08/08/21 第41回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会議事録 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第41回) 開催日時:平成20年8月21日(木)13:30〜 開催場所:厚生労働省共用第7会議室 出 席 者:上野谷部会長、福島部会長代理、宗林委員、大島委員、石井委員、浅 野委員、山村委員、松原委員 ○上野谷部会長  ただ今から独立行政法人評価委員会第41回の医療・福祉部会を開催させていた だきます。本当に委員の皆様方、また関係者の方々におかれましては、お忙しい 中お集まりいただきましたことを心より感謝申し上げます。どうもありがとうご ざいます。  なお、真野委員におかれましては、少し遅れるとのご連絡をいただいておりま す。  初めに、事務局のほうから本日の議事について説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  本日の議事につきましては、議事次第にありますように医薬品医療機器総合機 構の暫定評価、福祉医療機構及びのぞみの園の最終評価の審議を進めていただき たいと思います。これに伴いまして、本日の部会の途中で事務局の入れ替えを行 いますが、ご容赦いただきますようお願いします。  まず、医薬品医療機器総合機構の中期目標期間の業務実績の暫定評価結果につ いてご審議いただきます。これについて説明いたしますので、お手元の独立行政 法人評価関係資料集の17ページをお願いします。  17ページは厚生労働省所管、独立行政法人の業務実績に関する評価の基準とい うことになっておりまして、それの1枚めくっていただいて18ページ、3番という ところに中期目標に係る業務の実績に関する評価というものがあります。それの 続きで19ページに(3)で評価委員会における評価の具体的な実施方法というこ とで、(1)に評価結果を次期中期目標策定等への反映させる観点から、次の手順に より中期目標期間最終年度において暫定評価を行うこととするというふうに定め られています。  それで、1つ丸を飛ばしまして2つ目の丸なんですが、暫定評価に当たっては、 各部会において法人からヒアリングを実施し、本基準に基づき、中期目標期間に 係る1次評価を行った上で、総会において暫定評価を決定すると。次の27日にご ざいます総会のほうで最終的には決定されると、そういうふうな流れになってお ります。これにつきましては、これまでの各年度の業務実績の評価等を基に、起 草委員の先生に暫定評価結果(案)を作成していただいておりますので、これに 基づいてご審議いただきます。  次に、福祉医療機構及びのぞみの園の中期目標期間の業務実績の最終評価結果 についてご審議をいただきます。これについてもご説明させていただきます。資 料の309ページをお願いします。  この最終評価につきましては、独立行政法人通則法34条第1項において、独立 行政法人は主務省令で定めるところにより、中期目標の期間における業務の実績 について評価委員会の評価を受けなければならないとされておりまして、これを 根拠に実施されるものとなっております。その条項が309ページの34条のところ ですね、上段のほうにありますが、そこになっております。  そして、次に先ほど開いていただきました19ページのほうにお戻りください。  先ほど暫定評価で紹介したところで、中ごろの今度は3の(2)であります。そこ に中期目標期間終了後、(1)の暫定評価結果を踏まえつつ、次の手順により最終評 価を行うこととするというふうになっておりまして、これも(2)番のところにござ いますように、最終評価に当たっては、必要に応じ、各部会において法人からヒ アリングを実施し、本基準に基づき中期目標期間に係る1次評価を行った上で、 総会において最終評価を決定するというふうになっております。これについても 次の27日の総会で決定されるという運びになります。  議事については以上です。  それから、お手元に参考資料1というものが行っているかと思うんですけれど も、これは総務省のほうで全ての行政法人の役員の給与等の水準を一覧した資料 ということになっております。これは総務省の行政管理局から各府省の独立行政 法人評価委員会の委員長宛てに出された事務連絡になっております。この取り扱 いとしましては、こちらは総務省が全法人の状況をまとめたものとしてご参考ま でに送ってきたものと認識しています。これにつきましては、当部会においても 前回までにご審議いただいた中で、個別評価等で法人なり所管課のほうから特に ラスパイレス指数についてご説明をさせていただいているところでございます。 特にご留意いただきたいのが3枚めくっていただけますか。そこに資料1参考、給 与水準というのがあります。右側のほうの欄を見ていただきたいと思いますが、 対国家公務員指数(年齢勘案)として平成18年度、平成19年度と比較した数値、 それから対国家公務員指数(年齢・地域・学歴勘案)として平成18年、19年と比 較した数値を整理したものです。総務省において全法人、全独立行政法人につい て一斉に整理したというものになっております。  以上でございます。 ○上野谷部会長  それでは、最初の議題に入りたいと思います。  まずは先ほど事務局のほうからご説明いただきましたが、医薬品医療総合機構 の中期目標期間におけます業務実績の暫定評価結果について入らせていただきま す。暫定評価結果(案)の作成につきましては、起草委員の方々に本当にお忙し い中ご尽力いただきました。ありがとうございます。  では、医薬品医療機器総合機構の中期目標期間の業務実績の暫定評価結果 (案)についての審議です。まず、法人のほうから中期目標期間の業務実績につ いてご説明をいただきます。その後、事務局のほうから中期目標期間の業務実績 全般の評価、これを総論部分を中心にご紹介をいただきます。その上で起草委員 でございます福島委員のほうから講評をいただきたいと思っております。そして、 最後に質疑応答という形で進めさせていただきます。  それでは、法人のほうから暫定評価結果(案)の別紙、暫定評価シートに沿い まして、行政評価の実績のポイントについて10分から15分でご説明をお願いしま す。 ○医薬品医療機器総合機構企画調整部長  医薬品医療機器総合機構の企画調整部長、稲川でございます。よろしくお願い いたします。  それでは、資料1−1の別紙の部分が今、部会長からご指示いただいた部分では ございますけれども、お時間が非常に限られておるということもございまして、 資料1−2という形でこの資料1−1の別紙の部分のポイントの部分をまとめました 資料を用意しておりますので、大変恐縮ではございますが、この資料1−2に沿い ましてご説明をさせていただければと思います。  資料1−2でございます。シートの右下に数字が入っていますので、この数字を 引用しながら説明をさせていただきたいと思います。  1枚めくっていただきまして、2ページ辺りが機構の業務ということで、3ペー ジ目が今回の暫定評価の対象になります19年度末現在のうちの組織の体制でござ いまして、救済業務、それから審査部門は10部1調整役、それから安全部門2部と いうような形の運営になっております。  それから、めくっていただきまして4ページ目でございますけれども、まず1番 目の目標管理における業務運営、マネジメントということでここに5ページのほ うにありますように、理事長の経営判断を迅速に業務運営に反映させるというこ とで、幹部会でありますとか審査の進行管理、いわゆる審査時間の管理を行うた めの管理等業務進行管理委員会、それから財務面の管理を行う財務管理委員会、 それから情報システムの関係の情報システム管理等対策本部等の会議を設けまし て、効率的かつ機動的な業務運営の実施に努めてまいりました。  それから、次の6ページにまいりますと、審議機関の設置等による透明性の確 保ということで、当機構発足時から運営評議会及びその下にあります救済業務委 員会、それから審査・安全業務委員会というものを設置しまして、学識経験者、 医療関係者、関係業界の代表とか消費者代表、それから薬害の被害を受けられた 方をメンバーとして審議をしております。これらにつきましては、全て公開で行 い、それから資料、議事録については公表するというような形でやらせていただ いております。  それから、その下が専門委員ということで外部の専門家を委嘱して専門性を高 めるというようなことでありますとか、データベース化の推進というようなこと をやっております。  それから、その下の7ページ目が各種経費節減ということで、それぞれ一般管 理費、これは人件費でありますとかうちで言いますと、建物の借料が大きくなっ ております。さらには事業費につきましてそれぞれ目標を設定いたしまして、執 行管理をしてまいりましたけれども、効率化対象予算額、これが既に効率化の効 果を折り込んでいる予算額でございますが、それに対してさらに上乗せでこうい う形の節減率というのを達成しておりまして、そういう意味での経費節減は図れ てきているのかなと思っております。ただ、当機構は後でもご説明しますけども、 優秀な人材を確保していくというのがある意味、命でございまして、そこの職を 確保していくということを考えた場合に、なかなかこういう形で目標を図るのは 厳しい面がございまして、これからもいろいろ知恵を絞っていかなきゃいけない のかなというのは正直思っておるところでございます。  それから、8ページ目、9ページ目が拠出金の管理ということで、副作用の関係 の救済業務をやる副作用拠出金、それから感染業務の関係の財源になります感染 拠出金、それから安全対策の原資となります安全対策等拠出金ということで、メ ーカー等から納めていただきまして運営をしておりますけれども、副作用拠出金、 感染拠出金については99%以上の水準を確保しておりますけれども、安全対策拠 出金が19年度若干数字が悪くなっているということもございまして、この辺りは 今後収納対策に取り組んでいきたいというふうに思っておりますが、全体として 見ますと、かなり高い収納実績を上げているのかなというふうには思っておりま す。  それから、9ページ目が相談の関係でございます。一般相談窓口ということで、 ここに経年的な相談件数の変化を書いておりますけれども、この委員会でも委員 からご指摘いただきました一つの企業ではなくて、一般消費者からの苦情がどれ ぐらいなのかということもございまして、その辺りについても苦情というか相談 というのもだんだん最近、割合が増えてきているというような状況はございます。  それからあと、医薬品医療機器国民フォーラムというのを17年度から19年度ま で3カ年開催をしてきたということでございます。  それから、10ページ目が救済制度の情報提供、相談体制の充実ということでご ざいまして、相談件数、それからホームページへのアクセス件数につきまして、 それぞれ中期計画、年度計画で目標値を設定しておりますけれども、それに対し まして、もうそれぞれ相談件数が15年度比で36%増、それからアクセス件数が79 %増ということで、目標でございます20%増というところに対しては、かなり高 い水準の状況になっているのかというふうに思っております。  それから、その下の業務の迅速な処理及び体制整備ということでございます。 ここにつきましては、12ページのほうに経年的な実績の変化がございますけれど も、16年度、17年度とありまして、17年度に10月から処理体制が改善されました 結果、17年度に決定件数が1,035件というようなことになっております。この年 の8カ月の達成率というのが12.7ということで低いんですけれども、この年、処 理件数を伸ばしてかなり古い案件を精力的に処理した結果、18年度大幅にタイム クロック、処理期間の達成率が改善をし、19年度もさらに数字が上がっていると いうようなことで、一応18年度、19年度辺りはかなりの成果があったのかなとい うふうに思っております。  それからあと、請求件数につきましても、19年度908件ということで、過去3年 間に比べ100件ぐらい伸びておりまして、特に特別な事情というのはないもので すから、恐らくは広報等の結果によって制度が周知された効果なのかなというふ うに思っております。  それから、13ページ目が部門間の連携ということで、副作用救済給付等の情報 を安全対策部門に提供するとか、あるいは医薬品による被害の実態調査を行いま して、それを受けてどういうような手が機構として打てるのかというのを今後検 討していくというような状況になっております。  それから、15ページがスモンの患者さん、それからHIVの感染者、さらにはこ の4月に新たな業務が加わりました特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第 IX因子製剤による感染被害者に対する給付業務というものでございます。それぞ れ着実に業務を実施しておりまして、特にことしの1月に今度の政治判断で決ま りましたこの給付業務につきましても、何とか実施体制が円滑に回るようにはな ってきているというような状況でございます。  それから、次のページ以降が審査業務の関係でございます。最初に学会の参加 ということで言いますと、毎年こういう形で伸びてきております。やはり審査員 にとりまして、こういう学会というような場に出ていってディスカッションをす るというのは非常に知的利益も多く、得るものが大きいということでございます ので、この辺り今後も引き続きやっていきたいというふうに思っております。  それから、この4年間のうちの中で18年度の総合科学技術会議の意見具申を受 けまして、23年度までにドラッグラグを2.5年短縮するという目標を掲げるとい う中期計画の改正を行いまして、それに向けたいろいろな取組をしてきていると いうようなことでございます。  その下の17ページのところが新薬の承認状況でございます。これ経年的に見ま すと、16年度は49件、17年度60件、18年度77件、19年度81件と承認件数は着実に 増えてきているのかなというふうに思ってきておりますが、審査期間の達成率に つきましては、18年度、19年度、これは16年度以降申請があった分につきまして 70%を達成するというところに対して59、60ということで若干この部分は下回っ ているというような状況でございます。なかなか処理件数が増えると、先ほどの 救済の例ではないですけれども、一時的にはやっぱり古い案件が精力的に処理さ れていく結果、どうしてもタイムクロックが悪化していくという面がございます が、やはりこの部分は世の中からの非常に期待も大きい分でございますので、こ れから入ってくる職員も育成をしてやっていきたいと思います。今年度が残って おりますけれども、今年度4月にかなり大量の新人の方を採用することができま して、今その育成をしながらパフォーマンスを上げるという非常に厳しい状況で 取り組んでおりますけれども、そういう状況の中で非常に正念場というふうに思 っておりますが、実績をできるだけ上げられるように頑張っていきたいというふ うに思っております。  それから、18ページ目が申請年度別の処理件数でございまして、機構発足当初 はこの16年3月31日、機構発足以前に申請があったものにつきまして、非常にこ れがたくさんあるということがいろんな意味での足かせになっておりましたけれ ども、おかげさまで今の時点、20年3月末の時点では10件まで減ってきていると いう状況でございます。それから、16年度は残り1件、87件審査というのは残り1 件、17年度も57件の残り10件ということでございまして、大分古いところについ てはめどがついてきたというような状況でございます。今後申請件数が18年度、 19年度とかなり伸びてきていますので、この辺りをいかにいい審査をして世の中 に出していくかというところがこれから問われるというところでございます。  それから、その下の19ページ目が申請書類なんかの適切な試験計画書に基づい て行われているか等につきまして、チェックをする信頼性の書面調査、実地調査 というものの実施件数を書いております。  以上、ここの部分が原因となって例えば承認が遅れるというような状況にはな っていないというような状況でございます。  それから、20ページ目が優先審査品目でございます。これにつきましては、目 標値が6カ月50%というところでございまして、これにつきましては、17、18、 19ともに達成をしているということで、19年度は65%までの達成率になっている というような状況でございます。  その21ページ目が医療機器の関係でございます。承認件数につきましては、こ れを見ますと、着実に8件、11件、23件、26件という形で伸びてきておりまして、 達成率につきましては若干目標を下回っているというような状況でございます。  次のページがいわゆる申請年度別の承認の件数でございますけれども、ここも 機構発足前のものがほぼ審査中残り6まで持ってきているというような状況でご ざいますし、一時期非常に申請件数が17年度、これは制度改正の影響を受けまし て一時的に落ちたということがあって心配をしておりましたのですけれども、18 年度、19年度とほぼ戻ってきています。16年度はこれ駆け込み申請みたいなもの があったものですから、ちょっと膨らんでしまっていますので、そういう要素を 加味すればほぼ戻ってきたのかなというふうに思っております。ただ、医療機器 の審査については、今現在35人の体制でやっておりまして、やっぱりまだやるべ きことは非常に多いのかなと思っております。特にやっぱりもうちょっと申請前 の治験相談みたいなことを充実していくことによって、早く申請につなげ、それ が早く承認につながっていくということが求められると思っておりますので、こ の辺りは次の中期計画に向けた大きな課題であるのかなというふうに思っており ます。  その下の23ページが優先審査品目でございます。ここは目標値が9カ月以内70 %という目標でございますが、これにつきましては達成をしているというような 状況でございます。  引き続きまして24ページ目が治験相談の関係でございますけれども、これにつ きましては、申し込みに対して応じ切れていないということで、発足当初から厳 しい評価をいただいているところでございます。経年的な対応状況を見ますと、 この24ページの(2)の一番下の実施・取り下げ合計という数字ですが、16年度が 216件に対応したのに対して、19年度は302件まで対応をしております。あと申請 申し込み件数に対する実施の割合というのも、まだそこの申し込み件数の括弧書 きの部分が複数回のものを1回にカウントしたものでございますので、実数でご ざいますけれども、まだちょっと実数に対しては十分に対応できていないという 状況ではございますけれども、この部分につきましては、今年の4月申し込み分、 すなわち実際では8月以降に実施される分から全ての相談に応じるというような 形で仕組みの改めて、そういう全ての相談に応じる体制をつくっております。