08/09/04 第2回サリドマイド被害の再発防止のための安全管理に関する検討会資料議事録      第2回サリドマイド被害の再発防止のための安全管理に関する検討会         日時 平成20年9月4日(木)         16:00〜         場所 中央合同庁舎5号館5階共用第7会議室 ○安全対策課長(森) ただいまから、「第2回サリドマイド被害の再発防止のための 安全管理に関する検討会」を開催します。本日、事務局を務めます医薬食品局安全対策 課の森です。本日ご出席の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして 誠にありがとうございます。また、本日の検討会は、公開で行うこととしていますが、 カメラ撮りは議事に入る前までとしています。マスコミ関係者の方々におかれましては、 ご理解とご協力のほどよろしくお願いします。また、傍聴なさっていらっしゃる皆様、 一応留意事項について守っていただきたいということで、ご協力をお願いします。  最初に、医薬食品局の高井局長よりご挨拶を申し上げます。 ○医薬食品局長(高井) 本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうござ います。常日頃から医薬行政にご協力、ご指導賜り、心からお礼を申し上げます。  ご承知のとおり、サリドマイドについてはかつて我が国で販売されまして、重度の先 天障害、胎児の死亡を引き起こしたことから、販売中止及び回収が行われた医薬品です。 厚生労働省としても、「誓いの碑」が玄関にあるわけですが、このような被害を再び発生 させないようにということで、薬事行政において最善の努力をすることで進めています。  近年このサリドマイドはご案内のとおり、臨床的な価値が見直されて、多発性骨髄腫 治療薬として米国や欧州連合を含め、いくつかの国あるいは地域で承認されて、我が国 においても2006年8月に承認申請がなされています。国内の多発性骨髄腫の患者から は、本剤の早期承認の要望を受けています。  サリドマイドによる被害に思いをいたしますと、このサリドマイドを承認するに当た りましては、患者の治療に役立てていただくとともに、被害が再び起こらないように厳 重な安全管理方策を講じることは是非とも必要であると考えています。こうした経緯か ら、サリドマイドの安全管理のための方策を検討するためのこの検討会を立ち上げて、 去る8月26日に1回目のご議論をいただきました。本日も引き続き、この安全管理に ついてさらなるご議論を賜りますればと思っています。ご協力を感謝しまして、よろし くお願いしたいと思います。 ○安全対策課長 引き続きまして、事務局のほうの人事異動がありましたのでご紹介を します。黒川審議官の後任として、岸田審議官が着任しています。 ○大臣官房審議官(岸田) 9月1日付の人事異動で、黒川の後任として大臣官房審議 官医薬担当として着任しました岸田です。どうぞよろしくお願いします。 ○安全対策課長 本日は、委員全員の方にご出席をいただいています。また、前回に引 き続きまして、大阪大学大学院薬学研究科の教授那須正夫先生にご出席をいただいてい ます。また、承認申請をしています藤本製薬株式会社から長谷執行役員部長、中尾医薬 情報部次長にご出席をいただいています。  それでは、以降の議事進行は武谷座長にお願いします。また、報道関係者の方々には 申し訳ありませんが、頭撮りはここまでとしますのでよろしくお願いします。 ○武谷座長 本日は第2回目ということですが、前回に引き続きまして皆様方それぞれ の立場でご意見を述べていただきまして、お互いが納得し、理解できるような結論を出 せたらと思っている次第です。委員の皆様方のご協力をよろしくお願いします。  本日の配付資料の確認を、事務局からご説明いただきたいと思います。 ○事務局(山本) 配付資料の確認をします。会場図に続きまして議事次第、資料1「サ リドマイド製剤に関する安全管理を適正に実施するための厚生労働省としての取組につ いて」、資料2は久保田委員からの提出意見、資料3は佐藤委員・増山委員からの提出 意見、資料4は上甲委員提出意見、資料5「サリドマイド製剤安全管理基準書(案)」に 関する意見募集において寄せられた御意見、資料6は紙のファイルにて配付している藤 本製薬提出資料「TERMSにおける情報提供等に用いる資料」、資料7「サリドマイド製 剤安全管理基準書(案)」に関する意見募集について、参考資料1「サリドマイド製剤の 医薬品第二部会における審議結果について」、資料番号は付していませんが、1枚紙で「サ リドマイド製剤の承認審査について」という図を配付しています。また資料6ですが、 委員の先生方全員にお送りした資料と表現など一部修正しているところがありますので、 予め申し上げます。不足等がありましたら、事務局までお申し付けください。 ○武谷座長 ありがとうございます。本日も前回同様に、サリドマイドの安全管理のた めの方策についてのご議論を賜りたいと思います。事務局から資料1について、ご説明 をお願いします。 ○安全対策課長 資料1は1枚紙です。前回この安全管理の方策について、厚生労働省 としてどのような取組をするかについて具体的に説明をしてほしいというご要望をいた だきました。これについて短い時間ではありましたが、現時点で私どもが考えている取 組を要点として書いた紙をご用意しました。これについて説明します。  いま案として上げているのは、4つのポイントがあります。1.「承認取得者に対する 安全管理の適正実施を義務付け」、これを承認条件という形で義務付けることを考えてい ます。これについては、後ほど審査管理課長からご説明をしますが、前回の検討会の翌 日に薬事・食品衛生審議会の医薬品第二部会で議論が行われまして、この安全管理の方 策を承認の条件とすることを前提にという議論がなされています。こうしたことが具体 的に動いているということですので、まずこの安全管理指針というかTERMSを適正に 実施することを義務付けることが厚生労働省としてもできると考えています。  2.「承認取得者による安全管理の実施状況の調査及び改善指導」について、3つの観 点があると考えています。(1)は承認取得者自身による業務の適正な実施、(2)は予定 されていますが、第三者評価機関における業務の適正な実施、(3)は第三者評価機関に よる改善勧告等の適正な施行の3つを上げていますが、(1)と(2)は実施状況を実際 に調査し、確認をすることを厚生労働省でも行おうと考えています。これは、実際に運 営されている企業に向かいまして、そこで実施状況を実地に確認することも含めて行い たいと思います。また、それに付随して第三者評価機関における、業務が適正に行われ ているかどうかも確認できると思っていますし、現状で考えているのは第三者評価機関 には国のメンバーとしての参加も考えていますので、そういった面からも確認ができる と考えています。もしそこに問題があれば、改善指導を行うことは当然のことと考えて います。実際に第三者評価機関、ここが非常に重要な役割を果たすということですので、 企業に対して改善勧告等が必要な場合に行われているかどうか。あるいは、それがきち んと有効に機能しているかどうかを確認することも重要だと考えています。こうした形 で、ずっと見守ることを厚生労働省として行うという考えです。  3.「安全管理方策等の周知及びその実施に係る関係者への協力依頼」ですが、ここに は大変いろいろなものが含まれてくると考えています。1つは、この安全管理の方策自 体をそれにかかわる方によく知っていただくことは当然のことですが、その周辺、でき るだけ広い範囲でサリドマイドそのもののリスクや過去の経緯について周知をすること。 2つ目は、骨髄腫の治療薬として、厳重な安全管理の下で使用されること。つまり、こ ういうTERMSによって管理をされていること自身も周知をすることが必要と思ってい まして、これについて厚生労働省のホームページあるいは関係するPAMDAのホームペ ージにも、こういった情報を掲載する。これだけで止まるものではありませんが、具体 的な方法としてはそういったことを考えています。  3つ目は、関係者への協力の依頼です。これも実際に範囲が広くなると思いますが、 例として処方される医師、血液内科の学会、避妊等について助言指導をいただく産婦人 科医は、産婦人科学会や医会にご協力をいただけないかと考えています。薬剤という観 点では、日本病院薬剤師会あるいは日本薬剤師会の皆様方にもご協力をいただきたいと 考えていますし、万一ということを考えますと、先天異常の発生についての専門的な知 識を有する日本先天異常学会という学会がありますが、こちらにもご協力をいただくこ とが考えられると思います。こうしたことを次々と行うことが、いま考えられる具体的 な対応です。  4.「薬事法に基づく先天異常に係る副作用報告の収集・評価の充実・強化」、これは、 私ども自らが本来の業務として行っている副作用の収集ということですが、このサリド マイドの固有の問題ということで、先天異常に係る副作用報告というものに対して感度 を上げ、評価をきちんとできる体制を整備していく必要があると考えています。具体的 には、私どもの医薬食品衛生審議会の安全対策部会が実際の担当をする部会になります が、そちらのメンバーの強化。あるいは、実際の評価の仕組みもタイムリーな評価がで きるような運営のルールを整備することも考えています。いまの段階で、まず厚生労働 省としてどのような取組が考えられるかについて説明しましたが、これが前回ご要望が あったことの現時点におけるお答えということで説明しました。  前回の検討会の翌日に医薬品第二部会が開催されていますので、このあたりの状況と 今後の全体的な展望について、審査管理課長から少しご説明したいと思いますので、よ ろしくお願いします。 ○審査管理課長 お手元の参考資料1と、参考資料1の後ろにこういった1枚の図があ るかと思いますが、これを併せてご覧いただきたいと思います。参考資料1が、8月27 日に開催しました医薬品第二部会の審議の結果をまとめたものです。サリドマイドの承 認審査を進めていますが、こちらの図をご覧いただきたいと思います。