08/12/12 平成20年度第7回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 平成20年度第7回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成20年12月12日(金)14:00〜16:00 (2)場所  厚生労働省共用第7会議室 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、相川直樹委員、池上直己委員、        伊藤澄信委員、木下勝之委員、熊本一朗委員、小山信彌委員、        齊藤壽一委員、酒巻哲夫委員、佐藤博委員、嶋森好子委員、        辻村信正委員、難波貞夫委員、松田晋哉委員、山口俊晴委員、        山口直人委員、吉田英機委員        事務局:佐藤医療課長、宇都宮企画官、他 (4)議題  1 医療機関へのヒアリングについて        2 基本問題小委員会での議論の報告及び整理すべき課題について        3 その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  ただいまから平成20年度第7回診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)を開催 させていただきます。  本日の委員の出欠状況でございますが、本日は原委員が御欠席です。また、松田委員 の代理で伏見清秀先生に御出席いただいております。齊藤委員は少し遅れるという御報 告をいただいております。  それではまず、資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○中田補佐  それではまず、資料の確認をさせていただきます。  まず、表に議事次第、座席表がございます。資料D−1「平成20年度DPC評価分 科会における特別調査結果について」、資料D−2「DPCの在り方について」、資料 D−3−1「調整係数の廃止と新たな機能評価係数の設定について」、資料D−3−2 「DPCによる診療報酬について」、資料D−3−2につきましては、別紙が1番目か ら4番目までございます。資料D−3−3「医療法で定める医療機関の例」、資料D− 4「平成20年度特別調査 再入院に係る調査について(案)」でございます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、平成20年度DPC評価分科会における特別調査結果について、事務局よ り説明をお願いします。 ○中田補佐  資料D−1「平成20年度DPC評価分科会における特別調査結果について」でござ います。  資料D−1の後にヒアリング対象機関につきまして、まとめさせていただいた資料が ございますので、御参考としていただければと思います。  また本日、机上右のほうにドッチファイルで、これまでの分科会の資料集がございま すので、必要に応じまして御参照いただければと思います。  それでは、資料D−1「平成20年度DPC評価分科会における特別調査結果につい て」でございます。  本年5月21日の中医協基本問題小委員会の決定に基づきまして、DPCに関する調 査を補完し、適切な算定ルールの構築等について検討するため、DPC評価分科会にお いて特別調査を実施いたしました。その結果等につきまして、まとめさせていただいて おります。  第1、再入院についてでございます。ア3日以内の再入院について、イ4〜7日以内 の再入院について、ヒアリングを行ったと思います。  ヒアリングの対象医療機関は、佐賀県立病院好生館、藤枝平成記念病院、井上病院で ございます。  ここにあります同一傷病とは、診断群分類番号の上6桁が同一である傷病として定義 させていただきます。同一傷病名による4〜7日以内の再入院や同一傷病名による3日 以内の再入院が依然として多い医療機関があった。また、同一傷病名による3日以内の 再入院が減少する一方で、同一傷病名による4〜7日以内再入院が増加している医療機 関もございました。  医療機関からの主な意見といたしましては、i化学療法を繰り返している患者につい て、退院して自宅で過ごせる期間を少しでも長くする努力をした結果、3日以内の再入 院が減って、4〜7日の再入院がふえた。  ii術前に侵襲的な検査を行うために入院する場合、必要のない入院を減らすためには 検査と手術の間に一度退院する必要があり、短期間での再入院となる。  iii慢性腎不全等の基礎疾患がある患者では、合併症等により再入院が多くなるとい うものがございました。  ヒアリングでの主な指摘事項でございます。  i入院期間の短縮により必要な入院医療が提供されず、早期に退院したために再入院 となることが多いのであれば問題である。  ii検査日または手術日を調整し、術前検査から手術までを1入院で行うべきではない か。  iii検査のみを目的をした入院と治療を目的とした入院が、同一の診断群分類で評価 されることは適切ではないのではないか。  iv入院の目的が他の疾患であっても、人工腎臓を実施すると、最も医療資源を投入し た傷病名が慢性腎不全となることについて違和感があるというものがございました。  続きまして、アンケート調査の結果をここにまとめさせていただいております。こち らは既に12月1日のDPC評価分科会の資料としてお示ししたものをここに再掲させ ていただいております。したがいまして、ここでは概要だけ述べさせていただきたいと 思います。  アンケートといたしまして、(1)前回入院と同一傷病による3日以内再入院の割合が、 昨年度と比べて大幅に減少した理由といたしまして、i化学療法を外来に移行した。ii 白内障手術につきまして、手術日が異なるために3日以内の再入院が逆に少なくなった。 iii入院予定患者の術前検査をなるべく外来で行う。ivQOL向上のための一時退院に ついては外泊として取り扱うということがございました。  (2)前回入院と同一傷病による4〜7日以内の再入院の割合が、昨年度と比べ大幅に増 加した理由でございます。i同様に化学療法の患者の増加。ii片眼の手術が行われるた びに一度退院することとした。iii膀胱がんに対するBCG膀胱内注入療法を行う患者 がふえたということがございました。  (3)前回入院と同一傷病による3日以内の再入院が高い理由といたしまして、i悪性腫 瘍等の長期間化学療法を行う患者について、一時的にであっても帰宅するようにしてい る。ii病状の急変により再入院する。iii各手術ごとに入退院を繰り返している。iv退 院後、てんかん発作が再発し、救急入院となったということがございました。  (4)化学療法及び放射線療法を実施していない患者の4〜7日以内の再入院の割合が高 い理由といたしまして、i術前に侵襲性の高い検査を行い、検査結果から手術適応と判 断された患者については、再度入院し手術を行うため。ii白内障手術につきまして、各 手術ごとに入退院とする。iii経皮的エタノール注入療法を実施いたしまして、頻回に それを繰り返す必要があるというものがございました。  (5)化学療法及び放射線療法を実施していない患者の7日以内の再入院の割合が高い理 由といたしまして、i透析を実施している患者について合併症を有しており、再入院を 繰り返すことが多い。ii白内障の手術で、再度、残りの片眼の手術を行う。iii高齢者 等の肺炎では、急性増悪や続発症の発症が多いというものがございました。  第2、適切な診療報酬の請求等についてでございます。  ア、主要な診断群分類について、1日当たりの包括範囲出来高点数の当該医療機関平 均が全体の平均に比べて著しく高い、または低い医療機関についてヒアリングを実施し ております。  (1)狭心症、慢性虚血性心疾患、手術なし、心臓カテーテル検査ありについてヒアリン グを行っております。対象医療機関は、山梨大学附属病院、熊本労災病院でございます。  医療機関の主な意見は、i後発医薬品は使用しておらず、情報量が多いほど患者のメ リットになると考え、高価な検査材料(超音波プローブ等)を用いて詳細な検査を実施 している。ii後発医薬品を積極的に使用しており、他の検査(体表からの超音波検査な ど)で代替可能な場合はその検査を実施することで、必要な検査情報は得られていると いうものがございました。  ヒアリングでの主な指摘事項といたしましては、i医療資源の投入量が多い医療機関 では、過剰な検査等が行われているのではないか。ii逆に医療資源の投入量が少ない医 療機関では、必要な検査が行われていないのではないかというものがございました。  以下、アンケート調査の結果でございますが、これも同様に12月1日の分科会でお 示ししたものでございますので、概要だけ申し上げます。  包括範囲出来高点数が高い理由については、iとii、やはり材料費が多くかかる。入 院期間が1泊2日の短期間で実施する症例が多いことが影響している。iiアセチルコリ ン負荷試験を施行することが多く、材料費が大きくなってしまうといったことがござい ました。iii造影検査だけでなく、血管内超音波プローブを用いた血管内超音波検査も 行っており、材料費が大きい。iv冠動脈造影用センサー付ガイドワイヤーを使用するこ とが多く、材料代が高額となってしまうというものがございました。  包括範囲出来高点数が低い理由といたしましては、i最新の機器を導入して造影剤の 使用量を減少させている。ii熟練した循環器専門医を増員している。iii外来で実施し ているため、入院中に行う検査が少ない。iv材料費が大きくなる症例が少ない。vクリ ニカルパスの導入により標準的な治療を行っているというものがございました。  (2)、関節リウマチ、手術なし、インフリキシマブありにつきましてヒアリングを実施 しております。ヒアリング対象医療機関につきましては、岡山市立市民病院、福島赤十 字病院でございます。  医療機関からの主な意見といたしましては、現在外来で当該治療を行う体制が十分で はないといったところで、入院で実施しているが、今後は外来の体制を整備し、可能な 場合は外来で治療を行う予定であるという意見がございました。  ヒアリングでの主な指摘事項といたしましては、i当該治療は外来で実施可能なもの ではないか。ii包括範囲出来高点数が非常に大きく、DPCによる入院医療では不採算 となるのではないかというものがございました。  アンケート調査の結果でございます。これも同様に再掲でございますので、概要だけ 申し上げます。  高い理由といたしましては、i患者のニーズと安全性の観点から行っているもの。ii クリティカルパスを導入しており、平均在院日数が短くなっているため。iii体重が大 きく投与量が多い。iv準備病院であるので、検査は入院時に行っているためというもの がございました。  逆に低い理由でございますが、i当該治療について外来で実施することが多い。ii入 院時併存症の影響によって入院期間が長い症例が多かったため。iii通常はリスクの低 い症例については外来で行っており、比較的リスクの高い症例が多く、入院では在院日 数が長くなるといったようなものがございました。  イ主要な診断分類群について、当該医療機関の平均在院日数が全体の平均より著しく 短い医療機関につきましてヒアリングを実施しております。  具体的には、(1)子宮頸・体部の悪性腫瘍、手術なし、化学療法あり、放射線療法なし の症例につきましてヒアリングを実施しております。対象医療機関は、京都第二赤十字 病院でございます。  医療機関の主な意見といたしましては、i在院期間が短いことによる治療上の問題は 起きていない。ii入院期間が非常に短い場合、DPCによる診療報酬では高額な薬剤の コストが十分反映されず、医療機関の大幅な持ち出しとなる場合があるというものがご ざいました。  ヒアリングでの主な指摘事項につきましては、外来で実施することが可能な化学療法 のレジメンもあるが、外来で実施することが難しいレジメンもあるというものがござい ました。  アンケート調査の概要につきましては、i1日入院、日帰り入院や1泊2日の入院で 行っているケースがあると。入院管理はこれで十分であり、iiこちらも同様に1日入院、 日帰り入院等で実施している。