08/12/09 第20回社会保障審議会少子化対策特別部会議事録 日時:2008年12月9日(火) 17:00〜19:00 場所:厚生労働省 省議室(9階) 出席者:  委員   大日向部会長、岩渕部会長代理、岩村委員、大石委員、清原委員、駒村委員、   佐藤委員、篠原委員、庄司委員、杉山委員、宮島委員、山縣委員、吉田委員  参考人(オブザーバー)   三重県健康福祉部総括室長(こども分野) 速水恒夫参考人(野呂委員代理)   社団法人日本経済団体連合会経済第三本部長 今井克一参考人(福島委員代理)  事務局   村木雇用均等・児童家庭局長、北村審議官、高倉総務課長、堀井調査官、朝川少子化   対策企画室長、杉上虐待防止対策室長、定塚職業家庭両立課長、藤原家庭福祉課長、   田中育成環境課長、中村児童手当管理室長、今里保育課長 議題:  次世代育成支援のための新たな制度体系の設計について   社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告(案)(議論のたたき台)について 配付資料: 資料1 社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告(案)     〜次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて〜      (議論のたたき台)(概要) 資料2 社会保障審議会少子化対策特別部会 第1次報告(案)     〜次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に向けて〜      (議論のたたき台) 資料3 今後の保育制度の姿(案) (事務局の整理による考え方の比較表)(概要) 資料4 今後の保育制度の姿(案) (事務局の整理による考え方の比較表) 参考資料1 社会保障審議会少子化対策特別部会第10回(9/5)〜第19回(12/3)における委      員等から出された主な議論 参考資料2 委員よりお求めのあった資料 配付資料 清原委員提出資料 議事: ○大日向部会長  定刻になりましたので、ただ今から「第20回社会保障審議会少子化対策特別部会」を開 催いたします。委員の皆様方には、ご多用のところをお集まりいただきまして、ありがと うございます。会議に先立ちまして、事務局より資料の確認と委員の出席状況に関してご 報告をお願いいたします。 ○朝川少子化対策企画室長  それでは、お手元に配付させていただいております資料の確認をさせていただきます。 一番上に清原委員からご提出いただいたご意見を用意しております。その下に、議事次第 がありまして、その下に、資料1として「第1次報告(案) 議論のたたき台・概要」があり ます。資料2として、「第1時報告(案) 議論のたたき台」。その下に、委員のお手元の資料 としてはA3の紙で、「今後の保育制度の姿(案) 概要」。資料4としまして、その本体。そ の下に参考資料1としまして、これまでの部会で委員等から出された主な議論の資料です。 参考資料2としまして、委員からお求めのあった資料をお手元に配付させていただいてお ります。不足等がございましたら、事務局にお声を掛けていただければと思います。  委員の出席状況でございますが、本日は内海委員、野呂委員、福島委員、山本委員から ご都合によりご欠席との連絡をいただいております。それから、岩村委員と清原委員はご 出席の予定ですが、到着が遅れるとの連絡をいただいております。それから、清原委員、 佐藤委員は途中でご退席される予定とお伺いしております。なお、本日ご欠席の野呂委員 の代理としまして、三重県健康福祉部総括室長の速水恒夫参考人、福島委員の代理としま して、社団法人日本経済団体連合会経済第三本部長の今井克一参考人にご出席いただいて おります。ご出席いただいております委員の皆様方は定足数を超えておりますので、会議 は成立しております。以上でございます。 ○大日向部会長  ありがとうございました。議事に入ります前に、本日ご欠席の委員の代理としてご出席 いただいています参考人のご出席につきましてお諮りいたします。三重県健康福祉部総括 室長こども分野の速水恒夫参考人、福島委員の代理としてご出席いただいております、社 団法人日本経済団体連合会経済第三本部長の今井克一参考人のご出席についてご異議はあ りませんか。  (「異議なし」の声あり) ○大日向部会長  ありがとうございます。それでは、議事に入りたいと思います。本日は、お手元の議事 次第にありますように、本少子化対策特別部会における議論の第1次報告に向けたご議論 をいただきたいと思います。本日は、前回までの本部会における皆様のご議論を整理し、 事務局において報告書のたたき台となる資料をおまとめいただいておりますので、このた たき台に沿って皆様にご議論をお願いしたいと存じます。秋以降、多岐にわたる論点をご 議論いただいたものを整理した内容となっております。十分皆様にご理解いただいた上で、 ご議論をしていただくことが重要と考えますので、本少子化対策特別部会における第1次 報告(案)のたたき台につきましては、本日少し時間を掛けて丁寧に事務局より説明をお願い いたします。 ○朝川少子化対策企画室長  それでは、説明をさせていただきます。資料1〜4ですが、資料1と資料3が概要でござ います。本文は資料2と資料4でございます。  まず、資料1をご覧いただきます。一番上の四角で囲んでいる部分は、たたき台の第1 次報告(案)の性格についてでございますが、本年3月に検討を開始していただいて、5月に 「基本的考え方」をとりまとめていただきました。その後、いわゆる骨太の方針において 「保育サービスの規制改革について平成20年内に結論」とされるなど、各方面より指摘を いただいてございます。「基本的考え方」やこうした指摘も踏まえて、9月に議論を再開し ていただいて、議論を重ねていただき、保育を中心に議論の中間的なとりまとめを行うと いう性格のものでございます。  この資料1は概要で、まず、中身の前に全体の骨格がどうなっているかを見ていただけ ればと思います。あとで、本文でポイント部分を見ていただきますけれども、まず大きい 構成を見ていただきますと、1番としまして、「これからの保育制度のあり方」という部分 がありまして、4ページ目のところで、2番として保育以外に「放課後児童クラブについて」、 3番として「すべての子育て家庭に対する支援について」、4番として「情報公表・評価の 仕組みについて」、5番として「財源・費用負担・新たな制度体系について」としてござい ます。  1番の「保育制度のあり方」につきましては、(1)で保育制度がこれまで果たしてきた役 割について整理しまして、(2)で「検討に際しての前提」、これは「基本的考え方」の整理を 踏襲しております。(3)としまして、「保育をとりまく近年の社会環境の変化」を5点ほど挙 げさせていただいて、2ページ目の(4)としまして、「現行の保育制度の課題」を6点ほど挙 げさせていただいております。その上で、3ページ目の一番下の(5)でございますが、「今後 の保育制度の姿」ということで、別添となっております。  説明が前後して恐縮ですけれども、まず(5)の「今後の保育制度の姿」の部分からご説明 させていただきます。資料3と資料4をお開きいただいて、資料3を脇に置いていただき ながら、資料4を見ていただければと思います。資料4の表紙に※印で書いてあります通 り、これは関係者の多様な考え方の中から典型的なものを事務局において整理したもので ございます。1枚おめくりいただきまして、ご覧になってわかります通り、三つの案を併記 してございます。左側に「現行制度維持」と書いています。真ん中が「新たな保育の仕組 み」。右側が「市場原理に基づく直接契約・バウチャー方式」と書いています。資料3の方 を見ていただきますと、一番上にそれぞれの案の基本的考え方を整理しています。左側の 「現行制度維持」の案につきましては、量の拡充、あるいは多様なニーズへの対応という のは、制度的な問題というよりも財源が不十分であるためなので、財源確保とともに、運 用改善を行うべきであるということを基本に作成しております。真ん中の案は、量の拡充 あるいは多様なニーズへの対応というのは、財源が不十分であるというだけではなくて、 制度の起因する問題もあるのではないか。財源確保とともに、必要な改革を行うべきとい う考え方で作っております。右側の案は、量の拡充、多様なニーズへの対応は、市場原理 に委ねることによって達成されるべきであるということで、主に価格を通じた需給調整に 委ねてはどうかという案でございます。これも市場原理に基づいて、我々が考えてみると こういう方式になるのではないかということで考えましたので、そのようなものとご理解 いただければと思います。  資料4に即して説明してまいりますが、1番目としまして「保育の必要性等の判断につい て」でございます。その一つ目、基本的仕組みのところは、左側の案につきましては、ご 案内の通り、市町村が保育の必要性あるいは量、あるいは優先度、それと受入先保育所の 決定、この三つを一体的に判断するという仕組みでございます。この場合、受入先の保育 所が足りない場合は、必要性・量について独立した判断がなされないので、「想定される課 題」としては、需要が明確にならない、あるいは保育の実施義務の例外とも相まって、十 分なサービス量の拡充が進まないという課題が考えられます。一方、真ん中の案につきま しては、(1)と(2)の部分ですが、必要性の判断、量の判断、あるいは優先度の判断を独立さ せまして、※印部分の矢印にあります通り、客観的に必要性が判断されたものに対する例 外ない受給権付与で、需要を明確化させるというものでございます。二つ目の※印にあり ます通り、優先度の判断に関連しまして、保育所の応諾義務、あるいは優先的に利用を確 保されるべき子どもの優先受入義務といったものを併せて講じるという内容です。想定さ れる課題としましては、需要が顕在化しますのでこれまで抑制されてきた潜在的な保育需 要が顕在化し、財源確保が必要になってくるというものでございます。右側の案は、市町 村の方で就労家庭か専業主婦家庭かなど粗い確認をした上でバウチャー額を決定して、低 所得者等の利用確保がされにくい方にはバウチャー額を上乗せするということになろうか と思います。あるいは市町村が判断するのではなくて保育所が保育の必要性・量について 確認するという方法もバリエーションとしては考えられると思います。課題としましては、 実際の保育の利用の可否・量・質等は、事業者の設定する価格の支払の可否によって決ま りますので、所得によって階層化が避け難いのではないかという点。あるいは、優先的に 利用確保がされるべき子どもについて、バウチャー額の上乗せでは、確実な利用確保が図 られない恐れがある。三つ目としては、保育所が確認する方法の場合は、確実な確認が難 しく、財政膨張の恐れもあるということでございます。  次に、(2)「判断基準の設定」でございますが、ここの左側と真ん中の欄は共通と考えら れますので、分けずに記載しています。一つ目の丸のところは、給付対象範囲、短時間労 働者であるとか求職者、あるいは優先的に利用確保されるべき子ども、母子家庭のケース あるいは虐待のケースなどの基本的な事項については国が基準を設定し、その上で、地域 の実情に応じた基準の設定を可能にしてはどうか。例えば、児童減少地域での子ども集団 の保障であるとか、親の就労だけでは割り切れない要素。あるいはその地域の実情に応じ た方が良いというようなきめ細かい判断基準といったところは、地方に委ねてはどうかと いうものでございます。想定される課題は、同じく潜在的需要が顕在化するので、財源確 保が必要ということです。右側の案は、基本的にはすべての子育て家庭を対象にしていく ということかと思いますので、粗い区分によって均等にバウチャーで配分をしていく。想 定される課題としては、バウチャー額が不十分であれば、差額の自己負担を上乗せしなけ れば利用できず、結果として女性の労働市場参加が十分進まないのではないかということ が考えられます。  1ページおめくりいただきまして、(3)の「判断基準の内容(給付対象範囲)」についてでご ざいます。これも左側と真ん中の欄は共通にしています。まず一つ目は、就労を理由とす るものについて、短時間就労者については就労の量に応じて必要量を判断したらどうか。2 点目としましては、昼間の保育を基本としつつも、早朝・夜間など時間にかかわらず必要 量を判断したらどうか。3点目としては、求職者に対しても必要性を認めたらどうかとして います。二つ目の丸は、こういう就労以外の事由、例えば、同居親族の介護であるとか、 保護者の疾病・障害、あるいは虐待のケースなどについても保障していくということにし たらどうかというものです。三つ目は、前回もご議論いただいていますが、同居親族の有 無を問わず必要性を認めていったらどうかということです。