08/11/05 中央社会保険医療協議会総会平成20年11月5日議事録 08/11/05 中央社会保険医療協議会          第136回総会議事録 (1)日時  平成20年11月5日(水)9:59〜11:23 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員 前田雅英委員       小林剛委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 北村光一委員          松浦稔明委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 山本信夫委員       大島伸一専門委員 坂本すが専門委員 黒崎紀正専門委員       <事務局>       水田保険局長 榮畑審議官 佐藤医療課長 田河保険課長        深田医政局総務課長 他 (4)議題  ○産科医療補償制度創設に係る診療報酬上の対応について       ○その他 (5)議事内容  ○遠藤会長  それでは、委員の皆様全員御着席のようでありますので、ただいまより、第136回中 央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  本日の出席状況について御報告いたします。本日は、高橋委員と坂本昭文委員が御欠席 です。  それでは、議事に移ります。  本日は、産科医療補償制度創設にかかる診療報酬上の対応についてを議題といたします。  本件につきましては、前回10月22日に御議論いただきましたけれども、意見の一致 を見ることができませんでしたので、本日は引き続き審議したいと思います。  前回の議論では、産科医療補償制度そのものに対する御質問や御意見も数多くいただき ました。  もとより、中医協は産科医療補償制度の在り方を審議するところではありませんが、診 療報酬上の対応を論ずる上で本制度の内容や創設の趣旨について理解を深めることは重要 だと考えまして、本制度の内容や制度設立の経緯について改めて説明することを事務局に お願いいたしました。  本日は、審議に先立ちまして、まず産科医療補償制度の内容について事務局から説明を していただきたいと思います。  それでは、事務局の説明、よろしくお願いいたします。 ○事務局(深田医政局総務課長)  医政局の総務課長でございます。  それでは、産科医療補償制度につきまして制度の説明をさせていただきたいと思います。  資料でございますが、中医協総−1をお開けいただきたいと思います。  まず、産科医療補償制度でございますけれども、これまでの取り組み状況ということで 資料を1枚つけさせていただいております。  これまでの取り組み状況でございますけれども、そもそも産科医療におきます無過失補 償制度につきましては、16年12月に起きました福島県の大野病院事件というものがき っかけとなりまして、医療法の法案審議などにおきましてもいろいろ取り上げてきており ます。それをもとに議論が本格化したものでございます。  与党におきましては、お手元の資料にございますように18年9月から議論が始まりま して、11月には枠組みということで示されたものでございます。  また、その後でございますけれども、平成19年2月になりまして、厚生労働省のほう から委託という形で財団法人の日本医療機能評価機構に準備委員会が設立されまして、制 度の詳細な内容を公開の場で1年間議論ということで進めてまいりまして、平成20年1 月でございますが報告書が取りまとめられたものでございます。社会保障審議会のほうに も関係するものでございますので、それぞれ医療部会、あるいは医療保険部会にも御報告 をさせていただいているというものでございます。  それでは、1枚おめくりいただきまして、制度の概要について御説明させていただきま す。  まず、その制度でございますけれども、書いておりませんが、そもそもこの制度の目的 ということでございますけれども、分娩時の医療事故につきましては与党のほうの報告、 取りまとめの中にもございますが、分娩時の事故については過失の有無の判断が非常に困 難な場合が多いということで、裁判で争われることが多い傾向にあるというふうに言われ ているところでございます。  そのために、この制度としては、安心して産科医療を受けられる環境整備ということで、 分娩にかかります医療事故により脳性麻痺となったお子様、あるいはその御家族の経済的 負担を速やかに補償するということと、事故原因の分析、あるいは将来の同種の事故の防 止に資する情報を提供していくという2つの大きな目的を持っておりまして、こういった ものを通しまして紛争の防止や早期解決及び産科医療の質の向上といったものを図ってい こうというものでございます。  この制度につきましては、まず産科医療についてはいろいろな危機的な状況ということ も言われているところでございまして、一刻も早くこういった補償制度を創設するという ことで、民間の損害保険制度を活用して早急に立ち上げていくということで取り組んでき たものでございます。  2ページ目にございますように、補償の仕組みといたしましては、通常の妊娠・分娩に もかかわらず脳性麻痺となったお子さんに対して、分娩機関が補償金を支払うという仕組 みにしておりまして、その支払いを損害保険により担保するということでございます。  ちょっと詳しく制度の流れについて御説明したいと思いますが、すみません、資料の4 ページをお開けいただきたいと思います。4ページが仕組みの概要をつくったものでござ いまして、5ページはもう少し細かくフローチャートをつけたものでございます。  4ページをごらんいただきたいと思いますが、まず分娩機関、病院あるいは助産所でご ざいますけれども、こういった分娩機関は妊産婦の方との間で安全なお産を提供し、万が 一の場合には補償金を支払うという、まず補償契約を締結していただくということになっ ておりまして、また、この分娩機関は運営組織にその掛金を支払うということでございま す。掛金は産科医療補償制度に加入するための掛金という形になっておりまして、掛金に つきましては分娩費に転嫁されるということで、転嫁分につきましては健康保険から妊産 婦に対して給付されます出産育児一時金の引き上げにより賄われるということを想定をし ているというものでございます。  運営組織につきましては、保険会社の間でこういった産科医療補償制度をファイナンス していくということで、保険契約を締結しまして集めました掛金をもとに保険料を支払っ ていくという仕組みでございます。  通常の分娩にもかかわらずお子様が脳性麻痺になったという場合には、今度は支払いの ほうの関係でございますが、まず迅速に救済を行うということで、分娩機関の過失の有無 にかかわらず、保険金を原資として補償金をまず支払うという仕組みにしております。た だ、この制度自体は無過失補償制度でございますので、分娩機関に損害賠償責任があった ということが判明した場合、この場合には事後的に補償金と損害賠償金との間での調整を 行うということとしております  さらに、もう一つの機能といたしまして、個々の事案の原因分析を運営組織で行う。あ るいは、その内容について事案の公開を図って、もちろんプライバシーは保護するわけで すが、公開をして再発防止を図っていくということでございます。運営組織については、 原因分析と再発防止というものをセットで制度として組み込んでいきたいということでご ざいます。  次は、補償対象について御説明したいと思います。2ページにちょっとお戻りいただき たいと思いますが、2ページの上から2つ目の囲んだところでございますけれども、補償 対象でございます。補償の対象は、通常分娩によって出生された方を対象とするというこ とでございますので、ここに括弧でくくってありますような要件の方を対象とするという ことでございます。ただし、この基準を下回ったケースであっても、在胎週数28週以上 の方については個別に該当するかどうかを審査していくという形にしております。また、 このお子様が身体障害者1・2級相当の重症者となった場合を補償の対象としております けれども、分娩にかかる事故を対象とした制度でございますので、先天性の要因などの場 合は除外をするというような仕組みでございます。  また、早期に、生まれてすぐにあるいは出生早期に脳性麻痺かどうかという診断をする というのは非常に困難なケースも実は想定されておりますので、申請は5歳の誕生日にな るまでの間に行っていただくということで、一定の期間、後で判明した場合でも申請は可 能という形にしているものでございます。  補償対象となるお子様の数でございますけれども、脳性麻痺のお子さんについては我々 の準備委員会のほうでのいろいろな推計をしていただいた結果、大体年間約2,300人 から2,400人くらい生まれるのではないかというふうに推計されておりまして、補償 対象となる基準に該当する方を推計いたしますと、この基準で推計していきますと約年間 にすると500人から800人の間というふうに推計をしております。  補償金額につきましては、一時金は600万円、それから分割金を2,400万円で計 3,000万円ということでございます。それから、保険金につきましては1分娩当たり ということで3万円ということで考えているものでございます。  