iiiほとんどの症例が観察を含めて2日間の入院で化学 療法を実施しており、入院期間が短いというものがございました。  続きまして、ウ、正しく診断の分類が選択されていない(部位不明コード、いわゆる 「.9」コード)症例の割合が高い医療機関についてヒアリングを実施しております。 対象医療機関は、千葉西総合病院、多賀総合病院です。  医療機関の主な意見といたしましては、i急性心筋梗塞について、急性前壁心筋梗塞 等の詳細な分類を行わず、部位不明とするコードを入力していた。病名の入力について 担当医の理解が十分ではなかったといったものです。iiDPC対象病院の要件である 「適切なコーディングに関する委員会」をまだ実施していないというものがございまし た。  ヒアリングでの主な指摘事項といたしまして、医療の質にかかわる問題であり、正確 なコーディングをしていただきたいというものがございました。  アンケート調査の結果について概要でございますが、i狭心症、閉塞性動脈硬化症、 急性心筋梗塞が突出して多い。iiがんや感染症などで入院中に診断が確定していない。 iiiICD10コーディングについての認識不足。ivシステム上の不備といったものが ございました。  続きまして、エ、こちらは平成20年度より導入されたがん化学療法の主要な標準レ ジメンによる診断群分類の分岐及び薬剤の投与期間に応じた診断群分類の分岐、こちら はIFN−βを7日間以上投与した場合でございますが、この効果を検証するために当 該分類を選択する割合が高い、または低い医療機関に対しましてヒアリングを実施して おります。  具体的には、(1)上行結腸からS状結腸の悪性腫瘍、化学療法ありの症例につきまして ヒアリングを行っております。ヒアリング対象医療機関といたしましては、東海大学医 学部付属病院、東京大学医学部附属病院でございます。  医療機関の主な意見といたしまして、標準レジメンとして分類されているもの以外に 医学的に妥当なレジメンがあり、それを採用している。化学療法のレジメンについては 中央のキャンサーボードで検討している。エビデンスがなく標準的でないレジメンが排 除されることはよいが、複数の標準的レジメンがある場合に1つだけ評価することは避 けるべきであるというものがございました。  ヒアリングでの主な指摘事項につきまして、ガイドラインが作成され標準化が進むこ とで、新しい治療が進まないのではないかという意見もございますが、むしろ標準的な 治療法が定まったほうが、それを対比することで新しい治療法の研究を進めやすいので はないかといったような指摘がございました。  こちらも、アンケート調査の結果につきましては概要を述べさせていただきます。標 準レジメンの多い理由といたしましては、やはり標準レジメンを積極的に使用するとい ったことを取り組みとして行っている。また、エビデンスに基づき治療を行っていると いったものがございました。  逆に少ない理由といたしましては、例えば大腸がん治療ガイドラインでは、ここに挙 げられているいずれもレジメンとして示されているが、いずれを選択するかは主治医の 判断になる。また、奏効率を考慮し、ベバシズマブを投与する症例がふえてきたという ものがございました。  オ、その他、必要に応じてデータの質が適切ではないと考えられる医療機関でござい ます。  具体的には、(1)治癒+軽快のうち治癒の割合が非常に高い医療機関に対しましてヒア リングを実施しております。対象医療機関といたしましては、武蔵野赤十字病院、武田 総合病院です。  医療機関の主な意見といたしましては、システム上の不備により、実態とは大きく異 なるデータとなっていた。治癒・軽快の考え方が明確でないため院内で考え方を整理し、 退院後自院への受診予定のない患者、退院後1回は受診するが検査や治療を全く行って いない患者、脳出血や骨折では症状は残っていても社会復帰が可能で、退院した患者等 について治癒とすることとして入力したところ、他の医療機関に比べ著しく高い結果と なった。そもそも治癒や軽快の定義が不明確であるというものがございました。  ヒアリングでの主な指摘事項につきまして、一般的な治癒・軽快の医学的な判断基準 からすれば、当該医療機関の基準はそれと大きく異なっているのではないか。治癒・軽 快についての解釈の問題だと考えられるので、ルールを徹底すればよいのではないかと いうものがございました。  アンケート調査の結果でございます。iシステムの不備があった。ii医師、診療録管 理士への説明不足。iii白内障等、入院患者が多いため。iv急性肺炎等、退院後外来通 院の必要性がないもの、白内障などの眼内レンズ挿入術を施行した時点、胆石症は石を 除去した時点を治癒と考えているためというものがございました。  カ、平成20年度よりDPC対象病院において慢性期の病床を併設している病院(い わゆる「ケアミックス型病院」)も多く含まれていることが示唆されていることを踏ま え、当該医療機関におけるDPCの運用状況等について、ヒアリングを実施しておりま す。  対象医療機関といたしましては、美原記念病院、多賀総合病院、青森慈恵会病院、永 生会永生病院でございます。  概要だけ述べさせていただきますと、(1)DPCとしてのふさわしさにつきましては、 ケアミックス型病院であっても、救急車の受け入れを積極的に行っており、急性期病床 (DPC算定病床)では、十分な急性期医療を提供しているとの説明があった。他方で、 救急車の受け入れをほとんど行っていない医療機関もあったというものがございました。  (2)ケアミックスの利点といたしましては、患者の病態変化に合わせ、リハビリ、療養、 在宅と一貫した治療が可能で、患者にとっても安心ではないかというものがございまし た。  (3)DPC導入のメリット・デメリットでございますが、i医療の効率化、透明化等が 進むだけでなく、職員のモチベーションアップにもつながる。レセプト請求が簡便にな った。DPCデータの入力にコストがかかる。救急医療等では、DPCで請求するより も出来高で請求したほうが高くなるというものがございました。  (4)新たな機能評価係数では、中小規模であるが専門的に高度な医療を提供している医 療機関も評価されるよう留意してほしいというものがございます。  アンケート調査の結果につきましては、概要だけ申し上げますと、iリハビリ、在宅 まで一貫した医療を提供している。施設完結型で医療を提供している。ii整形外科を対 象としていますが、常勤医も6名おり、ほかと比べても地域で最大手である。iii医療 費の効率的運用等、DPCの理念に共鳴した。iv経営効率が悪くなり地域の要望にこた えることができなくなると考え、DPCは不可避と判断したというものがございました。  第3のまとめでございます。  こちらは、これまでのヒアリング、アンケート調査を踏まえまして、今後の方針等に つきまして、取りまとめさせていただいております。  まず、ア、今回の調査では、前回入院と同一傷病による3日以内の再入院の割合が大 幅に減少する医療機関が認められたが、患者の不利益となるような事例は認められなか った。しかしながら、3日以内の再入院が減少する一方で、4〜7日以内の再入院が増 加している病院もあった。再入院調査の結果も踏まえつつ、今後も再入院の動向につい て注視していくこととしてはどうかということでございます。  イ、検査を目的とした入院の事例や、入院の目的が他の疾病であっても、人工腎臓を 実施すると、最も医療資源を投入した傷病名を慢性腎不全とする事例があった。医療の 実態に即した評価を行うため、診断群分類の設定方法を見直すこと等も含めて、MDC 毎作業班で検討をお願いし、その結果を踏まえて再度DPC評価分科会で検討してはど うか。  ウ、同じ診断群分類であっても医療資源の投入量が大きく異なることについて指摘が あった。現在、MDC毎作業班においてDPCにおける化学療法のレジメン別分岐の在 り方について検討しているので、その結果を含めてガイドラインに沿った標準的医療の 評価の在り方について検討してはどうか。  エ、一部の医療機関においては、病名の入力についての理解が不十分である等の理由 により、多くの症例で詳細不明・部位不明とされるICDを入力していた事例があった。 院内に設置することがDPCにおける診療報酬算定上の必要条件である「適切なコーデ ィングに関する委員会」で改善の取り組みを促すための方策について検討することにし てはどうか。また、例えば「前腕の骨折、部位不明」など、明らかに医学的に妥当では ないICD分類については、選択してはならない傷病名とすることを検討したらどうか といった問題がございます。  ※でございますが、現在、以下の傷病名(ICD10コード)については、選択して はならないとしております。例えば、1つ目のポツでございます詳細不明の寄生虫症に つきましては、選択してはならないというICD10コードにしております。こちらは、 療養に要する費用の算定方法等の留意事項通知において定められているところでござい ますので、再度こういったものを整理した上で、医学的にふさわしくないICDコード については選択してはいけない傷病名として定義してはどうかいったことの提案でござ います。  オ、入院期間が非常に短い場合、DPCによる診療報酬では高額な薬剤のコストが十 分反映されず、医療機関の大幅な持ち出しとなる場合があった。現在、MDC毎作業班 において、DPCにおける高額薬剤の取り扱いを検討していることから、その結果を含 めて、DPCにおける高額薬剤の在り方について検討してはどうか。  カ、システム上の不備等により、データの内容が不適切なものがあった。DPCでは 調査のデータに基づき診断群分類の決定を行うこと等、データの質が非常に重要である ことから、データが不適切であると考えられる場合には、何らかの措置を講じるような ルールづくりの可能性も含めて、引き続き調査を実施することとしてはどうか。また、 該当する医療機関で使用しているシステムに関する調査を行うことを検討してはどうか というものです。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  前回、前々回のヒアリングの内容をまとめていただきました。  今の御説明につきまして何か御質問、御意見等ございますでしょうか。あるいは、こ ういったところが漏れているんじゃないかといったような御意見がございましたらお願 いしたいんですが、よろしいでしょうか。  どうぞ、山口先生。 ○山口(俊)委員  ヒアリングについて、私なりの感想をちょっと申させていただきますと、やはりいろ いろ混乱しているのは新規の技術が関わるものとか新しい材料を使うものだと思います。 それから、やはり新しい薬剤、特に抗がん剤の領域で、入院してやるべきものなのかそ うでないのか、そういうことがもう一つ不明瞭なものが、いろいろな解釈の中でいろい ろ行われていたと思います。ですから、やはりこれらは、まだ十分標準化されていない 領域だと思います。そのあたりにDPCの問題はまだまだあるということで、ガイドラ インをもう少しきっちりするとか、学会がある程度見解を出すとか、こういう抗がん剤 は必ず入院してやりなさいとか、ある程度の方向性をつける必要があると思います。  それからもう一つは、必ず手術の前にミエログラフィーをやるとか、私の個人的な考 えでは、画像診断が進歩して要らないんじゃないかと思うんですけれども、そういうこ とが余り議論されずに行われているという実態も、やはり改革していく必要があると思 いました。  結論から言いますと、やっぱり標準化ということがキーワードで、それがきちっとし ないと、なかなかDPCは現状に合わないところがたくさん出てくるんだなというのを 実感しました。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ、小山委員。 ○小山委員  先生の意見、そのとおりだと思います。やっぱりEBMができて、これが標準的だと いうものをやはりつくっていって、ここから外れていく場合にはおかしいというような 表現を使わないと、ただ皆さんの良心とか相談に従っていくだけでは、ちょっともうD PCがもたなくなるので、これは学会が中心だと思うんですけれども、これに関しては 入院、これに関しては外来でとかという、ある程度のEBMをつくっていく必要がある んだと私も思います。  