08/12/01 平成20年度第6回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 平成20年度第6回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会議事録 (1)日時  平成20年12月1日(金)13:00〜15:30 (2)場所  厚生労働省専用第21会議室 (3)出席者 委員:西岡清分科会長、原正道分科会長代理、相川直樹委員、        伊藤澄信委員、木下勝之委員、熊本一朗委員、小山信彌委員、        齊藤壽一委員、佐藤博委員、嶋森好子委員、辻村信正委員、        松田晋哉委員、山口俊晴委員、山口直人委員、吉田英機委員        事務局:佐藤医療課長、宇都宮企画官、他 (4)議題  1 医療機関へのヒアリングについて        2 基本問題小委員会での議論の報告及び整理すべき課題について        3 その他 (5)議事内容 ○西岡分科会長  ただいまから平成20年度第6回診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)を開催 させていただきます。  本日の委員の出欠状況でございますが、池上委員、坂巻委員、難波委員より御欠席と の連絡をいただいております。また、松田委員の代理で伏見清秀先生に御出席していた だいております。また、佐藤医療課長は公務により途中退席される旨御報告を受けてお りますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、本日御出席をいただいております病院の各代表の方の御紹介をお願いいたしま す。 ○中田補佐  それでは、御紹介させていただきます。  佐賀県立病院好生館の副病院長、林田潔さんです。医療法人社団平成会藤枝平成記念 病院病院長の平井達夫さんです。医療法人蒼龍会井上病院病院長の田畑勉さんです。独 立行政法人労働者健康福祉機構熊本労災病院病院長の小川道雄さんです。山梨大学医学 部附属病院副病院長の久木山清貴さんです。総合病院岡山市立市民病院病院長代理の東 俊宏さんです。綜合病院福島赤十字病院病院長の芳賀甚一さんです。京都第二赤十字病 院病院長の中島正継さんです。 ○西岡分科会長  お忙しい中、当分科会に御出席いただきましてありがとうございます。本日はどうぞ よろしくお願いいたします。  それでは、まず、事務局のほうから資料の確認をお願いいたします。 ○中田補佐  資料の確認をさせていただきます。まず、お手元に議事次第、委員名簿がございま す。資料D−1「平成20年度DPC評価分科会における特別調査(ヒアリング)につ いて」、D−2「平成20年度DPC評価分科会における特別調査(2)について」、D− 3「基本問題小委員会での議論の報告及び整理すべき課題について」でございます。ま た、参考資料といたしまして、机上のみ配付資料でございますが、参考資料1「各ヒア リング対象医療機関の疾病構造等のデータ」、参考資料2「各ヒアリング医療機関から 提出された調査票」、参考資料3「ヒアリングの論点整理」、参考資料4「平成19年 度DPC分科会におけるヒアリング概要」でございます。  なお、参考資料につきましては、患者個人が特定されるおそれがある資料を含んでい るため、各委員の机上のみに配付しております。また、机上のみ配付資料につきまして は、会議終了後回収させていただきます。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、議事に移りたいと思います。まず、事務局から資料の御説明をお願いしま す。 ○中田補佐  お手元の資料D−1「平成20年度DPC評価分科会における特別調査(ヒアリン グ)について」につきまして御説明申し上げます。  今年度特別調査の実施の内容につきましておまとめいただいたものでございますが、 1ページ目の下線にございますとおり、本日のヒアリング事項につきましては、再入院 についてのアでございます。ア、3日以内の再入院について。本年度より同一疾患によ る3日以内の再入院については、1入院として取り扱うこととしたが、その影響等につ いて検証するために、3日以内再入院率が高い医療機関を対象とする。その際には、が ん化学療法・放射線療法の場合とそれ以外の場合に区別して考慮する。イ、4〜7日以 内の再入院について。4〜7日以内の再入院については、今後の算定ルールの見直しに 向けて、4〜7日以内再入院率が高い医療機関を対象とする。その際には、上記と同様 に、がん化学療法・放射線療法の場合とそれ以外の場合に区別して考慮する、とござい ます。  第2の適切な診療報酬の請求につきまして、下線で引いておりますアとイの部分につ きまして本日ヒアリングを行う予定でございます。  ア、主要な診断群分類について、1日当たりの包括範囲出来高点数の当該医療機関平 均が全体の平均に比べて著しく高いまたは低い医療機関。イ、主要な診断群分類につい て、当該医療機関の平均在院日数が全体の平均より著しく長いまたは短い医療機関でご ざいます。  お手元の資料、D−2をごらんいただきたいと思います。  こちらにつきましては、「平成20年度DPC評価分科会における特別調査(2)につい て」でございます。  こちらは、前回提示させていただきましたとおり、ヒアリングの事前に実態を把握す るためにアンケート調査を実施いたしております。  2番目でございますが、調査方法等につきましては別紙1をごらんいただきたいと思 います。  今回のアンケート票の配布につきましては、8つのカテゴリーに分かれましてそれぞ れ対象医療機関に配布させていただいております。  概要を申し上げますと、1番目につきましては、前回入院と同一傷病による3日以内 の再入院の割合が昨年度と比べ大幅に減少した医療機関。2番目につきましては、同様 に4〜7日以内の再入院の割合が大幅に増加した医療機関。3番目につきましては、同 様に3日以内の再入院の割合が高い医療機関。4番目につきましては、化学療法、放射 線療法を実施していない患者の4〜7日以内の再入院の割合が高い医療機関。5番目に つきましては、同様に7日以内の再入院の割合が高い医療機関。6番目につきまして は、診断群分類のうち狭心症、慢性虚血性心疾患の手術なし、心臓カテーテル検査あり における1日当たりの包括点数に対する包括範囲出来高点数の割合が高いもしくは低い 医療機関。7番目につきましては、関節リウマチ、手術なし、インフリキシマブありの 包括点数に対します包括範囲出来高点数の割合が高いまたは低い医療機関。8番目につ きましては、同様に子宮頸・体部の悪性腫瘍、手術なし、化学療法あり、放射線療法な しの平均在院日数が非常に短い医療機関にアンケートを配布させていただいておりま す。  ページをお戻りいただきまして、1ページ目にお戻りいただければと思います。  調査方法の(2)につきましては、全医療機関から回答を得まして回収率は100% でございます。  3番目のアンケート調査結果でございます。(1)の再入院につきましてまとめさせ ていただいております。(1)でございますが、前回入院と同一傷病による3日以内の再入 院の割合が昨年度と比べ大幅に減少した理由をまとめさせていただいております。概要 を申し上げますと、アでございますが、化学療法を外来へ移行したと。イでございます が、白内障手術を行う場合に、片眼ずつ2度に分けて手術を行っていると。これまでは 手術日が月・木の週2回であったため3日以内の再入院となることがあったが、本年か ら手術日が月曜日のみとなり、3日以内の再入院となることが少ない。ウでございます が、なるべく外来で行うこととし、検査目的の入院が減少したため。エでございます が、QOL向上のための一時退院については外泊として取り扱うという理由でございま す。  ここでは、同一傷病とは、診断群分類の上6桁が同一である傷病といったことでまと めさせていただいております。  (2)でございますが、同様に4〜7日以内の再入院の割合が昨年度に比べて大幅に増加 した理由でございます。アでございますが、同様に化学療法の患者が増加した。イでご ざいますが、こちらも同じ白内障の例でございますが、片眼の手術が行われるごとに一 度退院するようにした。ウでございますが、膀胱がんに対するBCG膀胱内注入療法、 これは通常週1回8週間のBCG投与で行うものでございますが、こちらを行う患者が ふえたという理由がございました。  (3)でございますが、こちらも同様に3日以内の再入院の割合が高い理由でございま す。アでございますが、こちらは気分転換や精神的安定確保のため、一時的にであって も帰宅するようにしていると。イでございますが、病状の急変により再入院となる。ウ でございますが、こちらも白内障でございますが、片眼ずつ2度に分けて手術を行って いる。各手術ごとに入退院を行う。エでございますが、退院後てんかん発作が再発し救 急入院という理由がございました。  (4)でございます。こちらは化学療法及び放射線療法を実施していない患者の4〜7日 以内の再入院の割合が高い理由でございます。アでございますが、脊椎関連疾患の患者 につきまして術前に侵襲性の高い検査を入院で行った後、一旦退院。検査結果から手術 適応と判断された患者については再度入院し手術を行う。イでございますが、こちらも 同じく白内障でございますが、両眼の白内障手術を行うにあたり片眼ずつ施行する。2 次救急指定病院でありベッド確保を目的として短期間でも退院している。ウにつきまし ては、肝細胞がんに対し経皮的エタノール注入療法を実施することにつきまして、こち らは頻回に繰り返す必要があるので、治療前に入退院を繰り返すというが理由がござい ました。  (5)でございますが、こちらも同様に7日以内の再入院の割合が高い理由でございま す。アでございますが、入院患者の60%超が透析を実施しているといったことでさま ざまな合併症を有しており、再入院を繰り返すといったこと。イでございますが、こち らも白内障につきまして1泊2日で片眼を手術した後、一旦退院。後日再入院して手術 を行う。ウでございますが、高齢者、施設入所者の肺炎につきましては、治療終了後の 急性増悪、続発症の発症が多いという理由がございました。  (2)1日当たりの包括範囲出来高点数の平均でございます。(1)でございますが、診 断群分類のうち狭心症、慢性虚血性心疾患、手術なし、心臓カテーテル検査ありにおけ る1日当たりの包括点数に対する包括範囲出来高点数の割合につきまして、高い理由、 低い理由に分けて理由をまとめさせていただいております。  まずは出来高点数の割合が高い理由でございます。アにつきましては、心不全を疑う 症例に対しまして診断治療のために積極的にカテーテル検査を行うと材料費等が多くか かる、入院期間も1泊2日の短期間で実施するということが影響している。イでござい ますが、冠動脈造影でも有意な狭窄がない場合に冠攣縮性狭心症の診断目的にアセチル コリン負荷試験を施行する。そのための材料費が大きい。ウでございますが、必要に応 じて造影検査だけではなく、血管内超音波プローブを用いた血管内超音波検査を行う。 その治療の妥当性を判断しているため、その材料費等が大きいという理由がございまし た。エでございますが、冠微小血管狭心症または冠攣縮性狭心症の診断を積極的に行う と。冠動脈造影用センサーつきガイドワイヤーを使用することが多く、このため材料費 が高額となるとう理由がございました。  続きまして、低い理由でございます。アでございますが、最新の心臓カテーテル機器 を導入し、造影剤の使用量を軽減させたため。イでございますが、熟練した循環器専門 医を増員した。カテーテルの使用量も減らしたということでございます。ウでございま すが、外来で可能な検査は外来で実施している。入院中に行う検査が少ない。エでござ いますが、スワンガンツカテーテルを必要とする症例が非常に少ない。材料費等が大き くなる症例が少ない。オでございますが、クリニカルパスの導入により標準的な治療が 行えているという理由がございました。  (2)の診断群分類、関節リウマチ、手術なし、インフリキシマブありの1日当たりの包 括点数に対する包括範囲出来高点数の割合につきまして、高い理由、低い理由をまとめ させていただいております。  高い理由につきましては、アでございますが、患者のニーズと安全性の観点から日帰 り入院で高額な薬剤であるインフリキシマブを投与している。そのため出来高点数が高 くなってしまう。イでございますが、クリティカルパスを導入し改良を重ねてきてお り、平均在院日数が短縮している。ウでございますが、体重が大きく、インフリキシマ ブの投与量が多い症例が多かった。エでございますが、まだ準備病院であり、診療報酬 は出来高で支払われており、患者の利便性を考え検査は入院時に行っているという理由 がございました。  低い理由につきましては、インフリキシマブ投与の可否を判断するための検査につい て外来でしていることが多い。イでございますが、入院時併存症の影響により入院期間 の長い症例が多くなる。ウでございますが、入院並みの監視体制が可能な外来治療セン ターがあり、リスクの低い症例につきましては外来で行う。原則として1日から2日の 短期入院でのインフリキシマブ投与は行っていない。したがって、入院に至るものでは 逆に比較的リスクが高い症例が多く、在院日数が長くなるためという理由がございまし た。  (3)平均在院日数について、でございます。こちらは診断群分類、子宮頸・体部の 悪性腫瘍、手術なし、化学療法あり、放射線療法なしの平均在院日数が非常に短い理由 を挙げさせていただいております。アでございますが、1日入院(日帰り入院)か1泊 2日の入院で行うケースがほとんどである。