四つ目は、専業主婦家庭につ いては一定量の一時預かりを保障していったらどうかと書かせていただいております。※ 印のところは、留意点を四つほど書いていますが、一つ目は、優先的に利用を確保すべき 子どもに加えて、需要が供給を上回る地域における、例えばフルタイム勤労者と短時間労 働者の優先度の判断の必要性の有無・方法等については、さらに検討する必要があるとい うこと。二つ目の※印としては、短時間勤務者など定期的で、かつ短時間の利用の場合は、 フルタイムの利用と受け皿を別にするかどうかという論点がありますが、これは基本的に 個々の事業者の判断と考えられますが、新たな給付類型を設けるかどうかは、さらに検討 ということです。三つ目の※印は、専業主婦家庭など不定期でかつ一時的な利用のものに ついては、就労者など定期的な利用とは別の受け皿とすることを基本として、一時預かり として保障していったらどうかということです。四つ目の※印は、保護者が非就労である 障害児については、障害者施策との関係も含め、さらに検討が必要としております。想定 される課題は、財源確保が必要ということで、同じでございます。  次に(4)の「給付上限量」についてでございますが、左側の欄は、現行制度を維持という ことですので、11時間開所8時間利用を基本とし、11時間の開所時間を超える利用は延長 保育ということで、実施の有無・保育料の設定は、各市町村あるいは保育所の判断による ということでございます。想定される課題としては、開所時間に利用の時間帯が合致する か否かで、利用できる量や保育料が決まって、不公平な側面があるのではないかというこ とです。真ん中の案は、利用者ごとに、給付上限量(時間)を、例えば週当たり2〜3区分程 度で判断したらどうか。例えば、フルタイムの人と長めのパートの人と短めのパートの人 といったように区分したらどうか。二つ目の丸は、働き方の見直しが同時に進められるべ きであることを踏まえまして、就労時間と通勤に要する時間といったことを考慮して、さ らにこの上限量については検討したらどうかということです。※印のところは、その給付 上限量の時間を超える利用(超過勤務等に伴う利用)に対する財政支援のあり方についても、 さらに検討が必要としております。想定される課題としては、この給付上限量を超える利 用について一定の支援を行う場合は、働き方の見直しに積極的な事業主の負担軽減措置等 も併せて検討する必要があるのではないかとしております。  1ページおめくりいただいて、(5)の「優先的に利用確保されるべき子どものための仕組 み」でございます。一番上のところは、真ん中と左側を共通にしておりますが、優先的に 利用確保されるべき子どもについては、市町村が保育に必要性・量の判断と併せて、優先 度を判断としています。右側の案は、保育の必要性が高い子どもはバウチャー額を上乗せ ということが考えられます。その課題としては、優先的に利用確保されるべき子どもにつ いて、確実な受入れが担保できないのではないか。あるいは選択権も保障されないのでは ないか。あるいは保護者の自発的な利用申込みが期待できないケースの解決が難しいので はないかとしております。左側の案の二つ目のところを見ていただきますと、現行制度維 持ですので、市町村が入所保育所を決定する仕組みになります。入所決定の中で優先度を 反映させるという案です。想定される課題としては、優先的に利用確保されるべき子ども について、選択権が十分保障されない場合があり得るのではないかということです。真ん 中の案は、保育所に応諾義務を課すとともに、優先受入れ義務を課してはどうかというこ とでございます。想定される課題としては、優先的に利用確保されるべき子どもが緊急的 に生じた場合には、その受け皿の確保策について検討が必要ということです。その下の欄 は、左側と真ん中が共通ですが、虐待事例など、保護者の自発的な利用申込みが期待でき ないケースについては、市町村が保育の利用申込みの勧奨を行ったり、意思決定を補佐す るとともに、必要な場合は児童養護施設等への措置を実施してはどうかということです。 留意事項として、こうした市町村としての公的関与の中で、虐待事例等について、関係機 関が連携する市町村の支援のネットワークに適切につないでいく仕組みも必要としていま す。※印のところでは、低所得者、障害などを理由に、事業者の不適切な選別によりサー ビス利用ができなくなることがないよう、公正な選考を保障する仕組みについては、さら に検討が必要としております。  5ページ目の大きい2番目は「保育の提供の仕組み」についてです。こちらについては、 資料3の2ページ目の下の図を併せて見ていただきながら、聞いていただければと思いま す。まず、(1)の「利用保障の基本的仕組み」については、左側の現行維持案は、現行制度 維持ですので市町村の「保育の実施義務」の履行を通じて保障していく。現行の「保育の 実施義務」に関する例外規定があるという問題点については、その厳格な運用を行うよう 市町村に周知徹底するという対応です。この案については、※印にあります通り、過去の 傾向を見ますと、市町村の事業で同化・定着したものは、一般財源化される傾向があると いう課題があります。この案の想定される課題としましては、市町村の判断に委ねる仕組 みを維持する以上、より厳格な運用を求めても、厳しい市町村財政の中、自ずと限界があ るのではないか。現実の問題として、長期にわたって、市町村の努力が続けられた結果と して、待機児童が解消に至っていない現状があるという問題があります。真ん中の案は、 客観的に必要性が判断された者に、受給権を例外なく付与する。その上で、市町村に実施 責任をかけるということで、三つ書いていますが、一つは、保育の費用の給付義務を課す る、もう一つは、地域の提供基盤の整備計画等を通じたサービスの基盤整備の責任、三つ 目は、利用調整等の支援の責任、そういったものを課してはどうかというものでございま す。右側の案は、受給権をバウチャーで付与するというものでございます。  (2)の「利用方式」でございますが、現行制度は市町村と利用者、市町村と保育所の間に 契約関係があって、利用者と保育所の間の契約関係はなし、これを維持するというもので す。課題としましては、利用者と保育所が協働して機動的により良い保育を目指していく 関係になりにくいのではないか。保育所側にとっても利用者の声に応えづらい側面がある のではないか。二つ目としては、今後の需要動向が個別の保育所に伝わりにくいなど、供 給増が適切になされにくいのではないかという課題が考えられます。真ん中の案は、市町 村と利用者、市町村と保育所の間の関係・適切な関与に加えまして、利用者が保育所と受 給権に基づく公的な契約を結んで、より向き合う関係を作ってはどうか。新たな三者関係 を構築してはどうかという案でございます。※印にあります通り、資料3の図の方を見て いただきますと、まずは受給権が与えられた後に(3)で利用者から保育所に申込みという形 になりまして、この場合、供給が少なくて需要の方が多い場合は第1希望がかなわず、第2 希望、第3希望といって、利用者側に混乱が生じるのではないかという問題があったり、 あるいは保育所側から見れば、選考の円滑な実施が難しいのではないかという課題があり ますので、※印のところは、その申込み手続きでありますとか、保育所の募集・選考等の 円滑・公平な実施のために、市町村の一定の関与や、第三者によるコーディネート等の仕 組みについて、さらに検討が必要としております。ここの部分を指して、上の欄、あるい はこの図でいいますと、市町村から右下に出ている矢印のところに「利用調整等」とある のは、そういったことを意味しております。ここで「公的契約」と称していますのは、右 側の案は、いわゆる直接契約ということで市場原理に基づく直接契約ですので、契約内容 も自由というのが原則だと思いますが、真ん中の案は、例えば公定価格であるとか、ある いは一定の基準を満たしたサービスを提供しなければいけないとか、法令に基づく内容が 組み込まれた契約という意味で公的契約と書かせていただいております。  次に6ページ目をお開きいただきまして、大きい3番の「参入の仕組み」でございます。 (1)「参入の基本的な仕組み」の左側の案は、将来の児童数の減少等を勘案して、裁量性あ る現行の都道府県の認可制度を存置するというものです。量の拡大については、施設整備 費や運営費といったものの国庫負担の引上げなどで参入を期待するという案でございます。 課題としましては、必要な保育量の拡充が図られず、女性の労働市場参加が進まないこと により、我が国の社会経済が縮小均衡に陥り、ひいては社会保障全体の持続可能性にもか かわること。もう一つは、税源委譲・地方分権の強い流れの中で、国庫負担割合の大幅な 引上げというのは現実性がないのではないかという課題でございます。真ん中の案は、客 観的な基準、現行でいう最低基準でございますが、最低基準を満たす事業者は給付対象と する仕組みとする。制度上は客観的基準に基づいて対象にするという意味で、指定制と書 かせていただいております。課題としては、財源が必要だということです。一方、右側の 案は、幅広く利用者が選択するという案でございます。課題としましては、保育の質が担 保されないということがあります。  (2)でございますが、「NPO法人等に対する施設整備補助」について、左側の案は現行制 度維持ですので、施設整備費補助は、社会福祉法人に限定するという案です。課題として は、初期投資費用が回収できないため、多様な主体の参入が図られない、必要な保育量の 拡充が進まないというものです。真ん中の案は、施設整備費については、その減価償却費 相当分を運営費に上乗せするということを検討してはどうかというものです。併せて、集 中的な整備の促進のための補助であるとか、経過期間中の改修費用などの補助は維持する 必要があるだろうというものです。右側の案は、事業者が、自由に設定する利用料におい て、整備費用も回収するというものでございます。  (3)「運営費の使途制限」につきましては、左側の案は基本的には現行維持ですので、使 途制限を掛けるということだと思います。課題としては、運営実績を有する法人による新 規の保育所開設が行いにくいということです。真ん中の案は、他制度の例も参考に見直し をするということで、例えば、社会福祉法人会計基準の適用につきましては、指導監督の 適切性が確保できるか等の観点も含めて、引き続き検討が必要としています。想定される 課題としては、株式会社の配当の可否について、事業運営の安定性の確保、あるいは保育 事業以外への資金の流出の妥当性等の観点も含めて、さらに慎重に検討が必要としてござ います。右側の案は、配当も含め自由という案でございます。  7ページ目、(4)でございますが、「多様な提供主体の参入、量の拡充に際しての『質』の 担保・指導監督」についてですが、これは左側も真ん中も共通に書いています。突然の撤 退等により子どもの保育の確保が困難となることがないような措置、例えば公的関与のあ り方であるとか、事業者に対する監査のあり方などについて、さらに検討としています。 右側の案は、競争によって質の確保を図るというものでございます。  8ページ目をお開きいただきまして、大きい4番の「最低基準」ですが、左側と真ん中は 共通です。客観的基準、最低基準を満たす事業者を給付対象として、保育の質を確保する というものです。想定される課題としては、直ちに基準を満たすことが困難な認可外保育 施設の質の引上げを図っていく必要があるということ。あるいは、給付対象となるサービ スのみでは需要を満たし得ない地域における利用者間の公平性の確保といった課題がござ います。  大きい5番は、「費用設定」でございますが、これも左側と真ん中は共通です。所得にか かわりなく一定の質の保育を保障するために、保育の価格について公定する。これは、補 助する額も利用者の負担額も公定価格としております。右側の案は、まさにここが一番異 なるところだと思いますが、事業者が自由に価格を設定するということです。右側の案の 課題としましては、所得によるサービスの階層化が避け難いということと、2点目としては、 需要が供給を上回る地域では価格の高騰が避けられず、価格により需給が調整される結果 として、女性の労働市場参加も進まない。三つ目として、低所得者の負担軽減が十分でな くなるという問題です。左側と真ん中の案の課題としましては、付加的なサービスについ ての価格設定の取扱いについてはさらに検討が必要としています。  6番目の「給付方法」でございますが、左側の案は現行制度維持ですので、市町村が保育 所に対して委託費として月単位で運営費を払う。保育料については、市町村が徴収すると いうものでございます。一方、右側の案は、市町村が利用者へバウチャーを直接補助の形 で支給するということです。真ん中の案は、市町村が利用者に対して給付義務を負う、利 用者に対して給付するということですが、実務上は市町村が保育所に対して支払を行う、 代理受領の構成をとるというものでございます。