全部で19件でした。  医療機器の安全使用に関して、製販業者等による対策が必要又は可能と考えら れた事例は、ウォータートラップの嵌合不良に関する事例です。資料別添の1頁を ご覧ください。こちらは第12回の事故報告で上がったものですが、事例としては人 工呼吸器回路管理の使用中の患者で、看護師はウォータートラップへ水が溜まっ ていたため、接続を外し、溜まった水の処理をした。人工呼吸器のアラームが鳴っ たため、別の看護師が患者の病室へ訪問したところ、1回換気量のメーターが0mL になっていた。新しい人工呼吸器に交換後、使用中だったサーボ、これは人工呼吸 器の販売名ですが、確認すると、ウォータートラップ接続が十分できていない状態 だったということが判明したということです。こちらは、総合機構の調査結果におきま すと、ウォータートラップの嵌合に関する同様の事例は繰り返し報告されており、安 全使用対策が必要と考えるという調査結果が報告されています。  2番目は、第12回のヒヤリ・ハットで起こった事例です。具体的内容としましては、 先天性心疾患既往の心臓手術の術後酸素化不良で、循環動態にも影響を及ぼし ている状態でした。循環動態がさらに悪化して、PCPS、経皮的心肺補助装置の装 着も必要になり、挿入した。その際、麻酔科医が換気量が不十分なことに気付き、 臨床工学技士が呼吸器を点検すると、回路のウォータートラップの接続部分にリー クがあったということです。こちらの背景要因としましては、夜間ウォータートラップに 水の貯留はなかったので、排液は行っていないため外すことはなく、換気量は問題 なかったが、なぜ突然換気量が低下したかは不明。データでは、低換気によるアラ ームが鳴っている記録が残されていたが、それに対しての対策は取られていなかっ たということでした。  ヒヤリ・ハットの報告をいただいた医療機関の改善策としては、ICUの看護婦はア ラームに対する対応を取れるトレーニングを行う。それから、呼吸器の異常を知ら せるアラームが鳴っている場合、早急に対応し、わからなければ医師又は技師を呼 び、アラームを放置しない。また、バイタルサインなどの観察の際、ラインの点検も するが、呼吸器などの医療機器の作動状態も確認し、アラームに頼らないというこ とが、その報告の医療機関からは改善策として上げられています。ウォータートラッ プの看護の事故対策については、資料4で対策を説明します。  製販業者等により、既に対策が取られているもの、若しくは対策を検討中の事例 として、別添の2をご覧ください。第11回のヒヤリ・ハットで報告されたものの1は、 アラームが鳴って訪室すると、呼吸器の表示画面が固まった状態であって、送気さ れていなかった。それから、突然電源を入れたままテストをしますと、「44」のエラー メッセージが出たということです。調査結果として、「44」はフロアモーターの不良を 示すエラーメッセージということでしたので、本事象は22日間の連続使用による機 械的ストレスということで部品を交換した対策を取っていました。2も、同様に調査の 結果、製販業者に点検するも事象の再現性はなく、異常箇所を確認できなかった。 一時的な電波障害等による外的要因も考えられるが、メイン制御基板の故障の可 能性もあるので、当該基板を交換したということで、こちらも故障の事例ではないか と考えられます。3も同様に修理点検を行った結果、改善するということで、こちらも 故障に近い事例です。  4の輸液ポンプを使用し、点滴を行ったというものですが、ポンプ内のルートが屈 曲されていたが、ポンプのアラームが鳴らなかったということです。こちらは、平成 15年の輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策についてで、輸液ポンプには輸 液セットが正しく装着するよう、構造的な改善をすることとして、各メーカーに取り組 む改善をしていただいていて、既にそういう製品が販売されている状況です。安全 性基準が設定されこの基準に対応している製品について、医療事故防止対策品で あることが医療現場において容易に見分けることができるように業界自主基準とし て適合品マークを付けまして、そういうものの注意をしていますので、医療機器とし ての対策は取られていると考えられます。こういう事例、つまり古いポンプを使用し て、現在取られている安全対策を持っていないもので機能していないものについて、 こちらのほうに何件か上げています。  今回は輸液ポンプの対策について、平成15年3月18日付で「輸液ポンプ等に関 する医療事故防止対策について」が出ていますが、それに則ったポンプの使用若し くは、それを補うような注意をお願いしたいと考えていますので、特に機械自身の対 策をすぐに取らなければというものではない、若しくは既に対策を取っている状況で あるかと考えています。  別添3のヒューマンエラーと別添4を割愛して、既に対策が必要とされているウォ ータートラップにかかる安全使用対策について説明します。資料4-1の1枚をめく ると、「ウォータートラップにかかる安全使用対策について」です。中ほどの報告事 例にありますが、これまでに財団法人日本医療機能評価機構の「医療事故情報収 集等事業報告書」の中で、ヒヤリ・ハット又は医療事故の情報の中から、ウォーター トラップの接続に関する事例を載せています。事故事例としまして、人工呼吸器の ディスポ回路のウォータートラップ、水受けから水を抜いて、カップを取り付けた。4 時間20分後、呼吸器のアラームが鳴り、訪室した。患者の顔面は蒼白しており、胸 郭の動きが確認できなかった。ウォータートラップのカップを取り付け直すと、呼吸 状態は改善したというものです。  また、その下ですが、同様に人工呼吸器管理の使用の患者で、看護師はウォー タートラップへの水が溜まっていたため接続を外し、溜まった水の処理をした。人工 呼吸器のアラームが鳴ったため、別の看護師が患者の病室へ訪室したところ、一 回換気量のメーターが0mLになっていた。新しい人工呼吸器に交換後、使用中だ った人工呼吸器を確認すると、ウォータートラップの接続が十分にできていない状 態だったというものです。1枚めくると、ヒヤリ・ハット事例で上げられているものです。 同様に第4回、第6回、第7回、第8回報告書のように、ウォータートラップの接続 不良によるリーク、空気漏れがあったということです。  これらについて総合機構で調査した結果、調査結果の医療従事者の嵌合に対す る認識等についての中ほどですが、低圧アラームの発生時のリーク確認箇所とし ては、人工呼吸回路上、(1)患者側の気管カニューレの接続部分、(2)加温加湿器チ ャンバーの接続部分、(3)人工呼吸器本体との接続部分、(4)フィルタ、呼気弁、ウォ ータートラップの接続部、(5)回路上の蛇管の破れなどを確認することが一般的であ りますが、このようなヒヤリ・ハット等で報告された事例については、カップの接続箇 所の確認に対する意識が低かったのではないかということが考えられます。カップ 接続に関するエラーは、ヒューマン的な要素が多く、慌てずに慎重に確実な接続を 行うことが重要ですが、ウォータートラップの目的から、その接続箇所は人工呼吸 器回路の最も低い位置にあり、観察や確認が不十分となる可能性が否定できない。 また、ほかの接続箇所に比べ、溜まった水の排出等を行うために、カップ部分の開 閉に伴う再接続が頻繁に行われる箇所であり、接続不良となるリスクはほかの接 続箇所に比べて高いと考えられます。  これらについて、今回総合機構からの調査結果で、今後の安全対策の措置としま して、医療従事者がカップの嵌合接続を意識して、丁寧かつ確実に行えるよう、ま た低圧アラーム等が発生した場合でも、カップの接続状態に意識が及ぶように、以 下のような安全対策を取ることが必要といただいています。今回は、製販業者にご 協力いただきまして、ウォータートラップの注意ラベルを作成していただいて、その 注意ラベルもこちらにあるように統一した文言、統一した注意喚起ができるようなも のとしていただいて、それをウォータートラップに貼って注意をしていただくのを第1 に考えたいと思っています。  