08/11/12 第44回社会保障審議会障害者部会議事録 第44回社会保障審議会障害者部会議事録  日  時:平成20年11月12日(水)14:00〜16:47  場  所:厚生労働省9階 省議室  出席委員:潮谷部会長、高橋部会長代理、嵐谷委員、安藤委員、井伊委員、       伊藤委員、岩谷委員、川崎委員、君塚委員、小板委員、佐藤委員、       新保委員、副島委員、竹下委員、長尾委員、仲野委員、広田委員、       星野委員、三上委員、山岡委員、小澤委員、       池田参考人、戸谷参考人、林参考人 ○潮谷部会長  定刻になりましたので、ただ今から第44回社会保障審議会障害者部会を開催いたしたい と思います。  委員の皆様方には、お忙しい中にお集まりいただきまして、ありがとうございます。  議事に入ります前に、事務局から委員の出席状況、そして資料の確認等をお願いいたし ます。 ○蒲原企画課長  それでは、委員の出欠状況でございます。本日、欠席の委員の先生方です。梅田委員、 大濱委員、北岡委員、坂本委員、櫻井委員、堂本委員、野沢委員、福島委員、箕輪委員、 宮崎委員、生川委員、浜井委員でございます。それから、長尾委員は少し遅れるというこ とでございますので、よろしくお願いいたします。  なお、大濱委員の代理といたしまして、全国脊髄損傷者連合会事務局の池田参考人にお いでいただいております。また、坂本委員の代理といたしまして、東松山市健康福祉部長 の林参考人がご出席でございます。堂本委員の代理といたしまして、千葉県健康福祉部次 長の戸谷参考人にそれぞれご出席ということになってございます。  続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。  議事次第をめくってもらいまして、最初に資料1ということで、自立支援法の見直しに 係る主な論点というのが1つございます。続いて、資料2−(1)、(2)、個別の論点というも のがございます。以上の資料につきましては、前回のお配りした資料と全く同じものをお 手元に配布いたしております。  続きまして、資料3として、個別論点(追加資料)というふうに書いてございますが、 これは本日用に追加としてお配りする資料でございます。  なお、本日は、何人かの委員から資料を提出いただいております。前回、星野委員から 個別論点に係る資料を提出していただいておりました。今回のテーマにも関係いたします ので、再度星野委員の資料がございます。併せまして堂本委員及び小板委員のほうから資 料提出をしていただいております。以上でございますので、ご確認をよろしくお願いいた します。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  それでは、本日の議事に入らせていただきます。  前回、個別論点のうちの「地域生活支援事業」以降について、議論ができませんでした。 基本的にはこの続きから入りたいと思っております。まず、全体の議論を踏まえ、事務局 から追加の資料を用意していただいておりますので、これについて説明をしていただきま す。 ○鈴木企画官  企画官の鈴木でございます。  お手元の資料の個別論点の追加資料をお願いいたします。  おめくりいただきまして、今回3点ほど資料を準備させていただいております。  1点目が、前回いろいろなご議論がございました日払い方式と月払い方式について考え 方を整理したものでございます。  まず1ページのほうで、検討の視点によって日払いと月払いでどう違っているかという ことを対比の形で整理させていただいています。  1点目で、公費が効果的に活用されているか、納税者の理解が得られるか、ということ につきましては、日払いであれば利用日数に応じた公費負担、月払いであれば月に数日の 利用でも1カ月分の公費負担ということになります。  それから、2点目で、利用者の負担が適正か、利用者の理解が得られるか、ということ につきましては、日払いが利用日数に応じた利用者負担、月払いが月に数日の利用でも1 カ月分の利用者負担というふうになります。  それから、3点目で、複数サービスの利用が可能か、多様な利用者ニーズに対応できる かということにつきましては、日払いが可能、月払いについては困難とさせていただいて おります。※にありますように、あえて複数サービスを利用すると公費負担、利用者負担 が過大となってしまいます。  それから、4点目で、事業者の経営の安定が図られるかということにつきましては、日 払いのほうは※でございますように、適切な報酬単価を検討することが必要ではあります が、単価の引上げ等により経営の安定化が可能。一方、月払いのほうはサービス提供の有 無にかかわらず1カ月分の収入が入るため安定するということでございまして、全体で見 れば、日払いが一番下に矢印でございますが、地域移行や一般就労にむけて複数サービス を利用することが可能。月払いのほうは、費用が過大にならないような調整が難しいとい うことです。  次の下の2ページのほうに、それをイメージ図で示してございます。  重複しますので簡単にしますけれども、1点目で1つのサービスを利用する場合に、絵 が2つありますけれども、日払いのほうは公費負担、利用者負担とも利用状況に応じた負 担。これに対して、月払いは公費負担、利用者負担が利用時間にかかわらず1カ月の負担。  それから、下の2番目で、複数サービスを利用する場合には、公費負担、利用者負担は A事業者分、B事業者分を合わせて1カ月分の負担になるようになると。一方で、月払い の場合は、公費負担、利用者負担が、A事業者分、B事業者分、それぞれ1カ月分を払う と過大な費用負担になりますので、そのように過大にならないような調整が必要というこ とでございます。  おめくりください。3ページでございます。  続きまして、前回の会議におきまして、移行が進まない理由とかそれから移行が進まな いことによって利用者にどういう影響があるかというふうなご指摘がございましたので、 考え方を整理させていただきました。  1つ目の移行の必要性というところでありますけれども、新しいサービス体系のポイン トを利用者との関係で整理して見ました。・が3つありますけれども、1つ目で、機能に 応じたサービス体系に変更ということで、障害の種別に関わらずサービス利用が可能。そ れから、昼夜分離ということで、施設入所者も地域の日中活動への参加が可能。それから、 一般就労移行などの新しいサービスを使えるようになるといった利用者の関係でのポイン トというふうに言えると思います。  これによって、障害者本人のニーズにより的確に対応することが可能でありますので、 できるだけ早期に新体系への移行が必要というふうに考えております。  それで、下の移行への取組のところでありますけれども、前回ご報告しましたように、 現在、約3割が移行しておりますけれども、その移行しない理由としては、ちょっと順番 が前後しますが、次の4ページに、アンケート調査の集計結果がございますけれども、こ れは入所施設に対して、20年3月の状況について抽出ですけれども、アンケート調査をし た結果ということでありますけれども、新体系移行してないということについて、その考 え方について、どういうふうに考えているかということで、多かったのが、「報酬の増減 の方針が分かってから決めたい」というのが43%。次に多かったのが、「他の施設の移行 の様子を見たい」というのが37%。それから、「旧体系でぎりぎりまで様子を見たい」と いうのが35%というようなアンケート結果がございます。  こういったこともございまして、移行してない理由を考えて見ますと、前の3ページに 戻っていただいて恐縮ですが、真ん中の○のところに、・が2つありますが、24年3月ま であと3年以上あるので、円滑な移行の方法などについて検討中であるとか、あるいは新 体系に移行した場合に、安定的に運営できるか直ちには分からない、こういういったこと が移行しない理由ではないかというふうに考えています。  ということで、今後は、その下にございますように、研修会の実施とかコンサルタント の派遣、あるいは報酬の検討、こういった具体策に取り組んでいきたいというふうに考え ております。  おめくりください。  5ページ、6ページ、前回これもご指摘がございまして、就労移行支援事業につきまし て、利用期間ごとの成果がどうなっているかとか、それから、実際の事業のモデルはどん なふうになっているか、事例などを紹介してくれないかというご指摘でございましたので、 準備をさせていただきました。  まず、5ページのほうで、前回、事務局から口頭で回答させていただきましたが、自立 支援法以前から就労移行支援的な取組を行っている施設、これは3施設だけのデータなん ですが、そこの移行状況を数字であらわしたものでございます。ちなみにこちらは首都圏 の3施設ということでございます。  全体、数字はちょっと書いてございませんが、下の※にありますけれども、17年度に訓 練を開始した利用者が、この3施設で49人ありまして、その方が訓練開始から就労移行ま でどのくらいの期間で移行したかというのをまとめますと、1年以内が55%、1年以上2 年以内が24.5%、したがって2年間を累計すると79.6%、2年以上3年以内が10%という ことで、3年以内を全部累計しますと、89.8%というふうな形で移行の実績がございます。  それから、次の6ページでございますけれども、こちらのほうは事例ですけれども、そ ういう就労移行支援事業所でどういった就労支援をやっているかという事例を整理したも ので、まずこちらの事業所におきましては、一番上にございますけれども、4カ月ごとに 個別援助プログラムを作成、見直しをして、進捗状況に応じて、更新をしていっていると いうことでございます。  下のほうの真ん中辺りでありますけれども、まず実際の支援のほうは、事業所内で職業 訓練を授産作業、生活活動、体力向上などをやっていただきまして、その状況によりまし て、企業体験実習をやっていただき、この組合せをそれぞれの方の就労スキルに応じて段 階的に繰り返す中で、右のほうにまいりまして、企業面接、企業における雇用前提の実習、 こういったことにつなげていくということでございます。  その面接、実習で不採用の場合には、その下にございますけれども、実習評価を個別援 助プログラムに反映して、再度職業訓練をしていくということで、これを2年間の期間中 に何度でもチャレンジをしていくということで、一般就労にこの2年間でつなげていると いうことでございます。以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  それでは、ただ今の説明も踏まえていただきまして、各委員の方々から、ご意見をちょ うだいいたします。ただ、今回もこれまでと同じような手法で、前半と後半という形で分 けさせていただきたいと思っております。  前半は、前回の積み残し部分になりますけれども、資料の2−1の29ページから40ペー ジの地域生活支援事業についてご意見をいただきます。後半は、41ページのサービス基盤 の整備、ここをちょうだいしたいと思います。  なお、前回の状況についてですが、障害程度区分、特に障害程度区分によるサービス利 用者の範囲の在り方、ここ以降につきましては、皆様方、まだ論議が尽くされてないんじ ゃないかなというようなニュアンスも感じられたところでございました。  そして、今回、皆様方から出された質問、これを受けて、追加資料も出されております ので、皆様方の中でこういったことを踏まえて、前回言い足りなかったところがございま すならば出していただきたいと思っております。  限られた時間ということで、皆様方には大変発言を短くということで制限してしまいま すけれども、どうぞよろしくお願いをいたします。  それでは、どなたからでも結構でございます。  高橋先生。 ○高橋委員  前回の続きという意味もあるということですので、前回最後に、国庫負担基準の議論が 大濱委員からありまして、その基準の見直しといいますか、むしろ基準はないほうがいい のではないかと、いろいろなご意見が出ておられたと思いますが、その点について、やは り基準はある程度残すべきだというふうに考えますので1つ付け加えたいと思います。  前回の最後の議論での国庫負担基準の見直しといいますか、これを撤廃するというよう なご意見に近かったかと思いますけれども、それについて引き上げというような、そうい う見直しはよろしいかもしれませんけれども、やはりこれは自治体のサービスの格差をな くすという、そういう意図もありますし、また、全く基準なしで、再現なしにということ も問題があるかと思いますので、基準のレベルの見直し、こういうことは十分検討される べきだと思いますけれども、負担をなくすというところまではいかがなものかというふう に考えますが、ちょっと付け加えます。 ○潮谷部会長  今、高橋委員のほうから、地域生活支援事業の国庫負担の見直しの点について、ご意見 を出されておりますけれども。 ○蒲原企画課長  多分、今のご趣旨は、前回のところの。 ○潮谷部会長  前回のところですね。 ○蒲原企画課長  訪問系サービスについて、たしか大濱委員が国庫負担基準を撤廃すべきだとおっしゃっ たことについての国庫負担基準については、ちゃんと維持するのがいいんじゃないか。基 準の問題は別としても、というふうなことではないかと認識いたしました。 ○潮谷部会長  26ページ、27ページに関連してでございますね。失礼いたしました。  今、高橋委員のほうからそのような意見が出されておりますけれども、何かそれに対し てございますでしょうか。  池田参考人、何かございますか。 ○池田参考人  国庫負担基準につきましては、前回に限らずこれまでも大濱が何度かご意見を申し上げ ているところです。資料(2)−1の25ページをご覧いただきますと、障害者自立支援法の本 格施行によって、国庫負担基準の区分が16区分ほど分けられております。平成18年以前の 支援費制度ではこれが3区分にしか過ぎなかったのが、現行制度ではかなりきめ細かく設 定していただいているというところです。ただ、16区分もあるので、これを1つ支給量の 目安として市町村がとらえてしまっていて、先ほど高橋先生がおっしゃったように、後発 の自治体が国庫負担基準に合わせてサービスを伸ばしていくという側面も確かに1つある のだとは思いますが、逆に、従来からきちんとしたサービス量を支給決定していた自治体 が逆にこの国庫負担基準に向かって支給水準を下げていってしまうという側面もあると思 います。  このように、支援費制度のときと違いまして、16区分とかなりきめ細かく設定されてい るために、支給量の目安になりやすくなってしまっている、そういう側面があるのではな いかというところが大濱の問題意識の1つでございます。  これについては、厚生労働省のほうでも自治体に対して、国庫負担基準は個々人の支給 量の上限ではありませんということで、再三注意喚起をしていただいているところではあ りますが、なかなかそれがうまく浸透していないので、大濱がご意見申し上げているとい うところでございます。 ○潮谷部会長  確認をさせていただいてよろしゅうございますか。  国庫負担基準そのものを取り去ってしまえということではなくて、むしろ柔軟性を持つ 形の中で考えてほしいと、こういうような意向でございますでしょうか。 ○池田参考人  1つには、1,800市町村のうちの1割が現に持ち出しの費用負担を強いられてしまって いる側面があります。しかし、それとまた別の問題として、国庫負担基準を超過していな い自治体にあっても、先ほどの資料の基準額、障害程度区分6で重度訪問介護を利用され る方であれば29万5,900円、つまり1日6時間というところに収斂してしまうことももう 1つの問題です。このことから、国庫負担基準はできることであれば廃止していただき、 他の施設等と同じように費用の全額を国庫負担の対象としていただくことはできないかと いうことでございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  この点について、皆様方の中で、もう少しご意見ございませんでしょうか。  今は、実態的なところで言いますと、全国の9割程度の市町村の支給実績をカバーでき るように設定されているようでございますけれども、皆様方の中で、何かこの点について ございますでしょうか。  