08/10/23 第3回厚生科学審議会化学物質制度改正検討部会化学物質審査規制制度の見直しに関する専門委員会議事録 第3回厚生科学審議会化学物質制度改正検討部会化学物質審査規制制度の見直しに関す る専門委員会、第3回産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質管理企画小委員会、第 10回中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会 合同会合(第3回化審 法見直し合同委員会) 議 事 録 1.日時 平成20年10月23日(木)9:30〜12:00 2.場所 三田共用会議所 講堂(東京都港区三田2−1−8) 3.出席委員(五十音順) 浅田委員、有田委員、板倉委員、井上委員、内山委員、大塚委員、織委員、加藤委員、 神山委員、亀屋委員、奥村氏(河内委員代理)、北野委員、北村委員、吉川委員、小 出委員、豊田氏(後藤委員代理)、佐藤委員、実平委員、城内委員、白石委員、吉田 氏(関澤委員代理)、辰巳委員、徳永委員、中杉委員、中地委員、中西委員、新美委 員、西原委員、宮田委員、吉岡委員、若林委員 4.議題 (1)第2回化審法見直し合同委員会における指摘事項について (2)化学物質管理の在り方について (3)その他 5.配布資料  資料1 委員名簿  資料2 第2回化審法見直し合同委員会における指摘事項  資料3 化審法見直し合同委員会報告書(案)    参考資料1 第2回化審法見直し合同委員会議事要旨  参考資料2 第2回化審法見直し合同委員会議事録[委員のみ配布] ○福島課長(経産省)  時間になりましたので、始めさせていただきます。ただ いまから第3回化審法見直し合同委員会を開催させていただきたいと思います。  合同委員会の議事進行及び議事進行担当事務局につきましては、各審議会の委員 長及び関係3省庁による持ち回りとさせていただいておりますので、本日は産業構 造審議会の中西委員長に議事進行をお願いいたしたいと思っております。議事進行 の担当事務局は経済産業省が務めさせていただきます。  本日、いずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしておりますので、いずれも 成立していることをまずご報告させていただきます。  続きまして、資料の確認をさせていただきます。表紙、議事次第がございますけ れども、1枚めくっていただきまして、委員名簿を資料1として配布させていただ いています。1枚目に統合版、その下のほうに審議会ごとの委員名簿がついてござ います。資料2でございますけれども、第2回化審法見直し合同委員会における指 摘事項ということで、前回の委員会の指摘事項を書いたものがございます。資料3 でございますけれども、これは本日ご議論いただきたいと思っております化審法見 直し合同委員会報告書(案)になってございます。資料3の下に別紙1、別紙2、 別紙3というものがホチキスでとまっております。これは資料3の報告書の中の資 料だということでございます。  その次に参考資料1でございます。非常に長くなっておりますけれども、第2回 化審法見直し合同委員会、8月末に開催しましたものの議事要旨でございます。参 考資料2ですけれども、第2回化審法見直し合同委員会の議事録の詳細版になって おります。議事録につきましては委員のみということで席上配布しております。ホ ームページには既に掲載されているということになっております。資料の不足等が ありましたら、ご連絡をしていただきたいと思っております。  それでは、以後の議事進行を中西委員長にお願いしたいと思っております。中西 先生、よろしくお願いいたします。 ○中西委員長  おはようございます。中西です。今日、座長を務めさせていただ きます。非常に大きな化審法の改正の最後の委員会ということで、順番とはいえ、 座長をさせていただくことになりましたことを大変誇りに思っております。どうぞ よろしくお願いいたします。  本日はお忙しいところありがとうございます。それから、傍聴の方も大勢来てい ただきましてありがとうございます。  それでは、始めさせていただきます。  初めに、本日の会議の公開の是非についてお諮りしたいと思います。各審議会の 公開につきましては、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼ すおそれがある場合、または特定なものに不当な利益若しくは不利益をもたらすお それがある場合は非公開とするとなっておりますが、今回はこの条件には該当しな いと考えますので、公開としたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (「異議なし」の声あり)  では、そのようにさせていただきます。本日の会議は公開といたします。  なお、公開の会議の議事録は後日ホームページ等で公開されますので、あらかじ めご承知おきをお願いいたします。  また、カメラ撮影はここまでとさせていただきますので、以後の撮影はご遠慮い ただきたいと思います。  それでは、本論に入りたいと思います。  まず議題1の「第2回化審法見直し合同委員会における指摘事項について」とい うことです。事務局から資料の説明をお願いいたします。 ○田中専門官(厚労省)  お手元の資料2をご覧ください。第2回化審法見直し 合同委員会における指摘事項をまとめている資料でございます。5つの項目に分け て記載しておりまして、かいつまんでご説明いたします。  まず1つ目でございますが、WSSD目標を踏まえた化学物質の管理と化学物質 の上市後のリスク評価体制の構築についてということでございます。○の2つ目で ございますが、一定数量以上の化学物質の製造・輸入数量等を定期的に届け出ると いう方向性は賛成だと。詳細は行政サイドに任せてよいのではないか。その2つ下 になりますけれども、ハザードに関する情報については、事業者から情報のみでは なく、国がある程度関与する仕組みを考えてほしい。その3つ下、下から5つ目に なりますけれども、優先評価化学物質のリスク評価や、CMR物質のような高懸念 物質の取扱いについては、2020年までといわず、できる限り短期間で対応できるよ うに、具体的な数値やスケジュールを検討することが必要だと。その次でございま すけれども、化学物質のグランドデザインをつくるべきというご意見がございまし た。その2つ下、下から2つ目になりますけれども、情報提供の義務づけという点 について、規制的措置と自主的取組をどのように組み合わせてリスク評価を進めて いくのか示してほしい。  次のページに移ります。一番上の○でございますが、国がリスク評価をする際に は、データの信頼性をどのように担保するのかがわかりにくい。その次でございま すが、収集された用途情報等のデータは、消費者ばく露の政策にも活用してほしい。 3つ目でございますが、定期的に行われるリスク評価には、モニタリングデータな どの知見の充実に応じて、再評価されるシステムが必要。次でございますが、事業 者の自主的取組を効率的にいかす仕組みが重要。  2つ目の項目になりますけれども、こちらは新規化学物質の事前審査制度の高度 化ということにつきまして、主にポリマー、QSAR、少量新規についてのご意見 をいただいております。4つ目の○になりますけれども、少量新規の申出について、 ナノ粒子など安全性が不明確なものへの対応が必要ではないか。また、申出者が例 えば10社になったときは、何らかの行政指導が必要である。  3つ目の項目でございますが、厳格なリスク管理措置等の対象となる物質の扱い について、こちらは主にエッセンシャルユースについてのご意見でございます。1 つ目の○でございますが、エッセンシャルユースを認めることについては現実的と いうことですが、特に環境放出の面で厳格な管理を行うことは必要。次でございま すが、エッセンシャルユースはやむを得ない措置として認めるだけではなくて、将 来的には代替化するなどの条件を課すべき。3つ目でございますが、廃棄面での影 響が生じる可能性があるので、安易な運用は避けるべき。次のページに移りますが、 3ページの上から2つ目、エッセンシャルユースとして使用が認められた化学物質 が、消費者が直接触れるような製品に含有されている場合には、注意を喚起するよ うな配慮が必要。  4つ目の項目に移りますが、こちらは2020年に向けたスケジュールと官民の役割 分担などということでございまして、2つ目の○でございますが、国際的なデータ ベース等の基盤整備に早急に着手する必要がある。その次ですが、ナノマテリアル については、科学的な結論が得られた段階でどのように新規の規制をかけていくか 検討することが望ましい。その次でございますが、情報提供や情報公開に当たって は、企業の知的財産保護も重要だが、法益による段階的な情報提供のやり方もある。 下から3つ目の○になりますけれども、データベースを整備しても、消費者がそれ をみるとは限らない。GHS表示を対象製品につけるということも一案。その次で ございますけれども、化審法のデータベースの整備には、国内の他法令のデータも 一元化することも考えるべき。  ページをおめくりいただきまして、一番最後のページになりますけれども、2つ 目の○、ハザードデータ収集においては、規制と同時に情報を収集した事業者にイ ンセンティブを与える仕組みが必要。その2つ下、2020年までの年数を考慮すると、 事業者の自主的な取組に頼るのではなく、スケジュールに照らして法的規制を行う 必要性についても検討が必要ではないかというご意見をいただいております。  最後でございますが、全般に関する内容といたしまして、1つ目の○でございま すが、環境省の環境実態調査もうまく活用するシステムを検討してほしい。最後に なりますけれども、既存化学物質のうち、製造・輸入の実態がないもの及び化学構 造がわからないものについては、新規化学物質として扱うなど、既存化学物質の名 簿の見直しが必要ではないか。こういったご意見をいただいております。  駆け足になりましたが、以上でございます。 ○中西委員長  どうもありがとうございました。ただいまの事務局からの説明に ついて、ご意見とかご質問などがありましたら、ネームプレートを立ててお知らせ ください。なお、議論につきましては後ほど時間をとりますので、ここでは事実関 係の確認、書き方が不十分とか、そのような部分について質疑をしたいと思います。 お願いいたします。  では、ご意見がないようであれば、議題の1は終了させていただきまして、次に 議題の2に移りたいと思います。議題2は、本日の本題でございますけれども、「化 学物質管理の在り方について」に移りたいと思います。まず事務局から資料3、化 審法見直し合同委員会報告書(案)について説明をお願いいたします。 ○戸田室長(環境省)  それでは、資料3の化審法見直し合同委員会報告書 (案)について、手短にご説明させていただきます。非常に長いものでございます ので、細部にわたって説明をしておりますと時間がかかってしまうものですから、 重要な部分に限らせていただくと思いますけれども、よろしくお願いいたします。  資料3につきましては、前回ご議論いただきました骨子案につきまして、先ほど 事務局からご説明いたしましたように、いろいろ議論があったわけでございます。 こういった議論を踏まえて、骨子案の中である程度方向性が出ていたもので了承さ れたものについてはそのような書き方がしてありますし、骨子案で論点を示して、 前回ご議論いただいて、大体の方向性が出たものについてはそのような書き方をし ております。ただし、前回、議論が十分できなかったものについては、ある程度両 論併記で、今後の課題という書き方をしているところもございますので、そういう ものとしてご覧いただければと思います。  それでは、1ページ目から7ページ目までは、検討の背景及び化審法の施行状況 ということで、背景の部分でございますので、ごく簡単に流させていただきます。 まず1ページの第2段落ですけれども、化学物質はさまざまな法律によって規制さ れておりまして、その中で化審法は、化学工業品、化学品と呼ばれる化学物質を対 象として、環境を経由した長期的な影響を及ぼすことの防止を目的としているとい うことで、第3段落以降に、昭和48年の化審法制定、その後、2ページになります けれども、昭和61年、平成15年の改正等の動きについてご紹介をしております。  続きまして、2ページの(2)、化学物質管理の世界的な進展ということですけれど も、1992年の地球サミット、2002年のヨハネスブルグサミット等の世界的な動きの 中で、5行目からになりますが、「予防的取組方法に留意しつつ、透明性のある科学 的根拠に基づくリスク評価手順とリスク管理手順を用いて、化学物質が人の健康と 環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産されることを2020年ま でに達成する」という、世界的なWSSD目標について記載してございます。  こういったことを受けまして3ページになりますけれども、分類表示のGHSで ありますとか、POPs条約、またOECDの取組といったようなことがレビュー されておりまして、3ページの第3段落ですが、欧州におけるREACHにおいて は、2018年までに一定量を超えて上市されたすべての化学物質の登録を完了する。 また、米国においても、有害物質規制法の運用に加えて、中生産量の化学物質の安 全性評価等の取組を進めているということで、世界的に2020年というものを意識し た取組が進んでいるということを記載してございます。  (3)の各国の化学物質管理制度におけるリスク評価の位置づけということで、これ は各国におきます技術的な事項がいくつか書いてあるわけでございますけれども、 4ページの第3段落で、世界的にもリスク評価の手法に関する科学的知見の蓄積が 進み、リスクの総合的な評価・管理に重点が移りつつある状況にあるということを 書いてございます。  5ページの(4)でございますが、新規化学物質事前審査制度の国際的動向というこ とで、米国、カナダ、オーストラリア等におきます新規化学物質の事前審査制度に ついてレビューをしているところであります。  こういったことを受けまして、6ページの(5)、2020年に向けた取組ということで すけれども、2行目あたりですが、各国ごとの実情を踏まえながらも国際的な共通 目標に向かって調和的な対応を進める大きな流れが形づくられつつあるということ で、次の段落の冒頭にございますように、WSSD目標の達成といった基本的な方 向性を頭に入れるべきであるということを書いてございます。  