08/11/26 第37回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会議事録           第37回 労働政策審議会 職業安定分科会                雇用対策基本問題部会                  日時 平成20年11月26日(水)       13:00〜                  場所 厚生労働省職業安定局第1会議室(14階) ○大橋部会長 それでは、皆さんお揃いになりましたので、ただいまから第37回雇用対 策基本問題部会を開催します。最初に本日の委員の出欠状況を報告させていただきます。 本日の欠席者、公益代表で北村委員、白木委員、宮本委員、森戸委員、労働者代表は久 保委員でございます。なお、長谷川委員の代理出席として花井様に出席をしていただい ております。以上でございます。  それでは、議事に入ります。本日も前回に引き続き、高齢者雇用対策の今後の在り方 を議題とさせていただきたいと存じます。まず、事務局から資料を説明していただいた 後にご議論をいただきます。それでは、お願いいたします。 ○山田企画課長補佐 資料1からでございますが、前回までの部会で委員の方々からい ただいたご意見を踏まえて、事務局で資料の用意をいたしました。資料1は、「高齢者 の生活実態」です。これまでにもお示ししてきた就業状況というのが高齢者の方々であ る中で、このような働き方をしながらどのような生活の実態があるのか、それを見るこ とができないかと考え、整理したものです。  冒頭の2枚は、老後の生活費のニーズを調べたものです。1頁が50歳代、2頁が60歳代 に聞いたものですけれども、月額の平均で見ると、ゆとりある老後の生活費は37.8万円、 また、老後の最低日常生活費は23.5万円となっております。分布で見ても赤色のゆとり ある老後生活費、こちらの方が高い水準であり、30〜40万円と40万円以上を合わせて30 万円以上とする割合は、50歳代、次の頁の60歳代ともほぼ7割近くとなっております。 一方、青色の老後の最低日常生活費、こちらのピークは20〜25万円のところにあります。  続いて、3頁の2は、高齢者世帯一世帯当たりの平均所得金額です。先ほど見たゆとり ある老後生活費、それと老後の最低生活費、この平均を単純に12倍してそれぞれ赤い線 の453.6万円、282万円という水準になるわけです。まず、一番左の高齢者世帯です。こ れは、国民生活基礎調査によるものですが、高齢者世帯というのは65歳以上の者のみで 構成するか、または、これに18歳未満の未婚の者が加わった世帯で、そこでは年306.3 万円の所得があるということです。これは、別の調査による老後の最低生活費を若干上 回る水準になります。所得の構成を見てみると209.4万円、全体の3分の2が水色の公的 年金・恩給です。続いて、その下の稼働所得が56.2万円で全体の2割弱、そして、不動 産・利子・配当などの財産所得、これが23万円と続きます。  高齢者世帯の右ですけれども、高齢者世帯のうち雇用者世帯、自営業者世帯を見たも のです。雇用者世帯は、世帯の中で最多の所得を得ている者が雇われている世帯、自営 業者世帯は、世帯の中で最多の所得を得ている者が事業を行っている世帯について見た ものです。高齢者世帯の中には、無職世帯も含めますので、左に比べて雇用者世帯、自 営業者世帯の所得金額は、高齢者世帯の平均よりも多くなっているという状況です。雇 用者世帯と自営業者世帯の所得の内訳ですけれども、雇用者世帯、自営業者世帯とも公 的年金・恩給と稼働所得がほぼ並んで大きく、併せて所得全体の約9割を占める状況に なっております。  さらに、具体的に真ん中の雇用者世帯について見ますと、水色の公的年金・恩給に相 当する部分が老後の最低生活費の水準に上乗せして、ゆとりある老後生活費の水準に向 かうために欠かせない部分になっていると見ることもできます。一方、右の自営業者世 帯について見ますと、雇用者世帯に比べると所得水準は低くなりますが、公的年金・恩 給を除く部分、黄色のところの上までですが、ここは約237万円となり、老後の最低生 活費の水準を約45万円下回るという比較ができます。  このグラフの出所である国民生活基礎調査で公的年金という部分を更に細かく見るこ とはできないため、その右に参考として年金と退職金の水準が書いております。単身高 齢者の世帯で平均的な報酬で40年加入した場合ですけれども、基礎年金、厚生年金の合 計で年額で約200万円と試算いたしました。ご案内のとおり支給開始年齢というものが定 額部分は60歳から既に引き上げられており、男性は2013年度には65歳です。また、報酬 部分は同じく2013年度から現行60歳の引上げが始まります。その下は、定年退職者の退 職給付額です。ここは学歴、職業によって違いがかなりありますが、参考までに書いて いるところです。  4頁は、高齢者世帯の生計費を基礎年金の給付水準と比較をしてみたものです。4頁の 3-1は夫婦2人高齢者世帯について、5頁の3-2は単身高齢者世帯について見たものです。 4頁の上の横棒がモデル年金ですが、老齢年金は40年加入による満額支給が前提ですの で、モデルではこのようになっております。それで見ますと、夫婦2人高齢者世帯では 基礎年金部分、これが夫婦2人分の合計で、単身世帯の2倍となっています。  下の横棒がほぼ相当する世帯の家計支出を品目別に見たものです。2つの棒の間に矢 印をいくつか引いてありますが、ここで出てくる基礎的消費は、ほぼ衣食住に相当する 食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物、これを合わせたものですけ れども、4頁で見ると現在の基礎年金部分、これが一番上の左の約13万円強ですが、現 在の基礎年金部分はほぼカバーする水準となっています。そして、更にその右の厚生年 金部分というのを加えると、基礎的消費以外の消費支出を含めた消費支出全体をほぼカ バーする水準となっています。  これが夫婦2人高齢者世帯を見たもので、次の頁が単身高齢者世帯を見たものです。 左上の基礎年金部分だけでは、基礎的消費が7万円強と出ておりますが、これをカバー するにはわずかに足りない水準となっているという違いが出てきます。  6頁は、公的年金の支給開始年齢の引上げのスケジュールをご参考までに添付してお ります。ご案内のとおり、現在定額部分が男性63歳、男性から5年遅れのスケジュール で女性は現在61歳となっています。  7頁の4-1からは、高齢者のいる世帯での収支をもう少し細かく見たいということでま とめたものです。世帯主が60歳以上の世帯における実収入と消費支出を、月額ベースで、 7頁の4-1は勤労者世帯、つまり、世帯主が会社などに勤めている世帯のものです。 次の8頁は無職世帯で見たものです。  7頁の4-1の勤労者世帯で見てみますと、上の黄色の部分ですが、勤め先収入は28万円 弱と、実収入38万円弱の約4分の3を占めております。続いて、その右の青の社会保障給 付、ここには公的年金のほか、例えば雇用保険法に基づく給付、こういったものも含み ますけれども、社会保障給付というのが実収入の2割強になっております。  下の支出の方なのですけれども、まず左端の非消費支出は直接税、社会保険料といっ たものです。現在の収支の状況を見てみますと、右端にあるとおり黒字が発生しており ます。今後、社会保障給付が減ってくることが見込まれる中で、そして、勤め先収入の 変化がないとすれば、支出に影響が出てくることが考えられるのではないか、というこ とを整理したものです。  8頁は無職世帯です。世帯主が無職の世帯を見たものです。勤め先収入が若干ありま すけれども、これは世帯主以外が働いていた収入です。これで見ますと、社会保障給付 が実収入の9割弱を占めております。現在でも、その右、実収入と実際の支出との差が 赤字となっている状況です。  