09/02/17 第5回献血推進のあり方に関する検討会議事録 平成20年度第5回 献血推進のあり方に関する検討会 日時 平成21年2月17日(火)    10:00〜12:30 場所 日本教育会館(9階)    喜山倶楽部「平安の間」 ○血液対策企画官 定刻になりましたので、ただいまより第5回「献血推進のあり方に 関する検討会」を開催いたします。本検討会は公開で行うこととしておりますが、カメ ラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、マスコミ関係者の方々に おかれましては、ご協力のほどよろしくお願いいたします。  本日ご出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、 誠にありがとうございます。本日は委員の先生方全員がご出席です。  清水座長、以降の議事の進行をよろしくお願いいたします。 ○清水座長 皆さん、おはようございます。早朝寒い風の中ご苦労さまです。今日は全 員お集まりということで、最終報告の検討にふさわしい会議になると思います。  本日は、議題2.として、「採血基準の見直しの検討に係るワーキンググループ」の座 長をしていただきました高本先生からお話をまずお聞きしまして、それから、そのワー キンググループの報告(案)をまとめるという形で、議事を進めていきたいと思います ので、よろしくお願いいたします。  事務局から資料の確認をお願いいたします。 ○需給専門官 資料の確認をさせていただきます。お手元の資料の表紙に本日の座席図 があります。続きまして、2枚目に「議事次第」がありまして、3枚目が「資料一覧」 です。  資料1が委員名簿で、資料2-1が「採血基準見直しの検討に係るワーキンググループ」 報告書です。資料2-2はワーキンググループにおきまして評価・検証を行っていただい た「採血基準に関する各種論文等の要約を付けた一覧表」、資料2-3が「採血基準に関す る各種論文」のコピーです。資料3-1は「検討会の最終報告(案)」です。資料3-2は同 じく最終報告(案)の資料編です。  さらに参考資料1として、わが国の現行の採血基準の一覧、参考資料2として各国の 全血採決基準の一覧表、参考資料3として各国の成分採血基準一覧表があります。なお、 参考資料4として、参考までに「献血者数の推移」として、直近の平成20年の数字が入 っている資料も配付してあります。以上が本日の資料です。 ○清水座長 皆さん、お手元に資料はお揃いでしょうか。  それでは早速ですが、高本座長から、ワーキンググループの報告をお願いいたします。 ○高本参考人 ワーキンググループを担当いたしました高本です。お手元の資料2-1を もとにご報告させていただきます。昨年暮から今月にかけて、ご覧の7名のワーキング グループの委員を中心に、手持ちの資料、あるいは事務局から送付されてまいりました 資料をもとに検討を加えてまいりました。具体的には、そこに書いてありますように、 今年1月9日、2月2日、2回の検討を経て、その次の頁以降にあります結論に達しまし た。  ご覧のように、本ワーキンググループの委員の中には本検討会の先生方もいらっしゃ いますので、もし、何かありましたら、私のあとに追加をお願いしたいと思います。  早速、お手元の資料に沿って、結論だけ簡単にご報告いたします。まず、1です。「400 ccの全血献血採血基準の下限年齢の見直し」です。高校生では、200ccの全血献血は行 われているのですが、400ccの需要が高いということもありまして、この高校生の献血 に関して、年齢の下限をできないかということで議論しました。  結論としては、そこに書いてありますように、日本赤十字社による年齢別の献血副作 用発生率データ等から判断すると、400cc全血献血について、17歳男性への年齢下限拡 大は可能であると考えられる。ただし、献血者の安全を確保する観点から、特に採血前 後のリスク管理を徹底するなど、輸血献血副作用の防止策を万全にすることが必要であ る。その他の年齢層(16歳男女、17歳女性)に関しては、今後の引き続きの検討課題と いたしたい、ということです。  2番目、「血小板成分献血採血基準の上限年齢の見直しについて」。いま全血の上限が 69歳、また同じ成分採血でも、血漿は69歳に対して血小板は54歳となっておりますが、 これでは、ちょっとアンバランスであるということも含めて検討いたしまして、結論と して、国内で得られた年齢別の献血副作用発生率データから判断しますと、血小板成分 献血の上限年齢については、男性に限り69歳までの拡大は可能であると考えられます。 しかしながら、血漿の成分献血にも記載してありますように、65歳から69歳の献血者 に関しては、「60歳に達した日から65歳に達した日の前日までの間に採血が行われた方 に限る」、要するに、経験者に限るということです。女性については、引き続き検討を要 するということです。  3番目、「採血基準項目における『血液比重又は血色素量』について」。現在は血液比 重が中心に表示されていますが、世界的にもヘモグロビンが中心となってきています。 私どもの結論としては、医学的には、「血色素量」に統一すべきである。ただし、現状で 使用できる検査機器が海外の1社からの製品のみであるため、当分の間、採血基準は原 則として「血色素量」とはいたしますけれども、危機管理上「血液比重」で代替するこ とも可能とするということにいたします。  4番目の課題、「年間総採血量、採血回数、採血間隔」及び「男性の血色素量の最低値」 について。結論に関して、年間総採血量、採血回数、採血間隔については、現時点では、 国内の複数回献血者の血色素量推移データから、400cc献血を年4回安全に施行できる ことを担保するエビデンスは得られなかった。男性の血色素量最低値については、献血 者の安全性を考慮すると、現状の採血基準から0.5g/dL引き上げることが妥当であると。 献血水準に対しても、それに応じて同様に引き上げると。  5番目の課題、「インフオームド・コンセント、ドナーの安全対策について」。1番、現 行の献血におけるインフォームド・コンセントのあり方について、日本赤十字社の「お 願い」は、献血者の献血時におけるリスク及び献血者健康被害救済制度に関する記載は 不十分であるので、充実するべきであるということです。  2つ目、インフォームド・コンセントの具体的な方法等については、今後、法律学等 の専門家とも相談しつつ、国及び日本赤十字社において検討するくこととする。(2)保護 者の同意の必要性について。未成年者であっても、一般的に、提案されている医療行為 の性格と危険性について十分に理解する力があると認められる場合には、その行為を受 けるに当たっては、親権者の承認を必要としないと考えられる。  2つ目、献血は定型的行為であり、数十年間にわたる極めて多数の経験を通して、い まや隠れたリスクはほとんどなく、また、その性格・危険性の理解にさほど高い能力を 要求されるものではない。したがって、未成年者の献血についても、特に洞察力のある 親権者によって保護される必要性は乏しく、上記の一般論に照らすと、必ずしも親権者 の承諾を必要としないと考える。  3つ目、ただし、献血は、身体的には本人に何ら利益をもたらさない行為であり、慎 重に取り扱われるべきものであることは言うまでもない。特に未成年の場合、疾患等の 情報が本人に知らされていないこともあり得るので、献血者の献血時におけるリスク等 に係る情報提供が平時から広く行われることが必要であり、もしも親の積極的拒否のあ る場合には採血をしてはならないと考える。  以上は、私どもが得られました結論です。簡単に結論だけ申し上げましたが、具体的 なエビテンスの詳細に関しては、事務局から説明を、よろしくお願いいたします。 ○清水座長 どうもありがとうございました。いま、結論をお話しいただいたわけです が、これは数項目ありますので、とりあえず各項目ごとにご意見を伺って、あとで総合 的にご意見を伺いたいと思います。まず400mL採血を、17歳を男子に限ってオーケーと するということですが、この点について何か、委員の先生方からご意見はありませんか。 ○高本参考人 エビデンスの説明はよろしいですか。 ○清水座長 簡単に事務局からお願いします。 ○課長補佐 資料2-2に2回のワーキングで提示させていただいた計28編の資料につい て要旨をまとめています。資料2-3の(1)は第1回目のワーキングで使用した20編の論文、 その他の資料になっています。2-3の(2)は、2回目のワーキングで使用した8編の論文、 その他の資料が付けてあります。  内容を簡単に申し上げますと、第1回目のワーキングの20編の資料ですが、1番目の 資料(1)は、赤十字社よりご提供いただいた平成19年度副作用発生件数を、10歳刻みで 集計していただいたものになっています。  2番目の資料は、平成18年度、19年度に河原先生の研究班で、採血基準拡大に関する 研究をしていただいています。その中で17歳男性における400mL全血採血安全性につい てご検討いただいた報告書です。  3番目は、2002年のTransfusionよりで、平均年齢17歳高校生におけるVVR発生に係 るリスクファクターを検討した資料です。  4番目は、3番目の資料から得られた知見からVVRのリスクの高いと言われている初回 の白人に限って、その副作用の発生に係る因子、体重とか性別のようなものを解析した 論文です。  5番目は、2006年のデータです。アメリカの36のRed Crossのセンターから集計され たドナーのhemovigilanceのデータです。年齢が16歳から副作用についてまとめられて います。  6番目は、アメリカのRed Crossのhemovigilanceデータを踏まえて、AABB(アメリ カ血液銀行)から出されている若年者の献血者に対する注意勧告を資料とさせていただ いています。  7番目は、埼玉赤十字血液センターにおいて、VVRに伴う転倒をきたしたドナー16名 の背景因子としての解析になります。  8番目は、同じく埼玉赤十字血液センターから、VVR発生に係るリスク因子を解析され ています。  9番目は、2002年のTransfusionから、豊橋赤十字血液センターからのご報告です。 45歳以上の女性において成分献血時のVVRの発生が高いこと、そこに係るリスク因子の 解析をされています。  10番目は、アメリカFDAの自動血小板採取に対するガイダンスで、この中で血小板の 基準になるようなクライテリアが記載されていますので、資料としています。  11番目は、香川の赤十字センターからの報告です。比重法、硫酸銅による比重法と通 常のヘモグロビン法との相関関係の比較が検討されています。  12番目は、Transfusion2003年で、同様にヘモグロビンと比重についての検討がされ ています。  13番目は、2003年の自己血学会誌です。次の14番目も自己血学会誌で、短期間で献 血を採取した場合のヘモグロビンのデータとか、回復についての報告になります。  15番目は、Transfusionからで、6か月間20mgの鉄剤を服用させることで採血回数を、 男性で6回、女性で4回まで可能であったとする報告です。  16番目は、香川赤十字よりの報告で、男性の貧血の数値と採血基準についての検討で す。  17番目は、米国赤十字社が作成している16歳の献血ドナーの保護者に対する同意書 のフォームになります。  18番目は、平成15年度の厚生労働関係の佐竹先生の分担研究班で、献血者に起こる 副作用、合併症の解析についての集計データです。  19番目は、埼玉赤十字からですが、VVRの高リスク群に対して、30分の休憩などの処 置をとった場合に、リスクがどれぐらい下がったかという報告になります。  20番目は、清水先生からですが、意識調査、若年者献血者や保護者を対象に、情報を 伝えることで意識がどう変わるかといった報告です。  続いて、2-3の(2)は、第2回のワーキングで使った資料ですが、1番目は、赤十字社よ り、平成19年度の副作用発生頻度を、前回1回目では10歳刻みでご報告したのですが、 こちらは16歳から19歳までを1歳刻みで、VVRの発生頻度、転倒率を検討して集計し ていただきました。  2番目の資料は、第2回のこのあり方検討会でご発表いただいた河原先生の17歳男性 における400mL採血の安全性に係るプレセンテーションの資料です。  