その上で、利用の量に応じて単価設定を するということを基本としながらも、安定的な運営に配慮する必要があるというものでご ざいます。保育料の徴収については、原則は保育所が行うことを基本としながら、未納が あっても子どもの保育が確保されるための方策が必要でございますので、さらに検討が必 要としています。  9ページ目でございますが、「認可保育所の質の向上」についてでございます。「最低基準 のあり方」は、左側と真ん中を共通にしていますが、地域によって子どもに保障される保育 の質が異なることがあってはならず、最低限の水準を確保すべきであるとしております。  その下の欄ですが、「保育の質の具体的向上」につきましては、一つ目の丸のところは、 子どもの最善の利益を保障し、子どもの健やかな育ちを支援するため、保育を直接受ける 子どもの視点をいかに担保できるかという視点に立って、保育の質の維持・向上を図って いく必要がある。その上で、質を考える上では、子どもとともに親が成長するということ の支援、子どもと親が地域社会とのつながりを強める場としての機能、保護者と保育所が ともに子どものことを考える環境、保護者の満足感といった親の観点からの視点も重要と しています。  二つ目の丸は具体的にということですが、親支援の必要性、障害児の受け入れの増加、 ひとり親家庭の増加などを踏まえて、保育所に求められる役割、あるいは専門性が高まっ てきていることに対応して、保育の質の向上、具体的には職員配置、保育士の処遇、専門 性の確保などについて、財源確保と併せさらに検討としています。  下の※印は留意事項でございますが、保育の実施に責任を有する市町村が保育の質の確 保のために取り組むということや、第三者評価も含めた運営の検証・評価の取り組みを進 めることも重要としております。※印の二つ目は、保育の質の維持・向上のためには、行 政による監査の徹底評価、あるいは保育士と子どもとの間の安定的関係の観点から、離職 率といった点の把握・点検できる仕組み。保育士の職場環境が変わる中、実際の保育現場 で実践できる保育士の育成・研修、あるいは保育士の特性と能力を最大限発揮するための 職場のマネジメントなども重要としています。  三つ目の丸は研修についてでございますが、施設長や福祉に対する研修の制度的保障の 強化や、あるいはステップアップが図られる仕組みについて、研修の受講を可能とするた めにも、配置基準の見直しについて、財源確保と併せてさらに検討としています。一番の 下のところは、さらにこういう研修や実務経験を通じてステップアップしたものの配置に ついて、給付において評価するなど、処遇改善を併せて進めていくことについて、財源確 保と併せてさらに検討としています。  ※印のところは、量の抜本的拡充を図るに当たって、保育士の計画的養成をさらに検討 する必要があるということと、あともう一つ、研修の制度的保障の強化に当たっては、認 可保育所のみならず、認可外保育施設まで含めて、地域内のすべての保育従事者に対して 行うものとする方向で、さらに検討する必要があるとしています。これはいずれも、財源 確保と併せて検討する必要があるという課題でございます。  右側の案は、基本的には競争によって質の確保を図るということでございますが、課題 としては、市場を通じた淘汰には時間を必要として、悪質な事業者によるサービス提供を 受けた子どもの不利益は撤回が難しいという、非常に難しい問題があるということです。  一番下のところは、質に関する継続的な検証の仕組みの構築については、左側と真ん中 を共通に、保育の質が子どもの育ちに与える影響などについて、科学的・実証的な調査・ 研究により、継続的に検証を行っていく仕組みを構築するとしています。  10ページ目は、8番「認可外保育施設の質の引上げ」でございます。左側と真ん中は共 通で、まずは最低基準を満たした施設を給付対象とすることを基本とするということでご ざいます。二つ目の左側の案は、その上で認可外保育施設については、指導強化によって 質を引き上げている。課題としては、財政支援なしに本当に引き上げられるかという課題 です。真ん中の案は、認可外保育施設を現に利用している子どもも含め、すべての子ども に健やかな育ちを保障する観点から、最低基準への到達に向け、一定水準以上の施設に対 して、一定期間の経過的な財政支援が必要としています。  ※印が三つございますが、まずこの場合、どの水準の施設まで経過的な支援の対象とす るかということは、さらに検討が必要だということと、二つ目としては、無資格の従事者 が業務に従事しながら資格取得が図られる仕組みを含めて、認可外保育施設の従事者に対 する研修のあり方は、さらに検討が必要。三つ目の※印は、最低基準を満たす保育の量の 拡充とか、あるいは二つ目の丸で出てきました経過的な支援を行ってもなお、給付対象サ ービスのみで需要を満たし得ない地域における利用者間の公平性の確保の方法については、 さらに検討としています。課題といたしましても、一定期間経過後も移行できない施設を どうするかは、さらに検討が必要としています。右側の案は、認可も認可外も問わずバウ チャーを充当可能にするというものでございます。この欄の一番下に、左側と真ん中を共 通に書いてありますのは、認可外保育施設の質の確保・向上に向けて、いずれにしても都 道府県の指導監督の強化とともに、市町村と連携した取り組みをさらに検討していく必要 があるとしています。  二つ目の箱は、「小規模サービス類型の創設」ということで、家庭的保育事業に加えまし て、新たに小規模保育サービス類型を創設したらどうかとしています。必要な基準はさら に検討が必要です。これも財源確保と併せて検討です。  一番下の、「早朝・夜間保育」につきましては、その特性を踏まえまして、必要な基準な どについてさらに検討。これも財源確保と併せて検討でございます。  11ページ目。9番「地域の保育機能の維持・向上」につきましては、小規模サービス類 型の創設は同じでございまして、真ん中のところの多機能型の支援につきましては、人口 減少地域において、保育所が地域の子育て支援拠点、あるいは児童館・放課後クラブの役 割を併せて担う「多機能型」を支援することによって、地域の子育て支援の拠点として、 あるいは地域社会の核としての役割を果たすことを支援するというものでございます。基 準などについてはさらに検討が必要。さらに財源確保と併せて検討が必要ということです。 一番下のところは、人口減少地域の実情に応じた保育所の機能のあり方について、さらに 検討する必要があるとしています。  12ページ目でございますが、10番「多様な保育サービス」。その中のまず休日保育・夜 間保育についてですが、左側の案は、二つ目の丸を見ていただきますと、認可保育所の中 での実施の要否を市町村の判断に委ねた上で、必要なかかり増し経費を奨励的に補助する 仕組み。実施保育所数は抑制可。認可に裁量性ということでございます。この課題として は、量の拡充が十分に進むかどうかという問題です。真ん中の案は、曜日や時間帯を問わ ず、個人に必要な保育量が認められ、受給権が付与される仕組みということで、裁量性の ない指定ということです。※印のところは、利用者が限られ、需要が分散しているこれら のサービスはそういう特性がありますので、市町村による計画的な基盤整備の仕組みはさ らに検討が必要で、もう一つ、さらに児童人口が少ないなどによって、市町村単位では需 要がまとまらないような地域における実施方法についても、さらに検討が必要。もう一つ、 夜間保育についてはその特性を踏まえ、必要な基準などについてはさらに検討が必要とい うことでございます。  13ページ目は引き続いて延長保育などですが、左側の案は休日・夜間と同じようなこと です。真ん中の案は、これも基本的な枠組みは休日・夜間保育と同じですが、就労の量に 応じて保育の必要量が認められる仕組みとする案ですので、こういう延長保育なども連続 的にサービス保障がなされるということになります。二つ目の丸は、先ほども給付上限量 のところで出てまいりましたが、上限量を超えて利用する場合、※印ですが、その財政支 援についてはさらに検討が必要と書いています。二つ目の※印は、延長保育の利用者が少 ない場合、ファミリー・サポート・センターなどを含めて、子どもにどのように最適な保 育を提供していくか、そこもさらに検討が必要としております。課題としては、給付上限 量を超える利用に一定の支援を行う場合、働き方などの見直しに積極的な事業主の負担軽 減措置なども併せて検討が必要としています。  その下の欄の小規模類型は同じですので省略しまして、下の「病児・病後児保育」につ いて、真ん中の案は、裁量性のない指定制を導入するということと、実績を評価しつつ、 安定的運営にも配慮した給付設定をさらに検討していく必要がある。※印のところは、こ こは当然働き方の見直しを同時に進めていく必要があるということと、二つ目の※印は、 子どもに健康・安全が確保される水準の保障とともに、利用しやすい多様なサービスの量 の拡充に向けた仕組みもさらに検討が必要としております。  最後の14ページ目ですが、「情報公表・評価の仕組み」につきましては、これは左右真 ん中共通で、まず情報公表については、利用者のよりよい選択、情報の公表を通じたサー ビスの質の確保・向上に向けて、職員の雇用形態や経験年数等も含め、サービスの質に関 する一定の情報について、事業者自身による情報公表の仕組みとともに、公的主体が事業 者から情報を集約して、客観的にわかりやすく情報提供をする仕組みを制度的に位置付け、 具体化していくことを検討としています。  第三者評価につきましては、評価機関自身の水準の向上でありますとか、評価項目のあ り方、受審促進の方策等、より実効ある制度となるようさらに検討としています。  順番が逆になって恐縮ですが、以上が保育の1の(5)についてのご説明で、次は資料2 をご覧いただければと思います。こちらが報告書案の本体部分でございます。全部ご説明 すると時間が長くなりますので、ポイントをご説明してまいります。  まず1ページ目は前文でございまして、最初のブロック、塊は、基本的考え方のまさに 基本部分、総論部分について確認をしている部分でございます。  二つ目のブロック部分、「その後も」の段落は、先ほどもご紹介しました骨太の方針での 指摘を書かせていただいております。  その次のブロックは、社会保障国民会議の11月の最終報告においても指摘がある旨を書 かせていただいております。  その上で、2ページ目でございますが、大きい1番の「これからの保育制度のあり方につ いて」の(1)これまで保育制度が果たしてきた役割につきましては、まず一つ目の丸は、 昭和22年に現行制度の骨格が作られたということ。  二つ目の丸で、その後、保育関係者の長年の尽力により、すべての子どもに健やかな育 ちを支える環境を保障してきた。最後から2行目のところで、保護者からの保育所に対す る信頼は一般に厚く、社会から寄せられる期待も非常に大きいとしております。  三つ目の丸の2行目ですが、保育所は、全国を通じ、子ども集団の中で育まれる機会を 保障する役割も担っている。そして、人口減少が進む過疎地域であったとしても、ほぼす べての子どもに、小学校就学前に子ども集団の中で育まれる機会を保障できるようになっ ているとしております。  3ページ目の一つ目の丸で、さらに、待機児童の多い都市部を中心に、定員を超過しなが らの積極的な受け入れにも努めるなど、限られた保育資源の中で可能な限りの受け入れの 努力はなされてきた。また、地域の核として多様な子育て支援に取り組む場面も多く見ら れるようになってきているとしております。  次の丸、平成9年に制度改正があって、利用者による選択を可能とする仕組みが導入さ れています。  (2)でございますが、新たな保育サービスの提供の仕組みの検討に際しての前提でござい ます。一つ目の丸は、5月の「基本的考え方」において、新たな保育メカニズムとして新た な提供の仕組みを検討していくこととされた。  二つ目の丸で、その検討に際しての前提を以下のように整理したとしております。この 整理は、「基本的考え方」の整理を基本的には踏襲しています。  4ページ目でございますが、(3)としまして、保育を取り巻く近年の社会環境の変化、保 育制度の検討が必要となっている背景でございます。その一つ目としまして、保育需要の 飛躍的増大を挙げています。その中の一つ目、i)共働き世帯の増加。サービスが一般化し てきているということを挙げております。  二つ目としましては、ii)ですが、大きな潜在需要としまして、女性の就業希望の高さ と現実の就業率の低さとの間に大きなギャップが存在するとしています。  5ページ目でございますが、社会環境の変化の大きな二つ目「保育需要の深化・多様化」 でございます。その一つ目、働き方の多様化として、1段落目の3行目、子育て期である 30〜40代の女性の相当部分は、パートを中心とする非正規雇用になっているということ。 