資料1の最後ですが、9頁からの5は、勤労者世帯について、世帯主の年齢階級別に収 支状況を見たものです。比較のために50歳代、60歳代、そして、70歳代以上で見ていま す。残念ながら、手元にあるデータでは5歳刻みで見ることはできなかったため、この ような3つのパターン、50、60、70歳代以上という形で整理しております。それによる と、次の10頁の5-2ですが、60歳代では実収入が38万円弱で、これは50歳代の約7割 ですが、その約38万円の4分の3が勤め先収入、続いて約2割が社会保障給付です。右下 の黒字が1カ月で約3万4千円になっております。  これが、70歳代の勤労者世帯で見ますと、次の頁ですが、実収入のうち社会保障給付 の占める割合が増えまして、現在の黒字部分、4万7千円弱に加えて、左の、基礎的消費 以外の消費支出部分の多くに対応するものになっている状況です。資料1の説明は以上 です。  続いて、資料2、「高年齢者の働き方のパターン」です。これは荻野委員、橋本委員、 森戸委員も参加され、昨年開催された「70歳まで働ける企業」推進プロジェクト会議、 こちらにおいて昨年8月にまとめられた提言の中にある、65歳以降の働き方のパターン に基づいたものです。その提言では、65歳までの働き方についても、人事処遇制度の全 社的な見直しが必要な場合も出てくるなど、書かれています。そして、「65歳以降にお いては多様な働き方を考える必要がある」という考えのもとに、いつの時点からか、ま た、今までの業務か、新たな業務か、それまでの経験を活用するのか、職歴・職域に関 係のない業務を行うのか、また、働く場所、どのように働くか、こういったところでパ ターンと具体的イメージが盛り込まれています。  1枚めくっていただくと、ここから具体的イメージを掲載させていただいております。 まず、2頁の具体的イメージ1ですけれども、ここでは今まで働いていた企業で、上から、 引き続きフルタイムで働く場合で技能の伝承を念頭に置いたもの。続いて、職務は同じ だが、時間を短時間のものとするジョブシェアリングの形を取るもの。そして、在宅で 働くことでも支障なく専門技術を発揮できる働き方となっています。  次の頁の2ですけれども、こちらは新たな企業で、上から、顧客対応や従業員管理経 験のある高齢者の方を責任のある業務に代行させるというもの。真ん中はパートタイム 勤務によるもの。また、一番下は労働者派遣の形で技能が活用されるものです。  今まで働いていた企業、新たな企業、そして、最後の頁の3ですけれども、こちらは 企業に雇用される以外の働き方で、上から、出身企業とのつながりを活かした自営業の 支援。真ん中が経理、営業などの専門技術、経験を活かしたNPOでの就業。そして最後 に、シルバー人材センターにおける企業の経営上のノウハウについての助言支援など。 こういったものがイメージされています。以上が資料2についてです。  続いて、資料3は、「諸外国における高齢者雇用に関する制度」です。この中では、 積極的な高齢者の就業促進政策、また、段階的な引退を支援するための制度、そして、 年齢に関する法規制等をまとめております。  1枚めくっていただいて、積極的な就業促進政策ですが、アメリカ、イギリス、ドイ ツ、フランスの例が載っております。各国とも様々な高齢求職者や労働者、また、事業 主の方々への支援策などを行っております。アメリカでは、55歳以上の低所得者が福祉 サービスに短時間従事する事業となっています。  イギリスでは、「福祉から雇用へ」という動きの中でニューディールという、就職が 困難な方に就職のインセンティブを与えつつ、失業中の生活保障、就労支援を行うもの のうち、ニューディール50プラスということで50歳以上の求職者への支援、そして、真 ん中の具体的内容にありますが、こうした取組を公共職業安定所、これは就労世代の福 祉給付事務をも行うジョブセンター・プラスというもので、これが行ったり、また、下 にある年齢差別是正キャンペーン、こういったものを行っております。  また、次の頁からのドイツやフランスでは似たところがありますが、高齢者向けの職 業継続訓練、また、賃金保障といったもの、事業主への賃金補助、失業保険料の免除、 こういったものが行われております。  少し飛びますが、7頁に、段階的な引退を支援するための制度ということで、ドイツ とフランスの例が書いてあります。7頁はドイツについてです。段階的な引退支援制度 は、高齢者の就労能力、意欲に合わせて就労時間を減らすことによって就労年数を長く するための制度で、ドイツの高齢者パート就労促進制度というものがあります。ドイツ のこの制度は、制度概要に書いてありますが、失業者の雇用対策の意味合いがあり、そ の下の利用実績約9万人というのが、2007年の直近で見ると活用者が10万4千人と更に増 加しています。その下の備考にありますが、これは高齢者の早期引退のインセンティブ になっているのではないかという批判があり、現在、これは2009年末に期限が切れると いう制度なのですけれども、この制度の延長については、今の連立政権の中でも対立が 見られる状況になっています。8頁は、フランスの段階的な引退制度で、年金との関係 を踏まえた制度です。  9頁は、年齢に関する法規則等をまとめております。ここでは、雇用における年齢差 別を禁止し、高齢者の就労促進を図る法制度をご紹介しています。ただし、イギリス、 ドイツ、フランスでは、65歳以上の定年は例外として認められています。  なお、EUについてですけれども、次の頁に参考としてEUにおける高齢者雇用対策とい う簡単な紙を付けてあります。EUにおきましては、雇用における年齢差別を一般的に禁 止する指令が施行されております。これはアクティブ・エージング、活力ある高齢化と いう考えのもとに、下に目標を書いておりますが、2010年までに高齢者、ここでは55歳 から64歳ということで提示されておりますが、高齢者の就労率を50%にすると。日本で は、昨年はこの数値は66%ほどです。また、労働市場からの平均引退年齢を約64.9歳に 引き上げる、などの2010年までの目標が設定されています。資料の最後には年金制度の 国際比較について添付しております。  最後の資料4は、第36回、前回の部会において幅広く出た意見を事務局で整理したも のです。なお、その次にお付けしている資料5は、前回、10月22日の部会でお出しした 資料の論点案と同じものです。資料4は、大きく3つの構成になっております。まず1で すけれども、高齢期の雇用とその関連分野で、幅広い観点をいただき、これを整理した ものです。1と2、継続雇用などの在り方を考える上で、それらは現役世代からのトータ ルの話ではないか。60歳までと60歳以降は一緒に議論を行うべきではないか。関連して 3と4、高齢期の生計費を確保していくときに、雇用だけで行うのかについては議論が必 要ではないか。雇用問題に議論の幅を狭めない方がよいのではないか。そして、5、仕 事と年金の接続を確保することが必要ではないかという意見が出されました。  次に、2の高齢者の働き方に関する基本的な視点です。1として、引退過程の政策モデ ルはどのようなものなのかを念頭に議論ができるとよいのではないか。続いて、先ほど 資料2で多様な働き方のパターンのご紹介をさせていただきましたけれども、2として、 同じ企業で働き続けることにこだわらず、社会全体あるいはマーケット全体で雇用を確 保するという観点からも政策が必要になってくるのではないか。3から5として、勤務日 数や、勤務時間の工夫、フルタイムでの働き方、こういったものが必要ではないか。 次に6として、公的年金の支給開始年齢の引上げスケジュールに合わせて、2013年まで、 2013年から2025年まで、そして2025年以降、それぞれについて政策の打ち方が変わって くると考えられるので、それぞれの段階でどのような政策を行っていくかについて、全 体的に考えていく必要があるのではないか。