08/08/27 中央社会保険医療協議会総会平成20年8月27日議事録 08/08/27 中央社会保険医療協議会          第133回総会議事録 (1)日時  平成20年8月27日(水)10:03〜11:45 (2)場所  グランドアーク半蔵門富士・東の間 (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員 前田雅英委員       石井博史委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 北村光一委員          高橋健二委員(代 清水) 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本昭文専門委員 坂本すが専門委員 黒崎紀正専門委員       <参考人>       加藤治文薬価算定組織委員長       <事務局>       水田保険局長 榮畑審議官 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官        磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○医薬品の薬価収載について       ○DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について       ○医療機器の保険適用について       ○先進医療専門家会議の報告について       ○歯科用貴金属価格の随時改定について       ○一般病棟の長期入院患者の入院基本料について       ○その他 (5)議事内容  ○遠藤会長  それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第133回中央社会保険医療協議会 総会を開始したいと思います。  次に、本日の出席状況でございますけれども、本日は大島専門委員が御欠席になってお ります。また、高橋委員の代理で、全日本海員組合の清水保さんがお見えになっておりま す。  それでは、早速、議事に入らせていただきます。まず、医薬品の薬価収載について議題 といたします。薬価算定組織の加藤委員長より、御説明をお願いしたいと思います。よろ しくお願いします。 ○薬価算定組織加藤委員長  薬価算定組織の委員長を務めております加藤でございます。私のほうから、今回検討い たしました新医薬品の算定結果について報告いたします。  資料の中医協総−1をごらんください。今回報告いたします品目は、資料1ページの一 覧表にありますとおり、11成分、16品目であります。  それでは、算定内容について説明します。  最初にイリボー錠ですね。資料2ページをごらんください。イリボー錠はラモセトロン 塩酸塩を有効成分とし、男性における下痢型過敏性腸症候群を効能・効果とする内用薬で あります。  資料の3ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は効能・効果が 類似するポリカルボフィルカルシウムを最類似薬とした類似薬効比較方式Iによる算定が 妥当と判断しました。  また、本剤の薬価算定に当たっては、有用性加算IIを適用することが妥当と判断しまし たが、前回の御指摘を踏まえ、本剤のように加算を適用する品目については、その理由を 資料に記載しております。  本剤は比較薬と異なり、セロトニン5−HT3受容体に作用し、大腸運動の亢進と、大 腸痛覚の過敏状態を改善することで効果を示すことから、臨床上有用な新規作用機序を有 すると判断いたしました。ただし臨床効果は一定程度であることを考慮し、有用性加算II の加算率としては、A=5%を適用することが適当と判断しました。  資料2に戻っていただいて、本剤の算定薬価は、最類似薬であるコロネル錠500mg、 ポリフル錠500mgとの1日薬価合わせに、有用性加算IIを、これはA=5%でございま すが、これを適用し、5μg1錠、141.10円、規格間調整により、2.5μg1錠、 86.30円となりました。  次に、2番目のグラセプターカプセルでございますが、資料の4ページをごらんくださ い。グラセプターカプセルはタクロリムス水和物を有効成分とし、腎移植等における拒絶 反応の抑制などを効能・効果とする内容薬であります。従来、同一有効成分の製剤は、移 植領域においては1日2回投与であったのに対し、本製剤は1日1回投与となる製剤であ ります。  資料5ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤については、同一 有効成分であるプログラフカプセル1mgが薬価収載されていることから、これを最類似薬 とした規格間調整による算定が妥当と判断しました。  4ページに戻っていただいて、本剤の算定薬価は、最類似薬であるプログラフカプセル 1mgの薬価に、プログラフカプセル1mgと同0.5mgの規格間比を適用し、0.5mg1カ プセル、514.50円、1mg1カプセル、905.20円、500mg1カプセル、3, 361.10円となりました。  次に資料6ページをごらんください。ミコブティンカプセルについて説明します。ミコ ブティンカプセルはリファブチンを有効成分として、結核症などを効能・効果とする内容 薬であります。  資料の7ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤については、既 収載品の中に同様の効能・効果、薬理作用などを持つ類似薬がないことから、原価計算方 式による算定が妥当と判断しました。  営業利益率については、加算の理由を資料に記載しております。本剤は多剤耐性結核症 に一定の有効性が期待できる点、また、多くの抗HIV薬と併用禁忌である既存治療薬の リファンピシンにかわって、HIV感染合併患者への投与が可能である点において、治療 薬の選択に非常な困難があった既存の治療方法を改善するものと判断しました。  ただし、国内で治験が実施されておらず、日本人における安全性情報が不足しているこ とから、限定的な評価とし、平均的な営業利益率プラス10%の営業利益率を用いること が適当と判断しました。  したがいまして、資料6ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は150mg1カプセ ル、753.00円となりました。  次に資料8ページをごらんください。アトワゴリバース静注シリンジについて説明をい たします。アトワゴリバース静注シリンジは、ネオスチグミンメチル硫酸塩、及びアトロ ピン硫酸塩水和物を有効成分とし、非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗を効能・効果とする 注射薬であります。  9ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤はネオスチグミンメチ ル硫酸塩及びアトロピン硫酸塩水和物の配合剤であることから、これら2つの有効成分を 最類似薬とした類似薬効比較方式Iによる算定が妥当と判断しました。  また、本剤は市場規模が小さい自律神経剤に該当することを踏まえ、市場性加算II、加 算率A=5%を適用することが妥当と判断しました。  したがいまして、資料の8に戻っていただいて、本剤の算定薬価は最類似薬であるワゴ スチグミン注0.5mg、及びアトロピン硫酸塩注0.5mg「タナベ」との、1日薬価合わ せに、市場性加算II、A=5%を適用するとともに、本剤はキット製品であることから、 キット特徴部分の原材料費を加え、3ml1筒404円、規格間調整により、6ml1筒61 5円となりました。  なお、本品目は、既収載品のキット製品と比較して、キットの構造、機能に新規性が認 められるものではないということから、キット加算は行いませんでした。  次に、10ページをごらんください。マクジェン硝子体内注射用キットについて説明い たします。  マクジェン硝子体内注射用キットは、ペガプタニブナトリウムを有効成分とし、中心窩 下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症を効能・効果とする注射薬であります。  資料11ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は効能・効果が 類似するベルテポルフィンを最類似薬とした類似薬効比較方式Iによる算定が妥当と判断 しました。  また、本剤の薬価算定に当たっては、有用性加算I、及び市場性加算Iを適用すること が妥当と判断し、その理由は資料に記載されております。  本剤は臨床上有用な新規の作用機序を有すると認められること、それから、比較薬では 直射日光を避けるなどの患者行動の制限があるところ、本剤は同様の制限はなく、治療方 法の改善が認められることを踏まえ、有用性加算Iの適用は認められると判断いたしまし たが、比較薬では3カ月ごとの投与であるのに対し、本剤は6週間ごとの投与が必要であ ること。それから、比較薬での患者行動制限は二、三日程度であることを考慮いたします と、加算率A=35%を適用することが妥当と判断しました。  また、本剤は薬事法上の希少疾病用医薬品であることから、市場性加算Iの適用は認め られると判断しましたが、比較薬では効果が確認されていないとされる加齢黄斑変性症の サブタイプにも効果が認められており、患者数が比較薬よりも増えると考えられることか ら、加算率A=10%を適用することが妥当と判断しました。  したがいまして、資料10ページに戻っていただいて、本剤の算定薬価は最類似薬であ るビスダイン静注用15mgとの1日薬価合わせに、有用性加算I、A=35%、及び市場 性加算I、A=10%を適用し、0.3mg、90μl1筒、12万3,457円となりま した。  次に12ページをごらんください。アービタックス注射液について、説明をいたします。 アービタックス注射液は、セツキシマブ(遺伝子組換え)を有効成分とし、EGFR陽性 の治癒切除不能な進行・再発の結腸及び直腸癌を効能・効果とする注射薬であります。  資料の13ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤については、 既収載品の中に同様の効能・効果、薬理作用などを持つ類似薬がないことから、原価計算 方式による算定が妥当と判断いたしました。  12ページに戻ってください。したがいまして、本剤の算定薬価は、100mg、20ml、 1瓶、3万5,894円となりました。  