09/02/10 第8回厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会議事録               厚生科学審議会疾病対策部会                第8回 難病対策委員会           日時:平成21年2月10日(火)14:00〜16:00           場所:厚生労働省省議室 石川補佐  それでは、ただいまから「厚生科学審議会疾病対策部会第8回難病対策委 員会」を開催させていただきます。  委員の皆様方には、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。  まず、委員会の開催に際し、舛添厚生労働大臣よりごあいさつ申し上げます。 厚生労働大臣  どうも皆さん、こんにちは。  御多忙のところ「厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会」に御参集いただきま してありがとうございます。  難病対策につきましては、国の取組みが本格化して以来、30年以上が経過してまいり ました。この間、調査研究の推進、医療費助成に力を注いでまいりましたけれども、残 念ながらいまだに診断法、治療法が確立されていない疾病がまだ数多くございます。  私は、大臣就任以降、多くの患者さんと実際にお会いしてきました。一つひとつの難 病で小さなお子様も来られる。本当に御苦労だなと。お一人ひとりにお会いする度に、 何とか一人でも多くの患者さんのお力になりたいと考えてまいりました。  そこで、これは平成21年度の政府予算案におきまして、何とかこの難病対策一気に 前に進まなければいかぬ。これは私のひとつの政治的な使命であるという覚悟で、大変 厳しい財政状況でありましたけれども、今までの約25億円を4倍にいたしまして、難病 の研究事業につきましては、100億円の計上をすることにいたしました。  しかし今後は、今回計上しました予算をいかに患者の皆様の手に還元していくか、つ まり、診断法、治療法を確立して、皆さんの苦しみをいかに早くお救い申し上げるかと いうことが大事だと思います。そこで、平成14年以来ということなんですけれども、今 日こうして本委員会を開催することができまして大変よかったと思います。  当時、今後の難病対策の在り方について御報告いただいておりましたけれども、今回 の予算措置を受けて、難病対策を大きく推進させるために、是非皆様方のお力を賜りた いと思います。平成21年度、日本の難病対策の歴史で新しいページを開いたんだと言え るように全力を挙げて、この4倍増した予算を使いたいと思いますので、皆様方のいい お知恵、御意見を是非いただいて、省を挙げて頑張っていきたいと思います。  難病対策、25億とか100億、国家予算は80兆ですから、わずかではないかと思われ るかもしれませんけれども、こういうことに本当に力を込めてやるということが、命を 大事にする政治をやっているんだということになると思います。いろいろな不祥事が、 年金を含めございました。厚生労働省を改革しないといけないということで、昨年を厚 生労働省改革元年ということで、これは我が省、全員、職員一同頑張ってやっていると ころで、御批判には謙虚にお応えしないといけない。  しかし、私たちは、国民の命を守るんだと、そういうことが原点で仕事をしている組 織であるという思いですから、まさにこの難病対策というのは、シンボルでもあるわけ です。どうかそういう思いで頑張りたいと思いますので、皆様方の御意見を賜りますこ とをお願いして、一言のごあいさつといたします。今日は本当にありがとうございまし た。  それで、国会がもう開会中で、委員会がまた控えていますので、すぐに行かないとい けないんですけれども、どうかひとつ、よろしくお願いいたします。ありがとうござい ます。 (拍手) (厚生労働大臣退室) 事務局  それでは、カメラ関係はここまでとさせていただきますので、退室をお願い します。 (報道関係者退室) 石川補佐  続きまして、委員の先生方の御紹介をさせていただきます。  なお、当委員会の委員は「厚生科学審議会疾病対策部会運営細則」、参考資料1に添 付してございますが、こちらの細則第2条に基づきまして、疾病対策部会、金澤部会長 の指名により構成されていることをお知らせいたします。  それでは、お手元に配付しております、難病対策委員会名簿に従いまして、五十音順 にお名前を読み上げさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  日本難病疾病団体協議会代表、伊藤建雄委員です。  社団法人日本医師会常任理事、内田健夫委員です。本日は御欠席との連絡をいただい ております。  九州大学大学院医学研究科教授、尾形裕也委員です。  上智大学大学院法学研究所教授、小幡純子委員です。  日本学術会議会長、金澤一郎委員です。  独立行政法人国立病院機構宮城病院院長、木村格委員です。  結核予防会複十字病院院長、工藤翔二委員です。  川崎医療福祉大学副学長、小池将文委員です。  国立国際医療センター名誉総長、笹月健彦委員です。本日は御欠席との連絡をいただ いております。  あせび会(希少難病者全国連合会)代表、佐藤エミ子委員です。  慶應義塾大学名誉教授、猿田享男委員です。本日は御欠席との連絡をいただいており ます。  練馬区健康部長、中西好子委員です。本日は少し遅れていらっしゃるとのことでござ います。  読売新聞社東京本社編集委員、南砂委員です。 兵庫県健康生活部長、細川裕平委員です。本日は御欠席との連絡をいただいておりま す。東京大学大学院医学系研究所教授、山本一彦委員です。  以上、15名の方々に委員をお願いしております。どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、委員長の選任に入らせていただきたいと思います。  本委員会の委員長につきましては、厚生科学審議会疾病対策部会運営細則第3条に基 づきまして、疾病対策部会長が指名することとなっておりますが、金澤部会長より、本 日が委員の交代後初めての委員会開催ということもございまして、皆様の御意見も伺っ てはどうかと、どなたか御意見を寄せていただけないかとお申し出がございましたが、 どなたがいかがでございましょうか。  木村委員、お願いいたします。 木村委員  委員長には、部会長である金澤一郎先生を、是非御推薦申し上げたいと思 います。いかがでございましょうか。 (「異議なし」と声あり) 石川補佐  ただいま、木村委員から金澤委員に委員長をお願いしてはどうかと申し出 がございましたけれども、御異議もないようでしたので、金澤委員に委員長をお願いし たいと思います。  では先生、委員長席によろしくお願いいたします。 (金澤委員、委員長席へ移動) 金澤委員長  ただいま御指名いただきました金澤でございます。ふつつかではござい ますが、務めてまいりたいと思いますので、どうぞ皆さん方の御協力を心からお願い申 し上げます。よろしくお願いします。  議事に入ります前に、事務局の御紹介があるそうでありますが、何せこの委員会は、 長い間休会に及ぶようなものでありまして、自分が委員だったかどうかを覚えていらっ しゃらない方もいるのではないかと危惧をいたします。事務局もそうだと思います。ど うぞよろしく御紹介ください。 健康局長  健康局長の上田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 疾病対策課長  疾病対策課長の岩崎でございます。よろしくお願いします。 小平補佐 疾病対策課課長補佐の小平です。よろしくお願いいたします。 石川補佐 課長補佐の石川でございます。よろしくお願いいたします。 小西補佐 課長補佐しております小西です。よろしくお願いいたします。 海老名補佐 課長補佐をしております海老名でございます。 金澤委員長 ありがとうございました。 それでは、議事に入りたいと思いますけれども、まずは資料の確認をお願いしたいと 思います。 よろしくお願いします。 石川補佐 それでは、資料の確認をさせていただきます。 お手元の資料をごらんください。 まず、資料1「平成21年度難病対策関係予算(案)の概要」1枚。 資料2「難治性疾患克服研究事業予算額の推移」1枚。 資料3「難治性疾患克服研究事業の対象疾患」1枚。 資料4「難病の研究事業と追加への要望」1枚。 資料5「難治性疾患克服研究事業の概要」1枚。 資料6「難治性疾患克服研究事業の展開」が9ページでございます。 参考資料1「厚生科学審議会疾病対策部会運営対策」1枚。 参考資料2「厚生労働科学研究費補助金公募要項(抄)」の抜粋。済みません、こち らはページがございませんが、3ページとなっております。 資料は以上でございます。欠落等がございましたら、事務局までお申し付けください。 金澤委員長 どうもありがとうございました。 それでは、議事に入りたいと思いますけれども、先ほど、舛添大臣から大変熱のこも った熱い演説がありました。 実は私は、大臣がこういう発想をなさって実現していく過程をずっと見ておりました が、本当に、大臣の熱意が皆さんを動かしたという感じがしております。やはり大臣と いうのは大事なものだということを改めて認識した次第です。そのようなドラマがござ いました。 皆さんが、勿論サポートしてくださったからそうなったのでありますけれ ども、そういう成り立ちを経た予算について、まずは事務局から御説明いただきましょ う。 議題1は、平成21年度における難病対策関係予算についてであります。どうぞ。 石川補佐 それでは、お手元の資料1をごらんください。 「平成21年度難病対策関係予算(案)の概要」について御説明いたします。 難病対策の推進のための予算といたしましては、厚生労働省全体といたしまして1,58 7億円の予算を計上しております。そのうち、疾病対策課関係の予算の具体的な内訳に つきましては、以下の5項目となっております。順次御説明申し上げます。 まず「難治性疾患克服研究事業」でございますけれども、こちらにつきましては、前 年度予算の約4倍の 100 億円となっております。本研究事業につきましては、これまで は 123の難治性の疾患を対象に、重点的・効率的に研究を行うことにより、画期的な診 断・治療法の開発を行ってきたところでございます。 その成果といたしましては、数々の疾患の診療ガイドラインの策定でありますとか、 原因遺伝子の同定等がなされております。 また、パーキンソン病ですとか多発性硬化症については、新たな治療法等の開発がさ れているところでございます。 