08/08/07 第34回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会議事録 第34回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会                     日時 平成20年8月7日(木)                        13:00〜                     場所 厚生労働省専用第21会議室 ○大橋座長 ただいまから第34回雇用対策基本問題部会を開催します。最初に本日の委 員の出欠状況を報告させていただきます。公益委員では宮本委員、森戸委員、使用者代 表では市川委員、労働者代表では古市委員が欠席です。次に岡崎高齢・障害者雇用対策 部長より、ご挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 高齢・障害者雇用対策部長の岡崎でございます。お 暑い中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日から少し高齢者の問題 について、皆様方にご議論いただきたいと考えています。ご承知のような人口構造の変 化等の中で、我が国の労働力をどういうふうに確保していくかという問題、それから長 寿化が進む中で、高齢者の方々の働く場あるいは生きがい等を含めた問題等々、さまざ まな観点から議論されているわけでございます。  そういう中で、私どもも春先には「新雇用戦略」ということで、今後の雇用戦略をま とめたものの中でも、高齢者の問題を1つの対象として取り上げさせていただいている ということでございます。また最近では総理の指示の下で、「5つの安心プラン」とい うものを政府として取りまとめ、今後、これを実現していくということを考えているわ けです。そういう中でも、5つの安心の中の筆頭にあるのが高齢者の安心ということで す。もちろん高齢者の安心、働くという場面だけではございませんけれども、一方で、 働くことが大きな課題になるということは、ご承知のとおりでございます。  そういう中で、高年齢者雇用安定法の前回改正の際に、皆様方に相当突っ込んでご議 論いただきました。そういう中で高年齢者雇用確保等の義務づけ等の法改正がされたわ けですが、その後、60代前半のみならず60代後半をどうしていくかということで、少し 施策的に進めさせていただいてきた部分もありますが、そういった点を含めて十分な議 論の場がなかったのでないかというご指摘も、この場あるいはその分科会の場でご指摘 もいただいてきたところです。  こういうような状況ですので、高年齢者雇用確保措置の施行状況、その他をレビュー していただくとともに、この先、どういう方向で高齢者雇用を進めていくのか。60代前 半の問題、あるいは60代後半からさらにその先ということを含めて、ご議論いただけれ ばと思っています。そういった意味で、本日は少し概観的なことをお話させていただい た後、秋以降、もう少し資料もご提示しながら、年末にかけてこういった問題をご議論 いただければと思っています。  もう1つの課題としまして、前回の法改正の中で行った高年齢者雇用確保措置ですが、 望ましい姿は希望者全員ということですけれども、種々の事情の中で基準を設けて対象 者を定めてもいいというシステムでやってきています。そういう中で基準を定める場合、 労使協定を基本としながら、なかなか労使間で話が付かない場合もあるのではないかと いうことで、一定の範囲で就業規則での対応ということも認めてきたわけです。この期 限について、301人以上の大企業については今年度末までということになっています。 これをそのまま廃止するかどうかについては、一度、労使の皆さんで議論するというお 約束になっていたということもありますので、この関係につきましても本日、ご議論い ただきまして、方針を決めていただければと思っている次第です。いずれにしましても 高齢者の問題は非常に重要な問題ですので、皆様方にご熱心にご議論いただきまして、 年末までに今後の方向につきまして、少し考え方を取りまとめていただければ幸いと思 っている次第です。よろしくお願いいたします。 ○大橋座長 ありがとうございました。それでは議事に入ります。本日は、ただいまの 部長からのご挨拶にありましたような趣旨で、高年齢者雇用対策を議題とさせていただ きます。まず事務局から資料を説明していただき、その後に皆様にご議論していただき たいと存じますので、よろしくお願いいたします。 ○長門企画課長 企画課長の長門でございます。お手元の資料1から資料3についてご説 明させていただきたいと思います。岡崎部長からもご挨拶の中で触れさせていただきま したが、本日は大きく2つのことについてご議論いただきたいと考えています。最初の 高齢者雇用対策全体に関わる議論の関係で、資料1と資料2をお配りしています。雇用確 保措置のうちの継続雇用制度の対象者の選定に係る基準、その設定に関わる特例につい ての取扱い、その関係で資料3をお配りしています。  お手元の資料1をご覧いただくと、右下に頁を振っていますが、1頁から6頁までは、 高齢者の雇用対策についてご議論いただく際の基本的なデータ等です。既に皆さん十分 にご案内のデータですが、お付けしています。1頁は高齢化の推移ということで、2020 年にかけてここでは具体的な数字も言っていますが、65歳以上の人口の比率が非常に高 まっていくという資料を付けています。2頁は、団塊の世代に特に着目して2007年問題 という指摘がありましたが、今後、2012年には団塊の世代が65を迎える動きがあること を示した図表を付けています。  3頁には、平成18年4月から施行している雇用確保措置を実施する前段階で、これまで の高齢者雇用の関係施策についての概要です。4頁は、労働力人口の見通しについて本 年2月末に、雇用政策の基本方針を取りまとめて公表していますが、その議論の前提と しての推計を行った際の数字を示しています。現状のまま推移すると2017年には約440 万人、2030年には1,070万人と非常に大きな規模での労働力人口の減が見込まれる中、 女性、若者と合わせて高齢者の就業支援を行うことで、右にあるような減の範囲に、そ の影響を緩和していくことを目指していることを示した図表です。  5頁、6頁に、高齢者の雇用並びに失業情勢の年次推移を付けています。5頁が就業率 の推移ですが、特に右の2つの欄をご覧いただくと、60〜64歳の60代前半の就業率が平 成18年4月の確保措置施行以降、顕著に伸びが大きくなってきている。併せて60代後半 も一定の伸びを見せている。70歳以降については漸減の傾向にあるという状況が見てと れます。6頁に失業情勢を付けています。高齢者は若年者ほどではありませんが、引き 続き失業率については厳しい状況があるという資料です。以上、6頁までがご議論いた だく際の基本的なデータです。  7頁以降には、先ほども話が出ていましたが、今年の年初以降あたりから高齢者施策、 特にその中でも柱となる高齢者雇用についての議論が活発に行われています。その内容 を取りまとめたようなもので、いくつか代表的なものを付けています。7頁には来年度 予算要求に向けての基本方針、いわゆる「骨太の指針2008」の抜粋を付けていますが、 8頁以降に色刷りの3枚ものの資料があります。ここで、骨太の指針でも推進を図ること が盛り込まれた新雇用戦略についての資料を付けています。8頁の上の水色の囲いの中 に書いていますが、新雇用戦略では「全員参加の社会」の実現を目指すということで、 次の頁をご覧いただくとより顕著にわかりますが、若者、女性、障害者等と合わせて、 高齢者を含めた4つの柱で全員参加の社会の実現を目指す。高齢者については右から2 つ目の柱の中に具体的な目標値も掲げて、取組を進めていくことを謳っています。  11頁で、これも新聞報道等で十分ご案内かと思いますが、社会保障国民会議の議論が 現在、中間取りまとめで議論が進行しています。