08/08/06 第18回独立行政法人評価委員会年金部会議事録 独立行政法人評価委員会年金部会(第18回) 開催日時:平成20年8月6日(水)13:30〜 開催場所:厚生労働省専用第21会議室 出 席 者:山口部会長、川北部会長代理、安達委員、大野委員、竹原委員、      樋口委員、光多委員 ○山口部会長  それでは、ただ今から第18回独立行政法人評価委員会年金部会を開催させてい ただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、 ありがとうございます。  本日の議題は、お手元の議事次第のとおり、年金積立金管理運用独立行政法人 の平成19年度業務実績の個別評価を行います。  議事に入る前に、独立行政法人の業務、マネジメント等に係る国民の意見募集 について、政策評価官室から説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  「独立行政法人の業務、マネジメント等に係る国民の意見募集について」につ いて説明させていただきます。資料は特に配布しておりません。  独立行政法人整理合理化計画で、「評価委員会は、独立行政法人評価の際、業 務、マネジメント等に係る国民の意見募集を行い、その評価に適切に反映させ る」とされたことから、当省評価委員会も各法人の平成19年度業務報告書につい て、7月上旬に各法人の業務報告書を電子政府の総合窓口に掲載し、12日間とい う期間で、国民の意見募集を行いました。  今回評価を行っていただく年金積立金管理運用独立行政法人につきましては、 本件に係るご意見は寄せられなかったことをご報告いたします。  以上です。 ○山口部会長  それでは、年金積立金管理運用独立行政法人の個別評価の議事に入りたいと思 います。  最初に、独立行政法人の理事長さんからご挨拶をいただきたいと思います。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  理事長の川瀬でございます。私どもの組織は、18年度の発足でございますので、 今回が2回目の実績評価ということでございますが、何とぞよろしくお願いいた します。評価の視点に沿っての詳細な説明を申し上げる前に、私から、発足2年 目を迎えて、考えてきたこと、実施してきたことを、組織運営、運用管理の2つ に分けて説明させていただきます。  まず、1つ目の組織運営でありますが、昨年の評価委員会において、「独立法 人初年度として、今後、業務を円滑に遂行するために必要な基盤づくりができて いる」との評価をいただいたところです。初年度は、組織の専門性を高めていく ために、職員の育成システムの充実を図るとともに、民間の実務経験者の中途採 用を行ってきたわけですが、2年目も基本的にはこの方針を踏襲しています。民 間からの中途採用については、定年退職者の補充、出向者との入れ替えというこ とで、19年4月から今日まで12名を採用しています。  私どものような組織は往々にして監督官庁からの再就職者・出向者が多数に上 り、そのことが組織のモラルを低めるということが指摘されますが、私どもでは こうした施策を進めてきた結果、官庁からの再就職者・出向者を除く、いわゆる プロパー職員の比率は、独立行政法人発足時の72%から、足下では87%へと上昇 しています。組織づくりの面でも、19年の5月に係制という、業務担当の小さな 区画を廃止し、担当事務のオーバーラップを通じて、職員の関与、関心の幅を広 げさせてきました。また、中途採用者の組織への溶け込みも順調に進んだことも あって、法人内の議論も発言者の範囲も広がるなど、かなり活発化し、午前中の 会議が昼休みを超えて続くこともしばしば起こっています。  私どもの運用金額は国内的にはもちろん、国際的にも図抜けた規模ですので、 前例や横並び比較はあまり役に立たないと感じており、そうした発想を抜け出し て、自分の頭で考える組織に脱皮することが必要と考えていましたが、そうした 当初の意図がだんだん浸透してきていると感じています。20年度から人事評価制 度を開始しますので、これをうまく定着させて、組織活性化をさらに進めていき たいと考えています。2つ目は積立金の運用管理でございます。この面での中期 目標、中期計画にある私どもの主たる目標は、第1に基本ポートフォリオに基づ き管理すること、第2に運用資産ごとにベンチマーク収益率を確保するよう努め ること、第3に管理コストの効率化を図ることかと思っております。  第1の基本ポートフォリオに基づく管理という面では、19年度も引き続き財政 預託金の満期償還到来に伴い、私どもに寄託されるいわゆるニューマネーを各資 産に配分する、その割合を調整しながら、移行ポートフォリオを実現すべく管理 をしてきました。ただ、19年度は、20年度末に基本ポートフォリオを実現すると いう最終着地の一歩手前の年でありますので、19年度の移行ポートフォリオの実 現自体が自己目的化するわけではありません。この点を踏まえて、19年度の第4 四半期からは、20年度末の最終着地を見通したニューマネーの配分方法に変える ことによって、よりスムーズな基本ポートフォリオへの着地を実現できるように 工夫してまいりました。  次に、各資産クラスでベンチマーク並みの収益率を確保するという点ですが、 私どもは実際の運用は信託銀行、投資顧問会社にいわば外部委託をしていますの で、これらの委託先、これは「マネージャー」と呼ばせていただきますが、これ らマネージャーの運用管理をきちんと行っていくことが基本になります。しかし、 同時にかなりの部分、どのマネージャーを選ぶのか、どういう組み合わせでマネ ージャー・ストラクチャーをつくり上げるかという点にかかっているわけであり ます。  私どもは基本的には3年ごとにマネージャーの見直しを行っておりまして、19 年度は日本株アクティブ・マネージャー、国内債券パッシブ・マネージャー及び 外国株アクティブ・マネージャーの見直しを行ってまいりました。このうち、外 国株については19年度は公募までで、審査は20年度に入っての作業になりますが、 応募ファンド数が日本株、外国株いずれの場合も40前後に上がりましたので、こ の面では大変忙しい年でございました。マネージャーの選択には、どの運用スポ ンサーも頭を悩まし、しかしなかなかこれという決定的な方法がないというのが 実情でありまして、私どもの採用したマネージャーが採用後に期待したような成 果を出さないというケースももちろんあるわけでございます。  私どものマネージャー審査について、海外で広く読まれております『ペンショ ン アンド インベストメント(年金と投資)』という英文の雑誌が先日取り上 げて、次のように書いています。「GPIF−−これは当法人のことでございま すが、GPIFのマネージャー審査は透明性があり、かつ公平であるとして、年 金コンサルタント、運用マネージャーとも、GPIFのスタッフを賞賛している。 GPIFとの取引はフィーが低いので、採算は必ずしも良いわけではないが、審 査に合格し採用されるというお墨付きを得ると、他の企業年金との取引にも結び 付きやすいので、どのマネージャーも日本で運用業務を行っていく上で、GPI Fの公募・審査を大変重要視している」というような記事です。  こうした同誌の記事は、私どもの地道な努力と、その結果養われたスキルが高 く評価された証ということだと思いますので、すなおに喜んでいるところでござ います。ちょっと話がそれましたが、19年度の実績を見ますと、外国株はやや残 念な結果になっていますけれども、他の3資産ではベンチマーク収益率という目 標を概ね達成できたと評価しています。  第3の運用コスト削減にも地道に取り組んでいますが、19年度のこの面での特 筆すべき点は、資産管理機関の集約化の決定です。資産管理報酬は、管理金額逓 減性になっていますので、資産それぞれを1つの管理機関に集約することで、大 きなコスト削減効果が生じます。資産集約には事務的に多少時間がかかりますの で、19年度にその効果全てが直ちにあらわれるということではなくて、19年度か ら21年度にかけて実現されてくるのですが、我々の経費規模を考えますと、大変 大きなコスト削減になります。こうしたコスト削減努力にも関わらず、中期目標 としての管理費、人件費の削減がいわば片側通行で進められることに、正直言っ てやや虚しさを感じざるを得ませんが、ともあれこのことは大きな効果を生む決 定であったと自己評価をしています。  19年度の運用実績は残念ながら5年ぶりにマイナスとなりました。私どものよ うに予め定めたポートフォリオに基づき運用する場合、全体の収益率は各資産の マーケットの動向で決まる収益率の加重平均になるために、これを短期間でコン トロールすることは不可能で、長期的に評価をしていただくしかありませんが、 私どもとしては、以上申し上げましたように、運用管理面で設定された目標、す なわち基本ポートフォリオに基づく管理及び資産ごとのベンチマーク収益率確保 については、きちんと達成できたと考えています。  最後に、事務所移転問題であります。20年度末までに神奈川県に移転するとい うことでありましたが、6月に政府の方針が東京残留に変更になり、近々その旨 の政令が公布される予定であります。この問題で19年度後半からこの6月まで随 分振り回され、エネルギーを消費させられましたが、ともあれ決着を見たという ことで安心しております。  以上で私からの挨拶を終わらせていただきまして、以下、もう少し詳細に19年 度の実績をご説明申し上げたいと思います。 ○山口部会長  ありがとうございました。  それでは、これから始めたいと思いますが、先週の本部会でも説明がありまし たように、評価シートの個別項目を4つのグループに分けまして、さらに業務実 績評価関係資料を1つのグループといたしまして、合計5グループをつくりまし て、そのグループごとに評価を行っていきたいと考えております。  それでは、まずグループ1について評価を行いたいと思います。所要時間は、 法人からの説明が15分程度、委員の皆様方からの質疑並びに評定の時間を15分程 度、合計30分程度を考えております。  それでは、グループ1について、法人のほうから説明をよろしくお願いいたし ます。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事  それでは、説明させていただきます。私、年金積立金管理運用独立行政法人理 事の野島でございます。よろしくお願いいたします。  私どもの19年度の業務の実績、あるいは、運用業務に関する基本的な考え方に ついては、先ほど理事長のご挨拶の中にほぼ網羅されておりますが、それを詳細 な形でご説明させていただくということでございます。  評価項目につきましては、昨年と同様に全部で20項目でありますが、「業務実 績評価説明資料」というA4判の資料1−4でご説明をさせていただきたいと思 います。本来評価される資料は資料1−1でございますが、説明の便宜のために こちらのほうでご説明をさせていただきます。  そのうちパート1でございますが、1ページから、評価項目20のうち5項目に ついてまとめております。基本的には、昨年度の当委員会におけるご評価に資す る資料ということでつくらせていただいたものを、それを踏襲した形にさせてい ただいております。なお、自己評価、評価につきましても、昨年度いろいろなご 議論があったやに聞いておりますが、今回の私どもの自己評定につきましては、 昨年度の委員会における評定を基準として、私どもとして考えさせていただいた ということでございますので、よろしくお願いいたします。  それでは、2ページをお願いいたします。評価項目の第1番目、効率的な業務 運営体制の確立ということでございます。これは本来の資料の3ページに載って おります。この点につきましては、私どもは自己評定Aと書かせていただいてお ります。基本的には、独法設立2年目でございますので、大きな変更はございま せん。  独法はどこでも同じかと思いますが、理事長が最終的な意思決定権者であると いうことでございます。ですから、理事長のリーダーシップを支えて、その意思 決定をサポートする体制をしっかりつくって、それを実行しているところでござ います。具体的には経営管理会議という理事長直轄の形で、様々な事務事業・事 項の進捗状況を把握し、必要な指示を行う場ということがございまして、19年度 は16回開催しております。また、企画会議というものが表の下にございますが、 これは年金積立金の管理運用業務に係る重要事項について、予め検討することに より、理事長の意思決定をサポートするというものでございまして、33回、ほぼ 月3回という頻度で、このような会議をしております。  右側が組織・人員体制の見直しということでございます。これは後のほうにも 載っておりますが、理事長のご挨拶にありましたとおり、昨年の5月、係制を廃 止するということで、いわゆるお役所的な固定した係という分担を、私どものよ うな小さな組織では機動的に動かすことができないということがございますので、 業務の効率化、柔軟な人事配置を可能とするために係制を廃止して、このような 効果をもたらすようなものにしたと。これはもう既に1年ぐらいたっております が、順調に機能していると思っております。その他幾つかの体制の見直しを行っ ているということでございます。  3ページにまいりまして、人事評価制度の創設及び運用ということでございま す。これも中期目標期間中に人事評価制度をスタートさせるということになって いるわけでございますが、私どもは19年度におきまして、右下にございますよう に、20年1月から3月に試行を始めたということでございます。これを踏まえま して、もう既に20年度に入っているわけでございますが、20年度に本格実施を始 めております。本格実施と申しますのは、上半期4月から9月までの評価を踏ま えまして、12月の冬季の賞与等へ反映させるということも含めてでございますが、 このような形で人事評価制度を19年度から試行を含めて始めているということで ございます。  4ページでございますが、業務運営体制の整備ということでございます。左側 に基本組織とございますが、係制廃止は先ほど申し上げました。そのうち調査室 とインハウス運用室は19年4月に設置ということで、それぞれ企画部、運用部に 所属していたものを独立性を高めたということでございます。その他、右側には、 各目的別の様々な委員会を設置し、機能させているということでございます。  それから5ページは、評価項目の第2番目、業務運用能力の向上の中で、運用 経験者の採用・処遇評価体制の整備でございます。本来のA3の資料では8ペー ジでございます。自己評定はAとさせていただいております。ここにつきまして は、私どもの業務が年金積立金の管理運用という極めて専門的な分野の業務であ るということで、次にご説明しますとおり、既在職者に対する研修等によりスキ ルアップを図っていくことはもちろんでございますが、民間からの運用経験者等 の採用を、定員管理が厳しい中ではございますけれども、行っているところでご ざいます。ホームページ等により広く公募いたしまして、採用委員会の決定を踏 まえ、右側にございますように、19年度は8名を採用させていただいたというこ とでございます。その中には証券アナリストの資格を持っている者が2名ござい ます。  次の6ページは、採用された職員、勤務している職員に対する研修の実施とい うことでございます。左側が専門実務研修、右側が一般研修ということでござい ますが、専門実務は運用業務のスキルアップのための研修でございまして、その レベルに応じて初級、中級といった研修、それから、大学院への入学補助を行っ ておりまして、現実にそういう形で通っている者もございます。このような形で 延べ348名ということで、複数の研修を受けているということになるわけでござ います。右側の一般研修は、コンプライアンスとかメンタルヘルスというものを 含めた、運用業務以外のものに関する研修でございまして、19年度は延べ182名 の参加がございました。  それから、先ほどの繰り返しになりますが、7ページの証券アナリスト資格取 得の支援措置及び資格取得者の増加ということでございます。これも法人全体と しての運用管理の向上のために行っているわけでございますが、研修を通じて、 あるいは、通信教育における受講料の補助を行うことにより、職員の資格取得を 推進すること。それから、既にそのような資格を持っている経験者を採用すると いう形で、右側に数字が書いてございますが、独法設立時は7名だったものが、 19年度末では15名ということで、倍以上の数字になっております。引き続きこの スキルアップのための仕組みを推進していきたいと考えております。  次に8ページ、3番目の評価項目、業務管理の充実でございます。A3の資料 では13ページにございますが、自己評定につきましてはAという評価をつけさせ ていただいております。