08/11/14 第58回社会保障審議会介護給付費分科会議事録 社会保障審議会 第58回介護給付費分科会議事録 1 日時及び場所 平成20年11月14日(木)午後1時30分から午後4時30分まで   ホテルメトロポリタンエドモント 2F「悠久」 2 出席委員:池田、石川(代理:石田参考人)、稲葉、井部、大森、大島、沖藤、  小島、勝田、川合、神田(代理:長屋参考人)、木村、久保田(代理:今井参考人)、  齊藤、武久(代理:安藤参考人)、田中(雅)、池主、対馬、中田、三上、村川、  矢田(代理:森田参考人)、山本の各委員、堀田専門委員 3 議題  <審議事項>  1.平成21年度介護報酬改定について(居宅系サービス・地域密着型サービス)  2.その他 (鈴木老人保健課長)  それでは、定刻となったので、第58回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させ ていただく。  初めに、本日の委員の先生方の御出欠状況であるが、田中滋委員から御欠席との御連絡 をいただいている。  また、村川委員から、所用のため1時間ほど遅れて到着されるという御連絡をいただい ている。あと、3名ほどの委員の先生が少し遅れておられているようだが、間もなくおい でになると思う。  本日、石川委員に代わり石田参考人、神田委員に代わり長屋参考人、久保田委員に代わ り今井参考人、武久委員に代わり安藤参考人、矢田委員に代わり森田参考人が出席されて いる。  23名の委員に御出席いただいているので、定足数である過半数に達していることを報告 させていただく。  また、今回も堀田専門委員に御出席をいただいている。  それでは、以降の進行を大森分科会長にお願いする。 (大森分科会長)  早速議事に入るが、その前に資料の確認をお願いする。 (鈴木老人保健課長)  それでは、資料の確認をさせていただく。  今日も大部で大変申し訳ないが、議事次第、分科会の座席表、名簿の後、資料に入る。  資料1は「介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策」ということで、1枚紙である。  資料2も1枚紙で「介護従事者の処遇改善と人材確保対策(イメージ)」である。  以降は個別のサービスごとの資料になるが、資料3−1「特定施設入居者生活介護につ いて」。  資料3−2「福祉用具について」。  その後、別添で「介護保険における福祉用具貸与の実態に関する調査研究」と「介護保 険福祉用具・住宅改修評価検討会について」の2つが付いている。  資料3−3「ケアマネジメント(居宅介護支援、介護予防支援)について」。  資料3−4「短期入所生活介護について」。  資料3−5「短期入所療養介護について」。  資料3−6「居宅療養管理指導について」。  資料3−7「夜間対応型訪問介護について」。  資料3−8「小規模多機能型居宅介護について」である。  また、前回までの先生方の主な御発言を、未定稿ではあるが、事務局の方でまとめたも のが参考資料1である。もし間違ったとらえ方だとか、これが足りないということがあれ ば、おっしゃっていただければと思う。  以上が事務局からの提出資料である。  そのほか、委員の先生方からの提出資料をいただいており、1つ目が、三上委員、川合 委員、武久委員合同の提出資料「次期介護報酬改定率ならびに本分科会のあり方等に関す る緊急要望」。  2つ目が、井部委員御提出の「平成21年度介護報酬改定についての要望」。  3つ目が、木村委員からの「平成21年4月介護報酬改定にあたっての提言」である。  ここまでは全員にお配りしているが、部数の関係で、この2冊、これは村川委員から是 非皆さんにお配りをということで、テーブルの先生方だけにお配りをしている。  以上である。 (大森分科会長)  最初に、皆さん方御存じのとおり、10月30日に政府において新しい経済政策である生 活対策というものが決定した。その中に、介護従事者の処遇改善のための緊急特別対策が 盛り込まれている。この中には、平成21年度の介護報酬改定率を3.0%にすることによっ て、介護従事者の処遇改善を図ることとしつつ、それに伴う介護保険料の急激な上昇を抑 制することなどが盛り込まれている。したがって、まず最初に、この件について事務局か ら報告を求めたいと思う。  そして、私どもの分科会が、この介護報酬改定について、どのような場なのか、どうい う立場で議論する場なのかということについて、私どもがどういう所掌権限というか、事 務を持っているかということを含めて、まず御説明願いたいと思う。  その上で、今般の報酬改定により介護従事者の処遇改善に確実に結びつくということが 重要であるので、それについて、事務局から資料があるので、それを含めて、併せて説明 いただきたい。私としては、このことについて今日議論することは想定いない。どうして もということならば、これについて議論するが、まず説明を受けたいと思う。最初に総務 課長からお願いする。 ○大澤総務課長より資料1について説明   (大森分科会長)  引き続いて、振興課長から説明をお願いする。 ○土生振興課長より資料2について説明 (大森分科会長)  という説明で、前のときは下げろ、今度は上げろ、その枠組みの中で考えろということ であり、若干不本意な点があるが、そういう仕組みの中で検討せざるを得ない。いろいろ 御質問等があると思うが、今日はほかの議題がたくさんあるので、そちらに移りたいと思 うが、よろしいか。では、三上さんからお願いする。 (三上委員)  ただいまの総務課長等の説明は一応わかったが、この改定率の決定は政府がするという ことだが、基本的には、居宅介護サービス費、施設介護サービス費をどうするのかという 社会保障審議会の答申を受けた上で、前回も年末に決定をされた。今回、答申を受けずに、 審議の途中で改定率が出てきたということ。また、3%の説明についても、今の説明では 全く納得のできるような説明ではないということも踏まえて、今日は、日本医師会と全老 健と日本慢性期医療協会の3人の委員からの提出資料として提出している。  資料に書いてあるように、介護報酬改定におけるこの分科会の在り方に関しての事項と して、まず、10月30日に開催された57回の介護給付費分科会において、介護報酬改定に 関する具体的議論が始まった、同じ日に、政府による追加経済対策として、来年度の介護 報酬改定3%の引上げが公表された。今般の追加経済対策における介護報酬3%引上策は、 ここへきてやっと政府が介護サービスの厳しい現状を認識し始めたという証左として評価 はしているが、新総合経済対策の目玉と言われる他の施策と同様に、長期的視野に欠けて いるという印象は拭えないと考えている。  また、過去2回にわたる介護報酬マイナス改定による閉塞感に対して、社会保障費2,20 0億円削減の議論をされることもなく示された、この3%の引上策案は、引上率決定の根 拠にも非常に乏しく「焼け石に水」という感が否めないと考えている。  介護報酬改定に関しては、介護保険制度の理念に照らし合わせて、この分科会において、 介護労働力の確保や地域差等の諸般の事情を踏まえ「介護事業経営実態調査」等の結果を 参考にしながら建設的議論を行い、意見がとりまとめられるものと理解をしていた。にも かかわらず、本分科会での議論の最中に全く別次元から介護報酬改定率が公然と発表され、 あたかも既成事実のように報道され、相場観がつくられていることに対し強い失望を感じ るところである。  今回の介護報酬改定は、介護従事者対策を第1の課題としていたが、そもそも介護人材 確保問題並びに介護サービス従事者の処遇改善問題は、事業の安定的経営と不可分の課題 であり、介護サービス事業所にとって、適切な収支差はどの程度必要なのかという議論も すべきであるという意見も述べてきたところである。  介護サービス事業そのものの経営状況が健全で確固たるものにならない限り、介護サー ビス事業者を取り巻く諸問題が根本的に解決されるものでは決してないと考えている。む しろ、こうした拙速な施策を認めることで、これまで積み上げてきた重要な社会資源であ る介護サービスそのものが崩壊の危機に瀕するのではないかと憂慮する。  本分科会の設置意義は何か。いま一度確認をしたいと思うし、介護保険制度の崇高な理 念に立ち返って、持続可能な介護保険制度の将来を議論するにふさわしい場としての本分 科会の在り方を求めたいと考えている。  また、この分科会の情報の事前漏えいについては、前回も申し上げたが、分科会の審議 を経た上で考慮されるべき情報が事前に新聞、テレビ等のニュースで報道される状況につ いて、いまだ改善が見られないという印象が拭えない。座長の方からも前回も言っていた だいたが、厳重に今後も注意をしていただき、情報管理の在り方について、引き続き事務 局を初め関係各方面に見直しを要求したいと思う。  以上である。よろしくお願いする。 (大森分科会長)  石田さん。短目にお願いする。 (石田参考人)  今回、保険料関係についての意見が1点、それから、人材確保の観点については御質問 をさせていただきたいと思う。  今回の特別対策については、保険料上昇があるということから、段階的に引き上げると いうような案が示されているが、そもそも保険料については、介護保険事業計画などで3 か年平準化していくという方法で従来からやってきたということを踏まえて、この保険料 軽減の方法については、具体的には市町村の意見を十分聞いた上で施行していただきたい という意見である。  それから、介護人材対策について、御案内のとおり、介護報酬は税と保険料で成り立っ ているという観点から、今回、人材対策のために介護報酬が引き上げられるということだ が、これについて、かねてより、国民の目に見える形で介護労働者の給与に行き渡ること が必要であるという主張をしてきており、この資料の「→」以下の点について、いわゆる 給与水準が円滑に公表されるよう、今後、具体的な案の提示を事務局からお願いしたいが、 この点について、厚生労働省のお考えをお聞きしたい。  以上である。 (大森分科会長)  最後の点は私どもが考えなければいけないことなので、今日もその趣旨の文書が出てい るので、いずれそれは考えることになると思っている。  対馬さん、お願いする。 (対馬委員)  私ども、第2号ということなので、皆さんから保険料を集めて、それを納付して、全体 の31%を負担している。こういう立場で、今回、資料の説明を受けたが、資料と説明が合 っていないと思う。この資料は、真ん中のところにも書いているが、21年度の措置は改定 による上昇分全額となっている。また絵を見ても、21年度は全額をとなっている。それに 対しまして、説明を伺っていますと、第2号被保険者の場合はおおむね半分程度と聞いた ような気がするが、もうそうであるならば、この資料は極めて不十分だろう、誤解を与え るだろうと思うので、訂正というか、そこはきちっとしていただきたい。  2点、簡単に要望する。