09/02/03 第5回がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会議事録 (照会先)健康局総務課がん対策推進室 内線 3826、4603 第5回がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会  日  時:平成21年2月3日(火)9:58〜12:06  場  所:三田共用会議所1階 講堂  出席委員:石川委員、内田委員、垣添委員、迫井委員、関原委員、富樫委員、       宮城委員、宮崎委員、山口委員、若尾委員 ○前田がん対策推進室長  それでは、ちょっと定刻よりも早うございますが、委員全員がおそろいでございます ので、ただ今より第5回がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会を開催いたします。  私は、厚生労働省健康局総務課がん対策推進室長の前田でございます。座長選出まで 進行を務めさせていただきます。  開会に当たりまして、上田健康局長よりご挨拶を申し上げます。 ○上田健康局長  おはようございます。健康局長の上田でございます。  第5回のがん診療連携拠点病院の指定に関する検討会の開催に当たり、一言ご挨拶を 申し上げます。  委員の皆様方におかれましては、本日は大変お忙しい中、ご出席を賜りました。また 平素よりがん対策の推進にご尽力をいただいておりまして、この場を借りて厚く御礼を 申し上げます。  今回は、本検討会の委員改選後の初めての会でございます。座長の選出まで、またよ ろしくお願いをしたいというふうに思います。  さて、がん対策推進基本計画は、放射線療法及び化学療法の推進、治療の初期段階か らの緩和ケアの実施、がん登録の推進の3点を柱としておりますが、この基本計画に基 づき、がん対策を総合的かつ計画的に実施していくに当たりまして、がん診療連携拠点 病院は極めて重要な役割を担っているところでございます。  また、がん診療連携拠点病院の指定要件を定めております「がん診療連携拠点病院の 整備に関する指針」につきましては、本検討会でのご議論を踏まえ、昨年3月に見直し をしたところでございますが、今回が新たな指針に基づくご議論ということで、新しい 指針のもとでの初めての検討会となるわけでございます。  本日は、11道府県から推薦をいただいておりますが、がん診療連携拠点病院について、 新規指定、指定更新の可否のご検討をいただくこととしております。また、10都県のが ん医療提供体制や拠点病院の現況等についてもご報告をしたいと考えております。  委員の皆様方におかれましては、忌憚のないご意見をいただきまして、よろしくお願 いをしたいというふうに存じます。  日ごろの御礼とご挨拶に代えさせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げ ます。 ○前田がん対策推進室長  では、委員の改選後初めての検討会でございますので、まずは本日お集まりのメンバ ーの方々をご紹介させていただきます。  お手元の名簿の順に沿ってご紹介をさせていただきます。  構成員名簿でございますが、国立大学法人群馬大学理事・病院長の石川委員でござい ます。 ○石川委員  石川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  社団法人日本医師会常任理事の内田委員でございます。 ○内田委員  内田でございます。よろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  財団法人日本対がん協会会長の垣添委員でございます。 ○垣添委員  よろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  広島県健康福祉局長の迫井委員でございます。 ○迫井委員  迫井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  財団法人日本対がん協会常任理事の関原委員でございます。 ○関原委員  関原です。よろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  あけぼの会副会長の富樫委員でございます。 ○富樫委員  富樫でございます。よろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  医療法人浦添総合病院理事長の宮城委員でございます。 ○宮城委員  宮城でございます。よろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  前橋赤十字病院院長の宮崎委員でございます。 ○宮崎委員  宮崎でございます。よろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  静岡県立静岡がんセンター総長の山口委員でございます。 ○山口委員  山口です。どうぞよろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  国立がんセンターがん対策情報センターセンター長補佐の若尾委員でございます。 ○若尾委員  若尾です。よろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。  先ほどご挨拶申し上げました健康局長の上田でございます。 ○上田健康局長  よろしくお願いします。 ○前田がん対策推進室長  大臣官房審議官(がん対策担当)の安達でございます。 ○安達大臣官房審議官(がん対策担当、国際感染症対策担当)  安達でございます。よろしくお願いします。 ○前田がん対策推進室長  大臣官房参事官の岡本でございます。 ○岡本大臣官房参事官  岡本です。よろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  がん対策推進室長補佐の片岡でございます。 ○片岡がん対策推進室長補佐  片岡でございます。よろしくお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  それでは次に、座長の選出に移りたいと存じます。  事務局といたしましては、がん対策推進協議会の座長であり、委員改選前の本検討会 でも座長を務めていただきました、財団法人日本対がん協会会長の垣添委員を座長に推 薦いたしたいと思いますが、いかがでしょうか。 〔「異議なし」〕 ○前田がん対策推進室長  それでは、座長を垣添委員にお願いいたしたいと存じます。  座長席をご用意いたしておりますので、垣添委員、お手数ですが、ご移動願えますで しょうか。  それでは、以後の進行を垣添委員にお願いいたしたいと存じます。どうぞよろしくお 願いいたします。 ○垣添座長  皆さん、おはようございます。  ただ今座長に推薦いただきました垣添でございます。僭越ではございますが、一言ご 挨拶を申し上げたいと思います。  先ほど局長のご挨拶にもありましたように、がん対策基本法が施行され、そしてがん 対策基本計画がどんどん進められていく中で、がん医療の均てん化という点で、拠点病 院の指定というのは極めて重要な意味を持つというふうに思います。これまでに351病 院が指定され、本日またさらに幾つかの病院の申請が上がってきておりますが、都道府 県拠点病院と、それから地域がん診療連携拠点病院、この指定がなされ、しかもそれが ちゃんと実態を伴った形で進むことによって、我が国のがん医療全体の底上げにつなが るということで、本当に私自身もこの検討会の果たす意義が極めて大きいというふうに 考えております。  本日、限られた時間の中にたくさんの案件がありますが、どうぞよろしくご審議のほ どお願い申し上げます。  それでは、議事に入ります前に、まず資料の確認を事務局からお願い申し上げます。 ○前田がん対策推進室長  それでは、資料の確認をさせていただきます。  それでは、本日の座席表と構成員名簿、そして議事次第、そして本検討会の開催要綱、 そして資料1といたしまして、この資料が110ページの資料でございます。それからあ と、東京都さんから追加されました東京都における都道府県がん診療連携拠点病院の機 能分担及び連携協力体制の進捗状況について、という資料。そして資料2といたしまし て、新要件に基づくがん診療連携拠点病院の指定の考え方。そして資料3として、がん 診療連携拠点病院の指定の状況及び申請の状況。資料4といたしまして、推薦意見書及 び推薦医療機関における指針充足状況等について。そして資料5といたしまして、迫井 構成員からの提出資料ですが、がん診療連携拠点病院の整備に関する指針に基づく指定 方針(平成22年4月1日)への対応について。そして参考資料といたしまして、クリッ プでとめてございますが、第4回、前回の本検討会の資料の抜粋と、参考資料2といた しまして、昨年3月1日付けの健康局長通知「がん診療連携拠点病院の整備について」、 そして参考資料3といたしまして、昨年11月に開催されましたがん対策推進協議会の資 料2−7と、以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。よろしいですね。  それではまず、事務局から報告事項1、2についてお願いいたします。 ○前田がん対策推進室長  それでは、報告事項について、資料1及び東京都提出資料に基づきまして説明をさせ ていただきます。  まず、資料1についてでございますが、こちらにつきましては都道府県のがん診療連 携拠点病院、こちらは原則、各県に1カ所ということでございますが、2つの医療機関 が指定されている宮城県、東京都、福岡県、それから二次医療圏に原則1カ所のがん診 療連携拠点病院を指定することになってございますが、それを超える数の拠点病院が指 定されている都道府県の現況について、千葉県など10都県の情報をいただいております。  この内容について、指定後どういった効果が見られたかということについて報告をい ただいてございます。  まず、宮城県でございますが、1ページ目からでございますが、まず9ページでござ います。  宮城県におきましては、宮城県立がんセンターと東北大学病院、この2病院が宮城県 の県拠点病院ということで指定してございますが、県立がんセンターにおきましては、 広範にわたるがん医療の推進、地域がん登録の総括、そして実地を含めた研修の実施、 相談支援、在宅緩和ケアの支援。そして東北大学病院におきましては、大学病院として の専門的ながん医療の推進、地域がん登録への協力、大学の研究・教育機能を生かした 県内医療機関への専門的教育・指導、そして県内外の広域的なネットワークの推進及び 県内医療機関への情報提供という形で役割分担をしつつ連携協力をし、そして宮城県が ん診療連携協議会というものを共同で開催することによりまして、地域がん診療連携拠 点病院に対する指導、支援、情報提供などを行っているという体制を組んで進められて いるという資料を提出いただいているところでございます。  それから次に、11ページ、東京都さんからの資料でございますが、これは別冊でいた だいてございます。1枚めくっていただきました別紙でございますが、その中段、第2 段落のところに都立駒込病院と癌研究会有明病院の2病院が都の拠点病院ということで 指定されているところでございます。そちらにつきましては全国的にも高い実績と評価 を得ているということでございまして、そして東京都におきましては地域がん診療連携 拠点病院以外にも東京都独自に認定した認定病院があります。その一覧が、もう一枚め くっていただきました、都内のがん診療連携拠点病院・東京都認定がん診療病院一覧と いうことでございます。これの合計が24でございますが、左側のページでございますけ れども、24に上る数多い高度な医療機関の一体的な取組を進めていくためには、駒込病 院と有明病院の両病院の役割分担、連携・協力を行っていくことが必要ということが記 載されているところでございます。  続きまして、福岡県でございます。  資料1に戻っていただきまして、13ページからでございますが、福岡県における診療 体制といたしましては、17ページにシェーマが出てございます。福岡県におきましては 九州がんセンターと九州大学病院、この2病院が県の拠点病院ということで指定をされ ているところでございますが、九州がんセンターにおきましては、県のがん診療連携協 議会の設置・運営、がん登録の推進、緩和ケアの推進、地域連携クリティカルパスの整 備を行う。九州大学病院におきましては、がん専門医療従事者の育成・研修、臨床研究 の推進の役割を担っておりまして、両者が連携・協力することにより、地域のがん診療 連携拠点病院に対する調整、支援というものを行っているという説明を福岡県からいた だいているところでございます。  以上が複数の県拠点病院のその後のフォローアップの状況ということでございます。  