09/02/25 第27回独立行政法人評価委員会国立病院部会議事録 独立行政法人評価委員会国立病院部会(第27回) 開催日時:平成21年2月25日(水)9:00〜11:27 開催場所:経済産業省別館1012号会議室 出席者:猿田部会長、永井部会長代理、田極委員、大道委員、渡辺委員、住田委員、辻 本委員、夏目委員、山田委員 ○猿田部会長   おはようございます。定刻になりましたので、独立行政法人評価委員会の国立病院部 会第27回を始めさせていただきます。本日は朝早くから、また天気の悪いところ、お 忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。本日の委員の出 席状況ですが、永井先生、夏目先生が途中から退席されるということです。  それでは早速、議事に入りたいと思います。今日はお手元にあります議事次第に従っ て進めさせていただきます。まず最初に、矢崎理事長から一言ご挨拶をお願いします。 ○国立病院機構理事長  評価委員の先生方には、この表題にありますように独法化が始まって以来、もう27 回も会合を開いて評価いただき、大変ありがとうございました。このたび、第1期中期 計画の期間を終了するに当たり、折角の機会でございますので、数分の時間をいただき まして、私どもの思いを少し述べさせていただければと思います。  私どもは第1期中期計画の期間を通じて、現在145の病院それぞれが、立地条件が異 なりますし、担っている医療あるいは規模も異なります。ドクターに関しても、出身大 学もすべて異なる複合体と言いますか、一つひとつの質の異なる集合体でございます。 しかし一つの目標、すなわち中期目標を目指して一致団結し、医療提供体制の整備、提 供する医療の質の向上を目指して今日まで取り組んでまいりました。  さらには黒字病院・赤字病院も、すべて収入の3%を拠出金として率先して拠出して いただきました。また黒字病院では将来の投資と言うのですか、病院の改築を目指した 積立金も、銀行ではなく本部を信頼して、本部に預託金として預けていただきました。 これらの資金を有効活用して、効率よく経営を行ってまいりました。その結果、ごく限 られた領域を除きますと、医療一般にはいわゆる借金に対する補助金などなく、ほかの 自治体病院をはじめ、公的病院が軒並み赤字経営になっていく中、私どもは幸いにも経 営基盤を安定化することができました。これは病院長をはじめ皆様方のご協力と、評価 委員会で高い評価をいただいて、それが糧となって今日まできたと思います。  その上で第2期中期計画の期間に向けて、私どもは今年の当初から4つのキーワード を掲げてきました。その1番目が、医療の質の向上へのさらなる取組みであります。こ れは臨床評価指標をきっちり定めて、医療の均てん化を図るとともに、更なる医療の質、 サービスの向上に努めてまいりたいと思います。  2番目が、よき医療人の育成と確保です。特に医師と看護師の臨床能力向上を目指し た取組みを行っていきたいと思います。とりわけ看護師の実践能力の向上のために、私 どもはモデル事業として新構想の看護大学・大学院を開き、チーム医療の更なる向上、 医師と看護師あるいは医療職の協働を進めていきたいと思っております。  3番目が、情報の発信です。これは、従来からの、治験あるいはエビデンスに基づい た医療、科学的な医療、EBMのための臨床研究の推進。さらに私ども145病院にITの ネットワークを形成して、単なるレセプトのオンライン化だけではなく、診療データを 集積して解析し、医療政策を立案するためのエビデンス、すなわち厚生労働省に欠けて いると言われるエビデンスベースのポリシーを確立するために、私どもは貢献していき たいと思っております。そのデータを分析するための組織も、新たに作っていこうと思 っております。  最後の4番目が、非公務員化です。私どもの活動をさらに広げるための非公務員化に 当たりましては、委員の方々のご支援とともに、実際に法案を作って国会に提出すると いう大変な仕事があります。私どもは本省の国立病院課の皆様にも是非、一刻も早く所 要の作業を経て非公務員化の道筋を立てていただきたいと思っておりますので、今後と もよろしくお願いしたいと思います。  このようなことで私の背中の後ろには、145病院の院長先生をはじめ、職員の皆さん の思いが詰まっていますので、大変貴重な時間をいただいて恐縮ではございますが、私 どもの思いを少し述べさせていただきました。今後ともご指導のほど、よろしくお願い 申し上げます。どうもありがとうございました。 ○猿田部会長   矢崎先生、どうもありがとうございました。いま第1期が終わったということで、皆 様もご存じのとおり、私どもはこんなにまでしっかりした体制が出来上がって、業績が 上がってくるとは思わなかったのです。先生をはじめ皆様方、特に病院長の先生方の努 力が実ったのだと思って、私どもは本当に尊敬しております。いま先生からお話のあり ました、これからの第2期の4つの項目に関しては、どれも非常に重要な点だと思いま す。各病院において、ほかの所は大変な状況です。そういうことを見ると、国立病院機 構は、しっかりした基盤が出来上がっているということで、ここから更に一層の情報の 発信というのが、日本のために非常に重要だと思っております。今後とも是非、よろし くお願いいたします。  それでは早速、議事の第1番目、第2期中期目標・中期計画(案)について、最初に 政策評価官室のほうからご説明をよろしくお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐   まず、独立行政法人の中期目標・中期計画について、ご説明いたします。厚生労働大 臣が所管する独立行政法人の中期目標を定める際に、独立行政法人評価委員会のご意見 を賜り、それを踏まえた上で中期目標を策定しております。この中期目標を受けて、当 該法人が中期計画(案)を作成し、厚生労働大臣に認可の申請を行うこととなっており ます。本日は今年度で中期目標期間が終了する国立病院機構について、中期目標(案) と併せて中期計画(案)についても、ご審議いただきたいと存じます。よろしくお願い します。 ○猿田部会長   それでは、この案に関して所管課よりご説明のほどお願いいたします。 ○医政局国立病院課国立病院機構管理室長   それでは、国立病院機構次期中期目標・中期計画(案)について、まとめてポイント を説明させていただきます。まず、使います資料は資料1-1です。これは中期目標・中 期計画(案)の概要を3枚紙にまとめたものです。これは次の目標・計画(案)におい て、新規に盛り込んだ事項や変更があった事項を基本的にカバーする形でまとめており ます。資料1-2は新旧の中期目標・中期計画(案)、平成19年の末にまとめた厚生労働 大臣からの見直し案を、5段表の形でまとめたものです。  それから机上配付資料があります。机上配付資料の1は、平成19年の12月に閣議決 定された独立行政法人整理合理化計画の国立病院機構の部分です。机上配付資料の2は、 2段表の形になっております。これは総務省の政策評価独立行政法人評価委員会のほう で出された「勧告の方向性」と、それを踏まえて厚生労働大臣のほうでまとめた「見直 し案」です。これも平成19年の12月に決定したものです。このたびの第2期の中期目 標・中期計画(案)の策定に当たっては、いま机上配付資料として申し上げた独立行政 法人の「整理合理化計画」、厚生労働大臣の「見直し案」、更に昨年6月に厚生労働省の ほうでまとめた「安心と希望の医療確保ビジョン」も踏まえて、また評価委員会等でい ただいたご指摘も踏まえて策定しております。  それでは、中身の説明に移りたいと思います。基本的には概要の3枚紙、資料1-1に 沿って、また必要に応じて資料1-2の5段表を見ながら進めたいと思っております。早 速、資料1-1です。まずは表記の関係です。所々、表記で◆を付けているものがありま す。これは整理合理化計画や見直し案を反映した事項です。★は「安心と希望の医療確 保ビジョン」を反映した事項ということで書いております。  その内容ですが、中期目標期間は平成21年4月から、平成26年3月までの5年間と させていただければと考えております。まず中身の大きな特徴を申し上げます。第2期 の内容は第1期の各取組みについて、基本的にそれらの取組みの柱を維持しつつ、各々 の内容を拡充するということになっております。また、拡充に当たっては先ほど理事長 からもお話いただきましたが、医療の質の向上、人材育成、情報発信に力点を置きなが ら拡充しております。内容面では特に「診療事業」について、地域医療への貢献に一層 の重点を置いた書き方をしております。財務面の目標については、従来は5年間で経常 収支100%以上という目標でしたが、このハードルを少し高くして、各年度ごとに経常 収支100%以上といたしました。以上の点がいちばん特筆される点ではないかと考えて おります。  以下、順に内容を追ってご説明いたします。まず、「国民に対して提供するサービスそ の他業務の質の向上に関する事項」です。「診療事業」については従来どおり、「患者の 目線に立った医療の提供」「安心・安全な医療の提供」「質の高い医療の提供」という大 きな3本の柱の下に作っております。  「患者の目線に立った医療の提供」の関係では、評価委員会でもインフォームドコン セント等のご指摘をいただいておりましたが、そういう分かりやすい説明と相談しやす い環境づくりという点で、診療ガイドラインの適切な活用、複数職種による説明といっ た事項を新規に盛り込んでおります。さらに、セカンドオピニオン制度の充実もご指摘 いただいております。これについては新たに、全病院で対応できる体制を整えるという ことを盛り込んでおります。加えてレセプト並みの明細書の発行も、逐次できる病院を 広げていって、最終的には全病院でできるように取り組んでいきます。また、患者の自 己管理(セルフマネージメント)を支援する取組みも盛り込んでおります。  「安心・安全な医療の提供」については、引き続き医療倫理の確立、医療安全対策の 充実に取り組んでまいります。医療安全対策の充実については、厚生労働省の見直し案 の中でも言及しておりましたが、とりわけ病院間での相互チェックなどによる医療安全 対策を標準化するということ、そして、その成果を情報発信するということを新しく盛 り込んでおります。  次に、「質の高い医療の提供」です。クリティカルパスの活用については、引き続き数 値目標を掲げて取り組んでまいります。右上のほうに移りますが、EBMの促進につい ても引き続き取り組んでまいります。とりわけ次期中期目標期間においては、今期作っ た臨床評価指標を、更に充実させるということを掲げております。加えて、これは厚生 労働省の見直し案や整理合理化計画等にも書いてありますし、理事長からもお話いただ きましたが、診療情報データベースの確立と、民間を含めた利用促進を新規に盛り込ん でおります。診療情報データベースについては、今ある国立病院機構の総合情報ネット ワークシステムの更新を行っており、今年の7月から全面稼働予定です。こうしたシス テムのバージョンアップと合わせる形で、診療情報データを収集する機能を新たに導入 することになっております。診療情報データベースのシステムを稼働させた後は、この システムへの情報提供が可能な医事会計システムを持っている、当面はDPC適用病院 ですが、これが順次参画していって、データを蓄積していくと。また、データベースが きちんとできていくように、診療情報の分析等を行う研究体制等も整備すべく準備中で す。次に、「患者のQOLの向上」ですが、これも厚生労働省の見直し案で書いておりま す。次の「職種間の協働・チーム医療の推進」も重要な柱で、新規に盛り込んでおりま す。  以上が3本柱に沿った部分です。これらの3本柱の横断的な内容として、今回、もう 1つの柱を立てて、「個別病院に期待される機能の発揮等」ということでまとめておりま す。この内容については、資料1-2の5頁の下のほうから書いてありますので、こちら も適宜ご参照いただければと思います。いちばん詳しく書いてあるのが中期計画(案) で、左から4つ目の列の部分がその内容です。まず1番目の重要事項としては、医療計 画を踏まえた地域医療への一層の貢献をしていくという内容です。この関係で我々は、 まず中期目標のほうで4疾病・5事業を中心とした、地域医療機関等との連携強化を図 るということを掲げております。 これを受けて、中期計画(案)のほうでは新たに、数値目標的なものを盛り込んでおり ます。5頁の(4)の(1)の中期計画(案)の2行目からですが、地域連携クリティカルパス 実施病院を増加させるということです。