私どもの業務は厚生労働大臣から与えられた中期目標が 基本にあるわけでございまして、これを踏まえて法人として決定する中期計画、 それをさらに年度ごとに分解した年度計画というものがございます。年度内にお いては、これをさらに四半期ごとに分解いたしまして、四半期ごとの目標を設定 し、それがどう実績として上げられたかということを四半期ごとに管理する。そ れによって必要な指示を役員から出し、業務をさらに推進させるという形になっ ております。このような形で計画的な業務の推進が図られていると私どもは考え ております。  次は9ページでございます。内部統制体制の充実ということでございます。こ れも当法人に限ったことではございませんけれども、極めて重要な業務管理の項 目だと思っております。運営リスクについては、「運営リスク管理委員会」とい うものを適時開催し、その結果を職員に対して周知させるということをやってお ります。  また、コンプライアンスにつきましても、「コンプライアンス委員会」を開催 しておりますし、各職員が手元に置いて随時参照・確認できるような形での『コ ンプライアンスハンドブック』というものを19年度に作成いたしまして、これを 使ったコンプライアンス研修等も職員全員に実施しております。  また、「内部通報制度」を18年度に設けましたが、19年度の実例は特段ござい ませんでした。  このような体制の整理、職員に対する周知を図ることによりまして、運営リス クの管理、受託者責任の徹底、職員の意識改革というものを図っているというこ とでございます。  10ページにまいりまして、内部監査体制ということでございます。これも19年 度に改めてということではございませんが、18年度に独立行政法人化された時に、 内部監査のための監査室をどこかの部に所属させるということではなくて、理事 長直轄の室ということで設置して、独立性を高めた監査ができるようにというこ とで進めておりまして、19年度も機能しております。具体的には、右側にござい ますように、18年度は10回行っていた内部監査、フォロー監査を、19年度におい ては19回という形できめ細かく行っているということで、これにより法人全体で の問題点の認識等を共有するということで業務改善へ反映させてきているという ことでございます。  次の11ページは、事務の効率的な処理の中で、業務・システムの最適化計画の 推進、あるいは、調達方法の見直し等ということでございます。業務・システム の最適化計画につきましては、昨年度の委員会でも強調して報告させていただい たところだと思いますけれども、我々の運用業務をさらに高度化する上で極めて 重要な計画でございます。具体的には日次化対応といったものが中心になるわけ でございます。これは18年度末に1年前倒しで公表して策定したわけでございま すが、19年度はこれに基づいて調達を行っておりまして、透明性が最も高い政府 調達に準じた形でやっているわけでございます。既に設計・開発に着手している ということでございます。  その次のところは、業務・システム最適化に関わらず、全体の調達方式の見直 しということでございまして、透明性の確保、コスト削減という観点から、かつ て随契が中心だったものを、極めて少ない例外以外は、一般競争入札という形で 行っている、競争性がある入札を行っているということでございます。例えば、 システム、情報端末等につきましても、18年度は随契でやっていたものを、一般 競争あるいは企画競争といった、競争性のあるものに変えたわけでございます。 さらに、20年度においてはそれを徹底化しておりまして、随契以外ではできそう もないもの、例えばオフィスの借上げというようなもの以外については、基本的 に競争性があるものに全て移行しているところでございます。  パート1の最後の評価項目でございますが、12ページでございます。業務運営 の効率化に伴う経費節減ということでございます。これの自己評定につきまして は、昨年ここはAという評定をいただいておりますが、私どもは今回Sと書かせ ていただいております。  これはなぜかということをご説明させていただきます。独立行政法人という枠 の中でございますので、一律の規制ということだと思いますが、一般管理費につ いては中期目標で4年間で12%、1年で3%と。そのうち、人件費については毎 年1%ずつという、非常にきつい縛りがかかっているわけでございますけれども、 私どもはその中で何とか努力しながらそれを上回るような数字を今のところ出し ておりまして、右側にあるとおり平成17年度比で、一般管理費については18.2% 縮減、人件費については11.2%ということでございます。正直申し上げまして、 冒頭で申し上げたような質の高い人材を求めるという観点からすると、このよう なことを達成するのはなかなか厳しい状況ではございますが、独立行政法人の枠 の中での業務運営であるということで、このようなことでやっているわけでござ います。業務経費につきましては1年1%でございます。  S評価にさせていただきたいと申し上げたのは、この部分ではございませんで、 次の13ページをご覧いただきたいと思います。13ページの資産管理機関の集約に ついてということでございます。私どもは年金積立金をマーケットで運用してい るわけでございますが、運用している資産の管理については、基本的に資産管理 機関にお願いしているわけでございます。左側に集約前というところがあります けれども、従来は4社にそれぞれの資産クラス、内外の債券、内外の株式と、4 資産クラスについて分けて管理を委託しておりました。つまり、4×4で16、実 際には16ないんですが、基本的には16という形でカテゴライズして資産管理を委 託していたわけでございます。  しかし、今回、上の集約の目的にあるように、事務の効率化、資産ごとのデー タの統一による事務の効率化、管理手数料の低減、これは理事長の先ほどのご挨 拶にございましたが、そういうことで平成19年度に1資産クラスについては1資 産管理機関に集約化するということで、右側のようにA社、B社、C社、D社が それぞれ1つの資産クラスを管理することになりました。これによって事務の効 率化が図られるとともに、経費が大幅に節減できることになりました。  どのくらいかということにつきましては、14ページの右下にございます。(3)資 産管理機関、1資産1資産管理機関に集約することによる効果ということで、△ 19.2億円ということでございます。このような金額を試算しております。実際に は19年度にこのような意思決定をしたということでございまして、現在順次移管 をしている最中でございますので、最終的な移管後の形が出るのは来年度になる わけでございますが、このような効果が見込まれるような意思決定を19年度にし たということで、ここに書かせていただいております。  その他、運用受託機関に関する管理運用委託手数料につきましても、機会をと らえて削減交渉をしております。右側の(1)、(2)のところでございますが、約6億 6,000万円の節減効果を19年度に得たところでございます。その結果ということ で左側にグラフがございます。これは、私どもの管理運用資産が逐年増加してお りますので、管理運用手数料自体は増えておりますが、率としては0.03%という、 資産規模が大きいから当たり前と言えば当たり前ですけれども、ほかでは考えら れないほど低い手数料水準を守っているところでございます。  以上、パート1についてのご説明でございます。よろしくお願いいたします。 ○山口部会長  ありがとうございました。  委員の皆様は、評価シートへの評価等の記入をお願いいたします。質問がござ いましたら、お願いしたいと思います。  竹原委員、どうぞ。 ○竹原委員  業務の最適化システムに関してですが、計画どおり進捗しているということで は理解しているんですけれども、先ほど理事長からもありました、例えばリスク 管理体制のより一層の充実とか、マネージャー・ストラクチャーの構築に向けて、 利用という意味で何か具体的なツール等、計画があるのかどうか教えていただき たいと思います。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  これまででき上がっていなくて、できるとしたら21年度か、そのくらいになる わけでございますけれども、リスク管理という点では、私どものリスク管理で一 番大きいのは、アセット・アロケーションをきちんと保つということなんですね。 今のところ私どもはそのアセット・アロケーションの見直しを、ニューマネーの 配分でやっていますが、月に2回配分を行っている。  その時に分かるのが少し前の残高なんですね。その残高に基づいてやっている から、株価が動いた場合は違ってくるかもしれない。21年度からニューマネーが なくなりますと、月2回ということではなくて、常時見て、資産構成がオーバー して、管理計画を超えたりしたからリバランスをやったりしなきゃいけないんで すね。その時に1カ月半とか2カ月前の残高では分からないので、日次の残高ベ ースの数字が入れば、そこで日次で見ながら速くできるということで、リスク管 理は随分よくなるかなと思っています。  マネージャーのストラクチャーのほうは、それでもってするというよりも、マ ネージャー・ストラクチャーというのは、採用する時にどういう種類のマネージ ャーを採用するかということでございますので、最適化が進んだらそこが進むと いうことに直接には結び付かないかなと思っています。ただ、そういうもののマ ネージャーの評価とか管理という点では、しばらく前の数字を見て、これは何だ というよりも、足下のところで対話を行うことがうまくいくようになるなと思っ ています。 ○竹原委員  それでは、具体的に日次のリスクモニタリングのシステムについても開発をし ていると考えてもよろしいわけですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人調査室長  日常のリスク管理等につきましては、現在、例えばバーラOne等のいろいろな 分析ツールがございますけれども、そういうものの検討に入っているという状況 でございます。いろいろございますので、これから検討していきたいということ でございます。 ○山口部会長  ほかに何かご質問ありますか。大野委員。 ○大野委員  独法の場合ですと、人件費に制約があるということで、優秀な人材を確保する のが非常に大変だという状況の下で、研修をされるとか様々な対応をされていら っしゃるとは思うんですが、昨今の報道等でも利回りの向上について社会的な要 望も高いと、そういった話もあるかと思うんです。その中で、給与という面では、 制度の面で制約がかかっているので、それはどうしようもないと。とは言っても、 利回り、リターンの向上については何らかの対応をする。  それを達成させるような人材の確保について何らかの対応をせざるを得ないと いうところはあるかと思いますし、大変な状況の下で既にやっていらっしゃるこ ともあるかと思うんですが、今後の方向性と言いますか、さらに給与では報えな い。けれども、それ以外のもので何か高度なスキルを持った人材を採用すること についての取組、そういったことについてお話を伺えればと思います。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  個々の給与のレベルについてどうしようもないわけですね。同じ給与でも人件 費の制約がなければ少し人数を増やすということができるわけですけれども、こ れもなかなか思うに任せないので、さっき申しましたように、今、プロパー率が 約9割になっていますので、さらに新しい人を民間から採用することもなかなか 難しいなと思っていまして、総体として相当制約がかかると。  今のシステムですと、人件費は年々1%削減しろということになっている。今 の中期計画・目標期間ですと、計画期間に4%削減しろということになっている んですが、私どもの法人は人件費の比率が75%ぐらいありますので、これを1% でその他を3%ということはできないんですね。だから、人件費を含む経費を3 %やると、人件費を2%から3%ぐらい同じように削っていかないとだめだとい うことで、ここは私は非常に悲観しております、できないと。  その中でどうやっていくかということで、さっき申し上げましたように、どう いうふうにして職員のスキルアップを図るかということ。それから、中途採用も、 どんどんできる状況ではないんですけれども、来ていただく時に、働く時に給与 が低ければ行かない、高いほうに行くというだけではないんですね。私どもは世 界一のファンドですから、ここで働いてみたいとか、やや公的な部門で働きたい という意欲があるわけでございますから、そういうことで来ていただいている人 も多いわけです。  そういうことに加えて、我々がどういうふうに仕事をおもしろくできるか、刺 激的にできるかということだなと思っています。民間ですと、顧客相手に行って、 うまくいかないとしかられたり、ノルマみたいなのがあるようですけれども、そ れはないので、その中で私どもの仕事を、働いておもしろい仕事だというふうに やっていくかということが鍵だと思って、さっき申し上げましたように、私は、 民間から来て、民間ではこうだったというだけの知識で貢献できるのではなくて、 我々はほかに前例もないし横並びもできない組織の中で、どうやったらもっと利 回りを向上できるんだということを考えて、新しいことでもやっていこうじゃな いかと。いわば働くことのおもしろさというか、そういうインセンティブがある ような組織にしてやっていきたいと。人件費の制約は今のシステムが続く限りな かなか難しいと考えています。 ○山口部会長  ほかに。じゃ、川北委員。 ○川北部会長代理  2点お尋ねしたいことがあります。1つは、能力を高める必要性ということで 研修制度とか証券アナリストの資格の取得を強調されていると思うんですけれど も、直接間接に運用に携わっておられる方の中で、今、証券アナリストの資格取 得者はどのぐらいの割合なのか、実績を教えていただきたいということと、将来 的にどの程度の資格者を目標に定めておられるか。定められているんでしたら、 その辺りを教えていただきたいというのが1点です。  もう1点は、この資料で、資産管理機関の集約がなされていて、4社で内外の 株式、債券ごとに集約されているわけですけれども、例えば4社じゃなくて1社 とか2社とか、さらに集約をしていくということも考えられているのかどうか。 その辺りを少し教えていただきたいと思うんです。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  1点目のアナリストの保有者の実数につきましては、現状で16名。全職員の中 で16名ということでございます。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  今、企画、運用合わせて人数が50名ぐらい。直接というか、企画部門も含めて 60名ぐらいですから、60分の16ぐらいでしょうか、その割合というのは。別にア ナリストの資格をとらなきゃだめだとかいうことではなくて、できれば高めてい くことが望ましいと思うんですけれども、それがあと5名増えたらいいのかとか、 そういうことはなくて、なるべくなら全員がとれるような方向にあったらいいな と思うんですけれども、それはなかなか難しいなと思いますね。  それから、資産集約のことは、全部にやるということももちろん考えられない ではないんですけれども、私ども、運用資産だけでいきますと、非常に大きな存 在なので、今、日系では3社が資産管理でございますけれども、そういうものの 中からどこかを選別して、全部そこに預けるというのも非常に影響は大きいなと 思っております。今回それを重視したわけではなくて、たまたま国内株式、外国 株式の定性的な評価と報酬テーブルを出していきましたら、こういうふうに分か れたということでありまして、そうおかしな結果ではないかと思っています。カ ルパースとか、そういうところは1つのところでやっているんですけれども、我 々の国内マーケットでの規模を考えますと、もう少しいろいろなものがこなれて こないと、すぐに1つに集約するということにはなかなかいかないということで す。 ○山口部会長  ほかに。  私のほうから質問もしていいですか。今の手数料の問題に関係するんですが、 これは資産管理機関を集約されたということですけれども、一般的には手数料は 資産管理よりも運用のほうが高いわけですよね。ですから、手数料の削減という 観点からは、1資産1運用機関に集約するほうが効果が上がるんじゃないかと。 パッシブ運用の場合にはそういったことはどこでやってもそんなに変わらないと するならば、そういったことが考えられるのかどうか。1資産1資産管理機関に 集約といった話の延長線上にそういった問題が考えられるかどうかということに ついてお伺いしたいと思います。