この国民会議は3つの分科会を設定し て議論が行われていますが、第一分科会は「所得確保・保障」ということで、年金の問 題と雇用の問題が大きな柱として議論されています。その抜粋を付けています。  13頁以降は、先般の内閣改造直前に取りまとめを発表させていただきましたが、社会 保障について当面、取り急ぎ取り組むべき対策として5つの柱を立て、「5つの安心プラ ン」ということで打ち出しています。その最初の柱が、高齢者が活力を持って安心して 暮らせる社会ということです。その施策的な柱は医療・介護等の充実とともに、健康現 役社会の実現を目指し、14頁の水色の四角ですが、年齢に関係なく働ける環境整備が大 きく打ち出されているところです。  以上、7頁以降でお示ししたように高齢者施策、特に雇用の問題についての議論が、 このような形で活発に行われるようになってきていますので、確保措置の施行から3年 目を迎え、ある程度数字も出てきている中で、是非、今回ご議論いただければというこ とで部会をお願いした次第です。  資料2については先ほど部長からも、秋以降、本格的にご議論をお願いしたいという ことを申し上げましたが、9月以降、概ね月に1回程度、この部会の開催をお願いし、年 末までを一区切りとしてご議論いただき、その成果については高齢者雇用の確保措置の 法改正があった後に、高齢者雇用対策の基本方針を告示でお示ししています。その基本 方針の見直し等に反映させることを、現在、考えているところです。以上、資料1と2が 最初の議事に関する資料です。  資料3は、高年齢者の雇用確保措置制度の実施状況等についてまとめたものです。1頁 ですが、現在、雇用確保措置については定年年齢の引上げ、継続雇用制度の導入、定年 の定めの廃止という3つの選択肢がありますが、実際に8割を超える企業が継続雇用制度 の取組をしていただいています。継続雇用制度については法律の仕組みを考える上では、 希望者全員ということが基本的に理想の形として、これまで取組をしてきているわけで すが、実際には柔軟な仕組み、特に高齢者が個々人によって相当多様な状況を抱えてお られることに着目し、柔軟な取組ができるよう、対象者の基準を定めて限定することが 認められています。  2頁をご覧いただくと、継続雇用制度の対象者に係る基準については、労使の協定に よる基準が原則となっています。しかしながら、確保措置を導入するに当たっては初め てそういう取組が義務化されたわけですので、特に企業規模の小さな企業等を中心に、 手続等において不慣れな企業等もあるということで、一定期間の経過措置が認められて います。具体的には労使協定による基準の策定を原則としますが、労使協議が不調で協 定の締結が難しい場合、2頁の下の四角の中にありますように、就業規則等で基準を策 定することが認められています。具体的には大企業(301人以上)の常用雇用の従業員 がおられる企業については3年間、平成21年3月31日までということですので今年度末ま で、中小企業(300人以下)の企業については、平成23年3月31日までの5年間、そうい う特例があります。  この経過措置の扱いについては3頁をご覧ください。3頁の四角の下に※が2つあります。 上の※が前回(平成16年)に法改正したときの労政審の建議で、具体的にはこの基本問 題部会の建議が審議会の建議になっていますが、その一番最後のところの下線部分をご 覧いただくと、高年齢者の雇用確保の状況、社会経済情勢の変化等を考慮して、特例を 政令で定めることとし、具体的には当面、施行から3年間、中小企業は5年間、その後の 状況の変化、特に中小企業の実情等を踏まえ、当部会の意見を聴いて見直すこととする と建議の中に盛り込みがされています。これを受けて実際に法改正を行った際には、雇 用安定法の附則第5条で1項から3項の規定を置いていますが、特に3項の下線部分をご覧 いただくと、第1項の政令で定める日までの間に、前項の中小企業における高年齢者の 雇用に関する状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、当該政令について検討を加え、必 要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする、という 規定が盛り込まれたところです。  ちなみに4頁以降は、施行から2年経った平成19年6月1日現在の調査のデータで、施行 状況についての資料を示しています。4頁は確保措置の取組状況ですが、これは非常に 関係各方面のご協力をいただき、全企業で見ていただくと約92.7%の企業で取組が行わ れている。なおかつ、その下のほうのグラフを見ていただくと、当初は年金の支給開始 年齢の引上げに応じる形で、段階的に引上げを行っていくという制度設計をしていまし たが、実際の企業での対応は、一気に65歳以上まで引上げをしていただいた所が77.5% と大半を占める状況になっています。  5頁は、確保措置に3つの選択肢がありますが、それぞれの取組企業数の割合を示した ものです。これを見ていただくと先ほども若干触れましたが、継続雇用制度によってい る企業が85.8%と大半を占めています。この継続雇用制度を導入した企業のうち、本来、 理想とする希望者全員を対象としている企業が、下の帯グラフで38.8%と約4割弱になっ ています。残り6割強については何らかの基準を定めていますが、その内訳は労使協定に よっている所が42.3%、就業規則等によっている所が18.9%という状況になっています。 6頁は産業別の取組状況ですので、説明は割愛させていただきます。  7頁をご覧ください。本日ご議論いただくのは経過措置のうち、301人以上の企業を対 象にした部分です。平成19年度のデータと、平成20年度については、本年6月1日現在の 状況の調査票を回収整理している途中ですが、この就業規則あるいは経過措置に係る部 分だけのデータを先に抜き取って集計したものを、いま、お手元にお配りしています。 これをご覧いただくと平成19年度は確定値ですが、301人以上の企業が一番下の欄をご 覧いただくと1万3,737社で、このうち就業規則等によっている企業が2,441社ありまし た。しかしながら、平成20年度においては1万2,477社です。これは早期集計ですのでま だ回収率が9割で、もう1割ほど残っていますが、ほぼ全数に近いと思っていただいてい いと思います。1万2,477社のうち1,315社(10.5%)、1割ほどに減少してきています。 この1,315社について、改定予定があるかないかを答えていただく欄がありますので、 そこを併せて整理したところ、「いまのところ予定がない」という答えの企業は550社 でした。  この550社について、私どものハローワークの職員を通じ、電話で、今後の対応の可 能性についての問合せを併せてしました。電話での照会ですから全社、必ずしもその場 に居合わせていただいておらず、確認ができたのは550社のうち335社でした。335社の うち273社が、「本年度内に労使協定の締結等の対応が可能である」という回答をいた だきました。「そういう締結等は困難である」と回答した企業は8社でした。その他、 要領を得ないで不明だったところがその差です。いずれにしても、この550社のうちの 335社という比率を、そのまま当てはめるのがいいかどうかは若干の議論があると思い ますが、およそ8割を超える企業が本年度内の対応が可能だということで考えている。 そういう状況からすると、私どもとしては本来、制度改正したときも経過措置というこ とで制定した経緯もありますので、301人以上の企業に関する経過措置の部分について は本年度末をもって終了する方向で、ご検討いただいてはどうかと考えています。以上、 資料の説明をさせていただきました。 ○大橋座長 それでは議論に移りたいと思います。ただいま事務局から説明がありまし たように、高齢者が働きやすい環境整備に向けた今後の取組について、今秋以降、当部 会で議論していきたいと思います。