08/09/10 第38回社会保障審議会障害者部会議事録 第38回社会保障審議会障害者部会議事録  日  時:平成20年9月10日(水)14:00〜16:56  場  所:厚生労働省9階 省議室  出席委員:潮谷部会長、高橋部会長代理、嵐谷委員、安藤委員、井伊委員、伊藤委員、       岩谷委員、川崎委員、大濱委員、北岡委員、君塚委員、小坂委員、櫻井委員、       佐藤委員、副島委員、竹下委員、鶴田委員、長尾委員、仲野委員、新保委員、       浜井委員、広田委員、星野委員、箕輪委員、生川委員、福島委員、宮崎委員、       中村参考人、林参考人、戸谷参考人 ○潮谷部会長  定刻になりましたので、ただ今から第38回社会保障審議会障害者部会を開催いたします。  委員の皆様方には、ご多忙な中においでいただきましてありがとうございます。  議事に入ります前に、事務局から委員の出席状況、資料の確認等をお願いいたします。 ○蒲原企画課長  それでは、事務局からご報告いたします。  まず、委員の皆さん方の出欠状況でございますが、坂本委員、堂本委員、野沢委員、三 上委員、山岡委員、小澤委員から都合によりご欠席という連絡をいただいております。  なお、福島委員、長尾委員、佐藤委員は少し遅れるということでございますので、ご承 知おきください。なお、坂本委員の代理として、東松山市健康福祉部長の林参考人がご出 席でございます。また、堂本委員の代理として、千葉県健康福祉部次長の戸谷参考人がご 出席でございます。山岡委員の代理といたしまして、日本発達障害ネットワーク理事の中 村参考人がご出席でございます。  また、本日は、議題として障害児支援がテーマとして挙がっております。この関係で、 雇用均等児童家庭局総務課より総務課長の代理として、杉上児童福祉調査官が参加でござ います。また、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課の新谷企画官が参加ということ になってございます。よろしくお願いいたします。  続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。  お手元の資料の議事次第をとってもらいまして、障害者自立支援法の見直しに係る主な 論点(案)というものが資料1でございます。  続きまして、2つ目の議題の障害児支援の関係の資料でございますが、資料番号右肩の 上に、資料2−(1)と書いてございます。これは、障害児支援のところについての論点を先 ほどの資料1から抜き出している資料でございます。これが資料2−(1)でございます。  その後、資料の2−(2)といたしまして、障害児支援の見直しについてという横長のペー パーがございます。その次に、資料2−(3)ということで、障害児支援見直しについての参 考資料というものが入っています。この3つが主として資料2の関係のものでございます。  その後、参考資料でございます。右肩の番号で、参考資料1として、障害者部会におけ るこれまでの主な意見及び団体ヒアリングにおける主な意見という資料がございます。  また、参考資料2といたしまして、以前にもお配りいたしましたけれども、今日のテー マでございます、障害児支援の関係で、検討会の報告書を配ってございます。  さらに資料の3といたしまして、第36回障害者部会の議事録ということでございます。  その後、資料の4といたしまして、発達障害者支援の推進に係る検討会、この報告書の 関係がまとまりましたので、参考配布をいたしております。  なお、最後に、資料番号がついてございませんが、障害児支援に関する意見ということ で、これは副島委員のほうから今日の議題の関係で、事前に提出があった資料でございま す1枚お手元に配布をいたしております。  資料の関係は、以上でございます。ご確認をいただければというふうに思います。 ○潮谷部会長  皆様、資料大丈夫でございますでしょうか。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、障害者自立支援法の見直しに係る主な論点と障害児支援の在り方、この2つの 議題がございます。  まず、1つ目の議題であります障害者自立支援法の見直しに係る主な論点ですが、本日 は、これまで皆様方からいただきました意見、それから団体の方々からいただきましたヒ アリング、その結果を論点という形で事務局のほうで、まとめていただいたところでござ います。  それでは、まずこの論点について、事務局のほうからご説明をお願いいたします。 ○鈴木企画官  障害部企画官の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。  それでは、お手元の資料の1をお願いいたします。ただ今部会長からございましたよう に、これまでの皆様方のご意見、あるいは団体の方のヒアリングの結果、こういったもの を踏まえまして、タイトルにございますが、自立支援法見直しに係る主な論点(案)とい うことで、柱立てをまず整理させていただきました。表紙のページのところがその全体の 項目の柱立てということでございまして、全体7つ大きな柱を立てております。  1つ目が、相談支援、これについてはケアマネジメントの在り方とか、相談支援体制と いう細項目を立てさせていただいております。  それから、2つ目が、地域における自立した生活のための支援ということで、地域での 生活の支援、あるいは就労支援、所得保証と、この3点を項目として立てております。  それから、3番目に、障害児支援、1つ目がライフステージに応じた支援の充実、2つ 目が相談支援や家庭支援の充実、3つ目が施設の見直し等による支援の充実。  それから、大きな柱の4つ目が、障害者の定義、あるいは手帳制度について論点として 挙げさせていただいております。  それから、大きな柱5つ目が、利用者負担、6つ目が報酬、それから7つ目が個別の論 点といたしまして、小項目といたしましては、サービス体系、障害程度区分、地域生活支 援事業、サービス基盤の整備、虐待防止・権利擁護、その他という形で全体像を立てさせ ていただいております。  おめくりいただきまして、資料の1ページからでございます。   先ほどの項目を左側に書かせていただいておりまして、右側にそれに具体的なご議論を いただく内容のイメージがわくように、主な論点案として、より具体的に少し書かせてい ただいております。  まず、最初に相談支援につきましては、(1)としてはケアマネジメントの在り方とさせて いただいておりますが、ここのところでは、自立支援法におけるケアマネジメントの在り 方として、サービス利用手続の在り方、あるいはサービス利用計画作成費の対象、こうい ったものを具体的にご議論いただきたいと。  それから、2番目に相談支援体制ということで、これは、先ほどのサービス利用手続以 外の部分も含めて、相談支援体制としては、その量的整備、あるいは質の向上といったこ とについて、また自立支援協議会につきましては、その設置促進、及びその機能の向上と いったことについて論点として挙げさせていただいております。  大きな柱の2つ目といたしまして、地域における自立した生活のための支援、この項目 の地域での生活の支援ということで、その細項目として、まず地域移行の促進ということ で、具体的には地域移行を進める施策と課題、コーディネート機能、移行のための宿泊等 の体験を支える給付、それから地域移行における入所施設などの役割、それから家族との 同居からの地域移行、こういったことが主な論点かと考えております。  それから、地域での生活の支援の2つ目が、住まいの場の確保ということで、公営住宅 の入居促進のことであるとか、あるいはいろいろご意見が出ましたけれども、グループホ ーム・ケアホームの整備促進、サービスの質の向上ということで、この部分で身体障害者 のグループホーム・ケアホーム、あるいは夜間支援体制の充実など、ケアの向上、こうい ったことについてもご議論いただきたいと思っております。  おめくりいただきまして、地域生活の3つ目の柱で、地域生活に必要な暮らしの支援と いうことで、具体的には、地域で生活する際に必要となる支援サービスとして、緊急時の サポートの充実、それからショートステイの充実、これは地域で暮らしている際に、緊急 避難的に施設入所、あるいは入院に至らないようにするためにすると、こういう意味での ショートステイの充実。  それから、医療も含めた支援、こういったこと。それから、あとは訪問系サービス、ホ ームヘルプとか、そういったものでございますが、その在り方についても、暮らしの支援 の項目でご議論いただきたいと思っております。  それから、地域生活の部分の2つ目の柱として就労支援、その細項目の1つ目が、就労 支援施策の体系とさせていただいておりますが、この部分では、その全体像の整理である とか、人材の育成、こういう全般的な事項について挙げさせていただいております。  それから、2番目に、一般就労への移行支援の在り方ということで、具体的には就労移 行を促進する方策としておりますが、この部分は、主に自立支援法に基づく事業から一般 就労への移行ということを念頭に置いた項目です。  具体的なその中身として、一般就労への移行の成果の評価の在り方。若干補足しますと、 この部会のほうでも一般就労への移行が進むと就労移行支援事業者が大変辛いということ のご意見もございましたけれども、そういった意味で、一般就労の成果を評価するという ことについてご議論いただきたいということです。  それから、次の・で、福祉現場の本人への外部からのアプローチ、ここも舌足らずな表 現でございますので、若干補足しますと、これも委員のご意見で、福祉現場に一般就労で きる人がいるけれども、そういう方々を外部からきちんと評価するというようなことがご ざいましたので、そういう意味で、外部からのアプローチと、こういったことも含めて、 この部分はご議論いただきたいという趣旨でございます。  それから、支援ノウハウを持った専門職の配置、こういったことでございます。それか ら、特別支援教育からの移行の在り方、これは福祉就労に入る前に特別支援教育から一般 就労にということでございます。  それから、就労移行後の継続的な支援、フォローアップの在り方、こういったものが移 行支援の在り方としての中身と考えております。  それから、次に福祉的就労の在り方ということで、就労継続支援事業のB型の利用者像 の明確化。あるいは、工賃引上げの支援、具体的には工賃倍増5ヵ年計画の取組状況の検 証、こういったことについて論点として挙げさせていただいております。  それから、障害者雇用施策その他の関連制度ということで、雇用政策等との連携の在り 方、障害者就労・生活支援センターの充実、こういったことについて掲げさせていただい ております。  それから、地域生活の3つ目の柱で、所得保障、これについては右にありますように、 年金、手当とか、住宅費への対応、こういったこと、所得の確保に係る施策の在り方につ いてご議論いただきたいということでございます。  次のページの3ページ目で、大きな柱の3番目の障害児支援でございます。本日、この 後に、この項目に沿ってまた議論していただきたく資料も準備させていただいております。  まず、1つ目が、ライフステージに応じた支援の充実ということで、障害の早期発見、 早期対応、これについては関係機関の連携による取組の強化、あるいは気になる段階から の支援、次に就学前の支援ということで、障害児の保育所等での受入れ、通所施設の機能 強化、この中身として、通所施設の地域支援の役割の強化、あるいは障害種別による施設 類型の見直しと、こういったものがあると思っております。  それから、ウのところで、学齢期、青年期の支援ということで、放課後、夏休みの支援、 それから卒業後の就労、あるいは地域生活に向けた関係施策が連携する点といったことが、 ライフステージに応じた支援の充実ということの項目でございます。  それから、次に、相談支援や家庭支援の充実の1つ目で、ライフステージを通じた相談 支援ということで、市町村を基本とした相談支援体制の構築、関係機関の連携強化、個別 の支援計画の作成、活用。あるいは、家族支援の方策ということで、家族に対する養育方 法の支援、あるいはレスパイトの支援、こういったものを挙げさせていただいております。  3つ目といたしまして、施設機能の見直し等による支援の充実、そのアとして、入所施 設の在り方ということで、障害種別による施設類型の見直し、あるいは在園期間の延長措 置の取扱いということで、重症心身障害児(者)の特性の対応も含めてご議論いただきた いということでございます。  それから、行政の実施主体ということで、通所施設、入所施設、それぞれについて、障 害児行政の実施主体についていろいろご議論いただきたいということです。併せて、措置 と契約との関係につきましても、ここでご議論いただきたいと考えております。  それから、法律上の位置付けとしては、障害児支援の根拠法、これについて論点として 挙げさせていただいております。  おめくりいただきまして、4ページ、大きな柱のIV番目で、障害者の範囲、これについ てはまず障害者の定義といたしまして、障害者の範囲についての基本的な考え方、これを まずご議論いただきたいと思います。その上で、発達障害であるとか、高次脳機能障害で あるとか、こういった者を障害者の定義に含めることの適否。  それから、2番目として、手帳制度ということでございますが、身体障害者の定義と手 帳との関係ということで、手帳要件、これは手帳を持っているということが、障害者とい うことでございますが、この要件を外すことの適否。こういったことが論点かと考えてお ります。  それから、大きなV番目で利用者負担ということで、それの原則的な考え方、21年4月 以降における利用者負担の在り方。それから、利用者負担の合算制度、こういったものな ど、関連する諸制度の在り方、それから自立支援医療の負担等の在り方ということでござ います。  それから、VI番目で、報酬といたしましては、報酬改定の基本的な考え方をご議論いた だきたいということです。  それから、VII番目で個別論点、1つ目でサービス体系と書いてございますが、サービス 体系についての基本的な考え方、あるいはいろいろご意見ありますけれども、日払い方式 に対する評価。それから、日中と夜間に分けたサービス体系の評価。それから、就労移行 支援事業などは標準利用期間があるわけですが、これを設けることに対する評価。それか ら、新体系への移行促進。こういったものを論点として挙げさせていただいております。  それから、2番目に、障害程度区分ですけれども、それの果たす役割。それから、各々 の障害特性をより一層反映できる障害程度区分の開発についての考え方、障害程度区分に よるサービス利用の範囲の設定の在り方。こういったものを論点として挙げさせていただ いております。  それから、おめくりいただきまして、個別論点として挙げさせていただいているものの 3つ目で、地域生活支援事業ということで、その対象事業、自立支援給付との関係の整理 といったこと、それから地域生活支援事業の費用負担の在り方。それから、小規模作業所 の移行促進。  4つ目としては、サービス基盤の整備という項目については、人材の確保、あるいはサ ービス量の確保として、中山間地等の過疎地域におけるサービス確保の在り方。それから、 項目の5番目として、虐待防止・権利擁護ということで、障害者虐待防止法制について、 あるいは権利擁護、成年後見などの普及方策、そして、その他とさせていただいておりま すが、介護保険制度との関係、こういった論点を整理させていただきました。  本日ご議論いただいた後に、今後は、この論点の整理に従って、ご議論を深めていただ くようにしたいというふうに事務局のほうでは考えているところでございます。以上でご ざいます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  皆様方からちょうだいいたしました論議をこのような柱立ての中で、論点として整理を したものでございます。  まず、この論点について、皆様方の中で、ご意見、あるいは自分が言ったところはどこ に入っているんだろうというような質問等ございましたら、ぜひお出しいただきたいと思 います。  なお、お願いですけれども、ポイントはできるだけ絞って、簡潔によろしくお願いいた します。  竹下委員、どうぞ。 ○竹下委員  項目的な言い方で、4点だけ指摘させていただきます。まず、障害者権利条約が遅かれ 早かれ、来年か、再来年に批准されるものと思うんですが、その関係で、障害者自立支援 法が論議対象となるのかどうか。この点の意見も出ていたと思うんですが、この点につい てが1点目です。  それから、2点目につきましては、これはもう既に含まれていると見るのかどうかです が、自立支援給付と地域生活支援事業の2類型の立て方そのものについても論議するのか しないのか。単にその2つを前提として議論するにとどまるのか。そうではなくて、この 2類型そのものに矛盾がないのかという意味の類型そのものの立て方の論議はこの現在の 整理の中に入ってくるのかどうか。これが2点目です。  それから、これは、論点というよりは、各の本質的な議論をする場合に、障害者自身の ニーズやこれまでの短い期間にせよ、運用実績から来る矛盾との関連で見直し作業がどう いう関連性を持つ議論の進め方になるのかどうか。  最後に、非常に小さいんですが、小さいけど重要なんですけど、一般就労との関係で、 部会の委員さんだったと思うんですけど、通勤保障というものを考えないと、就労支援が 成り立たないんではないかという指摘があったと思いますけど、それはどこに入るのかど うか。もう入っているのであれば、そのご指摘をいただきたいと思います。以上です。 ○潮谷部会長  それでは、事務局のほうから、お願いいたします。 ○蒲原企画課長  1点目の権利条約との関係でございます。基本的にはこの審議会で自立支援法の見直し ということで、自立支援法について幅広くご議論いただくということでございます。一方 で、権利条約との関係では、これは、それぞれ非常に幅広くいろいろな分野が関係してお りますけれども、厚生労働省の関係の自立支援法の関係で言いますと、今、我々が考えて いるところでいうと、この権利条約の批准に向けて、何かすごく大きな支障が生じている ということでは今はないというふうに考えております。  