一応、意見という形で、厚生労働省のほうに引き取っていただいて、内部的に検討して いただくということでよろしゅうございますか。  ありがとうございます。  それでは、ほかにございませんでしょうか。  伊藤委員。 ○伊藤委員  今日、ちょうだいした追加資料の3ページなんでございますが、新体系移行についてと いう項目のところでございます。  新法の移行が思いのほか、どうも進んではないのではないか。このように、資料などを 拝見して思います。  その中で、3ページの○の3番目に、今後、以下の対策に取り組んでいくということが 記載されています。その・の上ですが、円滑な移行のための研修会の実施やコンサルタン トの派遣等となっておりますが、実際に、円滑な移行ということはしょっちゅう出てくる んですが、円滑な移行が本当に行われているのかどうか。努力はされていると思うんです が、どうも現実は厳しいのではないかと思います。  そして、ここにあるコンサルタントの派遣というんですが、これは今までもあったのか、 あるいは今後、これからやろうとしているのか。もしあったとすれば、活動実態をちょっ とお聞かせいただければありがたいと思います。以上です。 ○潮谷部会長  事務局のほうで、コンサルの問題含めて、そして前半の円滑な移行というようなことで、 何か皆様方の中でも少し意見があるならばお聞かせ願いたいと思います。  事務局。 ○藤井障害福祉課長  お尋ねの点につきまして、答えを申し上げます。  基金事業の中で、移行等支援事業とさらにその中の移行推進コンサルタント派遣事業が ございますが、これにつきまして3ページでございますけれども、19年度の実績で申しま すと、実施自治体数が、47都道府県の27都道府県で、実際に派遣の受け入れを行った事業 所数が727で、その中で実際に新体系に移行した、あるいは移行する予定というふうにお 答えいただいたところが282という、そういった実績になってございます。 ○潮谷部会長  伊藤委員、よろしゅうございますでしょうか。  皆様方の中で、円滑な移行ということで、ご意見がございますなら少し出していただけ ればと思いますが。別にもう実態的にこうということで、よろしゅうございますでしょう か。  広田委員。 ○広田委員  このコンサルタントというのは誰のことなんでしょうか。コンサルタントの派遣って。  1つの事業所に対して行くのかしら。まとめて研修みたいな形でやるんですか。 ○潮谷部会長  事務局。 ○藤井障害福祉課長  まとめて集まるような研修につきましては、別途移行推進研修事業というのがございま して、そちらのほうでやっていただいておりますので、先ほど申し上げた数字は個別にコ ンサルタントを派遣すると、そういった事業でございます。 ○広田委員  それについて、厚生労働省はコンサルタントを派遣したことによって、成果が上がった という評価をされていますか。 ○藤井障害福祉課長  その辺りの評価は、なかなか難しいところがございますけれども、実績としては、先ほ ど申し上げましたように、727派遣をしました。19年度中ということでありますけれども、 その中で、282例ございますから、大体どれぐらいでしょうか、3割くらいでしょうか、 実際に移行予定だということでございます。 ○広田委員  私がいろいろな事業所の話を聞いている感触では、むしろ下の安定的な運営が可能とな るような報酬の検討のほうが大事じゃないかなと、本音で言えば、というふうに私は感じ ています。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ほかに。  長尾委員の後に、小板委員、よろしゅうございますか。 ○長尾委員  今の広田委員そのもので、やはりコンサルタントの派遣よりは、報酬単価をきちんとし て事業が安定的に運営できるという基盤をつくらないと、いくら形をつくっても移行でき ないということがあると思います。ぜひそれはやはりまず第一にやるべきだろうと思いま す。  それから、地域生活支援事業については、これも書かれているように、各市町村で相当 の格差が広がっているということがありますので、やはりこの格差をなくすために、でき るだけ国が主導的な立場をもって指導していただきたいと思います。  それから、例えば、ここにも市町村の自己負担の10パーセントをとるかどうかという のは、市町村に任されているわけですけれども、これも1つの格差なんです。取るところ もあれば取らないところもある。これはやはりここに住んでいればとられないけれども、 ここでは取られるということが、実際、これも起こっているので、取らないなら取らない という指導でもいいのではないかというふうに思いますが。そういうことも含めて考えて いただければいかがかなというふうに思います。  それから、例えば日払いと月払いのメリット、デメリットが書かれていますし、その中 で、日払いのところでは2カ所以上の利用が可能であるというようなことが書かれている わけなんですが、例えば精神なんかでは、就労継続Bに当たるようなもの、若干作業して、 午前中ぐらいでやっぱりちょっとしんどい、あと地活のようなところで少しゆっくりした いというようなこともあり得るわけなんです。  その場合には、やはりどちらかしか請求できないということが生じているように言われ ているんですけれども、もしそういう場合でも、数は少ないけれども、そういった場合は、 どちらも請求できるような体制というものをこれもとられていただければというふうに思 います。  私の思い間違いかもしれませんけれども、ちょっとその辺も確認をしたいと思いますし、 もしそのようなことがあれば、両者請求できるような形というものも構築していただきた いと思います。以上です。 ○小板委員  前回のサービス体系についての追加要望という形で出しておるわけですけれども、実は 先ほどの移行への取組というか、なぜ移行ができないのかという話なんですけれども、こ れはもちろんその報酬の問題もありますし、研修会その他の話もあるかもしれませんけれ ども、この法律の中身で、実際にやっていく段階の中で、例えば利用者の人たちが、障害 程度区分によって、利用制限があるわけです。授産の入所施設なんかでいけば、24年度の 4月からはつぶさざるを得ないと、そういったところもあるわけです。  そこには、多分、大臣が言ったように、入所している人については、3以下でもいいだ ろうということだけれども、新に基準を出してきて、新たに入所する人については、問題 を一応大きく取り上げないと駄目だというような話が出てきているわけでしょう。  そういうことだとか、例えば、いろいろな事業の中にペナルティがかかってきているわ けです。実際に、やっている事業について、その事業に達成できないとペナルティがかか ってくるとか、それから入所の部分でいくと、今までだと当直でもいいようなことだった んだけれども、それが夜勤になってくると、実際には、それ以上の人がいるわけです。そ うしないとできない。  それから、事務的なところでいけば、就労支援の場合だと、事務的な煩雑というか、経 理的なものも非常に難しいところがあるわけですね。  その他、相当大変なことがたくさんあるはずなんです。これを1つ1つつぶしていかな いことには、とても今の段階では就労前、新事業に移行なんていうことは無理だと考える わけです。  ですから、今の日払いの話も同じなんですけれども、今こうして出されてきていると、 なるほどなという話になってくるかもしれないけれども、このまま行ってしまったら、事 業者はこれは何ともならんという実態があるわけでしょう。だから、そこはちゃんとやら なきゃいけないんだけれども、この時間の中でできるかどうかということは分からないで しょう。ですから、やっぱりそれはちゃんとした、きちんと議論する場所というのをつく ってもらわんことにはあかんはずだというふうに思うので、これだけのことだけで済まし てもらっては困るということを言いたいということです。 ○潮谷部会長  小板委員、もし具体的に施設側として考えて、これでは移行しにくいと、そういうふう なことがございますなら、ここでも少しお出しいただければと思いますけれども。 ○小板委員  例えば、追加要望のところにもあると思うんですけれども、一応与党PTにおいては、 報告書にうたわれているように、現に、施設入所している者については、希望すれば継続 して利用できるように対応していただきたいということになっているんですけれども、現 実的には、障害者自立支援法におけるサービス利用は、障害程度区分による利用制限があ るが、利用者の選択の自由を奪うものである。国はこれに対する経過措置として、現に入 所している利用者については、障害程度区分にかかわらず、5年間、施設入所支援の利用 が認められている。これにより平成24年4月以降、施設入所支援、生活の場と生活介護の 組合せの利用の場合、障害程度区分3以下の利用者は施設入所支援の利用ができなくなる が、区分2以下の場合は生活介護の利用もできなくなるという、そういう現状があるわけ です。  ですから、やはり現状の障害程度区分の分布状況を見ると、区分4以上は、51.5%であ り、多くの利用者が施設入所支援から退所を余儀なくされることになるという状況が起き てきます。  また、施設入所支援と就労継続支援の組合せの利用についても同様の平成24年3月まで の経過措置となっているから、日中活動と就労継続支援を利用する入所者は、例えば区分 4以上の者であっても全員が施設入所支援、生活の場から退所しなければならないという 事態が起きてくるということですから、これは大変厳しい状況が起きてくるわけですね。  入所授産なんかに行けば、これはやっていかれない。やめざるを得ないというところに 来るわけです。だけれども、現実的には、利用者の人たちをずっと20年、25年にわたって 見てきている実態があるわけです。ですから、その実態をやはり考えていただきながらの ことを考えていただかないと、いかんのではないかという気がいたしております。  それから、与党のPTのほうにつきましては、入所の施設の地域拠点的な役割を求める ということがあるわけです。ですから、これについても日割りとかそういったものについ てやはりある一定の固定的な経費がないことには施設としてはやっていかれないというこ とですから、ここも含めて考えないといけないというふうに思っています。  それから、あとは事業体系の見直しということなんですけれども、簡素化ということで あるわけですけれども、なかなかこの法律は、分からないという部分がありますので、そ れをもっと簡単にしていただければというふうなことがあります。  この資料の一番最後のページをめくっていただくと分かるんですけれども、上が障害程 度区分の利用できるサービスの現行があって、その下に、一応知的障害者の支援とサービ ス体系ということで、我々がこういう方向ならどうだろうかということで考えた一覧表に なっております。  私が出しました追加資料の一番最後のページをめくっていただくと、上と下に分かれて おります。  これの内容的なものにつきましては、施設事業体系の簡素化ということで、障害者支援 施設入所型、これは生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援B型と施設入所支 援を統合し、一本化したサービス提供体制とすると。併せて短期入所と日中一時支援も利 用可能というふうな形にしてほしい。  それから、障害者支援施設、通所型については、生活介護、自立訓練、就労移行支援、 就労継続支援B型を統合し、名称を障害者支援施設通所型とすると。併せて、日中一時支 援も可能。  それから、福祉工場、グループホームについては、就労継続支援A型の名称は福祉工場 とする。グループホーム、ケアホーム、福祉ホームを統合して、名称をグループホームと する。というような形にしていただきたい。  それから、自立生活移行については、自立訓練宿泊型グループホームの一部として、名 称を自立生活移行型とする。そういったような形で、変えてほしいと。それが簡素化とい うことになります。  それから、その他というような形で、障害程度区分については支援シャクドとするとか、 それから介護給付、訓練等給付を統合して、名称を自立支援給付と一本化する。  全ての事業において、利用制限及び利用期間制限を撤廃する。  市決定については、市町村にばらつきがあることから当面都道府県によって行うことと いうようなことが、具体的に私どもとしては、こういう形で、自立支援そのものを変えて ほしいということです。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  安藤委員。 ○安藤委員  進行についてちょっとお願いがあるんですけれども、この席順ですけれど、アイウエオ 順になっていて、 私のところ一番遠いんです。座長さん一人で、一人一人に目配りは非 常に大変だと思うんです。副座長さんがおられますので、副座長さんのお仕事として、全 体に目配りしながら公平に発言できるようにお願いできないかと思うんです。 ○潮谷部会長  大変失礼いたしました。 ○安藤委員  私のように、耳が聞こえない者は手話通訳を介しますので、話が終わった後に、パーッ と手を挙げられなくて、タイミングがちょっとずれるんですね。そのようなことがあると いうことを理解していただきたいんです。  それと座長さんが発言のポイント、ポイントといつも言っていますけれども、守らない 人が多いですね。長くなる人がいるんですけれども、そのような時は、座長さんも勇気が いると思うんですけれども、手短にというように抑制してもらうと助かると思うんですけ れども、ちょっときついようですけれども、そのようにお願いしたいんですけれども、よ ろしくお願いします。 ○潮谷部会長  分かりました。ありがとうございます。 ○安藤委員  続きがあるんですけど。 ○潮谷部会長  そういう提言だけかと思いました。  どうぞ、本論を。 ○安藤委員  新体系への移行への取組みなんですけれども、新体制への移行済みの3割について、メ リット、デメリットの調査をやったように見えないんですね。この3割が実際に移行して、 その実績がどうなのか。メリット、デメリットなどがどうなのかの分析があれば、新体系 の課題等がはっきりしてくるんではないかと思うんです。場合によっては、抜本的な見直 しもしなくてはならないと思うんですけれども、移行がなかなか進まないところを調べる だけではなくて、進んでいるところを、そこのところの基本的な調査が必要ではないかと 思うんですが、それが1つです。  それと地域生活支援事業ですけれども、29ページの下の方、地域生活支援事業がありま すが、利用者負担については、負担を求めるか否かを含めて各地方自治体が判断すること になっています。  地域生活支援事業全体で、負担のある事業や負担がない事業が全国的にどうなっている かのきちんとしたデータがあるんでしょうか。もし、データがあるんでしたら出していた だきたいのが2点です。その次に、32ページのコミュニケーション支援事業ですけれども、 平成20年3月の現在で72.5%になっています。非常に拡大されていると思うんです。コミ ュニケーション支援事業については、派遣とか設置等がありまして、この72.5%がどのよ うな形態で実施しているのか、場合によっては、事業項目をつくって予算をちょっと準備 するだけの有名無実の事業もあると思うのです。  この72%の具体的な実態というものをデータとして出していただくことはできないかと 思うんです。3点目ですけれども、35ページですけれども、現在の地域生活支援事業等、 自立支援給付との関係を再整理するというような課題が出ています。特に必要性が高いも のについては、自立支援給付等の関係で再整理のようですけれども、再整理を要する事業 項目、具体的にはこれを出す根拠というものがこの資料では分からないんです。  もし、再整理が必要な事業というものがイメージできるものがあるんでしたら出してい ただきたいということの3点です。よろしくお願いいたします。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  1つは、4ページまでのところでの数字的なことについて、3割はどのようになってき ているかということ。それから、ページ29、さらにページ32、それから35、ここについて 個別的に事務局のほうで、データとして分析されたものがあればということです。