今回の資料4-1の10頁は、カラー刷りのPMDA医療安全情報です。実際にシー ルを製販業者等に依頼する前に、まずは安全情報を発出して注意喚起をしていま す。こちらは、人工呼吸器の取扱い時の注意について、その1、低圧アラーム発生 時の留意点について。低圧アラームや低換気アラームが鳴ったときは、回路からの リークが考えられ、原因と箇所として、回路の破損や回路の接続不良、気管切開チ ューブ等のカフ圧不足がありますが、一番下に、特にウォータートラップは見落とし がちなので、注意していただきたいという旨、情報提供しております。  現在、ウォータートラップの実物を回覧していただいておりますが、ウォータートラ ップには「はめ込み式」と「差し込み式」の2種類があります。こちらに不確実な接続 の事例が写真で掲載されておりますが、こちらは「ねじ込み式」です。はめ込み式は、 それ自体が不確実な接続の場合、下のほうに落ちてしまってくっ付いていない状況 となります。シェアとしては、きちんとはめ込み式の絞めた感があるこちらの方が、 使用されている頻度が高いということです。これらについて、カップから水抜きのあ とは、カップが確実に接続されたかどうかを確認していただきたいこと。そして、特に 使用中、このウォータートラップの接続が見落としがちになりますので、このような注 意シールを貼っておくと気が付きやすいという安全情報を出しております。  今回、この機構からの報告を受けまして、資料4-2「人工呼吸器回路内のウォー タートラップの取扱いに関する医療事故防止対策について(依頼)」という通知を昨 日発出いたしました。これは、各製販企業の代表者宛に、ウォータートラップからエ アーが漏れるヒヤリ・ハット事例の報告等において、ウォータートラップ接続不良の 事例が複数報告されていること。ウォータートラップ単体及びウォータートラップを含 む回路等の添付文書には、回路の接続時にはリークがないように注意する旨、又 はウォータートラップの水抜き後のカップの再接続時には、しっかり絞まっているこ とを確認すること等の記載がされていますが、人工呼吸器回路内のウォータートラ ップの取扱いに関して、接続不良を防止する対策の1つとして、医療従事者がカッ プ部分を確実に接続するよう、注意ラベルによる注意喚起をしていただきたいこと。 そして、ウォータートラップの適正使用のための取組の実施を依頼しております。  記として、この注意ラベルの作成においては、製販業者等は次の頁の別添のよう な注意ラベルを作成して、医療機関に対し、ウォータートラップのカップ部分を確実 に接続するよう注意喚起を行うとともに、医療機関の求めに応じて注意ラベルを提 供する。若しくは、製品の外箱に注意ラベルを添付するとしています。あと、注意ラ ベルに関する注意点として、注意ラベルは赤枠白抜きとして、先頭にISO7010のセ ーフティサインマークを配置するとか、文言は「ガスリーク注意」又は「空気漏れ注 意」を必ず表示していただくこと。注意ラベルのサイズについても、ウォータートラッ プのカップ部分に添付する際に、注意ラベルをどの方向からでも医療従事者が目 視できるように、取り扱う製品の全周囲の大きさ程度にしていただきたいこと。それ から、注意ラベルの添付1を医療機関に説明する際には、ウォータートラップ内の 水量の目視確認が妨げられることがないように、ウォータートラップのカップ上部と するなど、情報提供を併せて行っていただきたい点。そして、このウォータートラップ の接続以外にも、適正にウォータートラップを取り扱っていただくために、事故防止 のためウォータートラップの適正使用に関する情報提供を行っていただきたいこと。 また、その対応状況は総合機構に報告いただきたいことを記載しております。  メーカーに対する対応内容について、いまお話しましたが、医療機関、各職能団 体等についても、このように製販業者宛通知しましたのでご了解いただくとともに、 事故防止対策として、ウォータートラップの適正な使用の確保に積極的に努めるよ う、お願いしています。各医療機関からシールが欲しいと言われたときに、すぐに対 応できるような体制が取れるように、人工呼吸委員会の方々とご相談しまして、3月 に入ってそういう対応が取れるということで、昨日通知しました。機器については以 上です。 ○桜井部会長   どうもありがとうございました。目黒先生、いかがでしょうか。 ○目黒委員   全般を通してですが、基本的には機械のどこが悪いとか、そういう部分の対策を 取る重要な事例というのは、少なくなってきていると思われます。  問題点としては、輸液ポンプが特にそうですが、安全対策が取られている輸液ポ ンプと、旧型の取られていない輸液ポンプで、結局取られていないほうの輸液ポン プのヒューマンエラーが、大きい問題と思っています。  あとは、これら機械そのものの問題というよりも、機械に対する教育はどういうとこ ろに注意しなければいけないとか、要点を明確にしたスタッフに対する教育というの が、一番重要な点ではないかなと思います。  最後にウォータートラップですが、当院でも人工呼吸器をたくさん使っているし、私 も実際に業務に関わっていますが、最近はほとんど嵌合不全に関するトラブルはあ まり聞かなくて、割ってしまったとか、ベッドに挟んでしまったということが多いです。 なぜかなと思ってみましたが、それはスタッフ教育ではないかなと。上の看護師たち が、何が一番大事かということを集中的に、新しい人たちに教育していると思われ ます。病棟では実際に勘合不全が起こっているかもしれませんが、あまり大きな問 題として私たちの耳に入ってこないので、対応ができていると思われます。 ○石川委員   目黒先生とほぼ同じで、私も医薬品と比べてみました。そうすると、医薬品と機械 の違いで大きいかなと思ったのは、2番目の対策が取られているけれども、また起 きているというところが医薬品よりもとても数が多い。中身を分析すると目黒先生が おっしゃったとおりで、古い装置だというところに対しての問題があったのかなと思 います。ヒューマンエラーも、先生と同じ感じを持っていました。ただ、これをどのよう にしたら良いかとふと思ったのですが、幸いにも11回、12回、13回を見ると、数字 は正しいかどうかはわかりませんが、減ってきている傾向にあるということは、先ほ ど先生がおっしゃったように古い機械がだんだん少なくなってきているのか、または 注意というか、それがおわかりになってきたのか。または、わかっているために報告 していないかどうかはわかりませんが、とにかく減ってきているのは、ある意味でよ かったと思っています。ただ、ヒューマンファクターのところを少し読んでいると、保 守点検をしなければいけないところに関して、きちんとしていなかったところがある ので、機械というのはどうしても人が使って少し面倒を見てあげないといけないとい うことがあるので、もう少しそこのあたりは我々も情報提供をしていかなければいけ ないのかなとも感じました。  最後の情報が不足しているから判断できないよというのは、医薬品に比べたら多 いです。逆に多いというのは、たぶん機械それぞれが複雑であることと、使われて いる環境、状況、人の状況、置かれている状況、機械そのものの状況に対する情 報が足りないために、判断ができていないのだろうと思います。ひょっとすると、ここ のところは深掘りをしないと、我々として気を付けなければいけないことが抜けてい るかもしれないと感じました。  ウォータートラップに関しては、皆さんいまお手元でご覧になってわかったように、 そう簡単にポコッと外れるものではないし、ピチッと入れればいいはずですが、たぶ ん忙しい作業の中とかで発生しているのでしょう。