09/01/21 第38回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会議事録 第38回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会                  日時 平成21年1月21日(水)                     16:00〜                  場所 厚生労働省職業安定局第1会議室(14階) ○大橋部会長 定刻になりましたので、ただいまから、第38回雇用対策基本問題部会を 開催します。最初に、本日の委員の出欠状況を報告いたします。欠席者は公益代表の宮 本みち子委員、森戸委員です。使用者代表は、橋本委員の代理出席で日本経済団体連合 体労政第一本部の雇用管理グループ副長の平田充様であります。原委員は連絡はありま せんが、遅れて出席とのことであります。  議事に入ります。前回までは、今後の高齢者雇用対策の在り方についてご議論いただ きました。本日は、これまでの議論を踏まえた、高年齢者等職業安定対策基本方針の改 正案について議題とさせていただきたいと思います。まず、事務局から資料を説明して いただいたあと、ご議論をいただきます。それでは、説明をお願いします。 ○山田企画課長補佐 前回までの部会で、委員の方々からいただいたご意見を踏まえ、 事務局において高年齢者雇用安定法に基づく高年齢者等職業安定対策基本方針の改正案 を用意しました。資料を3つお配りしています。資料1が改正案の要旨、資料2が現行 と改正案の新旧対照表、資料3が改正案を文章中に溶け込ませたものです。本日は資料 1と2により、特に資料2の新旧対照表により、今回、修正をご提案している下線箇所 の主なものをご説明させていただきたいと思います。  早速ですが、まず基本方針の構成は変えておりません。1頁目の「はじめに」のあと、 第1から第4までということで、それぞれ就業の状況、雇用機会の増大の目標、事業主 への指針、施策の基本事項といった構成になっています。  1頁の「はじめに」の2にあります対象期間です。右側、現行の基本方針では、平成 17年度から平成24年度までの8年間となっています。これは、平成16年の高年齢者雇 用安定法の改正を受け、平成18年4月からの高年齢者雇用確保措置等の規定の施行を前 にし、平成17年度からの対象期間となっていたものであります。今回は期間の前半、4 年間が終了し、これまでの施行状況を踏まえての見通しということで位置づけられると 考えています。  次に、新旧対照表の2頁目です。第1の高年齢者等の就業の動向に関する事項です。 ここの第1につきましても、これまでと同様に4つの項目立てをしています。高齢化、 雇用・就業、雇用制度等を見ています。部会で昨年8月以来お出ししてきた新しい資料 を基本にして、かつ、第3の事業主への指針につながってくるものを盛り込んだという ことです。  具体的に見ていきますと、まず2頁上の1、人口及び労働力人口の高齢化は、国立社 会保障・人口問題研究所から「日本の将来人口推計」が平成18年に出されたことを踏ま え、また、団塊の世代が平成19年(2007年)に60歳になり、3年後の平成24年には65 歳になることを書いています。  その下の2が雇用情勢です。まず(1)ですが、完全失業率で見ると60歳代前半の失業 率は年齢総数に比べて高くなっているという状況です。その下の就業状況ですけれども、 高年齢者の就業数というのは増加、また、就業率で男女別に見ても上昇しています。3 頁、続きまして男女別に勤務形態を見ると、年齢層が高くなるほど、雇用者に占める短 時間勤務者の割合が高くなっているということを書いています。  その次の3、高年齢者等に係る雇用制度の状況ですが、高年齢者確保措置の導入が着 実に進展をしていること、継続雇用制度の導入、基準を定めている割合、希望者が65 歳以上まで働ける企業の割合、こういったものを書いています。下の2つの段落、「定 年到達前の」というところから、フルタイム、フルタイム以外の働き方の希望、最も可 能性が高い働き方の違い、継続雇用のときの雇用契約期間といったものを書いています。  賃金の状況ですが、次の頁のイは賃金決定の要素として賃金制度の改正、その内容、 業績評価制度の導入の実態。ロは転職者の賃金変動の状況、さらにはその下のハ、継続 雇用時の賃金として、継続雇用時の賃金を含めた年収は6〜7割、4〜5割が多くなって いるということを書いています。  4として労働災害です。労働災害が50歳以上、60歳以上の労働者の方に起こった割合 を見ているものです。以上が第1の就業の動向の部分です。  次に第2、高年齢者の雇用機会の増大の目標に関する事項でございます。平成17年の あと、これまで部会でお示ししてきたように、政府の目標計画が出されたことを受け、2 つ目の段落以降大きく5つ書いています。  1つ目ですが、これは平成24年度末(平成25年3月末)までにすべての企業におい て確実に65歳までの高年齢者雇用確保措置が講じられるようにすることというもので す。続いて2つ目、昨年4月に舛添厚生労働大臣が経済財政諮問会議に報告した新雇用 戦略に基づくものです。希望者全員が65歳まで働ける企業(65歳以上定年企業等)の 割合を平成22年度末を目途に50%とし、平成25年3月までにさらなる普及に努めるこ とを書いています。その次の段落、年齢にかかわらず働く場の拡大として、これも新雇 用戦略に基づくものですが、70歳まで働ける企業の割合を平成22年度末を目途に20% とする。