次に、14ページをごらんください。ゾシン注射用について説明させていただきます。 ゾシン静注用は、タゾバクタムナトリウム及びピペラシリンナトリウムを有効成分とし、 敗血症、肺炎、腎盂腎炎、複雑性膀胱炎を効能・効果とする注射薬であります。  資料の15ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は既存のタゾ バクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム配合剤、タゾシン静注用2.5gと、既存 のピペラシリンナトリウム製剤、ペントシリン注射用2gの組み合わせに相当する製剤で あることから、これら2つの製剤を最類似薬とした、類似薬効比較方式Iによる算定が妥 当と判断しました。  また、本剤は国内で乳幼児を含む小児を対象とした治験を実施し、小児における用法・ 用量を設定していることから、小児加算の適用は認められると判断しましたが、本剤は2 剤の比較薬の組み合わせに相当する製剤であり、比較薬がいずれも小児にかかわる用法・ 用量を有していることから、限定的な評価とし、加算率A=10%を適用することが妥当 と判断しました。  14ページに戻っていただきまして、したがいまして、本剤の算定薬価は、最類似薬で あるタゾシン静注用2.5g、及びペントシリン注射用2gとの1日薬価合わせに、小児 加算A=10%を適用し、4.5g1瓶2,668円、規格間調整により、2.25g1 瓶1,792円となりました。  次に16ページをごらんください。サイモグロブリン点滴静注用について説明します。 サイモグロブリン点滴静注用は、抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンを有効成分とし、 中等症以上の再生不良性貧血などを効能・効果とする注射薬であります。  資料の17ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤については、 既収載品の中に同様の効能・効果、薬理作用などを持つ類似薬がないことから、原価計算 方式による算定が妥当と判断しました。  16ページに戻っていただいて、したがいまして、本剤の算定薬価は25mg1瓶3万7, 460円となりました。  次に、18ページをごらんください。シムレクト小児用静注用について説明します。シ ムレクト小児用静注用は、バシリキシマブ(遺伝子組換え)を有効成分とし、腎移植後の 急性拒絶反応の抑制を効能・効果とする注射薬です。  従来、同一有効成分の20mg製剤が薬価収載されていましたが、小児における用法・用 量が追加されたことに伴い、小児専用の10mg製剤の規格が追加されたものであります。  19ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤については同一有効 成分であるシムレクト注射用20mgが薬価収載されていますことから、これを最類似薬と した規格間調整による算定が妥当と判断しました。  また、本剤は海外での小児を対象とした臨床試験に加え、国内で乳幼児を含む小児を対 象とした治験を実施し、小児における用法・用量を設定していることから、規格間調整の みによる算定における小児加算の適用を認められると判断しましたが、国内治験は6例の みの成績であることから、限定的な評価とし、加算率A=10%を適用することが妥当と 判断しました。  18ページに戻っていただきまして、本剤の算定薬価は、最類似薬であるシムレクト注 射用20mgの薬価に、アクテムラ点滴静注用200mgと同400mgの規格間比を適用する とともに、小児加算A=10%を適用し、10mg1瓶、これは溶解液つきでございますが、 19万4,379円となりました。  次に資料の20ページをごらんください。ナゾネックス点鼻液について説明いたします。 ナゾネックス点鼻液は、モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物を有効成分とし、ア レルギー性鼻炎を効能・効果とする外用薬であります。  資料21ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は効能・効果、 薬理作用などが類似するフルチカゾンプロピオン酸エステルを最類似薬とした類似薬効比 較方式Iによる算定が妥当と判断いたしました。また、補正加算については、いずれの要 件にも該当しないと判断しました。  20ページに戻って下さい。本剤の算定薬価は最類似薬であるフルナーゼ点鼻液50μ g28噴霧用との1日薬価合わせを行い、5mg10g1瓶1,947.40円となりまし た。  22ページをごらんください。ディフェリンゲルについて御説明いたします。ディフェ リンゲルはアダパレンを有効成分とし、尋常性ざ瘡を効能・効果とする外用薬です。  23ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は効能・効果が類似 するリン酸クリンダマイシンを最類似薬とした、類似薬効比較方式Iによる算定が妥当と 判断しました。  また、本剤の薬価算定に当たっては、有用性加算IIを適用することが妥当と判断し、そ の理由を資料に記載してございます。  本剤は毛包上皮細胞の異常角化抑制という新規の作用機序を有し、アクネ桿菌が異常増 殖を起こす前の尋常性ざ瘡を初期段階からの治療を可能とする点で、臨床上の有用性が認 められると判断しました。  ただし、臨床効果は一定程度であることを考慮し、有用性加算IIの加算率としてはA= 10%を適用することが妥当と判断しました。  したがいまして、資料の22ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は最類似薬であ るダラシンTゲル1%の1日薬価合わせに有用性加算II、A=10%を適用し、0.1% 1g、117.70円となりました。  以上で報告を終わります。 ○遠藤会長  加藤委員長、ありがとうございました。  事務局から何か補足はありますか。あればどうぞ。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  特にございません。 ○遠藤会長  それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御質問等はございますでしょうか。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  2点ほどお伺いしたいんですが、1点は基礎的なことで恐縮なんですけれども、用量が、 例えば1番のイリボー錠なんですけれども、これが倍量になりますと、86円30銭から 141円10銭ということで、この比率は1.63倍になっているわけですね。  それから、その下のグラセプターカプセルでございますけれども、これも0.5mgと1 mgを比べますと、これは今計算しますと、1.76倍。注射はまた違うような感じなんで すが、これについて一定の算定式があるのかどうか、倍になるのにそれぞれ違うというの はどういうことなのか、そのルールを教えていただきたいのと、それから7番のゾシン、 これは合剤なんですけれども、これまで合剤というのは基本的に認めない方向かなという ふうに思っておりましたけれども、例えば降圧剤で、最近ARBと利尿剤、そういった組 み合わせが出ておりますけれども、今後、学会なんかの動向を見ますと合剤が出るという ふうなことを言われておりますが、合剤も今の状況の中で積極的に認める方向になったの かどうか、その2点をお伺いしたいと思います。 ○遠藤会長  それでは事務局、お願いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。  最初の規格間比をどう決めるのかということでございます。  ちょっと資料で御説明をいたしますと、最初に御質問ありました1番のイリボー、資料 2ページでございます。  今の点でいくと、コロネルから算定をして、規格間比というところが真ん中辺にござい ますけれど、この場合、チアトンカプセル10mgと5mgの規格間比と。規格間比といいま すのは、用量が倍になったときに幾ら実際の価格として上がるのかということですから、 それは比が0.7ということでございますが、それで違いが、次の4ページをごらんをい ただきまして、グラセプターの場合にはプログラフカプセルの規格間比ということで0. 8151ということになってございます。  実は、規格間比をどう決めるかということについては、まず、類似性が一番ある薬で2 つなり3つの用量があるものについて、それをまずとるというルールにしておりまして、 実際にいろいろな薬効群によりまして、現実に市場実勢価で薬価を算定している、既収載 になりますと、市場実勢価で薬価が変わっていくわけでございますが、その薬効群ごとに、 いろいろな同じ2倍量でもいろんな規格間比が出てまいります。そう考えますと、類似薬 効方式で算定をするということを考えますと、なるべく類似している薬の規格間比をとる ということが一番合理的であろうということで、それの規格間比をとるようなルールにさ せていただいておりまして、2倍の用量で一律の規格間比をとるというような決め方をし ていないということに起因をしてございます。  それから、2つ目の配合剤の関係でございますけれども、配合剤については、藤原委員 が御指摘のように、配合意義がどのくらいあるのかということが一番ポイントでございま して、実際の臨床現場でどのくらいその用量、その2つのAとBという薬物を、そのある 一定の用量で使うという必然性、配合意義がしっかりしなければ承認しないというもので ございます。近年、外国でもこのような配合剤は非常に増えてきておりまして、そういっ た諸外国の状況もいろいろ勘案をして、薬事の部局のほうの問題でございますけれども、 そちらのほうで大分議論をされております。配合意義がしっかりあるというものを認める というのは、変わりはないわけでございますが、その臨床現場の状況、海外の状況もいろ いろ勘案をいたしまして、必要性があるものについては認めるということで、基本理念は 変わりませんけれども、そういった海外の情勢なども考えながら、このような配合剤の承 認が近年増えてきているという状況でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  藤原委員、いかがでしょうか。よろしいですか。  