08/12/17 第4回女性の健康づくり推進懇談会議事録 第4回 女性の健康づくり推進懇談会 議事録 1.日時:平成20年12月17日(水) 10:00〜12:00 2.場所:経済産業省(別館10階 1028会議室) 3.次第:   議事   1.国民運動としての普及啓発の推進について   2.女性の健康実態に関する調査について   3.生涯を通じた女性の健康管理について 4.議事 ○坂本生活習慣病対策室長補佐 定刻となりましたので、これより第4回「女性の健康づくり 推進懇談会」を開催いたします。  懇談会のメンバーの方々、御多忙の中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。  本日の会議は、公開で行います。  本日の懇談会は、千葉県衛生研究所所長の天野恵子様、社団法人日本産婦人科医会会長の寺 尾俊彦様、津田塾大学学芸学部教授の三砂ちづる様は、所用のため御欠席との連絡をいただい ております。  また、社団法人日本産科婦人科学会の吉村泰典様からは、所用により出席が困難であるため、 委員の中で、同じ産科婦人科学会に所属されている石塚文平様に委任したい旨のお申し出をい ただいております。  聖マリアンナ医科大学教授、先ほどの産科婦人科学会の石塚文平様でございますが、本日、 所用のため若干遅れるという御連絡をいただいたところでございます。  ほかのメンバーの方々は全員、御出席をいただております。  また、本日、オブザーバーといたしまして、内閣府男女共同参画局推進課長の塚崎裕子様が いらっしゃるという御連絡はいただいておるのですが、若干、到着が遅れているようでござい ます。  それでは、議事に先立ちまして、健康局の中尾審議官からごあいさつ申し上げます。よろし くお願いいたします。 ○中尾審議官 健康局の担当審議官の中尾でございます。  本日、第4回の「女性の健康づくり推進懇談会」の開催に当たりまして、一言ごあいさつを 申し上げます。  前回の会議から半年ぐらい経ったわけでございますけれども、この12月の忙しい時期に、懇 談会のメンバーの先生方におかれましては、この会議に御出席をいただきまして、大変ありが とうございます。また、平素、厚生労働行政の推進に御協力をいただきまして、誠にありがと うございます。  この懇談会は、昨年策定されました新健康フロンティア戦略の柱の1つといたしまして、女 性の健康力ということが位置づけられまして、この女性の健康づくりを国民運動として展開し ていこうということで、昨年の12月からスタートし、今回、第4回目になるわけでございます。  これまでの成果といたしまして、女性の健康づくりを推進していく上で、社会全体の女性の 健康問題に関する意識を高めていくことが大事だということで、厚生労働省として、この御審 議を踏まえまして、3月1日から8日を「女性の健康週間」ということで定めました。ことし の3月に、国も普及啓発のための講演会を行う、それから関係諸団体におきましても、いろい ろな御活動をいただくということで取り組みを行ったところでございますけれども、来年3月 に、また今回と同じように「女性の健康週間」第2回の取り組みを行うということで、より多 くの国民への意識啓発、情報提供などをやっていきたいと思っております。  それから、女性に特化した健康づくりの取り組みといたしましては、これまで子宮がんや乳 がんの検診、骨粗しょう症の検診などが行われてまいりました。しかし、近年になりまして、 このような疾病以外にも、女性と男性とでかかりやすさが違うとか、それから性別の違いが進 行のスピードに差が出てくるだとか、そういったことがいろいろ明らかになってまいりました。 また、更年期症状、更年期障害に関連した健康問題の重要性も指摘されるようになってきてお ります。  生涯を通じた女性の健康づくりを推進していくためには、科学的な根拠に立脚をした上で、 個人差も考慮したきめ細やかな対応の実施が求められておりますけれども、女性に固有の社会 的特性を踏まえた上での我が国の女性の健康実態につきましては、いまだ疫学的なデータが十 分とは言いがたいという状況にございます。そこで、より的確に女性の健康づくりを推進する ために、女性の健康課題に関しての調査研究を充実させていく必要がございます。  この懇談会におきましては、これまで女性の生涯を通じた健康管理のあり方について、それ から女性の健康実態を把握することの重要性についての議論がなされて、前回の懇談会におき まして、それぞれワーキングチームを置くということが決定をされております。その後、ワー キンググループの先生方におかれましては検討作業を進めてきておられるわけでございますの で、本日の会合におきましては、これらのワーキンググループの進捗状況についてそれぞれ御 報告をいただきまして、これを踏まえてまた御議論をいただければと思っております。  どうぞよろしくお願いいたします。 ○坂本生活習慣病対策室長補佐 なお、中尾審議官は公務のため、ここまでで退席をさせてい ただきます。  以後の議事進行は、江澤座長にお願いしようと思います。  カメラは、本日、冒頭のみ撮影可能ということになっておりますので、これ以降の写真撮影 は御遠慮ください。  では、江澤先生、よろしくお願いいたします。 ○江澤座長 おはようございます。  朝早くからお集まりいただきましてありがとうございます。よろしくお願いいたします。  あっという間に半年がたってしまいましたけれども、今、中尾審議官からのお話のような準 備などを進めておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、最初に資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○坂本生活習慣病対策室長補佐 それでは、お手元の資料を確認願います。  クリップどめをしてあります資料がございますが、まず1枚目に「女性の健康づくり推進懇 談会議事次第」がございます。めくっていただきますと、この懇談会の構成員の一覧が出てお ります。更にもう一枚ですが、本日の座席表が入っております。  次に資料でございますが、資料は全体で1冊ということで、左上にホチキスでとめてある全 部で14枚の資料がございます。これにつきましては、資料の1から4、それから参考資料の1、 2をとじ込んでございますので、もし、議事の進行途中で不足がございましたら事務局までお 申しつけください。  それから、カラー刷りの資料というか、こちらは実は石塚先生が今日、発言するに当たって、 その発言の背景を委員の皆様に若干御理解いただきたいということで追加した資料でございま す。こちらにつきましては、石塚先生の方から後ほど発言があるときに御参照いただくように なるかと思います。  以上でございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。不足はございませんでしょうか。よろしいですね。  それでは、まず議題1に入ります。「女性の健康づくりに関する普及啓発の推進について」で す。  参考資料をごらんいただいて、坂本補佐からお願いいたします。 ○坂本生活習慣病対策室長補佐 それでは、事務局より説明を申し上げます。  まず、お手元の資料を御参照ください。  全部で14ページございますが、11〜13ページに参考資料1というものがございます。こち らは、昨年度、この懇談会の成果でございます「女性の健康週間」を定めたという通知でござ います。  こちらの「『女性の健康週間』の実施について」という通知でございますが、国民運動として 女性の健康づくりを推進するというために、さまざまな普及啓発活動をこの時期に集中して行 うことで、PR効果を高めようという趣旨でございます。勿論、いろいろな団体の方々に参加 いただきまして、どんどん盛り上げていただきたいということでございますので、本年度もこ れを継続して行うという予定となっております。  この「女性の健康週間」の期間中、実施される行事等がございますので、厚生労働省のホー ムページで随時、情報提供をしていきたいと考えております。  次に、同じ資料でございますが、資料1、1ページのところをごらんください。横長の表に なっております。こちらは平成20年12月15日現在でございますが、事務局で把握しており ます「女性の健康週間」の行事一覧でございます。2月28日の土曜日に、私どもといたしまし ては、この懇談会のメンバーの方々に御協力をいただきまして、「女性の健康週間」プレイベン トというものを考えているところでございます。  