これを受けまして、7ページからIIの2020年に向けた化審法の新体系ということ で、具体的な見直し事項でございます。まず最初に1.といたしまして、先ほどか ら申し上げておりますWSSD目標の世界的な目標を踏まえた化学物質管理という ことで、これを化審法的な言い方をしますとどうなるかということで、5行目にな りますけれども、2020年までに我が国で化学工業品として製造・輸入又は使用され ている化学物質のリスクを評価し、リスクの程度に応じた管理を実現することを目 指すべきである。化審法としてはこのような対応になるだろうということでありま して、こういった考え方に基づいて3つの点、化学物質の上市後の状況を踏まえた リスク評価体系の構築、2点目といたしまして新規化学物質事前審査制度の高度化、 3点目といたしましてリスク管理、こういったことについて、2.以降に書いてい るところでございます。  まず最初の化学物質の上市後の状況を踏まえたリスク評価体系の構築というとこ ろでございますけれども、最初の数段落は総論的なことが書いてございまして、具 体的なところは8ページの2行目からになりますが、ここに基本的な考え方を書い ております。化審法における規制措置の判断のためのリスク評価は、国が責任をも って行い、そのための情報収集は基本的には事業者が行うということが、化審法に おけるリスク評価の基本的な考え方ということでありまして、そのために3行目か らですけれども、上市後のすべての化学物質を対象として、まず基本的なばく露関 連情報を収集し、それに応じたハザード情報の収集を進めて、基本的にすべての上 市された化学物質をリスクに着目した評価の対象とする体系へと転換するというこ とで、具体的なイメージについては別紙2ということになっています。  別紙は別とじにしておりまして、別とじの資料をめくっていただきますと、スキ ーム図が出てくるわけですけれども、これは前回の骨子案に添付した図を、ご議論 を踏まえまして若干修正したものでございます。大きな修正点といたしましては、 前回の資料ではスクリーニング評価というものが、1次リスク評価、次に2次、3 次というリスク評価の体系を示していたわけですけれども、最初のスクリーニング 的なものについては、まだ有害性の情報がはっきりしていない場合が多いというこ とで、この段階ではまだスクリーニング評価と呼んだほうがいいのではないかとい うこと。さらに、各段階でのリスク評価、スクリーニング評価において、どういう ばく露や有害性に関する情報を使うのかということをある程度詳しく書き込んだも のが、別紙2の新たなスキーム図でございます。  それでは、資料3本体に戻っていきまして、8ページからですけれども、こうい ったリスク評価体系を実現するための、法的にはどういう見直し事項があるかとい うことを書いたのが(1)以降でございます。まず最初の改正事項として、化学物質の 上市後のばく露状況を把握する仕組みの構築ということであります。最初の段落で、 4行目あたりですけれども、ハザード評価が十分になされないまま使用されている 既存化学物質が市場に多く存在するというようなことが問題意識として書かれてお りまして、その段落の最後ですけれども、すべての化学物質について、最初から一 律にハザード情報を収集し、詳細なリスク評価を行うことは、迅速性・効率性の観 点から合理的でなく、スクリーニングを行っていくということが基本的な方向性で あるということであります。  まず重要な制度の改正点といたしまして、9ページの1行目からになりますけれ ども、まずは一定数量以上の化学物質を製造・輸入する事業者に対し、定期的に、 その製造・輸入数量等を国に届け出させる制度を創設するということで、その届出 に当たっては、用途情報の届出も求めるというのが第1の見直しの点でございます。  次の具体的な点といたしましては、(2)、リスク評価の実施における優先順位等の 判断ということで、こういった情報をもとにスクリーニング評価を行って、優先評 価化学物質を指定し、公表していく。この優先評価化学物質というのはどういう位 置づけかと申しますと、(2)の3行目になりますけれども、リスクが十分に低いとは 判断できず、更にリスク評価を行う必要があるものという位置づけでございまして、 情報が得られずに判断できないというものについては、安全側の判断をして、優先 評価化学物質にまずは入れるということであります。その辺の手続は次の段落以降 に書いてございます。第2段落目ですけれども、既に一定のハザード情報が得られ ている化学物質については、想定されるリスクの程度についての判断を行う。その 同じ段落の下から4行目からですけれども、他方、既存化学物質のうち、必要なハ ザード情報が不足している物質については、一定以上のばく露が想定される場合に はリスクが十分に低いと判断できないとしまして、優先評価化学物質に指定すると いう安全側の判断をとるということでございます。こういった優先評価化学物質を 定期的に見直すべきであるということが次の段落に書いてございます。  10ページに行きまして、3行目からですけれども、こういった措置を導入するに 伴いまして、現行の第二種、第三種監視化学物質というものは、優先評価化学物質 という概念に発展的に統合されているということで、発展的に廃止する。ただし、 第一種監視化学物質については、後ほど具体的な措置を述べますので、引き続き維 持をするということになります。  次の段落におきましては、ハザード情報の公開ということでありまして、国が行 ったハザード情報の収集、Japanチャレンジプログラム等によって、事業者が自主的 に収集した情報、また新規化学物質の公示に併せて、審査のために使った情報の概 要といったものは公開すべきであるということが書かれてございます。  (3)のリスク評価の実施と情報収集への事業者の協力でございますけれども、優先 評価化学物質に指定されたものについてどうするかということがここに書かれてご ざいます。まずは第1段落の最後ですけれども、一定の法的な関与のもとで、ハザ ード情報、詳細用途情報等の収集を進めていくということでありまして、事業者に 対して、次の段落ですが、OECDのSIDS(スクリーニング・インフォメーシ ョン・データ・セット)の必須項目を基本とした情報の提出を求めるということで あります。こういったことのために、まずは現行の有害性報告の制度の拡充につい て検討するということでございますし、また11ページになりますけれども、さらに 長期的な試験データを用いた更なるリスク評価を実施すべきという場合には、現行 の有害性調査指示と同様の法的な命令をかけて、有害性情報を提出させるという強 制的な措置を最後には盛り込むべきであるということで、まずは事業者の責任に基 づく提出を求めつつ、最後には命令に基づく提出要求があるという仕組みを提言し てございます。  ここまでが大きなスキームでございますけれども、いくつかの留意事項につきま して(4)以降に書いてございます。まず(4)の上市後のリスク評価における環境中への 残留性の考慮ということでございますけれども、難分解性の性状を有さない化学物 質についても化審法で措置を行うべきであるというような議論があった一方で、他 方、良分解性物質については、他法令による排出段階での対応も可能であって、化 審法の制定や運用経緯にかんがみて慎重にすべきというような意見もあったという ことで、この点につきましては、両論併記的な書き方にしておりますが、さらに国 は化審法で措置を行うことが適切かどうか、引き続き検討すべきという書き方にし ております。  次、(5)でございますけれども、リスク評価のための手法の充実の情報伝達という ことで、まず手法の充実でございますが、PRTRデータや環境モニタリングデー タを積極的に活用すべきであって、特にPRTRデータについて、12ページの冒頭 になりますけれども、2つの法律の対象物質の整合化を進めていくことも必要とい うことでございます。  次の段落は、こういったリスクの判断基準はしっかり明示して、透明性を高めた 判断をしていくべきであるということでございます。  次に、情報提供につきましては、12ページの第3段落におきまして、化学物質の 安全性情報を川上事業者から川下事業者へと着実に提供していくことが不可欠であ るということが書いておりまして、さらにGHSにつきましては、この段落の最後 ですけれども、その取り扱う化学物質について、事業者がみずからGHS分類を行 って、有害性が一定以上あると分類される場合には、情報伝達を行うよう努めるべ きである。これは、昨年夏の中間報告にもこのようなことが書いてあるところです けれども、再度の確認をしているということであります。  ここまでがリスク評価体系ということでありまして、次に第2点といたしまして、 新規化学物質事前審査制度の高度化ということであります。最初の段落にございま すように、化審法の新規化学物質事前審査制度は、現在に至るまで有効に機能して きたという評価をした上で、13ページの第3段落でございますけれども、新規化学 物質の評価(審査)において、リスクの観点を効果的に組み込んでいくべきである ということでございます。  具体的な措置といたしまして、(1)以降に書いてあるわけです。ちょっと先を急ぎ ますけれども、14ページの第2段落に具体的な措置が書いてあります。新規化学物 質についても、上市前に審査を行う仕組みは維持しつつ、上市後に想定される製造 ・輸入数量と予定用途を踏まえたスクリーニング評価を行って、優先評価化学物質 としての分類の判断をすべきであるということでありまして、そういった判断をす るに当たっては、既存化学物質においても、先ほどご説明いたしましたように、ハ ザード情報がある場合にはリスクの判断を行うということですので、こういった判 断は同じ基準で行うべきであるということであります。  続きまして、(2)の審査済み化学物質の名称公示の在り方でございますけれども、 これにつきましてはいろいろご議論があったものの、確定的な方向性は今回の議論 ではなかなか出なかったかなというところがございますので、15ページの最初の段 落の最後ですが、引き続き実態を踏まえた評価・検討が必要であるという結論にし ております。  次に(3)のQSAR構造活性相関やカテゴリーアプローチの活用ということでござ いますが、第2段落にありますように、基本的に既存化学物質のハザード評価に適 用すると同時に、新規化学物質についても試験データを補完するといったような使 い方が可能であるという評価をしているところであります。  (4)の少量新規化学物質につきましては、16ページの第2段落の4行目からでござ いますけれども、少量新規化学物質確認制度については、事業者単位(年間1社1 トンまで)で確認を行うことを基本としつつ、重複が生じる場合にはリスクの判断 を行うということを書いてございます。  (5)の低懸念ポリマーの確認制度でありますけれども、これにつきましてもいろい ろご議論があったわけでございますが、第2段落です。低懸念ポリマーに関する判 断基準をつくって、それに適合するかどうかの確認を行うことにより、ハザードデ ータに基づく審査を不要とすべきである。そういった制度をつくりつつ、これに合 致しないものについては、現在の高分子フロースキームについても試験方法として 残すことを検討すべきであるということを結論としております。  続きまして、17ページのリスク管理についてでございますけれども、3点ござい ます。まずは第一種特定化学物質に関する国際整合化ということでありますけれど も、第2段落で、POPs条約において新たに化学物質が条約に追加されていくと いう動きがあるということで、こういった新たな追加物質については、代替不可能 な用途を一定の条件下で例外的に許容しつつ、追加が行われるということがござい ますので、このようなエッセンシャルユースについては、環境中への放出などが厳 格に管理されているといった一定の条件のもとで許容できるようにすべきであると 同時に、この段落の最後でございますが、当然ながら代替化や低減化に向けた取組 を担保できるようにしておくべきであるということであります。  18ページに移りまして、こういったエッセンシャルユースを認める場合には、情 報伝達義務を導入すべきであるということが書いてございます。  次に、(2)の第一種監視化学物質でございます。これは難分解性・高蓄積性の性状 を有するけれども、長期毒性については明らかでないというものについては、予防 的措置として化審法に位置づけられているわけでございます。これにつきましては、 第2段落にございますように、製造等の制限を行わないまでも、環境への放出量を 必要最小限にとどめ、環境の汚染を未然に防止することが望ましいということがご ざいます。こういったことから、最後の段落の4行目でございますけれども、第一 種監視化学物質についても情報伝達を行わせる制度を導入すべきであるという提言 としております。  19ページの(3)のリスクが高いと懸念される化学物質に関するリスク低減措置、こ れは第二種特定化学物質制度を活用するということで、第2段落になりますけれど も、リスクが高いと評価された化学物質を第二種特定化学物質に指定するというこ とで、製造・輸入制限、取扱いの適正化、安全性情報の確実な伝達という現行化審 法の措置を活用すべきであるということと同時に、同じ段落の4行目から加えてと ありますが、第二種特定化学物質が使用されている製品についても、リスク管理措 置を求めることとすべきであるということであります。さらに、情報提供措置につ いては現行の表示制度を含めて、情報の伝達が着実に行われる措置を引き続き継続 すべきであるということにしております。  なお、19ページの第4段落になりますけれども、優先評価化学物質についても、 情報伝達義務を導入すべきという議論があったわけでございますが、優先評価化学 物質についてはリスク評価の結果が未定の状態であるといった事情もございますの で、これについては義務を導入すべきか、引き続き検討するという結論でございま す。  ここまでが制度の見直し事項でございますけれども、IIIといたしまして、こうい った新制度をどのように運用していくのかというスケジュール的なことを書いてご ざいます。(1)の新制度の構築による化学物質管理体系の提示ということで、どのよ うなスケジュールで上市後の化学物質等のリスク評価に進むことになるのかという ことにつきましては、20ページの第2段落でございますけれども、原則として新制 度運用開始から1年を経た後に製造・輸入量の把握を行っていく。