平成21年度におきましては、これまで研究に取り組まれてこなかった他の難治性疾患 についても、研究を奨励する仕組みを設けるなど、そういった取組みを予定しておりま す。詳細につきましては、後ほど資料6に基づいて、担当補佐から御説明をさせていた だきます。 続きまして「特定疾患治療研究事業」でございます。こちらは、予算額が229億円と なっております。本事業につきましては、上記の「難治性疾患克服研究事業」の対象疾 患の中から、特に治療が極めて困難であり、かつ医療費も高額であると考えられる45 の疾患について、医療費の負担軽減を行っているものでございます。 こちらは、平成21年5月からを予定しておりますけれども、この事業の対象療養にか かる医療保険の高額療養費につきましては、これまで一律の自己負担限度額としていた ものを、医療保険の所得区分や、該当回数に応じた自己負担限度額を適用する予定でご ざいます。 患者の方々の自己負担額に変更はございませんけれども、本事業における公費負担の 軽減が図られる見込みでございます。 次に「難病相談・支援センター事業」でございます。こちらの予算は2億7,500万円 となっております。本事業は、難病の患者の方々やその御家族の療養上、あるいは日常 生活上の悩みや不安の解消を図ることによって、さまざまなニーズに対応した、きめ細 やかな相談支援を通じて、地域における難病対策を一層推進するために、平成15年度か ら実施をしているものでございます。 平成19年度末には、全都道府県に設置をされております。本事業を一層活用していた だくことで、地域における難病患者の方々の支援策が推進されるよう、お願いをしてい るところでございます。 次に「難病情報センター事業」でございます。こちらは4,300万円となっております。 難病の患者の方々や御家族、また、医療関係者の方が求めていらっしゃる最新の医学情 報、医療情報を、順次最新のものを提供することで、患者の皆様の療養の支援を図るこ とを目的としております。 平成8年度の創設以来、研究班の先生方の御協力もあり、順次内容を充実させている ところでございまして、平成20年度におきましては、毎月約120万件を超えるアクセス をいただいております。 今後とも周知に努めてまいりたいと考えております。 最後に「難病患者等居宅生活支援事業」でございますけれども、こちらは2億700万 円を計上しております。本事業は、介護保険法、あるいは身体障害者自立支援法等の施 策の対象とならない難病の方々に対して、ホームヘルプサービスあるいは日常生活用具 の給付等の事業を行っております。 いまだ実施が十分ではない自治体があるという声も伺っておりますので、引き続き協 力をお願いしてまいる予定でございます。 資料1につきましては、以上でございます。  続けて、資料2以降を御説明申し上げます。 資料2でございますけれども、こちらは先ほど4倍になったことをグラフ化したもの でございまして、本事業が昭和47年のスタート当時、これは、約2億円ちょっとの予算 だったものが、今回100億円となっております。 続いて資料3でございますが、こちらは、これまで難治性疾患克服研究事業の対象疾 患となっていた123疾患、それから、太字で示しておりますけれども、こちらの7疾患 が来年度に追加される予定のものでございます。 それぞれ左から2列目にいろいろな病名、障害名が書いてございますけれども、こう いった関連する疾患は、ある程度グループ化して臨床の先生方を中心とした研究のグル ープをつくって、研究に取り組んでいただいているところでございます。 来年度追加予定のもの、間脳下垂体機能障害の中の、下垂体機能低下症、クッシング 病、先端巨大症、それから中ほどですが、神経変性疾患の中に、原発性側索硬化症、有 棘赤血球舞踏病、続きまして免疫性神経疾患には、HTLV-1関連脊髄症(HAM)、 最後は皮膚の疾患でございますけれども、先天性魚鱗癬様紅皮症、こういった7疾患が 追加される予定でございます。 次に、資料4でございます。こちらは、これまでに難治性疾患克服研究事業、あるい は、医療費助成の対象となります特定疾患治療研究事業への追加の御要望があった疾患 を御紹介しているものでございます。 左端に、患者団体等から要望のある疾患ということで、23疾患を列挙してございます けれども、これらの疾患だけではなく、追加を御要望されている疾患は数多くあると承 知しておりまして、こちらはあくまでも、これまで要望書等の御提出をいただいたもの を記載しておるものでございまして、このリストにないから駄目だとか、そういったこ とでは決してございませんので、少し説明をさせていただきました。 最後に、資料5でございますけれども、こちらは「難治性疾患克服研究事業の概要」、 いわゆる指定に向けて、基本的な考え方としている4要件、そういったものをお示しし たものでございます。 研究事業の詳細につきましては、引き続き、担当補佐の海老名より、資料6に基づき 御説明申し上げます。 海老名補佐 それでは、資料6に基づきまして、難治性疾患克服研究事業が大幅に拡 充いたしましたので、その内容について御説明申し上げます。 まず、おめくりいただきまして「平成21年度の方向性」というページでございます。 左側の方が、現在、平成20年度の状況でございます。平成20年度の予算は24.4億円で ございまして、3つの分野で研究を進めておるところでございます。 まず、一番上の重点分野が約5億円、真ん中の横断的基盤研究分野が4億円、一番下 の臨床調査研究分野が15億円であります。 具体的には、この臨床調査研究分野が123の疾患を対象に、38の研究チームが研究を してくださっています。また、真ん中の横断的基盤研究分野については、疾患を横断的、 社会医学的、あるいは病因や病態解析といった部分について、10の研究班で研究を進め ていただいております。 一番上の重点研究分野については、特に大規模な臨床試験といった、臨床に近いよう な研究を、14の研究班において研究を進めていただいているところであります。これが、 右側の平成21年度、今回、政府予算案で100億円になっているところでありますけれど も、それぞれの重点研究分野が約25億円、真ん中の横断的基盤研究分野が21億円、そ の下の臨床調査研究分野が23億円ということで、それぞれ拡充をしております。 また、新たに、一番下の方になりますけれども、研究奨励分野、それから、未知疾患 情報探究分野ということで、2つの分野を新たに設置しているところであります。 それぞれの新しい分野、拡充した分野について詳しく、次のページから御説明をした いと思います。 3ページ「重点研究分野」でございますが、これまで難治性疾患の克服のために早期 診断法、あるいは根治的な治療法などの開発に取り組んできたところでございますが、 2つ目の丸にございますように、ヒトゲノム解析技術、あるいは幹細胞生物学等の医学 ・生物学の進展はめざましい状況でございます。このような成果が、難治性疾患へ再生 医療、あるいは核酸医薬、抗体医薬などのバイオ医薬品等として応用が期待されている 状況でございます。 このような背景の下、現在、先端医療開発特区制度、いわゆるスーパー特区制度とい うものが創設されましたので、こういった制度を活用いたしまして、臨床研究あるいは 臨床への橋渡し研究の段階にあるような、画期的な診断あるいは治療法の開発に、資金 を集中的に投資して、実用化を加速してはどうかと考えております。 なお、先端医療開発特区制度については御存じではない方もいらっしゃるかと思いま したので、下に※印で補足をさせていただいております。 先端医療開発特区制度といいますのは、最先端の再生医療、医薬品、医療機器といっ たものの開発を行う先端医療研究拠点を中核といたしまして、複数の研究機関、企業と の複合体をつくっていただき、それを選定いたしまして、その複合体に対して研究資金 の特例、あるいは当省も、規制をさまざまな形で担当しておりますけれども、そういっ たところとの並行協議等を試行的に行いまして、研究開発の促進を図るということを目 的とする制度でございます。現在、京都大学のほか、24の複合体が選定されているとこ ろでございます。 4ページ目は「横断的基盤研究分野」の拡充の中身でございます。 これは難治性疾患に限りませんけれども、難治性疾患の原因解明、それから、治療法 の開発研究においては、当該疾患の生体試料、いわゆる患者様からいただく血液、細胞、 遺伝子等が必要でございます。 生体試料の収集のためには、患者さんの御協力が必要でございますけれども、例えば 製薬企業等は直接の接点がございませんので、なかなかこういった分野に参画すること が難しいと聞いております。 また、希少である難病につきましては、医学研究者ですら入手をすることは難しいと 聞いております。このため、我が国の研究資源として広く活用していくために、現在の 研究体制を基盤といたしまして、細胞・遺伝子・組織バンク等を整備してはどうかとい うことでございます。 5ページ目「臨床調査研究分野」でございます。難治性疾患に対する診断・治療法の 開発のためには、まず、疾患関連遺伝子等の原因や、あるいは患者数・好発年齢等の実 態を明らかにしていくことが必要であります。 これまで、ここの研究分野では、123の疾患を対象に、全国の専門家が組織的に研究 班を編成しまして、研究に取り組みまして、原因や実態を明らかにしていただきました。 その結果、先ほど御紹介いたしましたように、標準的な診断・治療法の普及が促進さ れてきたところでございます。 今般、更にある程度の疾患概念が確立している疾患については、患者データ等の収集 ・解析を促しまして、治療研究の基盤を整備してはどうかということでございます。 なお、※印でございますけれども、先ほど、疾患の一覧をお示ししたところでござい ますけれども、平成20年度6月に開催されました特定疾患対策懇談会で、7つの疾患の 提案がなされているところでございます。 6ページ目以降は新しい取組みでございます。 「研究奨励分野」でございますが、これは特に希少性が高く、他の研究資金を得るこ とが困難であるために、企業あるいは研究者の取組みの対象となりにくいために、まだ まだ実態が不明な疾患というものが数多くございます。 これまで研究が行われていない難治性疾患について、診断基準をつくる、統一的な基 準を用いて患者数の把握を通じまして、まずは疾患概念の確立を目指してはどうかとい うことでございます。 一定の診断基準がある疾患については、実態を把握して、統一的な治療指針の作成を 目指すということでございます。 