そして、7、8と頁がまたがりますが、60歳 代前半についての更なる雇用確保のための在り方、法定定年年齢を65歳まで引き上げる のか、希望者全員を継続雇用するのか。こういったことを議論していくことが必要では ないかという意見です。そして、9として、65歳以上の高齢者でも希望する人は働く場 を提供できるようにすべきではないか。10は、定年をなくすことの是非はよく検討する 必要があるのではないかというご意見。また、11、職場環境の改善のための取組も必要 ではないかというご意見もありました。  最後に、3の継続雇用の在り方についてです。希望者全員への継続雇用という仕組み について1、2にあるように目指すすべきであるという考え方、一方で、3のように希望 者全員の継続雇用の義務づけは性急ではないかという考え方がありました。関連して、 継続雇用制度の対象者に係る基準について、4ですが、基準に該当せず継続雇用されな い人は少ないという状況を踏まえて考えてはどうかとのご意見があった一方で、5のよ うに、基準の目標としての役割、メリットといったものを評価する考え方もありました。  このようなご議論がある中で、今後のスケジュールに関連して、6にあるように状況 を踏まえて希望者全員などの法制化、こういったものを考えていくステップが必要では ないかというご意見。一方で、7にある年金との接続との観点から、年金が支給される までは継続雇用がされるように制度化する必要があるのではないか。また、最後に8と して、雇用期間について1年に一度、本人も自分の状況について整理してもらうという 意味合いもあるのではないかといったご意見がありました。  以上、配布資料のご説明をさせていただきました。 ○大橋部会長 ただいまの事務局からの資料及び説明に対してご意見、ご質問等ござい ましたら、お願いいたします。 ○樋渡委員 今日、諸外国のいろいろな資料を出していただいたのですが、もしかした ら前回あるいは前に出していただいているのかもしれないのですが、これに対して日本 がどういう高齢者に対しての施策を講じているか。1つは、在職老齢年金があったり、 あと高年齢継続給付があったり、それから雇用保険のところもあると思うのです。あと 細かいところで、高齢者を雇用する際に設備を導入した際への事業主に対しての助成で すとか、大体そんなところなのでしょうか。何か日本の制度を示したものがあるといい と思ったのですが、大体そんなようなことが高齢者に対して、日本で今採られている措 置と考えてよろしいですか。そうすると、あんまり個人に対してというのは、大体それ ぐらいでよろしいですか。今頭に浮かぶのはそれぐらいですか。 ○山田企画課長補佐 はい。 ○大橋部会長 この外国の例は、どういうふうに了解したらいいのでしょうか。単純に、 日本よりかより手厚いとか。 ○樋渡委員 単純に、そこがどうも、どういうふうに日本と比べていいのかというのが 難しいと思って、今ご質問をさせていただいたのです。どちらがどうという比較は難し いと思うのですけれどね。 ○大橋部会長 外国の方は、働いておられる高齢者の比率は低いのですね。ですから、 それによって大分対応も違ってきているはずなのですけれども。 ○山田企画課長補佐 まず全般的に言えることとしては、人口の高齢化が進んでいると いう中で、その労働力人口というのも高齢化が進んでいるところがある。アメリカです と、移民の流入のインパクトが大きいですけれども、全般的に高齢化が進んでいく中で、 かつてドイツ、フランスといった大陸ヨーロッパ諸国の方では、高齢労働者の早期引退 を促すことによって国全体の中での若年者の失業対策という意味合いも込めたというよ うな施策をやっていたこともあったのですが、今の動きとしては、そういったところを 見直しをして、働く意欲と能力のある人は労働市場に参加いただこうという動きがある と整理されていると考えてよいと思います。 ○樋渡委員 手厚いからいいということではない面もあると思う。逆に、就労意識を削 いでしまうことがあるので、そこをどういうように、ここでいい悪いというのは難しい のかもしれません。最初の方に、日本の高齢者の生活水準で、社会保障給付と勤め先の 収入、例えば資料1の7頁辺りで、37万6,858円収入があって、そのうち勤め先の収入と 社会保障給付があって、一方支出を見ると黒字がある。これが、社会保障給付のところ がだんだん支給開始年齢が遅くなっていき、接続しなくなったとき、この部分をどうす るかが問題となってくると思うのです。一方で、黒字があるここを、では社会保障給付 とつながらなくなったときに、どこがどういうように面倒を見るのかということに、そ こが難しいところなのかと思って、この資料を見ていたのです。8万いくらあって黒字 があるので、その差引分を、勤め先収入で補うのかというと、そこも難しい。個人のい ろいろな貯蓄だとかを取り崩していくなり、ここが1つ問題になるのかなという。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 年金の支給開始年齢の引上げを見据えながら、政府 ももちろんですが労使間も含めて、その状態を見据えながらいろいろな議論をしていか ないと、すぐに結論が出る話ではないのではないかと思います。一方では、資料にもあ りますように、年金の支給開始年齢の引上げについては、定額部分だけではなく報酬比 例部分も、これは基本的にはセットされている話です。したがって、別のさらなる年金 の議論はこちらに置いていって議論したいと思っているのですが、現在既にセットされ ている中でもそういう階段を昇っていくということは事実です。  そうした中で、これまた平均値なので分かりにくい部分もあるのですが、要するに年 齢層によって、例えば60歳の人、61歳の人、だんだん定額部分もなくなり、報酬比例部 分もなくなる。だから平均値ではなく、それぞれ輪切りにした年齢の人がどうやって暮 らすかということを、全員の生活を企業が保障という意味ではなく、標準的なものを見 ながらどう考えるかということをやはり議論しなければいけない。その場合に、仕事を するかしないか、できるようにするかしないかという話と、やはり報酬の部分も、企業 の統計を見ていると、公的給付を含めて賃金を考えていますという企業が結構あるので す。それをどう考えていくのかということがあって、そうすると、その公的年金給付が なくなった場合には高くするというニュアンスが入っているのか。それもそうではなく、 たまたま今そういうように答えているだけなのかという議論もあり得ると思うのです。  だから、そうしたことを含めて、これ結構難しい話だろうと思っていますので、すぐ に結論は出ないかもしれないけれども、この時点でどれだけのものが合意できるかとい う話と、将来に向けて少し議論を進めていく、あるいは準備をしていく必要があるので はないかと、一応考えているということです。 ○原委員 資料で質問といいますか。高齢者の生活実態、カラーの4頁です。モデル年 金、計23万2,592円、平成19年度となっています。実感的には、この23万2,592円モデル、 本当にこれぐらいもらえるのは何パーセントいるのか。何を根拠にこれをモデルにした のか知りませんが、23万2,592円もらえるのは何パーセントなのか、実際の平均がいく らなのか、そうしたことを教えていただきたい。  従業員数、企業規模が1人〜99人の労働者というのは、全国で2,500万人なのです。私 は、とても23万2,592円ということにはなっていないのではないか。大企業の一部限ら れた層がこの程度にやっといくかなと、そう思うのです。だから、この数字があまり一 人歩きするのは困ると思います。消費支出計の23万7,475円と合わせるためにこういう 数字を持ってきたのかなという気もしないわけでもないのですが、実態の平均はいくら なのですか。 ○山田企画課長補佐 お答えできる範囲でと思います。先ほど説明をざっといたしまし たが、モデル年金となっていますのは、老齢年金の40年加入による満額支給、これが前 提といいますか、ベースになっています。今回お示している図ではこのようになってい ます。実際は、その加入期間に応じて減額がされますので、例えば30年加入であれば、 40年加入の場合の4分の3の年金額となる。最低の受給資格は25年以上です。そういう仕 組みになっているところです。  それで実態がどうかというご質問がありましたが、手元にあるものでお示しできるも のとしては、定額部分と報酬比例部分を合わせたものとして、月に約16万2,000円、年 額で約195万円です。これは老齢年金の受給権者について、どれだけの額かを平成18年 度について見たもので、資料出所は、20年3月に社会保険庁がまとめた「18年度社会保 険事業の概況」です。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 この問題も、年金の額そのものの議論になると、な かなかこの場でするのはどうかという話もあるかもしれません。ただ、年金額が低い方 もいる現実の中で、そうした方々について働く場をどうするかという議論は一方にある のは事実です。ここでこの資料を出した、むしろ基礎年金部分がだんだん年齢によって 60歳から上がっていっている、この部分がなくなってくるのが、今の段階です。次の2013 年からは、この右側の報酬比例部分もなくなっていく状況のもとで、その生活をどう考 えるかという意味で出した例です。意図はそういうつもりです。もちろん原委員が言わ れるように、そもそも年金額の低い方の、そうなると……60代前半の人だけではなく、 65歳以降も年金額が低い人をどうするかという話になりますが、それは両方の議論あり 得ると思います。  ここで見ていただきたかったのは、むしろここの部分、今年金でこうなっている部分 が、60代前半は基本的にここはなくなるので、その場合どう考えますかという問題提起 をしたかったのです。  ○原委員 この場だけの議論といいますか、この場の議論にはならんと思います。こ の部会の何回か前に申し上げたように、企業内で労使で賃金設計をする場合に、シミュ レーションするわけです。いずれにしても、在職老齢年金制度と、この給付金のできる だけ年金もらいながら、できるだけ給付金もらいながら、そしていくらにして、トータ ルで年収の8割にして、それで本人に納得してもらうということでやっているわけです。 そういう意味では、企業から受け取る賃金を上げようと思えば、要するにモチベーショ ンが下がらないように、上げようと思えば、在職老齢年金の制度も変えていってもらわ ないといけない。給付金の制度も変えてもらわないと、ちょっと企業から受け取る賃金 を上げれば、年金がガクっと減る、給付金ももらえなくなる。こういう痛しかゆしの問 題もある。この場の議論ではないのですが、やはりモチベーションが下がりますね。  今、一般的に多いのは、割り切れと言ったらそれまでの話ですが、結構団塊の世代に しても何にしても、ベテランの能力を活用しないと企業は回らないといいますか、そう いうことになってきているわけです。そういう意味では、昨日までと同じように働け、 給料は半分。どう考えても、モチベーションが下がりますね。そうは言っても、これま ではトータルで何とか8割いっているのだから我慢しなさいと言って、割り切らせるに してもボチボチ限界に来ている。もうフルに頑張ってもらわないと回らないような、企 業はそういうことになっているでしょう。だから、この場の議論だけではないと思うの です。だから、なかなか議論しにくいですね。 ○樋渡委員 この審議会とは直接関係ないのですが、雇用保険の部会の方で、たしか前 回の雇用保険制度の見直しのときに、高齢給付を将来的に廃止する方向で、次は何か検 討した方がいいのではないかというようなことが、まとめの中に入っていたような気が するのですが、それはそういう可能性があると考えてよろしいのですか。ここは直接関 係ないのですが。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 今すべきかどうかは別として、前回の雇用保険部会 のまとめの中で、そういうとりまとめをしたのは事実ですから、その議論はあり得ると は思っています。また今回、別のことを含めて、雇用保険部会はやっています。今回、 そこは直接議論にはなっていないとは思いますが、将来的な話としてはあり得るだろう と。 ○樋渡委員 いろいろなことが絡まってくるので、ここで結論は出ないでしょうけれど も、やはり企業もそういうことを考えながらやっていかなければいけないことは確かだ と思っています。 ○大橋部会長 これ、データが60〜69歳という年齢区分になっていますが、一応年金の 支給開始年齢が問題になるのは65歳までですので、したがって年齢区分を60代の前半と 後半に分けて、こういう生活費出してもいいのではないかと思うのです。  それともう1つ、65歳までの年金が次第に段階的に引き上げられるということで、そ の分どうするかということですが、やはりこれまで年金をいくらもらっているから、給 料これぐらいでという話だったのですが、それがなくなって。結局、その高齢者の方が 産み出す価値に従って給料を払うという形しか、あり得ないのではないかと思うのです、 民間の企業で。これまではむしろ年金がある程度利用されて、それで比較的高齢者の方 が雇用されやすいという状況があったのです。これからそういうものがなくなったとき には、どうしてももう少し、基本はやはり企業の方も恐らく高齢者の方の貢献に応じて 払うというのは、これはもう私企業の原則ですから。それはそれとして、高齢者の方が 利用していた、雇用のために利用していたと見ることができる年金額がなくなったとき に、どうなのかというところについての展開ですか、これがちょっと見にくいというこ とで、皆さん方いろいろと悩んでおられると思うのです。それ、どうなるのですか。  例えば、企業の方が、今まで高齢者の方がある程度年金もらえると。したがって、こ の年金と合わせていくらで、労働時間である程度調整してというようなことがあったと きに、今度その部分がなくなってきたときに、ではもうちょっと労働時間を長くするか とか、どういう働き方になるのかが、ちょっと見えないのです。労働時間を長くすると いうことですか。いや、その部分を補うのなら。私は、65歳までならまだ元気でしょう から、65歳ぐらいまでならね。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 どちらかというと、今企業が提供している就業実態 から言って、働くのであればフルタイムと言う方が多くて。 ○大橋部会長 多いですね、確かにこの前出てきましたね。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 むしろ、パートタイムで働きたいのにパートタイム の勤務形態を提供してもらっていないと言う人が多いのです、どちらかというと。そう いう意味で、労働時間を長くして収入が増えるという選択は、あまりないのではないか という気がするのです。 ○樋渡委員 パート、ワークシェアリングということがあるのではないですか。例えば、 1つの仕事を高齢者2人で分担するとかそういうことだったらあり得る。 ○大橋部会長 ただ、それは少し給料が下がるでしょう、ワークシェアするなら。 ○樋渡委員 そうです。だからそのときに全く、先ほどお話ししたように、給付されな くなった社会保障給付の分を丸々企業が見られるかというと、そこが難しいのではない かということです。 ○大橋部会長 だから、今日は気楽にディスカスしてもいい場だと思いますので、その 辺の展開ですか、つまり、ということはフルタイムでこれまでの60歳代前半層の方はフ ルタイムで働いて、年金は、逆にいえば雇用をつなぐために多少賃金を安くして、それ で雇用がつなげたという理解で、いいのですか。 ○原委員 はい。 ○大橋部会長 労働時間はそのままで。 ○原委員 そうです。 ○大橋部会長 実態はね。だから、これが今後、段階的に年金の支給開始年齢が引き上 げられたときに、どう展開するかということが読めればいいのですね。 ○原委員 一般的に言えば、企業は安い賃金で働かせることができた、その分若い人を 採用できたと。それが、これまでのパターンではないですか。しかし、それが年金が出 なくなったら、労働者はそれでは我慢できませんね。会社からもっと欲しいということ になるでしょう。そういう意味では、年金が全くなくなるまで、まだ在職老齢年金制度 というのがあるわけですからね。そこで、いくら年金もらえるのかということで、賃金 の方に対しては我慢する、我慢できないという問題が出てくると思います。年金がもう ゼロとなったら、それはもう企業がきっちり払わないと、モチベーションが下がります ね。 ○樋渡委員 そういうことになると、なぜ高齢者のところだけでもって、その企業全体 で賃金制度なり人事制度をどうするかという根本的な見直しをしないといけなくなるの ではないかという気はしてくるのです。 ○橋本委員 やはり需給にかかってくることがあると思うのです、雇用問題は。今の再 雇用も、賃金の設定は年金の分も入れてもちろんやっていますけれども、やはり初任給 との比較があるわけです。要するに、新人に置き換えた方がいいのか、こちらに高齢者 を雇った方がいいのかと。これは、まだ走り始めたばかりですから、そういうところか らスタートしているわけです。だから、これ需給状況が変わってきて、例えば新人がも う入ってくるのがなかなか難しくなってきた、労働人口が減りますからね。そうなって くると、企業の方としても、やはり長く働いてもらわなくては駄目だから働ける人を。 そうなってくると、やはりそれなりの、根本的に同じ仕事で、賃金が違うというのは本 当はおかしいと思っているのですが、そういう方向に持っていかざるを得ないのではな いかというようには考えますね。 ○大橋部会長 ただ、ちょっと気になったのは、生活費を見ていくと、働いている方は 黒字なのですね。この黒字の部分がまだあるではないのという議論もできてしまうので す。だから、一体全体何をどう保障していくのかというところも、考え方が非常に難し いなと思っているのです。ただ黒字は65歳以降の展開を見ると、やはり要る。では、ど れぐらい要るのかという話になると、これは非常に判断しにくいところだというように 思っているのです。だから、黒字がなくなるまでいいのではないのという話ではないは ずですので。 ○野村委員 この黒字というのを、データの取り方ですね。こういうように細かく、数 字の方も足し算引き算ですから出てくるのでしょうけれども。資料の7頁、これは平成 19年になっていますが、昨今の経済情勢や雇用情勢も含めて見ると、勤め先収入という のも今後は相当厳しい。ある意味では、雇用状況も賃金状況も。こういう金額というの はこの先も見込めるかというと、今の社会情勢を見るとちょっと厳しいのかなと思いま す。それと基礎的消費の部分、これも物価がじわじわと上がってくる、そういう経済社 会情勢全般を考えると、はっきりとこの黒字というやつはこういう形で本当に出てくる のかどうか。やはりそういうことを考えると、生活をしている限り無収入の状況が生ま れるということ自体、生活がそこで行き詰まるわけです。  いずれにしても、どういう形でも雇用と年金を接続させるか。そして、そのときの賃 金の在り方というものがポイントになるのでしょうけれども、これははっきり言って、 60歳とか65歳とかそこの賃金の部分だけを見ても、私はちょっと解決するのは難しいだ ろうと。就労、仕事を始めてから、どちらかというと、我々労働組合も単年度的に賃金 交渉でずっとやっていて、単年度で勝った負けた、取った取られたみたいな形の交渉を やっていましたが、これからは生涯トータルで考える。だから賃金、一時金、年金、退 職金、諸々あと社会保障的なそういう制度も含めて、生涯トータル的なもので、然らば 賃金のあるべき姿、一時金のあるべき姿。それも、今までは55歳だとか57歳とか60歳と いうところで1つの年齢を見ていました。それで、今度65歳というところまで延ばして、 要はトータルとしての労働条件や賃金の在り方、そういうことを労使で真剣に議論する、 そういう時期を迎えているのではないかというように思います。 ○征矢委員 今、野村委員がおっしゃったとおりだと思いますが、当面のいろいろ情勢 の難しい中での話は置いておいて、2025年は、年金が完全に65歳支給になるのがはっき りしていますね。だから、その時点で雇用がどうなっているかということだと。やはり 年金と雇用がつながっていなければ生活できないわけです。当然、65歳の年金支給にな ったときには、雇用は65歳までないと生活できないということになったときに、その雇 用の在り方がどういう姿かを考えた場合に、今の日本の状況でいけばたぶん定年自体が 65歳になっていればうまくつながるわけです。ただ、それは今使用者側がおっしゃった ように、賃金、総コストの問題があるものだから、その総コストをどう見て、その中で どうするかということが避けて通れない。賃金制度の見直しをしないといかん。それは 非常に基本的に労使でおやりになる話ですけれども、相当時間かけてやらないとできな い話です。  したがって、この現状で言えることは、2025年では年金支給開始が65歳になるわけで すから、そこに雇用がつながるためにはどうしたらいいかという、賃金制度の在り方論 というものを検討していかないと。やはり、そういうことを頭に置かないといけないと いうことが言えるのではないか。  当面のそのやり方については現状のやり方で、たぶんいいと思います。それは賃金論 と一緒に言えばおかしいですが、社会保障の経過的な措置と併せて、収入の8割になっ ているからまあまあいいということが、2013年まで続くわけですけれども。そこから先 は、それがなくなったところをどうするかという議論は避けて通れない。それは、どう も賃金制度の在り方を考えていかないといけないということが言えるのではないかと思 います。だから、2025年度においては、たぶん定年は65歳になっているのだと。  年齢の差別禁止という考え方が一方にあるのですが、定年と年齢差別禁止の考え方を 両立できるのは、この社会保障給付の年金の支給開始年齢以降の定年は、これは差別禁 止に当たらないというのは、一般的に考えられていますから、そういう形になるのでは なかろうか。どうしても賃金制度の在り方論というのは、避けて通れないものというよ うに思います。それは時間がかかるので、相当いろいろなことを考えながらやっていか なければいけないのではないかというように思います。 ○大橋部会長 一応、雇用については継続雇用が柱になっていますので、65歳まで。や はりあとは賃金制度ということはもっともだという気はします。ただ、ひとつこのデー タを見ていて思ったのですが、基礎的消費、あるいは基礎的消費以外の消費支出、非消 費支出といったものが出てきて。これ、やたら高いのではないか。例えば、住宅問題が 解決している人は、これは問題ないのです。だから、そういう点では人事の方ができる だけもう60歳ぐらいにきたら、住宅問題は解決しているねと、これは個人の問題なので すが、大体そういう形でやっていただいて。それで、もう住宅さえ解決しておれば、あ ともう何食っていったって生きていけるわけです。そういう点では住宅問題、だって住 宅がないということになると、わずか30万ぐらいの所得の中で住宅費が10万とか何万 とかかかりますので、またガクっと。そこのところは、是非人事の方にちゃんとやって いただきたい。