この制度は民間の制度ということでスタートいたしますので、補償が受けられないお子 様が出てくることがないようにということで、厚生労働省としても加入促進を図るという ことを考えておりまして、一つは、まず、医療法の関係で医療機能に関する情報提供制度 というのが出ております。また、病院における広告というものもございまして、これにつ いて広告や情報提供の項目に追加をしているところでございまして、昨日付けでこの改正 を行ったところでございます。  また、運営組織におきましても、医療機能評価機構のホームページを通じまして加入分 娩機関を10月から公表をしているところでございます。さらに、出産育児一時金あるい は診療報酬の手当についても今回御議論をお願いしているというものでございます。  次に、3ページ目でございますが、もう一つの補償の関係ではなく、原因分析や再発防 止についても大きな制度のねらいとするものでございますが、これは3ページにございま す。ごらんいただきたいと思いますが、まずこの仕組みについてでございますけれども、 原因分析・再発防止につきましては、それぞれ個別に委員会を設置して議論をしていただ くということにしております。  まず、原因分析委員会のほうでございますけれども、資料3ページにございますように、 メンバーとしては産科医、助産師、あるいは弁護士、学識経験者などを中心に構成をして、 十分に情報収集を行いまして、専門家が医学的な観点で検証・分析するということで、そ の結果につきましては分娩機関とお子様、あるいは家族に御報告をするという仕組みで考 えているところでございます。  具体的にその報告書が適正に作成されるように、作成のマニュアルも準備をするという ことで、書いてあります3つのこれまでに出ているものがございますので、こういったも のも参考にしながらマニュアルを作成していくということとしております。  また、再発防止委員会でございますけれども、これは原因分析された個々の情報を体系 的に整理・蓄積して、広く社会に公開・提言して将来の事故防止、再発防止を図っていこ うというものでございますが、委員会につきましては産科医あるいは小児科医、助産師、 患者の立場の有識者の方、あるいは学識経験者、関係団体などによって構成をいたしまし て、原因分析されたものを議論していくということとしております。もちろん公開をして 議論をしていくという形になっているものでございます。  次に、最後になりますが、2ページ目にちょっとお戻りいただきたいと思います。2ペ ージ目の「その他」のところの一番下のところでございますけれども、本制度につきまし ては補償対象者の推計が、いろいろデータを集めてみたものでございますけれども、非常 に地域性のある、限定されたデータに基づいて行っているというような指摘もされている ものでございます。また、本制度の運営状況につきましても、関係する審議会、医療部会 あるいは医療保険部会でも御関心を持っていただいているところでございまして、こうい ったところにも御報告するなど、透明性の高い運営を行っていきたいというふうに思って おりますし、少なくとも5年後を目途に補償対象者の範囲、あるいは補償の水準、保険料 の額、あるいは組織体制などについても必要な見直しをしていきたいというふうに思って いるところでございます。  制度の開始時期は平成21年、来年の1月1日からの分娩から補償の適用を予定してお りまして、これまで全都道府県で説明会を開催し、加入手続をとっていただいているとこ ろでございます。  資料の一番最後、(11)ページでございますが、お開けいただきたいというふうに思いま すけれども、11月4日現在の加入状況でございます。病院・診療所では96.3%の機 関が加入をいただきました。助産所は86.7%でございますが、合計で95%を超える 加入の状況ということになっております。  現在は、加入手続を済ませていただきました病院におきましては、補償対象になります 妊産婦さんの登録事務を既に開始をさせていただいているということでございます。  少なくとも脳性麻痺、100%を目指して一生懸命加入の促進を図っていきたいという ふうに思っているところでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  それでは、引き続きよろしくお願いします。 ○事務局(田河保険課長)  保険局の保険課長でございます。  配付資料はございませんが、前回御質問のございました産科医療補償制度に関する出産 育児一時金のパブリックコメントの対応について、昨日、厚労省のホームページに掲載す るよう業者に依頼しましたので、今日か明日ごろには掲載されるのではないかというふう に思っております。  内容につきましては、9月の医療保険部会において出産育児一時金の支給額の見直しの 方針は基本的に了承されたところでございますが、その中で委員より、産科医療補償制度 に加入していない医療機関において出産した場合の支給額の御指摘がございました。  そのため、現在の出産育児一時金の金額は35万円でございますが、産科医療補償制度 に加入している医療機関で出産した場合は保険料相当額、つまりは3万円を加算して38 万円、加入していない医療機関で出産した場合は保険料相当額は加算しないこととしてお ります。そうした内容につきましては、医療保険部会長に御説明した後、医療保険部会の 委員にも直接御説明したりお手紙等で御説明しております。  もともと出産育児一時金は、平均的な分娩費用を勘案して引き上げてまいりまして、現 在35万円となっていますが、今回、産科医療補償制度の加入により出産費用が上昇する ことが見込まれるので、出産育児一時金の引き上げを考えたわけでございまして、補償制 度に加入していない場合は補償制度分の出産費用の上昇は考えられないため、3万円の加 算を行う必要はないと考えたものでございます。  厳しい医療保険財政のことを考えるとこのようなことになると思いますし、産科医療補 償制度の普及の観点からも適当ではないかというふうに思っております。  政令につきましては、パブリックコメントを行った後、12月上旬ごろに公布したいと いうふうに考えております。  以上でございます。 ○事務局(佐藤医療課長)  続きまして、医療課から御説明いたします。資料は前回お示しました中医協の総−4、 今回は中医協の総−2として準備をいたしております。制度の概要につきましては、今、 医政局総務課長から説明をいたしましたし、またパブリックコメントの部分も含めて保険 課長からお話がありましたので、私どものほうでも簡潔に話を進めさせていただきたいと 思います。  1ページにありますように、産科医療補償制度の概要は通常の妊娠・分娩にもかかわら ず脳性麻痺となった者に保証金を支払う制度、それから、それだけではなくて、紛争の防 止や早期解決のために医学的観点から事例を分析し、結果を両当事者にフィードバックを する、そして最終的には各事例の公開などによって医療事故の再発防止を図るものという ことでございます。  課題ですけれども、1人でも多くの妊産婦の方にこの制度の対象となっていただくため には、分娩機関を通じての保険料払い込みということで今説明がありましたけれども、そ うしたことですので、都道府県がホームページなどを通じてこうした情報提供を行うとい うことは言うまでもありませんが、こればかりでなくて、社会保障審議会の関係部会にお いても診療報酬上の対応を求める意見があったと、こういう経緯がございました。  論点ですけれども、この制度への加入促進の観点に加えまして、あわせましてリスクの 高い分娩を取り扱うことの多い医療機関にあっては、妊産婦に対して良質なサービスを提 供する環境を整えているべきであると、こういう観点から、診療報酬の項目で申しますと ハイリスク妊娠管理加算、それからハイリスク分娩管理加算、それぞれの算定要件にこの 制度の加入していることを加えてはどうかということで前回も御提案をいたしましたし、 裏の(2)ページ目をごらんいただきますように、前回同様、ハイリスク妊娠管理加算につい ては「ハ」という形で、それから分娩管理加算については「ホ」という形で、施設基準の 要件を1項目ずつつけ加えたところでございます。  「ハ」のほうだけ読み上げますと、「財団法人日本医療機能評価機構が定める産科医療 補償制度標準補償約款と同一の産科補償約款に基づく補償を実施していること。」という ことで、ほぼ同じ内容をつけております。  それから、あわせまして前回御指摘や御質問がありました内容についても、もう続けて 説明をさせていただきます。  前回、診療報酬に絡みまして御質問や御意見があったものの中に、まず第1点ですが、 民間の保険に加入することを公的医療保険の加算の施設基準にすることは診療報酬の在り 方としていかがなものか、ということでございました。  後段の話は少し議論があるところかもしれませんけれども、前段についてのみ説明をさ せていただきますと、確かに、保険による救済という部分だけを取り出しますと、民間の 保険ということが、あるいは民間の保険会社が関与するということはこれは事実でござい ますけれども、冒頭、医政局総務課長からも御説明いたしましたとおり、全体のスキーム は公的な枠組みの中で議論され、単に保険給付をするのみならず再発防止等々の、あるい は原因究明・再発防止等の枠組みがつけ加えられておりまして、トータルで全体的な産科 医療補償制度というのが運営されていることから、繰り返しになりますけれども、全体と しては公的なスキームだろうと考えております。  