08/11/26 平成20年11月26日薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会議事録 薬事・食品衛生審議会 一般用医薬品部会 議事録 1.日時及び場所    平成20年11月26日(水) 10:00〜    厚生労働省共用第7会議室 2.出席委員(12名)五十音順    飯 沼 雅 朗、 岩 月   進、 生 出 泉太郎、 小 澤   明、    川 西   徹、 合 田 幸 広、 西 沢 良 記、 橋 田   充、    藤 原 英 憲、◎望 月 正 隆、 望 月 眞 弓  山 元   弘   (注) ◎部会長     欠席委員(4名)五十音順    板 倉 ゆかこ、 太 田   宏、 小宮山 貴 子、 桃 井 真里子  3.行政機関出席者   岸 田 修 一(大臣官房審議官)     中 垣 俊 郎(審査管理課長)    豊 島   聰(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長) 松 田   勉(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)    丸 山   浩(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター次長)    望 月   靖(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役) 他 4.備考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○事務局 おはようございます。定刻になりましたので、ただ今から「一般用医薬品部 会」を開催いたします。現在のところ、当部会委員数16名のうち12名の御出席をいた だいております。小宮山委員におかれましては、出席ということで予定されております ので、まだいらしておりませんが、これからいらっしゃると考えております。12名の御 出席で定員数に達しておりますことを御報告申し上げます。  本日は、委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきましてあ りがとうございます。はじめに、事務局に人事異動がありましたので御報告いたします。 大臣官房審議官医薬担当の黒川が異動になり、後任は岸田となっています。また、医薬 品医療機器総合機構の一般薬等審査部長併任となっていた上席審議役の松田が異動とな り、現在、安全管理監になっております。その後任として、吉田が一般薬等審査部長と なっております。以上です。それでは、望月部会長、以後の議事進行をよろしくお願い いたします。 ○望月部会長 それでは早速本日の議題に入ります。最初に事務局から配付資料の確認 及び申請資料作成、利益相反等に関する申合せについて報告をお願いします。 ○事務局 まず、資料の確認をさせていただきます。本日の資料は、事前に先生方に資 料1〜3を送付させていただいております。本日の配付資料として、議事次第、座席表、 委員名簿、競合品目・競合企業リスト、また、資料3-2に一部ミス等がありまして、修 正しましたので、資料3-2'として御用意させていただいております。以上が本日の資料 です。過不足等ございましたら、お知らせいただければと思います。よろしくお願いし ます。  続きまして、資料作成、利益相反等に関する申合せについて報告いたします。本日の 審議事項に関する競合品目・競合企業について、既に配付させていただいておりますが、 その選定理由等について説明いたします。最初の品目はメンソレータムフレディCCク リーム等ですが、こちらについては、現時点において、同一の薬効群及び効能・効果が 全く同一のものはありませんが、同様のものということで、ミコナゾール硝酸塩100mg を含有する腟カンジダ再発治療薬として、大正製薬株式会社の「メディトリート」(腟坐 剤)が販売されておりますので、こちらの方を競合品目として、ロート製薬の方は選定し ております。  また、もう一つの品目である大正製薬のフェアネスクリームにつきましては、大正製 薬としてはちょうどこの逆ということで、ロート製薬の品目について競合品目を選定し ております。以上です。 ○望月部会長 ただ今の事務局からの説明について、どなたか特段の御意見はございま すか。よろしいですか。それでは、本部会における審議の際の申合せ事項については、 競合品目、企業の妥当性も含め了解を得たものといたします。続いて、委員からの申出 状況についての報告をお願いします。 ○事務局 各委員からの申出状況ですが、メンソレータムフレディCCクリーム他2品 目及びフェアネスクリーム他2品目につきましては、退室委員はいらっしゃいません。 議決に参加しない委員は西澤委員でございます。以上です。 ○望月部会長 皆様のお手元に資料は全部届いておりますか。確認をいただいたという ことで、早速議題に入りたいと思います。議題1、医薬品メンソレータムフレデイCC クリーム他2品目の製造販売承認の可否について、事務局より説明をお願いします。 ○機構 それでは、メンソレータムフレディCCクリーム他2品目について説明いたし ます。本品目の申請者はロート製薬株式会社で、抗真菌成分のイソコナゾール硝酸塩を 有効成分とした医療用医薬品「アデスタンクリーム」を同一の成分・分量にてスイッチ OTC化するものです。成分分量として、100g中イソコナゾール硝酸塩1gを含み、効 能・効果は腟カンジダの再発による、発疹を伴う外陰部のかゆみ(以前に医師から腟カン ジダの診断・治療を受けたことのある人に限る。)、ただし、腟症状(おりもの、熱感等) を伴う場合は、必ず腟剤(腟に挿入する薬)を併用すること。また、用法・用量は、成人 (15歳以上60歳未満)1日2〜3回適量を患部に塗布する。ただし、3日間使用しても 症状の改善がみられないか、6日間使用しても症状が消失しない場合は、医師の診療を 受けること。(1)外陰部症状のみの場合、本剤を使用すること。ただし、腟剤(腟に挿入 する薬)を併用することが望ましい。(2)腟症状(おりもの、熱感等)を伴う場合、腟剤(腟 に挿入する薬)を併用すること。です。  審査報告書の3ページを御覧ください。わが国では、医療用医薬品「アデスタンクリ ーム」が1981年に申請され、1982年に白癬、カンジダ症、癜風の効能で承認されまし た。1989年に再審査結果が通知され、承認事項に変更はなされませんでした。また、一 般用医薬品としては、同成分の腟錠が本部会でも審議され、本年3月に承認されており ます。  審査報告書の4ページの中ほどを御覧ください。本剤は当初、必ず腟錠と併用するこ とを前提として申請されておりました。機構は、一般用医薬品において併用療法を規定 した前例はないことも考慮しつつ、どのように使用すればよいか、専門医の意見も聞く などして検討を行いました。  