これは、個人に貯蓄させればいいわけですから、住宅は貯蓄ですから。 したがって、こういうところも含めて60前の段階から基本的な消費ではないのですが、 貯蓄ですが、そういう住宅問題等々は。  あとは保険ですか。例えば、少し病院に入院の保険とか、そうしたきめ細かいところ をやっていただいて、あと60歳過ぎたら、軽く、安く生活できるというのがいいのでは ないかと思うのです。こういうデータを見ていると、その辺のところが出てこないので。 だからあまり心配も、何か身をもって感じられないという気がするのです。その辺のと ころはどうなのでしょう。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 データを作るときに、持ち家か持ち家でないかとか、 資産、預貯金がどのくらいあるかとか、いろいろな要素を入れられたらと思って、いろ いろ並べたものの、そのようなものはあまりにもバリエーションがあって無理でした。  結局平均値しか出ていないので、部会長がおっしゃるように、例えば、4頁を見ても、 住居費は1カ月1万5,000円だと。これは持ち家の人と持ち家でない人を全部混ぜて、 平均値だけなので、資産の状況とか持ち家の状況を分けると全然違う姿になるのですが、 なかなかそれは出せなかったものですから、平均値で見ていただいているということで す。 ○大橋部会長 たぶんそうだと思います。ただ、持ち家だったら、自分が病気をしたと きに家を売って、入院費等々にできますし、あるいは介護費にもできますので、高齢に なる前に、ちゃんと住宅等の問題はきちんとやってもらうように、雇用対策の視点から 政策的にも勧めてもいいのではないでしょうか。 ○荻野委員 大橋部会長のおっしゃられたことに私も同感するところがあります。生計 費の議論をすると平均だけ見ていてもあまり意味がないといいますか、今の住居費の話 もそうでしょうし、たぶん住居費も家のある人はほとんどゼロに近くて、ない人は月に 10万円払っているということがあるでしょうし。一般的に高齢者になるほど、豊かな人 とそうでない人と差が大きいですから、そういう意味で先ほど野村委員が言われたよう に、こんなに黒字があるのは実感と合わないというのは、たくさん黒字のある一部の人 が平均値を上げているところがあるのではないかと想像します。  高齢期の年金が出る前までの生計費確保という意味で議論をするのであれば、平均で 見るのではなくて、本当に支援の必要な人が何割ぐらいいて、そういう人たちがどうい う状況にあるのか。雇用されているのかされていないのか。そういう人たちの支援とし て雇用という形でするのがいいのか。定年を延長すればそういう人もすべてカバーされ るわけですが、本当に生計費という観点からするのだったら、問題のない人たちまで定 年延長しなければいけないのかという議論が別に出てくると思います、生計費の議論を するのであれば。当然それは公的給付、代表的なものは生活保護ですが、別の形の福祉 的な給付によって支援するという方法もあると思いますし、企業だって、就労だけでは なくて、例えばつなぎ年金のようなものを福利厚生的に提供することで支援することも 可能であろうと思います。いろいろなオプションがあり得ると思いますので、必ずしも 就労あるいはとりわけ希望者全員の再雇用とか定年延長といったものが、解決策である かというと、そうではないのではないかと私は思います。  政策的にも諸外国のものをいろいろとご紹介いただきましたが、これも積極的就業支 援策ということで、高齢で失業されている方をいかに就労させるかという政策が各国で 取られている。これは大事なことだと思いますので、健康問題はなかなか難しいかもし れませんが、技能の陳腐か何かで就労の機会が乏しくなった高齢者の方に対して、こう いった支援をするということは、大変重要なことであるし、これは我が国でもやられて いいことです。効果のほどはどこまでか、また別途検証が必要かもしれませんが、検討 されていいことではないかなと思います。 ○山川委員 雇用労働者の立場から言いますと、資産運用、その他で収入があるという ような方は限られております。これは60歳になるまでに子育てを終えて、ローンは払っ てと、精一杯だと思います。多くの人は余裕がないと思います。そこまで終わればいい わけで、結婚も遅れ、子どもを生むのも遅れる時代なので、60歳過ぎてもまだ大学の資 金を払っている人はいっぱいいます。高校生さえいるぐらいですから。それは別としま しても、そういうことを前提に考えても、やはり60歳以降というのは、雇用労働者から 言えば、就労しかほかにないわけです。これを福祉で面倒を見る、生活保護で面倒を見 るというのは、税金はどうなるのだと。これは大変なことですよ。そういう発想は極端 過ぎると思います。私は雇用ということ、就労の機会ということが重要だと思います。  特に労働力人口の減少の中で、どのように労働力を確保するかということも大きな課 題になっているわけですから、そういう意味では年金につなぐまでの就労保障というこ とは、企業にとってそう難しい話ではないのではないかと思慮いたします。そういう意 味で、基本的には労働力の生産性が落ちて働けない、この人は雇用できないという人は 福祉で見るのは当然ですよ。生活のしようがそれ以外ないわけですから。しかし働ける 人も福祉で面倒を見るというのは、それはやっぱり最悪の場合であって、働く能力があ る人は、その人の就業能力開発も含めて、訓練も含めて、やはり生き生きと働いてもら うという意味では、働いて生活をしてもらうということが、年金までのつなぎ期間とし ても非常に重要だと思います。  そういう意味では、2025年以降に関しては、定年ということも、しっかり検討しなけ ればいけないと思いますが、当面はいわば希望しない人までというようにはならないと 思います。働きたくない人まで定年でしばるというのは、少しいかがなものかというの もあります。従いまして、希望する者は原則的に全員働けるということで、ここからま ずやっていただいて、定年についてはしっかり検討していただくという方向性が、今の ところ段階的には方向としてはいいのではないかと思います。以上、意見です。 ○花井代理(長谷川委員代理) 1つは先ほどから出ております資料の関係なのですが、 資料1の4頁、5頁なのですが、モデル年金というのがやはり気にかかりまして、基礎年 金の6万6千円というのは40年間1カ月も欠けることなく保険料を払った場合出る金額と いうことで、ほぼ現実的にはあり得ない。平均で見ますと、5万4千〜5万5千円だと思う のですけれども、女性がもっと低いという実態になります。もう少し高齢者の生活を見 るときに、実態に近いような、確かにパターンが様々あるというふうにおっしゃってい ましたし、そのとおりだと思うのですが、下が平均を取るのでしたら、上も平均で取る とか、その方が実感に近いのではないかなと思います。  2025年から完全に65歳になるということであれば、やはり今出ましたように、65歳ま では希望する者全員がきちんと働けるという、そこを優先した政策を取っていくべきで はないかと考えております。  もう1点なのですが、今回の資料とは直接関係ないのですが、今非常に経済情勢が悪 化している中で、高齢者雇用がどうなっていくのかということを非常に懸念していると ころです。是非とも行政としましても、高齢者雇用の取組に対します助成金とか、ある いはその前に少し注意深く高齢者雇用がどうなっていくのかということも追っていただ きたいなと。その上で必要であれば助成金とか支援金とかそういうことを考える必要も あるのではないだろうかと思います。 ○荻野委員 すみません。1つ申し忘れたのですが、山川委員や原委員からお話があり ましたように、希望者はなるべく働けるようにするというのは、これは非常に大事なこ とだと思いますし、そのとおりだと思うのですが、一方で需給の要因がありまして、企 業としても売上げが減っているときにたくさん雇うというわけにはなかなかまいらない。 