続きまして、二次医療圏の数を超えて拠点病院が指定されている県のうち、7つにつ きまして資料をいただいております。  21ページからが千葉県でございます。千葉県のがん診療連携体制のフローにつきまし ては31ページでございますが、こちらにおきまして、全県の対応としては特定機能病院 である千葉大学、そして県の拠点病院である県がんセンターが全県対応ということです が、二次保健医療圏ごとに日本に多いがんの治療の中心、セカンドオピニオン、緩和ケ ア、病病・病診連携、地域連携パスなどをそれぞれの医療圏で対応しているということ の説明がされているところでございまして、その前の28ページから31ページにかけまし て、それぞれの病院における緩和ケアですとか相談支援体制などの数値目標などについ ても記載がなされているところでございます。  富山県でございます。こちらにつきましては4医療圏で8カ所指定がされているとこ ろでございますが、富山県における医療連携体制としましては、39ページのところにが ん診療連携拠点病院等が外来化学療法、外来放射線療法、緩和ケア外来・相談支援を行 っております。そういった役割分担の下に、46ページの富山型がん診療体制ということ で、全県レベルの対応は共同利用型PETセンター、県立中央病院、富山大学病院、富 山労災病院、そして二次医療圏レベルの機能としましては、それぞれの医療圏ごとに地 域拠点病院を指定していることにより、相互に相乗効果が上げられており、がん医療の 均てん化を図っているということの説明を富山県からいただいているところでございま す。  続きまして、49ページからが愛知県でございます。  愛知県におきましては、51ページにございますとおり、名古屋地区に県の拠点病院及 び地域拠点病院が集中しているところでございますが、名古屋医療センターが北部及び 尾張中部、そして西部のほうでは名古屋第一赤十字病院、そして東部のほうでは名古屋 第二赤十字病院、そして愛知県がんセンター中央病院が愛知県のがん対策の拠点、そし て名古屋大学ががん専門の人材育成の拠点、名古屋市立大学は精神腫瘍学、名古屋市の がん対策の拠点、そして社会保険中京病院が相談支援の拠点というふうな役割分担を果 たされているということをシェーマで示していただいているところでございます。  続きまして、兵庫県でございます。  兵庫県につきましては67ページからでございますが、こちらにつきましては、シェー マといたしまして75ページでございます。  まず、阪神南圏域では、関西労災病院と兵庫医科大学が複数指定しているところでご ざいますが、関西労災はアスベスト疾患センター、そして兵庫医科大学におきましては 大腸がんの治療、造血幹細胞移植、中皮腫・アスベスト疾患、がんプロフェッショナル 養成プランの実施というふうな役割分担をされています。  神戸圏域におきましては、神戸大学が肝がん、がんプロフェッショナル養成プランの 実施、そして中央市民病院におきましては白血病と先端医療センターという役割分担を されているところでございます。この下にある国立病院機構神戸医療センター、こちら につきましては今度新規申請ということでございますので、また後ほどご説明させてい ただきます。  そして、中播磨圏域におきましては、姫路赤十字病院が胃・大腸がんの外科手術、国 立病院機構姫路医療センターが肺がんという形で圏域内での役割分担を進められている ということが図示されているところでございます。  続きまして、鳥取県でございますが、鳥取県は3医療圏に5拠点病院が指定されてい るところでございます。  こちらにつきましても、地理的なシェーマといたしましては87ページに、鳥取県の東 部に2カ所、西部に2カ所というふうな形で決められてございますが、まず東部におき ましては鳥取県立中央病院が東部医療圏の北部と但馬医療圏の一部の診療。そして鳥取 市立病院が東部医療圏南部の診療。そして西部医療圏におきましては国立病院機構米子 医療センターが西部医療圏を中心とした診療。そして鳥取大学医学部附属病院が全県の 診療支援と西部医療圏、松江医療圏一部の診療を担っているというふうな役割分担を果 たされているという報告をいただいているところでございます。  続いて、岡山県でございますが、5医療圏に7拠点病院が指定されているところでご ざいます。  こちらにつきましては、98ページがそのシェーマとして示されているところでござい ますが、県の拠点病院が岡山大学病院、そして地域のがん診療連携拠点病院として高梁 ・新見圏域の倉敷中央病院と川崎医科大学附属病院の役割分担。そして真庭医療圏、津 山・英田医療圏、県南東部医療圏、それぞれについても国立病院機構の岡山医療センタ ー、津山中央病院、総合病院岡山赤十字病院、岡山済生会総合病院、それぞれについて の役割分担について図をもって説明をされているところでございます。  続きまして、99ページの広島県でございます。  こちらにつきましては7医療圏に10拠点病院が指定をされているところでございます。 分布といたしましては102ページにございますとおり、広島市を中心としたところに病 院が集中しているところでございますが、104ページにございますが、広島県が目指す がん医療ネットワークのイメージということで、中核拠点病院群として広島大学病院、 県立広島病院、広島市民病院、広島赤十字・原爆病院と地域連携拠点病院群というふう な役割分担をされておりまして、乳がんネットワークという検診、精密検査、周術期治 療、フォローアップというふうな流れをつくられているというところでございます。  それから、相談窓口についての設置、そしてがん登録システム、そして106ページに おける緩和ケアの推進という形で、広島県ではそれぞれの拠点病院における役割分担を きちんとされているというところでございます。  ちょっと駆け足になりましたが、以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  事務局から報告事項の最初として県拠点病院が2つ指定されている宮城県、東京都、 福岡県のフォローアップ、それから二次医療圏の数を超える拠点病院の指定がされてい る千葉県以下7県の役割分担と現況を報告いただきました。  何かただ今の報告に関してご質問とかあるいはご発言がありましたらお受けします。  どうぞ、石川委員。 ○石川委員  石川でございます。  最後にご説明いただいた広島県の図なんですけれども、地域拠点病院群となっていま すよね。4つの病院が拠点病院の役割をそれぞれ担っているということで、単一ではな いですけれども、こういう形というのもあり得るということですか。 ○前田がん対策推進室長  県の拠点と地域の拠点の件につきましては、資料3に現在の状況について説明がござ いまして、広島県につきましては8ページ目の下から2つ目の段でございますが、広島 大学病院が県の拠点病院、そしてそれ以外の県立広島病院などの9病院が地域拠点病院 という形で指定をしているところでございます。ただ、広島県の考え方としては、ネッ トワーク型がんセンターというふうな考え方を持っておられるということで、このネッ トワークの図と指定の内容とが必ずしも合致するものではないということでございます。 ○垣添座長  ほかにいかがでしょうか。  どうぞ、関原委員。 ○関原委員  来年から基準が大きく変わり、新しい基準でいくと各病院に放射線医なり化学治療の 専門医を置かなきゃいかんということになりますが、例えば富山のような形(拠点病院 間で機能を分担)は基準から外れます。そこはみんな徹底されているんですか。つまり 今のまま、この延長でいったら、どうも実際は上手くワークしないんじゃないかという 気がします。 ○前田がん対策推進室長  新整備指針につきましては、昨年3月の通知によりましてこの4月から動いているも のでございますので、今回の新規の申請に当たりましては全て新指針に基づく審査とい うことでございます。そして現在指定しております351病院につきましては、先日の全 国厚生労働関係部局長会議におきましても、22年3月31日までの移行期間だということ をきちんと説明いたしまして、そして新要件を満たすように要請をいたしているところ でございます。  そして、放射線の機器の件につきましては、平成19年度と平成20年度、2カ年にかけ まして、放射線の外部照射のできるリニアックという機械の緊急整備、そちらを補助金 として行っているところでございます。そしてドクターの確保の件につきましても、平 成21年度の新規予算におきまして、専門医を育成するためのプログラムを作成するため の予算を確保し、拠点病院に対する支援を行っていきたいと考えているところでござい ます。ですので、そこはきちんと各県ともに周知されておりますし、各病院においても 努力はされていると認識いたしております。 ○関原委員  例えば宮城県の資料で今後の取組というのが書かれています。そこには、将来的には 県内の全拠点病院へ放射線治療の常勤医の配置を目指すと。随分遠い将来みたいな話に なっている。要するに年内というふうに書いてありません。新しい基準の中で今後やっ ていくわけなので、その準備が行われているかどうかは、当然これは10月に申請が出る わけですね。これは今回格別議論するわけではないんですが、これは恐らく次の見直し ですごく大きくもめると思うので、そこをよく徹底していただきたいということです。 ○垣添座長  大事なポイントでありますが、ご指摘を承っておきたいと思います。  ほかに。宮崎委員、どうぞ。 ○宮崎委員  私は初めてなので、今までの議論の経過が分からないところもあるんですけれども、 ちょっと根本的なところですけれども、二次医療圏の数が県によって随分違うと。厚生 行政は二次医療圏を基本にして今やっているということは分かるんですけれども、その 場合に今度の4疾病5事業に係る地域医療計画でも、もうそれを特別重視しないで実際 の生活圏に応じた計画を立てるということにもなっておりまして、医療圏そのものを単 位にするのが本当によろしいのかどうか、その辺の議論というのは今までどのようにさ れてきたんでしょうか。 ○前田がん対策推進室長  そこの点につきましては、資料2の新要件に基づくがん診療連携拠点病院の指定の考 え方のところに、一部指針の抜粋で、2番のところの第1段落に記載してございます。  「地域がん診療連携拠点病院にあっては二次医療圏(県拠点病院が設備されている二 次医療圏を除く。)に1カ所整備するものとする」というのは以前からあった条項です が、「ただし、当該都道府県におけるがん診療の質の向上及びがん診療の連携協力体制 の整備がより一層図られることが明確である場合には、この限りではないものとする」 というただし書きをこの昨年3月1日付の通知で盛り込んだところでございますので、 二次医療圏に1カ所というのは基本でございますが、がん診療レベルが向上するという ことがその県の推薦意見書などにきちんと記載されているということでありましたら、 二次医療圏より少ない病院で対応するということ、それから二次医療圏より多い病院で 対応するということ、そういったことについては柔軟に対応できるような特例規定を設 けているところでございます。 ○垣添座長  まだご発言が多々おありかと思いますけれども、ちょうど今、新要件に基づくがん診 療連携拠点病院の指定の考え方に入ってまいりましたので、このまま事務局から資料2 の説明をお願いしたいと思います。 ○前田がん対策推進室長  では、資料2でございます。  こちらにつきましては、昨年3月1日付に健康局長通知で出されました「がん診療連 携拠点病院の整備について」と今回の指定の考え方ということでございます。  まず、1番の指定要件の充足状況は、整備指針に定める必須要件を充足していること とするということが1つの要件でございます。ただ、二次医療圏を超える数の医療機関 が、がん診療連携拠点病院に指定されることとなる場合、つまり今回の申請によって二 次医療圏の数を超える場合、それからもう既に超えているんですが、また追加で出して くる場合、そういう両方ございますが、そういう場合におきましては、先ほど申し上げ ました、このただし書きの部分を、きちんとこの検討会でご意見をいただきながら、指 定の手続を踏んでいきたいと思います。  このただし書きについて、事務局として分かりやすくというか、ブレークダウンした 形で記載しましたのが下の丸3つでございます。これは連携協力体制の整備がより一層 図られることが明確ということの解釈でございますが、まず丸の1つ目でございますが、 二次医療圏数を超える数の医療機関が、がん診療連携拠点病院に指定されることによる 当該医療圏や都道府県のがん診療体制における相乗効果が、都道府県の推薦意見書に数 値目標などを用い記載されていることとする。  そして2点目といたまして、なお二次医療圏数を超える数の医療機関を、がん診療連 携拠点病院に指定する理由として、単に人口が多いということだけでなく、がん患者の 通院圏域、がん診療連携拠点病院間の機能的役割分担、隣接する医療圏との関係等につ いて都道府県において十分な説明があることとする。  