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  今、運用のほうをどこか1つにということは考えておりませんで、パッシブの 場合にはある種の競争みたいなものを考えながら採用したほうがよろしかろうと いうことで、大体パフォーマンスが同じであれば、手数料の低いところの残高を 増やすと、高いところは少なくするというふうに考えているんです。運用会社も 1つということは余りにも巨大になるものですから、そこは考えてなくて、そこ は少し競争が働いたほうがいいなと思っています。  アクティブのほうは、ご承知のように運用戦略というものが違うものですから、 むしろもう少し細分化してもいいのかなと。私どものファンドは、世界的に見て も国内的に見ても、相当数を増やしているんですけれども、相当大きなファンド になっていまして、例えばアクティブなども大きすぎて動きにくいという部分も あるのではないかと思いまして、どういうところが応募してくるかにもよるんで すけれども、少し数を増やしてもそのほうがいいのではないかというぐらいに考 えています。 ○山口部会長  ほかに。光多委員。 ○光多委員  今の部会長とほとんど同じだったんですが。確認ですけれども、こういう形で 集約することのプラスマイナス両方あると思うんですよね。もう1つは、逆に競 争原理を働かしながら手数料を下げていくというやり方もあると思うので。方向 としては、集約して手数料を下げるのか、競争で下げていくのかということにつ いては、まだ方向は定まってないと考えてよろしいんでしょうか。この評価をす る時に、こっちに決めたということなのか、今どういうふうに考えておられるの か。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  資産管理については、先ほど説明しましたように、今まで4つの先に対してこ うやっている。そこで料金テーブルがどうだとか、どういうことができるんだと いうふうなことを見ながら、手数料から言えば多少非効率だけれども、競争を働 かせるために分散していたわけです。その辺で私どもとしては、それぞれの資産 管理機関がどういう特徴を持って、どういうものかということを見極められたと 思ってまして、競争のメリットと集約化のメリットから言えば、集約化のメリッ トに踏み出したということでございます。 ○山口部会長  それでは、次に入りたいと思います。グループ2ということで、項目6から9、 業務の質の向上及び財務に関する事項という部分でございますが、これについて の評価を行いたいと思います。  所要時間は、法人からの説明を15分程度、委員の皆様の評定並びに質疑応答合 わせまして15分程度、合計30分といったところを考えております。  それでは、法人のほうからご説明をお願いいたします。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事  それでは、引き続きパート2のご説明をさせていただきます。説明資料の15ペ ージ以降でございます。  まず、評価項目6番目、受託者責任の設定ということでございます。A3の評 価シートでは33ページだと思います。自己評定はAということにさせていただい ております。16ページは、先ほどご説明させていただきました体制、各種コンプ ラ等の推進体制ということでございまして、この点につきましては再掲でござい ますので、説明は省かせていただきます。  それから、17ページでございます。私どもが運用を委託している運用受託機関 等に対する関係法令等の遵守ということでございます。運用受託機関等に対しま しては、私どもは個社ごとにガイドラインを提示いたしまして、そこで様々な関 係法令等の遵守について明記して、それを守らせているわけでございます。また、 毎年一度、年度初めに運用受託機関に対する説明会を開催いたしまして、契約あ るいはガイドラインに定めた事項等についての遵守の徹底を図っているところで ございます。当然のことながら、定期ミーティングの場でも確認、それから、運 用及びリスク管理の状況についても適切になされているかの確認という形で、コ ンプライアンス、関係法令の遵守の徹底確認を運用受託機関等に対して図ってい るところでございます。  次の18ページでございますが、運用委員会は、私どもの業務の特殊性によると ころかとは思いますけれども、厚生労働大臣が任命する運用委員からなる委員会 が設置されております。委員は11名以内ということでございまして、委員の名簿 を掲載させていただいております。これは19年度の業務報告書でございますので、 19年度末のお名前ということでございます。実際には現時点で4人ほど委員がお 代わりになっております。  運用委員会におきましては、左側の箱の上にありますとおり、中期計画、業務 方法書といった、私どもの基本的な計画等について、これを策定・変更する際に 議を経るということがございます。それから、私どもの管理運用業務全般に関す る実施状況の監視、モニタリングを行っていただくということ。それから、必要 に応じて理事長に対し建議、あるいは、理事長からの諮問に応じて答申を行って いただくという形で、運用に関する幅広いご提言、ご審議をいただく場というこ とでございます。メンバーは、若干変わっておりますが、ここにございますよう に、経済、金融の専門家、その他の学識経験者ということでございます。  右側でございますが、19年度においては、夏休み等を除けば、ほぼ月1回に近 いぐらいの頻度で開催していただいております。具体的には、例えば19年度にお いては、外国株式のアクティブ運用機関のマネージャー・ストラクチャーの見直 しに際しては、その基本的な考え方についてご審議いただき、アドバイスをいた だいていると。それから、平成20年度のポートフォリオ管理について、資金配分 の方法を変えたわけでございますけれども、それについてのご審議もいただいて おります。それから、モニタリング、監視という部分については、ここに書いて あるような様々なものについて私どもからご報告をし、いろいろとご指摘等をい ただいているということでございます。当然のことながら、そこでのご審議は私 どもの業務に反映させていただいているということでございます。  それから、19ページでございます。専門性の向上ということで、先ほど来から の繰り返しになりますが、運用経験者の採用及び処遇・評価体制ということでご ざいます。19年度においては8名。採用後の処遇といたしましては、民間での経 験・専門性が最大限活かせる部署として、私どもの中では、運用部はもちろんで ございますが、運用企画部門を担当する企画部、それから、調査部門を担当する 調査室といったところに配置し、その専門性を活かした形で仕事をしていただい ているということでございます。  20ページでございます。管理運用手法の高度化を図るための調査研究でござい ます。私どもの任務といたしまして、基本ポートフォリオを策定し、それを適切 に維持・管理するために必要な運用受託機関を構成し選定して、運用を行うこと になるわけでございます。基本ポートフォリオは既に検討を始めておりますけれ ども、22年度から新しい基本ポートフォリオになるということで、今年度から来 年度の時期にかけて当法人で新たな基本ポートフォリオを策定すると。それに必 要な様々な知識、情報を調査研究していると。これが左側の分野でございまして、 例えば新しい資産クラスに投資するとした時に、どんなものがふさわしいか、あ るいは、どのようなものがあるかといったこと等々でございます。  それから、真ん中の運用機関管理というのは、具体的に各資産クラスごとに、 ここにありますのは外国株式の運用でございますが、国内株式の運用もそうでご ざいます。このような運用機関を選定する際に、どのような構成でどのような運 用手法を持った運用機関を組み合わせて、適切な運用を行うかといったことに関 する研究。これも我々の外国株式アクティブのマネージャー・ストラクチャー見 直しに役立てるといったような、まさに我々の業務に直接役立てるようなもの。 運用手法の高度化のための調査研究を行っているということのご説明でございま す。  次に、8番目の分野でございます。評価項目8でございます。評価シートでは 36ページになろうかと思います。自己評定はAということにさせていただいてお ります。評価項目については、基本ポートフォリオの仕組みとか運用体制につい て、理解しやすい情報を提供できているか、公開できているかということが評価 の視点になっているわけでございます。その一番大きなものとしてホームページ ということで、19年度に特段の工夫をしたということはございませんが、18年度 当初からかなり見やすい、分かりやすいというご評価いただいていると思ってお りますけれども、それを逐次改善しているということでございます。  次のページで、情報公開の中でも、ホームページで逐次情報公開しているわけ でございますが、管理運用業務、運用成績につきまして、一番詳細なご報告とい うことで、今日の資料の中で資料1−5という色刷りの表紙の「平成19年度業務 概況書」というのがございます。これは、私どもの運用業務について年に一度報 告を行うものでございまして、百十数ページにわたるものでございます。同様の 運用を行っている機関と比較しても相当詳細な情報公開を行っているのではない かと思っております。  これにつきましても、18年度にご報告をさせていただきましたが、19年度につ いては、最初のところにまとめをつくったり、あるいは、グラフ等も相当変えた りして、より分かりやすいものにさせていただいたということでございます。ま た、発表の時期につきましても、昨年は7月の末だったのでございますが、19年 度の報告は7月初旬に行うという形で、タイムリーなということについても努力 はしたつもりでございます。  これは1年度間の数字でございますが、それだけにとどまらず、四半期ごとに 私どもの運用実績についてご報告をさせていただいているということでございま す。これも他の公的な運用機関ではやっていないことではないだろうかと思って おります。その他、ここにございますとおり、役員等によりいろいろな場をとら えて、積極的な情報公開を図っているということでございます。  積極的な情報公開を行うわけでございますが、一方ではマーケットへの影響と いうことも配慮しなければいけないということで、どんな銘柄を持っているかと いうことについてはもちろん公表しない。それから、資金の配分状況等につきま しては、年度が終わった後に業務概況書で公表するといった配慮もしているわけ でございます。  それから、23ページでございますが、評価項目の9番目、予算収支計画及び資 金計画。個別評価シートでは39ページでございます。自己評定はAということに させていただいております。これは先ほどかなり似たような表がございました。 中期目標期間中に、一般管理費の節減ということで12%、人件費4%、業務経費 は4%。これにつきましては、具体的には、ここに書いてございますとおり、経 費の節減ということで、借料の引き下げ、消耗品等の節約といった地道な努力を 行うとか、人件費についても、なかなかつらいところではありますが、削減等々 を行うことによりまして、予算の執行率をこのような数字で止めているというこ とをご報告させていただいております。業務経費につきましても、下にあるよう な数字、予算執行率でございます。  パート2につきましては、以上でございます。 ○山口部会長  ありがとうございました。  それでは、委員の皆様は評価シートへの評定等の記入をお願いいたします。  今のご説明について質問等ありましたら、適宜お願いいたします。  樋口委員。 ○樋口委員  予算の策定のところで、私は初めてなので教えていただきたいんですが、経費 というのは予算を策定する時に損益計算書の経費とイコールじゃないんですか。 というのは、財務諸表のところでも、予算額と実行額を見て損益計算書の数字と 合うのかと思うと合わないのですが、引当金の話は別としまして、それ以外なら 合うんですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  お答えいたします。申し上げるまでもなく、予算は資産に移行するもの、例え ば備品でございますとか、固定資産に計上されるようなものも経費としては予算 の一括りになっております。したがいまして、損益計算書におきましては、費用 カウントされるものだけが損益計算書に載りまして、資産に関連する部分につい ては貸借対照表に整理されるという部分がございますので、そこは若干数字が違 ってまいります。 ○樋口委員  経費予算というのは経費ですよね。資産に計上されるのも経費予算というんで すか。基本的なことを聞いて恐縮ですが。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  独立行政法人については全て、予算という概念では資産に充てられる経費につ いても予算として整理しております。 ○樋口委員  資産に充てられる経費というのは、例えば器具備品を取得しましたと、それは 一般的に資産に計上されますよね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  はい。 ○樋口委員  それも経費予算というんですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  さようでございます。 ○樋口委員  そうすると、損益計算書の実績値と。損益計算書の実績値という言い方はおか しい、決算書に計上される実績値と予算との比較ができないんですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  単純な意味では経費予算と貸借対照表あるいは損益計算書上の費用という概念 では一致しませんので、決算の説明資料でお付けしておりますが、予算がどうい うふうに執行されたかというのは別の観点で、支出ベースでの資料をお付けして おりますので、そちらをご覧いただくということになろうかと思います。 ○樋口委員  はい、分かりました。 ○山口部会長  よろしいですか。 ○樋口委員  私が基本的な仕組みを知らないからなんでしょうけれども、何のために。 ○山口部会長  すみません、今の資料はどこにあるんですか。 ○樋口委員  いや、分かりました。いいです。 ○山口部会長  いいですか。  ほかに。大野委員。 ○大野委員  資料の20ページの管理運用手法の高度化を図るための調査研究というところで、 左に基本ポートフォリオに関する調査研究も行われているということで、平成22 年の次期の基本ポートフォリオ策定についても、既に準備をされていらっしゃる というお話がありましたが、国内債券のウエートが非常に高くて、他の年金と比 べてリターンが非常に低いというような話が新聞等で報道されたりということが あって、リターンの向上ということに関しては、先ほどの資産管理の効率化を図 るとかいった話もあるとは思うんですけれども、ポートフォリオを決めるという ところでかなり大きく差が出るということもあると思うんです。先ほど、例えば オルタナティブ投資についても調査を既に始められていらっしゃるということで すが、具体的にこの辺はどういう感じで調査研究を進められていらっしゃるのか ということをお聞きできればと思います。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  時々新聞にリターンが低いじゃないか、それを運用によって改善できないかと いうのが出るんですけれども、私どもはそういうふうには思っておりません。例 えば海外の年金基金に比べて低いじゃないかという時には、もともと2つ要因が あるんですけれども、そもそもベーシックな金利水準が、日本だと10年で1.5% ぐらい、海外だと4〜5%いっているので、違うと。そういったベーシックな金 利の差を無視して、裸の数字を比べて高い、低いというのはおかしいのではない かということが1つ。  もう一つは、その差はさっきおっしゃったように資産配分であって、私どもが 株式のウエートが少ないと、債券のウエートが高いと、ほかのところは株式のウ エートがもうちょっと高いということの差によって出てきていると思っているん ですね。それは、株式がいい時には株式のウエートが多いほうが、レート、運用 利回りは高いし、去年のように株式が下がりますと、株式のウエートが高いと悪 いということになりますね。  なぜ我々が、株式のウエートが低い、債券のウエートが高いのでやっているか というと、私どもの運用のターゲットが年金財政のほうからこのぐらいで運用を 目標にしてやってくれというふうにくるわけですね。それを達成するために、我 々はリスクをなるべく小さくしながらやるということになるわけですね。ですか ら、もうちょっと高めるかどうかというのは基本的には年金財政の問題で、年金 財政の我々に対する要求がかなり高くなるとすれば、当然債券のウエートが低く、 株式が高くなると。