全身状態のよい症例では入院管理はこれで 十分と考えているため。イでございますが、外来で実施可能な症例については外来で化 学療法を実施している。外来化学療法室のベッド数に比例して患者数が多く、1日入院 (日帰り入院)で実施している。ウでございますが、ほとんどの症例が観察を含めて2 日間の入院で化学療法を実施している。外来での日帰り化学療法も検討しているが、患 者の希望、安全性や外来スペースの限界などでまだ少数例にとどまっているためという 理由が挙げられております。  続きまして、別紙1を飛ばしていただきまして別紙2でございます。  こちらはヒアリング対象医療機関につきまして、今日お越しいただいております医療 機関ごとの病床種別または病床数をここにまとめさせていただいております。  また、別紙3でございます。  こちらは、本日お越しいただきました医療機関ごとにそれぞれのデータをここで示さ せていただいております。  概要だけ申し上げますと、例えば1ページ目の佐賀県立病院好生館につきましては、 (1)につきましては3日以内の再入院の割合を対象病院平均と比較した場合の当該医療機 関のデータ。(2)につきましては、4〜7日以内の再入院について同様のデータをまとめ させていただいております。  以下、2ページ目以降、それぞれヒアリング対象医療機関ごとのデータをまとめさせ ていただいておりますので、ヒアリングの際にあわせてごらんいただければと思ってお ります。  資料の説明は以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  今の御説明に関して何か御質問等ございますでしょうか。  それでは、御出席いただきました各病院に対するヒアリングを行いたいと思います。 今回の開催に当たりまして、事前に事務局より各委員へ資料が送付されており、既に目 を通していただいているかと思います。時間も限られておりますので、まず、各病院に 3分以内で御説明をしていただき、その後、各委員からの質問をお願いしたいと思いま すので、どうぞよろしくお願いします。  まず初めに、再入院率について議論したいと思います。  最初に、佐賀県立病院好生館から御説明をお願いいたします。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  佐賀県立病院好生館の副館長の林田です。それでは、当院の現状でお話をさせていた だきます。  当館は、地域の中核病院としてがん拠点病院とか救命センターを持った病院です。当 院における短期間での再入院患者についてということで、そこに資料がありますけれど も、概略をお話ししたいと思います。  当館の場合、病状の急変による救急入院以外はすべて悪性新生物に対する化学療法の 再入院です。いわゆる慢性疾患というのはございません。当院での化学療法において、 現在可能なものはできるだけ外来化学療法へのシフトを行っております。  ただ、佐賀県という地域が高齢者が多いという、そういった地域的な特殊事情があり ます。それから、そういったことがありますので多くの場合には入院においての化学療 法がどうしても多くなっているという現状があります。高齢者の場合に、通常の若い人 に比べるとかなり外来で化学療法を行える頻度というのが減ってくるということがあり ます。  それから、佐賀県においては化学療法において造血の抑制ということに対してG−C SF等を投与して管理をしてもらえる病院というのはどうしても少なくて限られた病院 になります。現実的には佐賀の中部医療圏におきましては、好生館と佐賀大学の附属病 院がそういったことがきちっとできるという状況です。このために化学療法を行った後 の管理を簡単に地元の他院に依頼することがなかなかできにくいという現状がありま す。  したがいまして、遠方からの患者などは地元で診てもらうわけにはいきませんので、 どうしても当院において入院のまま診ていかねばならないという事情があります。こう いった事情がありまして、当院の特徴的な事情としては入院による化学療法が多いとい うこと、化学療法後の回復を入院でぎりぎりまで診ているために、退院から次のクール までの期間が短くなるということがあります。場合によってごく短期の退院になってし まうことが少なくないということが、こういったことが理由だというふうに思います。  特に、血液疾患の化学療法においてできるだけ長く家に帰っていただくということを 考慮はしているんですが、血液疾患の化学療法のクールの間の退院日数が従来よりも今 はちょっとずつ長くなっていますけれども、そのことともしかしたらこの3日ほどの期 間が減って、少し長くなったほうに、グループに移動しているという傾向は確かにある と思います。  今回の調査で、当院の返答で報告の数字がこちらでまとめていただいた数字とちょっ と違っていたのは、こちらが勘違いしていまして、退院4日後の入院と、こちらが3日 目と数えたのが実は厚生省のほうは4日目というふうに数えているということがありま したので、少しその辺が違ったものに、当方から出した分が違っていたと思います。そ ういったカテゴリーに違った分類されていますけれども、それ以上の他意はありませ ん。  概略は以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  では、次に、続きまして、医療法人社団平成会藤枝平成記念病院から御説明をお願い いたします。 ○平井院長(藤枝平成記念病院)  藤枝平成記念病院の院長の平井と申します。  当院の概略ですが、静岡県中部地区にある中小病院でございまして、ちょっと特徴的 なのは、医療圏に不足しているいろんなものを特化していろんなセンターを立ち上げて おりまして、ガンマユニットセンター、これは年間700例ぐらい、あと脊髄脊椎セン ター、手術例が400から500、あと内視鏡センター、これが何千とやっています し、PETセンターとかそういう特化した特別なような形で治療をしております。  DPCは今年の7月から開始したんですが、特に我々としては変わった様子はないん ですけれども、今回再入院が4日から7日の症例が多いということで調べましたとこ ろ、脊髄脊椎センターの症例でありました。脊髄脊椎センターは、現在7人の医者がや っておりまして、年間手術が400から500です。外来の診察待ちが3カ月、4カ 月、手術待ちもそのぐらいかかっておりまして、大変忙しい中でやっておりますのでこ ういう結果になったんだろうと思いますが、今日詳しい内容はセンター長が来てくれま したので、そちらから説明させていただきます。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  説明、交代いたします。脊髄脊椎疾患治療センターの担当をしております花北と申し ます。  本院の内容は、今院長が申しましたけど、非常に規模は小規模の病院でありまして、 こういう再入院のやり方は実はDPCに加えていただく前から過去5年間同じようなペ ースでやっておりました。現実はどういうことになっているかといいますと、私のとこ ろの病院の手術日が火、水、木という3日間、週の半ばに設定しております。私が担当 しております脊髄疾患というのはもちろん外来である程度非侵襲的な検査ができるんで すけども、その方々に手術適応があるかどうかは、最終的に入院して手術適応の最終的 な振り分けを侵襲的な検査方法でやります。それは脊髄造影とか椎間板造影とかちょっ と観血的な検査なんですけど、それをいつも火曜日にやっております。そうしますと、 それの結果が出るのが火曜日の午後で、必然的にカンファレンス等にかけて手術の振り 分けをするんですけども、どうしてもその結果が出るのが水曜日、患者さんに説明する のが水曜の午後から木曜日ということで、その週の手術には具体的には入れません。そ れで、一応大体木曜日の段階で帰っていただいて、その次の週に入るということで、ど うしても数日間のブランクが出ます。それを外泊退院にするか、あるいは一度帰ってい ただいてするかどうかということなんですけども、現実的には患者さんの希望もありま すから、一度帰っていただいて手術日を決めてその前日に入っていただくというペース でやってまいりましたら、こういう非常に再入院率が高いということになりました。  それから、去年度と比べて増えている理由は、これは手術数の増加であります。先ほ ども申しましたように、明らかに年間四、五十ずつぐらい今も増えておりますので、多 分手術を目的とした患者さん、あるいはその検査を目的とした絶対的な患者さんの入院 数が増えていることが、そういうシステムに乗っかって運用した場合に再入院率が上が っている結果ではないかなと私は解釈しております。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  では、続きまして、医療法人蒼龍会井上病院から御説明をお願いします。 ○田畑院長(井上病院)  井上病院は、腎疾患、透析医療に特化した専門病院です。127床の病床で運営して おり、患者数は血液透析約800名、腹膜透析約80名と、自院で約880名の透析患 者さん、また、近隣の透析クリニック、すなわちサテライトクリニックの患者さんを含 めますと2,000名の透析患者さんのマザー病院として入院対応しております。  入院は主に腎不全に対する透析導入、維持透析の合併症、そしてシャント関連の治療 に携わっております。このため、入院患者さんの約66%が透析患者さんです。  7日以内の再入院率が他のDPC病院と比べて非常に高いとの御指摘でございます が、透析以外の一般の患者さんは104件の退院のうち7日以内の再入院は2件で1. 9%でございました。一方、透析患者さんでは217件の退院のうち19件、8.75 %と高い再入院率となっております。  近年、透析患者さんの高齢化が進み、また、糖尿病による末期腎不全にて透析をされ る患者さんがふえております。このような患者さんは動脈硬化症も進んでいること、腎 以外に多くの合併症を持っておられること、また、高齢透析患者さんでは転倒など退院 後予期せぬ疾病や転倒事故で再入院する比率が非常に高くなっております。  専門的な治療が必要と判断し、大学など高次の病院へ転送後状態が落ちつき、再度当 院へ転入された再入院が、今回指摘されました7日以内の再入院率の21件のうち5 件、23.8%を占めております。高次病院においては透析ベッドに限りがあり、診 断、治療方針がつけば速やかに当院への再入院を受け入れてほしいとの依頼がございま すので、病病連携として透析患者さんをお願いした高次病院からの転院の依頼があれば 速やかにお受けしております。  7日以内の再入院が21件ですが、同一患者さんも複数あり、患者数は16名となっ ております。再入院の理由別としまして、先ほど申し上げました高次医療機関への搬送 後の再入院が5件、23.8%、前回入院・治療、または軽快後別の疾患での再入院が 10件、47.7%、前回入院軽快後同一疾患の悪化での再入院が3件、14.3%、 前回入院時、予定した手技、手術が施行できず、後日再入院が2件、9.5%となって おります。  残念ながら一部の患者さん、特に透析患者さんでは自己管理が十分でなく、退院後体 液過剰による肺うっ血のために夜間に緊急搬送され、入院、緊急透析を必要とする患者 さんもおられます。また、高齢の透析患者さんでは、退院後の転倒など、予期しない再 入院も見られています。  以上が4日から7日以内での化学療法なしの再入院率が高い理由として考えておりま す。  次に、3日以内での診断群分類6桁が同一の再入院率が高いという御指摘ですが、現 状のDPC請求のルールでは、前回入院と今回の入院の契機病名が違っていても透析を 必要とする末期腎不全患者の診断群分類6桁は110280となる頻度が非常に高くな っております。これは、透析医療の特異性であり、コーディングもルールどおり実施し た結果と考えております。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  ただいまの御説明につきまして何か御質問、御意見等ございましたらお願いします。 熊本委員、どうぞ。 ○熊本委員  それぞれの地域特性並びにその病院の疾病の特性は十分お話しいただきまして理解し た部分が多いんですけども、例えば好生館病院の場合、3日以内が減って4日〜7日が 増えておりますですよね。そういった意味で外来治療へシフトされているということな んですけど、制度が変わったことで何か例えばパスとかやり方を変えたためなのか。  また、そのことは藤枝平成病院のほうでも昨年度はDPCの対象病院ではないんでし ょうけども、例えば昨年はそれをどうされていたか。3日以内だったのかどうかという こと、もしくは外泊とかにされていたかどうか、そのあたり教えていただければと思い ます。  また、井上病院の場合は、昨年は3日以内の再入院が高いという指摘があったかと思 うんですけども、それは中身は変わったのかどうか。日数的なことですけども、それを 教えていただければと思います。 ○西岡分科会長  順番にお願いいたします。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  好生館です。  昨年、3日以内に20名いて、今回4名になっています。一番減っているのは血液疾 患が随分この中では減ってしまっているんですが、今化学療法のうちの半分以上は血液 疾患が占めています。化学療法全体としてレジュメを一度見直してパスがきちっとでき ているというのは、これは現在はそういう形で非常に標準化された形でやるようにはな っています。そのことは直接日数のこととどう結びつくかちょっと分からないんですけ ども、きちっとした標準的な治療で全体を管理するようにはなっています。今の状況は そういう状況です。  