08/08/07 第4回労働・雇用分野における障害者権利条約への対応に関する研究会議事録 第4回労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会議事録 1.日時  平成20年8月7日(木)14:00〜16:00 2.場所  厚生労働省共用第7会議室(合同庁舎5号館5階) 3.議題    障害者関係団体からのヒアリング     特定非営利活動法人全国精神保健福祉会連合会 理事長 川崎洋子氏     社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 理事長 高岡正氏     社会福祉法人日本盲人会連合 副会長 時任基清氏     財団法人全日本ろうあ連盟 理事 松本 正志氏     社会福祉法人日本身体障害者団体連合会 常務理事 森祐司氏     社会福祉法人全国盲ろう者協会 理事 福島智氏 ○座長  ただ今から、労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究 会の第4回研究会を開催いたします。本日は花井委員がご欠席です。今回から障害者関 係団体からのヒアリングを行いたいと考えております。今回は、4人の方にご出席をい ただいておりますのでご紹介をいたします。日本盲人会連合副会長の時任基清さんです。 次が、全日本ろうあ連盟理事の松本正志さんです。その次が、全日本難聴者・中途失聴 者団体連合会理事長の高岡正さんです。最後ですが、全国盲ろう者協会理事の福島智さ んです。  それでは、今日の議事に入ります。今日は6つの団体からご意見を伺いたいと考えて おります。ご説明は、あいうえお順でお願いしたいと考えております。最初は全国精神 保健福祉会連合会で、これは川崎委員からです。次は全日本難聴者・中途失聴者団体連 合会の高岡さんから、3番目は日本盲人会連合の時任さんから、4番目は全日本ろうあ連 盟の松本さんから、5番目は日本障害者団体連合会の森委員から、最後は全国盲ろう者 協会の福島さんからお願いをしたいと思っております。それぞれ10分から15分程度でご 説明をいただきたいと思っております。その後、全て終った後に、一括して質疑と意見 交換を行いたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。それではまず川崎 委員からご説明をお願いします。 ○川崎委員  ご紹介いただきました全国精神保健福祉会連合会の川崎でございます。私どものこの 団体は皆様のお耳には新しいところではないかと思いますが、実は精神障害者の家族会 の団体として全家連という組織がございましたが、一昨年解散いたしまして、その後を 受けた形で、私どもが昨年の5月に、精神障害者の全国の家族会組織として立ち上がり ましたものでございます。今、愛称を「みんなねっと」として活動を開始しているとこ ろでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。  本日は、精神障害者の雇用ということで少し、家族、当事者の立場で発言させていた だきたいと思っております。資料1にレジュメを用意させていただいております。  まず、精神障害者の雇用というのが大変に厳しいということを皆さんにご理解いただ きたいと思います。精神障害者はどちらかといいますと、医療モデルということで長ら く考えられておりまして、社会に参加するということが全く考えられないような状態で 過ごしておりました。障害者基本法というのができまして、そこでやっと障害者の仲間 入りをいたしまして、福祉のいろいろなサービスを受けるようになったというのが現状 でございます。ここの、「はじめに」に書きましたけれども、平成15年度の障害者雇用 実態調査によりますと、5人以上の規模の企業において雇用されている障害者というの は、49.6万人ですけれども、そのうちの精神障害者はどのぐらいかといいますと、1万 3千人と報告されております。実は、在宅の精神障害者、これは今大体268万人といわれ ておりますので、この数からいたしますと、0.5%の人しか雇用されていないというのが 現状でございます。一人でも多くの精神障害者が仕事をもちまして、人生に希望をもっ て生きていけるようにするために、皆様のご理解をいただきたいと思いまして、そのた めに私は、本日、障害者の雇用率制度と精神障害の特性についてお話しをさせていただ きたいと思います。  最初に申し上げましたように、長い間医療モデルで対応されてきましたので、なかな か福祉のサービスが受けられませんでした。従って、雇用制度も精神障害者にとっては 制度化されていない状態で、現状では福祉就労ということで、ほとんどの人が作業所と か授産施設に通っております。社会資源もまだ少ない中で、在宅者のほとんどが仕事を したいけれども、なかなかできません。それと、今申し上げました福祉就労におきまし ても、それからのステップアップがなかなかできず、企業への就労が困難であるという のが現実です。そのためには、やはりこれから申し上げます精神障害者の特性などを、 合理的配慮のところで少しお話しをさせていただきたいと思います。  私は地域生活支援センターの職員をしておりましたけれども、ほとんどの人が仕事を したいといっておりました。しかし、それがなかなか実現できていません。その辺の問 題を課題として提言させていただきます。  この障害者雇用率制度に関してですが、私が先ほど申し上げましたように、精神障害 者は「障害者基本法」(平成16年改正)で障害者と位置づけられた経緯があり、法制度が 遅れております。しかし、平成18年度に障害者雇用率制度におきまして精神障害者も雇 用率に算定されることになりましたが、これは雇用義務化ではないために、現状では企 業において精神障害者が雇用されているということは進んでいないように私は思ってお ります。このことは、今回検討されております障害者権利条約におきまして第5条2項で、 障害を理由とするあらゆる差別を禁止するというところの条約に即していないのではな いかと思っております。是非とも障害者雇用率制度の法定雇用率の中に精神障害者の義 務雇用化をしていただきたいということを望んでおります。  それと、精神障害の特性については皆さんにご理解していただくことが難しくて、苦 労いたします。実際、精神障害者の人はよく「波」があるといわれますけれども、例え ば、私が生活支援センターでいろいろメンバーに接しております時に、来れる人は状態 がいい人といいますか、本当に傍目から見たら普通の人ではないかといわれるような方 たちなんですが、脆弱性ストレスモデルといわれますように、大変にストレスに弱くて、 さっきまで普通にお話しができていたのに、突如として黙り込んでしまうとか、イライ ラするとか、そのような特性といえると思うんですけれども、そういうところをどのよ うに理解していただけるかということが大変に私どもの大きな課題となっております。 実際、先ほど申し上げましたように就労したいという希望が多くて、ハローワークに行 って探したりとか、あと、よく街で配られるチラシを見て、それで実際に面接に行って、 受かるんですけれども、なかなか継続できない。例えば、すごく喜んで、面接に受かっ たよ、来週から行くんだよと私に報告してくれましたけれども、実際その日になったら、 行けなくなるというようなことがあります。そのように、大変にストレスに弱いという ところが難しいかなと思っております。  精神障害者の場合、障害をオープンにするか、クローズにするかということが、かな りメンバーも支援者も気にかけるところです。オープンにすることによって、精神障害 が分かっていただけるからいいではないかと思うんですけれども、そうしますと、賃金 が最低賃金になってしまうのですね。やはり就労するからには収入があった方がいいと いうことで、クローズドでいきたいというんです。その場合に、履歴書が必要になって きますけれども、精神の人は入院歴がありまして、かなり履歴書の空白部分が出てしま います。そのところがすごく気になってしまって、そこが説明できないからということ で、なかなか就労もその時点で先に進んでいないのかなと思っております。  私は機会がありまして、特例子会社などに行きまして、精神障害者を雇っていただけ ないでしょうかとお願いしたことがありますけれども、できないんだよ、うちは精神の そういう人を雇用する体制ができていないからねと、よく私は言われました。一体、そ ういう精神障害者の雇用の体制というのは何かなと考えます時に、やはり雇用への配慮、 これが今回の合理的な配慮ではないかと思います。精神障害者の場合は、その人の個別 の配慮・支援が必要でありまして、これは精神障害だけではないかと思いますけれども、 個別化される配慮が必要であります。精神の人は、先ほど波があると申し上げましたけ れども、実際はとても真面目人間でありまして、几帳面で、礼儀正しい面をもっており ます。与えられたことは、とても時間がかかるんですけれども、黙々とそれをやり通し ます。そういう面をもっている一面、大変に対人関係がうまくいかない。人とのコミュ ニケーションがとりにくい。それと、とても疲れやすくて、物事への集中力が持続でき ないというような特性があるのではないかと思っております。そういう観点から、グル ープ就労とか、短時間労働など、この精神障害者の特性を配慮した仕事の確保とか、障 害者を理解する職場環境を整備することは精神障害者の能力を引き出すことになりまし て、就労できないでいる多くの精神障害者が仕事に従事する可能性を高めることができ るのではないかと思っております。  企業におかれましても、精神の人の特性を理解していただくような研修、啓発とか、 それから、やはり人権擁護理解の研修会などを企業などを活発に行っていただきまして、 職場環境を精神障害者を理解する環境にしていただきたいと願います。  それと、実は精神障害者の場合の支援といたしましては、端的にいいまして、人的支 援なんですね。それもちょっとここに書きましたように、質の高い人的支援です。とい いますのは、精神の特性を本当に理解して、それに対応してくれるような専門職の方の 支援が必要ではないかと思っております。精神保健福祉士とか、専門職を雇用いたしま して、企業側での相談体制、そういうことがあったらいいかなと思います。