08/11/05 第14回医療用医薬品の流通改善に関する懇談会議事録 第14回医療用医薬品の流通改善に関する懇談会議事録  日  時:平成20年11月5日(水)10:25〜12:00  場  所:グランドアーク半蔵門4階 富士西の間 (照会先)医政局経済課 恩田、矢作   03-5253-1111(2536) ○恩田流通指導官  それでは、ただいまから第14回医療用医薬品の流通改善に関する懇談会を開催いたしま す。  まず初めに、委員の交代についてご報告をさせていただきます。柿田委員、門林委員が 委員を辞任されますとともに、新しい先生方に加わっていただいております。日本私立医 科大学協会病院部会担当理事、小山信彌様、それから日本病院薬剤師会常務理事、佐藤博 様。  次に、委員の出欠状況でございますが、本日は、日本医師会の飯沼様、日本歯科医師会 の稲垣様、明治大学大学院の上原様、そして日本精神科病院協会の長瀬様からご欠席の連 絡をいただいております。  次に、前回の懇談会以降、事務局に異動がございましたのでご紹介いたします。経済課 長木下賢志、首席流通指導官五十嵐浩、課長補佐樋口俊宏、同じく課長補佐河野典厚、ち ょっと今おりませんが、ここで経済課長の木下より一言ご挨拶を申し上げます。 ○木下経済課長  おはようございます。朝からお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございま す。この7月から経済課長をしております木下でございます。よろしくお願いいたします。  昨年の9月にご提言をいただいて、その後ちょうど1年余りたちましたけれども、その 後の流通改善の状況を今日ご報告いたしますとともに、またご助言いただきまして、今後 の参考にさせていただきたいと思っておりますので、ぜひともよろしくお願いいたしたい と思います。ありがとうございます。 ○恩田流通指導官  続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。まず議事次第、それから座席図、 懇談会名簿、資料1といたしまして「「緊急提言」以降の国の取組状況等について」、そ れから資料2といたしまして「平成20年度価格妥結状況調査結果概要」、それから資料3、 これは一枚物でございますが、「総価取引状況について」、それから最後ですが、こちら は資料番号はございませんが、右肩のほうに日本医薬品卸業連合会提出資料といたしまし て「緊急提言後の卸の流通改善に関する主な取組状況」という資料をお配りしております。 ご確認をお願いいたします。よろしいでしょうか。  それでは、以降の議事進行につきましては、嶋口座長にお願いいたしたいと思います。 よろしくお願いいたします。 ○嶋口座長  それでは、本日の議事に入りたいと思います。  約13カ月前、非常に時間のたつのは早いんですが、昨年の9月28日開催の懇談会にお いて、委員の皆様方のご尽力によりまして「医療用医薬品の流通改善について」という ことの緊急提言をしたわけでございます。この緊急提言につきましては、中医協の薬価 専門部会に報告されるとともに、薬価改定を受けた本年4月以降の価格交渉については、 関係者の間で提言を踏まえた様々な取組が行われているところだと思いますが、まずは 前回の懇談会以降の動きについて、事務局のほうから、どんなふうに進められたか、こ れのご説明をいただきたいと思います。  では、事務局、よろしくお願いいたします。 ○五十嵐首席流通指導官  首席流通指導官の五十嵐です。私のほうから資料についてご説明いたします。  昨年9月以降1年以上経過しております。また、新しい委員の方もおられますので、 少し緊急提言、昨年の報告に触れながらご説明させていただきたいと思います。  資料1につきましては、緊急提言以降の国の取組状況、これを中央に記載して、関連 事項を右側にその他の動きとして記載しております。2ページをご覧いただきたいと思 います。昨年10月24日に中医協の薬価専門部会に報告した資料でございます。その3ペ ージをご覧いただきたいと思います。  3ページの中ほどに(3)としまして国の役割が記載されております。ここに、取引 当事者双方に対し、流通改善に向けた理解促進に努めるとともに、定期的に実情把握調 査を行い、必要に応じ改善のための指導を行う。ここはちょっと簡略しておりますけれ ども、本文のほうは「指導を行うとともに、その状況を当懇談会に報告するなど、さら なる流通改善に向けた取組を推進すること」ということで、国の役割が明記されており ます。  ということで、昨年緊急提言を出していただいた後にどのように取り組んできたか、 またその3ページの上のほうの(3)でございますけれども、今回の流通改善の一つのテー マであります長期にわたる未妥結、この長期の定義が原則として6カ月を超える場合と いうことでここに明記されたところでございます。先般ちょうど6カ月ということで、 9月取引分の妥結状況が取りまとめられ、その結果を報告させていただくため、今回開 催させていただいたところです。  1ページに戻っていただきまして、左側の一番上でございますが、昨年10月24日に中 医協の専門部会に報告をさせていただきました。先ほどの2ページ、3ページの資料を 使いまして、経済課長から説明したところでございます。この報告に際しまして、中医 協の委員の方々から、この2ページの資料をご覧いただければお分かりのとおり、この 報告が「望ましい」とか「努める」とか、非常にやわらかい表現で、これでどれだけ実 効性が担保されるのかというようなちょっと疑問視されるようなご発言がございました。  それに対して経済課長のほうから、薬価基準という保険制度化ではありますけれども、 あくまでもこの医薬品の取引に関しましては民民の取引であり、おのずから国として言 えることには限度があるため、この緊急提言も関係者が全員そろってこういう形で取り 組んでいきましょうと、そういう合意の下に作成されたものであり、これをきちんと実 行していく、されるものということで報告させていただいたところでございます。  それに対してもう一言申し上げれば、中医協のほうからは、これでもし流通改善が行 われなかった場合には、医薬品の価格については中医協が決定することができる、改善 が進まない場合には、中医協で何らかの手当てをすることができる等の意見もございま した。  次に、本年になりまして3月5日に薬価基準の改定告示がございました。これに合わ せて医政局長通知と経済課長通知で、医療関係団体、そのほかのここにお集まりの方々 の日本保険薬局協会、日本製薬団体連合会、卸業連合会等々に今回の緊急提言を踏まえ た取組、傘下の方に周知徹底をお願いしたいという通知を別添2、ページは4ページ、 5ページ、6ページになりますけれども、4ページに各関係団体の依頼通知を出してお ります。また、6ページは都道府県に対して経済課長が出しているものでございます。 内容はほとんど同じものでございますけれども、改定告示に合わせて周知徹底の通知を 出させていただいております。  また、この告示に合わせまして、関係者からのヒアリングを開始したところでござい ます。まず、大手調剤チェーン18社からのヒアリングを3月5日から7日まで、3月11 日から14日にかけて大手メーカー16社、また3月24日から28日には公的病院本部等に対 して周知の依頼、5月19日から22日においては、卸売業者20社からのヒアリングという ことを実施させていただいております。これにつきましては別添資料3をご覧いただき たいと思います。ページは7ページでございます。  少しその概要を紹介させていただきたいと思います。まず、大手調剤チェーン18社か らのヒアリングでございますけれども、いずれの薬局においても、早期妥結に向けて努 力していくと。また、総価取引については、単品単価への移行か、少なくとも除外品の 拡大に向けて取り組むというような回答をいただいております。あわせまして、卸売業 者への要望として、早期妥結したところが損をしないようにと、これが重要であるとい うようなご意見もいただいております。  2の大手メーカー16社からのヒアリングでございますが、緊急提言を受けた取組につ きましては、そのいずれのメーカーも一次仕切価は従来から早期に提示をし、割戻しの 基準については従来より早期に提示をしたと。また、ほとんどのメーカーでは、割戻し ・アローアンスのうち、一次仕切価に反映可能なものは反映を行った。また、価値と価 格を反映した取引の推進の観点から、複数の仕切価水準を設定しているという回答をい ただいています。  