それから、回路を絵に書くと非常 にわかりやすく、複雑であることが良くわかりますから、リークで必ず機械本体のア ラームは鳴るけれども、どこが原因かといった時に、確認する場所が結構たくさん あるということがあるので、確かにこれはお使いになっている方々も大変かもしれま せんが、使用目的でそのようになっているので、そうなると使う場合もそれぞれを点 検しなければいけないことになります。今回は、業界の方もこういうラベルをご用意 して、各病院でできる限り注意喚起をしましょうということなので、ご協力しました。こ ういう形で両方で、使う方と物の出す方も何か歩み寄りながら、とにかく注意喚起が できていくことができれば良いことですし、この結果のようにどんどんヒヤリ・ハットが 減っていく方向にいけば、よろしい気がします。 ○目黒委員   追加です。輸液ポンプは少ないですが、人工呼吸器みたいな複雑な機械になり ますと、注意書だけで2、3頁。例えば添付文書の場合には、添付文書の一面が、 全部赤の注意喚起文になっています。これも、どこかの委員会の中で話題になりま したが、どこにポイントを絞って何を読んで何を伝えなければいけないのか、今後検 討する必要があります。たぶんPMDAのほうでも議論されているかと思いますが、 複雑な機械で臨床的にも取扱いが重要な機械だと、注意喚起が多くなる場合があ って、これらを整理することは大事なことだと思います。  1つ気になったのは、私がわからなかった部分で、資料3の添付の最初の輸液ポ ンプの7頁の「製造業者等により、既に対策が取られているもの」の15です。変だ なと思って機械を確認しに行ったら、TE161という15の第12回の報告ですが、同じ 顔つまり外観が同じ装置なのに、警告を出してくれるものとくれないものがある。こ れは、あまりにもおかしいと思います。何らかの対策をとって、相違点がわかるよう なことが必要だと思ったのがありました。 ○石川委員   目黒先生、型番は同じですか。 ○目黒委員   同じ161で、TE161のSとか、その下にいろいろ付きます。けれども、見た目は全 部同じです。ですから、これは起こるはずないだろうと思って保守点検の講習会に 行った人たちにいろいろ確認しました。メーカーには確認してなかったのですが。 ○石川委員   わかりました。薬の例を頭に入れながら調べてみます。 ○寺井委員  ウォータートラップについては、対策をこのようにメーカーの方からシールなどの配 付をしてくださるということで、現場にとっては大変嬉しいサポートだと思います。先 ほど厚生労働省の方からご説明いただいたときに、たくさんのウォータートラップの 種類があって、ねじ込み式とはめ込み式がある。はめ込み式については、先ほど、 回していただいたので、よくわかりましたが、ねじが付いているので、しっかりはまっ ていないときは自然に外れるような作りになっているという説明でしたが、それでよ ろしかったでしょうか。  実はそこがとても気になったのは、当院でもウォータートラップが外れるというのが 3年ぐらい前にあって、それでねじ式を使っていたのですが、はめ込み型のバネが 付いていてしっかりはまっていないときには外れるし、バネをしっかり押し込んでね じをするというタイプにしたら、もうそれが本当に起こらなくなったのです。その発案 は臨床工学士の方が、こういうねじ、バネが入っているほうが、ちゃんとはまってい なければしっかり外れるし、安全なので勧められましたから当院でも変えましょうと いうことで変えたのです。もしそれが型の違いによって外れにくいということがあるの であれば、そういったメッセージもいただければ現場は対応しやすいのではないか と思います。 ○目黒委員   ウォータートラップに関しては、実は使わなくてもいいシステムもあるのです。要す るにコストの問題なのですけれども、このウォータートラップというのは、呼気あるい は吸気の中の湿度が室温によって管が冷やされるために、そこで結露が生じてそ れを溜めるものなのです。窓に付く結露を溜めるようなものです。ではどうすればい いかということですが、回路に全部熱線が入っていて、温度を体温と同じように保つ システムがあればいいのですが、そのシステムは現在あるわけです。それを使うか どうかですが、金額的に張るし、それを加温するための装置がまた要るということが あります。当施設の状況を参考に述べますと、我々もいまいろいろ考えてはいるの ですが、そういう新しい装置を付けると、加温するための装置のトラブルがまた起こ る可能性が出てきます。装置が複雑になればそれだけリスクも高くなるということが あるので、それが安全に安定して動作すればより安全にはなってくるし、ウォーター トラップを使わなくてもいい状況があるということを、お話しておきたいと思います。 ○土屋委員   輸液ポンプで安全体策が取られたものと、取られていないものとの間で差が出て きていることがあったときに、物というのは変わっているわけですから、むしろ医療 安全のためにはそういう古い物を使わないようにする。薬は使用期限があって、そ れを超えたらもう使わないというルールがはっきりしているので、それは損をしても みんな捨てるということをやりますが、機器の場合、どうしても11台目は買うけれど も、10台にするのではなく、買えば買うだけ台数が増えていくという管理の仕方を、 医療機関は基本的にする傾向があると思うので、これは平成15年の対策がとられ ている以前の物をなくすための政策を考えてもよいのではないかと思います。 そ れは、お金をかけて補助金でも何でもいいのですが、変えさせないと教育と言って も古いのもあります、新しいのもありますよという教育は大変ですから、そろそろ抜 本的な対策をとるべきではないか。いままでとってきた対策が、これでとりあえず有 効であることもわかったと思うので、そういうやり方を考えないと、この手の事故は 防げるのかなという気がします。そういう対策を今後、この場ではないのかもしれま せんが、本当はやっていかないといけないと思います。 ○桜井部会長   外先生、何かご意見はございますか。 ○外委員   特にありません。 ○桜井部会長   ほかに何かございますか。この医薬品と医療機器を比べてみますと、医療機器と いうのは数が相対的に多いですね。これはどういう理由なのでしょうか。医薬品の 件数が276件、医療機器が157件ということで、使われている頻度から言うと医療 機器が多いように思います。 ○目黒委員   いま、土屋先生から貴重な意見をいただきましたが、新しい機械と混在すると大 変なのです。たぶん寺井委員もそうだと思いますし、私も最近感じるのは、人工呼 吸器でも輸液ポンプでも何でもそうですが、いままで使っていた機械を切り換えて新 しいのを使うというのは、それなりの勇気が要るというか覚悟が必要です。特に先 生たちが使い慣れた機械を新たに換えていくというのは。私なども人工呼吸器の使 い方の勉強会を開きますけれども、ものすごい労力が必要です。またそれを1回で 終わるのは無理なので、先生を含めて医療スタッフの教育には漠大な時間が必要 となりますから、それをやれるだけの力を持っていないと、なかなか進めていくのは 大変です。それをきちんとできるような体制を作らない限りは、新しい機械が入って きて古い機械があれば、同じような問題点は今後とも出てくるのではないかと思い ます。 ○木村委員   かなり基本的な質問をさせていただくのですが、いま、いわゆる人工呼吸器を使 う難病の患者さんが、結構、在宅に戻されていると思います。たぶん医療機関にい るときには、こういう管理下では気をつけて一生懸命やると思いますが、私も知合 いでALSに罹患している人がいて、その人の管理は結局、奥様が人工呼吸器とか を全部管理していて、たまに訪問看護師さんが来て、別の角度からいろいろ見てい るという感じがあるのです。  ここに挙がってくるのは、たぶん医療機関の中だけでのいろいろなエラーというこ とで来るのだと思います。私もその家族から聞いたのですが、接続部で外れていて 真っ青になり、急いでちゃんと繋ないでということが度々あるというのです。素人が ずっとやっていますから疲れてくるということです。そういう事例というのはどこかで 拾い上げているものなのか。