特に、 35ページのところの下のところでは、再整理することを含めと、こういう項目があるけれ ども、何か具体的にその項目的なことを考えられているのかという問いかけでございます ので、よろしくお願いいたします。 ○藤井障害福祉課長  まず、私のほうから、お答えできる部分につきまして、一番最初にお尋ねをいただきま した、既に移行した分の皆さんのご意見といいますか、メリット、デメリット、そちらの ほうの調査はまだしてございません。  それから、最後の再整理のイメージでございますが、ここは私どものほうもまず委員の 先生方のご意見を伺えればありがたいというふうに思っている段階でございます。 ○潮谷部会長  藤井課長、ほかには。 ○蒲原企画課長  数字の前に、論点のところで、一部の事業について自立支援給付との間で再整理するこ とを含めてということの表現がございます。ここは、まさにこの場でいろいろ議論しても らって、意見をもらいたいという趣旨が基本であります。  ただその前提として、この35ページの前の34ページから課題を書いてございます。この 課題の中に、例えば従来の移動支援事業がどういう形で、例えば一部は重度訪問介護にな っているし、一部は行動援護になっていると、こういう一定の重い障害のところに一定の 部分は個別給付になっているといういろいろな経緯がある中で、そういう経緯も1つ、頭 に置いて、どういうものが大事かといったことを考えていったらいいのではないかと1点 あります。  日中一時支援だとか、居住サポートについても34ページに書いてございますけれども、 これまで障害児のサポートだとか、あるいは地域生活に必要な暮らしの支援のところで、 それぞれやっぱり地域生活事業で行われているこの手の事業について、何らかの形で、全 国的な事業の展開というのが大事ではないかという議論が論点としても出ましたし、この 場でも少し意見が出たので、そういう辺りを頭に置きながら、一体何が自立支援給付との 間で再整理が必要なのかといったことをご議論いただければというふうに考えてございま す。 ○潮谷部会長  もう一つ、安藤委員のほうから出ていたのは、72.5%、このことについての。 ○山田自立支援振興室長  最初の利用負担につきましては、残念ながらちょっとデータはございません。  それから、2つ目のコミュニケーションの関係ですけれども、参考資料のほうの23ペー ジをお開けいただきたいと思いますけれども、これは市町村が実施しているかしていない かというとり方をしておりまして、2番目のところのコミュニケーション支援事業のとこ ろを見ていただきますと、1番目の手話通訳派遣、2番目の手話通訳設置、3番目の要約 筆記派遣、この3つに大きく分けて、それぞれ市町村でこれを実施しているかしていない かというところは、17年、あるいは18年、一番右側の19年というふうに年次別に出ており まして、最終的にはこれら合わせて72.52%ということになっておりますが、それぞれこ の3つに分けてとってございます。これ以上の点については、細かくはとってございませ ん。以上です。 ○潮谷部会長  安藤委員、よろしゅうございますでしょうか。 ○安藤委員  自立支援再整理ですけれども、非常に課題が大きいと思うのです。例えば、見直しの中 で、応益負担が廃止されるとか、自己負担がなくなるとかの方向であればそう大きな問題 はないんですけれども、応益負担がそのままだと、例えば手話通訳、コミュニケーション 事業については、今のところ市町村支援事業ですから、市町村の判断でほとんどが無料に なっていますね。これが自立支援給付になりますと、そうはいかないわけなんです。私た ちにとって、非常に大きな問題になるんです。そうならないように慎重な検討が必要では ないかと思っています。 ○潮谷部会長  この点についても皆様方から、ちょっとそれぞれお出しいただければと思いますが。  林委員。 ○林参考人  東松山市の林でございます。  行政の立場から、ただ今の地域生活支援事業に関連してのご意見等を言わせていただき ます。  まず、再整理との絡みもあるわけですが、その前に、特に地域間格差という話が先ほど 来、出ております。現状といいますか、それを申し上げますと、特に、移動支援事業や日 中の一時支援事業について事業所や支援者、特に男性ヘルパー、これらが不足していると いう実態も見受けられます。  相談支援事業において、個別のニーズを満たすための支援計画を立てたとしても、対応 する事業者が見つからないといったようなこともあるわけです。  また、東松山市の自立支援協議会においても課題等指摘検討しておりますけれども、障 害児の放課後及び長期休業中の支援についても日中一時支援事業がサービスの核というふ うになっているわけですが、その事業所の指定基準が短期入所施設としているために、委 託する事業所が市内には2つしかないというようなそういった現状もあるわけです。  自立支援給付との再整理と柔軟性というような点から言いますと、地域生活支援事業の 一部の事業を自立支援給付とすることを検討してもよいのだと思うんですが、自立支援給 付そのものに柔軟性といったものが持たせられるかどうか。  それが困難であるとすると、柔軟性を持たせる部分については、やはり地域生活支援事 業として残しておく必要があるのではないか。何でもかんでも全国一律の基準が妥当とは いえない部分もあろうかと思います。地域における独創的な使いやすい部分といったもの も残しておく必要があると思います。  しかしながら、財政の確保といった面から見ますと、千葉県の提言の資料にもあるわけ でございますが、地域生活支援事業についての統合補助金という性質から各市町村で事業 を充実すればするほど財政圧迫してしまうという事態も起こってくるわけでございますの で、その辺も考慮していただきまして、実績に合った配分といいますか、そういった財政 制度をつくっていただければというふうにも考えているわけです。以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  竹下委員。 ○竹下委員  もう地域生活支援事業に議論は移っているということでいいですか。 ○潮谷部会長  はい。 ○竹下委員  地域生活支援事業の在り方ということについて、僕は、法律を読んでみても理解できな い部分があります。すなわち今回の障害者自立支援法で、自立支援給付と地域生活支援事 業という2類型をつくったわけですが、結論としてこれとこれを個別給付の自立支援給付 にしたよ、あるいはこれを地域支援事業にしたよという結論は出てくるんですが、なぜそ れを個別給付という位置づけをしたのか、なぜそれが地域支援事業に盛り込まれるのかと いう説明はどこにもないんです。  すなわち、多分どの法律もそうだと思いますが、こういう類型をつくるときに、自立支 援給付とは何を意味しているのかとか、地域生活事業とはこういう定義の下にその事業を こちらに盛り込むんだよというものがあるから、後の整理がしやすいはずなんだと思うん ですね。それがないために、先ほどから安藤さんや林さんのような問題指摘が出てくるん だと思うんです。  今の在り方は、短絡的な言い方をすれば、金の在り方とそれから国が縛るか縛らんかみ たいな、こういう言い方で整理されているというのは本末転倒だと思います。  例えば、もともと社会保障の中で、児童福祉なんかを見れば分かるわけですけれども、 児童福祉最低基準というのは法律で法定されているわけですよね。それを超える分を仮に 自治体が上乗せしても何ら問題ないはずでありますから、自治体の独自性というものは否 定されてないはずだと法律的には理解するんです。  であれば、一律性がまるで自立支援給付では絶対だという形は、現在の在り方としては 少し見直すことを前提としてまず考えるべきだろうというのが1点です。  2点目に、例えば先ほどから話題になっている移動支援事業であれ、コミュニケーショ ン支援事業であれ、これを自立支援給付ということで位置づけしたところで、本質は何も 矛盾は起こらないと思います。現に昔は、実質的に見たら区別はなかったんですから。   それを地域生活支援事業に押し込んでいることによって、予算上の配分の仕方、統合補 助金であれ何であれ、そこに矛盾があるわけですけれども、それ以上に大きな矛盾という のは、そういう2類型に分けていることによって予算の在り方が大きく違うというところ に大きな矛盾があるわけですから、根本的に、機能ごとに給付を考えたというんですから、 福祉のサービスの機能のありようということからもう一遍体系を見直すべきだと思ってい ます。それが2点目です。  最後に、私は、この法律を見ていて、どうしても最後までこの矛盾が残ると思うんです けれども、個別給付としている自立支援給付の中で、自治体の独自性云々の問題は先ほど から議論が出ているわけですけれども、ただ大事なことは、障害の実態で、現場がどうい うふうに矛盾を起こしているかという議論が不足していると思うんです。  例えば、日中介護の部分とそれから訓練部分であるところの雇用継続のB型、これを現 場で一遍見てもらいたいと思うんですけど、本当に本質的な違いを持って類型化されてい るかです。  先ほど議論が終わったと考えている、例えば新制度への移行を見たって、現実に現場で は重度障害の人に対して日中介護で対応すべきなのか、継続のBでいけるかというのは、 ほとんど現場は判断しかねているわけです。  実際には、Bでやってみても、言葉は不適切かもしれませんが、全くBとしての就労に は実態は伴わない位置づけを無理やりしているところが現場としては非常に多いと思いま す。そういう障害のある人たちの実態から、今の自立支援給付として位置づけられている 中身が、今の類型で本当にいいのかどうかも考えないと、この2類型を維持することは多 分僕は困難になってくると思っています。  したがって、この自立支援給付と地域生活支援事業の2類型をこのまま残すのであれば、 なぜ個別給付としての自立支援給付なのかということもちゃんと定義づけをして、類型化 するということをお願いしたいと思っています。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  現状に対しての矛盾というようなことだとか、問題点だとかというご指摘だったと思い ますけれども、今後、この体系についてのご意見でございました。  副島委員。 ○副島委員  地域生活支援事業を利用する立場からの意見ですけれど、移動支援事業が障害のある人 にとってどれだけ社会参加するために重要なサービスかということは皆様方もご存じだと 思うんですね。  ただ、問題は、重度の知的障害の人にとっては、行動援護等が利用できますが、中程度 の人について、どうしても漏れてしまうんですね。その中程度の人というのは、ずっとそ れを利用してなくても、訓練的なサービスが利用できれば、社会での生活の幅が広がると 同時に生活リズムができれば、そのサービスはもう利用しなくても社会生活でのステップ アップができると思います。  もう一つは、通勤とか通学でも大変苦慮していますので、そこも訓練等の利用の仕方、 こういうものができれば、公共交通機関への利用につながって、より本人の自立につなが るというように思っております。  それから、日中一時支援も議論されたとおり、学齢期の放課後の問題とか夏休みにおけ る障害児の支援で大切なサービスです。そういう問題があり、この日中一時は、今の地域 生活支援事業で、そのままでいいのかという問題。それから、相談支援事業、これは障害 者のライフステージにわたる支えを考えるときに、地域の中では一番大切なものだと思っ ています。そこで、ケアマネジメント機能等を含めて、この問題を考えていくときに、例 えば移動支援、それから日中一時、相談支援というものがこのまま400億円の事業の中の 地域生活支援事業で本当にやっていけるのかどうか。  先ほどから出ていますように、柔軟性を持たせなければいけないところは地域生活支援 事業の中に残し、頻度の高い、必要性の高いものについては個別給付のほうに持っていく 必要がないかという、二本立てで考えていくべきではないかと思います。  それから、議題になっていませんが、小規模作業所の問題もちょっといいですかね。 ○潮谷部会長  もう少し後でいただければと思います。  皆様方からただ今のような形で実態論としてのご報告、将来展望と結びつけながら何か ございますならば出していただければと思いますが。いかがでございますでしょうか。  星野委員。 ○星野委員  地域生活支援事業について、必須事業にもなっていない福祉ホームのことをいつも言っ ております。とりわけ身体障害の方々の地域生活の場という位置づけが弱い。個別論点参 考資料の34ページに障害福祉サービス見込量の推移、居住系サービスについての表が出て おります。  下が旧体系サービスという濃い斜線で整理されている中には、恐らくこれは居住系サー ビスですから、一番左の総量15.0万という中には、身体障害者の入所施設も含まれた数字 だろうと思いますが、その確認をしたいと思います。  さらに、上のほうで、徐々にそれがグループホーム、ケアホームという流れで一番右に 8.0万人という数字が出されています。  そして、削減数というのが19年度から出てきて、20年度、23年度にはこれだけの削減数 といことになっていますが、この図を見ながら知的、精神障害者の上のグループホームの 数字の推移、増え方は分かりますが、身体障害者の入所、あるいは居住系サービスの削減 のところで、その分が上のところに行っていません。そこのところは大きな問題です。何 らかの検討をしていただいているという話は前々から聞きますが、もうずっと検討してい るという話が続いておりますから、本当に地域生活に支えを求めている身体障害者のとこ ろをきちんとしていただきたい。3障害一元化という中で、ここは障害によって差が現実 に生まれていますから、ここの解決を早く急いでいただきたいと思います。  それから、短く1つだけ、日割りの話に戻りますが、追加の資料を見ますと、月払い、 日払いではっきり分けて、どっちかというような書き方になっています。セルプ協の意見 をよく読んでいただければ、2万人の利用者のデータとして、ほぼ毎日利用したいという 方が93.4%、週1回から3回という人が3.7%と意見書の中にも、実態の数字が出ていま す。   私たちは、日払いを全く否定しているわけではありません。日払いを利用したい人もい らっしゃる。だから、併用といいますか、月払いを求める人は月払いで契約すればいいし、 日払いの人は、その週の2日をこっちで契約し、3日をこっちで契約するということで良 い。いつまでたっても日払い、月払いで対立関係みたいにあるのかがよく分からない。ぜ ひその辺の検討もしていただきたいと思います。  それから、日払いのところの矛盾で解決できないのは、意見書の1ページ目の一番下に 書いてありますが、就労継続支援A型事業所では雇用契約ですから、利用者には当然の権 利として有給休暇として休む権利を持ちます。一方、事業者側は利用契約の中で報酬がな くなる。この矛盾というのはやはり整理をする必要があるということを含めて、積極的な 検討に入っていただきたいと思っております。以上です。 ○潮谷部会長  1ページの下のところは、前回もおっしゃっていらっしゃいましたね。この点について は、厚生労働省のほうでも前回の意見を受け止めていると思います。  そのほかに、野沢委員。 ○野沢委員  ちょっと時間の関係で、出なければいけないので、後ろのほうのテーマなんですけれど も、発言を許していただけますか。 ○潮谷部会長  皆さん、41ページ以降のということで、野沢委員退席の関係があって、よろしゅうござ いますでしょうか。後段ではありますけれども。  では、お願いいたします。 ○野沢委員  すみません。今日は、どうしてもこれだけちょっと発言したかったので出てきたんです けれども、権利擁護のところなんですね。虐待とかです。  一番後ろから2番目のところです。  この問題は、全日本育成会の権利擁護委員会で、もう10年ぐらい前から虐待問題につい ては何とかしてほしいということで取り組んできたんですね。もう全国、いろいろなとこ ろから、権利擁護委員会をやっていますと相談が殺到してきます。殴られる、蹴られる、 犯される、金を取られる、それをなかなか言えないという、悲鳴の中にうずもれているよ うな感じで、私たちもみんなそれぞれ仕事を持ちながら時間の制約、お金の制約、権限も ない中で、もうどうにも対処し切れなくて、何とかこれはもう虐待防止法というものをつ くってほしいということは、再三、国や各党にお願いしてきました。  