それから、3月1日から8日の期間でございますが、今のところ、日程が決まっていないと いう団体の方がたくさんございまして、日程の固定している部分につきましてのみ表示をした というところでございます。  このほかにでございますが、聞いたところによりますと、流通業者、食品会社等がそれぞれ 独自に「女性の健康週間」というキャンペーンをしたいというようなことを伝え聞いておりま す。この内容につきましては随時更新し、厚生労働省のホームページで公開する予定としてお ります。  以上でございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。  今年度は3月1日が日曜日になりますので、今、事務局からお話がありましたように、その 前日の2月28日の土曜日に「女性の健康週間」を広報するようなイベント開催が効果的である と。  この前のときは最後でしたよね。最後のときですと、もう、イベントをやっているか終わっ ちゃったというところがあるので、今度はその前の日にやって、こういうイベントをするとい うことを広報することが大事だと思います。そして、できるだけ多くの人たちに知っていただ いて、参加もしていただきたいということがあります。事務局の調整として、委員の方々にも 御参加いただきたいと思います。  そこで、資料1について、昨年度と同様に、厚労省のホームページに掲載するということで すけれども、そのことについて事務局からもう少し御説明ございますか。 ○坂本生活習慣病対策室長補佐 改めて御説明を申し上げます。  今、厚生労働省の健康局のホームページの中に、女性の健康づくりという部分がございます。 その中で、これまでの施策等を簡単に紹介しているところでございますが、現在はまだ昨年の 分のスケジュールが出ておりますが、これを早速差しかえまして、平成21年3月1日から3月 8日ということで、スケジュール表を出してまいりたいと考えております。  内容につきましては、随時、情報をいただきましたら更新していくというようなことを考え ておりますので、委員の皆様におかれましては、御自身の所属されている団体を含めまして、 「女性の健康週間」の期間における普及啓発活動、そういったものの開催情報がございました ら事務局までお知らせいただきたいと考えております。 ○江澤座長 事務局に掲載することの基準として、どういうふうに考えていらっしゃるか。 ○坂本生活習慣病対策室長補佐 もともとの「女性の健康週間」の趣旨と申しますのは、より 多くの方々に御参加いただき、関心を持っていただいて、国民運動として女性の健康づくりを していこうということを考えておりますので、女性の健康づくりを推進するような催しであれ ば、非常に幅広く掲載していきたいというように考えております。ただ、私ども、役所という 立場でございますので、例えば特定の商品を販売することが目的であるとか、特定の業者、サ ービス等の後押しをするというような目的の場合には、ちょっと内容を改めまして掲載を差し 控えるように、なるべく公的な国民運動として皆様のお役に立てるような、そういったものの みを掲載していきたいと考えております。 ○江澤座長 ありがとうございます。  今、おっしゃったように、女性の健康づくりを幅広く進めていくということで、多くの国民 の方々に関心を持っていただいて、国民運動として定着していきたいということ。それから、 国民それぞれが、自分が参加できるように、例えば職業人としての立場とか、あるいは住民と しての立場とか、あるいは家族としての立場とかいろんな立場があるんですけれども、健康づ くりの運動に参加できるようにしていきたい。今まで以上の取り組みをしていきたいと思うん ですけれども、せっかく始まった運動ですので、この2回目のところは、より以上に、もっと 国民にPRというか広報できるようにして、そして国民運動としてやっていきたいということ があります。  委員の皆様が所属されている団体において、まだ日程が確定していないところとか、あるい はこれから調整するということがあれば是非紹介していただければと思いますし、それからま た、今のことについて、これからのイベントに向けて委員の方々から御紹介があればいただき たいし、もし御意見があればいただきたいと思いますので、皆様どうぞよろしくお願いいたし ます。 ○今村委員 まだはっきりと確定していないために載せていただいていないですけれども、大 まかに固まったところで申し上げますと、この1年間で、産婦人科関係で大きな動きがあった のが子宮頸がんにかかわる問題です。  1つは、ヒトパピローマウイルス、HPVのかかわりというのがまず間違いなくあるという ことで、この検査法が確実なものがある。それから、ワクチンについても、そう遠くない時期 に承認されるであろうという動きがあることから、これについての普及啓発活動というような 一環で、1つは、2月の後半に子宮頸がん啓発のための新聞紙上座談会というものを考えてお ります。  既に収録といいますか、それは終えておるんですけれども、何月何日に載せていただくかと いうのは決めておりません。司会の方を交えて、産婦人科医会の寺尾会長、それから自治医大 の産婦人科の教授でがん担当の鈴木常務理事、それと私とで紙上座談会をやるということ。  それからまた、同じように子宮頸がん啓発のための母と子で学ぶ健康セミナーというような ことで、これは一応3月6日金曜日に神戸国際会議場で、会場は700人ぐらい入るということ です。どれぐらい集まっていただくかまだわかりませんが、こういったようなことで、厚労省 からのごあいさつをどなたかからいただければということです。それから、産婦人科医会の寺 尾会長、それから基調講演として、でき得れば国立がんセンター名誉総長の垣添先生に来てい ただいて、それからどなたか関西方面の著名な方に特別講演をいただいて、そして産婦人科医 会の副会長あるいは担当常務理事、それから日本医師会からは私が出させていただくようなシ ンポジウム、そういったようなものを企画しております。  それから、同日、3月6日金曜日、これは東京三田の女性の未来館で、こちらの方は昨年と 同じような感じで、更年期に関する問題を取り扱う一般市民への公開講座というような形でや らせていただければなというのが、取りあえず私ども産婦人科医会を中心に考えているところ でございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。どうぞ。 ○河原委員 追加でございますが、情報がまだちょっと確定しなかったものですからこの期限 までにお渡しできなくて、昨日の夜に厚労省の方にもお送りした次第なのですが、今村先生の お話につけ加えまして、子宮頸がんの問題は非常に大きな問題がございます。  私、東京大学の先端科学技研の人間支援工学であるとともに、UICC、国際対がん連合の 広報委員もさせていただいておりますので、昨年のジュネーブの会議でも、非常に世界全体で 子宮頸がんの問題をもう一度考えなくてはならないと。  なぜかというと、若い女性に非常に増えておりまして、次世代の子どもに命をつないでいた だく方が命を落とされたり、子宮を失われたりということは非常に大きな問題なのです。この 問題をもっと予防できるということ、ワクチンの問題、検診の問題ということで、子宮頸がん は予防ができるというメッセージを幅広く伝えていくことがUICCの任務でもあるというこ とになりました。  2月4日という日がWorld Cancer Dayということで、世界全体で実は2006年からUICC はその日を掲げて、世界全体の組織が連携してがんに関する知識を広げて、がんをより有効に 予防、診断、治療するための運動ということを掲げていたのですが、日本はまだやっていなか ったのですが、急遽、本当に急なことだったのですが、来年度から始めてみようということに なりました。2009年2月4日に東京もう一つは、こちらでもお話ししていたように、我々が去 年から、発達障害の子どもを抱えたお母さんのためのセミナー大学の安田講堂をお借りするこ とができましたので、そちらで、先生もお入りいただいている日本の子宮頸がんの制圧を目指 す専門家会議の方々にも御協力をいただきまして、UICC、世界対がん連合の日本委員会と して子宮頸がんは予防できるという公開シンポジウムをして、その前後にいろいろとがんに関 しての小さな会もさせていただこうと思っております。  それが1つと、あとということを東京大学の中でしております。発達障害を抱えたお母さん というのは精神的に非常にケアが難しいので、それはがんの患者さんも同じなのですが、よい と思ったサポートが非常にネガティブに変わってしまうということがございますので、それを 変えるためにということで「恋するように子育てしよう」という公開シンポジウムをしており まして、それをこの3月7日に浦安の市民ホールですることになりましたので、きちんとした 時間はお知らせしようと思っております。  