08/11/14 第4回肝炎治療戦略会議議事録 第4回肝炎治療戦略会議 厚生労働省健康局疾病対策課肝炎対策推進室 日時:平成20年11月14日(金) 場所:厚生労働省(共用第8会議室) 1、開会 2、議事  (1)C型慢性肝炎難治症例に対するペグインターフェロンおよびリバビリン併用療     法における延長投与(72週投与)についてのとりまとめ  (2)その他 3、閉会 ○肝炎医療専門官 では、定刻になりましたので、ただいまより第4回「肝炎治療戦略 会議」を開催いたします。  皆様方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうご ざいます。  まず初めに、厚生労働省健康局長の上田からごあいさつを申し上げます。 ○健康局長 第4回の会議の開催に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。現在、肝 炎対策につきましては、インターフェロン治療に対する医療費助成を始め、肝炎ウイル ス検査、肝疾患診療連携拠点病院の整備、普及啓発、研究の推進など総合的に取り組ん でいるところであります。  これらの施策については、都道府県を始めとした地方自治体と共同で実施しておりま すが、その取組みは都道府県によってさまざまでございます。このため、現在、担当職 員を個別に都道府県に出向かせるようなこともいたしまして、これらの取組みを更に強 力に進めようとしているところでございます。先生方にもいろいろ御協力、御支援をお 願いすることも今後あろうかと思います。よろしくお願いを申し上げます。  さて、先月20日の第3回の会議では、C型慢性肝炎難治症例に対するペグインター フェロン及びリバビリン併用療法における延長投与、いわゆる72週投与について先生 方に御議論をいただきました。ありがとうございました。  その後、座長の指示もいただきまして、事務局の方で前回の御議論をとりまとめたと ころでございますけれども、本日は、これについて、できますれば最終的なとりまとめ をちょうだいできればと思っております。  以上、お願いになります。  この後、国会に呼ばれていまして失礼をいたしますけれども、もし時間があればまた 戻ってまいりますので、引き続き、よろしくお願いを申し上げます。 ○肝炎医療専門官 それでは、本日の出席者の先生方を御紹介いたします。「あいうえお」 順でまいります。  岡上武先生。済世会吹田病院病院長でございます。  金子周一先生。金沢大学大学院医学系研究科恒常制御学教授でございます。  熊田博光先生。国家公務員共済組合連合回虎の門病院分院長でございます。  豊田成司先生。札幌厚生病院副院長でございます。  林紀夫先生。大阪大学大学院消化器内科学教授でございます。  脇田隆字先生。国立感染症研究所ウイルス第2部部長でございます。  参考人としまして、泉並木先生。武蔵野赤十字病院消化器科副院長でございます。  八橋弘先生。国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター治療研究部部長でござ います。  なお、本日、委員の方で飯沼雅朗先生、坪内博仁先生、参考人の方で林純先生に関し ましては、御欠席いただきます。  それでは、ここから議事の進行は座長でございます林紀夫先生にお願いいたします。 ○林座長 座長の林でございますけれども、議事を進めさせていただきたいと思います。 それでは、議事に入ります前に、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。 ○肝炎医療専門官 わかりました。資料は頭紙で議事次第が1枚ございます。1枚目が 先ほど申し上げました肝炎治療戦略会議の名簿でございます。更に座席表をその後に付 けさせていただいております。  本日の資料といたしましては「C型慢性肝炎難治症例に対するペグインターフェロン およびリバビリン併用療法における延長投与(72週投与)について(案)」という資料 が1〜13ページまでございますので、この資料を御確認いただいて、何かございました ら事務局まで御連絡くださいませ。 ○林座長 資料はございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。  それでは、本日の議事は、C型慢性肝炎難治症例に対するペグインターフェロン及び リバビリン併用療法における延長投与(72週投与)についてであります。前回の10月 20日の第3回肝炎治療戦略会議におきまして、72週投与に取り組んでいる国内のデー タを御発表いただき、また海外の文献を併せてその有効性、安全性について御議論をい ただきました。こういった前回の会議の結果を踏まえまして、事務局でとりまとめてい ただきましたのが、本日お手元にお配りしてございます会議資料でございます。  本日は、このとりまとめ案の内容を御議論いただき、本会議後にはとりまとめを行い たいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  まず、資料につきまして、事務局から御説明をよろしくお願いします。 ○肝炎医療専門官 わかりました。資料の方をざっと御説明差し上げます。  まず表題といたしまして、1枚目「C型慢性肝炎難治症例に対するペグインターフェ ロンおよびリバビリン併用療養における延長投与(72週投与)について(案)」という ことで、この頭紙を1枚めくっていただきまして、先ほど申し上げましたように、ここ からページ番号が1〜7ページまで本文がございまして、ちょっと見にくいですけれど も、左上のホチキスのところに別紙が8〜13ページまでございます。