ちょっとし たことでも相談できる人がいることによって、ストレスが和らぎ、就労の継続ができて いくのではないかと思いまして、企業側に対して、このようなことが合理的配慮として 考えられるのではないかと思っております。  また、障害者の就労支援というのは、実は就労の場だけではありませんで、例えば、 帰ってからの生活の場においても、見守り支援が必要です。疲れてしまって、もう次の 日は出られないとか、そのような場合の支援があります。24時間体制の見守り支援が精 神障害者にとっては必要ではないかと思っております。  精神障害者の場合には、お医者さん、医療との関わりがございますので、主治医とか、 家族、本人、企業の方たちとの情報を共有しながら、課題を解決するためのコーディネ ータ役、これは精神保健福祉士などの専門職の役割と考えております。精神障害者の就 労がなかなか継続できません。そのために、やはり相談支援体制と細かいことに対する 見守り体制によって継続できていくのではないかと思っております。  現時点では、障害者雇用に関しましては、就労に向けていろいろと行政側でも、訓練 支援、就職活動、雇用前とか、定着支援など、様々な事業が用意されておりますけれど も、実際、精神障害者がよく活用して、就労するには至っておりません。精神障害者が 生き甲斐をもって生活できるような、効果的な就労支援策の構築をお願いしたいと思い ます。以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○座長  ありがとうございました。それでは、続いて全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の 高岡理事長からお願いをいたします。 ○高岡氏  高岡です。私どもは平成2年に厚生労働省の社団法人の認可を受けた団体です。まだ 比較的新しい団体といえると思います。それは、聴覚障害者というと、普通は手話を使 うろう者のことをイメージされると思うんですけれども、実は、耳が遠い難聴の方は社 会の中に非常にたくさんいらっしゃいます。そういった難聴者のニーズをすくい上げて、 組織的に社会に働きかける社団法人ができたのが平成2年ということです。  資料2がございます。国連の障害者権利条約が合理的配慮の欠如は差別であるという ことを明記して、障害者の雇用促進と職場での合理的配慮の提供を義務づけたというの は非常に画期的なことであり、早急に我が国の労働法制、施策が障害者権利条約に整合 したものに整備されることを求めます。労働法制、施策整備に当たって、私どもの意見 を申し上げますので、よろしくお願いします。  まず、最初に、施策の前提として我が国の聴覚障害者の定義が国際的に非常に狭いと いうことが挙げられます。身体障害者福祉法の身体障害者手帳をもっている者は、両耳 の70デシベル以上の聴力損失をもっている人ですが、次のページにあります表を見ます と、WHO(世界保健機構)の難聴者の基準と大きくかけ離れていることが分かります。 WHOでは41デシベル、軽度難聴が25デシベルから分類されていますけれども、補聴器 が常時必要な難聴者というのは41デシベルからです。ところが、日本では、身体障害者 福祉法の第6級に該当する聴覚障害者は70デシベルなんです。40デシベルと70デシベル というのは、音響的にはとても大きな隔たりがあります。70デシベルというと、耳元30 センチで大声を出して、やっと聞こえるか、聞こえないかというぐらいの、医学的には 非常に重度の難聴、WHOでも高度の難聴者なんです。ですから、日本の身体障害者福 祉法では重度の難聴者しかサポートされていないということになります。  聴覚障害者のコミュニケーション手段は非常に多様なものがあります。今、私がここ でコミュニケーション保障を受けているのは、実は床に磁気誘導ループという補聴支援 システムが貼って有ります。私も新谷もこうした機械で聞いております。補聴器がこの 磁気誘導ループの声を拾って直接聞くシステムです。それから、隣では、要約筆記者が 私の話、皆様の話を筆記して、それを見ながら理解するという方法を採っております。 もちろん、私たちは学習をすれば、手話通訳も読みとることができますけれども、自分 の意見を自由に手話で表現するというのは、かなり熟練しないと難しいです。  私は生まれてからの難聴者です。隣にいる副理事長の新谷は企業で働いている途中で 失聴した中途失聴者です。後で、中途失聴者の立場から意見を述べさせていただこうと 思います。  2番目に、雇用の問題です。私たちが仕事を得ようとすると、企業あるいは雇用者と 話し合うわけですけれども、その時に普通に話を聞いて理解するというのは難しく、静 かな場所が必要ですとか、補聴システムが必要ですとか、あるいは要約筆記、手話通訳 が必要です。  試験採用時にコミュニケーション支援を要望しても、それがつけられないということ が非常に多いです。国家公務員あるいは地方公務員の採用試験の時にも、手話通訳、要 約筆記をつけるといった例はまだ非常に少ない。要望したにも拘わらずつけられないと いったことすらまだあります。  また、障害者の企業就職の集団面接が行われていますけれども、そこで要約筆記者、 手話通訳者を配置しても、本当なら必要な聴覚障害者、難聴者も手話通訳を利用しませ ん。何故かというと、企業に採用される時に、手話通訳を使わなければ仕事ができない のかと思われるのを避けるために、私は聞こえます、大丈夫です、口が読めますという ふうに言ってしまうんですね。これは、私たちが仕事を選択する時に一番最初にぶつか る大きな壁です。  また、新聞の広告などでも時々ありますけれども、障害者を採用する時、電話ができ ることということを条件にしている広告が今でもあります。これは、明らかな差別だと 思います。  3つ目に、コミュニケーションの課題をもつ聴覚障害者の場合には、就労した後の労 働環境問題が非常に重要です。就労した後に、十分なコミュニケーション支援が得られ ず、離職、転職、昇進の差別など、多くの問題に直面します。私も一般企業でいったん 課長職になりましたけれども、会議での情報保障、通訳が得られませんでした。そのた めに、会社の上司から肩たたきにあって、課長職ラインから外されて、現在に至ってい ます。  それから、東京のある特別区の例ですけれども、つい最近、採用されていた難聴者が 職場でとてもひどい差別、虐待を受けて、今年の3月に退職を余儀なくされたという実 例があります。東京都の特別区の中でも、今でもこのような事例があるということです。 こうした聴覚障害者の労働実態を調査して、就労後の差別事例、就労場面での合理的配 慮の類型化、ガイドラインの作成が必要だと思います。  今、非正規労働者の問題が大きな問題になっていますけれども、私はそうした非正規 雇用者の中に、聴覚障害者、難聴者が非常に多数存在するのではないかと想像していま す。こうした非正規雇用者の実態も厚生労働省できちんと調査をする必要があると思い ます。  具体的な対応として、聴覚障害者が職場の問題を相談できる部門を企業内に設置する ことを義務づけてください。障害者の職場の定着チームというものがございますけれど も、これはどこの企業にもあるわけではありません。また、こうした相談をする場合に、 難聴者問題に精通した相談支援員、カウンセラー等が現在のところ、まずいません。難 聴者自身がジョブコーチになるという場合に当たって、その研修を受ける場合に、コミ ュニケーション支援、情報保障を担保していただくことも必要だと思います。  ハローワークに就職の相談に行っても、担当者が筆談をしてくれるとは限りません。 情報保障あるいは要約筆記者の配置が必要だと思います。  4番目は、雇用者側の合理的配慮義務に対応した行政側の就労時施策として、障害者 雇用割り当て制度、また、それに基づく障害者雇用納付金制度がありますけれども、就 労・労働場面では、障害者介助等助成金を雇用者側の合理的配慮を補完するものとして、 明確にし、必ずこうした助成金を活用して、就労の促進を図るということです。  ちなみに、聴覚障害の場合、障害者介助等助成金は手話通訳は対応していますけれど も、要約筆記あるいは盲ろう者の通訳などには対応していません。ですから、私が現在 会社で要約筆記を会社の費用で派遣をしてもらっていますが、この制度を使えないわけ です。  5番目ですが、就労に当たっての合理的配慮には、要約筆記者の派遣など、人的支援 に止まらず、会議室での磁気ループの設置、拡声機能のある電話機、テレビ電話の設置 などの補聴援助システムの整備、それから、電話リレーサービスや遠隔コミュニケーシ ョン支援サービスの利用の確保を図っていただきたいと思います。電話リレーサービス は、欧米では通信事業者の義務的な事業として必ず実施されていますが、日本ではまだ 義務化されていないため、一部の企業がボランティア的に行っている、あるいは試験事 業として行っているに留まっています。  6番ですが、就業場面での合理的配慮は、必要なタイミングを外しては意味がありま せん。コミュニケーション支援に当たっては事後救済ではなく、即時的救済が可能とな る施策を講じてください。つまり、要約筆記者の派遣を難聴者が希望した時に、会社が 費用を負担するのか、個人の負担なのか、あるいは地域生活支援事業の福祉サービスと して派遣するのかという問題がありますが、それは後で解決すればいいことであって、 まずは派遣するというようなことができるような施策が必要だということです。  7番として、各種助成制度の申請要件は、中小企業にとって非常にハードルが高いもの です。障害者を採用するに当たっての環境整備に3分の1の自己負担、3分の2が助成され るというふうになっていても、その300万円のうち100万円を負担するということが、企 業にとっては非常に負担になる会社がたくさんあるわけです。そうした要件を緩和して いただきたいと思います。  8番として、難聴者、中途失聴者の就労支援施策の検討のために、当事者団体、関連 機関を含めた研究会を設けていただきたいと思います。資料の最後には、英文の資料が ついております。これは、今年7月3日から6日まで、カナダのバンクーバーで国際難聴 者会議が開かれました。その国際難聴者会議で日本における中途失聴・難聴者の就労問 題を報告した時のプレゼン資料です。