08/11/21 第45回社会保障審議会障害者部会議事録 第45回社会保障審議会障害者部会議事録  日  時:平成20年11月21日(金)10:00〜12:38  場  所:全国都市会館3階 第2会議室  出席委員:潮谷部会長、嵐谷委員、安藤委員、伊藤委員、岩谷委員、大濱委員、       川崎委員、北岡委員、君塚委員、小坂委員、坂本委員、佐藤委員、       竹下委員、堂本委員、長尾委員、野沢委員、広田委員、福島委員、       星野委員、宮崎委員、山岡委員、生川委員、浜井委員、大久保参考人 ○潮谷部会長  皆様、おはようございます。定刻になっておりますので、会を始めたいと思います。  委員の皆様方には、大変お忙しい中に今日もお集まりをいただきましてありがとうござ います。  議事に入ります前に、事務局から委員の出席状況、資料の確認をお願いしたいと思いま す。 ○蒲原企画課長  おはようございます。  それでは、最初に委員の出欠状況でございます。本日は10名の先生方からご欠席との連 絡をいただいております。欠席の委員の方々、井伊委員、梅田委員、櫻井委員、副島委員、 高橋委員、仲野委員、三上委員、箕輪委員、小澤委員、新保委員の方々でございます。な お、数名の先生方、ちょっと遅れておられますけれども、後ほど到着と伺っております。  なお、副島委員の代理といたしまして、全日本手をつなぐ育成会常務理事の大久保参考 人に出席をいただいております。  また、本日は、関係部局及び関係省庁からの出席もお願いいたしております。職業安定 局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課の渡辺調査官、また文部科学省初等中等教育 局特別支援教育課の水野専門官、ご参加でございます。  それでは、引き続きまして、本日の資料についてご確認をさせていただきます。すみま せん。ちょっと今日は資料が大部、また部数も多いので、議事次第をめくってもらって上 から順番にご説明します。  まず資料の1というものが、(1)、(2)、(3)、それぞれ別添にばらばらになってございます けれども用意いたしております。資料の1−(1)が平成20年障害福祉サービス等経営実態調 査結果という1枚紙、資料の1−(2)が、同じく調査結果の概要というペーパー、引き続い て、資料1−(3)がその調査結果の本体ということで、この3つが資料1というものでござ います。  それに引き続きまして、本日報酬関係の議論ということで、資料の2として障害者自立 支援給付費の報酬についてという資料を用意しております。  その後、資料の3でございます。本日、恐らく後半部分になると思いますが、全体の議 論をもう一度ということで議論の整理ペーパーを用意いたしています。分厚い資料が資料 の3、これまでの議論の整理というものでございます。  さらに、資料の4といたしまして、これまでの議論の整理の別添資料というものを用意 いたしております。  さらに、資料の5でございます。これは精神保健医療の関係で検討会をこれまでやって ございました。その中間まとめということで資料を用意いたしております。  以上の資料のほかに参考資料といたしまして3つ用意いたしております。1つが「精神 保健福祉士の養成の在り方に関する検討会」の中間報告書というものでございます。ま た、参考資料の2ということで、今の概要の本体の報告書ということになってございま す。また、参考資料3として、第41回の議事録ということになってございます。  本体資料と参考資料、以上のとおりでございます。  なお、本日は、各委員の先生方から資料のご提出がございます。小板委員、君塚委員、 堂本委員、星野委員より資料のご提出がございます。資料、少し多くなってございますけ れども、ご確認をいただければと思います。  以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  それでは、本日の議事に入りたいと思います。  本日は、平成20年障害福祉サービス等経営実態調査の結果及び報酬、さらにこれまでの 議論の整理が議題となっておりますので、事務局のほうから資料の説明をお願いいたしま す。  また、先日取りまとめられました今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会に おける中間報告の資料につきましても、併せてご紹介をお願いしたいと思います。それで はよろしくお願いします。 ○鈴木企画官  企画官の鈴木でございます。  まず、経営実態調査の結果についてご説明申し上げます。  資料の1−(1)、それから(2)というのを両方並べてお開きいただければと思います。  まず、この調査でございますけれども、来年4月に行うこととしております報酬改定の 基礎的な資料にするということで、資料1−(2)のほう、ちょっと順番が前後しますけれど も、概要というものの1番で調査の概要とございますけれども、そこの(3)にあります が、19年度の各事業の収支状況、それから従事者数、それから19年の給与、こういったも のを調査させていただいております。  回収状況とございますけれども、全体で1万6,700余りの施設、事業所に配布し、回答 が1万2,800余り、有効回答が5,000余りということで、有効回答率が39.2%ということで ございます。  戻っていただきまして、資料の1−(1)のほうで、こちらが概要を解説調にポイントだけ 抽出したものでございます。  最初の丸にございますように、この調査は自立支援法の全面施行以降初めての全国的な 経営実態調査でございます。  次の丸にございまして、3点、収支差率、従事者の状況と、それから給与ということを 調べておりますが、まず1点目の収支差率の状況といたしましては、全体でプラス6.1 %、新体系がプラス5.4%、旧体系がプラス7%、障害児施設等、通園事業が一部入って おりますので「等」となっておりますが、マイナス4.1%ということでございました。事 業種ごとに収支差率の差が大きく出ておりまして、そのうち児童デイサービス、あるいは 障害児通所施設、そういったところでマイナスが出ております。  それから、次の丸でありますけれども、従事者の配置状況といたしまして常勤率という のを調べております。直接処遇職員で見ますと、全体で81.5%、新体系が68%、旧体系が 89.7%、障害児施設などが90.5%ということでございます。  また、そこの次の丸で、従事者の1人当たりの年収ベースの給与の状況といたしまして は、これは代表的な例を挙げさせてもらっておりますけれども、ホームヘルパーで年間 258万3,000円、それから障害者支援施設での生活支援員で338万5,000円ということでござ いまして、常勤率、それから給与も、それぞれ職種、あるいは事業種ごとに差があったと いうことでございます。  一番下の丸でございますけれども、今後、障害福祉サービスの報酬改定ということを予 定しておりますけれども、これに当たりましては、この調査結果のみならず関係者などの ご意見も踏まえまして、サービスの質の向上、良質な人材の確保、事業者の経営基盤の安 定、こういった観点などから総合的に検討していくということが必要ではないかというふ うに考えておるところでございます。  経営実態調査の概要については以上でございます。  続きまして、資料の2をお願いいたします。  ただ今の経営実態調査の結果も踏まえまして、報酬について論点の紙を提出させていた だいております。  おめくりいただきまして1ページ、現状の欄でございますけれども、これは先ほど経営 実態調査の結果でご説明申し上げたとおりでございます。  おめくりいただきまして2ページ目、課題のところでありますけれども、これまでいろ いろな議論をいただく中で、報酬改定、報酬についてご意見を多々いただいております。 そういったものを私どものほうで整理をいたしますと、以下の7つに整理をさせていただ きました。1点目として、人材確保のために報酬を引き上げるべきではないか。2点目と して、地域移行を促進するものであるべきではないか。3点目として、重度障害者などに 対するサービスの質の向上を図るべきではないか。4点目として事業者の経営基盤の安 定、それから5点目として新体系移行に配慮した内容、それから6点目として中山間地域 などへの配慮と、7点目、その他というふうにございます。  こういったことでございまして、次の論点のページですけれども、今回、障害福祉サー ビスの報酬につきましては、今申し上げました人材確保、地域移行促進、サービスの質の 向上、事業者の経営基盤の安定、新体系移行促進、中山間地域などへの配慮、こういった ものを基本的な視点としてはどうか。それから、次の丸で、自立支援法の課題に対応する ために報酬の改定が必要となる事項につきましては、この部会の意見を踏まえて21年度の 改定を行うべきではないか。特に現下の社会経済情勢の下では福祉人材の確保が最重要課 題でございますので、重点的に対応すべきではないか。このように論点のほうをさせてい ただいております。  続きまして、資料の3をお願いいたします。  こちらのほうは、これまで事項ごとに論点を提示させていただいてご議論いただいたも のに、またさらに、その審議会のほうでご意見をいただいた内容を事項ごとに整理をした ものでございます。また、この資料中に下線がございますけれども、下線部は今回若干加 筆したものというふうにご理解いただければと思います。  おめくりいただきまして、まず表に主な論点ということで、これまでご議論いただいた 項目の全体像を示させていただいております。  おめくりください。資料のページ数1ページとありますけれども、ここから事項ごとに 議論の整理をさせていただいております。  まず相談支援につきましては、概ねここについては、これまで異論がなかったところが 多かったかとは思っております。地域における相談支援体制といたしましては、その強 化、人材の質の向上。この人材の質の向上の中では、下から2番目の丸の中でピアサポー トであるとか身体障害者相談員、知的障害者相談員の活用と、こういったことも含めて記 載させていただいております。  それから、その次の丸で、総合的な支援体制ということで、総合的な相談支援を行う拠 点的な機関を設置するなど、その充実を図るべきというふうにさせていただいております が、さらに検討すべき事項と、こういうことで、こういった事項について主にご意見をい ただければありがたいと考えておりますが、その1つ目の丸でございますけれども、例え ば市町村が地域移行の相談など多様な相談をやったり、あるいは相談支援の調整、こうい ったものを行う拠点的な機関を設置することとしてはどうか。その際、運営の形態として は直営・委託とか、それから全障害共通、3障害別か、あるいは単独設置、他の市町村と の共同設置、いろいろあると思いますけれども、そういったことにも配慮しつつ、どのよ うに考えるかというふうにさせていただいております。  それから、相談支援の2つ目の点で、ケアマネジメントの在り方で、サービス利用の計 画については、さきにご説明しましたように、1つ目の丸にありますけれども、サービス 利用計画作成費の対象者について、原則としてサービスを利用する全ての障害者に拡大し ていくべきというふうにさせていただいております。その次の丸でエンパワメントという 視点も必要ということで注記させていただいております。  それから、次をおめくりください。3ページでサービス利用手続のところで、これも前 回ご説明しましたけれども、サービス利用計画を、今は支給決定の後に作成いたしており ますが、それを前から作成をして支給決定に反映をさせていくと、こういう仕組みにすべ きということでございます。  それから、次の丸で、モニタリングにつきましても一定期間ごとにモニタリングを実施 することとすべきというふうにさせていただいております。  その体制につきまして、さらに検討すべき点というふうにさせていただいておりますけ れども、そのマネジメント、モニタリングの実施について、可能な限り中立的な者がやっ ていくのがいいんじゃないかとか、それから、様々なノウハウの蓄積を図っていく、質の 向上を図っていくということを留意事項とさせていただいた上で、3ページ一番下の丸で すけれども、見直し後のサービス利用計画の作成については、さきに総合的な拠点と申し 上げましたけれども、相談支援の拠点的な機関が指定事業者となって行うこととしてはど うか。その際、第一義的にはその拠点機関が行うこととしつつも、既存の相談支援事業者 の活用を図るため、業務の一部を障害者の身近な相談支援事業者に委託することとしては どうかというふうにいたしております。  それから、次の丸で、ケアということについて、この部会でご意見がございましたが、 ケアが狭い意味の介護ととらえられることがあるので、今後、ほかの用語に置き換えてい くことを検討してはどうかと、こういうご指摘があったことも併せて記載させていただい ております。  それから、次の相談支援の3つ目で、自立支援協議会の充実につきましては、法定化、 それから運営の支援ということで記載させていただいております。  おめくりください。  5ページで、大きな柱の2つ目で、地域における自立した生活のための支援ということ でございます。そこは3つの基本的な考え方の丸がありますけれども、地域移行の促進と 住まいの場の確保、それから暮らしの支援と3つの柱に分けて整理をさせていただいてお ります。  まず、地域移行の促進につきましては、そこのコーディネート機能というところにござ いますけれども、入院・入所中の段階から退院・退所に向けた相談、あるいは支援、こう いったものが全国的に実施されるように充実するということが必要というふうに記載させ ていただいております。さらに検討すべき点といたしまして、具体的には施設入所者や、 あるいは入院患者の方についても退所・退院に向けてサービス利用計画作成費の対象者と して支援してはどうか。それから、入所・入院されている方の地域移行に向けて、見学あ るいは体験、それから準備などのための外出支援なども給付の対象とするということを検 討してはどうかというふうにさせていただいております。それから、次の宿泊等の体験の 給付、刑務所の出所の支援、それから地域移行における入所施設の役割、こういったこと は従来のとおりでございます。  それから、おめくりいただきまして7ページで、家族との同居のうちからの地域移行の 支援ということも、これまでの議論のように書かせていただいております。  それから、次の2つ目で、住まいの場の確保につきましては、公営住宅の入居促進、そ れから民間住宅への入居促進としてあんしん賃貸支援事業の普及とか、家賃債務保証制度 の拡充、それから公営住宅の活用などによるグループホーム、ケアホームの整備促進と、 こういったこと、それからグループホーム、ケアホームの質の向上、こういったことを書 かせていただいております。  さらに検討すべき点といたしまして、身体障害者のグループホーム、ケアホームにつき ましてですが、その枠囲みの中にございますけれども、身体障害者がグループホーム、ケ アホームを利用できるよう検討してはどうかということで、ただ、その際に、本人の意に 反してグループホーム、ケアホームの利用を勧められることがないようにする。それか ら、2つ目で、高齢で障害になった方については、この自立支援の趣旨からして新規利用 の対象としないこととする。こういった留意が必要ではないかというふうにさせていただ いております。  それから、地域生活の3つ目で暮らしの支援でございますけれども、緊急時のサポート の充実ということを図っていくべきということで、さらに検討すべき点として、おめくり ください。