あと、3月の3日前後ぐらいに、女性のがんということに関してのUICCとしての取り組 みをさせていただくことになっておりますけれども、まだそちらは確定ではございません。よ ろしくお願い申し上げます。 ○江澤座長 ほかに何かございまでしょうか。このイベントに関して、皆様方の取り組みとか。  今、特になければ、これからありましたときには事務局の方に出していただければと思いま す。そして、2月28日のイベントというものを、本当に皆様方、今、こうやっていろいろ活動 していらっしゃるし、これから計画もしていらっしゃる。そういうものを市民、みんなが知っ て、そして身近な問題として、いろいろと気楽に相談できたりとか参加できたりというような 国民運動にしていきたいと思いますので、是非いろんな情報を事務局の方に出していただけれ ばと思います。そして2月28日のイベントの全体については、これからどういう取り組みにす るかというのを少し考えて、また、先生方の御協力も得ると思いますけれども、よろしくお願 いいたします。  それと、情報も出していただきますけれども、2月28日には先生方も是非御参加いただて、 有意義なものにしていただいて、そして健康週間のところが本当に皆さん、それぞれの活動を していらっしゃるものが活発に動けるようにしていただければと思いますので、よろしくお願 いいたします。  では、次の議題に入らせていただきます。  今までに女性の健康課題について懇談会でいろいろな御意見が出されました。そういう中で、 先ほど中尾審議官からもお話がありましたし、皆様御承知のように、2つのワーキンググルー プをつくりまして、そして、それぞれワーキンググループで選ばれた先生は、かなりこの間に もお忙しくやられたと思います。それで、御紹介いただきたいと思います。  まず、議題の2に入っておりますが「女性の健康実態に関する調査について」ということで お話しいただければと思いますので、このワーキンググループでいろいろと健康課題を整理し て進捗状況がどうであるかということを、水沼先生から御紹介いただければと思います。 ○水沼委員 ただいま御紹介にあずかりました弘前大学の水沼です。  このワーキンググループの1つ、いわゆる女性の健康状態を的確に評価するための調査に関 する検討ということで、ちょっとタイトルからだけだとよくわからないと思うのでありますが、 要するに、この女性の健康づくりの運動を推進していく上で、それから、それに見合った政策 をつくる上での基礎的なデータ、つまり、疫学的なデータを集めてそれを整理すると。これが 私たちのグループに与えられました課題と認識しております。  組織といたしましては、私とそれから群馬大学の林先生、桐生大学の松村先生、2人の先生 に参加いただきました。と申しますのは、林先生は、このジャパン・ナース・ヘルス・スタデ ィの中心的な人物でありますし、それから松村先生は今、桐生大学でありますけれども、以前 は国立栄養研で疫学を専攻されておりましたので、こういう先生に加わっていただければ、一 番データが集めやすいのではないかということで始めております。  研究の概要でありますけれども、幾つかこの文章に書いたとおりであります。要は、どのよ うな疾患、あるいはどのような症状を取り上げたらいいのかということで少し頭を使いました。 これはこれまでの幾つかの会合でありましたように、1つには、疾患としては糖尿病であると か高血圧あるいは脂質異常、それから肥満、高尿酸血症、脳血管障害、心臓病、それから先ほ ども話が出ました女性に特有ながん、骨粗しょう症、歯科疾患、それから変形性関節症、その 他の更年期症状であるとか、あるいはうつであるとか、このような疾患症状を縦軸にとりまし た。  横軸といたしましては、例えば今、挙げました疾患の有病割合、特に年齢に依存性があるか ないか。それから後発年齢、それから例えばある疾患とその食事、サプリメント、こういうも のは関係があるかどうかというマトリックスを1つつくりましたし、それから運動、生活習慣、 それから喫煙状況、それから妊娠・分娩歴、それから卵巣機能の状態、それから他科疾患との 合併があるか否か。それから合併症、それから遺伝的な関連があるかないか、こういうことを 横軸にとりまして、1つのマトリックスをつくりまして、このマトリックスにどういう文献が 当てはまるかということを今、進めているところであります。  これを実際調べ始めますとかなりの論文が入りまして、これをこの後どういうふうに整理し ていくか、ちょっと頭が重いんでありますけれども、いずれにしましても、年度内に先生方に、 現状ではこういうふうなことがわかっていて、ここがまだわからないんだというようなことを 御提示できればいいなと思っています。  この論文に関しましては既に先生方の方にメールでお願いしまして、何名かの先生方からは、 こういう論文もありますよという貴重な御意見をいただきました。まだ締め切っているわけで はありませんので、これは是非取り上げるべき論文であるとか、取り上げるべき内容だという ものがありましたら、私の方まで御連絡いただければありがたいと思います。  以上です。 ○江澤座長 ありがとうございました。  このデータがまとまってくれば、またこれからの対策も立てやすいと思いますけれども、国 としてどういうふうにこのほかのことを考えていらっしゃるか、ちょっと事務局の方からお願 いいたします。 ○坂本生活習慣病対策室長補佐 それでは、事務局で説明をさせていただきます。  今、水沼先生から御説明いただいた部分でございますが、先生からつくっていただいた資料 の3ページに概念図があります。  実はいろんな健康課題があるわけですが、疫学的データのある事項、ない事項といろんなこ とを言われております。こういったものをある程度整理していただこうということで先生には お願いしておりますが、我々としては、結局、科学的な裏づけをもって政策を進めていきたい ということを考えております。したがいまして、こういったデータをまとめまして、最終的に は厚生労働行政に反映して女性の健康づくり、ひいては国民の健康の増進に寄与するというよ うなことをしていきたいと考えております。  このワーキンググループでお願いしているほかにも、実際にはいろいろなことを言われてお りまして、今後、調査研究をより充実させていく必要というものがございます。  参考資料としまして、本日お配りしました資料の一番最後のページでございます。参考資料 の2でございますが、「平成21年度厚生労働科学研究費補助金公募要領」というものがござい ますので、そこの抜粋をしてまいりました。  この中で、私ども生活習慣病対策室といたしましては、循環器疾患等の生活習慣病を何とか していきたいということで、そういった研究事業をしております。今年度募集がされたわけで すが、来年度以降の研究課題としまして、一般公募型でございますので、我こそはという研究 者の方に手を挙げていただいて研究をしていただくという趣旨でございまして、その中の4番 目にございますのが、「女性における将来の生活習慣病発症ハイリスク群の効果的な選定と予防 に関する研究」という研究がございます。これは、妊娠中の出来事と生活習慣病の発症リスク の関連性を明らかにすることを目的といたしまして、大規模なコホートを設定し、女性の生活 習慣病の発症リスクを評価、将来的にはその発症予防に結びつけられるような研究というもの を募集しております。  それから、もう一つでございますが、「ライフステージに応じた女性の健康状態に関する疫学 的研究」という研究課題を設定いたしまして、この中では女性の健康課題として、例えば若年 期のやせであったり、更年期障害、子宮を摘出される方などもいらっしゃるわけですが、そう いった方々の発生頻度というのは実は余りわかっていないところがございますので、そういっ た部分を明らかにするという疫学的な調査をしていくような研究を募集したところでございま す。  この公募期間というのはつい先日、12月10日までしておりまして、それぞれ複数の研究者 から応募があったという状況でございます。どの研究課題、どの研究チームに実際にしていた だくかというのはこれから後、この懇談会とは別でございますが、学識経験者の方々からなる 事前評価委員会というところにかけまして、その方々の御意見をもとに研究を進めていくとい うようなスケジュールとなっております。  以上でございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。  