大きく申し上げ て有効性・安全性の評価という流れと、安全管理方策の検討という2つの流れがありま す。有効性・安全性の評価という観点から申し上げますと、医薬品医療機器総合機構に おいて審査を行い、8月11日付で厚生労働省に報告があったところで、これを受けて開 催した薬事食品衛生審議会の部会が医薬品第二部会です。これが8月27日に行いまし た。一方、申し上げるまでもありませんが、安全管理方策については意見募集をやって いますし、この検討会の第1回が8月26日、第2回が本日開催されまして、この結論 が得られれば審議会の医薬品等安全対策部会において、さらに議論がされる。この医薬 品等安全対策部会の結論と医薬品第二部会の結論は、その上部の組織である薬事分科会 で最終的な審議が行われ、厚生労働大臣への答申という形になって、その答申を踏まえ て厚生労働大臣が承認の可否を決定する流れになっています。  8月27日の第二部会の結果は、参考資料1です。(1)この検討会及び安全対策部会にお いて検討が行われ、それがきちんと実施されることを前提にして第二部会としては問題 がなかろう。分科会で審議をすることとされたところで、承認条件として3つ上げてい ます。1つ目は、安全管理方策の適正な実施で、これについては上にありますとおり、 この検討会及び安全対策部会で議論がされます。2つ目は、文書による患者等への説明・ 同意の取得。3つ目は、全症例を対象とした使用成績調査、さらには製造販売後の追加 の臨床試験です。  (2)「薬事分科会における確認事項」というのがありまして、社会的関心の極めて高い 医薬品は資料を公開した上で意見を聴取する手続がありまして、その手続を始めました。 以上、簡単ではありますが、第二部会の結果並びに今後の流れについてご説明を申し上 げました。  なお、安全管理方策と密に関連する部分で第二部会で意見が出ましたのは、1回の処 方期間についてあまり長い期間、例えば1カ月とか2カ月は好ましくないだろう。具体 的にどうするかですが、2週間までとすることがいいのではないか。ただ、いろいろな 状況がありますから、2週間まででなくてはならないではなくて、2週間までを基本と するということで使用上の注意に記載をすべきだというご意見が出されまして、第二部 会としてはそのような方向で使用上の注意を改めるというご議論があったことをご紹介 申し上げます。以上です。 ○武谷座長 ありがとうございました。ただいまの安全対策課長並びに審査管理課長か らの説明に関しまして、どなたかご質問あるいは何かご意見はありますか。 ○佐藤委員 この医薬品第二部会の審議結果がマスコミに報道されたこともありまして、 これまでの経過をあまりよく知らないサリドマイド被害者はかなりびっくりして、どう なっているのだという問合せがいしずえにたくさん寄せられています。私としても、こ の場での意見は申し上げますが、被害者からおそらく幅広い意見があると思います。こ の意見募集の締め切りが9月11日になっていて大変短い期間です。これを少し延ばし ていただくことができないかと思います。本日の検討会の第3回が9月18日に予定さ れていますし、それが終わった少し後ぐらいまでは意見を述べることを可としていただ きたいのですが、いかがでしょうか。 ○武谷座長 9月11日までですから1週間ちょっとの延長は、事務局いかがでしょうか。 ○審査管理課長 正直申し上げて、この意見募集を9月11日としているのは、右側に ある安全管理方策の意見募集としめ切りを合わせています。すなわち、安全管理と有効 性・安全性の評価が表裏一体のものとすると、意見募集を同時にセットするのがいちば ん望ましいのではないかと考えています。それは原則として、いま意見があったことか ら、また考えたいとは思いますが、我々の考え方としてはそういうことだということと ご説明申し上げたいと思います。 ○武谷座長 よろしいですか。ほかに何かご発言はありますか。よく理解いただいたも のとしたいと思います。  引き続きまして、TERMSに関する議論に移ります。本日は、様々な委員からご意見 をいただいていますので、提出いただいた委員からその意見の見解をご説明いただきま して、それを基に議論を進めていきたいと考えています。まず、上甲委員から10分程 度でご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○上甲委員 骨髄腫患者の会の上甲です。資料4で意見を提出しています。4点におい て改善の余地がないかどうか、ここにいらっしゃる先生方にご検討いただきたいと思っ て提案しました。1つずつ簡単にご説明申し上げたいのですが、その前にこの提案をし た考えのベースをお話します。  私がくどくどご説明申し上げなくても皆さんよくご存じだと思いますが、骨髄腫の患 者自身は子供ではありません。幼稚園の子供でもありません。皆さん大人で、間違いな く全員尊厳を持った大人ばかりですから、とにかくルールを決めてこれを守りなさいと いうことだけでは、うまくいくものもいかなくなるなということはこれを作る過程でず っと考えていました。TERMSの目的は非常にはっきりしていまして、胎児にサリドマ イドばく露をさせないということであって、その目的に対して骨髄腫の患者やその周辺 から疑念を抱いたり、異論があることはただ1人もありません。なので、患者それぞれ が自分が置かれた状況を鑑みて、その目的を達するために自分は何をしないといけない のか、何をしてはいけないのか。それらが理性的にわかる、読んで見て素直に納得でき るシステムになってほしいと思って、これまでも取り組んできましたし、今回もそうい う観点から提案をしました。  どうあれ、ルールですから当然枠組が必要で、何でもかんでもフレキシブルに対応し てください、ということを言うつもりは毛頭ありません。ただ、これは病気の人のため のものなので、枠組が決まったものは画一的に、これはこうです、これ以上右にも左に も、1mmも2mmも動きませんということではしんどい。閉塞感がある気はします。です から、病状とか治療歴が、主治医を通して考慮されるというかレスキューされるという か、そういう雰囲気がこのTERMSの中から少し感じられたなら、患者は「きちんと骨 髄腫の患者を見て作られたものなのだ」と。血の通った、心の通ったといいますか、そ ういうTERMSになるのではないかと思っています。  いしずえさんが意見書を出されていまして、拝見しました。おそらく考えていること の根っこは同じではないかと思っています。意見書を最初に読んだとき、表現が強かっ たものですからびびりまして、困ったなと絶望しましたが、何度か読んでいくうちにこ れはサリドマイドで治療する骨髄腫の患者のためにという根っこは同じだと気付きまし て、同じ方を向いてこの検討が進んで、より患者のためになるものに作っていけるのだ と思っています。  各論を少し簡単ですが説明します。1つ目は、「妊娠する可能性のある女性の定義」、 クライテリアです。いま妊娠する可能性のない女性に当てはまらないことになっていま して、50歳以上2年間月経がない。子宮や両側卵巣の摘出となっていますが、この閉経 のクライテリアを見直す余地がないかということをせっかく専門の先生方がいらっしゃ るので、教えていただきたいしご検討いただきたい。理由は1、2、3に書いたとおりで す。  妊娠する可能性がないということは、患者ご自身がいちばんよくわかっている。月経 がないことは本人がいちばんよくわかっていますから、にもかかわらず、あなたは妊娠 する可能性がある女性ですよというカテゴリーに分類されて、多くのことを課されるわ けです。処方ごとに尿検査があるだのいろいろ聞かれるだのと、それもとても大変なこ とですが、これに分類されるであろう患者から聞くのは、妊娠していないことを確認す るために初回の処方が4週間かかる。これは、ほかのカテゴリーにはない条件で、患者 はこの間に病気が増悪したらどうしようと考えるわけです。ドクターに聞いたら、それ は憂する懸念はあまりないということではありますが、患者の心理としてはそういうこ とであります。  それだけではなくて、ひょっとしたらこれがいちばん大きいかもしれませんが、妊娠 をしたいけれどもできないということで、負い目とか、つらい目を感じて日々を過ごし ている人たちが、50歳に達していないからということだけで、一概に妊娠する可能性の ある女性と分類されることに、精神的に非常に負担がある。実際、この年齢に当てはま る患者は少ないのですが、試運転のときに、このカテゴリーに入る患者3人に協力を打 診しまして、1人が受けてくださいました。私は別々に話をしたにもかかわらず、異口 同音に「私月経ないんですけど、ここですか」「私月経ないんですけど、協力できますか」 と、みんなそう言ったのです。私も、このカテゴリーで試運転に参加しました。  私は骨髄腫ではないですが、私自身も不妊症なので患者さんの気持ちに近かったよう に思うのですが、妊娠できないのに、いろいろ聞かれるわけです。いろいろ教育をされ る。1時間ずっと教育を受けながら、何回も「だから、できないと言ってるじゃないで すか」と突っ込みたくなる。でも、まあしょうがないなと思って聞いていた。私はただ 聞いていたで済みますが、そこで患者が深い傷を負うようなことをできたら避けてほし いという趣旨で、何かクライテリアの部分で改善できることがないか。あるいは主治医 からの何らかの申請によって、レスキューできる仕組をこの中に作ることができないか と思って提案をしました。  意見2です。「妊娠回避の方法」、つまり避妊です。男性患者と女性患者の場合を分け ていますが、男性の場合は本人がラテックスコンドームを使い、かつパートナーにも3 つのうちから選びなさいということです。S.T.E.P.S.やレブアシストは男性だけがラテ ックスコンドームを使いなさいという約束になっていると思いますが、TERMSも男性 が避妊を適切に行うというふうにはならないものだろうかと。理由は、ここに書いてあ るとおりです。最初に申し上げたとおり、患者はどういう結果を招いてはいけないか、 ということも理性的に重々承知して理解していますので、そこをよく考慮していただい た上で適切なところで線を引いていただけないかと思っています。  