08/12/22 第5回ナノマテリアルの安全対策に関する検討会議事録 日時 平成20年12月22日(月)15:00〜17:00 場所 中央合同庁舎第5号館5階共用第7会議室 ○事務局  それでは、定刻になりましたので、ただいまから「第5回ナノマテリアルの安全対策 に関する検討会」を開催いたします。本日の検討会は、公開で行いたいと考えておりま すので、よろしくお願いいたします。  まず、配付資料の確認をさせていただきます。配付資料としましては、資料1、参考 資料が1〜5までございます。お手元の資料は、座席表、議事次第、委員名簿、資料1、 参考資料1、参考資料2、参考資料3、参考資料4、参考資料5を付けております。過不 足等ございましたら、事務局へお知らせください。  では、以後の議事進行につきまして、座長の福島先生にお願いいたします。 ○福島座長  これから私が進行を務めさせていただきます。議題1は、「ナノマテリアルの安全対 策に関する検討会報告書の骨子(案)について」であります。前回の検討会を含めまし て計4回、この検討会を開催しております。第4回までの議論を踏まえまして、今後、 検討会の結論作りに入る予定にしております。結論としての取りまとめの報告書の骨子 (案)を、今日皆さんに議論していただくことになります。また後から事務局に説明し ていただきますが、事務局に整理していただきました内容、それでいいかどうか、これ は削除すべきではないか、ここのところはもう少し足したらどうか、その他、こういう ことはぜひ報告書に盛り込んだらどうか、ということがございましたら、それを述べて いただくことになります。  まず、事務局から資料1の「ナノマテリアルの安全対策に関する検討会報告書の骨子 (案)」の説明をしていただきます。 ○事務局  それでは、お手元の資料1をご覧ください。福島先生からご説明いただいたとおり、 これまで4回開かれております検討会の意見を踏まえまして、事務局で最終的な報告書 の骨子(案)ということで、資料を作成しております。この案で同意していただけるよ うでございましたら、その報告書としてまとめていきたいと考えております。  資料1は5ページの資料になっておりまして、まず1番「検討の背景」ということで、 大まかな内容を3点、記載させていただきます。  (1)ですが、ナノマテリアルの概要として、ナノマテリアルの一般的なサイズや特性等 を簡単にご紹介しようと考えております。  (2)ですが、ナノマテリアルについての、特に生体の影響に関する研究の概要として、 簡単にご紹介させていただこうと考えております。  (3)ですが、本報告書を取りまとめるに至った背景として、現在、消費者製品へナノマ テリアルの利用が拡大しており、そういった中で今後、ナノマテリアルの安全対策を進 めていく上で、課題や今後の方向性を検討する必要があることを述べさせていただこう と考えています。  引き続きまして2番「検討の範囲」ということで、3点記載しております。  (1)は、厚生労働省が所管しております化学物質について、主に医薬品や化粧品などの 化学物質を含有する製品についての安全対策を中心に、としています。  (2)として、検討の対象とするナノマテリアルの範囲は、100nm程度以下を目安とし て、ナノオーダーサイズの粒子と、その凝集体を一義的な検討の対象と考えています。 ただし、自然発生物、天然物や非意図的に生成されるナノマテリアルについては、現時 点では検討の対象から除外しています。  (3)として、ナノサイズになることによって、通常の化学物質とは異なる電気的あるい は化学的な性質を示すことに加えて、現時点ではナノマテリアルごとの有害性も明確に なっていないことから、個別のナノマテリアルに対しての検討をするのではなく、全般 について検討したこととしています。  引き続きまして3番「開発の現状及び最新の科学的知見」です。これまで資料でお出 ししております内容を踏まえて、こちらに記載しようと考えています。  (1)として、我が国におけるナノマテリアルの用途と生産量について。(1)平成19年度、 当省で実施いたしました委託調査結果の内容等を盛り込まさせていただこうと考えてい ます。(2)代表的なナノマテリアルとして、8物質、(ア)〜(ク)までの物質について、 簡単な概要をご紹介させていただこうと考えています。  (2)として、ナノマテリアルの全般的な化学的な性質、あるいは力学的な性質といった ものを、ご紹介させていただこうと思っております。  (3)として、生体影響に関する試験研究の概要といたしまして、ナノマテリアルは近年 利用が進んでおり、あわせて生体影響に関する調査研究も進められています。現段階で は、ナノマテリアルが人の健康に影響を及ぼすという報告はないが、未だ十分には解明 された状況には至っていません。in vitroの試験については、一部の物質について、細 胞毒性あるいは細胞の増殖抑制などがあるという報告がされています。in vivoの試験に ついては、一部の物質により、一定の条件下で、肺等に炎症反応等が生じることが報告 されています。また最近、多層カーボンナノチューブのマウスへの腹腔内注入試験によ って、腹膜中皮腫が発生した研究報告がなされていることを紹介させていただこうと思 っております。  引き続きまして4番「規制の現状」です。  (1)厚生労働省が所管する化学物質の安全性の規制に関する法律としましては、薬事法、 食品衛生法、化審法が挙げられます。  (2)現段階では、ナノマテリアルに特化した規制は存在しないが、医薬品や医療機器、 あるいは食品添加物については、品目ごとに市販前に有効性、安全性等が事前に審査さ れています。  (3)化粧品及び容器包装についても、成分として使用が可能な物質又は使用が禁止・制 限されている物質のリスト、あるいは製品に係る規格・基準を作成しておりまして、製 品の安全性が担保されています。それ以外の一般工業品や家庭用品に含まれている化学 物質につきましても、急性毒性あるいは慢性毒性の観点から、製造・輸入が規制されて いる他、科学的な知見の集積により、特定の化学物質について、規格基準が作成されて いることをご紹介させていただいた後に、参考として、薬事法などの規制の概要につい てご紹介させていただこうと考えております。  続きまして5番ですが、これ以降が報告書の主な内容になってきます。「安全対策に 係る課題と今後の方向」についてです。  まず(1)は安全対策に係る課題。先ほどから出てきているところと少し重複しますが、 ナノマテリアルが人の健康に影響を及ぼすという報告はないが、in vitroのデータに比 べ、in vivo、更に体内動態についてのデータがほとんどないこと、ナノマテリアルが一 般の化学物質とは異なる特性を有することなどから、生体への影響や物性に関する試験 方法などの開発、in vivo試験の実施等が必要というところが課題としております。  (2)ですが、その課題を踏まえて、大きな方向性を2つ示しております。(1)ナノマテリ アルの開発状況や使用実態などに注視し、ナノマテリアルの人の健康への影響に関する 情報等の収集に努め、国民の健康を確保する観点から、どのような対策が必要なのか、 引き続き検討すべきではないかということ。(2)ナノマテリアルに関する技術は現在も技 術的に発展途上にある最先端の技術であり、製造者責任の観点から、安全対策も事業者 が一義的に進めるべきであるが、国も事業者と協力して、ナノマテリアルの安全対策に 取り組むべきではないかということ。この2点を大きな方向性として挙げております。  (3)以降は、具体的な対応として、前回ご議論いただいた件に沿った形で記載させてい ただいております。  (1)がナノマテリアルに関する情報の収集で、(ア)として、ナノマテリアルの人の健康 への影響や用途情報、生産量について、引き続き情報収集すべきであること。(イ)とし て、情報収集に当たっては、実際にそれなのかどうかを確認するといった情報の質にも 注意する必要があること。(ウ)として、動物への影響はないからといって、必ずしも人 への影響がないというわけではないという点にも注意すべきであること。