この中でも、この厚生労働省の研究会で、聴覚障 害者が委員として入っていない、あるいはヒアリングを求められていないということを 報告しました。国際的には、日本と同じような国が非常に多く、世界的な取り組みが必 要だと思っております。  以下、新谷さんに補足をお願いします。 ○新谷氏  全難聴の常務理事の新谷です。先ほど高岡から説明がございましたように、私は会社 勤めをしておりまして、50歳を過ぎた時に失聴しております。ということで、雇用され ている時は、普通の人間として雇用されて、一応企業内でキャリアを踏んでいって、そ して、50歳の時に全く聞こえなくなっています。そのような人間にとっては、まず一番 の問題は、自分が聞こえなくなったということをなかなか告白できないということです。 今俗にいうカミングアウトですね。皆さんに私が聞こえなくなったということを言うこ とが簡単にできないわけです。ということは、事務的な管理的な仕事をしておりますと、 ほとんど日本の場合には、会議、電話、打ち合わせで仕事が進んでいきます。皆さんも 想像がつくと思うんですけれども、そういうふうなコミュニケーションが明日からとれ なくなったということを皆さんの前で告白するということは、どういう意味をもつかと いうことを考えてみますと、まず考えることは、やはりこの仕事を失うのではないか、 職場から解雇されるのではないかということを非常に恐れます。そういう心理的な葛藤 が非常に長く続きますので、簡単に交通事故で手足がなくなったとか、それも大変なこ となんですけれども、そういうふうな障害と違って、簡単に自分の障害を告白できない というような心理的なものがあります。  現実に、明日からの会議やいろいろな仕事に支障がございますので、仕方なくそうい うことを打ち明けざるを得ないんですけれども、会社にかなりの理解があっても、現在 の職場では、例えば職場の仕事を変えるとか、職種を変えるとかするということを、会 社としてはそういう最大限の配慮みたいな形になっています。ただ、当然のことながら、 その時にはかなり大きな年収のダウンは覚悟しなければいけない。普通の場合、会社は そんな配慮はしないとは露骨には言わないでしょうけれども、実際にはそういう配慮を しない状態が長く続いてきます。ということは、そういう労働環境にいる、そういう中 途で聞こえなくなった者が自然と退職せざるを得ないような状況に追い込まれていきま す。それで、私の仲間でも、聞こえなくなって、何人か退職しました。私の場合には、 会社で耐えて、いろんなことで頑張りましたけれども、その頑張るのもやはりかなりの 努力が必要です。  そういう時に、日本の社会は、例えば、セクハラの場合は会社の相談機関が大体の場 合にございます。会社の中にそういうところが出来上がっています。だけど、私たちが 聞こえなくなった問題を相談する一応の窓口はありますけれども、本当に聞こえない者 のことを分かって相談にのっているような窓口は会社の中にありますか。私どもは、単 にコミュニケーションがとれないだけで、仕事の能力、事務能力が決してなくなったわ けではありません。何らかの支援があれば、仕事ができる状態にあるわけなので、もし 会社の中に、きちっとしたそういう相談窓口があって、その人間にとって仕事が継続で きる然るべき配慮があれば、まだまだ社会的な能力が発揮できるにも拘わらず、そうい う多くの人間が今、止むなく退職に追い込まれたり、あるいは、いろんな職場の中で、 隅っこに追いやられているという状態があります。  雇用の問題も非常に大切かと思いますけれども、そういう就労した後、障害をもつ人 間が非常に増えておりますので、是非、労働・雇用問題を考える時には、そういう人た ちのことも考えた施策を進めていただきたいと思います。以上、中途失聴者の立場から の補足です。 ○座長  ありがとうございました。それでは、続いて、日本盲人会連合の時任さんからお願い します。 ○時任氏  時任でございます。大きなレジュメを渡してあるのですが、これだけを15分でしゃべ れと言われても、それは無茶な話なので、うまく割愛しながらお話しをできればと思っ ております。  1番の「はじめに」というところでございますが、障害者雇用促進法ができたのが昭 和30年ちょっと後だったでしょうか。もう50年余り経っているわけです。その間に、 雇用率が決められたり、雇用納付金制度ができたりして、障害者の雇用率はだんだんに 改善していっております。ところが、一方で、視覚障害者の雇用はなかなか実際には進 んでおりません。この度の国連障害者の権利条約の署名は終わったんですが、批准、そ のための国内法の整備ということがあるんでしょうが、そういうことを通しながら、全 ての障害者が職業的経済的自立に向けて進むことができればと考えている次第です。  大きな2番目ですが、視覚障害者の就労の現状というところでございます。ここは大 変に多岐にわたっておりますので、もし時間があったらお話しさせて頂きますが、後ほ どご覧になっていただきたいと思います。ただ、その中の(5)というところの、「あは き」以外というところです。「あはき」というのは、あんまマッサージ・はり・きゅう を詰めたものでございまして、皆さんには耳慣れないかと思いますが、私どもはいつも これを使っておりますので、使わせていただきました。「あはき」以外の職種について どうなっているかということについて、少しお話しさせていただきます。  数年前には、視覚障害者の職域として電話交換というのが非常にもてはやされたとい うか、前進した時期がございました。ところが、ご存知の通り、電話事業があまりに進 みまして、ダイヤルインがどんどん入ってきたものですから、電話交換は全くなくはな いのですが、非常に多くの部分では、もうダイヤルインになってきて、電話交換手とい うのは全国的に非常に数は減ってございます。従って、視覚障害者の職域としてもしぼ んできています。また、やはり同じ頃にコンピュータプログラマーというのが大変進ん でまいりました。ところが、これについても、コンピュータそのものがどんどん進んで、 ビジュアル化してきています。写真とか絵とか地図とか、その他いろいろ取り込んでま いりますと、ちょっと音声対応ではやり切れなくなってきています。どうしても、コン ピュータプログラマーとしての業務を遂行していくには、健常者のサポートといいます か、必要になってきているというのが実状でございます。しかし、一方では、パソコン とかそのネットワークが普及してきたので、事務的な仕事についても音声パソコンを使 っての視覚障害者の道が何となく開けてきています。従って、ここでは今後、この訓練 が非常に重要だと考えております。  さて、どんと飛んで、大きな3番でございます。視覚障害者に対する合理的配慮とい うところです。視覚障害というのは情報障害だとよく言われておりますが、情報障害と いうと、ピーンとくるのは、情報という言葉の意味ですが、マスメディアの情報という のをまず考えるかと思いますが、実は、視覚障害者における情報障害というのは、そう いうことではありません。よく私が例にしますのは、道を歩いていて、そこにちょっと 穴があった、水たまり場があったという場合、目のいい方は、もう何の意識もなしに、 視認しているわけです。ところが、私どもはそれが全く分からないので、ボチャンとい ったり、ゴロンとはまったりするということなんですね。どんなことに困っているかと いうと、移動とか、文字処理とか、コミュニケーションとか、そういうことが大変に困 難なわけですが、では、音声パソコンなどの補助機器を使ってくぐり抜けることができ るかということなんです。ところが、これだけではやはり無理で、人的な支援、ヒュー マンアシスタントといいましょうか、そんな支援がどうしても必要だということになり ます。これは、視覚障害の場合には、あらゆる場面でいえるのではないかと思います。  まず、小さな1番として、募集と採用という局面から話を申し上げます。まず、何だ かここでハローワークの悪口を言うのは気が引けるのでありますが、ハローワークの中 で、私に言わせると、悪しき思い込みといいましょうか。視覚障害者に一体何ができる んだ、多分、目の見えない者は何もできないだろう、というような前提があって、その 立場から、障害者の雇用を考えているのだろうということであります。そういうことが、 多分視覚障害が今最も雇用率の中で落ち込んでいる大きな原因ではないかなと思えます。 それから、ハローワークに行きますと、求職者はみんな機械の前に座って、求人の状況 を検索するわけですが、このツールがやはり視覚障害者に全く使えない状況になってい ます。これを改善して、目の見えない者も使えるようにするか、あるいは人的サポート をつけていただいて、検索ができるように変更していただくことが何より大事だろうと 思っております。  小さい2番目でございます。処遇についてです。職務能力だとか採用の基準だとか、 勤務条件だとか、いろんな条件がありますが、中途視覚障害者については、賃金の賃下 げということが行われたり、それから、障害年金を受けているような人については、そ の年金分を差し引いて賃金を考えるといったようなことが行われているようです。これ は合理的配慮に欠けるというよりは、むしろ差別であるということで、そのようなこと の禁止を決めるべきではないかと考えております。  同様に、先ほど中途失聴者・難聴者の方々は、例えば、課長職に就いた時にというお 話しがございました。職務能力の評価の場合に、いろいろな機器やツールを使ってやっ ていただけでは、正しく発揮できません。やはりそこにヒューマンアシスタントを使う ことによって、その人のもっている能力が大きく発揮できるんだと考えます。これにつ いても、今後、何らかの形で、例えば法制化するとか、そのような必要があるだろうと 思います。  さて、採用された後に視覚障害に陥る中途視覚障害者の職員の問題があります。失明 したというだけで、解雇したり、退職を勧奨するということは、明らかに差別に当たる ということをはっきりと決める必要があるだろうと思います。これを禁止すべきである と考えます。これはどういうことかというと、その会社の仕事で、この視覚障害を受け た人が一定の訓練を受ければ、行える職種は必ずあるはずです。いきなり見えないとい うことだけで解雇や退職勧奨というのは不法だと考えます。また、社内研修や試験など についても、合理的な配慮が必要だと考えるわけですが、これは先ほど申し上げたよう な内容です。  