08/08/01 第48回独立行政法人評価委員会労働部会議事録 独立行政法人評価委員会労働部会(第48回) 開催日時:平成20年8月1日(金)13:30〜 開催場所:厚生労働省専用第21会議室(17階) 出 席 者:井原部会長、篠原部会長代理、今村委員、小畑委員、川端委員、堺委 員、谷川委員、寺山委員、松田委員、宮本委員、本寺委員 ○井原部会長  それでは、ただ今から第48回の独立行政法人評価委員会労働部会を開催させて いただきます。  委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありが とうございます。本日は委員全員が出席となっております。  本日の議題はお手元の議事次第のとおりでございまして、労働政策研究・研修 機構の平成19年度の業務実績に関する個別評価を行い、その後で休憩を挟みまし て、雇用・能力開発機構の平成19年度業務実績に関する個別評価を行います。  議事に入ります前に、独立行政法人の業務・マネジメント等に係る国民の意見 募集につきまして、政策評価官室から説明をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  後ろから失礼します。国民の意見募集についてご報告いたします。  国民の意見募集につきましては、7月3日に各法人の業務報告書等を電子政府の 総合窓口に掲載し、7月14日に意見を締め切りました。12日間という期間で募集 をしたところ、今回評価を行っていただく両法人に関して言いますと、労働政策 研究・研修機構についてはご意見はございませんでした。雇用・能力開発機構に つきましては数件寄せられました。なお、雇用・能力開発機構に対して寄せられ た意見につきましては、お手元に参考資料としてお配りしております。  以上です。 ○井原部会長  それでは、ご質問がありましたらお願いいたしますけども、雇用・能力開発機 構に対しましてお聞きになりたい事項がございましたら、後ほど同法人の個別評 価に入る前に時間を設けてございますので、そのときにお願いしたいと思います。 それ以外に何かご質問がおありでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。  それでは、議題に移りたいと思います。  労働政策研究・研修機構の個別評価に入ります。  最初に、稲上理事長からご挨拶をお願いいたします。 ○労働政策研究・研修機構理事長  理事長の稲上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  私どもの労働政策研究・研修機構の平成19年度の業務実績につきましてご説明 申し上げたいと思います。  平成19年度は第2期中期目標期間の初年度に当たっております。第1期の中期目 標期間が終わりまして、昨年4月から第2期に入っておりますが、第1期から第2期 に変わる際、業務・組織等の大幅な見直し、スリム化を行いました。そうした厳 しい条件下ではございましたが、第1期を上回る成果を上げることができますよ う、役職員一同努力をしてまいりました。  以下、5つの柱に沿って順次簡潔にご説明申し上げたいと思います。  まず、労働政策研究についてでございますが、お手元の資料の1−4をご覧いた だきたいと思いますが、資料1−4の3ページをお開きいただきたいと思います。  平成19年度は、研究員の数が前年度に比べまして5名削減となっておりまして、 40名を下回ることになりました。しかし、全体では36の研究テーマにつきまして、 ほぼ計画どおり研究活動を行ってまいりました。  その研究成果の活用状況でございますが、行政の白書、経済財政諮問会議、各 種審議会等の報告書での引用件数が521件に上りまして、第1期の平均325件を大 きく上回ることができました。また、厚生労働省との連携強化のため、平成19年 度から局長、審議官クラスの意見交換の場としてハイレベル会合を新たに設けま した。政策担当者との勉強会なども前年度を上回る頻度で開催してまいりました。  この労働政策研究に係る具体的な数値目標でございますが、お手元ご覧いただ いております3ページの左側のほう、黄色の枠内にございますが、4つありますが、 1つは、外部評価において高く評価された研究成果が全体の3分の2以上になるこ と。2番目に、有識者を対象としたアンケート調査で3分の2以上の者から有益で あるとの評価を得ること。3番目に、プロジェクト研究については、労働政策の 企画立案に貢献したという意味で、厚生労働省から高く評価された研究が全体の 80%以上になること。それから4番目に、課題研究に関しては、要請元の厚生労 働省から高く評価された研究が全体の90%以上になることと、こうした4つの数 値目標を与えられております。  結論から申しますと、これらの4つの数値目標の全てにつきまして目標を達成 することができました。具体的には、今ご覧いただいております3ページの右側 のほう、水色の枠内でございますが、左側の目標値に対応する形でその達成値を 記しておりますので、ご覧いただければありがたいと思います。  ちなみに4ページには、今申しましたプロジェクト研究、課題研究の具体的な 研究課題がどのようなものであるかということを参考としてお示ししております。  次に、労働行政職員研修についてでございます。5ページをご覧いただきたい と思います。  労働行政職員に対する研修につきましては、中期目標計画に基づいて実施して おりますが、研修生アンケートで有意義であるという評価が85%を上回ることを 数値目標として与えられております。平成19年度は、グループ討論の内容を充実 させて、実務演習、実地研修の拡充など研修内容の充実に努めてまいりました。 その結果、受講生による有意義であるという評価が85%という数値目標を大きく 上回りまして、97.2%に達しました。  3番目に、情報の収集と整理についてでございますが、6ページをご覧いただき たいと思います。  まず、国内労働情報の収集・整理につきましては、政策の企画立案や政策論議 の活性化に貢献するという意味で、収集・整理した情報が白書等で引用される件 数が年間100件以上になることと、こういう数値目標を与えられております。そ の結果ですが、行政の白書、経済財政諮問会議を初めとする審議会の報告書等に 合計182件引用されておりまして、年度目標を大きく上回ることができました。  また、海外情報の収集・整理につきましては、プロジェクト研究との関連性や 喫緊の政策課題等の関係を考慮いたしまして、「欧米諸国における最低賃金制度 に関する調査」など4つのテーマにつきまして、情報の収集・整理を行いました。  さらに、各種統計データの分析・加工作業の一つとして、新たに労働力需給の 推計を行っております。その成果は、厚生労働省の「雇用政策基本方針」の策定 作業において重要な基礎データとして用いられるなど、政策立案に大いに貢献す ることができたと考えております。  4番目の柱でございますが、研究成果の普及・政策提言につきまして、7ページ をご覧いただきたいと思います。  まず、ニュースレター「ビジネス・レーバー・トレンド」と、週2回発信して おりますメールマガジンにつきましてですが、いずれの読者アンケートでも有益 であるという回答が95%以上という高率を示しておりまして、目標を大きく上回 る高い評価をいただいております。  また、ホームページについてですが、キャリアマトリックスに関しては、年間 1,800万件を超えるアクセス件数を記録し、前年度の実績を大きく上回っており ます。さらに、調査研究成果へのアクセス件数も160万件を超え、過去最高水準 になっております。  それから、労働政策フォーラムにつきましても、参加者アンケートにおいて有 益であるという回答が9割を超えておりまして、80%以上という数値目標を大き く上回ることができました。  次に、業務運営の効率化等の取組についてでございますが、8ページをご覧い ただきたいと思います。  まず、業務の効率化についてですけれども、第2期中期計画期間におきまして、 平成23年度までに、一般管理費を15%以上、業務経費を20%以上、人件費を14% 以上、それぞれ大幅に削減するよう求められております。このことを踏まえまし て、平成19年度は、通信データ回線の見直しによる回線料の削減などもろもろの 業務効率化、経費削減に取り組んでまいりました。その結果として、一般管理費 につきましては当初予算に比べまして7.5%の減、業務経費につきましては17.1 %の減、人件費についても6%の節減を行うことができました。今後ともこうし た取組を重ねることによって、中期計画の経費削減目標を達成したいと考えてお ります。  また、新たに温室効果ガスの削減に向けて自主行動の計画を策定いたしました。 公的機関として、今後とも地球温暖化対策に率先して取り組んでまいりたいと考 えております。  それから、平成19年度はコンプライアンスの拡充・強化にも力を入れてまいり ました。私どもは18年度にコンプライアンス委員会というものを立ち上げており ますが、19年度はコンプライアンス研修を充実させるとともに、コンプライアン ス委員会において評価・点検を実施してきております。  以上、平成19年度の業務実績の全般につきまして、かいつまんでご説明を申し 上げました。詳細につきましては、個別評価シートに沿って総務部長から説明を させていただきたいと考えております。  どうもありがとうございました。 ○井原部会長  どうもありがとうございました。  これからの進め方でございますが、先週の本部会でも説明がございましたよう に、個別評価におきましては全体を4または5のグループに分けて評価を行ってい きます。労働政策研究・研修機構の個別評価につきましては、評価シートの個別 項目を3つのグループに分けまして、さらに業務実績評価関係資料を1グループと しまして、合計4グループをグループごとに評価を行っていきます。  まず、グループ1についての評価を行います。所要時間は、法人からの説明20 分、委員の評定と質疑20分の合計40分となっております。  それでは、法人からの説明をお願いいたします。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  総務部長の畑中でございます。私のほうから評価シートについてご説明申し上 げます。  まず、資料1−5をご覧いただきたいと思います。資料1−5が私どもの今回の評 価シートの全体像をお示ししております。資料1−5の右側のほうをご覧いただき ますと、これが今回のシート、全部で17のシートがございます。これの内訳にな っております。  3つのパートと申しますのは、まず第1番目のパートがIの調査研究に係るシー ト、それからIIの研修に係るシート、これが1番目のパートになっております。2 番目のパートがIII、情報の収集・整理等についてのシート、それからIVの調査研 究成果の普及・政策提言等に係るシート、この2つが2つ目のパートになっており ます。最後、3つ目のパートがVの業務運営に係るシートでございます。この3つ の部分に分けてご説明申し上げます。  まず、第1のパートということで、評価シートの3からご説明申し上げたいと思 います。資料1−1をご覧いただきたいと思います。  評価シート3、これは研究の実施と成果についてのシートになっております。 この評価シート3の5ページをご覧いただきたいと思います。評価シート3のそれ ぞれ幾つか評価の視点がございます。それが5ページ以下に載っておりますが、 この評価の視点に即してご説明申し上げたいと考えております。  ます、5ページの評価の視点の1点目でございますが、これは研究テーマについ ての評価の視点になっております。お手元の資料1−6をご覧いただきたいと思い ますが、ちょっと分厚い資料で、資料1−6、平成19年度の個別評価にあたっての 参考資料でございます。これの1ページ目をご覧いただきたいと思います。  1ページ目に平成19年度の研究テーマの体系図が載っております。19年度にお きましては、プロジェクト研究のテーマ、全部で(1)から(7)、7つござい ます。それから、左下のほうに、ちょっと小さい字で「課題研究」と書いており まして、これが15のテーマになっております。  ご案内のように、プロジェクト研究のテーマ自体は、厚生労働省のほうから中 期目標の中で示された7つのテーマになっております。それから、課題研究の15 のテーマは、それぞれ厚生労働省からの要請を受けて設定したテーマになってお ります。  そして、右のほうに「19年度サブテーマ」と書いてございますが、これは各プ ロジェクト研究ごとに3から4ぐらい、少ないところだと1から2ということで、全 部で21のサブテーマをそれぞれのプロジェクトのテーマごとに設定しております。 このサブテーマにつきましては、先ほどお話もありました、厚生労働省とのハイ レベル会合とか、さまざまな意見交換を通して、行政のニーズあるいは労使との 打ち合わせを通した労使のニーズ、こうしたものを考え合わせて、21のテーマを 19年度は設定したところであります。  また、資料1−1にお戻りいただきたいと思います。資料1−1の5ページ目の下 のほうでございますが、評価の視点の2つ目になりますが、これは研究計画につ いての評価の視点になっております。私ども、19年度におきましても、個々の研 究テーマごとに趣旨、目的、それから成果物、スケジュール、これを明らかにし ました研究計画を個々の研究ごとに策定して研究を進めてまいりました。  それから、資料1−1の6ページをご覧いただきたいと思いますが、評価の視点 の3つ目でございます。評価の視点の3つ目は研究の実施状況についての視点でご ざいますが、19年度は前年度に比べて研究員を5名削減いたしまして、40名を下 回る体制ではありましたけれども、今ほどご紹介しましたように、36のテーマを 計画いたしまして、ほぼ計画どおり実施してきたところであります。  それから、評価の視点の4点目でございますが、これは政策の企画立案への貢 献についての視点でございます。この点につきましても、理事長からもご説明申 し上げましたが、行政の白書、それから審議会、研究会の報告書等への引用の件 数が521件ということで、第1期の平均が325件、これを大きく上回る引用件数を 達成することができました。また、報告書の引用ということだけではなくて、私 どもの研究員が、例えば行政機関の審議会だとか研究会に数多く参加いたしまし て、厚生労働省の審議会はもとより、内閣官房の社会保障国民会議等にも参加し て、政策立案への貢献を果たしたところであります。  それから、評価の視点の5点目でございますが、これは民間シンクタンク、そ れから大学との差別化の問題であります。私どもは、民間シンクタンクにはない ノウハウの蓄積を生かしながら、調査研究活動を体系的、継続的、中立的に実施 してきたところであります。また、厚労省からの緊急の研究要請にも積極的に対 応してまいりました。行政官アンケートの中でも、例えば施策の企画・立案のた めの必須事項について、データの利用価値が非常に高く信頼でき、対外的にも説 得力がある成果になっているといったような声を寄せていただいております。  それから、6ページの評価の視点の最後でございますが、これは研究の実施体 制についての評価の視点でございます。今申し上げましたように、例えば厚生労 働省からの年度途中の要請も含め、研究テーマについては研究部門を超えた柔軟 な体制で19年度も研究を実施してまいりました。  以上が評価シート3でございますが、5ページに戻らせていただきまして自己評 価でございますが、今ほど申し上げましたように、研究の行政への貢献、例えば 白書等への引用が521件にも上ったと、前年度を大きく、325件が第1期の平均で ありますが、これを大きく上回ったというようなことも加味しまして、自己評価 をAとさせていただいております。  続きまして、評価シート4でございます。7ページでございます。評価シート4 でございますが、これは厚生労働省との連携のシートでございます。この点につ いても、9ページの評価の視点のところを中心にご説明申し上げます。  まず、厚生労働省との意見交換についてでございますが、厚労省局長、審議官 クラスとの意見交換の場でありますハイレベル会合を19年度新たに設置いたしま して、2回ほど行いました。また、政策担当者との勉強会につきましても、前年 度を上回る16回開催いたしました。  評価の視点の2点目は、意見交換の内容を研究に反映させているかどうかとい うことでありますが、私ども、研究テーマの設定につきましても、研究内容がよ り一層政策に資するものとなりますように、意見交換を適宜研究内容に反映させ てきたところであります。また、行政担当者が参加している研究テーマ、前年度 を上回って約20テーマ、これは19年度の研究テーマの過半数を超えるものであり ますが、そこに行政担当者に参加していただいております。  それから、評価の視点の3点目でございますが、これは他の研究機関との連携 についての視点でございます。例えば韓国労働研究院(KLI)を初めとしました 海外研究機関と様々に連携しながら、共同研究を19年度も実施してきたところで あります。  以上を踏まえまして、このシートの自己評価でございますが、新たにハイレベ ル会合を設置したこと等を踏まえまして、このシートについても自己評価をAと させていただきたいと考えております。  続きまして、評価シート5でございます。これは研究の成果の取りまとめと評 価についてのシートでございます。このシートについても評価の視点を中心にご 説明申し上げます。  11ページをご覧いただきたいと思います。11ページの評価の視点の1点目でご ざいますが、これは研究成果の取りまとめ状況についての視点でございます。平 成19年度におきまして取りまとめた研究成果は全部で61件となりまして、これは 研究員1人当たりにいたしますと1.69件になります。第1期の平均が1.50件であり ますので、第1期の平均を上回る水準の研究成果の取りまとめができたと思いま す。19年度は、文献サーベイだとかヒアリングが中心となる、本来でしたら研究 の初年度であります。なかなか取りまとめが難しい時期ではありますが、にもか かわらず第1期の平均を上回る取りまとめができたところであります。  それから、11ページから12ページにかけてでございますが、評価の視点の2番 目以降は、私どもの研究の評価の在り方についての一連の視点になっております。  まず、12ページの外部評価でございますが、外部評価については、リサーチ・ アドバイザー部会という部会を設けまして、労働の各分野に高い学識を有する方 々に委員になっていただいて外部評価を実施しております。  具体的には、先ほどの資料1−6の27ページをご覧いただきたいと思います。平 成19年度リサーチ・アドバイザー部会委員の名簿がついておりますが、ご覧いた だいたような方々、いずれも労働関係につきまして高い学識を有する方々であり ますが、こうした方々に各研究ごとに評価をいただいたところであります。  それから、内部評価につきましても、やはり外部評価と同様5つの視点、5つの 視点と申しますのは、1つは趣旨・目的が明確かどうか、それから研究方法が適 切かどうか、それから3点目としまして研究の成果の水準がどうか、4点目は研究 成果の有益度、それから5点目は政策への貢献度、こうした5つの視点で内部評価 についても厳正に実施したところであります。  それから、厚生労働省の評価についても、例えば新たにプロジェクト研究の成 果についても、厚生労働省の担当部局による評価を実施したところであります。 また、評価の結果については、ホームページ等で適切に公開してきたと考えてお ります。  以上の点を踏まえまして、評価シート5の自己評価でございます。11ページで ございますが、先ほど申し上げましたように、研究機関の初年度にもかかわらず、 一定の水準の取りまとめができたということで、自己評価をAとさせていただき たいと考えております。  続きまして、評価シート6でございますが、これは研究についての目標達成状 況についてのシートになります。評価シート6につきましても評価の視点を中心 にご説明申し上げたいと思います。  15ページでございますが、15ページのところで、数値目標、評価の視点の1点 目でございますが、これは外部評価、先ほどのリサーチ・アドバイザー部会にお ける評価の数値目標でございますが、27件の成果のうち19件がA以上の評価を受 けることができました。これは当初の目標が3分の2以上という目標でございます が、これを上回ることができました。ちなみに、3分の2以上という年度計画の目 標値でございますが、第1期の私どもの外部評価についての目標数値は、毎年10 件以上ということで設定しておりましたが、第2期におきましては3分の2以上と いうことで、目標数値そのものが第1期をはるかに上回る目標を設定したところ でありますが、これもしっかりとクリアしております。  それから、数値目標、評価の視点の2点目でございますが、これは有識者アン ケートの結果についてでございます。私ども、有識者の方々へのアンケートで、 事業活動全般あるいは機構の成果物についての有益度について調査をしておりま すが、平成19年度につきましては、まず事業活動全般についても、95%の方から 有益であるという評価をいただいたほか、機構の研究成果物につきましても、 96.2%の方から有益であるとの回答をいただいたところであります。  それから、数値目標の3点目は厚労省担当部局による評価でございます。厚労 省の担当部局から「政策に役立っているか」という観点から評価をいただくこと になっておりますが、プロジェクト研究、課題研究のいずれにつきましても、全 部で26件ございますが、その全てについて政策に役立っているという評価をいた だいたところであります。  以上を踏まえまして、評価シート6の自己評価でございますが、これもやはり 各数値目標を上回っているということで、自己評価をAとさせていただきたいと 考えております。  それから、評価シート7でございますが、これは研究者の確保と研究水準の向 上についての評価シートでございます。17ページをご覧いただきたいと思います が、評価シート7の評価の視点が載っております。  評価の視点の1点目は、研究員の確保・育成でございます。私どもは、研究員 の研究能力向上を図るために、学会への加入あるいは学会の会議への参加を積極 的に奨励・支援しております。  それから、18ページでございますが、評価の視点の2点目、3点目、これは外部 人材の活用についての評価の視点になっております。外部人材に関しましては、 まず、第一線で活躍する大学教員9名の方々に特別研究になっていただきまして、 私どもの活動への指導・助言をいただいたところであります。また、外部研究者、 全部で86人の方に研究に参加していただいて、19年度の計画を実施したところで あります。  それから、評価の視点の4点目、研究員の業績評価制度についてでございます が、これは16年度から実施したところでありますが、これを導入したことにより まして、研究成果の件数も増加いたしました。また、成果の質の向上も図られた と考えております。  それから、評価の視点の最後は研究水準の向上についての取組の視点でござい ますが、私どもは、研究成果を活用した査読付論文の発表等について顕彰を行っ ております。19年度は6名の研究員を表彰したところであります。  以上で、17ページに戻らせていただきまして、評価シート7でございますが、 取組としてはいろいろな取組をしておりますが、自己評価としましては、Bとい う形にさせていただいたところであります。  以上、評価シート5から7までがいわゆる研究についてのシートになります。  それから、評価シート14でございますが、これは労働行政担当職員に対する研 修についてのシートになっております。この評価シート14についても評価の視点 を中心にご説明申し上げたいと思いますが、具体的には24ページからになります。  24ページ、数値目標、評価の視点の1点目でございますが、これは研修生に対 するアンケート調査についての評価の視点でありますが、研修生に対するアンケ ート調査で、有意義との回答でございますが、目標数値は85%というかなり高い 数値でございますが、これに対しまして19年度の実績は97.2%ということで、目 標を大きく実績を残すことができました。  それから、評価の視点の2点目と3点目、そして1つ飛びまして5点目、これは研 修内容についての評価の視点になりますが、19年度におきましても、私どもは研 修実施計画に基づき研修を実施したところでありますが、例えば、テキストなん かについても適宜見直しを行いまして、全部で16件のテキストの改定も行ったと ころであります。また、研修内容につきましても、実践的な能力を強化するとい う観点から、実務演習の時間の拡大等、事例検討の運営方法の変更など、様々な 努力を重ねてまいりました。それからまた、実施計画の策定に当たりましては、 送り出し側であります厚生労働省の要望を十分に踏まえまして、個々のコース内 容について十分な協議を行いまして、研修実施計画を策定したところであります。  それから、評価の視点の4つ目と6点目、7点目、これはいわゆる研究と研修の 連携についての評価の視点になっております。  まず、評価の視点の4点目でございますが、19年度は研究員の研修への参加は 延べ76名ということで、前年度を上回ることができました。  また、評価の視点の6点目でございますが、私どもは、例えばイヴニングセッ ションと呼ばれていますが、課外活動の時間を利用したワークショップなどを適 宜開きまして、研修生に対して研究部門の研究成果の紹介をしたり、その中で研 修生からいろいろな意見をいただきまして、それを研究に生かしたりという相互 作用を行いまして、研修と研究の連携を図ってきたところであります。  また、評価の視点の一番最後でございますが、研修生のアンケートに基づく改 善状況についての評価の視点でございますが、アンケート結果を踏まえまして、 例えば前期・後期に分かれてる研修については、研修の効果がより高まるように、 前期・後期の科目の入れ替えを行ったりいたしました。  こうした取組を行いまして、先ほど申し上げましたように、研修生の有意義度 の評価が、目標値85%を大きく上回る97.2%という有意義度評価をいただくこと ができました。こうしたことを踏まえまして、このシートの自己評価であります が、23ページのところになりますけれども、自己評価をAとさせていただいたと ころであります。  以上が第1パートについての説明でございます。 ○井原部会長  ありがとうございました。  委員の皆様は評価シートへの評定等の記入をお願いいたします。また、質問等 がありましたらご質問をお願いいたします。 ○堺委員  研究の質の評価という点に関しましては、やはり外部からの競争的な立場での 評価というのが一番価値が高いかというふうに考えます。その意味では、先ほど 6名の研究員の方を査読付論文の発表ということで表彰されたと承りましたが、 機構全体では昨年度、査読付論文を、もしお分かりでしたらですが、何編発表さ れて、それは国内雑誌と国際雑誌では何編ずつか、もしお分かりでしたらお教え いただきたいんですが。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  査読付論文については、昨年度は14件になっております。 ○谷川委員  もし記憶間違いだったらご勘弁いただきたいんですが、かつて20年ぐらい前に なりますが、海外労働事情で東南アジアの国をそれぞれ取り上げて、シリーズと いいますか、そのときは日本労働協会と呼ばれたと思うんですが、そういう記憶 があるんですが、間違いございませんでしょうか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  20数年前はそういったものも出していました。 ○谷川委員  実は実務を進める上で、具体的には海外進出をやる上で大変参考にさせていた だいた記憶がございまして、テーマをどういうふうに決められるか、なかなか難 しい問題もあると思うんですけれども、近ごろ、エマージング・エコノミーとか そういうことになってまして、私ども企業の立場から言いますと、インドとか、 ブラジルとか、ロシアとか、将来の飯の種を考えると出ていかなきゃいけないと いうような、そうなりますとやっぱり一番頼りになりますのは、機構のような、 いわゆる非常に中立的な立場といいますか、学術的な立場で労働市場を、数字の 面あるいは数値の面、あるいはそれぞれの現地で実際にリサーチされたというよ うな経験を基にした記述というのは、役に立つと申し上げると大変失礼なんです が、非常に参考になりますんで、もし次にテーマを決められることがございまし たら、そういう意見も参考にしていただきたいということだけでございます。 ○松田委員  資料の15ページですね。非常勤の研究員の採用、非常勤の大学の先生方9名活 用してますね。今の機構のレベルからいったら、もうこれは必要ないんじゃない ですか。機構だけで十分できる。なぜこんな外部の人を活用しなきゃいけないの か、お答えください。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  外部の9名の方々は、特別研究員ということで、今は研究活動への助言、アド バイスということをいただくような形で、研究そのものは、もちろん内部の研究 員が主体になりますが、もうちょっと高い立場からいろいろご助言をいただくと いうことも有効かと考えておりまして、この方々に特別研究員になっていただい ております。 ○松田委員  資料1−6の3ページ、研究組織体制がずっと書いてますよね。この5名の統括の 人たちを中心に、全部で40名ですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  今は40名切っております。 ○松田委員  目標も成果も全部高いですよね。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  はい。 ○松田委員  そこにまた外部の先生方を活用するなんて、要らないんじゃないですか。独自 でやればいい。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  特別研究員の方々には、私どもの研究に高い視点でいろいろとアドバイスをい ただくという形で、いろんな形でご助言をいただくという意味で、有効かと考え ております。 ○松田委員  一考を要しますね。 ○労働政策研究・研修機構理事長  補足をさせていただきたいと思いますが、先ほど私、ご説明いたしましたよう に、全体としては36のプロジェクトが動いております。それで、専任の者は、ど の時点をとるかによって多少数字が違いますんですけれども、大体、単純に割り ますと、1人が1つのプロジェクトを動かすというような性格が出てくるんですね。 ですから、今ご指摘いただきましたところですと、人が大分並んでいるようにご 覧になれますけれども、一つ一つのプロジェクトを誰が担当しているかとなりま すと、もちろん複数でやっている場合がございますし、それから1人で事実上や らざるを得ないというような、というのは厚生労働省からこういうテーマを例え ばぜひやってほしいというふうになりまして、途中からも出てまいりますので、 そういたしますと、実際そのテーマを受け得る、しかも、相対的なことですが、 比較的時間に余裕のある者が誰である、かれであるというふうになりまして、そ ういたしますと、しばしば時間に大きな制約があったりもいたしますので、実際 には外部の先生と一緒にやっていくというようなことが事実上必要になっている ということがあります。  ですから、21プラス15というふうに申しましたが、プロジェクト研究が21でご ざいますが、課題研究が15というふうに動いておりまして、研究者の数で申しま すと、今申しましたように1人当たり1.幾つという、こういう数字になっている と。ですから、かなり少ない人数で大きな数のプロジェクトを動かしてきている というのが実態でございまして、それから専門分野別に見ますと、例えば労働の 分野というようなところをとりますと、専門の研究者というのが総体的にやや少 ないとかいうようなこもあったりいたしまして、外のご助言、ご協力をいただく ということが必要なことだというふうに今は考えております。 ○井原部会長  研究者の足りなさをそれで補充すると、そういうふうに考えていいですか。 ○労働政策研究・研修機構理事長  ええ。そういうところがございます。 ○川端委員  今のところに関係するんですが、外部研究者等の研究参加で86人、これは大学 関係者が多いのは当然なんですけれども、労働問題で、労使関係者というのは実 はどういう人か分からないんですが、労働界の方が非常に少ない。これは何か意 識的にそういうことになってるんですか、それとも何か理由があるわけですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  これは86人の内訳、16ページのところでございますね。確かに86人の内訳とし ましては、大学の方56人、その他研究機関13人、民間の実務家17人ということで、 結果としてこういう形にはなっておりますが、特に労働組合の方を意図的に排除 するとか、そういうことではなくて、たまたま研究テーマとの関係でこういう形 に落ちついたと考えております。 ○川端委員  この年度はそうですが、今まではどうだったんでしょうね。かなり参加されて いるんですか、それとも同じような状況。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  これまでと大きな違いはないと思います。やはり外部研究者といった場合に、 外部の大学の研究者の方が中心であったかと思います。 ○今村委員  3つほどお伺いしたいんですが、最初の2つは、評価シート3から7までと、それ からシート14との違いですね。というのは、前者は研究で後者は研修だと思うん ですが、かなりやっている内容が違うと思うんですね。単純な質問として、マン パワーがどういうふうに違うのか。特に、先ほど非常勤の話が出てましたけども、 後者の研修に関してはどの程度の非常勤を入れてやってらっしゃるのか。前もこ れはお伺いしたんですけど、機構として蓄積されている知識が、例えば研修のほ うで十分生かされているのか、あるいは非常勤に頼っているのかというような体 制をお伺いしたい。  それから、その評価が、前者は有益であったかどうか、後者は有意義であった かという単純な質問なんですが、特に後者に関してはもう少し具体的に、どうい う業務に具体的に役に立ったとか、そういうよりフィードバックのしやすい形で の聞き方のほうがいいと思うんですが、その辺はどういうふうに改良されている のかということをお伺いしたい。  その2つです。まず最初の1つは研究と研修と人員の体制がどう違うのか。2つ 目は、評価の仕方について、それぞれについてどう具体的にきめ細かく対応して いるのかということ。  3番目は、ハイレベルの協議ということをされたんですが、ちょっと私、お話 を聞いているだけでは、具体的にどういうことをしたかということがもう少し分 からないんですが、具体的に政策研究という点から言えば、ハイレベルで協議す るというのはとても有意義だということは分かるんですけど、どういうふうに具 体的に有意義であったかということをもう少しお教えいただければと思うんです が、よろしくお願いします。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  まず、研修と研究のマンパワーの違いでございますが、研究は40名弱の研究員 が中心に実施してきておりまして、研修につきましては、約10名の教官で研修を 実施しております。この研修の教官の10名でございますが、やはり厚生労働省の 職員の研修ということもありますので、厚生労働省からの出向の方が中心になっ ております。  それから、研究と研修の連携についてでありますけれども、研修内容としまし ては、行政の研修ということもありますので、実務研修が中心になります。です から、アカデミックな研修とは違いますので、研究内容としましても、もちろん 基礎知識としまして、研究結果を一般論として享受するということもございます が、実は私どもの研究部門の一つにキャリアガイダンス部門というものがござい まして、これはどちらかというと研修技法について、例えば職業紹介の技法とか そういったことについて研究をしてる部門がございます。これはダイレクトに研 究内容というものが研修に役立つという関係になっております。  それから、3点目のハイレベル会合の内容でありますけれども、厚生労働省の 労働部局の審議官クラスの方々に各局から出ていただきまして、JILPT側は理事 長以下統括研究員まで含めた形で、例えば今後の中長期的な労働政策の課題はど んなものがあるのかとかについて、大所高所から意見交換を行い、来年度以降の 研究テーマを考える上での一つの有力な判断材料にしていきたいなと、そんなよ うな形で過去2回やってきております。 ○今村委員  それは具体的に研究成果に反映されているということですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  具体的に、個々の因果関係までは把握していませんが、やはり厚生労働省の現 在考えてる中長期的な課題は何かということを踏まえて、サブテーマの決定もし ておりますので、そういう意味では内容は反映させております。 ○宮本委員  昨年から政策研究にぐっと集中したわけなんですけれど、その結果についてど ういう評価をされてるかということを伺いたいんですけれども、1つは、JILPTと 他の研究諸機関とで、政策研究と基礎研究等々の配分に関してどのような評価を されてるかということ。  それからまた、研究を担当する研究員の皆さんたちが、満足度とか、あるいは 評価ですか、その辺りはどうなってるか、伺いたいんですが。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  ご指摘のように、以前は自主設定研究テーマというものがございまして、これ が大体研究の3分の1ぐらいの比率を占めておりましたが、ご案内のように、今回 は自主研究というものがなくなりまして、プロジェクト研究と課題研究になりま して、その意味では、自主研究の部分がごっそりなくなったという形の構成には なりますが、ただ課題研究とプロジェクト研究のうちの課題研究につきましては、 これは厚生労働省からの要請を受けた形の研究になります。プロジェクト研究は、 先ほどの資料1−6の1ページに体系図がございましたが、このプロジェクト研究 の(1)から(7)までの7つのテーマ自体は、厚生労働省からいただいたテーマにな りますが、その下にサブテーマを二、三それぞれつけまして、全部で21のサブテ ーマが19年度はございます。このサブテーマにつきましては、もちろん厚生労働 省のいろんなニーズも踏まえてはおりますが、基本的にはJILPT側でそれを咀嚼 した上で、JILPTの問題意識も反映させながらテーマ設定をした形になっており ます。その意味では、このサブテーマにおきまして、自主的な要素というのが入 り込んでると考えております。  研究員の受け止めでございますが、やはり自主研究というものがなくなったと いうことにつきまして、いろいろな受け取り方があるかとは思いますが、私ども としましては、かといって自主研究を復活するというわけにもいかないものです から、このプロジェクト研究のサブテーマ、プロジェクト研究自体は、ご覧いた だくとお分かりいただけるかと思うんですが、7つのテーマで労働分野全般をほ ぼカバーしてるようなテーマになっておりますので、この中で自主的にサブテー マを提案していくという形で、私どもの主体性というものを確保していきたいな と考えております。 ○井原部会長  1つだけ教えてください。この機構が独法化するときに、純粋アカデミックな 研究はやめようと、政策研究に特化しようということで始まったわけですね。と ころが、ここで外部からの非常勤研究員を見ますと、大学の研究者が主体になっ てるわけですが、そうすると逆に、純粋アカデミック研究のほうに引っ張られる んじゃないかという印象を受けるんですね。そうするとこれの選択、要するに非 常勤研究員を選ぶときに、きちんとその辺のことはやってらっしゃるかどうかと いうことをちょっとお伺いしたい。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  政策研究と言いましても、確かに純粋なアカデミックな研究はやめるというこ とでありまして、実際には例えば歴史的な研究みたいなものはもうやらないとい う形にはなりましたが、労働分野の研究につきましては、かなりテーマ自体が労 働政策といずれも密接したものになっておりますので、その意味で、大学の研究 者の方であっても、例えばこの9名の方々につきましては、いろんな形で政策の 企画・立案に関わった経験をお持ちの方も多い方々でございます。  その意味で、私ども意識的に大学の研究者を、そういう観点で厳密に選択する ということはないにしても、やはり問題意識とかそういったところから考えまし て、現在のような人選になりまして、政策研究という観点からしますと、さほど 問題は生じてないと考えております。 ○寺山委員  研究員が5名ほど減になって、40名ということで少なくなったにもかかわらず、 研修へも積極的に参加したり、厚生労働省その他にも積極的に柔軟に対応してき たというご報告で、大変結構なんですけれども、一方では研究員の立場に立って みると、自分の自主研究だとかそういうものが、プロジェクト研究のみというよ うなことで、前にも質問があったと思うんですが、引き続きモラルの点からとい うか、その辺のところは士気の点ではいかがな状況にあるんでしょうか、教えて いただきたいと思います。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  この点は昨年度もご指摘いただいたところでありまして、やはりモチベーショ ンの向上ということが、今、JILPTの研究においては非常に大事な課題だと考え ております。その意味で、先ほど申し上げましたように、サブテーマ、特にモチ ベーションという観点からしますと、やはり自主研究がなくなったということも 影響もございますので、1つにはJILPTの自主性、主体性というものをサブテーマ の設定の中できちっと確保していくということ。それと、研究環境をいろいろ整 備していくという観点で、例えば研究で出張に行くときのいろんな事務作業がご ざいますが、こういったものをなるべく軽減したりとか、いろんな形で研究員が 研究しやすい環境整備ということは、常々心がけてきております。 ○寺山委員  よろしくお願いいたします。 ○井原部会長  よろしゅうございますでしょうか。  それでは、次にグループ2に移らせていただきます。グループ2の評価は、所要 時間は、法人からの説明15分、委員の評定と質疑15分の合計30分となっておりま す。  それでは、まず法人から説明をお願いいたします。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  評価シートの8からになります。評価シートの8は情報の収集・整理についての 評価シートになります。29ページ以下にこのシートの評価の数値目標、評価の視 点が載っております。これを中心にご説明申し上げます。  まず、数値目標、評価の視点の1点目は、国内の情報収集・整理についての数 値目標、評価の視点でございます。この点につきましては、19年度におきまして、 収集した労働情報の引用・活用件数が182件ということで、年度目標100件を大き く上回りました。この年度目標100件ですが、これは第1期に比べて相当高い目標 数値になっております。ちなみに、第1期の該当する目標は毎年26件というもの でありました。これをある意味で目標自体を大きく上回った設定にしております が、それをさらに大きく上回った182件の引用を達成することができました。  引用されている引用先でありますが、労働政策審議会、雇用政策研究会などの 検討資料としての引用はもとより、例えば経済財政諮問会議の報告書などにも数 多く引用されております。  それから、数値目標、評価の視点の2点目でございますが、これは収集した労 働情報が政策研究へどのように活用されてるかという視点でございます。この点 についても、あくまでも私どもの情報収集・整理というのは、プロジェクト研究 を意識して、それの連携をとりながら情報収集をしておりまして、その収集成果 はプロジェクト研究等の有用な基礎データとして活用されてるところであります。  それから、評価の視点の3点目は収集した成果の普及状況でありますが、私ど もの収集した成果につきましては、新聞発表、ホームページ、メールマガジン等 で迅速に普及することにしておりまして、その結果としまして、引用件数182件 というような結果が出ておりまして、普及状況も適切だったと考えております。  それから、数値目標、評価の視点の4点目、具体的には30ページになりますが、 これは海外情報についての評価の視点、数値目標でございますが、私どもは、先 進国を中心にしました国別の情報の収集と並んで、4つのテーマについて政策課 題別の情報収集を行いました。この4つのテーマでありますが、例えば欧米諸国 における最低賃金制度に関する調査などでございますが、プロジェクト研究のテ ーマとの関連、あるいは喫緊の政策課題を勘案しながら、この4つを選定したと ころでございます。  それから、評価の視点の5点目は、内外の労働情報の活用状況でございますが、 やはり国内情報と同様、海外情報についてもプロジェクト研究等の基礎資料とい う形で蓄積・活用しておるところでございます。  また、海外情報につきましては、その普及状況が評価の視点の最後に載ってお りますが、これはホームページあるいは「ビジネス・レーバー・トレンド」とい うニュースレターで定期的に海外情報については提供することとしております。  28ページに戻りまして、このシートの自己評価でございますが、やはり白書等 への引用件数182件ということで目標を大きく上回ったことなどを勘案しまして、 自己評価をAとさせていただいております。  それから、評価シート9でございますが、これは各種統計データと図書資料に ついての評価シートになっております。このシートの評価の視点でございますが、 33ページ以下になります。  まず、評価の視点の1点目は、33ページ、34ページにわたりますが、統計情報 を基に有益な加工情報を作成しているかどうかという評価の視点でございますが、 私どもは、18年12月に人口推計が新たに出まして、それに基づいて、新たな労働 力の需給の推計を行いました。この労働力需給推計の結果については、例えば本 年2月に策定されました雇用政策基本方針の中でも、将来の労働力人口の見通し として引用されております。また、ワーク・ライフ・バランス推進のための官民 トップ会議というものがございますが、そこがワーク・ライフ・バランス憲章と いうものを作成する際にも、私どもの労働力需給推計結果を活用したところでご ざいます。  それから、私どもは定期的に「ユースフル労働統計」あるいは「データブック 国際労働比較」というものを統計情報を加工して作成しておりますが、これも大 変好評でありまして、有識者アンケートからは95.9%の方から有益であるという 高い評価をいただいております。  それから、評価の視点の2点目は成果の普及状況でございますが、私どもが収 集した統計情報については、刊行物あるいはホームページで迅速に提供しており まして、ホームページの統計情報のアクセス件数でございますが、これは年間60 万件を超える水準に達しております。  それから、評価の視点の3点目、4点目、これは図書資料についての評価の視点 でございますが、私ども、研究に役立つ資料を収集しようということで、市販さ れてない研究報告書等の積極的な収集を図ろうということで、300の研究機関に 寄贈依頼を行ったところでありまして、結果として約40の研究機関から定期的な 寄贈をしていただくという回答をいただいたところであります。また、図書資料 の有効活用という観点から言いますと、ホームページ等で私どもの資料センター、 労働図書館の積極的な広報に努めたところ、外部の来館者も19年度過去最高の数 に達したところであります。  以上を踏まえまして、33ページのこのシートの自己評価でございますが、Aと いう形にさせていただいております。  続きまして、36ページの評価シート10でございます。これは研究者の招聘・派 遣、海外の研究者の招聘と海外派遣のシートでございます。ご案内のように、私 ども、第2期に移行するに当たりまして、政独委の勧告の方向性を踏まえまして、 研究者の招聘・派遣については、質・量ともに厳正に実施するという形にしてお ります。  このシートの評価の視点でございますが、38ページからになりますが、まず評 価の視点、数値目標の1点目、2点目でございますが、これは研究者の招聘・派遣 の人数の目標でございます。招聘については、目標数値が5人以下、それから派 遣については8人以下というような変則的な目標になっておりますが、いずれも 19年度は招聘人数1名、それから派遣人数は7名ということで、目標どおりの人数 になっております。  評価の視点の3点目でございますが、38ページの一番下の欄のところでござい ますが、まず研究者の招聘でございますが、1名に厳選して選びまして、この1名 の招聘した研究員の方には、「日本とオランダの労働市場比較」というテーマで 研究を進めていただきました。その結果、プロジェクト研究にも様々な貢献をし ていただくことができたと考えております。また、研究者の派遣についても、例 えばEU財団の主宰するセミナーに参加して、EU各国の研究動向を把握してくると いったような派遣の成果も出ておりまして、政策研究に適切に反映してきてると いうように考えております。  それから、評価の視点の4点目、最後の評価の視点のところは、海外とのネッ トワーク形成についてでございますが、19年度におきましては、海外の研究機関 等とのネットワークの基盤づくりという意味で、私ども、たくさんの海外の研究 者あるいは行政関係者の当機構への訪問を受け入れました。全部で29件というこ とで、前年度の21件を大きく上回っております。内訳としましては、例えばOECD の調査団など様々な方々に来ていただきまして、将来的な研究のネットワークづ くりに貢献できたんじゃないかなと考えております。  ということで、この評価シートの自己評価でございますが、38ページでござい ますが、やはりこのシートについてもAという評価をさせていただいております。  それから、40ページの評価シート11でございますが、このシートは成果の普及 ・政策提言についての評価シートでございます。若干長いシートになっておりま すが、このシートの評価の視点については45ページからになっております。  45ページをご覧いただきたいと思いますが、私どもは、成果の普及ということ で、媒体としましては、ニュースレター、メールマガジン、それからホームペー ジと、主にこの3つを媒体としておりますが、まず数値目標、評価の視点の1点目 でございますが、これは研究成果の普及についての評価の視点でございますが、 私どもの研究成果の1つであります「キャリアマトリックス」という研究開発物 がございますが、この「キャリアマトリックス」へのアクセス件数が、19年度は 1,849万2,000件というような形になりまして、かなりの高水準を維持することが できました。また、それ以外の調査研究成果のホームページへのアクセス件数で ございますが、こちらも168万件ということで、過去最高の水準となりました。  それから、評価の視点の2点目、3点目はニュースレター、メールマガジンにつ いての発行回数あるいはアンケート調査評価の評価の視点でございますが、ニュ ースレターについては目標どおり毎月1回発行しました。また、メールマガジン は週2回の発行を実施いたしました。アンケート調査の結果、読者アンケートの 結果でございますが、ニュースレターについては、読者アンケートで95%の方が 有益であると評価していただきました。また、メールマガジンについても、読者 アンケートで98%の方から有益であるという評価をいただきました。ちなみに、 目標はそれぞれ80%ということで、この80%自体も第1期に比べますと、第1期は 70%ということでありましたので、高い水準を設定したところでありますが、そ れを大きく上回る有益であるという評価をいただいたところであります。  それから、46ページでございますが、ニュースレター、メールマガジンの内容 についての評価の視点でございますが、それぞれ、例えば時宜を得たテーマ設定 であるだとか、あるいは最新の労働情報が広範囲にコンパクトにまとめられてい るといったような高い評価をそれぞれ読者の方からいただいておるところであり ます。  それから、評価の視点の5点目でございますが、これはニュースレター、メー ルマガジンで研究成果を適切に普及しているかどうかということでありますが、 私どもは、「ビジネス・レーバー・トレンド」というニュースレターを出してお りますが、そこでの記事を見て、私どもの研究員、調査員に対して執筆・取材依 頼をするといったようなことが19年度も多々ございました。  それから、評価の視点の6点目は、メールマガジンの読者数でございますが、 メールマガジンの読者数というのは伸ばしていくのがなかなか難しいのでござい ますけれども、19年度2万5,234名ということで、前年度に比べまして803名もの 読者の増加を達成することができました。  それから、評価の視点の7番目から10番目、46ページの最後から47ページにか けてでございますが、いずれもホームページについての評価の視点でございます。 私どものホームページにつきましても、やはり適切なサイトポリシーの下で様々 な情報提供の改善の工夫をしてまいりまして、その結果としまして、46ページの ところにございますように、研究成果に対するアクセス件数が前年度よりも13% 増えた168万件というアクセス件数を獲得することができました。  それから、47ページの評価の視点の一番最後でございますが、これは日本労働 研究雑誌についての数値目標、評価の視点でございますが、日本労働研究雑誌に つきましても、有益という回答が有識者アンケートの中で92.8%の方から寄せら れております。  以上を踏まえまして、このシートの自己評価でございますが、45ページのとこ ろでございます。ニュースレター、メールマガジン、いずれも読者アンケートで 9割以上の方から有益であるという評価をいただいたこととか、ホームページで の調査研究へのアクセス件数が168万件にも及んだといったようなこと、こうし たことを踏まえまして、このシートも自己評価をAとさせていただいております。  それから、評価シート12でございますが、これは労働政策フォーラム、これも やはり成果の普及の一つの媒体でありますが、労働政策フォーラムについての評 価シートになっております。これについての評価の視点は、具体的には50ページ になります。  50ページをご覧いただきたいと思いますが、まず労働政策フォーラムを年間6 回程度開催という数値目標に対しまして、19年度は7回の開催をいたしました。  また、アンケート調査において80%以上の方から有益だという評価をいただい たということですが、19年度は91.0%の方から有益との評価をいただきました。  それから、評価の視点の3点目、参加者についてでございますが、やはり19年 度も多くの参加者を得ることができまして、前年度が平均200人に対して19年度 は216人ということで、数多くの参加をいただきました。  こうしたことを踏まえまして、50ページのこのシートの自己評価でございます が、やはりAというふうにさせていただいたところであります。  それから、評価シート13でございますが、これは労働教育講座事業についての 評価シートでございます。私どもは、労働政策研究の成果の蓄積を基礎にいたし まして、広く労使実務家を対象にしました東京労働大学講座というものを適正な 対価を得て実施しております。  この東京労働大学講座でございますが、まず総合講座と専門講座がございます が、52ページのところが総合講座について記述しておりますが、受講者数が前年 度408名に対して388名ということで、若干減ったものの高い水準の受講者を得て おります。また、受講者満足度も86.2%ということで、前年度を上回る9割近い 方から有益という評価をいただいております。  それから、53ページのほうは専門講座についてでございますが、これは受講者 数100名ということで、ちょうど50名ずつ、ゼミナール形式を意識しまして100名 という形にしておりますが、受講者満足度も、94.8%の方から有益であるという 評価をいただいております。  こうしたことを踏まえまして、53ページのこのシートの自己評価もAというふ うにさせていただいたところであります。  以上が2番目のパートのご説明であります。 ○井原部会長  ありがとうございました。  