また、割戻し・アローアンスについては、既に基準が明確になっておりますとか、あ と不透明な年度末における利益修正的なアローアンス、過去にはあったというふうに正 直におっしゃるメーカーの方もいらっしゃいましたけれども、今はもうなくなっている というような回答をいただいております。  その他として、緊急提言の中に医療機関・薬局は卸売業者との価格交渉で早期妥結が 見込めない場合、その場合には多様な取引方法を検討することが望まれるということが 記載されておりまして、これはユーザーからの直接取引とか、そんなことも考えられる のではないかということで明示されたと聞いていますので、それについてメーカーのほ うで直接取引についてどう考えているのかということを聞きましたところ、いずれのメ ーカーも現時点では考えていないと。ただし、幾つかの社では将来に向けた検討は必要 であるというような回答をいただいております。  また、8ページをご覧いただきたいと思いますけれども、3の公的病院本部等への協 力要請に際しましてですけれども、いずれのところも緊急提言については十分理解して いただいており、周知については協力するという回答をいただきましたけれども、一方 で、やはり経営自体は各病院の独立採算であって、なかなか本部の指導にも限界がある と。財政的に経営の厳しい病院というのが多くなってきていて、正直、薬価差が少しで も多く欲しいというようなところであるというような意見も聞かれたところでございま す。  また、卸売業者20社からのヒアリングについてでございますが、メーカーとの取引に ついては、ヒアリングをしたような大手メーカーについては非常に理解が得られて、緊 急提言に沿った対応をしていただいたけれども、なかなか中小メーカーについてはこの 緊急提言というのが浸透していないのではなかったのかと。そういう意味で少し対応が 不十分ではなかったかというような回答をいただいています。  また、仕切価水準については、その製品特性に応じて今回はより幅を持たせるという ような対応も見られていると。ただ、メーカーによっては、ちょっと最終原価が上がっ ているのではないかなと。全体を見て上がっているところも少しあるというような印象 の回答もいただいております。また、販売時点での仕切原価の把握が困難な割戻し・ア ローアンスはなくなっていて、早期に価格提示ができる環境にはなっているというよう な回答もいただいております。  医療機関、薬局との交渉についてでございますが、総価取引の改善については非常に 理解が進んでいて、特にチェーン薬局、チェーン調剤では改善が見込めるのではないか というような回答をいただいています。また、早期妥結の認識もユーザーにはかなり浸 透していると。実際では6カ月後にどのくらいの妥結が見込めるかといったところをお 伺いしたところ、そこは各社によって結構開きがあるというような状況がございました。  また、いずれの卸も、今回を逃しては流通改善の実現はないというような危機感を持 っておられ、そのため緊急提言の趣旨を踏まえたしっかりとした流通改善に取り組んで いくというようなコメントもいただいております。  なお、9ページ、10ページにヒアリングの対象の会社名、また公的病院の対象リスト を掲載しておりますが、ここは省略をさせていただきます。  もう一点、すみません。その他の動きに関連事項を書いてございますけれども、これ につきましては、先ほど一番上の12月14日の中医協ですけれども、これは薬価専門部会 の報告を受けて、その後中医協のほうでもともと頻回改定の議論がございました。それ につきましては、12月14日の中医協で、頻回改定の議論については、流通改善の報告を 踏まえて、20年以降の薬価改正の議論の中で検討していくということで継続課題になっ ております。それ以降の記載事項につきましては、本日ご出席の委員の方々からもしか するとご説明があるかと思いますので、私のほうからは説明を省略させていただきます。  以上でございます。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。この後、今日ご出席の委員のメーカー、卸、ユーザ ーの方々から少し取組状況をお伺いするんですが、その前に今のご説明に対して一般的 な何か質問がございましたら、どうぞご遠慮なくおっしゃっていただければと思います。  この1年間、こういう経緯でやってきたということのご説明でございましたが、何か 一般的な質問ございますか。よろしゅうございますか。  では、関係者の方々、大体この経緯についてはお分かりだと思いますので、早速、今 のご説明を受けまして、メーカー、卸、ユーザーのそれぞれの取組状況について、ご承 知の範囲で結構でございますので、ご説明願いたいと思います。僣越ではございますが、 私のほうから指名させていただきますので、ご説明いただければと思います。  まず、日本製薬工業協会の禰宜委員のほうでお願いいたします。 ○禰宜委員  日本製薬協の流通適正化委員会の禰宜でございます。今お話ございましたように、昨 年の10月の緊急提言を受けまして、メーカーとしての取組をこれから少しご説明をさせ ていただきたいと思います。  そもそもメーカーにとりましては、今までも卸さんとの取引につきましては、取引基 本契約書に基づきまして公正な取引をさせていただいております。今回、当業界といた しましては、この緊急提言を受けまして日薬連あるいは製薬協の理事会等、または各委 員会等様々な機会を通じまして、その考え方、精神につきまして周知をさせていただい たというようなところで、各社はこの緊急提言を真摯に受け止めながら、今回様々な対 応を自らの会社の判断の下で対応していたというふうに思っております。  今回の課題でございました割戻し・アローアンスの提示のスケジュールにつきまして は、前回の薬価改定時と比較して、薬価内示時よりその考え方について話合いを卸さん と行い、また告示後速やかに、早いところは当日ということで、一次仕切価あるいは割 戻し・アローアンスにつきまして提示できたというふうに思っております。  その結果といたしまして、卸さんが正味仕切価の早期の把握というものが可能になっ たということで、主体的に販売価格を決めておられて、医療機関あるいは保険薬局さん への早期の価格提示あるいは交渉につながったものと我々としては認識しておるわけで ございます。  もう一点、割戻し・アローアンスの整理縮小につきましても、各社それぞれできる範 囲の中での見直しを行いまして、基準の明確化に取り組み、また高率なアローアンスに つきましては、できるだけ整理縮小するとともに仕切価、修正的なアローアンスは割戻 しや一次仕切価に反映されたものと我々は認識しております。  その結果といたしまして、割戻し・アローアンスのうち一次仕切価に反映可能なもの につきましては、各社一次仕切価に反映したものと思っております。また、市場環境の 変化あるいは製品の価値を踏まえながら、各社では先ほどご説明もございましたけれど も、仕切価水準につきまして見直して、卸さんに対してその説明及び話合いに努めたと いうふうに聞いております。さらに、期末のアローアンスにつきましては、従前よりな いというふうに認識しておりますけれども、重ねてこの機会に周知を行ったというふう に聞いておるわけでございます。  また一方では、総価取引につきましても、メーカーとしてできること、卸さんあるい は医療機関や薬局に、オーファンなどの個々の製品の価値について説明をさせていただ きながら、それが価格交渉に少しでも反映できたものであると、そのように考えておる わけでございます。  いろいろ考えてみますと、いろいろ指摘されておりましたような流通での課題も、少 しずつではございますが、改善の傾向にあるということで、中医協からの検討してほし いというようなことに対しても、ある程度いい回答ができるんじゃないかなというふう に思っております。ただ、まだいろいろと課題もございますので、これからもやはりメ ーカーと川上の取引でございます卸さんとの取引についての今の課題につきましては、 これからも継続的に話合いをやっていく必要があるというふうに思っておりますし、ま た、情報活動の中での製品の価値について、医療機関あるいは保険薬局の先生方の理解 を高めるために、これからも努力を重ねていく必要があるというふうに考えております。  