09/02/13 第21回医療情報ネットワーク基盤検討会議事録 第21回 医療情報ネットワーク基盤検討会               日時 平成21年2月13日(金)                   9:30〜               会場 三田共用会議所C〜E会議室 ○秋山補佐  ただいまから、第21回「医療情報ネットワーク基盤検討会」を開催させて いただきます。構成員の皆様には、年度末でご多忙のところお集まりいただ きまして誠にありがとうございます。本日、医政局長の外口におきましては、 国会業務のため欠席させていただいております。検討会開催に当たり、研究 開発振興課医療機器・情報室長の冨澤よりご挨拶を申し上げます。 ○冨澤室長  医療情報ネットワーク基盤検討会の開催に当たりまして一言ご挨拶を申し 上げます。本日は、先生方にはご多忙のところご出席いただきましてありが とうございます。また、平素より大山先生をはじめ、構成員の先生方には格 別のご指導をいただいておりますことを、この場をお借りいたしまして心よ り御礼申し上げます。 前回はご存じのとおり昨年12月に検討会がございまして、その際、技術の進 歩に合わせたガイドライン本体の見直し、併せまして見やすさに配慮しまし たガイドラインの要約版、いわゆる管理者向け読本の作成、それから個人が 自らの医療情報を管理・活用するための基盤について幅広くご検討いただい たところでございます。この点につきまして、前回、先生方からさまざまな ご意見をいただき、そのご意見を踏まえて、これまで作業班におきまして各 種検討をいただいたところでございます。また、本日は前回の検討会でお示 しできなかったガイドラインのQ&Aを作成していただきましたので、ご報告 いただくことになっております。 このガイドライン本体、また管理者向けの読本ですけれども、この2つにつ きましては、できれば今年度中に公表させていただきたいと考えております ので、先生方にご検討いただき、取りまとめていただければと思います。 我々はこれを持ちまして、医療の情報化が適正かつ安全に推進されるように 努めてまいりたいと考えておりますので、是非ともよろしくお願い申し上げ ます。  最後になりますけれども、医療IT行政の推進に多大なるご指導を賜りまし た本検討会の大山先生をはじめ、各先生方に厚く御礼申し上げますとともに、 本当に長時間にわたりましてご検討・ご執筆等お骨折りいただきました作業 班の山本班長はじめ、各先生方に心より感謝申し上げまして、簡単ではござ いますが一言ご挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたしま す。 ○秋山補佐  本日は河原構成員、土屋構成員、三谷構成員から欠席のご連絡をいただい ております。  資料の確認をさせていただきます。資料は1から5、及びフラットファイ ルに綴じたIからIIIがあります。資料1「医療情報システムを安全に管理す るために(案)」、資料2「医療情報システムの安全管理に関するガイドライ ン第4版(案)」、資料3「医療情報システムの安全管理に関するガイドライ ン第4版に関するQ&A(案)」、資料4「個人に医療情報を提供する際の医療機 関等においてなされるべき配慮及び医療情報を公益のために利用する際に検 討すべき事項」、資料5「個人が自らの医療情報を管理・活用する基盤を構築 する際に必要となる医療従事者の認証方式について」です。フラットファイ ルに綴じてある資料I「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第3版」、資料IIの(1)〜(2)が「医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガ イドライン」の告示とパーソナル情報研究会の報告書、資料III「ASP・SaaS における情報セキュリティ対策ガイドライン」です。  以後の議事進行は大山座長にお願いいたします。 ○大山座長  議事に移ります。議事1は「医療分野における電子化された情報管理の在 り方に関する事項」です。前回の本検討会において、作業班で検討していた だきました資料1「医療情報システムを安全に管理するために(案)」と、資 料2「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4版(案)」につ いて検討していただきました。ご意見を踏まえ、作業班で見直しをしていた だきましたので、初めにその内容から作業班長の山本構成員にご説明をお願 いいたします。 ○山本構成員  資料1をご覧ください。まずは、できるだけ読みやすいということで、フ ォントの変更等を行っております。一般には、やや丸みを帯びたゴシック体 が読みやすいということでフォントを変更いたしました。それから内容全般 に申し上げますと、説明のない用語の使用等がありましたのを、用語を簡易 なものに置き換える、ないしは本文中でその用語に対して簡単な説明を加え るという修正を施しております。  中身を確認のためにもう一度ご説明申し上げます。目次を見ますと1から 5まであります。「本書の位置付けと活用方法」のところでは、これは誰が読 むべきドキュメントであるかということと、安全管理のガイドライン本文と の関係、活用方法等を述べております。  2以降は、ガイドラインの中に書かれておりました中で、特に医療機関の 管理者、病院長・院長・管理薬剤師等に、特に認識していただきたい項目に 関し、ごく簡単に記載をしております。例えば、4頁をご覧になるとわかり ますように、まず「何々とは」という形で問題を出しておいた上で、四角の 中でごく簡潔に説明をして、その下にポイントを付けるという形で、できる だけご理解をいただきやすい形式で記載しております。  2章は、主に責任に関してであります。3章は、実際の対策です。この部分 は少しわかりにくいというご指摘がありましたので、情報資産とか、そうい うことをできるだけ平易に書き換えております。あとは、組織的・物理的・ 技術的安全対策、人的安全対策に関してどういうことかをご理解いただいて、 その医療機関の情報管理責任者、ないしは情報機器を委託するベンダー等に どういう指示を与えればよいかということが理解いただけるような形で記載 してあります。11頁の3.3以降は、ペーパーレス・フィルムレスの電子保存 をしようとする場合に、管理者として心に留めておいていただきたいことに ついて記載しております。  4章については、外部とネットワークを介して医療情報の交換、もしくは 提供を行う場合の安全管理に関する考え方。これも、技術的な詳細には踏み 入れずに、医療機関の管理者としてこの安全管理のガイドラインを誰に示せ ばよいのか、誰に読めと言えばよいのかということがわかるような形をでき るだけ心がけて記載をしております。最後には、このガイドラインのあり方 をもう一度解説をするということで、17頁にそういう形でまとめました。  それから、これはいま印刷をしておりますけれども、当然ですけれども電 子媒体としても提供されまして、A4判でなくても、もう少し小さいB5判と か持ちやすい形がいいのか、大きくて見やすい形がいいのかということは自 由に選択してお持ちいただけるような公開方法を作業班としては考えており ます。 ○大山座長  ありがとうございました。いま説明をしていただきました医療情報システ ムを安全に管理するための案ですが、これについてご質問、ご意見等があり ましたらお願いいたします。活字を変えると読みやすくなるのですか。 ○山本構成員  一般には、丸ゴシックが読みやすいと言われているそうです。 ○大山座長  この件について特にご意見等がないようでしたら、また戻っても構いませ んので先に進めさせていただきます。続きまして資料2「医療情報システム の安全管理に関するガイドライン第4版(案)」について、引き続き山本構成 員から説明をお願いいたします。 ○山本構成員  資料2です。前回も申し上げたと思いますが、第4版の主な編集方針は、 技術的にやや陳腐になっているところを見直す。かなりボリュームが増えて しまいましたので、できるだけそれを整理して、いまでも厚みはあるのです けれども、可能な限り読む人の労力を軽減するということ。もう一点改定し ていくうちに、もう一般の医療機関では皆さんが十分認識されているような ことをかなり詳しく解説している部分がありましたので、その部分に関して はかなり大胆に割愛をしております。そうは言っても、初めて情報システム に触る医療機関もまだありますことから、後でご説明申し上げますQ&Aを作 成し、必要に応じて詳細なところを、疑問点を解決していただけるという前 提でこの改定を進めてまいりました。  