また、都道府県は、拠点病院の運営が適切に行われるための体制を確保するよう努め ることとするという、この3点をただし書きの解釈として考えてございます。  この丸の3つ目が非常にちょっと、分かりづらい点がございますが、昨年11月のがん 対策推進協議会におきましても、平成19年度における各都道府県のがん対策予算、そち らについて資料を提供して公開したところでございますが、拠点病院に対する補助金に ついて、独立行政法人が設置主体の場合は国の10分の10補助ですが、それ以外の場合は 県が拠点病院に対する補助金の2分の1を補助するという制度になってございます。で すので、県が病院に対してどれだけの予算を確保しているか、そういったことについて も考慮の対象としていくということで、ただ推薦を上げるだけではなくて、その後のバ ックアップ体制をきちんととっていただくことが必要ということが丸の3つ目の意味で ございます。  そして、3番といたしまして、県拠点病院が複数指定されることになる場合。今回、 京都府さんから推薦が上がってきてございますが、そちらにつきましても都道府県のが ん診療連携拠点病院が2医療機関となることによる両医療機関の機能的役割分担、相乗 効果等について都道府県の推薦意見書に、数値目標を用いて記載されているなど、十分 な説明があることを指定の考え方として考えているところでございます。  ちなみに、資料2の2枚目に過去の申請状況ということで、先ほど申し上げました宮 城県、東京都、福岡県、それぞれの県におきまして県拠点病院が2カ所認められた理由 といたしましては、宮城県においては指定要件を満たしているということと、相乗効果 の説明があるということと、新規入院がん患者数が県立がんセンターが4,000名、東北 大学が5,000名ということ。  そして、東京都におきましても、指定要件を満たしているということと、相乗効果の 説明があるということと、入院の患者数が駒込病院が8,000名、有明病院が1万1,000名 ということでございます。  福岡県におきましても、指定要件を満たしているということと、相乗効果について説 明があるということと、九州がんセンターが5,000名、九州大学病院が7,000名という新 規入院患者数がいるということを認められた理由として掲げてございます。  それからあと、2カ所認められなかった理由、過去に岩手県と山形県と滋賀県、3県 ございます。岩手県におきましては推薦の医療機関が指定要件の一部を満たしていない。 山形県におきましては年間の新規入院患者数が2,000名程度であるということ。そして 滋賀県におきましては人口規模が岩手県、山形県と同規模、そして年間の新規入院患者 数が2,000名程度ということが認められなかった理由でございます。  その下の参考として、7府県の人口比較ということで、その6県と今回申請が上がっ てきております京都府の人口を掲載いたしております。  資料2につきましては、以上でございますが、また事務局といたしましては、この考 え方に基づきまして、今後、医療機関の推薦の結果、がん診療連携拠点病院の数が二次 医療圏数を超える場合につきましては、その医療圏ですとか県のがん診療体制における 相乗効果について、都道府県の推薦意見書に数値目標などを用いて記載していただくこ とが適当というふうに考えているところでございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  ただ今の説明に関して何かご発言ありましょうか。  どうぞ、山口委員。 ○山口委員  最初のご説明とも関連するのですが、報告を求めた3つの県と、それから二次医療圏 数を超えて数件の報告がさっきあったのですけれども、がん対策推進室としてそれぞれ の説明が適切なのかといいますか、その評価をぜひ、次回からで結構ですが、加えてい ただきたいと思います。  私の知識で、あるいは静岡県の県拠点を運営をしている立場から言いますと、最初の 3つの都県の説明では、なぜ2つなければいけないのか、十分ではないように思います。 特にその資料を当日でないと持ち込めないというのも少しいかがなものかなという気が いたしますし、それから、例えば複数指定の数が多い、例えば富山県は非常にこの委員 会では画期的な案として高く評価して通ったんですが、その後の状況としては、やはり 病院間で機能分担をしたのであれば、富山県の患者さんが、例えば血液のがんだとある ところにどんどん集中が図られて医療レベルが向上してきたとか、あるいは県拠点2カ 所ということであれば、医師の養成数が非常に増えたとか、やはりそういう数値的な評 価も加えて、ただ単に機能分担をしていますという説明では、都道府県拠点の複数指定 あるいは医療圏域を超えた数の指定というのは、他との公平性という観点から言うと少 し不十分なような気がいたしますので、評価をもう少し前出ししていただくようお願い したいと思います。 ○垣添座長  ありがとうございます。  大変重要なポイントだと思います。やっぱり今後この地域がん診療連携拠点病院がさ らに進化をしていく上では、今の言い分と実際がどうなっているかということをきちっ とフォローアップして、しかもそれを数値で評価していくということはとても大事では ないかというふうに考えます。今後よろしくお願い申し上げます。  ほかに。どうぞ、若尾委員。 ○若尾委員  若尾です。  今の点について、先ほどの資料2の四角2のところでポイントを3つ丸として挙げて いただきましたので、それぞれ丸について評価を5段階か何かでつけていただくと、県 の見解などがちゃんと書かれているということが評価しやすいんじゃないかと思います。 丸々全体で見るよりも、それぞれの視点でどういう点が充足されているかというのが基 準としてよろしいんじゃないかと思います。 ○垣添座長  ありがとうございます。  ほかにいかがでしょうか。  どうぞ、宮城委員。 ○宮城委員  沖縄県の状況ですが、県の拠点病院というのは大学病院がなっておりまして、それは 問題ないところだと思っております。ただ、地域拠点病院におきましては北部に1カ所 認められておるんですけれども、実は放射線治療というのはございません。  しかし、県のほうにいろいろ問い合わせてみますと、最初は放射線治療のできるとこ ろと言っておりました。しかし今は、北部の状況がそうだからなくともいいというふう な言い方をしているようなんですね。これについて、私の疑問は、それでいいのかどう かということと、もう一つ、宮崎先生もおっしゃいましたけれども、地域医療計画の中 では4疾病5事業の中のがんが6つでしたか、特定されたがんがあって、それにこの医 療計画の中では集中するということになっておりますけれども、それと今回のがんにつ いては、基本的にはそこに力を入れていくのか、それとも広く全部がんを扱うというこ となのか、そこをちょっと確かめたいんですけれども。 ○前田がん対策推進室長  まず、1点目の放射線治療機器の件についてでございます。参考資料の2に、がん診 療連携拠点病院の整備指針について資料をつけさせていただいてございます。その中の 4ページ目の(3)医療施設、その中の(2)といたしまして、専門的ながん医療を提供す るための治療機器及び治療室等の設置、4ページのところでございますが、そこの(2)の アに放射線治療に関する機器を設置すること。ただし、当該機器は、リニアックなど、 体外照射を行うための機器であることということが要件に盛り込まれているところでご ざいますので、やはりこの要件は必須要件ということでございます。治療機器について はですね。 ○宮城委員  必要ということなんですね。 ○前田がん対策推進室長  必要ということです。  それからあと、医療計画との関係でございますけれども、もちろん4疾病5事業の中 の4疾病の1つはがんでございます。そして昨年度、4疾病5事業について各都道府県 において、医療計画についての4疾病5事業の医療連携体制を組んだ形での見直しを昨 年度されておりますし、同じ時期にがん対策については、各都道府県におきましてがん 対策推進計画をつくられてございます。今は47都道府県中、45都道府県までできてござ います。そちらの策定に当たりましては、県の医療計画と整合性を持って策定をしてほ しいということを求めているところでございますので、そこは齟齬がないような形でし てございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  迫井委員。 ○迫井委員  今日はどちらかというと個別の審査をしなければいけないと思いますので、深い議論 は避けますが、これはある種、お願いということでお聞きをいただければと思います。 私はメンバーの中で唯一、都道府県から出ておりますので、2つポイントがありまして、 1つは、先ほど資料2ですか、指定の考え方ですが、1つ目の個別施設の要件は指針を しっかりやっていくということで、それは理解できるんですが、2番目の、結局、丸を 3つ含めた体制の問題は、これは実は個別施設のアセスメントというよりは、どちらか といいますとエリアといいますか、地域の連携体制を見る視点だと思うんですね。  そうすると、我々自治体の立場からしますと、やはり連携体制は医療計画、平成18年 の医療法改正を踏まえて、先程、4疾病5事業の話が出ましたけれども、がんも含めて 様々な医療連携体制をつくっていこうとしているわけですので、トータルでやはり自治 体が専らそこは責任を持ってやっていかなければいけないですし、そういう目でぜひ評 価をしていかなければいけません。ですから、この丸3つは極めて定性的な部分といい ますか、大ざっぱな1つの視点であり、それから自治体によって、地域によって全然状 況は違いますので、お願いしたいことは、当面こういう考え方で拠点病院を見ていこう ということで私は理解できるんですが、ぜひ今後、個別施設の審査の在り方とともに、 地域全体で体制を組むわけですから、その体制をどういうふうにとらえるのかというこ とをよく整理していただきたいと思っております。  というのは、本来この場が医療連携体制全体を評価するのにふさわしいのかどうなの かという非常に根本的な問題もあると思いますので、医療計画と整合性をとるべきだと いうのは、私に言わせれば、多くの場合は医療連携体制を都道府県で医療計画をつくり ながら、かつ、がん対策の施設のいろんな問題も同じ部局が当然扱っているんですから、 整合性がとれるのはむしろ当然でありますし、逆に自治体が様々なことを考えていろん な整理をするわけですから、そういった視点を逆にこの丸3つで大ざっぱに、しかもが ん対策推進室が評価して、それで審査しましょうというのは、私に言わせていただけれ ば、少し視点が偏っていないかなというふうに思いますので、医療計画全体のとらえ方 と、拠点病院の個別の審査と、今後どういうふうに考えていくのかということを少し大 きな枠組みでぜひ整理をしていただきたいなというふうに思っております。 ○垣添座長  ありがとうございます。これは少しまた時間をかけて議論しなくちゃいけない問題か と思いますが、一応承っておきます。  時間の関係もありますので、少し先に進ませていただいて、がん診療連携拠点病院の 申請状況について事務局から説明をお願いできますでしょうか。 ○前田がん対策推進室長  では、続きまして、資料3に沿って説明をさせていただきます。  現在の申請状況でございますが、まず左から、二次医療圏数が昨年は358でございま したが、3つの県におきまして二次医療圏数の見直しがされてございます。そしてその 結果、348に二次医療圏が減少してございまして、現在の拠点病院数が351ですので、既 に二次医療圏を超えているという状況が現状でございます。  今回の新規推薦といたしましては、都道府県の拠点病院の推薦として4カ所、そして 地域がん診療連携拠点病院の推薦として26カ所の推薦がございます。それから、北海道 さんからは、もう既に現在の地域がん診療連携拠点病院は新要件を満たしているという ことで、移行期間2年間あるんですが、もう1年前倒しで更新の申請を9カ所出されて いるという状況でございます。そして都道府県拠点病院の中には地域拠点病院からの格 上げというものもございますので、この全ての新規推薦・指定更新がもし仮に認められ た場合の数としては378になるという状況でございます。  個別の医療圏の名前と申請されている医療機関の名称につきましては、2ページ以降 でございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  それではこれから、先ほど説明いただきました資料2の示された考え方に基づいて、 推薦のありました都道府県ごとの医療機関の検討を進めていきたいと思います。  まず、事務局から、各都道府県における医療機関の推薦状況、それから医療機関の指 定要件の充足状況について簡潔に説明をいただいた上で、順次審議を進めていきたいと いうふうに思います。  