このような形で、薬剤製品の価値がこのような形で価値が価格に反映されるというこ とによりまして、我々としてはできるだけ革新的な創薬を創出して、やはり国民のため にそのような薬剤を提供していくというようなことも考えておりまして、また一方では 医療用医薬品における流通の効率化と、またその安全性確保に資するような検討をこれ からも継続して実施していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○嶋口座長  禰宜委員、どうもありがとうございました。  先ほど五十嵐首席流通指導官のほうからお話ありましたように、メーカーに対するヒ アリングの中では、概ねよくやっているという、そういうご報告だった感じがいたしま すが、そういう意味でも改めて努力して改善されていると、そういうふうにご説明いた だいたと思います。  それでは、今回流通の中核的な立場にある日本医薬品卸業連合会の立場から松谷委員、 ご説明お願いいたします。 ○松谷委員  日本医薬品卸業連合会の会長を務めております松谷でございます。卸連としての取組 についてご説明をさせていただきます。最後に一枚紙で概略をお渡ししてありますけれ ども、それに沿ってご説明をさせていただきたいと思います。 ○嶋口座長  一番最後の資料でよろしいですね。 ○松谷委員  はい。19年8月の末に緊急提言が出されまして、我々はそれに沿いまして緊急提言に 関する認識をより深めるために、このつくられた経過等を含めた解説版をつくりまして、 これを加盟各社に配布をいたしました。その解説版というのは一応6,000部つくって、 それを全会員に配って、セールスMS一人一人までこれが徹底するようにという形で配 布をいたしました。  それから2番目に、毎年厚労省の方を交えて地区会議というのを開いておりますけれ ども、今回の地区会議は北海道から九州まで全国7カ所で行ったんですけれども、今回 は緊急提言及び留意事項を中心にして、これの解説をして歩きました。  それから3番目に、毎年、医薬品卸業経営セミナーを開いておるんですけれども、昨 年の11月15日のセミナーでも緊急提言を主にセミナーを開かせていただきました。その 席には、武田前経済課長、それから森田前日薬連会長等にお話をいただきました。  それから4番目に、中医協の薬価専門部会においての意見陳述というのが12月5日に ございましたので、先ほど厚労省のほうからの発表にもありましたけれども、10月24日 の中医協でのこの緊急提言のご説明のときに、中医協の委員の方から、こんな甘い提言 で実行力があるのかというような厳しい、また、中医協としてうまくいかなかったら新 しい制度も考えるんだよというようなお話もありましたので、それを受けて、強い決意 でこの緊急提言に臨みますということを改めて中医協の委員の先生方にも私のほうから お伝えをいたしました。  また5番目に、大手メーカーさんに対して協力要請ということで、日本製薬団体連合 会、それから欧州製薬団体連合会、それから米国研究製薬工業協会の代表的なメーカー 10社を12月中にこの緊急提言について、卸としてはこういう考えを持って、また提言を 理解しているけれども、同じような理解をしていただけているかどうかというようなこ とで、お願いに手分けをして回りました。  また、年が明けまして、先ほどちょっとありましたけれども、6番目ですけれども、 東京医薬品卸業協会が流通改善について取り組むという決議案をつくりました。これは 日本保険薬局協会さんが2月にこの緊急提言に対する団体としての取組についての決議 をされましたので、それを受けて、またそれに刺激も受けまして、我々もということで、 まず東京から始めて、全国各地の卸協同組合及び協会に東京のを参考にしながらこの徹 底方をお願いいたしました。  それから8番目に、3月17日、それから4月9日、2回にわたりまして、卸版の官民 対話ということで、江利川次官を初め各審議官及び医政局長、保険局長、医薬食品局長 を交えて、今回の緊急提言を実施する、ちょうど4月に薬価改定があるので、それにつ いての協力及び我々の決意をお伝えし、国の役目として書かれているようなことについ てぜひ実行していただきたいというお願いをいたしました。  それから9番目に、公的医療機関本部への協力要請ということで、厚労省が先ほど回 られた公的医療機関の本部に卸連としても我々の考え方、また協力方をお願いをいたし ました。  また10番目に、卸の連合会の総会が5月27日に開かれましたけれども、第31回の通常 総会の決議文として、この流通改善に、改善じゃなくてもう改革だというような言葉を 使いながら、未妥結、仮納入及び総価取引、不適切な取引の是正について、不退転の決 意で臨むという決議文を卸全体で取りまとめいたしました。  また、そのほかに各地区の卸組合から説明会を開いてくれとか、またメーカー団体の 一部から今回の緊急提言について卸がどんな考えなのか話をしろというようなことで呼 ばれました。また、医療機関の一部からも、これの説明に来いということがありました ので、そういう要請があった先については、必要に応じてお邪魔をして、今回の取組に 対する卸としての決意を、また協力方をお願いしたというのがその後の取組の実情でご ざいます。  実際の内容については、今後この結果の発表があった後にお話をさせていただきたい と思います。 ○嶋口座長  松谷委員、どうもありがとうございました。  この懇談会では、強制力を発揮して云々というわけにはいきませんので、そういう意 味では、何とかこのメンバーが改善していただきたいということで、その中核的な役割 を卸連のほうでやっていただいたわけでございますが、決意を表明して不退転の意思で やったと、そういうご報告だったと思います。その成果については、また後ほどいろい ろ数字が出てくると思いますが、まずはありがとうございました。  では、次にジェネリック医薬品販社協会の江口委員のほうからご説明をお願いいたし ます。 ○江口委員  ジェネリック医薬品販社協会の江口でございます。  昨年の緊急提言後に特別に変わったことがあるかと言えば、実際はございません。と 申しますのは、もう私はずっと過去申し上げてきておりましたけれども、総価取引だと か未妥結というものは本質的にございませんで、4月の薬価改正後は即座に次の価格を 提示しながら販売をいたしておりまして、我々としては卸連合会さんとはちょっと違っ た格好の仕事をしてきたと思うんです。  ただ、現在に至りまして、ホウテイ広域医療さんの妥結といいますか、新聞紙上では 70%の妥結をしたということでございますけれども、逆に言えば、30%ほどまだ未妥結 だということになるんじゃないかと思うんですけれども、私どもが4月、5月に薬価改 正と同時に改定いたしますと、その後に卸連合会さんあたりでの価格の設定ということ で、私どもの価格が、逆におまえのところは高いんじゃないかと言われるようなケース が出てまいりまして、修正をせざるを得なくなるというようなこともあるわけですが、 今申しました30%残されているところが、どのような率で妥結をなさるのか。それによ っては、我々今決まっている値段がバイグーパワーといいますか、そういうところから 要求でさかのぼって値引きをせよと言われるような可能性もあるかなと思っておるわけ でございます。  そういうふうな観点から、あとの30%のところに対しまして、できましたら適正なと ころでの妥結を早急にお願いしたいなと。大体2月、3月、決算前ぐらいになって妥結 するということになりますと、その期間のものを我々のほうにもまた要求されることが あるわけなんですね。我々はどちらかというと受け身のような格好、価格の設定に関し ましては積極的に決めておるわけでございますけれども、大手メーカーさん、この広域 医療さんの価格によって後ほど訂正せよと言われるような事態になる可能性もございま すので、俗に言う後出しじゃんけんといいますか、我々が決めている中に後から低い値 段で提示されるようなことがあった場合には、確実に私どもとしては価格を修正せざる を得ないというような状況でございます。今後、期待して早く30%の未妥結の部分を解 決していただきたいなというふうに思っております。  以上でございます。 ○嶋口座長  どうも江口委員、ありがとうございました。  当初から日本ジェネリック医薬品販社協会のほうでは、余り不透明な取引はなくやっ ているという、そういうご指摘を受けておりました。けれども、業界全体としては残り の3割ぐらいの未妥結をしっかりやるようにと、そういうご要望でございます。どうも ありがとうございました。  次に、保険薬局協会の柏木委員のほうから、今度はユーザーのほうの立場でございま すが、お願いいたします。 ○柏木委員  保険薬局協会の柏木でございます。ご指名でございますので、今日までの取組につい てご報告をさせていただきます。  