その意味でいうと、今回の自立支援法の見直しをして、趣旨としては権利条約とそもそ も理念は合っているわけでございますので、この理念に沿った形で自立支援法の見直しを するということでやっていくことによって、基本的には権利条約に向けて自立支援法とし ての対応というのはより進むという方向ということになると思いますので、何か2つが矛 盾するということではないというふうに考えてございます。  2点目にございました地域生活支援事業と個別の自立支援給付との関係でございます。 今回の論点整理表でいきますと、先ほどの説明を申し上げました資料の最後になりますけ れども、個別の論点の中に、地域生活支援事業という項目が立っておりまして、そこの一 番上に、「地域生活支援事業の対象事業(自立支援給付との関係の整理)」という項目が ございます。ここのところで、竹下委員がおっしゃったようなことも論点として入ってく るというふうに思います。  現行制度は、基本的に、一定の基準で2つに分かれているわけですけれども、委員のお っしゃったことは、ここのところで論点として入ってくるというふうに考えてございます。  3番目のところは、ちょっと趣旨があれですけれども、現場で自立支援法についていろ いろ動いていて、現場でいろいろな声があるし、また現場に基づくいろいろなデータもと りつつあるという段階でございます。  今後、個別の論点について、それぞれ議論するときには、現場の実態を我々の分かる範 囲で、きちんとデータを揃えて、そうした中で議論の検討をお願いしたいというふうに思 ってございます。  それから、最後に、少し各論だと思いますが、一般就労を進めるという観点で、通勤の ところが1つ大事ではいなかという話があったかと思います。  この点は、今回の論点は、主な論点ということで書いてございますけれども、そもそも 一般就労に向けて何が必要か、一般就労に向けて就労移行を促進する方策全般論というこ とになっています。先ほど、企画官のほうから幾つかの観点は申し上げましたけれども、 幾つかの観点にとどまらず、幅広く就労移行を促進するための方策という中で、おっしゃ っているようなことをどうするかということも1つ議論の対象にはなると思いますし、先 ほどちょっと申しました地域生活支援事業の在り方ともそこは関係してくるので、その両 方のところでの論点の中に入ってくるというふうに認識いたしております。 ○潮谷部会長  竹下委員、よろしゅうございますか。 ○竹下委員  1点だけ、残る3点は、分かりました。ただ1点だけは、説明の意味が理解できなかっ たんです。それは、何が言いたいかというよりも説明が何が言いたいか分からないんです。 障害者権利条約と矛盾するかどうかと私は指摘しているのではなくて、障害者権利条約で 要求されているものが、この障害者自立支援法の抜本見直しに取り入れる必要がないのか ということが指摘されているけれども、それはどうなんですかという質問です。 ○潮谷部会長  お願いいたします。 ○蒲原企画課長  障害者自立支援法と権利条約で目指している方向は、理念として方向性は一致している というふうに思っております。  その意味でいうと、権利条約に書かれている方向性をベースにしながら、そのほかいろ いろなことを勘案しながら、自立支援法のこの見直し作業の中で、いろいろなご議論をし ていきたいというふうに思っております。 ○竹下委員  僕の言い方、いつもちょっと言葉よくないかもしれませんが、それはちょっと事務局の 傲慢でしょう。何でそれが、議論もしていないのに、障害者自立支援法と権利条約の方向 が一致していますというのは、それはどこからそれは来るんですか。それを議論する必要 はないんですかと言っているのに、一致していますという前提に立ってしまったら、議論 できないんじゃないですか。それ、よく理解できない。それだけです。指摘だけして終わ ります。 ○潮谷部会長  事務局、今の点をぜひまた受け止めていただいて、多分、権利条約のことについて、こ の場でいろいろな観点としては出てきているけれども、この論点の中では、どこで受け止 められているのか。そこが明確にされてないということではないかと思いますので、今の 竹下委員のご意見を踏まえて、さらにこの点をどのようにするか後日で結構ですので、お 聞かせお願いいたします。 ○蒲原企画課長  分かりました。 ○潮谷部会長  ほかにございませんでしょうか。  星野委員、お願いいたします。 ○星野委員  私どもの提案で、給付体系についての提案をしております。それは、就労支援の就労関 連施策の全体像の整理のところのどこに入っているのか、私たちは給付体系について、働 く支援というのは介護でもないし、訓練でもない。働きたいと希望する障害のある方々の 思いに応えるとても重要な支援だと思っておりますから、働く場での支援というところに 基本的なスタンスを置いて、独自の給付体系、要は就労支援給付という創設を提案してお ります。  この議論をぜひしていただきたいということで、確認ですが、就労支援施策の体系の全 体像の整理の中のどこに入っているのか確認させてください。 ○潮谷部会長  事務局、お願いいたします。 ○蒲原企画課長  今、ご指摘がございましたことは、先ほどの自立した生活のための支援の中の就労支援 のところの、就労支援施策の体系の中で、論点として入ってくるというふうに認識いたし ております。 ○潮谷部会長  星野委員、よろしゅうございますか。 ○星野委員  はい。 ○潮谷部会長  ほかに。  君塚委員、お願いいたします。 ○君塚委員  障害の一元化という項目を主な論点の1つにすべきではないかと考えておりますけれど も、いかがでしょうか。障害の一元化。 ○潮谷部会長  すみません、事務局のほうに明確にお声が届かないでいるようですので。 ○君塚委員  障害の一元化ということは、特に字の部分で大分議論されて、この中に入っているんで すけれども、細かいところではなくて、主な論点というようなところに浮かび上げるとい う、大事なことであるというふうに思いますが。 ○潮谷部会長  事務局。 ○蒲原企画課長  すみません、障害の一元化とおっしゃっているのは、特に児のところは、今日も議論に なると思うんですけれども、障害児の施設というのは今かなり細かな種別ごとに分かれて おって、その施設の一元化という趣旨のことをおっしゃっているという理解でよろしいで すか。  それであれば、ここの資料の中の障害児施設のところについて言うと、例えば障害種別 による施設類型の見直しという項目がございまして、ここの意図は、今、割と細かく分か れている障害児の施設類型のところを、そういう障害種別によってやっている類型という ままでいいのか、それともそこは一元的にするのかということでございますので、そこの ところに入ってきているというふうに思っています。 ○君塚委員  中身はそういうことでいいんですけども、主な論点のほうに浮かび上がらせるというか、 ピックアップするという、そういう要望みたいなものです。 ○潮谷部会長  この論点の中の障害児支援というところで、3ページ目のところに、障害種別による類 型の見直し等という形になっておりますが、障害児のところに含めないで、これを1つの 論点としてということでございましょうか。 ○君塚委員  障害児の中でも構わないんですけれども、障害児の中において、柱立てというか、一元 化という言葉を。 ○潮谷部会長  類型化ということではなくて、一元化ということで。 ○君塚委員  ええ。今まで、検討会での議論は一元化だったと思うんですけど。 ○潮谷部会長  それでは、障害児のところで、もう少し中身的なことも含めながら出していただければ と思いますので、今日、障害児もやりますので、よろしくお願いいたします。  ほかにございませんでしょうか。  浜井委員、お願いいたします。 ○浜井委員  すみません、単なる確認なんですけれども、刑事施設に障害者の方がたくさんいらっし ゃって、帰る場所がないというのが大きな問題になっているわけですけれども、それの論 点については、この地域での生活支援、あるいは住まいの場の確保というところに含まれ ているというふうに考えてよろしいのでしょうか。 ○潮谷部会長  事務局、お願いいたします。 ○蒲原企画課長  そこはそういうものも含めて、広く、地域移行、あるいは地域での生活というふうに思 っています。 ○潮谷部会長  広田委員、お願いいたします。 ○広田委員  1点は、精神障害者のピアサポート、これは、どこに入ってくるのかということと、で きたら家族もそれが必要じゃないかという発言もさせていただいているんですけど、それ から2ページ目の、2のウの福祉的就労の在り方で、工賃引上げ支援、工賃倍増5か年計 画の取組状況の検証というのが出ているんですね。これは、地方自治体でこういうことを やっているということを知りまして、何で行政がこういうことをやるのかなと、もし私が 旧体系でいう作業所の職員だったら、自分が企業とかお店屋さんに出歩いて、それでこう いう精神障害者がいるんですけど、こんな仕事ができるんですけど、何か働き口はありま せんかと。私自身忙しさがとれたら、近所のお店で、ボランティア販売員をしますという 話をしているんですけれど、そういう形で、結果としてそれが啓発になり、雇用の場につ ながるチャンスだと思うんです。行政がお金をつけて、国を挙げて音頭を取ってやること ですか。  いろいろなところにお金を使って、障害者の所得保障もできないような状態の中で、こ ういうところにお金がつくのがいかがなものかなと思っています。 ○潮谷部会長  2点でございましょうか。広田委員。  では、事務局、お願いいたします。 ○蒲原企画課長  確かに、ピアサポートという話がいろいろ出ておりました。ここは、例えばピアサポー トもいろいろな形態があって、相談のところのピアサポートもあれば、具体的な支援のと ころでもあると思います。  例えば、相談のところについて言えば、相談支援体制という中で、これは相談支援事業 と書いていますけれども、幅広い相談支援のことを考えております。  その意味でいうと、そこの中でそういうおっしゃっているような、当事者間の助け合い という形でのピアサポートといったものがここに入ってくるというふうに考えていますし、 ほかのいろいろなサービスのところでも、そういった手法というのは議論していただけれ ばというふうに思ってございます。  あと2点目の工賃倍増のところでございますが、ここは確かに今、工賃倍増計画という のを県でやっておるということでございますので、論点としてはそれがおっしゃっている ような、精神にとって、それがいいのかどうかということも含めて、ここで議論していた だくし、もう一つは、工賃倍増計画というとなると、おっしゃるように、県に国が一定の お金を補助金で出していろいろな事業をやっているんですけども、ここは、主な論点とこ う書いていますけれども、幅広く、やはり工賃がアップすること自体は、恐らく1つの方 向だと思うので、その意味でいうと工賃倍増という手法以外に、今、広田委員がおっしゃ ったいろいろな方法も含めて、何かいい方法がないかということをここで議論いただけれ ばというふうに思っております。 ○広田委員  そうしますと、ピアサポートは、相談事業とかいろいろ入ってくるんですけど、ピアサ ポートセンターというのもそういうところに入ってきますか。 ○蒲原企画課長  それは、論点として入ってくるということなんで、そこの相談支援の論点を議論すると きに、皆さん方のいろいろな意見を聞いた上で、内容的にはそこで議論していけばいいと いうふうに思っております。 ○潮谷部会長  嵐谷委員、お願いいたします。 ○嵐谷委員  相談支援というのか、各都道府県それぞれに身体障害者相談員とか、知的障害もあった かに思いますが、主に身体障害のほうで申し上げますが、相談員の役割、位置付けをどう いうことに今後されるのか。全国の相談員の人たちはいろいろ研修などをやっております が、全くここは出てこないわけです。その辺りの位置付けをどうされるのか。また、相談 員がいわゆるピアカウンセラーの資格を得られるような方向付けをしていただければ、も う少し当事者同士の相談事業というのが進むのではないかなというふうに考えております が、その辺りどうでしょうか。 ○潮谷部会長  事務局、お願いいたします。 ○蒲原企画課長  本日は、論点でどこに入っているかというのがここの議論だと思います。その意味で言 いますと、冒頭の相談支援のところに相談支援体制というところがあって、ここは、先ほ ど申しましたけど、非常に幅広く相談支援の事業というのをとらえています。その意味で いうと、今、委員がおっしゃったような相談員制度、これはこれまでこの場で、委員始め いろいろなところから出ていました。そうしたものもここの中で入ってくるというふうに 思っています。  入ってきたときに、それを一体どういうふうに構成していくかということについては、 そこのところの議論の中で、またご議論を深めていただければというふうに思っておりま す。 ○潮谷部会長  嵐谷委員、よろしゅうございますでしょうか。  安藤委員、お願いいたします。 ○安藤委員  主な論点について、基本的にはこの方向でよいと思うんですけれども、主な論点の上に、 基本的な理念というか方向というものがありますね。自立支援法を大幅に見直す場合は、 この理念というものを、以前決められた具体的な方向というものが含まれているのか、そ うではなくて、基本的な理念とか方向付けというものをきちんと整理することがまた必要 になるのではないかと思うんです。  その基本的な問題としては、先ほどお話がありましたように、国連の権利条約等も参考 になると思うんですけれど、そのような基本的な整理をした上で、主な論点を併せて論議 するというような考え方も必要ではないかと思うんですけど、どうでしょうか。 ○潮谷部会長  事務局、よろしくお願いいたします。 ○蒲原企画課長  おっしゃいますように、理念のところは非常に大事だというふうに思っています。  自立支援法ができたときに、大きな方向として、障害あるなしにかかわらず、地域で暮 らせるという、そういう大きな方向を出しているわけであります。あるいはできるだけ働 くという方向を出しているわけで、基本的な方向としては、そういうところをひとつ頭に 置きながら、ご議論をお願いしたいと思っています。  それで、今日の論点は、かなりその意味でいうと、理念というよりもそれぞれの論点ご とのペーパーになっているんですけれども、これは、個別の論点をこれからだんだん議論 していく中で、おっしゃっているようなそういう理念のところも併せていろいろ議論が出 てくると思います。これはそういうところも含めて議論していく中で、また恐らく年末ま での報告、何らかの形に取りまとめる過程で、そうした理念のところもちょっとパーツと して入れ込んでいって議論していくということが必要ではないかというふうに思っており ますので、まずはこの個別の理念に沿って議論をしていく中で、後半のところで少し、理 念のところももう一回ご議論していただければというふうに思っております。 ○潮谷部会長  安藤委員、よろしゅうございますか。 ○安藤委員  自立支援法がスタートしたときの、この障害者部会の反省があるんですね。今でも忘れ られないんです。まず、グランドデザインが出てきたでしょう。応益負担について出てき たわけですね。それが審議の中で自立支援法になりましたね。その方向については、障害 部会のほかの人たちは積極的に賛成できないというふうな方向だったんですけれど、とも かく厚生労働省の事務局案に押し切られてしまって、仕方なくスタートしたというような いきさつがあるんです。したがって、このような論点が成立して、私たちはそれに基づい ていると思って説明したとしても、事務局等の考え方の中で、その論点がきちんと法の見 直しに備えがないじゃないかという懸念が、3年前のことがあるもので、頭から離れない んですけれども、きちんとこれは障害者部会の審議を主に尊重する考え方に従うというよ うな厚生労働省の方向があるわけでしょうか。 ○潮谷部会長  事務局、何かございますか。 ○蒲原企画課長  今日は、お出ししている論点で、いろいろ議論いただくんですけれども、議論の過程で、 いろいろここで出た意見というのは、我々まさに尊重いたしますし、当然ながら、何か事 務局が事務局の方向でやっていくということではなくて、ここの場での、毎回、毎回の議 論というのをよく尊重して、それを最終的に何らかの形で、座長のお力も入れながら、全 体的にまとめていくということだというふうに思っておりますので、何か事務局が皆さん の意向とは違うところに行くということは、全くそういうことはないようにやっていきた いというふうに思ってございます。 ○潮谷部会長  安藤委員、よろしゅうございますでしょうか。  トラウマがあるとおっしゃっていましたが、ちゃんとそういった成文化されたものをも う一度ここでかけていただいて、論議の対象にしていくという方向かと思いますので。  川崎委員、お願いいたします。 ○川崎委員  精神障害者の立場で申し上げますが、この自立支援法が就労につなげるということで、 精神の人も就労できるということは大変に生き甲斐となることではないかと思っておりま すけれども、実はこの5ページの3番の地域生活支援事業の中の論点の小規模作業所の移 行促進についてなんですが、実は、現在もなかなか移行ができていないところがあるとい うのが1つと、やはり精神の人にとりまして、一足飛びに就労というのは、大変にハード ルが高いんです。それで、この小規模作業所が今まで果たしてきた役割というのが仲間づ くりとか、癒しの場的なものでありまして、そういう場がやはりこの自立支援法の中に置 いてほしいと、たしか何度もその場で申し上げておりますけれども、この中に含まれてい ますか。それをちょっとお聞きしたいと思います。 ○潮谷部会長  事務局、お願いいたします。 ○蒲原企画課長  このいろいろな出た議論は、自立支援法に関係するものは、基本的には全部検討項目に なるというふうに思っています。  今回は、主な論点ということで書いておりますけれども、今の話で言えば、小規模作業 所の移行ということで書いていますけれども、小規模作業所が今どういう役割を果たして いるかといったことを踏まえて、移行先もいろいろな移行先があると思います。  