本日は、この機会に高齢者の雇用対策問題について、 皆様のご意見、論ずべき論点、今後準備すべき資料等について、ご意見をお伺いしたい と思います。併せて、事務局から説明のあった継続雇用制度について、対象となる高年 齢者に係る基準を労使協定によることなく、就業規則等で定めることができる経過措置 が設けられている件については、常用雇用者数301人以上の大企業においては、本年度 末をもって経過措置が終了することとなっていますが、これについてもご意見等があれ ばお願いしたいと思います。それではよろしくお願いします。いかがでしょうか。 ○長谷川委員 今日のご説明にもありましたし資料の中にもありましたように、最近、 労働力人口が減少するということの中で、若者も女性も高齢者もみんな働きましょうと、 政府関係のいろいろな機関から出されているわけです。私はそのことを否定する気は全 然ないので、意欲と能力のある人はずっと働けばいいと思っています。現に自営業の人 たちの中で80歳でも90歳でも元気な人がいて、現役でいる人はいるわけです。そのこと は誰でもが認めることだと思います。  ただ、いまの我が国の社会というのは雇用社会なわけです。要するに労働者が使用者 に雇用されて、働いたことに対して使用者が賃金を支払うということで、雇用関係とい うのはそういう関係だと思います。そういう中で高年齢者雇用安定法は8条で、60歳以 下の定年をしてはならないと禁止していて、9条で60歳から年金開始年齢までの雇用の 在り方について、1.2.3.というふうに3つを提起したわけです。この法律で9条を作 るときに当時の審議会でもいろいろな議論がなされて、現在の法律の形をしているわけ ですけれども、今日の高齢者雇用の実態の説明の中で、一般的には多くの企業で何らか の形で高齢者の継続雇用を作っているということ。それと同時に、多くが継続雇用制度 をほぼ採用しているというのは、今日の資料の中でも明らかだと思います。その中で、 この資料でなかなか出てこないところで何が起きているかについて、私どもが把握して いる状況を少しご報告したいと思います。  この高年齢者雇用安定法は60歳から65歳まで、年金支給開始年齢まで1.2.3.の何ら かの措置を講じろと言っていて、大体、私どもの調査もそうですし、ほかの厚労省関係 の調査でもほぼ継続雇用で対応しているのですが、当時、労働側委員は、継続雇用でも 希望する者全員を雇用すべきだと言ったわけです。使用者側から様々な意見があって、 そのときに希望者全員でなく、差別化、区別化、選別化するために労使協定を結ぶと。 労使交渉が決裂した場合は就業規則でという形で法律は整理されていました。当時、私 は担当していなかったのですが、変な法律だなと思ったわけです。労使交渉が決裂した 場合は、就業規則で一方的に差別化、区別化、選別化できるようなものを作っていいと いうのは変だなと思っていたのです。それは全体でみんなで決めたことだからと思って いましたが、現にこの中で、希望していながら継続雇用されなかった人が出ているわけ です。いくつかの訴訟も起こされているようです。  要するに、みんな働いてください、60歳以降も働きましょうと政府関係のいろいろな 会議でも言うのです。しかし、一方では、希望した者全員を継続雇用したらどうかとい うことに対して、差別化、区別化、選別化するような協定を結んでもいいということの 結果、希望する人全員は継続雇用されていない。ここのところをどう見るのかというの が1つあると思います。  私は、要するに継続雇用を希望するということは、自分で働ける能力もあるから希望 しているのだと思うので、昨日まで働いていた人が明日になったら何で働けなくなるか。 これも理論的に解明できない話ではないかと、そのときから思っていたのですが、現実 的に起こっているので、ここは希望する者は全員継続雇用するように、そもそものとこ ろに持っていくべきではないかと考えています。  いまは70歳まで働けなんて言われるものですから、連合の中でもいろいろな議論をし ているのですが、今回の60歳から65歳のところを見ていった場合に、賃金に対する不満 が結構多いわけです。賃金が50%ぐらいと決めているみたいなのです。何で50%なのか というのは様々な理由があると思いますが、おそらく制度設計するときに賃金を50%に して、あとは年金と高年齢雇用継続給付金を使って8割ぐらいにしてという、逆に計算 した制度設計をしていると思います。労働時間など就業条件は全然変わらないのに、賃 金は低いということに対する不満はあるわけです。こういう不満を、どのように解消し ていくのかということも問われているのではないかと思います。もっといっぱいあるの ですが、皆さんも意見があると思います。60歳から年金支給開始の65歳まで、労働者が どういうところに不満や不安を持っているのかを、もう少しきれいに出しながら、法律 はどういうふうに見直していくのかということが必要なのではないか。  当初、某弁護士が、高齢者雇用安定法9条の法的効果について結構言ったことがある のです。9条というのは民事効果がないのだということも言って、9条にどういう効力が あるのかもいろいろ言われているわけですけれども、厚労省の法律を作るときに法的効 果をどういう形で担保するのかも、できたら併せて議論していただければと思います。  高齢者は、連合の中で議論するといろいろな意見があって、60歳以降になると体力が 落ちてくるので、非常に体力を要するような職場では、高齢者がそのまま働き続けるこ とは現役との中でも意見調整が難しいと言われています。ではホワイトの事務職がいい のかというと、金融機関のホワイトも、60歳を過ぎたら働きたくないという話が率直に 出ているわけです。必ずしも現場の作業だから、ホワイトだからということではなく、 全体的に高齢者が働き続ける職場環境の整備というのは、どうしていけばいいのかにつ いて、この部会で何回か議論すると思いますけれども、議論をしっかりしたほうがいい のではないか。おそらく使用者のほうもいろいろな意見があると思いますので、働く側 のほうではこういう問題意識を持っていますということを、ここ何回かで出しますから、 使用者のほうでも考えていることがあれば意見を出していただき、法律の見直すところ と高齢者が働き続ける環境とはどうあるべきかというのは、もう少しきっちりと議論し たほうがいいと思います。  最後に、私は前のときも70歳まで働く会社づくりという話が提案されたとき、なかな かそこは見えなくて時期尚早なのではないかと、まず最初は65歳までの雇用、働くとい うことをきっちりと確立して、その後に70歳というのを考えるべきだと発言したことが あります。いまでもその気持ちは変わりありません。元気で働くということを否定する のではないのですが、使用者と労働者という労使関係のところを、法律でどう制度設計 するかというときには、そういう議論もきっちりとしていただきたいと思います。 ○原委員 厚生省と労働省がくっついて厚生労働省になったのですが、年金問題と雇用 の関係ということについて、高齢者雇用の問題がこれから議論されていくと思います。 65歳とか70歳とか、こういうことを考える際、確かに高齢者雇用と言えば労働力の問題、 税金の負担の問題があると思いますが、年金の給付年齢と年金水準の問題は切っても切 れない話になると思います。いろいろなアンケート調査を見ても、確かにいま長谷川委 員がおっしゃったように、いつまでも働きたいという人が何パーセントかおられますけ れども、一般的には60歳まで、65歳までというのが過半数を超えているわけです。そう いう意味では年金を意識して、いつから年金が満額もらえるか、半分もらえるかを意識 して60歳とか65歳ということになっているわけなので、これからの議論の中では、あま り先走った議論はしたくない。「70歳現役社会の実現に向けて」というサブタイトルの レポートも出ていますが、そういうふうな先走った議論はしたくない。そういう立場で 今後議論していきたいと思っています。 ○大橋座長 そのほか、いかがでしょうか。 ○市瀬委員 私も高齢者継続雇用制度については、この制度によって労使協定で対象者 の基準を決定するということで、企業側からすれば、すごく厳しい対応が迫られるので はないかという懸念があったのですが、今日の資料の説明では、301人以上の企業につ いては対応が進んでいると見受けられますから、今度ので終了でもよろしいのかなと思 っています。ただ、私ども商工会議所の会員の中には、300人以下の企業が大半ですの で、まだ2年はありますが、経過措置の是非については中小企業の現状を精査して、経 済社会情勢なども十分に踏まえて徹底した討議を行うことが必要であると考えていま す。  これに関連した本日の資料で、51人以上の企業における高齢者の雇用の現状分析がな されていますが、今後の検討に資するためにも厚生労働省としては、50人以下の企業に おいても高齢者継続雇用の実態調査や情報の提供等を、早急に実施するようにお願いし たいと考えています。  先ほど労働側のほうからのご意見がいろいろありました。もちろんご意見はそのとお りであると考えていますが、使用者側としては、60歳からは急速に個人差が出てくるか と思っています。ですから、その辺のところを踏まえた上でとなると思います。ただ、 確かに元気なお年寄りの社会、ましてやこういう形で人口減の社会がもう迫っています ので、皆さんが働ける社会ということは、何らかの形づくりをしていきたいと思ってい ます。 ○大橋座長 その他、いかがでしょうか。 ○橋本委員 基本的に先ほど長谷川委員からもお話がありましたが、大体持っている感 覚は同じだと思います。ただ、いまもお話がありましたけれども、働く側の意識です。 私どもも定年延長を考えていろいろな検討を始めたのですが、働く側の意識がまだ、例 えば65歳まで定年を延ばそうと言っても、そこまで全員がいっていない感覚があるわけ です。おっしゃったように賃金なども途中で下がるのはおかしいではないかと。やはり 働ける人は、そのまま持っていってもいいのではないかという形でまとめようとしてい るのですが、そのためには、ある程度の段階から賃金制度も見直していかないと駄目で す。いまの終身雇用を前提にしたような賃金制度では、ちょっと無理ではないかと思っ ています。  その辺を考えると、すぐに法的に縛ってやっていくというのは、基本的にはなかなか 難しい感じがします。やはりきちんと長い話合いをして、65歳までは少なくともみんな 働こうという形に持っていかないと、難しいのではないかという感じがしています。こ れは使用者側も労働者側もそれほど意見は違わないのではないかと思っています。それ を前提にして、さっきおっしゃったように70歳までというのを見据えてやるとなると、 これまた話がちょっとややこしくなりますので、その辺を中心に議論していったらどう かと考えています。  それと先ほどお話がありましたが、301人以上の企業に就業規則でということで、例 外措置ですね。これについては来年3月で終わらせてもいいのではないかと考えていま す。 ○樋渡委員 いまのお話と重複してしまうのでそこは避けますが、私がひとつ気になっ ていたのは、70歳に向けてというのが、65歳までの雇用確保措置が法律で決まったと同 時ぐらいに出てきて、次は70歳に向けていろいろと法の改正が行われるのかなという感 覚を持ってしまった点があります。70歳になると65歳までと状況が違ってくると思いま すし、いまのところではまだ70歳という数値が目標ではないということを前提に、いま の段階でどういうことが問題になっているのかを少し整理してみるというのは、この高 齢者雇用のこれからの議論に対してベースになると思いますので、その点はいいのでは ないかと思っています。その際には、法律の改正ありきということよりも、とりあえず いまの現状と今後の課題みたいなところの整理を、まず固めていったらどうかと思って います。  特例措置の件に関しては、301人以上のところについて、ほぼこれからの予定も含め て労使協定を整えていくという調査も出ているようですので、301人以上のところに関 しての来年3月末で切れることに対しては、これはこれでいいのではないかと思います。  併せて、これまで就業規則で基準を決めていたところについて、今度労使協定にしな ければいけなくなるので、手続がまた必要になってくると思います。これが決まればい ろいろ周知をなさると思いますが、どういう手続が必要かということも併せて周知して いただければと思います。 ○大橋座長 そのほか、いかがでしょうか。とりあえずここのところで事務局のほうか ら何かご意見はありますか。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 意見というか、1つは特例措置、経過措置の関係に ついて皆さん方から本年度末ということがありました。ただ、いまありましたように、 これにきちっと対応していただけるように、厚生労働省あるいは高齢・障害者雇用支援 機構を含めて、きちんとした対応をしていきたいというのが1つです。  300人以下の関係、特に50人以下のところについてどういう把握をしていくか。今年 度から30人のところまでは一応、すべての企業を対象にということですが、全企業すべ てというわけにいかないと思います。そこは30人以下の企業の状況も何らかの形で把握 できるようにして、ご議論できるようにしていきたいと考えています。  秋以降、本格的にご議論いただく部分について、私どもは別に法改正ありきで考えて いるということではありません。ただ、一方で、先ほどの資料の2枚目にもありましたよ うに、団塊の世代の方々について今まで2007年ということを申し上げてきたのが、2012 年になればこの方々が60代後半になっていく。そういう中で、継続雇用措置がそのまま 延びるということも考え方としてはあると思いますが、一方では、年齢が高くなるに従 って同じような働き方は難しいのではないか、というご意見もあるわけです。そういう 中で、どういう社会をつくっていくのがいいのかという点からご議論いただき、もちろ ん法制度を否定はしませんけれども、むしろどういう誘導措置が必要なのか。どういう 労使の取組が必要なのかといったことも含めて、幅広い形でどういう社会をつくってい くのかという観点で、年末にかけてご議論いただければ幸いだと思っています。そのた めに必要な労使や働いている方、企業のいろいろな調査はありますので、これは少し整 理してお示ししながら、ご議論していただけるようにしていきたいと思っていますので、 よろしくお願いしたいと思います。 ○大橋座長 ほかに、いかがでしょうか。 ○長谷川委員 60歳以降の働き方というのは、本当にそこの現場の労使でなければわか らないと思います。労働時間や働く日数はそのままでもいいというところもあれば、も う少し短くしてくれとか柔軟にしてくれというのもある。それは本当に職場、職場のカ ラーがあるので、なかなかこれでとならないから、そこは労使自治に任せるしかないの ではないかと思います。いろいろなやり方があって、その企業のカラーもあるわけです。 そのままの職場でずっといるところもあるし、グループ会社で出向で出て行くとか、い ろいろなやり方がありますから、そこは本当にそれぞれのところでやることが、私は重 要なのではないかと思います。いいモデルがあればそういうのを出していただいて、い いところのものを検討していくことだと思います。  ただ、もう1つ、これはすごく言いにくいのですが、定年延長で対応するところはさ ほど多くないからですけれども、継続雇用の場合、60歳で1回退職して退職金も全部清 算して再雇用になるわけです。その人たちと、まだ若い残っている人たちの仕事のモラ ールは微妙なのです。そういうのもどうしていくのかなど、まだまだ課題がありますの で、もう少しそこは労使で話合いをしていただきながら、どういうふうに円滑に進めて いくのかの検討は必要なのでないか。