女性患者の場合は意見1と重複する部分もありますが、月経がないことがわかってい ながら、つまり妊娠することが不可能であることがわかっていながら、3つのうちから 1つを選びなさいと。3つとも、どれもこれも少なからず患者に負担があります。最も 負担が小さいかなと思っていた経口避妊薬も、深部静脈血栓症の心配があると審査報告 書にもそういう懸念が書かれていました。そこから選ぶというと選びにくいなというか、 そう考えていたところ、私どもの会員の40歳代前半の患者からメールをもらいまして、 その一部を読みます。  診断を受けてからずっと入院していて、一時退院をしています。自家移植をもうすぐ 受けます。避妊方法について言えば、できれば不必要な負担は避けられればと思います。 特にいまは骨折もありますし、診断当初から免疫ブロブリンの値が極端に低いので、手 術や器具の挿入に不安があります。夫は、自分が手術を受けようかとまで言ってくれま したが、私亡き後、再婚することを考えたら、それも良くないと思うし、よって性交渉 しないという選択しかないのだなと思っています、と来ました。皆さんに知っていただ きたいのは、こんな大変なTERMSはできないから、「はい、逸脱です」という、患者 の心理はそういう短絡なものではない。各家庭で、患者の夫がこういうことを考える。 こういう会話が必ず起こるのだということを知っていただいた上で、だからといって情 に流されて云々してくれということを言っているつもりはないので、最善の方法を検討 していただきたいと思っています。  意見3は、ここに書いたとおりです。そもそも緊急避妊を強制的に抑えつけてでもや るぞというような意志がないということは当たり前のこととして思っていましたので、 妊娠が判明したときですらカウンセリングをということになっていますから、それほど 心配しているわけではないですが、あとは書き方の問題というか、一言何か入れていた だけると患者はもともとない心配をしなくて済むのではないかなと思っています。  意見4は書いたとおりです。私たちもFAXのやり取りを5回やりたいわけではない。 5回やらせろと言っているわけでもないし、6回でも7回でもやらせてくれと思ってい ません。資料5の意見募集にたくさん寄せられている意見を読みましたが、骨髄腫の患 者からの意見がたくさん載っています。どれを読んでも「減らしてくれ」「煩雑すぎる」 「こんなのできない」「うちのお父さん、背中が痛い」と書いてあるわけです。そういう 意見が大勢ですから、その方向に向かうことについて何も異論はありません。歓迎しま す。そうできるように、私たちも協力したい。  ただ、この意見募集にあるように同様に書かれているのが、だからといって時間がか かるのは困りますよと。時間がかかるくらいなら、このままでとにかくやってください。 頑張りますという決意表明みたいなことがあるわけです。その辺はよく考えていただき たい。ツールが変わったり、FAXが電話になったりノーハウが変わったりというのは結 構ですが、それを導入しているとまた機材を導入して試運転をしてという月単位、ひょ っとしたら年単位でその承認が遅れるのは勘弁していただきたい。そういう意味では、 いまの現行のものでも最低限できることが試運転で一応報告されているわけで、試運転 は特に超繁忙施設でやった、かつ患者にも参加してもらった実績がありますから、これ も余裕でできましたという話ではないとは思います。ただ、できないレベルではないこ とは確認できていますから、その結果をもう少し重んじていただいて、頭ごなしに5回 は駄目ということではなくて、そう考えていただきたいと思います。  最後になりますが、どういうシステムになっても、これが5回が3回になったとして も、仮にFAXが電話になったとしても、史上初の大変なシステムが医療現場に入ってく ることは間違いなくて、その意味ではどうであってもきっと文句はたくさん出てくるだ ろうと思います。文句が出るだけならいい。文句を言いながらでもやってくれればいい と思いますが、文句を言ってやらない施設があったらそれがいちばん不幸なので、そこ については先ほど課長から協力依頼をするという宣言をしていただきましたので、大変 喜んでいます。遠藤委員の所の薬剤師の先生方、村上委員の所の血液の先生方にも学会 を通じて、ひとつここは骨髄腫のために頑張ってほしい。当局の指導の下行ってほしい と思っています。以上です。 ○武谷座長 ありがとうございました。ただいまのご説明に関しまして、ご意見を賜り たいと思います。何かありますか。閉経の定義について触れていますね。今日の資料を 皆さんご覧になったと思いますが、ちょうど中ごろのサリドマイドの安全管理とその取 扱いについての添付文書作成中で、藤本製薬提出資料に出ていますね。妊娠する可能性 のない女性というところで、閉経した女性まではいいのですが、その括弧の中の「50歳 以上で2年以上月経がない」というのが45歳でもいいのではないかと。もっと若くし て閉経した人もあるだろうということにもなるわけですね。 ○上甲委員 はい、そうです。 ○武谷座長 それから、閉経の定義が本当に2年以上なのかということになると思いま すが、医学的には閉経の定義は何らかの理由で卵巣機能が低下または廃絶して、1年以 上月経を見ない者。木下委員、そういうことでよろしいですよね。ただ、それをここに 医学上の定義を書いても、一般の方がご理解できるように、これは安全を見込んでわか りやすく書いたようにも思われるので、括弧の中をどの程度に医学的な定義に忠実に書 くかという問題にはなりますね。そこは、ちょっと検討させてください。事務局はどう ですか。 ○安全対策課長 まさしくその部分について、こういう所でご意見をいただいて、それ を検討して適切な表現に直す。そのための検討会ですので、十分ご議論いただいて直す べきは直してということだと思います。  先ほど上甲委員のご意見の中で、どうしてもなんとかならないかというケースは、閉 経の判断をする上での個々特殊な事情というのを十分考慮しなければいけないケースを、 どうやって正しく判断あるいは合意をするかの部分についてのメカニズムが何か要るの ではないかというお話ではないかと思います。ここも、どういう手が取れるのか。それ が関係するいろいろな方々から見て、納得のいく判断だというところを事前に確認でき るような仕組というのが工夫できないか。そういうご提言だと思います。これは事務局 としても、例えば、第三者評価委員会に特別になんとかならないのか、というケースを お諮りをすることも1つの手ではないかなと考えてみたりしていますが、ここはまた今 後少し詰めたいと思いますし、またいしずえの皆様側からのご意見などもいただいて、 納得のいけるところで整理をさせていただければと考えています。 ○武谷座長 そのついでに、妊娠する可能性のある女性の所にわざわざ「不妊症の女性」 と書いてある。不妊症というのは、それ自体女性にとって負い目というか、非常に深刻 に悩む方もおられるので、また不妊症自体も非常に定義が曖昧なので、改めてここに明 記するかどうかも議論が必要ですね。この辺も同じように扱うようにするということで どうでしょうか。皆さん何かご意見はありますか。木下委員よろしいですか。 ○木下委員 例外を言えば切りがないことですが、例えば40歳でも閉経になる方もい らっしゃいますし、もう少し皆様方がこれならばよいという表現にしたほうがいいので はないかと思います。この安全避妊の視点から、専門的に、どういう表現だったらご理 解いただけるかという視点がいいと思います。  それから、あえてCで「不妊症の女性患者は……」と書くこともあまり適切な表現で はなく、もう少し上手な表現があると思います。 ○武谷座長 学問的に厳密性を極めることと、実際それによって安全性が高まるのか弱 まるのかといろいろなことを考えた上で、総合的に判断するほうがいいと思います。上 甲委員、そういうことでよろしいですか。 ○上甲委員 それで結構です。よろしくお願いします。とても若い30代の患者でも、 化学療法が積み重なって月経がない。それが、どういう理由でないかはもちろん患者に も計り知れないですが、そういう患者にレスキューの仕方があるのか、ないのか。その あたりも一緒に考えていただければ。若い患者で、子供が欲しいのに持てない。負い目 を感じているにもかかわらず、妊娠できる、妊娠できるという声が大きくて、今回の提 案になっていますので、お願いします。 ○武谷座長 それと同じようなことで、避妊の方法や緊急避妊。ともすれば、この案文 が強要的なニュアンスも与えることになるし、避妊に関しては宗教上の問題とかそれぞ れの方の信念もおありかと思うので、少しそのあたりのことを注意されているようにお 見受けをしたのですが、緊急避妊なども義務付けることも、どこまで強くそこを主張し たらいいか。そのあたりの表現に少し工夫が必要な気がしますが、事務局いかがでしょ うか。 ○安全対策課長 複数そういうご意見をいただいていますので、これはなんとか改善が できないかと、事務局としても考えているところです。 ○武谷座長 ほかに何かご発言はありますか。上甲委員、いまのような議論でよろしい ですか。 ○上甲委員 はい、結構です。よろしくお願いします。男性の避妊については、本当に S.T.E.P.S.等のシステムを参考にしていただいて、何が必要であるかということをご検 討くださればと思います。 ○武谷座長 ありがとうございました。まだいろいろご議論もあろうかと思いますが、 続きまして佐藤委員と増山委員の連名でご意見をいただいていますので、佐藤委員から ご説明いただきたいと思います。申し訳ありません。時間の関係で10分程度でご説明 いただきたいと思います。 ○佐藤委員 最初に、私から概略をご説明したあと、増山委員から補足をしてもらう形 にします。委員の先生方に事前に配付された資料と少し項目の順番が入れ替わっていま すが、内容は基本的に同じです。  初めに、今日ここに来る前に、骨髄腫の患者さんからのたくさんの意見が出されてい るのを読みまして、そのことを胸に刻みながらここに参りました。