まず、今回2カ所の都道府県がん診療連携拠点病院の指定を求めております京都府か ら入りたいと思います。お願いします。 ○前田がん対策推進室長  では、資料4の1ページ目が京都府からの申請でございます。  3ページ目にございますとおり、京都大学医学部附属病院を新規指定として、都道府 県がん診療連携拠点病院として京都府より推薦がなされているところでございます。  4ページ目に京都府の二次医療圏の概要ということで記載されているところでござい ますが、京都府におきましては既に6医療圏のところに8カ所の拠点病院が整備されて おりまして、今回が9カ所目になるということでございます。  そして、推薦の理由という相乗効果につきましては6ページでございますが、現在、 府の拠点病院としましては京都府立医科大学附属病院が指定されているところでござい ます。そして京都府としては、この府立医科大学病院につきましては、がん診療連携協 議会の運営、拠点病院等のスタッフのネットワーク構築、地域連携クリティカルパスの 整備、拠点病院への研修計画の集約、連携推進、緩和ケアの地域への普及推進、そして 院内がん登録データの集約・分析・評価、院内がん登録に係る研修、セカンドオピニオ ン実施窓口に関する医療情報の収集・分析・発信、拠点病院のない二次医療圏の中核病 院への相談支援センター立ち上げ支援という役割を府立医科大学のほうで担当したいす るとのことです。  そして、3ページ目に、京都大学医学部附属病院の役割としましては、拠点病院等の スタッフのネットワーク、薬剤師、診療放射線技師等の構築ということと、強度変調放 射線治療、中性子捕捉療法等先進治療の実施、拠点病院への医師派遣、そして地域がん 診療連携拠点病院等の医療従事者を対象に放射線療法、化学療法に関する研修の実施、 そして化学療法専門医、放射線専門医等の育成、拠点病院等への配置支援、そういった 専門技能を持つコメディカルの育成、地域拠点病院への配置、支援と、そして看護師、 薬剤師、医学物理士というものを挙げてきているところでございます。  そして、京都府におかれましては、3)にございますとおり、副知事をトップに両大 学病院の上層部が参画する京都府がん対策総合戦略推進会議、これを設置して調整協議 を進めているということでございます。  そして、具体的な事業計画につきまして、11ページでございますが、ネットワークの 構築につきましての府立医大と京都大学の役割として、協議会の運営を府立医大で行い ますが、京都大学も共催をすると。そしてスタッフのネットワークとして緩和ケアと相 談支援センター、化学療法については府立医大、薬剤師、診療放射線技師は京都大学。  2番の治療分野につきましても、地域連携クリティカルパスは府立医大、そして京都 大学につきましては、先進医療と拠点病院への放射線医師派遣を行いたいとのことです。  そして、12ページでございますが、教育研修につきましては、府立大におきましては 研修計画の集約、緩和ケアの地域への普及促進、京都大学におきましては医療従事者を 対象にする研修ですとか拠点病院への配置支援、コメディカルの育成を行いたいとのこ とです。  そして、13ページとしましては、がん登録について府立医大が院内がん登録データの 集約、がん登録に係る研修、そして京都大学におきましては院内がん登録データの分析、 評価を府立医科大学と共同で行いたいとのことです。  情報提供におきましては、府立大学におきましてはセカンドオピニオン実施窓口の医 療情報の収集、そして拠点病院のない二次医療圏に対する相談支援センターの立ち上げ 支援、そして京都大学は地域拠点病院に対する研修、教育機関に関する情報発信を役割 分担として考えておられます。  そして、相乗効果に基づく数値目標につきましては、17ページでございますけれども、 17ページで横表になってございます。化学療法、放射線治療の推進としまして京都大学 の役割が明記されてございます。緩和ケアの推進につきましては府立医大の役割が掲載 されてございます。専門医療の従事者の確保につきましては京都大学の役割が主でござ いまして、地域との連携推進については府立医大のほうが主に担当していく。患者等へ の情報提供の充実につきましては、府立医大が中心になって行っていくということと、 がん登録の推進については両大学が共同して行っていくということによりまして、目標 として平成24年度を、ほとんど目標のエンドポイントとしておりますが、9病院中6病 院とか9病院においての研修の実施ですとか専門医の配置、そういったものを達成して いくということで相乗効果が図られるというふうな資料のご提出をいただいているとこ ろでございます。  それからあと、現在の京都大学病院の指定要件の充足状況につきましては、21ページ にございますが、指定要件の充足度というところで、現在、都道府県がん診療連携協議 会が未開催ということでございます。これは県の拠点病院の要件でございますが、その 1つ前の20ページに、京都府から確約書が提出されてございまして、京都大学病院が指 定された場合には、府立医科大学附属病院と連携の上、今年度中に京都府がん診療連携 協議会やがん薬剤業務連携協議会を開催するなど、積極的に拠点病院間の連携体制の構 築に努めるということを確約されているところでございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  京都府に関して何かご発言ありましょうか。  山口委員。 ○山口委員  先ほど申し上げたように、1都道府県の複数指定というのは、現実に本当にうまくい くのかというところが大変大きなポイントになると思うんですけれども、この京都府の 目標に書かれている人材をしっかり供給するという点は、今の医療状況から考えて大変 重要なポイントだと思います。ですので、先ほどの数値目標の中で24年度までというふ うになっていますけれども、中間報告を求めていただき、あるいは人数で明確に、何人 養成し、かつそれを送り込めたのか、そういう報告をしっかり求めていただくことがで きれば、私は京都大学附属病院のアクティビティーから考えて、2つでやっていただき、 その相乗効果を明確に見せていただくということで試金石として承認可能と思います。  ただ先ほども少しご議論があったように、何をもって県拠点の複数指定の基準にする かということが、今後、自分の県もいいのかということがどんどん出てきても困ります ので、現場として考えて、これぐらいの条件は明確にしておいたほうがいいのかなとい うことを一委員の立場で申し上げます。県拠点としてふさわしい病院のレベルとしては、 私は先ほどから数字になっている新規がん入院患者数は複数指定の場合は、5,000例以 上は必要だと思います。それから人口は、今まで定められている宮城県、それから今回 の京都府以上の人口がやはり要るだろうと思います。さらに、県の複数指定を求める説 明の中で、今申し上げたような人材派遣養成であれば何名という明確な数字で評価がで きること。あるいはがんプロフェッショナル養成プランの大学であればしっかりやって おられるかどうかとか、その3点ぐらいを一つの基準にしていただいて、それでそれを 毎年見直していく、状況を把握していく。これぐらいの条件を基に、私は京都府2カ所 というのは賛成させていただこうと思います。 ○垣添座長  ありがとうございました。  ほかにご意見ありましょうか。  どうぞ、関原委員。 ○関原委員  私も、これはある意味では、僕は画期的なことだなと。つまり今までのところという のは、がんセンターと大学病院のコンビネーションですね、宮城県とか九州は。それか ら東京は駒込病院と癌検査有明病院と。つまり京都の、長年のライバルであった大学病 院の2つが、がんという非常に大きな病に対して、とにかく一緒になってやっていくと いうことは、日本の医療の新しい方向じゃないかと思うので、ぜひともこれは認めて、 それで山口先生もおっしゃったように、ちゃんとフォローをしていくということでいい んじゃないかなと。  特に今回のがん対策推進計画の中では、放射線とか化学治療というふうなところの充 実がうたわれていますので、やはりそういう医者を育成していくというのは、京都大学 はむしろ府立医大よりは規模も大きいわけなので、僕は一緒にやってもらうということ でいいと思いますが、山口先生がおっしゃったようにがん患者数5,000人という基準か らいくと、府立医大がそこに行っていないというところが、だからこの基準については 今後また議論していくということで、あれは山口先生のご意見だというふうに私は理解 しております。  以上です。 ○垣添座長  ありがとうございました。  京都大学を新たに指定することに関して反対のお立場の方はどなたかおられますか。  富樫委員。 ○富樫委員  反対というわけではないんですけれども、指定要件を満たされているから推薦してい らっしゃるわけですよね。ですけれども、ちょっと私が気になったのは、京都大学病院 は立派な病院だと思いますけれども、相談支援センターの相談件数がゼロということに なっているんですね。外来患者数が年間延べ15万6,000人もいらっしゃるというのに、 ゼロということはどうなのかなと。反対というわけではないんですけれども、ちょっと 疑問に思っています。 ○垣添座長  ありがとうございます。  見かけ上の条件が合致しているというところにつながるのかもしれませんが、今の外 来患者数に比して相談支援センターの活動が極めて弱いというのは確かに重要なご指摘 だと思います。  全体として特にご反対がなければ、京都大学附属病院を都道府県がん診療拠点病院と して指定すると。ただし、山口委員あるいは関原委員からご指摘のように、人材育成に 関して、あるいは平成24年度にエンドポイントを置いているけれども、もっとその前に 中間報告のような形で実績をきちんと報告してもらって、それを評価していくといった こと。それから患者数をできれば5,000名以上ということにする。あるいは今の相談支 援センターの活動なども含めてチェックをしていくという条件の下で、京都大学を承認 するということでよろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。  それでは、先に進みます。  次は、京都府以外で新規推薦及び指定の更新のある都道府県について、北のほうから 順次お願いいたします。  事務局、お願いします。 ○前田がん対策推進室長  続きまして、北海道でございますが、27ページが申請の頭紙でございます。都道府県 のがん診療連携拠点病院として北海道がんセンターが新規指定、そして地域がん診療連 携拠点病院としましては、指定更新が市立札幌病院、砂川市立病院、王子総合病院、J A北海道厚生連旭川厚生病院、総合病医院北見赤十字病院、JA北海道厚生連帯広厚生 病院、市立釧路総合病院、市立函館病院、日鋼記念病院でございます。  新規指定の病院が函館五稜郭病院、KKR札幌医療センター、恵佑会札幌病院、札幌 医科大学附属病院、JA北海道厚生連札幌厚生病院、手稲渓仁会病院、北海道大学病院、 旭川医科大学病院、市立旭川病院、釧路労災病院という10施設でございます。  そして、二次医療圏の概要につきましては、28ページでございます。  今回の申請につきましては、かなり札幌市内に偏って割と多く申請が出されている状 況でございますが、32ページにございますとおり、今回推薦する病院についての道の意 見といたしまして、まず北海道がんセンターにつきましては、2段落目にございますが、 がん医療を専門とする病院として道内でも実績があり、がん診療情報ネットワークやが ん登録についてすぐれた機能を持っているということが推薦理由として挙げられてござ います。  そして、33ページがその他の地域拠点病院の指定及び更新についての意見でございま すが、まず1つ目の丸ですが、札幌、旭川、函館、釧路などの都市部に病院が集中して いるということで、札幌圏を中心に複数のがん診療連携拠点病院の整備をすることによ り、集学的治療、緩和ケアの実施などのサービスが充実されるということが記載されて ございます。  そして、丸の3つ目でございますが、2段落目のなお書きのところでございます。1 つの二次医療圏に複数の拠点病院整備されることに伴いまして、他の医療圏を含む地域 の医療機関に対する診療支援や研修などの進め方については、今後設置される予定の北 海道がん診療連携協議会において、各病院間や地域間における調整を図るということが 記載されているところでございます。  それから、37ページでございますが、こちらは現在の北海道の二次医療圏の名称と、 そして要件を充足している病院の数、そして患者さんの流出圏域の考え方から現在の札 幌医療圏に7病院、そして南渡島医療圏に2つ、中空知に1つ、西胆振に1つ、上川中 部に3つ、オホーツクのほうの北網に1つ、十勝に1つ、釧路に2つと、こういった二 次医療圏ごとの配置というものは患者動向から見ても適切であるというふうな意見をい ただいているところでございます。  