大きく分けまして、 本文に「1.はじめに」がありまして、2ページ目に「2.有効性について」という大 きな項目がございます。4ページに「3.安全性について」、7ページに「4.とりまと め」というような形で報告書の形態にまとめていただいております。  これについて、今から字の確認も含めましてお読み差し上げたいと思うので、まず「1. はじめに」と「2.有効性について」の部分を読ませていただきたいと思います。  1ページ目からまいります。 「C型慢性肝炎難治症例に対するペグインターフェロンおよびリバビリン併用療法にお ける延長投与(72週投与)について(案) 平成20年11月14日  1.はじめに  C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療の進歩により、ここ数年間で目覚ましい 治療結果が得られ、C型慢性肝炎の根治率(※1)は上昇した。本邦において頻度が高 く、かつ根治率が低いC型慢性肝炎の遺伝子型(以下、ジェノタイプ)1b、高ウイル ス量症例(いわゆるC型慢性肝炎難治症例)に対しても、ペグインターフェロンおよび リバビリン併用療法(48週投与)が標準的治療となって以来、十数%であった根治率が 約50%まで大幅に改善している。しかし、逆に言えば、現行の48週投与では、依然と して約50%が治癒に至ることは難しい。  これらの症例のうち、インターフェロン治療初期においてHCV−RNAが陰性化し ないものの、その後の治療経過中にC型肝炎ウイルスが陰性となる一部症例(Late Viral Responder;以下LVR症例)については、標準的治療の48週投与では治療効果が不十 分であり、根治率を上昇させる工夫のひとつとして、72週まで延長投与を行うことが望 ましいとする指摘(※2)があり、医療現場での治療実績も積み重ねられつつある。  このような状況を背景として、本戦略会議において、C型慢性肝炎難治症例に対する ペグインターフェロンおよびリバビリン併用療法における延長投与(72週投与)の有効 性、安全性について、現時点で得られた知見に基づき議論を行い、意見としてとりまと めた」といった前文にさせていただいて、先ほど申し上げました根治率というのを定義 しておこうと思うんですけれども「治療終了後24週時のHCV−RNA陰性化率」と 定義いたします。  「72週まで延長投与を行うことが望ましいとする指摘」については、前回の会議でも 資料として添付させていただきましたが、※2というところでございますけれども「厚 生労働科学研究補助金肝炎等克服緊急対策研究事業(肝炎分野)『肝硬変を含めたウイル ス性肝疾患の治療の標準化に関する研究』(主任研究者:熊田博光先生)において、C型 慢性肝炎の治療ガイドラインの補足として、以下の記載がなされている」その抜粋がペ ージをまたいておりますが、ここに記載されたような内容になっております。これはそ のまま抜粋したものでございます。  念のためにお読み申し上げます。  「C型慢性肝炎の治療(ガイドラインの補足)1b、高ウイルス症例へのPeg−INF +Ribavirin併用療法 投与期間延長(72週間投与)の基準:投与開始12週後にHC V−RNA量が前値の1/100以下に低下するが、HCV−RNAが陽性(Real time PCR)で、36週までに陰性化した例では、プラス24週(トータル72週間)の投与期 間延長が望ましい」といった記載がございます。  更に続けまして「2.有効性について」お読み上げをさせていただきたいと思います。  有効性につきましては(1)前回の会議で先生方に御発表いただいたもの、以前に我々 の方で確認させていただいたような内容から施設ごとの延長投与についての有効性につ いてまとめと、3ページの(2)では前回会議でも参考資料で御説明いただいたように、 海外における報告の一例といったことから有効性についてとりまとめておりますので、 確認も含めてお読み申し上げます。2ページでございます。  「(1)本邦で実施されたC型慢性肝炎難治症例(ジェノタイプ1b型かつ高ウイルス 量症例)に対するペグインターフェロン及びリバビリン併用療法の投与期間延長の試行 結果(有効性)」。  重複しますけれども、有効性についてということで、施設1からずっと6までござい ますが、1個ずつ確認も含めてお読み申し上げます。  施設1、京都府立医科大学付属病院関連病院の投与実態(多施設臨床研究、中心施設: 京都府立医科大学付属病院、岡上ら)。  i、C型慢性肝炎難治症例に対するペグインターフェロン及びリバビリン併用療法48 週、72週投与症例:300、57症例。  ii、全症例における48週、72週投与の根治率は49.3%、52.6%ということでござい ます。  iii、治療開始後13週以降24週でHCV−RNA陰性化したLVR症例における48 週、72週投与の根治率は26.7%、42.9%。これは施設1の結果。  施設2、虎の門病院の投与実態(単施設臨床研究、虎の門病院、熊田ら)。  i、C型慢性肝炎難治症例に対するペグインターフェロン及びリバビリン併用療法開 始後、13週以降にHCV−RNAが陰性化した症例について、72週投与65症例と条件 を一致させた48週投与130症例を比較したものです。  iiiに飛びまして、治療開始後13週以降36週以内でHCV−RNA陰性化としたLV R症例における48週、72週投与の根治率は、28.1%、63.0%ということです。  施設3、OLF(大阪肝臓フォーラム)の投与実態(多施設臨床研究、中心施設:大 阪大学付属病院、林紀夫ら)。  i、C型慢性肝炎難治症例に対するペグインターフェロン及びリバビリン併用療法48 週、72週投与症例:769、129症例ということです。  