規格間調整につきましては、以前、事務局のほうでも、何かまとめたものがあったよう に記憶しておりますので、次回のこの新薬の承認の際に参考資料として添付をしていただ くような形で、そのときにまた少し説明していただくと分かりやすいかなと思います。よ ろしくお願いします。  ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。  それでは、本件につきましては、中医協として承認するということでよろしゅうござい ますか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  それでは、説明のありました件につきましては、中医協として承認したいと思います。  加藤委員長におかれましては、長い間ありがとうございました。                〔加藤委員長 退席〕 ○遠藤会長  それでは、引き続きまして、DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応についてを 議題としたいと思います。資料について、事務局より説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  それでは、資料の総−2をごらんいただきたいと思います。DPCにおける高額な新規 の医薬品等への対応についてということで、新規に薬価収載された医薬品等については、 DPCにおける診療報酬点数に反映されないことから、以下の基準に該当する医薬品等を 使用した患者については、包括評価の対象外とし、出来高算定することとしているとして おります。  この点線の四角の中に書いてございますように、使用実績のない医薬品については、こ の標準的な使用における薬剤費の見込み額が、使用していない症例の薬剤費の平均プラス 1SD、標準偏差を超えると、超えた場合については出来高算定とするというルールにな ってございます。  こちらに書いてございませんが、今回、出来高にした薬剤については、次期改定におい て使用実績等を踏まえて検討して、原則として包括評価とすることとなってございます。 つまり、現時点における暫定的な措置ということで出来高にするということでございまし て、先ほど資料総−1で御説明がありました11種類の薬剤のうち、計算したところ、こ の2番にお示ししてございますが、先ほどの総−1の資料の5番でございますマクジェン 硝子体内注射用キット、それから6番でございますアービタックス注射液100mg、それ から8番でございますサイモグロブリン点滴静注用25mg、この3種類については1SD を超えるということで、出来高算定とすることとしたいということでございます。  その下の参考のところに実際の計算について書いてございますが、1番のマクジェン硝 子体内注射用キットにつきましては、標準的な使用で12万3,000円、これが平均プ ラス1SDですと、一番下にございます5,096点、つまり5万960円ということで、 これを大きく上回るということで、今回出来高にするということでございます。  次の2ページでございますが、アービタックス注射用液100mgにつきましては、標準 的な費用として35.9万円。それから、使用していない症例の薬剤費、平均プラス1S Dでは2万8,293点ということで、これも出来高ですると。それから、3番目のサイ モグロブリン点滴静注用25mgについては、標準的な費用が93万7,000円。それか ら、この薬品を使用していない症例の薬剤費、平均プラス1SDは5万2,756点とい うことで、やはりこれを上回っておると。  ただ、この(3)について、一番最後のところに注がございますが、まず、このサイモ グロブリン点滴静注25mgの効能・効果の、1番目の中等症以上の再生不良性貧血につい てはDPCの対象なんですけれども、その次の造血幹細胞移植について2つございますが、 これらについてはDPCの対象外ということで、今回の集計の対象外としてございます。  説明は以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ただいまの説明につきまして、御質問、御意見はございますでしょうか。  よろしいでしょうか。ルールどおりの対応ということでありますので、それでは、御説 明にありました3件につきましては、説明のとおり、中医協として承認するということに したいと思いますが、よろしゅうございますか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、引き続きまして、医療機器の保険適用について議題としたいと思います。医 療区分のA2、特定包括とありますが、あとB、個別評価につきまして、事務局から資料 が提出されておりますので、報告をお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  中医協総−3をごらんいただきたいと思います。1枚目でございますが、この今年の8 月1日に保険適用開始となったものについてでございます。  区分A2(特定包括)(特定の診療報酬項目において包括的に評価されている区分)と いうことで、ごらんのとおり28件ございます。  続きまして、1枚おめくりいただきまして、区分B、(個別評価)、(材料価格として 個別に評価されている部分)としまして、2ページ、3ページにわたりまして、32件ご ざいます。これらA2とBを合わせまして、医科は合計60件でございます。  続きまして、最後の4ページでございますが、歯科についてでございます。歯科につい ては今回、A2はございません。区分B(個別評価)につきましては、ごらんのとおり2 8件でございます。  以上で、医科・歯科、合わせまして、合計88件ということになってございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。数はたくさんありますけれども、ルールどおりの適用された結 果ということの報告でありますけれども、何か御質問等はございますでしょうか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  失礼しました。それから、ちょっと追加の説明でございますが、1枚、その次に参考と して1枚紙がございます。申しわけございません。ちょっと、説明が漏れてございました。 ジェネシスII、オキシニウム、フェモラルコンポーネントという、6月25日の中医協総 会資料でございます。よろしいでしょうか。  これにつきましては、6月25日に承認いただいたのでございますが、この4枚の写真 のすぐ下のところに、「低摩擦性で、生体適合性の高い材料としてセラミックス製人工膝 関節があるが、割れやすい等の問題がある。」という記述につきまして、これはセラミッ ク一般には割れやすいということがございますが、このセラミックス製人工膝関節につい ては特に割れやすいということはないということで、この記述について削除していただき たいという業者側からの申し出がございましたので、こちらで資料の訂正をさせていただ きたいと思います。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  このことも含めまして、何か御意見はございますか。  よろしゅうございますか。それでは、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思いまし て、次の話題に進みたいと思います。  それでは、次に、先進医療専門家会議の検討結果についてを議題としたいと思います。 事務局より資料を提出されておりますので、説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  資料中医協総−4をごらんいただきたいと思います。先進医療専門家会議における第2 項先進医療の科学的評価結果と書いてございます。  今回からこの第2項というのがございますが、先に5ページをごらんいただきたいんで すけれども、5ページには先進医療専門家会議における第3項先進医療(高度医療)とい うのがございます。今回新しくできました高度医療の仕組みから初めて先進医療専門家会 議に来たということで、この2項、3項という記述がございます。  以前、医政局のほうからこの高度医療について御説明をしているんですが、時間もたっ てございますので、簡単におさらいをさせていただきたいと思います。資料の8ページ、 9ページ、ちょうど見開きになってございますが、それをごらんいただきたいと思います。 資料の8ページのほうが従来からの先進医療でございまして、9ページのほうがこの4月 に始まりました高度医療のフローでございます。  まず、左側の8ページのほうのこれまでの先進医療につきましては、厚生労働省という 記述の下にございますように、薬事法の承認を受けた医薬品・医療機器を用いた医療技術 につきまして、今後、保険導入の検討を行う対象とする医療技術について、この先進医療 専門家会議のほうで御議論いただいて、保険との併用の適否を御判断いただくと。その結 果、適とされた場合に、この保険併用のほうに入ってくるということでございますけれど も、その薬事承認を受ける前の医薬品、医療機器を用いた医療技術についても、保険との 併用を認めてほしいというような、現場における声などもございまして、そういうものを 反映して、この高度医療の仕組みをつくったということでございます。  9ページのほうにございますように、高度医療につきましては、薬事法上未承認あるい は適応外の医薬品・医療機器を用いた医療技術ということで、基本的に、特定機能病院等 の、きちんと安全性等が担保できるような病院に限られてございます。そういった技術に つきまして、医政局のほうの高度医療評価会議に申請いただきまして、そこで、安全性・ 有効性等が確認されますと、今後その保険導入の検討を行う対象という場合には、こちら の先進医療専門家会議のほうにその申請が回りまして、保険の併用を判断していただくと いうようになってございます。  その次の10ページから通知が書いてございますが、その11ページのところに「第 2」とございまして、ここが「第2項先進医療」と書いてございますけれども、これが従 来の先進医療。それから、15ページでございますが、ここに「第3項先進医療に係る」 となってございますが、こちらが今般の高度医療ということで、第2項先進医療、第3項 先進医療という表現をさせていただいているということでございます。  1ページ目に戻っていただきたいと思いますが、まず、この第2項先進医療についてで ございます。