例えばかかりつけの先生の管理下で、しっかり医療機 器メーカーと連携をとってやっているのか。その辺はどうなっているのかを教えてい ただきたいと思います。いまの仕組みそのものがどうなっているかということです。 ○目黒委員   医療法が変わり、医療機器安全管理責任者というのが病院の中に置かれるよう になりました。その中で在宅で使う人工呼吸器も、その医療機関にかかっている患 者さんの場合には、すべからくその医療機器安全管理責任者の責任です。うちの 病院の場合は私が安全管理責任者で、その上に医療機器安全管理委員会という のがあります。  ただ、実際の在宅の医療現場で起こっている、いろいろなトラブルの統計情報が 集められているのかどうかというのは、私たちは技士でほとんど在宅業務をしてい なので、患者に近い看護師さんや担当している先生方から拾い集めないと出てこな い気がします。 ○医療安全推進室長   いま医療事故情報収集等事業として医療機能評価機構でやっているのは、報告 義務のある医療機関というのが273ありますけれども、これは特定機能病院とか旧 国立病院で、あまり在宅医療をやっている所ではないと思いますから、そういう情報 というのはほとんど上がってきていないと思います。  任意で参加している所や、ヒヤリ・ハットのところについては、診療所も入ってご協 力いただいていますが、数が極めて限られている現状にあります。そういうところか ら在宅の情報が全くないとは言い切れないと思いますが、非常に限られている。そ こは限界があるというのが現状です。 ○桜井部会長   よろしいですか。ほかにいかがですか。先ほども申し上げたのですが、事例の報 告がありますけれども、これは大変な労力でお作りになっていると思います。読む ほうも大変な労力でくたびれるのですが、我々の役目というのは、この分類、発生 場所、事故の程度、事例概要、調査結果で、その後に何をしたらいいかということ だろうと思います。今日はそれを先生方から、こういう事をしたらどうかというので、 いままでもずいぶん出ましたけれども、ご披露いただければと思いますが、いかが でしょうか。 ○北澤委員   私は医療従事者ではないので詳しいことはわからないのですが、このPMDAの 医療安全情報というのはホームページからもダウンロードできるようになっています ね。絵入りでとてもわかりやすくて、私などでも、こういうふうになっているんだなとい うのが、よくわかって非常にいいと思います。これをもう少し幅広く活用していただく ために、どうしたらいいのかを考えたらいいのではないかと思いました。  先ほど先生も在宅医療の話をされましたが、人工呼吸器を使っているけれども在 宅で療養しておられる方や、その家族の方もたくさんおられると思います。家族であ ってもこれを見れば、ここが注意点なんだなというのが絵入りでわかりやすいし、 PMDAは医療従事者の方への情報提供が主たる目的だとは思いますが、一般の 方々にも、こういういい情報源があるというのをもう少し広めていただけたらと思い ます。 ○桜井部会長   イギリスは、リスク管理というのは進んでいますか。 ○北澤委員   あまりそういう面での勉強はしていないのです。 ○桜井部会長   もっと高級なことを。いろいろな問題があると思いますけれども、いかがでしょうか。 いままで伺っていて私が感じるのは、システムをきちんとしなければいけないという ことだろうと思います。 ○安全使用推進室長   いま北澤委員からご指摘があった件について、この医療安全情報については総 合機構の情報配信サービスということで、予め登録いただければ、医療関係者だけ でなく一般の方も含めて、これが掲載された際に自動的にメールで配信するサービ スがあります。そういったツールを使って情報提供を進めているということです。た だ、まだ登録者が非常に限られていまして、総合機構と厚生労働省が一体となり、 例えば医薬品安全管理責任者や医療機器安全管理責任者などに登録をお願いし たいということで、呼び掛けをさせていただいています。ここは力を入れて今後、取 り組んでいきたいと考えています。 ○桜井部会長   どういう呼び掛けをなさっているのですか。 ○安全使用推進室長   例えば、毎月発表している医薬品・医療機器等安全性情報に記事を掲載し、登 録を呼び掛けています。 ○桜井部会長   でも、あれは一般家庭にはいかないのではないか。 ○安全使用推進室長   一般家庭にはいかないです。確かにご指摘のように在宅の現場まで届けるとい うのはちょっと困難です。ですから、例えば人工呼吸器等であれば、在宅の指導管 理をされている医療機関を通じてということになってしまうかと思います。そこはなか なか難しい点があるかと思います。 ○石川委員   いま北澤先生がおっしゃったことにも関連しますが、業界の方もいま何をしている かといいますと、機構さんと一緒になってやっている仕事としては、いわゆる先ほど 目黒先生のおっしゃった、1枚目が全部真っ赤になっている添付文書というのがあ りますが、それをなるべく電子化しましょうということで、総合機構のウェブにできる 限り載せています。これは同じように機構さんのホームページに辿り着ければ一般 の方もご覧になれる。ただ、医家向けの医療機器なので書き方は少し堅いかもしれ ません。しかし、それが家庭でも使えるものであった場合には添付文書の書き方が 少し違いますので、それも掲載することになっていますが、残念ながら載っている掲 載率があまりにも低いので、どれだけ現在お役に立つかわかりません。少なくとも、 いま行政と私達の方でできる限りもっとたくさん載せるようにということをやっていま す。今回のウォータートラップのことや他のことがいままで出ていますが、たぶんそ れに関連する機械の添付文書と、こういう安全性に関するものの情報がリンクする ということです。  それから、目黒先生がおっしゃっていたように古いタイプのものをまだお使いの方 に対して、どんどん新しくなっていますから、過去の添付文書がどのようであったか も見られるようにしています。添付文書制度というのは物を買わないと付いて来な い情報提供の制度ですが、そうでなくて過去のものも他から見られるようにというこ とで、少なくともお使いになっている方に、また一般の方でも見られるように情報公 開というか、公にしていこうという努力はしているところです。ただ、残念ながらまだ 普及率が悪いので威張っては申し上げられないのですが、そういう努力をちまちま ですけれども、やっているという状態です。 ○桜井部会長   あの添付文書、医療機器の場合は是非、図解を載せていただきたいのです。文 章でがたがた書かれても、さっぱり頭に入らない。生命保険のあれと一緒で「渡した よ」と言われても。 ○石川委員   おっしゃるとおり、なるべく全部文字にならないようにということで、絵とか図面は 使っていいことになっているのですが、どうしても紙の容量が決まっているのです。 お薬よりはずいぶん多いのですが、それでも足りないのです。それが増えれば良い かというと、増えてまた雑になってもいけない。先ほど目黒先生がおっしゃったよう に、本当に肝心なものはどれとどれなんだということで、そういうのをもう1回検討し ながら、中身を見直すということが必要かもしれません。これだけ添付文書は普及 してきて医療機器も今は全部付いていますから、普及してきたということと、医家向 と家庭向けがあるということを考えて、おっしゃるようにもう少しタイプを考え直す時 期に来たのかもしれません。 ○桜井部会長   アメリカのNHのジャフィニーという所長が、これからの医療は3つのPだと言っ ています。Prediction、Prevention、Participationですが、Participationは「参加」と いう意味で、それは患者も家族も参加する医療だということですから、医師がわか ればいいという時代はもう終わったと思います。 ○石川委員   確かにFDAのホームページなんかを見ると、例えば機械そのものの原理という か、どのようにしてこの機械が動くのかということを、先ほどのウォータートラップも そうかもしれませんけれども、特にハイリスクのものに関しては、こういう原理でとい うのは別に検索すると読めるようになっています。それは家庭の方が読んでもわか りやすいように書いてあるということがあります。もちろん論文も載っていますし、知 りたい方が読めるようになっているので、確かに添付文書だけではなく、エンサイク ロペディア的になるかもしれませんが、そういう百科事典的なことがないと、たぶん これから患者さんもParticipationに入るだろうし、我々も必要ではないかと思ってい ます。 ○木村委員   いま北澤委員がおっしゃったPMDAの情報を、先ほど私が言ったそれぞれの難 病の家族の会とかがあるのです。そういうところにも登録していただいて、結構、家 族の会ってネットワークが多くて、特にALSの協会が各所にあり、そこのメールのネ ットワークみたいなものが結構あるのです。例えばそういうところに、人工呼吸器を 付ければいいという意味でなく使用している人に限ってということで、こういう情報が ありますという形で広げていくことを、是非していただきたいと思います。 ○土屋委員   先ほどの目黒委員の発言ではないのですが、要は「注意=赤」と一般的にはな っていて、添付文書の警告も赤字で書くことを規定していますが、表示面積がある 面積を超えたときには、むしろその中に黒が入っていたほうがずっと目立つわけで す。私は実際にアイカメラでトレースを取ってみたところ、その中に黒があるとそこを ちゃんと見にいくのです。ですから規制としてなかなか難しいというのはわかるので すが、ちょうど点眼液を目に入れないことということを以前にやったのは、ほかも全 部赤だったから、目はロットとか黒の印刷がある所にいくことが実験でも出ているの です。「注意=赤」という話は、あくまで全体の面積との関係というのがありますので、 要は情報の伝わり方ということを考えたときに、これは極めて難しい話ですけれども、 でもそうしないと「注意=赤」というので全部やっていくと、本当に真っ赤で何も目立 たない形になります。情報の伝え方をどうするかということを、今後、きちんとやって いかなければいけないだろうと思います。 ○寺井委員   PMDAの医療安全情報の件では病院によってもあると思いますし、私は医療安 全管理者という立場ですけれども、なかなか見ていないという現状が大きいのでは ないかと思います。医療機能評価機構からはファックスで医療安全情報が送られて くるようになって、それでも調査の結果では、あまり活用されていないということが報 道されていましたけれども、PMDAは自分から見に行かないといけないので、そこが なかなか病院での利用度が少ない現状かもしれません。私も医療安全管理者とし て、PMDAの医療安全情報はもっと活用するように呼び掛けていきたいと思いま す。  桜井先生からありましたように、この情報をどのように活用していくかについては、 医療現場からヒヤリ・ハット報告や医療事故の情報を報告している側としては、医 療現場でも注意喚起までは一生懸命やるようになったと思いますが、如何せん、で きないのが物を換えるとか、物のさまざまな情報をもらうということがなかなか難し いということがあると思います。ウォータートラップもそうで、こんなに種類があって、 このようにさまざまで、先ほども申し上げたようにバネ式のほうがいいのであれば、 そういった情報こそ現場ではほしいですし、そういう安全なものに換えていただけれ ば患者さんも守られるし医療者も守られるのではないかと思います。  もう1つ、如何せん物が換えられないと申しましたが、サクシンとサクシゾンのこと も医療現場では本当に大きくて、土屋先生もいろいろご苦労されたと思います。どう やって対策をとるか通知が来ていろいろ考えるわけですが、一方では、名前を変え れば解決する問題でもあるのではないかという声も多いので、そういうことを是非考 えていただければと思います。 ○石川委員   いまのに関連して、先ほど言いかけて言わなかったのですが、情報をどうやって 提供すれば一番効果的なのかという命題に、実を言うと我々は悩んでいます。今回 の薬事法の改正でGVP省令ができ、薬と同じように、医療機器も医療機器情報担 当者を置きなさいということになっています。これは病院等に行って先生と直接会っ て情報提供をする、ということになっているのですが、いまのお話を聞いていてまた 不安になってきたというか、どうすれば良いのか悩んできたのです。少なくとも、いま 機構さんから出している情報、我々の添付文書もそうですが、登録さえすれば、否 応なしに情報はどんどん情報が欲しい方に配布される状態になっているはずなの です。  ただし、いまの世の中の情報はもらった人がその情報の箱を開けなければ情報 は得られません。ファックスで流してもファックスを見なければそれは何にもならない のと、同じです。ではどうやったらその情報が的確に伝わるのかということは、先ほ ど情報担当者が本当に全部行って、忙しい中で「すみません、こういうこと起きてい ますけど」とお話をしていかなければいけないのか。そういう制度も使わなければい けないと思いますが、1つの方法は情報をどんどん提供し流していって、受け取れ る状態になっているというのがいままでとはずっと変わった、ということ。2つ目は人 間系としても訪問して提供することもできるようになった。この2つがあると思いま す。  これだけ文明の利器を使って、どうやったら病院の中で情報をうまく伝達できるか。 つまり病院の中で情報を加工はしなければいけないと思うのです。それぞれの病院 にはそれぞれの事情があり、それに関連した情報がありますから。ただ、加工する 手前の情報を、どれだけ効率的に私たちが差し上げれば医療安全が保てるのかな というのは、たぶんこれからもっと考えなければいけないかもしれません。そういう ふうに私は思いました。  何かいい機械というのは、私からするとたぶん、ある時期はどれもいい機械だった と思うのです。でもそれはお使いになる方々のご意見を聞いていった結果、これも いい、これもいいとなり、類似の機器が同じ会社からも出ることになっただけであっ て、それをまたどこかで集約することが必要になるかもしれません。が、そういうとこ ろの使用者の方々の仕組みも考えなければならないとも思います。だからお使いに なる方々、それをサポートしている方々、作る方と、それぞれ違った観点で製作しま すと事故は起きてしまいます。そうしないようにするには、どのような場で、どのよう にすれば良いのか、というのもまた非常に悩ましい問題です。長く使われるというこ とも含めてですが。雑駁な感想かもしれませんが、ちょっとそのように思いました。 ○桜井部会長   大変大事なご指摘だと思います。やはりマニュアルみたいなものを作って、それ に則ってやらなければいけないとか、そういうシステムが必要ですかね。 ○石川委員   マニュアルは、いつか先生がおっしゃっていましたが、例えば全部CD-ROM化し てしまって取説なんか読まないから、必要なところだけを検索する、というのも考え られますが、検索するためにまた機械にかけて見なければいけないから、どっちみ ち人間系と機械系がぶつかるところがあります。ある決まったルーチンでと言っても、 たぶん施設によっては人がたくさんサポートできる病院と、そうでない所もあったりし た場合に、そのチェックリストがそのまま通用するかと言ったらそうはいかなくて、そ この環境に合ったものをそれぞれで作っていかなければいけない。それをメーカー が全部やれというのは無理なことであり、あるベーシックな情報は差し上げて、その 中でその施設に適したように情報を加工していきながらその病院の中でやっていく ところを、どこまで私たちがお手伝いできるかというところではないかと思います。 ○外委員   ここ数年、こういう委員会とかに加わっていて、流れとしてはいい方向へ来ている なと思います。