08/11/20 第3回献血推進のあり方に関する検討会議事録 第3回 献血推進のあり方に関する検討会                  日時:平成20年11月20日(木)  10:00〜12:17                  場所:はあといん乃木坂 6F「ソレイユ」 ○林企画官 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまより「第3回献血 推進のあり方に関する検討会」を開催させていただきたいと思います。  本検討会は公開で行うこととしておりますが、もしカメラ撮りされる方がいらっしゃ いましたら、議事に入る前までとさせていただいておりますので、マスコミ関係者の 方々には御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。  本日御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただき誠にあり がとうございます。  本日、飯沼委員、川内委員及び住友委員は、御都合により欠席されるとの御連絡をい ただいております。また、御欠席の住友委員の代理としまして、東京都福祉保健局保健 政策部疾病対策課献血移植対策係の簑正広様に御出席をいただいておりますので、御紹 介申し上げます。  それでは、以降の議事の進行を清水座長にお願いしたいと思います。よろしくお願い いたします。 ○清水座長 それでは、皆さんおはようございます。寒い朝、御苦労さまです。  今日は、議題がお手元にありますような形でございますが、まず、議題2というのは、 今までの議論を踏まえた論点整理を事務局でやっていただきましたので、そのことのお 話をしていただこうと思います。  それから、議題2につきましては、前回、採血基準のことについていろいろ議論があ ったんでございますが、この問題につきましては、医学的な面も含めた専門的な部分の 検討をきちっとやった方がいいのではないかということも考えまして、具体的に専門的 に検討していただきまして、この会にまたその結果を報告させるという形で、ワーキン ググループとして見直しの検討委員会を作ろうかということで、事務局にその案を作っ てもらいましたので、その検討をお願いしたいということです。  それから、議題4の方は、ほかの献血分野以外のところでいろいろな広報戦略等が行 われておりますので、そのことについての具体的な成功例等を踏まえまして、田辺委員 の方からお話をいただきたいと。  それから、議題5の方も、また他分野のことになりますが、「小児がんとの戦い」と いうテーマ等につきまして、ビデオ等をごらんいただきまして、具体的な献血に役に立 つ戦略的な検討をしていただきたいと思っている次第です。  最後の議題6でございますが、各地域における献血、都道府県の献血の実情について の資料を作成していただきましたので、それについて、今後どのように検討を進めてい ったらいいかということについて、それを参考にしながら議論をしていただきたいとい う手順で本日は進めたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。  それでは、まず事務局の方から資料の確認をお願いいたします。 ○秋山専門官 資料の確認をさせていただきます。お手元の資料の表紙ですが、本日の 座席図がございます。続きまして、2枚目に、ただいま座長から御案内がございました けれども、本日の議事次第がございます。次の3枚目でございますが、こちら、資料一 覧になってございます。  順にまいりますと、資料1は委員名簿。資料2は、ただいま座長の方から御案内のあ りました論点の案でございます。  次の資料3は、「採血基準見直しの検討に係るワーキンググループ」の設置について の案でございまして、資料4につきましては、田辺委員から御紹介をいただくイベント 事例に当たる資料でございます。  続いて、資料5は、本日ご覧いただく具体的な広報資材としての映像資料であります 「アンパンマンのエキス」というものの記事でございます。資料5ですが、日本赤十字 社の赤十字新聞記事を転載したものでございますが、「いのちをつないだ献血」とのタ イトルで、これは小児がんと戦った男の子の闘病記ということで記されてございます。 この話は、今申し上げた「アンパンマンのエキス」としてテレビ新広島というところで 映像化されておりますが、この後、実際に映像をご覧いただくということになるわけで すけれども、その際、この資料も参照いただければと思います。  次に資料6−1でございますが、これは、年齢別の献血者の実数のグラフ。第1回目 の検討会では、延べ人数ということでお示ししておったのですが、いくつかの都道府県 につきまして、実数のグラフとして年齢別と献血の年間の回数をお示ししたものでござ います。  それから、資料6−2でございますが、6−1と同じ都道府県における施設別の献血 者数、こちらは、延べ数でお示ししたものでございます。  それから、次の資料7でございますが、こちらは、献血者の増加に関する研究としま して、中央学院大学の田久教授がおまとめになった研究レポートの概要を御紹介するも のでございます。  以上が本日の資料でございます。  なお、これ以外に、前回の検討会で採血基準の見直しに係る研究事業の御報告を河原 委員からいただいたわけですが、御報告いただいた資料に一部訂正があるとのことで、 該当ページの差替えをお預かりしました。本日の資料と併せ配布させていただいており ます。  よろしいでしょうか。 ○河原委員 前回は失礼いたしました。献血の副作用の割合と中身ですが、集計する数 字を間違っていまして、VVRが前回の資料ではかなり低くなっておりますが、これが 正しいというか、平成14年の日赤のデータをもとにした資料です。割合としては今も 変わっていないと思います。  以上です。 ○秋山専門官 ありがとうございます。  以上が本日の資料でございます。 ○清水座長 どうもありがとうございました。  それでは、今の資料、皆様方、お手元に全部そろっているでしょうか。特に問題ござ いませんでしょうか。特に問題ございませんでしたら、早速でございますけれども、議 題2の今までの論点整理を事務局でまとめてもらったのがございますので、事務局の方 から説明していただきます。 ○秋山専門官 それでは、資料2の御説明をいたします。  論点の案としまして、先ほど座長の方からも御説明がございましたが、前回少し議論 をいただきました採血基準の見直しの部分につきまして、論点の案では2番ということ で、採血基準の見直しが挙がっておりますが、この部分につきましては、ワーキンググ ループを設置して、この場とは別に個別の見直し案についてエビデンスの検証等を行っ て、安全に施行可能かどうかの検討を行っていただくということになります。  採血基準の見直しにつきましては、400ml採血につきまして、17歳からできるかど うかについて前回議論されたわけですが、これをはじめとして、採血基準ができた当時 から、これまでの変化に応じて、少し現状にそぐわなくなっている部分があるのではな いかとか、あるいは、基準そのものについて見直した方がいいのではないかといったよ うな問題意識がいくつか出ているかと思いますので、今考えられるものとして、(1)から (6)、さらにその他見直しが必要な事項として(7)として設定しておりますので、これにつ いてワーキンググループの方で御議論いただきたいということでございます。  それで、1番の方でございますが、採血基準の問題以外に、社会や学校の環境変化に 対応した献血推進方策について論点をまとめたものでございます。  (1)から(5)までございますけれども、(1)としまして、高校生献血のあり方ということで、 かつていわゆる集団献血という形で行われておったわけなんですけれども、これが非常 に減ってきているという問題。これは400ml献血の推進の問題とも非常にリンクして いるわけなんですが、高校に行って採血をする献血体験以外の有効な啓発手段は考えら れないか。前回の検討会でも、堀田委員の方から献血出前講座というようなことをやっ ているというお話がございましたが、そういった啓発手段を積極的に考えられないかと いうことについて御議論いただきたいということで挙げさせていただいております。  (2)としまして、地域における献血のあり方ということで、これは後の資料6−1の方 で詳しく御説明しますが、各地域の特性です。都市部、地方の方でも条件が違いますし、 また、ドナーの年齢層によっても少し取組みが変わってくるのではないか。そういうこ とで、地域における献血のあり方ということで、献血推進方策についてそれぞれ具体的 にお考えいただきたいということでございます。  それから、献血バスにつきまして、現在でも地域によってはかなりの量を献血バスに よって採血しているという状況もございますので、その効率的な運用方法について、少 し御議論いただきたいということで、(2)に含めてございます。  それから、(3)は、特に高校生の献血について、件数は減ってきておりますが、そもそ も学校教育における啓発というものをどう考えていくかということについて、積極的な 御議論をいただきたいということで挙げさせていただいています。  それから、(4)としまして、メディア等を活用した広報戦略のあり方。本日、田辺委員 の方からもプレゼンがあるかと思いますが、具体的な広報戦略について、いろいろな事 例を踏まえて、例えば、若年層個人に有効にアピールする広報戦略とはどういったもの か。年齢層、地域の特性に対応した具体的な広報戦略。それから、実際に献血された血 液の使用状況。どのように使われているかといった情報提供が効果的ではないかといっ たあり方について御検討いただきたいということでございます。  最後に、(5)で200mL献血の今後のあり方ということで挙げさせていただいております が、これは短期に結論が出るかどうかわかりませんけれども、今後の方向性について御 議論いただければということで挙げさせていただいております。  それから、3番、その他としまして、(1)注射時の「痛み」を和らげる方策ということ で挙げさせていただいておりますが、これは、前回御提示しました、若年層に対して行 われた意識調査の結果の中でも、「痛いから献血をしない」といった理由がかなりの数 で挙がっておりましたので、このことについても一応論点に挙げさせていただいており ます。具体的には、例えば針を細くすることは不可能かとか、薬剤などにより痛みを和 らげる方法はないかといったことを挙げさせていただいております。  さらに(2)として、今後の課題として取り組むべきものがあれば、ここで挙げていただ きたいということが私どもの方でまとめました論点の案でございます。 ○清水座長 どうもありがとうございました。  これから具体的なデータ等に基づいて議論が行われる課題も含まれておりますけれど も、一応ここに挙げました課題で、こういう点がちょっと不足しているのではないか、 ここのところはちょっと表現がおかしいのではないかとか、いろいろな御意見があろう かと思いますが、今御説明いただいたことについて、委員の先生方から何か御意見ござ いませんでしょうか。こういう点が抜けているのではないかとか、あるいは、ここのと ころはこういうように考えた表現にしておいた方がいいのではないかということ。  