その結果、外陰部の症状のみの再発には、本剤のみを使用すればよい場合も多くある ことから、(1)外陰部の症状に加え、腟症状(帯下や腟内の灼熱感・掻痒感など)を伴う場 合は必ず腟剤(腟に挿入する薬)を併用すること。(2)外陰部のみの症状の場合は、外用剤 の単独使用が可能であること。ただしこの場合でも、腟剤との併用が望ましいとするの が適切であると考えられました。これを踏まえ、申請者に照会したところ、申請者は症 状のある部位により、単独使用、又は併用を行うこととすると回答しました。また、機 構は、外陰部のみの症状の場合には、使用者がどのように判断できるかについて照会し たところ、申請者は、外陰部のカンジダ症は特徴的な強いかゆみがあり、再発であれば 適切な情報提供により他疾患との鑑別が行えるため、自己判断は可能であると回答しま した。機構は、外陰部カンジダ症には、必ず発疹が認められることから、その場合のみ 本剤が使用されるべきであることを照会したところ、申請者は、そのように効能・効果 等に設定すると回答しました。  続いて、5ページになります。各項目の添付資料は、規格及び試験方法について新た に提出されていますが、大きな問題点は認められませんでした。安定性、薬理、吸排、 毒性については、医療用申請時から新たな資料は提出されておらず、特段の問題点はな いと判断いたしました。  臨床試験についても、医療用申請時及び市販後調査等の資料を中心に一般用医薬品と しての妥当性が検証されております。6ページになります。一般臨床試験での外陰部カ ンジダ症の有効率及び菌陰転率は、腟錠併用例も含めた場合、それぞれ84.0%、92.0% でした。また、症例数が少ないため、参考として示されましたが、クリーム単独使用例 では66.7%、100.0%でした。副作用は全体の1.8%に見られ、主に、掻痒感等で重篤な ものは認められませんでした。使用成績調査での外陰部カンジダ症の改善率及び菌陰転 率は87.8%、92.9%であり、副作用は全疾患の1.1%に認められました。  7ページの中ほどを御覧ください。効能・効果について、機構は、(1)錠剤と同様に再 発であることを明確にする必要があること、(2)腟カンジダではおりもの等が見られるが、 外陰部カンジダの主な症状は、掻痒感であり、それが本剤の効果の主な指標ともなるこ と、(3)発疹を伴うことが本剤の適用であることより、効能・効果を「腟カンジダの再発 による、発疹を伴う外陰部のかゆみ」と設定できないかと照会したところ、申請者はそ のように設定すると回答しました。  その下になりますが、機構は、本剤の使用において、特に自己判断が正しく行われる ことが重要であり、初発や他の疾患が疑われる場合には、医師への受診勧奨が必要であ ることなどより、使用上の注意について充実させるよう求め、さらに適正使用のための 方策についてもさらなる検討を求めたところ、申請者は使用上の注意の充実を行い、ま た、情報提供資料として、セルフチェックシート、一般使用者向け解説書、薬剤師向け 解説書、説明用ツール等を示し、本剤の適正使用を推進すると回答しました。他の照会 に対する回答についても了承しております。  以上より、機構は本品目について、本効能・効果、用法・用量の下で、一般用医薬品 として承認して差し支えないと判断いたしました。なお、承認条件として、承認後、少 なくとも3年間の安全性等に関する製造販売後調査を実施することとの条件を付すこと が適当であると判断しております。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。 ○望月部会長 ありがとうございました。ただ今の内容に関して、御質問、御意見等が ありましたらお願いします。 ○藤原委員 一つお聞きしたいのですが、基本的には、併用も可ということになるので すが、例えば、クリームを塗っていて、そのあとに腟錠を使いたいとなった場合、自己 判断で使用してもいいかどうかというのを、メンソレータムフレディCCクリームの別 紙のA4の2枚の説明書のところには、1枚目の効能・効果の上に、「3日間使用して も」と書いてあるのですが、「本剤の単独使用で効果がない場合も、自己判断で治療を 行わず、医師の診断を受けてください」と書いてあります。ここでクリームを使ってい て腟内の問題が出てきた場合、途中で腟錠を使う可能性があると思うのですが、この辺 をもう少し一般の方が分かるように示唆したらどうかと、ちょっと疑問があったもので すから。 ○望月部会長 ただ今の点に関して、事務局からお答えをいただきたいと思います。 ○機構 お答えいたします。基本的に、腟症状があとから出てくるというのは想定して おりませんでしたが、医学的にそういうことが有り得るかどうかというのは、私は承知 しておりませんので、そこは専門家に聞いてみたいと思います。  その場合、やはり、あとから腟症状が出てくるということが、もし、医学的に非常に まれなケースであれば、他の疾患とも考えられると思いますので、その場合には、受診 をしていただくようになろうかと思います。 ○望月部会長 他にはどなたかございますか。 ○小澤委員 三点聞きたいのです。まず、「適量」と書いてありますが、適量というの は、どういうのを適量と言えるか。実は、皮膚科の領域では、既にワンフィンガーチッ プということが言われるようになり、指の一関節分の長さが大体掌全体としております。 アトピーなどでみんな塗り過ぎるのです。既に学会で話しているので、分かりやすいよ うにそういうものを利用した方がいいのではないですか。理由は、抗真菌剤ですから、 ベタベタに塗ったら治りが悪いのです。薄く塗らなければ。ですから、そういうのは絵 で描けばいいことです。そんな工夫をされたらいいのではないですか、というのが第一 点です。  第二点目は、セルフチェックシートがあるのですが、私はこれを見てよく分からない というか、すぐ理解できないのです。2か月以内で駄目で、6か月で2回というのは、 適用と言うのでしょうか、もう少しうまく書けないですか。このチェックシートはすご く分かりにくいと思います。  第三点目は、この薬自体はアデスタンですから、いわゆる浅在する真菌症に効くので すが、特に腟の所の外陰部、女の人だけに特化してこれを取ったというのは何か理由は あるのですか。例えば、オッパイの下だろうと、指の間だろうと、どこに塗ってもみん な治りますから。なぜ、ここだけにしたのですか。 ○機構 基本的に、それ以外の効能があるものと、ないものとございまして、本剤につ いては、確か医療用では、これは特化しているのだと思います。 ○小澤委員 部位によって、特別な適用症は取らないと思いますが。カンジダに対して の適用でしょう。 ○機構 今回の申請では、企業の戦略ということも考えられるかと思いますが、なおか つ、他の部位というのは、非常に自己判断しづらいということもあったようです。