委員の皆様は評価シートへの評定の記入をお願いいたします。質問等がありま したらどうぞ。 ○宮本委員  特にどこということではないですけど、あえて言えば、例えば45ページの成果 の普及に関してでお聞きしたいんですけれども、成果の普及に関しましては、か なり努力されて、広く活用されているということが分かるんですけれども、今後、 この評価に際して、例えば国内の他の研究機関、労働部門じゃない研究機関です ね。そういうところと比較してどうなのかとか、あるいは海外のJILPTと同種の 研究機関と比較して、現在の成果普及等の活動がどのレベルであるのかというよ うなことも、一度なさるとよろしいのではないかと思います。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  検討させていただきます。 ○今村委員  政策との関わりについてお伺いしたいんですが、海外も含めて政策資料をいろ いろと、特に海外の政策資料を集めていらっしゃるということなんですけれども、 私が思うに、静的に、スタティックに集められる政策資料には限界があるのでは ないかという感じがいたします。つまり、ネットとか印刷されたものとかで政策 資料を集めるということは、今、現状で考えられている政策についてはフォロー ができないと思われるんですね。ですから、ダイナミックな形での、よりタイム リーな政策資料を機構を通じて厚生労働省に還元するという意味でのJILPTの存 在価値というのは、より高まるんではないかと思うんですが、実は私はEU関係で、 テーマは違うんですが、EUでいろいろ議論しているホワイトペーパーとかいろん なものを実際に会議の中に、間接的ですけど参加する形で常にフォローアップし てるんですけど、本当にどんどんどんどん変わっていくし、中には非常に優秀な ものがどんどん出てくるんで参考になると思うんですが、その辺の、直接そのネ ットワークの中に入り込んで常時フォローするというような体制はできていらっ しゃるのかどうかということをお聞きしたい。  それからもう一つは、国内との政策連携の問題で、労働政策フォーラムという のは大変おもしろい試みだと思うんですが、具体的に他省庁、特に労働政策に関 しては経産省、文科省等との連携が必要だと思うんですが、他省庁の政策立案者 とか、その人たちがどの程度関わって参加していらっしゃるのかということも、 うまくこれが機能すればいいなと思うんですが、その辺も教えていただければ。  以上2点です。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  海外情報につきましては、ご指摘の点、非常に大事な点だというふうに考えて おりまして、私どもはいろいろな制約もありまして、当初はかなり、20数カ国の 国々の情報を集めてきたわけでありますが、20数カ国の国々全部につきまして、 今、委員からご指摘のような深い情報を収集するというのはなかなか難しい面が あるということもありまして、比較研究といったことを念頭に置きまして、先進 諸国を中心にということで、第2期の移行に当たりまして対象を絞ったわけであ りまして、その対象を絞ったのは、そういう深い情報を国別にしっかり得ていき たいという思いもありまして、具体的には各国の、それぞれ国別の担当者なんか も決めるといったような形で、情報収集を現在進めておりますが、今、そういっ た意味で深い情報を得るための努力をしてる最中で、まだ完全なものではないと 思いますが、そういう方向で努力してまいりたいと考えております。  それから、労働政策フォーラムについてでございますが、やはり現在の労働政 策の課題というのは、厚生労働省だけではなくていろんな省庁が絡んでおります。 例えば若年者問題で言えば文科省とか、いろいろなところが絡んできております ので、私どものフォーラムにはそうした他省庁の方も、ちょっと時間帯の問題は ありますけれども、参加したりということもございます。そういう意味で、政策 課題をいろいろな視点から今後とも取り上げていきたいと思っております。 ○今村委員  もう少し具体的に、どのレベルの、つまり他省庁の方はどの程度政策決定に影 響力を持ってらっしゃる方が来てられるのか、そういうことは分かりませんか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  どのレベルの影響力をお持ちな方かの詳細を法人で把握することは難しいと思 います。 ○今村委員  結構です。もし分かれば。 ○井原部会長  深い情報をお集めになるという目標を持っているんだったら、労働というのは その国々の価値観とか文化とか、そういうものと密接に関わるわけですね。だか ら、その底辺にあります社会構造とか文化構造とか、価値観の構造とか、そうい う情報もついでに整理していただけると非常に役に立つと思うんですよ。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  はい。非常に大事な視点だと思いますので、努めてまいりたいと思います。 ○川端委員  労働大学講座で、総合講座と専門講座をおやりになっていますが、これについ てお伺いしたいんですが、受講料というのはどれぐらいいただいているのかとい うのと、それから、例えば人的資源管理・能力開発部門のコースというか講座が ありますけど、こういうのはほかのいろんな機関がおやりになっていますよね。 そこら辺りで、他の機関との整合というもの、要するに、必ずしもJILPTが率先 してやる分野でもないんではないかというような気がするんですが、そういうと ころも含めてお伺いしたいと思うんです。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  総合講座につきましては5万円でございまして、これはご案内のように、4月か ら8月までの期間で、それぞれ3つの人的資源・能力開発、労働経済・労使関係、 労働法、3部門を一括して受講した場合に5万円という形になっております。 ○川端委員  これは毎日ですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  いや、毎日ではなくて全部で30講義日でございます。 ○川端委員  非常に安いですよね。だから、ほかの民間がやってるようなところと、JILPT が行うのに、特に人的資源・能力開発に関しては、全部まとめてやるということ とであればいいのかなという気がしますけど、こういう部分はあえてやる必要が あるかどうか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  人的資源・能力開発というのは、総合講座の中で、その3つの部門の1つとして 行っております。ただ、民間との違いと言うと、あえて言えば、私どものほうは 一言で言えば、中立的な観点と言ったらちょっと言い足りないかもしれませんが、 民間の多くは経営という視点からやっていくという場合が多いかと思うんですが、 私どものほうは、人的資源・能力開発ということで、経営サイドからの見方だけ ではなくて、労働者サイドからの見方なんかも踏まえた形の、どちらかというと 学術的な観点も踏まえた講座になってるというふうに考えております。 ○川端委員  かなりの人数受けられていますけど、これは申込者全員なんですが、それとも 絞られてるんですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  19年度はこれがほぼ全員ぐらいでして、今年度はやや定員をオーバーしたよう な形はありますが、大体このぐらいの人数になっております。 ○寺山委員  大学なんかでも、オール日本の大学でも地域貢献ということで、うちの大学な んかでも豊島区へのオファーがきたりなんかして、研究成果物を公開講座とかい ろいろやりますよね。こういうことはJILPTとしては、地域貢献への研究成果物 の還元みたいなことはどのように考えて、またニーズはないんでしょうか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  地域貢献ということではございませんが、一つは研究成果の普及、例えば労働 政策フォーラムをとりましても、これは私どもの研究成果を普及していくという 意味では、地域社会という限定はございませんが、社会への一つの貢献というこ とであるかと思います。  また、今、労働大学講座については、これは有償ではありますけれども、やは り私どもの蓄積を社会に貢献していくという意味で、こうした講座もやっていま す。 ○寺山委員  もう一つ、私は保健医療関係なものですから、労働政策的には今、介護の問題 ですね。インドネシアの人が来るとか、それから医師不足とか、そういうことが 非常に気になってるということで、JILPTの守備範囲としてはこういう問題はや らないんですか。非常に素朴な質問で申しわけないんですけど。 ○労働政策研究・研修機構研究調整部長  介護も広い意味では、労働問題という観点から重要な問題となってきておりま すので、そういうことも視野に入れて取り組んでいきたいというふうに思ってお ります。現在も人口減少化社会の中での人材確保の観点から、介護の問題を取り 組めないかというようなことで、いろいろ中で検討して研究をしているところで す。 ○寺山委員  やってはいただいているわけですね。 ○労働政策研究・研修機構研究調整部長  はい。 ○寺山委員  ぜひ、守備範囲外かと思いましたので。 ○労働政策研究・研修機構研究調査部長  労働問題の観点から取り組んでいきたいと思っております。 ○寺山委員  ええ、そういう問題から。分かりました。 ○井原部会長  あとはよろしゅうございますでしょうか。  それでは、次のグループに移らせていただきます。  次は第3のグループで、その評価の所要時間は、法人からの説明が10分、委員 の評定と質疑10分、合計20分となっております。  それでは、法人からの説明をお願いいたします。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  まず、55ページの評価シート1でございます。これは業務運営の効率化につい ての評価シートになっております。これも少し長いシートでございますが、58ペ ージ以下に評価の視点が書かれております。こちらのほうを中心にご説明申し上 げます。  まず、58ページの評価の視点の1点目でございますが、中期目標期間中の支出 総額が中期目標の目標数値を達成できる状況にあるかという点でございますが、 私どもの中期目標では、18年度と比較して、23年度には一般管理費15%以上、業 務経費20%以上、人件費14%以上という高い削減目標が掲げられておりますが、 19年度の予算と決算を比較しますと、19年度予算に対しまして、一般管理費につ いては決算で7.5%、業務経費で17.1%、人件費で6%、それぞれ節減することが できました。こうしたトレンドを考えますと、十分に中期目標の数値目標を達成 できる状況にあるというふうに考えております。  それから、評価の視点の2点目は、省資源、省エネルギーでございますが、ま ず光熱水料につきましては、対前年度比、19年度も2.1%の削減ということで、 これは法人設立以降5年連続して前年度マイナスを達成いたしました。また、ペ ーパーレス化についても、前年度比20.9%ということで、こちらも5年連続で用 紙の節減を行いました。  評価の視点の3点目は、一般競争入札の導入状況でございますが、一般競争入 札の割合が前年度比で0.9%増加して55.5%、金額比では9.9%増加して70.7%に なることができました。また、私どもの19年12月に策定した随意契約見直し計画 におきましては、一般競争入札の割合を平成22年度までに、金額ベースで91%、 件数ベースでは87%というふうに大幅に拡大することを計画しております。  それから、評価の視点の4点目は、一般管理費、業務経費の縮減状況でござい ますが、まず、様々な省資源、省エネルギーの取組等によりまして、平成19年度 と比較して、決算で一般管理費7.5%、業務経費17.1%の節減となることができ ました。  それから、59ページのほうに移りますが、評価の視点の5点目でございますが、 情報通信技術の活用等による効率化でございますが、まず通信データ回線料につ いては、回線の見直しを行いまして、約7割以上の削減で、コストを3割以下に抑 えることができました。それから、電話通信料についてもIP電話を導入しまして、 前年度を24.8%下回る通信料の削減を果たすことができました。また、郵便料金 につきましても、民間メール便の積極的な活用を図りまして、32.9%の削減を達 成することができました。また、温室効果ガスの削減に向けての自主行動計画と いうものも19年度において策定しまして、率先して地球温暖化対策に取り組むこ ととしております。  それから、評価の視点の6点目は人員の抑制、人件費の削減でございますが、 私どもは、19年度は新たな採用を抑制して人員の削減を図りまして、人件費につ きましても、17年度と比較しまして4.4%、18年度と比較して6.3%の削減を果た すことができました。  それから、評価の視点の最後でございますが、役職員の給与の見直しでござい ますが、国家公務員の給与構造改革を踏まえた見直しに加えて、私どもは独自の 給与水準の見直しを行いまして、これを19年度も継続しております。事務職員の 本俸2%の削減、あるいは管理職手当支給率の削減、こうした独自の取組を19年 度も引き続き継続したところであります。  こうした状況を踏まえまして、57ページのところに自己評価を書いてございま すが、業務効率化についても自己評価をAとさせていただきました。  それから、60ページの評価シート2でございますが、これは業績評価システム についての評価シートでございます。  このシートの評価の視点は62ページ以下でございますが、まず、評価の視点の 1点目でございますが、業績評価制度についてのものでございますが、私どもは、 毎月、経営会議を中心として内部で業績評価を厳正に行っておりまして、それに 基づいた業務進行管理を行っておるところであります。  また、様々な評価結果、評価基準をホームページでしっかりと公表しておりま す。平成18年度の業務実績の評価結果、あるいは中期目標期間の業務実績の最終 評価結果、これらも全てホームページで公表しております。  それから、63ページの評価の視点でございますが、事業運営についての意見を 広く求めているかどうかということでございますが、19年度、新たにホームペー ジに「ご意見募集欄」というものを設けました。それからまた、引き続いて有識 者あるいは行政官を対象としたアンケートも行ってきたところであります。  また、こうした様々な評価委員会等の意見につきましては、経営会議で、対応 すべき今後の課題あるいは留意点を確認して、例えばモチベーションの向上を図 る人事制度の在り方の検討等、積極的な業務運営への反映を行ってきたところで あります。  以上のことを踏まえまして、評価シート2については、ほぼ計画どおりの実施 ということで、Bとさせていただいております。  それから、評価シート15でございますが、これは予算、収支計画、資金計画等 についての評価シートでございます。66ページ以下にこのシートの評価の視点が ございますので、これを中心にご説明します。  まず、66ページの評価の視点の1点目ですが、予算の範囲内で予算の執行をし たかということですが、平成19年度は予算に対して9.9%の削減となりました。  また、2点目は、各費目において計画と実績の差異についてでございますが、 それぞれ計画と実績の差異がどうして発生したかという理由を把握しましたとこ ろ、いずれも合理的な理由だということが確認できております。  また、3点目は運営交付金についてでございますが、運営交付金は費用進行基 準により執行しまして、交付金債務についても、経費削減等により生じた合理的 なものだというふうに考えております。  それから、利益剰余金についてが66ページの最後の評価の視点のところでござ いますが、当期はリース取引に伴う債務により損失が発生したところであります。  それから、67ページのほうに移りまして、利益の発生要因についてですが、法 人全体としては利益は発生しませんでしたが、勘定別の利益または損失の要因の 分析は行ったところであります。  また、6点目は借入金についてですが、借入金は発生しておりません。  また、7点目は剰余金ですが、剰余金も発生していないということでございま す。  66ページに戻りまして、このシートの自己評価でございますが、ほぼ計画どお りということで、Bとさせていただいております。  それから、68ページ、評価シート16でございます。これは人事についての評価 シートでございますが、69ページにこのシートの評価の視点、69ページ以下をご 覧いただきたいと思います。  まず、評価の視点の1点目ですが、優秀な研究員を確保・育成するための措置 を講じているかどうかという点ですが、私どもは、19年度、任期付研究員3名が 執筆した報告書3点のうち2点が外部評価で優秀と評価されるなど、その育成が確 実に進んでいるというように考えております。  また、70ページのほうに移りまして、評価の視点の2点目でございますが、先 ほどと重複いたしますが、外部人材としまして特別研究員の委嘱を行ったところ であります。  それから、3点目の業績評価についてでございますが、私どもは事務職員につ いても業績評価制度、能力評価制度を柱とした人事制度を運用しております。ま た、昇格者の決定に当たりましても、こうした評価結果を勘案して行ったところ であります。  それから、4点目は人員の抑制、人件費の削減でございますが、先ほど申し上 げましたように、19年度、新たな採用を抑制して人員の削減を行いました。また、 人件費についても、給与水準の独自の見直しの継続実施ということを行いまして、 結果としてラスパイレス指数ですが、事務職103.9、研究職100.1ということにな りました。  それから、5点目でございますが、専門的な資質の向上を図るための取組とい うことですが、平成19年度も社会人大学院就学支援制度に基づいて、事務職2名 を大学院博士課程に、それから新たに1名を大学院修士課程に派遣したところで あります。  評価の視点の最後は、人員の指標でございますが、人員の指標は計画どおりの 実施ということでございました。  以上を踏まえまして、このシートの自己評価、69ページをご覧いただきたいと 思いますが、自己評価をBとさせていただいております。  それから、71ページでございますが、評価シート17でございます。施設・設備 の整備についてですが、私どもの建物については竣工20年以上経過しておりまし て、これは法人本部と大学校、いずれもそれぞれ20年以上の経過がございまして、 老朽化が見られております。そのため、将来の大幅な負担増を避けるという意味 で、適宜改修、更新を行いまして、19年度も計画どおりの改修を行ったところで ありまして、この評価シート17についてもほぼ計画どおりの実施ということで、 Bとさせていただいております。  以上でございます。 ○井原部会長  ありがとうございました。  それでは、委員の皆様方は評価シートへの評定等の記入をお願いいたします。 ○松田委員  2つあります。54ページの一般競争入札、これを見ると随意契約が多いですよ ね。40%ぐらいあるでしょう。これは意識が薄いんじゃないですか。スピードも 遅い。これはどういうふうにするんですか。  2つ目は、64ページですね。人件費の比率、16年度は47.1%ですよね。5名減っ てるんでしょう。どんどんどんどん減ってくのに19年度は50.5%ですよ。増えて ますよね。これはどういうわけですか。 ○労働政策研究・研修機構経理部長  まず、一般競争入札のほうでございますけれども、確かにこの表では61件とい うことで、随意契約が多いようになってございますけども、基本的に、整理合理 化の閣議決定がなされましたのが18年12月ということで、それに基づいて今後の 計画、22年度までにいかように一般競争入札に持っていくかというような形で見 直しを行ってきたところでございますけども、19年度につきましては、その目標 を整理する段階では、既に4月ごろに契約の大半が終了してございます。したが いまして、20年の1月ごろから、でき得るものについては入札のほうに持ってい ったわけでございますけども、何分時期的に、それに甘んじたわけではございま せんけども、既に随契等で終了しておったという点がございます。  したがいまして、20年度、今年度につきましては、4月から年間契約をいろい ろやってございますけども、かなりな形で随意契約が減っていくというような形 に進めておるところでございます。  それからもう1点は、業務比率の人件費の関係でございますけども、これにつ きましては、65ページの表の下に若干コメントさせていただいてございますよう に、退職手当の増加というような形で、やめられた方の退職手当が増えましたの で、それによって、業務費用のうちの人件費の占める割合が増加したというよう なことで、50.5というような形でアップしたというところでございます。 ○谷川委員  ちょっと関連してなんですけど、退職費用って、引当等はとっておられないん ですか。 ○労働政策研究・研修機構経理部長  ここは、私どもは、全額運営費交付金で賄われるということで、退職引当金は 計上しなくていいという形になってございます。 ○松田委員  退職手当が増えて、このパーセンテージが3.4%も増えるんですか。ちょっと おかしいんじゃないですか。 ○労働政策研究・研修機構経理部長  ここは、先ほど来から削減のお話を申し上げておるところでございますけれど も、頑張って我々は削減に努力して、業務費用を極力下げるというような形でや っております。したがいまして、損益計算書上の業務費用、これが対前年度から どんどん下がってきております。それと相反して退職手当が増えるということは、 人件費のウエートがそこで上がってきますので、片方、総額で分母が減ってきて、 人件費が退職手当の増という形になりますので、若干、こういう形で増えておる というようなことでございます。  したがいまして、定年退職等が仮になければ、かなりここは改善されて比率が 低くなってくるんだと思います。 ○篠原部会長代理  3つほど質問させていただきたいんですが、まず1点なんですけども、55ページ で、ちょっと小さい問題ですが、省資源・省エネルギーの推進ということで、最 後のほうに、地球温暖化対策ということで、温室効果ガスの排出の抑制を対策し たということなんですが、今、地球環境というレベルで考えると、太陽光発電と か風力発電とか、もっといろいろと、もっと広い範囲で考えざるを得ないと。こ れは洞爺湖サミットでも言われて、ある大学の人が、もっと研究機関とか大学と か公的機関でも、こういうことに対して真剣に対応しなくちゃいけないという意 識が変わりましたと。だから、こういう研究機関も物すごく大事だろうと思うん ですが、僕が聞いてると、ある財団では、確かこういうものは8割は資金的に支 援してくれるということも聞いてますので、できるだけ積極的に、早急にやらな くちゃいけない問題だと思うんですが、その辺はどう考えますか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  確かに大事な点だと思います。私どもも今回、温室効果ガス排出抑制のための 実行計画を作りましたが、その中にも、太陽光発電の導入については、直ちに導 入ということではないんですが、検討課題としてしっかり位置づけております。 ○篠原部会長代理  2点目なんですけども、さっき、ワーク・ライフ・バランスへの基礎データを 提供したと。今回、総務省の政独委から、ワーク・ライフ・バランスの政策評価 について重点目標で厚生労働省に出されたんです。それで、ある会議に出ている ときに、官庁が一番バランスが悪いんじゃないかと言われてて、これは民間対象 だと思うんですが、それと、独法とか国立大学法人がそろそろ悲鳴を上げつつあ るんじゃないかという気がして、だけど民間から言えばまだまだという感じもあ るのか、その辺が我々は分からないんですが、先ほど寺山委員がモチベーション の話から言ったんですが、そろそろワーク・ライフ・バランスで実際どうなのか、 人件費は減らされて、給料も減らされて、その上いろんなことをやらされてる。 研究員等の自分たちの機関の実態調査というのはやられてるんでしょうか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  私も、ワーク・ライフ・バランスという角度からの実態調査は特にしておりま せんけれども、例えば育児休業制度なり短時間勤務制度に該当するような、例え ば部分休業とか、こうしたことについては、かなり十分な配慮をしてるんではな いかなと自負しております。実際、研究員も女性の方が数多くおりまして、そう いう意味で非常に貴重な戦力でありますので、十分、その方々がしっかり研究に 専念できるように、これまでも努力はしてきておりますが、また引き続きしっか りやっていきたいと思ってます。 ○篠原部会長代理  3点目、これは理事長さんに質問したいんですが、予算管理についてですけど も、私はこの会議より別途、大臣に対する財務に関する意見具申の関係で、2時 間くらい時間をとっていただきいろんな質問をさせていただいた。今年は実は監 事も同席してくださいということで、2人同席していただいて、非常に忙しいと ころをいろいろと話をさせていただきました。  なぜ今回監事さんもということは、小さく言えば運営費交付金の収益化が費用 進行基準だけしか使われてないと。費用進行基準だけしか使わないと、今、財務 省は目的積立金に余った資金を認めてくれません。目的積立金に積み立てないと、 いわゆるモチベーションアップでいろんな事業に対する、特に使えなくなっちゃ うんですね。恐らく去年味わったと思うんですが、余裕資金は全部国庫納付され たと。その中には当然、我々も見て、恐らく皆さんもそうだと思うんですが、か なり自分で努力した部分というのが一部あったと思うんです。それを認めさせる ためには、期間進行基準だとか業務達成基準というのを採用していただきたいと いうことで言ってるんですが、会計監査人が認めないとか、いろんな理由でずっ と延ばしてきた。  これは去年辺りから僕は強く言ってるのは、国立大学法人は期間進行基準が原 則で、業務達成基準も一部やられてるんですね。そうすると、当然、目的積立金 がありますので、今問題になってるのは国立大学法人で、目的積立金を早く使い なさいよという、やっぱりそれは聞くと、新たな研究目的だとか従業員に対する いろんなものに使うと。そういうものに使いますので、ぜひ費用進行基準以外を 使っていただきたいんですが、理事長さんにそういう話じゃなくて、予算管理と して、費用進行基準だと、従来の官庁予算と同じ予算消化型だろうと。それと、 費用進行基準というのは、それよりもっと僕は管理レベルが下がってるんじゃな いかという危惧があるんですね。  ですから、今言った制度としての運営費交付金の収益化基準についてはあるん ですが、もっと上の立場で、予算管理という立場でどう考えられてるのかなとい うのをお伺いしたい。 ○労働政策研究・研修機構理事長  幾つかお答えをさせていただきたいと思いますが、今、委員がお触れいただき ましたように、私の理解は、費用進行基準と申しますのは、他の基準を用いるこ とが難しいという場合の例外的なものであるというふうに理解はいたしておりま す。  その上ですけれども、私どもの機構の仕事の、特に一番軸になります調査研究 の仕事の中身を考えましたときに、ちょっと実態を幾つか申し上げたいと思いま すが、それぞれの研究員は、ご自分の専門分野、例えば高齢者雇用でありますと か、今お話がありましたようなことで申しますと、ワーク・ライフ・バランスの、 それも特に女性の、男も当然そうでございますが、子育てと仕事の両立とか、そ ういう個々のテーマをそれぞれに持っております。実際には勘定を超えて複数の プロジェクトに、1つだけ必ずしも関わるということではございませんで、複数 にクロスオーバーすることがしばしばございます。  それと、実際の調査研究の中身を、私も研究者でございまして、見ております と、個々のプロジェクトの進行を観察いたしますと、調査の方法ですとか、例え ばアンケート調査をやることだけでは不十分で、これはぜひ事例研究も補わない と全体像が浮き上がらないということもございますし、それから、アンケート調 査で言えば、端的に申せば、調査の項目をこれだけ設定したんだけど、実際には 個々の場面で、例えば今で申しますと日雇い派遣の問題というようなことで、派 遣の研究をやっていきますときに、それぞれ焦点を当てて、この点も解明すべき だというふうにして調査項目が増えましたり、それから調査対象を例えば300人 以上考えていたけれども、これは50人まで下げて明らかにすべきだというような ことが、これは厚生労働省の関係とのすり合わせの中でも出てまいります。  