この分野につきましては、出来る限り多くの疾患に研究の機会を設けたいと考えてお りますので、対象疾患は固定せずに、一定の期間内に診断基準等を作成いただくという ことを考えております。 7ページ目「未知疾患情報探究分野」でございます。 難治性疾患は、数千であると言われていますけれども、現在、研究に取り組まれてい るのは百数十疾患でございます。 特に、極めて希少な疾患については、診断が確定するまでに長期間を要する場合、あ るいは複数の医療機関の受診を余儀なくされる場合、あるいは診断そのものが確定しな い場合ということもあり得ます。 これらの極めて希少な疾患については、現時点では研究班を組織することさえも困難 な場合がございます。 こういった疾患について、まずは患者情報の収集、解析などを行いまして、一定の疾 患像を整理した上で、疾患概念の確立へとつなげるという取組みを行ってはどうかと考 えております。 今まで申し上げたことを図にいたしましたのが、8ページ目でございます。 今申し上げたことを、全体像ということでイメージ化したものでございます。具体的 に、例)と書いておきましたけれども、例えば、1週間おきに発熱を繰り返す疾患があ るという場合に、今までの概念で説明できないということがございます。未知疾患情報 探求分野にて、まさしく、こういった状態の疾患というものの情報を集めまして、例え ば、この情報を集めた結果、2つ目の研究奨励分野のところにいきますと、1週間おき に発熱を繰り返す症例を集めると、どうも発熱の前には、頭痛が必ずあるということが わかる。いわゆる疾患概念が確立してくるという状況になってくると考えております。 その積み重ねが、真ん中、下から3番目の臨床調査研究分野、病気のメカニズムの解 明につながってきまして、例えばこういった患者様には、共通の遺伝子の変化があると いうことがわかってくるということに、つながってくるのではないかと考えております。 例えばその結果、一番上の重点研究、治療法の開発に向かうのであれば、変化のあっ た遺伝子に対して、正常な遺伝子を導入する、いわゆる遺伝子治療をすると、症状が改 善する。あるいはこの遺伝子について、製薬企業等に提供していただきまして、医薬品 開発を共同で取り組む、右側の方にある横断的基盤研究分野という形で、疾患研究が広 がっていくのではないかということを期待しております。 以上、申し上げたことを、最後の9ページ目のところで、全体の像をもう一度お示し させていただきますと、一番下の臨床調査研究分野については、現在、123の病気につ いて研究を始めておりますけれども、130疾患を対象に拡充をするということでござい ます。 それから、この病気に関する研究については、研究奨励分野、未知疾患情報探究分野 ということで、未対応の疾患に新たに対応していきたいと考えております。 真ん中のところでございますけれども、横断的基盤研究分野では、生体試料の収集提 供といったことを拡充していく。それから一番上の重点研究分野では、スーパー特区制 度を活用いたしまして、革新的な診断・治療法を開発していく。 以上のことを踏まえまして、合計100億円ということで、この研究事業を進めていき たいと考えております。 資料6につきましては、以上でございます。 金澤委員長 ありがとうございました。 かなり丁寧に説明してくれたので、おわかりかとは思いますが、ひとつだけ確認をし ておきたいんですが、平成21年度だけの話ではないですね。 疾病対策課長 勿論予算でございますので、単年度で予算をもらえますけれども、通 常私どもが考えている範囲では、これがずっと続くものだと。多少の変動はあったとし ても、いきなり10分の1とか、あるいは反対に100倍になるということも、なかなかな りにくいというのが今のところでございます。 金澤委員長 ありがとうございました。これだけの伸びを示しますと、やっかみも含 めて、大変責任が重いことになるわけでありますが、課としては、非常に一生懸命考え てくれたのではないかと思いますが、それにつきまして、皆様方から是非、御意見を賜 りたいと思います。 いかがでしょうか。特に話題を決めませんが、このことに対する感想からでも結構で ございます。 どうぞ、山本委員。 山本委員 我々は現在、難病の研究に携わっている者として見れば、非常にありがた いことであるということは間違いないと思います。ただ現在、医療崩壊を含めて、若い 医師が研究の方から臨床の方に、臨床というのは大変ですので、臨床の方に向かいつつ あって、研究をメインにしようという医師が多くないんです。 そういう人たちの中から、こういうものが、国から施策されることによって、難病研 究に行こうと思う人が出てくると思うんです。 必ずそういう人が増えなければいけないと思うんですけれども、こういう中で、そう いう人たちをサポートするような、要するに人材を、難病研究、こういう対象疾患をメ インに研究しようとする若い人たちしばらくこれが続くということであるならば、そう いう人たちを養成するような仕組みが見えてくると、もっといいかなという気がするん ですけれども、その辺はどうでしょうか。 疾病対策課長 御指摘の点につきましては、特定疾患懇談会でも随分御議論がござい まして、世代交代ではありませんけれども、裾を広くしないと、こういう研究は広がら ないという御指摘を随分いただきました。 実際ここの中で、例えばリサーチ・レジデントですと、そういうものは勿論含まれて おるわけでございますけれども、フレームとして、研究奨励分野は、比較的ジュニアの 研究者の方も応募できるということを考えています。 123疾患の、現在の臨床調査研究分野ですと、それなりの大御所の先生がお集まりい ただいて、大規模な研究をされてきたという経緯がございました。補完的な意味もあり まして、ここは新たに設けたというものでございます。 金澤委員長 ありがとうございました。今のことに関連してでも結構です。 どうぞ、伊藤委員。 伊藤委員 難病対策の始まりのころというのは、若い先生方がいろいろ、患者会と一 緒に、いろいろな相談会や研究に取り組んだり、あるいは検診をやったり、フィールド を一緒にやったりという形で、本当に患者のそばにいて、その中から研究に向かってい くという先生あるいは治療に向かっていくという先生が大勢いたんです。  また、大学などでもよく患者の代表が、医系の大学だけではなくて、看護学校だとか、 そういうところも呼ばれていろいろお話しする機会があり、全国あちこちたくさん行っ たわけです。 最近、そういう機会がない。実際に患者たちと接して、その中から何かを学ぶという 機会が少なくなっているというのも現実で感じるわけですから、そういう若い先生方に 出てきていただくためには、そういう機会も研究の中で特別に用意していくということ もなければ、患者会の方としてもなかなか、今、先生方との接点をつくりにくいという 状況だと思います。 金澤委員長 ありがとうございました。ほかにはどうですか。 どうぞ、小幡委員。 小幡委員 私は、行政法という法律の方の専門でございますが、この難病研究事業と いうのが、予算が4倍になったということで、難病で苦しんでいらっしゃる方、あるい は我々、いつ何時、そのような難病にかかるかわからないわけでございますので、この ような希少性のある研究について、国の予算を振り向けるというのは、恐らく大臣の御 英断であったかと思いますが、それ自身は大変すばらしいことだと思います。 したがって、先ほど委員長からありましたように、今年度だけですかという話がござ いましたけれども、せっかく立ち上げたものでございますので、1年やったからといっ てすぐさま、成果が出るような性質のものではないので、継続性ということは必要では ないかと思います。 他方で、非常に国家財政が厳しい中でこのように予算がアップする、しかもある程度 継続的なものが必要であるというのを国民にわかっていただくためには、難病にどのよ うに予算を付けて、現実に研究をしどのようなっているということを、積極的に広報し ていくということが必要だと思います。それがきちんとなされていれば、恐らく国民も 難病に予算を振り向けて、無駄遣いだと言う人はまずいないと思いますので、そういう 形での広報というのは、大変重要ではないかと思っております。 もう一点は、行政法をやっているということで、私の観点から一点申しますと、難病 の指定について追加要望ですが、さまざまな稀な病気がたくさんある中で、患者団体の 方から、これを入れてほしいという要請がおそらくたくさん挙がってきて、その中のど れを選択するかという、ここの辺りが一番難しいところだと思います。今、お聞きした ところでは、研究会でしたか。 金澤委員長 資料4です。 小幡委員 資料4ですね。これを選ぶに当たっては、特定疾患対策懇談会の意見を聞 かれているということでございますが、ここが大変重要な役割を果たすと思いますので、 患者団体の方の御意見をよく聞かれて、できるだけ透明な形で、どれを追加的に選択し て、研究の対象としたのかということを、常に国民、関心ある方が見守る中で、透明性 を持って決めていくということに留意していただければと思います。 金澤委員長 どうもありがとうございました。 どうぞ、工藤委員。 工藤委員 従来から特定疾患の研究で、かつての調査研究ですが、現在の難病克服研 究事業の対策費と、治療研究の方の予算というのが、年々治療研究の方の、いわゆる医 療費補助の方が膨らんできて、なかなか調査研究の方が進まないということで、そのこ とについて、大変心配をしておったわけですけれども、今回4倍だという、本当に画期 的なことで、100億の予算で研究維持をできるようになったということは、本当にすば らしいと思います。 それだけに、アウトプットの問題が、責任が非常に大きなことになってきたと思うん ですが、ひとつはとりわけ希少疾患でありますので、この希少疾患というものの実態が 継続的に把握されるシステムというのが非常に重要だろうと思うんです。アメリカ等で もCDCの中に希少疾患を追及しているグループが登録されているので実態がわかると いうことであります。これは123疾患にとどまらず、いわゆる希少疾患を拾い出して登 録をしていくというシステムを是非つくることが必要ではないかと思います。 それから、現在の123疾患でも、一番の問題は、今の治療研究対象になっております 45疾患についてもそうでありますけれども、個人調査票が出ておりますから、横断的な というか、ある一点での時期の調査はできるんです。しかし、それが経年的にどうなっ ていくかという、その追跡システムというのは、この間、私どもも分担していろいろ検 討してきましたけれども、なかなか追跡は難しい問題がございます。 これは医師だけの努力ではできない問題があって、予後の調査です。