重要な変更点というのは、前回12月にご説明申し上げましたけれども、最 も内容的に変わった点を1つだけ取り上げれば、いままで外部保存、ネット ワークを介してにせよ、媒体にせよ、フィルム・紙媒体にしても、平成14年 のガイドラインから、事前に患者の同意を得ることとなっていたのですけれ ども、これは、当時は個人情報保護法がまだ施行されていなかったという状 況で、そういうガイドラインになったものと思われます。平成17年の第1版 からそれをずっと踏襲してまいりましたけれども、一応法律で、これは全部 委託に当たりますことから、厳格な同意を求めているというのはかなり法律 の域を逸脱しているということで、同意ではなくて、説明をして、理解を得 るという表現に変えさせていただきました。それ以外は先ほど申し上げまし たように、技術的な見直し、それから既に十分周知されているところの過剰 な解説のカットが主体であります。  前回12月にご説明を申し上げてから変更した点は、基本的にはエディトリ アルな問題でして、若干言葉の不統一、一方で情報システム、一方で医療情 報システムと記載していたり、それから技術的な用語で生体計測認証がバイ オメトリクスと両方あったりというのを統一しております。そういった程度 の変更であります。  これを全部説明するのは大変ですので、前回との変更点はそういうことで すということで説明に代えさせていただきます。 ○大山座長  ありがとうございました。医療情報システムの安全管理に関するガイドラ イン第4版の案ですが、これを皆さんにお渡しできたのは本日ですか。 ○山本構成員  そういう意味では、本文の133頁までは12月にお見せしたものと基本的に はエディトリアルな変更しかありません。ただ、1点133頁以降横に印刷し た表があります。これは付表1、付表2、付表3とありますが、これは以前か らガイドラインに附属しているもので、このガイドラインでは運用管理規程 の策定をかなり重視しております。これは、医療機関が自ら自分たちのシス テムに合わせて規程を作成することで、さまざまなレベルのシステムを利用 しても安全が管理できるということを重視しているためです。これが、前回 十分にお示ししていませんでした。前回は133頁までの作成がギリギリで、 これをその表にまとめる作業が少し遅れていましたので、これは本日追加さ れた分です。初めてこのガイドラインをご覧になる方もいらっしゃるかもし れませんので説明をしておきます。  付表1の最初の頁をご覧ください。運用管理項目で、例えば体制に対して、 実施項目として何をしなければいけないのかが書かれています。この頁は技 術的対策はありませんけれども、技術的対策は3頁ぐらいにいきますと、技 術的対策のところでIDカードの利用とか施錠とか出てまいります。こういう ことをやった場合、運用的に補わなければいけない項目を次のカラムに書い てあります。さらに最後のカラムは、それを運用管理規程にする場合の例文 を挙げております。その真ん中の細いB、C、B、Cと書いてありますのは、対 象施設の規模を表しています。自ら属する医療機関等の規模を選んだ上で、 技術的対策はこれを行ったということがわかれば、それに関する運用的対策 をその表で読み取って、最後のカラムの文を抜き出せば、一応運用管理規程 の骨子はできるという形に作成しております。これをお見せするのは本日が 初めてだと思いますけれども、中身は133頁までの文章を全くこの表に移し たという形になっております。 ○大山座長  ありがとうございました。いままでのところを通して、ご意見、ご質問が あれば承ります。133頁以降の資料を説明していただきましたが、この件に ついてご意見がある可能性もあります。その意味では、この先の進め方を考 えますと、当然のことながら毎年やっていますようにパブリックコメントに かけるということになるかと思います。パブリックコメントにかけるに当た り、その前に皆さん方からお気づきの点、ご意見があれば、まずはこの検討 会として出すための準備になりますので、例えば1週間とか、ご意見をいた だく時間を切らせていただいて、ご意見をいただくようなものがありました ら、貰った後で事務局と山本先生と私の方で相談をさせていただき、もちろ ん回答させていただいた上で、必要があればそれを修正し、皆さんのご了解 をいただいた上でパブリックコメントにかけるという手順を踏みたいと思い ます。  いまのは1つの考え方ですが、全体の流れから見ると、パブリックコメン トにかけることになってまいりますので、その意味で例えば1週間ぐらいで この内容について、もしいますぐご意見があれば承りますが、1回持って帰 りたいということであれば、そういう時間を取らせていただきたいと思いま すが、この件についてご意見はございますか。 ○樋口構成員  いまの方法で結構だと思うのですけれども、形式的なことで1つ。これは 版を重ねているので、こういう著作ではよくあることですけれども、それぞ れの版のところで、こういう改定をしたのはこういう趣旨であるというのが 書いてあります。5頁目のところで、第4版のところがまだ白紙になってい るのですが、これは確定していないからであり、かつ先ほど山本先生がおっ しゃってくださったようなことをとにかくここに書き込んで、その上でパブ リックコメントにかけますよね。 ○大山座長  そうなります。 ○山本構成員  本日の検討会のご意見を踏まえ、第4版の改定履歴は作成する予定です。 ○石垣構成員  最後の付表で、対象がA、B、Cとなっています。運用管理項目で、真正性 確保というところがあるのですが、ここだとCの診療所とか小規模病院とい うのはないのですけれども、そこはそういうのを。 ○山本構成員  Aですよね。 ○石垣構成員  そういうことですか、失礼しました。 ○山本構成員  Aは、規模を問わないということですから。 ○大山座長 ほかにはいかがでしょうか。 (特に発言なし) ○大山座長  再確認させていただきます。事務局は、1週間でいいですか。 ○秋山補佐  結構です。 ○大山座長  それでは、来週の金曜日になりますが、皆様方からご意見をいただく期間 を1週間用意させていただきます。いただいた意見の内容について、事務局 と山本先生と私の方で相談をさせていただき、修正等が必要かどうか判断さ せていただきます。その結果を皆さんにお伝えした上で、パブリックコメン トにかけるという手順を踏ませていただきたいと思いますがご了承いただけ ますか。 (了承) ○大山座長  ありがとうございました。それではそのように進めさせていただきます。 議事を先に進めます。資料3「医療情報システムの安全管理に関するガイド ライン第4版Q&A(案)」について説明をお願いいたします。 ○山本構成員  資料3をご覧ください。資料1、資料2に関しては本日の検討会、並びに これから1週間ほどの間ご意見をいただいてからパブリックコメントにかけ るという意味で、作業班としてもかなり完成度の高いものを用意したつもり です。資料3は本当にファーストドラフトでして、まだこのままリリースす るようなレベルには達しておりません。先ほど申しましたように、第4版で かなり認知された部分に関する解説を随分削って、少しスリムにしましたの で、それを補う意味でガイドラインのQ&Aを作りました。Q&Aに関しては、 初めて情報システムを導入するような方からのクエスチョンというのも想定 し、作業班でかなりクエスチョンを集めて、それに対する答を作っていきま した。まだ十分網羅的とは言えない状況ですし、回答も一応は検討しており ますけれども、もう一回練る必要があると考えております。この資料3は、 あくまでも現状の案ということでご理解いただきたいと思います。  形式としては、このように総論的なこと、それからガイドライン本文のど こに対応するクエスチョンであるかということで分類をした上で、1頁めく りまして例えばQ-1で、こういうクエスチョンに対してアンサーを作るとい う形で構成を考えております。例年といいますか、毎版そうですけれども、 パブリックコメントでもクエスチョンに相当するようなものを相当数いただ きます。したがって、パブリックコメントでいただいたような疑問点も含め て、このQ&Aをもう少し充実させていきたいと考えております。  中身は、ご覧のようにガイドラインで記載されているところで、実際に例 えば具体的にどういう方法を取ればいいのかということに対するようなクエ スチョンでありますとか、どうすれば責任を回避できるのかみたいな形のク エスチョンが入っております。もっと技術的な外字に関する質問であるとか、 そういうものがいまのところは出てきております。Q&Aというのは、たぶん そういう性質のものだろうと思いますけれども、持続的に成長するものだと 思いますので、一応パブリックコメントが終わって、パブリックコメント対 応の中から、このQ&Aに収載するものを選んだ後も、厚生労働省の方へ質問 のあった、ないしは工業会とか学会の方に質問があった等も含めて改定を進 めていくものだろうと考えております。