3年前にも小党派でこの議案が出ようとしたところ、郵政解散で、どこかに吹っ飛んじ ゃって、この臨時国会にも各党で出そうかといったところ、また政局がこんなで、本当に 政局に呪われた問題だなとつくづく思っているんですけれども、高齢者と児童で虐待防止 法があって、障害者にないというのはどうにもやっぱり解せないんですね。人生のあらゆ るステージで、一番幅広くそういうリスクにさらされ、実際に被害にあっている人たちが 救われていないというのを何とかしてほしいと思います。  これはもうありとあらゆるところで、現場で、虐待とは言いませんけれども、権利侵害 の芽というのは、もうあると思います。  これは大体何とかなっているんですけれども、場合によってはこれが虐待に発展してし まう。なぜかというと、その現場にいる人たちが見て見ぬふりをしたり、このぐらいいい のだということで見過ごしちゃう、それがエスカレートして虐待に発展してしまうという ことだと思います。  やっぱり障害者本人だけではなくて、その周りにいる職員や親も大変苦しんでおります。  カリタスの家という事件だったですけれども、そのときに、職員の方から報道機関にメ ールが来まして、まるで自分たちはみんなあり地獄の中に落ちていくような心境で大変恐 ろしかったというようなことがあって、これはもうどのケースでもやはりこういう職員た ちの声が聞こえてくるんですね。  どうして見て見ぬふりをしちゃうのか。対応できないのかというとやはり感性、謙虚じ ゃない気持ちというのもありますけれども、どう取り組んでいいか分からないからだと思 うんですね。なので、これはやはり悔しい思いをしていても、SOSを発することができ ない人がいるんだということを知ってほしいと。気が付いたら通告したらいけないのだと いうことを定めてほしい。  通告されたときにそれを受け止める機関があって、それを調査したり救済する機関があ って、それをどうやれば救済できるのかという道筋を示す、そういう法律がやはり必要で はないのかなということをつくづく思っております。  それともう一つどうしても言いたいのは、親のことです。私自身が親ですので、親はや はり障害のある我が子を預けている相手に対して、本当に無力だと思います。  こんなにずうずうしい親はいないと思われていると思いますけれども、この私ですら、 我が子を預けている間は、ものを言えません。10年前に預けていた相手にすら言えないで すね。やはり一番辛い、混沌としていたときに救ってもらったという、その負い目といい ますか、感謝の気持ち、それがあってどうしても相手に言えない。それともし、嫌なら出 ていけと言われたときに、ほかに行き場がないとか。言葉がないような子どもを預けて、 その子どもにしわ寄せがいったらどうなるんだろうという恐怖感、これがやはり親を代弁 させない状況に置いていると思います。  親は親で、自分の不安感にすがりついて生きていって、いずれ死んでいけばいいかもし れませんけれども、本人たちはそれじゃすまないと思うんですね。本人たちにとっては、 やはり言葉、そういう本音を世の中にもっと伝えていかなきゃ。それはなかなか出てこな いんですね。この審議会も見てもらえれば分かりますように、33人の委員がいて、知的障 害者本人は一人もいないですね。これがまさに象徴している問題で、これはどこの現場に 行ったって、知的障害者本人の声は出てこないような構図というか構造になっているわけ ですね。  僕は最低限、親が代弁できないのだとすれば、やはり成年後見というものをもう少し使 いやすく充実していくしかないと思っています。  最高裁判所のデータによりますと去年初めて30代、40代の方がお年寄りの利用者を抜い て、利用が増えてきたということです。これはやはり成人した知的障害者の利用が増えて きたと思うんですが、内訳を見れば、ほとんどがまだ親が後見人をやっているというのが 実態だと思います。  月に2万円、3万円の費用を払って、後見人をつけられる知的障害者はそんなにいない と思います。年金の中からそれだけ払ったら暮らしていけないですから。お金ない人から その費用を取れないということで、家庭裁判所は1年間実績を見て、被後見人にお金がな ければ費用を取っちゃいけないみたいなことを言う場合もありますけれども、それでボラ ンティア的にやっている弁護士さんや社会福祉士も私は知っておりますけれども、やはり このままでは、この制度は広がっていかないと思います。  お金のない身寄りのない人こそ、一番後見人が必要だと思うんですが、残念ながら、そ ういう人たちがこの制度から遠いところにいると思います。  これは、限定的でも結構ですので、やはりここには盛り込まれていませんけれども、個 別給付で成年後見の利用料の負担というものをしてはどうかと、私は提案したいです。  触法の障害者、あるいは虐待の被害にあった方、今、入所施設にいながら地域生活移行 としている方、一番本人の代弁しなければいけない状況にある方たちに限定的でいいです ので、とりあえずモデル的に個別給付で、成年後見というものを位置づけたら、大きな希 望がこれからの本人を本当に中心にして福祉をやっていくんだという、シンボルの制度に なってくるんじゃないかなと思います。それだけ言わせていただきます。ありがとうござ いました。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  皆様たちの中で、後のところで、2点、障害者の虐待防止法についてのご意見とそれか らもう一つは成年後見制度、あるいは社協を窓口にした、これはちょっと名前が変わりま したけれども、社協を窓口にした利用制度等々に個別給付という形で利用を広げていくと いうことを考慮してはどうかというようなご意見もございましたので、そういったことを 含めて、また後段のところで皆様からご意見賜りたいと思います。  それでは、ほかに皆様、ございませんでしょうか。 ○広田委員  この日割り、月割りのところで、コンシューマーとしては絶対に月割りはできない。3 カ所のサービスを使ったら、3カ所を1ヶ月ずつ払わなきゃいけないから。  さりとていろいろなコンシューマーが、事業者側が運営できないような状態だと、コン シューマーは心配しているわけです。それはコンシューマーが考えて心配するだけじゃな くて、説明する職員とかが、皆さんも大変になりますよという言い方をするから、不安を 抱える人がたくさんいるからということと、みんながいろいろな新しい体系が決まっても、 これでやっていけるんだろうかということで、自立支援法の日比谷の集会のことをニュー スで知れば不安になるし、ということなんですね。  事業者の本音として、私はさっき報酬改定って言ったんだけれども、報酬改定で安定し たお金が事業所に落ちて、利用者が日払いというのでは駄目なのか、いろいろな意見があ るんだけれども、全然ここではそういう本音の話が聞こえないんですね。事業者は本当は どうしたいのか。  私たちが論議しているの、ここで終わって、はい、終わりましたじゃなくて、国会に通 さなきゃいけないわけです。そのときにいろいろな党の考え方もあるし、その党に意見を 言っている事業者団体もたくさんあると思うんですね。  そういうことと、私が神奈川に住んでいて、多くの利用者から応益は問題だという意見 もたくさん出ています。  それから、いわゆるピアサポートセンターというのを地活と相談が合体したような形で セルフサポートセンターとか、いろいろな言い方をしているんですけれども、そういうも のはこの制度の中で、使えるのかということをお聞きしたい。  それとピアサポート事業というのは、この制度なのかそれともほかのところの制度に入 れるのかということを、これは多分精神で出ていると思うんですけれども、その2点をお 聞きしたい。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  この日割り、月割りの問題の中で、日割りであっても事業所が安定するというようなこ とであれば、現行制度があってもいいんじゃないだろうかと、そこら辺の本音的なことが あれば、ここで少しザックバランにお出しいただければという広田委員からのご指摘もご ざいますので、ぜひそこは出していただいて、制度設計に向けてよりよい形が出てくるこ とを願うところですので、ご意見おありの方はぜひお出しいただきたいと思います。  いかがでございましょうか。  新保委員、お願いいたします。 ○新保委員  それでは、精神でとりあえずお話しさせていただきますけれども、これまで事業をやっ てまいりして、これが18年10月1日からの私どもの施設の全ての利用者推計の動きでござ います。  ここが100%だと思っていただきたいです。平均していきますと90%を優に超える利用 率と2年と何カ月間であります。  今、日払いがどうのうという問題ですが、このスタートのところの数字が若干低いと思 います。18年10月1日。この前段で、利用者の方々にお金の問題を説明させていただくわ けです。日払いでこうなりますという説明をさせていただきます。そうすると、なかなか 理解できなかったり、ただ単にお金のことを聞くだけでも、心配になっちゃうという方々 がおられて、利用が減りました。ですから、スタート時点で利用が減りました。したがっ て、そのまま利用者が減っていくのかな、あるいは増えないと困るなという思いを抱きな がら事業者は運営をしていくわけですが、幸いにこの数字のように、利用者は増えていっ ています。  そして、この間に、実は利用料の改定というか、単価の改定が一度ございました。その 単価の改定は実は単価が引きあがった改定だったんです。にもかかわらず、ここでまた利 用者の方にお金の説明をしますから、利用者はそのお金のことだけで不安になって、高い とか安いとかということを抜きにしてまた利用率が下がります。  すなわちお金のことは確かに大事な問題で、利用者に大きな負担をかけているんですが、 制度がしっかりしているとか、制度が安定していることのほうが利用率にばらつきがない ということはここで確かに見えてきました。  そして、月払いと日払いのどちらがいいのかという話になると、恐らく日払いのほうが よろしいんじゃないかと思うのは、実はこの2年何カ月の間に、自立支援の事業を行って きて、お金が払えない人たちが出てきたんです。そのお金の払えない人たちが私どものと ころで生活訓練とか共同介護、こういったところの方が主に払えなくなってきています。  この方たちの中で、平均して、恐らく数名ですから、40名ぐらいの中の数名が、お金が 払えない状況が生じております。要するに、自己負担分ですね。その自己負担分が払えな い状況が生じてはおりますけれども、それをちょうだいするのが現実ですが、カバーでき ていける可能性は、事業の運営によってありますので、できるだけあまり厳しい催促をし ないで、できる限り入れていただきたいというお願いの通知書を出す程度でとどめて運営 をしているというのが実態です。  その意味では、利用日数に応じた費用負担のほうが金額も大きくなりませんので、心配 がないかなあというふうに思っているところです。  それと関連したような話で、実は新体系移行について若干お話をさせていただきますが、 その新体系事業に先ほど移行する話の中で、研修会やコンサルタントの派遣の話がござい ましたけれども、私はちょっと聞いていて、腑に落ちなかったのは、研修会というのは移 行のための説明会の話、あるいはコンサルタントの派遣というのは、コンサルタントとい うのは本来、事業内容を改善するために行われることだと思いますので、それを考えたと きには、利用者のためのプログラムをしっかりとしていくことによって、工賃アップを図 るとか、というようなことがコンサルタント事業だというふうに思うわけなんですが、私 どもが昨年コンサルタント、特にB型を中心としたコンサルタント事業の開発手法に関す る研究をして、それを受け入れる措置があるかどうかということをまず調査をいたしまし た。  そのときに、大きく2つに分かれました。すなわち、一方では、工賃アップを図ろうと しているところというのは、これまである程度就労移行支援をして、いわゆる働くという ことについての支援を強化しようというふうに思っているコンセプトのある事業者でござ いまして、コンサルタントを受け入れることに対して、当初から違和感を抱いているとこ ろというのは、そうした事業者は、もう既に事業者としての、これは悪いことではなくて いいことなんですが、利用対象に関わる価値観とか理念というものを持っていて、ワーク ファーストじゃなくていいんだという意識が既にかなり強固に持っておられるんですね。  ですから、どうしてもそういった事業所というのは、自立支援法を見ますと、ワークフ ァーストに見えてしまうんです。この法律も。ですから、そういったところをしっかりと ワークファーストというか、働きたい人には働ける支援をということは1つの標榜する課 題として置いておきながらも、それを保管する、あるいは相互にうまく活用するシステム はこうなんですよということを見えるようにしていかないと、移行に関わる事業者の気持 ちがなかなか前へ進まないんだろうというふうに思っているところです。  いずれにしましても、私どものところでは毎月細かくこういうふうにして事業ごとの利 用パーセンテージ、課題、それから売上げといったようなものを職員と月に2回、検討し ながら事業を進めているところです。ですから、結論的に言いますと、日払いでも十分に やっていますし、日払いでよろしいんじゃないかというふうに思っています。 ○広田委員  そうじゃなくて、要するに日払いはコンシューマーとして、日払いでいいんですけど、 日割りが事業者にとって問題だ、問題だってすごい騒いでいるんですよ。私なんかも、い っぱい、精神じゃないいろいろなところからも来るわけですよ。発言してと。  だから日払いはコンシューマーとして、それでいいと。だけど日割りが問題になってい るんだったら、その本音を、新保さんは日割りでいいということよね。 ○新保委員  そうそう。僕は日割りでいいと思っています。 ○広田委員  違う本音の意見を聞きたかったんです。 ○新保委員  というか日割りのほうが、確かに違うサービスを受けやすいんですよ。ですから、ある 一定のところが来たら日割り、そのほうが、事業者として、当然のようにケアマネジメン トをしていくわけですから、そのマネジメントの結果、新たなサービスの利用というのが 出てくるわけです。それは日割りでいいというふうになっています。 ○潮谷部会長  ちょっと双方から出ていますので、竹下委員の後に、嵐谷委員、お願いしたいと思いま す。 ○竹下委員  今の日割りの議論は少しかみ合ってないと思うんですよ。前回の野沢委員の発言も含め て思うんですけれども、僕は日割りの問題とそれから障害者が複数のサービスを複数の事 業所で受ける問題とは全く結びつかないと思います。それを混同したら、多分何も見えて こないですよ。  まず、2つあって、ここで皆さんの発言を聞いていて、日割りの大きな問題は、例えば 精神障害者とか重度障害者の場合に、休みたいと思ったときに休めない、そういうプレッ シャーの中で、事業所との間で軋轢まで起こる。そこを問題にしているのに、もう片一方 で複数のサービスを利用できない、全然かみ合ってないじゃないですか。そこで、その整 理をまずする必要があると思います。  すなわち、複数のサービスを複数の事業所で受けられる、あるいは単独の事業所で複数 のサービスでもいいわけですが、そういう複数サービスを受けられる体系をどうつくるか という問題を仮に日払いを前提にするのか、月払いを前提にするのか、そこに矛盾なく成 り立つ、いわば体系を開発すればいいだけのことのはずなんです。誰も二重払いせいと言 っている事業者はないはずであります。それが1点目です。  それから、もう1点は、そういう特に精神障害者に僕はデイサービスに代わってそう思 うんですが、日々の状態から言ったら、出ていくこと自身が、その精神障害者の病状を悪 化させるようなもんですよ。そういうことを考えたときに、そういう不安定な障害者に無 理やり出て来いなんていうことは、事業所も考えてもいないわけですよ。だけれども、そ の事業所を安定させて維持していかなかったら、その障害者の行き場すらなくなるわけで すよ。  