特に、更新の手 続をしてこられない方が、病気はよくなったからおいでにならないのか、亡くなったか らおいでにならないのかと、そういったことも含めて、追跡するようなシステムをつく る必要があるのではないか。これは大掛かりな仕事になろうかと思います。 それで、全体としてはこういう、今、個々の123疾患は、臨床研究班にそれぞれ割ら れて研究をしているわけでございますけれども、アメリカの研究者などに話をすると大 変うらやましがられるんです。これはやはり、日本でもう30年経っているということで ございますけれども、この研究班が果たしている役割というのは非常に大きいので、向 こうでなかなかできない、特に基礎的な研究者と臨床の研究者が一体になって研究を進 めているということも含めて、非常に現代の臨床研究班の果たしている役割というのは、 世界的に見ても非常に重要な役割ではないかと思っておりますので、是非、今ひとつ頑 張って、そのアウトプットを、100億円を有効に生かすという方向で、まず全体を進め る必要があるのではないかと思っております。 以上です。 金澤委員長 どうもありがとうございました。ほかに御意見ございますか。  それでは、尾形委員、木村委員。 尾形委員 全体として、非常に予算制約が厳しい中で、こういうめり張りの効いた増 額を実現したことについては、大臣あるいは事務局の御努力に敬意を表したいと思いま す。 それで、2点ほど質問をしてもよろしいでしょうか。 金澤委員長 どうぞ。 尾形委員 先ほどの御説明の中で、1つは資料1の真ん中辺ですが、特定疾患治療研 究事業の※で、今年の5月から高額療養費の一部を医療保険で対応するとなっています が、これはどういう考え方に基づくものなのか、考え方を教えていただきたいのが1点 です。 金澤委員長 1つずついきますか。 尾形委員 1つずつですか。結構です。 金澤委員長 どうですか。どうぞ、課長。 疾病対策課長 高額療養費につきまして、できるだけわかりやすく御説明させていた だければありがたいと思います。 通常、高額療養費制度ですと、例えばお一人の方が1か月に8万円を超える。8万円 を超えると、それ以上は全て自己負担ではなく個人負担、保険で負担をするという制度 がございます。それが先ほど申し上げました収入によって随分違います。例えば高額な 収入を得ている方は、そのセットポイントが15万円、もっと所得の低い方については4 万円程度となっておりまして、それぞれの応能負担という制度が、保険制度の中の一般 的な制度でございます。 ただそれは、保険のユーザー、被保険者を守るという立場から応能負担としているわ けですけれども、公費で負担している場合には、そもそも御自分が負担される額が大変 低いあるいはなかったりするということがあります。そのような制度の場合、3分割を した応能負担がございません。1つだけ、8万円というセットポイントがあって、その 方の収入にかかわらず、それは8万円のフィックスだという制度がずっとございました。 ところが、数年前から難治性特定疾患では、収入割で少し傾斜をつけた自己負担をお 願いしていますので、患者さんの負担、所得がわかるということがございまして、そう であれば、通常の被保険者と同様のことができるのではないかと、それを計算し直しま すと、どちらかというと、所得が低い方が多かったものですから、勿論高い方もいらっ しゃるんですが、その足し算引き算で少し予算が出たという理由で、これは特定疾患の 方の公費負担分の予算が減っているということでございます。 金澤委員長 その件に関しては、よろしいでしょうか。 どうもありがとうございました。それでは、もう一つの質問をどうぞ。 尾形委員 もう一つは、資料6で、先ほどお話がありましたスーパー特区ですが、こ の研究開発の促進という意味で、例えば規制緩和、どんなことを具体的に規制緩和の措 置が取られているのか、何かわかりやすい例があれば教えていただければと思います。 金澤委員長 どうぞ。 疾病対策課長 これは必ずしも、まだ最終案までたどり着いておりませんので、24の 研究主体が現在選ばれたところでございます。 通常ですと、例えば何かパーキンソン病ですとか、ALSですとか、そういう病気が 研究対象になりますと、基礎的な研究あるいは臨床的な研究、それをばらばらに研究費 をとって、それで研究をしようではないかということで今までやられてきました。むし ろそうではなくて、相乗効果を狙って、本来であれば研究すべきだという主張が随分ご ざいました。 それを具現化するために、省庁の壁を越えて、1つの研究主体に対して、ある程度予 算の融通の効く範囲で共通の予算として使おうではないかという発想でございます。 ただ、かつてから言われておりました法改正を伴うような特区とは違いまして、いわ ゆる本当の、法律の枠を超えるような特区というものとは若干違うものでございます。 金澤委員長 これについて、私も確認しておきたいんですけれども、総合科学技術会 議でもこれを選んでスタートすることになっているわけですけれども、難病関係のもの が幾つか当然ながらあるわけですね。それを合計すると、この額に大体なるんですか。 そういう意味ですか。 疾病対策課長 この先端特区に投資するのはこの研究費だけではございませんけれど も、難病は割とアドバンテージがございまして、研究テーマとして難病を選ばれる団体 が大変多いです。ですから、その多い中で、私どもの、評価委員の先生方が、これはい けるというものについて投資することになるかと思います。ですから、あぶれる研究主 体も当然あるというふうに思います。 金澤委員長 当然あると、わかりました。 少しスピードアップをすることもあるのではないですか、いろいろ推進などの。それ は必ずしもないんですか。 疾病対策課長 今、白地から始めるのではなくて、もう少しあればいけるというもの について、研究の出口に近い部分に投資しましょうという発想と聞いておりますので、 ここはまさに、おっしゃるところではないかと思います。 金澤委員長 ほかにどうでしょうか。 どうぞ、木村委員。 木村委員 資料の9ページでございますけれども、この中で私が抜けているのではな いかと思うことは、横断的な、政策的な研究班というのがございますね。勿論、基礎研 究の分野はとても大切でありまして、特にこれから新たな希少性のある疾患の生体試料 といいますか、そういうものを収集していってバンキング化していくということはとて も大切だと思います。 しかし、そういうものはもともと患者様がいらっしゃって、それをお世話している、 あるいは診療をしている先生方がいないといけないのでありまして、全国横断的に希少 疾患あるいは難病をきちんと見るという、そういう臨床家のネットワークといいますか、 それを意識的につくっていかないと、そういう疾患が効率的に集まってこないと思うん です。 ただ、患者様の団体から申請があるというのは非常に大切なんですけれども、もっと 臨床家の目でこういうものはみんなで集めていこう、研究していこうということならば、 もう少し臨床家のネットワークを是非バックアップしていただけたらと思っております。 先ほど、山本委員からお話がありましたけれども、地方はかなり医師不足といいます か、救急とか産科だけではなく、難病についてはことさら医師不足が非常に深刻なんで す。ですから、意識的に難病をきちんと診てくださる先生方をネットワークするという こと、それも是非、研究班の中の1つの作業として入れていただけたらと思っておりま した。よろしくお願いいたします。 金澤委員長 ありがとうございました。 今、木村委員がおっしゃったことは非常に大事で、工藤委員が先ほど、外国から見る と非常にうらやましがられるというのは、実はポイントの1つはそこにあるんです。臨 床家あるいはそこに基礎的な人が入っているチームというのは、本当に余りないんです。 ほかにはどうでしょうか。どうぞ御意見を。 どうですか、佐藤委員。 佐藤委員 私は4倍に増えたということで大変驚いて、何事が起きたんだろうと、実 はテレビを見て感じました。 そこに今日の会議のチラシがきたときに、それでもまだ何となく、何で今、財政が厳 しい中でここに来たのか、どんな政治的なものがあるのかというのを正直考えました。 何が入っているのかということで。ただ、私は35年間全く同じ立場で、365 日患者さん と直に接してきて、非常に世の中が変わりまして、先ほど伊藤委員がおっしゃったよう に、難病対策のスタート前は、お医者さんと患者が一体になって病気を診療したりした んです。 どちらかというと、私自身がそうだったからかもしれませんけれども、お医者さんの 熱意の方が強かったんです。、お恥ずかしいんですけれども、何とかしてあげたいけれ どもお金がない。では佐藤さん、患者会をやってくれよと頼まれてやったのがスタート なんです。 私は、そういう組合とか活動とか一切わかりませんから、できないと先生に申し上げ たんですけれども、やはりギブ・アンド・テイクだと、ちゃんと患者さんたちも本気に なって治してほしいと言ってくれれば、お医者さんも何とかして、1人の患者では決め られない、10人の患者なら見えてくる。ギブ・アンド・テイクだから、佐藤さん、やっ てくれと言われてやったのが今日に続いてしまっているんです。 時代が非常に変わりまして、個人情報保護法とインターネットができて匿名性が広が ってから、私のところにも相変わらず、本当にここに書いてある5万人以下の希少では なくて、本当に会員の中には、300人か500人ぐらいいるのかしらと思うような患者が います。ここに出てきたのも、ほとんど私のところから派生していった人が半分ぐらい いるんですけれども、私は難病対策課に、難病に指定してくださいという運動をやりき れなくなってしまったんです、数の少ない病気が多すぎて。1つのものを、100持って きて100通してくださいと言ってもそんなのは無理は百も承知です。そうすると、会の 中で、どの疾患が大変ということを選ばなくなったんです。 それから、私が一番難しいのは、病名は1つでも、その患者さんが何かにかかって、 皮膚科の病気であっても、整形外科から入っていくと整形外科の先生方でネットワーク をつくらなければいけないし、内科の病気でも皮膚科から入っていくと、皮膚科の先生 方ということで、同じ病気でも科が違う、そこがお医者さん方との協力を、私自身が、 今、現実にやっていて、どの科の先生をお呼びしようかという、各科にまたがるという ところ、それの症例集め、それが非常に厳しいと思うんです。 今、私のところに集まってくる患者さんなどでも、何科にかかっていますかというと、 その症状だったら整形なのにと思っても、最初行った内科にずっとかかっているとか、 それから、患者さんは最初に、どこの科に行っていいかわからなくて病院に行って、そ れでたまたま、その科に行った。