中長期的に見れば、私は楽観していいと思うのです。労働力人口が減るということが見 通されている中で、外国人を入れるとか、そういう話にならない限りは、当然高齢者の 方でもたくさん働かなければならない状況になると思います。ただ、やはり足下で景気 の変動があったときに、では本当に希望者全員を企業セクターで全部吸収できるかどう かといったときに、その保証はなかなかないかなと思います。  そういったときに、ある程度公務の分野で、少し吸収をすることを考えていただくと か、就労ということを考えるのであれば、同じお金を使うのであれば、公的部門で仕事 を作って、そこで有効に雇っていただくというようなことも考えられると思います。も ちろん給付でもいいとは思うのですけれども、就労するということに当然我々もそうで すし、労側も価値観をお持ちだと思いますので、そういう場合には公的部門での就労機 会を作ると。民間がたくさん採らないときには公的部門で取るチャンスだと思いますの で、そういうこともお考えいただけるのかなと思っています。 ○樋渡委員 今の希望者全員のところは、これもやはり企業の需給関係は景気に非常に 左右されて、変動するということを考えると、やはりある程度ベースを作っておいて、 そこでその基準にあった人を再雇用するというような形が、長い目でみると、企業にと っても本人にとってもいいことになるのではないか。例えばある程度再雇用される基準 がはっきりしているということになれば、そこに向かって若いときから目標が設定でき ると思うのです。希望しない人は働かないだろうということも一方ではあるのですけれ ども、1つは基準があることで、そこが1つの着地点としての目標になるという点も一方 であると思います。  この制度ができて3年になっていないですね。やはり、そこをもう少し様子を見てい くということをやりながら、まず65歳までの雇用の確保を浸透させていくということが、 今の段階ではいいのではないかなと思います。 ○野村委員 今、樋渡委員からも基準の話が出されましたけれども、その基準というの が1つあるのだろうと思いますけれども、その基準に向かって、若年から中年ぐらいか ら努力をしていくということも大事だと思いますが、基準というのは世の中の状況だと か、企業業績だとか、そういうもので変わってくるというのも基準の現実があるのでは ないかなと思います。従いまして、ある基準の線引きというのは、成果実績主義になる から、労使での議論になっても、やはり1つの基準というか、線を引くというのは本当 に難しいと実感しています。特に今高齢者雇用のところで、1つの基準というものを引 くというのは、実際問題とすると、労使の中でも本当にまたある意味では1つの困難と までは言えるかどうかわかりませんけれども、相当難しい課題を持ち込むことになるの ではないかと思います。 ○原委員 年金と高齢者の給付金と賃金、それぞれ企業と労働者と国というキーワード があるわけですが、60歳定年時代から65歳に将来的には定年時代になるといったときに、 それぞれ社会的な責任を果たさなければならない。国は国で、労働者は労働者で、企業 は企業という意味で、企業も辛いけれども、65歳までは労働者は働くという条件づくり をすると。今の状況では希望者全員ということになるわけです。そういう意味では、な かなかそんなこともできないと言わずに、国は国で財政難の折からもそれなりのことを しているし、労働者は労働者で本当は60歳でリタイアしたいのだけれども、そうもいか ないということで、働かざるを得ないという実態だと思うのです。  これからいろいろマインドコントロールされて、将来的には、いや65歳まで働くのだ と、当然のことだと思うようになると思いますが、今の段階は多くの労働者は本当は60 歳でリタイアして、あとは好きなことをと。要するに選択肢として働く人もいれば、遊 ぶ人もいれば、ボランティアする人もいればと、選択肢として選べる方が、本当はいい のですけれども、そうもいかないということで、労働者は労働者で苦労するわけです。 国も苦労されているわけです。そういう意味では、企業も社会的な責任を果たしてもら うということで、この議論に参加していただかないと、なかなかうまいようにいかない のではないかと思います。  大変だと思いますよ、この日本という国は。労働力人口の6,400万人のうち2,200万人 が200万円以下の働く貧困層ですからね。はっきり言ったら、この人たちは今の議論の 蚊帳の外ですよね。定年制だとか、退職金だとか、持ち家だとか、蚊帳の外です。こう いう人も抱え込みながら、これからの日本はどうするかという問題になってくるわけで す。それ以前のまだ恵まれた世界での議論をしているわけですけれども、その分野でも、 社会的な責任を果たすということで、お互いにどういうことができるかという議論をし たいなと思います。 ○橋本委員 基準の話が出たので。さっきも出ていましたけれども、まだ3年しか経っ ていないので、この足下の情勢をどう見るのか。たまたま今雇用情勢がよかったので、 相当数が希望する人は雇われている格好になっています。ちょっとここからしばらく厳 しいかなという感じは受けます。そのときに当然希望者全員というのがあれば、そうい う歯止めにはなるのかもしれませんけれども、一方で、労働条件の切り下げができない とか、いろいろな制約がかかっていますので、やはりこれは労使の話合いで。今でも労 使協定というタガがはまっているわけなので、そこで当面やっていくというのが、本当 に今の現実的な対応ではないかと思います。法律といっていいか、そういうもので、65 歳で必ず再雇用をしろというのは、それはちょっと時期尚早という感じを受けます。 ○原委員 希望者ですからね。 ○橋本委員 希望者です。 ○原委員 今、統計がないから分からないですが、私たちの参加の単組に聞いてみると、 希望した人は案外採用されています。最初から希望しない人がいるのです。なぜ希望し ないのかと。それをまだ十分調べられていないのですけれども、やはり賃金ががくっと 下がると。なぜと。昨日までこれだけでやっていたのにがくっと下げて、従来どおり働 けと言われて。では辞めておこうかと。希望しないと。そういう人は案外多いと思いま す。3年経って順調にいっているというけれども、必ずしもそうではない。これから年 金が入らないとなってきたら、そんなこと言っていられないから。逆に言ったら企業も 困ることになると思います。そんなこと言わないで来てくれと。賃金出すと。こういう 時代になりますよ。労働力人口が減っていくから。 ○橋本委員 長い目で見るとそうですよね。 ○原委員 それも考えなければいけない。今まではもういいと。希望しないと。これが どんどん希望するようになります。そのときに受け入れてもらわないと。君は駄目だと。 労働者はどうするのですか。60歳まで働いてもらったわけだから、国の年金制度でなく なるというときに、そこで企業が社会的な責任を労働者に対して果たしてもらって、君 はいるけれども君はいらないとか。60歳まで採用していたわけだから。そう思います。 これからの議論ですね。 ○野村委員 希望する人としない人だけれども、企業でも都市部と地方ではまた差があ るのです。うちのところで、町の会社の関係は、地方の人というのは、もう60歳定年で もういいですよと。それよりもちょっと早目に少し乗せてくれるのだったら、もうこれ で引退といいますか、会社の方は辞めてと。そういう意味では企業の中でも都市部、中 央と地方、そういうところでも違いが出てきています。一概には1つの企業の中で一緒 くたにあまり議論もできない部分もあるのかなとも思います。  