09/02/12 平成20年度化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会第9回少量製造・取扱いの規制等に係る小検討会議事録 平成20年度第9回少量製造・取扱いの規制等に係る小検討会 日時 平成21年2月12日(木) 17:00〜 場所 厚生労働省18階共用第9会議室 ○大淵化学物質評価室長補佐 定刻になりましたので、ただいまから第9回「少量製造・取扱いの 規制等に係る小検討会」を開催させていただきます。以降の議事進行につきましては名古屋座長 にお願いいたします。 ○名古屋座長 本日は「ばく露実態調査・評価のあり方について」検討をいたします。事務局よ り、本日の議事予定、及び資料の確認をお願いいたします。 ○大淵化学物質評価室長補佐 2枚目に配付資料一覧があります。資料1-1「少量製造・取扱い作 業の把握が可能なばく露評価手法の検討」ということで、前回第8回の小検討会における主な意見 をまとめたものです。資料1-2は、従来から作っておりました、この検討会でいろいろ整理されて きました検討事項をまとめたものです。資料2-1「新たなばく露評価手順策定のポイント(案)」 という、今回新たにお示しする資料です。資料2-2「新たなリスク評価スキーム(2段階評価)に ついて」ということで、こちらも今回からの資料です。資料3「ばく露評価における統計解析手法 の活用について」ということで、こちらも新しい資料です。資料4は、この検討の今後の検討予定 です。  参考資料が3種類あります。参考1は「国内外のリスクアセスメントに採用される『ばく露評価 モデル』の概要」です。参考2は、事務局と先生方のみ机上に配付させていただいておりますが、 NIOSHマニュアルの第4章です。参考3は「リスク評価の手法(改訂版)」ということで、この小検 討会の親委員会に当たるリスク評価検討会で作成している資料です。その中で今年度改訂を行っ ているということで、改訂された最新版になります。 ○名古屋座長 議事に入ります。最初に、第8回の議事録概要を確認いたします。 ○島田化学物質評価室長 資料1-1ということで、前回1月6日の第8回小検討会におけるご意見を 事務局として取りまとめさせていただきました。ご意見等があれば、また併せてお聞かせいただ きたいと思います。  前回1月6日については、ばく露レベルの評価方法の中で、特に海外におけるばく露のモデルつ いてご発表いただきまして、ご議論いただきました。概要についても概ねそれに関するものが入 っております。いちばん最初に、ばく露モデルにかかる情報収集ということでヒアリングを行い、 英国におけるCOSHH、COSHHessential(Control Banding)、EASE Model、ドイツにおけるBAuAのモ デル、欧州のEUSES、TGD、ECETOC、RISKOFDARM、EASE2.0、米国のChemSTEER、日本のJISHA等につ いての発表と検討をいただきました。  これについては、個々示唆に富むご意見をいただいたのですけれども、すべてご説明するわけ にはいきませんので、参考1という資料を事務局で作らせていただきました。これにつきましては、 前回のご議論の中でご説明をいただいた、それぞれのモデルにつきまして、わかる範囲で事務局 のほうでまとめさせていただいております。例えば、JISHA方式のものについては、モデルの特徴 としてステップ1を10個に分け、それに従ってデータを入力していくことによって、最終的にはリ スクレベルが6分類されるということで、これに従ってばく露防止、低減措置の導出を行うという ものです。そこに必要な情報というのは、その下の枠に入っておりますように、それぞれステッ プ1から6で、こういう情報を入力する必要があると見ていただければと思います。  評価の概要については、例えばJISHA方式であれば5つのリスクレベルの分類ということで、耐 えられないリスクから始まり、1番の些細なリスクというレベルになる。リスクレベルSというの は、眼と皮膚に対するリスクということで分類していて、このリスクに基づいて防止・低減措置 を提案していただいています。  その下は、国が採用するに当たっての気づきの点ということで入れさせていただきました。 JISHA方式についてはMSDSの情報が必須になります。実測値がある場合は、こういうものを採用す るような仕組みになっています。このほかEASEモデルから、いちばん最後は米国のChemSTEERにか かるものをまとめさせていただきました。前回の毛利先生、花井先生の資料をまとめさせていた だくとともに、花井先生がお書きになった『リスク評価の知恵袋シリーズ』の中から、必要な情 報を抜粋させていただいております。今後調査をしてまとめていかなければならないというもの でありますので、本日は内容の紹介にとどめさせていただきます。  資料1-1に戻りまして、ばく露モデルの活用ということでご議論いただいた点についてご説明申 し上げます。1点目は、化学物質のリスク評価は極端なことを言えば、これから合成する化学物質 を対象とする場合もあり、実測は困難な場合もあります。実測が可能でも、その実測データが空 間的・時間的な代表性を満たさない場合もあるという状況であって、実測ができない、あるいは 実測よりもシミュレーション値を使ったほうがいい場合もあるということで、モデルによるシミ ュレーションが重要であるというご指摘です。  2点目は、ばく露の高い作業をスクリーニングするために、モデルを活用することは有望である。 モデルはやや安全側サイドに試算をして、少し怪しいとか、懸念されるばく露があると考えられ る場合には実測をしたり、再現試験を実施したりすることが適当であると考えられる。  3点目は、リスクのシミュレーションのためモデルを活用する場合には、あらかじめ個々のモデ ルがどの程度使えるかを検証する必要がある。作業現場でのばく露評価モデルの活用による検証 を積み上げていく必要があるということです。そのためには、国が戦略的、かつ長期的なビジョ ンを掲げ、これに基づいてデータベースの維持・発展を図っていく必要があるという大所高所か らのご意見でした。  少量製造・取扱いの作業というものについては、比較的狭い部屋の条件が一致したスペースで 作業が行われることが多いので、シミュレーションモデルの活用が有望ではないかというご意見 でした。個々の作業条件の下で、モデルによって試算した値と実測データを突き合わせてモデル の改善を図ることにより、より有効性が高まるというご指摘でした。  REACHのガイダンスに基づくリスク評価については、活用できる部分もあるけれども、日本の伝 統産業や先端産業にかかわる作業などは、あらかじめ当該作業に活用できるかを考慮する必要が ある。即ち、REACHのガイダンスを鵜呑みにせず、個々にフォローする必要があるというご意見を いただきました。  次に、花井先生にご質問いただいて、ご回答をいただいた部分ですが、化学物質のリスク評価 の概念は簡単であるけれども、実際の評価ではさまざまな考慮が必要であり、評価システムをむ やみに簡単にすることはできないというご意見をいただきました。EUのREACHなどについては、ば く露シナリオをモデルに入力するよう変換システムの開発が進んでいる。リスクリッパーと言わ れたかと思いますが、将来はばく露シナリオを入力すると、自動的にモデルを選択し、ばく露評 価ができるようになる可能性はある。しかしながら、現段階では評価者がばく露シナリオを基に モデルを選択していく必要があるというご指摘です。  体制の整備という視点で3点ほどご示唆をいただきました。1点目は、我が国では数理モデルで リスクをシミュレーションするのは苦手のようで、リスク評価に基づく化学物質の管理もなかな か浸透していない。リスク評価に基づく総合的な管理を進める上では、リスク評価に有効なデー タベースの構築、それからリスク評価の体制づくり、リスク評価の専門家(リスクアセッサー) の養成が必要である。  2点目は、化学物質がどのように拡散し、作業者がばく露するかをシミュレーションするモデル の開発が進んでいるが、その適正な使用が重要である。ばく露評価の目的や測定ポイントを正確 に選択しないと間違った評価となってしまう。そのようなことに知識を有する専門家がモデルを 活用すべきと考える。  3点目は、リスク評価にかかる人材育成については、長期的なビジョンが必要で、若い専門家に ある程度責任を持った仕事を担当させていくことが重要であるというご指摘でした。  有害物のばく露作業報告に関するまとめをいただいた部分です。報告率向上のための方策とし ては、有害物ばく露作業報告については、報告すべき事業者の条件を細かく付けないで、機械的 に報告させ、その結果を基に2次的に詳細調査をすることが適当であると考える。  2点目は、報告事業者の利便性の確保は重要であるが、報告対象期間を今後1年としたりすれば、 少量の製造・取扱い(小ロット)の把握も可能と考える。スクリーニング方式の報告スキームの 検討ということについては、ばく露作業報告は対象作業を絞らないと、事業者の報告意識が下が ると考える。これまでのばく露調査の結果から、報告対象とすべき作業を列挙すべき。また、そ の作業に従事する従業員数が一定以上といった限定がかけられるべきである。  3点目は、1次スクリーニングとして報告を求めるときに、その物質について作業に従事する従 業員数を合わせて把握し、2次スクリーニングとして報告対象を決める段階で、従業員数の基準に より、報告対象を限定することが妥当と考える。2次スクリーニングで化学物質一般に従業員数の 基準を採用すると、零細企業で常に特定の作業者が取扱いを行っている場合は、当該作業は把握 されないことになる。従業員数で裾切りするのは問題がありますというお話でした。それを踏ま えて、2次スクリーニングでの絞り込み基準は製造量・取扱い量の基準の採用を考慮すべきではな いかというご意見をいただきました。以上、事務局としてまとめさせていただきました。 ○名古屋座長 いまの説明につきましてご意見等がありましたらお願いいたします。 (特に発言なし) ○名古屋座長 特にないようですので、また何かありましたら事務局等に報告することとさせて いただきます。次の議題は、本検討会でこれまでの検討を踏まえて、資料2-1「新たなばく露評価 手順策定のポイント」ということで取りまとめてありますのでこれを検討いたします。事務局か ら説明をお願いいたします。 ○島田化学物質評価室長 資料1-2にもありますが、検討で未了になっている部分ですが、座長か らお話のありました資料2-1の説明から始めさせていただきます。資料2-1については、合わせて 資料2-2がフローチャートになっておりますので、見比べながらご検討いただければと思います。 これについては、これまでの検討の中で、新たなばく露評価手順の議論をしていただき、見直し の方向性が出てきましたので、その議論の結果を踏まえてポイントをまとめさせていただきまし た。  