私どもの協会は、250余りの薬局を営む法人が加盟している団体でございます。大手 調剤チェーンと言われるほとんどが加盟しております。この大手調剤チェーンについて は、ともすれば公的保険制度の下、特に流通に関しては過去の数値にもございましたよ うに、モラルに欠けるというご指摘を受けることが多かったことは否定いたしません。 私も薬局経営に携わる者として、そのご批判、ご指摘についてはじくじたるものがござ いました。  そういうこともございまして、昨年9月にこの緊急提言が発令をされました。再び私 ども調剤チェーンが俎上に上がることがないように、協会全体で取り組んでいきたいと いうことを決意いたしました。それぞれが独立した企業であり、また、民民の取引でも あります。業界内での指導には限界はあります。そういうことも踏まえて、技術的な細 かい小手先のことよりも、まず現行のご指摘をいただいている商取引行為そのものが不 適切であるということを説いてまいりまして、改善しなくてはいけないという、風を起 こすことに留意をいたしました。  ことしの2月には、全国から理事が集まりまして、40社余りが集まります理事会にお きまして、流通改善の必要性についての動議を発令いたしまして、この時点で満場一致 で採択をいたしました。たまたまその場所が福岡であったということで、私どもも「流 通改善福岡宣言」と称しまして、内外にアナウンスをさせていただきました。  宣言直後には、医薬品卸業連合会様にもお伺いをいたしまして、私どもの決意を披瀝 すると同時にご理解をいただいた経緯もございます。その後は、協会内の組織に流通効 率化委員会というのがございます。その委員会マターとして、各地方ブロックに出向い て積極的に流通改善についてアピールをさせていただいてまいりました。5月と8月に は経済課から課長を初めお越しいただきまして、それと卸さんの営業の第一線と言われ る責任者の方にもお集まりいただいて、2度にわたっていろいろ議論をさせていただい ております。  その結果、私どもでの調査では、9月末をもって金額ベースで84%の妥結率、それか ら軒数ベースでも83%の妥結率があったという流通効率化委員会からの報告が出ており ます。前回の改定時の妥結率同時期を振り返れば、改善への方向性を実感しているとこ ろでございます。また、総価取引是正についても、今のところは全品総価で落ちついた という、報告はほとんどございません。したがって、そういった意味での理解度も増し たのではないかなという認識をしているところでございます。  そういうことであっても、手放しでは評価できないのは、まだ2割近くの妥結してい ないところがあるということでございます。今後のまだ落ちついていない先がどういう 方向で決着をするのかというのは、私どもも大変注目しておりますし、それから業界内、 協会内でもいろいろと議論してまいりたいと思っております。  しかしながら、ここへたどり着くまでに問題点がなかったわけではございませんが、 私どもは流通改善の3点セットというのを福岡宣言でも確認させていただきまして、こ れは、長期にわたる仮納入・未妥結はしないということ、それから総価取引の是正と、 もう一つは取引契約の締結というのを私どもの3点セットにしておりました。この取引 契約がちょっと忘れられてしまったのかなという印象が今のところはあります。これも 大事なことだと思います。緊急提言の中でも明文化されているわけですから、その辺が これから卸さんとのお取引について、一つ課題として残っているという感じがしており ます。  それから、5月、8月の卸さんの営業第一線のトップの皆さんとの議論の中でも、私 どもは、卸さんを通してしかメーカーさんを見られません。卸さん側からは、やはりメ ーカーの仕切価について非常に難色を示しておられるお話がございました。全てのメー カーではございませんが、そういったことも少し流通改善の妨げになっているのではな いかということも感じているところでございます。  緊急提言にございましたように、最後はやはり本当の本番は、薬価制度そのもののあ りようについても今後は検討していくといった文言も残っているわけです。早くそこで 本格的な議論に持っていっていただきたいと。そのためには、生・販・需それぞれがそ れぞれの立場でこの流通改善を理解してやっていく必要があるということをこの期間特 に感じた次第です。  そういった意味では、調剤チェーン、まだまだ流通改善、2割ほどが未妥結が残って いるのは、道半ばという認識をしております。協会あげて不退転の決意でこれからも取 り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。 ○嶋口座長  どうも柏木委員、ありがとうございました。保険薬局協会のほうでは、非常に真摯な 取組をなさってくださっている。それからかなり、これは数字的にはまた後で少し出て くると思いますが、大変すばらしい効果を上げていただいている。しかし、まだまだや るべきことはたくさんあると、こういう貴重なご意見だったと思います。どうもありが とうございました。  それでは、医療法人協会の大塚委員のほうから、一言何かお願いいたします。 ○大塚委員  昨年の緊急提言後に、私、医療法人のほうから出ておりますけれども、本来は4つの 病院団体、日本病院会、全日病、日本精神病院協会、それから日本医療法人協会の団体 が、総合部会を開催し、団体の会長と副会長が集まって、毎月会議を開いております。  緊急提言の内容について、総合部会で報告をいたしております。それで、未妥結・仮 納入に対する改善、を懇談会から要請が出ている旨を報告いたしております。更に前回 懇談会でお話しいたしましたいわゆる薬価の算定方式の中に消費税が内税として入って おると。この点についてもう少し懇談会で検討していただき、四病協としては、このこ とについて診療報酬委員会で検討する予定です。  いずれにしましても、たび重なる診療報酬の引き下げによりまして、医療機関の経済 は非常に緊迫しておるという状態の中で、もともと薬価に対する売差は求めないという スタンスでありましたけれども、現在に至っては、やはり何がしかの売差を求めるとい うようなことが必要になってきております。それで、現在の薬価算定方式が市場実勢価 格対象方式という厳しい薬価の調査方法であるがために、メーカーとしては一次仕切価 格を非常に薬価に極力近づけるというような手法がとられておりますし、卸のほうはそ の結果、医療機関との未妥結・仮納入が必然的に発生しておると。そういう点を基本的 にやはり改善しないとこの問題はうまくいかないだろうということです。  今日の報告を見ますと、やや改善はされておりますけれども、まだまだ未妥結・仮納 入は強く存在しておるという点でございます。そういう点を含めてやはり懇談会で可能 な限り医療機関の窮状を酌んでいただき、改善の方をお願いしようということでござい ます。 ○嶋口座長  どうも大塚委員、ありがとうございました。  医療法人協会の立場としては、方向はぜひ進めたいけれども、なかなか台所事情も苦 しいと、そういうお話でございました。今後ともよろしくお願いいたします。  次に、全国自治体病院協議会の宮川委員のほうから取組状況についてお話しいただけ ますでしょうか。 ○宮川委員  今までの足取りをちょっと説明したいと思いますが、流通改善の件が出てきてから、 我々は自治体病院会長からの文書としまして、この流通改善は言うまでもなく、価格交 渉に当たって病院運営上の納得のいく価格交渉を第一義として取り組むべきであると。 その点、何ら変更を求めるものではないと。それから、要請文書であっても指導文書で はないこと。しかし、仮に首長から病院部門に対し、妥結に関する行政指導が行われる ような場合にあっては、そのことにより価格交渉において決して病院経営に不利益を生 ずることのないよう、首長部門と十分な理解をしておくこと。それから、薬品流通の改 善は自由かつ公平な競争が保持されるとともに、根本的に提言を第9項に規定する見直 しによらなければならないとの立場に立つこと。また、文中に議論が望まれるとしては、 このような流通改善懇談会から中医協に対して論議を促す趣旨が含まれていると理解し て差し支えないということで、10月15日に各自治体病院の首長と病院長にこれを配布し ました。  それで、今大体我々の見ている感じでは、調査したところでは、大体この最後の資料 にあるとは思いますが、それによって20年の9月のやつは大体都道府県が74%、それか ら市町村が44.2%であるという調査の結果が出ております。  