ii、全症例における48週、72週投与の根治率は40.7%、45.0%です。  iii、治療開始後、13週以降24週以内でHCV−RNA陰性化としたLVR症例にお ける48週、72週投与の根治率は33.7%、62.8%。  施設4、武蔵野赤十字病院の投与実態(単施設臨床研究、武蔵野赤十字病院、泉ら)。  i、C型慢性肝炎難治例に対するペグインターフェロン及びリバビリン併用療法48 週、72週投与症例:225、36症例ということです。  ii、全症例における48週、72週投与の根治率、48%と41%。  iii、治療開始後13週以降24週以内で、HCV−RNA陰性化としたLVR症例にお ける48週、72週投与の根治率、31.8%と47.6%。  施設5、九州大学関連肝疾患研究回の投与実態(多施設臨床研究、中心施設:九州大 学付属病院、林純ら)。  i、C型慢性肝炎難治症例に対するペグインターフェロン及びリバビリン併用療法が 39週以降52週以内、72週以上79週以内といった投与症例でございますけれども、705 例と31症例になっています。  ii、全症例における39週以上52週以内、72週以上79週以内の投与の根治率という のが、48.9%や54.8%ということです。  iii、治療開始後13週以降でHCV−RNAが陰性化したLVR症例における39週以 上52週以内、72週以上79週以内の投与の根治率が12.5%、54.5%。  施設6、国立病院機構全国医療センターにおける投与実態(多施設臨床研究、中心施 設:長崎医療センター、八橋ら)。  i、C型慢性肝炎難治症例に対するペグインターフェロン及びリバビリン併用療法も 46週以上52週以内、70週以上84週以内という投与症例が377と38症例あった。  ii、全症例における46週以上52週以内、70週以上84週以内の投与の根治率は50.6% と57.9%。  iii、治療開始後13週以上24週で、HCV−RNA陰性化としたLVR症例における 39週以上52週以内、72週以上79週以内の投与の根治率は、24%、68%ということで す。  以上のような各施設における全症例における延長投与と標準投与の根治率に有意差を 認めなかったが、LVR症例では、延長投与の方が標準投与と比較し、すべての施設で 根治率が15.8〜44%の間で上昇していたということです。  「(2)海外における報告」です。ペグインターフェロン及びリバビリン併用療法を本 邦より早く承認認可してきたヨーロッパにおける延長投与に関する臨床結果を示した報 告として、T.Bwegらの報告(Gastroenterology 2006;130:1086−1097)があると いうことです。  ジェノタイプ1型(1a型及び1b型を含む)かつ高ウイルス量のC型慢性肝炎455 症例について、ペグインターフェロンα2a(180μg/週)とリバビリン(800mg/日) と48週投与する群(230症例)と72週投与する群(225症例)に無作為に群別し、治 療結果について検討した。  全症例において、治療終了時のHCV−RNA陰性化率は、48週投与群71%、72週 投与群が63%、またC型慢性肝炎の根治率(治療終了後24週時のHCV−RNA陰性 化率)は、48週投与群53%、72週投与群54%と両群間で差を認めなかったが、治療開 始後12週時にHCV−RNAが治療前値から2log以上(もしくは1/100以下)低下し たものの、HCV−RNAが陰性化しなかった症例においては、48週投与群の根治率が 17%であるのに対し、72週投与群では、29%と根治率が有意に高く、ウイルスの陰性 化時期の遅い症例における延長投与の有効性を示した。  以上の(1)、(2)から、C型慢性肝炎難治症例に対するペグインターフェロン及び リバビリン併用療法として、投与開始後12週までに陰性化はしないものの、その後、 24週ないし36週までに陰性化した症例に対して、72週延長投与を行うことは、有効性 の面から妥当であろうと考えられた。  なお、治療開始12週時までにHCV−RNAがどの程度下がることが望ましいか検 討したところ、従来法であるアンプリコア法といったものなどのHCV−RNA定量法 では、治療開始後12週時のHCV−RNA量が治療前値から2log以上(もしくは1/100 以下)低下した症例であれば根治率が高いが、HCV−RNA量が2log未満の低下に とどまる症例では、根治率が低くなるということから、治療開始後12週時までにHC V−RNA量が治療前値から2log以上(もしくは1/100以下)に低下する症例である ことは望ましいとの結論に至った。  また、いつまでに陰性化すべきか検討した結果、従来法であるアンプリコア法などの HCV−RNA定性法で治療開始後24週時のHCV−RNA陰性とした症例の中に、 最新のReal−timePCR法(TaqMan−PCR法など)では、陽性となる症例があると いう議論から、陰性化時期は36週までとすることが適当であるとの結論に至った、と いうことです。  以上、お伝えいたします。 ○林座長 どうもありがとうございました。以上、これは途中でございますが、ここま でで先生方ごらんいただきまして、何か問題点等ございましたら御指摘いただければと 思います。  前回の議論をおまとめいただいたと思っておりますけれども、よろしゅうございます でしょうか。先生、各施設も問題はございませんか。よろしいでしょうか。先に進ませ ていただいてよろしいですか。  では、先に進んでください。 ○肝炎医療専門官 では「3.安全性について」のところから説明いたします。  (1)本邦で実施されたC型慢性肝炎難治症例(ジェノタイプ1b型かつ高ウイルス 量症例)に対するペグインターフェロン及びリバビリン併用療法の投与期間延長の施行 結果(安全性)。  施設1、京都府立医科大学付属病院関連病院の投与実態(多施設臨床研究、中心施設: 京都府立医科大学付属病院、岡上ら)。投与期間延長(49週以上投与)症例のうち、副 作用による中止例はゼロ症例。  施設2、虎の門病院の投与実態(単施設臨床研究、虎の門病院、熊田ら)。投与期間 延長(49週以上投与)の症例のうち、副作用による中止例は3症例。  症例1は54週で61歳女性、顔面神経麻痺、転帰としては回復しまして、インターフ ェロンとの因果関係は不明ということです。  症例2、55週、59歳女性、心不全、回復、インターフェロンとの因果関係は不明と いうことです。  症例3は63週、58歳女性、左眼中心静脈血栓症で、この方は未回復、インターフェ ロンとの因果関係は不明というような症例です。  5ページ、施設3、OLF(大阪肝臓フォーラム)の投与実態(多施設臨床研究、中 心施設:大阪大学付属病院、林紀夫ら)。投与期間延長(49週以上投与)症例のうち、 副作用による中止例はゼロ症例でございます。  施設4、武蔵野赤十字病院の投与実態(単施設臨床研究、武蔵野赤十字病院、泉ら)。 投与期間延長(49週以上投与)症例のうち、副作用による中止例はゼロ症例。  施設5、九州大学関連肝疾患研究会(KULDS)の投与実態(多施設臨床研究、中 心施設:九州大学付属病院、林純ら)。投与期間延長(49週以上投与)症例のうち、副 作用による中止例が1症例。  症例は64週で生じておりまして、注射部位潰瘍が起こったということです。経過と しては回復、インターフェロン治療との因果関係はあるということです。  ただ「なお、本症例については、インターフェロン治療の専門ではない『非専門医』 において通院中同部位への複数回注射の結果生じたものであり、投与期間の延長により 生じた副作用中止症例とはいえない」。  施設6、国立病院機構全国医療センターの投与実態(多施設臨床研究、中心施設:長 崎医療センター、八橋ら)。投与期間延長(49週以上投与)症例のうち、副作用による 中止例はゼロ症例。  投与期間延長(49週以上投与)が行われた以上6施設のうち、4施設では副作用によ り中止した症例が認められず、2施設では副作用により注視した症例が計4症例認めら れたものの、いずれもこれまでのところ投与期間延長との因果関係を有するとは認めら れていないということです。  「(2)海外における報告」。前述の論文において、C型慢性肝炎難治症例に対するペ グインターフェロン及びリバビリン併用療法の48週投与群と72週投与群における副作 用による中止及びその発現の程度は変わらないと報告されています。  以上(1)、(2)から、C型慢性肝炎難治症例におけるペグインターフェロン及びリ バビリン併用療法において、投与期間を延長し、48週を超えて投与することにより、標 準的な48週投与の場合と比較して、重篤な副作用が発生するリスクが高まることはな いと推測される。  「(3)本邦における長期投与の参考事項」ということで、6ページです。  国内臨床試験において、ペグインターフェロンα2b及びリバビリン併用療法48週 投与を実施し、投与中に発現した副作用を器官別大分類し、発現件数・発現率を投与期 間の前半の1週以降24週以内、後半の25週以降48週以内ということに分け、対比し た。これを表1に示しております。  ペグインターフェロンα2b承認時第III相国内臨床試験副作用発現件数から改変させ ていただいています。  表1において、投与期間の前半よりも後半に副作用の発現件数・発現率が増加した項 目の内分泌障害、良性・悪性及び詳細不明の悪性新生物には、十分留意をする必要があ ると考えられた。なお、内分泌障害の内訳として、投与期間前半の1週以上24週以内 までは、甲状腺機能亢進症2症例及び自己免疫性甲状腺炎1症例の計3症例であったの に対し、後半の25週以降48週以内の中では、甲状腺機能亢進症2症例及び甲状腺機能 低下症は4症例の計6症例であった。また、良性・悪性及び詳細不明の新生物の内訳と して、投与期間前半の1週以上24週以内の中では、脂漏性角化症1症例であったのに 対し、後半の25週以降48週以内では、皮膚良性新生物1症例、肝血管腫1症例、皮膚 血管腫1症例の計3症例であった。  これ以外の副作用については、投与期間が長くなることによる明らかな副作用発現件 数・発現率の上昇傾向は見られなかったという参考事項がございます。  7ページ、なお、医薬品医療機器総合機構の報告副作用一覧のうち、ペグインターフ ェロン製剤において、2007年度の報告では、49週以上投与した患者において、49週以 降に副作用が発現した報告の件数をまとめると、下の表(表2)のようになっています。 この内容に関しましては、2007年度のペグインターフェロン製剤を対象とする報告副作 用一覧(器官別大分類)というものについては、別紙8〜13ページまでということでお 載せしております。  「4.とりまとめ」に入ります。以上より「C型慢性肝炎ジェノタイプ1b型、高ウ イルス量症例へのペグインターフェロンおよびリバビリン併用療法の投与期間延長(72 週間投与)の基準として、投与開始後12週後にHCV−RNA量が前値の1/100以下 に低下するが、HCV−RNAが陽性(Real time PCR)で、36週までに陰性化した 症例において、プラス24週(トータル72週間)の投与期間延長が望ましい」とする見 解は、有効性、安全性の両面から否定されるものではないと考える。  