2番のことにつきましては、また後で設置基準的なものについて御議論いただくこと になるんですが、2番の16、17歳の採血をどうするかという議論によって、また1番 に反映させるようなこともあったりする部分もありますので、1番と2番はある程度不 可分な部分もありますが、それはまた後の議論中で論じていきたいと思っておりますけ れども、何か。どうぞ。 ○河原委員 比重落ちとかヘモグロビンとか、それで特に若年者の女性が献血できない ケースがあると思うんですが、よく日赤でも議論されていると思うんですが、健康指導 によって採血基準に到達するような食生活というか、日常生活の指導をやるとかいう議 論をよく聞くんですが、そういう献血の基準落ちのいわば献血の予備群ですね。そうい う方たちを献血者に移行させるような方策というのは、1の中のどこかに入っているん ですか。 ○秋山専門官 今の御質問でございますけれども、1の(2)の地域における献血のあり方 の中にドナーの年齢層ということがございますけれども、ここは資料には具体的にはお 示しできていませんが、性差の問題、性別の問題もあろうかと思いますが、その中で何 ができるかということにつながるのかなと。明確ではございませんが、この中に包括さ れると思っております。 ○清水座長 今の問題は、古くて新しい問題で、国民の健康管理とも関わっていきます ので、これは献血全体に関わる問題ですから、どこかに独立項目で入れましょうか。そ の方が明確になっていいでしょうかね。何か日赤の方で意見ございますか。中島先生、 現場として。 ○中島委員 私たちも対策を検討している途中でございます。まだ明確な方策は出せて おりませんけれども、少なくとも献血会場においでいただいたということは、献血に協 力しようという意思はおありなので、残念ながらその日は断らざるを得ない方を次に何 とか献血してもらえるようにしたいとはずっと前から思っておりました。これは私たち だけではなかなか決められない面もありますが、検討課題として入れていただければ大 変ありがたいと思います。 ○清水座長 では、これ、感染症マーカー等は論外なんですが、特に比重落ちというの が一番多い。特に女性では多いということは昔から言われていることでございまして、 そういうような、要するに、献血に来たけれども、採血基準に満たなかった人たちに対 する対策をどうするかというのを独立項目で入れましょうか。では、それを入れること を考えていただいて、より明確にするという意味でどうでしょうね。 ○秋山専門官 それでは、整理いたしまして、次回までに論点の中に独立項目として入 れることとしたいと思います。 ○清水座長 では、そういう方向でいきたいと思います。  そのほかに何か検討課題。 ○大平委員 ここの論点整理にもう少し細かく具体的な項目を入れるというお話になる んでしょうか。例えば、学校教育における啓発というのは、多様な問題があると思うん ですけれども、例えば、教科書に入れる問題ですとか、それからまた、学校の中でのク ラブ活動みたいなところとか、何かそういうのを具体的にここに項目として入れちゃっ た方がいいのか、それとも全体として学校教育における啓発というところの中で全部含 んで済ませてしまうのか、そこがはっきりしなかったものですから。 ○清水座長 その問題につきましては、これから具体的に議論を詰めてやって、そして 後でお話ししようかと思ったんですが、一応中間報告的なものを作りまして、年内に血 液事業部会というのが開催されますので、そこでこういう検討をやっていますよという 形での報告をしようか。中間報告的なものに立ち上げていきたいと思っていますので、 今回あるいは次回にわたって、もうちょっと具体性のある内容を付与して報告書に仕上 げることができればと。最終報告は3月ぐらいをめどに考えているわけですが、そこで 議論、これから具体的に詰めていくように議論を進めたいと思っているんですが、それ でよろしゅうございますか。 ○大平委員 それで結構だと思うんですが、あと、社会や学校の環境変化に対応した献 血推進方策の中に、例えば、血液センターの形ですとか、それからまた、移動採血車の 問題とか、後で出てきますけれども、そういう採血のあり方、採血する場所のあり方と か、そういう問題というのは、もうちょっと高校生とか若い人たちが献血しやすい環境 というところでは、ここではどういう形で取り上げられるのか。そこは論点にならない んでしょうか。 ○清水座長 それは論点にもちろんなってこようかと思うんですが、今まで具体的にこ うあるべきだとか、こうすべきだというような議論は余り詰まった形で行われていたと いう記憶がないものですから。また、これはあくまでも今までの議論の論点と若干今後 の論点というような形でまとめてもらっていますので、これにもうちょっと具体的な内 容を付与していくというのはこれからの作業だと思うんですね。ですから、今論じてい ただきたいのは、ある意味では大項目的、中項目的なもので、こういう項目を挙げて論 ずるべきではないかということの御議論をいただきたいというのが今の段階でございま すけれども。個々についての具体的な検討は、これから進めたいと思っているんですが、 よろしゅうございますか。もし今ここで中項目的なものでこういう点を挙げておいた方 がいいという御意見があれば、それを出していただければと思いますが。  例えば、学校教育における啓発なのか、高校生献血のあり方のどっちに入れるかはと もかく、移動採血車による、集団採血ですね。それをどうするかということを具体的に 中項目的なものとして挙げて議論するというような形で言っていただければ、それは入 れていくということで全然問題ないと思いますが、何かそういう具体的な、大・中項目 的なもので、細かい具体的な内容については、これからの議論によると思いますけれど も。 ○大平委員 今、私が申し上げたかったのは、そういう移動採血車も含めて、採血の環 境について、若い人たちが採血しやすい、例えば親しみの持てるようなものというのは どういうものが考えられるのかなという採血環境の問題について、ここで論点の中に入 れてはどうかなというところを提案しただけなので、具体的な、じゃ、それについてど ういう形がいいのかどうかというところはまた御議論いただければと思います。 ○清水座長 わかりました。そうすると、どこに入れればいいでしょうかね。2番の献 血バスの効率的な運用に若干関係してくるかとも思うんですが、ここに具体的に入れる べきだとか、あるいは独立項目にして入れるべきだとか、それについての御意見ござい ませんか。 ○大平委員 具体的というか、別に立てた方が項目としていいのではないかなという。 採血環境のあり方というところのような形で別の項目として立てて、その中で献血バス の効率的な運用方法とか、そういうものも入ってくるのではないかなと思うんですけれ ども。 ○清水座長 そうしますと、むしろ(2)のところ、献血環境として地域における献血のあ り方というのを中項目にした方が、今の大平委員の意向に沿うような感じもしなくはな いんですけれども、どうでしょうか。事務局、何かお考えはありますか。 ○秋山専門官 今ございます1番の(2)の地域における献血のあり方。タイトルが「地域 における」というのが出ていますので、ちょっと入れにくいところがございますが、こ の中で、今、大平委員が御指摘の内容を含めておると解釈しておったんですが、やはり (2)としてのタイトルで、献血環境あるいは採血環境のあり方ということで設定すれば、 この中で十分明確に読めるのかなと思いますので、可能であればそのように整理したい と思いますが。 ○清水座長 今の大平委員の御意見について、何かほかの方で御意見ございませんか。 どうぞ。 ○花井委員 今の事務局のお話でいいと思うんですが、「地域における献血のあり方」 というのは、これまでの議論からすれば、どちらかといえば、1つは、推進のあり方で すね。リクルートのありよう。それから、献血バスというのは、後から出てくるグラフ 等で、都市部はルームに依存していて、地方ではバスの方が多いとか、そういうことが 含まれているからここに入っているんだと思うんですが、そこは推進と環境ということ、 2つを含むという形でありようと整理すれば、今、大平委員が言った話と、事務局の話 とで整合するように私は思いますけれども。 ○清水座長 では、その点についてはまた事務局で具体的に検討してもらうことにしま しょう。  ほかに何かございませんか。堀田委員とか羽田委員、何かございませんか。よろしゅ うございますか。  それでは、ほかに特にございませんでしたら、今の議論等を踏まえまして、再度事務 局の方で検討してもらうことにいたします。  それでは、次に資料3に行きましょうか。採血基準の見直しに関するワーキンググル ープの設置について御説明ください。 ○秋山専門官 資料3の御説明でございます。  「採血基準見直しの検討に係るワーキンググループ」の設置についての案でございま すが、1の目的としましては、先ほどお話ししたとおりでございまして、採血基準の関 係ですね。個別の見直し案等について、エビデンスの検証等を行う。安全に実施可能か どうかの検討を行うということでございまして、(1)から(7)までをとりあえず設 定してございます。  それから、ワーキンググループの運営につきまして、3番の(1)にございますが、 財団法人血液製剤調査機構の方で行っていただきたいという御提示でございます。海外 の情報を含めまして、さまざまな調査研究を行っておりますので、財団法人血液調剤機 構さんの方である程度の知見をお持ちだという点を生かしたいと思いまして、形として は、検討会からの要請によりこの調査機構により運営を行っていただきたいということ でございます。  2番の組織及びメンバーの構成でございますが、メンバーの構成案につきましては、 ただいま調整中でございますので、調整がつき次第、次回の検討会で御案内したいと思 っております。  基本的には、(1)ワーキンググループは、7〜8人程度のメンバーで構成したい。  (2)座長を置くこととする。  (3)として、座長は、会務を総理し、会を代表する。  (4)ワーキンググループは、必要に応じ、関係者から意見を聴取することができる。  (5)としまして、検討会の委員、この検討会ですね。委員の皆様と、私ども医薬食 品局血液対策課は、オブザーバーとしてワーキンググループに出席することができると いうこととしております。  それから、3番の(2)でございますが、運営に関し必要な事項は、調査機構が座長 と協力の上定める。また、検討結果は、この検討会に報告し、了承を得るものとする。  それから、このワーキンググループにつきましては、原則非公開で開催したいという ことでございます。科学的な知見について評価を行うということでございますので、非 公開ということを原則としたいと考えております。  以上でございます。 ○清水座長 どうもありがとうございました。  ここに書いてあるように、2番の(5)のところに、この検討会の委員の方々には随 時オブザーバー的に御出席いただけるという形にしておりますので、関心のある場合に は御出席いただいて、場合によっては座長からの指名により発言等もしていただいても よろしいかと思うんでございますが、目的のところも、具体的に今までの議論等を踏ま えて、あるいはそのほかの問題点、現在の採血基準の問題点と思われるようなことを一 応は挙げておきました。