そ うしますと、なかなか分野ごとにアンバランスが出てきたりして、なかなかその 辺りのマネジメントというのは非常に大変になってきてはいるんですけれども、 相談に来ていただくということはドラッグラグの解消にとっても極めて有効でご ざいますので、何とかやりくりをしてやっていきたいというふうに思っておりま す。  25ページ目が相談の結果、お互いが共有する結果を確定するまでの日数という ことで、これについても当初非常に低かったのですけれども、事前にそういう見 解を企業側に送付をして相談をやるという仕組みを入れた結果、確定前の日数の 達成率が非常に上がってきているというようなところが見てとれると思います。  それから、26ページ目が研修の関係でございますけれども、1つは国内外から の講師を招いた特別研修の開催件数が年々増えてきているということ。それから あと、審査と安全対策における専門協議という形で専門家の意見を聞くというも のに対する手続の件数でありますとかというのを書いております。それから、あ とはFDA、EMEA等との間で業務方法等に対する情報交換を実施してきているとい うことでありますし、書いておりませんけれども、アジア規制当局との連携も力 を入れてきているというところでございます。  それから、14番目の適正な治験の普及等でございますけれども、1つはバイオ、 ゲノムといった先端技術への対応ということで、国の評価指針の作成に協力をす るということでありますとか、ゲノム薬理学プロジェクトチームということで、 薬物に対する反応性を遺伝子の面からアプローチして見ていくというようなとこ ろについても、具体的なガイドラインの作成に向けた検討を開始しているという ようなこと。さらには治験の普及の関係で言いますと、普及啓発とかあるいは治 験コーディネーター養成研修を実施しているというようなところでございます。  それから、28ページ目でございますけれども、審査報告書の速やかな公表とい うことで、審査の透明性を確保する上で非常にこれはポイントになる取組だと思 っておりまして、この辺りの報告書の開示、公表件数も年々増えてきているとい うような状況でございます。  それから、あとは医療機器の不具合の関係の情報の収集の事業でありますとか を実施してきているというところでございます。  それから、29ページが副作用情報の収集ということで、1つはデータマイニン グというような形の新たな手法を業務に導入していくというような取組がほぼ予 定どおり行っておりまして、20年度には何とか実装できるというような状況でご ざいますし、あと拠点医療機関ということで抗がん剤の併用療法あるいは小児の 関係の薬物の関係のものにつきまして、施設からデータを入手して解析を行うと いうような取組を実施しております。  それから、さらには副作用、不具合の報告の電子化につきましても、目標の80 %に対して91.1%まで来ているというような状況でございます。  31ページ目が企業、医療機関、関係者への安全性情報の提供ということで、副 作用が疑われる症例につきましては、積極的に公表しているというようなことで ございますとか、あるいは企業からの安全対策の各種の相談に応じるというよう な取組をしております。さらには32ページ目でございますけれども、医療関係者 に対しても添付文書の情報、さらには患者さんに対して医療用の医薬品を分かり やすく説明した患者向け医薬品ガイドの提供を開始しているというようなところ でございまして、その辺りの取組も進んできております。ただ、市販後の安全対 策につきましては、この7月の下旬にまとめ上げました厚生労働省の薬害肝炎の 検討委員会の中間取りまとめにおきましても、全ての症例はチェックできていな いとか、専門性の面でさらにスタッフを充実すべきだというようなご指摘もいた だいておりますので、この辺り今後、次の中期計画に向けての大きな課題になっ てくるのかなというふうに思っております。  それから、33ページ目が患者等への情報提供ということで、薬消費者への薬相 談、それから消費者のくすり及び医療機器相談というものの実績を書いておりま して、1日当たりの件数で言いますと、徐々に上がってきているというようなこ とでございますし、昼休み時間等のサービスもやっているというところでござい ます。  それから、35ページの19番の予算、収支計画の関係でございますけれども、決 算報告書等にございますように、当初非常に収入と支出の乖離があったりして難 しい運営を審査セグメントにつきましてはやっておったのですが、一応19年度に つきましては、初めて黒字化を達成するというようなことができまして、今後と もこの辺り、きちっとやっていくということが必要なのかなというふうに思って おります。  それから、20番の人事の関係、それから研修の関係の実績でございます。ある いは新薬の審査官の関係の募集の話でありますとか、あるいはセキュリティの話 というようなことで一応整理をさせていただいてございます。評定につきまして は、毎年度の評定を平均した評定ということで暫定評価の評定ということで整理 がなされているというようなところでございます。  私のほうからは以上でございます。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。  それでは、事務局のほうから総合的な暫定評価結果をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  資料1−1をご覧ください。独立行政法人医薬品医療機器総合機構の中期目標期 間の業務実績の算定評価結果(案)でございます。  1枚おめくりいただいて、1ページ目から読み上げさせていただきます。  中期目標期間(平成16年4月〜平成21年3月)の業務実績について。  (1)評価の視点。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「総合機構」 という。)は、認可法人医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構及び国立医薬 品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センターの業務並びに財団法人医療機器セ ンターで行われていた医療機器の同一性調査業務を統合し、平成16年4月に新た に独立行政法人として発足したものである。  本評価は、平成16年4月に厚生労働大臣が定めた中期目標(平成16年4月〜平成 21年3月)全体の業務実績についての評価を行うものであり、評価結果を次期中 期計画等へ反映させる観点から、中期目標期間の最終年度に暫定的に実施するも のである。  総合機構に対しては、特殊法人から独立行政法人になった経緯を踏まえ、弾力 的・効果的な業務運営を通じて、業務の効率性の向上、質の向上及び透明性の向 上により国民の求める成果を得ることが強く求められている。  当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基 準」及び個別項目毎の評価の視点等に基づき、平成19年度までの業務実績の評価 において示した課題等、さらには、独立行政法人整理合理化計画、総務省政策評 価・独立行政法人評価委員会から寄せられた意見や当委員会で決定された取組方 針も踏まえ、暫定評価を実施した。  なお、総合機構は、発足当初の平成16年度において、研究開発振興業務も所管 していたが、規制部門と進行部門を分離し、総合機構を健康被害救済業務、審査 等業務及び安全対策業務に専念させるため、平成17年4月より研究開発振興業務 は独立行政法人違約基盤研究所に移管されている。  また、総合機構の業務は、健康被害救済業務、審査等業務及び安全対策業務の 3つの業務が一体となって推進されていることを特記しておきたい。  (2)中期目標期間の業務実績全般の評価。  当委員会においては、総合機構が独立行政法人として発足して以来、業務によ り得られた成果が、「医薬品の副作用又は生物由来製品を介した感染等による健 康被害の迅速な救済を図り、並びに医薬品等の品質、有効性及び安全性の向上に 資する審査等の業務を行い、もって国民保健の向上に資することを目的とする」 という当機構の設立目的に照らし、どの程度寄与するものであったか、効率性、 有効性等の観点から、適正に業務を実施したかなどの観点に立って評価を行って きたところであるが、中期目標期間全般については、次のとおり、概ね適正に業 務を実施してきたと評価できる。  業務運営の効率化に関しては、目標管理による業務運営や人事評価制度の導入 により、業務運営の改善等の処置がとられ、効率的な業務運営の確立がなされた ことを評価する。また、理事長の判断を迅速に業務運営に反映する組織体制の構 築・整備が図られ、リスク管理においては、総合機構全体のリスク管理を行うた め、リスク管理規程を作成し、リスク管理委員会が設置された。  一般管理費等の経費削減については、毎年度経費を計画的に節減し、中期目標 ・中期計画の達成に向けて順調な進捗状況となっている。  健康被害救済給付業務については、人員の増強及び組織の見直しにより、業務 の迅速化が進められるとともに、業務の効率化が図られ、計画に照らし充分な成 果を上げている。  審査等業務については、新医薬品の優先審査品目については、中期計画の目標 を上回るものの、新医薬品全体については、中期計画の目標を下回っている。し かし承認件数は、大幅増加していることから、審査の迅速化に向けた体制の整備 は、着実に進展していると言える。一方、新医療機器の優先審査品目については、 中期計画の目標を上回っているが、新医療機器全体については、承認件数は、年 々増加する中、17年度及び18年度は目標を上回ったものの、19年度においては、 目標を下回った。新医療機器についても、新医薬品と同じく審査の迅速化に向け た更なる体制の整備が期待される。治験相談については、毎年度目標は上回って いるものの、全ての相談の需要に応じきれていない状況がある。審査体制の量及 び質の両面において、更なる充実を図るための体制の整備を期待する。  安全対策業務については、審査と併せ「車の両輪」としてリスクマネジメント の機能を発揮するよう、その充実が求められている。このため、医薬品等の安全 対策に有効な新手法として、統計解析手法の1つであるデータマイニング手法の 導入に向けた業務支援システムの開発が進められており、「予測予防型」の取組 の充実に向けた新事業が着実に展開されている。また、企業、医療関係者や患者、 一般消費者に対する医薬品等の安全性情報の提供についても「医薬品医療機器情 報配信サービス」の実施、「PMDA医療安全情報」及び「患者向医薬品ガイド」の ホームページへの掲載を行うなど、そのサービスの向上に取り組んでいると認め られる。安全対策の強化については、関係方面からその必要性が指摘されており、 今後更なる体制の強化を期待する。  なお、中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については2のとおりである。 また、個別項目に関する評価資料については、別紙として添付した。  次の具体的な評価のところにつきましては、今全般の評価の詳細になっており ますので、省略させていただきます。 ○上野谷部会長  それでは、続きまして福島委員のほうからお願いします。 ○福島部会長代理  それでは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、以下総合機構と省略させて いただきますが、中期目標期間の業務実績の暫定評価結果に関する講評を行わせ ていただきます。  事務局からも全般の評価についてご説明がありましたが、中期目標期間全般の 業務としては適正に業務が実施されてきたと評価できると思います。もう少し細 かく総合機構の業務に関して申しますと、業務運営の効率化という面では、目標 管理による業務運営や人事評価制度の導入が行われたことにより、効率的な業務 運営の確立がなされたこと。理事長の判断を迅速に業務運営、リスク管理に反映 させる組織体制の構築、整備が図られたことは大変評価できると思います。  また、一般管理費等の経費削減についても、毎年度経費を計画的に削減し、中 期目標、中期計画の達成に向けて順調な進捗状況となっており、これも高く評価 できると思います。  総合機構の業務の3本柱についてお話します。まず、健康被害救済業務ですが、 副作用救済業務では、支給、不支給の決定件数は大幅に増加し、救済給付の標準 的事務処理期間の達成率についても中期計画期間における目標値を平成18年度以 降上回っています。情報提供の拡充、広報の活動の積極的な実施についても高く 評価できると思います。  それから、審査等業務においては、業務が適切に行われていることは承認件数 の増加などを見れば分かりますが、新医薬品全体、新医療機器全体について審査 事務処理期間の目標値をやや下回っている部分がありますので、さらなる審査の 迅速化に向けた体制の充実・強化を望みます。  また、治験相談については、平成17年度以降、相談件数が目標値を上回ってい るものの、全ての需要にこたえられるような人員・組織の拡大等が図られること を希望いたします。また、課題となった人員確保については、新医薬品の審査体 制についてはめどがついてきたことから、リーダーの育成など全ての審査官が十 分に能力が発揮できるよう体制を整備し、増員の効果がそれぞれの業務の成果と して、数字として早くあらわれることを期待したいと思います。  次に、安全対策業務についてですが、予測予防型の新たな安全性情報の発見、 分析を行う手法としてのデータマイニング手法については、安全対策業務の支援 ツールとして取り組むとともに、安全対策業務全般でサポートするための業務支 援システムの開発に着手するなど取組が着実に進展しているところでありますが、 この手法が早く安全対策業務に本格的に活用されることを期待したいと思います。  なお、企業、医療関係者、一般消費者、患者への情報提供については、それぞ れにおいて積極的に取り組まれており、高く評価できると思います。  また、安全対策の強化については、関係方面からその必要性が指摘されており、 今後さらなる体制の強化を期待したいと思います。  最後に総合機構におかれては、設立目的の実現に向けて、また国民の期待にこ たえるためにより一層の努力をお願いしたいと思います。  以上です。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。ただ今事務局と、それから起草委員でございます福 島委員のほうからご報告がございました。どうぞご質問並びに業務実績暫定評価 でございますので、それについてご意見等ございましたらよろしくお願いいたし ます。  いかがでございましょう。  この資料1−2の一番後ろについては、ご説明いただいていますよね。 ○医薬食品局総務課長  事務局といっても医薬食品局の総務課長でございますけれども、資料1−2の最 後のページにつきましては、今回暫定評価ということで次の中期目標期間、そう いうものをにらんで今回の暫定評価を行っていただくということですので、参考 までに付けさせていただきました。一言で言いますと、薬害肝炎事件を踏まえて、 医薬品行政の在り方、これは医薬品行政というのは総合機構も含めての話であり ますけれども、そういう在り方について特に承認審査もさることながら、安全対 策の面が非常に遅れていて、そこら辺の人員の強化を行いなさいというようなご 提言をいただいているということもありましたので、ご参考までに掲げさせてい ただいたと、そういう流れでございます。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。いかがでございます。今の暫定評価全体について、 この文章が出ますものですから、よろしゅうございますか。前回もかなり議論し ていただきました結果でございますので。 ○宗林委員  すみません、この評価とは関係ないのでご質問だけですけれども、先ほど総合 機構さんのほうから説明がありました資料1−2のほうの中で、ちょっと気になっ たところだけを確認させていただきますが、このドラッグラグあるいはデバイス ラグというものについて若干書かれていますが、この2.5年の短縮ということは、 簡単に言うと解消ということでよろしかったんでしょうか。 ○医薬品医療機器総合機構理事(技監)  そのドラッグラグ2.5年というのをどうやって設定したのかというところなの ですが、世界で売り上げトップ100のものについての最初に市場に出た時期から それぞれの国が市場に出るまでどのぐらいかかったのかというものを平均いたし たところ、アメリカでも500日ぐらいドラッグラグがあるわけなのですが、日本 の場合には4年くらいございまして、アメリカとの差を見ると2.5年あると、こう いうところで、せめてアメリカ並みに縮めようじゃないかと。したがって、アメ リカ並みに縮めたところでドラッグラグというのはどの国でも必ずあることはあ るわけなのですが、まず目標としてはそこまで持っていきましょうと、こういう 目的でございます。 ○宗林委員  この資料ではないんですが、別の公表資料でドラッグラグの解消についてとい うことで厚生労働省がお答えになっている文章を見たときに、ドラッグラグを解 消することについては困難なことではないという回答をされていた記憶がありま す、違いますでしょうか。それはこの2.5年ということではなくて、全部を解消 ということでなくて、今の岸田理事からのお話で2.5年アメリカ並みにするとい うことですか。  あと、デバイスラグのほうはやはり同じような感じでしたでしょうかね。 ○医薬品医療機器総合機構理事(技監)  デバイスラグのほうは、先ほどの医薬品と同じような分析というのはできては いないのですけれども、少なくともアメリカとの比較でいきますと、審査期間が 大体7カ月日本のほうがトータルタイムとしては長いと。あともう一つは、申請 に至る時期ですね。そこがやはり7カ月ぐらい日本のほうが遅れているというと ころで、合わせた14カ月ですか。そういったものを目標に短縮していきたいと、 こういうふうには思っております。そのための具体的なアクションプランという ものをことしの秋までに作成すると、こういうような課題となっております。 ○宗林委員  分かりました。ありがとうございます。 ○大島委員  先ほどの最後に追加で説明いただいたことにも関連するのかもしれませんけれ ども、古くはサリドマイドから始まって、日本の場合には予防の国ではなくて治 療の国であるというような言い方がよくされていて、危ないとどこかの国で言わ れて中止した薬に関しても、そのまま野放しになっていて、たくさんの患者さん が出てから慌ててその対応をするということがいろいろなところで言われており ますけれども、今回のこの最後の中間取りまとめでも十分に今いただいたばかり で読んでいませんけれども、増員が必要であるというようなこととか、それから、 やはり諸外国の資料について非常にアンテナを高くしないと、その辺は分からな い部分はあるでしょうけども、その対応が十分に今の方向としては計画されてい るのかどうかというのが大変に心配なところでございますので、意見としてぜひ その辺がまた出てから対応するというような後手、後手に回るということはぜひ ないようにお願いしたいというふうに思っておりますが、何かそれに関しての今 からの対策あるいは対応について何かありましたらお知らせください。 ○医薬食品局総務課長  今のご指摘につきましては、まさにこの検証検討委員会のご報告の中でいろい ろ指摘を受けているところでございます。副作用報告につきましては、国内の医 療機関からだけでも年間3万件以上の副作用報告というのが寄せられているわけ ですけれども、そのうち実際にはまだまだ安全対策に関わる人員が厚生労働省本 省、それから機構の中でも少ないものですから、実は重篤なものとか、あるいは 未知のものというか、そういうものしか分析し切れていないという中で、安全対 策の着手が遅れているんじゃないかという話。それから、外国からかなりのいろ んな情報が寄せられていますけれども、それを分析する体制も整ってないという ようなことが言われておりまして、最低300人ぐらい安全対策の人員を増員すべ きじゃないかという話がございました。それを受けまして、まだこれは確定はし ておりませんけれども、来年度の概算要求がそれぞれ取りまとめる予定でござい ます。そういう中で人員体制を強化するとか、あるいはいろんな調査研究を進め ていくとかそういう形で来年度の概算要求を行い、それから、その結果また総合 機構の21年度の在り方にもいろいろ反映がなされてくると、こういう流れになろ うかというふうに思います。またそこら辺のことにつきましては、いずれ中期目 標、中期計画のご審議や何かでもご紹介しながらご議論いただきたいと思ってお ります。 ○上野谷部会長  ありがとうございます。よろしゅうございますか。  それでは、修正意見がないようでございますので、この中期目標期間の業務実 績の暫定評価結果(案)として8月27日に開催されます総会にご報告申し上げた いと思っております。なお、一部誤字や脱字が生じた場合にはこちらで修正をさ せていただきます。ご一任いただきたいと思います。よろしいでしょうか。  それでは、そのようにさせていただきます。  最後に法人理事長よりコメントをよろしくお願いいたします。 ○医薬品医療機器総合機構理事長  本日は独立行政法人評価委員会医療・福祉部会の委員の先生方にはたび重なる ご審議、本当に改めて感謝を申し上げます。  本日は、平成16年〜19年事業の業務実績につきまして暫定評価をいただきまし て、どうもありがとうございました。ご指摘いただいた点を踏まえまして、さら なる業務改善に全力を尽くしてまいりたいと思っております。当PMDAはドラッグ ラグの解消を目指す新しい5カ年計画の開始に伴いまして、人員の拡充を図られ ているところでございます。今後はこれらの新しい職員が第一線で活躍すること によって、医薬品審査業務の大幅な迅速化という成果を国民に対して示していく ことができるように、これまで以上に職員の人材育成に力を注いでいくこととい たしたいと思っております。今年度は第1期中期計画の最終年でございますが、 当該計画に示されました各種の目標を確実に達成していくためには、各種の業務 の進捗状況の分析を遅滞なく行い、さらなる業務の適正化及び業務改革に取り組 んでいく所存でございます。今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。  本日はどうもありがとうございました。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。  ここで事務局の入れ替えをいたします。本当にどうもありがとうございました。 お疲れ様でございました。 (事務局(法人及び所管課)入れ替え) ○上野谷部会長  それでは独立行政法人福祉医療機構の中期目標期間の業務実績の最終評価を行 いたいと思います。起草委員の先生方にはお忙しい中ご尽力いただきまして、あ りがとうございました。  では、福祉医療機構の中期目標期間の業務実績の最終評価結果(案)について 審議させていただきます。先ほどの暫定評価と同様に、まず法人のほうから中期 目標期間の業務実績についてご説明をいただきます。その後、事務局から中期目 標期間の業務実績全般の評価という総論部分ですね。それについてご紹介をいた だき、その上で起草委員でございます私のほうからコメントを少し述べさせてい ただきたいと思います。そして、その後委員の方々から質疑応答という流れにし たいと思っております。  それでは、法人のほうから最終評価結果(案)の別紙に沿いまして、業務実績 のポイントについて10分から15分でご説明をお願いいたします。 ○福祉医療機構企画指導部長  それでは、福祉医療機構の第1期中期目標期間の実績報告をさせていただきま す。座って説明をさせていただきます。  私ども福祉医療機構におきましては、評価項目が全部で20項目ございます。今 回はその評価項目ごとにポイントを簡単に整理した資料をお手元のほうに配らせ ていただいております。福祉医療機構業務実績最終評価シート説明用資料という のがお手元に配られているかと思いますけれども、この資料に沿いまして説明を させていただきたいと存じます。  表紙を1ページめくっていただきまして、こちらのほうに各年度の実績評価、 それから最終評価の案が一覧表としてまとめてございます。  それでは、1ページめくっていただきまして、1ページをお願いいたします。  評価項目の1番目、効率的な業務運営体制の確立についてでございます。項目 名の右に評価シートの該当ページを記載しておりますので、併せてご参照いただ ければと思います。また、項目の下に各年度の評価と、それから中期の最終評価 案が記載されているところでございます。この1項目でございますが、ポイント は3つございます。  1つ目はISO9001の認証取得でございます。私どもは平成16年11月から品質マネ ジメントシステムの運用を開始しまして、平成17年4月に認証取得、中期目標を 達成したところでございます。また、平成19年度におきましては、福祉医療貸付 における代理貸付業務及び承継年金住宅融資等債権管理回収業務等について追加 認証を取得いたしました。さらに、機構全体におけるISO9001の認証継続のため、 審査登録機関による審査を受けまして、平成20年4月11日に認証を更新すること ができたところでございます。  2つ目のポイントでございますが、人事評価制度の導入についてでございます。 私どもは平成16年4月から人事評価制度を導入いたしまして、平成17年の6月期の 賞与からその結果を反映させてきております。さらに平成18年度、19年度におき まして評価結果の反映を拡大し、その充実を図ってきたところでございます。ま た、平成19年度におきましては、人事評価の公正性、公平性を確保するために苦 情処理実施要領を制定したところでございます。  3つ目のポイントは経営企画会議の運営でございます。私どもトップマネジメ ントを補佐するということで独立行政法人になりまして、この会議を設置してお ります。この中で国の政策や制度の変更等に迅速、的確に対応するための検討、 また業務執行状況の適正な管理ということを実施してきているところでございま す。  2ページをお願いいたします。  評価項目の2番目、業務管理の充実でございます。ここでの中心課題はリスク 管理債権比率でございます。私どもは中期目標で2.0%以内という目標を立てて おります。各年度の実績を記載させていただいております。概ね目標を達成した ところでございますが、平成19年度におきましては、たび重なる診療報酬や介護 報酬の引き下げの影響などによりまして、医療・介護施設を取り巻く環境が非常 に厳しさを増してきている、そういったところも反映しまして、2.0%を若干上 回る結果となったところでございます。なお、中期目標全体の平均は1.56%とい うことでございまして、目標の2%を大幅に下回っているところでございます。  次に、3ページをお願いいたします。  評価項目の3番目、業務運営の効率化に伴う経費節減でございます。一般管理 費の節減でございますが、一般管理費につきましては、平成19年度末におきまし て平成14年度と比べて13%程度の経費を節減するという目標を立てております。 平成19年度末におきまして13.1%を削減し、目標が達成できたところでございま す。また、その下の労災年金担保貸付事業、承継年金住宅融資等の経費節減につ きましても、目標を上回る節減を実施したところでございます。  次に、4ページをお願いいたします。  評価項目の4番目、福祉医療貸付事業の業務運営の効率化についてでございま す。政策目標の推進への貢献ということでございますが、まず福祉貸付につきま しては、第1期中期目標期間におきまして、ゴールドプラン21、子ども・子育て 応援プラン、新障害者プラン等に基づき福祉基盤の整備を進めてきたところでご ざいます。そして、地域において整備の優先度が高い国の補助金等が交付されて いる整備事業、基本的にはこれに重点的に融資を行うという形で進めてきたとこ ろでございます。  次に、医療貸付事業の実績についてでございますが、国の医療政策に即して、 病床不足地域の病院整備、診療所不足地域における診療所の整備、財政基盤が脆 弱な中小病院の整備等を推進してきたところでございます。  次に、融資条件の見直しについてでございます。私どもは政策融資の役割を果 たすべく、国の要請等に基づき、緊急あるいは特別融資を機動的に実施してきた ところでございます。また、毎年度、政策融資としての機能を点検し、貸付対象 等の見直しを実施してきたところでございます。個別の説明は省略させていただ きますが、平成15年度から平成19年度において、こちらに記載のとおり実施して きているところでございます。  次に、民間資金の活用でございます。福祉貸付事業におきましては、平成17年 度から協調融資制度の運用を開始し、順調に定着してきているところでございま す。また、平成19年度におきましては、制度の対象をこれまでの介護関連施設の みから福祉貸付の融資対象施設全般へ拡大する準備を行ってきたところでござい まして、平成20年度から運用を開始したところでございます。  次に、5ページをお願いいたします。  評価項目の5番目、福祉医療貸付事業の業務の質の向上についてでございます。 最初に、審査業務の迅速化についてでございますが、貸付に係る審査期間を福祉 貸付においては4カ月、医療貸付では3カ月という中期目標を立てております。こ れに対して、福祉貸付・医療貸付ともに記載のとおり、中期目標を大幅に短縮し ている状況でございます。  次に、資金交付事業の迅速化についてでございます。これにつきましては、中 期目標で法人等からの請求後20日以内に資金を交付するという目標を立てており ますが、全ての案件について20日以内に交付をしているという状況でございます。  5ページの下の表でございます。評価項目の6番目、福祉医療経営指導事業の業 務運営の効率化についてでございます。最初に集団経営指導(セミナー)におけ る収支相償についてでございます。私どもは効率的な開催、適切な受講料の設定 によりまして記載のとおり収支差を確保できているところでございます。  次に、個別経営診断における処理日数の短縮については、中期目標では60日以 内という目標を立てているところでございまして、簡易経営診断の導入等により まして中期累計で14.1日と大幅に目標を短縮したところでございます。  次に、6ページをお願いいたします。  評価項目の7番目、福祉医療経営指導事業の業務の質の向上についてでござい ます。集団経営指導の開催実績につきましては、最初にセミナーの受講数でござ いますけれども、中期目標においては4年半で9,600人以上という目標を立ててい るところであり、平成19年度末におきまして累計1万1,805人となり目標を達成で きたところでございます。  次に、満足度指数でございますが、これは65ポイント以上という目標を立てて いるところであり、19年度末までで平均68.5ポイントとなり、これも目標を達成 できたところでございます。個別経営診断の実績についてでございますが、中期 目標期間中に150件以上という目標を立てておりますが、平成19年度末で921件と 大きく目標を上回ったところでございます。  次に、開業医承継支援事業でございますが、当事業につきましては、平成18年 12月の行政改革推進本部決定による組織・業務の見直しに基づきまして、平成20 年3月をもって業務を廃止したところでございます。  続きまして、6ページの下の表でございますが、評価項目の8番目、長寿・子育 て・障害者基金事業の業務の効率化についてでございます。  最初に、基金の運用効率の向上でございます。安全・確実な運用方法を基本と しながら、可能な限り運用効率を高めるという目標を立てておりまして、財投機 関債を中心とした運用によりまして、国債より高い利回りを確保したところでご ざいます。交付決定処理期間の短縮につきましては、平均30日以内という目標を 立てておりまして、事務の効率化を図りまして、平成16年度以降、毎年目標を達 成してきたところでございます。  7ページをお願いいたします。  評価項目の9番目、長寿・子育て・障害者基金事業の業務の質の向上について でございます。  最初に、重点助成分野の設定と助成についてでございますが、毎年度4分野以 上の重点助成分野を設けるという目標を立てております。実績では平成16年度助 成分から5項目を設定し、その後拡大を図り、平成20年度助成分におきましては9 項目を設定し、目標を達成しており、助成財源を効率的に配分したところでござ います。具体的な採択表は表に書いてあるとおりでございます。  障害者スポーツ国際大会等への助成につきましては、ここの表に記載のとおり、 毎年度、助成を実施しているところでございます。  次に、助成事業の継続状況についてでございます。助成終了後における事業継 続率を80%以上とする目標に対しまして、90%以上の継続率を確保することがで きたところでございます。独創的・先駆的事業への助成につきましては、目標70 %以上に対しまして、80%以上を確保することができたところでございます。助 成事業の選定につきましては、私どもは外部有識者からなる審査・評価委員会を 設置しまして、毎年度この委員会で募集要領、選定方針、事業の採択、選定を行 うとともに、事後評価も実施し、PDCAサイクルを回しているところでございます。  次に、8ページをお願いいたします。  評価項目10番目、退職手当共済事業についてでございます。  最初に、平均所要期間の短縮についてでございます。請求書の受付から給付ま での平均所要期間を75日以内に短縮するという目標を立てておりまして、表の下 段のほうでございますが、国等の予算制約を除外した場合におきまして、毎年度、 目標を達成したところでございます。  次に、提出書類の簡素化につきましては、私ども書類の簡素化を図ったり、あ るいは掛金納付対象職員届の電子届出システムの運用を開始するなど毎年度利用 者手続の負担軽減に努めているところでございます。  次に、8ページの下の表でございますが、評価項目の11番目、心身障害者扶養 保険事業についてでございます。この事業におきましては、繰越欠損金の解消が 課題になっておりまして、国において検討が進められた結果、平成20年4月に当 該制度が改正されるということになりまして、繰越欠損金が解消される見通しと なり、制度の安定化を図ることができたところでございます。  次に、扶養保険資金の運用についてでございますが、この事業につきましては、 金銭信託契約に基づき、安全性を重視した運用というものを実施しているところ でございます。平成19年度においては市場環境が厳しく、マイナス3.28%になっ たところでございますが、これはサブプライムローンの影響により国内外の株式 が下落したことが要因でございまして、厳しい環境の中で概ねベンチマークに沿 った実績を上げることができているところでございます。  9ページをお願いいたします。  評価項目の12番目、福祉保健医療情報サービス事業の業務運営の効率化につい てでございます。  最初に、効率的な基盤整備につきまして、経費の節減及び事務の効率化を念頭 に置きまして、パッケージソフトの活用あるいは専用回線からインターネット接 続環境を利用した送信方法への移行を図りまして、平成20年3月までに専用回線 を廃止したところでございます。自己収入の確保につきましては、この事業にお きましても、バナー広告等の掲載を開始するなどして、毎年度、自己収入を確保 しているところでございまして、ここに書いておりますように、16年度は8万 4,000円でありました自己収入が19年度には1,100万円余まで拡大したところでご ざいます。  9ページの下でございますが、評価項目13番目、福祉保健医療情報サービス事 業の業務の質の向上についてでございます。WAMNETの利用の促進でございますが、 年間アクセス数700万件以上、利用機関登録5万件以上とすることを目標に立てて おりまして、これに対しまして機能の向上、情報の充実を図りアクセス件数は平 成16年度、登録機関は平成17年度にそれぞれ目標を達成したところでございます。  10ページをお願いいたします。  評価項目の14番目、年金担保貸付事業、業務運営の効率化についてでございま す。  業務運営コストの貸付金利への反映につきましては、この事業における貸付金 利について、調達サイドの財政融資資金の金利に業務委託費等をオンコストして 設定しております。平成16年度以降、適切にオンコストを実施したことによりま して黒字を確保したところでございます。  10ページの下の表でございますが、評価項目の15番目、年金担保貸付事業、業 務の質の向上についてでございます。  定額償還方式の導入でございますが、従来この事業における償還方法はいわゆ る全額償還と半額償還の2種類だけでしたけれども、無理のない返済が可能とな るよう、1万円単位で返済ができる定額償還方式を平成17年10月から実施したと ころでございます。事務処理期間の短縮につきましては、償還方法の変更と併せ て、平成17年10月から1週間の事務処理期間の短縮を実現しまして、中期目標を 前倒しで達成したところでございます。なお、この2つの制度変更を円滑に実施 したところから、平成17年度にはS評価をいただいているところでございます。  11ページをお願いいたします。  評価項目の16番目、労災年金担保貸付事業、業務運営の効率化でございます。  業務運営コストの貸付金利への反映につきまして、この事業における貸付財源 は国からの出資金により賄っていることから、貸付金利につきましては、市場と の連動性を持たせるため、原則として財政融資資金の金利と同率を設定しており ます。ただし、財投金利が著しく低下し、コスト割れを起こすということがない よう、業務委託費等の見合い分は確保するために下限金利を設定しております。 この結果、平成18年度以降、適切に金利設定を実施し、黒字を確保したところで ございます。  11ページの下の表でございますが、これは評価項目の17番目の労災年金担保貸 付事業、業務の質の向上についてでございますが、年金担保貸付事業とほぼ同じ 内容でございますので、説明は省略をさせていただきます。  12ページをお願いいたします。  