それから、最後のところがちょっと気になったんですけど、一番最後の13ページの ところでもって、何らかの措置を講じるようなルールということは、これは何か罰則み たいな意味合いでよろしいんですか。何か点数を低くするとか。 ○中田補佐  こちらにつきましては、罰則というよりは、このヒアリングの趣旨といたしましては、 新たな算定ルールの構築といったことを目的としておりますので、より適切な算定ルー ルになるように、請求方法のルールづくりの見直しを行うといったような意味でござい ます。 ○小山委員  少しこれ、僕、このヒアリングの2回目を聞いたんですけれども、ある意味でものす ごく特殊なところが持ち出されてきている気がするんです。ここを持ってきてルールを 変えちゃうと、ほかに9割以上のまともにやっているところが実は曲がってしまうとい う感じがあるんです。例えば3日以内の再入院が全部だめになりましたけれども、実は 3日以内の再入院をしなきゃならない患者さんというのはどこも、統計で言いますと0. 5%ぐらいあるわけですよね。ところが、その人たちはとってもお金のかかる人たちな んですよね。つまり、何らかの理由でもって3日以内に入院させて、いろんな処置をし なきゃならないというのが、結局1の入院料が取れなくて2しか取れないということに なって、逆に言うと、ものすごく病院にとって不利になっちゃうところが出ちゃうんで すよね。  ですので、ヒアリングでもってこういういろんなことのルールを決めていくのはよろ しいんですけれども、特殊な例なのか、全体を眺めてこうなのかということを議論して いかないと、特殊な例のところだけ見て、そこを防ぐためにルールをつくっちゃうと、 またルールのためのルールをつくらなければならなくなっちゃうので、ちょっとそこら 辺のところは考えていただきたいなというふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ、池上委員。 ○池上委員  同じく何らかの措置という中で、今はかなりタイムラグを持って、こうした状態が医 療機関にフィードバックされておりますけれども、1月からレセプトにより詳細な情報 を追加することが求められておりますけど、そのような対応も考えていらっしゃるんで しょうか。 ○中田補佐  レセプトに出来高情報を添付することにつきましては、コーディングの確認のために DPCによる包括範囲の医療内容をある程度明らかにする必要があるのではないかとい ったことで講じた措置でございます。したがいまして、そういった措置が、質の向上に 関連するのかどうかといったことが一つの論点となると思いますが、何らかの形でそう いった出来高情報が添付されたことがデータにどういう影響を及ぼしたのかといったこ とは検証しなければならないと思っております。 ○西岡分科会長  池上先生、よろしいですか。 ○池上委員  すみません、ちょっと、出来高の情報を用いて、つまり審査の過程でこのようなこと に対応するということでよろしいんですか。それとも別のことですか。 ○中田補佐  ここで言うデータの質につきましては、審査とは関係ないものでございます。このD PC評価分科会で行うものといったものでございます。 ○西岡分科会長  池上先生、よろしいですか。  では、熊本先生。 ○熊本委員  レセプトだけではなくて、たしかデータを適切に、正確に出すということは、DPC に参加する要件でもあったと思うんです。したがって、ここの文章は、算定のルールと いうよりも、極端に言ったら、この前、退場ルールを考えようという話もありましたけ ども、いわゆる参加に適しているかどうかということを考えるときの何らかの措置とも 読んでしまったんですけど、そういう意味合いはないのかなと思いまして。 ○中田補佐  そういった御意見もあるかと思いますので、今後、DPCの基準等の検討の際に、こ ういったデータの質をどのように考えていくのかということは一つ論点になってくるか と思います。 ○西岡分科会長  熊本先生、それでよろしいですか。  ほかにございますか。  どうぞ、邉見先生。 ○邉見委員  入院の目的がほかの疾患であっても、透析をしていますと人工腎臓になるというのは、 これは一般の医療機関では非常に違和感がありまして、例えば退院サマリーの統計が狂 ってしまうんです。本当はそのために入院したのではなくても、それがトップに来ます ので、導入期の人工腎臓以外、それをもう以前から持続的にやっている場合には、セカ ンドの病名にするとか何かできないかという、これは当院の診療情報室からの要望です。 直接、診療報酬とかそういうことには関係ないと思いますけれども、医学的に、将来の 統計とか、いろいろなものが狂ってくるんじゃないんですか。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  多分、その点に関しては、ヒアリングをされていた各委員の先生方は、おかしいなと いうふうにお考えになったんだと思うんですけれども、この点に関してよろしいですか。 やはり何らかの形で是正されないと、日本の疾病統計が全く意味がなくなってしまうと いうことになります。そういった意味で、ここのところを是正する方法を考えなきゃい けないと思っていますが。  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  ケアミックス型病院という形でヒアリングをさせていただきましたけれども、大変し っかりした病院がおいでになったということで、私たちとしてはとてもいいヒアリング だったと思うんですけれども、実際に急性期病床というのは50床とか100床ぐらい の規模になるわけでして、ほかに当然、50床、100床という形で、一般病院として DPCに入っておられる病院がありますね。こことの対比というのが私には見えなくて、 単純に同じものとしてとらえていっていいのかどうかというのは、やはりまだ疑問があ るのではないかと思いますので、そこら辺をもうちょっと明らかにしていったほうがい いのではないかと思うんですけれども。 ○西岡分科会長  これに関して何か事務局のほうで御意見ございますか。今回はケアミックスを中心に ヒアリングをさせていただいたということなんですが。  どうぞ。 ○中田補佐  今の酒巻委員のご発言は確認でございますけども、例えば同じ50床のDPC病棟で も、それだけしか持っていない医療機関、要は専門に特化した医療機関と、それプラス アルファ、それ以外の病棟も持っている医療機関とで、医療の内容が異なるのかについ て今後注視していくべきではないかといったような御意見でしょうか。 ○酒巻委員  もちろん、そのとおりです。 ○中田補佐  この点につきましては、先日の基本問題小委員会にも資料を提出させていただきまし たが、あるパラメーターを用いまして比較したところは、明らかな傾向は見られていな いのではないかというようなことが現段階の調査結果でございますが、酒巻委員のおっ しゃる懸念事項につきましては、今後のDPC調査の影響評価の中で引き続き検討して いくべき事項ではないかと思っております。 ○西岡分科会長  酒巻委員、よろしいでしょうか。  ほかに御意見ございますでしょうか。  全体的にまとめていただいたところの基本的なものに関しましては、一応御了解いた だけるということと、それから今日御指摘いただきました、例えば標準化の問題だとか、 あるいは実際にヒアリングで出てこられたところだけが特殊な例であって、全体的な流 れはどうなのかといったこととか、あとケアミックスの問題、これは前回の基本問題小 委員会のときには、今までの手持ちのデータでは余り差がないということなんですが、 やはりこの評価分科会ではこれについての調査は必要になってくるだろうというふうな ことを附帯させていただくということでよろしいでしょうか。  それでは、続きまして、DPCの在り方について、事務局より御説明をお願いいたし ます。 ○中田補佐  それでは、お手元の資料D−2、DPCの在り方についてをごらんいただきたいと思 います。こちらにつきましては、以前、当分科会で御議論いただきましたが、その意見 を基本問題小委員会で御検討いただきまして、その結果、平成20年度のDPC対象病 院の拡大に関する基準枠について取りまとめてございますので、その報告をさせていた だければと思います。  1ページ目でございますが、これは前回御説明したとおりでございますので、こちら は省略させていただきたいと思います。  2ページ目につきましては、ケアミックス型病院につきまして、どのように考えるべ きかと。DPCの適用がふさわしい病院についてどのように考えるべきかでございます が、こちらにつきましても、この前御報告させていただいたとおりでございます。なお、 下の※でございますが、DPC対象病院とは、DPCによる支払い対象となる急性期の 病棟を有する病院のことであることについて、DPC対象病院の定義を改めてここで示 させていただいているところでございます。  3ページ目でございます。こちらは基本問題小委員会のほうで御議論いただきまして、 おまとめいただいた事項でございます。  第2、平成21年度DPC対象病院の拡大についてでございます。(1)につきまし て、平成21年度のDPC対象病院の基準につきましては、ここにございますとおり、 この点線内の、平成20年度のDPC対象病院と同じものとするということでまとめて おります。  最後のなお書きでございますが、DPC対象病院から除外された場合は、希望に応じ て、引き続き調査に参加できる。次回の対象拡大のときには、再度、対象病院とするこ とができるということでございます。  4ページ目でございます。こちらが報告事項でございまして、(2)(データ/病 床)比と調整係数についてでございます。  ア(データ/病床)比については、当分科会で御議論いただきましたとおり、(デー タ/病床)比の計算方法としては、平成20年度DPC対象病院の基準との整合性を図 るため、データ数については改定前と同一の方法でカウントするということでおまとめ いただいております。  (イ)調整係数についてでございます。案の1、案の2ということで御議論いただき ました。案の1では、それぞれの年度ごとを代表して相加平均を計算するべきではない か。案の2では、6カ月、4カ月のデータの期間に応じて案分すべきではないかという 御意見がございましたが、当分科会では案の1のほうを進める意見が多いということで 基本問題小委員会に提案させていただいたところでございます。基本問題小委員会で御 議論いただきました結果、案の1でございます平成19年度のDPCデータと平成20 年度DPCデータのそれぞれについて調整係数を算出し、これらの相加平均を計算する としたところでございます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  これに関しましては、これまでにこの委員会でも議論させていただきまして、そして それを基本問題小委員会のほうにお諮りして、決定していただいたという経緯でござい ます。これにつきまして何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、その次の調整係数の廃止と新たな機能評価係数の設定についての御説明を お願いします。 ○中田補佐  それでは、資料D−3−1及び資料D−3−2に基づきまして、調整係数の廃止と新 たな機能評価係数の設定について御説明させていただきたいと思います。  資料D−3−1は後ほど御説明させていただきたいと思います。  大変資料の数が多くて恐縮でございますが、まずは資料D−3−2、それに続く別紙 1から4を先に御説明させていただきたいと思います。  この資料の趣旨につきましては、先日の基本問題小委員会で御説明させていただきま した資料でございまして、現在のDPC制度の診療報酬がどのようになっているかとい うことを出来高制度との比較を交えながらまとめたものでございます。  資料D−3−2を御説明する前に、まずは別紙からごらんいただきたいと思います。 まずお手元の別紙1「医科診療報酬の例」、別紙2「DPCによる診療報酬の内訳(概 要)」をそれぞれ横に置いていただきまして、御説明させていただきたいと思います。  