したがいまして、そのほかにも先ほど来ご説明いたしました課題研究で申しま すと、平成19年度の場合には、15のうちの3つが年度途中で要請を受けまして取 り組むことになりました。そういうことを考えますと、今申しますようなことが 実態なものですから、費用進行基準ということでやらせてきていただいたという ことでございます。  ただ、委員ご指摘になりますように、私どもとしては、費用進行基準以外の収 益化の基準をどういうふうにしたら採用可能であるかということは勉強しており まして、予算との関係も含めまして、厚生労働省あるいは会計監査法人のご指導 もいただきながら、検討を進めてきているというふうなところでございます。  その上で、予算管理のことでございますが、今の管理というのは、委員お触れ になりますように、費用進行基準というのは、端的に申しますと、国の予算の執 行の支出管理と変わらないということだと思います。それで、そういたしますと 法人の経営努力というものが決算になかなか反映されないような構造になってし まっているというのは、そのようなものとして理解をしております。  したがいまして、繰り返しになりますが、他の収益化基準の採用につきまして 勉強しております。それと併せて、管理会計の重要さということも私は理解して おりますので、それがどのような形で導入可能なのかということも併せて、現在 勉強している、検討しているところでございます。 ○川端委員  管理職手当についてお伺いしたいんですけれど、部長、課長、課長補佐を下げ た、削減したとありますが、課長補佐に管理職手当を出すというのは、これはど ういう意味があるのか。彼らは管理職手当をもらうことによって、いわゆる超過 勤務手当というのは出るのか出ないのか、そこら辺りはどういう位置づけになっ ているんでしょうか。普通、課長補佐に管理職手当は出さないですよね。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  この課長補佐の管理職手当は、従来7%ということで、課長になりますと従来 15%ということで、そもそもパーセンテージが相当違います。課長補佐について は確かに時間外手当も支給しておりますので、いわゆる国家公務員との若干の違 いは、その辺りにあると考えております。 ○川端委員  管理職手当という名目で出していて、一方で残業手当も出しているわけですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  一つには、管理職手当ということであっても、国家公務員と必ずしもイコール ではございません。部下を持つということもありますので、そういう意味で若干 の手当をするという形で、給与体系の中に入っているものであります。 ○川端委員  課長は出ませんよね、残業手当は。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  はい。 ○川端委員  そうすると、課長がこの率で、課長補佐が残業手当が出るとして、そこに管理 職手当が増えれば、そちらのほうが給料が高くなりませんか。そういう場合が多 く出てくるような気がしますけども。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  そこは、比率が15%、今はちょっと下がりまして10%と6%という形になりま したので、従来、15と7ということでかなりの差がございますので、その辺り、 これまでも目立った逆転現象は発生しておりませんが、ただ例外的には確かに出 てくる、部署によっては出てくる可能性もあります。 ○川端委員  今度大分縮まりますよね。そうすると課長補佐のほうが多くなるということも。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  その辺りは、配属された業務との関係もありますので、これまでのところ特段 の問題は出てはおりませんが、十分気をつけたいと思います。 ○松田委員  今の続きですが、管理職手当は支給率ですか、定額ですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  支給率です。 ○松田委員  支給率でやるから金額が高くなるんですよ。定額にしたらどうですか。民間の 企業はほとんど定額ですよ。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  その辺りはよく検討させていただきたいと思います。 ○松田委員  例えば60万の給料をもらってる部長だったら、15%でしょ。もしも30万の人だ ったら15%、そんなの駄目ですよ。定額にすればいい、定額に。部長という役職 はみんな同じなんだから。そういうところは一つも改善しませんね。だから給料 が高くなっていくんですよ。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  その辺りはよく検討させていただきたいと思います。 ○篠原部会長代理  すごく小さい話なんですが、この労働部会には高齢・障害者雇用支援機構とい う独法がありますよね。障害者雇用について当法人はどんな状況ですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  障害者雇用については、雇用率はクリアしております。 ○谷川委員  退職給付債務についてちょっと気になるものですから、引当金がとられてない というのは、独立行政法人で財務諸表を拝見すると、みんな引当金をとってるよ うに記憶してるんですが、違いますか。 ○篠原部会長代理  僕が答える。自己収入のある法人があるんですが、造幣局とか印刷とか病院会 計は引当金を立てて、公的資金で退職金を払うところは、今のところ財務諸表に 見積額は書いてあるんです。どのくらいの引当金か。だけど引当金は立ててない という状況ですね。 ○谷川委員  なるほど。失礼しました。ただ、すごく気になるものですから、団塊の世代が 退職するときに一遍に退職金が必要になって、えらいことになっちゃうなという 気がしたものですから、これはやっぱり。  それともう1点、69ページなんですが、真ん中辺にラスパイレス指数がありま して、研究職まで出てるんですが、これは国家公務員の、相手になる、比較の対 象になるところに研究職ってあるんですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  はい、ございます。 ○谷川委員  どういうことをやってる人なんですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  国家公務員の研究職というのが、一部国家公務員の中にも研究機関がございま す。 ○谷川委員  それは首都圏とかそういう都市圏にあるのが普通なんですか。都市手当を見て 調整するんですか。何かそういう調整手当がありましたですよね。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  はい。もしそれが都市にあれば、当然、都市手当ということも含まれておりま す。 ○谷川委員  ちょっと気になってますのが、国家公務員の方とこの研究職って、本当に比較 の対象でいいのかなという基本的な疑問があるものですから。やっぱり研究職の 方も、比較の対象として適正な対象を選んでもらって議論をしてもらったほうが、 ご本人にとってもいいのかなというふうに思ったものですから。  以上です。 ○今村委員  内部組織のガバナンスについてお伺いしたいんですが、機構、百数十名の職員 で、研究職40名ということで、多様な階層のいろんな職員の方がいらっしゃると 思うんですが、そういう人たちが目標を共有して組織目標を達成するというのは なかなか難しいと思うんですが、62ページ辺りを見ますと、独自の内部評価制度 を導入してと書いてあるんですが、具体像がちょっと見えないということと、そ れが外部評価とかいろんな形で、外部有識者のアンケートということで、データ はたくさん外から評価はおとりになっているんですが、それが今申し上げた内部 評価とどうリンクしているのか、活用されているのかというところが、いまひと つ不明確だという感じがいたします。  先ほど来出てる組織内のインセンティブといいますか、モラルをどういうふう に維持するかということと関連すると、やはり多様な階層の職員が目標を共有す るということは、ガバナンスの意味でも大変だと思うんですが、その点について、 内部評価をどういうふうにしてらっしゃるかということ。  もう一つは、これは後でまた最後のところで出てくるかもしれません。コンプ ライアンスの問題で、内部通報者保護規程というのは多分つくられたと思うんで すが、これについては具体的にどういうふうに書かれているか教えていただけれ ばと思うんですが。  以上2点です。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  まず、業績評価の内部評価制度についてでありますけれども、これは毎月、経 営会議を中心としまして各部門の業績評価を内部で行っておりまして、やはり評 価シートをつくっておりまして、この評価シートは、今回ご覧いただいてます評 価シートに準じた形でやっております。ですから、ポイントとなる目標数値だと かその辺りを明示した上で、それがどの程度毎月達成してるかという形で内部評 価を実施しております。 ○今村委員  外部評価はいろいろとデータをとられてるんですが、それは内部評価にそこで 生かされてる、目標設定で生かされてるということですね。落とし込まれている ということですね。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  そういう形になります。当然、ここのシートをそのまま転用するような形にし ておりますので、そこで当然外部評価も組み込まれる形になっております。  それから、コンプライアンスの内部通報規程でございますが、大分長いものに はなりますけれども、職員の窓口、規定としましては、どこに窓口を設けるかと か、内部通報調査委員会をどういう形でつくるかとか、あと手続も定めておりま す。 ○今村委員  処遇等についての保護規定だけでいいんですけども、内部通報者が出た場合の 当該者に対する保護だけで結構なんですが。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  はい。その規程の中に、機構は、相談または内部通報を行った者に対して、そ れを理由として解雇その他いかなる不利益取り扱いも行ってはならないというこ とは、明記しております。  あと、2番目としまして、機構は、通報者等の職場環境が悪化することのない よう適切な措置をとらなければならない。不利益取り扱いや嫌がらせを行った者 がいた場合は、就業規則に従って処分を課すといったような規定になっておりま す。 ○宮本委員  68ページの2のところに、職員の専門的資質向上ということで書かれておりま して、2名を大学院博士課程に、それからもう1人、修士課程に派遣というふうに 書かれておりますけれども、職員の水準を上げていくということは長期計画の中 に出ておりましたけれども、こういう形で博士課程まで、社会人大学院就学規則 ということで行った場合に、その後に関して、要するに研究員と、それからこう いう形で博士課程まで出る職員との間で、どういう形でその後区分けというか、 分担が行われていくのか、その辺りを伺います。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  大学院就学支援制度の主な利用者は、19年度もそうですが、事務職の人間でご ざいまして、当機構では、内部的に事務職から研究職への転換制度といったもの もございますので、そういう形で研究員に転換を目指す方もいます。また、仮に 研究員への転換をしないにしても、事務職の中でリサーチ職という形で、特に情 報収集とかいろんな調査に関わっていくと、そういう方々もおりまして、そうい う方々については、リサーチ職としての専門知識というものを向上させるという 意味もございます。 ○宮本委員  リサーチ職の場合に、マスターというのは分かりますけれども、これまでマス ターレベルの話だったような気がしてたんですけれども、博士課程まで行くとい った場合に、リサーチ職と研究職とで、その訓練の内容に何か違いがあるのでし ょうか。それとも同じなんでしょうか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  やはり博士課程まで行かれる人の場合には、研究職への転換ということを視野 に入れてる方もおりますし、リサーチ職であっても、より深い知識が必要な場合 もございますので、必ずしも研究職にならないとしても、それなりの意義はある んではないかと思います。 ○宮本委員  そういう点では、大学院に派遣する場合には、個別個別のケースの中で決める というやり方をしているということですよね。ある基準があってということでは なくて。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  一応、一律の基準はもちろん設けてございますが、実際、その人にこの制度を 認めるかどうかというのは、受講する科目だとか、その人のキャリアパスとかを 考えて、最終的に決定するという形になります。 ○宮本委員  分かりました。 ○井原部会長  よろしゅうございますでしょうか。  それでは、次に移らせていただきます。  グループ4、業務実績評価関係資料についての評価を行います。所要時間は、 法人からの説明15分、委員の評定と質疑15分の合計30分となっております。  それでは、法人からの説明をお願いいたします。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  それでは、資料1−2に基づきましてご説明申し上げます。  まず、1ページ目、目的積立金に関してですが、当機構は、当期総利益の計上 もございません。積立金の申請もございません。  それから2ページ目、保有資産についてでございますが、保有資産については 見直しの検討を行い、点検を行いました。その結果としまして、保有する合理的 理由が認められない土地・建物はないということを確認しております。また、建 物の効率的な活用、自己収入の増加という観点から、食堂、売店施設、それから 自動販売機設置の賃料について、平成20年度から有償化することといたしました。  それから、3ページ目でございますが、官民競争入札についてですが、現在、 労働大学校施設の管理・運営業務について、官民競争入札の活用を検討しており ます。具体的には、民間競争入札実施要綱の素案を作成の上、7月1日に内閣府公 共サービス改革推進室に提出したところであります。9月下旬からの管理委員会 の審議を経て、来年の3月までに委託業者を決定することとしております。  それから、4ページ目でございます。コンプライアンス体制の整備についてで ございますが、取組状況としまして、当機構は平成18年度にコンプライアンス委 員会設置要綱を策定しておりますが、19年度はこの要綱を見直しました。この見 直しに加えまして、19年度からコンプライアンス研修の拡大・強化に努めまして、 19年度は個人情報保護、セクハラ・パワハラ、知的財産権、服務規律の4テーマ の研修を実施したところであります。また、コンプライアンス委員会において、 評価・点検も19年度は2回実施したところであります。  取組についての自己評価でございますが、19年度、このように新たにコンプラ イアンス研修を実施したり、あるいはコンプライアンスの推進状況について評価 ・点検を実施したことによりまして、コンプライアンス体制の大幅な整備が図ら れたと考えております。その結果としまして、機構の職員にコンプライアンスに ついての理解促進を図ることができたのではないかと考えております。  それから、5ページでございます。役職員の報酬・給与の状況でございますが、 当機構の対国のラスパイレス指数100を超えておりますけれども、理由としまし ては、主たる勤務地が東京都であるということ、あるいは事務職員の約93%が大 卒以上であるということでございまして、これらを調整した後の指数としまして は103.9ということで、国とほぼ均衡してると考えております。  ただ、当機構におきましては、研修ということが事業の内容としてございまし て、その性格上、研修教官等国からの出向を受け入れております。この出向職員 についても、もちろん国家公務員に準じた給与の支給を行っておりますけれども、 通常の国家公務員の1種試験相当採用者の在職割合が約6.38%に対しまして、私 ども機構では、出向者における1種採用者の割合が40%と高いこともありまして、 機構事務職員全体に占める1種試験相当採用者が13.7%ということで、通常より も高いということも、給与水準の高くなっている理由と考えております。  それから、少し飛びまして、19ページの随意契約の状況でございますが、平成 19年度の実績は、一般競争入札の競争入札のほうが69件で、件数の割合として 50.4%、企画競争7件、5.1%でございました。金額はそれぞれ、56.4%、それと 14.3%となっております。  同一所管法人との取引は1件のみです。  20ページのほうに移りまして、随意契約の見直し計画の実施状況でございます が、随意契約によることができる基準額については、すべて国の基準と同額とし ておりますけれども、契約情報の公表基準については、一部国の基準に合わない ものがありましたので、19年11月に予定価格の公表というものを追加しまして、 国の基準と同等といたしました。  それから、18年度に締結した随意契約73件について、見直し計画では22年度ま でに20件までに減少するということにしておりますが、19年度においては73件の うち4件を取りやめ、かつ17件を競争的契約に移行したところであります。  また、具体的な取組状況としまして、(5)のところでございますが、システム機 器等の賃貸借及び保守における新規契約においては、複数年度契約を行ったとこ ろであります。また、随意契約の適正化について、3月に内部監査も行いました。  それから、19年12月には企画競争の調達要領等を規定しまして、職員に周知も 行ったところでございます。  1ページ飛びまして22ページで、取組についての自己評価でございますが、若 干重複いたしますが、随意契約の公表基準について、19年11月に規程を改正して、 国の公表基準と合わせました。  また、18年度の随意契約73件について、19年度の当初の計画では取りやめ4件、 移行10件ということでありましたが、見直しの早期着手ということをしまして、 21件の見直しを行うこともできました。  結果として、19年度の随意契約比は44.5%ということで、前年度を1.5%下回 ることもできました。  ということで、見直し計画達成に向けて着実な前進が図られていると考えてお ります。  以上でございます。 ○井原部会長  それでは、委員の皆様は評価シートへの評価等の記入をお願いいたします。何 かご質問があればお願いしたいと思います。 ○篠原部会長代理  保有資産の検討で、朝霞でしたか、講義室があると思うんですが、あれを民間 に貸すという検討というんですか、民間はいろんな研修等をやって、安いところ がなかなかないと思うんですが、その辺の検討はされたかどうか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  朝霞の研修棟のことですか。 ○篠原部会長代理  そうです。教室を。今100%使ってるとは思えないものですから。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  教室自体でございますか。夏休みの期間は別ですが、教室については複数の研 修が行われておりますので、スペースとしては余裕はないかと思います。いろん な研修が複数並行して走っておりますので、かなりタイトな状況だと思います。 ○篠原部会長代理  先ほどのこちらの個別評価シートのほうで、随意契約、監視委員会が設けられ てて、確か年4回と書かれてましたが、この委員会は外部の委員がおられるかと いうことと、先ほど松田委員が指摘しましたように、多いじゃないかということ で、本当に有効なのかという疑問があるんですが、どのように評価されています か。 ○労働政策研究・研修機構経理部長  委員会の中は内部の人間でございます。  それから、多いということに関しましては、この表にございますように、平成 22年度の状況については、最終的に20件までやるということにしておりますので、 現在、20年度においてはその大半を消化できるような見通しでございますけども、 ただリース期間があるようなもの、これについては来年、再来年、切れ次第入札 にかけるとか、そういったことでやってございますので、見た目は61件という形 になっておりますが、これは先ほど申しましたような状況にございましたので、 20年度終わりましたら、かなりな数値になると思います。 ○川端委員  コンプライアンス体制は、書かれているんですが、中身が分からないんですけ ど、コンプライアンス体制のポイントだけ教えていただければ。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  まずコンプライアンス委員会でございますが、コンプライアンス委員会につき ましては、もちろん委員長は理事長になっていただきまして、原則として毎年度 4回開催するという形にしております。ここで、先ほどもありましたようにコン プライアンスの推進状況をチェックしていくということになります。  このコンプライアンス委員会とは別に、コンプライアンス研修というのは随時 行っておりまして、こちらのほうも大事かなと思いますが、これは19年度は4回 行いましたけれども、機構にとって大事な法令について、定期的に、4テーマぐ らいのテーマで、毎年やっていきたいと考えております。 ○川端委員  マニュアル等もつくられているんですか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  マニュアルというか、コンプライアンス委員会の設置要綱とか、それから内部 通報規程とか、この辺りは整備しております。 ○川端委員  過去、何かそういう問題が出たような事例はございませんか。 ○労働政策研究・研修機構総務部長  コンプライアンス委員会がつくられてからは、特にそのような事例はないです。 ○井原部会長  あと何かございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。  それでは、評定等の記入が進んでると思いますけれども、まだ終わっていない 委員の方で、本部会が終了した後に会場にお残りになって記入したい、または評 価シートをお持ち帰りになって記入したい等、ご希望なされる方は、本部会終了 後、事務局にお声をかけていただければと思います。よろしくお願いしたいと思 います。  次の議題に入る前に、法人及び法人所管官の入れ替えをお願いいたしますので、 ここで10分ほど休憩をとりたいと思います。 (休  憩) ○井原部会長  それでは、雇用・能力開発機構の個別評価に入る前に、冒頭に申し上げました とおり、国民から寄せられた意見につきまして、これを法人に対してご質問等が あればお願いしたいと思います。何かございますでしょうか。  それとも、法人からこの質問について答えられるところを答えていただきまし ょうか。  では、それをまずお願いしたいと思います。 ○雇用・能力開発機構企画部長  それでは、簡単にお答えさせていただきたいと思います。  1ページ目の業務の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置、雇用開 発業務、建設事業主を優遇しているように見えるというところでございますが、 事務局の注釈をつけてございますように、法律上、雇用改善が立ち後れていると いうような観点から、建設労働者の雇用の改善等に関する法律が定められており ます。これを受けまして、雇用・能力開発機構法におきまして、この業務をやる というふうに規定されているところでございます。  それから、次のページでございます。離職者を対象とする職業訓練について、 委託訓練の実施でございますが、1つには、民間企業に委託した業務に対しての 評価は正しく行われているのか、それから受講者が習得した職業能力のチェック はしているのかということでございます。これについてはきちんとやっておりま す。詳しくは後ほどご説明させていただきたいと思います。  それから、飛びまして下の経費の削減、人件費でございます。従業員の職務内 容、キャリアで比較すべきであろうというラスパイレス指数のご指摘でございま すが、注釈にございますように、これにつきましてはガイドラインに基づいて実 施をしているところでございます。  それから、最後のページになりますが、随意契約の見直しについてでございま す。これも後ほど資料をご覧になっていただきながらご説明を差し上げたいと思 いますが、随意契約の金額ベースの比率をドラスティックに下げる努力をすべき ということでございます。当機構におきましては、随意契約の金額の大きい雇用 振興協会への委託。それから職業訓練の民間教育訓練機関への委託、これが件数 が多うございます。これについて19年度から20年度にかけて企画競争へ移行する 努力をしてございます。したがいまして、19年度にはドラスティックな数値は出 てまいりませんが、20年度からこの数値があらわれてくるというふうに考えてお ります。  説明は以上でございます。 ○井原部会長  そのほかに何か追加的な質問、この点に関しましてございますか。よろしゅう ございますか。  それでは、雇用・能力開発機構の個別評価に入ります。  最初に、丸山理事長からご挨拶をお願いいたします。 ○雇用・能力開発機構理事長  理事長の丸山でございます。今年の3月に、民間企業からこの雇用・能力開発 機構に転じてまいりました。まだ不慣れな面が多々あるかと思いますが、今日は どうぞよろしくお願いいたします。  この評価委員会では、毎たび、当機構の事業推進について大変貴重なご助言等 をいただき、当機構の運営に反映させていただいていると伺っております。本日 もどうかよろしくお願いしたいと思います。  詳細内容の会議に先立ちまして一言ご挨拶申し上げたいと思いますが、お手元 の資料2−4、平成19年度雇用・能力開発機構業務運営の重点項目、この資料をご 参照いただきながら、私の話をお聞きいただきたいと思うんですが、私どもの機 構は職業能力開発と雇用開発がコア事業でございます。今中期目標期間における 基本方針というのを、項目Iに4つ挙げてございます。  第1点は、離職者等に対する能力開発機会の格差是正と雇用のセーフティネッ ト機能の発揮ということでございます。現在、失業者は、約270万人いるという ふうになっているわけでございますが、このうち公共職業訓練を必要とされる人 に対して、いつでも、どこでも受講機会が提供できるように、私どもの施設内あ るいは民間の訓練施設で適切な訓練コースを設定し、離職者等が早期に再就職で きるように努めているところでございます。2番の項目の右のほうにありますが、 平成19年度も約11万人の離職者を訓練し、かなりの高い就職率をもって再就職し ていただくことができました。  第2点は、中小企業等の産業振興のための人材育成・能力の高度化ということ でございます。中小企業は慢性的な人材確保難がございます。また、従業員の能 力向上のための教育訓練に必要な指導者あるいは教育設備が不足しているという 問題がございます。当機構は、中小企業の在職者が受講しやすいように、短期間 での訓練コースを体系的に実施したり、必要に応じて指導員人材を私どもから提 供したりしてございます。平成19年度も5万人を超える中小企業の在職者を訓練 いたしました。  第3点は、フリーター等不安定就労者に対する総合的な支援ということでござ いまして、フリーターは、幸いといいますか、年々数が減少しており、平成15年 度に217万人というふうに推計されたわけでございますが、平成19年度は181万人 というふうに、少しずつ減少しているということでございますが、しかしそれで もまだ多い人数でございます。