具体的には24時間の相談支援体制を整え、実際に支援を行った場合や、地域生 活への移行のために入居に関する支援を行うことについて給付の対象とすることについて 検討してはどうかというふうにさせていただいています。それから、ショートステイの充 実、医療ケアの充実、それから訪問系サービスの充実。これらは従来どおりでございま す。  次に、地域生活の2つ目で就労支援についてでございます。ここについては、基本的な 考え方の(1)、(2)、(3)という3点で整理させていただいております。一般就労への移行支援 の強化、それから福祉的就労の在り方、それから関連施策との連携強化等、この3つに沿 って整理をさせていただいています。  まず一般就労への移行支援の強化ということで、最初の丸にございますけれども、就労 移行支援事業について社会適応能力を高める訓練プログラムの確立・普及とか、それから 移行実績の評価、こういったことによって経営が圧迫されないような報酬設定などについ て検討すべきというふうにさせていただいております。それから、1つ飛ばして一番下の 丸で、企業の年度中途のニーズに対応できるように、就労移行支援事業の訓練をそこで活 用していくということも有効ということも記載させていただいております。  おめくりください。  それから、少し飛ばしましてフォローアップにつきまして下線がございますけれども、 旧通勤寮の担ってきた就労する障害者の自立生活に向けた生活面の訓練を行う機能の充実 を図るべきということを追加して記載させていただいております。  それから、次に、就労の2つ目の柱で福祉的就労の在り方です。まずB型の利用者像と いうことで、12ページにわたりますけれども、就労移行支援事業を利用した上でB型を利 用するという、そういう原則に現在ございますけれども、さらに検討すべき点として、枠 囲みの中の1つ目の丸でありますけれども、相談支援事業者が調整したりとか、あるいは 学校在学時の情報などを基にして、必ずしも就労移行支援事業を経なくてもいいのではな いかと、こういう意見がございました。  それから、他方、次の丸ですけれども、就労移行支援事業者で、本人の適性をよく見た 上でやることが必要とか、一般就労の可能性にチャレンジする意味からも必要と、こうい うご意見もございましたので、これらの意見を踏まえ、どのように考えるかというふうに させていただいております。  その次の丸ですけれども、その一つの考え方でございますけれども、就労支援関係の給 付の支給決定に当たって、本人の能力・適性について短期間のアセスメントを経ることが 必要ではないかという考え方も提示させていただいております。  それから、おめくりください。  工賃引き上げの充実に関しては、部会でご意見がありました共同受注の取組の推進とい うことも付記させていただいております。  それから、雇用施策などとの連携につきましては、12ページの一番下の丸の人材のとこ ろでありますけれども、部会でご意見がありました発達障害への配慮ということも付記を させていただきました。  それから、生活の3つ目の柱で所得保障についてでございます。現行制度の在り方のと ころの2つ目の丸に、これは前回の資料のとおりでございますけれども、障害基礎年金の 水準を引き上げるべきなどの意見もありました。この点につきましては、社会保障制度全 般の一体的見直しに関する議論との整合性、財源の確保などを踏まえ、今後さらに検討し ていくことが必要というふうにさせていただいております。  それから、住宅費などへの新しい課題への対応ということで、まずは低廉な家賃で暮ら せる住まいの場を確保を進めることが重要とさせていただいた上で、おめくりいただきま して、さらに検討すべき点として、住宅費としての直接的な現金給付につきましては、高 齢者施策、あるいは母子施策、こういった施策との整理、バランスということもございま すので、基本的に慎重な検討が必要ではないか。他方、地域移行という観点から必要とな る費用については、これは障害者特有という視点があり得ると思っておりまして、そうい う意味で何らかの対応を検討すべきものがあるかということでご意見をいただければとい うふうに思っております。  それから、次の大きな柱の3つ目で16ページ、障害児支援でございます。障害児支援に つきましては、概ねこれまでの議論でご異論はなかったというふうに受け止めております が、16ページでありますと、ライフステージに応じた支援として早期発見・早期対応と か、気になるという段階からの支援とか、おめくりいただきまして、就学児の支援のとこ ろでは、下のほうで通所施設の地域を支援するという役割を強化するとか、通所施設の一 元化、あるいは学齢期・青年期の支援ということで、次のページですけれども、放課後、 夏休みなどの支援とか、こういったことを書かせていただいております。  それから、相談支援や家庭支援の充実ということでは、何度もご意見をいただいており ますライフステージを通じた相談支援ということ。おめくりいただきまして、それから19 ページ、イのところですけれども、家族支援の充実といったことも書かせていただいてお ります。  それから、飛ばして恐縮ですけれども、20ページで施設機能の見直しということで、入 所施設についても障害種別ということではなくて一元化をしていくということであると か、おめくりいただきまして、その上で、障害児支援のところではこの1点、行政の実施 主体と21ページ、イのところでございます。ここについてでありますけれども、通所施設 の実施主体については市町村とする方向で検討すべきということでさせていただいており ますが、さらに検討すべき点として、入所施設の実施主体について、次の22ページのほう になりますけれども、下線があるところで、児童養護施設などとの措置の実施主体との関 係なども踏まえて、当面は都道府県とすることとしてはどうか。その際、市町村の関与と いうことは相談支援などの面で強めていくこととしてはどうかというふうにさせていただ いております。  それから、あと、法律上の位置づけなどについては児童福祉法を基本ということにいた しております。  それから、なお、障害児支援の見直しについては、社会保障審議会の児童部会におきま しても、この部会で用いた資料によりまして10月14日にご審議をいただいておりまして、 連携を図りながら進めていくべきというご議論がございましたことをご報告申し上げてお きます。  それから、おめくりください。  障害者の範囲につきまして、23ページでございますけれども、まずその1点目で障害者 の定義につきましてであります。さらに検討すべき点というところでございますけれど も、1つ目の丸で、支援の必要性によって自立支援法の対象者を判断することについて、 すぐには難しいけれども検討を進めていく必要があるのではないか、こういったご意見と か、障害者の定義を廃止すべきといった意見がございました。一方、このような考え方に ついては、これは従来ご説明いたしましたけれども、あらゆる福祉的支援を要する人を対 象とする法律になってしまうのではないかとか、市町村の窓口でだれを対象とするのか判 断が難しくなるということを書かせていただいております。こういったご意見を踏まえ て、どのように考えるかということでございます。  次の丸ですけれども、支援の必要性によって対象者を判断することについては様々な課 題があることから、今後、引き続き検討を進める必要があるのではないかということとさ せていただいております。  それから、次の発達障害、あるいは高次脳機能障害につきましては、自立支援法上の障 害者に含まれることを明確化していくということでございます。  それから、難病を身体障害に含めることについては、慎重に検討すべきということで記 載させていただいております。  おめくりいただきまして、25ページ、手帳制度につきましては、身体障害者等手帳との 関係、あるいは知的障害者の定義規定については、従来の論点と同じ内容を書かせていた だいております。  次に、大きな柱の4点目で利用者負担についてでございます。現在、軽減措置を行って いるところでありますけれども、26ページ下のほうでさらに検討すべき点としましては、 利用者負担について、負担が増えているとか、あるいは応能負担に戻すべきとか、所得保 障が十分でないのでできないんだと、こういったご意見がありました。  他方、現行制度におきましては、おめくりいただきましてポツが3つほど並んでおりま すけれども、皆で支え合うことができるとか、利用者と事業者が対等の関係に立つことが できるとか、それから、実質的に応能負担の要素を既に取り入れておりますけれども、そ ういうことができると、こういう特徴があるということで、これらを踏まえ、利用者負担 の在り方についてどのように考えるかというふうにさせていただいております。  それから、現在の軽減措置が21年3月までということになっておりますが、それ以降の 利用者負担の在り方としては、そこの最初の丸にありますけれども、21年4月以降につい てもさらに継続して実施すべきというふうにさせていただいております。それから、自立 支援医療のうち育成医療の中間所得者層の方についてですけれども、これについてさらな る負担軽減について検討すべきとさせていただいております。それから、合算制度につい ては以前の資料のとおりでございます。  報酬については、先ほど申し上げたとおりでございます。  おめくりいただきまして29ページでございます。個別の論点ということでございます。  サ―ビス体系で、まず1点目が日払い方式についてであります。さらに検討すべきとい う枠の中にございますけれども、月払いに戻すべきとか、あるいは一部を月払いに戻すべ きと、こういうご意見があったところでございます。その考え方としては、利用者の欠席 が多い。それから、欠席したときも状況確認などを行っているとか、あるいは請求事務が 煩雑だとか、こういったご意見がございました。  他方、日払い制度を維持すべきというご意見もございました。その具体的な中身として は、30ページにありますけれども、サービスの選択が可能になるとか、公費を使うからに は納税者が納得できるような仕組みが必要であるとか、あるいは利用者本位の視点から日 払い方式が望ましいけれども、小規模事業者への配慮とか、そういったことで単価設定で 配慮すべきじゃないかとか、こういったご意見がございました。こういったものを踏ま え、どのように考えるかということで記載させていただいております。  そこで、仮に月払いに戻したときは給付費や利用者負担の増大を避けるような方法があ るかということ、それから、日払い方式を維持した場合には事業者の安定的な運営が可能 になるように報酬改定などで必要な対応をしていくべきではないかというふうにさせてい ただいております。  それから、サービス体系の2つ目で、標準利用期間についてでございます。標準利用期 間につきましては、そこの最初の丸にありますけれども、明確な目的意識を持って一定期 間で訓練を行う、長期化を回避するという観点から、今後も標準利用期間ということ自体 は原則は維持しつつも、必要な見直しを行うべきではないか。それから、宿泊型自立訓練 については、標準利用期間の見直しを行うべきというふうにさせていただいております。  それから、新体系の移行の促進につきましては、次におめくりいただきまして31ページ になりますけれども、今、30%弱の移行でありますけれども、報酬改定などにおいてさら に配慮することが必要。そのほか、移行促進についてどのように考えるかというふうにさ せていただいています。  それから、入所授産施設の新体系への移行につきまして、障害者支援施設については施 設入所支援と就労継続支援、これを併せて行うことができないことということについてど のように考えるかということであります。  それから、その下の丸で、ただ、人に着目をして、施行前から入所授産施設に入所され ている方につきましては、今は経過措置で24年3月末までとなっておりますが、経過措置 期間が終わる24年4月以降についても、その組み合わせ、入所支援と継続支援ということ を組み合わせて利用できるようにすべきということにさせていただいております。そのほ か、サービス体系の在り方について簡素で分かりやすい仕組みを目指すという観点から、 どういうことがあるかということも併せて書かせていただいております。  続きまして、次の32ページの障害程度区分につきましてであります。  障害程度区分につきましては、2つ目の丸にありますけれども、障害特性を反映したも のに見直す必要がある、そのための実態に関する調査を早急に実施すべきというふうにさ せていただいた上で、さらに検討すべき点として、施設の入所要件との関係でありますけ れども、32ページの一番下の丸ですけれども、生活介護を行う障害者支援施設につきまし ては、障害程度区分4以上というふうに今なっておりまして、こういう入所の要件につい ては、基本的にはこういう介護が必要な重度な方に対して支援を行うという考え方を維持 していくべきではないかというふうにさせていただいております。  ただ、一方、おめくりいただきまして33ページで、区分が4よりも低い方であっても、 ケアホームなどで直ちに受け入れが難しいような方についてどのように対応すべきかとい うことです。それから、人に着目して、施行前から入所されている方については、障害程 度区分いかんにかかわらず、経過措置期間が終わる24年4月以降についても利用を認めて いくというふうにすべきさせていただいております。  それから、次に、国庫負担基準についてでありますけれども、33ページの3つの丸は、 これまでのとおりでございまして、両方の意見を書かせていただいております。  それで、さらに検討すべき点として、34ページでありますけれども、改めまして国庫負 担基準を廃止すべきという意見と、それから、基準は必要だけれども額など見直しを図っ ていくべきと、こういうご意見があった中でどのように考えるかというふうにさせていた だいた上で、先回も提案させていただきましたけれども、国庫負担基準そのものは継続を した上で、区分間合算の継続とか、あるいは利用実績などを踏まえた国庫負担基準の額の 見直しなどを行っていくべきではないかというふうにさせていただいております。  おめくりください。  個別論点の3つ目で、地域生活支援事業につきましては、これまで申し上げましたとお り、全国的な均てん化を図りつつどうやって充実していくかということで、さらに検討す べき点といたしまして、最初の1つ目の丸にありますけれども、全国一律の基準でやるよ うな、個人に対して給付される必要性が高い、こういった事業については自立支援給付と することについて検討すべきではないかということで、具体的には移動支援についてどう 考えるか。それから、次の36ページになりますけれども、日中一時支援事業の学齢期の放 課後の対応とか、そういったものとか、あるいは相談支援事業の居住サポート事業と、こ ういったものについては自立支援給付とすることを検討してはどうか。それから、その枠 の3つ目のポツでありますけれども、ただ、地域の特性、あるいは利用者の状況において 地域が自主性を発揮して柔軟に対応するという、そういう地域生活支援事業の利点もある のではないかというふうにさせていただいております。  それから、地域生活支援事業の費用負担の在り方については前回のとおりで、小規模作 業所の移行促進については、36ページの一番最後の行からですけれども、その最後のほう で、施設規模の小さい作業所や、あるいは人口の少ない市町村の作業所、こういったとこ ろの移行を促進するために、地域活動支援センターの要件というか、より少人数で活動可 能な形態を新設することを検討すべきではないかというふうにさせていただいておりま す。  