まず別紙1でございますが、医科診療報酬の例ということでございまして、もう既に 皆様御存じかと思いますが、出来高点数の概要でございます。左側では基本診療料、右 側では特掲診療料と分けさせていただきまして、例えば基本診療料の中でも初診料、再 診料、入院料、入院料の中でも基本料、入院基本料等加算、特定入院料といった項目で それぞれ評価している。特掲診療料の中でも医学管理等、在宅医療、検査、画像診断、 投薬、注射、リハビリテーション、処置、手術、麻酔、放射線治療等、これらの項目で それぞれを評価しているところでございます。  これを見据えながら、別紙2をごらんいただきたいと思います。「DPCによる診療 報酬の内訳(概要)」でございます。図の左側に出来高での評価、右側にDPCでの評 価がございます。出来高での評価につきましては、先ほどの別紙1でございますとおり、 入院基本料や入院基本料等加算、特定入院料等、これらの項目に応じましてそれぞれ評 価しているというものをここに記させていただいております。  右側は、DPCの中でどのように評価しているのかを説明したものでございます。分 かりやすいようにそれぞれマーキングをしておりまして、一番下に例がございますとお り、長い楕円形のものにつきましては診断群分類ごとの1日当たり点数で包括評価をし ているもの。いわゆる1日当たり点数の中に包括されている項目です。この六角形につ きましては機能評価係数で評価しているもの。四角につきましては出来高で評価してい るものでございます。  例えばこの表の見方でございますけれども、左側の出来高での評価、(1)入院基本料に つきまして、DPCでどのように評価されているのかといったことを右側で示したもの でございますが、右側には楕円形で10対1入院基本料と。六角形のもので7対1、準 7対1入院基本料等がございます。これは、同じ入院基本料の中でも、10対1入院基 本料部分は1日当たりの包括で評価しており、7対1の部分につきましては機能評価係 数で評価しているというものでございます。  同様に、(2)入院基本料等加算につきましても、入院時医学管理加算、地域医療支援病 院入院診療加算等、他の4項目につきましては機能評価係数で評価し、それ以外の、例 えば超急性期脳卒中加算や地域加算等、他27項目については出来高で評価していると いうものです。(3)特定入院料につきましてはそれぞれ出来高で評価する。(4)医学管理、 (5)検査、(6)画像診断等、DPCではどのように評価しているのかというものを右側で示 したものでございます。  これからさらに詳細に説明した資料として、資料を戻っていただきますが、D−3− 2「DPCによる診療報酬について」において、先ほど別紙2で示した楕円形、六角形、 四角形について、なぜそういう区分としたのかを説明したものでございます。これは、 あくまで現状のDPCではこのように整理されているというものでございます。  第1、「DPCによる算定方法の概要」でございます。こちらはもう既に御存じのと おり、現行のDPCの算定方法につきましては、この点線の四角の包括評価部分点数 (A)と、実線四角の出来高評価部分点数(B)、AとBを足し合わせた評価になって おります。Aの包括評価部分点数を分解いたしますと、楕円形のとおり、診断群分類ご との1日当たり点数Xに医療機関別係数を掛けて在院日数を掛け合わせたものが包括評 価部分点数になっております。その医療機関係数をさらに分解いたしますと、このダイ ヤのとおり、機能評価係数Yと調整係数を足し合わせたものなっております。  この表にあるそれぞれA、B、X、Yの部分がどのような考え方で評価されているの かを示したものが、第2「DPCによる診療報酬の内訳」のところでございます。  まず1番目、包括評価部分点数(A)の部分でございますが、診断群分類ごとの1日 当たり点数Xの基本的な考え方といたしまして、原則として、いわゆるホスピタルフィ ー的要素、これは主に医療機関の運営コストで固定費部分を反映したものでございまし て、医療機関の機能等を評価しているもの以外を包括的に評価したものでございます。  イ、具体的項目につきましては別紙2と一致しておりますが、例えば入院基本料の1 0対1入院基本料部分、医学管理等の中で、手術前・手術後医学管理料に限る部分、こ れはカテーテル検査、内視鏡検査等を除いた検査のすべて、画像診断管理加算等を除い たものすべての画像診断、こういったものを包括評価の中で評価しているといったもの でございます。  (2)機能評価係数Yの考え方でございます。原則として当該医療機関に入院するす べての入院患者に提供される医療で、医療機関の機能に係るものを係数として評価して いるものでございます。  具体的な項目といたしましては、先ほど御説明したとおり、入院基本料の中の看護配 置や病院類型の違いにより評価したものであり、具体的には7対1や準7対1入院基本 料に係るようなものでございます。(2)入院基本料等加算については、医療機関単位の機 能に着目した入院基本料等加算の評価でございまして、例えば入院時医学管理加算や地 域医療支援病院入院診療加算等につきましては機能評価係数として評価しているもので ございます。  2の出来高評価部分点数(B)の考え方でございます。原則として、いわゆるドクタ ーフィー的要素、これは医師等の技術費用部分を反映しているものでございますが、こ のほかに、いわゆるホスピタルフィー的要素のうち、特定の患者や病棟ごとに評価され る項目、また病院の立地する地域による調整のための項目、こういったものを評価して いるものでございます。  イの具体的項目でございますが、いわゆるドクターフィー的要素と言われているもの の具体的項目でございます。すべてドクターフィー的要素として医学管理等は手術前後 医学管理料を除くもの、検査につきましてはカテーテル検査や内視鏡検査、診断穿刺等 となっております。画像診断につきましても、画像診断管理加算等の限られたものを出 来高で評価する。以下、処置等につきましては1,000点以上のもの。病理診断につ きましては診断・判断料等、在宅医療、リハビリテーション等、ドクターフィー的要素 として出来高で評価するものでございます。  (2)ホスピタルフィー的要素の具体的項目でございます。(2)入院基本料等加算につ いて、超急性期脳卒中加算や療養環境加算、地域加算等がございます。こちらにつきま しては、先ほどお示ししたとおり、入院基本料等加算の入院時医学管理加算のようなも のはいわゆる機能評価係数として評価しておりますが、例えば同じ入院基本料等加算で も、超急性期脳卒中加算につきましては、脳梗塞、脳卒中の患者に対して評価されるべ き項目ということで、すべての患者というよりは特定の患者を評価したものです。2つ 目の療養環境加算につきましては、すべての患者というよりは、その病室に入院してい る患者に対して評価されるべきもの。3つ目の地域加算、離島加算も含まれますが、こ ういったものにつきましては、全患者に係る評価でございますが、これ自体が病院の機 能を評価しているものではなく、要は医療機関がそこにあることによってコスト調整す るための加算ということでございまして、こういったものは現在、ホスピタルフィー的 要素の中でも出来高で評価しているものでございます。  (3)特定入院料について、救命救急入院料、以下に挙げるものにつきましては、こちら も特定の患者に係るものでございまして、こういったものにつきましても出来高で評価 しているところでございます。  別紙3、別紙4につきましては、参考で示させていただいております。簡単に御説明 申し上げますと、別紙3につきましては、現在機能評価係数で評価されているものの項 目及び係数の一覧を示させていただいております。参考までに一番右側には、出来高で の点数を示させていただいております。  別紙4につきましては、DPCによる入院基本料等加算、特定入院料、医学管理等の 取り扱いでございます。こちらにつきまして、例えば入院基本料等加算の中でも、上の 太枠で囲っていますとおり、入院時医学管理加算等につきましては機能評価係数といっ たもので評価されていますが、この太枠の外の、例えば救急医療管理加算以下につきま しては出来高で評価されている整理でございます。  特定入院料につきましては、すべて加算点数として出来高で評価している。医学管理 等につきましては、手術前、手術後管理料を除き、すべて出来高で評価されているとい う様にまとめさせていただいております。  ここまでの説明が、現在DPCでの評価がどの様になっているのかをお示しさせてい ただいたものでございます。  続きまして、資料D−3−3でございます。こちらにつきましては、医療法で定める 医療機関の例といったものでございまして、特定機能病院と地域医療支援病院の施設基 準について示させていただいております。こちらの資料につきましては、診療報酬の枠 外のものとして、例えば医療法で特定機能病院がどういう目的のどういう役割を持った ものであるのか、例えば地域医療支援病院とはどういう役割を持ったものなのか、その 承認要件等を参考までに示させていただいてございます。基本問題小委員会の中で、例 えば急性期医療施策の全般を見据えた考え方も必要ではないかという意味があり、医療 法で定める医療機関の考え方も参考になるのではないかということで、一つの例として ここで示させていただいたものでございます。  ここまでが、これまでの制度の御説明等を申し上げたところでございます。大変恐縮 ですが、続けて資料の説明をさせていただきたいと思います。  一番最初の資料D−3−1にお戻りいただきたいと思います。D−3−1「調整係数 の廃止と新たな機能評価係数の設定について」でございます。この資料につきましては、 これまで基本問題小委員会で基本的な方針等につきまして御議論いただいたところでご ざいますが、基本問題小委員会での議論の報告も含めまして、御説明申し上げたいと思 っております。  右側のスライド番号で申し上げたいと思います。3ページ目、4ページ目につきまし ては、これまでの調整係数に係る議論の経緯ということで、これまで基本問題小委員会、 中医協の総会等で議論された経緯をここで示させていただいたものですので、説明は省 略させていただきたいと思います。  5ページ目、調整係数の役割についてでございます。こちらは前回、この当分科会で も御議論いただいたところでございますが、その御議論を踏まえまして、基本問題小委 員会でも再度、御議論いただいたところでございます。調整係数の役割につきましては、 調整係数に係るこれまでの議論の中で、調整係数はDPC制度の円滑導入という観点か ら設定されたものであり、(1)前年度並みの収入確保、(2)重症患者への対応能力 ・高度医療の提供能力等、現在の機能評価係数のみでは対応できていない病院機能の評 価という役割を含んでいると考えられるといったものでございます。  6ページ目、新たな「機能評価係数」の検討に当たって(案)でございます。こちら は前回、基本問題小委員会でいただきました意見をもとに、基本方針ということでまと めさせていただいているものでございます。1、調整係数が果たしていた役割のうち、 前記(1)の前年並みの収入確保については廃止することとし、(2)現在の機能評価 係数のみでは対応できていない病院機能の評価については、新たな「機能評価係数」と して評価できるものを検討する。  2、既にDPCで評価されている項目全体を整理し、既存の評価の在り方の見直しも 含めて、新たな「機能評価係数」について検討する。  3、調整係数の廃止に際しては、新たな「機能評価係数」の検討結果を踏まえて、激 変緩和を目的とした段階的廃止の有無やその方法について検討するということでござい ます。  7ページ、8ページ目でございます。新たな「機能評価係数」に関する基本的考え方 (案)でございます。こちらは、これまで当分科会で御議論いただきました内容でござ います。分科会で検討していただいたものから基本問題小委員会の御意見等を踏まえま して、若干の変更がございますところを御説明申し上げたいと思います。