今回1件上がってきておりまして、RET遺伝子診断(甲状腺髄様癌に係る ものに限る。)ということでございまして、先進医療費用11万2,000円、保険外併 用療養費114万1,000円ということでございます。  次の2ページをごらんいただきたいと思いますが、この甲状腺髄様癌につきましては、 遺伝性と非遺伝性に大別されておりますが、遺伝性の場合、この原因遺伝子はRET遺伝 子ということでございます。この非遺伝性の甲状腺髄様癌の場合は、外科的治療は原則と して甲状腺部分切除ということでございますが、遺伝性の甲状腺髄様癌であると判明した 場合は、甲状腺の全摘術が必須の治療となるということで、この遺伝性かどうかというそ の鑑別によって治療法が大きく変わるということでございます。今回の技術によって、こ ういうものが非常に明確化されたということでございます。  3ページに先進技術としての適格性についての評価がございまして、一番下に適となっ てございます。  それから、4ページ目のほうに、この技術の医療機関の要件として、例えば内科、小児 科、外科、小児外科または耳鼻咽喉科とか、その下にさまざまな要件が書いてございます。  続きまして、5ページの第3項先進医療、今回初めて高度医療のほうから来た技術でご ざいますが、腹腔鏡補助下肝切除術(部分切除及び外側区域切除を除く)ということにな っています。適応症としては、原発性肝癌、転移性肝癌、肝良性疾患ということでござい まして、次の6ページに概要の説明がございます。  この技術は、従来であれば、大きくお腹を開いてこの肝癌の切除、特に肝葉と申します が、そういう大きな切除が行われていたんですけれども、その場合、平均術後15日とい うような在院日数があったわけですけれども、今回の腹腔鏡を使って、より小さな傷とい うか、切開創にしますと、患者さんの負担も非常に軽減されて、平均在院日数も約2分の 1の7日になるというようなことでございます。  この技術自体は、肝臓を切離する前に肝臓の離断面をラジオ波で前凝固をするという、 そういうところが新しいところでございますけれども、先ほど申しましたように、非常に 侵襲性が低くて、患者さんの負担も少ないという技術でございます。  先ほど説明を申しましたように、原則、特定機能病院というような、薬事法で承認され ていない分、施設についての縛りが強くなってございまして、この6ページの一番下にご ざいますように、実施医療機関としては、この申請してきた岩手医科大学附属病院に限ら れるということになってございます。  7ページには、この先進技術としての適格性の評価がございまして、総合判定は適とな ってございます。  説明は以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  先進医療にいたしましても、高度医療にいたしましても、基本的に承認するかどうかと いうのは先進医療専門家会議でありまして、中医協としましては、承認事項ではありませ んけれども、意見を述べることはできるということでありますし、また新しい制度でもあ りますので、御意見あるいは御質問があればと思いますので、御自由にどうぞ。  竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  個別の2件に対してはいいんですが、最初の御説明の中で少しおさらいをさせていただ くというような前置きがありまして、この高度医療に係る取り扱いについてということで 御説明がありましたけれども、やはり望むところは評価医療というか、そういう中で、こ ういう先進医療の中に入るものができるだけ保険適用になっていくことは、これは国民に とって、基本的に多くの人ができるだけこれを受けられるということにつながるわけです から、できるだけ早くといいますか、入ってほしいんです。例えば今の個別の2つの案件 につきましては、例えば申請があって、実際にどれくらいの期間を置いて、これがこうい う認められることになったのか、ちょっとそのあたりのところを教えてほしいんですが、 分かりますか。 ○遠藤会長  事務局、分かる範囲でお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  すみません、いつ申請が来て、今日上がってきたかと、そういうことでございますか。  すみません、ちょっと今、確認してございます。 ○遠藤会長  竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  急を要するものではありませんので、私の発言の意図は、もちろん慎重に審議してもら わなきゃいけませんが、できるだけ保険適用になっていくという形で持っていきたいんで、 その間を短期間でできるということが本意でございます。  結構です。希望でいいです。 ○遠藤会長  わかりました。かつての高度先進医療は、非常に長い間、たなざらしになっていたもの もあったというようなことの反省の上にできているということもありますので、基本的な、 どのぐらいのスパンで議論になっているかというところが分かればということですが、何 か分かりましたか。どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  すみません、RET遺伝子のほうは正確な日付までは、ちょっと今確認できないんです が、6月申請ということでございます。それから、その次の肝切除のほうは、5月28日 の申請ということでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。よろしいでしょうか。  ほかにございますでしょうか。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  今回こういうような形でスタートをすることになりましたけれども、従来の高度先進医 療にかかる費用というのは、私の記憶では20億ちょっとぐらいだったかなと。それはち ょっと10年ぐらいになると思いますけれども、直近の数字というのはお分かりでしょう か。 ○遠藤会長  ちょっとお時間をいただきまして。  どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  これは昨年度の終わりごろの中医協の総会で御報告をしていたんですが、ちょっとその 資料はついていないですかね。  すみません、3月26日の総会に出してございますが、先進医療の総金額としては98 億4,000万円でございます。これは平成19年度の実績報告ですが、18年7月1日 から19年6月30日までの実績報告で見ますと、総金額98億4,000万円、そのう ち先進医療にかかる費用としては49億円ということでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  藤原委員、よろしいですか。はい。  ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、私のほうから1つだけ。今回、先進医療が出てきたわけですけれども、これ は未承認の医薬品、医療機器ということは併用しているわけですけれども、その対象にな ったものは何なんでしょうか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  それは、このラジオ波の凝固なんですけれども、これはもともと肝臓癌の、肝の悪性腫 瘍の凝固ということで承認が得られてございますが、今回の適用については、この肝臓切 除に当たっての出血量軽減のために、肝臓切離前に、その離断面をラジオ波で全凝固する というようなところが適用外となっているということでございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  したがいまして、そのような未承認のものがあるというところが1つの特徴なわけです ので、今後、可能であれば、その未承認となっている薬なのか、機器なのか、その辺がど ういう理由で未承認になっているのかということが分かるような形で出していただきます とはっきりするかなというふうに思いますので、そんな形で対応していただければと思い ます。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  了解しました。 ○遠藤会長  ほかにございますでしょうか。勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  関連してですが、それは薬事法で承認をされたら、第3項から第2項のほうに移ってい くような感じになるのかとか思うのですけれども、そのあたりの時間的な見通しとか見込 みとかは、大体どんなイメージなのか。前にも同じようなことをお聞きしたかもしれませ んが。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  薬事法の承認が出たところで、また、第2項として申請いただいて議論いただくという 感じになると思います。 ○遠藤会長  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  そのような動きの時間的な見込み、見通しは、だいたいどんなふうな感じなのでしょう か。本来なら、こういうケースの場合に、薬事への承認申請というのはいつごろあって、 それが大体どれぐらいでどうなっていくからというような、前にも薬事法の承認との関係 で少しお聞きしたかと思うのですけれども。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  どのぐらいの時間ということにつきましては、保険局ではないところが担当でございま すし、また技術によっても多分、いろいろと時間はかなり変わってくると思いますので、 ちょっとここの場では、我々としては分からない、不明という感じでございます。 ○遠藤会長  勝村委員、御意見の御趣旨をむしろお聞かせいただくと、いいかと思います。 ○勝村委員  以前にも同様の趣旨を発言したのですけれども、速やかに申請されて、薬事法への承認 を急ぐというイメージがとれているのかどうかということなんですけれども。薬事法で実 際に承認できるかどうかについて申請等を急ぐという形かも含め、そういう連携みたいな ものをとる努力はされているのでしょうかということです。 ○遠藤会長  ほかの局の話でありますけれども、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  そちらについては、こちらの高度先進、あるいは先進医療でお認めいただいて、こうい った技術を実際にやっていただいたそのデータなども用いていただくということで、連携 して、なるべく速やかな承認につなげたいというふうには考えておるところでございます。 ○遠藤会長  よろしいでしょうか。  ほかにございますでしょうか。  それでは、さまざまな御意見は出ましたけれども、基本的に、特段の意見はないという ふうに考えてよろしゅうございますか。ありがとうございます。  それでは、引き続きまして、歯科用貴金属価格の随時改定について議論したいと思いま す。事務局より資料が提出されておりますから、説明をお願いします。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  歯科医療管理官でございます。  それでは、中医協総−5、歯科用貴金属価格の随時改定についてという資料の説明をさ せていただきます。  最初に歯科用貴金属価格につきましては、実は価格変動が非常に激しいということから、 6カ月に1回、10%以上、素材の価格が変わりましたときに改定をする仕組みで、平成 12年以降から現在のシステムということで行っておるところでございます。  それで、1ページ目にその考え方の図を示させていただいておりますが、最近の傾向と しまして、1枚めくっていただきまして3ページ目、歯科用貴金属素材価格の変動推移を 12年以降から示させていただいておりますが、実は20年4月の改定以降、一部の貴金 属が上がっておりまして、一番下の近くのところに、12%金銀パラジウム合金というも のの素材価格を示させていただいておりますが、やや上昇しているという状況になってお るところでございます。  それで、その前の2ページ目でございますが、10%以上、15品目のうちで一部の品 目について上がっているものがございまして、1番から9番目までの品目について約15 %程度、改定後、価格が変動しているという状況になっております。したがいまして、2 0年10月以降、告示価格をこの変動に合わせまして変更させていただきたいという旨の 報告でございます。  説明は以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  御質問、御意見はいかがでございましょうか。渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  この価格設定の説明は今説明があったとおりなんですけれども、このグラフを見てお分 かりのように、直近というよりは非常に金属の変動がざっと見まして、平成15年の後半 からずっと続いているんですね。上下の波はありますけれども、コンスタントに続いてい るという状態で、今のように6カ月ごとの改定、随時改定もございますんですが、10% 超という条件がありますために、ちなみに18年4月の定時の改定以降、6カ月後の18 年10月には、随時改定が行われました。しかし、その後の半年間は約4%ということで 見送りになりまして、その次の半年間、これも9%ということで見送りになりました。  実はその9%というのは、最初の6カ月にさらに次の6カ月を足して、1年間通して9 %なんですね。だから、この後半の6カ月だけを見ますと、十四、五%ほど実質的には上 がっている、そういう厳しい状況。その間の市場価格、私たちが材料として購入する価格 は、それに直結して連動して変化しております。市販の価格は即この素材価格にほとんど 連動すると言っていい状況ではございますので、結局、この20年4月に改定がされまし たけれども、結果的に1年半、ずっと延びたまま、いわゆる損失が続いた状態があったと いうことなんですね。  そういうことで、安定供給のためには、ぜひそれを保証するためにも、ぜひ6カ月ごと に的確に改定が行われるような、そうした価格設定の方式の再検討をぜひお願いしたい、 これを要望したいと思っております。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  従来、価格変動が大きいという形で、このような随時改定は歯科の場合は認められてい るわけですけれども、さらにそれをきめ細かくしたいということでありましたけれども、 今の渡辺委員の御発言について、何か御意見はございますか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  今のお話ですが、最近の状況が、原油価格から始まりまして、さまざまな価格が上がっ ているということは分かります。ただ、もちろん、当然下がる場合のことも想定しておっ しゃられているわけですよね。 ○渡辺委員  それは当然ですね。下がるときにはそれに対応して下がるというのは、それは当然のこ とでありますけれども。 ○対馬委員  材料やデータをもとにして議論するということであれば、私どもとしては、10%の変 動率ではなく、例えば8%か7%、あるいは5%がいいのかとか、ないしは改定の期間は 6カ月ではなく3カ月がいいのかとか、逆に1年がいいのかということがあれば議論をし たいと思います。よろしいでしょうか。 ○遠藤会長  対馬委員、どうぞ、続けて。 ○対馬委員  ちょっと話は変わりますけれども、資料の形だけで申しわけないんですけれども、随時 改定の考え方が最初に書いてありますよね。その次のページを見ますと、確かに網掛けが されていますし、これが対象になるのかなと思いますが、「試算価格および変動率」とだ け書いてあります。ですから、これを見ただけでは、これを対象に改定するということが どこにも書かれていないんですよね。次回以降でも結構ですから、次の1番から何々につ いては改定するということを一言書いていただければと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。後半のほうは、事務局、よろしくお願いします。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  そのように改良させていただきたいと存じます。 ○遠藤会長  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  今、対馬委員のほうから、期間の問題もお話しされましたけれども、この12年度から こういうシステムでやろうというときには、いろいろと請求事務的に、その期間を縮めま すと非常に煩雑になって大変だというような説明のもとに、6カ月を1つの目安にという ことであったというふうに記憶しております。  あと、今日の資料を拝見いたしましても、この2ページですが、後半の10番から15 番、7.5%、6.7%というのは、こうした数字、パーセントの変動があったんだけれ ども、今回は10%ということで変わらないと。  しかし、現在非常に、二、三%でも実質的にはその影響というのは、ダイレクトに、要 するに経営上響いてまいりますので、今の社会情勢からして、7%が6%、5%、これは 大変な数字だというふうに私たちは感じていると、そういうところでございます。 ○遠藤会長  わかりました。  それでは、ただいま御要望のありました歯科用貴金属価格の随時改定について検討する と。これは恐らく基本問題小委員会で検討することになるかと思いますけれども、そのよ うな検討を進めるという方向でよろしゅうございますでしょうか。  それでは、そのようにしたいと思います。どうもありがとうございます。  それでは、ほかに本件につきまして何かございますか。事務局、どうぞ。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  もしも検討する場合ですけれども、基本問題小委というよりは、材料のシステムでござ いますから、保険医療材料のシステムを検討する際に御検討をいただければ。 ○遠藤会長  どうも失礼しました。私の間違いでした。材料のほうで検討するということで。  続きまして、一般病棟の長期入院患者の入院基本料について議題としたいと思います。 事務局より資料が提出されております。説明をお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  それでは医療課長から御説明をいたします。中医協総−6ということで、一般病棟に長 期入院している高齢の脳卒中患者・認知症患者に関する診療報酬に係る経過的な措置につ いてということでお示しをしております。  まず最初に、このことの意味合いでございますけれども、結論を先に申し上げますと、 点数算定の際の留意事項について、以下御説明しますとおり、整理をいたしましたので、 報告かたがた御説明をするということでございます。  資料の1ページ目に、今回の制度のそもそもの概要と、それからどういうふうにしよう としているかということを1枚にまとめておりますが、多少、複雑な文言上の整理なり、 あるいは制度の表現ぶりになっておりますので、以下、2ページから5ページにかけまし ての資料をごらんいただきながら、御説明をしたいと思います。  そもそもですけれども、2ページ目にもございますように、通常、急性期の入院医療を 提供するための病棟である一般病棟に90日を超えて入院をするという場合には、2ペー ジ目のグラフにお示しをしておりますように、階段状に点数が逓減していきまして、90 日を超えますと、その点線にありますように、またさらに一段と低い点数ということにな るわけでございますけれども、黄色の吹き出しで書いてありますように、がん、人工呼吸 器装着患者、その他密度の高い医療が必要な患者については、引き続きフラットな点数で 算定が可能、つまり実線の部分のような形で算定が可能というわけです。  資料で申し上げますと、4ページと5ページ、ちょっと告示の本文を出しておりますの で読みづらいかもしれませんけれど、こういう形で、フラット化するのか、それとも逓減 するのかという形になっているわけです。4ページで御説明をいたしますと、先般の診療 報酬改定の際に、注1から注3までの規定にかかわらずうんぬんとございまして、「別に 厚生労働大臣が定める状態等にあるものを除く。」という下線部を引いたものがございま して、じゃあ、その別に厚生労働大臣が定める状態とは何かというのが、5ページの中ほ どから始まります別表第4に相当いたしまして、その1から11まで、12は前各号に掲 げるとなっておりますから、1から11までを除いている、つまりフラットのままでいい よとしています。ところが、さらにこの中で下線を引いておりまして、一旦除いた後また さらに除くということをやっておりまして、脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除 くと、こういうふうにしております。  