評価項目の18番目、承継年金住宅融資等債権管理回収業務及び承継教育資金貸 付けあっせん業務についてでございます。  最初に、承継年金住宅融資等債権管理回収業務についてでございますが、適切 な債権管理に努めまして、18年度及び19年度で約1兆円に上る債権回収を実施し たところでございます。  次に、承継教育資金貸付けあっせん業務につきましては、この業務につきまし ては独立行政法人整理合理化計画におきまして、平成20年度から業務を休止する とされたため、平成19年度のあっせん申し込み受付を20年1月末をもって終了し、 2月中に国民生活金融公庫等へのあっせんを完了したところでございます。  次に、12ページの下の表でございますが、評価項目の19番目、財務内容の改善 に関する事項でございます。  最初に、運営費交付金以外の収入確保についてでございます。私どもでは主に 福祉医療経営指導事業とWAMNET事業が対象でございまして、記載のとおり、毎年 度、自己収入の確保を図ってきたところでございます。  次に、自己資金調達の拡大についてでございますが、福祉医療貸付事業及び年 金担保貸付事業におきまして、毎年度、財投機関債を発行し、貸付原資を確保し、 円滑な事業運営を行うことができたところでございます。  13ページをお願いいたします。  評価項目の20番目、その他業務運営に関する重要事項でございます。  最初に、適正な人員配置についてでございますが、私ども独立行政法人になり まして、業務推進体制の整備、組織のスリム化に努め、記載のとおり毎年実施い たしまして、効率的な業務運営体制を確立してきたところでございます。次に、 人員に関する指標についてでございますが、私どもいわゆる常勤職員数について 指標値がございますが、これを下回る職員数に抑えて事業を実施してきたところ でございます。  以上、簡単でございますが、第1期中期目標における業務実績を説明させてい ただきました。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。  それでは、事務局のほうからお願いをいたします。 ○政策評価官室長補佐  お手元の資料2をご覧ください。独立行政法人福祉医療機構の中期目標期間の 業務実績の最終評価結果案でございます。  1枚おめくりいただいて、1ページから読み上げさせていただきます。  1、中期目標期間(平成15年10月〜平成20年3月)の業務実績について。  評価の視点。独立行政法人福祉医療機構(以下「福祉医療機構」という。)は、 特殊法人社会福祉・医療事業団の業務を承継して、平成15年10月に新たに独立行 政法人として発足した。また、平成16年4月より、特殊法人労働福祉事業団の廃 止に伴い、その業務の一部である労災年金担保貸付事業を承継し、さらに、平成 18年4月より、特殊法人年金資金運用基金の解散に伴いその業務の一部である承 継年金住宅融資等債権管理回収業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務を承継 したところである。  本評価は、平成15年10月に厚生労働大臣が定めた中期目標(平成15年10月〜平 成20年3月)全体の業務実績についての評価を行うものである。  福祉医療機構に対しては、特殊法人から独立行政法人となった経緯を踏まえ、 弾力的・効果的な業務運営を通じて、業務の効率性の向上、質の向上及び透明性 の向上により国民の求める成果を得ることが強く求められている。  当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基 準」等に基づき、各年度の業務実績の評価において示した課題等、さらには、総 務省制作評価・独立行政法人評価委員会から寄せられた意見や取組方針も踏まえ、 最終評価を実施した。  なお、福祉医療機構については、これまでの特殊法人改革等の流れの中で、他 組織からの事業承継が断続的に行われており、従来からの福祉医療貸付事業等の 6事業に年金担保貸付事業等2事業2業務を加え、現在、8事業2業務と多種多様な 事業を行っており、これら事業について、国の福祉医療施策との密接な連携の基、 総合的かつ一体的に行っていることを特記しておきたい。  (2)中期目標期間の業務実績全般の評価。  当委員会においては、福祉医療機構が独立行政法人として発足して以来、業務 により得られた成果が、「社会福祉事業施設及び病院、診療所等の設置等に必要 な資金の融通並びにこれらの施設に関する経営指導、社会福祉事業に関する必要 な助成、社会福祉施設職員等退職手当共済制度の運営、心身障害者扶養保険事業 等を行い、もって福祉の増進並びに医療の普及及び向上を図ること」及び「厚生 年金保険制度、船員保険制度、国民年金制度及び労働者災害補償保険制度に基づ き支給される年金たる給付の受給権を担保として小口の資金の貸付けを行うこ と」という福祉医療機構の設立目的に照らし、どの程度寄与するものであったか、 効率性、有効性等の観点から、適正に業務を実施したか等の視点に立って評価を 行ってきたところであるが、中期目標期間全般については、次のとおり、概ね適 正に業務を実施してきたと評価できる。  業務運営の効率化に関しては、ISO9001に基づく品質マネジメントシステム (以下「QMS」という。)の認証取得及びその運用、人事評価制度の導入及び運 用の改善、トップマネジメントを補佐する経営企画会議の運営、業務推進体制の 整備と組織のスリム化等の処置がとられ、効率的な業務運営体制の確立がなされ たことを高く評価する。  また、リスク管理債権については、中期目標期間における各年度において、唯 一最終年度の平成20年3月末で中期目標の2.0%を若干上回る2.02%となったとこ ろであるが、度重なる診療報酬や介護報酬の引下げの影響等により、医療・介護 施設をとりまく経営環境が年々厳しくなってきたことを考慮すると、他の金融機 関と比べても低く、適切な債権管理が行われていると認められる。さらに、一般 管理費等の経費削減については、毎年度経費を計画的に節減し、中期目標を上回 る削減を実施しており、評価する。  福祉医療貸付事業については、国の福祉及び医療の政策目標に沿って、民間の 社会福祉施設、医療施設等の整備に対する融資が行われているとともに、審査業 務及び資金交付業務の迅速化が進められる等、業務の効率化が図られ、計画に照 らし十分な成果を上げている。また、年金担保貸付事業及び労災年金担保貸付事 業においては、利用者の利便性に配慮するとともに、年金受給者にとって無理の ない返済となるよう考慮し、定額償還方式を導入したことは、特段の評価に値す る。  さらに、心身障害者扶養保険事業については、繰越欠損金の解消に向けて、国 において検討が進められた結果、平成20年4月から制度改正が実施されることと なった。この制度改正により、繰越欠損金が解消される見通しとなり、制度の安 定化を図ることができたところである。なお、当該制度改正の内容について、道 府県・指定都市に対する周知等を適切かつ積極的に実施していることが認められ、 評価する。  中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については2のとおりである。また、 個別項目に関する評価資料については、別紙として添付した。  次の具体的な評価内容につきましては、今の全般的な評価の詳細となっており ますので、省略させていただきます。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。  それぞれは、続きまして、私のほうから簡単な講評をさせていただきます。  福祉医療機構においては、平成15年10月に特殊法人から独立行政法人へ移行し た後、従来の業務運営体制の改革を断行すると、こういう目的のために各種の取 組がなされているということが認められます。代表的なものとしましては、組織 のスリム化や人事評価制度の導入、さらにはISO9001の導入でありますが、これ らの取組を通じて独立行政法人としてふさわしい効率的かつ効果的な経営基盤が 構築されていると評価しています。  また、個々の事業を見ますと、非常に多岐に渡る事業を実施しておりますが、 福祉医療貸付事業を中心として、業務運営の効率化や業務の質の向上についての 取組が積極的に実施されており、中期目標、中期計画に掲げた目標を上回る成果 を上げている、このように評価をすることができますし、福祉医療を初めとした 国民の生活を支援することができていると高く評価しています。  今後我が国では少子高齢化が急速に進行していくことは間違いのない事実であ ります。そのような状況の中で国民一人一人が安心して暮らすことができる社会 を築くためには社会保障の基盤を揺るぎないものとしていく必要があります。福 祉医療機構においては、国民のニーズを的確かつ迅速にとらえ、社会福祉施設等 の計画的な整備または医療制度改革に即した医療提供体制の構築などを通して社 会保障を支える福祉医療の基盤づくりにもこれからも尽力していただきたい、こ のように思っております。どうもありがとうございます。  それでは、委員の方々から、今のご報告、それから最終評価結果について、こ の結果でいいかどうかご質問、ご意見がございましたら、どうぞお願いいたしま す。 ○石井委員  ちょっと長くなるかもしれないんですが、評価シートの説明用資料の8ページ をご覧いただいて、なおかつ最終評価結果の8ページ辺りをご覧いただけますで しょうか。7ページの下をご覧いただいて、心身障害者扶養保険事業について確 認をさせていただくと。最初から評価委員をやっておきながら今ごろどんな質問 なんだということになるかもしれませんが、基本的にこれは繰越欠損金、将来給 付額1,300億円余のうちの489億円の繰越欠損金に関しては、はっきりと平成20年 4月で制度改正が実施されたということで、予定ではなくて確定ということでま ずよろしいかどうかというのを1つ教えていただきたい。 ○福祉医療機構企画指導部長  平成20年4月に繰越欠損金を解消するための制度改正が実施されております。 ○石井委員  ということで解消されたのであろうと。その8ページ、最終評価のほうの文章 の8ページで、上から10行目ぐらいでしょうか。当該保険事業に関わる以上のよ うにというような記載がございまして、課題となっていた繰越欠損金の解消の見 通しをつけることができたことから、中期計画、中期目標に照らし、概ね達成し ていると評価するというのが私どもの評価委員のコメントになるんですが、非常 に基本的なところに話を戻しまして、この法人が5年前に設立された段階におい て、この繰越欠損金というのは本来だれが負担すべきなんだろうかという問題が 本質的にあるのかなと。5年前には繰越欠損金がゼロで、20年3月末において繰越 欠損金が489億円になったということなのか、それとも元々独法当該機構が設立 された段階において、既にこの心身障害者扶養保険事業に関しては巨額の繰越欠 損金が存在していたのかどちらかというと、私の記憶では既に繰越欠損金は存在 していたはずのような気がいたしますと。そうすると、この繰越欠損金というも の、言葉尻で聞くと大変問題がありそうなもの自身は、本来この機構の独法の評 価に関して、どういう視点で認識をするのかというのがなかなか悩ましいという ふうに現時点で私はすみません、理解をしています。  この評価の中では、繰越欠損金を消すための制度改正の内容について都道府県 と指定都市に対する周知等を適切かつ積極的に実施していることが認められると 書いてあって、多分この行為はこの当該機構が行った行為なのかなというふうに 理解をしているんですが、この文章からもやはり結果は明らかなとおり、実は繰 越欠損金の本来の負担義務者というのは機構ではないんじゃないかなという話に なって、なぜこんな話をし始めたかというと、この評価シートの最初のシート、 2枚目を見ていただいて大変分かりやすい15年から19年の5カ年の評価と最終評価 が出ていまして、5年間たった最終評価で実はまさしくこの心身障害者扶養保険 事業のみがB評価なんですね。このB評価が適切かどうかというのをすみません、 もう一回申し上げますが、5年間も評価委員をやっておきながら何を言っている んだということかもしれないんですが、この点に関しては、私時々、毎年コメン ト的にはさせていただいたんですね。だれが負担すべきなのと。当然なんですけ れども、少なくとも私自身が評価をしてきた背景というのは、やはり言葉として 繰越欠損金が400数10億円もあり、これがこの機構のバランスシート上、マイナ ス勘定になっていて、財政状態的には決していい形にはなっていないと。である から、どうしても鉛筆を持った手はBというところへ行ってしまうと。だけども、 本質を考えていったときにこれは機構を独立行政法人の評価の考え方として評価 をしたときに、当該機構をそういう感性でもって評価していいのかどうか実は非 常に疑問に感じてしまうと。大変な努力を当然されてきている要素もあるという ふうに評価をしてみたときに、20項目、本当はオールAだったんじゃないですか と。Bでたった1つだけマイナスが普通という評価がされて、その普通の評価の理 由が当該機構の責任能力とは違うところに原因があるのであれば、これは皆さん にとっては余り気持ちのいい話ではないのかなと。今回ここでこの評価が変わる かどうかは別にして、一応すみません個人的な、委員としてのコメントはとどめ ておいていただきたいんです、これ。どうも要するに貸借対照表能力があるのや、 ないのやという議論をし始めるとなかなか難しくて、ここのところは会計士とい う財務の専門家から見てもちょっと疑義があるなというふうに思っているという のは、結果がどうなるのかは別にしてとどめておいていただければなというふう に思います。  もう一点、すみません、前回の資料にあったかと思うんですが、運営費交付金 の5年間の推移はこの中には出ていないんですかね。運営費交付金は増えたか減 ったかだけ教えていただければと思うんですが。一般管理費等は全体で19年と目 標期間というんですか、基準にすべき14年度と対比をすると7億7,000万減ってい ると。対応して運営費交付金も同じように減っていると、こういう理解で当然よ ろしいんだと思うんですが、よろしいですかと。 ○福祉医療機構経理部長  予算では毎年3%ずつ減少しておりますので、当然減っているんですが、正確 な金額は今把握しておりません。 ○石井委員  したがって毎年3%ですから、同じような形でもってほぼリンクして運営費交 付金も減ってきていると、こういうことでよろしいわけですね。  話を続けて、5年間評価委員をやらせていただいて、実はものの評価をすると いうのは非常に難しいんだなということを痛感しています。なかなか実は評価と いうのは本当に判断が難しくて、評価シートで例えばご覧いただくと、1つの現 象としては一般管理費は7億7,000万削減されたと。対応して運営費交付金も減っ ていると。元々独立行政法人の効率化議論はここに非常に大きな要素があるんだ と。対応したところで人件費はどうかというと、人件費もかなりそれに相当する 形で11.9%で2億7,000万減っていると、こういうことになるわけですね。当然そ の結果、財務ベースから見たところで見ていっても、様々な改善が行われていて、 それ以外に自己収入の比率も相対的ではあるけれども、小さいけれども増えてき ていると。ただ、逆に今度はこの機構の最も中心的な多分思われるであろう福祉 医療貸付事業を見ていくと、評価シートの5ページを見ると、資金交付業務迅速 化というようなこと、評価項目の5のところを見ると、参考として明示をされて いる資金交付件数は平成16年度に福祉医療合計で3,395であったものが19年度に は1,890件に減るわけですね。当たり前のこととして仕事の手間は減ったわけで ありまして、なかなかここがまた難しいですね。たまたまその病院の経営を専門 にする私としては、例えば病院の病床利用率が落ちたということなんですね、こ れ。ということは、病院とは違うんだから、当然手間数が減っているんだから、 その部分人件費という議論をしていくと、今最初に見ていただいたような人件費 の減や人員の減少では全然足りないんじゃないのというようなことになるかもし れないけれども、一方で現実的には審査業務の迅速化をしていてスピードアップ をしているんだからと。すみません、病院にばかりたとえて申しわけないんです が、病床利用率は落ちたけれども、平均在院日数は非常に短くなったみたいな議 論になるわけですね。これ総トータルをどうやって評価をしていくかというのが 実は効率化の評価になるんですが、それに関して客観的なエビデンスは実はない という現実があります。ですから、本当に常識的な目線でいいのかな、悪いのか なという評価をしている程度だというのが独立行政法人の評価委員会の評価の目 線かなというふうに、これもすみません、極めて個人的な見解として申し上げて おきたいと思います。  すみません、単なる意見になりましたけれども、以上です。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。単なる意見とおっしゃいましたけれども、非常に本 質的なところもございますし、とりわけいかがでしょう。心身障害者扶養保険事 業、これはこの委員会でも理解するまでにかなり時間もかかりましたし、議論も ありましたところでございますが、こういう形で出て評価としてはBという形で、 少し今、石井委員のほうからおっしゃられた、誰が責任を持ち、どうするんだと。 都道府県によっても考え方が違いますし、しかし、この当法人が全体的な責任を 負わねばならない仕組みになっていることも事実でございますし、結論をという のではなく、石井委員の温かいコメントに対して、何かございましたらどうぞ。 ○福祉医療機構企画指導部長  大変的確な指摘をいただきまして、誠にありがとうございます。心身障害者の 扶養保険事業についての評価というのはいろんな見方が確かにできるのかなとは 思っておりますが、各年度既にいただいた評価でございますので、私どもとして はそれを受け止めて、また制度の運営に力を尽くしてまいりたいというふうに思 っております。どうもありがとうございます。 ○上野谷部会長  よろしゅうございますか。この法人の場合は5年で、今日は一応先生方から最 終評価結果をいただくということになりますので、いろいろなお考えもございま しょうけれども、この1つを除きまして全てAで評価をさせていただき、かつ総合 的な文章としてはこれが出るという形になりますが、よろしゅうございますでし ょうか。  次年度、次期へ向けて20年度から始まっているとはいえ、少しこの辺りのこと をどういうふうに考えたらいいのかということをまたご検討いただく部署がござ いましたら、またお考えいただきたいと思いますが、評価委員会としては評価項 目に沿って評価せざるを得ないという立場にございますので、このような形で評 価をさせていただくということでございます。よろしゅうございますか、ご意見。  それでは、修正がないようでございますので、誤字・脱字等ございましたら、 私のほうにご一任いただきますが、8月27日に開催されます総会に今の結果をご 報告させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。  