平成19年度では38カ所の病院でこれが行われ ていると理解しておりますが、これを更に増やしていくという目標を新規に掲げており ます。それから、ご覧いただいている頁のかなり下のほうに、「紹介率・逆紹介率」とい うのがあります。これについては引き続き数値目標を掲げております。  次に6頁に移ります。災害時の医療やへき地医療への貢献も、引き続き書いておりま す。これに加えて医師不足地域への協力を、新たに明示的に盛り込んでおります。更に 読み進んでいくと、小児救急を含めた救急医療の話が出てまいります。これについては 評価委員会等でも指摘がありましたが、中期目標において体制を強化するということで 書いております。  これらを受けて中期計画(案)の中で、いくつか具体的な数値目標を掲げております。 まず、救急患者の受入れについては、現行の中期計画では救急患者の受入数を目標に掲 げておりましたが、次期計画においてはより重篤な患者に焦点を当てるということで、 救急車による救急患者の受入数というように、目標内容を少し変えております。また、 追加の数値目標ということで、救急受診後に入院した患者数についても数値目標を入れ ております。  6頁の(2)には、「政策医療の適切な実施」という項があります。これはまさに引き続き 政策医療をやっていくことは重要な部分なので書いております。とりわけ次期計画(案) においては政策医療の中でも、特に国立病院機構のシェアが高い結核、重症心身障害、 筋ジストロフィー、医療観察法に基づく医療について、具体的にどういう取組みを行っ ていくかということを盛り込んでおります。お手元の頁ですと、5段表の6頁から7頁 にかけて、こういうことが書いてあります。加えて政策医療ネットワークについても、 より弾力的で活性化されるように見直しを図っていきます。さらに、例えば新型インフ ルエンザ対策など、国の重要政策の受け皿となるモデル事業を実施するということも、 新たに盛り込んでおります。  次に、3枚紙の概要の2頁目に移ります。「臨床研究事業」については、EBMのため のエビデンスづくりの推進に引き続き取り組んでいくことで、データ集積と情報発信を 行ってまいります。治験の推進も、引き続き取り組んでまいります。とりわけ新規に盛 り込んだ内容として、国際共同治験や医師主導治験への積極的な取組みを行ってまいり ます。さらに高度・先進医療技術の臨床導入の推進や、研究倫理の確立といったことも、 引き続き取り組んでまいります。  右上の「教育研修事業」に移ります。これは質の高い医療従事者の育成ということで、 重要な取組みの項目です。引き続き国立病院機構の特色を活かした臨床研修プログラム に則って、医師の育成等を行います。特色としては、医師について幅広い総合的な診療 能力を有した全人的な医療の提供できる医師の育成です。これは見直し案や医療確保ビ ジョン等にも掲げられたことを反映している内容です。また、これも先ほど理事長から ご紹介がありましたが、看護師についてです。医療と一体となった高等看護教育に資す る取組みを行っていくということで、看護大学を誘致して、共同でプログラムを作って 教育に取り組んでいきます。それに加えて特にへき地病院においては、技術研修やIT を活用した遠隔研修も重要であると思いますので、こういったものにも取り組んでまい ります。そして引き続き、地域医療に貢献する研修事業にも取り組んでまいりたいと考 えております。  次に「総合的事項」です。これは今まで申し上げた、大きな柱である「診療事業」「臨 床研究事業」「教育研修事業」において、横断的な内容をまとめて記載したものです。資 料1-2の10頁の下のほうから、この内容が書かれております。5段表の10頁の4の「総 合的事項」の(1)、「個別病院ごとの総合的な検証、改善等」は、整理合理化計画等にお いて明示的に、これをやりなさいということで書かれた内容を、ほぼそのまま書き移し た部分です。まず平成22年度末を目途に、個別病院ごとに政策医療の発揮状況、地域 医療事情、経営状況等を総合的に検証して、必要な改善措置を講じます。その際、労災 病院等との診療連携についても検討していきます。それから、これは厚生労働省全体の 話ですが、中期期間の終了時ということで、平成25年度末までに、所管の独法が運営 する病院全体についての総合的な検討を行っていく関係で、国立病院機構にもご協力い ただきます。  次の「エイズへの取組推進」は、原告団と大臣との協議の中で、取組内容についてし っかりと書いてほしいというお話がありましたので、かなり詳しく書いております。内 容としてはブロック拠点病院において、全科対応による総合的な診療や治験、人材育成 研修会、情報収集・発信といったものを、しっかりと進めていきます。加えて、ブロッ ク拠点病院が中核拠点病院を支援していき、中核拠点病院においては、今度は拠点病院 に対して研修等を行っていくと。こういった取組みに当たっては、国立国際医療センタ ーとの適宜協力等、必要に応じて行っていくといった内容です。  次が、「調査研究・情報発信機能の強化」です。5段表では(3)ですが、総合研究セン ター(仮称)という体制を整備して、臨床研究、治験、診療情報といったものを総合的 に分析して、情報発信をしていく、こういった取組みを行ってまいりたいと思います。 先ほど申しました診療情報データベースの確立のために、こういった総合研究センター というものが非常に重要になってくるわけです。  次が、「業務運営の効率化に関する事項」ということで、3枚紙のほうに戻ってくださ い。まず、「効率的な業務運営体制の確立」です。本部・ブロック事務所の関係について は、ただいま申し上げた総合研究センターをつくることに加えて、ITの推進が重要であ ることから、これを担う組織を常設化してまいりたいと考えております。内部監査の関 係では取引の公正性等ということで、国会等を含めてご指摘も受けております。そうい ったことを踏まえて内部監査を実施する組織を明確化して、専任の職員を配置したいと 考えております。「弾力的な組織の構築」ですが、評価委員会でもご指摘いただいた看護 職・事務職の副院長への登用も、新規に書いております。地域連携室や医療安全管理室 については、専任の職員を全病院に配置することで、強化を図りたいと考えております。 さらに看護部門の体制強化の関係では、副看護部長の複数配置などを考えております。 そのほかに人材育成の観点から、病院に教育研修を司る部署を設置したいということで、 新規に盛り込んでおります。  「職員の業績評価等の適切な実施」については、すでに導入されている制度を引き続 き適切に実施してまいります。  「監事監査、外部監査等の充実」も、次期目標及び計画で力を入れて書いている部分 です。常勤監事は、平成20年4月から1名入れることで強化を図っておりますが、次 期期間においては会計監査人による監査を毎年、全病院で実施したいと考えております。 また、常勤化した監事とも連携しながら、事務の適正担保のための抜き打ち監査に、し っかりと取り組んでまいりたいということで書いております。日本医療機能評価機構等 による病院機能評価の受審病院数も増やしていきたいということで、数値目標を掲げて おります。  次は、「業務運営の見直しや効率化による収支改善」です。次期計画において新規に項 目立てをして、「経営意識の向上」ということで書いております。資料1-2の5段表の 15頁の真ん中から下の辺りです。経営力を強化するために、医療事務の有資格者の確 保・育成や、経営のための戦略・研修といったことをしっかりと取り組んでまいりたい ということで、新規に入れております。加えて、これはすでに整理合理化計画でも書か れていることですが、各々の政策医療分野のコスト分析を行っていきたいと思います。 これも国立病院機構のITシステムが新たに更新されるのに伴い、こういった代表的な 政策医療分野のコスト分析も行っていけるように、いま準備を進めております。  また3枚紙のほうに戻ってください。次が、「業務運営コストの節減」です。引き続 き医薬品等の共同購入の拡大、後発医薬品の採用促進を進めてまいります。後発医薬品 については国の数量シェア30%という目標を、機構のほうでも数値目標として掲げまし た。総人件費改革の取組みは、基本的に今期取り組んできた内容の延長でやっていくこ とで、減らせる人件費は最大限減らしていきます。  他方、国の医療政策、医療の質の確保や向上のために必要な医療従事者の確保にも、 併せて取り組む必要があるということで、その両者をにらみながら、しっかり取り組ん でいきます。その際、給与水準についてはどういうことになっているかを検証して、取 組状況等の公表も行ってまいりたいと考えております。また、コスト削減のための標準 仕様化も進めてまいりますし、共同入札等も推進してまいります。それから、同じく平 成19年末に決めた随意契約の見直し計画も、着実に行ってまいります。右上のほうで すが、これも新たな事項として昨年閣議決定した、市場化テストをさらに導入する予定 です。やや試行的な取組みではありますが、一部の物品について調達業務を市場化テス トにかけるべく、準備を進めたいと考えております。  次に、「医療資源の有効活用」です。機器の共同利用や病床の効率的利用には、引き続 き取り組んでまいります。新規に盛り込んだ事項としては、整理合理化計画でも指摘さ れた保有資産の有効活用があります。看護学校については成績を上げようということで、 国家試験の合格率について毎年度、全国平均値以上という数値目標的なものを新たに掲 げております。次に、これもITの関連ですが、医事会計システムを全病院で標準化さ せていくべく取り組んでいきます。これが進みますと、診療情報データベースを積み重 ねていくことにも資するものであると考えております。「収入の確保」については、引き 続き医業未収金の対策を進めてまいります。そのほか新規に盛り込んだこととして、診 療報酬請求業務も改善してまいりたいと考えております。  次に、「財務内容の改善に関する事項」です。冒頭に申し上げたように、経常収支率の 100%以上という数値目標を、各年度ごとにということで書いております。固定負債に ついては、着実に減少しております。例えば平成19年度末現在で、平成16年期首に比 べて14%減ということで、大きく進んでおります。これを次期においても、引き続き着 実に行っていきます。  最後に、「その他業務運営に関する事項」の人事に関する計画です。医師不足、看護師 不足という中で、とりわけ離職防止や復職支援が重要ということで、医療確保ビジョン にも盛り込まれた内容ですが、これらを新たに盛り込んでおります。雑駁ですが、以上 です。 ○猿田部会長   いま詳細にご説明いただきましたが、これまでやってきたことに加えて、例えば「診 療事業」では新しい項目として、「個別病院に期待される機能の発揮等」ということが加 わったり、「教育研修事業」では、特に「調査研究・情報発信機能の強化」ということで、 総合研究センターを本部のほうに設けるといった点が加わったりしております。あとの 点に関しては、これまでの状況を一層改善させて、着実に進めていきたいということで お話いただきました。いまご説明いただいた案に関して、皆様方にご議論いただければ と思います。よろしくお願いいたします。 ○住田委員   基本的なことをお聞きしたいと思います。独立行政法人通則法の第29条には、中期 目標は3年から5年と書いてありますよね。しかし私は、特に医療の面では非常に変化 が著しく激しいというか、5年では非常な変化があると思うのです。もう1つは、この 独立行政法人通則法第29条には変更ということが書いてありますから、場合によって は5年をやるにしても、途中での変更、補正、修正等は考えられることですよね。それ を確認したいのです。 ○医政局国立病院課国立病院機構管理室長   おっしゃるとおりです。 ○住田委員   3年以上5年となっているのに、なぜ国立病院機構においては、医療においては非常 に変化の激しい5年という中期目標にしたのか。私は、3年がいちばん望ましいのでは ないかと思っているのです。 ○医政局国立病院課国立病院機構管理室長   5年とした理由ですが、委員がご指摘のとおり、通則法では「3年から5年」と書い てあります。この趣旨というのは、1つには法人が自主性・自律性を発揮しながら、あ る程度の期間をもってしっかりと取り組んでいくために、一定の期間が要るということ です。他方、あまりその期間が長すぎては、社会等々の変動にそぐわなくなるのではな いかと。その両者をにらんで3年から5年になっているというように理解しております。  国立病院機構についてはおっしゃるとおり、医療事業の関係では医療事情とか、場合 によっては制度の変化というのが、おそらく5年の中で起きてくることはあると思いま す。