その場合にはリスクが大きくなるわけですから、単純に高く なったらそれを「はい、はい」とやるかどうかというのはもう一つ問題なんです けれども、今のところよそと比べて低いじゃないかと、低いからもうちょっと高 くするために何か考えているのかというのは、ちょっと誤解だと私は思ってまし て、どういうターゲットがくるかによっても違いがあると。  今、私どもが22年度の研究しているのは、そのターゲットは、今、年金財政の ほうで議論をされていまして、どのくらいを目指せば年金財政全体としてうまく いくんだというのが生れている。それはまた後からくるんですけれども、そうい うものに備えながら、マーケットが変わっている、それから、新商品とか運用手 法が出ているというので、ターゲットがどのようであれ、そういうものを採用す るというか、投資をする余地があるのかないか、私どものような巨大なファンド が運用するぐらいのマーケットの広さがあるのかどうか、そういうことをつぶし ていってみようということで、基礎的な研究をしているだけで、ターゲットを高 めるのかとか、高めるためにどうするかとか、そういうところについてまではま だ何もしておりません。 ○山口部会長  ほかに。光多委員。 ○光多委員  今、大野さんのおっしゃったところ、まだこれからの議論だと思うんですけれ ども、スタンスがどうだという話だと思うんですよね。確かに年金独法が運用し ているんだけど、やたらと高ければいいというわけでもないし、ある面でいくと 公的な面もありますから、いきなり高いところにいっちゃうと、全体としてパブ リック性が難しくなる。そのパブリック性というのは、逆にいうと役所のほうで 考えていただく。独法としては年金の運用利回りに絞って検討するのか、もうち ょっと日本全体の資産運用、またはマーケットの安定性まで含めてやるのか。も ちろんマーケットの安定性と、年金の利回りのある程度の利幅も、ある面でいく と長期的には一致するんでしょうけど、そこのスタンスをどうするかという話だ と思うんですね。  今日でなくて結構ですが、先ほどございました運用委員会でもその辺について 随分議論しておられるわけでしょうし、独法の中でも検討を始めておられるので、 そのスタンスを、どういう形で独法としては考えているのかということについて、 今後ともまたいろいろお話を聞かせていただきたいと思います。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  ちょっとよろしいですか。今の話は、私どもがどう考えるということもあるん ですけども、今の枠組みの中でどういう位置にあるかというと、例えば中期目標 を読んでいただくと分かるんですが、利回りの目標は年金財政のほうの計算から 厚生労働大臣から我々にくると、それをなるべく小さなリスクで達成するという ことなので。私どもは独立した組織ですから、完全にそれに従うだけというのも おかしいんですけども、リスクを無視してそれだけの目標でやるかというところ はもちろんあるわけですが、私どもが勝手にもうちょっと高くやったほうがみん なのためになるからやってみようじゃないかとか、そういうことではない仕組み になっているんです、今は。年金財政のほうでいろいろ説明して、こういうリタ ーンを目標にやってくれと。 ○光多委員  そうすると、スタンスとしては、厚労省から一定の数字目標があって、それを 達成するにはどういうポートフォリオがいいのかと、そういうスタンスで検討し ておられるんですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  基本的にはそうですけれども、一方でもしそれが非常に高くなった場合には、 さっきのお話のように、株式をどんどん増やしてということにならざるを得ない 面がありましてね。そういうものの運用のリスクを我々が引き受けられる、そう いう水準にあるかどうかということを考えていかなきゃいけないので、そこはど のぐらいであれば、運用として無理のないリターンなんだということを、対話を しつつそこで一つの結論に結び付くような格好になると思うんですね。我々が運 用しているんですから、運用のリスクについての責任はあると思っていまして、 与えられたレートをそのまま実現すればいいというものでもないと思ってます。 ○山口部会長  ほかにご質問等よろしいですか。  それでは、ありがとうございました。  グループ2の評価シートへの記入はこのぐらいにいたしまして、続きまして、 グループ3に入りたいと思います。これにつきましても、法人からの説明を15分 ぐらいで、委員の皆様の評定並びに質疑応答15分ぐらいというような形で進めて いきたいと思います。  それでは、まず法人のほうからご説明をお願いいたします。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事  それでは、パート3の部分についてご説明させていただきます。評価項目10か ら15までの6項目がこのパートでございます。年金積立金の管理及び運用の基本 的な方針、それから、管理及び運用における長期的な観点から資産構成に関する 基本ポートフォリオということでございます。  25ページをお開きいただければと思います。パート2のご質疑の中でも既に触 れられた話でございますが、私どもの運用の基本的な考え方につきましては、一 番上にありますとおり、年金財政からの要請というものがまずあるわけでござい ます。前回の財政計算におきまして、年金財政からの要請ということで、実質的 な運用利回り1.1%を確保するような基本ポートフォリオをつくって、それを管 理運用するということが基本的なものでございます。この1.1%でございますが、 具体的には、ここに書いてございますとおり、名目賃金上昇率2.1%、さらに分 解しますと、物価上昇率1%、実質賃金上昇率1.1%ということで、2.1%でござ います。この2.1%に対しまして、さらに1.1%を上回るような、つまり左側にあ るような数字でございますが、2.1%+1.1%ということで名目の運用利回りは 3.2%と、名目値で3.2%を上回るような基本ポートフォリオをつくると、それに 基づき管理運用を行うというような枠組みでございます。  具体的には、真ん中にございますとおり、基本ポートフォリオ自体は既に作成 しております。19年度においてはどのような形でご評価をされるかということで ございますが、真ん中に(2)というものが2つございますけれども、このような形 でつくった基本ポートフォリオを適切に維持管理できているかどうかということ。 それから、短期資産まで含めますと5資産ございますが、各資産ごとのベンチマ ーク収益率を確保できているかどうか。中期目標期間を通じて確保できているか どうかという評価項目、それから、各年度ではそれを確保するように努めるとい う努力目標になっておりますが、そのような評価項目になっているわけでござい ます。  具体的にどのようなことをやっているかということが、次のページ以降にござ います。26ページでございます。これも先ほど来出ておりますが、運用受託機関 を選定、国内債券のパッシブ運用の一部についてはインハウスで自家運用をやっ ておりますが、それ以外は信託あるいは投資顧問会社に委託を行っているわけで ございます。それに対しましては、ここに書いてございますように、公募を行い、 投資方針、プロセス、コンプライアンス、組織・人材、それから、フィーの問題、 こういうものを評価項目といたしまして、選定を行うということでございます。 具体的には右側で、19年度においては、理事長のご挨拶にもございましたように、 国内株式アクティブ運用については選定を済ませております。それから、国内債 券パッシブについては、新たな運用を始めた分野について2ファンド採用してお ります。それから、外国株式のアクティブについては、19年度末に公募を実施し、 現在最終的な審査のプロセスに入っているということでございます。  次の27ページは、このような形で選定した運用受託機関の管理評価という部分 でございます。当然のことながら、適切な運用を行っていただくためには適切な 管理が必要でございますが、これにつきましては、左側にございますように、運 用受託機関からは月次の報告を出させ、様々な実績を確認し、必要に応じ随時ミ ーティングを行い、問題点の把握・指摘を行う。定期ミーティングは年に1回で ございますが、全機関に対して定期的なミーティングを行っている。こういうこ とで、右側にありますとおり、実績、リスクの状況等問題点を確認し、指摘をす る。また、個社ごとに与えておりますガイドラインの遵守状況を確認するという ことでございます。  これを行ったことによって問題が生じた場合には、資金配分を停止したり、あ るいは回収し、あるいは、改善が望めないと最終判断した場合には解約等にも至 るということでございます。なお、このようなプロセスに至るものといたしまし ては、左側の金融庁等の金融監督当局による処分を契機とする場合もございます。  ということで、定期的な評価を行うことで、右側にありますが、総合評価とい う形でファンドの評価を行っているところでございます。定量評価、定性評価と ございますが、定量というのは、それぞれ数字で出てくる、つまりベンチマーク と比べてどれだけいい成績を残しているかというようなことが中心でございます。 一方では、それに関わらず運用スタイルが明確であるかどうか、プロセスがきち っとしているか、それを実際に執行するだけの人材・組織があるのかどうかとい った定性評価も行いまして、併せて総合評価を行う。その総合評価の結果を踏ま えまして、問題があるという場合には新規の資金配分を停止するといったことに もなっております。19年度においては、ここにございますように、それぞれのも の、これを足し合わせますと18社ほどになりますが、18社ほど新規の資金配分を 停止するということをやっております。  それをもう少し具体的にご説明しますと、28ページでございますが、資金配分 の停止等を具体的に行ったかということで、1つだけ例示をお話いたします。4 つ目の箱の外国株式のところにございます運用体制の変更ということ。これは、 事前に私どもに説明なしに行ったということで資金配分を停止していたものでご ざいますが、その後も運用状況の改善が見込めないということで、解約に至った という例が19年度にはございました。例示として出させていただきます。  29ページでございます。先ほど申しましたが、一部の分野、国内債券のパッシ ブファンドにつきましては、インハウス運用室というのがございまして、ここで 自家運用を行っております。資金運用の効率化に資するためということでやって いるわけでございます。それが中心でございますが、さらに財投債、これは後ほ どご説明しますが、13年度から19年度までは財投債を財務省から引き受けていた わけでございます。これの引受管理、20年度からは新たな引受はございませんが、 管理を行うというような機能。それから、流動性の確保、効率的な現金管理を行 う機能。  この3つの機能を持ったインハウス運用室における自家運用がございます。こ のインハウス運用につきましても、取引先の評価、債券の貸付運用、レンディン グをやっておりますけれども、そのレンディング先に対する評価をきっちりやっ ているということでございます。それから、運用ガイドラインにつきましては、 運用部からインハウス室に対して与えているものでございまして、その管理も行 っているところでございます。  次の30ページが、私どもの運用に関する業務評価を行う極めて大きな要素でご ざいます。各資産ごとのベンチマーク収益率の確保が果たされているかどうかと いうことが、中期目標・中期計画における大きな評価項目でございます。19事業 年度につきましては、絶対値ということでは国内株式のようにマイナスが多かっ たものがありますが、これはベンチマークと比較して私どものパフォーマンスが どうだったかというものでございます。  これにつきましては、基本的には0.1%以内のぶれについてはベンチマーク並 みということで、従来より説明させていただいておりますが、そういうことでみ れば国内債券、国内株式、短期資産につきましては、ほぼベンチマーク並みの収 益率が上げられたと。一方、外国債券につきましては、ベンチマークに対してプ ラスの超過収益率が上げられたと。残念ながら、外国株式についてはベンチマー クに対してマイナスが大きい数字になっていると。  外国株式のマイナスについては、右側にその理由が若干書いてございます。配 当課税というのは、配当に対して外国政府の税がかかってきますが、ベンチマー クではその税を考慮していない数字でございますので、その部分が0.13%。です から、0.30%の半分ぐらいはそういうやむを得ない理由で劣後するわけでござい ますが、それ以外の米英での銀行、各種金融セクターにおける銘柄選択がうまく いかなかったということで、マイナスが出たということでございます。  ということで、単年度の数字で、ベンチマークでいうとこういうことになるわ けでございます。ここで、評価項目とちょっと違うのでございますが、補足的な ご説明をさせていただきます。国内株式については−28%ということで非常に大 きなマイナスが出ております。私どもに対しては、トータルで五兆数千億円と実 額でのマイナスが大きいということを問題視するご指摘も一部にあったりするわ けでございますが、私どもが厚生労働省から与えられている目標との間でどうい う位置付けを考えるべきかということで、恐縮でございますけれども、紫の表紙 の資料1−5の「19年度業務概況書」の55ページをお開きいただきたいと思いま す。  私どもの年金積立金の運用は長期的な視点から行うものであると常々申し上げ ております。実際、制度も「百年安心プラン」という形であるわけでございます。 そういうことで比較は長期で行うものだろうということでございます。ただ、長 期といってもそれだけまだ数字が積み上がっておりません。とりあえず過去5年 間見た場合にどうなんだろうということでございます。先ほどのご説明の中で、 厚生労働大臣から与えられた我々に対する目標は、実質の運用利回りが1.1%を クリアするということでございます。  この表にございますように、長期的な目標ということで、1.10%を各年度ごと に便宜的に置かせていただいております。これは実質値でございますので、これ を名目化するために、名目賃金上昇率で割り戻すというか引き戻すことにより、 名目の運用利回りが出てくるわけでございます。これがグレーで色付いている名 目運用利回りということで、一番右のところをご覧いただければ、年率で申し上 げると5年間で0.96%。これが厚生労働大臣から我々に対して与えられた目標値 ということでございます。  一方、私ども管理運用法人全体といたしましては、その下の3行の部分でござ います。市場で運用している資産と、財投債を直接引き受けて、満期保有目的で 持っている分と2つございます。平成19年度のところをご覧いただくと、市場運 用分については−6.41%と非常に大きなマイナスが出ておりますが、財投債につ いては1.10%という数字でございまして、これを加重平均しますと−4.59%と。 いずれにせよ19年度はマイナスになっているわけでございますが、これを5年間 の平均の年率で見ると、一番右にございますように4.03%ということで、厚生労 働大臣から与えられている目標は0.96%、これに対して我々は過去5年間でなら してみると4.03%という運用成績を出していると。これは19年度単年度の評価と いうことではございませんが、私どもの運用に関する基本的なスタンスとの関係 でお示しできる数字かなということで、参考までに出させていただきました。  恐縮でございますが、本来の説明資料の31ページに戻っていただきたいと思い ます。先ほどベンチマークと比較として、超過収益率がプラスかマイナスかとい うことを申し上げましたが、そのベンチマークについてでございます。これは各 資産クラスごとに評価ベンチマークを設定しておりまして、例えば国内株式であ ればTOPIXといった東証一部上場銘柄、代表性を持つものでございますが、 このようなものを使っているわけでございます。  外国債券については、複合インデックスという形で書いてございます。これは 従来は国債のみに投資するということで、シティグループ世界国債インデックス をベンチマークとしていたわけでございますが、19年度からは投資のユニバース を拡げるということで、アクティブ運用については、その下の「及び」以下のと ころでございますが、「世界BIG債券インデックス」というもの、いわゆる国 債以外の投資適格債を含めたものでございますが、このような形でベンチマーク を設定しております。そういうことで、外国債券についてはその複合インデック スがベンチマークになるということでございます。  次に32ページでございます。