現状は、本当に第1案ということで ご覧になっていただければと思います。 ○大山座長  ありがとうございました。いま説明をしていただいたQ&Aに関するお話で すが、確かに中を見てみると、まだミスがいろいろありますね、というとこ ろに気づくところがあります。それにしても、このQ&Aを出していくわけで すので、先ほどと同じように、委員の先生方には中をご覧いただきまして、 もっとこういうクエスチョンを追加すべきというご意見もあるかと思います ので、そういう作業をこれから進めることを念頭に置いていただいた上で、 この資料3の案についてご意見等があれば承ります。この76問はどうやって 設定したのですか。 ○山本構成員  作業班の方で、それぞれ関係する所にクエスチョンを公募いたしました。 ○大山座長  そうすると、よくわかっている人たちがクエスチョンを作ったということ はないですか。 ○山本構成員  それは、可能性としてはあります。 ○大山座長  そうすると、ほかの委員の先生方にご覧いただく必要が特にありますね。 ○山本構成員  もちろんそうです。クエスチョンをいただければ非常にありがたく思いま す。 ○石垣構成員  18頁のQ-47で、「オリジナル画像から生成した3D画像」と書いてありま す。答のところに、「3D画像作成のパラメーターがないと診断に用いた画像 を完全に再現することは困難であるということなので、オリジナルの画像を 消去することはできません」というのは当たり前のことです。これは、やる としたら3D画像でやるのでしょう。 ○大山座長  そうですね。 ○山本構成員  まだまだ粗いものですので申し訳ありません。 ○石垣構成員  持ち込まれた画像を診療に利用した場合は、この保存義務が発生すると書 いてあるのだけれども、診療に用いたといっても、ただ見ただけとか、参照 しただけで保存義務が発生するなどというのはおかしいのではないですか。 ○山本構成員  一般には、診療情報提供書を提供していただいた場合に、診療情報提供書 は診療に使えば、診療報酬の担保とは別に診療録の一部として保存義務が生 ずると考えておりますので、そういう意味では画像もそれを基に何らかの判 断をしたということであれば、診療録の一部と判断する方が無難だろうと思 います。 ○石垣構成員  100枚ぐらいフィルムを持ってきて、それを使ったかどうかはわからない し、それを使わない場合だってあるわけです。 ○山本構成員  使ったか、使わないかはそれを見た医師の判断だと思います。 ○大山座長  やはり、大変だからフィルムで貰いたくなくなるのではないですか。実際 に診療に使わなければ、当然それは保存義務は発生しないけれども、診療の 参考を含めて判断に用いたとすれば残すというのが原則です。 ○樋口構成員  こういうQ&Aを作るというのは非常にありがたいことです。しかし、作る 側はなかなか大変だということだと思います。山本先生がおっしゃったよう に、これはいま全部を確定させるようなものではなくて、成長していくもの だというお話がありました。その関連なのですが、4頁目のところにQ-9が あって、「このガイドラインの説明会や研修会などは実施されていないのか」 というので2行ちょっと、こういうことはありますよという簡単な説明なの です。もちろん、こういうのも大事なのですが、パブリックコメントを取っ ているときに、こういう点はどうなのですかというのでパブリックコメント が来る。それによってこのQ&Aの内容が増えていく、それこそ成長してい くということがあります。しかし、その後だってこのガイドラインを使って いる限りはそういう機会があった方がいいと思うので、これだけでは味も素 っ気もないとは言いませんが、これで十分なのかもしれないのですけれども、 先ほど山本先生がおっしゃったような趣旨をここへ書き込むということもあ るかもしれません。  疑問があればこういう形で寄せてください。それによってこのガイドライ ンがもう少しわかりやすく、充実したものになりますからと。ここへという のがどこなのか。このパブリックコメントの間はそういう宛先があるのでし ょうけれども、いずれこのガイドラインが確定した後はどこへ聞けばいいの だろうかというと、やはり厚生労働省になるのでしょうか。そうすると、全 部電話でというわけにはいかないと思いますので、何らかのアドレスをここ に書いておいてあげれば、それで非常に適切な疑問であれば、ほかの人も疑 問に思うようなものであれば、まさにそれが契機となって中身がよりわかり やすくなる可能性があるのでご協力くださいぐらいの話を書いておくといい のかもしれません。 ○大山座長  そういうことであれば、総務省と経済産業省にもお聞きしたいのですけれ ども、両省もガイドラインを出していますよね。同じような仕掛けというの は、ここだけではなくてきっと同じことが起きるのだろうと思ってあえてお 聞きします。関連するのであれば、3省のものはどこか1カ所での受付の方 がいいのかもしれないという気がします。その辺はいまどんな状況なのか、 あるいはやる予定はあるでしょうか。 ○オブザーバー(総務省)  担当が、ガイドラインそのものとは違うので正確には承知していないので すけれども、当然我々が責任を持って出しているガイドラインですので、そ れに対する問合せ等については担当のところが回答しています。積極的にこ こに問合せをしてくださいというところまでしているかどうかはわかりませ ん。また、それぞれのガイドラインについては、それぞれが責任を持ってい ると思うので、最終的にはそれぞれの責任のある所が説明をせざるを得ない のかと思っているところです。 ○大山座長  ただ、質問を受け付けるような所は特に明示的にはしていないのですか。 ○オブザーバー(総務省)  そこはよくわからないですけれども、当然問合せがあればそこが答えるこ とになると思います。 ○大山座長  経済産業省はどうですか。 ○オブザーバー(経済産業省)  担当部局ではないのですが、経産省の「医療情報を受託管理する情報処理 事業者向けガイドライン」については、当省ホームページに掲載するととも に、担当課で照会対応を行っておりますので、そこに問合せをする、という のはあると思います。 ○大山座長  ときどき「担当」と書いてあるのだけれども、もういなかったりするので す。それで誰だかわからなくなるというのがよくあります。 ○山本構成員  樋口先生がおっしゃることは大変もっともだと思うのですけれども、今回 も第3版、第2版、第1版について、医療機器・情報室がこれの担当だとい うのはかなり広く周知されていると思いますので、どういう質問が来たかと 申し上げますと、数はあまり来ていないのです。厚生労働省というのは直接 聞きにくいこともあるのかという気もするのです。適切かどうかわかりませ んけれども、例えば日本医師会とか医療情報学会、それから工業会といった 所に来た疑問点みたいなのはわりとあるのではないかと思うのです。そうい うのを間接的にも収集する仕組みがあった方が、実際は集まりやすいのでは ないかという気がするのです。 ○大山座長  よい意見を言っていただいたと思うのですが、どう対応するかは、協力し ていただけるかどうかも含めてお願いしなければいけなくなる。確かにいま の山本先生のお話は現実的かと思うのですけれども、厚生労働省としてはす ぐに答えることはできますか。 ○冨澤室長  こちらに電話などをいただいても、すぐに答えるのは人員の関係からも困 難だと思っています。樋口先生がおっしゃることはごもっともですので、こ ちらとしてもできる限り対応させていただきますが、山本先生がいまおっし ゃいましたように、工業会や学会に寄せられるご意見もありますので、それ らをどのように吸い上げるかは、検討させていただけるとありがたいと思っ ております。 ○大山座長  Q&Aの改定で、この中身については我々が責任を持つのでしょうか。そこ がわからなくなりました。もっといろいろ良い意見が来たら、どんどん出し て公表していく方が本当はいいのではないか。この検討会だと1年に1回し か出すタイミングがないので、それでは間に合わないのではないかと思って そんなことを感じました。 ○山本構成員  樋口先生、医療・介護事業者のQ&Aはどういうメカニズムになっているの ですか。 ○樋口構成員  あれは、結局厚生労働省の方で責任を持ってQ&Aの改定などをやっていま す。検討会自体はもう終わってしまったわけです。 ○山本構成員  ガイドラインと違うことを書くことはあり得ない話ですので、ガイドライ ンを認めていただいたということで、基本的には事務局責任ということで随 時出させていただけるのがいちばんいいのではないかと思うのです。 ○樋口構成員  山本先生がおっしゃったように、何でも厚生労働省に持ってこられても本 当は困るかもしれません。