301人以上の大企業のところは、就業規則による 経過措置を外すとなれば、余計そういうことに対する労使の意見交換をして、一緒に知 恵を出し合いながら共同作業していくことが重要ですから、厚労省などの行政とすれば、 そういうことについてもっと努力してほしいというメッセージを出すべきなのではない かと思います。  ただ、一方で、年金をどうするかという議論も別なところで活発に行われているので、 ここが全く関与しないということなのかどうなのか。年金との関係が、制度設計すると きに処遇の重要なポイントになっているので、年金は別な審議会でやるのだと思います が、そこをどういうふうに関係づけるのかなど、いくつか問題はあるのではないかと思 います。  あと地方でもいろいろな議論を始めているようですが、あまり地方が先走って70歳な んてことをやらないで、まずは65歳までの雇用をきっちりと確保するというところで、 地方は地方の特色があると思いますから、そこをやっていただきたいと思います。 ○大橋座長 いろいろと論点を出していただきましたけれども、いかがでしょうか。 ○野村委員 労働人口がどんどん減少するという社会の中で、高齢者の方々にも、それ ぞれの能力を発揮していただこうという社会全体の要請というのは、確かにそうだろう と思います。しかし、本来、60歳がいいのか65歳がいいのかわかりませんけれども、長 く働くというよりも、60歳なり65歳で、その後は職業人からボランティアをやったり地 域活動をやったり、自分の趣味に時間を費やしたり、そういう時間がとれるような社会 を本来はつくるべきだろうと思っています。いま、現実は65歳まで働かなければ生活で きない。要は食べていけないという現実が、ある意味では実態としてあるのだろうと思 っています。  あと60歳以降の賃金の問題ですが、これも実際、50%から60%ぐらいの賃金に抑えら れているのが実態だろうと思います。特に60歳以降の再雇用なり継続雇用を選択すると、 早いところだと55歳ぐらいから賃金が抑制されて、結果として65歳まで働いたときの賃 金と60歳で辞めたときの賃金で、要は前段で少し賃金ベースを落として横に長く延ばた という実態も、なきにしもあらずではないかと思っています。  そういう意味では賃金制度を、65歳を基準にして、これはある意味で労使の大きな役 割かもしれませんが、賃金制度はもう1回、しっかり基本から構築する。要は作り直さ ないと、今までのような賃金制度の先に65歳という賃金制度を乗せても、全体に歪みが 出てくるのでないか。そこを大変危惧しているということです。 ○久保委員 いまのお話と同様な感じですが、いま現場で起きているのはモラルダウン です。高齢者が働く上でモラルダウンが起きているというのが1つあるのです。その問 題の大きな原因の1つは賃金なのかなと思います。先月まで同じ仕事をしていた者が、 今月から50%、60%で働きなさいと言われたときに、果たして同じモチベーションで仕 事ができるのかといったところは、労使で課題に思っているところだと思っています。  あとはお金がないから働かなければいけないというのでなくて、働くというのは一体 どういうことなのか。これは理想論になるかもしれませんが、そういったところをちゃ んと見極めて、65歳とか70歳で線を引くことも重要かもしれませんが、私どもではエイ ジレスという考えもあります。本人が希望すれば働き続けることができる社会というの も、ひとつ検討する価値があるのではないかと思っています。  働き続けるためには、体力、健康状態への配慮が必要でしょうから、通常の労働者の 勤務形態をそのまま雇用継続という形は、なかなか難しいと思っていますので、いろい ろな働き方、多様な働き方というのを検討していく必要があると思います。いろいろあ ると思いますが、1つは短時間勤務、短時間正社員で働く、隔日で働く、1日の労働時間 を短くするなど、いろいろな選択肢を準備してあげることも必要だと思っています。  そういう意味では、先ほどお話があったいろいろな企業の調査のデータや、いまの高 齢者の働き方がわかる資料があれば、例えば労働時間、賃金のデータがあればお示しい ただければと思っています。 ○大橋座長 よろしいでしょうか。それでは今後の議論に向けて、本日いただいたいろ いろなご意見を整理していただいて、今後議論させていただきたいと思います。また継 続雇用制度について、対象となる高年齢者に係る基準を、就業規則等で定めることがで きる経過措置が、常用雇用者数301人以上の大企業においては、本年度末をもって終了 する件については、ご異論がなかったということで了承させていただきたいと思います。 よろしいでしょうか。                   (了承) ○大橋座長 それではそのような取扱いにさせていただきます。次にその他の議題とし て報告事項が1件あります。去る7月29日に、「介護労働者の確保・定着等に関する研究 会」において、中間取りまとめがなされ公表されました。これは介護労働者の確保・定 着等について、我が国が今後、重点的、効果的に取り組むべき対策の方向性について取 りまとめたものですが、その内容について事務局からご報告をお願いします。 ○小川雇用政策課長 雇用政策課長の小川でございます。お手元に資料4と資料5という ことで、介護労働者の確保・定着等に関する研究会中間取りまとめの概要についてと、 研究会の本文があります。これに基づいて説明させていただきます。  資料5の本文の裏表紙に参集者名簿があります。大橋部会長に座長をお願いし、ここ に書かれている学識経験者の先生方にご参集いただいて、今年4月から7月18日にかけて 7回の研究会を開催してまとめたものです。  基本的に資料4を基に説明しますが、現状認識というか、なぜこういうことを始めた かということについて申し上げれば、先ほど企画課長からもお話がありましたように、 現在、少子高齢化が進んでいるというのは、人口構成上、間違いない事実です。その中 で当然のことながら高齢者が増えていく中で、介護サービスのニーズが増えていく。し かしながら、資料の右上に有効求人倍率のグラフもありますが、こういった中で介護関 連職種の求人倍率は上昇傾向にあり、人材確保が困難になりつつある。しかしながら、 国民に対して質の高いサービスを提供しようと思えば、介護サービスの担い手の確保は 不可欠だろうという問題意識から、この研究会を立ち上げたということです。  基本的に現状と課題について把握した上で、対策の方向性について取りまとめていま す。このポンチ絵に基づいて主な現状について説明します。左上に介護労働者一般の年 収というのがあります。これは賃金構造基本統計調査を基にして、常用の一般労働者の 年収ということで比べたものですが、これを特に介護関係と比較的類似していると言わ れている医療関係職種と比較したものです。上に青色の線が2本あるのが看護師と准看 護師です。その下のオレンジ色の3本の線が介護施設専門職、いわゆるケアワーカーと。 ホームヘルパー、施設で働いている方です。看護師であれば年収500万円ぐらいまでい きますが、介護福祉士、ケアマネでも約400万円ぐらい、ホームヘルパー常用でも年収 300万円程度となっていて、基本的に医療分野の他の専門職種に比べると賃金が低い状 況にあります。その結果、そもそもある程度やりがいを感じてこういう分野で働く方が 多いですが、そういったキャリアアップが困難で、退職する男性もいるという状況にあ ります。  全体を見ると、全産業については雇用動向調査の離職率ですが、全体で見ると16.2% が全産業の離職率となっています。介護職員で言うと25.3%、訪問介護員が16.9%とな っています。特に正社員で見ると全産業では13.1%ですが、介護職員では20.4%、訪問 介護員で18.2%と高くなっています。  非正社員で見ますと、特に訪問介護員では低くなっていますが、これはある意味では 家庭の主婦層がパートが中心ですが、登録ホームヘルパーは、自分の思うような時間帯 で仕事ができるから低くなってきますが、正社員であるからとか、施設で働いている方 については高い離職率になっています。  