検討会で自由というのもいいかとは思うんですが、ここでこう いうことは少なくとも検討すべきだということだけは決めておいていただいた方が、目 的がしっかりしていいのではないか。もちろんここに挙げたこと以外のことは当然検討 課題として取り上げてもらうようにしてほしいと思っているわけでございますが、全体 として、まず、ワーキンググループを設置することについて何か御意見ございませんで しょうか。先ほどちょっと私、説明申し上げましたけれども、こういうようにすべきだ とか、何かその他の内容とか、その他について御意見があればお伺いしたいと思うんで すが、よろしゅうございますでしょうか。 ○衛藤委員 この目的の2行目以下、(1)から(4)に掲げた、これは(4)でよろ しいんですか。下は7項目あるんですけれども。 ○秋山専門官 失礼しました。誤植でございます。これは(1)から(4)ではござい ませんでして、(1)から(6)ということになります。個別の見直し案ということで あれば、(1)から(5)というのが正確かと思います。それ以外に、インフォームド コンセント、ドナーの安全対策についてという問題意識と、その他見直しが必要な事項 ということがございますので、(1)から(5)ということで訂正したいと思います。 失礼いたしました。 ○清水座長 (6)というのはどういうことになるんです。(1)から(5)までは具 体的なことですね。インフォームドコンセントとドナーの安全対策については、未成年 者のことですよね。これは検討課題に入らないという考えでしたっけ。 ○秋山専門官 失礼しました。2行目でございますが、「以下(1)〜(4)に掲げ た」と書いてありますが、個別の見直し案等についての等がございますね。失礼いたし ました。(1)から(6)でよろしいかと思います。 ○清水座長 (7)は、その他、もっとここに掲げていないようなことがあれば議論し ていただこうということでございますけれども、山本委員、何か。 ○山本委員 多分どこかに入っているんだろうと思っているんですけれども、前らか言 うように、今、精神的にうつ病とか、そういうところで若い子とかも増えているので、 あと、リストカットしている子も増えているので、そういう精神面とかも当然この中に 入っているんでしょうねという確認だけですね。要するに、健康面だけじゃなくて、脳 味噌のあたりというか、心のあたりというか、そういう人も入っているのかどうか。 ○清水座長 今の山本委員のお話は、むしろここで議論していただいた方がよろしいの ではないかなと思うんですけれども。ワーキンググループの方はもっと具体的に、どち らかというと医学的科学的な議論を主体にしてまとめてもらいたいと。そして、改めて ここでもう一度それを議論していただくという段取りにしたいと思っているんですけれ ども。 ○山本委員 医学的科学的に脳のこととか全部つながっていると思っているんですけれ どもね。食育をやっていますけれども、要するに、そういうところが今一番研究される べき分野の一つだと思うんですね。これだけ90人も毎日死んでいる国ですから。自殺 している国ですから。ですから、そこを気にしているというか、特に若い子から採血す る場合、ルールが決まったからといって、バーンと入っていって、どういうつながりが あってみんなおかしくなっていったんや、献血したらという話が後になっては、僕とし てはこのメンバーにいることですごく恥ずかしいので、そこをカウンセリングの先生な のか、脳科学の先生なのか、そういうところを入ってくるのかなと。ドナーの安全対策 について、未成年者の。そのたびにだれかが入ってくるというのを検討されると思うん ですけれども。 ○宇都木委員 脳科学の人が入ったからといって、余り解決しないんじゃないかと思う んです。ただ、それに関するデータをこの検討委員会で集めるぐらいということぐらい はしておいて、そうすると、ここで論ずることができると思うんですね。ちょっとそん なことを思いました。 ○清水座長 ここのワーキンググループの設置を考えたのは、この前の議論ですと、例 えば、採血をして、さっきちょっと河原委員から訂正の副作用のデータが出ましたけれ ども、そういうようなことを踏まえて、じゃ、年齢を16でもいいのかとか、精神的な 問題も具体性がないと言われると、そういうわけにもいかないかとは思うんですが、現 在、採血基準となっている項目を主体として検討するということをワーキンググループ の課題にしたいと思っているんですが。精神的なこととか、そういうことは、むしろ献 血推進の方において非常に大事だということは思うんですが、そうかといって、採血基 準と不可分の部分ももちろんあるかとは思うんですね。そこで、不可分な部分について は、むしろこの場で議論をしていただいた方がいいのではないかと思いまして、ここに 具体的に挙げたのは、どちらかというと1番から5番が主体で、もちろんこれを、例え ば16、17歳の採血を実施するということになりますと、未成年者であるんですが、問 題は200ccの採血はインフォームドコンセント等なしで現実には行われてきているとい うこともあったりしますので、新しい400とか成分採血をもし16、17歳で導入すると いうことになりますと、具体的にそれを実施するためには、インフォームドコンセント をどう扱うべきかということになってくるかと思うんですね。  そういうようなことで、このワーキンググループには極めて具体的な、イエス、ノー の結論が出やすい課題だけを取り上げたいと実は思っておりまして、それに関係する周 辺的な問題とか、その及ぼす影響の問題とか、そういうようなことにつきましては、こ の場で議論をしていただく方がいいのではないかと。  ですから、もしワーキンググループで挙がってきた具体的な事項について、山本委員 が考えておられるような観点から見て、ここのところはどういうような形でこうなった のかとか、それで納得していただければ、それはそれで結構だと思うんですが、いや、 そうでないなら、こういうようにワーキンググループのまとめてきたことを修正すると かというようなことは、この会でやってもいいのではないかと思っているんですけれど も。そうでありませんと、ワーキンググループというのは、極めて具体的な課題をイエ ス、ノーで決めていっていただきませんと、物事が進まないという意味で、ワーキング グループを設置したいという趣旨で考えているんでございますけれども、どうでしょう か。 ○山本委員 よくわかるんですけれども、完全にずれているのは、例えば健康な、精神 的に病んでいない人を中心に物を考えて、具体的に(1)から(5)までのことを考え て、16、いけるでというのはわかります。それはわかります。ただ、もっとわかりやす く言うと、この後に出てくる、例えば他分野における広報戦略とか、具体的な広報資料 の紹介とか、要は、みんな何のために集まっているかというと、献血推進のあり方なん ですね。つまり、献血する人間が減ってきているので、その人たちに献血してもらうた めに、僕は1回目から言っているように、愛の話をしなければ意味がないと言っている わけです。この検討委員会、僕は戦後60年たって、先輩らの恵みを受けて、ぼくたち が今、愛の話が欠けていたねということに気付いて、愛の話と一緒にやらなあかんよと いうことを僕は訴えているわけですね。ということは、愛の話でもし今後啓発した場合、 「愛や」と言って飛び込んでいるやつに、傷を負ったやつが多いわけですよ。マザーテ レサでも、傷を負っている人だからやさしくなれるんだと言っているように、そういう 人にそういう広報戦略でいっちゃうと、当然、人のためになりたい、せめてという人も 増えるわけですよ。  そのときに、もちろんこれは8割でもいいですよ。8割、(1)から(5)の問題を 取り上げていいですけれども、2割ほどは脳科学の先生が、心とは別の先生だというの がよくわかりませんけれども、ただ、ちょっとそういう話を聞いたことがあるので、心 と脳との関係というのを。だから、そういう意識を持って心理学の先生に意見を聞くな り、あるいは血を抜くことで精神にどういうものを来すのかとか、例えば精神不安定の ときに、そういうものが血液に及ぼす影響だとか、そういうことも踏まえた方がいいの ではないですかというのは、この項目のどこかに入っていますかという質問なんです。 ○清水座長 この案を作った段階では入っておりません。それで、どうしましょうか、 その問題は。どうぞ花井委員。 ○花井委員 今、山本委員の話を聞いていて、ずっと以前から問題意識としては持って いながら、うっかりしていたというか、ここではインフォームドコンセントの話が出て いますよね。通常、献血は、問診の話があって、先ほど、インフォームドコンセントの 話を例にとって言えば、以前の資料に、アメリカの保護者に対するお手紙があって、あ れは必ずしも事務的なものではなくて、ある種の物語性がありますよね。つまり、献血 に対する精神性とか、そういうものが文脈が存在していますよね。ワーキンググループ では、確かに法律的にこういう意思決定を判断し得るかどうかという、いわゆる機能的 な問題については論点とされると思うんですが、山本委員がおっしゃったように、心の 問題というのは、前のペーパーの論点整理で言えば、新たに入った献血予備群の対応の ようなところへも関係するんですけれども、問診のありようというのが1つあると思う んですね。問診が、日本の問診と海外の問診、ヨーロッパの問診を比べると、違うと思 うんですね。今、問診がどう改善というか、変わってきたかというのは日赤の人に教え てほしいんですけれども、その中でちょっとカウンセラー的な、もしくは公衆衛生教育 の場でもあり、ある意味でカウンセリングスキルもあるという問診体制がヨーロッパに は結構あるように思うんですけれども、そういったことと絡めて、若干検討課題として 入れるのはいいことではないかと。その中で、多少カウンセリングというか、サイコロ ジカルな専門家の意見が必要であれば入れていくということは意味があるとは思います。 ○清水座長 どうぞ。 ○大平委員 多分、山本委員の話を伺っていて、誤解かもしれないんですけれども、最 初に私が前回のときにお話しした経緯としまして、採血基準の問題については、素人の 言葉で言うと、間違っているかもしれませんけれども、生化学的な感じで、本当に血液 の成分の問題として、体にどういうふうに影響を与えるかどうかというところの問題を きちっと議論していただいて、それもってすぐ16歳の問題とか、そういう問題に波及 するのではなくて、最終的には総合的に論点の1のところに戻ってきていただいて、そ してそこで、本当に16歳でいいのかどうかということも含めて、精神的な問題も含め て議論するという。それの全く少し別枠と言ったらおかしいんですけれども、清水先生 が言われるように、科学的な問題としての、本当に血液の科学的な問題としてきちっと 人体への影響の問題とか、若い人たちへの影響の問題というのを整理していただいて、 そこに今花井委員が言われたような、未成年のインフォームドコンセントとか、そうい うところというのはかなり1の部分で議論すべき問題ではないかなと思うんですね。