資料2-1については(1)から(12)という数字が振ってありますが、これについては資料2-2の2枚目の それぞれの項目の(1)から(12)が対応しています。見比べていただければよりわかりやすいかと思い ます。  1点目は、資料2-2にありますように、新たなリスク評価のスキームについては、2段階評価にす るということでコンセンサスが得られているかと思います。それについては2つの四角の中で、左 手の有害物ばく露作業報告と、有害性の情報の収集から始まる有害性評価の関係ですけれども、 この両者からリスクの判定をする作業において、特に2次評価値を超えるようなばく露が認められ た場合については、昨年までであればそのまま規制を検討するということでしたが、新たなスキ ームでは、さらに詳細的な評価をし、1つには規制のレベルをきちんと決めるということと、もう 1つは少量の取扱い作業など、いままで考慮していなかったような作業について、この詳細評価の 中で見ていくということになると思います。順にご説明を申し上げます。2枚目の新たなリスク評 価のガイドライン(フロー)を見比べながら見ていただければと思います。  1点目として、有害物ばく露作業報告については2段階スクリーニングの方式に変更するほうが 適当との考えです。(1)として、対象物質の使用動向の報告をいただく。これについては点が振っ てあります真ん中の部分ですが、1次スクリーニングにおいては、報告対象事業者の条件を付さず、 広く報告を求めるようにして、報告率の向上を目指す。2点目として、報告者の負担軽減のため、 対象物質の使用動向等を最小限の項目に限定して報告を求めることとするものです。  (2)として作業実態の報告です。これは2次スクリーニングという扱いになります。2次スクリー ニングとしては、作業実態にかかる報告を求めることを主眼としてやるということです。報告項 目については、ばく露評価のモデルへの入力項目等を考慮して設定するということです。ばく露 が高いと思われる事業場を選定する際にはモデルを活用していくことが重要になっていますの で、有害物ばく露作業報告の中でも、これを配慮した形で入力項目を決めていく必要があるとい うことです。  それを踏まえて事業場の選定です。事業場の選定については、ばく露が高いと推定される事業 場の選定をするということです。これについては、平均的な事業場を評価するのか、ばく露の高 い所を評価するのかというご議論をいただき、NIOSHなどでは、ばく露が高いと思われる所が入っ ているグループを評価しなければいけないとなっているが、我が国においても同様に高い所を把 握しなければいけないというコンセンサスが得られたかと思いますので、ばく露が高いと推定さ れる事業場を選定するという仕組みにさせていただきました。  それを踏まえて、ばく露実態調査です。ばく露実態調査については、合計3つのステージに分か れるかと思いますので、(4)(5)(6)という番号を付しております。議論の中では、測定に入る前に事 前調査をしっかりやるべきではないかという議論をいただきましたので、ばく露濃度測定の実施 にかかわらず、作業環境、あるいは作業内容、作業時間、保護具の使用等について十分聞き取り をして把握するようにする。そのため、新たな調査様式を定めることとされました。  (5)は濃度の実測です。個人ばく露濃度の測定については、統計解析が可能となるようなサンプ リング方法を採用するとのことです。これについては前々回の議論の中で、全期間分割サンプリ ング、あるいはその他のサンプリング方法を検証していただき、統計的にも耐え得るようなサン プリングの仕方に改善をしていただくことが重要ではないかということです。  2点目は、ACGIH等で、短時間ばく露の値(STEL値)、天井値(Ceilling値、C値)などが設定さ れているものについては、いままでの8時間のばく露以外に、こういうものについての比較ができ るようにスポット測定をやっていますので、サンプリング時間を調整した形で、比較ができるよ うな形に改良していくということです。  作業内容の分析については、実測値を評価することとするが、ばく露濃度が実測されていない 場合にあっては、ばく露評価モデルに作業内容等を入力して、ばく露濃度のレベルの評価を行う こととし、モデルの選択を考慮に入れることになっています。その際に、実測された作業場との 比較により、可能な限り定量的評価を進めたいということです。  それを踏まえたばく露評価結果の取りまとめですが、裏面に有害性評価により導出されるばく 露限界値と比較し、が可能な限り定量的評価に努めるということです。2点目は、経皮ばく露の評 価が必要なものについては、経皮ばく露の評価を追加するということです。  これが、ばく露評価の概ねの内容です。前回はそれを踏まえた、ばく露評価と有害性評価のほ うから出てくる限界値を比較することによる1次評価、2次評価についてもご議論いただいており ますので、その部分についての改善点を併せてまとめております。1次評価については、初期評価 と詳細評価という2つの流れになると思います。まず、1次評価の初期評価については(8)です。個 人ばく露量について統計解析により、上方信頼限界(UCL)を試算し、UCLと1次評価値との比較によ り、2次評価への移行の要否を判定するということです。  初期評価の2次評価については、上方信頼限界(UCL)と、2次評価値の比較により、詳細評価の実 施の要否を判定するということで、UCLが2次評価値を超えている場合にあっては、詳細な評価に 移るということです。  その後の追加調査事業については、フローの(10)と、併せて有害性評価のほうにも追加情報の確 認試験の実施があります。基本的には追加的に調査をして、さらに精査をしていくというスキー ムです。追加事業場の選定については、高いばく露レベルが推定される事業場及び少量製造・取 扱い等の特殊な作業が把握できる事業場を追加選定することとし、事業場の選定にあっては、関 係業界との協力のもと実施することとしています。本日は日化協からも山口さんに来ていただい ておりますが、日化協傘下の業界の方々に協力を求めて調査を進めることを考えています。  以下の追加調査事業に関するものについては、これまでご説明してまいりました(4)から(7)のス キームと基本的には同じです。1次評価についての詳細リスク評価についても、基本的には新たな データも考慮して1次評価を行うということで、手順的には前回の(8)と同じ手順になります。  2次評価については、管理措置の導入の要否にかかる判定手順の明確化を図るということで、ど ういう場合に規制の導入を図るかという点を明確化する必要がある。2点目は、管理措置としての 判定の基準の明確化を図ることです。作業者個人の問題によりばく露が高い場合、事業場の特殊 な事例の場合、日本全国として問題がある場合もありますので、その辺りのメルクマールをしっ かり置いて対応することが必要だということです。  以上が、資料2-1に関する新たなばく露評価手順の関係のご説明です。 ○名古屋座長 ただいまの説明については新しいことですし、流れがきちんと書かれていますの でわかりやすいかと思いますので、忌憚のないご意見をお聞かせください。 ○唐沢委員 資料2-1の2頁のところで、1次評価(初期評価)と2次評価(初期評価)、これは(8)と (9)の手順が明らかになっています。これは、主にNIOSHのストラテジーに従ってやるというお話だ と思います。それはそれで意義ありますが、従来までやられてきた有害物ばく露作業報告の実態 調査では、おそらく従来はA測定、B測定みたいな形に準じてやられてきたのではないかという気 がしています。  今度、NIOSHのストラテジーのやり方の評価となると、従来路線とはちょっと違う性格が出ると 思います。その場合に、従来のデータの評価の問題と、仮に新しい提案のやり方でやった場合、 おそらく物質は違うのでしょうけれども、その考え方の整理みたいなものはどのように整理でき るのかと思います。もし可能ならば、(8)(9)の場合に、それはもちろん最初の(1)からずっと続いて いるわけですけれども、例えば従来どおりのA測定、B測定も並行してやると。経費的に手間暇も 大変かもしれませんけれども、そのようにやれば従来やってきた、有害物ばく露作業報告による 対応と比較検討も可能だと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。 ○島田化学物質評価室長 事務局としてこのポイントをまとめさせていただいた点は、あくまで 改善する点を中心にまとめさせていただいております。従来から中災防でやっていただいている ものについては、個人ばく露サンプラーを付けていただく測定、A測定、それからB測定とは多少 違うスポット測定ですが、これらについては従来どおりやっていただくということです。ただ、 個人ばく露測定のデータについては、統計的な処理ができるような形に改良するということを入 れさせていただいております。併せてこれはこの場でご議論いただければというものです。 ○名古屋座長 実際に測定されている中災防としてはどうでしょうか。 ○棗田(中災防) 全期間分割サンプリングということで、全期間となるとかなり難しい。いま は事前調査と言っていますけれども、ここで作業者が例えば3人いても、それぞれ違う作業をして しまうと、それだけの人数を投入しないと付け変えることができないわけですので、それだけの マンパワーは、いまのところ中災防は各センター3人程度ですから、10人とか15人の作業者がいた 場合、すべてに対応しきれないということ。  ここにも出ていますけれども、UCLで何個サンプルを取れば統計的に意味があるのかを決めてい ただかないと、特にいままでの選び方だと、事業場で実際にいくと、個人サンプラーを付ける人 数が非常に少ないことが多いですので、その辺のところを本当に統計的にやるという話であれば、 その辺がしっかり決まっていないと、対応がうちとしては難しいのかということです。 ○細田(中災防) ここでの統計というのは、1つの事業場で統計を取れるという意味ではなくて、 1つの物質の対象になる事業場全体を見て統計的に有意なということをイメージされているので すね。 ○島田化学物質評価室長 これは前々回だったと思いますけれども、NIOSHの2章のご議論をいた だいて、先ほど棗田さんからお話をいただきました、全期間サンプリングの議論の際に出てきた 部分ですが、皆様の机上に参考2を配付してあります。これの後ろのほうになりますが、サンプル 期間それぞれありますが、例えば105頁を見ますと、8時間シフトで取った際のサンプル数でどの ぐらいの精度の違いが出てくるかという図です。例えば、縦軸の1が基準値の部分に当たるかと思 います。それに対して、実際のサンプル数でどのぐらいの差が出るかというと、例えば下にある のがサンプル数で、全期間分割サンプルの場合は、2というNUMBER OF FULL PERIOD CONSECUTIVE SAMPLESと書いてある、全期間分割サンプル数というものです。