他方、国立病院機構の大事な取組みとして、大規模臨床研究とか、特に次期の計画 においては診療情報データベースを作って、民間に利用してもらうといったことがあり ます。こうした、取り組んでから成果を出していくのに、3年ぐらいだと短すぎるので はないかといったことも、それなりにいくつか入っております。そういったものをいろ いろ考えて、やはりいま申し上げたような成果を出すのに、3、4年を越えるような取組 みもしっかりと中期目標期間の中でやっていけるということで、5年とさせていただけ ればということです。ただし委員もおっしゃったように、医療のほうではいろいろと変 化もあると思いますので、例えば中期目標、あるいは中期計画の変更が必要になるよう な状況が生じれば、そこは弾力的に該当部分を修正していくということには、きちんと 取り組んでいきたいと考えております。 ○渡辺委員   私自身、第1期をやってみて常々感じたのは、例えば評価するときにSにするかAに するかというのは、あくまでも目標をどれだけ上回っているかですよね。前回、大幅に 上回っているケースと、目標の立て方が果たしてこれで正しかったのかという疑問も随 分出されたわけです。いまのご質問にも関連しますが、目標の立て方があまり厳しいと、 一生懸命やっていても我々はBを付けたこともあるし、この目標はちょっと甘すぎるの ではないかというか、軽すぎるのではないか、5年で割ったから1年間でこれだけで、 はるかにオーバーしているからSだと言った、こういったことが随分議論されたのです。 その辺について今回新しい発想というか、前回の反省を踏まえてどのように目標を計画 に盛り込まれたのか、もしお考えがあったらお聞かせ願いたいと思います。 ○国立病院機構企画経営部長   もとより中期目標という形で、大臣からご指示をいただいた上でですが、機構として の中期計画は、いま委員がご指摘のように、数値目標をなるべく明確にして、独立行政 法人としての運営を行うべしという趣旨に沿っています。一部は変えておりますが、今 回も数値目標をいくつか盛り込ませていただきました。盛り込んだ当事者としては、な かなか申し上げにくいところもあるのですが、我々としては、これは対外的に約束し、 国民の皆様方に明らかにすると同時に、内部管理という側面もあります。実際に求めら れている水準をきちんと受けとめながら、片一方では今お話のように甘いのではないか という、これまで評価委員会でご指摘のあった項目については、然るべく見直しをさせ ていただいています。  端的には、例えばそれは経営面かもしれません。私どもとしては1期の計画よりも少 し高く目標を掲げた数値にさせていただいているものもいくつかあります。一方、率直 に申して、治験というものを例にしていいのかどうかということはありますが、世の中 全体の流れの中で、先陣を切って国立病院機構として取り組ませていただいた項目につ いては、第1期では目標を超える水準を上げております。私どもとしても、当時の目標 が低かったとは思っておりませんが、一定の成果を上げた項目については、どんどん右 肩上がりで、1期の実績のような形でいくわけにもまいりませんので、当然我々として の努力の余地を乗せた上で、数値目標を設定させていただいております。  そういう意味では1期の数値目標、あるいは1期の実績と2期となる今期に掲げる目 標の間に、数字においてそれなりの差が出ているものもあります。これまで、あるいは 今回、こういう形でご説明している数値目標に、私どもなりに努力率と言いましょうか、 これだけやるのだというものを、実績の単なる延長線上に少し加えて、設定したという 気持です。そういう意味からも、またご評価いただきたいと思いますし、この実績を上 げていく中で、いまお話のあった毎年の実績をご覧いただいて、何をしているのか、あ るいは、これは中期計画ではありながら、もうひと頑張りすべきではないかというご評 価をいただきながら、5年間走らせてまいりたいと思っております。 ○猿田部会長   いま渡辺委員が言ったように、特に今、日本経済でこういう状況が起こっていること と、研修問題と、医師の分散の問題があって、これらが予測として、私は非常に難しい のではないかと思うのです。確かにこれからの目標では、そういった点をどう考えるか です。ほかの病院、例えば日赤にしても済生会グループにしても、かなりそういう影響 が出てくるということを予測しているものですから、おっしゃるとおり、なかなか難し いと思います。 ○夏目委員   全く関連してしまうのですが、住田先生や渡辺先生がおっしゃるとおり、最近、これ だけ経済・経営環境の変化が激しいことから、民間会社で5年の中期計画というのはな かなか取れません。大体中期計画は3年ということになっているのが普通だと思います。 ただ医療とか、独立行政法人という機関の性格もありますから、私は5年で仕方がない のではないかと思いつつ、やはり先ほどご議論の出た修正条項や見直し条項により、状 況の変化に応じてローリングをしていくということは、考えておかないとまずいのでは ないかというのが1点です。  また、渡辺先生がおっしゃったように、目標が甘ければ達成率は高くなります。連結 決算・連結経営のなかでグループ会社の管理をどうするかというときに、必ず目標を立 てさせて、その目標に対しての達成率を見るのです。そしてその際にその目標自体が厳 しい目標、高い目標なのか、それともそうでないのか、目標自体を評価して、これを1 つの評価項目にして、そしてそれに対する達成率、達成度を評価します。この両方が相 まって、全体でその期間のその会社の、子会社の評価をするということを、例えばJR グループなどはやっているわけです。  部長が言われたように、今回もこれを世の中に出しますので、あまり非現実的な目標 にはならないだろうと思いますが、例えば「効率的な業務運営体制の確立」を見ますと、 数字が書いてある所だけ申し上げると、291名のところを3名減らして288名にすると か、評価受審病院数46病院を73病院にするということになっています。5年間の目標 が1桁の数字まで出ているということは、5年間でこの病院とこの病院をやろうという ことです。職員数が3人というのも、退職がこのくらいあるから採用をこのくらいにし て3人はできるというように、あらかじめ大体出来ることがわかっていることを目標と しているのではないでしょうか。そうなると、これは目標の立て方としていかがなもの かと思います。  ただ、そうは言っても職員数は、内部統制を強化するとか、IT推進室をつくるとか、 これからいろいろと増員が必要な項目もたくさんあります。ですから増要素はこれだけ あるけれども、こういうところは減らします、こういう業務は減らしますということを、 きちんと目標に立てないと何となく、3名の減が5年間、それで努力しているのかとい うことになります。国立病院の内部事情に明るい方であれば、大変だね、3名でも相当 の努力だねと思うかもしれませんが、そこから少し離れた方になればなるほど、業務運 営の効率化という観点が、独法の見直しの際に必ず議論になる柱だと思いますが、その ときに3名でいいのかという議論になるのではないかという気がするので、そこら辺の 目標の立て方も、もうちょっと工夫がいるのではないでしょうか。  例えば、3名は1%だけれども、5年間であれば5%ぐらいを目指すようにしておいて、 それで毎年の事業計画で現実的ないろいろな状況を踏まえながら、毎年の事業計画、年 度計画の中で数字を出していくような形にしないと、今回の中期目標・中期計画(案) を外で評価されるときに、事情に明るくない方々が非常に表面的な評価をするときに、 いろいろな議論が生まれてしまうのではないかということを心配します。 ○国立病院機構企画経営部長   まさに夏目委員からのご指摘は、私どももよくよく踏まえて対応させていただきたい ということが基本です。業務運営の関係では、まずは全体として私どもに独法化そのも ので求められた「きちんと国立時代とは違う経営管理をして、業務の効率化をすべし」 という本旨からすれば、先ほど省の方からもご説明があったように、経営水準という意 味で「5年間の通期での収支相償」から「毎年」という形にハードルを上げ、より効率 化いたします。それは収入と費用の両方面にわたって努力すべしということを、この次 の5年においても自ら課しているつもりです。  個々について、今ご指摘のあった病院評価受審病院数については、正直言って目処が あるわけではありません。この73という数字は、他に比べて比較的低い我々の受審を5 年間で半分までに、これは費用も手間もかかる話ではありますが、我々の使命からして、 やるべしということを決めて掲げております。職員、本部・ブロックの管理部門につい ても、今まさに委員からご指摘いただいたように、内部統制をはじめとしていくつかの 膨らむ要素を含みながら、それでも減らすぞという決意を表した上で、3という数字を △で立てているというのが現状です。  おっしゃるように、私どもも全体としての内部統制など、かかるべき所には手をつけ ながらも、業務効率化全体に引き続き努力しなければならないと思っております。この 目標自身をまずご評価いただいた上で、私どももきちんと受けとめた上で、毎年毎年の 実績をまたご評価いただく際に、目標の中でどういう取組みであったか、増える要素、 減る要素も含めた上でちゃんと効率化が図られているか、ご評価いただきたいと思いま す。私どもとしては今いただいたご意見をきちんと踏まえて、毎年毎年の実績に取り組 んでまいりたいと思っております。 ○大道委員   第1期の実績を踏まえた第2期の中期計画、並びにその目標ということで、おおむね 妥当ではないかと見ているのですが、2つだけ意見並びにご質問をさせていただきます。 いま出ている論議とも関係することで、5年の目標の数値として5%以上、10%以上、 40%以上という数値が出ています。これは今のご議論のように、まさに努力して達成す る目標ということで、掲げられるものを掲げられたのではないかと思うのです。とりわ け今の病院医療の現場を知る者から見ると、5年で5%というのは単年度で1%かとか、 いろいろな見方があります。目標自体がその達成のために然るべき組織力を発揮すると か、モラルを上げるといういい方向にいけば、これが本来の姿だと思うのですが、医療 の現場に極端な疲弊感をもたらしたり、なかなかそうはいかない側面もあるのかもしれ ないという危惧を持っています。  そこでお尋ねしたいと思います。この中期目標を立てることについて、とりわけ個別 病院の目標設定の際、それぞれいろいろな事情があろうかと思いますが、基本的に各病 院の目標を立てるに当たっての意見の聴取とか、各病院がどういう目標にかかわる意向 を持っていたのかという辺りの、個々の病院の医療の現場からの意見をどのように吸収 されたのかということが1つです。  それから、内容のことを議論するのは今日の趣旨ではないと思うのですが、いま申し 上げたこととも関係します。これは前にも一部出てきたのですが、概要の2枚目の「教 育研修事業」の右側に、第2期として、「幅広い総合的な診療能力を有し、全人的な医 療を推進できる医師の育成」ということで、これは★と◆がついているので、その後急 速にこの種の要望が強まっていることを受けているのだとは思うのですが、この中期計 画の目標の中身ですけれど、「医師を育成する」というのは、これはたぶん後期研修と言 われているところでおやりになるのか、そこら辺りは具体的な中身、こちらの資料1-2 のほうでも十分に見えていないので、ここだけ簡略で結構ですのでご説明いただければ。 以上、2点お願いいたします。 ○国立病院機構企画経営部長   まず、私のほうから前段部分についてご報告いたします。中期計画策定のプロセスに おいて私どもが内部的にはどうしたかというご質問につきましては、まさに先ほど来お 話のございました見直し案、あるいは整理合理化計画という我々に外からきちっとご指 示をいただいているものを明らかにしながら、我々自身が1期を振り返り、2期に何を するかという項目を立て、そしてそれを目標化するというプロセスで、145ございます 病院の院長先生方とはいろいろな機会で話し合ってまいりました。と言ってしまうと漠 然としているのですが、少なくとも秋の時点でブロック単位で院長先生方との意見交換 を行う。あるいは先日ではありますが、いよいよこの最終局面において全院長からの意 見を聴取をし、それを単に意見を聴取するだけではなく、会議をもってして意見交換を するというプロセスを踏ませていただいております。