あるいは、移行先で何か今うまくいかないところがあれば、そこをどう変えるかという ことも含めて、幅広くここで議論してもらいたいと思っています。その意味で言うと、お っしゃっているような、就労にひとっ飛びいかないけれども、少しいろいろ皆さんが集っ ていろいろなことをやっているという、その機能のところも含めて、どういう形でやって いったらいいかということは、ここで議論の論点に入っているというふうに考えます。 ○潮谷部会長  また、ぜひ項目立てでやりますときに、お出しいただければと思います。  ほかにございませんでしょうか。もしないようでございましたら……。  小板委員、お願いいたします。 ○小板委員  4ページなんですけれども、手帳の部分で、知的の手帳がちょっとここから外れている ような感じがしますので、これはぜひとも知的の手帳についても、様々議論があるだろう と思いますので、よろしくお願いしたいということです。  それから、もう一つ、先ほど安藤委員が言われたような、確かに障害者自立支援法の理 念の第1項目としてはいいと思うんですけれども、それがやはり実際に施行されてくると、 それが逆に作用しているようなことはたくさん出ているはずだと思うんですね。  そこがやはり一番の議論の場所だろうというふうにしか、私としては思えないわけなん ですけど。そこをやはりきちんと詰めていかないと、各論ばかり持っていくと、やはりそ このところが薄らいでいってしまって、元に戻らなくなってしまうということですので、 やはり理念と実際に行われている施行とが、本当に整合性がついているかどうかというと ころが論点になることが大切だなというふうに感じております。  それともう一つは、与党から出てきた抜本的な見直しの報告書があるわけですね。これ が実は、各種団体からずっと出してきた、一番の問題点というのは、集約されているよう な気がするわけですね。  ここもやはり含めて、大切な部分だろうと。ここをどういうふうに埋めていくのか。こ こがやはり審議会としても一つの大きな役割ではないかというふうに感じますので、その 辺のところをぜひともよろしくお願いしたいと思います。 ○潮谷部会長  要望ということが2点。それと知的手帳の問題、その点について、事務局のほうから。 ○蒲原企画課長  4ページのところは、手帳制度という幅広く書いておりますので、また問題意識を別途 いろいろ聞いた上で、そうしたこともここに入り得るというふうに思っています。  身障だけを特にここに書いているのは、身障の場合は、特に障害者の定義と手帳の保持 というのが完全に法律上リンクしているということがあって、少しその辺を巡って議論が あったということで、そこを主な論点として書いているということでございます。 ○潮谷部会長  ほかに何かございますでしょうか。もしなければ、本日のテーマに入りたいと思います が、ただ今の論点整理につきまして、皆様方の意見の中で、竹下委員のほうから、権利条 約成立と自立支援法のこの関連見直し、この点については事務局に宿題という形で出てお りますので、後日、よろしくお願いいたします。  今日、出された論点はまたそれぞれの項目の中で、深めてまいりたいというふうに考え ております。  それでは、2つ目の議題に入ります。  今日は、障害児支援の在り方、これが2つ目のテーマでございますので、この点につい て、事務局から説明をお願いいたします。 ○鈴木企画官  それでは、お手元の資料2が障害児支援の関係でございます。  資料2−(1)は1枚ペらでございますが、これは先ほどの論点の障害児支援の部分を切り 出したものでございますので、こちらをお手元に置きながら具体的なご説明のほうは、資 料2−(2)、障害児支援の見直しについて、というもので進めさせていただきたいと思いま す。  その資料の(2)をおめくりいただきまして、最初に見直しの経緯ということで1ページで ございますけれども、自立支援法の附則で障害児支援について3年後見直しと、これは検 討項目になっております。こういったことも踏まえまして、これまで障害児支援の見直し に関する検討会というところでご議論いただきまして、7月に報告書をいただいておりま す。  本日のこの論点整理のほうは、その報告書を1つのベースにして整理させていただいて おります。  まず、最初に、そのページの真ん中、見直しの基本的な視点というところでございます。 検討会報告のポイントという2つ目の○にございますけれども、障害児支援についても 「自立と共生」という理念を踏まえた検討が求められるということで、この検討会のほう では、4つ、基本的な視点ということを挙げていただいております。  おめくりいただきまして、2ページの上から4点ございます。  1つ目として、子どもの将来の自立に向けた発達支援ということで、子どもの時期から の適切な支援が将来の自立と自己実現につながるということを踏まえまして、子どもの将 来の自立に向けた発達を支援していくという視点。  2つ目で、子どものライフステージに応じた一貫した支援ということで、入学や卒業な どによって支援の一貫性が途切れないよう、関係者の連携を図り、子どものライフステー ジに一貫した支援を行っていくという視点。  3点目として、家族を含めたトータルな支援といたしまして、子どもの育ちの基礎とな るのは家族であり、家族を含めたトータルな支援を行っていくという視点。  4点目として、できるだけ子ども・家族にとって身近な地域における支援ということで、 子どものころから共に学び、遊び、育つことが共生社会の実現につながる。また、できる だけ生活の場から近いところで支援を受けることが望ましく、できるだけ身近な地域にお いて支援していくという視点。こういう4点をいただいております。  これにしたがいまして、本日、論点として、2ページの下のほうにございますけれども、 事務局として論点としては、今、検討会の報告にございました4つの点、1つ目が子ども の将来に向けた発達支援、2つ目が子どものライフステージの応じた一貫した支援。3つ 目が家族を含めたトータルな支援。4つ目ができるだけ子ども・家族にとって身近な地域 における支援という4つを基本的な視点としてはどうかということで書かせていただいて おります。  続きまして、3ページのほうでございますが、まず1つ目、個別の論点の1つ目が、障 害の早期発見・早期対応ということでございます。そのうち、(1)障害の早期発見・早 期対応への取組の強化ということで、その現状・課題の欄にございますけれども、出生前 後や乳幼児期に障害が分かる場合。あるいは1歳半検診などで分かる場合。3つ目で、発 達障害の場合など、保育所などの日常生活の場での「気付き」により分かる場合と、こう いった場合がございます。  これに関しまして、検討会報告のほうでは、その下の欄の1つ目の○ですけれども、医 療機関、母子保健、児童福祉、障害児通園施設などの障害児の専門機関等の連携を強化し、 なるべく早く親子をサポートしていく体制づくりを目指していく必要があると。  あるいは、市町村の自立支援協議会の活用、子ども部会の設置等により、関係機関の連 携を強める。こういったことが指摘されております。  また、具体的な取組の例として、下の枠内にありますけれども、出産前後や乳幼児期に ついては、親の心理的なケアを含めて、関係者が連携。1歳半検診などで分かる場合につ いては、疑いにとどまる場合も含め、確実にフォローする。あるいは、障害児の専門機関 や保健センターなどの巡回支援。それから、保育所等の日常生活の場で分かる場合には、 保育士などの気付きをそのままにしないと。研修とか専門機関による巡回支援を実施する という具体的なことをご指摘いただいております。  それから、おめくりいただきまして、早期発見・早期対応の2つ目として、「気にな る」という段階からの支援。4ページでございます。  現状・課題のところにございますように、なるべく早く専門的な支援を行うことが大切 であると、こういう認識の下でありますけれども、(1)発達障害などの場合で、明確な診断 ができないケース。(2)障害があるが、親がそれに気付き、適切に対応できてないケース、 こういったものなど十分な支援につながってないと。こういう場合があるというふうに認 識をいたしております。  これにつきまして、検討会報告のほうでは、2つ目の○、後段にございますけれども、 連続性を持って、重層的に対応して早期の支援につなげていくということで、具体的な取 組の例として、(1)のところですけれども、身近な敷居の低い場所での支援ということで、 障害児の専門機関、保健センターなどに出向いていく。あるいは、2番目で、障害の確定 診断前からの支援ということで、親の心が揺れているような段階から発達支援のサービス を体験的に利用。こういったことをご指摘いただいております。  こういったものを踏まえまして、おめくりいただきまして、次のページの5ページのと ころですけれども、論点としては、以下のように挙げさせていただいております。  1つ目が、障害の早期発見・早期対応の取組についてですけれども、各地域において医 療機関、母子保健、児童福祉、障害通園施設等の障害児の専門機関等の連携を強化し、な るべく早く親子をサポートしていく体制づくりを進めていくべきではないか。その際、地 域自立支援協議会について、子ども部会を設置するなどにより活用を図るべきではないか とさせていただいております。  それから、2つ目で、「気になる」という段階からの親子の支援ということにつきまし ては、障害児の専門機関が保健センターなど親にとって身近な敷居の低い場所に出向いて いったり、障害の確定診断前から発達支援サービスを体験利用できるようにしていくなど の取組を進めていくべきではないかということで論点として挙げさせていただきました。  おめくりいただきまして、2つ目の柱で、就学前の支援ということで、小項目の1つ目 が、保育所などでの受入れ促進ということで、現状と課題欄にございますけれども、保育 所での障害児の受入れは年々増加しているという状況でございまして、引き続きまして、 保育所での障害児受入れを促進していくということで、保育士の資質の向上も図っていく 必要があるというふうに認識をいたしております。  これに関しまして、検討会報告のほうでは、6ページの下のほうですけれども、障害児 の専門機関が、保育所などを巡回支援していくことにより保育所などでの受入れ促進をす る。それから、障害児通園施設などに通っている子どもが並行してなるべく多く保育所な どに通えるようにしていくというようなことでご指摘をいただいております。  おめくりいただきまして7ページですけれども、2つ目として、障害児通園施設と児童 デイサービスの機能の充実ということでございます。  現在、通所型の施設といたしましては、右の表にございますように、知的障害通園施設 とか、難聴児通園施設とか、肢体不自由児通園施設、児童デイサービス、重症心身障害児 (者)通園事業、こういったものがございますけれども、こういったものについて検討会 報告のところでございますけれども、障害児の通所施設について地域への支援機能を充実 していくという観点から、保育所などへの巡回など、外に出て行って障害児や保育士など を支援する機能。あるいは、発達上、支援が必要な子どもについて、相談支援やコーディ ネートを行う機能、こういうものを十分に果たせるようにしていくべき。  あるいは、次の2つ目の○ですけれども、障害の重複化に対応し、身近な地域で支援を 受けられるようにするために、障害種別による区分をなくし、多様な障害の子どもを受け 入れられるよう、通所施設の一元化の方向で検討していくべき。  それから、一番下の○で、予算事業として実施されている重症心身障害児(者)通園事 業の充実について法令上の位置付けも含めて検討すべきというご指摘でございます。  8ページのほうですけれども、本部会におきましても、これまで同様の趣旨のご意見を いただいております。  それで論点といたしましては、1つ目、保育所での受入れということで、障害児の通所 施設が保育所などを巡回支援していくことを障害児の保育所などへの受入れを促進してい くべきではないか。  2点目といたしまして、障害児の通所施設について、地域への役割を強化していく観点 から、地域に出て行って、親子や保育士などを支援する機能や発達障害などの子どもの相 談支援を行う機能を十分果たせるようにしていくべきではないか。  3点目といたしまして、障害児の通所施設について、身近な地域で支援を受けられるよ うにするため、障害種別による区分をなくし、多様な障害の子どもを受け入れられるよう 一元化の方向で検討していくべきではないか。その際、診療所と一体的に運営されている もの、単独で運営されているもの等があるものを踏まえ、その在り方を検討すべき。ある いは、また重症心身障害児(者)通園事業の充実について、法令上の位置付けも含めて検 討していくべきではないか。このように論点としてさせていただいていました。  次に、3点目で、学齢期・青年期の支援策ということで、これについては、1つ目の項 目で、放課後や夏休み等における居場所の確保いうことで、現状と課題欄にございますよ うに、学齢期の放課後や夏休み、こういうときにおける居場所の確保策の充実を求める声 が大変多いというふうに認識をいたしております。  これにつきまして、検討会報告のほうでは、1つ目の○の真ん中以降ですけれども、子 どもの発達に必要な訓練や指導など、療育的な事業を実施するものについて、放課後型の デイサービスとして、新たな枠組みで事業を実施していくことを検討すべき。  それから、次の○で、放課後児童クラブなんですけれども、後段で専門的な対応を図っ ていくために障害児の専門機関が放課後児童クラブなどについても巡回支援することが考 えられる。こういったご意見をいただいております。  次に、10ページのほうで、同じ学齢期・青年期の話でありますけれども、2つ目が卒業 後の就労、地域生活に向けた教育、福祉、就労施策の連携ということで、現状と課題の欄 にございますけれども、そこに参考で書いてございますように、特別支援学校高等部など の卒業生は、就職が23%、授産施設などの利用が56%と、こういった状況にあって、上の ○に書いていますけれども、学校卒業後に円滑に地域生活、就労へ移行できるように、教 育・就労施設の連携を図っていくことが必要。こういうふうに私どもとしても認識いたし ております。  この点について、検討会報告では、在学中から、卒業後の地域生活や就労を見据えて、 体験的な福祉サービス利用ということが考えられるとご提言いただいております。  これにつきまして、おめくりいただきまして、11ページで、学齢期・青年期のお話の論 点といたしましては、1つ目で、放課後、夏休みの支援について、1、現在の経過的な児 童デイサービスや日中一時支援事業について、放課後や夏休みなどにおける居場所の確保 が求められていることなどを踏まえ、子どもの発達に必要な訓練や指導など、療育的な事 業を実施するものは、放課後型のデイサービスとして、新たな枠組みで事業を実施するこ ととしてはどうか。  それから、2点目といたしまして、放課後児童クラブ等についてですが、障害児の専門 機関が放課後児童クラブ等に対して、巡回支援していくことにより、障害児の放課後児童 クラブ等での受入れを促進していくべきではないか。  3点目で、卒業後のことですが、卒業後に円滑に地域生活や就労への移行ができるよう、 教育、福祉、就労施策の連携を強化し、例えば、学校の在学中から夏休みなどにおいて、 体験的に就労移行支援事業などを利用していくこととしてはどうかというふうに論点を掲 げさせていただきました。  4点目といたしまして、12ページでございますけれども、ライフステージを通じた相談 支援の方策ということで、現状課題欄にございますけれども、2つ目の○ですけれども、 そのときどきに応じて、いろいろな関係者が支援を行うことが必要でありまして、その連 携システムが大事であると。  特に、就学前から学齢期への移行時、進学時、卒業時、こういったときに、支援の切れ 目が生じないということが大事であるというふうに認識しております。  それで、この点について、検討会の報告のほうでは、1つ目として市町村を基本とした 相談支援体制。その○の1つ目ですけれども、市町村を基本としてそれを障害児通園施設 などの障害児の専門機関や都道府県が支える重層的な相談支援体制、これを地域の実情に 応じて構築。  それから、2番目として、関係者の連携の強化といたしまして、地域自立支援協議会の 活用などにより関係機関の連携システムを構築ということ。  それから、3点目で、個別の支援計画の作成あるいは活用を進めていくべきといったこ とをご提言いただいております。  おめくりいただきまして、13ページのところで、部会でもライフステージに寄り添った 相談支援であるとか、相談の入口のハードルを低くすべきとか、個別の支援計画を作成、 こういったことについて、ご意見いただいているところでございます。  こういったものを踏まえまして、相談支援に関しましては、1つ目として、市町村を基 本として、それを障害児通園施設などの専門機関や都道府県が支える重層的な相談支援体 制を地域の実情に応じて構築していくべきではないか。  また、障害児の親子にとって、身近な敷居の低い場で支援が行われることが必要であり、 例えば障害児の専門機関が外に出向いていったり、気軽に行きやすいところとするため、 名称を改めるなどの工夫が必要ではないか。  2番目としまして、連携については、地域自立支援協議会の活用、子ども部会の設置な どにより、関係機関の連携システムを構築し、特に、学齢期への移行時、進学時、卒業時 などにおいては、支援の切れ目が生じないよう連携強化を図っていくべき。  それから、3つ目で、個別の支援計画については、ケアマネジメントの観点から各支援 者がどのような役割分担の下で、それぞれ支援していくかの個別の支援計画づくりや関係 者による支援会議の開催を進めていくべきではないかということで、論点を挙げさせてい ただいております。  5番目といたしまして、家族支援についてです。  現状と課題のところでありますけれども、家族は育ちの基礎ということで、家族を含め たトータルな支援ということが必要と認識しております。  