で すから、採血基準のワーキンググループの中で、インフォームドコンセントとかの問題 について、目的の中には含まれていますけれども、(6)の問題というのは、論点の1のと ころで議論すべき問題かなと私は考えたいと思いますね。  その中で、インフォームドコンセントの中に入るのかどうかわかりませんけれども、 全体としてワーキンググループから上がってきた体の問題について、それを社会的な問 題とか精神的な問題も含めて、論点の1の方できちっと議論して、そしてそれを成果と した方がいいのではないかなと思うんですが。私の思いとしてはそういうことでござい ます。 ○清水座長 ほかの委員の方々、どうでしょうか。 ○田辺委員 1番の目的の6番目にあるんですけれども、海外との比較を念頭にという 部分で、以前から思っていたんですけれども、国際社会の中での献血推進というところ において、日本は今どういう位置にあるのかとか、国際基準ですね。何かそういったこ との検討がどこかでされると思うんですけれども、そういうことがとても必要なんじゃ ないかなと。日本の献血の歴史もあるでしょうし、やはり島国的な、日本のドメスティ ックなというような部分がすごく感じられて、じゃ、国際的に見たらどうなんだろうか ということも、この場で、多分検討されるんじゃないかと思うんですけれども、是非そ ういった国際的な位置付けの日本における献血のあり方というものを考えていただきた いなと。それはこの場なのかなという気がするんですけどね。 ○清水座長 今の国際基準との比較につきましては、前回、調査機構の鈴木さんから外 国の事情についてのお話を伺ったわけですが、このワーキンググループも、当然外国で どうなっているかということは十分参考にさせてもらうように考えてはおります。  今、山本委員の御意見について、ワーキンググループ設置についての何か御意見ござ いませんか。 ○田辺委員 確かに山本委員も花井委員もおっしゃったように、精神的なことというの は、医学的にも十分必要であるべきだと思うので、そこは何らかのケアを具体的に、例 えば、おっしゃるように教育のところにも入っていくと思いますし、具体的な何かツー ルの部分でそれが消化されるような気もするんですけれども、できたら、そういう精神 的な部分の検証がここに盛り込まれる方がいいのではないかなと思うんですね。 ○清水座長 どうぞ。 ○宇都木委員 田辺委員のおっしゃることもわかるんですが、ワーキンググループとし ては、大平委員の言われたように、少し限定をしておいて、ここの場に出してから違っ た種類の問題と併せて論ずる方がいいと思うんですが、ただ、何分時間的に狭い中で行 わなければいけませんから、ワーキンググループの結果が出てから、そしてまた改めて 精神的な問題とやっていくと、とても時間がかかっちゃうと思いますので、精神的な事 柄についてのデータというのはどういうふうに当たられるのかよくわからないんですが、 どこで、ワーキンググループが集めるか、ここの委員会として集めるかということも、 どちらがいいかわからないですが、そこに僕は着手しておくべきだと思うんです。時間 的な関係があるので。 ○河原委員 精神的なものはもちろん重要だと思うんですが、ワーキンググループとい うのは、客観的なデータで結論を出していく必要があると思うんですが、例えば、この 前私が説明した200から400に拡大するということになりますと、採血と結果の間に1 対1の因果関係がはっきりするんですね。だけど、精神的なものというのは非常に重要 だと思うんですが、献血のほかにも、例えば家庭の環境とか学校とか職場とか、判断す る因子がいっぱい出てくるので、献血との間に1対1の因果関係がなかなか立証できな いので、これは多分研究班を組織しても難しいと思います。どういうふうにしたらいい か私もわかりませんが、この場で取り上げるとしたら、かなり大きな負担になると思う ので、時間的制約もありますから、この会で出すのは、1つは科学的な根拠に基づいた 血液政策ですから、それが一番重要だと思います。それから、精神的なのは、問診とか インフォームドコンセントとか、そういうところで現時点でやれるところを最大限改善 していくということで私はいいかなと思います。 ○清水座長 どうぞ。 ○山本委員 もう45分なので、僕はDJなもので、時間が気になってしようがないん ですけれども、ただ、シンプルに、皆さんのおっしゃっていることは全部よくわかりま すし、実際、うちのリスナーが献血に行って倒れているんですよ。ここで命がそのまま 亡くなるかもわからないです。二十歳以上の子ですよ、その倒れているのは。でも、い っぱい聞いているんですよ。だから、僕はこうやって訴えているわけです。  科学、科学と言うけれども、前向きに生きようと思ったら人間は、それこそキラー細 胞が生まれてがん細胞を倒していく、これは実証されているわけじゃないですか。だか ら、科学的に精神的なものと肉体的なもの、医学というのも検討できないかということ を僕は実例があるからお願いしているだけなんですね。実際、時間がかかるのは僕はわ からないですけれども、時間がかかると思うし、今、河原委員がおっしゃったように、 どうやって集めればいいかちょっとわからない。それで、これは時間がかかるなという イメージがありますので、それよりも、どっちかというと、どうやったら献血する人が 増えるかということを話し合う場なので、当然優先させたいし、それと、さっきも言っ たように、僕ははっきり言って、愛を訴えていくことがこれを広めることだと思ってい ますので、そのときに、実際にぶっ倒れて死んじゃうやつが一人でも出たら困るので、 一応懸念として挙げておきます。  それと、この6番に「ドナーの安全対策についてどう考えるか」というのが入ってい ますので、それも僕の懸念しているところはこの中に入ると思います。精神的なものね。  それで、その下に2番の5番にオブザーバーとしてワーキンググループに出席するこ とができると書いてありますので、時間があるかどうかわかりませんけれども、オブザ ーバーで入っていって、もしそういう流れで何か発言できることがあったら、オブザー バーとして入っていきたいなと思いましたので、もうこの件に関しては次に進んでもら っていいです。 ○清水座長 では、できるだけ医学的科学的なテーマを主体として、委員の方々にはオ ブザーバー的ですけれども、オブザーバーとして出席していただきまして、議論の過程 の中で、これは今の山本委員が言われるような問題を絡めた考えで検討をしなければな らないというような御意見があれば、その場で発言していただくというような形でワー キンググループは発足させたいということでよろしゅうございますか。 ○山本委員 全然賛成です。 ○清水座長 それでは、一応ここに具体的な提案として1から6番を挙げてございます が、これを主体にしまして、これにオブザーバーとして出席してくださった委員の方々 がさらに御意見があれば、それを追加なり何なりして組み入れていくというような形で ワーキンググループを運営させていただくということで御了解いただけたということで よろしゅうございますでしょうか。 (委員うなずく) ○清水座長 では、そういう方向でワーキンググループを設置するということにしたい と思いますので、よろしくお願いいたします。  ほかに何かありますか。 ○秋山専門官 事務局から1点御提示したい点がございます。ただいまの御議論を踏ま えまして、資料2の論点の案でございますけれども、先ほど御指摘のあった1の(2)のと ころ、「地域における献血のあり方」というタイトルになっておりましたが、ここを 「献血環境」あるいは「採血環境のあり方」というタイトルにしたときに、この中に先 ほど御指摘のあった、問診又はインフォームドコンセントのあり方についてといったこ とを1行中項目として加えることで整理したいと思っておりますが、いかがでしょうか。 ○清水座長 特に問題はないと思いますが、よろしいですか。  では、そういうことでまとめていただくことにしたいと思います。  それでは、次の議題ですが、議題4でしょうか。ほかの分野での広報戦略というのが いろいろありますので、まず、田辺委員の方からイベントの成功例についてのお話を伺 いたいと思います。よろしくお願いします。 ○田辺委員 前回の検討会で献血推進にふさわしいメディアということで、私、当たり 前の結果ですねというふうに申し上げたんですけれども、私どももマスメディアの一翼 を担っていることをやっているんですが、献血推進にふさわしいという思いで幾つかピ ックアップさせていただきました。「感動」というマーケティングというのがあると思 いまして、具体的に言うと、皆さんわかりやすい意味では、例えば日本テレビの全国ネ ットで「24時間愛は地球を救う」とか、これは山本委員がよく言う「愛」というテー マで社会貢献の24時間マラソンをやってというようなこと、車椅子を増設したり、病 院をつくったり、夜中じゅうから募金を集めて、そういったことをやっていく。それは 1つの大きなよくわかる例だと思うんですけれども、実は私ども、音楽というメディア と一緒に1つのメディアを作っているわけなんですが、今、若い人の興味の対象、何が 興味があるかということを申しますと、1つに音楽、もう一つはファッション、これは ずっと変わらないですね。今まで。もう一つは、今まで車というのがあったんですけれ ども、車というのがこのところ3番目じゃなくなっちゃったんですね。何かといいます と、多分想像がつくと思うんですけれども、携帯とかインターネット。携帯とインター ネットはほとんど同じなんですけれども、車が若者の興味の対象ではなくなってきて、 これはこれで大きな問題なんですけれども、そういう意味では、ずっと何十年も変わら ず若者の興味の対象というのは音楽とファッション。これは多分皆さん経験されている と思いますし、今、団塊世代が定年になって何がはやっているかといったら、音楽なん ですね。おやじバンドと言われる世界がありまして、これはどういう音楽かというと、 青春の音楽なんですね。若いときに触れた音楽をもう一度やりたい。これはいわゆるお やじ音楽ということになるんですけれども、おやじバンドとなるんですが、実はこれは 青春そのものなんですね。まさしく若者マーケットをとらえるには、音楽という、アー ティストという、それもファンに育てられたアーティストが、またそのアーティストの 言葉に触れるファン層という、これがすごく献血推進の1つの、特に若者をとらえると いう、心をとらえるという、感動をつくるというマーケットにぴったりなんじゃないか なと思っておりまして、その実例を幾つかここに事例として置いてあります。  ここで後ほどごらんいただきたいんですが、体感するのが一番わかりやすくて、実は 昨年の秋口10月から1つのキャンペーンを始めまして、今見ていただくのは、SDD ライブという、これは何かといいますと、ストップ・ドランク・ドライビングの頭文字 をとりましてSDD。飲酒運転の撲滅キャンペーンの展開でございます。飲酒運転撲滅 キャンペーンというのは、言葉で言うと非常に重い感じがして、何か献血とつながるも のがあるのではないかなという気がするんですね。  なぜこういうキャンペーンを張ったかといいますと、4年前の福岡の飲酒運転の事故 で、幼い3歳のお子さんが海に沈んだということが、とても悲しい出来事。亡くなった 家族も大変な思いをしていますし、事故を起こした本人、また、その家族、とても悲し い状況になっていますね。