そうしたら、そのまま病気がわからないから、その先 生がわからないと言うけれども、親切に自分の訴えを聞いてくれるからかかっている、 どこか専門の先生を教えてくださいというのが100 人中100 人の話なんです。 そうしたら、ではあなたの症状がそれだったら、今は整形外科に行った方がいいでし ょうとか、あるいは大人になっていても、それは小児のときの発病だから、小児科の先 生の方が詳しいから行った方がいいとか、そういう現状なんです。 ですから、この未知疾患という言葉に、私は非常にあれを思ったんですけれども、大 変難しくて、昔、それこそ25年ぐらい前は、私は、個人情報保護法がないときには、患 者さんが1人いれば、そこで見ているお医者さんが1人いるから、患者会のネットワー クをつくるのではなくて、患者を通して主治医のネットワークをつくってほしいと、当 時の難病対策課に何回かお願いしたことがあります。 しかし、今、個人情報の観点から、それもできないんです。私も、同じ病気の人がい ないといえば、今は、患者は絶対に会員にならない時代です。ですから、名前も聞かず、 住所も聞かずということで、ただ愚痴だけを聞くということになっているんです。です から、各都道府県の難病相談支援センターが、その病気をわからないと回ってくるんで す、あせび会にということで。 ですから、その辺、難病支援センターがしっかりそれを把握してやっていかないと、 お医者さんと患者さんにつながっていかないのではないか。その辺は、これを考えられ たときにどうお考えになったのかお尋ねしたいと思います。 長くなりました。 金澤委員長 わかりました。 どうぞ、課長。 疾病対策課長 未知疾患の話は、事例としては、エイズが発生したときのような、だ れもよくわからない病気がどうもあるんだということを捉える組織が、多分必要なんだ ろうということを、特定疾患懇談会で提言されまして、それを受けた形で、これは設け ております。 ですから、今、佐藤先生がおっしゃったのとは、若干、ここはずれているかもしれま せん。ただ、一方で、難病相談支援センターの話は、まさに伊藤委員が中心になって、 全国でとりまとめていらっしゃるので、私から言うのは僭越かもしれませんけれども、 各自治体によって活動が随分異なっているという状況まできました。初めは、全くなか ったところから、やっとそこまで来たなということをお伺いしています。その中で、初 めて難病になったから相談しましたという方に対して、どういうサービスをするのかと いうことについて、今、いろいろ提言をいただいております。それをできるだけ受け止 める形で、何とか新たな発展といいましょうか、そういうものに結び付けていきたいと 思っておりますので、いろいろまた御意見をいただければと思います。 金澤委員長 どうもありがとうございました。どうぞ。 伊藤委員 いろいろな意見が、この100億円の話から出たと思うんですけれども、山 本先生や木村先生、あるいは小幡先生や佐藤先生が言ったように、普通の、特別な医学 的な研究というわけではなくて、それを支えるシステムをどうするか、若手の研究者を どう支えるか、難病相談支援センターをしっかりさせるにはどうするか、いろいろなこ ともあると思うんですけれども、そういうことなどがこの研究の中に入るということは、 この100 億の中を利用して、そういう分野の、人的なものも育成していく、あるいは小 幡先生が言ったように、広報というのをもっとしていくということもこの中に盛り込ん でいくということは、お考えになっているんでしょうか。 金澤委員長 どうぞ。 疾病対策課長 今、おっしゃった、全ては多分入っていないと思います。全部が入っ ているということは期待していただかない方がいいのではないかとは思いますけれども、 例えば先ほど、山本先生がおっしゃったような、若手の研究者をいかに育成していくか というところは、実際に、その研究を申請していただいて、競争して、勝ったり負けた りしながら、若手の研究者の方は育っていくという部分があるので、そういう意味では 貢献できるのではないかと思います。木村先生がおっしゃったように、患者さんのケア の観点での横断的な研究というのは、今でも横断的研究でしておりますので、そこは今 後とも続けるという意味では入っておりましょうけれども、難病を取り巻くさまざまな、 ほかの予算で見ているような、例えば難病支援センターをどうやって発展させていくか とか、そこら辺は、むしろこの研究費というよりは、難病支援センターの中で、研究の 中で得られた知見を、そこでどうやって提供していくのかというのは、また別の仕組み かとは考えております。 金澤委員長 ほかに、いかがですか。 どうぞ、山本委員。 山本委員 非常によく考えていただいたスキームだと思うんですけれども、現場の今 の研究の状態を知っていただきたいと思うんですが、1つの調査研究班を今、やらせて いただいています。自己免疫疾患なんですが、その中の代表的な疾患の、全身性エリテ マトーデスという疾患で、疾患関連遺伝子が今、世界的に研究されているので、我が国 でもやらなければならないということで、班員をあげて、700 例ぐらい4年間かけてや っと集めてきたんです。 そこで、立ち止まっている状態なのが、こういうものがあれば、それを使って解析で きると思って、期待はしています。 このスキームで、次にゲノムの解析をもっていくときに、どこに入っていくのかよく わからないんです。今までの調査研究班の費用ではとてもできないものを、更にしなけ ればいけないんですが、そういうものをサポートするようなシステムがあると、それは われわれの疾患だけではなくて、難病のゲノム解析は、ある程度の患者さんがいらっし ゃる疾患については、必ずやっていかなければいけない研究手法なんですが、そういう ことで、臨床医が集めた材料を次のステップに解析して、それを最終的な結果に持って いくというシステムが、もう一つ、どこにこれが入っていくのかが見えないという気が するんです。 金澤委員長 どうぞ。大事なところですね。 疾病対策課長 確かに100 億円だと、随分たくさんのお金だとごらんいただけるとは 思いますけれども、多分、山本先生も御承知の話だとは思いますけれども、研究費が随 分ございまして、最後の特区に結び付くまでの過程には、たくさんのステップがどうも あるのではないかと、私どもも思っております。 それに対応するような研究費もまた別途、担当課でいえば、研究開発振興課というと ころがございまして、そこで持っているような実際のデバイスですとか、治療法の開発 ですとか、むしろ方法論から着目したものもございます。この研究費だけではなくて、 ほかの研究費とも、私どもで連携していきたいとは考えております。 また、今、今、グループで研究していただいていますけれども、独立させて研究した 方がいいのではないかということも、以前より御指摘いただいておりますので、先ほど 見ていただいた、従来の調査研究事業の仕分けも、当然のことながら、見直すタイミン グかとも、これは研究者の方々との御相談の中だとは思いますけれども、そのような形 で、できるだけ健全で、なおかつ効率的な研究というものを、先生方にしていただこう と考えております。 金澤委員長 ありがとうございました。ほかにどうですか。 それでは、つなぎに私も言わせていただきたい面があるんですが、これは、資料6の 9ページの最後のまとめのところなんですが、上から2つ目に、横断的基盤研究分野と いうのがありまして、例として、生体材料、データベースその他を、これからきちんと やっていこうということだと思うんですけれども、これはこれで大変大事なことですし、 今まではお金のこともあって、なかなかバンクというものがうまく機能していなかった んだと思いますが、それを継続的に患者さんたちの御協力のもとに、世界に通用するバ ンクをつくっていくということは、極めて大事なことだと思います。 ですから、これには是非力を入れてもらいたいんですけれども、横断的基盤の中に、 もう一つ、統計を是非考えてもらいたいと思うんです。勿論、統計はそれぞれに必要で す。重点研究でも、恐らく必要でしょうし、調査研究でも大事だと思うんですが、次の 開発にしてもそうですけれども、いわゆる統計的なものの見方というのが、どうも不足 をしていて、後で、ああやっておけばよかった、こうやっておけばよかったというのは、 必ず残念ながら出てくるんです。その辺に力を入れるシステムを考えてもらいたいとい う気がしているんですが、ほかに反対の御意見があったら、どうぞおっしゃってくださ い。この横断、基盤というところを、もう少し力を入れてもらいたいという気がするん です。 ほかにどうでしょうか。どうぞ、南委員。 南委員 私も専門的なことはよくわからないんですが、一挙に4倍というのは、今ど き本当にないお話で、最初に委員長が確認されたように、来年も本当にそうなるのか、 原則論からいえば、確証はないわけですから、やはり、ここでせっかく大きな額が投じ られたことの意味を、きちんと還元しないといけないと思います。そのためには、今ま で御意見が出たように、いろいろな注文があるんだと思うのですけれども、今後に向け て、たとえ、今後はこの夢のような予算が続かなくともある程度基盤を整備して、研究 や診断や治療に関する研究が、ある程度自力でも継続していけるような、環境整備とい いますか、統計とかも、勿論そういうものだと思いますけれども、そういう基盤をきち んと整備することを、一義的に考える必要があると思います。どう使うかということが 非常に、大切だと思います。 金澤委員長 どうもありがとうございます。 どうぞ。 山本委員 そういう議論に今なってきているので、それについて言わせていただくと、 恐らくは金澤委員が言われたように、統計を含めて、生体試料を集めて、世界に通用す るものを持つ。これは非常に重要であることは間違いないと思うんです。 でも、では多くの大学の教室が手を挙げるかというと、無理なんです。というのは、 これは例えば頑張るという若者が出てきて5年やったとしても、その後に、若者がほか に行ってしまったら、その情熱は続かないんです。そうすると、うちの冷蔵庫に溜まっ たままになってしまうんです。それではだめなんです。 ですから、これは各大学、研究施設に手を挙げさせるのではなくて、これだけは、政 府がここだとつくって、そこに構造的な人を置かないと難しいと思います。せっかくこ れだけのお金がつくので、それが多少、今後減らされようとも、ここだけは死守すると いう最低のお金をキープして、そこをずっと、試料のセンターにしないと続きません。 