現場で仕事をしていてもいろいろな情報が伝わりやすくなっているし、 それが、いろいろな指導によって末端まで行くシステムも病院の中ではできているよ うに思います。私は大学病院なので大学病院でしか見ていない側面はあるかもし れませんが、中・大規模病院では情報の収集と末端への周知や教育も、みんなが 一丸となってだんだんやりつつある土壌にはあると思います。  1つは、このヒヤリ・ハット事例はいつも大量に出てきて、その分析にもものすごい 労力を使って皆さんがやられて、その中からピックアップして対策をとられている。 それもPMDAを中心として一生懸命やられていると私も思います。ただ、この中で 医療事故について特に私は注目したいのですが、死亡例や障害が残る事故が起 きたときには、再発を防止するために何か対策をとることを考えていくということで、 全体を通して言うと強弱がなかなか付けられていないのではないか。薬もいろいろ あるし医療機器もいろいろあって、その全体の情報が流れてくると、末端ではすべ て情報として受け取るけれども、一体何が一番大事で、いま何に気を付けたらいい かというところの強弱が、あまりにそういう情報が集まって来て取りにくいところもあ るのではないか。その中でPMDAが、こういう図示してわかりやすい図で情報を発 すると、それは受け取る側からすると非常にインパクトを持っているのかなと思いま す。  ただ、私がこの全体を見て思うのは、医薬品にしろ医療機器にしろ、ヒューマンフ ァクターの部分が必ず関わってきていますので、医薬品、医療機器はこうやって頑 張っているけれども、では国全体としての医療事故を減らすヒューマンファクターあ るいはシステム、構造上の問題、その辺での突っ込みと情報整理、情報発信がど の程度というか、いろいろやられているのは分かりますけれども、こういう物や医薬 品ほどには伝わってきていない。あるいは徹底していないのかなと思います。  サクシンとサクシゾンについては話があるかもしれませんが、もうサクシンをやめ ようということで、麻酔学会の中でもその流れでいっています。そういう一つひとつ、 できるところからやっていくしかないのかなと思いました。  あと強弱を付けるという意味では、いま人工呼吸器を何とかみんなで考える時期 だと思います。人工呼吸器あるいは呼吸関連と言うのでしょうか、生命維持装置で すので、そのことについては焦点を絞って物だけではなく教育も含めて、先ほどから 意見があるように在宅のところまで浮彫にして、事故を防ぐためにはどういうことが 必要かをみんなで考える時かなと思いました。 ○目黒委員   私はこの人工呼吸器に関しては、これは限界なのではないかと以前から思って います。これだけいろいろ事例が出てきますから、結局、病院の中で何かあったとき に対応できるシステムが必要です。いま桜井先生も外先生も言いましたけれども、 そのシステムがないために不安を持って看護師さんたちは仕事をしているわけで、 その不安を実際に皆さんは訴えているわけです。実際問題、看護師さんだけで対 応できることもありますが、できない内容も多々あるわけですから、呼吸療法がきち んとできるような状況を作り上げていくシステムが必要です。要するに病院の中に 医療機器管理部みたいなものがあって、その中でアメリカのBMETですかね、医療 技術者みたいなのがその傘下にある。いつも言うのですが、医薬品に薬剤部があ るように医療機器をきちんとやる所があるようにする。要するにこれだけ人の生命 に関わる機械がたくさんあるわけですから、そういう医療機器をトータルで管理する システム、あるいはそれを運用することを考える何らかのシステムを構築しなけれ ば、私はなくなっていかないという気がします。ここから見えるのはそのことではない かという気が、人工呼吸器に関しては特にします。 ○医療安全推進室長   いま、外委員からご指摘がありましたヒューマンエラーの件については、医療機 能評価機構のほうで平成16年から収集する事業をしています。ただ、毎年、医療 事故だけでも1,500件ぐらいあって、ヒヤリ・ハットまで含めると万のオーダーで情報 が出ていますので、それをご指摘のとおり、強弱を付けて報告していくことが重要だ と評価機構のほうでも考えています。  報告書は3カ月ごとに出していますが、その中でも例えば共有すべき医療事故情 報といった形とか、その時々でテーマを決めて集めています。人工呼吸器について もテーマを決めて、人工呼吸器に関する事故について集めてお示しすることをして いるところです。また昨年度(平成19年)から医療安全情報という形で、これは先ほ ど寺井委員からご紹介いただきましたけれども、各医療機関に特に重要なというか、 繰り返し起きている薬の取り違え、処方せんの書き方のミスについては直にお示し することをやっていますが、如何せん、まだまだ十分現場に伝わっていないというと ころは我々も反省しているところです。  来年度になりますけれども、この事故情報あるいはヒヤリ・ハット収集のコンピュー タ上のシステムを直します。例えば先ほど白内障の手術で消毒液というご指摘があ りましたが、いまは白内障についてどんなヒヤリ・ハットがあったか、外の方が瞬時 に検索する仕組みがないので、例えば眼科の先生がそういうことに興味があったと きに、どんな事故があったか見られるようにしていきたいと考えています。そのよう な進捗状況です。 ○寺井委員   いま、医療機能評価機構の取組のお話を伺っていて、医療機能評価機構の医 療事故防止事業から届く報告書や医療安全情報は、病院にとっても周知がかなり されてきたと思います。同じヒヤリ・ハット情報から医療機能評価機構の医療安全 情報も出てきて、このPMDAの医療安全情報も出てきているようですが、それを、よ り周知している医療機能評価機構のほうと一緒に出していただくことはできないの でしょうか。そうすればいまより、このような貴重な情報が現場に反映される可能性 があると思います。いまはどうして分かれているのですか。 ○医療安全推進室長   そういうことができるかどうかは、すぐにこの場でお答えはできませんけれども、 評価機構のほうとも相談をしてみたいと思います。 ○桜井部会長   それは局ごとに仲がよくないからです。私は5年前から、この医薬品・医療機器 等対策部会とヒューマンエラー部会を、合同でやったらどうかと申し上げているので すが、未だにできないのです。どうも医薬食品局と医政局の仲が悪いのではないか と思いますが、よくわかりません。だからそれは相当難しいと思います。ほかによろ しいですか。それでは最後の報告事項に移ります。 ○事務局  報告事項について申し上げます。資料5をご覧ください。これは前回のこの部会 以降、発出した通知です。1頁をご覧ください。平成20年9月20日付で、医療用配 合剤及びヘパリン製剤(注射剤)の販売名命名並びに注射剤に添付されている溶 解液の表示の取扱いについて、通知いたしました。これは、当部会の下に設置した 「医薬品類似性検討ワーキンググループ」において具体的な対策の検討を行って いただき、それを前々回の「医薬品・医療機器等対策部会」で報告・検討いただき まして、その内容を踏まえて通知したものです。  2頁から簡単に説明しますと、医療用配合剤販売名の取扱いについては、いわゆ る目的として、医療用配合剤について配合であることに気づかず、誤って重複また は過量に投与されるおそれを防ぐための対策として、販売名に配合剤である旨を 明記するなど、販売名を命名する際の事項を規定したものです。配合剤の顆粒の 場合は配合顆粒、錠剤の場合は配合錠という剤形で命名することとしています。  5頁ですが、ヘパリン製剤(注射剤)販売名命名の取扱いです。ヘパリン製剤は直 接、人に投与する用法を持つ製剤と、血液透析などの透析に使うものの製剤と、ヘ パロック等のルート内で血液凝固防止のための製剤の3種類がありますので、それ ぞれについて販売名命名の原則を規定したものです。人に直接使用する用法用量 を持つ製剤については、総用量と総単位を記載することとしています。またヘパロッ ク用や透析用についてもそれぞれ「mL」当りの単位を記載することにしています。  