(エ)として、 これに関連していくつか意見が述べられております。i)化粧品や健康食品、こちらに ナノマテリアルが使われているという情報があるので、優先的に情報収集する必要があ るのではないか。その一方で、製品中にナノが実際に含有されているかどうか疑わしい 場合もあるということで、情報の質に関連すると思われますが、そういった場合がある ので、ナノマテリアルが含有されているかどうか、実際に確認する必要があるのではな いか。ii)として、化粧品に使用されているナノマテリアルが人の健康へ与える影響を 調べるためには、事前に、発症し得る副作用等を動物実験の結果等から予測しておくべ きではないかということ。iii)として、化粧品などの広告実態も調査することも検討す べきではないか。以上のご意見について紹介させていただこうと思っております。  (2)が、ナノマテリアルに関する試験・研究の推進です。(ア)OECD等における国際 的な取組状況を踏まえながら、物理化学的性状、体内動態、そういったものの試験法の 開発を引き続き推進すべきであることです。(イ)ばく露の対象ですけれども、経皮ばく 露及び吸入ばく露が重要であると考えられます。(ウ)試験・研究に当たっては、ナノマ テリアルの凝集や分散を考慮する必要があるということです。  これに関連して(エ)として3点、意見を記載しております。i)何らかの研究結果 が出た場合には、それがナノ化した影響であるのか、あるいは化学物質本来が持つ影響 であるのか、それを区別する必要があるということ。ii)過去に実施された研究のうち、 相反する結果が出るものについて、理由を解析する必要があるのではないか。iii)とし て、ナノマテリアルの試験法確立には、かなりの時間を要するといったことで、ナノマ テリアルの国内製造量と何らかの疾病との関連について、疫学的な調査を並行して行う ことも検討すべきではないかということです。しかしながら一方で、疫学的な調査には 非常に時間がかかるという懸念も示されています。  (3)(4)は関係省庁との連携、あるいは国際機関との協力についてご紹介させていただい ております。(3)は、内閣府を中心として、各省連携が進んでおりますので、それを中心 に、今後も引き続き情報共有などに努めていく必要がある。(4)国際協力としては、現在、 OECD工業ナノ材料部会に参加することによって国際的な活動をしておりまして、こう いった活動を今後も継続するべきであるということを述べさせていただいています。  (5)消費者に対する情報の提供として、(ア)事業者は自社製品に使用されているナノマ テリアルの人の健康に与える影響などについて、積極的に情報を収集し、それらの情報 を積極的に公開することで、消費者に対する透明性を確保すべきであること。(イ)国も 収集した情報をわかりやすい形で積極的に公開し、透明性のある対応を取るべきである こと。(ウ)、これに関して、消費者がナノマテリアルを含有する製品と含有しない製品 とを選択できるよう、事業者が消費者に対して、適切に情報提供できる仕組みについて も、検討することが望ましいということをまとめています。  以上でございます。 ○福島座長  ありがとうございました。これからディスカッションをしていただきます。資料1の 順序に沿って、検討の背景、検討の範囲、それぞれの項目ごとについてディスカッショ ンしていきたいと思います。皆さんからのご意見をいただけたらと思います。まず最初 に「検討の背景」ですが、事務局から(1)から(3)までを挙げていただきました。この内容 でいいのか、また、ここに追加すべきことがありましたらご意見をいただきたいのです が。最初のところはナノマテリアルの概要ということで、一般的なサイズ、ナノマテリ アルの性状を記載するということ。2番目はナノマテリアルの生体影響に関する研究の 概要を記載する。3番目は本報告書を取りまとめるに至った背景について述べていくと いうことになります。いかがでしょうか。 ○板倉委員  (3)に「消費者製品」という言葉が出てきているのですが、この消費者製品という言葉 自体が、定義されているものとして存在するのかどうか。消費生活用製品安全法、消安 法のように、「用」が入っていない消費者製品と消費者用の製品との違いとか。言葉が出 てきてしまうと、これはわざと分けたものなのか、あるいはそういうことなしに作られ た言葉なのかということに引っかかってしまうのではないかなと思います。 ○福島座長  事務局できちんとした整理をしていただけますか。 ○事務局  ここは特に意図があって書いたわけではございませんで、その辺りは明確になるよう に、報告書では記載させていただこうと思います。 ○福島座長  いまのところで関連するのだと思いますが、消費者への利用が拡大しているというこ とで、物によって実際にばく露しないのもあるでしょうし、また最終成分としてばく露 するものもあると思うのです。いずれにしても、利用が拡大しているということは、そ れだけばく露が拡大していると一般的に考えていいと思うのです。ばく露の拡大という 言葉は、適切な言葉をまた考えていただいて、加えてもらえたらと思います。 ○板倉委員  「背景」になるのかどうかはわからないのですが、製品が消費者に影響してくるとい うことを考えますと、廃棄のところも含めて考えられるのですが、今回は除くのか除か ないのか、よくわからないのですけれども、これはどうなのですか。 ○福島座長  廃棄ですね。廃棄ということになると、労働面から見たときには、確かに廃棄のとこ ろも考えました。ですが、今回のこの検討会においては、そこまで考えるのがなかなか 難しいのではないかと思っているのですが、どうでしょう。むしろ実際に利用して、ば く露するというような形態を範囲として検討するということを私は考えているのですけ れども。そういうことでよろしいですか。そうしましたら、範囲としてはそのように考 えたいと思います。また何かご意見がありましたら、報告書を出すに当たって、コメン トをいただけたらと思います。報告書案が出たときに検討したいと思います。  ほかにないようでしたら、2番の「検討の範囲」に入りたいと思います。そこには(1) から(3)まで書いてあります。まず(1)の内容について。ここで説明されましたけれども、 2行目で「医薬品等」となっています。やはり現実に使っているのは化粧品としての使 用がそれなりにあると思いますので、「医薬品・化粧品等」と入れておいたらどうかなと 思います。  (2)はサイズと形の問題ですけれども、ここでは「100nm程度以下を目安とした」と いうような形で、これは、これまでのところ、きちんと縛るべきではないだろうという ことになっております。そういう意味で「目安」という言葉が入っておりますけれども、 よろしいですね。 ○板倉委員  確認なのですが、この前に資料でいただきましたナノマテリアルの安全対策調査報告 書の5頁目、オーストラリア政府のNICNASでは、ナノマテリアルについては、ナノ 懸濁液やリボソーム、ナノカプセルが含まれないというようなことが書いてあるわけで すけれども、今回は目安としてということなので、そういったものも含むと考えてよろ しいのでしょうか。この辺がよくわかりません。さっき座長がおっしゃったように、化 粧品ということになると、結構リボソームとか、そういうものがかかわってくるという ことがありますので、確認させていただきたいのです。 ○福島座長  専門家の先生、そこら辺の意見はどうですか。その辺りのことはよろしいですか。庄 野先生、何か意見はありますか。 ○庄野委員  少なくともレギュレーションを見ますと、アメリカのTSCA、REACHそれぞれその 辺の議論はまだやっている最中だろうと思います。そういう意味ではNICNASの考え 方というのは、1つの考え方だけれども、それが世界的にハーモナイズされた報告かど うかというのはちょっとわかりません。むしろこちらでは、あまりその辺は限定しない で議論をしていったほうがいいのではないかという気がいたします。あまり答えになり ませんが。 ○福島座長  板倉先生、その辺りに特別のこだわりはありますか。 ○板倉委員  逆に言うとリボソームとか気にしているものですから、入らないというなら入らない なりの根拠をいただきたいというのがあります。あまり100だけにこだわるというより は、「目安」ということも書いてあるのであれば、いま分析方法自体も十分に確立してい ない状況で、あまり厳しく制限してしまうよりは、少し多めに拾っておいていただいた ほうがありがたいと思います。 ○長谷川委員  ここでの表現で「ナノオーダーサイズの粒子及び凝集体」と。リボソームを意識した 場合は、粒子というところで外れるのかなということが1点あります。あと、リボソー ムにつきましては、薬事法上の制度が変わりましたけれども、昭和60年代にリボソー ムを標榜する薬につきましては、そういうデータを厚生労働省に出してください、それ で問題がなければ謳って結構ですという通知が出ていますので、以前からある程度フォ ローはされていると考えています。粒子ではないということが最大の理由で、外してい いのではないかなと思います。 ○福島座長  どうなのでしょう。むしろ漠然と、あまりここは外すとか何とかではなくて、「目安と して」となっていますように、実際に人への健康影響を考えたときに、いろいろな形態 が考えられると思うのです。もちろん最後にそれがナノかどうかという問題も、また入 ってきますが、そういう面からいって、ここはある程度目安としたというようなことで、 広く取っておいたほうが、むしろいいのではないかと思います。私がもっと気になった のは、菅野先生に教えていただいたほうがいいのですかね。ナノオーダーサイズの粒子 というときに、例えば繊維状のものも入るのですか、入らないのですか。 ○菅野委員  入ります。三次元のうち一次元でもそうだったらという定義だったと思います。 ○福島座長  ですから、繊維状のものと言い替えなくても、単に粒子ということだけでいいという ことですね。わかりました。  (3)はどうでしょうか。私がもう1つ気になったのは、検討の範囲のところで、ここに 入れるのか、次のほうに入ってくるのかわかりませんが、ばく露経路。経皮なのか吸入 なのか経口なのか、また目からということも。これは、ヒトに対する有害性が明らかで ない化学物質に対する労働者ばく露の予防的対策に関する検討会でも上がったのです。 ですから、どこかのところにばく露経路を入れておきたいと思ったのです。それをここ に入れたほうがいいのか、また別のところということが考えられますけれども、一般に 人がばく露する経路として、経皮、吸入、経口、さらに目、そういう経路があるという ことです。報告書の中に盛り込んでいきたいと思いますが、その点についてよろしいで すか。 ○土屋委員  復習してこなかったのでご了承いただきたいのですが、(2)の後半の部分で、自然発生 物云々のところで、非意図的に生成されるナノマテルアルについて除外したこととある のですが、理由付けは何だったのでしょうか。 ○福島座長  今回はあくまで、その目的で作って、そして、それにばく露するということで、一般 のもの、例えばほかのものを作っているときに一部でも、僅かとしても、ナノマテリア ルができる場合があるので、そういうものまで言っていると、対象が広くなってしまう ということで除外する、そういう意味です。さらには実際問題として、自然発生的にナ ノがこの環境中にいっぱいありますから、そういうものをこの検討会で外すかどうかと いうことです。 ○土屋委員  製造物の規制の観点からいうとそれでいいと思うのですが、目的のところは、人の健 康への影響云々とあるので、そちらから見た場合には、最初何が原因だかわからないと いうことになると、逆方向に見たときに、外す理由が付けられるかなという気がしたの ですが。 ○福島座長  例えば自然発生的なものというのは、相当前から議論になっていたわけです。現在、 実際問題として問題になっているのは、我々がいろいろな目的のために、まだ製品を通 じて使っているもの、そういうものからのばく露という、一般の人たちがばく露すると いうような考え方を私自身はしているものですから、その辺りはクリアにしておいたほ うがいいだろうということです。 ○土屋委員  予防というかリスクを回避するという意味では、座長のおっしゃるようにいいと思う のですが、往々にしてこういうのは、事象が起こってから、後追いで調べたらどうだと いうことになるので、ある事象、予想されないことが起こってしまったときに、どうい う報告態勢で、どういう形で情報を収集するかと。その時点では何だという断定はたぶ んできないだろうと思います。疑いが晴れればあとから除外すればいいのですが、逆方 向で考えたときにどうなのかということを疑問に思ったものですから、除外するという 条件を、ある程度明記されたほうがいいという気がします。 ○竹村委員  用語としてのナノマテリアルとナノ粒子は、研究者の立場では使い分けられることが あります。例えば、非意図的なものの代表的としてディーゼル排ガス粒子があります。 これはナノ粒子ではあるが、ナノマテリアルではない。ナノマテリアルはあくまで工業 用なり医療用なり何らかの目的を持って作られたもの、すなわちあくまでも意図的なも のだけを指すと了解されることが多かったと思います。 ○菅野委員  土屋先生のご意見は、人間のほうから見ると、ごもっともだと思います。例えば、そ の部分は環境省で完全に担保されているのかというようなことで、国全体的に見たとき に、どこかぽっかり守備範囲が抜けていると困るわけですね。そこのところを何とか省 庁間、省内でも、守備範囲があったわけですから、穴がないように連絡をとりあうとか、 そういう対応を行うことを明記することが必要なのではないかと思います。疫学調査を やれば当然、そのデータは両方交ざったものが出てきてしまうので、別途手当しなけれ ばいけないということを書いておかないといけないと思います。守備のお見合いをして 穴が空くのがいちばん怖いのではないかと思います。 ○福島座長  そうですね。私たちの頭では、そういうものはどちらかというと短絡的に、チャート 的に、環境省のマターかなと思っていて、一方ではよく言われていますが、それぞれ分 けることはいいことかとかいう議論もありますし、菅野委員の言われるように、この検 討会としてそこのところはきちんと確認していく。これは事務局にお願いして、そうい うことが必要ならばここの文面で盛り込むということを、また考えてもらいたいと思い ます。報告書の中に盛り込むことなのか、きちんとクリアすれば、それは省のほうで解 決済みということなのか、その点はお願いいたします。 ○土屋委員  2年前、私はアスベストで省庁間両方で使われてかなり苦労しました。やはり、いわ ゆる製造としての規制と、実際に環境汚染になるかどうかという問題が、労働の場だけ ではなくなってしまうわけです。その辺がたぶんアスベストのときにはぽっかり穴が空 いて、大きな問題になったと思います。事前にその辺を、いまおっしゃったように調整 をしておいていただいたほうがいいのではないかと思います。 ○板倉委員  私が先ほど廃棄物をお聞きしたのも、この報告書(平成19年度厚生労働省委託業務 ナノマテリアル安全対策調査報告書)を見てみましても、紙コーティング材として、結 構ナノ物質が使われていて、それが最終的には燃やされると大気中に出ている可能性も あるわけで、そういうのは一体どこで誰が拾うのだろうということが疑問としてあった のです。それは非意図的なのか意図的なのか、どちらで扱われるのか、こことの関係で もよくわかりません。ただし、労働衛生上扱っている場所で、換気などで防御すること は可能かもしれないけれども、物として、特にゴミとして燃やされたあとでそれがどう いう挙動を示すかということは、全くわかっていないわけです。消費者は、インクジェ ットプリンター用の紙にそういう処理がしてあるということを知らずに使っているわけ です。そのあとにゴミとしても紙として出すわけですし、そういうところも全然わから ない状況で、一体自分の生活にどういう形で影響が振りかかってくるのかがまるで見え ないというところが、見ていて心配です。