介護保険というのは、御承知のとおり、皆さん、人頭割りで、6 5歳以上の方々も40歳以上55歳未満の方々もおおむね4,000円負担する、こういうこと で成り立っていると思うので、そういった考え方を基礎にして、第2号被保険者、その保 険料、ここに不当に差をつけることのないように、できるだけ対応をお願いしたいという のが1点。  それから、今、ちょっとお話があったが、苦しい中で、3%上がるのであれば、先ほど 会長の方からお話があったとおり、従事者にということを是非お願いしたいし、また、そ のフォローも、給付費分科会の場を活用しながらやっていくのがよろしいのではないかと 思うので、よろしくお願いしたいと思う。 (大森分科会長)  第1点目で、何か補足説明があるか。 (吉野介護保険課長)  2号被保険者への対策であるが、先ほどの説明のとおりであるので、資料は若干説明が 足りていない部分があるかと思うので、十分注意したいと思う。2号被保険者への軽減措 置については、すべての医療保険者ではなくて、一定の財政の厳しいところが対象となる という説明のとおりであるので、そのような形で資料も修正していきたいと思う。言い足 りないところがあり失礼した。 (対馬委員)  この資料は間違いということでよろしいか。 (吉野介護保険課長)  「同様の」ということで表したつもりであるが、不正確であるかと思う。 (対馬委員)  わかった。それは是非議事録に残していただきたい。普通、同様と言ったら同じだと思 う。同じという字だから。ところが、違うとなれば、違うような形で資料をつくるべきだ と思う。 (大森分科会長)  三上さんから御指摘があった本分科会の在り方については、ここの御趣旨だと私も思っ ている。ただ、前の減らすときもそうだったが、今回の増やすもそうであるが、予算絡み で、政府が決定されるので、そのときに、私どもの審議会と順番がどうなるか、いつも議 論があり、こちらの議論を経た上でお決めくださるという話になると、予算を決める前に 決めておかなければならないが、なかなかそれがうまくいかないので、今までも全体の予 算の大きな枠組みの中である種の改定が行われ、その中でぎりぎり、私どもとしては、介 護保険法の趣旨を体現して、それに近づけるという方向で議論し、まとめるというのが従 来であった。しかし、おっしゃっていることは私はもっともだと思うので、この分科会の 在り方としては、いつも忘れないでいきたいと思う。  それから、最後の点は、マスコミ等で事前に出るということは今までもあり、そのたび に私の方から注意しているが、正直に言うと、どうしても事前にいろいろなところに説明 に回らなければいけないことがある。そのときに、予め、これは審議会にかけて明らかに なる資料なので、お伏せ願いたいと言っているが、皆さんが守ってくれないから、どこか から漏れてしまうということがある。私は事務局を信頼しており、事務局から漏れている のではないと思っているが、なお、そういう説明のときには十分御注意をいただいて、で きるだけ事前にそういうことがないようにしていただくということを再度申し上げて、私 からのお答えとしたいが、それでよろしいか。 (三上委員)  私も財政面を考えての改定率というのはよくわかるが、今まで、この分科会の審議を経 た上で、その意見を聞いて、改定率をどの程度にするということは、両方お考え併せて決 めていた。今回は全くこの審議会での議論は無視された状態になっている。  今さっき3%の説明があった。賃金上昇率、物価上昇率なり、そういったものも勘案し て3%だということもあったし、最初の説明では、介護労働者に一律2万円ぐらいの月額 での給与を上げるということを基準に2,300億、3%というのは報道されたし、昨日のメ ディファックスにも出ていた。宮島局長が、前回、前々回の改定率は合わせて2.8%ぐら いなので、私は4.7%と思っていたが、食費・居住費の分が1.9%あるので、それを差し引 くと2.8%なので3%は妥当なのだという説明もあった。  そういったもので皆さん納得されているのかどうかわからないが、食費・居住費の分は 基本的には補足給付の3,000億の分と相殺というのか、相殺以上にマイナス改定だという ふうに私は判断するし、この3%という根拠を皆さんが納得されるのであれば、私もそれ で別に構わないが、納得されないなのであれば、やはりおかしいのではないか。これから の審議でもう少し大きなプラス改定が必要だということであれば、審議会として、そうい う意見を述べるべきではないかと考える。 (大森分科会長)  恐縮だが、これから具体的な審議に入るので、この件は以上にさせていただきたいが、 どうしてもか。それでは、一言どうぞ。 (山本委員)  尋ねることが2つある。1つは、調査したと言っている。先般、調査した結果を説明し ていただいた。あの調査は、厚労省がしたのか、それとも施設の方がして出したのか。そ れが1点目。  なぜそういうことを尋ねるかと言うと、調査権というのは、いつでも勝手に行使しても いいのかどうか。それがわからないので、そこら辺りを教えていただきたい。  それから、さっき、分科会長からお話があったから、もう申し上げないが、3%という のはどこから出た根拠か、その根拠を教えていただきたい。3というのは一番言いやすい 言葉ではあるが、それで出したのか。この保険料というのは、各市町村ばらばらであるか ら、低いところは3%上がってもたいしたことはないかもしれないが、高いところは、3 %が非常に大きな数字になる。だから、そこら辺りを考えながら3%という数字を出した のかということである。  それから、もう一つ大事なことをお尋ねしたいが、国は今、生活給付金をやろうとして いる。まだ具体的には決まっていないが、所得制限するとか、しないとか、言っている。 片一方では、あなた方、困っているから、国がお金を差し上げようと、言っている。片一 方では、保険料を上げると言っている。厚労省というところと日本国政府は別なのか、一 緒なのか。私はそれがわからない。それはここだけで言ったのではない。この前、関係大 臣との協議会のときにも私は言った。こういうことをやるなら、なぜ介護保険料を上げる のか。それはわずかな金額かもしれない。全国平均でいけば、3%といえば120〜130円く らいだろう。我々のところはそんな額ではない。5,000円ぐらいであるから、他より高い。 だから、片一方では、生活給付金をやって、皆さん、楽になっていただきたい、経済的に 乗り切っていただきたいと言っている。片一方では、保険料を上げると言っている。そこ ら辺りは、あなた方は厚労省だが、政府部内ではそういう話をして、ああ、いいよ、やれ やれと、こういうふうになったのか。教えていただきたい。その後、お尋ねしたいことが あるから、それをまず先に答えていただきたい。答えられないなら答えられないと言って いただきたい。  なぜ私がそう言うかというと、私は保険料を上げるのは余り賛成していない。今でも反 対である。私の方から見ると、今は適当でない。だから、上げないでやりくりはつかない のかと思う。だから、ここで3%上げるなどと、3%というのは勝手にあなた方が決めた のと違うのか。だれが決めたのか。それも一緒に教えていただきたい。その後、申し上げ たいことがあるので、お願いする。 (大森分科会長)  恐縮であるが、総務課長からもう一度説明をお願いする。 (大澤総務課長)  3.0%については、先ほど申し上げたように、10月30日に開催された政府・与党の会議 において決定をされたものであり、その根拠は、大変恐縮で、繰り返しになるが、前回改 定以後の賃金、あるいは物価の伸び率、こういったものを見ながら、しかし、介護従事者 の処遇については、実は、さきの通常国会において、与野党一致の介護従事者の処遇改善 のための議員立法が成立をしている。処遇改善のために政府はしっかり検討して対応しろ ということが法律という形で成立をされ、それを受けて、18年以降の賃金、物価の伸びが 1%に届かない中で、処遇改善を図るためということで、3.0%とすることが決定されたと いうことを私どもとしては承知している。  あと、山本会長がおっしゃった給付金との関係については、恐れ入るが、これは私ども で所管をしてなく、政府内の別のところでまた検討している。その関係というのは、誠に 恐縮であるが、私どもの立場でお答えを申し上げることはできないので、よろしくお願い 申し上げる。 (山本委員)  調査はどうしてやったのか。 (鈴木老人保健課長)  これは法令に基づく調査権ということではないが、今までの改定のときも、改定の前に は2回、前々年の10月に概況の調査をさせていただいて、前年の4月に詳細調査をさせて いただいて、それに基づいて、例えば、従業員の方の給与であるとか、サービスごとの経 営状況であるとか、そういうものを、各施設の御協力の下に集めさせていただいている。 (大森分科会長)  よろしいか。 (山本委員)  突っ込んで言うとまたけんかになるから、それは申し上げないことにする。わかった。  調査権というのはそう簡単に行使するものではないということは理解をしているのだろ う。その理解の上に立って調査をしているわけだろう。自分たちの気に入らないことを言 ったら調査をするというやり方をして、その結果、かくかくしかじかだから、こうするぞ と、そういうふうに言われると、強制的にいろんなことをやっているというような感じを 受ける。だから、それがなければ私はいいと思う。  ただ、言いたいことは、一遍こういうふうにしてやろうと言って決める。これだけでは ない。介護報酬を上げるとき、前回のときも、こうするから、ああするから、きちんとや ればと言って、理由をつけて、そして介護報酬を決めたということは御承知のとおりであ る。ところが、それからどれくらい時間がたったのか。そうしたら、今回は3%上げると いうことになった。だから、3%の前に、何%にするかということなどについて、例え上 から言われようと、そういうことを抜きにして、こういう会議で皆さんの意見を聞いた上 で、3%か、5%がいいか、あるいはそれがいいかということについての議論をすべきだ と思う。言われたから私どもは出したと、そういうことでは、何のために私どもは議論し ているのか、私は遠いところから来ている。何なら一遍来てもいいが、こんな遠いところ かというぐらい遠い。  そういうことを考えていくと、何か簡単に承服するような感じがするので、私は初めか ら値上げには反対をしているし、この前も政府との話し合いのときにも私はこういうふう に言った、だから、おかしいと思わないのかということは言ったが、それに対してどうこ うするということの話はなかったが、そういうことで、上げることについての、当該年度 は全額、その翌年は半分を軽減するだけで、あとは負担しないのだろう。  だから、上げて困る、そういう県があるということを忘れてはいないのか。上げたら困 る。同じ3%でも、100円で済むところ、50円で済むところもあるかもしれない。