08/10/08 第40回社会保障審議会障害者部会議事録 第40回社会保障審議会障害者部会議事録  日  時:平成20年10月8日(水)14:00〜16:43  場  所:航空会館 7階大ホール  出席委員:潮谷部会長、高橋部会長代理、嵐谷委員、井伊委員、伊藤委員、       岩谷委員、梅田委員、川崎委員、大濱委員、小澤委員、北岡委員、       君塚委員、小坂委員、佐藤委員、副島委員、竹下委員、堂本委員、       長尾委員、仲野委員、新保委員、浜井委員、広田委員、星野委員、       箕輪委員、福島委員、三上委員、宮崎委員、山岡委員、林参考人 ○潮谷部会長  定刻になりましたので、ただいまから第40回社会保障審議会障害者部会を開会いたしま す。  委員の皆様方には、お忙しい中にご参集いただきまして、ありがとうございます。  議事に入ります前に、事務局から委員の交代、出席状況、資料の確認等をお願いいたし ます。 ○蒲原企画課長  それでは、まず、委員の交代につきましてご紹介をいたします。都合によりまして、鶴 田委員が委員をご辞退されました。その後任といたしまして、本日付で日本アイ・ビー・ エム株式会社人事ダイバーシティ・人事広報担当部長の梅田恵様が障害者部会の委員とな りました。よろしくお願いいたします。  続きまして、委員の出欠状況でございますが、安藤委員、坂本委員、桜井委員、野沢委 員、生川委員、都合によりご欠席という連絡をいただいております。  それから、長尾委員、大濱委員の方から少し遅れるということでございます。よろしく お願いいたします。  なお、坂本委員の代理として、東松山市健康福祉部長の林参考人がご出席でございます。 よろしくお願いいたします。  それでは、続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。  議事次第をめくっていただきまして、右肩の上の方に資料のナンバーを振ってございま す。資料1といたしまして、自立支援法の見直しに係る主な論点ということで、これは以 前提出したものの資料の抜粋版というものをつくってございます。  続きまして、資料の2で、2分冊になっておりますけれども、本日ご議論いただきます 相談支援について、まず資料2−(1)ということで、本体部分の資料。そして、資料2−(2) ということで、参考資料を用意いたしております。  その後、参考資料1として、現在厚生労働省のウェブサイトで自立支援法の見直しにつ いて多方面からご意見をいただくということで募集いたしておりますが、それについての 資料をつけてございます。  また、参考資料2、委員の交代がございました。新しい委員名簿でございます。  参考資料3として、第38回の部会の議事録ということでございます。  なお、これに加えまして、本日、堂本委員より資料を提出していただいております。お 手元に配布をいたしております。以上、ご確認をいただければ幸いでございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。皆様、資料等ございますでしょうか。  それから、今日の議事の中身とはちょっと違いますけれども、皆さんと一緒に喜びたい ことがあります。  それは、私たちの委員でいらっしゃいます東大の福島委員が10月1日付で教授にご就任 されていますので、皆さんと共にお喜びを申し上げたいと思います。(拍手)  それでは、本日の議事に入らせていただきます。  本日は、相談支援が議題となっておりますので、事務局から資料の説明をお願いいたし ます。 ○鈴木企画官  事務局、企画官の鈴木でございます。  お手元の資料1をお願いいたします。  本日のテーマは、相談支援ということで、全体の中では、左上で枠囲みで囲ってござい ますが、こういった位置づけになっております。  おめくりいただきまして、具体的な論点でございますけれども、まず1つ目がケアマネ ジメントの在り方ということで、サービス利用手続の在り方、あるいはサービス利用計画 作成費の在り方、こういったこと。それから、もう一つ、(2)ということで、相談支援体制 といたしまして、相談支援事業の質と量の整備、それから自立支援協議会、こういったも のが本日の主な論点になってございます。  これに沿いまして、資料の2を準備させていただきました。  お手元の資料2−(1)相談支援について、というものをお願いいたします。  おめくりいただきまして、まず1ページでございます。  まず、全体像でございますが、1つ目の○のところにございますけれども、・が2つご ざいますが、障害のある方の抱えるニーズ、あるいは課題にきめ細かく対応するためには、 必要な情報の提供や助言などを行うとともに、様々な地域の資源や福祉サービスを組み合 わせて利用することを継続的に支援する。あるいは、次の・で個々の障害者への支援を通 じて、明らかになった地域の課題への対応について、地域全体で連携し検討し、支援体制 を整えていくといったことから相談支援の充実を図るということで、本日はその枠囲みの 中にございます3つの点について、施策の充実を検討してはどうかということでさせてい ただいています。  1点目が地域における相談支援体制。2点目が、ケアマネジメントの在り方。3点目が 自立支援協議会ということでございます。  それから、その下に※で書いてございますけれども、相談支援につきましては、障害者 施策全般に幅広く関わるものでございまして、既に地域での生活の支援として地域移行時 の相談支援であるとか、あるいは24時間サポートの話であるとか、こういったことは既に ご議論を前回いただきました。  また、次の・にありますように、障害児支援の部分につきましても、ライフステージを 通じた一貫した支援、あるいは重層的な支援ということで、ご議論をいただいたところで す。  また、成年後見制度は追ってご議論いただく予定でございますけれども、こういった幅 広いこともございますが、本日は相談支援の体制とそれからケアマネジメントというよう な大きな柱について、ご議論いただくということで、資料の方を準備させていただきまし た。  下の2ページでございます。  まず、相談支援事業の全体像の現状を整理したポンチ絵でございます。  まず、一般的な相談支援と上の半分にございますけれども、障害者相談支援事業と書い てございますけれども、これは市町村が行うことでございまして、一義的には市町村が一 般的な相談支援を行っていく。それに対して、下の方から機能強化と矢印が伸びておりま すが、補助金がございまして、例えば専門職員の配置とか、居住サポートとか、こういっ たことについては、補助金という形で機能を強化しているということでございます。  右の方に都道府県とございますけれども、広域的、専門的な支援につきましては、都道 府県が行うことによって、市町村をバックアップする、こういうのが一般的な相談支援の 形、体制でございます。  また、これとは別に、法律上の根拠も別にしているんですが、サービス利用計画作成費 の支給と下にございます。  こちらの方は、指定相談支援事業者が行うサービス利用計画の作成、あるいはそのあっ せん・調整ということで、自立支援給付の中に位置づけられているということで、大きな 2つの枠組みの下で、現在の自立支援法の中で、相談支援事業が位置づけられているとい うことでございます。  おめくりください。  まず、本日の論点の1点目で、地域における相談支援体制についてでございます。  現状の(1)のところでございますけれども、市町村におきましては、そこの枠囲みの中に ございますように、まず一般的な相談支援として、例えばそこに(1)から(6)と書いてござい ますけれども、福祉サービスの利用援助であるとか、あるいはピアカウンセリング、こう いったことを一般財源の中で、相談支援を市町村が行う。それに対して、先ほど若干申し 上げましたけれども、補助金という形で、専門職を市町村に配置した場合、あるいは居住 サポート事業、それから成年後見の利用支援ということで、利用経費の一部助成といった ものについては、機能強化という形で、補助金制度がございます。  それから、下の方の○ですけれども、その相談支援の体制につきましては、基本的には 地域の実情に応じて進めていただくということでございますけれども、私ども国の方から は、例として、次の3つをお示ししているところです。  1つ目が、総合的拠点を設置するような形。それから、2つ目の例として、複数の拠点 を設置して、相互に連携する。こういうネットワークで対処するような形。それから、3 つ目で、介護保険の地域包括支援センターと一体的に総合的な窓口を設けるような形、こ ういったことを想定しているということでございます。  次の4ページで、現状(2)のところでございますけれども、都道府県におきましては、上 記のような市町村の事業をサポートするような形で次の枠囲みの1から4とございますよ うなことが行われております。  1つ目で、専門性の高い相談支援。2つ目で、広域的な支援。これは右の方にございま すが、地域のネットワーク構築、自立支援協議会のようなものですけれども、こういった ものの構築に向けた指導調整を行うアドバイザーを配置するような場合に、補助金制度を 設けているところです。それから、相談支援者の育成も都道府県の業務でございます。  それから、4点目で、身体障害者相談員、知的障害者相談員の委託、あるいは研修の実 施ということが都道府県が行っているものでございます。  それから、下の現状の(3)のところでございます。  こちらは、指定相談支援事業者と書いてございますが、先ほど自立支援給付の中という 別の枠組みの中で行われているものでございますけれども、指定相談支援事業者は都道府 県知事の指定を受けて、サービス利用計画の作成、事業者の連携などを行う、という仕組 みでございます。  また、その際、市町村は、上記の一般的な相談支援事業の実施を指定相談支援事業者に 委託することができるという枠組みになってございます。  また、その下の最後の○で、指定相談支援事業者には、一定の研修を受けた相談支援専 門員を配置するということになってございます。  以上が現状の説明でございます。  おめくりください。  5ページで、課題(1)というところでございます。  まず、市町村ごとの取組状況ということで、一般的な相談支援につきまして、交付税、 一般財源で行われているということもございまして、取組状況に差があると、こういうこ とでございます。  参考の中にも市町村の意見が書いてございますけれども、財源の確保が課題とか、人材 の確保、資質向上が課題と、こういったことが市町村の方からもご意見をいただいている ところです。  それから、下の方の○で、地域生活支援事業費補助金による相談支援、先ほど機能強化 を図るということで、補助金があると申し上げた部分ですけれども、そこに3つ書いてご ざいますけれども、専門職員の配置、居住サポート、成年後見、それぞれ実施状況は専門 員の配置でしたら、40%ということで、かなり差があるということが言えると思います。  下の方で、次のページ、課題の(2)のところでございますが、まず相談支援の質の確保と いうことでございます。  1つ目の○でございますけれども、市町村では相談支援の体制を直営で行っているとい うところが22%。相談支援事業者に全部または一部を委託しているというところが48%と いう状況でございます。それぞれ課題がございまして、市町村直営で行っている場合とい たしましては、やはり人事異動があるために、質の維持、向上が課題になっていると、こ ういうご意見がございます。  また、相談支援事業者に委託をしている場合であっても、やはり事業者によって相談支 援の取組状況、支援の内容に差があるということでございます。  次の○のまた、のところですが、障害者同士によるピアカウンセリング、あるいは身体 障害者相談員、あるいは知的障害者相談員による相談援助を活用することにより、厚みの ある相談支援を行うべき、というご意見もいただいているところでございます。  それから、3つ目で、総合的な相談支援を行う体制ということでございますけれども、 障害者の相談支援については、いろいろなニーズがあるということで、一般的な相談支援 からサービス利用支援、地域移行の支援、24時間支援とか、そういった多様な相談支援を 提供して、それぞれの方のライフステージに応じた一貫した総合的な相談支援の体制をそ れぞれの地域で充実させていくことが必要でないかと考えております。  また、次の○のところですけれども、相談支援体制の整備を図るとともに、専門的に対 応する人材の確保、ノウハウの蓄積を通じて、質の向上を図っていくためにも、総合的な 相談支援を行う拠点的な機関を設置することを検討すべきと、こういうご指摘がございま す。  こういった課題を踏まえまして、おめくりください。7ページです。  論点として、3点掲げさせていただいております。  まず、1点目で、地域における相談支援体制の強化ということでございますけれども、 市町村による相談支援の充実や地域生活支援事業費補助金の活用を促すことなどにより、 全国的に必要な相談支援の事業が実施されるよう強化を図っていくべきではないかとさせ ていただいております。  それから、2点目で、人材につきまして、研修事業の充実を図るなど、質の向上を図っ ていくべきではないか。また、障害者同士のピアカウンセリングなどの活用を図っていく べきではないか。3点目で、総合的な相談支援を行う体制について、その整備を図るとと もに、質の向上を図っていくために、総合的な相談支援を行う拠点的な機関を設置するな ど、総合的な相談支援体制を充実させていくことについて、どのように考えるかというこ とで、論点の案を示させていただいております。  次に、大きな論点の2点目で、ケアマネジメントの在り方についてでございますが、ま ず(1)でサービス利用計画作成費についてでありますけれども、現状の欄でございます けれども、一般的な相談支援に加えまして、支給決定を受けた障害児・者の方であって、 一定の要件を満たす方に対しては、サービス利用計画費を支給して、サービス利用計画を 作成するとともに、その事業者の連絡調整を行う、こういった支援を受けられるような仕 組みにしているところでございます。  サービス利用計画の内容につきましては、次のページにございますので、ここでは省略 させていただいて、先ほど一定の要件を満たす方というふうに申し上げましたけれども、 下の方の○ですけれども、サービス利用計画作成費の対象者は次の場合に限定されている ということでございます。  1つ目が、障害者支援施設からの退所などに伴いまして、一定期間集中的に支援を行う ことが必要である方。それから、2つ目が、単身世帯の方など、自ら事業者などとの連絡 調整を行うことが難しい方。3点目が、重度障害者等包括支援にかかる支給決定を受ける ことができる方。こういう方に限って、サービス利用計画作成費という形で支給をしてい るということでございます。  おめくりください。  9ページ、10ページは、そのサービス利用計画の例でございます。  上の方、9ページでございますけれども、こういったサービス利用計画書というのをつ くりまして、その上の方にありますけれども、援助の全体目標、短期目標、長期目標、こ ういうものを設定した上で、ニーズに応じて援助目標、サービス内容、頻度、時間、それ ぞれの欄に書いてございますけれども、こういったものを関係機関の協議を経て、それか ら、障害当事者の方のご意見を十分聞いた上でつくっていくというのがこのサービス利用 計画でございます。  その下の方の10ページは、それを週間計画書に落としたもので、タイムスケジュールご とにどんなサービスを使っていただくかということで、整理したものでございます。  こういったサービス利用計画を作成するということに対して、自立支援給付を行ってい るというのが、サービス利用計画作成費の枠組みでございます。  おめくりください。  11ページ、課題でございますけれども、まずサービス利用計画作成費の対象者というこ とでございまして、1つ目の○でありますけれども、自立支援法で今申し上げましたサー ビス利用計画費の制度を導入いたしましたけれども、20年4月、単月の利用者数でありま すけれども、全国で1,920人というような状況でございます。  都道府県によっても、かなり利用にばらつきがあるところでございます。  その矢印のところでございますけれども、利用が少ない要因としては、サービス利用計 画の作成が支給決定の後になっていて、市町村やサービス事業者が一般的な相談支援の中 で可能な範囲で対応しているということが考えられるところでございまして、また後の方 で出てまいりますけれども、サービス利用手続の在り方を検討していくことが必要と、そ ういうふうに認識いたしております。  