一体誰がどこでフォローしてくれるのかとい うことも、整理をしていただけたらと思います。 ○福島座長  確かにそうです。人の健康影響、要するにそこのところの予防というのが基本ですの で、言われるのはごもっともだと思います。そういう面から言うと、どういうようなば く露形態があるのか、そこを調べていただけるとありがたいと思います。それをどうす るのかということになると思います。ばく露形態、要するに労働を除いて、一般の人た ちです。何かほかにご意見はありますか。 ○菅野委員  労働のほうでは確かリサイクルのときに、リサイクル品を扱う従業員の方々が、例え ば電池を回収して分解した場合のばく露というところまで論議したのですけれども、確 かに一般ゴミとして燃やしたときのことはその中にはないような気がします。経済省の ほうのライフサイクルのほうでは、たぶんあるのだろうなと。環境省のほうは、そこま であったかどうか記憶にないのですけれども、いろいろなところに分散している可能性 があるので、人間にかかわるものに関しては、ここで一度集約しておく必要があるよう な気がいたします。 ○福島座長  調べていただけますか。 ○事務局  本日欠席の宮田委員から、2の(3)についてご意見を事前にいただいておりまして、ご 紹介させていただきます。ナノマテリアルの毒性等に関する情報について、現段階で入 手可能な情報を収集し、その後、安全対策の今後の方向性などを検討した、といった記 載にしてはどうかと。その結果、個別ごとの検討ができるレベルの情報が収集されなか ったため、ナノマテリアル全般について検討することになったということではないのか と。この書き方ですと、最初から、いまはわかっていないので、個別の物質ごとには検 討しないというふうにしているのですけれども、ナノマテリアル一般について集めた結 果、そういう情報がなかったので、全般について検討するといった方向にしたはずでは ないかというご意見をいただいております。報告書の記載に当たっては、このご意見も 考慮して書きたいと考えております。 ○福島座長  書いてください。よろしいですか。  それでは3番にいきます。「開発の現状及び最新の科学的治験」です。(1)の用途・生 産量、これはよろしいですね。(2)にナノマテリアルの性状について記載しようと。主に (3)だと思いますが、ナノマテリアルの生体への影響ということで、現在わかっているこ とについて、このようなことを記載しようということです。これについていかがですか。 (3)の(1)は、ヒトのことについて、(2)(3)は実験的で、(2)のほうはin vitroの話、(3)はマウ スやラットなどの動物を使った実験について記載するということです。何かもっとほか に追加すべき点はありますか。 ○庄野委員  1つ気になる言葉があるのは、in vitroを「生体外」と書かれているのですが、この表 現は正しいですか。in vivo、in vitroの表現で、vivoは「生体」でも構わないかもしれ ませんが、vitroはそういう意味ではないかなと私は思いますけれども。別に「生体外」 と書く必要はなくて、“in vitro”とイタリックで書いておけばいい話だと思います。 ○福島座長  それでいいと思います。 ○菅野委員  正しくは試験管内。 ○福島座長  細かいことがありましたら、また事務局に。事務局もその辺りの使い方をもう一度精 査して、最終報告書に記載してください。よろしいですか。 ○板倉委員  消費者からすると、物質名から話を展開されるよりは、物のほうから、こういうもの に使われていると言うほうが、生活に密着しているのです。これは、個々の成分がいろ いろな物に使われているという報告書ですけれども、例えば自分の身近にあるどういっ たものには、どんな用途でどういうものが使われている話がないと、実際に何に使われ ているのか、それについてどういうようなことを気にしなければいけないのかというの が、見えてこないのです。 ○福島座長  2頁の(ア)から(イ)に書いてありますけれども、例えば酸化チタンだったら、こ のような化粧品だというような意味ですか。 ○板倉委員  化粧品にはナノマテリアルとしてこういうようなものが、こういうような状況で使わ れているという方向です。家庭用品のこういったものには、こういうものが使われてい ると言ったほうが逆に言うとわかりやすくて、物から入られても、重なっていろいろ使 われているものもあれば、違うものもあるわけですから、全体像がわからないわけです。 ○福島座長  そうしますと。 ○板倉委員  表がありましたよね。ああいうような感じで。もののほうから展開していただいたほ うがわかりやすいかなと思うのですが。紙にも使われているのですよ、紙にはこういっ たものやこういったものが、こういう用途で使われていてとして、メリットも含めて展 開したほうが自分たちが製品としてつかむことができるような気がするのですが。 ○事務局  ナノマテリアルと用途の関係の表は、3番の(1)の(1)の昨年度の委託調査結果として、 1枚の大きな表を添付しているのですが。 ○板倉委員  表ではなくてもう少し、「血の通った」という言葉がよいかどうかわかりませんが、単 に表で、こういうものにはこれとこれが入っているのだというだけではなくてどういう 目的でどういうような形で使われているかみたいな。この間いただいた表を見ていて、 例えばさっきお話したような、インクジェットプリンター用の紙に使われていることが 初めてわかったわけですけれども、消費者からすれば、そういうほうがわかりやすいと 思います。 ○福島座長  しかし板倉先生、それを全てリストアップすると非常に大変になりませんか。代表的 なものを記載するということですね。 ○板倉委員  そうです。よく使われているようなもので、全部を書くのではないのです。 ○福島座長  「平成19年度厚生労働省委託業務 ナノマテリアル安全対策調査報告書」(第4回ナ ノマテリアルの安全対策に関する検討会参考資料6)を見ますと、確かにナノマテリア ルの用途の図がこうあって、ここの代表的なものを文章にするということですね。 ○板倉委員  そうですね。そんなに細かくしろということではないけれども、こういう商品には、 こういう目的で、こういうものが使われているのですよ、電子部品の場合は、こういう ような目的のために、こういうような所に使われているのですよというのが、製品から 見えるような形でまとめられたほうが、製品ごとにどう扱ったらいいのかも見えてくる と思うのです。成分から言われても、やはり最終的に扱うのは製品ですから。 ○福島座長  わかりました。事務局で検討してもらいます。一般の人は確かに理解しやすいという ことが必要だと思います。ほかにはどうですか。ないようでしたら4番の「規制の現状」 にいきます。ここについていかがでしょうか。(1)から(3)までです。ここは、何らかの法 律によって規制されている、ナノマテリアル特有としてのものはないということですよ ね。そういうことでいいのですよね。 ○事務局  ナノのサイズに特化したものの規制はないと。 ○福島座長  4の「規制の現状」はよろしいですか。 ○菅野委員  3の(2)のマテリアルの性状の、今後どういう使われ方をしそうかという性能的な見通 しで、いま使っているのは、言葉は悪いですが、すぐに応用できるローテクに近いとこ ろで、本当のこれからのハイテク利用というのはまだ出てきていないのです。そちらの ほうが、より高度に細工されたナノマテリアルが出てくる可能性があって、そっちのほ うの生体影響は、いま扱っているものとはレベルが違う可能性があるのです。ですから、 (2)の中に、こういう性格を利用して、こういうことが考えられているというのが、もし わかるようであれば今後のためになると思います。 ○福島座長  小川先生、何かわかりますか。 ○小川委員  将来的な現在の製品開発段階の例ということであれば、例示することは可能だろうと 思います。 ○福島座長  研究開発ですけれども、特にそれが一般の人たちが注目するようなものだと、よりい いですよね。注目というか馴染みやすいものですね。それではほかの先生方も、竹村先 生も情報がありましたら、事務局のほうに連絡をお願いしたいと思います。 ○竹村委員  4番で、TSCAなど欧米の規定に関する記述は含まれるのでしょうか。 ○福島座長  なるほど。これはいま国内ですから、簡単に触れておいたほうがいいですね。これは 追加してもらいますか。詳しくなくていいですから。ほかにありますか。ないようでし たら、次にいきたいと思います。  5の「安全対策に係る課題と今後の方向」ということです。ここはちょっと長いです から、まず(1)と(2)、安全対策に係る課題と安全対策の方向の2点、ご意見をいただき たいと思います。あとでも重複したりしますので事務局のほうでまとめていただきます けれども、それはそれとして、(1)の安全対策に係る課題で、もう少し踏み込んだほうが いいのではないかということです。ここも先ほど出ました「生体外」、言葉は直すにして も、これを盛り込むべきだということがありましたら。 ○高野委員  (1)の安全対策に係る課題の下から3行目ですけれども、「ナノマテリアルが一般の化 学物質と異なる特性を有すること等」と。「有する」ということで言い切られているので すけれども、もう少し緩和な表現にならないものでしょうか。と申しますのは、例えば フラーレンのように数年前から、意識したときから、ナノというものもありますし、酸 化チタンのように以前はナノではなくて、十数年前からナノになったというものもあり、 さらにベントナイトという原料は、東レさんのレポートの43頁に出てまいりますけれ ども、たぶん40年以上前から化粧品に使われていまして、その段階から、粒子の大き さは特に変わっていない。つまり、一応ナノマテリアルに相当するものでずっときてい るのではないかなと。かといって、特別異なる特性を有するというのも現時点では考え られません。そういう物質もありますので、「特性を有する可能性がある」とか、そうい う言葉が必要ではないでしょうか。 ○福島座長  それはいいと思いますね。「有する可能性がある」。いかがですか。菅野先生、この辺 りで何かご意見ありますか。私はもう少し実際の実験屋として、細かいことを入れたい なという気がするのですが。 ○菅野委員  どこですか。 ○福島座長  いまの(1)のところで。 ○菅野委員  可能性にしたところの話ではなくて。 ○福島座長  ではなくて、ここではおおまかに、例えば4行目ですが、「生体への影響や物性に関 する試験方法の開発、in vivo試験の実施等が必要」というように、キーワード的に入っ ているのですけれども、試験方法の開発といっても実際問題、動物を使った試験におけ るばく露方法とか、ばく露の評価に必要な計測法の問題、さらにはここでは上のほうで 「in vitroについてのデータに比べ、in vivoについて」云々と書いてありますけれども、 やはり、いちばん最後の「試験方法の開発」というところにも、もう少しスクリーニン グ的な言葉を入れたほうがいいのではないかなと。in vitroスクリーニング法、in vivo でもありますけれども、スクリーニング法の開発ということです。個人的にそういうも のももう少し入れたほうがいいなと思います。要するにキーワードに書かれていること をもう少し具体的に書き込むということです。 ○菅野委員  ばく露法については、ネズミと人間で、単にばく露経路に固執すると実際の臓器の中 でのばく露形態が変わるというのは、たぶんアスベストのときに経験されていて、ネズ ミの鼻は長い繊維が入りにくくて肺に到達する繊維は短い、人間のほうは十分に長いの が入るとか。それを同じ吸入でなければいけないとすると、ネズミのほうが発がんしに くいということもあったので、「ばく露経路」といった場合、ネズミと人間で、どこがど う違うから、どういう工夫をしなければいけないという開発も必要だということで、2 つの意味でばく露経路は重要だと思うのです。  もちろん、つい最近まで我々は、脳あるいは髄膜にナノ粒子がいくとは思っていなか ったわけで、全臓器に、どの程度、どういうものが再分布するかの測定法がない、ある いはよく考えていなかったという事実もあるので、体内分布の測定法も、非常に重要だ と思います。単品なら高感度で測れるのですが、生体成分とごちゃ混ぜになると、途端 に感度が下がる場合もあるでしょうから、生体試料中の測定法の開発も必要かもしれま せん。  ここから、どうしても慢性影響が読み取れないのですが、じわじわ現れる影響、発が んもその1つですが、これもカバーすることを書くとすれば、いま言った4つに関して、 各々注意点を記入することになるかと思います。  スクリーニングは、メカニズムがわかったことに関してはどんどんスクリーニング法 を作っていくというのが、いちばん効率的なのではないかと思うのです。というのは、 メカニズムがよくわからないのに、短期試験で何とかやってしまおうというと、あとに なって見落としがありますし、バリデーションが永遠に終わらないはずなのです。です から、メカニズムがわかった時点で即座にその項目についてスクリーニング試験を組む 方針が、いちばん安全で、結果的に早いのではないかと思います。以上です。 ○福島座長  私はもう少し広い意味でのスクリーニングの解釈をしたのですが。 ○菅野委員  その場合は長期試験になってしまいますね。 ○福島座長  短期です。in vivoです。 ○菅野委員  短期の場合はエンドポイントが網羅的に取れないから。 ○福島座長  要するにin vitroのエームスだったら、今度はin vivoのエームスとかです。エーム スが有効なのか、こういう物質についてセンシティビティが高いのかどうかは別問題で、 たまたまエームスを出しただけの話なのですが。 ○菅野委員  そういうことですと、おそらく網羅性が必要になりますよね。先生のお考えのスクリ ーニングというのは、網羅的にというものですね。開発途上であるということを許され れば、トキシコゲノミクスは応用可能です。少なくとも、標的臓器に何かが起こってい るのはすぐにわかります。 ○長谷川委員  いまここで議論していることは、報告書の骨子をこのようにするという議論ですよね。 ここでどこまでを細かく書くかは、この中身について基本的に作っていただいてからと いうことで、今はどういう範囲のことをここに記載するかまででいいのではないですか。 ○菅野委員  スクリーニング法も入れたいということだったので、実際にどういうものがあり得る かということだと思います。事務局にお伝えしないと進まないのではないかということ だと思います。 ○庄野委員  1つ付け加えますと、いま菅野先生がおっしゃったように、実際に生体内にどのくら いの量がそこにいるのか、生体成分の中で、これがどれだけあるのかというところは、 基本的にナノマテリアルの本質的な分析手法の確立が前提としてあるような気がするの です。特に定量性を求められるもの、例えばNOELとかNOAELを求めるようなとき に、定量性が確保されていないのでは議論にもならないし、外挿もできないということ があるので、物質に関する試験方法等の開発の中に入るかもしれませんが、分析という のは頑張っていただきたいと思います。 ○福島座長  こういうナノマテリアルの物質になりますと、分析というか計測ですね。 ○菅野委員  それが必要なのですが、それを待っていることができない立場からしますと、生体反 応が定量化できれば、そちらで評価の途中までは代用することは可能です。 ○福島座長  ここは安全対策に係る課題ということで、さらに下のほうで「今後の具体的な対応」 というのがあるので、そこら辺のことをみんな挙げていくということだと思います。(2) の「安全対策の方向」についてはいかがでしょうか。 ○板倉委員  「国も事業者と協力してナノマテリアルの安全対策に取り組むべき」というのは当然 のことだと思うのですが、具体的にこれが何を示すのかというのが抽象的でわからない のです。いろいろな法律でカバーされているという説明があるにしても、それはナノマ テリアルとしての規制は、分けて議論もされていない状況です。これからそういう法律 との関係でどうなるかというのは、ここに書かれるのでしょうか。