それでは、法人理事長のほうからコメントをいただきましたら幸いでございま す。 ○福祉医療機構理事長  それでは、私から一言お礼を申し上げたいと思います。  委員の先生方におかれましては、前回もこの場でご意見がございましたけれど も、私ども福祉医療機構の多種多様な事業を過去5事業年度にわたりまして把握 いただきました上で、第1期の総決算とも言えます最終評価を本日的確にご評価 いただきまして、誠にありがとうございます。  私どもは毎年度、この当評価委員会におきます評価あるいは先生方のご意見と いうものも励みにいたしまして、事業の推進、改革に取り組んできたところでご ざいます。先生方のご指導により、効率的な業務運営体制の礎が築けたのではな いかと私は確信しているところでございます。これから第2期におきましては、 この福祉医療機構を取り巻く環境は厳しくなるのではないかと思われますが、先 日も申し上げたのでありますが、お客様目線と健全性というこの2つの物差しを 念頭に置きまして、より主体的に行動しまして、効率的かつ効果的な事業運営を 行い、福祉医療機構の存在意義が少しでも高まればと念じておるところでござい ます。  今後とも福祉医療機構の事業運営につきまして、ご指導、ご鞭撻くださいます ようお願い申し上げます。本日はどうもありがとうございました。 ○上野谷部会長  どうもありがとうございました。  それでは、またここで事務局の入れ替えがございます。しばらく委員の方々は お待ちいただきたいと思います。どうもありがとうございました。 (事務局(法人及び所管課)入れ替え) ○上野谷部会長  それでは、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の最終評価結果(案)につ いて審議をいたします。  まず、理事長より平成19年度に起きました施設利用者の所在不明に関する報告、 5分程度を行っていただきます。その後に最終評価結果(案)の別紙、最終評価 シートに沿いまして、業務実績のポイントについて法人より15分程度で説明をお 願いいたします。理事長のあと、所管課からもご見解をいただくようにしており ます。  それでは、理事長よろしくお願いいたします。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  それでは、最初に少々お時間をいただきまして、昨年4月23日に発生した所在 不明の事故に関しまして、改めて報告させていただきます。  7月17日の部会のときに概要はご報告いたしましたけれども、事故発生時の状 況あるいは捜査活動などについてもう一度整理し直しまして、横長の資料、所在 不明事故に関する報告というものを用意して皆様のお手元に配布させていただき ました。  1ページ、表紙をめくっていただきますと、発生の日時、発生場所などについ て書いてございますけれども、発生の日時が14時ごろということで日中活動のさ なかに所在不明の事故が発生したということでございます。発生場所については 次のページにございますので、そこで説明させていただきます。所在不明となっ た利用者の概要で、どのような方かというあらましをまとめてございますけれど も、男性で63歳の方です。在籍年数37年ですから、まさに旧国立コロニーが開設 して間もなく入所されて以来、37年間のぞみの園で生活されてきた方であります。 障害程度区分4、身障手帳も言語機能障害ということで持っておりまして、そう いう意味では重複の障害のある方なんですけれども、日常生活においては介護の 必要度は低くて、身辺自立は概ねできていた方であります。また、性格は温厚で 従順でありまして、他の利用者との間にトラブルもなく、職員のほうから見れば 非常に手のかからない、そのような利用者の方であったと。どちらかというと、 見守りのようなことが主であった、そういった利用者の方でありました。  また、施設内での生活状況として書いてございますけれども、日中活動の時間 以外は寮の周辺で概ね寮から半径10メートルから50メートル以内にいることが多 くて、少々離れた場所であっても、遠くからでも1人で寮のほうには帰ることが できた方だと聞いております。ただ、興味があること、例えば施設の敷地の中で 工事などを行っている場合は、その工事の箇所に立ってじっとその様子を見てい るということで、長時間動かないでいるというようなこともありまして、時に職 員が迎えに行くということがあったということであります。  2ページのほうをご覧いただきますと、発生当時の状況をまとめてございます。 その日は農作業というプログラムでございまして、この所在不明になった方は他 の利用者の方と一緒に付き添い職員2人がおりましたけれども、寮から堆肥置き 場の牧場へ向かうと、そういう活動のプログラムでありました。この活動につい ては、平成18年10月1日から障害者自立支援法が実施されまして、そのときから 始まったプログラムで、その日でちょうど16回目の活動であったということと、 それから、16回とも同じルートをたどっての活動であったということであります。 そして、図として書いてございますように、寮から出まして管理棟の前を通って、 赤い矢印がついておりますけれども、厚生会館の前に歩いて、そして右のほうに ございます牧場方面というところに入っていくというルートでございました。最 後に職員が確認したのが牧場に入る道のところで40メートルほど遅れているこの 利用者を確認したと、これが職員による確認の最後となっております。また、そ の少し後かと思われますけれども、第三者による目撃情報がございまして、14時 ころこの所在不明になった方がこの図で言いますと、左方向に向かって歩いてい たという情報がその翌日知らされました。このようなことで、日中活動のプログ ラムを行っていたわけですけれども、他の利用者は15時にもう寮のほうに帰りま して、ちょうどおやつの時間ということでございましたけれども、この利用者は 帰寮しなかったわけであります。そのとき職員はこれまでも園内の工事箇所など 寄り道をして遅れることも時々あったということで、そのまま様子を見ようと考 えたという報告になっております。しかしながら、16時40分、この時間になって も帰寮を確認できないということで捜索を開始したと。これが当日の状況でござ います。  次のページに一応地図で改めて示してございますけれども、ご覧いただけたら と思いますが、黄色で所属寮というのを表示してございます。そこから赤い矢印 で堆肥置き場のほうに行きまして、そこで堆肥をかごとかリヤカーとかに積んで、 今度は畑のほうに向かう。これは水色の矢印で示してございます。畑にこの堆肥 を置きましたら寮のほうに戻ると、こういうプログラムでありました。それぞれ の行程の距離が書いてございますけれども、全体で2,200メートルほどの距離を 大体1時間半ぐらいかけて行う、そういうプログラムでありました。しかしなが ら、ここに最終確認場所と書いてございますけれども、緑で示してありますが、 ここで最後確認されてから目撃情報はその牧場のほうに入らないで、左のほうこ うに歩いていったと、そういう情報が寄せられたということであります。そして、 この道路、ちょうど東西に走る道路でございますけれども、これは生活道路でご ざいまして、地域の方々で車でよく通る道路でございますし、住民の方も散策な どでしばしばここを通られると、そのような道路でございます。  以上のようなことで、所在不明の事故が発生したということで、早速捜索活動 を始めたわけでありますけれども、詳細については時間の都合上省略させていた だきますけれども、発生を認識してから職員を集めて、また警察署のほうに協力 を要請して少し夜遅くなりましたけれども、警察犬も導入されて当日はできる限 りの捜索を行いました。翌日以降も手のあいている職員を総動員いたしましたし、 警察とも連携・協力をよくして捜索に当たりました。また、マスコミのほうに情 報提供して、地元の新聞ですとかラジオ、テレビなどに報道していただきまして 情報提供を呼びかけました。  また、5ページにもそれ以降のいろいろな捜索活動をまとめてございますけれ ども、特に4月26日に警察、消防の協力を得て、手のあいている職員を総動員し て、山林等を捜索、いわゆる山狩りも実施いたしました。このようなことでずっ と継続して捜索し、情報提供をお願いしましたけれども、これまでのところ手が かりとなる本人の所持品、これは当時、農作業ということで長靴を履いて竹のか ごをしょっていたわけですけれども、そういうものも見つかっておりませんし、 それに関する情報も得られておりません。そういうことで今日に至っております けれども、今後の対応について保護者の意向を確認しながら、効果的な方法につ いてもう一度捜索しようということで現在検討しているところでございます。  最後6ページでございますが、これは前回ご説明しましたけれども、こういっ た事故がなぜ発生したのか、その原因を分析して再発防止の取組を行いました。 結局主な事故の原因として挙げられるのは、集団で移動する場合の支援方法等に 関する留意点が守られていなかったこと。そして、所在不明が判明した時点で対 応が遅れたと。これは最初は寮の職員だけで探したといったようなことで若干時 間ロスしておりますので、そういったことも含めての対応の遅れがございました。 また、所在不明者がどちらの方向に向かって立ち去っていったのか。これは先ほ ど生活道路が通っていると申しましたけれども、そういった生活道路が幾つか分 かれておりまして、分岐点が何箇所がございます。そういったところでどちらの 方向に向かったかというのは確認できないために、捜索の範囲が非常に広がって しまって、そういう意味では必ずしも効率的な捜索ができなかったということに もなりましたので、そういった反省点を踏まえてその対応策に取り組んだところ であります。これは要するにこういった支援のためのマニュアルがあるのに、そ れが確実に守られていないということがございましたので、そういった点につい ての徹底を促すとともに、所在不明というのが判明したときに迅速な対応、この 点でもやや不十分なところがあったということで、職員に対するリスク管理の研 修会を繰り返し行いました。また、道の分岐点にはどちらの方向に向かったかと いうのを確認するために防犯カメラをさらに4台増設いたしました。  このようなことで対応いたしましたけれども、関係職員についてはそれなりの 処分を昨年の6月末にいたしましたが、いずれにしても、こういった問題は職員 だけでなく、役員についても非常に反省すべき点がございます。そういった点で、 私ども初心に戻って役職員一体となって再発防止のために取り組んでまいると、 そういう決意でございます。  そのようなことで、この今ご覧いただいた横長の資料の表紙に枠で囲って書い てございますけれども、引き続き所在確認に努めるとともに、今後こうした事故 の再発を防止するため、安全の確保と生命の尊重という意識を常に持ち、改めて 支援方法等の再点検を行い、施設利用者の立場に立ったよりよい支援の提供に徹 底して取り組んでまいるという決意で、改めて出直したいと思っております。そ ういうことで、お詫び申し上げます。また、これから私どもに対して引き続きご 指導いただくようにお願いいたします。  以上でございます。 ○上野谷部会長  続いて、所管部局の施設管理室長より説明をお願いいたします。 ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  施設管理室長でございます。  今回ののぞみの園の利用者の所在不明ということにつきましては、まだ現在も 行方が分からないということで継続していることを踏まえまして、誠に申しわけ なく思っております。また、今回の利用者の所在不明事故につきまして、当部会 へのご報告が大変遅れましたことにつきまして、深くお詫びを申し上げたいと思 います。  今回のことにつきましては、法人側から今回の所在不明の概要等について事情 聴取いたしまして、現在でもまだ行方が分からないということでございますので、 障害保健福祉部長より、遠藤理事長に対しまして厳重注意処分を行ったというこ とでございます。注意処分といたしましては、現在でも行方不明の状態が続いて いるということでありますので、引き続き全力を挙げて捜索を行うと。それから、 今後このようなことが二度と起こらないように、様々な措置を講ずるということ について指示をさせていただきました。厚生労働省といたしましても、今回の事 案を重く受け止めまして、今後私どもとしても十分な対応を図っていきたいとい うふうに考えてございます。  以上でございます。 ○上野谷部会長  それでは、いかがでしょう。何かご質問、コメントございましたらどうぞお願 いをいたします。 ○松原委員  部会への報告が遅れた理由は何なんでしょうか。 ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  1つは19年度の評価の際にご報告という形で、今回遅くなって報告させていた だいたと。そういう部分では事案発生直後に報告するというのがちょっと思いが 至らなかったということでございます。そういった点でございます。  もう一点加えさせていただければ、昨年度は20年度からの次期中期目標という 議論が中心にされておりまして、そういう部分で私どもの少し思いが至らなかっ たということでございます。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  今、室長からご説明があったとおりでございます。私どもも19年度の事故とい うことでございましたし、また、懸命に捜索中ということでございましたので、 そういった点で十分思いが至らなかったと。その点で大変申しわけないことにな ってしまったと思っております。 ○上野谷部会長  どうぞ、大島委員。 ○大島委員  処分に関してということで、今回この3番目に関係職員の処分ということで、 直接処遇の職員の方と、その上の方の処分というのは前回聞きまして、今理事長 への厳重注意処分というのを初めて私は伺いましたけれども、こういう機構がど ういう処分になるのかというのがよく分からないのと、厳重注意処分というのは 一体どういうことなのかというのがよく分からないんですが、理事長に対する厳 重注意処分のみ、そしてあと、再発防止の指示のみということで了解してよろし いんでしょうか。 ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  厳重注意処分は公務員に当てはめますと、懲戒処分と矯正措置という2つに分 かれておりまして、その後者の部分に入ることでございます。それで、私ども行 政上の立場から言えば、理事長の任命という形では私どもとして大臣がやってい るわけでございまして、そういう関係から厚生労働省として理事長に対する厳重 注意処分を行ったということでございます。   ○山村委員  それは最近何日とか明らかになっているわけですか。 ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  厳密に言いますと、本日午前中対応させていただいたと。理事長より今回の詳 細な報告を受けまして、現状を踏まえて処分をさせていただいたということでご ざいます。 ○山村委員  最初に質問をさせていただきます。資料の一番最後のページ、事故後の対応と いうところに関連して、保護者への説明というのがあります。発生日当日に経過 を一報し、これは4月23日のことですから、5月3日、面会時に謝罪をしたと書い てございますけれども、この間、10日間を経過しているわけですが、一報したと いうのはどういう、電話でなのか直接出向いてなのか、あるいは来ていただいて なのか。それから、その間10日間、面会というのは来られたということでしょう けれども、その辺りのことをお伺いしたいと思います。 ○のぞみの園職員  室長の前田でございます。先ほどのご質問ですが、この一報につきましては、 これは電話でございます。そのほか5月3日までの間につきましては、毎晩担当寮 の寮長がこの保護者はお兄さんになっておりますけども、毎晩その日の状況報告 ということで連絡をとり合っておりました。そういったことでございます。 ○山村委員  5月3日の面会というのは。 ○のぞみの園職員  これは以前から保護者の方が面会を予定されておりましたので、この3日に伺 いますよと。本来であれば発生日、またその翌日等々に伺いたいんだけれども、 とにかく5月3日しか行けないので、予定どおり5月3日にそちらに伺いますという ことで、5月3日にこちらに来られて詳細な説明をしたということでございます。 ○山村委員  今のをお受けしましても、かなり支援度の高い重度の方が行方不明になられて、 その後の対応として果たしてこれでいいのかという気がいたします。もっと迅速 に、謝罪を10日たって、なおかつ来ていただいたときに施設として謝罪するとい うのはいかがなものかと。僕も30年以上施設の職員として働いてきましたけれど も、大変施設でお預かりしているというか、利用者の方々への対応として、やは りこうした行方不明だとか大きな事故だとか、その後の対応についてはとても神 経を使うところでありまして、そういう意味では、ましてや命に関わる案件の発 生ですので、そのことが1つございます。  だから、これは感想の域を出ないんですけれども、加えて関係職員の処分とい うことで、関係とはどこの人たちなのかということを考えますときに、やはり直 接作業に引率された、あるいは寮の責任者等々での処分がまずはなされたという ことでしょうけれども、前回も申し上げましたように、昨年度初めの発生であり ますので、当然年度内にしかるべきいわば法人としての責任というものもけじめ をつけないといけなかったのではないかというふうに思いますし、今お聞きしま すと、理事長への注意処分も本日ということをお聞きしますにつけまして、大変 そういう意味ではのぞみの園が発足以来、大変支援度の高い重度の方々の施設で、 最大限優先すべき生命の安全への配慮とかその辺りの姿勢が果たして迅速性とか 軽んじられないような対応をしないと、とてもでないけれども、ほかの項目にい ろいろ評価させていただいていますけれども、命に関わるところの問題が軽んじ られることがないように、対応の仕方によっては外部から見るといかがなものか と、そういうことになる可能性があるので、さらに厳しくけじめをつけないとい けないのではないかなというふうに思います。感想並びに意見、長々と申しまし たけれども。 ○上野谷部会長  いかがでございましょう。  多くのご意見もございましょうし、私も先ほど理事長以下、担当所管課にも少 し意見をさせていただきました。前回も少しお話をさせていただいたんですが、 今日、最終評価をこの評価項目に沿ってせねばならないため、石井委員の指摘で はございませんが、これは全体を揺るがすものですが、評価は評価として粛々と やっていただくということになりますので、ご協力をお願いしたいと思います。 ○宗林委員  政策評価官の方にお願いがあるんですが、今のこののぞみの園さんの所在不明 事故に関する報告もその一つだと思いますが、その他大変気になっていたのが、 例えば、今日の医薬品機器総合機構さんのところで、理事長さんがしばらく空席 になっていた時期がありました。お辞めになって次の方が来られるまでの間、代 理の体制で行っていたときもそうだったんですが、そういった大変重要なことだ なと思うことが新聞情報等、これはそういう形ではないですけれども、ご連絡等 々がなく、また理事長のトップマネジメントという項目に反映が全くなく、特段 の説明もなかったんですね、その空白の期間にどういうふうにそこをしてきたの かということが。ですから、ここで言うべきことではないんですが、その総合法 人にとってとても大切なことについては、やはりご説明をなるべくしていただけ るようにお願いしたいなと思います。各法人、法人の評価とかそういう場面では なくても結構ですので、お願いしたなと思っております。 ○上野谷部会長  ありがとうございます。 ○政策評価官  ご指摘をいただきまして、ありがとうございます。先ほどもこの部会が始まる 前に部会長にもお話をさせていただいたんですが、評価部会というのは、もちろ ん評価項目に基づいて評価をいただくわけなんですが、そのためにはその前提と して法人の総体といいますか、特に法人を巡る大きな出来事なども、会議の都度、 適宜情報を報告し、全体を見ながらそうしたものも見ていただくというのが本来 の評価のあり方なのであろうかというふうに感じる次第であります。今回のこの 事件に関しましては、私どももこの間の部会において、評価官室としては知悉す るに至ったものではございますが、ただ、こういったことがこの種の法人を巡る 大きな出来事ということについて、折りに触れ情報を入れるように気をつけてい きたいと思います。私も7月に来たばかりなんですが、例えばこの時期が終わり ますと、関連する施設をよく見ていただいてお話を聞いていただくという機会を 設けたりはしておりますが、そうした機会やあるいは部会の機会をとらえて、そ うしたこともないかどうかということは所管課に確認しつつ、これからは進める ようにしたいと思います。  あとはやや冗長なお話になるかもしれませんが、先ほどどうして報告がなかっ たのかというご質問があって、「思いが至らなかった」という答えがあったわけ ですが、そこについては私もどちらかといえば、委員会に対応する立場で申し上 げますと、多分その2回部会があったわけですが、これは私の勘ぐるところによ りますと、やっぱり当日の部会の議題は何かという対応に汲々とする部分が率直 に言ってございまして、まさに「思いが至らなかった」というのが準備をする事 務方の本当のところであったかというふうに思います。それはそれ自体、非常に 問題なんですが、気がつかなかったということですね。評価の期間に係る出来事 を整理するとか、議題に関わることを整理するということに追われていたのでは ないかというふうに思います。その点においては、もう少し評価官室も注意をし て委員の方々と血の通ったコミュニケーションができるように、これから心がけ たいと思います。 ○上野谷部会長  よろしゅうございますか。  また全体の評価の後の議論がございますので、そこでも関連する事がございま したらご意見を頂戴したいと思います。  それでは、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の中期目標期 間の業務実績の最終評価に入ります。  まず、全体の評価をさせていただきますが、のぞみの園のほうから10分から15 分でご説明いただいて、その後事務局のほうから業務実績全般の評価という総論 部分を中心にお話をいただきたいと思います。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長  法人事務局長の石井でございます。  それでは、資料3の4枚目をめくっていただきますと、評価シートが出てまいり ます。横表の評価シートになりますけれども、1ページから30ページまでかなり 大量の評価シートになっております。  まず、1ページからこの評価シートに沿って概要をご説明させていただきたい と思います。  1ページから3ページ目まで、効果的な業務運営体制の確立について記載がござ います。のぞみの園におきましては、入所利用者の自立支援と地域移行、そして 国から示された行政改革の重要方針等を踏まえた人件費の削減、それから18年度 は障害者自立支援法の施行ということで、新事業体系への移行と、こういった大 きな流れの中で法人の運営管理を効率的に行うために法人事務局を設置し、ある いは直接支援部門を総合施設として統合し、それから、自立支援法の施行に基づ いて居住の場と日中活動の場の分離におけるサービスの調整を行う部の新設等々 を行い、さらには生活寮の再編を行いまして、22カ寮を19カ寮へ3カ寮の削減を 行ってきたと。年次を追って計画的に組織を見直してまいりました。職員数につ いても、定年退職者の後補充を抑制しつつ、また役職員の給与等についても毎年 3.5%ずつ削減を実施するなど人件費の縮減にも努めてまいりました。その結果、 職員数においても平成17年度を基本に比べますと、5%以上の削減という目標は 達成しておりまして、給与においても独法化以前の国公との給与の格差14%と、 これを解消しております。人事配置につきましても、地域移行を推進するために 各地から優秀な人材を登用し、合わせて利用者に対するサービスの向上等、職員 の意識改革に積極的に取り組んでまいりました。こういったことで、事業全般に わたって効率的な運営体制の確立という点では実績を上げているのではないかと 思っております。  さらに4ページ以降、内部進行管理の充実ということで記載をしておりますが、 モニタリングシステムあるいは苦情解決制度等を確立いたしました。そのほかに も外部の方々のご意見を賜る仕組みであるとか、会計監査制度、外部の会計監査 人による監査制度を取り入れてまいりました。さらに利用者や職員の健康、安全 の確保、事故防止、防災といったことについても定期的にきめ細やかに実施する ことで一定の効果があったものと考えております。  しかしながら、6ページに記載をさせていただきましたが、平成19年度4月に先 ほど理事長からご報告がありましたように、施設利用者の1人が所在不明となり まして、今もって不明の状態が続くという状況が発生しております。利用者の生 命をお預かりする、あるいは安全をお預かりするという施設としては取り返しの つかない状況を発生させてしまったということで、役員幹部はもとより、職員一 人一人が十分反省して、今後このようなことがないように施設の重要性を再認識 するべきであると考えております。こうしたことが二度と発生しないように、行 方不明の発生状況や原因を検証し、さらにはリスク意識を高めるために、全職員 を対象にリスク管理研修会を開催するなど支援方法の細部にわたり再検証を行い ました。支援に当たっての油断や思い込みを徹底的に排除すると。今まで以上に 事故につながる要因を解消する努力をしてまいりました。また、この事故を境に 利用者の所在確認を職員に喚起するための園内放送の徹底を図り、敷地内の出口 等に防犯カメラを設置するといった措置を講じ、再発防止に努めております。  7ページからは業務運営の効率化に関する経費節減に関しての記載がございま す。経費節減につきましては、人件費・物件費ともに縮減に努めてまいりました。 人件費につきましては、先ほども申し上げましたけれども、役職員の給与を毎年 3.5%ずつ引き下げてまいりました。この結果、人件費については平成14年度に 比べ6億2,000万ほどの節減をいたしました。さらに詳細は後ほど26ページのほう で、予算の関係でご説明いたしますが、節約を重ねることによって19年度の運営 費交付金は25億5,000万と14年度に比べて13.1%縮減を達成したと。それから、 契約の競争化を図るなどの縮減対策を行う一方で、業務の受託あるいは実習料の 徴収、施設の有料化、診療報酬の増収等々を図って運営費交付金以外の収入の確 保について努力をしてまいりまして、総事業費に占める自己収入の割合を38.8% 以上にするという中期目標についてもかろうじて38.8%ということで目標を達成 しております。  9ページ以降は効率的な施設設備の利用についてでございます。地域の社会資 源あるいは公共財としての利用を進めるために県内の障害者団体等の研修会や講 習会の会場として提供し、あるいは地域住民に対しましては、体育館施設を開放 する等々の効率的な使用を図ってまいりました。また、ボランティアの方々を毎 年1,000人以上受け入れるといったようなこと、あるいは15年度から新たにのぞ みふれあいフェスティバルといったようなものを開催いたしまして、県内の福祉 関係者や地域住民との交流のための施設の利用活用を図ってまいりました。  また、地域の知的障害者に対する支援の充実を図る観点から、地域の知的障害 者のニーズに応じて、通所系のサービスの事業を拡充してまいりました。障害者 自立支援法の施行に伴い、若干の事業形態に変更はございますが、現在では地域 の知的障害者を対象とする事業として日中活動の提供、それから地域生活支援事 業、これは日中一時支援事業ということでございますが、こういった事業あるい は短期入所、そして相談支援事業等々を展開いたしまして施設を有効に活用して おります。診療所につきましても、これも後ほど出てまいりますが、平成7年度 保険医療指定機関の指定を受けまして、14年度には有床診療所ということになり まして、入所利用者を中心にでありますが、医療の提供を図ってまいりました。 独法後は平成17年度に臨床心理科と機能訓練科を診療所に統一しまして、理学療 法IIIの保険診療を開始するなどして障害医療の提供体制を整えております。さら には診療所の機能を活用した障害者医療セミナーであるとか、外来患者の保護者 を対象とした学習会等々を開催するなど施設機能を十分活用して地域の知的障害 者とその家族に対する支援の充実を図ってまいりました。  さらに11ページ記載でございますが、遊休建物につきまして特に職員宿舎の空 き室につきましては、入所利用者の地域での生活体験のための地域生活体験ホー ムといたしまして、その活用を図っております。地域生活体験ホームは平成15年、 4戸12人の利用であったものが最終年度、19年度には11戸、33人を対象とするま でに至っております。  次に、11ページ下段、合理化の推進でございます。まず、外部委託の拡大につ いて、これは独法以降時に既に12業務の外部委託がされておりまして、新たに外 部委託を要する業務が見当たらなかったというのが実情でございますが、競争契 約の実施につきましては、指名競争入札を実施する一方でプロポーザルといった 方式も取り入れて契約を実施してまいりました。このような努力の結果、12の外 部委託業務について中期目標期間中に8件の入札ということになりました。この 結果、委託額は15年と比べて8,700万ほどの削減となっております。  続いて、13ページからは2つ目の大きなくくりになりますけれども、国民に対 してのサービスその他の業務の質の向上に関する事項でございます。  13ページから自立支援のための取組ということでございますが、中期目標にお きまして重度知的障害者のモデル的な処遇を行うことにより、入所者の地域への 移行を積極的に推進し、入所者の中期目標期間中において3割から4割程度縮減す ること、また、この場合特に支援の必要度が高い入所者の地域への移行について も積極的に取り組むこととされておりまして、当法人といたしましては、この目 的を達成するために地域移行に向けた取組を順次実施してまいりました。その結 果としまして、44人の地域移行者の達成と。それから、受け入れ先が決まれば移 行が可能なものということで22人待機という状態になっております。取組として 具体的に申し上げますと、地域移行を進めるに当たり、実施体制の充実・強化を 図ったと。地域移行推進本部を設置し、後には地域支援部という形で地域移行全 般を担う組織を体系づけました。それに併せまして、地域移行の実績を持つ優秀 な人材を招聘いたしまして、地域移行に関する取組の推進と法人内の人材育成に 当たりました。地域移行の取組については、宿泊体験事業や地域での生活体験を 実践するための地域生活体験本部の拡充を図りまして、先ほども申し上げました が、職員宿舎「あおぞら」あるいは市街地において「くるん」、民家を借り上げ た「おおいし」、「ひじり」と、こういった体験ホームを設置いたしまして、地 域生活に備える場の確保を図り、地域生活により近い環境での支援を行っており ます。また、入所利用者の対応に応じた効果的な支援を行うため、生活寮の再編 をいたしまして三寮の削減を図ったということであります。  さらには地域移行への理解と協力を得るために国、関係団体の会議あるいは等 法人のセミナー等々の席で発言の機会を得まして、特に出身県の地方自治体に対 しては、あらゆる方法、機会を通して様々な要請をしてまいりました。地域移行 の事業を推進するに当たって、当法人として特に重要視したこと。これは14ペー ジの下段に基本的な考え方として記載をさせていただいておりますけれども、1 つは障害の軽重にかかわらず、入所利用者全員を対象にすること。2つ目に本人 の意向を尊重し、家族との同意の確認を行うこと。3つ目に家族の経済的な負担 を求めないこと。4つ目として移行先の条件整備と支援体制の確保を図ること。5 つ目として移行後のフォローを行うことと、こういった5つの考え方を基本方針 として地域移行に取り組んでまいったところであります。  入所利用者や家族に対しての説明というところでは、地域移行に関する同意を 得るために入所利用者については宿泊体験事業であるとか地域生活体験ホームの 体験を通じて、地域での生活により近い体験ができるような体制を整えたと。そ れから、家族に対してはパンフレットを配布するあるいはアンケート調査を実施 するということで意向を聞きつつ、移行者のビデオを製作し、保護者懇談会等に おいて主張の機会を設けて、保護者、親族等の理解を求めたということでありま す。体験ホーム等の利用状況については15ページから16ページに記載のとおりで あります。  さらには16ページに入りますけれども、受け入れ予定先での支援の状況あるい は情報収集、そういったことを行いつつ、事前の現地調査を行い、利用者の希望 を取り入れたライフプランを立て、本人ともどもの見学を行い、あるいは宿泊体 験を通して本人の地域移行の意思の確認、それからその後の生活の安定のための 準備、こういったものを行い、移行後は受け入れ先の事業所を介して、当法人の 職員が出向くあるいは電話をするということでフォローアップ、アフターケアと いうことに努めてまいりました。このような進め方によりまして、先ほど冒頭申 し上げましたように、独法化後、44人の地域移行をなし遂げたということであり ます。ただ、結果といたしまして、目標である3割から4割という地域移行のこの 数値目標に対しては、不本意な状況となりました。しかしながら、受け入れ体制 が未整備であり、地域基盤も概してよくない中での4.5年間、入所者一人一人の 意思を尊重し、丁寧に手順を踏みながら、かつ積極的に地域移行に取り組んでき たと認識しております。また、この成果が第2期中期目標期間の地域移行にも反 映していくものと考えており、地域移行を推進する過程では当初以上の実績が上 がっているのではないかというように思っております。  次に、17ページ移行、調査研究に関してでございます。  のぞみの園におけます地域移行に向けた調査研究を進めるに当たり、平成17年 度には研究課を独立させ、外部から研究課長を招聘いたしました。また、外部の 学識経験者等を加えたのぞみの園研究会議、これを設置しまして法人内において も調査・研究調整会議などを設けるなどして研究の実施体制の充実を図り、十度 の知的障害者の自立支援に関する厚生労働科学研究あるいは法人内研究調査等々 を進めてまいりました。研究の実績といたしましては、18ページから19ページに 掲げてある記載のとおりでございます。  この研究の成果の積極的な普及・活用という点では、法人のホームページによ る情報発信でありますとか、法人の機関紙でありますニュースレター等々に掲載 して公開することによって、その普及を図ってまいりました。また、20ページに は講演会の開催の項がございますが、ここにも記載しましたように、のぞみの園 が全国の知的障害福祉関係職員等を対象に行う各種セミナー、研究発表会あるい は講師派遣要請の折、積極的にこの研究の成果を発表し、さらには他の団体が開 催する研究会議、各種学会等で発表の機会を得て公表することにより、紹介と普 及に努めてきたというところであります。  21ページには養成研修についての記載がございます。養成研修ではのぞみの園 が行う全国の知的障害福祉関係者を対象にした福祉セミナーあるいは障害医療セ ミナー、こういったものを毎年実施してまいっておりまして、これらの研修を通 じて養成研修を図ってきたということであります。特に18年度からは国の要請を 受けまして、行動援護従業者養成中央セミナー、これを開催いたしておりまして、 全国都道府県を対象に行動援護に関する指導者となるべきものの養成を実施して おります。一方で、福祉大学や各種学校の研修、実習の場として将来の施設職員 となる学生が多くなっております。研修や実習の終了後には必ずアンケート調査 を行いまして、概ね好評という結果を得ております。また、この結果についても 次年度以降の研修実習に繁栄させるということで養成研修に努めてまいりました。  22ページでございますが、援助助言というテーマがございます。ここでは障害 者支援施設からの養成に応えてということで、資料を提供し、助言をし、来訪者 には施設を案内する等々の対応をしてまいりました。18年度には障害者自立支援 法の施行に伴いまして、地域相談支援センターを立ち上げ、地域の相談支援につ いても十分対応できる体制といたしました。ホームページやニュースレターの交 付と相まって、徐々に援助助言に関する問い合わせが増えつつありまして、特に 19年度は個別支援計画、新しい体系に入ってからの個別支援計画に対する問い合 わせが多くございました。この援助助言の機能は今後も利用の拡大が大幅に見込 まれているものであります。  23ページ、その他の業務ということでございますが、診療業務と実習を受ける 事業あるいは相談事業を掲げてございます。診療所は先ほどから申し上げており ますように、当法人施設の入所利用者に対する診療業務、これが主体でございま したが、平成7年度保険診療期間となってからは地域にも門戸を開放しておりま す。診療実績については、内科につきましては18年度まで増加傾向にあり、19年 度は若干減少となりましたが、ベッドはほぼ満床状態でありまして、今後は横ば いで推移するものと思われます。また、外来につきましては毎年増加傾向にあり まして、これは今後も増加の道をたどるのかなというふうに考えております。全 体の診療収入につきましても、19年度約1億円という実績を上げております。  24ページ、実習生の受け入れに関しましては、先ほども申し上げましたが、福 祉系の専門学校の実習生の受け入れ等々を積極的に実施しております。