それから、39ページでございますが、先ほどの京都大学病院と同様に、北海道がんセ ンターにおきましても、現在充足していない指定要件としましては道のがん診療連携協 議会の設置というものが充足していないところでございますが、大臣指定を受けた後に 1カ月以内に設置したいということの確約書をいただいているところでございます。  事務局からは以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございます。  北海道はご承知のように非常に地域が広大で、二次医療圏も20でしたか、非常にたく さんあるということで、日本の中でもちょっと特殊な地域かというふうに思いますが、 ただ今報告がありました指定と、それから更新に関して、何かご発言がありましたらお 受けしたいと思いますが。  北海道がんセンターを都道府県がん診療拠点病院として全体のネットワークのかなめ とするということですが、新たに複数の医療機関が申請されておりますが、よろしゅう ございましょうか。  どうぞ、関原委員。 ○関原委員  北海道に限らないんですけれども、今回数値が2カ月の実績になっています。今まで 2カ月じゃなく一年だったのに、今回2カ月だけで評価ということなんですか。年間で 評価するのが普通だと思いますが、2カ月は何か特別な意味があるんですか、今回。 ○前田がん対策推進室長  こちらにつきましては、各病院において、入院患者数などのデータについては普通の 統計として病院の中の統計をとられているんですが、手術件数ですとか放射線の治療件 数、化学療法件数という個別の医療行為につきましては、1年間のデータを調べていた だくということよりも、2カ月間に限って調べていただくという、個別の調査的な要素 が入りますので、病院の負担軽減の点からも2カ月ということにいたしておりまして、 これはほかの351病院からの現況報告も同様の期間の件数をとることにいたしてござい ます。 ○垣添座長  山口委員。 ○山口委員  これは札幌を中心とした1医療圏に7病院の指定になるんですね。そうすると、今ま での経緯から言うと、「とんでもない」という感じの整理になるんじゃないかなと思い ます。しかし、今までの検討会の中で、先ほどお示しいただいた条件の中の2番目の条 件で、隣接する医療圏との関係等についてというところでこれを認めるのだと思います。 札幌の7病院が他の医療圏をカバーするという整理を北海道は多分されておられると思 うし、それは今までの委員会の流れとしては受け入れ可能ですので、よろしいかと思い ます。ただし、そういう指定をする場合に今まで1つ議論されていないことがあります。 今回のがん対策基本法の基本は均てんですので、札幌の7病院が全て札幌市内やればい いのかというと、やはり半数は命を落とされるがんの患者さん、その方々に対してケア をしっかりやらなければいけないというのも今回のがん対策の基本法の趣旨ですので、 今まで言われていなかったこと、どの病院がどの圏域をカバーするのかということをあ る程度明確にしていただいて、その病院はその圏域の開業医の先生方とか、あるいは中 小病院に対する様々な情報提供、ある程度連携をしっかり保っていただくということを 今後は見せていただくといいのかなと、そんなふうに思います。 ○垣添座長  ありがとうございます。  北海道の特殊事情も踏まえて建設的なご発言をいただきました。ありがとうございま す。  ほかにいかがでしょうか。特にご異論がなければ、北海道に関しては申請どおり承認 ということでよろしゅうございましょうか。  では、たくさんありますので、事務局で一応確認していただけますか。 ○前田がん対策推進室長  それでは、北海道がんセンターを地域がん診療連携拠点病院から都道府県がん診療連 携拠点病院として新たに格上げという形にするということと、北海道五稜郭病院、KK R札幌医療センター、恵佑会札幌病院、札幌医科大学附属病院、JA北海道厚生連札幌 厚生病院、手稲渓仁会病院、北海道大学病院、旭川医科大学病院、市立旭川病院、釧路 労災病院を地域がん診療連携拠点病院として指定することが適当であり、市立札幌病院、 砂川市立病院、王子総合病院、JA北海道厚生連旭川厚生病院、北見赤十字病院、JA 北海道厚生連帯広厚生病院、私立釧路総合病院、市立函館病院、日鋼記念病院を地域が ん診療連携拠点病院として更新することが適当であるというご意見であることを確認い たします。 ○垣添座長  ありがとうございました。  では、先にまいります。  岩手県、お願いします。 ○前田がん対策推進室長  続きまして、岩手県でございます。  資料3の二次医療圏数で見ていただきますと、先ほど申し遅れましたが、北海道につ きましては21医療圏中、今回の先ほどのご意見によりまして20医療圏ということで医療 圏の範囲内ということを申し添えます。  次に、岩手県は、資料3の3番目でございますが、現在9医療圏ございます。既に指 定されている医療圏が6という状況でございます。  そして今回、資料4の49ページにございますが、岩手県立胆沢病院と岩手県立大船渡 病院、岩手県立久慈病院、この3病院が新規指定として上げられてきているところでご ざいます。  50ページが二次医療圏の概要でございますが、それぞれの病院の設置されている医療 圏におきましては、地域がん診療連携拠点病院が指定されてない久慈保健医療圏、胆江 保健医療圏、気仙保健医療圏ということでございます。そちらからの申請が上がってき ているという状況でございます。  この要件につきまして、56ページでございます。整備指針におきましては、年間の新 規入院がん患者数が1,200人以上が望ましいということになってございますが、56ペー ジの胆沢病院、大船渡病院、久慈病院、それぞれ530、483、862人ということで、1,200 人の望ましい基準を満たしていないというところではございますが、指定要件の必須事 項につきましては、必須要件の整備は満たしているということは事務局で確認している ところでございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  岩手県に関して何かご議論ありましょうか。  どうぞ、関原委員。 ○関原委員  必須要件で、一番大事な診療機能というところで、我が国に多い6つのがんですね、 これについてしかるべき体制がとられているのかどうかというのは、例えば久慈の病院 で手術が2カ月に32件とか、要するに一番大事なのは僕は診療機能だと思うんですけれ ども、32件の手術実績でその辺はどういうふうにチェックをされているんですか。 ○前田がん対策推進室長  手術件数につきましても、患者数ですとかも同様ですが、がん種ごとに見てございま して、そして特定のがん種に偏っていないか、そういったことなどを中心に見てござい ますが、指定要件の中で体制整備として求められている指針の要件としては満たしてい るというところでございます。そちらについてもチェックはさせていただいております。 ○垣添座長  よろしいでしょうか。  山口委員。 ○山口委員  私は基本的に賛成です。やはり岩手県の地域事情等を考えると、先ほど申し上げた、 治療も大変大切なんですが、ぐあいの悪くなった方が相談支援センターにも行けない、 緩和ケアも受けられない、悪くなると通えなくなりますので。そういう観点から言うと、 地域事情を考えて、新規入院患者数は確かに少ないけれども、この3病院を指定をする ほうが岩手県民のためにとってはいいのではないかと、そのように考えます。  こういう場合の解決策なんですが、多分3つあるんだと思うんですね。第1に、機能 は劣っていても拠点病院として指定してしまう。それから2番目に、国の拠点にはしな いけれども、都道府県が独自の拠点とする。それから3番目は、これは実現していない んですが、国の拠点病院をAクラス、Bクラスに分けて、国民にはAクラスかBクラス かという正確な情報を提供する。このような3つぐらいの方法が多分考えられるんじゃ ないかなと思うんですが、最後は実現していませんので、私はその中の選択で岩手県が 県独自をやっておられないので、均てんという観点からいって、診療の数字は十分では ないかもしれないが、指定に賛成したいと思います。 ○垣添座長  ありがとうございました。  どうぞ、宮城委員。 ○宮城委員  私もこれは、岩手県という地域性というのは非常に大事だと思うんですね。これは沖 縄県も離島が多くてそういうことを考える面が非常に多いものですから。ただ、先ほど から富樫さんもおっしゃったように、相談件数がこんなに少ないのはどういうわけです か。ちょっと私、理解できないんですけれども。久慈病院で2カ月に2件とか、ちょっ とどういうふうになっているんですかね。 ○垣添座長  事務局、何か把握しておられますか。 ○前田がん対策推進室長  相談支援センターの相談件数が0件であっても、そこの相談支援センターに専従の方 と専任の方の相談員がおられれば指定要件を満たすということになってございますので、 相談を受けられる体制をとっているということが指針に定められているものでございま す。  そしてまた、相談支援センターも、今後この指定を受けて充実していくということと、 現在病院内に設置されたばかりということでございますので、まだ実績が伴っていない という点はあろうかと思いますが、受けられる体制は整備されているという点でござい ます。 ○垣添座長  指定を受けるために体制を整えたというところが、特に少ない施設に関しては言える と。 ○宮城委員  じゃ、1つお願いですけれども、にわかづくりという言葉が当たっているかどうか知 りませんけれども、そういうことでやっているというなら、1年後にこれは検証してい ただけませんか。 ○垣添座長  それはいたします。 ○宮城委員  ぜひお願いします。 ○垣添座長  ですから、もし今、岩手県に関して上がっております3医療機関に関して承認いただ くことになりましたら、条件として、特に例えば相談支援センターの機能がきちんと発 揮できるということをいずれ検証しますというようなことを含めて承認ということにし たいと思いますが、もう一度事務局から確認をしてください。 ○前田がん対策推進室長  ご審議ありがとうございます。  それでは、県立胆沢病院、県立大船渡病院、県立久慈病院を地域がん診療連携拠点病 院として指定することが適当であるというご意見であることを確認いたします。 ○垣添座長  ありがとうございます。  では、秋田県をお願いします。 ○前田がん対策推進室長  次に、秋田県が61ページからでございます。  地域がん診療連携拠点病院として、大館市立総合病院、市立秋田総合病院、秋田県厚 生農業協同組合連合会秋田組合総合病院、医療法人明和会中通総合病院の4病院が新規 推薦として上がってきてございます。  現在の秋田県の指定状況でございますが、資料3の5番にございますけれども、8医 療圏に対して7病院が指定されてございます。そして今回4つの申請でございますので、 7足す4でいきますと11になることを目指した申請ということでございます。  そして、62ページが秋田県の二次医療圏の概要でございますが、まず1つが大館・鹿 角医療圏、ここが空白医療圏でございましたが、大館市立総合病院が地域拠点として推 薦されてきているということでございますが、秋田周辺医療圏におきましては既に秋田 大学医学部附属病院と秋田赤十字病院がそれぞれ県拠点、地域拠点として指定している ところを、先ほどの3病院が追加で申請をされてきているというところでございます。  そして、秋田県の意見でございます。65ページの一番上のほうにございますけれども、 秋田県医療保健福祉計画及び秋田県がん対策推進計画の策定過程において、計画にこの 病院の申請について位置づけているということですとか、医師会等の関係団体や関係医 療機関とも十分調整をされているということで、この4病院を推薦されているというこ とでございます。  しかしながら、万一、このような考え方をお認めいただけない場合におきましても、 がん診療連携拠点病院が指定されていない空白医療圏をできるだけ早く解消し、県内全 域で質の高いがん医療を提供できる体制を確立する必要があるということで、大館・鹿 角医療圏は大館市立総合病院、そして北秋田医療圏においては、隣接する秋田周辺医療 圏の秋田組合総合病院が通院圏域であるということで、この4病院のうちでも大館と秋 田組合は何とかお願いしたいというふうな申請が出されているところでございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  秋田県、いかがでしょうか。  山口委員。 ○山口委員  まず空白の大館でしたか、こちらはぜひ認めるべきだなと思います。それから、もう 一つの空白圏をカバーするという意味の組合病院でしたか、ここもその論理でいけば、 空白圏をぜひなくしたいという気持ちがありますので、認めることは賛成です。  ただ一方で、あとの2病院ですね、秋田圏域内の。