以上でございます。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  それでは、日本私立医科大学協会の小山委員のほうから、取組状況についてご説明願 えますでしょうか。 ○小山委員  私大協のほうの取組をご説明させていただきます。  私立医科大学協会は、29の私立大学が集まっている協会でありますけれども、ここに 約70、本院を含めて分院がありますので70の附属病院がございまして、ここで今私は病 院担当の理事をさせていただいております。  昨年、厚生労働省のほうから、流通指導官から、理事会に出席されまして、それだけ 私大協の取組がある意味で悪いということの判定なのかもしれませんけれども、いらっ しゃって、流通改善に取り組んでほしいというお話を聞きまして、我々はこれを真摯に 受け止めまして、これはやはり周りから見てもかなり非常識であるという見解を持ちま した。  それで、話合いを持ちまして、何しろなるべく早くやりましょうという話でもって進 めております。事務長会というのがありまして、ここら辺のところが実質的な病院の運 用、そういうものの妥結するとかしないとかというところの実務的なところをやってい る人たちに集まっていただいて、現状を説明して、来年、つまりことしですね、20年度 は何しろ年内には妥結しましょうというような話でもって進めておりました。  ことしになりましては、先ほど松谷委員からもお話ありましたけれども、卸連合会と の会合も持ちまして、何しろ協力いたしましょうというような話で進んでおります。こ としになっても理事長会で、ことしは早く妥結するようにということでもって協力要請 をしております。現在まだ調査中でありますけれども、昨年に比べれば幾らかよくなっ たかなと思っておりますけれども、まだ皆さんのところに比べるとまだまだ未妥結のと ころが多いかなという感じを持っております。  その原因といたしましては、やはり今大学病院の経営というのは非常に厳しい状況の 中に置かれておりまして、薬価が大体総収益の20%ぐらいを占めてくるわけですので、 その中で1%の動きというのは、非常にその病院の運営に対して大きな動きが出てくる わけですね。  先ほど江口委員もおっしゃっていましたけれども、いわゆる後出しじゃんけんという んですか、言い方は余りよくないかもしれませんけれども、後で引っ張れば引っ張るほ ど有利になるような今の商取引があるわけですよね。これがある限り恐らく解決しない んじゃないかと思うんです。  もっと問題なのは、実はそのリーダー的な病院が早期に妥結しますと、結局そこがあ る意味で損をする。言い方おかしいですけど、損をする。でも、それが結局、最後のほ うの割戻し・アローアンスというお話がありましたけれども、この辺である程度調整さ れていたところが、今度はこれがなくなっちゃうと、逆にもっとその妥結するのも後ろ へ引くんじゃないかという懸念を私は持っております。  要するに、やるならば両方をちゃんとしてやらないと、ますますせっかく懇談会で話 合っても、現実問題としてどこかが妥結したものを参考にして、そこからさらにやって いくことが有利になると、公式がですね。これがなくならない限り、ちょっとすぐに年 内妥結しろといっても、年度内ならいいでしょうという話になってしまうのではないか という危機感を持っております。  ただ、私大協としては、前回の理事長会におきましては、何しろ早く妥結すべきであ るというような認識を持っておりますので、これからも十分そういう方向で皆さんの協 力要請はしていくつもりですけれども、現実問題としてその後出しじゃんけんが有利に なるような商取引が今後も続くんだとすれば、先ほどジェネリック医薬品がそうだとい うお話が出ましたけれども、これが残る限りはなかなか進まないんじゃないかなという のが現実の話で感じたところであります。  以上です。 ○嶋口座長  ありがとうございました。大変貴重なご意見だと思います。何か正直者というか、先 にやったほうが損をするような、この構造だけはこの懇談会の中でも避けたいというこ とです。ただ強制力で全てやるということはできない実質的な状況でございますので、 その中でどうやってこれを進めるか、これが恐らくこれからの大きな課題になってくる と思います。ありがとうございました。  まだいろいろなお立場からのご発言あるかもしれませんが、ちょっと時間の関係がご ざいますので、次に今年度の価格交渉における流通改善の進捗状況、価格がどのように 妥結されているかどうかということの進捗状況について、事務局のほうから資料の2と 3を使ってご説明いただいて、またディスカッションしていきたいと思います。  それでは、事務局のほうで、今年度の価格交渉における流通改善の進捗状況について ご説明願いたいと思います。 ○五十嵐首席流通指導官  それでは、まず妥結状況についてご説明いたします。資料の2をご覧いただきたいと 思います。  資料2には、本年6月取引分、7月取引分、9月取引分の概要を掲載しておりますが、 資料の最後のページ、7ページをご覧いただきたいと思います。網掛けの部分が本年度 調査したもので、白いところが18年度でございます。18年度との比較というのは、薬価 基準改定年度と改定のない年度では妥結状況が非常に違うということで、同じ改定のあ った18年度と対比して見るようにしてございます。  直近のデータで申し上げれば、本年9月の妥結状況、トータル一番下でございますけ れども、先ほどもございましたが、70%を超えて70.9%、一昨年の10月が54.2%という ことで、16.7%改善になっているという結果をいただいています。少し詳細についてご 説明をさせていただきますが、9月取引分で説明をさせていただきたいと思います。恐 縮ですが、5ページをご覧いただきたいと思います。  この調査は卸連加盟会社62社にご協力いただいて回答を得たものです。データとして はほとんどの医薬品をカバーしているものということで、大体これが100%回収という ことでほとんどの医薬品の取引がカバーされていると考えております。  調査内容につきましては、全ての医療機関、薬局を対象にして実施されたものと。調 査結果の内訳でございますが、病院と診療所、チェーン薬局、その他の薬局ということ で、医療機関と保険薬局に区分した妥結状況を見ております。  病院につきましては,医療機関総計で66.1%、保険薬局が76.1%ということで、やは り規模の大きな医療機関、200床以上が46.7%というところが影響しておることから、 医療機関の計妥結率のほうが若干低いと。先ほど日本保険薬局の柏木委員のほうからご 発言がありましたけれども、チェーン薬局が71.7%ということで、ここがかなり今回改 善されたと。前回は10%台だった妥結率が非常に改善したという状況でございます。  また、6ページをご覧いただきたいと思います。これは200床以上の医療機関、設置 者別に妥結状況を見たものでございます。全体というところが62社からの妥結状況のト ータルでございます。その右側に対A卸、B卸、C卸、D卸となっておりますが、これ については広域卸4社の細計でございます。ですから、内数ということでご理解いただ ければと思います。  9月の妥結状況でございますが、先ほど公的医療機関本部6団体にこの流通改善の周 知徹底をお願いしたということをお話しさせていただきましたけれども、そこのところ がどのようになっているかということをちょっとご説明したいと思います。  まず、4の国(独法・労働者健康福祉機構)、労災病院ですが、ここが18年10月の妥 結状況が2.1%でございました。これが20.9%ということで、若干改善しているのかな と。ただ、妥結状況全体で見ればかなり低いわけですけれども、やや改善していると。 次に、8番の日赤でございます。ここが18年10月は6.4%の妥結であったのが14.1%。 9番の済生会でございますけれども、ここが7.5%であったところが21.6%ということ になっております。11番の厚生連でございますが、こちらが前回5.6%で今回が9.1%と いうことで、余り改善が見られていない状況でございます。16番の共済組合・その連合 会でございますけれども、ここが前回3.0%ということで、今回が2.4%と全く改善が見 られていないということで、少しここら辺の改善を図っていく必要性が強く求めていく 必要性があると思っております。また、20番の学校法人でございますが、ここが前回 4.7%ということでしたが、今回24.9%ということで、この中では比較的改善が見られ ていると。  