もと もとこれは腟錠と同時の申請で、併用を考えておりました。ですから、そこが非常に特 徴的な症状ということで、今回、申請者はそのように出したのだと思います。 ○小澤委員 そうしたら、二つ質問があります。一つは、制限したということで、薬価 とか、そういう問題にプラスアルファしてくるのですか。関係ないのですか。  例えば、私がこれを使って、すごく不思議なのは60歳以上が駄目と書いてあって、え っと思ったのですが、臨床で、外陰部の患者で一番ひどいのはみんな60歳以上ですよ。 オムツでグチャグチャになっているのだから。臨床皮膚科ではそこで使うのです。そこ がストップされているから、あれっと思ったのです。  質問としては、腟錠と組合せでトラブルが起こるということはチェックしてあるので すか。腟錠は一つしかないのですか。二つの薬を使う。例えば、一番簡単な話で、水虫 があって、爪の白癬があって、足の白癬がある。ローションと外用薬で違う薬を使った らかぶれるのはいっぱいありますよ。ですから、必ずこれを使うなら、この腟錠を使っ てくださいと指定をするのですか。 ○機構 それはいたしません。 ○小澤委員 ということは、それを併せたものがいろいろあるのだから、こういうとき は注意してくださいというのは入れなくてもいいのですか。 ○機構 その辺りは、産科の専門医に聞いておりまして、実態上も別々の薬剤が出てい るというのが非常に多うございます。むしろ、同じものを使っているという例の方が少 ないです。我々も実は、当初は同じものを使うべきではないかと思っていたのですが、 専門医がそうではないということでした。 ○小澤委員 皮膚科には聞きましたか。 ○機構 皮膚科の先生にも、専門協議に入っていただいております。 ○小澤委員 もし二つを使うならやはり、今はそれこそ飲み薬や注射だって相互作用に ついてものすごく言われているわけです。実際、外用薬でもそういうことが起こってい るわけです。  今は使う人たちが合剤をたくさん要望しているのです。しかし、一応、厚労省側とし ては合剤の相互作用があるから、なかなか今は認めない方向です。ここ20年、合剤の外 用剤はないのです。それはそういう理由があるのです。それに逆行して、そういうこと をやっていいのですかと思っただけです。全部がかぶれるとか、全部がということでは ないのですが、そういうことはあるので、それなりの注意をしなければいけないのでは ないですか、と思うのが一つです。  先ほど言ったように、外陰部の症状で多い例は、むしろ、オムツかぶれです。そうな ると、60歳という縛りを使ってもいいのですかとちょっと思いました。 ○機構 60歳につきましても、専門の先生から御意見をいただきまして、60歳になると、 カンジダではないものも併発している可能性がある、という御意見でしたので、60歳以 下で、それの疾患であろうという人に使ってもらうということです。 ○小澤委員 カンジダ以外とは、何の病気ですか。皮膚の病気ですか、腟の病気ですか。 ○機構 基本的に皮膚です。 ○小澤委員 ちょっと考えてみてください。60歳以上の人が、そんな所にできるなんて 考えられないです。現実には、オムツかぶれでウンチの中のやつですよ。 ○機構 他の皮膚疾患ということをお聞きしました。 ○小澤委員 皮膚疾患の中で、カンジダ症が占める割合と言ったら、それは1%以下で すよ。そんなものは当たり前です。しかし、外陰部でいわゆる崩れた形でくるのは、私 が日常患者を診ていて、やはり、カンジダが一番多いと思いますけれども。 ○機構 OTCの場合、自己判断ができなくてはいけないということがございます。し たがって、この疾患が1%以下と先生はおっしゃいましたが、他の疾患でこれを使うこ とを避けるためにも、60歳以上になりますと、他の疾患にかかることも多いということ であれば、この設定は妥当であると考えます。 ○小澤委員 頻度は、若い人も同じだと思いますよ。文句を言っているのではなくて、 なぜ60歳で切ってしまったのか、そこがよく分からないのです。60歳以上で使ったら 危ないのですかということです。 ○機構 いえ、そういうことではございません。自己判断ができるかどうかということ です。 ○小澤委員 自己判断ができるかどうかというのは、60歳以上は自己判断ができないと いうことは、ここにいる半分の人はできないということになります。 ○機構 できないとは申しておりません。併発していれば難しいということです。少な くとも、60歳以下の方よりは難しいと判断をいたしました。 ○審査管理課長 先ほど薬価の話もあったので、誤解も解けたかとは思うのですが。今、 御審議をいただいているのは、薬局で消費者に直接販売をする。すなわち、皮膚科であ るとか、産科であるとか、そういった専門医が処方することなく、OTCとして販売す るというのを議論している。恐らく、60歳未満のところというのは、腟錠が60歳未満 ということで、ここでの議論も経て承認になっておりますから、それと合わせたのだろ うと考えます。  先生から他2点の御示唆をいただいて、一つはセルフチェックシートの問題です。す なわち、情報提供資料の3番に当たるものが分かりにくいのではないかという御指摘で すから、そこは今一度企業にもチェックをさせたいと考えています。  もう一点は、適量の問題です。この適量というのは、確かに先生がおっしゃるように、 特によくならないとどんどん塗っていくというようなことが現実の場で起きているのだ ろうと思います。一方において、これが薬局で売られるということになりますと、薬局 の先生方も何人かおられるわけですが、現実の場では、先生方はどういう指導を行って いただいているのか、また、承認に当たって企業の方から何か資料を薬局の薬剤師に対 して出したらいいのか、あるいは薬剤師の中で、既にそういうのは徹底されていると考 えればいいのか、御意見があれば承れば幸いです。 ○望月部会長 小澤委員、よろしいでしょうか。 ○小澤委員 もし、腟錠の併用だけを考えているならば、別に外用は60歳と書かなくて もいいのではないかと思います。  2番目のワンフィンガーチップについては、本当にすごいのです。例えば、ここにい らっしゃる先生方はどう思うか分からないけれども、全身に軟膏を1回塗ったら、何g いると思いますか。皆さん20gとか、とんでもない数を言うのですよ。一応、我々が治 験でやるのは大体8gです。8gというのは、これで言ったら1本いらないのです。それ なのにこれを出したら2日くらいで全身に塗る方がいらっしゃって、かえって害の方が 多いのです。ですから、今は外用剤を出すときは、大体みんなピューッと出すから、指 の一つの関節で、大体、掌を塗れますよという指導は既にみんなしているのです。です から、そんなのだったら、別に難しいことではないので、このくらいだとこの範囲です よと。外陰部にはこれだけ塗ればいいわけですよ。そんなに大きい外陰部の人はいない から。