ただ、16 年度に受講料の改定を行いまして、収入増を図ってきたという点もございます。 それから、居宅の支援知的障害者に対する相談事業といたしまして、18年度地域 相談支援センターを設置しました。これは高崎市からも相談支援事業を受託いた しておりまして、高崎市の相談支援機関としての機能も備えております。  25ページには第三者評価の実施と評価結果の公表に関する事項が掲載されてご ざいます。第三者評価の実施に当たっては、法人内に第三者評価委員会を設け、 同委員会において評価の基準を決定いたしまして、その基準に基づく実地評価を 群馬県が認定する民間の第三者評価機関に委託をしております。民間の第三者評 価機関は平成18年4月から5月にかけてのぞみの園に実地評価を行いました。第三 者評価結果報告書として第三者評価委員会に提出しております。報告書は第三者 評価委員会において審議されまして、同委員会の評価として決定され、のぞみの 園に報告されるということになります。この第三者評価結果報告書につきまして は、ホームページで現在も公開をしております。また、のぞみの園ではこの委員 会の委員の発言を踏まえまして、この後施設利用者の居室の環境改善のためのエ アコンの設置でありますとか感染症の予防のための対策等を推進し、利用者の生 活環境の改善に努力してまいりました。  26ページは電子政府化についてでございますが、記載のとおりでございます。 中段以下から財務の関係が記載してございます。予算収支計画、資金についてで ございますが、当法人の予算は国からの交付金、それから自己収入ということで 賄われております。先ほども申し上げましたけれども、一般管理費及び事業費の 経営費の最終年度の額を平成14年度に比べて13%以上縮減するという目標に対し ましては、13.1%と達成しております。また、総事業費に占める自己収入の比率 38%以上という目標に関しましては、38.8%とやはり目標を達成することができ ました。また、下段のほうには収支計画に記載しておりますが、平成16年度に自 己都合退職者が予想以上に多くて、当期損失1億2,000万円余りを計上することに なりました。繰越欠損金として処理をしてまいりました。中期目標期間の期末に 当たります平成19年度におきまして、費用申告処理の原則から全てを収益化した ところ、当期総利益が1億2,700万、これを計上することができまして、これによ り繰越欠損金は解消することができております。また、当期総利益から前期繰越 欠損金を差引いた744万1,000円につきましては、国庫へ返納するということにな りまして、20年7月、その手続を完了しております。  27ページ以降の資金計画、短期借り入れの状況については記載のとおり、適切 に短期借り換えを行い、償還の手続を行っております。  最後に29ページ、その他の業務運営に関する重要事項の人事に関する件でござ います。これにつきましても、先ほど来から申し上げておりますように、組織の 変更、統廃合を行いながら職員の配置について適切に対応し、定年退職者の後補 充についても抑制しつつ、必要な部門への重点的な配置を行ってまいりました。 この結果、期末の職員数、これを期首の90%にするという目標については19年度 末において87%となっており、目標を達成しております。  また、30ページ、施設設備に関する計画につきましても、中期計画当初には計 画されていなかったものの、17年、18年、19年と国から施設整備費補助金が助成 されております。老朽化、緊急度の高いものが整備されてきたということであり ます。  以上が独立行政法人になりました国立のぞみの園におきまして、第1期の中期 目標期間4.5カ年の実績報告でございます。20年度から第2期の中期目標期間に入 っておりまして、利用者の安全に十分配慮しつつ、引き続き効率的・効果的な業 務運営を目指すとともに、国立のぞみの園に課せられた重度知的障害者の地域移 行などの目標と課題達成に向けて努力をしたがってまいりたいと思っております。  以上でございます。 ○上野谷部会長  それでは、続きまして、事務局のほうから全般の評価についてお願いします。 ○政策評価官室長補佐  今の資料3の1ページ目をご覧ください。読み上げさせていただきます。  中期目標期間(平成15年10月〜平成19年度)の業務実績について。 「(1)評価の視点」。  独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園(以下「のぞみの園」と いう。)は、特殊法人心身障害者福祉協会が平成15年10月に新たに独立行政法人 として発足したものである。  本評価は、平成15年10月に厚生労働大臣が定めた第1期中期目標期間(平成15 年10月〜平成20年3月)が平成20年3月末に終了したことに伴い、第1期中期目標 期間全体の業務実績について評価を行うものである。  のぞみの園に対しては、特殊法人から独立行政法人となった経緯を踏まえ、弾 力的・効果的な業務運営を通じて、業務の効率性、質及び透明性の向上により国 民の求める成果を得ることが強く求められている。  当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基 準」及び個別項目毎の評価の視点等に基づき、各年度の業務実績の評価において 示した課題等、さらには、「独立行政法人整理合理化計画」、総務省の政策評価 ・独立行政法人評価委員会から寄せられた意見や取組方針も踏まえ、最終評価を 実施した。  なお、のぞみの園が行う業務のうち、重度知的障害者の自立支援のための取組 は、法人の設立目的の変更に伴い、これまでのいわば「終生保護」から「地域生 活への移行」へと支援の方向が大きく変わることとなったことから、施設利用者 及び保護者・家族等の理解はもとより、施設利用者を支援する職員の意識の改革 等を図った上で推進される必要がある。このようなことから、自立支援の取組の 評価に当たっては、数値目標の達成状況に着目することはもとより、地域移行に 向けての条件整備全般にわたって、施設利用者一人ひとりに対してどのような取 組を行ったか、そのプロセスが重要であることを特記しておきたい。  「(2)中期目標期間の業務実績全般の評価」。  当委員会においては、のぞみの園が独立行政法人として発足して以来、「重度 の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援の提供、知的障害者 の支援に関する調査及び研究等を行うことにより、知的障害者の福祉の向上を図 ること」というのぞみの園の設立目的に照らし、業務により得られた成果が、ど の程度寄与するものであったか、効率性、有効性等の観点から適正に業務を実施 したか、などの視点に立って評価を行ってきた。中期目標期間の業務実績全般に ついては、次のとおり、適正な業務の実施に向けて努力をしたものと評価できる。  業務運営の効率化に関しては、のぞみの園の設立目的に沿った業務運営を行う ため、重度知的障害者の自立(地域移行)に向けた推進体制を整備するための組 織改編を平成16年度及び平成17年度に行ったほか、併せて、地域移行に伴う施設 利用者数の減少を踏まえた生活寮の再編を平成17年度及び平成19年度に行い、施 設利用者への支援が効果的に提供されるよう計画的に取り組んだ。特に、平成18 年度においては、障害者自立支援法による新事業体系への移行に併せ、同法の理 念である「居住の場」と「日中活動の場」を分離したサービスへの転換を図った が、同法の理念の徹底と効果的な実施を図るため、職員の意識改革を含めサービ ス提供体制の整備を図ったところであり、中期目標期間全体を通じて、地域移行 の推進を図るための業務運営体制の整備に積極的に取り組んできたことを評価す る。  業務運営の効率化に伴う経費節減に対しては、中期目標において設定された運 営費交付金の13%以上の節減に向けて、役職員の計画的な給与の引き下げや常勤 職員数の抑制等による人件費の削減、外部委託や競争入札等の導入よる業務委託 費の削減を図るなどの取組を積極的に行ったことにより、平成19年度予算におけ る運営費交付金を独立行政法人化以前(平成14年度)と比較として約4億円を節 減し、中期目標を達成したことを評価する。  また、地域移行の取組については、施設利用者の年齢、在籍期間及び地域の受 入体制等の概して良い条件とは言えない中で、平成20年3月末までに44名の施設 利用者が出身地での地域生活のためにのぞみの園を退所したほか、関係自治体や 事務所と調整中の者が22名いるなど、着実に成果を上げてきたことが認められる。 一方で、中期目標に掲げる数値目標と実績との間には、大きな開きがあるが、当 委員会としては、「(1)評価の視点」に示したとおり、施設利用者及び保護者 ・家族の意向を尊重しつつ、障害特性に合わせたより具体的な地域生活への移行 に向けて受入先との調整を行うなど、一人ひとり人権を尊重して丁寧に手順を踏 んで取り組んでいることを評価したい。  さらに、調査・研究及び研修については、重度・重複の知的障害者の地域移行 に関する調査・研究に取り組むとともに、全国の知的障害者の福祉・保健医療等 の業務に携わる者の資質の向上を図るためのセミナー等を積極的に実施している。 セミナーのテーマについては、障害者自立支援法の事業展開等の社会的ニーズの 高いものや、同法に基づく新サービスである行動援護に関することなど、知的障 害者の支援の向上に繋がる内容を取り上げ、企画・実施しており、着実に努力し ていることが認められる。  一方で、最終年度の平成19年度に施設利用者の所在不明事故が発生しており、 人命を預かる施設としてこのような事故が二度と起きないよう、支援方法等を再 確認するなど、再発防止に向けた取組に万全を期すことを強く希望する。  この以下の(1)から(4)については大島委員のほうで講評の中に盛り込まれている ということなので、ここは省略させていただきたいと思います。  それから、その次の具体的な評価内容につきましても、全般的な評価の詳細に なりますので、省略させていただきます。  以上です。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。では、続きまして、大島委員からご講評をいただき ます。 ○大島委員  それでは、国立のぞみの園の最終評価ということで少々講評させていただきま す。  まず、業務運営の効率化につきましては、中期目標を達成し、地域移行の推進 を図るための業務運営体制の整備に積極的に取り組んでこられたということで評 価をいたします。そして、今後は施設利用者及び保護者・家族等について高齢化 等が進んでおりますので、ますます地域移行への条件が困難となるということが 想定されますが、施設利用者の障害特性や自立の状況等に併せて多様な選択肢を 提供するなど、施設利用者の移行を最大限尊重して、効果的な取組を実施するこ とにより施設利用者が希望する地域移行が早期に実現できますように、一層のき め細かい対応を期待しております。  また、のぞみの園の資産ということで話が出ておりました土地については、事 業規模に比較して資産の額が多額となっていますので、所有の必要性等を含めて 検討を行うことが望まれます。  また、調査研究、研修についてですが、努力をされていることは認められます。 今後は民間では対応が難しい先駆的な調査研究や国外の知的障害者関係情報等、 収集・分析、関係機関、施設との連携によるプロジェクト研究に取り組むなど、 独立行政法人として特色のあるテーマ設定や内容とすることが望まれます。  さらに先ほど来、説明がありましたけれども、第1期の中期目標期間最終年度 である平成19年度に施設利用者の所在不明事故が発生していまして、人命を預か る施設としては、このような事故が二度と起きないように支援方法を再確認する など再発防止に向けた取組について再検討をし、起こり得る事項を様々な観点か ら予測し、予想し、効果的な事故防止対策に万全を期することを強く要望いたし ております。  それから、今後の業務運営についてでございますが、第1期中期目標期間の終 了を受け、第2期中期目標期間の業務運営に当たりましては、次の4点、今省略を 事務局のほうからされたところでございますが、4点に留意されたい。第1点目は 管理監督する役員、幹部職員はもとより法人職員一人一人が重度の知的障害者へ の支援に携わる重みを改めて心に刻み、安全の確保と生命の尊重という基本原則 に即して施設利用者の立場に立った支援を提供するということが一番大きな私ど もの要望でございます。  第2番目に地域移行につきましては、今後も地域移行のプロセスを重視し、施 設利用者本人や保護者、家族に対する丁寧かつきめ細かい対応を継続しつつ、施 設利用者本人の意向を最大限尊重した地域移行が早期に実現されますように取組 の一層の充実を図るということを希望いたします。特に施設利用者本人の意向を 最大限尊重するというところを特に強調いたしたいというふうに委員会では思っ ております。  3番目にはモデル事業を通じて、国の政策課題である行動障害等を有するなど 著しく支援が必要な障害者に対する支援に取り組むなど独立行政法人としての特 色のある先駆的な取組を行うこと。民間でもたくさんの研究がされていますが、 特に独立行政法人として特色のある先駆的な取組を行ってほしいという希望がこ こでは述べたいと思います。  4番目に調査研究、研修ですけれども、従来の重度重複の知的障害者の自立に 関することのほかに、国の政策目標の実現に資する分野や、民間では対応が難し い先駆的な分野について、関係機関や大学等との連携、協力により実施するなど、 質と量の両面からより高い目標を設定し、さらに充実を図ることを希望いたしま す。  今回の全体の最終評価は大変に厳しいものであったかと思われますが、私ども 委員はのぞみの園に対して、非常に大きな期待を持っております。調査研究の部 分も、それから新しいモデル事業としての様々なプロジェクトも含めて、国とし て、あるいは国の関係施設として大きな期待を持っているものとして今回は厳し い評価をさせていただきました。  そして、最後に本年4月から第2期中期目標期間が既に始まったところではあり ますけれども、入所者の安全の確保、人命の尊重と先ほど申し上げた1番基本的 な原則の遵守に改めて立ち返るとともに、事故の再発防止に向けた磐石の態勢の 整備、取組の強化、事件・事故等について当委員会への速やかな報告、これに関 しては非常に残念でしたが、速やかな報告がありませんでした。そういうことに ついて私どもは今後その点も留意され、地域障害者福祉の向上に資する国関係の 施設となるよう努められたいというふうに希望いたします。  これに関してもう少し述べさせていただければ、今後のぞみの園がどういうふ うな方向性をとるのか、在り方がまだ決まっていないということですので、国の 関係施設としてはどのように在り方検討をするのかというその方針が早く出る必 要があるのではないかということをつけ加えたい。それから、今回の今日の処分 も含めてですが、やはりその前に昨年度終了時点で理事長が再任されております。 再任についての私どもへの問い合わせもありましたけれども、事件については存 じ上げなかったということがありまして、やはり責任のとり方というのは別に理 事長さんにどうのということでは全くないんですが、管理者の責任のとり方とい うことに関して、私どもは非常に強く衝撃を受けましたし、国はモデルとならな ければならないのではないかというふうに強く思いました。そして、今日の初め て聞きました処分も訓告ということで、国の予算を25億円使っているということ も含めて、さらに厳しく反省を込めて今後の方針を立てていただきたいというこ とが私のつけ加えた講評の部分でございます。 ○上野谷部会長  ありがとうございました。ご質問、ご意見等がございましたらどうぞ。 ○山村委員  委員会の委員とすれば今、大島委員がおっしゃったこと以上のものはありませ ん。ただ、1つだけやはり発言したということをとどめておいていただきたいこ とがございます。それは2ページの上から、2ページというのはこの最終結果報告 (案)の2ページの上から8行目、業務運営の効率化に伴う経費節減というところ でございますけれども、報告書はこれでいいんですが、業務運営の効率化に伴っ て経費を節減がされた部分も当然ありますけれども、そうではなくて、利用者が 地域移行に伴って減少しているということは、いわば主たる業務が縮小をしてい るということになりますので、それは当然対応すべき職員が絞られてくるという のは当たり前の対応でございまして、そういう意味では効率化をしたというより は適正に対応したという中身が含まれているわけでございますので、あくまでも 効率化に伴う縮減だけではないということを前から申し上げておりますけれども、 改めて申し上げておきたいと思います。先ほどの福祉医療機構の主たる業務が貸 付業務で、よほど件数が落ちているのにその対応すべき職員人件費、そちらのほ うはどうかという石井委員の意見ともほぼ同様な意見かと思いますけれども、ぜ ひそういうコメントを残しておきたいと思います。 ○浅野委員  今回評価している3つの機関の中で唯一1つだけ大きな違いがあるとすれば、の ぞみの園は直接的に人の命を預かっているという組織だと思います。それから、 今回は行方不明事故ということですけれども、過去には例えば感染症による事故 も起きているわけで、そういう意味では起こり得るリスクが顕在化してきている 現状を感じているところなので、今後の対応ということがすごく重要で、今後も こういうことが起きないんだろうかというところをちょっと不安に感じるところ も正直言ってあるわけで、そんな中で今後の評価の中で重要になるのは、もしか するとリスクマネジメントと危機管理体制ではないかと思います。そのときにや っぱり現状ののぞみの園がどんなリスクを抱えているのかというのをあらゆる面 からリスクをもう一度見直して、こういうことは起こり得るんだということで、 そういったリスクを見える状態あるいはイメージ化して、それに対して不幸なこ とではありますけども、万が一起きたときにはこういう対応をするんだというこ とを事前に少しでも予防していくような措置が必要じゃないかなというふうに率 直今までの皆さんのご意見を感じましたので、一言申し述べておきます。 ○上野谷部会長  ありがとうございます。いかがでございましょう。5年終わりましたので、激 励も込めて次への期待あるいは提言も含めてどうぞ。   ○松原委員  民間の場合には市場で評価されて、駄目なところは淘汰されるわけですよね。 独法の場合はほとんど唯一この評価委員会というところが評価される場じゃない のかなと思いますので、ぜひここでは真実の姿、本当のパフォーマンスを情報提 供してくれるように努めていただければと思います。