幾つかの応募があったということで、それが生かされていけばすごくいいなと思いますので、 よろしくお願いいたします。  ここで今の議題というか、2の方は大体終わっているんですが、今、水沼先生の御説明、い ろいろこれから取り組んでいただくということがありましたけれども、ここで、もう少し先生 の方から追加とか、御意見があれば伺っておいてもよろしいですね。 ○水沼委員 はい、お願いします。 ○江澤座長 ということですが、いかがでしょうか。  今、突然に出てあれかもわかりませんけれども、いずれにしても、水沼先生がこれからいろ いろ計画していく中で、皆様方に御協力をお願いしていくことがあると思いますので、よろし いですね。 ○山下委員 3ページの概念図なんですが、喫煙の隣に「……」とあるんですけれども、どん なことをイメージしていけばよろしいのでしょうか。 ○水沼委員 その横をごらんになっていただければわかると思うんでありますけれども、これ まで幾つかの課題が出されたと思うんであります。そのうちの代表的なものをここで、例えば 若年期のやせや栄養であるとか、あるいは更年期症状、それから「……」、喫煙というか、要す るに、これは因子に当たるものなんですね。例えば、妊娠・分娩が多かった人の場合にはこう いう疾患が出ているとか、あるいはこの問題をとっていた人の場合にはこういうものがなって くるとか、いわゆるその後の女性のいろいろな健康、あるいは疾患に関する因子となるような ものであるならば何でもということになります。それを科学的に立証できていれば、まさにこ れはどういうところをつついていけば女性の健康づくりに役立つかということでありますし、 こういうことが言われているんだけれども、でも、そのエビデンスがないということになって くれば、では、そこが本当に関係するのかどうなのか少し追求していこうと、こういう新たな 課題ができてくるんじゃないかと思っています。  「……」は、とにかく、何でもありということで御理解していただければありがたいと思い ます。 ○山下委員 ありがとうございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。  ほかにございますでしょうか。よろしいですか。  そうしましたら、この議題の3の方に入りまして、前回の懇談会で、もう一つ、生涯を通じ た女性の健康づくりに関するワーキンググループというものを設置しました。そこでは岡委員 にお願いして、進捗状況を今日お話しいただければと思います。  よろしくお願いいたします。 ○岡委員 では、お手元の資料3に基づきまして、これまでの状況につきましてお話ししたい と思います。  ワーキンググループのメンバーは、ごらんのとおり、荒木先生、片山先生、清水先生、3名 の先生に加わっていただきまして、私を入れて、合計4名で検討を進めてまいりました。これ までに2回のミーティングを開催したわけでございますが、その内容につきまして、一回資料 を通読する感じで御報告をさせていただきたいと思います。  まず、1番目としまして、生涯を通じた女性の健康づくりの方向性と「女性の健康手帳」、こ れはあくまでも仮称でございます。手帳と名称を使っておりますけれども、紙製の手帳という ものに決してこだわるものではないということを、まず御了解いただきたいと思います。  まず、その位置づけでございますが、女性の健康づくりを推進するために、一人ひとりの女 性が自主的に自分自身の健康を維持、管理するための情報整理のあり方を提示することを基本 視座としているということです。自分自身の健康に関するデータを整理するとともに、ライフ ステージのその時期において、自らの健康を管理していく上で必要な情報にアクセスできるこ と、これが重要ではないかということでございます。また、女性の健康づくりだけではなくて、 男性の健康づくりのきっかけとなることも期待をしていくということであります。  このワーキンググループでの検討対象とする年齢でございますが、思春期の後期から老年期 とし、小児期までにつきましては既存の枠組みの中のものを活用していくということにしてい きたいと思っております。  では、女性の健康手帳の具体的なイメージでございます。  そのあり方でございますが、1番目としまして、お一人お一人の女性が自分自身の健康情報 を整理する方法についてでございます。例えば国は、個人が記録して保存しておいた方がよい というデータはどのようなものであるか、そういった全般的なガイダンスを示すこととし、そ れを記録する媒体が紙とか電子とか、それについては、事業主体とか個人の判断に任せるとい ったことが考えられるのではないかということ。  また、個人が自分自身の健康情報を電子情報として管理する場合、データ保存や情報読み出 し端末としてPCに加え、例えば利便性にすぐれた、最近性能がかなり高まっておりますが、 携帯電話の活用も視野に置くことができるのではないか。一方で、こうした情報機器などでは 特に電子情報を保存するハード面・ソフト面での規格の変化が激しく、継続して情報を蓄積し ていくためには、更新作業が必要となるかもしれないことなど、長期的な利活用に関しては留 意が必要であるということでございます。  また、母子健康手帳、学校での健診記録、雇用時の健診、さまざまな定期健康診断や住民健 診、それと、今年から義務化されました特定健診など多様な情報がありますが、まずはこうし た情報を一括して整理し活用することができれば、その有用性が大きく高まるということにつ いての認識を広めることが重要ではないかと考えております。  更に、予防接種の記録や健診受診記録が容易に参照できれば、医療を受けるときはもとより、 健診の受診勧奨を受けたときや健診結果の報告を受けるときに、有効活用が期待できるのでは ないかということでございます。  2番目としまして、女性の健康づくりを支援するための知識を提供する方法でございます。  偏りのない正確な情報を個人の求めに応じて迅速に幅広く提供していくためには、インター ネットの活用が効果的ではないかと考えております。また、もととなる情報源から入手した正 確な情報を利用者の活用しやすいように加工する。例えば女性が手に取りやすいイラストつき の啓発資材に活用したり、2次的な利用も考慮した情報提供も重要ではないかと思っておりま す。こうした正確な情報源の一例として、例えばがんの領域については国立がんセンターのが ん情報サービス、こういったものの活用を考えているということでございます。  インターネットにアクセスできない人もいるため、並行して、疾患などの領域ごとにリーフ レットなどの資材を作成することも必要であると考えております。  更に、知識の提供は、年代や使用場所によって、それぞれにふさわしい体裁・形態とするこ とも重要であると考えております。  では、提供する情報の具体的な内容でございます。  女性の健康づくりに関して提供される情報のうち、汎用性のあるものとして、例えば以下の ようなものが考えられると思っております。  平均余命、栄養摂取等に関する基本的な統計データとか、生涯を通じた女性ホルモンの変化 等の女性の身体に関する基礎的な知識。更に、運動、食事、睡眠や休養といった生活習慣に関 する知識。更には避妊、こういったものについても重要な情報と考えております。また、女性 ホルモン製剤の使われ方等に関する情報も提供すべきではないかと現在考えています。  年代ごとの気をつけるべき事項として、それを整理した表を9ページに載せております。こ のような表を索引として、事項ごとに知識をまとめた形で情報提供をすることも実用的ではな いのかなと考えております。  また、医療機関受診時の自分の健康状態や家族歴や既往症等の説明の仕方、医療者とのコミ ュニケーション法、医療機関の選択方法、また、医療資源や行政機関等の活用法、NPOや企 業の役割、適切な医療情報や健康情報を入手し、有用性を判断するための方法などの知識提供 も必要ではないかと考えています。あわせて、労働関連法規等、制度面の知識の提供も必要で はないかと考えております。  では、個人の健康データの蓄積と管理の方法についてはどのような形で考えていくべきかと いうことでございますが、ワクチン接種歴やがん検診受診歴などのデータを蓄積していくこと は、これらの施策の有効性評価にも活用可能であり、そうしたデータの蓄積・管理には、市区 町村など行政機関の役割も重要であると考えております。  個人の健康診断の記録の蓄積・管理については、個人情報保護に細心の注意を払うべきこと は言うまでもございませんが、また、疫学的調査等への活用は、科学的証拠に基づく施策の推 進に資するものと考えられますが、その活用に当たっては、適切なルールを設けて、それを遵 守しながら行うことが必要であると考えております。  