我が国の深刻な課題の一つだという認識を持って おります。殊に25から35歳の年長フリーターの就労状況の改善の進みが遅い、あ るいは15歳から24歳の若年層の失業率が7.1%と非常に高いものがあると。我が 国の労働力人口がどんどん減少していく中で、こうしたフリーターあるいは若年 層対策は喫緊の課題であるという認識を持っておりますが、当機構は平成16年度 から日本版デュアルシステム訓練を実施しております。また、そういうスキルの 訓練のみならず、勤労意欲をどう高めていくかという意識づけ教育も行っており まして、職業的自立を支援しているところでございます。  平成19年度も、そこに数字が若干出てますが、足しますと3万人の若者に訓練 を行い、かなり高い就職率を達成している状況でございます。  第4は、中小企業の雇用創出、雇用管理改善等の促進ということでございます。 中小企業というのは我が国の経済産業活動で重要な役割を果たしているところで ございますが、多くの中小企業では人材確保・職場定着に大変苦慮している状況 でございます。雇用管理の改善に関する相談と助成金支給というものを一体的に 実施して支援しているところでございます。こうした当機構の活動に、事業主の 皆様からは高い満足度を得ておるというふうに思っております。  以上のような基本方針、運営方針の下で、個々の日常業務を展開しているわけ でございますが、業務の質の向上、訓練内容のリニューアル等を図るべく、PDCA の管理サイクルを的確に回しながら改善に努めております。また、県等の地方公 共団体や民間教育訓練機関との役割区分の明確化や、地域社会との連携を図りな がら業務を推進してございます。  資料の一番下の項目III、業務運営の効率化ということで、一部データを出して ございますが、一般管理費や業務経費の削減は、人件費の削減や訓練用機器のリ ース方法の見直し等々を実施して、平成18年度比9.1%の削減が実現いたしまし た。また、常勤職員数の削減も、経理業務の集中化等の改善により、平成18年度 に比べ170名の減員となっております。  詳細はこれから担当からご説明いたしますが、19年度の自己評価について私か ら一言申し上げますと、就任いたしまして、自己評価の内容をいろいろ、過去の 経緯を聞きましたんですが、当機構の過去の自己評価というのは、ほとんどの項 目がB評価ということでございました。19年度は評価委員会からの事前のご指示 もありましたように、定量的評価について、目標達成のレベルに応じた有意差を 定性的評価の充実度合いと合わせて、メリハリある自己評価にすべきであると指 示いたしました。その結果、18年度の業績評価はA評価が6項目、B評価12項目と いうことであったんですが、19年度はS評価2項目、A評価9項目、B評価7項目とな りました。これから後ほどよくご説明しますので、どうぞ評価委員会の皆様方の ご判事をよろしくお願いしたいと思います。  最後でございますが、当機構は、その存廃自体を年内に決めるということにさ れているわけでございます。多くのご批判には、反省すべきは反省し、改善すべ きは改善してまいりますが、今申し上げてきましたコア事業について、当機構の 役割はますます重要であるというふうに認識しております。私どもの存在意義を エビデンスを示しつつ明確にアピールしていくべきだと考えております。職員の モラールアップに努めながら、雇用・能力開発機構の再生に取り組んでまいる所 存でございますので、委員の皆様の一層のご指導とご支援をお願いしまして、私 の挨拶とさせていただきたいと思います。  本日はどうぞよろしくお願いいたします。 ○井原部会長  ありがとうございました。  これからの進め方でございますけども、雇用・能力開発機構の個別評価につき ましては、評価シートの個別項目を3つのグループに分けまして、さらに業務実 績評価関係資料を1グループとして、合計4グループをグループごとに評価したい と思います。  まず、グループ1についての評価を行います。所要時間は、法人からの説明が 15分、それから委員の評定と質疑15分、合計30分ということになっております。  それでは、法人からの説明をお願いいたします。 ○雇用・能力開発機構企画部長  企画部長の加藤と申します。よろしくお願いいたします。  それでは、資料2−1、業務実績評価シートについてご説明を申し上げます。実 際の説明に当たりましては、資料2−5、説明資料というのを用意してございます。 これをもちまして説明させていただきたいと思います。  なお、評価の視点につきましては全部盛り込んでございますので、よろしくお 願い申し上げます。  それでは早速、1ページでございます。評価シート1、雇用開発業務(相談、セ ミナー等)でございます。  雇用開発業務につきましては、募集・採用配置、労働条件、それから安全・健 康管理などの人材確保や職場定着に資する相談内容へ重点化いたしまして、業務 を実施いたしました。  取組方法といたしましては、ホームページあるいはパンフレット等で積極的に 周知を行い、雇用管理相談につきましては4万3,516件、雇用管理改善セミナーに つきましては650回を開催し、2万2,748人が受講したところでございます。  右の囲みにありますように、当委員会からのご指摘を踏まえまして、アンケー ト調査方法の見直しを行うとともに、調査結果を分析、各施設におきまして雇用 管理ケース会議を開催いたしまして、課題を検討するなどの業務改善を図り、業 務の質の向上に反映するよう努めました。例えば、聞きたいことが十分に聞けな かった、あるいは取組事例、説明を聞きたかった、期待していた内容と違ったと、 こういうような意見に対しましては、下のような業務改善につなげております。  こうした見直しのサイクルにより、左のピンクの囲みになりますが、相談、セ ミナー等を受けた事業所の満足度、80%以上という目標値でございますが、相談 では98.9%、セミナーでは95.4%の方々から、雇用管理改善を進める上で役に立 ったという評価を得ております。さらに、利用後3カ月経過時点のフォローアッ プ調査では、「雇用管理改善の取組を行った又は行う」との回答が86.6%に上っ たところでございます。  下から2つ目の囲みになります。新規の指標でございますが、相談、セミナー を受けた求人充足率、目標値25%以上に対しましては、相談では33.8%、セミナ ーでは25.0%。さらに、労働者の離職率、相談では11.7%、セミナーでは9.8% となり、数値目標を上回ったところでございます。  2ページにまいります。建設事業主等に対する雇用管理の改善に関する相談等 につきましては、ピンクの囲みにありますように、雇用管理相談あるいは雇用管 理研修終了後に雇用管理の改善の取組を行ったものあるいは行う予定といったも のの割合を80%以上にするということでございました。利用後3カ月経過時点の フォローアップ調査では、91.2%という結果となっております。  また、沖縄県における離職者等に対する援助につきましては、相談援助の満足 度80%以上に対して、98.9%の満足度を得ております。  以上が評価シート1でございます。当委員会からご指摘をいただきましたアン ケート調査に基づく業務改善を行いまして、業務の質の向上に反映させる取組を 実施いたしました。また、雇用管理相談や雇用管理改善セミナーに関する満足度、 それから求人充足率、離職率など、全ての目標値について計画を上回る実績を上 げましたが、アンケート調査の結果を含めまして計画を大幅に上回ったとまでは 言えないという判断を行いまして、自己評価をAとしたところでございます。  3ページは評価シート2でございます。雇用開発業務関係助成金等の業務でござ います。  利用者に対する十分な制度の周知・説明による利便性の向上と、中段の茶色い 囲みにございますが、不正受給防止への取組を柱といたしまして業務を実施いた しました。  制度の周知・説明では、制度の変更につきまして7日以内にホームページで公 表したほか、申請の手引き等を作成し、説明会や事業主等への配布・周知を行い、 インターネットを通じて質問を受け付け、よくある質問につきましては回答をホ ームページで公開したところでございます。このような取組を行い、説明会につ きましては2,597件、参加者7万6,112人、個別の相談6万4,275件を実施いたしま した。  右の囲みにありますが、アンケート調査による業務改善に向けた取組を行い、 こうした結果、左側にございますが、説明会の理解度80%以上に対しまして、 88.9%の方々から説明内容が理解できた旨の評価を得ました。  茶色い囲みになりますが、不正受給防止対策といたしましては、不正受給防止 マニュアルの遵守の徹底、助成金担当職員への研修603回実施、疑義のある事業 所207件を含め、可能な限り直接事業所訪問を3,223回実施いたしました。また、 都道府県労働局と連携いたしまして、雇用保険関係データとの照会を実施するな どにより、不正受給の防止に取り組んだところでございます。  なお、建設事業主等に対する助成金につきましては、積極的な広報活動の実施 などにより、新たな指標でございましたが、目標値2%以上に対しまして、新規 申請者の対前年度増加率は40.0%の増加となっております。  以上が評価シート2でございます。新たな指標であります新規申請者の対前年 度の増加率が40%という高い実績になりましたが、これについてはもう1年様子 を見てみたいと考えております。これ以外の説明会理解度、不正受給防止への取 組につきましては、計画に概ね合致した実績との評価を行いまして、自己評価を Bといたしました。  4ページは、評価シート3、連携及び効果的な訓練の実施についてでございます。  効果的な職業訓練の実施といたしまして、機構におきましては、技術革新等に 対応した職業訓練を実施するため、PDCAサイクルにより、訓練コースについて不 断の改廃を実施し、効果的な職業訓練の実施に努めております。  Planの部分では、訓練ニーズの把握を行い、カリキュラムや訓練コースの設定 を行います。Doの部分では、効果的な訓練を実施いたします。さらに、Checkの 部分では訓練効果の評価と問題点の把握を行います。そして、Actionの部分では カリキュラムや訓練コースの修正を行い、こうしたPDCAサイクルにより、次年度 の訓練計画に反映させているところでございます。  次のページになります。PDCAサイクルにおける関係機関等との連携等について でございます。  左の囲みにありますように、連携につきましては、全国の施設において就職促 進能力開発協議会を開催いたしております。都道府県労働局や都道府県等の方々 で構成し、就職促進に向けた訓練受講者や修了者に対する情報提供、あるいは就 職支援体制の連携や協力の在り方等について協議を延べ103回実施いたしました。  右の囲みでございますが、前のページのPDCAサイクルのPの部分に訓練コース の設定の審査の方法についての記載がございます。その方法でございますが、各 都道府県におきまして、有識実務者、民間教育訓練機関、都道府県等の方々で構 成する訓練計画専門部会というのがございます。ここにおきまして、各施設から 半径40キロ圏内において、都道府県や民間教育訓練機関等が実施する訓練との競 合がないか、あるいは訓練ニーズを踏まえた訓練コースの設定としているかなど について審査をしていただき、離職者訓練や在職者訓練を実施しているところで ございます。  こうした結果、下の囲みにございますように、訓練コースの見直し状況といた しまして、離職者訓練につきましては、80科を廃止し、91科について内容を変更、 改廃率は32.1%になります。また、在職者訓練につきましては、廃止1,761コー ス、内容変更667コース、改廃率67.4%となりました。なお、この結果につきま してはホームページで公表しているところでございます。  以上が評価シート3でございます。関係機関との連携による就職促進能力開発 協議会や訓練計画専門部会の開催、さらにはPDCAサイクルによる訓練コースの不 断の見直しを行い、離職者訓練では32.1%、在職者訓練では67.4%の改廃を実施 し、効果的な訓練コースの実施に努めました。計画を上回る実績を上げたとの評 価を行い、自己評価をAといたしました。  次のページは評価シート4、離職者訓練についてでございます。  施設内訓練におきましては、主に民間では実施していないものづくりの訓練コ ースに特化して実施するとともに、民間で対応可能な訓練につきましては、民間 教育訓練機関への委託訓練を積極的に推進し、雇用のセーフティネットとしての 機能を発揮しているところでございます。  中段の緑の囲みでございますが、施設内訓練の就職率につきましては、目標値 80%以上について81.9%、委託訓練の就職率につきましては目標値65%以上に対 しまして71.4%となり、中期計画の目標値を大きく上回る結果となっております。  また、右下にございますように、有効求人倍率が全国平均1.02倍に対しまして 0.53倍という、雇用情勢が厳しい北海道、青森、秋田、高知、長崎、鹿児島、沖 縄の7道県におきまして、施設内訓練におきましては80.6%、委託訓練では72.4 %という極めて高い就職率を維持し、地域の雇用対策に貢献しております。この ような高い就職率を実現するために、就職に結びつく取組を徹底して行いました。  7ページをご覧ください。まず適切な訓練コースの選択が挙げられます。訓練 受講希望者等に対しましてキャリア・コンサルティングを実施いたしまして、本 人の適性、意欲、能力等を十分に把握した上で、就職に資する訓練コースの受講 に結びつくよう支援を行っております。  また、就職支援における取組といたしまして、訓練受講中はハローワーク等の 求人情報を訓練生に提供いたします。また、職業能力開発施設では、詳細な求職 者情報を独自に作成し、その情報を求人企業へ配布することなどを通じ、求人開 拓を実施しております。さらに、就職内定後は、希望者に対して就職先の仕事の 内容や使うこととなる機器に合わせまして、即戦力化のための追加指導を実施し ております。また、民間に委託しております訓練の受講生に対しましても、就職 支援といたしましてキャリア・コンサルティングを実施するとともに、委託訓練、 委託先への巡回指導を1万351件実施いたしまして、訓練の進捗状況の管理等を行 っており、こうした取組により高い就職率を実現しているところでございます。  以上が評価シート4でございます。就職に結びつけるために、適切な職業訓練 コースの選定、就職支援への積極的な取組、ものづくり分野に特化した訓練コー スの効果的な実施により、雇用情勢が非常に厳しい7道県を含めまして、施設内 訓練81.9%、委託訓練71.4%という高い就職率を実現いたしました。計画を大幅 に上回る実績を上げたとの評価を行いまして、自己評価をSとしたところでござ います。  8ページは、評価シート5、高度技能者養成訓練でございます。  高度技能者養成訓練につきましては、我が国の中小企業を中心とするものづく り産業を担う高度な技術を持った若年人材の育成を目的としているところでござ います。  職業能力開発大学校等におきまして、1年次から就職ガイダンスやキャリア・ コンサルティングなど、きめ細かな就職支援等を実施し、併せて、生産現場を体 験するインターンシップなどのカリキュラムを取り入れて訓練を行った結果、 98.4%という非常に高い就職率を達成しております。  また、職業能力開発大学校では、上から3つ目の囲みになりますが、広く地域 社会に開かれた施設運営の一環といたしまして、地域産業の抱える技術開発等の 課題解決のために、産業界との共同研究を53件、受託研究を21件行いまして、地 域産業に貢献しているところでございます。また、その成果・ノウハウにつきま しては、総合制作実習などの訓練教材に有効に活用しているところでございます。  左下に共同研究の事例、右下に受託研究の事例について記載をさせていただい ております。  次のページでございます。さらに、職業能力開発大学校では、指導員による地 域への貢献といたしまして、地元の工業高校等への支援を前年度の3倍の219件実 施いたしました。  左の中段にあります事例では、東海職業能力開発大学校におきまして、地域の 工業高校等に対しまして体験講座を実施しております。また、右のほうの事例で は、近畿職業能力開発大学校におきまして、指導員を派遣いたしまして、「ロボ ット技術とものづくり」をテーマに講習を実施したところでございます。  左下になりますが、地域におけるものづくり振興への支援といたしまして、全 国でものづくり体験教室を202回開催いたしまして、参加者総数は1万9,691人を 数えております。  このように、職業能力開発大学校の指導員が持つノウハウや機構が保有する設 備・機械といった資源を有効に活用することにより、地域社会に大きく貢献いた しました。  以上が評価シート5でございます。職業能力開発大学校の専門課程及び応用課 程におきまして、98.4%という非常に高い就職率を達成いたしました。併せて、 共同研究53件や受託研究21件を実施したほか、工業高校等への支援を前年度の3 倍に当たる219件実施するなど、広く地域社会に開かれた施設運営にも努めたと ころでございます。計画を大幅に上回る実績を上げたとの評価を行い、自己評価 をSとしたところでございます。  説明は以上でございます。 ○井原部会長  ありがとうございました。  それでは、委員の皆様は評価シートへの評価等の記入をお願いいたします。ま た、ご質問があればどうぞ、お願いしたいと思います。 ○松田委員  訓練コースで、廃止が80科、内容変更91科、在職者も廃止が1,761、内容変更 667、これ、昨年もこういうふうに出てましたよね。これどうするんですか。一 貫性や継続性はどうなんですか、受講者の。ころころ、ころころ変わりますね。 ○雇用・能力開発機構理事長  これは変わるべきだというふうに行く方向が正しいんじゃないかと思いますが ね。 ○松田委員  いやいや、それは違いますよ。それは間違ってますよ。 ○雇用・能力開発機構理事長  では担当部長から。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  このほかに、離職者訓練では133科新設しております。在職者訓練では、見直 しの後、1,321コース新設しております。平成19年度が532科ですけど、平成20年 度当初585科で訓練をやろうとしております。在職者訓練についても3,162コース 用意しております。 ○松田委員  毎年変わるというのは、一つも固まってないんじゃないですか。そんなに毎年 毎年変わらなきゃいけないんですか。 ○雇用・能力開発機構理事長  変わらなきゃいけないでしょうね。教育ニーズというのは。 ○松田委員  それは違いますよ。そんなの。 ○雇用・能力開発機構理事長  同じコースが毎年変わるんではないですよ。 ○松田委員  それは違いますよ、廃止とか内容変更でしょ。 ○雇用・能力開発機構理事長  同じコースの教育を転々と変えるんじゃないけども、あるジャンルの中の個々 のコースというのは当然変わります。 ○松田委員  そんなばかなことないですよ。 ○雇用・能力開発機構理事長  変えるために変えるんじゃなくて、ニーズに応じて変化するというのは。 ○松田委員  そんなに毎年変わらなきゃいけないニーズがあるんですか。 ○雇用・能力開発機構理事長  変わりますね。私も民間で随分教育訓練をやってきましたけどね。 ○松田委員  そんなばかなことないですよ。 ○雇用・能力開発機構理事長  ばかではないです。 ○松田委員  何しゃべってるんですか。 ○雇用・能力開発機構理事長  それは、だけど好き好んで変えてるわけではないです。必要に応じて変える。 ただ、新規のものももちろん生まれるし、従来どおりのものももちろんあります。 これは教育訓練の場の何の不思議もない現象です。 ○松田委員  それは違いますね。教育に対する考え方が違う。 ○雇用・能力開発機構理事長  違うとは一概には言えませんね。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  1つ言わせていただきたいことがありまして、我々、今、ものづくり特化とい うことを言われてます。今、そちらのほうのものづくりの訓練科、こちらのほう を重点的にやっていこうということで、今までの民間でできる科、それを廃止し ているところでございます。  もう一つは、4ページにありましたように、PDCAサイクルということで、実際 の事業所の求人ニーズ、これをとらえながら、コースを変えていってるというこ とがございます。  今、理事長から話がありましたように、とにかく企業の求人ニーズ、また人材 育成ニーズ、これをとらえながらコースの改変をやっていると。その大きな方針 としては、1つはものづくりの特化ということを考えてやっております。この結 果、これだけの変更があったということです。 ○雇用・能力開発機構企画部長  資料のつくり方もちょっと工夫しないといけないんですが、当然、改廃を中心 に書かせていただきましたんでこういう表現になっておりますが、ただいま理事 長が申し上げましたように、新しいもの、あるいは内容を一部変えてやってるも のもございますので、そこのところはご斟酌願いたいと思います。 ○松田委員  その次、就職率がありますよね。かなり高い就職率だけど、半年、1年、1年半、 2年後どうなってるんですか、この就職した人が。辞めてるんですか。それを調 べてるんですか。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  今までの指示として、体系的にはこれは継続的に調べるという言い方はしてお りません。ただ、サンプル的に少し調べてみたんですけれど、離職者の訓練は、 中小企業に就職し、半分弱の方々はその企業にいるといった結果も上がってきて います。まだ体系的に、そういう継続的な調査とまではいっておりません。 ○松田委員  ぜひそれをやってください。この前、中小企業大学校の広島校でやったんです よ。フリーターには4年かかるそうです、4年。やってないでしょ、それ。ただ就 職しただけじゃ話になりませんよ。本当にやってますよ。4年も我慢してやって るんだと。 ○宮本委員  このシートの6ページ目で伺いたいんですけれども、この右下の表なんですが、 7道県平均で求人倍率が0.53という厳しい中で訓練をやった場合に、80.6%とい う数字が出てるんですけれど、この数字の中で分からないのは、施設内訓練をす る必要のある、要するにニーズを持ってる人がどのくらいで、そのうちの機構が どのくらいの人を対象にして訓練をしたのかということが分からないですね。つ まり、ニーズを持ってる人はかなりいる中のあるわずかの部分を拾って、それで やって就職率8割上げたということであると、これは余り評価できないというこ とになりますよね。その点では、6ページだけでなくて、今ご説明のあった全て の就職率達成というのが、母数がよく分からないので評価できないのではないか と思うんですが、いかがでしょうか。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  ここの、就職率と訓練をする人がどうなってるかという話、実態として申し上 げますと、施設内で行う訓練と民間の教育訓練機関を活用する訓練、2つの方法 があります。我々、平成19年度、概ね12万人程度の訓練の枠を用意したと。それ に対して21万人の方が応募されてます。これはまず最初、求職者という格好なん で、ハローワークのほうで職業相談を受けます。その中で、訓練を受けたほうが よろしいだろうという訓練の必要性がある方々、こういう方が21万人応募してお ります。その結果、入所したのが11万3,000人の方が入ったと。  これにつきまして、今、我々のほうでは、訓練の意欲とか就職意欲、こういう ものを見るために、入所の選考ということをやらせていただいております。その 結果が11万3,000人という格好になってます。今言ったように、訓練を受ける必 要がどれだけあるのかといった場合に、機構としてハローワークから送られてき た数の21万人と、この辺りが必要じゃなかろうかと考えております。 ○宮本委員  ちょっと加えてですけれど、そうすると、ハローワークの段階で何らかの判定 が行われ、選別されてくるわけですね。そうしますと、機構はものづくりに特化 するという方針でというか、前提でやっているのですけれども、機構がやるべき 対象者と、それから民間がやっている部分と、その辺りの全体として、ものづく り分野に関して職業訓練がどのくらいうまく果たせているのかどうか。つまり全 体の見通しですね。その辺りのところは評価の中でなさっているんでしょうか。 いつもこういう数字を伺うんですけれども、全体としてどううまくいっているの かどうなのかというのが、なかなか分からないところがありますので、お願いい たします。 ○雇用・能力開発機構企画部長  明確な回答になるかどうかよく分かりませんが、ただ今うちの部長が話しまし たけれど、応募者数と入校者数、離職者訓練でございますが、約1.7倍というふ うな数値が出てございます。これ、逆数を掛けますと約6割となります。ちょっ と粗い感じでございますが、機構の中での応募者、それから入校者というような 形で言えば、逆数的には約6割のカバレッジになってるんじゃないかなというふ うに考えているところでございます。 ○宮本委員  そうすると、残りの4割はどうなるんですか。6割がカバレッジだと、あと4割 の人はどういうふうになるんですか。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  今、我々の訓練の総量、これにつきましては、当然ながら厚生労働省のほうで 数を決めていくわけです。その中で、ハローワークのほうで訓練が必要だという 人がいて、結局、4割の人が受けられなかったということだと思いますけれど、 確かに大きな施設で訓練のコースが様々用意できるというようなところについて は、いろいろ次回のコース、こういうのを提供しているところはあります。もう 一度、これはハローワークのほうに戻って相談していただいて、就職活動または 我々の訓練に再度来られているという方もおられます。  そこの多いか少ないかという話になると、なかなか私たちもはっきり言えない んですけど、現在、入所選考という方法で、本当に就職意欲が強い方とか目的意 識が強い方ということを選んでいると。民間でできるものは民間で、例えば管理 事務とか、ITのアプリケーションですね。それから介護とか。我々のほうは、も のづくりの機械とか金属ですね、そういう格好で人材ニーズを選びながら用意し ているという格好です。 ○宮本委員  分かりました。 ○川端委員  ニーズを把握する場合に、事業主団体等から意見を聞くというのは当然なんで すけど、それぞれの企業でどういう人が必要だから、そういうニーズを把握して、 そして訓練して送り込むと、これはいい。もう一つ、離職者等の、彼らが何をし たいのかと、そちらのほうのニーズも、もしそちらのニーズで企業と合わなけれ ば、それは全国にするのか、あるいは新しい仕事をつくるということも念頭に置 くのか、彼らのやりたいことというのも、それがうまくマッチングすれば一番い いんですけど、そちらのほうのニーズ調査というのはどういうふうにされている んでしょうか。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  今おっしゃられたように、我々は、4ページ、PDCAサイクルを回しながら企業 の調査はやってきております。で、今言った求職者のニーズという話があります けど、コースは用意します。それに対して我々は、能力開発支援アドバイザーと いう職員がいまして、彼らがキャリア・コンサルティングという中で、訓練受講 希望者が相談してきます。その中で適切なコースを誘導していくという格好にし ております。そういう求職者のニーズといいますか、希望、これは支援アドバイ ザーの相談の中でコースを決めていっているという格好です。 ○川端委員  これは数の問題ですけど、離職者のニーズを見てコースをつくるということじ ゃなくて、コースを設定して一番合うところに送り込むという、こういう流れに なるわけですか。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  やはり就職ということを考えた場合には、企業の求人ニーズという、要するに ハローワークの求人票の職務がありますよね。企業が何を求めていると、そこか ら我々はコースの設定、離職者訓練をしております。 ○川端委員  それは理屈はそのとおりなんですけど、でも今の若い人たちはいろいろ癖があ りますから、彼らの好み、あるいは彼らがやりたいような仕事を創造するような 働きかけとか、企業のニーズがあるからそこに必要なものを送り込むという、片 側だけだと、ちょっと何か足りない部分が出てくるんじゃないかなという気がす るんですけど、いかがでしょうか。 ○雇用・能力開発機構理事長  先生のご質問に対するお答えになるかどうか分からないですが、私、まだ5カ 月なんで新米なんですが、そもそも就職するために職業訓練を受ける、あるいは 技術・技能を修得するというのは、自助努力なんですね。自助努力の原則だと思 うんです。それを、本来は自助努力だけれども、ある意味では社会的に経済的に 困難だとか、いろんな環境で、能力があり意欲があっても訓練を受ける機会を得 られない人に、国がセーフティネットの一環としてその手を差し伸べる、支援す るという、そういう原則で、目的は、就職させる、これは離職者訓練の場合です が、再就職させるということが最大の目的。だから、何を勉強したい、かれを勉 強したいというのは、それは自助努力でやればいい、そこまでは押さえないけど も、そういう離職者訓練で雇用保険をもらう、その間に何とか再就職させようと いうシステムですから、いわゆる一般的な教育、学校教育を含めた教育訓練とは、 ちょっと私は、範囲というか、テリトリーが違うように思うんですね。  だから、まずここは、二十一、二万人そういう希望者がいて、ただ、うちの施 設が、さっきご質問があったけども、11万人しか対応できてないという、そうい う限界はもちろんあるんですが、それに対する対応を考えなきゃいかんという面 もあるんですが、そもそもは、いわゆる学校教育というか、受ける側のニーズよ りも、いかに就職させるかと、それは訓練ニーズを、これをやれば就職できると いう産業界の実態を反映しているコースづくりだというふうに理解していただく とよろしいんじゃないかと。私もそのように理解しております。 ○川端委員  それはそのとおりなんですが、例えば、離職者で就職したい人はともかくとし て、フリーターあるいはニートみたいな人たちが、そもそも働く意思があるかど うかという、何をしたいか不明確、そこに支援はしないのかという話なんです。 ○雇用・能力開発機構理事長  フリーターに対する単なる、さっきも触れましたけど、スキル教育だけじゃな くて、勤労意欲の、それもかなりの時間を実は割いているのが、このデュアルシ ステムなんかの基本なんですね。フリーターの教育といわゆる離職者の再就職、 コースの中身もちょっと違って用意している、そういう状況ではございます。 ○雇用・能力開発機構企画部長  先生、7ページの上に、訓練受講希望者に対してキャリア・コンサルティング を実施すると、こういうような綿密な相談をすることもありますが、この後の説 明になりますけど、12ページに若年者対策というところがございます。ここのと ころでは、いわゆる日本版デュアルシステムということで、35歳未満のフリータ ーの方、あるいは年長フリーターと呼ばれる方々に対しまして、今までのフリー ターとしてのキャリアとか、そういうものを踏まえたような訓練を用意するとい うようなやり方も、若い人の部分についてはさせていただいているところでござ います。 ○川端委員  そうですね。だから、別に今、離職者で3年以内にやめていく人たちは、長年 勤めて何か問題があってやめていくんじゃなくて、要するに何をしていいか分か らんからという、そういう人たちがたくさんいて、そこはフリーター・ニートと それだけ大きな差がないレベルの人が結構いる可能性がある。そこのところに企 業がこういう人材を求めているからその訓練をしてあげますよ、だけでうまくフ ィットするのかなという、そういう心配が一部あるということで、結構でござい ます。 ○今村委員  具体的な数字で、例えば就職率と書いてありますけど、この中で、例えば派遣 元などに就職したケースというのはないんでしょうか。  それから、これは先ほど出ました雇用保険の支給の条件になるわけですよね。 そうすると、例えば就職したけども、あと定着率とかそういう問題についてもど の程度把握されているのか。つまり、就職させるんだけども、その質についてど の程度把握されているかということをお伺いしたいということです。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  就職について、6ページですか、常用労働者の割合というのが出ておりまして、 我々としては、常用と派遣業といいますか、この辺りで、施設内訓練における常 用労働者の割合が76.2%と、この辺りが質の話になろうかと思います。定着率に ついては、松田委員言われたように、今後ともやりなさいということなので、今 からそれをやらせていただきたいと思います。 ○谷川委員  ちょっと分からないので教えてもらいたいんですが、資料2−3の161ページの ところに、運営施設等があって、都道府県センターとか職業能力開発促進センタ ーとかあるんですけど、都道府県センターの165ページの説明を見ますと、1つは 能力開発に関する各種の相談支援、各種助成金の支給等に加え、職業能力開発促 進センターとの統合と、こう書いてあるんですけど、多分、職業能力開発大学校 という、164ページにある部分については、これは学校だろうと思うんですけど、 都道府県センターというところでは訓練はやるんでしょうか。訓練施設を持って るんでしょうかというのが1つ。  それともう一つは、結局、施設ってアイドリングしますので、使われない確率 が、使われなくなったりいろいろしますので、逆に言うと利用率なんですけど、 利用率を把握するというようなことはやっておられるんでしょうか。  その2点なんですけど。 ○雇用・能力開発機構企画部長  先生おっしゃられますように、職業能力開発総合大学校は相模原にございまし て、この後。 ○谷川委員  また後で出てくるんですか。 ○雇用・能力開発機構企画部長  はい。そこは職業訓練指導員を養成する、あるいは。 ○谷川委員  知りたいのは、各県とか地域別にある、ここでも訓練施設を持っているんでし ょうかということです。 ○雇用・能力開発機構企画部長  はい、持ってございます。都道府県センターと職業能力開発促進センター、こ れは物理的な統合をいたしまして、1人の所長の下で、都道府県センターの機能 といたしましては、相談、援助あるいは助成金の支給、それから本当の訓練所と いいますか、職業訓練の実施をしていると、そういう一元化をして組織を。 ○谷川委員  あと、その次の質問は、管理指標として利用率みたいな把握はされてるんでし ょうかということなんです。 ○雇用・能力開発機構企画部長  これは保有資産の関係もございまして、これからの取組になると思いますが。 ○井原部会長  何人ぐらい訓練してるのか、そういうことでしょう。 ○谷川委員  そうなんです。8時・5時の間でどれぐらい使ってるのかなという、やっぱり持 ってないと、施設そのものがアイドリングしてももったいないんで、そういう視 点を入れていただいたほうがいいと思いますけど。 ○雇用・能力開発機構企画部長  実習場と、教室みたいなところもございますんで、調べるなりしてみたいと思 います。 ○今村委員  別の視点なんですけど、情報の周知徹底のことで、一方的に送り出すという点 では、見てると必ずしも、7ページですか、全体として目標数値は80%以上の理 解とかいうことで達成したというふうにされてるんですけども、例えば(ハ)の (ii)などでは、「大変理解できた」が13.2で、「理解できた」が75.7とか。こ れです。大きな資料です。こちらです。資料2−1ですね。これの7ページの例え ば(ハ)の(ii)とか。つまり、理解できた、浸透してるということで80%と評 価をされてるんですけども、「大変」とつく部分が意外に少ないなという印象が あるんですね。  それについてお伺いしたいのは、一方的に情報を送り出すという努力は非常に 重要だと思うんですが、例えばマイナスの評価とかそういうものが、組織にどう フィードバックしているかとか、あるいはクレームなど、あるいは要望などが、 つまり逆方向の情報の流れについてはどの程度努力されていて、それが理解度の 向上とか、制度の周知徹底、場合によってはそれが改善のためのフィードバック として、厚労省にまでフィードバックするとか、そういう逆方向の情報の流れは どうなんでしょうか。 ○雇用・能力開発機構企画部長  先生おっしゃるとおりでございまして、アンケート調査の結果が高いというふ うになってございますが、実際のところを見ますと、4段階でございますが、1と 2、どちらかというと2のほうが多くて、トータルで80、90となっているものが結 構ございます。  それで、先ほど評価のところで申し上げましたけれども、数値は高いんだけれ ども、アンケート調査の結果を含めてAの評価。本当ですと、90いけばSというよ うなことになるかもしれませんけれども、まだまだそこは改善の余地があるとい うことで、1つ下の評価をさせていただいているということで、問題意識として は持ってございます。 ○今村委員  フィードバックされた情報は組織の中で共有されてるんですか。 ○雇用・能力開発機構企画部長  しております。これは、1ページあるいは3ページということでございますが、 右側にございますが、アンケート調査の方法を変えて今取り組んでございますが、 こういったことで改善事例を行っているわけでございますが、これについて、施 設なり、あるいは本部に集約してお返しをしているというやり方をさせていただ いております。 ○本寺委員  資料の8ページですね。評価シート5の就職率98.4という数字があるんですが、 前年度はこれは何%だったのかというのと、あと、この数字自体がベンチマーク したい、例えば高専だと大体どのくらい就職しているんだと、それに対して明ら かにこれを受けた人たちのほうが優位性のある就職率なのか、それを確認したく て、そういう参考資料を教えていただけますか。 ○雇用・能力開発機構大学校部長  就職率でございますが、私どもの専門課程、応用課程、合わせた就職率が98.4 %、専門課程だけを見ますと97.8%、応用課程が99.4%。つまり、両方合わせた 就職率として98.4%というふうに計上しています。個々の教育機関、今、手元に あるのは、例えば19年度の文科省の大学、理系で98.5%、それから短大で94.6%。 なぜ大学と短大なのかと言いますと、専門課程がちょうど短大と同等の修業年限。 それから、応用課程になりますと4年間ですので、大学と98.5%と比較という形 でございます。  それで、就職率でございますが、文科省も私どもも同じように、就職希望者に 対する就職者という形で就職率を出してるわけですが、私どものほうは、基本的 に職業訓練でございますので、入校者は全て就職希望者というふうにとらえてい るわけでございます。したがって、例えば病気等で自主的に就職をしなかったと か、そういった者は、私どもは就職希望者の分母から外してはいないわけです。 文科省の場合は、自己的な都合で就職しなかったものについては、その部分は外 してるわけです。ですから、数値の比較はなかなか難しいんだろうというふうに 思います。  ちなみに、18年度文科省の大学の場合、就職率96.3%という数字を出してるん ですが、その中身の個々の分類が出てますので、私どもの計算式で当てはめます と、それは84.9%という形になりますので、公表されてる数字で直接比較はなか なか難しいと思いますが、そうは言っても、98.4%というのはかなり高い数値だ というふうに理解はしております。 ○本寺委員  前年度実績も。 ○雇用・能力開発機構大学校部長  前年度ですか。私どものほうですね。専門課程、応用課程合わせた数字を今持 ってるんですが、98.3%。0.1ポイント上がってるということですね。 ○井原部会長  よろしゅうございますでしょうか。  それでは、次のグループに移らせていただきます。  次は第2グループで、所要時間は、法人からの説明15分、委員の評定と質疑15 分、合計30分ということになっております。  それでは、法人からの説明をお願いいたします。 ○雇用・能力開発機構企画部長  それでは、この次はシート6から11までについてご説明を申し上げます。  評価シート6は、在職者訓練についてでございます。  在職者訓練につきましては、中小企業の労働者等を対象に体系的な訓練の実施 を通じまして、技能継承や競争力強化を支援しているところでございます。  右の囲みにございますように、アンケート調査による業務改善を行いまして、 その結果、左の囲みにありますように、訓練の受講者、それから受講を指示した 事業主からの満足度80%以上の目標値に対しまして、受講者の97.8%、事業主の 96.2%の方々から、職業能力の向上に役立った旨の評価を得ております。  また、在職者訓練の実施状況といたしましては、中段にございますが、5万498 人が訓練を受講いたしまして、中小企業からの受講者が66%を占めるということ でございます。中小企業を中心に実施しているところでございます。  次のページになります。在職者訓練に係る訓練基準についてでございますが、 これにつきましては、中小企業等を主な対象といたしまして、民間教育訓練機関 でできないもので、ものづくり分野を中心に、真に高度なもののみに限定して実 施することとしております。また、真に高度な訓練基準につきましては、外部専 門家による専門委員会におきまして審議、決定して、ホームページにおいて公表 しているところでございます。  在職者訓練の見直しにつきましては、訓練基準に該当しない訓練につきまして 廃止したことによりまして、19年度は5,446コース、18年度の実績と比較いたし まして約3割程度の削減を実施いたしました。  なお、以下に真に高度な訓練基準についての考え方を載せてございます。  一番下の欄にございますが、受講者の費用負担の見直しといたしまして、民間 教育訓練機関の受講料を踏まえ、費用負担について検討し、見直しを行ったとこ ろでございます。  以上が評価シート6でございます。訓練の受講者と受講を指示した事業主から の満足度について、計画を上回る実績が上げられました。さらに、在職者訓練の 真に高度な訓練基準について明確化して、公表を行いました。一方、訓練コース の実施につきましては、3割程度削減したということにつきまして、サービス提 供の面でいかがかということの評価もございますので、自己評価につきましては Aとさせていただいたところでございます。  評価シート7でございます。若年者対策、キャリア・コンサルティングでござ います。  平成16年度から、フリーター等に対します訓練といたしまして日本版デュアル システムを実施しております。さらに、平成19年度からは年長フリーター対策と いたしまして、再チャレンジコースや企業実習先行型訓練システムによる訓練を 実施しております。  右の表にございますように、日本版デュアルシステムにおきましては高い就職 率を上げてございます。また、その下に、再チャレンジコース、さらには企業実 習先行型訓練システムの実施状況というものを掲げさせていただいているところ でございます。  次のページでございます。参考といたしまして、日本版デュアルシステム取組 における事例を記載しております。  左側は訓練対象者でございます。概ね35歳未満の若年求職者でございます。訓 練者の特徴といたしまして、社会人としてのマナーや心構えが十分でない、ある いは自主性や積極性に乏しい、さらにはコミュニケーション能力に欠けるといっ た特徴が見られます。このような場合の対応といたしまして、毎朝、授業前に発 声練習を行ったり、グループごとに発表させる、こういった工夫を取り入れて訓 練を行っているところでございます。  企業実習におきましては、ものづくりに触れる機会が少ない若い人たちにとり まして、最初は恐る恐るですが、製品が完成すると自信がつくと、そういったこ とで、それをきっかけとして成長する側面が見られるということでございます。  右端にございますが、就職につきましては、約8割の方が就職しておりますが、 途中でやめてしまう、そういう方々も全体で8%いるということでございます。  次は、キャリア形成支援の実施についてでございます。キャリア形成に関する 相談援助につきましては、都道府県センターに巡回させておりますアドバイザー などにより、労働者に対しまして71万9,065件、事業主に対しまして6万7,610件 のキャリア・コンサルティング等を実施したところでございます。  右下にございますように、キャリア・コンサルティングにつきましてもアンケ ート調査を実施しております。利用者の満足度80%以上の目標値に対しまして、 99.5%の方から役に立った旨の評価を得られました。また、利用後3カ月経過時 点のフォローアップ調査では、84.2%の方から、就職や転職あるいは職業能力の 開発及び推進に向上が図られたと回答を得ております。  次のページでございます。私のしごと館についてでございます。  中段の囲みにございますが、アクションプランによる取組といたしまして、教 育委員会あるいは旅行代理店等を1,566件訪問するなどいたしまして、利用者の 確保に努めました。サービス利用者の延べ数といたしましては、上段真ん中ほど にございますが、54万5,000人、自己収入の額1億7,200万円、運営費交付金10億 4,000万円と、概ね計画を達成いたしました。  右上にございますように、利用後のアンケート調査を行っております。今後の 進路につきまして具体的なイメージが湧いたというような回答を80%以上得ると いうことでございましたが、82.5%の方々から評価を得ております。  また、利用後3カ月経過時点のフォローアップ調査では、何らかの行動を起こ したなどの具体的な変化があったという回答80%以上の目標値に対しまして、中 高生では91.3%の方から、自己理解あるいは職業理解が進んだとの回答、さらに 失業者の方からは、83.7%でございますが、就職に向けて何らかの行動を起こし たという回答を得られております。  以上が評価シート7でございます。私のしごと館やキャリア・コンサルティン グに関する数値目標については、計画を上回る実績となっております。さらに、 日本版デュアルシステムなどによる若年者対策についても積極的に実施をいたし まして、成果を上げているところでございます。しかしながら、一方におきまし て、私のしごと館につきましては、外部からは必ずしも理解が得られなかった面 がある。さらには、昨年末の整理合理化計画におきまして、運営を包括的に民間 に委託して、存廃を含めてその在り方について検討を行うとされたところも考え 合わせまして、評価を行った結果、自己評価をAとしたところでございます。  次のページ、評価シート8でございます。事業主等との連携・支援、新分野展 開でございます。  中小企業事業主等に対する能力開発に関する支援といたしまして、指導員の派 遣による企業内訓練の支援、それから施設設備の貸与、さらには人材育成計画の 作成支援などといった幅広いサービスの提供を行い、中小企業等の能力開発に貢 献をいたしております。  支援の状況でございます。事業主の求めに応じまして、職業訓練指導員を 6,065人派遣するなどして、11万6,538人の職業訓練を実施いたしました。また、 施設設備の貸与を1万4,418件行ったところでございます。  中小企業事業主等の創業・経営革新に対する能力開発に関する支援といたしま して、起業・新分野展開支援センター、それから起業・新分野展開支援スポット において事業展開を行いました。支援状況といたしましては、新分野の展開に必 要な専門的な相談・情報提供あるいは製品の関連情報の提供のための公開講座、 それから在職者訓練、離職者訓練、さらには創業を目指す方の交流の場といった ものを実施いたしました。  以上の展開によりまして、一番下になりますが、アンケート調査では293人が 創業したという回答を得ているところでございます。  以上が評価シート8でございます。数値目標は特段設定されておりませんが、 前年度の実績の関係で言えば、職業訓練指導員の派遣は増えておりますが、訓練 の受講者数は減少しております。したがいまして、計画に概ね合致した実績との 評価を行いまして、自己評価をBとしているところでございます。  17ページは、評価シート9、職業能力開発助成金等の業務についてでございま す。  これにつきましては、評価シート2に雇用開発業務関係の助成金を載せてござ います。同様でございますが、利用者に対する十分な制度の周知・説明による利 便性の向上と、不正受給防止への取組を柱として業務を実施いたしました。  時間の関係もございますので一部割愛させていただきますが、説明会を1,795 回開催いたしまして、6万685人に参加していただきました。個別の相談を3万 3,798件実施いたしまして、キャリア形成促進助成金の説明会理解度80%以上の 目標に対しまして、89.1%の方々から、説明内容が理解できた旨の評価を得てお ります。  さらに、利用後3カ月経過時点のフォローアップ調査では、従業員のキャリア アップが図られた、そういう回答が98.6%の方々から得られているところでござ います。  次のページでございます。技能者育成資金についてでございます。これにつき ましては、下の囲みにございますように、回収業務の強化、それから適切な債権 管理に努めました。この結果、ピンクの囲みにございますが、新規返還者の初年 度末の返還率、目標数値90%以上に対しまして93.0%となったところでございま す。  以上が評価シート9でございます。技能者育成資金に関する返還率の目標につ きましては、計画を上回る実績を上げましたが、説明会の理解度、不正受給防止 への取組については、計画に概ね合致した実績との評価を行いまして、自己評価 をBとさせていただいているところでございます。  次は評価シート10、職業訓練指導員の養成、訓練コースの開発等でございます。  職業能力開発総合大学校では、指導員増の実現に向けた指導員養成、再研修を 実施しております。産業構造等の変化に伴いまして指導員に求められる能力が変 化してまいります。職業訓練ニーズへの的確な対応や職業訓練の質の向上と効果 的な実施が求められてまいります。  このため、職業能力開発総合大学校におきましては、5,834時間という、国立 大学工学部の約2倍のカリキュラムを設定して訓練を行っているのが特徴でござ います。カリキュラムの内容といたしましては、中央以下にございますが、もの づくり関係が65.0%、訓練指導関係8.2%、キャリア・コンサルティング関係、 訓練のコース・コーディネート関係が4.7%、さらに一番下に専門基礎学科22.1 %、こういった構成になってございます。技能習得の指導ができるだけではなく、 キャリア・コンサルティングやコーディネートなどの幅広い能力を有する指導員 人材の養成に努めているところでございます。  次のページでございます。また、職業能力開発総合大学校では、技術の変化に 応じました職業訓練指導員の能力のリニューアルを行うために、職業訓練指導員 の専門性の拡大やレベルアップ、さらには新たな職種を担当するための研修を実 施いたしております。平成19年度におきましては151コース、1,424人の研修を実 施いたしました。このうち、都道府県等575人、民間276人の指導員などを対象と いたしまして研修を実施したところでございます。  次のページでございます。訓練コースの開発等、調査・研究についてでござい ます。  訓練コースの開発等につきましては、業界団体と連携あるいは共同して、年長 フリーター等の非正規労働者を対象といたしました職業訓練コースを13コース、 それから学卒者訓練1科の開発を行いました。  また、調査・研究といたしましては、左にございますが、テーマの選定に当た りましては、厚生労働省から政策上の見地から必要とされるもの、あるいは当機 構が業務の実施上必要なテーマ、こういったものにつきまして、学識経験者や産 業界の外部有識者を含めた委員会を設置いたしまして、テーマを決定し、調査・ 研究を行っているところでございます。  調査・研究の成果につきましては、右端にございますように、職業能力開発総 合大学校のホームページで公表したほか、研究報告書等を作成いたしまして、民 間教育訓練機関や地方公共団体等へ配布、2,695箇所行い、普及に努めたところ でございます。  以上が評価シート10でございます。指導員として、ものづくり意欲に加えまし て訓練のコーディネートあるいはキャリア・コンサルティングといった幅広い能 力を付与するための訓練を実施いたしました。併せて、都道府県の職業訓練指導 員や民間企業の指導者など1,424人に対しまして、専門性の拡大やレベルアップ のための研修を151コース実施し、指導員の能力のブラッシュアップにも努めま した。計画を上回る実績を上げたとの評価を行いまして、自己評価をAといたし ました。  次は評価シート11、公共職業能力開発施設等でございます。  定員や訓練科の見直し、さらには市場化テストの実施に関する取組でございま す。  職業能力開発促進センターでは、雇用・失業情勢等に配慮しつつ、訓練内容や 実施規模の縮小を図りました。実績は以下の囲みのとおりでございます。  また、生涯職業能力開発促進センターでは、特に、過去に開発いたしました在 職者訓練6コースを対象といたしまして市場化テストを実施いたしました。さら に、東京センターの同施設への移転を行いまして、施設の有効活用も図りました。  また、職業能力開発大学校・短期大学校では、応募倍率あるいは訓練生の就職 状況といったものを勘案しつつ、地域における産業界の経済状況や技術動向等を 踏まえた検討を行いまして、平成21年度の訓練から電子技術科、情報技術科を廃 止いたしまして、電子情報技術科を新たに設置するとともに、訓練定員の見直し を実施する準備を行いました。  さらに、職業能力開発総合大学校では、長期課程養成定員等見直し検討委員会 を設置し、検討を行い、平成21年度から訓練科数を7科から4科へ、それから訓練 定員を200人から120人へ見直しを実施する準備を行いました。  以上が評価シート11でございます。計画に基づきまして、訓練内容や実施規模 の縮小を図りました。また、市場化テストも実施いたしました。職業能力開発大 学校や職業能力開発総合大学校につきましては、訓練定員や訓練科の見直しを実 施する準備を行いましたが、これらの実施の効果は今後出ることになります。し たがいまして、計画に概ね合致した実績という評価を行いまして、自己評価をB としたところでございます。  以上でございます。 ○井原部会長  ありがとうございました。  では、委員の皆様方は評価シートへの評価等の記入をお願いいたします。質問 等がありましたらどうぞ、ご発言ください。 ○堺委員  御機構がものづくりに特化されてその訓練を行われる、これは大いに意義のあ ることだと思いますし、また成果も上げてこられたというふうに思います。特に 若年者等が対象になるかと思うんですが、ものづくりに向いていない人というの も世の中にはおりまして、そういう人はなるべく早く、どういうところに向いて いるかということを見つけてあげなければいけないと思うんですが、先ほどキャ リア・コンサルティングのお話がございましたけれども、そういうところで、ほ かにどういう適性があるかということを見出して、それに適した訓練施設へ紹介 するとか、そのようなことはしてらっしゃいますでしょうか。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  先ほどもお話ししたと思いますけれど、ハローワークに能力開発支援アドバイ ザーというコンサルタントを担当する者を巡回させていまして、そこで相談させ るんです。その中で自分の適職ですね、適性を選ぶと。例えば12ページでも様々 な訓練コースがありますね。これは日本版デュアルシステムという中でも、専門 課程とか短期課程、委託訓練、普通課程とありますけど、様々なコースが用意さ れております。それから再チャレンジコースとか企業実習先行型といった、フリ ーターの方の特性に応じて選べるようなコース、これは用意してございまして、 それに相談しながら入らすと。  もう一つは、入ったからには能力を習得していただくということがありますん で、また、キースキル講習という言い方をしていますけれど、中で職業意識の啓 発とかビジネスマナーとか、そういったことも教科の中に入れて、就職の支援を しているといったことが、今、私どものやり方でございます。 ○松田委員  25ページの私のしごと館、これ決まったそうですね、民間委託が。