これを平気で1回で半分以上塗る人はいますよ。特に、60歳以上の人かどうか知 らないけれども。そんなに難しい話ではなくて、適量というのは、大体そのくらいです よというぐらいの表示を入れてあげてもいいのではないでしょうかと思うだけです。 ○望月部会長 関連して、藤原委員。 ○藤原委員 薬局では、医療用医薬品もやはりそういう問題がありまして、こういうも のだけではなくて、鎮痛消炎剤の、部位によってどれくらい塗るのかや塗り方も含めて、 一応指導はしてますので、その辺は薬剤師はある程度分かっているかとは思います。  先ほどの60歳の問題ですが、小澤先生のおっしゃることは確かにそうだと思います。 60歳以降でも、結構多いというのは、ある種、先生の言うオムツかぶれがかなりあるの で、その辺は薬局を越えた部分もあるので、ただ、60歳を超すとよく相談に来るのは、 外陰部掻痒症という、女性ホルモン低下によって出てくるもので、掻いて発赤のような 状況になっている部分があります。それは私が見たわけではないのですが、そういう話 を聞いていると、薬局では、例えば「おりものがありますか」とか、いろいろな話を聞 いてから判断するわけですが、やはり、そういう中で、これは分かりづらいという場合 は、全部婦人科の先生や皮膚科の先生を御紹介したりしているのが実態としてあります。 ○岩月委員 今、管理課長からも、薬局でどういう指導をしているのだというお話があ りましたので、正に「適量」という言葉が、やはり、患者さんそれぞれの使用状況や、 あるいは疾患の発生場所によって、多分指導内容が変わってくると思いますので、それ はこういった表記の中では、恐らく「適量」という書き方になるだろうと思います。で すから正に、薬剤師なりが販売する薬だと私どもは理解をしております。  先生がおっしゃるように、ワンフィンガーと全部決めつけるわけにはいかないと思い ますので、そこは御指摘いただいたように、皮膚科の先生方が御推奨なさっていること も踏まえて、店頭で販売できるように、もし薬剤師向けの文書の中で、そういったこと が記載されるようであれば、それはお願いするところではありますが。現場では、そう いった状況で、患者さんに合わせて説明をさせていただいております。 ○望月部会長 ありがとうございました。ただ今の御意見に対して、何かお答えはあり ますか。 ○機構 「適量」の目安につきましては分かりやすいように、薬剤師向け資料に入れる ようにしたいと思います。 ○望月部会長 ありがとうございます。他に委員からありますか。望月委員、お願いし ます。 ○望月(眞)委員 商品の商品名の上にある薬効分類を意味するような記述のところです が、後ほど出てくる薬と記述の仕方が違っております。こちらは「フレディCCクリー ム」の上に書いてあるのが、「腟カンジダの再発によるかゆみ治療薬」で、もう一つの 方は、「腟カンジダの再発治療薬」です。どちらも微妙に良くない部分があると思うの です。どうしても「かゆみ治療薬」と書きますと、かゆみというのは、一般の方がただ これを見たときに、かなり強くインプットされるのです。そうすると、ひょっとしたら 腟カンジダによる外陰部のかゆみ以外のかゆみに使わないかなという気持ちが出てしま うのです。  この「かゆみ治療薬」という表現は、ちょっと考え直していただいた方がいいと思い ます。実際の効能・効果はかゆみが主体だとは思うのですが、外国の表現は「刺激感」 や「腟の外陰部の感染に伴う刺激感」という表現も使っていますので、単純にかゆみだ けではないのではないかと思います。  企業の方で申請してきた効能・効果をあえて「発疹を伴ううんぬん」と変えることで 提案をされて企業が受け入れて、そういうふうに効能・効果も変えていらっしゃるので、 そこはそれでもいいのかと思うのですが、最低限、この上に書かれる薬効分類に当たる ところの「かゆみ治療薬」という表現だけは、一度御再考いただきたいと思います。 ○望月部会長 ただ今の点についてどうぞ。 ○機構 分かりました。そのようにいたします。 ○望月部会長 ほかの点では、先生方何かございますか。よろしいですか。 ○小澤委員 先ほどの60歳は縛りのままなのですか。アデスタン自体、上限がないと思 うのですが。 ○機構 医療用はそうでございます。 ○小澤委員 一般用は自動的に決まっているのですか。 ○機構 決まってはいませんが、この品目についてはそういう御意見でした。 ○小澤委員 アデスタンのオリジナルは確か上限がないと思うのです。 ○機構 おっしゃるとおりです。 ○小澤委員 それで何でわざわざ60歳にするのかなと、そこも不思議に思いました。 ○審査管理課長 先ほども申し上げましたが、添付文書(案)の用法・用量を御覧いただ くと、先生が御指摘のとおり、「成人(15歳以上60歳未満)、1日2〜3回適量を患部 に塗布する」となっております。また、「(1)外陰部症状のみの場合:本剤を使用する こと。ただし、腟剤を併用することが望ましい。」「(2)腟症状を伴う場合:腟剤を併 用すること」となっております。この併用の相手方が60歳未満という用法・用量となっ て承認になっておりますので、そういう意味で申し上げますと、仮に60歳未満という表 現を落とすということになると、(1)の外陰部症状のみの場合で、腟剤を併用しない場 合にあっては、60歳をどうのこうのという表現になるわけです。恐らく、医学的、ある いは皮膚科学的に先生のおっしゃるとおりだと私も思っているのですが、腟錠の60歳未 満としたところをどうするかを含めて検討しないと、先にいかないのかと思っておりま す。  そういう意味で申し上げますと、腟錠を審議したのが、確か1年前だと思います。そ の時の60歳未満にした根拠をもう一度洗い出して、必要があれば、次回にまたそこは議 論させていただくということでいかがですか。 ○一般薬等審査部長 それでは、そのような形で。 ○小澤委員 もう一ついいですか。「1日2〜3回塗布する」と書いてあるのですが、 どうして3回が出てくるのですか。アデスタンは確か1日2回。それ以上書くとレセプ トで削られますけれども。オリジナルの薬よりも多く付けろということですか。 ○機構 医療用も1日2〜3回患部に塗布するとなっています。 ○小澤委員 オリジナルにもそう書いてありますか。それでは私の勘違いです。今、抗 真菌剤は1日1回というのがスタンダードになっているから、それより前の世代は2回 までなのです。分かりました。オリジナルと同じにした方がいいと思います。 ○望月部会長 よろしいですか。他に先生方から御意見はございますか。それでは議決 に入りたいと思います。医薬品メンソレータムフレディCCクリーム他2品目について、 西澤委員におかれましては申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことに いたします。