今まで医療機関の設置数というか母体が大きなところ、そして妥結率、妥結状況が悪 いところに対して極力改正の要望を行ってきたところですが、今回9月取引分で見た場 合、このように改善、または改善されていないところもございますが、全体的には少し 改善されてきているのかなと見ております。  また、先ほどの7ページをご覧いただきたいと思いますが、18年度の場合、国のほう では7月取引分と10月取引分、1月取引分、計3回の調査を行ってきたところでござい ます。今年度は、緊急提言のほうに上場企業のほうでは四半期報告が求められるという ことから、3カ月経過した6月末で妥結状況を見ているところでございます。また、長 期の未妥結について6カ月ということが定義されていることから、その9月末での取引 状況を見ております。今後については、そういう意味では3カ月たったところ、また6 カ月たったところで、6月末、9月末、また1月での取引状況、そこでの妥結を見てい きたいと考えております。今般の妥結状況についてはこのような状況になっているとこ ろでございます。  また、総価取引の状況についてご説明いたします。資料3をご覧いただきたいと思い ます。これは日本医薬品卸業連合会のほうで調査をしていただいている資料でございま すが、本来であれば、1年間を振り返って妥結状況を見ていただいておりますが、今般 どのような状況かということで、上半期で20年度についてはどのような状況かを確認さ せて、調査をしていただいたところでございます。そういう意味では、20年度またこの 上半期で妥結したものの状況ということですので、これから未妥結分がどうなっている かということで、20年度を締めてみると総価の率というのがまた変わっていく可能性は あるということをご理解いただきたく思います。  考え方でございますが、単品総価契約、全品総価契約で、今まで総価契約、この2つ の区分で見ておりました。緊急提言のほうでは、医薬品の価格については価値と価格に 見合ったということで、単品単価契約が好ましいということが書かれておりますが、な かなか難しい、総価契約になってしまうというようなところについては、そうはいって もやはりそこのところは、品目によっては管理が特に必要である麻薬とか、オーファン とか、そういったものについては総価から除外するという考えもあるのではないかとい うことで、全品総価だけれども除外ありということを盛り込まれたということで、20年 度につきましては、総価契約、(2)ですけれども、区分を従来の単品総価契約、全品 総価契約に加えまして、全品総価除外ありと、この3区分で調査をしていただいており ます。  結果についてでございますが、19年度左側200床以上の病院と、20店舗以上を有する 調剤薬局チェーンで総価取引の状況を調べていただきましたが、19年度の200床以上の 病院で見てみますと、単品単価契約、これは売上高に占める割合でご覧いただければと 思いますが、昨年度は46.4%だったと。今年の上半期で見ますと68.2%ということで、 20%強改善していると。残りの総価契約について見ますと、半分半分というか、19年度 は単品総価が29%で全品総価が24%だったと。それが今回単品総価は20%、全品総価は 5%、それに除外ありが5.9%という報告をいただいております。  調剤薬局チェーンのほうについて見てみますと、平成19年度売上高に占める割合とし て、単品単価契約がほとんどなく、0.9%と。もうほとんどのものが総価契約。そして、 単品総価が45%で全品総価が53%という状況でございました。20年度の上半期で見てみ ますと、単品単価契約が21%ということで、かなり単品単価契約のほうに変更していた だいたのかなと。総価契約についても、全品総価というものが非常に少なくなったとい うか改善しまして、それが2%になった。ただ、単品総価契約が45%あったものが、そ れが9.2%、全品総価除外ありがかなりこの単品総価契約と全品総価契約からそちらの ほうに変わったのかなと、少しそのように見てとれます。  その除外品目の考え方ですが、これやはり卸さんがユーザーとの関係で何を除外にす るかということを決定しているということですので、必ずしも同じものでないという問 題がありますので、ここで除外ありというものがどのくらいの割合、品目数でどのくら いあって、売上高でどのくらいあるのかというのは、その卸さんの取引によってまちま ちだと。ここら辺は少し検討していく必要性があるのかなということでございますけれ ども、その全品総価契約がかなり縮小し、しかし除外ありというところに単品総価も少 し縮小し、除外ありが増えたというような調査結果をいただいております。  資料については以上でございます。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。調査の結果について、こんなふうに改善されている というご説明をいただきました。卸対ユーザーという関係での部分がこれまでの説明で すが、この質問や意見に入る前に、緊急提言の中にはもう一つ、一次売差マイナスと割 戻し・アローアンスの拡大傾向の改善という、卸対メーカーの関係についても課題が掲 げられておりましたので、このあたりについて松谷委員から少しコメントをいただけれ ばと思います。とりわけ一次売差の状況については、今、年度途中でございまして、な かなか説明がしにくいところもあるかとは思いますけれども、発言できる範囲の中で松 谷委員のほうからご説明願えたらありがたいと思います。 ○松谷委員  卸連としては、一次売差の調査というのを行っておりますけれども、これは年に1回、 それも本決算が終わった時点で調査をしておりますので、中間的にはその数字を持ち合 わせておりません。それから同時に、今回の緊急提言そのものは、その市場環境が変わ ったとか、いろいろなもので仕入れ価格に対してもきちんと交渉しろというような条項 が入っておりますので、我々としては中間のちょうど決算期を迎えた中で、今後どうい うような仕入れ交渉をしていくか、それは時間が経ったら安くなるということを先ほど ちょっと幾つか出ましたけれども、私どもの考えていますのは単品として、その単品の 市場環境が変わったということで、時間が経ったから安くなるということじゃ決してあ りませんで、そういう形で今後どれぐらいそういうものがあるかとか、それから価格水 準の問題にしても、我々が考えているものとユーザーさんが考えていらっしゃるものと、 またメーカーさんが考えていらっしゃるものとの間の整合性だとか、いろいろなものも この期間中に検討しながら交渉していくのが当然だと思っておりますけれども、時間が 経ったから安くなるという形で交渉しているのではないということだけは、はっきり申 し上げておきたいと思います。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。  それでは、事務局側よりご説明いただきました調査結果の数値のところを含めて、皆 様方のご意見、ご提言をいただきたいと思います。挙手していただければありがたいと 思います。  大塚委員、お願いいたします。 ○大塚委員  資料、医療機関設置主体別の取引卸別価格妥結状況について、報告がございます。 ○嶋口座長  資料の何ページのあたりでしょうか。 ○大塚委員  資料2の2ページ。 ○嶋口座長  資料2の2ページですね、はい。 ○大塚委員  これを見ますと、2番目に国(独法・国立病院機構)という欄がございます。これは 昨年の報告では、国立病院機構についての取引はと私がお尋ねしたところ、総価取引と。 単品価格決定という報告がございました。で、ことしはどのような傾向になっているか、 教えていただきたい。 ○渡辺委員  私が今知っている範囲では、単品価格交渉だというふうに思っております。 ○大塚委員  総価取引は、過年度と同じように総価取引でやって、単品価格決定というのが、昨年 の国立病院機構のやり方だったんですけれども、ことしは違っていますか。 ○渡辺委員  昨年と同じだというふうに思っております。 ○大塚委員  同じですか。そうすると、国立病院機構のほうで総価取引は依然として続いていると いうことになりますよね。 ○渡辺委員  いえ、昨年も単品価格交渉でございます。 ○大塚委員  総価取引でやって、単品の価格を決定すると。 ○渡辺委員  いや、単品...... ○大塚委員  単品の価格決定は薬価調査に必要だから、そうなっているんだと思います。 ○渡辺委員  大塚委員のおっしゃっている意味とちょっと私は違うんですけれども、単品で価格交 渉をしております、昨年も。 ○大塚委員  総価取引......。 ○渡辺委員  いや、その結果、単品交渉はしているけれども、結果論として薬価差率だけが出てい るだけだというふうに私は思っているんですけど。総価の率があって決まるというので はないように思うんですけれども。 ○大塚委員  昨年度の資料をご覧になると、国立病院機構の取引について総価取引とはっきりと明 示されております。そして、その下のところに、個別について価格は提示しておるとい うことが書いてあります。 ○嶋口座長  すみません、ちょっとそこの事情について、むしろ事務局側のほうからご説明いただ いたほうがいいかもしれませんね。 ○五十嵐首席流通指導官  ちょっと資料は持ち合わせておりませんけれども、国立病院機構の価格交渉について は、メーカーごとに品目を並べまして、そのトータル、全品の総価で安いところ。ただ し、その卸さんで品目ごとに価格がついていて、それが報告が上がってくるということ ですので、整理上は単品単価契約。ただし、そのメーカー群でトータルで価格が安いと ころに入札をするというようなやり方で実施していると聞いております。 ○嶋口座長  よろしゅうございますでしょうか。 ○大塚委員  はい、どうもありがとうございました。 ○嶋口座長  ほかに質問がございますでしょうか。  1つ私のほうから確認したいんですが、今のページのところの10番目の北海道社会事 業協会のところでございますが、A、B、C、D卸のものをやって、対B卸が100、対 Cがゼロとありますが、このゼロというのは取引がないという意味のゼロでよろしいん でしょうか。 ○恩田流通指導官  こちらご覧いただきますと、対A卸は横バーになっていて、対C卸のところは0.0と いうふうになっております。対A卸のところがバーになっておりますのは、これは取引 がないということでございまして、対C卸で0.0となっているのは、取引はあるけれど も、妥結額はゼロという意味でございます。 ○嶋口座長  はい。確認しました。  では、ご意見、ご質問等ございましたら、どうぞ遠慮なく。特にまだ全然発言してい ない委員の方いらっしゃいましたら、この機会でございますので、ご意見を出していた だければと思いますが、いかがでございましょうか。  森委員、お願いいたします。 ○森(昌)委員  日本薬剤師会の森でございます。資料2の7ページを見ていただければと思いますけ れども、日本薬剤師会は薬剤師個人の団体ということで、個人の薬局の会員も非常に多 うございます。その中で、日本薬剤師会として今回の流通改善の提言を受けて、2つの 取組をしました。  1つは、緊急提言が出されたとき、それからことしの3月5日に医政局長通知及び経 済課長通知が出てきたときに、流通改善に取り組むように会員のほうに周知をしており ます。先ほど民民取引だというお話がありましたけれども、さすが100%妥結というわ けにはいきませんでしたけれども、一昨年の10月の妥結率が62%であったものが、今回 9月末時点で77.2%ということで、15%ほど妥結率が上がっております。これはひとつ 一定の成果があったと思います。もちろん私どもの動きだけではなくて、それぞれの関 係者の努力があって上がったというふうに思っております。  以上です。 ○嶋口座長  はい、渡辺委員、お願いします。 ○渡辺委員  卸連の渡辺でございます。今回の流通改善というのは、私は個人的には一歩前に進ん だのかなと思っております。資料的には、問題点は売差のマイナスの問題もありました し、総価の問題もありましたし、早期妥結という形で、6カ月の範囲に決めていただい て、卸としてもやっぱり医療機関さん、お取引相手の皆さん方と交渉したことは事実で 一歩踏み出したと。これからも乗り越えなければならない問題点はありますけれども、 進んだというふうに判断をしております。  それともう一点、何人の委員の方からもお話ありましたけれども、病院経営が苦しい 中で売買差益という言葉と私は理解した大塚委員の言葉は薬価差というふうに理解をし たんですけれども、これは流通の近代化と薬価差の問題がこの場に混在するのはちょっ と違うんじゃないかなと。これはやっぱり技術料が上がれば、その問題は、医療機関の 経営というのは少しよくなるのかなと。ただ、薬価差が少なくなったからという議論は、 この場ではちょっと違うのでないかなというふうに思います。  最後になりますけれども、不透明なものはやはりできるだけ明確化に変えていかない といけないというふうに改めて思っております。  以上でございます。 ○嶋口座長  このあたりは実はいつも議論がいろいろ出てくるところでございますが、どうしても この懇談会というのは、ある意味では日本の医療体制全体の中の一つのクローズドシス テムの中で議論せざるを得ないという、そういう状況があります。本来ならばもう医療 制度全体から考えて、サブ・システム間の協力関係が必要なんでしょうが、なかなかそ れが実質的には難しい。従ってとりあえずはまず、他を与件として議論しているという、 そういうことでございます。  しかし、それについてはまた、その都度考えるべきではないかというご意見が出るの はあり得ると思いますので、そこは座長の私のほうで幾らか調整しながら進めていきた いと思っております。  はい、小山委員、お願いします。 ○小山委員  今の渡辺委員の意見なんですけど、確かに正常な取引という意味ではそうだと思うん ですね。ただ、1つ買っても1,000個買っても全部同じ値段ということのほうが僕は不 自然だと思うんですよね。実は今病院経営は、そのくらいの少ないところでもってぎり ぎりで経営している状況なんですよ。要するに、そこを否定されちゃうと、そこは違い ますよと言われちゃうと、いや、それはそちらの議論であって、病院側はやっぱり違い ますよという話で、我々大学病院の場合、やっぱり取引額は大きいですから、大きいと やっぱり大きいなりのメリットをつけてほしいと。薬価差益で経営しているということ じゃなくて、それだけ大きなものがあると、大きなもののやはりリスクがあるわけです よね。いわゆる不良在庫とか、あるいは、まあ不良在庫がメーンですかね、そういった ものがあるわけですから、そこもやっぱり経営の中に入ってくるぐらいの今利幅の薄い ところで病院経営をしているので、そこはぜひご理解をいただきたいと思うんですよ。  ですので、1個買っても、1,000個買っても、1万個買っても全く同じ値段で出しま すというんだとしたらば、それは商取引そのものがおかしいんじゃないかという議論に はならないでしょうか。というのが、今お聞きして決して反応するわけではないんです けれども、ちょっと違うかなというふうに感じたので。 ○嶋口座長  それでは、時間の都合上、渡辺委員のご意見を伺って、その件は終わりにしたいと思 いますが、よろしくお願いいたします。 ○渡辺委員  小山委員のおっしゃっている話ももっともだと。私が言いたかったのは、本来医療経 営が苦しいとなると、健全な医療として維持するためには、やっぱり違うことを考えな きゃいけないだろうと思うんですね。  やはり悲しいかな医療のたらい回しなんかがある中で、こういう問題と診療とはちょ っと違うのかも分かりませんけれども、経営がやっていけないということがあれば、中 医協の場で議論していただかなければいけないと思うんです。  今、規模と価格というのは、私どものほうではやっぱりその差は、規模と価格という のはリンクしているデータもあるんですけれども、今日はちょっと持ち合わせがないん ですけれども、その薬価差がどうかというのが小山委員のおっしゃっているとおりで、 これは卸のほうも製薬メーカーさんと議論するときに、量を買う卸、いっぱいの卸と少 ない卸との仕入れ価格が一緒でいいんですかというところにまた戻っていくと思うんで すけれども。  以上です。 ○嶋口座長  ありがとうございました。  その他のご意見は。はい、では大塚委員。 ○大塚委員  7ページで資料別添3、一番最後のほうで2番目に「その他」と、「医療機関との直 接取引について、いずれの社も現時点では考えていない」と書いています。これは昨年 でしたか、公取の課長でしたか、課長補佐がおいでになりまして、スケールメリットに ついて直接ユーザーがメーカーと交渉してもよろしいということを聞いておりますが、 その後本当に進まないと。何でこれが進まないのかなと私が聞いてみましたら、薬剤の デリバリーから全てのことを卸が関わらずにユーザーが直接取引しなければならないよ うな非常に難しい問題があるということを聞いたんですけれども、そういうことが災い して作業が進まないのかどうかですね。  