小さな3番目にまいります。能力開発についてです。就職前に訓練を受ける、それか ら、就職直後に訓練を受けるというのは、特に会社の中におけるコンピュータの特殊な ソフトなどのことがありまして、就職前訓練だけでは職場に適応し切れない場合がある ので、就職後の訓練も必要でありますし、在職中にも環境の変化、例えば会社のコンピ ュータを入れ替えるとか、特別の訓練が必要だと考えます。視覚障害者の訓練について は、一般の例えばコンピュータの会社から来た人が、会社の人に説明するというだけで は、対応仕切れません。その意味で、高度の専門性が要求されるだろうと思います。例 えば、社外での訓練を受けるなどについての、会社としての理解、もちろん本人の努力 もありますが、会社としての理解と、それから行政としての、このことについての援助 が必要だと考えております。  さて、小さい4番目です。中途視覚障害者の問題です。私どもは原職復帰という言葉 をよく用いますが、元の職場に復帰するんだというのが最も望ましいと考えています。 これはどういうことかといいますと、失明するまでに身に付けてきたその職場としての ノウハウを十分に生かすことができるということがありますので、就職後の中途視覚障 害者は雇用を継続していくという事が非常に大切です。そのために、リハビリテーショ ンを受けるということが必要で、事業主の理解と協力が必要になります。このリハビリ テーションの訓練内容は、まず生活訓練と、それから職業訓練ですが、例えば、歩行訓 練、そしてコンピュータ等の取り扱い、音声パソコンなどの使い方の訓練などです。い わばリハビリテーションというと、機能を回復し、社会復帰ということなんですが、目 が再び見えるようになることは見込めないため、この一連のリハビリテーションの状況 を研修として受け入れて、つまり、在職のまま企業の職務研修としてこれが受けられる ようにしていただきたいと考えております。この後に、平成19年の12月19日に出された 提言、労働政策審議会の意見書が出ておりますが、これは後ほどお読みいただくという ことで、飛ばしてまいります。  小さな5番目でありますが、職業に関する資格の取得でございます。資格については、 平成12年法律第67号でしたでしょうか。いろいろな、特に医療関係の職種における欠格 事由が廃止されております。目の見えない者とか、耳の聞こえない者というのが、あら ゆる職種にあったのですが、それを廃止したというだけで留まっていないで、点字とか 拡大文字による受験、あるいは音声パソコンによる受験、それからほとんどが今、私た ちが受けられる試験は時間を延長していただいております。点字、拡大文字等による障 害者の受験については、大体1.5倍の時間をいただいておりますが、これがどの程度が 合理的かは別にして、時間の延長ということが必要です。  それから、援助者、介助者の配置は、これは非常に重要な点でありまして、あらゆる 機器をどう使っても、どうしても処理仕切れない部分が必ず残るということであります。 事務職についてはもちろんですが、例えば、私どもの適職として先ほどまでいわれてい た「あはき」についても、業務の中でいろいろと文字処理が必要なことが多いわけです。 それから、医療機関においても、もう今や大きな医療機関では、カルテが電子化されて おりますので、それを読み上げてもらうなどの援助がどうしても必要だということで、 人的援助というのは、もう標準化していく必要があるだろうと思います。同様に、教員 が学校で授業をするような場合にも、教材準備などの場面、あるいは教室の場面におい ても、人的援助が必要で、例えばチームティチングなどということも今後の課題として、 視覚障害の教員を採用したところではどうしてもやっていっていただきたいと思うわけ です。実際に、もう現実に私学などで、そういう形式で、視覚障害の教員が活動してい るところはたくさんあります。こういう方向で、これを広げていきたいと考えています。  更に、今度は、法制度の問題ですが、視覚障害者のリハビリテーションとして点字、 歩行、拡大文字、拡大読書器、音声パソコンなどの利用ということを普及させていく必 要があるんですが、こういうことについては、労働基準法とか、それから「モデル就業 規則」などについて改正を加えていただきたい。これは厚生労働省の仕事ですが、改正 していただく必要があると思います。  さて、少し延ばしまして、大きな4番の「おわりに」です。大事なところがたくさん あるんですが、時間がありません。障害者全体の雇用率は改善しているという中で、視 覚障害は置き去りにされている部分があります。視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、内 部障害、知的障害、精神障害それぞれについての雇用率の枠を決めていただくことを是 非お願いしたいと思います。先ほど精神障害の関係の方もおっしゃっておりましたが、 どうしても一律の一括した雇用率でいくと、置いてけぼりをくらう部門ができてくるだ ろうと思います。時間を少しオーバーしたようです。失礼いたしました。以上でござい ます。 ○座長  ありがとうございました。それでは、全日本ろうあ連盟の松本理事にお願いをいたし ます。 ○松本氏  全日本ろうあ連盟の松本です。主なコミニュケーション手段は手話を使っています。 ろうあ者の立場からお話をしたいと思います。資料をお配りしてあります。これに基づ いて、ポイントを押さえながら、説明をしたいと思います。その中で、大きな柱が2つ あります。1つは「はじめ」の部分、もう1つが、「障害者権利条約の批准に向けて労働・ 雇用分野における課題などについて」ということで、2つお話ししたいと思います。  まず、「はじめ」のところですけれども、皆さんご存知のように、障害者権利条約の2 条で手話は言語であると定義されています。これは新しい概念です。それに基づいて、 障害者権利条約の21条の中に、「手話の使用を承認し及び促進すること」というふうに 書いてあります。つまり、障害者権利条約の理念を実現するために聴覚障害者は手話な どによる情報コミュニケーションを保障することによって、社会に参加できるよう保障 することが必要だということです。  2つ目ですけれども、本研究会の委員委嘱の問題ですけれども、障害者権利条約の中 に、第4条の3項のところに、「条約を実施するための法令や政策の策定・実施等につい て、障害のある人の団体を通じて障害者と緊密に協議し、積極的に関与させる」と書い てあります。それを考えると、障害当事者が参画できるように改めて、連盟に対して委 員を委嘱するよう要望したいと思います。  次に、(3)のところですが、別のところで説明します。次に大きな2のところです。  大きな2のところの説明の中に、最後の文章のところですが、特に現在の雇用率制度 ということが書いてあります。それは、私たち聴覚障害者が働きやすい環境をつくるた めには、やはり障害者の種別、また、聴覚障害者の実雇用率のデータが必要だと考えて います。先ほど、日本盲人会連合の方が、障害種別毎の雇用率が必要だというようにお っしゃっていました。これは何かといいますと、障害別の雇用率をきちんと押さえて、 何故この会社がたくさん雇っているのか。何故、こちらの会社は聴覚障害者が少ないの かというような分析をして、そして、職場の環境の改善の材料になるのではないかと思 います。障害別のデータが必要だということです。  次に、2の(1)のところですけれども、雇用に関する差別禁止について、聴覚障害者の 場合は、仕事を探す時、コミュニケーションが非常に大事になります。コミュニケーシ ョンに対しての専門的な支援の役割をもっているのが手話協力員制度です。現在、手話 協力員というのは全国で297カ所の職業安定所に設置されています。これは全国全ての 職業安定所に設置されているわけではありません。また、手話協力員の身分が非常に悪 い。勤務時間が1カ月に7時間だけです。これでは、とても聴覚障害者の労働分野におけ るコミュニケーション支援ができないという現状です。  先ほど説明しましたように、手話協力員は専門職です。これは何かといいますと、聴 覚障害者の障害特性を十分に理解しているということで、職業安定所の担当者、また、 会社に対して情報を提供し、支援をすることができるということです。それに、聴覚障 害者と職業安定所担当者、また、会社側とのコミュニケーションの橋渡しをするという 役割には大きなものがあります。聴覚障害者だから問題を起こすということではなくて、 聴覚障害者の個々のもっている知識、常識というのは、千差万別あります。手話協力員 はそういう実態を知った上で、聴覚障害者と職業安定所の担当者とのコミュニケーショ ンを解決する方向に導くというために必要な知識、スキルを身に付けることが必要です。  もう1つは、ろうあ者だから筆談でやりとりしたらいいではないかと思われるかも知 れませんが、筆談ではなかなか理解できない部分が多々あります。やはり手話でコミュ ニケーションする、手話でコミュニケーションできる環境という条件が必要になります。  次に、雇用における差別の事例ですが、先ほど全難聴の方から報告がありましたけれ ども、募集の時に、電話ができますかというふうに載っているのが多いということでし た。実際に事務職の募集があって、ろうあ者が、事務職の募集があって、これがいいと 思って実際に出かけていくと、あなたは電話ができますかと聞かれます。そして、でき ないと言うと、断られるという例が多いです。ですから、本当に事務職は電話が百パー セント必要なのかという疑問があります。  次に、欠格条項と聴覚障害者の関係ですけれども、皆様ご存知のように2001年、医師 法を始めとする絶対的欠格事由、「聞こえない者に免許を与えない」という条文が削除 されました。ただ、相対的な欠格条項は前のままです。ここの文章は、「心身の障害に より該当する業務を適性に行うことができないもの」に、厚生労働省令によって免許を 与えないというふうに書いてありますが、その業務を遂行できない程度というのが非常 に曖昧だと思います。障害者の権利保障に合った科学的な、具体的な内容を明文化され ていないと思います。そういう意味で、相対的欠格条項を全て撤廃して欲しいと思って います。  次に、最近ですけれども、聴覚障害者の中に専門職を目指して就労する方が増えてい ます。