しかし、 何百円もかかるところもあるかもしれない。その高いところのことなどを考えて、3%と いう数字を出したのか。だれがそういうふうにしろと言ったのか。教えていただきたい。 3%を上げろと、さっきの話、そう言ったではないか。だれが、どこで、何で、そういう ことを言われたのか。言われるままにやるなら、こういう審議会みたいな会議は要らない ではないか。私はそう思う。  私は、全国町村会でも、値上げには賛成できないということを言っている。だから、申 し訳ないが、今、999しか町村はないが、999の町村が、皆さんが納得していただくように 私に説明をしていただきたい。そうしないと、おまえは何のためにそこに出ていたんだと 怒られるだけだ。非難される。だから、私が納得のいくようなことをしていただきたい。 それだけを今日は意見として申し上げておくので、大賛成ではない。あなた方が強行突破 するならしてもいいが、私は大賛成ではない。だから、私も町村会では、かくかくしかじ かでこういうふうになったのであるということは言う。だから、納得のいく説明をしてい ただきたい。あまり納得のいかない説明ではないか。 (大森分科会長)  それでは、よろしいか。前半の話は以上にさせていただいて、今日、大部のものを、皆 さん方の御意見を伺っていかなければならないので、前回と同じように一括して説明して いただいた後、皆さん方から自由に御意見をいただくことにする。それでは、よろしくお 願いする。 ○ 土生振興課長より資料3−1から3−4までについて説明 ○ 鈴木老人保健課長より資料3−5及び3−6について説明 ○ 菱田計画課長より資料3−7及び3−8について説明 (大森分科会長)  それでは、10分ほど休憩させていただいてディスカッションに入りたいと思う。 ( 休 憩 ) (大森分科会長)  それでは、再開をさせていただく。  たくさんあるが、従来どおり、多分、皆さん方から御発言あるものと期待しているので、 何なりとおっしゃってくださればと思う。木村さんからどうぞ。 (木村委員)  今日は、日本介護支援専門員協会から提言書を出させていただいているので、先ほどの 居宅介護支援に対しての意見も含めて、提言の中のポイントのみお話しさせていただきた いと思う。  まず、多職種協働によるケアマネジメントを徹底すれば、認知症になっても、ひとり暮 らしでいても、入院するときになっても、退院するときになっても、まさに利用者が安心 して住み慣れた地域で暮らすことが可能になる。これを全国の介護支援専門員は今、ケア マネジメントを通じて頑張っているところである。先だって報告があった実態調査では、 15サービスのうちで一番収益が悪かったマイナス17%ということであるが、その中にお いても一生懸命頑張ってきた。  それと、前回改定において資格の更新制度が導入された。それによって一生懸命研修も し、また、それを実践してきたところである。今、介護保険法の中で、まさに要と言われ ているわけなので、今後、介護支援専門員を任用資格から国家資格に向けていく必要があ ると思う。  この後述べる、それぞれの評価についてであるが、基本的には、介護支援専門員が正規 職員でケアマネジメントの仕事をするだけで、家族と生活ができる、そういう報酬の方向 に持っていくべきと考えているので、よろしくお願いする。  あと、後ろから2枚目のところにポンチ絵を入れさせていただいた。まずもって居宅介 護支援の評価は、今、基本単位が要介護1〜2と3〜5の2段階になっているが、私ども としては、基本単位一本化、そして更なる評価をいただきたいと考えている。  それから、先ほど言った、利用者さんが安心して地域で暮らせるためには、これから話 すことの評価が必要と考えている。まず、入院、入所、退院、退所における、利用者さん とずっとかかわって、医療関係者、施設関係者とかかわっていく、そこへの情報連携、そ れから、カンファレンスで一緒に議論すること、そういうことが非常に大事だと思う。と いうことで、右側の円の中にあるような加算を考えていただければと思う。  また、別に、在宅側、居宅側で、認知症の御利用者様、それから、ひとり暮らしの御利 用者様に対して、ものすごい時間と回数をかけて今、やっているところである。そういう ことから言うと、要介護度別だけではなくて、一人ひとりの状態に合わせた支援に対する 評価もいただければと思う。  次に、これは今後のことになるかもしれないが、要介護度を維持、または改善したこと に対する評価もいただきたい。  それから、そもそも認知症の方々等のケアマネジメントをしている中で、地域の社会資 源を活用し、また、地域の社会資源だけで支えているケースもある。その場合、今の介護 保険法の報酬の算定の在り方で考えると、ケアプランを作成し、介護給付のあるサービス を調整した場合のみ算定できるという形になっている。しかし、地域で安心して暮らせる 利用者さんを支えるという観点からすると、むしろ地域の社会資源をうまくコーディネー ションしながらも、頑張っている、ケアマネジメントしている介護支援専門員に評価いた だければと思う。そのことによって利用者さんは非常に安心する、介護給付費は逆に節減 することになるので、そのような評価もいただければと思う。  更に、特定事業所加算は、先ほど説明があったが、ほとんど算定できていない。そこの 要件緩和というところもお願いしたいと思う。  更に、逓減制については、先ほど40件を超えたものに対してのペナルティーというか、 そういうことのお話があったが、一人ひとりの丁寧なケアマネジメントをするという観点 からは、過度な担当件数にならないような配慮をいただければと思う。  そして、次のページをごらんいただきたいと思う。今までは居宅介護支援事業所の介護 支援専門員に対する評価をお願いしてきたが、私ども、2年間、施設に勤務する介護支援 専門員の業務実態を調査させていただいた結果、このような提案をさせていただく。現在、 介護保険3施設には、入所者100人に対して介護支援専門員1人という人員配置になって いる。調査をした結果、7割が兼務ということで、本来業務であるケアマネジメントを実 行していくには非常に厳しいという声が上がってきた。  そこで、入退所・退院調整及びケアプラン作成担当者としての明確化をするとともに、5 0対1を超えた介護支援専門員の加配をしているところのケアマネジメント加算等の評価 をいただければと考えているので、よろしくお願いする。  もう一つ、提言書の後ろの方に書いてあるが、現場で頑張っている介護支援専門員に対 して、都道府県が行う指導監査、それから、市町村が行うケアプランのチェック等々、こ れは当然、法の下に行われていることでありますが、それぞれの都道府県がまちまちなこ と、本来の趣旨とずれて指導していること等により、現場の介護支援専門員が本当に不安 になっている状況である。また、そのことによって書類等がものすごい増えているという ことも上がってきているので、ここでお願いである。都道府県と市町村の方々に、本来あ るべき指導監督をお願いできればと思うので、よろしくお願いする。  そして、薬剤師が行う居宅療養管理指導であるが、先ほど出たデータにもあるが本来、 薬剤師と多くの職種が連携して、薬剤に対してのマネジメントをきっちり進めていくとい う趣旨で診療報酬改定が行われている。  具体的には、多職種連携をしていくことによって、患者さん、利用者さんの薬を飲む率、 コンプライアンスがきちっと上がり、患者さん、利用者さんのQOLが上昇するというこ とになる。  また、先ほど出てきた飲み残し薬のことであるが社会保障費の負担として考えたときに は、非常に大事な観点と考えている。薬剤師と多くの職種が連携してやることによって、 飲み残し薬も減って、社会保障費の適正化につなげていきたいということも日本薬剤師会 として考えているので、よろしくお願いする。  長くなったが、以上である。 (大森分科会長)  では、勝田さん、どうぞ。 (勝田委員)  利用者の立場として、介護報酬についての考え方を述べさせていただきたいと思う。  まず、現在の介護報酬の考え方そのものは、要介護度と比例していくという考え方だが、 認知症の場合、そういう場合は少ないのではないかと思う。そういう立場から、幾つかの 点について発言したいと思うが、その前に、私たちは、認知症があっても安心して地域で 暮らしていきたいということを言っている。その中で、介護労働者の待遇改善ということ で、3%アップという、これは先ほど質疑が打ち切られた。マスコミ報道では、イコール 給与が2万アップというふうに書かれていた。この2万円については、厚生労働省の関知 するところなのか。それともマスコミが勝手に書いたことなのか。これだけは後からお願 いしたい。  介護報酬の考え方について、まず、小規模多機能についてだが、先ほど御説明にもあっ たが、幾つかの管理者にお電話をして聞いたが、全体として要介護度の軽い方、要支援者 も含めて、看取りまでやっている。そういう場合には、要介護1、2というのは余りにも 低過ぎるのではないか。逆に言うと、認知症にかかわる方でもそうだが、軽い方ほど徘徊 などがあって、なおさら手がかかる。そういうことについてもきっちりわかってほしいと いうことだった。  それから、今、木村さんがおっしゃれたが、ケアマネの介護報酬についてである。利用 者にとっては本当にケアマネの存在というのは大きい。在宅介護を継続できるか、介護を スムーズにやれるかどうかはケアマネさんによるところが大きい。そういう中で、現在だ と、要介護度が高くなると、3〜5だと1,300点、低いと1,000点ということだが、私た ちは早期発見して、初期こそ家族は混乱し、悩みも多い、不安も多い。そのときにケアマ ネさんがかかわることで、認知症に対する、病気のことや、今後どうなっていくという相 談、今はケアプランに対する報酬だが、相談活動の方が支えることが多い。逆に介護サー ビスに至るまで、6か月、1年間ぐらい、ケアマネさんの相談によって支えられることも 多い。  そういう場合に、初期加算という考え方はあるが、初期こそ、軽度のときこそ、切れ目 のない支援という点では、早期発見された、医療機関で言われたときに、イコール、是非 ケアマネさんとの連携も含めてやっていきたい。そのためには、ケアプランを立てただけ ではなく、いろんな相談に乗る、ケアプランにかかわらない部分でも評価はしっかりすべ きだと思う。軽度も、重度も、要介護度が高くても、報酬に差をつける必要はないのでは ないかと思っている。早く手当てをすることで重度化しないということでは、費用対効果 はとても大きいのではないかと思う。  と同時に、ショートステイについても同じことが言える。在宅で頑張る。勿論施設もそ うだが、頑張りたいと思っても、なかなかショートが使えない。例えば、空きベッドを利 用した場合に、空ができると困るとおっしゃるが、使わなくてもきちっと保証するような 体制を、医療も、老健のショートも含めて是非やっていただきたいと思う。  