それから、個別論点の4点目でサービス基盤の整備といたしまして、人材の確保、ある いは資質の向上、それから中山間地などにおけるサービスの確保ということを書かせてい ただいております。  おめくりいただきまして、中山間地などについては、丸がございますけれども、介護保 険制度を参考にした報酬上の加算措置とか、あるいは多機能型事業所における各事業の最 低定員の緩和について検討すべきということを追記させていただいております。  それから、次の40ページで、虐待防止・権利擁護については、虐待防止法制について積 極的に検討すべきとか、前回意見がございました成年後見制度の利用支援の在り方につい て、個別給付とすることも含め、今後さらに検討していくことが必要というふうにさせて いただいております。  おめくりいただきまして、精神保健福祉施策の関係は、後ほど中間まとめのほうをご報 告させていただきます。  それから、介護保険制度との関係については前回どおりでございます。  それから、資料の4は、これまで本文中に別添参照というふうにさせていただいている 資料を、これまで出させていただいた資料を中心に改めて参考資料として整理をさせてい ただきましたので、説明は省略をさせていただきます。  以上です。 ○潮谷部会長  お願いいたします。 ○福島精神・障害保健課長  精神・障害保健課長の福島でございます。  お手元の資料の5に従いまして、先日に取りまとめをいたしました今後の精神保健医療 福祉のあり方等に関する検討会の中間報告について、私のほうから簡単にご説明をさせて いただきます。  この検討会でございますけれども、平成16年9月に出しました精神保健医療福祉の改革 ビジョンにおきます後期5カ年の重点施策群の策定に向けて、ことしの4月から検討を開 始したものでございまして、9月に論点整理を行いました。9月以降、この論点整理に基 づきまして、特に精神障害者の地域生活への移行及び地域生活の支援に関しまして重点的 に議論を行い、今回、自立支援法の見直し等に向けた意見を取りまとめたものでございま す。  基本的な考え方といたしまして、精神障害者の地域生活への移行、地域生活の支援につ きましては、精神障害者の特性を十分に踏まえ、以下の3点を基本的な考え方とすべきで あるとされております。  まず相談支援。自立支援法に基づくものを初めとする相談支援の充実強化を今後の施策 の中核として位置づけること。次の2ページでございますが、(2)で、ケアマネジメント機 能及び相談支援の中核を担う地域自立支援協議会の機能の充実を図るべきということ。そ れから、(3)として、自立支援法に基づく障害福祉サービスと保健医療サービスとの密接な 連携の下で複合的なサービス提供ができる体制の一層の充実を図るということです。その 際に、特に住まいの場につきましては、地域生活を営む上で重要な基盤の一つということ で、国、地方公共団体がその確保のために重点的な取組を行うということとしておりま す。  1ページにちょっとお戻りいただきますが、地域移行という観点では、病院等からの地 域生活への移行だけではなくて、家族と同居している者への支援についても推進すべきと いうことを基本的な考え方としております。  2ページ目以降が個別に対応すべき事項でございますが、これは自立支援法のみなら ず、精神保健福祉法等の制度的な見直し、あるいは報酬における評価の見直し、関係予算 の確保等ということを通じて実現すべき事項を掲げております。  相談支援につきましては、地域生活の拡充のための相談支援ということで、相談支援体 制の充実強化。これは、今の資料の3で、これまでの議論の整理の中で既に方向性が出て おるものと重複しておりますので事項だけにとどめますが、総合的な支援体制の充実、そ れから地域生活の準備のための同行等の支援、あるいは入居時の支援、緊急時に対応でき るような24時間の支援等について充実を図るべきということ。  次のページでございます。  ケアマネジメント機能の拡充、それから自立支援協議会の活性化、そして相談支援の質 の向上ということで、それぞれ書いてある事項の提言がされております。  また、相談体制における行政機関の役割ということでございますが、これは、ここにあ りますように、精神障害者やその家族等からの様々な相談に対しまして、身近な地域でよ り適切に対応できる体制を確保するために、市町村、保健所、精神保健福祉センターが適 切な役割分担と密接な連携の下で相談に応じて適切な支援を行えるような体制の具体化を 図るべきということで提言されています。  次のページでございますが、また、精神保健福祉士の養成の在り方等の見直しについて は、養成の在り方等に関する検討会を開催しておりますが、これはカリキュラムの見直し 等を行っておる検討会でございますけれども、その検討の中間報告を踏まえまして、精神 障害者の地域生活の支援を担うという役割の明確化、保健福祉系大学等における養成課程 の水準の確保や精神科医療機関での実習の必須化、資格取得後の質向上の責務の明確化を 初めとする制度上の対応を図るべきとされております。また、カリキュラムの見直しにつ いて引き続き検討すべきということで、これは引き続き年明けに検討いたします。  また、2つ目の大きな柱として、地域生活を支える福祉サービス等の充実ということ で、1つ目が住まいの場の確保でございます。ここの部分は、これまでの議論の整理と重 複しておりますので省略をさせていただきます。  5ページ目で、生活支援等障害福祉サービス等の充実についてということで、特に訪問 による生活支援の充実ですね。訪問による生活訓練の評価の充実を含めて図るべきという ことです。  それから、ショートステイについて、特に精神障害者について入院予防的な使い方、あ るいは一時的な休息をとるための利用について、この評価の充実を図るべきとされており ます。  また、就労支援の中で3つ目の丸、下から2つ目の丸でございますけれども、社会適応 訓練事業につきまして、精神障害者の特性に応じたきめ細かな支援が実施されるように、 その機能について障害者施策全体の中でその位置づけを明確化し、都道府県等への支援を 図るべきとされておるところでございます。  次のページ、6ページでございます。  特に家族に対する支援ということで、精神障害者本人だけではなく家族を支えるととも に、本人と家族との自立した関係を構築することを促すという観点も踏まえて、効果的な 家族支援を一層推進すべきと書かれております。  大きな3つ目の柱が精神科救急医療の充実・精神保健指定医の確保でございますけれど も、(1)として救急医療の充実ということで、都道府県による精神科救急医療体制の確 保、モニタリングの実施等について、制度上位置づけるべきであるということ。それか ら、精神科救急医療と一般救急医療との連携についても制度上位置づけるべきとされてお ります。  また、精神保健指定医の確保につきまして、都道府県等が医療機関及び指定医の協力依 頼や輪番制等の体制整備に努めるよう促進すべきであるということ。指定医については、 措置診察等の業務や、あるいは精神科救急医療等の精神医療体制の確保に協力すべきこと を法律上規定すべきとされております。また、指定医について、5年に1度の更新がござ いますけれども、失念等により、更新期間を超えた場合については、再取得の際に一定の 配慮を行うように制度上対応すべきとされております。なお、指定医の資格更新の要件と しての措置診察と業務への参画等については、なお将来への検討課題としたところでござ います。  また、4つ目の柱として、入院中から退院までの支援等についてということで、精神障 害者の地域生活への移行、地域生活の支援等の推進体制について制度上位置づけるべきと されるところでございます。その際に、精神保健医療福祉に従事する者について相互連 携、協力を図って、地域生活への移行、地域生活の支援に取り組む責務を明確化すべきと されております。あと、以下の2点は、これまでの議論の整理の中でも重複しております ので省略いたします。  IIIでございますが、今後はさらに精神保健医療に関する事項、あるいは国民の理解の深 化に関する事項について、さらにその中間取りまとめに盛り込まれていない事項について の議論を集中的に行って、来年の夏ぐらいまでには取りまとめをしたいと考えておりま す。  以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  これまで皆様方が積極的に出していただきました様々な議論を事務局のほうで資料1か ら4、ここにまとめていただいたところでございます。大変今日は議論がまた多岐にわた ろうかと思いますので、少し整理をした上で皆様たちの意見をちょうだいしたいと思いま す。  まず、平成20年の障害福祉サービス等経営実態調査の結果と報酬、それから、これまで の議論の整理、この中で、できましたら前半と後半と分けさせていただきまして、1ペー ジの相談支援から22ページの障害児支援、ここ辺りまでを区切らせていただこうと、この ように思っております。そこで、前半をまず報酬、それから調査結果、これでご意見をち ょうだいしたいと、このように思っております。どうぞ、貴重な時間ですので皆様方から のご意見賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。どなたからでも。  伊藤委員。 ○伊藤委員  今日は多岐にわたっての議論でございますので、早目にお話をさせていただきます。よ ろしくお願いします。  最初に報酬の件でございますが、やっと経営実態調査が出てまいりました。それを背景 にしまして、ご承知のとおり、来年の4月に予定されている介護保険制度における介護報 酬改定の議論と同様に、「介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関 する法律」というのがあるわけでございますが、それらを踏まえて報酬全体の見直しと、 加えて人材の確保に向けた施策の推進をしっかりとお願いしたい。  さらに、過日も自民党のヒアリングがあった際にも話が出たとおり、サービスの質の向 上と安定的な事業経営を可能とする自立支援給付費の見直しをぜひともお願いしたいと、 こういうことでございます。 以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ほかに皆様、ございませんでしょうか。  星野委員。 ○星野委員  たしか始まるころに、この経営実調についての心配を私は皆さんにもお話をしたと思い ますが、1つは、19年度の単年度だけで考えることというのは一体どうなのかなと。支援 費制度時代、それから17年度、18年度、19年度、といった流れで見ていかないと、なかな か実際の変化といいますか、実情が出てこないということが1つ。  それから、そのときにもお話をしましたが、私のところでも半年に1人、職員の補充が できないままでした。非常勤でも一生懸命探して駄目でした。先週の土曜日、ほかの法人 の理事会に出席したら、そこでは25人の職員のうち4人が上半期、採用できないで非常に 苦しそうな報告がありました。今の人材確保の話につながりますが、結果的に、その人件 費が浮いたという流れが裏腹にあるわけですね。ですから、そういった中身もきちんと見 ていただきたいし、今日のペーパーを見ても、新体系に移行すると途端に常勤率が大変下 がっていく。この辺の質の問題等々、非常に不安に思います。  本当に、今日の発表と実際の現場と大きく差があるのはどうしてなんだろうと思いなが ら、さっきから考えていたんですが、私ども、最初から赤字というのは想定して事業は運 営できませんし、そういう意味で言えばいろいろな工夫をした結果ということになりま す。会員の中では、本当に苦しそうに手当を下げたとか、あるいは期末手当を下げたと か、あるいは本俸を下げたとか、本当にそういう状況があります。この一覧を見ても、就 労継続支援B型の1人当たり常勤の給与、この額も大変低いところにほかと比べてもあり ますし、そういう私どもの会員の声が、やはりこういう数字にも出ているという思いを持 って見ておりますので、それが結果として何%プラスになったということで進めていって ほしくない。中身をぜひきちんと見ていただきたいというふうに思っております。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ほかにございませんでしょうか。  安藤委員。 ○安藤委員  安藤です。この経営実態調査結果について質問したいんですけれども、いいですか。  私、施設を経営をしていないもので、この調査結果のどこが問題なのか分からないので す。18年10月から施行された結果の報告だと思うんですけれども、その結果について、厚 生労働省としてどのように分析し、どのような課題や成果があるのかというような評価が 出ていない感じです。 施設を経営をしている人たちには内容が理解できると思うのですが、私などは、これがい いのか悪いのか、プラス面やマイナス面の評価が出ていないので分からないんですけれど も、これが分からないと、この2年間の経営とか成果等がつかめないので、分かるように 説明をお願いしたいと思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。分析の結果、何がそこで読み取れるのかというようなことを 含めて事務局側に質問されております。どうぞ。 ○藤井障害福祉課長  この経営実態調査でございますけれども、まさに調査結果として出てきておる数字、特 にポイントとして今回調べておりますのは、収支差率、それから直接処遇職員の常勤率、 あるいは従事者1人当たりの給与につきまして、3つのポイントを今日の資料でも上げて ございます。これをどのように分析をするかというところは、正直なかなか難しいところ がございます。先ほど星野委員からもございましたように、単年度だけで見ていいのかど うか、あるいは収支がプラスだからといって、それだけで何が判断できるのかといったよ うなお話もございまして、したがいまして、まさに初めての調査でございまして、過去と 比較するというようなこともできませんし、分析という意味では難しいところがございま す。  ただ、この調べた中で申し上げられますことは、まず確かに収支は、障害児の関係を除 きますと全体はプラスでございますし、新体系、旧体系とも収支で言えばプラスになって おるわけでございますけれども、ただ、そのプラスが何で、どんな格好で出てきておるか というところを見ようとしたときに、その下に書いてございます直接処遇職員の常勤率と か、あるいは従事者1人当たりの給与とか、この程度の水準だというか、かなり低い水準 ではないかというふうに考えております。したがいまして、全体的に見ますと、かなり人 件費を節減するような形で何とか収支をプラスにしているというような、そういう格好が 見てとれるというふうに考えております。  したがいまして、私ども、今回の報酬改定に当たりましては、今日の資料の一番下にも 書かせていただいておりますけれども、この調査結果だけで何かを判断するということで はありませんで、この委員の先生方のご意見を踏まえまして、サービスの質の向上、ある いは人材の確保、経営基盤の安定等の観点から総合的に判断することが重要じゃないかと いうふうに考えておるところでございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。ぜひ皆様方も、事務局のほうから出されている資料の1− (1)、このことを念頭に置きながら、さらに調査の数字をご覧になられて、ご意見も深めて いただきたいと思います。  どなたからかございませんでしょうか。いかがでございますでしょうか。  小板委員。 ○小板委員  経営実態調査についてなんですけれども、多分17年度と18年度を比較すると、かなり18 年度は落ちているはずだというふうには思っております。じゃ、19年度はどうかという と、そこには経営努力というか、むしろ切れるところは切っていくという、そういうこと があって、これがプラスになってきているはずだろうというふうに私自身は理解していま すし、また、この調査が始まるときにも、各施設の人たちからも、うちの前には人員を削 減したんだと、あるいは非常勤についてはもう切っていったんだということがあって、結 果的にはサービスの低下につながってきているということが実態があるんじゃないかなと いう気がいたします。  それから、先ほど星野委員も言われたとおり、新事業体系のところでかなりの常勤率が 低いということとか、そういったことについては、やはりこの状態を見れば、なかなかそ う簡単には移行はできないということしか結論としては出ないんじゃないかという感じが しますね。ですから、もちろん給与水準についてもかなり低いことは確かですので、思い 切った対応をしないことには、これはちょっと難しいのではないかという感じがいたしま す。  特にへき地ですね。中山間地というのがあったんですけれども、へき地の人たちからい うとかなり深刻な状況。つまり経営努力、例えば通所でいけば、余分に通所に来ていただ くというようなことはできないわけですから、そういう努力ができないということが実態 にはあって、都会ならいざ知らず、そういう状況があるので、これはもっと厳しい状況の 中身のところというのを、やはり我々としては実態はどうなっているかということを見学 するなり何なりして、その状況なんかをやはりきちんと把握しないと本当のことが分かっ てこないんじゃないかなという感じがいたします。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ほかにございませんでしょうか。  岩谷委員、お願いいたします。 ○岩谷委員  質問です。こういう常勤率とか年収とかという数値は、ほかの産業とどのように比較さ れているのでしょうか。こういうことを主張しようと思うと、経営団体からは、ほかに比 べてどうかということが必ず出てくるように思いますが、いかがでしょうか。 ○潮谷部会長  事務局、何か。 ○藤井障害福祉課長  ほかの産業と比較するとなりますと、調査のスペック上の問題ですとか、なかなか難し いものがございまして、とりあえず手元にデータなり資料なり持っておるわけではござい ませんが、1つだけ今手元にございます。割と近いところで、先般発表になりました介護 保険の介護事業の経営実態調査、こちらのほうと幾つか数字を比較をしてみますと、例え ば訪問系サービスで、介護保険で申しますと訪問介護ということになりますが、訪問介護 ですと常勤率が、これは40.8%という数字が出てございまして、また訪問介護の常勤職員 の1人当たりの給与が約270万というような数字が出てございます。これに対しまして障 害のほうの訪問系サービス全体で申しますと、常勤率が19.3%、それから常勤職員の給与 年収ベースですが258万円というような、そういう数字が出てございます。いずれも介護 と比較いたしましても低い水準になっているというようなことが見てとれます。もちろん これも必ずしも調査のやり方が全く同じというわけではございませんし、それから、例え ば経験年数ですとか、あるいは年齢ですとか、そういった要素を勘案したわけでもござい ません。ごくごく単純な比較でございますけれども、そういう意味では厳密な比較ができ るわけではございませんが、それぞれの調査から出てきている数字を並べますと、今申し 上げたようなことになってまいります。 ○潮谷部会長  岩谷委員、さらに。 ○岩谷委員  介護のほうでは、この年収が年齢別にたしか出ていたと思います。介護の方たちは、40 歳になっても家族を養うことができないということを非常に強く言っておられると聞いて います。こちらもそういうようなデータをそろえていただけますでしょうか。 ○藤井障害福祉課長  申しわけございません。この調査そのものについて申し上げれば、年齢別のデータはと ってございませんので、これを分解してというのは正直難しゅうございます。 ○潮谷部会長  ほかにございませんでしょうか。  野沢委員。 ○野沢委員  児童デイサービスで働いている職員からぜひ言ってくれと言われたので一言だけなんで すけれども、これ、32%減というのは、ちょっと余りにもだなと思うんですね。ほかのと ころ、結構プラスになっているところでも厳しい、厳しいと言われている中で、じゃ、32 %も減らされてどうなっているのかと。ちょっとその前も単価が高かったということもあ るのかもしれませんけれども、私の知っているところでは、日曜日でも夜中に行っても働 いていたりするんですね。人が少ない。もう非常勤だらけで、それでも赤字になっちゃっ て、朝早く老人ホームへ行ってアルバイトをしたりしてしのいでいるというのが実態だと 思いますね。ただ1つ言いたいのは、職員の待遇が悪いからといってサービスの質を落と すなんていうことは絶対にやめてくれと言っていますし、彼らは絶対にそんなことは、利 用者を楯にするような言い方はしないと、それは当然だと私は思います。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  北岡委員。 ○北岡委員  この実態調査で、全体として6.1%プラスという数字が出ていますが、私も今、何人か の委員の方がおっしゃったような感想を同じく持ちます。私が関わっている幾つかの社会 法人では、この数年間の間に3回、また4回の給与規定を見直しをして給与をカットしな がら対応してきたという事実もありますし、本当に毎年定期昇給を2,000円程度に抑えて いる、抑えざるを得ないというところもたくさん多分あるのではないかというふうに思っ ています。また、常勤の職員を非常勤化するとか、そういうことをやりながら、この6.1 %プラスというのが出てきたのであって、これをベースにいろいろと議論をされると、確 かにより現場の混乱はあるのかなというふうに思います。それが1点です。  それから、やはりそのような状況があったとして、新体系へ移行したほうが、より苦し い状況になっているというのは、国はこれまで新体系に移行ということで促しを多分され てきたというふうに思いますし、そこがこういう状況であるということは、非常に新体系 に張り切って行った人たちは、何かちょっと本当にばかにされたような感じがしてしまう んだなということを、これを見ながら思いました。  そういうようなことと、それからもう一つは、この自立支援法、地域生活を実現しよう という大きな流れを推進するという立場にあると思うんですが、この報酬の中で見てみて も、居宅サービス、地域生活を支えていくサービスの中で、報酬の中に占める給与の割合 が非常に他のサービスに比べると高いというふうに思います。そういうことから言えば、 この点についても今後改善が必要なのではないかというふうに思います。今後の報酬の改 定については、幾つか今、厚生労働省のほうからポイントを整理していただきましたけれ ども、やはりこの中でさらにアクセントとして重要なのは、新体系へ移行した人たちがこ のような結果にならないということのための報酬改定と、それから地域生活の促進が十分 図れるというようなことについてのアクセントが、今後報酬改定を行う際に必要になって くるのではないかというふうに思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ほかにございませんでしょうか。  佐藤委員。 ○佐藤委員  1つだけお願いしたいと思いますが、常勤換算という言葉が、このいろいろなことを決 めていく上で登場してから以降、歯止めがなくなったと私は思っていまして、そこを変え ないと、きちんとした報酬体系の計算といいますか、考え方の基礎が出てこないと思って います。とにかく一定の事業を行う上で頭数がこういうふうにそろっていればいいとい う、これは非常に無責任な物の考え方だと思っていて、最近の風潮で言えば、悪しき市場 主義のそのままを持ち込んだような気がしています。  かつて私は、自分が施設経営に携わっていたころは、措置時代も含めてですけれども、 措置費は一銭も残してはいけないと思っていました。事実そのような施設経営をしてきた つもりですけれども、それは、厳格にこの種類の職員は何人、この種類の職員は何人とい うふうに決められていて、その上の計算でこのお金が来ているわけだから、職員を全部そ れにふさわしい張りつけ方をして処遇をして、それでも足りないという感覚はありました けれども、そういうふうに考えていました。措置の時代が終わって契約になると、その契 約ということと引き換えに常勤換算ということが出てきたわけですけれども、やはり非常 におかしいと思います。私は、先ほど発言されたように、施設の直接の経営に今携わって いないので、金額のことを言うのは差し控えますけれども、基本的な考え方として、報酬 をどうするかというときの話の最も根本的な考え方で、常勤換算というわけの分からない 考え方はぜひ排除していただきたいと思います。 ○潮谷部会長  よろしゅうございますか。事務局のほうに部会長としてお願いがあります。この質問手 法が載っておりませんね。結果だけしか載っておりませんので、ややそこ辺りで見えない ところもあるというふうに思いますので、できましたら次回、ぜひ、どのような質問の結 果、この状態が出てきているのかということは出していただければと思います。  それから、問題を共有するために、先ほど安藤委員のほうからも、施設を持っていない ところではなかなか見えがたいところがあるというお話もございましたので、まずは常勤 換算とは一体何であるか、この点について事務局のほうから少しご説明をちょうだいした いと思います。そして、その後で小板委員、お願いいたします。 ○藤井障害福祉課長  今の質問表等の資料の件は承りましたので、次回用意をさせていただきます。  申しわけありません。常勤換算につきまして、余り私も漠としたことを申し上げて、ま た混乱しても申しわけございませんので、後ほどきっちりした形の資料を手元に持った上 で、またご説明をさせていただきたいと思います。 ○潮谷部会長  分かりました。字句によってきちんと…… ○佐藤委員  すみません。常勤換算の件に関しては、私は事業者の側のモラルも低下させることを恐 れるわけで、両方から議論しなければいけないと思って、この常勤換算というものがそも そもどういうことなのかということを役所が言い出したわけですから、きちんと説明なり 何なりをしていただきたい。時として、このことを、いわゆる効率的な経営ということで 悪用と言うと語弊がありますけれども、そういうようなことにもなって、結局それが働い ている人たちの身分の安定を欠くということにもなるというふうに懸念しています。 ○潮谷部会長  分かりました。  小板委員、お願いいたします。 ○小板委員  常勤換算、1人の常勤がいて、そしてあとの職員は全てパートでもいいし非常勤でいい と、常勤の換算の総体がその数字になっていればいいというふうなことだろうなというこ とを思っているわけですけれども、実際に我々の知的障害の福祉現場でいけば、やはり、 例えば非常勤の方に、利用者に対してそういうときにはこういうことを指導すべきですよ という話を二、三回すると、その人はやめていくという状況にあります。そういう実態が 実は出てきているわけなんですね。ですから、これはやはり国のほうとしてきちんとした 常勤の配置はすべきだろうというふうに思っていますので、そうすればそれなりな報酬単 価に上げるべきだというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。 ○潮谷部会長  大濱委員。 ○大濱委員  重度訪問介護について、まず申し述べさせていただきたいのですが、重度訪問介護の事 業所では、この経営実態調査によりますと約3,200万の収入。支出もほとんど3,200万。か ろうじて年間30万円ぐらいの利益が上がっているというのが経営実態ですね。経営実調を 始める前から、私どもはかなり厚労省を初めさまざまな方に申し上げているのですが、も う既に重度訪問介護は全ての事業所が新体系に移行しているので、常勤の人も非常勤の人 も含めてかなり時給を下げています。下げた結果、やっとこういう形で何とか黒字を維持 できたのだと思います。かろうじてわずか30万円という数字が出ていますが、これは26件 の調査結果ですので、この30万円がきちんと現実を表しているのかという疑問もあります が、私どもでいろいろ聞いている限りでは、大きな赤字を出している事業所もかなりある と聞いております。  それで、一番の大きな問題として、やはり人材確保ということが言われているわけです から、人材を確保するためには、この報酬単価で、常勤、非常勤を含めて時給を引き下げ て運営しているという状況は異常な形なので、やはりここはきちんと直していかないとい けません。そうでないと、おそらくもう事業者として今後やっていけないし、私たちが利 用者として介護を必要としている時間帯にも介護の人材を確保できない。実態として、私 のところに来ている介護者自身もかなり厳しい状況で、今はなんとか介護者を確保してい るというのが実態です。このことがまず1点。 それから、第2点目は、やはりサービス基盤の整備ということがかなり言われているわけ ですが、本当にサービス基盤が重度訪問介護にはありません。やはりサービス基盤の整備 のためには、やはり重度訪問介護の基本単価の部分をきちんと上げないと不可能です。で すので、今後、重度訪問介護の基盤を整備するためには、やはり基本単価の部分できちん と引き上げるという方向を打ち出していただきたい。以上の2点です。 ○潮谷部会長  竹下委員。 ○竹下委員  座長のほうから、次回質問票等の開示もということがあったので共通しているかと思う んですけれども。私はこれをもらって全部読んでいるわけではないので、きちんと分析で きていないので、ダブっているというか、矛盾していたらお許し願いたいんですけれど も、この調査結果に対し非常に疑問を持っています。なぜかというと2つ疑問があって、 1つは、平均で出すことは間違いだと思うんですよ。例えば、私なんかは経営能力がない んですよね。従来の授産施設、今まで移行して継続Bと日中活動支援をやっていますけれ ども、平成15年度は400万の赤字、今年度上半期で200万の赤字。パート1名減、常勤1名 欠員、今も補充していません。それで、今、僕は職員との間で対立関係がずっと起こって います。  それで、僕は思うんです。統計の怖さというのは、要するに1つ、例えば範囲が幾つに よるかによりますけれども、1つ非常に苦しいところがあって赤字になっておった場合 に、平均がどうなるか、見たら分かるわけです。だから、個票をずっと見ていかないと、 本当の実態は見えてこないと思うんですね。だから、平均値を出すことは僕は間違いだと 思うんですよ。  それから、もう一点は、先ほどから安藤さん等が言われていることと全く同感なんです けれども、この結果から何を読み取れというのかということを出さないというのは、僕は 何のための調査をしているのかと思います。やはりこういう目的というのをわざわざ掲げ ているわけですけれども、この結果から何を読み取るかというところが本来の統計なり調 査結果の重要なわけですから、それをわざと出していないというのは、私は、この場で資 料として提供していることの意味合いそのものに強い疑問を持ちます。