では、いわば逆に不定期というのか、臨時的というのか、あるいは病気のために休まざ るを得ないような状態の事業所に対して、日払いで職員の人件費も含めて維持できないと いう現実をどう解決するのか、それは単に単価だけで解決するのか、嫌な言い方をすると、 単価ばかり上げたら、日払い制度にしたところで、あまり言いたくないけれども、社会的 な理解を得られないと私は思うんですけどね。  そういう意味では、その本質を全く違うことを2つ分けて考えるべきではないかという ふうに思います。以上です。 ○嵐谷委員  今の竹下さんと同じような意見を持っているんですが、要するに、利用者は利用料金が 少なくて、事業者はいわゆる収益が上がるようにというのが本来の話だろうと思うんです。 ところが、利用者が2カ所以上の施設の利用というのか、これはどれぐらいのものがある のか、僕は不可解です。1カ所の施設を利用しておれば、そんなにほかに行く人はないん じゃないかなっていうのは僕の考えですけれども。  休んだ場合は、それは確かに、施設のほうは月払いであれば、儲かるほうに行くだろう し、日払いであればマイナスだということになろうと思うんですが、要するに、支援サー ビスの低下や職員の処遇を低下させないように、人件費相当分の支払はいわゆる月払い方 式で報酬を上げるとかいうふうな方法があるだろうというふうに思います。  いわゆる経営者の安定を図ることをまずしないと、障害者が行くところがなくなるわけ です。つぶれてしまったら、そこらが非常に難しい微妙なところで、国のほうはお金がな いからということで、できるだけ絞りたいというふうな感じだろうし。だから、そこらを きちんともうちょっと精査するというのか、きちんとしたものを出していただかないと、 この話はどこまで行っても恐らく収まるところに行かないだろうというふうに私は考えま す。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  これまでの論議の中で、先ほど新保さんが言われた障害者自立支援法がワークファース ト、こういう観念の中で出発をしているというふうにとられているのではないかというこ とで、その理念の在り方というのが一方であり、そして今、事業者側から見たときの経営 安定と日払いという形で利用者側から見たときの負担の問題、これは竹下さんのお言葉を 借りますと、制度設計の中で、何らかの形で、そこは考慮できていくのではないかという ようなこと。さらに、今またお話が出ましたけれども、嵐谷さんのほうでは、複数利用と いうことを前提にして、日払いということが選択権を広げていっているという、これまで の現状にあるけれど、果たして、障害当事者は複数利用というような意向をどれぐらい客 観的に持っているのか、そこら辺りのことが1つは見えてきてないんじゃないかというこ とでございます。その複数選択という点に関して、何か客観的にこれまでの流れの中であ るのかどうか。そこら辺りのことを事務局側からお話を伺えればと思います。  それから、やはり親の会の方々、それから広田さんを含めてですが、皆さんたちの中で 選択権の幅があるということが非常に大事だという意見等ありましたら、ぜひ出していた だきたいというふうに思います。  佐藤委員の後に、川崎委員、お願いいたします。 ○佐藤委員  かつて私は、障害幼児、知的障害児の通園施設の施設長をしておりましたけれども、当 然、児童福祉法に基づく措置制度でありました。利用する子どもは、重度の重症心身障害 といわれる子どもが半分ぐらいと、残りがいわゆる知的障害のある子どもたちだったわけ ですけれども、当然措置ですから、1つの施設に措置されると、ほかはもう利用できない という状況がありまして、肢体不自由を重複する子どもたちがなぜ通園施設に行きたいの かというと、行くと、理学療法士の訓練が受けられる。ただし、知的障害児の通園施設と しては、無理をして理学療法士を雇用しているわけでありまして、1名しかいない。そう すると、個別の訓練はよくて週に1回程度しか受けられない。でも、それがあるから、ほ かではそういうチャンスが得られないから、そこに行きますということでで、丸々1カ月 分、措置されるわけです。  もう一つ、知的障害のある子どもたちは、できれば地域の幼稚園、保育園でというふう に我々は考えるし、そのための支援もしていきたいと思っても、受入先との関係で、なか なかうまくいかないということで、だけど徐々に移行していくために、併用というような ことがあってもいいではないかということになるわけですけれども、それもその当時は全 く実現しない。  前者のことですけれども、その子にとってのニーズとそれから親御さんの最も期待して いることは、いってみれば専門的な療育、専門的な訓練なわけですけれども、その週に1 回程度のそのために残りの4日間を引き換えにしなければいけないというようなことが措 置制度の下ではありました。  その当時から、やはりこういう形で子どもが何かを手に入れるためには何かをあきらめ ざるを得ないというのは非常にアンフェアなことだというふうに考えて、措置制度という ことについての問題点を意識するようになったわけですけれども、やはり今の議論の中で 重要なことは、恐らく一人一人の子ども、あるいは一人一人の障害のある人たちが地域で 生きていく上で、最も安定的にその生活を継続できる仕組みがどうあるべきかということ で、しかもそれはできるだけ快適であるべきであろうと。できるだけ生き甲斐のある日々 であるべきであろうと考えたときに、いろいろな選択肢がその人の前に用意されていて、 それをその人の生活設計、デザインの元に使うことができるような仕組みであることが必 要だと、そういう意味で、基本的には日払い方式というのは、合理性があるというふうに 考えているわけですけれども、しかしこれが有効に機能しないのは、やはり選択肢が率直 に言えば何もない。  今の状況で言えば、養護学校を卒業するときに、この次どうしようかということを相変 わらず10年前、20年前と同じように、親御さんたちは心配をされているわけでありまして、 自立支援法の第1条、みんなが生きていけるような地域社会をつくるんだということに対 して、これは本当に厚生労働省を含めて、我々の本気度が試されているんだろうと思いま す。  明確に従来のように、施設に依存する形ではなくて、地域社会を変えていくという中で、 これからの福祉をやっていくんだということをこの法律は少なくとも文言上はそこにシフ トするということを宣言しているわけですから、ちゃんと選択できるようなものをつくら ないと、先ほど嵐谷委員がおっしゃったような結果に結局はなるだろうというふうに思い ます。  そういう意味で、地域生活支援事業全般も、今のようにあたかも付け足しであるかのよ うな受け止め方しかされないような組み立てというのも問題があるんだろうと思いますし、 日割り方式を生かすだけの他の仕組みを含めて、いろいろ検討しなければ結局今の段階で、 どっちが得かの議論しか起きないだろうと。  それは、厚生労働省も本気度が問われているように、それぞれの地域で事業を行ってい る側も現状を維持するということに汲々とするのではなくて、我々が何がしたくて、これ は大変僭越な言い方ですけれども、いまや現場の事業者ではない自分がこんなことを申し 上げるのは僭越かと思いますけれども、やはり地域社会の景色を変えるために、専門事業 者として何に取り組んでいけばいいのかを提案し、それを役所が応援するという健全な関 係を取り戻すべきではないかと思います。抽象的な意見ですけれども、そんなふうに思い ます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  大変重い課題を今提示していただいたと私は思っておりますけれども、どうぞ川崎委員。 ○川崎委員  精神障害者の家族会です。  今、日払いと月払いということで、議論がされておりますけれども、実際、利用者のニ ーズというのが一体どのようにこういうところで受け入れられているのかなと家族として 思案するところです。  と言いますのは、精神の人は、本当に毎日行ける人もいるかもしれないし、また週1回 がやっとというような人もいるわけで、そういう人たちがこの制度にどのようにつながっ ていくか、その場合、日払い、月払いに区別するのではなくて、もう少し柔軟性をとった やり方で私はこの事業が動いていくべきではないかと考えます。それをどのようにするか は検討されなくてはなりませんが、もう少し利用者の立場に立った方向性を見つけていた だきたいと思います。 ○潮谷部会長  ちょっと確認させていただいて、利用者の側に立った柔軟性ということ、日払いとかそ の支払いの方法。 ○川崎委員  そうですね。例えば、週に1回行けない人はなかなか利用ができなくなっているのでは ないかと思いますので、そういう人こそ、私は精神の人の社会の復帰といいますか、して もらいたい人ですので、そういう人がやはり利用できるような、サービス体系といいます か、そういうところ、費用の問題で行きますと難しいと思うんですけれども、そういうと ころも考えていただきたいなという思いがあります。 ○潮谷部会長  山岡委員。 ○山岡委員  親の会と言われましたので、発言させていただきます。  私は、民間企業に二十数年勤めておりますけれども、民間企業の社会の中で考えますと、 競争原理とか市場原理が働いておりまして、企業は基本的によりよいサービスをより安く 提供することによって消費者に選択していただけるということで競争しております。  一般的には、消費者のほうはサービスや価格、選択ができるというところで利益を享受 していくということになります。  その中には、そういうよりよいサービスや適正な価格が提供できない会社はつぶれてい くということが前提になっていて、つぶれても新たなところがいいサービスを出していっ て、その中でまた消費者が選んでいくという、一般的な市場原理かと思います。  さっき野沢さんとかがおっしゃっているように、私ども、障害児を持つ親、あるいは当 事者はやはり利用させていただいている、あるいは負い目があるとかいうところがありま すし、現在の制度設計の中でいくと、この問題の発端は無駄があるとか、合理性がないと か公平性がないとかいうところが根本のところにあるのだと思いますし、その部分直さな ければいけないと思います。  ただ私ども、使う側からして、都市部にいてもなかなか選択ができない状況にあります。 地方に行きますと、それはもっと選択の余地がない、あるいは都市部にいても選択の余地 がないところがありますので、その競争原理とか市場原理とかが働くような環境が現状は 整っていないと思われます。ですから、ある意味でいきますと、制度設計なり何らかの補 う措置をしていかないと、成り立たないのかなという気がしています。 ○潮谷部会長  日割りという発想と同時に、サービスメニューがもっと豊かにあってしかるべき、その ときに初めて選択ができる。 ○山岡委員  そうですね。目指すべき理念としてはその方向でいいと思いますけれども、そこに行く にはまだちょっと土壌が足りていない、あるいは今の仕組みの中ではうまくいかないとこ ろがあるだろうというふうに考えています。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  広田委員。 ○広田委員  いろいろな障害者がいまして、サービスを複数使える人もいる。今、川崎委員がおっし ゃったような人もいる。他障害の方もそうだと思うんです。さっき私が一番最初に持ち出 した話は、いわゆる本人としては日払いがいい。3カ所行ったから、3カ所に1月ずつ払 うなんて、それは、なしよ。ただ、盛んに、事業者が日割りで事業者に落ちるということ が問題だと騒いでいるんですよ。その日割りを日払いと一緒になってやっているわけです よ。コンシューマーも事業者も。だから、そこのところを分けてさっきお話を伺って、あ る意味ではコンシューマーは日払いがいいけれども、事業者は日割りでいいんですかとい うことだったんです。それでこんだけ話が盛り上がったんですけど、そういうことだった んです。  あとはピアサポートのこと。 ○潮谷部会長  君塚委員。 ○君塚委員  まず、肢体不自由児施設の通園施設は大きな赤字です。多くが公立公営で、都道府県の 補助で賄われています。 東京都の場合都立の肢体不自由児通園が3つありますが、いず れも5億円弱使って1億円の収入となっており、民営ではやっていけません。全国の肢体 不自由児通園では大きな施設が10前後有りますが拡大路線を続けての自転車操業をして きたといえますが、破綻してきていて潰れざるを運動ない状況となっていると思われます。   肢体不自由児通園施設の運営が困難な原因のひとつは、施設給付費が知的障害児通園施設 の3分の1程と少ないということがあります。  通園施設の給付費は従来、登録定員数の月払いでしたが、その後1日平均通園児数の月 払いとなり、さらに現在の日払いとなってきました。  当方の児童デイサービスでは8割前後が重症心身障害児で、当日朝の体調不良、急用な どによるドタキャンが2割ほどありますが、キャンセル料は取れません。通園・児童デイ サービスいずれも大きな赤字部門となっています。 ○佐藤委員  私は、これはかつて施設長経営者としての実感なんですけれども、今、君塚先生がおっ しゃったように、定員払いのときは来ようが来まいが、確実にお金が入ってくる。なお、 私どもの看板は知的障害児通園施設でしたから、それを理由に人手がかかる、特別なスタ ッフを介しなければいけない子どもは排除しても誰からも文句言われない。  ちょっと古い話ですが、重心の子どもを受け入れ始めたころは、児童相談所からお前の ところは知的障害児、当時は精神薄弱児といっていましたけれども、そういう子を受け入 れるなという圧力さえかかるような時代でもあったわけですけれども、そうしますとその ころ若かった新米の経営者の施設長である私は、こういう施設はできるだけ手のかからな い子を入れて、手放さないようにすれば、いつか自分は施設王になれるかもしれないとい うふうに思ったんですね。  率直に告白しますけれども、施設経営をしていますと、そういう魔力にいつもささやか れ続けるというところがありまして、自立支援法、私自身もいろいろ問題を感じているし、 こんな法律にしたくて今までやってきたわけでもないよなというところはないわけではな いですけれども、だけれども少なくとも、悪魔のささやきに身を委ねることはこの法律の 中ではあまりうまくいかないなということだけは感じているので、どっちもどっちかなと いうふうにやや思っています。すみません、以上です。 ○潮谷部会長  何とも、余りにも本音過ぎで、ほかの領域の中でも介護の施設とか、そういったところ の中でももしかしたら今のような魔力に陥っているところもあるのかもしれないなと思い ながら聞いておりました。  長尾委員、どうぞ。 ○長尾委員  日払いであろうが、月払いであろうが、ある程度ちゃんと経営が安定すれば、それはい いわけですし、努力したところがそれによって報われるという形があればいいんですけれ ども、1つは、問題になっているのは、居住系と日中活動と分かれていますけれども、居 住の場のあるグループホーム、ケアホームなどは単価が低い。フルに利用してもやはり人 件費がある程度高いとこれは全くやっていけない、赤字の状況が生じているということが あります。  日中活動の場は、先ほど新保委員が非常に増加してきて安定しているということを前回 も言われましたけれども、大規模なところはそれなりにやっていけると。ところが、やは り小規模のところが非常にやっていけないところがあって、精神でもやはりそういう部分 が多くなって、どういうふうに行こうかということが迷っているところが非常に多いと。 その辺をどう解決するかというところが1つだと思います。  それから、もう一つは精神で言えば、先ほどから何人か言われていますように、やはり なかなかずっと行けないという人が結構多いし、エネルギーがなかなかそこまで行けなく て、半日やっと行けるなと、前は少し帰っていたというような人が、私の患者さんでも今 度新しくシステムが変わってやはりもっと出てこいと言われているんだ、もうしんどいん だと。やっぱりこれはもうちょっと何とか少なくて済むようにしたいんだけどもと言いな がら、やっぱり出ていかざるを得ないということも実際には起こっているわけですね。  