物すごい犯罪なんですけれども、とても犯罪者とは思えない 人がそういう事件を起こす。物すごく涙を誘いますし、被害者も加害者の家族の方も涙 を誘うんですね。こんなことはあってはいけない。お酒を飲んでいる間はとてもいい人、 とても愛らしい人が、車に乗った瞬間に、事故を起こした瞬間に、極悪人になってしま う。これは何とも言えない1つの事件でありまして、こういうことを何とかなくしてい きたいという。そのキャンペーンを張るのにはどうしたらいいんだろうということで、 特に若い人が車でそういうことになるわけで、その啓発をするのには、若い人に影響力 のある人、影響するもの、それは先ほど申し上げたように、音楽とアーティストの熱い 言葉、それから、何人もの人間が熱い言葉でいろいろな人たちに広報活動をしていくこ とを昨年行いまして、実は今年の2月20日に、我々は小さなメディアなんですけれど も、大坂城ホールで、1万1,000人のホールですね。東京で言うと武道館ですね。象徴 的なホールで代表するアーティスト12組の方々に集まっていただいて、音楽を通じて アーティストの言葉で飲酒運転撲滅を集まった人たちに伝えた。  それはどういう状況になっているのかというのをこれから見ていただきたいと思うん ですけれども、とても感動ということがそこに見えてくるんですね。その感動が、最終 的にどういう結果になって、いろいろなマスメディアがそれを取り上げたかということ もあわせて、まずは1つの例としてごらんいただきたいと思います。その一部のこのイ ベント、キャンペーンのプロジェクトリーダーでありますスターダストレビューの根本 要さんのワンステージだけごらんいただきたいと思います。 〔DVD上映〕  ステージの模様が、これは1万1,000人入りますが、この応募された人は10万人。 そのうちの1万人がここに集まりました。12組のアーティストが2曲、3曲歌うんで すね。通常ですね。変えてください。 〔DVD上映〕  こういうマックスさんとか、本来だと若いアーティスト。ただ、このプロジェクトリ ーダーは根本要さんと言いまして50歳なんですね。若い人にとってはわからないかも しれない。だけど、みんなが1つになって、1万人が総立ちで歌を歌う。  これは、この後、いろんなテレビ、新聞で紹介されたリポートです。 〔DVD上映〕 ○山本委員 田辺さん、もういいんじゃないですか。時間、時間。テンポよくいきまし ょうよ、田辺さん。 ○田辺委員 はい。実は、この企画、昨年のグランプリをとったんですけれども、ここ にいる山本委員が、ここの総合司会、DJをやっていただきまして、熱い思いで飲酒運 転というのをキャンペーンをしたということで、実はこれがアーティストの中でどんど ん伝播して広がっていきまして、今年もキャンペーンを張り、来年の2月20日、大坂 城ホールでさらにボリュームアップして、ビッグアーティストが出てくるという、どん どん広がっていくわけですね。そういうイベントが1つの事例。  これに伴い、実は先だって、先週ですけれども、「きずな」というプロジェクトが生 まれまして、これは家族のきずなをもう一回見直そうということで、今は悲惨な事件が 起きている中で、きずなを、家族のきずな、人のきずなをもう一回見直そうということ で、きずなプロジェクト。これもSDDから発展して、交通遺児育成基金の方からの紹 介で、日本交通自動車連盟(JAF)さんが45周年を記念して、こういう社会貢献の イベントをやりたいということで、全国展開で同じような形で先日行いました。音楽と いう媒体が人の心を震わせ、そういったプリミティブなきずなですとか、飲酒運転とい う、何人かの心をきちっと伝えることができたかなという1つの成功事例ですね。  それから、こういうような社会貢献型のイベントというのは、資料に置いてあります けれども、例えば、「コスモアースコンシャス」という、これは地球環境保護という側 面で。 ○清水座長 何ページですか。 ○田辺委員 これは9ページですね。9ページ、10ページ、これは世界アースデーと いう4月22日に、これは日本武道館から全国展開をするというイベントでございます。 当時、これが始まった90年というのは、まだまだ地球環境というところに目が行かな かったんですけれども、今や地球環境、エコというのは当たり前の世界になってきてい る。  それから、11ページ、12ページのところで言いますと、プーケットのスマトラ沖大 地震の被害の音楽、アーティストの力を借りて復興を行ったということ。  それから、13ページには、四川の大地震におけるその復興のイベントを行ったと。  それから、14ページに、これは、今、ラジオの最長寿番組、ジェットストリーム。 城達也さんが行ったという午前0時から始まる1時間の、毎週月曜から金曜まで、ジェ ットストリーム。FMができたときの衝撃的な番組だったですね。今でも続いていると いう、大長寿番組が、これも国境を超えて、楽団がウィーンで第九を歌うというような イベントをやっているとか、音楽という媒体を熱い人間が行う、ファンを持った人たち。 そのファンに対して音楽で返していく。それも熱いメッセージとともに返していくとい うことが、多分、献血という、これを推進していくという、だれでも知っている言葉な んだけれども、その意味がきちっと伝えられない、伝わっていかないジレンマに、何か 感動というものが心を動かすということがこれを推進していくのではなかなろうかなと。 特に若い人たちに啓蒙していくには、こういった感動のメディアを使っていくというこ とがふさわしいのではなかろうかなと、1つの事例として御紹介いたしました。 ○清水座長 どうもありがとうございました。  それでは、時間の関係がありますので、次に「アンパンマンのエキス」についてのこ とを先にお話を伺って、それから、皆さん方の御意見を伺いたいと思います。 〔DVD上映〕 ○清水座長 どうもありがとうございました。  1つは、一般的なというか、直接献血を対象にしたものではありませんが、もう一つ は、直接献血を対象にしたものですが、この両方併せて、特に前半の映像が今後の献血 推進にどういうように役立てられるかというような観点を踏まえて、皆さん方の御意見 等をお伺いできればと思いますが、何か御意見ございませんでしょうか。どうぞ。 ○山本委員 SDDのきずなプロジェクトのライブも、僕がエフエム大阪でレギュラー をやっているというのもあって、それと、あと、厚生労働省とエイズ予防財団主催のレ ッドリボンライブも今年11月29日にありますけれども、3年目で体感して思うことは、 人間はみんな愛を持っていて、どんなクールなキャラも、どんな冷めたことをいつも言 っているキャラの人も、みんな愛を持っているというのを実感していて、熱さも全員が 持っているというのも実感していて、それを引き出すのは愛しかなくて、本当に愛は愛 を引き寄せて、憎悪は憎悪を引き寄せて、熱さは熱さを引き寄せてというのを物すごく 体感しておりますので、一番大切なのは、この会議の皆さんの熱さをうまく届ければ、 広報活動にはわかりやすい人たちが出てきて、その人たちが本気でしゃべられないと、 あるいは本気で歌わないと伝わらないというのを実感しています。  だから、ここの会議でも愛だ、愛だと叫んでいるんですけれども、要は、ばれちゃう んですね。実はいろんなライブがあるんですよ。啓発やなんやかんや言うて、音楽を使 ってああいうライブイベントをやるんですけれども、伝わるものと伝わらないものは何 が違うかというと、すぐばれちゃうというか、この人のは適当やなあとか、そのお金ど こへ行ったんやとか、一回乗ったけど、続いてないやんかとかとユーザーはサーッと引 いていくんですね。だから、一番大切なのはやる側の思いというか、やる側の熱意とい うか、それはやる側に立っている人間がもともと持っている熱さをただ引き出して、み んなでかためてボーンと投げればいいだけのことなので、僕は一番最初に言いましたよ うに、献血推進というのは、まさにビッグチャンスだと。それは何かというと、もちろ ん中心は献血してくれる人を増やすことなんだけれども、文科省と組んで、人間教育、 みんなが社会を作っている一人なんだという意識を上げるきっかけにもなる、すごく重 要なことだと思っているんですね。  だから、高校生、16歳から採血をとりたいとか、あるいは200mLを400mLにしたい とか、そういう具体的なことを話し合うんですが、でも、そこの根本、一番根っこにあ る部分、あるいはゴールにあるものというのは、子どもたちも社会を作っている一人な んだという意識を持つ、人間性を育てるということがすごく大切だということを念頭に 置いてやらないと、つながらない、広がらない、意味はない、続かない。この反省をち ゃんと把握しながら、心を通じた広報活動なり研究活動なりしないといけないと、実感 を持ってこういう啓発運動をしている人間としてお伝えしておきたいと思いました。 ○清水座長 ほかに何か御意見ございませんですか。いかがでしょう。どうぞ。 ○血液対策課長 御検討をお願いしている立場として申し上げたいことがあるんですけ れども、献血の場合、安定供給というのが非常に大事で、先生には釈迦に説法ですから 申し上げるまでもなく、また、日赤の関係者もそうなんですが、今度、一時的にイベン トをやって、感動を与えて、お金集めならそれでいいんですけれども、献血の場合、そ うじゃならないということがあります。最後のテレビのアナウンサーも言っていたよう に、保存期間が、血漿は別ですけれども、血小板は3日、4日、赤血球は21日でした か、限られていますので、一時的に非常にたくさんの人が献血してくれても、かえって 余ってしまって廃棄してしまうという結果にもなりかねない。したがって、継続的に関 心を持っていただく、そういう啓発をどうすればいいかということを特に御検討をお願 いしたいと思っています。  というのは、平成17年でしたか、英国渡航歴のある方が変異型のクロイツフェル ト・ヤコブ病になったということで、献血について渡航制限をしまして、そうすると、 当然献血できる方が非常に少なくなりますので、安定供給が非常に心配されたわけです。  その当時、私はこの職にありませんでしたけれども、記憶に残っているのでも、当時 の尾辻大臣が緊急アピールも出して、大変先頭に立って啓発していただいて、具体的な ことは掛川さんなり、中島先生なりが補っていただければと思いますが、そのときの1 カ月ぐらいですか、非常に献血者が伸びました。そういう意味では、まさに心が伝わっ た結果がきちんとあらわれたんだと思いますが、逆に、一時的に増えても、その後下が りますし、それしか持たないというのは困るわけで、継続的に関心を持っていただくと いう、そのための啓発をどうしたらいいかということを是非お知恵をいただきたい。  もうちょっと具体的に申し上げますと、後ろに、私から見て右の方にポスターがござ います。日赤がいろんなポスターを作っています、国も作っています。国の広報予算も 限られていますので、できることというのは、ポスターを作ったり、先回のアンケート にもありました高校生向けの「ホップ・ステップ・ジャンプ」という冊子を作って配っ たりしていますが、この冊子もなかなか現場で活用されていないという問題があったり、 それから、年に1度ぐらいは、小さいですけれども、イベントやっています。