右上に有効求人倍率がありますが、これを見ましても、特に18年、19年は全体の雇用 ・失業情勢が悪化している中でも、介護関係職種については、有効求人倍率が増えてい て、人手不足感が高まっているとなっています。主な離職理由が右下にありますが、待 遇に不満というのが25.5%でいちばん多いのですが、それ以外に例えば経営理念に不満 が23.4%とか、人間関係が23.0%ということで、そういった待遇以外の面で不満を感じ て離職されるという方が多くなってきます。この中で定着率が低い理由としては、例え ば研修・教育体制が不備だとか、夜勤が大変だとか、腰痛等が挙げられている状況にあ ります。  本文の17頁に図表7-1があります。離職階級別に見た事業所の割合ということで、で は、平均すれば確かに25.3とか、16.9とか離職率は高いわけですが、実際どういうふう に分布しているかを見ますと、例えば訪問介護員では離職率が10%未満が44.9%とか、 介護職員では36.6%。一方、30%以上離職するというのが、例えば訪問介護員では21.6 %ですし、介護職員では32.7%ということで、介護保険制度自身は当然共通なわけです が、やはり事業所によって、かなり離職率が違っている状況にあります。  そういう中で、これ以外の問題としては、今回、関係団体からいろいろヒアリングを したわけですが、介護事業主、特にトップ管理者があまり雇用管理という、特に介護保 険については最近の事業ですから、雇用管理に関する理解が乏しいという指摘もありま したし、また、昨今の報道等、少子化とか、厳しい労働条件、人手不足等のマイナスイ メージが各テーマの特集などで行われるということもあって、結果として、介護福祉士 等の養成施設において、逆に人が行かなくなって定員割れが生じているとか。あるいは 先ほども申し上げましたように、賃金以外の要素もあるのではないかという意見もござ いました。  こういった現状認識を踏まえまして、対策の方向性として、総論的には介護労働者が 意欲と誇りを持って働くことができる社会の実現ということもあります。2点目として は定着・育成に向けた雇用管理改善。3点目としては確保及びマッチングということで、 細かくは2枚目に書いてあります。  2枚目に対策の方向性ということです。介護労働者が意欲と誇りを持って働くことが できる社会の実現ということで、これはやや総論的なものでして、ある意味では、その 次の雇用管理改善とか、マッチング等では、やりきれないようなことをここに書いてあ りますが、基本的な考え方としては、今後、少子・高齢化が進んでいって、介護労働者 需要が拡大していく。そういうためには、やはり質の高い人材を安定的に確保、定着す るためには、安定的に人材の確保及び定着・育成する仕組みが重要であるという点があ ります。  あと、介護報酬の考え方ということで、これ自身は安定局でできることではありませ んが、やはり各団体からヒアリングをした場合において、各団体とも介護報酬について ご指摘があったということで、研究会としての考え方としては、介護労働については現 状の賃金等の労働条件にさまざまな課題があり、今後の介護報酬の改定に際しては、い かにして安定的に人材を確保し、専門職として処遇し、その能力を高めていくかという 観点を考慮して検討がされることを望みたいとまとめています。  あと2つですが、雇用管理改善につきましては、やはり雇用管理改善が必要、重要で あるということについて、認識をしてもらうことが大事だろうということで、事業主に 対する雇用管理についての普及啓発とか、その施設長などに対する研修の実施、支援体 制の強化。また介護労働者個人にも労働関係法令を十分理解してもらう必要があるとい うことから、そういう理解の促進とか、またはその事業主団体を通じた、中小規模の事 業所の雇用管理開発の促進等々を盛り込んでいますし、また、処遇改善とキャリア管理 の促進については、やはり賃金制度が十分構築されていない場合が多いだろうというご 指摘もありましたので、能力開発の促進も大事ですし、仕事や能力、資格、経験に見合 う賃金制度ということから、それについては事業主団体講習等を活用して啓発していく。  3点目としては安心・安全・働きやすい労働環境の整備ということがありまして、さ まざまな精神的、身体的負担がある、その解消のために労働環境の整備が大事であると いうことで、例えば健康診断とか、腰痛対策の他、感染症対策やメンタルヘルスを推進 していく。特に腰痛対策については、介護補助器具等の積極的活用を図っていくとか、 講習等を行っていく。それから精神的負担についても、その対策を促進していく。また はコミュニケーションを充実していく等々が入っています。これが雇用管理改善という ことで、介護分野に入った方が長く介護分野で働けるためには、こういうことがあると いうことです。  その次が確保及びマッチングで、これから介護分野に入られる方、または辞めた方が また戻って来る。もしくは産後に入っていただくためにどういうことが考えられるかと いうことですが、5点あります。1つは教育機関、養成施設等との連携の人材確保という ことで、ハローワーク、または各県に福祉人材センターという社援局が中心になって作 っているものがありまして、そういったものと連携。それから業界団体、教育機関、養 成施設、福祉施設と連携をして、インターンシップとか合同説明会を行っていく。また、 休職者とか若年者に対して、介護の職場の理解を高めていくということがあります。  潜在的有資格者ということで、資格を持っておられるけれども、必ずしもすべての人 が介護分野にいるわけではなくて、潜在的有資格者の方をどうやって介護分野に入って いただくかということで、何が阻害要因かについて調査・分析をすることについて考え ています。  多様な人材の参入・参画ということです。いままで介護をやっていなかった方もおら れるわけでして、そういった方に新たに介護分野に入っていただいて、養成していくと いうこともありますので、介護労働の仕事と役割についての社会的理解を高めるととも に、教育訓練を提供したり、事業主に対しての助成措置などを考えるということがあり ます。  ハローワークを通じた福祉人材確保の機能の強化ということで、ハローワークが実際 に各福祉施設というか、介護関係事業者もハローワーク経由で人を募集していることが 多いので、ハローワークを通じて、しっかりと職業紹介をしていく。また関係団体等、 ネットワークを構築していって、人材確保を図っていくということがあります。  最後に社会的評価の向上ということで、これは安定局だけではありませんが、社援局 とも連携をしながら、介護・福祉分野に関する社会的評価及び国民の関心を高める観点 から、「介護の日」を11月11日と聞いていますが、設定して介護保険制度についての理 解とか、介護労働者が専門職として、誇りややりがいを持って働けるように努めるとい うことをまとめさせていただいています。これについては、21年度要求に盛り込みつつ、 実現を図っていくことを考えています。以上です。 ○大橋座長 ありがとうございました。ただいまの報告につきまして、ご意見ご質問等 があればお願いいたします。 ○原委員 介護労働者の雇用管理の改善というテーマについては、この部会でも何年か 前に議論された経過があります。そのときの厚生労働省からのペーパーでは、賃金問題 は一切触れられていなかったので、その際にも介護労働者の雇用管理の改善の最大のポ イントは賃金、労働条件。これの抜本的な引き上げにあるということは申し上げたので すが、今回こういうレポートが出て、敬意を表するところです。  ただ、今日、たまたまインドネシアの看護師の方がEPAに基づいて200人が入国される。 どういう因縁かはわかりませんが、そういうことになっています。NHKでインタビューが ありましたが、日本の介護労働者の関係者は、日本の中で日本人の介護労働者がなかな か集まらない、だから外国人と。そうではなしに、まず日本国内で賃金、労働条件を上 げることが先決ではないでしょうかというコメントがありましたが、私はまさにそうい うことではないかと思います。