こういったことを書いています。  6頁の冒頭、「これらの施策により」というところです。これは平成19年の12月に まとめられた仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)推進のための行動指針に あるものです。60歳から64歳、さらに65歳から69歳の就業率を記しているものです。  その次が第3、事業主が行うべき諸条件の整備等に関して指針となるべき事項です。 第3は4つ、事業主が行うべき諸条件の整備、高年齢者雇用確保措置、再就職の援助等、 職業生活の設計の援助に分かれています。まず、1の事業主が行うべき諸条件の整備に 関する指針です。(1)は6頁の真ん中あたりです。募集・採用に係る年齢制限の禁止につ いては、雇用対策法の改正法が一昨年10月に施行され、昨年度末、基本方針の最低限の 修正を行いました。今回、そのほかの修正も多いので、法改正の趣旨とともに明記をし たという位置づけのものでございます。  8頁をご覧ください。2、高年齢者雇用確保措置に関する指針についてです。ここが部 会で特に活発にご議論いただいたところであると思います。まず(1)高年齢者雇用確保措 置の実施については、まず平成21年度以降、平成25年度までのスケジュールを書いて います。「継続雇用制度を導入する場合には」というところですが、部会のご議論を踏 まえまして、継続雇用制度を導入する場合として、可能な限り希望者全員を対象とする 制度とすることを検討する、としています。また、労使協定で定める基準について、基 準を定めた場合には随時、労使で対象となる労働者の拡大、希望者全員を対象とする制 度への転換について検討することを書いています。  その次の(2)は、賃金・人事処遇制度の見直しについてです。この賃金・人事処遇制度 の見直しは、労使で個別に決定していくものであるということに留意しつつ、部会での ご議論を踏まえまして、いくつか書いております。まず、(2)が今回追加をしているもの です。継続雇用後の賃金について働きに見合った、就業の実態、生活の安定等を考慮し、 適切なものとなるよう努めること。  次の(3)ですが、働き方の選択肢を広げるという観点から、短時間制度、隔日勤務制度 など、高年齢者の希望に応じた勤務が可能となる制度の導入に努めること。  (4)は雇用契約期間についてであります。高年齢者雇用確保措置の趣旨に鑑み、継続雇 用制度における契約期間というのは、むやみに短い契約期間とすることがないように努 めること。「また」として、雇用確保措置が義務づけられる年齢、この前に契約期間が 切れる契約においては、雇用確保措置が義務づけられる年齢までは契約更新ができると いう旨を周知すること。最後に(7)として、継続雇用制度については制度を活用せずに離 職する方がいらっしゃるので、労働者のニーズや意識というものはどのようになってい るのか、制度に課題がある場合には、その見直しを検討することが考えられるのではな いかという趣旨の内容を盛り込んでいます。以上が高年齢者雇用確保措置についてであ ります。  9頁の下の3は再就職の援助等に関する指針です。これについては(3)の「求職活動支 援書の作成等」の最後に追加しています。高年齢者の雇用安定法におきましては、中高 年齢者の再就職を支援するために、解雇等による離職予定の高年齢者等が希望するとき には、本人のそれまでの職務経験を内容とする求職活動支援書というものを事業主が作 成し、交付しなければならないこととしています。一方、政府はジョブ・カードの普及 ・促進に取り組んでいるわけです。キャリアが長い方向けのジョブ・カードというもの を求職活動支援書と位置づけることにより、その両者の整合性を確保し、中高年齢者の 再就職を一層支援していこうということで現在調整を進めているものです。  最後に、11頁の下の4は職業生活の設計の援助に関する指針です。部会でのご議論を 踏まえ、高齢期に至るまで職業生活の充実を図る、労働者が若いときから将来の職業生 活を考えることができるよう、早い段階からの情報の提供等に努めるということを追加 して明記しています。  12頁、これも職業生活の設計に関するものです。独立行政法人高齢・障害者雇用支援 機構では高齢期雇用就業支援コーナーを運営しています。そういった所で行われている 業務内容はどういったものかを具体的に書いたものが、この12頁の修正です。そのほか 細かい字句の整理、こういったものを行っているというものが今回改正案としてお示し している内容です。説明は以上です。 ○大橋部会長 ただいま、事務局から資料の提示がありました。ご質問、ご意見等があ りましたらお願いします。いかがでしょうか。 ○樋渡委員 5頁の第2から、目標に関する事項が入ってきています。先ほどのご説明 で、これは新雇用戦略で掲げていることを記載していると。それから、6頁のいちばん 上から4行目にかけては、ワーク・ライフ・バランス指針から出てきているという話で した。今後、政府としてのこういう雇用戦略のあり方が修正されたりとか、あるいは新 たにまた新しいものが策定された場合、この指針に影響が出てくることが考えられるの でしょうか。 ○長門企画課長 もちろん政府として、いま、これだけまた雇用の問題が大きくなって いますから、今後新しい方針なり計画なりをお示しする機会がないということはないと 思います。いま示したものについても、時間の経過とともにまた必要な見直しを行うこ とになると思います。そのときには、またそういう議論を踏まえて、この場でもご相談 しながら必要があれば見直しをしていくという形になっていくと思います。 ○大橋部会長 いかがでしょうか。 ○長谷川委員 議論してきたことなのですが、前から気になると言っていたのは5頁、 70歳まで働いている人の割合を平成22年度末を目途に20%にすると言っています。こ の時期に「20%」という数字を出さなければいけないのか。私はちょっと違和感があり ます。いま、こういう景気状況で、各企業の雇用状況が非常に悪い。非正規の雇止めな どが起きているわけです。中小ではもう正規労働者の整理なども行われていて、失業率 はさほど出てこないのですが、有効求人倍率も非常に下がっている状況がある。70歳ま で働ける会社を20%という目標がどのように映るのかなという感じがします。  意欲と能力のある人、元気な人が年齢にかかわりなく働き続けるということは私は全 く否定しません。そうだと思います。元気な人はいくらでもいますから。そういう人は どんどん働けばいい。高齢者職業安定基本方針というところで、70歳まで働ける者を20 %という目標値はどうなのか。「20%」と書かなければいけないのかなという感じは持 ちます。若干違和感があるというか、20という数字が違和感があるのかもしれません。 もうちょっと景気が良くて、雇用がどんどん拡大しているときは、そうだなとなるのだ けれども、この状況で若い人たち、20代、30代の雇用不安があるときに、助成金まで付 けてやらなければいけないことなのかなとは思います。もし私だけだったら、それは長 谷川委員だけだよと言ってもらえれば結構です。 ○長門企画課長 いま、70歳まで働く企業の割合が20%という目標をこの時期に取り上 げることについてどうかというご意見がありました。今回、目標に関する事項のところ に取り込んだ具体的な数字の目標というのは、ここでの議論でこういう目標を決めたと いうよりは、ここ数年の間に政府として打ち出してきている1つの具体的な目標を取り 上げ、いままである程度積み上げてきたものをご紹介しているという意味合いが1つあ ろうかと思います。それから、20%という数字が絶対的にどうなのかということについ てはいろいろな議論があろうかと思います。前々回だったかと思いますが、市瀬委員等 のご指摘を受けて、私どもでは基本的に6月1日に51人以上の企業の数字を取って、デ ータとしてお示しているわけですが、前回、50人以下、いわゆる小規模・中規模の企業 の高年齢者の雇用状況についての制度の取組状況の資料をお出ししたかと思います。  いま、皆さん、資料をお手元にお持ちではないかもしれませんので、もう一度数字を ご紹介させていただきます。第36回の部会でお示しした資料2の中で、そもそも定年年 齢を定めていない企業が、50人以下の企業の場合、全体の3割ぐらいございます。逆に 定年制度がある企業が7割弱あるわけですが、その中で継続雇用制度を導入している企 業が大体8割弱、78%ありました。7割の8割弱ですから、5割強ぐらいは定年後の継続 雇用制度を定めているわけです。その場合の継続雇用制度の上限の年齢は、中小の場合 にはご本人の希望する年齢までという所が9.4%、そもそも年齢を設定していませんと いう上限年齢を設けていない所が22%ほどありました。そうすると年齢制限がない、も しくは本人が希望するまでというのが3割ぐらいが先ほどの5割の中にありますから、 継続雇用をとっていて、65歳を突き抜けて働く機会がある企業が15%ぐらいある。定年 を設けていない企業と合わせると、中小の場合は4割を超えてそういう企業があるとい うことになろうかと思います。これまでお出ししているデータだと、51人以上の企業の データで12.4%ぐらいの企業がそれを達成しているということなのですが、今後、特に 今年からは、私どもの調査も31人以上の企業に対象を広げて数字を取ることにしていま すので、それほど20%という数字が実態からして高い水準を求めるものではない。むし ろ、いま申しましたような中小の数字を積極的に取り入れていくとすれば、現状でもか なりそれに近いというか、もしくはそれを上回るぐらいのところに来ているのかなとい う認識も持っているものですから、政府として、これまでお出ししているデータという か目標について、この機会に記載させていただければということで今回入れているわけ です。 ○長谷川委員 いままでアジアとかヨーロッパから、なぜ日本は高齢者雇用がうまくい っているのかと調査に来ていたのは、景気が良かったからだと思います。景気が良かっ たというか、ある程度順調だったから、60歳から65歳までの雇用もいままで比較的順 調だったと思います。でも、私どもが聞くところによると、最近、4月以降の継続雇用 の扱い方の中で、去年とはちょっと様子が変わってきているという報告を受けています。 やはり、そう簡単ではないのです。本来、年金開始年齢までに雇用を継続させるという 60歳から65歳のところだって、おそらく企業の労使交渉は今回は大変だと思っている のです。  要するに、夏ごろまでは、いまの日本景気がこのような状況だなど誰も予測できなか ったと思います。ところが、11月あたりから様相が違ってきて、ものすごいスピードで 変わってきているわけです。基本原則は意欲、能力、健康があれば何歳でも働く、これ は大命題だからいい。しかし、法律で目標を立てたりするときに、景気が順調で、ある 意味では高齢者の継続雇用も比較的うまくいっていたときと本当に同じでいいのか。い ままでの調査はそういうときの調査だから、いま取ったらそういうようになるかどうか 私もわかりませんが、いままでの統計数字は、そういうときの状況のものであって現在 の状況とは違うのではないかということは、どう認識すればいいのかなと思います。  