また、よくぎりぎりまで頑張って、結局、在宅で育てられなくなる、こういったことも お聞きするわけでありますけれども、こういったものを防ぐためにもレスパイト、これが 大事であるというふうに認識いたしております。  この点に関して、検討会報告におきましては、1つ目として、家族の養育などの支援と いうことで、そこに(1)、(2)、(3)とございますけれども、専門家による心理的なケア、カウ ンセリング、あるいは専門機関による養育方法の支援。3つ目として、保護者同士の交流 や障害児の兄弟に対する支援と、こういったものについての支援を検討すべきという意見 をいただいております。  それから、レスパイトにつきましては、その支援を図ることが重要。それから、経済的 負担などにつきましては、家族の負担能力を踏まえた十分な配慮が必要ということです。  裏側の15ページです。これについても本部会におきましても、親の支援について、ある いはレスパイトについて、ご意見をいただいているところです。  これを踏まえまして、論点といたしまして、2つ掲げさせていただいております。  1つ目が、家族に対する養育方法についてですが、障害児の家族が障害の発見時に適切 に対応していくことやその後の養育の能力を高めていくことを支援するため、(1)専門家に よる心理的なケアやカウンセリング、それから専門機関による家庭における養育方法の支 援、保護者同士の交流や障害児の兄弟に対する支援の促進など、家族を含めたトータルな 支援を図っていくべきではないか。  2つ目で、レスパイトについてですが、ショートステイの充実など、レスパイトの支援 を図るとともに、現在の利用料の軽減措置を継続するなど、家族の負担の軽減を図ってい くべきではないかということで案を整理させていただいております。  続きまして、16ページで、入所施設の在り方といたしまして、1点目が、障害種別によ る類型ということで、現状・課題欄にございますが、障害児の入所施設は障害種別などに よって、7類型、右のほうに表で書いてございます。  他方、障害者、大人の方の施設については、3障害の共通化ということで、また学校教 育でも、特別支援学校ということで、複数の障害種別を対象という形への転換が進められ ているということでございます。  こういったことで、障害児支援施設についても例えば現状でも肢体不自由児施設を知的 障害、発達障害がある子どもが利用するということか増えていると認識いたしております。  この点に関しまして、検討会の報告のほうでは、1つ目の○にございますが、障害児施 設についても障害の重複化などを踏まえれば、基本的な方向としては、複数の障害に対応 できるよう、一元化を図っていくことが適当ということで、幾つかの留意事項もいただい ております。  おめくりいただきまして17ページ、2点目で、在園期間の延長ということで、以前もこ の会でご質問などありましたけれども、知的障害児施設、肢体不自由児施設は、必要があ れば満18歳以降も在所できるという仕組みになってございます。  また、重症心身障害児施設のほうは、継続入所のほかに新たに18歳以上の方であっても、 入所できるというふうになっております。  こういう状況で、右の表にございますけれども、いわゆる加齢児、18歳以上の方は、知 的障害児施設の場合であれば4割、重症心身障害児施設であれば、9割弱というようにな っている現状でございます。  これにつきまして、検討会の報告のほうでは、1つ目の○の中ほどからですが、機能的 には、子どもから大人にわたる支援の継続性を確保しつつ、制度的には満18歳以上のいわ ゆる加齢児については、受け皿づくりなどを進めて、障害者施策として対応していくとい うことについて検討していくと、こういう意見が出されたというふうになっております。  こうした見直しを行う場合には、支援の継続性を確保するための措置や現在入所してい る者が施設から退所させられることがないようにする措置など移行に当たっての十分な配 慮が必要というふうにも併せていただいております。  それから、3つ目の○で、特に重症心身障害児施設については、下線のところですが、 重症心身障害児(者)の特性に応じた支援が保たれるよう、小児神経医や本人をよく知る 保育士などが継続して関われるようにするなど、児・者一貫した支援の必要性や現在入所 している方の継続入所について十分な配慮が必要というふうにいただいております。  また、最後の○ですけれども、重症心身障害児(者)の在宅での支援施策、医療的なケ アを提供できる短期入所であるとか、訪問看護、通園事業などですが、これについても充 実することが必要と、こういうご意見をいただいております。  入所施設の在り方の3点目でございますけれども、障害児の入所施設・住まいの在り方 ということで、この点に関して、検討会報告では、1つ目の○では、専門的スタッフの配 置の充実。2つ目の○のところですけれども、小規模の単位の支援ができるような施設の 在り方について、検討が必要。あるいは、地域小規模施設制度、障害児のファミリーホー ム制度、専門里親制度、あるいは自立体験グループホーム、ケアホーム的な住まいの在り 方、こういったものについて、いろいろな意見があったことを含めて、在り方について検 討を進めるべきというご意見をいただいております。  こういったことを踏まえまして、入所施設の在り方につきましては、19ページの論点と して、3つ掲げさせていただいております。  1点目が入所施設の一元化ということで、入所施設については、障害の重複化などを踏 まえまして、複数の障害に対応できるよう、一元化を図っていくべきではないか。その際、 それぞれの施設の専門性を維持していくことが可能となるよう配慮するとともに、例えば 重症心身障害児について、手厚い人員配置が可能となるようにするなど、基準などについ て検討していくことが必要ではないかというのが1点目です。  それから、2点目で、在園期間の延長措置などについてですが、障害児の入所施設に満 18歳以降も在園できるとされている取扱いについて、満18歳以上の入所者は障害者施策で 対応していくよう見直していくべきではないか。その際には、支援の継続性を確保するた めの措置や現に入所しているものが退所させられることがないようにするなど、配慮が必 要ではないか。特に、重症心身障害児(者)については、児・者一貫した支援の継続性が 保たれるよう十分な配慮が必要ではないか。また、重症心身障害児(者)の在宅での支援 について、充実を図っていくべきではないかということで、論点をさせていただいており ます。  3つ目で、障害児の入所施設、住まいの在り方ということについては、障害児の入所施 設については、心理的なケアが行える専門的なスタッフの充実や小規模な単位での支援が できるような施設の在り方。障害児の将来の自立を見据えた住まいの在り方。地域の中の 専門機関としての役割の強化について検討していくべきではないかということで、論点を 出させていただいております。  それから、7番目で、行政の実施主体ということで、20ページでございます。  (1)障害児施設についての実施主体ということで、現状・課題の欄にございますけれ ども、現在の制度では、実施主体が都道府県、指定都市、児童相談所設置市、これが障害 児施設の実施主体ということになっております。  一方で、ご承知のとおり、在宅の支援施策、ヘルパーなど、あるいは児童デイサービス、 保育所などの施策、こういったもの。それから、大人の方の施策は実施主体が市町村とい うことになっておりまして、障害児施設についても、身近な市町村の役割を高めていくと いうことが必要と思っております。  他方、障害児施設は数が少なくて、広域調整が必要なこと。あるいは、入所の必要性な どについて、専門的な判断が必要なこと。こういったことを踏まえまして、都道府県、あ るいは都道府県の児童相談所の専門性に基づく関与という必要性もあるというふうに認識 をいたしております。  この点につきまして、検討会報告では、通所施設については、実施主体を市町村として いる方向で検討していくことが考えられる。この場合、特に町村については、都道府県の 支援が必要。それから、入所施設については、3つの案が併記されておりまして、その3 つの案ごとに課題を整理していただいているわけですけれども、第1案は市町村とする案。 これについては、児童養護施設などへの入所と実施主体が異なることとなるので、障害児 が虐待された場合などの判断に課題があるという課題がございます。  それから、第2案として、措置は都道府県、契約は市町村ということで、措置によって 入所される場合、契約によって利用される場合、これで実施主体が異なると、混乱が生じ る恐れがありという課題をいただいております。  3つ目の案で、当面は都道府県ということで、この場合は、当面都道府県がやるとして も、市町村の関与も必要である。将来的には、市町村とすることを検討すべきというよう な形で、論点の整理をいただいております。  次のページで21ページですけれども、それからもう一つの論点として、措置と契約の関 係についてなんですけれども、現状・課題のところにございますけれども、保護者による 虐待、あるいは養育拒否、こういった場合は、措置ということでございまして、それ以外 の場合は、契約によるというふうな形に入所はなっております。  ただ、現在、次の○にありますけれども、措置による場合と、契約による場合について、 都道府県によって判断に大分差があるのではないかというような状況でございます。  それで、この点に関して、検討会報告のほうでは、下のほうの1つ目の○で、障害児施 設への入所が措置か契約かの判断をより適切に行うべきという観点から、措置とするか契 約とするか、これについては、障害児の権利、社会福祉制度全体の改革の動向、それから 利用者と事業者の対等な関係づくり、こういったものに十分配慮して、さらに検討すべし と。  それから、次の○で、全国的に適切な判断が行われるように、関係団体などからも意見 を十分聞いた上で、判断基準をさらに明確化していくということをやって、国において、 両方を分けるガイドラインをきちんと作成していくことが求められると、こういったご指 摘をいただいております。  おめくりいただきまして22ページですけれども、これで行政の実施主体ということにつ いて3点論点を掲げさせていただきました。  1つ目で、通所施設の実施主体といたしましては、在宅の支援策や児童デイサービスの 実施主体は既に市町村であり、都道府県が支援を行うこととしつつ、市町村とする方向で 検討することとしてはどうか。  2つ目で、入所施設については、児童養護施設などの入所の実施主体が都道府県とされ ていることなどを踏まえ、実施主体をどのように考えるべきか。当面、都道府県とする場 合には、市町村の関与を強めていくべきではないか。  それから、3点目、措置と契約につきましては、障害児施設の入所について、措置か契 約かの判断をより適切に行うべきとの観点から判断基準を明確化する作業を進め、ガイド ラインを作成することとしてはどうかというふうに掲げさせていただきました。  最後に、法律上の位置付けなどについて、検討会の報告のほうで、1つ目の○でありま すけれども、障害児への支援については、なるべく一般施策との連携により対応していく という考え方から、各施設や事業の根拠を「児童福祉法」に位置付けることを基本とすべ きという意見をいただいております。部会の中でも、児童福祉法の枠組みの中でというよ うな意見をいただいております。  これで一番下のところですけれども、論点として、根拠法につきましては、児童福祉法 に位置付けることを基本としてはどうかというふうにさせていただきました。  以上に基づきまして、ご議論いただければと考えております。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  皆様、お聞き及びのとおり、障害児支援の論点は、非常に多岐にわたっております。そ こで、できましたら前半と後半というふうに分けて論議をさせていただければと思ってい ます。  前半といたしましては、ページで言いますと、ただ今の説明資料の15ページまでのライ フステージに応じた支援の充実。それらか、相談支援や家庭支援の充実。ここまでを前段 と。そして、後段といたしまして、施設機能の見直し等による支援の充実、こういうふう に分けさせていただければと思います。  もちろん、関連が前段、後段ございますので、その場合には、どうぞご遠慮なくご発言 いただいて結構でございます。  また、お願いですけれど、できるだけポイントを絞って、よろしくご発言いただきたい と思いますし、論点の中で、整理をされているページ、ここが明確に分かった上でご発言 される場合には、「何ページのことに関連して」と言っていただけますと、より皆様方に とっても分かりやすいかと存じますので、よろしくお願いいたします。  それでは、どなたからでも結構でございますので、お願いいたします。  大濱委員、どうぞ。 ○大濱委員  まず、6ページ目からなんですが、就労前支援ということで、保育所での受入れの促進 ということで、非常に障害児が受け入れられているということがここに書かれているんで すが、私は、実際相談を受ける、子どもさんの親御さんからいろいろ相談を受ける場合に、 保育園に確かに障害児の方が行った、その後、特別支援学校に行くのではなくて、一般学 校に行きたいという相談がよく来るんです。  その場合、教育委員会と話して一般学校にオッケーですよと、なぜそこに、一般のほう に行きたいかというと、要するに保育所の中で、友達がいっぱいできたと、その友達とそ のまま付き合いたい。そうすると近くの学校に行きたいと。障害を持っていても、お互い に分かりあえる。友達ができた。  それが、特別支援学校に行くと、その友達の関係が切れるので、できるだけその友達と 一緒にいたいので、一般学級に行きたいんだという親御さんからよく相談を受けて、それ をどうしましょうという話になって、教育委員会は最初は「ノー」って言うんです。いろ いろ話していくうちに、教育委員会でも「分かました」ということで、一般のほうに行く ことが可能なんですが、そのときに問題になるのは、学校に通う場合、これは自立支援法 で使えないんです。通学の場合は、自立支援法の上では、通学についてはこの制度は使え ないというので、教育委員会のほうで、あとはどうするかというと、1時間1,000円ぐら いとかで、教育委員会のほうの予算のほうからこれを出して、学校に行きなさいと。ただ、 週3回ぐらいしか行けないから、あとは親御さん、行きなさいと。  そうなると、親御さんが働いていて、なかなか学校に行けないで、ボランティアを探す、 という問題が現場で起こっていて、それでどうしましょうかという相談が、現在私のとこ ろに、去年あたりからそういう問題が寄せられているという現状がありますので、今後一 貫したということを強調して言われていたので、就学前の保育所から、小学校に行く場合、 そこら辺の在り方についてどういうふうに整理していくのか。そこら辺もきちんとしない と、これ、ちょっとこのままだと手が抜けているんじゃないかというのが1点です。  あと2点目ですが、卒業後ですが、これは特別支援学校の高等部、10ページ目の現状・ 課題ということで、特別支援学校の高等部の卒業の進学が、就職が23%、授産が56%、約 80%ですか。あとその20%の方たちがどうしているのか。家に閉じこもったままでいるの かということもお聞きしたかったのと、それと私たちのところに寄せられているのは、中 学校卒業した後、高校に進みたいと、大学に行きたい、そういう場合、ちゃんとした制度 上の問題で、やはりこれも学校に行くときに、自立支援は使えない。これは、文部科学省 のやはりマターになってくる。これは、厚生労働省と文部科学省がもうちょっときちんと 話合って、ちゃんと学校に行けるような仕組みづくりをしていかないと、この縦割りのま まだと、これがうまくいかないのではないかと思います。  あともう一点、最後に、実際の問題として、地域に住んでいた子が大学に合格しました。 ということになると、例えば東京に住んでいた子が東京で自立支援で生活しているわけで す。その場合は、東京都が予算を出しています。  ところが、大学に通い出して、親から仕送りを受けると、その子の出身地が支給決定し て、出身地がお金を払わなくちゃならないということになっていまして、出身地が小さな 市町村だと、例えばその子が非常に重度で17時間、20時間近い支援が必要だったというこ とだったんですが、これが小さな市町村になりますと、そんなに支給ができません。とい うことになってきて、実際に大学には合格したけど、生活できないじゃないかという問題 が実際問題として起こってくるということで、私が去年あたりもそれである区のところに 行って、区の区議長とかいろいろ話をして、何とかそこら辺をしてくださいということで、 ある程度やっていただいたり、そういう動きもしたんですが、私が個人で動くのではなく て、これは法律の中できちんと大学にも行ける、高校にも行けるという制度にしていかな いと、これは本当に自立支援法ではないんじゃないかということなので、この切れ目のな いということをかなり強調されているので、ぜひここら辺をきちんともうちょっと整理し ていただきたいというのがお願いです。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  この点に関して、皆様方の中で、もう少し関連とかございませんでしょうか。  林参考人。 ○林参考人  ただ今の大濱委員さんの中で、保育園の障害児の受入れ、そしてその後、中学について 一般学校を希望されたときに、なかなか難しいというお話だったんですが、当市のちょっ と取組を簡単にご紹介させていただきます。こういうことでもできるのかなというところ なんですが。  当市においては、保育園に障害児を受け入れるというのは、今からだいたい12年ぐらい 前からやっているわけなんですが、その中で、保育士をもちろん加配する。昨年から、看 護師も加配いたしまして、医療的ケアの必要な障害を持った子どもさんの受入れも行って いるわけです。  そのほかに、学校に今度就学するということになった場合に、今までだと就学支援委員 会でしたか、そういったことでその障害者の方については特別支援学校なり、そういった 言葉はちょっと悪いですが、振り分けというような形になってくる。  