また、40歳以上につきましては、生活習慣病に関連する項目は、特定健診の実施を通じて医 療保険者にデータが電子的に、しかも統一されたフォーマットで蓄積されていくこととなって おります。その活用は、将来にわたり、大きな可能性を有していると考えております。  これらを考えていくに当たって、健康づくり事業の推進における課題が幾つか浮かび上がっ てきておりますので、どのようなものか御提示させていただきます。  我が国のがん検診受診率は極めて低く、特に若年層の子宮頸がん検診率は諸外国に比べても 非常に低いため、今後、大幅な向上が必要ではないかと考えています。  それから、健康づくりは若年層から始めるべきでありますけれども、20歳代はまだ健康につ いての関心が乏しく、また、学生、就労者、主婦など健診を受ける場所がさまざまであり、か なり積極的に介入しないと、健康づくりの推進は困難であるとも考えています。例えば、成人 式を1つの契機として活用すること、行政機関からの各種の日常生活に密着した通知等とあわ せて、あるいは医療保険者からの通知にあわせて働きかけるなど、複数の手段を組み合わせて、 対象者にアプローチをしていく必要があるのではないかと思っております。また、思春期への 効果的な介入も容易なことではなく、今後、その効果的な方法を検討すべきであると思ってお ります。  検診の受診率を向上させるためには、検診受診を勧奨すべき者にとって、受診しやすい環境 をつくることとあわせて、受診を促す環境を整備することが有効であると。例えば、1つのア イデアとして健康づくりチケット、そのような配布も考えていただいたらどうかと思っており ます。  既存の保健・医療の制度を女性の健康づくりという観点からも一層有効に活用することが必 要であり、保健師、助産師、薬剤師等の多様な職種が、それぞれの特性を生かしてカウンセリ ングを行うといった取り組みも効果的と思われます。  では、女性の健康づくりを推進する事業の展開についてという視点でございますけれども、 既存の制度を活用しつつ、更に女性の健康づくりという観点から充実させていくための取り組 みを、幾つかの地方公共団体においてモデル事業として実施することは有意義ではないかと思 っております。こうしたモデル事業を行う場合には、具体的なテーマを絞り込み、的確な指針 に基づいて実施するとともに、地域の実情に応じて幾つかのパターンを考えることが効果的で はないかと思っております。  モデル事業を検討するに当たっては、健康情報を自分自身で管理する手段として、上述した ような幅広い意味での健康手帳の仕組みを活用しながら、女性の健康づくりの推進方法を検証 していくという視点も重要である。一部の地域では、患者も閲覧できる電子カルテシステムが 存在するなど、先駆的な取り組みの基盤が整っている地域もあり、そうした地域や医療機関に おいて、そのようなインフラを活用したモデル事業の実施も考えられるのではないかと考えて おります。  以上、2回のミーティングの中での状況を御報告させていただきました。 ○江澤座長 ありがとうございました。  趣旨は、自分の健康状態に関する情報を各個人が理解して管理するような方法というか、そ ういうものを用いて健康づくりをしていくことを提案するということだと思いますけれども、 もう少し何かございますか。追加がございますか。これでよろしいですか。 ○岡委員 はい。 ○江澤座長 何か皆さん方から御意見、追加ございますか。  まず、河原先生から。 ○河原委員 非常にすばらしい充実した取組みだと思われたんですが、がん患者さん、それか ら軽度発達障害のお母さんは全く違った困難で、まさに大きな、自分の力ではどうにもならな いものを抱えた女性にいろんな形のアプローチをさせていただいているのですが、その中で、 まず一番あるのが、情報の選択処理障害なんですね。うつと思われる方がやはり非常に、何と いうのか、周りの自分の状況の情報がよくわからない。  目からうろこだとおっしゃってくださったことが、まず自分の年表を書いて見ませんかと申 し上げたんですね。自分の年表にプラス、主婦の場合はお子さんや夫の年齢軸をやって、自分 が何歳のときには子どもが何歳になるかとか、一覧表をつくってみると、比較的気持ちが割と 落ち着いたりとか、そういう縦軸の時間軸を自分の中でつくってみる。  あと、それから横軸のマトリックスですね。自分の周囲にどのような手助けをしてくれる人 がいるかとか、自分を助けてくれそうないろんな要素を図に書いてみる。非常に簡単なことな んですけれども、そういうマトリックスを自分の頭の中に構築する。  実に困難の中にある女性というのは、特にかなりパニックになってくるんですが、今のよう なことがもしあれば、そういったその中にイラストだとか、我々は、その1つのツールとして お化粧という支援を使わせていただいているんですが、それをして、結局、女性が割と気持ち いい形、何か受け入れられる形になると、心が開かれると、情報が割ときちんと頭の中に整理 されるということ。そういう意味で、非常にすばらしい取り組みだと私には思われました。 ○江澤座長 ありがとうございました。 ○井伊委員 この女性の健康手帳については、前回のこの会議のときに、普及の仕方というこ とでさまざまな御意見があったように記憶しております。特に思春期の後期からというところ での取り組みとしては、ワーキングの段階から、教育の関係の方々も一緒に進めた方がよりよ いのではないかということだったと思うのですが、そのことについてはどのように御検討が進 んでいるのかということ。  それから、私、ちょっとわかりませんでしたのが、6ページの4の「個人の健康データの蓄 積・管理について」ということで、健康手帳の普及ということと、それが市町村とか、どこか 専門機関にそのデータが蓄積されるような仕組みも連動して検討されているということなんで しょうか。ちょっとこの意味がよくわかりませんでしたので、御説明があればと思います。 ○江澤座長 岡委員からお願いします。 ○岡委員 具体的な内容についてまだ掘り下げて検討はしておりませんけれども、やはり個人 でデータを管理すべきなのか、また、一括してどちらかでデータを管理すべきなのか。そのよ うなことについて一応検討はしていきましょうということで、今回の報告の中に加えさせてい ただいたところでございます。まだ方向性が決まったわけでは決してございません。 ○江澤座長 事務局の方から何か説明ありますか。 ○坂本生活習慣病対策室長補佐 ワーキンググループの内容につきまして若干補足をいたしま すと、現状では委員の方々に集まっていただきまして、こういった問題点があるのでこういっ た検討をしてみましょうというような課題の整理というか、ブレーンストーミングをしている ような状況でございます。したがいまして、今、井伊先生のおっしゃられたようなことという のも、当然、今後検討すべき課題と私ども事務局としては考えております。 ○江澤座長 小山委員。 ○小山委員 まず、女性の健康管理ということで、こういったことが実施されれば非常にこれ はいいと思います。それプラスでちょっと感じたことを。  今回は、これは主に医療関係から見ていると思うんですけれども、例えば医療関係でも、今 回特定健診で、女性の場合コレステロールの問題とか、そういったことで多分ワンパターン的 な解説をされると非常に現場は混乱する。  あと、今、河原先生が情報の選択処理障害なんて言われて、これは面白い言葉だなと思いま したけれども、いろいろなことが出ても、それをどうやって解釈して、医療だけではなく、こ の委員会は食とか家庭の問題とかいろいろなことがあるので、それを総合的に、個々のデータ、 それもそうですけれども、トータルでとらえてそれをどうやって解釈するかということで、総 合的に解説する人が、例えば特定健診の解説のほかにもっと広い視野から、例えば更年期のう つだったら、心療内科に行くのか婦人科に行くのか、どういうところを選ぶのか。いや、もっ とカウンセリングとか気分転換とか、胃がもたれて胃の薬を飲んでみるとか、そういったとこ ろをいろいろ助言してあげるとか、非常に幅広い相談員というのを少し考えた方が。  そういうことを言うと、いつも総論ばっかりでちょっと具体的な話にならないので、例えば 私ちらっと思ったんですけれども、せっかくこの委員会があるので、くしくも厚生労働省です から、例えば厚生労働省の管轄する全国の、また、関係する施設に、そういった相談員を配置 するようなことをすると、多分、国民、国家にとっても、非常に健康に関してのいろんな相談 ができて、かつ、医療経済の点とか、医療のクオリティー、ヘルスケアのクオリティー、医療 と言ったらちょっと幅が狭いんですけれども、そういったことでもう少し貢献できるのではな いかと。  