金澤委員長 そうですね。どうぞ。 疾病対策課長 ありがとうございます。生体試料の話をおっしゃっていただいたと思 うんですが、私どもの反省点としては、実はこの予算を確保するときに、各研究班の方 に、患者さんの生体試料を集めていますかというお尋ねをしたら、大体半分ぐらいの班 が、実は集めていらっしゃるんです。ですから、実力はある。ただし、それが世界に分 配されていないんだと、これはいろいろな厳しいヒアリングを私どもはくぐり抜けてき たんですけれども、その中でも特に、製薬企業出身の研究者の方々は、自分たちはこれ がほしいにもかかわらず手に入らないと言うので、おっしゃるんです。 また、実は日本でこういうことを大々的にやっている組織が2つございまして、理化 学研究所と基盤研というところがございます。それ以外の精神神経センターでは、有名 な脳バンクというのがございますけれども、大体自分のところで集めて、それを人に使 わせるというような趣旨でこれは集めていただいて、私どもがこの研究費で提供するお 金は、まさに集めるといいますか、患者さんから採取して、そういう蓄積するところに 送るまで、その費用をお願いしたいということで言っています。 ですから、バンクを運営するためのランニングコストみたいなものは、実は全くこの 中には含まれておりません。そこは固定経費のようなもので、それぞれの理化研なり基 盤研なりで見ていただければと考えております。まさに山本委員のおっしゃるのが、今 最先端の研究者の方々が求めている、日本だけではなくて、むしろ日本のようにホモジ ニアスな遺伝子は非常に価値があるんだそうでございまして、これは是非是非、研究に 使っていただきたいということで、予算要求したものでございます。 金澤委員長 現場にいた、あるいはいる人間にとっては、ううんと考え込んでしまう 話なんですね。わかると思いますけれども、建物といいますか、要するに、ディープフ リーザーが何台もあって、それを管理する人がいて、コンピューターできちんと管理で きて、品質保証してというのが本来の姿で、その中の運営資金だけは、どうもここから 出していただけるかもしれないけれども、もしかしたら。 それもだめなのか。 疾病対策課長 それはだめです。 金澤委員長 それはだめということのようですから、非常に限られた話になるんです。 しかし、余りしゃべってはいけませんけれども、場所としては、これは聞いたらすぐに 忘れてください。これから恐らく研究独法になるんでしょうけれども、医療センターが ありますね。そういうところが、恐らくいろいろな、こういう病気を、中心になってい く可能性があるわけですから、そういうところにだったら、班長のように、加わるわけ ではありませんから、そこでやることになるんでしょうけれども、運営資金についても、 厚労省の関係でしょうから、そこはうまくやっていただきたいというお願いをして、こ の話はこのぐらいにしましょうか。 しかし、これから、非常に大事なことをこういうものをきっかけに始めていただきた いということの思いは、皆さん多分同じだと思いますから、よろしくお願いします。 小池委員、どうですか。 小池委員 本当に今回25億の4倍、100 億がこの調査研究で付いたという、画期的な ことで、大臣の大変なリーダーシップと思いがあってできた、これは本当にすばらしい ことだと思います、もともとこの難病対策というのは、スモンの事件から始まって、結 局、当時の役人の知恵で、難病対策を進めるために、なかなか新しい法律をつくるのは 難しいということで、研究費という中で、医療費の公費負担をやっていった。 公費負担をやることによって、いろいろな症例が集まるということでやっていって、 厚生科学研究費という、厚生省にある研究費のかなり大きな部分が、結局、公費負担の 医療費に使われてきたという現実の中で、調査研究の疾病数というのも、なかなか増や してはいけないという状況にあった。細かいところはわからないんですけれども、この 資料の中でも、多少戦略的につくられてはいるんですが、物すごく地道な作業だし、成 果が出るといっても、そう簡単なことではない、長い時間がかかる。 今まででも、もう何年も続けて、結局マンネリ化して症例を集めるだけとか、十年一 日のごとくというふうな、特に成果も出ないで延々と続いているという調査研究もたく さんあると思うんですけれども、せっかく付いた予算ですから、簡単なことではないと 思うんですけれども今までのやり方を超えるような工夫を是非考えていただきたい。 以上です。 金澤委員長 どうもありがとうございました。 どうぞ、小幡委員 小幡委員 今のお話とも関連しますが、本来、予算が非常に増えたので、アウトプッ トが求められるところなのですが、恐らく大変難しい難病について、今まである程度は やってきて、すぐ治療薬などという話にはならなかったわけですから、それほど短期的 に、すぐ、アウトプットを求めるというのは難しいと、初めから思うべきだと思うので す。 そこら辺が非常に難しいところで、私も独法の評価などをやっておりましたけれども、 非常に基礎的な時間のかかる研究について、どのように、国民に見える形で、このぐら いしっかり研究していますということを見せるかという、非常にその辺が難しいわけで す。 ただ、恐らく、研究者の方々は、皆さんは必死に研究していて、ただすぐ目に見える 成果が出ないということでしょうから、そこは、何らかの形で、予算の使い方等も含め て、広報の仕方を工夫して開示していくということは必須だろうと思います。 先ほどから、個人情報の話とか、細胞バンクの話が出てまいりまして、私も個人情報 保護の方を少しやっておりますが、特にバンクのところは、別にここの難病のところだ けで議論するということではないと思うのですけれども、やはりきちんと整備体制とい うのは必須だと思います。個人情報の方でも、ここでのバンクについては、まだ個人情 報の完全な連結不可能匿名化というのがバンクなのか、あるいは多少のフィードバック のようなものを残すべきなのかとか、法律上もまだ多少議論不足なのかという感じもし ております。ただ、データを集めたり解析したりということは、おそらく難病において も必須であろうと思いますので、そういうことも含めて、側面から環境整備していくと いうのは大事だろうと思います。 個人情報保護法は、確かに情報が集めにくくなったとか、あるいは外に出しにくくな ったとか、いろいろ言われておりますが、一応、ある程度工夫をしていただければ、こ のような本当に必要なものについては、収集できることになっておりまして、ある意味 では多少、過剰に抑制してしまったりということがあるという状況かと思いますので、 その辺りも含めた環境整備が必要なのかと思っております。 金澤委員長 そうですね。今のは非常に大事なことで、できれば委員会なり厚労省な りからのきちんとしたメッセージが、患者さんたちに対して必要かもしれません。 どういう使われ方をするか、どういう研究の中で、どういう位置づけにあるかとうこ とをちゃんとお話をして、通常は個人の名前を出しての研究ではないということは明ら かですから、その辺はちゃんと理解していただいて、御協力を要請するのが本来なんで しょうね。 それはそれとして、気になるので、もう一回見直してみたら、資料6の4ページ「横 断的基盤研究分野」の説明の4つ目の○「〜バンク等を整備する」ということを書いて いて運営には使えないとはどういうことなのか、私はよくわかりません。 疾病対策課長 申し訳ございません、ここはちょっと言いぶりがやや誤解を招くとこ ろかもしれませんけれども、趣旨は先ほど申し上げたとおりでございます。 今、まさに小幡委員がおっしゃったように、患者さんの個人の細胞を、どうやって商 業利用するかという観点については、私どもは、この予算を要求するに当たりまして、 いろいろお聞きした範囲では、まさにおっしゃったように、法律的にはまだ整備されて いない、これは日本だけではなくてEUでも同じなんだということでございました。 ただし、サイエンスですとかビジネスの世界はむしろ先を進んでいて、お互いの研究 者の、あるいは研究機関の間でのコンセンサスというものは、割と頻繁に、ここ数年で 相当進歩していて、そういうものについては、相当実用に耐えるものができている。そ のルールを、ここは、細胞等を利用するような研究については、御利用していただけれ ば、それほどいろいろな方に御迷惑をかけずに、運営をできるのではないかと思ってい ます。 金澤委員長 私が聞きたいこととは違うことを答えてくれたんですけれども、要する に、具体的なことを言った方がいいと思うんですが、例えばディープフリーザーが壊れ てしまったと、それを変えたいと、それは整備だと思うんですけれども、それには使え ないんですか。一種の運営ですよ、やはり。 疾病対策課長 一番端の話をしますと、例えばこういう保存機関、何とか研究所とい うところで建物を建てたい。これは運営費になってしまうのでだめなんです。 金澤委員長 それはもともと。 疾病対策課長 もともとだめなんです。あるいは土地を買いたいというのも同じです。 そもそも駄目だと。一方で細胞とか、そういうものを患者さんから集める費用、これも いわゆる保存期間の運営費の中には含まれないということに、こちらは反対側ですから、 こっちは含まれないということになります。 先生のおっしゃるようなディープフリーザーですとか、あるいは液体窒素ですとか、 そこら辺は微妙です。 金澤委員長 微妙ですか。 疾病対策課長 そこは、また先生、相談させてください。 金澤委員長 わかりました。難しいんですね。つまり、予算に色がついているんです ね。要するに、財布なんでしょう。 疾病対策課長 ここは本当に、事務的なところなので難しいんです。 健康局長 いいでしょうか。端的に言うと、大きな冷凍室でも使うと言われると、こ れは施設になるので駄目なんですが、フリーザーを買うというのは、一定の金額までな ら、基準はあるんですが認められるということなんですけれども、その辺の基準が今、 手元にないものですから。勿論、液体窒素などは消耗費ということで、研究費で落とせ る分が、ただしそれが、いろいろ問題があって、それがどこの場所で置かれて、それは 一応研究費で買ったものですから、それはだれの財産なのかとか、そういう話がいつも 付きまとって、事務的には、処理がしにくい問題がいつもあるということで、建物とか 冷凍室までは駄目なんですけれども、一般的にフリーザーはいいというぐらいに思って いただいたらいい。 