2の場合には、そこにいくとCVT の0.1というのは10%の部分で、この場合には2つだと1.12という数字が出ていれば有意差が出ま す。一方で7のところに線が引いてありますけれども、1.06ということで、平均が1.06に至った場 合には、1との間で有意差が出ます。  NIOSHで考えているようなものについては、例えば2点とか7点といったところでサンプル数が取 れていればいいのではないかということのようです。例えば、1人の作業者が、午前と午後に分割 してサンプリングした場合には2というカウントになると思いますので、そういう種類の方が2人 いれば4というサンプルになってくると思います。そういう統計処理が可能ではないのだろうかと いうことです。そのぐらいのオーダーで統計が活用できるのではないかというのが我々の考え方 ですけれども、改めてまたご検討いただければと思います。 ○名古屋座長 サンプル数と、マンパワーと、人のいる所というのでなかなか難しい部分はなき にしもあらずなのですけれども、全期間測定すると、どうしてもイレギュラーしてしまう部分が あるので、やはり向こうもあまり勧めていない。やはり、ここに書いてあるように全期間分割サ ンプルにしなさいと書いてあるので、そのような形になるのかとは思うのです。実際に測定する ほうは、全期間サンプリングのほうが楽は楽なのです。付けておいて8時間やればいいだけだから ということなのです。 ○島田化学物質評価室長 いわゆる個人サンプルの数の標本をどのぐらい取るかというご議論 で、NIOSHと日本産衛学会のデータを前々回議論していただきました。日本産衛学会のほうは、せ いぜい10以下ぐらいのところでサンプル数が揃っていればいいというご議論をいただきました。 NIOSHのほうはもうちょっと多くて、20を超えるぐらいのサンプルが必要だということがありまし たが、そのぐらいのオーダーだということです。 ○櫻井委員 全期間分割サンプルというのは、要するに分割しようとしまいと、全期間の平均値 を取るということを言っているわけですね。 ○名古屋座長 そうです。 ○櫻井委員 このサンプルサイズは人数ですよね。 ○細田(中災防) いまの話ですと、午前中、午後でやれば2人ということでした。 ○櫻井委員 それはおかしい。 ○名古屋座長 普通分割のときには、1人の人の分を足して求める形でしたね。 ○櫻井委員 その人の1日の平均ばく露をまず把握するわけです。もし分割したら、それは時間加 重平均するだけの話です。同じことを言う。だから、分割しようとしまいと、1日の平均ばく露濃 度を、1人について出します。 ○細田(中災防) そうです。 ○櫻井委員 このサンプルサイズは、9人調べろとか、5人調べろということだと。 ○細田(中災防) そういうことだと思います。NIOSHの方法というのがそうだ、という定義の自 信はないのですけれども、少なくとも我々がやっていたのはそういう考え方です。 ○櫻井委員 はっきり書いてあるのはおかしいけれども、それ以外に考えられないですよ。 ○名古屋座長 たぶん全部の時間を通じて測定すると平均化されてしまうと。でも、分割してお くと8時間の中で高いところは午前中だとわかる。作業を午前中やっていて、午後はやっていなか ったときは、トータルでは変動はわからないけれども、作業のところで分割されれば、その影響 は把握できるということで分割を勧めているということです。でも、分割してもトータルは6時間 以内、8時間以内だということですよね。 ○細田(中災防) はい。 ○名古屋座長 だから、サンプル数としては1つしか出てこないということですね。 ○細田(中災防) そうです。1人について1つ出てくるわけです。 ○櫻井委員 このサンプルサイズというのは常識的に、みんなが特段違ったばく露を受けている という根拠がなければ、みんなほぼ同じようにばく露していると考えて、その全体の平均を推定 するということをやろうとしているわけですね。 ○細田(中災防) はい。 ○島田化学物質評価室長 参考2の68頁のいちばん下に、手順例という表形式になっているものが あります。4.2.2.1は全期間分割サンプル方式についての手順ということで書かれています。これ については次の頁で、それぞれ頭のところにX1-90ppm、X2-140ppm、X3-110ppmとなっています。 その下にT1-150分、T2-100分、T3-230分という形になっています。その全体を合わせて8時間(480 分)となっています。それぞれここで時間とppmを入れるような形になっています。事務局として 不十分な検討かもしれませんが、これは3分割だと捉えて、サンプル数は3つと我々は認識してい ました。ですから、NIOSHの方式は違うのかなという印象を持っています。 ○櫻井委員 これは全期間にわたっていますか。全部足すと。 ○島田化学物質評価室長 全部足すと480分になります。 ○櫻井委員 だから、それで時間加重平均を出していますよね。 ○島田化学物質評価室長 そうです。 ○櫻井委員 これは110ppmとなっているわけですね。 ○島田化学物質評価室長 はい。 ○櫻井委員 だから、これは標準スタンダードに対して1.1倍で超えている。これで、その人それ 自体は標準値を超えているわけです。その後、95%タイルを出しているのは、単にこのばらつき の問題です。 ○島田化学物質評価室長 はい、おっしゃるとおりでして、あくまでもそこにある0.08という数 字。 ○櫻井委員 個人のばく露の95%タイルが標準を超えているかどうかという考え方ですね。これ はおかしいね。その日の中で分割して、ここを95%タイルを出したって全く意味がないでしょう。 ほかの日について調べるとか、ほかの人について調べるのならば、全体の平均値に修正すること になる。もう、全期間の平均値そのものがこれで出てしまっているのですから。 ○棗田(中災防) ここで言っているSTDというのは、8時間のTWAの基準値のことを言っているの ですよね。 ○細田(中災防) そうですよね。 ○棗田(中災防) いわゆるスタンダード・デビエーションのことを言っているわけではないの ですよね。 ○櫻井委員 そうではなくて、スタンダードそのものです。だから、この人は超えているわけで す。 ○細田(中災防) ワンウェーテッドアベレージをコマ切れにしたのを平均している。 ○櫻井委員 単にね。全期間であることは、分割であろうとなかろうと全く同じですよ。NIOSH の考え方は混乱しているね。今回、例えば10の事業場で30人、分割であろうとなかろうと、とに かく個人ばく露の濃度のデータが出たとします。それで、このローアコンフィデンスインターバ ルのようなものを計算したとすると、それは平均値の分布を見ようとしているわけですか。 ○細田(中災防) そうです。 ○櫻井委員 36調べたとしたら、全体のばらつきはルート36で6分の1になりますね。 ○細田(中災防) はい。 ○櫻井委員 だから、それとスタンダードと比べて、平均値が95%で満足されていると計算した としても、個人は40%ぐらい超えていることになるわけです。 ○細田(中災防) そうです。 ○櫻井委員 1次スクリーニングで40%を超えていても、LCLのアッパーコンフィデンスリミット がスタンダード以下ならば、2次スクリーニングへ行かないというのは到底承服できないです。 ○細田(中災防) 我々が目指しているのは、ある意味では高いところがどこまで行っているか という目的があります。単に平均値を求めるというのだったら、そういう考え方でいいのかもし れないです。 ○櫻井委員 本当は、いちばん高くばく露する人でも、その人のばく露のレベルはスタンダード 以下であるということを求めようとしているわけですか。 ○細田(中災防) はい。それで、我々が探しているのはいちばん高いレベルであろう人を事業 場から探そうとしているわけです。 ○名古屋座長 だから、サンプリングをしているのが、部分分割も含めて、1日測ったものを全部 並べてみて、例えばある基準値があったときに、平均するのではなくて全部並べてそこで評価す るという形で1次スクリーニングにかけられるのではないでしょうか。  例えば、それぞれ40なら40の測定値を全部並べてみて、例えば20人が超えているばあい、その グループはどういう作業をしているグループなのだろうという分け方をしている。そして、これ でないグループはどういう作業なのだと。それは超えていないからOKだよ。でも、超えているグ ループがあったときに、そのグループについて2次スクリーニングをかけようという考え方のほう がいいかなということです。そのほうが理にかなっているということです。 ○櫻井委員 前回までは2度に分けて調べていないです。1次スクリーニングに該当するところで、 個人ばく露濃度の分布を見て、スタンダードを超えている人がいたらすぐに規制というところま でいっているのはやや拙速なので、もうちょっと丁寧に調べるべきだと思います。その場合に2 次スクリーニングでどういう状態だったら規制すべきかどうかという判断の場合には、もうちょ っと丁寧に調べて、本当にその作業者、あるいはそのグループのばく露の中で比較的高くばく露 する人でも、毎日のばく露の平均値がスタンダードを超えていないとしたら、特に規制する必要 はない。たまたま何回か調べて高目に出る数字があったとしてもですね。平均値ということを考 えなければいけないですね。そのときはLCLというような考え方が入ると。 ○島田化学物質評価室長 いま櫻井先生などにご検討いただいている部分として資料3を用意さ せていただいております。もしよろしければその部分に関するご議論は資料3のところで進めてい ただければと思います。 ○名古屋座長 はい。 ○櫻井委員 資料2-1で、いちばん最初の使用動向の報告というところは、報告対象事業者の条件 を付けないで広く報告を求める。報告者の負担軽減のため最小限の報告項目にして、できるだけ 報告の精度を上げるべきという考え方はまったく賛成です。  物質の数を毎年その年に作業実態報告ができそうな数を考え合わせて制限するのが賢明かどう かということは、必ずしもそうではないと思うのです。毎年使用動向調査をやって、そのものに ついて作業実態報告ということに必ずしもしなくてもいいのではないか。初年度に少し多目に使 用動向の調査をやって、その内容を見て、初年度以降数年間作業実態報告を求めるというような ことで、いちばん最初の使用動向報告は少し物質数は多くても、これは報告者の負担にならない 範囲内でやってしまったらいいのではないか。使用実態報告は毎年求める必要もないような気が いたします。 ○島田化学物質評価室長 私どもは、告示によって調査対象物質を周知していただいて、それに 基づいて事業場から、該当する物質を取り扱っている場合に報告してくださいということで、こ れまで合計59物質を対象としてまいりました。それにこだわることなく、もっと広い物質につい て対象とすべきということですね。 ○櫻井委員 そうです。一遍に何百というのではあれなので、1回に報告を求める数はどのぐらい があまり負担にならないかということについては当然検討が必要だと思います。現に50物質ぐら いで、それでも結構多いというのならばそれでいくしかないのかもしれません。ただ、最小限の 報告項目ですから、もっと増やすことも可能か、山口さんのご意見も伺ってみたいのです。 ○山口(日化協) 物質数が多くて、しかも使用量を細かくとなると、物によっては物質がその 中のいろいろな製品に入ってくると、それを全部集計すること自体が大変な作業になります。そ の辺の報告の内容が簡潔なものならばよろしいのですが。 ○櫻井委員 どのぐらい簡潔になるかということですよね。 ○山口(日化協) はい。量的なものを求められるとかなり大変な作業になります。純物質だっ たらよろしいのですが、混合物となると、それが実際に入っているかどうかという調査まで入っ てきますので大変な作業になりますので、その辺を少し考慮していただかなければいけないとい うことがあります。  数が極端に多くて、条件なしで、広く報告を求めるのはよろしいのですが、周知ができるかと いうことと対で考えると、求めたのはいいが、その周知ができないということであれば結果は同 じことになるような気がします。本当に周知できるかどうかというところも考慮に入れて進めて いただきたいと思います。 ○櫻井委員 この周知のところについては、前にも私は申し上げたことがあるのですけれども、 例えば中小・零細な製造業等どこがいちばんよく把握しているかというと、日化協等はそこまで 行きませんよね。そこから連絡していただける所は割合精度の高い報告が来るけれども、それ以 外の小さい所は落ちてしまうことから考えると、労働基準監督署等がどこまで協力していただけ るかどうかはあれですけれども、希望としては、いちばん把握しやすいできる所はそこだと思い ますので、なんとかそういう方向に行くことも模索していただけないかと思います。 ○山口(日化協) あとは、従業員の数が少なくて、数が多いという場合ですと、その代表性と いうのはさまざまな使い方をしている場合がありますので、そういうことを本当に代表的にサン プルを取って、規制をかけてということの現実性があるかというと、ちょっと疑問があるような 気がするのです。そういうことを考えると、ある程度の規模を規制対象に考えてということでよ ろしいような気がするのです。 ○櫻井委員 単なる報告を求めるだけですからね、簡単な報告。 ○名古屋座長 1次でも品物が多いと大変ですか。 ○山口(日化協) いや、周知できるかどうか。データが出てきても、従業員が1人の所が例えば 100カ所出てきても、それの代表的なものをどうやってピックアップするかというのは非常に難し いような気がするのです。そういう場合は、それぞれ使い方がまちまちな使い方をしていて、拾 い上げたデータが代表的なものかどうかということが既に疑問が出てくるのではないか。それが 同じような使い方をしている所が、1人で100個集まっているというのであれば問題はないのです けれども、使い方がそれぞれさまざまということになると、それは物質の用途も含めて考慮すべ き内容だと思うのです。 ○名古屋座長 前にやった2次のときというのは、製造量と取扱い量を基準にして採用を考慮すべ きというところと、人数とダブルスタンダードのことにかかわって、そのほかにもう1つそれがい ちばん代表されるかどうかのセンサーが必要だということになりますか。 ○山口(日化協) そういう場合もあり得るのかなと。 ○名古屋座長 1つでは駄目だろうと言われていて、たぶんその中で少人数のときにイレギュラー する可能性があるから、それだったら製造量と取扱量は基本に考慮すべきではないかという意見 がある。それとプラス人があって、その中で議論していって、それが基本的にあって、その中で もし代表性のものも加えたらいいかと。それはプラスアルファということで考えているのですか。 ○山口(日化協) その後で、またもう少し詳細な調査をするなり何なりと。いきなりたくさん 集めようとしても、特殊なケースがたくさん集まった場合は、代表的な作業として扱えるかどう かということになります。 ○棗田(中災防) これは、代表的なものを選ぶためにやるのですか。もともと少量新規等とい うのは、特殊な用途が考えられていて、こういうものを見逃がしたくはないがためにやるという 話なので、その。 ○山口(日化協) 作業としては、特定の作業を対象にやるわけですよね。 ○棗田(中災防) 特定化学物質障害予防規則自身は、本来、物ですよね。だから、物で管理し ようという話ですから、その中で特別に高い所があれば、それは規制をかけていくという話だと 思いますけれども、別に代表的な作業を選んで、いままでも調査してきているわけではありませ んから、それは私が受け取っている趣旨とは、国がどう考えているかわからないですけれども、 我々がいままで考えていたのとは若干違うのではないのかと思うのです。 ○山口(日化協) 具体的な報告の内容からいきますと、局所排気が付いているということもあ ります。ということは、ある程度の作業を前提にデータを集めているわけですよね。 ○棗田(中災防) いままではそうです。それで、結局少量の物のところで、例えば今回の場合 ですとホルムなどが集まってこなかったので、見直しをかけてもっと幅広くという話だと思うの です。 ○山口(日化協) そうすると、そこの考え方もちょっと広げるということですか。 ○棗田(中災防) そういうことだと思うのです。だから、逆に作業とかを特定しないで、この 中から実際に山口さんが言われているみたいに、広報とか周知が難しいというのはおっしゃると おりなのと、あとは実際にどんな作業を最後に次の2次のところの調査でどうやって調査するのか というのは、たぶん非常に検討が必要だと思うのです。最初に国が考えている、いちばん最初の ところの部分というのは、もっと広く網を掛けて、とりあえず報告していただいて、物を取り扱 っている、取り扱っていないぐらいの報告というつもりなのかなと思っているのです。 ○山口(日化協) そういうふうに広げると。 ○棗田(中災防) たぶんそういうことだと思うのです。本当に周知するのだったら、昔PRTRが 導入されたときみたいに、各県ごとに環境省が説明会をしていましたが、あのようなことをしな いと、もしかすると山口さんが言われているように周知が徹底されない。やってみても結局大手 しか報告してこないということはご懸念のとおりかと思います。 ○名古屋座長 そういうことからすると、従業員の裾切りはやめたほうがいいということですね。 ○棗田(中災防) そうだと思います。 ○山口(日化協) 物のハザードというか、そういうところに注目してということであれば、確 かにそういう作業を限定するということではなくて、用途も含めて広くということを。 ○棗田(中災防) その辺は、逆に国のほうの考え方で、いままでどおりのという話であれば、 山口さんが言われているみたいに逆に狭めてやったほうが効果が高いと思うので、その辺は評価 室のほうでどう考えているのでしょうか。 ○島田化学物質評価室長 国としては、特にいま枠を広げたというイメージは全然ありません。 いまやっているのは、その物質を扱っている作業の報告を求めているものです。もちろんそこに は500キロ以上という限定があったわけですけれども、その中で使っている物について、当然最後 は特別規則に基づいて、その物質に関する作業について、例えば局所排気装置の設置を義務づけ るときに、少量を取り扱っている方や特殊な作業をやっている方で、その規制が合わないような 場合が出てくるだろうから、そういうものをちゃんと考慮できるような形で報告を集めたいとい う趣旨です。  局所排気装置が付いている事業場のみ、把握させていただいていたかというとそうではなくて、 ある量以上のレベルで作業をした事業場に対して調査をかけてきました。そういうものを多少見 直して、丁寧にやったほうがいいのではないかという趣旨です。 ○名古屋座長 そうすると、1次スクリーニングのところでは、物質を少しは増やしてみるという ことは確かに、いままでより良いと。ただ、それが負担にならない限りどのぐらいにするかは議 論しなければいけませんけれども、そこで求めたものの中で、やはり量で集めて、あとは結果的 にはどこをするか。出てきたものに対して先ほどの2次にもっていくためのときにどういう作業 で、どういう測定をしてという形になるのかなと思うのですが、とりあえずは1次の数はやめてお きまして、ある程度広く、要するに少量で見逃してはいけないものを集めていく。その中で2次に かけるものについては選定するという形はいいかなと思います。   そうすると、また先ほどの中でいくと、(1)と(3)のところは(4)のところに、ここは段階を追って 見ていく形にしたほうがよろしいですか。(1)(2)(3)(4)。いまちょっと止まったのは、(5)で止まった のですが、その前の辺はよろしいですか。大体了解がとれていると考えてよろしいですか。モデ ルの導入はたぶんこれから始まってくることだと思います。データベースを作っていって、例え ばそのモデルを使うことによって、ある程度できてくればいいことではないかなとは思います。 すぐには、なかなかこの作業実態の中に入ってこないと思うのです。  あと事業場の選定の中で、ばく露が高いと推定される事業場の選定というところも、モデルを 使うのが有効だろうと、ここに書かれていますが、すぐには進まないかなと思う。結局そうする と、ばく露実態調査ということになってくると、新しい調査票、用紙を作っていって、それに合 わせて作業環境、作業内容、時間、そういうことをひっくるめて、それを集めることによって、 その下にいって、どういう測定をしたらいいかという話になるかなということだと思います。  濃度のところは1次と2次に絡んでいくのもなんとも言えないのですが、でも、いままでどおり のところ、5番目のこれはいいですよね。ただ、個人ばく露のところだけちょっと問題になるでし ょうね。A測定、B測定、スポットは全然問題ないのだけれども、ばく露のときに例えば下のとこ ろをばく露結果の取りまとめのところに、では、どれを使ってくることによって、たぶん次のと ころの1次評価、2次評価につながってくるからというところですよね。いまのところ問題はここ だけですよね。  作業内容の分析そのもの自体は、ここに書かれているとおりで、実測された作業場との比較に より、可能性の限り定量評価を行うということだから、これもたぶんいいのかなと思いますけれ ども。そうすると、ここのところはもう少し議論をしておかなければいけないところはまた元に 戻ってしまう。1次、2次評価の使い方は今日議論をしておいたほうがよろしいですか。 ○島田科学物質評価室長 サンプリング方法のですね。もしよろしければ資料3のご説明をしたあ とに。 ○櫻井委員 その前に資料2-1の2頁の(8)と(9)です。