いろいろ御意見は出ましたが、本剤は条件付で承認して差し支えないとい うことでよろしいですか。ありがとうございます。それでは本剤は条件付で承認して差 し支えないということにいたします。本剤につきましては、先ほど出た意見等をロート 製薬の方に言っていただくということが前提ですが、薬事分科会にその旨を報告させて いただきます。どうもありがとうございました。  続きまして、議題2です。医薬品フェアネスクリーム他2品目についての製造販売承 認の可否について事務局からの説明をお願いします。 ○機構 医薬品フェアネスクリーム他2品目について説明いたします。本品目の申請者 は大正製薬株式会社で、抗真菌成分ミコナゾール硝酸塩を含有する医療用医薬品「フロ リードDクリーム1%」と同一の成分・分量にてスイッチOTC化するものです。成分 ・分量として、100g中ミコナゾール硝酸塩1gを含み、効能・効果、用法・用量は先の 品目、メンソレータムフレディCCクリームと同様となっております。  報告書の3ページを御覧ください。本成分は、ベルギーにおいて1967年に合成され、 現在では各種真菌症の治療薬として、腟坐剤、外用剤、経口剤、注射剤が世界44か国で 使用されております。  わが国において、本成分のクリームは19□年から開発が行われ、1980年10月に承認 されました。1987年に再審査結果が通知され、承認事項に変更はなされませんでした。 また、一般用医薬品としては、同成分の腟坐剤が本部会でも審議され、本年7月に承認 されております。  報告書の4ページを御覧ください。本剤は、症状により単独使用、又は腟坐剤との併 用を行うこととして申請されました。機構は、先の品目と同様、どのように使用すれば よいか検討を行い、症状のある部位により単独使用、もしくは併用を行うことが適切で あり、また、かゆみのみでなく、発疹が認められた場合に本剤を使用するよう効能・効 果等が変更されました。  報告書の5ページになります。各項目の添付資料について、規格及び試験方法につい て新たに提出されていますが、大きな問題点は認められませんでした。安定性、薬理、 吸排、毒性につきましては、概要イ項に記載のとおり、医療用申請時から新たな資料は 提出されておらず、特段の問題点はないと判断いたしました。  その下になりますが、臨床試験については、新たに一般臨床試験が実施されているほ か、医療用申請時の試験成績が参考として添付されております。新たに実施された試験 における臨床症状改善度は、腟坐剤併用例も含めた場合、「改善」以上57.8%、「軽度 改善」以上90.6%、クリーム単独使用例では、「改善」以上25.0%、「軽度改善」以上 81.3%でした。真菌学的効果は、腟坐剤併用例も含めた場合で、消失率50.0%、そのう ち判定不能例等を除くと85.7%でした。なお、症例数が少ないものの、クリーム単独使 用例では18.8%、同様に判定不能例等を除くと42.9%でした。副作用発現率は3.1%で、 いずれも腟坐剤併用例で、主に「性器灼熱感」などで重篤なものは認められませんでし た。  6ページの中ほどになりますが、医療用製剤3年間での市販後成績調査では、外陰部 カンジダ症における有効率は90.0%、副作用発現率は全適用疾患に対して0.78%でし た。副作用のほとんどは塗布部に限定した症状で、重篤なものは認められませんでした。 なお、この調査結果を踏まえ、医療用医薬品の添付文書の改訂が行われ、1982年に「乾 燥、つっぱり感」、1983年に「紅斑、皮膚炎、落屑」が副作用として追記されておりま す。  機構は、症例数は少ないものの、一般臨床試験の真菌学的効果が高くない点について 問題はないか説明を求めたところ、申請者は、試験結果により、臨床症状が改善してい ること、文献より真菌学的効果が70〜100%であること等から問題はないと考えるが、 外陰部のみの症状であっても腟内に病変がある可能性があること、併用のほうが有効率 が高いことより、これらを情報提供し、適切に単独使用か併用かの判断が行われるよう にすると回答いたしました。  6ページの下以降になります。効能・効果や使用上の注意等も先の品目と同様に対応 するよう求めたところ、対応されました。また、他の照会に対する回答についても了承 しております。以上より、機構は本品目について、本効能・効果、用法・用量の下で、 一般用医薬品として承認して差し支えないと判断いたしました。  なお、承認条件として、承認後、少なくとも、3年間の安全性等に関する製造販売後 調査を実施することとの条件を付すことが適当であると判断しております。御審議のほ どよろしくお願いします。 ○望月部会長 ありがとうございます。ただ今の内容に関して、御質問、御意見等をお 願いします。 ○審査管理課長 先ほど御指摘をいただいて、御議論をいただいた適量に関する情報提 供の問題と、60歳未満の問題というのは、先ほどの品目と同じように対応したいと考え ておりますので、よろしくお願いします。 ○望月部会長 ありがとうございます。そのほかの点について、お気付きの点はござい ますか。 ○小澤委員 腟カンジダ症のアイデンティティがちょっとよく分からない。「販売店様 用」という解説書をたまたま見ていて、3番に「類似疾病との鑑別」がありますが、腟 カンジダ以外、全部STDが書いてあるのですが、腟カンジダ症のところだけSTDが 書いていないのです。別にこれはどうでもいいことかもしれませんが。これは性交渉で 感染するので有名ですから、何でこれだけ書いていないのかと思ったのです。腟カンジ ダの肩を持っているのかと思いました。 ○望月部会長 ただ今の点はいかがですか。 ○小澤委員 すみません、くだらないことで。 ○機構 ありがとうございます。入れるように指導したいと思います。 ○生出委員 先ほどのフレディCCクリームと、フェアネスクリームの包装の箱のこと ですが、大正製薬の方は、きちんとPMDAの報告の電話番号が書いてあるのですが、 今よく見ると、フレディCCクリームの方は書いてありません。確か第1類医薬品の外 箱表示においては、副作用被害救済のパッケージの中に記載することと決まったような 覚えがあるのですが。メディトリートの外箱の案には、きちんと電話番号が書いてある のです。 ○望月部会長 いかがでしょうか。先ほどの議題1に戻りますが。 ○機構 ありがとうございます。確認して、適切に対応したいと思います。 ○望月部会長 ほかに先生方から御意見等はございますか。 ○小澤委員 先ほどの議論で、間違いやすい病気という話があったので、先ほどのペー ジを読んでいただけですが、「カンジダ症による感染症と同様に、外陰部にかゆみをき たす間違いやすい主な疾病」という表が書いてあるので、これは非常に分かりやすくて いいのですが、臨床で一番困るのはがんと間違えることです。パージェット病というの があるのですが、治りにくい湿疹で、大体みんなグチャグチャになって、最後はアウト になるのです。