08/09/19 平成20年9月19日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 部会議事録(案) 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録 ○日  時:平成20年9月19日(金) 14:00〜15:20 ○場  所1:厚生労働省 共用第8会議室 ○出席者: 委 員  青木委員、大野委員(部会長)、尾崎委員、加藤委員、佐々木委員、      志賀委員、豊田委員、松田委員、山内委員、山添委員、由田委員、鰐渕委員 事務局  國枝基準審査課長、小木課長補佐、江島専門官、中田専門官 関係省庁 農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室 渡辺専門官      農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課     山本専門官      農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課     峯戸松係長 1.開  会 2.議  題  (1)食品中の残留農薬等に係る残留基準設定について    ・グリチルリチン酸(動物用医薬品)    ・バルネムリン(動物用医薬品)    ・メタミドホス(農薬)  (2)その他 3.閉  会 ○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会を開催させていただきます。  本日は、お忙しい中をお集まりいただき、ありがとうございます。どうぞよろし くお願いいたします。  本日は、井上委員、斉藤委員及び吉池委員より、御欠席される旨の御連絡をいた だいております。あと、尾崎先生から電車の都合で5分程度遅れるという御連絡を いただいておりますが、農薬・動物用医薬品部会の委員数15名中11名の出席をい ただいており、部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立し ておりますことを御報告いたします。  それでは、大野部会長に審議の進行をお願いしたいと思います。今後の御審議よ ろしくお願い申し上げます。 ○大野部会長 それでは、議事に入らせていただきます。  初めに、事務局から配付資料の説明をお願いいたします。 (配付資料確認) ○大野部会長 それでは、審議に入らせていただきたいと思います。  今日は、動物用医薬品2剤と農薬1剤について御審議いただくことになります。 これらの資料については、あらかじめ先生方にお送りいたしまして検討していただ いているところでございます。  それでは最初に、グリチルリチン酸モノアンモニウムの審議に入らせていただき ます。事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは、1番目のグリチルリチン酸です。  品目名、グリチルリチン酸です。用途は、我が国においてはウシの乳房炎の治療 になります。グリチルリチン酸は甘草由来物質で、ヒスタミンやロイコトリエン等 の炎症誘起因子の産出を抑制することにより、炎症を速やかに改善いたします。  グリチルリチン酸については、食品添加物及び肝疾患用剤、アレルギー用薬、漢 方薬などとして国内外で幅広く使用されております。  今般の残留基準の検討は、グリチルリチン酸モノアンモニウムが動物用医薬品と して製造販売の承認申請がなされたことに伴うもので、これにあたり内閣府食品安 全委員会において食品健康影響評価がなされました。  適用方法及び用量として、1分房当たりグリチルリチン酸として600 mgを泌乳期 の乳房炎発症乳房内に注入いたします。投与は1症例につき1回といたします。本 剤投与後、直ちに泌乳期用乳房注入剤(セファゾリン)を用法・用量に従って、1 分房当たり最大450 mgを1回、乳房内に投与いたします。本剤の休薬期間は、セファ ゾリンの使用禁止期間に従って、ウシで3日及び乳で72時間となっております。な お、諸外国においては乳房炎での治療薬等、動物用医薬品としての承認はありませ ん。  組織等における残留は、泌乳牛にグリチルリチン酸として2倍量を4分房内に単 回投与して、投与12時間後の筋肉、脂肪、肝臓、腎臓及び小腸におけるグリチルリ チン酸濃度を以下に示しておりますが、本剤については2倍量で休薬期間が72時間 のところ、12時間後というデータしかありません。  また、泌乳牛にグリチルリチン酸として常用量及び2倍量を4分房内に単回投与 した別の試験の結果が次の表になっております。  許容一日摂取量評価は、食品安全委員会における評価結果として、本成分を主成 分とする動物用医薬品製剤は、乳房炎の治療として乳房炎発症乳房内に1症例につ き1回投与することとされ、使用機会が限定されている。また、本製剤の休薬期間 である72時間後のウシの乳汁中残留試験の結果が0.05〜4.0 μg/mLであり、仮に ヒトが一日当たり1L牛乳を飲用したとしても0.05〜4.0 mg/人/日となります。こ の量はウシの乳汁中残留試験結果が2倍量投与の結果であり、通常の用量における 残留量はより低いこと及び当製剤の使用機会が限定されていることを踏まえると過 大な量と思われますが、JECFA及びEUで示している一日摂取量100 mg/人/日や、 CEM van Gelderenが設定したADIである10 mg/人/日を十分下回っております。 これからのことから、グリチルリチン酸モノアンモニウムは動物用医薬品として適 切に使用される限りにおいては、動物用医薬品を由来とするグリチルリチン酸が食 品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視できるものと考えられるという 評価になっております。  基準値案は5ページに表があります。この基準値案ですが、既に先生方にお渡し している基準値から少し変更させていただいております。基準値案について、すべ て整数でのppmとなっております。