また、同時に、現在はサービス利用計画作成費の対象者を限定しているところでござい ますけれども、今後、障害者の地域における自立した生活の支援を強化する、そして障害 者が地域において安心して継続的に暮らしていけるようにするためには、やはりケアマネ ジメントという形で、サービス利用計画作成費の支給対象者の拡大を検討していくことが 必要ではないかというふうに考えております。  そこの下の点線の枠組みの中に、もう少し具体的な検討の視点を書かせていただいてお りますけれども、1つ目の・のところで、障害のある方が施設から退所した後に、地域で 安心して継続して暮らしていける、あるいは家族から独立しても安心して継続して暮らし ていけるというようなことのためには、やはり定期的にマネジメントを行って、ご本人さ ん、あるいはご本人を取り巻く状況の変化に応じて、継続して課題の解決、あるいは適切 なサービス利用を支援していく必要があるということで、やはり地域の中で、そういう安 心ができるシステムをつくっていくためにも、ケアマネジメントの仕組みであるサービス 利用計画作成費の対象を広げる必要があるのではないかということでございます。  それから、次の・で、ケアマネジメントにより専門的な者からのアドバイスを活用して、 サービスを幅広く組み合わせて利用できるようにすることは、障害者ご本人にとっても、 選択肢の拡大につながるのではないかと考えております。  次のページでございますけれども、さらに施設に入所されている方においても、日中活 動を適切に組み合わせて利用していく、あるいは地域移行に向けたコーディネートを行っ ていく、こういうことからもケアマネジメントの対象としていくことが考えられるのでは ないか。それから、精神科病院の入院者についても、退院に向けて、ケアマネジメントの 対象としていくことは考えられるのではないかと、こういうふうに課題認識をしておりま す。  ということで、論点の方でありますけれども、12ページの下半分でありますけれども、 障害者の自立した生活を支えていくため、障害者の抱える課題の解決や適切なサービス利 用に向けて、ケアマネジメントによりきめ細かく支援していけるよう、サービス利用作成 費について、施設入所者などを含め、対象者を拡大していくことについて検討していくべ きではないかと、このようにさせていただいております。  資料の方をおめくりください。  ただいま対象者の拡大について申し上げましたけれども、サービス利用手続の在り方と いうことで、今度は手続のプロセスについてでございます。  現状のところでございますけれども、現行の支給決定の仕組みというのは、市町村がい ろいろな事項を勘案して支給決定を行うということで、サービス利用計画の作成手続とい うのは、支給決定の後ということになっております。  下に、その現行のプロセスのポンチ絵がございますけれども、受付申請の後に、障害程 度区分の認定やサービス利用移行の聴取などを経て、市町村がそこは支給決定をする。そ の上で、先ほど対象者と3つ申し上げましたけれども、そういう方々については、点線囲 みである中にあるように、課題分析、計画案の作成、サービス担当者会議というのを経て、 サービス利用計画をつくっていくということでございます。  このサービス利用計画には、作成費に支給期間というのがございまして、施設を退所し た方であれば6カ月というのが基本的な期間でございますけれども、その期間は、この矢 印で、上の方に伸びて、下にまた課題分析のところに戻ってくる矢印がございますけれど も、こういった形で、6カ月間はこのサイクルをやっていくということで、最初につくる ときは新しく計画をつくり、また2回目以降は、モニタリングという位置づけにもなって いるところでございます。  また、その下の方に、支給決定からサービス利用のところにまっすぐ太い矢印が伸びて ございますけれども、先ほどありました対象者になっている方以外は、この支給決定から サービス利用に直接行くというのが制度上の位置づけでございます。  そして、次のページ14ページ、課題の欄でございますけれども、先ほど申し上げました ように、市町村による支給決定の後に、サービス利用計画を作成する、こういうプロセス がサービス利用計画作成費の利用実績が低いことの要因の1つではないかということでご ざいます。  また、次の○でございますけれども、障害者の受けるサービスが適切なものになるよう、 そのプロセスにケアマネジメントの仕組みを導入して、支給決定の参考とすべきと、こう いったご意見をいただいているところでございます。  また、次の○でありますけれども、サービス支給決定時のほかにも、サービス利用計画 に基づくサービスの利用が障害者のニーズや課題の解消に適合しているかなどを確認する ためには、今、サービス利用計画を作成していない人も含めまして、一定期間ごとにモニ タリングを実施していくというご指摘もございます。  その下の方に、見直しした場合のイメージ例ということで書いてございますけれども、 真ん中の支給決定にかぶるようなところで、先ほど課題分析から計画案の作成、サービス 担当者会議、サービス利用計画の作成が、支給決定のところにかぶるような形になるとい うことで、ここの時点でマネジメントを行ったことを踏まえて支給決定をしていただくと いうようなイメージを考えております。  また、サービス利用の右側に、モニタリング、課題分析、計画案の作成、サービス利用 計画の作成という形になっておりますけれども、今までモニタリングがなかった方につい ても、一定期間ごとのモニタリングをしていくというような形で、支給決定時のケアマネ ジメント、それからモニタリングということを検討してはどうかということでございます。  おめくりください。  15ページで、モニタリングについて、イメージ図をもう一つ載せておりますけれども、 現行では、一般的なケース、これは下の施設退所時など以外のものでありますけれども、 この場合には、サービス利用計画作成費の支給というのはないということでございますの で、モニタリングという意味では、実施されていないということでございます。  それから、施設退所などの場合については、支給決定の後に、先ほど申し上げましたよ うに、サービス利用計画の作成、あるいはモニタリングということで、施設退所の場合は、 6カ月まで毎月サービス利用計画費の算定ができるというような仕組みでございます。  その下の方が、見直し例でございまして、今申し上げた一般的なケースも、それから施 設退所など環境の変化があるような場合についても、いずれについても支給決定時にサー ビス利用計画の作成を行って、それを基に支給決定をしていくということで、その時点で、 算定をした後に、また一般的なケースもそれから特別な場合についても、いずれについて も定期的にモニタリングを行っていくというようなことをイメージしております。  それで、次の16ページでございます。  今のような仕組みをするときの市町村が行う支給決定の関係について、その続きという ところで説明をしております。  今、申し上げましたように、市町村が総合的な判断で支給決定を行う仕組みというのが ありまして、一方で、サービス利用計画の作成は、現行制度では、民間の指定相談支援事 業者が行う、こういう枠組みになっております。  したがいまして、現行制度のまま支給決定のプロセスにケアマネジメントを導入した場 合には市町村が支給決定を行うという仕組みと整合性がとれないという恐れがあるのでは ないかということで、したがって市町村がその責任において、統一的かつ総合的な判断に より支給決定を行うという仕組みを維持しながら、どのように支給決定のプロセスにケア マネジメントの仕組みを導入するかが課題であるということで、矢印のところにございま すけれども、支給決定時におけるケアマネジメントにつきましては、市町村が関わってい くなどの工夫が必要ではないかというふうに認識しております。  また、次の○でありますけれども、ケアマネジメントについては、対象者の見直しに合 わせて、質の向上を図っていくということがございます。  現在、初任者研修とか5年ごとの現任研修というのがありますけれども、人材の確保を 図る、あるいは最初のテーマで出てきました一般的な相談支援を行う体制という総合的な 体制ということの関係も含めて、適切なケアマネジメントを実施できる体制ということの 検討が必要というふうに認識いたしております。  おめくりいただきまして、17ページ、論点の方は3つ掲げさせていただいております。  1つ目で、サービス利用の手続につきましては、そのプロセスにケアマネジメントの仕 組みを導入することについてどのように考えるか。その際、市町村がその責任において、 統一的かつ総合的な判断により支給決定を行うという仕組みとの整合性を確保するための 工夫が考えられないか。  それから、2点目といたしまして、サービス利用計画の作成後についても、サービス利 用計画作成費の活用により一定期間ごとにモニタリングを実施することとすべきではない か。  それから、3点目といたしまして、研修の実施などによる質の確保を含め、ケアマネジ メントを実施する者、体制についてどのように考えるかと、このようにさせていただいて おります。  それから、大きなテーマの3点目で、自立支援協議会が18ページの下半分でございます。  まず、現状のところでございまして、地域自立支援協議会、これは基本的に市町村が設 けるものでございますけれども、相談支援事業を初めとする地域の障害福祉に関するシス テムづくりについて、中核的役割を果たす協議の場として、一般財源で市町村が設けると いうことでございます。  主な機能といたしまして、(1)から(3)にございますけれども、関係機関によるネットワー ク構築に向けた協議、あるいは困難事例への対応に関する協議調整、それから、地域の社 会資源の開発、改善、こういったことを協議する場ということでございます。  それから、都道府県レベルにもございまして、都道府県の自立支援協議会は、都道府県 全体でのシステムづくりに関する主導的役割を担う協議の場ということで位置づけられて いるところでございます。  おめくりください。  19ページで、課題でございますけれども、自立支援協議会の活性化ということで、そこ に自立支援協議会の設置状況がございます。  都道府県の自立支援協議会は、今年度中に全都道府県で設置予定でございます。  一方、市町村が設ける地域自立支援協議会のほうは、4月現在では、65.6%という実施 状況で、今年度中のものを足しても85%ぐらいというようなことでございます。  ということで、また上の○のところに戻りますけれども、現在は、自立支援協議会の設 置の法律上の根拠が明確でないというふうに書いてございますけれども、位置づけとして は、市町村、あるいは都道府県の地域生活支援事業というものとして、省令の上で、そう いった協議をするための会議を設けるということが、市町村、あるいは都道府県の行うこ ととして書いてございます。  それから、下のほうの○でございますけれども、ソフト面では運営マニュアルをつくっ たり、あるいは都道府県のアドバイザー、この自立支援協議会をつくったりする際に、調 整をするアドバイザー、こういった方の研修などを行うことで、その協議会の立ち上げと かの支援を行っているところでございますが、運営状況に市町村ごとにかなり差があって、 活性化を図っていくべきというご意見があるところでございます。  それで、20ページ、下のほうで、論点といたしまして、1点目が、自立支援協議会の法 定化ということで、その設置の促進や運営の活性化を図るため、法律上の位置づけを明確 にするべきではないか。  それから、運営面に関しましては、運営マニュアルや運営の好事例の周知など、国や都 道府県において、設置、運営の支援を図っていくべきではないか。ということで、論点と させていただいております。  それから、資料2−(2)のほうは、関連するデータとか、あるいは制度上の整理などを書 かせていただいておりますが、時間の都合上、説明は省略させていただきます。以上でご ざいます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの説明も踏まえていただきまして、相談支援について、委員の皆様 からご意見を賜りたいと思います。  今回も前回と同様、前半、後半に分けて議論を進めてまいりたいと思います。  まず、資料2−(1)の1ページから7ページまでを前段として、8ページ以降を後段とい う形にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  委員の皆様方には、また今回もお願いですけれども、論点を明確に、またポイントを絞 って、ご発言いただきますようにお願いいたします。  どなたからでも結構です。  福島委員が手を挙げていらっしゃいますが。 ○福島委員  福島です。  まず、最初に感想ですけれども、今のご説明にもあったように、サービス利用計画がこ れまであまり実施されていなかった。1,920件しかなかったというのが、支給決定の後に なされていたからというのは、順番が逆のことなんだろうと思います。  その意味では、順序を、本来あるべき姿に戻すという方向自体は望ましいと思いますが、 ただ実質的に本当に使える制度になるかどうかということが重要なポイントであろうと思 います。  その意味で、幾つか確認させていただきたいんですけれども、基本的なことについて、 この相談支援の対象となる事業は、この自立支援給付の枠組みの事業がもっぱら対象なの か、それとも状況によっては地域生活支援事業も入るのかということが質問の1つです。  もう一つは、この相談支援の財源が、これは一般会計なのか、それとも補助金や事務的 経費のような枠なのかの確認。仮に一般会計であった場合に、各自治体の財政事情で相当 格差が出るだろうと思いますが、その点についての対応は何か講じる予定があるかどうか。  以上、3つぐらいの確認です。 ○潮谷部会長  これからの論議に関わっていく部分でもありますので、まず今の点について、事務局の 方からご説明をお願いしたいと思います。 ○藤井障害福祉課長  その辺りのことはまさに制度の仕組みでございますので、審議会としての委員の皆様方 としてのご意見をいただければありがたいところではございますが、ただ、現行の制度の サービス利用計画作成費をもし仮にそのまま使うといたしますと、これはご案内のように 自立支援給付ということになっておりますので、そのままで対象を拡大すれば、その拡大 した部分も当然自立支援給付という形になってまいりますし、そうなってまいりますと、 財源的には自立支援給付でございますから、一般会計、補助金とかではございませんで、 国の義務的負担でもって、支援をされる部分だと思います。 ○潮谷部会長  もう1点、現行でやった場合に、都道府県の財政的な負担の問題というのが、現行でい ったときに何か出てきているのかどうか、ちょっと触れていただければというふうに思い ますが。 ○藤井障害福祉課長  そこも議論の、ご意見をいただければと思いますけれども、もし自立支援給付で申し上 げれば、いわば自治体の裏負担について、何がしか別途の財政的な措置がとられていると いうわけではございません。  もしかしたらご質問の趣旨を誤解しているかも分かりませんけれども、一般的な障害者 相談支援事業で申しますと、こちらのほうは、先ほどのサービス利用計画作成費ではござ いませんで、相談支援事業、一般的な障害者相談支援事業というようなご趣旨であれば、 そちらは現在でも一般財源、あるいは交付税で賄われているという格好になっております。 そこはサービス利用計画作成費のところと、一般的な相談支援事業とは別になっていると いうことを申し添えたいと思います。 ○潮谷部会長  事務局側のほうから、現行の自立支援法の中で、どういうような状況になっているかと いうことを説明していただきましたが、今後ただいまの説明も踏まえて、皆様方からのご 意見をちょうだいしたいと思います。 ○福島委員  もうちょっと現状で、一般会計になっているものとそうでないものが何なのかというこ とをもう一度整理しておっしゃっていただけますか。  今の状況です。 ○藤井障害福祉課長  改めてお手元の資料で申しますと、資料(2)の1の2ページ、3ページ、4ページ辺りに なりますけれども、2ページで申しますと、一般的な相談支援とサービス利用計画と分け て記してございますが、一般的な相談支援のほうは、障害者相談支援事業、これは一般的 な相談支援を行うものでございますが、こちらは一般財源です。市町村の一般財源のほう で賄われております。国との関係で地方交付税で措置されているという関係になってまい ります。  また、一般的な相談支援の中でも、市町村の相談支援の機能強化事業ですとか、あるい は居住サポート事業ですとか、幾つかの事業につきましては、地域生活支援事業費補助金 のほうで、国が2分の1、県が4分の1、市町村が4分の1というような財政措置になっ ております。  