前の理事長 は、断固として私は責任をとりますと言っていましたけれども、もう理事長が代 わったから言いませんけど。 ○雇用・能力開発機構理事長  責任をとる? ○松田委員  ええ。断固やると言ったんですよ。これ委託契約したんでしょ。職員はどうな るんですか。職員の給料とかその他は。 ○職業能力開発局総務課長  職業能力開発局の総務課長の姉崎と申します。  私のしごと館につきましては、松田委員も多分ご承知だと思いますけれども、 昨年12月の独立行政法人整理合理化計画の中で、運営を包括的に民間に委託をす ると、こういうふうに決定をされました。それで、第三者委員会でその状況を評 価して、その経過を踏まえて1年以内に存廃も含めた在り方について検討すると、 こういうふうに閣議決定をされましたので、この3月以降どうするかということ で検討会を開催し、包括的な民間委託の方針を検討会で決めていただきまして、 その結果に基づきまして、6月16日の日に入札公告を行い、応募期限が7月11日だ ったんですが、2つの会社から応募がございました。その内容等を審査させてい ただいて、7月25日の日に開札、落札決定ということで、落札者は株式会社コン グレという会社でございます。  このコングレという会社は、コンベンション業務ですとか、派遣業とか、コン サルティングとか、あるいは指定管理者制度による施設運営等の業務を行ってい る会社でございまして、最近では洞爺湖サミットの運営を全部一手に引き受けて やった会社でございます。2年間の委託ということで、一応この9月1日から2年間 ということで委託をすることになっているんですが、落札価格が約20億円という ことになって、2年間で20億ということになってございます。  職員は、今までは機構の職員と、それからあと関西の民間企業の方、出向の方 がおりましたけども、9月1日の移行後は、こちらの職員は全部引き揚げますので、 株式会社コングレの職員の皆さんがそこで必要な人員を配置してやるということ ですが、その人件費等どういう人数を配置し、給料をどうするかというのは、そ れはコングレのほうで決めていただくという、そういう形になっております。 ○松田委員  存続か廃止を決めるのは1年以内でしょ。どうして2年にしたんですか。 ○職業能力開発局総務課長  閣議決定の中では、委託期間について何も書いていないんですけれども、在り 方検討会の中で委託期間をどうするかということを議論していただきました。1 年以内に存廃を検討するということですので、そうすると一番短いケースだと今 年の11月までで、夏から12月だと6カ月ぐらい。それから、一番長いケースだと2 年、3年、4年と検討会で選択肢を示させていただきまして、検討会の中では、や はり民間の方がそれを受けて、創意工夫を発揮して収益を上げていくということ になると、市場化テストでも原則複数年の受託、指定管理者制度ですと、大体3 年から5年の期間で受託するというのが一般的だということで、在り方検討会の 皆様方の意見は、大体3年から5年ということにすべきではないのかと。要は、12 月までに検討するんだけれども、たった半年だと余りにも短か過ぎて、民間の方 がだれも出てこないのではないかということで、それで検討の結果、一応2年間 というふうにしようと、こういうふうに決まった経緯でございます。 ○松田委員  もう一つ聞きますけど、54万人の来場者がいますよね。それで、私はもう一度 来たいという人は何人いますか。54万人の来場者のうち、もう一度来たい、また 来たいという人が何人いますか。 ○雇用・能力開発機構雇用管理部長  個人のリピートの数というのはちょっと分からないんですけども、学校団体の リピート率というのが特に関西地区のほうでは大きくありまして、奈良とか大阪 とか滋賀とか、そういったところ、京阪の地区ですけども、そういうところでは およそ9割の学校がリピートされているということです。 ○松田委員  9割も来るんだったら、こんなざまにはならないですよね。54万人の人の9割が 来たいというんなら、もしも本当に9割が来たら、こういう状況にはなりません よ。10数億使うんでしょ。収入はたったの1億7,000万じゃないですか。 ○雇用・能力開発機構雇用管理部長  54万人というのは、事業を1つ2つやると2人という計算をしていますので、正 確な人数ということではないんですけども。 ○篠原部会長代理  それに関連してちょっと質問したいんですが、まず1点目は、今、20億という ことは1年に10億ですよね。こちらに引き揚げるということは、トータルでは少 なくとも費用は余りメリットないと。ということは、民間に出すことによって、 私のしごと館が魅力あるものになって、来る入場者が増えることかなというか、 その辺はまずどうなんでしょう。 ○職業能力開発局総務課長  民間の創意工夫を発揮していただいて、入場者がさらに増え、自己収入が増え るということを期待をしておりますけれども、それで、一応アクションプランで 取り組んでおりますけれども、現在、機構がかけている予算に比べて、これから 2年間ということですと、私が担当課から聞いたところだと約5億円ぐらいの節約、 要するに安い価格で入札されたので、2年間で約5億円ぐらいの節約になりそうだ と聞いています。 ○篠原部会長代理  2点目なんですが、私もずっと最初から評価に関わってて、私のしごと館も常 に報告されますよね。ここで聞いた感じとマスコミで見る感じとはかなり落差が あります。  最近、10チャンネルのところで、阿川佐和子ですか、あの人が行って言われた ことは、ほぼ僕の感じに近いんです。何ゆえにここで与えられたものとマスコミ が違うか。僕は正直言って、この半年か1年、与えられている情報が間違ってい るんじゃないかと、ここで。例えば来場者数が50万と言ってるけども、テレビで は一度も50万という話は言われてませんよね。ただガラガラですと。ただ、阿川 佐和子は、実はほかのテレビはガラガラのとき映してますと、実際はいますと。 そういう広報の下手さというか、何となく感ずるんですけど、どんなもんなんで しょうか。 ○職業能力開発局総務課長  阿川佐和子さんは、7月21日の夜に放送されました「たけしのTVタックル」と いう番組でご発言をされておられました。消防士の体験をして、本当にすばらし い施設だと、ぜひ存続してほしいと。高校生、中学生が団体で修学旅行とかでリ ピーターがたくさん来ていますと。それなのにマスコミの人たちは、わざと子ど もたちがいないところを映して、閑散としていると、そういうふうにしていて、 本当にそれはおかしいんだと、こういうふうに阿川佐和子さんはテレビでおっし ゃいまして、本当に正しいことをよくぞ言ってくれたと、私はテレビを見ていて 感動いたしました。  それはそれとして、なぜワイドショー等で赤字垂れ流しのひどい施設だと、こ ういうふうに取り上げられるのかということについて、これは私の推測ですけれ ども、もともとあそこの場所に土地を買ったのはもう随分古くて、平成6年でご ざいました。それは当時、大変経済情勢が悪くて、特に関西地域が非常に悪くて、 平成5年に新総合経済対策という対策が閣議決定をされました。当時は、皆さん ご承知のように、公共投資ですから、土地を買う、箱物をつくる、これが経済対 策の、とにかく景気浮揚のためにそういうことをやるということだったわけです。  その新総合経済対策に基づく補正予算で、とにかく何か買え、やれ、こういう ことになった。当時、労働省では、実は早くて平成元年から、若い人たちの職業 意識というのが、どうも最近ちょっとおかしいと。もうちょっと勤労意識をちゃ んと高めるようなことをしなくてはいけない。今で言うキャリア教育であります。 平成元年ぐらいから検討会をつくって検討しておりました。  そこにこの対策の話が出てきて、それで京都の場所に土地を買い、その後、ま さにキャリア教育の必要性等が訴えられて、それで雇用対策基本計画という閣議 決定をされる計画があるんですが、その中に若い人たちの職業意識の啓発という ことで、昔は勤労体験プラザという名前でしたけども、数次にわたる閣議決定を 経て、それで平成12年から着工し、15年にオープンしたと、こういう経緯があり ます。  それで、これは私の推測ですが、要は、今、箱物行政というのは大変批判をさ れておりまして、私のしごと館のもともとの経緯が、そういう公共投資、箱物行 政の典型だと。今の時代から見るとそういうのはおかしいということになってま すので、これは私の全く推測ですが、要は目障りであると、そういう過去の無駄 な遺物は目障りであると、こういうことでそういうものは見たくないと、こうい うのがマスコミの皆様方の本心というか、そういうことではないかと。これは全 く私の推測でございますので、正しいかどうか分かりませんけれども。  あと、雇用・能力開発機構がかつて勤労者福祉施設をたくさんつくっていて、 それがまたいろんなことで売却をいたしまして、そういうことで、箱物行政とい うことはよくないということで、そういうことで皆様方からご批判を受けている ということで、ご批判はご批判として、それは真摯に受け止めて取り組んでいく ということかと思います。 ○篠原部会長代理  箱物行政というか、無駄遣いの象徴として非難されてるというのは、僕も前か ら、ちょっと大き過ぎますねとか、そういう意味では。ただ、若者に職業観を植 え付けるというのは重要な業務だと思ってるんですね。それと、私のしごと館が やっているのとキッザニアとは目的が違う。明らかに違うなと。そのところの紹 介は一切されてないんですね、テレビを見てると。  もっと広報というんでしょうか、僕の知ってる人も独法の説明をしたら、「あ なたの話はおもしろくないから放送しません」というぐらい、マスコミはおもし ろくないと放送しないということは分かってるんですが、少なくとも抗議すると か、あるいは実態はこうなんですよと。向こうが報道するのは勝手だと僕は思う んですけど、そういう努力はされてますでしょうか。もうしょうがないとあきら めているんですか。 ○職業能力開発局総務課長  いえ、あきらめておりませんで、広報には努めてございます。それで、私も、 私のしごと館も見ましたし、キッザニアにも行きました。実際見ていただければ 分かりますけども、キッザニアと私のしごと館では、そもそも対象が中高生なの か小学生なのか、遊びなのか本当に仕事なのか。料金も、私のしごと館、自己収 入は低いんですけど、それは300円、キッザニアは三千何百円ということであり まして、基本的には、学習するというところと、ある意味ではテーマパークみた いなところで、行けば分かりますけど、見た瞬間に、これは比較の対象にならな いということは、それは分かるんではないかと。これは私の個人的な感想で、ま た人によっては違う感想があるかもしれません。  それで、キッザニアと私のしごと館につきましては、目的、それから対象者、 サービスの内容、それから収入の構造、いずれも違いますので、それぞれ違うも のであって、そもそも比較するとか競合し合うものではないのではないかという ことについて、ご説明をさせていただいておりますが、説明の努力が足りないせ いか、なかなかご理解をいただけないということでございますが、引き続き、篠 原委員の激励と受け止め、積極的にPRをしていきたいというふうに思ってござい ます。 ○川端委員  細かいことですが、2点お伺いします。  評価シートの18ページの在職者訓練のところですが、職業訓練コースについて、 真に必要性の認められるもの以外のものを廃止することにより、2割削減したか という目標がありますね。これを3割削減したと。これは数値目標を上回ったと いうふうに評価できるんだろうか。例えば、真に必要なもの以外を削減して2割 というのはどういう意味があるのか。要するに、相当必要じゃないものをやって たよということなのか。それを3割にしたのはもっとさらに多かったのかと。こ こら辺りの意味がちょっとよく分からない。これが1つ。  それからもう一つ、資料2−5の16ページなんですが、新しく創業した人が293 人、これはいろいろこのコースを受けたり指導を受けた人にとって高いのか低い のか。もう一つは、起業は結構するんですが、すぐ後駄目になるというのが非常 に多いですよね。その後はフォローされているのかどうか。過去の創業した人た ちがそのままうまくいっているのかどうかと、ここが非常に重要だと思うんです けどね。駄目になったらなぜなのか、そこの支援はどうするのか。  この2点についてお伺いしたいんですが。 ○雇用・能力開発機構企画部長  1点目の在職者訓練のコースを、2割という目標値に対しまして3割程度削減し たということでございます。先ほどもちょっと申し上げましたが、本当にそこの 部分が1割を超えた削減をしたことが、サービス提供の面からいかがかなという 反省といいますか、考えもございますので、評価に当たりましては少し下げた自 己評価をしたというところでございます。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  補足させていただきます。  下げた理由ですね。これは1つは、国の公共サービス改革基本方針という中で、 民間では情報とか管理事務とか、それから建築CADですね、そんなやつはでき るんじゃないかと言われたわけです。我々も、そういうコースについて1回見直 して、落としていったということでございます。  さらに、先ほど、真に高度な基準をつくれということでつくらせていただきま した。その中で、実際に我々が考えている真に高度というのは、中小企業の競争 力強化と現場力強化だということを考えておりまして、いわゆる理論的なコース、 そういうものを削減したということで、3割減になってしまったと。その代わり に、先ほど中小企業の支援として、シート8の16ページになりますけれど、そち らのほうで、企業の行う職業訓練に対して職業訓練指導員を派遣するとか、職業 能力開発施設の機械とか施設を貸すとか、それから人材育成のカリキュラムを提 供するとか、そういった方法で、企業が行う職業訓練ですね、これの後押しをさ せていただいているというところでございます。 ○雇用・能力開発機構雇用管理部長  先ほどの293名の創業の件ですけども、こちらにつきましては、特にその後の アンケートということはないんですけれども。 ○川端委員  その後ということじゃなくて、以前に創業した人たち。 ○雇用・能力開発機構雇用管理部長  その方たちでも、例えば失敗というか、駄目になった方たちでも、そこにも書 いてありますように、交流の場というのがその上にあるんですけども、そういう 形でまたそこに入ってきていただくとか、あるいは相談業務をそこでやっており ますので、そういった中には来ていただいていると。ちょっと数のほうは、数と いうか、そういう形でしか今は確認はしておりません。 ○宮本委員  2点伺いたいんですけれど、資料2−5で言いますと10ページです。在職者訓練 ですが、これはさっき私が申し上げたことと似たような質問なんですけれど、中 小企業の在職者訓練、なかなか、企業のいろいろな事情の中で十分行われないと いうことが多いという実態の中で、その中で在職者訓練に参加した企業の中では、 受講者、事業主の満足度は9割以上で非常に高いという、こういう話なんですけ れど、もともと中小企業が在職者訓練に参加する、その程度といいますか、そこ のところがどうなのかということが評価の対象になってないと思うんですね。参 加してほしいということを機構としてはどのように啓発しながら広げているのか、 その辺りを伺いたいと思います。これが第1点。  もう一つは、12ページの若年者対策の部分ですけれど、例えばデュアルシステ ムで、このデュアルシステムの対象となった数が、これはちょっと十分分かりま せんけど、例えば再チャレンジコースで3,520人、企業実習先行型訓練システム で543名と、これで4,000人ですね。先ほどの最初の理事長のご説明の中で、フリ ーター180万人。そうしますと、180万人のうちの4,000人がデュアルシステムで 対象になったと、こういうことになりますよね。つまり、対象となってる割合が 極めて少ないわけなんですけれども、機構はものづくりに特化してるとは言いな がらも、訓練の施設をたくさん持ってらっしゃいますよね、全国に。もう少しデ ュアルシステムにも乗らないフリーターに対して、何か職業訓練を提供すること はできないのだろうか、その努力をどの程度なさってるのか、その辺りを伺えれ ばと思います。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  第1点の在職者訓練ですね。これについては、先ほどの評価シート3の4ページ の部分でございますけれど、PDCAサイクルを回すというのがございました。その 中で我々はニーズの把握をします。そのときには、専門的職業能力の調査票とい うのをもって各企業を回るんです。そういう企業を回りながらコースの説明をす ると。  もう一つは、事業協同組合等の事業主の団体、こういうところとお付き合いが ありまして、そこでのニーズを把握するときにコースの案内ですね、こういうの をしていっているということがございます。  今の何千万人のうちの何万人来たらいいのかという、その辺の目標がよく分か らないんですけど、広報の仕方としては、地道に足で歩くということを重ねてい ると。あとは、我々の持っている職業能力開発施設の地域ホームページ、こちら のほうでも広報しています。当然、広報については、在職者訓練のパンフレット ですね、これをつくって提供してるという格好です。  それから、シート7の若年者、ここは要するに、どのくらいフリーターの方々 をカバーしているのかという話だと思いますけれど、これをずっと足し上げてみ ますと、この数3万人ですね。それに対して我々、先ほど言いましたように、様 々な相談をしながら、我々の訓練に参加しようとした人たちが4万人ちょっとお ります。そういう差があるんですけれど、19年度は3万500人訓練したと。今年度 につきましては、そのほかに職業能力形成機会に恵まれなかった年長のフリータ ーとか、子どもを育てるのが終わったとか母子家庭の母とか、そういった方々に 対してのコース、こういうのも今用意しておりまして、そういうコースをまた1 万数千増やしておりまして、年長フリーターの方々を初め訓練の必要な人ですか、 若い人で。または訓練機会に恵まれなかった人、そういうコースをつくって受け 入れようとしております。 ○宮本委員  要望ですけれど、その辺り、評価の中に、どの程度の目標値と努力をして、ど の程度把握できてるのかというようなことを入れるべきではないかと思うんです。 要望だけです。 ○寺山委員  イメージというか、よく分からないんですが、資料2−5の19ページと、大きい ほうの37ページの総合大学校の話ですけれども、時代の要請に応じて定員も120 名に縮小して、そして訓練科も4科にするということですが、これは中身として は、どういう科の内容になってるのかということと、それから19ページ、5,834 時間というと、私の大学の常識で言うと、私どもの医療系も非常に時間数は多い んですけれども、それでもびっくりするような、学生さん死んじゃうというよう な感じの時間数なんですけど、これは、つまり一方では、自ら考え、自ら行動す る人間ということで、かなり自主性を尊ぶ教育というのはありますけれども、も のづくり関係ということでは、実技の時間が多いのかなと推測しますが、この辺 の、定員を減らして、今の時代に引きつけられる倍率の点が気になるわけですが、 この辺のところをちょっと、実際の状況を教えてください。 ○雇用・能力開発機構大学校部長  総合大の指導員養成の訓練でございますが、今、委員の言われましたように、 4科、120名に、科の数も減らし定員も削減します。そもそもでございますが、平 成15年当時から急激に指導員採用が減ってきたと。実はこの総合大の指導員養成 課程というのは、指導員養成、つまり指導員にするのが目的でございまして、あ る意味、目的校であるわけです。したがって、その目的が十分達成されていない という指摘を受けております。一番悪いときでは、4年間の教育課程10%を割っ たときもございました。  そういった状況の中で、入り口というか、入学者そのものは応募倍率が相当高 いというか、3倍以上、多いときは5倍ぐらいだったわけですけども、応募者その ものは減ってるわけではないんですが、いわゆる出口として目的が達成できてい ないということがございました。  それで、昨年長期課程の見直しに係る委員会を、外部の委員を入れた会議を開 かせていただいたということでございます。そこでは幾つかの提言をいただいた わけですが、1つは、需要予測を、つまり私どもの指導員が就職先としてあるの は、もちろん機構もそうですが、都道府県立校、さらには企業が行っている認定 職業訓練校、さらには法務省の刑務所の中にある訓練機関、そういったところへ の指導員、それから高障機構、いわゆる障害者の職業訓練、そういったところへ の指導員、そういった就職先があるわけでございますが、そういったところの今 後の採用予定、また年齢構成に伴う将来の定年退職後の補充の予測、そういった もろもろの予測を一応おこないまして、この委員会にかけさせていただき、委員 会でそれを精査していただいて、その中で、委員会としては、公共職業訓練施設 だけでも毎年110人程度は指導員需要が見込めるだろうと。さらに、これまで余 り開拓はされていない認定職業訓練校の開拓をすれば、さらに指導員の開拓余地 はあるだろうと。  それから、指導員になろうという意欲を持った学生、これを確保するのがまず 第一だということで、入学試験制度も改めるべきという指摘もされてるわけです が、意識・意欲の高い学生の確保、さらには需要に対する確実な対応、需要の開 拓、そういったことを相当程度工夫して努力を行えば、毎年50人から80人の指導 員就職者の実現は可能であるというような見解をいただいたところです。  今後は、具体的な数値目標と実現のための工程表を明記した行動計画をつくっ て、それに向けて努力しなさいといったような提言であったわけです。  これを受けまして、私どもとしては、21年度の訓練から、基本的には、国立大 学の教員養成課程が実質正規採用で30%前後でございますが、そういったことも 踏まえながら、養成定員に対して50%以上は指導員として就職させるということ を目標に掲げて、定員を現在200人、7工学科でございますけども、それを120人、 4工学科に減らす、そういう形で21年度の訓練から実施することとしています。  ただ、工学科を減らしますと、当然、就職する範囲といいますか、取得免許を 持って就職する就職先が狭められては困りますので、工学科のカリキュラムの組 み方によって、広範に指導員免許が取得できるように選択科目を設けながらやっ ていこうということで、現在取り組んでるところでございます。   ○井原部会長  長いですか。時間が大分押しているので。 ○雇用・能力開発機構大学校部長  すみません。先ほどの5,834時間の時間数ですが、実技指導、実習指導が多い ということでこういった形になっています。現在は選択がありませんので、ほと んど学生はこれを100%受講してるという状況で、学生からは非常に不満が多い ことも事実でございます。 ○井原部会長  それでは、次のグループ3に移らせていただきます。所要時間は、法人からの 説明15分、委員の評定と質疑15分の合計30分となっております。  まず、法人からの説明をお願いいたします。 ○雇用・能力開発機構企画部長  それでは、評価シート12から18までご説明申し上げます。  評価シート12は財形業務でございます。財形業務につきましては、利用者に対 する十分な制度の周知・説明による利便性の向上と適正な貸付金利の設定による 業務運営に取り組みました。  制度の周知・説明では、貸付金利の変更につきまして、確定した日の当日にホ ームページで公表を行いました。申請書の手引き等を作成いたしまして、制度説 明会等において配布するとともに、インターネットで質問を受け付け、よくある 質問については回答をホームページで公開いたしました。さらには、ホームペー ジ上の財形資料請求コーナーを活用いたしまして、リーフレットをダウンロード できるように改善をいたしました。  このような取組を行いまして、説明会を584回開催いたしまして、2万2,039人 が参加いたしました。また、事業所訪問5,148件、個別の相談1万3,201件を実施 したところでございます。  また、右の緑の囲みでございますが、ここにありますように、外部委託の活用 等による効果的な制度の周知等といたしまして、広報手法の開発等につきまして、 外部機関を活用し検討を行った際に、アンケート調査を行いました。その際に、 アンケート調査を合わせまして制度説明、これにより周知が図れるよう工夫を行 った取組をしたということでございます。  さらに、アンケート調査につきましては、これを分析いたしまして、業務改善 に向けた取組を行いまして、左側にございますが、制度の説明会理解度でござい ますが、80%以上の目標値に対しまして87.9%の方々から、説明内容が理解でき たという旨の評価を得ております。  次のページでございます。それから融資業務の取組では、1つには、融資担当 者の審査能力の向上等を図るために、金融機関担当者用あるいは都道府県センタ ー業務担当者用のマニュアルをそれぞれ作成・配布して活用いたしました。  また、貸付金利の設定に当たりましては、住宅金融支援機構、それから厚生労 働省と毎月調整を行うことにより、適正な貸付金利の設定を行い、融資業務を行 ったところでございます。  さらに、業務の効率化、経費削減といたしまして、長期借入金に係る業務につ きまして、外部への委託、これは随意契約で行っておりましたが、これを見直し まして、ソフトウエアそのものの開発を行い、経費削減にも努めました。  以上が評価シート12でございます。事業主に対して財形制度の活用を促すこと は、助成金の活用を促すこと以上に困難度が高い中、説明に関する満足度につき まして数値目標を上回る実績となりました。また、アンケート調査における広報 の工夫や随意契約について見直しを行いまして、経費削減にも努めました。以上 のことから、計画を上回る実績を上げたとの評価を行いまして、自己評価につき ましてはAとさせていただきました。  評価シート13でございます。助成金等の平均処理期間の短縮、特例業務につい てでございます。  まず、助成金等の平均処理期間の短縮につきましては、中期計画にございます ように、助成金の適正支給に配慮しつつ、平成18年度における平均処理期間が特 に長い助成金等につきまして、平均処理期間の短縮に取り組みました。  真ん中の緑の囲みにございますように、取組の内容といたしましては、申請の 手引き等を作成し、これを活用した説明会を4,976回、それから併せて個別相談 を11万1,274件実施したところでございます。また、審査マニュアル等を活用し た職員研修を実施し、さらに、事務手続の合理化といたしまして、申請書の記載 項目あるいは添付資料の見直し、簡素化を実施いたしました。  この結果、右にございますように、効果といたしまして、申請内容の適正化、 審査能力の向上、支給事務の効率化などが図られまして、左にあります年度計画 でございます2%以上短縮という目標値でございましたが、これを上回る9.1%の 短縮を実施したところでございます。  次のページはその他特例業務でございます。昨年11月に静岡県で開催されまし た2007年ユニバーサル技能五輪国際大会への協力が挙げられます。この大会の期 間中、機構からは44名の職業訓練指導員の派遣を行いました。競技課題の作成や 競技審査、評価など技術面での協力のほか、これまでに培ったノウハウを生かし まして競技運営に協力を行いました。さらに、機器の貸与による協力といたしま して、全国52の施設から1,172点に上る機器の貸与を行い、大会に貢献したとこ ろでございます。  以上が評価シート13でございます。平均処理期間の短縮につきましては、初年 度でございますが、中期計画を達成いたしました。計画を上回る実績を上げたと の評価を行いまして、自己評価をAとさせていただいたところでございます。  次は、評価シート14、組織・人員体制についてでございます。  組織体制につきましては、本部の役職員からなる「組織体制の見直し等に係る 委員会」におきまして、本部の組織の見直しを検討いたしました。キャリア形成 業務の本部集中化を図るために改編を行い、4月1日から実施をいたしました。  次に、職員の資質等の向上を目的とした職員研修でございますが、これについ ては計画的に実施をしております。新規採用職員、職業訓練指導員、事務職員、 管理職員を対象といたしまして、延べ882名に実施したところでございます。  