残留試験成績についてウシの筋肉、脂肪、肝臓、 腎臓、食用部分については休薬期間が72時間であるところ、2倍量のしかも試験時 間12時間のデータとなっております。乳については72時間のデータになっており ます。  2倍量12時間のデータから基準値を置いていることについては、食品安全委員会 でもグリチルリチン酸が甘草由来であることから、ヒトの健康に影響を与える可能 性は無視できると評価していることから、問題はないと考えております。  別紙2で、このADIというのはCEM van Gelderenが提案した0.2 mg/kg体重/ 日のADI比でいきますと、国民平均で1.5%、幼小児で6.6%、妊婦で1.9%、高齢 者で1.5%となっております。  答申案は8ページの基準値案にしたいと考えております。  御審議のほどお願いいたします。 ○大野部会長 どうもありがとうございました。それでは、審議に入りたいと思い ます。ただいまの説明についての御質問・御意見はございますか。  私から補足させていただきますけれども、4ページ目の上から5行目で「CEM van  Gelderen et al.で設定されたADIである10 mg/人/日を十分」という表現があっ て、「6.基準値案」の(3)ADI比のところでは「CEM van Gelderen et al.が 提案した0.2 mg/kg体重/日」ということで、ちょっと表現が違っております。これ は、もとのGelderenらが書いた論文では0.2 mg/kg体重/日という表現を使ってお ります。食品安全委員会の方は、それを体重50kgとして換算した値で、10 mg/人/ 日の表現を使っております。食品安全委員会の表現にずれがあるんじゃないかとい うことで、本来であれば基準値案の(3)の方がいいんじゃないかということで修正 してもらったものです。  ほかに御意見ございますか。 ○山添委員 質問は、グリチルリチン酸で残留対象を見ているんですけれども、生 体の中に入って動く形というのは糖が切れた形ですよね。グリチルレチン酸を選ば ずにグリチルリチン酸を選んだというのは、何らかの理由があるのかどうかをお伺 いしたいんですが。 ○事務局 この件については、食品安全委員会もグリチルレチンについて一緒に評 価しておりまして、規制の対象としてグリチルリチンという形での評価がなされて おりますので、グリチルリチンで規制の対象とすることとしております。 ○山添委員 中身的に十分にカバーできているということですか。 ○事務局 グリチルレチンについても適切に評価した上で、グリチルリチンの方で 規制をすることが妥当だろうということで評価がなされていると思います。 ○大野部会長 ほかに御意見ございますか。 ○佐々木委員 これまでの剤では食品安全委員会が適切に使用する限りにおいては、 健康影響は無視できると結論付けたものについては、この会では基準値を設けない のが通例だったかと思うのですが、今回、食品安全委員会以外のADIを採用して基 準値を設定されたのは、何か理由があるのでしょうか。 ○事務局 確かに、食品安全委員会では影響は無視できるものと考えられるという 評価がなされていますけれども、食品安全委員会の評価書の中にもCEM van  Gelderen氏の報告について検討がなされておりまして、その中で提案されたADIで ある10 mg/人/日を十分下回っているという評価もなされておりますので、そのADI も参照し考えてみました。 ○大野部会長 よろしいですか。 ○志賀委員 今の点でいいですか。私はわからないので、いいのかなと思ったんで すけれども、うんとささいなことでいいですか。例のCEM van Gelderenですけれ ども、表記上の問題です。食品安全委員会の方には引用文献が出ていますが、イニ シャルの「CEM」は普通の場合は要らないんじゃないかと思いました。つけるならば ピリオドをつけないと機関の略称か何かかなと。ただ、Van Gelderenという人が有 名な研究者で、別のイニシャルの人がいたりすると区別する必要はあるかと思いま す。  それから、むしろ、引用文献までこれで載せるスタイルにはなっていませんけれ ども、「Van Gelderen et al.(2000)」というのを入れてしまったらどうでしょ うか。そうするとはっきりとすると思います。特に上の方です。下の方は上に入っ ていれば、もういいかなと思いますけれども。 ○事務局 御指摘ありがとうございます。 ○大野部会長 おっしゃるように、引用するからには入れておかないとまずいです ね。では「CEM」というのは特に入れる必要はないと思いますので、とっていただけ ますでしょうか。 ○基準審査課長 先ほどの佐々木先生あるいは志賀先生の御質問の点ですが、食品 安全委員会でのいろいろな審議の状況を見ていますと、特に動物用医薬品の場合に はデータセットとして完全にADIを算出するには若干不十分なものもありまして、 必要な場合は当然求めるわけですけれども、そこまで求める必要がない場合、実際 には動物用医薬品の使用実態と休薬期間などを見て、適切に使用されている場合に はいいという形のものが、現実的には食品健康影響評価として多くなっています。 通常そういった場合には、一律基準あるいは抗菌性物質であれば検出されないとい うことになるんですけれども、御承知のようにグリチルリチン酸の場合には医薬品 などにも使われていますし、あるいはさまざまな食品などにも使われていて、厳密 に一律基準の形にして果たして適切なのかということがありまして、別紙1に書い てあるように、それを把握する上で通常適正に使った場合、実際にどの程度の量が 残留しているかというのは、残念ながら2倍量のものを12時間までしか追っている ものがないという状況の中で、TMDIとADIの比で見ると幼小児でも約7%というこ とでございますので、非常に厳しく見たADIの0.2 mg/kg体重/日を用いていますが、 そういうことから見て提案のようなことで差し支えないのかなという判断をしたも のです。  