ところが、先ほど大濱委員さんがおっしゃったように、友達が保育園から学校へ同じに 行くんだということの中で、やはりご本人、あるいは親御さんが一般校を希望するのであ れば、ぜひ一般校で受け入れなければおかしいだろうということで、東松山市としても、 平成8年から介助員制度ということで設けまして、介助員の方は現在もう50名近くいるん ですけれども、徐々に増やして50名いるんですが、地元の小中学校への受入れを行ってい ます。  今年からは医療的ケアの必要な子どもさんも就学しましたので、それの対応も看護師を 配置するという形で行っているということをしております。  基本的には、当市の市長も常々言うんですが、兄弟で同じ学校に行けないのはおかしい だろうというようなことからこういったことを手がけてきたわけです。  共生という社会を目指すためにも、子どもさんのうちから、小さいうちから、このよう な取組を行っていく必要があるのかなというふうに考えております。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ちょっと確認させていただいてよろしゅうございますか、その加配は、保育所段階にも 加配し、そして通学するそこにも加配するという、そういう二重にわたって配慮している という、こういう理解でよろしゅうございますか。 ○林参考人  保育園にも、障害児1人について1人の保育士をつけています。これは、市立の保育園 になるわけですけれども、そういう形で扱っております。それから、小学校なり中学の場 合には、時間がちょっと長い場合もありますので、1人の生徒について1日おきですが、 2人相当ぐらいつくように、例えば1日おきに介護士の方が従事するという形で行ってお ります。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  大濱さんの制度設計上からシームレスになってないところを東松山市が非常に独自に制 度を補っていらっしゃる、隙間を補っていらっしゃるという、大変素晴らしい報告をちょ うだいいたしましたけれども、これに対して、文科省側から今日せっかくおいででござい ますので、何かお話がございますなら、よろしくお願いいたします。 ○文部科学省初等中等教育局特別支援教育課  就学の問題についてのご意見だったと思うんですけども、子どもたちの就学につきまし ては、保護者の意向も踏まえつつ、その子どもを最大限、どういう場で一番伸ばせるのか という観点で、これはもう公教育でございますので、教育委員会が責任をもって決めてい くというのが現在の仕組みでございます。  その中で、平成14年度からは認定就学ということで、基本的には特別支援学校に入学す るのが適切な子どもであっても、市町村において、通常の小中学校でしっかりと教育がで きる、責任を持って教育ができるという判断をされた場合は、小中学校へも進学できるよ うな仕組み、柔軟な仕組みにしてきております。  また、小学校、中学校についても、特別支援教育支援員というものを配置しまして、こ れは介助であったり、学習の補助であったり、そういった支援をする方を小中学校にも整 備していくというふうなことで現在取り組んできております。かなりその小中学校へもそ ういう障害の方々の受入れというのが実態として進んでいるというふうに承知しておりま す。  私ども、平成19年度から特別支援教育をスタートさせまして、そういう意味で、現在幼 稚園から高等学校までの体制整備を進めておるわけでございますけれども、この厚生労働 省さんとの関係について申し上げますと、就学前から学校卒業後まで一貫した支援という ものが課題だと思っております。  特に、今もご意見がございました幼児期から義務教育段階、小学校へのつなぎ目、ある いは高校卒業後、就労、福祉、医療へのつなぎ目、そういったところが課題になっている と思っております。そのためのツールである個別の支援計画というものが重要になると思 っております。  そういった移行期において、この行政の主体というものが福祉部局等から教育委員会、 また教育委員会からこの福祉部局等に変わるというところでございますので、そういった 辺り、一貫した支援が受けることができるよう、この行政の関係部局、特にこの市町村の 教育委員会と首長部局の連携体制が重要であると思っております。  文部科学省としましても、厚生労働省さんとしっかりと連携をしながら、そういった障 害のある子どもたち一人一人の教育的ニーズを把握しまして、適切な教育、必要な支援を 行うことができるように取り組んでいきたいというふうに考えております。以上でござい ます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。 ○大濱委員  今の中で問題なのが、学校に通う場合、通学の問題がかなり問題なんですが、この辺は どこが負担をするかとか。親御さんが行けない場合どうするのかと。今、仕組みがないわ けです。これは東松山市さんの場合も、そこら辺どうなっているのか。ちょっとそこら辺 を教えていただければと思うんですが。 ○潮谷部会長  まず、東松山市のほうから。 ○林参考人  通学については、親御さんが学校までというのはされているようです。学校での中は、 全部こちらでやってますけども、学校までは親御さんの負担になっていると思います。  あと移動支援を使っている方はいないと思うんですが、ちょっとその辺、細かいことは、 申し訳ないですが。 ○潮谷部会長  文部科学省のほうでいかがでございますでしょうか。あるいは厚生労働省のほうでも。 つまり大濱さんのご指摘の中では、学校教育現場はそういう制度的なものが整備されてい るかもしれないけれど、学校に到達するまでの障害児の支援、これが具体的にどのように 考えられているのか。あるいは今後、制度設計という形の中で、文部科学省、厚生労働省 連携の中で、何か課題認識を持ってらっしゃるのかどうかということではないかと思いま すが、よろしゅうございますか。  その辺について、何かございますか。事務局側から。 ○藤井障害福祉課長  障害福祉課長でございます。大濱委員のご指摘、本当に大事な論点だと考えております ので、今後とも、文部科学省のほうとも密接に話合いをしながら進めていきたいと思って おりますけれども、通学の際の支援につきましては、市町村、私どもの補助金のほうで支 援をしております適正化支援事業の中の移動支援で、対象になる場合があるといいますか、 一応こういう制度の枠組みに入っておりますので、市町村の対応によっては、対象になる 場合もあると思いますけれども、ただ一般的に聞いておりますのは、学校に行くとか、あ るいは企業に就労で通うとかという場合の通学なり通勤というのはむしろ学校ですとか、 相手側のほうの対応という整理が行われているやに聞いております。  そこはまた、文部科学省さん何かございましたら、現状等お話しいただければありがた いと思います。  あともう一つ、大濱委員がいろいろおっしゃった中で、ちょっと細かい話で恐縮ですが、 大学に、地方から東京に出てこられた場合等の取扱い等がございましたけれども、基本的 には大学になりますと18歳以上でございますので、大人障害者だというそういう整理にま たなってまいりますけれども、住民票が基本になっているようでございますので、住民票 がどちらにあるのか、もし東京に移されていれば、東京のほうの施策も対象になるという ふうに整理をしております。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  通学移動については、今後、省庁間で少し論議をしていただいて、制度設計の中でどの ようにやっていくのか。あるいは従来ありました施策の中で、それを明確に位置付けてい くのかという課題が出てくるかと思いますので、事務局のほう、この点はよろしくお願い したいと思います。  どうぞ、お願いいたします。宮崎委員。 ○宮崎委員  今のお話に少し関連して補足させていただきたいんですが、10ページに大濱委員さんか らご質問がありました現状と課題の特別支援学校の高等部等の卒業生の進路状況、これは 就職している者が23%、授産施設利用等が56%、そのほかが抜けているんですが、これは 障害種によって学校種によって違うんですが、残りは進学等ということになるかと思って おります。  なお、就職している者の23%はあくまでも特別支援学校、5障害あるんですが、そこの トータルのもので、障害者によって大分異なりがあるというご理解をしていただきたいと 思います。  実は、もう一つ、先ほど企画官からお話があったことと関連しますが、特別支援学校は、 障害者に応じたきめ細かな対応をしていくということで、それぞれの障害者のお考え等や その支援のありようで、学校種というのがこれまで対応してきたわけですが、複数の障害 に対応できるような仕組みに変わりました。  このことができるだけ障害児(者)の権利、それから教育の保障というようなことで、 寄与してきたことは事実でございますので、一般学校がそういったお子さんたちの全てに 対応ができる仕組みにまだ十分なっていないということ。  あるいは小学校に入ってから、何年か後には、この学校でなかなか対応できないという ことで、学校間の移動というんですか、そういったような非常に柔軟な仕組みというのを 考えられていると思いますし、そういう意味での就学相談や教育相談というのが充実して いくというふうに思っておりますし、先ほどありましたように、認定就学制度といったよ うなものを活用しながら、対応ができていく仕組みができているというふうに私は思って いまして、この辺りは先ほどあったようなことで、またさらに充実をさせていく必要性が あるだろうというふうに思っております。  2点目に、先ほどは通学保障の話があったんですが、11ページのところに、放課後や夏 休み等における支援ということで、それと関連をしているものですが、今日、出していた だいた自立支援法の見直しに係る主な論点の中の、個別論点の地域生活支援事業の中に移 動支援が、市町村が対応してくださっているんですが、学校から保育所やあるいは児童ク ラブ等へ移動をするようなときに、この移動支援が使える場合と使えない場合というのが やはり出ているんですね。  ですから、その辺りについても、トータルで今後自立支援法の見直しを検討されるとき に、併せて検討していただくと、そうしたところで格差というんでしょうか、区市町村で 違いが出ないような仕組みができていくのではないかというふうに思われます。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ほかにございませんでしょうか。  佐藤委員。 ○佐藤委員  私は、早期発見、早期対応のところで意見を述べたいと思いますが、まず基本的な認識 として、障害者自立支援法でやるべきことと、それから児童福祉法でやるべきこととをき ちんと整理しておく必要があるのではないかというふうに考えていまして、例えば、気に なる子どもをどうするかというような話までも、障害者自立支援法でやるのかというのが、 基本的には納得がいかない。子育て支援という今我が国の児童施策にとって非常に重要な テーマがあるわけですが、児童福祉法の中の子育て関連事業、子育て支援に関連するいろ いろな事業のメニューが書かれていますけれども、そこには、障害という言葉が、私が読 んだ範囲では出てきません。  まさに、気になるとか、あるいは育て方が難しくて、どうしていいか分からないとか、 そういう状況にある親子を支援していくという仕組みは、子育て支援の枠組みの中で、す なわち法的に言えば、児童福祉法の枠組みの中できちんと対応していくことのほうが、こ こに書かれているハードルが高いとか低いとかという問題も、合理的に解決されるのでは ないかと思います。  早期の段階からの話でも、専門的という言葉が、人についても場所についても盛んに出 てくるわけですけれども、少なくとも人に関しては、いろいろな可能性があったとしても、 場所について特定をする必要はないというふうに思います。  先ほど来、話が出ているように、多くの保護者はやはり周りの子どもと一緒に育てたい。 将来を見通しても、地域で生活をしていくということを考えれば、その子が育ちのプロセ スの中で、どれほど広範な人と出会っていくかということが非常に重要なことだと思いま すので、早期発見、早期対応というのを過度に強調することによって、一見整った制度の ように見えるけれども、逆に子どもが非常に閉鎖的な回路の中でしか育たないということ もあるということを十分に認識する必要があるのではないかと思います。  したがって、繰り返しになりますけれども、児童福祉一般の中で整理できる仕事に関し ては、むしろそちらを充実強化するというアプローチの仕方を考えるべきではないかと思 っています。  ちなみに、先ほど、東松山市の林さんから発言がありましたけれども、そういう体制が 整っていく中で、私がかつて理事長をしておりました法人が運営する知的障害児の通園施 設は、東松山市の子どもだけではもちろんありませんけれども、40人の定員がいつもいっ ぱいで、さらに4月には10人、20人という待機児童がいるような地域だったんですけれど も、この10年間の中で、10年間あまりの中で、状況が変わって、5年前に施設を閉鎖する ことに成功したといいますか至りました。  それは選択肢が増えれば、どちらが選ばれるかというと、やはり保護者としては、必要 なサービスが当たり前の場所で受けられるならば、そちらを躊躇なく選んでいく。あえて 施設の側から施設解体ということを言わなくても、結果として保護者の選択の中で、そう いう事態になったということを申し添えたいと思います。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  その点について、もう少し皆さんの意見を。  はい、どうぞ。 ○中村参考人  JDDから参りました中村と申します。  今のご意見に関しまして、専門的という言葉の使い方について、ちょっと申し上げたい と思うんですが、私どもは、いわゆる発達障害、支援法の枠の中で支援を必要とする子ど もたちについて、支援の充実をということで動いている団体ですが、いわゆる専門的とい う言葉の中には、決して最初から障害児という枠の中に埋めるということではなく、いわ ゆる今、佐藤先生がおっしゃった子育て支援の中に、配慮事項として専門的な視点を組み 入れていくということの重大性ということで、ずっとご意見を申し上げてまいりました。  決して場所を限定するとかそういうことではなく、普通に子育てする中でも、ある意味、 対処の仕方の中で、きちんと1つの方法というか、配慮事項というものが押さえられてい れば、その子どもにとって分かりやすい対応になるという部分で申し上げてきた意見です。 ですから、専門的な機関の利用というものそのものが悪いというのではなく、専門的な機 関がどのように関わっていくかという部分が重要ではないかと思います。  もちろん障害という枠の中だけで全部押さえることがいいというのではなく、いわゆる グレーゾーンといわれる方々については、ある意味、障害告知というものを行う以前の段 階で、子育てのいわゆる配慮の中に、専門的な視点をどのように組み入れていくか。ある 意味それが将来的に、いわゆる階段を上るのではなく、スロープを上るような形で、その 子に必要な支援の形ということが明確になっていくという部分が必要ではないかと思って おります。  もう一つ申し上げたいのは、発達障害の子どもたちの中で、大変支援度が高い方につい ては、ある意味、やはり私は場の設定が必要なものもあるのではないかというふうに思っ ております。多分これは文部科学省部が進めている特別支援教育の中でも押さえられてい る点ではあると思うんですが、画一的に場があるのが悪いとか、場がないのがいいとか、 そういう論議ではなく、ぜひ一人一人の子どもに必要なニーズを押さえるために、専門性 をどのように活用していくかという部分を考えていただけたらなというふうに思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  副島委員。 ○副島委員  私ども、知的障害の親ですけれども、ここの中に入っている、今の対応の仕方のところ ですが、気になる子どもたちの親の気持ちというのは、すごく不安定になっていて、どう いう形で今のグレーゾーンや、結局そこから落ちこぼれていく親たちをどのように救い上 げていくかということに非常に神経を使わなければならない面がありまして、それで、こ このポイントに、母子保健という言葉を教えて我々は強調したんです。  要は、子どもを産む段階に一番関わっておられるのが保健師なんですね。保健師が関わ っている間は、障害とか、障害があるなし全く関係なくして、通常の子どもとしての関わ りなんです。それが、発育する中で、ちょっと遅れがあるんじゃないかという、そういう 気になる段階に入ったときに、新しい専門的なところへの足の運びというのはなかなか難 しいんです。  それよりも、今まで関わってきた母子保健、そういう保健師との安心できる人間関係か ら、自分の子どもについての冷静な助言とか、親の冷静な見方、そういうものがそこに働 くことによって、早く自分の子どもに対する正しい認識ができて、その次のステップに進 めていくと思うのです。我々としてやはり、そのときの取組の遅さによって大変な障害を 抱えるとか、発達の遅れを抱えて、子育てができないとか、子育て放棄になってしまう。 そういうところが我々の中にも見えてきました。  つまり、発達に対する気付き、それをどうやってフォローしていくのかというところで、 ぜひこの母子保健との連携を今よりもさらに密に、検診時も、検診の後も含めて、継続し た支援と言いますか、親への必要な支援というところへ結びつく方法がないのかと考えた ことです。そのときに、障害児だから、障害があるからということでの関わりだったら、 親はどうしても抵抗があります。  だから、先ほどから言われているように、子どものことに対しては、児童福祉法を基本 として、健常児の子ども、障害児の子ども、全てを対応していくような状況をつくってい かないと、最初の段階から、例えば自立支援法のように障害のレッテルを張ってしまうと 親は、その次のステップに進むことに躊躇してしまうんですね。