09/01/15 第9回薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会議事録 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会(第9回)議事録 日時:平成21年1月15日(木)14:00〜16:10 場所:専用第18〜20会議室 ○寺野座長 皆さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。  それでは、定刻になりましたので、ただいまから「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のため の医薬品行政のあり方検討委員会」第9回になりますが、開会いたします。  皆さん、大変お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。  今日は舛添大臣も御出席ということなんですけれども、後半になりそうですね。多分15時 半くらいではないかなと言われておりますが、では最初に、事務局から配付資料の確認をお願 いしたいと思います。 ○医薬品副作用被害対策室長 配付資料でございますけれども、議事次第、座席表、名簿のほか に、資料1−1から1−4までそれぞれ少し分厚いのが4冊ございます。これは研究班の方で 用意をいただいたものです。  資料2と資料2の参考資料に当たります資料3。これは本日の議論のために、厚労省事務局 の方で論点を整理した資料とその参考資料ということです。  資料4として、21年度医薬関係の予算の概要。  資料5として、厚生労働行政のあり方に関する懇談会の中間まとめの資料です。  あとは、委員から提出されました意見書と、更に9月からパブリックコメントということで 御意見募集をしておりました。まだお二方3件だけでございますけれども、これまでに寄せら れているものを最後に配付してございます。  不足等ございましたら御指示いただければと思います。また乱丁落丁等ございましたら、そ の都度御指示いただければと思います。よろしくお願いします。 ○寺野座長 ありがとうございました。  それでは、議事に入ります。  この委員会には2つの役割があるわけですが、1つとして薬害肝炎事件の検証について、秋 から堀内研究班の方で非常に精力的にやっていただいておりますが、検証項目ごとに研究班か ら資料を提示いただき、議論を進めてまいりました。本日は、研究班から現段階の報告書のア ウトプットイメージを御提示いただいていますので、まず、これを御報告いただきたいと思い ます。資料はものすごくたくさんあるわけですけれども、時間がそれほどとれません。  本日の進行になりますが、配られた資料は委員の皆様初めてごらんになるということになり ますが、非常に大変な分量です。そして質問もたくさんあるんではないかと思うんですけれど も、この委員会のこの部分で質疑に時間をとり過ぎますと、後半に予定している提言について の議論の時間がなくなってしまいますので、16時に終わりたいと思いますので、まず、堀内 研究班長から御報告をいただいた後で、若干の御発言の時間をとりたいと思うんですけれども、 大体30分ぐらいかけてこれを終わらせて次の議題に進みたい。そして、できるだけ議論の時 間をとりたいと思っておりますので、御協力をお願いしたいと思います。  では、堀内委員よろしくお願いいたします。 ○堀内委員 それでは、研究班から幾つかお話をさせていただきたいと思います。  まず、初めに、このように膨大な資料を当日配付ということで大変申し訳ないと思っており ますけれども、これも昨日までいろいろ議論をやったり改訂をしているものですから、まだ最 終案ということではありませんので、どうぞお許しいただきたいと思っております。正月明け からいろいろやっているんですけれども、なかなか時間が十分にとれないものですから、こん なことになっておりまして申し訳ございません。  ここにありますように、資料1−1〜4まで4つの検証項目について検証を行っているとこ ろでありますが、ここにお示ししましたのは、今、お話ししましたように、現段階までのまだ 大変粗いものでありまして、今いろいろ足りないところ、あるいは一つひとつの検証内容につ いて詰めているところであります。3月末までには、一応の報告書としてまとめていきたいと 考えております。その場合にはこの大きな全体のものと、それから各検証項目について評価、 検証をした部分のサマライズされたものとの2つをできればつくりたいと考えております。  まず、前回から大きく変わりましたのは、以前に水口委員から患者に対する偏見、それから 痛みについて検証をすべきではないかという御提言がありまして、それは全くそのとおりであ るということでそれを行うことにいたしました。  資料1−1のところに、検証2というところがありますが、以前のタイトルは薬害肝炎拡大 の実態ということでございましたけれども、このタイトルも薬害肝炎拡大と被害の実態という ことにいたしまして、ここに先ほどお話いたしました偏見の問題とか、患者のいろいろな被害 の問題について入れていこうという形を考えております。  前回の委員会のときにもお話をいたしましたけれども、この偏見の問題等については、本当 は患者さんに入っていただくのが一番いいのではないかと思いましたけれども、お願いをした んですが、なかなか難しいということでございましたので、薬害の専門家である東洋大学の片 平洌彦教授に研究協力者として入っていただいて、この部分を中心に検証していただくという ことにいたしまして、12月の班会議から参加していただいているところであります。  また、検証5の、最後に入っていると思いますが、当時の関係する医師に対してアンケート 調査をやろうということで、アンケート項目がここにありますが、これを今、検討をしている ところであります。後でご覧いただいて、アンケート項目の内容について、もし御意見があれ ば出していただきたいと思っています。  どういう人を対象にするかということも、今、検討をしている最中でありますけれども、で きるだけ効率のいい、たくさんの回答が戻ってくるようなものにしたいと思いまして、例えば 関係する学会に依頼するとか、いろんなことを考えておりますが、それについても、もし御意 見があればいただきたいと思います。何しろ古いときの話なものですから、かなり、実際に携 わっていた医師の方々も高齢化をしているということが予想されますので、どうやったらその 辺を効率よく、また御回答をちゃんといただけるかということを、今、頭を痛めているところ であります。  もう一つは、今日も配付されておりますけれども、坂田委員から意見書を昨日いただきまし た。したがって、まだ十分に検討できておりませんけれども、これからいろいろできるだけの ことをやっていきたいと思っておりますが、坂田委員からは、特に当時のいろんな関係者にヒ アリングをやってほしいという要望でございます。  これについても、既に会社の関係についてはいろいろな質問事項を出して、回答書を持って 来られるときにいろんな質問をしたりもしておりますけれども、それ以外の厚労省関係者ある いは医師とか、そこにございますように、たくさんの方にヒアリングをやるべきだというお話 がございます。  これについては、どのようにして具体化できるか、ちょっとまだ短期間ではなかなか難しい と考えております。特に今年度中に実施するというのは時期的にもなかなか難しい。  さっき言いましたように、報告書をまとめないといけないという全体として整合性を取った ものにしていかないといけないということもありまして、なかなか難しい点がありますので、 これについては、また関係している人たちと協議をしながら検討をしていくということで、現 段階ではお許しいただきたいと思っております。  この研究班が来年も続く、とても半年でもって終了できるような量と内容の問題ではないと 思っておりますけれども、できるだけ続くような方向をお考えいただいて、もしそういうこと が可能であれば、その中でやっていくようにしたらいかがかということを、今、考えておりま すが、できるだけ前向きに考えたいと思っております。  現段階では、以上であります。 ○寺野座長 ありがとうございました。  堀内委員研究班の方で、本当にものすごい時間とエネルギーを使って、こういう資料をつく っていただいておりますが、ともかくたくさんの資料ですので、今日お配りしてすぐに読める わけもありませんので、今の堀内委員の御説明に基づいて若干のディスカッションをしたいと 思います。  これは、ともかく持って帰って読んでいただいて、そして次回以降、まだ3回あるわけです が、そのときの資料にしていただきたいと思います。また次回、今後のこの委員会にも堀内委 員の方から検証資料として新たに出される資料もございますが、これを基本に考えていただけ ればと思います。  どなたか御意見ございますでしょうか。  これだけのものを出されて、急に意見を言えといわれても困ることはわかっていますが。 ○堀内委員 申し訳ございません。 ○寺野座長 いえ、とんでもない。  何か、今後検証の方向とか、そういうことも含めて御意見がありましたら、お願いします。 ないですか。  どうぞ。 ○堀内委員 検証2のところに、先ほどお話しました資料の1−1の検証2の問題で、先ほど お話しました偏見の問題等について少し後ろのページ、目次を見ていただければわかりますけ れども、34ページぐらいでしたでしょうか。 ○清澤委員 43ページです。 ○堀内委員 43ページでしたか、済みません。少し入っておりますが、どういう方向で検討し ていったらいいかということについても御意見を、後で結構ですのでまたいただければありが たいと思っております。 ○寺野座長 43ページですね。そのほかございますか。  坂田委員どうぞ。 ○坂田委員 意見書の中身なんですけれども、アメリカのIOMを清水委員が翻訳に携われてい ますので、済みません、清水委員よかったらちょっと少しコメントをいただければと思うんで すけれども、よろしいでしょうか。 ○寺野座長 清水委員。 ○清水委員 ちょっと突然で用意ができていないんですが、いずれもにしてもこのIOMの報告 というのは非常にエネルギッシュに短期間に関係者のヒアリングをして、そのときの状況をヒ アリングの対象者はかなり率直に語っているという印象を持つ内容なんです。  したがって、やはり事実は事実として明らかにされて、そして、その上に立って現時点から 反省的なことがあるならば、それを今後の提言というか、ここではリコメンデーションという ことになっていますが、そういう形で提案し、それを実務に反映させていくという仕組みに構 成されているという意味で、10年以上前になりますが、あの時点において、81年から85年だ ったでしょうか、84年だったでしょうか、非常に問題になったときの期間に限って、かなり 徹底したヒアリングを中心とした調査報告書を仕上げているというところが特徴ではないか と。そういう意味では非常に我々にとっては参考になる方式ではないかと思っている次第です。  したがって、ヒアリングしたときに逃げ隠れされたりしたのではなかなか難しいとは思うん ですが、一応、前向きなこういう委員会もできてきているという現時点を考えますと、本心の ところを語っていただいて、できればそれを将来に役立てるというようなことはあってもいい のではないかなと、むしろ望ましいことではないかなと思っております。 ○寺野座長 ありがとうございました。  坂田委員よろしいですか。 ○坂田委員 はい。 ○寺野座長 はい。そのほか御意見ございますでしょうか。  水口委員どうぞ。 ○水口委員 堀内先生、社会的な差別の点、項目に入れていただいてありがとうございます。  被害実態の関係で、もう一つ患者の視点という点から申し上げますと、単に差別という問題 だけではなくて、どのような経路で自分が感染をしていることを知ったかとか、単に何人感染 しているとか、どういう分布状況だったかという客観的なことだけではなくて、患者の側から、 自分の被害についての情報というのがどういう形で分かることになったのかといったような 視点も、やはり分析の上、教訓を導く上で重要だと思いますので、項目として御検討いただけ ればと思っております。  既に提出されている資料を拝見しましたところ、弁護団が作成した被害実態調査の項目中に は、そういった被害者の側からとらえた項目というのがもう少し入っていたかと思いますので、 そういったことも反映させていただいてはどうかと思います。 ○寺野座長 よろしいでしょうか、堀内委員。 ○堀内委員 はい、今、お話があった点はそのとおりだと思います。  それから、資料として弁護団がつくられた資料というのは重要な資料だと考えておりまして、 ただ、まだこの項については始まったばかりでありますので、そのようには思っております。 ○寺野座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。  それでは、後でディスカッションの時間が多い方がいいと思いますので、この件に関しては ここまでにしまして、次の議題に移ります。  これまでの資料はたくさんあるのですけれども、この点でお気づきの点がありましたら、御 意見も含めて、これまで同様にファックスやEメールで事務局の方に御連絡いただければ、堀 内研究班の方に行くようになっておりますのでよろしくお願いします。  また、この後の議論で提言とりまとめに向けた議論ということですが、その中でも薬害肝炎 事件の経過からどういう問題点を抽出していくかという観点から一緒にリンクして御発言い ただくことも可能でございますのでよろしくお願いいたします。  それでは、2つ目の議題の医薬品行政の見直しについてということで、この議題に入ります。  前回12月の会議の際に、厚労省の事務局に対しまして、これまでの議論を整理して提言の まとめに向けた論点整理の資料をつくっていただけるように指示したところですが、まず、事 務局で用意された資料を簡潔に説明していただいて、そして議論に入りたいと思っています。  併せまして、平成21年度予算について、夏休み前もいろんな議論があったわけですが、7 月の中間とりまとめを踏まえまして概算要求をするということでしたが、それが年末の予算編 成でどういうふうになったのかということ。  更に年末に「厚生労働行政の在り方懇談会」が行われたということで、中間とりまとめがあ ったということです。これについても当委員会の審議に関係していることでございますので、 簡潔に御説明いただきたいと思います。  では、事務局の方でお願いします。 ○安全使用推進室長 それでは、まず、お手元の資料2「委員会の提言とりまとめに向けた議論 のための資料」を御用意いただきたいと思います。  表紙にも書かれておりますが、この資料は、昨年10月の第6回委員会の資料の中で、今年 度末にとりまとめていただく提言の現時点でのイメージ(たたき台)というものを提示させて いただいておりますが、それを念頭に置きまして、年度末の提言とりまとめに向けた議論を円 滑に行うため、これまでこの委員会で議論をいただいた事項を中心に事務局で整理をしたもの でございます。  なお、一部、昨年7月の中間とりまとめに含まれている論点も含まれておりますが、基本的 にはそれ以降の議論を中心に整理をしております。  それでは、めくっていただきまして、1ページから2ページ目にかけて目次がございます。 構成といたしましては、まず1つ目に、これまでの検証などで指摘されている薬害肝炎事件の 経過から抽出される問題点について第1項としております。  2つ目に、これまでの主な制度改正の経過を記載しております。  3つ目としまして、提言取りまとめに向けまして、見直しの論点を第3項目として示してお ります。  項目の順番でございますが、その見直しの論点につきましては「(1)基本精神」から始ま りまして「(2)承認審査」「(3)再評価」。  更に2ページ目にまいりまして「(4)市販後安全対策」「(5)その他の規制のあり方」 「(6)医療機関における安全対策」「(7)専門的な知見を有効に活用するための方策」。  そして最後に「(8)医薬品行政を担う組織のあり方」という順番に整理をさせていただい ております。  更にめくっていただきまして、またローマ数字から算用数字の1になりますが、まず、この 第1項の問題点とこれまでの制度改正の変遷につきましては、説明は基本的には省略をさせて いただきます。  ただ、見方としてでございますけれども、1ページにあります、例えば1964(昭和39年) の承認申請の際の問題点というものが丸2つ書かれてございまして、その下の方の右下に「3 (2)承認審査」と書かれておりますが、このような場合でございますと、この問題点につい ては、論点を後のページの「3(2)承認審査」の方に記載をしていますということを示して おりまして、以降も各年代ごとのエピソードに対応した問題点ごとの論点というのは、それぞ れ右下に記載されているという整理をさせていただいております。  それでは、6ページ目まで飛びまして「3 薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しの 論点」の部分を中心に説明をさせていただきます。  まず「(1)基本精神」でございますけれども、3つの点を記載させていただいております が、これはその下に書かれておりますように、昨年7月の中間とりまとめに記述されていると ころから抜粋をしておりまして、こういう基本精神の下に行っていくということで、再掲をさ せていただいているものでございます。  続きまして「(2)承認審査」でございますが、まず1つ目としまして「(1) 安全性、有効 性の評価」についてでございます。  1つ目のポツでございますけれども、承認申請に当たりまして、現在、安全性、有効性に関 する質の高いエビデンスを要求するように、これまでいろいろな制度改正を行ってきておりま すが、今後、更に審査の質を確保するため審査員の増員、研修等による資質の向上に一層努め るべきという論点を挙げさせていただいております。  2つ目でございますが、承認に当たって承認条件が付される場合がございますが、可及的速 やかに承認条件による調査・試験、全例調査や使用成績調査といったいろいろな市販後の調 査・試験でございますが、そういったものを実施して、その結果を速やかに提出することを厳 格化してはどうかという点を2つ目としております。  3つ目でございますけれども、古い承認のものにつきまして、その後、承認に必要な要件の 見直し、変更等があった場合に承認内容を見直す、変更があって承認内容を見直す必要がある ような場合につきましては、その再評価等の措置を講ずるべきではないかという論点です。ま た、医薬品の名称変更の機会を待つまでもなくということでございます。現在、医療安全など の目的で医薬品の名称を変更するような申請が行われておりますが、そういったような機会を とらえてやるということもあり得るんですが、そういったような機会を待つまでもなく、そう いう見直しの必要がある場合には、再評価等の措置を講ずるべきではないかという趣旨で記載 させていただいております。  続きまして、7ページにまいりまして「(2) 添付文書」でございますけれども、添付文書に つきましては、まず、企業につきましては、最新の知見を医療現場に情報伝達することが重要 でございますので、承認審査時点以降も最新の知見を反映するよう企業に義務づけるべきでは ないかということでございます。  また、添付文書の内容の変更が必要な場合には、公的な確認手続を明確にすることを検討す べきではないかという論点を挙げさせていただいております。  「イ 効能効果(適応症)の設定」でございますが、承認に当たって効能効果が特定される わけでございますが、その効能効果の記載の不明確さが、科学的な根拠のない適応外処方を誘 発しているのではないかという指摘がございますので、こういう観点からの検討が必要ではな いかということでございます。  他方、小児や患者数が限られている疾患の場合、承認の段階ではデータが必ずしも十分では ないような場合がございまして、そのような場合には使用上の注意に、その○○の適応に対す る有効性、安全性は確立していないという記載が現在されているわけでございますが、エビデ ンスがそのような状態でありましても、そのような記載をすることによって、一定の注意を促 しつつ使用可能とする現在の方式をどのように考えるかという両面からの検討が必要ではな いかと提示させていただいております。  「(3) 審査手続、審議の中立性・透明性等」でございますが、現在、承認後に審査報告書や 議事録などが公表されておりますが、特に慎重な対応が求められるような医薬品につきまして は、承認後ではなくて、審査の段階で積極的にその報告書などを公開して、意見募集を行って はどうかということでございます。  2つ目のポツでございますが、現在、1回の審議で多くの医薬品の審議が行われているのが 実態でございますが、委員が十分に資料を吟味できるような措置を講ずべきではないかという ことでございます。  3番目ですけれども、審議会委員の審議参加のルールというものが定められておりますが、 更にガイドラインを、例えば学会などに作成依頼するような場合に、学会にも同様なルールを 設けるような、そういった観点からの検討が必要ではないかということでございます。 8ページ目にまいりまして「(3)再評価」でございますけれども、昭和54年の薬事法改正と 再評価制度が法制化されて以降の状況を踏まえまして、更なる改善を図り、再評価制度自体の 在り方の見直しが必要ではないかということで、例示として3つほど掲示させていただいてお ります。  続きまして、9ページ目の「(4)市販後安全対策」でございますけれども、まず1つ目の 「(1)情報収集体制の強化」でございますが、1つ目は中間とりまとめにも同様の記載がござい ます。  2つ目につきましては副作用・感染症等、使用記録、カルテ等の保管を医療機関に徹底する べきではないかという論点でございます。  3つ目のレセプトデーターベースや4つ目の海外規制当局との連携、5つ目の医療機関から の報告、6つ目の患者からの報告につきましては、中間とりまとめにもほぼ同様の記載があり ますので、説明は省略します。  最後のポツでございますが、各企業はグローバルに安全性情報を収集し、厚労省などに報告 する体制はほぼ構築されつつございますが、更に自発的に適切な評価を行って、迅速な安全対 策を講ずる体制を確保すべきではないかという論点を挙げさせていただいております。  「(2) 得られた情報の評価」でございますが「ア 評価手法の見直しと体制の強化」の1つ 目のポツは、中間とりまとめにもほぼ同様の記載がございますので省略します。  10ページ目にまいりまして、1つ目のデータマイニング、2つ目のファーマコゲノミクス につきましても、同様に中間とりまとめに類似の記載がございます。  3つ目のポツでございますが、情報の評価と対策の実施に当たって、過去の薬害につきまし ては最新の知見が不足して生じたというよりは、企業や行政が把握していたリスク情報が十分 に伝わっていなかったとか、そういうような御指摘がございますので、こういった指摘に留意 した検討が必要ではないかということでございます。  以上のような質の高い人員の確保、教育が必要ではないかという論点を挙げさせていただい ております。  「イ 電子レセプト等のデータベースの活用」につきましては、中間とりまとめにもほぼ同 様の記載がございますので、説明を省略いたします。  10ページ目、最後の「(3) 情報の円滑な提供」につきましては、現在、国や企業が提供し ている情報提供の媒体として緊急安全性情報、いわゆるドクターレターなどのいろいろな媒体 がございますけれども、医療機関での重大性、緊急性というものの判別がなかなかつきにくい という指摘がございますので、全面的な見直しを検討してはどうかという論点でございます。  11ページ目にまいりまして、1つ目の医療機関の安全管理責任者の関係については、もう 既に中間とりまとめにもほぼ同様の記載がございます。  2つ目の行政に報告された副作用情報や使用成績調査等のデータのデータベースについて、 利用者がアクセスし、分析可能となるような整備を図るべきではないかという御指摘でござい ます。  3つ目のポツは、患者の安全に資するため、一定の医薬品については専門性を持った医師、 薬剤師が関与し、インフォームド・コンセントの徹底方策を講じるべきではないかという論点 でございます。  「(4) 副作用情報の本人への伝達や情報公開のあり方」でございまして、これは4つ論点を 挙げておりますが、11ページの下の方に(注)として、この4つのポツのうち上の3つにつ きましては、これまでこの委員会の中で指摘はございませんでしたが、薬害肝炎事件の経過と して、1(1)(7)というのは2ページ目でございますけれども、平成14年のいわゆる418名 リスト問題関係の記載がございますが、このような問題点を踏まえて事務局として論点を挙げ たというもので、患者個人、副作用情報の本人への伝達といった点について、3つほど論点を 挙げております。  4つ目はこの委員会の中でも議論がございましたが、納入先医療機関名の開示請求の際の厚 労省の対応の問題点について論点とされております。  12ページ目へまいります。  「(5)その他規制のあり方等」でございますが、「(1) 適正広告」医師の裁量の下で行われ る適用外使用につきまして、宣伝的な行為もあるのではないかということで、企業等による広 告の適正化を図るべきという指摘でございます。  