1次評価と2次評価と書いてありますが、この 場合、1次評価は閾値のない物質についてのみをこういうことでやって、それ以外は全部2次評価 だけですよね。その2次評価値との比較、1次評価値というのは、あくまで閾値がないものについ てのみ、そういう二段階にしているわけですから、そこははっきりさせておいたほうがいい。あ るいは最初から閾値のない物質についてというのだと、これと同じ書き方で、閾値があると考え られる物質についてはこういうふうに2つ。1次評価しかない。 ○名古屋座長 そうですね。そうすると聞くときに物質について少し分けておかないといけない のですね。 ○櫻井委員 閾値がある場合とない場合と、元のあれにもそういうふうに分けて書いてあります。 ○島田化学物質評価室長 いま櫻井先生のご説明をいただいた点については、本日の資料の参考3 のリスク評価の手法(改訂販)ということで出しております。櫻井先生に座長をしていただいて いるリスク検討会の中で運用されている評価の手法です。これの3頁目の真ん中辺にリスク評価の 判定方法等ということで、1次評価があります。a、「発がん性の閾値がないとみなされる場合」と 書いてありますので、先生のご指摘のとおり、ここは閾値がある場合、ない場合ということでケ ース分けをしていますので、これについても、考慮しなければいけないと思いますので、改めて 検討をさせていただきたいと思います。  4頁の(4)のリスク判定方法等で、1次評価(スクリーニング)の部分ですが、この1次の場合には、 発がん性の閾値がないとみなされる場合は、ユニットリスクを用いたがんの過剰発生率の算定が できる場合には、以下のようにそれを算定する。(イ)で、がんの過剰発生率が算定できない場合 というものについては、2次評価に移行するというものが、一番最後の行に書いてあると思います が、こういうケース分けがされていますので、それにしたがって発がんを重視した形のスキーム を入れましたので、これに関連しないようなものについては、また1次評価の中で評価できる部分 になってくるかと思います。確かに考慮が足りない部分がありますので、改めて整合性を取りた いと思います。 ○櫻井委員 いまこれを見てみますと、4頁から5頁にかけて、1次評価ということで、発がん性の 閾値がないとみなされる場合、次に発がん性はあってもその閾値があるとみなされる場合、発が ん性の閾値が不明な場合。それから発がん性がない物質という項目がなかったのですね。発がん 性がないと考えられる、認められないものについては、最初からばく露限界値と比較するわけで すから。いままで全部発がん絡みで評価してきていますので、これでよかったのですが。 ○細田(中災防) これは、もう少し詳細の部分が記されていて、がんのところだけを概要だけ で直しているのですよ。だからそういう問題で、全体を見ると発がん性以外の毒性についてとい うのが手法の中にありますね。 ○櫻井委員 そうです。 ○細田(中災防) そこをご覧になっていないから。 ○櫻井委員 たしかそうなっていたはずなのに、これを見たらそうなっていないので。 ○細田(中災防) これは概要の部分で、変更したのがここの部分だけなのですね。だから私は 未だにがん以外のものについて1次評価値という考え方はまだ、入れているという話になっていな いのではないかと思うのです。ここだけの。 ○島田化学物質評価室長 たぶんおっしゃるとおりだと思います。平成18年度から、がんがある ものについての評価をしてきたという経緯もありますので、それ以外のものを考慮したものにな っていないという状況でございますので、そこは改めてご指摘を踏まえて整合性をとりたいと思 います。 ○櫻井委員 そうですね。ですから、がん以外のものについて、1次評価値というものを、改めて 設定するかどうかは、もう一度議論が必要です。 ○細田(中災防) そうですね。 ○名古屋座長 その点は大きいですね。 ○圓藤委員 名前を変えるのですか。 ○櫻井委員 それで1次評価値を出す必要はあまりあるようには感じないのですが、やるとするな らば、動物のデータのいちばん低い数値にNOAELとか何かを使って出すけれども、人のデータでは もう少し高い数値がTLVが決まっている場合に、1次、2次が分かれてくる。もし、動物のデータだ けから出すのだったら、もう2次評価値はないことになります。 ○細田(中災防) そうですね。それか若しくは、もう少し単純に考えると、2次評価値だけ考え るという意味で、TLVが決まっているものは、それがいま時点でも妥当であるかどうかという評価 をする。TLVがないものについてはそういう形で求めて、TLV、疑似と言っては変ですが、仮のTLV みたいなものを作ってみるという発想もあるのです。 ○櫻井委員 そうです。おっしゃるとおりです。そのほうがきちんとした判断になります。 ○名古屋座長 資料3の説明はよろしいですか。 ○島田化学物質評価室長 資料3についてご説明いたします。これについては先ほどの上方信頼限 界などのご検討をいただいている部分に関わるものですので、先にご説明を差し上げたいと思い ます。これは特にいま資料2-1で確認しました評価を受けて、どういう管理措置をとる必要がある かについての判断が不明確になっていると混乱が起きますので、その辺りの手続も合わせてご検 討をいただきたいということで挙げたものです。  また米国のNIOSHのばく露評価の方法について、今日席上に配付させていただいているものは全 体バージョンです。その資料のいちばん最後の頁に付いているのがNIOSHの考え方として示されて いるものです。これについては、後ほどご説明いたします。  (1)からのNIOSHは「OCCUPATIONAL EXPOSURE SAMPLING STRATEGY MANUAL」、マニュアルと申し上 げますが、既に見ていただいたマニュアルにおいて、個人ばく露測定結果から、平均ばく露量の 推定値を計算し、右推定値とばく露基準値との比較により、適合、不適合を判定するということ でして、マニュアルにおいては平均ばく露量の推定値は統計的手法により、真の平均ばく露量を 含むと推定される信頼度95%の信頼限界区間として算定されています。当該信頼区間の上限及び 下限をそれぞれUCL、UCLはupperという意味で上方信頼限界、LCLはlowerということで、下方信頼 限界としていまして、UCLは真の平均ばく露量が95%の確率でこのUCLよりも少くなり、逆にLCL は95%の確率でこの値のLCLよりも大きくなるというものです。  (3)、労働者のばく露量の適合、不適合の判定は、8時間加重平均濃度、TWAの基準(STD)と、UCL と、LCLとの比較においてなされ、結果としては以下の3つの判定結果が導出されるということで す。  参考としていちばん最後の頁です。この4.2で、これについてはSTDが基準値で、基準値に対し て「不適合ばく露」と言われるものは、その統計的な処理をしたいちばん下限値のLCLの値が完全 に基準値を超えている場合。平均値としては超えてはいてもその上下の、特に下の部分のLCLを求 めると、スタンダードよりも下にくる場合、つまり基準値にその幅がかかっている場合や、逆に ばく露評価値自体の平均が基準値よりも下がっていても、実際に幅をとって統計的に処理をして みるとUCLというアッパーの部分が基準値にかかる場合、こういったものについては「不適合ばく 露のおそれがある」という判断をしております。その上限値であるUCLが、完全に基準値を下回っ ている場合は、「適合ばく露」ということで、単純に測定値ではなくて、こういった統計処理の結 果でその安全側を見込むという方式がとられているということです。  2番目として、我が国の労働者ばく露評価及び、リスクの判定への適用の考え方です。国による リスク評価の考え方を柱書きとして整理いたしましたが、国によるばく露評価の目的は、特定の 個人や事業場のばく露量の適合を判定することではなく、我が国における対象化学物質の製造・ 取扱い作業におけるばく露レベルが、労働者の健康障害を防止する上で妥当なものであるか否か を評価し、これに応じてリスク管理措置の導入の要否を判断することであり、右目的を達成する ため、以下の手順で評価を行うこととするということで、これはあくまで提案ですので、この場 でもんでいただきたいという趣旨で作らせていただいたものです。  (1)番として1次評価においては、ばく露実態調査において、労働者の個人ばく露濃度 測定を行って、その結果についてNIOSHのマニュアルにしたがって、8時間加重平均ば く露濃度、これはTWAと、それを統計的に解析したLCL、UCLを求めて、これと1次評価 値(リスクレベルの10-4)と比較することにより、2次評価に移行するか否かを判定す ると書いています。具体的には参考3ですが、リスク評価手順における判定のスキーム にしたがって、以下のとおり判定するということです。  これについては1次評価値よりもUCLが小さい場合については、その時点ではリスクは低いと判 断して評価を終了し、事業場単位での自主的なリスク評価の実施及び、これに適した適性な管理 を求める。逆にUCLが1次評価値を上回っている場合については、先ほど見ていただいた表であれ ば、不適合のばく露の場合もありますし、不適合のばく露のおそれがあるというカテゴリーに入 りますので、2次評価に移行するということです。  2番目として、特に短時間のばく露について問題があると指摘されているようなものについても マニュアルに従いましてスポット測定を実施。NIOSHの場合は15分間のサンプリング値を使ってお られるようですが、そのデータの中からスポット値として、5回の測定値の中から最大値を選んで、 これを統計的解析手法によりUCLを求める手法をとっていると理解をしていますので、同様の方法 がとれないか検討をいただきたいと思っております。検討結果は以下の手順に従って、短時間ば く露の値よりもUCLが低い場合については、その時点で評価を終了し、事業場単位での自主的なリ スク評価及び、これを基にした適正な管理を求めるということです。逆に短時間ばく露の基準値 を超えている場合については、詳細評価に移行して、さらに検討をいただくという趣旨です。  3番目、天井値ですが、これはこれ以上、瞬間的でも超えてはいけないという値ですが、これに ついても同様の考え方で、ランダムに選んだ5回の測定値の最大値からUCLを求めるという、統計 的な処理をしていただいて、これと基準値の比較を(1)(2)の形でやっていただき、少ない場合は先 ほどのように自主的に適正な管理を求めることとします。それに対してUCLが基準値を超えている 場合には、詳細評価に移行するということです。  2次評価においては、1次評価において算出したLCL、あるいはUCLを2次評価値と比べて、管理措 値の導入の要否について判定するということで、二段階の評価になります。