これは、日中活動を提供する側から言えば、ある程度集めないと成り立たない。ところ がやはりそういう問題を抱えてくるという、そういう矛盾点を何らかの形で解決していく ような方策をやっぱりとっていかないと、このシステムはやっぱりうまくいかない。  これはやはり3障害が一緒だというシステムになってはいますけれども、やはりそうい う特性をそれぞれ生かした、特性をちゃんと勘案した形で何らかの手を打つということが 自立支援法の中でもやらないと、今のままでみんな一緒だということの中ではやはりこれ は成り立っていかないのではないかということをやはり強く思います。  それから、ちょっと先ほども福祉ホームのことが出ていましたけれども、ちょっと話は 違いますけれども、やはり地域生活支援事業のデータがほとんどここに挙がってこないで すよね。  例えば、居住の場でいっても、精神の旧精神保健福祉法上の福祉ホーム、AとBとあっ て、B型は今も経過措置でまだ残っていますけれども、A型福祉ホームというのは、これ はなくなって、地域生活支援事業に移ったわけですけれども、ところが、どういうことが 起こっているかということを言いますと、旧来の福祉ホームというのは、市町村によって は、自分のところはもうやらない、グループホームへ行けという指導をしているところが 非常に多いんですよ。  ですから、我々日精協の傘下の病院で福祉ホームを持っていたところをこのグループホ ームになって、福祉ホームが今地域生活支援事業では半減しています。だから、グループ ホームが増えたように一見見えるところがあっても実際は増えてないんです。ただ、据え 変わっただけと。そういう状況が起こっている。だから、地域生活支援事業ももっときち んと把握して、そういった何らかの形をとらないと、どうもやはり絵に描いた餅になって しまうような感じがするので、そういったことも含めてやはりきちんとやっていただきた いと思います。 ○潮谷部会長  今、それぞれの委員の方々から、相当実態に基づいて意見が出されておりまして、今後 どのように体系化していくかという大きな課題が投げかけられていると思います。  時間が超過しておりますけれども、ここで安藤委員、そして嵐谷委員、最後のところで 千葉のほうから意見が出ておりますので、戸谷参考人のほうから最後に意見を聞いて、そ して次の課題に移らせていただこうと思います。  大変皆様方から、率直に重い課題、そして制度矛盾、そういったものが出されたと思っ ております。  それでは、お願いいたします。 ○安藤委員  安藤です。これからの論議のあり方ですが、基本的な問題といいますか、大きな課題の 論議になると思うんですね。日割りとか月割り等についてもその前提となるものは障害者 自立支援法を抜本的に改正するのか、部分的に手直しするのかの結論で違ってくるんでは ないかと思うんです。  障害者にとっては、自立支援法の見直しの根本は、応益負担の廃止にあると思っていま す。それを基本とした場合の論議とするのか、そうではなくて、現在の自立支援法を継続 する中での部分的な手直しとするのかを明確にした上での論議が必要と思うのです。  日割り、月割りもそうです。その前提となるものは障害者自立支援法の今の基盤を継続 するということです。けれども、そうではなくて、私たち障害者としては、権利条約との 整合性や障害者の負担を廃止するなどの抜本的な見直しを求めているわけなんです。  この方向をどうするか、それを基本的に踏まえないと、これからの基本的な課題の論議 がかみ合わなくて、昔懐かしいよき時代のお話とか、施設側のいろいろな今の困難の愚痴 とかになってしまうのではないかと思います。基本を踏まえる必要があるのではないかと 私は思います。 ○潮谷部会長  安藤委員が、これまで繰り返しおっしゃっておられた障害者自立支援法を抜本的に見直 して行く、つまり権利条約を含めて、それから手帳のこともおっしゃっていたと思います けれども、そういったことを含めて抜本的に見直していくという方向性での論議をしてい くのか。あるいは、現行制度の中で、いろいろと出てきている矛盾、現行制度をベースに しながら見直しをしていくのか。そこを明確にするべきではないかということでございま すけれども、座長といたしましては、これから権利条約について批准をどのように身体障 害者福祉法そのものを見直していくかという課題は、これは私たちは課題認識としては持 たなければならないと思います。  そういう観点から、今、ここでやっているのは、現行法の中で、私どもが様々に課題、 論点、こういったものを整理して、まずはそこをやって、そして中長期的に今私どもがや っている意見の中からでき上がってきた制度が次のステップの中で、どのようにまた見直 されていかなければならないのか。中長期的な課題として考えていくというような気持ち の中で、座長としてはこれまで舵取りをさせていただいたところでございますので、今こ こで抜本的な見直しというスタートを再度切るということには予算の編成、しかも報酬単 価が低いという中で、人材の問題も出てきておりますし、今、私どもが論議をしている日 払いの問題、月払いの問題、目の前の課題というのがございますので、まずはそこいら辺 のことをきちんと出していただくということの中でやっております。  安藤委員、よろしゅうございますでしょうか。 ○安藤委員  その方向であれば、座長さんのお気持ちとか展望をみんなで確認すればよいのではない かと思うんですね。方向性の合意のための論議を重ねていく必要があると思うんです。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  皆様、私としては、中長期的な展望と今、与党プロジェクトから附帯事項として出され ていることの議論をしていくこととここでは明確に認識をしていただければと思います。 小澤委員、いかがでしょうか。 ○小澤委員  政策の議論ですので、やはり実現の可能性という議論をしたいんですけれども、何か、 この論点の出し方がやはりよく理解しにくいところがあって、日割り、月割りという話は 前回言ったとおりです。要するに、それはそれとして議論していただきたい。  問題は、選択権というんでしょうか。もともと長い歴史で、サービスの選択というのが 基盤が非常に悪いというのはもうはっきりと障害者プラン以来、大体予想がついているこ とです。  したがって、基盤をどう整備するかという議論が一方であって、日割り、月割りが前回 の議論だとそれを加速する要因であるみたいな、本当なのかどうかもさっぱり分からない わけですね。  だから、利用者の選択ができるような基盤整備はどこにあるのか。これは多分障害福祉 計画のきちんとした実施とか、別の、自立支援法といえどもやはりそういった基盤整備と いうのは、決して事業所とかあるいは事業所運営とか、それだけの議論じゃないと思うん です。だから、そこら辺をきちんと区分して、まぜこぜにした議論というのはとても先に 進みにくくしているのかなと思います。  それから、2点目は、仮に日払い、月払いの議論はいいんですけれども、これは多分、 非常にダメージを受けた領域からほとんどダメージを受けてない領域、ないしは場合によ ってはやや過去よりはよくなったという領域も万が一あるかもしれないですね。もし、き ちんとした議論をするんだったら、そういった領域はどこであって、一体全体どういうメ リットが発生し、あるいはどういうダメージが発生したか。  委員の皆さんいろいろなお立場の中からおおよそこの領域は相当なダメージを受けてい るし、この領域はそうでもないと、かなりの差があるわけですね。もしそうだとしたらき め細かい制度を行おうとしたら、ちょっと面倒かもしれないけれども、領域別なちょっと きめ細やかさのある議論をしないと、相当乱暴なことを思い切ってやった場合に相当な支 障を来たすかなということです。  それから、もう1点。実は、地域生活支援事業はいつ議論に発展するのか、僕ちょっと 気になっていたんですけれども、1点、政策議論という点でちょっと申し上げたいんです けど、32ページに、データの出し方なんですけれども、これは市町村の実施率という出し 方をしていて、格差の議論を次のところの論点で挙げています。実施率では分からないん ですね。  要するに、1件でもやっていれば、市町村がやっていればありですから、普通でしたら、 やはり固有名詞は出さなくてもいいですけれども、非常に高い水準でやっている市町村と 極めて低い水準でやっている市町村というデータの出し方をしていただかないと、地域格 差があるんだ、あるんだと言っていますけど、やっぱりデータとしてやっぱり出していた だかないと、議論は発展しないんじゃないかということが1点目です。  それから、もう一つは、そういったデータがきちんと見据えられれば、どこのどういう 特性のある市町村が先進的でどういうところが課題だったのかということであれば、例え ば解決策として自立支援給付でいいんだという論点にはならないはずなんです。要するに、 現在の地域生活支援事業の枠の中でも改善できるものはできるかもしれないし、やっぱり どうしても難しいということであれば、また新たな策を考える。  そういう段取りがないと、多分、どうまとまるかというのは非常に私も当事者でありな がら、非常に興味を持つところなんですよ。非常に困難だと思います。だから、そこをち ょっと当面できることと、それから非常に長期的展望かといろいろなパターンで、少し焦 点化していただきたいなというのが実施のちょっと意見と要望です。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  次に、井伊委員。 ○井伊委員  今、小澤委員もおっしゃっていたので、同様のことなんだと思うんですが、利用をする 人たちが選択して利用できるという意味合いが自分が負担できる範囲で上手に選択するこ とができるというふうにも聞こえました。  ですので、結果的にお金が払えなければ利用することを我慢することができる。という のも選択というふうに言っていることの1つの意味合いかなというふうにもちょっと聞こ えました。  私は、10月以降、この議論の中で、どうしても分からないのは、利用している人の実態 が非常に部分的で、この何種類か利用できて、ハッピーだという人がどのくらいの割合で 増えているのか減っているのか、本当にこの実態というのがつかんでないところでの議論 が非常に苦しいというのが感想で、1つ申し上げたいところでした。  それから、もう一つは、ピアサポート事業というようなご発言もありましたけれども、 私はかつて保健師として地域で障害の方の作業所の立ち上げなどにかかわらせていただい た経験がありますが、そういう拙い経験なんですが、この支援というのは、サービスメニ ューが決められて上から降りてくる支援とそれから地域生活の中で積上げていくとか生み 出していく支援と両方必要だというふうに思います。  かつての小規模作業所というのは、どちらかというと地域生活の中からその必要性で積 み上げ、生み出されていく拠点にもなった部分があったというふうに私は理解しているの ですが、この地域生活支援事業という中に、そういう自由度とか、それから生み出すため の施策というのがどのくらい保証されているのかというのが分からないというのが今の疑 問ですし、そういうことが組み込まれた自立支援法であるべきだろうというふうに考えま す。以上です。 ○潮谷部会長  戸谷委員の意見を聞いて、そして先ほど、安藤委員から出されたことについて皆様方の 最終的な納得を諮っていきたいと思います。  戸谷委員。 ○戸谷参考人  発言の機会をいただきましてありがとうございます。  結論的にまとめさせて……。 ○潮谷部会長  もう1人、嵐谷委員がいらっしゃいました。 ○嵐谷委員  地域生活支援事業について、ちょっと私、たびたび申し上げておるのが、相談支援事業、 これは必須事業に市町村でなっておるんですが、この中で、実際に障害者を理解、よく分 かると言えば、障害者でなかったら分からない部分があるので、障害者のいわゆる相談員 というのを活用していただくようにということを以前からいろいろ申し上げておりますが、 こういうところの位置づけ、もちろんコミュニケーション支援等ももちろん必要ですけれ ども、一番肝心なことはいわゆる裁量的経費ということで、非常に軽くなっているんです。 市町村によっては、その事業はもうやってないと。予算的に金がないんだということで、 それはもちろん費用対効果で対象者が少なかったらやってないというのがあるだろうとい うふうな判断をしております。  これをやはり義務的経費ということで、きちんとしていただかないと、どうもうまくい かないんではないかなと、経費の面で。  それと都道府県に行っても、いやもうそれは市町村でやってくださいよというふうな安 易にそういう形の返事が返って来るんです。もちろん都道府県でやらなきゃいかん事業で あっても、市町村へ言ってくださいというふうな形、またその国のほうを言えば、地方分 権で全部市町村にお任せしていますよというような形で、どこかみな逃げられているので、 そこらをもうちょっと制度的にきちんとしていただかないと、地域生活支援事業の特に市 町村の部分はできないんではないかなというふうに思います。以上です。 ○潮谷部会長  障害者相談員の位置づけと活用とそれから任命が今のところあれは県になっていますよ ね。そして実働は市町村というような形ですね。そういったところを少し整備をして、そ して具体的にはこの方たちをソーシャルケースワーカー的な位置づけの中で活用してはど うかというようなことでございますね。経費の面も含めてですね。  戸谷委員、お願いいたします。 ○戸谷参考人  今、嵐谷委員からもあったとおり、市町村と都道府県の役割というのは、やはりパート ナーシップでやっていかなければいけないというのは当然のことでございます。  これまでの議論の中で、やはり利用者本位のサービスというのをきちんとやることを担 保しなきゃいけないというのが1つありまして、その中で小規模作業所とかいろいろな事 業所がまず運営していかなければいけない。経営が成り立たなければ受けたいサービスも 受けられないという実態がございますので、そこがきちんと経営、運営ができるというこ とが保証されなければいけない。そういう配慮が必要であるという、そのように感じます。  それと地域生活支援事業につきましては、地域の実情に応じたサービスというのはやは り必要で、今、お話のとおり、相談支援というのはやはり入口だと思います。相談支援が きちんとできませんと、その次につながりませんので、そういう実態がある、そこに格差 があるということをきちんと均一にできるような一定のサービス水準が保たれなければい けないということですので、相談支援事業、特に、そういうところがきちんと担保できる ように国、私ども都道府県もそうですが、きちんと基準とか単価を設定して、それが確保 できるような仕組み、そういうことを考えていかざるを得ないと、そのように思います。  いろいろな地域生活支援事業につきましても、いろいろなハンディキャップのある方々 がその地域において非常に小さな町、村でいろいろな方がいらっしゃる、その特質という かその地域のありようがあると思います。それでサービスを決めているところもあるわけ で、そういうようなところの柔軟性というのは配慮すべきだと、そのように思います。  ですけれども、確実に財源が確保できなければ、やはりその事業はやりたくともやれな いというようなことですので、できれば義務的な負担金というような制度の意向なども配 慮していただければと、そのように思います。以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  それでは、皆様、後半に移らせていただこうと思いますが、よろしゅうございますでし ょうか。 ○広田委員  ピアサポートはどうなったんですか。 ○潮谷部会長  失礼いたしました。ピアサポートの問題、前回も出ていましたし、最初から出ていまし たんですが、この位置づけについて、事務局、藤井課長、お願いいたします。 ○藤井障害福祉課長  位置づけということで、今のピアサポートにつきましては、地域生活支援事業の市町村 が実施すべき相談支援事業の中の例の1つとして位置づけられております。平成19年度で すと約半数の市町村が実施していると、そんな状況でございます。  