また、若干相談支援充実強化事業といったことで、都府県に積まれています基金のほう から、支出がされているような事業もございます。  その一方で、サービス利用計画のほうをご覧いただきますと、サービス利用計画作成費 の支給は、これは現行の自立支援法上、いわゆる自立支援給付という形になってございま して、そこにございますように、国が2分の1、県が4分の1、市町村が4分の1といっ たような負担割合になっておりますが、この国の2分の1は、義務的経費という形で、負 担をされております。 ○潮谷部会長  福島委員、よろしゅうございますでしょうか。 ○福島委員  もうちょっとだけ。  そうすると、一番最初の一般的な相談事業のほうは、一般財源ということなので、これ は要するに自治体の財政事情によっては、あまり充実してできていないところもあるので はないかと推察いたしますが、その辺りについては。対応をどう考えるか。 ○藤井障害福祉課長  本日の資料で申しますと、5ページ、6ページの辺りになってまいりますが、まさに本 日の論点の3つの中の一番目の地域における相談支援体制の課題という意味では、福島委 員がおっしゃるように、一般的な相談支援が市町村の一般財源による取組になってござい まして、そういう仕組みの中で、かなり市町村ごとの取組状況に差があるといったような ことが、私どもとしても大きな課題だというふうに認識しております。  この辺り、1つの課題といたしまして、ご意見をいただければありがたいというふうに 思っております。 ○潮谷部会長  よろしゅうございますでしょうか。  それでは、小沢委員、お願いいたします。 ○小沢委員  小沢です。  ただいまのやり取りも踏まえて、ちょっと私のほうからは、まず相談支援事業という論 点なんですが、実は、自立支援法以前からもともと大きな課題の1つで、そのことも経過 として大きな検討する課題かなと思っています。  というのは、10年以上前から、3障害ちょっと違うんですけれども、それぞれの領域で 相談支援事業というものが存在していましたし、それからそれは今のやり取りの中で言え ば補助金事業だったものですから、一番大きな課題は自立支援法以前から一般財源化され まして、それ以降、自立支援法だからじゃなくて、一般財源化以降、かなり都道府県格差 が広がったという事実ははっきりと感じております。  そういう中で、自立支援法が試行されまして、別の言い方をすると、今度は比較的都道 府県が支えていたというのが自立支援法以前だったんですけれども、その都道府県の支え も相当に失われたというのが、実は自立支援法以降の相談支援事業の状況だろうと私は認 識しています。  そう考えたときに、まさに地域格差は、大いに広がってしまったというのが、自立支援 法を含めて考えさせられていることです。  そういう中で、現状をどうすればいいかということで、ちょっと2ページのところで、 事務局のほうで、整理したものに私は市町村が中心に座っているのですが、もちろん市町 村の重要性は否定するものではないんですけれども、都道府県の役割というのは、自立支 援法によって後退したような印象が非常に強いんです。  したがって、都道府県の役割をもっときちんと位置づけて、多分これは機関型の相談支 援がどうあるべきかという議論も出てくると思うんですが、都道府県役割をその中で果た さないと、大都市だけ見ていると別に支障はないんですけれども、地方部を見ますと、ち ょっと現状の市町村でこういう相談支援の在り方を議論するのは非常に厳しいだろうと、 それが1点です。  もう1点は、実は、自立支援法の中でどう相談支援を位置づけるかという議論の前に、 相談支援をどうするかというのが私は重要だと思っています。  というのは、相談支援自体は自立支援給付とは一切関係なく、給付というのは自立支援 のサービスではなくて、自立支援法のサービスではなくて、相談という基本的な業務に対 応するという仕事があるものですから、かなり幅広いことを行わなければいけない。つま り自立支援の給付を組み合わせるという話だけじゃなくて、様々な相談をしなければいけ ない。  そうだとしたらかなりの位置づけを行わなければいけないということと、これは7ペー ジなんですが、人材の向上と真ん中にあるんですけれども、従来、真ん中にピアカウンセ リングと出ていましたけれども、相談の在り方にはもちろん専門性という議論もあるんで すが、例えば当事者の方をどういうふうに相談の中に組み込むのとか、あるいはこれは2 番目の論点でしょうけれども、セルフマネジメントの在り方とか、ちょっと単純のサービ ス調整という議論だけでは済まないという課題が入っているということもあるので、これ 自体は、やはり仕組みとしてきちんと自立支援法だけではなくて、もうちょっと幅広い観 点で検討していただけたらというふうに思います。以上が、私の意見です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ここで少しだけ市町村レベル、あるいは堂本知事が今日おいででございますので、都道 府県レベルの中で、今の問題、ご指摘が具体的にどのように考えられているのか。あるい は影響が出ているのか。  林委員、お願いいたします。 ○林委員  東松山市の林でございます。  それでは、まず東松山市の取組の一端をご紹介させていただきたいと思いますが、福祉 サービスの入口というのはもちろん相談から始まるといっても過言ではないと思います。  今回の自立支援法によって、従来、障害種別の3障害のそれぞれに別個に行われてきた ものが一元的に行われるということになったわけですけれども、当市では平成12年のとき に、実は総合福祉エリアという老人保健施設を建設したわけなんですが、その中に総合的 な相談支援事業というものを立ち上げたわけです。  精神、知的、身体、それぞれの障害とあわせて高齢者の対応ももちろんできるようにと いうことで、総合相談センターというものを立ち上げて今日に至っているわけです。  お手元に配布された資料を見ますと、全国で今63%の市町村に3障害に対応する総合的 な拠点が設置されているというふうにあるわけですけれども、都市では、障害種別の仕組 みから、個人を中心とした支援の一元化というような考え方に基づいて、相談支援が一般 化しているのではないかと感じているわけです。  当市の総合福祉エリアという施設ですが、これは市の社会福祉協議会に委託しているわ けなんですが、そのエリアの中に居宅の介護支援事業所、それから介護保険のほうの地域 生活センター、これが併設されているわけでございまして、総合的に連携しているわけで す。  障害者の相談支援事業につきましても、今、東松山市の圏域ですと、約22万人の人口が あるわけなんですが、その圏域の中の8つの市町村が東松山市の社協を含んだ3つの法人 に対して委託しているわけです。共同設置をして、この相談支援事業といったものを実施 しているということであります。  相談支援の拠点として、総合相談センターを設置したことの利点なんですが、障害種別 にかかわらず、どのような相談であってもまずは受け止めていくということが前提となっ ております。  昨今の相談内容を見ますと、いろいろな面にわたっている、あるいは複雑に絡み合って いるということがあるわけです。  1つの例として、知的障害のあるお子さんの相談だというふうに思って相談を受けてい たところ、よくよく聞いてみると、その家庭には寝たきりの高齢者の方がいたり、そうい うことで1つの障害だけの対応では無理だと、あわせて高齢者の地域包括を密にしていか なければいけない。そういったものがちょくちょくあるということであります。  相談センターでは、そういった複数の分野にまたがる相談支援というのが可能でありま して、利用者がたらい回しということがないように、身近なところで相談が受けられると いうことで、その利用者の利便性も高めているわけでございます。  また、そのセンターですが、24時間体制、365日の運営というのはもちろんとらせてい ただいているわけで、利用者の方に安心感を持っていただいているのかなという気がいた します。  この資料の中にありましたように、市町村の直営ですと人事異動等での変化があるわけ ですけれども、当市では施設、社会福祉協議会、精神病病院を持つところの法人、そうい ったところに委託しておりますので、専門的な分野の協力が得られるというメリットがご ざいます。  ちょっと粗っぽい説明でしたが以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  では、堂本知事、お願いいたします。 ○堂本委員  資料をお配りしてあるので、ご覧いただければうれしいと思います。  まず、申し上げたいことは、今、東松山のほうからもおっしゃられましたが、相談とい うのは福祉の領域、特に障害者の領域では最も大事である。したがって、今日、このよう に大変整理し、課題を掲げていただき、議論のテーマも論点が明確に出されたことは大変 よかったと思っています。  ここで十分に議論をして、具体的に話を進めていく必要があると思っております。大変 大事な会だと思っております。  福島委員からもございましたが、私は、市町村にとって相談事業が大変難しい。今も都 道府県の役割、あるいはそういう問題をご指摘になりましたけれども、千葉県は大都会、 船橋のような60万とか70万の人口を擁しているようなところから、人口1万以下の村に至 るまで、まさに日本の縮図のような県です。  ここで、まさに一律に市町村といっても、ほとんど県と同格の能力を持っている中核市 と、それから全く今日のようなことに対応することが難しいだろうというところがござい ます。  したがいまして、先ほどのご意見の中で、やはり都道府県の役割というのを少なくとも 日本の中の合併がもっと進むとか、それからそういった過疎、私どもは過疎地域を抱えて おりますけれども、大変高齢化してしまったところとか、いろいろな形での市町村、まだ 日本には現存している真っ最中ですので、その間に、都道府県がどういう役割を担って、 上手に市町村がそれだけの力をつけるところまで持っていくかというところをご議論いた だくこともとても大事だと思っています。  紙に沿って、まず申し上げたいと思っております。  私どもがここで主張させていただきたいということは、相談支援体制そのもの、本質は 一体何なのかということなんですね。  必ずしも本人が全てのことを自分で整理できないわけですから、相談に乗る人が相当そ れを整理して、サービスの内容をとらえるということをやるんだと思いますけれども、そ の際にやはりいろいろ認定して、程度とかそれからサービスの内容ということが決まって くるんですけれども、ここに私どもが書かせていただいたことのポイントというのは、提 言として書きましたけれども、アンダーラインのところですが、個別のサービス利用につ ながらない障害者やその家族の力を回復して、社会の生活力を養うこと、ここのエンパワ ーメントを目指した相談支援、ニーズが大変大きいということでございます。  したがいまして、もうどうしても行政の仕事というのは、明確に整理分析してしまうん ですけれども、意外と相談の部分というのは、そういった部分にもうちょっと着目をして いただくこと、どうやってやれるかということですが、そのことが1つ大事だと思ってい ます。  2番目の○でございますけれども、このような相談支援の対象は自ら障害者サービスを 利用して自立した生活を営もうと考えること自体が困難な方などもおられるということな んですね。  生活課題を積極的に掘り起こす視点を持つ、アウトリーチ型のソーシャルワークとして も行うことが必要だろうということ。  そして、次に、このため当事者やそれから家族の利便性に配慮するということ。一定の 地域単位の障害特性に関わりなく、このような相談支援が可能となる、基幹的な相談支援 機関の設置が必要ではないかということを言わせていただいております。  その際、当事者や家族のエンパワーメントを図るのが最終的な目的となるので、専門家 だけではなくて、今日の資料にもお書きいただいておりますけれども、ピアがとても大事 だと思います。当事者自身が指導者になっていくということ。これがとても大事だと思っ ております。  先日、アメリカのマジソンというところに行ってきたんですが、やはり精神障害のピア を盛んにやっているところで、これも大変有効だということを目の当たりに見てきました。  それから、今日もご出席しておられますが、家族会の果たす役割、それから近所の方の 果たす役割、それから民生委員の果たす役割、そういったものもどういうふうにオーガナ イズしていくかということが大事だと思います。  その制度上の位置づけも少なくとも一定の体制が地域単位で構築されるまでの間は、交 付税ではなく、補助金によって対応すべきということも私たちは申し上げさせていただき たい。  特に、精神障害の場合については、引きこもっていて、なかなか支援につながってない 方も多いわけです。ご自分のほうから相談に見えないということなんです。  こうした相談ニーズが大変あるので、現状では地域生活に支援センターというものがあ りますけれども、こういったものが突然消えてしまうようなことがないように、現行で実 際にサービスをしている、そういったところを十分にやはり活用しながら、上手に移行し ていく必要があると思います。  千葉県の場合は、こういった障害者の方のご意見を聞きながら制度構築をしていくプロ セスの中で、障害者のほうから非常に強く要望があったことは、24時間、365日のサービ スがほしい。それに行政が対応できるのかというと、必ずしもできません。  そこで、私どもは自分たちで、民間でできますかということで、手を挙げていただきま した。医療機関もあれば、福祉施設もあればNPOもあったんですが、千葉県内の16の福 祉の圏域の中で、今、13が活動しておりますけれども、そこで実際に24時間、というのは 携帯電話を使っているわけです。特に、具合が悪くなる方は夜中が多いということで、そ の特徴というのは必ずしも障害者だけではなくて、高齢者の方からもそれから子どもの問 題、虐待の問題もみんなそこにかかってきます。  そして、障害者の方と障害で高齢の方、あるいは障害者で虐待を受けている人といった ように、そういった複合している場合も少なくない。  したがって、そういった民間がやっているわけですけれども、今では最初は2人ぐらい でスタートしたところが、どんどん4人になったりして活用されています。  そういうやり方でたまたまやっているものですから、それとどうしても私は重ねて考え て、これだけ国のほうで相談機能ということを考えてくださっているということは、とて もうれしいことです。  というのは、今、県単独の予算でやっているもんですから、非常に微々たるものでやら せていただいております。それでも全部で3億ぐらいは行ってますけれども、非常に610 万の人口のところに、それだけの少ない額でのサービスをしていますが、こういった国の 制度がもっと充実をしていって、少なくとも今私たちがやっているようなことが壊される ようなことがないような形で、組織、体制をつくっていただきたいと思います。民間活動 を活用できるようなふうにしていただきたいと思います。  私が、今、申し上げたことは、前に、東松山のほうからもそれから福島先生のほうから おっしゃられたことともダブっておりますけれども、多分今日、いろいろなご意見の中の ものとは相当にダブるものもあるかと思います。  あと後半のケアマネジメントのことについては、またその場所に来てから話させていた だきたいと思います。  どうもありがとうございました。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  非常に、相談支援の事業の大事さという認識はもうお三方とも指摘されておりますが、 それぞれのお立場の若干の違いがあったということも皆様お聞き及びのとおりでございま す。さらに、ご意見を求めます。  副島委員。 ○副島委員  今の話を聞く中で、前回も少しお話ししたんですけれど、私は、広島県の尾道なんです けれど、その尾道の例を話してみます。尾道でどうやって相談支援体制をつくるかという 議論をしたときに、できるだけ民間の事業所を中心にやっていこうじゃないかと考えて進 めていったんです。  自立支援協議会の相談支援専門部会の中に、尾道は15万人口ですけれども、指定相談支 援事業所が9カ所あるんです。その9カ所をうまく生かした上で、その9カ所の中で、エ リアごとに核になる指定相談支援事業所の3カ所の職員を市の建物の中に、集めまして、 総合相談である尾道市障害者サポートセンターをつくったんです。  もちろん3事業所以外のあと残りの6事業所は、そのまま地域の中で事業を展開してい きます。そして、各エリアから出てくる相談の内容をこの障害者サポートセンターに集め るわけです。