サリドマイド被害者 の人たちの気持も同時にあるわけですが、骨髄腫の患者さんの気持も痛いほどわかりま すので、ここには「十分な時間をかけて検討を行うべきです」と書きましたが、速やか に合意が得られて良いものになるならば、それはもちろんそのほうがいいわけですし、 いまの個人輸入というものが行われている現状を考えますと、むしろ承認されてきちん と管理されたほうが望ましいことも言うまでもありませんので、そのような意図でここ では書いていることをまず最初に述べます。  最初にAにTERMS案について書きました。TERMS案について、いしずえがこれま での自由討議の中で、特に重要だと考えてきたものはそこに書かれている2つの点です。 1つは、中央のセンターが患者本人に直接注意を喚起して、サリドマイドの安全な使用 を支援するために、その患者が中央のセンターに直接アクセスすることができる方策を 備えることです。もう1つは、第三者評価機関の設置です。実は、この2点について藤 本製薬にご納得いただくのにものすごく時間がかかったということで、いしずえとして はそれ以上の細かい点について、ああせい、こうせいと言うまでのディスカッションを する余裕もなかったですし、それ以上のことをそれほど要求したわけではないです。と ころが、今回出てきたTERMS案を見て、いしずえがこれまで求めてきた以上に非常に 厳しいというか、受け取りようによっては非常に強圧的な基準というものがたくさん書 かれていまして、少なからず驚いた次第です。それらの点についてなるべく速やかに改 善されて、患者にとって納得のいくものが一刻も早く出来上がることを望んでいます。 以下、もう少し具体的に説明します。  A-1.は「第三者機関による評価」です。前回那須先生から考え方をお示しいただきま したが、この第三者評価を具体的にどのようにやるのか。あるいは、その評価委員会の 構成のメンバーというか、個人名まではもちろんなかなか決まらないと思います。どの ような団体から構成されるのかぐらいまでは基本的にこの場で合意しないと、この検討 会での結論は出せないのではないかと思っています。単に考え方ではなくて、計画書と いうか、具体的な質問項目の詳細まですべて決めるのは大変でしょうけれども、少なく とも研究計画書のようなものを、例えば次回の18日までにまとめていただくことが可 能であれば、是非そうしていただきたいなと思っています。  A-2.の「TERMS案について」です。いしずえもいま上甲委員が話されたのと基本的 には同じようなことを考えています。TERMS案は基準書と書かれているように、基準 の遵守を強制して、遵守しない場合は薬を使わせないという強圧的な印象を与えるよう に思いました。例えば、学校で校則をガチガチに決めて、守らなければ退学だと言って いるように聞こえます。大事なのは、いかに患者が主体的に自分自身がこの薬を使い、 管理し、あるいは必要な場合には避妊することに関して、ご自身が大人としてやるべき ことをやるように、いかに支援するかが大事であって、本来上から強制するものではな いはずだと思います。そのことに関して、妊娠可能な女性への服用制限、緊急避妊、妊 娠の禁止という表現について、是非修正をしていただきたいと思います。  ア)のところで、妊娠する可能性のある女性については、「原則として本剤の服用を認 めないこととする」と書かれていますが、この点についてもいしずえは、こんなことま で要求したことは全くありません。そもそも、こう書くのにC群として、患者群として 認めていること自体が非常に言葉としても矛盾していますし、必要な方は当然避妊をし た上で服用していただくことではないかなと思っています。同意書の中での緊急避妊に ついてはいま議論されたとおり、強制するのは人道上の問題が大きいと思いますし、こ の点については例えば避妊に失敗した場合に、「緊急避妊という方法があることを理解し ました」とか、「そういう方法について産婦人科医と相談します」ぐらいまでではないか なと思っています。  ウ)禁止事項の中に、妊娠を禁止するということが書かれていますが、妊娠を禁止す ることはできません。何と言いましょうか、第1回の検討会で木田先生も言われました が、藤本製薬は避妊に失敗して妊娠することをなかったことにしたいのかと思ってしま うような表現です。もし本当に妊娠した場合に、では「生まれないほうがいいのですか」 ということも問いたいと思います。我々サリドマイド被害者は、生きて生まれて、今ま で生きてきて、もちろんいろいろな不自由はありましたが、それなりに幸せな、生きて きてよかったと思えることもたくさんあるわけで、その存在は否定しないでほしいです。 どうも、この表現は我々の存在自身が否定されているようで、非常に不愉快です。  次は、少しテクニカルなことですが、患者の診断前の質問表、前回も質問しましたが、 資料7の(様式23)診察前調査票です。例えば1.の「サリドマイドによる副作用被害 は、どのようなものですか」です。これは「妊娠した妊婦から障害を持つ子供が生まれ たり、死産があった」が正解ですが、毎回、14日ごとに同じ質問を聞くのですか。これ は馬鹿馬鹿しいです。機械的に患者さんがチェックするだけになりがちです。もちろん このことを聞くなとは言わないですが、工夫の余地があるのではないかと思います。そ れから、この様式23は患者群ごとに分かれていなくて、全員にこれを聞くことになっ ていますが、妊娠する可能性のない女性も2.の質問の前回の診察から今日まで、「妊娠 したことがわかった」「妊娠したかもしれない」「妊娠していない」にチェックをするの ですか。これも非常に馬鹿馬鹿しい話で、ナンセンスだと思います。ここは、男性患者 と妊娠する可能性のない女性と妊娠する可能性のある女性の3つに分けて、質問を工夫 するべきだと思います。  いしずえは、診察前の調査表が非常に重要だと思っています。それは、患者が自ら直 接医師や薬剤師を介さずに、このセンターに送るものだからです。例えばこの中で、も しこんなことはとても不便で守れないとか、いろいろな思いがあったときに、それを医 師や薬剤師の前では言いづらいけれども是非言いたいということが、おそらくあると思 います。そういうことをきちんと書ける自由記載欄を設けていただきたいと思います。 これは自由討議の中で、藤本製薬も自由記載欄を設けますと答えたはずですが、「ご意見、 ご要望がございましたら」というのは自由記載欄とはちょっと違うのではないかと思い ます。もっと具体的に、「こういうことで困っていませんか。困っていたらお書きくださ い」とか、そういう自由記載欄でないとおかしいと思います。とにかく、ここが非常に 重要だと思っています。  薬の管理についても、何か問題があったときにはここに書いていただいて、実際にど こに保管するのかが難しかったとか、いろいろなことがもう少し具体的に書けて、その 問題の芽が小さなうちに改善して、大きな問題にならないようにして、患者がきちんと 薬を使い続けられるようにするというのが、本来の目的だと思います。それが意見書の 3) 診察前調査票です。  4)パートナーの登録ですが、S.T.E.P.S.にないTERMS独自の基準で、これもいしず えが特別に要求したことはない項目です。このパートナー登録というのは非常にデリケ ートな問題が伴いますので、この点について配慮がなされているのかを疑問に思います。 パートナーを登録するならば、女性のパートナーが妊娠可能な女性か否かで避妊の必要 性という点においても全く違いますので、女性のパートナーが閉経している女性であれ ば、基本的には避妊は必要ないわけで、こういう点についてもTERMS案では区別がな されていないです。  5)「患者の登録とその取り消しについて」です。まず、ア)登録条件で理解度が確認 されているとありますが、理解が困難だけれども薬を必要とする患者はサリドマイドを 使えないのでしょうか。例えば、家庭内の責任者がきちんと薬を管理することによって、 薬が使えるようにはならないのでしょうか。イ)登録の取り消しについては、患者だけ に取り消しの規定がありますが、医師や薬剤師などについては規定がないというのも、 何か非常におかしく感じます。取り消しのことだけが書かれていますが、登録を取り消 してしまうと、そもそもその後どうなったかのフォローアップもできないですし、その 辺について第三者評価機関でどのように評価するのかということもありますので、むし ろ登録取り消しの前に、本当に重大な違反があった場合には、一旦薬の処方調剤をスト ップして、何か必要な改善が図られてもう一度薬が再開できるかどうかとか、いろいろ なことを考えた上で最後の手段として、登録は取り消せばいいのではないかなと思って います。この点について、第三者評価機関でもきちんと評価をすべきではないかと思い ます。  6) は、製剤のトレーサビリティについてです。これは、サリドマイド被害者の中で紛 失などに伴って起こる事故を心配する声があり、可能な限り製剤がトレースできること をお考えいただけないかということです。  7) の5回のFAXについても、いしずえとしても、もしこれが複雑で大変なために逸 脱が起こるのであれば簡素化すべきではないかと思います。  B、C、Dは、先ほど厚労省のほうから考え方をお聞かせいただきましたが、B-1.の危 険性についての教育・啓蒙に関しては、もう少し具体的に何をするということを文字の 形でお示しいただきたいと思います。  公的な先天異常モニタリング制度に関しては、これはすぐにはできないことは承知し ておりますが、北欧諸国などではこのような先天異常の国としての登録制度が出来上が っております。全例登録ですので、2、3年のスパンがかかってもかまわない、承認後に なってもかまわないと思いますので、是非ご検討いただきたいと思います。  重要なのはCの点ですが、万が一被害が起きた場合の責任と救済策についてです。こ れは過失の有無にかかわらず、万が一サリドマイド被害児が産まれた場合には、その子 どもが生きていかなければいけないわけですから、救済策について具体的にお答えいた だきたいと思います。  Dですが、医薬品第二部会の承認条件は極めて曖昧で、「安全管理方策の適正な実施」 としか書かれていないのですが、アメリカのFDAがサリドマイドを承認したときには S.T.E.P.S.