ですから、個票ま で見ることは無理にしても、そういう結果をもう少し詳細に、どういう分布になっている かというところも含めて、それから、さらには事業ごとのもっと詳細なというんでしょう かね、例えば相談支援事業だけの結果はどうなるのかとか、それから、訓練員給付だけだ ったらどうなのかというところも、もう少しランクづけと言ったらおかしいんでしょう か、規模別も含めて見えるようなものが欲しいと思います。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  事務局、先ほどのことの回答、出ますでしょうか。 ○藤井障害福祉課長  その前に、今の竹下先生のご指摘でございますけれども、確かに全体的な分析と申しま すか、先ほど申し上げましたように若干難しいところもございますが、そういう意味でま ず3点、収支差率、それから常勤率、1人当たりの給与について全体的なことを1枚目に 書かせていただいたんですけれども、それぞれの事業ごとの数字、あるいは分布のような ものは、こちらの実態調査結果の本体のほうにお配りをしてございます。それぞれにまた 整理をするということになりますと、ペーパー的にも結構また分厚いものになるものです から、ここでは全体的な概観だけ1枚紙の資料にいたしましたけれども、それぞれの事業 ごとの結果につきましては、本体のこの結果のほうをご参照いただければありがたいなと いうふうに思います。 ○潮谷部会長  君塚委員。 ○君塚委員  ただ今の本体の1−(3)の資料の2ページ目でございますけれども、このところで回収率 と有効回収率の差がとても大きい。下のほうに当該サービスが60%以上を超えたものを有 効としているといますけれども、このことがよく分からない。  もう一つは、一番下に障害児の入所と通所があります。障害児といっても7つの体系に 分かれていて、様々な施設があるわけです。その総数が有効で100件と少なく、体系別に 実際の7体系のそれぞれではどうなっているか。  さらには3つ目ですが、肢体不自由児に関しては、通所の場合公立・公営が多く、そこ では行政からの持ち出しというものがとても大きい。民営と公営との格差が大きいという 実態がありますけれども、その辺も出ていないため分からないということでございます。 ○潮谷部会長  以上でございますか。  統計分析、統計解析されたものが、皆様たちのお手元の中の資料1−(3)の中にあります けれども、今、君塚委員のほうから言われております有効回答率が回収数のうちの当該サ ービスの収入比率60%以上のものであるという、この収入比率60%以上という根拠をどこ でとって、この結果が出てきたのか。解析上の疑問が言われておりますので、そこを触れ ていただければと思います。  課長、お願いします。 ○藤井障害福祉課長  今回のこの調査、初めてだということもございまして、回答していただく事業者の皆様 の便宜を考えるという意味から、それぞれの事業所の皆様はいろいろな事業を重ねてやっ ていらっしゃいます。それから、できるだけそれぞれの事業所、幾つかの事業を重ねてや っていらっしゃるんですが、決算報告書をそのまま転記していただけるような格好の調査 をさせていただいております。そういう意味では、先ほど部会長から、あるいは竹下委員 のほうからもございましたように質問票等もお示しをするべきだなというふうに思ってお りますけれども、そういうふうに便宜を図ったことによりまして、実際上がってくる数字 はいろいろな複数の事業が重なり合ったものになってまいります。そこで、例えば居宅介 護なら居宅介護でもいろいろな事業が重なり合ってはいるんですが、その中で居宅介護が 全体の60%以上を占めるような事業者をピックアップして居宅介護として集計をしてい る、こういう格好になっております。2ページの一番下に書いている、全収入の60%以上 を占めるものの件数というのはそういう意味でございます。 ○鈴木企画官  あと、あわせまして公営と民営の関係ですけれども、障害児の通所施設の場合ですと、 全体103のサンプルの中で26が公立ということになっておりまして、4分の1ですね。そ の部分だけ、公立だけで収支差を計算しますとマイナス81.4%ぐらいになるというような ことで、やはりここの障害児通園施設のマイナスがかなり大きいという部分は公立が多く て、公立のほうが相対的には人件費が高いということがございまして、少しマイナスが大 きな数字が出ているのかなというふうに考えております。 ○潮谷部会長  山岡委員、そして星野委員。 ○山岡委員  今、竹下委員とかが言われたところの分析のところなんですけれども、例えば、この資 料1−(3)でいきますと、4ページのところで、さっきから話題になっている児童デイのと ころが収支差が非常に悪いんですね。新体系でいくと上の欄の右から2つ目の列になりま すけれども、収入100に対して支出が132ですね。ここでいきますと人件費率だけで100を 超えているような形になっております。児童デイについては報酬単価が下がったというこ とと、それから年齢別の報酬が受けられて、一定以上のお子さんについては報酬単価が非 常に低くされたというようなこととか、あるいはサービスの中身が少し落ちたというよう なことがありましてこういう形になっていると思うんですが、ちょっとここだけという言 い方をするとあれなんですが、例えばここは非常に大きな差が出ておりますので、今から 申し上げるような中身で分かるのであれば、分析結果を次のときに出していただきたい。 規模別、地域別、それから収支差別ですね。それから、規模別と地域別は同じ列で同じや り方ができるんですけれども、収支差別は縦軸がちょっと分かれます。それから、今おっ しゃっていたところでいくと、単独事業のところと県営事業のところがもし分かるのであ れば、これをちょっと分析していただくと、ここの児童デイのところで恐らく平均値だと 出てくるところで、黒のところと赤のところと規模別とかいうのが少し分かるのではない かと思うんです。ここは非常に収支差がマイナスなので、そういうことをちょっと分析し ていただければというふうに思います。 ○潮谷部会長  山岡委員、確認させていただきますが、この実態調査の結果について、もう一度分析の 方法を変えて、この分科会に出してほしいという、そういうことでございますか。 ○山岡委員  先ほどから言われたように、要因を見るには規模別に要因があるのか、あるいは例えば ─ごめんなさい。もう一つ、1と2とあります。児童デイはその両方やっているかどっ ちかというのがあるかと思うんですが、どこでマイナスが出ているのか。全部がマイナス なのか、1と2両方やっていたらマイナスなのか、1だけだったらマイナスなのかという のがありますし、それから、規模別のところに問題があるのかというようなことが出てく ると思うので、多分今持っていらっしゃる資料の中をそういう別に切っていくと、分布と かいろいろなものが出て、その中でこの中の要因が出てくると。児童デイについては全て が駄目なのか、こういうところならいいのかというのが出てくる。さっきも出ました平均 値がどうなのかと言っているところというのは、全体で見るとプラスのところとマイナス のところがあって、トータルしたらこうなっているという結果しか出ていないので、その 要因をちょっと見ていただきたい。ここは児童デイは非常にマイナスが大きいので、そこ のところの要因を見たいなというふうなことを言っております。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  星野委員。 ○星野委員  間違っていたら正してください。実はさっきから思っていたんですが、児童の大きなダ ウンは、18年のときに成人が自立支援給付になって起きたことが1年後に起きているなと いうふうに私は思っています。ですから3年間の経過を見たいと言っているんですが、措 置時代は我々の施設に来る運営費の補助が翌月払いでした。支援費になって2カ月後にな ったんですね。自立支援給付になって日払いになったものですから計算が難しくなって3 カ月後になったんです。ここに残っている6.1という数字も含めてですが、我々事業者と してみれば、決算時は当然残っていないとおかしいんです。というのは、3カ月の運転資 金を持ちなさいと言われてきた。ですから、4月に払うべきものは請求が来ていれば未払 いで出しますが、請求が来ていない部分はまだ残りになっているわけですね。そういう意 味で、どなたかおっしゃるのを待っていたんですが、そこがこの残という話につながって いる。大人のほうは18年に始まった部分が去年という話ですから、ここで児童のほうが随 分目立つというふうに思っています。ですから、事業に係わることとして皆さんにも知っ ていただきたいのは、措置時代は月払いで簡単でしたから、請求して翌月末にお金が入っ てきます。ですから運転資金はそんなに要らない。でも、自立支援給付になって、今3カ 月後になりましたから、その分の運転資金は持っていいという話になっていますので、そ こもぜひこの数字の中で出てきている分を見ていただきたいというふうに思います。 ○潮谷部会長  伊藤委員。 ○伊藤委員  先ほど佐藤委員のほうから常勤換算の話が出ました。実は、厚労省が決めたのではない かというような話が少しありました。実は私どもとしても入所施設の立場から、いろいろ な要望の中で、逆にそういった取扱いについてお願いした立場にございます。昨今の社会 全体を見ましても、雇用の在り方が多様になり、正社員じゃなければならないということ で通しているところがいかほどあるのか。派遣職員であるとか契約職員であるとか、ま た、パート職員である方の中には、相当有能な方もたくさんいらっしゃると思います。。 先ほどからサービスの質が低下したというお話が出ていますが、それではどれほど、さら には、どの部分のサービスが低下したのかという調査も出ていないと思います。。それに もかかわらずサービスの質が低下したということと常勤換算を関連付けて、好ましくない という結論を出すのは拙速ではないかと、このように思います。  以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  事務局。 ○佐藤委員  すみません。ちょっと誤解があるようなので申し上げたいと思います。私は常勤換算を サービスの低下と結びつけて申し上げたつもりはありません。むしろ公的な資源によっ て、ある意味倒産することがないような状況の中で市場主義を持ち込む。つまり、いろい ろな企業がいろいろな雇用の仕方をするというのは、まさに企業の存亡をかけて競争して いるわけでありまして、それはそれで一つの在り方として容認されるだろうと思うけれど も、我々の仕事にそれがなじむのかどうかということを問題提起をしたかったわけであり まして、リョウショウの処遇がそれによって低下した云々ということは、いろいろなとこ ろにいろいろなことが現象としてあるかもしれないけれども、私自身は現在のところ、そ れを特定する資料を持たないし、つもりもありません。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  事務局、何か。 ○藤井障害福祉課長  まさに常勤換算のほうにまた議論が戻ってまいりましたので、申しわけございません。 ちょっと手間どりましたけれども、常勤換算とはいかなるものかというところを正確かつ 簡潔にというのもなかなか難しいんですけれども、要は、事業所のいわゆるサービス提供 体制を評価をするに当たりまして、非常勤までみんな含めました従業者の勤務延べ時間数 の全体を、当該事業者において常勤の従業者が勤務すべき時間数、例えば40時間ですと か、通知上は最低が32時間を基本とするというふうになっておりますけれども、これで割 ることによりまして、その事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法を いうものであるというふうに規定をされております。  趣旨といたしましては、これは措置費の時代からでございますけれども、例えば施設に おきまして夕食時ですとか、あるいはおふろのサービスを行う際に一時的に多くの職員が 必要な場合などがございます。そういった場合にも対応できますように非常勤職員の活用 も必要ではないかということで、できるだけ柔軟なやり方ができるようにということで、 こういった常勤換算というようなやり方をしてきているという、こういう趣旨でございま す。 ○潮谷部会長  事務局側のお話としては、多様な労働形態に見合う人材の配置ということが意図であっ たけれども、今、委員の皆様方からのお話を聞いてみますと、そのことがむしろサービス 体系、ここに影響を与えたり、あるいは報酬単価そのものに影響を与えたりしていると、 そういった実態もありはしないかと思います。この点については、今後ぜひ報酬単価を考 えていくときに質の担保、多様な人材、そういったところの柔軟性、こういったものも考 えていただきたいと思います。  それでは皆様、今、報酬のことについて、調査のことについて出ておりますが……。  どうぞ、大濱さん。 ○大濱委員  この統計についてお聞きしたかったのは、これは事業規模や派遣時間数というのは、こ の調査項目の中には全く反映されていないのか。それとも反映されているのでしょうか。 それがまず第1点ですね。  そして、この調査項目に派遣時間数や事業規模が反映されていないということであれ ば、有効回答率が非常に少ない中で、これが本当に経営実態を反映しているのかどうか、 非常にちょっと不安になってくるんですが、そのあたりはいかがでしょうか。 ○潮谷部会長  事務局、いかがでございますでしょうか。 ○藤井障害福祉課長  事業規模につきましては、今、数字で出してはございませんけれども、事業規模につき ましてはまた整理をいたしましてお示しを……。 ○鈴木企画官  補足いたします。事業規模は、この調査上はとっておりませんが、要するにこの事業と してやっていますということで、事業実績がないところは当然排除をしておりますので、 統計上抜けております。それから、イレギュラーな数値、間違った回答のものは除いてお ります。あとは、この事業について、先ほどご説明しました60%という、この事業を主に しているということで縛っておりますので、そういう意味では派遣時間数とかとは直接、 この収支は大きいところだけとか小さいところだけとか、そういうことではなくて全部丸 めて平均を出しておりますので、そういう意味では全部込み込みになっているということ になっています。 ○大濱委員  そういうことですよね。それから、派遣時間数の大きいところ、または派遣時間数の小 さいところによって相当経営実態は違ってくると思います。やはりそのあたりが反映され ていなくて、有効回答率も非常に少ないということになってきますと、例えば1つの事業 所が長時間の派遣時間数で大きな赤字だったとか、逆に小さな派遣時間数の事業所が大き な黒字だったとか赤字だったとか、そういうデータが1つ加わることによって、この調査 結果がすごく変動してくる可能性があるわけですよね。これが非常に不安なのですが。 ○藤井障害福祉課長  この調査につきましては、まさにそういう限界があることも十分認識をしておるつもり でございますので、繰り返しにはなりますけれども、この調査の数字だけをもって、何か 報酬改定の中身をこれだけでもって判断するとか、そういうことではありませんで、いろ いろなご意見ですとかをしっかり踏まえながら検討してまいりたいと思っております。 ○大濱委員  よろしいですか。例えば追加として、ある程度規模の大きい重度訪問介護の事業所のデ ータを今後追加するなど、そういう追加作業の時間は全くないという考え方ですか。それ ともまだ若干の時間の余裕はありますか。 ○藤井障害福祉課長  時間的な余裕という意味ですか。 ○大濱委員  ええ。