介護労働者の確保、定着と言うのだったら、この賃金の カーブは寝ているわけなのですね。私はこのグラフだけでは不十分だと思います。やは り民間の製造業の賃金カーブを書いたりして、いかに介護労働者の賃金が低いかという ことをアピールしながら、是非、処遇改善とキャリア管理の促進といったところに重点 を置いて、厚生労働省としての施策に反映をしていただきたいということを申し上げて おきたいと思います。以上です。 ○大橋座長 そのほかいかがでしょうか。 ○長谷川委員 いま原委員がおっしゃったように、今回、処遇の問題に触れたというこ とは、とても重要だったと思います。介護労働者がこれで明らかなように、処遇が看護 師と比較した場合に非常に低いわけで、これでは人が集まらないのは当たり前です。例 えば大学だとかそういう所を終えて、福祉施設に働いた人が、大体3年から5年で嫌にな って辞めていくというのは何かといったら、やはり処遇問題と、職場の中がうまくいか ないからだと聞いています。現に私たちも相談にあずかっているわけです。私どももこ の間厚生労働省に介護労働者処遇改善と介護報酬の問題については何回か提起していま すので是非。これ以降、介護報酬の議論が始まりますので、厚生労働省1つですので、 そこは連携をとっていただきたいと思います。  今回この中間報告の中には、外国人労働者問題が入ってこないのですが、原委員がい ま言われたように、インドネシアから入って来るわけですね。これ、介護福祉施設の経 営者は、以前から外国人労働者を介護の所に入れたいという希望がすごく強くて、労働 組合は安易に入れるべきではないということをずっと申し上げてきたのは、いまでも労 働条件、賃金が低いのに、インドネシアから入って来たときに、それがもっと下がるの ではないかと、非常にそこに対する警戒心を持っていたわけです、ますます日本人がそ こで働かなくなっていくので、ここに対しては是非注意を払ってほしいと思います。  今回これ書いてないのですが、次のときは外国人と日本人がこういう職場で働くとき の問題とか、留意すべき点だとかについても、触れていくことが必要なのではないかと 思います。これ中間報告ですし、まだ実際に働いていないので、想像の世界だとは思う のですが、そういうことを想定しながら、ある時期にはこれを書き換えてより良い職場 形成をどうしていくのかという視点に立ってほしいなと思います。  介護労働者の潜在的有資格者の掘り起こしについて、今日の報告書の28頁に書いてい るのですが、これはこれで正しいのだけれども、そもそも有資格者がたくさんいるのに 何で働かないのかというのは、結構言われているわけですね。あの時、にわかに作った のがたくさんいて、にわかに有資格者になった人がたくさんいるわけです。そういう人 たちが介護労働者、介護の職場で働くためには、やはり何か働こうという動機付けがな いと出てこないと思うのです。まして専業主婦だって取っているわけですからね。した がって、そういう堀り起こしという視点は間違ってはいないと思うのですが、やはり働 き方、処遇がセットなので、是非この辺についても、もう少し次回以降検討をしていた だきたい。すべての人が働くというのは、若者であろうが、女性であろうが高齢者であ ろうがみんな働くというときに、この介護の資格を持っている人たちも、おそらくそう いう期待をされているのだと思うので、そこにどういうアプローチをしていくのかとい うのは、重要な課題なのではないかなと思います。 ○大橋座長 何かありますか。 ○小川雇用政策課長 賃金カーブにつきましては、ここには載っていませんが、配られ た付属資料の9頁に、職種別賃金カーブというのがありまして、産業とか男女、企業規 模とか経験年数も含めて、いろいろと分析をしています。どれを見てもおしなべて、介 護は比較的低くなっていますが、細かくはこちらのほうをご覧いただけばと思っていま す。  長谷川委員から厚生労働省一体というお話がございましたが、この報告書については、 いまのところ、次回の介護給付費分科会のほうでも報告をしてほしいということを老健 局から言われていますので、たぶんその中でこういったものについては、介護給付費分 科会の中でもご報告をすることになると思います。  長谷川委員から潜在的有資格者につきまして、そもそもなぜ辞めたとかという分析も 大事だということもありましたが、なぜ入ってくるかということについてみれば、本文 参考資料の2頁に、現在の仕事を選んだ理由ということで、こういった介護分野で働い ている方は、一番多いのは働きがいある仕事と思ったからと、それからあと人の役に立 ちたいからという場合とか、積極的な理由を持って入ってこられる方が多いわけで、そ ういった方が引き続きとどまれるように、いろいろと雇用管理改善が大事だろうなと考 えています。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 あと外国人との関係で、今日がインドネシアからの 入国の日に当たった。これはたまたまですが、EPAにつきましては政府間の協定に基づ いて、両国政府がきちんとコミットした形の中で、受入れをしております。そういった 意味におきまして、日本の政府としましても、これはインドネシア政府にも責任がある わけですし、受入れ調整機関でありますJICWELSを含めて、きちんとした受入れができ るということをしていきたいと考えています。この受入れ自体については、今回受け入 れた、国内病院・福祉施設等のいろいろな動機はあるかと思いますが、政府全体の政策 としては、これは経済連携協定を前提として議論していく中で、受入れを決めたという ことでして、国内の看護師あるいは介護福祉士が不足しているということへの労働力対 策として受入れを決めたということではないというのが第1点です。  これは舛添大臣も強く言っていますが、やはり介護の現場できちんと日本人が働ける ような、あるいは働きたくなるようなことを確保していく中で、介護の問題を解決して いくべきだということです。外国人を受け入れる動機が安い労働力ということであると すれば、それは介護の職場をどうしていくかという観点から、非常にマイナスであると、 それは大臣としても、そういうことは絶対許されるものではないと、こういうふうにコ メントをしております。そういう考え方に基づきまして、今後も対応をしていきたいと 考えています。 ○原委員 せっかくこの中間取りまとめで、処遇改善とキャリア管理の促進ということ で強調されたのですが、日経新聞の報道によりますと、「賃金もインドネシアの10倍前 後の月20万円程度になる見込み」と、要するにインドネシア人の介護労働者に払う20万 の10分の1がインドネシアの賃金と日経は言っているわけです。こういうことで100の病 院・施設が受け入れると。インドネシア人だったら20万でいいわけです。しかし20万で は日本人介護者は生活できないわけです。200万から300万ですから、これ一般的にワー キングプアなのですけどね。せっかく賃金、労働条件を引き上げなければならないとい うレポートを出しながら、片一方でこういうことがあると、はっきり言いましてなかな か上がらないと思います。上げるという方向にはいかないと思います。その点、そう単 純ではないなという思いはしますね。その点に関して、上がりますか。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 いや、受け入れることによって上がるということで はないのですが、今回の受入れに際しましては、これは政府間での協定に基づく受入れ である。それから、受け入れた方についての処遇については、インドネシアにおける現 地との比較ではなくて、日本国内における日本人の介護労働者との比較の中で同等を確 保。逆に言えば同等を確保する中で、インドネシアに比べれば10倍、20倍だと、それは それだけの話だろう。