それと、あと先ほどお話ししましたように地域的なことがあって、どうしても入院が 長くなるというのがあったんですが、できるだけ外来の化学療法の頻度もこれは実は増 えていると判断しています。その中でごく短期の再入院が減っているという形で、その ことで全部説明できるかどうかちょっと難しいところはあると思いますけども、特に日 数を意図的にいろいろ考えたりということは全くなくて、そういった形の標準化とでき るだけ帰す期間を長くするという形では動いております。  それでよろしいでしょうか。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  藤枝平成記念病院の説明いたします。  運用は、先ほど少し申しましたけども、このDPCを採用する前と採用してから基本 的には一時帰っていただく一時退院という形で運用しておりましたので、大きく変わっ ておりません、ここ四、五年。  それから、数が去年と比較して増えつつあるのは、多分まだ私とこの病院の手術件数 のキャパシティーがまだフルにはなっていないんだろう。そろそろオペ室の都合でもう 伸びないかなという具合にはなっておりますけども、まだ少し伸びしろがあったのでこ ういう昨年度と比較して増える形になったんじゃないかなと解釈しております。 ○田畑院長(井上病院)  井上病院ですけれども、3日以内の再入院が増えたかという御質問に対しましては、 全体としては変わっておりません。透析以外の患者さんの3日以内の入院というのは今 回はゼロで、むしろ透析患者さんの3日以内の入院が増えているのが現状です。その内 容はどうなのかということなんですけども、多くは変わっておりませんけれども、今回 2例が退院後に転倒して、その後入院されたという症例がございますので、その辺がち ょっと変わっているところでございます。 ○熊本委員  好生館病院の場合は再入院の中にかなりやっぱりリンパ腫とかそういった疾患のもの も多いかと思うんですけども、そういったことの事情というのは何かあるんでしょう か。特性によって起こっている。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  疾患が多い理由ですか。 ○熊本委員  いや、違います。再入院になる理由というか、パスをつくったりレジュメをつくった りの。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  問題は、次のクールまでの間にどれだけ空けられるかということだと思うんですが、 実際問題として実はなかなかもっと早く帰して外来で管理をしていきたいというふうに 思って担当部署は頑張っているんですけども、やはり高齢者がとにかく多いということ があって、70歳以上の人たちがけっこう多いんです。そういうことがあって、ちょっ とずつそういう努力が実を結んだと思うんですけど、3日以内という非常に早いタイミ ングでもうすぐ帰ってくるのは余りない。少し早めには帰せるようになっているけど も、まだやはり1週間ぐらいかかってしまうというところだと思います。 ○西岡分科会長  特にレジュメを変更されたということはないんですか。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  去年と比べると変わっているというふうに聞いています。今うちは電子カルテで統一 したレジュメを今運用するようになりまして、それから少し変わったと思います。 ○西岡分科会長  それから、多分ほかの施設もおっしゃると思うんですが、それぞれの地域だけが特別 高齢者が多いわけじゃございません。東京の真ん中でも同じような高齢者のほうにシフ トしております。ですから、高齢者だからという理由はあまり通りにくいなという気は するんですが。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  わかりました。もう一つ加えますと、佐賀県は小さな県ですけども、かなり田舎のほ うからたくさん患者さんが来られます。どうしても、そういうきちっとした管理ができ る病院が幾つかしかないのでそこに集まらざるを得ない。例えば本来なら外来でワンク ール終わったその後の管理をして診てくれるところが近くにあれば帰せるんですけど も、帰せないという事情があります。 ○西岡分科会長  わかりました。  ほかに御質問ございませんでしょうか。はい、どうぞ、小山委員。 ○小山委員  佐賀県立病院の先生にお伺いしますけども、先生のところの今の平均在院日数とベッ ド稼働率はどの程度か教えていただけますか。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  平均在院日数は今十五、六日のところを推移しています。ベッド稼働率は、昨年は8 0%ぐらいでしたけど、今ちょっといろんなごたごたが実はいろいろありまして、75 %を前後しております。 ○小山委員  主に血液疾患が多いようですけども、血液疾患というのはある程度どちらかというと 入院日数は長くなると思うんですけども、それにしても再入院率がちょっと高いような 感じなんですけれども、ここら辺の退院させるタイミングについてはどのようにお考え ですか。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  直接、私は血液の専門ではなくて、実はここへ来る前に血液のほうの人からいろいろ 話を聞きましたけれども、実際問題としてもう少し早く帰せる人はいると思います。た だ、先ほどお話ししたような事情で、どうしてもうちで入院をしてぎりぎりまで待って から短期に帰して、少し目が離れてもいい期間まで待って帰すという状況だというふう に聞きました。 ○小山委員  その期間が余りにも短いんでちょっと問題になっているんですよね。今我々が一番責 められているのは粗診粗療というところを責められているわけですね。ちゃんと必要な 入院期間させていないんじゃないの、だから再入院が多いんじゃないですかというふう に我々は中医教で責められているわけですね。だから、そこが……。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  それはないと思いますけど。 ○小山委員  再入院がこれだけ多くなってきちゃうと、どうしてもそこを責められて、どういうふ うに答えていいか。先ほど委員長がおっしゃいましたけど、高齢者だけではちょっと説 明しにくいので。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  再入院というのは、例えば悪くなって再入院する場合と、僕らのところの現状として は、あらかじめ化学療法のスケジュールが組まれた中でということになりますので、治 療が悪くて悪くなって帰ってくるということでは決してないと思います。 ○小山委員  ただ、先生のところの統計を見ますと、最初の3日以内が21例中11例が急変です よね。それから、7日以内がやはり26例中7例が急変ですよね。そこら辺のところの 理由というのがやっぱり説明する必要があるかと思うんですが。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  これ、一番最初にこちらから出した11例ですね。 ○小山委員  そうですね。 ○林田副館長(佐賀県立病院)  これは、こちらから出していました11例に関しては厚生省が4例という形で全体を カウントされたんです。その全体、最初に出しました21例の中でほとんどは血液のが んではなくて、どちらかというと肺がんとかそういったものがほとんどです。食道がん で肺炎を起こした、がん性胸膜炎で症状が悪化した、それからあとはシャント、腸重積、 急性肺炎、少なくとも血液疾患に関してはそういった急変という形ではその11の中に はほとんど入っておりません。ここは、ちょうど厚生省のカウントで4日目に当たる人 たちがちょっと多かったんですけども。ですから、診療自体大きな手抜きをしていると いうことはないと思いますが。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。よろしいでしょうか。ほかにございませんでしょうか。  一つ、藤枝平成記念病院のほうへお伺いしたいんですが、整形外科の疾患が多くなっ たということは脊椎、脊髄ですね。それを脳外科の先生がやられるのか、整形外科の先 生がやられるのか、それは別にいたしまして、それが検査日と手術日とがうまく合わな いためにという御理由だったように思うんですが、ならばやはり今の流れとして患者さ んのメリットのために検査日あるいは手術日を変えてもっとスムーズにやるという努力 はやられるおつもりはございませんでしょうか。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  一つはスタッフにも限りがありまして、一つは今先生おっしゃった検査日を動かそう というプランも出ているんですけども、いかんせん外来が朝9時から5時まで5人がか かりっきりで月曜日、金曜日やっておりまして、火・水・木がフルの手術日なので、な かなか手術をこなしつつ外来をこなしつつ検査をやるというのが非常に厳しいかなとい うのが現実にはございます。  それで、手術日というのは私ところの科が単独で決めるわけにもいきませんで、なか なかほかの科と譲り合って使っているような状況でして、そこもなかなか全科的にちょ っともんでみないと手術日を動かすことも少し苦しいかなということで、ただ、こうい う御指摘がありますので、解決策としては多分検査日を何とか動かせる方向がいけるか なというぐあいに思っていますが、ただし、どうしても患者さんへの十分な説明となる と、なかなか手術日を土曜日に持ってくるわけにもいきませんし、現実に3日間確保す るというのは非常に苦しいかなという。実際、手術症例もまだ少し増えそうですから、 非常に苦慮しております。 ○西岡分科会長  ぜひとも病院のいろんなプロセスを改良していただくのがこのDPCの目的でござい ますので、無理かもしれないんですが、やはりそういう改良をしていただかないとすべ てが患者さんのほうの負担になるんじゃないかなという気がします。  と申しますのは、ほかのところではそれを詰めてやっていらっしゃるのが平均値でご ざいますので、そういったことも御検討をお願いできればと思います。  ほかに、よろしいですか。どうぞ。 ○小山委員  井上病院の先生にお聞きしたいんですけども、再入院の理由として別の疾患の悪化が 再入院で10件となっていますけども、具体的には別の疾患というのはどういうような ものが多いんでしょうか。 ○田畑院長(井上病院)  憩室炎、それから転倒、打撲による皮下出血、それから顔面神経麻痺、肺炎、限局性 のアミロイドーシス、腹腔内出血、あと急性胃炎になっております。 ○小山委員  そうすると、原疾患は腎不全なんですか。 ○田畑院長(井上病院)  末期腎不全です。原疾患というか資源病名は末期腎不全でございます。 ○小山委員  末期腎不全で、それでもって今のような方が別の疾患で、47.7%が別の疾患が悪 化ということですけど、そういうことの悪化ということですね。 ○田畑院長(井上病院)  再入院をされた……。 ○小山委員  そういうことですね。 ○田畑院長(井上病院)  はい。 ○西岡分科会長  どうぞお願いします。 ○山口(俊)委員  藤枝平成記念病院の先生にお伺いします。私、専門じゃないんで教えていただきたい のですが、術前の検査にミエログラフィーというのは全例必須のものでしょうか。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  それは専門家の中で非常に意見が分かれておるんですけども、例えば腰椎疾患を数多 く手がけられる整形外科の先生等はやはりどうしても手放せない検査だという意見が多 いです。ただし、私が専門にしている脳神経外科の中ではMRIで十分だという意見も あるんですけど、私はむしろ整形外科の先生に近くて、ぜひとも手術をする場合には患 者さんにより安全な手術を正確な診断のもとにやるという考えのもとで、私は脊髄疾患 はかなりの患者さんは必要だろうと考えています。ただし、髄内腫瘍とかそういう明ら かに脊髄造影等で情報の得られないものはもちろん要りませんけど、大体私のところの 患者さんでは9割ぐらいは脊髄造影は要るかなという具合に今も考えております。 ○山口(俊)委員  私は最近の画像診断の進歩で余りやらないというふうに理解しておりました……。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  いやいや、そういうことでは先生、決してありません。それは手術をされない人はそ うおっしゃいますけど、実際メスを振るう者にとってはあの検査法は非常に得るところ が多いと私はまだ考えております。 ○山口(俊)委員  日本の手術例のほとんどは術前にミエログラフィーをやっていると理解しておりまし た……。 ○平井院長(藤枝平成記念病院)  いや、そんなことはありません。今も申しましたように、脳神経外科の中ではむしろ 要らないという意見の人が多いように思いますけど、それは経験不足だと思います。 ○山口(俊)委員  あともう一つ、先生のところは手術室は何件あって、年間何件ぐらいやっておられま すか。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  実際我々が使うのは2室です。 ○山口(俊)委員  病院として2室持っておられるんですか。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  いや、3室です。1室は外科が専門に使っています。 ○山口(俊)委員  年間何件の手術をしておられますか。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  私のところで脊髄関係が450件です。 ○山口(俊)委員  ほかの部屋は何件ぐらいやっていますか。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  外科は余り多くないですね。多分200ぐらいだと思います。 ○山口(俊)委員  3室あればけっこう余裕あるように思うんで、先ほどの話になりますけども、やっぱ り手術日を変えるということは可能じゃないでしょうか。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  ただ、麻酔科のドクターが今最近非常に不足していまして、変な話ですけど、2室を 共通で麻酔科の先生がコントロールされるんですけど、もう一室が対面にありまして、 そこはリスクの関係上麻酔科の先生がそこは使いたくないとおっしゃるので、ちょっと 2室以上は増やせないなという具合に今のところは考えております。 ○山口(俊)委員  ありがとうございました。 ○西岡分科会長  ほか、ございますでしょうか。  じゃ、私から井上病院にお伺いしたいんですが、すべての医療資源を投入した主病名 が何が起こっても全部すべて慢性腎不全になっているというのは、これDPCの考え方 として適切なのかなというふうに思ったんですが、先ほど慢性胃炎だとか憩室炎だとか というのがあるんですが、そちらのほうがむしろ入院したときの主な出来事でございま すので、そちらのほうが主病名になるということにはならないんでしょうか。 ○田畑院長(井上病院)  血液透析患者さんは週3回の透析をされております。当然、他の契機病名で入院され ていても、その週3回の透析をしなければならないと。そうなりますと、医療資源病名 が末期腎不全となってしまうというのが今現在のDPCのルールだと把握しております。 ○西岡分科会長  何かそのあたりがすっきりとしないところではあるんですが、何かほかに御質問等ご ざいますでしょうか。はい、お願いします。 ○宇都宮企画官  これは藤枝平成記念病院さんに伺いたいんですが、検査入院のために最初何日か入院 されるということなんですけれども、実際に使われているツリーというのは椎間板ヘル ニア等で手術なしのツリーということで使われているんですが、そもそもこういったツ リーをつくるに当たって、そういう手術なしで治療しているという前提で我々としては つくっているわけです。  ところが、実はこれは検査なんだという、もし現場の実態としてそういうことが非常 に多いとかいうことになれば、そもそもこのツリー自体に対する考えを我々としても変 えなきゃいけないと思うんですけれども、現場でのそういう標準的なものと、それから 先生方の実際になさっていることと、それからこのDPCのツリーに対する考え方とい うか、その辺のところ、ちょっと大きな話になるんですけれども、お考えがあったら教 えていただけますか。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  私のところが今のシステムで運用しているのは実際上、先ほども申しましたけれども、 外来である程度の診断はついているわけです。ただし、本当にこれが手術的な適用があ るかどうかをその検査も含めて総合的に判断しようという契機で入院していただいてい るのが、だから、そのときにはまだ手術に踏み切るかどうか分からないという、患者さ んの説明も、今度の入院で最終的な手術をするかどうか、他の治療をするかどうかを決 めましょうという形で入っていただいているのが現状なんで、ツリーとの関係でどう解 釈したらいいかどうか、私も正確には申し上げられないんですけど、現実の運用はそう なっております。それで、例えば検査入院というか侵襲的な検査は何も脊髄造影だけで はないんですけど、幾つか観血的な血を診る検査をやりまして、最終的にその段階で、 じゃあなたは手術をしましょう、あなたは外来で違う例えばブロック療法を続けましょ うという判断を振り分けるわけになっています。それで、手術の人は翌週以降に入って こられて実際手術をやっているという段階なんで、どういう具合になるのかどうなのか。 ○相川委員  今のことに関連してお聞きしますが、そうしますと、最終的な手術を判断するための 入院をするのですね。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  そうです。手術を含めて治療方針を決定という意味です。 ○相川委員  実際には手術になる症例と、それから手術にならない症例の割合というのはどのぐら いあるんですか。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  私の今の病院で大体7割ぐらいが手術に入られます。 ○相川委員  7割ぐらいが手術に入られるとすると、3割の人は再入院にはならないと。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  それは違った形の外来治療を選択するという形になります。 ○相川委員  その3割というのは外来の時点では何とも判断できないということですね。 ○花北副院長(藤枝平成記念病院)  それはもちろん外来だけで終わっている方もおられるんですけども、場合によっては 手術が必要ですよという形でそこで踏み切っているわけですけども。それから、手術の 術式を決めるという意味もあります、あの検査で。 ○相川委員  私の聞いたところは何割が手術をしない症例かということを聞いたわけです。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。  じゃ、またさかのぼって御質問するやもしませんので、どうぞよろしくお願いいたし ます。  続きまして、1日当たりの包括範囲出来高点数の平均が高いまたは低い医療機関、狭 心症、虚血性心疾患、手術なし、心カテ検査ありの例について議論したいと思います。  最初に、独立行政法人労働者健康福祉機構熊本労災病院から御説明をお願いします。 ○小川院長(熊本労災病院)  熊本労災病院の小川です。  私どもの病院は、典型的な急性期、救急の病院でして、一番多い病棟が整形外科、骨 折、外傷等で、それが多いにもかかわらず平均在院日数が14日を切るぐらいですので、 かなり忙しい病院です。  私もこれを見たときにちょっと不思議な気がしたんですが、一つは私どもでは入院予 約時に狭心症なり虚血性心疾患の検査を全部やってしまうという、そして入ってくると いう、そういうやり方で検査が外に出ているということが一つ。  それからあと、材料ですが、これは別の理由もあるんですが、今年からDPCに入り ました。それと時を同じくして造影剤でジェネリックを使うということを非常にやって おりますので、そういう点があるかと思います。  逆に右心カテーテル、これ後の久木山教授が恐らく御意見をお持ちでしょうが、私の ところでは心エコーで代用してしまうということ。超音波検査、現在は機械がなくてや っておりません。  そういう理由で出来高の包括の中に含まれる出来高が低いんではないか、そう思って おります。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  続きまして、山梨大学医学部附属病院から御説明をお願いします。 ○久木山副病院長(山梨大学医学部附属病院)  山梨大学の久木山でございます。  当院におきます事情を説明させていただきますと、いわゆる手術なし、心カテ検査あ りの特に出来高点数の高い症例を検討いたしました。そうしますと、もともと心カテ検 査ありの場合の出来高点数の約半分は心カテ検査に伴う点数ということで、私どもすべ てのカテーテル検査は年間700例ぐらい行っているんですが、今回対象となりました 24例を解析しますと、特に高い点数をとったケースを検討しますと、カテーテル検査 中に使用しました材料費、これが高くなっている。お手元の資料の理由欄に記載されて おりますように、特に血管内超音波プローブ、そして、ワイヤーフローがそれぞれ24 例中10例、24例中5例が使用されておりまして、このためにカテ中の材料費が高く なっているんだろうというふうに考えております。  これらのカテーテルはどうしても今後の冠動脈形成術の適用、または手術適応がない 場合でもその後の薬物療法の選択等を決めるために必要でやむを得ないところがあると いうふうに私どもは判断しております。  それともう一つは、私どもの大学病院は山梨県内でも僻地にありまして、いわゆる地 域医療、僻地医療になっておりまして、しかも、特定機能病院というふうなことであり ますので、心臓カテーテル検査のみを行って3日、4日間で退院するというわけにはど うしてもいかず、やはり多臓器の合併症が多くあるために少し在院日数が延びていると、 そういうふうな事情でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  ただいまの御説明につきまして御質問、御意見等お願いいたします。小山委員、どう ぞ。 ○小山委員  熊本労災病院の先生にお聞きしますけど、この先生のところの理由書として2ページ 目に書いてある上のほうにあります、当院では1本のみのカテーテルで検査を施行して いるということなんですけども、これ1本で両方の冠動脈造影と左室造影までやってい るということでしょうか。 ○小川院長(熊本労災病院)  右心はやっていないです。 ○小山委員  右心はやっていない、それは右心はやっていないことは分かります。 ○小川院長(熊本労災病院)  左室はやっていないです。 ○小山委員  左室造影はしていないと。していないんですね。そうすると、冠動脈造影だけで終わ っているんですね。 ○小川院長(熊本労災病院)  そうです。 ○小山委員  それが先生のところのルーチンなんですか。 ○小川院長(熊本労災病院)  そうです。 ○小山委員  ちょっと足りないような気がするんですけど、いかがでしょうか。 ○小川院長(熊本労災病院)  一応、心エコーとかいろいろやっておりますので、他の検査を、必要があればやって いるということで、ルーチンではやらない。 ○小山委員  すると、ルーチンでは左右の冠動脈造影をやって終わり。 ○小川院長(熊本労災病院)  そうです。 ○小山委員  というやり方ですね。かなり特殊ですよね。どうなんですかね。普通は……。 ○小川院長(熊本労災病院)  同じ教室なんです、この後ろにいるのと。だから、ちょっと意見が分かれるかもしれ ない。熊本大学の循環内科ですが。 ○西岡分科会長  後ろの方、どうぞ。 ○松村部長(熊本労災病院)  現在、以前と異なりまして心臓超音波検査のほうが非常に機能がよくなりまして、そ のために左室造影が必要であると思われた……、心臓超音波検査で問題のない症例は左 室造影は省いておりますが、やはりそこで異常があるといった症例は基本的にはやらせ ていただきます。ここにおいては狭心症ですので、とりあえず左室機能には異常がない といった症例で、あと、心不全とか弁膜症症例とか、そういうふうな患者様に対しては 左室造影等は施行しております。 ○西岡分科会長  ほかによろしいでしょうか。  じゃ、ちょっと私のほうから教えてください。熊本労災病院の場合にはかなりのエキ スパートをそろえてこの診断、治療を行われているということなんですが、かなりのエ キスパートばっかり集まる病院ばっかりだと非常にありがたいことなんですが、やはり 後継者を育成するという意味で、研修医だとか後期研修医だとかという、そういったも のの育成に関してはどういうふうにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。 ○小川院長(熊本労災病院)  やはり熊本から40キロ離れているんですけども、非常に医師が不足しておりまして、 非常に苦労しております。ただ、現在のところ循環器と整形外科に関してはきちんと集 められているという。  今年度から臨床研修病院管理型になりましたので、試験に通れば来年はかなりの数に なる。そういうものを育てて、今までのように大学から医師をいただくというんじゃな く、中から育ててというふうに考えています。  今、後期研修医はおりません、循環器に関しては。 ○西岡分科会長  と申しますのは、やはりそういった方たちが診療に参加される場合には、非常に少な いカテーテルの本数だけで診療されるというのは、先生のところは最先端をいかれてい るので非常に有効な治療だと思うんですが、そんなあたりは今後どうお考えになるんで しょうか。 ○小川院長(熊本労災病院)  1本でだめなら2本使うということはあり得るわけで、私どもで1.何本となってお りますからやはり2本使うものもあります。それはちょっと仕方がないんですが、でき るだけ節約はしております。ベテランがやって節約をするという方針です。 ○西岡分科会長  ついでにもう一つだけ私、聞かせていただいてよろしいでしょうか。山梨大学なんで すが、この超音波プローブなどをおやりになるというので、これが700例中24例だ けの頻度でございましょうか。 ○久木山副病院長(山梨大学医学部附属病院)  24例中10例でございます。 ○西岡分科会長  24例中10例ですか。この超音波プローブをお使いになるというものの適用みたい なものが決まっているのでしょうか。というのは、やる側としてはデータをとりたいか らやっているんだというふうなところも出てくるかというふうに思うんですが、先生の ほうの適用はどういうふうになっているんでしょうか。 ○久木山副病院長(山梨大学医学部附属病院)  ここの手元の資料にございますように、私どものところで狭心症疑いの患者さんが入 院されまして、その場合にある程度冠動脈狭窄がある場合に果たして冠動脈形成術の適 用があるのかどうかというのを見きわめるためにこの超音波プローブを使っているわけ です。統計的には私、詳しいことは把握しておりませんが、多くの施設では診断だけの カテーテル検査と、そして治療、冠動脈形成術を行うカテーテルは別々の日に行う、ま たは一旦退院してもらって後日冠動脈形成術のために入院してもらう、そういうような 施設もおありかと思うんですが、うちでは患者さんのメリットも考えまして、そしてス タッフの問題もありまして、できればもう診断カテーテルの検査にそのまま続けて、も し適用があれば冠動脈形成術を行うというようなスタンバイ方式でやっておるわけでご ざいまして、そういう冠動脈形成術の適用があるかどうか微妙な症例に対してこの超音 波プローブを使って実際やってみたところ、ぎりぎりのところで形成術の適用はなかっ たということで結果的に手術なし、心カテ検査ありというケースで超音波プローブが使 用されたというふうな事情でございます。  よろしいでしょうか。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。どうぞ。 ○齊藤委員  熊本労災病院の先生に伺いたいんですが、少ない医療資源で有効な遜色ないアウトカ ムが得られれば、これは国の医療政策としては最も望ましい形なんですが、先生方の削 減されたカテーテル検査等による診断の正確度とか、それから、それに基づく手術のア ウトカムとか、そういうものを他の医療機関あるいは全国的なデータと比較されたこと はありますでしょうか。 ○小川院長(熊本労災病院)  それはありません。ただ、再入院率なんかは調べておりますけど、特に遜色ないと思 います。  それから、検査を前に持っていったことによって、昨年に比べて在院日数は減ってお ります。 ○齊藤委員  なるほど。こういう検査はもう少し深く突っ込んでやっていれば、事前により詳細な 診断ないし病態を掌握できたのにと反省されるような例というのはほとんどないんです か。 ○小川院長(熊本労災病院)  例えば今言われたように、後でドリルをするときのことを考えたら、私どもは続けて やっているんですけども、それは検査があればあるほど情報は多くなりますからいいん です。特にそれでほかの、熊本県で何本かの指に入る位たくさんやっているところです が、特にほかと比べ遜色はないと考えております。 ○西岡分科会長  どうぞ、相川委員。 ○相川委員  山梨大学附属病院と熊本労災病院の両方にお聞きしたいのですが、山梨大学の場合に はサーモダイリューション用カテーテルをほぼすべての患者さんにお使いになっている と。熊本ではほとんど使っていないということですが、この辺のところはそれぞれどう いうお考えなんでしょうか。疾患が違うのかどうかということ。 ○小川院長(熊本労災病院)  私どもは心エコーで代用しています。 ○相川委員  サーモダイリューションのかわりに代用していると。 ○小川院長(熊本労災病院)  代用しております。 ○相川委員  山梨は、ほぼ全例に使ってサーモダイリューションをやっているということですか。 ○久木山副病院長(山梨大学医学部附属病院)  はい、そうです。 ○相川委員  わかりました。 ○佐藤委員  後発医薬品についてお聞きしたいんですが、両方の病院なんですが、一応熊本のほう は割と半分の量で、なおかつ後発品では4分の1ぐらいのコストと。山梨はかなり多い んですが、その場合、いわゆる後発品として造影剤の品質的な問題がどうかということ が1点と、問題がないかということと、あとは、他のいわゆる抗生物質とかそういうも のの後発品等を熊本が採用されているか。それに関していわゆる熊本は割とクリニカル パスとかそういうのが多いと思うんですが、そういうものに関連して何か御検討してい るかお聞きしたいんですが。 ○小川院長(熊本労災病院)  熊本です。私どもはできるだけ後発品に変えようと。今年から実はやっているんです けども、だからほかの内服薬とか輸液剤なんかも変えるようにしております。関連は特 にありません。ただ、一部ちょっと使っている後発品の造影剤はCTで安全性がもう確 保されているものです。前のときは造影剤を先発品を使っていましたが、後発品の安全 性が確保されているという場合に使っている例があります。それから、内服で抗生剤を 出しますけれど、そういうものにはまだ後発品に入っておりません。ただ、今切りかえ 中です。 ○久木山副病院長(山梨大学医学部附属病院)  山梨大学のほうなんですけども、まだジェネリックのほうは使用しておりません。 ○佐藤委員  クリニカルパスの関係とのそういうリンクでは、特に後発品をそこに入れろとか、そ ういうシステムでは熊本はやられていないという。 ○小川院長(熊本労災病院)  クリニカルパスはまた別で、2泊3日の形でやっております。 ○佐藤委員  別でということですね。わかりました。 ○宇都宮企画官  両方の病院に伺いたいんですが、まず、それぞれが転帰というか予後というか、先ほ どちょっと熊本のほうからお話がありましたけども、ここの対象患者さん、割合として どのぐらい、治療中だの、寛快だの、あるいは再入院だのというのがもしあれば教えて いただきたいということ。それから、先ほど教育のお話が出ましたけれども、片や大学 での教育だとしても、要は何でも念のため検査するという、そういうことを身につけた 医者が実際に現場に出てそういうやり方しかしないというのも、やはり我々としては困 る面があるんではないかと思うんですけれども、ある程度兼ね合いだと思うんです。そ ういう研究面で重要なことと、実際現場で使える医者というか、その辺についてのお考 えについて山梨大学のほうと、あと実際熊本の小川先生も長いこと大学にいらしたんで 両方の立場があると思うんですけど、その辺をお聞きしたいと思うんですが。 ○久木山副病院長(山梨大学医学部附属病院)  先ほどからの議論にもありましたけども、やはりカテーテル検査中により多くの情報 を得られれば得られるほど患者さんに対するメリットは大きいと思うんです。その後の、 例えば狭心症用薬にしろ、いろんな種類がありますので、どういうお薬がいいのか。結 果的には情報が多ければ多いほど患者さん個人においてはメリットが大きい、その後の QOL等も含めて、そういうふうに私は考えております。  それともう一つ教育、当院は教育病院でございますけども、学生、卒後研修の教育、 看護師その他教育を行っているんですけども、やはりテキストブックに書いてある最低 の検査または保険点数で認められているような最低の検査はせざるを得ないと。  それと、もう一つは最近日本循環器学会でもカテーテル検査の細かい施行のガイドラ イン等出ておりますので、それをなるべく遵守するような形で行うというような形で行 っております。 ○小川院長(熊本労災病院)  熊本ですけれども、教育という面で非常に難しい。私どもがもし後期研修の3年目と いうような循環器内科医が来たら、2年後ぐらいに育ったら、当然少しずつ部長の監督 下でやらせていかなきゃいけないと思います。私自身はそれがある程度大学あるいは教 育病院の使命ではないかと思っています。  ただ、私は昔から言っていたんですが、一つの先生だけやっていたらだめだと。幾つ かのところを必ず見ろと。実際に習えということを言っております。それは、やはりそ れでいいところ、最初はそっくりあの人のまねをするけど、やがてほかのところを見て、 そしてほかのやり方を見てそこから持っていくということですから、なるほど大学時代 はこの検査をやっていないと言ったらすごく怒っておりましたけれども、大学で検査を するからこそ、もうしなくて良いし不要な検査が分かってくるのではないかと思います。 もちろん、今の医療体制では大学でもまた違うと思いますけれども。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ほかにご質問。はい、どうぞ。 ○山口(直)委員  両病院、特に山梨大学にお聞きしたいんですけど、これらの症例だけに限らなくても いいんですが、医師主導の臨床試験等に参加をしているような患者さんがいるのかいな いのかというあたりはいかがでしょうか。 ○久木山副病院長(山梨大学医学部附属病院)  このカテーテル検査、今回のDPCと関係がなくてでよろしいんでしょうか。 ○山口(直)委員  DPCの対象になっていても、保険診療の範囲で臨床試験というふうなことはあり得 るんではないかと思いますが。 ○久木山副病院長(山梨大学医学部附属病院)  ほとんど臨床試験に入っている患者さんが特に保険点数が高くなるということは当方 においてはありません。 ○小川院長(熊本労災病院)  例えば、薬剤溶出性のカテーテルを2つの後発のものと先発のものと比べる、という ような試験があります。それは両方とも保険で使えるからという理由になっていますけ ど、必要な検査は、エキストラになる検査はそこの会社に払っていただいていますので、 それがここにかぶるということはありません。研究費として出ております。 ○西岡分科会長  ほかによろしいでしょうか。じゃ、どうぞ。 ○山口(俊)委員  山梨大学の先生にお伺いします。これ見るとやっぱり全国平均に比べて倍ぐらいの出 来高ですが、先生はこれがミニマムスタンダードとお考えでしょうか。きちんとした医 療をやるためにはこれぐらいやらないとだめだということであれば、ほかの施設がやっ ぱり足りない。むしろ厚生労働省はもう少し認めるべきだという具合にお考えになるん でしょうか。あるいは疾患の内容が違うという具合にお考えでしょうか。 ○久木山副病院長(山梨大学医学部附属病院)  一つは、フローワイヤーのセンサーに関しては、これは冠攣縮性狭心症または冠微小 血管狭心症の診断のために行うんですけども、これは日本循環器学会としてこの冠攣縮 性狭心症の診断、これはカテーテルが幾つか要るんですけども、これにちゃんと点数を つけてくれというリクエストはずっと長年申請しておったと思うんです。  しかも、その冠攣縮性狭心症というのは日本人に多くて、大体すべての狭心症の6割、 7割ぐらいということで、むしろ私はこれはルーチン検査として冠動脈狭窄がないよう な症例で胸部症状がある症例はすべての病院で行うべきだというふうに、私はそういう ふうに考えております。  それともう一つ、この血管内超音波プローブ、どうしても材料費が非常にかさ上げし ているんですけども、これも先ほどちょっと触れましたけども、冠動脈形成術の適用の 場合に最初新患の患者さんで診断だけしてそれこそ3日間、4日間の入院で一たん退院 してもらって後日入院していただいて、冠動脈形成術をされるという施設も少なからず あるかと思うんです。  そういうことを考えますと、一気にこうやって、やってしまったほうが全体的な個人 に係る診断カテーテル、そして治療のカテーテルも含めた点数からすれば、むしろ私ど ものスタンバイ方式のほうは決して高いというふうに私どもは思っておりません。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。では、2つの病院、どうもありがとうございました。  続きまして、1日当たりの包括範囲出来高点数の平均が高いあるいは低い医療機関と いうことで関節リウマチ、手術なし、インフリキシマブありの例について議論したいと 思います。  最初に、総合病院岡山市立市民病院から御説明をお願いします。 ○東院長代理(岡山市立市民病院)  院長代理の東でございます。よろしくお願いします。  当院は、岡山市内にあります405床の急性期病院でございます。5つの部門にセン ター化をしておりますが、その一つに中にリウマチセンターもございます。本日、関節 リウマチの問題でありますので、リウマチセンターの臼井のほうからお話しさせていた だきます。よろしくお願いします。 ○随行者(岡山市立市民病院)  リウマチセンター長の臼井です。市民病院のリウマチセンター、約450人のリウマ チ患者を加療しておりまして、その約15%に生物製剤を投与しております。当院はD PCの準備病院でありまして、現在診療報酬は出来高払いであります。また、外来化学 療法室は今月開設予定となっております。  4年前のインフリキシマブ導入当初は2週間前後の入院でしておりましたけれども、 安全性を確認できた現在におきましては1日の日帰り入院を中心に行っております。一 部外来の点滴室を使用して外来でも施行しております。また、リスクの高い患者、投与 時の反応が生じた既往のある患者は1泊の入院を勧めております。  インフリキシマブの1日当たりの包括出来高が高いとの御指摘ですけれども、これは 出来高点数の比較が日数割になっているためではないかと思われます。入院前日の医療 費、当院の平均が1.08日、全国が3.24日ということを比較いたしますと、前日 での医療費は決して高くないものと考えております。  今後は、外来の化学療法室の開設が今月できますので、外来中心でインフリキシマブ の治療を行う予定になっております。ただし、導入時にリスクの高い患者等におきまし ては、やはり1泊2日、2泊3日の入院が必要ではないかと思われます。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  続きまして、綜合病院福島赤十字病院から御説明をお願いします。 ○芳賀院長(福島赤十字病院)  福島赤十字病院の芳賀です。このお答えは当院の宮田副院長が長年インフリキシマブ を使って治療をしておりますので、かわって説明させていただきます。 ○随行者(福島赤十字病院)  それでは、御説明させていただきます。  