また幾つかの……。難しい。 ○藤井障害福祉課長  再調査というような意味ですか。 ○大濱委員  再調査というか、事業規模や派遣時間数の大きい事業所や小さい事業所を、小、中、大 などに分けて幾つか追加し、集計するということは難しいですか。 ○藤井障害福祉課長  やはり改めて調査をするということは、時間的なところを考えましても難しいというふ うに考えております。ただ、私どもとしても、全体の集計だけではなくて、それぞれの個 票まで見るようなこともできますので、決してこういった集計の出た目の数字だけでもっ て何がしかを判断するというようなことはないように、しっかり考えていきたいというふ うに思います。 ○大濱委員  分かりました。データの信頼性ということについて疑問があったものですから。 ○潮谷部会長  今、データの信頼性というふうに言われておりますけれども、果たしてこれだけの回収 率の中で分析されるということで全体的な傾向と言えるかどうかということの疑問が委員 の皆様方にあるということが1点と、先ほど山岡委員がご指摘になられましたけれども、 子供の領域だけではなくて規模別、そういったものは寄せられたアンケートからも分析で きるというふうに思いますので、できれば集まった70何%のパーセンテージの中から分析 できる項目をもう少し精査をしていただければ……。私はやはり今後、一つの報酬単価と いう点では客観的な資料にもなっていくと思うんですね。そのときにやはり耐え得るも の、そういったものがこの部会の中で示され、そしてそれがきちんと資料になっていくと いうようなことも非常に大事ではないかと思いますので、再度調査をかけられたものをク ロス集計をしたり、あるいは実態像が把握できたり、そういった形で出していただければ ということを部会長としても願います。  また、調査指標の中に、その他というところで意見を聞かれたかどうか分からないです けれども、平成18年の全面的に障害者自立支援法が施行されて、その以前の支援費制度の 中で職員の数がどのように変わったのか、あるいはこの調査のところの中で正式な職員が どれぐらいパートや他の職種と入れかわってきたのか。そういったことももしとらえるこ とができれば非常に─支援費制度のところというのは、これは必ずしもこだわりません けれども、しかし18年、19年、20年、そこら辺りの中で職員の雇用実態がどのように変わ ってきているのかというようなことが、実は経営ということとの関係で、それぞれの事業 者が非常に創意工夫されている点ではないかという思いもいたしますので、どうかもう一 度、実態調査結果を多面的な形の中で分析をしていただければということを、私は今の皆 様方の論議を聞きながら部会長としてお願いするところでございます。  以上でございます。  福島委員。 ○福島委員  この実態調査の話以外のことも含めても構いませんか。 ○潮谷部会長  はい、どうぞ。 ○福島委員  実態調査につきましては、今、座長がおっしゃったように、数字は客観的なもののよう に思えますけれども、何をねらって、だれを対象に、どのように調べて、その結果どのよ うに解釈するかによってどんなふうにもなりますので、説得力のある、有効性のあるデー タにしていただきたいなというふうに思います。  その上で、今の報酬単価の問題でありますとか、それから論点整理の大きな枠組みの2 番目の地域生活のところの問題も含めて考えたときも、私自身は広い意味での所得保障と いうものがやはり非常に重要だろうと思っています。これは障害者自身ということだけで はなくて、恐らく3つあって、1つは障害者にサービスを提供するワーカーや職員の人た ち、それから事業を展開する事業主や施設関係の経営側の人たち、少なくともこの3者が それぞれ一定程度の所得を保障されることが本当に重要なテーマなのだと感じています。 これは前回も申し上げましたが、福祉施策を考える場合に、単純に市場原理や自由競争の 論理を導入するだけではなくて、それらのよい点は使いつつも、やはり公的施策、公的制 度として安定した基盤を一方で用意するということを組み合わせていかないと、早晩制度 自体が破綻すると思います。  そして、じゃ、なぜ報酬が少ないのか、なぜ所得保障が事実上なされないのかというこ とを考えたときに、これは私の意見ですが、大きく2つ理由があるのかなと思っていて、 1つは、福祉関係のワーカーでありますとか経営者については志を求めて、福祉関係なん だから少々悪くてもいいでしょうというような発想が社会全体を含めてあるのではないか という疑いですね。このこと自体、非常に誤ったことだと思っています。もう一つは、障 害者関係の福祉に仮にお金を使ってもリターンがない、経済効果がない。金を使うだけ。 どこかに吸い込まれてしまうような感じで社会全体の経済効果が少ないという発想が、や はり多くの人たちに共有されている面があるのではないか。これは両方私は誤りだと思っ ています。1つは福祉に関わる人たちが十分な収入を得て、きちんと安心して仕事をして いけるという体制を整えないと、もちろん経営側やワーカー自身もそうですが、障害者自 身も困るわけですね。いい人材が集まらないといいサービスはできないし、安心して仕事 ができるという状態がないと、いい制度は生まれないと思います。  もう一つは、2つ目の理由としての経済効果のことですが、人に投資すること、みんな が安心して暮らしていけるようにすることというものはとても大きなことであって、障害 者福祉にお金を使うということは、とても広い意味で日本という国の安定・安全、人間の レベルでの安全保障に寄与する、経済の活性化、社会の活性化につながるということだと 思いますので、そこを基本的な部分は私たちは厚労省の皆さんにアピールしていっていた だきたいなと思っています。  もう一言だけ、障害者の所得保障の部分ですが、今日はまだそこまで議論がいっていな かったですけれども、ついでに申し上げます。ほかの制度、例えば母子家庭とか、ほかの 所得保障を必要とするようなケースとのバランスということもすごく重要だとは思うんで すけれども、障害者特有の問題も一定程度考えるべきだろうと思っています。それは何か というと、端的に言えば、やはり仕事の問題ですね。ワーキングプアという言葉がありま すが、障害者の場合はワーキングはない。ワーキングレスプアなわけで、普通の人の場合 は失業率が話題になりますよね。4%、5%台で大騒ぎになる。障害者については法定雇 用率の話は出ますけれども、これは従業員全体の中に占める障害者の割合であって、障害 者の真の意味での雇用率や、逆に言えば、障害者の失業率みたいなことは余り議論になら ない。でも、ある調査では2けたであるということが言われています。障害者の失業率が 何十%、障害種別で違いますが、要するに普通の失業率とけたが違うわけで、働くことが 非常に難しい。カトク支援が全体的に少ないというベースがありますので、他の制度との バランスということを考える際は、形式的な話だけではなくて、やはり働こうにも働けな いという、可得収入が少ないという部分は十分お考えいただいて、さらに障害者に発生す る有形無形のコストもありますので、その辺も含めて所得保障は考えていただきたい。  全体として、事業者、ワーカー、障害者、この3者がいずれも一定程度の所得保障がな されるような制度設計を目指さないと早晩破綻するし、逆にそういう保障を目指していけ ば、福祉だけでなく社会全体が活性化するだろうと思います。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。非常にソーシャルインクルージョンという、そういう立場の 中からのお話でもあったというふうに思います。  皆様方、今、調査と報酬のことでずっと論議が進んでおりますが、もう一つ、これまで の論点整理のところ、ここをそろそろお聞かせ願いたいというふうに思いますが、いかが でございますでしょうか。  長尾委員、その後、広田委員、お願いいたします。 ○長尾委員  議論の整理のところで、1つは相談支援とケアマネジメントの在り方ですが、2ページ からのところでも、この相談支援の拠点的な機関を設置するということは、これは1つは 非常に結構だと思うんですけれども、以前にも言いましたように拠点的なところだけで済 むのかということがありますし、やはりいろいろな身近なところで相談支援ができる体制 というものが私は必要だと思いますので、やはり多くの相談機関というものがあってしか るべき。拠点的なところは1つは包括的にあっても、周りにそういう相談支援の機関とい うものがあってしかるべきかというふうに思います。  それから、そこのケアマネジメントの在り方ということで、ケアマネジメントというの は、何もサービス利用計画作成がケアマネジメントということではないと思うので、ちょ っとこれと余りリンクし過ぎているのかなと思いますけれども、3ページのところから4 ページにかけて、いわゆるケアマネジメント、モニタリングということは、可能な限り中 立的なものがということで、中立、公正、公平というものを強調するがために、拠点的な 機関が全てを取り仕切って行うということで果たしていいのか。やはりそこの拠点的な機 関というものも、これからどんどん人材が増えてくればいいですけれども、今現在では人 材の確保というのは非常に難しい状況になっておりますし、アセスメント1つとっても、 非常にきちんとしたアセスメントができる人材が果たしてどれだけいるのかということは 疑わしい中で、そこが全てを取り仕切って行うということでなくて、もう少しやはり実際 の現場に携わっている専門家等がサービス利用計画にもっと携わってもいいんではないか というようなことがあります。ですから、そういう面で、できれば相談支援事業者を拠点 的なところにだけ集中させるのではなくて、もう少し分散した、相談支援事業者にもそう いった機能をきちんと持たせていくべきだろう。4ページに、第一義的には拠点的な機関 が行うこととし、一部を委託できるというようなことがありますけれども、これは、その 一部がどの程度になるのかどうかはありますけれども、もう少しこれをフレキシブルに広 げていってもいいんではないかというふうに私は思います。  それから、もう一点は、1つ、6ページに障害者入所施設というのがありますけれど も、精神では、この障害者入所施設はありませんし、グループホーム、ケアホームがこれ から拡充されていくということではあるんですけれども、これまで精神障害者の社会復帰 施設として生活訓練施設というのが、やはりその次に出ていくグループホームとか民間ア パートへ出ていくための一つのワンクッションとして非常に大きな意味を持っていたと。 ある程度の人員も確保しながら、いろいろな生活支援の場として次に行く一つのステップ としてあったわけですけれども、それが今回はグループホーム、ケアホームにぽんと行っ てしまうというようなことになってしまうので、ある程度のそういうワンクッション置け るようなシステムを、もう一度やはり考え直していくことも必要ではないかというふうに 思います。  それと、もう一つは就労継続Bについてなんですが、これは以前にも就労継続Bについ て、就労した人であるとか年金の1級であるとか、就労移行、就労Aを経験した人とかい うようなことになっておりますし、12ページには、今回もやはり本人の能力、適性につい て短期間のアセスメントを行ってというようなことになっておりますけれども、精神につ いては、やはり就労移行へすぐ行くとか、就労Aに行くとかいうことがなかなか難しい人 もやはり多いわけなので、やはり就労継続Bから始めて次のステップへ行けるというよう なことも私はあってしかるべきかなと思います。ですから、この辺については短期間の云 々ということでなくても、どういう形がいいのかはちょっと分かりませんけれども、例え ば一つは医師の意見書等があれば、そういう就労継続Bからスタートしていくというよう なこともあってもしかるべきかというふうに思いますので、その辺も勘案していただけれ ばと思います。  以上です。 ○潮谷部会長  お願いいたします。 ○広田委員  今回の障害者部会をずっと皆勤で出ていますけれど、今日初めて、事業者の皆さんの本 音がやっと出てきたということで、ずっと聞かせていただいていました。  それで、こちらのほうなんですけれど、4ページ目の自立支援協議会の法定化、おとと いもある委員会に出ていましたけれど、本当に地方自治体、委員会に追われていて、今日 は箕輪さんは見えていませんけれど、箕輪さんいろいろな委員に入っていて、あっちへ行 ってもこっちへ行っても金太郎あめで同じ人が出ていると言っていたんですけれど、こ れ、自立支援協議会を法定化するというけれど、地方自治体によっては、例えば今既に障 害者施策推進協議会とかあるわけですよね。自立支援協議会のような機能を既に果たして いるものがあるとすれば、そこを競合しなくても1つで済むようにしないと、委員会ばか りできて、法定化をしてしまいますと、おとといの委員会でも出ましたけれど、もっと回 数を増やしてほしいと。そうしたら、行政に予算がないということなんですね。ここにも 手当が出ていますけれど、ボランティアにすれば手当は要らないだろうと。ボランティア で出てくるから委員会の回数を増やしてくれという話も出ていましたけれども、法定化に しちゃうと手当を出さなければならないということで、ここで決めることはとても簡単だ と思います。頭と口だけで決められますから。だけれども、実際に担う地方自治体のこと を考えると、この自立支援協議会のような役割が既にあれば、それでいいということを入 れておいていただいたほうが、私は、現実的じゃないかというふうに思います。それが4 ページ目です。  それから6ページ目です。長期間入所や入院をしている者が施設・病院の外での生活に 徐々に慣れていくということなんですけれども、現在日本には35万3,000人の精神科病床 に入院患者がおります。そのうちの厚生労働省が何年か前に出した社会的入院の数字は7 万2,000人。それが決して減ってはいない。そういう中で、ワーカーによっては15万人は 社会的入院の患者だというふうにお話しされる人もいます。そういうところにお見舞いに 行くと、前にもお話ししたかもしれませんが、お友達として行っても相談員として行って も、それからまた行政のワーカーが行っても、病棟の中に入れないで面会室までとしてし まっております。ということは、全く病棟の中に他人という人は一人も入れない。今日、 家族、川崎委員が見えていますけれども、家族と言ったらどこまで入れるかといったら、 はとこまで入れる。はとこなんて、私、どこに住んでいるか分からない、そういう現実な んですね。  今、35万3,000人の、ちょっと前の数字ですけれども、7割は自分の意思で入院してい る任意入院です。逆に7割は鍵と鉄格子のある、ある意味では強化ガラスのある閉鎖病棟 なんです。だから、もし伊藤委員がぐあいが悪くなって今晩精神科に入院したとしたら、 自分の意思で行っても鍵と鉄格子のある閉鎖病棟だと、こういう構造になっています。こ こになぜお見舞い客を入れないのかということなんですよ。それで、医者は、前はプライ バシーと言っていました。ところが最近、個人情報保護条例という非常に精神病院にとっ てありがたい法律ができたんですよ。そうすると、これを楯に入れないんですよ。そうい うふうに入れないで、いわゆる人間温室状態にしておいて、北海道の仲間は動物園と言っ ていますが、そういう状態にしておいて、そこに人を入れて退院できるようにする、そう いう、どこのだれが考えても、小学校の高学年の子供が考えてもおかしいと思うことがま かり通っている、この日本なんです。  ぜひ、ここにお見舞い客が入れるような文言を入れていただきたい。何でもかんでも、 いわゆる個人情報保護条例じゃないと。