先ほどの 田辺委員の御紹介があったような大イベントはできませんので、ミニイベントをやって いますが、そういう年に1回ぐらいのイベントが果たしてどのぐらい効果が上がってい るのかということも含めて、批判的な評価もいただきたいと思いますし、どういう方法、 手法、媒体、あるいは中身があったら、継続的な啓発をし、関心を持っていただいて、 献血者を増やすことができるか。特に若年者の献血者を増やすことができるか、そうい うお知恵をいただきたいということが主ですので、是非そういう意味で御意見をいただ きたいと思います。 ○清水座長 ありがとうございました。どうぞ。 ○宇都木委員 一番最初のときに申し上げたことなんですが、私、骨髄移植財団と臓器 移植に関わっているんですが、これは両方とも、受けた患者さんが非常に強い核になっ て、継続的な団体があるわけですね。彼らは、自分たちはもう既に治ったり、あるいは 亡くなったりしてしまったんですが、その感謝とか思いとか辛さとかというのをずっと 持ち続けて、献血の場合は、それが非常に希薄だと思うんですね。非常に申しわけない 言い方をすると、厚生省の方が中心になってやってくださるのはわかるんですが、これ はやはりちょっと性質が違うと思うんですね。だから、何かしなくちゃいけない、その 核になるものをどうやって作っていくことができるかだと思うんです、継続性について は。これはできないということであるとすると、何かそれに代わるものを工夫していく しかないんじゃないかなと思うんですけどね。 ○清水座長 今の御意見は、輸血を受ける患者さんの数の問題があるかもしれませんね。 今、一般に、どこまで科学的にきちっとしたデータに基づくかはともかくといたしまし て、輸血を受ける患者さんというのは年間100〜150万人ぐらいいるとされております。 そういうことで、非常に人数が多いというのが1つあるかなという思いが1つ。それか ら、血液事業というのは、御存じのように、終戦、第二次世界大戦が終わったごろから 売血でずっとやってきまして、39年から献血に変わってきたという歴史的な経過があ って、どうも血液というのが、今でもまだアルブミン製剤は30%くらいが主にアメリ カの売血によって得られた血漿から分画して作られたものを輸入しているという問題も あったりしまして、そういう歴史的な経過がいまひとつ骨髄移植とか臓器移植というも のに比べますと、売買ということが現実に社会で行われているということで、献血一本 で云々ということに対するモラルハザードとまでは言いませんけれども、モラルに対し て、いまひとつピシッとバックボーンをつくりがたいという問題もちょっとあったりす るということが理由として少なくとも挙げられるのではないかなとは思うんですね。  だからといって、じゃ、骨髄移植とか臓器移植というような受益者的な立場の方たち をネットワーク化して献血に協力してもらうということが不可能だとは私は思いません ので、今、宇都木委員が言われたことは、私も非常にもっともなことだと思いますので、 日赤の方で何かそういうことについて検討されたりしているようなことは何かあります か。あるいは過去に。 ○掛川委員 国や都道府県、日赤を含めて献血者の確保には、非常に苦慮しているとい うのが事実です。いかに国家的な国民運動の起爆剤として国民一人ひとりにどうやって 理解していただけるかというところが最大のポイントなんですけれども、象徴的な出来 事があると多くの献血者に参加していただけますが、先ほど血液対策課長さんの方から もありましたけれども、阪神淡路の大震災のときも、むしろ一時的に多くの方が献血に 来られても期限が切れてしまうということで、そこを御理解いただくのに苦慮したこと もありました。  そこで、継続的に関心を持っていただくためにやってきたことが、「はたちの献血キ ャンペーン」や「春のキャンペーン」、それから7月の「愛の血液助け合い運動」や各 血液センターで実施しているものなどですね。こういうようなものをやってきました。 結果的に季節変動や年度末、年度始めなどになると血液の在庫が少なくなるという現実 があります。継続性という意味からいけば、「献血」という名前だけでも覚えてもらい たいということで、新たに「いのちと献血俳句コンテスト」を開催して、そういう形で 少しでも国民に浸透させていきたいという願いのもと成果を少しずつあげていると思い ますが、やはり国も都道府県も、我々もそうですが、限られた予算の中でいかに効果を 上げるかということで非常に苦慮しているのが現状でございます。  ですから、今回の検討会は非常にいい場ではあると思っております。 ○大平委員 私なんかは血友病として、常に血液の方に、昔は輸血とかそういうのを経 験してきて、ずっと血液と関わりのある患者として過ごしてきたわけですけれども、今、 日赤の方が言われましたけれども、かなり日本の血液事業といいますか、そういうのは お膳立てされているんですね。国の方も大変積極的にやっておられますけれども、特に 献血の問題については、ライシャワー事件の後ですかね、日赤が率先して地域、それか らまた血液を集めるという活動を一生懸命やってこられている。その歴史は大変重みが あって深いものだと思うんですが、その時点で、私もそうかもしれませんけれども、全 体としてお膳立てされているというところで、日赤がすべて御用意をやってくださる。 それからまた、国も一緒に一生懸命やってくれる。それが当然みたいになっていて、国 民全体の自助努力みたいなところというのは、そういう機運というのが育っていないの ではないかと思うんですね。一人ひとりは、例えば今「アンパンマンのエキス」のよう な問題がありましたけれども、一人ひとり、家族にそういう問題が起きた場合には、献 血に一生懸命やらなくちゃ、そういうような意識というのは出てくる。うちでも薬害エ イズの事件が起きるまでは、家族が自分の子どもに役に立つということで献血に一生懸 命行っていたり、献血手帳をいっぱい持っていたという歴史がありますけれども、それ が横につながっていくというところでは、宇都木委員の言われたように、家族全体とか、 そういう血液を必要とする患者さんたちの横の連携というのはきちっとできていないの が現状だろうと思うんですね。それはやはり、例えば医療機関の方もそうですけれども、 医療機関から日赤に連絡すれば血液が来る。そして、その血液というのは日赤が地方自 治体を一生懸命まとめて、そして地域の人たちにも働きかけて、すべて日赤がいろいろ やってくださっている中で、献血者もただ行けばいいんだなという感じになっていると いうところで、そこのインセンティブというのは、多分熱意はあっても、じゃ、それを ずっと継続して、自分たちの問題としてやっていこうというところになかなか結び付い ていないのではないかなというのが感じられます。やはりそこを変えていかないと、こ の継続性というのは高まっていかないんじゃないかというところで、小さい子どもさん たちの最初からの情操教育みたいな形でやっていく、種まき運動ですけれども、そうい うことも必要だし、それからまた、啓発としてどういう啓発がいいのか、私自身はいい アイデアを持っていませんので、皆さんのここの討議の中で出てくるんだろうと思うん ですけれども、今までいろいろすべて社会のお膳立ての上に、患者も、そして医療者も、 日赤に電話すれば血液が来る。そういうような感じで、医療者全体の方も、じゃ、献血 で自分たちの患者さんたちを何とか助けよう、そういう運動というのはないように思う んですね。ですから、そういうものも含めて、関係者全体の努力というのが、もう少し もう一回再結集させないといけないのと、それから、日赤が一生懸命やってくださるの は大変ありがたいんです。そこに全部頼りきっているという構図を少し考えていくとい うことも大事なんじゃないかなと思います。 ○清水座長 どうもありがとうございました。  ちょっと時間の関係もありますので、皆さんに私からお願いしておきたいことで、ま た次回検討していただきたいと思いますが、田辺委員と山本委員につきましては、今の イベントというのが献血ということを主体にして、今、課長が言いましたように、永続 的にどういうようにキャンペーンを続けられて持続していくのか。今、掛川委員からあ りましたように、阪神淡路大震災のときには献血者が大勢集まった。それから、アメリ カでも、9.11事件、世界貿易ビルが崩壊したときには、ニューヨークの血液センター を献血者が十重二十重に取り囲んだというんですね。ですけれども、血液は、今指摘が ありましたように、有効期限がありますので、一遍にボーンと取りましても、結果的に はせっかくの善意が生かされないということがございます。昔、日赤は、1,000人献血 というのを、ライオンズクラブなどと協力してやっていたことがありますが、そういう ときは、1,000人集めちゃいますと、結果としてはその血液が全部使えないか、あるい はそれを使うということになると、ほかで集めた血液が使えないということが起こった りということで、だんだんそれはやらなくなっていったという歴史もあったりします。  そういう意味で、永続的にキャンペーンを継続して献血者を確保することにつなげる ためにはどういう方策があるのかということを具体的に、できれば次回あたりにでもお 話をしていただければと思います。  それから、宇都木委員が言われました患者を受益者という形で今もアンパンマンの話 がありましたけれども、そのことについて、患者がまとまって実際にこういうようにと いう、今日は資料がありませんが、田久委員が具体的な輸血のことについての情報を発 信して、若い大学生なんかがどのくらい献血に応募し、それがどのぐらい続いたかとい う部分的な調査研究をやっているんでございますが、そういうことの影響がどの程度あ って、どの程度続くものかという研究報告があったりしますが、これにつきましては、 大平委員と花井委員と日赤の中島、掛川委員で、臓器移植とか骨髄移植とかと同じよう な形で、受益者の患者さんをまとめるような形で何かやる方策があるのかないのか、あ るいはそういうことがいいのか悪いのかということも含めて検討していただければと思 うことと、それから、特に今大平委員が言われました、献血というのが、昔は隣のあん ちゃんの達が、おじいちゃんのためならえんやこらといって、病院に供血者を集めて、 病院で採血して輸血するという時代が実はあったんです。ですけれども、それが、その 弊害というものもいろいろあったり、それから、血液の安全性の観点を考えていきます と、だんだんとそういう意味では隣近所の助け合いという精神が薄れてきてしまって、 ある意味では、製薬企業的に血液の安全性ということに非常に特化してきますと、何と なく疎遠な感じを持ってくるという形で、これはある意味では自己矛盾的なところがち ょっとあったりするんでございますけれども、この問題というのはもう一回見直す必要 があるんじゃなかろうか。  我々の先輩で輸血の大先輩に当たる、村上省三という女子医大の教授をやっておられ た先生がおるんですが、昔からどぶ板献血をやれと言うんですね。献血の道具を持って、 長屋を渡り歩いて採血をしろと。そのぐらいやらなければ献血者というのは集められな いよとよく言われていたことを記憶しているんですが、それから、もう一つは、ヨーロ ッパなんかに行かれた方は、場合によっては目にしているかもしれませんが、ヨーロッ パの採血車というのは、ある地域に行きますと、5人とか10人の採血をするとパッと 終わって、次に移っていっちゃうんですね。