当剤以外にも食品安全委員会の評価の中で同様の形式で返されており、当方でど う対応していいのかわからないものが幾つかございますが、それについては食品安 全委員会とも確認し合って、適切に使うというのはこちらの残留基準についてはど の程度の範囲にしたのかをもう少し明確にしてほしいということを確認しているも のもございます。状況としてはそういうことでございます。 ○大野部会長 これはもし設定しなかった場合には、一律基準が適用されると。0.01 ppmになってしまうわけですね。そうすると、実際には措置をしたウシからは牛乳の 中に0.01 ppmより高い濃度が入ってきてしまう可能性があるということですね。 ○基準審査課長 そういうことです。ただ、牛乳ではあり得ると思いますけれども、 それ以外の場合は多分ないと思います。 ○大野部会長 そうすると、安全であるにもかかわらず規制しなくてはいけなく なってしまうということですね。そういう意味で、この数値を入れないと支障を来 すということですね。 ○基準審査課長 もう一つのやり方としては、対象外物質が今現在65物質あります けれども、非常に安全なものはその中に含めるという方法もございますが、今回は そういう形はとっておりません。 ○大野部会長 よろしいでしょうか。ほかに御意見ございますか。  それでは、事務局から提出された基準値案と報告書の内容、若干修正はされまし たが、修正した上でこの部会の報告としてよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。  それでは次ですが、やはり動物用医薬品のバルネムリンについて説明をお願いい たします。 ○事務局 バルネムリンです。用途は、ブタの細菌感染症の治療です。バルネムリ ンはプレウロムリン系抗生物質であり、作用機序は細菌のたんぱく質合成阻害です。 ブタの細菌感染症の治療に我が国を初め欧州で用いられております。  適用方法及び用量ですけれども、EUの使用方法と日本の使用方法が載っており ます。  分布試験などの結果は2ページに書かれております。ブタに5mg/kg体重を一日2 回7.5日間連続投与した結果ですが、Tmaxが2.7時間、血漿中平均半減期は2.7時 間と、かなり早く消失するような状態となっております。  3ページにて代謝物についての検討がなされており、ブタにバルネムリンとして 25 mg/kg体重を一日2回、7.5日間連続して経口投与したところ、胆汁で11種類の 代謝物が認められ、そのうち6種類は肝臓でも確認されております。そのうち2つ の代謝物のみに抗菌活性が認められ、代謝物の抗菌活性はバルネムリンの約70%で あったということです。  4ページにて組織における残留試験が行われており、表1が日本の使用方法とな ります。10.2 mg/kg体重/日が200 ppmになります。22.6 mg/kg体重/日が2倍量に なります。日本の休薬期間である2日の10.2 mg/kg体重/日を見ていただければわ かりますとおり、全て検出限界値となっております。  5ページに表2があり、筋肉、脂肪、肝臓、腎臓の値が掲載されております。バ ルネムリンとして3.8 mg/kg体重/日は約4mgと、11.6 mg/kg体重/日が約12 mgと しておおよそEUの使用方法に沿っているといたしました。11.6 mg/kgを投与した 1日目の値がEUの最高値での残留値になっております。  ここで問題がありまして、11.6 mg/kg体重/日を28日間投与したデータが掲載さ れておりますが、EUの使用方法においては12 mg/kg 体重/日を21日間投与という ことで少し異なっておりますが、先ほども申し上げましたとおり半減期が比較的早 いということもありますので、このデータから残留基準値を設けたいと考えており ます。  許容一日摂取量評価は、食品安全委員会における食品健康影響評価でバルネムリ ンのADIとして0.008 mg/kg体重/日となっております。あと、微生物学的ADIもほ ぼ同じ値となっております。  諸外国における使用状況と評価ですけれども、EUにおいてブタに使用が認めら れております。FAO/WHO合同食品添加物専門家会議においては評価されておりませ ん。  また、基準値案は、残留の規制対象としてバルネムリン本体のみとし、7ページ の別紙1に示しております。基準値の現行についてはブタの筋肉、脂肪、肝臓、腎 臓、その他食用部分すべて0.05 ppmとなっております。今回EUのデータが出てき ておりますので、EUの基準値である0.5 ppm、残留試験成績について参考までに8 時間の値を出しておりますが、まず、ブタの肝臓について1日目の値が0.113±0.065 ppmでしたので、0.5 ppmとさせていただきます。また、ブタの腎臓について基準値 案を0.1 ppmとしておりますが、1日の残留試験成績では0.025 ppm以下、0.034 ppm、 0.044 ppm、0.055 ppm及び0.159 ppmと一部0.1 ppmよりも高い値がありますが、 EUでも0.1 ppmという値でリスク管理がなされておりますので、0.1 ppmの値を基 準値案として置きたいと考えております。  8ページにADI比を示しております。国民平均で0.4%、幼小児で0.9%、妊婦で 0.5%、高齢者で0.4%となっております。  バルネムリンの答申案は10ページに記載させていただいております。  御審議のほどお願いいたします。 ○大野部会長 ありがとうございました。  ただいまの説明についての御質問・御意見はございますか。 ○志賀委員 また細かい話です。4ページと5ページの表の見方ですけれども、本 文と詳しく照合するとわかるのかなと思ったのですが、ちょっとわかりにくかった ので教えていただけますでしょうか。一つは表の右肩にppmと書いてありますけれ ども、これはそれぞれの数値の単位ですか。 ○事務局 はい。 ○志賀委員 では、これはいいです。  もう一つ、脚注にもありますけれども、括弧内は検体数と書いてありますが、こ れはどう見るのでしょうか。