08/12/18 第91回労働政策審議会雇用均等分科会議事録 第91回労働政策審議会雇用均等分科会 第91回労働政策審議会雇用均等分科会 議事録 日時:2008年12月18日(木)  14:00〜15:00 場所:厚生労働省 専用第21会議室(17階) 出席者:  公益代表委員   林分科会長、今田委員、奥山委員、田島委員、樋口委員  労働者代表委員   鴨委員、斉藤千秋委員、齊藤惠子委員、片岡代理人  使用者代表委員   遠藤委員、川崎委員、吉川委員、山崎委員  厚生労働省   村木雇用均等・児童家庭局長、北村審議官、高倉総務課長、定塚職業家庭両立課長   安藤雇用均等政策課長、松本育児・介護休業推進室長、堀井総務課調査官、   代田短時間・在宅労働課長、大地均等業務指導室長、   議題:     育児・介護休業制度の見直しについて    配付資料:   資料  雇用均等分科会報告(案) 議事: ○林分科会長  ただ今から「第91回労働政策審議会雇用均等分科会」を開催いたします。本日は、 佐藤委員、岡本委員、山口委員、および山本委員からご欠席との連絡をいただいており ます。山口委員の代理として、日本労働組合総連合会の片岡千鶴子男女平等局長にご出 席いただいております。  それでは、早速議事に入ります。本日の議題は、「育児・介護休業制度の見直しについ て」です。本日は、前回の分科会のご議論も踏まえ、「雇用均等分科会報告(案)」を用意 しておりますので、事務局から説明をお願いいたします。 ○定塚職業家庭両立課長  お手元の資料の「雇用均等分科会報告(案)」をご覧いただきたいと思います。前回、 資料としてお出ししておりました素案から変更のあった部分のみご説明いたします。変 更した部分の1点目は、1ページ目の前文の第3段落でございます。「雇用均等分科会は、 本年8月以降、育児・介護休業制度の見直しについて審議を行ってきた。その間、我が 国経済は、世界経済の減速に伴い既に景気後退局面に入っているところであるが、今後 の我が国社会の目指すべき姿を実現していくには、子育てや介護をしながら働くことが できるよう、仕事と家庭の両立支援対策の充実を進めることが重要であるという基本的 考え方に基づき議論を進めてきた」、こちらを追加いたしております。2点目は、2ペー ジ目の四つ目の丸のところでございます。その上から4行目「適当である」の後に、「ま た、急速に悪化する現在の経済情勢も考慮すれば、中小企業への支援策の拡充強化を同 時に行うことが必要である」という部分を追加いたしております。内容として変更のあ る部分は以上でございますが、「記」の1の「(1)短時間勤務について」、それから「(2)所 定外労働の免除について」のうちの一部については、前回の資料ではたたき台のままの表 現となっておりましたが、「案」の形に直しています。修正点は以上でございます。 ○林分科会長  ありがとうございました。それでは、報告(案)についてご意見を伺いたいと思います。 まず、修正のありましたところも含めまして、前文について、ご意見等がありましたら お願いいたします。片岡代理人。 ○片岡代理人  山口は所用で、本日は欠席をしておりまして申し訳ありません。代わって、私、片岡 が出席させていただきました。  まず、今、ご説明のあった前文について意見を1点申し上げたいと思います。加わっ た方につきましては、前回の議論経過から加わったものと承知しております。2点目に ご説明のありました、「また」以降の記述が加わったことについてですが、変更の内容に ついて中小企業への支援策の拡充等に触れた部分については、これがまずいというよう な反論、異論はございません。けれども、これまでも申し上げてきましたように、その 前段に書かれている「新たに設ける制度の導入に当たって、一定の期間が必要である」 という記述に関しましては、この間の議論を踏まえ、あるいは労働側各委員が実態等を 踏まえて継続就業に係るさまざまな必要性を訴えてきたことも併せまして、やはり基本 的には規模で改正法の何らかの取扱いを分けることについては、まずは反対であるとい うことを改めて申し上げて、そのことを反対する際に申し上げましたのは、むしろ支援 策を拡充することについては積極的にやっていただきたいと申し上げた経過がございま すので、その点にかかわって異論がないということですから、そもそもといたしまして は、規模で分けることなく施行とすること。とりわけ、従業員規模が小さい所ほど女性 の割合も多く、あるいは直近の労働組合組織率も発表されましたが、労働組合がないと ころで働くいわゆる非正規の方も多い。