もう一つ追加しますと、もし理研とか基盤研で送ってやっていただくとあれば、そこ までの手順にかかわるものについては、大部分は研究費の方で負担できるんだろうと思 うんですが、そこから先のことは、基盤研なり理研の費用でやっていまして、まさにそ こは、今、課長が商業利用と言いましたけれども、それは研究者、サイエンスの利用な り商業利用については有料で配布している、無料のものもあるようですけれども、そう いう中から、運営費を基盤研なり理研なりは、ヒューマンサイエンスとかでとってやっ ているということなので、そこまでは、我々はこのお金を出す必要はないということに なって、皆様方の研究室で、一定程度蓄積してもらうということについては、先ほど言 ったように、この予算が続く限りは、基本的には可能なんだろうと思います。 金澤委員長 わかりました。現実にはいろいろ問題があるんだということがよくわか りました。 ただし、研究を進めるという意味では、協力をしていただけそうですので、よろしく お願いします。 ほかにどうですか。御意見ございませんか。 どうぞ、木村委員。 木村委員 先ほどのことで誤解があったかもしれませんけれども、いただいた資料の 7ページの「未知疾患情報探究分野」の中の2つ目なんです。ここに文章が書いてあり ますけれども「診断が確定するまでに長期間を要する場合」とか「複数の医療機関の受 診」して、その間は、患者さんは非常に不安とか、自分の診断が決まるまで、さまざま な問題があると思うんです。 つまり、今、私たちが見ている、難治性疾患の克服研究事業というのは、疾患そのも のの解明、あるいは治療法の確定、それは非常に大切だと思うんです。それは今までず っと長い間やってきてなかなか難しいことを、これは認めざるを得ないと思うんです。 先ほど小池委員がおっしゃいましたね。お金があっても、ある程度の期間を費やして も、これは最終的にはそう願うんですけれども、やはりそれと一緒に、医者の克服研究 事業の中には、ここに書いてある、こういう現実に問題を解決する政策的な医療のシス テムとか、あるいは試料を患者様からいただいて、それを効率よく、あるいは悉皆性を もって、専門のリサーチのセンターにアクセスできるような、そういうシステムをつく るということも、私は非常に大切だと思うんです。 ですから、政策的な、横断的な研究事業も、克服治療から抜かさないで入れていただ きたいというのが、私の意見です。よろしくお願いいたします。 金澤委員長 ありがとうございました。確かに、この未知疾患情報探索分野というの は、新しく今日お話が出てまいりましたし、また、非常に大事な部分だと思いますので、 よくお考えいただいて、御意見、御注文などいただけたらと思います。 どうぞ、佐藤委員。 佐藤委員 済みません。昔の話を思い出して申し訳ないんですけれども、ここに未知 疾患と入ると、昔、難病、奇病と言われたのと同じように、未知という言葉は、私は先 ほど、課長さんのエイズの話が出て、鳥インフルエンザの変異かと、その予算かなと憶 測したんですけれども、マスコミなんかに、未知の疾患がやってきて、遺伝子をどんど んこうやっていって、遺伝子の多型とかの中から、理屈としては、解析をしていくとい ろいろなものが発見されて、それがこちらと仮に結び付くかもしれないとわかるんです けれども、言葉の使い方として、一般の人、国民的に納得してもらうためにということ だったら、未知というのは、いまだ全然何か恐ろしいものが、環境変化によって出てき たのかもしれないとか、そういう恐怖を与えるような感じを受けたんです。 金澤委員長 そうですか、なるほど。フレッシュな御意見だな。 これはどうですか、皆さん。 佐藤委員 未知というと診断もついていない、今だったら、何とか名前はついている わけですね、いろいろな世界的な発見者名が、だから片仮名が多いわけですね。でも、 その名前さえないというイメージを素人は受けるような気がしたんです。 金澤委員長 だから未知なんでしょうね。未知との遭遇なんだが、難しいな。 疾病対策課長 同様の組織が、実は、アメリカでもあると聞いておりまして、そこは 診断されていないという、アン・ダイアグノーズドという使い方をしています。ただ、 日本語にするといま一つ、馴染みが更に薄くなってしまう感じになってしまうんです。 佐藤委員 もう少し工夫してやっていただかないと、今、鳥インフルエンザがまた変 異したとか、年中私たちはマスコミに脅かされているわけです。怖い思いを、では、ど うしようかと、だから、更に難病への偏見になってしまうのではないかと、私はふと昔 を思い出して、難病、奇病ってマスコミが予算を取るためにいっぱい書いたんです。 そのときに、みんな反対に難病だから言えないという、難病と言われることを隠すと いうときがあったわけです。 金澤委員長 それは、今でもないわけではありません。パーキンソン病の方に難病と 言われたら、非常にお叱りを受けた覚えがあります、私は難病ではないと言われて。 伊藤委員、どうですか。 伊藤委員 佐藤さんの懸念は、よくわかります。昔、難病、奇病と言われて、その奇 病というのを取ってもらうために、随分苦労したことがあります。それから見れば、未 知という言い方が、ここではわかります。しかし、マスコミにという恐れがあるんでし ょう。そこで、不用意に広げられると誤解を招くおそれがある。いい言い方があれば、 それに越したことはないと思います。 金澤委員長 マスコミの南委員、どうですか。 南委員 そうですね。確かに、人によってさまざまなイメージを抱かれる可能性のあ る言葉なのだということは判ります。言葉というのは非常に大事なので、やはり少し話 し合って考えた方がいいかもしれません。 金澤委員長 ここで今、任せてしまうと、事務局で考えなくてはいけなくなってしま いますから、皆さん、御意見をいただけませんか。問題提起をされましたので。 伊藤委員 質問、よろしいですか。 金澤委員長 関連ですか。どうぞ。 伊藤委員 前は診断基準が確立していないとか、いろいろなことを言っていましたけ れども、患者数が多いのではなく、極めて少ない疾患というイメージで考えておられた んですか。それとも大小かかわらずに。 疾病対策課長 これは追加しますと、私どものイメージとしては、非常に希少という か、1人でもいいんですけれども、例えば既にあるようなカテゴリーに全くはまらない ような方がいらしたと、そういう生の情報をここで吸い上げることを期待しています。 ですから、多分、症例研究枠ですと、端的には、患者団体があって、その団体の方と 一緒にその研究者の方が研究してというのが、基本パターンとしてあるかと思うんです が、それさえもない、本当に先端の研究者の方、あるいは患者さんから、医者を経由し て、どうもこれは通常と違うという疾病があるんでしょうと、それをできたら、この研 究システムの中に取り入れる窓口といいましょうか、そういうものとして、この研究班 は立ち上げたいと考えております。 金澤委員長 恐らく、例を出した方がいいかもしれません。 かつて、もう30年近く前になりますが、ある抗がん剤を飲んでいる方が、1か月ぐら い経つうちに、今でいう、せん妄状態になりまして、痴呆状況でもあるので、これはど うしたものかと思っていろいろ調べましたところ、どうも原因が抗がん剤らしいんです。 それで、やめてもらったら少しよくなったりして、それを学会、痴呆会ですけれども報 告をしました。 そうしましたら、うちで亡くなった方がどうもそうだったらしいとか、いろいろ例が 出てきました。恐らく、そういうことのイメージを持っているんだと思うんです。です から、こういう症状の組み合わせのときに、実はこういう診断がついたとか、あるいは それでもなおわからないとか、そういう情報をストックしておいて、検索をすると出て くるということを、多分イメージを持っているんだろうと思うんです。 それはそれで非常に大事なことですし、余りやっていない、アメリカは最近やりはじ めたけれども、これは是非成功したいという気はするんです。ただ、未知というべきか どうかというのはわからない。反対の御意見がありましたから。 どうぞ。 小池委員 私は、未知という言葉の問題ですけれども、未だ知らざるというだけの意 味なので、それが奇病の奇とか、それから今、障害者問題が扱われるときに、障害の害 の字、要するに、だれが見てもいいイメージを持たない害の字を当てるのはいかがなも のかとか、精神薄弱とか精神分裂みたいな用語が強烈なイメージを与えるということで、 そういう用語を使うのはやめようと変わってきた経緯がありますが、「未知」について、 そこまで、極めてわけのわからない、得体のしれない、恐ろしいものというイメージを 抱く人がどこまでいるのかというのは、私も判断がつきませんけれども、もしそうであ るなら、もう端的に新疾患でもいいのかなと思います。 金澤委員長 どうですか、山本委員。 山本委員 ひとつの例として言えば、未知が、少し言葉として強ければ、未分類疾患 とか、そのぐらいでもいいのかなという気はします。 金澤委員長 これは、ここで直していいんですね。 疾病対策課長 大丈夫です。 金澤委員長 大丈夫ですか。オーケー。未分類ね。 どうですか、工藤委員。 工藤委員 従来は、こういう1つの独立した疾患であるというふうに、疾患の概念が 固まってくるには何人かの研究者というか、臨床とか病理の医師達によって、何例か共 通する特徴をもった疾患があると、新しい病気というふうに独立していくわけです。 ですから、この疾患の分類そのものが、医学の発展そのものであるという、これは18 世紀、19世紀、20世紀と進んできた、非常に長い歴史の話です。 ただ、そういう未知な疾患、未分類疾患と言っている、今のお話のものというのは、 大変レアなもので、恐らく1人の臨床家が、10年に1回経験するか20年に1回経験す るかという、そういうものを横断的に集めてみたい、そういう御提案ではないかと思い ます。こうした疾患はそういう集め方をしない限り、検討の土台にというか、まな板の 上にも乗らないんです。ですから、そのことは非常に重要なことだと思うんです。 それから、今の未分類疾患のお話とは別なんですが、私ども、今から10年ぐらい前辺 りまではそうだったと思いますけれども、例えばアメリカの研究者が何か臨床の発表を するときに、必ず気管支喘息なら気管支喘息について、アメリカ全体で何人ぐらい患者 さんがいて、何人ぐらいの方が毎年亡くなっていて、どのぐらいの医療費を使っている のかというのが、最初のスライドでまず出てくるんです。そこから自分の話を進めて、 自分たちのやっていることが、どういう意味があるかということを最初にアピールをす るわけなんですが、我々はその材料がなくて非常に困った。 