ですから、先ほどの2ページ目の図で言いますと、90日を超えると、脳卒中の後遺症 の患者及び認知症の患者は、点線の状態に下がっていくということにしたわけです。  また、相前後して大変恐縮でございますが、もう一度5ページに戻っていただきますと、 その実施の時期は、5ページ目の一番下、第11、経過措置とございますけれども、平成 20年9月30日まではこれまでどおりと、こうしておりますから、逆の言い方をします と、10月1日からは適用だよ、つまり点線のような状態に減額されるよと、こういう対 応としていたところです。  その後、この問題につきまして種々御意見がございました。入院当初は脳卒中あるいは 認知症ということで、急性期としての医療が必要であって、こういう一般病棟で処置され る、対応される、ケアされることが必要であったという方が、症状が落ち着いた後という ことが問題になってくるわけですが、その際に退院の受け皿がないという理由、あるいは 病状が必ずしも落ち着いていないにもかかわらず無理に退院を迫られたり、いわんやそも そも受け入れが困難になったりと、こういうことがないようにということで、運用上の留 意事項を決めようというものでございます。  もう一度、1ページ目に戻っていただきますと、1ページ目の後段のほう、2.経過的 な措置の内容にございますが、趣旨を申しますと、今般対象患者の見直し、つまり脳卒中 または認知症ということを、除外をした中でさらに除外をして逓減していくというふうに 定めたんですが、そのことが結果的に退院を迫られる、あるいは新規の入院患者の受け入 れが困難になるということがないよう、きめ細やかに配慮を行ってほしいということを関 係者に伝えようとするものです。  具体的には、既に現在において入院をしてらっしゃる患者さん、それから疾病発症当初 から当該病院に入院した新規患者、つまり、急性期の状態で最初からこの病棟に運び込ま れる新規の患者について、当該保険医療機関が退院や転院に向けて、医療も含めまして、 一定程度の努力をしているという場合については、機械的に診療報酬の減額の対象とする ことはしないようにということで、運用上、留意をしていただこうというものです。  さらに具体的には※印でお示しをしておりますが、当該医療機関が該当する個々の患者 さんについて、社会保険事務局に対しまして、現時点では毎月ということで考えておりま すが、退院支援状況報告書を提出するということ。この退院支援状況報告書の中では、病 名とか、日常的に行われている医療行為、あるいは特に特記すべきものがあればその医療 行為、それから退院にかかわる問題点、課題、退院に向けてどういう支援をしているかの 概要を記載をいただくということにしております。  この報告書をただ出してもらうだけではもったいないので、一定期間の経過後、私ども としても実態の把握をしたいというふうに考えております。  そういう形で、一覧にまとめましたものが3ページでございまして、もう繰り返しにな りますから、読み上げることはしませんけれども、原則は脳卒中あるいは認知症の方とい うのは、90日を超えた後はやっぱり低い点数ということで算定していただくことになる わけですけれども、これを機械的に減額の対象としなくていいよということでやりたいと 思っております。3ページにその内容を示しました。  4、5は先ほど説明をいたしましたので、省略をいたします。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、ただいまの運用上の留意事項について、このような形で進めたいということ でありますけれども、御質問、御意見はございますでしょうか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  今回の改定において、この中医協で決まった事項だと思いますが、若干ちょっと緩くな っているかなと。その理由は、やはり退院を迫られる患者が生じることというところにあ ると思うので、もしそういう事態が起きるのであれば、今回はやむを得ないと思います。  しかしながら、基本的に考えると、このような患者さんが一般病棟に入っているのがふ さわしいかどうかという議論は、たしか中医協であったんじゃないかなと。これからやは り機能分化と連携ということで、診療報酬改定が行われてきたと思います。そういうこと になると、やはり今回はそれがうまくいっていない1つの例かなと。  ですから、こういうふうな例が、今後はこの経過措置的なようなものが続くことのない ように、やはり各地域においてきちっとした連携体制をとれるということを、もう一度強 く、何かの形で示していただきたいと思います。  そのためには、恐らく地域では、どこかに送りたくてもふさわしい医療機関あるいは介 護サービスを行っているところがないというところがあるんじゃないかなと。そうすれば、 やはり今後、地域の医療計画と、あるいは地域ケア整備等で、やはり地域において、いろ んな形の機能を持った医療機関あるいは介護サービスを行えるものが必要だと思いますの で、そこら辺は保険局マターじゃないと思うんですが、医政局あるいは老健局を含めて、 総合的に対案していただきたいなと思ってございます。やはり望ましいのは、その患者さ んが一番ふさわしいサービスを受けられるところにいるのが一番望ましいと。そういうよ うな観点で、今後お願いしたいなと思っております。  今回はそういうふうなことで、やむを得ない事情ということで、よろしいかなと思いま すが、できるだけこういうふうな解決できるような方法をお願いしたい。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。大変重要な御意見だと思います。  それでは、対馬委員が先にお手を挙げておられますので、どうぞ。 ○対馬委員  この措置は、御承知のとおり、今回の改定で特殊疾患療養病棟の役割に着目した見直し ということで、その本来の目的、役割、意義、そういったところから整理しようというこ とで決めたことが、いわゆる一般病棟、急性期の入院のほうにも波及してきたため、そこ をどう考えたらいいのかということだろうと思います。  今、西澤委員が言われたこととかぶる部分がありますので、そちらのほうは割愛します が、1点目としては、おっしゃるとおりで、機能分化と連携を進めていくということをき ちんと確認すべきであろうというのが1点ですね。  それから、もう1点は、90日、日数の問題です。これまでも中医協の場でもさまざま 議論してきましたけれども、やはり機能分化と連携といいますか、特に機能分化をしてい くための1つの材料、手だてとしてやってきたということはあるというふうに思います。  ですから、その場合にこういった形でもって、医療機関が退院や転院に向けて努力をし ていればもう減額をしないということになっていきますと、まさに医療機関の機能分化と いう方向に下手をしますと逆行するということにもなりかねません。今回のこの考え方、 措置は、あくまでもこの一般病棟における脳卒中、認知症、75歳以上の方に限定しての 話だということの確認もさせていただきたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ただいまお話がありましたように、それでは確認ということでありますので、まず、1 つ目は、医療機能の分化と連携を進めるということは行うべきであるということの確認と いうことで、もう一つは、今回このような対応措置をとられるわけでありますけれども、 それは今回のことに限定した話であって、努力をしていればそのような措置が常に使える というようなものでは必ずしもないんだということを確認したいということでありますが、 1つには、中医協として、そのような御認識でよろしいかどうかということは1つ確認さ せていただきたいと思いますが、そのように考えてよろしゅうございますか。  竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  医療を提供する側から発言しておきたいんですが、努力をしておればというようなお話 もございましたが、原則、私どもは努力しているという立場に立ちたいと思います。先ほ ど西澤委員からも出ましたように、あるいは厚生労働省の御説明がございましたように、 退院できないその受け皿がないという、これはもう療養病床の際のときに、何度も議論を してまいりました。どうしてもここに行き着かざるを得ない。ですから、中医協の限界と いうのは1つあるんですね。  しかし、その限界があるけれども、その中で唯一、中医協が、日本の国民の医療をどう やって変えていくかということに、この集まったそれぞれの支払い側、それから診療側、 そしてまた公益側の先生方がおられますが、そういう中でいろんなものを決めていくんだ けれども、その決めていこうとするものは中医協の中では決められないんですね。もっと、 何回も言うことですが。  ですから、そこに対してもう一回返すということは、せめてその限界の中の、唯一、今 の時点では、私どもが国民に向かって誠心誠意、尽くせるところだと思うので、そういう 意味で、この今日の変更を了承したいと思います。  しかし、あくまで努力していればできるはずだという、そこの基本的なところには一言 申しておきたいと、そういうふうに思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、順番から申しますと、松浦委員お願いします。 ○松浦委員  ちょっと、私、この患者の動向というのは余り分かりませんから、初歩的な質問ですけ れども、このラインですね。90日からそのまま行くというこのラインは、この対象にな る患者さんというのは療養病床に行くんですか。それとも、回復期のリハとか、亜急性期 なんでしょうか。その辺はどういうことなんでしょうね。 ○遠藤会長  それでは、事務局、お願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  ケース・バイ・ケースで両方あり得ると思います。 ○遠藤会長  松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  それじゃ、例えば回復期のリハとか、それから亜急性期ですね。これとは、この一般病 棟のこれが認められると競合していくという可能性もあるわけですか。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  理論的には必ずしも競合しないと思っております。