2段目、希望を見ても、子どもが1歳〜小学校就学前の間は短時間勤務を希望している人が 多くを占めている。3段落目では、少数ではあるが、医療現場などの交代制勤務者を中心に、 夜間・深夜に就労せざるを得ない女性もいるとしています。  保育需要の深化と多様化の二つ目として、「親支援の必要性の高まり」を挙げております。 祖父母と同居する者が少なくなってきているということ。2段目ではきょうだい数も少なく なってきている。3段目では、地域のつながりも希薄化して、孤立感・不安感・負担感も大 きくなってきている。そうしたことを踏まえて、親としての成長を支援する役割が求めら れてきているとしています。  6ページ目、需要の多様化、深化の3点目ですが、「すべての子育て家庭の支援の必要性」 ということで、親の孤立感・不安感・負担感というのは、専業主婦家庭により強く見られ ると申しています。  次に、社会環境の変化の大きな三つ目として「地域の保育機能の維持の必要性」という ものを挙げております。この(3)の下から5行目を見ていただきますと、児童数が減少し、 自然には子ども集団が形成されにくい地域にこそ、保育所の機能の維持が大きな意味を持 つ。待機児童の解消という課題と保育機能の維持という両方の課題を取り組んでいく必要 があるとしています。  社会環境の変化の大きな4点目として「急速な少子高齢化への対応」を挙げております。 最初の段落の下から2行目、女性の労働市場参加の促進と、国民が希望する結婚・出産・ 子育ての実現という二兎を追わなければならない状況にある。  その次の段落で、労働力人口の減少は、経済成長を大きく制約し、我が国の社会保障全 体の持続可能性に大きな影響を及ぼす。  その上で、7ページ目の3行目で、緊急的・国家的課題にかかわる新たな役割が保育に期 待されるに至っているとしています。  社会環境の変化の大きな5点目としまして、多額の公費投入を受ける制度としての透明 性・客観性などの要請を挙げております。  次に、1の(4)としまして「現行の保育制度の課題」を整理しています。その一つ目とし ましては、スピード感あるサービス量の抜本的拡充が困難ということを挙げています。  2段落目を見ていただきますと、現在の「待機児童」として把握されている数は、顕在化 した一部の需要であって、保育が利用できないために求職活動もできずに就労を断念する など、申し込み以前に保育の利用を諦めていたり、「待機」する余裕もなく認可外保育施設 の利用に至っているなどの大きな「潜在需要」があるとしてございます。  一番下の段落では、2行目で、既に顕在化している待機児童だけを捉えても、市町村数で 見て全国の2割、市町村に居住する子育て世代の人口は7割に達する。  8ページ目の一番上の段落では、さらに、ということで、2行目から3行目、「潜在需要」 が存在していることも踏まえる必要がある、顕在的な待機児童だけではなくて。したがっ て、児童減少が著しい地域などに対する配慮とともに、全国的な課題として取り組んでい くことが求められるとしています。  そうした上で、現行制度にはスピード感ある抜本的拡充に向けて、以下の制度的課題が あるとして、一つ目としては、「利用保障の弱さ」を挙げております。現行制度では、市町 村による「保育の実施義務」の履行を通じて、保護者に認可保育所が利用される仕組みと なっている。また、「保育の実施義務」には例外が設けられている。その結果、見出しの括 弧書きにありますように、市町村の財政制約等の中、保育が受けられないことも制度上許 容される仕組みになっているという記述にしております。  次に、量の拡充のための制度的課題の二つ目として、ii)認可の裁量性による新規参入 抑制を挙げております。認可の可否について幅広い裁量が認められていて、待機児童がい る市町村で、かつ客観的な基準を満たしている事業者からの申請があっても、必ずしも認 可されない仕組みになっているとしています。  9ページ目のiii)、真ん中の辺りですが、量の拡大に当たっての制度的課題の三つ目です が、主体間の補助格差や運営費の使途制限による新規参入抑制として、施設整備費用につ いてハード交付金で手当てしているけれども、NPO法人や株式会社には手当てがされてい ないということ。  2段落目では、運営費の使途制限の課題を挙げて、2段目の一番最後のところでは、株式 会社への配当の充当が認められていないので、参入しづらいという指摘があるとしており ます。  最後の段落では、株式会社にも社会福祉法人会計基準の適応を求めているので、事務的 負担が大きいという指摘もあるとしております。  次に、量の拡大の制度的課題の四つ目としまして「保育の必要性の判断と保育所入所決 定の一体実施に伴う需要の潜在化」を挙げております。3行目のところで、地域の認可保育 所に空き定員がない場合には、申し込みに至るまでもなく諦めてしまうといった実態が指 摘されているとしています。潜在化ということです。  「また」ということで、行政が、個々人が利用する受け皿まで個別に決定し、委託して いく仕組みは、今後の大幅な需要の増加やニーズの多様化を供給主体に伝わりにくくさせ る等、供給増が適切になされにくいとしています。  次に、現行制度の課題の大きな二つ目として「深化・多様化したニーズへの対応」を挙 げております。その一つ目、保育サービスの必要性の判断基準のあり方につきましては、3 段落目で、本来であれば、女性の労働市場参加が進む中で、すべての子どもに健やかな育 ちを支える環境を保障していくためには、短時間勤務、求職中等を含め、住んでいる地域 にかかわらず、普遍的に保育サービスの必要性が判断されるべきであるが、現行制度では、 地域の保育サービスの供給基盤の状況に併せて、保育サービスの必要性の判断基準の方を 伸縮させる現状があるとしています。  11ページ目をお開けいただいて、多様なニーズ対応の制度的課題の二つ目として、「保育 の必要性の判断基準の内容」を挙げておりますが、2行目にあります通り、「昼間」の就労 を「常態」としていることを現行制度は求めておりますが、就労時間帯を問わず、また短 時間であっても、就労の量に応じて利用を保障する方向が求められていると申しておりま す。  次に、多様なニーズ対応の制度的課題の三つ目として「開所日数・開所時間に着目した サービス区分」です。この下から3行目のところでございますが、利用時間が保育所の「開 所日数」・「開所時間」とずれている場合には、受け皿がなく事実上認可外保育所の利用と ならざるを得ない仕組みになっているとしております。  次に、多様なニーズ対応の制度的課題の四つ目として「保護者と保育所の関係性」につ いては、12ページ目の一番上の行で、市町村との関係性に利用者も保育所も重点が置かれ た仕組みになっている面が否めない。一番下のところで、このため、実情を最もよく理解 している当事者間でのサービスの向上に向けた努力や、ニーズに即したサービス提供がな されるインセンティブを制度上担保できるような、より向き合った仕組みが求められてい るとしています。  多様なニーズ対応の制度的課題の五つ目「すべての子育て家庭に対する支援の必要性」 です。まず、1段目の2行目で、3歳未満の子どもの8割は保育所による支援を受けずに、 家庭内で育てられている。2段目の3行目で、専業主婦家庭がより孤立感・不安感・負担感 を抱えているという状況がある。3段目のところで、多額の公費を投入する制度としての公 平性の観点からも、専業主婦家庭に対する一定の支援が求められるとしています。  次に、保育制度の課題の大きな三つ目「認可保育所の質の向上」について。その一つ目 「最低基準のあり方」については、13ページ目で、現行はその全国共通の最低基準となっ ている。3行目のところで、このうち、施設設備の基準については、地方分権の観点から、 質の確保のための方策を前提としつつ、基準のあり方についての検討が求められていると しています。  2番の「最低基準の内容」につきましては、まず1段目は面積について、3行目の辺りで すが、限られた空間では主体的な活動を促すことが難しく、子ども同士のかかわりも少な くならざるを得ないと申しております。2段目のところはで、まず保育士資格について、他 人の子どもを責任を持って預かり、集団的に養護・教育するという特性があるということ と、保育所の役割の深化・多様化もあって、従事者に求められる資質はますます高くなっ ている。配置数については、国際的に見ても十分な水準とはいえず、8時間保育、11時間 開所という問題の指摘もあり、さらに保育士業務の負担の高まりもあるとしています。  保育従事者要件の緩和を求める指摘につきましては、良質な保育が提供されなければ、 やはり女性は働くことを断念せざるを得ず、女性の労働市場参加の促進や、ひいては持続 可能な社会保障制度そのものが堅牢なものにならないことに十分留意する必要があるとし ております。  質の3点目、「保育士の養成・研修・処遇等」については、まず1段目の最後の行ですが、 保育士の量・質の確保、計画的な要請が欠かせない。次のページの2行目から、制度的な 専門性向上に向けた研修の体系が整備されていない。また、研修に参加できるだけの人員 の余裕がない等の指摘も聞かれるとしてございます。その次のブロックは、保育士の低い 処遇の現状を記述しています。  次に、4番目として、科学的・実証的・継続的な検証として、一番下の段落の辺りからで すが、アメリカの研究、NICHDの研究を引用して、15ページ目の上から2行目ですが、 保育の質には大人と子どもとの人数比率、クラス規模、保育者の学歴、専門教育歴が高い ほど良質になるという結果が出されている。こうした先行研究の結果も踏まえつつ、科学 的・実証的・継続的な検証の枠組みのあり方や保育の質について検討していく必要がある としております。  大きな4番「認可外保育施設の質の向上」につきましては、利用児童数が約1割を占め ていて、しかし、制度的な公費投入はないということをi)で触れて、iii)で現状につい て触れまして、16ページ目のV)「認可外保育施設の選択の状況」というところで、保育所 に入所できる場合と入所できない場合の公平性が大きく欠けている現状にあるとした上で、 下から3行目、まず最低基準への到達に向けた支援を行い、質の底上げを図るとともに、 公平性の確保のためにどのような方策が考えられるか検討の必要があるとしております。  (5)としまして「人口減少地域における保育機能の維持・向上」につきましては、小規模 類型についてのまず課題を挙げて、17ページ目では、保育所の多機能化が図りにくいとい う課題を挙げて、3段落目では、児童人口が著しく少なく、生活圏域内に幼稚園がない場合 は、こうした地域の保育所が担うべき機能について柔軟に検討していくことが求められる としております。  (6)、制度的課題の六つ目でございますが、「多様な保育サービスについて」で、休日・夜 間についてはまず量が少ない現状に触れた上で、事実上認可外保育施設の利用とならざる を得ない場合も多く見られるとして、下から2段目、むしろ児童福祉の観点からも、財政 面・子育て面の支援が求められるとしています。  「病児・病後児保育」についても、18ページ目でまず量が少ないということに触れた上 で、2段目で実施箇所数の拡充が不可欠な課題として、3段目のところで、運営が安定し難 い特質を持っているサービスなので、こういう事業の特質と事業実績の双方に配慮した拡 充が必要としてございます。  以上が、(4)のそれぞれの課題ですが、その下の2段落は、(4)全体、制度的課題全体の共 通の記述としまして、まず他の社会保障制度(医療・介護・障害)において課題とされて きている事項と、それに対する対応も参考にしながら、新たな制度設計の検討を進めてい く必要があるとしております。  もう一つ、認定こども園のあり方につきましては、別途内閣府に設けられている検討会 における検討結果も踏まえて、新たな制度体系のあり方の検討をさらに深めていく必要が あるとしています。  次に、(4)の現行の制度的課題を踏まえ、「今後の保育制度の姿」を記述しています。この 2段落目を見ていただきますと、本部会としての議論と保育事業者検討会における議論、ま た各方面の議論も踏まえ、今後の保育制度の姿について、別添のとおり3通りの考え方に 整理したということで、先ほど見ていただきました3段表に分かれている3案がここに入 ってきます。  19ページ目でございますが、一番下のところに、今後の保育制度の姿に対する部会とし ての考え方(P)と書いていますが、ここは当部会として整理していただければと思います。  以上が「保育」でございまして、20ページ以降がその他のサービスについてでございま して、まず大きな2番が「放課後児童クラブ」でございます。(1)現行制度の課題は省略さ せていただきまして、21ページ目(2)「新たな制度体系における方向性」を見ていただきま すと、一つ目の丸の3行目で、両立支援系のサービスとして保育とともに不可欠なもので ある。