ところが、今は、主だった疾患については、これは疾病統計そのものが非常に完備さ れてきて、自分の家からインターネットで、厚生労働省のホームページで、統計表を検 索しますと、数年ぐらいは遅れますけれども、データがとれるわけです。 ただ、希少疾患については、今の疾病分類の中から漏れるんです。これは独自につく らなくてはいけないのではないかと思います。それからこういうのは、横断的な研究班 のような形をつくっても、班では継続的な維持はできないんです。班員の情報網から漏 れたところに発生していることが多いわけですので、これはやはり、国のシステムの中 につくる必要があるのではないか、そういうものに、今度の100億円の中から、役所の 仕組みからいって、融通したりすることができるのかどうかはわかりませんけれども、 何か枠を超えジステムをつくるなりとやらないといけないのではないかと思っておりま す。 それから先ほど来議論されていた、いわゆる検体保存ですが、これも1つの班が担う わけにはいかないんです。運営に関する審議とかは班でできても、バンクを維持するこ とは、しかるべき研究所なり何なりがきちんとやらないとできないだろうと思います。 そういう意味で、私が言わんとすることは、この100億円を全部班研究の中に解消し てしまうのではなくて、もう少し有効な使い方ができないんだろうかとうことですね。 金澤委員長 ありがとうございました。先ほどの未知の問題を解決しておきたいんで すが、お話をいただきまして、いろいろ、未分類もありましたし、未診断もひとつの方 法かもしれません、未確定もいいかもしれない、未確立もいいかもしれない、いろいろ ですね。 この7ページを見ると「疾患概念の確立へとなげる」というのだから未確立 でもいいかもしれないし、いろいろあるでしょうね。 中西委員、どうですか。途中から御参加で、済みません。 中西委員 佐藤委員がおっしゃるとおり、嫌だというイメージを持たれる題名はなる べく避けた方がいいので、委員長がおっしゃるように、未診断とか未分類とか未確立と か、そういったことで、名前の方はそれでいいのではないかと思います。 それともう一点、この研究ですけれども、非常にアイディアはいいんですけれども、 仕組みをどうするかで、ここに魂が入るんだろうと思います。研究班の先生がやってお られるのは、もう今まで議論があったとおり、班長が変わられたり退職されると続かな いものが結構あるんです。だから、特にここの部分の、今、この未知疾患情報探究分野 については非常にアイディアがいいので、どこか、常設のような施設で、そこに聞いた ら、そういうのがあるとか、何かわからないと、そこにとりあえず届けておくかという、 新しい仕組みが1つ必要なのではないかと思います。 それが1点と、難病情報センターというのができて、希少疾患について今まで情報が ほとんどなかったのが、国民にもかなり理解が進んだということで、これについては、 各研究班の先生方が、疾病概念とか、今までの研究データなんかをかなり積み上げてく ださって、割といいものができているんですけれども、ああいうサイトを例えば利用し て、専門家、いわゆる研究班だけが入るサイトをつくるとか、そういう仕組みもあって いいのかなと思います。 難病センターのことをもう一つ申し上げますと、これは研究班の先生方の努力で内容 が更新されているんですけれども、こういうことを申し上げては何なんですけれども、 その先生方の中で、すごく熱心にやっていただく先生と、とりあえず研究班をもらって いるけれども余り協力的ではないという先生がいらっしゃるのも事実なので、せっかく 研究費をいただいて、国民の税金でいただいているという意識を、きちんと班の先生方 に持っていただいて、国民にわかりやすく情報提供をするんだということを、研究費を もらう以上、義務付けていただければと思います。 以上です。 金澤委員長 ありがとうございました。 この未知の話に関しては、幾つか候補をいただいたということで、後でまた。 どうぞ。 健康局長 発言をさせてください。 資料6の9ページの下のところで、現行の調査研究分野が123疾患を130疾患に20 年度はするわけなんですが、それ以外に、研究奨励分野が100 疾患程度ということであ りまして、恐らく難病に該当するものは数千ぐらいあるのではないかということになる と、一番右側の、未知疾患情報探究分野というのが、恐らく相当数は多いはずなんです が、その中には、今、御指摘のあった、本当の未知のような、疾病概念も確立していな いような、恐らく患者さんも1人か2人ぐらいしかいないようなものもありましょうし、 かなり稀有だということで、希少なものだけれども、ある程度わかってきているのもあ ると、その辺がここに混在をしているという感じで、その全体を未知という言葉でくく るのは困難だろうということで、もし未知という言葉を残すとしても、それは本当にわ からないものとして考えて、その間のものを拾うための概念というか、言葉を、今日の 御意見をいただいて考えてみたいと、希少疾患、希少難病というのが、更に極希少難病 という言葉が当たるのかもしれませんけれども、何かいい考え方を、そこは考えてみた いということで、こちらの方で検討させていただければと思います。 金澤委員長 そうですね。そう思っておりましたので、あとはよく考えてみてくださ い。 委員の先生方の御意見は頂戴できたかと思いますので、ほかに御意見はございま すか。  どうぞ、伊藤委員。 伊藤委員 研究費以外のことでもいいですか。 金澤委員長 予算のこと以外ですか。 伊藤委員 いえ、予算のことです。 金澤委員長 どうぞ、いいですよ。 伊藤委員 今回、この難治性疾患克服研究事業が100 億になって、それ以外の特定疾 患の治療研究事業とか、さまざまな事業についての説明もございました。 この難病対策というのは、先ほど小池委員もおっしゃったように、当初のころは、患 者への公費負担というか、医療費の補助をメインとしながら研究という名目で始まった いきさつもあったわけですけれども、その後研究に特化していくというのは、なかなか、 いい方向にはいっているんだと思いますが、現実に医療費の公費負担という側面があっ たということも事実なわけですし、特に近年、たくさんの病気が研究だけではなくて、 医療費の方も大変苦しい状況の中で、何とかしてほしいという声もたくさんあるわけで すが、そこが今後どうなるのか、今回では、研究の方は100 億で4倍になりましたけれ ども、新しい疾患の指定というものはなかったわけです。 ただ、約40年になんなんとする難病対策、昔はそういう健康保険制度や、いろいろな ものが不備の中で、非常に高額な負担になるものを、この研究ということで補助してい くということも、本当に大きな効果を上げてきたんだと思いますが、今もそういう状況 というのはあるわけですけれども、これだけたくさんの難病になってきますと、ここ数 年間は全然指定はないわけですが、1疾患、2疾患ずつ指定していくということでいい のかどうか、40年経って、医療制度も大きく変わっていく中、あるいは研究の成果もい ろいろ出てきている中で、難病対策が今のような方向性で、そのまま継続していていい のかどうかという根本のことを、少しこの委員会では議論をしていただきたいと、そう いう意味では、今日は7年ぶりの開催なわけで、委員長も本当に大変だと思うんですけ れども、これがまた次、7年後というのでは困るわけで、せっかく今、100 億に増えて、 いろいろ雰囲気も盛り上がってきて、周囲の関心も高まっているこの時期に、難病対策 委員会は大変でしょうけれども、少し精力的にしていただいて、そもそも、この難病対 策はどうしようかという議論にもなっていっていただきたいというのが、私たちの意見 です。 日本難病・疾病団体協議会、JPAと呼んでいますけれども、そこでは、今後の困難 病対策はどうしたらいいのかということで、提案する準備を、今、進めておりますし、 一部、試案という形で流れておりますけれども、そもそもこの難病対策、この予算を有 効に使っていく、同時に患者たちの経済的な負担も支援していくということのために、 どうしていくかという話し合いをしていただきたい。大勢で無理であれば、例えばワー キングチームを中で設けて、そこで練ったものを出すのもいいでしょうし、何かそうい うものをつくっていただけないかということを、お話をさせてもらいたい。 金澤委員長 非常に大事な御指摘なんですけれども、どうぞ、課長。 疾病対策課長 この会議は、本当に何年ぶりかということなので、今日、多分、初顔 合わせの先生方もいらっしゃるのではないかと、私どもの責任で大変申し訳ないと思っ ております。今、伊藤委員から御指摘のように、私の方も、先生方には申し訳ないんで すけれども、相当頻度をアップして、会議は開催させていただければと考えております。 多分、一番のネックは、先生方の御都合だろうと思います。大変お忙しい先生ばかり なので、相当スケジュールを合わせるのは大変かもしれませんけれども、この会で、今、 伊藤委員から御指摘のようなものも含めまして、幅広に御議論していただく、その中で 必要があれば、さまざまな分科会のようなものを開催していただくという御判断があり 得るかとは思います。ただし、まず、今日は、私どもとしては、もう少し頻度を上げて 開催をしていただきたいと、お願いをさせていただこうと思います。 金澤委員長 伊藤委員が御指摘の点というのは、非常に大事なポイントだと思います。  ただ、これはひとつ難病の問題だけではない、非常に複雑な問題がありますので、き ちんとデータをそろえて、また、全体を見回して議論をしないといけない、非常に大事 な問題だと思いますので、預からせていただきたいと思います。 ほかに、どうでしょうか。大体御意見は、皆さんから頂戴したでしょうか。 それでは、そろそろ時間になってまいりましたので、次回以降が、今の話でどうなる かわかりませんが、何か予定などありましたら、どうぞ。 石川補佐 また改めまして、日程調整の方をお願いさせていただきますので、どうぞ よろしくお願いいたします。 金澤委員長 どうも、本日は大変、活発な御議論ありがとうございました。何年かぶ りかの会にしては、大変いい会だったと思います。 どうもありがとうございました。 以上                       ○照会先                        厚生労働省健康局疾病対策課                        tel 03−5253−1111                        fax 03−3593−6223                        担当:藤村・石川                         (内線 2351・2353)