5につきまし ては、DPCデータを用いて係数という連続性のある数値ということで、連続的な評価 の導入についても検討したらどうかということと、診療内容に過度の変容を来たさぬよ う、係数にはその上限値を設けるなど考慮が必要ではないかということは、それぞれ別 の論点として記載がございましたが、これらは相互に関連するといった御意見がござい ましたので、一つにまとめさせていただいております。また、最後の7といたしまして、 これまで1から6まで示させているもの以外のものといたしまして、機能評価係数とし て評価することが妥当なものがあれば検討してはどうかというようなことで追加し、基 本的な考えとしてまとめております。  9ページ目以降でございます。こちらは基本問題小委員会の御意見といたしまして、 それぞれの論点について具体的なデータ等、それぞれの関連すべき資料を提示していた だきたいという御意見がございましたので、ここでその様にまとめさせていただいてお ります。既に御紹介している内容等が多数ございますので、概要だけ簡単に申し上げま す。  9ページ目でございますが、1番目の急性期を反映する係数を前提とすべきではない かといったことにつきましては、平成15年3月28日の閣議決定や平成19年度の中 医協基本小委でも軽症の急性期も含めてDPCの対象とするという考え方のもとに、急 性期を反映する係数を前提とすべきではないかということです。  10ページ目でございますが、DPCの導入により医療の透明化・効率化・標準化・ 質の向上など、患者の利点が期待できる係数を検討すべきではないかということにつき ましては、今年の12月3日の基本問題小委員会におきまして、DPCの導入によって、 医療の効率化・透明化については一定の効果が認められておりますが、今後は医療の標 準化や医療の質の向上など、総合的な視点からの検証・分析が必要であるということで おおむね意見の一致が得られたことを踏まえて、そのようなものが期待できる係数を検 討すべきではないかということです。  11ページ目でございます。それぞれ効率化・標準化等を示すための参考資料として、 もう既に当分科会で示させていただいております、例えば効率性指数、12ページ目で は、例えば症例数に応じた評価の在り方、13ページ目では、例えば標準レジメンでの 評価の在り方、14ページ目では後発医薬品の使用促進について、それぞれどのように 考えるのかという論点を参考資料として提示させていただいております。  15ページ目でございますが、DPC対象病院として社会的に求められている機能・ 役割を重視すべきではないかということでございます。こちらにつきましては、高度な 急性期医療や希少な疾病に係る医療の提供などの、地域に限定されず、社会全体として 必要とする医療機関の機能や役割について評価する必要があるのではないかということ でございます。  16ページ目以降は、もう既に当分科会でお示しさせていただいている内容でござい ます。16ページでは、例えば複雑性指数の指標についてどのように考えるのか。17 ページ目でございますが、例えば難病等、希少性指数についてどのように考えるのか。 18ページ目でございますが、副傷病の程度に応じた評価についてどのように考えるの かというものを参考として提示させていただいております。  19ページ目でございますが、地域医療への貢献という視点も検討する必要性がある のではないかということにつきまして、地域医療の確保のため、医療機関の効率性や高 度な機能等を評価するばかりではなく、地域で果たす役割や貢献度に応じた評価を行う ことも必要なのではないか。また、この際には、都道府県が医療を提供する体制を確保 するために定めている医療計画を考慮する必要があるのではないかということでござい ます。  具体例といたしまして、20ページ目でございますが、医療計画で定める事業につき まして、その評価の在り方についてどのように考えるのか。21ページ目でございます が、地域の救急・小児・妊産婦の受け入れ等、こういったものを評価するのであれば評 価の在り方についてどのように考えるか。22ページ目でございますが、都道府県が定 める医療計画につきまして、一定の機能を担う医療機関として定められていることを評 価するとすれば、評価の在り方についてどのように考えるか。  23ページ目でございますが、DPCデータを用いて係数という連続性のある数値を 用いることができるという特徴を生かしまして、連続的な評価の導入についても検討し てはどうか。さらにその際、診療内容に過度の変容を来たさぬよう、係数には上限値を 設けるなどの考慮が必要ではないかというものでございます。こちらにつきましては、 連続的な評価の例を分かりやすく示してほしいといったような御要望がございますので、 ここで具体例を示させていただいております。  例えば救急患者の受け入れ状況を連続的係数で評価するとした場合で示させていただ いております。例えば機能評価係数をY軸、DPC算定病床数の割合に応じた年間の救 急患者受け入れ数をX軸ととれば、下の表でございますとおり、これまで出来高でやっ ていた従来の段階的な評価では、ある段階を超さなければpからqといったような評価 にならないということでございますが、DPCのデータを用いた連続的な評価であれば、 X軸がmとnの中間の値をたまたまとった場合についても、それに応じた機能評価係数 が設定できる。また、診療内容に過度の変容を来たさぬよう上限値を設けた場合、この ようなある値からX軸に応じまして、Y軸はふえないものであり、こういった上限値が 設けられないかという例でございます。  続きまして、25ページ目でございますが、急性期としてふさわしい機能を評価する 観点から、プラスの係数を原則としてはどうかということでございます。こちらにつき まして、DPC対象病院は、10対1入院基本料、診療録管理体制加算等の要件を満た していることが要件とされておりまして、既に急性期の医療機関として一定の基準を満 たしている。機能評価係数は、さらに高い機能を有している医療機関を評価するもので あり、プラスの係数が適当なのではないか。マイナスの係数とすれば、関係者の理解を 得ることが難しい可能性があるというものでございます。  以上が資料の説明でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  これまでの流れと、DPCの調整係数に関する考え方ということで御説明いただきま した。  何か御質問、御意見ございますでしょうか。  小山委員、どうぞ。 ○小山委員  まず一つ、大変すばらしくまとめられて、今お話を聞いて、非常に耳に入りやすかっ たという印象であります。  特に私が目を見張ったのは5ページ目のスライドであります。今まで調整係数の役割 というのは、悪の権化みたいな言い方をされてきたんですけども、この2番目のことが 入ることによって大分雰囲気が違うのかなと。これは私も前から感じていたことなんで すけど、やっぱり5年間経ってみて、調整係数がどうも単なる前年度の収入を守るだけ ではなくて、その病院のある意味で評価をしているという認識を持ったんです。ただ、 問題は、対応できていない病院の評価をするということですけど、これがもし機能係数 に全部変えられればいいんですけども、なかなかこれを全部そっくり変えるということ は難しいというんですか、なかなか目に見えないというんですか、余りにも細かすぎち ゃっていたり、いろんなことがあるんですけれども、そういうことを考えたときに、厚 生労働省の考え方として、調整係数という名前は恐らくもうなくなってしまうんですけ れども、ある名前をくっつけて、いわゆるEファイル、Fファイルを出しながら計算を しているわけですけども、ここら辺のところを参考値としながら、こういう今までの調 整係数みたいなものを少しは残そうという気があるのでしょうか、それとも、すべて機 能係数という形に変えようとしているのか、その辺のところはいかがなんでしょうか。 ○中田補佐  ご指摘の点につきましては、6番目のスライドにもございますとおり、調整係数の廃 止に際しましては、新たな機能評価係数の検討結果も踏まえて、激変緩和を目的とした 段階的な廃止の有無とその方法について検討するといったような御意見を前回、基本問 題小委員会でいただいております。これは基本問題小委員会で再度御検討いただき、最 終決定するものでございますが、新たな機能評価係数が検討され、それが具現化してき た時点で、その状況を見ながら、調整係数の廃止の方法をどのようにすべきか基本問題 小委員会で検討されるものと承知しております。 ○小山委員  希望とすれば、やはり全く今までの調整係数がゼロになるということに対しては、非 常に危惧を持ちます。なぜならば、その調整係数が、今まで5年間経ってきた、ある役 割を果たしているところの、確かにこの(1)のところは問題かもしれませんけど、そ うじゃないところでもって、ある意味で病院が持ちこたえているというんですか、その 良識を持ちこたえているところがやっぱりあると思うんです。ですので、ここら辺はな かなか具体的に項目として挙げることは難しいと思うので、病院の実績を見ながら評価 をするような項目をぜひ加えていただければというふうに思いますので、よろしく御検 討していただきたいと思います。  それからもう一つよろしいですか。一番最後のほうのスライドの23ページ目のとこ ろなんですけれども、ちょっとこれは僕もよく分からないんですけど、DPC算定病床 数というのは、これは許可ベッド数のことを言っているわけですか。 ○中田補佐  これはDPCを算定している病床という意味で、一般病棟入院基本料を算定している 病床でありDPCを算定するものというような意味でございます。ですから、例えば精 神とか療養とかも含めての許可病床という意味であれば、そうではなく、あくまでもD PCの部分の病床という意味で記載しております。ただ、これはあくまでも一つの例で ございますので、これで行うというものではございません。 ○小山委員  ちょっとこれで危惧するのが、今、どうも実は病床の占有率が下がってきているんで す。今、90%ぐらいの稼働率から大体80%とか85%という数字が出てきています よね。実はその80%とか85%というのは非常にいいことがあって、急性期の患者さ んを非常に受け入れやすくしている現状があるわけです。これをもし算定すると、この 数が分母になるんだとしたら、これを低くするということにインセンティブが働くとこ ろがあると思うんです。そうすると逆にぎちぎちになっていく可能性があるので、ここ のところの分母にする数字は、できれば例えば、これは年間の救急入院患者数を言って いますので、年間の入院した患者数にするとかという形にしていただくと、もう少しそ こら辺の考え方が変わってくるかなというので、ちょっと御検討願えればと思います。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。今、小山委員のほうから御指摘いただきました調整係数の役 割について、5番目のスライドですね、これは前回の評価分科会で御報告させていただ きまして、一応この会ではこの考え方をお認めいただいたというふうに考えております。 またこれを基本問題小委員会のほうにぜひとも出していただくということになります。 ○中田補佐  こちらはまた改めて基本問題小委員会で御議論いただく予定です。 ○西岡分科会長  改めて御承認いただくということですね。  それから、6番のスライドのところですね。それからあと、7、8のスライド、これ も既に御議論はいただいておるのですが、再度お読みいただきまして、この形でいいの か、あるいはさらにつけ加えるべきか、あるいは削除すべきかといったような点がござ いましたらお願いしたいと思うんですけれども。  6番目のスライドは5を受けてのことでございますので、ここは余り問題ないだろう というふうに思います。8のスライドも既に以前、2つぐらい前のDPC評価分科会で 御議論いただいているところで、ちょっと文言の並び方が変わっておりますが、基本と してはこういう形でよろしいでしょうか。  どうぞ、お願いします。 ○宇都宮企画官  スライドの5ページ、6ページ目の補足を若干させていただきたいんですが、先ほど の小山委員のお話の中で、調整係数的なものを残していただきたいという御発言があっ たんですけども、今はもう、方針としては調整係数は一応廃止ということになっており まして、ただ、そのときに、5ページの(2)にあるような、何か隠れた機能を評価し ている部分があるのではないかと。そういうことで基本問題小委員会のほうでも、どう いう機能が考えられるのか、あるいは実際に出来高のほうで何か見ているものがあるの ではないかということで、先ほど中田のほうから説明しましたような、細かいすべての 加算についてこちらのほうに示させていただいたということでありまして、こういった 加算のすべてを洗い出し、それから6ページの2番目に書いてありますけれども、DP Cで評価されている項目全体を整理し、既存の評価の在り方の見直しも含めて、大変大 きな話になっているんですけれども、その辺の趣旨としては、そういった機能をとにか くできるだけ洗い出して、数値にできるものはなるべくしていこうという、そういうプ ロセスであります。  ただ、もちろん先生が危惧されるように、そうはいっても本当に全部洗い出せるのか という部分がありますので、それが3番目の、段階的にやっていくことによって、検証 しながらどこまでできるのかというのを詰めていくというか、そういったプロセスが加 わったということを御了解いただきたいんですが。 ○小山委員  よく分かりました。じゃ、2回じゃ無理ですよね。 ○宇都宮企画官  何とも言えません。 ○西岡分科会長  どうぞ、池上委員。 ○池上委員  新たな方式に移行した場合には、この中には既存のEファイル、Fファイルのデータ でシミュレーションできるものと、例えば地域医療計画のものについては新たなデータ を入手しないとシミュレーションできないものがあるわけですね。そうした場合、やは り新たなデータが必要なものについては新たに調査して、そして当委員会でも把握する 必要がありますけど、各病院の経営に直結する問題ですので、このような新たなデータ が必要なものを係数に反映する場合には、少なくとも次回の改定にはふさわしくないの ではないかという気がいたします。そして、それを行う上で、やはり既存のデータでシ ミュレーションできる評価の仕方と、それから新たなデータが必要な評価の仕方をもう 一度整理なさってみて、そして実際に既存のデータで評価ができるものについては、ど のような変動があるかということも、もし次回の改定にそれを反映させるとしたら、可 及的に検討する必要があると思いますので、次回、できるところからシミュレーション した結果を御提示いただければと思います。 ○中田補佐  ありがとうございました。  池上委員からいただきました意見を踏まえさせていただきまして、次回以降の検討に 際して参考としたいと思っています。 ○池上委員  少なくとも、既存のデータでできるものと新たなデータが必要なものは区分けして表 示していただければと思います。 ○中田補佐  そういった観点も踏まえまして、検討してまいりたいと思います。 ○西岡分科会長  よろしいですか。  この具体例のところをごらんになりますと、すぐ出そうだなというのと、さらに池上 委員がおっしゃるように、もう一度調査しなきゃいけないというところもあると思いま すので、そこの整理をさせていただくということにいたします。  どうぞ。 ○酒巻委員  だんだん話が具体的になってきましたので、やっぱりもう少し率直な意見を述べさせ ていただきたいというふうに思います。  別紙の3に今、機能評価係数というものがあって、それぞれ0.幾つなどという形で 示されていますが、これに新たに何らかの係数が加わっていくということが考えられる わけですね。しかも、すべての0.幾つというのは、根拠のある数式によって導き出さ れた結果であるということが考えられるわけです。そういうふうに今つくろうとしてい るわけですね。これをずっと積み上げていきますと、現実に私たちが今運用している、 個々の病院の本質的な病院係数と、それなりのそごが出てくるのは間違いがない。それ を、激変緩和を目的とした何らかの係数が必要であろうというふうに表現されているん だろうと思います。  しかし、そうはいうものの、必ずこういう点数で一つ一つ積み上げていくという格好 の中には、思いもよらない係数の、先ほどからスライド5の(2)のところに出てくる、 これらのみでは対応できない病院機能の評価という部分がどの程度の大きさのものにな るかということが分からない話になってきます。  つまり、何を危惧しているかといいますと、こういう明らかに数式によって導き出さ れる係数の積み重ねだけで本当に大丈夫なのかということをやっぱり考えざるを得ない と。それは恐らく、なるべく早い段階で幾つかのタイプの病院を、現在存在している、 現実にデータがあるところの病院で、しかし名前は伏せるという形にして何らかのシミ ュレーションをしない限りは、やはりこの委員会としても、そんなに簡単に、じゃそれ で激変緩和は可能だと言い切れるものでもないのではないかというふうに思うんですけ れども、このあたりはどのように私たちとしては考えていったらいいんでしょうか。 ○西岡分科会長  企画官、お願いします。 ○宇都宮企画官  その辺につきましては、まずいきなりシミュレーションするといっても、どこから入 っていいか分からないので、一応の機能評価の項目として考えられるものをとりあえず 3月ぐらいまでに洗い出して、その項目について実際の計算をしてみて、今、酒巻委員 がおっしゃったような、例えばタイプを幾つかの病院に分けてシミュレーションすると か、具体的な計算については、その項目がある程度固まったところで実際に行ってみて、 それで次回の改定に向けてその係数も決めていこうというような、そのようなイメージ で考えておりました。 ○邉見委員  今の件に関係してですけれども、私もお二人の先生と同じように、やはり慎重な準備 とシミュレーションが大事だと思います。といいますのは、もう決まってしまって、後 で検証してまた変えるとかというふうなことを繰り返していくと、現場は大変混乱しま すので、ある程度、大学病院を何ぼ、あるいは地域の中核病院的なものを何ぼ、一般病 院的なものを何ぼというような、ある程度定型的なというか、そこの中でサンプリング として非常に適当だと思われるのを、皆さん方大きなデータあるわけですから、DPC はこんなにたくさんの病院があるわけですから、その中で今検討されているようなこと をある程度やって、どれとどれをやる場合、どれとどれをやらない場合とか、いろいろ やって、やった上でこういうふうな、つけたらこれぐらい調整係数が補える、あるいは もっとよくなるというふうなのを出していただかないと、何か文字だけでは、我々現場 におる者はなかなか、本当にいいのかなと。そうすれば、激変緩和という意味では、私 は1回や2回ではちょっと難しいから、シミュレーションがちゃんとできても2回3回、 できない場合は本当に徐々にしかできないんじゃないかなというふうに思います。シミ ュレーションを初めにやっぱりちゃんとやってほしいというふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  多分いろいろな項目を今挙げていく過程だと思うんです。それに相当するような、機 能に当たるような項目を、できるだけ挙げられるものは挙げておかないとシミュレーシ ョンもできないというのが現状で、まずこの委員会としては基本的なことをお認めいた だきまして、そしていろいろな、こういった項目、例えば先ほどありました効率性の指 標であるとか、あるいは複雑性の指標、これはもうすぐにでも出てくる指標でございま すが、そういったもので今の病院の機能の中に隠れているものをできるだけ挙げていた だいて、それは一つの機能としてとっていいのかどうかという御意見もここで御議論い ただくという、そんな形で項目を挙げると同時にシミュレーションをかけていくという ふうな形をとらざるを得ないのかなというふうに思っています。  それで、何回でできるかどうか、ちょっとそれは分からないんですけども、一応でき るだけそういった、本来持っている隠れた機能というものを代表するような項目を挙げ ていただければ、ディスカッションが前へ進んでいくのかなというふうに思っています。 今、これを挙げたから何点になるんだというふうな話は、なかなか今のところ現実味が 皆さんの中で、私個人もその点に関してどういうイメージになるのかとつかみかねてい るところもございますので、そういった形の項目をぜひともピックアップしていただけ ますと非常にありがたいなと思うんですが、そんな形の議論の進め方でいかがでしょう か。  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  シミュレーションをするためには、どうしてもさまざまな項目を挙げてやっていかな くてはいけないので、それは私はそうしていただきたいと思います。なるべく早くたく さんの項目を挙げて、可能性がどこにあるのかということを私たちが分かるように示し ていただきたいという、それはもう、なるべく早くやっていただいたほうがいいと思い ます。  それから、ついでにもう一つ言ってもよろしいでしょうか。  このスライドの23のところに示された連続性の評価のイメージというのは、非常に 私としては納得のいくところでして、こういうような形の連続性というものをつくりま すと、ここに病院の努力の集中の仕方がはっきり見えてくるわけです。連続しているも のですから、要するに階段を上がるのにはものすごい力が必要だけれども、一歩一歩進 むのであれば、可能性をたくさんそこの中に資源として投入できるわけです。ですから、 こういうような連続的な評価のイメージのものというのを上手に取り入れていただけれ ばありがたいというふうに思います。 ○西岡分科会長  どうぞ、相川委員。 ○相川委員  今のことに関係してですが、各論に入りましたので発言させていただきますが、私も この連続的な評価は賛成です。というのは、従来の段階的な評価の場合には、年間で、 あるところの段階を超えますと、そこで努力をしなくなってしまうことが起こり得るか もしれません。連続的に評価をするにはそれなりに、評価が細かくなって大変かもしれ ませんけれども、12月の最後にもう少し努力をするというようなところもあって、こ れはインセンティブにもつながると思っております。  もう一つこれに関連してよろしいですか。救急のことですけど、私は救急の現場にお りますので、少し発言をさせていただきます。  基本的には、この機能評価係数Yイコールa掛けるXですね、これをDPC算定病床 数にするか、それとも小山委員がおっしゃったように年間の入院患者数にするかについ てはまだ議論が必要と思います。私は年間患者数にしたほうがよいような気もいたしま すが、これはデータを見てみる必要もあるかと思います。ちょっと質問なんですが、こ の受け入れの定義は、これは入院受け入れということでしょうか。今のイメージとして は。救急の現場ではいろいろな受け入れというのがありまして、それから何の受け入れ か、救急車による受け入れなのか、ウオークインも含めるのかとか。 ○西岡分科会長  どうぞ、お願いします。 ○中田補佐  この式につきましては、まさにイメージということで、分かりやすいような救急を例 にして示させていただきましたが、まさに相川委員から指摘のあった、ウオークインは だめなのかと、外来の救急もあるのではないかというような御意見等もございますので、 そこは今後、各論の中で議論していく必要があると思います。  ただ、DPCにつきましては、1番目にございますとおり、急性期入院医療を担う医 療機関であるということでございまして、それにかんがみて急性期を反映する係数を前 提とすべきといったものがございますが、それを果たして外来の部分まで含んで評価す るかどうか、そこはまた議論が必要なのかと思っております。 ○相川委員  ありがとうございました。  救急患者の定義にもいろいろあるんですけども、それはこれから議論するとして、ま た受け入れの定義も議論するとして、この方向性というのは非常に大事だと思っていま す。  特に救急患者においては、幾つか既に評価をされていますね、救命救急入院料とか。 