そう言うと変な質問かもしれませんが、何も書いてい ないのと1から2から3から4からいろいろございますけれども。この数値の該当 するものの検体数ということなんでしょうか。 ○事務局 そうですね。例えば腎臓の10.2 mg/kg 体重/日の4時間のところで0.05 ppm以下というのが2個体あるということです。 ○志賀委員 あら探しみたいで恐縮ですが、表2の腎臓の5日目の0.083は「(1)」 となっていますね。そうすると、ほかは何検体なのかというのがわからなくなりま して。やはり公表されるものだとわかりやすくないといけないかなと思いまして、 あえて申しました。 ○大野部会長 そうですね、表2の「(1)」は不必要ですね。 ○事務局 表2については、わかりにくくなっており申し訳ありません。この表2 の各区分については基本的に5検体ずつやっております。腎臓の5日目の2倍量の 一番下の「(1)」というのは、0.083 ppmの1個体しかデータがないということを示 しております。 ○志賀委員 そうすると、表1と表2は標準の検体数が違うということですか。 ○事務局 そうです。表2で何も書いていないものについてはすべて5検体なんだ けれども、腎臓の2倍量の5日目については1つのデータしかないと。 ○志賀委員 要するに、5検体を標準にして、それに達しなかった、不足していた ものが検体数が1とか2とか書いているということですか。表1の方は違うんです よね。非常に似た形式の表で両方違うとえらくわかりにくいと思いますので、例え ば表2に関して言えば、注釈のところに5検体というのも入れてしまって。5検体 と数字を1個、1個入れるのも面倒でしょうから、5検体を標準とするというのか 何というのか。 ○山添委員 試料数はn=5で、それ以外のものについては括弧内に検体数を示す という表現にすれば。 ○事務局 どうもありがとうございます。 ○大野部会長 では、そのように修正をお願いいたします。内容も含めて非常に細 かく見ていただき、どうもありがとうございます。  ほかにございませんか。それでは、表の修正がございましたけれども、それを含 んだ上でこの答申案をこの部会の答申としてよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。  では、次は農薬のメタミドホスについて事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 農薬、メタミドホスです。資料は3−1と資料3−2になりまして、資 料3−1が食品安全委員会からの健康影響評価の評価書になってございます。その 中でADIが以前に比べて1けた小さくなった値になってございますので、今回配付 させていただいております資料3−2は、そういった意味で暫定版ということで書 かせていただいております。これまでの経過と報告ということで中間的に報告をさ せていただくものです。  資料3−2に沿って説明をさせていただきます。  品目名はメタミドホスです。用途は有機リン系の殺虫剤です。アセチルコリンエ ステラーゼ活性を阻害することによって作用すると考えられているものです。  化学名、構造式については記載のとおりです。  適用病害虫の範囲及び使用方法ですけれども、日本においてはメタミドホスとし ては我が国では農薬取締法に基づく登録はされておりません。米国、カナダ、オー ストラリアで登録されており、それを抜粋して表に記載させていただいております。  今回の資料の取りまとめですが、作物残留試験結果を3ページの(2)で書いてご ざいます。この試験結果は現在検討されている国内のアセフェートの使用方法にお けるメタミドホスの残留量を示したものであり、作物残留試験の結果を文章記載さ せていただいているものです。すなわちメタミドホスにつきましては、アセフェー トの使用によって残留するメタミドホスを考慮して基準を設定しているというとこ ろがあるわけです。この残留試験の成績を提供いただきましたメーカーが2社ござ いますけれども、1社が国内の窓口の調整をしていただいており農林水産省から連 絡をいただいているところです。  作物残留試験の結果が4ページ目から書かれております。メタミドホスについて は先ほど申し上げましたように、アセフェートの代謝物であるということで、現在 アセフェートの評価が食品安全委員会の方で検討されている状況になっています。 ですので、まだアセフェートの評価自体がこちらに回付されてきている状況ではあ りません。したがいまして、アセフェートの安全性評価が決まって、それに基づい てアセフェートの使用方法の変更があるような場合については、またメタミドホス についても調整をさせていただく部分が生じ得るということでございます。今回お 作りした資料については、まずメタミドホスとして整理した部分を記載させていた だいたということです。  メタミドホスとしての残留量の評価を行いつつ、基準の検討を検討しております が、下線を付した部分が使用方法の見直し等をした部分になってございます。例え ばばれいしょの場合では、「14日」に下線が引かれてございますので、使用方法を 14日の試験成績で見ることによって、この剤の基準設定を行っている部分があると いうことです。  ダイコンの葉っぱでは、ダイコン(葉部)を用いた作物残留試験において50%水 和剤の1,500倍希釈液を1回散布したところ、散布後21日の最大残留量は0.01 ppm 未満であったという記載になってございます。ですので、使用方法を見直した部分 があるということです。  そういう形で作物残留試験の記載がされておりますけれども、10ページにADIの 評価がございます。こちらに食品安全委員会から回付されたADIの結果を転記して ございますけれども、無毒性量としてはイヌの強制経口投与による1年間の慢性毒 性試験から0.06 mg/kg体重/dayということで、安全係数を100として0.0006 mg/kg 体重/dayという結果を回付いただいております。  