それから、これに関連しまして、こういうような形、つまり公的医療保険などの加入を もって、これを例えば診療報酬上の加算の基準にするとか、あるいは診療報酬算定の基準 にするという前例があるのなら、その例を全部出していただきたいということでございま した。これは、結論から申し上げますと、この事例にぴったりと当てはまるような形での 加算の事例とか算定要件の事例はございませんので、そうお答えをいたします。  それから、3つ目といたしまして、ハイリスク妊娠に絡むもの、あるいはハイリスク分 娩にかかわるものはこれだけで十分なのかという御質問がありました。例えばという例で 出ましたのは、ハイリスク妊産婦共同管理料なども、さらさらっと点数表を見ただけでも 出てくるよという御質問がありました。  私どもも前回、多分この2つの項目の加算にするだけで足りる、十分だと考えておりま すというお答えをいたしましたが、そういう御指摘なり御意見があったということを踏ま えまして、もう一度点数表の点数の項目を見直してみましたが、結論から申しますと、さ っきから申し上げましたようにこの2つで足りるのではないかと考えております。具体的 には、繰り返しになりますが、ハイリスク妊産婦共同管理料というのがこの2つ以外にあ るのみでして、恐らく該当するとすればハイリスク妊産婦共同管理料の2というほうにな りまして、この2というのは、ハイリスクの妊産婦さんを病院や診療所から相談を受けて 受け入れる側、受け入れる側になりますけれども、そちらが算定をする管理料になってい るわけですが、こことハイリスク妊娠管理加算や分娩加算を算定する病院、診療所の関係 はどうかということですが、これも私ども内部で少し検討してみましたが、今の届出医療 機関の件数や、あるいは診療報酬の項目そのものの性格付けとか性質とかそういうことを 総合的に勘案しますと、全く可能性がないというわけではありませんが、妊娠管理加算と 分娩管理加算を算定するような医療機関であれば、恐らくその妊産婦共同管理料の2を取 っているだろうと。  あるいは逆に申しますと、ハイリスク妊産婦共同管理料の2を取るような病院は、妊娠 管理加算か分娩管理加算かどちらか取れるような状態にあるに違いないということで、絶 対あり得ないかというとちょっとすべてを網羅できているかどうか分かりませんが、現時 点では、恐らくこの2つの項目をつかまえるだけで網羅できているのではないかというふ うに考えます。  それから、4つ目は、今回のような事案、つまり、繰り返しになりますけれども、保険 制度のようなものに加入していることをもって診療報酬の条件あるいは診療報酬の加算の 施設基準などに導入するということは、前例となって他の分野にも同様の要件が追加され るような自体を招きかねないと、こういう御意見がございました。これは事務局からちょ っと直接お答えするというわけにいきませんが、私どもは、冒頭に医政局総務課長からあ りましたように、産科に伴う事案というのが昨今マスコミ等をにぎわしておりますし、特 殊な条件とか環境もあるのかもしれませんけれども、きわめて深刻な状況にあるというこ とにかんがみまして、特別な状態であろうというふうに考えて追加したというコメントに とどめさせていただきます。  それから、5つ目ですが、施設基準の項目の追加の日はいつになるのかという御質問が ありました。これも前回の御議論の過程からちょっと解きほぐしますけれども、そもそも 制度そのものの理解というのが進んでいるのか、あるいは当事者たちの間で十分考え方、 アイデアが共有されているのかということもありました。また、私が紹介しましたが、パ ブリックコメントの話もいたしまして、必ずしもあの時点で全体のスケジュールというの がフィックスされているというイメージでなくお伝えした部分もあったので、そういう中 で診療報酬の部分だけ1月1日ということで10月の段階で早々に決めてしまうのかとい う雰囲気があったのかと思います。  そうしたことを踏まえまして、今回改めて医政局の総務課長と、それから保険局の保険 課長にお話をしていただいたわけですけれども、その状況を聞いていただきましたように、 それぞれの環境と申しますか、具体的な事務手続については予定どおり着々と進んでいる ということで考えておりますので、私どもも前回御説明をいたしましたように、医療機関 への周知等々を考えますと、改めまして今日お諮りをして御意見をちょうだいしたいと考 える次第でございます。  以上でございます。 ○遠藤会長   ありがとうございます。  ただいま事務局から丁寧な説明があったわけでありますけれども、まず、ただいまの説 明について御質問だけ受け付けたいと思いますけれども、御質問。  中川委員、どうぞ。 ○中川委員  総−1についてちょっと確認をしたいんですが、4ページに概要のところで、補償金が 保険会社から妊産婦に直接支払われるというふうになっていますが、5ページの3のとこ ろ、「補償申請、審査、保証金支払」のところで、保険金が一度分娩機関に支払われて、 それから分娩機関から補償金支払い、妊産婦・児というふうになっていますが、この違い はどういうふうになっていますか。 ○遠藤会長  事務局、お願いします。 ○事務局(深田医政局総務課長)  御質問いただきました点でございます。ちょっとすみません、4ページと5ページで表 記の仕方が違っていて大変恐縮でございます。  まず、仕組みでございますが、形といたしましては、制度に加入したのは分娩機関でご ざいますので、事務の流れといいましょうか、お金がちゃんと流れていく法的な手続的に いうと、保険会社から分娩機関に払われるのが保険金という形になります。保険金を補償 金として分娩機関から妊産婦に支払うというのが、法律的なお金の流れという形になろう かというふうに思います。  ただ、それは非常に煩雑でもございますので、実際の支払いにつきましては、分娩機関 のほうがどこに払ってくださいという指示をすることによって、実際のお金は保険会社か ら直接払われるような仕組みを考えているところでございます。 ○遠藤会長  中川委員、よろしいでしょうか。 ○中川委員  20年間分割ですよね。ということになると、医療機関というのはその後どうなるかと 分からないこともあるので、その辺のところをちょっと心配したものですからお聞きしま した。 ○遠藤会長  ほかに御質問ございますか。  それでは、西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  先ほどの、出産育児一時金この制度に加入しているところにだけ3万円オンで、してい ないところはしないという話でしたが、これは妊産婦のほうに行くお金で、医療機関に行 くお金じゃないですね。ですから、妊産婦がどこで出産したかを見て払うということだと 思います。  これもちょっと中医協の議論ではないと思いますけれども、例えば出産育児一時金、今 35万円、プラスで38万円ですが、出産したときは医療機関においてイコールで取って いるかというと違うと思います。それより安いところもありますし、高いところもあると。 そういうことを考えると、ここで3万円をオンするオンしないとの関係がどうも僕個人が 明確じゃないので、これが中医協の議論ではないと思いますが、一度そのあたりを含めた ことを明確にしていただきたいのと、このことも単なる数字じゃなくて、もし医療保険部 会でしょうか、そういうあたりでの議論があってこういうことをすべきじゃないかなと思 いますので、そのあたりよろしくお願いしたいと思います。 ○遠藤会長  御要望だと思いますけれども、何か事務局でございますか。 ○事務局(田河保険課長)  先ほどの説明の繰り返しに若干なりますけれども、9月の医療保険部会におきまして出 産育児一時金の引き上げを議論したわけでございますが、その際に委員の中から、産科医 療補償制度に加入していない医療機関においてはどのような取り扱いになるのか、そのよ うな御質問があったわけでございます。  現在、出産育児一時金の金額は35万円で、もしその金額よりも低い場合は、これはも ともと被保険者のほうに支払われるお金でございますので、その金額より低い分娩費用で あれば被保険者、妊婦の手元に残るわけでございますが、その産科医療補償制度導入に伴 いまして結局、医療機関が保険料の掛金を支払う。そのために、その分が分娩費用として 妊婦のほうに転嫁される。その費用をどのように手当てするのか、そこが問題になるわけ でございまして、もしそこの費用の補てんが十分されないと、こういう産科医療補償制度 の普及という面でも阻害になってしまう、そういうことがあるわけでございます。  そういうことから、産科医療補償制度に加入している医療機関で出産した場合は保険料 相当額、つまりは3万円を加算して38万円、加入していない医療機関で出産した場合は、 もともと保険料相当額の価格の転嫁ということは想定されませんので加算はしないことと いうふうに考えておるところでございまして、こういう取り扱いについては医療保険部会 長にも御説明した後、医療保険部会の委員にも直接説明しましたり、あるいはお手紙等で 御説明したりをしているところでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  補償制度そのものについては御案内のとおり、中医協で議論する内容ではありませんの で、ただいまの西澤委員の意見は御意見として承っておきたいと思います。  