これも詳細にわたるお話になりますが、運用受託 機関のリスク管理の中でベンチマークとの関係でございます。基本的には評価ベ ンチマーク、法人としてのパフォーマンスを評価するベンチマークは1本である わけでございますが、例えば右側にありますように、外国株式のアクティブ運用、 MSCI−KOKUSAIというのは先進国の株式を中心としたユニバースでご ざいますが、こういう形で持っているわけでございます。  実際に各ファンド、Aというファンド、あるいはBというファンドに対しては、 その運用の特性に応じて、例えば「あなた方は北米でやってください」、あるい は、「あなた方は欧州、アジアでやってください」という形で、「地域特化」と 言っておりますが、そんなようなファンドも幾つか持っております。しかしなが ら、我々法人としては全体としてこれがMSCI−KOKUSAIの中に入るよ うな形で運用しなければいけませんので、その偏りが出ないように調整する必要 があるということでございます。現実的にはこれは調整の必要があるような偏り は出なかったということでございます。これはご報告でございます。  次の33ページでございますが、評価項目の11番目でございます。これも自己評 定はA。個別評価シートでは51ページでございます。市場の価格形成や民間の投 資行動を歪めないような配慮等ということでございます。これにつきましては、 我々のファンドは非常に巨大でございますし、市場へ影響を与えない、あるいは、 市場からの影響をこうむらないという両面あるわけでございます。  例えば、投資行動というところでは、下に表がございますが、私どもが社会保 険庁から受け入れた新規寄託金を、月ごとにどのような配分をしたかということ でございます。基本的には市場に対しては平準的に、平均的に配分するような形 で毎月このような金額でやっているわけでございます。ただ、9月と11月に少し ずつまた増えております。これは当初計画された社会保険庁からの寄託金が、途 中で追加寄託という形で年度途中で変更があったということでございまして、そ こで増えているわけでございます。追加寄託があった以降については、それが平 準化するような形ということで、例えば11月以降は1兆1,800億円強ということ で平準化された形でやっているわけでございます。  それから、民間企業への影響を与えないようにということで、個別銘柄選択は 行わないということ。それから、有価証券の保有についても、1企業については その発行済株式の5%以下にすると、「5%ルール」と言っておりますが、そう いう形で、これをガイドラインで各運用受託機関に対して示して遵守させるとい うことで、影響を与えないようなことをやっているわけでございます。  それから、34ページでございます。これは年金給付のための流動性の確保とい うことでございます。個別評価シートでは54ページ、自己評定はAとさせていた だいております。これは基本的に私どもの大きな任務なわけでございますけれど も、現実的には19年度においては年金給付のための資金要請というものはござい ませんでした。特別会計に対しては納付金、法律上納付金を納めるということに なっておりまして、これがあったのみでございます。  下の箱のところ、左側でございますが、昨年12月に年金特会へ1兆3,017億円 を納付していると。これも市場からの回収によって行ったのではございませんで、 同日に発生した財投債の満期償還金及び利金、それから、新たな新規寄託金で対 応するということで、市場での運用の効率性は損なわないような形で実施してお ります。それから、効率的な現金管理ですが、これは私どもは事務費といった支 出のための最低限の資金についてということでございます。  次が35ページでございます。評価項目の第13番目でございまして、管理運用方 針の策定・公表、管理運用方針の見直しということでございます。個別評価シー トの56ページ、評定についてはAとさせていただいております。管理運用方針と いうのは、左側に書いてございますが、積立金の管理運用に関する具体的な方針 を定めたものということでございまして、ホームページに公表しているものでご ざいます。ここに書いてございますように、運用の目標、管理の手法等々につい て定めたものでございます。  少なくとも年1回検討して、必要に応じて見直すということでございまして、 現実的には平成19年度においては2回ほど見直しております。主な改正事項とい うことで、3つほど書いておりますが、時間の関係で省かせていただきます。  評価項目14番目が36ページでございます。基本ポートについては先ほどご説明 しましたが、このような形で年金財政からの要請を満たすために基本ポートフォ リオをつくって、それを維持管理するということになっているわけでございます。 現実的には今の我々の管理は基本ポートによって行っているわけではございませ ん。移行ポートフォリオによって管理運用をしているわけでございます。  その移行ポートフォリオでございますが、恐縮ですが、37ページをお開きいた だければと思います。ここに移行ポートフォリオの策定というのがございます。 個別評価シートの59ページでございます。自己評定はAとさせていただいており ます。先ほど申し上げた基本ポートフォリオについては、平成20年度末、今年度 末に実現すべきものということでございまして、具体的には、右の図の下に書い てございますように、国内債券67%、国内株式11%、それから、8%、9%、5 %という形で、これが基本ポートフォリオでございますが、現在はかつての財投 預託金がまだ財務省に残っている状態で、それを逐次私どもに社会保険庁を通じ て戻ってきている状況でございますので、年金積立金全体を我々が管理する状況 にないということでございます。  その途中経過は、移行ポートフォリオをつくりまして、年金積立金全体、それ から、私ども管理運用法人のポートフォリオをつくるということがございました。 19年度においては、左側の表の箱の上の平成19年度というのが移行ポートフォリ オでございました。20年度も移行期間中であるということで、移行ポートフォリ オを形としてはつくったわけですが、実際には今年度末に基本ポートフォリオを 実現するということになっておりますので、この数字は右の数字と比較していた だければお分かりのとおり、同じものでございます。実質的には基本ポートフォ リオということでございます。  そのような基本ポートフォリオでございますが、長期的に管理保有するものと いうことでやっているわけでございますが、現実的には策定時に想定した運用環 境と乖離していないかということについて、必要に応じ随時見直せということに 中期目標上なっております。中期計画上は年1回見直すということにしておりま して、19年度においてもそれを行ったわけでございます。各資産の期待リターン ・リスク及び相関係数についての検証を行ったということでございます。さらに、 19年度においてはこのようなもの以外に、短期的なリスクについての分析も行っ て、より慎重な検証を行ったわけでございます。  以上の結果、現状の運用環境、それから、基本ポート策定時の運用環境との間 で大きな乖離はないということが確認できたということで、基本ポートフォリオ の変更の必要はないという結論を得たわけでございます。  ここまでがパート3でございます。よろしくお願いいたします。 ○山口部会長  ありがとうございました。  今のご説明についてご質問等ございましたら、お願いいたします。併せて評定 等の記入をお願いいたします。  大野委員。 ○大野委員  資料の30ページの「各資産ごとのベンチマーク収益率の確保等」ということで ご説明いただいているわけですが、左下に各アセットクラスの収益率とベンチマ ーク収益率、超過収益率という掲載がありまして、ほぼベンチマーク並みの収益 率が達成されているというお話を伺いました。そして、もう一つの資料1−5の 52ページ、53ページに過去5年間の超過収益率についての掲載がありまして、こ の中で国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、あと短期資産もあります。  こういったそれぞれについて超過リターンがという記載があるんですが、過去 5年間で見ても5年分の年率の超過リターンは−0.01%ということで、その他の 国内株式といったものと比べても、超過リターンが5年間でマイナスになってい るようなんですが、この−0.01%というのがどのぐらい大きいのかというのはま ず一つ疑問になる。このマイナスがさほど有意ではない数字であるというのであ れば、さほど議論にはならないかもしれませんが、ほかの資産と比べても、国内 債券のパフォーマンスが、単純に数値を比べて見ていいということは言えないの ではないかということはあるかと思うんです。  特に国内債券はポートフォリオ全体の中でも大きな割合を占めているという資 産で、その中で超過リターン、過去5年で見てもマイナスというところについて、 運用機関の選定について何らかの問題があるとか、あるいは、ベンチマークその ものについて何か問題があるとか、どういったことがこういう結果につながって いるのかということについてご説明いただけるとありがたいのですが。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  国内債券がよくないことについては私どもも心を痛めておりまして、どうして もっとうまくやってくれないんだというふうには思っているんですけれども、今 おっしゃったベンチマークとの関係で言えば、私はこういうふうに思っています。 債券の場合、特にアクティブでどういうふうに超過収益率を得るかという時にい ろいろなやり方があるんですね。例えば、金利の見通しを立てて、金利が下がる なと思ったらデュレーションというか、残存期間の長いものを持つと、上がるな と思えば短いものを持つというのがあるんですけれども、それは一般的には難し いことと言われていまして、かなりの部分が非国債と言いますか、民間のコーポ レートとか、国債でないものと国債との間でのスプレッドをとりに行くことによ って、アルファをとるんだということなんですね。  現在の国内債券の問題というか、国内市場の問題は、ベンチマークを与えてい るんですが、そのベンチマークが国内債券の残高を示す指標になっていまして、 時価加重インデックスになっておりまして、非国債が大体27%あるんですね。と ころが、その非国債というのは日本では非常に取引が少なくて、取引量のウエー トでいきますと、国債が95%以上で、非国債はほとんど流動性がないような形で 持たれているんです。したがって、それが27%持っているけれども、それを入れ 替えて超過収益率を得ることが非常に難しくなっているわけですね。  しかも、我々はニューマネーがくるたびに、そのうちの債券に分配をする。そ の分の3割弱を非国債に向けるものですから、ただでさえ流動性がないものを、 さらに買い上げていかなきゃいかんということで、非常にアクティブが難しくな っています。それでアクティブ・マネージャーからも悲鳴が上がりまして、昨年 の7月から新たに国内債券に向けるものについては、非国債を含まないベンチマ ークでいこうということで、全部国債パッシブに向けているということなんです。  したがって、今のお答えに帰すると、債券のアクティブでアルファをとる源泉 である非国債と国債との間のスプレッドを調整しながらとるということがなかな かうまくいかなかった。そこにベンチマークの問題と言えばベンチマークの問題 があるし、マーケットの構造的な問題というのがあってやりにくかったんだろう と思っています。したがって、今新たには国内債券の非国債を含むアクティブフ ァンドには資金を配分しないことにしているんですけれども、こういう状態が続 くようであれば、次に考える時にもう少し国内債券のアクティブについては量を 減らしていくということを考えてもいいのかなと思っています。 ○山口部会長  ほかにご質問。川北委員。 ○川北部会長代理  2点お伺いしたいと思います。1点は、去年もお聞きしたと思うんですけど、 評価シートの40ページの辺りですが、運用の基本的な考え方ということで、長期 的な観点から安全かつ効率的に行うと書いてあるんですね。これが実際に基本ポ ートフォリオなり、現実のポートフォリオにどういうふうに反映しているのかと いうか、反映されようとしているのか。その辺りをもう一度確認したいというこ と。  それからもう1点、自家運用で国内債券のパッシブをやられているわけですけ れども、そのトラッキングエラーというんですかね、ほかの機関に運用されてい る債券のパッシブと比べて何か特徴的なことがあるのかどうか。  その2点を教えていただきたいんです。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  安全かつ効率的というのは非常に抽象的なんですけれども、従来の流れからい きますと、というか従来、厚生労働省が基本ポートフォリオをつくって、それを 我々が引き継いでいるわけですが、その時の考え方はポートフォリオのリスクを 大体国内債券並みにセットすると。それで分散投資をすることによって、国内債 券よりも高いリターンを実現するというのが今までの考え方で、今の基本ポート フォリオもそういうふうになっているわけでございます。それを今度どうするか ということが一つの論点なんでありますけれども、今までのところでは、ポート フォリオ全体は、全部国内債券でやっても、運用でいうリスクは国内債券並みな んですよと。だから、安全で、そこに分散投資を含めて効率的な部分で少し稼い でいますと、こういうことになっております。  それから、自家運用のところは、特にパッシブですから、ほとんど差がないと いうんですか、若干自家運用のほうがトラッキングエラーが小さいぐらいのとこ ろかなというふうなところで、あまり差はございません。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事  今、理事長が申し上げたとおりでございますが、自家運用に関しまして、トラ ッキングエラー、19年度の数字でございますけれども、運用受託機関の6社につ いては0.05%から0.07%という状況でございます。自家運用に関しましては、そ れより低い0.04%という数字でございます。 ○川北部会長代理  そういう意味では、19年度だけでは判断できないと思うんですけれども、もし トラッキングエラーが委託先よりも小さいということであれば、将来的には自分 のところで大部分やられるとか、そういう方向性みたいなものは考えられている んでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  これはコストも一番安いわけでもうちょっと増やしてもいいなと思っているん ですけれども、一つはマンパワーをどう考えるかということで、従来、これはあ まり理論的な話でもないんですが、年金資金運用基金の時からそれほど専門性の 高くない組織が、自分でやってどうなんだという批判がいろいろな方面からあり まして、ほかのパッシブ運用機関に比べて突出した金額を我々がやるということ についてちょっとビヘイブをしてきているところがありまして。今までのところ、 民間の国内債券のパッシブ運用機関の一番多いところに並べるくらいのところで 配分をやってます。これは、そうしたコストの問題とか、あるいは、そういう理 解を求めながら、少し増やしていくのがいいんだろうなというふうには思ってま す。 ○山口部会長  ほかに何か。じゃ、竹原委員。 ○竹原委員  説明資料の32ページですが、国内株式のアクティブ運用と外国株式のアクティ ブ運用について、スタイルの偏りが一定範囲内におさまるようにということで書 かれているんですが、具体的にゾーンというか数字をお持ちなのかというのが1 点。  それから、基本方針として、一切スタイルのミスフィットは最初から認めない という方針なのか、あるいは、多少スタイルのミスフィットをあえてとって、リ スクテイクして、バリューなりグロースなりの超過リターンを獲得することを目 指されているのか。どちらなのか。  その2点についてお答えいただけますでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  スタイルの偏りがどのくらいかということは、バリューとグロースの場合には 5%ということで、それを超えると調整するということにしているんですけれど も、実際には5%といってもなかなかそれは起こらないというような感じでござ います。あえてバリュー、グロースをとるかということにつきましては、あまり そういうふうには考えておりませんで、どちらかに賭けた時に逆のことが当然起 こるわけで、その場合マイナスということになる。我々の目標としてはあくまで もTOPIXでございますので、あまりどちらかに賭けるということはしていま せん。  