もう一つ、どうしても言いたいのは、介護人材で幾つか述べられた中で、例えば、母子 家庭の方たちを優先的に支援するということである。確かに介護に携わる方は女性が多い が、女性だと給料が安く済むからだとか、そういう観点から言われているのではないかと 懸念される。  もう一つは、福祉用具についてだが、使う人は認知症の方がとても多い。ベッドによる 死亡事例もたくさん出ているので、そういう事業者さんに対しては、しっかり認知症に対 する研修もしていただきたいと思う。  最後に、今、要介護認定に伴う項目削除の問題が出て、モデル事業をされているが、そ の結果についてどうだったのか。幾つか聞いてみると、項目が減ったことで認知症の全体 像がとてもわかりにくくなった、それがないために、なかなか意見書にも書けないという ことで、これはまだモデル事業はされていると思うが、どうだったのかということを、で きれば是非、別の機会にでも結構なので、出していただきたいと思う。  以上である。 (大森分科会長)  前に戻ってしまうが、2万円の話は回答できるか。 (大澤総務課長)  2万円について、厚生労働省の関与はあったのかというお話があったが、3.0%の根拠に ついては先ほど申し上げたとおりである。介護報酬は、申し上げるまでもなく、介護サー ビス提供の対価として提供事業者に支払われるものであるので、仮に介護報酬が引き上げ られたとしても、それぞれの事業所ごとの介護従事者の雇用形態、常勤であるとか、非常 勤であるとか、あるいは勤務年数であるとか、あるいは事業所の規模、経営状況であると か、あるいは地域における労働市場の違いであるとか、いろんな要素があるので、介護報 酬の引上げによって、すべての介護従事者の賃金が一律に一定金額引き上がるとは限らな いと考えている。  ただ、今回の介護報酬改定の最も重要な視点が介護従事者の処遇改善であることは十分 認識しているので、介護報酬が引き上げられた場合には、できる限り処遇改善につながる ように、この介護報酬改定上の工夫であるとか、あるいは介護サービス事業者が効率的な 経営を行うための経営モデルの作成提示であるとか、あるいは一定の情報の公表の促進等 々、さまざまなものを多角的に取り組むことによって、なるべく処遇改善につながるよう な手だてを講じていきたいと考えている。 (大森分科会長)  では、中田さん、どうぞ。 (中田委員)  居宅介護支援事業所が非常に赤字だということであるが、これは前回の見直しのときに、 介護支援がいわゆる居宅介護支援事業所にいって、介護予防支援が地域包括支援センター に分断された。このことが非常に利用者にとって不便で、そして理解されない状況を生み 出しているのではないかと思っている。この分断で居宅介護支援事業所はかなり小規模化 した。私のところも1か所撤退した。そういうことで、ケアマネの不安定な雇用を生み出 しているのではないかと思っている。これを前提にして、私は2点意見を述べさせていた だきたいと思う。  1つは、利用者の訪問要件を、今、毎月となっているが、3か月に1度という程度に簡 素化したらどうか。今日の資料の25ページに出ているが、全体の利用者宅への訪問が何と 32.3%になっている。これを考えると、ケアマネ1人当たりの平均担当件数35件上限の要 件を緩和する。例えば、利用者の訪問が業務全体の32%になっているので、3か月に1度 とすると、業務量は20%ぐらいに低減できるのではないか。そうすると、上限45件まで 上げることができるという算定になる。是非この辺も御検討いただきたい。  もう一点は、居宅介護支援事業所における介護予防支援の上限8件についても廃止した 方がいいのではないか。これは利用者の目線から言うと非常におかしい。自分が要介護に なったり、要支援になったりすることもある。その都度、代わる。事業所も代わるし、ケ アマネージャーも代わることだから、この辺は是非御検討いただきたいと思う。  それから、小規模多機能居宅介護であるが、経営実態調査結果を踏まえて、報酬上の対 応を検討するということである。例えば、資料の8ページに在宅サービスから円滑な移行 が可能になるような方策等とあるが、介護保険制度というのは利用者が自らサービスを選 択できるわけで、なぜ従来型サービスから移行させなければいけないのか、私にはちょっ と理解できない。  小規模多機能居宅介護は高福祉高負担のサービスの在り方だと思っている。非常に費用 はかかると思っている。小規模多機能居宅介護の拡充が保険料に与える上昇幅というのは、 もうちょっと計算してはどうかと思っている。利用者の従来サービスの組み合わせとの比 較で、費用対効果の点で是非再検討していただきたいと思っている。要介護平均3.5で従 来サービスの組み合わせ、ショートステイ、デイサービス、ホームヘルプ等の組み合わせ で、小規模多機能の方が約4割高になっているという試算もある。そういうことであるの で、この事業所の問題については、もうちょっと現状を詳しく、サービスの提供の実態調 査をすべきではないかと思っている。  私のところに入ってくるいろんな情報があるが、一部事業所では訪問はほとんど行わな いで、短期入所サービス代わりにそこに住み着いて、いわゆる特養待機者を入れていると いうような状態も聞いているし、もう既に採算が合わないので閉鎖する事業所も結構出て きていると聞いている。そういう意味でも、もうちょっと詳しい調査をした上でこの議論 をしていただければありがたいと思うので、どうぞよろしくお願いする。 (大森分科会長)  石田さん、お願いする。 (石田参考人)  1点質問と、1点意見を述べさせていただく。  まず、福祉用具についてである。福祉用具については、1か月のレンタル価格が全国平 均の3倍を超える例があるということが複数の市町村から指摘されている状況である。中 には10倍近くのものもあることが報告されている。また、こうしたレンタルの実態を見る と、貸与価格の公表や利用者の給付費通知制度だけでは、不当な請求が十分排除できるか どうかというのは疑問であるというのが我々の見方である。この際、実際の販売価格と比 較して著しく高額なものについては上限を設けるとか、あるいは安価な福祉用具について は原則購入費にするなどの保険財政を踏まえた措置も必要ではないかと考えている。  更に言えば、つえ、手すりなどの比較的安価な福祉用具がレンタルに位置づけられてい るために、介護保険からの給付費が定価を大幅に上回るなどの不合理な点がある。これは 以前から指摘されているところであり、実際の例として、定価3万5,000円の手すりが、 本人負担500円、給付費4,500円でレンタルされて、既に6年間で36万円近くも給付費が 支払われているという実態があった。また、この対象者には、このほかにケアプラン作成 費として年間で66万円も給付され、現在もレンタルが続いている。たった3万5,000円の 手すりが6年間で100万円以上になるということについては、保険者としてはなかなか厳 しいと思っている。  こうした例を見ても、介護給付費の適正化というものを進めながら見直しを行うことが 必要ではないかと思わざるを得ない。こうした問題を今回の改正の中で是非是正していた だきたいと考えており、この点について厚生労働省のお考えをお聞きしたい。これは1点、 質問である。  次に、意見である。居宅介護支援では、40件を超えた場合の低減制というものについて は、実態に即して進めていただきたい。40件を1件でも超えた場合にはすべて減算という ことについては、確かに御指摘があるとおり、受持件数が標準35件に比較して低く抑えて しまうという実態があるというふうには私どもも認識しているので、そういった改善につ いては是非取り組んでいただく必要があるのではないかと思っている。  また、介護予防支援、月400単位というものでは非常に低いのではないか。これについ ても実態を踏まえて、是非対応はお願いしたい。これは意見である。  最後に、小規模多機能型居宅介護について、軽度者の利用が非常に多いということから、 軽度者に厚くするというような議論もあるようだが、本来、中重度のためのサービスとし て設計されており、24時間365日のサービス提供を前提としているというサービスであり、 それを軽度者の対応としてフィットさせるかどうかということについてはよく見る必要が あるのではないか。  また、1月当たり定額方式では、わずか1回の利用でも全額が支払われるということか ら、定額払いに加えて出来高払いの方式なども組み合わせるなどして、給付の適正化も含 めた対応が必要ではないかと、そういう意見を持っている。  以上である。 (大森分科会長)  池主委員、お願いする。 (池主委員)  福祉用具については、日常生活の便宜を図るという主目的がここにあるが、極めて日常 的な行為が介護状態になることで途切れてしまう。殊に、ことにブラッシングなどがある。 介護状態でも、ブラッシングがやりやすいように多少の工夫をしてあげるとか、あるいは、 最終的にそういうテクニックが身についた方には、電動歯ブラシを使うというような意味 合いで、日常的な課題だが、日々生活の中に対応していくという意味は非常に重要な部分 ではないかと思う。こういう、今、隠れている、いろんなニーズを引き出すという意味で も、こういうものを福祉用具の範疇に入れて対応していただきたいと思うが、その辺はい かがか。 (大森分科会長)  井部さん、お願いする。 (井部委員)  私は今日「平成21年度介護報酬改定についての要望」という資料を提出しているので、 ごらんいただきたいと思う。  本日のテーマに関連した事柄については、2枚目の軽度要介護・要支援者の在宅療養継 続を支える基盤整備が必要ではないかという提案である。  近年、救急搬送される高齢者が増えており、中でも軽症、あるいは中等度の要介護者に 著しいと言われている。救急搬送後に入院に至る者も多くいらっしゃって、入院をきっか けにして在宅療養の望まざる中断が余儀なくされているという実態がある。現行の介護保 険制度では、在宅療養継続のための支援が必要なものを適切に把握するという仕組みが欠 如しているのではないかということである。現在、居宅、あるいは介護予防サービスを利 用する要介護、あるいは要支援の約255万人の中で、訪問看護の利用者はわずか25万人で ある。特に軽度から中等度の要介護者、あるいは要支援者においては、利用者が1割に満 たないでおり、訪問看護を必要としながら利用できていない高齢者が地域に潜在化してい ると考えられる。これらの人々に対して不安の軽減を図り、かつ心身の不調や異常を早期 に発見・対処し、必要時に医療につなげる仕組みがないため、重度化や、あるいは不要な 入院による在宅療養の中断、あるいは中止を招いていることが考えられる。  こうした現況を改善するために、訪問看護師が軽症から中等度の要介護、あるいは要支 援者を対象に、在宅療養継続のための支援を適切に提供することによって、不要な救急搬 送や入院を回避する新たな仕組みを導入し、報酬上の評価をすることを提案したいと思う。  