方向性だけで、ぼや っとしていてよくわからないのです。 ○福島座長  「今後の具体的な対応」というところで、例えば「法的な対応も考えるのが望ましい」 とか、「べきでしょう」というのを入れるというのは、この検討会として、我々の意見と して入れられるのだったら、それは入れ込むべきと思います。  私は俗物的に、最後の「国も事業者も」というのは、既存化学物質化してしまった、 製造者責任の取りづらいものを指しているのかなと思ったのですが。ここは事務局から 何かご意見はありますか。 ○事務局  具体的には(3)以降です。(2)では大まかな方向性として挙げて、具体的な方策としては (3)に書くというイメージです。 ○福島座長  そういう意味で、ここは素直に読んでいきましょう。  あと気になるのは、労働衛生の面の検討会でも議論があったのですが、一般の人の場 合でも、緊急に対する対応はあり得るのでしようか。緊急事態に対する対応を課題とし て入れ込むのかどうかということですね。 ○菅野委員  中毒とか急性毒性という意味ですね。 ○福島座長  そういうのは一般の人にあり得ますかね。 ○菅野委員  銀ナノのような刺激性があるとしたらとか、そのくらいしか思いつきませんが。 ○福島座長  それはここで検討する必要はないですかね、そこら辺が私自身もわからないのです。 竹村先生、小川先生、そのあたりはどうですか。 ○菅野委員  労働現場では肺洗浄というのはできるのですか。 ○土屋委員  治療につながることはないでしょうね。ただ、絶対に安全だということが言えないと なると、万が一のときにどういう情報収集をするかのルートだけは作っておいたほうが いいと思います。それで何か解決することはないでしょうけれども、これは急性にしろ 慢性にしろですが、一般の人からの情報収集の手段をどうするかです。 ○福島座長  そうすると、あとのほうで「消費者に対する情報の提供」がありますので、そこに入 れることですね。ありがとうございました。3頁の(3)の「今後の具体的な対応」ですが、 (1)(2)を踏まえて、具体的な対応としてこういうことをやろうと書いています。(1)の「ナ ノマテリアルに関する情報の収集」が長いので、意見をいただければと思います。 ○菅野委員  (イ)ですが「情報の収集に当たっては」から最後のほうに飛んで、「情報の質にも注 意する必要がある」というのは正しいのですが、間に収まっている「実際にナノマテリ アルについての情報であるのかを確認するなど」の「実際に」が何を指しているかがわ からないのですが、何を意図されたのでしょうか。 ○事務局  こちらは、ナノマテリアルについての研究論文を検索して拾ってきた場合であっても、 よくよく見てみるとナノマテリアルではなく、100nm以上のものであったとか、そうい ったものである場合があるので、ナノマテリアルについて研究しているかどうかは確認 して情報収集すべきではないかといったご意見があったと思いますので、それを踏まえ て書いています。 ○福島座長  (ア)(イ)(ウ)はいいとして、(エ)で「これに関して次の意見があった」というこ とで、「化粧品や健康食品などの食品について、優先的に情報収集する必要があるのでは ないか」ということです。これはいかがでしょうか。一方では「ナノマテリアルが含有 されているものかどうか実際に確認する必要があるのではないか」というご意見もいた だいています。それは先ほど菅野先生の言われた(1)にも引っ掛かってくることです。こ ういうことを入れていくということですが、何かありますか。 ○高田委員  1つわからないので教えていただきたいのですが、ナノマテリアルの輸入量といった 場合には、マテリアルとしての輸入量になるのですか。それとも、例えば外国で何かの 製品に使われてしまっているもの、その用途があまり国内にないような用途で使われて しまっているようなものというのは、把握する方法はあるのでしょうか。 ○事務局  把握する方法は、昨年度厚生労働省の委託事業として各社にヒアリングを行って得ら れたデータしかなくて、例えば化審法とかの製造量・生産量の届出といったものの対象 ではないので、ヒアリング調査から得られた情報のみですので、そういったナノマテリ アルを含む製品の量なのかどうかというのは、いま手元に報告書がなくてわからないの ですが、どちらかであったかは後でご報告させていただきます。 ○菅野委員  輸入業者に対しては聞き取りはしていないのですか。広すぎてということなのか。 ○事務局  おそらく製造量だけだったと思うのですが、確認させてください。 ○菅野委員  あと、座長がおっしゃっていた(エ)ですが、これは実際に人にばく露されているだ ろうという話です。ですから、優先的に調べるというのは理にかなっていると思います。 ただ、情報がなかった、で終わるかもしれない。それはやってみないとわからないので。 ○板倉委員  前にも発言したかと思うのですが、いまのようなナノマテリアルの情報の収集の仕方 では手ぬるいのではないのかと思うのです。ヒアリングして、答えてくれている人にだ けもらうというよりは、もう少し積極的に情報提供してもらうような仕組みがないと、 結局のところは良心的な企業から情報を得られるだけという状況になってしまって、い ちばんの問題がわからないということになる気がするのです。  そこは、(3)の(1)の(ア)に書いてありますが、「引き続き」という言葉でいいのでし ょうかと発言したのは、そういう意味でして、いまのようにヒアリングみたいな状況で 情報収集していくとなると、実際には全体像はつかめないのではないかと思っています。 ○福島座長  そういう面についてどうでしょうか、事務局でより正確につかむ方法はあるでしょう か。こういうものは、経産省とタイアップするとか、そういうことは可能なのですか。 いずれにしても、より詳細な情報を得られるような仕組みを考えていただくということ にしていきたいと思います。今度報告書を見て、そこをディスカッションすることにし ます。ほかにございますか。 ○菅野委員  普通は業界とかにお願いするのでしょうかね。それだけでは網羅できないということ なのでしょうかね。 ○高野委員  おっしゃるとおりで、国でリードしていただいて、こちらはお手伝いということでは いくらでもさせていただきます。国にリードしていただいたほうがいい情報が集まると 思います。 ○福島座長  国からそちらに要請があれば、積極的に対応するという意味ですか。 ○高野委員  業界団体が動くより国がまず動くほうがよろしいのかと思っています。 ○福島座長  協会のほうに全部入っているわけではないのですね。 ○高野委員  そうです。 ○福島座長  大まかにつかめるということでいいですか。 ○高野委員  ある程度はということです。 ○土屋委員  (3)の「今後の具体的な対応」の(1)ナノマテリアルに関する情報の収集ですが、1つは 文献的な情報の収集はあります。それと、これは行政的なデータだと思いますが、ここ にある用途情報とか、製造輸入量。健康への影響となると、個別のイベント情報です。 先ほどin vitroで肺の炎症とか、胸膜中皮腫がありました。検診の個別データベースを どうするか。皮膚が云々ということであれば、事業所の皮膚病変の有無が、どういう事 業所で多いとか、どういう事業所で少ないとか、そういう個別のイベントの情報をどう 集めるかは、ある程度指針を決めたほうがいいのではないかと思います。それがナノマ テリアルが影響しているかわからない段階にそのデータがないと、後追いができないか なと思います。 ○福島座長  そういうことになりますと、後にも入りますが、疫学研究もそれに関連するような、 1つの研究ともなってきます。人での研究にすべきことだと思います。長谷川先生、そ の辺りについていかがでしょうか。 ○長谷川委員  実際問題、どういう情報をどこまで集めるかということは、いまの段階では難しいの ではないかと思います。 ○福島座長  そこはまた考えるにしても、我々としては頭の中にきちんと入れていきたいと思いま す。ほかにありますか。 ○長谷川委員  (エ)にi)ii)iii)とありますが、ここの意見の取扱いはどういう形になるのでし ょうか。 ○福島座長  事務局は何か考えはありますか。 ○事務局  意見としてあったということで、それほど議論が進んだわけではありません。意見と して出たあと、その結果がどうであったかの結論が出ないまま終わっていると考えてい ます。検討会としてのコンセンサスが得られるということであれば、上の(ア)(イ)(ウ) と同列に並べていくというイメージです。 ○長谷川委員  ii)に予測性について記載されているのですが、書きぶりが厳しすぎると思います。 その前で、「動物への影響がないからといって、必ずしも人への影響がないというわけで はない」というタッチがあるのと全く反対で、「動物実験の結果等から予測しておくべき ではないか」という形になっていますので、もし載せるとすれば、例えば「可能であれ ば」とか、形容詞を付けたほうがいいのではないかと思います。 ○福島座長  ここは1度報告書に書いていただいて、我々のところで全体のコンセンサスが得られ るかどうか。もし得られなければ、削除するなら削除するとします。次に4頁の(2)「ナ ノマテリアルに関する試験・研究の推進」です。先ほど(1)の「安全対策に係る課題で述 べられたことが、もう一度書かれています。ここについては、専門の竹村先生からいか がですか。 ○竹村委員  ばく露経路のところですが、消費者の健康を対象とする場合には、経皮と吸入だけで は足りないと思います。 ○福島座長  ここはあくまでも経皮と吸入ですが、経口にも広げる必要があるということですね。 ○竹村委員  そうです。 ○菅野委員  それには同感です。 ○高田委員  私も同じ意見です。 ○福島座長  (ウ)で「凝集や分散を考慮する必要がある」とありますが、キャラクタリゼーショ ンをしっかりしていく必要があると思います。例えば鉄の含量が非常に多かったり、実 際に起こったエビデンスが鉄によるものなのかとか、そういうこともあると思うので、 キャラクタリゼーションをする必要があると思います。 ○菅野委員  ただし、鉄に関してはこの前、名古屋大の豊國先生が言っておられたのですが、体の 中の鉄を拾ってしまう場合があるので、体外での鉄の量だけではないという意見もあり ます。体の中は赤血球だらけで、その鉄を拾うというのです。体外のキャラクターと、 体内に入ってからのキャラクターの両方が必要なようです。 ○福島座長  これは実験をやるときの条件として、先ほど投与経路としては経皮、吸入、経口を意 識する。吸入ばく露のときに、あくまでも吸入、それから現在行われている気管内投与、 そういう便宜的な方法も、1つの研究の結果を得る方法としては、私は必要だと思うの です。すべて経口といって、すべて鼻部ばく露とか、全身ばく露となると、大変なこと だと思うので、気管内投与も入れておいたほうがいいと思います。ほかによろしいです か。  (エ)では、「これに関連して、次の意見があった」ということですが、特にiii)で、 「疫学的な調査を並行して行うことも検討すべき」とあります。これは難しいのですが、 当然のことです。この辺りは疫学の先生に検討してもらうことになっています。 ○菅野委員  先ほどの話ともかかわるのですが、事業所単位で何かの症状が集中していたかどうか という土屋先生の話などは、具体的には労働医の先生が見つけやすいのですか。 ○土屋委員  ほかの物質ですと職場によって検診の内容が決まっていますから、この場合でしたら 肺の炎症とか、胸膜中皮腫ということであれば、胸部写真で異常があるかないかでいい と思います。所見が云々というところまでは、また別の次元になります。 ○菅野委員  それが固まって出たことを最初に認知する立場にいる先生は、どなたになるのですか。 ○土屋委員  職場単位では産業医です。 ○菅野委員  そうすると、産業医の先生に対する何らかの網を張らなければいけませんね。 ○土屋委員  はい。 ○菅野委員  それが入ればいいわけですね。職場以外は、いまは中毒センターぐらいしか思いつか ないのですが、中毒センターに、ナノと称するものを使って何か出た場合は、些細なこ とでもいいから言ってくれというような広報をしてもらうというくらいしか思いつかな いのですが、ほかにはないですよね。 ○福島座長  中毒センターというと。 ○菅野委員  筑波のです。 ○土屋委員  ナノかどうかというのはわからないので、急性毒性的なものが起こったときには中毒 センターに、というのが臨床のほうでは広まっています。サリンのときには、ほとんど の施設が中毒センターに問い合わせたり、信州大学に問い合わせてわかったというのが あります。 ○菅野委員  逆に言うと、臨床の先生方に「そういうことは中毒センターに積極的に言ってくれ」 というお触れを出さなければいけないということですね。 ○土屋委員  そうです。ここで出ているような、動物実験での肺とか、胸膜のというのがあった場 合に、そういうところへ報告してほしいということでいいと思います。ナノに関係ある かどうかは、その次の段階です。 ○福島座長  現実問題として、中毒センター絡みになると、動物実験で急性的な変化が見られた場 合ということになりますね。ほかにありますか。 ○長谷川委員  医薬品の副作用としては、総合機構でデータベース化していますので、検索する情報 があれば、それが影響が出ているのか出ていないのかは、ある程度の推測はできるかも しれません。ただ、その基の情報がどこまで得られるかについては、いまの段階では疑 問があります。 ○福島座長  取っ掛かりまではいけそうですね。それは副作用情報が載せてあるのですか。 ○長谷川委員  あくまでも重篤な副作用ということで、年間3万件くらいずつ蓄積していますので、 それをデータベース化して、検索できる状況にあります。したがいまして、検索条件が ある程度わかれば、検索はできます。実際にどれくらい有益な情報が得られるかはわか りません。 ○福島座長  しかし、それなりのことをやるというのは重要なことですね。ほかにございますか。 ○菅野委員  健康食品は日本健康・栄養食品協会という名前ぐらいは思い浮かびますが、情報を取 っているかどうかはわからないですね。厚生労働省的にも健康食品の関係はデータベー スはないですよね。食品安全委員会にもないですね。 ○福島座長  盲点ですね。 ○菅野委員  それこそ協会があるわけではないのですか。 ○福島座長  健康食品の協会はあるのですか。 ○菅野委員  ありますね。ただ、有害情報を集めているかどうかはわかりません。 ○板倉委員  健康食品の苦情は、各地の消費生活センターなどに申し出があります。ただ「ナノ」 というキーワードがなく健康食品というようなザックリとした括りで、どういう成分が 使われているかということ自体も具体化していないのでは、情報としてナノにつながる とはとても考えられない状況だと思います。 ○菅野委員  こちらからそういうキーワードについてのアクションを起こすかどうかですね、起こ せるかどうか。 ○福島座長  それこそ研究費を出して、誰か研究者がやるということになるでしょうね。そうでな いと不可能ですね。ほかによろしいですか。 ○小川委員  (2)全体をとおしてですが、化粧品とか、医薬品とか、用途をある程度絞った形の検討 会のアウトプットを想定していて、(2)ではナノマテリアルそのものを、経皮、吸入、経 口といった観点で評価していこうということですね。  そこは使われ方としてのばく露の形態ということではなくて、その中に入っている原 材料のという意味合いでの評価というのが、(2)全体をとおしてのイメージになるのです か。 ○福島座長  それと、使われている方法をあくまでも意識した実験結果ですよね。ですから、例え ば皮膚に使われていないナノについては、経皮でやっても意味がないとなります。ほか によろしいですか。次に(3)「関係府省庁等との連携」、(4)「国際機関等との協力」につい て、いかがでしょうか。ここに書いてあることだとは思うのですが、何かご意見はござ いますか。 ○庄野委員  先ほどナノマテリアルの所轄範囲というか、ライフサイクルで、どことどこを見るの だという議論があったと思います。