それの中のプラスアルファをとるために、しかしTOPIXをベンチマークに するのではなくて、バリューに専門的にやっているマネージャーを選んで、バリ ューのところでちょっとプラスアルファを出してもらう、グロースのところでち ょっと出してもらうということで、専門性の高いところにやって、そこで少しず つとるということを考えてまして、我々自身がバリューとかグロースにかけてそ こでアルファをとろうということは、今のところは考えておりません。 ○山口部会長  ほかに。じゃ、樋口委員。 ○樋口委員  先ほど質問させていただいた自家運用の件でもう一つお尋ねしたいんですが。 自家運用というのはどれぐらいの割合というか、総資産どれぐらいを自家運用に 回すというのはどのような経路で決定されるのか。ちょっとお尋ねしたいんです が。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  今、自家運用をやるのは国内債券だけ私どもはできるということになっている んです。 ○樋口委員  それは伺いました。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  それをどのくらいかということは、さっき川北委員からも話があったようにト ラッキングエラーとかコストから言えば、相当大きくてもいいなというふうには 思っているんですけども、今までのところは委託先の一番多いところと、大体同 じぐらいのところに押さえておこうということで、運営をしているということで ございます。 ○樋口委員  分かりました。そうしますと、当独法では専門性を高めるためにいろいろと人 材配置をなさっていらっしゃるということですが、当独法の目的と言いますか、 組織の能力、人員の能力というのは、自家運用する人員を養成するよりも、むし ろ委託した先の管理といったことに主眼が置かれているのかなと思って、先ほど から見ていたんですが。それと自家運用に配置する人材というか、それだけの能 力を持った人たちを配置するということと、両方のコストを勘案しますと、自家 運用に係る資産の効率化というのはどういうことなのかなと。委託手数料部分、 プラスマイナス人件費と考えているのかどうかというのはいかがでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  今、大体自家運用が10兆円ぐらいやっているんですね、国内債券のうち。です から、全体の収益を上げるという意味では、そこのところはしょせんパッシブで ございますから、それほど大したことはなくて、そのほかのところにどういうベ ンチマークを与えるかとか、全体としてどういう資産アセット・アロケーション を行うかとか、どういうマネージャーを選ぶかとか、そういうことの影響のほう がはるかに大きいと思っています。 ○樋口委員  そうすると、現在10兆円で大した影響がないということは、結果として運用成 績がいいのであれば外部に委託する理由がなくなりませんでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  おっしゃるとおり私どものリソースのところが非常に潤沢であれば、それを全 部移すということもできるんでけども、その時には、さっき申し上げましたよう に、今までの関連として政府、いわば公的な多少効率性が悪いと思われるところ が、ほかに比べてたくさんやって大丈夫かという受け止め方があって、それで今 までビヘイブしてきているということですから、今後そこをどうするかというの が一つの課題だというふうには思ってますが。 ○樋口委員  そうですね。なぜ質問したかと言いますと、気がついてみたら自家運用の金額 が大きくなっていたとか、小さくなっていたとかということよりも、実際に効率 的であるんならば、運用委員会なり何なりに提案して、公式に議論した上で自家 運用の中身をどういうふうにしていくかと検討をすべき問題じゃないかなと思い ますので、その辺はご検討いただければと思います。 ○山口部会長  1つだけ質問していいですかね。市場の価格形成を歪めないようにという話の 中身を拝見していると、管理運用独法が資産配分等をすることについての配慮と いうことが書かれているわけですけれども、マネー・マネージャーがマーケット に与える影響を極力小さくするといったような観点で、今後新たな取組をされる ということはあるんでしょうか。  具体的には、さっきおっしゃったように、資産管理機関を統一されたと。例え ば国内株式マーケットについて言えば1つの管理運用機関にあるわけですけれど も、その下にたくさんのマネー・マネージャーがぶら下がっているわけですね。 Aというマネー・マネージャーが売っている株が、Bというマネー・マネージャ ーが買うといったようなことは常時起こるわけですけれども、そういう場合には 実際には法人の中での取引ですから、本当は市場に出す必要はなくて、勘定の付 け替えだけでできるわけですよね。米国のマスタートラストなんかはそういった 仕組みが実際に使われてて、手数料を削減するといったようなことが行われてい るんですが、そういったようなことを研究されるということは今後あるんでしょ うか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  海外でマスタートラストで、Aというマネージャーが売りたいと、Bが買いた いといっている時に、それを突き合わせるということをやっているのかどうかと いうことについては、申しわけないんですけど、まだ知らないんですが、実態を 考えますと、我々が使っているAとかBというマネージャーはそれぞれ独立に意 思決定をやって、ある株をこの際売ろうとか、何千株売ろうとか、何万株売ろう とか独立してやっているわけです。それをやる時にはかなり機敏にやらなきゃい けないと。それを後から見れば突き合わせればよかったじゃないかということに はなるんですけれども、意思決定をして売ろうという時に、みんながその情報を 管理機関に集めて、まずそこでできないかというのはなかなか難しいのではない かなと思いますけども、先生がおっしゃったように海外でやっていて、それがコ スト。 ○山口部会長  トレーディング手法として、株でもいろいろな手法がありますよね、サンシャ イントレーディングだとかテディベアだとか。要するに、追加的情報がないとい う場合に、即時に別にやらなくてもいいよといったようなケースは、バンカーズ ・トラストのマスタートラストの仕組みだと、ペンディングファイルというのが あって、そこに売る予定の銘柄を入れといて、買う会社がそれを買うといったよ うな形で、市場を通さないで、トラストの中で付け替えるようなのが仕組みとし てあるやに、以前勉強したことがあって、そういうのを使えば。多分日本ではや ってないと思うんですね。一番大きな運用機関であるGPIFですから、そうい うことも可能性としてはできるんじゃないかなと思って聞いたんです。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  例えばある運用機関のいろいろな不祥事があったりして解約をするとか、ある いは、マネージャーの入れ替えの時に解約をして新たなところにファンドを移す とか、そういう時にはトランジションと言いまして、トランジション・マネージ ャーをやとって、そこで一体どういう株を持っているんだ、どういう株を買いた いんだというので、できるだけそういう突き合わせをして、残ったところは現金 で付け替えるということで、おっしゃったようなところをやっているんですけど も、それはあくまでもトランジションという、あるファンドからあるファンドに 移すという場合にやっていますけども、日常のファンドのオペレーションの中で それをやるということは今まであまり考えたことがございませんので、おっしゃ るところがあれば少し勉強してみたいと思います。  何かその辺についてありますか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  運用部長でございます。先生おっしゃるように、アメリカではエリサ法の下で いろいろやっているものがあるというふうに、私も勉強したことがございますけ れども、今私どもの法人でやっているのは、理事長が申し上げたとおり、トラン ジションの際にいかに不効率にならないかという観点でやっております。日本で はいろいろ法制上の問題等もあり、なかなか行われてないのかなと思いますが、 そういう実態であるということを補足で申し上げさせていただきました。 ○山口部会長  ありがとうございました。 ○光多委員  2つだけ、確認の意味で。今説明いただいた30ページに資産ごとの超過収益率 がありますが、外国債券のところで比較的プラスが出ているのは、右側のほうに 「担保付証券等の保有を低めたファンドが多かったことがプラスに寄与」と書い てあります。これはサブプライムローンとの関係はこの中ではどの程度持ってお られたのか。それから、評価損までこの中では出しておられるのか。それから、 これは全部円換算で出しておられるんでしょうか。したがって、この外国債券に ついて、右側のコメントについてお伺いしたいのが第1点です。  もう1点は、マスコミ等では損を出したという形の報道が多いわけですけれど も、何で見るかというと、19年度の計画だと各資産ごとのベンチマーク収益率を 確保するように努めるというのが19年度の計画のターゲットですよね。先ほどの 5年間の平均ではプラスだという話は、あくまで参考の話というふうにお伺いし てよろしいでしょうか。我々は今19年度の評価をやっているので、5年間ではま だまだ余裕があるんだという話はちょっと議論を混乱させるかなという感じもす るし、我々がやっているのは、「19年度の年度当初で、資産ごとのベンチマーク 収益率を確保に努める」と書いてありますので、多分こちらが基準だろうと。  説明資料の中でいきますと、30ページで5つに分けてあって、その中で3つは 超過収益率を得ているから、したがってAだと、こういうふうなお考えだという ふうに考えてよろしいでしょうか。その辺については少しお考えをお伺いさせて いただきたいと。  以上2点です。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  5年間か19年度かということは、19年度とこれを見ていただければいいと思い ます。私どもがなぜそういうことを言ったかというと、単年度のところだけで見 て、これは大変だということではないように長期的に見てくださいということを 言っているわけですね。 ○光多委員  参考として長期的に見ていると。メインは19年度と。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  そうです。それから、外国債券のところですけれども、私どもはサブプライム を組み込んだような証券化商品には投資をしておりませんで、それの直接の影響 はないんですけれども。そういう中で、これも広い意味ではサブプライムかもし れませんけれども、向こうの住宅金融公社の債券とか、そういうものが値下がり をして、民間債がですね。それが少しそこには影響が出ていると。値下がりが大 きかったので、それはベンチマークよりも少し少なめにしていたところがプラス が出ているということです。 ○光多委員  そうすると評価損も出しておられるんですね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  評価損も加えて円ベースでやっています。 ○光多委員  円ベースでね。ああ、そうですか。分かりました。 ○山口部会長  ありがとうございました。  それでは、先に進みたいと思います。グループ4についての評価に入りたいと 思います。先ほどと同じように、15分ぐらいで説明していただきまして、残り15 分で評定と質疑といったことで進めてまいりたいと思いますので、法人からご説 明をよろしくお願いいたします。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事  それでは、パートでいくと最後のパート4でございます。年金積立金の管理及 び運用に関し遵守すべき事項、それから、その他という部分でございます。評価 項目は16から20までの5項目でございます。40ページをお開きいただければと思 います。移行ポートフォリオの管理、その他リスク管理ということで、リスク管 理項目が40ページから52ページまで続いているわけでございます。この点につき まして、自己評定はAとさせていただいておりますが、昨年度はSという形で出 させていただきまして、当委員会においてもSの評価をしていただいたというこ とでございます。  リスク管理の部分は、ポートフォリオ管理を行う上で極めて重要であるという ことでございまして、18年度、前身である年金資金運用基金から当独法に移った 初年度におきまして、リスク管理のあり方や管理項目等を大幅に見直した新たな 体制を構築したという点を踏まえまして、Sというご評価をいただいたと思って おります。19年度につきましては、そのような整備された体制を前提として、そ れに基づいたリスク管理を適切に行ったと私どもは考えておりますが、そういう 意味でAという形で評定を書かせていただいております。評価シートでは69ペー ジでございます。  具体的にご説明させていただきます。40ページのところは、中期計画等に基づ くリスク管理の内容を充実するということで、今申し上げましたように、ポート フォリオ管理を適切に行うためのリスク管理ということで、18年度に新たな体制 を構築したわけでございます。それを踏まえ、さらに精緻な管理手法の設定とい うことで、18年度は四半期ごとに設定していた管理目標値を、毎月ごとの参照値 ということでさらに精密に行っていると。それから、ベンチマーク変更へ対応し たリスク管理項目の変更を行っております。それから、これは運用委員会に対し ましては、私どものリスク管理を、毎月の状況をご報告させていただいておりま すが、その報告の資料について大幅に改善したということで、18年度につくった 体制をさらに精緻化するような工夫をさせていただいているところでございます。  具体的な内容は41ページ以降でございます。41ページは移行ポートフォリオの 管理ということで、基本ポートフォリオの円滑な移行を果たすということが第一 義的な目標でございますが、そのために毎月の参照値を定め、それを踏まえた新 規資金の配分を行ってきたということでございます。これにつきましては、いず れも乖離許容の幅の中におさめております。ただ、新規資金の配分につきまして は、年度の途中で若干考え方を変えたところがございます。これは後ほどご説明 させていただきます。  42ページの対複合ベンチマークの超過収益率の要因分析ということでございま す。我々の資産全体の収益率と、参考値としてつくっております複合ベンチマー ク、これは各資産のベンチマーク収益率を私どもの移行ポートフォリオをベース に計算して得られた資産構成割合で加重してつくったものでございます。それと の乖離状況をここで整理しております。3つの要素に分解しておりまして、トー タルでは0.13%ということで、ほぼ複合ベンチマーク並みということでございま すが、資産配分の要因が0.17%ということで一番多い数字になっているわけでご ざいます。  今の3要素につきましては、43ページにそれぞれの理由を分析しておりますが、 これは省かせていただきまして、44ページをお開けいただきたいと思います。44 ページでは、今の乖離の大きな要素、大きなといっても乖離許容幅の範囲に換算 におさまっているわけでございますが、主な乖離要因につきましては、私どもの 実際のポートフォリオの資産構成割合と、目標とする資産構成割合では、参照値 の乖離があったと、つまり資産配分要因であるということでございます。  これにつきましては、右側にございますように、第3四半期までと第4四半期 では考え方を若干変えました。つまり、移行ポートフォリオは目標があくまでも 20年度末に向けての基本ポートフォリオをより円滑に効率的に達成するというこ とが目標でございます。そういう意味におきまして、19年度の第4四半期になり まして、20年度の基本ポートフォリオが目前に見えてきたと。その時期において 20年度の基本ポートフォリオを直接的に見据えて、新規資金の配分をしていくこ とが合理的ではないだろうかということで、新たな資金配分の方法を変えたこと によりまして、年度当初に設けた参照値と若干乖離した。もちろんこれは許容幅 に入っているわけでございます。  これについて若干具体的にご説明させていただきます。恐縮ですが、先ほどの 紫色の「業務概況書」の45ページをお開きいただければと思います。45ページに グラフが4つほどございます。例えば、右側の上の国内株式でございますが、点 線でプロットしてあるものが年度当初に作成した移行ポートフォリオ、そして、 それに基づく参照値のプロットでございまして、実線が現実の資産配分を行った 結果の保有割合でございます。