工夫してお考えになることだと思いますけれども、 先ほどの山本構成員のご示唆のように、いろいろな関係機関と協力して、少 し手伝ってもらうようなシステムを事務局で作って、それでこういうQ&Aの ところに、とりあえず問合せをすることが考えられますぐらいの話をしてく だされば、そのメールアドレスか何かがあれば、それはそれで十分かもしれ ません。 ○大山座長  いまの件についてまとめをいたします。資料3については、皆様方にご意 見等をいただく、できれば1週間ぐらいでいただければありがたいかと思い ます。なぜこの検討会でこんなことをやらなければいけないかというと、表 に出す以上1回目はそれなりの中身を見て、これでいいかなというのを確認 した上で、そこから先さらに追加されるものについては、いま山本先生から も言っていただきましたが、事務局と相談させていただいた上で、また皆さ んに、こういうやり方があるかなというのを含めてご相談させていただくと いうことでいかがでしょうか。 (異議なし) ○大山座長  よろしければ、資料3についてもっとこういう質問を出すべき、あるいは 答はこれでは不明確ということがありましたらご意見をいただければと思い ます。ただ、これはQ&Aなので変わっていく状況があるので、明確に全部言 い切れるのかというと、なかなかそうでないものもあるのかなという気もい たしますが、ご協力のほどをお願いいたします。よろしいでしょうか。 (了承) ○大山座長  ありがとうございます。次に議事2「個人が自らの医療情報を管理・活用 するための方策等に関する事項」に移らせていただきます。これについては 前回検討会において、作業の進捗をご報告いただきましたが、本日は資料4 「個人に医療情報を提供する際の医療機関等においてなされるべき配慮及び 医療情報を公益のために利用する際に検討すべき事項」、資料5「個人が自ら の医療情報を管理・活用する基盤を構築する際に必要となる医療従事者の認 証方法について」を山本構成員から説明をお願いいたします。 ○山本構成員  資料5に関しては以前に少しだけ説明した内容を拡張したものです。資料 4に関しては、本日こういうまとまった形で委員の方々にお見せするのは初 めてだと思います。作業班で考えていた資料の位置付けを説明させていただ きます。  資料4は、我々としてはある意味で問題提起であります。おそらく、この ネットワーク基盤検討会だけで検討する範囲を超えていると考えております。 ただ、現状はなかなかまとまった議論が一般にどこでも行われていないとい う点で、医療のIT化を推進していく上で、こういう議論は避けられないので はないかという意味で、ある意味で問題提起として作成したドキュメントで あります。  資料5は、これから先さまざまな基盤を整備するに当たって、もう一段必 要な基盤があるのではないかと。その検討をネットワーク基盤検討会として 引き続きしていくべきではないかという、これはこの検討会のタスクとして の作業班からのご提案ということになります。  資料4からご説明申し上げます。いままで医療・健康に関する情報は、本 人への提供を進めて、情報を共有しながら医療並びに健康管理を進めていく ということは、大方の同意をする大原則であろうかと思います。いままでは、 口頭での説明、紙での説明みたいなことを推進してきたところでありますけ れども、これからはそれが電子化されて行われる。電子化された情報の扱い は、すべての人が十分にできるわけではありませんので、IT新改革戦略等で も、健康情報を生涯にわたって活用できる基盤を作るということが述べられ ております。  そういう基盤をいま構築中で、いま十分なものがあるわけではありません けれども、そういう基盤が整備されて、患者や市民の方に健康にかかわる情 報、医療にかかわる情報が医療機関等から電子的に提供される時代が近々あ り得るという想定でこの文章を作っております。要するに、個人に医療機関 等から情報を提供するに当たって、医療機関等が留意すべき点があるのかな いのかということを、作業班で議論しております。  1頁目では、医療情報提供の位置付けというふうに述べております。これ は、個人情報保護法的に見れば、本人に情報を提供するわけですから、これ は委託でも第三者提供でもないわけで、本人に主権があるとされている情報 を、本人に提供するわけですから、医療機関等が特別な責務を負うというこ とは法的にはない。個人情報保護法的にはまずないということを述べた上で、 ただ情報を患者に提供するということは、一種の医療に関係するサービスで あるということを述べております。  2でこの責任についてというのを、明確な記載がどこかにあるというもの ではありませんので、安全管理のガイドラインの第三者提供を一応援用して、 こういうことが考えられるかというふうに仮説を作っております。2頁の2 章目のすぐ下にあります(1)(2)(3)は第三者提供を本人と読み換えた場合ですけ れども、「本人が何らかの目的で医療情報を利用するために行われるものであ り、原則として医療機関等の管理者にとってはその提供の正当性だけが問題 となる」と。それから、「適切な本人への提供がなされる限り、その後の情報 保護に関する責任は医療機関等の管理者から離れることになり、提供を受け た本人に生じる」と。  3番は、「ただし、例外的に、本人ないしは本人の求めにより提供される先 で適切に扱われないことを知りながら情報提供をするような場合は、提供元 の医療機関等の責任が追及される可能性がある」と。これは、第三者提供の ところを本人に読み換えただけの文章であります。  これが本当に適用できるのかということを、その後に論じております。前 のこの検討会でも申し上げましたけれども、医療情報に関しましては、残念 ながら知識格差というのがあり、医療従事者がその考える意味と、患者がそ れを理解できる意味とが常に一致するというわけではない。したがって、適 切な注意を怠れば、医療機関等に対する不信を生じかねないということで、 こういうことが一応考えられるのではないかという結論にしております。  4頁目の3章で、「医療機関においてなされるべき配慮」ということで、基 本的には患者本人に渡す場合と、患者の求めに応じて健康情報活用基盤の方 に転送するという場合も考えられるわけです。その際に、やはり本人の意思 であるということを十分確認する必要があるということを、やや細かく述べ ております。実際には、普段常に来ていらっしゃる方だったら、本人の言う ことだけでいいのでしょうけれども、例えば代理人であるとか、長期間来院 されていない人である場合は、やはり本人である確認をきちんとすべきであ ろうということがあります。そういう慎重な注意義務が生じるというか、義 務に注意した方がよいのではないかということが記載されています。  4章は少し議論の論点が違います。3章までは、あくまでも本人に主権があ る情報を本人に提供する場合、又は本人の指示に基づいて指示先に提供する 場合ということですけれども、4章は公益のための医療情報の活用でありま す。具体的には匿名化に関して論じております。これも、さまざまなガイド ライン等がありますけれども、5頁目に進んでいただきまして、診療情報・ 健康情報というのは、基本的には時系列のデータでありまして、ある時点あ る時点で完全に匿名化してしまいますと、それぞれのデータが時間を超えて 結び付かないということで、意味を持たないデータになる可能性があります ので、こういう時系列のデータとして扱うためには、どこかでその情報が同 じ人のものであるという意味では結合されなければいけない。そういたしま すと、個人を完全に特定できるかどうかは別として、一定の連結可能性を確 保する必要があるということが具体的には必要になるわけです。  そういう匿名性に関して一定の問題といいますか、一定の難しさがあるよ うな情報の中で、3段落目に「・」の項目が6つありますけれども、こうい うことを議論しておく必要があるのではないかということを提言しておりま す。まず、「匿名化できている」というのは、一体どのような状態を指すべき か。例えば、名前と住所を消せばいいのかとか、そういう問題ではない場合 も医療情報の場合はあります。それから、匿名化された情報を、誰が何に使 うのかということをいかに評価するのか。それは、誰がどの権限に基づいて 許可するのか。時系列のデータを正しく扱うためには、本人への個人として の結合性は別として、データ同士を「連結可能にするテーブル」というのが 必要になりますが、それは誰が保持するのが適当か。この仕組み全体を評価・ 検証するのをどうするのか。こういうことをやっても、さらに不都合な事態 が生じた場合の責任の所在というと少し言いすぎかもしれませんけれども、 その場合の対応をどのように考えておくのかということを、そろそろ全体と して議論しておかないと、さまざまな情報が既に電子化されて蓄積される状 況になってきておりますので、そういうことは必要ではないかという提案で あります。  