一方で、従業員規模の小さい所では、この間使 用者側委員の方も触れておられましたが、人材確保ですとか、そういった重要な問題を 抱えているというお話もありましたので、むしろ両立環境を法が支援することで継続就 業が可能となるはずですし、今申し上げたようなことで、中小企業に働く人こそ早い改 正法の施行を希望しているとも思っております。いろいろ理由を申し上げましたが、ま ずは、この2点目の追加点についての異論というよりも、そもそも論について改めて意 見として申し上げました。以上です。 ○林分科会長  他に、ご意見はございませんか。山崎委員。 ○山崎委員  追加の1点目でございますけれども、ここに「景気減速で景気後退に入っている」と 書いてあります。両立支援は景気後退にかかわらずやらなければいけないということは わかるのですけれども、やはりこういう状況で、景気後退期に入ってどういう状況が起 きているかということが出ていないのです。ですから、こういう景気後退期に入って企 業経営が大変厳しいにもかかわらずこういう命題は大事だからやったのだというような、 企業経営の大変さということがないと、何となく文章が通じないのではないかと思いま す。 ○林分科会長  吉川委員。 ○吉川委員  この報告(案)について、ご意見を申し述べさせていただきます。ここにも書いてあり ますように、8月から本日を含めまして10回にわたって議論をしてきまして、公益委員 の皆さまにおかれましては、取りまとめに向けて本当にご尽力いただいておりましたこ とに、まずお礼を申し上げたいと思います。また、本日のこの報告(案)については、持 ち帰りまして、改めて内部で検討したいと思っております。しかし、今、山崎委員も言 いましたように、何度も申し上げておりますけれども、100年に一度と言われるような この金融危機により急速に悪化している経済状況の中で、なぜ今この時期に制度の見直 しが必要なのかといった意見が、特に地方の商工会議所では多いというのが現実でござ います。経済情勢だけではなくて、昨今では高齢法、パート労働法、最低賃金法、雇用 対策法、次世代育成支援対策推進法など、一時期に数多くの労働法が強化されて、あれ もこれもやらなければと企業が非常に対応に追われているというのも現実でございます。 今後も、派遣法や障害者雇用促進法の改正が控えているようでございますし、これだけ 多くの法制強化にどうすれば一度に対応できるのかと、中小企業が率直に感じているこ とも現実であるとご理解いただきたいと思っております。  そうした中で、育児・介護休業制度に新たな義務が追加されると、中小企業にとって はますます対応が困難になることを実際問題としては懸念しております。昨日、舛添厚 生労働大臣から日本商工会議所の岡村会頭の方に、雇用の安定の確保に協力するようお 電話があったそうでございますが、今、労働分野で企業が最も強く求められているのは 雇用の維持ではないかと思っております。昨今の大変な経済状況で、雇用維持そのもの が逼迫しているというのが現実でございます。少子化対策の必要性は理解しております けれども、非常に厳しい経済環境の中で雇用の維持に必死に努力しております中小企業 に対してまで、一律に義務を課されるということは大変厳しく苦しいというのが現実で ございます。中小企業の全体の意見を代表して述べさせていただきました。以上です。 ○林分科会長  片岡代理人。 ○片岡代理人  質問が漏れておりまして、先ほど発言したことに関して、事務局にご質問をさせてい ただきます。「また」以降の記載の中に、「中小企業への支援策の拡充」ということが入っ ておりますが、それと同時に、施行にかかわっては基本的な考え方を申し述べましたが、 「拡充強化を同時に」の「同時に」の意味合い、支援策と同時に行うということの意味 合いを教えていただきたいと思います。 ○林分科会長  事務局、お願いします。 ○定塚職業家庭両立課長  支援策の拡充強化を同時に行うという意味でございますけれども、こちらは新しく制 度を設ける、制度改正を行うということと支援策を同時に行うという意味でございます。 なお、拡充強化の内容につきましては、私どもの方で来年度に予算要求をし、中小企業 への子育て支援策として既に予算の中に表れているものもございますけれども、それだ けではなくて、再来年度以降の要求も含めて、これから皆さま方の意見もご参考に聞き ながら我々の方として施策を考えてまいりたいと考えております。 ○林分科会長  特に前文について、他にご意見がなければ。鴨委員。 ○鴨委員  前文のところで、この間ずっと私自身がこだわっている期間雇用者についてのところ ですが、この「期間雇用者について」というところで、この問題については前回のこの 改正のときにおいて平成16年11月17日に衆議院の厚生労働委員会で附帯決議がつい ているわけです。その附帯決議の1番目が「期間雇用者についての休業取得状況等を勘 案し、そのあり方について検討を行う」ということで、附帯決議の1番に挙げられてい るわけです。今回の前文の期間雇用者についてのところでいえば、その附帯決議はあり 方について検討を行うということになっているということは、期間雇用者の育児休業取 得要件についてのあり方について、検討を行うということで附帯決議が付いたのではな いだろうかと受け止めておりました。この前文の中では、「さらに実態把握を進める必要 がある」というところで終わっているわけです。ここについて、何回もこの場で言って おりますけれども、附帯要件そのものについてのあり方を検討するというところを、き ちんとこの前文の中に入れるべきではないかということが一つです。  それから、この前文の中で、休業取得要件を「わかりやすく示し」いうところがあり ます。この「わかりやすく示し」というところが、例えば今の「育児・介護休業法のあ らまし」の中においても、4ページが指針ですけれども、5、6ページが具体的な例とし て示されておりますし、さらに9ページにはフローチャートが入っているわけです。こ れまでもこういう形で具体的に指針の中身について、ある意味で図案化しわかりやすく 示してきたにもかかわらず、また同じように「わかりやすく示し」ということは、今ま でのこの中身プラスさらにわかりやすくということは、何を想定していらっしゃるのか、 そこを明らかにしていただきたいと思います。 ○林分科会長  事務局、お願いします。 ○定塚職業家庭両立課長  1点目の附帯決議について、附帯決議におきましてはご紹介いただいたように育児休 業・介護休業制度の有期契約労働者への適用についてはということで、そのあり方につ いて検討を行うこととされておりますので、まさにこうした有期契約労働者への適用を どうするかというあり方について検討を行うという趣旨だと理解しております。それを 受けまして、この審議会に先立って行われました研究会および本審議会において検討を 行っていただいたものと理解しておりまして、検討を行ったけれどもここの建議の前文 に書いてありますとおり、平成16年の法改正の施行後、改正内容は浸透途上にあると いうことを踏まえると、というここに書いてあるようなことをお示ししているのが結論 であると理解しております。  なお、「検討を行うこと」ということにつきましては、前回の均等分科会の中でも、鴨 委員から検討をこれからするという方向性を示していただきたいというご意見が出てい たかと思いますけれども、その際に遠藤委員から、鴨委員のご議論というのはこの期間 雇用者の案件にかかわることなく、制度改正があれば制度の状況を常に検証していくと いうことは必要なものであるので、それ以上のことはここで書く必要はないという意見 があったと思います。事務方としても、この期間雇用者に限らずすべての改正点につい て、当然のことですけれども、改正が行われたらその実施状況を見て、不適切な部分が あれば労使のご意見を審議会で聞いた上で制度改正をするというのは暗黙の前提だと思 っておりますので、その旨でここだけに特段の記述を追加しなかったということでござ います。  それから、「わかりやすく示し」という部分についてでございます。これは期間雇用者 の育児休業取得状況等についてJILPTで調査研究を行いましたけれども、その際のさま ざまな調査の中では、そもそも期間雇用者に適用されるということをご存じない方、あ るいはその適用される範囲が不明確な方がかなりいらっしゃったということがございま した。従いまして、我々もこの黄色いパンフレットなども作っておりまして、できるだ けわかりやすくということは従来から心がけていたつもりですけれども、実はそれがあ まり浸透していなかったということで、今あるようなツールも使いながら、より行き渡 るようにわかりやすくお示しするということが第1点。それから、ここに図示しており ますけれども、さらにこの図で例示している部分でも、もっとわかりやすく示せるよう な部分があるのかどうかということは、今後引き続き検討してまいりたいと思っており ます。 ○林分科会長  鴨委員。 ○鴨委員  今、示されている具体的な例があるわけですけれども、これよりさらにわかりやすく ということで、一番わかりにくいのは、何回も言っていますように雇用が見込まれると いうところの解釈です。契約を更新してきた人たちがいて、契約を更新してきて育児休 業取得をして、育児休業を取得した時点で雇用の契約期間が形の上では継続してきたけ れども、育児休業を取っている間に、もしかしたら形の上で更新が途切れているかもし れない。もしかしたら育児休業が明けたときに更新がその時点で途切れているかもしれ ないということがあるだろうと思います。けれども、更新を継続して働いてきた人たち が育児休業を取りたいということは、労働者側からいえば、育児休業を取って雇用を継 続したいということなのです。この間使用者側の方が言っているように、企業の方も仕 事そのものがなくなってしまったというときに、そこまでこちらが雇用を継続してほし いということを言っているわけではないです。その辺は今までの中身の中で網羅されて いるところであるから、それ以上のことを望んでいるわけではないです。けれども、い わゆる仕事そのものが継続しているのであれば、育児休業を取得でき、さらに雇用が継 続するといった具体的な例が示せないのかということです。 ○樋口委員  ご趣旨がよくわからないのですが、文面のことについておっしゃっているのか、こち らの対応を変えてほしいという意味なのか、どういう趣旨でおっしゃっているのですか。 ○鴨委員  この具体的な例に、さらに今回の中では「わかりやすく示す」と前文に入っておりま すので、これ以降、具体的な例を示すということであるならば、さらにわかりやすく示 してほしいという、中身として仕事が継続しているのであればという、そういった考え に基づいて育児休業取得ができるということを入れていただきたいと言っているだけで す。 ○樋口委員  このパンフレットを直すという趣旨ですか。 ○鴨委員  多分、これからわかりやすく示すということが入ってきているということは、さらに こういったものを含めてすべてもっとわかりやすくしようということを方向性として出 しているのだろうと思います。ですから、その中身の中でいわゆる仕事が継続している ということであるならば、育児休業を取得できるということが読み取れるような具体的 な例を入れていただきたいということをこちらからは求めているというだけです。 ○林分科会長  それについては、コンセンサスというか、8月以降の本分科会で議論がされているわ けではないので、その議論がなく結論が出ないままに、この「あらまし」の中に書ける のかどうかという問題があるのではないかと思います。事務局。 ○定塚職業家庭両立課長  恐らく鴨委員は、このパンフレットの4、5ページをご覧いただきますと、4ページの 内容がA〜Fに具体的にこういう場合は原則として1歳に達する日を超えて引き続き雇 用されることが見込まれる、それからD〜Fの部分については、原則として見込まれる とは考えられないという例示があるわけですけれども、それ以外の例示を追加してくだ さいということをおっしゃっているのかと思うのですけれども、このパンフレットに書 いてある例示については指針で決められているものでございまして、指針については以 前からいらっしゃる委員の方々はご承知かと思いますけれども、前回の改正のときに審 議会で労使の間でかなりいろいろな意見があった上で確定したものと承知しております。  従いまして、この指針を改正するということについて、仮に今回改めて議論を始めて、 労使、公益の委員の皆さまで合意が取れれば事務局としては改正をしても構わないわけ でございますけれども、ただ、今回の育児・介護休業法の改正の議論の中では、そうい った議論というのは一切されておりませんでしたので、今この指針の改正をするのかし ないのかと問われれば、今のこの報告(案)の表現の中では指針の改正を約束するもので はありませんということになると思います。報告(案)の中で「わかりやすく」と申し上 げているのは、あくまで現在の指針を前提とした上でそれをいかにわかりやすく示して 浸透させていくかということで、例えば4ページのA〜Fの例示の下に書いてあります けれども、A〜Fに該当する場合であっても雇用継続の見込みに関する事業主の言動等、 その他の実態を見て判断される場合もあるということとか、該当しない場合には、やは りこうした実態を見て判断されるということなどが書いてありますけれども、こうした ことも含めて、どういった判断をされるのかということをなるべくわかりやすく示して いける部分があれば、パンフレット等の中で工夫をしていきたいと考えております。 ○林分科会長  斉藤千秋委員。 ○斉藤千秋委員  今の解釈は理解いたしました。現行法の検討されている中で法改正の議題にはなって いなかったというところも認識をしておりますが、この間の論議の中でも有期の方たち の解釈が非常にわかりづらいというところもありまして、パンフレットなどをこの法改 正に伴い再度検討するようなときには、現行の指針を改めてもう一度この場でも見て、 その解釈が労働者から見てわかりづらいという論議は指針の論議のときにでも、ぜひ議 題として乗せていただくということをお願いしたいと思います。 ○林分科会長  遠藤委員。 ○遠藤委員  繰り返し申し上げていることなのですが、要件をどのようにするのかというようなこ とについて、さらには指針の書きぶりをどのようにするのかについて、当時の委員の皆 さま方が話合いをした上での結果だと承知いたしております。そして、この時期にきた ときに、それを変えるのか変えないのかの素材集めといったようなものも含めて、さら に検証を続けていきましょうというのが今回の建議の前文の中身だと承知しております ので、その結果を踏まえた上で、素材がそろった上で、必要性のありなしを一度判断し た上でやるべきだと考えておりますので、今のご提案については賛同しかねるというこ とだけ申し上げておきます。 ○林分科会長  それでは、前文について他にご意見がないようでしたら、本文の方の「記」以下のと ころについてご意見を伺いたいと思います。斉藤千秋委員。 ○斉藤千秋委員  「子育て中の働き方の見直し」の「短時間勤務制度」それから「所定外労働の免除に ついて」ですけれども、この間ずっと言ってきたことですので、そのことについて改め てこの場で申し上げておきたいと思いますが、労働者側としましては、やはり「3歳に 達する」というところを「小学校卒業」と何度も言わせていただいておりまして、研究 会報告としても「小学校3年生まで」が望ましいとまとめられているということです。 研究会報告あるいはこの場での論議も含めて、こういう形で報告(案)をまとめられたと いうことに対して、事務局に2点ほどお聞きしたいことがあります。  1点は、「小学校1年生の壁」といわれているものが研究会報告にもあるのですけれど も、そこに対しての短時間勤務あるいは時間外免除の必要性というものを感じていない ので、今回の報告書の案の中にそれが盛り込めなかったということなのかということで す。  もう一つは、使用者側の委員の皆さまが主張されておりました短時間勤務を取得する 労働者のキャリア形成というようなところの使用者側の主張点を含んで、今回3歳に達 するまでと取扱いをされているのかということです。その2点を事務局から教えていた だきたいと思います。 ○林分科会長  事務局、お願いします。 ○定塚職業家庭両立課長  まず、研究会報告におきましては、短時間勤務の制度化、義務化について、3歳に達 するまでの子ということで明示されておりまして、その上で、努力義務規定を念頭に置 きまして、小学校3年生終了時まで延長すべきものという報告が出ておりました。審議 会の中で議論された結果、今ご紹介いただいたような報告案にしているわけですけれど も、これにつきましては「小1の壁」という点については、我々厚生労働省としても非 常に重要な課題でございまして、この対策としては、一つは放課後児童クラブ等の充実 ということを現在も予算措置において拡充していく予定でございますが、これによって 対応したいと考えております。  また、もう一つの「働き方」という特に今回の短時間勤務制度等の両立支援策でござ いますが、これは必要性を感じていないというわけではありません。ただ、育児・介護 休業法はあくまでも最低基準を決めた法律でございますので、まだここに載せるには至 っていない、この間の審議会のご議論の動向を踏まえれば、そこまでには至っていない ものであると考えております。一方で、小学校に入って以降の者に短時間勤務等の制度 を設けるものに対しては、助成金制度というものも既に本年度から拡充しているところ でございますし、こういった助成金を活用しながら、可能な企業にはぜひ取り組んでい ただきたいと考えております。また、議論の中で短時間勤務制度を延ばすことについて、 女性のキャリア形成という観点からどうなのかというご意見も、使用者側の委員から出 ていたところでございます。そういったご意見なども含めて総合的に考え、公益の委員 の皆さまともご相談した結果が本日の報告(案)であるということでございます。 ○林分科会長  斉藤千秋委員。 ○斉藤千秋委員  今の回答については、わかりましたということになると思いますけれども、放課後児 童クラブというのはあくまでも取り巻くインフラの整備の話であって、インフラを整備 しても企業の中で働き続けられる制度がない以上はインフラをいくら整備しても辞める ことしか、やはり小学校1年生に入る時点で、自分自身の就業継続はできないというこ とを判断して、辞める方ももちろん出てくるということはご理解いただいていると思い ますので、インフラの整備は重要だと思いますけれども、労使での取組についてもバッ クアップをいただけるような検討もお願いしたいと思います。  また、キャリア形成についてですが、短時間勤務を取得する労働者の自分自身のキャ リア形成が、短時間勤務を取得したということで、いったんそこで止まってしまうとい うようなことはあってはならないというのは、この間も主張させていただいております が、多様な働き方の中で自分自身の長い職業人生の中で、その働き方を選択したという ことでキャリアが中断される、あるいは遅れを取るということはあってはならないと思 っておりますので、そこの部分について今後の厚生労働省としての課題と思っていただ いても結構なのですが、短時間勤務者のキャリアの実態というものを研究いただきたい と思います。今、この論議で数字あるいは調査の結果は持っていないと思いますし、私 自身もそういうものを持っていないという前提の中でお話をするのは難しいと思います ので、そういうことがあってはならないと思っているということと、実態としてそうい うものがあるのかということの把握も含めて、ぜひお願いしたいと思います。 ○林分科会長  ご意見とご要望として承るということでよろしいですか。 ○斉藤千秋委員  はい。 ○林分科会長  他に、ご意見はございますか。齊藤惠子委員。 ○齊藤惠子委員  これも一つ確認をしたいのですけれども、介護のための休暇制度、短期の休暇につい ては新たに挿入されたのですが、介護休業期間の延長ということは今回盛り込まれなか ったのですけれども、これは研究会報告に載っていないので、そもそも議論の対象にな らない、こちらはいろいろ話したのですが、そもそも事務局の俎上に上っていなかった のかということが一つ。  それから、実際に3〜6か月の休業が最も多いという調査報告も出ておりまして、そ の実態を踏まえて、例えば特例として施設に入れない場合や看取りの場合にはさらに3 か月という方向性もあるのではないかということを度々申しておりましたが、そういう ことについて今後検討していただきたいと思います。  それから、実際に働いている人がどういうことを望んでいるのかということの調査結 果、期間についてはありますけれども、どうしたら続けられるのかということと、その 方針を決めるために実際に3か月で十分なのかという部分についても、できれば調査を していただきたいと思いますので、ここで述べさせていただきました。 ○林分科会長  定塚職業家庭両立課長。 ○定塚職業家庭両立課長  介護休業制度そのものについて、あるいは介護のための勤務時間短縮については、最 初の審議会でご意見もありまして、議題の中に含めて議論していただいたものと考えて おります。実際にかなり議論も出していただいたと思っておりますので、議題に乗せな かったということではありませんのでご理解いただきたいと思います。  それから、検討ということについては、ご意見ということで受け止めさせていただき ます。実態把握については当方としても引き続ききちんとしなくてはならないと思って おりますので、介護をしている方がどのようにすれば両立することができるのか、今回 の改正の効果等も含めてきちんと把握をしていきたいと考えております。 ○林分科会長  他に、ご意見はございませんか。特にないようでしたら、本日の分科会はこれで終了 といたします。本日の署名委員は、斉藤千秋委員、山崎委員にお願いいたします。  本日までに出ました議論を踏まえまして、各委員は次回までに結論が出ますよう、そ れぞれの団体等で最大のご努力をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  次回の日程については、追って連絡させていただきます。本日はお忙しい中、ありが とうございました。 <照会先> 厚生労働省雇用均等・児童家庭局 職業家庭両立課企画係 〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2 電話(代表)03−5253−1111(内線7856)