ほかに御質問ございませんか。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  前回お願いしました制度の説明、ありがとうございました。大分分かりました。ただ、 本日の説明で1カ所だけ不明な点がありますので、御説明をお願いいたします。  総−1の3ページ、原因分析・再発防止についての、その1の原因分析委員会の設置の 最後のところ、2のちょっと上のところですが、「次回12月の産科医療補償制度運営委 員会で審議する予定」という文章がありますが、この産科医療補償制度運営委員会という のがどこに設置されていて、どういう役割を果たしているのか、それを説明をお願いいた します。 ○遠藤会長  事務局、お願いします。 ○事務局(深田医政局総務課長)  この産科医療補償制度運営委員会というのは、運営組織であります日本医療機能評価機 構の中に設けておりまして、これまで制度設計や具体的な準備、加入促進策などをいろい ろ議論していただいたところでございます。  制度の骨格となるものを決めるというところの委員会というふうに位置付けておりまし て、ここの中で原因分析・再発防止についても、それぞれ書類をどういうものを出してい ただくのかなどについて議論していただいて、今後の制度運営に生かしてきたいというふ うに思っています。 ○牛丸委員  そうしますと、これが今は準備委員会、準備の段階ですが、動き出したならば、これが 中心となってやっていくということでよろしいですか。 ○事務局(深田医政局総務課長)  はい。制度動き出しますと、これがまさに中心的な運営の全体を見ていくような組織に なっていきます。 ○遠藤会長  それでは、庄司委員、どうぞ。 ○庄司委員  中医協で議論すべき問題ではないことは一応承知しておりますが、この制度の理解をも う少し深めたいと思って御質問いたします。  総−1の資料の(11)ページに加入状況の資料がございますけれども、これで見るとほと んどのところが加入に至っているというのが分かりますが、たとえごく一部であれ加入し ていないというところがあるとしますと、これやはり医療機関の利用側、妊産婦の側にと って非常に大きな問題だと思うので、2つほどお尋ねしたいと思います。  1つは、現在加入していないというこういう医療機関が、加入しない理由について、あ るいはなぜ今こういう状況にあるのかということについて、多少なりとも分かればお分か りになる範囲でお教えいただきたいと思います。  それから、もう1つの御質問は、この加入している医療機関を利用するか、そうでない ところを利用するかによって直接受診側はお金に負担がふえるわけではないので、普通の 保険ですと自分の自己負担によって安心を買うとかそういう形になるわけですけれども、 ちょっと違う意味を持っていると思います。そういう点で、加入しているかいないかとい う、その機関の状況を受診側はどういうふうにして知ることができるのか。  これ、国民の中にこういうことがもうきちんと知られていくということには時間かかり ますし、あるいは完全に当然に知られるというふうにはなかなかなりにくいと思うんです、 こういうふうに任意で加入しているという形をとりますと。この辺について、国民の側か ら見るとその機関の判別というのはどういうふうにしてできるのか、一応お尋ねしたいと 思います。 ○遠藤会長  それでは、事務局、よろしくお願いします。 ○事務局(深田医政局総務課長)  まず最初に、加入しない理由でございますけれども、まだ実は加入手続をとっている最 中、公立病院ですといろいろ議会などの手続があるものもございます。そういったものも ありますし、まだ十分理解が完全に終わっていないというところもあります。  したがいまして、評価機構といたしましては、我々も含めてでございますが、関係する 助産師会、あるいは産婦人科医会の方々とあわせて、一緒に加入促進のための説明会なり を開催をずっとこれからも続けていきたいというふうに思っているところでございます。  もう一つ、利用する側からするとどうやってこういうことを知ることができるかという ことでございますが、2ページをお開けいただきたいと思いますけれども、まず、すみま せん、ちょっと説明が十分でなかったかと思いますが、加入促進策のところでございます けれども、まず医療機能の情報提供という制度が医療法上設けられております。これは項 目を追加しますと、それについては義務的に情報を公開しなければならないということで、 各医療機関は、助産所も含めてですが、この情報を出さなければならないことになってい ます。また、あわせて、都道府県のほうにその情報を全部集めるということになっていま して、都道府県が一括してその情報を公開するという仕組みになっています。  現在は、まだ一部の都道府県でしか出ていませんが、来年の4月には全都道府県でこの 情報が一斉に出てきます。したがって、ここに産科医療補償制度加入しているかどうかを 追加をいたしましたので、この情報はまず都道府県のホームページで見ることができます し、医療機関のほうでもそれについてはまず情報提供制度の中で公開されているというも のでございます。  それから、医療機関サイドとしての取り組みでございますが、できる項目というのが、 実は医療の関係については制限をされています。今回は、この項目についても本制度に加 入していることを広告しても構わない、いいということを、一応制度改正もいたしました。 したがって、医療機関サイドとしても加入しているかどうかというのが、広告もみずから できるという仕組みになっていますので、それを見て妊産婦の方は選んでいただければと いうふうに思っているところでございます。  それから、これは医療機能評価機構のほうでは、一応ぱっと見て分かるようにというこ とで、この制度に入ったところはこういうマークも表示してもいいですというマークを用 意をしておりまして、そういったマークも広告できるということで表示を掲示することが 可能なような仕組みにしております。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  庄司委員、よろしいですか。 ○庄司委員  大体分かりましたが、例えばマークがないからといって、あればあってこれは何だろう ということで知ることになると思いますけれども、マークが特段ないことについて国民が たまたまそういう医療機関を利用しているときに、そういう医療機関であるということを 理解することはなかなか難しいことですので、極力こういうふうに変わったということが すべての妊産婦に分かるような積極的な広報をお願いしたいと思います。  以上です。 ○遠藤会長  それでは、どうぞ。 ○事務局(深田医政局総務課長)  直接妊産婦の方が分かるようにということでございますけれども、すみません、これ以 外にも医療機能評価機構のほうでは母子手帳に、そういったリーフレットみたいなもので すかね、を差し挟んでいただくように各自治体のほうにお願いをしておりまして、そうい ったものも母子手帳と同時に渡されるような仕組みも一つ考えているところでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、そろそろ早速、その本題であります前回の総会に引き続きまして、事務局案 について審議をしたいと思います。  産科医療補償制度の加入をもってハイリスク妊娠管理加算及びハイリスク分娩管理加算 の算定要件とするという、そういう案でありますけれども、随分前回御議論いただきまし たけれども、重複するものでも結構でありますけれども、引き続き御意見いただければと 思います。  どなたでも結構です。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  前回、この制度が恐らくこういう制度なのだろうと思いこんで、詳細が分からないまま で議論を進めていくことへの危惧とか、またはこの制度の設計自体がまだ完成していなく て議論の最中であるということを踏まえた上で御議論いただければということでお願いし たところ、本充溢、こういうふうに改めてきちんと説明していただいたことに感謝したい と思います。  それで、この制度自体がどういう制度なのかということの僕の理解なのですけれども、 今日、先ほどのご説明で、大野病院事件をきっかけにできたという話を初めて聞いたのか なと思っているのですけれども、一つは、この制度を検討する委員会の議論のときにも、 よく言われている大野病院事件とか大淀病院事件、堀病院事件、こういう事件なんかの問 題を考えて、というようなことも産科医会の関係の弁護士さんとかが話しをされていまし たけれども、一つそういうところでやっぱり制度の誤解があるのかなと思うのですけれど も、これらの事件は全て母親が死んでいるのですけれども、あくまでもこの制度は脳性麻 痺の子供だけが対象であるということと、もう一つは、小児科学会なんかも要望書を出し ているように、脳性麻痺の子供と言っても範囲が非常に限られているので、小児科学会な んかは、今この制度が対象にしている範囲の2倍の子供を対象にして一人ひとりに支払う 額が減っても範囲を広げるべきじゃないかと言っているのですけれども。だから、実際に そのマークがついている医療機関で脳性麻痺の子供が生まれても、自分の子供は対象じゃ なかったというようなことが起こり得るとかいうような部分とか問題がいろいろあるとい うことが議論されてきていました。  