それから、参考として急性参照用量ということで、こちらは5月の部会のときに 加藤先生から概念について御説明をいただいた指標になってまいりますけれども、 急性参照用量は0.003 mg/kg体重/dayということで参考値ということで食品安全委 員会から回付をいただきました。  諸外国における状況等を参照して基準値のまとめをさせていただいたものが16〜 18ページでございます。網掛けをしている部分が従来記載のとおり暫定基準として 置かれていた基準値の部分です。網掛けをしている部分から基準値案の数字が抜け ている部分は、暫定基準を見直して基準値案が空欄になっていれば、そこは落とし たということで、一律基準の適用になったというものです。  若干見ていただいて数字でおわかりいただけるかと思いますけれども、ADIが小さ くなっている関係もございまして、大体の登録されている農産物について基準値案 の数字を低く抑えている、あるいは今後登録というか、使用を控えさせていただく というような形で基準値案を置いていない農産物もございます。そういった形で、 一応メタミドホスの評価としての基準値案ということで数字を置かせていただいた 形になってございます。  前のページに戻りまして、メタミドホスの国内作物残留試験一覧表ということで、 先ほどの文章で国内作物残留試験の成績を記載させていただいたものを一覧表の形 でまとめておりますが、若干従来のものと表示が変わっている関係があるので、見 方について説明をさせていただきます。  試験条件のところに、剤型、使用方法、回数、経過日数及び試験圃場の数を書い てございます。その隣に最大残留量ということでメタミドホスの数値を書いてござ いますが、従来横に並べていたものが縦になったということです。基準値の選定の ところに「○」がついているのは、そちらの値から基準設定の根拠に用いた残留試 験の成績部分に「○」をつけさせていただいております。  暴露評価の代表値としては残留値の平均値を用いていますので、それが確認でき る形でここに算出した結果を書いてございます。  「ばれいしょ」を見ていただきますと、最大残留量としては0.066 ppm、0.033 ppm という結果が得られておりまして、0.066 ppmは暴露評価におきましては、JMPRで 加工係数の評価が公表されているものですので、その点を考慮して暴露評価に結び つけております。  それから、「みずな」は暴露評価の代表値で、これはグループ作物の関係等を若干 補足して書かせていただいたのと、14ページの「なつみかん」については果実全体 ということで基準を新しく置くような形にしておりますが、暴露評価に当たりまし ては、可食部分でみておりますので可食部濃度比を用いて、その係数を乗じた形で 暴露評価をしております。  その暴露評価結果を取りまとめたものが19ページの別紙3となり、メタミドホス の推定摂取量を記載しております。「●」を付けた箇所は、基準値をそのまま入れた ものですが、それで算出いたしますとEDIの評価で使用方法等を検討した結果、 国民平均としては14.1μg/人/day、幼小児では7.1μg/人/day、妊婦で12.1μg/人 /day、高齢者で17.1μg/人/dayという算出結果になりました。対ADI比でいきます と、国民平均で43.9%、幼小児で74.8%、妊婦で36.2%、高齢者で52.5%となっ てございます。  以上のように、現段階での暴露評価結果として12ページに記載させていただいて おりますが、メタミドホスの基準値については、本物質がアセフェートの代謝物で もあり、今後、食品安全委員会においてアセフェートの食品健康影響評価が予定さ れていることから、アセフェートの評価結果に応じて必要な見直しを行うことも考 えております。  急性参照用量という指標が示された関係で、お手元に置かせていただきました参 考文献について少し補足をさせていただきます。2つ資料がございまして、1つは 以前、部会で加藤先生から御説明いただいたパワーポイントの写しになっておりま すが、もう一つは英文の文献でございます。FAOの短期暴露評価のマニュアル、それ から、マニュアルに基づいて算出されるフォーマットが示されております。  それから、FAO/WHOのJMPRの資料ですが、2006年のバリアビリティ・ファクター 等のコメントが記載されております直近のものをつけさせていただいております。  メタミドホスの短期暴露評価に当たりましては、厚生労働科学研究の検討事業の 中で検討を進めてきている部分がございます。現段階としてはデータベース等で確 認できる範囲で適用をさせていただいている形になってございますけれども、実施 の方法といたしましては算出方式といたしまして、資料の中にございますJMPRの ケース1、2A、2B、3に分かれますが、この算出方法を用いてございます。変 動係数として3を使用する、これはJMPRの評価、それから、厚生労働科学研究の評 価結果でそれを用いることが適当だろうという御判断をいただいておりますので、 それを用いて算出しております。  それから、消費データとしては各3日間の独立データを用いました。  各農産物消費量の97.5%タイル値ですけれども、これは当該農作物の摂食者の消 費量に基づいて算出を行っております。摂食者数が10%未満の場合は評価対象から 除き、あるいは120人以上の摂食者がいればそれを組み入れるという形で、統計上 の精度を保つカットオフを引いて、そのサンプル数で評価を行っているということ です。  それから、各農産物のユニット重量は10g単位で行っております。  残留濃度の選定部分ですが、残留濃度としては登録の際のデータセットを使用し てございますが、例数が3例以下である場合は基準値を用い、4例以上の場合は最 大値を用いる、それから、STMRを用いる場合にしても4例の場合は平均値、4例以 上の場合は中央値を用いるという一応の代表値の選定方針を決めまして、それで入 れさせていただいて算出したということです。  平均体重としましては、データベースから吸い上げる形で、当該食品を摂取した 人の体重の平均値を用いておりますので、食品ごとに平均体重は異なります。