7頁ですが、注射剤に添付されている溶解液の表示の取扱いです。これは粉末注 射剤に添付されている溶解液を主薬の薬だと思って、主薬の薬を溶解せずに添付 溶解液のみが投与される事例が報告されたことから、このような誤用を防止するた めの措置として、注射剤に添付されている溶解液の直接の容器、包装に表示すべ き事項を規定したものです。直接の容器への記載事項としては、一般的名称を他 の溶解液や主薬の名称よりも大きく、かつ強調して記載することとしたものです。資 料5は以上です。  資料6-1をご覧ください。1頁ですが、これは平成20年10月20日付きに、抗リ ウマチ剤メトトレキサート製剤の誤投与(過剰投与)防止のための取扱いについて (注意喚起)を行った通知です。これは前回の部会で、製販業者等において対策が 必要と考える事項として挙げられたものですが、その検討の中で、皆様方からお示 しいただいた内容等を含めて通知したものです。  具体的には2頁です。医療関係者は患者が入院等の際に、他の医療機関等で当 該薬剤が処方されていないか、患者のお薬手帳等により確認すること。また、患者 が当該薬剤を服用又は所持している場合には、当該薬剤の服用方法等について 確認することなど、こちらのほうは医療機関に向けた注意喚起をしています。  物の改善としては9頁です。これは各製造販売業者に対し、抗リウマチ剤メトトレ キサート製剤の医療事故防止対策として、この通知の記の1にありますように、当 該製剤の包装シートとPTPシートが分離できる構造は、原則として認められないこ と。2として包装シートには、(1)1週間のうち決められた日のみ服用すべき製剤であ ること及び、(2)1週間のうち休薬期間を要する日があることを必ず表示するようにす ること、ということで直接の包装シートの包装を、例を示して指示しているものです。 具体的には12頁、13頁にあるように、1錠剤パッケージのシートの単位としたもの です。  資料6-2は、PMDAの医療安全情報について、この通知の発出に伴ってこのよう な注意をしてほしいという具体的な内容を記載したものです。メトトレキサート製剤 の誤投与については、包装変更等の進捗状況について今年2月から既に一部製 販業者においては、この通知で示した案に則った包装シートの変更がされており、 既に販売されています。ほかの各社についてもこの4月以降、順次、切り替る予定 となっています。  資料7は、医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底に ついて(注意喚起)です。これは先ほど委員からもご発言がありましたけれども、昨 年12月4日に通知したもので、筋弛緩剤のサクシン注とステロイドのサクシゾン注 を、医師が思い込みによる誤った指示を出し、それがそのまま投与されてしまった 事例に対する注意喚起等のものです。  医療機関における医療事故防止対策については、これまで平成15年11月27 日付及び平成16年6月20日付等の通知によって、取り違え防止の対策強化を図 るよう医療機関に通知等をしてきたところですが、今般、このような事例が起こった ということについて、再度注意喚起をしていただくよう、各医療機関及びメーカー等 についても指導しているところです。  具体的には2頁の記の1として、医療機関においては採用医薬品を再確認してい ただきたいということです。これは医薬品の販売名の類似性に起因した取り違えを 防ぐため、医療機関においては各医療機関で採用している薬を確認していただき、 改めてその必要性を検討していただきたいということ。  2として、平成19年4月から施行されている医療法の改正により、医薬品の安全 使用のための手順書の作成等が義務付けられていますが、その手順書がきちんと 機能しているか。その手順書の妥当性及び取扱いの注意を、もう一度検討してい ただきたいという点を挙げています。その中で、従業員に対する医薬品の安全使用 のための方策を周知徹底していただきたい点も挙げています。  3として、処方せん等の記載及び疑義内容の確認の徹底をお願いしています。こ れは販売名の類似性に注意を要する医薬品、及び要安全管理医薬品を処方する 場合、並びに当該医薬品を投与する患者を、他の医療機関又は他の診療科に紹 介する場合にあっては、当該薬剤名を確認し、服用方法及び用量等を処方せん又 は紹介状等に分かりやすく記載していただきたいということ。  また、注射薬など、医薬品業務手順書における要安全管理医薬品を処方又は指 示された場合、処方医、診療科を確認し、処方せん等における医薬品名、服用方 法及び用量等に疑義がある場合には、処方医に対して疑義照会を徹底して行うこ と。そして処方内容に関する照会や確認が円滑に行われるよう、職種間の連携体 制を築くこと。特に今般の医療事故に鑑み、ヒドロコルチゾン製剤「サクシゾン」と筋 弛緩剤の「サクシン注射液」の使用に対しては、十分注意いただきたいということを 述べています。  4として、オーダリングシステム等の病院情報システムにおける工夫ですが、いわ ゆるオーダリングシステム等の病院情報システムを導入して、処方が行われている 医療機関においては、同システムの薬剤選択機能や警告画面の表示について、例 えば、その医薬品の性質等を示す用語等が販売名に付加される表示方法や、薬 剤選択画面表示及び警告表示画面等において、リスクに応じた確認方法とする等、 誤処方を防止する対策を検討いただきたいということです。  5として、これも平成19年施行の医療法改正ですが、医薬品の安全使用のため に必要となる情報の収集等について、これは医療法及び薬事法の規定により、医 薬品安全管理責任者は、医薬品の安全使用のために必要となる情報の収集、そ の他医薬品の安全使用を目的とした改善のための方策を実施し、情報収集・管理 を行い、必要な情報について当該情報に係る医薬品を取り扱う業者に迅速かつ確 実に周知徹底を図る必要がある。また、この迅速な安全性情報の収集を可能にし、 その業務を円滑に実施するため、医薬品・医療機器の安全性に関する特に重要な 情報が発出された際に、電子メールによる情報配信を行う。「医薬品医療機器情報 配信サービス」がありますので、このようなものを積極的に活用いただきたいという 点です。  また、これ以外に、いわゆる社団法人日本病院薬剤師会から、11月21日付で 「疑義照会の徹底及び医薬品安全管理手順書等の緊急点検について」が通知さ れていますので、それも確認いただきたいということです。具体的には別添1にあり ます。これは平成15年11月に通知している「医療機関における医療事故防止対策 の強化について」で、特に類似性が指摘されて取り違え等の報告があった医薬品 が挙げられています。これらについては各製販メーカーに再度情報提供を徹底する よう指示し、比較広告や直接の情報提供などを通じて情報提供していただいている ところです。通知については以上です。 ○桜井部会長   何かご質問がございますか。 ○土屋委員   先ほどお話のあったサクシン、サクシゾンの件ですが、この病院は本来はサクシ ンもサクシゾンも扱っていた。しかし、事故防止対策としてサクシゾンの取扱いを中 止したために、逆にコンピュータシステムではチェックが掛からなくなり、スルーして しまったということです。以前は対策を取らなかったために起きた事故ですが、逆に 事故防止対策を取ったことが次の新たな誘引になったという事例で、我々もこの発 生を非常に重く受け止めなければいけないと思うわけです。  それで対策をどうするかといったときに、例えば名称類似の件ですが、もちろん新 薬はいまチェックシステムで類似名称を排除する仕組みを持っている。あるいは後 発は新たにブランド名を付けることを禁止することで対策は取られているのですが、 実は通知以前に認められた後発品についてはブランド名はそのままになっている のです。実際、アルマールとアマリールを間違えるというのはありましたが、昨年は アルマールではなくてアルマトールという、いわゆるアルダクトンAの後発品の類似 名称でアマリールと間違えて死亡事故が起きています。