それらのほうの議論に関しては、一応5年以内の見直しをするという形で結論が出てい るのですが、もう一方、まだ結論が出ていない部分があることについては、にもかかわら ずここの中医協で決めるということはその制度を後押しすることになると思いますので、 まだ結論が出ていないことに関してぜひ要望しておきたいと思っていることは、原因分析 とか再発防止とかそちらのほうをきちんとやっていってほしいという要望です。これに関 しては、こちらのほうはまだきちんと制度の詳細が明らかになっていないので、その辺も きちんとやってくださいよということを、今、中医協を通すならばぜひそのことを伝えて おきたいと思ったわけです。  前回と同じ意見なのですけれども。やっぱり一つ怖いというふうに言われているのがモ ラルハザードで、この制度は脳性麻痺の子供が死亡してしまった場合に、保険金の残りの お金をすべて親に渡してしまうということがあるので、本来ならば死亡してしまったらそ こで支払いは止まったほうがいいのにということがあって、親のほうのモラルハザードが 危惧されるという点ですが、こちらのほうは5年以内の見直しの項目に入っているのです けれども、もう一つは原因究明のほうにかかわるのですけれども、医師のほうのモラルハ ザードの問題で、そのようなことが、この制度を後押ししたことによって起こるというこ とは避けてほしいと思うわけです。  というのも、医賠責、医師の賠償責任保険で今まで産科の医療事故が支払われてきてい ると思うんですけれども、一部報道によりますと同じ医師が3回、4回、5回とされてい るケースが非常に多いと。多くの医師が事故を起こしているんじゃなくてと。しかも、普 通の保険ならば1回保険を使うと保険料が値上がりするとかいうことがあるのですけれど も、医賠責の場合はそういうのもないので、もしかしたら一部の医師にそういう保険があ るためのモラルハザードが起こっているんじゃないかと指摘する報道もあったわけで、あ る意味今回の制度の導入は、そのような保険を拡大させるわけなので、そういう問題を放 置したままで拡大だけするのではとても困るわけなので、ぜひ今後は原因を究明して、再 発防止、つまり同じような事故を同じ医師に起こさないでくださいよというような手続が 入るという形があってこそ国民も納得してお金を支払っていくと思いますので、その点の 議論を進んでいる検討の中でしっかりとやってほしい。今日少し説明をお聞きしてそうい う方向でやっていただけるのだと思いますが、僕としてはそういうことがまだ、12月に なるまで制度の中身が確定しないという状況ですから、そういうこともきちんと踏まえた 上で1月1日から実施してほしいということを、中医協の場で要望しておきたいというふ うに思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ほかに。  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  前回の総会で、この産科補償制度等について不明な点がけっこうありましたので、もう 一度検討してはという形で今回までになりましたけれども、本日大変詳しく、私たちが疑 問に思っていたことを丁寧に御説明いただき、内容が大変よく分かってまいりました。  特に、最近の産科医療の混乱の状態を少しでも解消する一つの手立てとして、こうした 制度、診療報酬にかかわる部分で制度を後押しするということは大変緊急性もありますの で、重要なことじゃないかなというふうに思いますので、本日のこの会において、ハイリ スク妊娠管理加算並びに分娩管理加算にかかわる施設基準の見直しについて賛成したいと いうふうに思います。  それで、もう一つはお願いなんですが、お話も出ておりましたけれども、医療機関に対 しての広報を十分にするというのは当然必要ですけれども、さらに国民の皆さん方に対し ても、この産科医療補償制度等についての広報活動を十分にしていただくということが、 この制度をしっかりと定着させるために必要ではないかと思いますので、その点もよろし くお願いしたいというふうに思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  小島委員、どうぞ。 ○小島委員  前回、私も、この産科医療補償制度自体のスキームとしては基本的には賛成だという立 場で。それは、その診療報酬上の算定要件にするというところのポイントとしては、まさ に先ほど課長からも御説明もありましたけれども、原因分析委員会あるいは再発防止委員 会の機能が十分に機能するということが必要だろうということ、そこがどうなるかという ところがポイントだというふうに発言をしたところであります。  12月には、日本医療評価機構のほうでも具体的に原因分析委員会等の運営についてき ちっと審議をするという予定になっているということでありますので、現時点でそこはこ れからどうなるかということを、やはり中医協としてもきちっとフォローしていく必要が あるだろうと思いますので、引き続き中医協に対して評価機構のほうから、その原因分析 委員会なり再発防止委員会の運営の在り方、あるいは一定のデータ等のとれたところでの 報告を求めるということを付記して、それを確認して、今回提案されているハイリスク分 娩に対する加算の算定要件に加えるということが必要ではないかというふうに私としては 思いますので、ぜひ中医協の場で確認をいただきたいと思うんですけれども。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  今の小島委員の意見に基本的に賛成ですが、1点ここも確認しておいたほうがいいんじ ゃないかと思います。先ほどの医療課長の御説明では、今回の措置が前例とされることに 対してどうなのかということについて、余り明快な方向性までちょっと出ていなかったよ うな感じも受けました。前回も西澤委員のほうから随分意見が出たところでありまして、 これは分娩の事故にかかわる固有、ないしは特有の事情、性格によるものであり、他に波 及するようなことはやはり極めて慎重であるべきだと思いますので、そこもできれば合意 がとれればと思います。  例えば麻酔の場合はどうなのだということになってきた場合に、どんどん対数の法則で いきますと、やはり国民全体ではほぼおおむね統計的に億ということになってきますから、 そうはならないようにここで確認ができればというふうに思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ほかに御意見ございますか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  前回、私が主張したこととほとんど同じなんですが、今回いろいろ説明聞きました。そ れで、委員の方々もおおむね賛成のほうに傾いているのかなと思っています。  ただ、私個人としては、この制度は推進する立場だということはまた繰り返し申します が、どうしてもやはり私としては民間の医療保険に加入していることが、この診療報酬制 度、公的医療保険制度の在り方からどうかという疑問はまだ残っております。  それと、この加算点数とこの制度とは直接的な関係はない。そういうことでは、課長も おっしゃったように前例はないということで、そのとおりだと思います。これが入る影響 というのはかなり大きいと思いますので、今回、私以外の委員の方々は恐らく賛成だとい うことであればそちらの方向でやむを得ないと思いますが、これは本当に特例中の特例で あるということで、これが前例とならないように。  それから、先ほど私が言いました2点につきましては、どこかの場できちっとこの診療 報酬の在り方と、あるいはこの加算制の在り方、そのあたりももう一度議論していただく と、そういうことをぜひ記録にとどめておいていただければなと思います。  そういうふうなことで、あとはほかの委員の方々がすべて賛成と言うんであれば、そう いう条件つきでということであります。 ○遠藤会長  はい、わかりました。  ほかに御意見ございますか。  ただいま、大体御意見、前回に引き続きましてお伺いしましたところ、昨今の産科医療 を取り巻く環境のもとでは、この妊産婦及び生まれた子供の利益を考えると、この事務局 案、これは適切なものではないかという意見が多数を占めたというふうに理解させていた だきます。  しかし、一方で、民間保険の加入状況を公的医療保険の支払いの要件とすることへの違 和感であるとか、あるいは今後同様の仕組みが拡大していくのではないかということへの 懸念といったことも示されたわけでありますので、これは先ほど御発言の中にもありまし たように、2つの付帯条件をつけて、これは総会の意見という形で議事録に残すという形 で認めていきたいというふうに思います。  2つの付帯意見といいますのは、1つは、今回のケースは産科の取り巻く環境を考慮し たものであって、特殊な事情であるということで、今後民間保険に加入することを診療報 酬の支払い要件とすることの前例とはしないことを明確にしておくということが1つと。  もう1つは、本制度の非常に公的な意味で重要な点は、まさに原因分析であるとか再発 防止というところでありますので、それがまだ流動的な部分もあるということなので、そ れが今後どのように展開していくか、あるいは実際の原因分析の結果等々も中医協に報告 をしていただくという、この2つを付帯要件として中医協として事務局案を承認するとい うことにしたいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  では、そのような形で対応させていただきたいと思います。