なお、今回、各施設から収集したデータでは、症例数も必ずしも十分とは言えず、症 例背景の相違などから、その評価には限界があるのも事実である。このため、今後も引 き続きデータ収集を行い、必要に応じて見直しを行う必要があると考える。また、治療 においては個人差もあり、投与期間を通じて起こり得る副作用など安全性には十分配慮 しながら、慎重に行っていく必要があると考えるとまとめさせていただきました。 ○林座長 どうもありがとうございました。最後の「4.とりまとめ」は待っていてく ださい。それまでで何か御質問、訂正点はございますでしょうか。  熊田委員、どうぞ。 ○熊田委員 誤字で、6ページ目の下から3行目の血管腫の腫が「種」になっている。 ○肝炎医療専門官 直させていただきます。 ○林座長 ほかにお気づきの点はよろしいですか。 ○岡上委員 血管腫のようにこれも細かいことですけれども、血管腫は先天的にあるも のですから、それを副作用で入れるとなると問題ではないでしょうか。 ○熊田委員 通常はエコーの機械が変わって、感度がよくなったから今まで見なかった のが見えただけで、血管腫は良性で生まれつきあるものだから、そんなインターフェロ ンでできるとは思えない。大抵はエコーの機械のハウリングがバージョンアップすると 小さく見えるからです。 ○肝炎医療専門官 そういったただし書きを入れ、通常はあり得ない経路とかというも のを入れておけばよろしいでしょうか。 ○熊田委員 はい。 ○林座長 ここは省いていいですか。 ○熊田委員 省いていいのではないですか。 ○林座長 皮膚良新生物1件とは何なんですか。 ○肝炎医療専門官 分類上の名前でございますので、詳しいものは症例そのものをピッ クアップしたものでなくて、知見の報告のときのものでございますので、ガングリオー マとかといったようなもの、いわゆるがんとかそういうものではないと思っております。 ○泉参考人 これはイボではないですか。 ○林座長 肝血管腫だけ除いた方がいいですか。 ○熊田委員 除いた方がいい。 ○岡上委員 除いておかないと、後でこういうことでいろいろ言われても困ると思いま す。 ○林座長 ほかに御指摘の点はございませんか。よろしゅうございますか。  安全性の方、それぞれの施設の基準がございますがよろしゅうございますでしょうか。  それでは、最後の「4.とりまとめ」の項目でございますけれども、この前の議論の ように、一応12週目のウイルスの減少量と36週目までに、もう全部Real time PCR ですので、それで陰性化した症例に限り24週間の延長投与が望ましいとするという見 解でございますが、これはこの記述でよろしゅうございますか。何か問題点がありまし たらお願いします。ここのところが一番重要ではないかと思います。  泉先生、どうぞ。 ○泉参考人 確かにこれは厚生労働省の研究班の熊田先生のガイドラインどおりで、デ ータからいくと全くそのとおりになると思います。ですから、この文章そのものは科学 的には全くそのとおりだと思いますけれども、私どものデータを解析しますと、12週で マイナスの症例で、再燃した人というのは高齢者に多くて、高齢者ですと3分の1が再 燃症例になっているんです。  ですから、ここのとりまとめ文章でいくと、12週でTaqManでマイナスになってし まうと、72週を得ることが妥当ではないということになってしまうので、もし可能であ れば、この12週でHCV−RNAが前値で100分の1に低下し、36週までに陰性化し た症例ということを訂正できることは可能かどうか。 ○林座長 8週目以降に陰性化しても、高齢の人では48週当時は再燃性が高い。デー タは先生がおっしゃるとおりです。だから、このとおりにすると、その症例については 24週の延長投与ができないということです。 ○泉参考人 ですから、基本的には、より患者さんを治してあげたいという立場であれ ば、できるだけ患者さんを救済するようなとりまとめの方がいいのかと思ったんです。 ○林座長 いかがですか。 ○熊田委員 今回のとりまとめのときもそうですけれども、まず数が足りないというこ ともありますし、そうなると特に8週でということになると、もっと数が足りないから、 とりあえず今回はこれでいいのではないかと思います。次回までに、そういう症例がど うなっているかを各施設で集めてやらないと、ヨーロッパも海外も12週というのが一 応妥当な線だし、リアルタイムのデータが全施設出ていない。ですから、リアルタイム のデータをきちっと全部そろえてからでもいいのではないかということです。もしそれ を8週に戻すとなると、また、データを全部整理し直さなければいけないと思います。 ○林座長 岡上先生、いかがですか。 ○岡上委員 私どものところもリアルタイムでやっているのはごく一部なので、断定的 なことは言えないですけれども、泉さんが言われるように、高齢でなくてF3、F4と いうのは実はそういうのがあるんです。ですから、余り細かいものを全部今、入れると、 収拾がつかない。ただ、泉さんが言われることはわかります。ただ、熊田さんがおっし ゃったように、不年齢とか、組織が全部とっているわけではないでしょうけれども、そ ういうもののデータをアップして、次の機会にされた方がいいのかもわかりません。 ○林座長 我々のところのデータも泉先生と同じような傾向のデータなんですけれども、 ただ、熊田先生のおっしゃるように、すべての施設がそういう解析の方法をやっていな くて、今回は従来の方法のデータをまとめさせていただいたというので、こういうまと めにさせていただいているんです。  あと、八橋先生、いかがですか。 ○八橋参考人 私もできるだけ研究の適用を広げたいという泉先生の御意見を持ったん ですけれども、やはりある程度検討して、データに基づいてということであれば、この ラインで今回はとどめてはどうかと思います。 ○林座長 金子先生、いかがですか。 ○金子委員 私は前回欠席しておりまして、細かなデータを読んでおりませんけれども、 確かに広く拾って救う意味ではそうなのかもしれませんけれども、まだ十分なデータが 余りないのかなというのが見せていただいたときの印象だったんです。 ○林座長 豊田先生、いかがですか。 ○豊田委員 泉先生のところのデータと私どものデータが全く同じで、特に女性の高齢 者で純粋にインスリン成果してもSVRは低下するんですけれども、先ほどから熊田先 生がおっしゃるように、今、全体にそういうのが全部きちんと出ていない段階であれば いたし方ないのかと思います。できれば前に熊田先生もお話ししたことがあるんですけ れども、高齢の女性の方で純粋インスリン成果例はというような話もしたことがあるん ですけれども、そういうふうに限定すると、なかなかガイドイランとして難しくなって しまうと思いますから、やはり仕方がないのかと思います。 ○林座長 要するに泉先生がおっしゃるとおり、我々も思っているんですけれども、今 回まとめたとりまとめデータが従来の12週を基準にしてデータをまとめているので、 そのデータを基にして今回提案をさせていただくので、今回はこれでいかがでしょうか というのでよろしゅうございますか。 ○泉参考人 まだ確かにそういう純粋にマイナスで48でリラックスしたひとが、では 70にしてしまったら効くのかどうか、そのデータはないので、確かに科学的根拠は乏し いかと思います。 ○林座長 もう先生のおっしゃることは重々よくわかる。それでは、ここのところの文 章でよろしゅうございますか。あと、実際まだデータは不十分ですので、今後データを 集めていく必要があるというのはもうこのとおりだと我々も思っていますので、先ほど 泉先生から御指摘がございました点も含めて、きちっとデータをとっていかなければな らないのではないかと我々も思っております。それでよろしゅうございましょうか。 (「異議なし」と声あり) ○林座長 それでは、これで最後の27年の附則が付いてございますが、先生方、全体 をごらんいただきました後、何か問題になる点がございましたら、御指摘いただければ と思います。よろしゅうございますでしょうか。  今回、このとりまとめをさせていただいて、72週投与の提案をさせていただきますが、 これ以外に何か少し時間がございますので、インターフェロン治療で今、大きな問題点 というのが先生方でございましたらお聞かせいただければと思いますけれども、いかが でしょうか。 ○肝炎対策推進室長 先ほど、唯一の修正点かもしれない6ページの血管腫の件なんで すけれども、これは多分知見でこのように報告されていたのではないかと思うんです。 ○林座長 これはもうこの知見の報告なので、別にそこの施設からそういう報告があれ ば全部記載されますので、ここに書いていただいたのも間違いではないとは我々も思い ます。それは報告どおりです。 ○肝炎対策推進室長 このように多分報告されていたと思うので、勝手に削除はできな いかもしれない。確かに血管腫が副作用というのは何だか理解し難いものですけれども、 間違って報告されていても、とにかくそのように。 ○林座長 報告はそのとおりなので、それは事務局のおっしゃるとおりです。残してお いてもいいですか。誤解を生むので削除と言ったんですが、確かにこれはもう既に文書 として出ているもので、そこにはこの記載がございますので、別に意味のあることでは ないんです。 ○熊田委員 2通り考え方があって、これは私が改編して全部つくったんですけれども、 改編としてやると無意味なものは省いたということで省いてもいいと思うんです。それ をとるならば、全部のものだったらこんなものではないです。膨大にありますから、そ れを全部入れないとおかしくて、改編してこの文章が出るならば、別に肝臓の医者は血 管腫がそんなというのはだれも思っている人はいないわけですから、改編というのが入 っていれば、別に除いておいても構わないと思うんです。 ○肝炎対策推進室長 わかりました。熊田先生がおっしゃるのであれば確実です。そう したら、ここは皮膚良性新生物1症例で、次の肝血管腫1症例。 ○林座長 3例というとここの文章で数が合いませんので「など」にしておけば、後半 の20〜24週では、皮膚良性新生物1症例、皮膚血管腫1例などがあったとすればいい ので、これは抜いたら3例と数が合いませんので、ここは文章を変えていただく必要が あるかと思います。 ○肝炎対策推進室長 血管腫という言葉は入れてしまっていいですか。 ○林座長 皮膚の血管腫ですか。 ○肝炎対策推進室長 「皮膚良性悪性新生物1症例」の次ですけれども、完全にここの 部分をとってしまって、計1症例であったで終わりにするかでございます。 ○林座長 これは実は皮膚の良性新生物も皮膚の血管腫も余り意味がないことなので、 この内訳を書かなくてもいいということなのかもわかりませんが、全部省いていただい ても、 別に文章上は問題がなくなるかもわかりません。  要するに、これはここの全体が良性及び悪性なので、悪性だったら困るんですが、こ れは悪性でないということを表現するためにすべて記載していただいたんだと思うんで す。 ○岡上委員 詳細不明の新生物にしておいた方がいいと思います。というのは、先ほど の岩田さんの説明で、内分泌障害と腫瘍に関しては長期に投与すると増えてくるような 印象を与えます。それが非常にまずいというだけであって、まして48週でこれだった ら、もし72週にしたらもっと増えるのではないかと思われるとまずいです。