3番目は、赤十字からご提供いただいた平成19年度の全ドナーにおける年齢別、採血 種類別、副作用発生頻度を性別でお示ししています。  4番目は、こちらも赤十字社よりご提供いただいた、4回以上の献血をされている場合 のヘモグロビンの推移を、mの11ですが、集計していただきました。  5番目は、昭和59年度の厚生省血液研究事業として清水先生が包括責任者としておま とめになっている「供血者保護のための採血基準設定に関する研究」の中から、現在の 採血回数を設定する元になった資料です。  6番目は、赤十字社からご提供いただいたVVR発生に係るリスク因子の資料です。  7番目、8番目は、WHOからの引用ですが、7番目は、1992年に出ています輸血製剤の 採血に係る基準となる項目です。その中に採血基準の年齢、どういったものを除外する といったことが記載されています。8番目は、WHOのやはり基準ですが、この中にはクラ イテリアのほかに、同意書の中に盛り込むべき項目などがありましたので、資料として ご提供させていただきました。以上でございます。 ○清水座長 どうもありがとうございました。ちょっと忙しい説明で、十分理解がいか なかったと思いますが、まず1番の400ml採血、17歳男性については、河原班の検討結 果、それから、2-2でしょうか、アメリカから2-3の文献5というのがございますが、 この報告では、この16、17歳では、18、19歳に比べて副作用が多いというような報告 が出ています。しかし、河原班の17歳男子における報告とか、それから日本赤十字の 200ml採血における報告では、そのような傾向がなくて、むしろ、18、19歳も低いとい う結果を我が国では得られているというようなことがございます。採血量との係り合い については、アメリカからの報告ではいろいろ検討されていますが、この循環血液量に 対する採血量が多い、少ないということはあまり、基本的には関係がないという報告も あったりいたしますものですから、一応、17歳での採血はオーケーだろうと。ただし、 女性はどうなのかということになりますと、これは我が国でもアメリカでも、やっぱり 女性の初回というのは、高く出るというようなことがございまして、基本的には17歳男 子についての副作用報告、副作用状況をもっとちゃんと十分なデータのもとに検討した 上で、さらに検討を進めるというようなことが議論の主体かと思われます。  とりあえず今回は、17歳男子に限って、採血を認めようという結論に達したのが大雑 把なところです。  それから、最後のほうで私の論文が紹介されましたが、これも16、17歳で集団献血を やっている高校生と、やっていない高校生、父兄、それぞれの学校の教諭を対象にした アンケート調査を数年前に行ったところ、大体50〜60%はオーケーだと、本人、あるい は本人が承諾して年齢以外の基準を満たしていればオーケーだという回答が得られてい たのです。「わからない」という人が20〜30%おりましたので、これは、さらに400ml とか、成分採血とはこういうものですよというようなことや、何百万人かの人がもうす でに18歳以上で行われていて、安全にできているというような情報を提供して、アンケ ートをもう1回取り直した結果、そういう情報を提供する前と後で比較しますと、10〜 20%ぐらい、いいのではないかと、「賛成」に回ったというようなことがありまして、そ ういうようなことから社会的認知は一応得られているのではないかというように考えた 次第です。  今回の専門的な検討では、16、17歳男女とも400ml採血でもいいのではないかという 意見もあったようですが、とりあえず、17歳男子できちんとしたデータを確認していく べきではないか、ということになったと理解しておりますが、何かご意見ございません でしょうか。 ○山本委員 当初僕が質問していたど素人な質問なのですが、全部読めてないのであれ ですが、ご苦労さまです。すごいですね。僕らがラジオDJなので、そしたら、いま精神 的に病んでいる子がものすごく増えているわけです。ご存知かと思いますが、いわゆる うつ病とか、そういうことで。僕らのラジオでレッドリボンライブとか、ぼくは総合ブ ロデュースやってますが、熱く語っていくわけですね。そしたら、動き出すわけですね。 自分も検査に行こうとか。僕らそういうアーチストとかと一緒にやるので、アーチスト の影響がものすごいのですね。要は、子どもたちが特にそうやって人のためになりたい、 なれてない私、存在価値が見出せない。そういう子は、こういうことをラジオでバーッ と僕らが言うと、ダーッと行くと思うのですよ。ものすごい懸念しているのは、実際、 その精神的に弱っている子やあるいはリストカットの経験者だとか、あるいは眠剤を飲 んでいる経験者だとかが献血に行ったら、その最初のテストを通って献血をしているわ けです。そしたら、倒れているわけですね。その辺の精神的なものからくる、あるいは、 そういう精神的な、病院からもらっている薬を飲んだ、そういう人の影響というのは、 この資料のどこを見れば、わかるかなと思いまして。 ○清水座長 中島委員、どうぞ。 ○中島委員 ちゃんとしたサイエンティフィックなリサーチはないと思います。経験的 に申しますが、さまざまな服薬をしている方というのは、採血に際してやはり薬の影響 を受けます。そもそも薬を、あるいは薬による治療を必要としている方というのは、何 らかの精神的・肉体的なハンディキャップを持っています。ですから、私たちは献血を 受け入れるためには、そのドナーさんが健康上、問題がないことを前提としています。  したがいまして、いまおっしゃいましたような情報を、もし献血現場で検診の医師に 申告してくださいますと、医師は、服薬だけではなく、その方の健康状態全体として判 断しながら、その日の献血の、適否を決めます。私たちの経験では、何らかの精神・神 経に影響する薬をお飲みになっている方の場合は、やはり少し不安定な感じはしており ます。それで、睡眠薬や精神安定剤については、当日、服用されている方の、献血は延 期していただいています。  ですから、それは医師の全体としての判断によるのですが、いまおっしゃいましたよ うな点については、献血現場でもある程度の配慮はされていると思っています。 ○山本委員 いちばん最初に、最初のほうで僕はそれを投げかけたので、今日最終日な ので、一応、こういうことをやったということは、報告はきちんと説明できなければい けないと僕自身も思って。たぶん、そういういまの報告の関連で、当然そういう薬を飲 んでいるのに、黙ってやるのは、個人的な責任になるのですが、ただ、例えば最初のテ ストのときに、そういう人が通っていかないような項目を増やすとか、そういう何か配 慮は、いまもされていると思いますが、重々考えて、もっと実際通っている人がいます から。  これは余談ですが、タミフルもいろいろなことで、これはほとんど大丈夫だと言われ ているのですね。そんな影響力ない。あんな飛び降りているけれど、こういう研究をし た、そういうデータは出ないみたいなことを言われてますが、僕らは現場レベルで言う と、やっぱり精神的に不安定な子が、当然そういう安定剤を飲んでタミフルを飲むこと は怖いからやらない。ただ、飲んでなくても、タミフルを飲んだとき、「あれは、やばい で」という精神的に不安定な子からは、続々と聞いているわけです。僕は、個人的にそ この隙間に何かあるような気がして、ラジオDJでそういう体験をしているのです。だか ら聞いているわけです。なので、なるだけそういう子が、本人が嘘をついたら、それは 本人の責任ですが、通って採血してバターンと倒れることないような配慮をお願いした いと思います。 ○清水座長 そういうことも含めて、ということになっていこうかと思うのですが、い ま問診とか、それから少なくとも皆さんに公表されているような内容で対処しているだ けではなくて、血液センター自体で、それ以外で、いろいろ配慮している部分はあるの ですね。ですから、「薬を飲んでますか」と言っても、では、「どういう薬を飲んでます か」ということを、実際には聞いているわけですね。「この薬を飲んでいる場合は、止め てください」とか、「これはいいのではないですか」、というようなことがあり、その背 景には、2つあります。いま、山本委員が言われたような問題も、例えば「朝飯を食べ ましたか」とか、ちょっと違うかもしれませんが、「今日は、体調はどうですか」といろ いろ聞いてはいるわけですよね。それで、そのときに判断をしているのですが、その後 いろいろなことがドナーのこういうVVRの発症等を予防するために、今回、検討事項と なりました埼玉の血液センターから出た例えば、献血前に水を飲むとか、あとで飲むと かというようなこととか、30分間安静にさせておいたほうがいいとか、それから、外国 からの論文では、例えば、手足を動かすと、そのVVRの発症率が低くなるとか、そうい うのはここ数年でも報告はいくつか出てきてますので、そういうのは、随時血液センタ ーとしても取り入れて、対策を講じていっているはずなんですね。  ですから、いま言われた山本委員のような意見も、当然取り入れてもらって、対策を 文書として表面に出るかどうかはともかくとして、実際の採血の現場においては、そう いうことをチェック項目として考えていただく、というようなことは、当然あるべきで あろうと。  そういう意味で、こういうことを含めまして、2つ目のポツの所で、「特に採血前後の リスク管理を徹底するように」として付記したのは、そういう意味合いも含めての話と いうように理解していただければと思います。 ○山本委員 ありがとうございました。 ○高本参考人 中島委員がお答えになったことで十分だと思いますが、さらに追加させ ていただければ、安定剤等は、患者さんにいざ輸血をされるとなると、例えば、呼吸状 態が非常に悪い状況の患者さんですと、安定剤等は呼吸抑制というような影響を与える こともあります。確かに、ご本人のドネーションにおけるリスクもあるのですが、逆に そのものが血液製剤として影響を与える場合もありますので、患者さんに輸血されたあ とも、やはり、我々はケアしなくてはいけません。そういうこともあるということだけ を、ちょっとご認識いただければと思います。 ○清水座長 ほかに何か400ml採血のことについてのご意見はございませんか。よろし いですか。  それでは次は、血小板成分採血を、今までは54歳男女だったのですが、男性に限って 69歳まで上げる。これは、資料2-3の文献3を見ていただきたいのですが、この3のい ちばん下の所で、女性の成分採血に関する副作用がなぜか、ちょっと年齢が高くなると、 逆に高くなるというようなことが、日赤の今までのデータから報告されまして、これは ちょっと問題かという議論があったようです。それで、とりあえず男性に限ってやると いうことに決まったのですが、この点について、何かご意見ございませんですか。よろ しゅうございますか。  一般に全血採血よりも、成分採血のほうが、少し副作用が多く出そうなのですね。こ れはどうも採血時間との関係があるというような、全血採血でも、早い人は4、5分で終 わってしまうのですが、長い人は10分から15分ぐらいかかる。そうすると、短く終わ った人のほうが、どうも副作用が少ないと。時間が例えば10分以上かかると、副作用が むしろ有意に高くなるというような報告もあったりするわけですが、そういうこととも 関係するのか。採っている間に、だんだん不安になってくるのか、というようなことも あるかと思うのですが、ちょっとその辺の具体的なデータがありませんので。ただ、全 血について時間が短かったか、長かったかについて検討したデータはございまして、数 分であるのに比べれば、10分以上かかった人のほうが、副作用が出やすいという報告は ございます。  そういうことで、とりあえず男子だけを69歳にする。いちばん問題になりますのは心 筋梗塞とか脳血管障害ということになりますが、これは、高齢者の母数がだんだん増え てきていますので、そういう疾患の絶対数としては増えてきてはいるのですが、年齢階 層別に見ていきますと、どちらかというと、一般的には比率は減少傾向にあるというの が疫学的な調査結果です。  それから欧米に比べて、日本では心筋梗塞が増えてきてはいるということがあります が、やっぱり1985、1986年ぐらいの調査では、10年ぐらい日本と差があるのですね。 そういうようなことを含めまして、両者合わせますと、69歳まで上げても、特に問題は ないかというように思うのですが、何かこのことについてご意見がございますか。