例えば、社会福祉士であるとか、精神保健福祉士ですとか、そういった専門的な 資格を取って仕事をされている方が増えています。しかし、まだまだ聴覚障害者は資格 を取得する時、または専門的な就労に当たっては、情報コミュニケーション保障がまだ 弱い部分があります。きちんと保障して欲しいと思っています。  次に、(2)のところ、職場における合理的配慮です。就労の場面では、全難聴と盲人 会連合の方からの報告がありましたけれども、コミュニケーションの問題です。ろうあ 者の場合、特に多いのが、上司の指示がうまく伝わらないということです。筆談では上 司の指示を十分に確認することができません。また、朝礼、会議などの内容が分からな い。例えば、朝礼ですけれども、朝礼で聞こえない人がいる時に、配慮しますといって も、それは朝礼が終わった後に、書いたメモを渡されます。でも、この書いたものを見 ると、簡単にまとめられているだけです。これでは、聴覚障害者として自分がこれが大 事だとか、これは必要ないという判断が自分でできません。健聴者は自分で必要だと思 ったら、自分でメモをとる。でも、聴覚障害者にとっては、必要であるものがメモされ ていないということがあります。そういったことで、業務上のミスが重なって、ストレ スが大きくなって、退職をしてしまうという例が多くあります。そういう意味で、聴覚 障害者のための合理的な配慮というのは、情報コミュニケーション保障というものが、 必要な時に手話通訳をつけるということ。例えば、公的機関、民間という別なく、聴覚 障害者が実用的に必要な時に、専門的な手話通訳を配置できるような整備が必要だとい うことです。  現在、私たちが利用している制度は、障害者介助等助成金制度の手話通訳の委嘱制度 です。しかし、これは課題であります。1つは会社が自由にどこかへお願いをして、派 遣をしてもらうのではなく、前もって申請をしなくてはなりません。この手続きがとて も煩雑で面倒です。  2つ目は、この財源が納付金制度に基づいているということです。そのために、公的 機関が使うことができません。例えば、地方公務員が会議で利用したくても、通訳が利 用できないという例がたくさんあります。また、利用回数に制限があります。1年間に 288,000円までで、支給期間は10年間という制限があります。でも、私たちは働くとい ったら、最低でも30年はかかりますね。その中の10年間しか使えないとすると、あとの 20年間はどうするのか。聞こえなかったら、我慢してくださいという意味になります。  最後になりますが、(3)雇用・労働分野における聴覚障害者の専門の相談支援体制の整 備について、聴覚障害者の情報コミュニケーション保障の観点から、聴覚障害者の専門 の相談支援の体制が必要です。現在は、国の制度ではありませんけれども、県の独自の 制度があります。これは、1つは大阪と山梨で実施されている重度聴覚障害者ワークラ イフ支援事業というのがあります。内容は、職業生活を送るに当たって支援が必要な重 度の聴覚障害者が対象になるということ。職業生活上の相談、問題の解決を図るという ことです。そういう考え方から、今、国の制度でジョブコーチという制度がありますけ れども、手話通訳または手話でコミュニケーションができるジョブコーチはほとんどい ません。やはり聴覚障害者の専門の支援体制の整備のために、先ほど言いましたように、 重度聴覚障害者ワークライフ支援事業の全国的な実施が必要ではないかと考えます。以 上です。 ○座長  ありがとうございました。それでは、続いて森委員にお願いをいたします。 ○森委員  日本身体障害者団体連合会常務理事の森でございます。本日はペーパーが間に合わな かったことについて、まずお詫び申し上げなければいけないと思っております。ご案内 の通り、日本身体障害者団体連合会は身体障害者を中心にして組織されている団体でご ざいます。従いまして、主として身体障害者の立場からご意見を述べさせていただきた いと思っています。また、我が国における合理的配慮の在り方というのは、論点整理の 中に挙げられておりますので、それの検討課題を中心にいたしまして、更に、新たな視 点の意見もお話させていただこうかなと思っております。  まず、障害者の雇用納付金制度と合理的配慮ということでございますが、私が言うま でもございませんが、身体障害者雇用促進法が35年度にでき、51年度に改正されて、法 定義務化され、それに伴い雇用納付金制度が発足したということであろうと思っており ます。従いまして、割り当て雇用率制度の導入と障害者の雇用納付金制度に関して述べ ますと、雇用納付金を原資とした「支給金制度」が創設されまして、障害者雇用調整金 制度と助成金制度がそれであり、これらの活用によりまして、障害者雇用の促進と雇用 の安定に所要の成果を上げてきておるのではないかと思っております。従いまして、現 行の雇用納付金を原資とする支給金制度は我々といたしましては、合理的配慮の具体化 ではないかと思っております。今後も、障害者権利条約の国内法整備に関しましては、 障害者雇用促進法において現に実現されているものでありますが、合理的配慮の内容は いろいろとその障害によって違うわけでありますし、また、その時期によって多様化、 変化してくると思いますので、そうした場合、状況に即応した助成措置に改正し合理的 配慮を実効のあるものにしていくことで対応していくことがよいのではないかと思って おります。  次に、合理的配慮は使用者の義務なのだろうか、労働者の権利なのであろうか、その ような点からのお話でございますが、雇用の場を提供する使用者といたしましては、や はり民間企業の場合であれば、経営権というものがあり、株主への責務もあります。頭 にあるわけでございまして、やはり、ある面においては、事業主の利益というものも考 えないといけないのだろうと思います。また、反面、障害者が雇用されるために必要と する適切なる措置というのは、やはり合理的配慮として掴まなければいけない。従いま して、合理的配慮は、やはり使用者のまずは義務ではないだろうかと思っております。  3番目でございますが、合理的配慮の拒否そのものが差別として違法になるのか。そ の拒否によって差別が生じ、その結果によって違法と捉えるのかということでございま す。合理的配慮は、当該配慮を怠ることにより、結果として差別状態が生じると考える べきではないだろうか。拒否そのものは不作為である。従って、差別そのものと言わな いのではないだろうか。あくまでも結果として差別状態をつくりだしたことに違法とい う意味ではないだろうかというように考えております。  また、この違法の修復につきましては、障害者の職場定着推進チームというのがある ようでございますが、それの権限等を強めて、合理的配慮に要する費用面の問題につい てはよく使用者と、また、障害者さらにとの第三者構成等を含めた組織で、対処してい くのがよろしいんではないかと思っております。  4番目は、差別禁止の対象となる障害の範囲でございますが、現行の障害者等級は医 学的ないしは機能的な観点から作成されております。特に、我が国においては身体障害 者福祉法の別表に拠っておりまして、職場における職業能力に配慮した障害等級ではな いのではないだろうか。従って、そういう職業能力に応じた障害等級を創設する必要が あるのではないだろうか。そのように考えております。  次に、5番目でございますが、差別があるかないかの判断基準でございますが、裏返 せば合理的配慮の基準というのがあろうかと思っています。やはり、それについては、 企業の規模だとか、あるいは業種、あるいは従業員数だとか、環境の特性だとか、障害 者や企業の所属している地域の文化や慣習なども参考にして判断すべきではないだろう かと思っております。  そして、先ほど企業内における職場定着推進チームということを話しましたが、それ を利用してまず紛争の解決に当たるということにしたらどうかなと思っております。  権利条約が批准されました後では、おそらくこれは後でまたお話ししますけれども、 労働だけではなくて、教育も福祉もいろいろなところの分野で差別の問題が検討される わけでございますので、今度は、そういうところの全体を含めた、紛争のいわゆる処理 委員会みたいなものがつくられるのではないかと思っております。また、つくらなけれ ばいけないのだろうと思います。その時に、いわゆる国あるいは行政から独立した機関、 第三者機関としてつくっていく必要があるのではないかと思っております。  6番目でございますが、納付金制度と割り当て雇用率の問題について、ちょっと触れ ておきたいと思っております。その第1点は、いわゆる重度の人たちに対するダブルカ ウント制度でございます。実質的には1人ではございますが、重度ということで、企業 側としましては、採用できるように雇用環境等を含め、いろいろと整える必要があるか らだと思いますが、非常に難しい問題ですが、ダブルカウントの問題は1対1として考え るべきではないかというようなお考えも大分あるようでございます。その辺も合理的配 慮検討の材料になるのではないかと思っております。また、雇用率未達成の場合のカウ ントでございますが、1つの私案みたいな形でいえば、実雇用者数に達成者数と、未達 成の雇用者分を雇用納付金で支払い、その場合においては、(実雇用者数+未達成雇用 者数の雇用納付金)の合算した形で実雇用率を考えるということも1つあるかなという 気がしております((注)フランスの法制度参考)。また、雇用納付金の額でございま すけれども、現行の「特別費用」の額として雇用納付金額を算出していることに代えて、 最低賃金とのリンクしたものとして考えられないんだろうかというようなことも思って おります。  7番目でございますが、これは障害者自立支援法と障害者雇用促進法とのある程度の 有機的な関連性をもつ必要があるのではなかろうかと思っておるわけです。それはどう いうことかといいますと、1つは、障害者自立支援法では施設から地域での自立という 形で職業の問題に相当力を入れておりますが、いわゆる就労の機会の提供を目的とした 就労移行支援事業とか、継続事業ということについて、利用料を負担する形になってお りますが、これは、やはり同じように障害者で職業能力開発校を利用している場合であ れば、まだ職業訓練手当が出るようなことでありますので、この辺の不公平さを調整を する必要があるのではなかろうかなという気がしております。  