もともと70歳までというのはこの審議会で決めた話ではなくて、ある意味では上から 出てきたような話です。雇用対策として、20%という目標まで決めてやらなければいけ ないことなのかということが違うのではないかと思います。いまやらなければいけない ことは、非正規労働者の若者の雇用を確保することと、60歳から65歳までの雇用をど う確保するかということが重点ではないか。  あとの基本方針というのは4年ですから、経営者に聞くと、この経営状況は3年は続 くのではないかと言われているときに何も修正しなくて、いままでの調査結果で立てて いいのか。審議会委員の1人としては少し自信がありません。 ○樋渡委員 先ほど伺った件と関連するのですが、この案に出てきている目標数値とい うのは、雇用対策基本方針の議論の中で出てきたものではなくて、国の方針として出て きているもので、そこを方針の中で目標として掲げることそのものが指針のあり方、基 本的な考え方としていいのかどうか。それが本当は議論されなければいけなかったので はないかという思いがあったので、先ほどあのような質問をさせていただきました。  ここでこういう目標を明示して、この指針で雇用対策基本法が向かっていくというこ とではないのではないのか。国としての考え方はそういう方向だけれども、この法律中 での整理とは別なのではないかと思っています。先ほどもそういうことを含めてお伺い しました。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 この指針は法律に基づく指針ではありますが、何の ための指針かというと、要するに国として、政府として、どういう方針で進めていくか ということです。  政府が先に決めたものを必ずそのまま入れてくれというわけではないというのは確か におっしゃるとおりですが、一方において国として、政府としての目標値があるのであ れば、それもできるだけ合わせて示していくというのがもう1つの機能だろうと思いま す。この時点で、この目標を政府が定めているからといって、必ずということにはなら ないというのは確かにそうかもしれません。長谷川委員がおっしゃるように、いま現実 に厳しい雇用情勢というのもまた確かです。そうは言っても、一方で高齢化が進み、団 塊の世代が近い将来65歳を超えていくのも事実なわけです。そういう流れの中で、この 年度内に決める方針として、最後はどこまで書くかということですが、厚生労働省とし てはやや緩やかな形ではありますけれども、このぐらいに示しておいたほうが全体への メッセージになるのではないかと考えます。もちろん、いろいろなご意見があればまた 受けさせていただきますが、お示しした考え方はそういうことになります。 ○野村委員 1点は数値目標の件ですけれども、これはやはり国・政府等が、先ほどの 説明ですと、比較的経済・雇用状況が好転した良い時期を1つの背景にしながら目標を 立ててきたというベースの数字です。先ほど話があったとおり、去年の秋から急速に日 本の経済・雇用環境が激変したわけですから、ある意味ではそういう状況をしっかり踏 まえて、見直すところはしっかり見直し、ここまで数値目標を書き込む必要があるのか どうかという基本の部分から含めて、もう一度検討する必要があるのではないのかなと 思います。  単純な疑問なので、ちょっといままでの議論と外れるかもしれませんが、中小企業の 中では、雇用の継続といいますか延長の手段として定年制の廃止が出ているのですが、 定年制を廃止するということはどういうことなのかなと考えると、定年というのは、60 歳、65歳と、そこまで一応雇用は確保しますよという1つの基準の年齢ですので、言い 方は悪いですが、定年がなければ、40歳、50歳でも雇用の終了ができるという捉え方が できるのではないのかなと思います。前提は60、65ということで、先に延ばしていこう、 いまは定年というのは60、65だから、そのキャップを外しましょう、上に延ばしやすく なりますねというのが前提だと思うのですが、逆をみれば、1つの基準の年がなくなる ということは、上にも上がるけれども下にも下がるというようなこともあり得るのかな と。経済状況、雇用状況が厳しくなってくると、40、50で、いやもう申し訳ないけれど もはっきり言って雇えないよ、うちは定年はないのだからというような議論になったと きに、さて、労働組合としてはどのような話ができるのかと。ちょっとうがった見方な のかもしれませんけれども、定年制の廃止というのはどのように理解したらいいのかな と、これは質問です。以上です。 ○長門企画課長 定年制を設けていない企業が先ほど申し上げたように3割あるわけで すが、それは正直に申し上げますと、中小企業の場合には、人材の確保が大企業に比べ て難しい面があって、その中で、一度確保した人材で戦力になる人材には、年齢に関係 なく引続き活躍していただきたいという実態があって、あえて定年制を引かなくていい という状況が生じたというように理解しています。ですから、定年制について、たしか 前回でもこの場でも雇用の保証なのかどうなのか、そこを議論しないといけないという ご指摘がありましたが、少なくとも解雇法制が我が国の場合にはあって、合理的な理由 もなく解雇ができる状況にはないわけですから、定年制がない場合は、そのことを理由 に、直ちに身分が不安定になるとか、そういう心配はしなくていいのではないかと受け 止めています。以前に議論があったかと思いますが、一律に全員が70歳まで働けるとい うことを求めているわけではなくて、65歳を過ぎても働けるような人が1人でも2人で もいるような企業があってもいいのではないかと。  