加工 がされているもの、消費量のデータが十分ではないものについては、非常に数が少 ないものもございますので、確認できる範囲で対応させていただいたものです。  実際の算出例のフォーマットは認定と同じような形で算出しておりますけれども、 後ろに推定摂取量の表がフォーマットでついてございますが、例えば、ダイコンで いきますと0.7という最大残留量に基づいて数値が入った場合に、MRLとして0.7、 体重がそれぞれ摂取した種類によって違いますので、ここでは54という数字が出て いますが、この数字を用いてデータベースから算出いたしますと、このケースの場 合は算出方式2Bということになりまして、5.18μg/kg体重/dayという算出結果に なります。%Acute Reference Doseということで、10%単位の数字で表して170% といったような数字があるということになりまして、急性参照用量から見た数字か ら基準値、それも残留使用方法を見直して、基準値をそれに伴って置かせていただ いている部分もあるということです。  こういった形で急性参照用量を参照して、今回基準を調整させていただいた部分 もあると御理解していただければ幸いです。  先ほども申し上げましたように、アセフェートの代謝物であるため、アセフェー トの評価結果に基づいてメタミドホスの残留基準等も連動して動くこととなります。 そうしますと当然、使用方法等も変わってきますので、今回の資料というのは暫定 版ということで先生方のお手元に置かせていただいた形になっております。  事務局からの説明といたしましては、以上でございます。 ○基準審査課長 追加で。今、最後の方で話がありましたけれども、今回、食品安 全委員会で急性参照用量というのを参考ということで示されましたので、今回、席 上配付ということにさせていただきましたが、今日傍聴者として御参加いただいて いる方には配付されていません。本来であれば配付しなければいけないんですが、 実はこのデータベースというのは非常に複雑になっておりまして、まず、チェック をしなければいけないということで、そういう意味で言うとまだ暫定版ということ と、それから、先ほども話がありましたように、アセフェートの部分で今、食品安 全委員会が評価を行っていることで、また変更があり得るということもあったので、 とりあえず今日席上配付させていただいたものです。本来であれば出すのもどうか なと思いましたが、イメージが沸かないで御説明をしてもまずいかなということで お配りいたしました。御理解をいただきたいと思います。  それから食品安全委員会からは急性参照用量が参考ということで示されておりま すので、以前、加藤先生から基本的な考え方を御説明いただきましたけれども、そ の基本的な線の中で厚生労働科学研究で現在検討している途中経過のものを、今回 は配付させていただいておるものでございます。 ○大野部会長 この急性参照用量に対する考え方が、今回の基準値の設定に一部採 用されているという説明だったと思うのですけれども、その考え方によって数値が 変わったというのはどれなんでしょうか。 ○事務局 何回かに分けて調整させていただいきましたが、先ほどのダイコンの 葉っぱ等です。調整のときの資料を持ってきていないのですが、数種類の食品につ いては調整をさせていただいております。 ○大野部会長 一般的には基準値の設定値は、残留成績と比べて普通2〜3倍とい う値になっていますね。そこからずれているものがそれだと考えればよろしいんで すか。 ○基準審査課長 13〜14ページをごらんいただきたいと思いますが、先ほどの最初 のページにあるような実施の原則ということで、基本的な部分は加藤先生が前に御 説明されたような形になりますけれども、Acute Reference Doseが示されていま すが、その際に実際に短期の暴露量がどの程度になるかということで、それぞれの 食品で実際には非常にたくさん食べる場合もありますし、それから、食品について は残留の大きなばらつきがありますのでそれを考慮して、そこに計算したような形 で出したものがIESTIになります。それとAcute Reference Doseで比べたときに、 それをかなり超えているようなものについては、やはり現状の使用方法では場合に よっては非常にたくさん食べるような人とか、あるいは食物によってすごく残留す るようなものがちょうどかけ合わさった場合には、Acute Reference Doseで示さ れた量よりも高く食べてしまう可能性があるということで、そういった場合には農 薬の適用方法、残留を余り大きくしないような形で直さなければいけない。そうい うふうにしますと今度は残留量も減りますので、慢性影響の方で着目したような部 分での残留基準値も、当然のことながら低くするような形になってくるということ でございます。  ですから、ここで言うと、先ほど言いましたような170%を示しているダイコン類 の葉だとかです。 ○事務局 配付させていただいている資料が、急性参照用量の調整に基づいて使用 方法を見直してという作業を私の方で2〜3回やらせていただいておりまして、例 としてお持ちしているのは3回目ぐらいの調整のものになっております。そういっ た意味で今お手元にある資料の中で確認されるのは、ダイコンの葉がそうなんです が、それ以前に調整をさせていただいたものといたしましては、例えば、カリフラ ワーとかブロッコリーといったようなものも調整をさせていただいております。 ○大野部会長 ありがとうございます。  こういう計算をしてReference Doseとの関係で100%とか170%という大きな値 を示したものについては、基準値案を下げたということだと思います。  先生方から質問・御意見ございますか。  私から質問ですけれども、登録の有無というところで「アセ」と書いてあるのが ありますね。今、審議しているアセフェートの適用農産物というのは、ここで示さ れているものだけなのでしょうか。このほかのものが入ってくる可能性はないです か。 ○事務局 一応、登録の有無の欄の書き方を整理させていただいたんですけれども、 現行アセフェートの登録農作物ということで登録されているところに「アセ」とい う形で書かせていただいております。  先生御指摘のこれ以外に入ってくるというのは……。 ○大野部会長 そこは現行のというのがよくわからなかったので、ほかにもあるの かなと思ったんですが、それはないわけですね。今の数値の計算が、子どもとか74% と結構ギリギリですけれども、ほかの食べ物が入ってきてしまうと、アセフェート についての適用がオーバーしてしまう可能性もあるかなと思ったんですが、それが なければよろしいのではないかと思います。 ○基準審査課長 それは16〜17ページですけれども、登録の有無に「アセ」と「ア セ削」というのが書いてありますが、現行は「アセ」と「アセ削」の両方入ったも のが登録になっています。ただ、先ほども話がありましたように、アセフェートの 分解物でメタミドホスがあるということで、それを考慮して考えた場合に、19ペー ジですが、試算のときに単純に計算してしまうと特に幼小児の部分で超えてしまう ということで、「アセ削」という部分を削除したりとか、あるいは用法・用量の部分 については注で説明していますけれども、下線がついている部分についてはEDI 試算をするときに超えてしまうので、そこで用法を変えたりして、先ほど話があり ましたAcute Reference Doseの関係で問題になりそうものについても調整してい ます。今回はあまり時間がなかったものですから、本来であれば現行を改正して調 整した用法・用量をちゃんと出すべきところだったんですが、準備が相当複雑になっ ていまして、その関係で間に合わなかったというのが正直なところでございます。 ○大野部会長 今、説明があった3ページの「国内のアセフェートの使用方法にお けるメタミドホスの残留量を示したものである」という意味は、アセフェートを投 与したときのメタミドホスの残留量を測った結果だという意味ですか。 ○事務局 そうです。 ○大野部会長 そこがちょっとわかりにくかったので。メタミドホスをアセフェー トと同じ使用方法で使用した場合の残留量と読んでしまったんですが、そうではな いわけですね。では、十分にアセフェートの使用方法を踏まえて、残留値の案が出 ているわけなので、そうすると、アセフェートについて実際に審議するときに、残 留基準がそれほど変わる可能性はないと考えてよろしいですか。 ○農林水産省 それはアセフェートのADI次第です。小さくなれば アセフェートのADIの80%に抑えなければなりませんから、すべてアセフェートの ADI次第。あと、事務局から話がありましたけれども、アセフェートの規制対象を何 にするかということにもかかってきますので、今は何とも言えないです。 ○大野部会長 わかりました。アセフェートがメタミドホスよりADIが下がってし まったら、変更しなくていけない可能性も随分高いわけですね。 ○基準審査課長 そうです。仮にアセフェートについてADIが従来よりかなり低く なってしまいますと、今回メタミドホスの計算をする上で、既にアセフェートの適 用を制限しないと実際上は対応できなくなっていますが、かなり下がると、更に適 用部分の検討をしなければならないことがあり得ると。勿論、残留の対象物質をど うするかという問題は別途ありますけれども、従来のとおりであればということで す。 ○大野部会長 わかりました。  先生方から御意見・御質問ございますか。 ○山内委員 確認させていただきたいんですか、部会案の16ページに野菜ごとの表 が載っておりますが、基準が国際的な基準から今回の設定でちょっと上がっている のが、今見たところだと16ページのばれいしょですね。豪州と比べるとちょっとし か上がっていないんですが、それから、カブ類の葉っぱのニュージーランドの0.5 ppmから3ppmというのがあるんですが、これは今回、国内の食物残留試験の成績が 具体的に出たので、これを参照して適切な数字としてそれぞれ0.3 ppm、3ppmを設 定されたという考え方でよろしいか確認させてください。 ○事務局 先生御指摘のとおり、国内作物残留試験の成績が示されたものについて は、それに基づいて基準の設定をさせていただいたものです。 ○大野部会長 ほかにございますか。 ○佐々木委員 15ページの脚注の2番目ですけれども、基準値設定の根拠データと して使わなかったものはEDIの計算にも使わない方がいいのかなと思うんですが、 これはなぜ加えられているんでしょうか。ここにデータが出ているものでも基準値 設定のデータとしては使わなかったけれども、EDIの計算のためには使ったと読 めるんですが、基準値設定に使ったデータだけで平均値を求める方がEDI計算の ためにはいいのかなと思ったんですが。 ○事務局 基準を設定するための基準値の選定の方法と、先生が御指摘の暴露評価 の代表値をどのように選ぶかという部分の御質問かと受け止めておりますが、基準 値の選定に当たりましては、農作物と残留量に加えて、それぞれの薬剤の剤型とか 使用方法というものが反映されてまいります。従いまして、基準値の選定の部分に つきましては、例えば同じイチジクならイチジクでいった場合に剤型の違いという ことがあって、同じ剤を用いた結果、残留量として2つの数値が出たと仮にした場 合に、その剤を用いた場合の基準としては、こういった値を置くことがいいだろう というような形で選定がされているものと記載してございます。  暴露評価は両方の剤を用いるということがございますので、必ずしも高い方の剤 だけで代表値を選んでいるわけではなくて、使われる剤の平均的なものを含めて暴 露評価の代表値ということで算出されてございます。 ○大野部会長 よくわからなかったんですが、下線を付していないものは基準値設 定根拠データとして使っているということじゃないんですか、この文章の表現は。 基準値設定は「○」がついたものを使っているわけですよね、実際は。 ○佐々木委員 この文章は私は基準値設定には使っていないんだけれども、EDI 計算のためにだけは使ったと読み取ったんですが、間違っていますか。 ○加藤委員 もし、これを使っていないのであれば、基準値設定の仕方は間違って いる、EDIの評価の仕方は間違っていることになりますので、佐々木さんがおっ しゃっているように両方を1つのグループとして見て、それで基準値を設定と同時 にEDI試算をしたということだと思うんですが、数字を見ていただければそうい う数字になっているということで処理されているだろうと思うんですが、違います か。基準値設定をするデータセットと、EDI試算をするデータセットが違ってい れば、全く根拠のない暴露評価になってしまいますので、そんなことはされていな いと思います。 ○事務局 確認いたします。 ○大野部会長 お願いします。  今日のメタミドホスの文章については、この会議では部会の報告とするというこ とじゃないでよすね。暫定の議論であって、後でアセフェートの申請が来たときに 併せて審議して、最終的な答申とするということですね。今、確認していただいて、 修正が必要だったら修正していただいたものを次回のアセフェートが出たときに審 議していただいて、最終化するということでよろしいですか。暫定的な審議という ことになると思いますけれども。  非常に細かいことなんですけれども、1ページ目の用途、殺虫剤というところで 有機リン系殺虫剤であると。「作用機構としては……することにより作用すると考え られている」というところがすっきりしなくて、「作用機構としては」というのはとっ てしまってもいいんじゃないかと思います。  ほかに御意見ございますか。 ○志賀委員 内容の本題のところではないんですが、2〜3ページの「適用病害虫 の範囲及び使用方法」の(3)カナダ、(4)オーストラリアがありますが、オーストラリ アの方は虫の名前を原表そのままで全部挙げてあって、カナダの方は一部日本語に 直してある。これはどうするか実は非常に難しいと思うんです。外国にしかいない 虫で和名がないとか、逆に外国にしかいないけれども世界的な有名害虫なので、カ ナダのばれいしょのところにありますコロラドハムシというのは日本にいないんで すけれども和名があるんですね。日本語で示した方がイメージが沸くという考え方 が一つあると思います。その場合にやはりある程度農水省で、特に検疫害虫などの 関係で翻訳している名前がありますので、それを合わせられたらと思います。ただ、 私の意見としましては、外国の適用の場合は無理して日本語に直さなくてもいいん じゃないかとも思います。  ただ、その点でちょっと迷いますのは、外国の中にもさっきのコロラドハムシは ともかくとしまして、例えばカナダのブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、カリ フラワーのところにDiamondback mothというのがありますけれども、これは日本 でもアブラナ科の超有名なコナガという害虫なんですよね。いずれにしましても、 カナダとオーストラリアで扱いが違っているので、統一された方がいいなという気 がいたしました。 ○大野部会長 ありがとうございます。検討をお願いいたします。どこをどう直す かというのは私も見当がつきませんので。日本で登録があるものは日本語で書きま すけれどもね。では、その点について検討をお願いいたします。  ほかに御意見ございますか。よろしいでしょうか。  それでは、これについては御審議していただいたということで、アセフェートの 審議をいただくときに、また更に審議していただきたいと思います。 ○基準審査課長 今回Acute Reference Doseの部分について、一応、途中段階と いうことでお示ししましたけれども、これについても見ていただいて、もしお気付 きの点がありましたら事務局に御意見を賜れば、こちらで研究班の先生方と相談し ながら調整させていただきたいと思っております。いずれにしろ、次回はこの部分 については、もう少しきれいに整理をしてちゃんと資料として配付させていただき たいと思っております。 ○大野部会長 これは取扱注意というわけではないですね。 ○基準審査課長 取扱注意ということではないんですけれども、ただ、これは実を 言うとまだ途中段階のものですので、余り公に出回ると間違っている部分が多いか もしれませんので、そういう意味での注意という程度でございます。 ○大野部会長 わかりました。では、半分取扱注意みたいな感じにしてくださるよ うお願いします。  それでは、今日予定していたものについては審議が終わったと思いますけれども、 事務局から今後の手続について説明いただけますでしょうか。 ○事務局 本日御審議いただきました動物用医薬品、グリチルリチン酸及びバルネ ムリンについては、食品安全委員会からの通知を受けておりますので、本日の御指 摘に基づく修正を行い、それについて先生方に確認していただいた上で部会報告書 とさせていただきたいと思います。  ただいまのメタミドホスについては、御指摘いただいた件につきまして整理をさ せていただいた後、再度御審議していただくこととさせていただきます。  なお、今後の手続につきましては、食品衛生分科会にお諮りするとともに、グリ チルリチン酸及びバルネムリンについては、パブリックコメント、WTO通報の手 続を進める予定としております。 ○大野部会長 ありがとうございました。  ほかに何かございますか。 ○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、10月24日金曜日、午後を予定 しております。後日、委員の日程につきまして確認させていただきたいと存じます。 詳細につきましては、追って御連絡申し上げます。 ○大野部会長 ありがとうございました。  それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了させていただきます。どうもあ りがとうございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課残留農薬係、乳肉水産基準係 (03−5253−1111 内線4281、2489)