このサポートセンターの事業は、市としても一つの核となる相談事業ですか ら、サービス管理責任者は市の担当係長が兼務です。つまり市と民間事業が一緒になって、 タイアップしていきながら全エリアを網羅するという形をとっています。要は、市内全域 の情報を共有化することによって、民間の9法人がその9法人の資源とサービスの内容を うまく組み合わせることによって、1つの地域であがってきた問題を全体で議論し、まさ にそこでケアマネをやるんです。このような形で、それぞれの地域にある支援体制を応援 していくという形をとっているんです。  もちろんこのときに、財源をどうするかなんです。  特に、3事業所は職員がほぼ市の建物の中に常駐します。その人件費をどうするか。そ れがなかなか難しい。結局、今の地方交付税の中で完全に網羅できないので、法人が3割 とか4割を負担しているわけです。そこのところが問題です。  財政のきびしい市では、そこのところをどう解決していくのかということが大きな問題 です。でもこの方法を使ったら、法人は各エリアにそれぞれ根をはっていますから、隅々 まで対応ができて、しかも住民にとっては身近なところに相談支援の窓口がある。そこに 上げたら全てが中央のサポートセンターに集まっていく。しかもそこには信用できる市が おりますから、確実に行政ともタイアップができていく、そういう体制をつくってやって いるという事例です。私は、すごく民間の事業が生き生きとしていくのではないかと思う んです。問題は、お金の問題がそこについてくる、そこを何とか解決できればという問題 を残しながらですが、この体制は意外といい方向に行っていると思います。  これは、広島県の場合には、尾道だけじゃなくして、福山も、東広島もこの方法をとり、 それが今まであった相談支援事業、法人の地域での存在感、これが地域にある程度は認め られて、地域間の連携プレーが取れるんじゃないかと思っています。この方法は、地方型 相談支援体制の事例として参考になると思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  長尾委員、お願いいたします。 ○長尾委員  今の話に若干関連してですが、相談支援事業所は指定と市町村の委託とあるわけですけ れども、委託は何がしかの委託費が出ていて、指定の場合は、全くそれは何もないわけで、 サービス利用計画書作成費等があれば、それがついてくるというわけですけれども、やは り包括化して拠点化していくということは、1つのそこで総合的にいろいろなことがやれ るというメリットは確かにあると思うんですけれども、精神障害者の場合で言えば、その 患者さんのアクセスビリティと言いますか、そこまで行く大変さというのがやはりあると 思います。  恐らく知的の方とか、老人の方というのは、恐らく家族の方が大体相談に行かれる。た だし、精神の場合は、家族が行くのではなくて、やはり本人が行くということが出てくる わけです。そうすると拠点化したところの限られたところにいくということが、非常に大 変になる。そ  ういう面では、指定相談支援事業者というものが広くあって、そこにやはり相談に行け る、例えば医療機関も1つでしょうし、作業所とか授産施設とか、様々なところがある程 度、そういう機能を持ち合わせているわけなので、精神保健福祉士等が廃止されて、それ がサービス管理責任者等になれば、そこで相談支援ができるというような形をやはりとる べきだろうと思います。  ですから、ある程度の総合的ないろいろなことが全て賄える拠点というのも大事ですし、 その周りにはいろいろなアクセスしやすいところで相談できる、そこにもお金がちゃんと つくという形がなければ、なかなかやはり絵に描いた餅になってしまう。そういうことが あると思います。   それから、もう1点は、地域生活支援事業になりますと、やはり国がほとんど、もう市 町村の体制ですから、あまり内容を把握しておられないことが結構多いのではないかと思 います。  姫路市でも、総合的にやるということで、3障害を集めて、市が一応形はつくりました けれども、各相談支援事業者が委託しているところから、そこに派遣されるわけです。そ この費用たるや、1人の人件費の半分にも満たないだけしか予算がついてない。そこへ各 事業所から人手を割いて、そこに派遣されていく。そういう非常にナンセンスなことが行 われようとしている。形だけつくられて、それで済まそうという感じになっていて、この 間も憤慨したんですけれども。  やはりそういう市町村のほうの格差というか、そういったものにきちんと国からもう少 し指導できるようなこともされなければいけないだろうというふうに思います。  次のことになるのですが、サービス計画の部分については、やはり今介護給付なり、訓 練等給付を受けている人は全くこれは外されているわけなので、こういう状況で、これを どこまで広げるのかということについても、後の話になるんでしょうけれども、これはや はり相当きちんと議論されないと、いくら計画作成費が増えると言いながら、ケアマネジ メントが大切だよと言いながら、なかなか進まないのではないかと危惧します。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  新保委員、お願いいたします。 ○新保委員  まず、全体像についてなんですけれども、相談支援は私が言わなくても、利用者のニー ズを受け止める窓口であることには間違いありません。  その奥には、サービス利用に関して明確なニーズをもって相談しているのかといったら、 そうではなく、様々な不安を抱えて、相談支援の窓口を叩いているというのが実情なんだ ろうと思います。  そこでのニーズというのは、その意味においては、いわゆる社会の変化に照射されなが ら表出される利用者ニーズですから、必ずしも障害福祉サービスに関わるところの利用ニ ーズに合致するものだけではないということにもなります。  そこで、当然のように様々な相談を受けながら、新たなニーズを顕在化させて、新たな 社会資源の創造にも取り組んでいくというのが、この相談支援機関の大きな役割の1つだ というふうに思っております。  したがって、先ほど全体像からとお話し申し上げたのは、例えば1ページでは、障害者 の抱えるニーズや課題にきめ細かく対応するというふうに書かれておられるんですが、2 ページの相談支援事業の一般的な相談支援のカッコ内に書かれている事柄、情報提供、助 言、障害福祉サービスの利用支援等というこの文言は、他の資料を見ても、ここで出てく る相談支援は、障害福祉サービスの活用ということにリンクされているような文言に見え て仕方ないわけでございます。もうちょっと広範な不安に応えるような文言がここにない と、実は市町村がこれを見たときに、障害福祉サービスに連動するものをもって相談支援 の内容だというふうに思ってしまうという可能性が高いわけであります。  例えば、私どもの施設もそうなんですけれども、私どもの施設は、障害福祉サービスに 移行してからエリアが狭まりまして、人口が二十数万の地域の方々だけの相談を受けると いうことになりました。したがって、それまでの地域生活支援センター時代の相談件数と はかなり件数が減りまして、大体年間3,000件くらいの相談件数でございます。  その3,000件ぐらいの相談件数の中で、障害福祉サービスを利用したいという相談件数 がどのくらいあるのかといったら、1割に満たない数であります。すなわち年間300件程 度ということであります。  他は、ほとんどが日々の暮らしの不安を訴えること、あるいは自分がうれしかったこと も含めて、誰かに聞いてもらうことによって、より生活の質を高めたいという相談内容な んです。  こういうことを考えあわせますと、これは特に精神障害者の障害特性かもしれませんけ れども、こういったことを受け止めていくことによって、日々の暮らしが安寧になります し、明日への活力も生まれてくるわけです。  このことをしっかり受け止めないと逆に不安を誰に話していいか分からなくて、実は、 再発や再燃につながっていくことだって精神障害者の場合はあり得るわけであります。  そう考えていくと、精神障害者のたわいのない相談というか、電話をかけてくる内容そ のものについて、市町村はしっかりと受け止められるようなことがありませんと、これも うまくいかないだろうなというふうに思います。  その意味では、相談支援の範囲、意味や意義等について市町村に対する指導の強化とい うものをもっとしっかりやっていただきたいと思っております。  私どものところは、実はそういうことで、今年度、そんなのは相談の内容じゃないよと いうふうに言われて、1割、相談支援料がカットされました。現実です。  要するに、ケアマネジメントに結びつくような相談が相談。それは、300件くらいしか ないじゃないかと。1日に換算したら1日1件だろうと。そのためにこんなお金を出せま せんと言われてカットされているわけです。  これはやはり市町村の意識の問題だと思います。こういった活動をしっかりと、市町村 がやるのではなくて、民間の活動にまかせるほうが大事だというご意見もあります。確か にそのとおりではありますけれども、市町村の役割は重要だと思っております。  自立支援法の中での最大の利点というのは、いわば市町村への一元化であり、その一元 化を図ることによって、精神障害者の方は、これまで地域住民の一人として遇されてこな かったと思っていた対象者が、一応市町村を窓口にして様々なサービスが受けられるよう になった。これは大事なことだというふうに思いますので、その意味では、市町村が強力 に相談支援を進めてくれれば、それはそれで大変いいことなんだろうと思うんですが、た だ現状で、その糸口さえ見えない市町村もあるという現実をどう解釈するのかというのが 課題だというふうに思っております。  そして、さらに言えば、この相談支援にかかる内容の中で、先ほど市町村と都道府県の 役割の課題が出ましたけれども、確かに私どもも平成18年の9月まではかなりいろいろな 形で多様な相談に答え、24時間体制で相談も受け、訪問活動をし、閉じこもっている精神 障害者の方の支援もしてきたわけですけれども、残念ながら18年10月1日からエリアも限 定されて、そうした活動もかなり制限されてきているという実態がございますので、こう した解消も含めて、今の課題をもうちょっと現実の事業者の課題と照らしながら、市町村 の役割強化に関わる支援課題というものを明らかにしていっていただけるとありがたいの なかということでございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ご意見を賜れば賜るほど、それぞれのお立場からの重さが感じられます。相談支援の大 事さということをお感じになられるだけに、創意工夫の中でこれを正面から受け止めてい らっしゃるんだなあとしみじみと私も感じさせられました。しっかりと今日は、相談支援 のよりよい在り方ということで、皆さんからご意見も出していただきたいと思います。  川崎委員、お願いいたします。 ○川崎委員  実は家族会の話のなかで、自立支援法になってから、家族や当事者が相談する場がなく なったという、どこに行ったらいいか分からないという声がかなり出ております。  従来は、保健所の保健師さんがその役割を担ってくれておりましたけれども、今、保健 師さんに約束をとっても、保健師さんがいらっしゃらなくて、相談に乗ってもらえない、 また、私どもの地域では、相談支援事業として、地域活動支援センターが委託で、3カ所 ほどやっておりますけれども、そこの地域活動支援センターに登録している方に限るとか、 職員体制が充実していないということで、ほとんどの地域で生活している当事者、家族が 相談できない状態にあるというのが、実は精神障害者の現状ではないかと思っております。  そこで、少し提案させていただきたいのですが、先ほど来からもお話がありましたよう に、在宅精神障害者の8割近くが引きこもっておりまして、実は相談する場にも行けない。 それで何も情報が入らない。ですから、社会資源にもつながらなくて、家族が当事者を支 援しているわけなんですけれども、そんな中で、やはりどうしても再発率が多く、当事者 は入退院を繰り返しているというのが現実です。  それは家族だけ支えて、外に目を向けていないので、サービスが利用できないというこ ともひとつかと思いますが、そこに先ほど来から、アウトリーチ型がお話しの中にありま すように、この相談支援事業に訪問型の支援事業をぜひともやっていただきたい。  それは、精神障害者の相談というのは、福祉サービスに何を利用するかとか、そういう ことでなく、やはり夜中に不安になったとき、イライラしたときに、ちょっと電話すると か、また電話して訪問してくださる方がいることによって、かなり症状が軽くなる。今ま で、何も情報のない引きこもり的な家族はどうしても孤立化してしまいますので、大体症 状がどんどん悪くなったときに、精神救急医療で病院につながって、入院という形になり、 入退院の繰り返しの状態になっています。そういうところにアトウリーチ型で、訪問して、 第三者が入ることによって、かなり初期治療ができるのではないかと考えます。  そういうことも考えまして、やはり相談支援事業といたしまして、精神の場合には、福 祉と医療とのコーディネーター的な、今は、PSWがこの役割を担っていると思いますが、 そういう方を配置する、地域での総括的な支援ができたらいいかなと思っております。  それともう一つ、ピアカウンセリングのことなんですけれども、確かに広田さんもやっ ているように、当事者同士のピアカウンセリングはありますが、実は、家族会でも、家族 による相談をしております。  これは専門的な方による相談と違って、当事者という立場で、「本当に困った、困っ た」といってらっしゃる家族が少しお話をすることによって、元気になり、家族が元気に なっていきますと当事者も本当に症状が軽くなっていくというようなことも実情として報 告されております。しかし、ほとんどボランティア的な形でやっているかと思いますので、 これを制度化して、補助金をいただけるようなことにしていけば、このピアカウンセリン グの機能化によりまして、精神障害者も家族も助かっていくものではないかと思っており ます。以上、ピアカウンセリングと福祉と医療の連携による相談支援の訪問型を提案させ ていただきました。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  大濱委員、お願いいたします。 ○大濱委員  私は、全国脊髄損傷者連合会の名前でこの部会に出席させていただいていますが、もう 一つ、別の患者団体として、再生医療学会、やニューロサイエンスの学会等に所属してい ます。そうしたなかで、やはり医療との連携は非常に大事だと思っています。  例えば、脊損の場合ですと中途障害が非常に多いわけです。つまり、交通事故ですとか、 あとはラグビーで怪我をした、プールや海に飛び込んで怪我をした、と。そうしますと、 怪我した当初から私たちの団体に相談が寄せられるわけです。それに加えて、私のところ には神経系の方からも相談をいただきます。例えば、ポリオで器官挿入しているけれど、 これを抜管するときはどうするんだ、という具合です。日本の医者は人工呼吸器をつけれ ば良いと簡単に言います。ですが、実際はそうではありません。外国では非侵襲性の呼吸 療法が常識になっていて、アメリカの救急医療学会でも抜管した後は非侵襲性の呼吸療法 にすることが標準的になりつつあります。しかし、日本はまだそのレベルに達していませ ん。私はこのれに類似した問題で年に数件の相談を受けています。  このように、相談支援事業の役割として、自立支援給付のケアマネジメントだけではな く広範な相談支援という機能が必要であり、相談の幅広い入口としてだけではなくて出口 としても幅広く対応できるのが本来の姿だと考えます。ですから、相談支援事業としては、 先ほど堂本知事の言われたように、交付税ではなくてやはり補助金で財政支援するのが正 しい姿だと思います。  例えば脊損であれば怪我をした当初から出口までどうするのかというのが、本当の相談 支援だと思います。  先ほど川崎委員が言われたように、病院との連携がなくて福祉だけで切り離して本当に 良いのか、入口だけの問題じゃないということを私は今回つくづく感じていますので、そ のあたりも広く検討していただきたいと思います。たとえば、自分の息子が柔道で怪我を して、非常に困惑した状態になっている。家族は、突然このような状態でどうすれば良い のと相談が来たら、やはり行かざるを得ません。その人のことで病院と相談するために、 私も東京から九州まで日帰りで行ったこともあります。これらはボランティア的に行って います。先ほど相談支援は基本的に補助金で工面するべきだと申し上げたのは、このよう な事例をシステマチックに構築することが必須であろうと思うからです。