今後、更なる高齢社会へ移行する我が国において、地域の高齢者ができる限り在宅での 療養生活を継続できるよう、予防と早期派遣・対応の仕組みを整備することは、介護保険 制度・医療制度の将来にわたる持続的かつ安定的な運営を確保するためにも重要であると 思われる。  本日の資料3−6に居宅療養管理指導について、現状のデータを出していただいており、 特に4ページには要介護者、あるいは要支援者のうち、要介護度が低いほど居宅で療養し ている者への生活上の支援を目的としたサービスの提供が少ないという実態があるので、 この3−1の資料の10ページにあるような具体的な論点の中の1つ目の○だが、こうした 生活環境や身体状況の変化が見られたときや、その場合が想定されるケースについて、特 に看護職員はケアマネージャーや医師と共同して、居宅における療養上の支援を行う仕組 みを検討してはどうかという提案である。是非ともこの視点を生かした仕組みをつくって いただきたい。  私の提出した資料には、そのほか、訪問看護に対する評価の見直しと、療養通所介護の 拡充について、前回のときに主張した点について、更に具体的な実態調査等のデータを盛 り込んで提案している。訪問看護と療養通所看護に関しては前回発言したが、是非ともこ の視点を盛り込んだ評価をお願いしたい。  以上である。 (大森分科会長)  では、田中雅子さん、お願いする。 (田中(雅)委員  まず1点、今日の議論には入っていないが、どうしてもお聞きしたいことは、11月12 日の読売新聞夕刊に療養介護士についての報道があったところである。第6回の安心と希 望の介護ビジョン会合において厚生労働省がたたき台を出したということで、療養介護士 についていろいろ書いてあったが、それについてはどのようなお考えなのか、もし御説明 できればお願いしたいと思っている。  と申すのは、在宅における医療ニーズの高い方々が現に増加傾向にある、中において、 私ども日本介護福祉士会では、実際にこれらの方々が在宅での生活を可能にするためには、 いわゆる医療行為の範囲をある程度を介護福祉士等に行わせることが必要ではないかとい うことを考えている。介護福祉士に研修を課した上で、事業所の判断で一定の軽微な医療 行為を行えるような対策を講じなければ、介護保険法の第2条第4項にあるような目的を 達成することは不可能であろうし、また実際の在宅化も促進されないということを提言し てきたので、そういった考えについて少し説明いただければと思う。  2点目であるが、居宅介護支援事業についてである。ケアマネジメントの中立性、そし てまた公平性を確保するためには、まず、何よりも介護支援専門員の独立ということが大 事であり、具体的には独立型の介護支援事業所の促進を図るべきだと考えている。また、 介護報酬も、そのような単独運営を可能な額に設定を見直すべきではないかということを お願いしたいと思う。  3点目であるが、夜間対応型の訪問介護である。資料3−7の5ページにおいて、夜間 対応型の訪問介護を日中においても24時間の安心確保のために延長することについての 検討ということで、これについては、まさしく利用者の方々の安心、不安だとか、あるい は万が一の対応のために私は大変重要なことだろうと思う。  一方、(2)にあるように、専門職の資格要件を緩和することについてはいかがかと思 っている。夜間対応型の訪問介護におけるオペレーションサービスというのは、利用者の 方々の不安を解消するためのお悩み相談の係ではない。そのときの状況において即断の判 断を要する、そういった面においての専門職配置だったと考えている。それをこのたびは 資格要件を緩和するということをお考えなのは、具体的にどういうことなのかということ と、もし緩和するについては、そのオペレーターについてはどのような質を確保し、どの ような人たちを想定するかについて、もしこの場でお答えできればお願いしたいと思う。  それから、これは大森座長に申し訳ないが、先ほど議論にあった、介護従事者に2万円 を一律支給されることについては私どもは歓迎したいわけだが、実際は一律の2万円支給 だけでなく、介護従事者の方々が将来にわたって生活設計、すなわち自らの生活をきちん とイメージできるような報酬体系になることが大事だと思う。そういう意味で、まさに私 たち働いている者が、自分の5年後、すなわち、20歳、24歳の若者たちが結婚し、子育て をし、教育をしという、自分の将来設計ができるような、そういう給与体系、報酬が払わ れることを願っている。今後、この議論の中において、是非念頭に置いてほしいのは、ベ ースを上げるということも当然だが、一方では将来にわたって生活設計が成り立つ、すな わち5年後も10年後も、この大好きな仕事に就いていたいと言えるような状況にしていた だきたいと思う。  以上である。 (大森分科会長)  御質問で、お答えできることがあったらお願いしたい。 (大澤総務課長)  いわゆる療養介護士についての御質問に回答する。去る12日に安心と希望の介護ビジョ ンについての会議において、大臣とも相談の上、事務局としては、たたき台として、今、 お話のあった療養介護士(仮称)の創設といったものを御提案をさせていただいたところ である。  これについては、高齢者が住み慣れた自宅や地域で住み続けるための介護の質の向上の 一環として、医療と介護の連携強化のため、より質の高い総合的なケアを提供するという 目的の下に、経管栄養であるとか、喀痰吸引などの一定の医療行為を行うことができるよ うな資格を考えてはどうかということで御提案させていただいたが、あくまでもこれはた たき台であり、現に12日の会議の場でも、余りにも唐突であるという御意見、あるいは一 定理解ができるといったような御意見、さまざまであったので、そういった御意見を踏ま えて、そのビジョンの会議において、今後更に検討していただきたいというふうに考えて いる。  以上である。 (大森分科会長)  もう一つの御質問があった。 (菱田計画課長)  夜間対応型訪問介護のオペレーターについて、おっしゃっている御趣旨は当然であり、 その場で様々な判断をしなければいけないということは十分承知しており、オペレーター の質を確保した上でと書かせていただいた。現時点で具体にこの資格ならいいだろうとか 悪いだろうという案まで持っていないが、十分踏まえた上で検討させていただきたいと思 う。 (大森分科会長)  では、稲葉さんにお願いする。 (稲葉委員)  小規模多機能型居宅介護と、居宅介護支援、福祉用具について意見を述べさせていただ く。  先ほどから委員の御意見にもあったように、この小規模多機能型居宅介護の存在意義が 問われるようなお話も出ていたので、この資料の中にも書かれているように、中重度にな っても在宅での生活を可能にする画期的なシステムであると思う。  これまでだと、在宅で介護サービスを、ホームヘルプサービスやデイサービスやショー トステイをぶつ切りで受けていても、そろそろ在宅で暮らすのは危険だろうというところ で施設入所という流れができていた。  なぜならば、サービスとサービスの隙間、訪問やデイサービスに通うことがない日に、 事故、その他危険性が起きるわけで、そういったところも補いつつ、在宅で暮らす希望が ある人は、それをできるだけ可能にしようということであったので、小規模多機能型居宅 サービスであれば、デイサービスから通った後でも、その日の体調であったり、家庭の環 境を考慮しながら、臨機応変に日々変わる変化に対応して訪問をしたり、電話連絡をした り、長くいてもらったりということができるというところでは、単なる在宅介護サービス の組み合わせとは違うと思う。  ただ、現実に十分に目的どおりに機能しているかというと、当然、訪問をするにしても、 訪問の回数や時間等に応じてもコストがかかるわけで、今の事業収支実態から見ると、な かなかできていないのではないかと思う。したがって、ベースとなる介護報酬がまず上が ることも必要であり、また、先ほどの資料にもあったように、利用者の数が安定すれば、 事業収支は安定するのではないかということもあったが、まさにそのとおりとも思える。 だから、これまで以上に地域のケアマネージャー、大体、在宅のケアマネージャーがこの サービスに紹介をするケースが多いと思うので、そこに積極的に紹介していただく。  そこで問題となるのは、これまであった在宅のケアマネージャーと利用者の関係が断た れてしまうことである。ケアマネージャーとしても、ただでさえ、ここ数年、持ち件数が 減っていく中で、事業も厳しい中で、できるだけ自分でも続けて看たいというような考え もあるのかもしれない。  したがって、それに対する策としては、在宅の支給限度額の枠の中から小規模多機能型 居宅介護のケアマネジメントの費用部分を外に出す。別の枠で設けるという方法もあると 思う。だから、そこを気にせずに小規模多機能型居宅介護を利用しつつ、ほかの在宅サー ビスも利用できるのではないかということがまず1つ。  そのためには、小規模多機能型居宅介護事業所のケアマネージャーがケアマネジメント を担当する方法もあるし、在宅のケアマネージャーが引き続き小規模多機能型居宅介護を 利用する中でマネジメントを行う方法もあると思う。その場合には、在宅のケアマネージ ャーとしては、日々変わる変化に柔軟に対応する必要があるために、スケジュール管理や サービスの時間等は事業者に任せるとして、例えば、目標の設定だとか、アセスメント、 モニタリング、給付管理、こういったところを担当する。そのように連携ができれば、こ ういった外部のケアマネージャーも安心して紹介ができ、利用者も飛躍的に伸びるのでは ないかと思う。  それから、居宅介護支援については、木村委員からの御説明もあったように、確かに入 院・入所、退院・退所、認知症やひとり暮らし、こういう方への対応については、機関と の情報交換、共有は大切であるし、住民や関係機関との連携も大切となってくる。これが うまくできるかどうかで安定した生活ができるかどうかにもかかわると思うし、当然そこ に手間、時間がかかる。この部分が十分に見られるような報酬の設定になってくると、ケ アマネージャーももっと積極的にこういった行為に時間を割けるのではないかと思う。  また、事務負担の簡素化というものはもっと図ることができると思うので、これはケア マネージャーや、居宅介護支援事業所の意見も積極的に求めていただきたいと思う。  それから、福祉用具について、これは価格のことが割と話題になってくるが、売りっ放 し、レンタルしっ放しではなく、当然、メンテナンス、相談を受けたり、そういったとこ ろに事業者のコストが相当かかっているという話を伺う。また、居宅介護支援事業所や、 その他のサービス事業所の立場としても、福祉用具にかかわる専門職が訪問をし、話し相 手になってくれたり、また福祉用具の調整に絡んで安全性を高めてくれることにも、その 評価もしているので、必ずしも価格だけを見てこれを判断するのはいかがなものか、慎重 に検討をしていただいた方がいいと思う。  