だから、 もうはっきりしているものは省いた方がいいのではないでしょうか。 ○林座長 ただ、特にここで良性・悪性で悪性の疾患があったら問題なんですが、すべ て良性疾患なので、そう言われると、ここの記載を全部削除していただいた方が逆に誤 解を生まないかもわかりません。 ○肝炎対策推進室長 そうですね。 ○林座長 良性・悪性で悪性のことが入っているので、恐らくこう向こうにいただいた と思うんですが、この中に悪性の疾患がございませんので、ここのところだけ取り上げ て記載しなくてもいいのかもわからないということです。  岡上さん、いかがですか。 ○岡上委員 良性腫瘍がインターフェロンで出てくる可能性などまずないではないです か。意図的ならば問題があるが、決して意図的ではないわけだから、先生が言われるよ うに省いた方がいいかもわかりません。 ○林座長 悪性が出たのかと思われるんです。 ○岡上委員 項目がそうです。 ○林座長 良性・悪性及び詳細不明の新生物を残すと、その内訳を書いていただかない と悪性でないということがわかりませんが、それはないので、そこの項目をすべて除い てしまっても特に問題はない。 ○肝炎対策推進室長 「また」からとるということですか。 ○林座長 そうです。「また」からとってしまっても、別に問題はないわけでしょうか。 ○肝炎対策推進室長 表の中でも「良性、悪性」の名前をとってしまってください。 ○林座長 この大項目を入れると、やはり内容を書いていただかないと、この中に悪性 しかないということが不明確になってしまうという気もいたします。 ○熊田委員 そうだと思います。 ○肝炎対策推進室長 そうしたら、熊田先生に確認ですけれども、まず6行目に「『内分 泌障害』、」の次にある「『良性・悪性および詳細不明の新生物』」をとるということです ね。 ○熊田委員 そうです。 ○肝炎対策推進室長 下の方にある「また」で始まる「『良性・悪性および詳細不明の新 生物』」から「計3症例であった」までをとる。 ○熊田委員 そうです。 ○肝炎対策推進室長 表の中の「良性、悪性および詳細不明の悪性新生物」の欄そのも のをとる。熊田先生、これでよろしいですか。 ○熊田委員 はい。 ○林座長 我々は良性と悪性の腫瘍というのは非常にわかっているんですが、一般の方 がごらんいただいたときに、良性腫瘍というのがなかなか御理解いただきにくいので、 腫瘍ができたのではないかという誤解をちょっと生む可能性も残されていますので、特 に悪性のものがございませんので、確かに削除させていただいた方が余り誤解を生まな いのではないかというとおりだと思います。それでよろしゅうございますか。ほかによ ろしゅうございますか。  金子先生、どうぞ。 ○金子委員 もう一つ、報告書のことと違うのかもしれないですけれども、このとりま とめの下線部分で最後に「望ましい」となっています。これは非常に適切な表現だと思 うんですが、この報告書が出た後に、実際の運用をするときにどういう表現となるのか。 例えばインターフェロンの助成金が出るときに、この「望ましい」のまま出ていくのか いかないのか。といいますのは、例えば12週で100分の1いかなかったんだけれども、 そのまま36週やっていたらマイナスになってしまった。その先生が、これはこのまま 読むと「望ましい」だからこれを投与したいんだけれども、どうなんですかとか、そう いういろんな細かな質問が結構専門家辺りからでも出てくるのではなかろうかと思うん です。  ですから「望ましい」のままだったら、各都道府県の運用でこれは認めようとかとい うことになるのか、あるいはもうぴったり12週、100分の1、36週、マイナスではな ければ絶対だめだと出るのか、そこら辺をもしかするとこの報告書はこれでいいんです けれども、運用上の話がどうなるんでしょうかというのが疑問なんです。 ○林座長 実際、この報告書が出た後に、どういう過程を経て最終的にどういう文書が 各都道府県に行くのかという御質問ではないかと思うんです。  正林さん、いかがですか。 ○肝炎対策推進室長 さすがにまだ文章の内容まで詰めていないんですけれども、この 後のプロセスは、これがまとめられればまず大臣に報告をします。もともと大臣から有 効性、安全性についてちゃんと検証しなさいということが私の宿題としてもらっている 件ですので、大臣に御報告をして、更に財務省、財政当局にこの報告書を持っていって、 助成の期間についてこういうことが出たので、72週もという交渉をしようと思っていま す。  その上で、来年度からできるように通知なり何なりをつくっているわけですけれども、 その段階でいろいろ悩みながらつくろうと思います。実際は、仮に通知に何か書いて出 しても、もう県からの照会というのは常に来ますので、電話なり何なりでかなり都道府 県にある程度御判断いただく場合もございますし、多少見解を示さないといけない場合 はこちらでも見解を示しますし、いろいろ悩みながらもやっています。 ○林座長 ただし、最終的には72週まで補助金が出るかどうかについては、それぞれ の都道府県単位の判断になるのがふさわしいと思う。 ○肝炎対策推進室長 一応そこについては、きちんと大方針はこちらで示すことになる と思います。 ○林座長 よろしゅうございますか。次の交渉ごとをどういうふうにやるかというのは、 今、正林さんもお答えにくいと思いますので、ほかはよろしゅうございましょうか。  それでは、特にほかになければ、これで答申関連について御承認いただいてもよろし ゅうございますでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○林座長 それでは、一応これでこの答申をお認めいただいたということにさせていた だきたいと思います。  