それ以外にも、院長先生という病 院のトップだけではなく、いろいろな職種、いろいろな担当者にも協議会などの場を通 じて意見聴取に努め、もちろん聴けたもの聴けないものがございますけれども、最後は 本部の責任としてとりまとめ、現在お諮りをしているという状況です。  具体的には、先ほどの夏目委員のご質問とも通ずるところがあるのかと思いますが、 ここに書いてございます目標は、現時点においては、すべていわば病院からの積み上げ 数字を積んで作った目標にはなっていません。我々からすると、病院の意向を超えて、 我々としてはやらなければならないという部分での、目標を高くというのがほとんどな のですが、積み上げた形の目標をマクロで設定させていただいております。今後、これ をまずは毎年の病院単位で行っております年度の事業計画に落とし込む作業、そしてそ れを積み上げていって5年間の中で進行管理し、ある意味で、病院の自然体に任せてい て進む部分と、本部がある程度介入、割り付けをするような形でものごとを進めなくて はいけないもの、ものによっていろいろ出てこようかと思いますが、そこは今後腑分け をして行ってまいりたいと思っております。 ○国立病院機構医療部長   2点目のご質問の件ですが、委員ご指摘のように、専修医制度を活用することについ てですが、特に旧病院系と旧療養所系の病院の連携プログラムのようなものをこの第2 期では特に力を入れて、本部としても各病院のほうにお願いをしていこうということで す。幅広いいろいろな診療現場を経験する中で、全人的な医療を推進できる医師の育成 を進めていきたいと思っております。 ○国立病院機構理事長   先ほどからご意見をお聞きしまして、私は責任者として、まず中期目標の期間ですね、 5年は長すぎるというのは、おっしゃるとおりなのですが、我々はこのものすごく大き な図体の機構で、例えば高額な機械の共同購入とか、医薬品の整理、いま11,000品目 ぐらいのを半減させた、そういうこともやはり始めてから完成するまで少なくとも3年 はかかるのです。ですから3年ごとに評価すべきものは評価する、だけど全体的には3 年以上かかるということもあるので、これを今後どうするかというのはやはり5年で決 まりではなくて、今後将来ある程度の大きな整理合理化というのは1期、2期で大体終 わるので、3期ぐらいからはもう少し縮めた取組みでもいいのかなと思います。  それから先ほど、管理部門の目標で、わずか3名の目標を掲げていかがなものかとい うお話ですが、実は独法化のときに管理部門は25%の削減をして、もうぎりぎりで出発 しているのです。それ以後、もう業務が本当にその管理部門を削ぎ落とした後、業務が いろいろ加わってきたという大変な事情があって、本来我々は増やさないといけないよ うなところを増やさないということで、非常に我慢しているということをお知りいただ きたい。ただ、端から見ますと、そういう事情がわからない方は、何だということにな りますので、これも一工夫要るかなと。最初に25%削減というのがどこかで表れるよう な形でないと難しいかもしれません。  それから人員に関しては、技能職は独法発足以来、3割人員が減っているわけです、 後補充しないということで。その代わりやはり7対1看護とか、そういう世の中の医療 のサービス向上を目指して、医療職は増やさないといけない、医師も増やさないといけ ないということもあります。いままで病院は労働集約型なのですが、現実は、特に国立 病院は労働倹約型で、もう公務員の採用を1人増やすには大変な思いをした。そのとき に医療職がもう本当に制限されていた。医療職を増やさないといけないということで、 実際にはものすごく減らしている部門がある一方で、時代のニーズに沿って増やさない といけない。そういう経緯がありますので、それをどううまくプレゼンテーションした らいいかということが極めて大きな課題です。単に数値目標、先ほど大道委員もおっし ゃっていただいた、医療に関して数値目標を定めるということは、現場が非常に努力し ている上に、さらにこうしなさいと言うのは、私どもとしては非常に何か申し訳ない、 厳しいところなのですが、しかしいま数値目標もできるだけ掲げなさいという方針です ので、やむなくこういう状況になっております。確かに一部では、例えば病院評価を5 年間で半分というのはいかがなものかと言われる一方、セカンドオピニオンは全病院に 備えるとか、インフォームドコンセントに関してさらに進めるとか、あるいはクリティ カルパスをどんどん推進するとか、できることからやろうということでやっております。 個々を見ますと、あれっというように思われる所もあるかもしれませんが、これはもう 本当に我々の3分の2は特定疾患、旧療養所なのですね。病院機能評価というのは急性 期病院を対象にしたところであって、我々は、急性期病院は56しかないのです。です から病院全体を病院評価の対象の病院と思われると、何だ半分だということなのですが、 筋ジス専門の病院とか、精神科専門の病院は13ありますし、そういう特殊疾患を担っ ている病院もたくさんあるので、この数値にすると大変難しいところがあるのです。3 分の2はそういう所ですから、紹介率を上げなさいと言っても、一度入院した人は退院 しないというような病院が3分の2あるという、そういう母体の認識をいただかない限 り、なかなかこの議論は結論づかないので、是非そういうことをどうキャンペーンして いくかということがいちばん大事なのではないかということです。それぞれの病院に大 変無理なお願いをしているので、私としてはそういう病院群であるということを、まず 世の中に訴えていかない限り、日赤とか済生会とはちょっと違う集団であるので、ある いは一般の企業と全く違う集団であるということを、非常にヘテロジニーアティという か、内容の多彩な、慢性期を主にやっている病院が3分の2であるということをご承知 おきいただければ、大変ありがたいと思っております。 ○猿田部会長   どうもありがとうございました。ほかにご意見はございませんか。 ○田極委員   いまの点とも関係があるのですが、やはり本部・ブロックの機能の強化と言ったとき に、普通であればその人員が増える書き方、目標の立て方をするのに、3人を減らした というのは、その背景をよく読み込んでいけばわかることなのですが、やはりこれを見 ただけだと違和感が非常にあるということ。いま矢崎理事長がおっしゃったように、背 景的なことを知らない人がこの資料を見たときにどう評価するのかというのは、やはり 問題だと思いますので、プレゼンの仕方をもう少し工夫したほうがいいかなと思ってお ります。  人件費の所ですが、人員にかかる指標として、人件費を5%削減というのも書いてあ るのですが、資料を読んでみますと、職員数は明らかに増えている。増えているにもか かわらず、人件費を5%削減することの意味を考えますと、かなり現場の方たちの疲弊 感とか、そのモチベーションが下がってしまうとか、そういったことが懸念されるので、 しかたがないことではあるのですが、人件費5%削減ということは、なかなかこういう 医療をやっている現場で求められるのは厳しいことなのではないかと思っております。 これはあくまでも問題提起として、意見を述べさせていただきました。 ○猿田部会長   ありがとうございました。渡辺先生、どうぞ。 ○渡辺委員   個別の内容で、手短かに2点。1点は、大きな紙の11頁で、ここにいきなり「労災病 院との診療連携」というのが入ってきています。事情はわかるような気はするのですが、 つまり右の見直し内容に、要するに厚労省が持っている独法病院との云々とありまして、 最後に「その上で」というところ、11頁目のいちばん右の真ん中辺り、「厚労省全体と して、次期中期目標期間終了時までに、厚生労働省所管の独法が運営する病院全体を通 じ、病院配置の再編成を含む総合的な検討を行う」となっているので、これはどなたに ご答弁いただくか、厚労省かもしれませんが、来年はナショナルセンターが独法化され るわけですね。それも含めて、あと労災、あと厚労省所管の独法は何があるか知りませ んが。そうすると、この総合的な検討を行うというのは、これは機構じゃないでしょう、 厚労省でしょう。だから、この考えをちょっと伺いたいということです。  もう1点だけ、ジェネリックの問題で、厚労省の目標どおり30%に持っていくとなっ ているのですが、この16頁の書き方でよくわからないのが、DPCのことも述べていま すので、入院におけるあれかなと、数量ベースで。あるいは外来調剤部門も含めてなの か、厚労省自身も、いまの17、18%を30%に持っていくのに相当苦労しているような のですが、機構としてこれが実現できれば大変いいモデルになると思うのですが、その 辺ももしわかれば教えてください。以上です。 ○医政局国立病院課国立病院機構管理室長   最初の厚労省所管の独法の全体の総合的な検討のほうですが、これは平成19年末の 整理合理化計画を受けての話ですが、この整理合理化計画ができた経緯を踏まえますと、 この整理合理化計画ができたときはナショナルセンターは国の施設であって、「所管の独 立行政法人」ということではございませんので、少なくともこれができたときには対象 としてナショナルセンターのほうは入っていないと我々は理解しております。そうしま すと、いま所管の独法が持っている病院ということになりますと、機構と労災病院と、 あとRFOという厚労省所管の独法で、社保庁が持っていた厚生年金病院、社会保険病 院、これがいま所有という形になっていますが、社会保険病院、厚生年金病院がどうい う形になっていくかという辺りが関連してくるのかなと考えております。  これは、もちろん内容としては厚労省において総合的な検討を行うということで、中 期目標、中期計画の書き方は少し役人の作文的で恐縮ですが、厚労省がそういう検討を 行うにあたって、国立病院機構も必要な協力を行ってください、という書き方になって おりますので、もちろん国立病院機構が総合的な検討を行うと書いてあるわけではござ いません。 ○国立病院機構企画経営部長   後段についてです。まず後発医薬品につきましては、私どもが取り組むにあたりまし ては、ご指摘にありましたような、院内及び外来を区別することなく取り組むのが基本 だと思っております。ただ、現実にはいま私どもはざっくり97%の院外処方比率ですの で、残ります外来の部分での薬につきましては極めて特殊性といいますか、高度性とい いますか、そういう制約があるということですから、現実に進めていくにあたっての大 きな注力すべきターゲットとしては入院の部分だろうと思っております。正直、これも 極めて高いハードルです。後発医薬品の利用促進を厚生労働省全体が進める中で、医療 現場においていろいろな声があることは委員の皆様方、ご案内のとおりだと思いますが、 私どもとしましてはそこの辺り、ここの中期計画にも書かせていただいていますように、 もちろんその目標に沿って取り組みつつ、その過程で何が、どんな声が聞こえるのか、 どんな課題があるのかということも把握し、フィードバックするという、私どもとして の与えられた位置づけをも活用して、この取組みを進めさせていただきたいと思ってお ります。  もう1点、折角のお話でございますので、田極委員から、しっかりプレゼンすべしと いうお言葉に甘えまして、人件費の5%についても、この際若干現状をご説明させてい ただきたいと思います。私どもは、この5年5%ということは、17年度を発射台として の取組みと承知をしております。それからいまの20年度、足もとは見込みでございま すが、概数で申しますと、途中ベア改定がありましたので、これは全く政策的な要素と いうことで除かしていただきますと、80億円ほどグロスでは増えております。そういう 意味では、5年5%の発射台としました17年度から、80億円増えているのが現状です。 ただ、その中でこれもこの評価委員会で毎年度の実績報告をご説明させていただくとき に、いろいろご質疑いただいておりますように、医療観察法という、これは政策的に私 どもが主力になってやっておりますもの、あるいは自立支援法という障害医療の部分、 これについて政策的な人員配置基準というものがまいりますので、それに伴うものが50 億円弱、増要素としてございます。あるいは、先ほど来ご議論いただいております救急、 ICU、NICUあるいは地域連携という部分に必要な増員という部分で言うと、これが40 億円強。加えてドクターの確保という、いわば政策的に必要な、我々としては政策的に 対応しなければならないという経費がございます。それをいまの80億円から引きます と、私どものひとつの頭の整理としましては、この政策増の部分を引きますと、さっき の80億円は逆に△19億円の減ということでございますので、それ以外のところでいろ いろと工夫をさせていただいています。