私が盲腸で入院していました。そのときにはみん な来ていましたよ。ほかの病気は行けるのに、精神疾患は伝染病ではありませんから、伝 染病棟じゃないから入れるんですよ。そういう意味で、ぜひここにお見舞い客がきちんと 入れるような形のようにしていただきたい。そのほうが、ある意味では患者は本当に元気 になるんですよ。国立ソウル精神病院に行ってまいりましたけれども、これが精神病院な のというぐらい元気なんです。日本の精神病院は覇気がないんですよ。そのぐらい、もし かしたら国民性の違いかもしれませんけれども、そういうふうにアジアの国をとってみて も明らかに日本の精神病院の中はどよんとしていて、それで覇気がなくて薬浸けになって いてという状態なんですね。そういう状態で1年、2年、3年、4年、5年、10年、20 年、30年入院した人を地域に戻してきて、どういう結果になると思いますか、30年も入院 していた人を。浦島太郎さんや浦島太郎子さんだということです。潮谷さんが行っても閉 鎖病棟かも知れない。そういうことですから、ぜひそこを何とかしていただきたい。厚生 労働省は日本精神病院協会に弱いんですよ。だから、ぜひ皆さん応援してください。よろ しくお願いします。  それから9ページ目、訪問系サービスの在り方です。ここに訪問系サービスというふう に書いていますが、実は精神障害者にとってもホームヘルパー制度がとても重要です。多 くの人が利用しています。そういう中で、もし間違っていたらすみませんけれども、ホー ムヘルパーの研修に精神障害のことを義務づけなくていいというふうになったと聞いてい るんです。それで今問われているのは、もちろん人材の確保と質の向上なんですね。です から、ぜひ精神障害者がホームヘルパー制度を使うことによって、社会的入院の患者が一 人の人間として暮らしていけたり、今また既に地域で暮らしている家族と同居している人 が一人で暮らしたときに安心して暮らせる。また、既に暮らして使っている人が、このま ま継続して使えるようにホームヘルパーの質の向上。ほかのいわゆる職種もそうですが、 質の向上を図るために、もし義務規定を外したのであれば復活して義務規定にしていただ きたいというふうに思っております。  それから、工賃倍増計画は13ページです。これは前から反対していますけれど、反対し ているけれど通っていっちゃうんだろうなと思っていますが、特にその際、官公需の優先 発注、企業の発注促進などを進めること、安定した受注に対応できるように共同受注の取 組をより一層進めるべきとあるんですけれども、さっき福島委員がお話しになったよう に、いわゆる3通りの所得の保障があるということで、そのいわゆる事業者の所得の保障 のために、今日みんなが本音で、報酬単価にとってとても活発な論議がされた。それは大 事なことだと思います。大事なんだけれども、ここまでやっちゃって、前にも言いました けれども、私、自分が作業所の職員だったら、どんどんあちこち回って仕事集めしてきま すよ。既にというか、やっています。作業所の委員をやらせていただいていますから、例 えば引っ越しする人がいたら、その引っ越しは作業所に頼んでくださいと。それから、大 きな粗大ごみを捨てるときには作業所に頼んでくださいという形で─旧作業所ですね。 こういう形でやっています。これをこんな形で厚生労働省を挙げてやっちゃって、職員も これでよしとして、それで、そこにいわゆる行っている障害者も、一般就労に行くよりも これのほうがいいということで居ついちゃって卒業生がいなくなっちゃうということで、 これはある意味で事業者から見ればありがたい話なんですけれども、ありがたい話という のは諸刃のやいばがあって、ある意味作業所の職員の可能性をつぶしちゃう。外に営業に 回って、もしかしたら、さっきから福祉は安い、安いと言っていますが、もっと安い職種 もあるし、もっと高い職種もあります。そういう中で職員も、何もずっと一生福祉にいな ければいけないわけじゃなくて、その人たちがほかの仕事に行って、そこでまたやはり福 祉がいいと戻ってくる。いろいろな生き方の中の選択肢の一つとして、ここで職員にとっ ても、そこに行く障害者にとっても、こんな形でやることは可能性を奪うというふうに私 は感じています。反対です。  それから、その下のほうの就労支援事業に必要なノウハウや技術を習得するための研修 とありますが、ぜひこれ、スタッフを民間企業に行くような研修にしていただきたい。何 かだれかを呼んできて話を聞いているというふうに、いろいろなところに私も研修に参加 する場面がありますが、多くの場面でスタッフが寝ていることもたくさんあります。それ は研修になりません、昼寝の時間ですから。だから、きちんと自分が働いて、働きたい希 望のある障害者にサポートできるような、逆に障害者の足を引っ張っているスタッフとい うのは、精神でいます。ですから、そういうことがないように、きちんとそういう形で仕 事をして質の向上を図る。  それから、前のほうに戻りますけれども、皆さん相談が重要だ、相談が重要だとすごく 言うんですけれども、私、5カ所の機関で相談をやっています。2カ所は有料です。時給 が1,000円のところと1,500円のところ。あとの3つは患者会と精神医療人権センターと人 材センターというところで、これはボランティアです。携帯で夜中の2時まで受けていま して、相談、相談って、これ、スタッフが受ければ相談ですけれども、私は話し相手なん ですね。精神の場合は、相談と一口に言うけれども、そんなに何々が困ったということよ りも、やはり相談という形のコミュニケーションなんですよ。今、私、精神障害者のジャ ンルのいろいろな人と会っていますけれども、実にスタッフの側がコミュニケーション能 力が劣っていて、受信者のアンテナがよくなくて、この精神障害者が電話をかけてきてい るのは何のためにかけてきたかという的確な判断に欠けるんです。欠けるから、本来だっ たら単なる話し相手だったんだけれど、それを相談という形で受け取って、前にも言いま したが、例えば年金の話というふうに来ても、「本当にあなたって年金の話で来ているん ですか」と言ったら、「実は彼ともめています」という話になったりして、だから職員の 問題です。  そういう意味で、相談、相談というのが精神障害者のほうでいうと相談というよりも ─だから、私はよく思います。精神って、心の病って、よく眠れて、食べられて、話相 手がいればいいんじゃないかな。例えば所得の保障なんかだって、私だったら、今フィッ トネスクラブに行っていますけれども、フィットネスクラブは百科事典なんですよ。健康 のことについていっぱい教えてくれるわけです。きのうも高齢者に会ったんです。「あな たね、後期高齢者と言うけれども、こういうところに来ているほうが私の人生で楽しいの よ」って、そういう百科事典のような話を聞いて、どうやれば安眠なのかとか、そういう ことですから、所得の保障というのはただ単に社会資源を使うための所得の保障ではなく て、その人の生活の質ということで、前回は私は国民年金を3級まで出してほしいという 言い方をしておいたんですけれども、あと無年金の課題も残っていますが、いろいろな話 に行きましたけれども、以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。行政相談というフレーズが最初のところで出ました。それか ら、福島課長と連動する中で解決しなければならない課題の指摘もあったかと思いますの で、事務局側、よろしくお願いいたします。  堂本委員のほうから、実は行政の立場として知事会から障害者自立支援法の見直しに係 る提言を、この中に皆さんにお配りをされておりますので、少しお話を伺いたいと思いま す。 ○堂本委員  では、大急ぎでさせていただきます。  今回、全国知事会として障害者自立法の見直しに係る提言をまとめました。その背景と しては、封筒に概要も入っているのでお出しいただきたいと思いますが、自立支援法、理 念は、私ども、身体障害、知的障害、精神障害といった障害特性にかかわらず、福祉サー ビスが利用できる仕組みを一元化するというのはとても評価できるんですが、一方で、法 律が施行されて実際にサービスが提供される中で、現場から1つとして障害の程度区分の 認定の問題、それから2つとして報酬単価の引き下げや、それに伴う人材確保の問題、3 つとして居住する市町村によって利用できるサービスの種類や量が異なっていると言われ ている地域格差の問題があるというのが、ここの場でも提起されていますし、いろいろな ところで提起されていました。そこで今回、全国的に調査をすべきだと考えました。  そこで、千葉県内の障害のある当事者、あるいは全種のサービス事業者に会って、そこ の実態を元に調査票をつくらせていただいて、大変うれしかったことは、全国47の都道府 県全部が協力してくださった。それから、全国の1,700近い、大体日本の市町村の9割に なりますけれども、その9割の市町村からの回答をいただきました。ですので、多くの都 道府県、そして市町村から同意を得られた項目をまとめて今日ここに皆様にお示しするも のでございます。そういった意味では全国の方からの意見というふうに、行政の側ですけ れども、とらえていただいていいのかと思います。  2ページ目をご覧いただきたいと思いますが、囲みの中に入れさせていただきましたけ れども、この中で、今回の提言では障害者の範囲、それから利用者の負担などの制度体系 に関わるような大きな5つの提言と、それから障害者自立支援法に基づく個別のサービス に関する提言から構成されています。特に県内外の障害のある当事者、それからサービス 事業者からの指摘を踏まえると、今回の障害者自立支援法の課題は、その多くは、今日も たくさんのご意見が出ましたけれども、報酬や基準といった運用面での課題、そして今回 提言においては、その課題が見逃されることのないよう、個別のサービスに関わる課題に ついてかなり詳細に踏み込んで提言をさせていただきました。  簡単に申し上げますけれども、障害の範囲はさんざん議論されたことですけれども、障 害福祉サービスを必要としているものの実態として、法の対象外となっている発達障害 者、それから高次脳機能障害の方たちのサービスが実態として受けられるように、ぜひと もしてほしいということ。  それから、利用者の負担の問題です。現在暫定的な措置として行われている利用者負担 軽減策、この効果を適切に検証して評価して、必要な見直しを行った上で恒久化を図って いただきたい。  それから、障害程度区分の認定でございますけれども、障害程度の区分認定の認定審査 項目の見直しに当たっては、現行の3障害共通の認定審査項目を基本としつつも、各障害 の特性を反映するための項目を追加するよう検討をすることをお願いしたい。  それから、事業者の経営基盤の強化。今日たくさんご議論が出ました。報酬単価は経営 実態調査の結果を踏まえて、サービスの質の向上、そして上質な人材の確保及び事業者の 経営安定化の観点から、適切な水準に改定をすることということですが、先ほど福島委員 からもご発言がありましたように、経営実態調査、この調査というのは、調査をどのよう な視点から、どのような方法でやり、そして、それの結果をどのように解析し意味づけて いくかということが今の時点では大変大事だと思います。ですので、今日出ました経営実 態調査についての、特に座長からも大変貴重な指示をお出しいただいたのでうれしく思い ましたけれども、この経営実態調査を簡単に踏まえてしまうのではなくて、きちんとした 形での実態調査である必要があるというふうに今日つくづく思ったところです。  それから、次に移らせていただきますが、地域生活支援事業でございますが、市町村の 必須事業として位置づけられている地域生活支援事業について、市町村間で大きな格差が 生じていることから、国において各事業の実施方法、単価について標準的なモデル等を示 すこと。また、国において十分な財源確保を図っていただきたいということです。  3ページ目ですが、急いでまいりますが、各サービスについてです。居宅訪問サービス について、重度訪問看護及び居宅介護、家事援助も括弧でありますが、中心に報酬を見直 すこと。  それから、介護系施設サービスについて。これは障害程度のみによるサービスではなく て、利用制限の見直しを図ることが大事だと考えます。それから、利用者個人の障害程度 区分に応じた報酬制度を見直すこと。  それから、訓練系の施設サービスについては、標準利用期間について延長可能にする 等、柔軟な対応をすること。それから、就業移行支援事業者の職場への定着支援などの支 援について報酬上の評価をすること。利用者の一般就労に対しインセンティブを検討する こと。  それから、居住系のサービスについてですけれども、小規模の事業所でも安定した運営 ができるよう、現状を十分に把握した上、報酬単価の見直しを検討すること。これは悲鳴 が聞こえるぐらいたくさんの声が出ているところです。夜間支援員、これも非常に大きな 問題なんですが、夜間支援員の制度化など夜間支援の体制の強化を図るよう、報酬体系と 併せて検討すること。身体障害者についても共同生活介護、そして共同生活援助の利用を 認めること。  施設入所支援についてですが、施設入所の要件については、障害程度区分のみではなく てサービス利用の必要性─家族の問題もあるしいろいろございます─を個別に判断す る制度とすること。日中支援と夜間支援のバランスを勘案し、報酬の見直しを行うこと。 短期入所の在り方全般を見直すとともに、夜間預かりのみのサービス体系を検討するこ と。医療的ケアの必要な重症心身障害児・者の短期入所の報酬を実態と見合ったものとす ること。ここも大変重要です。  指定相談支援について。サービス利用計画の作成費の支援対象者の範囲を拡大するこ と。サービス利用計画の作成について、アセスメントを行った時点から報酬を算定するよ う見直すこと。  児童デイサービスについて申し上げます。児童デイサービスについて、IIですが、単価 を見直した上で継続し事業が行われるようにすること。利用者の必要性に応じ、専門職の 配置も可能となるよう、報酬上の加算を制度化すること。  そのほか、当日になって来所を取りやめる利用者の長期利用や、それから長期利用がな い利用者等に対する家族との調整等の支援についても、やはりこれは報酬上、今評価され ていませんが、こういう報酬上評価すること。  以上でございますが、これは千葉県が主になって調査をしましたけれども、全部の都道 府県にまた全て送られまして、全部の都道府県が合意をした上で全国知事会として、これ は提言として出させていただくものでございます。私たち、前回は委員として私、出てい ましたけれども、今回は全国知事会、そういった自治体を代表してここの場に出させてい ただいているものですから、全国の自治体からの提言として提出をさせていただきたいと 思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。大変整理をされた中で全国知事会提言をしていただきまして ありがとうございます。  ちょっと発言されていない方。浜井委員。 ○浜井委員  ありがとうございます。手短に意見を申し述べたいと思います。論点整理の資料6ペー ジ目の刑務所からの出所者の支援についてですが、文言について「刑務所に入所していた 障害者について」と刑務所に限定されています.こういった内容がここに盛り込まれると いうこと自体、物すごく意味のあることだというふうに考えておりますけれども、触法障 害者の方は、刑務所だけではなくて、実は少年院にもかなり多く収容されています。