下から2行目で、質の確保を図りつつ、量的拡大を図っていくことが重要としてい ます。  二つ目の丸は、まず場所の確保が欠かせないとして、小学校の活用を引き続き積極的活 用を図っていく必要があるとしております。  三つ目の丸は、人材の確保が重要な課題であるとした上で、3行目、財源の確保と併せ、 人材確保のための職員の処遇・改善等を図っていく必要がある。その次の段落は、その際、 多様な人材の参画を求めていくという視点。一方で、指導員と子ども、保護者との間で安 定した人間関係が築けることがサービスの性格上望ましいという視点に配慮することが必 要。  四つ目の丸は4行目、サービスの質の維持・向上を図っていく必要があり、財源の確保 と併せ、そのための基準の要否、そのあり方、担保の方法を検討していくべきである。そ の際、大幅な量的拡充を図っていく過程であることや事業実施の柔軟性といった観点も併 せ考える必要がある。また、指導員の養成、研修の強化を図っていく必要があるとしてい ます。  22ページ目の一つ目の丸は、以上のような量・質両面からの充実を図っていくため、必 要となる制度上の位置づけ(市町村の実施責任、サービス利用方式、給付方式等)及び財 源のあり方を、さらに検討していくべきであるとしています。その際、財源保障を強化を する場合には、財政規律の観点からの一定のルールが必要となるとしています。  二つ目の丸は放課後児童クラブと放課後こども教室との間の関係ですが、連携を一層進 めていく必要があるが、一体的運営については、放課後児童クラブを利用する子どもは保 護者が働いている間は家に帰るという選択がないことに十分配慮する必要があり、一方で、 いろいろな子どもとの遊びの機会、サービス利用の自由度、効率的な事業実施といった観 点から―体的運営に利点がある場合も考えられ、放課後こどもプランの実施状況などを十 分踏まえながら、対応すべきであるとしています。  大きい3番「すべての子育て家庭に対する支援について」。これも同様に課題のところは 省略しまして、23ページ目の(2)方向性の一つ目の丸ですが、専業主婦をはじめとして子育 て家庭の子育ての負担感・孤立感を解消していくため、両立支援にかかわるサービスの充 実とバランスよく、すべての子育て家庭を対象とした各種の子育て支援事業の充実を図っ ていくことを基本に考えていくということ。  二つ目の丸は特に一時預かりサービスの保障充実の必要性。これは保育に欠ける要件の 見直しのところでも出てきましたが、その必要性に鑑み、必要となる制度上の位置づけ及 び財源のあり方を、さらに検討していくべきとしています。また、地域子育て支援拠点事 業とともに一時預かり事業を行うことの意義であるとか、事業運営の安定性の確保、近接 するサービス(フアミリーサポートセンター、ベビーシッター等)との関係の整理、地域の実 情に応じた柔軟な取組の支援などを考えていく必要があるとしています。  24ページ目の一つ目の丸では、2行目の後半から、子育ての情報提供や相談援助機能が まず重要である。先進的な取組として、すべての子育て家庭が、希望する保育所へ登録し、 相談援助機能等の多様な支援を受けることができる取組もなされている。次の段落はコー ディネートについて、サービスについての理解を助け、実際の地域の子育て支援サービス につなげていく機能、保育をはじめ具体的なサービスの利用調整機能などを包含した、子 育て支援の「コーディネート機能」を実質あるものとして位置づけていく必要がある。そ の際、市町村、保育所、地域子育て支援拠点など、地域の実情に応じた担い手、関係機関 の連携といったことに留意しつつ、さらに検討していくべきであるとしています。  二つ目の丸は、地域子育て支援拠点事業は、量的拡充を図っていく必要があるとした上 で、下から2行目で、地域全体が子育てに関われるような支援となるよう、ネットワーク 化をはじめとした機能の充実を図っていくことが必要であるとしています。  三つ目の丸は、その他多様な子育て支援事業に関しては、積極的な取組を促す支援、担 い手の育成、親がやがて支援者側に回れるような循環を生む環境作り、担い手の研修やバ ックアップといった取組の強化など、さらに検討していくべきであるとしています。  最後の丸は、以上のようなすべての子育て家庭を対象とする子育て支援事業を充実して いくため、制度上の位置づけ及び財源のあり方を、他制度を参考にしつつ、検討していく べきであるとしています。  次に(3)「経済的支援について」ですが、これは24ページの文末から、とりわけサービス (現物給付)の拡充に優先的に取り組む必要があることに留意しつつ、育児休業給付、児童手 当や税制上の配慮も含め、子育てに関する経済的支援の充実も、引き続き検討していくべ きであるとしています。  大きい4番「情報公表・評価の仕組み」につきましては、保育の先ほどの表のところと基 本的には同じですので説明を省略します。  25ページの大きい5番「財源・費用負担・新たな制度体系について」ですが、ここは基本 的考え方でも確認した通り、社会保障国民会議の最終報告の指摘も踏まえて、以下の点に ついて引き続き検討としています。以下の点の一つ目は、財政投入が諸外国に比べて規模 が小さくて、一定規模の効果的財政投入が必要であるということを税制改革の動向を踏ま えつつ検討が必要としています。  二つ目のポツは、社会全体で重層的に支え合う仕組みが必要としています。  三つ目は地方財政の配慮が必要であるということと、公立保育所の一般財源化による影 響を踏まえた議論が必要としています。  四つ目のポツは、事業主の費用負担については事業主にとって次世代育成支援がもつ意 義を考慮するとともに、働き方と関連の深いサービスなど、個別の給付・サービスの目的・ 性格に照らし、受益と負担の連動を考慮すべきとしています。  その下は利用者負担の負担水準、設定方法については基本的考え方と同じですが、低所 得者が安心して利用できることに配慮しながら、今後、具体的な議論が必要としています。  その下の丸ですが、財源の程度いくらぐらいの財源がここに投入できるかという問題と、 政策のプライオリティ付けは相関関係にあるので、給付設計を考えていく上でも、財源に ついての議論を深めることが必要であるとしています。  その下の丸は、働き方の見直しと新たな制度体系の関係性の深さに鑑み、例えば、事業 主拠出を求める場合に事業主の働き方の見直しを促進するような仕組みの検討なども引き 続き進めるべきであるとしています。  一番下の丸は総論のところで、新たな制度体系には「包括性・体系性」「普遍性」「連続 性」といったことが求められていますので、こうした要素が制度設計上の具体化にしっか り反映されるように検討していく必要があるとしています。  27ページ「その他」ですが、基本的考え方では触れているのですが、今回、秋以降は議 論していませんのでここに書いていますが、「多様な主体の参画・協働」であるとか、ある いは特別な支援を必要とする子どもや家庭に対する配慮。こういったテーマも重要ですの で、今後さらなる検討を進めるべきだとしています。  二つ目の丸は、こういうサービスの充実と、車の両輪として取り組むべき「仕事と生活 の調和」の実現に向けた取組を引き続き進めるということと、新たな制度体系の詳細設計 に当たっても、その両者が密接にかかわる点を十分に意識しながら検討を進めるべきであ るとしています。  「終わりに」のところは、以上の中間まとめを行ったが、新たな制度体系としては、未 だ検討しなければならない課題が多く残っている。本報告を踏まえ、税制改革の動向も踏 まえながら、引き続き、速やかに検討を進めていくとしています。  長くなっていますが、最後に残された資料について簡単に触れます。報告書については 以上で、お配りしている資料で参考資料1、参考資料2というものがあります。参考資料1 につきましては前回お出ししたものに前回の議論の部分を付け加えています。付け加えた 部分にアンダーラインを引いていますので、ご参照いただければと思います。  参考資料2の方は前回ご議論いただいた中で、企業が出している扶養手当、家族手当が どれぐらいなのかという話がありました。右肩にあります通り、昨年の重点戦略会議に出 された資料で参考になるものがありましたので、付けさせていただきました。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。それでは、ここから皆様にご議論をお願いしたいと思います。 本日は残された時間が限られています。足りないところは後から文書でご意見をいただく ことにしまして、ただ今ご説明いただきました第1次報告のたたき台につきまして委員の 皆様にご議論をお願いします。清原委員お願いします。 ○清原委員  ありがとうございます。今日は席上配付で2枚のメモをお渡ししました。そのポイント だけ申し上げたいと思います。まず、短時間に議論のたたき台をおまとめいただきまして 本当に事務局の皆様ありがとうございました。私としては、この流れが私たちの議論を反 映していますので、これから申し上げますのは新たなものを付け加えるというよりも、こ のたたき台に書いてありますことを、さらに補強させていただきたいという趣旨です。  まず、保育サービスは仕事と生活の調和を図ることなど他の施策との関連性が大きいと いう認識を明示した上で、これは有力な子育て支援施策であることから、その制度の改善 が不可欠であるということです。従いまして、最後の方に「仕事と生活の調和」との関係 性を明記してありますが、報告書のもっと早い段階から、絶えず強調していただくとあり がたいと思いました。  併せて、今回の議論では「子どもの視点」の重視と「すべての子育て家庭への支援」の 方向性が示されています。これは大変重要で、議論のたたき台のいろいろな部分にこれが ちりばめられていますが、これは引き続き強調していただければと思います。  3点目です。前提としての部分で、「地域による特徴に応じたあり方」というものが強調 されています。このことは大変重要だと思っています。特にこの間、都市型の悩みと農村 部や過疎地域での悩みがともに提起されましたので、きめの細かい提案が今回の議論のた たき台の中でなされていることは有用です。特に、地域的な特性に基づく多様なニーズに 対応する施策は、必要に応じて国の技術的な助言を得ながら、基礎自治体である市町村が 制度設計及び当該施策を遂行していく上で、財源についてはソフト交付金等を活用するこ とで、より柔軟で即応性の高さが守られればと思います。財源の確保が多く指摘されてい る点は大変重要だと思います。  2枚目を見ていただきまして、「多額の公費を投入する制度としての透明性・客観性の要 請」については、今回の新しい制度を進めていく上で重視すべきポイントだと思います。 国の役割、都道府県の役割、そして市町村の役割、保育の担い手の役割などの透明度を高 めることが必要です。  次に、ここは特に強調します。現行の保育制度の課題における市町村の役割を踏まえて、 新しい仕組みをつくっていくときに、市町村についての強調が重要だと思います。市町村 が今までかかわっていることの弱点がやや強調されていることに懸念がありますが、今回、 「保育に欠ける」要件の見直しなどを進めることで、公正で公平な判断をするための市町 村の役割が引き続き有意義であるという流れになっていることを心強く思います。もちろ ん、高額所得者が保育サービスを利用する際に、保育料の適正さに配慮した料金設定や直 接契約等の検討も課題になるとは考えますが、私は低所得者や要保護児童、障害児等個別 的な処遇が必要な場合をはじめ、広範な対象者の個別的な事情にきめ細かく対応して保育 サービスの適用を判断するためには、従来のような市町村の果たす判断機能が不可欠であ ると考えています。今後も市町村が公平性、公正さの担保の中でぜひ活躍したいと思いま す。  その意味で、保育サービスの質の自己評価や第三者評価のあり方は重要ですし、保育サ ービスと多様な子育て支援サービスや関係機関との協働と連携のネットワーク化のあり方 は大いなる課題です。  最後に、今回たたき台でも強調されていましたが、保育士の養成と採用、研修と就労継 続の確保、また地域での子育て支援コーディネータが重要ですので、こうした人財の問題 については、どのような制度になっても基本であるということをこの報告書でも強調でき たらありがたいと思います。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。他に、いかがでしょうか。お手が挙がった順番で、篠原委員 それから佐藤委員でお願いします。 ○篠原委員  ありがとうございます。まずは事務局の皆様にこれだけ非常にたくさん書いていただい たこと、またそれぞれの委員が言われたことをまとめていただいたことに、まずは感謝を 申し上げたいと思います。