このように入口 から出口までをきちんと相談支援事業として一貫してフォローし、それを補助金できちん と支援していただきたいというのが第1点目です。 それから、先ほどから町村部での相談支援体制の充実の話が出ていました。このあたりの 問題では、町村会長がヒアリングに来ていただいた際に、町村部ではとてもじゃないけど できないとはっきり言われていたように、かなり財政的にきついと思います。そういう意 味でも、補助金で支援するという第1点目の話に加えて、小さな町村だけでやらせるので はなく、ある程度の人数のいる圏域で相談支援の体制を構築するのが重要だと思います。 たとえば障害者の相談支援のなかでピアサポートはとても必要だと思いますが、同じ障害 の仲間同士できちんと相談できる、神経系だったら神経系の仲間のところで相談できると いうような体制でないと、ちゃんとした相談支援事業ができないと思っています。ピアサ ポートについて考えるうえでも広域的な相談支援体制は大切だと思いますので、そのあた りもぜひ検討していただきたいと思っています。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  伊藤委員、お願いいたします。 ○伊藤委員  伊藤でございます。  冒頭に福島委員のほうからこの障害者相談支援事業が市町村の判断で交付税というか一 般財源で実施されているため地域の格差が生じているのではないか、あるいは十分ではな いのではないかというご指摘がございました。  今日の資料の、5ページでございますが、居住サポート事業がまだ1割程度しか実施さ れていないということに、少し驚いております。この資料に示されているとおり、専門職 員の配置は4割、成年後見制度の利用支援は3割となっており、人員の配置等は一定程度 進んでいるが、なかなか事業が進んでないという実態の数字が出たのかなと思います。  前回もこの議論をしました。地域における自立した生活のための支援、すなわち地域で の生活の支援は、各委員の先生方から活発なご意見が出ましたが、私も同じように、地域 生活における相談事業がとても大事だと思っています。また、地域での住まいを考える意 味では、居住サポート事業の更なる充実がやはり必要なんではないかなということを資料 を拝見して強く痛感いたしました。  それと次の7ページの論点のところの2番目の、これは堂本委員からも先ほどご意見が ございましたとおり、専門家だけではなく、町内会、家族、NPO、そしてピア等、地域 のみんなで相談支援事業を支えていく必要がある、そういうご意見がありましたが、ここ に相談支援事業においては特に、障害者同士のピアカウンセリングの活用を図っていくべ きだと思います。  また、大濱委員のほうから出されました、ピアカウンセリングの普及、実施には助成金 が必要だとのご意見も重要でありますがその前に、きちんとピアカウンセラーの育成をし ていただかないといけないと思います。実際に、ピアカウンセラーに相談したいというケ ースがあったとしても、なかなか身近な地域にはいないのが現状です。お願いしようにも ピアカウンセラーがいないという課題を解決する必要があると思います。それは、我々自 身も努力をせよということなのかもしれませんが、やはり育成の仕組みもしっかりとしな いと、十分な活用を図っていくまでにはいかないのではないかなと思います。以上でござ います。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  広田委員、お願いいたします。 ○広田委員  1ページ目です。上から5、また個々の障害者の支援を通じて明らかになった地域の課 題への対応について、地域全体で連携し、検討し、支援体制を、地域全体で連携して、私 の問題をどういうふうに支援体制を整えて、こんな大げさな話なのかということで、私は こういうふうにしてほしくないというこれは意見です。  それから、2ページ目の相談支援事業の広域的、専門的な支援、都道府県ですけれど、 今、伊藤委員もおっしゃったように、ピアカウンセラーがどこにいるのか。精神科の患者 だったら、ピアカウンセラーだと思っています。精神疾患の体験者、経験者ということで す。  神奈川県で患者会の役員もやっていますが、県のほうで、ピアカウンセリング事業とい うのを委託されています。今全国で10都道府県ぐらいでそういう県単位の患者のグループ がありますから、そういう事業をやっていただいて、これがとても使いやすいのは県が一 切文句を言わない。89万のお金が下りてきて、それによっていろいろな使い方をして、結 果的にピアカウンセリングをやれる人ができてきているということです。  ですから、ぜひここに都道府県のところにお金が下りれるようにしていただきたいとい うことと、それと3ページ目。やっと川崎委員が家族のピアカウンセリングを言っていた だいてありがとうございます。昨日もたまたま昼間原稿を書きながら、予算委員会をテレ ビで見ていたら、遠方の家族から電話がかかってきて、そういう事情を話したんですけど、 1時間ばかり精神障害者の家族は大変だというから、もう分かったと、大変なのは。でも、 乙竹君の親も大変だったんじゃないの。福島教授の親も大変だったんじゃないの。松本サ リン事件の河野さんも大変だったんじゃないの。何でそういうふうに精神障害者の家族ば かり、大変、大変って騒ぐのって、言ったら、広田さんに言われてすっきりしましたと。  切ったのが1時間後なんですね。これは、私も疲れましたけど、そこの家の精神障害者 本人も疲れていると思いますよ。  それから、家族、本人のピアカウンセリングと同時に強依存の家族がとても多いんです。 私は、そういう場合には、どこに行くかというと、カラオケ、親子で、一緒に私とカラオ ケに行って、8月15日だったら、戦争中の人を思い「海いかば」を歌って、そういうふう な昔をしのんでいますけれども、そういうことをやっています。  相談、相談って、一番大切だっておっしゃるんだけど、私は、さっきお話しされたけど、 住居が大事だと思っています。  相談と一口に言っても、例えば長年社会的入院で退院してきた人が、お昼ごろ電話をか けてきて、ちょうど私が起きたころです。出ると、今晩寝れなかったらどうしようと。今、 私は起きたばかりだと。ですから、それは夜にしてくださいと。8時ごろ、寝れなかった らどうしよう。8時は子どもの時間。10時に寝れなかったらどうしよう。布団を敷いて、 明かりを消して寝てって言うと、布団を敷いて明かりを消して寝ればいいんですかと。こ れが、社会的入院の実態なんです。  ベッドの上で寝ていて、病院の人が明かりを消すから。本人が布団を敷くという習慣と か、明かりを消すという習慣を忘れちゃって、ああ、そうですね、とそれで終わるわけで す。それを何回か繰り返していくと、その話は終わるんです。  それから、川崎委員が、精神障害者の8割が引きこもっていると、引きこもりの人は実 際にいます。私も訪問していますし、うちに泊まったことで親から自立した人もいますけ ど、8割という数字はおっしゃらないほうがいいと思います。  303万人いる8割といったら、二百何十万。35万3,000人は入院中ですし、働いている人 もいますが、数字はおっしゃらないほうがいい、と私は思います。  それと何でもかんでも、訪問がいいのかなと。いわゆる相談の質にもよりますけれども、 例えば横浜の生活支援センターに、今、自立支援法ができて、役所が煩雑になって、いろ いろな旧保健所が回すんですよね、障害者を生活支援センターに紹介して。そうしますと、 障害者がそちらに電話をかけてくる。そうしたら、寂しいって言った。生活支援センター が訪問しちゃったんです。訪問したんじゃないんです。訪問しちゃったんです……。その 人は、寂しいと言えば来てくれるもんだというふうに思ったわけです。  親に会いたい。親が電話に出てくれない。どうしたかと言ったら、万引きを重ねて、警 察から親を呼んでもらおうと思ったのに、結果的に親が出てこないで、結果的にもっと大 変な犯罪になって、私が留置所に面会に行ったんですけど、そういうふうに何でもかんで も相手が、寂しいとか、不安だからということで、いわゆる訪問しちゃうような形ではよ くないというふうに私は思っています。  ですから、とても質が問われるということで、そう思っています。そこのところの質が どうなるかということがとても大事じゃないかなというふうに思っています。  それから、精神障害者のピアサポートセンターとか、セルフサポートセンターというよ うなところを全国的に見ますと、もう立ち上がっておりますので、そこがもし相談事業で 手を挙げてきたら、入れていただきたいし、もし場合によってはピアサポートセンターと かで制度化していただけるとありがたいと思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  山岡委員、手を挙げていらっしゃいました。お願いいたします。 ○山岡委員  発達障害の団体から出ております。  発達障害の観点からしましても、市町村とか身近なところに相談支援機能があるのは非 常にありがたいことなんです。  さっきおっしゃったみたいに、地域格差みたいなことがあることをおいておきますと、 そういうのがあるのはありがたいことであります。  それから、恐らく身近なところでは深いご相談とかには応じられないと思いますので、 やはり県単位なのか、福祉圏域なのかは分かりませんけれども、ある一定のところには専 門的な相談支援ができる体制があって、そこにきちんとつなげるような仕組みがあればい いなというふうに思っております。  そういう意味でいきますと、市町村で一次的にご相談になっていただくようなところに つきまして、今、3障害に限ってのお話になっていますが、例えば、発達障害や非虐待な ど、3障害以外にもある訳ですので、一次的な相談機関につきましては、対象を限定せず 広範にご相談にあたれるような方を配置していただければと思っているところでございま す。  それから、ピアカウンセリングのところです。7月に報告が出ておりました障害児支援 の見直しの検討会でも同じような話が出ていたんですけれども、恐らく精神障害の話は今 お聞きしたんですが、発達障害、知的障害、あるいはお子さんについては保護者が結構そ ういう役割を果たしているケースがあります。保護者同士のピアカウンセリングみたいな こともかなり有効であります。  恐らく、そういうものは、誰がやるのかということを先ほどおっしゃっていたんですが、 育成をするとか、配置するとか、どこに置くということが問題だと思います。さき程も申 しあげましたが、福祉圏域単位とか県単位、あるいは市町村の専門機関みたいなところに、 ピアカウンセリングの要員を配置して、半分ボランティアなのか有償なのか分かりません けれども、有効に使っていくと良いと思います。発達障害分野における実践事例から見ま してもピアカウンセリングというのは非常に有効だというふうに私どもは思っています。 以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  岩谷委員、お願いいたします。 ○岩谷委員 総合的な相談というのが非常に大事であるということは言うを待たないこと でありますけれども、これだけいろいろなニーズがあって、それらのニーズにどうやって 専門的な知識を持ちながら応えるのかということをシステムで考えますと、ものすごく難 しくなるんだと思います。  実際に、相談を受ける現場というのは、市町村であればあるほど、そういう全ての専門 性に対応できるということは非常に難しいわけでありまして、先ほど来、人材の育成とい うことが非常に大事だという話が委員の皆様から出ておりますけれども、本当に人材を育 てるということ、それもただ単に1つの専門性にしか分からないというのではなくて、あ る程度のことは、深い専門性というのは必要なんですけれども、あまり専門、専門といい ますと結局、自縄自縛になってしまうのではないかという気もしないわけではありません。  ですから、専門性の資質の向上を図るとともに、体制をもう少し整備することと、それ から先ほど来、出ておりますけれども、いろいろな資源をうまくつなげられるような仕組 みというのをどう考えていくか、それが非常にこの話をうまく定着させるためには、それ が絶対に必要なんだというふうに思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  今、論点それぞれの部分について、皆様たちから大変有意義な意見をちょうだいしてお りますが、実は前半、予定されております時間がオーバーしておりますけれども、やはり もう少しいただいたほうがいいんじゃないかと思うので、進めさせていただこうと思いま す。  嵐谷委員、お願いいたします。 ○嵐谷委員  まず、2ページのところで、これは3つございます。一般財源、交付金として、それか ら地域生活支援事業費の補助金、またもう一つは自立支援給付と、3つのお金があるとい うことですが、これは一体的にはできないんですかね。相談事業として、ひと括りにして。  そうすればややっこしくなくなるし、一般的な相談ですよというのは、誰がどう判断す るのか。相談に行くほうが一般的ですから、専門的ですかというようなことが分かるはず がないんです。  私のところも事務所にちょこちょこ障害者から電話がかかってきますが、障害者では身 体障害者の、いわゆる110番事業という相談事業を持っております。  それから、ほかにもいろいろな相談事業を持っておられるところもあろうと思いますが、 障害者の相談員というのをここらでうまく活用すれば、相談の入口のところの話ができる んではないかなというふうにも思います。  そしてまた、指定支援事業者というような格付けのあるような話がございますが、それ を全部地域的に市町村にあるかといえば、多分ないと思います。  じゃあ、どうするんかと言えば、社会福祉協議会は、ほぼ全国どこにでもあるはずで、 社会福祉協議会のところにはきちんとした民生委員、児童委員の人がついているはずです。 そこらをうまく活用すれば、この相談事業そのものがうまく地域的にいけるんではないか なというふうに思います。  今のところで、そういう形で、恐らく全国的に全部相談事業所があるかと言えば、恐ら くないと思います。  そういう方法もあるので、またいろいろとお考えをいただきたいと、そのように思いま す。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  箕輪委員、お願いいたします。 ○箕輪委員  先ほどからいろいろ出ていますように、やはり一番総合的な相談の機関を置くにしても、 入口のところが大事だと思うんですが、本当に多くの方から出ているように、本人が何を 相談したいのか。また、こういうことを解決したいといったものを聞いていくと、私もカ ウンセラーとしてやっているんですけれども、聞いていくと、実際には最後には、50分後 には全然違う課題が出てきたりとか、子育てのことで悩んでいるはずで来たものが、自分 が働きたいというほうにつながっていたり。そういったこともあるんですけれども、そう いった意味でも、話をしっかりと聞けるという専門性が優先、第一窓口としては、そこの 中からきちんと後半につながるかもしれないんですが、その方の課題に合わせたほうにう まくつないでいく。たらい回しすることなく適切につないでいくという、マネジメントが できる人というのを考えたときに、特に福祉の分野に精通していた方でなくても、カウン セラーの資格を持っている方とか、私たちもそうなんですけども、私たちが所属している のは産業カウンセリング、キャリアカウンセリングのグループなんですけれども、そこは カウンセラーの資格を有して仕事をする上で、年間何ポイントか、実際のカウンセリング をしていかないと資格が剥奪されてしまうので、実際に、そういう面接をする場を提供し てもらって、その場に行ったり、電話で面談をする、実績をつくった上で、資格を継続す るというふうになっているんですね。  そうすると多分相談を受ける方にしても、その相談場所とか、そういった体制を整える ところもお金が発生してなくて、お互いのニーズが一致しながら費用が発生せずにやって いけるとか、そういったものも実際にあったりしますので、そういったものも活用しなが ら、または先ほどから出ていますけれども、地域性によって市町村まで行くとうまくお金 も人もいない。実際にお金があっても人もいないといったことがあった場合に、第一窓口 というのは本当に広域な、電話でもいいんだと思います。  