また、いわゆる特別対策による基金事業におきましても、ピアサポート強化事業という 形で創設しておりまして、これは障害者の地域雇用ですとか、自己啓発につながるような 活をサポートする事業等につきまして、設備の整備などを助成しているという事業でござ いますが、これが平成19年度で30都道府県が実施しているといったような状況になってご ざいます。 ○広田委員  ピアサポート事業を都道府県でもやってほしいという意見を言ったんです。ピアサポー トセンターという制度化は、当事者による当事者のためのいわゆる相談事業も入るし、地 活も入るんですけれども、そういうようなことは。 ○藤井障害福祉課長  特段、センターを設けてというような、特にそういった枠づけのようなことはしており ませんので、そういった意味では、そういうものも含めてですけれども、ピアサポートと して、地域生活支援事業であれ、基金事業であれ、助成をしているという形です。 ○広田委員  ピアサポートセンターを制度化してほしいという声があるということをお伝えしておき ます。 ○潮谷部会長  企画課長、何か追加はございますか。ございませんか。 ○蒲原企画課長  よくそういう声がありますので、当事者の方々のいろいろな活動という形で、支援でき ることをこれから考えていきたいというふうに思います。 ○潮谷部会長  それでは、サービス基盤ということとそして最終的には介護保険の問題まで今回の個別 テーマの中に挙がっておりますので、皆様たち、41ページ以降のところで論議を続けてい きたいと思います。  どなたからでも。  伊藤委員。 ○伊藤委員  41ページから43ページの論点に至る人材確保のところでございますが、ご承知のとおり 介護であるとか福祉の人材不足が大変に大きな問題になっている。深刻化している。皆さ んもご承知かと思いますが、そういった中で、今般の示された福祉人材確保指針を踏まえ ながら、人材の確保に向けた具体的な施策の推進をお願いしたいと、具体的に。併せて見 合う給与水準の引上げというものを可能にする報酬の見直しもぜひともご検討いただきた いと強くお願いするところでございます。以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ほかにございませんでしょうか。  副島委員。 ○副島委員  41ページの前に、小規模作業所があったんですけど、小規模作業所の促進のところは現 在までに半数箇所が移行しているということは数値的に載っておりますけれども、残念な がらまだ移行ができない作業所は結構あります。その大きな原因は、中山間地域の人口の 少ないところで、経営している作業所、これはどうしても定員要件のところではなかなか 要件のところにいきつかないんですね。そういうところで、なくなっていいのかといった ら、それはなくなったら利用者はもうどこにも行くところがなくなってしまう。そういう 状況の中でも、移行ということは頭にあります。新体系への移行を基本に置きながら、移 行するまで何らかの援助対策として現在施行されている特別対策を継続してお願いしたい というのが1点です。  それから、虐待防止法とか、成年後見制度のことを申し上げます。特に知的障害者の場 合には、この虐待防止法は大きな望みで、法制化することが狙いなんです。  野沢委員も言われたと思いますけれど、親の立場で、子どもの弁護、苦情はなかなか施 設側にも言えないし、地域の社会の中でも言えません。どうしても自分の子どもは手がか かって、お世話になっているというところが弱みになるからなかなか言えない。  そうするとそこは法律で、制定していくしかないと思います。だから、虐待防止法の法 制化というものを推し進めていくことによって、本人の人権的なところの擁護をしていく ということが大事だと思います。  それから、成年後見制度、権利擁護のところなんですが、50ページでしたか、我々が利 用しているものには、社協系がやっている日常生活自立支援事業というものがあって、そ れから部署が違うところでやっている成年後見制度がある。日常生活自立支援事業という のは、本人がある程度契約の内容も理解できる人ということで、すごく利用が広がってい るんです。  ところが、各地においてそれぞれの社協の器からはみ出してしまって、もうこれ以上受 けられませんという所があるんです。そういうところで、この日常生活自立支援事業の大 切さがありますが、ここの財源とか方向性はどうなっているんでしょうか。自立支援法と は別のところで動いているためによく見えないところがあります。  ここの財源的な保障とか、制度の確立のところはもっと強力に推し進めてほしいという ことがあります。  それから、もう1点、重度の人を含めて、親なき後の対策で成年後見制度があります。 成年後見制度については、自立支援法の中にも市町村事業で成年後見制度利用支援事業と いうのがあります。これがどのくらい使われているかといったら、残念ながらあまりない んですね。  特に、この中で、申立てに要する経費関係の補助とか、後見人等の報酬の全部または一 部を補助するといわれていても、地方に行けば、後見人の報酬のところにまではなかなか 金が回っていません。一番ネックである低所得者、年金だけで自分の生活を守らなければ ならない方々にとって、どうやってその権利を守っていくのかというところがあるんです ね。そこのところが、何らかの方法で、法的に成年後見人の報酬の保証、ここのところが もしもうまくいけば各地域の制度が成り立つと思います。  育成会でも各県レベルで後見センターをつくるようにしているんですが、結局最終的に は後見人に誰がなるかということと、後見人になった人の人件費をどうやって保障するの か。利用者が全部負担してやるかといったら、利用者で負担できるような収入がない人た ちにとっては残念ながらそこの恩恵にも到達しないということがあります。  そういうことで、ぜひこの成年後見制度をしっかりとした制度にしてほしい。これを何 らかの今の制度の中に入れて、後見人自身の身分保証、こういうところへ何らかの形の応 援ができないだろか。制度化できないだろうか。ぜひ、そのことをここでお願いしたいと 思います。 ○潮谷部会長  1点、確認させていただきたいんですけれども、何らかのという、その意味合いは、個 別給付的な形でと、そういうことでございますか。 ○副島委員  そうです。個別給付です。 ○潮谷部会長  竹下委員。 ○竹下委員  虐待防止と権利擁護のところでの発言なんですけれども、野沢さんがいないのでちょっ と残念なんですが、野沢さん、副島さんに悪いけれども、施設における虐待ばかり言って いるけれども、実態はもっと重要なところにあると思います。虐待が起こっているのは、 確かに施設でもあります。企業でもあります。そして、家庭内でもあります。  ということは虐待防止のことを考えるときに、僕は事業所だけで起こっているというの は、それは実態ではないだろうと端的に思います。  そういう点から言うと、この障害者の虐待防止というのは、極めて重要な位置づけを持 って制度化しないと、親御さんがなぜそういう虐待に走ってしまうかという問題やあるい は事業所が現実にそういうところに陥ってしまっている原因も解明するためにこの虐待防 止が必要だろうと思います。  実は、もう一つ大事なのは、僕は行政の消極性だと思います。  例えば、現行制度の下でも、障害者の虐待に対して、ある程度使える制度があるわけで す。そういう緊急措置のところで使える制度を我々は弁護士という業務の中で、行政に働 きかけてもなかなか動きません。  知更相が特に素晴らしいのは、更生相談所はいわば認定権限まで持っているという、今 でも使えるほど非常にいい制度だと私は思っています。  逆に、現在、虐待防止法の中で、高齢者の虐待防止法というのは、非常に欠陥法なのは、 虐待を認定する機関が法制化されていないんです。非常にそういう意味では、官権といい ますか警察であれ行政であれ動きにくい、使いにくい法律になっていると思います。  児童の場合、児相がその認定権を持っているわけですけれども、その点から言っても虐 待防止法を考えるときに、時には親が言えないというのもそのとおりですから、親でもな い、あるいは行政が積極的にそれを権限を行使できるだけの裏づけとなる認定権であった り、ときには警察と権力との連携の仕方までをも視野に入れた制度化をしないと、それこ そ自立支援法でいうところの障害者の主体性なんて守れないですよ。  結局、虐待防止はなぜ必要かといったら、障害者自身は、自分の置かれた状態というの を自分から言いたくても言えないところが、そのことを意味しているわけですから、すな わち親に対してでも、あるいは施設に対してでも、ときには社会に対してでも本人の言い たいことが言えないことを、あるいは自分が受けている虐待というものを第三者として客 観的に救済という形で援助する制度を安定させないと、ここでいう地域での安定した生活 なんていうのは僕はそういう意味では底辺から崩れていくと思うので、これは不可欠の制 度として緊急を要するものだと思っています。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ほかにございますか。  伊藤委員。 ○伊藤委員  私も竹下先生の話で、弁護士ではないんですが、全く素人で不可解なのは、これだけ以 前から障害者の虐待防止法は必要であるということを皆さんおっしゃっている。じゃあ、 政治家の与野党を問わず、これに反対だという人は恐らくいないと思います。  国民あげてそういう土壌ができているにもかかわらず、いまだに進まないというのはど こが原因なんでしょうか。どこが動脈硬化を起こしているのか、ぜひ僕は伺いたい。 ○潮谷部会長  いかがでございましょうか。事務局で何か。 ○蒲原企画課長  なかなか難しいあれですけれども、これまでもいろいろな必要性は言われておりまして、 たびたび出ている与党の障害者についてもプロジェクトチームの報告書の中でもそこは触 れられておりまして、障害の対応、あるいは障害者の虐待防止のための制度について検討 するということがきちんと書かれております。  我々もいろいろな関係者のいろいろな実態だとか、市町村の方、あるいはそういう事業 をやられている方々の声を聞いて我々も今勉強していますけれども、一方で、この与党の プロジェクトの報告等を踏まえて、それぞれ各党で今いろいろな議論がされて、かなり進 みつつあるというふうに聞いております。  確かにこれまで一度盛り上がったときに、郵政の解散があって、少し国会の中でいった んあれだったということが1つあったというふうに聞いておりますけれども、その後、ま た今年に入って、与党から出たこともあって、各党でそれぞれ話が聞けるということなの で、ちょっと途中のそういう経緯もある中で、いまだにできてない状態でありますけれど も、各党の中で、それぞれ進みつつあるというふうに思っていまして、我々もそういうと ころに呼ばれて、一体どうなっているんだということについては、ご説明したり、あるい は我々も話を聞いたりしておりますので、何とかそこに向けて一生懸命我々も頑張ってい きたいし、各党の先生方ともよく相談しながらやっていきたいというふうに思っています。 ○伊藤委員  重ねてよろしくお願いします。 ○潮谷部会長   竹下委員、どうぞ。 ○竹下委員  課長の説明、僕はちょっと不満なんですよ。なぜかと言ったら、皆さん聞いていて思い ませんでしたか、議員任せだという答弁ですよ、それ。それおかしいですよ。僕、この部 会でも最初のころに申し上げたと思うんですけれども、おかしいと思います。  2つ申し上げます。1つは、先ほど僕がちょっと言いましたけれども、行政自身が消極 的です。やっぱり。  2つ目は何かと言ったら、やはり与党であろうが、野党であろうが、そこで考えられて いる内容について、行政がその試案、素案の段階でどういう意見を述べておられるか、そ こが大事なんですよ。その部分を一切語らなかったら、全然議論が充填されていかないと いうか充実していかないですよ。その2つです。  まず、1点目の行政が消極的なのはなぜかなと思いますけれども、僕の認識としては、 やはり知的障害者の関係では更生相談所に認定権がある、その規定ですら十分に使いこな していないという現実があるわけですけれども、虐待防止法をつくるときに、どういう仕 組みで行政権限、または警察権限によって、自分から直接意思表示できなかったり、ある いは仮に意思表示できても、それを訴え切れない障害者の立場で、擁護に当たるかという ことをシステム化することについて、行政が本当に責任を持たないといけないということ が1点です。  それから、2点目には、与党プロジェクトの案を僕は知っていますけれども、今、用意 されている内容では今申し上げたような、本当の意味で実のある、本当に地域で安心して 障害者が一人暮らしができる、あるいは先ほど言った親なき後でも、親が安心して死ねる と言ったら怒られますけれども、親なき後も安心できるというためにはそのベースになる 部分ですから、そういう制度化ということについては、やはりそういう案になっていない と思うので、その部分についてもっと議論すべきだし、行政は積極的に意見を言っていた だきたいと思います。  仮に現時点で行政が与党、野党がお持ちの案に対して、どういう見解を持っておられる か言っていただけるならぜひお願いしたいと思います。以上です。 ○潮谷部会長  事務局。 ○蒲原企画課長  お答えいたします。1つ、これ省として、この虐待防止法ということについては、決し てそういう目的ではなくて、むしろこういうことは非常に大事だと思っていて、一生懸命 取り組んできています。これは、党との関係では呼ばれて、いろいろな実態を聞かれたり、 必要かということについては、これは必要だと思うし、実際には児童虐待防止法、高齢者 虐待防止法の仕掛けを前提に、それを前提にしながらも障害者のいろいろな活動の場所と いうのはいろいろなところもあるだろうから、そういうことも頭に入れて、ベースとしな がらでもやはり改善すべきところがあるんじゃないかということをいろいろと議論してい るということでございます。  行政として、やっぱり我々としては、自分たちとしてやれることはきちんと検討してい くんですけれども、一方で、与党、野党でも検討しているので、そこはやはり両方共同し ながら、これからもやっていきたいというふうに思っています。  併せて、虐待防止法以外でも、これは確かにいろいろな幾つか事件が起こったりするの は確かでありまして、我々はやはり現行法の中で、例えば障害のサービスをやられている 方々、あるいは家庭にどう対応するかということについては、現行法の中でできることを 整理しているし、併せていろいろな事態が起こると、それに対して具体的な対応とあとは 全国に同じことが起こらないように、きちんと各市町村、都道府県がやってくださいとい うことをお願いしてきておりますので、法律ができるところに向かっても頑張るし、むし ろそうじゃないところについても現行の中で一生懸命やっておりますので、これからも一 生懸命やっていたいと思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  議員立法で、障害者の虐待防止法ができ上がった後、やはり省としてそれぞれのところ に、きちんとやっていかないと、議員立法ができたということでこれで終わりではなくて、 むしろ省として果たしていく役割の大きさ、そこが竹下委員の後段のニュアンスの中にも あったと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  三上委員、そして小澤委員。 ○三上委員  介護保険からの人材確保についての意見を申し上げます。  41ページにございますが、介護関連職、あるいは社会福祉専門職の有効求人倍率が非常 に高くて、離職率も高い。一般産業の職種に比べて給与水準がかなり低いということ。43 ページにありますように、キャリアに応じた給与体系、適切な給与水準を確保するための 適切な報酬を設定すべきではないかと書いてありますが、現在の介護報酬改定に向けて、 改定率を決めようというのを別の会議でやっているわけですけれども、先日突然、政治家 の思いつきかどうか分かりませんが、3%の改定率ということが審議を待たずに出てきた。 私はこの社会保障審議会におきましても、今ここでこういう議論をしている中でまた国会 議員等の思いつきで、そういったものがここの議論を無視した形で出てくるというのは非 常に憂慮しておりますので、ぜひ今後は、ここでの議論が尊重されるような形にしていた だきたいと。