資料5も続けて説明させていただきます。資料5は、そういった電子化情 報が本人を含めて広がりを見せる中で、必要な基盤の1つとして全国レベル と申しますか、全国で共通に利用できる医療従事者の資格を含む認証基盤が 必要ではないか、という仮説を立てまして、作業班でかなり回を重ねて検討 してまいりました。なぜそうなるかと言いますと、いままでは医療機関から 医療機関、医療機関等から医療機関等へ情報を移転させるということで、こ の場合はこちらも医療機関、相手も医療機関でありますから、相手がわかっ て情報を、患者を経由するにしても相手がわかって送ることが一般的であり ましたので、その場合はお互いに理解できればいいと。つまり、お互いに相 手が確認できればいいということなのです。  健康情報が生涯にわたって集積されて、蓄積されて、それを活用するとい う時代になると、医療機関としては本人に渡しただけであると。その情報を 次に誰が見るかというのは、もちろん本人が完全にコントロールしている状 態が前提ではありますけれども、医療の場合には、例えば本人が意識を失っ ている等、本人が十分判断をできない状況で、緊急に対応が必要な場合とい うのも起こるわけです。その場合に、存在する情報を活用しないがために、 適切な対応が行えないというのは、せっかくそういう基盤を作った意味があ りませんので、必要に応じて、必要な人が情報を活用できる仕組みが必要で ある。  その場合に、その情報を誰が利用するかわからない状態ではありますけれ ども、一定の資格のもとにアクセスを許すということが考えられます。した がって、医療従事者の資格を確認した認証といいますか、その人が医師であ る誰々である、その人が看護師である誰々であるということを確認する認証 基盤があればいいのではないかということ、図1で見られるのが、そういう 全体の場合想定の絵であります。3頁の図2で、主に想定した3つの場合が 書かれています。そういう場合に、その関係者間だけで資格が確認できるだ けではなくて、日本であれば、どこでもそれが確認できるというふうな認証 基盤があればいいのではないか。  その必要な条件として、4頁目では本人性を確認するということ、それか ら属性の確認ということになります。3.2で、「役割をベースとした属性認証」 であり、こういうことがいまは我が国だけではなくて、さまざまな所でこれ が検討されております。4章目で、「認証用のHPKI環境の構築」ということ で、これはPKI、公開鍵署名、公開鍵基盤を利用し、こういった全国で活用 できる医療従事者の資格を伴う認証の環境が構築できないかということを論 じております。  4.1です。現在このネットワーク基盤検討会で平成16年の中間報告に基づ き、電子署名用の医療従事者の国家資格を含めた署名基盤というのは既に確 立されておりまして、ルート証明書は稼働しております。この基盤で、日本 中どこであっても、医師である人が電子署名を行えば、医師であることが確 認できた上で電子署名法に基づく有効な電子署名である、ということができ る基盤はできております。ただ、署名というのは、例えば診断書であるとか、 そういう中身が確認できるものに対して本人が行う行為なのですけれども、 認証というのはそうではなくて、相手に対して自分の存在を示すだけで、署 名と認証とは違って、同じPKIという言葉を使いますけれども、方針が違う ことになって共用はできないというのが常識的であります。  4章でそれ以外に、本当に全国レベルだけでいいのかといいますと、これ は同じ認証基盤としては、例えば地域医療連携などでは、単に医師だけでは なくて、基幹病院の医師であるとか、診療所の医師であるといった属性がさ らに加わって必要になってくることがあるわけです。これを、そこまで含め て全国共通にすると、今度は札幌の地域医療連携に参加している方が、九州 の地域医療連携に誤って加入してしまう危険性がありますので、そこまでは まず必要がないというか、そこまでやる方はそれなりのリスクがあるという ことで、5からずっとそのフレームワークの構築から相互運用性などを述べ ています。  その他の検討項目で、署名用のHPKIを使って認証することも一応検討はし ましたが、これもリスクが大きいということで、6.2は少し飛ばして7の「結 論」で、実在性、国家資格保有を確認できる全国共通のフレームワークを構 築することは有用であると。健康情報活用基盤のような患者に情報が一旦蓄 積され、それを再利用する状況では全国共通の国家資格保有を確認できる認 証基盤があった方がよいと。  そういったものが一旦できれば、それをベースにして地域連携システム、 国家資格だけではできませんが、その上に役割を地域で管理することによっ てそういったことができると。したがって、一旦、構築できれば、各地域連 携等地域連携パスも含めて電子的に行うことを容易にすることができるので、 進めるべきであると。  3番目では、署名用の証明書の用途は不可能ではないですが、これは推奨 されないということで、国家資格をもつ医療専門職の本人性・実在性・国家 資格を認証する仕組み以外の認証フレームワークの構築も必要と考えられる というのは、これが最後の6.2です。これは何を想定しているかといいます と、例えば健康保険証の有効性確認です。これは病院ですと、患者が来られ たときに健康保険証の有効性確認を電子的に行う場合に、行う相手がその医 療機関の従業者であることが確認される必要があります。そうでなければ誰 でもそれが確認できてしまって、それを大量に収集すれば、どの人がどこに 勤務しているかみたいなことがわかってくるわけですから、これは医療機関 の従事者がアクセスしている必要があります。しかしながら、一般に医療機 関で健康保険証の確認をするのは、国家資格を持つ人という可能性はあまり 高くなく、事務職の方が確認をする。  そうすると、現在、ここで論じている国家資格を確認できる認証用の認証 基盤では、医療機関の事務のような方を認証することができないという意味 では、そこには適用できないことになります。したがって、一旦ここの国家 資格を持つ認証用基盤を作った上で、それのもう一段工夫を重ねた状態とし て最後の6.2のようなものに対応する必要がある、ということが最後の結論 に書かれています。  これはもしご議論をいただいて、こういった認証用の基盤の設計が必要で あることをお認めいただければ、ネットワーク基盤検討会として引き続き作 業班でこの構築に関する検討をしていきたいという提案です。 ○大山座長  皆さま方のご意見、ご質問等を受けたいと思いますが、いかがですか。重 要な点に入ってきました。ご意見をどうぞ。 ○足立構成員  いくつか質問したいのですが、いま山本先生が地域連携のときには少し違 う仕組みがというお話があったと思いますが、それはHPKIなりPKIは1つな のだけれども、管理している所が違うという理解でよろしいのですか。 ○山本構成員  本人性と国家資格は、もしこれからできれば、それを使っていただいてい いのですが、それと結びつけられた役割分担みたいな認証の仕組みを上に重 ねていただかないといけないという意味であり、何もないよりはこれがあっ た方がたぶん作りやすいとは思います。 ○足立構成員  ベースとなるPKIは1個だという話ですか。 ○山本構成員  もちろんです、はい。 ○足立構成員  我々の臨床試験の中でもPKIという議論がだんだん行われつつあって、い ま山本先生は全国でという話ですが、我々などはいまグローバル治験が盛ん になってきて、世界で共通に使えるものは何かという話にもなっているので、 少し踏み込んでしまうのですがそういうところも。相互認証をすればいいわ けですが、そこら辺も考えて、もしご検討いただけるのなら考えていただき たいと。  もう1つ、9頁の上から3行目です。「署名用証明書は実印と同等の効力を 持っている」ということがあるのですが、まさにいまの仕組みの中ではこう だと思います。ただし、いま普通の診療録、健康診断書などそういうものに 対しては、医者が自分の実印を押しているケースがほとんどないと思うので す。電子署名にしたからそこまで求めなくてはいけないのかというのが、私 は前々から疑問なのです。いままでそこら辺の100円の印鑑でよかったのが、 電子になった途端に実印になるというのは理解がなかなか難しいのかと思い ますので、そのあたりも何かいい工夫ができればというのは前々から思って いました。いいアイディアはないのですが、電子化された途端に過剰反応に なってしまうところが少しあるかと思っています。 ○山本構成員  最初の国際的な共通利用性といいますか、これは基本的には、例えば日本 の場合は資格を確認するという意味では、資格を管理しているのが厚生労働 省でして、それぞれの国によって違いますので、当然、証明書の発行責任者 は変わってくるのです。