そのものの実施が承認条件で、これを変更する場合には、そこに四角囲いで 書かれていますが、必ずFDAの許可を必要とすることが書かれています。TERMSに ついて厚生労働省が責任を持ってほしい。最終的にこれでよいと厚労省が判断した TERMSそのものを承認条件としていただきたいと思います。この点は、いしずえはこ れについての担保がない限りサリドマイドの承認を容認することができません。以上で すが、増山委員から補足がありますか。 ○増山委員 いま佐藤のほうから詳しく説明をしていただいたので、私のほうからは、 補足というよりは、実際TERMSの資料を読んで感じたことについて触れたいと思いま す。  1つは、サリドマイドが過去に薬害を起こして、しかもその中で十分に情報が開示さ れなかったり、あるいは回収が徹底されなかったことによって被害が広がったという経 過があったと思うのです。そういうことを踏まえても、サリドマイドを必要とする患者 がいるということで、いま承認を見ながら検討している中で、1つここにいらっしゃる 皆さんに確認していただきたいのですが、私自身はサリドマイドを使うのは患者ですが、 大きな意味でサリドマイドを使うことを容認するのは日本の社会であり、安全管理のた めのシステムというのは必要な患者に届くものでなければいけないと思うのです。決し て問題を起こさないように、問題を排除するためではなくて、患者が使うにあたって最 低限ここは守ってほしいというシステムでなければいけないと、そのようなことがきち んと行われるためのシステムになっていることが大事だと思いました。もう1回繰り返 しますが、患者が使うのではなくて、日本という社会がサリドマイドを容認するという ことを踏まえて、このシステムを見てほしいと思うわけです。  私がすごく残念だと思ったところが3カ所あります。1つは、先ほど佐藤の説明にも ありましたが、緊急避妊を強要するような文章が書かれていて、座長は表現の問題だろ うかと柔かくおっしゃったと思いますが、私はこの部分については理解に苦しむという か、理解できない、私が理解する範囲をはるかに超えていると感じました。緊急避妊を 強制するようなこと、あるいはそのプレッシャーをかけるようなことは、できるだけな いようにお気遣いくださいということです。いままで、藤本製薬さんには何度も会議の 中で意見を述べさせていただいたと思うのです。私としては、これは誰のためのシステ ムなのかなと感じましたので、意見を言う場ではありますが、障害のあることが問題な のではなく、何か重大な逸脱があること、それがどこにあるのかを把握して問題を解決 しなければいけないということのためのシステムだと思うのです。是非お答えいただき たいのですが、なぜこのように緊急避妊をすることを強制するようなことになったのか お伺いしたいのです。 ○武谷座長 増山委員のご質問について、いかがでしょうか。緊急避妊についてどの程 度強制するのかどうかということです。 ○中尾参考人 ご意見ありがとうございました。緊急避妊については、私たちは避妊と いう行為の中の1つと従来考えておりましたので、緊急避妊を特別に枠の外に出したわ けではなく、性交渉をしないか適切な避妊を行ってくださいということをお願いしてお ります。避妊をしていただくには、確実な避妊方法でお願いしますということをお願い しております。ただ、避妊をしてでも避妊自体が失敗した場合には、まだ緊急避妊とい う措置がありますので、そこまでも含めて避妊方法ととらえておりましたので、避妊の 中に緊急避妊という避妊があるという解釈をして、この基準書を作るときには考えてお りました。どうしてこのようになったのかという点については、緊急避妊を特別なもの ととらえていたのではなくて、避妊の中の1つととらえて、そのような形で作ってきた ということがあります。 ○武谷座長 避妊を励行していただきたいと。その避妊法の1つの方法として、それを バックアップする方法として万全を期すために、緊急避妊というものもあるのだと。そ ういう情報はここで提供したいということですね。 ○増山委員 実際、患者及びパートナーの同意書の中に、「避妊に失敗した又は避妊に失 敗した可能性がある場合は、緊急避妊処置を受けることを承諾します」という記述があ るのです。でも、いまのご説明では別に強制しているわけではないということであれば、 患者会からもいしずえからも、これはおかしいのではないかという意見が出ていますが、 変更されることは考えていないという理解でよろしいでしょうか。 ○武谷座長 ご回答いただけますか。 ○長谷参考人 変更しないということではなくて、ここでご検討いただいて、妥当であ れば変更はしようと思っています。 ○武谷座長 同意書の文言はやや高圧的というか、強制的な響きはあると思いますので、 あくまでも避妊法を紹介する形にとどめるような表現にしていただくことでいいでしょ うか。 ○上甲委員 中絶と緊急避妊との区別が、一般の方にはつきにくいのだと思うのです。 そこで避妊に失敗したら即緊急避妊ということ、いま中尾参考人がご説明になったこと が、すぐには頭に浮ばないのです。たぶん考えている根っこは一緒だと思いますので、 避妊の1つということなら選ぶも選ばないもないという理屈だと思いますが。 ○長谷参考人 私どもがいままで考えてきたことは述べましたので、これが少しずれて いるということであれば、ご検討いただいた上で変更することはやぶさかではありませ ん。 ○武谷座長 その辺は、実際に患者の自主性、主体性を盛り込んだ内容に検討したいと いうことでよろしいでしょうか。 ○増山委員 はい。 ○武谷座長 ほかに何かご意見はございますか。佐藤さん、増山さんのご意見で共通し ているのは、実際にサリドマイドを用いる患者の便宜や尊厳、特に女性特有の生殖に関 する尊厳あるいは権利がありますので、これを尊重することが少し欠けていたのではな いかと思います。その辺りは表現を変更する余地があると思います。この辺りは、いし ずえの会と上甲委員のご意見と全く一致する方向性ではないかと思うので、ほかの委員 の方がご異議がなければ、そのような方向で修正したいと思いますが、ご理解いただけ ますか。 (異議なし) ○武谷座長 佐藤さんの次の視点として、TERMSの様式です。あまり細部にわたって 検討する時間はありませんが、やや冗長なところがあったり、パートナーの登録や登録 条件などやや不適切なところがあると。この辺りも、ご発言を受けてもう少し検討して いただくということでよろしいでしょうか。 ○安全対策課長 いしずえさんからのご提言は、TERMSに関しては基本的に患者の立 場になって考えての提案ということで、そのように事務局も理解しておりますので、患 者の会の皆様のご意見で異論がないということであれば、何としてでもそれは改善して いただきたいと思います。先ほど藤本さんからも、この場の検討によって妥当というこ とであれば対応しますというご発言がありましたが、その線でできるだけ対応していた だければと思います。 ○武谷座長 私の理解では、佐藤委員のTERMSに関する発言の大部分は、患者サイド としてもむしろありがたいご提案ではないかと解釈しているのですが、上甲委員、そう いうことでよろしいですね。 ○上甲委員 そのように理解しています。 ○武谷座長 さらに、評価機関の役割やその具体的なものを明示できるのかどうかとい うこともありますが、これは何かお答えはできますか。 ○那須参考人 私のほうからお答えします。TERMS評価委員会の目的を確認しますが、 患者あるいは薬剤管理者のサリドマイドに関する理解をきっちりと評価する、医師・薬 剤師による患者へのサリドマイドに関する教育指導を評価する、TERMSの機能を総合 的に評価して改善を提言すると、そのようなことを目的にしていると私は理解しており ます。  実際にどのような研究を計画しているかということは非常に大事なのですが、第一に ここで考えなければいけないこととご確認いただかなければいけないことは、この委員 会のメンバーについては、前にお話しましたように行政の関係者の方に必ず入っていた だきたいこと。多発性骨髄腫の患者関係者、ここの委員の方がいちばん適切な方をご紹 介くださることと思っておりますが、患者のことをよく理解されている関係者の方、ま た、サリドマイドの被害ということを日本はこれまで十分理解してきたわけですので、 サリドマイドの被害者、具体的に言うといしずえというきちんとした組織があるわけで すから、そちらにお願いする。、しかし組織にお願いするというよりは、我々はある程度 サイエンスベースで考えておりますので、いしずえならいしずえ、患者の会なら患者の 会の方と我々がゆっくりとお話し、お互いに理解を深めて、適切な委員をお互いに選ぶ という基本的な考えでお願いしたいと思います。  また、多発性骨髄腫等の専門家、これは具体的には医師になります。臨床薬学の専門 家、これに関しては薬剤師になります。リスクコミュニケーション、リスクマネジメン トの専門家、医薬情報学の専門家、このような先生方を委員にお願いしたいと考えてお ります。  このような研究計画なのですが、もちろん我々としてはきっちりとした研究計画を持 っております。しかし、大事なことはまずこの委員会を組織し、その中できっちりした ものを立ち上げてやっていくことがいちばん基本ではないかと考えております。 ○武谷座長 佐藤委員、大体の構成はいまのようなことでご理解いただけましたか。 ○佐藤委員 はい。構成に関しては、特に異存はありません。 ○武谷座長 これは中立機関で自主独立にやるので、あまりこの場で私どもがああしろ、 こうしろと注文すると、自主性、中立性を損なうようなデリケートな部分もありますの で、那須委員のご良識に期待してお任せしたいと思います。 ○佐藤委員 概略でも結構ですが、何か次回までに計画書的なものをお出しいただくこ とは可能でしょうか。 ○那須参考人 私たちはサイエンスをやっていますと、実験計画書になると非常に詳細 なものを考えてしまいます。それと同時に、あまり詳細なものを作ると、これを委員の 先生方とこれを変更するにはどうかということで、また時間がかかってしまいます。し たがって、私たちはまず目的をきっちりと確認する。