先ほど部長のほうから話がありましたが、団塊の世代が2007年問題と言われて、60 に達し始めて、もう2009年ですから、3年間のいちばん最後が60に来ています。とい うことは、いちばん最初に生まれた方はもう62、要するに65までにあと3年を切るよ うな状況になってきているわけで、確かに残り4年間の基本方針ではあるのですが、こ の基本方針が終了するまでの間に、団塊の世代の方は、65に届き始めると。そうすると、 それまでの部会のご議論で、補佐のほうからご説明したかと思うのですが、例えば65 以上の、60代後半の就業率を前提にしても、ネットで80万人ぐらいだったかと思いま すが、新しく雇用の受け皿が必要になると。そういう状況が一方で出てこようかと思い ます。実質的には秋からご議論を始めていただきましたが、確かに長谷川委員がご指摘 のとおりに、その頃に比べると、高年齢者の雇用確保措置を実施していただくためには、 非常に困難度は増してきていると。これはもう間違いないのだと思うのですが、そうで あるからと言って、確保措置の目標を後退させていいかと言われると、やはり先ほど申 し上げたような人口構成の変化等を考えると、難しさは増しているかもしれませんが、 目標は目標として何とか踏みとどまって維持していく必要があるのではないだろうか。 そういうことで、今回引き続きこういう目標を掲げてはどうかということで、お話をさ せていただきました。 ○征矢委員 いまの目標の問題ですが、確認事項ですけれども、17頁に「年齢にかかわ りなく働き続けることができる社会の実現」という項目があります。ここは全く修正し ていないわけです。したがって、そういう目標への対策というのは、従来のやり方で4 年間行っていくという考え方であり、それ以上のことをするということで、修正するこ とはない。目標の20%には異和感があるというご意見は確かにあるのですが、政府の立 場を考えると、一応目標を掲げて動いていることですから、それを基本方針から落とす となると、それはそれでなぜかという問題があるかと思いますので、対策は現行法で書 いてあるとおりを確認して対応するという考え方でいいかなと思います。 ○原委員 おっしゃるとおり17頁に書いていますので、それはそれでいいのですけれど も、それでは不十分だと思うのです。65歳まで希望者全員というのは、この前も言いま したように、大企業21%、中小企業42%、50人未満は66%という状況の中で、やはり 大企業を中心として希望者全員ではないわけですよね。そこを何とかしていただきたい と言っている。そこは何ともならずに、なお新雇用戦略に基づいて、70歳までという数 値目標がポッと入ってくると。それはちょっといかがなものか。  残念ながら、こういう雇用情勢の中で何が起こっているのかというのは皆さんもご案 内のとおりで、長谷川委員も言ったかもしれませんけれども、派遣請負、有期雇用、ま ずこれを切りましたよね。次の提案は、再雇用制度の凍結。折角、数年前に60歳以降の 再雇用制度を設けた。これを当分の間凍結してくれという提案がちらほら、うちの企業 でもきている。あるいは再雇用制度は凍結しないで残すけれども、今度は事実上契約は 更新しないと。1年間働いてもらったけれども、この次の1年は仕事量が減少している から、もうかんにんしてやと。こういうことが始まっているわけですよ。  そういうときに、逆に65歳まで何とかということに注力すべきにもかかわらず、のん きな話だなと現場からは逆に言われるわけです。何を議論しているのだと。65までの保 証もないのに、何が70まで20%だと。何をのんきなことを言っているのだと審議会の 委員が言われそうな雰囲気なので、以前から入っていますけれども、このときに20%と いう数値を入れてというのは、皆さんがおっしゃったと思いますが、ちょっと違和感が あるなと思います。賛成するわけにはいかないということです。 ○大橋部会長 いままでの議論で私が気になったのは、例えば若年と高齢者、どちらに ウェイトをおくかというのは、私たちで決めてはいけない。例えば2004年の高年齢者就 業実態調査というのがあります。その中で、60歳代後半層の20%は、仕事があったらま だ働きたい、だけれども仕事に就けないと。一方で経済的な問題も抱えている。やはり、 働ける期間が短い人が老後の経済的な準備ができていなければ、働かざるを得ない。そ れぞれの労働者の方の事情というのがあって、それにウェイトづけをして議論するのは よくないと私は思います。ですから、やはり60歳代後半層で2割の人は、まだ働きたい のにもかかわらず仕事がないということに重きをおくべきではないか。バランスの問題 はある程度マーケットが決めるでしょうし、政府としては、若年者はもちろん高齢者に 対しても対策を打たざるを得ないと。  もう1つ。長谷川委員がおっしゃった20%の問題ですけれども、確かにここだけを読 みますと違和感を感じるのですけれども、やはり政府の政策目標ですから、全然目標を 立てないでお金を使っていいのかと。税金を高齢者の雇用対策に使うわけですから、そ ういう意味では何らかの目標はあっていいという気がします。20%が高いか低いかとい うのは、ちょっと判断しかねますけれども、現状で60歳前半層で2割のまだ働きたいと いう人がいる限り、やはり目標を掲げて頑張るしかないのではないかなと思うのですが、 いかがでしょうか。 ○征矢委員 いまの話と同じかもしれませんが、65歳以上で、長い間いろいろな形で働 いてきたが、いわゆる年金自体が国民年金で生活していくためには金額も少なくて、な お働きたいという方もおられるわけです。