その地域の人たちの協力を得て、予め決ま った人数を集めて、その献血が終わったら次へ移っていくというように、今の日赤の献 血バスのほとんどというのは、固定して朝から晩まで同じ場所にいるとか、午前と午後 くらい場所を変えるようなことがあるかもしれませんが、ほとんどが固定的な採血バス の運用をやっているのが実態だと思うんですけれども、そういうようなやり方で、要す るに、地域にどうやって密着した採血方式をやるのかということも一つの非常に大きな 課題で、今日はそういう意味では大変いい御指摘を幾つか受けたと思います。ただ、指 摘を受けただけで終わらせたのでは、この委員会の意味がございませんので、それを具 体的にどのように生かすべきか、具体的な行動にどう結び付けるのかということを次回 是非意見を具体的にお出しいただければと思うわけでございまして、是非検討をお願い したい。  それから、日赤につきましては、いろいろ注文がつくんですけれども、そういうよう などぶ板献血とか、採血車がヨーロッパのように、1日に何箇所も採血して渡り歩くと いうようなことが実際的に具体的に可能かどうなのか。もしやるとするなら、どういう 問題点があるのかということを具体的に検討してみていただくということをお願いした いと思いますけれども、それは引き受けていただけますか。よろしゅうございますか。 (委員うなずく) ○清水座長 では、他に何かありますか。 ○掛川委員 ただ今のどぶ板献血というところと複数箇所にわたってというところです けれども、日赤の方では、日々担当者が献血ルームや各献血会場で呼びかけをやってお ります。雨が降ろうと風が吹こうと毎日毎日マイクを持って献血のお願いをしていると いうことではどぶ板的にやっているということの1つだと思います。  それから、もう一つ、確かに都市部ではなかなかないかもしれませんが、地方に行け ば、1日5カ所、6カ所という移動献血を行っており、これはもちろん10人単位ぐら いずつ献血者に集まっていただいて、そこにバスがどんどん移動していく。あるいは地 方によっては、宿泊をしながら献血を行うというのは実態として実際にやっております ので、それは地域、地域によって対応あるいは方策が違うというふうに御理解いただき たいなと思います。 ○清水座長 そうすると、そういうような具体的な行動による実績というのは何かデー タになっていますか。 ○掛川委員 複数回移動しながら採血者が何人いたとかということですか。 ○清水座長 ええ。 ○掛川委員 それは確認してみます。今、手元にデータがございませんので。 ○清水座長 どのくらいの血液センターがそういうことをやっているかというような実 績をお出しいただいて、議論の種になるならば、議論させていただくということにした いと思います。 ○掛川委員 わかりました。 ○清水座長 ほかに。簡単にお願いします。 ○河原委員 私も昔、長崎県で離島を献血バスで一泊で行ったことがありますが、地域 組織があるんです。保健所が例えば集落で勧誘したり。その地域組織、例えば推進協議 会みたいな地域版のものがもしわかれば、地域、地域でどういう事情があるかというの がわかると思うんですが、そのあたりがわかればお願いします。 ○清水座長 それでは、その点はまた宿題という形で検討していただくことにしたいと 思います。  それでは、一応お願いということにして、まだいろいろ御意見もあろうかと思うんで すが、次回にしたいと思います。時間の都合もあり、もう一つ議題が残っていますので、 あとは、地域における採血の実情について、事務局から御説明いただきたいと思います。 ○秋山専門官 説明いたします。  資料6−1、6−2でございますけれども、資料6−1は、年齢別の献血者実数グラ フでございます。このグラフでございますが、幾つかの地域について挙げさせていただ いておりますが、献血者、ドナーの実際の実員数でございます。これが年齢別に何人い るのか。それから、その内訳として、年間の献血の回数でございますが、1回の方、2 回、3回、4回、5回以上の方と色分けをしてございます。  地域の分け方でございますが、まず、都市部として東京都、大阪という2つ。それか ら、地方として、大都市を抱える地方として北海道を挙げさせていただいていますが、 それ以外に、地方、大きな都市が余りないという山形、高知、宮崎といったところを挙 げさせていただいております。  6−1と6−2でございますが、6−2の方は、こちらも同じ都道府県につきまして、 年齢別、施設別の延べの献血者数グラフでございますが、棒グラフで見ますと、赤い部 分が移動採血車・出張採血、つまり献血バスが中心になっているところ。固定施設、ブ ルーの方ですが、こちらは献血ルーム中心ということでございますが、これが地域によ ってどのような違いがあるかということを示したものでございます。それぞれページ数 は地域に合ってございますので、両方見ながら御説明をしたいと思います。  まず、1ページ目、北海道でございますが、特徴的なところですけれども、まず、実 人員数、年齢別の人員数を見ますと、18歳から20歳という若い層、ここに大きなピー クがございます。それから、32歳から35歳くらい。ここら辺にやや緩やかなピークが 見られる。ここが一番人数が多いわけなんですが、ほかの地域に比べますと、40代以 降の方も減少が緩やか。かなりおられるという特性がございます。  それから、資料6−2の方の1ページをごらんいただきますと、移動採血車・出張採 血と固定施設。移動採血車・献血バスと献血ルームとの比率は6対4ということで、移 動採血車の方が若干多い。地方ということもあって多いということでございます。  それから、それぞれの2ページ目ですが、山形県に移ります。山形県で非常に特徴的 なのは、これは平成19年の時点でございますが、17歳、18歳にかなり顕著なピークが 見られる。それから、19歳以降、大きく減少しているわけですね。19歳から20代前半 にかけては非常に少なくなっている。30代前半になだらかなピークが若干あるという 具合でございます。  それから、施設別の方を見ますと、移動採血車・献血バスと、献血ルームの比率はお おむね7対3。多くは献血バスによって採血がなされている。献血ルームの設置も、県 内1カ所ということですので、その関係もあるのだと思います。  16歳から18歳に着目しますと、やはり出張採血・移動採血車、献血バスの比率が特 に高い。これは移動採血車による高校での献血が他地域よりもまだ多い状態が残ってい ると推測されます。  次、3ページ目、東京都でございますが、東京都、絶対的な人数が非常に多いのでご ざいますが、ここで非常に大きな特徴なんですけれども、最大のピークは19歳である ということでございます。10代の献血率というのは非常に低いという結果が1回目に お示しした検討会の資料で出ておりますけれども、実際の人数ということで言いますと、 19歳、非常に大きなピークが見られているということです。  それから、20代前半の減少ですが、他地域に比べると減少の具合が緩やかというこ とが言えるかと思います。それから、30代の前半にやはりなだらかなピークが見られ る。他地域に比べまして、39歳までの献血者の割合が非常に高いですね。40歳以上の 献血者の割合が逆に低い。左側、19歳をピークにして大きな三角形になっている。ほ かの地域とは少し違う、若者が中心ということになっているかと思います。  それから、施設別を見ますと、献血バスと献血ルームを中心にした違いですけれども、 この比率は、先ほどの山形とかとは逆に、おおむね3対7の関係になっているんですね。 16歳、17歳でも、現在、東京都内では、いわゆる集団の献血は余りやっていない、ほ とんどやっていないということで、固定施設・献血ルームの比率が非常に高いというこ とが言えるかと思います。  次、4ページ目、大阪府でございますが、大阪府で非常に特徴的なのは、ほかの地域 に比べて18歳から19歳の献血者のピークが余りないということですね。この献血者の 比率が低いということが言えるかと思います。33歳から39歳、30代にかなり顕著なピ ークが見られる。これはかつてここでの集団献血を経験された方々なのかもしれません が。  それから、施設別を見ますと、献血バスと献血ルームの比率はおおむね5対5でござ います。大阪府でもかなりの部分は献血バスが担っているということも言えるかと思い ます。  他の5地域と比べますと、年齢別の献血者実数グラフの形、特性がかなり異なってい るということが言えるかと思います。  それから、5ページ目になりますが、高知県では、こちら、やはり19歳の顕著なピ ークが見られるということになります。それから、20代前半でかなり大きく減少して いる。30代前半にまたなだらかなピークが見られる。  それから、施設別の方に着目しますと、献血バスと献血ルームの比率がおおむね6対 4。やはり地方ということもあり、献血バスの方が多いということになっています。  次に6ページ目の宮崎県でございますが、ここで非常に特徴的なのは、16歳から17 歳の献血者が極端に少ないということがまずあるようです。ほとんどいないということ ですね。その他は各年齢に万遍なく分布しているような状況になっています。18歳か ら19歳のピーク、33歳から34歳にピークがあるというところなんですけれども、こ のピークとほかの年齢との差は、ほかの地域ほどの差はない。万遍なく分布していると いうことが言えるかと思います。  それから、施設別で見ますと、献血バスと献血ルームの比率、おおむね6対4となっ ていまして、やはりこちらも地方ということもあり、献血ルームよりも献血バスが中心 にないるかと考えられます。  全体としまして、16歳から17歳の実献血者数というのは、おおむねどの地域でも非 常に少なくなっているということが言えるかと思います。これは、献血体験以外の有効 な啓発方法がこの世代に考えられないかというテーマにもつながるかと思います。  大阪府以外の5つの都道府県で、18歳から19歳に大きなピークが見られるというの も大きな特徴かと思います。18歳から19歳の多くの初回献血者、これをその後も維持 していただくための何かよい方策が必要ではないかという検討につながるのではないか。  それから、大阪府については、18歳から19歳、ここの絶対的な人口は少なくないと 思われますので、この年代への啓発が何か必要ではないか。のびしろがあるのではない かと考えられるかと思います。  それから、どの地域でも言えることは、20代の実献血者数がその前後の年代に比べ て少なくなっています。また、18、19歳にピークがある都道府県についても、20代の 減少が相当見られるということが特徴かと。これは、高校生献血が減少した時期、すな わち、400mLの採血に力を入れ始めた時期、平成7年ごろと符合するのではないかと考 えます。  それから、都市部、地方ともに20代への効果的な啓発を行うべきではないかという ことにつながるのかと考えます。  もう一つ、今回どの地域においても30代前半の方の実献血者数は非常に多かった。 先ほど申しましたが、かつての高校集団献血、いわゆる集団献血の効果が残っているの だろうか。  それから、この年代の献血者に年間採血回数を増やしていただくための方策。