また、就労継続支援などにいろいろと優先発注などをした場合、いわゆる実雇用率に 算入して考える方法もあるのではないかと思っております。さらに、現在の雇用納付金 は障害者を雇用する雇用事業に還元し、利用に供することに基本的にはなっております が、もう少し障害者雇用納付金の使途を広くして障害者就労移行支援等関係事業に使え る方法はないだろうかなという気がしております。  最後になりましたが、障害者権利条約の批准に当たりまして、実は、障害者基本法と の関係をどうするかというようなことであります。おそらくこれは、各法でそれぞれ見 直しをして、それを今度は、例えば、教育なら教育、労働なら労働と出てくるわけです けれども、それをどの法律で一本にするのかどうかということです。私もこれはよく分 からないんですが、その辺の問題がが出揃ってきて、その時初めて、いわゆる障害者基 本法を手直ししてつくるのか、あるいは、いわゆる権利差別禁止法という形でまとめて いくのか、ちょっとこれも大変なことだなと思っておりますが、その辺も検討課題にな るかなと思っております。以上でございます。 ○座長  ありがとうございました。それでは、続いて、全国盲ろう者協会の福島理事にお願い いたします。 ○福島氏  福島でございます。本日はお招きいただきまして、ありがとうございます。私は目と 耳に障害があります。本日は資料の用意ができませんでしたので、お話だけで失礼させ ていただきます。申し上げたいことは、一言でまとめれば1つだけです。それは、盲ろ うという障害者、障害種別の特殊性、非常に独自のニーズをもっている、そういう人々 がいますのでよろしくということが、申し上げたいことのポイントです。  私自身は九つの時に目が見えなくなって、18歳の時に聞こえなくなって、盲ろう者と なったわけですが、その後、いろいろな方の支援を受けて大学に進んで、職業というこ とでいえば、常勤の仕事を得たのは、33歳の時です。大学の助手になって、その後、今 は正規の准教授をやっていますけれども、これは極めて例外的ケースで、私がたまたま 周りのサポートを受けられたからここまでやって来れたという背景があります。もしサ ポートがなければどうなっていたか。おそらく職業ということ以前に、生きていくエネ ルギーも十分もてなかったでしょうし、もちろん私自身の能力を発揮することもできな かったであろうと思います。盲ろう者というのは、その意味で、サポートがあるかない かで、人生が劇的に変わってしまいます。これほど劇的に変わる障害の種類もめったに ないのではないかと思っています。  盲とろうが重なった場合どうなるか。これは、イメージとしては皆さんもご理解いた だけるとは思うのですが、なかなか実感としてはもっていただきにくい面があって、私 もいつもその説明をどういうふうにするのか苦労します。例えば、盲の方がテレビを見 ている状況を考えますと、これはスクリーンを消して、画面を消して音だけで聞いてい るのが盲の方の認識世界ですね。ろうの方はというと、逆にスピーカーを消して、画面 だけでテレビを見ているというイメージになります。それぞれとても不自由ではありま すけれども、ある程度はテレビの内容は分かります。ですけれども、盲ろう者の場合は、 スピーカーを消して、画面も消してしまうわけですので、これは何もない。何も心に届 かない。自力でどう頑張って、どう逆立ちしても、どう努力しても、情報がキャッチで きないという状態に置かれます。そんな人が世の中にいるのかというように私自身も思 っていました。ヘレンケラーさんは有名ですけれども、そんな人は世の中にいるんだろ うかと、大概の盲ろう者は思うわけですが、直近の厚労省の2006年の実態調査で、推計 値では2万2,000人いるといわれています。もちろん重度の人だけでなく、比較的障害の 軽い方も含まれますが、とにかく視覚と聴覚や言語に障害を重複している人が2万人以 上はおられます。そして、その方たちは、多かれ少なかれ、今申し上げたように、ほと んどテレビが消えてしまっているような状態で生きています。  盲の状態が10の困難だとして、ろうの状態の困難が10あるとしたら、盲ろう者という のは、10プラス10で20かというと、そうではなくて、おそらく10掛ける10で100になる だろうと思っています。更にいうと、盲ろう者の困難は3つあると思っています。1つ目 が情報を得るということで、もう1つは、コミュニケーションをする上での困難、3つ目 が移動です。これは、手足に不自由がなくても、事実上一人では絶対に動けないので、 ある意味では、重度の肢体障害の方ともニーズが一定程度重なっております。従って、 今さっき申し上げた、困難が10という例で言うと、もしかすると、10掛ける10掛ける10 で、1,000の困難が重なっているのかも知れません。3つの困難が重なるとどういうこと になるかといいますと、いろんな生活場面で、仕事や職業の場面に至るまでの基礎的な 部分ですごく大きなハードルが立ち塞がってきます。  いろんな場面が考えられるんですが、例えば、典型的な例でいうと、ひとり暮らしの 盲ろう者がいたとします。私自身も10年以上ひとり暮らしでしたし、今は妻と居宅にい て、例えば、近所で火事が起こったとします。近所で火事が起こったら、聞こえている 人であれば、何か騒がしいとか、あるいは消防車がやって来たサイレンの音がするとか、 あるいは自治体の放送などがあるかも知れません。あるいは、聞こえなくても、見えて いれば、窓からちょっと外を見て、騒いでいるということが見えたり、煙が見えたりと いうことがあるかも知れませんが、まず盲ろう者の場合は、そういう外の状況、情報が 分からないので、火事が起こっているということ自体が認識できません。次に、例えば、 近所の人がやって来て、その状況を伝えようとしても、今度はコミュニケーションがう まくいかないので、やはり状況把握は難しく、更に、避難するという話になった時でも、 1人で移動ができないので、誰か移動のサポートの人を見つけなければいけないというよ うに、3つの困難が重なってしまうんですね。  今、仮想的な話で申し上げましたが、阪神大震災の時、実際に似たような状態に置か れた盲ろう者が何人かいて、実際何が何だか分からない。地震が起きたことは分かるけ れども、その後がどうなっているのかさっぱり分からなくて、ものすごく怖くて、不安 だったという話があります。今の例は、めったに起こる例ではありませんが、例えば1 つのアクシデントが起きても、このように多重的派生的に困難が重なるのが盲ろう者と いう人たちです。この3つの、情報とコミュニケーションと移動のニーズというのは、 本日お話なさった日盲連の時任さん、あるいは全難聴の高岡さんや新谷さん、ろうあ連 盟の松本さんなどがお話なさってくれた内容と、かなり重なってきます。ニーズが重な っているし、要望事項なども、盲ろう者にも相当重なっているのですが、ただし、盲ろ う者の特徴は、それらがバラバラにあるのではなく、みんな重なってしまっているとい うことです。集中しているということです。  そこで、職業という問題を考えた場合でも、例えば、最初に盲学校ではり・きゅうの 勉強をして免許を取得した後、耳が悪くなった盲ろう者を考えた場合、そういう人は実 際にいますけれども、どこかで働こうと思っても、とにかく耳が悪いということで雇っ てもらえません。その目や耳が悪いという以前に、コミュニケーションがうまくできな いと、患者さんとのやりとりもできないから、治療院でも雇ってくれません。それで仕 方がないので、自宅で無理して開業しようと思っても、今度は予約を取り付けたりする のが、電話ができないので難しく、1人ではできません。ある程度視力があれば、ファ ックスを使ったりしている人もいますけれども、だんだん視力も落ちてくると、それも 難しくなります。あるいは、ご家族の協力を得てやっていても、ご家族も高齢になって きて、結局、せっかく始めた仕事も辞めざるを得ないというような人はたくさんいます。 そして、自暴自棄になってしまって、飲み屋に通うようになって、本当は1人で歩くの は難しいんだけれども、歩いて飲み屋通いをして、ある日、トラックにはねられて亡く なるというようなケースもあります。  盲ろう者にとって何が必要なのか。これはコミュニケーションの部分については、ろ うの方や難聴の方と重なってきます。即ち、適切な通訳者や情報提供者を配置するとい うことです。それから、情報の部分については、文字情報を含めて、これは視覚障害者 の方とニーズは大分重なってきます。点字であるとか拡大文字で情報が提供されること がとても重要ですが、ただ、おそらく最も根本的なことは、盲ろうになった時、特に中 途盲ろう者が全体のかなりの割合を占めていますけれども、盲ろう者になった時に、生 きる気力を保持できるかどうかです。そこは、一時は休んだとしても、しばらく静養し て、あるいはリハビリなどを受けて、職場に復帰しようという意欲をそもそも持てるか どうかが一番大きなカギです。その意味で、今、私たち全国盲ろう者協会では、将来に 向けて1つの大きな夢を描いております。それは、職業リハビリテーションを中心とし た、盲ろう者に特化した、盲ろう者に専門的に取り組む、いわば広い意味でのリハビリ センターのような機関を何とかつくれないかという夢です。日本の福祉制度が障害者問 題に限らず包括的に取り組む方向に向かっていること、あるいは総合的に施策が展開さ れる流れは承知していますけれども、ただ包括的創造的に取り組むというスタンスだけ ではカバーし切れない、どうしても対応し切れない特殊なケースがあるということです。 それが例えば盲ろう者であるということを是非本日はご理解いただきたいなとも思って 居ます。これは、私たちだけがただ夢想しているのではなく、例えば、世界で最も盲ろ う者関連の施策が進んでいるといわれる米国では、40年前に、連邦法で盲ろう者のため のリハビリテーションセンターを国が設置することという法律を、1960年代に既につく っています。これはヘレンケラーさんが亡くなられる頃で彼女の長年にわたる強い情熱 と希望がありましたので、そういう背景があって、社会的にも盛り上がったのだと思い ますが、とにかく米国で40年前にそういう法律ができて、ニューヨークにヘレンケラー ナショナルセンターという盲ろう者のためのリハビリテーションセンターができていま す。