それから、保健所はまた違うと思いますね。都道府県とか、またこれはできないということ になっちゃいますから、例えば厚労省だと国立病院とか厚労省の施設、そういったところに。 その相談員も医療関係者だけとは限らなくて、このメンバーがおられるような人ってみんなこ の領域に関心のある人だと思うので、こういう人たちをある程度こういう委員会、また厚労省 や何かで簡単に認可して相談員に充てるとか、そういったこともちょっと考えると非常にいい のではないかと思いました。 ○江澤座長 ありがとうございました。  本当に幅広いことなんですけれども、こういう会だからこそできるということがありますの で、是非、人間トータルで見ていくということでやっていただければ。  ほかに。 ○三羽委員 女性の視点で活動しておりますと、やはり窓口で適切な情報がなかなか入手でき ないということが非常に多く声が届いていますので、そういう意味では、例えば更年期という 視点がなかったために、複数回受診につながってしまうというようなことも現実にございます ので、今の小山委員の御意見には大いに賛同いたします。 ○江澤座長 ありがとうございました。ほかに御意見ございますでしょうか。  できるだけいろんな御意見をいただいて、どういうふうにしていったらいいかということが 非常に大事で、ここでなければできないこととか。 ○河原委員 井伊先生から情報のお話を補足してくださったのですが、それにつけ加えまして、 これからの多分検討事項になるかと思うのですが、情報を集めていくということの問題になっ て、私、もともと出発点は日本医師会における人体の個人情報の収集と利活用という問題を、 いかにして社会の中にシェアしていくかということが一番最初の課題だったものですから、こ の問題は非常に大きいと思うんですね。これから先、どんどん景気が減速していく中で、世の 中が自分のことにしか気持ちがいかない中で、非常に目線が狭いところで自分の体に向かって いく。でも、実は自分の体を守る情報というのは、社会全体でシェアしていくものなんだとい うことを常に発信をしていただかないと、どこかの拍子に、私の体の情報を集められてしまっ て勝手に使われたとか、そういう話になったりとか、非常につまらないところでリスクを公衆 衛生の人たちが背負ってしまう可能性があるわけなんですね。ですから、そこら辺を、人の体 の情報を、きちんとした状態で人権に配慮して、人間の尊厳の源ですから、そこら辺をちゃん と人権に、保護をして集めていって、なおかつ、これを皆さんのシェアしていくことでライフ サイエンス全体が上がっていくということを、常に厚労省の方からも医師会の方からも、関係 各団体から発信をしていただくということが何よりもクオリティーが上がっていくのではない かと思われますので、よろしくお願いします。 ○江澤座長 ほかに何かございますか。 ○今村委員 医師会の名称が出たのであれですけれども、この事業をずっとやっていく中で、 今、小山先生の方からも出ましたけれども、情報を集める、いろんな方法で集めるということ で非常に大事なことですけれども、それをきちっと活用していく、そして個人情報をきちっと 保護していくという観点ですね。こういうものを総合してやるというのが、まさに次に考えら れているモデル事業ということなんでしょうね。こういうことにこの事業というのは考えてい るんですよということを地方に流して、そしてその視点を大事にしながらモデル事業をやって いただくということで、この事業の継続発展というのは是非やりたいなと。医師会もそういう 点ではかかわっていきたいなというふうに考えております。 ○江澤座長 ありがとうございました。  ほかにございますか。よろしいですか。  そうしますと、このワーキンググループでもっと更にさまざまな視点を加えて、そして今後 検討していければと思いますので。  このことについて、国でこれからの方向性、それについて健康づくりの推進をどう考えてい らっしゃるか、室長の方からお願いいたします。 ○関生活習慣病対策室長 ただいま水沼先生のワーキンググループと岡先生のワーキンググル ープのご説明を申し上げました。いずれも、今後のいろいろな企画をしていく上での土台とな るものと考えており、水沼先生の方はデータベース的な切り口だと思いますし、岡先生の方は、 ブレーンストーミングを2回やっていただいて、思考的枠組みをつくっていただき、こういう ものを共有しながらこのグループ全体としてやっていけたらと思っております。  国の立場としては、岡先生のワーキンググループの最後の方にもございますけれども、こう いうふうに考えてきたことを具体的にモデル的な事業として展開していくとしたらどうやった ら支援できるかということで、今、まさに来年度の国の予算要求の中で、こういったモデル事 業の実施ということを想定して予算要求をしているところです。御案内のように、例年12月末 近くになって財務省からの予算の内示があるわけですけれども、ちょっとタイミングの関係で、 本日の時点ではまだ交渉中でございますので具体的なことは申し上げられないんですが、ここ に書いてあるような趣旨を何とか具体的な事業という形で取り組んでいける、そういうモデル 事業の着手ができるように、是非とも予算獲得をしていきたいと思っております。  恐らく、あと1週間後ぐらいになりますと、その概要についても申し上げられるようになっ てくると思いますので、また各委員の先生方に対しましては、メールとか電話といったような 形での御連絡になるかと思いますが、特に岡先生のワーキンググループの7ページ、8ページ 辺りに書いてあるような、こういう部分を具体的な事業、国の責任のもとで、特に地方公共団 体それぞれの特性を生かしてどんなような形で取り組めばいいか、それから今、今村先生の方 からもお話がありましたように、具体的にその成果をきちんと検証できるようにデータとして 取っていくと。それを望むらくは、こういう形でやると非常に効果的だというようなエッセン スとして全国に広めていくというような、そういう形で取り組んでいけたらと思っております。  また、そういう具体的な事業がうまく開始できますと、そういう実地の取り組みに即した御 検討もいただけるのではないかと思っておりますので、当座は是非ともその予算を何とか獲得 して、次のステップに持っていきたいと考えてございます。  タイミングの関係で、今日、ちょっとそれを申し上げられず、また、それを待ってからこの 懇談会をやりますと年明けになってしまうので、ちょっとタイミング的には今日の時点では余 り明確なことを申し上げられないので申し訳ないんですが、そういうことで、国としては展望 として考えているというようなことをつけ加えさせていただきます。 ○江澤座長 女性の健康づくりについては、国の方で予算折衝を今、してくださっているとい うことで、いい結果を出していけばまたそれが国のためになることですので、頑張っていきた いと思います。是非、予算を何とか取れるように頑張っていただきたいと思いますし、期待し たいと思います。そして私たちも、その上で、より頑張っていい仕事をしていきたいと思いま すので、よろしくお願いいたします。 ○山下委員 済みません、モデル事業なんですけれども、地方自治体は今、特定健診、特定保 健指導で非常に混乱しています。そこにまた女性の健康手帳が入ると、国は何を考えているの ということになりかねませんので、しばらく国民が落ちつくまで、準備で、むしろ疫学的なデ ータを出して何をどうするかが先で、この健康手帳はその次のレベルではないかと。余り早々 といろんな研究をされますと、本当に現場は混乱しております。  それから、データの管理も、それぞれの健診団体あるいは保険者がしっかり取り組もうとし ていますので、それらとの関連性も一緒に考えていかないといけないんじゃないかと。ここは 女性に特化する場所だと思いますから、女性全体の問題を明確にするのを優先順位として、私 はいろいろ取り組まれると本当に現場は困るかなと思っておりますので、御検討いただきたい と思います。 ○江澤座長 ありがとうございます。  小山委員。 ○小山委員 今、その問題は、医療の現場では実際その特定健診の、例えば悪玉が140以上で、 ある指導者は、いや、極端には薬を飲みなさいと言う、病院に行きなさいと言う。それがある 人にとっては、160ぐらいまでは運動していればいいですよと。現場で既にそういう混乱が起 きていますから、それを放置してどんどん先送りすると、私は混乱の時期を延ばすだけだと思 います。  ですから、整理することはきちんと整理して、例えば三羽委員が言われたように、はしご受 診をしていたら一体どうしたらいいか。