私たちのところにも、全国各地からまず相談があって、それを実際に聞いた上で、市町 村に回していくということをしたりするので、そういう意味では、顔を会わせる必要があ るのは次のステップだと思いますので、そういう意味では、財源とか人がいないといった 部分については、一番入口のところはもっと県なのか、さらに上の国なのか分かりません けれども、そういった広域な部分で、それこそ24時間受けられるような体制とか、その中 でうまく分野ごと、また地域ごとに、相談支援の窓口は、多分ご本人、障害のある方ご本 人だけではなくて、例えば地域で身近な学校とか、学校のほうで受けたものをどこにして いいか分からないから、いったん相談支援事業者にということもあるかもしれないので、 そういう部分では、何がカウントされるかといった部分も先ほどから出ていますけれども、 これは件数じゃない、これは件数だということが非常に難しいと思うんですが、ただそれ はとても大事なことなので忘れずに、相談にくる人が障害のある方だけではなく、職場だ ったり学校であったり、家族であったりということも忘れずにいていただくような仕組み をつくっていただきたいと思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  総合相談窓口、これについては、さっき新保さんもおっしゃっていましたけれども、機 能分化、インテイクの部分と専門性の部分と、そういった機能分化的なものをシステム化 していくということが何人かの委員の方からも出ているようでございます。  皆様、論点それぞれからちょうだいしておりますが、もしよろしければ、次のケアマネ ジメントのほうに行きたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。  ありがとうございます。  それでは、ケアマネジメントについて、皆様方の中から、お願いをいたします。  高橋先生、お願いいたします。 ○高橋委員 今後のケアマネジメントの見直しということで、対象者を広げる、それから モニタリングのプロセスを重要視して、非常に大事な点で、対象者の拡大とモニタリング、 こういったことを取り入れるということは、非常に大きな前進だろうと思います。  この15ページにございます見直しの例を拝見して思うことですけれども、最初のプラン ニングから最後のモニタリングの終了まで、同一のケアマネージャーが関わるということ は私は非常に大事だと思います。ですから、対象を広げて一貫したケアマネジメントを行 うということです。  現行では、施設が変わったりすると、マネージする人が変わってしまう。そういう問題 があるかと思いますので、この見直しの中では、その一貫性ということもぜひご考慮いた だきたいと思います。そういう観点が入っているのかどうか。それもあわせて伺いたいと 思います。 ○潮谷部会長  論点の中で統一的かつ総合的な判断を実施するために、ケアマネジメントの一貫性のあ り方について皆様からご意見を賜りたいと思うのですが、いかがでしょうか。  佐藤委員、お願いいたします。 ○佐藤委員  ケアマネジメントといいますか、現在、このサービス利用計画について、2,000件に足 りないということで、事実上、機能していないといって差し支えないと思います。したが って、自立支援法の下でケアマネジメント、あるいはケアマネージャーという人たちの役 割をどういうふうに位置づけるかというのは、基本的にはこの見直し作業の中で、根本的 にやり直すという課題だろうというふうに認識しています。  その上に立って、私の意見を申し上げたいと思いますけれども、介護保険が始まったと きに、当時の社会福祉基礎構造改革の中で、重要なキーワードであった自己決定権をいか に保障するかということで、介護保険の制度というのは、それまでと違う2つの特徴を持 っていたと思っています。  1つは、給付額を明確にした上でのダイレクトファンドです。自分はどれだけのサービ スを使うことができるのか。それからもう一つは、ケアマネジメント、これはセルフケア マネジメントのプロセスも含めて、あるいはケアマネージャーといろいろ協議をするとい うことを前提にしながら、自分にとって本当に必要なサービスをどのように使っていくか。  少なくとも、その質や量が必ずしも十分ではない。例えば、介護保険で保障された介護 給付の額が十分かどうかということは、さておくにしても、基本的に私は全く不十分だと 思っていますけれども、この自己決定権を保障するということに関しては、制度設計上、 この2つの柱がきちんと入った。だけれども、その後、障害者福祉における支援費制度で もそうでしたし、自立支援法でもそうですけれども、この2つの柱は消えちゃった、そう いう意味で後退したというふうに認識しています。  だから、ケアマネジメントの、これは手法を取り入れということではなくて、明確に制 度として位置づけるところから制度設計をする必要があるだろう。この見直しに際して、 ケアマネジメントをきちんと法律の枠組みの中で、もちろん財政的な措置も含めてやる必 要があるだろうというふうに思っています。  その意味で、資料13ページ、14ページに、現状と課題ということで、見直しのイメージ が出ておりますけれども、基本的には私は当然支給決定の前に、ケアマネジメントという プロセスが入るべきだというふうに思います。  したがって、こういう方向で見直すことについては、十分に検討に値するだろうと思っ ています。  ただ、現状では、これは介護保険でも同じことが言えるわけですけれども、ケアマネジ メントをする人が、あるいはケアマネージャーがどこに立っている人かというと、ケアマ ネージャーは今の介護保険上だと、中立的というよりもそれぞれの事業所が抱えてやって いますから、やや極論をすれば、事業所の利益誘導のために働くということがあるわけで、 その弊害については再三指摘されています。  ですから、この支給決定の前に、ケアマネジメントを実施するということになったら、 非常に調整が厄介なことになると思います。  ですから、ケアマネジメントが本当に中立的な立場で、利用者の自己決定権を保障して、 なおかつそれを給付によって、保障するという枠組みでケアマネージャーの位置づけをす る。このことによって、せっかく介護保険でそこまで来たのが、ある意味で言えば押し戻 され、せっかくの前進が後退になったことをもう一度位置づけ直すことができる。  今回の見直しで、言い方はややおかしいですけれども、正しいケアマネジメントの在り 方を自立支援法の中ではちゃんと織り込もうということで、かなりここはきちんとした論 議が必要だろうと思っております。  長くなりますので、以上で終わります。 ○潮谷部会長  林委員。 ○林委員  東松山の林です。  今の佐藤委員の説明の中で、1つ市町村の関わりについて、マネジメントイメージ、そ の辺について、当市の状況をお話しさせていただきたいと思います。  サービス利用の手続において、そのプロセスにケアマネジメントの仕組みを導入するこ とについては、市町村がサービスの支給決定を行うに当たって、当然必要なことだという ふうに考えて認識しているわけです。  当市でも、これまでも重度障害児等の一部の対象者については、指定の相談支援事業者 に協力をいただきながら、支給決定行う前に、その前の段階から、その方の抱える問題等 を分析し、サービス計画案の作成を行った上で、その計画案を基に、本人に必要なサービ スを市で決定してきたというところでございます。  サービスの利用開始後のモニタリングについても現行のサービス、利用計画作成費の算 定対象にならない方についても困難ケース等必要性があった方については、同様に進めて きております。  また、これまでサービスの利用計画作成費の算定対象者については、別冊のほうの参考 資料になるんですが、そちらの21から22ページになるんですけれども、一定の条件を満た したケースの方のみが対象となっておりまして、当市では、約10名の方が現在対象となっ ております。  お示しいただいた資料によると、これまでサービスの利用計画作成費の算定の対象とな らなかったケースについても算定できるようになるようでございますので、指定相談支援 事業者にとって、一定の収益が見込めるということから評価できるというふうに考えてい ます。  また、これまでモニタリングから漏れてしまったケースについても、その必要性につい ては、以前から感じていたことからこの仕組みが制度化されれば、非常によいのではない かというふうに考えています。  しかし、問題点としては、この仕組みが導入されることになった場合に全体の支給決定 者、当市の場合ですと、約300人の方がいらっしゃるんですが、この方のケアマネジメン トを限られた人材の中で、どう対応していくのかというのが新たな課題として浮かび上が ってくるというふうに感じております。  ちょっと関連して、以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  評価をしていただくと同時に、問題点としては、担当件数をどのように考えていくかと いうことがケアマネジメントの中で重要だという問題点の指定もございました。  千葉県のほうから、ケアマネについての論旨が出ておりますので、堂本知事のほうから お願いいたします。 ○堂本委員  私も今東松山の林委員さんが言われたように、本当にいい形でこれが活用されるように なることは、とても障害を持った方たちにとって助かることだろうというふうに思います。  問題は、その利用しやすいような制度にできるかどうかということが一番の問題じゃな いかと思います。  私ども、ここに書かせていただいていることで、最初は本当に計画だけを立てているよ うなケアマネジメント、これは介護保険の場合と、そういう意味では、障害者と随分違う ところがあるんじゃないかと思いますけれども、やはりここに書かせていただいた言い方 で言いますと、できるだけ地域で生活することに対して、ものすごく勇気を必要とするだ ろうと思います。  そういった不安を抱えている当事者、あるいは家族の不安を和らげるために充実させて いくことの必要性。  そして、その次に書いてありますことは、である以上、利用計画書を作成することを目 的にするのではなくて、地域で生活する障害者の生活全般を支えながら、エンパワーメン トを図るという視点でアドバイスを行う。そういう意味では、相当専門性が必要になって くるであろうということだと思います。  ここに高齢者の場合と比べて、生活全般に関わることが大変多いでしょうし、ことによ ったら、やはり障害というのは個人によって違うので、そういった意味でも、高齢者の場 合よりももっともっと1人、1人についての障害の在り方に対応していく必要があるんじ ゃないかというふうに思います。  ケアマネジメント自体が実施されていくことは、まず必要ですけれども、現行制度上の 対象者の限定、あるいはサービス利用手続についてぜひ見直しが必要です。  もう結論的なことですけれども、より利用しやすい形、そうなるとさっき林委員が言わ れたみたいに、果たして自分のところでそれだけ対応できるのかという不安がどこの市町 村でも出てくるだろうというふうに思います。それは、次の問題として財政的、あるいは 専門性をもった人たちをどう配置するかということが、次のテーマになると思いますけれ ども、専門性を高めるという意味でも、都道府県で実施しているような研修の内容がやは りまだ大事だろうというふうに私ども考えております。  そして、一番最後のところに書かせていただいたのは、将来的には、介護保険制度のよ うに、相談支援専門員を国家資格として考える。あるいはその専門性を高めるためにどの ようにこれからしていくのかということを市町村、都道府県も大事ですけれども、国のレ ベルでも全国を見ながら、ぜひ考えていただきたい。専門性を高めるためのシステムもお 考えいただけたらと思います。ありがとうございました。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  北岡委員、お願いいたします。 ○北岡委員  私はこのケアマネジメントで、1点だけ申し上げたいと思います。  このサービス利用計画作成費の対象者の拡大ということが、すごく重要ではないかとい うふうに考えておりまして、その障害のある人に対して、必要な支援を提供する。そのこ とをアセスメントして、よりよいその人らしい暮らしにつないでいくというようなことで ありますので、これは対象者を限定するのではなくて、施設で暮らす人たちに対してをも 含めた全ての方に対して、このサービス利用計画についてはするべきではないかと考えて います。  ただ、そうなったときに、かなりの負担が市町村などで増えてくる可能性がありまして、 そうなったときに、本当に障害者ご本人のニーズが十分に反映されたケアプランになるの かということが懸念されますので、本来、資料で示されました計画例(1)にあるように、き め細かな対応が必要になってきますので、そのためには民間の社会資源、相談支援事業者 を活用するということも大変重要な観点ではないかと思っています。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  発言を今までされてない方で、ございませんでしょうか。  仲野委員、お願いいたします。 ○仲野委員  ケアマネのサービス利用計画のことについて、私は医療の人間なので、非常に前から違 和感を感じていたことを言わせていただきますと、9ページ、10ページにあります、計画 の例なんですが、これ自立支援法なので、福祉のサービスオンリーになっているというふ うな理解でよろしいでしょうか。  実際、私は、以前精神科病院に勤めておりまして、訪問看護等をいたしておりましたと きに、その精神障害の方が利用するサービスというのは、福祉のサービスのみではないん です。今回、サービス利用計画書の作成の対象者拡大ということで、精神科病院から帰っ て一定期間集中的なサービスが必要な方ということになると、退院直後の方々も含まれて くるわけで、その場合に、医療は医療の計画書、福祉は福祉の計画書という1人の方に2 枚の計画書というふうなことになると、非常に私は不便だったんです。  医療は医療の目で計画を遂行していって、その中で評価をして、また計画の変更とかし ていくわけですが、福祉は福祉でということと別のペーパーの上でのことになりますので、 その方の今後の必要なサービスの在り方というのをどうしても医療だけで限定してしまう というような、そんな欠点があったんです。  逆に福祉の方は、具合が悪くなったときに、ちょっとこの医療サービスを使ったらどう かしらと思うようなときに、この福祉の器の中だけで一生懸命考えて頑張っていらっしゃ るというようなことがあって、これが医療と福祉が一体化した計画書というのをつくった ほうが法律ではなくて1人の方のためには非常に便利で、いわゆる切れ目のないサービス といいますか、必要に応じたサービス提供というのができるんじゃないかというふうに思 っておりました。  法律が違うから2枚になるよと言われたら、それまでなんですが、1人の方のサービス ということを考えたときには、縦割りではなく、その人の必要性に応じた形に変えるとい うふうなことが必要かなと思っています。 ○潮谷部会長  18ページのところに、システム化された中には、保健・医療というシステムできちんと なされているということと、それから先ほど大濱委員のご意見の中にも、やはり医療と福 祉、このドッキングがものすごく大事だというお話もございましたので、たまたまサービ ス利用計画のこの例は、福祉ということで出されていると、このように思っておりますけ れども、事務局それで……。 ○藤井障害福祉課長  おっしゃるとおりでございまして、また委員が仰せのとおり、やはり医療にしても、福 祉にしても、包括的、総合的な計画をつくるべきだと思いますし、今の仕組みの中で、こ れはもちろん医療サービスを書き込むということになりますと、そちらのほうの専門の方 といろいろ相談支援事業者が相談をしてつくるということになろうとは思いますけれども、 仕組みとしては、十分入り得るものでございます。 ○潮谷部会長  君塚委員、お願いいたします。 ○君塚委員  専門性に関してなんですが、先ほどの相談支援、あるいはケアマネの中身において、大 濱委員がおっしゃったように、私も障害児の医師として30年ほど勤務していますけれども、 患者会のほうがレベルが高いです。医療、福祉に関して。  国立障害者センターの岩谷総長も同じようなご意見だと思うんですけれども、例えば私 たちのところに日本二分脊髄協会という約2,000名ほどの先天性の脊損の会の事務局、そ こで毎週詰めて電話相談を受けているとか、定期的なキャンプをやるとか、ホームページ に病気の紹介とか、さらには同じ疾患での海外、二分脊損の場合には、IFHDという国 際組織に加盟して、あるいはほかの疾患でも、子どもで100回ぐらい骨が折れるのは、骨 形成不全症という友の会も、アメリカにはOIFという大きな患者会があって、そういう ところと連携していて、一般の医師が知らない知識を患者会がいっぱい持っています。こ の専門性を利用すべきであると思います。  