ま た、少年院や刑務所に障害者の方が入っているということは、刑事司法のそれまでの間、 警察の段階であるとか、あるいは検察・起訴の段階であるとか、裁判の段階であるとか、 あるいは医療観察法の段階であるとか、いろいろな場面で、もし福祉のサービスの手が行 き届いていれば、そもそも刑務所や少年院に来なかったのではないかという方がたくさん います。そこで、今回は刑務所の障害者に重点を入れていくということで構わないと思い ますが、今後の支援の可能性をもう少し広げていくという観点から、文言のほうを、例え ばですけれども、「刑務所に入所しているなど刑事司法手続の中で支援を必要としている 障害者について、刑務所出所後などに円滑に地域で暮らしていけるようにするための支援 が必要」というような形で、何らかの形で刑事司法全体を視野に入れていますよというニ ュアンスを入れていただければというふうに思います。  刑務所については、最近、障害者や高齢者の方が多く収容されている事実に目が向けら れ、「福祉の最後の砦」だというふうに言われたりしていますが、実際、多くの障害者や 高齢者の方がいらっしゃるわけですね。その方々と会っていて、もう少し早い段階で何か らの手があれば刑務所には来なかったんじゃないかと思うことがたくさんありましたので、 ぜひそういう形で視野を広げた形で文言を組んでいただければというふうに思います。  以上です。 ○潮谷部会長  ショクホウ、そして法、そこを視野に入れてということでございますので。  それでは大久保委員。 ○大久保参考人  先ほど全体のお話も出たので、ちょっと戻ったお話で、また報酬の細かいお話ではない です。報酬に関わる部分で一応お願いということになるかもしれません。先ほど報酬につ いて問題が出されて、ほぼ私も同じように考えますし、改善すべきだというふうに思って おります。  そこで出てきた問題が、いわゆる常勤換算とか人材確保、こういった話ですけれども、 そこでサービスの質という問題が出てきています。それを客観的に検証するというのは非 常に難しいとか、いろいろありますけれども、そこでこれからちょっと一緒に考えていた だきたいということは、報酬はどの程度改善されるか分かりませんけれども、比較的忘れ られている第三者評価とか苦情解決とか、あと、この自立支援法で評価すべきところはサ ービス管理責任者、サービス提供責任者、これを明確に位置づけて個別支援計画も明確に なったわけです。そして、これの質ですね。実際にどういうふうに機能しているか。こう いったところを含めてサービスの質というものを片方で担保していく必要があるというこ とであります。こういうところについて事業者の皆さんには努力していただきたいという ふうに考えております。  あともう一点ですけれども、相談支援のところだけしかお話ししません。別添資料の2 ページに、サービス利用手続の見直しというのがあります。これは恐らく、ケアマネジメ ントを機能させようということであります。そして、下の図が支給決定に反映させるケア マネジメントということで、これは非常に重要なことだというふうに思っております。支 給決定前なのかとかいうことはありますけれども、恐らくある程度同時進行にせざるを得 ない。サービス基盤整備の状況というのがありますから、ですから同時進行みたいなこと が当然あり得るのでしょうけれども、これが非常に重要である。そして、相談支援事業者 が中心でやるということになろうと思いますけれども、ここで重要な財源としてサービス 利用計画作成費というのがあるわけですね。いわゆる個別給付ですけれども。また、従来 から言われている相談支援事業者の財政的基盤の弱さということがあります。ですから、 今回できる限り全ての利用者に対してサービス利用計画作成費の対象とするというところ とも関連してくると思います。この辺はぜひとも実現していただきたいというふうに考え ております。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  川崎委員。 ○川崎委員  精神障害者の家族の立場で2つほど申し上げます。  ひとつは、今日の福島課長からの検討会のお話の中にもあり、堂本知事からもお話があ りましたし、この部会でも何人かの委員の方からも発言がありました家族支援について、 これは何とか実現させていただきたいと思っておりますので、私どももいろいろと資料な ど提示させていただきますので、よろしくお願いしたいということです。  それともう一つ、相談支援についてですけれども、先ほど広田委員からも言われました ように、精神障害者の相談というのは2つあると思います。1つはやはり専門職による相 談。それによっていろいろと社会資源につながっていけるという相談、もう一つがやはり 当事者同士による相談。これはピアサポートと言えると思いますけれども、全く日常的な お話をする。簡単に言えば、今日1日あったことを1時間ぐらいしゃべっていて、それで 状態が安心していくというような、そういうピアサポートを実は家族会も当事者会もやっ ております。これはほとんど今ボランティアでやっておりますので、このピアサポートを ある程度制度化していっていただきたいということがお願いでございます。  以上2点です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  あと1人、2人。生川委員。 ○生川委員  先ほどの福祉サービス等経営実態調査の件ですね。これの分析に関してですが、できま したら、事前に分析される前に各委員に調査票を配っていただいて、こういう項目、こう いうふうな見方で分析してほしいとか、ああいうふうな見方で分析してほしいということ を、ちょっと事務局の方、大変かも分かりませんけれども、希望を出させていただけれ ば、例えばそれで平均値でいけないということであれば、中央値だとか、あるいは最頻値 というんですか、モードで出すとか、指標を単に代表値を平均値だけじゃなくて、それ以 外のものも見たいというようなことも希望が出せるかと思うんですけれども、できました ら予め、先ほど言いましたように質問調査票をメールで添付ありで送っていただいて、こ ういう分析は可能でしょうかとか、そういうことを出させていただければ、各委員の意見 が反映されるんじゃないでしょうか。ちょっとこれはできるものとできないものがあるか とは思いますけれども。 ○潮谷部会長  質問票の中から分析で、これができるんじゃないかという、そういう見通しをそれぞれ の委員の方々がお持ちになって、それをまた事務局にメールでお戻しをするというような 方法はどうかということですが、これはちょっと事務局、いかがですか。 ○藤井障害福祉課長  検討させていただきます。ちょっと時間的なところもございますので、検討させていた だいて、またそれぞれの委員にご連絡させていただきます。 ○潮谷部会長  質問票が参ったら、どうぞ皆様、思いのある方は速やかに返していただきたいというふ うに思います。  それでは、嵐谷委員。 ○嵐谷委員  すみません。嵐谷です。資料の2の一番後ろ、4ページ、参考資料となっております。 平成19年12月7日、プロジェクトチームの報告ということで点線、枠の中に要綱が書いて ありますが、果たしてこれをどの程度の数値目標というのか、実現可能なのか。ここらは どういう状態なのか。もし今日出なければ、また後日でも結構です。よろしくお願いいた します。 ○潮谷部会長  今のに関連して、事務局、質問の意図はとられましたでしょうか。 ○蒲原企画課長  多分ご趣旨は、これに沿ってきちんと、特にご関心のところは、ちゃんといろいろなこ とを勘案してきちんと報酬を上げるように頑張れと、その見込みはどうなのかということ ですね。 ○嵐谷委員  きちんと実行できるかどうか、ある部分。 ○蒲原企画課長  ここは担当課もありますし、私も財務省といろいろとこれからやる立場でありまして、 皆さんの意見を踏まえて一生懸命、今ちょうどやっている最中であります。これは12月の 中旬まで、予算決定の事項に関係しますので、一生懸命今やっている最中だということだ けしか今は申し上げられません。 ○潮谷部会長  報酬単価に関わって、事務局、委員の皆さんに言わせっぱなしにはしませんよという、 そういうご決意だと思いますが、委員の皆様たちもぜひしっかりとバックアップ体制を整 えていただきたい。社会保障の全体給付枠が非常に厳しい中で障害者自立支援法の報酬を 考えていかなければならないという重い課題もありますので、ぜひ委員の皆様方もエール を送っていただければと、これは部会長の要らざることかもしれませんけれども、お願い いたします。  広田委員。 ○広田委員  さっきさらっと長尾先生が就労のところで、医師の意見書というお話をしていたんです けれども、医師の意見書というのはお金が伴いますので、それと、精神障害者の周囲にい る人ってとても心配性が多くて、本人が働こうとしても周りがストップさせる可能性のと きもありますから、安易に医師の意見書を導入しないでいただきたい、その一言だけで す。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  それでは、竹下委員。 ○竹下委員  短いです。この整理、全部読めていないんですけれども、気になることを3点。  1点は、関係団体ないしは障害者団体等からのヒアリングを行いました。このヒアリン グに出された意見が、この整理に吸収されているのかどうか。どういう取り扱いになって いるのか、1点目。  2点目が、この制度の中で気になるのが、事務局の意見が本当に入っていないのか。す なわち何が言いたいのかというと、この審議委員の皆さんの議論が整理されているのか。 事務局の意見が入っている部分があるように思うので、そこがちょっと気になるのが2点 目。  最後、これまで出た議論が整理という形で落ちているのかどうか。端的に言えば、障害 者権利条約のことは、安藤委員も竹下も言いましたけれども、ここに入っていないように 思うんです。そういう点が気になりました。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  安藤委員。 ○安藤委員  この障害者部会は、全国の障害者の思いやニーズにどう応えるかが最大の課題になって いると思うんです。先ほど竹下委員からも話しがありましたように、ヒアリングでもたく さんの障害者団体が要望を出しました。それを要約すると、一つは、障害程度区分の見直 しですね。2つ目が障害者の範囲の拡大です。3つ目が利用者負担をどうするかというこ と。4番目が所得保障ですね。けれども、この資料を見ますと、障害者程度区分について は見直しの方向が出ていますけれども、障害者範囲とか所得保障とか利用者負担について は、ここに書いてありますように、全てが「今後引き続き検討を進める必要がある」とな っています。「今後検討を進める必要がある」ということは、もう来年以降に問題を先送 りするということになると考えられます。  したがって、障害者の範囲とか所得保障とか利用者負担、これについては全て先送りに なってしまって、この障害者部会は全国の障害者の思いに応えきれないという問題が出て きます。  この前の部会で、私は、抜本的に見直すのか、部分的に見直すのかを方向付けて論議す べきと発言しましたけど、座長さんのお考えとしては、今の支援法をベースとしての見直 しであって、抜本的な見直しは次の段階につなげたいというようなお話がありましたがそ れでよいのかなぁと思います。 この障害者部会としては、全国の障害者の思いやニーズにどう応えるのかが大きな課題に なっていると思うんですね。それをもっと私たちは考える必要があるのではないかと思い ます。以上です。 ○潮谷部会長  事務局のほうから。 ○蒲原企画課長  今日の議論の整理の中でさらに検討すべき点というのが四角でたくさんあります。これ は、この検討会でまさに今日、あるいはあと年末まで何回かありますけれども、まさにこ こで議論をしてもらって、できればある程度の合意が出るようなことで議論してもらいた いということでありまして、ここに書いてあることがもう検討すべき事項で、今回はもう 先送りということではなくて、まさにここで議論してもらいたいという意味でありますの で、ぜひそこは先生方の意見の中である程度方向性なりが出てくるようにお願いしたいと いうふうに思っております。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  時間が来ておりますけれども、先ほど竹下委員が、これまでの議論の整理、このことに ついて3点疑問を投げかけていらっしゃいますので、今回、この議論の整理案の全般のと ころ、まだ十分に皆さんから意見を伺っておりませんので、今後とも竹下委員のご指摘は とても大事なところになっていくと思います。そこで、この時点の中でヒアリングの結果 はどう反映されたのか、それから、事務局側の意見がこの中に整理をされているのではな いか、それから3点目は、権利条約、このことについて将来どのようにするかという点が 論点の中で出てきていないというご指摘でございますので、この点に関して事務局のほう からお答えをいただければと思います。 ○蒲原企画課長  今回の議論の整理というのは、1つは、夏の段階に行いましたヒアリングというのも踏 まえて、かつそのヒアリングと、ここにおけるいろいろな議論を踏まえて整理をしている ものでございます。ただ、確かにヒアリングのときの各団体の項目は非常に多岐にわたっ てございました。やはりここでの議論のいろいろな時間のことを考えると、やはりこの自 立支援法をどういう形で見直していくかという、そういうところをやはり大きなところか ら整理をしていく必要があると思いますので、ヒアリングの中で確かに一つ一つ見ると、 少しここには直接入っていないところもあるのかもしれませんけれども、そこは全体の議 論の中で見直しに向けてやるべきこととして一応整理をしているということでございま す。  もう一点、事務局としては、これはこれまでの出てきた議論を整理したということでご ざいますので、ここ自体で何か事務局がこうだということではないというふうに整理をい たしております。  あと、権利条約の件は、これは前々から出ておりました。我々、実はそこは今回、ある いは次回、ここの議論をしていただくことになると思いますけれども、その過程で、ある いは恐らく個々の項目に沿って権利条約のこの条項と関係しているということがあると思 うので、そこはそういう個々の論点のところで一つ一つ我々は整理をしていきたいという ふうに思っています。それは何か先送りするということじゃなくて、今回の議論のまとめ の整理のところできちんと整理をして、きちんとお答えするようにしたいと思います。 ○潮谷部会長  それでは皆様、時間が来ておりますけれども、これまでの議論の整理、これは前半、後 半ともに次回もう一度というふうに思っておりますが、よろしゅうございますか。 ○蒲原企画課長  すみません。そういうことで、今回の議論の整理については、特に前半のところはまだ まだ足りないところがございますので、次回、後半のことも含めて議論いただきましてお 願いしたいですし、報酬の実態調査の関係も幾つか宿題がございましたので、次回に向け て準備をしたいというふうに思っております。 ○潮谷部会長  それでは皆様、お疲れさまでございました。ありがとうございました。 ○蒲原企画課長  すみません。次回は11月27日木曜日、10時からでございます。場所は虎ノ門パストラル でございます。場所が違いますので、ぜひご確認ください。よろしくお願いします。 (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                    厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3022) (了)