年度後半の数カ月はリニアな線から少し乖離して いる状況が見えるかと思います。  左側の国内債券のところをご覧いただいても同じような格好、つまり、国内債 券であれば移行ポートフォリオのラインよりも上ぶれしている、国内株式であれ ば下ぶれしているということでございます。これにつきましては、左側の国内債 券をご覧いただくと、図の一番上のところに四角の点がプロットしてございます。 これは左側の数値との関係でご覧いただくとお分かりかと思いますが、67%とい う数字でございます。これは基本ポートフォリオの割合でございます。国内株式 につきましても、右側の下のところに11%というのがございますが、これも国内 株式の基本ポートフォリオの構成割合でございます。  そういうことで、20年度末はもう目前にきていた状況でございますので、そこ を見据えた形で資金配分を行ったことによってこのような結果になっているとい うことを、補足的にご説明をさせていただいております。ただ、いずれにせよこ れは乖離許容幅の中に入っているということで、問題はございません。  次に、説明資料の45ページでございます。資産全体のリスク管理ということで ございますが、これも詳細は省かせていただきますけれども、(ア)から(キ) までの7項目のリスク管理項目をトラックしております。これらについても19年 度は特段の問題はございませんでした。  次に46ページでございますが、各資産ごとのリスク管理ということでございま す。まず、各資産のトラッキングエラーの推移ということで、ここに2つのグラ フがございます。これらについても、数値の変化要因を分析したわけでございま すが、特に問題が生じるような大きな変化はないということを年度内に確認して おります。  それから、47ページでございますが、左側は株式アクティブのβ値、これはマ ーケットとポートフォリオとの関係で、マーケットが動いたときに我々の保有し ているポートフォリオがどのぐらい反応して動くかということでございまして、 1であれば同じだけ動くというものでございます。ほぼ大きな変化は生じていな いということを確認できていると。  右側が債券のデュレーションのベンチマークとの乖離幅の推移で、デュレーシ ョンは金利の変動に対する債券価格の変化率ということでございます。これにつ きましても、先ほどのご質問にありましたようなサブプライムとの関係で少し数 字が見えているわけでございますが、7月以降、8月からサブプライム問題に起 因して利回りが低下基調になるということで、ベンチマークに対するポジション が長めに転換しているというような数字が見てとれるかと思います。  その他のリスク管理ということで、48ページ、短期資産のリスク管理、流動性 リスク、それから、信用リスク、格付等、それからソブリンリスク、カントリー リスクでございますが、これらについても逐次モニターを行ってきたわけでござ いまして、特段問題はございませんでした。  それから、49ページは運用受託機関に対するリスク管理の状況ということでご ざいます。先ほど27ページのところでも一部ご説明させていただいておりますが、 運用受託機関に対して運用ガイドラインを提示し、あるいは、マネージャーベン チマークを設定しているものについてはそのベンチマーク、これらを確認し、様 々な目標値の遵守状況を確認いたし、それに対して問題があるものに対しては是 正を指示し、あるいは、新規の資金配分を停止したりというような措置をとって きたわけでございます。運用体制の変更がある場合についても、これをモニター し、確認しております。その結果は、先ほどもご説明したように、問題があった ところに対しては最終的には解約にまで至ったというところがございます。  今のが運用受託機関に対するリスク管理でございますが、次の50ページは資産 管理機関に対するリスク管理ということで、同じく資産管理ガイドラインを個社 に提示いたしまして、その遵守状況を確認、把握をしているということでござい ます。資産管理機関に対しましては、特段の問題はございませんでした。  それから、51ページは、先ほども話題に出ました自家運用でございます。この 運用状況についても当然内部で管理をするわけでございます。これにつきまして は、インハウスでの運用を他の運用受託機関と同様な考え方を持ちまして、運用 部から自家運用に係る運用ガイドラインをインハウス運用室に提示し、それを基 に様々なリスク管理指標等の遵守状況を確認し、またミーティングを行うことで、 牽制機能の強化を新たに行っているわけでございます。  ここまでがリスク管理という評価項目16のものでございます。  それから、52ページが評価項目第17番目の運用手法という部分でございます。 これについて自己評定はAとさせていただいております。これは厚生労働大臣か ら与えられております中期目標上パッシブ中心でやれということになっておりま す。それがちゃんとやられているかどうかという、ちゃんとやられているかとい うのはあれでございますが、ここに数字がございますように、右側で全資産を通 じて79.53%、パッシブ、20.47%、アクティブということで、資産ごとにアクテ ィブ度合が若干ずれておりますが、8対2ということでございます。  次に53ページ、運用受託機関及び資産管理機関の管理ということでございます。 運用受託機関等の選定につきましては、パート2のほうで既にご説明させていた だいておりますので、厳格な審査を行っているということで、省かせていただき たいと思います。  それから、その他ということで、18番目の評価項目でございます。18番目の評 価項目につきましては3つほどございます。そのうち、マーケットの影響を与え ないように資金配分を行っているか、それから、株式で個別銘柄を選定していな いという、その2項目につきましては、先ほどご報告させていただいたので省か せていただきます。  3つ目の評価の視点である株主議決権対応ということで、54ページでございま す。左側に基本的な考え方を書かせていただいておりますが、民間企業の経営に 影響を与えないということを配慮いたしまして、個々の議案、個別の議案に対す る「イエス」「ノー」という判断は私どもとして行わない。企業年金連合会さん がやっているような個別の議案についての賛否は出さないと。一方、コーポレー トガバナンスは重要であることは私どもも十分認識しておりますので、議決権行 使という目的は長期的な株主利益の最大化を目指すものというということでござ いますが、ここも重視するということでございます。  では、具体的には何をしているかということでございますが、左側の下にござ いますように、私どもが運用受託機関に対してそれぞれが議決権の行使ガイドラ インを策定しなさいと。その策定したガイドラインに基づいて議決権を行使して ください、それを我々に報告してくださいというようなことを、私どもとして運 用受託機関に対してお示ししております。その結果を踏まえまして、私どもとし てはその運用受託機関の評価を行う際の1項目としているということでございま す。  右側にそれが書いてあるわけでございます。つまり、各運用受託機関がガイド ラインをちゃんと整備しているかどうか、整備したガイドラインを行使できるよ うな体制ができているのかどうか、その体制を踏まえて実際どういう行使をして いるのかということを、全てチェックしているわけでございます。これも単純に 報告書をもらうということだけではございませんで、それによって不備があれば 翌年度からの改善に向けての指示を出すということでございます。  具体的な例として、右側の下に「改善が必要な指摘を行っている」という例を 1つだけ出させていただいております。外国株式においては、議決権行使をしよ うと思った場合には一定期間株式の売買ができなくなるという、シェアブロッキ ングという制度があるわけでございます。そういう制度があると思って議決権行 使をしていなかったというようなファンドが結構あったわけでございますが、実 際にはその国でそういう規制がなくなっていたという事例、つまり実際には議決 権行使はできたと、そういうことが我々の調査の結果分かったわけでございまし て、それを各運用受託機関に対して指摘し、翌年度からの改善に結び付けてきた ということでございます。これがその他の項目の議決権行使のところでございま す。  それから、19番目の評価項目でございます。個別評価シートの87ページ、私ど もの評定はBという評定で、私どもとしては唯一Bをつけさせていただいており ます。これにつきましては、平成13年度から19年度まで、財務大臣からの引受依 頼及び厚生労働大臣からの引受指示に基づきまして、私どもとして満期保有目的 のものとして財投債を引き受けてきたわけでございます。そういうことで、19年 度が最後の引受年度でございまして、1兆6,000億円を、下の棒グラフにござい ますとおり、各月平準化した形で受け入れてきております。具体的には、19年度 は2年債と10年債で引き受けてきたわけでございます。  満期保有でございますので、評価については基本的に簿価でございまして、19 年度末の残高が28兆5,794億円でございます。もう既に20年度に入っております ので、新たな引受はございません。ということで、漸次償還がきてこの残高は減 っていくわけでございますが、満期保有を前提にいたしますと、平成18年度に引 き受けた20年債が償還されるのは平成38年度になるわけでございます。  評価項目19番目は以上でございます。冒頭に評価項目20あると申し上げました が、20番目の評価項目については資料をつくっておりません。恐縮でございます が、評価シートの88ページから91ページでございますが、3つほど項目がござい ます。1つは主たる事務所の移転に伴う関係機関との連携確保、それから、施設 及び設備に関する計画、職員の人事に関する計画ということでございます。施設 及び設備に関する計画ということでは、該当項目はございません。それから、職 員の人事に関する計画ということにつきましては、ご覧いただければお分かりか と思いますが、冒頭のパート1、あるいは、一部、パート2でご説明させていた だいた内容と重複しますので、省かせていただきます。  1番目の主たる事務所の移転に伴う関係機関の連携確保ということでございま すが、冒頭の理事長のご挨拶の中でご報告させていただきましたように、私ども は法律上は神奈川県に本部がある法人でございますが、来年の3月31日までは、 政令により東京を主たる事務所とするということになっておりました。したがっ て19年度においては、移転日は既定の方針ということで逐次準備を進め、関係省 庁あるいは自治体とも調整を図ってきたところでございますが、結果として6月 に閣議決定された「骨太方針」の中で移転を凍結するということになりました。  そういう意味で、移転が法律上なくなったわけではございませんが、当面、何 年かは少なくとも延びるという形になりました。私どもの独法法の施行令が改正 されないと、それが方針として明確化しないわけでございますが、この夏にでも 政令改正が行われるであろうということを内々お聞きしております。そういうよ うな状況でございまして、19年度においてはかなり緊迫した状況の下で結果的に はむだな作業をさせられたわけでございますが、その時点においてやるべきこと はやらせていただいたということを含めまして、自己評定としてはAという形に させていただいております。  パート4についてのご説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○山口部会長  ありがとうございました。  それでは、委員の皆様からご質問等ございましたら、お願いいたします。 ○川北部会長代理  説明資料の54ページに株主の議決権行使の状況があるんですけど、昨今M&A とか、それに絡む株主提案みたいなものとか、多少イレギュラーな議案が株主総 会に上がると思うんです。また、実際にTOBなんかがかかる場合もある。そう いうような場合に、独法さんとしてはどういうふうな対応をとられているのか教 えていただきたいんですけれども。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事  先ほど申しましたとおり、私どもとしてはそういう案件に対してこういう判断 をしろというような指示をしているわけではございません。ただ、今おっしゃっ たような項目についても、彼らが議決権行使のガイドラインの項目として含めて 評価をしろということはやっております。 ○川北部会長代理  だから、具体的な対応は各機関に依存しているというか任せている。それを事 後的にチェックはする、そういう体制だということですね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事  はい。 ○山口部会長  ほかにご質問等はございませんか。 ○光多委員  冒頭理事長が運用マネージャーの選定についてはなかなか悩みが大きいところ だとおっしゃっていたんで。運用受託機関の選定のところですけれども、特にア クティブのところで評価シートの80ページにいろいろ書いてありますね。1次審 査、2次審査、3次審査と。他方、こちらの資料で具体的な名前と金額が書いて ありますが、実際には最終的には応募の金額とこのくらいという目標利回りとい う形で選定されていくんでしょうか。具体的に何が決め手になっているのかです ね、受託機関を決める時に。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  もちろん我々が募集する時は、例えば日本株でいきますと、TOPIXとスタ イルベンチマークと2つがあるんですけども、それに対して超過収益率を出して くれるかどうかというところが決め手になるんですが、それを判定するのがなか なか難しいということを申し上げたんです。1つは、我々が使うのは過去におい てどういうふうな実績を残したかというような定量とか、しかし世の中は過去の 数字だけで判定してはいけない、どういう戦略で、どういう体制、どういう人が やっててということを見なければいけないということで見ようとするわけです。 それはどこも同じなんですけれども、そこのところがなかなか難しいんですね。 最終的には超過収益率を出してくれるところを見ると。  その時に、私どもはマネージャー・ストラクチャーというふうに申し上げたん ですけれども、いろいろなところの戦略を調べたけれども、いろいろな戦略があ り得るわけです。こういう形で我々は超過収益率をとりにいくんだとか。それを 抜きにして一番良さそうなところだけとるというのもなかなか危険が大きいもの ですから、我々はその時にいろいろな戦略のミックスというものを考えまして、 同じ戦略であればこことここで、しかしその他の戦略の分散を図っていこうとい うようなことを決めて、一方で日本株のアクティブの金額は大体このぐらいだろ うから、1つのファンド当たりの金額をこのぐらいに考えれば何個ぐらいと。し かし、それは実際には最初からそっちが決まっているんじゃなくて、いいところ があればとろうということなんですね。 ○光多委員  委託金額はどうやって決められるんですか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  委託金額のほうは、向こうがどのくらいまでならできるんだということもある。 我々の金額というのは世の中に聞くと非常に大きいんですね。ですから、どのく らいのところを想定してできるんだということと、我々がマネージャーの分散を 図る場合にどのくらいなら、例えば1兆を10でやるのか5つでやるのか、15でや るのかと、いいマネージャーがいるかということで決めるわけで、これが幾らと いうふうに最初からそこだけを決め打ちしているわけではありません。 ○光多委員  先ほどリスク管理がございましたが、申出のところで受託機関を選んで、途中 でちょっと未達なんじゃないかということで変更されるケースも何件かあるんで すか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  未達だと解約ということはありませんが、運用体制が変わったりして、新たな 配分を停止するとか、そういうことは、先ほどお話ししたと思うんですが、結構 ありますね。 ○竹原委員  今の点に関係してなんですけれど、事後の評価というのはどういう形でやられ ているんでしょうか、マネージャーについて。特にアクティブ・マネージャーで すね。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  資料1−4の27ページをお開きいただきたいと思います。左に運用受託機関と ありまして、定期ミーティングとございます。年度が終わったところで全受託機 関、アクティブ、パッシブございますが、全部一斉にミーティングをいたします。 