せっかくスケールメリットを求めるユーザー側からすれば、非常に残念であるという ことです。 ○嶋口座長  ありがとうございました。このあたりについては、そういうご意見が出たということ をぜひ事務局のほうで承るというふうにして、それがどのくらいの速さで進むかどうか わかりませんけれども、大塚委員のご意見、ありがたく承りました。 ○江口委員  じゃ、ちょっとよろしいですか。 ○嶋口座長  江口委員、お願いします。 ○江口委員  私どもジェネリック医薬品販社協会としましては、現在そのジェネリックの普及とい うようなことでの国の政策がなされておるわけでございますけれども、このジェネリッ クを販売するといいますか推進するというのはなかなか難しいところがございまして、 単価も安いし、その上また古いものだとか、いろいろなことを言われながら販売をして おるわけでございますけれども、それだけに経費的な面では結構割高になる。安いもの を売っていくために一つ一つ説明しながら、そして要望に応じて配送をするということ になりますと、結構利率的には割高になっていると思うんです。  ところが、そういうふうな努力をしながら開拓をしていったジェネリックを大手広域 卸さんあたりで一網打尽にぼっと持っていかれるということになりますと、私どもとし ては何となく寂しい思いがするわけですけれども、これは卸業としての同業者的な立場 からお願いというか、秩序あるそういう努力に対するものをご理解をいただきたいなと。  ただ、今度でも7月の追補収載の商品あたりでも、大分価格の違うようなものがござ います。我々としては、ジェネリックを普及させるという気持ちで四十数年間やってき ておるわけでございますけれども、これはビジネスですから、勝つか負けるか、これは 仕方がない。といいながらも、健康保険制度の中での仕事でございますので、その点は 秩序ある競争をお願いしたいなというふうに私は思うんですが。  よろしくお願いします。 ○嶋口座長  ありがとうございました。貴重なご意見だと思います。どういうふうに取り扱うかと いうのはなかなか難しいところでございますが、ジェネリックのサイドからの要望とい うことで、この委員会でご発言があったというふうに理解させていただきたいと思いま す。どうもありがとうございました。  まだまだいろいろご質問、ご意見があると思いますが、流通改善の進捗状況等につい ていろいろご意見を踏まえて、ここに学識経験者としてご参加いただいております委員 からのご意見をいただきたいと思います。三村委員、お願いいたします。 ○三村委員  もともと民間企業同士、あるいは民間企業的経営されているところとの取引というこ とでありますので、こういったような形でどこまで改善が進むのかということについて、 1年前には少し疑問とか、あるいは一種の懐疑的な雰囲気も結構強かったという感じは あります。しかし、この1年間、厚労省、メーカー、卸、保険薬局など様々なところで 大変熱心な啓蒙啓発活動をしていただいておりまして、この9月の段階の結果からしま すと、相当に改善効果が出てきたと感じております。  だからこそということでもあるのですが、この後残りの半年間が大変大事であると。 つまり、やはり後から決めたほうが得をしたとか、あるいは、また価格修正みたいなの があるという話になりましたら、今までの1年間の努力がほとんど水泡に帰すというか、 無駄になってしまうということです。今回、まさにここまでようやく皆さんのご協力で 来られたということでありますので、ここでもう一踏ん張りしていただいて、少なくと も12月中にほぼ100%になるように。しかも、6月までに決めたところが基本的には得 をしたんだということが明確に出るような形にぜひお願いしたいと思います。    それから、先ほど改善という言葉ではなく改革という言葉をむしろ使うべきだという 卸連のほうのお話がありましたけれども、この1年間、私もいろいろ拝見しております と、関係者、厚労省を初めとして大変努力していただいております。しかし、その積み 上げの中でようやくここまで来たということであるわけなんですが、では、来年度また どうなるか。ここまで積み上げてきたことが来年また同じように、さらにもう一歩、二 歩、前に出られるかどうかということが、やはり今回の緊急提言が本物であったのか、 そうではなかったのかということの分岐点になると思いますので、ここで気を許さない で、来年度にかけてもう一層の改善のためのプログラムとか、あるいはそういった提言 をぜひお願いしたいと思います。  基本的にはやはり非常に難しいことを、よくここまで改善できたなという感じはして おります。ただ、先ほども何度もご意見ございましたように、大変経営が苦しい中でな かなか大変だということ、本当に事実だと思います。しかし逆に言えば、妥結を先に延 ばせば延ばすほど得にはならないんだと。そういう取引の慣行というか、取引条件にで きるだけ変えていくということを、ここで、はっきりと方針として打ち出していくとい うことが必要だと考えています。 ○嶋口座長  三村委員、どうもありがとうございました。   最後に、もう時間が来ましたので、医政局長のお話を伺いたいと思います。  外口局長、よろしくお願いいたします。 ○外口医政局長  委員の皆様には、本日も貴重なご意見、ご提言をいただきまして、誠にありがとうご ざいます。  医療用医薬品の流通改善につきましては、昨年おまとめいただきました緊急提言の趣 旨に沿って、関係者の方々によるきめ細かな取組が重ねられた結果、一定の成果を上げ ることができたのではないかと思っております。関係者の皆様のご努力に感謝をいたし ます。  しかしながら、調査結果でも示されておりますように、薬価基準改定後、6カ月を経 過しても妥結していない取引がまだ3割もある状況でございます。公的保険制度下にお ける取引の適正化という意味では、いまだ道半ばとも言えるところであります。流通改 善の成果は、これからの取組にかかっていると考えております。  緊急提言にも書かれておりますように、国としては今後も定期的に実情調査を行い、 必要に応じて調査結果に基づく指導を行うとともに、この懇談会にもご報告を申し上げ、 さらなる流通改善に向けた取組を行ってまいりたいと考えておりますので、委員の皆様 方には引き続きよろしくお願いいたします。 ○嶋口座長  どうも外口局長、ありがとうございました。  事務局からのいろいろなご説明であるとか、それから関係者の皆様方のご発言の中に もありましたように、この1年間、大分よい方向に全体が向かっているなという印象で ございます。個人的には、やればできるというのが私の率直な感想でして、決意を表明 して実行するという当たり前のこと、これが大変重要なのかなと思います。  9月末時点で、今、局長からもお話ございましたように、なお売り上げベースで約3 割が未妥結であるということもありますし、一次売差マイナスの状況についても、現在 もその改善に向けて取組が行われているところでございますが、さらにこの取引の透明 性や公平性を高めるという観点から、この後半に向けて一層の努力が必要と思います。  そういう意味で、流通当事者の皆様方におかれましても、今後ともこの流通の改善に 向けて積極的な取組をお願いしたいところでございます。  今、外口局長からお話がございましたように、厚生労働省としては今後も定期的なフ ォローアップを行って、この懇談会でその都度報告をしていただくということでござい ますので、その際にはより議論を深めて、この懇談会としてもさらなる流通改善に向け ての努力を推進していきたいと、そのように考えております。  それでは、時間がちょうど参りましたので、このあたりで終了させていただきたいと 思いますが、今後のスケジュールについて事務局のほうからご説明いただければありが たいと思います。 ○五十嵐首席流通指導官  今後のスケジュールについてご説明させていただきます。  本日報告いたしました妥結状況及び総価取引の状況につきましては、今後開催されま す中医協にご報告させていただくこととなっております。そういう観点から、今後中医 協への説明状況、また今後の流通改善の取組状況、フォローアップをさせていただいた 結果を踏まえて、次回の開催日程は未定でございますが、再度日程調整をさせていただ いた上で、流改懇を開催させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いい たします。 ○嶋口座長  それでは、以上全て今日の会合終わりでございます。  どうも委員の先生方、本当にありがとうございました。 (了)