どうもありがとうございま した。  一応、用意いたしました案件はこれですべてでございますけれども、何か各委員から御 意見等ございますでしょうか。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  外来管理加算についてお願いをします。20年度改定で外来管理加算の見直しが行われ、 いわゆる5分ルールが導入されたところでございますけれども、医療現場では当初想定し ていた以上に算定が困難となりまして、大幅な減収を強いられているとの話を聞いており ます。  先般も申し上げましたけれども、日医が実施しました緊急レセプト調査では、予測を大 幅に超える影響が出ていると推計されました。外来管理加算の意義付けの見直しの影響調 査につきましては、検証部会で検証するということになっておりますけれども、土田前中 医協会長が、今回の改定で実際に外来管理加算で幾ら捻出されたのかを検証すべきと、こ の中医協の場で発言されております。外来管理加算の見直しの影響につきましては、検証 部会で検証するということとされておりますけれども、そこで影響額の調査は行うのでし ょうか。また、私どもといたしましても緊急調査を行っているところでありますので、こ の緊急調査がまとまった段階で議論をさせていただきたいと考えております。  どうかよろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  ただいまの意見につきまして、何か御意見ございますでしょうか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  藤原委員から、何度かこの外来管理加算について意見があるわけですけれども、前に申 し上げたことも一部あるが、ごく簡単に3点ほど申し上げておきたいと思います。  1つは、ここにおられるほとんどの方はご存じなのですけれども、当時の状況、経緯が あるということで、外来管理加算単身の議論では全くなかったということを改めて申し上 げておきたいというふうに思います。これは初診料、再診料、とりわけ再診料について下 げるべきかどうかという議論と、病院勤務医対策等について大体1,000億円規模の手 当てはできたけれども、残りの400億円強についてどうしようかという議論の中で、私 どもとしては診療所の再診料を下げるべきだと主張したが、なかなか医療側としてそれは 難しいということだった。そういう中において、外来管理加算が今回、最終的には公益委 員の裁定というところまでいただいてやったわけです。  ですから、そういう意味で私どもとしても、外来管理加算の要件をこういった形で設定 するのが最善だということでは決してなかった。  ということは逆に言いますと、そういった問題含みの中で決断せざるを得なかったとこ ういうことでございますので、それをこの外来管理加算は問題がある、問題があるのだと いうことを再三おっしゃられるけれども、そうであるならば再診料の議論をもう一回しま しょうかということにもなりかねませんので、そこはもう一度当時の経緯を申し上げてお きたいというのが1点です。  そしてこういった問題があるからこそ、初再診料、外来管理加算等の在り方について検 討を行うということを、この中医協の場で2月に答申した付帯意見の中に書いてあるわけ です。  2点目ですけれども、個別の外来管理加算、今お話があったことを伺いますと、想定し た以上に減収になっているとおっしゃられているが、そのことがどうかということもある のですけれども、個別項目ごとに想定した以上に減収になったということを取り上げるの であれば、想定したよりも減収にならなかった、ないしは想定した以上に増収になった、 こういったこともあわせて主張されるのであれば公平感というのは保てますし、また議論 に値しますが、特定の項目について思った以上に減ったということだけを取り上げるのは いかがなものかと思います。  例えば18年度改定のときにも、慢性期の入院についての医療必要度の1、2、3の問 題についてやりましたけれども、それも実際にどうであったか。思ったほど減ったかどう かという議論はありますし、またコンタクトレンズの検査料についても18年度随分下が る方向でしたけれども、それは結果的にどうだったかなどこういったことはついて回るわ けであります。  御承知のとおり、一定の推計なり前提を置いてこのぐらい下がるのだろうとか、これぐ らい上がるのだろうということで、評価すべきとか適正化すべきということでやるわけで すけれども、そのこと自体が難しいのと、そのことによって医療機関なり患者の行動もま た変わってくるということですから、事は極めて難しい。  ただ、一つ、マクロとして言えますのは、やはり診療報酬改定と全体の医療費の関係で みれば、全体の医療費は改定がなければおおむね3%前後程度の伸びというのが、ここ数 年来、10年近い状況でありますので、全体的にはそういった形ではマクロとして理解で きる。また個別についても、さまざまな形で検証をしていきながら推計等の精度を上げて いくと、こういったことは非常に重要だというふうに思いますけれども、特定の項目だけ を思ったより下がったということでの議論はいかがかというのが2つ目です。  3点目になりますけれども、冒頭申し上げましたとおり、初再診料なり外来管理加算に ついては、答申付帯意見の中でも今後改めて検討するということになっております。6月 にも、ある意味第1回目、ちょっと不十分でしたけれども一応議論したということであり ますので、第2回目に改めてそういった全体の議論の中で、ただ単に思ったより下がった ということではなく、国民、患者の目線で見たとき本当にどうなのだろうか、より丁寧な 説明になっているのか、なっていないのか、より患者から見て分かりやすくなったのかど うかなど、こういった視点も含めて総合的に議論するということであれば、私どもとして も議論に応じていきたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ほかに御意見。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  今の3つの意見を申されましたけれども、1つ1つについて私なりの見解を申し述べた いと思います。  まず、これまでの十分な経緯があったと、このことについてはこの中医協でも十分議論 したんだということでありました。でも、私はこのことに関して最初に取り上げたのは、 検証以前の問題があったんではないかということを最初に言ったと思います。でないと、 この総会になかなかかけられないという認識があったからです。そのことは、これはまた 蒸し返しになって私は本当はこの場では言いたくないのですけれども、そもそもこの議論 の根底にあったデータがどうだったのか、エビデンスのある協議がなされたのか、そこに 私は一番の問題があると思いました。しかし、それはそのときの状況の中で議論されたと 言われるんですが、議論のデータ、根拠があいまいであったら、それは議論になっていな いんではないかと。本当の議論ができたかということで、あとで分かった部分もあり私は 大いに疑問があるからこのことを申し上げたのです。  実際言いますと、そのときにもっと幅広く、時間がないということもありましたけれど も、意見を聞くべきだったというふうに思いますけれども、遠藤会長は検証部会でするん だからというようなことで、私自身はそういうことで了承したということです。まず第1 点については、そうです。  それから、外来管理加算の問題、これ今回大幅な減収があったということで、それで私 どもがかけたということになりますけれども、その前提が実際に我々がおかしかったから こういうことになってしまったんだと。そもそも最初の問題に戻りますけれども、その前 提がもう少し正確なものであったら、それは合意したことですから、診療側としてもそれ はいたし方ないと思います。それでいちいち少なかったとは言いません。しかし、その前 提がいかがであったかというふうに感じますから申し上げたところです。  3点目につきましては、これまで繰り返して言われていることですから、ぜひとも検証 部会ないし今後の私どもが出す資料のもとに、しっかり検証していただきたいというふう に考えております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ほかに御意見ございますか。  対馬委員、何か特にありますか。対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  前提そのものがということもおっしゃられますけれども、そのこと自体も若干の議論が あったのですよね。ですから、そういったことを含めて一定の前提の中に一定の記述の中 で何らかの決断を下さざるを得ないと、こういうことだろうというふうに私は思います。  あと、最後の方に提出する資料の検証ということを言われましたが、やはり特に患者の 目線から見てどうかということもぜひそういった中でお出しいただければ大変ありがたい なと、こういうふうに思います。 ○遠藤会長  竹嶋委員、どうぞ ○竹嶋委員  診療側から今意見が1つ出ましたが、それに対して対馬委員からもまた御発言ございま した。