例えば、独法化を始めたときの給与カーブの変 更ですとか、あるいは先ほど来お話にあります技能職の減ですとか、あるいは病棟を集 約化するというような取組みが一方にあっての数字になっているということであろうか と思います。また、私どもとしてはこういう取組みが結果的に収益にもつながっている ということですとか、あるいは今後のことを考えますと、勤務医の方々のより一層の処 遇改善を、地域医療の確保という意味でしなければならないのではないかとか、あるい は国が政策として打ち出されております産科ですとか、救急部分で取り組まれるドクタ ーの処遇を上げなければならないのではないか。これは政策使命として私どもが対応す るという要素もある中、今後、片一方できちっと合理化適正化すべきもの、効率化すべ きものには取り組ませていただく中で、また年度年度のご報告をさせていただいて、ご 評価を賜ればと思っております。 ○辻本委員   よりわかりやすくプレゼンをということですが、私も全く同じ趣旨で、少し言葉を添 えさせていただきたいと思うのです。背景の説明がなさすぎたと、先ほど矢崎理事長が おっしゃいました。例えば、スタート時既に25%減だった。現場にしてみれば当たり前 のことかもしれませんが、やはりそれは私たち患者・国民には決して当たり前のことで はないので、もっともっと広報していただきたい。今回の中期計画の中に、政策医療の 広報ということが随分取り上げられていることを見て、私は一生懸命その必要性を発言 してきた1人として、うれしく思いました。先ほども、例えば日赤とか済生会とは体質 が違う、役割が違うとおっしゃいましたが、国民は日赤も済生会も、実は国立病院機構 の病院の役割も明確にはわかっていないのです。当たり前のままにしていただきたくな いということ、それを変えていただくことこそが、体質を変えていただくことにつなが ることではないかと思います。  そして1点詳しくお聞きしたいところがございます。人件費5年5%削減、特に技能 職というようなところでございますが、国立病院のわずかな病院だと思いますけれど、 歯科診療所、歯科を併設していらっしゃいますが、聞くところによりますと、国立の場 合は歯科の医療領域には衛生士さんを配置しないとのこと。それが本来の歯科医療であ るのかどうかということを考えると、その技能職減をということで、例えば衛生士さん を排除してでもなお、歯科医療がそこに必要なのかどうかということの見直し、そうい ったことも必要なのではないかと思うのです。患者の立場として、その地域の患者さん にしてみたら、元国立の中に歯科があってくれることでありがたいと思っている地域が あるかもしれない。そういうことを踏まえた上で、私の立場でこういう危険な発言をし ていいのかと迷いながら申し上げているのですけれど、やはりあるべき医療ということ を考えた上で、そうした技能職の削減の問題も考えていただく必要があると思うのです。  もう1つ申し上げたいのは、レセプトの全部ということで、全病院の明細書発行の前 に計画をお立てになっていらっしゃるのですが、この大きいほうの資料には何ら具体的 な計画は書かれていないのです。それを、まずもう少し明確にしていただきたいという ことのお願いです。それから例えば、患者が明細書並みの、そういったものが手に入る ようになれば、当然疑問を抱く。それを委託の職員の方が問われて十分に説明ができる のかどうか。そういったことも曖昧であるとするならば、きちっと患者さんに対応でき るような技能職と言うのでしょうか、そういう役割がむしろ必要となっていくのではな いか。経営的な面で3年がいいのか、5年がいいのか、そこは私は全くわかりませんけ れど、確実に現場のニーズが変わっていくときに、単に人を何パーセントという数値目 標で減らすことで、それが患者の目線に合った医療につながっていくのかどうか。その 辺りをもう1度しっかりと再考していただきたいなということをお願い申し上げたいと 思います。 ○猿田部会長   ありがとうございます。 ○国立病院機構企画経営部長   おっしゃっていただいておりますように、全体の効率化を進めながら患者目線の医療 という、私どもがミッションとして掲げておりますものをちゃんと着実にやるように工 夫もしてまいりたいと思います。各論でご指摘がありました、歯科衛生士さんにつきま しては、実務的に言うと、それは技能職という整理をしておりませんので、いわゆるこ この一律の退職不補充というルールではございません。そうは言いながらもそれぞれの 国立病院機構の病院として地域にある中、その歯科医療がその地域にとって、あるいは その病院にとってどういう位置づけにあり、どういう体制がいいのかというのは個々に 十分丁寧に精査をさせていただきたいと思っております。 ○国立病院機構医療部長   レセプト並みの明細書の件です。まずスケジュール的なイメージでは、例えば医事会 計システムの更新時に、自動的に出せるようなものにするとか、この5カ年の間に更新 時期に入る所は、着実に実施していく予定です。ただ、こちらに具体的にどこまで書く かは、部会長ともご相談したいと思います。  それと、相談体制についてですが、私どもは2病院でモデル的に施行いたしました。 実際に体制を作る。例えば、相談があればまず医事会計の窓口のほうで答えますが、当 然検査内容とか医学的内容になれば、医師、看護師等のそれぞれの専門職種が対応する ような形にする。いずれにしてもそういう現場でのトラブルが起きないような形の手順 といいますか、マニュアルのようなものも、これから作っていこうとは思っております。 ○永井部会長代理   経営が改善していくのはとても素晴らしいと思うのですが、いかにそれを持続ある自 律、それから求心力、これは特に医師でもコ・メディカルでも、そうした人たちをアト ラクトしないといけないわけです。やはりその経営改善した分を、これから研究である とか、あるいはスキルミックスもやっておられると思いますけれども、コ・メディカル による医療へのサポートですね、こういうふうに振り向けていけばこの人員のところが ある程度説明できるのではないかと思いますので、よろしく。 ○山田委員   5年間の1期の成績を見させていただいて、これはもう大変素晴らしい成績で、私ど もも大変感激しております。その中で、2期目のこの5年間を立てる中で、この2年間 の医師臨床研修がどういうふうに変化していくかが大きな課題として出てくると思うの ですが、それについていま何かお考えになっていることがあるかということが1つです。  もう1つは、自治体病院の再編というのがあちこちで行われているわけですが、総務 省の計画の中に、日赤病院という名前がもろに盛り込まれておりまして。いまあちこち から非常に大きな誘いかけがかかってきて、大変迷惑をしているのですけれども、それ について国立病院機構として関わりは何かお持ちになるような計画がございますかどう か、その辺をお聞かせいただきたいと思います。 ○国立病院機構医療部長   前者のほうの医師臨床研修につきましては、つい先般、報告書が出たところでござい まして、報告書を踏まえて、これから作業をしていきたいと思っております。 ○国立病院機構企画経営部長   後段につきましては、後ほど報告事項の中に関連するものがございますので、お許し いただければそちらのほうでコメントさせていただきたいと思います。 ○辻本委員   人材育成の体制の強化で、1点あえて申し上げておきたいと思うのです。私がこうい う役割を務めさせていただいていることを国立病院機構の病院の幾人かの方が知ってく ださって、声がかかるのだと思うのですけれど、例えば、キャリアパスの枠の問題で言 えば、専門看護師や認定看護師を本人が望んで、一生懸命論文などを書いたりしても、 縦社会の古い体質というような中で、本人の希望が少しも実現できないということに悩 んでいる現場のお話を、私は複数人からお聞きしているのです。そういった夢や希望の 実現をサポートする開かれたシステムにすることが国立病院機構の現場のナースたちの 希望や意欲となり、定着につながっていくのだとすれば、その辺をやはり古い体質では ない、これからの若い人たちが生き生きできるような人材育成ということに、もう1度 斬新的な改革ということもお取り組みいただきたく、是非お願いしたいと思います。 ○住田委員   矢崎先生がいまプレゼンテーションとおっしゃいましたけれど、新しい事業計画の中 に、適切な情報開示及び広報活動を充実させる、ということも非常にいま求められてい ることではないかと思うのです。と申しますのは、吉田さんにも言ったのですが、去年 日経新聞かどこかに、一面に大々的に、国立病院は3分の1が債務超過と出たわけです。 そういうようなものが記事に出ると、国立病院はもう赤字ばかりではないかと、それか ら評価委員は評価はどうしているのかということも、相当な疑問というか、そういうこ とを思う人も多くいると思うのです。ですから、やはりパブリシティというのは必要だ と思いますから、事業計画の中に、適切な情報開示及び広報活動の充実というのは、セ カンドステージでは必要ではないかと思うのです。 ○国立病院機構企画経営部長   まず個別の新聞報道についてのご指摘、ありがとうございました。私どもも今後、あ あいう各論については心したいと思います。また、全体としてパブリシティについても っと力を入れるべきではないかというところは、私どもとしては気持を込めて、個々の ところ、あるいは前文を含めたところでいくつか入れさせていただいていると思います ので、おっしゃっていただいていることをよくよく今後取り組ませていただきたいと思 っております。 ○住田委員   いやいや、それは気持とかはわかりますよ。だけど、目標としてここに書く、明確に 表示するということはまさに必要ではないですかと申し上げているのですよ。 ○国立病院機構企画経営部長   評価委員会のご意見でございますので、私どもとしては検討させていただきたいと思 います。 ○猿田部会長   非常に重要な問題ですが、時間の関係もありますので、いま皆様からご議論いただい たいちばんの問題は、やはり5年の計画というのはこれだけの社会情勢が変わるときに 本当に果たしていいだろうかと。そういう問題は、1つの皆様方のご意見として、場合 によっては3年ということも考えながらやっていかなければいけないだろうと。それか ら、あといろいろとご指摘いただきました点に関しまして、もちろん表現の問題もござ いますし、各病院のいろいろな状況、そのほかを、これから事務局の方と私のほうでも う少し相談させていただいて、特に表現の問題は重要でございますし、いま皆様、委員 からいただきましたご意見はきちんと反映させて、もう1回事務局のほうと相談させて いただくということで、まだいろいろなご意見もあるかと思うのですが、一応これから の目標はこの形でどうでしょうか。私は、第1期に比べて、これからの第2期は非常に 厳しいと思うのです。そういった点もありますが、一応ここはこういう計画でいくとい うことで、委員の先生方、お認めいただけますでしょうか。    (了承) ○猿田部会長   ありがとうございます。それでは私と事務局のほうで必ずきちんと対応させていただ きまして、もし問題が起こったときはまた委員の方々に必ずご連絡させていただくとい うことで、この1番目の議題に関しましては終わりたいと思います。よろしいでしょう か。   (了承) ○猿田部会長   ありがとうございました。それでは第2番目の議題に入りたいと思います。お手元の 資料にあります、国立病院の平成20年度の償還計画の変更につきまして、事務局から よろしくお願いします。 ○国立病院機構財務部長   資料2に沿いまして、平成20年度償還計画の変更、具体的には繰り上げ償還につい てお諮りさせていただきます。まず、最初の「平成20年度償還計画」という表ですが、 約定償還予定額が512億円とあります、約513億円ですね。20年度当初は、実はこれ 523億円ありまして、ここの所は10億円ほど約定償還の額が減っています。これは後 ほど説明しますが、20年度借入れ予定であったものを、借り入れないということで、約 定償還の予定額が約10億円ほど減っています。それから今回のメインであります繰り 上げ償還は、16億7,300万円ほどにさせていただきたいと。これを合計しますと、20 年度の償還額計が529億円、約530億円程度になるということです。  この529億円6,600万円の内訳は、下の表の右下の計の上から3番目に、529億円6,600 万とありますが、これを左のほうに見ていただきますと、財政融資資金と国立病院機構 債に分配されまして、449億円と、それから機構債のほうで30億円。この449億円財 政融資資金のうち、約定償還と繰り上げ償還とに分解されます。