2つ目の「(2) GMP調査等」につきましては、製造管理・品質管理体制の徹底を図るべき という指摘でございます。  3番目の「(3) 個人輸入」につきましては、薬監証明などのデータの公表という論点でござ います。  4番目の「(4) 薬害教育・医薬品評価教育」につきましては、大学の医学部・薬学部の教育 について、少しカリキュラムの見直し、検討が必要ではないかという論点でございます。  13ページ目にまいりまして、「(6)医療機関における安全対策」として「(1) 医療機関の 取組の強化」でございますが、医療機関の中の1つ目のポツは、薬事委員会などの委員会の場 で医療機関自らが薬害防止の観点からも情報収集・評価といったものを行ってはどうかという ことでございます。  2つ目は、中間取りまとめに記載がございます。  3番目は、厚生労働省や総合機構から発信される安全性の関係の情報を、処方のオーダリン グシステムに反映されるようにしてはどうかという論点でございます。  2つ目の「(2) 医療機関での措置のチェック体制の構築」ということで、医療機関に対し、 行政がその安全対策の措置の実施状況について調査、確認し、改善を促す仕組みを検討しては どうかという論点が1つ目でございまして、2つ目が添付文書情報を十分に見られていないと いったような指摘を踏まえまして、医療機関内でもそういう情報伝達の仕組みをしっかりさせ るべきではないかということで、具体的なチェック体制として3つほど例示をさせていただい ております。  14ページ目でございますが、「(7)専門的な知見を有効に活用するための方策」というこ とで、「(1) 学会に期待される取組」としまして、学会でのそういう最新の知見を共有する仕 組みを構築してはどうかというのが1つ目。2つ目は、その有効性、安全性のエビデンスづく りなど、あるいはその普及について、学会が指導性を発揮すべきではないかという指摘でござ います。  2つ目の「(2) 知見の適切な集積」ということで、エビデンス収集のための臨床研究が行わ れているわけですが、それをしっかりできる体制整備を図るべきではないかということでござ います。  あとは厚生労働省の研究班の報告などを、学会などを通じてしっかり情報伝達または学会で の評価も行っていただいてはどうかという御指摘でございます。  最後に15ページ目は「(8)医薬品行政を担う組織のあり方」ですが、これは昨年7月の中 間とりまとめの記載を少し要約したものでございます。  以上が提言とりまとめに向けた論点でございます。  説明は以上です。 ○総務課長 続きまして、資料の4と5について簡単に御説明をさせていただきます。  まず資料の4でございますが、これは「平成21年度予算の概要」ということで、私ども医 薬食品局のとりまとめた資料ということでございます。  局全体の予算額といたしましては、1枚目にございますように、来年度は152億円余りとい うことで、対前年度では63億強、71.8%の増という形になっております。ただ、この増額の 主なものといたしましては、直接この委員会には関係いたしませんが、この資料の4ページ目 をごらんいただきますと、新型インフルエンザ対策ということで、従来はプレパンデミックワ クチンの備蓄経費を毎年度補正予算でやっておりましたけれども、21年度予算につきまして は重点課題推進枠という形で追加内示がございまして、これが66億円認められたのが大きゅ うございます。  そういう中で安全対策の関係はこの資料の1ページ目、ページ数が付いている1ページ目と いうことでございます。  「I 医薬品・医療機器の安全対策の推進」ということで、20年度が5億6,800万のとこ ろが10億700万円という形で大幅に増えております。  その主な中身といたしまいては、1つ目の丸にございます。「(独)医薬品医療機器総合機構 の安全対策の体制強化」ということでございまして、2億5,000万余りから6億8,000万余り に増えております。  この主な中身でございますが、柱書きにございますように、安全対策要員の大幅な増員とい うものが認められております。具体的な数字を書いていなくて恐縮でございますけれども、P MDAにおきます安全対策の業務体制を見直しまして、新しく取り組む安全対策分野につきま しては47名分国庫補助金ということで手当てをされました。従来の業務の延長でございます 個別品目の調査につきましては53名分、これは各企業等からの拠出金で賄うということで、 合計では100名増員という方針でございます。  その他、薬の相談事業の強化でありますとか、あるいは海外情報の収集・提供体制の強化と いうことで、今、申し上げましたような6億8,000万が認められているということでございま す。  それ以外、下にあるものをごらんいただきますと、2つ目の丸が「適正使用情報提供状況確 認等事業費」でございまして、医療現場において添付文書の改訂等が行われた場合にどういう ふうに活用されているかということを調べる事業ですとか、あるいは1つ飛びますけれども 「医薬品のリスク最小化管理方策の導入検討費」こういったものが認められております。  私ども医薬食品局の予算は、毎年度対前年度減という形になってきておりましたけれども、 そういう中で来年度は増額が認められて、安全対策はこれでも不十分というお声があるかもし れませんが、かなりの増額になっているということでございます。  それから、続きまして資料の5、これは2つの種類に分かれておりますけれども、厚生労働 行政のあり方に関する懇談会ということで、官邸の方に設置をされた懇談会でございまして、 本検討委員会の大熊委員もメンバーとして入っておられますけれども、そこにおきまして昨年 12月25日に中間まとめが行われましたので、その関係を紹介しております。  資料の5でナンバリングされているものがポイントという概要版でございまして、後ろ12 ページものが本体ということでございます。  それぞれ各指摘は重いものがあるわけでございますが、時間の関係でポイントという方で御 説明をさせていただきます。  ここで、中間まとめで提起されておりますのは、まず厚生労働行政のあり方について2つの 視点で信頼回復を図るべきだということで、過去の反省、そして将来に向けた機能強化という 2つの視点が提示をされております。  過去の反省ということにつきましては、1枚目のところで書いてございますが、過去の厚生 労働行政をめぐる問題事例ということで薬害肝炎を始め、4つの問題事例が提起されまして、 そういう中でこの下の方でございますけれども、これらの問題に個々に対応するということだ けでは構造的な問題解決につながらないので、システムとして厚生労働行政の在り方を見直す ことが必要であるということです。  2つ目として、情報の収集・共有、引き継ぎ等々の問題があったということが指摘をされて いるところでございます。  おめくりいただきまして、もう一つの視点の機能強化については何かということでございま すが、箱の中で書いておりますように、少子化・高齢化、非正規雇用の増大あるいは社会保障 費用の増大等々の国民的課題に的確に対応するために組織の編成を検討していくべきである ということで、機能強化の視点が定められております。  では具体的にどういうところを見直すかということにつきましては、次のページでございま す。  2つの分野につきまして提言が行われておりまして、行政運営の在り方、それから行政組 織・体制の在り方ということでございます。  行政運営の在り方につきましては、そこにございますように、こちらは中間まとめに沿って 具体策を考えて、順次実施すべきだということで言われておりますけれども、1つ目としまし ては、行政運営の在り方について政策立案過程が目に見えるものに切り替えていくということ で、当事者として国民が決定過程に参加していただくとか、あるいは徹底した情報公開・開示 を行うべきですとか、そういうものが書かれておりすし、PDCAサイクルの組み込み、ある いは行政というものがサービス行政という形に変わってきておりますので、そういうものに対 応した職員の意識改革あるいは実務・窓口をもっと重視すべきであるということが言われてお ります。  それから(4)といたしまして、不祥事の再発を防止し職員に誇りと意欲を持たせる仕組みの構 築ということで、3つ目のポツで書いてございますけれども、本省のすべての職員に若いうち に現場を経験させるという御提言もいただいております。  最後、行政組織・体制の在り方につきましては、この懇談会で更に御検討いただいて、20 年度末にまとめていただくという流れになっておりますけれども、そういう中では、直面する 行政課題に的確に対応できる組織編成の検討ということで、例えば2つ目のポツで、地方に委 ねるべきものはゆだねて、そして必要な分野に人材というものを重点投入していくべきである ということで、例えばということで少子化から始まりまして、医薬品安全あるいは健康危機管 理などのテーマが書かれております。  それから、縦割り行政の是正ということで、新たな課題に部局横断的に対応できる、そうい う組織の見直しをしてはどうかという御提言をいただいております。  (6)といたしましては、財源も含めまして安定的でわかりやすい社会保障の財政運営、こうい うような御提言をいただいておるところでございます。  駆け足になりましたが、以上でございます。 ○寺野座長 ありがとうございました。一応短い時間ですけれども、委員会の提言とりまとめに 向けた議論のための資料を説明いただきまして、これは夏休み前の議論の中で出ました概算要 求、その結果がどうなっているのかという御説明を受けました。この我々の委員会に関すると ころでは、かなり予算は増えているという御説明です。  もう一つは厚生労働行政の在り方に関する懇談会、それの中間まとめのポイントをひとつ説 明していただいたということでございますが、この委員会は今年に入りまして、今日と、それ から2月に1回と3月に2回、合計4回予定しているんですけれども、その年度内で何らかの とりまとめをしろと、提言をしろという任務を負っております。  今日は年初めということで、これまで検証を中心に、秋からいろいろ議論をいただいたんで すけれども、今日の議論は先ほどの検証も含めて結構ですけれども、先ほど出ましたさまざま な論点がございますけれども、論点全般について御意見をいただきまして、そしてまだ足りな かったという御意見は、先ほど申しましたファックスでもメールでも結構ですので事務局に寄 せていただく。そして2月の会に、更に提言とりまとめに向けて整理した資料を事務局に用意 させたいと考えています。余り突っ込んだ時間はないかもしれませんけれども、できるだけ多 くの御意見を本日いただきたいということです。  いつも申し上げることですけれども、論点がいろいろございますので、1つ御発言がありま したら、それに関する御質問、御意見を少しまとめた形で御発言いただければありがたいと思 います。  それと、たくさんの方が御発言なさりたいと思いますので、余り長くならないような御発言 にお願いしたいと思います。  では、どなたからでも、あるいはどのポイントからでも結構だと思いますけれども、御発言 をお願いします。  どうぞ、山口委員。 ○山口委員 細かい話の前に、全体の今後の議論に関してなんですけれども、とりまとめのもの なんですが、お題目としては、非常にいいと思うんですけれども、多分我々が最終的にやらな ければいけないことは、こういう医薬品の薬害の再発防止のために、現状の体制とか仕組みを どう変えていくかという話でありまして、今回のまとめを見させていただくと、結局、事件が 発生したときと比べて、大分行政の仕組みとか、審査の体制とか、安全性対策というのは変わ ってきているわけで、現状がどうなっていて、どこを変えなければいけないかということです。 ここに挙がっているものに関しては、ひょっとしたら、もう既に本省さんとか、機構さんの方 では、対策がある程度できているようなところもあるかもしれない。  その辺で、結局、どこを変えていかなければいけないのか。逆に言うと、その仕組みがうま くでき上がりつつあるところについては、別に議論する必要なんかはないわけで、現在の水準、 審査とか安全対策とか、そこのげたがどうなっていて、どの部分が不足しているかというとこ ろを、やはり議論していかないと、そのための予算であって、人のかけ方であって、そういう 観点から議論をしていくべきではないか。きれいごとではないですけれども、お作法的な話は、 もういいと思いますので、もう少し突っ込んだ話をしていって、それで最終的に全体の組織と してどうあるべきかと、多分、そういう話をしていかないと、私はしようがないと思うと思う んです。  ですから、個人的には、そういう形で、もう少し実際に向けた議論をしていくべきではない かというのが、私の意見であります。 ○寺野座長 ありがとうございました。