さらに、スクリ ーニング評価、リスク評価といったものを進めていくということになります。こう いったものを進めるに当たっては、第4段落、最後の段落になりますけれども、4 行目あたりからでございますが、高生産量の化学物質については、Japanチャレンジ プログラムで形成された仕組みを十分に活かして、関係事業者による協力を最大限 求めていく。中生産量及び低生産量の化学物質については、迅速なリスク評価の確 保のため、国も積極的にデータ収集の役割を担うということで、もちろん事業者が 責任をもって行うということが基本でございますけれども、国の関与も積極的に行 うべきであるということでありまして、こういった取組により、21ページの最初に ございますが、2020年までにすべての対応を完了することを目指すということであ ります。  第3段落でございますけれども、費用効果分析について述べてございます。これ は、政策評価法の施行令が平成19年に改正されまして、規制の新設、改廃において は、規制影響評価をしなければいけないということになりました。これにつきまし ては、法案提出の段階でどのようなものをつくるかということにつきましては、更 に関係省庁で検討する必要がございますが、そのための材料といたしまして、今回 提言されておりますような制度を導入した場合の影響評価を別紙3として書いてご ざいます。詳細についてはここではご説明はいたしませんけれども、どういうこと が書いてあるかといいますと、ここで提言されているようなスクリーニング型の手 法を用いた場合と、REACHにおきますように、原則としてすべての化学物質に ついて、単純に生産量によってデータ要求を決めるという網羅的な手法をとった場 合のコストと効果の比較をしたものでございます。  資料3に戻りまして、21ページでございますけれども、(2)の化学物質管理に関す る情報提供・公開の在り方及び(3)の情報基盤の在り方でございます。まずハザード 情報については積極的に公開していくべきであるということと同時に、(2)の第2段 落でございますけれども、化学物質の安全性情報をどのように消費者にわかりやす く伝えるかについては、GHSの活用を含めて、今後とも検討していくべきである ということでございます。  次に22ページでございますけれども、情報提供の基盤につきましては、我が国で も化審法データベース、J−CHECKというものが最近稼働したところですが、 こういったものを含めて、消費者への情報伝達のためにも、閲覧者にとってわかり やすい仕組みづくりが重要であることから、こういったものの内容を充実していく と同時に、GHSの分類情報などの集約・蓄積も進めるということが第2段落まで に書いてございます。  次の第3段落でございますけれども、最後の部分ですが、収集されたデータは化 審法で使うだけではなくて、いろいろな化学物質の管理制度において活用すべきで あるというような議論もございますので、化審法新制度において収集される安全性 情報等について、他法令に関連する部分を関係部局に提供するといった対応によっ て、化学物質管理に係る情報の有効利用と法律の相互連携を更に高めていくという ことが期待されるという書き方をしているところでございます。  最後、今後の課題でございますけれども、2つございます。1つはナノマテリア ルについてですけれども、これにつきましてはいろいろご議論をいただいておりま すが、実際の具体的な措置を決めるに当たっては、更に個別の検討が必要であると いうことでございまして、23ページの第2段落にございますように、OECDにお ける検討や、また厚生労働省、環境省における検討といったものが進んでおります ので、こういったところにおいて対応策について引き続き検討していって、必要で あれば措置を導入するということになっているところでございます。  最後でございますけれども、化審法を含む多くの法制度によって化学物質管理が なされる状況がございまして、これが国民にとってわかりにくいという指摘がある わけでございますが、今次の見直し内容も含めて、事業者、国民にわかりやすく説 明していくことがまず求められているということでございます。さらに一部の委員 から、総合化学物質管理法制について意見が出されたということでありまして、特 にこれは記載しておくべきであるとご指摘があったものですから、最後に記載して いるということでございます。  長くなってしまいましたけれども、以上でございます。 ○中西委員長  どうもありがとうございました。では、ただいまご説明いただき ましたが、報告書全体を一挙に説明していただきましたので、ちょっと長いですが、 項目を区切って議論を進めさせていただきたいと思います。  まず最初に「I.検討の背景及び化審法の施行状況」についてというところで、 ご意見とかご質問がございましたら、どうぞお願いいたします。――北野先生のこ とをいわれていたのに忘れていました。北野先生はご用があって、先に退出される ということで、ここでご意見を伺っておこうと思います。よろしくお願いします。 すみませんでした。 ○北野委員  いつもわがままをいって本当に申しわけありません。10時半過ぎに 出ないといけないものですから、私の意見を述べさせていただきます。  私は今までこの委員会において持論として、化学物質の安全管理は事前審査と事 後管理を組み合わせる。そして、規制と自主管理を組み合わせる。規制と自主管理 というのは、別の言い方をすれば、官民の協力という見方もできると思うのですが、 この2つの考え方が今回の報告書にうまく組み込んでいただいたなと思っておりま す。そして、全体の流れとして、ハザード管理からリスク管理という流れの中で、 第一種監視化学物質については、ハザードだけでみていくといいますか、第一種監 視化学物質制度が残されているということで、1つの予防原則みたいなものがここ に取り込まれたのではないかと私は思っております。アスベストの教訓もあります ように、ハザードが大きいもの、第一種監視化学物質については、別途監視してい くというのは非常に結構だと思っております。  先週、POPsの委員会がございまして、エッセンシャルユースについていろい ろ議論してきたのですが、世界的な状況を踏まえて、化審法においてもエッセンシ ャルユースを認めていく。ただ、ここにありますように、厳格な管理を求めていく と同時に、代替品の開発を促進する。それがついていますので、POPsの委員を している私としても大変感謝しております。  高分子についても、今まで多くの知見が出てきました。PLCについては知見を いかしていくということで、これも事業者に過分な負担をお願いしないですむのか なと思っております。  今後の課題としてナノマテリアルですが、これについては、私自身も今すぐ規制 というのは難しいと思いますので、報告書(案)にありますように、もう少し状況 をみて考えていくべきだろうと思っております。  また、両論併記がありました良分解性のものでも環境に出てくるのはどうするか とか、名称公示、この辺についてもなかなか難しいところなのですけれども、私自 身は化審法にすべてのものをお願いするというのは無理ではないかと。ほかの法律 と一緒にしながら、化学物質全体を当面は管理していくのがいいのではないかとい う意見をもっております。  そんなところで、私としては自分のいいたいこと、思ったことを報告書にうまく 取り込んでいただいて感謝しておりますが、余計なお世話ですけれども、ぜひ事務 局も体制を整備されて、この報告書の趣旨がうまくいかされるよう、その辺もこれ から大変でしょうけれども、ご検討をお願いしたいと思います。化審法ができて35 年ですか、新しい出発、門出については、私は個人的にはお祝いを申し上げたいと 思っています。どうもありがとうございました。 ○中西委員長  どうもありがとうございました。本来ならば、この会議の最後に まとめでご意見をいただきたいところですけれども、大局に立ったご意見をありが とうございます。  それでは、議論に移りたいと思います。まず最初にIの「検討の背景及び化審法 の施行状況」についてということで、資料3の7ページの上のほうまでの範囲でご 意見、ご質問がありましたらお願いいたします。神山委員、どうぞ。 ○神山委員  (1)の第2段落に、化審法以外の、そのほかの法律の説明がここに書 いてあります。このような法律で規制されているということと、それぞれの法律に おいて担保されていると書いてあるのです。建前として担保されることになってい ることは間違いないと思いますけれども、それぞれの法律で、例えば有害物質含有 家庭用品の規制に関する法律などの不備というようなことの指摘もされていますの で、ここで担保されているとまで言い切っていいのかというところが、懸念がある ように思います。 ○中西委員長  わかりました。ほかにご意見ございますでしょうか。どうぞ、中 地委員。 ○中地委員  2点ありまして、1点は5ページの1番目の段落のところで、既存 化学物質の安全性点検の促進が課題とされており、国による安全性点検に加え、 Japanチャレンジプログラムが官民協力による取組として進められているところであ ると書いてあるのですけれども、Japanチャレンジプログラムについては総括的なと りまとめをされているので、その辺をもう少し書き込んだほうが、Japanチャレンジ プログラムがどこまで進んでいるのかというのを示しておいたほうがいいのではな いかと思います。  それが1点と、6ページの2020年に向けた取組のところで、SAICMの国内実 施計画がまだできていなくて、今後の課題であるということも書き加えておくべき ではないでしょうか。  以上です。 ○中西委員長  ほかにご意見ございますでしょうか。――それでは、時間があれ なので、これで次の議題に移りますが、今伺ったご意見については、事務局のほう で書き方について検討していただく。この本文の報告の中に入れられない場合には、 何らかの形でそういうご意見があったということもきちんと記録していただくとい うことでお願いしたいと思います。  それでは、その次の2番目のセクションに移りたいと思います。「2.化学物質の 上市後の状況を踏まえたリスク評価体系の構築」についてという部分は、まさに評 価体系の本文に近いところです。12ページまでのところになります。3の前までに ついてご意見ございましたら、ぜひお願いします。どうぞ、西原先生。 ○西原委員  ハザードベースからリスクベースということをいっていて、環境放 出について最小限にするようにというような表現がたくさんあるのですが、今まで 私もこういう言葉をいっていいのかどうか、いっていないと思うのです。用途変更 をした場合、数量の届出とか、それは非常に何回も具体的に書いているのですけれ ども、いわゆる用途制限するというようなところを加えていただきたいと思います。 それによって、環境中の放出量が全然変わってきますし、別の用途に使うようにな った場合は、新たにもう一遍リスク評価をやり直すというような形になると思いま す。 ○中西委員長  後で事務局からお答えいただけると思うので、ほかにご意見、ご 質問などございませんでしょうか。大塚委員、どうぞ。 ○大塚委員  報告書の修正とかいうことではないですけれども、11ページのとこ ろで、先ほど北野委員からも関連するご発言がありましたが、良分解性の物質につ いて、EUでも高懸念物質として挙げられているものが出てきておりますので、生 態系との関係でも問題があり得ると思いますので、ぜひ引き続きご検討いただきた いと思います。特に第二種とかの特定化学物質にするということはないと思います が、良分解性についてもリスク評価をしなければいけない物質はあると思いますの で、その観点を含めて引き続きご検討いただきたいと思います。  以上でございます。 ○中西委員長  ありがとうございます。ほかにご意見ございますでしょうか。実 平委員、どうぞ。 ○実平委員  まず10ページ、リスク評価の実施と情報収集への事業者の協力とい うところでありますけれども、用途情報等のばく露関連情報については、必要に応 じて提供していきたいと考えているわけでありますが、当然ながらMSDS等によ って調剤中の当該物質の情報伝達がなされるということが大前提であります。そこ がきっちりと担保されないと、どのように使っているかということも出せないとい うことでありますので、川上からの情報伝達の重要性を強調しておきたいと思いま す。  それから、これは質問になるのですけれども、10ページには詳細用途情報と書い てありまして、9ページのところの上から6行目のところの用途情報、これは55の 分類等々を書いていらっしゃると思いますが、詳細用途情報との違いのイメージみ たいなものを後でお願いしたいと思います。  もう1点は、11ページの(5)のところ、適切なリスク評価のための手法の充実及び 情報提供等々ということでありまして、優先評価化学物質とPRTRの対象物質の 整合化ということが書いてございます。これは非常に望ましい方向だなと認識をし ています。できればPRTR対象物質の内数として優先評価化学物質があるという 形になれば、将来的かもしれませんけれども、PRTRの届出データがばく露情報 として十分生きていくということではないかと考えます。我々としても毎年、PR TRの情報提供をやっているわけでありますけれども、このデータが十分に活用さ れるということはインセンティブにもなりますので、ぜひそのようなことをお願い したいと思います。 ○中西委員長  今のご意見は、PRTRの対象物質よりも優先評価化学物質の数 のほうがずっと少ないという前提でお話しされていますか? ○実平委員  そうですね。実際は違うのですけれども、二監、三監をいうと1,000 物質ぐらいあって、かたやPRTRは354ということで違いはあるのですが、将来的 なイメージです。特に申し上げたいのは、PRTRの情報を十分活用いただくべく 制度設計をお願いしたいということです。当然、両者の物質選定のクライテリア等 々が違ったりするので、その辺の整合化も含めると、かなり難題かもしれませんけ れども、意見として申し上げておきます。 ○中西委員長  わかりました。ありがとうございます。ほかにご意見。若林委員、 どうぞ。 ○若林委員  これは化学物質そのものだけではなくて、製品に含まれるものにつ いても入っているわけですよね。それで、化学物質そのものでも、先進国同士の輸 出入の場合には何が入っているかとか、そういうことがしっかりしていると思うし、 場合によったらバックデータももらえると思うのですけれども、今、開発途上国か らおもちゃとか食品とか、いろいろなものが入ってきますよね。