やっぱり一般病棟に、理由は書いて いただく、努力をしているということはある程度考慮するとしても、基本は一般病棟にふ さわしい患者さんが入っていただかなければならないという原則は変えておりません。病 状も含めたやむを得ない状態にある方が一般病棟に残るけれども、それ以外の患者さん、 今お話に出たような病棟・病床に行くべき方は、やっぱりそういうところで療養していた だくということになるんだろうと思います。個々個別に見てみますと、AさんとBさんと どうかと言われると、限りなく似ているケースというのはあるかもしれませんけれども、 この診療報酬の点数の算定の原則というのは、基本は変えておりませんので、理論的には そう競合しないんだろうというふうに思います。 ○遠藤会長  松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  相当、極めて理論的なお話ですが、実際には経済活動を伴いますので、私、今、課長が おっしゃったような方向に行くかどうか、1つの懸念は持っているんです。  もう一度言いますけれども、この回復期のリハとか亜急性期をやろうとする。今、西澤 先生が、そういう施設がないので受け入れがないんだと、こういうお話だったんですが、 今これを認めることによってそういうリハビリ回復期のリハをやろうと、あるいは亜急性 期を手がけていこうと、こういうマインドを水を差すような、そういうようなことにはな るおそれはありませんか。 ○遠藤会長  では、事務局、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  結論から申しますと、そうならないようにしたいと思っております。また、それから、 少し実態的な話で申しますと、私どもも正確に数字をつかんでいるわけではないんですが、 こういうことに該当する方というのがそんなにたくさんおいでになるわけではなくて、恐 らく1,000人、2,000人、3,000人と、こういうレベルの数の方だろうと理 解しておりますので、この推測どおりだとするならば、日本全体において、その数的な部 分も含めて、水を差すような方向にはならないように思いますし、またそうならないよう、 その実際の運用の面でも指導していきたいと考えております。 ○遠藤会長  松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  それじゃ、ちょっと今の課長がおっしゃるのは、ちょっと願望のようなことをおっしゃ ったんですが、これは願望じゃなくて、そういうことにはもう絶対にさせないと、そうい う流れはつくらないということを、少なくとも言い切っていただくような方向でないと、 今までやってきたその連携というのは崩れるような気がするんですがね。 ○遠藤会長  では、どうぞ。 ○事務局(佐藤医療課長)  先ほどお話をしましたことの繰り返しになりますが、1ページにも書きましたように、 私どもも正確な数字や実態の把握も含めて、この退院支援状況報告書、御提出していただ いたものを集めて、検証と言えるほど立派なものになるかどうか分かりませんが分析をし て、機会があれば御報告をさせていただく。そしてまた関係する部局、老健局かもしれま せんし、医政局かもしれませんし、関係のところとも協議をしながら、御懸念のことがな いように対応していきたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  順番から言って、坂本専門委員、どうぞ。 ○坂本(す)専門委員  質問なんですけれども、1ページの経過的な措置の内容のところの新規患者とした理由 と、それからもう一つ、書類を書くということが病院の中には起こってくるわけですが、 これは医師であるのか、その他の人であるのかということと、それから、3つ目は、やは り基本的には意見というか、恐らく病院が、地方に行けば行くほど行き先がない人が多い わけで、その行き先がない人に対して、今少し緩やかになってきたということがいいこと なのかどうかということは大変難しい問題があるんですが、もう一つは、やはり退院調整 加算の創設をしていただいておりますが、やはりそのシステムをもう少しサポートしてあ げないと、恐らく、ただそれでここから90日からということになると、病院はまだ、右 往左往している病院がけっこうあるというふうに私は認識しております。  質問をお願いいたします。 ○遠藤会長  それでは、最初の2つは御質問であったと思いますし、3つ目は御意見を言われたんだ と思いますので、まとめてお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  最初の2つですが、手短にお答えをしますと、他の病棟で90日を超えたような患者さ んが、90日を超えても減額されないから、フラットだからということで移動をして来ら れるとでも申しますか、そういうことがないようにという意味で、新規の患者という言い ぶりにしております。  それから、この報告書はだれが書くのかということですが、幾つかの観点から書いてい ただく必要がありますので、お医者さんが全体を見ていただくとしても、看護師であった り理学療法士であったりさまざまな職種の方、書ける方が書いていただければいいのでは ないかというふうに考えております。 ○遠藤会長  坂本委員、よろしいでしょうか。 ○坂本(す)専門委員  はい。 ○遠藤会長  それでは、小島委員、どうぞ。 ○小島委員  私も今の坂本専門委員の質問に関連してなんですけれども、ここで該当者で既に入院さ れている患者、これは分かりますけれども、「及び」のほうで載っている、「疾病発症当 初から当該病棟に入院した新規患者」という、これはどういうふうに把握するのか、その 報告書の中にそういう患者だというふうに該当するということで明記するということにな るのかどうかと。その辺は、その報告書の書き方だと思うんですけれども、その辺が、こ の「及び」以下の対象者をどういうふうに把握するのかということが1つ、質問です。  それと、一定経過後に実態把握というふうにされていますので、どの期間を考えている のかと。今回も半年間の準備ということでしたので、とりあえず、半年ぐらいの経過した ところで、そういう対象者がどのくらいいるか。先ほど課長は1,000から2,000 名ぐらいの対象ではないかと言われていましたので、その辺の把握の、いつの時点でその 辺は把握されるのかということなんですけれども。 ○遠藤会長  それでは、これは事務局がお答えいただきたいと思います。 ○事務局(佐藤医療課長)  今日、こういう報告をいたしまして御了解を得られれば、私どもは診療報酬の算定の際 の留意事項という形で通知を出そうと思っていたんですが、その通知のひな型まではまだ 今日は出せていません。恐らくその中で退院支援状況報告書のひな型と申しますか、様式 も示すことになりますが、その中で入院日と退院日というものを書いていただくことで、 当初から入院している患者ということは確認をしたいと思います。  それから、いつということについては、現時点で私どももはっきりしたことは申せませ んが、先ほどから何度か御質問もありましたが、退院支援状況報告書を提出いただいて一 定期間経過後、実態の把握をするとしております。10月1日以降にこういう報告書が出 てくるでしょうから、それが一定数集まってそれなりに評価に耐える時期になってからと、 こういうことになりますと、どう短く見積もっても2月、3月は超えてしまいそうな気が します。それを見た上で、これは緊急に対応しなければいけないという事態が出てくるの か、はたまた、まあまあ予測の範囲内であったので次期改定にとなるかは、またこの中医 協で御議論いただいてもいいのではないかというふうに考えております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  小島委員、よろしいでしょうか。  ほかに御意見はございますか。勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  同じような意見かと思うんですけれども、やはり機能分化というのは僕はすごく大事な ことだと思っています。従来日本は非常に寝たきりの老人が多いと。その背景には充実し た介護とかができていないんじゃないかということで、介護保険とかも導入をされてきた 経緯があると思います。一方で、例えば一般病棟では、救急の受け入れがうまくできてい ない等の問題も従来からあって、うまく医療施設の機能が分化していけば、それによって、 だれにとっても必要な救急医療とか、または介護などの必要なケアの質が下がらないで、 患者にとってそのときそのとき必要なものを医療機関が受け入れていくということになっ ていくべきであって、本当は一般病棟を出て介護などの方に行く方が良いのだけれども、 いつまでも一般病棟に入れておかなければいけないとか、逆に、特にこれがより心配され てるわけですが、追い出されるけれども行き場がないなんていうことがあってもとんでも ないわけで、その辺をきちんとやっていこうという議論の末で、中医協としては、医療側、 支払い側が双方合意して、こういう患者さんに関しては、このあたりで介護とかリハビリ のほうに行かれるほうが患者にとっていいだろうという形で来ているわけですよね。  そのことが行き場をなくしてしまうかもしれないから、それが非常に怖いからというこ とで、そういうことがあったら本当にいけないので、そういうことに配慮する中医協の責 任もあると思いますけれども、だから中医協のほうで我慢してくれと言うよりは、本来や っぱり、実際やろうとしてみたら、行き場がないような人が出てきそうだというのならば、 それは非常によくないことなので、この中医協以外の別の厚労省の部署に対して、きちん と強調して進めてくれよということを事務方のほうで言って連携をとっていってもらわな いといけないと思います。中医協が我慢することで、じゃあやっぱり機能分化はあきらめ ましょうねというような感じになってはいけないと思うんですよね。  今回の件と同じように、何年も本来はこうあるべきだと議論されてきていることが、常 に元に戻って、元に戻って、結局、やっぱり今までどおりです、みたいな感じで終わって しまうということを、僕は一番危惧しますので、もちろん、それ以上に直近の行き場のな くなる患者さんが出てしまうことは絶対避けなきゃいけないので、そこには十分に配慮し ながらも、長期的な視野というか、長期的といっても、あまりにゆっくりするのではなく て、きちんとやっていってほしいと思います。