よろ しゅうございますか。高本先生、何か追加することはございませんか。 ○高本参考人 特にありません。 ○清水座長 そういうことで、2番の血小板成分採血の年齢の上限については、男子に 限って69歳にすると。それから、65歳から69歳の全血採血400、200mlについては、 60〜64歳で採血経験があることが前提条件になっていますので、血小板成分採血もそれ を踏襲するということで、60〜64歳の間に献血経験があるということを1つの条件とし て、実施するということにしておりますが、よろしゅうございますか。  では、次は採血基準項目における「血液比重又は血色素量」についてということです が、これは、前回の委員会でも議論したところですが、いまご説明がありましたように、 世界的な傾向としては血色素に絞られてきている。それで、香川の血液センターの内田 所長、血液内科の専門医でもあるのですが、その先生も血色素で見るのが妥当であると いうようなことを、常々言っておられますし、私もそのほうが妥当だというように、常々 思ってはいるところです。世界的に見ましても、比重というのはあまり行われなくなっ てきている。しかし、いまのところ機器が一社でからしか、提供されてないというよう な問題もあったりするということと、それから、機器の不具合が万一生じたような場合 に、その危機管理上の問題として、比重も蛇足的かもしれませんが、一応、当面実施す るということで、血色素の問題には対処していこうと。いずれは血色素一本になるとい うことになろうかと、方向性を示してもらっているということです。よろしゅうござい ますか。では、この点も、ご了解いただいたということにしたいと思います。  それから、年間総採血量のことにつきましては、現状を変更するに足る十分なデータ は得られなかったということですが、もう1つ血色素に変更するに当たって、従来12.5 gというのが、男女共に採血基準の血色素の位置付けでした。ところが、実際日赤でデ ータをとっておりますと、男性の場合は、ほとんどの場合、13.0以上、もちろん13.0 未満も少数ながらいないわけではございませんが、ほとんどが13.0以上であるというよ うなこと。それから、やっぱり男性の場合は、少しヘモグロビン値の正常範囲が高いと いうこともございます。それから、採血したあと、一過性とはいえ基準値を下回るとい うのは、やっぱり問題かもしれないというようなご意見もあったようでして、一応、こ れを0.5上げる。特に、これは男性についてですが、それによって、献血者がどのぐら い減るかというと、2%でした。2%ほど献血者が外れることになるようですが、血液セ ンター側の意見としては、特に問題がなさそうだということのようです。そこで、これ を現実に合わせて、13.0に0.5g引き上げるということにして、献血者のより一層の健 康管理と言っても、大部分の人は問題ないのですが、、ヘモグロビンに統一するに当たっ て、現状に合わせつつ、さらに合理的な範囲に収めようという見解です。このことにつ いては、何か、ご意見ございませんですか。よろしゅうございますか。では、この件に つきましても、一応、ご了解をいただいているということにしたいと思います。  次は、インフォームド・コンセントのことです。これについても、いろいろ議論をし ていただきまして、ここに書いてございますが、このほかに付け加えるならば、200mL の全血採血につきましては、現在親権者からの了解なしに採血がずうっと30、40年行わ れてきているという現実もあるわけですが、そういうようなことを踏まえて、また、献 血というのは、400、成分あるいは200につきまして、何十年にもわたって、何千万人と いう人たちが、行ってきておりまして、特に、副作用としてどんなことが起こりうるの かということについては、もちろん将来的には、問題になることもあるかもしれません が、ほとんどは既知の事実でありうるということで、そういうことを世の中に広く一般 に、PRして、十分に了解されるようなことをしていくことで、親権者の承諾を必ずしも 必要としないということが、報告されておるわけですが、この点について、何かご意見 ございませんでしょうか。はい、どうぞ。 ○花井委員 親権者または保護者の積極的拒否がある場合は、採血してはならないとい うのは、一般論としてなんとなくわかる気がするのですが、これは未成年という括りで、 全年齢でそうなのかどうかというと、19歳だったらそれはどうかというのがありますね。 ある年齢以上は、別に親が拒否しても献血できるのではないかと思えるのですが、基準 をどこに定めるかということは別として、何か論点がそこで一応あるのではないかなと 思うのですが、これは普通の法律的な同意とか、法律行為の論議ではどうなるのですか ね。18歳の少年が、俺は献血するんだと、親はだめだと言っても、それはたぶん、でき る可能性があるのではないかという気もするのです。 ○宇都木委員 私が答えるべきなんだろうと思うのですが、必ずしも法律的にはっきり しているところではなくて、法律家の間でも意見が分かれているところなのですね。17 歳を400mLにしたからどうだ、という話ではなく、もっと一般的な問題なのですね。法 律的には、20というところで切るという切り方しかないわけですが、現実には、治療行 為については、大体16歳ぐらいから理解力があるだろうとか、現実的な区別は、治療の 過程ではなされていると思うのですね。ですから、その現実を、どのぐらい献血のとこ ろに持ってきて、納得いく状況になるかということだと、年齢につきましては、思って いるのですね。ただ、ここでは献血自体の危険性というよりむしろ、実は献血をすると、 ある程度の検査をいたしますよね。検査の過程で、本人が知らない事柄が、ポッと出て くる可能性なんていうのがあるのですね。そういう点で、最後の所に、ちょっとこのこ とを入れてございます。 ○花井委員 「してはならない」と強い否定で書いてあるので、どうかなと。場合によ ってはできるのかなと、そういう趣旨なのですが。 ○宇都木委員 これは書き方としては、日赤に対してあるいは、採血者に対して、「して はならない」という結論をここで出すわけですね。 ○花井委員 19歳であっても「してはならない」ということですか。 ○宇都木委員 ということになろうかと思います。 ○花井委員 わかりました。  ○清水座長 よろしいですか。ほかの方、いまの点について、どうですか。この問題は、 実務的に何か問題になるようなことがありますか。中島委員、現場としていかがですか。 ○中島委員 事前に十分な情報提供をすることが大事だと思うのですね。それはご指摘 のように、現状では必ずしも十分ではないということで改善いたしますが、高校におけ る集団献血等ですと、事前にこういう説明をし、ご本人あるいは家庭に持ち帰ってご両 親に理解してもらうということは可能だと思うのですが、街頭や献血ルームに17、18 歳の方が単独で来られたときに、その親の拒否があるかないかを、どういうふうに確認 するかというところが、現実問題としては少し難しいところかなと。そのとき、初めて の場合は、献血に関する十分な説明をし、先ほどご指摘があったように採血のリスクと か、それから健康被害の救済制度とか献血に伴うさまざまな問題もそこで説明した上で、 ご両親は了解してますかというところを、確認することが必要だと思うのです。現状で は、献血の受け入れ現場は、そこまで十分な体制ができておりませんので、その辺は社 会に対する情報発信をしていった上で、改善をしていく必要があると思っています。 ○清水座長 この「してはならない」の前段の情報提供が平時から広く行うということ がいまの意見の担保になるところではないかなと思うわけです。よろしいですか。 ○大平委員 このインフォームド・コンセント、ここの報告書のインフォームド・コン セントは、献血全般に対する情報提供の話だけではなさそうです。リスクとか、副作用 の情報ですとか、そういう情報に限っての情報の提供という形になりますか。 ○清水座長 それはいろいろな情報が含まれてきますから、それに限られるとは言えな いと思いますが。広く一般的に、例えば、厚労省から出している年次報告書があったり、 あれはかなり詳細に、内容が豊富なので、読みきるのが大変です。少なくとも、これだ けの人数の人が献血しているという情報と、こういう副作用がありますよと。特に、副 作用情報には力を入れた広報は必要ではないかなというように思うのですが。いまの「お 願い」という文章の中の一部、以前、献血者の被害補償制度を議論するときに、副作用 のことをもっとちゃんと記載したほうがいいのではないかと、前に議論があって、一部 そういうことが明記されるようになったのではないかと記憶しているのですが、そうい うようなことも、献血する、しない、あるいは関係ある、ないにかかわらず、献血とは こういうもので、こういう副作用もあるんだというようなことを、広く知るということ を徹底する必要があるのではないかという意味合いではないかと思っています。 ○宇都木委員 いまここに出ている、保護者の承諾が必要かどうかということについて は、やっぱり第一義的に、危険の問題だと思うのですが、ただ、献血についての広報と いう点では、危険だけではなくて、どれがどういう使われ方をされているとか、不足し ているとか、ということについて明確な情報が必要だと思うのですが、それは、ここの 問題ではなくて、むしろ本報告のほうの問題ではないかなと思います。 ○清水座長 よろしいですか。 ○大平委員 はい。 ○清水座長 何かご意見ありますか。 ○堀田委員 学校で行う場合は、やはり人数把握をする上で、申込みを取ります。その 際、一応、保護者宛のお知らせをし、何年何組の献血する者の生徒の名前と、保護者名 というのをいまはとっております。学校としてやる場合には行うのが普通ではないかな と思います。 ○清水座長 行うこと自体は、別に問題ないと。 ○堀田委員 ええ、別に問題ないと思います。 ○清水座長 気にしているわけではないですね。 ○堀田委員 ええ、そうですね。 ○清水座長 羽田委員、何かご意見ありませんか。 ○堀田委員 もう1点、よろしいですか。いちばん下のポツの所で、「ただし、献血は、 身体的には本人に何ら利益をもたらさない行為であり」というこの一文なのですが、ち ょっとやっぱり否定的なニュアンスを持つんですね。ですから、ここをもう少し何か身 体的にはやや、痛みを伴う行為であるとか、もっといい言葉があると思うのですが。 ○山本委員 賛成、これはちょっとネガティブな。 ○宇都木委員 精神的には、私は非常に大切なことだと思っておりますが、前段の所で、 通常の治療行為についての未成年者の権利ということを問題にして、それがやっぱり基 準だと思うのですね。そうすると、献血というのは、治療行為とやはり性質が違うから。 だから、治療行為に必要でないような事柄についても、献血については必要になること があるという、そういうことを強調したかったものですから、こういう文章を、私が作 った段階で入れさせていただいたのです。 ○清水座長 何か適当な言葉がございますか。 ○山本委員 いまの「痛い」というのがありますが、そういうほうがピンときますが。 ○宇都木委員 しつこくてすみません。治療行為というのは、本人にとって利益がある のですね。その利益については、本人がやっぱり主張して決定する権利。ただ、これは、 痛いとかというのではなくて、本人にとっては利益がない行為、他人にとって利益があ る行為なのです、「自分のものを全部あげるよ」と小さな子が言ってしまった場合につい ては、親が子どもを保護してあげなければいけなくなりますよね。そういう意味合いな んですね。 ○山本委員 利益って何か、何か違う言い方はありませんか。 ○大平委員 よろしいですか。多分に、もし違っていたら訂正していただきたいのです が、ここは、かなり科学的な問題に絞っての報告書になっているのだろうと思うのです ね。ですから、そこについては、精神的なものとか、そういう何か感情的なものを排除 して、そして、きちんと問題を整理したというところの見解なんだろうと思うのですね。 そうしないと、この献血の採血基準について、いちばん最初にちょっと私が混乱を招い てしまった話に戻ってしまうところが多分にありそうな感じがしますので、そこはきち んと整理をして報告書は報告書として、このかなり科学的な問題として絞った報告書と して受け止めさせていただいて、その中で最終的に報告書の中では、どういうふうに精 神論ですとか、感情的な問題をそこに反映させていく工夫があっていいのではないかな と思うのですが、もし、間違っていたら訂正してください ○清水座長 そうすると、このワーキンググループの報告書としての表現としては、い いということですか。