以上である。 (大森分科会長)  齊藤さん、お願いする。 (齊藤委員)  3点申し上げたいと思う。  1点目は、居宅介護支援の関連であるが、本日提示された資料の論点整理の中に、事務 所の質を高めるという次に独立性の推進を図るということが書かれており、これは大変大 事なことで、是非このように進めていただきたい。現在、10%の独立型があるが、まだま だこれは伸ばしていただくようにお願いをしたいと思う。そのためには、特定事業所加算 をすべての事業者が取れるような方向でなければいけないだろうと思う。それは利用者に とっては、専門性の高いマネジメントが可能になる、そして利用者とケアマネとの信頼関 係を築いていく、これは大変重要なポイントだと思うので、独立性を高める、そして特定 事業者加算がしっかりと取れるようにしていく、これを是非お進めいただきたい。  今回の資料の中に、主任介護支援専門員制度を導入した影響の調査が出ているが、押し なべてよい結果が得られているわけであり、目標とすべき方向は見えてきたなという感じ がする。この特定事業者加算を取るための加算の要件についての細かな点があるが、今回、 具体的な御提案はなかったが、段階的に評価するという考え方について、私は賛成である。 ステップアップをしながら加算を取れるところを増やしていく、これは重要なポイントで はないかと思った。  それから、先ほどから意見が出ているが、医療と連携を図ることが大事だと、私はこれ はそのとおりだと思う。高齢者に理解をしてもらう、また高齢者の情報を伝えるというこ とはなかなか至難のことであるので、この点は大変重要である。そういう意味から「時間 を評価する」ということは賛成できる。  更に、40件を超えた場合の仕組みの話が出ているわけだが、今回の実態調査で出ている ように、平均27件の件数であるから、40件を超える心配をされる事業所というのは、逆 に言うと、利用者から大変信頼もされ、支持もされている、そういう事業者であると思う ので、そのような事業者が不利益をこうむるような今の在り方はよろしくないと思う。  ただし、上限を撤廃して、幾らでもできるということは、もともとこれまでしてきた議 論と相反する部分がある。一定の数以上はやはり無理だと思うので、質の確保の点からも、 その点は御検討いただきたいと思う。  それから、経営実態調査の中で、介護支援専門員1人当たりの給与が月額29〜39万円と いう、大きな差があるように感じている。独立性を高める観点から考えると、35人の担当 件数、これで収支のバランスが合うのかどうか、しっかりと今後検証していただく必要が あるのではないか。そういう意味で、私は全体を通じて独立性という視点から申し上げさ せていただいた。  2つ目であるが、短期入所療養介護の件である。家族のレスパイト利用という視点が非 常に高かったようだが、今回、集中リハの効果ということが出ており、これは大変期待が 持てるなというふうに見ている。今ある施設を有効利用しよう、その中で更に利用しやす いような方向に持っていきたいという御提案は、利用者にとっては大変ありがたい方向で、 是非この方向で進めていきたいと思う。  最後だが、夜間対応型訪問介護である。利用が余り進まないということがあり、日中に も利用拡大を図るようにというお話があったわけである。しかし、夜間対応型が日中対応 型になるということは、名称そのものが変わるのだろうと思うので、しっかりとわかるよ うにして欲しい。何を申し上げたいかというと、PR不足が問われている話があったが、 訪問介護もあれば、訪問看護もある、更に夜間対応型といったときに、利用者は一体、何 が違うのかという、選択に資するネーミングになっているのかということも含めて、日中 になったときに、どういう違いがあって、どういう利用の仕方が可能なのか、これは是非 整理をしていただく必要があるのではないかと思う。  以上3点、申し上げさせていただいた。 (大森分科会長)  川合さん、どうぞ。 (川合委員)  3点お話しさせていただく。  最初の1点目は、余り言うつもりはなかったが、10月30日政府・与党の決定?との発 言と本分科会の関係、これは事前に座長の御差配できちっとなったが、その後のいろいろ な方々の御意見、私はごもっともだと思う。私は毎回申し上げているが、補助金をもらっ ていない民間施設は、それでもってリスクがある。上がったということだけで、実際的に 職員給与が幾ら上がったかということは我々の経営サイドの問題だから、人間性善説をと れとは言わないが、人間性悪説はとってほしくない。組織性悪説もとってほしくないと思 う。  それと、よく官僚の方がおっしゃるのが、今日も使われたけが「政府が」と発言される。 「政府が」というのは一体どこなのか。「政府が」という発言は「私が」という発言に、 いうようにお願いしたいと思う。  それと、田中委員からも出ていたが、安心と希望の介護ビジョンで、療養介護士が突然 出てきた。私も議事録を読み返したが、突然出てきている。いろいろ御説明を政府として されたのかと思うが、そうしたら、介護福祉士ができない医療行為というのであるならば、 ごちゃごちゃ言わないで介護医療士と言われたらどうか。私は今ある資源はきちっと使う べきだと思うし、その方が介護福祉士さんも、あるいは看護職の方もモチベーションが上 がると思う。屋上屋を重ねるようなことはいかがなものかと思う。  次いで、感謝を申し上げる。短期入所療養介護について、資料をごらんいただきたいが、 3ページ。齊藤委員もおっしゃった。私ども、20年間、ずっと言っていました。レスパイ トというのは効果がある。やっと認めていただいた。ありがとうございます。本当に感謝 している。  4ページ、医療を担保していただきたい、不足しているのは医療である。  6ページ、この数字、28対8.8、これは本当に悲しい数字である。  それと、前回も申した。7ページ、1日760と、3時間、6時間、あるいは6時間、8 時間、なぜ時間単位の方が高給なのか。理解に苦しむ。私達は日単位で同じようなサービ スを提供している。  齊藤委員もおっしゃっていただいたが、我々、短期集中リハビリテーション、認知症の ことも含めて、身体障害のことも含めてやってきた。こういう数字を事務局から出してい たけた、我々が出す前に出していただいて、本当に感謝する。  まとめて10ページの具体的な論点として、要件の見直しであるとか、サービスの充実、 医療ニーズがある方にしてはどうかと、まるっきり大賛成である。この方向で、腰砕けに なることなく、積み上げていっていただきたいと思う。  今度は3点目になるが、これは、もしかしたら、聞きようによっては田中委員の応援演 説になるかもわからないが、居宅療養管理指導について、6ページを見ていただきたい。 現場では、あるいは木村委員が出された資料の最後に付いているが、実際いるのに、そう いうことを評価していない。施設には複数名いる。そういうところの評価は、最後のポン チ絵は、私は非常に大歓迎のところである。   (大森分科会長)  安藤さん。 (安藤参考人)  療養病床、あるいは中小病院からの要介護者の在宅への退院で大事なところは、1つは、 病棟にいる看護師と訪問看護をやっている看護師の意思がものすごくずれている。これが うまくしていけば、非常に普及率が上がると思う。特に多職種協働の中で、訪問看護師と 病棟看護師のミーティングの中で、医療処置などの確認ができれば、これは非常にいいと 思う。現在は訪問看護の人が何回病院に行っても評価されないあるので、是非ここを評価 していただきたいというのが1点である。  あと、川合先生からお話があったが、介護療養型医療施設の中でのショートステイは当 院でも月12〜13件ある。レスパイトケア、それと、ちょっと具合が悪くなった方、認知症 の方など、非常に利用されて、よくなって、またお家に戻っていく。介護療養型医療施設 で持っているような、医療と介護が両方とも一定期間提供できるというのは非常にいいシ ステムだと思う。是非、介護療養型医療施設の廃止の見直し並びに機能を残すことを考え ていただければと思う。 (大森分科会長)  では、池田さん。 (池田委員)  2つほど質問、そして2つほど意見を申し上げる。  1つは、福祉用具については、検討会において引き続き論議、検討を行うと書いてある ので、これは素直に受け止めて、そこで全体を通じてもう一回考えるよと、そういうふう に理解していいか。  もう一つ、居宅介護支援だが、担当件数40件以上を逓減するというのを見直した方がい いのではないかという議論も出ているが、そもそも常勤換算で見ると27人しかやっていな い。そこが一番大きな赤字の原因ではないのではないか。つまり、28人しかお客さんがい ないのに、50件、60件やってもいいよと言っても、世の中何も変わらない。言ってしまえ ば、本来35人ということだったわけだから、8人足りないので、お客さんを増やす方法は 何かあるのか。逆に言うと、ケアマネジャーを減らせばいいではないかという議論につな がってしまうので、非常に怖いところがあるが、その辺はどう考えていらっしゃるのか、 それが2つ目の質問である。  意見は2つあり、1つは、夜間対応型の訪問介護である。夜間巡回がそもそも消滅しか かっている、その問題はどこにあるかというと、夜間だけではなくて、24時間を前提にし た巡回型訪問介護という発想がないからではないかと思う。巡回訪問介護は別に夜間だけ に必要なわけではなくて、24時間必要である。ところが、夜間だけに限ると、巡回という 意味が非常に理解しにくいということになる。したがって、24時間を前提にした巡回型の 訪問介護の類型をつくるというのが一番早いのではないかという気がする。  方式としては、1つは、今、30分未満しかない。しかも、それに20分以上滞在しろと いう、どうも理解できない通知がついているので、例えば、1つは15分以内という類型を つくるという方法がある。  もう一つは、一定の訪問回数であるとか、訪問対応の基準をつくって、包括払い方式に して、非常にフレキシブルに対応できるという方法もあると思うが、そういった方向が必 要ではないのかなという気がする。  実は、巡回型の訪問介護というのは、それなりのシステムとノウハウが必要であり、ど の事業者でもすぐできるというわけではない。ある程度モデル的なものになると思うが、 それをつくって育て上げていく、そういう政策誘導的にこの問題は考えた方がいいのでは ないかと思う。  2つ目は、小規模多機能である。小規模多機能は将来的にも充実して拡大していく、そ ういうサービスだという理解を私は持っている。今、現実的な問題として、関係者から耳 に入るのは、利用者を集められないということ。これが非常に大きなネックになっている ようだ。何で集客ができないかというと、ケアマネジャーが小規模多機能にお客さんを渡 すと、包括的であるから、あとはサービスを一切あっせんできない。