そういうところをしっか りと踏まえていくことがここでは大事だと思います。我々の心配は、まさにここのところ です。気になるという意識の時を支え、よりそいが重要なのです。ぜひその点を考慮して ください。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  副島委員のただ今のご意見は、5ページのところの論点案のところに、母子保健、児童 福祉法等々の関連性が言われておりますけれども、皆様方の中で、さらに何かご意見ござ いませんでしょうか。  林参考人、どうぞ。 ○林参考人  今の副島委員さんからのお話、ごもっともということで、当市としても独自に市の単独 事業として、障害児の保育・巡回指導業務という、そういうのを立ち上げています。いわ ゆる市立保育園は5園あるんですけれども、年に3回ずつ、それぞれ専門機関といいます か、佐藤委員が先ほどおっしゃったんですが、その施設のクリニックがあるわけなんです けれども、そちらのほうの医師、それから相談員等もお願いしてやっております。  障害児等に対する指導、あるいはケース検討会議ですとか、関係機関との連絡調整会議 等々を行って、いわゆる通常の訪問の中で、ちょっと目につく、気がつく、そういった形 の方の気付きをさせていただくということで取り組んでいます。  これは保育園だけじゃなくて、当市のほうに子育て支援センターというのが1カ所ある んですけれども、そこのところにも定期的にそういった訪問をして、そこに来ている子ど もさんの状況を見ていく、相談に乗っていくという、そういったこともやっております。  また、埼玉県でも同じような事業で、障害児療育支援事業というのがありまして、これ も先ほどの社会福祉法人に委託して、施設の支援、一般指導ですとか、民間の保育園等の 支援等も行っている状況です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ここで、少し事務局のほうから出された意見について、雇児局と、それから障害との連 携、さらに母子保健に関わって、福島課長のほうからのご意見がありましたら何か出して いただければと思いますが、いかがでございますでしょうか。現状的なこと。  もし、万一、将来展望として、自立支援法と児童福祉法の状況について、何か今現在、 検討されているようなことでもあれば出していただければと思いますが、いかがでござい ますでしょうか。 ○藤井障害福祉課長  母子保健との連携でございますとか、あるいは児童福祉法と自立支援法の関係につきま しては、本日また改めてご紹介をさせていただいております障害児の検討に関する検討会 の中でもいろいろ議論がございましたし、また自立支援法と児童福祉法の関係につきまし ては、本日の論点ペーパーの中でも、改めて論点として挙げさせていただいておりますし、 児童福祉法に位置付けることを基本としていただくこととしてはどうかというような、そ ういった論点の出し方もしておりますので、それぞれのご意見、私どもとしても十分踏ま えまして、役所としてもさらに検討していきたいと思っております。  雇児局との関係も基本的にこれまでの数字等を見ましても、保育所、あるいは放課後児 童クラブ等々その一般施策の中で、障害児を受け入れていただいている部分が着実に増え ていることは間違いないと思います。  ただ、先ほど、中村参考人のほうからもございましたけれども、やはり私ども専門的な 対応というのが必要な部分というのはどうしても出てまいりますので、確かにどういう場 で、それを支援していくかというような議論もいろいろあると思いますから、本日の論点 の中でも、例えば専門機関のほうから巡回指導のようなことで、もっと利用者のほうが、 あるいは親御さんのほうが行きやすい場所でもって支援をするということ、そんなご提案 も出させていただいております。検討会での議論を踏まえまして、ご提案をさせていただ いていますので、またご意見をいただければありがたいというふうに思います。 ○潮谷部会長  皆様、いかがでしょうか。  生川委員、どうぞ。 ○生川委員  11ページのところなんですが、今、出ましたけれども、障害児の専門機関が放課後巡回 支援ということで、巡回支援ということを言われましたけれども、もし巡回支援をして、 障害児の受入れが促進されたとなりましたら、やはりいわゆる放課後児童クラブの職員の 方にもある程度障害児のことについて勉強していただく必要があるかということですから、 そういう意味では、障害児児童クラブ等の職員研修というんですか、そういうことも盛り 込んでいただければと思うんですけれども。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ほかに。 ○君塚委員  6ページの就学前の支援策のところでございますが、今日の資料2−(2)は、検討会の報 告書に十分沿っているというふうに判断してはいますけれども、報告書の6ページを見て いただいたときに、私が重要と考えております就学前の支援策の(1)が障害児の支援の 在り方となっております。それが抜けている。  なぜ抜けたかというのは、この就学前ということと障害児の支援の在り方でちょっとマ ッチしないためなのかどうかというふうに考えたりしたんですけれども、障害児の支援の 在り方の中の、例えば(3)の中においては、障害児の専門機関及び教育機関においては、専 門的な指導支援を受けることも必要であり、また一般施策において障害児を受け入れる場 合には、専門機関による支援を今までのように強化していくことが求められているという ふうに書いてあるのは、今日のところには抜けていると思います。  何か、ほかのところは項目立てというか、ページ的に整合性があるんですけれども、報 告書の6ページの(1)の障害児の支援の在り方というのが抜けているという理由が何か あるんでしょうか。 ○潮谷部会長  事務局、いかがでございますか。就学前の支援策のところの中で、障害児の支援の在り 方、この点について、ちょっと抜けているんじゃないかということですが。 ○藤井障害福祉課長  申し訳ございません、ちょっと私、正確に理解ができてないところでありますが、委員 がおっしゃっておりますのは、この検討会の報告書のほうの6ページの(1)の障害児の 支援の在り方ということで書かれているところが、こちらの資料の7ページで……。 ○潮谷部会長  参考資料2の障害児支援の見直しに関する検討会の報告書、これの6ページ。 ○藤井障害福祉課長  (1)のところが。 ○潮谷部会長  両方とも6ページだから、ちょっと混乱があるかと思いますが。 ○君塚委員  報告書の6ページのほうでは、教育機関という言葉ですとか、専門機関の支援をより強 化するということが確認されて、支援の在り方ということで書いてありますが、ただそこ は就学前に限定しないかなということで飛ばしたのかなと。 ○藤井障害福祉課長  若干スペースもございまして、(1)というのは、省かれてはいるんですが、この検討 会の報告書の6ページの(1)のところは、いわば考え方のようなところを述べておりま すので、そこは本日出しました論点の整理表の中では、具体的な論点を挙げてありますん ですけれども、当然、これは報告書の(1)に書いてあるようなことも踏まえた上で、論 点の整理がされておりますので、そこは(1)の考え方も踏まえた上で、論点を出させて いただいていると私どもは理解しております。 ○君塚委員  分かりましたが、ほかのところは全て報告書になって、ちょっとしつこいですけれども。 ○潮谷部会長  前提条件の中で書かれているというご理解でよろしゅうございますでしょうか。 ○君塚委員  どこかに、この資料のほうに、支援の在り方を文言化していただけるとありがたいと思 います。 ○潮谷部会長  そういうことですので、前提条件ではなくて、明文化をという要求でございます。 ○藤井障害福祉課長  また議論を踏まえまして、いずれまとめてまいります過程で、そこは整理をさせていた だきます。 ○潮谷部会長  よろしくお願いいたします。  岩谷委員、お願いいたします。 ○岩谷委員  11ページですけれども、卒業後の就労・地域生活に向けた関係施策の連携の中に、体験 的に就労移行支援事業等を利用していく、学校の在学中に、そういうこと等を利用してい くこととしてはどうかということが書かれておりますけれども、実際は、学校にいる間に、 特例子会社なんかで実習なんかをかなりしているんですね。そういうことについて、これ は自立支援法の枠内ではないのかもしれませんけれども、そちらのほうがむしろ効果があ るというふうに企業の方はおっしゃっているということも聞いておりますので、その辺の ことについて、労働サイドの方、今日、お見えになっておられますので、ここについて何 かご意見というか、労働サイドの取組というものについて。それと労働と学校との取組に なりますけれども、そのことについてちょっとお聞きしたいと思いますが。 ○潮谷部会長  よろしくお願いいたします。  労働サイドのほうからのご意見をということでございますので、課長、お答えください ますか。 ○蒲原企画課長  ここのところは、かなり概括的に体験的に何とか等というふうに書いてありますけれど も、趣旨は、そもそも卒業後のいろいろな姿を頭に置きながら在学中からいろいろなこと をやっていこうということであります。  その意味だと、今、委員がおっしゃったように、今でも特例子会社とか企業に学校の事 業として行っているというところがありますので、そこはそこでできることはもっと増や していくというのは、当然やるべきだと思います。  その意味で言うと、労働部局、あるいは産業関係のところとよく調整をしていきたいと 思っております。  一方で、これは我々の問題意識ですけれども、学校の事業でやったときに、場合によっ ては学校におけるいろいろな予算とか、あるいはいろいろな費用の関係で、なかなかうま く行ってないところがもしかしてあるのであれば、何か自立支援法上の給付というシステ ムを活用して、こういう夏休みの場所を使って、時間を使ってやることで、費用面の負担 軽減もしながら、よりいろいろな体験の方法が広がるといったことになるのかなと。その ときに、ここはたまたま就労移行支援事業という言葉で書いていますけれども、こういう 就労移行支援事業もあれば、ほかのいろいろな事業もあれば、場合によっては就労以外の 例えば地域生活のためのグループホーム、ケアホームの活用とか、そういういろいろなこ とを給付という形でもって、財政的につくれるようなことが検討できないかなという趣旨 で書いてあります。  その意味では、いろいろな方法をやるという中の1つの方法だということでございます。 いろいろな先生からまたご意見いただければというふうに思います。 ○潮谷部会長  ただ今のことに関連して、箕輪委員、どうぞ。 ○箕輪委員  ここに書いてある就労移行支援事業等を夏休み中に子どもが使うというのは、私が読ん だときには、就労移行支援事業者側からの意見なのかなと思ったんですね。卒業後に来て いただくのに、何だか分からないところだと、選択肢の一つとして就労支援事業者がある ということかなと思って、子どもから見た内容ではないように見えたんですけど。  子どもから見てですか。 ○潮谷部会長  よろしゅうございますでしょうか。明確に。 ○蒲原企画課長  ここの趣旨は、あくまでここの論点も全て子ども側に立って書いていて、ここの3のと ころは卒業後の就労地域生活に向けたということなので、まだこのときは子どもでありま すけれども、学校を卒業して、18歳なり二十歳になったときに、スムーズな形で、本人の 能力、適正によって一般企業で働ける、あるいは、場合によっては親元を離れて、もしか するとグループホーム、ケアホームということも頭に置きながら、そういう生活もあり得 るということです。  そういうことがうまくスムーズに移行できるように、学校のうちから、本人にとってい ろいろな体験をしているということが非常にいいのではないかといった意味で書いていま す。そういう意味で言うと、本人側に立ったことをこれまで以上にいろいろな方法で押し 進めていこうと、こういう趣旨でございます。 ○潮谷部会長  はい、どうぞ。 ○箕輪委員  今のお話とは違うんですが、同じページだったんですが。11ページの中で。 ○潮谷部会長  そうしますと、岩谷委員、今の説明でよろしゅうございますでしょうか。  就労という、プレボケーショナル・トレーニングも1つ、それからもう一つは、子ども の側から見て地域生活という、そこもということで今説明がございましたが、よろしゅう ございますか。 ○岩谷委員  はい。 ○潮谷部会長  それでは、箕輪委員、お願いいたします。 ○箕輪委員  今の資料の11ページの上のところにある、特別な支援を特別な場所で行うだけでなく、 一般の地域で必要な支援をという、先ほどの子育てと同じだと思うんですけれども、今ま での話の中では、一般的な生活をする上で必要な場所に、特別な専門家をもっと関わって もらったらどうかという話が多かったと思うんですが、それに加えて、本当の意味での地 域の住民の活用とか、地域にある企業の資源みたいなものをもっと活用できるんじゃない かなと思っていて、最近、文部科学省というか教育よりの、学校は次世代の育成は地域で 行うんだということを大きく掲げていて、私たち企業は、授業とか放課後とかそういった ところに、特別支援学校に限らず、一般の学校も含めて一緒にやりましょうという姿勢が あって、子どもの放課後とか夏休みというのは大人の仕事中なんですが、その仕事中にど う関わってもらえるかということを一緒に取り組んだりしているんですね。  同じ子どもですので、専門家の関わりというのを強化するとともに、本当の意味での近 所ですね。大人が初めて障害のある大人に出会うのが今すごく多くて、お互いにギャップ があるんですが、今社会にいる大人は、自分が子どものころに障害のある子どもと一緒に 過ごしてない大人がすごく多かったりするので、そういう意味で、まずは一般の社会にい る大人が、障害のある子どもたちと関わりながら、並行して、大人との出会いといったも のをやると、少し心にあるギャップというのが埋まりやすいのかなということをいろいろ 体験しながら感じているので、もう少し地域住民とか、専門分野じゃない人たちをうまく 関われるような仕組みというのも含めて考えていただけるといいかなと思っています。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  施策体系の中でも、そういうグループとかを自立支援法の中でバックアップしていって、 そして居場所をという、この論点の中につなげていっていただくような方向性を考慮して いただければと思います。  ほかにございませんでしょうか。  安藤委員、どうぞ。 ○安藤委員  3ページの早期発見と早期対応について、聴覚障害者に関する意見ですけれど、これは 聴覚障害者への特徴的なものではないかと思うんです。今、新生児スクリーニングといい まして、産科で聴覚障害を検査することができるわけで、ゼロ歳児から検査できるように なっています。ただ、発見した後どう対応するかの問題ですけれども、2つの選択肢があ ると思うんです。  1つは医療的な対応です。2つ目が教育的な対応です。ところが、発見された後、その 親に伝わる情報といいますのは医療的なものに偏っていて、人工内耳とかなどのほうに偏 ってしまって、教育的情報というものが入らないという問題が出ているわけです。  したがって、私たちとしては聴覚障害支援、学校も併せてですけれど、そうする傾向に 非常に不安があるんです。人工内耳で全て解決するというのではなくて、小さいときから、 聴覚支援学校への通学の環境とか、教育的な対応というものが非常に重要になっているわ けです。けれども、今の状態を見ると、そうするような2つの支援策に対する正しい情報 を配信する努力がなされていない感じです。  それは、聴覚障害者の子どもにとっても非常に心配なんです。そういうところを、聴覚 障害者に対しては早期発見の対処は必要だけれども、早期対応について、医療・教育のと ころの幅広い選択肢があることをちゃんと伝えるような努力が必要ではないかと思います けれども、どうでしょうか。 ○潮谷部会長  いかがでございますでしょうか。  この3ページの障害の早期発見・早期対応ということに関連して、正しい情報、啓発、 そういったものをきちんとやっておかないと、発見をしたときの発見者の対応ということ に問題が生じてくるのではないかというようなご指摘だと思いますが、安藤委員、そのよ うな理解でよろしゅうございますでしょうか。  その点について何か、論点の中ではございませんけれど、いかがでございますでしょう か。  どうぞ。 ○岩谷委員  新生児の聴覚障害のスクリーニングとその後の治療と療育体制について、厚生労働科学 研究において研究が始まっております。そこで医療側と教育側との意見が合わないことが 大きな問題となっております。この意見の相違に関しては、学問的な視点の違いなど今ま での複雑な経過があるように聞いております。医学、教育それに保育の人たちが1つに結 びつくということが目標ですけれども、そこが非常に結びつきにくい。それは、難聴であ ることが診断されたお子さんに人工内耳の手術がよいか、手話がよいかという治療の適応 の問題のほかに、親御さんの希望もあって、早期発見をしても、治療方針、療育方針の方 針がなかなか決めることができないことも少なくないという問題があるということです。  ここの場で自立支援法の枠内で、早期発見、早期療育体制の整備について、何らかの提 案できるかどうかは、お考えいただければと思いますけれども。 ○潮谷部会長  大変重いと言いましょうか、自立支援法の中で馴染むのか馴染まないのか。さりながら、 問題としては、やらなければ早期発見された障害児の早期対応ということが適切になされ ていかないという非常に深刻な問題がございますけれども、大変これは、ちょっとできれ ば教育、医学含めて内部的に、そして何らかの形で、ただ今の安藤委員、それから岩谷委 員のお話を受けて、実のある早期発見、早期対応、これにつなげていくようなものが構築 されなければと思いますが、事務局いかがですか。 ○雇用均等・児童家庭局総務課  雇用均等・児童家庭局です。早期発見の担当をしておりますので。  ちょっと今の状況は、新生児の聴覚のスクリーニングでやっている地域があると承知し ております。