若尾先生のところがなさった機能 評価の中で、緩和医療とか相談支援センター、この辺りについて評価されているんです が、秋田圏域内の、日赤だったと思うんですが、余り評価が高くありません。ですから、 県としては既指定の拠点病院の強化をぜひしっかりやっていただいく。一方、空白圏を なくすという意味で、大館と組合病院を認めるのが良いと思います。 ○垣添座長  ありがとうございます。  ほかにご意見ありましょうか。  空白圏をなくすというのは、多分皆さん一致してご了解いただけるのではないかと思 いますが、秋田県からは4つが上がっておりますけれども、今、山口委員からは、大館 市立総合病院と組合総合病院は認めても、4つ全部は無理じゃないかというご発言です が。  どうぞ、内田委員。 ○内田委員  秋田県の地域事情があるというふうに思いますので、秋田県のただし書きのほうでコ メントがついております2病院だけ認めるという方向でいいと思います。 ○垣添座長  ありがとうございました。  どうぞ、関原委員。 ○関原委員  今、垣添先生や山口先生がおっしゃった通り、山口先生もそうなんですが、空白圏を つくらないというのは、僕は理念としてはもちろん正しく、また、地域ごとにいろんな 事情があるということもよく分かりますが、一方今回、とにかくどこにいてもある程度 質の高い医療を受けられるというために、高いバーがやっぱり設けられています。高い バーと地域の実情(限界)に何らかのソリューションを求めないと、2次医療圏に1か 所にがんの拠点病院は設置されても、実際の病院の評価というものについて僕は中長期 的に問題が出てくるんじゃないかなというふうに思います。  もちろん地域になかったら困るんだけれども、だけど、やっぱり質が僕は非常に大事 だなと。そこの整合性は今まで何回も議論されたわけですが、今度明らかにバーが上が るわけですね。地方財政は極めて厳しく、病院経営も合理化・効率化が求められる中、 どう見てもこのバーには達しない、あるいは達成しても中長期的に維持するのか容易で ないと想定される病院は少なくないはずです。ですから、10月までにここのところをど うするかというのをぜひとも案をつくってもらって、それで議論をして、そこのソリュ ーションを考えた上で審査に臨まないと、基準を厳格にすれば容易にバツばかりついち ゃうということに僕はなりかねないなというふうに思います。 ○垣添座長  ありがとうございました。  どうぞ、若尾委員。 ○若尾委員  若尾です。恐らく今回推薦いただいている病院は今の基準を満たしている、今の指定 要件は満たしているということでよろしいんですね。だから、今後、二次医療圏を増や すときに、空白地帯をなくす時点で、先ほど山口先生がおっしゃったようなランクづけ をするとか、そういう対応をしていかないといけないということで、今回の推薦に対し ては問題ないということでよろしいんでしょうか。 ○関原委員  そうです。ただし、これはもう半年後の話ですから、いったん認めて住民の人は指定 病院だと思ったら、基準が維持できなくなって取り消しだという話になったら、これは 何だということに僕は必ずなると思うんですね。そういう意味で、もう基準はできてい るわけなので、そこは早目に手当てをしておかないと、すぐ看板をおろすということは、 むしろある意味ではマイナスじゃないかなというふうに僕は思います。 ○垣添座長  ありがとうございます。  それでは、事務局、どうぞ。 ○前田がん対策推進室長  今回の申請は新基準でございますので、厳しいほうの基準でございます。ですから、 今回指定されますと有効期限は、これからまた2年後、3年後に基準がまた厳しくなる かどうかの可能性はございますけれども、今の基準に沿って申請を今回されていますの で、一応有効期限は4年ということでなってございますので、そこは旧基準による審査 ではなく、厳しいほうの基準による審査だということでございます。 ○垣添座長  これまでの議論を通じまして、大館市立総合病院と秋田県厚生農業協同組合連合会秋 田組合総合病院、この2つを地域間診療連携拠点病院として承認して、残る2つはちょ っと今回見合わせていただくということでよろしゅうございましょうか。  それで、承認はされたけれども、この2病院に関して今ここでご指摘いただいたよう な幾つかのご意見を付して通知するということでお願いできたらと思いますが、よろし ゅうございましょうか。  ありがとうございます。  確認してください。 ○前田がん対策推進室長  それでは、ただ今のご意見でございますが、大館市立総合病院と秋田県厚生農業協同 組合連合会秋田組合総合病院については地域がん診療連携拠点病院として指定し、市立 秋田総合病院と医療法人明和会中通総合病院については指定しないというご意見という ことで確認をさせていただきます。 ○垣添座長  では、埼玉県をお願いします。 ○前田がん対策推進室長  続きまして、埼玉県でございます。83ページからでございます。  申請が上がってきた病院でございますが、85ページにございますが、地域がん診療連 携拠点病院として、済生会川口総合病院でございます。86ページに、少し字が小そうご ざいますが、埼玉県の南西部の中央保健医療圏の中の右下のほうの星印である済生会の 病院でございます。こちらにつきましては、同じ市内に川口市立医療センターが既に指 定されており、埼玉県におきましては9医療圏のうち11病院が既に指定をされていると ころでございます。  そこで、県のほうに数値目標を持った推薦意見書ということを再三お願いしてきたと ころでございまして、89ページからの追加資料、そして再度の追加資料が91ページから 添付されているところでございます。  内容といたしましては、この済生会川口総合病院においては、PET−CTを導入し た放射線治療ですとか地域連携クリティカルパスの整備、そういったものがこの病院を 指定することによって進むということが記載をされているところでございます。  2病院を指定することによる相乗効果が90ページにございますが、その真ん中の少し 上の辺りですが、川口市立医療センターは先駆的ながん治療や温熱療法、そして済生会 川口総合病院は地域唯一のPET−CTによる高いがん診断能力を有し、地域医療支援 病院としての機能を生かし、地域の病院・診療所との連携能力という点に力を入れて、 それぞれのがん医療に取り組んでいるということで、この2病院の特性を生かして密に 連携して、南部地区において、拠点病院を中心としたがん早期発見から早期治療、緩和 ケアという取組が効果的に進むものと考えるというふうな意見を県のほうからいただい ているところでございます。  それから、県内のがん診療機能の向上、そして拠点病院間の連携とクリティカルパス の推進が進むということが記載されてございます。ただ、数字的には記載はございませ ん。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  いかがでしょうか。  若尾委員。 ○若尾委員  資料を見させていただいて、済生会川口総合病院を地域拠点病院として認めていただ くことはよろしいことだと思います。  ただ、今後の話としまして、資料の95ページと92ページを比較しますと、今の川口市 立医療センターが、新患の患者さんが700人で、がんの患者さん7%ということで、そ れに比べまして今回の新規のほうが2,000人、23%と。新規のほうが非常に機能が充実 していて、既存のほうが少し劣るようなことがありますので、今後、既存の更新の際に、 ここのところ、一回2つ認めたからといって継続的に2つ認めないで、しっかりとチェ ックする必要があるのではないかと思います。 ○垣添座長  大事なご意見だと思います。ありがとうございます。  それから、後ほど出てくるかもしれませんけれども、埼玉県というのはやっぱり地域 がん診療拠点病院に対する予算配分がすごく少ないですよね。  どうぞ、事務局。 ○前田がん対策推進室長  予算の件については、参考資料3の、少し字が小さくて恐縮でございます。こちら1 枚おめくりいただきました2ページ目でございますが、平成19年度の国庫補助事業活用 状況の中の都道府県と独立行政法人等と分けてございます。そしてこの中の、埼玉県に つきましては11番目でございますが、7つの病院に対して648万5,000円ということでご ざいまして、これが国から交付している額ですので、これが2分の1、そして県のほう が2分の1というふうに考えますと、1カ所当たり180万円程度の金額ですね。国から の補助が90万円程度でございますので。平成19年度の地域がん診療連携拠点病院に対す る国庫補助の単価といたしましては900万円でございますので、ちょうど2番の青森県 のような形ですね。国から450万円、県から450万円というのが補助基準に合致した補助 でございますが、それに比べますと補助金の金額としては少ないという点が1点ござい ます。  指定基準の中の3点目にあります県としてのバックアップ体制という点につきまして は、座長ご指摘のとおり、補助金の額としては少ないという状況でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  それでは、これまでの議論を通じまして、済生会川口総合病院は指定することにいた しますが、これまで既存の指定病院の活動なども含めて、いずれ全体的な評価をすると いうことで、先に進まさせていただきたいと思います。  長野県をお願いします。 ○前田がん対策推進室長  では、確認としまして、それでは済生会川口総合病院を地域がん診療連携拠点病院と して指定するということで確認をさせていただきます。  次に、長野県でございます。  97ページでございますが、99ページに伊那中央病院ということで、新規指定で上がっ てきてございます。  長野県の二次医療圏数でございますが、10医療圏に対して現在7病院が指定されてご ざいます。地図で申しますと100ページでございますが、今回は長野県の二次医療圏の 中の上伊那医療圏の中に伊那中央病院が新規で指定が上がってきているという状況でご ざいます。  こちらにつきまして指定要件を見ますと、104ページでございますが、新入院がん患 者数が973名ということで、望ましいとされる1,200名には足りていないところでござい ますが、指針に定める必須要件の整備については行われているという状況でございます。  以上でございます。 ○垣添座長  伊那中央病院、いかがでしょうか。  よろしゅうございますか。  それでは、事務局から確認してください。 ○前田がん対策推進室長  それでは、伊那中央病院を地域がん診療連携拠点病院として指定するということで確 認をさせていただきます。 ○垣添座長  次は、滋賀県をお願いします。 ○前田がん対策推進室長  滋賀県でございます。  107ページからでございますが、109ページに都道府県がん診療連携拠点病院として滋 賀県立成人病センター、そして地域がん診療連携拠点病院として彦根市立病院がいずれ も新規指定という形で上がってきているところでございます。  滋賀県につきましては、資料3の1ページ目にございますが、7医療圏の中で現在4 つの地域がん診療連携拠点病院が指定されてございまして、そのうち1つの県立成人病 センターが県の拠点病院に格上げ推薦ということと、新規に彦根市立病院が推薦をされ てきているという状況でございます。  こちらの条件につきましては、113ページに、指定要件の充足度で滋賀の県立成人病 センターにつきまして県のがん診療連携協議会が未設置でございますが、本年3月末ま でに設置し開催することにつき、県から確約書が提出されているというところでござい ます。  そして、彦根市立病院につきましては、指針に定める必須の要件の整備が行われてい るという状況でございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  滋賀県、いかがでしょうか。滋賀県立成人病センターを都道府県がん診療拠点病院と して指定すること、それから彦根市立病院を地域がん診療拠点病院として指定するとい うことでありますが、よろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。  それでは、事務局、確認してください。 ○前田がん対策推進室長  それでは、滋賀県立成人病センターを都道府県がん診療拠点病院として指定すること、 そして彦根市立病院を地域がん診療連携拠点病院として指定することということで確認 をさせていただきます。 ○垣添座長  それでは、大阪府、お願いします。 ○前田がん対策推進室長  続きまして、大阪府でございます。  大阪府につきましては115ページからでございますが、117ページに大阪市立大学医学 部附属病院、大阪大学医学部附属病院、大阪医科大学附属病院、近畿大学医学部附属病 院が新規指定ということで推薦が上げられてきているところでございます。  