先ほど宗林委員からご指摘 がありましたとおり、私たちが評価している団体の重要事項を新聞で知ることが たびたびありまして、特に私は総合機構がそれが多いように思っているんですけ れども、例えば人手不足で審査がストップしたとか何度も報道されていましたけ ど、それについて私の記憶するところは確か浅野委員が1回だけこういう記事が 出ているよという情報提供をしてくださっただけで、この委員会からは何もなか ったように記憶しているんですが、やはり団体全体のパフォーマンスとか姿を知 って、個々の評価もまたいろいろ変わってきますので、ぜひ先ほども思いが至ら なかったと、評価で頭がいっぱいいっぱいだったということなんですけど、それ も被評価団体の真実の姿を伝えようという意思が元々薄いからそうなるのではな いのかなというふうにも考えられますので、ぜひその点についてご確認というか、 ご認識をいただければと思います。 ○上野谷部会長  ありがとうございます。なかなか国のこういう評価委員会の持ち方、資料等の 出し方というのは難しいんでしょうが、都道府県レベルですと、本当に週刊誌の コピーまで出してこういうふうに叩かれていることから、今置かれている状況が こういう中で評価委員として中立かついい意味での機能が推進できるようにと、 そういうことはよくございますね。そういう意味では、そこまで週刊誌の記事ま でコピーをしろとは言いませんけれども、少なくとも信頼ができる筋でこういう ふうに言われているような事柄も今後の委員会運営において、私もちょっと不注 意でございましたけれども、ぜひそういうふうに持っていっていただきたいとい うふうに思いますし、もうそれこそ評価を受ける団体であります法人としては、 可能な限り分かりやすく時間内に提出していただかねばなりません。とりわけの ぞみの園に関しましては、今日評価をさせていただきました他団体に比べまして、 資料の作り方ですね、ぜひそれは評価官室がおっしゃられる立場なのかどうかわ かりませんけれども、他法人は非常に図示をしたり5年間の違いを非常に分かり やすく出したり、そういうところもできるだけ評価を効果的・効率的にそれこそ してもらいたい、全部知ってもらいたいという意思を伝えるということに関して は、とてもお上手と言いましょうか、それは当然だと思うんですね。その辺りも ぜひ次の5年間努力をしていただきたいと、このように思います。 ○山村委員  政策評価官室にお尋ねしたいんですけれども、今日説明いただいたこの資料の 19ページに中期目標期間終了後、次の手順により最終評価を行うと。その頭に暫 定評価結果を踏まえつつ、次の手順により最終評価を行うということですので、 ならば暫定評価結果を当委員会とすれば主として踏まえつつ、ここにこういうこ とをやっていかないといけないと思うんですけども、今日の法人はどの法人とも 結局各年度ごとの評価がAであったとかBであったとかずっと並べてあって、最終 評価が幾らであると、そういう形になっているんですけど、この辺りはどう考え たらいいんでしょうか。 ○政策評価官室長補佐  各法人で資料を作られるときにその辺は盛り込んで、認識して作っているとこ ちらは考えております。 ○上野谷部会長  最終評価と暫定評価の違いはどうでしょうか。 ○政策評価官室長補佐  暫定評価につきましては、先ほどの医薬品機構の評価結果の部分が4年間と5年 間という違いは当然あるんですけれども、4年間のときに受けた部分にプラスし て最終的に出た評価を盛り込んでいくという形になりますので、そこの部分につ いてはここまでが暫定だというふうな線の引き方をしていないので、ちょっと分 かりづらいということなのかもわからないですけれども、ベースは暫定評価のこ の様式を使って、それに最終で盛り込むべき部分を追加していくという形で作ら れていると、そういうふうな形になっております。 ○山村委員  僕もはっきり記憶していないんですけれども、のぞみの園さんにしても福祉医 療機構にしても、昨年度暫定評価というものをこの委員会で出したんですよね。 それはやはりAとかBとか出したんじゃないですか。ということは、どっかで消え てしまっていると。暫定評価結果というものは、そういうものは出していないん ですか。 ○政策評価官室長補佐  去年も4年分のものの平均を出して、暫定評価というものは出しています。 ○上野谷部会長  暫定評価の結果は総会でご報告をし、最終評価結果、のぞみの園と福祉医療機 構ですね。これらに関しては最終5年間の結果となりますので、それが総会で認 定されればその結果ということになります。 ○山村委員  今回ですね。 ○上野谷部会長  はい、今回です。毎年報告だけはこういう状態ですというのは非常に短い形で、 11法人ありますから。 ○山村委員  僕が申し上げたいのは暫定評価結果というふうにわざわざ書いてあるものです から、暫定評価というのは昨年やっているわけですよね。だから、昨年の段階で、 のぞみの園の場合ですと昨年度の大きな行方不明もそうですけれども、そういう のはそこの場では当然反映されるものであったのであろうなと、そんな気もする ものですから。 ○上野谷部会長  そうなんです。ですから、この19年4月ですので、本来議論のときに少しそう いうことが影響していたかもしれませんけれども、そういう意味ですね、先生。 去年、19年8月に総会をしていますよね、そのときにのぞみの園の暫定評価をし ていますでしょう。19年度は入っていませんけれども。ですから、それは事業と しては18年度までのものなんですが、しかし、その対応とか態度に関して少しこ れ難しいところで、心情で評価が変わるとは思いませんけれども、その体質は前 年度もあったのではないかと、その感染症の問題を含めて。そういうふうなこと を知っていれば、少し評価視点が変わっていたかもしれないということはありま すが、しかし、それまでの19年度を省く評価をしておりますので、前年度までの 評価で暫定をしているということになります。そういう理解でいいんでしょうか。 ご説明していただけますか。 ○政策評価官  暫定評価は、こののぞみの園の場合で言いますと、18年度までの評価というこ とになりまして、その意味ではこの事故の発生というのが19年4月23日というこ とですから、厳密に評価の年度の区分という意味では19年度ということでありま すので、暫定評価の中には含まれません。ただ、その議論とは別として、当然随 時そういったことが起これば報告をしていかなければならないということでござ います。したがいまして、今回そういう報告が遅れたということは非常によろし くない状況でございます。しからば全くその結果というか、こういったようなこ とが起こった、そして報告が遅くなったという体質が今回の評価に反映されてい ないかといえば、そういうわけではございませんで、それがまさに今回の最終的 に総合評価の中で、要するに暫定評価というのはまさに暫定というようにファイ ナルではありません。ですので、今回まさにそういうことが分かったそれを踏ま えたご評価をいただいているのが今回の最後の評価ということになります。 ○上野谷部会長  ただ、その平均点を出しますので、少しそこはそのまま今年の出来事が即もっ と低くなるということはないですね。 ○政策評価官室長補佐  今回のことを含めて評価をもっと落としたということだと思いますが、一応こ の暫定評価にしろ、最終評価にしろ、こちらのルール上は数値を平均して出すと いうことになっていまして、そこのそういうことがあったので勘案して1ランク 落としましょうとか、そういうところにはまだ至っていないと思います。そうい う事例も今までなかったということもあるんだろうと思いますけれど、そこまで は対応し切れていないということだと思います。 ○山村委員  のぞみの園と外れて今のことを考えますと、5年に1回のことですから、先の話 ですけれども、暫定評価というものと最終評価というものの関係がどのように扱 っていくのかということについて、やはり改めて考えておかないと、暫定評価が どのように最終評価と関係するのかというのは少し僕自身もよく分からなくなっ てきそうなのでというような意味です。 ○政策評価官  暫定評価の一つの役割として、次の中期目標の策定等に当たって、その部会の まさに暫定的なご評価をいただいた上で、それに基づいて中期目標の策定等を行 うと、そういう機能がございます。今のご指摘に関して言いますと、やはり評価 の区分、年度の区分ということで申し上げますと、こういった今回のような事案 の評価というのは19年度において、これはかなり厳しい評価を受けて、その結果 総合的な評価に評定としてはね返ってくるというのが、それが本来の評価のあり ようであろうというふうに思いますので、その意味では先ほども申し上げました ように、この事件自体は19年度の評価に関わる問題で、それが非常に重いもので あればそれなりの評定として低い評価を受け、そして全体としての総合評価の結 果になるというのが、これは理屈なんですけれども、そういうことでございます。 ○大島委員  今の説明はよく分かったんですけれども、昨年やはり20年度もう始まりました ので、20年度の検討のときに先ほどリスクマネジメントの話等が出ましたが、そ ういうことを前提にしながら次の計画を立てるというのは当然のことだと私ども は思っておりました。ただ、今回のこれは評価としては出なかったので、19年度 で今回の評価としてももう既に始まった20年度の修正というのはやっぱりしない といけないのではないかというふうに思いますが、そうでないとまた5年先まで このまま行くわけで、何ら改善されないのではないかという面では、これだけ時 間と労力と神経と使いながら私どもいて、何か全く形だけいていいのかどうかと、 そういう深刻な感想を持ちますが。 ○上野谷部会長  今回のことを受けて計画は変わるのでしょうか。また、変えねばならないとい うご意見ですが、いかがですか。 ○政策評価官室長補佐  一応この部会の審議事項の中に中期目標の策定、変更、業務方法書の認可とい うのがございます。だからその辺のことが必要であればそういう変更も可能かと 思います。 ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  現行の20年度から中期計画について内部統制、ガバナンスの強化の中にリスク 回避・軽減の取組という項目がございます。その中で施設利用者の感染症予防対 策とか事故防止対策とか、そこら辺の項目がありますので、計画自体はあるので、 それを具体的にやられているかどうかというそっちのほうの議論になっていくの ではないかというふうには理解しております。 ○上野谷部会長  何らかの形で自主的にそれを拡大解釈されるか、あるいは人命の尊重というの は一番上に上げられて、監査人のところに行かれるか、そういうことができるの か。もしできないのであれば、少しその条文を使ってでも部会としては変更も含 め、より機能的・効率的かつ目的に沿った変更を一部修正されたいぐらいはつけ 加える必要があるかもわかりませんが、いかがですか。そこまでしなくて自主的 に内容を機能的にきっちり深めることでできるような状態でしょうか。 ○社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課施設管理室長  具体的な計画を受けた取り扱いがどのように機能しているかという部分をよく 確認して、それが不十分であるとすればその中期計画の中身の改正なり取り扱い を変えていくという必要があるんじゃないかというふうに思っております。 ○上野谷部会長  と言いますのは、今日の各委員のご発言を聞いておりますと、暫定評価でその まま計画を立てるのには、委員会での意見を十分受け止めていただけていない嫌 いが感じられると。そういうご趣旨だと感じますので、ぜひ受け止めていただき たい。やはり私どもこの評価委員を受けるに当たりましては、それぞれのご専門 あるいはそれぞれの社会的な経験、社会的な知見やらを通して可能な限り独立行 政法人としての機能を国民に代わって評価をしていると、このように思っており ますので、ぜひ受け止めていただきたいと思っております。  例えば第三者評価をしていらっしゃるんですが、年に1回、今回の事柄につい ても第三者評価の意見を聞いたとありますが、記録を見ますと、2月におやりに なっていますかね、20年の。そういう細かいところを見ますと、少し後づけのよ うな感じがする部分もございますので、そういう意味ではぜひ今回の委員の方々 の発言を強く受け止めていただき、次の目標に沿って動いていただきたいと、こ のように思います。 ○政策評価官  手続に関しましては、そうした変更という道も開けているわけでございますが、 少しこの場で直ちにご説明できることでもございません。少しこれからの中期目 標がどういうふうになっており、そして、このような事態に想定し得るような中 身になっているのか、いないのか。あるいは今後の評定として少し厳しい目で見 ることによって、中期目標はそのままにしても。そうしたような対応もできるも のなのかどうかということを、所管課あるいは法人とよく相談をいたしまして、 後ほど部会長にご相談をさせていただきたいと思います。そのような形でお願い できますでしょうか。 ○宗林委員  今、のぞみの園の話が中心だったと思うんですけれども、例えば総合機構さん の場もこの夏の予算要求で安全対策業務が大きく増員されるのか、あるいは変わ るのかというお話がございました。今度例えば私どもが見せていただくときは、 もう次期の中期の5年間が決まり、そして年度計画が自主的に立てられたものに 対してどのぐらいできたかというような形で見させていただくんだろうと思うん ですが、先ほどもお話をしましたけれども、組織自体の3本柱に当たるところが 大きくバランスが変わるとか、また大きく増員をする審査手数料の大幅値上げな ど、大きく全体像が変わっていくというような形での中期目標あるいは年度計画 になるのであれば、ぜひともその評価になる前にお知らせいただくというか、そ ういう情報共有を最低限していただけないかなと思います。 ○政策評価官  率直に言って、国の予算、手続の順番、いろんな限界があります。なるべくそ のように努めたいとは思いますが。  それから、ぜひお願いなんですが、何か新聞等ご覧になってお気づきの点、ぜ ひ色々と問い合わせていただければ、もちろん対応はさせていただきたいと思い ます。 ○宗林委員  そういう意味で言いますと、先ほどお話しました理事長さん不在の下でトップ マネジメントができるのかということはお尋ねしたと思いますけれども、分から ないというご回答のままで、新任に方が決まったということを自然に知ったとい う状態でしたので、そういったことも大きな出来事かなと思いますけれども。 ○上野谷部会長  ほかはよろしゅうございますか。  評価の限界と先ほど石井委員がおっしゃっていましたように、私どもの役割が 決められた枠の中での評価、そして評価そのものがどういうふう考えられるのか ということを今も大きくいろいろなところで議論がなされている中で、ぎりぎり 私たちの力を使っていただくということでございます。かなり言葉上では省いた ところもございますけれども、のぞみの園におかれましては、ぜひ今日のご意見 を十分踏まえていただき、文章的には誤字、脱字等、私のほうに一任していただ きますけれども、全体の文章、よろしゅうございますか。 ○大島委員  2ヵ所ほど先ほど山村委員さんの部分と、それからもう一箇所、創造的という ところは私ども消したつもりがまだ入っていたものですから、その2カ所、大き な文章の流れにはならないかと思いますが、その2カ所は変えさせていただきた いというふうに思っております。 ○上野谷部会長  どこでしょう。もう一度お願いします。 ○大島委員  4ページですね。山村先生のところは2ページの「業務運営の」の次のところで、 効率化に伴う経費節減だけではなくて、減少に伴うというところを入れさせてい ただきたいということと、もう一つは4ページの(2)上3行目なんですけれども、 想像力を高めるというところ、予測し、想像力。この想像力という言葉自体は、 こういうところではどうかなということで消してあったものですから、ここの部 分、文言だけ変えさせていただきたいと。例えば予測力とかそういう想定ができ るかどうかというようなことに変えたいというふうに思っております。また部会 長と相談させていただきたいと思います。 ○上野谷部会長  少なくとも4ページの想像力を高めるなどという言葉がございますが、そこが 少しより適切な言葉に変えさせていただく。それから、山村委員のご指摘のここ の部分は少し難しいかもわかりませんが、入れることができれば。 ○山村委員  可能な限り、入れることができればそういう趣旨も盛り込んだほうが事実にか なうと。 ○上野谷部会長  そうですね、というぐらいで。 ○山村委員  少し考えさせていただくということでまとめていただければ。 ○上野谷部会長  よろしゅうございますか。そこの2点に関しましては、起草委員でもいらっし ゃる山村委員との調整もさせていただきながら、大島先生とも相談させていただ き、現課とも相談させていただき、部会長、私のほうにご一任いただくというこ とでよろしゅうございますか。もう日も迫っておりますので、来週総会ですので、 この部分を少し修正し、評点としてはこの皆さん方につけていただきましたこれ でやらせていただきたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。  では、ご了解いただいたということで、一部修正をし、このまま8月27日の総 会にご報告させていただきたいと思います。  それでは、最後に法人理事長よりコメントをいただきます。 ○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長  今回、3回にわたりまして種々ご議論いただきまして、ありがとうございまし た。3回を通じて非常に厳しいご意見をいただきましたし、また、その他いろい ろなご指摘、ご助言もございました。こういったものを踏まえて、あるいは重く 受け止めてこれからの法人運営、業務運営に当たってまいります。特にリスクマ ネジメントの関係については、私ども今いろいろ検討中でございますが、本日の ご議論も踏まえて、できる限りやってまいりたいと考えております。どうぞ今後 ともご指導、ご鞭撻よろしくお願いいたします。 ○上野谷部会長  本日の議事は全て終了いたしました。  事務局から何かご連絡ありましたらお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  次回の医療・福祉部会の開催につきましては、今日も中期計画等の話もありま したので、どのようになるか分かりませんが、追って連絡をさせていただきます。  また、総会メンバーの皆様におかれましては、来週、8月27日の水曜日、午後1 時から、場所は厚生労働省17階の専用第21会議室において総会が予定されており ますので、よろしくお願いします。  今日出された資料につきまして、お持ち帰りいただくか、もしくは後ほどこち らから郵送させていただきますので、事務局のほうにお申し付けください。どう もありがとうございました。 ○上野谷部会長  長時間にわたりまして、本当に熱心にありがとうございました。総会がござい ます。委員の先生方はまた来週お目にかかることになると思います。どうもあり がとうございました。                                            (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)