ただ、相手の署名が読めないことになりますと、加 入している国の数だけ信頼点を登録すれば使えるということにはならなくて、 そもそも仕組みを変えないといけないことになってくるのですが、そういう 意味では署名用のHPKIも現在考えているのも、国際標準規格である ISO/TC215で決められたヘルスケアのPKIと完全に準拠していますので、ISO の規格に準拠した基盤を各国が構築すれば、少なくともその署名を確かめる ことは国を超えてできる。もちろんアメリカが日本の厚労省を信用しないと いけませんが、そういう前提ではありますが、それは可能になっています。  実印と安価な印鑑との違いは、我々がこういったことを検討するときにい つも問題になるのですが、逆に言うと、ハンコの効力としては実印も三文判 も全く同じに民事訴訟等では扱われてしまいますので、実印はあくまでも印 鑑登録の仕組みがカップルになっているハンコだという意味しか実際はない と思うのです。電子署名は、どうしても印鑑登録の機能を持ってしまうので す。つまり、誰がこのハンコを押したかという証明書が付いてしまいますの で、そういう意味では実印と書かざるを得ない。これはPKIの分野でも三文 判PKIをどうやって実現するかみたいな研究は行われているようですが、現 状は、少なくともHPKIに関して言うと、医師として診断書に押すハンコで、 しかも厚生労働省がこの人が医師であることを担保する署名という意味では、 「実印」という言い方が適切かどうかはわかりませんが、それ相当の厳格な ハンコであることは間違いないと思います。 ○足立構成員  おっしゃることはそのとおりで、登録してない限りは電子署名は使えませ んので、「実印」という表現が適切かどうかという問題だけだと思うのです。  もう1つ、これは何回か前のこの検討会で私は発言したのですが、いまHPKI の登録がものすごく高いのです。 ○山本構成員  値段は。 ○足立構成員  付けていない所があるのではないですか。 ○山本構成員  いま有料で手に入るものの値段は少し高いです。 ○足立構成員  そうですね。 ○山本構成員  値段はHPKIで決めているわけではないですし。 ○足立構成員  そのときに登録するのが実印を登録するよりももっと厳格に行われていて、 実印登録はたしか数百円ですが、数万円規模になっていることもあって、そ こら辺が運用基盤としてはなかなかうまくいっていないのかと。本来であれ ば、今後、医師免許や薬剤師免許を発行するときに配ってしまった方がいい と思っているのです。 ○山本構成員  そうですね。医師免許ですと免許証をもらうのに6万円だか7万円だか払 いますから、そのときの費用。ここでずいぶん以前に議論していたのですが、 私は個人的にはハンコの値段と同じでないと普及はしないと思っていますが、 そうなることを期待しています。 ○大山座長  何かご意見はありますか。 ○矢野構成員  日本医師会でもHPKIは構築中ですが、確かにいま正式にHPKIが発行でき るのは1機関しかありません。いま構築を進めている最中なので、価格をい くらとここでは言えませんが、公益的にやろうと思っていますので、会員の みに出すのか医師全般に出すのかという整理はしなくてはなりませんが、基 本的にはそこまで高額ではないと思っています。基盤として整備をするとい う目的を掲げていますので、そこは配慮します。明確なことは申し上げられ ませんが。 ○足立構成員  ここにも書かれていますが、医師以外でも医療従事者がいろいろいらっし ゃいますので、ここら辺も含めて考えていただきたいとは思います。 ○大山座長  ほかにいかがですか。今日の資料4、5は、あくまでもこれから議論をする 上の問題提起といいますか、整理を少ししたものを出しただけの話だと、そ う理解していいですよね。 ○山本構成員  そうです。資料5に関しては、この検討会でご議論願いたい。資料4に関 しては、この検討会だけでは少しと。議論が必要だということを対外的に言 っていただくのが、たぶんいちばんいいのだと思うのです。 ○足立構成員  これはコメントみたいな形になってしまうのですが、いま山本先生にご提 示いただいたように認証は非常に重要なものですが、認証とともにもう1つ 重要なものとして、情報の標準化という問題がどうしてもあると思うのです。 認証を行えば情報が読めるのかと言ったら、コンピュータリーダブルにはな らないところがあって、それはいろいろな所でいま検討されているようです が、これも厚生労働省へのお願いというか経産省も含めてですが、どこかで 国策としてどうしていくのかを明らかにしていただかないと、関係者が右往 左往してしまうところがあると思うのです。 ○冨澤室長  いま足立先生が仰られたとおり標準化は非常に重要だと思っています。医 療情報システムの安全管理の問題と標準化は2つの大きな柱だと考えており、 安全管理に関しては、この検討会で御議論いただいておりますが、標準化に つきましては、東大の大江先生に座長をお願いしている保健医療情報標準化 会議を設けております。この会議において今後どのような方法で標準化を進 めていくのかということについて検討しております。 ○大山座長  工業会からコメントはありますか。 ○篠田構成員  いま冨澤室長が話されたように、厚生労働省をはじめとして体系的にはで きていると思うのです。「HELICS協議会」というのがあって、そこで一度認 定された標準について、厚生労働省の一定の判断のもとに推奨するという仕 組みにできています。工業会の標準化というので1つの団体になっています が、全体的に何が必要か、何の目的のために何が必要かをはっきりさせて、 標準化マップと我々は呼んでいますが、そのようなものを用意してやるべき ではないかと思っています。 ○大山座長  1つは、一般の人に医療情報の一部でも戻る、あるいは今日の話ではあり ませんがいろいろな情報が戻っていくようなのが出てくると、必然的に見て 理解できないものは排除されていくという状況が、逆に起こってくる可能性 はあるのかとは思います。ただ、医療機関同士や専門性の高いコンピュータ 機器の間だと、効率とかいろいろなほかの理由が出てきて、なかなかうまく 進まないことが多いのかと。  地方自治体の連携も同じ状況があると思うのです。国際標準が動いてはい るのですが、そういう意味ではDICOMやHL7がずっと頑張ってきたのは、す ごく大きな進歩ではないかと。10年、20年前だと、全く中身はわかる状況で はなかったと思うのです。是非、その辺はまたご努力いただきたいとは思い ます。いちばん大きいのは、標準化は機器を買う側の強い要望がないと駄目 なのですよね。 ○足立構成員  標準化は、どうしてもデファクトがいちばん強いですね。 ○大山座長  確かに強いですね。ほかに何かありますか。 ○樋口構成員  資料5についてはいまも議論になっていて、しかもこの検討会で今後とも 継続して検討するにまさにふさわしいことというのは、逆に言えば私にはよ くわからないということでもあるのですが。資料4へ戻って、ここで書かれ てある課題がこの検討会で本当にやれるかどうかはなかなか難しいのかもし れませんが、しかし、ここでやらないからといって、ではどこでやるのだと いうと、どこというのが非常に大きな問題ですよね。それで少し感想めいた ことだけですが、資料4のいちばん初めのところ、これは2つ書いてあって、 大体表題でわかっているので明確ですが、個人に医療情報を提供するという 話と、「および」で結んであって、医療情報を公益のために利用するというこ とを、2つに分けているのです。  わかりやすいのですが、実は1の1頁の冒頭の所へ、まず個人へ提供する のだという点について、最初のパラグラフに何が書いてあるかというと、な ぜ個人へ提供するかというと、先ほど来、山本構成員は主権や情報のコント ロールとか。だから当たり前のことなのだということもおっしゃった。そう いうのも1つの重要な考え方だと思いますが、とにかく生涯を通じて健康情 報を活用できる基盤をまず作るということが、どこかの偉い会議で言われた らしいですね。それで地域医療連携等の促進の一環として、「個人が自己の健 康情報を安全・安心に蓄積し、かつ、参照できるシステムを提供することに より、個人の健康に対する意識の啓発や、健康づくり事業等への参加の動機 づけとなること等が期待されている」。だから提供するのだと。  「また」で、しかし、そのあとの部分ですが、「それら情報を個人のコント ロールの下、医療従事者の間で必要に応じて共有することにより」という話 にもなっていますよね。だから、これは単純に個人に情報を返して、「はい、 はい、あと好き勝手に」という話でもなく、それから、ご存じのようにメタ ボ健診みたいなことで、こういうことの背景には、だから国がそのようなこ とをするのは余計なお世話だという話も、私の腹回りがいくらあろうが、そ れでどうだと、そういうご批判もありますが、あれは国策なのです。