先ほど申し上げた、生きる気力を保持するという問題から、最終的には職業的なリ ハビリも含めて、各地に戻って、地域で暮らしながら仕事ができるようにということで す。これはずっとそこに入ってということではなく、半年とか1年とか訓練を受けて、 短い場合は2週間とかですが、そしてまた地域に戻っていくというセンターがあります。 日本でそういったものができないだろうかというのが、私たちの願いであって、既存の 日本のリハビリの仕組みではどうしてもこぼれ落ちてしまう、数は相対的には少ないけ れども、切実なニーズを持った人たちがいるということをご理解いただければと思って います。ありがとうございます。 ○座長  ありがとうございました。それでは、6団体からご説明をいただきましたので、それ らについてご質問、ご意見がありましたら、よろしくお願いいたします。どうぞ。 ○笹川委員  高岡会長にお尋ねします。先ほど高岡さんから、これは都内の区だと思うのですが、 職場での差別、あるいは虐待で辞めざるを得なかったという方がおられたということで すけれども、就職すること自体がなかなか大変なのに、何故そういう状況に陥ったのか。 その辺の事情をもう少し詳しくお聞かせいただければと思います。それから、福島理事 さんには、今、盲ろう者の方で職業に就いておられる方はどういう職種に就いておられ るか、もし具体的にお聞かせいただければお願いしたいと思います。 ○座長  では、どうぞ。 ○高岡氏  高岡です。その方は特別区の公務員の方で、採用された時から自分は難聴であるとい うことを言って採用されたんですが、職場で異動になった先で全く理解が得られなかっ たわけです。難聴なので電話ができないと言っても、まず電話を取れということを強要 されたり、会議で通訳が欲しいと言っても、通訳は配置されません。上司が手話通訳士 という方だったのに、話をする時も手話で話をしてもらえません。職場の同僚がその人 の後ろを通時に、椅子をけ飛ばして通るというようなこととか、いろいろありました。 上司に相談をしても、相談になりません。これでは辞めざるを得ないと辞表を出した時 に、「職場の理解が得られないので辞める」と書いたら、それは書かないで欲しいと言 われたとか、首都東京で現在そんなことがまかり通っているという実例があるわけです。 その方は自分で名前を出してもいいとまで言われているんですけれども、一度、そうい う方々がどのぐらいいるのかも調査が必要だろうと思ってお話ししました。 ○座長  それと、あと福島さんでしたね。 ○福島氏  先ほど申しあげましたような、盲学校を卒業なさってから耳が悪くなったようなケー スの方は、直接の知り合いでも何十人もおられますが、やはり、たとえ開業しても長く 続かなかったり、あるいは治療院に勤めても、だんだん耳が悪くなってきて、解雇され るというケースが多くて、比較的うまくいっている方は、例えば配偶者がおられて、つ まり結婚なさっていて、配偶者が手伝いながら開業をしている人とか、あるいはご家族、 親御さんがかなり熱心にサポートをすることで、いわば親子で協力して開業しているよ うなケースでは比較的うまくいっているケースもあります。しかし、圧倒的多数の人は 無職ですね。あとは、重度でなく、中程度の障害、即ち盲プラス難聴であるとか、弱視 プラスろうといった方の場合は、頑張って元の職場で働いておられる方も希にはいます。 だけど、相当多数の人は辞めざるを得なくなって、おそらく全体の割合で一番多いのは 無職ですが、その次に多いのは、作業所に通っていたり、あるいはそこでの職員になっ ている人が何人か出てきているという程度です。これから職域の開拓も含めて取り組ま なければいけないという、非常に前途多難な状態です。 ○座長  今井委員どうぞ。 ○今井委員  委員の今井です。質問は壇上の方ではないのかも知れませんが、ケースとしてこれか ら雇用されるとか、募集という段階ではなくて、元々中途で障害をもった方に限定した 場合です。さきほど、差別事例というようなお話がございました。その場合に、障害者 基本法の第3条の第3項を労働基準局として行動を起こす根拠法として、現状では使える のでしょうか。それとも、使えないのでしょうか。また、使えないとしたら、何が理由 で使えないのでしょうか。 ○座長  事務局からお願いします。 ○障害者雇用対策課長  障害者基本法の差別禁止規定についてのお尋ねでございます。労働基準監督機関につ いては、その権限を行使できる権限が法律上明記されております。ですので、労働基準 法でありますとか、最低賃金法でありますとか、労働関係法令について権限を行使する という形になっております。そういう意味で、残念ながら、現時点において障害者基本 法によるというような規定について労働基準監督官が権限を行使するという形にはなっ ておりません。 ○今井委員  お答えとしては分かりました。 ○座長  他にいかがですか。ご質問、ご意見でも結構ですけど。どうぞ。 ○高岡氏  全難聴の高岡です。補足的にお話ししたいんですけれども、1つは、中途で障害を受 けた人、私たちの場合は中途で聞こえなくなった人に対する職業リハビリテーションあ るいは、機能回復は難しいので、いろいろなコミュニケーション方法を習得するとか、 自分の気持ちを高めて、社会に挑戦するような意欲をもたせる訓練などの開発が必要だ と思うのですが、国リハに中途失聴者のリハビリテーションプログラムはあるんでしょ うか。欧米にはありますけれども、中途失聴者に対するプログラムはあるんでしょうか。 中途失明者に対するプログラムはあるんですが、中途失聴者に対するプログラムは確立 していないと思います。それから、2つ目に、今日はどなたからもお話しされていませ んでしたけれども、障害をもった学生の時からの支援というのが非常に重要だと思いま す。学生に対してコミュニケーションをどういうふうにとるのか、コミュニケーション の支援を活用する、ITを活用するということを十分使いこなすことができれば、社会 に出て、同じようなサービスを使うことができると思うんですね。現在、筑波技術大学 などでは、遠隔コミュニケーション支援とか、講義でも文字通訳、手話通訳を使って学 生が学んでいるわけです。そうした学生が社会に出た時に、同じような環境があれば十 分仕事ができるはずです。もうそうした学生がどんどん社会に出ているわけですから、 社会の対応の方が遅れているということだと思います。  それから、ろう学校、今は特別支援学校といいますけれども、今は、ろうの子どもた ちや難聴の子どもたちの他に、人工内耳を使って聞こえるようになった子どもたちがた くさん入っています。それらの子どもたちは、手話も口話もあらゆる手段を使って、コ ミュニケーションができる子どもたちなんです。そういう全く新しい聴覚障害をもった 子どもたちがどんどん進学して社会に出た時に、そうした子どもたちが受け入れられる 社会になっているか、まだ全然できていないと思います。そうしたことをどうするかと いう、学生への支援がその後の就労にも大きく影響すると思います。  それから、3つ目が、障害者の就労についての合理的配慮ですから、法的な問題も一 つひとつ検証していくわけですが、それ以前に、職場の理解と、当事者が可能性を信じ られるような、そうした意欲をもたせるということも、就労支援の1つだと思うのです。 ただ、自分自身がやる気を起こすためのそうした訓練を受けるということが考えられて いないと思います。もうちょっと広い意味で就労支援を考えていきたいと思います。  それから、私たち全難聴では、青年部というのがございまして、今働いている青年が 聞こえない人の問題を調査して、就労マニュアルをつくりました。この就労マニュアル は先ほどのカナダの国際難聴者会議でも発表したところ、非常に注目を浴びたものです。 こうしたものも活用されて、実社会に中途失聴・難聴者の就労支援策をご検討いただき たいと思います。 ○座長  よろしいですか。今、高岡さんから4点お話があって、私のお聞きした範囲では、2 点、3点、4点というのは、ご希望だったと思いますね。1点目は事務局から回答を得た いというご質問だったと思うのですけど。あるいは、それ以外で、2点目以降も全般的 に事務局から何か全般的にコメントがあったらお聞きしましょうか。 ○高岡氏  高岡です。ご回答いただければ有り難いですし、聴覚障害者はろう者と難聴者がいま すけれども、これらの問題について検討する場を設けるというようなお答えがいただけ れば嬉しいと思います。 ○障害者雇用対策課長  何点かご指摘がございました。最初の中途聴覚障害者に対するプログラムの関係でご ざいますが、手元に資料がないので明確にお答えはできませんけれども、具体的にはい ろいろな研究はあるんだと思っておりますが、プログラムまでいっているかどうかとい うことは確認してお答えしたいと思います。2点目の学生の時期からの支援ということ でございますが、現在、文部科学省の特別支援教育の関係で、特別支援学校段階で、あ るいは大学段階で様々な取り組みが進んでいるところだと理解しております。ただ、ご 指摘のように、そうした訓練を受けて卒業されている方も増えてきていると考えており ます。私どもとしては、そういう方が能力を発揮する形で就労・雇用の場で活躍できる ような形で対応できるよう、企業等々の指導というものをやっていきたいと考えており ます。3点目の合理的配慮の一環として職場の理解という点についてご指摘がございま した。これが私どものこの研究会で検討している権利条約を考えていく上で非常に大き なテーマだろうというふうに考えております。法制面でどういう形で考えていくのかと いうことに加えまして、そうした法制面のものを企業について理解していただいて、実 際の現場で、先ほど例示されましたような特別区の事案というものがありましたけれど も、そういうことが起こらないような形にしていく必要がありますので、企業に対する 周知・啓発等々というものをやっていきたいというふうに考えております。 ○高岡氏  就労マニュアルについてはいかがですか。 ○障害者雇用対策課長  活用させていただきたいと思います。 ○岩村委員  よろしいですか。岩村です。どなただったかちょっと記憶がはっきりしませんが、紛 争解決の機関のお話とか、先ほど特別区の中途障害の方のお話とかありまして、それと の関係で、紛争解決等についてちょっとお伺いしたいのですが。