ごもっともな御意見なんですが、実際に、肝炎等々の被 害が出た状況と、現在の状況というのは、組織的にも随分変わっていると思うんです。ですか ら、そのときの状況がどういうふうに改善されているのかということも、今までも議論はして きたとは思いますけれども、その辺を意識しながら議論していくという必要は、確かにあると 思います。  ですから、事務局に回答を求めるときも、この辺を解決していく問題だと思います。これが 今からの問題だということは、ある程度意識して御回答をいただけるといいと思います。  ただ、我々はどこが改善されていて、まだどこが問題点なのかということを、この委員会の 中で発掘したいというのが1つの目的ですから、それはいろんな意見が出て結構だと思います。  大平委員、どうぞ。 ○大平委員 今、個々の問題で、具体的なことを指摘されたんですけれども、もう少し大きな課 題としまして、この検討会が設置された経緯というものとしては、やはり、厚生労働省だけで はなくて、国全体として、当時の首相が救済の解決を図り、そして、薬害再発防止について再 検討というか、きちんと考え直せというところで、やはり国民の信頼を得るいろいろな組織の 在り方とか、かなり理念的なことも含めて抜本的な改正のことを託されてここの検討会という のは設置されているんだろうと、私は認識しております。  それを踏まえますと、やはりかなり特例的に救済の問題というのが起きてきて、そしてまた それに踏まえて、薬害再発防止のための、今後永久的に保てるような医薬品行政の組織の在り 方、システムの在り方というのがここにかけられているんだろうなと思っておりまして、です から、そこの点については、かなり今までの流れとは全く違った流れでも検討するとか、いろ いろ革新的な流れで、考え方を踏襲して、そして最終的にどういう組織がいいのか、どういう 形態がやはり国民の信頼を得るものになるのかということを、本当は私としては提言をまとめ ていただきたいと思います。  それを考えますと、基本理念みたいなものが、ここに書かれておりますけれども、基本理念 のその後に、もう少し一般国民の医薬品行政に対しての信頼を回復すべき、理念の下になるよ うな、いろいろなシステムの在り方という、本当は、ここの下にどういう形態がいいのかとい うのが、ある程度イメージ図として出てくるということが、その後に一つひとつの具体的なテ ーマが、行政の規制の問題とか、そういうものが出てくるんだろうなと考えるんですけれども、 理念のすぐ後に、もう既にかなり具体的なテーマに入ってしまっているので、その間の溝とい うのを、もう少し人間的に温かみのある、被害が起きたものを踏まえて、もう少し人間サイド から見たものをここに盛り込んで、その人たちの心配、不安、また、国としての責任をどうい うふうに展開していくかというところをきちんとそこに提示していってもらいたいと思いま した。  ですから、少し理念の下に、既に具体的ないろいろな行政の細かい在り方について、すぐに 出てきていますけれども、その間の溝が、どういうふうな形で埋まっていくのかということを、 私もその後の検討の中で意見を出していきたいと思うんですが、是非そこ今回は受けとめてい ただきたいと思っています。 ○寺野座長 ありがとうございました。大平委員は前々から人間ということで御主張されている。 それはまたまとめのときに、こうするような形で入れてください。  どうぞ。 ○泉委員 事務局の方に質問させてください。前半部の検証委員会では、人数を増やさなければ いけない、概算要求のため、というようなことを前提として、どういうふうに増やすかという 中で、A案、B案、C案というものが、後でまた検討しましょうということで出たと思うんで すが、今日ここでいただいた資料の中に、その記載はありますか。 ○寺野座長 8のところの内容ですね。 ○泉委員 実は、平成19年に、機構が出された書類があります。平成18年度、事業年度第3回 運営評議会、平成19年3月6日に行われております。  その中には、私たちは一体前半部で何を話したのかなと思うぐらい、きっちりとした資料が 出ているんですね。これはABCではなくて、機構がやるということが前提ではないですか、 もうプロジェクトで出ているんです。これをどうして委員会の方に、事務局はお出しにならな かったのでしょうか。  例えば、かいつまんで簡単に、昨年12月15日、つまり18年ですね。これの総合科学技術 会議の意見具申を踏まえまして、中期計画の改正案をいたしますということで、治験相談、承 認審査などをとりまとめるべく計画が、もう既に出ております。  そして、2008年度には、プロジェクトマネージメントを導入して、増員に伴う経費につい ても、きちんと業務の効率化で削減しなければいけませんということを盛り込んだ、そういう 資料につくっていく。そういう話になっているんです。  では、私たちは一体前半部で話した内容は、ここのところは何も知らないで来ているわけで す。それを事務局はどうしてお出しにならなかったのでしょうか。御意見を伺いたいです。 ○総務課長 まず、7月末の中間とりまとめに至る過程で、今、泉委員から御指摘のありました、 PMDAの増員の関係につきましては、大まかに言って2つの種類の体制があります。要する に新薬の承認審査を行う体制、それから、夏に御議論いただきましたのは、市販後、承認した 後のいろいろ副作用等々が出てきた場合に、どういう安全対策を取っていくかという安全対策 の体制、2つの議論がございまして、特に安全対策の要員が非常に機構においては不足をして いるという話がありましたので、そういう人や、体制をどういうふうに評価していくか。その ときに果たして機構がいいのか、あるいは厚生労働省がいいのか、あるいは別の省がいいのか ということについて御議論いただいたということです。  今、御指摘いただいた増員の関係は、新薬の承認審査です。安全対策ではなくて、そちらの 審査要員をどういうふうに増員していくかということで、平成19、20、21という形で、3か 年計画で増員をしていくということが決まっておりましたので、それが書かれているんだろう と思います。  いずれにしましても7月のとりまとめに至る過程で、機構が出しております資料を、意図的 ではないと思いますが、お出ししなかったことについては、謝りたいと思います。  それから、今日の資料の2という形で、お出ししております論点整理でございますが、最後 の方に付けておりますのが、中間まとめにおけます御議論というのは、全部書きますと、中間 まとめを全部載せるような形になってしまいますので、簡単にしか書いておりませんが中間ま とめにおける議論や、あるいは先ほど御説明しました予算の動向等を踏まえて、どういうふう にやっていくかということで、論点ということなので非常に簡単に書かせていただいていると いうことでございます。  いずれにしましても、3月の提言とりまとめに向けましては、中間まとめの御議論を踏まえ て、再度組織の在り方については、御議論いただければと思っております。 ○泉委員 しかし、ここには承認審査と安全対策の両方の業務に関して書かれております。そし て今のお話が違ってくるわけで、私は別に違うことを言っているのではなくて、そこまで機構 が時間をかけてやったものがあるのだったら、なぜそれをお出しにならなかったかということ と、もう一つ、ここに「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」という報告書が あります。  ここにも、機構がそういうようなプロジェクトを始めているということが書かれているんで すね。そうすると厚労省は、当然御存じだったはずなのに、私は残念ながら専門家ではなかっ たので知らなかったんです。すごく時間がもったいなかったのか、あるいはこういういいもの、 先に、専門家が話し合いで決めたものを見た上で審議するんだったら時間的に非常に有効だと 思うんですけれども、中身を見ると全く一からやっているじゃないですか。何でそんなことを この検証委員会の大切な時間に、使われたのかということで、私は非常に事務局の問題を指摘 したいと思います。  ですから、それを一度皆さんに、書類が多くなる云々ではなくて、これは大切なことですか ら、是非この2つをお出しいただきたい。  もう一つは、人数の増員の話なんですけれども、当初私たちは委員の方からも海外と比較し てどのぐらいの人数が少ないかという話があって、それでお出しいただいた記憶がございます。 そういう経過がありましたね。  そのことでお尋ねしたいんですが、海外のいわゆる日本のPMDAの同じような機構の人た ちは、やっていることが全く一緒なんでしょうかということ。つまり、やる仕事が違うのでは ないかどうか。それを1回調べて教えてください。  聞くところによると、日本は治験だけだけれども、海外は違うと、もっとものすごく大きな マーケットに関しての、いわゆる公的機関としてやっているから、人数が多いのが当たり前と いう話も聞くと、では、日本のこれからの増員はどういうところにどういうふうに配置しなけ ればいけないかということも、一から考えなければいけない大切なことだと思うんです。  当然として、薬害の肝炎が起きたということを踏まえて、私は再発防止の資料を提言として 出していただいたわけですけれども、究極に求めるところは、やはりこれの監視システムです。 その監視システムを、どこに、だれがやるかということがとても大切になる。そのためにPM DAなのか。AなのかBなのか、それ以外なのか、そしてその監視システムの人たちというの は、これは専門家の話ではありますけれども、何かあったときにすぐ動く、動けるようなそう いう体質をつくっておかなければいけないというふうに言われました。  それは、医療の現場にも入って、何が重大な問題なのか、場合によっては法的に、権限は厚 労省の下になるか、そういうことでしょうから、そういうことで、いわゆる安全性が認められ ないときにはとりあえず止めるぐらいのことをやらなければいけない。そういう人員をどうや って配置するかというのを、そこまで踏まえないと、舛添さんが言われたように、あるいは私 たちに和解を言ってくださったときの首相が言ったように、薬害はなくなりませんよ、薬害を なくしたかったらそこまで踏まえて、いわゆる監視機関をどうやってつくるか、これは本日い ただいた資料の一番後ろにちらっと書いてあるんです。医薬品行政を担う組織と合わせて医薬 品行政の監視などを行う組織をどう考えるか。どう考えるかではないんです。どう考えるかと いうのがずっと来て10年経っているんです。つくらないといけないんです。つくるためには この委員会だけで足りなかったら、それをどうするのか。それをここで話し合うべきではない んでしょうか。そう私は思うんです。  ですから、厚生労働省は、やはり持っている資料を、堂々めぐりとは言いませんけれども、 また同じことをやっているというのは、後でがっかりするようなことにならないように出して いただきたいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。非常に泉委員から厳しい御意見が出ましたけれども、1つ は PMDA の中で、18年から19年にかけてそういう組織改革ということの、もう既にそういう 提言があると、それが出ていないではないかということが1つです。  それに関しては、今、その後の改革がどういうふうに進んでいるかという情報も必要なんだ ろうと思いますので、その辺はまた次回に是非 PMDA の方をお呼びしても構わないと思います し、是非明らかにしていただきたい。資料も、今、泉委員が言われた資料は、私も知らないん ですけれども、できる範囲内でそれを出していただければいいと思います。  もう一つは、人員増という問題がもう一つ指摘されたんですけれども、確かに、100人、300 人増やすという問題は、100人増やすことに関しても予算が取れたようですけれども、その内 容をどうするのかということは、当然今からの問題ですし、それから、監視という点が最後に 出されましたね。これは迅速な対応もできる監視機関が必要ではないか。これも新たな提言と して、ここにも書いてありますけれども、詳しくは書けなかったんだと思いますけれども、そ ういう御指摘をいただきましたけれども、だれか説明してください。 ○総務課長 今、泉委員から御指摘いただきました資料の原本は勿論でございますけれども、座 長から御指摘がありましたように、その後がどういうふうになっているかとか、あるいは海外 の状況はどうなっているかとか、あるいは21年度100人増員ということを予定しております けれども、それが大体どういう人員に振り向けていくのかという資料は、準備をいたしまして 次回に提出させていただきたいと思います。 ○寺野座長 どうぞ。 ○花井委員 今、お三方の委員の発言を踏まえての発言なんですが、まず、PMDAとの関係は、 PMDAの方では、一応、現状の体制の中で、次の計画を立てざるを得ないところもあって、 進めているというところは、資料が出るということでいいんですが、実は、私が気になってい るのは、中間とりまとめで、森嶌先生もこれは何とか予算の獲得のために尽力して、一緒にと りまとめられたときに、増員したわけですけれども、A案、B案ということで、現状はPMD Aでやっているんだから、そこはそこで頑張っているというのは、一応をいいんですが、この 中間とりまとめでは、何もPMDAだけ増員すればいいとは、私たちは考えていなかったわけ で、そうなると、100人増員というのはPMDAで、では、当然日本の場合はPMDAではな くて、つまり、コントロールする部門は本省に置いているわけだから、本省の安対課、審査管 理課、血対課、総務課の人員も、こっちが100名だと30人ぐらいは増えていないとおかしい んですが、こちらの増員というのは一体どうなっているんですかね。半分わかって聞いている んですけれども。 ○総務課長 まず、本省の方の増員ということにつきましては、4名の増員というものが認めら れております。そのうちの安全対策課は1名ということでございます。  これは、少しだけ言いわけになりますけれども、厚生労働省の本省あるいは出先機関を含め まして、非常に業務が増えている中で、どこに人員を振り向けるかというと、ほかの省庁であ りますと、余っているところから別の同じ省の部門に振り向けるということが可能なんですが、 なかなかそういうことがしにくいという中で、本省の増員というのはなかなか難しかった。そ ういう意味では、まず、機構で計画的に安全対策の要員を採用いたしまして、そして、研修と か、あるいは実務でトレーニングをしてもらう。その上で最終的にまたこの委員会で御議論を いただくわけでありますけれども、果たして本省の方で安全対策を含めた体制をとるのか、そ れとも機構の方を更にもっと重点化していくのか、いずれにしても、人を採用して育てていく というのは、急にはいきませんので、そういう意味では本省、機構を合わせましたスタッフ、 安全対策要員の計画的な充実ということをまず努めたいということで、21年度には取組みを させていただきたいと思っております。答えになっているかどうかわかりませんが。 ○寺野座長 花井委員、どうぞ。 ○花井委員 今のお話は、現状のシステムのまま、人を充実していくと、例えば安対課1名、P MDA100名という形にならざるを得ないという現状だという理解でいいと思うので、ここの 委員会で、こういうことでいいのかということは議論していただいたらいいと思います。 ○寺野座長 花井委員、ちょっと待ってくれますか。それに関して森嶌委員、どうぞ。 ○森嶌座長代理 今の花井委員の御質問とも関連するんですけれども、去年の段階では、ともか く増員をしないことにはということで、どこに増員するのかはともかくとして、増員しようと いうことだったんですけれども、今年ある程度のとりまとめをするとすれば、どこに増員する かということは、非常に重要なことだと思うんです。  仮に、PMDAの方に増員をするとなると、本省との関係をどうするのか。それから、今、 泉委員がおっしゃったように、では、PMDAのスタッフ、これは、多分国家公務員そのもの ではないと思うんですけれども、公務員でない人が、企業なり医療機関なりに出かけていって、 販売したり処方するのをストップするような権限を持っているのかどうか。現在の厚労省の職 員が、薬事法上どこまでの強制権限を持っているのかはともかくとして、公務員なら法律に基 づく強制権限を持っていますけれども、ところが、公務員でない人間が、薬事法を変えれば、 そういう権限を持つかどうかはわかりませんけれども、ただ、増員をすればいいというわけで はありません。私は、次回に、公務員ではないPMDAだとどういう権限を持ち得るのか、そ して、もしPMDAが強制その権限を行使できないのだとすると、厚労省はPMDAから報告を受け て、どういうふうにバックアップをするのか、あるいはどういう責任を取るのかということに ついても、法律的にきちんと整理をして、ここに出していただきたいと思います。今、厚生労 働省だけでなくて、全省庁の定員を削減しろと言っているときに、厚生労働省だけ、1名だけ ではなくて、5名増員しろ、30人にしろというのは難しいとは思いますが、そうだとすれば、 薬事法を変えて、PMDAに強制権限を与えるとか、あるいは厚生労働省との連携をどうする とか、いろいろな工夫をして、ともかく泉委員が言われたようなことをやらないと、私は、肝 炎被害の経緯はよく存じませんけれども、過去の薬害からいっても、薬害は止まらないと思う んです。  発生は仕方がないとしても、拡大は止めなければいけない。そうだとすると、新薬のときの 安全要員も必要ですけれども、その後に被害が出てきたときに、その拡大をいかに止めるかと いうことが必要ですから、そのためには、やはりPMDAだけではなくて、厚生労働省が権限 を持って、きちんと対策を立て、それを実施する必要があります。そういう公の権力というと みんな嫌がりますけれども、そのような仕組みがどういうふうにしたらできるのか、あるいは あり得るのか、ということを、次回に是非整理をしていただきたいと思います。今どうなって いるのか、そして、泉委員のおっしゃるところまで今の日本の法体制の中でできるかどうかは ともかくとして、そこまでやろうと思ったら、どういうところにどう手を付けないといけない のかということも含めて、抽象的なことではなく、きちんと法律的な制度的な論点整理をして 出していただきたいと思います。  どうぞ、よろしくお願いいたします。 ○寺野座長 ありがとうございます。重要な論点だと思うんです。独立行政法人の権限が、どこ まであるのかというのは、抽象的ですけれども、私もよくわからないですけれども、その権限 の内容は、どの程度あるのかということ。泉委員が言われた監視機関を設定するべきである。 これは最後のところに書いてあるわけで、この辺をどういうふうに考えておられるかというの もお聞きしたいということ。  それから、増えた人数が100人、厚労省1人ということですけれども、PMDAの100人を、 どういう形のところに配置するという考え方で増やされたのかということも、これもやはり 我々の知りたいところなんです。ですから、そういうところもはっきりしていただきたい。次 回で結構ですけれども、皆さん、それに非常に関心があるようなので、よろしくお願いいたし ます。  花井委員、どうぞ。 ○花井委員 今のところは、現状の制度の上で予算要求をしたら100名で、安対課は1人という ことだったということです。  もう一つ重要なことは、ここで本来はお金については、ユーザーフィーという問題は、どこ まで考えるかというのは、論点だったんですが、これも残念ながら、53人分は民間のお金を 入れてしまった。  現状で100人増やすというとはどれだけ大変なことかというトライアルとしては、こういう 形だったということを一回認識していただいて、本来ユーザーフィーで、つまり企業からのお 金をどれだけ入れるかということもこの委員会の議論だったということも確認だけしておき たいと思います。  先ほど、山口委員の方から、現状でできていることはあるじゃないかという議論があったん ですが、細かいことは、今、時間がないのであれなんですけれども、薬事法の流れのところは、 現状のいろんなところは、今、あったらいいと思うんですけれども、特に、医療現場における という問題になったときに、結局は、病院機能の中にどんな機能があるのかということについ ては、比較的新しいところでは、今回報告書に出ておりますけれども、13ページに、いわゆ る医療機関の安全管理責任者というのが比較的新しく導入されておりますが、それから、13 ページの下のバーが付いている、下から3段ですね。こういった現状を、つまり、さっき泉委 員が指摘されたようなところは、実はこういうところが充実すれば、かなり実現するんですが、 私の理解では、必ずしもここはそんなにまだ機能していないように思います。できればこの辺 の実態というものも、医薬品行政だけの現状ではなくて、こういうのは機能しているかどうか ということについても、後で紹介、もしくはだれか病院を経営している人がいれば紹介してい ただいて、ここは充実すると、かなりのことができるように、スキームとしては思いますけれ ども、機能させるために、病院関係、医薬品行政以外の現状というところも御紹介いただけた らと思います。  以上でございます。 ○寺野座長 ありがとうございます。今、大臣がいらっしゃったので、年頭のあいさつなどを、 よろしくお願いします。 ○厚生労働大臣 年が明けましたけれども、引き続きみんなで頑張っていい体制をつくりたいと 思います。よろしくお願いいたします。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。水口委員、どうぞ。 ○水口委員 先ほど森嶌先生がおっしゃった、権限の問題をはっきりさせるということは、異論 はありませんが、しかし、薬事法上、69条もございます。厚生労働省に薬害を防止するため に、先ほど、止める権限があるかどうかということを先生は少しおっしゃったんですか。企業 との関係でおっしゃられたんですか。 ○森嶌座長代理 そうではなくて、私が申し上げたのは、PMDAで人数が増えていますけれど も、そこにたくさん人数が増えても、いざ、事が起きたときに、PMDAの人たちは公務員で はないわけですから、そういう権限がないかもしれない。  そうだとすると、たった1人厚労省に増えても、いざとなったら、先ほど泉さんが言われた ようには、動けないではないか。  そうだとすると、単に人数が増えたと言っても、機能できないではないかということを申し 上げたので、そこでPMDAの職員がどういう法律上の権限を持ち得るのか。そうだとすると、 どこを直さなければいけないのか。あるいは薬事法で、PMDAの職員まで権限を持たせるよ うなことはできるのか。そういうところを論点整理してほしいということを申し上げたわけで す。 ○水口委員 わかりました。何か御発言の中で、厚労省の権限そのものの問題とごちゃごちゃに ー。そうしましたら、私の聞き違いです。 ○寺野座長 独法化した後のいろんな機関の権限というのは難しいですね。その問題だと思いま す。続いてあるんでしょうか。 ○水口委員 では、それは結構です。  それで、先ほど花井委員からあった組織をどうするかという問題は勿論あるんですが、例え ば審査過程に公開の契機を増やすという提案を前にさせていただきましたけれども、今回の事 務局案にも出ていました。  でも、そういう話というのは、例えば、この間サリドマイドのときに、検討会を、審査の過 程で、承認前に公開の場で議論していますけれども、ああいうことを、もし今後もするとした ら、やはりそのときの事務局はどうしても厚労省になるわけです。  ですから、そういう意味でも、どちらがどういうふうに役割を分担するかという議論はあり ますけれども、PMDAと今の本省との関係を仮に前提とするとしても、やはり、PMDAだ けを増やせばいいという話には、私たちが実現しようと思っている制度改革をするには、なら ないと私は思いますので、それを付け加えさせていただきたいと思います。  それと、論点ですけれども、先ほど山口委員から現状がどうなっているかということをきち んと出すということが議論の出発点として重要だという御指摘があって、私も本当にそうだと 思います。  今回、私が意見として、A4紙1枚で項目を出させていただいたんですけれども、ものすご く大ざっぱな項目だけですので、決して網羅しているとは申しませんが、これだけ大ざっぱな ものを出しても、今回の厚生労働省から出されている案は、例えば臨床試験全体の適正化を図 るための整備、臨床試験とか治験といった論点に関する制度設計についてきちんと点検してい きましょうという発想の論点は完全に抜け落ちてしまっているわけです。  この辺りについては、既に厚生労働省でもいろいろな検討会を開いて、一定程度の議論が行 われていると思いますので、屋上屋を重ねるような議論をしないためにも、現状がどうなって いて、また、他の委員会でこういう到達点まで改革しましょうという話が出ていますというこ とは、ここにやはり提供していただきたいと思います。現状がどうなっているかということに ついての資料、特に承認段階の問題ですね。市販後については、中間とりまとめをする過程の 中に大分資料は出していただきましたけれども、承認段階の問題については、ほとんど議論は していないわけですから、現状についての資料をもっと出していただきたいと思います。特に 臨床試験関係です。 ○寺野座長 事務局、御意見はありますか。 ○総務課長 資料につきましては整理をして出させていただきます。 ○寺野座長 主に市販後安全対策ということで、フォーカスを当ててきたんですけれども、確か に承認段階に関しては、タッチしていなかったので、資料がありましたらお願いします。  