これは加算点数として出来高で評価されているわけですし、外来で救急患者を診れば、 これは時間外診療という形の救急患者ですけども、それなりに評価をされているという ことですから、いろいろな形の救急医療をやっているところにおいて、それなりに診療 報酬で評価をされているものの、それは機能という点での評価には密接にはつながらな いということですから、何らかの指標を用いて、この機能評価係数に、救急医療を積極 的に行っていること。特に現在、国民のニードとして、救急の受け入れ、特に受入れ要 請があった場合に救急患者を受け入れるというのが評価されるということは賛成であり ます。  なお、救急患者の定義にも、時間外、今は外来の初診・再診料に関しては、いわゆる 通常の診療時間と時間外とで区別されていますけども、実際には、例えば月曜日の朝9 時に急に緊急手術の必要な患者がウオークインで来た場合には、これは時間外にならな いわけです。月曜日は一つの例ですけども、既に予定手術が入っていると月曜日に日中 の症例でも対応は大変です。ですから緊急手術も、その定義も非常に難しいわけですけ れども、ぜひ機能係数に入れるべきだと私は思っております。  また、救急患者の中でも、緊急手術になりそうな患者ですと、緊急手術はできないか らといって断っている施設があると思います。緊急手術を受けるためには、平日でも夜 間でも、麻酔医をはじめ手術室の看護師や手術する外科系の医師を確保しておかなけれ ばならない。この救急患者の受け入れというだけでは、手術をしない患者も、緊急手術 をした患者も同等の評価を受けることになる。緊急手術をすれば当然、DPCの評価と しては、手術点数の収入は入るんですけども、機能という意味で各論では少し詰めてい く必要があるのではないかと思っております。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  ちょっと今、各論に入ってきましたが、もちろん各論をこれからディスカッションし ていただくんですが、先ほど私のほうからお願いいたしました、スライドの7と8、こ れは前に御了解いただいているのですが、この線で御了解いただくということでよろし いでしょうか。その部分だけ確認させていただきたいと思います。ここからは、この項 目に従っての各論に入っていくことになりますので、それでよろしいでしょうか。  どうぞ。 ○池上委員  原則的に連続性のほうがよろしいと思うんですけど、連続性というとそれだけ、どの 段階までのデータを反映させるかということが、より問われるわけですね。つまり、今 は調整係数を規定する上で10カ月間しかデータをとっていなくて、それは1年目と2 年目で違うわけです。それは、本来は望ましくないことは承知していますけど、ある段 階を超えたかどうかということを見きわめるのでしたら、それも一つの方法なんですけ ど、連続性となると、対象月をずっととらないと、何か連続性がうまくとれないんじゃ ないかという気がするのと、連続性のある新たな係数を算定するために、収集するデー タの期間と質、それから病院にとっての手間ということを考えると、かなり、理想的に はそうではあるんですけど、実務的には難しい問題をはらむのではいないかという気が するんですけど。  まずここの考え方として、具体論に入る前に、これまでの2年間、10カ月というデ ータ収集の仕方が調整係数において用いられているけれども、新たな機能係数に関して は、特に連続性ということを踏まえた上での機能係数とした場合には、10カ月という データということにするんですか。それとももう毎月、毎月。そうすると大変な負荷に なると思うんですが。 ○西岡分科会長  大変かもしれないんですけど、多分、各施設は全データを出されているように思うん ですが。  どうぞ。 ○小山委員  恐らくそんなに大きな話じゃなくて、タイムラグがどのぐらいあるかというところだ けの問題なので、余り通年になっても問題はないと思いますけれども、ただ、問題は、 今、EファイルとFファイルがダブったようなファイルを出しているので、ここら辺の 統合はやっぱり考えていただきたいと思うんです。もう少し簡素化するというんですか、 ダブったものを外すとかというような工夫はやっぱりしていただいて、そのかわり、じ ゃ、そういう条件を出すから12カ月ねというようなことは、やっぱりぜひやってほし い。ただ突然、今と同じ12カ月を出せと言うとなかなか問題があるので、ファイルを 少し統廃合しながら、出すものを少し狭めていくからというような話で持っていくなら ば、余り抵抗というか、手間暇はないんじゃないかなと感じます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  じゃ、そうしましたら、データの質、それから期間並びにその手間、労力のところも 考えながら、どういった形にするか、さらに詰めていくことにしまして、この7と8の スライドの部分を、基本としてはここで確認していただけたということにさせていただ きたいと思います。  ここから、どうぞ、それぞれの各論に入りますので、御意見をお願いしたいと思いま す。  どうぞ、邉見委員。 ○邉見委員  ちょっと質問なんですけど、連続的な評価というのは、例えば入院時医学管理加算、 全身麻酔が800というのがありますね。そのときに県立大島病院、奄美大島ですが、 そこからは、うちは780だと。あと20だったらとれるんだけどというふうな場合に は、連続的な評価だったら、この段階の上の下の点線ぐらいまでの点数がつくというふ うな意味でしょうか。そういうふうな意見をいろんなところからいただくんですけど。 ○西岡分科会長  どうぞ、事務局、お願いします。 ○中田補佐  こちらは、既存の出来高の項目を、機能評価係数の中で連続的な係数にしているもの ではなく、これから検討していただく新たな機能評価係数を検討する際には、こういう 考え方があってもいいのではないかといったものでございますので、ちょっと出来高の 考え方とはまた別になると思います。 ○邉見委員  そうすると、私が今言ったような案もあるわけですね。例えば7対1がとれないと。 10対1よりはかなり点数があると。私は8.5対1があってもいいんじゃないかとず っと言っているわけですが、そういうふうな連続的な評価ということになりますね。 ○西岡分科会長  どうぞ、事務局、お願いします。 ○中田補佐  申しわけございません。ここでは、まさに例として挙げさせていただいていますので、 何が連続的な評価にふさわしいのかといったこともあわせて御検討いただかなければい けないというふうに思っておりますので、その点もあわせて、今後、御検討をお願いで きればと思っております。 ○相川委員  確認で、私が先ほど連続に賛成と言ったのは救急のところでありまして、7対1が1 0対1の連続ということは、私は賛成していません。 ○西岡分科会長  ほかに御意見をどうぞ。  どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤委員  私が理解した連続というのは、例えば10カ月なら10カ月をとったときに出てきた アウトプットを連続的な係数として評価するという理解をしたので、毎月毎月データが 施設ごとに変わってくるという話じゃなかったんですけど、どっちなんでしょうか。 ○中田補佐  今のDPCの算定方法上、毎月係数を変えるといったことは実質問題、難しいのでは ないか。なぜかと申しますと、医療機関別係数につきましては告示で定義させていただ いておりますので、もし月ごとで評価すると、月によって大変な変動が出てくるといっ たことになります。  ここでの連続的な評価のイメージにつきましては、データの提出期間が、例えば10 カ月とか通年にするとか、いろいろ御議論はありましたが、例えば必要となる期間をト ータルで考えたときに、その期間のうち、例えば500だったら、500に応じた機能 評価があるのではないかといったことを反映できればというイメージです。 ○西岡分科会長  よろしいですか。  確かに機能評価係数が毎月変わるなんていうことは、ちょっと難しいことであります、 現実ではございませんので。どのくらいのデータをもとにしてそれを算出していくかと いうことでの池上委員の御意見ではないかというふうに思っております。  ほかによろしいでしょうか。  どうぞ、山口委員。 ○山口(俊)委員  評価の2のところなんですけれども、4つ例が記されている、スライドの11、12、 13、14です。最初の11というのは、要するに効率性指数を使ってはどうかと。そ れから12のほうは症例数でどうだということだと思いますが、これが本当にどういう 形でやれば、クオリティーを落とさないできちんと評価できるかぜひ検討していただき たいと思います。というのは、前に手術の施設基準のときに症例数で切られましたけど も、そのとき50例とかそういう数字が出てくるわけですけど、その根拠が全くなく決 められたということで、非常に不満がありました。ですから、みんなが納得できるよう な、そういうデータに裏づけたものでやっていただきたいということが一つです。  それから、今いろいろな学会で専門医をつくろうとしていますが、余り細かくしてし まうと、地域の実態に合わないことが起きてくる可能性があります。例えば、私は胃癌 を主にやっていますけども、胃がんの手術については余り専門医をつくろうという意見 は出てきません。というのは、一般の病院というのは、実態としては、胃がんばっかり やっている医者なんていうのはそんなにいるはずがないわけです。特殊な病院だけだと 思います。一般の病院では大腸がんを50例やり、胃がんを50例やり、胆嚢を100 例やりということで、総合的にクオリティーの高いものを維持しているわけですよね。 専門性を持ってというと虫垂炎の専門家ができたり、変なことになる可能性があります。 そういうものを評価して本当にいいのだろうかということも、ぜひお考えいただきたい と思います。  それから、問題なのは13のほうですけれども、私は胃癌学会のガイドライン作成に も参加して、ガイドラインの推進派です。しかし、例えばガイドラインが100%遵守 されている施設、これは全くとんでもない病院だと思います。要するに、あまり考える こともなく、マニュアルやガイドブックを見るみたいに、こういう患者が来たら、はい、 これだということをやることが、そもそもガイドラインの目的ではありません。ガイド ラインは基本的な治療の流れを示すものであって、それが100%遵守されているよう な病院は、むしろクオリティーが低いといえます。しかも、遵守比率が70%とか80 %、どこが適当かということはガイドラインによって違いますので、そのあたりもよく お考えいただいて評価しないとおかしなことになります。単純にそれを守っているから いい病院、守らないから悪い病院ということではないということをぜひ御理解いただき たいと思います。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  化学療法のレジメンとガイドラインが2つ並んじゃったので、ちょっと誤解を受けて いるところがあるのかもしれないと思いますが、おっしゃるとおりでございます。  ほかに、御意見。  どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤委員  機能評価係数を見せていただくと、ファンクションで関連を主に見ているんだろうと 思うんですが、これでこういったファンクションというか施設基準だけを見ていて、本 当にこの調整係数が1.数倍あるんだろうと思うんですが、これがきちんと収まってく るような状況になっているのか、多分、松田先生とか伏見先生とかがシミュレーション されていると思うんですけど、そこら辺のところを教えていただけるとありがたいなと 思うんですが、いかがでしょうか。 ○西岡分科会長  伏見先生、お願いできますか。 ○伏見委員  すみません、その辺のシミュレーションについては、研究班では特に現在、まだやっ ていませんので、お答えできないんですけども、ただ、考え方としては、先ほどの23 ページの図で、評価係数イコールa掛ける実態をあらわす評価係数と書いてありますが、 このaの部分を幾つにするかということを決めるのが、要するにそれぞれの指標の重み づけを決める働きをいたしますので、例えばこれをゼロにすれば、その指標自体の意味 がないということになりますから、このaをどういうふうに決めるかという議論になっ てきますので、そうすると、結局、やる手順としては、基本的に連続的な評価というこ とが認められていますので、妥当な項目を選んでおいて、最終的にこのaを決める場合 は、例えば演繹的にこの項目であれば何点ぐらいが妥当かと決めたり、あるいは場合に よっては帰納的に回帰係数などを使って求めるという方法ができると思いますので、こ のaをどう決めるかというのは、余りシミュレーション自体ではできる問題ではないん じゃないかと思いますので、手順としては、やはり事務局の方が提示しているように、 まず項目をきちんと固めて、その上でそれぞれの係数の重みづけをどういうふうにする かというのについては、その後の段階の議論という形で、その時点で重みづけをゼロに 限りなく近づければ余り使わない係数という形になってくるわけで、そういう手順でい いんじゃないかと思いますけども。 ○西岡分科会長  伊藤委員、よろしいですか。  どうぞ。 ○佐藤委員  すみません、各論で後発医薬品が出ていないので、少し私が発言させていただきます。  前回、11月7日にも少しお話ししたのですが、いわゆる品質の問題とか包括評価の 上で二重のインセンティブになるのではないかというような御意見もございますが、我 々が今いろいろな医療機関、調剤薬局等での後発医薬品の使用状況を調べますと、やは りDPC病院が低い訳です。特に前回のヒアリングでもそうですが、同じ独立行政法人 でも、我々の国立大学病院とそうでない場合において全く考え方が違うということです。 目的も違うのでしょうが、やはり基本的には医薬品に関して、特に医療資源の有効活用 という意味で、このまま使用状況が低いのは少し問題かなという点も一部ございます。 従って、何らかの形で、インセンティブはやはり必要ではないかということです。もし 新しい機能評価係数とする場合には、国は数量ベースで30%使用というような目標を 上げていますが、現実に保険薬局が30%をクリアしてしまうと、もうそこでやめてし まうというようなことがありえます。通常のいわゆる後発医薬品への変更をさらに促進 するためにも連続的に金額ベースでまず評価をしていくというようなことが必要かと思 われます。医療資源の効率化等への貢献もできるということもありますので、連続的な 評価という部分においては、使用金額のベースを考慮してシミュレーションしていただ ければと思っています。  以上です。 ○池上委員  さっき伏見先生がおっしゃった、aを幾らにするかということが非常に重大な課題で あるんですけど、機能をどう評価するという、いわゆるニーズ面からの評価と同時に、 コスト面の評価が重要ではないかと思います。現実に、aというのは全体のコストの中 でどのくらいの構成比を示しているかということも一つの指標ではあると思いまして、 これはコスト分科会からは委託を受けて、私はその一部を調査しておりますけども、な かなかこの機能を行うために限界的にどれだけ余計費用がかかるかということを見出す ことは難しいのではないかと思うんです。  そうなると、このaというのは、特にこれは出来高の点数を反映しないということに なると、言葉は慎重に言わなきゃいけないんですけど、恣意的になる可能性も出てくる わけです。コストは突出して、これをやることによってどれだけ限界的にかかるかも分 からないし、それからこれは出来高の実績ということに、これまでの機能係数のように 符合しないわけですから、そうすると何を根拠にaを決めるかという、伏見先生はそれ が非常に大きな問題だとおっしゃったんですけど、松田班ではどのように考えておられ るんでしょうか。 ○伏見委員  研究班の今までの議論は、基本的に評価項目にどういうものがあるかということを検 討することをやっておりまして、具体的にそれぞれの評価の重みづけについては、現状 ではまだ検討しておりませんので、ちょっとお答えできません。 ○池上委員  そうすると、松田班に基づくのであれば、エビデンスに基づくんですけど、それが今、 現状ではない以上、aの根拠というのは、何を根拠に決めるか、事務局はどうお考えで しょうか。 ○西岡分科会長  お答えできますか、どうぞ。 ○中田補佐  こちらの連続的評価につきまして、一つの方式といったことで提示させていただいて おりまして、まずこの分科会である程度の、こういった観点で評価すべきではないかと いったような項目をいただければ、その項目に応じまして、我々のほうでさまざまなパ ターンでシミュレーションすることができると思います。そのシミュレーションをする に当たって、例えばこのaの重みづけをこういった観点で行った場合、こういう観点で 行った場合といった御意見をいただければ、またそれに応じた分析等を行ってまいりた いと思っていますので、今、現段階でここをどうするかという議論に入る前に、まずは どういった項目を評価するかといったところを固めていただければ、大変、今後の分析 もやりやすいと思っています。 ○池上委員  すみません、お言葉ですけど、具体的な係数の位置づけが客観的に決められないもの を挙げてもしようがないんじゃないかという言い方もあるんです。これはエキスパート オピニオンで、aを1.001にしましょうということは決めることはできますけど、 それは何を根拠にやったかというと、この分科会の合意ですということ以外は難しいん じゃないかと思うんですけど。 ○西岡分科会長  たとえ合意しても、やはりちゃんといろんな方から見て、なるほどなという形の合意 でないと、勝手にやっているという存在になってしまいます。  どうぞ。 ○小山委員  基本的には予算があるわけですから、その中で収めなきゃならないわけだから、そこ でもう上限がある程度決められているわけだから、それでもって、伏見先生は今、検討 されていないと言ったけど、データは全部持っているわけですから、そこをベースに検 討することは十分できると思うんですけど、どうですか。 ○伏見委員  検討する場合の重みづけの配分の基準というものから考えていかなきゃならないので、 研究班では、現状ではその議論もまだ全然していないですので、ごく簡単に言えば、一 番簡単な方法は、今の医療機関別係数に対して重回帰分析をやればどんなものになるか なというのは出せるかもしれませんけども、今思いつくのはその点で、池上委員がコス トに関するものは非常に難しいんじゃないかということですが、恐らく演繹的に行うの は難しいので、多分、帰納的な方法で探していくという方法になるんじゃないかという ふうに思っています。 ○西岡分科会長  どうぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  aの問題というのは、結局それぞれの医療行為ないし活動の評価に関した問題で、年 間に救急患者をたくさん入れるということが非常に重要だというのであれば高いaがつ くわけですよね。それは前に出た話のように、DPC病院が国民から何を期待されてい るのか、国民がDPC病院として担ってもらいたいものは何なのかという視点をやっぱ り見失うことはできないと思うんです。そういうものをエビデンスとか帰納法とか、そ ういうものに求めるのはちょっと無理があるんじゃないかなという気がして、これはか なりフィロソフィーに関係したことになりますので。だけども、決めないわけにはいか ないとすれば、ここなんかはエキスパートがおられるわけだし、それを踏まえた厚労省 の事務局があるので、試案のようなものをある段階でつくって、その証拠をどうして、 じゃ、救急のaは1.05で2にならないのかとか、そういうことを強く迫ってもこれ はなかなか難しいんだけれども、おおむね妥当であろうというところでaを求めざるを 得ないんじゃないかなと。この種の仕事は結局そういうことで、エビデンスをエビデン スといってやっても、ないものねだりで空回りすることになりそうな予感が、私はいた します。国民のニードからだんだんかけ離れていって、変なデータの羅列で無理にはじ き出したものになるという可能性があるんじゃないかなと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  どうぞ、酒巻委員。 ○酒巻委員  私も今の意見に賛成でして、ある程度計算が可能であるというのは伏見先生が先ほど おっしゃったので、そこの数値は見せていただくことにして、その上で何らかのインセ ンティブを社会的には与えていくという形が最もふさわしいのではないかというふうに 思います。それは、ここだけの意見ではなくて、ほかにも大いに議論するところがある でしょうから、その場面でやっていただければいいんじゃないかというふうに思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。貴重な助け船の御意見、お二人の委員に感謝いたします。  このことに関しまして、さらに議論を深めていきたいと思うんですが、一応今日、具 体例のようなものを出していただいているんですが、こういったものをまず第1段階と して、項目として取り上げると。さらにもっと適切なものがあれば、さらに加えていく といったような操作を今後繰り返す必要があるのかなと思っておりますので、よろしく お願いいたします。  それでは、時間の関係もございますので、次の議題に移らせていただきたいと思いま す。  平成20年度特別調査、再入院に係る調査についてということでございます。  事務局、御説明をお願いします。 ○中田補佐  お手元の資料D−4をごらんいただきたいと思います。「平成20年度特別調査、再 入院に係る調査について(案)」でございます。こちらにつきましては、もう既に平成 16年度より特別調査として継続して再入院調査を行っているところでございます。  今回、御提案させていただくものにつきましては、2、平成20年度においても特別 調査を実施してはどうかといったものでございまして、内容については、原則として昨 年度と同様で行うといったものでございます。その概要につきましては2ページ目の別 添で示したとおりでございまして、調査対象機関、患者につきましては、昨年度と同様 でございます。  3でございますが、平成20年度改定におきまして、3日以内の再入院、病棟間の転 棟に伴う再転棟は1入院として取り扱うという算定ルールの見直しを行っておりますが、 その影響を検証するために、そうした場合も調査対象に含めるといったことを留意事項 としてつけ加えさせていただいております。  こちらにつきましては、もし御承認いただければ、昨年度と同様の方法で我々事務局 のほうから調査を開始させていただきたいと思っております。こちらの検証につきまし てはデータを取りまとめ、いわゆる本体調査とあわせて御報告させていただきたいと思 っております。  以上でございます。 ○西岡分科会長  今の件に関しまして、これまでのデータとの整合性あるいは比較が必要になりますの で、事務局の御提案のとおりでよろしいかと思うんですが、よろしいでしょうか。  それから、今までは再入院調査を特別調査班として掲げていたのですが、それも本体 調査と一緒にやっていただくという流れではどうかということでございます。よろしい でしょうか。  それでは、今の御説明に対しまして、何か御質問等ございますでしょうか。  それでは、今日はいい議論をしていただきまして、ありがとうございました。  本日の議論は以上としたいと思います。  事務局のほうから御連絡等があると思うんですが、お願いします。 ○中田補佐  ありがとうございました。  次回の開催につきましては、来週17日水曜日の13時30分から15時まで、厚労 省17階の18から20会議室において実施する予定でございます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  それでは、平成20年度第7回診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)を終了さ せていただきます。  本日は、お忙しい中ありがとうございました。 −了− 【照会先】  厚生労働省保険局医療課包括医療推進係  代表 03−5253−1111(内線3278)