おっしゃるとおりで、ここで一応決めたことであることは間違いない。私どももそ こにおりましたので認識しておりますし、最終的には公益側の裁定が、要するに両方で合 意ができなかったからなされたということは、これは事実であります。そしてまた、中医 協で決めましたことを軽々しくいろいろな状況の中で変えていくということも、これはで きがたいと思います。  今の藤原委員の発言の中でありましたけれども、要するに、必ずその改定の結果の影響 というのは、これはもう何度も私言いますが、医療の現場というのは生きているものです から、いろいろ出てきたものはそのつどやはり、できるだけ早くもう一度検証し見直して いくと。そのために検証部会で、今度この外来管理加算の問題についても検証をやってい くと、これもよく認識しておりますが、ただ、問題はその中で、このことで起こった実際 の影響、そういうものがその中で触れられていただければ、いいだろうと思います。  ただ、その検証部会も、これはきちんとやるために毎回大変時間がかかります。恐らく、 これも来年に入って2月か3月かそのあたりに出るかもしれません。あるいは早くても1 2月の終わりぐらいでしょうか。そういう中で出てくるのですが、議論をまたそこからや っていくわけでして、疲弊した医療の現場は一刻も早く回復しなければ、これは今、日本 の社会保障の流れと全く一緒なので、どんどん底まで落ちてくると、それから上がってく るのは大変だということです。検証をできるだけ急いでほしい。そしてまた、改定の影響 が実際にどうだったのかということを、その中に盛り込まれているかどうか。そこが一つ 心配があるということです。  それと同時に、委員が言いましたのは、そうは言いながら、やはり医療の現場を実際に 我々二十何万人かで患者さんに接している、現場に接しているわけですから、そこの中で のいろいろな情報というのを、これはこういう公式の場できちっとした形でつくり、それ に出しますから、その際は御検討いただきたいということの申し入れだと思います。対馬 委員の御説明を全部否定した上でのことではないというふうに、私は委員の発言を認識し ております。 ○遠藤会長  何か関連しまして、御意見ございますか。  それでは、ちょっと検証の話が出ましたので、本来であれば庄司部会長からお話をいた だくことかもしれませんけれども、ちょうど1号側委員は検証部会の委員でなっておりま せんので、基本的なスタンスをお話しさせていただきたいと思いますけれども、結果検証 部会は、ある年度に改定した内容についてそれが目的どおりになっているかどうかという ことを検証して、それを次回改定で反映させるというようなことが基本的な目的でつくら れているわけでありますけれども、この本件につきましても、検証部会での検証の対象に なっているということは御案内のとおりであります。  基本的には、検証部会でやることは、ベースになりますのはアンケート調査ということ で、この後開かれます検証部会の中で今回アンケート項目を審議するわけでありますけれ ども、そこではどちらかというと金銭的なことではないようなものが中心になります。  それでは、特に今回は藤原委員の話では、経営上の課題という形で金銭的なものについ て重点が置かれるように思われますけれども、これについては従来から結果検証部会での 検証ではありますけれども、アンケート調査ではなくて、社会医療診療行為別調査が出た 段階でそれを使おうというやり方をやっております。それはサンプルの関係からいって、 そちらのほうが適切ではないかという理由からです。  ただ、問題は、これは出てくるのがやや遅いということがどうしてもあるものですから、 これは少し早めに速報値というのを出してもらいまして、来年の9月とか10月ぐらいで すか、出てくる形になりますので、次回改定には議論には間に合うので、検証部会ではこ の2つを使いながら検証をしていくということです。今回、この後議論しますアンケート 調査の内容だけで議論するものでは決してないということが一つなわけであります。  したがいまして、今回の申し出は、そのような結果検証部会での検証とは別に、独自調 査によって検証を行うべきではないかというお申し出だということでありますけれども、 1号側対馬委員からは、これはあくまでも外来管理加算というのは単独の議論ではなかっ たはずだと。要するに、勤務医対策のための財源確保というものの中で、1号側は再診料 引き下げということを強く要求したわけでありますけれども、2号側はそれを反対をされ まして、意見の一致が得られなかったということでありましたので、公益が再診料は引き 下げないけれども、その他幾つかの処置をかわりに講じたと。その中の1つにあったもの であるので、総合的な議論の中での議論になるというのは、これは当時の環境から言えば 当然の話です。  したがいまして、今回はある意味で検証の中でやや特異な申し出が出ているということ でありますので、これを総会として認めるかどうかということを、ここで決めたい。つま り、検証について議論を開始するかということを認めるかどうかを決めたいと思います。 対馬委員はその中で、そもそもこの話は付帯意見にも載っておりますように、基本診療料 について、あるいは支払い方式そのものについて議論しようという形になっておりますの で、その中でなら議論をするということは合理性を持つんではないかというお話だと思い ます。ただ、これを単独で取り上げるというのは、検証部会との関係からいってもやや特 異なものではないかと、こういう御意見だというふうに受けとめました。  中川委員、どうぞ。 ○中川委員  ちょっと戻って恐縮ですが、対馬委員がさっきおっしゃられた、想定した以上に減収だ けでなくて、想定した以上に増収というのもあるだろうという話も一定の理解はしたいと 思います。そこで、改定全体と実際の影響はどうだったのかということ、これをきちんと 見てということもそう思います。  厚生労働省は、何もしなければ3〜4%の自然増という前提の中で改定率が決定され、 医療機関がその収入をもとに、医療機関を経営しながら医療安全に努めているわけですが、 我々日本医師会で4月から6月まで緊急レセプト調査、それから7月から9月まで引き続 き調査をして、全体の影響度もかなり詳細に把握できていますので、遠藤会長、次回改定 には間に合うというお話でしたが、その前に、私どものデータをこの場で公表して議論す る機会をぜひつくっていただきたいなと思うんです。この外来管理加算も含めて非常に現 場は混乱をしておりますので、そのことも含めて、議論の場を早めにつくっていただきた いなと思うんですが。 ○遠藤会長  御要望分かりました。そういう要望であります。  先ほど対馬委員がおっしゃられたことは、これは基本診療料全体の議論としての中でそ ういう議論がされるのであるならば、議論してもやぶさかではないと、このように理解い たしましたけれども、そういう御意見であったわけですが、いかがでしょうか。  はい、どうぞ。 ○松浦委員  それで議論して、次回の診療報酬改定ありますわね、それまでにどうとかこうとかとい うことをするんですか。そんなことできないでしょう。 ○遠藤会長  分かりました。それは目的を……  中川委員、どうぞ。 ○中川委員  その議論の結果で、そういうことも含めて判断されたらどうでしょうか。それは、今か らどうするこうするということは決められないと思います。 ○遠藤会長  どうぞ。 ○松浦委員  それでは、私はここで議論すること反対です。あれだけエネルギーをかけて、最後に公 益委員さんが裁定という形で決まった。それが次回改定までもたないようなことになる、 そういうおそれのある議題は私は取り上げるべきではないと思います。 ○遠藤会長  はい、ありがとうございます。  ほかにどうぞ。  大島専門委員、どうぞ。 ○大島専門委員  いまひとつよく分からないのですが、とんでもないことが起こっているということを言 っているのか、ひょっとすると、このまま行くとむちゃくちゃになっちゃうんじゃないか というぐらいのことが起こっているから、これを議論すべきだというお話なのか、パイの 分捕り合戦であっちが少ない、こっちが多いという話のことを蒸し返すということで言っ ているのかということがよく分からないのですね。もしとんでもないことが起こっていて、 このまま行けばむちゃくちゃになっちゃうという可能性が考えられるということであれば、 これは議論の俎上に出していただいたほうがいいと私は思うのですが。 ○遠藤会長  中川委員、どうぞ。 ○中川委員  ですから、そういう意味でも、データに基づいた全体的な議論をしていただきたいなと 思うんです。それでどうお考えになるかは、この中医協の場で皆さんの御意見をもとに結 論を出していただければと思うんです。 ○遠藤会長  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  最初に申し上げましたけれども、この議論はこの中医協の場で前土田会長、皆さん、少 なくとも遠藤会長はおられたと思いますけれども、そういう場で今回の改定、実際に外来 管理加算が幾ら捻出されたかを検証すべきだというふうにおっしゃっているわけです。こ れは、少なくなった場合だけを想定するんじゃなくて、多くなっても、それはどちらに傾 くか分かりませんけれども、いずれにしろそういったことを踏まえた中医協の議論は継続 すべきだと私は思います。  