何点かあるのですが、2点意見を申し述べたいと思います。この 中にも書いていますように、女性の就業率を増加していくためには、女性の労働市場参加 を進め、そのためには保育サービスの量を拡充することが必要であることは間違いありま せんが、それ以前に企業における労働のあり方を改善していく必要があると考えます。保 育サービスの量を増やせば就業率が上がるというような単純なものではないのではないか と思います。また、女性の就労を促進するためには、男性の働き方も見直す必要があると 思います。女性も男性もともに子育てをしながら働き続けられるような職場環境を整備す ることについて、少し前文のところを変えてはいかがでしょうかというのが提案です。特 に今、佐藤委員も育児・介護休業法の方で活躍していただいていますが、男性の子育てと いうところが非常にポイントになっていると思いますので、そのようなことも少し検討さ れてはいかがかというのが1点です。  具体的な部分にはなるのですが、5ページ目の(2)の1番目の「働き方の多様化」のところ に短時間、夜間、休日等とあるのですが、ここの中に書かれている部分が短時間と夜間に しか言及されていません。休日のところの明記が足りないと思います。特に今、例えばデ パートなどで働かれている方はお休みが土曜日も日曜日もないという状況になっている中 で、休日の保育というのが喫緊の課題だということもいわれていますので、そういうとこ ろもこの中に明記していただきという意見を、まず述べさせていただきました。 ○大日向部会長  ありがとうございました。それでは、佐藤委員お願いします。 ○佐藤委員  まとめていただいた基本的な枠組みについては賛成で、よくまとめていただいたと御礼 申し上げたいと思います。その上で、幾つか素人なのでよくわからないということもあり ますが二つ半くらい。一つは最低基準を満たしたところに給付していくという考え方です が、その最低基準のところですが、他方で多様な保育ニーズを満たしていくということと、 潜在的な保育ニーズを掘り起こしていく。その中で、特に女性が多いわけですが、働きた い女性が働けるようにということだと思います。そうすると、ここに書いています現状は これまで認可保育所がそういうサービスを、全部とは言いません。十分に適用できていか ないから認可外ができていたということがあるわけです。そのときに最低基準に上げてい くといったときに、現にある不対応な保育サービス提供の仕組みで維持できるのかという ところが。つまり、私は多様な保育サービスにおいて基準というものがあると思うのです。 そういうことはあり得ないのかどうか。他方で家庭的保育などのいろいろな保育サービス においては基準があるわけです。その最低基準といったときに、家庭的保育の基準はその 最低基準だと思いますが、最低基準は複数あるのかが私はわからない。何かこれを見ると 一つだという感じがあって、そのことと多様な保育サービスを提供できるのかということ と、潜在ニーズを満たせるのか、頭の中が整理できないというのが一つです。  そのことにもかかわるのかもしれませんが、この文章の方の19ページが比較表の(P)で空 欄になっているのですが、今ご説明いただいた資料の三つを比較して、それぞれプラスマ イナスありますと書くのか、一応真ん中に移行すると書くと19ページに何が入るのかとい うのが、私は真ん中だろうと思うけれども、もし見方によってはそれぞれプラスマイナス 書くという書き方もあるという気もするので、そこが私としては真ん中だという書き方で 書かれるのかなと思うのですが、それが二つ目です。  三つ目は、この最後のところの26ページですが、受益と負担の連動。趣旨もよくわかる のですが、つまり働き方の見直しを促進するような仕組みを併せて入れる中で、事業主負 担というものについて理解を求めると同時に、うまい方にまわしていこうということだと 思うのですが。ただ、難しいのは、例えば篠原委員が言われたように、働き方が非常に恒 常的に残業があって、長時間続いて延長保育という場合と、営業時間が長くてシフトを組 んでいて働いている人の時間が短いと。それで結果として営業時間が長い結果、土・日も ある。ただし働いている人は別に長時間残業ではない。そういう場合は実際の運用上これ は難しいということがあります。事業主がどう努力しているかを、下手をすると形式的な 形になると困るということで、趣旨はわかるのですが、運用上はとても難しい。例えばな ぜ延長保育の必要が出てくるかというのは事業主が努力していないのか。事実上働いてい る一人一人を見れば、それほど負荷のあるような働き方ではないけれども、夕方預ける必 要があるとか、土日に預ける必要がある。これをうまく識別できるかというと、かなり難 しい。ですから、趣旨はわかるのですが運用上は結構難しいということで、やる以上は配 慮していただければということです。 ○朝川少子化対策企画室長  3点いただきまして、まず1点目は最低基準について一つなのか、いろいろ多様なものが あり得るかですが、まず今回の整理は詳細設計に入っていませんので、骨太の流れが整理 できればと思っています。そういう意味では、基本的には現行の保育所の最低基準を満た した施設が基本であるということを再確認したいということ。その上で、大きい紙の資料4 の10ページのところの真ん中の一つ目の丸に書いていますのは、その最低基準の到達に向 けた支援を、まだ到達していないのだけれども到達しようという所についてはそこの支援 をしていったらどうかという、その二つまで押さえているということです。  今、佐藤委員がおっしゃった話との関係でもう一つ申し上げれば、同じページの下の方 に小規模サービスの類型の創設、あるいは夜間をどう取り扱うとかということも書いてあ りまして、例えば夜間であれば本当に昼間と同じ配置基準でよいのかという問題が夜間だ けを考えると出てくるかもしれませんし、小規模サービスだったら小規模サービスに合っ た基準があってもおかしくない。その辺はまさに今後、詳細設計をするときには議論して いただく必要があると思っていますが、現時点では骨太の流れを整理する段階では最低基 準が基本であるということを書いているつもりです。  二つ目は19ページ目に何が入るか。そこがまさに重要なところでして、今回提案してい るのは三つ、まだこの少子化対策特別部会での議論と並行して行われている事業者検討会 での議論などを我々なりに受け止めさせていただいて、少子化対策特別部会の方は比較的 意見が集約されている感がありますが、事業者検討会の方に出すと、必ずしもそういうわ けではありません。意見が分かれています。議論が分かれていますので、そういう意味で 今は三つ並べて書かせていただいているという段階です。できれば、私どもの希望として はこれを年内に何らかの形で一つの案に集約することを希望しておりまして、それが別に 左側の案なのか、真ん中の案なのか、右側の案なのか。どれが良いというのは事務局とし て今あるわけではなくて、そのミックスでもよいのですが、何とか一本化されればという ことを期待している段階ですので、ぜひそれをまさにこの部会と明日の事業者検討会で議 論していただければと思っています。  3点目については確かにおっしゃる通りで、運用上どうしていくのかというのは全く考え ずに、まさにご提案を受けたことをそのまま書いているような状態ですので、実際に事業 主が努力していることをどうやってはかるのかは、重要な課題だと思いますので、今後よ く留意しながら検討していきたいと思います。 ○大日向部会長  ありがとうございました。他に、いかがでしょうか。一度に挙がりましたね。こちらか ら吉田委員、山縣委員、宮島委員、今井参考人の順でお願いします。 ○吉田委員  膨大な資料を一生懸命見ていたので、もし聞き逃しがあったらご容赦願いたいのですが、 まず1点目は、今までこの部会でこういう議論はなかったと思うのですが、今回第1次報 告となっていまして、ということは当然第2次報告が想定されるのですが、一応年内に結 論を出すという前提で議論を始めたけれども、今回第1次報告となっているという辺りを どう理解したらよいのかということを、可能な範囲でもし事務局でご説明いただければと いうのが1点です。  もう一つは大変細かい話ですが、この第1次報告(案)の2ページ目に、「これからの保育 制度のあり方について」ということで、今の児童福祉法、現行保育制度の果たした役割と いうものがあります。これはこれでよいのですが、細かいことを申し上げると、昭和22年 に児童福祉法ができて、すべて「保育に欠ける」要件が確定したわけではなくて、私の記 憶では恐らく昭和26年の児童福祉法改正で初めて「保育に欠ける」という言葉が明記され、 かつ具体的な欠ける要件の設定自体は局長通達か何かで昭和36年くらいに示されています ので、微妙な話ですが22年にできてから80数年間、何も変わっていないという話がある ので、決してそうではないというニュアンスを少しでも出せればありがたいと思っていま す。  もう一つは、今後の保育制度の姿で簡単な方で申し上げますが、資料3の1枚目の1「保 育の必要性等の判断」で、今お話のあった三つのパターンがあるわけですが、現行制度維 持というのが保育事業者検討会でもそれぞれ意見が集約されていないので、どの辺の現行 制度なのかが微妙なのですが、より現行制度堅持という前提に立てば、(2)あるいは(3)のど ちらになるかわかりませんが、判断基準の辺りについてはより現行制度維持であれば、こ れを「保育に欠ける」と、オール・オア・ナッシングというニュアンスがあって、新たな 保育の仕組みの方は要保育度ということで、少し柔軟にグラデーションをかけて見るとい うことですから、このピンク色と黄色が一緒になっています。恐らくここは違うだろうと 思うので、そこは明確にしていただいた方が良いと思うのです。以上です。 ○大日向部会長  はい、ありがとうございます。室長お願いします。 ○朝川少子化対策企画室長  まず1点目の第1次報告としていますのは、確かにいわれてみますと先走っているのか もしれませんが、この意味はそういう意味ではなくて、年内に結論を得るとして議論をし ていただくのは年内に結論を得るべくやる。そういう意味で第1次報告と言っているので はなくて、さらに今回今説明したところにも随所に、「さらに検討」とありますので詳細設 計が必要です。さらに財源論といった部分も深めていく必要がありますので、そういう意 味で第2次があるであろうということで第1次と書いてあるということで、それ以上の意 味はありません。  2点目はしっかり修正させていただきます。  3点目は、これはどうやって整理するかという問題ですが、先ほど申し上げたように最終 的にはこの別に案が並立しているものが最終的なものではなくて一本になればそれでよい ので、この時点でこのペーパーをあえて二つに分ける必要性は必ずしもないのではないか と思いますが、今までの事業者検討会での議論を聞いていまして、確かに現行制度維持を 強く主張されている意見の中には、「保育に欠ける」という今の仕組みをそのまま維持した 方がよいのではないかという意見もあるのです。総じていえば、この辺は共通理解になっ ているのではないかということで便宜上整理していまして、まさに明日こうではないと言 われればそういうことになるのですが。そういう整理です。 ○大日向部会長  それでは、山縣委員お願いします。 ○山縣委員  3点意見を言わせていただきたいと思います。資料の説明順ですが最初にA3の資料で三 つの枠組みで整理をいただいて、非常にわかりやすいですし、これまでの議論がかなり集 約されていると思うのですが、私も佐藤委員と同じで、恐らく真ん中辺りが相当イメージ されるだろうと個人的には思っているのです。その中で、前回1点私が言ったことと違う ことがありますので、あえてそのことについて言及させてください。それは、8ページの保 育料の徴収に関してです。代理受領等の制度があることを理解した上で、私は表現として はこれで仕方がないのかと最終的には思っていますが、8ページの6の下二つ目の丸です。 ここについて趣旨をしっかり理解していただきたいと思っています。前回、私は保育料徴 収はあくまでも市町村がやるべきではないかという発言をしました。今でもその考え方は 変わっていませんが、委員の合意でこうなるとするならば、未納があっても子どもの保育 が確保されるという方策を検討という中に、当然この読み方の第一は恐らく子ども・利用 者が排除されないということを指していると思うのですが。もう1点は事業者に対しても 相当の仕組みを作らないと、事業者の方が困るという前回の指摘をあえてしておきたいと 思います。特に、恐らくこの形でいくと公営の保育所と民営の保育所で、公の場合は税で 事実上補てんされ、民の場合は補てんされなくて事業所が困るということになりかねない と思います。その辺についての追加施策を、この形でまとめる場合はぜひ記載をお願いし たいというのが1点目です。  2点目は報告書の本体に入ります。