例えば、 グラフで見ますと、1回の方では、資料6−1ではブルー、2回の方が赤、3回が緑と いうふうになりますが、この青を赤ないしは緑に変えていただくような対策、何か考え られないかということが考えられるかと思います。  それから、東京都のところで少し申し上げましたが、40歳以上の実献血者数が少な い。この年代を新たに取り込むための方策は考えられないかということも言えるのかな と書いております。  それから、年間複数回献血者の比率でございますが、各年齢でばらつきは若干ござい ますけれども、地域間でそんなに大きな差はない。15〜20%ぐらいの方が複数回献血者 となっているのは共通かと思われます。ですから、年1回の献血者が非常に多いという ことになりますので、複数回、年間の中の複数回の献血者となっていただくことを念頭 に置いた啓発が何か必要になってくるのではないかと考えます。  それから、全般ですが、移動採血車・献血バスによる献血もまだまだ相当ございます。 地域によっては依存度が高いと思われる地域もございますので、先ほど座長からも御案 内がございましたが、この献血バス・移動採血車の効率的な運用などの方策をより検討 すべきではないかということも言えるのではないかと思います。  資料6−1、6−2の御説明は以上でございます。  それから、資料7としまして、これも先ほど座長に触れていただきましたが、「初回 献血者の増加を目指して」という研究レポート、中部学院大学の田久先生のレポートが 出ております。ごくかいつまんで申しますと、これは厚生労働科学研究の中で、平成 19年度、20年度に行っていただいている研究でございますが、献血の意義を示す簡単 な資料を提示して、その後に献血に対する意識変化があったかどうかということを調べ たもの、さらに追跡調査として、実際の輸血現場のレポート、より詳しい輸血現場のレ ポートを提示した場合にどうなるかといったような研究でございます。あと、一部痛み に対する意識がどうなっているかとか、その辺の関係も出ておりますので、これは次回 までにごらんいただきたいと思っております。  以上でございます。 ○清水座長 どうもありがとうございました。  地域によって年齢別の差があるということ、これはある意味では当たり前かもしれま せんが、そういうことと、それから、どこの地域も複数回献血者というのはどうも余り 伸びていないという問題があるようで、もう一つは、30代がピークになっていまして、 これがもし高校生献血が余り積極的に行われなくなった時代の反映として20代が減っ ているということになりますと、あと10年ぐらいたつと、この30歳がまた減ってしま うということも危惧され得る問題ではないかなということではないかと思うんですが、 この問題について、掛川委員から何か補足説明的なことがございますか。 ○掛川委員 16、17歳については、これは地域性と医療機関の400ml由来の需要の関 係で、こういう都道府県の傾向があると思います。  20代前半を除いて、20代中盤から45歳あるいは50歳ぐらいまでは、都道府県別年 代別人口を見てみると、比較的近い献血状況と思いますね。20代のところで1回下が って、30代に上がって、また下がっていると。ですから、おそらく、都道府県別の人 口のグラフとほぼ同じグラフの形状になっているんじゃないかと思います。ただ、20 代の献血者をどうやって増加するかというところが1つあるのかと思います。  あと、東京都の場合は、御存じのとおり、全国、あるいは首都圏から若い方が多く来 ますので、18歳から22歳ぐらいの、大学生あるいは専門学校生、この世代を中心に献 血者が上がっているのかなと思います。 ○清水座長 確かに20歳代の前半というのは結構ピークがあるんですね。それがだん だんと20歳の半ばくらいになって減っていってしまうと。この理由が何なのかという ことが大きな理由の1つではないかなと思うんですが、この問題は何か。 ○河原委員 その問題とはちょっと違うかもわかりませんが、今、掛川委員が触れられ たと思いますが、各都道府県のこの数字というのは、人口、年齢階級別の人口構成と、 1日当たりの流出入人口、それにかなり影響を受けると思うので、標準人口で調整しな いと、問題点が出てこないと思います。東京都はもちろん若い人が多いわけですから、 流入が多いわけですから、20代とか30代も献血者も多いわけですけれども、調整して みると、ひょっとしたらまだ80%ぐらい開拓していない。逆に、山形は、少ないよう に見えるけれども、20代の80%以上開拓しているとか、そういう問題が出るので、あ と、戦略を立てる意味でも、次回までに、できれば年齢階級とか人口調整をした献血率 を出していただければと思います。 ○清水座長 事務局、可能ですか。 ○秋山専門官 即答はできませんけれども、人口調整ですね。特に、例えば大阪府です と、奈良県、兵庫県、京都府あたりからの流入、昼間人口で言うとですね。あるいは流 出、夜間人口、その辺の条件というのは確かに大きいと思いますので、どの程度加味で きるかというのは今お約束できませんが、できる限りの検討はしてみたいと思います。 ○河原委員 とりあえず全国の最近の国勢調査でもいいですが、全国の標準人口と比べ てもいいと思いますけれどもね。流出入の問題は置いておいて。 ○清水座長 では、一応可能な限り努力していただくということで、より的確なデータ で議論をしたいと思います。  ほかに何かこのことについて御意見ございませんですか。羽田委員、堀田委員の方で 何かございませんか。よろしゅうございますか。どうぞ。 ○山本委員 さっき20代の人が減っているというのもちらっと出たと思うんですけれ ども、今後も、あと2回ぐらいしかないのかな。ラジオをやっていて思うのが、「個人 孤独の時代がやってきた」と僕は言い切っているんですよ。それは「コミュニケーショ ン崩壊の時代」も同じ表現で、今の時代というのは、コミュニケーション崩壊の時代が やってきて、個人孤独の時代がやってきて、その孤独が犯罪にも走らせたり、自殺にも 走らせたり。さらに、企業だろうが学校だろうが、どこの場所でも全国、田舎だろうが、 コミュニケーションがどんどん希薄になっている。家の中で殺人事件、前にも言いまし たように、1年間の殺人事件の半分が家の中で起こっている。これはだれも悪くない。 流れ的にきたものということで、今、20代の子は多分個人にどんどんいっているのか もしれないし、このグラフで見たら、集団献血を体験した人間が東京に集まってきて、 そういう経験をした人間は、多少若い子はやっているような気がするんですけれども、 僕が感じるのは、そういうキーワードを感じている人間としては、まさに、だからビッ グチャンスなんだと。献血推進をするというのはビッグチャンスというのは、人がみん なつながっていかなあかんというところで、そういう啓発を促すことと、遠慮せずに、 僕はエイズのこともやっていますけれども、エイズの検査を受けよう、エイズの患者さ んたちを偏見から守ろうと訴えているそれは、結局は愛の話ですから、要するに、愛と 言うとぶっ飛ぶと思うんですけれども、要は、16、17のあれに、これから出てくる400 取ろうぜ、取りたいなという話も含めてですけれども、長くなりそうなので短くします が、さっきのグラフも、グラフに出ている部分と出ていない部分があるのではないかと いうのが1つあるのと、それで、グラフを見るときに、そういう時代の流れというか、 個人孤独の時代になってきている流れとか、そういうのを押さえながら見た方がいいな とふと思ったので、ちょっと話しました。済みません。 ○清水座長 ほかに特に何か御意見ございませんか。どうぞ。 ○堀田委員 自分の学校では、地域に献血ルームがあります。高校生に啓発活動をして いくということには一生懸命力を入れているのですけれども、基本的には、近くにある ので、献血ルームを利用しようということをしてまいりました。高校生の献血者がどん どん減っているということで、学校集団での献血をということが迫られているように思 うんですね。それで、埼玉県でも血液センターの所長さんの出前講座ですとか、いろい ろリーフレットを出したり、卒業キャンペーンということでの何かごほうびをくださる というような形にしたりしてやっているのですけれども、減ってきた時点での問題が、 前にもお話ししましたように、問診表の問題ですとか、学校で安全を第一と考えるとこ ろの不安ということがございました。今、山本委員の方からもございましたように、子 どもたちは本当に精神的にいろいろな面で病んでいます。そういう子たちへの支援、あ と、食育を含めた生活習慣的なものの欠落から、健康教育ということ、それと献血推進 という同時並行でやっているわけですけれども、みんな絡み合っているものだと思うん ですね。そういった中で、学校現場でどう推進していったらいいかということも、今、 私も少しずつ本校でやっているのですけれども、全体にどう進めていったらいいかとい うことで、皆さんの御意見を伺ったりしてやっていきたいと思っております。  以上です。 ○清水座長 どうもありがとうございました。  今の最大の問題点は、今までいろいろやってきたんだけれども、献血者が増えない。 逆に減っているということが一番の問題ではないかなと。そのための打開策をどう講じ ていったらいいのかということの見直しも含めた議論がどうしても要るんだろうと思う ので、今の問診表の中にある、エイズの問題というのはいろいろ問題含みで、その問診 項目が出たときから、学校の現場からはいろいろな意見が出されているんですが、逆に 言って、血液の安全性という観点からいくと、これは避けて通れないのではないかなと いう問題ともしがらみがあるというような問題もありまして、そこを乗り越えていくう まい方法があるのかという議論になるのではないかなと思っているわけでございます。 今日は時間が15分ほどオーバーしてしまいましたが、引き続き次回もこの問題を続け て議論したいと思いますので、まだいろいろおっしゃりたいこともあろうかと思います が、本日はこれで議論は終わりにしたいと思いますので、また次回よろしくお願いした いと思います。  次回あたりで一応中間報告的なものが出せれば是非出して、血液事業部会に上げて、 こんなことしているよということを報告しておきたいと思いますので、次回以降のこと で何か事務局から。 ○林企画官 本日はいろいろと貴重な御意見をいただき、どうもありがとうございまし た。  年内にあと1回この検討会を、お願いしたいと思っております。次回は12月4日木 曜日の午前10時から、場所は、日本教育会館の喜山倶楽部「平安の間」。第2回検討 会のときと同じ場所でございますけれども、そこでお願いしたいと考えております。  次回は、今、清水座長のお話にもございましたように、引き続き、社会や学校の環境 変化に対応した献血推進方策について御検討をお願いいたします。また、事務局の方で もこれまでにいただきました御意見を踏まえまして、12月下旬に予定しております血 液事業部会への中間報告をイメージした、たたき台などの資料を用意をさせていただき たいと思っております。  以上でございます。 ○清水座長 では、今日はこれで終わりにいたします。どうも御苦労さまでした。あり がとうございました。 照会先:医薬食品局血液対策課     TEL 03-5253-1111 (内線 2917,2904)