これは、「何ら利益をもたらさない利他的行為」とでも入れるか。 ○山本委員 「何ら利益を」というのを意識してほしいですね。宇都木先生がマイクで しゃべった感じは柔らかい。そのまま載せていただければよかったのですよ。全然、同 じことを言うのでも、全然感情論を言うているのではなくて、全く大平委員のおっしゃ るとおりだと思うのですが、わざわざこれを選ぶのだったらというか、ほかにもあるか な。 ○清水座長 あるいは「愛他的行為」とかも入れますか、柔らかくするのに。 ○宇都木委員 「利」をとったら益ですね。 ○高本参考人 言葉の印象だけの問題のような気が致します。「何ら」というのは、いか にも強いような気がいたしますので、身体的には本人に利益をもたらす行為ではなく、 という表現だったら少し柔らかくなります。あるいは「利」をとって、「本人に益をもた らす行為ではなく」とすれば。 ○山本委員 堀田委員が、僕もそこはあまり言わんとこう思った。大平さんのおっしゃ るとおりだと。ところが、やっぱり堀田委員も思ってたんやと思うと、やっぱりほかの 人もこれから思うやろな。 ○清水座長 もう1回ちょっと言ってみてください。どういう表現になりますか。 ○山本委員 いまの「何ら」をとって、利益の「利」をとって、益が、本人に益をもたら さない、もたらす行為ではなく。 ○清水座長 もたらす行為では。 ○高本参考人 行為ではなく。 ○清水座長 本人に益をもたらす行為ではなく。それならよろしいですか。どうですか、 堀田委員。 ○堀田委員 はい、柔らかくなりました。学校で啓発していく中に、これがボンと出る と、何か説明しにくい気がしたものですから。 ○清水座長 愛他的行為なんて入れなくてもいいのですか。羽田委員は、どうですか。  それでは、以上、ワーキンググループの報告についてのお話は、ここまでにしたいと 思いますが、全体を通じて、特に何かご意見はございますか。皆様方に、これでご了解 をいただいたということで、この委員会での報告書のほうに、話を進めたいと思います ので、よろしくお願いいたします。  それでは、議題3の検討会最終報告(案)の審議に入りたいと思います。事務局のほ うから、ご説明をお願いします。 ○需給専門官 資料3-1、資料3-2についてご説明申し上げます。献血推進のあり方に 関する検討会報告書(案)としまして、いま日付が空白になっている状態ですが、これ は、こののち薬事食品衛生審議会の血液事業部会に向けて、この検討会としての提言と して、ご報告いただく予定ですので、その日付が入る予定です。1枚めくっていただき まして、「献血推進のあり方に関する検討会」のこれまでの検討会の開催実績、ワーキン グも含めまして書いてあります。それから、検討会の委員一覧表とワーキンググループ の委員一覧があります。  本体ですが、この報告書は昨年12月にとりまとめていただいた「中間報告」を台に作 成してあります。「中間報告」の段階では、ただ今議論のあった採血基準の見直しの部分、 それからインフォームド・コンセントの整理の部分が抜けておりましたので、それが入 っています。変更後につきましては赤字で表示してあります。  報告書の1頁目は「中間報告」が単純に「報告書」となったこと、それから、「検討を 行ってきた」が、「以下の提言を報告書としてとりまとめることとした」という記述です。  2頁には、中間報告で採血基準の見直しを行うべきとしていたところにつきまして、 今回ワーキンググループで、現行の採血基準について再検討を行ったという紹介をして おります。  3頁目では、先ほどのワーキンググループの報告書の内容を受けて、献血者の献血時 におけるリスクに係る情報の提供について加えております。さらに23〜29歳の部分で、 6頁にもともと記載があった「(5)低比重者などへの対応」について、年齢層別に言える ことではないかということで、この要素もここに加えております。  4頁目は、地域における献血推進のあり方です。この項の記載内容がボランティアの 育成、行政及び日本赤十字社の取組内容に係るものとなっておりますので、タイトルに 「推進」の2文字を加えました。  5つ目のポツでは、企業からの協力を得るための工夫として少し具体的に、欧米の事 例を参考とし、採血時間帯(採血時刻)について配慮するという記載を入れております。  最後のポツでは、これら地域における取組を効率的に行うための地方公共団体と日本 赤十字社の体制について記述をしております。  「献血バスの効率的な運用など地域の実情に合った献血実施方法」の部分では、2つ 目のポツとして追加がございます。これは地域、特に都市部で献血バスを停める際の駐 車スペース確保の問題点というのがあり、非常に苦慮しているという実情を受けて、こ の記述を入れております。  5頁目は、ただいま議論のありました「献血時のインフォームド・コンセントと献血 情報の提供のあり方」ですが、ここはワーキンググループの報告書の内容がそのまま反 映されております。したがって、言いぶりについて修正すべきという意見が先ほどあり ましたので、その部分については修正が必要かと思います。  (3)「献血情報の提供のあり方」についても、ワーキンググループの報告書の採血基準 の1番目のただし書にありました「採血前後のリスク管理を徹底して献血副作用の防止 策を徹底する」という部分にも関連するかと思いますので、この記述にしてございます。 6頁目は変更はございません。  7頁目は第3「採血基準の見直し」です。5つ目のポツのところからこの見直しの内容 が反映されております。今回、具体的に採血基準の見直し・改正が必要な部分について は黒のアンダーラインを引いてあります。  8頁の3つ目のポツですが、ただいまご議論いただいたとおり、「以上のワーキンググ ループからの報告を受けて、当検討会として討議した結果、ワーキンググループにおけ る検討内容・検討結果は妥当なものであると考える。なお、採血基準の見直しについて は、今回成案が得られなかった課題等について、今後も種々のデータを収集し、エビデ ンスの適切な評価を行うなど、引き続き検討すべきである」としております。  最後は第4「今後の課題」です。「中間報告」の際にも、明確に行動計画を作成して検 証する必要があるということでしたが、これをもう少し具体的に書いたものが3つ目の ポツです。現在も取組が行われている「献血構造改革」というものがございます。これ は若年層対策、複数回献血者の増加、さらに協力企業の増加という三本立てですが、こ れが平成17年度から5年計画で行われております。短期に実施可能な事項については献 血構造改革の終期に合わせて、平成22年ごろに検証すべきではないかという点。もう1 点は、中長期に対応すべき事項については、血液法に基本方針というのがございまして、 5年に1回改正されることになっておりますが、この次期改正時期が平成25年になりま すので、この平成25年を目途に達成状況を検証することが望ましいとしております。  次は「なお書き」です。国、地方公共団体及び日本赤十字社の取組について理念的な ことが書いてあります。  そして最後に、「さらに、『はじめに』で述べたように、医療関係者をはじめ、献血者、 受血者及び教育関係者などすべての関係者が、それぞれの立場から献血に関する理解を 深め、国民相互の無償の博愛に基づく我が国の『愛の献血』を将来にわたり継続してい くため努力することを求めるものである」と結んでおります。以上が資料3-1の文章で す。  次は資料3-2です。これは、これまでの検討会の議論の中で資料として使わせていた だいたものを抜粋して載せております。1頁目は第1回に引用した、平成19年までの献 血者数の推移を、年代別になっておりますが、延べ人数で載せております。それから、 年代別に分けたグラフを、人口変動との関係が分かるようにしたものも2〜3頁に示して おります。同じ内容で高校生の献血者数を示したものが4頁にあります。同様に、献血 受入れ施設別の献血者数の推移、あるいは血液確保量の推移について示したものが5頁 に、献血種類別献血者数の推移、献血種類別の血液確保量の推移について示したグラフ が6頁にあります。  第2回の検討会でお示しした、この秋に行った「若年層献血意識調査」の結果の概要、 サマリーの部分を7〜27頁に付けてあります。それから、第3回と第4回にお示しした 年齢別の実献血者数(人口分布のグラフ付き)、移動採血車と固定施設別のグラフ、これ は6都道府県について状況を見るために示したものですが、これも今後参考になるかと 思いまして28〜37頁に付けました。以上が資料3-2の説明です。 ○清水座長 どうもありがとうございました。最終報告(案)が一応示されたわけです が、すでにいろいろ議論もされてきた内容ですので、特に赤字で記載されているところ を重点的にご意見を賜りたいと思います。まず「はじめに」のところは特に問題がない と思います。2頁の第2、学校のところも、あまり問題はないと思うのですが、いかがで しょうか。 ○宇都木委員 今更ながら黒字のところを申し上げて申し訳ないのですが、(1)の2つ目 のポツは、高等学校で実施することが難しくなっているというのが結論なのです。週休 5日制、あるいは、ここには書いてありませんが、個人の自己決定が重視されるように なったということは理由になると思うのですが、医療機関の血液需要が400mL献血へ移 行したというのは、高等学校での献血が難しくなったという理由には全くならないと思 うので、ここは削除する。下のところに200mL、400mLを検討するということがあります ので、そのほうが論理的ではないかと思います。 ○清水座長 いまのご意見について、いかがでしょうか。 ○掛川委員 ただいまの意見、それはそれで理解できると思うのですが、今回の高等学 校献血ということでいきますと、以前は医療機関からの需要が200mLが多いということ から、全国的にも高等学校献血を相当推進してきたという経緯がございました。ただ、 ここに来て、医療機関からの需要とともに、特に400mLの推進ということが謳われるよ うになって高等学校献血のあり方が問われたということからいけば、直接的に表現する かどうかは別にして、この要因も高校献血のあり方にとっては1つ大きな要因であった と理解しているのですが、いかがでしょうか。 ○宇都木委員 私もそう思うのですが、その間の説明をしないと通じないですよね。 400mLを200mLにするということであれば、高校献血がもっと広がるということが論理 的に出てくるのですが、素人にとっては、200mLを400mLにするからと言って、高校生 の間に広がってゆく、というのは分かりにくい。 ○清水座長 先生の意見では「医療機関」以下を削除して、「学校週5日制の施行など、 さまざまの環境変化により」というような文章にするということですか。 ○宇都木委員 そうです。そこに自己決定が重んじられるとか、何か入れてもいいので すが、それはそれで、またいろいろ問題があるかもしれません。 ○清水座長 いかがでしょうか。削除しましょうか。 ○衞藤委員 もし、これを説明するとしたら、「以前のような集団献血を400mL献血の対 象者とならない生徒が大半である高校で」等と、400mLが対象にならないということを 説明すればよいかと思います。ただ、そのことと学校週5日制ということが並んでいる ので大変分かりにくいということがあるのは確かだと思いますので、どちらとも言えな いのです。 ○河原委員 下のほうに入れたほうが、きれいにいくような感じは私もします。例えば、 「さらに、現状では医療機関の血液需要が400mL献血に移行しているにもかかわらず、 ほとんどの高校生が」などというほうが、きれいな表現だと思います。 ○清水座長 「医療機関の血液需要が400mL献血へ移行する」を2つ目のポツからは削 除して、いちばん下の「さらに」というところへ持っていく。河原委員、もう一回言っ ていただけますか。 ○河原委員 「さらに、現状では医療機関の血液需要が400mL献血に移行しているにも かかわらず」。「400mL献血」ではなくて「400mL製剤」かも分かりませんが、その辺りは 言葉を考えていただくことをお願いします。 ○清水座長 事務局でその辺を踏まえて検討していただきたいと思います。ほかには、 よろしいですか。 ○堀田委員 いまのところなのですが、「などのさまざまな」とすると、「1つだけ」と いうのは文章としておかしいように思います。 ○宇都木委員 集団的な行動があまり好まれなくなっているということを入れたらいい とは思うのですが、そこのところを明確に書くのは難しいと思うのです。 ○清水座長 どういう表現ならよろしいとお考えですか。 ○宇都木委員 現実に、何なのでしょうね。 ○堀田委員 最初に減少してきたのは問診の項目だと聞いているのです、「不特定多数の 経験」というようなことを。そのころは性教育の中で「性交」とかというのは言葉とし て使ってはいけないというような縛りがあって、指導面と現実的な啓発ということでの 葛藤があったようです。 ○清水座長 今もそういう縛りは存在するわけですか。 ○堀田委員 今はないと思います。それなので、やらなかった学校も、やる方向に今少 しずつ来ているのですが、一度やめてしまったものを復活するというのはなかなか難し い学校もあります。 ○清水座長 現実との乖離という問題が大きな影響ではなかったかというご意見ですが、 確かにそういう面もあるかもしれません。ただ、女子医大で院内採血が盛んに行われて いた時期にこういうことをやっていまして、みんな、あっけらかんとしていたのです。 「あのとき行ったのはいつだったかな」などと4、5人で来て、お互いに大声で確認し合 ったりしているということもありまして、実際問題として、どれだけそれが大きなイン パクトになっていたかというのは、なかなか理解が難しいところではあるかと思うので す。お話のような事実もなかったとは言えないと思うのですが。 ○衞藤委員 その辺のことはエビデンスという意味ではあまりはっきりしないところも ありますので、ここは「学校週5日制の施行により、時間数の確保が困難になる等によ り」とシンプルにいってもいいのではないでしょうか。 ○清水座長 あまり複雑なことには立ち入らないということですが、堀田委員、よろし いですか。 ○堀田委員 はい。 ○清水座長 この問題は、そういうことにしたいと思います。あとは学校教育における 啓発の問題、献血環境のあり方の問題、特に年齢の問題がありますが、これはいかがで すか。 ○宇都木委員 これは先ほど大平委員がおっしゃったことと関連すると思うのですが、3 頁の「18〜22歳」の赤字のところが「リスクに係る情報とともに」という言い方になっ ているのです。ここで大切なことは、リスクに対する情報もあるのですが、それに対す るセーフティというのでしょうか、それをどうしたら予防できるのかということを併せ て、きちんと論じておかなければいけないと思うのです。「適切な対処方法」とか「セー フティ情報」とか、そんな言葉を入れていただいたらどうかと思います。 ○大平委員 リスクばかりが強調されるという感じになるので。 ○清水座長 「献血者の献血における安全性の確保とリスクに係る情報とともに」。 ○衞藤委員 リスクと安全性の確保。 ○清水座長 逆にする。 ○宇都木委員 リスクがあるけれども、それはきちんと対応できるのだということを強 く言う。 ○清水座長 なるほど。では「リスクと安全性の確保に係る情報」でよろしいですか。 ○山本委員 リスクはあるから「リスク」という言葉が出てきて、「リスクに対する安全 性の確保」。 ○高本参考人 「献血者の献血時におけるリスク並びにその対応策」。 ○清水座長 「献血者の献血時におけるリスクとその対応策に係る情報」でよろしいで すか。「リスクと対応策」という形にしたいと思います。事務局はよろしいでしょうか。 ○需給専門官 はい。 ○宇都木委員 その次なのですが、「実際の輸血現場の情報」というのが何を意味してい るのか分からないのです。18歳からインセンティブを与えてずっとやっていただくため に、今度の検討会報告書ではここがいちばん大切なところだと思うのです。ですから、 献血の意味、あるいは使用用途がどういうことであるかという情報も是非入れてほしい のです。それが「献血現場の情報」の内に入るのか入らないのか分からないものですか ら。 ○清水座長 「初回献血時に」とありますが、初回献血時とは限らない。「献血の意義」、 これは取り入れておいたほうがいいかもしれませんね。そうすると最初に来ますか。「少 なくとも、初回献血時には献血の意義並びに献血時におけるリスクとその対策に係る情 報とともに、輸血現場の情報を。献血現場ではなくて、実際に血液がどう使われるかと いうことの情報ですね。「特に初回献血時には、献血の意義及び献血時におけるリスクと その対策に係る情報とともに、実際に血液が使われる現場の情報を提供する」。ここのと ころは切ってしまいますか。 ○大平委員 「輸血現場の情報」という言葉がわりと受け入れにくい言葉なのではない かと思うのです。 ○清水座長 受け入れにくいというのは、どういうことですか。 ○大平委員 わかりにくいというのです。ここの「輸血現場の情報」というのは、輸血 医療で患者が救われるという問題ですね。 ○清水座長 献血時の問題と、献血した血液が使われる状況と2つあるのだけれども、 それがつながっていて分かりにくいということなので、文章として切ってしまいますか。 ○大平委員 その両方が重なって献血者の意識を高める効果、となっているので、その つながりが難しいのだろうと思うのです。 ○清水座長 では「特に初回献血時には献血の意義及び献血時におけるリスクとその対 応策に係る情報を提供することが必要である。さらに、献血者の意識を高める効果が高 いとされる実際の輸血現場の情報を適切に提供し、今後の献血活動を促すことにつなが るようにすることが重要である」、これでよろしいですか。文章を検討していただくこと にします。  次はいかがですか。 ○川内委員 本質的なことではありませんで恐縮ですが、23〜29歳のところの赤字の最 初で「女性が家庭に入ったり」とありますが、「家庭に入る」というのは表現として抽象 的です。また復古的な印象を与えますので「女性が結婚や出産により家事や子育てに忙 しい」というふうにしたほうがいいのではないかと思います。 ○清水座長 「女性が結婚、出産、子育てに忙しいなどの理由」ということになります か。 ○川内委員 「女性が結婚や出産により家事や子育てに忙しい」。 ○清水座長 いかがでしょうか。 ○花井委員 ここは少し気をつけて表現を変える。つまり「結婚」は普通、忙しさとは 関係ないと思うのです。そして「家事」というのもどうか。そこはうまく避けたほうが いいと思います。「家庭に入る」はとてもまずい表現だと思います。「出産」はいいので すが「結婚」は関係ない。男も結婚するわけです。そうすると、女性だけが結婚したか ら忙しくなると言うことは、たぶんまずいので、そこは避けた表現を何か考えたほうが いいと思います。 ○山本委員 子育ては。 ○花井委員 子育ては微妙です。そこは、ぎりぎり容認かなという感じです。「母性」と 言ったら、ちょっと。 ○山本委員 今はその時代です、そこをつっ込みたくなる。 ○花井委員 普通はそうですね。そこは山本委員のほうがバランスが分かるかもしれま せんが、「家庭に入ったり」は絶対に駄目ですね。 ○川内委員 女性に負担がかかっているということは確かですけれども、女性特有の問 題だということで表現するのはまずいかなという気がします。 ○清水座長 ただ、この年代層で女性の献血率がガタッと落ちていることは事実ですの で、その裏付けをどうするかです。それが結婚、出産、家事、その他、女性に大きな負 担がかかっているという現状があるのか、ないのか。 ○山本委員 何なのでしょうね、これは難しい。 ○住友委員 女性特有ということになりますと、出産と授乳しかないと思うのです。で すから、ここでまとめてしまうと「出産等により」等とさらっとしてしまえば、そんな に抵抗感はないのかなと思うのですが。 ○山本委員 まさに、そうですね。 ○清水座長 「女性が出産等により」にするということでいかがですか。 ○山本委員 今は女性から文句が出るというより、男性からも出てくるのです、「俺らも 子育てしてる」とかと。 ○住友委員 両方あると思います。 ○清水座長 「子育て」も取って「出産などの理由により」。 ○住友委員 はい、子育ては男女ともやると思います。 ○清水座長 では「女性の出産等の理由が考えられる」。 ○花井委員 「出産等負担が大きくなっていることなどが理由とも考えられる」。 ○宇都木委員 これは「女性」で始まっているのですから、ここでは「女性」は要らな くて、「低比重者の増加や出産等の理由も考えられることから」ではないでしょうか。 ○清水座長 それでよろしければ、そういうことにしたいと思います。ほかに何かござ いますか。 ○需給専門官 いまのご指摘の部分ですが、「子育て」というのがまずいということにな りますと、その後の「託児体制を備えた献血ルーム」につながらなくなるかと思います ので、ここは、全体の文章に照らしてどうかと思いますが。 ○清水座長 託児体制を備えるということは、女性に限ったことではない。「理由も考え られる」で切ってしまって、「例えば、低比重者への積極的な対応や、地域の特性に応じ て託児体制を備えた献血ルームを設置するなどの取組」と。 ○宇都木委員 「例えば」ではなく「したがって」ですね。 ○清水座長 「考えられる。したがって、低比重者云々」これだと、つながりますね。 ○需給専門官 そうしますと、その下の「さらには子育てを終えた女性」という書き方 も「女性」が問題になるのかどうかというところが気になりますが。 ○清水座長 そうですね。いかがですか。 ○河原委員 託児体制なのですが、23〜29歳の年齢層よりも、むしろ次の30代のほう が託児というイメージはあると思うのです。だから、託児体制は女性特有の問題として 独立した項のほうがいいのではないですか。 ○山本委員 そうですね。さらに「子育てを終えた女性」という表現も相当まずいです ね。「アラフォー」ですからね、特にこの時代は。 ○住友委員 子育て云々、託児ルームのところはここからすっかり取っていただいて、4 頁「地域における献血推進のあり方」に移す。うまくはまるかどうかは分からないので すが、子育て中の方も献血しやすいように、託児ルームを備えた献血ルームなり何なり というように、こっちへ分けたらいかがでしょうか。 ○清水座長 では、少なくともここの「さらに」以下3行は4頁に持ってくるというこ とにしたいと思いますが、よろしいですか。 ○住友委員 もし、献血ルームが日赤の問題だということであれば、次の「バス等の効 率的な運用」のところに入れてもいいのかもしれないのですが、それは収まりのいいよ うにしていただきたいと思います。ここはバスだけの話になってしまっていますが。 ○清水座長 それは次にいってから議論することにして、少なくとも23〜29歳のところ からは外す。そして「さらに」以下のところをどこに当てはめるかは後で議論していた だくということにしたいと思います。  30歳代、40歳代、60歳以上のところは、いかがでしょうか。よろしければ次にまい ります。「地域における献血推進のあり方」。市町村、地域、ボランティア、地方公共団 体、企業、官公署。いちばん下でもいいでしょうか。さっきの「さらに」以下のところ がうまく入る場所があれば、ご指示ください。 ○大平委員 ちょっと戻って申し訳ないのですが、「さらに」というところ以前に、献血 ルームの中に託児体制を設けることで対処するという形になっています。献血ルームの 中で託児体制を備えるということになると、日赤の献血ルームのあり方というのですか、 整備のところに持っていくしかないのではないかと思うのです。ここは献血バスだけに なっていますが。 ○清水座長 「献血バスなどの効率的な運用等地域の実情に合った献血実施方法」とタ イトルを変えますか。 ○山本委員 献血ルームと献血バスを一緒に入れたら。 ○大平委員 23〜29歳のところで、子育て等女性特有の問題として、託児体制を備えた 献血ルームを設置するなどして対応すると書いてあるのですが、それ自体を子育ての問 題として女性特有の問題から離すとしたら「託児体制を備えた献血ルームの設置」をど こか他に持っていかないと、体制としては成り立たなくなるのではないか。「献血バス」 の項目をもう一項立てるか何かするしかないのではないかと思うのです。 ○山本委員 「献血バス等」にしようかという話の中に、献血バスと献血ルームを並べ たらいけないのですか。要するに、献血ルームのあり方がもっと良くなるための意見で す。 ○高本参考人 女性ドナーが減った原因として低比重と出産という問題があるので、こ こは、それに対応する文章です。