2万いくつも薬があって、特 にいま後発品の推進ですから、そのときにブランド名を覚えさせるよりは、これ以上 ブランド名を増やさない方策を取る。すなわち既発売品であっても後発品はブランド 名をやめる。すべて一般名称にするという抜本的な対策を取らないと、ブランド名を 言えるのは逆に言えば先発名の特権であるかもしれませんし、ブランド名というの は確かに短くできていいのですが、そこをやらないと、先発品といままで使われてい なかった後発品の名前との間で事故が起きることが考えられます。  このサクシン、サクシゾンは、医師が半年前まで勤めていた所では「サクシ」とや ればサクシゾンだった、ところが、代わった病院で「サクシ」とやったらサクシンだった というエラーです。これを防止しようと思うと、病院情報システムは全件マスターとい うことで、どこの病院へ行っても同じものが出てくる仕組みを作らないと、いけないと いう気がします。  しかし、そのときにブランド名がいっぱい並んでいたら、本当にまたミスということも 起きますので、これから先の事故防止対策は種類を減らす方向へ持っていかない と困るのです。そういった意味で、名称変更で言えばタキソール、タキソテールがそ うですが、一般名称を強調するやり方をしています。類似名称の対象でAというブラ ンド名をBというブランド名に変えるというのはよくない方法で、ブランド名がまた増 える話になります。そうではなくて、変るのだったら一般名に変えるという対策の取 り方があるし、少なくとも後発のブランド名をなくすことが必要だと思います。私は以 前、類似名称のシステムを作って1文字違いとか、いろいろなのが1,000近くあると いうのをやったのですが、後発のブランド名がなくなるとほとんどヒットしなくなるの です。すなわちブランドの類似性は、いまの新薬の類似性チェックを兼ねれば、ほと んど類似名称を気にしなくてよくなる。ただ、今度は一般名称の類似性はあります。 そこのところは対策を取らないといけない時期に来ている気がします。是非どこか の時点で、後発品のブランド名は本当にあるべきかどうか議論すべきです。  それと同時に、先ほどの配合剤のルールは決まったのですが、最近、承認されて いる配合剤は、めったやたらと記号を組み合わせている。これは問題で、製薬会社 はもう少し通知の本当の意味をちゃんと理解すべきではないかと思います。数字だ けでは危ないから、数字だけはやめろというのはそうですが、数字と記号を組み合 わせるときに//とやっていったら、いまのままでいくと2×2だったら4種類の組合 せが出てきてしまう。そういうのが出てきたら間違いのもとになります。だから数字 だけをというのは止めてやることになっているのに、今度は記号だけになったらこれ また危ないのです。ですから、そこの組合せの方法をきちんとするよう対策をとって いかないと、最近は後発対策なのでしょうが、めったやたらといろいろな組合せの薬 を承認して、それもどうかと思いますけれども、それが防げないのであればもう少し そこのところはきちんとしていただかないと、結局、これから先、配合剤によるエラー が増えることは目に見えていますから、是非、そこのところの対策をきちんとやって いただきたいと思います。 ○桜井部会長   何かございますか。 ○安全対策課長   土屋先生がおっしゃった配合剤の問題で、最近の審査事例についてもいろいろと 苦慮しているところもあります。いまの段階では、どういう形で、マトリックスで様々な 種類のある配合剤をネーミングするのかということについて、標準的な方法のルー ルがまだ編み出せていないところに悩みがあるのです。製剤の識別について、こう いうルールになっていて、こういうネーミングだったらこういう配合のものだということ が、誰でもイメージできるような提案を募っていきたいとも考えています。少し事例を 積み重ねる中で、共通ルール化を進めることが1つの方策ではないかと思います から、これは先生にもいろいろお知恵を拝借しながら検討していきたいと考えている ところです。 ○外委員   今回のサクシンとサクシゾンについては動いていただき、サクシンを一般名のス キサメトニウムに変更するということで、すんなりと動いたところは非常によかったの ではないかと思います。現場ではサクシンでずっと通っていますので慣れるまで時 間がかると思いますが、一般名になったということは非常にいいことかなと思いまし た。  あと小さいことかもしれませんが、名称類似の中で先ほど消毒液を角膜に入れて 障害が残ったという事例も、私は消毒液と生食液というのを看護師が聞き間違えた のではないかと思います。生食と消毒というのは意外と名称類似に近いのではない かと思ったりします。しかもものすごく怖い間違いになるので、そのことをマークして おく必要があるのではないかと思いました。 ○土屋委員   もちろん、配合剤の名前の付け方のルールをいろいろ考えるのもいいのですが、 そもそも本当にそんな組合せが必要なのかどうかという根本的なところです。この 場ではきっとないのでしょうし審査管理課のほうなのでしょうが、そこはきちんと考え ていただかないと、似たものをいっぱい世の中に出してくるときに本当に必要性が あるのかどうか。それが特に製薬企業のいろいろな方策として出てくるのはわかり ますが、しかし、医療安全情報も含めて本当に必要なのかどうかということは、厚労 省のほうでご検討いただかないといけない。出てきたものの対策をとるのがいいの か、そもそもそんな組合せのものを出して、例えば3種類の薬でいったら9種類の 名前の付け方を区別するなんていうのは、人間工学的に言っても無理ですから、そ ういうことを起こさせないような仕組みをお考えいただくことも、すぐ取れるかどうか は別として、そういうリスクに触れさせるチャンスを減らすのが、おそらく大事な考え 方ではないかという気がしますので、是非、お願いしたいと思います。 ○桜井部会長   何か姓名に分けたら駄目なのですか。吉永小百合とか、あるいは小百合だけで はわかりませんからね。 ○土屋委員   文字に意味を持たせると、かえって思い込みのエラーが起きますので、そういうこ とはむしろ簡素化していく形のほうがいいと思います。 ○桜井部会長   ほかに何かございますか。全般を通してでも結構です。事務局からほかに何かあ りますか。 ○事務局   平成20年9月30日及び平成20年12月9日に、日本医療機能評価機構から、 医療事故情報等収集事業の第14回と15回の報告書が出ています。公表の際は 医政局総務課長及び医薬食品局安全対策課長の連名の通知で、都道府県をはじ め関係団体等へ報告書の公表を連絡するとともに、同様の事例の再発防止及び 発生の未然防止のため、報告書の内容を確認の上、共有すべき医療事故情報等 の内容を留意いただきたいという注意喚起を促す通知をしています。この14回、15 回の報告書の中のヒヤリ・ハット事例の記述情報等の中で、この専門的な評価を 総合機構で加えた報告書の内容を次回、この部会でご審議いただきたいと思いま す。以上です。 ○桜井部会長   審議官、何かございますか。 ○大臣官房審議官  今日の先生方のご意見は非常に重要なご意見ばかりだったと思います。特に在 宅医療というものを今後進める上で、そこでのヒヤリ・ハットをどうやって防いでいっ たらいいかは、いまから真剣に考えなければいけない問題と受け止めました。  医療関係者あるいは在宅関係者への情報提供を、どういう仕組みでもってやるの か。また提供したからといって読んでもらわなければ意味がないわけで、そこをどう やって読んでもらう工夫をするかという点も非常に重要なところです。ここをしっかり とやっていきたいと思います。ありがとうございました。 ○桜井部会長   ほかによろしいですか。時間ですのでこれで終わります。今日はありがとうござい ました。         照会先 医薬食品局安全対策課安全使用推進室 電話 03-5253-1111(内線2751)