この結果、繰り上げ償 還後の借入れ発行残高がどうなるかというのが、下の表の右下、5,971億円です。これ を20年度の期首と比べますと、20年度の期首が同じ右下の欄のいちばん上に、6,501 億円とあります。これとの差引きで、元金だけで約530億円ほど1年で減っている。パ ーセンテージでいくと8%の減少となります。  次の頁以下は参考です。施設整備と医療機器整備について、昔の国時代のほうから遡 って、どういう資金で、融通条件で借りていたかが書いてあります。最近になると5年 ものですとか、機関債ですとか、あるいは民間借入金。特に、いちばん下の民間借入金 は、平成20年度から3年月賦で借りるということで、予定でしたが、これは後でまた 申し上げますが、予定であって実績はなかったのですが、そういう計画をしていた。や はり債券より、金利を考えると、民間借入れのほうが安いと考えておりますので、当初 は予定しておりました。  次の頁が、平成20年度以降の償還額の推移です。これを見ていきますと、どんどん 平成43年度まで減っていくと。ここに書いてありますのは、下の※にありますように、 平成20年度までの借入れ等に基づく償還額ということです。21年度以降も当然借入れ はあるわけですが、そこの部分はここには反映されていませんので、どんどん縮減して いくという姿になっております。  最後の頁です。今回、繰り上げ償還をお認めいただいた後の債券発行、長期借入金の 推移がどうなっているかです。いちばん下の平成20年度の所、当初、債券発行は、左 のほうを見ていただきますと50億円計画しておりました。その右の欄で、実績額0、債 券発行額が0です。年度途中ですが、おそらく間違いなくここの所は0でいく。この0 は、では医療機器投資しなかったということではなくて、各病院の持っている自己資金 あるいは本部でお預かりしている預託金、本部資金といった内部資金を活用しまして、 そういう外部調達ではなく、内部資金で置き換えて投資を行ったということです。  その右に30億円とありますが、ちょっと左上の所に、平成17年度の実績額で30億 円とありますがこれの償還が平成20年度にくるということで、来月30億円償還予定で す。その結果、債券の発行額残高はどうなるかというのが、今年度末で80億円になる というのが債券の状況です。  右のほうで長期借入金ですが、当初の計画額は財政融資資金で535億円借りると。そ れから民間借入れで10億円、計545億円を計画しておりましたが、右のほうを見てい ただくと実績額では0です。ここも投資をしなかったということではありません。大き く4つの要素で、ここは0で収まった。1つ目は、医療機器と同様に、内部資金で置き 換えた。2つ目が、支払時期が20年度に発行しないで21年度以後に後ろ倒しになった。 3つ目が、前回の資金計画、昨年度の資金計画の際に未貸付がこれだけあって、資金残 があるにもかかわらず調達しすぎではないかというご指摘をいただきましたが、そうい う未貸付の資金残というものを使った。4つ目が、当初の支払見込額と入札の結果の落 札額との間で、かなり落札で契約額が減少した。そのような要素によって20年度は外 部調達をせずに何とか資金繰りができたということだと思っています。  その右が償還額ですが、先ほど1頁目でご説明しましたように、繰り上げを入れます と499億円を返しまして、その結果の残高というのが右下にまいりまして、5,891億円 となっています。この債券の先ほどの80億円の残高と足し合わせますと5,971億円と いうのが、20年度末の債券、長期借入金の残高となりまして、この右上のところの7,471 億円という、平成16年度期首の出発時の債務残高と比べますと、額では元金だけで1,500 億円縮減、率でいきますと20.1%縮減となるかと思います。説明は以上です。 ○猿田部会長   かなり頑張っていただいて、こういった形で計画を変更したいということでございま すが、どなたかご意見ございませんか。では、この形でお認めいただくということで、 よろしいですか。                    (了承) ○猿田部会長   ありがとうございます。これからも頑張っていただければと思います。この件は終わ らせていただきます。  続きまして3番目の国立病院機構の平成21年度の長期借入金計画、それから債券発 行計画及び償還計画の案につきまして、ご説明お願いいたします。 ○国立病院機構財務部長   引き続きまして来年度の投資資金計画についてご説明いたします。資料の順番と異な りますが、来年度の資金計画について、まず最初に投資計画、資金需要からご説明させ ていただきまして、その次に資金需要に対する調達内容の計画、最後に調達した後の償 還計画がどうなるかという順番で、説明させていただきます。  資料3-5を使いまして、投資計画、資金需要が平成21年度どうなるかということを ご説明いたします。まず1番目の「投資決定状況」です。建物と医療機器に分けており ますが、平成20年度は、建替等が251億円、保守・保安、増改修等が77億円、合計 328億円です。この内訳が、下の注6にありますが、20年度建替決定分ということで刀 根山、長良、南京都、岩国、東徳島、大牟田、天竜、あわらということで、8病院を掲 げています。このうち、旧療養所系が6カ所、それから岩国は療養所ではありませんが、 岩国だけが全面建替でして、残りは病棟のみの建替決定ということです。上の表で、平 成21年度の建替等が204億円、保守・保安、増改修等が72億円、計274億円です。 この204億円の根拠ですが、病棟建替というのは、基本的に各病院の建替えしたいとい う発意に基づいて、償還ができるかということを見させていただいて決定しているわけ ですが、21年度については、その償還計画の状況というのはまだ現時点では見込めてお りません。ということで、老朽病床数をベースに考えております。これは中期計画、次 期5年間の投資規模ともリンクしておりますが、それの第1年度という考え方です。  具体的に申しますと、平成20年度から平成30年度の間で、耐用年数39年を超える 病床というのは、今後国立病院機構の中で2万2,000床、2万2,000ベッドほどある。 これを10年で計画的に整備していく。次期中期計画期間中はその半分で5年分という ことで、1万1,000床ぐらい。それを5年で割って、1年当たり2,035床というものに、 1ベッド当たりの大体の単価を掛けて204億円ということでやっております。それが、 この建替等の204億円ということです。保守・保安、増改修等につきましては、これま での各病院から既に来年度の整備計画については申請いただいている部分と、あと投資 のルール変更で、各病院の投資の自由化枠が増えまして、それを見込んで72億円を設 定しております。以上が建物についてです。  下の医療機器等についてです。平成20年度の投資総枠が290億円とあります。投資 総枠というのは、これまで説明しておりますように、各病院が投資枠を持っておりまし て、その145病院の合計額が、ここに投資総枠ということで置いてあります。各病院の 投資枠は、計算式で出るようになっております。減価償却費をベースに、それから経常 収支の状況によって加算または減算をして各病院の投資枠を出す。それを足し合わせた ものが、ここに出ているということで、平成20年度は290億円です。下のほうに、投 資決定額とありますが、これが枠の中で実際の使用した額と見ていただければいいと思 います。20年度は189億円ということで、枠に対しては65%ほどの使用率ということ になっております。  平成21年度ですが、投資総枠316億円となっております。これについては、今年度 の6月で決算が出た段階で経常収支が出ますので、来年度の各病院の投資枠が出ます。 それを足し合わせて316億円ということで示したものです。これに対して現在各病院か ら本部に対して、投資の申請が上がってきているのが、右下の218億円です。内訳が大 型の5,000万円以上の機器整備が63億円、その他5,000万円未満のものが155億円と いう状況になっております。  下のほうにいきまして、このような投資計画に対しての資金調達ということです。建 物は財政融資資金が455億円になっています。このうち255億円は、下の※にあります ように、平成20年度からの繰越を予定しています。これは当初20年度支払いが発生す ると見込んでいたものが、21年度にずれ込んだということで、20年度に繰り越したい と思っています。それから財投機関債、こちらのほうは50億円と設定しております。 下の注1にありますが、50億円のうち30億円程度については、資金需要等の状況によ り発行しない場合ありということで、50億円はちょっと多いと見込んでありますが、他 方でこの機関債の発行ロットが小さすぎると、発行のためのコストが高くなるというこ とで、一定規模のロットが必要ということで、50億円を設定しています。下の預託金、 これは各病院が本部に預けていただいているお金ですが、この130億円を各病院の医療 機器投資に貸し付けたいということになっています。合計が右の欄にあるとおりです。  次頁は、支払額です。先ほどのは投資決定のタイミングで見ていたのですが、こちら はその投資決定したものがどこの年度で支払いが発生するかということで、各年度ごと に資金額を割り振っています。まず第1期の承認繰越支払額、これは第1期中に投資決 定したけれども、支払いが第2期以降に発生するものが635億円ということで、そのた めに必要な要調達額というのがこの表、補助金等を除いた上で必要な要調達額というの が、平成21年度の内容が409億円、平成22年度は192億円。その下に、新期承認支 払見込み額というのが、1108億円と置いてあります。これは先ほど申しましたように、 2,035床の5年分の整備の必要な資金ということです。それぞれの年度に置いてある額 というのは、その投資を決定した年次に支払いが決定するわけではありませんので、通 常は投資決定して、3割ぐらいがその年度中に支払いが発生して、残り7割ぐらいは後 年度以降にいくということで、それぞれ各年度に資金の支払時期を割り振っております。 中小案件は、これまでの実績等を踏まえて、毎年30億円ぐらいということです。  平成21年度を縦で見ますと、第1期、それから新規、中小案件のために必要な要調 達額というのを足し合わせまして、475億円ということになっています。このうち財政 融資資金が455億円、財投機関債が20億円ということです。  その下に、中期計画の投資枠とあります。1,679億円という考え方は、第1期の繰越 支払額の635億円を含んでおりますが、それ以外の1,108億円、2,035床を5年で整備 していく掛ける5年分の整備額ということで、置いています。参考までに、第1期はこ の投資枠がいくらだったかと申しますと、1,484億円で、そこから増えていることにな ります。以上が建物整備です。  次は医療機器等整備です。平成21年度の見込み分支払額は、先ほど前の頁でご説明 したように、いま218億円の投資計画が各病院からの申請で上がってきています。この 資金の内訳が、各病院の自己資金等が88億円、差し引き130億円の要調達が必要にな るということです。このところは財政融資あるいは機関債という外部調達ではなくて、 下のほうを見ていただくと預託金と。この預託金を回しますと、基本的には6年あるい は3年でお貸ししますので、3年後あるいは6年間で戻ってくるということで、130億 円ぐらい毎年預託金を回していけば、外部調達なしで医療機器等の整備はやっていける と考えています。中期計画5年中の投資枠としては170億円。ここは第1期は100億円 と置いてありましたが、ここが170億円となった。合計で、5年間850億円。第1期の 実績はいくらかと申しますと743億円となっておりまして、そこから増えております。 これが投資計画、資金需要面です。  その上で、今度はこの必要な資金をどう調達するかは、資料3-1でご説明いたします。 資料3-1の表のいちばん下の、平成20年度まではご説明しましたので、ここでご説明 するのは、いちばん下の平成21年度(案)です。債券発行が50億円、償還額が18年 度分の償還額ということで30億円、債券発行額の年度末残高が100億円。これが債券 の部分です。  長期借入金、財政融資資金と民間借入ですが、計画額としては455億円、このうち255 億円は平成20年度からの繰越金です。2つ右の所の償還額を見ていただくと財政融資が 479億円で、約定分の償還ということになります。この結果、残高がどうなるかという のが、右下の5,866億円が21年度末の長期借入金の残高になるだろうと見込んでおり ます。細かい資金の内訳が資料3-2と3-3で、財政融資と債券に分けてご説明します。  