結局、 個人が健康を意識して、意識過剰になるとまたいけないのではないかと私な どは思ったりもするけれども、しかしとにかく自分の人生において自分の健 康は本当に重要なものですから、それをできるだけ維持できるようにという ことを、個人の動機づけ、意識づけということのために医療情報を提供しま しょうというのは、国策でもあって、つまり公益的な利益でもあるのです。 その人が健康であることが、その総和が結局社会ですから、社会的な利益で もあるので、公益と私益が合体しているというか、完全にここは個人だけの 話ですという話でも本当はないということは、それは釈迦に説法みたいなこ とで言うまでもないことでしょうが、そこは意識しておく必要があると思う のです。  その上で、そうするとあとの方の4頁以下に「公益のための医療情報の活 用」という話に結びついてきて、結局、これは「および」でつながっていま すが、実は同じことをいろいろな形で考えている。公益のための情報提供も、 結局、個人の利益に返ってくるわけです。研究・教育が進んでいけば、今度 は新しい治療法ができてきて、それは個人の利益に返ってくるわけですから。  実は私の所へある人が相談に来られたのだけれども、しかも私が十分理解 できていなくて、これから申し上げることも正確な話かが問題ですが、今の 点に密接に関連して次のような一例があります。これは、先ほど足立構成員 がおっしゃったことと関係するのでしょうが、たぶん心臓関係の学会で、こ れは別に心臓に限らなくて、この時代なので肺であれ何であれ同じだと思う のですが、仮に心臓だとします。心臓関係の学会でデータベースを構築しよ うとして、それはたぶん日本国内だけの話ではなくてグローバルなプランな のです。グローバルといっても本当に全世界かというとそのようなことはな いと思いますが、アメリカ、その他の所でとにかく心臓血管病に関する、心 臓病に関するデータベースを構築して、それを比較検討することで何らかの ことをやろうとしている。日本も加わってやらないといけないと思っている ということです。  日本国内でそういうデータベースを作りたい。心臓病になっている患者が どのぐらいいて、それに対してどういう治療をしていて、それが継時的に見 ていってどういう形で変化して、うまくいっている場合とうまくいっていな い場合と、そういうデータベースを作りたいと思っておられる、そういうこ とで熱心にいまやりかけているのか、やってこられている心臓関係の学会の 人たち、まじめな医学研究者がいるのです。  その方が私の所へ相談に来られて、なかなかうまくいかないというのです。 しかもそれは法律が盾になっているのだというのです。私が法律を体現して いるかのように非難の目がくるわけです。具体的には、心臓関係の学会員が 属しているいろいろな医療機関がありますが、そのうちの医療機関の長の先 生、専門家だと思いますが、心臓血管、外科医か心臓医が出てこられて、「う ちの病院では個人情報は一切出せないということになっている、それが学会 であれ何であれ」という返答をする例が少なくない。「なぜですか」と言った ら、「顧問の弁護士がさんざん脅かした」という話です。それはとんでもない ことだ、法に反することだということになっているというわけです。だから、 一切出しません。「そういういくつもの壁にぶつかっていて、本当に困ってい るのですが」という話です。  これが最後の5頁の記述に大きく関係します。そこでは、医学研究等の具 体的な場面を想定した個々の事例、例えば今申し上げたこういう事例ですが、 個人情報の保護ももちろん重要ですが、こういう形で匿名化しておけば大丈 夫だということで、関係者間の一定の理解を等しくしておかないと言うこと が重要だと指摘されています。ところが、個人情報保護法についてそういう 誤解している弁護士が邪魔をして、とにかく何にもやらせないという話にな るのは非常に問題です。  匿名化もいまのような場合だとたぶん、例えば私が患者だとして、私の名 前は要らないと思うのですが、私の年齢は絶対必要です。このぐらいの年齢 の人、男・女という情報も絶対必要だと思うでしょう。私がほかにいろいろ な病気を持っているということも絶対必要です。そういう情報を集めていく と、似た人はいっぱいいるかもしれませんが、これは樋口だと、識別可能だ という話にはなり得るわけです。もちろん、その樋口が3年後にまだ生きて いるかどうかも、ずっと継時的にやっていかないと駄目なわけです。そうす ると、厳密な匿名化、連結不可能は論外ですし、連結可能だけれども連結可 能の程度はいろいろなものがあるので、しかしある程度のものは認めておか ないといけない。全国のデータベースというと、全部同意原則だけでやれる かというと、そのようなこともあり得ないわけです。  だから、ここは是非とも共通の理解を得ること、すでにいまの個人情報保 護法も解釈によって何とかなるのではないかと私自身は本当に思っているの ですが、私が思っているようにはみんなが思っていないということだけは確 かなので、どこか厚労省の関係のところでこれは大丈夫ですという話をつく っておいていただかないと、これは研究・教育・個人の臨床のところへ結局 返ってきて、本人の利益のためでもある。先ほども言ったように公益と私益 は実は一緒の話なので、それを邪魔する話が誤解に基づいていまつくられて いるとしたら、非常に残念なことなので、これは是非とも、この検討会でや れないのかもしれないのですが、何か考えていただきたいと私も思っていま す。 ○大山座長  いま樋口先生に言っていただいたのを思い返すと、確かに先生と私が非難 される立場なのかもしれません。 ○樋口構成員  仲間ですか。 ○大山座長  ガイドラインを作るときに、先生は座長で私が座長代理をやっていたと思 うのです。ただ、その前もあって、このような話はここで言う話ではないか もしれないのですが、堀部先生が個人情報保護の検討をやっているときに、 医療とか公益性が見えているところは、除外を一生懸命やっていたのです。 そうなっていると思うのです。ところが、そのあと法律上の取扱いについて は、医療分野は個別に手当てを打つことも含めて検討するとあそこで終わっ たのですが、それは不思議な話で、これも樋口先生に本当は教えてほしいの ですが、日本の法律はやっていいことは書かないとやれないと思っている人 と、やってはいけないことが書いてあるからやれないと思う人と両方あって、 これが個人情報保護法はどちらへ転んでいるのかが解釈論になってしまって いるのではないかと。  だから、そのあと厚生労働省が法律はやらないで、分野法をやらずにガイ ドラインの話に行って、いまの状態です。今回みたいに世の中の技術も含め て環境が変わってきて、本当にこういう議論をそろそろすべきときに来たと いう樋口先生の思いも聞かせていただきましたし、私もそうだと思うのです。 だいぶかかってしまったとは思いますが、ここは是非しっかりと議論すべき 時に来ているのではないかと。前のあの検討会は終わっているのですよね。 ○樋口構成員  はい、もちろん。 ○大山座長  だから、先ほどのQ&Aの話になっていたのですよね。 ○樋口構成員  はい。 ○足立構成員  それに関連して2つほどコメントさせていただくと、以前、私が少し絡ん だ研究会みたいなもので、全国の大きな病院から高脂血症薬の疫学的調査を したいということで、データベースからデータを提供してくれと、とある先 生が中心になってやったことがあるのですが、全国の名立たる病院から「そ れはできない。患者の同意からもらわないといけない」と。しかも匿名化さ れているのです。どこまでというのはありますが、そういう解釈をされてい る病院が多かったということです。  いまのお話を聞いていてもう1つ思い出したのが、行政情報の開示がござ いますよね。我々の所で言うと、医薬品の新薬承認をされた段階で情報の一 部をホームページで開示するのですが、そこに副作用などですと患者の情報 があるのです。それはある一定のルールのもとでマスキングして、当然、イ ニシャルとかをマスキングして出しているのです。そこはそこまでであれば 一定の匿名化して扱える範囲という解釈もできるはずですが、そういうもの もなくして絶対駄目だという解釈をされている所はまだまだ多いのかという ことです。  いま樋口先生のお話があったように、私も一定の理解は得ておかないと、 これから先の行政に行き詰まるだろうなと。 ○大山座長  かなり重要な課題が浮き彫りになってきたような気がしますが、本当にそ こまで検討しておかないと、今回作業班の先生方に一生懸命ご協力いただい ているガイドラインが、本来の目標といいますか価値を高めるために、届く ためのまだ大事な点が残りがあるということがおわかりいただけたのではな いかと思います。