少しご議論をいただ いている部分があるので、少し直さなければいけないのですが、いずれにしても、いま書いてい るものとしては、初期評価における手順ということで、2次評価値を超える場合については、詳細 評価に移行する。それから2次評価値よりも下回っている場合には、1次評価値を超えたものなの で、具体的な管理措置の導入を検討するということです。  次頁ですが、それを踏まえて追加調査を行った上で、詳細評価の判定をする場合ですが、詳細 評価において、個人ばく露測定値のLCLが2次評価値を超えない場合には、具体的な管理措置の実 施を検討するということで、これは1次評価値と2次評価値の間に入るようなものを想定している ものです。具体的な措置の実施を検討するということです。短時間ばく露測定値、天井値につい ても同じような考え方で、ここに位置づけられたものについては、具体的な管理措置の実施の検 討に移行するということです。  2番として、詳細評価において個人ばく露測定値がLCLという下限値が基準値を超えている場合、 これは完全に基準値を超えているという判断になりますので、その場合には以下のどの場合に該 当するかを評価して、必要な措置及びリスクの管理のあり方を検討するということです。アの場 合にはLCLを超えるのが特定の作業者ということになれば、その作業者の作業自体が問題というこ とで、当該作業者の作業の改善を指導するということでとどめたい。  その次は2次評価を超えた作業者が所属する事業場に特異的なもの、つまり、事業場を含む一部 の作業業場において、問題となるようなものがある場合には、その作業場の作業工程が問題とな ると判断されますので、その原因を探って当該事業場の作業環境の改善を指導・勧告するという ことで、事業場自体の問題として処理をしたいということです。  LCLが2次評価値を超えた作業者が、特定の事業場に偏在せず、国内事業場において広く見られ ている場合には、当該作業について必要な規制措置及びリスク管理手法の導入を検討するという ことで、いままでであれば特化則に位置づけて規制をかけるということです。また、特にウにお いて出てきた場合には、作業グループ単位での適合の確認も必要になるかと思いますので、作業 グループ単位での適合の確認及び規制措置の導入の要否を判定するため、以下のような統計的な 解析も合わせて行う。これは必須ということではなく、参考値として出してはどうかという意味 です。  これについてはaとして、対象化学物質の製造・取扱いについて、同一の作業グループごとに分 類する。bとして同一の作業グループに分類された複数の事業場に所属する労働者の個人ばく露測 定値について、NIOSHのマニュアルの統計的解析手法に基づいてLCLを求め、これと基準値とを比 較し、規制措置の導入の要否を判定する。すみません、ここは判定するというよりは、判定の際 の参考値とするということであると思います。  具体的には、LCLが2次評価値以下であれば、必要に応じ、より具体的な措置を検討する。それ から、LCLが2次評価値を超える場合は、この作業については、やはり問題であるという判断をし まして、必要な規制措置及びリスク管理手法の導入を検討するということを書かさせていただき ました。以上ご説明です。 ○名古屋座長 ありがとうございました。これはよろしいですか。こういう手法を使ってという ことなのですが。ただ1つあるのは、これはどちらかというと、単位作業場で測ったときの評価方 法ですよね。それを全体の日本で集めた作業のときに、単位作業場の手法をここに持ってきたと きに、櫻井先生が言われたように、たぶん全部のものを持ってきて、それで例えば、グループ分 けTWAを並べていって、そのときに、そのまま比較をしてしまうと統計的処理が何もないから、こ の手法をもってきてグループ分けしたものが、あるいはどうなるかという手法で使うのか、それ をそのまま使っていいのかというのは、どうなのでしょうか。 ○細田(中災防) 1日1作業というような、8時間同じ作業をするようなことばかりであれば、あ る程度、例えば8時間にわたって投入しているみたいな作業があるとすれば、それを横に並べても いいと思うのです。ところが、投入が個人ばく露という前提で見ますと、10分で投入が終わるみ たいなものがたくさんあるわけです。2日に一遍、まず朝いちばんで10分で入れて、それを反応を ゆっくりさせて、明日の夕方缶詰にして出すみたいなもの。それが毎回繰り返すのならまた別で すが、それが1カ月に一遍あるとか、そういうところを比べた場合に、それ以外の時間をその人た ちはどうしているのかというのまで含めて、ランダムなものを維持するためには、かなりの数を 取ればいいと思うのですが、そうでなかったら選んで取るというのは、非常に難しいと思うので す。  ○名古屋座長 手法としてはわかるのだけれども、その手法に乗せるためのデータ取りをどうす るか。取ってきたものをこの手法に乗せるというところのプロセスがいまちょっと混乱している のかなと思っているのですが、その辺は。 ○細田(中災防) 先ほど話題の早いときに、私は十分にこれを理解していなかったのですが、 どうも時間を例えば1日を三等分にするとか、四等分にするみたいな形で切って、その平均がTWA ですと、この1区間、2区間、3区間、4区間を、それぞれのデータとして統計を取りますと、変動 がこうなるというのが取れるという発想なのですね。すると、そこに例えば人間が何人もいた場 合に、そこで仕事をする場合に、どういうばく露をするであろうかという推定をしたときには、 この変動の中に何人かの人がいたら、このばく露にいる確率はこのぐらいあるみたいな解析をこ こでしているのですね。ですから、縦にデータナンバーを付けてやるというのは必ずしも。ちょ っと私はさっき誤解していたのですが、このやり方である程度出るのではないか。検証したわけ ではないですから、どの程度かはわかりませんが、ここはそういう考え方をとっているのではな いかと思うのですね。1事業場についてですよ。 ○名古屋座長 たぶんここで言っている部分分割というのは、95%の変動係数が欲しいから、た ぶんこう取っているわけですよね。 ○細田(中災防) はい、後ろのほうでノモグラフというか何ていうか、これでCVTというのを求 めているのですね。 ○名古屋座長 そうすると、全事業場で取ったサンプルを投げたときの、その変動というのは、 そこに使っていいのですか。 ○細田(中災防) ですからこれ、おそらく1事業場について取って、超えている率がどのくらい あるとかというのを使って、そして全国の例えば10カ所を測ったら、10カ所の事業場で同じ解析 をしたら、例えばみんな10%以上を超えていたという結果になるのかですね。そういう解析をま た、二重の解析をするのではないかと思うのです。先ほど言いましたように、全く同じ作業を1 日やっているという前提があれば、それぞれについて、それぞれのデータだというやり方もある と思うのです。それ全部集合して解析するという方法も。 ○大前委員 このCVTというのは、サンプリングを終えて分析のときの変動係数ですよね。 ○細田(中災防) 変動係数ですよね。 ○名古屋座長 それを同じような作業のときに、その変動をかけていっていいのかどうかという のをちょっと。あくまでも解析だとすごく分かるのですが、今回のことはそうではなくて、全国 から集めた中で、それを統計的処理をしたときに、たぶん個人ばく露の濃度が出てくるのですが、 統計的処理をしないと、たぶんその整合性とか説明がつかなくなってくる。どうしても統計処理 をしなくてはいけない。  いま統計処理でいちばん信用できるのはNIOSHだから、NIOSHを使ってくるのだけれども、では、 そのNIOSHを使うために集めるデータをどう集めたらいいかというところは、少し難しいのかな。 集めてそれで取れれば、この手法でいけば統計処理されているから、数だとかそういうのはでき るような気がするのだけれども、そこまでもってくる、集めるデータをどう集めてこれに乗せる かというのはあるのかなと。 ○細田(中災防) それともう1つあるのは、大企業で毎日同じことをやっているのであれば、あ る1日か若しくは3日間取って、日間変動みたいなのも含めてやるということはできると思うので す。そうではなくてその人たちは次の日、別のことをやっているということになるという問題も あると思うのです。 ○名古屋座長 これ難しいですね。 ○細田(中災防) 私がたまたまやっていたのは、こういう方法ではなくて、自社のあれだった ものですから、それの場合は後半に話されたグルーピングしてやるという形で、業務解析をして、 シフトの一直の人の保全担当は、例えばサンプルを取るのだとかというようなアサインメントが 決まっていますよね。それでばく露が同じであろうグループを例えば1グループ、2グループ、3 グループと作って、その高い連中をターゲットに、この高いグループの中の各人がほぼ同じだろ うという推定を置いて、そのグループから1点なり2点なり3点なりを取って、ここの上限を押さえ ましたという手法でやったのです。これは統計的手法というよりも。 ○棗田(中災防) これ、もし統計的にものを、例えばこのNIOSHの手法を全国的なデータでやる と考えるとしたら、おそらくランダムで企業を選ばないとものが言えないのではないかと思うの ですよ。わざわざ高いところだけを集中的に取った場合には高く出るに決まっているので、そう するとCVを取っている意味がほとんどなくなってきてしまうのではないかと思うのです。ただ、 ここで言っているCVがちょっと違う意味なので。 ○櫻井委員 これはものすごく特殊ですよ。 ○棗田(中災防) だから、ここで使うCVをもっと違う、本当に単純にCVみたいなもので取って いくのであれば、意味があるのかもしれないのですが、ここで言っているCVというのは分析の精 度誤差とか、サンプリングの精度誤差であって、そこでの事業場で取ったときの精度の誤差のこ とを見ているだけなので、そうすると、ちょっと何か考えないといけないのかなと。 ○大前委員 これ一人ひとりの話なのですね。個人の話なのです。 ○櫻井委員 たった個人なのですよね。 ○細田(中災防) そうです。 ○櫻井委員 それで、しかも個人の時間分割をしたとして、いちばん高く出る、ピークみたいな 濃度に1日ばく露するかもしれないと。 ○細田(中災防) そうです。こういうふうに変動したときに。 ○櫻井委員 それに1日ばく露するかもしれないところまで考えている。 ○細田(中災防) そうです。 ○櫻井委員 だからすごい安全サイド。だから全然使えない。 ○棗田(中災防) 最終的に勧めているのが2サンプルでいいと書いてあるので、4時間、4時間の 分割で十分なのだという結論なので、そうすると、いまやっているのは我々はほとんど2分割で取 っていますから、それは別にいいのですが。ただ、こういう手法で統計解析、1つの事業場ずつは それでかまわないと思うのですが、最後で全体の評価をするときに、この手法を当てはめるのは ちょっと。 ○細田(中災防) だからこの事業場では超えていた、この事業場では超えていた、こっちは超 えないと、超えた数がどれだけあったかみたいな、それをやればいいのですね。 ○櫻井委員 それすらこれやっていないのだから、個人のだけなのだ。 ○大前委員 そうですよ。これ事業場の話ではなくて、個人の話です。 ○棗田(中災防) そうですね。個人管理なのです。 ○大前委員 だから時間の重み付けをした測定の変動を考えた時間の重み付けの濃度をやってい るだけだから。 ○圓藤委員 だから日本でいったらA測定とB測定で、作業環境を管理するのに似ているのではな いですかね。 ○大前委員 面白いけど使えない。 ○圓藤委員 向こうはやはり個人管理なのですね。 ○櫻井委員 あまりまともに読んだことがなかったのですが、そんなに大したものではないだろ うと思っていた。みんな金科玉条みたいに言うけど、これすごい特殊なのです。 ○圓藤委員 向こうはアクションレベルとか、みんな個人でやるではないですか。そのときには これを使わざるを得ないのですよね。日本はもともと導入が作業環境から入っているから、A測定、 B測定がそれに該当するのではないかなと思うのです。    ○棗田(中災防) 逆にこれで評価をすると厳しく出て、いま超えていない人たちにも超えてい ると出る可能性が高い。 ○細田(中災防) 確率はある。言えばあるのだから。 ○棗田(中災防) 確立論的にいうとあるので、下を見ちゃうので、そうすると、厚生労働省が 思っていることと、たぶん逆のことが起きてしまうのではないか。厳しい裁定になって、そうす ると企業から逆におかしいのではないかという。 ○名古屋座長 そのときに例えば、取ったデータをどう統計的に処理するのかという手法をして おかないと、いまのところ頼るものがこれしかなかったから、こう持ってきて、でも、見てくる とたぶん、もともとは個人と事業場、その人たちがどういうばく露をしているかを見て、指導す る形のやり方なのだけれども。でも全国の。 ○細田(中災防) もう1つは前にも言いましたが、事業場をランダムに選んで、1日中やってい る作業者を取り出して、その中からランダムに選んで、とにかくやってみたら、事業場の変動も 個人の変動も全部含んで、個人ばく露で測ってやれば。個人ばく露データがこう分布していると、 そのときはもう作業なんか忘れちゃっている。ランダムに取ったからその作業もランダムにある 確率で拾っているだろうという発想です。 ○名古屋座長 それは非常にわかるのです。でもそれはここのところの目的とは違うでしょう。 ○細田(中災防) 違います。  ○名古屋座長 違うでしょう。だからそこが難しい。 ○細田(中災防) 全国の労働者がどうなっているかという。 ○名古屋座長 そこが難しいところでして、1次資料を取って、2次をやって、スクリーニングを かけて、いずれにしても個人ばく露を測ったときに、櫻井先生がいま言われたように、ある程度 のレベルの中でグループ分けして、超えているときに関してどうするかというのはわかるのだけ れども、その超えているところの判定と、統計的をどう整合していくかが、この手法だといまは なかなか見えてこないのではないか。 ○櫻井委員 これ、おそらく詳細評価をするときは、全国レベルのことを考える必要があると思 うのです。規制をしろというような。それが一部の高濃度のばく露があるよということだけであ るならば、そこだけ重点的に指導をすればいいというところへいくわけですよね。ですからスク リーニングのときと、詳細評価のときでは考え方が全然違ってくると思うのですよ。最初のスク リーニングのときは高めのところからまず入って、そこも何でもなければ、全国は大丈夫だろう と判断できるのです。最初に高めのところから入ったときに、30人なら30人調べたとして、その 内何人かがその基準値を超えているけれども、それ以外は誰も超えていないという場合、どう判 断するか。詳細評価をするのかしないのか。要するに1人でも超えていたら詳細評価をするのか、 あるいはそこのところで統計処理をして棄却限界みたいな。要するにコンフィデンス・インター バルではなくて、棄却限界か何かで。棄却限界を超えている人がたまたま超えているのだったら、 非常に特殊なケースかもしれない。 ○名古屋座長 そうですね。 ○櫻井委員 95%。 ○圓藤委員 そのときのばく露と、その使用量とかの関係とかは見るのですか。それは関係がな いのですか。 ○細田(中災防) それは高いところを推定するための材料と考えています。第1回目の1段階ス クリーニングのときに、どこを調べるか。 ○圓藤委員 難しいですね。スクリーニングのときはすごく粗くつかんでしまう。そこでそこま で。 ○細田(中災防) 報告だけは粗くしていただいて。 ○圓藤委員 それでわかるのですか。 ○細田(中災防) その中から何らかの虫眼鏡で見て、ここと、こことここをやれば、上を押え られるだろうというのを見つけてということなのでしょうね。 ○櫻井委員 これは最初のスクリーニングの段階で情報が出てきたもの、それ数にも限界があり ます。前回もそうでしたが、その段階では統計処理するよりも何するよりも、まずその分布をよ く見て、それで、この高く出ているのはどういう意味で高く出ているのかとか考えて、そしてさ らに全体を詳細評価をする必要があるかないかというのは、総合判断のほうがいいのではないか なというのが、私の意見です。もちろんその段階で統計処理も援用するけれども、統計処理だけ で片づくかどうかというのは、ちょっと問題だと思います。  ただ、もし使うとするならば、平均値はその段階では考えない。やはり全体の分布の棄却限界 を超えているか、超えていないか。棄却限界その辺、大前さんどう考えますか。コンフィデンス・ インターバルで。それをはるかに超えている人は大勢いるというのは、それもオーケーですとス クリーニングの段階では言えませんよ。 ○細田(中災防) 一事業所単位でやるのは楽なのですね。それと同じエンジニアリングででき ている自社の事業場を複数集めても、そこで働く人のパターンはみんな一緒ですから、それを並 べることは楽なのです。 ○名古屋座長 ちょっと混乱しているような形ですが。 ○圓藤委員 整理しないと、いろいろな段階が混じってしまう。 ○名古屋座長 2次まで集めてくることまではオーケーなのです、2次のところでどこをターゲッ トにするかということはいいですね。それで2次を決めていて、そして先ほど言ったように何社や るかはまた統計的に取らなくてはいけないと思うので、ある程度作業数を集めますよね。その中 で、たぶんばく露濃度を測っていって、その中で測ったものに対して、数値をそのまま並べてい って、できたら作業ごとに並べていって、その中である許容濃度なら許容濃度、あるいは管理濃 度なら管理濃度。あるいは1次か2次かはわかりませんが、それよりも少ないところに集団的があ るとしたら、それはもう大丈夫だよと。高いところに対して、それはどういう作業なのかなとい うことを見て、そこをどう処理するかということですかね。  でも、一旦取ってしまったデータだから、そこは測定をするときにある程度スクリーニングを かけておかなければいけないわけでしょう。普通に全部おしなべて2次で集めたデータでばく露濃 度を取りましょうで取ったときに、その中で低いところはいいけれども、高いところをどうする かということですね。 ○細田(中災防) それでいまおっしゃった、どうも引っかかるのは、作業という言葉はどうも、 私の経験からすると、こだわりたくなるのですね。作業というと意味がある時間、作業をやって いるから、その単一作業が他事業場と比べて、投入という作業があると投入を測る。缶詰とある と缶詰。この程度はあると思うのですが、投入は大体ものすごく短いのですね。それとかフィル ターの清掃をするとか、サンプリングするというと、やる企業、事業場によって全然違うのです。  すると、作業ごとにここが高いとか低いとかいって平均を取っても、私のイメージは作業なん ていうのは、みんな30分ぐらいのものだろうと。個人ばく露というのはそれの連続を測っている のです。ですから、その作業によってというのは、例えば個人ばく露の中から作業を見つけ出す のは、いまみたいなそういうやり方がある程度使えるのかなと。このアッパーの所にくるような ところの根拠になっているのは、その中の瞬間的に高いのを見て推定していると考えていいのだ ろうか。 ○名古屋座長 そのときというのは、例えば連続ではなくスポットで評価する。作業でいくのだ ったらスポットで評価しなければいけないし、もしかしたら、全体の中で仮にスポットがあった としてもトータルが長くなったとしたら、そのときは作業ではないよということですね。そうす ると、取ったときのグループ分けも難しいですよね。 ○細田(中災防) ものすごくばらつきますし、逆に大雑把に言えば 作業と言ったら、ほとん どのケースは投入と、それから製造のほうであったら出てきた製品を缶詰にするとかという話と か、決まってしまいますよね。ただ、どの程度高いのと言われても。 ○圓藤委員 有害性によって何を見るかというのは変わるわけですよね。今度、ばく露、調査を しなければいけない物質は、基本は発がん性のあるものですよね。違うのですか。 ○櫻井委員 ええ、ほかのものも、どんどんやりますから。 ○圓藤委員 そうなのですか。そうしたらその有害性によってそのばく露の評価法を変えるとい うことですよね。逆に言ったらその許容濃度とかTLVとかMAKとか、必ずある物質なのですか。そ れもわからない。そうしたら評価値がないということがあり得るわけですね。 ○櫻井委員 どこかで作らなければいけない。 ○大前委員 そうすると、分布を見るのはできるだけたくさんの情報があったほうがいいわけで すから、1日の加重平均ではなくて、例えば1時間で8回取る、それは各々の人に見込んで、それで 100人でしたら1,000検体になりますよね。それで何パーセントくらい、先ほどの限界値あるいは 基準値を超えているか、そういう形なのでしょうね。8時間平均にしてしまうと、みんなこうやっ て低くいくに決まっているので。 ○細田(中災防) そうです。 ○圓藤委員 では、ちょん切る。 ○大前委員 むしろわざとちょん切って、1時間ごとに。すごいマンパワーになると思いますけど。 ○櫻井委員 それはいいかもしれませんね。 ○細田(中災防) 作業ごとのというのは、このスポットとかSTELのほうに任せてしまうという 発想でいいのではないですか。 ○大前委員 新たなサンプルは作れるのです。1時間ごとに切り換えをする。10分こう、あるいは。 ○櫻井委員 それなら私も賛成なのです。例えば10ぐらいに区切ってサンプルサイズを増やす。 そうすると個人のばく露の高いところから低いところまで、一応データとして全部出てしまう。 その高いものに1日ばく露するかもしれないという発想なのです。それでLCLか何かを考えるなら ば。 ○細田(中災防) そうですね。ただしその確率はものすごく低くなるわけですから、こういう 分布になるわけですね。 ○櫻井委員 ええ、こうなるからね。 ○大前委員 例えばいまの作業環境測定だと、第三管理区分は95%ですね。 ○櫻井委員 はい。 ○大前委員 だから例えばいまの場合、ばく露濃度の1,000サンプルのうち50サンプルが95%程度 超えているのだったら、これでいきますと必要な規制措置のレベルに、何らかのリアクションに なると。そうでなかったら放っておいていいでしょう。第三管理区分ではない。 ○櫻井委員 これ、かなり安全サイド、厳しい判断だけど、やはりそれでいいですか、いいよう な気がしてきた。 ○大前委員 そうすると高いところもちゃんと。 ○名古屋座長 粉じんのように例えば連続測定できるものだったらいいですが、ガスはなかなか そうはいかないというか、金属はそうはいかないですよね。例えば低い濃度のときは、当然その 定量下限を切っているからデータは出てきませんよね。そうしたときにどうなるかなと。 ○大前委員 逆に言ってばく露だからかまわないのです、ゼロでいいのです。環境濃度を測って いるわけではないですから。 ○名古屋座長 そうすれば手間はかかるけれどもできますよね。 ○圓藤委員 切り換えだけですね。 ○細田(中災防) そんな簡単にというのが。 ○大前委員 新しくサンプラーを作らなければいけない。 ○圓藤委員 4つぐらいだったら。 ○細田(中災防) この例ではポンプ1個にサンプラーを2本か3本使っているのですね。 ○圓藤委員 サンプラーはタイマーが付けられるのですよね。 ○棗田(中災防) これは付いていますね。 ○圓藤委員 だからポンプを余計に付ければ。 ○名古屋座長 すると、ヘッドを変えなくてはいけない。 ○大前委員 濃度を切り換える、ガスクロなんかで切り換えるもの、何ていいましたっけ。 ○圓藤委員 ポンプを4つ付ける。それがいちばん早いね。4つ付けておいて。 ○棗田(中災防) なんというのですか、手間は別の問題としておいといて、問題は事業場が例 えば1時間単位で切る、付け換えますと言ったときに、どれぐらい協力してもらえるのかというの がちょっと、うーんですね。結局、作業がいま細田さんが言われていたみたいに、15分とか20分 単位で切れていくのならまだいいのですが、場合によっては2時間この作業、つまり炉前に入って しまうとなると、1時間経ったときに出てきてくれて交換したいと言って、どれぐらい企業が協力 してくれるのかというのは、ちょっとあるかなという、午前、午後は楽なのですが、あともう1 回ぐらいですかね。 ○圓藤委員 休み時間が入るときだけです。 ○棗田(中災防) だから、そうなってしまうと、今度、仕事に差し支える。 ○細田(中災防) 当分でなくてもいいのですよね。……でやるからあるところは2時間でもいい のですね。 ○名古屋座長 だから高い濃度で測るということになれば、それでかまわないのですが、ただ、 平均してしまうとイレギュラーしてしまう可能性がありますよね。 ○棗田(中災防) 本来はやはりどこで取るのも同じ時間で集めておかないと、統計処理をした ときにおかしくなってしまうので。 ○名古屋座長 そうすれば楽ですよね。 ○細田(中災防) 統計が入ってくる。ここで測定時間を取る。それとこれでもってCVを求める。 ○名古屋座長 ここで今日止まってしまい申し訳ないのです。 ○棗田(中災防) それを見ると時間は決めてやれとか。  ○島田化学物質評価室長 この議論はもちろんまだ続けていただかなければいけないような状況 だと思いますし、併せて後々事務局にご意見を賜って、改めてそれを集約してご提案をさせてい ただくことにいたしたいと思います。併せてもしよろしければ1-2の全体を通して説明させてくだ さい。この資料についてはいつも終わってしまうものですから。 ○山口(日化協) いまは化学物質の管理は自主的にやるということで、11次防に化学物質のリ スクアセスメントをやりなさいということになっていますよね。それとの絡みで国がどの部分を 担って、また、大企業や中小のできるところはリスクアセスメントをやって、自分たちで削減す るかという、その区分けがはっきりしないと、何でもかんでも国がやるというのはおかしいので はないですか。せっかく自主活動ということを挙げているわけですから、物質は何でもかんでも やるというわけではなくて、やはりハザードの高いものを限定して、そして作業も自主管理でき ないものを限定するとか、何かそこの枠組みをはっきりしていただかないと、何でもかんでもい まおっしゃると、どんどん広がってしまうので、そこは是非とも考慮していただきたいと思いま す。 ○島田化学物質評価室長 おっしゃる意味は理解しました。ここで議論をしているのは、少量化 学物質をどう把握していくかということから始まっていますので、いまのご指摘については、別 途検討させていただくつもりでございます。国としてこのような検討を決して蔑ろにしているわ けではありませんので、改めて検討させていただきたいと思います。 ○名古屋座長 そうすると、2-1を若干説明をしていただいて、やめますがこれでいいですね。 ○島田化学物質評価室長 1-2の資料については3度ほどご説明させていただいていますので、ご 説明は重々おわかりいただいていると思うので、これについてポイント的に申し上げますと、1 番の少量製造取扱いの調査についての基本的考え方については、ほぼご議論をいただいておりま して、特に今回はスクリーニング方式の報告スキームによる少量把握ということが前回の検討を 踏まえて入りました。それから詳細評価の段階で追加事業場の選定について、業界の団体の方と も協力をして、事業場の選定をしていくということです。  2番の有害物ばく露作業報告の改善の部分については、(2)の有害物ばく露作業報告の様式の点 検ということで、これは1次スクリーニングという部分が入っただけですので、特に負担の軽減と いうことで、項目を少なくするということです。  3番の少量製造・取扱いの事業者の特定のための新たな手法の検討ということですが、これにつ いてもご議論をかなりしていただきまして、かなりの部分は終わっています。1点だけ終わってい ないのは、検索サイトの活用等の新たな手法の検討がまだ触れられていないと思います。  (2)ですが、関係業界との連携に関する情報の収集ということで、アンケートを取り、それから ここでは追加調査の場合には、業界の協力を得たいというところまでは決まっていますが、そこ について具体的に何か配慮すべき事項等々については、まだご意見は賜っていないかと思います。  4番目のばく露レベルの評価方法については、前回サンプリングのモデルをお聞きしましたし、 いまはサンプリングの手法、あるいは判定手順ということをご議論いただいていますので、ほぼ 全項目についてご議論をいただいています。本日お示したのは、ほかに検討が不足している部分 があるかどうかということと、この部分についてご意見があればということです。この場で検討 をお願いをしたいと思います。 ○名古屋座長 何かありますでしょうか。2頁の(2)と(3)は何も議論をしていないということでし たか。 ○棗田(中災防) 1つだけ。ばく露レベルの評価方法の検討のところで、先ほどのに戻ってしま うわけではないのですが、作業環境測定のA測定を実際やるような形で書かれているのですが、こ れA測定の評価をどうするのかというのが、いまのフローの中には一切ないので、それをどういう ふうに評価して使うのかというのを、是非ご検討をしていただかないと、死にデータになってし まうのです。 ○名古屋座長 評価する濃度がですね。 ○棗田(中災防) 評価する濃度もそうなのですけれども、仮に許容濃度を使うにしても、では、 どうなった場合には。いまのところは単純に平均を取って、幾何平均で比べるというだけなので すが。片方がLCLとかいうのを使うとなると、いままでみたいに第1、第2、第3水準みたいなもの を計算して出して比較するほうがもしかすると望ましいのかもしれないのですが、その数字を本 当に許容濃度そのまま入れていいのかというのは、たぶん。その辺のところを併せてご検討をい ただけると助かるのです。 ○名古屋座長 測定がたくさん入ってくると、その測定方法をどう使うかが。要するに本来比較 してはいけなくて、改善のための測定だから、このためはこうなのだよ、だからここのところは 足りないから、ここを測定をして改善しましょうという手法のほうが、もともと測定なのに、み んな一遍にやってしまうと、どの手法で評価するかという話になってくると、整合性がなかなか 取れないのが出てくるよねと。もともとの測定というのは目的があって測定しているのだけれど も、それを一緒くたにしてすべて同じようなレベルで評価しようとすると矛盾が生じてきて駄目 になってくるから、このばく露手法のときというのは、どういう測定をどういうふうにやるかと いうことは、やはりきちんと整理をしておかないと。いまのところは全部データを集めてきて、 それはいいことなのだけれども、これからばく露手法をやったときに、やはりすべてを取ること が本当にいいことかどうかということを。もし取るのだとしたら、どういうふうに使うかという ことも精査していかないと、労力は多いのだけれども、結果的には何にも使わないよという話に はなってくるかなと思いますよね。  今日はそこのところをたくさん宿題をもらったのですが、ずっとやっていて、なかなかまとめ がうまくできなくて、本当に申し訳なかったのですが、ここは次回以降につなげていきたいので、 今日の意見を踏まえて、もし意見がありましたら、20日ぐらいまでに事務局に対していただいて、 そして、また取りまとめて皆さんにお送りするという形でよろしいですか。 ○島田化学物質評価室長 その他の議題で次回の日程が決まっておりますので、それから考える と、いま座長が言われたぐらいのタイミングでご意見をいただいておかなければいけないかなと いう心づもりでございます。 ○名古屋座長 特に今日、事務局としては統計処理ということで、NIOSHの手法という形にもって きたのですが、いま議論をしてみると、どうもペンディングかなという部分がありますので、帰 りまして少し頭を冷やしながら考えてみながら、またいい方法があるかどうかを考えて皆さんに ご意見をいただきたいと思います。本当に議事進行が悪くて申し訳ありませんでした。資料4をよ ろしくお願いいたします。  ○大淵化学物質評価室長補佐 資料4で、今後の検討予定ですが、既にスケジュールが決まってい るものは、第10回が2月26日ということで、またこの会議室で予定をしています。第11回以降につ きましては、また別途日程調整をさせていただきたいということです。以上です。 ○名古屋座長 ありがとうございました。本日のところはいろいろご議論をいただきまして、な かなか取りまとめられなかった部分もありますが、活発な議論ができまして、これからつなげて いく意見が出てきたと思います。それでは閉会にしたいと思います、どうも本日はありがとうご ざいました。   照会先: 労働基準局安全衛生部化学物質対策課                化学物質評価室  電話03-5253-1111(内線5511)