だから、非常に嫌が る傾向があり、それはそれで現実的によく理解できる。ということは、小規模多機能につ いて、ケアマネジャーにインセンティブを与えるような、加算的なものを何か考えるべき だろう。  また、小規模多機能が中重度及び認知症を軸にしたサービスという位置づけは、これは 私は変えるべきではないと思う。つまり、軽度の報酬を上げていくというやり方をすると どうしても軽度の利用に集中する。実は今、小規模多機能の要介護度別利用者の割合が資 料で出されていたが、これは通所介護と比較してあるが、グループホームと比較するとい い。そっくりである。グループホームは要介護1、2が非常に高い介護報酬になっている ので、実際的には半分、要介護1、2という余り手のかからない方たちを入れている。そ れと同じ現象が起きてしまうのではないかと思う。  さっき勝田委員が言われたが、要介護度と認知症の自立度、認知症の自立度というのは ほとんど周辺症状の物差しみたいなものだが、それとかなり対応しているから、実は軽度 の方の周辺症状はそれほどひどくない。むしろ認知症自立度3以上、要介護でいくと3以 上のところは大変問題があるところで、そこを捨てて要介護1、2が集中するというのは、 将来的に禍根を残すだろう。かといって、小規模多機能を放置していけば、絶滅機種にな ってしまう恐れがあるということもあるので、当面、例えば、人数が集まらないから小規 模になるというところに、時限的、経過的に支援という形でお金をつけることはある。少 なくとも向こう3年、つぶさないで何とか経営できるということは担保しなければいけな いと思うが、さっきも言ったように、中重度認知症を軸としたサービスというスタンスは 変えてほしくないなという感じがする。   (大森分科会長)  2番目の質問について。 (土生振興課長)  先ほど石田参考人からも福祉用具の御質問をいただいているところであるが、私どもの 考え方は、先ほど資料3−2の最後のページで説明したとおりであり、まず、市場原理に 基づく価格競争がもし適切に働いていないとすれば非常に問題であるので、価格情報の通 知システムを整えさせていただきたいというのが緊急にやりたいことである。  更に、何人かの委員からも御意見いただいたが、価格の問題、併せて、先ほど石田参考 人からも上限価格設定というような御提案もあったわけであるが、そうした点については、 価格の問題と併せて、サービス提供の状況、あるいはメンテナンスの状況、総合的な調査 研究を行わせていただいた上で、福祉用具における保険給付の在り方検討会を再開して議 論を続けさせていただきたいというのが事務局の考え方である。 (大森分科会長)  2番目の質問について。 (土生振興課長)  ケアマネジメントの件で、私の説明が舌足らずであっが、35件は維持したままで、池田 委員おっしゃったとおり、今、平均が約27であるので、それを35に近づけるための何ら かの工夫がないかということである。その際、40件を超えた場合の減額制度がやや急激で はないかといったこと、それから、特定事業所加算を進めることによりまして、事業所の 質、体制というものを評価していこうというのが事務局の考え方であるので、また、さま ざま御意見いただければと思う。 (大森分科会長)  40件というのがよくわからないという御質問だった。今、近づけることが大事ではない のかと言っている。 (土生振興課長)  27件を35件に近づける。40件は。 (池田委員)  つまり、ケアマネージャーの介護報酬は3年前にかなり大きく上がった。その代わり、3 5件という制限をつけた。プラス4件までいいということで39までなのだが、実は、昔8, 500円で40件になっていたのと、今度、1万、1万3,000円で35件やったら、収入はほ とんど同じ値段になるはずである。それでも赤字だから、上げなければいけないというの はわかるのだが、緊急性は、25人まで落ち込んでいる実態をどう呼んで、それを35まで どう持っていくか、そこのところをやらないと、40件以上の逓減制を敷いてもほとんど意 味のないことになってしまうのではないかというのが私の質問の趣旨である。 (土生振興課長)  それは質問というより御意見かもしれない。私どももまだ検討したいと思うが、私ども としては、40を超えると急激な減算があるということで、ケアマネージャー、職員の数も ある程度そろえなければいけないと、そういったようなことで、なかなか平均が上がって いかないということがあるので、減算の効果として、利用者さんをとるのを差し控えてい るのではないかということで、それが1つの障壁になっているのであれば、そこを改善し たいということであるので、もしそのほかにもさまざまな措置が必要ということであれば、 御意見を賜りたいと思っている。 (大森分科会長)  森田さん。 (森田参考人)  先ほどの居宅介護支援に関してだが、標準35件に近づければ採算は上がっていくだろう というのはそのとおりかと思う。ただ、御留意いただきたいのは、地域包括支援センター を市町村が民間の法人に委託してやっている場合である。この場合、介護予防支援事業者 として4,000円の介護報酬で予防のケアマネジメントもやっているわけだが、実際として は不採算部門となっている。今後、要支援者のケースが増えていくと、不採算のウェイト が増えていく。民間のほかの居宅介護支援事業者に委託を出す件数が減ってきているので、 自らの責任で要支援者のケアマネジメントを優先的にやっていく。そうすると、ほとんど の事業者が、自らの居宅介護支援事業所のケアマネが兼務してやっているというのが実態 ではないかと思う。そういう中でうまく27件を引き上げていくことができるのだろうかと いうこと。それと、やはり4,000円を少し改善しないと、この地域包括支援センターその ものが将来うまくいかなくなるのではないだろうかと懸念をしている。現状のように、市 町村からの委託料で、介護予防支援事業者としての不足分を補うような、そういう形は余 り健全ではないと思うので、実態をよく調べていただけたらと思う。  それから、40件になると大幅に減収になるというのは、先ほどの個々の問題もあるだろ うが、地域全体の中でもケアマネジメント力というか、そういうものが融通が効かなくな って弾力性がなくなる恐れがあるので、そういった観点からもよく調べて検討いただけた らと思う。  それから、外部サービス利用型特定施設入居者生活介護だが、これは余り普及していな い。適合高専賃については特定施設の仕組みが余り活用されておらず、むしろ従来型のデ イサービス、ホームヘルプサービス、あるいは小規模多機能を併設するという動きがあり、 せっかくの外部サービス利用型で効率的にやろうという特定施設の仕組みが余り活用され ていないのではないかと感じている。その背景には市町村の介護保険料のことがあって、 総量規制の中で抑制傾向になっていることもあるが、これからのことを考えると、今のよ うな例えば、50室あれば全室が指定対象となるが、実際の利用者は5人しかいないという ふうな形態の指定と違って選択制で部分指定を導入するとか、市町村保険者も枠をうまく 利用きるような工夫ができないかなと思っている。総量規制を図りながら、将来に向けて 基盤整備が進むような、そういう方策を御検討いただけたらと思う。  以上である。 (大森分科会長)  小島さん、どうぞ。 (小島委員)  私も3点ほど意見を。  1点目は、先ほど池田委員が指摘されたが、資料3−3の6ページに、居宅介護支援事 業所Iをとっている事業所が99.5%、ほとんどがIということで、報酬の方は1,300点と いうことだが、これが40件を超えると、報酬も半分ぐらいに下がってしまう。論点の方で は、40件を超える部分の減額の見直しが出されているが、池田委員が指摘されたように、 実際は平均利用者が27人ということなので、果たして40件以上の減算のところを多少手 直ししたからといって、この27人が増えるのかというところは、少し検証が必要ではない かと思っている。確かに基本的に減算措置があるから厳しいということであれば、減算措 置のところは手直しが必要だと思うが、実際はどうなのか、それは検証の必要があると思 っている。  それと、同じケアマネの関係で言えば、地域包括支援センターの件については、特段論 点が出ていないが、現在、介護予防、ケアプラン1件当たり4,000円が基本的な支援セン ターの経費に充ててあると思うが、支援センターの方は、ケアプラン策定だけが仕事では なく、地域の介護相談事業、あるいは兼業の事業がもう一つ大きな役割を果たすというこ とがある。実際、現在の支援センターの機能、役割として、そこまで含めて活動されてい るのかどうか、この辺、検証が必要ではないかと思っている。そういうことも含めて、4, 000円でそこまで含めた経費として見るのかどうか、ケアプラン作成の費用、経費で、支 援センターの機能を維持するのかというところは少し検証が必要ではないかと思っている。 実際に支援センターの活動を行っていくについては、今の検証と併せて、その財政的な費 用を担保するためのケアプランの報酬の問題が、これは検証も必要ではないかと思ってい る。  もう一つ、小規模多機能居宅介護施設だが、これは新しい制度で、今、2万人ぐらいし か利用者がいないということだが、たしか社会保障国民会議の第二分科会、大森座長がさ れているところで、将来の介護のシミュレーションを組んでいる中には、認知症対策の受 け皿という形で、小規模多機能が50〜60万人ぐらいの利用者を見込む必要があるというこ とでシミュレーションを組んでいる。地域の重要な施設という位置づけをすると、現在の 利用者が極めて少ないについて、少してこ入れが必要ではないかと思う。  そういう意味では、この資料の中にも、幾つか、論点、改善点があるが、実際、報酬は 1か月当たりの定額になっている。そうすると、それによってほかのサービスが使えない ということが、使い勝手が悪いやり方をしているので、小規模多機能を増やしていくこと を考えた場合には、当面、ほかのサービスとの併用ができるようなことも含めて考えてい く必要がある。規模の問題もあるが、そういうところも含めて検討は必要ではないかと思 っている。  最後に、これは確認だが、先ほど福祉用具の点で、田中滋先生のところの検討会で、引 き続き論議、検討することになっている。ということは、公定価格、あるいは上限をつけ ることについては、今回の介護報酬の改定の中には反映できないということで、09年以降 の改定のときに反映させるということなのか。 (大森分科会長)  今のことをお願いする。 (土生振興課長)  福祉用具の価格をどのように給付するかは、まさにここでお決めいただくことであり、 事務局からその先どうするかを提案しているわけではない。私どもとしては、各方面から 宿題としていただいているものについて、できるだけの調査をして、せっかくある専門の 検討会であるので、そこで御議論いただいた上で、また更にこの分科会で御議論いただき たいということであり、一定の結論を今、事務局から提案しているということではない。 (小島委員)  調査はいつごろを想定しているのか。 (土生振興課長)  今のところ、できるだけ早くとしか申し上げられない。 (大森分科会長)  できるだけ先送りしないで、ここで議論して、できることはする、適正化も含めてきち っと議論して決めていくということだと思う。  それでは、対馬さん、お願いする。 (対馬委員)  居宅療養管理指導について答えていただきたい。この居宅療養管理指導はある意味、中 重度の居宅、在宅の場だから、医療と介護が一番交錯するところだろうと思う。この医療 と介護の関係で、例えば、医師などが患家に行くときに、在宅患者訪問診療料というのが あるが、医師が実際に診療する、また介護もと、こういう話もある。医師以外の方々が併 給はできないとなっているが、特に今回の管理指導というのは、指導とか情報提供だから、 これはある意味、医療といえば医療であるし、介護といえば介護であると、こういうこと だと思う。3年前の中医協でもその辺りを議論したが、結果的にはうまく議論を深めるこ とができなかった。今回もそういう意味では、もう一回、併給できるとか、できないとか、 ないしは単価を合わせるとか、合わせないとか、そういったことを含めてやっていただけ れば大変ありがたいということと、あと、実際に今回のこの案件について、仮にこれでい くのだということであれば、要件設定、その辺りについても十分お考えいただければと思 う。 (大森分科会長)  それでは、沖藤さん。 (沖藤委員)  福祉用具と小規模多機能と夜間訪問の3点について、意見並びに質問させていただく。 (沖藤委員)  まず、福祉用具の要望である。価格表示が今後行われる、検討中ということでなので、 それに付け加え、価格だけではなく、メンテナンスとか、アフターケアとか、特に認知症 の方々の利用へのアフターケアはどうなるとか、そういう理由に関する情報も一緒に提示 していただくように検討会の方で議論をしていただければありがたいということを1点申 し上げる。  それから、小規模多機能に関しては、通いのサービスが非常に少ないということだが、 私の記憶に間違いがなければ、たしか通いは25人登録のうちの15名だったような気がす る。施設長の方からも制限を外してもらえないかという希望が私のところに寄せられてい る。利用が少ないから、制限を外すというので本当にいいのかどうかわからないが、これ を御一考いただきたい。  それから、認知症の方は多数、小規模多機能に通っている。認知症ケアの専門性という のは、小規模多機能施設において、どのぐらい担保されているのかということをお伺いし たいと思う。  もう一点、夜間訪問介護だが、これが思ったより伸びていないということで、PR不足 等々が言われたが、具体的にサービス内容がどういうものなのか、利用者は心理的な満足 があるのかということ。利用者の側からも利用内容のメリットをPRしていただきたいと 思う。それから、夜間のことだから、働く人の安全、今の犯罪の多さからすると、鍵の問 題、これについては前も質問した記憶があるが、来る側、働く側、双方の安全についての 対策等があればお伺いしたいと思う。  以上である。 (大森分科会長)  質問があったが、お答えできることがあるか。 (菱田計画課長)  小規模多機能の認知症の関連であるが、簡単に申し上げるが、施設の管理者と小規模多 機能におけるケアマネさんについては、認知症の研修を受けていただくようにお願いして いる。  夜間訪問介護については、直ちに鍵とかの問題について具体にお答えできないので、ま た検討させていただきたい。 (大森分科会長)  今井さん、お願いする。 (今井参考人)  今回のプラス改定が介護サービスの質の向上に資すること、それがひいては介護従事者 の処遇改善につながるというように効果的な配分が行われるということが重要と考えてい る。今日はさまざまな論点が出ているが、例えば、特定施設のところであれば、サービス に付加価値をつけても利用者負担できるとあるが、サービス向上が報酬上の評価につなが っていく仕組みが必要と思っている。いずれにしても、ビジネスモデルを確立して、キャ リアアップや雇用管理上の工夫を行う方向で、経営の効率化、サービス向上に向けたイン センティブにつながる報酬上の工夫が必要と考える。  ちょっと戻るが、私どもとしても、最初にお話があった保険料上昇の抑制措置という取 扱いについては大きな関心を持っている。ただ、今回、いずれにしても、介護従事者の方 の処遇改善ということであるので、ここは我々としても前向きにとらえる必要があると考 えている。ただ、今後の高齢化進展に伴う給付の自然増ということも大きく想定されてい るので、将来的には保険の給付範囲の重点化といったことの検討も必要だと思っている。 また安定財源を確保していって、公費の投入割合を中長期的には拡大していくといったこ とも必要かと思っているので、そういった点を視野に入れた御議論も今後お願いできれば と思っている。 (大森分科会長)  長屋さん、お願いする。 (長屋参考人)  2点簡単にお話をさせていただきたいと思う。  まず1点は、介護予防支援である。これは先ほど森田参考人からもお話があったが、40 0単位、居宅介護については、1,000単位、1,300単位ということであるが、資料3−3の 21ページの具体的な論点(4)の認知症のところで、手間を要するというような視点があ るが、実は、介護予防支援も居宅介護支援も、業務的には、アセスメントだとか、サービ ス担当者会議、あるいは給付管理については、同じような事務処理が生じている。モニタ リングが3か月に1回か、毎月やるのか、そういうようなところが違うところであり、事 務処理についてはほぼ同様のことであるので、是非この報酬単位については適正に引き上 げていただきたいと思っている。  もう一つ、小規模多機能の方だが、これについては、池田先生からも、中重度というこ とを言われていたが、考え方が違うわけではないが、行政としても、地域密着がなかなか 進まない。若干進んできてはいるが、当面、2.57という介護度であるので、特に要介護1 については、要介護5の半分以下ということであるので、要介護1、2について、もう少 し見直しをしていただく必要があるのではないかと要望しておきたいと思う。  以上である。 (大森分科会長)  村川さん。 (村川委員)  過去3年ぐらい、適正化という流れもあったが、被保険者の保険料ということを考える と、その旗はおろすべきではない。しかし、第4期は介護人材確保、今日いろいろとあっ たが、3%を基本に、できれば3%プラスアルファという個人の視点もあるが、やはりめ り張りをつけた居宅サービスの報酬水準、特に地域密着型のサービスをここで軌道に乗せ 得るかどうかということが大事で、是非これは行政に決断をいただきたいところである。 既に複数の委員が御提案されているが、小規模多機能については、ケアマネジャーとの明 確な連携を持つための介護報酬上の位置づけをすべきである。  また、軽度者をどうするか。確かに小規模多機能の中心課題は中重度の方であることは 明らかである。しかし、先ほど勝田委員もおっしゃっていたように、利用者ご本人、ご家 族、そういった実態から見て、利用者本位で考えると、軽度者への一定の手当てを含め、 小規模多機能の事業所が明確に成り立つようにすべきで、たまたま私は幾つかの自治体の 介護保険事業計画のお手伝いをしているが、まじめな自治体は今後かなりこれを進めよう と、できれば日常生活圏域といったことを視野に入れて定着を図ろうという向きがあるか ら、ここでの経営的な成り立ちを支援するような報酬体系を確立すべきであると思う。  夜間ケアについては既に改善すべき、24時間という視野から位置づけるべきという御発 言もあったとおりである。ただ、オペレーターについては、田中雅子委員もおっしゃった ように、質的なところはしっかりしたものでなければならない。最近、東京都内の救急医 療で問題が起きたところを見ても明らかであるが、初動のところで判断を間違ったら、こ のサービスは全滅になってしまうわけであるから、オペレーターの質を落とすべきではな いということを私からも申し上げたい。  最後になるが、福祉用具については、私は数回前にも申したが、公定価格ないしは参照 価格を本来設けるべきであると思っている。ただ、さまざまな準備等の都合で難しい場合 には、今日の資料にもあったように、外れ値を行っている事業者に対しては、イエローカ ードではなくレッドカードを出すような位置づけにすべきではないか。そうでないと、ま じめにやっておられる事業者も困るということもあると思うので、そこのところは適正化 の論理というものが貫かれてよいと思う。  先般、勝田委員から、都道府県における人材確保、福祉系高校の縮小の動きがあるとい う御発言があり、僣越だが、私から、2冊ほど資料として検定教科書を出させていただい た。実は、キャリア形成の最初のところは、18歳の高校卒業生が全国で毎年5,000人前後、 介護で求職をされているという実情があるということを踏まえていただきたいと思い、参 考までにお出しした次第である。  以上である。 (大森分科会長)  堀田さん、お願いする。 (堀田専門委員)  特定施設について、特に居住系サービスの充実ということが様々な場で言われているな か、総量規制のこともあるが、離職率がトップレベルにあるということで、これからの地 域区分の見直しの中で、都市部での居住系の充実ということを考えたとき、特定施設の総 収入の中で介護保険収入の占める割合が低いという特徴が、人件費比率に応じた地域区分 の見直しというときに不利に響かないような精査が必要ではないか。  小規模多機能については、想定する利用者の重点が中重度か軽度かというお話があるが、 介護度と必要度が必ずしも対応していないという実態もあり、実際の利用者属性と利用状 況、その効果をもう少し見ながら、位置づけがどうあるべきかを慎重に検討していった方 がいいのではないか。  訪問介護について、先日の会議では、訪問介護の枠の中に短時間と夜間の推進というこ とが書かれていたと思う。今回、夜間対応型のことも出されているが、それぞれの枠のな かで広げる、ではなく、池田委員からもご指摘があったが、モデル事業の活用といったこ とを含めて、新しい類型を視野に入れた訪問介護の有効な在り方を考えていくべきだと思 う。  以上である。 (大森分科会長)  御協力いただき、ほぼお約束の時間になった。これからもまだ議論が続くが、次回につ いて、アナウンスメントをお願いする。 (鈴木老人保健課長)  次回は11月21日、来週の金曜日9時〜12時までである。場所についてはまた追って御 連絡を申し上げる。 (大森分科会長)  本日はありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。 照会先  老健局老人保健課 企画法令係 TEL03(5253)1111(内3949)