資料3-2が財政融資の借入金ですが、455億円です。この内訳については255億円が 前年度からの繰越しです。この繰越分の内訳ですが、218億円が25年の長期の立替え に当てるもの、残りの37億円については、中小の保守等案件ということで、5年の償還 で借りたいと思っております。下のほうに参考までに借入利率を書かせていただきまし た。  次が債券の発行計画です。資料3-3ですけれども、発行の予定額が50億円です。先 ほど言いましたように、一定規模のロットがないと手数料、発行コストが高くなるとい うことで、50億円というふうに置かせていただいています。平成20年度は発行実績が ございませんので、平成19年度の発行実績、利率等について置かせていただきました。 これが21年度の資金調達の内容です。これだけの調達をすると償還がどうなるかとい うのは、資料3-4です。償還予定額約定分は、509億円ということです。21年度の借入・ 発行予定額はそれぞれ置いて、その上で年度末の借入・発行残高がどうなるかが、いち ばん右下の5,966億円となります。これはあくまで資金の調達枠すべてを借り入れたケ ースということでご理解ください。その場合に5,966億円ということになります。この 頁以降につきましては、平成20年度のところでご説明したものと同じ様式で、21年の ところを伸ばしたものです。説明は以上です。 ○猿田部会長   どうもありがとうございました。評価官室のほうは何かご意見ございますか。 ○政策評価官室長補佐   これは毎回手続きとして確認していただいていることなのですけれども、お手元の独 立行政法人評価関係資料集の53頁をお開きください。これが国立病院部会における長 期借入金及び債券発行に係る意見の取扱いということになっていまして、厚生労働大臣 が国立病院機構の長期借入金及び債券発行計画、償還計画を認可する際に、評価委員会 のご意見を賜わるとされております。しかしながら通常、長期借入金及び債券発行計画 は、年度内に数次にわたって行われるということから、本来ならば、その都度、先生方 のご意見を賜わる必要があるのですが、年度を通じた長期借入金及び債券発行計画につ いて、あらかじめ本部会のご了解をいただいて、長期借入金及び債券発行の個別の認可 については、部会長にご一任し、部会には事後報告するという手続きを毎回行わせてい ただいておりますので、今回もそのようにさせていただけたらというご確認でございま す。よろしくお願いします。 ○猿田部会長   ありがとうございました。以上を含めまして、先ほどのご説明といまのお話について、 ご意見をいただければと思いますが。どなたかご意見はございませんか。全体的に見る と、20年度の実績からみて、21年度の計画も妥当のように思いますが。もし特別にご 意見がないようでしたら、ここではこの形でお認めいただくということと、いまお話が ありましたように、評価官室のほうと私のほうで連絡させていただく、実際に病院機構 のほうにも連絡を差し上げて、細かいことで変更などがあったときは、先生方に連絡を させていただくということで、一応細かいことはこちらにお任せいただくということで お認めいただけますでしょうか。                   (了承) ○猿田部会長   ありがとうございました。お認めいただいたということにさせていただきます。  続きまして4番目の議事です。国立病院機構の役員報酬規程の改定に関しまして説明 をお願いいたします。 ○国立病院機構総務部長   総務部長の吉田と申します。ご説明します。このたび国立病院機構の役員の報酬につ きまして、法人の業績と共に、各役員の業績をより適切にその報酬に反映できるように、 役員報酬規程の改定を行いまして、2枚目にご用意させていただいておりますが、去る 2月17日付で通則法第52条第2項の規定に基づきまして、厚生労働省に届出させてい ただいたところでございます。  次に、改定の理由ですが、最後の4頁でございますけれども、そこに役員報酬規程の 新旧対照表をご用意させていただいております。改正前の役員報酬規程では、前年度の 厚生労働省独立行政法人評価委員会での評価結果を基にしまして、法人全体としての評 価結果をSからDの5段階で判定して増減率の限度を定めております。現在の役員報酬 規程では、国立病院機構の業績が仮にB評価であった場合には、増減率が100分の100 となっているために、自動的に各役員一律に100分の100とならざるを得ないような状 況になっております。そうしますと、役員個人としての法人業績への寄与度が劣る方が 仮にいらっしゃった場合には、適切にその報酬への反映ということができなくなります。 このようなことから、今般、B評価以外のほかの評価結果と同じように、100分の100 を下回る増減率が決定できるように、所要の規定の改正を行わせていただいたところで ございます。 ○猿田部会長   どうもありがとうございました。いまのご説明について、何かご意見はございますで しょうか。特にこの形でご意見はございませんでしょうか。                   (了承) ○猿田部会長   それではこれも認めさせていただいたことにいたします。  続きまして第5番目の議事です。「国立病院機構岡山医療センターにおける指定管理 者制度に基づく公立病院運営について」の報告です。よろしくお願いいたします。 ○国立病院機構企画経営部長   ご報告を申し上げます。資料5ですが、端的に申し上げて、岡山市の市立病院の1つ を、平成24年度、私ども国立病院機構として指定管理を受けるということの基本合意 に達したというご報告です。資料5の「経緯」にありますように、岡山市において、公 立病院改革ガイドラインを踏まえて種々ご検討があった中、市立病院の中の1つに金川 病院という、いま60床の病院があると承知をしていますが、その病院についての再編・ ネットワーク化を議論するに当たって、近隣にあります私どものNHO岡山医療センタ ーに指定管理を願いたいというお申越しがありました。岡山には市民病院が3つあると 承知をしておりますが、それに向けて極めて地元からの強いご要望もあり、協議をして まいりましたところ、今般の基本的な合意に至ったということです。  再編計画といたしましては、いま申しました60床の市立病院につきまして、具体的 には○の2つ目にありますように、市としては30床に減床し、建替えをして、その運 営を岡山医療センターに委託をするという形でございます。私ども岡山医療、NHOの 立場といたしましては、この減床した30床のうち29床を岡山医療の増床にということ で、昨日の岡山県医療審議会においてご了承が得られたという報告をいただいておりま す。私どもとしましては、それによりまして、岡山市北部地域の救急医療体制の充実と いうことが、私どもの手においてなされると思いますし、金川地区を中心とした医療機 能の継続と充実が図られるという、岡山市のご要望にも応えることができると思ってお ります。  先ほど山田委員のほうから、こういう動きは全国にいろいろあるけれどもどうするの かという趣旨のご質問をいただきました。私どもNHOは国立時代から、そもそもの使 命として「個別の特定疾患の医療という意味での政策医療」、あるいは「ネットワークと しての医療政策への寄与」という意味での使命、そして独法化以降特に強めております 「地域医療への貢献・寄与」ということを柱にしております。再編成という形で、これ までいくつかの病院を統合してまいりましたり、あるいは経営委譲という形で36の病 院、そのうちの20ほどは地域の自治体に経営をお譲りするという形、あるいは国時代 再編成の最後におきましては、病院の廃止ということも行ってきたというのが、これま での国立時代、あるいは独立行政法人化後のNHOの組織編成の流れだと思っておりま す。そういう意味で、その流れを基本としつつ、先ほどご承認いただきました、第2期 の中期計画期間におきましても、組織編成の見直しを適宜図ってまいりたいと思ってお ります。  その基本において、金川病院の件について、3つほど私どもとしては特に考えなけれ ばならないことがあるのではないか。1つは、極めて強い地元からの要請です。近隣の いちばん大きな総合病院は私どものNHO岡山医療である、あるいはこの地域の方々が、 地元の金川病院を越えて、NHO岡山医療のほうにも随分従来から診療に来ていただい ています。そういう意味では、ある意味で広い診療圏であり、つながりがある。それを 踏まえて、市あるいは議会においても、何度にもわたるご議論があったように承知をし ておりますけれども、そのご要請があったということが1点目です。  2つ目としましては、今回の再編の結果、NHO岡山医療にとっても、これまでNHO として果たしてまいりました救急医療を中心とする地域医療への寄与という機能が強化 できる、NHOとしての使命というものがより貫徹できる。  3つ目として、細部についてはこれからでございますが、指定管理を受けた後の金川 病院と、それを受けるNHO岡山医療を通して見たときに、経営的にある程度の目処が つく。この3点をもってして、この岡山におけるケースは、私どもとして、地域の医療 を維持するための必要最小限という言い方がよろしいのでしょうか、適切な1つの選択 肢であろうということで、今回判断をしたものでございます。今後にわたりまして、私 どもは、先ほど申しました国時代からの再編成の流れ、あるいはNHOとしての業務運 営効率化という流れを十分踏まえた上で対応してまいりたいと思っております。ご報告 は以上です。 ○猿田部会長   どうもありがとうございました。報告事項ですが、山田先生何かございますか。 ○山田委員   大変ありがたいことで、どんどん引き受けていただければありがたいと思います。 ○猿田部会長   今度の場合は地元の意見が非常にあったということと、岡山の医療圏を考えても、非 常に大切です。財政的にも問題ないと思いますがよろしいでしょうか。 ○渡辺委員   自治体病院の指定管理者になったというケースはおそらく初めてだと思うのですが、 その確認と、いわゆる公立病院のガイドラインが出ていますけれども、ほかに何かオフ ァーというか、あるのですか。 ○国立病院機構企画経営部長   まず1つ目のご質問に関しては、病院全体を指定管理という形でお申越しがあったの は初めてのケースでございます。ただ、先行してNHOの病院として建て替える際に、 例えば救急部門については、地元の市との連携関係、その部分を部分的に指定管理とい う手法を用いて、一体的にNHOで管理してほしいという手法が高崎病院にございます。 あるいは健康増進部門をはじめとする健診機能を、建て替える病院の中の一部として市 からの委託を受けて、全体として運営をNHOがするという形が浜田医療センターでご ざいます。先行事例としてはこの2つですが、冒頭申しましたように全体というのは本 件が初めてです。細部については、平成24年に向けてまだまだ市との間でいろいろと 調整をしなければいけませんので、今後それに向けての取組んでまいりたいと思います。  オファーの話で申しますと、率直に申し上げて、私どもに指定管理という形でお申越 しがあった件はいまのところこれだけです。ただ、ご案内のように各地域でいろいろな 動きがあります。地域の自治体の動きと、それに絡めて、地域にあります私どものNHO の病院自身に、いろいろと地域医療を確保する上での課題があるケースもありまして、 関係自治体の方々といろいろな話合いをしているケースは全国にさほど珍しいことでは ありません。内容、レベルはいろいろありますので、ひと言では申せませんが、我々と してはまずNHOが独立行政法人としての使命、経営基盤を含めて、きちんと医療機能 を地域で発揮できるという面と、地域のそれぞれ抱えられるご事情とをよくよくご相談 させていただきながら、医師の確保の関係者である大学、地元の公的病院、自治体など ともお話合いをさせていただきたいと思います。 ○猿田部会長   よろしいですか。いまのような医療情勢においては、こういったことは非常に大切な ことだと思います。ほかにご意見がなければ、これも報告でございますけれども、ご承 知おきいただきたいと思います。  それでは第6番目の「中期目標期間終了時における積立金等の承認に係る意見聴取の 取扱いについて」です。これは政策評価官室のほうからお願いします。 ○政策評価官室長補佐   説明させていただきます。資料6をご覧ください。「中期目標期間終了時における積 立金等の承認に係る意見聴取の取扱いについて」というものです。これについて2番の ほうから説明させていただきます。