それから今の問題ですよね。ある人は、糖尿病はカロ リー制限、ある人は糖尿病は運動をちゃんとやればいいんですよと。そういう情報の混乱が非 常に医療現場だけでめちゃくちゃに多いので、そういうときに大局的に何でも相談ができる、 そういうようなことをこの委員会がある程度イニシアティブをとってやっていった方がね。  事務局の人にちょっとお伺いしますけれども、そうやって何でも相談みたいなのを、厚労省 で簡単に認可してできるんですか。 ○山下委員 何でも相談マニュアルのような格好ではないですか。それぞれみんな違うことを 言ってしまいますね。 ○小山委員 そういうことも含めまして、今、坂本さんが言われたと思いますので、それぐら いのことをやるぐらいでやっていった方が、本当にいろんな問題が起きていますから、特定健 診にしても。私の患者さんでも、130を超えたら内科の先生は血圧管理で病院に行った方がい いと言ったけれども、私から見ると、いや、別に様子を見ていいんじゃないかと。そういう問 題も既に起きていますから、ある程度トータルで見るという、情報提供をするというのも大切 ではないかと思います。 ○江澤座長 ありがとうございます。  清水委員。 ○清水委員 今のことと少しあれですが、この女性の健康手帳のイメージとして、どこでどの ような配布の仕方というか、何歳からとか、幾つかちょっと書いてございますが、イメージと してお考えいただいていることをちょっと教えていただきたいと思うんです。かなり若年から の問題もございますし、どのところで、20歳でいいのかなという思いもございますので、検討 班のお考えを教えていただきたいと思います。 ○岡委員 冒頭御説明いたしましたのは、手帳という紙製の手帳のイメージのものを、ある時 期一斉に配布するということは特に考えておりません。  女性の健康に関する情報を、例えばサイトに行けば必要なものを必要な年代に合わせて正し い情報をとれる。また、それをいろんな場面で活用できる、そのようなものを1つ今、イメー ジ的に考えております。あわせて、例に出しておりましたが、成人式のときに何らかの年代に 合った、また、その後の健康づくりに活用できる情報を提供していくということで、いろんな 手段、方法を使って啓発を行っていきたいと考えておりますので、本当に紙製の手帳みたいな ものをつくって、ある年代に一斉に配るというものでは決してございません。そのようなこと を今、ワーキンググループでは考えております。 ○関生活習慣病対策室長 まさに岡先生のワーキンググループの、「手帳」という名前が、仮称 ではあるんですけれども、先に出てしまったがために特定のイメージが強過ぎて、何か配布す るのではないかとか、型にはまった事業を全国一律に展開するんじゃないかというイメージを 持たれてしまうということがありました。そういうことは全く想定していないので、この名称 からしてちょっと直していく必要があるんじゃないかという議論がありました。  今日の話でも出ていますけれども、あくまでも女性一人ひとりの自主的な健康づくりに資す るために、自分の健康記録をどう蓄積していくかという話と、必要なときに必要な情報をどう 入手できるか。  更にもうちょっと大きな体系の話として、健康情報全般にかかわるわけですけれども、その 中で特に女性に特化した形での情報の集計とか、女性に特化した形での情報を取りまとめてエ ビデンスベースにしていくというような、そういう作業が日本では遅れていますので、そうし た全体的な話にまでワーキングの議論が及んでいます。先ほどの井伊先生のお話などは多分そ ういうところ、最初のワーキングの立ち上がりのところでの議論とちょっと次元の違う議論に なっているんじゃないかという御質問だったと思うんですが、予防接種やがん検診などについ ては市町村が実施主体なので、そちらが情報を持っており、そういう情報と、それから特定健 診のような保険者が持っている情報、そういったものをどのように統合して活用していけるの かという視点で、これは非常に大きな話なのでなかなか一朝一夕に解決策が出ているわけでは ないのですが、そうしたことまで含めてブレーンストーミングの結果、こういう考え方の枠組 みをつくっていただいたというのが岡先生のワーキンググループのこれまでの到達点だと思い ますので、言葉遣いの問題とかそういうことも含めて事務局の方でも少し配慮して、この進捗 ですとかこれまでの到達点について説明していくときに、余り「手帳」、「手帳」と言わずに、 もうちょっといろんな観点から、情報というものをどういうふうに女性に特化してきめ細かく 使っていくのかというような、そういうものだという、はじめの段階での説明を間違えないよ うにしていきたいと思っております。 ○江澤座長 ありがとうございました。  「手帳」ということをちょっと外して、そして意見をまとめていく。  今日は、いろいろな御意見をいただけましたので、ワーキンググループ、是非いろいろな先 生方にお入りいただいて、本当にいい情報を出せるような、国民のためになるにはどういうふ うにしていくかという、今日、いろいろな御意見をいただきましたのでそういうふうにしてい ただきたいと思いますので、事務局の方も調整を、また、私たちも一緒に参加してやっていき たいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。  議題のここはそういうことでお願いしてよろしいですか。先生方にもワーキンググループに お入りいただいて、いろいろお願いすることがあると思いますけれども、是非よろしくお願い いたします。  そうしましたら、次の議題ですが、議題4のところで、委員の石塚先生から是非とも皆様に お役に立ちたいということで、御自身の研究成果を紹介したいというお申し出がありました。  石塚先生、御用意いただいておりますのでよろしくお願いいたします。 ○石塚委員 少々お時間をいただきまして、私どもの聖マリアンナ医大における疫学調査であ ります。  50歳女性の健康に関する自記式の郵送調査でありますが、ちょうど10年前の1998年に、私 の前任の教授がやっておりました。これは私どもの聖マリアンナ医大があります川崎の北部の 3区、ちょうど医療圏になるわけですが、宮前区、麻生区、多摩区の3区の全50歳女性に郵送 調査をいたしました。そのころは、住民票からピックアップしてくるというのは比較的簡単だ ったわけであります。その結果を踏まえましてといいますか、10年後の今年、全く同じ質問を 今年の全50歳女性、及び今60歳になっているわけですが、前回送りました3,166人の方々に 再び郵送調査をいたしました。  その結果、1998年の50歳女性に関しましては55%のリスポンスデイを終えております。そ れから、ことしの50歳女性に関しましては、67%から御返答をいただいております。それか ら、今年の60歳、前回の3,166人方のうち2,308名から再び回答をいただいております。その 方の中から今回の調査は、既往歴で内分泌の疾患だとか婦人科の疾患であるとか、あるいはH ITをやっている人であるとかは除外をいたしまして、そのほか現在通院をしていますという 方も全部除きまして、全くの非受診女性のみに限った検討であります。  その結果をかいつまんで簡単に御説明いたしますと、一番最初のページの右下の表でありま すが、「各症状の頻度と月経の状況との相関」と書いてございますが、これは10年前の50歳 でありますけれども、質問は、小山先生のSMIの自主症状を用いさせていただきまして、そ のほか月経があるかないか、いつ最終月経があったかとか、あるいは社会統計学的な背景、生 活習慣に対する項目、BMIなどを大体38項目にまとめて質問をしております。  症状に関しましては、2週間以内にあったかどうか、1年以内にあったかどうか、それから その程度を0、1、2、3と4段階に分けて質問しております。その結果、10年前には50歳 女性の37.1%がほてりがあるというふうに答えまして、これは10年前、20年前までの調査で は、日本人ではホットフラッシュがある比率というのはもうちょっと低い、十数%だとかとい う報告もあるわけでありますが、最近の調査ではだんだん上がっておりまして、その傾向がこ こでも見てとれました。  それから、発汗、不眠、憂うつというような症状が、閉経の前後で有意に変化をした症状で あります。これまでの報告どおり、肩こりというのが一番日本人では症状として強くて75%、 76%の方が訴えておりまして、こういった高頻度の一般的な症状と思われます疲れ、肩こりと いうような症状は、閉経の前後で同じ50歳女性でありますけれども変化はいたしませんでした。  