そういう製品の中 に含まれているものについては、この法律では関与しないのか、するのか。すると したらどうやって、少なくともスクリーニングぐらいはかけていくのかということ をお教え願いたいと思います。 ○中西委員長  それは後ほど事務局のほうからお答えをしていただきます。井上 委員、どうぞ。 ○井上委員  ハザード情報の取扱い、あるいは入手法の面から一言申し上げます。 今回の議論は、ハザードから出発してリスク評価をするという方向を転換して、ば く露を加味したリスク評価中心に進めるということでやっているわけですけれども、 ハザード情報のスクリーニング部分の辺のお手伝いを中心にしてきた者として、こ のまとめに注意して記載していただきたいことがあります。それは、既存化学物質 が中心なのですけれども、これまで「既存」では、化審法のスキーム上ではハザー ド情報をそれなりのスキームの中で手に入れて、リスク評価を継続的に進めるとい うことでした。しかしながら、これは外圧等で問題になる物質以外は、一特に指定 するとか、そういったことも稀でした。今回の「既存」の扱いでは、例えば優先評 価化学物質というようなものをつくる必要があるということが強調されてはいるの ですけれども、それの発議は、結局、一定以上のばく露が想定される場合であり、 リスクが十分に低いと、ハザードは判断できない場合があり得る。要するに、ばく 露情報ありきということで、ばく露情報で問題なければ、ハザードの情報はどんな になくても基本的に、そうは書いていないのですけれども、強調するということも 書いてあるのですが、実際にはこれまで以上に格段にハザードについて、「既存」で はますます重視されないという流れになっていると読めます。  ところが、ハザードを検討する立場からしますと、28日間毒性試験とはいえ、ス クリーニングで行っているものでも、そこから長期毒性が予想されるものがあった り、ハザード研究はハザード研究で独自的に人体に対する影響というものを分析す ることができる学問なものですから、そこには発展性があるわけです。人に対する 長期毒性はよく検討してみると「ない」とか、「予想以上の長期毒性がある」とか、 これがいわば、これまでむしろ化審法の外から問題になって、慌てて一特指定をし たりなどしてきたわけです。そういうことがありますから、「既存」については情報 提供であるとか、ばく露本位であるとか、そういったものだけではなく、今朝ほど の指摘事項の中にあったように、ハザード情報については、事業者の情報のみでは なく、国も関与の仕方を検討するとか、現在ある不十分なハザードもプライオリタ イゼーションの要素に加えてデータを創成していくということが必要だということ だと思います。これは各論的なことではなくて、かなり総論的なことなものですか ら、ここで申し上げます。  以上です。 ○中西委員長  ありがとうございました。  それでは、事務局からお答えをいただきたいと思います。用途変更のこととか、 製品の中に含まれているもの、それから、今の井上委員のご懸念、先ほど実平委員 からいわれたことなどについて、事務局のほうでお願いします。 ○森田室長(経産省)  順にご説明申し上げます。  まず最初の用途情報の話でございます。書き方がやや不親切な部分があったよう に思いますが、ご指摘のとおり、最初のスクリーニングの段階の用途情報というの は区分分類情報でございます。そこは本文にもそう書いてございます。むしろスク リーニング以降のリスク評価をやる場合の詳細用途という書き方にいろいろとご不 明な点があるかと思いますので、それが何を意味するかにつきまして、少し細かく 書き下せるようであれば、もう少し工夫したいと思います。イメージとしましては、 区分情報というよりは、もう少し個別のリスクを評価するべき用途というぐらいの イメージでございまして、すべての悉皆な用途をいただくということよりは、むし ろリスク評価の必要性がある用途という形のイメージで、詳細というように考えて ございます。これが1点目でございます。  PRTR対象物質等の整合化の問題でございますが、委員からもお話がございま したが、やはり化審法、化管法、それぞれに法目的がございますので、法文上、全 く同じにするとか、そういうことは恐らく難しいのかなと思っております。そうい う意味では、両方ともが環境経由の間接ばく露ということを対象とするという観点 からいいますと、そういったものでリスク評価をすべき項目というものは、当然、 ハザードの情報にしろ、ばく露の情報にしろ、大体似通ってくるだろう。最後、技 術的にその水準をどう合わせていくかということは、これから検討したいと思って おりますので、その結果としまして、相当程度、リスク評価をすべき対象というも のが両方で歩み寄ってくるだろうと思います。ただ、物質数がどうなるかという関 係につきましては、実際やってみないとわかりませんので、どちらが多い少ないと いうことは、この場では判断しかねるということでございます。  それから、井上先生から、スクリーニング段階でのハザードデータの重視をする、 あるいはハザード情報の収集についても、引き続き国が関与すべきであるというご 指摘でございます。現在考えておりますスクリーニング評価、まさに優先評価化学 物質を決めていくプロセスにおきましても、ばく露だけではなくて、当然、ハザー ドデータというものも活用していくということで、今、制度の設計を進めておりま す。その際、でき得る限りのハザード情報も集める。  あわせまして、国の関与がやや後退したような感じというご指摘があるかもしれ ませんので、ハザードデータの国としての収集活動、現に今までも既存点検という 形でハザード情報の収集はやっておりますので、そういった取組は引き続き国とし ても継続できるようなことを考えております。そういったことが、報告書にどう書 けるかはわかりませんけれども、ご指摘を踏まえた形で何がしかの反映ができるか なと考えております。  大体以上かと思います。 ○中西委員長  西原委員から、用途変更があった場合の対応ができるかというこ とと、あと若林委員から、製品の中に含まれる物質の規制があるのかどうか……。 ○森田室長(経産省)  製品の話でございます。具体的には規制対象となるリス ク懸念が高い物質について、製品についてもより措置を講じていくという形で報告 書では書いてございますので、整理といたしましては、製品は個別の製品規制法と いうものがありまして、製品ごとのリスクというものは、恐らくその使い方によっ てかなり変わってくるということはあると思います。そういう意味では、大きな整 理といたしまして、化審法でやる製品規制というのは、環境へ放出されて、それが 化学物質と同等の環境汚染を生じるような製品というものはしっかりと押さえてい く。これは輸入品についてもしっかり押さえていくということになろうかと思いま す。ただ、全般的に製品をすべてということにはなかなか化審法としてはカバーし 切れないと考えております。  それから、西原先生からございましたリスク評価をやる場合に用途が変わったら 評価をやり直すべきだというご指摘は、まさにそのとおりでございます。そこは当 然、そういう形での制度設計を考えたいと思っております。 ○中西委員長  毎年の届出の中に用途変更が入るので、毎年更新されるというこ とでいいですね。 ○森田室長(経産省)  はい。 ○中西委員長  どうぞ。 ○織委員  タイミングを逸してしまって申しわけありません。リスク評価の実施 を国が基本的には行っていくというポジションは非常にいいと思っております。そ の際に、事業者の情報提供が非常にかなめになってくると思うのですけれども、ス クリーニング評価を行う際には、既知をベースとした簡易評価という形になってい くと思うのです。その際に、事業者側として既知を提供していくというところのス ケジューリングがある程度明確になっていかないと、簡易評価、優先評価化学物質 を決めていくところのプロセスのところで不透明性が出てくると思いますので、で きれば逐次、一体どういう物質について現時点で既知がある段階になっていて、こ こはまだないというような、そういうものが事業者の方にもある程度、流れと現在 の状況みたいなものがプロセスとしてわかるような形にしていただかないといけな いのではないかと思っております。これは報告書がどうこうということではなくて、 要望としてお願いいたします。 ○中西委員長  ありがとうございます。ほかに。中地委員、ご意見ですか。どう ぞ。 ○中地委員  2点ありまして、1点は先ほど井上先生のおっしゃったハザード情 報の関連なのですが、現在、既存物質といわれているところで、どの程度ハザード 情報がわかっているのか、どれぐらいの数の物質のハザード情報がわかっていない のかみたいなことをもう少し書いて、リスク評価をするために、ばく露情報につい ては、製造・輸入数量を届け出る、用途情報を仕入れるということによって担保は できるわけですが、ずっとこの間の委員会で議論になっているのは、ハザード情報 をいかに積極的に集めるのかというところで、集めなければいけないということが わかるようなことを書き込む必要があるのではないかと思います。  もう1つ、優先評価化学物質のリストに挙がった物質をいかに情報伝達するのか ということで、B to Bのところについては書かれていますけれども、前回の委員会で も議論しましたが、消費者に対する情報伝達をどのように仕組みの中に入れていく のかということについても、もう少し書き加えていただきたいと思います。  以上です。 ○中西委員長  亀屋委員、どうぞ。 ○亀屋委員  事前にご説明をいただいたときから読み込みをしたつもりなのです が、読解力もなくて、わかりにくいところが、整理をもう少ししていただきたいと ころがございます。  その中身は、法改正ということで、新しい項目、つけ加えるところは、報告書を 読むと非常によくわかるのですけれども、従来のものから特に大きなチェンジは、 二監、三監がなくなるというところだろうと思っております。発展的に廃止すると いうことで、今日の報道にもあったように、2万物質なのか知りませんけれども、 たくさんの物質の製造・輸入量が届出されるので、発展的に廃止する。そこまでは いいのですが、それに伴って、これまでの二監、三監に対してやってきたこと、そ こにおいて存在した考え方といったものが全くどこかに消えてしまうのか、あるい は新しい仕組みの中にどのような形で残っているのかというのをもう少しわかりや すい文章にしていただきたいと思います。  たくさんあるのかもしれませんが、いくつか思いついたところでいいますと、例 えば11ページの(4)に関係するのでしょうか、ここは事前にご説明いただいたときに、 良分解性ということで認識してしまったので、後からという形で申しわけないので すが、量が少ないのだけれども、難分解性のようなものが従来は監視物質に指定さ れ得たのではないかと思います。それを今度は量だけでスクリーニングをするよう なことになると、生分解性の余りよろしくないものがどこかへ行ってしまうような、 今までの二監、三監のところであった考え方がぽっとなくなってしまうようにも受 け取られてしまうので、それが新しい法律の中でどのように取り扱われるのかとい うのを残していただきたい。先ほど事務局のほうからも、既存の点検は続けるとい うようなご発言がございましたけれども、既存の点検というのが、従来と同じよう なハザードも含めた既存の点検なのか、また新しい製造・輸入量だけの既存の点検 なのか、そこがどうなるかわかりませんが、特に二監、三監がどこへ行ってしまう のかという、簡単にいえばそんなことなのですが、そこをもう少し書いていただけ ればありがたいと思います。  以上です。 ○中西委員長  ありがとうございます。ほかに。大塚委員、どうぞ。 ○大塚委員  もう1点、お願いということですけれども、これも修正ではござい ませんが、今回の既存化学物質について特にそうですが、フローというのは、第1 次のリスク評価のところで、関係事業者のご協力でいろいろなデータを集めていく。 これが成功するとうまくいくということなのだろうと思いますので、恐らくそこが 一番肝心なところだと思います。ただ、残念ながらお出しいただけない場合も当然 出てくると思いますので、そういう意味では、今までのような有害性の調査指示の 出し方ではなくて、場合によっては、割と果敢に有害性調査指示というのを政府か らお出しいただくことが恐らく必要になってくる場合が多くなると思いますので、 ぜひその点は、今までの慣行に必ずしもこだわらずに、粛々と進めていっていただ きたいと思います。  以上でございます。 ○中西委員長  大塚委員のおっしゃっているのは、リスク評価1次というところ に行くまでのところの……。 ○大塚委員  いや、2次のほうで有害性調査指示をすることが今まで以上に必要 になってくるのではないかということでございます。 ○中西委員長  わかりました。ありがとうございます。では、北村委員、どうぞ。 ○北村委員  今回の化審法の改正で産業界からみて一番大きいのは、恐らくこれ までも進められてきたのですけれども、官民の協力という点にかなりウェイトがか かってきていると考えております。官民の協力ということになりますと、当然、民 のほうから情報の提供ということがこの報告書にもかなり出ておりますけれども、 実際には情報の提供、あるいは収集という作業は、正直申し上げまして、コスト的 に負担の重い場合が出てまいります。  ちょっと飛びますけれども、現在、私どもの会社としては、REACHによる対 応というものを進めておりますが、みればみるほど、REACHはいかにして欧州 の域外からお金をとるかということに工夫を凝らしているという印象がございまし て、そのように非常にコストがかかる部分を、どこがどうやって日本の国内だけで 処理していくのかというのが、今後のこの運用について非常に大きい問題になろう かと思います。日本全国の化学業界の総売上げ、あるいは付加価値額に比べればど のぐらいのものだということについては、計算がわかりませんけれども、ある程度 のバランスになるかと思いますが、こと、特定の化学製品についてみますと、特に スペシャリティーなケースにいきますと、実は中小の企業がその負担を担っている という部分がかなり多いというのが実感でございます。