私はシルバー人材センターの関係をやってい るのですが、ここの平均年齢は70歳近いのですけれども、実際は雇用で働きたいけれど もなかなか働けなくてということでシルバーの仕事をする人も結構います。そういう意 味でいくと、いま部会長が言われたように、65歳を超えた人についても働く機会をでき るだけ考えていくということは必要ではないか。ただ、おっしゃるような問題もあるの ですが、厳しい状況の中でそういう人もいるので、そういうところも考える必要がある のではないかと思います。 ○大橋部会長 結構難しい問題で、そもそも論になると、やはりかなり難しい問題がい ろいろ出てくると思います。 ○荻野委員 特に1つ思いましたのは、平成22年度末という時期をポストポーンすると いう方法も考えられないのかなと。今の情勢を考えると、65歳から70歳までの間とい うことは、年金が出ているわけですし、一方で若い人の失業者も大変多く、中には非正 規労働で失業給付がもらえない人もいる。もちろん、そちらはそちらできちんと対策を 講じられるものと思いますし、それはそれ、これはこれということなのかもしれません が、この段階で平成22年度末というのは、かなり差し迫っていて、再来年の3月末です よね。いまのお話だと、リアリティのある数字だと承りましたけれども、こういうこと を政策的なメッセージとして出すときに、本当に年金をもらっている、退職金をもらっ た人たちをターゲットに、平成22年度末を期限に数値目標を掲げていきますというのが メッセージとしてどのように受け止められるのかというと、少し配慮が必要かなと。平 成22年度末だと、まだ63歳になりますか、64歳になっていますか、25年が65歳でし たか。どちらにしても、そのぐらいからは年金が出ている人たちですので、その辺まで とりあえず延期するというようなこと。それに強くこだわるつもりはないですけれども、 アイデアとしてあってもいいかなという感想を持ちました。 ○大橋部会長 平成22年度末というのはどこから出てきたのですか。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 政府が勝手に決めたことと言われるとそれまでです が、去年の春にいろいろ議論した際に、集中的に対応する期間として、全体を平成22 年度一杯と決めました。希望者全員が65歳までというのも平成22年度末になっていて、 この計画の平成24年度末とはずれてしまっている。ただ、すでに数値を出しているとい うことと、新たに平成24年度の数値を作るかというのも考えたのですが、50%に変わる 数値はなかなか難しいかなというので、それをそのまま入れたがために、かえっていろ いろなご意見を招いたかなと思っているのですが、なぜ平成22年度になるかというと、 そういう経緯です。 ○平田代理(橋本委員代理) 20%のことなのですが、長谷川委員の言葉を借りれば自 信がないという中で、しかし国の目標として「20%とする等」とあるので、いいのかな という気がしなくもないのですが、これが改定されるのが4月1日ですよね。いま自信 がなくて、まだ2ヶ月半くらいあって、4月1日に変えるときに、もしかしたら、もっ と違う状況が起きているのかもしれないという懸念があります。それは申し上げておき たいと思います。 ○征矢委員 いま課長からご説明があったのですけれども、20%というのは、説明資料 を精査して、現状はこういうことですというのをお出しいただけたらいかがでしょうか。 20%に対して、どういうことで足算、引算してこのような数字になっているのか出して いただければと思います。 ○長門企画課長 20%という目標値は、従来の政府の6月1日時点の調査は51人以上の 企業で取っていましたので、これは最新のものというか、去年の6月1日で12.4%です から、まだ隙間があるのですが、先ほども口頭で申しましたように、50人以下の企業で 見ますと、そもそも定年制度がない企業と、継続雇用が65歳を超えて設定されている企 業を合わせて全体の45%ぐらいは、そういう企業があります。むしろ企業の数としては、 50人以下の企業が全体の90数%を占めているわけですので、その前後を足せば、本当 は20%よりももっと高い実態が出てくるのではないかと思うのですが、そこは調査の限 界があるので、そこまではありません。 ○征矢委員 皆さんがおっしゃっているから、資料でこういう形ですよというのを、提 示したらどうですか。 ○長門企画課長 これが現実味のない数値ではないというか、確かに雇用状況が変わっ ているというご指摘はよくわかるのですが、それを加味しても、何とか維持しても、そ れほど不合理な数字ではないということを、データでお示しします。それはいまお配り したほうがいいですか。 ○大橋部会長 できたらいまのほうがいいと思います。簡単にできますか。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 この数字をどう評価するかという話は、実はどうい う数字として提示しているかというと、50人以上の企業の割合が、当時は11%強だった と。それを踏まえた数字なのです。いちばん下まで持っていったら、たぶんすでに20% を超えているという話になって、この数字の意味がおかしくなってしまうのです。です から、これをどういう数字として意識するかというと、50人で取るか30人で取るかは ともかくとして、いちばん下まで取るとすると、たぶんものすごく変な議論になると思 っています。