ちなみに、約60%の方がここに書いてありますように閉経前で、40%がperi-menopausalか post-menopausalという分類になります。  次のページの左上の図を見ていただきますと、ライフスタイル因子でありますけれども、こ れが10年前の50歳と今年の50歳の女性のライフスタイルのそれぞれの頻度を比較したもの であります。運動をするとかしないとかということに関しましては、全く変化がございません でした。睡眠時間は、今年の50歳の方が短い傾向がありました。喫煙率は減っております。飲 酒率は有意に上がっておりました。それから朝食をとる人が、有意ではありますがやや減って おります。大豆製品をとる人がかなり減っております。よく食べるという人がかなり減ってお ります。乳製品に関しましては、食べる人が上昇しております。それから、1食につき3品以 上、いろんなものを満遍なくとると答えている方が10%、10年間で減少いたしましたという 結果を得ております。  社会・経済・心理学的な要因といたしましては、今の50歳女性は、パートで就労している人 が非常に有意に増えておりまして、未婚の方もちょっと増えております。それから、学歴で言 いますと、10年前に7%強いらした中卒という方がほとんどいなくなりまして、短大卒、大卒 が有意に上がっている。学歴が高学歴化しているということがあります。  これはちょっと心理的な要因で、これをどっちのファクターに入れるかという問題がござい ますけれども、不安・心配があると答えた方は有意に上昇しておりました。  その左下のグラフでありますけれども、更年期症状の有症率の変化を見てみますと、これは ちょっとどういう理由かわからないですが、ほてりが有意に減っておりまして、あとの症状は ほとんど上昇していたという結果があります。  ロジスティックス解析をしますと、これは今回省略をいたしますが、各症状と関連する因子 は右下の図のようになっておりまして、先ほど申し上げましたように、閉経のステージとほて り、発汗というのは有意な相関があるわけでありまして、あとは不安・心配であるとか、生き がいだとか気分転換をする手段を持っているとかというような心理的な要因というものが、い ろんな症状の訴える頻度に非常に大きく影響をしているということがわかります。  それから、その次のページでありまして、これは今度10年前に50歳だった方が60歳にな って、これは全く同一集団の、全員ではございませんが一部でありますが、個人的には連結は しておりません、勿論。運動する率は60歳になるとちょっと上がってまいります。それから禁 煙をする人がかなりございまして、飲酒習慣に関しては余り変化がございません。朝食を食べ る人が増えていて、動物性脂肪は食べなくなって大豆製品も食べなくなった。ですから、60歳 になってややライフスタイルはゆとりが出るといいますか、健康的になっているんであります が、大豆製品は今の50歳の人と同じように摂取率が減っていると。これはかなり顕著に減って いるという結果が出ております。  社会・経済・心理学的な要因で言いますと、就労率がもちろん60歳になると下がりますし、 経済的にはゆとりがあると感じる人が増えているということがわかりました。それから不安が あるとか生きがいだとか、気分転換に関しては変化がなくて、BMIにも変化がありませんで した。  続きまして、左下の図でありますけれども、50歳から60歳にかけての症状の訴える率の変 化でございますけれども、ほてりは勿論下がっております。あと、上がった症状というのが発 汗、不眠、疲れ、これは何となくわかるような気がいたしまして、頭痛が下がっている。これ はちょっとよくわからないですけれども、こういうようなことで、このほてり、のぼせに関し ても聞いておりまして、それから発汗との相関を見てみますと、60歳でほてりを訴える方は、 どうも発汗と相関をしておりません。これはいわゆるホットフラッシュではないという可能性 が高いと。50歳の37.1%の方々が訴えているほてりというのはホットフラッシュ、血管運動神 経系の症状を表しているであろうと考えられる結果を得ております。  これは出ていないんですが、生きがいがあるか、これが一番重要だったかもしれないですけ れども、生きがいが今ありますか、ありませんか、あるいは少しありますとか、そういう4段 階で質問しました。  失礼、その前に健康感ですね、健康であるかないかということとこういう症状との相関を見 ますと、この自主症状に関しましては、どの症状も高いと健康感を、あると健康感は損なわれ るという結果を得ております。ですから、肩こりが強いという人は、弱いという人に比べて健 康感があるという人の比率が高いと、そういうことであります。ただし、60歳になりますと、 ほてり、発汗というのは、健康感と余り関係がなくなります。  あと、小活は今、述べたことの繰り返しでございますが、最後にまとめでありますが、こう いった結果から、こうしたある一定地域のある年齢の方々を年代別及び世代別に比較をしてみ ますと、以上のようなことが言えました。日本語のほてりというのは、vasomotor symptomを 表すものであることが改めて示唆されました。  60歳の女性の健康感に挙げた症状はすべて健康感に影響を与えるんですが、60歳のほてり、 発汗に関しては影響していませんでした。それから、50歳から60歳にかけて症状の出現パタ ーンは変化をいたしまして、健康だと思う人の比率は増加いたしました。これは、あくまで非 受診女性に関してでありますが、60歳の方がかえって自分は健康だという人が増えているとい う結果を得ました。  現在の50歳の女性は、10年前の50歳の女性に比べますと、これはかなりジャッジが難しい んですが、ライフスタイルは不健全化していると言えるのではないかという結果を得ました。 症状を訴える頻度は高くて不安が強くなっている。それから、60歳の健康感を保つのに重要な 要因は、運動それから大豆製品の摂取、適正なBMIということが言えるという結果が出まし た。ただし、大豆製品の摂取というのは、この調査でも栄養学的には非常に大ざっぱな調査で ありますけれども、かなり顕著に減っているということが心配されます。したがって、今の50 歳の方々の健康、ライフスタイルというのはかなり心配だと、60歳になったときの状況が心配 だということが言えるという結果が得られました。  以上、いろいろなモデル事業などに参考になればと思って、一応発表させていただきました。 ○江澤座長 ありがとうございました。  こういうふうに、これからもこの委員の皆様の専門分野の知識をここで結集して、この懇談 会が核となって健康づくりを推進していければと思います。  議題としては、以上で大体用意したものは終わりなんですけれども、何か特にという御意見 がありましたらお聞きしたいと思いますけれども。  特にございませんでしょうか。  そうしましたら、今後の予定について事務局の方からよろしくお願いいたします。 ○坂本生活習慣病対策室長補佐 それでは、お手元の資料の資料4をごらんください。  10ページ「これまでの開催状況と今後の予定(案)」でございます。  これまでの開催状況といたしましては、昨年の12月25日に第1回を開きまして、その後1 月、6月、そして本日の12月という状況でございます。この間「女性の健康週間」というもの が第1回目でございまして、ワーキンググループを設置して検討を進めているという状況にご ざいます。  今後の予定としましては「女性の健康週間」に関連するプレイベントでございますが、これ を21年2月28日土曜日に開催したいと考えております。  「女性の健康週間」が3月1日〜3月8日まで取り行われまして、第5回の懇談会といたし ましては、春ごろということを考えております。また、ワーキンググループの中間とりまとめ も、合わせて実施したいという状況でございます。  以上でございます。 ○江澤座長 ありがとうございました。  それで、これで閉会ということになるんですけれども、今、事務局からのお話がありました ように、次回まで2つのワーキンググループ、これがいろいろと仕事が入るかと思いますし、 先ほど室長からございました、予算折衝をしてくださっていてこれを期待しておりますので、 それがとれたときには、またいろいろと御協力いただくことがあると思います。  それから、2月28日のイベントに向けて、これからいろいろと検討していきますけれども、 先生方の御協力もお願いしたいと思います。  どうも今日はいろいろとありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたしま す。 照会先 厚生労働省健康局総務課 生活習慣病対策室 (2975, 2344)