現在、労働問題で紛争 が起きた場合については、先ほどの特別区のようなケースが民間企業で起きた場合です と、都道府県の労働局でやっている個別の労働紛争の解決機関であるとか、これは主と して相談とかということが中心になったりしますが、更には、都道府県の地方裁判所で 労働審判というような制度が設けられています。障害者団体の方々の方で、雇用・労働 についてトラブルが起きた時に、そうした紛争解決機関を利用するように、例えば構成 員の方にお知らせしているとか、アドバイスをしているということがおありであるのか どうかということをちょっと教えていただきたいと思います。それから、もう1点は、 もう1つの方法としては、例えば、障害者の方で、働いている方で労働組合をつくると いうこともあり得るのですが、そういった発想というのを各団体で、特に働いている方 を中心としてやってみようということ、そういう発想自体をおもちかどうかということ をちょっとお聞かせいただければと思います。 ○座長  どなたからでもいいですね。どなたかご意見がございましたらどうぞ。 ○時任氏  日盲連の時任です。私はどうも不勉強だったなというふうに今反省をしておりますが、 都道府県の労働局は分かりましたけれども、地裁に労働審判があるということについて は知りませんでした。これは、今後視覚障害者の間に周知させていく必要があると今考 えております。更に、例えば、私どもでいうと、視覚障害者の労働組合をつくるという 発想は今まで全くもったことがありませんでした。そういうことが可能だということ自 体も知りませんでした。可能なのでしょうかという事です。以上です。 ○座長  可能なのでしょうかということですが。 ○岩村委員  少なくとも雇用労働で働いているということであれば、労働組合を独自につくるとい うことは可能です。 ○座長  他にどなたか。どうぞ。 ○新谷氏  全難聴の新谷ですけれども、私たちいろんな職場で困難事例を抱えた時に、組合にも っていく手はあります。ありますが、それは現実的な解決になるかどうかというのは、 組合というのは非常にハードルが高いわけです。個人々々の救済について、どこに障害 をもったからどうこうということは、組合に訴えてもそれが個別の職場の解決に結びつ くかというと、非常に遠い、難しい道だというふうに、私は個人的に感じます。それが、 職場の上司の理解があって、職場の上司が分かってくれて、それならこういう仕事に変 えてあげようとか、そういう身近な支援が出てこないと、特に中途失聴者の場合は心理 的にかなり追いつめられていますので、何か闘おうという気にはならないのです。まず は、やはりその日その日を何とかきちっと送りたいということがありますので、それを 優先して考えますので、それほど強い気持ちにならないことがまず問題なんです。強い 気持ちになったら、あとはいろんなことを、個人的にも、当事者団体もあるでしょうし、 いろいろあると考えることができるんです。その前のケアがなくて潰れていっている人 が多いわけです。ここをやはりきちんと捉えないと、その方たちにどういう手を差し伸 べることができるのかということを、やはり私たちの団体も、行政の方も、会社の方も、 やはりもう少し深刻な問題として考える必要があると思います。おそらくものすごい労 働力がそこで失われているということも現実にはあると思います。 ○座長  ありがとうございました。どうぞ。 ○福島氏  今の話の関連で一言申しあげたいと思います。私は大学というフィールドにいますけ れども、国立大学時代もそうですし、国立大学法人になった今もそうなんですが、雇用 保険に入っていないこともあって、いわゆる雇用率の適用対象にはなるけれども、助成 金が大学には出ないわけです。それで、障害教員として私は雇用されていますけれども、 その支援を求めていく、あるいは障害のある学生に対する支援を求めていくという時に、 ものすごくエネルギーを使います。今は東京大学にいますが、その前、金沢大学にいた 時もいろいろ苦労して、いろんな方の手助けを受けてどうにかこうにかサポートの人を 付けてもらえるようになりましたが、これはやはり一言では言えません。先ほど高岡さ んが言われたようなことで、もう少しで私も潰れそうになるギリギリの状態にいたんで す。それは、本当に見方になってくれる人がいたから何とかなりましたが、1人では絶 対にできませんでした。東京大学に移って、その時には金沢の前例があったので、比較 的スムーズに話が進み、更に障害者基本法は理念法ではありますが、これに非常に着目 してくれた大学関係者がいてくれたので、例えば、東京大学の大学憲章という大学の憲 法に相当するものに、障害者支援ということが書き込まれたんですね。それで何とか予 算措置とかも進んだんですが、障害者雇用を個別の企業や様々な職場でやっていくのは 本当に大変だろうと思います。そこで、何か国がガイドラインをつくるなり、法的にき ちんとバックアップされていると、話がとてもスムーズにいくだろうなと思います。や はり、この国は、日本だけではないんですが、前例のないことをやろうと思ったり、職 場にいる障害のある一労働者が何とか頑張ろうと思ったり、あるいは組合に相談したと しても、結局はうまくいかないということが多いと思います。障害をもった人が二重三 重にしんどい状況に置かれないようにするために、せめて余計なことに神経を使わない ですむようにすることが必要で、そのためにも最低限必要なサポートを得ていけるとい うような仕組みになると、結果的に労働力も発揮されて、人々の気持ちの上でも、また 経済的な効果の上でも、プラスに働くんだろうと思います。 ○座長  それでは、松井委員どうぞ。 ○松井委員  先ほどの岩村委員からのポイントにも似ているんですけれども、日本の場合には、5 人以上障害者を雇っているところについては、相談員を置くことになっていますね。ご 承知だと思いますけれども、ドイツの場合は重度障害者代表というか、5人以上障害者 がいる場合については、その中から委員を選んで、いわばその方が組合的な役割を果た して、代弁者としての役割を果たすことができます。そういう意味では、ピアカウンセ ラーというか、専門家の智恵も必要ですけれども、やはりよく事情が分かる方が、代弁 者として発言していくというような機能も必要だと思うのです。とういうドイツのシス テムは皆さんにとってあんまり関心がないのでしょうか。 ○座長  コメントがありましたら。 ○福島氏  松井先生、それは、障害をもった方のいわば利益を代弁するのであれば、とても大事 だと思いますね。私の経験からいっても、自分のことを自分で要求するというのは、も のすごくしんどいんですね。本日のように直接利害関係のない方々とお話しをするのな らいいんですが、よほど図太くないと、普通は自分の上司なんかにはなかなか言えない ですよ。私は言ってきましたけれども。それで胃潰瘍にもなりましたね。やはり、今言 われた権利擁護的な弁護士というか、弁護士ではなくても弁護士的な役割の方が代わり に言ってくださるという方がいるかどうか。それは、相手の人にとっても、第三者的な 立場で中に入ってくださる方がいれば、話もスムーズにいくと思うのですね。それはと ても興味深い制度だと思います。 ○座長  他にございますでしょうか。今の点でございますか。 ○高岡氏  松本さんもお話ししましたけれども、聴覚障害者が仕事をしている時に、いろいろな 問題が起きるんですね。その時に、私たちの立場を理解して支援してくれるというのは、 ジョブコーチであったり、相談支援員であったりするんですね。ところが、私たちのコ ミュニケーションの問題を理解して、支援できる人が今はいないんですね。ですから、 当事者がそういうことについて勉強して、いろんな職場での問題を支援しようとしても、 その研修を受ける段階で、コミュニケーション支援、情報保障の制度がないんです。で は、地域生活支援事業の福祉サービスとして、通訳を頼めるかというと、それは市町村 の判断なので、場合によっては受けられないということもあります。ですから今、福島 先生がおっしゃられたように、私たちの立場になって権利擁護、代弁してくれるという 人は、1つは相談支援員やジョブコーチだと思います。それをいかにたくさん、それぞ れの障害者別に育てるかというのも、1つの大きなカギだと思いました。 ○座長  それでは、そろそろ時間になったので、笹川委員のご質問を最後にさせていただきた いと思います。どうぞ。 ○笹川委員  事務局にお尋ねします。今日は6団体の代表の方からご意見を伺いました。共通部分 も随分ありますけれども、やはり障害の特性によっていろいろ抱えている問題が違いま す。我が国には障害者団体は他にもありますが、他の団体のヒアリングについてはどう お考えなのでしょうか。 ○事務局  事務局でございます。ご指摘の通り、まだまだたくさん団体がございまして、今回は 第1回目でございますが、次回、次々回、場合によっては、それでは足りずに、その更 に後にと、つまり合計あと3回ぐらい、少なくともあと2回はやらないといけないかなと 思っております。 ○座長  笹川委員、よろしいでしょうか。それでは、まだご質問があるかと思いますが、時間 も過ぎましたので、この辺で終了したいと思います。次回の議事と日程について、事務 局から説明していただきたいと思います。 ○事務局  事務局でございます。次回ですが、今ちょっと申し上げたように、本日に続きまして、 障害者関係団体からのヒアリングの2回目ということでございます。次回は大久保委員、 今井委員からもご説明の方をお願いしたいと思っております。その他の団体で、精神障 害、あるいは発達障害の関係団体にもお願いして、ヒアリングをしたいと考えて、今調 整をしております。 それで、次回の日程ですが、まだ確定というわけではありませんが、9月24日(水曜日) の15時から17時の方向で調整しております。場所については未定でございます。速やか に確定の上、後日改めてご連絡をいたします。 ○座長  最後ですが、本日の議事録について、公開をしても差し支えないと思うのですが、い かがですか。よろしいですか。では、公開ということにさせていただきます。それでは、 これをもちまして、本日の研究会は終了いたします。ありがとうございました。 (照会先)   厚生労働省 職業安定局    障害者雇用対策課    電話 03−5253−1111(内線5855)   FAX 03−3502−5394