少し時間が早うございますが、特に何もございませんが事務局から最後ございますで しょうか。 ○肝炎対策推進室長 私の方からは特にないんですけれども、先生方からこの際だから というのがもしあればお願いします。 ○林座長 時間がございますので、だれか先生方で肝炎の治療のことで何か御要望とか、 こういう大きな問題点があるという御指摘がございましたら、お聞かせいただければと 思います。  八橋先生、いいですか。 ○八橋参考人 要望ではないんですけれども、話していいですか。  助成制度が始まっていますけれども、思ったほど助成を受けられない方もおられるよ うな印象があるので、国立病院でアンケートを取っています。インターフェロン治療を 受けたことがない方で、インターフェロンを進められたけれども、お断りした患者さん に、断った理由をお聞きした。一番の理由は、副作用が心配。2番が、仕事が忙しくて 時間がとれない。この2つが非常に挙がってきていたということで、この辺りの問題も 解決しないといけないという。ちょうど中間成績ですけれども、そういうデータが出始 めていますので、今後、インターフェロンをより広く受けていただくために、この2つ を少し留意して、我々は対策を立てないといけないかと思っています。 ○林座長 ただ、先生御指摘のように、実際問題、インターフェロン治療をお勧めして 断られる理由の大きな柱は、やはり副作用の問題だというのは、いまだに変わっていな いと思います。実際まだ副作用がありますのでそのとおりなのでございますけれども、 治療を受けない1つの大きな理由は副作用の問題で、勿論、副作用のない薬剤が開発さ れれば問題は解決いたしますが、現在、副作用もかなり強うございますので、それはも う大きな問題で、副作用の対策というのは今後も大きな課題だと思います。 ○八橋参考人 2番目は時間です。仕事されている方がやはり。 ○林座長 男性のサラリーマンの方が仕事を休みにくいとかということがあって、実際 すぐに治療を受ける決断ができない。逆に言うと女性の方が時間的余裕が少しあるので、 治療を受けやすい状況にあるのかという気がいたします。  ほかにありますか。もう少し治療を受けていただける人の割合を高めたいということ で、いろんな努力をしておりますけれども、それほど急激にはなかなか治療される方の 割合は上がってこないということでございます。先生方よろしゅうございますか。  実は我々も厚労省の方も、いろんな機会に肝炎の検査のことを言っていただいている んですけれども、実際調べてみると、一度も検査を受けていないという方の割合はまだ 非常に高いです。その理由をこの前偶然お聞きしたら、私は肝炎にかかっていないと思 うからだと言って、これは我々としてもこれの対策をどうすればいいか困るんですけれ ども、私も予想外の答えでして、実は肝炎検査を受けていただかない最大の理由は、御 本人が私は肝炎にかかっていないと思っているからと言われると、我々もどうすればい いのか困るんですけれども、これの対策を考えてみなければならないという気はしてい ます。だから、我々は一度受けてくださいというのはいつもお願いするんですけれども、 自分は大丈夫だと思っている方が圧倒的に多いということです。 ○熊田委員 その関連で、特に大企業の会社の検診にB型肝炎の問題からだと思うんで すけれども、チェックに入っていないんです。それを入れることによって差別につなが ると困るということで、以前、統計をとったときは、17%しか肝炎ウイルスマーカーは 入っていないということです。 ○林座長 以前より減少しているんですね。 ○熊田委員 減っているんです。ということは、83%は会社で採血をしているから、自 分は当然チェックをされていると思っているんだけれども、実は大多数はチェックされ ていない。ですから、本当に台湾みたいにB型肝炎を激減させるとなると、B型肝炎を 生まれた子どもに全部陰性のワクチンを打ってしまうと、将来、多分台湾の方が日本よ りB型肝炎が絶対減るんです。そうすると、逆に日本は日赤が世界で最も早く初めてC 型肝炎のスクリーニングをしたという国ですから、そのアピールからいくと、もう会社 の検診にBとCは全部義務づけるという形で持っていけば、本当に今、働き盛りあるい は仕事をしている人の中で早く直していけば、将来の肝がんは先行としては十分できる のではないかと思いますが、残念ながら企業の方の検査は年々減っているというのが現 状です。 ○林座長 それは一時お願いして、厚労省からも文章を出していただいたんですが、ま だ低いレベルです。  ほかによろしゅうございますか。今後、肝炎の検査を受けていただくのと、治療が必 要な人に是非治療を受けていただきたいと思うんですが、そこのところにまだ大きなバ リアがあるような気がいたします。それをどう超えるかというのが大きな問題なんです。  ほかに先生方、よろしゅうございましょうか。なければ、これで一応この会を終わら せていただきます。  正林さん、何かごあいさつはございますか。 ○肝炎対策推進室長 それでは、先生方、大変お忙しい中、今回4回目ですけれども、 2回この72週について活発に御検討をいただき、かつとりまとめも行っていただきま して、本当にありがとうございました。  先ほど申し上げましたが、いただいたものはまず大臣に報告し、財務省との予算の折 衝で活用をさせていただきたいと思っております。本当にどうもありがとうございまし た。 ○林座長 それでは、これで終了いたします。どうもありがとうございました。 以上 (紹介先) 厚生労働省健康局疾病対策課肝炎対策推進室 03−5253−1111