議論では直接言葉は使っていなかったのですけれども、 中身として発言させていただいたことが幾つか入っておりまして、非常に感謝しておりま すのが、「保育に欠ける」という判断基準の中に、人口減少地域での子どもの集団の視点の 必要や、現行制度上は保育に欠けない障害児、親が働いている等の障害児に対する対応も 考える必要があるという文章が入っておりまして、それは非常にありがたいのですが、そ こまでくるのならば、「保育に欠ける」という非常に時代を感じる言葉遣いを変えることは できないのか。これは今まで議論していませんので、少し議論を無視したことになるので すけれども、社会的保育の必要なところです。何かもう少し子ども視点に立った言葉遣い に変えることはできないのか。その根拠は今の二つが入っているということをベースにし たものです。  3点目は、報告書の26ページのところで、これは当初、立ち位置の話をしたときの問題 で、どこに軸足を置くかというときに、保育対策は決して出生率上昇対策ではないことを 前提に議論したいということを言いましたけれども、その立場は変わっていません。しか し、現に少子化が非常に深刻であるというのは認識しています。そのときに26ページの一 番上に、「少子化対策は社会保障全体の持続可能性の根幹に関わる政策」という表現が一般 的にされるのですけれども、私自身はこう書いてしまうと、社会保障の枠組みの中でいろ いろな財源を考えていきなさいという狭い議論になる可能性があるのではないか。むしろ、 今、何が問題かというと、社会保障制度は崩れるどころか、この言葉は少し古いですけれ ども国家存亡、国の持続の可能性にかかわる事態であって、社会保障費を抑制すると、現 に社会保障費が少ないという前提で、なおかつ抑制すると、ここで出されているOECDの 各国のものを見たときに、さらに出生率が下がってしまうという悪循環に陥るのではない か。社会保障費の抑制や、働きにくい労働環境を改善するような財源等を社会保障の枠だ けで考えるのではないということをきちんと書いて、その中で社会保障の持続性は当然考 えないといけないのですけれども、その前提には国家の持続可能性という大きな問題があ るのではないか。そのことが一言入ると非常に良いのではないかと思っております。以上 です。 ○大日向部会長  ご意見ありがとうございます。「保育に欠ける」を、どういう文言で表現するかというこ とは、もしよろしければ他の委員の方もご議論いただければと思います。  また、26ページの1行目に関する最後のご指摘は、恐らく駒村委員も何度かおっしゃっ たことでもありますので、もし今のところで補足があれば。 ○駒村委員  今のところは少し誤解があるような感じがするのです。というのは、今の社会保障制度 は全部付加方式になっているというところも、ここはとても影響があるわけですから、社 会保障費を抑える・抑えないという話ではなくて、少子高齢化というのは、社会保障制度、 つまり、付加方式の世代送り方式の年金・医療・介護に対しては、非常にきつい影響を与 えるということですので、それは広い意味では国家の存亡にもかかわるし、具体的に社会 保障制度においては、そういう世代送り方式を何とか維持する。これを変えることが具体 的な選択肢として可能であれば、まだよいのですけれども、これは基本的にはもはや変え ることができない状態になっていますので、そういう視点で、ここは含まれていると思い ますので、国家の存亡という日本社会そのものの持続可能性という視点はもちろん書かれ るべきだと思いますけれども、具体的に社会保障に翻ってみても、非常に危機的な状況だ ということをここは伝えていると思います。今ある社会保障給付費をどうしようというお 話ではないと思います。 ○山縣委員  私は共通の理解をしているのですけれども、この間いろいろなご意見を各種団体、個人 からいただきまして、どうもその辺に誤解がありそうな気がするのです。ですから、一般 の読み手の方がそう誤解されるとつらいという趣旨で、ベースにそういうことがあるとい うことを入れたらどうかという提案です。 ○駒村委員  社会保障のためにこれをやるのではなくて、第一義には未来の子どものためにある。た だ、放置するといろいろな副作用が起こるということだと思います。その通りだと思いま す。 ○大日向部会長  ありがとうございました。それでは、宮島委員どうぞ。 ○宮島委員  ありがとうございます。本当に広範囲なことに関しまして取りまとめいただきまして、 ありがとうございます。  この第1次報告の位置付けについて、私も質問です。全体の中では、特にこの何回かに 関しては保育のことがものすごく重点的に議論されて、それがこのような報告の形になっ ていると思います。例えば今後報告が進むにつれて、もう一つの柱として非常に必要だと 思われますワーク・ライフ・バランスや、働き方、もしくは企業への働きかけといったこ とは、今後さらに報告書の後ろの方に、たくさん付くような状態で議論が進むのかどうか ということ。今の状態だと、報告書全体で保育の部分に非常に重きが置かれていると思う のですけれど。その辺りを伺えますか。 ○朝川少子化対策企画室長  これは社会保障審議会あるいはこの少子化対策特別部会の役割ともかかわりますが、基 本的にはこのサービスの体系をどうしていくかを中心に議論していただきたいということ ですので、あまり働き方そのものの議論をここでやるのは必ずしもふさわしくない。ただ、 関連することがあれば、それは不可欠なものとして、例えば今までも出てきましたが病児・ 病後児保育を考えていくに際しては、看護休暇の話をきちんとやっていかないといけない という関連する話があれば、それは当然触れていただいても構いませんが、あまり働き方 の話をたくさん入れていくというイメージは持っておりません。  もう一つは、資料2の27ページの上から二つ目の丸で少し書いていますが、新しい制度 体系を考えていくときに、サービス系統の話だけでよいのか。あるいは例えば育児休暇制 度との裏表の関係があるというところをどこまで新しい制度として考えていく必要がある のか。例えば育児休業給付の取扱いをどうするのかといったところは、今後議論していく 可能性はこの部会の議論の状況によってはあると思っております。 ○宮島委員  ありがとうございます。保育の部分では2点ほどあります。これは今後の議論かと思い ますが、一つは認可外保育の質のアップというのは、皆様が非常に重要だと思われている ところだと思います。財政的な支援というのがまず絶対的に必要だと。それとともにソフ トの形で、例えば現在地域にある他の認可園や、近くの庭の活用、これは今も一部はして いると思いますけれども、さらに幼稚園との連携も進めたいと思います。こうした工夫で、 財政支援を必ずしも伴わない形でも、認可外施設の質はアップする可能性があるのではな いかと思いますので、財政支援とともにそういった視点も少し入るとよいかと思います。  あと全体を見まして病児保育というのは、実際に両立を目指している親にとっては、や はり一つのネックになるところだと思います。これまでの議論でも、議論がそんなには進 まなかったような気もします。これは今後の議論かもしれないですけれども、病児保育は 運営の仕方もさらに難しさがあると思いますし、さらに子どもをみる方の質もより慎重で あるべきと思いますので、病児保育の議論はより深めたいと思います。 ○大日向部会長  ありがとうございます。それでは今井参考人、お願いいたします。 ○今井参考人  この新たな体系作りということについては、スピード感を持って取り組む必要があると いうことで、今回の議論の整理にとどまらず、どのような方向に持っていくのか、具体的 に示す時期にきていると考えております。サービスの質・量の充実、そして両者自らの選 択を可能にする方向性というものを打ち出す必要があると思っております。  その上で、若干内容について言及させていただきますが、資料2の13ページの「保育士 の養成」のところですけれども、保育従事者の確保に向けた具体的な措置を早急に講じら れることが求められていると考えておりまして、保育経験を受験資格に反映させる工夫が あってもよいだろうと考えております。  それから本文の16ページの「人口減少地域における保育機能の維持・向上」ということ ですけれども、保育サービスの基準については、地域の実情を踏まえることが重要だと考 えておりまして、ここで挙げられております「小規模保育所」という類型は他にも共通す る課題ですけれども、こういった形以外にも、さらに各地の実情を踏まえた類型が検討さ れてよいのではないかと考えます。17ページに、幼稚園がない場合という言及があります が、逆に幼稚園がある場合には、幼稚園との機能の統合といったことも考えられてよいの ではないかと思います。  さらに本文の22ページの放課後児童クラブと放課後子ども教室との関係のところです。 基本的には同じ学齢期の子どもたちということがあって、同じ環境で活動するということ が自然だということで、効率的に事業を実施する上でも、一体的運営が望まれると考えて おります。  それから、資料4の方で少し言及させていただきますと、先ほどもご指摘がありました が、3ページと13ページのところに「事業主の負担軽減措置」という言葉が使われており ますけれども、この費用負担のあり方については今後の検討課題と理解しております。そ ういう意味では、この段階でこうした負担軽減措置うんぬんという表現が出てくることに は違和感がありまして、今は例えばこの給付上限量を超える利用にうんぬんということで あれば、その負担のあり方についてはさらに検討が必要といったことでよろしいのではな いかと考える次第です。  同じく資料4の6ページの一番下の「運営費の使途制限」につきましては、真ん中のケ ースの「新たな保育の仕組み」では、「他制度の例も参考に見直し」とありますけれども、 他制度の例も参考に見直すということで、この会計基準の問題と、株式会社の問題をあえ て分けて書く必要はないのではないか。同列の問題として扱うことでよろしいのではない かと考えております。以上です。 ○大日向部会長 ありがとうございます。他に、いかがでしょうか。駒村委員、大石委員の順番でお願い いたします。 ○駒村委員  この横長の報告書の中では、特にわかりやすいのは資料3の方がまとまってわかりやす いと思いますけれども、三つの選択肢が出てきて、この中で一番重要な部分は真ん中で、 要するに従来の措置か、あるいは市場化というものとは別に、第三の選択肢を提示したと。 そこに資料3の2の中段と絵にもありますけれども、この公的契約という新しい考え方を 出されたわけです。これは報告書本体の方には公的契約という言葉はないわけですけれど も、これは岩村委員もいらっしゃったので確認をしていかなければいけないし、逆にいう と、これからこの部分というのは詰めていかなくてはならない部分であると思います。マ ーケットでもなく、従来の措置でもない、新しい公的なフレームワークの中に入った形態 であるということだと思います。たまたま、この丸に応諾義務や優先順位義務、受入義務 と書いてありますけれども、これは公的契約中の一つのファクターに過ぎないと思います ので、これはまず公的契約の意味そのもの、あるいは利用者と事業者の位置付けや両者の 希望と事業者側の専門性のあるアドバイスをすり合わせていくのか、あるいは場合によっ ては契約のようなものがあれば、これは個々に任せるのではなくて、何か公的なフォーマ ットのようなものを自治体が作るなど、そういうものまで考えていく。極めて新しい概念 なのです。これからそういう概念が成り立ち得るかも含めて、議論していかなくてはなら ないと思います。その上で、利用とそのような実際の権利が、仮に分離されていく姿にな るならば、インターフェースが少し複雑になると思いますので、利用から落ちていかない ような、あるいは低所得者が落ちていかないようなインターフェースの工夫も当然必要か と思います。  そして、先ほど今井参考人からあったメリット制のような議論というのは、私は触れて おりますので、これはもちろん財源構成次第だと思いますけれども、これはアイデアとし て検討する余地があると思うことなので、ぜひ残しておいていただきたいと思います。以 上です。 ○大日向部会長  ありがとうございます。大石委員、お願いいたします。 ○大石委員  2点あります。今、駒村委員がご指摘されたところの少し上になるのですが、同じく資料 3の2ページ目の2の(1)です。市町村に保育費用の給付義務や提供体制整備責任、利用調 整等の支援ということですが、これはそれぞれがorの関係なのかandの関係なのかが、や や気になるのと、あと中身をどういったものをイメージされているのか。つまり保育費用 の給付義務としたら、例えば保育の利用券を配付するということで足りることさえあり得 るかもしれないのですけれども、そういうことを意味しているのか、そうではないのか。 