ただ、やる際に、どういった療育体制につなげられるのかというようなこと を前提にやっているものと私自身は思っておったんですが、ちょっと調べさせていただい て、次回にでも報告したいと思います。  それから、座長がおっしゃったとおり、この自立支援法の中で議論するかというのは、 多分また別問題かと思いますので、ちょっと状況を報告させていただくということでよろ しいでしょうか。 ○潮谷部会長  岩谷委員、それから安藤委員、よろしゅうございますでしょうか。また後日報告をさせ ていただくということで。  何か。はい、どうぞ。 ○藤井障害福祉課長  大方、繰り返しですけれども、自立支援法の法制度の問題というよりも、運用をどのよ うに進めて円滑にしていくかというような、そういう観点からの議論だと思いますので、 雇児局からの報告を踏まえまして、また改めてご意見をいただければありがたいというふ うに思います。 ○潮谷部会長  福島課長、何か医者の立場でございますか。 ○福島精神・障害保健課長  若干、属人的なと言いますか、経験の中でを含めて申し上げますと、確かに安藤委員の ご指摘のところは非常に重要な部分でありまして、そういうフォローアップできる仕組み をどうつくっていくか、そういう中で初めて、発見するというスクリーニングが意味を持 っていくわけで、その対応ができなければスクリーニングは本来やってはいけないとまで は言いませんが、そこをどうすべきかどうか、それ自体も議論しなければいけない問題だ というのは、ほかのいろいろなスクリーニングそのものの導入を判断する上で、従来から 言われていることでございますので、今は、聴力障害のことを例に挙げられましたけれど も、それ以外のものも含めて、同じことだと考えております。  そういうことを踏まえながら、雇児局とも連携をとりながら、あるいは文部科学省とも 連携を取りながら対応を考えさせていただきたいと思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  是非、省庁際崩れを起こして、当事者中心に視点を置いて、よろしく施策化をお願いし たいと思います。  それでは、ご意見まだあろうかと思いますが、後段が残っておりますので、施設機能の 見直し等による支援の充実について、皆様方からご意見を。 ○山田自立支援振興室長  先ほどのところで1つだけ補足をさせてください。  最初の部分で、障害福祉課長のほうから、障害児の通学児の支援のところで、現状とし て、通学のときの支援については、補助金で賄われている旨のご説明がありましたけれど も、地域生活支援事業は統合補助金として市町村の裁量で行われているものでありますが、 例えば、親の事情とか、どうしても送り迎えができない場合、そういったときに市町村が 個別に事情を判断して、移動支援事業の対象としている場合もあるというふうに聞いてお ります。このように通年、あるいは長期にわたる通学とか通勤については、まずはそれぞ れの分野で、対応というのが今の現状でございます。  今後、また「就労」のところで、同じような話が出ますので、そこでご議論いただけれ ばというふうに思っております。 ○潮谷部会長  山田自立支援室長のほうからお話がありましたとおりでございますので、また関連して 後ほどと思います。  それでは、施設機能の見直し等による支援の充実に入らせていただきます。  まだ、前段があるそうでございます。 ○大濱委員  先ほど、藤井課長のほうからお話があったと思うんですが、これは障害児から障害者に なる場合の進学のことなんですが、先ほど私、東京で例えば住んでいて、大学に行って、 大学の所在地、これは住民票ではないですので、先ほど、課長は住民票っておっしゃいま したよね。これは住民票ではなくて、これは仕送先の都道府県になりますので、間違いな いと思いますから、ちょっともしもあれでしたら、確認を願いします。 ○潮谷部会長  この点については、後ほど明確にお答えをいただきたいと思います。 ○藤井障害福祉課長  そこはきっちり確認させていただいて、改めてまたお話させていただきます。 ○潮谷部会長  後段に入らせていただきます。施設機能の見直し等による支援の充実、このことについ てご意見賜りたいと思います。  施設関係者の皆様方の中で、どなたからでも結構でございますし、施設関係でなくても。  君塚委員、どうぞ。 ○君塚委員  19ページでございますが、論点2の一番下の、「また」というところで、重症心身障害 児(者)の在宅での支援について充実を図っていくべきではないかというふうに書いてあ って、在宅の重症心身障害児のほうが入所者よりは何倍も多いということとか、本来、18 歳未満の重症心身障害児が在宅でいると。こういう方たちへの支援の充実について、もう 少し検討した中身、あるいはもう少し検討した結果を加えて、クローズアップすべきでは ないかという、大変重たい問題だと思っています。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  事務局のほうで、この、「また」以下のところの、これまで論議されたこと、ヒアリン グの中で出てきたこと、そういったことを含めて、もう少し明確に出すべきではないかと いうご意見でございますので、今、何かございますか。 ○藤井障害福祉課長  ここのところは、ちょうどお手元の参考資料でお配りしております検討会の報告書で申 してあげますと、19ページの辺りになってまいりますけれども、これは論点(案)という ことで、論点として整理をしてございますので、まさに検討会、いろいろいただいたこと も含めまして、改めて審議会の場でご意見をいただきたいという趣旨で、論点として、こ れは挙げてございますので、多少デフォルメといいますか、簡単してございますけれども、 検討会で出てきた議論、あるいはご意見なんかにつきましても改めておっしゃっていただ ければありがたいというふうに思います。 ○潮谷部会長  君塚委員、ただ今の意見に基づいて、何かございますならば、どうぞ論点でございます ので。 ○君塚委員  1つは、在宅ということで、レスパイトが今日の前半で課題になっていたんですけれど も、重症心身障害児、中でも、超重症児、準超重症児、医療的ケアのスコアの高いお子さ んたちのレスパイトが滞って、なかなか施設がレスパイトを受け入れるだけの力がない。 ○潮谷部会長  レスパイトの範疇の中に、重心の方たちもということでございますね。  ほかに、岩谷委員、どうぞ。 ○岩谷委員  18ページ、19ページに専門的なスタッフという言葉が出ています。例えば19ページの3 のところには、心理的ケアが行える専門的なスタッフの充実という言葉が出てきますけれ ども、私は、専門的なスタッフの充実に、今いるスタッフの能力開発により、心理的ケア にも対応できるようになるという意味も含めるべきだと思っています。専門的なスタッフ の充実というこの言葉の意味に、そういうようなことは想定しておられるんでしょうか。  それとも単純に専門的な、その心理職を増やすという意味でしょうか。 ○潮谷部会長  検討会報告の中で、どういう背景の中で出てきたのか。 ○藤井障害福祉課長  ここは、例えば、児童養護施設と診療担当職員として配置をしておりますのは確かに心 理士の方々を配置していく整理になってございます。イメージとしては、同じようなイメ ージを持っております。  ただ、委員がおっしゃいますように、別のやり方がありますれば、そこはご意見として いただければ、また検討させていただきたいと思います。 ○潮谷部会長  ほかに、皆様、ございますか。  どうぞ、中村参考人。 ○中村参考人  同じく19ページの部会のこれまでの意見の中に、強度行動障害の者が重心施設に入って いる現状を改め、本来の重症者とは分けて考えるべきというものが挙がっているんですが、 これをどのように位置付けていくかというのが、下の論点のほうにちょっと見当たらない 気がするんですが、このことにつきまして、またいわゆる重心と言いましても、動く方か ら、いろいろな方までいらっしゃると思うんですけれども、その辺の整理も含めて、どの ように持っていくかということをお伺いできればと思うんですが。 ○潮谷部会長  論点でございますので、もし中村参考人のほうで、「こういうふうに」ということがご ざいましたら、お出しいただいてと思いますが。 ○中村参考人  強度行動障害の者については、特に今の現状の中で入っているけれども、いわゆる厚い ケアが必要であるというふうに押さえられているというふうに思うんですね。  下のほうで、特に継続性ということの中で、1つの大きな枠の中で多分入れていらっし ゃるのかなというふうに思うんですが、ぜひ1つの重要なポイントとして、挙げていただ く形を押さえていただければというふうに思うんですが。 ○潮谷部会長  この点に対して、皆様方の中で、いかがでございますか。分けてという考え、あるいは 従来どおりという考え方等々もあるかと思いますが、もう少しこの点の論議でご意見ござ いますなら出していただきたいですが。  宮崎委員。 ○宮崎委員  この件に関しては、検討会の中では特に重症心身の方についての議論は非常にあったん ですが、いわゆる動く、多動性の高い重度の強度行動障害の方についての意見というのは まだ十分検討がされてなかった部分もあったやに思われます。  したがいまして、現実にそういったお子さんが多数いらっしゃるということも現実です ので、この辺りについては、今、中村参考人がおっしゃったような点もこの論点の中に入 れていただくとありがたいと思います。  また、多分、障害者団体からもそういったご意見があったかと思いますので、その点は よろしくお願いしたいと思います。 ○潮谷部会長  高橋委員、お願いいたします。 ○高橋委員  その点について、この前のヒアリングで、末光委員が重症心身障害児の説明をした際に、 動く重心の現状がどうかいということ、私もお伺いしましたし、それについて実態を少し 調べていただけるということになっていたのではないかと思いますけれども、その辺いか だでしょうか。 ○潮谷部会長  事務局、動く重心の問題について、報告ございましたらよろしくお願いいたします。 ○藤井障害福祉課長  申し訳ございません。まだ、そこの実態等、整理ができているわけでもございませんの で、どの辺りまで情報の収集ができるかというところもありますけれども、何がしか整理 をいたしまして、ご報告させていただきたいと思います。 ○潮谷部会長  ぜひ、早くお願いをしないといけないかなと思います。この重症児は分けて考えるべき というところの客観的なデータにもなると思いますので、よろしくお願いいたします。  君塚委員、何か。 ○君塚委員  重症児福祉協会の施設で、重症心身障害児(者)は約1万人入っているんですが、大島 分類1を外れる人たちが大体2割強。その中に、一部強度行動障害の方たちがいる。その 強度行動障害の方たちの数は、把握してないんですけれども、あまり数多くないんですけ れども、最近の入園する方たちは強度行動障害の方たちはいない。本来の重心であるとい うことは、現状だと思います。  ちょっとこの形をどういうふうにするかということについては、ちょっと意見まとめら れないし、重症児福祉協会のほうで、真剣に取り組んでおりますので、考え方をちょっと 差し控えさせていただきます。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  どうぞ、佐藤委員。 ○佐藤委員  2度目ですので、ごく簡単に。  施設の類型の問題ですけれども、実際に障害児施設、入所型の障害児施設を利用してい る子どもたち、いわゆる加齢児と言われる人もたくさんおられるわけですけれども、基本 的には、養護機能、すなわち家庭の養育基盤が脆弱であるために、そういう選択をせざる を得ないということのほうが今や中心だろうというふうに言って、それは間違いではない と思います。  障害が理由で、入所型の施設に入りたい、入らなければならない事情があるというふう なことは恐らく急速に減ってきたと思います。  それはこれらの制度ができた以降に、例えば養護学校の義務制が実施されて、今日、い ろいろな障害に対応する教育機関もあるわけだし、医療のことについてもこれらの施設が 整備された時代に比べると、全く違う状況があるわけで、しかしなおかつこれらの施設が 残っているというのは、障害であることも多少もちろんそのことと無関係でないにしても、 家庭の養育機能の問題がメインだろうと思います。  一方、児童養護施設に入所している子どもたちの中に、少なくない障害のある子どもた ちがいるのもよく知られているところでありまして、ここを今後どういうふうに考えてい くのかということを障害児施設の中だけではなくて、養護施設の問題も含めて考えていく 必要があるのではないかというふうな問題意識を持っています。以上です。 ○潮谷部会長  佐藤委員、ちょっと質問してもよろしゅうございますか。  養護施設の中に、内在しているということは重心施設が満杯でということですか。それ ともほかの理由の中で。 ○佐藤委員  現実に、例えば入所についての児童相談所に対しての主訴は当然養育機能の欠落という ことで入ってくるわけだけれども、実際に入所してみると、養護施設側が受け入れてみる と、実は知的障害があったとか、そういうようなケースが多いです。  正確に数は分かりませんけれども、埼玉県のある児童養護施設では半数を超えるという んですね。知的障害を持つ子どもが。それは、知的障害があるから子育てが難しくて、も ともとあまり養育能力が高くない親御さんにとって負担になって、そのことを含めて家庭 がうまくいかなくて、児童施設に入るような状況になったということもあるだろうし、あ るいはそのことがきっかけになって、子育てにつまづいた親に虐待を受けて、養護施設に 入るようなことになったこともあるかもしれないので、そこは必ずしも明確なデータに基 づいているわけではないですけれども、少なくとも最近児童養護施設の側からは障害のあ る子どもが増えて、対応に大変苦慮しているということを聞きます。  その子たちは、主な入所理由は、当然障害ではなくて児童養護の問題としてその施設に 入所しているわけです。  ところが逆に、障害児の施設の側は確かに障害が明確にはあるけれども、やはり在宅で 過ごすことが難しいという意味では、養護機能の欠落がありつつ、一方でたまたま明確に 障害があるということだったので、障害児施設が選択されたというようなことで、結果と しては、かなりオーバーラップしていることが現状としてはあるのではないかと思います ので、ここは、類型の整理は、ここの障害の施設の中だけの整理ではなくて、児童養護施 設の在り方や機能を含めて検討するべきではないかと思います。 ○潮谷部会長  類型の整理ということと同時に、ただ今の発言の中身は、これは検討会報告のポイント の21ページのところの(1)に関わって、行政の実施主体、こことも関連が深いと思いますの で、やはり実態的なものを踏まえて、どのように関わりを持っていくのか。そこら辺りは 少し深めていただければと思います。事務局のほうで。よろしくお願いいたします。  事務局の発言、ちょっとお願いいたします。 ○藤井障害福祉課長  先ほどの児童養護施設といわゆる子どもの社会的養護との関係につきましては、障害児 支援の見直しに関する検討会の報告書で申し上げますと、15ページのところに、真ん中辺 りに、やはりこの検討会でも議論になっております。  確かにご意見としては、一体的に障害児施設と児童養護施設等の在り方につきましては、 一体的に対応していくことを検討していくことが望ましいという意見がありましたんです けども、もう一方で、それぞれの施設におきまして、専門性を生かした対応が図られてい るというような現状も考えた場合に、なかなか養護施設を一元化してしまうことには課題 が多いというような、そういう意見もございました。  今、全国平均で申し上げますと、児童養護施設に入所している子どもの大体約2割が障 害児だというふうに言われていますので、確かにオーバーラップしている部分がございま す。  やはり、児童養護施設は6割が被虐待児だと言われていますけれども、そういった虐待 が代表的な例になりますけれども、そういったいわゆる要養護と言いますか、家庭におい て養育機能が基本的に不足しているという子どもを措置をして、養護する施設でございま すので、どこまで障害児の皆さんに対応できるかというのはまさに専門的な観点から申し ましても、一定の限界のようなものもあるのかなというふうに思われますので、そこはや はり切り離してということではございませんけれども、やはり養護施設は養護施設として、 またその在り方は雇児局のほうでいろいろご検討いただいていると思いますし、オーバー ラップする部分はございますけれども、なかなか一体的に考えていくというのは難しいの かなというふうに私どもとしては思っております。 ○潮谷部会長  佐藤委員、いかがでございますか。 ○佐藤委員  いや、それは局が違うから難しいという意味ですか。 ○藤井障害福祉課長  いや、そういうことではございません。やはりもともとそれぞれが寄って立つ機能とい うのが違いますから、先ほどの保育所と障害児のための施設、社会資源との関係もそうで すけれども、そこは少なくともこれで今回の自立支援法の見直しの流れの中で、障害児施 設の体系なり見直しを考えていく上で、児童養護施設等々、一緒にそこまで含めた一元化 を議論するというのはなかなか無理があるんじゃないかというふうに考えています。  また、この検討会の報告書につきましても、そんなふうな整理になっているということ でございます。 ○潮谷部会長  座長の立場で発言すべきではないかもしれませんが、障害をもつ子どもの問題を児童福 祉法の中で位置付けていくという方向性の論点の中で、今のことは関わりが深いというふ うに思いますので、どちらに入っていても、障害を持っている子どもたちというのが本当 によりよく地域生活に馴染んでいくような支援というのはこれは欠いてはならない観点だ と思いますので、今の佐藤委員の発言内容等をもう少し内部的に引き取っていただいて、 検討していただき、次回、よろしくお願いをしたいというふうに座長としてはまとめさせ ていただきたいですが。  今の発言で終わりというのは、ちょっと。 ○佐藤委員  専門性っておっしゃるけれども、例えば重心の施設とか、あるいは肢体不自由児の施設 のように、医療型の施設、これは専門性ということに馴染むかもしれないけれども、例え ば、知的障害児の入所施設と児童養護施設と職員の配置、基礎的な資格、これは特別に変 わらないですよね。  だから、もしその専門性というものがあるとしたら、日常的にその子を見ていて、経験 を積上げていてという意味で、専門性というふうに使っていらっしゃるんだと思うけれど も、そういうレベルの専門性であれば、それは座長がさっき助け舟を出してくださったけ れども、現に通常のデータでも2割、児童養護施設にそういう障害のある子どもたちがい るとしたら、そこに対しての手当ては当然必要だし、逆に、知的障害児の入所施設に家庭 の養育問題で入所している子どもがいるとしたら、その社会的養護の観点から子どもを支 援するという専門性を持った職員を配置していかないといけないという意味で、私はさっ き申し上げたわけでして、この専門性というのをそういうふうに違うというふうに分けて しまうと、子どもは不幸なことになるんじゃないでしょうか。 ○藤井障害福祉課長  そこは、私の説明の仕方が悪かったかも分かりませんけれども、検討会の報告書で申し ますと、先ほど申し上げたところの下の15ページの下から2つ目の○のところになるんで すけれども、当面は障害児施設においては、虐待を受けた子どもへの対応、社会的養護の 機能を障害児施設においても充実させていくと。一方で、児童養護施設等においても、障 害児の対応の機能を向上させていく。  実際、それぞれにおきまして、そういった予算要求等も含めまして整理をしていってい るわけですけれども、おっしゃるように、専門性をそれぞれ充実させていけるような、そ ういった方策も含めて考えていきたいと思います。 ○潮谷部会長  よろしくお願いいたします。  少し先に進めさせていただいて、行政の実施主体、それから法律上の位置付け、こうい ったことについてのご意見を少し伺いたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。  どうぞ、林参考人。 ○林参考人  行政の実施主体という観点でございますが、市としての立場からちょっとご意見といい ますか、申し上げさせていただきたいと思います。  実施主体については、報告書の中でも3つの案が最終的に示されているところでござい ます。  それは入所についてはどうか、通所についてはどうかということと、その入所について は必要性の判定について、専門的、広域的な調整が必要なことから、都道府県単位とする。 これについては、異存がないところです。  通所については、毎日の通いという観点から住民に密接な市町村との考え方、これも一 応道理があるというふうに考えられます。しかし、全ての市町村で同じような対応がとれ るのかというとそれはちょっと異なってくると思います。  通園施設についても、全国で約400と少なく、市町村数よりも少ないということから、 身近な場所に通えないということになるのではないかなと考えます。  東松山市の実情を申し上げましても、児童デイサービス事業所はありません。この保健 圏域の20万人の中で、隣の町に1事業所あるのみでございます。  したがって、本市から通所している児童はいないということです。  市内の社会福祉法人が運営いたします重症心身障害児の通園事業のB型でしょうか、こ れも合わせて13人が週2日程度通所しているという状況です。  市では、日中一時支援事業所として指定をしている事業所は6カ所あるんですが、その うちの2カ所が市内にあるということで、定員は合わせて5人という、誠に寒い状況だと 思います。  こういうことから、保育所等での一般施策と同様に、市町村として、一貫した視点で支 援していくことを考えてもよいのかなと思います。  実際には、毎日の通所に耐えられる距離に通所の事業所はないということですので、例 えば看護師や介助員の加配によって、保育所、あるいは小学校、その機能を強化するとい うことになろうかと思います。  しかし、これには市町村の財政力に大きく関わってくるということで、全国的に見て、 地域間格差というものが生じてくるのが現状ではないかと思います。  このような地域間格差があってよいのかどうか。分権の時代というふうに言われますが、 あってよいのかどうか。あるいは、その環境整備等について、自立支援法等で対応できる のかどうか。そういう課題が残ってきます。  財政面から見て、福祉サービスをより充実させるというのは、限界があるというふうに 考えられますので、これからはより広く、行政と住民と事業所とそれぞれの立場から地域 の課題として立ち向かって、その大きな意味でのまちづくりというものを考えていくこと が必要ではないかというふうに思っております。  以上、市としての立場からの意見です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ほかにございませんでしょうか。  井伊委員。 ○井伊委員  日本看護協会の井伊と申します。  この23ページに法律上の位置付けなどということで、障害児への支援の根拠については 児童福祉法に位置付けるという基本ということなんですけれども、こういうふうにするの は、この論点の(1)のライフステージに応じた支援の充実のア、障害の早期発見・早期対応 策のことについても、この児童福祉法に位置付けるという整理になるのでしょうか。  先ほどから母子保健との関連が先ほども少し話題がありましたが、現在、市町村、保健 センターで、約1万人の保健師が自治体の保健師として所属しておりまして、多分、半分 近くの保健師がこの母子保健法による母子保健事業に関わっております。  市町村によりましては、全数の赤ちゃんを保健師が訪問しているところもありますし、 それから1歳半までの間に、6カ月あるいは10カ月ということで、子育て支援という意味 合いでの地域活動をしております。  そういう中には、育てにくいお子さんのための場をつくったり、あるいは育てるのが苦 手なお母さんたちも一緒にそういうことについて活動していく、中にはそういうことのた めに母子保健推進員さんなどに加わっていただいて、地域の人たちと一緒に活動をしてい く。そういうところで障害を心配するお子さんたちのフォローを就学前まで保健師は関わ っているという、そういう市町村も少なからずあります。そういうことにつきましては、 いきなり児童福祉法というよりかは、母子保健法による母子保健事業を手厚くすることで、 かなり機能する部分があるのではないかなというふうに思うところです。  そういたしましたときに、こういう早期発見から施設の問題について一貫してというこ とになるのかと思いますが、事業の根拠を児童福祉法に位置付けるというのが基本という ことなので、どういう関連づけをするのかということについては、これからということな のかもしれませんが、こういうふうに書き込まれると、すっきりするようで、ちょっとす っきりしないという、そういう印象がありまして、そういう関連法との関係性ということ をご検討いただきたいというふうに思いました。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  何かございますか。 ○蒲原企画課長  ちょっと時間もありますので、一言だけ。ここは、よく検討会のときに議論になったの が、自立支援法という大人のサービスをやっている自立支援法の体系で障害児をやるのか、 そうではなくて、児童福祉法かという議論があったんですけれども、その心は、障害、あ るいは障害というのに着目した法体系の下で、この障害児を入れるということと、そうで はなくて、児童福祉法に代表される一般的なところでちゃんとやるという、どちらかとい うと、考え方としてはそういう考え方の中での整理です。  したがって、ここで児童福祉法に位置付けることが基本にといった意味で言えば、ここ は個別のところはいろいろな児童福祉法以外にもおっしゃったようなこともあるでしょう。  ただ、自立支援法という障害に着目したところで事業をやるということについては、ち ょっとそうではなくて、むしろ一般的な法制でやるという、そういう意味で書いていると いうことです。  その意味で言うと、今委員がおっしゃったような方向というのもひとつ頭に置きながら、 これから自立支援法ではないというところで考えていくということでやっていきたいと思 っております。 ○潮谷部会長  ほかにございませんでしょうか。  今日で、子どもの領域は、一応は終わりになっちゃうんで、皆さん、どこかでもう一回 と考えて発言を遠慮していらっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんけれども、もう一 人ぐらいお出しいただければと思いますが、いかがでしょうか。  小板委員。 ○小板委員  10ページのところなんですけれども、検討会報告のポイントというところで、注釈が打 ってあるところなんですけれども、障害者自立支援法、附則第2条により15歳以上の障害 児も就労移行支援等の事業を利用可能となっているということになっているんですけれど も、これは実際に今就労移行支援事業に対して、特別支援学校の卒業生の進路について、 どのような状況になっているのか、ちょっとお伝えいただきたいと思いますが。 ○潮谷部会長  事務局、今回答できますか。 ○文部科学省初等中等教育局特別支援教育課  特別支援学校の進路ということでよろしいでしょうか。  特別支援学校、これは19年3月卒業者のデータですので、盲、聾、養護学校、高等部本 科の進路の状況で言いますと、高等部卒業者1万4,284人のうち、進学者が3.4%、これは 大学、あるいは専攻科等が3.4%。それから、教育訓練機関等入学者が3.6%。それから、 就職者が23.1%。それから、社会福祉施設等入所通所者が57.8%、その他恐らく在宅等だ と思いますけれども、12.1%。そういう状況でございます。以上でございます。 ○小板委員  実は、この条文の中身でいくと、養護学校ですか、そこを卒業した人たちについては、 希望する、希望でない人であろうと、とりあえずは福祉施設という形の中で、就労移行支 援事業に入るということは、多分言われているのではないかというふうに思うんです。  これは、障害者自立支援法の大きな柱である就労させることが最大の幸せだというとこ ろの中身でやられていると思うんです。しかしながら、ここには、一応障害程度区分とい う区分はありませんし、片一方の生活介護のほうは、それを分類されているわけです。  そうすると、本来から行けば、その人の能力にあった形の中で、実は進路指導をしてい くのが普通の形だろうというふうに思うんですよね。  ところが、それが現実にないわけでして、一応その2年という期限だとか、あるいは訓 練期間として1カ月とか、そういう中で、この人がそこでは馴染まないよということにな ったときには、その人を就労継続のB型に落とすということになっていくわけです。  つまりそこでは能力がないというふうに判断されたときには、そういうふうになってい くとなるわけです。そうすると、やはりそこのところには、その人たちが、一度落第をす るといいますか、そういう方向に向かわざるを得ないということになってくると思うんで すよね。そこら辺りは、やはり給付の在り方とか、あるいは障害程度区分の在り方とか、 そういうところも含めて、やはり希望を持ってずっと働いていけるような、あるいは進路 が明確になっていくような、そういう姿にしていただきたいなというふうなことを思いま す。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  もし、皆様方の中で、ほかにご意見が。  それでは、新保委員、お願いいたします。 ○新保委員  先ほど、東松山市さんのほうで、市町村で全国的に同じ対応ができるんだろうか疑問だ というお話がございました。  すなわち、地域間格差の課題だということでございますけれども、このことは障害児に 限らず、自立支援法全般に関わる重要な課題だというふうに私は思います。  ことにニーズに応じた需給体制をしっかりと整えていく、そのことがニーズとそれを使 う利用者との間で、うまくマッチングしていくための形に動いて行きませんと、全体とし てうまくいかない。これは、みんな分かっていることだと思います。  その意味では、前に戻るようで申し訳ないんですが、いわゆるナショナルミニマムとロ ーカルミニマムの基準設定がどうなっているのか。こういったことも含めて、きっちりと 議論していかないと、地方で例えばこういうサービスをやろうと思っているけれどもでき ない。でも、そういったときには、国が持つ役割として、こういった義務とこれぐらいの 補助金を出すんだよというような枠組みづくりの基準がございませんと、全国に標準化し てサービスが整っていかないという課題があるんだろうと思うんです。  そういったことがしっかりと担保されないと、サービスをちゃんとどこでも誰でもその 人がその必要に応じて使えるんだという条件が整わないと、利用者の、受益者負担の問題 も、自分たちはサービスをちゃんと選択できないのに、お金のことばかり言われていると いうことで、利用料のことがどうも先にいっちゃって、この法律はどうなのかという疑問 が出てしまうわけです。  そういう意味では、地域の範囲も含めて、ある一定の地域が同じような社会的判断を共 有できるような仕組みというのが、やはり目安としてあって、その上で、利用者の自立な いしは社会環境の広がりがしっかりと担えるようなプロセスというか、実践の形づくりと いうことをしていかなければいけないと思います。  その意味では、前に戻って申し訳ないというふうに申し上げたのは、この障害者自立支 援法の中で、個別には、相談支援だとか、あるいは地域生活支援等に係る財源のありよう も踏まえながら、国と地方の役割を再確認する必要があると思います。ある意味ではその ことがしっかりとしていないと、市町村計画もちゃんとできていかない。そして、利用者 も安心して暮らせないということになりますので、そういったことはこの論点の中ではど こで出てきたのかという気がいたしましたので、気がついた点ということだけでお話をさ せていただきました。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  副島委員。 ○副島委員  育成会のほうから、今日は、特に我々が重要視している障害児支援に対する意見を出さ せてもらっていますので、これについて少し簡単にお話しさせてください。  特に、私どもは、障害があるなしに関係なく、健全な環境で育っていくことが大切だと 思っています。それで、障害に着目して、行っていく自立支援法ではなくて、1人の児童 として関わっていく児童福祉法の中で対応すべきであると考えております。その児童福祉 法で対応していく中で、母子保健とか、他機関との連携を図っていくことを考えたいと思 います。  それで、ちょっと3点か4点ほど言いますと、1つ目に早期発見、早期対応については、 我々は母子保健との連携を強く要望しているとおり、母子保健での対応ができる体制整備 が必要だと思います。しかし、今の人員体制の中で、これをやっていくことはなかなか難 しいです。それから、2つ目に地域で児童の取組をしている児童デイサービス、この取組 みは、地方に行けば行くだけ小規模なんです。  そうすると小規模でも運営可能な報酬単価ということが保障されなかったら、この取組 もうまくいかないということです。  それから、もう一つは、保育所とか幼稚園等での受入れをどんどん進めている地域があ りますが、そこに対しても職員の加配が伴っていなかったら、これも効果が上がらないと いうことです。  3つ目が、放課後、夏休みの取組の支援のところで、今のところは経過的児童デイサー ビスが行われていると思いますが、これを制度化していくことが重要だと思います。日中 一時支援等も結構地域では活動しています。しかし、経営上、大変無理な状態が発生して いますので、こういうところの体制整備を改善することが重要だというふうに思います。  それから、家族支援のところでのレスパイトという言葉が今日出ましたが、レスパイト をするためには、地域でそういう機関をつくるために、独立型とか、通所施設で併設して もちゃんと関わって経営ができる。そういうような体制整備を十分にやっていかないと、 それも空転しています。  そんなことを含めて、1つの対策として、そこには人的配置、それから体制整備の改善 策、そういうことが伴ってないと、せっかくうたわれたものが、具体化せずに空論に終わ ってしまうと思います。そういうところをぜひ意見として言わせていただきたいと思いま す。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  皆様方から今日は、障害児支援の見直しについてとそれから前段ではこれまで皆さんた ちからお聞きいたしました論点、それからヒアリングの中で出てきた論点、これを明確に させていただくということで審議をさせていただきました。  まだまだおっしゃりたいことたくさんあるかと思いますし、皆様方の発言の中で、さら に事務局に準備をしていただくものも出てきたかと思いますが、今日は、これで論議を終 わりとさせていただきます。  事務局にバトンタッチをいたしますので、よろしくお願いいたします。 ○蒲原企画課長  本日は、いろいろなご意見いただきまして、本当にありがとうございました。  次回でございますが、次回の予定は、9月24日水曜日、午後2時からを予定しておりま す。中身について今整理しておりますけれども、今のところ地域生活の関係をお願いする ことになるんじゃないかということで、今、資料を準備しております。また、よろしくお 願いいたします。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  以上をもちまして、会議を終了させていただきます。  お疲れさまでした。 (了) (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                     厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3022)