それから、私は前回もちょっとしか資料を出して御説明申し上げませんでしたけれども、 現場は想定以上のこれは減額になっております。そのことは、やはりもともとの議論がど うであったかということに帰ってきているわけですので、そこのところはやはり真剣に議 論していただきたい。ここで、一生懸命議論されたといっても、その根本のもとになる資 料がどうだったかということに帰結してきますので、どうかその辺をよろしくお願いいた します。 ○遠藤会長  繰り返しますけれども、外来管理加算による費用の問題というのを検証部会で扱わない わけではないわけでありまして、これは社会医療診療行為別調査がサンプルの数からいっ ても適切だろうということで、従来そういう形で扱ってまいりましたので、それを使うと いう、通常のやり方で検証を行おうということは間違いないわけなんであります。  ただ、それ以外に独自の調査でここで議論を開始するかどうかという話に今なっている わけであります。検証部会としては当然従来の方法で粛々とそれを行うというつもりであ ります。  竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  長くなりますので。申し入れを先ほど来しておるのですが、一つは、来年の例えば夏と かそういうところで出そうだというお話出たので、ちょっとまたびっくりして、随分その 間が長いなと。やはり問題があるならば、その問題は、支払い側から出る場合もあるし、 診療側から出る場合も当然あると思います。その時点で、問題があるデータ、それを私は 出させていただくことは御異存ないだろうと思うのです。  それをさせていただいて、その上で、これはそうでないということになれば別でござい ますが、そういうふうな提案をさせていただきます。  そして、一つだけ申し上げたいのは、この中医協というところで医業の経営について、 支払い側もそうです、お支払いになるいろいろなお金がどういうふうに使われるかと。ま た、私たちとしては経営にどう使っていくかと。ここでしか決められるところはないわけ ですから、これが例えば社会保障審議会の医療部会、医療保険部会のところでこの内容を 議論せいとか言っても、これは無理な話ですね。  そういう意味で、どうしても医業経営ということに私どもはこの場で、いろいろなこと をやはり提案しなきゃならない。ここのところは十分御理解を賜りたいと思います。  以上で終わります。 ○遠藤会長  松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  この、途中でとにかくデータを出して議論して見直していくということは、中医協改革 がある以前はよく行われておりましたね。ただ、中医協改革があってから、改定率は内閣 で決定するとこういうことになりましたから、どうしてもそのラインが守らなきゃならん。 そうすると、当然財政中立ということが起こりますから、ですから、全体的な議論の中で とらえていかなきゃならなくなる。そうすると、議論が非常に私、小手先で直すというよ うな議論にはならないと思うんですね。  ですから、その辺もよくお考えになって、とにかく診療報酬改定は2年に1回あるわけ ですから、どういう議論をしていくか、そのときにすればいいと。今、変えることもひっ くるめて前提、それも議論をしてからの話だとこういうのは、ちょっと私は賛成いたしか ねます。 ○遠藤会長  竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  思い出してほしいのですけれども、平成18年の改定のときに、7対1入院基本料を決 めましたね。そして、いろいろ問題が起こってまいりましたね、地域医療の崩壊というこ とで。ここで随分議論をいたしました。そして、点数こそ変えないけれども、大臣に建議 書を出しましたね。恐らくあの建議書は、その翌年に、日本の医療の在り方、要するに医 師あるいは看護職あるいはほかの医療従事者を含めていかに大変かと、そこにつながって いって、今まさにそれが国の中で、いいほうに動いているのですよ。そういうものにもつ ながるということは、極めていいと思うのです。  ですから、中医協の改革ということを今おっしゃいましたけれども、それが本当にそれ でよかったのかということも一つありますね、さかのぼれば。こういう具体的なことを議 論するのはここでしかないわけですから、その具体的な議論の結果というものがやはりし かるべきところに上がっていくべきだろうと。そういう意味では、型どおり2年たったら こうということであるべきでないと思います。これほど大きく急速に動いていく中で、本 当にそれでいいのかなと疑問を最後に投げさせていただきたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  この問題につきましては、なかなか1号側の御理解は得られにくいかと思います。  それで、先ほど一番初めが公益の方々の裁定ということになりましたので、ここでこれ を議題としてすぐ上げるかどうかというのもなかなか難しいので、私は資料は一応出させ ていただいて、あと、公益の皆さん方の御判断とか、あるいは議論はするということでい いんじゃないかと思うんです。  先ほど大島専門委員が言いました、ものすごい問題になっているのは、私は救急医療だ と思うんですね。これはとんでもないことが起こっているわけです。花のお江戸のど真ん 中で、妊産婦が収容困難という。だから、これをぜひ、2年後と言わずに検証の中へ、ま たややこしいことを言い出したと思わないで、ぜひ検証していただきたいというふうに思 います。  といいますのは、三次救急、救命救急センターのところはかなり点数がつきましたけれ ども、やはり二次救急を実際にやっているところがほとんど、検証していただいたらいい と思いますが、大変なことですね。やっぱり一晩に10人近い人を置いておいて、来なけ れば完全な持ち出し、来ても持ち出しというふうなこのシステム、これを本当は検証して ほしいなと。  ただ、外来管理加算の問題もやはり大変大事な問題だと思いますので、やはり決めたこ とだけでなく、臨機応変にいろいろなことをやっていただきたいと。2年後2年後と言わ ないのがいいんではないかと。この中医協の本来の役目じゃないかというふうに思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ほかに何かございますか。  小林委員、どうぞ。 ○小林(麻)委員  この問題は、やはり診療報酬改定全体の中で決定されたことなんですね。ですから、こ の外来管理加算だけをトピック的にこう取り上げて議論するというのはふさわしくないの ではないかというふうに思います。  ただ、もちろん、適切な医療を患者に提供しなければいけないということは医療側のも ちろん任務でございますし、その適切な医療を提供できるための原資というのもやはり確 保できなければいけないことだと思うんですね。  しかも、その外来管理加算の場合には、患者の視点というのも非常に重要なもので、患 者にとってとても重要な医療情報を得ていただく機会だということで、時間的な制限とい うようなことも加えられたわけでございますから、そこはこの診療報酬改定全体の議論の 中でいろいろなデータを出していただきながら、いろいろ問題点を検証していく。だから、 個別のトピックの中でだけではなくて、診療報酬改定全体、そして適切な医療の提供、患 者の視点という中で議論していくべきものですので、その観点、そのポジションというの を前提にした上でいろいろデータを提供していただき、また問題点を議論していくという のがよろしいのではないかというふうに思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  おおむね御意見は承ったかと思います。今大体の御意見を承りますと、そのような調査 データを出していろいろな参考にするということについてはよろしいのではないかという ことだと思います。先ほど来、対馬委員が言われたように本来その基本診療料の在り方を 考えなければならないというミッションがあるわけでありますので、その中で緊急調査の 内容というものを御披露いただく。それをどのように扱うかというのはまた今後の課題で あるということ、このように考えさせていただきたいと思いますけれども、よろしゅうご ざいますでしょうか。  では、そのような対応をさせていただきたいと思います。  それと、邉見委員から別な御要望で、救急について早急に何らかの検証を行うべきでは ないかという御意見が出ました。  これについても重く受けとめさせていただきますが、また少し事務局とも話をしながら、 どういう扱いにするかということはまた皆さんにお諮りしたいと思いますので、その節は よろしくお願いいたします。  ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。  それでは、本日の総会、これにて閉会したいと思います。  次回の日程につきまして、事務局から何かあればお願いいたします。 ○事務局(佐藤医療課長)  11月中旬を予定しておりますが、正確な日時と場所は決まりましたら、また連絡をさ せていただきます。 ○遠藤会長  お願いします。  それでは、本日の総会、これにて閉会いたします。ありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)