これは、行政のほうに特に申し上げたいと思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  それでは、小澤委員。 ○小澤委員  私は、今の虐待防止の話がちょっと気になっていて、ちゃんとこの資料にも、47ページ に書いてあるんですけれども、自立支援法の第2条に、市町村の責務とあって、自立支援 法を読んだときに、非常に感動した部分はその第2条だったんですけど、この第2条をど ういう、条文に書いてある話ですから、しかも責務ですよね、具体的に市町村の責務とし て虐待の防止とか早期発見、関係機関との調整が明記されているので、これに関して、別 に虐待防止法ができるまでは待つ必要は何もなくて、既にある法律ですから、ここでどう いう、これだけでは確かに市町村は分からないかもしれないので、具体的に厚生労働省と して指針とか考え方を当然のことながら市町村に伝えたり、指示したりというのが当然や らなければいけない仕事だとずっと思っていたんですね。そのことがなかなか議論が出て こないのにちょっと驚いているというのが、自立支援法ですからね、あくまでも、とうい のが1点目です。  2点目は、今、人材の話が出たんですが、実は42ページにいろいろ書かれているんです が、養成校の話というのもちゃんと視野に入れていただきたいと思っていて、私は、養成 校ですけど、資格を取っても行かないんです。正直言って。  たくさんの施設の方から人を紹介と言われているんですが、残念ながら人を紹介できな いという実態がどんどん起こっているということは、若者に対するどういうアプローチを していかなければいけないか。  逆にカリキュラムがものすごく締め付けが厳しくなりましたので、これだけの勉強とた くさんの実習、教育をしながら出て行った職場の給与体系その他が著しく低かったら当然 若者も行かないだろうというのは、私も常々教育に携わって感じている次第なんです。  だから、あくまで職場の問題ですからいろいろ書かれているんですけれども、やはり最 初の人材養成校の段階からのアプローチをきちんと位置づけないと難しいだろうなと思い ます。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  障害者基本法、障害者自立支援法、この中での虐待の観点というのが明確化されている ので、ここをまず省にあっては、活用していく方策を何らか示していただきたいというこ とですので、よろしくお願いいたします。  岩谷委員。 ○岩谷委員  人材のことでありますけれども、私は前にも申し上げましたけれども、専門職というの はやはり継続的な現任研修というものを繰り返しませんと、やはりそれは時代によって、 だんだん遅れていくことがあります。  我々医者は、専門医制度を学会が整備しており、研修を繰り返して、数年ごとに専門医 の認定を更新しています。それによって、医療サービスの質が担保されているわけですか ら、ただ育てたらいいというだけではなくて、どのように質を担保するかということもこ の中に考えていただきたいと思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ほかにございませんでしょうか。  仲野委員。 ○仲野委員  虐待のことなんですが、精神科の看護師も非常に興味を持っておりまして、日精看で監 修する看護師雑誌で、今年に入って特集を組んだんです。  そうしたら、そこでたくさんのいろいろな立場の方々に虐待防止法ができてから、どの ようによくなったかとか、あるいはまだその不備なところがあるかとかいうふうなことも 踏まえてお聞きしたんです。  そうしたら、現場では一生懸命やってはいるんですが、連携がやっぱりとれてなくて、 非常に孤軍奮闘しているんです。いろいろな立場の方が、いろいろなところでという感じ があって、その連携をどういうふうに、なぜその連携がとりにくいのかというような検証 と今後、どういうふうにすればいいかというふうな工夫が要るのと、あと地域によって登 場してきて、活躍する方々が違うんです。  しかし、残念なことに医療の現場の者がその連携の中に入っているというのが非常に少 なかったというのが自分の反省も含めてだったんですね。  その特集の中で、例えば虐待にあった人たち、あるいはその周辺にいた人たちから多か ったのが、要するに、虐待を起こしてしまった人たちを変えること、それを誰がやってく れるかというふうなことが結局同じことを繰り返して、最終的には死亡に至るような事例 を止めることの1つの鍵になるんじゃないかというふうな声がたくさん出ていました。  ただ、そのときに誰がその役割をとるかというと、例えば、医療従事者がそういうふう な専門的な介入が家族介入とかというふうなことで期待に応えることができるのかとかい うふうなことも踏まえて、法律をつくって本人さんを守るというのと、あとはその原因に なっていることを軽減して排除していくというような、両方がないと経過を追うだけにな ってしまうということをその特集のときに感じました。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ネットワークの在り方、それから加害者対策ですね、そういったことも課題があるんじ ゃないかと。  ほかにございませんでしょうか。  安藤委員。 ○安藤委員  サービス基盤の整備について、2つお願いがあるんです。1つは手話通訳の養成ですけ れども、コミュニケーション支援事業は必須事業になっておりまして、市町村の実施が拡 大されていますけれども、通訳者の絶対数が非常に不足しているわけなんです。  その通訳者の養成については必須になっていないので、全国的に取組が遅れているとい う問題があるんです。コミュニケーション支援事業に関係して、通訳者養成を必須事業に することを検討していただけないかということが1つです。  2つ目は、自立支援法がスタート以来、ハローワークの手話協力員の人数が少なくなる とか、勤務日が縮小されるとか、後退ぎみなんです。これが就職支援面で課題となってい ますので、ハローワークの手話協力については拡充の方向で検討をお願いしたいというこ との2点です。よろしくお願いします。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。   ○広田委員  仲野委員がネットワークに入りたいとおっしゃっているんですけれども、それ以前に、 精神病院の中で、身体的、それから言葉的虐待をたくさん受けている仲間が全国にいます。 そういうことで、ぜひ地域のネットワークに参画する前に、まず自らの足元で、患者が入 院して、この病院で治療ができてよかったと思えるような質を上げていただきたいという ふうに思います。 ○潮谷部会長  ほかにございませんでしょうか。  戸谷委員。 ○戸谷参考人  恐らく堂本がおれば申し上げたかと思うので、私から申し上げますが、竹下委員がお隣 にいらして、行政、行政ということで、身が縮む思いでお聞きしていましたけれども、千 葉県は全国に先駆けて条例を設定しております。「障害のある人もない人も共に暮らしや すい千葉県づくり条例」というものをつくったわけでございますが、これにつきましては 先ほどもお話が出ていますが、市町村が頑張って個別事案の救済というのを一生懸命やっ ているわけですが、そこには幅広い団体機関が共同して取り組んでいるということでござ いますが、やはり実効性のあるもの、どこでもどの都道府県でもどの市町村でも虐待防止 がきちんとされるということの担保するためには、救済措置を確立するという意味では、 法制化といいますか、虐待防止法の早期法制化というのをお願いしたいと思います。  先ほど、児童虐待、高齢者虐待に関しては、法律ができています。また、DV防止法も できています。そういうようなところで、恐らく最後に法律をつくる防止法としては、い いものができるのではないかと、そのように思います。以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  新保委員。 ○新保委員  成年後見制度に関してなんですが、自立支援法に絡んでではないんですが、付随したこ とで一言だけ言わせてもらいます。  触法精神障害者がおられまして、そしてそれを自立支援施設でお預かりしているわけで すが、こういった方々に成年後見制度の方がついております。そして、その中で、例えば、 私のところの事例ですと、膨大な財産があって、そしてその財産を全てその成年後見の方 が管理するという形になっております。  ところが、なかなかその方と施設とのコンタクトがとれないというような事態が生じて いて、再三再四連絡を申し上げてもうまく行かず、結果として報酬もその後見人の司法書 士の方が、どういう形で金額を決めるのか分かりませんが、高額な金額を請求してきたり して、利用者のいわゆるマイナスを生じているというような実態がございます。  こういったことについても、これは自立支援事業としての成年後見ではないかもしれま せんが、障害者を支援していく立場としては、何らかの形で、まさに事業者が後見をされ ている方たちとコンタクトがとれるようなシステムというのが必要なのかなというふうに 思っております。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  嵐谷委員。 ○嵐谷委員  簡単に。先ほどから虐待のほうが出ておりますが、人権、それから差別、虐待というの は、これは大体近い範囲内にあると思うので、いろいろな制度上、法制、そこらもきちん とまとめ上げていただけたらありがたいなと思います。以上です。 ○潮谷部会長  佐藤委員。ほかにございませんでしょうか。時間がオーバーをし始めておりますが。 ○佐藤委員  話が出てこないので、皆さんお避けになっているのかと思うんですが、最後の保険制度 との関係というところで、私の考え方は、もう今日は述べませんけれども、この有識者会 議が中間報告のまま、その後、どういう動きになっているのかということを教えていただ きたいというふうに思います。  とりわけ資料の中で引用されていることで言えば、中間報告の中では、将来の拡大を視 野に入れ、その見直しを検討していくべきであると。ただし、当然にも国民的合意形成が 必要だというふうに書かれていますが、次にいわゆる与党プロジェクトですけれども、こ こでは介護保険との統合を前提とせずというようなことで、もちろん前提とするしないに かかわらず、障害者施策としてのあるべき仕組みを考えるというのは、当たり前のことだ と思いますけれども、全体のこの合意形成、国民的合意というレベルで言うと、与党プロ ジェクトの話よりもむしろこの審議会、あるいは有識者会議というようなところの意見の ほうが、より中立的だと思いますし、与党プロジェクトといっても、この先与党になるの か野党になるのか分からないというのを含めれば、この国民的合意形成を図って、この制 度を一体どうしていくのかということについて省としての方向性をいろいろと立場もある でしょうから、具体的に有識者会議をどういうふうに今後進めていくのかということ等を 中心に教えていただければと思います。 ○潮谷部会長  事務局のほうで、何か分かっている範囲の中で、その後。 ○蒲原企画課長  大変申しわけございません。直接の担当のところではないので、私が知っている範囲で ありますけれども、この有識者会議の中間報告、まとめるときは相当関係者でいろいろな ヒアリングをやっておりました。そして我々もそこに参加して、事務局の一員としてやっ ておりまして、その中で、いろいろな意見がある中で、一部は抜粋されておりますけれど も、おっしゃったような形でまとまったという経緯があります。  ここにありますとおりまさに国民的合意形成に向けた取組に努めるというところになっ ているということで、それ以降、この有識者会議自体が動いているということには恐らく なっていないというふうに承知いたしております。  その意味で言うと、ここに書かれております国民的合意形成に向けた取組といったとこ ろを、この報告書の前には介護保険のヘンカクというのはどういう意味だとか、あるいは それを受給者、あるいは保険者側に立って広げるというのはどういう意味なのかというこ とを事細かく分析して、分類しています。あるいは年齢を下げるときにどういう方法があ るのかというのも幾つかやっておりますので、この報告自体をいろいろなところに配置と いうか説明なりやる中で、いろいろな立場で考えてもらっているという状態であろうとい うふうに認識しています。  ちょっとそれ以上細かいことについては、今の段階ではちょっと申し訳ございませんが。 ○潮谷部会長  佐藤委員。 ○佐藤委員  とりあえず結構です。とにかく重要な問題だと思いますので、いろいろな場所で、いろ いろな人たちがまさに国民的合意といえるような、それを形成するプロセスに参加できる ようにいろいろ工夫をしていただきたいと思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  それでは、時間も来ておりますので、今日の会議を閉じたいというふうに思いますけれ ども、実は、皆様方に追加の日程のご相談が事務局からあったと思いますが、できるだけ 早くこの日程調整を終わっていただいて、皆様方の連絡をよろしくお願いしたいと思いま す。  それから、今までの論議をずっと続けてまいりました。これが全体像としてどのような 姿になっていくのか。いよいよ取りまとめの段階に入っていこうかと思いますけれども、 ぜひ取りまとめに入っていく前ぐらいのところで、一度集中的にもう一回議論を行ったほ うがいいんじゃないかなというふうに私は、思っております。  次のところが、予定としては、12月3日が入っておりますので、この12月3日の部会辺 りで、少し多めに時間をとって、個別論議が全体像の中にどのような形として考えていか れるのか。こういったことで、討議を深めていきたいなと座長としては思っておりますが、 事務局、この辺りのことちょっと触れていただければと思いますので、よろしくお願いい たします。 ○蒲原企画課長  次の会合が、もともと予定では12月3日なんですけれども、次回は21日でありまして、 21日の後が、もともと皆さんに仮押さえしているのが12月3日なんですけれども、実は今 皆さん方にその間のところでもう1日できないかということを調整しております。  次回、まさに12月3日のところを座長が集中的にいろいろな議論を設けて、少し長めの 時間をとったらどうかというご提案です。  これまで大分議論いたしてきましたけれども、これからまず21日がございます。その後、 調整がうまく何とかつけたいと思っていますけれども、26、27、28辺り、その辺のところ が1つの候補です。さらに、その後のもともと入っていた12月3日のところで少し長めの ものをやったらどうかというご提案というふうに我々認識しておりますので。 ○潮谷部会長  委員の皆様方の気持ちがまず大事だと思いますけれども、私としては、今まで個別の様 々な論点で皆さんの意見を聞いてきて、それが本当に全体像の中で、どのようになってい くのか、あるいはなさねばならないのか、そういったことを含めて、少し従来よりも長め にと思いますが、そういう設定を皆様希望なさいますでしょうか。なさいませんでしょう か。まずそこの意思をと思いますけれども、いかがでしょうか。 (「必要だと思います」との声あり) ○潮谷部会長  ありがとうございます。必要という声も上がっておりますので、ぜひ事務局のほうで日 程調整をよろしくお願いをいたします。  それでは、皆様本当に本日も熱心に論議を続けてくださいまして、ありがとうございま した。  私の役割はこれで終わり、事務局にバトンタッチいたします。 ○蒲原企画課長  今、申し上げましたけれども、次回の日程ですけれども、11月21日金曜日午前10時から、 場所は全国都市会館、千代田区平河町でございます。また具体的に、皆さんのところにご 連絡したいと思います。よろしくお願いいたします。 (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                    厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3022) (了)