いちばんの目的は皆様全く同じだ と思いますので、そのいちばんの目的と評価委員会の目的をここできっちりともう一度 再確認し、基本的に申し上げられることは、海外ではすでに第三者評価機関の評価が始 まっております。それよりも十分よいものにすると同時に日本の独自性を、これは日本 の独自の背景がありますのでそれを理解する。また大事なことは、どのような場合も患 者の背景を十分理解すること、また患者の負担にならないということも考えなければい けません。しかし、次回までにきれいな計画書を書くと、それに対してブラッシュ・ア ップに時間がかかって、実際動けなくなってしまいますので、基本的な計画はあくまで 前回お出ししたものにプラスアルファ程度のものになります。大事なことは、この委員 会の中で専門の委員の先生方が十分にご理解され、できるものを速やかに実行すること が私たちにとっていちばん大事なことと理解しております。 ○増山委員 1つだけ確認したいのですが、すべての事例について網羅して、安全管理 システムを考えてその制度を設計することは難しいと思うのです。私たちの考えでは、 個々のケースに合わせてどうするべきかを考えなければいけないということもあるかと 思うのです。そのときに、藤本さんの資料の中で、登録の取消のことについても書いて ありますが、ああいったことは治療が続けられるかどうかとか、命に関わります。基本 的に、薬が使えなくていちばん困るのは患者自身なわけですので、もし逸脱があった場 合でも、それは患者だけではなくいろいろなケースがあると思うのです。転売や、業者 間の中でとかいろいろなケースがあって、そのようなときの最終的な意見調整は、第三 者評価委員会にかけることもあるのではないかと私は考えているのですが、それについ てはそこで議論をすることは可能だとお考えなのでしょうか。 ○那須参考人 これは非常にデリケートな問題だと思うのですが、S.T.E.P.S.の場合は、 ここにもありますように承認の要件になっていまして、変更するにも当然FDAの許可 が必要であると。たぶん、TERMSについてもこのようなご要望がありますように、き ちんとした1つのシステムがある。それに対して、運用の柔軟性について我々が評価委 員会としてコメントすることは非常に難しいと思うのです。我々は、あくまで評価なの ですが、評価のみではなく、そこに対して改善の提案・提言をすることまではできると 思います。しかし厚労省と藤本製薬でこの提案・提言について客観的に考え、よりよい システムにしていくという手順が必要だと思います。したがって、我々第三者評価機関 が、万が一このような運用をしていいよと言いますと、この基準書にも一部矛盾するの ではないかと私は考えています。 ○増山委員 いまのことに関連してですが、いまのお答えをお聞きして、第三者評価委 員会の中でそういうイレギュラーなケースについて議論して、こうするという決定をす ることは難しいとお答えいただいたのだと思いますが、そうであれば、判断が難しい事 例があった場合に、誰がどうやっていつそれを決定し、何が問題だったのかを分析する のは誰が担うかを、是非確認していただきたいと思います。 ○武谷座長 増山委員のご質問は、実際このTERMSに沿ってサリドマイドが使われた 場合に、いろいろな予期せぬ事情で患者にとって不都合が生じるとか、患者の人道に関 わるような問題が起きた場合に、どのような形でそれを修正するのか、そのメカニズム をお聞きになっているのですが、これは事務局からお答えいただいたほうがよろしいで しょうか。 ○安全対策課長 即答はなかなか難しい話ではあると思いますが、那須参考人からも第 三者評価委員会が改善の意見を出す、あるいは勧告をするというファンクションを持っ ているとおっしゃっています。この部分が1つ手がかりになるのではないかと私も考え ております。それを受けて、どこで改善を実行に移すのか、実行した改善がどこで承認 をされるのか、承認した結果としてそれが正しく機能したかどうかの検証、これはまた 第三者評価委員会のほうに返ってくるのではないかと思います。したがって、そこに一 定のフローが考えられるのではないかと漠然と思っているのですが、これについてはで きるだけ急いで整理をしてご提案させていただければと、いまの時点では考えておりま す。 ○増山委員 1つだけ訂正させてください。私がいろいろな問題の症例が出てくるので はないかと言ったのは、患者だけではなく、それは藤本に対してもあるかもしれないし、 そういった場合に、本当に藤本の中だけでそれがきちんと是正されるかどうかという不 安があるので、全体に公表できない内容もあるかもしれませんが、できるだけ関係者が 情報を共有して解決できるような仕組みにしてほしいということです。 ○武谷座長 わかりました。私の希望としては、このような薬が使われるようになるの は非常に画期的ですので、何かいまのような事態が起こった場合には、学会でもいいし、 患者の会でもいいし、いしずえでもいいし、第三者機関でもいいし、藤本でもいいし、 どなたからでもそれを発議していただき、ご提案いただいて、厚労省としてはそれを真 摯に受け止めて、積極的に検討することを了解していただくということはよろしいでし ょうか。 (異議なし) ○武谷座長 あと、佐藤委員のご意見としては、この種の薬の安全性に関する教育をど のようにしたらいいか、あるいは先天異常のモニタリングに関しても整備してほしいと、 サリドマイドを含めてかと思いますが、このような形で被害に遭われた方々の救済もこ れを契機に十分考えていかなければいけないのではないかと、事務局としては重く受け 止めていただきたいということでよろしいでしょうか。 ○安全対策課長 はい。 ○佐藤委員 特にCの被害の救済策とDの承認条件については、次回まででも結構です ので、明確なお答えをいただきたいと思います。 ○上甲委員 前後しましてすみません。5/6頁の6)製剤のトレーサビリティについての 所で、コード管理の検討をしたらどうかという提言があるのですが、これは確か一度自 由討議で出ていて、そのときはカプセル一つひとつにコードを付けるということが出て います。そのとき私が発言したのですが、患者がこの薬にできるだけアクセスしやすい ものにしていこうといったときに、薬価のことはすでに患者のほうから心配の声が上が っていて、このようなシステムを動かすということは、すごい薬代になるのでしょうね と。1個1個バーコードをつけたら、ものすごく高い薬になるのではないかという心配 がありますので、そんな心配をしなくてもいいよということなのかもしれませんが、こ れをすることによるいいことと、患者にとってのマイナス面も含めてご検討いただきた いと思います。 ○武谷座長 ご意見を承るということでよろしいですか。 ○安全対策課長 はい。 ○武谷座長 続きまして、久保田委員から10分程度でご意見をまとめていただいたの で、ご説明をお願いします。 ○久保田委員 それでは、時間も押していますので、簡単にご説明します。私の意見は 4項目にわたっております。3項目目は緊急避妊の問題で、ほとんどいままでに議論が 出尽くしたと思いますので、あえて繰り返しません。2点目と4点目は非常に共通して おります。  たぶん、いままで意見が出ていなかったのは、スペースとしては短いのですが、1点 目ではないかと思います。確かに今日の議論の中心はTERMSではあるのですが、今日 の検討会がサリドマイド被害の再発防止ですので、そもそも日本の中で使われているサ リドマイドは、いままで使われてきて、今後藤本さんの所で承認されていくだろうとい う中でサリドマイドの被害をなくすということを考えると、現在実際に使われている人 たち、あるいは多発性骨髄腫以外にも一部ですが使われている現状があります。ここに 書きましたが、現在ベネフィットを受けている方は、TERMSの導入ということで不利 益を被ることがないかということに関しては、何らかの形で触れておく必要があるので はないかと思います。  そもそも、サリドマイドを必要とする人が日本に一体どのぐらいいるのか、それを必 要とする医療機関がどのぐらいあるのか、TERMSをその医療機関に入れていくとすれ ばどのぐらいの期間がかかるのか。これだけのシステムがすべての医療機関に一時的に バッと入るとは考えにくいです。これだけのシステムを1つの病院に定着させるには、 それぞれの病院でかなりの努力をしないとできないはずですので、一気にはおそらく無 理だろうと思うのです。そのときに移行期間をどうするのか、そのようなことについて の言及がどうしても必要だと思います。また、これは厚労省の問題になるのかもしれま せんが、現在の個人輸入などをどうするのか。もし残すのであれば、その安全管理をど うするのかという問題についても、どこかで明らかにしておく必要があるのではないか と思います。  2つ目と4つ目は、たくさん書いてありますが、同じことです。私自身は、煩雑であ ると前回も申し上げましたが、単に手続の問題というよりもその中で非常に感じるのは、 いちばん重要なのは、毎回の処方ごとに患者が自ら藤本製薬のセンターに前回の処方か らのことを申告するということで、重要な項目はそこで藤本製薬のほうに行っているわ けです。あとは、その内容を医療機関の中でこれでいいということを確認する程度で十 分で、藤本製薬に患者から行った内容を医師または薬剤師に逐一確認させる必要がどれ だけあるのか、あるいはそれが本当に安全管理につながるのかというと、私はつながら ないのではないかと思います。むしろ、それは藤本製薬だけが持っている情報があるの はいやだと、すべての情報を医師または薬剤師にも共有してほしいということで、藤本 さんの責任を軽減することがむしろ主眼にあるのではないかと考えざるを得ないところ があります。そういう意味で、必要なことはもちろんやらなければいけないのですが、 安全管理の上でいちばん重要なのは、リスクを最小化することと同時に、薬を必要とす る患者のアクセスをどれだけ保証するかという、必ずしも相両立しないことをうまくバ ランスを取っていくことですから、少なくとも藤本さんの責任を担当医や薬剤師さんに 分担してもらうことを前面に出すような発想はなるべく控えてほしいということです。 