前にも、厚生労働省の方に話の中て言ったんですけれども、その患者会にある程度の基 準を設けて助成をすべきではないかというふうなことで、そういう人たちをそこの相談、 あるいはケアマネに相談員的な形ですることは、効率がとてもいいと考えています。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  竹下委員。 ○竹下委員  短く、2点だけお願いいたします。  僕は、ケアマネジメントの位置づけというものは、皆さんの議論が非常にいい方向でさ れていると思うので、全てにおいて賛成なんですが、ケアマネジメントの関係では、先ほ ど国家資格云々があったと思うんですけれども、それは非常に重要だと思います。  といいますのは、ケアマネージャーがどういう機能、あるいはどういう権能を持って役 割を果たすのかということが明確になっていかないと、せっかくのたくさんの社会資源や いくつかの事業化が進んでいっても、それをうまく統合できないと思います。  そういう意味では、ケアマネージャーの位置づけというものが、より大きくなるために は、そういう権能と役割というものが明確になるためにも資格制度というものをきちんと すべきだろうというのが1点です。  それから、もう一つは、今日の議論でも大分見えてきていると思うんですけれども、や はり相談事業全体とこのケアマネジメント、サービス計画、これがバラバラだということ が明確になったと思います。  それは当たり前なんです。自立支援給付と地域生活支援事業との中でバラバラにされて しまっているからなんです。  それを1つでやれといっても、僕は無理だと思います。  予算的なことについても議論があったので、私のほうから指摘しませんが、そういうこ とから考えますと、ケアマネジメントということを考えるときに、相談事業というものを もっと統一的に考えられるような制度化、あるいはそのニーズが本当にうまく流れていく。 各障害を持った人の抱えている問題を入口から最後まで流れていく、そういう体制で事業 化をしていくためには、自立支援給付とこういう地域生活支援事業の分断ということは、 直ちにやめた上で、まず考えるべきだろうと思っています。以上です。 ○潮谷部会長  ほかにござませんでしょうか。  それでは、福島委員にまずお願いします。 ○福島委員  ケアマネジメントのことについて、言葉の問題と役割の問題についての意見です。  皆さんのご意見や議論の方向性は概ね私も賛成なんですが、ケアマネジメントやケアマ ネージャーという言葉を比較的障害者支援の部分で使われていますけれども、それは慎重 に使うべきだろうと思います。  というのは、これは介護保険の中で出てきたものでありますし、ケアという言葉は多義 的ではありますが、どうしてもお世話をするというニュアンスが強いですので、障害者自 立支援法の理念は本来、サポートとか、アシストに近い。援助する、支援するということ なので、ケアマネジメントという、このカタカナ語が持つニュアンスと本当は少しずれて いるんじゃないかと私は違和感を持っています。  それから、より重要なことは役割のことですね。そのことと関連して、本来は、障害を 持っている人が、自分の生活を自分でマネジメントすることが理想であろうと思います。  もちろん相談員業務を利用して、相談しながらより適切に社会資源や制度を利用してい くということは大事ですし、何でもかんでも自分でやるというのは、すごくしんどいこと でもあるので、必要なときに相談できるということは大事なんですが、だけどあまりその 部分だけは強調されすぎてしまうとマネジメントしてくれる人がいないとどうにもならな いような仕組みになってしまったり、またケースによっては、本人が必ずしも望んでいな いような方向に結論が行ってしまう場合もあるかもしれない。もちろん、制度上、不服申 立てはできるようになっているとは言え、どこまで本人の意思が担保されるのかという問 題もあります。  ということで、言葉の問題と役割の問題は常に逆の方向の振り子も考えながら議論して いく必要があるというのが私の意見です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  概念整理をきちんとした上で、名称を使っていくということの大事さのご指摘もありま した。  新保委員、お願いいたします。 ○新保委員  ケアマネジメントのいわゆる支給決定プロセスの見直しのことなんですが、一口に言い ますと、相談窓口と支給決定に関わる市町村との役割というか、位置づけ、これがちょっ とはっきり見えないのかなという気がするんです。  なぜかといいますと、その相談支援の窓口がもちろん市町村である場合も、相談支援事 業者である場合もあるんでしょうが、その窓口で恐らく当初それなりの相談を受けて受理 面接に近いことをやるんだというふうに思います。  あわせてプランニングまでは至らないにしても、その受理面接の結果、この人は障害程 度区分の認定が必要だ、あるいは障害福祉サービスの利用が必要だという思いがあるから こそ、障害程度区分の認定へと動いていくはずです。  本来は、この時点から高橋先生がおっしゃったように、同一のケアマネージャーという か、この窓口の時点からケアマネージャーがしっかりと支援過程(ケアマネジメント)に 関わっていかないと、どこかで利用者の課題が変化してしまうというか、すっきりしない 仕組の仲でご本人の思いにかなわない形になってしまう場合も出てくるわけですので、そ ういう意味では、まずは現状で支給決定がなされないと、どうにも動かないという状況を どう変えていくのかというのがすごく重要だというふうに思います。  例えば、この図で行くと、介護等給付だと、若干この見直しのイメージでもいいのかな というふうに思うんですが、訓練等給付の場合ですと、その支給決定を待てないような対 象者が多々おられるんです。訓練等給付の対象者、特に精神障害者の場合はそうです。で は訓練等給付にケアマネジメント(個別支援計画)が必要ではないのかというと、そうで はなく、訓練等給付にもケアマネジメントは欠かせません。  現状では、暫定利用ができるというふうな形になっております。施設の側というか、サ ービス提供事業者の側では、暫定支給の間、一応、席を置かないで利用させております。 私どもの施設もそうです。そういうふうな形で利用させているんですが、しかし正式の利 用決定にならないもんですから、精神障害者の場合には、本当に自分を受け入れてくれる のかという思いを持ったりする、そんなことでも実は不安がよぎって、そこを利用しない で、平たく言うと現状で、障害福祉サービスに移行していない事業所のほうが気が楽だか らというので、新体系事業に移行した事業者じゃない事業所を探していってしまう。それ でいいのかどうかは分かりません。もちろんいいこともあるでしょう。しかしそういう現 実が現状の流れの中ではあるという事実がございますので、そういったことをしっかりと 見据えながら、訓練等給付と介護等給付について、この流れでケアマネジメントがまさに まさに同一のケアマネージャーによって、責任を持ってやっていけるのかどうかというこ とをちゃんとしていくことが必要だというふうに思います。  その意味では、相談支援事業者と市町村の位置づけというか、あるいは市町村窓口と市 町村審査会との役割、こういった役割分担と連携をきちんと具体化して、その流れを形成 することができていくようなことが必要だと思います。  ことに委託されている相談支援事業者の場合には、いわゆるサービス管理責任者という のがいて、そしてそのサービス管理責任者が多くは相談を受けております。私どもの施設 もそうですが、その結果支給決定を受けて、サービス事業者のところに利用が決定したと きには、サービス管理責任者とそこの事業所におけるサービス提供責任者の役割がまた明 らかではないんです、現状では。  私どもの施設ではサービス管理責任者が支給決定がなされたときにプランニングし、利 用提供を行う事業所のサービス提供責任者と連携して、改めてそこでサービス提供責任者 がプランニングをし直す、それをサービス管理責任者がちゃんと同意の上で見ていく、利 用者参画はもちろん当然ですが、そうした形をとって、そして月に2回責任者会議という のを開いて、そこでモニタリングの結果としてのミーティングをやっていく、そのときに サービス管理責任者もサービス提供責任者もみんな参加してやっていくという形をとって いくわけですが、これもある意味で事業者が思いの中でやっていることでございまして、 そこのところもどういうふうにしたらいいのかということをちゃんとしませんと、例えば 15ページのモニタリングのイメージの中で、それを毎月算定していくんだったら、その仕 組みや枠組みは一体どういうものなのかということも見えてこないし、サービス管理責任 者とサービス提供責任者を設定した意味合いもなかなかはっきりしないということもあり ます。それはもちろん人材育成の枠組みの中でやっていく事柄かもしれませんが、そうい ったことも含めながら、このプロセス、そしてそこに関わる人材、人材の役割、こういっ たものをしっかりと見直していっていただければありがたいというふうに思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  14ページのところの見直した場合のイメージ例の中で、中立性をどのように担保してい くのかどうかで、それを考えていくということの大事さがあるのではないかということと、 それから支給決定の時期的なものがケースによって変わってくる可能性もあるのではない かということでもございますので、そういったことも含めて、事務局のほうで、また今後 皆さんに論点を整理した上で出していただければと思います。  皆さん、ほかにございませんでしょうか。  どうぞ、大濱委員。 ○大濱委員  資料の9ページで、ケアマネジメント手法を用いて計画案をいかに作成するのかについ て整理されています。確かに、自分で介護利用を調整できない、単に計画案がつくれない だけならそれで良いと思います。ですが、先ほど堂本委員からもお話があったように、障 害者の場合はやはり本人をエンパワーメントする相談支援でなければならないと考えます。  ですから、最終的にはセルフケアプランをつくるまでに支援するなど、そこまで育て上 げてこそ、初めて相談支援事業者と言えるのだと思います。このように、障害者の場合と 介護保険では支援の方向がはっきり違うわけで、障害者に対する相談支援事業の在り方が 大きなポイントだと思います。  それから、資料の14ページにおいて、支給決定に先立って相談支援事業者が作成した計 画案と、市町村が決定した支給量との間で食い違いがあったときに、どのような機関が調 整するのかということも今後の大きなポイントになってくると思います。このあたりを厚 省がどう考えているのか、お聞きしたいと思っています。 ○潮谷部会長  今日は、まずは出していただいてと思います。  先ほど、星野委員、挙げていらっしゃいませんでしたか、違いましたか。  山岡委員、お願いいたします。 ○山岡委員  本来、障害者のニーズは、一人一人違うんだというふうに思っています。  例えば、発達障害は知的障害を伴うものから、例えば国立大学を優秀な成績で卒業する まで幅が広くて、同じ障害名がついても一人一人、ニーズがかなり異なるということです。 そうしますと、サービスを提供する側がしなければいけないことは、お一人お一人の障害 者のニーズを丁寧にきちんと見て、その人にあった支援をしていくんだということだとい うふうに思っています。  ここでは、今回あまり話題に出てきていませんが、個別の支援計画との関係でお話しま す。恐らく個別の支援計画は自立支援法よりももうちょっと大きな枠の話だと思いますが、 お一人お一人のニーズ、医療の部分も含めて語れるところだと思います。本来的には個別 の支援計画が定着をしていて、その中で、これを利用しながらこのケアマネジメントがで きたらいいなというふうに思っています。  ここのプロセスの中で、アセスメントとかモニタリングというのが出ていまして、現在 の制度の中では仕方がないと思うんですけれども、どなたもおっしゃっていましたが、本 来的にはやはり計画をつくる方は、実施する方と別の方が専門的につくられて、その方が 費用対効果だとか、実際にやっていることをモニタリングするのが本来の筋ではないかと 思っています。将来的には、支援する方と別の第三者の方が、プランをし、モニタリング をするということを展望しておくべきではないかというふうに思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  副島委員、お願いいたします。 ○副島委員  相談支援事業のケアマネジメントの重要性というのはよく言われると思うんですけれど も、このケアマネジメントがきちんと位置づくということについては、3つ要素があると 思います。  1つは、今回の指摘どおり、サービス利用計画の作成が支給決定の後になってしまって、 結局、サービスの利用計画をしても何の意味もなくなってしまうということの見直しの視 点がどうしても必要だということです。  それから、サービス利用計画に対する利用拡大、対象拡大、特に施設とか家庭というの を限定せずに、本当に全ての本人のライフステージのあらゆる変化に対して、本人が地域 の中で安心して生活が送れるように、いろいろなケースに対応できるよう利用拡大、対象 拡大の必要があると思います。  もう一つは、サービス利用作成費の単価が安すぎることです。これでは事業所が経営し ていくためには、40ケースも50ケースも持たないといけないことにならないか。これが無 理だと言うことで、高齢者の場合は、今は単価が1万3,000円ですか。これだってたくさ んのケースを持った場合には、よい取り組みはできない。  そういうふうに単価のところももう一度見直しをかける必要があります。特に相談支援 事業の業務だけでちゃんと専門員の身分保証ができるというところまで、ぜひ見直しをし ていただきたいと思います。  それから、このケアマネジメントが法人の利益追求になってしまうという高齢者福祉の 問題がありました。我々が考えているのは、相談支援専門員としての民間の相談員が行政 の中に、行政の管理体制の中に一緒に入ってやっていくという、お互いにチェック機能を 働かせながら、中立性を守っていくということ。尾道市の場合のように民間の職員を行政 の中に取り入れて、行政がある程度の応援をしながら取り組んでいくという機能がいいの ではないかと思っています。そういう面についてのご意見なりを私も伺いたいと思います。  特に、広島関係はこれで進めていこうと思っていますので、これについてはどんな問題 点があるのかということも意見をいただきたいと思います。以上です。 ○潮谷部会長  伊藤委員、お願いいたします。 ○伊藤委員  12ページでございますが、サービス利用計画作成費の対象者という論点案について、地 域で生活する障害者への対象の拡大とともに、地域生活への移行に向けた地域の相談支援 事業等との連携をすすめるという観点から、また、地域生活へ移行した後の在宅での生活 支援との連続性を担保するためにも、これは是が非でも施設入所を利用する方を含めて対 象者の拡大をお願いしたいと思います。これは33回の審議会の中でも強くお願いをしたと ころでございますので、ぜひともサービス利用計画作成費の対象の拡大に向けてのご努力 をいただきたいと思います。  それと14ページのサービス利用手続の在り方の見直しの場合のイメージ例ということで、 先ほども新保委員がおっしゃったとおり、このプロセスをうまくきちんと担保するかとい うことが重要であると思います。実はその顕著な例が、障害程度区分の認定の際に、認定 調査員といろいろやり取りをして、十分に障害程度区分に反映していただけたかどうか。 相当な方が障害程度区分認定について不満を持っていらっしゃったと思います。  そういう意味では、この市町村の担当者が支給決定の前に課題分析と計画案の作成を行 うというプロセスを入れ込むわけですけれども、ここのところが実際には非常に難しいの ではないかと思います。  例えば、適切に利用者の状態像を把握してもらうために、相談員等はよりきめ細かにこ の部分をこうしてほしいというものを伝えたとします。しかし、それが適切に支給決定に 反映されるかということが心配されます。  実は、ここが現場の第一線の中では、相当のせめぎあいがあるのではないかと思います。 こういった意味では、利用者の状態像を十分にくみ取った上での支給決定となるように、 引き続ききちんとした丁寧な国の指導をお願いしたいと思います。そういったことでプロ セスの質、実質的な中身を担保しないと、イメージ図のとおり形はできても、市町村によ っては内容が伴わないということになってはやはり残念な結果になってしまう。その点も 加えてお願いしたいと思います。以上でございます。 ○潮谷部会長  小板委員、お願いいたします。 ○小板委員  我々の施設の中でも相談事業というか、そういうようなものは少しずつやっているわけ なんですけれども、事業者であるから公平性に欠けるとか、いろいろな問題が出てきてい るかなということは思います。  しかし、施設のほうについてもなかなか相談事業だけで人手をきちんと雇っていける、 そういうシステムにもなっていないわけなんです。  ですから、当然のことながら、曖昧にならざるを得ないという実態はあると思います。  それは、ともかくとしても実は、今ずっとお話を聞いていると、やはり相談事業の大切 さということはひしひしと分かってくるわけですし、それが本当の入口であり、しかもそ の最後までやらなければいけないという、そういったところにあるだろうと思います。  ところが、さてその人材はどうかとなると、ほとんどないということと同時に、人材は あったとしても予算がついていないという現実があると思います。  ですから、これはやはり重要性が分かるとすれば、やはり人材をどういうふうに養成す るのか。そして、その養成した人たちに対してどれだけの予算をつけて、その人たちがき ちんと生活ができるように保障していけるかどうかということだと思うんです。  これは、多分、この自立支援法がきちんとでき上がっていくためには絶対に必要だと感 じた場合には、これはきちんとした数値目標を出して、そしてやっていくという、そうい う気概がなければ、これは難しいのではないかと思うんです。  だから、以前の審議会でもこれは審議されたと思うんですけれども、そのときは曖昧で うやむやになってしまったということで、今回こうなってきていると思うんです。  ですから、そこら辺のところもやはり見直しの段階で、やはりきちんとした数値目標を かけて、そして国家的なプロジェクトみたいな形の中で、人材育成をしなければいかんの ではないかなというふうに思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  広田委員、お願いいたします。 ○広田委員  さっき発言したんですけど、1ページ目のなぜ嫌だと言ったのかというと、地域全体で 連携して検討し、という場合に、本人が不在なことがとても多いんです。ほかの仲間たち も私を抜きに私のことを決めないでと言うんですけれども、とかく不在にされていますの で、それが嫌だということです。  それから、さっき箕輪委員のお話がとてもよくて、本当に相談と一口に言うんですけど、 相談ではなくて話し相手がいなくてかかってくる人もたくさんいるわけです。何を訴えた いのかということは自分自身も分からないし、聞いている中で、こちらが整理して、あな たがおっしゃっていることは、こういうことですかと確認しながら聞いていく場合もある し、本当にただ単に12時ごろ起きて、今日、雨が降っているから寂しい、これが相談なの かどうなのかなということで、相談、相談と言うけれど、この間、新聞に出ていましたが、 インターネットで日本語のブログが7,000万あって、全世界で第1位だそうです。  カモハラさんがどういう生活をしているか知りませんけれども、ある夫婦によっては直 に会話をしないで、メールで会話をしていると、そのぐらいメールとかインターネットが ライフラインというおかしなことを言っている人たちもいますけれども、そういうふうな ことで、いろいろな相談という形で電話をいただきますけど、ある意味では、今の時代は そういうITという情報伝達技術に頼り過ぎて、コミュニケーション、ハンディキャップ の時代になっていると思います。  そういう意味で言えば、相談というよりもお話し方のトレーニングというふうなことが たくさんあるんですね。  そういうことを言いますと、本当に当事者同士の話をすることによって力をつけていっ て、さっきの大濱委員じゃないけれども、セルフマネジメントというお話も出ましたけれ ども、そういう形ですると、さっき私はピアカウンセリングを神奈川県でやっているから、 国でやってほしと言ったんですが、もっとピアカウンセリングを広げて、ピアサポートと いう項目にしていただきたいということで、ぜひみんなで力をつけて、コミュニケーショ ン能力をつけて、何を相手が話しているのかということを聞き入れられる人になりたいと いうことで、さっきちょっと専門性という話が出ていましたけれども、精神のケアマネー ジャーがどういう方がなるか、まだ伺っていませんけれども、ぜひケアマネージャー、専 門性だけではなくて、自らの市民性、住民性、社会性なくして、何が人の話を聞けるんだ ということで、私はちょっと変わったおばさんですけど、住民性はあると思っています。  そういうことで、さっき本人不在で、私のことを抜きに私のことを決めないでというこ とで、嫌だというふうに言いました。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  まだ、皆さんたくさん意見があると思いますが、20ページのところで、自立支援協議会 の法定化の問題がありますので、これはもうそれぞれのお立場の中の結論めいたところで、 少しお聞かせいただいたほうがいいかなと思いますので、この点について皆様方の中で、 ご発言がございましたら、お願いいたします。  北岡委員。 ○北岡委員  私は、この自立支援協議会というのは大変重要な役割を担うんだろうと思います。  今日の相談支援事業もそうですし、ケアマネジメントの話もそうですが、それらのこと は多分この自立支援協議会でしっかりと集約されていくというか、成果を上げていくため には、この自立支援協議会の役割は本当に重要だというふうに思っています。  そういう観点から、今、曖昧な位置づけになっておりますので、ぜひ法律上の位置づけ を明確にすべきというふうに思います。それが1つです。  それから、自立支援協議会は、実は私どもに対して問合せがよく来るのは、この地域自 立支援協議会で何をするのだということがまだ明解によく理解されてない部分があるのか なというふうに思っています。  ここに3つほど、厚生労働省の主な機能ということで書かれておりまして、もちろんこ ういうことはそうなんですが、さらに困難事例でない場合でも、この自立支援協議会の中 で、どういう相談がその地域の中で起こり、検討され、どんなケアプランが立てられ、そ の方が満足もされ、地域の中で暮らしているのかということをここで報告をするというよ うな役割が実はすごく重要ではないのかというふうに思います。  そうしますとこの自立支援協議会の適正な規模といいますか、どういう市町村でどの程 度の規模の中でこれが取り組まれていくべきかというようなことも必然と議論になるだろ うと。  私は、この自立支援協議会というのは、20万人以下ぐらいで1カ所ずつぐらい設置して いく必要があるのではないかというふうに考えております。  そして、この協議会が活発に動かないと、地域で障害のある方が暮らしていくことを継 続して一生涯にわたって支えていくというのが非常に困難になってきますので、この自立 支援協議会がどうやって活発化していくかということを考えるわけですが、冒頭の議論で すが、相談支援が非常にその地域の中で熱心に障害者ご本人に寄り添う形でどう相談事業 が展開されているのかということが重要になるわけです。  そうしますとやはり財源のところにたどり着いていきまして、今日も何人からもお話が ありましたが、一般財源化以降、相談支援の財源確保が大変厳しくなっていて、これらは 実は経験豊かな人材を配置するということが重要なキーワードですが、それが非常に困難 になっていると。現場では、信頼関係を構築できる経験と交渉力が実は大変必要なんです けれども、非常にこのことが難しくなってきているというふうに言えると思います。  ですから、ここにしっかりと財源を投入する仕組みが必要で、今日は交付税から補助金 に戻せないかというお話がありましたけれども、多分、交付税では駄目だという、半ば共 通理解がここの委員会にあって、ですから補助金という言い方になっているんだろうと思 います。  実は、交付税でも補助金でもしっかりとこの部分に財政が投入されて、機能していけば、 どの財布を使うかというのはともかく、現状では非常にこれは難しい状況にある。  小沢委員の指摘もありましたけれども、都道府県の役割も含めて、ここについてはしっ かりと、何かやはり知恵を出していかないと、この地域自立支援協議会そのものが非常に やせていって、絵に描いた餅になってしまうというふうに強く思います。  そして最後に、やはり今日、いろいろと相談の今後の在り方について、厚生労働省で3 つ整理されていまして、総合的拠点とか連携型とか介護保険の包括支援センターを窓口に どうやっていくかと、こういうことがありますが、私もできれば地域特性はいろいろある と思うんですが、総合的な拠点の整備に向けて、大きく動くべきだろうと、その際に、ど ういう役割をここの中に盛り込むのかということで、せめて5つの機能は盛り込むべきだ と思っていまして、1つは個別給付の機能だとか、社会資源を開発していくための機能で あるとか、地域移行を支援して行うための機能であるとか、先ほども出ていましたが、居 住サポートの機能であるとか、権利擁護の機能であるとか、これらをやはりできれば20万 人、最低でも1カ所整備していき、きめ細かく地域の中核を担う。そして、この自立支援 協議会を活性化していくというようなことが大変重要だというふうに思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  法定化の問題、それから役割、規模、財源、そういう角度の中からいただきました。  堂本知事、よろしくお願いいたします。 ○堂本委員  短く申し上げますけれども、ここの両方、地域自立支援協議会、26ページと27ページに 両方ありますけれども、どちらも構成メンバーにその当事者が入ってない。  障害当事者団体と書いてあるんですけれども、今、北岡さんが言われたように、20万人 以下になると、その団体なんかは必ずしもあるとは限らないんですね。  今日やはりとてもすごい話だなと思ったことは、君塚先生が、医師として30年とおっし ゃいましたか、勤務していて、それよりも患者さんのほうが詳しいんですよって、大濱さ んの発言を引いておっしゃった。私は、それはもう本当に真実だと思います。  それは、けがとか事故にあった方だけではなくて、精神障害の方も知的障害の場合の家 族とか、それから身体障害の方、お隣に竹下さんもいらっしゃるけれども、皆さん今日は 当事者の方がいっぱいいらっしゃいますけれども、やはり小さい地域でも必ず千葉の場合 は当事者に登場していただいていました。そして、本当に深い、そしてシシンに富んだ発 言を当事者がなさるのを聞いて、やはりこの第三者である医療関係者とか、教育機関とか、 企業とか、事業者とか、行政とか、そういういわゆる当事者じゃない人が決めるというの ではなくて、この協議会にはぜひその当事者団体ではなくて、当事者が必ず入るような仕 組み、それをお考えいただきたいと思います。ありがとうございました。 ○潮谷部会長  ただいまの御指摘につきましては、参考までに申し上げますが、どうぞ18頁のところを ご覧下さればと思います。しかし、堂本知事のご指摘は、さらにしっかりと受けとめてい ただいて、当事者発言だとか、存在感だとか、そういったことも意識して実効性を担保し ていかれる方向をお願いします。  星野委員、お願いいたします。 ○星野委員  今の北岡委員の意気込みはよく分かるんですけれども、実際に、自立支援協議会の窓口 に関わってみて思うのは、実は堂本知事が発言されると期待していたんですが、堂本知事 の文章の中にもありますけれども、今まで具体的に地域の中で根をはってやってきた既存 の形、あるいはそういう努力が今までやってきたグループ、それぞれの地域にあったもの が作られてきたところに、新しい名前でドンと上から来たもんですから馴染めないんです。  要するに、その地域から始まった話ではなくて、今度の新しい法律に基づいて、こうい うやり方でこうやってまとめろという話でくるもんですから、なかなか今までの人たちが 本当になじめないし、絡めない。そこをもう一遍考えたほうがいいと思っています。  そういう法令化とかその財源の問題ももちろんあるわけですが、そういう意味で、この データを見ても、なかなか実態、本当に必要な実態に近づいていかない。形だけで終わる、 というのが今の姿ではないのかなと心配します。  気持ちは分かるんですけど、もうちょっと地域の中身をつなぎながらやってほしいと思 っています。 ○潮谷部会長  北岡委員、お願いいたします。 ○北岡委員  大変示唆に富むご意見、ありがとうございます。  地域の中で、様々なこれまでのいろいろな取組あると思うんですね。我々の地域も地域 自立支援協議会という言葉は使わず、サービス調整会議という名前を使ってやってきまし た。そういう様々な地域の中で、それぞれの地域で支えていく取組があることも事実だろ うと思います。  しかし、全くない地域もあるので、この際、やはり法定化をしてないところにおいては、 やはりそういう立ち上げをやっていく必要があるという観点で申し上げたんですけど。 ○潮谷部会長  意味合いは、どうぞしっかりと受け止めていただきたいと思います。  最後に、宮崎委員、お願いしたいと思います。 ○宮崎委員  このことについてだけはちょっとだけお話をさせていただきます。  地域自立支援協議会の法定化に向けてという話は、誠に結構なことだというふうに思う んですが、実は、同様の動きというのが、例えば教育の世界でも動いているんですね。広 域連携協議会というのが、実は、特別支援教育の動向に関わって、全国の各都道府県とそ れから市町村にも置くような動き。ところが、障害者問題に関わるこういった動きがあっ ちこっち、似たような名称でたくさんできてしまうということはどんなものなのかなとい う、そういう危惧があるんです。  だから、鼎の軽重を問うような問題になると思うんですが、やはり整理をする必要性が あるだろうと思います。  今日の大きな課題の中に、相談体制の整備ということがあったんですが、ここのところ の動きでは、個別サービスから、いわゆる例えば家族全体を包み込むようなサービスへの 動きですとか、あるいは専門家の個別的な対応から親を含む専門家チームへの共同、コラ ボレーション、そういった対応への動き、まさにこの自立支援協議会の発想そのものがそ うだというふうに思うんですが、幾つかの要素があって、たくさんの領域で考えていく必 要性があると思うんですね。  そういう意味では、今日、あまり出てこなかったんですが、個別の機関対応というとこ ろから、機関間の連携対応というのが実はすごく重要になっていて、これがなければ、駄 目なんじゃないかというような気が私はしています。  そういう点では、診断の問題なんかもきちんとした整理の在り方というんですが、全体 的な動きになっていかないといけないだろうと思います。  一番重要なのは、ご本人さんの支援という、今日、何人かの当事者の方からお話しされ ているんですが、そういったことを重要視していく仕組みをつくらなければいけないので、 これも法定化するときに、いろいろな要素を織り交ぜて整備をするということをぜひどこ かで考えていただきたいと思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  施策をしていくときに、当事者中心、クライアントセンターという考え方を中心に据え て整理をしていくということ、また各省庁との横串の問題がとても大事だと思いますし、 財源がないところで、いろいろなところに組織化されていくということの問題もあるかと 思いますので、ぜひ受け止めていっていただきたいと思います。  今日は、皆様方、本当に熱心に論議をしていただきまして、ありがとうございました。  まだ、言い足りなかった方、おいでかと思いますので、ぜひそれは後ほど文章ででも事 務局のほうに提出していただければと思います。  次回の日程等について、事務局から説明をいただいて終わりとさせていただきたいと思 います。  ありがとうございました。 ○蒲原企画課長  本日はご熱心にご議論いただきまして、本当にありがとうございました。  次回の日程でございますが、10月22日の水曜日の午後2時からということで予定してお ります。おって正式にご連絡いたしたいと思います。  内容的には、次は、就労支援、所得保障についてご議論いただきたいということで、今、 検討中でございますので、よろしくお願いいたします。  それでは、どうもありがとうございました。 (了) (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                    厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3022)