これがカンジダや白癬、オムツかぶれなどでみんな間違えて診断されて います。お医者さんが間違えているのだからしようがないのですが。一番怖いのは、そ れですね。ですから、ちょっと一言書いておいて、治りにくい場合は、医者にかからな ければいけないということをきちんと言わなくてはいけない。それから、がんの可能性 があるということを。そういう意味では、この表の類似疾患では、怖いものなんてない ですから、現実に死ぬ、生きるは。これは外陰部のかゆい病気で一番問題になる。ちょ っと一言書いておくといいと思います。 ○機構 ありがとうございます。そういたします。 ○望月部会長 ほかにどなたか御意見はございますか。ただ今の御指摘の点と、先ほど のメンソレータムフレディCCの方で指摘された点を含めて、申請者に連絡するという ことでよろしいですか。それでは、特に他に御質問、御意見等はないということで、議 決に入りたいと思います。医薬品フェアネスクリーム他2品目について、西澤委員にお かれましては、申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととします。本 剤は、条件付で承認して差し支えないとしてよろしいでしょうか。ありがとうございま した。  それでは、本剤は条件付で承認して差し支えないということにいたします。本剤につ きましては、薬事分科会にその旨を報告させていただきます。どうもありがとうござい ました。以上で、審議事項を終わらせていただきます。次は、その他の議題1について、 事務局から説明をお願いします。 ○事務局 資料3-1を御覧ください。「昭和42年の基本方針前に承認された一般用医薬 品等の取扱いについて(案)」ということで記載しております。簡単に御説明させていた だきます。  薬事法の一部改正によりまして、一般用医薬品につきましては、その販売に際して、 リスクの程度に応じた情報提供、相談体制を整備することということで、近々、施行す ることを予定しております。  他方、医薬品の製造承認に関する基本方針の運用前である昭和42年9月30日までに 承認を受けた医薬品につきましては、医療用、一般用の区別がなかったために、一般用 として販売されるものにあっても、需要者に分かりやすい効能・効果、用法・用量とな っていないものもございます。このため、これらの医薬品に関して、効能・効果を一般 用医薬品として適当なものに整備するために、今年の8月1日付けで審査管理課長通知、 お手元の資料3-3を発出しました。この通知に基づきまして、現在、昭和42年9月30 日以前に承認を受けていて、効能・効果等が一般用として適切な記載になっていないも のにつきまして、資料3-2'の方が申請品目として出てきているので、これに関しては一 般用医薬品として適切な変更を行うようにしたいと考えております。また、以下で説明 いたします。  なお、今回の措置につきましては、これは法改正に伴う一般用医薬品として適当なも のとするための措置であるということにかんがみて、承認基準及び再評価とは異なる取 扱いであるということ、また、緊急的な措置ということで、こちらについては、いわゆ る承認前例、この承認があるということで、後発のものの承認前例として取扱わないと 考えております。  資料3-2'を横に見ていただければと思います。今回、申請品目としては全部で41品 目出てきております。資料3-2'の見方は、番号が縦に41まで入っております。そして、 その横に、現在販売している「販売名」、「有効成分」、「剤型」という形で入ってお ります。「現行(又は医療用)」と書いてありますが、これは現在、販売されている承認 の用法・用量、効能・効果を記載しております。  これに関して、資料3-3の通知に基づきまして、企業の方からは一般用として適当だ と考える用法・用量、効能・効果で申請してきておりましたが、変更(案)につきまして は、申請された資料内容を踏まえて、機構の方で一度審査をして、その後、専門協議等 で専門の先生に見ていただいて、現行の一般用医薬品の範囲内で読替えを行ったものが 記載されております。  資料3-1も申請品目は全部で41品目あります。一般用と医療用、両方併用したいとい うものにつきまして、資料3-2'の一番右から2番目のところに、その11品目について ○を付けております。残りは一般用医薬品のみとして販売するというものです。簡単に、 概要として資料3-1の1.(2)製剤別で、漢方・生薬製剤が19品目あります。皮膚外用 剤については16品目。その中に抗生物質及びステロイド剤というものが6品目ありま す。その他として6品目あります。その下の注意書ですが、今回、この品目につきまし ては、リスク分類というものは、おおむね終了しております。また、ないものにつきま しても、今後、リスク分類の評価を行うことになっております。  1枚めくっていただいて、先ほど簡単に説明したが、今回の効能・効果等の変更につ きまして、再度御説明いたします。今回、法改正に伴う緊急的な措置ということが一点 目です。二点目として、変更内容につきましては、既承認の内容の読替え、一般用医薬 品にないものの削除、服用時間の追加等を行っております。  三点目として、効能・効果等につきましては、適宜専門家の意見を聞いた上で、既存 の一般用医薬品の効能・効果等の範囲内で変更案を作成しているところです。そちらの 方の内容は、先ほど説明した資料3-2'の方で記載しております。  3.承認に際しての取扱いです。今回、緊急措置ということで、一つの承認書において、 医療用及び一般用医薬品として製造販売することとする先ほどの11品目につきまして は、今回の承認を行った後に、3年以内に医療用医薬品と一般用医薬品の承認書を分け て、販売名、規格及び試験方法等を整備したいと考えております。事務局からは以上で す。 ○望月部会長 ありがとうございます。ただ今の内容に関して、御質問、御意見等がご ざいましたらお願いします。 ○小澤委員 外用薬が多いので、ついつい皮膚科になってくると思うのですが。資料3-2 を見させていただいて、最初のところが抗生物質とステロイドの合剤ですね。次の次の ランクは抗生剤が来て、最後はステロイド剤となっていますが、それぞれこれは実際に は医療用で使われたものの、濃度とか、いろいろなものがそのままですね。普通、一般 的に出るときというのは、我々はステロイドの量や濃度を半分にしたりして今までやっ ていたのが、これからはこのままでオーケーということになるわけですから、それは政 策上しようがないのでしょうけれども、先ほどの腟剤と同じで、何か一言、例えば、何 日以上塗ってうまくいかないときは、というようなコメントを書かれる方がいいと思い ます。  というのは、30年前にリンデロンが出たときに、VGのゲンタシンで騒ぎました。合 剤が出たので。今、皮膚科の領域では、まず、合剤の意味は全くないというデータが出 ていますので、かえって、ゲンタシンで感作しているだけですので、私たちは現実には 使っていません。