したがって50人で切るか、30人で切るか、そこはあり得ると思いますが、 たぶんその辺として、ご議論いただかないとまずいというように思います。 ○征矢委員 提示をしていただいて、だから30人だろうが50人だろうが、行政として 20%で考えるということですから。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 この際、数字を上げるのが労使双方ともおかしいと 言われるかどうかはあると思います。ただ、我々としては、確かに厳しい雇用情勢はあ りますけれども、将来のことを考えていった場合に、60代後半ということも、意識して いただく必要が十分にあるのだろうと思っています。今日は途中から入って申し訳なか ったのですが、20%を挙げるということに、もしこだわりがあるのなら、いま征矢委員 からあったような数字のことを含めて、もう一度検討させていただきたいと思います。 ○大橋部会長 私は日頃から学生に目標は高いほどいいと言っていますが、この目標が 高すぎるから。厚労省は頑張るとおっしゃっているのに、周りが目標が高すぎるのでは ないかという疑問は、いささか合わないなという気もしているのです。ただ、こういう 情勢ですから、あまりとんちんかんな数値であると、この審議会も疑われますので、あ る程度もっともらしい数字であるということが確信できれば、これでもいいのではない かと思います。 ○樋渡委員 ここで例えば、では20%がどうかということで、この数値を変えるとか、 あるいは目標とする年度を平成25年に変えるとか、そういうことが可能なのですか。政 府でそういう方針を立てているものを、ここの場で何か議論をして、修正が可能なのか どうなのかということが、私はちょっとよくわからないのですけれども。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 政府の目標自体は平成22年度末に20%ですが、平 成22年度ではなくて平成24年度にするために、どういう数字にするかという議論はあ り得ると。政府は政府で決めたけれども、審議会の意見を聞いた上でということはあり 得ると思います。ただ、平成22年度を平成24年度に延ばしましょうと言われると、政 府の目標とのかかわり合いもありますから、どういう議論でそうなったかというのは、 少し明らかにしていく必要があると思います。 ○荻野委員 それは閣議決定されたのですか。諮問会議に入れたのですか。骨太方針に も入っていないですよね。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 いえ、骨太方針で引用する形で。 ○荻野委員 そうですか。 ○樋渡委員 ここで議論したことが、ちょっと。この位置付けがどうなっているのかな ということをいちばん最初に伺ったのですけれども。 ○市瀬委員 先ほど年金の問題が出ていましたけれども、征矢委員がおっしゃったよう に、やはり厚生年金に入っていない方の国民年金は7万円ぐらいです。そういう方々た ちは働かなければ食べていけないということもありますので、私はあまりこだわらない で、目標ですし、ここにこういう形で入れてもよろしいのではないかと思います。いま 言ったように、厚生年金をいただいている方は、生活も何十万という形でしょうけれど も、そういう方たちだけではない。私どものような中小企業で、前までは厚生年金に入 らないでもいいという職業にいた者としては、本当に国民年金だけの方も随分いらっし ゃるので、そういう方たちのためにも、別に20%は決して大きい数字でも何でもないと 私は思います。 ○長谷川委員 高齢者雇用対策は、雇用保険の財源を使うのでしょう。だとすると、高 齢者の雇用対策というのは。あまり言ってしまうと。いいです。この財源は雇用保険で しょう。私もそんなにこだわるわけではないですが、この情勢でいいのかなと。自信が ないという話だけで。 ○征矢委員 やはり長谷川委員がおっしゃるようなこともあるわけです。 ○白木委員 いまの20%、50人のところですが、課長から言わせますと、50人未満の データを入れるとクリアできる自信があるというお話で進められていると思いますが、 文章の一貫性から言いますと、3頁は51人以上のデータで議論しているわけですよね。 そこだけが50人未満も入れた数値で十分クリアできると。ただ、50人以上ですと、い まのところ12.4%ですかね。そうすると、かなり苦しい議論を展開することが可能です よね。どこか一貫性がないと本当はおかしいのではないかという感じがします。ここは 全部入れたのだし、向こうは50人以上だということであれば、それはそれで明記をしな いといけないような感じもしますが。 ○大橋部会長 高年齢者就業実態調査の事業所表というのがあります。それを見ると企 業規模がわかりまして、企業規模によって、高齢者の比率が違いますので、そのデータ を普遍して、これはデータが違いますから、それで計算してみれば、そんなに難しい数 字ではないと思います。基本的に厚労省が数値を挙げて頑張るとおっしゃっているもの を、頑張れるかどうかとあまり疑問を投げかけるのも変な話ですので、頑張ってもらい ましょうというしかないのではないのかなと思います。 ○石坂高齢者雇用対策課長 そういうこともありますので、来年度から31人規模まで調 査を厳格に広げるということも考えています。51人ベースで取っているデータは確かに 12.4%ですけれども、規模の実態を反映した数値に持っていくという中で、この目標を 達成していこうと。企業の実態が掌握できるデータを示しながら、20%に持っていきた いと考えていますので、そのようにご理解いただければと思います。 ○原委員 途中から入って申し訳ないのですが、6頁も新雇用戦略で出した数字だと言 ってしまえばそれまでのことですが、先ほどの20%云々は、企業の受け皿として企業の パーセンテージをそのようにしますというのはいいのですが、6頁の上のほうに、「平 成24年には60〜64歳の就業率を56〜57%、65〜69歳の就業率を37%」となっている わけですが、これも違和感があります。放っておいてくれと言いたいです。 ○長門企画課長 6頁は新雇用戦略とはまた別で、むしろこれは政労使でワーク・ライ フ・バランスの検証をまとめたときに、仕事と生活のバランスをとった働き方をすると、 多様な働き方が増えて、その結果として高齢者の就業も伸びるだろうから、進み具合い の指標として60代前半と後半の就業率は、政府としてお約束した数字を入れているとい うことです。これも一応こういう数字を出していますが、いままで3年の確保措置を取 っていただいて、ある意味では想定していた以上にご協力等をいただいて進んでいる中 で、それも大体見通しとしては達成できるというか、かなり近い線にきているのではな いかという受け止め方をしていますので。 ○原委員 行動指針でしょう。 ○長門企画課長 はい。 ○平田代理(橋本委員代理) いろいろな目標がちりばめられているということであれ ば、出典を書いておくとか、どこで決まった目標とか、これは何かの閣議決定だとか、 そういうこともあったほうがわかりやすいのではないかなと思います。  もう1点別の件で、9頁の上から4行目のまた書きですが、2つあって、「65歳前に 契約期間が切れる契約とする」というのは、最終的に65歳になったときの形を想定して いるという理解でいいのかどうかということと、周知するも何も、ある意味法制上とい うか法律で要請されているのは、期間がこま切れというか短くても更新をして、ここま でだというのは基本だと思っているのですが、これだとそう読み取れないと申しますか、 周知しなくても当然のものだということで、労使で合意をして、そのような制度を作っ ているのではないかなと思うのです。以上2点なのですけれども。 ○長門企画課長 最初の点は、現実では確かにほかのところでは64歳の時期がまだあり ますから、64歳と65歳と書き分けなければいけないのかもしれませんが、ここは最終 の64歳の場合、その前に65のことも書いてありますから、あえて繰り返して書かなく てもいいだろうということで、本来の最終段階のことを前提に書かせていただいていま す。  2点目は、もちろん制度的には、年金の支給年齢と接続するような形で引き上げてい る確保措置の年齢まで措置を越えていただくということでお願いをしているわけですけ れども、そのことは紛れもないことなのですが、部会の資料でお出ししましたように、 実際、契約期間について、例えば1年単位になっていることについて、高齢者について は状況の変化が短期間であるということで、そういう設定をされた企業が多いのかもし れませんが、そういうことについて、何となく釈然としない受け止め方をされている労 働者の方が実際に多いというような状況をみると、まだまだ制度の趣旨が十分伝わって いない。場合によっていない。下方設定をしていただくときに、その辺りのことがやや 曖昧に伝わってしまっている部分があるのではないかということで、あえて今回、念を 入れる意味で書かせていただいたということです。法の制度の趣旨としては当然こうい うことを想定していますし、この形の上でもより確実なものとしたことが、質的にもよ り労使にとって安定した確保措置の実現につながるのではないかということで書かせて いただきました。 ○大橋部会長 そのほかいかがでしょうか。  それでは、この案を概ねご了解いただいたということにします。ただし、あとで資料 をお送りいただくと。この20%という数値がそんなに違和感がないですよという意味の 資料をお送りいただくという条件でお認めいただきたいと思います。細かな訂正につき ましては、私にご一任願えればと思います。それでよろしいでしょうか。                  (異議なし) ○大橋部会長 それではそのようにさせていただきます。今後の進め方について、事務 局から説明をお願いいたします。 ○山田企画課長補佐 今後でございますが、今回のご議論を受けまして、来年度4月か らの基本方針の改定の施行に向けまして、年度内の職業安定分科会にも、この基本方針 の改定案をお示ししていきたいと考えております。 ○大橋部会長 その他、ご意見はございませんでしょうか。それでは、今後そのように 進めることといたします。  本日の議事録の署名委員につきましては、古市委員及び木本委員にお願いします。次 回の開催につきましては、2月23日、午後3時からです。案件は、高年齢者等職業安定 対策基本方針の改正のほか、本部会の下に設置されている港湾労働専門委員会において 昨年の6月以降議論されてきました、本年度を5年の計画期間の最終年度とする港湾雇 用安定等計画の改正案等を予定しております。詳細につきましては、事務局より再度ご 連絡いたします。  本日の会議は以上で終了いたします。どうもありがとうございました。 【照会先】   厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課   〒100-8916   東京都千代田区霞が関1−2−2   TEL:(代表)03-5253-1111(内線5815)      (直通)03-3502-6778   FAX:03-3502-5394