これについては、ここでいまここから先の議論はないとは 思いますが、ご意見があれば承っておきたいと思います。 ○冨澤室長  樋口先生の仰るとおりだと思いますが、個人情報保護法上医療分野におい て、この匿名化をいかに考えていくべきかについては、医療機器・情報室の みの問題ではなく他の所管に係るものもありますので、どのように対応して いくべきか内部でも検討させていただきたいと思います。 ○大山座長  遺伝子の話か何かのときに、ほかの省も関係してきて、3省か何かで合同 でやったことがありましたよね。 ○山本構成員  経産省、文科省、厚労省でね。 ○大山座長  いまの疫学云々の話が入ってくると、文科省も関係してくるのか、どうな のですかね。 ○足立構成員  革新的創薬創出のための戦略が4省でやっていますよね、ここに文科省が 入って。あそことも密接に関連してしまうのかと思います。 ○大山座長  本来、それは国家戦略なのですね。ちゃんとやるべきなのに。あまり言っ てはいけないのでしょうか、ここは議事録から削除かもしれませんが、だん だんそういう議論になってしまう。 ○山本構成員  議事録から削除してくださいというのは。これはIT新改革戦略でやるべき ことだと思います。 ○大山座長  それをまた突き付けられた感じがします。そこは考えさせてください。西 原さん、官房からいらしているので、何かありますか。いまの山本先生のお 言葉がパッと出たので。議事録から削除、だから今日はここは場合によって はやらせてくださいというしかなくなるのですが、せっかくこういう話にな っているので。 ○オブザーバー(内閣官房IT担当室)  新改革戦略はいま4年目を迎えているわけですが、ある意味でいままでの 流れの中で、今後どう進めていくかという検討を進めているところではあり ます。皆さんご存じだと思いますが、2月6日、今度は17日に、専門調査会 が発足し策定しているところです。 ○大山座長  そうすると、17日に医療の話も出てくるのですね。 ○オブザーバー(内閣官房IT担当室)  それはまだ分かりません。4回ぐらいあります。 ○大山座長  ご存じない方には説明しておきますが、17日に専門調査会が開かれるとい う意味ですね。なにしろ戦略は全治3年の云々という話から作り直すといい ますか、前倒しを含めて強化をするというお話があり、そのための委員会が いま立ち上がっているということです。雰囲気が重くなってしまったのです が、何か皆さん方と。 ○矢野構成員  省をまたがったというのですが、局もきちんとまたがっていただいて。 ○大山座長  それは厚生労働省の方ですが。 ○矢野構成員  保険局ではナショナルデータベースという話も出てきていて、匿名化の話 も出てきていますので、こういう議論もあるというところも、省だけではな く局もきちんと渡るというか均等・相互にしていただければありがたいと思 います。 ○大山座長  予定の時刻になっていますので、確認をします。資料4については室長の 方でお考えいただくというご発言がありましたので、ここは繰り返しですが、 そういう対応で問題提起ということで皆さんは方向性、認識はかなり合って いるのではないかと思います。そういう扱い方だと思います。資料5につい ては、まさしくここの場でこの先、オンラインで認証を進めるかどうかの話 でして、これはこの検討会の今後についても関係することでありますが、作 業班に作業をお願いするということは、自動的に年度をまたがってやる可能 性もあるということだと思うのですが、そこについて事務局側から何かご説 明はありますか。 ○秋山補佐  本日は皆さま方から引き続き検討が必要だというご意見をいただきました ので、作業班を引き続き来年度に向けて設置し検討していただこうと思って います。 ○大山座長  いま事務局側からそういう説明がありました。ということで裏返しで言う と、この検討会からは作業班に本件について、認証方式について引き続き検 討してくださいとお願いをするかどうかになりますが、状況としてはしてい ただくと私は個人的に思っていますが、皆さま方、この件について何かご異 論等はありますか。確認しますが、作業班に作業を続けるようにということ をお願いしてよろしいですか。 (了承) ○大山座長  ありがとうございます。では山本先生、そのようによろしくお願いします。  今後のスケジュールについて事務局から説明をお願いします。 ○秋山補佐  座長からご説明いただきましたように、本日の資料1、2、3の部分ですが、 20日の金曜日まで皆さまからご意見をいただく期間を持ちたいと思っていま す。皆さま方にはお忙しいところを大変恐縮ではありますが、ご協力いただ きますようによろしくお願いいたします。ご提出いただいたご意見の反映方 法につきましては、了承がいただけましたら、座長、作業班長および事務局 にお任せいただきまして、その後パブリックコメントに向かいたいと考えて います。ご意見の提出方法につきましては、事務局へのメールでご連絡いた だく方法で考えています。構成員の皆さま方には、今検討会終了後にメール アドレスを連絡させていただきますので、よろしくお願いします。パブリッ クコメントの結果、再度検討が必要となることがありましたら、また検討会 に諮りたいと考えています。もしパブリックコメントの結果が軽微な修正の みでありました場合には、今年度中に各都道府県、関係団体を通じまして皆 さまに通知し、さらには厚生労働省のホームページで公開したいと考えてい ます。ガイドラインの扱いについては以上です。  さらに、資料5につきましては引き続き検討していただくのですが、現在、 本日も参加していただいていますが、総務省で医療分野におけるASP・SaaS 事業者向けのガイドラインを今年度中に完成すべく作業を行っていただいて いますし、経済産業省の情報処理事業者向けのガイドラインも我々の第4版 が出たのに併せて修正が行われる予定になっています。その整合性を見た上 で、来年度の検討会のスケジュールになりますが、夏ごろを目途に再開しご 参集いただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 ○大山座長  いまのご説明について、何かご質問はありますか。よろしいですか。 ○山本構成員  この医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4版ですが、基 本的には医政局長の諮問会議であるということで、対象が医療機関等となっ ているのですが、実際は介護分野、保健分野など、そういった所にもネット ワークを介して機微な情報を扱うという応用が、たぶんこれからたくさん出 てくると思うのです。  その際ダブルスタンダードになるということは、構築していく上でも無駄 ですし、例えば介護と医療のように状況によって入れ替わってくるみたいな ところがあって、全く何も変わってないのに、体制が変わったからそこの基 準が変わるみたいなことがあってもいけないと思うのです。これはほかの所 でもこういったことを検討することがあるかと思いますが、できる限りこれ を参照して内容に齟齬がない形で進めていただくようなことが必要ではない かと思うのです。具体的にどうすればいいかはなかなか難しい問題ですが、 ここにお集まりの構成員の方はたぶんいろいろな会議に出られるでしょうし、 これを基準に参照していくことをきちんと強く要求していくことが重要では ないかと思うのですが、できるだけ利用してほしいということですが。 ○オブザーバー(内閣官房IT担当室)  先ほどの話を補足させていただきますが、2015年度を目途に次の戦略を前 倒しで決めることになっていて、その専門調査会が発足して第1回が2月6 日に行われました。新戦略は6月に決まる予定ですが、いろいろなご意見を 聞きたいということで、パブリックコメントを実施することをお願いしてお り、2月22日を目途に募集することをホームページに出していますので、 ご意見がありましたらそこからいただきたいとおもいます。 ○冨澤室長  厚生労働省は1つですので、当然、見解が違ってはいけない、当然これは 参照されて然るべきものと私は考えています。内部でも必要な情報提供をさ せていただきますので、先生方も会議等におきまして、このガイドラインを 参照いただくことについてご協力いただきたいと考えております。 ○大山座長  ほかにありますか、よろしいですか。事務局はもういいですか。 ○秋山補佐  本日のフラットファイルの資料ですが、そのままテーブルに置いてくださ って結構です。 ○大山座長  本日は熱心なご議論をいただきましてありがとうございました。閉会いた します。 (了) 照会先 医政局 研究開発振興課 医療機器・情報室 企画開発係 山瀬 TEL 03-5253-1111(内 2588) FAX 03-3503-0595