つまり、この一定期間の結果、情報が集ま ってきたら、それをどうクリアしていくかということに関しては、やはり課長さんとかが 横の連携をしっかりとっていただいて、厚労省を挙げて、きちんと御努力いただきたいと いうことをお願いしておきたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  恐らく西澤委員、勝村委員、対馬委員、おっしゃっていることは、もう同じなことだと いうふうに思っております。  それでは、大変難しい問題でもありまして、機能分化、連携を進めるということと、患 者さんの便益を損なわないようにするということのバランスの中で、こういうような対応 措置をとろうということで、案が出てきたわけでありますけれども、これをお認めいただ いてよろしゅうございますでしょうか。よろしゅうございますか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  それでは、そのように事務局としては対応していただきたいと思います。また、さまざ まな、今、御質問がありましたような内容がありますので、御意見等とも反映されるよう な行動をとっていただきたいと思います。  それでは、本件にかかる質疑はこの程度で終わりにしたいと思います。  失礼しました。それでは、藤原委員、それから邉見委員、どうぞ。 ○藤原委員  1つだけ発言させていただきます。新しい年度に入りまして、平成20年度の改定後で ございますけれども、この会で2度、外来管理加算の5分要件について発言させていただ きました。その内容については繰り返しませんけれども、医療現場では改定後、5カ月近 くたっておりますけれども、混乱というか、この5分要件に対する反発、大変厳しい意見 が収まる様子がございません。  そもそもこの5分要件に関しましては、厚労省の説明では、財源の捻出という観点から とされており、その計算過程において、厚労省の行った調査データを使ったというふうに 理解しております。遠藤会長は、就任の御挨拶の中で中医協の役割を強調され、同時に、 現在のように余り診療報酬が上がらない状況のもとでは、個別の公定価格の設定が、医療 界に非常に大きな影響を及ぼすと説明され、その上で、公的医療保険制度は事実上の計画 経済であり、これが有効に機能するには適正に価格が設定できるかどうかによると、大変 重要で根本的な、本質的なことを述べられておられます。中医協の在り方の基本をなすも のだと我々も理解しております。  その公定価格設定の1つの根拠になりましたのが、厚労省が中医協に提出しました診療 時間のグラフ資料であります。これは昨年の12月7日のこの中医協で資料として出され た、内科診療所における医師1人当たりの、患者1人当たり平均診療時間の分布でござい ますけれども、しかしこれは根拠が極めてあいまいなものでありました。しかも、いつの 間にか、診療時間が診察時間に置き換えられたものであります。診療時間が診察時間にな れば、当然5分要件につきましても算定がより厳しくなるわけであります。  このときの厚労省資料では、平均診療時間が5分以上である医療機関が9割という結果 であったとされているわけです。これが試算の根拠となっているわけでございますけれど も、この件については、既にこの総会でも述べまして、支払い側の対馬委員は、それを含 めたもう十分な議論は行ったんだと言われておりますけれども、この前提が間違ったため に、医療現場では今、深刻な影響が出ているわけであります。  今回私ども、診療側では、レセプト調査をこの4月から6月にわたって行いました。そ の結果を8月の初めに発表したところでございますけれども、外来管理加算算定回数を調 べた結果、診療所で26%減、また病院では27%減となっており、この算定回数の減少 によりまして、年間の収入は診療所で744億円減っております。また、病院では136 億円の減収と試算されます。また、後期高齢者の外来管理加算の引き下げも同時に行われ、 診療所では合わせて約800億円強の減収となっているという試算結果であります。  もともと診療所から病院への財源の移譲につきましてもしっかり納得しているわけでは ございませんが、約400億円強、うち、この外来管理加算とデジタル管理加算を合わせ まして、約200億円強とされていたわけであります。  つまり、外来管理加算については百数十億円という計算と認識しております。今回はず さんといったら何ですが、厚労省のデータによりまして、このような重大な影響が出てい ると推測されるわけであります。適正な価格設定のための、その大もとが崩れているわけ であります。もともと余裕のない中、診療所及び中小病院は極めて深刻な打撃を受けてお ります。来年を待たず、早期に中医協として調査、検証をしていただかなければ、地域医 療は崩壊するのではないかという懸念さえあります。  外来管理加算の早期見直しを改めて要求申し上げます。 ○遠藤会長   何度もその趣旨の御意見は承っておりますので、御意見として承っておきたいと思い ます。また、検証部会のほうでももちろん検証の対象ということになっておりますので、 いろいろ議論になることはあると思います。  御意見を承っておくということでよろしゅうございますか。はい。  それから、邉見委員、どうぞ。 ○邉見委員  すみません、時間が遅くなって。  先ほどの歯科用の貴金属の価格のところで、ついでにということも考えたんですけれど も、原油の高騰によって、皆さん方の家計も大変な打撃を受けていると思うんですけれど も、医療界、特に入院を預かっています病院は大変な打撃を受けております。  病院団体の会員からは一言、中医協の、すぐ入院基本料に結びつくかどうか分かりませ んけれども、国会も開会の前、この後ですと9月の下旬と聞いていますので、その前に一 言言えということを言われていますので、まだ資料が余りそろっていなくて、今調査中で ございますけれども、当院とか近くの、割と地産地消をやっているような自治体病院でも、 食材で3%から5%上がっております。  対馬委員には下がったときはどうするんだと言われそうでもありますけれども、上がっ ております。特に灯油が1リットル当たり、昨年の7月と比べますと約2倍になっており まして、当院も節約委員会等でも、しょっちゅう電気を消したりクーラーの温度を上げた りしていますけれども、光熱費で、昨年7月は680万円でしたが、今年は1400万円 になっています。2倍強でございます。  このような中で、さらに感染症対策の手袋とか、あるいはディスポーザブルのいろんな 診療材料というのはほとんどが石油製品ですので、これも上がる傾向にあります。そうい うふうなもので、これがまた廃棄物の増量ということにもなりますので、病院の運営にと りましては大きな大きな問題になっておりますので、ぜひこのようなことも、大臣も、診 療報酬は2年ごとでなく、機動的、弾力的にやるべきであるというふうな発言をされてお るようでございますので、ぜひ御配慮をお願いいたしたいと。  以上、これは要望です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ただいま御要望がありましたけれども、またデータ等もそろってくれば、またお示しい ただければと思いますけれども、初めての御要望という形になりますけれども、何かこれ につきまして御意見はありますか。  では、またデータ等がそろった段階で出させていただいて、これをどういうふうに扱う かということは決めたいと思いますので、御意見を承っておきたいというふうに思ってお ります。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  時間がない中、ちょっと恐縮なのですけれども、1点、ちょっと事務局に要望しておき たいことがあります。私、先日、京都の南部で200床の病院にちょっとかかりまして、 レセプト並の詳細な明細書を要望したところ、窓口の事務の方が全く発行した経験がない ということだったんだと思いますけれども、そういうものはないということで断られたと いうことがありました。で、もう一度、別な人などにも発行をお願いしたのですが、いろ いろやりとりをした末、実はやはり電子化加算をしているので発行する必要があったとい うことで、後に郵送されてきました。  18年度改定でこれが実現したときに、総務省のほうから、社会保険庁にでしょうか、 厚労省側に、電子化加算をとっておきながら全く掲示さえしていないので、発行の実績が ゼロというところがあって非常に問題だから、適切に指導するようにということが言われ たことを、この中医協の場でも確認して、何度もきちんと指導してやってほしいと、実際 に発行されるよう患者の側にそういう請求ができることを分かるようにしてほしいという ことを言い続けて来て、改めて今回の20年改定にあわせて、そこは絶対徹底するように 通知等なりしていただくということを言っていただいたんですけれども、そうやって電子 化加算の要件として、発行といいながら、もちろん掲示はされていませんし、請求をして も窓口の事務の人や、医事課の奧のほうの方が出てこられても、そういうものはないと。 後でよくよく調べてみて初めて請求があれば発行しなければいけないようだった、みたい な感じになっている状況があります。  改めて通知等で周知徹底をお願いしたい。その辺のことが、また2年後ではもう遅いと 思いますので、何か御努力、御検討をいただけたらと思います。よろしくお願いします。 ○遠藤会長  それでは、事務局のほう、何かあればお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  経緯についてはもう勝村委員からお話がありましたとおりで、他の請求事務にかかわり ますコンピューターの改修、その他との兼ね合いもどうもあるようでございますし、私ど ももできる限り早急に対応してもらいたいとは思っておりますので、関係の機関等々には また徹底をしてまいりたいと思います。御理解をください。 ○遠藤会長  よろしくお願いいたします。  それでは、もう時間も大分たっておりますので、本日の総会はこれにて閉会したいと思 います。  次回の日程等につきまして、事務局から何かございますでしょうか。 ○事務局(佐藤医療課長)  9月下旬を予定しております。正確な日時等は後ほど御連絡をさせていただきます。 ○遠藤会長  それでは、本日の総会はこれにて閉会としたいと思います。  どうもありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)