地図で申し上げますと、118ページでございますが、星印の書かれているところが新 規申請のところでございます。真ん中の少し上の吹田市のところが大阪大学、そして高 槻市のところが大阪医科大学、そして大阪市の南部のところが大阪市立大学、そして右 下のほうの大阪狭山市のところが近畿大学という状況になってございます。  現在の指定状況についてでございますが、現在、大阪府は8医療圏でございますが、 拠点病院の数が11でございます。既に3つオーバーしているところでございまして、そ こにプラス4という申請でございます。  そちらにつきまして、相乗効果による数値目標などが示されているかどうかというこ とで、いろいろと大阪府ともやりとりをしてきたところでございますが、まず追加の推 薦意見書が142ページから出てきてございまして、まず大阪府が取り組むがん医療につ いての説明がございまして、145ページに二次医療圏の人口が、大阪市の二次医療圏を 初め、かなり大きな人口を抱えているということ。それから、146ページでは、がん診 療連携拠点病院における治療割合と75歳までの年齢調整死亡率ということで、福井県、 山形県と比較して拠点病院に占める治療割合が低いということと、年齢調整死亡率が高 いということが説明として加えられてきているところでございます。  それからもう一回、追加の推薦意見書を出していただいたのが149ページからでござ いますが、150ページの中に、今回の指定によって、四角の表の下でございますが、が ん診療連携拠点病院の主治療割合が11ポイント高くなり、その結果、年齢調整死亡率の 改善が見込まれるということ。そして、一番下の3行でございますが、今回の追加で4 病院を加えた15の病院が研修を行うことによって、緩和ケア研修が4年間で1万5,000 人程度まで受講することができるということで、緩和ケアの研修の目標達成が可能とな るというふうな相乗効果について数値目標をもって説明がされてきているところでござ います。  151ページからは、その4病院についての指針に定める要件でございますが、4病院 とも指針に定める必須要件の整備が行われているという状況でございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  大阪府はいかがでしょう。  若尾委員。 ○若尾委員  細かいことですけれども、今の150ページの指定を増やすことで11ポイント拠点病院 が占める割合が高くなるという、それはそうだと思うんですけれども、その先、それに よって年齢調整死亡率が改善するというのはちょっとこれはおかしい、結びつかない話 ですね。今までもがん診療をやっていて、それが拠点であるか拠点でないかという問題 であって、拠点に指定したからといってそこの改善が見込まれるというのは直結しない 話だと思います。ただ、指定することについては問題ないと思います。 ○垣添座長  山口委員。 ○山口委員  大阪府の計画の大きな絵なんですけれども、そもそも今までがん対策基本法、推進計 画の中で言ってきたのとちょっと違う、全県1区で考えるような考え方だと思うんです ね。治療・診療という面では確かに良い点があるのですが、緩和ケア、情報提供、そう いったものを考えると、この考えではそぐわないところもあると思います。その上で本 来の、先ほどから議論になっている医療圏数よりかなりオーバーをするという点を考え ると、このまますんなり承認というわけにはいかないのではないかなと思います。  それから、若尾先生がおっしゃったとおり、拠点で診る患者さんの数を増やすのが目 的ではなくて、あくまでも拠点は連携拠点ですので、そういう意味合いをはっきり明確 にしておくことも必要じゃないかなと思います。  それで、もう一点、先ほど若尾先生が別な地域で指摘されたことなんですが、今まで 同じ医療圏で指定されている病院と今回指定を受けようとする大学病院の機能が余りに も違い過ぎるという問題がもう一つ出てくると思うし、今回の説明では1医療圏に大学 病院で非常に強いものと総合病院的なものを2つ指定しなければいけない明確な理由と いうのがはっきりしないと思います。  そこで、私は今回の大学病院は指定し、それで1年でも早く大阪府の状況をいい方向 に持っていくということについては賛成なんですが、平成21年度の新基準での更新の ときに同一医療圏の他の病院についてしっかり見直していただいて、機能の分担等が明 確に図れない場合は、例えば大学病院は治療でもう一つの病院は緩和ケアをしっかりや っていくとか、そういう明確なものが出せない場合には更新手続をとっていただかない というようなことまで含めて、大阪府に次期の更新についてしっかりとご検討いただく。 委員会としてもその点をしっかり把握させていただくと、こういう条件でいかがかなと 思います。 ○垣添座長  ありがとうございます。  大阪府は確かにこれまでも指定病院数が多いわけで、それに加えて4大学という話が 出てきていますので、今、山口委員がご指摘の点は非常に大事なポイントではないかと いう気がします。  迫井委員、どうぞ。 ○迫井委員  今回の大阪府の件は、私としてもすごく注目をしている案件です。といいますのは、 これは後ほどまたぜひお話をさせていただきたいことにも絡むんですが、大阪はやはり 47都道府県の中でも少し特殊な条件を、北海道とか岩手とかとは別の意味で、恐らく府 のエリアとしては必ずしも大きくはないけれども、周辺地域からの患者さんの流入がも のすごく大きいんだろうなというふうに想像いたします。  ですから、山口先生のご指摘に私は賛成なんですが、1つだけ大阪府が、次に整理を するときに、二次医療圏単位での整理を求めるということではなくて、二次医療圏で整 理をしたときにはこうなるんだけれども、例えば全県的に見たときに、医療圏の区切り は区切りなんだけれども、全県で見てこういう体制が望ましいというふうな説明も含め て再整理をしてみていく必要があるんじゃないかなということなんです。つまり、今回、 大阪府が出されておる二次医療圏単位の数からいきますと、恐らく住民の人口とか最も 極端なケースに我々は今接しているんだろうと思われますので、あくまでもそういう意 味でいきますと、二次医療圏は目安なのかなというふうに、特に大阪府の場合には思い ます。山口委員の一つの視点と、プラス、別の視点で大阪府がもし整理をするのであれ ば、それも含めてぜひ次回、フォローアップのときにご検討いいただくような形で今回 承認していただければ、自治体としてはすごく取り組みやすいんじゃないかなというふ うに思います。 ○垣添座長  ありがとうございました。  どうぞ、内田委員。 ○内田委員  今のお話のとおりだと思うんですが、大阪みたいな特殊性というのは、やはり東京で あれ、横浜であれ、そういう都市圏ではよく見られる話ですので、指定要件の中で再検 討する場合に、やはりほかの都市圏でどういう取組がされているかというのをよく整理 していただきたいということと、今後の方向性としてそういう、東京や横浜で指定要件 の量的なものは全部満たしているけれども、なおかつ申請は認められないとか、しない とかというところもたくさん出てきますので、そこの整理はやはり必要ではないかとい うふうに思うんですね。  我々は、レベルを上げるということと、均てん化ということと、それから地域の特性 をどう反映するかということで指定要件を考えておりますので、その辺の勘案ですね。 東京なんかでも周辺の県から患者さんが入ってきていますから、そういう大きな視点も また必要であるということを今後の指定の中で考えていかなくちゃいけない。 ○垣添座長  ありがとうございます。  先ほどの北海道の場合の札幌に関しても通じるような議論かというふうに思いますが、 それでは、大阪府に関しましては申請されております4つの大学を承認しますが、ただ しこれまでに指定された病院との関係とか、特に更新手続に関しての見直しと、それか ら周辺地域からの患者さんの流入といったことを含めて、あるいは大阪府は一つのモデ ルとして大都会における地域がん診療連携拠点病院の在り方といったことも含めて議論 するという条件の下で承認するということでよろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。  では、事務局、確認してください。 ○前田がん対策推進室長  それでは、大阪大学医学部附属病院、大阪医科大学附属病院、近畿大学医学部附属病 院、大阪市立大学医学部附属病院を地域がん診療連携拠点病院として指定するというふ うなご意見であることを確認させていただきます。 ○垣添座長  ありがとうございます。  では、兵庫県をお願いします。 ○前田がん対策推進室長  続きまして、兵庫県でございます。  兵庫県は157ページからでございまして、159ページに独立行政法人国立病院機構神戸 医療センターが新規指定ということで地域がん診療連携拠点病院として新規の申請をい ただいてございます。  兵庫県の医療圏でございますが、10医療圏に対して13病院が既に指定されてございま すが、今回が14カ所目ということでございます。  兵庫県からの意見といたしましては、163ページにございますとおり、神戸圏域の中 の西部、西区、垂水区、須磨区、長田区を神戸医療センターでカバーしたいという点で すとか、そしてその指定の効果として、164ページにございますが、まず胃がん、大腸 がん分野における補完、強化、在宅医療との連携強化、そして治療の初期段階からの緩 和ケアの普及、地域連携クリティカルパスの充実、がん登録の推進、そして在宅訪問医 と連携した質の高い療養生活の提供モデル機能の発揮といったことが指定による効果と いうことで挙げられてございます。  そして167ページの、先ほども資料1でございましたが、神戸圏域の中において神戸 大学と中央市民病院とのすみ分けということで資料として提出をいただいているところ でございます。  そして、指定要件につきましては、171ページでございますが、指針に定める必須要 件の整備というものが行われているという状況でございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  神戸医療センターに関して何かご意見ありましょうか。  では、地域がん診療連携拠点病院として承認するということでよろしゅうございまし ょうか。  では、事務局、もう一度確認してください。 ○前田がん対策推進室長  それでは、国立病院機構神戸医療センターを地域がん診療連携拠点病院として指定す るというふうなことで確認をさせていただきます。 ○垣添座長  では、奈良県、お願いします。 ○前田がん対策推進室長  続いて、奈良県でございますが、177ページからでございますが、179ページに市立奈 良病院が地域がん診療連携拠点病院として申請されてございます。  奈良県でございますが、5医療圏に対して現在5病院が既に拠点病院として指定され ておりまして、6病院目ということでございます。  180ページが位置でございますが、市立奈良病院が奈良医療圏で、同じ医療圏の中に 県立奈良病院が既に指定されているところでございます。  そして、医療圏の数を超えるということでございますので、数値目標についての資料 を求めましたところ、182ページから奈良県のがん診療体制の取組ということで、緩和 ケアの提供体制の充実、人材育成、在宅での緩和ケア、そしてがん患者支援及び相談情 報提供の充実、そして院内がん登録の充実などの効果が定められておりまして、そして 今回推薦する病院の市立奈良病院についての説明がございます。  そして、184ページから185ページにかけて市立奈良病院が拠点病院になる理由という 記載がございますが、まず185ページのところにありますが、役割分担として緩和ケア の人材養成、地域への研修の実施、緩和ケア病床の設置という点で市立奈良病院の役割 というのは非常に大きいということなどが記載されているところでございます。  そして、187ページが要件でございますが、新入院がん患者数が942名ということで 1,200名を割っているところでございますが、指針に定める必須要件の整備は行われて いるところでございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございます。  市立奈良病院に関して何かご発言ありましょうか。  よろしいでしょうか。  それでは、市立奈良病院を地域がん診療連携拠点病院として指定することにいたしま すが、事務局で確認してください。 ○前田がん対策推進室長  ありがとうございます。  それでは、市立奈良病院を地域がん診療連携拠点病院として指定することが適当とい うご意見を確認させていただきます。 ○垣添座長  最後になりますが、香川県の検討をしたいと思います。お願いします。 ○前田がん対策推進室長  香川県でございますが、189ページからですが、191ページに都道府県がん診療連携拠 点病院として香川大学医学部附属病院の新規指定ということでございます。  