我々としては、むしろ今回の受入れは政府間の協定に基づいて、 かつ受入れ数をきちんと管理する中で受け入れていくということを考えていますし、そ の受入れ数の検討に際しましては、日本国内の介護労働者の賃金を含めた労働市場に影 響がない範囲の人数ということを考えています。  そういう中で、インドネシアからの受入れについては、2年間で看護師が400人、介護 福祉士が600人、候補者として受け入れることにしています。私も実はこの人数の受入れ をしたからといって、日本人の介護福祉士なり、看護師の賃金が下向きになるような影 響はないだろうと考えています。今後ともどういう範囲で受け入れるかということにつ いては、日本人のそういう賃金その他に悪影響がない範囲で、きちんとした対応をして いきたいと考えています。 ○白木委員 1点、コメントか質問かわからないのですが、この介護労働は私も素人で すが、4枚の図が前後左右にあります。1枚目ですが、これはそれぞれ全部整合性がある ような図になっているわけですが、ただ、特に施設で働く介護職員の方の賃金が上がら ないという問題ですが、これは年齢別に賃金を表していますよね。ここがちょっとミス リーディングなところがあるというのは否めないと思うのです。要するに介護職員にな った方の勤続年数で見てないわけでして、ほとんどが勤続年数が短いのではないかと思 うのです。ですから、その人たちをこの看護師と一緒に並べていること自体が、少し難 しいと。要するに技能の蓄積が必ずしもパラレルになっていないものを、パラレルにあ るように見えているという点が1つあるのではないかというのが、疑問です。  2つ目は介護労働でも、私の周りにも我々の年代の女性で働いている人がいるのです が、それを見ますと、いろいろな事情でボランティア的に働いている人が結構いるのも、 ここに混ざっているわけですね。これが2つ目で、そういう人たちがかなり含まれてい るのではないか。したがって家庭の事情があったらすぐ辞めるとかいうことにつながり やすい。  3番目の疑問は、施設介護職員と介護支援専門員ですか、将来的にこことのキャリア のつながりがどこかでつながれるように、そこと違ってもいいのですが、そういう形で 技能アップといいますか、そういうキャリアを長期的に上げていく。例えばスポーツ選 手であれば、お相撲さんでも土俵に上がっている時間は短いのですが、しかもそれ若い ときだけですよね。60代ではお相撲はできないですよ。ですからそこまでは親方になっ たりいろいろなキャリアがつながっていくわけですから、介護職員にも現場で腰が痛く なるような働き方をしないような形でキャリアアップができるような、将来的にそうい う設計ができればかなり改善できるのかなと思うのですが、まだ介護職員の歴史が短い ものですから、いろいろこれからのことかなと思うのですが、コメントみたいなことで す。以上です。 ○小川雇用政策課長 経験年数を参考資料の15頁に、経験年数別の賃金カーブというの を引っ張っていまして、ケアマネ、ホームヘルパー、福祉施設介護員について見たもの があります。これで見ますと、ケアマネにつきましてはかなり高くて、ほぼ看護師と同 じぐらいの待遇になっています。しかし、たとえ経験年数を合わせても、ホームヘルパ ーとか福祉施設介護員についてはあまり上がっていない。常用一般労働者なので、ボラ ンティア的な方は対象に入っていません。 ○白木委員 いやいや、ボランティア意識でフルタイムで働いているのですよ。そうい う人も入っているのではないか、憶測です、コメントです。 ○小川雇用政策課長 ただ、登録ホームヘルパー的な方でいくと、月の就労時間が80時 間未満という方が圧倒的に多いので、基本的にそういう方はここに入ってこないのでは ないかと考えています。  最後の提案としては、いまおっしゃるとおりでして、基本的にはホームヘルパーとか、 福祉施設の介護員を経てケアマネになっている方が一般的にキャリアパスなのですが、 大橋座長からもご指摘があったように、ホームヘルパーとケアマネをくっ付けた賃金カ ーブをやってみたのですが、思ったよりも上がっていないという感じだったものですか ら、15頁にありますとおり、ケアマネになれば確かに経験がきいてきて、看護師と同じ ぐらいになってくるだろうということは言えるかと思いますが、なかなかそこがうまく くっ付くところまでいまのところはいっていないような感じです。 ○北村委員 白木委員がご指摘になられたことと重なるような印象なのですが、例えば 離職率のグラフなどを見ますと、訪問介護の方の非正社員、この場合、主婦の方という お話がありましたが、介護職の歴史が短くて、なおかつそれがかなり善意からくるボラ ンティアみたいなものでスタートしたところがあるので、いま混在状態だと思うのです ね。清く正しく頑張ってしまう人たちというのがいて、そういう人たちがある意味では 賃金は安くてもオーケーという固まりになっている面はあると思います。あと、中には 介護職の資格を取るに当たって、私もこれ数的には調べたことはないのですが、かなり 家族の介護をするためにと考える方もいるので、メジャーではないと思うのですが、少 しそういったものも勘案したほうがいいのではないか。この介護職というのは、家庭的 なビヘイビアと、職業としてのビヘイビアが少し混在しているように思います。  あと1つ、ざっと拝見したかぎりで、ここに規模別のデータがないのですが、事業所 の規模別というのがあって、小さな所ではずっとヘルパーとして10年以上働いているの だけれども、賃金はほとんど変わらないみたいな、要するにプロモーションのシステム がないという所が多いので、できればどこかで施設規模別、事業所規模別のようなもの が拝見できれば、何かの助けになるのではないかと思いました。 ○小川雇用政策課長 いまボランティアから入った面があるというのは、たぶんあるか とは思いますが、介護養成といった学校を卒業されたり、福祉系大学に行かれて介護福 祉士を取って入った方については、基本的には一生の仕事、常勤の仕事としてやられて いるということではないかなと思います。  細かいところは例えば、付属資料の1、介護労働の現状というところに、そういう概 括的な資料を付けていますが、例えば就業形態、2頁目の(2)で労働者の就業形態を見 ますと訪問系、いわゆるホームヘルパー系的な職種においては72%が非正社員、おそら くは基本的には主婦層を中心とする登録ホームヘルパーに考えられますし、また施設系 については正社員が64.2%というふうに正社員が高くなっています。資料の9頁と10頁に 企業規模計と、企業規模10〜99で比べた賃金カーブがあります。確かにこれを見ると企 業規模を小さいほうに合わせたほうが他産業との差が小さくなってくるということはあ ろうかと思います。 ○大橋座長 予定しております時間がまいりましたが。 ○原委員 前回の第33回部会の最後の議事録を見ていただいて、この次にでもお約束を、 外国人労働者問題に絡んで、雇用対策法が施行されて、法の趣旨とは違う方向で解雇事 案が結構発生しています。そういう意味で雇用対策法の施行状況について報告をすると いう答弁が第33回部会でありましたので、今日は特に用意されていないと思います、こ の次で結構ですから、よろしくお願いします。 ○大橋座長 そのほか何かご意見等がございませんか。ただいまの件はよろしいですね。 ほかにないようでしたら、本日の部会はこれで終了します。本日の会議の議事録の署名 委員につきましては、久保委員及び樋渡委員にお願いいたします。次回の開催日程、場 所等につきましては、後日事務局から連絡させていただきますので、よろしくお願いい たします。本日の会議はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。   【照会先】   厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課   〒100-8916   東京都千代田区霞が関1−2−2   TEL:(代表)03-5253-1111(内線5815)      (直通)03-3502-6778   FAX:03-3502-5394