先ほどの御説明と類似するんですが、このインフリキシマブという薬自体がキメラ抗 体といって人の部分が75%、マウスの部分が25%という特殊な薬ですので、最初の 導入と2回目、3回目は2泊3日という形で入院加療をしておりますけども、4回目以 降は1日の日帰りという形式で治療しております。  したがって、在院日数が1.1日と短いわけですけども、全病院の平均が3.14日 ということに比べると、1.1ということで時間を短縮して治療しているということで、 1日当たりの出来高点数が高くなったものと思われます。  以上です。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。今の御説明に対しまして御質問、御意見等ございますでし ょうか。  両病院にお伺いしたいんですが、このインフリキシマブによる治療というのは今かな りの病院で外来で行われているのが現状だというふうに思うんですが、そういった形で の方向づけはどういうふうにお考えでしょうか。 ○随行者(岡山市立市民病院)  先ほどお話しいたしましたけれども、今月当院でも外来の化学療法室が開設されます ので、今後は主にはそちらのほうでやるつもりであります。 ○随行者(福島赤十字病院)  先ほど述べましたように導入の時期、1、2、3回目あたりは非常に副作用も多いの で、そのときは2泊ないし3泊とか入院加療が必要だと思いますけども、4回目以降は 外来でも可能だと思います。外来化学療法室が整備次第そういうふうに治療法を変えて いきたいと思います。 ○西岡分科会長  わかりました。と申しますのは、今のやり方でやりますと、かなり医療費が高くつい ているわけですよね。どちらの病院も現在は準備病院ですから、出来高でいけますので いいんですが、DPCに入られますとこれができなくなってしまうことになると思うん です。そういった意味で、今後の対応としてどういうふうにお考えになるのかというの でお伺いいたしました。  ほかにどなたか御質問等ございませんでしょうか。よろしいですか。お願いします。 ○宇都宮企画官  今、福島赤十字さん、今後外来化学療法室をとおっしゃいましたけど、具体的にプラ ンとしていつごろというのはございますか。 ○随行者(福島赤十字病院)  今、場所を選定して3月をめどに開設したいと思っています。 ○西岡分科会長  よろしいでしょうか。ほかはよろしいでしょうか。  じゃ、どうもありがとうございました。また後ほどお伺いすることになるかもしれま せんが、よろしくお願いいたします。  それでは、最後に在院日数が短い医療機関ということで、子宮頸・体部の悪性腫瘍、 手術なし、化学療法あり、放射線療法なしの例について議論したいと思います。京都第 二赤十字病院から御説明をお願いします。 ○中島院長(京都第二赤十字病院)  京都第二赤十字病院の院長の中島です。  ヒアリングの質問項目に対する理由については既に報告を申し上げていますので、そ のことに関する詳細についてはちょうど産婦人科の部長が同席しておりますので、詳し いことはそちらに答えていただきます。このような状況に至っておる病院全体としての 実情については私のほうからお話を申し上げます。  私どもの病院は京都市内のど真ん中にある病院でございまして、救命救急センターを 併設して、しかも地域医療支援病院、それからがん診療連携拠点病院に指定をされてお ります。大変忙しい病院でございまして、今年度の病床利用率が先月末現在で91.1 %なんですが、これは産科病棟と小児科病棟を除きますとほかの病棟では九十数%に上 る。しかも、平均在院日数がこれも11月末現在で13.1日ということで、大変多忙 な病院でございます。  しかも、外来化学療法につきましては、これは2年前から専用のベッド7台と、それ から中央点滴センターのベッド5台を利用して12台で動かしておるんですが、これも 月間の化学療法件数が350を超えるような状態で、婦人科疾患の化学療法まで一部は 外来でやっておりますけども、そこまで外来でいける余裕がまだ今のところないという ことで、やむを得ず婦人科疾患についてはできるだけ短い期間で入院化学療法をやろう という、やらざるを得ないという状態でこういうふうになったかというふうに思ってお りますが。  以上です。 ○西岡分科会長  それでは、今の御説明に対して御質問、御意見等をちょうだいしたいと思います。ど うぞ、齊藤委員。 ○齊藤委員  産婦人科の部長の先生に伺いたいんですが、全国平均に比べると極端に在院日数が短 く済んでいるということで、在院日数が短くて円滑な医療が展開できれば、見方によっ ては大変望ましいわけなんですが、非常に短くて済んでいるという理由と、そのための デメリットと思われるものを経験されたことがないかということと、非常に短い平均在 院日数を展開しておられる病院から見て、ほかの医療機関における同じような対応が長 すぎるということへの助言といいますか意見、その3点伺いたいなと思いますけども。 ○随行者(京都第二赤十字病院)  産婦人科部長の藤田ですけれども、まず、この理由のところにも書いてありますが、 決してこれはそんなに長期間入院しなくても安全にできる治療と考えていますので、初 回の治療は入院、手術に引き続いてやることが多いですから、そのときは長めに入院し ますけども、2コース目以降は基本的に1泊2日で、このレジメンで最も多いのがカル ボプラチン、パクリタキセルになっているんですが、これも投与方法がウイークリー、 1週間ごとと3週ごととありますが、3週ごとでやったとしても通常はせいぜい1泊2 日でできるはずなんです。卵巣がんなんかはそういう形で多くの病院はやっているはず なんですが。  ただ、日帰りとか1泊2日でやると、これは病院の持ち出しというか、とにかくどん な薬剤を使っても一定の額しか出ませんので、そういうことで聞いた話ではほかの病院 は元が取れないんで長めにしていると。ただ、患者さんにとってはそれは1泊2日と言 っていても日帰りで帰りたいとおっしゃる方もおられますし、もちろん副作用が強めに 出て長めに入院させてほしいという方はそういうふうに入ってもらっています。 ○齊藤委員  そうすると、医療上の不都合は先生のような短い在院日数でもほとんど発生しないと。 ○随行者(京都第二赤十字病院)  そうですね。うちは比較的子宮頸がんなんかは若い元気な患者さんが多いですから、 そういう不都合であるとか副作用の問題になったケースはありません。 ○齊藤委員  なるほど。ほかの病院について言えば、やはり元が取れないのでやむなく日数を少し 置いていらっしゃるのかなと、そういうふうな見方ということになる。 ○随行者(京都第二赤十字病院)  そうですね。はっきり申し上げて、うちもジェネリックに変えてから何とかもとが近 いところまで来ていますけども、1日入院でも2剤使ってけっこう3週ごとの投与であ ればかなりの抗がん剤の量も入りますし、それに対してウイークリーで短剤で少量で終 わるケースも全部一緒にされると、その辺はちょっと不合理かなと考えています。 ○齊藤委員  なるほど、どうもありがとうございました。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○原分科会長代理  先生のところの今のお話、ほとんど頸部がんを対象とされているという。 ○中島院長(京都第二赤十字病院)  いや、体がんも大体一緒ぐらいの例数です。 ○原分科会長代理  割合はどれぐらいなんでしょう。体部がんと頸部がんの患者さんの比率。 ○中島院長(京都第二赤十字病院)  子宮頸がんというのは初期のがんが多いですから、いわゆるゼロ期上ラインを除けば 進行がん、ほぼ今は1対1ぐらいの割合ですね。 ○原分科会長代理  1対1。 ○中島院長(京都第二赤十字病院)  子宮体がんも補助療法、化学療法が必要なケースというのはそんなに多くはないです けども、うちで子宮体がんが年間に手術ケースが二、三十ですけど、そのうちの半分弱 ですね、大体。子宮頸がんも放射線を当てるケースもありますし、化学療法をやるケー スというのは、一応ガイドライン上は補助療法として、化学療法はまだ標準的な治療に はなっていないんですけども、放射線と併用するケースもありますから、そういう意味 で大体比率としては同じぐらいです。 ○原分科会長代理  もう1点。ステージとしては割と軽い患者さんが多いというふうな理解でよろしいで すか。 ○中島院長(京都第二赤十字病院)  そうですね。ここに挙がっているケースは術後の補助療法ですね。術前も含まれます けど。再発のケースで全身状態が悪い患者さんはほとんど入っていません。  以前、シスプラチンなんかは連日分割して、5日間とか分割して投与するような症例 は確かに長期間入院が必要になると思うんですが、そういうケースはこのレジメンを見 てもほとんどないはずなので、1週ごとであればもう日帰りで十分できると思います。 ○原分科会長代理  ありがとうございました。 ○西岡分科会長  先生のところのような症例は、いずれは外来化学療法のほうに進むというふうに理解 したほうがよろしいんでしょうか。 ○中島院長(京都第二赤十字病院)  そうですね。できればそう考えております。 ○西岡分科会長  一応第1回目だけは入院で行うけれども、あとは外来化学療法という形ですね。あり がとうございます。  ほかに、どうぞ、山口先生。 ○山口(俊)委員  これは化療科のドクターにコンサルトしてみましたが、カルボプラチンの場合は入院 が必要かどうかちょっとなかなか微妙な薬剤だと言うことです。シスプラチンの場合に は当然入院が必要ですけども、この場合もある程度のハイドレーションも必要なので、 短期間の入院はベターじゃないかということでした。  ですから、先ほど少しおっしゃいましたけど、ほかの病院がちょっと長過ぎるという ことです。同じことをやっているとしたら。むしろこれぐらいでちょうど適切であると 理解しました。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。他にございませんでしょうか。よろしいでしょうか。それで は、どうもありがとうございました。  それで、まだ少しだけ時間がございますので、全体を通して最初のところで聞けなか ったといったような御意見等ございましたら、全体に対してお願いしたいと思いますが。 よろしいですかね。よろしいでしょうか。  それでは、医療機関に対するヒアリングは以上としたいと思います。各病院の代表の 方々、お忙しい中、当分科会に御出席いただきましてありがとうございました。  ここで、一旦休憩を入れさせていただきまして、後ほど基本問題小委員会での議論の 報告及び整理すべき課題についての議論に移りたいと思います。  それでは、しばらく休憩させていただきます。35分ぐらいから再スタートしたいと 思います。よろしくお願いします。 午後2時31分 休憩 午後2時36分 再開 ○西岡分科会長  それでは、議論を再開したいと思います。  基本問題小委員会での議論の報告及び整理すべき課題について事務局から御説明をお 願いします。 ○宇都宮企画官  それでは、御説明させていただきます。  基本的に説明は診調組D−3というこの資料で御説明させていただきますが、これま での基本問題小委員会において本年7月16日から3回にわたり行われた議論という、 それについての御報告です。  まず、診調組D−4の資料をごらんいただきたいのですが、こちらの一番最初の資料 でございます。1枚おめくりいただきまして、1ページ目、DPCの在り方についてと いうことで、これがこの7月16日から基本問題小委員会のほうで議論されたもととな った資料でございます。  最初はこれまでの経緯等がずっと書いてあるのですが、飛ばしていただきまして3ペ ージの一番下のところに、これまでのDPCの評価についてどのように考えるべきかと いう論点1がございます。それから、論点2が4ページの真ん中ほどにございますが、 急性期を担うDPC対象病院の中でも、ケアミックス型病院を含めたさまざまな特徴の ある病院が参加しており、今後も同様な傾向となると考えられる。DPCの適用がふさ わしい病院についてどのように考えるべきかということでございます。  これまでこの論点1と2について基本問題小委員会のほうで御議論いただきまして、 ある程度の結論を得ましたので、それを御報告させていただくということでございます。  それにあわせまして、論点の3−1として新たな機能評価係数の設定について。これ は、調整係数の廃止に伴って機能評価係数、どういったものを考えていくかと。これは むしろこちらの分科会のほうで議論いただいていることでございます。  それから、論点3−2は廃止の仕方。どのようにしていくかということでございます が、基本問題小委員会とDPC分科会で相互に議論、やりとりというか、行うというよ うなことでございますので、ここでまず小委員会の議論の報告をさせていただくという ことでございます。  また、先ほどのD−3にお戻りいただきまして、今御説明しました、まず論点1につ いての基本問題小委での議論の概要ということでございます。  (1)でございますが、主な意見でございます。アとしまして、DPCによって平均 在院日数が減少すれば、貴重な医療資源の有効活用という点でプラスに評価できるので はないか。イ、DPC対象病院間で平均在院日数等の医療内容がデータとして見られる ようになったということは、医療の透明化が前進したということではないか。ウ、DP Cによる医療の質については、勤務医等の医療従事者の視点や患者の視点からの評価も 重要ではないか。エ、DPCによる医療の標準化については、DPC以外の病床で実施 された医療内容と比較して評価する必要があるのではないか。  このような意見がさまざま出されまして、最終的にまとめとしまして会長のほうから 以下のようなお話となりました。  すなわち、DPCの導入によって医療の効率化・透明化については一定の効果が認め られたと考えられる。