そこで総合評価をいたします。その時に、この右側にございますように、総合評 価については定性評価と定量評価を行います。  定性評価の場合は、予め、運用機関がアクティブであれば、例えばうちは成長 株にウエートを置いて運用しますとか、あるいは、割安株に置いて運用しますと か、あるいは、うちはアナリストの評価に基づき運用しますとか、そういった運 用スタイルを登録いただいていますが、そういった運用スタイルどおりに実際の 運用が行われたのかどうか、それから、現在、組織とか人材がどういうふうにな っているのか、そういったところを定性評価でつけさせていただきます。  一方、定量評価のほうは具体的数値に基づくものでございますけれども、パッ シブの場合は超過収益率とトラッキングエラー、それから、ご質問のアクティブ 運用につきましては、超過収益率と、アクティブなリスクであるトラッキングエ ラーと超過収益率の比をとったインフォメーション・レシオにより定量評価を行 います。このようにして行った定量評価と定性評価の結果を足し合わせて総合評 価を行うということでございます。その結果、総合評価で低かったというところ は、右下にございますように、資金配分停止にしているということでございます。 これを毎年繰り返し行っているところでございます。 ○光多委員  事前にマネージャーが申告しているアルファとインフォメーション・レシオの 水準と、それから、事後的に達成された水準というのは、ある程度相関が高いと いうか、信頼できるものになっているんでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人運用部長  事前に登録いただいているものは、正直言いまして、過去の実績等を踏まえた ものでございますので、例えば昨年のように相場が荒れますと、なかなか事前に 登録していただいているとおりにはならない。あるいは、マーケットが静かな時 は逆にαはとれているんだけど、リスクが小さいという場合もございますので、 それはある程度長く見ていく必要があると考えています。ただ、明らかにアクテ ィブなマネージャーが極めて小さいリスクしかとっていないということがあれば、 それはちょっとおかしいのではないかというような指摘はさせていただきますけ れども、基本的にはマーケットの影響を受けるところもございますので、そこを 見極めるのは短期的にはなかなか難しいものがあり、ある程度長い期間で評価し ていく必要があると考えております。 ○山口部会長  ほかにご質問等ございますでしょうか。じゃ、大野委員。 ○大野委員  資料の54ページの「議決権行使の状況について」ということですが、個々の議 案に対して判断は行われないというご説明をいただきましたけれども、運用受託 機関を管理すること以外に、もう少し踏み込んだアプローチについて何か取組は 行われていらっしゃるんでしょうか。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事  株主の議決権行使に関してということでございますか。ここにつきましては、 我々ができる今の時点での最善のやり方がこれかなと思っております。先ほどの 評価項目にもございましたとおり、民間企業の経営に過度な影響を与えないとい う一つのマンデートがございますので、その中ででき得る最大限のことをしてい るというふうに思っております。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  付け加えさせていただきますと、企業年金連合会がこの辺について発言をして おりまして、私どもはこういうふうにあまり発言をしませんし、いわば委託をし ているので、我々の議決権行使というのは一種の眠れる株主じゃないかというふ うに思われがちなんですけれども、実際の議決権行使の状況は、報告を受けてみ ますと、私どもがこういうことについてちゃんとガイドラインをつくれとか、こ ういうガイドラインの基準が足らないじゃないかというふうにずっと言い続けて いる結果、私どもの会社提案に対する反対比率は5〜6年前はほとんど0だった んですね、ほとんど全部会社に提案賛成、賛成であったんですけれども、ごく最 近にきまして、それは2桁の十数パーセントになっています。これは数字のとり 方が必ずしもいろいろなところで同一ではないものですから、比較はできないん ですけれども、我々としては相当にアクティブに議決権が行使されているという ふうに思ってます。 ○山口部会長  よろしいでしょうか。  それでは、グループ5の業務実績評価関係資料について評価を行いたいと思い ます。これにつきましても、法人から15分ぐらいで説明をしていただきまして、 15分ぐらいで記入をするといったような形で、あるいは、質問をしていただくと いった形で進めていきたいと思います。  それでは、法人のほうから説明をよろしくお願いいたします。 ○年金積立金管理運用独立行政法人管理部長  それでは、資料1−2、評価関係資料についてご説明申し上げます。  1枚お開きいただきまして、目次に様式が6までございます。委員の皆様はご 案内のとおりかと思いますが、この評価項目の項目建てにつきましては、本年の 1月31日に政府の独法評価委員会から厚労省の評価委員会に対して評価項目とし て意見が出された項目というふうに考えております。  様式1の目的積立金につきましては、ご案内のとおり、私どもの独立行政法人 につきましては、利益あるいは積立金が生じた場合は国庫納付をするという法律 建てになっております。したがいまして、独法の通則法で認められております目 的積立金はそもそも想定しておりませんので、この様式につきまして該当はない という整理をさせていただいております。  続きまして、様式2の保有資産についてでございます。見直しの状況の箱の真 ん中から下に参考として記載させていただいておりますけれども、昨年の12月に 閣議決定されました、整理合理化計画におきまして、私どもの宿舎の存廃につい ては事務所移転時を目途に結論を得るということになっております。先ほど理事 長からもご説明をいたしましたが、事務所につきましては、移転の延期が決まる ということでございますけれども、宿舎の存廃については移転のめどが、現時点 においては延期されたということでございますけれども、どのような取扱にすべ きか、本年度中に結論を得るという姿勢は変わっておりませんで、引き続き検討 を進めてまいりたいと考えております。  それから、様式3の官民競争入札等の活用状況でございます。これにつきまし ては、私どもの法人がやっている業務は、申し上げるまでもなく国民の公的年金 の積立金の管理運用という性格の業務でございます。したがいまして、先ほど来 ご説明をしておりますように、実際の資産運用については、自家運用をしている 部分を除きまして、大部分が公募による運用主体にお任せしているという状況で ございますが、政府が求めている官民競争入札という形式は、私ども法人の業務 にはなじみにくいという点でご理解をいただきまして、ここについても私どもは 該当がないという整理をさせていただいているところでございます。  続きまして、様式4、コンプライアンス体制の整備状況についてでございます。 これは先ほどの個別評価シートのパート2で既にご説明させていただいていると おりでございまして、取組状況等については、繰り返しになりますので、ご説明 は省略させていただきますが、するべき取組については私どもは行っているので はないかというふうに自己評価をしているところでございます。  それから、様式5、役職員の報酬・給与の状況につきましては、昨年の独立行 政法人の評価委員会においても、別紙の資料としてご説明した資料と同じもので ございます。私どもの給与水準につきましては、そこにございますように、19年 度は、年齢勘案だけで申しますと、116.6ということでございますけれども、大 卒者の割合が国家公務員の48%に対して77%である。あるいは、私どもの事務所 が千代田区に1カ所だけあって、公務員の場合、北海道から沖縄まで散在してい るという状況から考えますと、学歴とか地域の条件を国と比較させていただきま すと、そこの2行目に書いてございますが、100.0ということで、国家公務員と 同じ水準であるということをご理解いただきたいと思います。なお、先ほど来何 人かの先生から人材確保と専門性の観点からということでいろいろご心配をいた だいている部分がございますけれども、そういう部分に対しましても、私どもは 報いられる部分については今後も報いていきたいと考えております。  なお、一番最後の囲みの【今後講ずる措置】というところでございますけれど も、現人員で平成22年度を見通した場合にどうなるかということでございますが、 2行目にございますように、地域、学歴勘案で、若干ではございますが、100を 切るという想定をしているところでございます。  続きまして、6ページ以下、給与の参考資料について何点か触れさせていただ きます。19年度の給与制度の改正につきましては、6ページの(2)で役員報酬基準 の改定ということで具体的に数字が書いてございますけれども、約3%引き下げ をさせていただいたところでございます。  職員につきましては、8ページをご覧いただきたいと思います。(2)のイで、先 ほど来申しておりますが、人事評価制度の導入をしたというのが1点でございま す。それから、一番下のウ、職員給与についても、役員報酬の引き下げに準じて、 下から2行目でございますが、例えば管理職手当、役職手当を定額化して、総額 で3%程度の削減を図るとか、給与の上昇カーブのフラット化を図るとか、総合 的な給与規程の見直しをして、総体として削減に努めたところでございます。  それから、ちょっと飛んで恐縮でございますが、13ページ、給与の指標でござ います。これについては先ほど来ご説明した表の繰り返しになりますけれども、 講ずる措置として、平成22年度100を切る水準を考えているところでございます。  最後になりますが、15ページに総人件費を年1%削減というのがございます。 人件費の水準がどうかということは先ほど来の資料でもございますが、改めて申 し上げますと、19年度の人件費の削減率が17年度を基準として11.2%、なおかつ、 人事院勧告等に伴う部分については、これを補正して良いということでございま すので、これを加味しますと11.9%の削減水準にあるということでございます。  引き続きまして、最後に様式6の随意契約の状況についてご説明申し上げます。 19年度の実績は、そこにございますように、随意契約の割合が、件数及び金額と も、見直しの前でございますので、まだまだ高い水準でございます。したがいま して、17ページの(4)の見直し計画の実施状況でございますが、言い訳になってし まいますが、私どもは19年8月にこの見直し作業に着手いたしまして、12月に公 表を行ったところでございます。しかしながら、19年度の契約については年度初 に大半が契約行為を行うということで、契約の実際の作業がもう済んでいたとい うことでございましたので、こういう高い割合になっております。  しかしながら、20ページをお開きいただきたいんでございますけれども、随意 契約の見直しの計画、12月に公表した姿につきましては、そこにございますよう に、見直し後で随意契約については件数、金額とも大幅に削減するということに しているわけでございます。先ほど見ていただいた19年度の姿はまだまだここに 遠く及んでいないわけでございますが、20年、本年の4月、5月、6月の契約の 実績を見てみますと、随意契約については件数で約2件、金額については1億 7,000万ということで、非常に少ないというか、見直し計画の水準で今進捗して おりますので、この見直し計画は十分達成できると考えております。  ちょっと早口になりましたが、私どものご説明は以上でございます。 ○山口部会長  ありがとうございました。  委員の皆様は評価欄に法人の取組について評価等の記入をお願いいたします。  ただ今のご説明につきまして、ご質問等ありましたら、適宜ご発言いただきた いと思います。 ○光多委員  2つございます。1つは官民競争入札等の活用状況。官民競争入札になじむか なじまないかとございますが、先ほど国内債券の自主運用と受託という面でいく と、どの辺まで自主運用をやるのかという話は、ある面で委託するよりは自主運 用でやったほうが手数料も要らないし効率的だと、いわゆる高いことができるか もしれないというと、そこのところである種の官民競争入札が行われているんじ ゃないでしょうか。だから、これがそういうことを言っているかどうかは別とし て、官と民との比較というところについては、この辺ではちゃんとやっていると いう形を書いていただいてもいいのかなという感じもちょっといたします。もち ろん行政サービス改革のあれとは種類が違いますけれども、官と民との競争とい う形でいくと、全くないわけじゃないのかなという感じもします。これは感想で す。  もう一つ、これも全く感想ですが、役職員の給与です。先ほど来いろいろお話 をお伺いして、随分いろいろリスク管理をやっておられる割に低いなというのが 率直な感じで、委託する先のほうが明らかにかなり給料が高いというのが分かっ ているわけですよね。先ほどの証券アナリストなんかとっちゃうと、これは相手 方のほうにいっちゃうぞと、そういう意識になるかもしれないので。ただ、独法 だからなかなか給与水準は変えられないんでしょうけど、総額が決まっていると すると、少数精鋭にして給料を上げて、場合によれば契約者にやるとかなんかし ないと、これで優秀な社員を引き止めておられるというのは大変ご苦労が多いな と。これは意見ではなくて率直な感想です。  以上。すみません、2点とも。 ○年金積立金管理運用独立行政法人理事長  ぜひ意見として書いてください、感想にしないで。 ○山口部会長  ほかに何かご質問等ございますでしょうか。  それでは、評定等の記入は大体終わりましたでしょうか。  引き続き記入していただきながらということでも結構だと思いますので、次に 移らせていただきたいと思います。  資料2につきまして、事務局から説明をお願いいたします。 ○大臣官房参事官(資金運用担当)  厚生労働省の資金運用担当参事官でございます。お手元に、右肩に「資料2」 とついた1枚紙がございますでしょうか。「年金積立金管理運用独立行政法人の 総合評価について」という見出しがついております。  囲みの中でございますが、年金積立金管理運用独立行政法人の総合評価につい ては、独法の通則法に基づきます個別評価、本日先生方にお願いしている個別評 価をまとめた分析結果と併せまして、年金積立金の運用が年金財政に与える影響 についての検証報告、これは私ども年金局で準備をしております。これを併せて 総合評価を行うということになっております。  下に参考という欄がございます。年金積立金管理運用独立行政法人法28条とい う条文ですが、ここに、厚生労働大臣は、毎年度年金積立金の運用が年金財政に 与える影響について検証し、通則法第32条、これはまさに独法の評価に資するよ うに、厚生労働省の独立行政法人評価委員会に報告しなければならないとなって おります。先ほど申しましたように、私どものほうで今準備をしております。次 回の会議の際にこれも併せて総合評価をしていただくということで準備をしてお りますので、よろしくお願いをしたいということでございます。  私からは以上でございます。 ○山口部会長  ありがとうございました。  では、時間もございますので、年金積立金管理運用独立行政法人の個別評価を これで終えたいと思いますけれども、記入が終わっていない委員の方で、本部会 が終了した後に会場にお残りになって記入したい、あるいは、評価シートをお持 ち帰りになって記入したいといったご希望があります場合には、本部会終了後、 事務局にお声がけをしていただければと思いますので、よろしくお願いいたしま す。  それでは、本日の議事は以上といたします。その他、政策評価官室から次回の 部会の日時等についてお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  次回の第19回年金部会の開催について連絡します。日時は8月22日(金)13時 30分から16時まで、場所は当省5階の共用第7会議室において、議題は、年金積 立金管理運用独立行政法人及び年金健康保険福祉施設整理機構の財務諸表の承認 及び総合評価などとなっております。  それから、評価シート等今日提出いただく分につきましては、お名前の確認を お願いします。それから、評価シートをお持ち帰りになる先生につきましては、 事務局までお声かけくださいますよう、よろしくお願いします。  以上です。 ○山口部会長  それでは、本日は以上とさせていただきます。長時間にわたりまして熱心なご 審議をいただきまして、ありがとうございました。 (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)