また、同等のことに関して、今後第三者機関でそのような問題をピックアップして改善 していくことができるような評価項目、あるいは方式を是非やっていただきたいという のが私の意見です。  3点目についても、これまで出たとおりです。ただ、緊急避妊については私も別にほ かの方の意見を聞いたわけではなくて、全く同じことを感じましたので、かなりの方が 個々に、同じくこれはあまりにもひどいと感ずる項目であったと思います。 ○武谷座長 後半のほうは、皆様方からすでにご指摘いただいたように、リスクの最小 化と患者の煩雑を最小化することで、これをうまくやる賢明なやり方があろうかと。こ れは全員が願っていることですので、何とかそういう方向でこれを見直すこともよろし いでしょうか。 ○安全対策課長 はい。 ○武谷座長 これはある意味では国家的事業ですが、一民間企業にこのようなことをや っていただくというのは、ある意味ではご厚意、特別なご配慮だということで感謝しな ければいけないところかと思います。それによって過度な責任がかかるということも、 我々は注意していなければいけないということかと思いますので、その辺りも何か見直 すことがあればご検討いただきたいと思います。 ○村上委員 実際に患者さんを診ている立場として、また、TERMSの試運転を行った 立場としてご意見を述べたいと思います。ご指摘の通り非常に煩雑なシステムで、特に 初回の説明には1時間以上かかります。骨髄腫は、ご存じかもしれませんが、血液のが んです。貧血などが強いというのは当たり前ですが、もう1つ大きな問題点、骨病変が 非常に強く出ることです。このような患者さんが、長い時間いすに座って説明を聞くこ とは非常に大変です。医師や薬剤師の煩雑さもありますが、いちばんは患者さんに対し て非常に負担があるシステムになっているというのが、私の個人的な感想です。  2回目以降の処方に関しては、FAXの回数が多いことが非常に煩雑で、かえって安全 性の担保に逆効果になるのではないかという危惧を持っております。現在まで、自由討 議を重ねてこのTERMSを作ってきて、最初はFAXの回数をもっと減らしてくれとい う意見もありました。しかし、各方面の方々からしっかりやれということで、5回にな ったわけです。、我々は患者さんを診る立場の医者として、おそらく患者の会の方々もそ うだと思いますが、最善の安全策を担保して、かつ患者さんにとにかく早くこの薬剤を 供給するという目的でこのTERMSを作ってきました。いまさら変更を加えて、先ほど 上甲委員がおっしゃったように、また認可が遅れることは、私は患者さんを診ている立 場として耐えられません。多少このTERMSには無理もありますが、日本骨髄腫研究会 の医師にもお話して、できるだけこのシステムに同意をしてください、忙しいけれどや ってくださいとお願いしてきました。また、「日本骨髄腫患者の会」にもお願いして、患 者さんにも大変だけれどやってくださいという形でご理解いただいていると思います。 システムが簡素化することは非常にありがたいことだと思います。ただ、これでまたゴ タゴタして認可が1年、2年と延長することを私はいちばん恐れています。皆様には、 この点を頭に入れて、ご意見をいただければと思っています。 ○武谷座長 いまの村上委員のご発言は、全体の委員の意見を代弁していただいたもの と思います。何とかその線でやっていきたいと思いますが、明らかにこれは簡素化、簡 略化できることがあれば、検討するということでよろしいでしょうか。 ○村上委員 すみません、少し感情的になってしまいました。 ○上甲委員 先ほど座長がおっしゃったように、この薬の承認申請を出された藤本製薬 は、いろいろ企業姿勢を問われるようなことも言われていますが、患者はみんな非常に 感謝しています。私たちは9年間要望書を出し続けてきたのですが、最初の6年間はメ ーカーを探したのです。でも、どこも「うん」と言ってくれない。厚生労働省が、メー カーの集まりの所でそういうことを打診してくださったこともありました。でも、どこ からも手が挙がらない。だから、藤本製薬の言うことだから全部是だ、全部我慢だとい うことではないのですが、頭から企業姿勢を問う気持は患者にはありません。本当に多 発性骨髄腫患者の人権を考えてくれた、唯一無二のメーカーだと思っています。 ○武谷座長 久保田委員のおっしゃった前半の部分は、サリドマイドは非常にいろいろ な疾患に有望な薬であって、今後いろいろな疾患の治療薬になり得るということで、今 回サリドマイドにおける治療をTERMSで非常に厳密、厳格な基準を使うと、それによ って福音となるようなほかの疾患に対象を広げる妨げになるかという懸念かと思います。 それはまだ原型でいくとは言っていませんので、TERMSに改良を加えていく中で、安 全性を保証した上で、できるだけ簡略化したいということですので、それを見ながら次 の時点でこの辺をご検討いただくということでよろしいかと思いますが、事務局から何 かご意見はありますか。 ○安全対策課長 時間が問題だということに関して、かなり多くのご意見をいただいて おりますので、私どもとしては藤本製薬とよく相談をしながら、時間をかけずに対応で きるものとして改善できる点がどれだけあるのかを、よく絞り込んで検討するというこ とかと思います。それをできるだけ次回に、このような点についてこう改めたいという ものをお出しできればと考えております。 ○武谷座長 骨髄腫と、今後いろいろな疾患に適用となる場合に、サリドマイドの使用 に関して異なった基準を作るわけにいきませんので、そういう意味でも、今回骨髄腫に おけるTERMSをきちんと理想的なものにすることが非常に大事かと思っております。 ○遠藤委員 我々は病院薬剤師なのですが、もし簡素化するのであれば、いまのところ 院内で処方して院内で調剤を作るというシステムなので、病院の中の部分について簡素 化していただけるのであれば、医師と薬剤師は同じ所にいますので、是非患者の負担な ども簡素化していただければと思っております。 ○久保田委員 最初に申し上げましたが、TERMSがすべての病院に一度に入るとは思 えないので、移行期間をどうするのかは明確にしておく必要があると思います。いま現 在、おそらく数百人から1,000人近くの方が使われていると思うのですが、その方たち の使用の保証は絶対必要なので、何らかの形でスムーズに移行していくことがどうして も必要です。そのための措置をどのように取られるのか、これは厚労省からということ になるのかはわかりませんが、できれば次の回までに何らかの形で明らかにしていただ けないかと思います。 ○武谷座長 大変重要なご指摘かと思います。この安全管理に関して、メンバーの方全 員にお認めいただいた次のステップとして、そのような技術的な問題も検討するという ことでよろしいかと思います。 ○佐藤委員 先ほどの私からの意見の中で、1つだけご回答いただいていない所がある のに気がつきました。A-1.の1)の第三者評価機関に対して、厚生労働省が費用の一部を 負担して評価を委託すべきという意見に対しては、どのようにお考えでしょうか。 ○安全対策課長 第三者評価委員会に関していま私どもが考えている手だては、多少な りともお金をお出しする方法です。基本的には、サリドマイドが実際に現場で使われる ようになった以降、必ずフォローしなければいけない。そのフォローは、第三者評価委 員会がどのようなアクティビティで、どのような観察をなさっているか、これをご報告 いただくことが必要かと思っています。この関係で、私どものほうで資料を提供いただ くことに関してお金をお出しするという方法があるのではないかということで、検討を しています。できるだけそこはご要望に沿った形で対応したいと考えております。 ○武谷座長 それでは、だいぶ予定がずれておりますので、この辺りでこの議論は打ち 切って、次の話題に移ります。これまでパブリック・オピニオンを皆様からいただいて おりますが、これまでに提出されたご意見を事務局からご紹介いただきたいと思います。 ○事務局 すでに委員の先生方には十分に見ていただいた上でご意見をいただいていま すので、簡単に紹介します。  資料5をご覧ください。「サリドマイド製剤安全管理基準書(案)」に関する意見募集 において寄せられたご意見です。こちらでお示しておりますのは、8月13日から8月 29日までに届けられたご意見です。22件ありまして、この中の約9割が、患者もしく はその関係者の方から寄せられたご意見で、もう何度も紹介していただきましたが、と にかく早くやってほしいという意見が多かったのかなと感じております。そのほか、患 者以外の方、卸売販売業の方のご意見や病院の関係者の方からもご意見をいただいてお りますので、今後のご議論の参考にしていただきたいと思います。 ○武谷座長 ありがとうございました。この各方からのご意見について、委員の方々か ら感想、コメント等はありますか。私も拝見しましたが、皆さん切実な思いで、何とか いま骨髄腫で悩んでおられる方々に救済の手をさしのべてほしいと、非常に哀切される ような内容であったと見受けました。ほとんど思いは一致しているのではないかと思っ ておりますが、よろしいでしょうか。何かご意見はありますか。 ○七海委員 薬剤師会の七海です。久保田委員も触れられましたが、この前の説明では 適応外使用も認めていくというお話がありましたが、適応外使用の患者も安全管理の基 準に乗せていただけると理解してよろしいのでしょうか。 ○中尾参考人 適応外使用についても、いちばん最後に記載しておりますが、医療機関 のほうでその薬が必要だというご判断がありましたら、提供するようにはしております。 もちろん、TERMSに参加していただくということです。 ○七海委員 もう1つ、病院の先生が院内だから簡素化とおっしゃっておられたので、 それはそうでしょうけれど、資料5の中にもありましたが、院外処方せんの場合どうな のだと、患者の負担も大変だということもありました。したがって、是非病院の薬剤師 から患者のほうに、これを飲んでいるというメッセージとして「お薬手帳」または、「サ リドマイドを使用しています」と開局の薬剤師にもわかるように、これはお願いですが、 よろしくお願いしたいと思っております。 ○遠藤委員 直接このシステムに関してではないのですが、病院の薬剤師から見ると、 普段薬が出ると、実際に粉砕とかカプセルを外すという話が出てきてしまうのですが、 サリドマイドに関してはそういうところはないのでしょうか。いまはカプセルだけの話 で進んでいますが、実際にカプセルを飲めないとか、そういう患者が出たときに、病院 の薬剤師は普段でも錠剤が飲めないとかカプセルが飲めないと、粉砕だとかカプセルを 外すことで調剤をするのです。病院薬剤師もかなり若い、いわゆる妊娠可能な薬剤師も 多いので、ばく露の問題も考えなければいけないのですが、そういうものについては実 際には起こり得るのでしょうか。 ○村上委員 自分の経験では、私が使っているのは錠剤なのですが、すべて飲めない患 者に投与したことがないので、たぶん問題ないのではないかと思いますが、どうでしょ うか。全部を把握しているわけではないのですが。 ○武谷座長 お答できる方はいらっしゃいますか。 ○村上委員 どのぐらい粉砕しているかは。 ○武谷座長 当然、データとしてそういうものがないので、自信を持ってお答えできる 方はおられないかとは思いますが、十分にその辺りは注意を喚起するということで。 ○遠藤委員 これは承認のほうの話になるのですが、取扱上の注意に何らかの配慮をし ていただきたいということが、薬剤師側からするとあるのですが。 ○武谷座長 何か特別な審査があるのでしょうか。そのデータをもらえない……。 ○審査管理課長 これは細粒のカプセルですか。粉のカプセルですか。 ○長谷参考人 粉のカプセルです。 ○審査管理課長 粉で、粉じんが出るというのはどれぐらいあると考えておられるので しょうか。誤ってばく露することを考えれば、重さの問題で、空気中に舞わないのであ れば最初からかなり少ないですね。そうではなくて、かなり空気中に舞うということで ばく露が多いと考えられるのであれば、仮にカプセルを外す場合には安全キャビネット の中でやるようにとか、そういう注意が必要になってくることをおっしゃっているのだ と思いますが、その辺りの物理化学的な情報を教えていただけるとありがたいと思いま す。 ○長谷参考人 粉じんが舞わないという保証はできないと思うのです。我々の立場とし ては、外さないでほしいというのが希望です。薬剤師の先生の専門の領域の中でやられ る場合があるのかなという気がしているのですが、我々の立場でそこまで配慮して作っ てはおりません。 ○審査管理課長 そこは配慮して作らせますので。 ○武谷座長 ありがとうございました。いろいろご議論いただきましたが、皆様方全員 が了解されたことは、実際に骨髄腫で使う方に何とか早くこれを利用できるようにして いただきたいという思いは一致したのではないかと思います。一方で、患者の負担の軽 減ということで、TERMSを、もう少し手続を簡略化できることがあればもう1回考え ていただきたいと。  また、患者の尊厳から、あまり個人情報あるいは性生活に関する問題について、自ず とTERMSで規定するところには限度があると。そこも守っていただきたいと。この辺 りは、全員の方が異論はなかったと思います。これが認められたあとも、第三者評価が どういう形になるかとか、これを契機に薬剤の被害に遭われた方を国としてどのように サポートしていくか、あるいは先天異常のサーベイランスの重要性も改めてここで浮彫 になったということで、その辺りも今後の課題かと思います。こういうことで、よろし いでしょうか。  本日、もう少し議論を継続すべきところもありましたので、これは第3回でもう1回 議論をしていただきたいと思います。最後の資料ですが、本日は藤本製薬のほうから TERMSについての情報提供等に用いる資料がお手元に渡っていると思いますので、5 分程度でご説明をお願いします。前に詳しくご説明いただいたので、ポイントに絞って お願いします。 ○中尾参考人 ご議論いただくような資料ではなく、基準書の7頁の187行目にご紹介 している、情報提供に使う予定の資料をまとめたものということで、ご紹介程度の内容 かと思います。  簡単に紹介しますと、初めの4冊はそれぞれ処方医師の先生や薬剤師、患者などがを 実施するためにどのようにやっていくかという手順や、注意事項などを記載しています。 ですので、いまいろいろ課題をいただいてTERMSの基準書が変わると、必然的にこち らの内容も変わっていきます。  2つほど飛んで、7番目、8番目に「サリドマイドの被害説明用冊子」や「教育用のビ デオ」も用意しております。これは、それぞれの対象者のすべての方に、本剤を使用す るにあたってのサリドマイド被害の歴史や、再発防止のために知っておいていただきた いことなどをまとめた冊子であったり、ビデオ、媒体はDVDとVHSテープの形で用意 する予定です。特にビデオに関しては、視覚的に強く印象に残ることから、ツールとし ては大切なツールだと考えておりますので、今回もご出席いただいている委員の何人か にご参加いただいて、ご指導、ご意見をいただきながら作成をしております。いろいろ な意見を反映しております。特に財団法人いしずえ様には、被害者の方の写真をお借り するとか、今回委員で来ていただいている増山様からメッセージ出演をしていただくな ど、多大なるご協力を得ながらこのビデオは作成しております。この場をお借りして、 厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。その他はいまご紹介しましたような 基準書や、添付文書も作成中で、お入れはしておりませんがございます。また、避妊に 関する説明書もありまして、こちらも改訂していこうと思いますが、そのような解説書 などのツールです。  このようなものを使いますが、実際の説明会やプレゼンテーションでは、パワーポイ ントや前回お渡ししたようなスライド形式、紙芝居形式など、別個の補助用のツールな ども用意して、試運転でもそういった形で行ってきました。ご紹介までです。 ○武谷座長 ありがとうございました。何かご意見はございますか。 ○上甲委員 患者用冊子の女性患者の表紙、表紙だけでなく中身もそうなのでしょうけ れど、いままで妊娠する可能性があるとかないとかというのをB、Cに変えていただい てありがとうございました。 ○武谷座長 佐藤委員からも、サリドマイドを認可するにあたって教育啓蒙の重要性を 提案されておりましたが、これは妊娠に関する資料、あるいは母児の安全性の辺りに関 する情報も含まれているのですか。児の安全性や、薬剤の安全性、これは妊娠だけを主 として扱っているわけですね。 ○中尾参考人 この薬の危険性を十分に理解していただきながら、胎児ばく露すること がないよう、どのようにお使いいただければばく露を起こさずにサリドマイドを服用、 使用することができますと、そのためのご説明なりご注意をしていただきたいこと、知 っていただきたいことをまとめております。 ○武谷座長 これは、継続的にいろいろな機会にこのようなことをご説明することが重 要かと思いますが、佐藤委員の意図したところは、それ以外にも是非このようなことを ということがありますか。 ○佐藤委員 細かいところでいろいろ思うところはありますが、大事なことは、今回の 議論を踏まえて緊急避妊など変わる部分がありますので、それに合わせてこちらの説明 書もきちんと変更していただきたいということを、是非お願いします。 ○長谷参考人 はい。 ○武谷座長 ありがとうございました。ほかにご意見はありませんか。藤本製薬さん、 大変きちんと情報をまとめていただいてありがとうございます。さらに本日ご指摘いた だいた点を取り入れて、もう少しグレードアップしたものにして、次回にお示しいただ ければと思っております。  それでは、その他として何かございますか。 ○佐藤委員 次回のことですが、実は我々サリドマイド被害者は、藤本製薬の社長さん に一度もお会いしたことがありません。この検討会には皆それぞれの会の責任者が出て きています。藤本製薬の長谷さんは執行役員ではありますが、是非社長さんにこの場に 来ていただいて、我々の生の声を聞いていただきたいと思うのですが、いかがでしょう か。 ○武谷座長 それは藤本製薬の事情もおありかと思いますが、お答えは社長の意向も聞 かないとわからないでしょう。強要するわけにはいきませんが、いまの要望を是非お伝 えしていただいて、できれば意向に沿ってやっていただきたいと思いますが、お願いし たいということでよろしいでしょうか。 ○佐藤委員 はい。 ○武谷座長 ほかに何かございませんか。それでは、本日は大変実りある活発な意見交 換ができて、大いに成果が上がったと思われます。本日の議事録に関しては、皆様方の 了解を得た上で公表するということですので、ご了承をお願いします。事務局から、次 回についてご説明をお願いします。 ○安全対策課長 議事録の公開をできるだけ早くしたいということで、ご協力をお願い します。次回の検討会ですが、9月18日(木)14時から予定をしております。場所等 詳細については追ってご連絡しますので、よろしくお願いします。 ○増山委員 終わる前にお聞きしたいのですが、次回の検討会で今日あげられたいろい ろな意見がどのように集約されるのか、結果としてこうなりましたというのはお示しい ただけるのでしょうか。 ○安全対策課長 それを次回のメインテーマと事務局としては理解しております。 ○増山委員 少し気になるのが、意見を言って、皆さんの同意がどこまで取れたのか明 確でないものもあるかと思いますが、それは何か厚労省のほうで調整していただけるの でしょうか。 ○安全対策課長 事務局のほうで整理をして、確認もしながら、それに基づいてTERMS の改善のできるところを、間に合う範囲でやっていくということかと考えております。 その過程でまたご協力いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 ○武谷座長 よろしいでしょうか。それでは、予定した議事は全部終了しましたので、 この検討会はこれで終了したいと思います。皆様方、熱心にご検討いただきましてあり がとうございます。また次回もよろしくお願いいたします。 照会先:医薬食品局安全対策課     03−5253−1111