それから、やはり企業の方の社会的な役割・責任もあると思いますけれども、現実に、 大手と言われるところはそういう議論の余地があるのでしょうけれども、中小・零細と 言われる我々の産業のところで見ると、そういう議論をするという余力といいますか、 そういう状況にもないと実態を見ると思います。そうなると、企業、当然働く側、そし て行政、この三者がどのようにお互いに協力し合いながら、ある意味では補完し合いな がらやっていくかという仕組みを作らないと。ある意味では労働側が経営側にもっと頑 張ってくれと、そういっても経営側ももう頑張りようがないという場合も十分あり得る し、そういう状況になっている企業、業種もあるので、その辺は実態を見ながら対応し なければいけないかなと。労使関係も、はっきり言って労働組合の組織率は18%ぐらい ですから、すべて労使関係でと言われても、実際に労使関係というものが確立されてい ない方がよほど多いわけですから、そういうところをどのように見ていくのか、これも 大きい課題であるだろうと思います。 ○大橋部会長 ただ、中小の方が高齢者の方の働いている比率が高いのですよね。結局 は賃金とかそういった条件面で折り合っていくしかないのです。それがうまく企業にビ ルトインされているのは、むしろ中小企業の方ではないかと思うのです。そういう点で 希望者の方が出てきたときに、希望を実現すると。それはやはり雇う方も雇われる方も それぞれの思惑があるし、その辺は労働時間と賃金で調整するしかないと、経済学をや っている人はそう言うのですが、そこのところの枠組みをどうするかというのが、今問 題になっているのかなという気がします。 ○野村委員 中小の場合も、現実的な意味で中小の人たちは、ある程度高齢まで働き続 けているという実態があると。それは私も十分承知していますが、これはある意味では 中小といわれるような企業体の中で、働かせる経営側と働く側の利害というか、バラン スが整っているから、そういう形になっているのであって、それがちょっとでも崩れれ ば、一気に65歳から70歳という話はあり、ある意味では50歳ぐらいで平気で辞めていた だくというようなことも、実態として中小の場合ではいくらでもあるわけです。現実論 だけでただ単に65歳だとか、70歳まで働いていますねと。これは実態として受け止めて も、その中身というのは私は極めて流動的な部分が中小の場合は多いだろうと。その辺 も踏まえての検討というのも必要ではないかと思います。 ○花井代理 先ほどからいくつか出ているのですが、1つの企業が必ず希望者全員を雇 用するというのは難しいということも理解できるのですが、そうしますと、社会全体で どのように雇用を作っていくのかということと同時に、高齢者の職業訓練や能力開発を きちんとできる仕組みをもっと、いろいろな選択をする人が出てきた場合に対応できる ような、そういうものも社会的な仕組みとして用意していく必要があるのではないかと。 主な意見というところに、社会全体、あるいはマーケット全体で雇用を確保していくと いう意見が出されておりますが、それと同時に能力開発、職業訓練も、大変重要になっ てくるのではないかと思います。 ○山川委員 基準の設定の問題なのですが、簡単に言えば企業の社会的責任といいます か、そこで働く意欲と能力のある人は、義務的に働かせてもらうという方向性が重要だ と思います。ただ、そうは言っても、お話があったように、需給のバランスがくずれて きます。そういうときは、公的に雇用ということもあるでしょうし、セーフティネット で、生活ができなくなるというようなことはなくすということを基準に置きながら、考 えなければいけないと思いますが、検討の方向としては、基準は廃止して、希望者全員 の雇用ということを検討していくという方向性が私は大事だと思います。そういう方向 で位置づけていただければありがたいなと思います。 ○大橋部会長 今のご発言で、働く意欲と能力と、希望者全員を分けて労側の方は議論 されていると思いましたが、分けておられないのですか。つまり働く能力と意欲という と、逆にそれは判断しますから。 ○山川委員 それは働くことを希望する人です。 ○大橋部会長 希望者全員というのは、本人の。ただ私が安心しているのは、大体体力 がなくなると、気力もなくなるのです。だからこれまでは希望と能力があっているとお っしゃっていたのは、たぶんそういうことだと思うのです。私も例えば講義案などは重 労働なのですよ。それで次第に今日は行きたくないなとか。もう完全に行きたくないな と思ったころに、希望もなくなると。そういう意味で比較的似合っているなという気も するのですが、そんなに大きな対立ではないような気がしているのです。働く意欲と能 力と、希望者全員とは。 ○荻野委員 意欲・能力のある人に職があるというのは政策目標としてとても大事だと 思いますので、厚生労働省が取り組んでいたことはすごく大事だと思います。希望者全 員というのは、ものすごく限定的で、その企業で引き続き働きたいということになるも のですから、若干違う制約がかかってくると思います。先ほど使側で樋渡委員も申し上 げましたけれども、私も基準はないに越したことはないと思います。それが一番労使に とって望ましい状態だと思いますけれども、でもこういうものを目指して労使で頑張ろ うよという、1つのガイドラインとしての基準があってもいいのかなと。  今、60歳定年まで、労使で努力して、企業は適職開発をやり、労働者も新技術の習得 とか、そういうことに努力して、労使で60歳まではとにかく定年まで勤め上げて退職で きるようにしましょうということで、一生懸命やっていると。65歳までやっていかなく てはいけないということは、労使双方とも考えているわけですから、そういうときに、 65歳まで働くためには、使側ももちろん負担軽減とか、あるいは私は効果はさほど過大 評価はできないけれども、行政がしきりに言っておられる様々なパートタイムでの働き 方の提供とかをやっていかなくてはいけないし、できれば、労働者にも健康の増進とか 新技術に対する対応とかいったようなこともお願いしたいわけです。決して原委員がお っしゃられるような選別の論理というのではなくて、労使がお互いに目標としていい会 社にしていきましょうという意味でのものはあってもいいのではないかなと思います。 ○山川委員 意欲と能力と私が言ったのは、要するに健康で働ける態勢がなければ、そ れはもともと無理な話だと私は思っているのです。そういう意味で申し上げたものです から、対立しているわけではないです。 ○原委員 まだ我々は、65歳定年ということは要求していないです。しかしそういう時 代になりますよと。まだ控え目に提言しているわけだから、それぐらいはぼちぼち心の 腹づもりをしてもらわないと、時代はそうなっていきますよ。65歳で定年になったら、 否応なしに全員ですよ、法律で決まったら。 ○大橋部会長 ほぼ時間がまいりましたけれども、本日はこれで終了させていただきま す。この部会の今後のスケジュールにつきましては、事務局からご説明がありますので お願いします。 ○山田企画課長補佐 これまでの活発なご議論も踏まえまして、今年度内に高年齢者等 職業安定対策基本方針につきまして、見直しというものも念頭に、部会をあと2回程度 開催できないかと考えています。次回ですが、これまでの議論を受けまして、事務局で 早急に次回の日程を考え、部会長とご相談をさせていただきたいと思います。 ○大橋部会長 よろしくお願いいたします。それでは、本日の会議の議事録の署名委員 につきましては、原委員及び荻野委員にお願いいたします。本日の会議は以上で終了い たします。どうもありがとうございました。 【照会先】   厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課   〒100-8916   東京都千代田区霞が関1−2−2   TEL:(代表)03-5253-1111(内線5815)      (直通)03-3502-6778   FAX:03-3502-5394