ですから、そういうことも含めて、4日か5日か分かりませんが、先 ほどの腟剤のように、あのようなことを少しだけみんな書いておいて、あとは「お医者 さんに行きなさい」と書いてくださるのならいいと思いますが。 ○審査管理課長 これは今から販売を認めるというようなものではございません。資料 3-1に書いておりまして、分かりにくいのだろうと思いますが。昭和42年に医療用と一 般用に分けて、それなりに要求する臨床試験成績等も整備したわけです。  それ以前に承認を与えていた品目については、一般用あるいは医療用として分かれて いないわけです。これをどうするかという問題です。すなわち、昭和42年以前に承認が あって、その後、販売されなくなった品目も多々あるのだろうと思いますが、それから 30〜40年経って、今でもまだ売られているので、その整備を図らなくてはならないとい う点は、御理解を願いたいと思います。  二番目として、今先生が4日がいいのか、5日がいいのかとおっしゃったわけですが、 ある程度の期間使って症状が改善しない場合、医療機関にお願いをするのは当然のこと ですので、その点は、使用上の注意等に明記できるように整備をしたいと思っておりま す。 ○望月部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。他の先生方から御意見等 はございますか。 ○合田委員 事前には気が付かなかったのですが、23番の中将湯の用法・用量の所を読 ませていただいたのですが、すごく日本語が分かりにくい。まず第一に、特に後半の文 章の方で、「残りの袋は服用する」というのは、日本語としては多分適切ではないと思 います。昔の文章をそのまま引っ張られているので、そういう具合に作られたのだろう と思うのですが、全体の文章をもう少し適切な文章にした方がいいのではないかと思い ます。  まず、分かりにくいのは、何袋使って、どの袋をもう一回使うのか。中将湯は、昔か ら使われている方が多いから、多分日常的には大丈夫でしょうが、初めて使う方はこれ はすごく分かりにくい文章だと感じました。 ○機構 適切に修正したいと思います。 ○望月部会長 よろしくお願いします。 ○望月(眞)委員 かなりステロイド類が入っている外用剤がたくさんあるということ で、今回は、用法・用量と効能・効果の読替えだけしか示していただいていないので、 中の使用上の注意等の部分がどうなっているか分からない状況なので、是非、御配慮い ただきたいのは、先ほどのお話にもありました長期に使わないという点です。  それから、ステロイドが特に入っているものに関しては、目の回りとかに使わないで ほしい。その辺りの注意事項がきちんと徹底されるということ。それから、できれば医 療用が5g容量のものが中心ですので、多分これも5g容量のものが多いと思うのです が、自己治療の範囲の中で、ここにある効能・効果を見ますと、そこまでのサイズのも のでなくて、一般用としてはもう少し小さな量のもので販売されると、長期連用など、 いたずらに多用しないということの防止になるかもしれないということを、将来的に御 配慮いただければいいかと思います。  もう一点は、私も専門家ではないので分からないのですが、1ページの用法・用量で、 例えば、テトラ・コーチゾン軟膏の場合は、「1日1〜数回適量を患部に塗布するか、 ガーゼ等に伸ばして貼付する」となっているのです。同じように、ステロイドと抗菌薬 の配合剤の場合で、「ガーゼ等に伸ばして貼付する」となっていないものもあるのです。  私は専門家ではないので分からないのですが、自己治療の範囲でガーゼ等に伸ばして 塗布するというのが必要なくらいのものなのか、どうなのかというのが分からなかった のです。多分、密封法、ODTみたいなものとは、違うとは思うのですが、ガーゼで塗 布して、その上から何かでくるんで、包帯か何かで巻いた場合のステロイドの吸収のさ れ方等々を考えたときに、どの程度に当たるのか私も判断できないのです。  それから、入っている場合と入っていない場合があります。医療用に書いてあっても、 一般用の用法・用量には「ガーゼ等で伸ばして貼付する」が入っていない場合もあるの です。ここの整理の仕方がよく分からなかったので教えてください。 ○小澤委員 望月先生の今の部位の話ですが、先生がおっしゃるとおり、例えば、ここ にあるステロイド外用薬は弱いものから強いものまで入っているのです。これは歴史で しようがないのです。一番最初のころのものは、ハイドロ・コーチゾンにしても、フル コートにしても弱かったので、別にどこに塗っても問題はなかったのです。ただ、長期 は別です。ところが、だんだんベトネベートといって強い薬になってくると、これはま た話は違ってくるのです。ですから、そういう意味で、まず、例えば部位を決定して、 目の回りは使ってはいけないとは言えないのです。弱いのは別に使ってもいいのですか ら。多分、それはなかなか書きにくいと思うのです。  二番目の用量ですが、例えば3gチューブにしたらどうだとか、ヘルペスの薬だとか、 特殊なものは1回でそのくらいの量でいいから少ないのです。しかし、湿疹の量を考え たら、3gを体に塗りなさいと言ったら、5本も6本もいるわけです。それはちょっと 大変なところがあるので、そういう意味では、昔の薬は濃度を半分にして出していたの です。それは昔のことですが、これはそのものですから、多分それは変えられないのだ ろうと思います。  三番目のガーゼと包帯の話ですが、これも同じで、フルコートの時代は浸透が全然悪 いです。したがって、ODTをやったり、重層法をやったり、現実にしました。しかし、 リンデロンの時代になってからはほとんど大丈夫です。ましてや、今の時代のステロイ ドはものすごい吸収量ですから必要ない。ということで、これは歴史が少しあるので、 それを全部制限しろとなると、ちょっと大変かもしれません。 ○望月(眞)委員 ガーゼのことを制限しろとかいうことではなくて、医療用で書いてあ っても、一般用に書いていない場合、医療用で書いてあって、一般用にも書いてある場 合、この中に幾通りかあるのです。医療用にもガーゼのことが書いてあって、一般用に は書いていないという場合もあったので、これはどういう基準でそういう整理になった のかというのが、まず分からなかったので、それを一点確認したかったのです。 ○望月部会長 今の点は事務局からお答えいただけますか。 ○事務局 こちらにつきましては、原則は申請者の方からどういう用法・用量で実施す るのかという、先ほど小澤先生もおっしゃいましたが、製剤特性等々もあるとは思うの ですが、実態等を踏まえて、記載しております。これらの品目につきましては、ばらつ き感もありますが、いずれにしても、この製剤につきましては専門委員とも相談した上 で、処方の記載で問題ないということで記載しております。 ○望月(眞)委員 ありがとうございます。そこはきちんと理由を各社に御確認いただい て、整理をしていただくと有り難いと思います。今先生から御指導をいただいた目の回 りの部分のことですが、強さにもよるというお話でしたので、そのことも踏まえた上で、 やはり、アトピーなどの方が医療機関で受診されずに自己治療する可能性というのは否 定できないところがあるので、そういう場合、余り強めのものが目の回りに塗られるこ とがないように、その辺りのことは製品に合わせて整理をした上で注意事項の中にお書 きいただきたいと思います。 ○望月部会長 小澤委員、どうぞ。 ○小澤委員 私は外来をやっているのですが、先生はなぜ目の回りにこだわるのですか。 そこが分からないです。 ○望月(眞)委員 実は、私は薬事分科会の方で、皮膚科の委員とちょうど席がいつも隣 で、プロトピック軟膏が発売になった際に、その先生の御意見で、ステロイドをかなり 目の回りに塗ってしまって、緑内障などの危険性が出てしまう患者さんもいるのだとい うことで、できれば、プロトピック軟膏を目の回りに使えるようにならないだろうか、 という御意見があったのです。  当初、プロトピック軟膏に関しては、目の回りに使うという効能は持っていなかった のです。先般、プロトピック軟膏の点眼薬が承認されたときに、プロトピックの点眼が できるのだったら、軟膏を目の回りに使った方がステロイドを目の回りに使われるより よほど安全であるというお話、御意見を薬事分科会の方で出されて、繰り返しそのこと をおっしゃっていたのです。  実は私の知っている学生で、アトピーで目の回りにステロイドの軟膏を塗り続けて、 やはり、緑内障になってしまったという学生もおりましたので、強さにもよるとは思う のですが、その辺りに配慮が必要な薬剤なのではないかと思いましたので申し上げまし た。 ○小澤委員 先生のおっしゃることは間違いないというか、今まで皮膚科でディスカッ ションを散々やってきたことですが。大体、今は7:3くらいの割合だと思いますが、 結論は出ないのですが。眼症状は、むしろ、掻破による慢性の刺激だろうというのが強 いので、現実にはステロイドの点眼薬はバンバン使っているのに、白内障にも緑内障に もなりません。何であれがならないのか。それが一番の根拠と、杏林の眼科では全部動 物実験をやっています。やはり、外的な刺激、かゆいからこうですね、かゆいからかい ているのだろうと我々も思っていたのですが、そうではなくて、アトピーの方のほとん どは習慣性でかいているのです。それがだんだんと分かってきたのです。ですから、必 ずしも薬ではないだろうということは言われて、目の回りにステロイドを塗ってはいけ ないとは、誰も皮膚科の医者は思っていませんし、必要だったら塗ればいいじゃないと いう話だと思うのです。ガイドラインにもそう書いてあると思います。  ただ、先生がおっしゃったように、顔を含めて長期連用というのは、吸収が強いから いろいろな問題が起こるのです。それはおっしゃるとおりなので、ですから、こういう 薬の場合は、ある程度制限を設けて、5日なら5日、1週間とか、どうでもいいですが、 そのくらいでは絶対起こしませんから、それで悪かったら医者に行きなさいとした方が、 現実的なような気がします。ただ、アトピーで自己判断という方は、ほとんど病院へ行 っていない方が多いです。自分で買い薬をやってみたり、転々としたりして、履歴を聞 いてもよく分からないという方が大体やられていますから、むしろ、こちらのような仕 組みでは1週間、何日が適当か分かりませんが、大体、普通、我々がレセプトで出す場 合、昔の縛りでは、外用剤の場合は5日。内服薬は3日以上出すとみんな削られました から、それから考えれば、5日とか1週間くらいと書いておけばいいのではないかと思 います。先生のおっしゃることは、本当にそのとおりだと思います。  今学会の中でガイドラインができまして、大体そんなような感じです。いまだにもち ろんステロイドの影響もあるだろうというのは否定はされていないのですが、ほとんど がそうではないかと今は言われてきています。 ○望月(眞)委員 分かりました。そのことはずっと気になっていたものですから、特に 皮膚科の委員からの御指摘だったものですから。 ○小澤委員 同じように、脂漏性皮膚炎というのがあります。ここにいる方の3分の2 以上はみんなあると思います。ステロイドを塗ります。でもそれでは、ずっと使ってい ても白内障は起こさないです。ですから、アトピーの方はそれはちょっと違うのではな いかと思います。 ○藤原委員 今のに関連してですが、全部かどうか分かりませんが、私どもの薬局は、 ステロイドの顔への塗布というのは、極力避けるように心掛けております。急性の場合、 3日〜4日まで投与して、それで治らなければ皮膚科へ行くとか、もしくは紹介すると いう形をとっていたり、非ステロイドで効き目は非常に悪いのですが、非ステロイドを 使うように顔の場合は指導しています。  それから、アトピーの場合は診断が非常に難しいものですから、薬局ではアトピーの 長期の治療というのは、逆に注意してステロイドの皮膚症の問題も逆に定義をしてやっ ている部分はあります。皮膚科の先生には迷惑をかけないようにお話をしているのです が、薬局としてはそういう部分はあることも御承知いただきたいと思います。 ○望月部会長 ありがとうございます。事務局として何か追加することはありますか。 よろしいですか。先生方、ほかの点で御意見等はございますか。 ○望月(眞)委員 効能・効果のところに「捻挫」という言葉が出てくるのが、ヘパリン Z軟膏というものですが、いつもこういった外用の鎮痛成分が入っているものの場合、 捻挫だけは効能・効果から外してきていたような気がするのです。これは捻挫後なので、 一度受診して、捻挫に関して治療を受けているという前提であれば構わないのですが、 従来、捻挫は自己治療の対象ではなく、医療機関を受診した方がいいだろうという整理 があったように思うのですが、いかがでしょうか。 ○望月部会長 いかがでしょうか。事務局からどうぞ。 ○事務局 ヘパリン類似物質のものでは、一般用でも捻挫後というのはございますので、 一応その範囲内です。 ○望月(眞)委員 分かりました。それならそれで結構です。 ○望月部会長 ほかにはいかがですか。特にその他はございませんか。特段、これ以上 はないと考えますので、これらの意見を踏まえて、事務局で今後進めていただくことに したいと思います。以上で、本日の審議を終了させていただきます。次回は、来年の2 月を予定しておりますので、改めて事務局から御連絡を申し上げたいと思います。本日 の一般用医薬品部会をこれにて終了し、閉会といたします。どうもありがとうございま した。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 益山(内線2775)