野球でもそうですが、ポジションでお見合いしたら 馬鹿みたいな話です。  むしろ(3)の中で、それぞれの省庁のシェアをある程度明確にしてもらったほうが、我々 もこの研究会をやりやすいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○福島座長  最初のところのナノマテリアルとは何ぞやから、我々の検討会はどこまで含むかです が、その辺りは1度、省庁間で話をしていただくということでお願いします。  ただ、こういう省庁との連絡では、このナノに関しては積極的に対応していると思う のです。だから、この姿勢は続けていただきたいと思います。 ○土屋委員  例えば産総研の中西先生は、ナノ材料の安全の研究班をもっと大きくやっていると思 うのですが、私の知る範囲では、細胞レベルまでは細かくできるのですが、生体でのと いうのは、産総研だけでは弱いと思うのです。厚生労働省側の研究所と一緒になって、 in vivoまで連続的にやっていただいたほうがいいのではないかという思いで、いつもお 話を聞いています。是非省庁間の連携を取っていただきたいと思います。 ○福島座長  内閣府が中心となって会議が開催されています。中西準子先生が座長で私も入ってい ます。研究面で討議もやっているのです。しかし、そこでどこまで連携するかというこ とになると、それぞれの研究者のスタンスも出てきますから、ただ、情報交換は必要だ と思います。その情報を外に知ってもらう。現在ここまでいっているということをお互 いにやっていく必要があると思います。 ○土屋委員  ナノバイオについては連携施策分に入っているのですが、ナノ材料となると、あくま でも材料がという話になってしまうので、そこは連続性があったほうがいいのではない かと思います。 ○福島座長  わかりました。国際機関との協力では、OECDが中心になって、積極的に対応してい るということです。よろしいですね。次に5頁の(5)「消費者に対する情報の提供」です。 いかがでしょうか。例えば(イ)の「国も、収集した情報をわかりやすい形で積極的に 公開し、透明性のある対応を取るべきである」とありますが、具体的にどのような方法 を取るかを考えていただけたらと思います。 ○板倉委員  この前、「平成19年度厚生労働省委託業務ナノマテリアル安全対策報告書」を委員限 りでいただいたのですが、別に公表されているものなのでどなたでもご覧いただけると いう話です。こういうようなものであっても、例えば電子情報化するとか、ここに来ら れない方々も、探したときに、ある情報については日本のどこに住んでいても得られる ような方策を、ナノマテリアルに限らないとは思いますが、全般的に考えていただくよ うにしていただかないと、コピーも大変ですが、せっかくの情報で、別に隠し立てする 中身でもないものが使えないというのは、非常にもったいないことだと思いましたので、 それも考えていただけるとありがたいです。 ○福島座長  すぐにそこに到達できるほうが本当はいいのです。そこを事務局で考えてもらえます か。難しいですか。 ○事務局  具体的にはナノマテリアルの情報を提供するホームページか何かを立ち上げることが できればと思っています。 ○高野委員  情報公開ということはいいと思うのですが、「ナノマテリアル」という言葉だけが独り 歩きするような、あるいはそれがさらに進んでしまって、風評被害までいくようなこと がないように、常に気を遣っていただきたいと思います。 ○福島座長  確かにそうだと思います。ベネフィットとリスクの関係を我々はきちんと弁えておく 必要があると思います。ほかにご意見はございますか。特になければ、全般をもう一度 見ていただいて、抜けていることがありましたら、ご意見をいただきたいと思います。 ○長谷川委員  先ほどちょっとお話が出たのですが、ディーゼル排ガスのように、自然界でどのよう なものにばく露される率が高いとか、これは検討の対象ということではなくて、情報と して記載をしておいたほうが、例えば製品との関係で見ると、道路の近くの家の中で使 っているときに、外からのばく露のほうがよほど多いとか、そのような情報もあるよう に聞きましたので、その辺のバックグラウンドの情報の整理が必要ではないかと思いま す。 ○福島座長  確かにそれはそうだと思います。 ○板倉委員  私も同じ意見です。自然界にいっぱいあって、測定すること自体も、影響しないよう に環境を作ることが非常に難しいという実態自体がわからなくて、人為的につくったも のばかりに目をやっているような状況もあるので、全般的にどのような状況なのかがベ ースになく、問題点を矮小化してしまうとしたらいけないと思います。全体的にバック グラウンドがどのような状況なのかについては、何か資料がほしいと思います。 ○福島座長  そこは事務局で努力していただいて、書き込むことにします。ほかによろしいですか。 ○板倉委員  安全対策を抽象的に書かれていましたが、先ほどの政策との関係でというのは、ここ に具体的に書かれるのですか。 ○福島座長  それはこれを基にして法的なものを作るかどうかということですか。 ○板倉委員  そうです。この検討会として報告書を書いて、それがどのように反映されるかという ことです。 ○福島座長  その辺りについて、事務局での現在の考え方はありますか。 ○事務局  この検討会でいただいたご意見や方向性などは、個別の化粧品なり医薬品で検討すべ きであるとなれば、各担当部局で、より詳細に検討することになろうかと思います。 ○福島座長  おそらく関連する有害事象が出てからの話なのでしょうか、その前に厚生労働省とし て対応しようということですか。 ○化学物質安全対策室長  この検討会の報告書で全部終わりというわけではないので、この検討会ではどういう 課題があって、どういう方向性でやっていったらいいのか、まずそれを検討していただ きます。その上で、どういう具体的な対応があるかについては、比較的すぐにできるも のもあるでしょうし、時間をかけて検討しなければいけないものもあると思います。そ の順位づけをしないと、全部一遍にできるわけではないと思いますし、おっしゃったよ うな法令の改正を伴うような仕組みを作っていくのであれば、もう少し検討しなければ いけないと思います。それはもっと深い議論をしなければいけないと思います。  先ほど言ったホームページを作るというのは、すぐにできますが、それに加えて、さ らにこういった形で検討してやっていくべきではないかということをお示しいただくの が、今回の報告書のテーマです。さらに検討していくに当たっては、さらに深い検討が 必要だということになります。 ○福島座長  いずれにしても、これに関連することで、ホームページ等を通じて、一般の国民に知 らせたほうがいいことは積極的にやる。そのほかのことに関しては、予防的対応という のは第一選択ですから、それを睨みながら対応してもらうことになるわけです。ほかに よろしいですか。  今日の審議をこれで終了します。貴重なご意見をありがとうございました。次回の検 討会へ提示する報告書(案)については、本日の意見を踏まえて、事務局で作成してい ただきます。そして、次に出して、再度検討します。ありがとうございました。 ○事務局  先ほどのご質問の「輸入量などを調べているか」という話ですが、昨年の調査で使用 量、どういった製品に使われているかという観点からやっているので、それに輸入が含 まれているかというのは、このヒアリングの調査ではわからないのですが、どういった ものにどれくらい使われているのかという情報とご理解いただければと思います。  本日の会議の議事録ですが、委員の先生にご確認いただいた上で、後日公開しますの で、よろしくお願いします。  また、次回の検討会の日程については、追ってご連絡します。事務局からは以上です。 ○福島座長  今後の予定について、何かご質問はございますか。ないようでしたら、本日の検討会 を終了します。ありがとうございました。 照会先 厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室 電話03-5253-1111(内線2798)