関連で、泉委員、どうぞ。 ○泉委員 事務局の方に1つと、堀内先生の方に2つ、事務局の方には、12ページに個人輸入 のことが書いてあるんですけれども、個人輸入の薬監証明発行により、把握されるデータの公 表を検討すべきではないかと書いてあるんですが、薬監証明の発行を本省の方がデータベース 化するというのは、たしか夏前か、夏ぐらいに間宮委員が、今、イントラネットで全部できて いるわけだから、それはすぐできるでしょうという話があったと思うんです。  薬害を防止するためには、薬監証明のデータベースだけでは、実はだめなんですね。その使 った先で、どういう事故あるいはどういう形でそれが生かされるのか、そこまではやらないと いけないと思うし、そして、新しい組織ができれば、必ずそれはできると思います。薬監証明 という証明書が発行されていますから、どこで使って、だれがどういうふうにやるというのが、 本当の姿であれば、この薬を使ってどうだったか、そこまでをやはりデータで残すべきだと思 いますので、そこをよろしくお願いします。  それと、堀内先生の方には、大変恐縮なんですけれども、今日、事務局から出した書類の中 で、フィブリノゲン製剤に関する主なエピソードに対応した整理という項目がありましたので、 そこを中で2つお願いしたいのが、フィブリノゲンが承認された後の方は、かなり細かく調べ くださって、私たちに提案くださっているんですが、39年の閣議決定のときに、どうして血 漿分画製剤が残ってしまったかという背景を、是非これは先生が以前、検証班はできるだけサ イエンティフィックにやりたいというお話もあったんですけれども、そのときに、私の方では、 それからほかの委員からも、社会性も必要だと、社会性からも背景を見てみようと。そして、 大臣も、それは必要なことだと思うと、社会性から見てどうしてこういうものが起きたかと、 それがあります。  これは調べたら、多分データベースがあると思いますから、現実に言われた方が、まだ生き ていたりするわけですから、是非真実を報告していただきたいというのが1つです。  同じく、エピソードというふうに事務局の書かれた(3)で、1977年のFDAによる承認取り 消しで、厚生省における収集が整っていなかったと出ているんですけれども、企業側は、FD Aの取り消しを知っていたと思うんです。  そこのところを、企業の方に残る資料もしくはヒアリングで聞いていただいて、報告いただ けたらと思うんです。 ○堀内委員 企業のことについては、今回の検証を4のところに入っております。 ○泉委員 はい、わかりました。ありがとうございます。 ○寺野座長 では、幾つかの御提案がありましたので、その点、よろしくお願いします。  高橋委員に聞くのは何ですが、今のような点とか、先ほどの増員の点も53人は企業からと いうこと。それから、いろんな安全体制を企業において、ほぼ構築されつつあるが、更に自発 的な適切な評価を行って、迅速な安全対策を講ずる体制を確保すべきではないかという項目が あるんですけれども、企業サイドとしての御意見なんかはございますか。 ○高橋委員 質問をさせていただこうかと思っていた点が、今、御指摘いただいた点なんですけ れども、論点のまとめというのが、ほかのところはすべて行政に対する在り方、意見という形 での話が出ているんですけれども、ここだけがどういうわけか企業においてという形で、ちょ っと提言になっていないと思うんです。企業は、私たち平成14年の薬事法改正に基づいて、 17年からのGVPの施行等で、安全対策については、しっかりやってきていると自負してい るわけですけれども、更に何をどういう形でやったらいいのかという点については、私たちも 考えなければいけませんし、行政サイドの御支援もいただかなければいけないと思いますけれ ども、要するにここの書き方がそうなっていないので、私たちとしては、これは不満足な文章 だと思っていますので、国としてもう少し提言しなければいけないんではないかとか、指導し なければいけないんではないかというような提言であれば、それはそれでいいと思いますけれ ども、ここの書き方は検討していただいたらいいかなと思っています。  今、GVPのそういった指導というのは、都道府県に任せられていますので、機構なり、厚 労省との間で、どういう形で指導なり、助言なりというものが、PMDAなり、安全対策課の 方でやれるのかどうかという点についても考えていただけたらいいかなと思います。  それから、組織についての53人分云々ということについては、私たちはどうこういうこと はないんですけれども、基本的には、以前からこちらの方でお願いしているのは、今回の増員 というのは、あくまで国が十分行われてきていない部分で、こういうことで不測の事態が起き てきているので、国で財源なり、人員の補充というものは国がやるべきだということについて は、ずっと以前から要望をしているところですので、そこら辺については、以前の主張は同じ ように考えています。あるべきなのは、国で対応すべきだと、私たちは考えています。  それから、先ほど花井委員の方から話があった13ページのプッシュメールのところなんで すけれども、安全管理責任者というところの、今の位置づけ自体がどの程度になっているかと いう点についての問題点はあると思いますけれども、ここに書いてあるように、プッシュメー ルの加入を側にするという程度の記載では、不十分だろうと思っています。義務化なりもう少 し強い形での登録を推進しないと、今、前にもお話ししましたけれども、加入の登録数という のが、1万7,000件ぐらいの加入の登録数です。実際にそれは企業の登録も入っておりますの で、医療機関側としてはもっと少ない件数になっています。  今、BSUといって、安全性情報を提供しているものが、医療機関側に23万件の配付をし ております。ですから、一けた以上の違いということもありますので、医療機関側に適切に、 迅速にこういった情報を伝えるには、このプッシュメールを、もっともっと加入を増やさなけ ればいけないと思いますので、そこは是非、促進なんていう生ぬるい形ではなくて、もっと強 い権限で登録を進めていただきたいと思います。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。企業の御意見も聞きたいと思いますので、よろしくお願い します。  小野委員、どうぞ。 ○小野委員 1つ事務局の方に質問なんですが、堀内先生にまとめていただいた検証3、薬務行 政の動きの102ページのところ、これが一つわかりやすい質問になると思いますので質問させ ていただきます。  先ほど来、制度を、どういう権限を持つべきだとか、人数の話がありましたけれども、これ は言っては悪いですけれども、しようがない人とか、ろくでもない人の権限が強くなったら困 るわけです。そうならないであってほしいと、私どもは思うわけですけれども、その中身なの で、この回答次第では、そこのところが重要になってくると思うので質問をするのですが、102 ページです。  これは、どういうコンテクストかというと、再評価というのをやろうと思ったんです。それ で、血液製剤が再評価にかかった、承認されたお薬を見直す作業です。でも、このフィブリノ ゲン製剤は、名前が変わったので、形式的な理由でそこから漏れたという悲劇であり、問題だ ったわけですけれども、それに対して、102ページで、厚労省は、我々から見たら困ったこと だなと思うんですけれども、このような対応を取った理由について、行政の恣意性を排除し、 公正性と透明性を確保すべく対象となる医薬品を特定するに当たり、承認日をもって画一的に 対応したと言っておられるんです。  問題は、これが事実か、事実ではないかというのは、水かけ論になるところも若干があるん ですが、これはまずかったと、今、同じような状況が生じたら、当局の方々は、そんなことは しませんと言っていただきたいし、ここに書いてあるのは、当時の対応はこうだったんだろう ということだけれども、これはまずいですねと、今の我々は絶対そんなことはしませんと、多 少踏み越えるようなことがあっても、画一性を踏み越えたり、恣意性があったとしても、国民 の健康のためだったら、少々豪腕をふるわれる方々もおられると思いますので、多少の豪腕は ふるうということですねという答えを聞きたいんですけれども、それとも今でも対応は一緒で しょうかということです。 ○寺野座長 どうぞ。 ○審査管理課長 昭和54年の法改正において、再評価を法制化したところでございます。その 施行にあたり通知において、承認日にかかわらず、成分名等をもって指定をするということを 明記しているところでございまして、そういう意味から申し上げましても、このような事態と いうのは、二度と起こらないということでございます。 ○小野委員 つまり、これはやはりまずかったということですね。こういうことは二度と起きな いようにする。そういうことであればますますなんですが、極めてやる気をもって、ある意味、 これから何が起こるかわからない世界でどういう対策をとるか。フィブリノゲンについては、 先ほどの山口委員の今の現状でこのような悲劇は起きないんではないか、起きる確率は低いん ではないかという前提あるいはそうではないという方、いろいろおられるかもしれませんが、 それぞれに見解をお持ちでしょうけれども、今後、わけがわからないことが、我々の想像を絶 するようなことがあり得るわけですから、そのことを考えると、よくわからないとか、迷って いる状況で、豪腕をふるえる、法律を逸脱したって、国民の命が救われたらいいではないかと いうぐらいの覚悟を持った行政官に行政ができるような、具体的に、例えばFDAの人たちが 危ないお薬があったら、本当に危ないかどうかわからないんだけれども、とりあえずメッセー ジを出すということをやっていますね。これは企業にとっては大迷惑で、危ないかどうかわか らない状態で、そんなことをしないでくださいという話なんですが、例えばそういうところに 一歩踏み込めるような土壌があり、恐らく法律があり、文化がある。そういう話を是非報告書 に盛り込んでいただけないかということです。 ○寺野座長 先ほどの泉委員の監視機構と共通した話かなと思いますけれども、椿委員、どうぞ。 ○椿委員 基本的にいろいろな対策を、今回進歩したことは大いに認めるんですけれども、それ がゼロリスクになったという前提で考えた瞬間に次のリスクが発生しているんだと思うんです。  まず第1に、今回基本精神ということで、中間とりまとめの段階で、森嶌先生が予防原則と いう考え方を入れましょうと言ったことは、これは非常に大きなこの分野における進歩だと思 うんです。  そのときに、結局、今回のいろいろな一連の対策の中で、かなり遅発性の潜伏期間の長いよ うな感じの副作用が、日常的な薬の中で起きることを回避できるか、そのために今回配置され た53人の方々が、きちんとした仕事をできるかということ、最悪の場合ということをうたっ ていらっしゃるわけですから、かなり負担の重い、ある意味で機構の方々にとって見ればすご くアンテナを広げなければいけないという状況の中でいろんな仕事ができるかどうかという ことを、予防原則の観点で仕事ができるかどうか。予防原則というのは、まさに指摘されたよ うに、かなり危ないということに関して、十分なエビデンスというより、その可能性があった らもうアクョンを起こすというデシジョンなわけですから、それはあるべき姿だと思いますけ れども、相当な覚悟を要ることだと思うんです。  勿論、基本精神の中で、もう一つ大きな原則は、基本的に今までも確立していたと、そうい うふうに当局の方々は動いていたに違いないんですけれども、承認申請並びに安全性評価は基 本的に消費者の立場であるということです。この原則も勿論確立したものと理解しております。  一方で、先ほどから出ている組織の問題なんですけれども、これについては2回目でしょう か、大臣自身がおっしゃられたと思うんですけれども、専門家の独立性というものは、非常に 大きな問題で、決定の権限を持っている組織と、事実に対して一定の評価を行える組織の独立 性というのはそれなりに必要だと思うんです。  この観点では、機構が行うということに関しては、先ほどからいろいろな議論がある財務的 な問題、どこがお金を出しているかということに関する公平性の問題は常に議論のあるところ ですけれども、逆に薬の問題というのは、その薬によって利益を得られる方々が、それなりの 相当な負担をするということもあるべきものなんだろうと理解しております。事実、FDAは 審査において、そういうような対応を取っていると理解しております。  そうなると、ますます専門家の方々の行為が独立であるかということが、重要になってくる わけで、最初に多くの先生方が指摘されたように、オーディタビリティーといいますか、第三 者の方々が監視できるというような仕事のプロセスが確立しているか。