ただ、この香川大学医学部でございますが、現在、地域がん診療連携拠点病院でござ いまして、数といたしましては5医療圏に対して5カ所というものが変わらずに、地域 拠点病院からの昇格というものを希望されているということでございます。  そして、195ページに、指針に定める必須要件の整備については行われてございます し、既にがんの連携協議会なども開催をされているということでございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございます。  香川大学医学部附属病院に関していかがでしょうか。  では、香川大学を地域がん診療連携拠点病院から都道府県がん診療拠点病院として昇 格するということでよろしゅうございましょうか。  ありがとうございます。  では、事務局、確認してください。 ○前田がん対策推進室長  それでは、香川大学医学部附属病院を県のがん診療連携拠点病院として指定すること が適当というご結論をいただいたということで確認をさせていただきます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  以上で拠点病院の指定に関する検討は終了いたしますが、そのほかに事務局から何か ありましょうか。 ○前田がん対策推進室長  本検討会の迫井委員から資料をご提出いただいてございます。  資料5について、迫井委員より5分程度でご説明いただければと思います。 ○迫井委員  よろしゅうございますか。  資料5、今回私どもで提出させていただいております。若干冒頭にお話ししたことと 繰り返しになるかもしれませんが、実際にこういった拠点病院、あるいはがん対策推進 計画を自治体として進めている立場から、関原委員も先ほどから何度もご指摘がござい ますが、今度の指定要件、新しい指針への対応につきましては、各都道府県非常に苦慮 しているという実情がございますので、1つにはそれをぜひご理解いただきたいという ことと、それからお願い事、その2つでございます。  まず、資料5のご説明を簡単にさせていただきますと、この1月に全国衛生部長会、 各都道府県の衛生部局長の連絡会でございますが、そこで今後どういう対応されている のかということを照会いたしましたところ、39都道府県からお答えをいただきました。 2に概要をまとめてございます。要はこのままですと新しい指針に基づく指定更新に様 々な課題があるということでございます。  まず(1)ですけれども、このままで概ね充足できるという都道府県は8都道府県で すが、29都道府県が難しいということでございます。  (2)は、何が難しいのかということでございますが、これは指定要件を見直される 際にさんざんご議論があったと承知をしておりますけれども、やはり人材の確保、従事 者の配置が一番大きな要件になってきております。  実際に各自治体はどうしようとしているのかということですけれども、指定要件の対 応に課題があって、例えば各県独自の制度的な手当て、これは山口委員のご指摘がござ いましたが、そういったことも含めて何とかしていかなければいけないという課題意識 を持っております。  そこで、(4)でございますが、これは、これまでも何度か、幾たびか、衛生部長会 から国に対してお願いしていることの若干繰り返しにもなるかもしれないんですが、今 回、拠点病院が目指すべき質の高い医療を提供するという要件自体は、それはそれで大 事なことなんだろうと思うんです。しかし、その運用につきまして、例えば要件につき まして、もう少し弾力的な運用をしていただけないのか、あるいは様々な取組に関する 支援とかそういったことをぜひお願いできないのかなということが自治体の認識です。  最後に、ですから、特にお願いしたいのは、関原委員が先ほど再三お話をされている んですが、現に10月1日以降、今年度中にこれを対応していかなければいけない自治体 が相当数に上っております。ですから、がん診療の均てん化という、がん医療の質の向 上ということで、このスキームができ上がっているわけですから、そういう意味でもこ のまま要件が満たせない、ですから指定が解除されるということではなくて、何らか対 応できないのかなということをぜひご検討いいただきたいと思っております。  例えば山口委員が何度か言及されましたし、山口委員が事前にたしか委員皆さんに資 料を提供していただいているんだと思うんですが、拠点病院の現状と課題というペーパ ーは非常によくまとめていただいておりまして、私は大変勉強になったんですが、その 中にも幾つか論点が指摘されております。二次医療圏の扱いですとか、それから県独自 の制度とともに、先ほど言及されましたけれども、国の拠点病院の制度の在り方、これ も含めてぜひご検討をいただいて、要件を緩和することで質を落とすという意味ではな くて、さらにぜひ進化をさせて、枠組みをより発展させていただけないかなというお願 いでございます。  以上でございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  現実的に多くの問題をはらんでいるご発言かというふうに思いますが、何か今の迫井 委員からのご発言に関して、ほかの委員からご意見ありましょうか。  どうぞ、石川委員。 ○石川委員  うちは腫瘍センターを立ち上げて、センター長を公募したわけです。センター長を公 募して、選出された人が現役の産婦人科の医師でありまして、センター長が専任とか専 従でなければいけないという、ちょっとその定義は私はあいまいなんですけれども、と いうことで、彼は40代のばりばりなんですけれども、手術を全くやらない、やってはい けないというふうに理解して、病院もそういうふうに理解して、手術に入っていないん ですね。その辺のことは、病院の中につくった腫瘍センター長の実際の臨床への関わり ぐあいというのは、もちろん本務はやってもらうにしても、ある程度緩和していただい たほうが、これだけ産婦人科医も足らない中で、ぜひご一考願いたいというふうに思っ ています。 ○垣添座長  ありがとうございました。  ほかにいかがでしょうか。  どうぞ、山口委員。 ○山口委員  今のご意見は多分誤解だと思います。腫瘍センター長が手術をできないなんていうこ とはどこにも出ていない。  それから、迫井委員の出された中の、特に人の問題なんですが、前の新指針を議論し てまとめた者の立場から言いますと、がん対策室が随分工夫をされて、細かい文言の中 に忍ばせてある部分があるんですね。そこを読み取らないと今のようなご意見が出てき てしまうと思うので、私は機会があるたびに非常に微妙な言葉遣いを一生懸命説明しよ うと思っているんですが、その辺をより徹底していただくということをお勧めすると、 指定要件が非常に充足しにくいというところがかなり改善されてしまうはずです。 ○石川委員  誤解しているならそれはそれで、そういうふうに誤解してしまって2年間を無駄に過 ごしてしまったので、ぜひ分かりやすくしていただきたいと思います。 ○垣添座長  ありがとうございます。  どうぞ、迫井委員。 ○迫井委員  一言だけ。マンパワーの問題は、ご指摘のとおり、随分工夫されていると理解してい ます。それで、山口先生のペーパーにもあるんですが、特に私ども課題意識として高い のは、放射線治療の装置、それからマンパワーの配置です。  広島県で1医療圏で4施設、お願いをして指定していただいております。例えばこう いった施設が4カ所ともにそういう装置を置いて、かつ専従のドクターを置くというこ とについては、実際問題、地域の専門家から非常に無駄というふうに言わざるを得ない という指摘があるのも事実でして、山口先生の資料の中にも、やはりその辺りは分けて 考えるべきだというご指摘もあろうと思いますので、含めまして、ぜひご検討をお願い したいということでございます。 ○垣添座長  ありがとうございました。  今ご提案の話は引き続き議論を進めていくことにさせていただきたいと思います。  これでそろそろ時間がいっぱいになってまいりましたが、今回から患者さんの立場で 委員として加わっていただきました富樫委員、何か全体を通じてご発言ありましょうか。 ○富樫委員  ありがとうございます。  率直に申し上げまして患者の立場として先生方と一緒にお話しするのはとても荷が重 いと感じています。しかし、がん対策基本法というのは、やっぱり困っている患者さん を何とかしたい、救える命を救おう、ということでできた法律だと思います。簡単に言 えば、適切な治療を受けていない人がまだまだいらっしゃると言うことだと思います。 均てん化とよくいいますが、私は底上げだと思っています。どこの地域でも同じように というか、適切な治療を受けられるようにしていただきたいというのが小さな、いえ大 きな望みなのです。今回、地域的なものが多々あるということを、今回この話合いに出 まして、すごく感じました。  でもやっぱり各県、今日は広島の迫井委員が出ていらっしゃいますけれども、各県の 方たちは一生懸命努力していらっしゃると思うんですけれども、やっぱりがん対策基本 法が施行されてもう2年になるんですけれども、一生懸命やっていらっしゃるところは 本当にすごくよくなっていると私も思います。でもやっぱりその中で困っている患者さ んがまだまだいるということは、もちろん2年で完全に100%可能になるかというのは 無理な話なのかもしれません。ですけれど、こういう拠点病院を県の方たちが推薦して いただいているということは前向きに考えていただいていることだと思います。本当に この書類をいっぱい読むのは私も大変でしたけれども、これだけ見ていると、とても患 者の立場としてはうれしいという気持ちがあるんですけれども、実際今お話を聞いて、 現場はやっぱり大変なのだろうな、と思いました。しかし医師やナースの皆さんは患者 のためにやっぱり毎日頑張っていらっしゃるのですから、困った患者がいるのはどうし てなのだろうというすごく疑問を感じているんです。これはやっぱり医療者が頑張る、 患者が頑張る、県が頑張る、国が頑張るんではなくて、みんなが一緒になってやってい かないとできない。実際、現場の話を聞くと、あれはできない、これはできない、こん なのを言われても大変だよというのはよく聞くんですけれども、そう言わないで、やっ ぱりせっかくできたがん対策基本法が国民全員に役立つように、どの立場の方たちにも 頑張っていただきたいなと思っております。  先生方が疲弊されていたら、いい治療は受けられない。それはもう患者の一番のマイ ナスだと思いますので、その辺を前向きにぜひ、こういうところでも考えていただき、 現場でも、頑張っていただきたいなと思っています。 ○垣添座長  ありがとうございました。  それでは、最後に事務局から何かありますか。 ○前田がん対策推進室長  では、本日は本当に有意義なご議論をいただきまして、ありがとうございました。  事務局といたしましても本日、本当に慎重な審議というか、活発なご議論をいただく ために、できるだけ早く委員の方々に資料を送付したいということで、2週間以上前に 送付をさせていただきました。これはがん対策推進室のスタッフが非常に頑張ってくれ たおかげでございますし、また各都道府県の方々からも推薦意見書、追加意見書を迅速 に出していただいたということによるものでございますので、この場をかりて、傍聴で おられます各都道府県の方々におかれましては感謝を申し上げます。  そして、本当に今日はたくさんご意見が出されたところでございます。一番代表的な ものといたしまして、まず岩手県の事例につきまして、患者数が少ないということです とか、あと相談支援センターは相談件数が少ないといった点が厳しいご指摘をいただい たところでございますので、そちらにつきまして、1年後にそういった点が改善されて いるかどうか、そういうことをきちんとチェックをしていくということを条件としたい というふうに考えて、本日ご議論いただいた方向での通知を考えたいと思います。  また、二次医療圏を著しく超えている医療機関の申請があった、主に代表的な点でい けば埼玉県、大阪府、兵庫県、その3府県につきましては、今既に指定されている病院 の更新申請の際に、併せて今回の指定の病院についても再度検討をしていくと。その検 討については、各府県においてもちゃんと、どういった病院について更新申請を出すか ということも考慮していただくということをいろんな附帯条件という形で考えさせてい ただきたいと思います。  以上のような点、本当にかいつまんだ点でございますが、本検討会での結果に基づき まして、所要の手続を経た上で各都道府県に対し、今月中を目途に通知いたしますとと もに、各委員に指定の結果についてご報告をさせていただきたいと思います。  本日は長時間にわたり誠にありがとうございました。  これをもちまして第5回がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会を終わらせてい ただきます。  本日はどうもありがとうございました。 (了)