だから、これを取ってしまうと、「低比重に対応する」 ということと「出産に対応する」という次の文章が続かなくなってしまうのではないで しょうか。 ○山本委員 だからそこは、子育てが女性だけのものなどと変に思われないように、ま とめてこっちに、いわゆる体制として、男だ、女だということとは関係なく、託児所と いうのを付けたものがいいのではないか、まとめたほうがいいのではないかと言ってく れたのと違うのですか。 ○清水座長 「さらに」のところの「子育てを終えた女性」というのがちょっと問題含 みなのですね。 ○住友委員 女性に戻ってきてもらうというほうは、「地域における献血推進のあり方」 のところに「一度献血をしていたのだけれども途切れた人に戻ってきてもらう工夫」と いう一文をそちらへ入れて、献血ルームは、どちらかというとバスのほうに入れ、分け て収めたほうが収まりがいいと思うのですが、いかがでしょうか。 ○清水座長 具体的には、どこに入れますか。 ○山本委員 献血ルームに託児所があればいい。献血バスの横にも託児所があればいい のです、将来的には。それは、男が来ようが、女が来ようが、いい。そういう意味では いちばん下も「献血バス」だけではなくて、「献血バスや献血ルーム等」として、そうい うところにまとめてはどうなのですか。私が後々ここで意見しようと思ったのですが、 献血バスが暗いので、もう少し明るいイメージが欲しいと思っているのです。みんな大 きな声で頑張って明るく「やあ」とやっているのだけれども、パッとテントの中に入る と、色合いが暗い。それはまた別の話でしょうけれども、実は、ものすごく影響がある のです。これがより良い施設にしていくための案だとしたら、その中にまとめて入れた らどうなのですか。 ○清水座長 20〜29歳のところに、託児体制を整えた献血ルーム。これは女性に限った ことではない。 ○宇都木委員 23〜29歳のほうへ戻るのですが、女性が減少している要因としては、現 実に女性が子育てで出られないということがあるのだと思ってしまうのです。そして、 その現実の認識と、これからどういうふうに対応するかということは別のことだと思い ます。その認識が違っていればあれなのですが、23〜29歳のところで、要因としてはそ ういうことが考えられる。だけれども、これからの時代はということで、これからの対 応策は次のところへ譲ってしまうような形にできませんか。 ○山本委員 23〜29歳に特化して子育てで問題なのだというのは、おかしいでしょう。 30歳代だって子育てしていて、その人も行けないわけです。だから言っているのです。 ましてや、男性だ、女性だと言うこともナンセンスだと思います。もちろん、理由はあ る、事実はあるのです。ただ、こういうところに表現するときには、まずい。非常に気 をつけないと。 ○清水座長 この区分けでいくと、主には23〜29歳と30歳代、この2つの世代に該当 するわけです。そこで(30歳代及び40歳代)と入れたわけですが。30歳代も低比重者 が結構多い。では、23歳から30歳代と一緒にしてしまう。23〜29歳と30歳代を分けた 理由は何かあったのでしょうか。 ○需給専門官 事務局から説明しますが、23〜29歳のところは女性が減り始める年代で ある、ということに着目しています。もう1つ、30歳代というのはかつての集団献血を 経験された方が多いと推測されますが、非常に多いという特徴があり、かなり様子が違 うので分けたのです。 ○清水座長 今後は減るかもしれないという問題があるかもしれないが、現在はそんな に減っていないということですね。 ○需給専門官 そうです。 ○清水座長 20代は特に減少が顕著であるということで、わざわざ23〜29歳にした、 そういう経緯がございます。そして、その理由として低比重の問題と出産等の問題が考 えられるであろうということだったのです。低比重については栄養指導の問題等がある だろうし、出産に伴うことは託児所の問題が対策として考えられる、こういう図式にな っているわけです。 ○山本委員 いまの話で言うと、集団献血の経験者が30代に多いということですか。 ○需給専門官 第4回の検討会で紹介した6都道府県のデータを見ますと、30代半ばの ドナーの実数が非常に多いということがございます。それはどういう要因かということ を推測しますと、かつての集団献血を経験された方が多いのではないかといった推測で す。 ○山本委員 それなら、それを入れておかなければいけない。集団献血を経験していな い20代がお母さんになったら余計減ったのだったら、それを入れておくのか、入れてお かないのかということもある。 ○清水座長 その点はまた後で議論することにします。「地域における献血推進のあり 方」のところは、いかがでしょうか。子育ての問題は後で検討するとして、ここに書か れている内容でよろしいでしょうか。  「献血バス」のところに献血ルームも入れるかというお話ですが、これについては、 いかがですか。献血ルームの運営上、いま特に問題になるようなことはありますか。 ○山本委員 献血ルームはいろいろなサービスがあって、ものすごくいいのですが、献 血バスのイメージアップは、どうなのですか。 ○清水座長 明るいイメージ。 ○山本委員 もう、ちょっと古い。ずっと、あれで来ているので、何かリニューアルし ている感じが欲しいのですが。 ○掛川委員 その辺の部分につきましては、いま現在、デザインそのものも含めて見直 しを行っております。もうすぐ、来年からどうの、こうのということはありませんが、 見直しはやっておりますので、また機会がありましたらご報告できると思います。 ○清水座長 それをここに入れますか。 ○山本委員 逆にそれを聞きたいのです、どうなのか、入れる必要のあるものなのかと。 私は、確実にそれは次の対策には必要なことだと思います。ましてや、10代の子を呼び 込むには空気が重たいのです。雨なんかが降った日にはパタパタパタと音がして、何で ここで‥‥と。 ○清水座長 羽田委員、どうですか。献血バスのイメージは暗いですか。 ○羽田委員 ボランティアで参加されている学生がバスの飾りつけを行っているのです が、内装とかには私たちが手を加えられないので。 ○山本委員 逆に言うと、加えたいですね。 ○羽田委員 そうですね。いま「けんけつちゃん」というキャラクターがあるのですけ れども、そのバスを名古屋で見かけたことがありまして、それは学生には結構人気があ りました。 ○清水座長 そういう意見を取り入れたイメージアップ作戦が要りますね。 ○山本委員 だから広報の会議をまたいつかやらなければいけないでしょうけれども。 ここに入れるかどうか、私は入れてほしいのですが。 ○大平委員 献血バスについてはいま山本委員が言われたように、イメージを変えると ともに、かなり予算がかかる問題だろうと思うのですが、もう少し何か献血を受けやす い、そしてまた、やっている方たちも献血がしやすいバスの規模というか、そういうも のを考えていく必要があるのではないかなと思います。災害が起きたときに、緊急車が テントをさっと開けるような、それぞれ1台1台が高いコストがかかるのだろうと思う のですが、もう少しみんなが使いやすいバスにしていただく。そしてまたここに書いて あるように、採血時の駐車スペースの確保が、たぶん駅の問題などでまだ解決されてい ないと思います。これは日本全体で考えて、きちっとそれをサポートできるような規制 をきちんとやっていただきたいということがあると思います。ここの移動採血車につい ては、鋭意新しい方式を取り入れていって、改良していっていただくことが必要なので はないかなと思います。 ○清水座長 そうすると、いちばん最後に、「なお献血バスのイメージアップを積極的に 図るべきである」とでも一文入れましょうか。 ○大平委員 そうですね。 ○山本委員 どうですか。 ○掛川委員 いま大平委員がおっしゃっられたことは過去、拡幅型の献血車ということ で超大型、あるいは中型クラスで、横に開くバスを造ったのですが、やはり献血会場の 場所がないのです。むしろ人が集まる駅前などには入れなくなってきている。以前より むしろ厳しいというのが現状です。例えば以前は駅前がロータリー式になっていて、車 が入れるようになっていたのです。しかしいまはそこに花壇や車止があるなど、人の集 まる駅前などに入れなくなっているのです。やはり日赤だけではどうしても解決できな い現実的な問題が目の前にあります。そうすると、日赤としては、人が集まりにくいと ころで献血をすることになるため、献血者の確保がむずかしくなってしまうことがあり ます。ぜひ献血車のスペース確保に理解をいただけるよう、今後も引き続き進めていき たいというようには思っています。 ○山本委員 絶対あかんよね。花壇をつけているのはわかるけれども、いまこそ「愛の 献血」というぐらいで、企業なりそこの土地を持っている人に絶対それをいう、逆に献 血バスがここに定期的に来るのだということを前提につくる社会に向いていかないと。 ○掛川委員 そうしたいですね。 ○山本委員 大平さんが言っているのは、特別なものでなく、その辺にあるものも、も う少しいい感じにしてほしいと。 ○掛川委員 そうですね。 ○清水座長 そうするとイメージアップはどうしますか。 ○宇都木委員 結局3つぐらいに分けられると思うのです。1つは現実にあるもの、タ イトルが「運用」となっているのですが、献血バスと献血ルームの改善の問題とその運 用の問題と、そしてまた地方自治体などに対する配慮の要請、その3つぐらいに分けた らすっきりするのではないでしょうか。そうすると、先ほどの託児所の問題も改善の所 に入ってくるのではないかと思います。 ○清水座長 具体的にはどういたしましょうか。 ○宇都木委員 赤い部分が地方自治体に対する要求ということになるのでしょうか。で すからこれはこれでいいのかもしれません。そうすると上下の黒い部分はこれは一緒の 問題として運用の問題にして、もう1つ項目を設けて「献血バスの改善」と「献血ルー ムの改善」として、例えばとして、1つは託児所を併設すること、もう1つは献血バス の内容とイメージの改善ということでいかがでしょうか。 ○山本委員 いま各所の献血ルームは相当頑張っていますよ。だから献血ルームは頑張 っているという感じ、取りあえずその差が出てきている気がするのです。献血ルームは えらい繁盛になっているけれど、献血バスが。 ○清水座長 そうするとまず、1つ目のポツの日本赤十字社、ここの文章はこれでいい ですか。2つ目のポツ、都市部における駐車スペースの確保。それから、一方、固定施 設が少ないことから、献血バスをより一層効率的に云々、例えば欧州ではこうであると。 「さらに」と最後に付けることでよろしいでしょうか。「採血場所における託児所の併設 や献血バスの明るいイメージアップを図る」。 ○山本委員 「明るい」は要らない。 ○清水座長 イメージアップだけでいいですか。 ○山本委員 ええ。 ○清水座長 「イメージアップを図る必要がある」、これを検討すべきであると。 ○山本委員 そうですね。 ○清水座長 というような形でよろしいでしょうか。どうでしょうか。 ○掛川委員 イメージアップは常に継続的にやらなければいけないですからね。黒文字 の所の3つ目のポツの下から2行目、「わが国でも効率よく移動しつつ」というのは、読 み方によっては、すでにやっているという読み方と、いや、やっていないのでこれから やれよというのと2つあるのですが、この辺は、すでにやっていて、さらにというよう に表現していただきたい。すでに日赤の移動採血でも北海道などでは2泊3日以上でず っと連泊してやっているというのもありますし、1日5カ所、6カ所移動ということも実 際にやっておりますので、それをさらに効率よくというような意味合いで書いていただ けると、こちらとしてもさらにやりがいがあります。 ○清水座長 それは問題ないと思いますから、「わが国でもさらに効率よく移動しつつ」 と、「さらに」を入れるということで問題はないと思います。 ○山本委員 では「イメージアップ」の所にも「さらに」と。 ○清水座長 そうすると「なお、献血バスや献血ルームについては、託児所の併設や雰 囲気のイメージアップ」ですか。 ○宇都木委員 「イメージ」だけでいいのですかね。 ○清水座長 「イメージアップ」だけでいいですか。 ○宇都木委員 具体的な改善というのは。 ○清水座長 「託児所の併設、イメージアップ」だけでいいですか。 ○山本委員 「さらなるイメージアップ」。 ○清水座長 「さらなるイメージアップ」ですね。 ○山本委員 わからないですがね。 ○清水座長 「さらなるイメージアップ」。では「なお、献血ルームについては、託児所 の併設、さらなるイメージアップを図ることを検討すべきである」と。 ○大平委員 改善の中に、イメージアップの中に入るのかどうかわからないのですが、 献血バスのステップが普通のバスと同じステップなのです。ですから踏み台がなくては いけないなど、そういうものがあったりして、間口が狭かったりということなど。 ○山本委員 要するに機能面ですね。 ○大平委員 そうです。 ○山本委員 「さらなる機能面の充実」。 ○大平委員 そういうものも考えていただいて、どのように改善していけるのかは鋭意 努力目標として掲げていただきたい。 ○山本委員 もうそろそろ金銭的にも民間と組んだりということなども必要ですよね。 ○掛川委員 そうですね、現実的には民間も入れて検討しているのは事実ですから。 ○清水座長 「なお、献血バスやルームについては託児所の併設、献血バスについては 機能面の改善と、さらなるイメージアップを図ることを検討すべきである」というよう なことでしょうか。 ○川内委員 「託児所の併設」というと、献血ルームの横にまさに託児所を別に構えな くてはいけないかに捉えられるので、要は託児体制が確保されていればいいわけですか ら、例えば託児所を設けなくても、献血中にお子さんを職員が抱いて預かると、それだ けでもたぶん十分だと思うので、「託児所の併設」ではなくて、「託児体制の確保」とし たほうがいいのではないでしょうか。 ○清水座長 託児体制の確保ですね。 ○掛川委員 その辺りは結果的に受入れということになると、いろいろな国からのご協 力もいただかないといけないということもあります。さらにもともとの原案は「例えば」 というのが入っているのです。それから「地域の特性に応じて」ということで、先ほど から出ているように、託児体制が絶対条件かどうかというところがまだ掴み切れていな いのが事実だと思うので、「例えば」など、あるいは「地域の特性に」というような文言 をどこかに入れていただければと思います。すべてやらなければいけないというように 捉えられると、むしろ地域によってはもっと違う有効利用があるのではないかという意 見が出てくると思いますので、その辺をご配慮いただければと思います。 ○大平委員 その点については、やはり託児体制というか、そこでお母さん、お父さん と一緒に来て、そこで遊んでいるということは、そういう小さな子にとっては献血とい うものについて身近なもの、普通の教育環境とは違って、現実的な雰囲気を少し味わえ るところがあるので、できれば常に子どもさんが一緒に来られてもいいような設備とい うものは、やはりあってもいいのではないかなと思います。 ○山本委員 それはここで話し合うテーマではないですよね。だから文言としてどう入 れるかで、そこに「例えば」を入れるか入れないかということだけでしょう。大平委員 が言っていることはとてもわかるし。 ○大平委員 すべての所に備えるという話ではなくて、「例えば」でも結構ですが、一応 そういうものを念頭に置いたような形のそういう体制というのは、常に考えておいてい ただきたいというところを何かうまい表現ができればいちばんいいのですが。 ○清水座長 少なくともここのタイトルは「献血バス」と「献血ルーム」と両方にする 形にして、託児体制の問題はここに持ってくる形で少なくともまとめたいと思います。 よろしいでしょうか。 ○山本委員 本当に思うのは、羽田委員も知っていると思いますが、本当にみんなボラ ンティアは一生懸命やっているし、この間も献血ルームは渋谷にもできました。一生懸 命やっているのは伝わってきます。 ○清水座長 では一応そういうことにして、次の「インフォームド・コンセント」の所 はこれはもうすでに議論が済んでいます。 ○需給専門官 1点確認、ご提案ですが、3頁に戻ります。先ほど修正いただいた23〜 29歳の項の部分です。ここで女性が減り始める要因の分析として、低比重者の増加、事 実として子育てに忙しいということがある。これは事実かと思いますので、それに対す る対応として、「例えば、低比重者への積極的な対応や、地域の特性に応じて託児体制を 整えた献血ルームを設置するなどを検討すべきである」ということで、単純に締めてし まい、細かいいま縷々出た献血バス、献血ルームにおける対応については、次の4頁の 「献血バスの効率的な運用や献血ルームの充実など地域の実情に合った献血実施方法」 として、いま出された要素について整理したいと思います。以上でよろしいでしょうか。 ○清水座長 基本的にはよろしいと思いますが、いいでしょうか。それではそういう方 向でまとめてください。次は5頁の(4)「メディアを活用した広報戦略のあり方」、ここ はいかがでしょうか。 ○宇都木委員 先ほどの3頁と同じで、リスクと救済制度だけになっているのですが、 ここにもリスクとそれに対する対処方法でしたか、先ほどと同じような文章を入れてお いていただけたらと思います。(1)の4行目で、リスクと救済制度だけなのですが、リス クに対する対処方法。 ○清水座長 ここに、「献血時におけるリスクとその対応策及び献血者保護制度」ですね、 わかりました。これは問題ないと思いますが、よろしいでしょうか。ほかに何かござい ますか。 ○花井委員 ここで情報提供のあり方、インフォームド・コンセントなど議論しました が、その議論の過程で例えば親権者への同意の部分、精神的な要素をうまく危険分担し、 センターごとにそれなりに現場で対応しているというご説明がありましたが、いつも議 論になるのですが、結局そこは聞く人の人間力というか、そこに依存している部分があ ると思います。聞き取りのうまさなど、いわゆる問診体制ということです。それは議論 がちょっと違うのですか。(3)の所で、何らかの情報提供、何を提供するか、もしくはこ ういうことを同意するということはわかるのですが、それをやる人たちがもう少し幅広 い人間力がある所で研修をするのか、人材を確保と書くのかわかりませんが、問診体制 のさらなる充実というのか、表現がいま思いつかないのですが、そういう若い人たちと 話して、先ほど言ったような精神的な薬はどうなのということを聞いてやる、こういう 人材というのはやはり育成していくということがどこかに入ってもいいかなと思うので すが。問診体制の充実ということになるのか。「問診医」と書くと少し違うのかもしれま せんが。何か案があれば。 ○清水座長 「臨めるような工夫、例えば」にしますか。「特に問診内容の充実を含めて」 というような形にしますか。 ○花井委員 そうですね、幅広い内容、特に今回の議論で言えば、特に若年層の献血の 受入れを強化していこうという中で、先ほど提案されたような親御さんにはどのように 言っているのかななど。それから精神的に不安定ではないかななど、そういう問題が出 てきたわけです。そういうものに対応するのは、対応できる人の確保になると思うので す。そういうことに力点を置いた形で、今般若年層の献血を強化するに当たり、幅広く そういう問診ができる人材を充実させていくことが重要であるというような、そのよう な表現かとも思うのですが。 ○清水座長 受付から採血後の休憩と全部入ってしまうのですが、いまのことを特に強 調しようということですね。 ○花井委員 そうですね、問診のカウンセリングスキル、ずっとこれは繰り返し言って いると思うのですが、人間力ですね、若い人に対応しようとすればカウンセリングスキ ルのようなものがより強化されるべきだと思うのです。 ○清水座長 そうすると、献血会場とあるのは献血現場ですかね。「献血現場では受付時 から、採血の休憩の段階まで、献血車がより一層安心して献血に臨めるような工夫、特 に問診時の。 ○花井委員 「若年層献血の根幹を強化するに当たり、さらなる問診体制、人材の充実 が求められる」でもいいと思います。 ○清水座長 そうすると「問診内容の充実」でいいですか。 ○花井委員 問診実技です、項目ではなく。 ○清水座長 内容と言うと、項目ももちろん含めたことになりますが、「臨めるような工 夫、特に問診内容の充実を行うとともに」、いいですか、どうですか。 ○宇都木委員 花井さんがおっしゃったことは、それにはそれなりの教育体制などを整 える必要があるだろうと、そういうご意見ですよね。適正な問診が行われるためには。 ○花井委員 もちろんそのとおりですが、ただそれが一足飛びに問診体制にこのような 研修を導入するべきだなど、そういう話までにすると、またそれを書き込むと大変とい うこともあるかもしれない。しかし問題意識としては、やはり新しい献血体制のあり方 にはいろいろな聞き取り、先ほどの議論で言えば、精神的な問題も見通してうまく話が 聞けるということが非常に重要だと、そういう趣旨です。 ○清水座長 そういうことでは、いま現実にはどのようになっているかわかりませんが、 インタビュアーを養成して当たらせようという話があり、一部ではやっているのですか、 もうやめてしまっているのですか、まだ検討段階ですか。 ○掛川委員 ええ、そうですね、いまのところは補助的に一部で対応しています。 ○大平委員 今後の検討課題のような形として。 ○花井委員 今後の検討に入れてもいいと思います。もしそれをインタビュアーという 形で、問題としてきちんと捉えて、新しい全体の問診医を中心に、一貫して全体の体制 を作るわけだから、もし日赤で新しいインタビュアーなどを育成して、検討されるので あれば、今後の課題の中に落とし込んでも構わないと思います。現状のままでもできる というレベルであれば、ここに入れるべきかなと。 ○清水座長 「臨めるような工夫、特にインタビュアーの養成を含む問診内容の充実」 とでもしますか。 ○花井委員 そこまで書いていただけるのなら、それはそれで……。 ○掛川委員 中島委員が詳しいのですが、具体的にインタビュアーという表現を入れる かどうかというところです。医師法や医療上の問題などで見えない所があるので、検討 を要するという感じはしますが、いかがでしょうか。 ○清水座長 これは事務局ではいかがですか、インタビュアーというような言葉、業務 をある程度積極的に担うような、資格とまでは言わないと思いますが。問診の内容の程 度をどこまで任せるかというようなことになってくるかと思いますが、最終的には医師 が判断するという前提はあると思います。 ○中島委員 いろいろな課題があると思いますので、問診内容というよりは、問診のあ り方というような枠で括っていただいたら、いろいろなことが検討できると思うのです が、いかがでしょうか。 ○清水座長 「問診のあり方」ね、そうすると全部入ってしまう。 ○中島委員 内容も、誰がやるかという問題も含めて、いろいろな可能性があると思う のです。 ○清水座長 「問診のあり方をさらに検討するとともに」ですか、いまも検討していな いわけではないのですよね。では「臨めるような工夫、特に問診のあり方を含めて、今 後の献血への啓発につながる情報を積極的に提供すべきである」と、このようなもので は言葉のつながりがわるいでしょうか。どうでしょうか。 ○宇都木委員 人的育成ということを入れておいたらいかがでしょうか。「人的育成も含 めて問診の規制のあり方」など。 ○清水座長 そうするとここは、一応表現はともかくとして、インタビュアーを養成す るかどうかが大きなポイントではあると思います。そういう意味で位置づけというか、 若干行政的に、医療法上の問題などは起こり得ますか。 ○血液対策課長 医療法上の解釈はともかく、インタビュアーと言ってしまうと、何か 特定の資格を思わせるような表現で、それは何だという話になりかねないので、例えば 「問診に当たるスタッフの養成」などくだけた表現にして、それから中に入れ込むとま た複雑になりますから、もう一文、問診のあり方の検討と人材の養成など、「なお」とい うことで一文加えたらよろしいのではないかと思います。 ○清水座長 それでは一応の内容と体制の問題ですね。インタビュアーを養成しつつ、 表現はともかくとして、問診をどのような人がどのようにやるかという問題。それから その内容の問題と2つあると思うのですが。ではそこのところを事務局で検討させてい ただき、両方入れるというような表現で望みたいと思いますが、よろしいでしょうか。 では次の「メディアの広報活動」はいかがでしょうか。 ○山本委員 2つ目のポツ、「時代背景を考慮して、インターネット、携帯サイト、ラジ オFM放送など」となって、その後に音楽イベントも出てくるのですが、インターネット、 携帯サイトはいいのですが、私はラジオをやっているので、これは逆にどうしたらいい のかと思っているのは、当然影響力があるのはテレビなのです。テレビは影響力はある のですが、気になっていることをポイント的に言うと、ラジオFM放送というのではなく、 ラジオ放送でいいと思います。いまはAM、FM、インターネットFMなどいろいろな呼ば れ方をするので、全般ラジオ放送でいいと思います。次のポツで「全国ネットなどテレ ビCMによる広報は、影響力もあり、一時的には大きな効果が見込めるものの、多額の経 費を要するなどの問題がある」。ここも要はポイントはラジオでやるというのは繰り返し、 例えば、月火水木金土と番組があります。毎日のようにいまなら各番組でパーソナリテ ィが「献血、関西、A型、少ない」などとFM放送でやれるわけです。これは各番組で訴 えるということはテレビではあり得ないことなのです。もちろんCMは繰り返し流れるけ れども、そのCMでさえ広告機構のあのCMぐらいで、普通にCMでガンガン打てるわけで はないので、何かうまい分け方、要は2つ目のポツは時代背景を考慮した媒体の使い方 がポイントだということ。その中に音楽イベントが入ってもいいのですが、ここに出て くるラジオはFMに括らないで、ラジオ放送でいいと思います。次の頁のポツ、FMコミ ュニティ放送局、コミュニティはFMですね。 ○田辺委員 そうですが、あまり使わないです。 ○山本委員 ではややこしいのでFMを取ってください。コミュニティ放送局のほうがい いと思います。そしてどこかに繰り返し訴えていくことの重要性を入れてほしいのです。 ○清水座長 6頁のいちばん上ということになりますか。「むしろ各地域のケーブルテレ ビ局やFMコミュニティ」、コミュニティを取るのですか。 ○山本委員 いや、FMを取ってください。 ○清水座長 FMを取るのですか。 ○山本委員 田辺さん、何と言えばいいですか。 ○田辺委員 コミュニティ放送でいいです。 ○清水座長 FMを取ってしまうと。 ○山本委員 取ります。 ○清水座長 そして。 ○山本委員 繰り返し訴えていくことが大切だということをどこかに入れれば。 ○田辺委員 5頁のいちばん下のポツ、「一方で、献血血液は有効期間が短いという性質 上、年間を通じて絶えず必要となることから、複数回(中略)継続も重要である」。ここ で絶えず必要だから、絶えず広報しなければならないという言い方ができるかなと思い ましたが、そうではないですね。 ○清水座長 そうすると「キャンペーンを繰り返し実施するなどの地道な」でいいです か。 ○山本委員 要は血小板は揺らしながら3日しかもたないなどということは、そういう 事実などはみんな知らないです。そこも大きいと思います。だからもちろんキャンペー ンで年間に2回、エイズでも国としてはやっていますが、毎日訴えていかなければいけ ない問題だろうし、特にいま減ってきて、救えるいのちが救えないことも出てくるとい うことを考えたら、ここに書いてあるようにフットワークの軽いインターネットや携帯、 ラジオというのは。 ○田辺委員 それでは、(4)の2番目のポツ、「時代の背景を勘案し、インターネット、 携帯サイト、ラジオFM放送などを媒体とした広報を積極的に行うべきである」という所 に、「継続的な広報展開が必要である」という文言を。 ○山本委員 そこでもいいですね。それが重要ですから。 ○田辺委員 「継続的に広報をするためにインターネット、携帯サイト、ラジオ放送な どを媒体とした広報を積極的に行うべきである」と。そのようなことでどうでしょうか。 ○清水座長 もう1回言ってください。 ○田辺委員 2番目のポツ、「時代の背景を勘案し、継続的な広報が可能であるインター ネット、携帯サイト、ラジオ放送・・」。 ○清水座長 「ラジオ放送などを媒体とした広報を積極的に行うべきである」と。 ○田辺委員 要するにイベントの話をしたときに、単発の展開だけでは、単発で終わっ てしまうのだと。要するに継続的に必要なのだという裏づけがあって、こういう話にな っているのですね。 ○清水座長 そうすると、その後段はよろしいですか。 ○田辺委員 後段はいいです。 ○清水座長 これはこのままでいいですか。それでポツ3の所はこれでいいですか。 ○田辺委員 はい。 ○山本委員 コミュニティ放送局のFMも取ってください。 ○清水座長 いや、それはポツ4ですね。ポツ3はこれでいいですね。では、ポツ4が FMを取るということ。内容はこれでいいですか。ほかに何かご意見はございますか。よ ろしいですか。 ○田辺委員 よろしいですか、大阪の血液センターといろいろと連携をとって、血液セ ンターも見学させていただいて、24時間体制で血液バッグがデリバリーされていく様を 見させていただきました。それはもう大変な状況で、もう血液が足りない、A型が足り ないのだと。年末は危機的な状況にあるという話も聞かせていただき、放送でそれを取 り上げて、こういう状況であるという話をさせていただきました。6頁の「献血血液の 使用状況の情報提供のあり方」の所で、これをやることが重要な効果があると思いまし た。 ○清水座長 そうすると、いまの血液情報のあり方に話がいきましたが、ここの内容は これでよろしいですか。 ○山本委員 継続的なというか、「繰り返し」という言葉を入れてほしいと思います。 ○清水座長 具体的にどこか言ってください。 ○田辺委員 5頁(4)の2番目、継続的と言いましたが。 ○清水座長 「時代的背景を勘案し、継続的」。 ○山本委員 そこを「繰り返し」にする。 ○清水座長 「継続的」がいいですか、「繰り返し」がいいですか。 ○山本委員 要するに毎日、毎日というか。 ○清水座長 「繰り返し」のほうがいいですか。 ○山本委員 1日でも何回も繰り返していますからね。 ○清水座長 では「繰り返し」だけでいいですか。 ○山本委員 はい。 ○清水座長 では「繰り返し広報可能な」という形にしましょう。では次の「献血血液 の使用状況の情報提供のあり方」、ここはこれでよろしいでしょうか。 ○大平委員 2ポツ目、患者の横断的な組織というのはまだ存在していないのですが、 今後作らなければいけないというところで、こういうものを反映していく、具体的にど うしていくかでは、「患者だけではなく、日本赤十字社などとの協力をしながら」など、 何かそういう文言が入ればいいかなと思うのですが。あまりそこに具体的な名称を入れ ないほうがいいのかどうか、掛川委員にお聞きしたいと思います。 ○清水座長 具体的にこれをもし組織化しようということになると、赤十字がやはり主 体的な役割を果たさざるを得ないのではないかなと思いますが。 ○掛川委員 敢えて入れなくてもいいかなと思いますが。実際にはやるわけですけれど も、医療機関側の協力が必要になると思います。それはそれで日赤としてできることが あると思いますので、やっていきたいと思います。 ○清水座長 よろしいですか。何か入れますか。入れるなら具体的にどこへ入れますか。 ○大平委員 できれば入れていただいて、「献血活動を活かす方策を検討する必要があ る」ということで、「現在、受血者の横断的な組織は存在しないが、今後、受血者側の意 見を具体的に把握して、日本赤十字社との協力の下に」などというような、そのような ことを入れないほうがいいですか。 ○掛川委員 入れるとすれば、「医療機関側および日赤の」と、医療機関側の協力がない と難しいと思うのです。ですからそこに入ると結構複雑になると思いますが。実際に東 京都の場合では、約600病院の調査をされていて、その輸血情報というものを我々もい ただいているという状況ですので、日赤だけではどうしても動き切れないというのが現 状だと思います。 ○大平委員 では、そこは特段入れないで、当事者側で積極的に動くというところと、 協力を得られるというところで、何も入れないでこのままと。 ○掛川委員 やるということは変わりません。 ○清水座長 よろしいですか。 ○大平委員 はい。 ○清水座長 次は(5)の「低比重者」、ここはあまり問題はないと思いますが、よろし いでしょうか。なければ(6)の「200mL献血の今後のあり方」です。200をどのように 扱うかというのはなかなか微妙な問題があり、センター側としてはもちろん4001本のほ うがいろいろな意味で能率はいいと思うのですが、ただ、200献血がまだ10%強あると いうこと、それから万が一血液が足りなくなるような事態が起こったときに、200しか できない人の協力も仰がなくてはならないということもないとは限らないということを 考えると、2つ存在していくというのはいろいろな問題がないとは言えませんが、この 辺が妥当なところかなとは思いますが、よろしいでしょうか。  では次は「献血基準の見直し」、これはもうすでに議論が尽されているところだと思い ます。 ○掛川委員 1点だけ、私の読み方が間違えているのかどうかわかりませんが、(2)の アンダーラインの下から2番目「ただし、65〜69歳の者については、60歳に達した日の 前日までの間に」というと、50代までに献血しないとというように読めてしまうのです が。たぶんミスプリかなとは思うのですが。「60歳に達した日から65歳に達した日の前 日まで」と、報告書はそうなっていますので、この辺りが少し気になった所です。 ○需給専門官 ご指摘のとおりでして、ここは修正いたします。 ○清水座長 では64歳ですね。 ○需給専門官 正確に修正したいと思います。 ○清水座長 これはもう1回確認してもらうということにしたいと思います。最後の8 頁、「今後の課題」です。 ○住友委員 ここで行動計画を地方自治体も含めて策定ということなのですが、この地 方公共団体というのが、市町村レベルまで想定されているのかということ、それからそ の下の赤い字の所の2つ目のポツに、計画の策定にはブロック会議を使いなさいという ようなことが書いてあり、何かそこが非常に矛盾しているのです。もう1つは、いま都 道府県が作っている推進計画との関係がはっきりしない。あれは法定計画で作っている ので、この行動計画はどういう位置づけで、どういう根拠で地方自治体も含めて作るも のになるのか。そこをこの報告書で明らかにするのか、あるいは次の手順の中ではっき り、きちっと位置づけていただきたいと思います。 ○需給専門官 ご指摘の点は、法定の推進計画はもちろんこれとの整合性を図りながら 進めることになりますので、いまご指摘のあった市町村レベルまでということですが、 まずは行動計画として、この提言の中で出てきた提言の各事項について、どのような整 理をするかから始めるので、例えば市町村レベルに達する問題というのも否定できない ので、その動きについてはブロック会議に限らず、そうした機会を利用して、なおかつ 推進計画との整合性も図りつつ進めていきたいと考えております。スケジュールについ ては、今回行動計画の大まかなものについてしか提示できていないのですが、早急に整 理して、皆さま方の了解を得ながら、できれば3月の血液事業部会にその最初の姿につ いては、ご提示できればと考えております。 ○住友委員 1点だけお願いですが、もちろん推進計画と整合性を図るのはいいのです が、屋上屋を架すような、そういう無駄な計画を2つ作らないように、是非ご配慮をお 願いしたいと思います。 ○需給専門官 かしこまりました。 ○清水座長 ほかに何かございますか。よろしいですか。では全体を通じて特にご意見 はございませんか。よろしければこれで報告書を作りたいと思います。いろいろご熱心 にご議論いただき、時間がだいぶオーバーしてしまいました。表現の問題がいくつか残 されましたので、これについては事務局で整理させていただき、委員の皆さま方にお送 りしますので、さらに何かありましたら事務局にお伝えいただきたいと思います。最終 的には事務局と座長の私にご一任いただければと思います。それでよろしいでしょうか。 ご了解いただければありがたいと思います。ではご了解いただいたということで、今後 の作業はそのような段取りで進めさせていただきたいと思います。どうも長い間ご議論 を熱心にしていただきありがとうございました。特に高本先生には短期間で採血基準の 見直しを図っていただき、大変ご苦労をおかけしました。どうもありがとうございまし た。それではこの検討会はこれで終わりにしたいと思います。皆さま方のご協力に感謝 いたします。どうもありがとうございました。 照会先:医薬食品局血液対策課     TEL 03−5253−1111         (内線2917,2904)