単に有能な人がやって いるから認めてくれというのでは、第三者は認められませんから、ある一定のプロセスで仕事 が動いている、プロセスアプローチに基づいて仕事が動いているということが非常に重要にな るわけで、そういうアプローチができている中で、監査可能性が確立することによって、むし ろ専門家の独立性というものが極めて担保されるという構造になっているんだろうと理解し ているんです。  基本精神というのは、いろいろな意味で、今日の最終的な監視機関の必要性等の記述という のは、そういうことの方が妥当、私はいい意味で理解したいと思っているので、むしろ、今後 のとりまとめの中で、より具体的な処置がそういう観点において妥当かどうかという形でチェ ックさせていただければと考えている次第です。 ○寺野座長 ありがとうございます。非常に貴重な御意見だと思います。最初泉委員が言われた 監視機構というのが、非常に権限を持って迅速に対応できるような、そういう組織をつくるべ きではないか。ただ、これが国家組織としてなのか、PMDAのような独立法人としての組織 なのか、権限の内容は難しいんですけれども、その辺に関してどなたか御意見はございますか。  水口委員、どうぞ。 ○水口委員 どこに帰属させるかというのは、もう少し議論が必要だと思うんですが、やはり系 統として独立しているということがポイントだと思うんです。  今、いろいろな先生が御指摘になられたように、だれが見ても白黒はっきりしている段階に なって動くのはとてもたやすいことで、それでは困る。つまり、見解が分かれるとか、グレー の状況だというときに決断して規制をする。そのことがうまくできなかったことが過去の薬害 の事件ではあるわけですね。  立場によっては、それは真っ黒だということだと一方の人たちは言うけれども、違う見解も あるというような状況で、危ないということが証明されない限りは、何も規制をしませんとい う態度でやってきたことに、私たちの国の教訓があるのではないか。  「疑わしきは罰する」という方向で、それは「予防原則」ということになるんでしょうが、 対応する。それができないとき、本来、それは厚労省でやるべきことですけれども、それが厚 労省でやり切れないことがあるというときに、その系統から独立した監視組織が、それは踏み 込むべきだというふうに、思い切って意見を出せるということがやはり重要です。そういう意 味では、私は全く別の系統、場合によっては消費者庁だっていいと思うぐらいに、独立してい るということが重要なのではないかと。  薬を承認したとか、今までここまで見逃してきたということが決断をにぶらせるわけです。 あのとき承認の段階で、少しここが気になったけれども、それをちゃんとフォローできなかっ た、そのことが今ここに出てきているというときに、これは止めましょうとか、取り消しまし ょうということは非常に勇気に要ることで、そこにやはりブレーキがかかる。ですから、監視 組織は、その系統から外れるということが、ある意味で、意味を持つのではないかと思ってい ます。  今日、私が出させていただいたA4のペーパー1枚に監視組織ということを入れさせていた だいています。1〜5番までの項目を、例えばこんなイメージでどうでしょうかということで 挙げさせていただきましたけれども、勿論、いろんな考え方があって、私もこれがベストだと いうふうに固執するわけではありませんが、1つの可能性として、是非ここで議論していただ いて、やはりそれを積極的に今回の提言の中で何らかの形で監視組織というのを設置したい。  監視組織ができるということは、それはその組織の人たちだけにお願いしていたらいいとい うことではなくて、まさに先ほど椿先生がおっしゃったように、第三者が透明性を持って、そ こにいろいろな人が意見を言っていけるように、まず、基本に情報の公開があるということが、 やはり重要なんだと思っております。 ○寺野座長 ありがとうございます。非常に監視機構に関して、いろいろ御意見があるんですが、 堀委員、どうぞ。 ○堀委員 先ほどから監視する、あるいは規制する、それから、あるものが、安全性の問題を持 っているとわかった場合に止める、止めない。そういう監視規制、それから結果がわかった上 での止める権限といった話の方がウェートを占めているんですが、そういう議論も勿論大事で、 今までにないものをつくるという視点も勿論大事なんですが、問題は、そういうリスクをいか に発見していくかという中身の議論ですとか、審査なり実際の安全対策なりの、先ほど椿先生 がおっしゃったと思うんですが、監視するためにはプロセスが明確になっていないといけない。 そのプロセスというのは、別にPMDA内部の書類の手続云々という意味のプロセスではなく て、こういうところを評価していこうとか、例えば市販後のところであれば、安全性の問題を どうやって、いかに早くしてやっていくかというプロセス、かつ情報提供をどうやっていくか というプロセス、そういうところの議論というのに時間をもっとかけなければいけないと思う んです。  あとは、PMDAか国かは置いておいたとしても、職員の問題、それもさっきから人数とか 組織のお話ばかりなんですが、今までの議論の中で、決して人数だけではない。例えば、いい 審査、安全対策をやっていく上で、例えば医療現場だけをしている人間だけではできない。逆 に霞が関だけをしている人だけでもできない。いろんな現場のプロが立ち会ってやっていかな いと、多分いいものはできないという話もしたと思うんですが、それはこの中からも抜けてい ます。  私が、今日、あともう15分しかないんですが、非常に心配になってきたのは、監視、規制、 それから、わかったときの権限というお話はすごく重要で、それはいいんですが、中身の完全 の細かいディテールの部分が、この紙に書かれていること。これについて、一個一個意見を交 わしたり、議論をしたりする時間がないので、これはこのままこの委員会の意見として通って いってしまうのかというのが、審査の現場も、医療の現場も見ている私としては、すごく不安 で、一個一個について議論するだけでも、議題を決めて議論をするだけでもいっぱい議論する ことがこの文章の中にはあると思うので、そういった今後の方向も含めて、私は今聞いていて 意見を申し上げたいと思いました。 ○寺野座長 ありがとうございます。確かに議論の方向性として、今、人数増員ということが、 夏休み前に言われて、概算要求でやって、それで100人を確保したという段階では、その質的 なものはどうかとか、いろんな問題が、これも大事だと思います。  それから、泉委員から出された監視機構、それも非常に重要で、ここに皆さん非常に大きな 関心を持っておられて出されているんですが、今日の議論としては、最初に申し上げましたよ うに、全般的に問題点を、今までも出していただきましたけれども、問題点を出して、そして あと3回しかないけれども、そこで深めていこうかというふうには思っていたんです。  ただ、監視機構に対しての関心が大変強くて、非常に重要な点でもあるので、少し突っ込ん だ議論になりましたけれども、どうぞ。 ○厚生労働大臣 済みません、また、退席しないといけないので、さっき水口さんがおっしゃっ たように、恐らく消費者庁のような考え方も、そういう流れの中にあるんだろうと。パロマの 問題から、そういうことになっているので、1つのアイディアとしては、それはあり得ると思 いますが、堀さんがおっしゃったように、もう少し議論を深めることは必要ならば、やってい ただければと思いますので、引き続きよろしく御議論をお願いしたいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございました。今の問題は、独立機構で、あちこちあるんですね。医療 機能評価機構もあるし、医療安全調査委員会とか、いろんなところがあって、いつもこういう ところが問題になって、どこまで権限を持って迅速に対応できるかということなんですが、こ こは先ほど言われたように、予防ということに対して、結果が出たことに関しても当然ですけ れども、迅速な権限を持った、ただ、余り強引に、大きな権限を持った省庁をつくれと言われ ると、ちょっと怖くなる面もないわけではないんですけれども、そこら辺も含めて、また機会 を設けて深く議論したいと思いますので、いろんな点で、今から議論すべきところがどこにあ るのかということを御指摘いただけると、時間が余りありませんので、ありがたいんですけれ ども、山口委員、どうぞ。 ○山口委員 本当に手短にします。機構とか、第三者機関は確かに大事なんですけれども、私が 強調したいのは、監視機関も大事なんですけれども、実際に審査とか、実際にデータを見てい る人間が何か危ないとか、これは怪しいと思ったときに、ちゃんとそれが上に上がっていって 報告される。外からだけではなくて、多分、小野先生がおっしゃりたいことはそういうことだ と思うんですけれども、そこも忘れてはいけないんではないかなというのが私の意見です。 ○寺野座長 それは非常に、組織を考える上で重要なポイントだと思います。それは夏休みの前 のときからそういう議論があったわけで、それはまた深めていきたいです。  そのほか、御意見はございますか。  間宮委員、どうぞ。 ○間宮委員 どうも手が短いので、わからないみたいなので、ちょっと困ってしまいますね。今 度から、何か丸いのでも持ってきた方がいいですか。 ○寺野座長 わかっていました、済みません。 ○間宮委員 いろんな大きな意味での議論というのは大切だと思うんですけれども、その大きな もので、一体何をやるかというのが、やはり大事なんです。それは皆さんも考えられていると 思うんですけれども、例えば12ページ、さっき泉委員からも出てきましたけれども、個人輸 入ですとか、適正広告ですとか、薬害教育というのは非常に重要な問題で、これはその他規制 の在り方というくくりにしてほしくないというのがあります。  まず、適正広告なんかについては、対談の記事とか、学術情報の伝達というのは、例えばイ ンターネットとか、雑誌なんかを使って、患者さんですとか、家族の皆さんに広告するような 形になるということを指していると思うんですけれども、そのほかに企業がやっていることと いうのは、患者会に対するマーケティング、いわゆる患者会に対してお金を出して、人を集め て宣伝するというようなことも行われているわけで、そういう中で、適正に行われている場合 はいいですけれども、少し洗脳というか、向こうの薬を使えば助かるんですよみたいな形で行 われたりすると、非常に問題があると思います。その辺りも監視していく必要があると思いま すし、規制もしていく必要があると思います。そういうことも書いてほしいと思います。  それから、テレビCMですが、最近、最終的にCMがあると、例えばおしっこが近いという ことで、これは年のせいではないんですよということで、最終的に検索してくださいとか、お 医者さんに相談してくださいという形で終わるんですけれども、それは実質的にやはり宣伝広 告であって、これは法の網の目をくぐっているのかもしれませんけれども、やはりこういうこ とも問題だと思います。  それから、個人輸入の問題、さっき泉委員からも出ましたけれども、これは本当に重要なん です。薬監証明の電子データ化なんていうのは、もうすぐにできる話であって、器とか、いろ んな組織体制とか、そういうことを考えるよりも先に、できることはとっととやるべきだと思 います。  電子データ化というのはもう当たり前の話で、電子データ化して、次に何をやるかという話で すけれども、やはり使用実態の把握ですとか、副作用情報というのは、未承認薬については、 今、全く収集されていないわけですね。それらの収集を後に生かしていく。  あと、輸入の規制です。何かその時点でも問題があるのであれば、やはり輸入の規制をして いくべき。それと輸入代行業者については、やはり一定のルールというのをつくって、規制し ていくべきだと思います。  もう一つ、薬害教育、医薬品評価教育と、ここに並んでいるんですけれども、これはちょっ と別な話で、薬害教育というのは、高等教育の中でやればいいというだけの話ではなくて、や はり生涯教育の中でやっていくべき話であって、生涯教育の中で、まず最初にやはり教育に接 するというのは、義務教育、小、中、それから高校、高等教育でもっと詳しいことを学ぶとい うことなんですけれども、やはり学習指導要領に薬害を教育するということが載るように働き かけをしていくべきだと思います。  実際に、20年3月の学習指導要領の改定のときには、薬害という言葉は入らなかったんで すけれども、別の消費者の保護ということで教育できるかなという部分がありますので、そこ を生かして、例えば副読本ですとか、そういうものを配って教育を進めていく。それで、学習 指導要領に何年か後には載るそういうようなことを目指すべきということを書くとか、それを してほしいと思います。  