今後は医療の標準化や医療の質の向上など、より総合的な視点か らの検証・分析が必要であるということでおおむね意見の一致が得られたということで ございます。  続きまして、論点2でございます。ケアミックス型病院の問題でございます。  主な意見としまして、まず、ア、ケアミックス型病院であっても、急性期を担う病床 と慢性期を担う病床を区別し役割を明確にしているので、急性期についてはDPCの適 用が可能ではないか。イ、ケアミックス型病院を含めて現在のDPC対象病院とDPC 準備病院のデータにほとんど差がないのであれば、基準を満たす平成19年度準備病院 もDPC対象病院としてよいのではないか。ウ、今後は医療提供体制に係る施策に沿っ た急性期医療の在り方も念頭に置いて議論を進めていくべきではないか。  こういった意見がさまざま出されまして、まとめとしまして、ケアミックス型病院も 含めて現在のDPC対象病院とDPC準備病院間で、例えば救急搬送割合や平均在院日 数などに明らかな傾向は見られていない。この傾向というのは差というような意味でご ざいますが、そういうものは見られていないことから、基準を満たせばDPC対象病院 として認めるということで意見の一致が得られたということでございます。  次の3ページでございますが、この論点2に係る議論の結果を踏まえまして、19年 度DPC準備病院を平成21年度対象病院の候補とすることとした場合、これについて はあさって基本問題小委員会のほうで最終決定、正式な決定ということになると思いま すが、そこで候補とすると決定された場合に、(データ/病床)比と調整係数について は以下のようにしてはどうかという、つまり平成20年度改定をまたいでしまうという ことから若干議論が必要ということでこちらのほうに提示させていただいております。  まず1つ目の(データ/病床)比について、でございますが、平成20年2月13日 中医協総会において「平成19年度DPC準備病院については、平成21年度にDPC の対象とすべきか検討することとするが、その基準は、その時点におけるDPC対象病 院に適用される基準と同じものとする」としているところでございます。  つまり、現在の対象病院と同じ基準とするということになってございますが、ただ、 今年度改定においてはルール等の見直しがございます。  具体的には、1つは、同一疾病による3日以内の再入院が一入院となったこと。すな わち、その前のルールであれば、3日以内の再入院であっても2つの入院というふうに、 あるいはケースが2つというふうに数えられたんですが、20年度改定においてそうい う場合は1つという数え方になったということ。  それからもう一点は、退院時だけでなくDPC算定病棟から療養病棟等へ転棟した場 合もデータを提出するという変更を行った。すなわち、以前は算定病棟から例えば同じ 病院の療養病棟等に転棟した場合にはデータは提出されず、そこから最終的に退院され たという場合だけに提出されたんですが、そのルールが今回見直されたということで、 そうしますと、当然数値が変わってくるということなんですけれども、これに関しまし て、先ほど読み上げました、19年度準備病院は21年度に対象となるその時点におけ る対象病院と同じルールだということが合意されておりますことから、四角の枠の中に 書いてありますように、20年度DPC対象病院の基準との整合を図るため、改定後で あってもそれと同一の方法でデータをカウントしてはどうかと。すなわち、改定前のル ールでデータをカウントしてはどうかということでございます。  続きまして、次の4ページでございますが、2点目、調整係数についてということで すが、平成19年度準備病院については、これまでに提出されているDPCデータが診 療報酬改定の前後2年にわたっており、改定によってデータの項目や点数が変更された ことにより、改定前と改定後のDPCデータが異なっているということで、図で書いて ございますように、19年度は6カ月分、20年度は4カ月分というふうになっており ます。  この処理にいたしまして2案を提示させていただいておりおます。  まず、案の1としては、平成19年度DPCデータ及び平成20年度DPCデータの それぞれについて調整係数を計算し、均等に相加平均を計算するということでございま す。メリット、デメリットについてはそこに書いてあるとおりでございます。  それから、案の2としては、19年度、20年度それぞれについて調整係数を計算し て、データ提出期間6カ月、4カ月というこの提出期間に応じた加重平均を計算すると いうことでメリット、デメリット。  案の1と2でメリット、デメリットがそれぞれひっくり返るような形になっておりま すが、どちらの方式にするかということを御議論いただきたいと思います。  5ページにございますのは、現在の対象病院の基準ということで御参考までにつけさ せていただいております。  以上でございます。 ○西岡分科会長  ありがとうございました。  そこへもう一つだけ報告を追加させていただきたいんですが、前回の基本問題小委員 会へ私、出させていただきましたときに、一号側委員から調整係数の役割ということで 御指摘をいただきました。調整係数は今まで前年度実績を保障するという言葉のほうが 先行していたんですが、むしろこの調整係数の中には前年度実績の収入確保ということ だけではなしに、重症患者への対応能力、高度医療の提供能力等、現在の機能評価係数 のみでは対応できていない病院機能の評価も含まれているんだということを御指摘いた だきまして、基本問題小委員会の遠藤会長からもそのとおりであると。また、私たちの ほうもそういった前提のもとで今まで議論してきたのだということで、この点に関しま して、今日再確認をこの委員会でお願いできればというふうに思っておりますので、よ ろしいでしょうか。もしよろしければ、そういうことで議論を進めたいというふうに思 います。よろしくお願いします。  それでは、今の宇都宮企画官からの御説明に関しまして御質問と、後でこの調整係数 については議論をお願いしたいと思うんですが、御質問等ございますでしょうか。  まず、論点1につきましては、これはこれまでにも私たちのところでも議論してきた ところでございますので、これはこれでいいかなと、お認めいただけるかなと。  それから、論点2のケアミックスについても、ヒアリングも含めて討論させていただ きまして、基本問題小委員会のほうで結論を出していただいておりますので、これでい いのではないかというふうに思っております。  問題は、この4ページにございます調整係数についてでございます。これについて御 意見をお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  すみません、教えていただきたいのは、これ、案1と案2でどれぐらいの数字がどう いうふうに違うのかが分かるんでしょうか。シミュレーションも何もなしに議論せえと 言われるとちょっとしんどいなと思うんですが。 ○宇都宮企画官  基本的にはそれほど大きな違いはないと思うんですが、病院によって全然変わってき てしまうんですね。例えば入院時医学管理加算を以前はとれたけれども、今度の改定で とれなくなってしまった病院は例えば下がるというようなことも考えられますし、逆に ハイリスク妊娠管理加算とか、そういうものが従来はなかったんだけど、そうやって新 設されたものをとれるようになったということであれば増えるとかですね。ですから、 一概にどのくらい増えるとか減るとかなかなか言いにくいというところがございます。 ○西岡分科会長  私、伺っていますのは、マクロで見た場合には案の1も案の2もどちらも数値的には 大きく差はないんですが、今、宇都宮企画官の御説明のように、個々では今のような例 が入ってくるということでございます。  小山委員、どうぞ。 ○小山委員  ということは、2でしたほうが病院側にとってある意味都合がいいというか、病院ご とに差が出てきちゃうということは、2のほうがその差は少なくて済むというふうに考 えたほうがいいんですか。そういうことにはならない。 ○宇都宮企画官  そこは余り一概には言えないのかなとは思いますが、2のほうが一応、要はデータを とっていた期間が長いほうが重みがついているわけですから、公平感はあるのかなと個 人的には思いますけども。 ○小山委員  そうですね。そういうことですね。公平感あると思うね。 ○西岡分科会長  伊藤委員、いかがでございますか。 ○伊藤委員  やっぱり皆さんが公平だと思う方法を選ぶのがいいのではないかなと個人的に思いま すけれども。 ○西岡分科会長  伏見先生、これに関してコメントをお願いしたいんですが。 ○伏見参考人  特に研究班で議論したわけではないですけども、データのサンプリングという考え方 からとりますと、19年度からのサンプリングデータと20年度からのサンプリングデ ータから平均値を求めるという考え方になると思いますので、サンプリング期間が違っ てもそれぞれの年度の代表ということで考えると、やはり1対1で平均するのが統計的 な考え方としては正しいんじゃないかというふうに感じます。 ○西岡分科会長  今、2つの意見が、公平さが2つに分かれちゃったんですが、御意見はいかがでしょ うか。何となく6カ月でデータをとってきて、それとあと2年目がどうしても4カ月に なってしまうというところがあるので、その現状を踏まえたということのほうがよさそ うではないかというふうなことも言われているんですが。  齊藤先生。 ○齊藤委員  これはなかなか難しいですが、どちらかというとやはり伏見先生が言われるのがリー ズナブルかなと。例えば、極端な場合、これ19年度が6カ月ですけれども、これが1 0カ月だ12カ月だとなって、その次何らかの都合でその次の年度、20年度が4カ月 になったときに、20年度が異常に軽く扱われるということになりかねませんよね。だ から、たまたまこの19年度は6カ月だったからそのほうがデータとして重みがあるん だというのは、必ずしも医療の実態を的確に反映した数値にはなりにくいのかなという 気はいたしますね。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  山口先生、いかがですか。無理やりコメントを引きずり出してすみません。 ○山口(俊)委員  私は数学は苦手なんですけども、やっぱり案2のほうが感覚的には良いように思いま す。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○伊藤委員  19年度と20年度の診療報酬全体のことを考えると、20年度のほうが少し高くな っているのかなという気もしないでもないんですが、そうなると案1のほうがマクロで 見たときには高くなるということはないんでしょうか。 ○西岡分科会長  これは伏見先生、お答えできますでしょうか、今の御質問で。お願いします。 ○宇都宮企画官  すみません、お待たせしてしまって。一応、19年度のデータを使うときにも今回の 改定率を掛けた上で使うということにするようなので、そういう意味では理論上はイー ブンということになるようです。 ○西岡分科会長  確かに……。どうぞ。 ○齊藤委員  さっき申し上げましたように、たまたま技術的に19年度は6カ月でやり、20年度 は4カ月であったと。だから、6カ月とったほうが信憑性が高いということは医療の実 態を必ずしも的確には反映しないと思うんですね。これがたまたまいろいろな事情で1 9年度に10カ月のデータがあったと、あるいは8カ月のデータがあった。それを非常 に重視して、じゃ10だ8だという加重平均をして、何らかの技術的な事情で20年度 は3カ月しかとれなかったと。それをじゃほとんど無視してしまえと、これも荒っぽい 話で、それぞれやはり代表選手として20年度の診療報酬体系における代表数値、19 年度における代表数値、20年度の代表数値というもので出てきているわけですから、 その背景が何カ月であるかということは、そのデータをどの程度重視するかということ とはちょっと違うと思うんですよね。長い期間見たものだから十分重視しましょうと、 短い期間見たものだからこれは軽視していいんだということにはなかなかならないはず だと思いますので。  とすれば、伏見先生がさっき言われたように、案1で普通の算術平均がリーズナブル かなと、納得できることかなという気はいたします。今後いろんなデータのとり方が、 期間が変わってくる可能性がありますよね。その都度、このときは非常に長いから、じ ゃこの時期を重くしましょうとか、この時期は少ないからうんと軽く見計らっていいん だというシステムは、余りデータの扱いとしてはアンリーズナブルじゃないかなという ふうには思えるのです。  どう、伏見先生の応援演説したんだけど、一言言ってよ。 ○西岡分科会長  伏見先生、どうぞ。 ○伏見参考人  どうもありがとうございます。  確かに19年度のデータ情報と20年度の情報からつくるという形になっていますの で、それぞれを均等にサンプリングしたというふうに考えますと、サンプリング期間が 長いのは確かに精度としては統計的には高いんですけども、それに重みをつけるという ことはまた意味が違うことですので、19年度と20年度の平均値をとるというんであ れば、1対1で均等にいくのがやはり考え方としてはいいんじゃないかと思います。 ○齊藤委員  これは、世論調査なんかでも母集団が例えば1,000人の世論調査もあるし、5, 000人の世論調査もあるけども、1,000人のはやっぱり信用できないから5,0 00人のが何といっても5倍重みを持つんだというのはなかなか通りにくい議論かなと いう気はするんですよね。 ○西岡分科会長  熊本先生、どうぞ。 ○熊本委員  案1にまた応援演説したいと思うんですけども、単に技術的に6カ月と4カ月になっ たというだけであって、本来は6カ月で出されているわけですよね。ただ、決定しない といけないからということで4カ月になったということであって、必ずしも4カ月の意 味はないと思いますんで、やはり診療報酬改定の前後の、算術平均とかいうと何かちょ っとあれですけども、両方をちゃんと加味した形で調整係数がこの次の対象病院には決 まるということであれば、非常に理論的にも納得できるんじゃないかなと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。応援演説ございませんでしょうか。  実際には、例えば全体の中でサンプリングをしていただいて、その2つのケースで幾 つかの病院がどういうふうになるかというふうなものも例示していただいて、そんなた くさん出すというのはできないんですが、そんな中でむしろ基本問題小委員会のほうで どっちをとるかということをお決めいただくのがよろしいかと思うんですが、ここの議 論の場では、どちらもやはり重要な意味を持っているので均等に扱うべきであるという 意見が多く出されたということで、その実施に当たっては、やはりちょっとサンプリン グしたような形で実例を出していただいて基本問題小委員会でやると、そういう形にさ せていただいてよろしいでしょうか。  ありがとうございます。  それからもう一つ、(データ/病床)比についての考え方でございますが、この3ペ ージのほうに戻っていただきまして、20年度DPC対象病院の基準との整合を図るた め、改定後であってもそれと同一の方法でデータ数をカウントしてはどうかということ でございますが、これは19年度を決定するときにこの形でいくということで決めてお りまして、もしそのときに、21年度に入られる方ですか、その方たちに対してもでき れば同じ基準をとりたいということの話し合いがあったと思うんですが、それでよろし いでしょうか。  じゃ、この(データ/病床)比についてはこういった形でやらせていただくというこ とでございます。ありがとうございました。  それでは、本日の議論は以上としたいと思いますが、ほかに何かございますでしょう か。はい、どうぞ、小山委員。 ○小山委員  じゃ、今回のこの議論でケアミックスはもうそのまま入るということになったという ふうに考えてよろしいんですか。全く同じ条件の中で入ってくるということですね。 ○西岡分科会長  はい。  どうぞ。 ○宇都宮企画官  それはあさっての小委員会で正式に決めていただくと。今回はそういうケアミックス が入るとした場合にどういう計算方法がいいかという、そういう仮定のもとでの議論と いうことでございます。 ○小山委員  今の議論で、今までと同じやり方で決めていくということですよね。ほとんどルール は同じですよね。ケアミックスであろうと、ケアミックスでない病院も全部同じという ことですよね。 ○宇都宮企画官  それはそのとおりです。 ○小山委員  そうですよね。それで、この会は議論がそれでもってみんな了承したというふうに考 えるわけですね。 ○西岡分科会長  どうぞ、御意見を。 ○小山委員  ケアミックスについて、やっぱり確かに中身を見ますと、DPCの在り方のところの 数を見ましてもケアミックス型が急性期の病院を担っていることも事実ですし、それか らその役割もなしていることも当然認めるところでありますけども、この前のヒアリン グをお聞きしましても、言い方はちょっと失礼な言い方ですけど、ピンからキリまでと いう形でもって余りにも差がありすぎちゃって、それを同じレベルでケアミックスも全 部いいんだよとしていいのかなというちょっと疑問というか心配というか。  今日のヒアリングのとおり、DPCの対象病院の中にでもものすごく効率というより も行きすぎちゃったんじゃないかという効率もあるし、そうじゃなくて余りにもそうじ ゃないところもあるというところに入っていて、さらにこのケアミックスが入っている とこの疾病構造というか、この数字の構造上さらに複雑なものになってきて分かりにく くなってくる可能性はないだろうかという一抹の心配を覚えるんですが、よろしいんで すね。 ○西岡分科会長  確かに前回のヒアリングをお伺いしまして、ケアミックスでも一つの施設で完結型と いうふうなことをおやりになっている医療施設などは非常にすばらしい御活動をされて いたというふうに理解しています。  それに比べて、何か世の中の流れだから入らなきゃいけないというふうな変な動機づ けで手を挙げていらっしゃるところもあったというので、やはりその部分の内容を今後 きちっとチェックして分類していく形が私たちの評価分科会に求められてくるのかなと いうふうに思っているんですけど、いかがでしょうか、小山先生。 ○小山委員  このDPCの方向性にもなってくると思うんですけども、いわゆるコモンディジーズ はある意味で一定のEBMに基づいた余りあちこちで差のない治療を求めていくんだと すると、逆にその考え方とするとDPCの数をどんどん増やしていくと。一時収束して きてある程度疾患数も、それからDPCの評価の分類も収束に向かったんだけども、3 60から700になった時点でもって逆にふえましたよね。すると、恐らくこの次の改 定、さらにそれがDPCの分類がもっと増えちゃうんじゃないかということになってく ると、最初のほうの目的と少しずれてくるのかなという感じがするんで、このDPCそ のものの方向づけを、一個一個は正しいと思うんですけども、少し離れて見たときにそ こら辺のことをどういう方向に持っていくかということをやっぱり議論しておいたほう がいいんじゃないかなという感じを持ちます。 ○西岡分科会長  私が答えるか、宇都宮企画官がお答えになったほうがいいと思うんですが。 ○宇都宮企画官  まず一つには、もちろんケアミックス病院が入ってくるということになりますが、今 回(データ/病床)比についてはこれが入れるか入れないかという基準になるわけです よね。ですから、先ほどおっしゃったような問題のある病院が果たしてこの基準をクリ アできるかというのが実はあるわけです。実際にまだ計算していませんから、どのぐら い入れるのか入れないのかというのは分かりませんけども。ですから、そういう意味で はある程度セレクションができるんではないかということが一つと、それから、もちろ んこれからもうちょっと違った基準を議論するということは当然可能なんですけれども、 その場合に、先ほど読みましたけども、「21年度にこの19年度準備病院を対象とす るとしたときには、既存のものと同じ基準で」ということが決められておりますので、 当然その基準を変更すれば現在の対象病院にも適用されなければいけないわけで、そう すると、場合によっては現在の対象病院がその新しい基準によって落ちるということも あり得るわけです。その基準を今から短期間で議論できるかというと、ちょっとその辺 は難しいんではないかなと思うんです。  それと、あと基本問題小委のほうで出されています、あるいは総会でしたか、退出ル ールの話もありますので、そういった退出ルールの議論と、それから実際、もし新しい 基準をつくるんであればそういう基準についての議論というのはやはり時間をかけてや ったほうがいいのかなという気はします。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○小山委員  一番最初にお話しした(データ/病床)比のところでひっかかってくるんですけども、 例えば200床ベッドのうち急性期の病院50とするとか、あるいは30とかするとか というようなやり方で(データ/病床)比をクリアしてくるところが出てくると思うん です。そこら辺はそういうことは余りあり得ないんですかね。 ○宇都宮企画官  (データ/病床)比の病床はあくまで急性期のDPC算定病床ということなので、た とえ30であろうと500であろうと、やはりその数は数として出すということになっ ていますから。 ○小山委員  そこは十分理解して、そうじゃなくて、病院の状況によってクリアするためにそっち をいじっちゃうということになってくると本末転倒になってくるのかなと思っちゃうん ですよね。 ○宇都宮企画官  ただ、データとしては今年の7月から10月までですので、これからいじることはで きないはずなんですけども。 ○小山委員  この後。それは固定したものじゃないでしょう。申請し直せば、200床のうち今ま で100床が(データ/病床)比の、いわゆるDPCの対象病床だったところを、ただ さらにそれをクリアするために50にするとかという考え方が出てくると思うんですけ ど、それはあり得ないんですか。 ○西岡分科会長  それは先生、例えば看護配置であるとか、そういったところでの問題ですね。 ○宇都宮企画官  それは、当然どの病床から出たかという、それはもちろんチェックしますし、そうい った基準逃れのようなものは我々としても基本的には認めないつもりではありますので、 余りそういうおかしなことをする病院はむしろ基準以前の問題のような気がします。 ○小山委員  すみません、失礼しました。 ○西岡分科会長  どうぞ。 ○山口(俊)委員  そういう病院を入れないほうがいいということはあるかもしれませんけど、やっぱり 地域の病院を見たら、こういう例えば都会と違っていろんな形態の病院があるので、今 ここで門前払いにしちゃうとその混乱のほうが大きすぎると思います。小山先生のおっ しゃるようなものを排除する方法はいずれ考えるにしても、差し当たっては門前払いし ていただかないほうが私はけっこうだと思いましたけど。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  確かにこのDPCに参加するということは、その病院の医療活動の中身が全部白日の もとにさらけ出されますので、今日のヒアリングのもとになったようなデータが全部出 てくるということで、逆にかえってそのほうが医療の標準化といった、あるいは質の向 上といった面で役に立つのかなということが考えられるんじゃないかと思います。  それから、小山委員が多分疑問に考えられていると思うんですが、懸念されていると 思うんですが、小さな病院でやっているところと最初からある病院とで医療の中身が違 ってきて、それが平均在院日数だとか医療費のほうに関係するかということになるんで すが、これも基本問題小委員会のときに出されたんですが、ツリーが違うところにいっ ていきますので、ですから、それがそのまま50床の病院の平均在院日数がすべて1, 000床の病院の平均在院日数に影響するということは余りないんじゃないかというこ とが答えられております。先生の御懸念の部分はこれから時間をかけてやらなきゃいけ ないかと思います。  どうぞ、木下委員。 ○木下委員  小山委員のお話は非常に大事なことかなと思っておりまして、そもそも論かもしれま せんけど、大学病院と特定機能病院がこういったものを始めてだんだんと拡大してきた と。中小病院がなってきたというふうなこと、さらにこのケアミックス。  そもそも、このDPCというものが本当に日本の医療の支払い方式というものがいい のかというふうなことまで、こういったふうなパラメータがやっぱり非常に少ないもの ですから、今いろんなこれに入る、つまりDPC対象病院になるとパラメータはそんな に多くないというふうなところからしますと、実態からして先ほどお話あった地域の病 院でありますとか全国の病院のことを考えたときには、もうほとんど大病院のところを 中心にやってきたわけでありますけど、やはりこのことで問題になり、退出のこともそ うかもしれませんけど、問題になることがあり得ると思いますので、性急に、やっぱり これがいいんだということになれば話は別ですけども、ここですぐに対象病院としてあ る基準を満たせばいいんだというふうなことでいいのかという問題もまだあると思いま す。余りにも考えるファクターが少なすぎちゃうので、もうちょっと慎重に考えていた だいたほうがいいのではないか。  大体、これ対象病院としてよいのではないかというのはよいということになると大体 なっておりますから、その辺はもっともっと時間をかけて少しやっても遅くはないんで はないかと。特に調整係数をやめるという今までと違った形が出てくるときに、じゃそ ういったケアミックスに対する調整係数というのはどういうふうにしていくかというの も今までの大病院のと同じでいいかということもありますし、いろいろと新しいファク ターが出てくるだけに、これはぜひ慎重であっていただきたいなという気がいたします ので、よいのではないかではなくて、もうちょっと検討してみたらというぐらいのとこ ろで抑えていただければいいかなと思います。 ○西岡分科会長  ありがとうございます。  ほかに御意見ございますでしょうか。せっかくの機会でございますので、いろいろ御 意見を出していただければと思います。  じゃ、一応今日御議論いただきました(データ/病床)比についてと、それから調整 係数についての考え方ということで御了解いただけたということにさせていただきたい と思います。  それでは、本日の議論は以上とさせていただきます。  事務局から連絡事項等ございますでしょうか。 ○中田補佐  次回の日程につきましては12月12日を予定しております。場所等が決まり次第、 追って御連絡させていただきます。また、あらかじめ会議終了後回収する旨お願いして いた資料につきましては、机上にそのまま残しておいていただければと思います。  以上でございます。 ○西岡分科会長  それでは、平成20年度第6回診療報酬調査専門組織(DPC評価分科会)を終了さ せていただきます。  本日は、お忙しいところありがとうございました。 −了− 【照会先】  厚生労働省保険局医療課包括医療推進係  代表 03−5253−1111(内線3278)