それから、提供体制整備責任は、例えば地域によって独自に設けている保育室のような形 も入れている、あるいは利用調整というと、例えばこれはタイムシェアリングなどを意味 しているのか、多少不明確なところがありますので、もう少しご説明いただけたらと思い ます。  2点目はやや大きい話ですが、資料2の18ページ目辺りや、先ほどご議論がありました 社会保障制度の話などにもつながるのですけれども、基本的な認識としましては、現在私 たちが議論していることは、子どもの育ちの保障をするという視点、それから人々の自由 なライフスタイルの選択が重要だという視点を貫いていると考えております。ただ、結果 として、それが女性の就労支援につながる場合に、それが効果的に、結果として社会保障 制度の維持、あるいは持続可能性を高める方向に役に立つということでしたら、それをよ り効果的にする意味では、例えば女性が本格的に長時間就業などをする場合に、ネックと なるいわゆる社会保険制度の4分の3条項や130万円の壁といったような制度についての 連関も考えてみないと、いくら保育などを通じて就労支援をしたとしても、例えば女性の 就労が新たな社会保険料の拠出につながるかというようなところにいかない可能性もあり ますので、やや議論が広くなってしまいますが少し考慮していただくことも必要ではない かと思います。  それから、3点目を付け加えてしまいますと、先ほど今井参考人から、学童と放課後子ど も教室の一体的なというご意見もあったのですけれども、やはり私としては、放課後児童 クラブに来る児童のニーズは放課後子ども教室における知的、あるいは共同作業という教 育面とは多少ずれるのではないかと依然として考えております。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございます。三つのうちの二つはご意見として承っておきますが、最初の利 用保障の基本的な仕組みについてご説明をとのことですので、お願いいたします。 ○朝川少子化対策企画室長  最初のandかorかというところについてはandです。これは市町村に全部に係るという ことです。その中で、まず給付義務の中身としては、要するに例えば就労しているという ことに客観的に着目して受給権を与えた裏返しとして、給付責任が発生しますという意味 合いと、実際にサービスを利用した費用をきちんと払う。それもルールに則って払ってく ださいということで、公定価格を払ったり、あるいは代理受領の仕組みを採るという提案 なので、きちんと保育所に払ってくださいと。法律の構成上は、利用者に対して払うとい うことを念頭に置いていますが、実際の払いは代理受領ですということを含めて給付義務 と呼んでおります。  二つ目の提供体制整備責任については、これはやはり基本的には、今でいう認可保育所 の整備責任です。要するに新しい制度で給付の対象とするサービスの基盤整備責任をかけ るのが基本だと思います。その対象のサービスがどこまでかということは、これはまさに ご議論いただくべき範囲のものなので、認可保育所を基本に考えていくということだと思 います。  利用調整のところは少し舌足らずな説明で申し訳なかったのですが、もし利用者と保育 所に公的な契約関係を結んでいただいて、申し込みも原則は利用者が保育所にするという ことになると、例えば第1希望に外れてしまった場合に、第2希望の保育所にまた行って、 そこも外れたら第3希望に行ってと、非常に大変であるということや、ある保育所は短時 間の労働者の子どもばかりが固まってしまって、市内全体を見たら、なぜかフルタイムの 人が大変余っているという全体で見たバランスの悪さというようなものができるだけ生じ ないように、市町村で実際のサービスの利用のところについて、調整をしたらどうかとい う意味での利用調整ということで言葉を遣っております。 ○大日向部会長  ありがとうございます。他には。庄司委員、そして速水参考人、お願いいたします。 ○庄司委員  大変幅広く、いろいろなところに目配りされておまとめいただいて、大変感謝していま す。特にこの部会を通じて大変クリアになってきたのが、ニーズが潜在せざるを得ないよ うな仕組み、そしてなぜ供給が増えないのかというところは、両者が深くかかわり合った 形になっている。そこを乗り越えようとして議論してきたということがありますので、そ ういう意味では、大筋で私もこの真ん中の何らかの新たな仕組みが必要という認識に立っ ております。  いろいろとありますが、時間の関係もあって1点に絞りたいと思います。資料3でいえ ば、2ページの3の「参入の仕組」、それから資料2では8ページに「認可の裁量性による 新規参入抑制」がありました。ここは供給を抑制しているということで大変重要な問題で すが、こことの関係で一つは指定制が出ておりますので、これについてもう少し認識を共 有しておく必要がありはしないかと思いました。それから、資料の関係でいえば、「新規参 入」という言葉が、私から見ると曖昧に使われすぎているのではないか。つまり、認可保 育園を中核にしながら、保育のニーズに対応していこうという考え方のときに、この新規 参入は認可されてもおかしくない所が認可を受けられないという問題と、加えて例えば資 料2の9ページの次の新規参入抑制には、その他のこれまでの社会福祉法人を中心とする 参入以外のところなどを視野に入れて、そして一部、認可外保育所とかかわるような形で、 この言葉が遣われているようにも思えるのです。やはり、認可園をもう少しクリアにして、 認可を受けられるべきところ、認可園を増やしていくというところが、もう少し強調され るような書き方ができないかという気がしました。以上です。 ○大日向部会長  ありがとうございます。それでは、速水参考人。 ○速水参考人  ありがとうございます。非常に細かい話で恐縮ですが、資料2の「議論のたたき台」の8 ページです。こちらの一番下のii)に、「認可の裁量性による新規参入抑制」とあります。こ ちらにつきまして、私どもは新規参入につきましては、透明性を高めていくことは非常に 大事だと思っておりますけれども、ここについて都道府県に広い裁量権が認められ、事業 者からの申請であっても必ずしも認可されないと書いてあります。制度としてはよくわか る話ですので、ここのところが制度としてある、実態としてこういうことがあるというこ とは別ですけれども、制度としてあるだけでしたら、そういった書き方に変えていただけ ないかということです。 ○大日向部会長  朝川少子化対策企画室長、お願いいたします。 ○朝川少子化対策企画室長  まず、庄司委員の指定制の意味は、一般的にということですが、認可は事業規制をする ために認可制度が採られておりまして、要するに社会福祉事業になると、いろいろと税制 上の優遇を受けながら、しかし公的なサービスを担っていただくという意味での事業規制 としての認可制度です。指定制度というのは、どちらかというと、公的な給付の対象にな るサービスかどうかを見極めるための行政行為ということで、そこには基本的には、裁量 性を認めずに、むしろ指定を拒否する事由を法律上列挙していって、それに該当しなけれ ば対象にしますという仕組みなので、自ずと認可として、物事の性格上、裁量性のあるな しという意味では、指定制の方がないであろうということで指定制ということを書かせて いただいております。  それから、速水参考人のご指摘については、これはまさに制度上の話を申し上げており ますので、表現は工夫したいと思います。 ○大日向部会長  杉山委員、お願いいたします。その次に岩村委員で。 ○杉山委員  ありがとうございます。一つが、例えば制度を見直すとなると、相当の議論も必要だし、 時間も必要ですけれども、例えば、それ以外のもので来年度などに早急に対応してできる というようなものも、この中には幾つかあるのではないかと思っております。例えば認可 外保育園の問題や、本当に何とかしなければというベビーホテル的な所に対して何ができ るのかというところは、これはすぐできるなど、少し書きぶりを整理していただいて、中 期的に見るもの、短期的に見るものなど、そういうものが少し立体的にわかりやすくなる とよいと思いました。  それと、これは私の印象だけかもしれないのですけれども、保育に関しては相当ボリュ ームを置いているけれども、放課後児童クラブはその先の連続性など、おっしゃってくだ さっているのですが、こういった行為的、契約的な仕組みにしていくということは全くな くて、従来通りのやり方を少し直しましょうということでいってしまうのかと。今さら言 ってもと思いますが、その先にあるものとしては、これだけ仕組みを整えていったら、そ の次に学童の問題が絶対に出てくると思うので、そうでなくても今までかなり手つかずに してきてしまった反省もあろうかと思いますので、少しここが気になるという印象を持ち ました。  それから、あと23ページです。これは少し細かいのですが、下から2行目です。「地域 子育て支援拠点事業とともに一時預かり事業を行うことの意義」というのは、このまま拠 点の中で一時預かりを行うことの意味を言っているのですか。一時預かりを増やしたいと いうことは文章を読んでいるとわかるのですけれども、整理をして項目を当てるなど、一 時預かり、拠点事業、こんにちは赤ちゃんなど、括弧付けでもよいのですが、小見出しの ようなものを付けながらやっておいていただいた方が整理しやすいかと思いました。以上 です。 ○大日向部会長  ありがとうございました。それでは、岩村委員、お願いします。 ○岩村委員  すみません。途中から参加したので、あまり議論がフォローできていないのと、報告書 の方もざっと目を通しただけで精査していないので、またの機会にさせていただきたいと 思いますが、気がついたところを2点ほど申し上げておきたいと思います。  具体的には、「保育」のところですが、先ほど駒村委員からもご発言がありましたが、私 にというお話もあったのですが、実は私自身も公的契約というのは何だろうと思っていた ところでございますので、そこはまた機会を改めて、ご説明なりお考えをお聞かせいただ ければと思います。  それからもう一つ、保育の質との関係でいいますと、事前の、要するに認可なり、今回 の真ん中の案でいえば例えば指定というようなものと、それから最後の方で出てくる情報 の公開というような形で、ある意味でのマーケットメカニズムをはたらかせることによっ てコントロールしようということがあるのですが、それともう一つ、実は特に真ん中の新 たな仕組みでいったときには、実際に支給された給付というものが、適正なサービスに対 して支給されたのかということについてのコントロールが必要なはずで、今日いただいた 中には、見落としているかもしれませんが、その部分が入っていないのではないかと思い ます。現行制度ですと、そこのところは認可制度と認可をした行政庁による監督で全部見 ているということになるのでしょうが、それとの対比で、新たな仕組みのもとでも、適正 なサービスに対する給付の支給であるのかのコントロールがが入らないといけないのでは ないかという気がしましたので、私の見落としでなければ、そこはご検討いただければと 思います。 ○大日向部会長  ありがとうございました。皆様に一通りご意見をいただきましたところで、ちょうど時 間も参りましたようでございます。従いまして、本日はこの辺りにしたいと思いますが、 本日ご説明いただきました報告書(案)の分量は大変多いものですが、それぞれの論点が重要 でもありますので、委員の皆様方には、お持ち帰りいただきまして本部会として取りまと めの本文に当たります資料2と資料4をお読みいただきまして、ご意見があれば12月11 日木曜日までに事務局に文書でご意見の提出をいただければと思います。  また、明日は保育事業者検討会も開催予定と伺っております。そちらでの議論も踏まえ ながら、年内に取りまとめを行いたいと思います。そうしたことも考えまして、私といた しましては、委員の皆様に予備日としてご日程をいただいております今月16日に、もう一 度ご議論をいただければと思っております。  それでは、事務局から次回の日程につきましてご説明をお願いします。 ○朝川少子化対策室長  本日は誠にありがとうございました。今いただきました次回の日程につきましては、12 月16日火曜日の15時からお時間をいただいておりますので、場所はここからは少し遠く て恐縮でございますが、三田の共用会議所3階の大会議室で予定しています。委員の先生 方には、場所の地図をご連絡をさせていただきます。引き続き、本日の報告書(案)について のご議論をお願いしたいと考えております。お忙しいところ恐縮でございますが、ご出席 いただきますよう、よろしくお願いいたします。 ○大日向部会長  それでは、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。 (照会先)  厚生労働省  雇用均等・児童家庭局総務課  少子化対策企画室  (内線7944)