あと、GMP調査等というのが、12ページに書いてありますけれども、その他の規制とい う感じではないような気がするので、これはPMDAがやっているお仕事ですから、その他と いうよりは、もっとどこか違うところに書いた方がいいんではないかと思います。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございます。全般的な議論をしたいということに、ぴったり合う御意見 をいただいたんですけれども、12ページの(5)の「その他規制のあり方等」ということに ひっくるめるのには不適なところがあるという御指摘なので、これはまとめるときに十分考慮 してください。  個人輸入のことも、先ほどから話題になっているんですけれども、こういうものから薬害が 出てくる可能性が十分があるし、実際にあるんではないかと、私は把握していないのでわから ないんですけれども、しかし、個人輸入に関しては随分制限をするというお話ですね。どうな っているんでしたか。 ○監視指導・麻薬対策課長 サリドマイドのお話でしょうか。 ○寺野座長 サリドマイドだけではなくて、いろんな薬剤の個人輸入について、夏ぐらいから随 分制限するようなことをテレビで言っていましたけれども、どういうふうにするのかなと思っ たんです。それはどちらでもいいです。  また、その辺も考慮しなければいけないし、今の薬害教育ということに関しても、もう少し 突っ込んだところが必要かなということですね。  そのほか、どうぞ。 ○坂田委員 たたき台についてなんですけれども、文章の中身というか、特にフィブリノゲンと かに関することなんですけれども、何々がありました、何々でしたみたいな物語ではなくて、 いわゆる中身のポイントをきちんと押さえてあるような文章にしていただきたいんです。  まず、最初なんですけれども、私が前回に意見書にメモを添付しましたけれども、まず、こ の事件の重大なポイントの青森の集団感染が抜けております。  それと、こうやった形で主なエピソードを対応した整理という形でまとめられるのであれば、 薬害エイズを起こしたクリスマシンとか、PPSB、ニチヤクです。そういったのもきちんと 入れるべきだと思います。  あと、たくさんあるんですけれども。 ○寺野座長 坂田委員、たくさんあるのならば、今度それを整理して、ファクスでいただきたい と思います。 ○坂田委員 2、3だけ言わせていただけますか。例えば、2ページの加熱製剤の承認なんです けれども、たった3行ではなくて、やはり10日間の審査期間で承認されたではなくて、わず か10日間ですね、そういったことを入れていただきたいし、同じページの(7)番目ですけれど も、418リストにしても、倉庫に放置したということもきちんと入れていただきたいです。 ○寺野座長 いろいろ全部指摘したものを整理して、ファックスしてもらうと、ありがたいと思 います。 ○坂田委員 ですから、そういった形で、きちんとポイントを押さえていただく文章にしていた だきたいと思います。 ○寺野座長 これは、ドラフト的なものと考えてください。直すことはいっぱいありますので、 どんどん指摘していただきたいと思います。  水口委員、簡潔にお願いします。 ○水口委員 大きな論点として、救済の論点が完全に抜け落ちていると思うので、この論点も今 後検討課題であるということだけ一応御確認いただければありがたいと思います。 ○寺野座長 はい、簡潔でした。堀委員、どうぞ。 ○堀委員 今後の確認なんですが、この中には適用外使用の問題を、研究的なものを倫理委員会 にかけるのはいいんですが、適用外使用も全部倫理委員会にとも読めるようなものもあったり して、こういう意見も意見でいいんですが、例えば私はそこに関しては、実際の医療の現場で、 患者さんの不利益になりかねないと思うような表現も多々あって、こういうところに関しては、 今後これは紙で提出していくという形なるのか、それともこの委員会でお互いに反対意見もあ るでしょうし、議論をしていくということなのか、つまり、この中ではとても長くなってしま うので、怒られてしまうので発言できないんですけれども、いっぱい言いたいことは、多分皆 さんがあるし、私も山ほどあるんですが、それは、いつ、どうやって議論を深めればいいのか、 よくわからないんですけれども、いっぱい追記したいことはあります。 ○寺野座長 ですから、1回で2時間の時間しかありませんので、十分な御意見が出せないとい う御不満があるのは十分承知しております。ですから、それは水口委員とか坂田委員に出して いただくわけですけれども、そういうふうな意見として印刷物にして出していただいて、それ を何らかの形でまとめて加えるという形でないと、ちょっとこれは時間制限があるので、難し いと思います。それは、御遠慮なく、皆さんにお願いしていることですけれども、どんどん提 出して欲しいと思います。メールでも結構です。そういう形でないと、ちょっと詳しくはでき ないんです。  そのほか、これは是非加えておきたいと、ここに出された議論のための資料というのは、本 当に原稿的なもので、これを使うわけではありませんので、これに足りないところをどんどん 付加していただいて結構だと思います。  何か、これだけはどうしても入れてもらいたいということがありますか。  清水委員、どうぞ。 ○清水委員 2点だけ。教育の中では、医学生の教育の中に薬学関係の教育というのはほとんど ないんですね。薬理学教室の基礎医学の教育はあります。ですから、それをやはりきちんと位 置づける。これは堀内先生の領域だと思うんですけれども、それが1点。  もう一つは、これは輸血の領域でもそうだったんですが、いわゆる医者以外のコメディカル の人たちを、やはりある程度の権限を持たせて医療に参画させる。主にここでは薬剤師かと思 うんですが、薬剤師がもっと責任を持って、おまえの言うことについては、法的責任を問われ る場合もあるんだぞというぐらいの位置づけを持った内容で医療機関で働くというようなこ とまで踏み込まないと、これだけ膨大な情報を、医者一人が、また、森嶌先生に怒られるかも しれませんが、とてもじゃないけれども、処理できるような内容ではない。勿論、自分が専門 としている狭い分野であれば、それは十分いけると思いますけれども、ちょっとでも専門性を 外れてまいりますと、かゆいところに手の届くような情報を自分のものにして活用するという のは、なかなか難しい。そういう意味においては、薬剤部あるいは薬剤師の積極的な関与、し かも責任のある関与ということがやはり必要ではないかということです。 ○寺野座長 これは、現場から清澤先生、どうですか。 ○清澤委員 その点、13ページでしたか、医療機関における安全対策ということで、先ほど花 井委員からも、そういう病院の経営者の意見を聞きたいということがありました。  確かに、13ページに書いてあることは、これは当然やなければいけないことですし、そう いう認識ではあります。  ただし、今の日本の医療行政といいますか、体系というのは、2004年から医療費抑制です ね。病院の実態というのは、もう赤字、赤字なんです。医師不足、看護師不足、そういう状況 の中で、こういうことをやれということは、医師の超勤は非常に増えます。看護師等もそうで す。薬剤師さんもそうですね。  そういう中で、やはり安全ということには金がかかるんだということで、医療費抑制政策と いうのは、絶対に見直さなければいけない。是非、厚労省の方には、そういうことは認識して いただきたい。命を安全に守るには、金が必要なんです。勿論、医療人の意識も必要なんです けれども、お金も必要なんです。これは是非言っておきたいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。私も言いたいんですけれども、よろしくお願いします。  これは根本なんです、薬害だけではなくて、医療安全の問題にしたって何にしたって、すべて そこにかかってきていることなんです。非常に重要な指摘だと思います。  それから、清水委員が言われましたような形で医師不足、看護師も不足していますけれども、 そういう中で、いわゆるスキルミックスというんでしょうか、いろんなコメディカルにそれぞ れの権限を与えて、医療の内容を変えないと、いろんな要求は出てくるんだけれども、なかな か実行できないし、添付文書を詳しく読んでいる暇もないという現状がありますので、その現 場は、やはり御理解いただきたいと思います。私自身も、現場として言いたいです。  堀内委員、どうぞ。 ○堀内委員 清水委員と清澤委員、座長もそうですけれども、大変発言をありがたいと思ってお 聞きしましたけれども、やはり今、薬の問題、薬物療法については、薬剤師が責任をかなり持 ってやらないと、守れないんではないかと思っておりまして、そういう覚悟でもってやるよう にということを、いろいろ私も病院で働いている薬剤師の会のことをやっておりますので、徹 底をしているところですが、とにかくこれもやはり人が大変少ない。アメリカの10分の1ぐ らいしか、病院の薬剤師というのはいない。中央の業務もありますし、本当はもっと臨床の現 場へ行って、いろいろ仕事をするというのが求められていると思いますけれども、したがって、 これもやはり清澤先生がおっしゃったように、人の問題、なかなか増員というのが、どんどん 増えてはいるんですけれども難しい。大幅に増やす必要があるんではないかと思っております。 そういう覚悟で、薬物療法の安全の担い手という覚悟でやっておりますので、どうぞよろしく お願いしたいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。大分時間が過ぎてきまして、今日は全般的な議論というこ とでお願いしたわけですけれども、あと、どうしても言っておきたいという方、一人、二人い らっしゃったら、大熊委員、今日、おとなしいですけれども、大丈夫ですか。欲求不満になり ませんか。 ○大熊委員 いやいや、今、「厚労省の人、わかってください」というご発言がありましたけれ ども、厚労省は、実は一番わかっているんです。だけれども、気が弱くて、財務省とか政治家 に言えないらしいので、「しっかり主張してください」と言いたいと思います。 ○寺野座長 ありがとうございます。あと、いろいろ御議論があると思いますけれども、時間が 来ましたので、この辺で終わりにしたいんですが、今日は論点資料を、事務局の方から出して いただいて、ただ、これはあくまでも原稿ですので、実際の提言のときには、全く変わったも のになる可能性があります。これはその一部です。  それで、方向性の出た論点もあれば、もっともっと議論を続ける必要のある論点もある。そ して、最初の山口委員の御指摘のように、既にある意味で解決、ないし解決しかかっている問 題と、されていないものがある。それは分けて議論するべきではないかということでございま した。大変いい提言をいただいたと思いますが、また、この議論を踏まえまして、次回以降、 内容を報告書に取り込み、更に提言に生かしていきたいと思っております。  また、今日の議論に基づきまして、事務局の方でいろいろ資料を用意するつもりでございま すので、また2月の会にそれを提出いたします。  今日は、すごい分厚い資料がありましたので、いきなり渡されてなかなか議論に入れないん ですけれども、是非お帰りになってしっかりと読んでいただいて、2月以降の非常に有益な議 論にしていきたいと思います。  先ほど言いましたけれども、いつものとおりなんですけれども、言い足りないところ、もっ と詳しく突っ込んで言いたいところなのはメールないしファックスで、できれば22日の木曜 日までということで出していただきますと、堀内研究班ないしは事務局自体で処理させていた だきたいと思いますし、また、これの提言書ないしは報告書の中にそういうものを入れていき たいと思いますので、言いたいことは、どんどん言っていただいて結構だと思います。  とにかく、今日は、たくさんの資料を出していただいた堀内研究班の、本当に、これは年末、 正月もあげての大変な作業でありますので、これはやはり委員会として感謝を申し上げたいと 思いますし、今後ともよろしくお願いしたいと思っております。  事務局の方から、何かございますか。 ○医薬品副作用被害対策室長 次回ですけれども、2月27日の金曜日の2時〜4時ということ で、会議室をまた確保しましてから御連絡を申し上げますので、よろしくお願いいたします。 ○寺野座長 それでは、司会の不手際もあって、論点が一つに固まったり、指名するのにまずい 点もあったかと思いますけれども、間宮委員には、おわびを申し上げます。  そういうことで、2時間余の御議論をいただきました。本日の会議はこれで終わりにしたい と思います。  どうもありがとうございました。 (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111