独立行政法人が中期目標期間終了時に保有する積立 金等の処分についてですが、中期目標期間終了時の積立金等の処分については2つあり、 まず(1)としまして、厚生労働大臣の承認を受けた額を次の中期目標期間の業務の財源等 に当てる。この場合、6月30日までに承認を受ける必要があります。「厚生労働大臣は、 この承認をしようとするときは、あらかじめ独立行政法人評価委員会の意見を聴かなけ ればならない」となっております。(2)としては、積立金の額からいまの業務の財源等に 当てる額を控除した額を国庫に納付する必要があります。この場合は、7月10日までに 国庫に納付するということになっております。  これら2つの手続きを行うに当たりまして、財務諸表の承認が必要となります。これ は毎年、住田先生のほうにお願いして、7、8月頃に先生から意見をいただいた上で、こ の部会において了承していただいている手続きになっています。6月に手続きを行わな ければいけないということですが、実際に部会を開くことが困難であろうということが 考えられます。  次の頁ですが、評価委員会を開催できなかった場合、書面等において意見をお聞きし た上で、部会長に最終的な評価委員会の意見を取りまとめていただいて手続きを完了し た場合のスケジュールです。6月上旬に法人の財務諸表について、財務担当の住田先生 のほうにご説明をさせていただきます。6月中旬から下旬におきまして、財務担当委員 のほうからご了解をいただいたあとに、各委員宛に関係資料等を送付して、書面等によ り意見聴取をさせていただく。6月下旬に部会長に委員からのご意見をご報告し、評価 委員会の意見をまとめていただく。そのあと、30日までに財務諸表の承認をいただいて、 次の業務の財源に当てる額の承認と、7月10日までに国庫納付を行う。最終的には7 月以降ですが、開催される評価委員会におきまして、この6月下旬にまとめていただい た意見のご報告、手続き完了の報告をさせていただくという流れにさせていただきたい ということのご了解をいただきたいというものでございます。よろしくお願いします。 ○猿田部会長   どうもありがとうございました。これは住田先生にだいぶご迷惑をかけますがよろし いでしょうか。皆様方には、こういった手順で、一応このようなスケジュールでやらせ ていただくということで、最終的にご意見をいただくことになると思いますが、よろし いでしょうか。                   (了承) ○猿田部会長   それではこういった形でお認めいただいたということで、住田先生よろしくお願いい たします。ありがとうございました。  続きまして第7番目です。「平成19年度における厚生労働省所管独立行政法人の業務 の実績に関する評価の結果等についての意見について」につきまして、評価官室からお 願いします。 ○政策評価官室長補佐   それでは資料の7-1(1)、7-1(2)、資料7-2があります。資料7-1につきましては、総務 省政・独委から当省評価委員会宛に発せられた通知で、いわゆる政・独委二次意見でご ざいます。これをまとめたものが資料7-2になっておりますので、資料7-2で説明をさ せていただきたいと思います。  この資料の構成としまして、目次にありますように、1番目に所管法人共通の指摘が ありまして、2から13まで各法人の個別の指摘事項となっております。1枚めくりまし て、「評価の基準の明確化等」ということですが、ここでは昨年も同じように政・独委の ほうから指摘を受けまして、当省の評価委員会においても、業務実績評価関係資料、ま た評価の評定理由を付していただいたり、指摘に対応する取組みを行っていただいたと ころです。この通知では、平成19年度の評価結果をみると、評価結果をわかりにくく しているとして、同一評価事項であっても、法人によって評定単位が詳細なもの、ある いは概括的なものが混在しているなどと、4項目が指摘をされておりまして、「評価結果 を分かりやすく説明するために、これらについて考慮した説明を行うべきである」とさ れています。  続きまして2頁の後段の部分ですが、「保有資産」です。保有資産の見直し状況の評 価については、当委員会においても整理合理化計画において、処分対象とされた実物資 産の処分の取組状況について評価が行われていますが、他省庁において整理合理化計画 の対象資産以外の資産についても、減損会計の情報等を活用した評価を行っているとこ ろもあり、そういうところから、今後このような取組みも参考に評価を行うことが望ま しいということで指摘を受けております。  次に「官民競争入札等」です。官民競争入札等の取組み状況等の評価が行われていま すが、これも他府省のことを取り上げております。評価指標の1つに、「官民入札競争 等の活用について、検討が適切に行われているか。」という項目を設定し評価を行ってい るところがある。今後そのような取組みも参考にし、評価を行うことが望ましいと書か れております  次に「内部統制」ですが、ここではコンプライアンス体制の整備状況の評価が行われ ていますが、これも他省庁の例を挙げております。4頁の上段にありますが、「内部統制 の体制の整備状況の評価のみならず内部統制のために構築した体制・仕組みの運用状況 についての評価を行うことが望ましい」という指摘を受けています。事業としての資金 運用については、病院部会のほうは該当しませんので、次の頁になりますが、5頁は給 与水準の関係で、個別部分での指摘もありますので、ここは割愛させていただきます。  次に、「契約に係る規程類に関する評価結果」ということで、6頁をご覧ください。こ こでは契約に係る規程類の整備内容の適切性を確保する観点を言われていまして、規程 類の整備の有無及び規定内容を把握し、その整備内容の適切性について、より厳格に評 価を行い、評価結果において明らかにすべきであるという指摘。国の契約の基準と異な る規定については、これは総務省からの事務連絡になりますが、「独立行政法人における 契約の適正化について(依頼)」という事務連絡をも踏まえて、評価結果について明らか にするよう留意されたいという指摘であります。7頁につきましては、国病部会のほう では該当はありません。  個別の評価として19頁をご覧ください。先ほどご議論があったかと思いますが、総 人件費改革の関係です。「法人の取組の適切性についての検証状況及び今後の削減に向け た展望が、評価結果において明らかにされていない」とされておりまして、「今後の評価 に当たっては、取組開始からの経過年数に応じた達成状況を踏まえ、法人の取組状況の 適切性について検証し、今後の削減計画等、5年間で5%以上の削減を確実に達成する ための展望を評価結果において明らかにした上で、法人の取組を促すべきである」とい う指摘です。以上が政・独委からの二次意見の指摘です。これについては、先ほどから もご意見等、プレゼンテーションはどうするかとか、表記の問題等については毎年そう いうようなことも言われていますし、こちらでもどのような対応ができるか、今後検討 しながら夏の評価に向けてやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしま す。 ○猿田部会長   ありがとうございました。何かご意見はございませんか。 ○田極委員   委員会の場合は皆さんこれをおっしゃっていたことであって、こういうふうに書かれ てしまっていることについて、納得いかないところもありますが、プレゼンを、説明責 任を負っておりますので、きちんと説明していくことが必要だと思います。私どもも意 識して評価しないといけないなと思います。 ○辻本委員   いまのお話をお聞きすればするほど気になりますが、先ほど申し上げた歯科の医療領 域の問題について。障害児の歯科医療というのは、非常に人手がかかって、しかも政策 医療的な枠付けで考えていくと、決して削減してほしいという意味で申し上げたわけで はないのです。ですから、いまのプレゼンの話もありましたけれども、何にどういう人 がどれぐらい必要で、そのために機構がこういう仕事をしているのだということを、よ り詳細に広報をお願いしたいということを改めて思いました。 ○渡辺委員   厚労省のほうに聞きたいのですが、私も昨年か、一昨年ここで申し上げたのですが、 政・独委の特に国立病院機構に対する評価を聞くたびに、率直に非常に腹が立つのです。 まず、どういう人たちがどういう資格でといっては何ですけれども、我々の評価を評価 するのは自由だけれども、去年、一昨年私が申し上げたのは、特に病院の医師の人件費 までも事務官と一緒にしなさいと表にあったのです。あのような医療の現場を全くわか っていないような評価をされることに対して、こちらも文句を言いたい。そうなります と、今回もどういう意味なのか。「評価結果において明らかにされていない」ということ を指摘しているのだけれども、これは人件費のことを言っているのでしょう。厚労省と しても、病院、医療の現場は違うのだと。医療の現場だけを特別扱いしなさいという意 味ではないけれども、この医師不足の中でそういったことを厚労省として言っているの かどうか。一律に評価されて、また、あなたの評価は甘いよとか、人件費のことをちゃ んと出せよと言われても、私は個人的には冗談じゃないという気持ちなのだけれども、 それを厚労省は政・独委にはっきり言っているのですか。 ○政策評価官   政・独委のこの意見につきましては、内部の手続きとしては、あらかじめ私どものほ うにも、何といいますか事実誤認等あるかどうかということについて照会が来ます。そ こで所管課と相談いたしまして、いまご指摘のようなことについても、縷々説明して、 医療の現場の状況に合わせたことをやっているのだということをその都度お話している わけなのですが、結果として今回はこのような意見が出てきたということです。ご指摘 の点については再三申し上げているところでございます。 ○渡辺委員   もっと強く言ってください。この5年間、政・独委のほうに全然反省が見られないと いうことは、理解が進んでいないと思わざるを得ないです、はっきり言って。 ○医政局国立病院課長   内閣官房に設置されている行政減量・効率化有識者会議、これは政・独委が独立行政 法人に対する評価あるいは検討を行っているものとは別の機関ですが、私どもはその場 においても、そもそもこの国立病院機構自体は、他の医療法人、公的病院と比較します と、100床当たりの職員数が低い。低い中でさらに、これは政府全体としての取組みで すので、私どもがそれを除外できませんので、行政改革推進法の第3条、5年5%、こ れを外すのはなかなか難しいということですので、そこの実情も十分、必要な政策的な ものについては確保させていただきながら、削減させるべき職種については、徹底的に 対応しているということは、かなり行革事務局の人間も含めて、私ども積極的に反論す べきところは反論しているという状況です。 ○猿田部会長   確かに私どもに来た、政・独委からの報告書を見ていても、おかしいところが随分あ るのです。先生がおっしゃったように、まとめて意見を上げるということかと思います。 ほかにご意見ございますでしょうか。もしなければ、時間がオーバーしてしまいました が、議事に関しましては終わりまして、その他ということでよろしくお願いします。 ○政策評価官室長補佐   本日は長時間にわたりご審議ありがとうございました。ここで、昨年8月に委員の皆 様方にご審議いただきました、柴山前理事の業績勘案率についてご報告させていただき ます。机上配付資料の3ですが、総務省政・独委からの通知です。別紙にありますよう に、「機構は、当該理事の在任期間中に目的積立金として約77億円を計上するなど業績 が特に良好であると認められる。理事は、機構の経営改善及び目的積立金の計上に関し て労務担当理事として特段の貢献が認められる」ということから、政・独委から特に意 見はなく、業績勘案率は「1.2」と決定されました。ご報告とともにご審議いただきまし たことについてお礼を申し上げます。  もう1つですが、「独立行政法人の組織等に関する予備的調査」についてご報告です。 委員の皆様方及び委員の皆様方の所属する組織のご協力もありまして、ご回答をいただ きました。委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にもかかわらず、調査にご協力い ただき誠にありがとうございました。いただきました回答につきましては、事務局にお いて取りまとめを行い、後日、衆議院調査局宛提出させていただきます。重ねてお礼を 申し上げます。以上です。 ○猿田部会長   皆様方遅くまでありがとうございました。これで第27回委員会を終わらせていただ きます。ありがとうございました。 (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)