そうしますと、モノポリー だからもうかっているではないかといわれますと、実はそれほどでもないというこ とがございまして、それを負担すべき会社の数が非常に少ない、しかもそれが中小 にわたるような場合についてのこのシステムの運用という問題につきましては、運 用上の配慮を十分お願いしたいというのが実感でございます。  以上です。 ○中西委員長  ありがとうございました。どうぞ。 ○宮田委員  やはりハザード評価からリスクに移行するという大きな改革だと思 うのですが、そのとき、用途というのがものすごく重要になってくるのです。用途 というのをどう定義するかというのは、先ほど議論がありましたけれども、私は2 つのことを考えたいと思っております。1つはリサイクリングし始めたときに、同 じ用途でもリサイクリングしていて環境放出が相当抑制されている物質と、そうで ない物質という可能性が出てくるだろうと思います。今の世界の化学産業の情勢を 考えますと、少なくつくって何回も使うという方向に産業体系が変わっていますの で、報告書の中の用途というのを、用途だけではなくて使い方、あるいはリサイク リングの適用みたいなところも含めるべきだろうと考えます。  2番目に、12ページの上から3段落目の記述、つまり製造業の川上、川下業者の 間の情報交換の流れですけれども、どちらかというと、川上から川下の方向に情報 交換を重視している書き方をされていますが、用途を川上業者が本当につかめるの かという問題があって、報告書のレベルで構わないと思うのですが、やはりB to Bの 中で、川下の業者と川上の業者が情報交換をするというようなことを勧奨する記述 がどうしても必要だと思います。 ○中西委員長  ありがとうございました。若林委員、どうぞ。 ○若林委員  待っているうちに質問の内容を忘れてしまったのですが……。 ○中西委員長  先にこちらで説明して、後でお願いしましょうか。では、事務局 からただいま出された点について、よろしくお願いします。 ○森田室長(経産省)  何点か、今後の検討課題ということも含まれております ので、そういったご意見は基本的に承って処理をしたいと思います。  1つには、私ども、今後どういうリスク評価をやるかという技術的な内容で、か なりのご指摘についてお答えできる部分があるのかなと思っております。その1つ としましては、例えば用途でリサイクルの有無というご指摘などは、今、私どもが 用途をなぜとるかというのは、環境にどれだけ放出するかという観点で整理をした いと思っておりますので、例えばリサイクルが想定されるようなものの環境放出量 をどうとらえるかとか、そのような形で、技術的にそういったお話はかなり吸収し ていけるかなと考えます。  亀屋委員からご指摘がありました二監、三監が今後どうなるかというところのご 指摘でございます。それにつきましては、ハザードとして集めた情報を行政として しっかりと集めて開示をしていくというのが基本だと思っておりますので、今はな かなかすべての物質についてのハザードデータを一覧できるようなシステムが十分 できていない。これはいろいろと私どもも問題があると思っておりまして、そうい うものにつきましては、化審法でつくっておりますデータベースのようなものを一 層充実させ、今後、そこで集めてきた情報は一定の法則に基づいてしっかりと整理 をして、そこをみていただくと、データが少なくともわかる。その際に、データが ない物質、ある物質というものをわかるように整理をしていく。そういうことをし ますと、先ほど中地委員からご指摘がありましたような、何があって、何が集まっ ていないから、どこにどのようにお願いをするのかといった透明性の問題も対応で きるかなと思っております。そこはまさにこれから私どもがどういうデータベース、 情報提供基盤をつくるかということの宿題かと思っております。  以上でございます。 ○中西委員長  それでは、ご要望のあった点は、大塚委員からのご要望と、あと 中地委員からB to Cへの情報伝達の点がもうちょっと何とかならないかというのと、 宮田委員の川下のところの協力の話、官民の協力はいいのだけれども、費用のこと についての配慮が必要ではないか、こういうご意見があったということで、これを 踏まえて何らかの形でよろしくお願いいたします。  では、若林委員、どうぞ。お待たせしました。 ○若林委員  先ほどはすみません。さっき宮田委員からご指摘があったけれども、 業者の方がデータをお出しになるのですよね。今の審査部会などでやっていますと、 今でもやはり小さい業者さんは、試験法のやり方とか、そういうものについて十分 把握されていなくて、無駄な試験をやってしまったとか、QSARの活用などにつ いて、これからやっていくとすると、国の化学物質の担当部署がかなり本腰を入れ てこのシステムをアシストしていかないと、うまく機能しないなという気がしてい ますので、その辺は要望です。 ○中西委員長  わかりました。その辺も要望としてつけ加えたいと思います。  急がせるような形で大変恐縮なのですが、2.のところの議論はこれで終わりに いたしまして、次に3.の「新規化学物質事前審査制度の高度化」について、17ペ ージまでのところですが、ご議論いただきたいと思います。よろしくお願いします。 神山委員、どうぞ。 ○神山委員  タイトルが新規化学物質の高度化ということになっているのですけ れども、全体を読んでいると、高度化という印象がないのです。もう1つは、現行 の化審法がどうなっているかという説明が詳しく書いてあり、この中で、ハザード 情報のことは結構書いてあります。そして今後、新規化学物質についても簡易なス クリーニングをやって、振り分けて、既存物質と同じように扱うという仕組みは書 いてありますけれども、例えば別紙2の一覧表をみても、一番左側の四角の中の事 前審査というところに、ハザード情報、予定製造・輸入数量、用途と書いてあるの ですが、ハザード情報以外のことが本文中に何も書いていないのです。事前審査の ときに、ハザード情報に合わせて予定製造数量、予定輸入数量、予定用途などを届 出させているという記載が抜けていると思います。私が読み落としているのかもし れないのですけれども。別紙2の表でいくと、黄色くなってから、その右側で製造 ・輸入数量、用途の届出という、つまり上市後の届出の話はここに書いてあるので すけれども、上市前、事前審査の段階で届け出るということがなければ、簡易なス クリーニングもできないわけですから、現行がこうなっているということをもうち ょっとしっかり説明を入れていただきたいと思います。  14ページの上から2番目の段落のところに「上市前に審査を行う仕組みは維持し つつ」と書いてあるのです。維持しつつというのは、決して高度化ではなくて低度 化、維持しつつ程度を下げると読める日本語だと思いますので、高度化というから にはこういう文章ではないほうが望ましいと思います。 ○中西委員長  わかりました。ありがとうございます。後で訂正すべきところは あるかと思います。ほかにご意見ございますでしょうか。西原委員、どうぞ。 ○西原委員  確認ということなのですけれども、先ほど委員から二監、三監がな くなるといわれましたが、優先評価化学物質の中に当然入ってくるべきだと私は思 っていますが、それでいいですね。 ○中西委員長  それは後で答えていただきましょう。辰巳委員、どうぞ。 ○辰巳委員  新規だけではないのかもしれないのですけれども……。 ○中西委員長  どうぞ、結構ですよ。 ○辰巳委員  少量であるがゆえに、リスク評価をしたときには危ない懸念が少な いということで使われるという形になると思うのですけれども、私たちからしたと きに、化学物質というのは、それがリスク評価だというのはわかっているのですが、 やはり製品によってかぶれるとかという症状が出てくる人が実際にいるわけなので す。私は消費者のそういう相談を受けたりしておりまして、結局、かぶれたという 症状はあるのだけれども、何を調べても結局出てこない。何が原因だったかわから ない。想定できるものはこういうところでありますもので、想定できるものを調べ ても、それは入っていないということがあって、そのようなことと関連しながら私 はこれを考えていまして、そこまでのことをカバーできないのだろうと思いながら も、現実に困る被害を受ける消費者がいるのです。だから、そんなところを何かこ れでカバーできないのかなと悩んでいるのですけれども、少量であることによるリ スク懸念が低いと書かれてしまいますと、すごく言葉にひっかかりがあるのです。 どう書けばいいのかと言われても困るのですけれども、そういうもやもやした気持 ちを救えるようなことは、ここで表現できないのでしょうかということです。気持 ちだけです。 ○中西委員長  わかりました。ほかにはご意見はございませんか。――では、今 のところでお答えをお願いします。 ○森田室長(経産省)  報告書の書き方で不適切といいますか、十分でないとこ ろは、これからしっかりとまず修正をしたいと思います。辰巳委員からお話があり ましたリスクの範囲という問題かもしれませんので、そこも含めまして、どういう 書き方ができるかということは考えたいと思います。  西原委員からご指摘がありました二監、三監の話でございますが、当然、ハザー ドがあり、製造実態があり、出ているものは優先評価化学物質に入っていくだろう とは思われます。実際スクリーニングをやってみないとわかりませんけれども、そ ういう理解でよろしいかと思います。 ○中西委員長  あと、神山委員の高度化というのは、高度化がけしからんという よりも、何とかしつつ高度化というのがおかしい。「高度化」は残して、「しつつ」 というほうをやめるということでよろしいですか。 ○神山委員  はい。 ○中西委員長  すみません。ご理解どうもありがとうございます。  ここは既に議論されていたことだからでしょうか。ありがとうございます。  それでは、その次に移りたいと思います。4.のところで、「厳格なリスク管理措 置等の対象となる化学物質の取扱い」、POPsなどです。19ページまでの内容でご 意見ございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。西原委員、どうぞ。 ○西原委員  先ほどの繰り返しになるのですけれども、エッセンシャルユースの 件ですが、ここに関しては、完全に厳密な用途制限をすべきだと思います。 ○中西委員長  後でそこを答えていただきます。ほかにご意見。――では、今の こと、事務局のほうで。 ○森田室長(経産省)  現行法律でも第一種特定化学物質になりますと、使用の 許可、製造の許可、需要量の予測等々をきっちりやりますので、そういう形でしっ かりとした管理は可能かと考えております。 ○中西委員長  この件については特に……。 ○西原委員  もうちょっと詳しく具体的にいうと、もし用途違反をした場合は罰 則があるのですねということです。 ○中西委員長  それはいいですね。そうです。  亀屋委員、どうぞ。 ○亀屋委員  19ページのところに、今度、新しい二特についての説明があるので すけれども、改正案では新規の二特というのは、優先評価化学物質に一度なってか ら、その後、リスク評価を2回受けて、ようやく二特になるということになるかと 思うのです。新規の事前審査のときに、ある程度二特の疑いがあるようなものも知 見として出てくるのではないか。そういったときに、そこはスピードアップして評 価がなされるような措置といいますか、運用をぜひしていただく必要があるのでは ないかと感じます。 ○中西委員長  大変いいご意見で、ありがとうございます。浅田委員、どうぞ。 ○浅田委員  19ページの優先評価化学物質の考え方でございますけれども、ご存 じのようにREACHのSVHC等でも安易にこういったリスト化をすると、ブラ ックリスト化してしまう可能性がある。あくまでもここの場合、日本の考え方で、 今後評価していくものであるということを明確にして、安易なブラックリスト化は 避けたい。ただ、産業界といたしましても、それにコンサーンをもっているという ことは十分認知して進めたいと思いますので、そこもご了解していただきたいと思 います。 ○中西委員長  わかりました。ありがとうございます。どうぞ。 ○佐藤委員  18ページの第一種監視化学物質に関する情報提供の強化というとこ ろに関連するのですが、中身はいいのですけれども、名前が第一種監視化学物質で いいのかなというのが気になったのです。先ほど議論がありましたけれども、二監、 三監というのはなくなるというか、吸収されてしまうような感じになって、一監と いうのはそのまま名前が残っているのです。法律をつくるときに考えればいい話な のかもしれないのですが、定義的には今までの化審法とこれからやろうとすること と一緒なのだろうと思うのですけれども、名前がこのまま1つだけぽつんと残って いいのかなという感じがするのです。 ○中西委員長  わかりました。今の佐藤委員のご意見は、第二種、第三種がなく なっているのに、第一というのが残っている不自然さですね。それは事務局のほう で後で考えていただくことにしましょう。  板倉委員、どうぞ。 ○板倉委員  18ページの一番上の段のところですけれども、エッセンシャルユー スを許容することについて、事業者による一般消費者への適切な情報提供は当然必 要だと思いますが、それだけではなくて、事業者が口出しするというのでしょうか、 全体像としてどういったものにどのようなものが使われているかということが、消 費者が一々それぞれの事業者に当たらなくてもわかるような状況の情報提供をして いただきたいと思うのです。 ○中西委員長  もうちょっと具体的にいっていただくと……。 ○板倉委員  消費者への適切な情報提供というのは非常に抽象的な内容だと思う のですが、消費者がある商品をみたときに、そういったものが使われているという のを知らせてほしいと私は受け取ったのです。ただし、ほかの商品のほかの事業者 についてどうなのかということは、消費者にはその商品以外のことはわからないわ けですよね。ですから、ほかの事業者の商品の場合にどういった扱いになっている かということが見渡せるような情報が欲しいと思っているのです。 ○中西委員長  大変申しわけないんですが、ちょっとわからなくて、ある物質が エッセンシャルユースということで認められて、それがここに入っているというこ とがわかるようにしてほしいというのがまず最初で、その次は? ○板倉委員  消費者にとって、それの一覧というのでしょうか、ほかの事業者の 状況も把握できるような情報提供が望ましいと思うのです。 ○中西委員長  その物質について、ほかの業者がどうつくって、何に使っている か……。 ○板倉委員  使っているかというのを、商品を手に入れたものだけがわかるので はなくて、もっと広く、ほかの事業者さんがこの扱いについてどのようにやってい るのかということは、やはり一々商品を手に入れなくても消費者側からわかるよう な状況になっていないと、インセンティブは働かないと思いますので、そういった ことを考えていただきたいということです。 ○中西委員長  ありがとうございます。井上委員、どうぞ。 ○井上委員  確認なのですけれども、二監、三監がなくなるという表現が先ほど から使われたり、いや、吸収されるのだとか、いろいろあるわけですが、私の理解 では、現在ここでまとめられている文書では、二監、三監は生きているのですよね。 評価をして、それを手続的にきちんと、二監、三監の評価に基づいて優先評価化学 物質に吸収していくという過程ですよね。だから、二監というものの性質は変わる のかもしれないけれども、二監、三監という評価に類似するものはそのまま残るわ けですよね。 ○中西委員長  そういうことですよね。 ○井上委員  ですから、一監も二監も三監も、言葉は変わるかもしれないけれど も、「一、二、三」、それぞれ独自のクライテリアで全部残る。 ○中西委員長  ただ、二監、三監という言葉はなくなるので、佐藤委員がおっし ゃるように、「二、三」がないのに何で「一」なのだという……。 ○井上委員  そうなのですけれども、そこで懸念されるのは、何のクライテリア も第1次スクリーニングのところでやらないで、何かもわもわと優先に評価だけす るわけではないのだということ、これまでのデータ以上のものが付加されて評価さ れるのだということだけ、確認しておきます。 ○中西委員長  わかりました。その点はよく理解できます。ほかに何かご意見ご ざいますでしょうか。実平委員、どうぞ。 ○実平委員  先ほど議論があった18ページの事業者による一般消費者への適切な 情報提供については、確かにあいまいなところがあるかと思います。ここは、製品 含有化学物質という感じの理解というか、そういう書き方にしたほうがいいのかな という気がします。  それから、19ページ、一番最後のところですけれども、優先評価化学物質に対す る情報伝達義務うんぬんということでありますが、今の優先評価化学物質の選定方 法だとハザード情報が十分でないものが入っているということもありますので、す べてのものが情報伝達されても困るなというところもありまして、例えば1次のリ スク評価が終わったものについて、段階的に情報開示、情報伝達をするというよう な取組、進め方が適切なのかなという気がしています。 ○中西委員長  ありがとうございます。ほかにはございませんか。――それでは、 今までのところで事務局のほうで。 ○森田室長(経産省)  いろいろと難しい宿題をいただいたと思っております。 端的には優先評価化学物質というものをもう少ししっかりわかりやすく説明をしな さいというご指摘であったと理解しておりますので、優先評価化学物質というのは どういうものであって、どういうものを含んでいて、どういう評価を行うものかと いうことは少し工夫をして記載をしたいと思います。  それから、先ほど来、ハザード評価の話等も含めましてご指摘がありますハザー ドの程度を何がしかの形で示しておくということにつきましても検討を進めるとい うことでございますが、他方、GHS分類とか、そういったより大きな仕組みを活 用していくという視点ももって検討したいと思います。  以上でございます。 ○中西委員長  浅田委員のご要望とか実平委員のご要望は理解いたしましたと。 あと、佐藤委員のご指摘もなるほどなということで、これも検討していただくこと にしたいと思います。  それでは、その次に入りまして、IIIのところで、「2020年に向けたスケジュールと 官民の役割分担など」というところをお願いします。これについてご意見などござ いましたら、お願いしたいと思います。吉岡委員、よろしくお願いします。 ○吉岡委員  21ページの一番上のほうの段落の国の積極的な関与を述べたところ でございます。先ほどからお話の中で、中小企業にとっては特に大変なことになる でしょうというようで、国の関与もお願いしますというご意見もございましたけれ ども、事業者が行うデータを集めるというのが原則的であると記載されております ので、ここでいう国の積極的なデータ収集というのは、実際には何を指すのかとい うことをお示し願いたいと思います。 ○中西委員長  大塚委員、どうぞ。 ○大塚委員  これは修文のお願いで恐縮ですが、21ページの3つ目のパラグラフ、 (2)の3行上のところです。別紙3との関係ですが、化審法の新制度は対策オプショ ンの中で最も効率的に必要な効果を挙げられると認められると書いてあるのですけ れども、「最も」はとっていただければというお願いです。別紙3と関係するところ ですので、別紙3のお話をしないといけないですけれども、今回の政策評価法との 関係で、お役所のほうでなさっていただかなければいけないことで、ぜひ必要なこ ととしてなさっておられるわけです。ただ、そちらのほうにも書いてあるように、 例えば便益については、スクリーニングタイプと網羅型の2つのタイプに関して、 網羅型のほうが国民に対する安心感が恐らくあるというのはここでもご指摘なさっ ているのですけれども、結果的にそれが数字として評価できないということで、ほ ぼ同じという扱いをされていることとか、行政コストについて、これは中での話か もしれませんが、網羅型とスクリーニング型で、欧州型とどっちがいいのかという のは必ずしもよくわからないところだと思いますが、そこはネグジブルなものとし て扱っていること。  あと、一律に1物質について500万円というように5ページのところで計算されて いるのですけれども、既に産業界のほうで輸出をされているものについては、RE ACHとの対応というのはなさっていると思うので、網羅型についても一律500万円 なのかどうかというのも、計算の仕方が非常に難しいので、ここでやっておられる ことはこれで仕方がないと思ってはいるのですが、他方で、現在の段階でなされた もので、将来的に必ずしもずっと同じになるわけではないということではないかと 思いますので、それを最も効率的というように本文の中に書いてしまうのは、ちょ っと行き過ぎではないかという感じがございますので、少なくとも「最も」ぐらい はとっていただくとありがたいかなと。 ○中西委員長  この費用対効果分析に不満なのは、私は大塚委員以上で、こんな のは困りますよと言ったのですが、非常に複雑なケースなのでしょうがないかなと いう状況でございます。  加藤委員、どうぞ。 ○加藤委員  今、網羅型というお話があったのですけれども、化学物質の管理に ついて、国民が望んでいることは、多分、製造から廃棄、全部のプロセスについて、 リスクに基づいて適切に管理されているという状態があることなのだろうと思うの です。化審法の枠組みの中でそれが全部できるということではないことはもちろん わかっておりますし、今後の課題の一番最後のところで、別の枠組みをつくってほ しいという要望もありますが、それとは別に、この枠組みの中で例えば用途情報と か出てくるわけですから、最後の段落の中でも、得られた情報が別の法規制をもっ ている、例えば製品を管理しているような法律をもっているところの行政担当に適 切に情報伝達が行われて、理想である誕生から廃棄まで適切にリスクに基づいた管 理を目指すという方向に、できる努力をしていくというところを書き込んでいただ けたらと思います。 ○中西委員長  わかりました。先ほどの神山委員の「担保されているか」という こととつながるご意見かなと思います。  では、豊田委員、どうぞ。 ○後藤委員代理(豊田氏)  先ほど説明のありました費用効果分析について意見 を述べたいと思います。別紙3の6ページ目に産業界に生じるコストということで スクリーニング型と網羅型が比較表になっておりますが、分析の結果としては、定 性的には間違いなく、スクリーニング型の方が費用対効果という面で優れており、 こういう結果が妥当であると思います。ただし、数字が例えば40億とか280億とか、 絶対値という形で表現されており、これが公表されると、この数字が一人歩きする おそれがあることを懸念しており、この点でいかがなものかと思っております。特 にこの費用効果分析の前提条件というのが、別紙3の5ページ目に記載されており、 「事業者のヒアリングによると対象物質当たりの経費がおおむね500万程度…」とご ざいますが、あくまでもこういう前提条件に基づいての絶対値でございますので、 公表するのであれば、せめて、5ページ目の前提条件の500万円程度というところに つきましては、それを強調する意味で、注釈を設けて、もう少し丁寧にこういう前 提ですというところを書き加えていただけたらと思います。 ○中西委員長  ありがとうございました。ほかにご意見。中地委員、どうぞ。 ○中地委員  質問は、今、後藤委員代理もおっしゃったような、コストの便益の ところで、ぽんとスクリーニング型が1,000物質、網羅型が5,000物質だというよう な形で、1,000物質のほうをとると書けば、優先評価化学物質リストが1,000物質だ という形になってしまうので、それでいいのかというのが……。また、これからや る話なので、大ざっぱにはこれぐらいかかりますよというのがあるわけですけれど も、その辺の書き方をもう少し注意していただきたいというか、まだ決まっていな いことをとりあえず……。  今後、科学的にリスク評価をして、物質の絞り込みをするわけですけれども、逆 にいえば、既存物質として5,000物質を全部点検しても300億で終わるのであれば、 国民の安全・安心を掲げるのであれば、300億円出しましょうという結論を書いたほ うがわかりやすいと思うのですが、そのようなことをせずに、とりあえず1,000物質 で、コスト的に効率がいいと結論されるのは、議論もしていないし、いかがなもの かなと思いますが、いかがでしょうか。 ○中西委員長  それは後で……。ほかには。織委員、どうぞ。 ○織委員  加藤委員の意見と類似しているのですけれども、今回の化審法の対象 というのは、どうしてもB to Bが中心になってくるかと思います。消費者の関心とい うのは、やはり自分たちが日常的に使っている製品から、どういった化学物質が出 ていて、どういう影響があるのかといったような関心が、化審法の改正によっては 必ずしもそれにすべてすぐ答えることができない。ただし、ほかの法体系の枠組み においては、いろいろそういった消費者の疑問といったものにも答える枠組みがあ る。全体の中で、今回の化審法の改正がどういう情報を集めて、それがひいては消 費者にとってどういう意義をもってくるのかという、そういった枠組みみたいなも のを、今回でなくてもいいのですけれども、示していただければというのが1点。  それから、その際に、今回、せっかく化審法が改正されて、ハザードデータが集 められ、あるいは簡易なリスク評価が行われてきているということは、ほかの法令 にもそのデータが使える、あるいは使っていって、全体として化学物質管理を促進 していくという視点も1点、こういった報告書の中に入れていただければと思って おります。  もう1つ、データベースの整備というのは、そういった意味で、集められた情報 をどうやって出していくのかというところで、非常に重要なところだと思うのです けれども、アジアにおける日本のリーダーシップという観点から、こういったリス ク評価を行ってきたり、適時出されているものが、アジアの人たちにとってもお互 いに国際的にも共通に使えるような視点をぜひとも入れていただきたいというのが もう1点。  以上2点です。 ○中西委員長  ありがとうございます。では、ここで一まとめにしていいですか。 また戻りますので。それでは、事務局のほうで、まず最初に吉岡委員の国の積極的 な関与のところのご質問についての説明と、あとは費用対効果分析のところは、最 初だからこの程度でという感じで、ただ、いろいろご注意はやっていただきたい。 あとは、情報伝達とか、そのほかの法律との関係などについて、たくさんの要望が 出されているということで、どうぞよろしくお願いします。 ○森田室長(経産省)  すべてお答えできるかわかりませんけれども、吉岡先生 からございました国が積極的にデータ収集の役割を担うという書き方のご指摘でご ざいます。ここは基本的な事業者の方にデータを出していただくという基本原則の 中で、それで対応が進まない分野が出てくるといけない。ですから、対応が進まな い分野については、国が最終的に措置をしていくという意味で書いてございます。 その中で想定されるとするなら、事業者の負担能力等々も考えると、比較的生産量 が少ない、関係事業者の扱っておられる化学物質のようなものが想定されるのでは ないかという1つの整理の中で、そこについては漏れがないように国もしっかりや っていくという形で記載しているとご理解をいただきたいと思います。 ○中西委員長  あとは要望として受けとめているということで、わかりました。 どうぞ。 ○福島課長(経産省)  費用対効果のところですけれども、ここにつきましては、 非常に不十分だというご指摘は多々ありまして、これを議論し始めますと延々とか かってしまいます。中地委員のように、ここに1,000と書いてあるから1,000とする などというのは本末転倒であることもよくわかっておりますので、いろいろな仮定 条件を置いた上での計算になっておりますので、ご懸念の点はきちんとわかるよう に、注釈なのか、これはこういう前提でやっているのですというところはもう少し 丁寧に書きかえていきたいと思っております。それでご了承いただければと思いま す。 ○中西委員長  西原委員、どうぞ。 ○西原委員  21ページの(2)のところの2行目に、安全性情報については、国民の 安全・安心の確保と環境の保全と書いてあります。安全の情報に関しては、情報公 開をきっちりやったらいいのです。安心のほうは、実は信頼関係になりますので、 国と消費者と事業者の信頼関係が非常に大事になりますので、それこそ情報公開を 積極的に進めるということが一番大事だと私は思っております。そのために、私、 ワーキングでもちょっといったと思いますけれども、事業所等に対して権利を与え るとか、一番わかりやすいのはお金を渡すということだと思うのですが、そういう こともできるだけ考えていただきたいと思います。それによって安心の確保という のができるのではないかと私は思っています。  以上です。 ○中西委員長  ありがとうございました。吉岡委員、どうぞ。 ○吉岡委員  ここで一つ一つ反論していると、時間がたってしょうがないとは思 いますけれども、先ほどのお話の中で、進まない分野があった場合に、その分野の ところについて手を入れるというようなお答えだっただろうと思います。でも、進 まない分野があった場合には、有害性調査の指示が出てくるのが普通であって、し ないほうが得をするというようなことがあっては、法律上、不適正な扱いになるの ではないかというような感じがいたしますが、その点はいかがでしょうか。 ○中西委員長  それはお答えいただきましょうか。 ○森田室長(経産省)  すみません、私の説明が不十分でございました。先生の ご指摘のとおりでございます。一般的に全部のデータを集めていくという発想でい うと、最初の話、私が説明した話で、リスク評価をやるべき物質について、データ を集めていくという観点からいいますと、吉岡委員がおっしゃったとおり、最終的 にちゃんと国が命令をかけてとっていくという形でございます。 ○中西委員長  国が命令をかけてとり、なおかつデータを出さない人は不利な評 価になるような形で出すことにインセンティブを与えている。ここの最後の吉岡委 員がいわれているところの位置づけというのは、書き方を工夫していただくという ことで、今、吉岡委員がいわれていることの趣旨をよく取り込んで書きかえるとい うことで、よろしくお願いします。  ほかにご意見。どうぞ、中杉委員。 ○中杉委員  2つあります。1つは、先ほどの政策評価のところで、この報告書 は、この委員会が出す報告書だろうと思いますので、その中で別紙3を参照という ように引用してしまうと、この委員会として別紙3を議論して承認したということ になりかねないので、別紙3を参照というのは省いていただきたい。評価としては 参考にはしたけれども、別紙3を参照とこの資料の中についてしまうと、この委員 会の中で議論してオーソライズしたことになりかねないので、それはちょっとやめ ておいたほうがいいのかなというのが1つです。 ○中西委員長  それはどうなのですか。 ○森田室長(経産省)  すみません、不適切な表現です。もともと政策評価は国 が責任をもってやって公表するという立場でございまして、ここで参考までに状況 をご説明しているという位置づけでございます。 ○中杉委員  そこら辺のところはそういう解釈であればよろしいのですけれども、 誤解を受けると困るなということです。 ○中西委員長  いいですね。そういうご意見で。 ○中杉委員  もう1つは、先ほどからご議論が出ている情報の整備の在り方のと ころなのですが、ここで書かれているところで、もう少しJ−CHECKというも のをうまく活用することが必要だろう。ここで書かれていることは大体いいのです が、1つは、化審法というのは、化学物質に関して、少なくとも新規化学物質の最 初に情報が集まるところなのです。そこのところをもう少し強調される必要がある のだろうということが1つ。  もう1つは、B to Cの話なのですけれども、具体的にもう少し何かを検討していく ということをJ−CHECKの中で、J−CHECKがいいのかどうかわかりませ んが、それについて仕組みをつくっていく。例えば今、環境省でPRTR対象物質 についてファクトシートというものをつくっています。これは産業界のご協力をい ただいてつくっていて、なかなか好評だと私は解釈しているのですけれども、そう いうものをこの中に新たにつくっていく、それを拡大する。例えば化審法の対象物 質について拡大するとか、そんなことで、それをつくっていくということを考えて もいいのではないか。この中に書き込む必要があるかどうかはともかくとして、そ ういうことまでいっていかないと、MSDSをB to Cに拡大しようという話になりか ねない。MSDSの内容を消費者の方に渡してもほとんど理解していただけないだ ろうと考えますので、別の形のものが必要になる。そのようなことを思いますので、 どこまで直していただくかは事務局にお任せしますけれども、ここのところをもう 少し書き足す必要が場合によってはあるのかなと考えています。 ○中西委員長  ありがとうございました。どうぞ。 ○井上委員  吉岡先生のご質問に対して、中西先生のおっしゃった加筆修正のこ とと関連してですけれども、21ページの上から3行目のところに、リスク評価を実 施し、「ハザード情報が得られないことを理由にリスク評価が進まない状況を回避す る」ということになっているのですが、このことも同じことで、どのように回避す るのか、回避する方策を書かないと、最初からハザード情報は入りにくいというこ とを認めただけの文章になってしまいますので、そこが一番懸念しているところで すので、よろしくお願いします。 ○中西委員長  わかりました。ありがとうございます。それでは、浅田委員、有 田委員という順序でいきましょうか。 ○浅田委員  2ついわせてください。1つは、多分ミスだと思うのですけれども、 別紙2のところで、今回の化審法の中で、一特のところにエッセンシャルユースと いうのが入るのが非常に大きな変更であると思われるのですが、従来のところと全 く変わっていないように書かれているので、その旨の追加等をいただけると非常に ありがたいと思います。  もう1つは、21ページの2番目のパラグラフの水系での残留の評価ということで、 今は全くそれ以外のばく露経路は検討していないかのように書かれていますので、 それは評価手法の確定したものがないということだけでありまして、実際にやって いますので、このままパブコメになりますと、全くやっていないようにみえますの で、表現を見直していただきたいと思います。 ○中西委員長  わかりました。ありがとうございます。有田委員、どうぞ。 ○有田委員  21ページの化学物質管理に関する情報提供・公開の在り方の部分で、 企業秘密のことが書かれています。その部分ですが、前から続いていくと、国民の 安全・安心の確保と環境の保全を進める観点から、企業秘密にも配慮しつつとして、 後半で、もちろん情報を積極的に公開していくことを進めているのですが、「企業秘 密」については、化管法のときもどういうものかという整理をされないまま、今後 の検討とするとしていたと思うのです。企業秘密というのはどういうものなのか、 今後の検討についての在り方について、何か書いておく必要があるのではと思って います。  もう1つは、化学工業界などがレスポンシブルケアなどで、市民への知る権利を 進めるというか、そういうバックアップをしていくというようなことを方針として いると思うのですが、そういう意味での情報というのは何なのか。ここで書くこと ではないのですけれども、積極的にJapanチャレンジなども情報を出していくとずっ とおっしゃっているのですが、なかなか進まないのが現状です。これをみていると、 全体的には議論の中身が整理されて書かれているので、北野先生がおっしゃったよ うに、私もこれでいいかなと思いつつも、企業秘密であるとか、今まで議論の積み 残しをしてあるものがどこに入っていくのだろうと思いました。  一番最後のところで、化審法を含む多くの法制度というような部分のところで、 一部の委員というのは、私も一部の委員だろうと思うのですが、今回は化審法の見 直しであるということは十分承知しつつ、意見を申し上げたと前回も発言したので すが、食品衛生法とか、製品安全法にも絡んでくるものがここからは抜け落ちるわ けですよね。そういう意味では、積極的に横の連携をしながら情報は伝えていくと いうような回答も、この場ではないですけれども、いただきました。そのことも、 みえてくるような文章に、もう少ししていただければと思います。 ○中西委員長  少なくとも有田委員だけではないので、一部委員というのはやめ てもらいましょうね。 ○有田委員  そうですね。 ○中西委員長  わかりました。ご意見承りました。ほかに。奥村委員。 ○河内委員代理(奥村氏)  今のご意見でちょっと気になったのですが、企業秘 密と書いてありますけれども、具体的には最近の言葉では知的財産といっているも ので、みせないという意味ではなくて、ビジネスに使ってもらったら困ると。つま り、ビジネスに利用できますので、その観点のほうが強いと私は認識しているので すが、どうも秘密と書くと余り印象がよろしくないようで……。 ○中西委員長  なるほど。 ○有田委員  それについては、私もそういう意味で理解しています。 ○中西委員長  ここはそういう点で、そういう言葉をちゃんと使うということで。  内山委員、どうぞ。 ○内山委員 これは修文というよりはお願いなのですが、先ほどから二監、三監の かわりに優先評価化学物質ということに発展的な吸収だというお話がありましたが、 情報を提供する上で、リスク評価の1次、リスク評価の2次が行われているという 物質の中で、何が情報として足りていないので、ここでとまっているのかとか、こ れは有害性調査指示を出しているとか、二監、三監というと、非常に監視されてい る物質という感じがあるのですが、リスク評価中というと、どこが問題でリスク評 価2次まで行っているのかということまでわかるような情報公開のようなシステム をつくっていただきたい。これは要望でございますので、よろしくお願いいたしま す。 ○中西委員長  ありがとうございます。ほかにはご意見ございますか。辰巳委員。 ○辰巳委員  21ページから22ページにかけての化学物質管理に関する情報提供・ 公開の在り方のところですけれども、1つ目の文章だけを読みますと、1段落目で すが、最後のところが積極的に情報提供していくことが肝要であると書いてあって、 だれがやっていくのかなというのがよくわからない。後ろのほうを読んでいきます と、リスクコミュニケーションをしながら国がうんぬんと書いていたような気もし ますし、ここら辺がよくわからないもので……。 ○中西委員長  要するに、主語がはっきりしないと。 ○辰巳委員  そういうことです。だから、私たちが信頼できる人からきちんと消 費者に向けても伝達してほしいという気持ちがありますもので、後ろを前にもって きていただくか何かして、工夫していただきたいと思います。 ○中西委員長  ありがとうございます。小出委員、どうぞ。 ○小出委員  私も一部委員の1人としてお話しさせていただきたいと思いますが、 先ほどから加藤委員や織委員、有田委員からも出ていましたけれども、化審法とい う枠の中だけで議論すればできない話なのでしょうが、消費者なり市民の視点から は、情報がどこにどうなっているかわからないという、そういう漠然としたものに 対してどうアクセスできるかということです。こういった情報を、先ほどもデータ ベースの話が出ていましたけれども、どこに行ったらデータがまとまって出るのか、 もちろんみたくない人もいっぱいいると思うのですが、例えば御園生先生のところ の……。 ○中西委員長  NITEのCHRIPですか。 ○小出委員  長い名前ですけれども、製品評価技術基盤機構というところにもデ ータベースが始まっているといいますし、そのようなものがどこでアクセスできて、 全体像がどうなっているのかというのをみられるような窓口を、実はこの前の産構 審でも、化学物質に関しての今後の政策の議論をしたときにも同じ意見が出たと思 うのですが、そうしたものを、一部委員でも結構ですので、何かの形でこういった 議論があるということをとどめていただきたいということが1つ。  その全体像がみえないというのが、逆に化学物質についてのニュースなどにみん な関心をもたれないという背景なのですが、今日の日本経済新聞の1面で、今日の 会議の中身と評価、方向性が手際よくまとめられて掲載されていますけれども、こ れを読んでみても全体像がみえない。化学物質の管理で新規制という見出しで入っ ているもの。何か業界がこういうことをやるのだろうなというイメージなのですけ れども、化学物質の話ではいつも全体像がわからないために伝わらないというので、 それを何とか結ぶような手だてを、ここだけではなくて、全体で考えなければいけ ない問題なのですけれども、そのような問題は課題としてあるということを書いて いただきたい。  もう1点、ナノマテリアル、ナノ物質という言葉が出てきますけれども、これが わかるようでわからないような言葉でして、我々はナノ物質と新聞の記事で使うの ですが、この間、実は理化学研究所の野依理事長と話したときに、たまたま高校生 を集めての実験だったのですが、野依理事長がいうには、そこで使ったのはメント ールという物質。メントールというのは、分子模型をつくってみるとナノのサイズ なのです。ほとんどの有機化合物というのはナノのサイズでナノ物質だと。新聞で ナノ物質というのは一体何なのだという質問を逆に受けたのですけれども、ここで ナノマテリアル、ナノ物質と書くときに、一体それは何なのかと。逆にいわれてみ れば、確かにああいう分子のサイズのものはみんなナノのサイズの物質になるわけ ですし、ナノマテリアルという言葉をもう少しきちんと定義して使わないと、新聞 紙上で化学物質というと、基本的にはネガティブなイメージでとられますけれども、 ナノマテリアルというのは何なのか、もう少し表現を工夫できないだろうかという ことをお願いしたいと思います。  その2点をお願いします。 ○中西委員長  宮田委員、どうぞ。 ○宮田委員  全体のトーンでお願いしたいことがあるのです。というのはなぜか というと、報告書全体のトーンとしては、2020年問題に対して対応するという明確 な意思が出ていることはいいと思うのですけれども、しかしながら、何か嫌々対応 しているみたいなトーンが多分あって、日本の今後のことを考えると、環境という のは企業にとっても重要なビジネスモデルになるだろうと思っていますし、市民に とってはもちろん、今後もっと重要なものになると思うのです。ですから、そうい う意味では、この報告書では嫌々感というのをもう少し少なくしていただいて、次 の新しい国をつくるために、新しい法律というのは非常に重要なのだという、もう ちょっと明るいトーンで書いてほしいというのが1つあります。  もう1つ重要なことは、化審法の歴史を考えてみると、これは日本が先手を打っ たわけです。ですから、もう一度、我々が先手をとるためには何をしたらいいのか ということに関して書いていないのです。ですから、そのためには新しい安全評価 の方法とか、環境情報の共有のシステムのためのITとか、そういったことに対し て積極的な国の投資をすべきだというような文があってもいいのではないか。  もう1つは、積極的に一般市民に対する教育というか、啓発というか、そういっ たことに関してももうちょっと書かれたほうがいいのではないかと私は思います。  ほかはうまくよくできていると思うのですけれども、嫌々感だけは払拭なさるこ とをお勧めしたいと思います。 ○中西委員長  ありがとうございます。中杉委員、どうぞ。 ○中杉委員  全般的な新しい制度についての感想で、私は嫌々感ではなくて、報 告書自体はともかくとして、ものすごく変わったと思うのです。何が変わったかと いうと、すべての化学物質を化審法の枠の中にとどめている。今までは白物質とい うことでいくと、卒業してしまうと、それはあとは知らないよ、どうぞお使いくだ さいという形だったのが、今回はぐるぐる回ってくるのです。必ず既存化学物質の ところへ戻ってきて、情報が変わればもう一回やりますよと。これは生産量とか、 そういう情報だけではなくて、有害性情報が新しく加われば、そこで当然評価が変 わってくる。繰り返しやられるようになっている。そういう意味では、今までの化 審法とは随分違って前進していると私は解釈している。そこら辺のところを、もし 嫌々感でなければ、書いたほうがよろしいのかなと思いますけれども、そこは事務 局にお任せします。 ○中西委員長  ありがとうございます。どうぞ。 ○後藤委員代理(豊田氏)  私からも全般的なところで意見を申し上げたいと思 います。今回の改正案というのは、大きくリスク評価にかじを切るという中で、化 学業界に取りましても負荷は非常に大変でございますけれども、今回の制度見直し のスキームの目指すべき評価体系を理解しまして、これができるだけ円滑に機能す るように積極的に協力していきたいと思っております。  円滑に機能するためのポイントとしては、先ほどから議論されていますように何 点かあると思うのですが、その点について意見を申し述べたいと思います。1つは 情報伝達が非常にポイントかなと思っておりまして、この点につきましては、我々、 化学業界である川上から、川下に有効的に情報伝達を行うべく、前向きにそういう 情報を流したいと思います。この審議会でも情報の質のレベルアップという意見も ございましたけれども、それをできるだけ図る意味でも、川下事業者との相互連携 ・協力の下に、情報伝達の充実を図っていきたいと思います。例えば、川上事業者 に取りましても、川下事業者と相互連携し、川下の用途なども知った上で情報伝達 を行えば、それだけ質の上がった情報を流せると思いますので、サプライチェーン の中で、そういった相互連携をとりながらやっていきたいと思っておりますので、 よろしくお願いいたしたいと思います。  それから、マクロのリスク評価は国が行うということになっておりますけれども、 本リスク評価を推進する意味でも、事業者もスクリーニング評価とか1次リスク評 価等を具体的にどのようにやるのかということを理解した上で、自分たちも自ら自 主管理のリスク評価・管理の中にそういうものを取り込んで活用し、自主的なリス ク評価・管理の推進を図っていきたいと思っております。その意味で、本改正にお けるリスク評価手法については公表されると聞いていますが、できるだけ前広に中 身を公表していただきたいと思います。  以上でございます。 ○中西委員長  どうもありがとうございました。どうぞ。 ○辰巳委員  別紙2の絵ですけれども、これでかなりわかりやすくなっていると は思うのです。私たちが情報を知りたいと思ったときに、先ほどからいっている情 報開示のお話なのですけれども、これのどこが情報開示されるとか、どういうデー タベースがどこの位置でできるか、一特のところのデータベースができるのか、よ くわからないのです。データベースができるという話はわかるのですけれども、何 がデータベースになるのかとか、そういうものをもうちょっとここにつけ加えるこ とはできないのですか。こことここの情報がデータベースになるよとか。そうする と、何かが知りたいと思ったときに、そのデータベースをたどればどこの部分がわ かるとか、そのようなことができないのかなと思ったのです。絵でみるというのは すごくわかりやすいもので、工夫していただければと思ったのです。 ○中西委員長  ありがとうございます。  ちょっと余計なことなのですけれども、ナノのことをやっておりますので、小出 委員のナノマテリアルの定義について。3次元あるうちのどれかが1から100ナノぐ らいあるもの、1次粒子のものをナノオブジェクトといっています。それを凝集し てしまってある程度の大きさになっている、これはごく普通なのですけれども、そ れでも3次元のうちの1次元が100ナノから1ナノの間にあるのがナノパーティクル といっています。1次粒子がナノオブジェクトであって、凝集してしまったりいろ いろな形になって、100ナノを超えたりしても、それはナノマテリアルだという定義 を一応しております。  ほかには、これでよろしいでしょうか。今のところで、要望がほとんどですから、 いいですね。皆さんの熱心なたくさんのご要望、事務局は大変かと思いますが、た だ、それほど大きな意見の対立というようなことではなかったかと思います。それ ぞれの部分での討議をこれで終わらせていただきまして、今、もうほとんど全体の 議論をいただいたのですが、まだ残したことはございますでしょうか。大塚委員、 どうぞ。 ○大塚委員  大したことではないのですが、さっきもB to Cの議論があって、私も 総合的な化学物質の管理法制に賛成なのですけれども、このペーパーとは直接関係 しませんが、現在の法律の状況だと、有害物質を含有する家庭用品については厚生 労働省あたりが一番消費者と関係するところですので、総合的な法制はもちろん必 要だと思いますが、そちらの法律のほうでも、ぜひ審議会等々でご検討いただける と、消費者に対するGHSの活用を含めた表示についてご検討いただけるとありが たいということをお願いしておきたいと思います。 ○中西委員長  この化審法とは別に、厚生労働省もっと頑張れというような感じ ですか。 ○大塚委員  はい。同じところが担当しておられると思いますので、よろしくお 願いしますということです。 ○中西委員長  皆さん、よろしいでしょうか。大変貴重なご意見ありがとうござ いました。内容について、ほとんど大きな対立というようなことがなくて、書き方 とか、そういうことですので、あとは佐藤委員、井上委員を含めまして、3座長と 事務局で相談して、最終的なものをつくらせていただきたいと思いますが、よろし いでしょうか。 (「異議なし」の声あり)  そのようにさせてください。  では、最後に議題3の「その他」というところでよろしくお願いします。 ○福島課長(経産省)  その他でございますけれども、まず本日の配布資料につ きましては、速やかに3省庁のホームページに掲載したいと思っております。本日 の議事録につきましては、原案を我々のほうで作成しますので、今日ご出席の皆様 方に確認をしていただいた上で、同様に3省のホームページに掲載するという予定 ですので、ご協力方、よろしくお願いしたいと思います。  次に今後の予定ですけれども、修文等はいたしますが、この報告書(案)につき ましてはご了解をいただいた上で、広く国民の皆様からご意見なりご情報をいただ くという観点から、パブリックコメントを実施したいと思っております。通常1ヵ 月ぐらいなのですが、パブリックコメントをいただいた後、その後の対応につきま しては3委員長と事務局のほうで、事務局というのは3省庁ですけれども、ご相談 をした上でどのようにするか決めていきたいと思っております。その際にまた個別 に各委員にご相談等を差し上げるかもわかりませんが、ぜひともご協力をお願いで きたらと思っております。  いずれにしましても、全体的なスケジュールとしては、できれば最終的な報告書 を年内にまとめたいと思っておりますので、そういった形で、我々のほうも急いで 作業を進めていけたらと思っております。  事務局からは以上です。 ○中西委員長  このト書きによると、ここで3座長と事務局に任せていただいて よろしいでしょうかと聞くべきで、私はいつもト書きを無視していってしまうので、 すみませんが、ぜひそのようにさせていただきたいと思います。よろしくお願いい たします。ありがとうございます。  それでは、本日の議題は以上ですけれども、今回が本会合の最終回となりますこ とから、経済産業省の後藤製造産業局次長、厚生労働省の岸田大臣官房審議官、環 境省の原環境保健部長より、それぞれごあいさつ申し上げたいと思います。よろし くお願いします。 ○後藤次長(経産省)  経済産業省の製造産業局次長の後藤でございます。今日 の中西委員長、井上委員長、佐藤委員長を始めとしまして、委員の皆様方には、3 回の委員会とワーキンググループと、大変真摯なご議論を賜りました。枠組みを組 み直して新しいシステムを作るという、化審法に取りまして歴史的な区切りであり、 かつ、広範な分野や立場にまたがる内容でもあり、おまとめ賜りまして誠にありが とうございました。  今日ご議論が出ておりました、見直すことの意義を前向きに主張してはどうかと のご指摘は、大切な点と思います。長年の宿題でありました、既存物質を全部カバ ーができることや、もともと日本が世界に先駆けてきた化審法に、やればやるほど 仕組みが回っていくPDCAをつくり込んで、先の時代にも対応していける化審法 になるということかと存じます。ただ、事務局の気分では、この後の諸般の手続と か、重いことが控えておりまして、報告書案に書き込むことには、まだ思い至らな かったのかと存じます。この辺につきましては、産業界による取組はもとより、消 費者、社会とのコミュニケーションによって磨いていくことが肝要かと存じます。 将来は、管理のシステム自体を国際的に調和させていくことも予想されますが、日 本がそこで適切な対案を示してリーダーシップをとっていく必要があります。私ど ももこれを発信していく役割がありますが、同時に重要でありますのは、今日いら っしゃいます委員や傍聴の皆様のご理解をいただきまして、新しいシステムを磨い ていくこと、その機運を作っていくことをリードしていただけますようお願いさせ ていただく次第です。  今後は、報告書の内容を行政の仕組みに位置づけていくことも大事ですし、産業 界のお取組も大切ですし、その時点の科学的知見で制度を運営して、その知見が進 化することを織り込む仕組みになりますので、学術の先生方からはぜひご研究、ご 知見を引き続き賜れればと存じます。引き続きのご指導をよろしくお願い申し上げ まして、お礼にさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。 ○岸田審議官(厚労省)  厚生労働省の岸田でございます。私は9月1日付で現 職に赴任いたしまして、前回のこの委員会の議事録、本日の議論を拝見いたしまし て、非常に様々な広範な問題に対しまして、いろいろご意見をいただいた。これを しっかりと受けとめて、政策、法令、運用面にやっていきたいという思いを強くい たしました。  個人的ながらいえば、化審法が制定された昭和48年近くに入省して以来、ずっと 歴史をみてきたというところで、今回の改正は非常に画期的な改正であろうかと思 います。先ほどお話がございましたけれども、より積極的に、世界に打って出るよ うな法律の制定、あるいは運用を心がけていきたいと思っております。  また、情報公開という問題、これは事業者間、あるいは消費者との間のコミュニ ケーション、それをよくする上で、また、制度運用が円滑に進む上で非常に重要な キーワードだと思っております。また、それぞれの事業者間に対する助言、指導と いったものも、制度を適切に運用していくためにも重要なことだと思っております。 そういったところに対しまして、いろいろと厚生労働省として2省とも連携しなが ら進めていきたいと思っております。  また、制度間の連携の問題もございました。厚生労働省でも化審法に関連の法律 をもっております。先ほどご指摘のありました家庭用品規制法もございますので、 そういったところに対する取組も真摯にやっていきたいと思っております。  今後とも先生方のご指導をお願いいたしまして、御礼のあいさつにかえさせてい ただきます。どうもありがとうございました。 ○原部長(環境省)  環境省の環境保健部長の原でございます。本日は大変熱心 なご議論をありがとうございました。今日でおおむね報告書(案)がまとまったわ けですけれども、2020年に向けて国内での製造・輸入されているすべての化学物質 をとりあえずスクリーニング、あるいはリスク評価を一通りすませるという方向が 出されたということは非常に大きな意義があると思っております。これまでもその ために安全性情報をさまざまなところで収集されているわけですけれども、基本的 には事業者の役割であるということが決められたこと。これまでもJapanチャレンジ プログラムなどにおいて、さまざま事業者の方のご協力をいただいていたわけであ りますけれども、今後とも自らの製品には自ら責任をもつという考え方で、引き続 き安全性情報の収集と適正な管理をお願いしたいと考えております。  私ども環境省としましては、平成9年以来、環境リスクの初期評価を実施してお りまして、その成果を様々な行政施策に活用してきております。こうした知見を生 かして、化審法におけるリスク評価に引き続き取り組んでいきたいと思っておりま すが、来年度も化学物質のスクリーニング手法の開発や、国際調和の強化のための 予算というものを要求しているところでありまして、今後とも技術的な面での検討 を進めていきたいと考えております。  いずれにしましても、この法律、厚生労働省、経済産業省との共管でございます。 両省とも密接に連携しながら、円滑な施行に努めておりますが、今回の見直しにつ きましても、関係省庁が一体となって、でき得るならば来年の通常国会への法案提 出を目指していきたいと考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいた します。 ○中西委員長  どうもありがとうございました。  最後に1つだけ情報がありまして、小出委員には申しわけないのですけれども、 今日の日経新聞の1面に今日の会議のことが出ておりました。あと毎日新聞にも載 りましたので、ご報告しておきます。  委員の皆様におかれましては、化審法の見直しに関し、今年の1月から長くお付 き合いいただきまして、誠にありがとうございました。以上をもちまして、本日の 第3回見直し合同委員会を終了いたします。どうもありがとうございます。 【照会先】 厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室 担当:化学物質係(内線 2427)