中ほどの囲みに、指導員につきまして機構独自の人材育成プログラムというの がございますが、これに基づくキャリアルートモデルと効果・効率的な人材育成 の例を示してございます。  ピンクの囲みになりますが、各階層に求められます資質課題、これに対応いた しました階層別の研修を実施することと併せまして、その下のオレンジの囲みに ございますが、各階層の期間を通じまして技術・技能の研修を実施しているとこ ろでございます。  一番下になりますが、指導員の体制につきましては、社会ニーズに対応できる 指導員体制を実施するという観点から、民間企業等から職業訓練指導員として必 要な資質を有する者を、任期付雇用でございますが、30名の受入れを行ったとこ ろでございます。  以上が評価シート14でございます。数値目標は特段設定されてございませんが、 組織体制や職員研修、あるいは指導員体制につきまして、計画に概ね合致した実 績という評価を行いまして、自己評価はBとさせていただいております。  28ページは評価シート15、業績評価でございます。  業績の結果につきましては、見直しや改善が必要なものにつきまして、左上に ございます、本部職員で構成いたします業務改善検討会におきまして検討を行い、 改善に取り組んでおります。  中ほどにございますが、例えば緑の囲みにありますように、当評価委員会から いただきました「アンケート調査の実施に当たっては、マイナス評価の回答も含 め、受講者及び事業主の意見をより的確に把握できるようにする」、これを業務 改善につなげるという指摘をいただきました。  これにつきまして検討を行いまして、1つは回答区分を見直しまして、より的 確な満足度等の達成度合いを測定するようにいたしました。第1期中期計画では、 「どちらかといえば役に立った」、「どちらかといえば役に立たなかった」とい うような分類でございましたが、第2期中期計画では右のように変えてございま す。  さらに、その下にございますように、的確な意見を把握するために個別の質問 も設け、調査を実施いたしまして、特に否定的な回答などを分析いたしまして、 業務改善に反映させることとしております。  さらに、右の囲みになりますが、政策目標との整合性の観点からフォローアッ プ調査を実施しております。これを業務改善に反映させることとしております。  こうして得られた結果でございますが、一番下でございます。ケース会議など におきまして課題解決のための検討を行い、改善につなげることにより、アンケ ート調査による満足度をPDCAサイクルにより適切に業務に反映できる仕組みとさ せていただいております。  こうして改善を重ねた業務実績につきましては、上段の中ほどになりますが、 理事会において評価を行っております。また、この評価結果につきましては、上 段右の学識経験者その他の有識者で構成する運営協議会において、意見を聴取し ております。  次のページでございます。ここではホームページについて全面リニューアルを 行ったということでございます。内容の充実を図ることなどにより、分かりやす く業務内容の紹介に努め、利用者の利便性の向上に努めたところでございます。 下に、リニューアルの前と後のトップページの比較を載せてございます。  以上が評価シート15でございます。目標値、具体的には設定されておりません が、当評価委員会からのご指摘を踏まえ、アンケート調査に基づく業務改善への 取組、それから、ホームページの全面リニューアルなどの業務内容を分かりやす く公表するということにつきまして、計画に概ね合致した実績との評価を行いま して、自己評価をBといたしました。  評価シート16でございます。経費の削減、情報提供でございます。  まず、経費の削減についてでございますが、一般管理費及び業務経費の削減に つきましては、人件費の削減等により2億円、訓練用機器のリース方法の見直し 等により11億円の削減を行いました。結果といたしまして、中期計画最終年度ま でに、平成18年度予算と比べて17.8%以上削減という目標に対しまして、達成目 標を上回る9.1%の削減を実施したところでございます。  人事・給与制度の見直しによる人件費の削減につきましては、取組内容といた しまして、昇給幅の圧縮、さらには職位及び昇給基準の見直しなどによりまして、 平成17年度を基準といたしまして5%以上削減するという目標に対しまして、こ れを上回る9.7%の削減を実施いたしました。また、いわゆるラスパイレス指数 につきましては109.8ポイントと、前年度に比べまして3.2ポイントの減となって おります。  さらに、随意契約の見直しでございます。平成19年度一般競争入札等の件数は 1,541件となりました。前年度の1,081件に比べ460件の増加を見ているところで ございます。  次のページでございます。情報提供についてでございます。先ほど申し上げま したように、ホームページの全面リニューアルを実施いたしました。また、キャ リア情報ナビというのを設置いたしました。それから、制度変更等に係る情報の 迅速な公開などに努めた結果、平成19年度のアクセス件数は前年度15%増の713 万件となったところでございます。  中ほどでございます。施設の有効活用でございます。業務に支障のない範囲内 で3,670件の施設設備の開放を実施いたしました。さらに、決算情報・セグメン ト情報の公表の充実をいたしまして、施設ごとに職業能力開発業務、雇用開発業 務といったセグメントの単位といたしまして、支出経費の内訳を作成してホーム ページにおて公表し、充実に努めました。  以上が評価シート16でございます。数値目標のあります一般管理費及び業務経 費の削減、人件費の削減、ホームページのアクセス件数、これにつきまして計画 を上回る実績を上げたとの評価を行いまして、自己評価はAとさせていただいて おります。  次のページは評価シート17、予算、収支計画、資金計画、短期借入金、剰余金 についてでございます。  まず、財形融資の債権管理についてでございますが、当期利益49億円を計上い たしまして、これを充てましたので、累積欠損金は225億円に減少しております。  雇用促進融資の債権管理につきましては、債権管理業務を受託している金融機 関に対しまして、業務指導を43回実施したほか、債権の一部について法的措置を 講じることによりまして、債権の回収・処理に努めたところでございます。  雇用促進住宅の譲渡・廃止についてでございます。12住宅を譲渡いたしまして、 1住宅を民間に売却いたしました。さらに、84住宅について廃止決定を行ってお ります。なお、20年4月でございますが、全住宅の2分の1に当たる784住宅を廃止 決定したところでございます。  さらに、雇用促進住宅につきましては、委託費に係る人件費及び事務費の管理 費、これを14年度に比べまして41%の削減を行ったところでございます。  次は運営費交付金でございます。期間進行基準または業務達成基準の採用につ いて検討を行っているところでございます。  最後に短期借入金でございます。勤労者財産形成業務につきまして、つなぎ資 金といたしまして借入金限度額の範囲内で借り入れを行っております。運営費交 付金に係る借入実績はございません。  以上がシート17でございます。雇用促進住宅に関する経費の削減について計画 を上回りましたが、大きな課題であります運営費交付金の収益化基準については 今後の取組になりますので、計画に概ね合致したとの実績評価を行いまして、自 己評価をBとしているところでございます。  評価シート18でございます。人員、施設・設備、積立金の処分についてでござ います。  常勤職員数の削減につきましては、平成19年度末までに150名削減するとして いたところでございます。その下にございますように、経理事務の集中化等によ る業務の効率化を行いながら、170名の削減を実施したところでございます。  施設・設備に関する計画につきましては、施設の老朽化を踏まえまして、計画 的な施設・設備の建て替えあるいは更新等を行ったところでございます。  積立金の処分に関する事項でございます。前期中期目標期間繰越積立金につき ましては、計画どおり、介護労働者福祉業務、雇用促進融資業務に充てておりま す。  以上が評価シート18でございます。経理業務の集中化等による業務の効率化と 併せまして、常勤職員の170名の削減を実施したということから、計画を上回る 実績を上げたとの評価を行いまして、自己評価をAといたしました。  説明は以上でございます。 ○井原部会長  ありがとうございました。  委員の皆様は評価シートへの評価等の記入をお願いいたします。質問がありま したらお願いいたします。 ○篠原部会長代理  評価に直接関係しないかなと思うんですが、多少関係するので理事長に質問、 2点あるんですが、1点目なんですけど、先ほどの私のしごと館と同様に、当法人 の廃止を含めた検討委員会がありますよね。私は聞いていると、廃止までいかな いというか、提供している業務からいったらば必要なものが多いよねと、そうい う判断をすると非常に不思議な感じがするんですね。ただ、政策評価だとかこう いう独立行政法人の評価で言われてることは、廃止してもいいような業務を高評 価することはいかがなものかというようなことがよく言われるんですね。  そうすると、法人を廃止するのに、それぞれがやってて高評価するというのは、 僕らもある意味で忸怩たる思いがあるわけですね。ところが、見れば、個人的に 言えば、やっぱり重要だねと、そういうところを皆さんは恐らく持ちながら評価 してるんじゃないか。ただ、やめるべきでも執行を一生懸命やって、やってると いう高評価を与えても悪くないという一面も僕はあると思うんですが、何ゆえに 雇用・能力開発機構がつぶしてしまえというほど評判が悪いのか。最近新聞に中 間報告で、存続というか、それは縮小するのか、そういう判断だと。そうすると 新聞は後退したというような書き方ですよね。  先ほどの業務運営の重点項目のうちの3の若年者の就業支援というのは、総務 省の政策評価の厚生労働省に出した重要項目の3つのうちの1つに入るんですね。 ですからこれはものすごく重要だし、これは政府としても重要視してて、国民か ら見ても、ちゃんとやってくれなければ、生活保護の対象になっちゃう人を増や しちゃうという意味でも、全部をここで引き受けてるとは思わないんですが、重 要であると判断してますが、来たばかりで、3月に来られて、何でこんなに評判 が悪いところなのかなというのは、どう思われますか。 ○雇用・能力開発機構理事長  実はそれとよく似た質問をよく受けまして、申し上げてるんですが、これは私 の私見も入りますけれども、実は5カ月前にこの機構に参りまして、今、先生お っしゃるとおり、なぜこんなに評判が悪いのかというのを自分なりにいろいろ分 析していくと、言うなれば、雇用・能力開発機構というのがいろんな事業を包含 していて、アイデンティティが見えない。今日、雇用開発、能力開発、財形貯蓄、 何だかんだいろんなものが出てきて、アイデンティティが見えない。  だけど、先ほども私、ご挨拶で申し上げましたが、コアビジネスというか、コ ア事業というのは雇用開発、能力開発であって、今日は主にそれについての実績 をいろいろご覧いただいて、先生からある意味ではよくやっておるという旨の今 お話がございまして、大変ありがたいんですが、うちの機構の評価が低いという のは、マスコミ等でいろいろ、さっきの話じゃありませんが、これはうちの担当 の部長さんにはいつも申しわけないと思うんだけど、周辺事業において評判が悪 い。先ほどの私のしごと館も、私も2度行きましたけど、中のコンテンツは私も 評価する。非常によくできてる。子どもたちに対する職業意識を植え付かせる。 キッザニアの比じゃない。キッザニアは遊びの場だというのはいいんですが、さ っき姉崎課長も説明してますが、まあ巨額の初期投資をしてる。それは時期的な 背景、いろんな社会的背景があってやったということは事実ですが、民間から来 て、580億を超す投資であれをつくるというのは、ちょっと常識では考えられな い。  そういうことを、当時はその必要性でやったんでしょうが、10年、15年たった 今の価値観で言うと、さっきの話じゃありませんが、箱物政策というのは誠に批 判を受けてますから。だけど、当時のあれではそれが、ある意味では一つの施策 として重要なあれだったんだろうと思うんですね。  これは官ばかりじゃありませんで、民もかなり箱物を取りに行ったんですね。 体育館はつくる、独身寮はつくる、社宅はつくる、保養所はつくる、みんな自前 でやった。それは同じような背景があってあれですが、それは社会的インフラの 変化は別として、そういうある意味では現状の国民的価値観から言うと非常識で あることが行われてきた。  雇用促進住宅も同じでございます。雇用促進住宅、さっきちょっとだけデータ が出ましたけど、14万世帯もある。雇用促進という当初の意味の住宅というのは、 非常に重要な意味を持っていたと思いますが、それがどこかから離れちゃって、 ざっと9,500億程度の投資を雇用保険財源から入れて、住宅が現在14万世帯ある。 これもやっぱりそういういろんな社会的背景でなってきた。  そういうことを全て、いろんな周辺事業において、今の価値観で言うと大変評 価が落ちるということで、この前もテレビを見ていましたら、「雇用・能力開発 機構って、それは何ですか」と言って、「あの私のしごと館を運営しているとこ ろですよ」と言ったら、「ああ、あの無駄遣いの、あそこですか」という、そう いう表現になっちゃって、周辺事業がこういう……。  今日ご覧いただいたように、やっぱり公共職業能力開発の事業、国民に対する サービスというのは、今いろいろご指摘がありましたように不満な面は多々あり ますが、やっぱり一定の存在意義はあると。だから、この組織の存廃を論じる。 雇用・能力開発機構自体がどうなろうと、能力開発事業あるいは雇用開発事業と いうものの社会的意義は変わらないだろうというふうに私は思っているんで、そ れは厚生労働省の在り方検討会でどういう結論になるか、あるいは行革のほうで どういう結論になるかは、我々の立場では云々できないわけですけれども、今日 お示ししたようなあれは、さらに効率を上げ、有効性を上げていくことはやらな きゃいけませんが、それが社会的に不要であるという結論にはなるべきではない し、なるはずはないだろうというふうに実は思っております。  だから、そのコア部分についての評価は、どうぞそういうことでぜひ正当にご 評価いただきたいというふうにお願いしたいと思います。 ○篠原部会長代理  独法で見てると、やっぱりコア事業というか、本来提供すべき行政サービス以 外にいろんな付随なことをやっていたなと、それが問題なのかなということで、 それは削がざるを得ない。本来のものは効率的にやらざるを得ないんですが、そ ういう立場で検討してないんじゃないかなという。だから、緑資源機構なんかも 組織をつぶしちゃえと言うけど、あそこのやっているのは、ある部分は僕は必要 だと。日本国という緑を確保するために。そういう荒っぽいところがあって、今 回も、これをもしつぶしちゃったら、コアの部分はどこかに行くか、やめちゃっ たって、30年後にしまったと思えばいいのかなという、極端なあれもあるんです が、まさか担当者というか、そうはいかないねという部分がある。  もう1点質問したいんですが、民間から来られたばかりだということで、実は 運営費交付金は、3つのうちのどれか採用しろというか、実際は3つになっちゃう んですが、102ある独法のうち、15以外は費用進行基準で、本来、独法をつくっ た趣旨は目標管理であって、今日目標管理のことを言われて、金額的にはそうな はずなんですね。  ところが、予算というか、金を使うところについては、目標管理を取っ払って ると僕には見えるんですね。悪い言い方をすれば、赤信号、みんなで渡れば怖く ないという状況だと僕は思っています。毎年、費用進行基準以外を使ってくださ いと言うと、ほぼ、「篠原さん、前の年に質問したんじゃないか」と。僕はそれ に対して何の感じもなかったんですが、つい最近、おまえはしつこいぞと、それ を言い換えてると僕は感じて、僕はものすごく重要だから毎年言ってるつもりな んですが、最近めげて、来年からはもう言いませんと。委員になってるかどうか は別として、もうめげちゃったなという気がするんですが、理事長として予算管 理の面で見てどう考えていますかということをお聞きしたい。 ○雇用・能力開発機構理事長  今、先生おっしゃるとおりで、毎度ご指導いただいているというふうには伺っ ておりまして、それは大変感謝しているわけですが、独立行政法人の業務推進の 在り方を有効かつ効率的にやるというのは、大変大きなマネジメントテーマの一 つだというふうに認識しておりまして、今おっしゃるように、費用進行基準とい うのは、これはある意味では、効率的経営管理の側面から言うと大変疑問視され る基準、使っただけお金がいただけるということですから。ですから、先生おっ しゃるようにそれは問題じゃないかと、それはそのとおりだというふうに私も思 います。  ただ、業績達成基準というんですか、目標コストを決めて、実績コストがそれ に下回れば益、上回ったら損という、そういう管理で、業績達成の度合いに応じ てやるという、それは民間では当たり前の考え方でございますが、ただ、こうい う公の組織で目標コストをどう設定し、実績コストをどう設定するかというのは、 単位業務が単純な場合には可能だというふうに思うんですが、これまたいい加減 に目標設定なり実績なりをやると、これは公費なものですから、これはまた逆に いろんな問題が出るだろうと。  だから、そこの目標コストなり実績コストの査定、それは一定のルールはある にしても、もう少し具体的な活用ができる形で勉強していかにゃいかんだろうと いうふうに思いますが、だから費用進行基準でやむを得ないんですと言うつもり は実はなくて、少なくともできるものから期間進行基準は入れられないかという ことを、今、経理部門に実は検討してもらって、できたら来年度からでも、人件 費だとか本部物件費だとか、要するにそういう単位で括り出せるものは期間進行 基準が可能だというふうに思いますので、それを来年度から実行できるような形 で、もうちょっと具体的、実務的検討をしながらやりたいというふうに思ってお りますので、引き続きご指導を賜れればというふうに思います。 ○本寺委員  評価シートの18で常勤職員数の削減という項目があるんですが、150名削減と。 削減という言葉を使う以上は、自然減の退職だけじゃなくて、退職勧奨という、 そういう行動もとられてこの数字だったと理解してよろしいですか。 ○雇用・能力開発機構総務部長  定年退職による退職と、それからいわゆる自己都合退職といいましょうか、定 年に達していない段階で中途退職される方がおられます。それとの比で採用数を かなり絞りまして、そういう形によって170名削減というのを達成いたしており ます。基本的には採用抑制でやったということでございます。 ○井原部会長  あとはよろしゅうございますでしょうか。  それでは、次のグループに移りたいと思います。  次が業務実績評価関係資料についての評価でございまして、所要時間は、法人 からの説明15分、委員の評定と質疑15分の合計30分ということになっております。  それでは、法人から説明をお願いいたします。 ○雇用・能力開発機構企画部長  それでは、資料2−2になります。業務実績評価関係資料についてでございます。  1ページでございます。目的積立金についてでございます。(1)、(2)にございま すように、当期総利益、これは計上しておりますが、目的積立金の申請はしてお りません。  (3)、(4)の利益の発生要因と目的積立金を申請していない理由、これを併せてご 説明させていただきます。  一般勘定におきましては、主に職業訓練用の機器の整備につきまして、ファイ ナンス・リースの会計処理を行いました。その結果9,000万の利益が発生してお りますが、(4)の横にございますが、この利益は経営努力によって生じたものでは ないということから、目的積立金を申請しておりません。  (2)財形勘定におきましては、貸付金利息等の収益が借入金利息等の費用を上 回ったことによりまして、49億円の利益が発生しております。財形勘定におきま しては、当期総利益の全額を前年度から繰り越した損失に充てるということにし ておりますので、申請をしておりません。  (3)宿舎等勘定におきましては、雇用促進住宅の賃料収入等の収益が業務費用 を上回ったことによりまして、103億円の利益が発生しておりますが、この利益 につきましても経営努力によって生じたものではないため、積立金の申請をして おりません。  次のページでございます。保有資産につきまして、保有資産の見直しの検討は 行っております。その状況でございますが、(1)金融資産につきましては、運用 体制、それから運用方針の明確化を図るため、この3月に資金運用規程を制定い たしました。これにより運用を行っているところでございます。  (2)雇用促進住宅でございます。地方公共団体に12住宅を譲渡、1住宅を民間に 売却いたしました。この結果、年度末における所有住宅数は1,517住宅となりま した。引き続き地方公共団体等への譲渡に向け、協議を行っているところでござ います。また、84住宅の廃止決定を行い、新規入居停止等の措置を講じておりま す。なお、20年4月1日付けで650住宅の廃止決定を行い、これまでと合わせまし て、全住宅の2分の1以上に当たります784住宅の廃止決定を行っております。  (3)職員用宿舎についてでございます。整理合理化計画に基づきまして、新た な入居を停止する等の措置を講じまして、平成23年度末までに、独法設立時と比 べまして4割を超える237施設の廃止を行うこととしております。実績といたしま しては、平成19年度には19施設を廃止いたしまして、設立時から19年度末までに 56施設を廃止したところでございます。  (4)は保有資産見直しのための管理体制の整備等に係る取組についてでござい ます。各部が所掌しております建物等の資産の見直しにつきまして、企画部が取 りまとめ、あるいは総合調整を行う体制を整備いたしました。  3ページは資産の活用についてでございます。(1)の減損認識資産と減損損失額、 それから(2)の減損を認識した理由等について、併せてご説明をさせていただき ます。  雇用促進住宅の土地及び建物等11件につきましては、入居停止を行いまして、 その後、入居者が全員退去したため、減損を認識したものでございます。  事業主等の行う職業訓練の援助に使用してきた施設、建物でございますが、こ れにつきましては、運営委託契約が見込めなくなったということでございまして、 減損を認識しております。  3点目の職員用宿舎に使用してきた土地・建物でございますが、これは80件ご ざいますけれど、使用しないという決定を行いました。このことによるものでご ざいます。  4点目、電話加入権3,038回線についてでございますが、加入債権自体に市場性 が認められない、換金性がないものと判断されたことによりまして、減損を認識 いたしました。  (3)は減損を認識した資産の活用状況についてでございます。事業主等の行う 職業訓練の援助に使用してきた施設、地域職業訓練センターあるいは情報処理技 能者養成施設についてでございますが、譲渡に向けて協議中が2件、有償譲渡し たものが1件でございます。また、職員用宿舎について使用してきた不動産につ きましては、境界確認、不動産鑑定評価を行いまして、売却に向けた準備を実施 しているところでございます。  5ページ目は、官民競争入札等の活用状況についてでございます。  平成19年度におきまして、官民競争入札等による事業を実施いたしました。  実施した事業の名称は、(2)でございます。アビリティガーデンにおける職業訓 練事業、私のしごと館における体験事業でございます。  その状況につきましては、(3)でございます。アビリティガーデンにおける職業 訓練事業につきましては、アビリティガーデンで開発・実施したうちの6コース、 これにつきまして民間競争入札を実施いたしまして、平成19年4月から20年3月ま で、落札者、株式会社東京リーガルマインドさんでございましたが、職業訓練を 実施いたしました。  確保すべき対象公共サービスの質といたしまして、受講者及び事業主に対する アンケートの満足度80%以上に対しまして、下から3行目にございますように、 受講者からの満足度は89.0%、事業主の満足度は88.7%でございました。これは アビリティガーデンが平成17年度にこれらの6コースの訓練を行いました、その 実績と同程度の実績が確保されております。  6ページ目でございます。私のしごと館における体験事業につきましては、5職 種について、体験事業について市場化テストを行いました。確保すべき対象公共 サービスの質といたしまして、体験利用者の満足度80%以上に対しまして、98.9 %の満足度結果が得られたところでございます。  7ページは、コンプライアンス体制の整備状況等についてでございます。  取組状況といたしましては、内部統制の充実を図るために、整理合理化計画等 を踏まえまして内部監査計画を定めました。これによりまして、新たに本部内に 内部監査委員会を設置いたしまして、この3月には20年度の内部監査計画を策定 いたしまして、本部各部、全施設に通知を行い、監査に着手しております。  8ページでございます。役員の報酬・給与等の状況についてでございます。  (1)給与水準の適切性についての自己評価についてでございます。国に比べて給 与水準が高くなっている要因といたしまして、1つには管理職の割合が高いこと。 2つには、国家公務員の調整手当の非支給地域に勤務する職員にも、3%に相当す る額を支給していたこと。3つ目といたしまして、人事管理上の運用につきまし ては、職員の年齢や経験年数、これによりまして昇格・昇給させていたこと、こ ういったことが影響を及ぼしておりましたが、(2)の措置にございますように、 平成18年度に職員の職位及び昇給の基準を明確にするなどの措置を講じまして、 昇給間差額を圧縮した俸給表への切り替え、これによりまして定期昇給による俸 給月額の増額幅の圧縮などを行いまして、解消を行っております。  米印にありますように、これらの効果は平成19年度以降段階的、継続的にあら われてまいります。  さらに、以上のような取組と相まって、人員削減、それから組織の効率化等に よりまして、給与、報酬等支給総額につきましては削減しております。また、支 出総額に占める給与、報酬等の支給総額の割合も逓減してきているところでござ います。  下から5行目になりますが、対国家公務員との比較指数、いわゆるラスパイレ ス指数でございますが、先ほども申し上げましたが、前年度比3.2ポイントのマ イナス、109.8ポイントでございますが、継続して引き下げを行い、第2期中期計 画期間末までに103ポイントを下回ることを水準是正の目標として改善を図るこ ととしております。  10ページ以下は参考資料でございます。時間の関係もございますので簡単に説 明をさせていただきます。  (1)は、平成19年度における役員報酬についての業績反映についてでございます。 3行下になりますが、平成18年度の業績評価結果が標準的なものであったという ことを踏まえまして、増減は行っておりません。  次のページは、役員の報酬等の支給状況についてでございます。右から2つの 囲みにございますように、就任・退任の状況にございますが、5名の役員が交代 をしております。  次のページは、役員の退職手当の支給状況についてでございます。業績勘案率 がまだ確定しておりませんので、退職金の支給は行っておりません。それから、 非常勤監事につきましては、退職手当の支給対象となっておりません。  13ページは職員給与についてでございます。下のウというところでございます が、平成19年度におけます給与制度の主な改正点でございますが、人事院勧告を 踏まえまして2点の改正を行っております。1点目は、若年層に適用される号俸を 中心とした俸給表の改定といたしまして、初任給を1.1%改定いたしまして、そ れに準じて他の等級号俸について改正を行ったことでございます。2点目は、扶 養手当の改定を行ったことでございます。  次のページでございます。職員給与の支給状況についてでございます。  枠の一番上にございます常勤職員のところでございますが、人員は3,320人、 平均年齢は45.2歳。19年度の年間平均給与額総額、平均支給総額でございますが、 784万5,000円という数字になっております。  15ページは、事務・技術職員の年間給与の分布状況でございます。16ページに なりますが、(5)でございます。職員と国家公務員、それから他の独立行政法人と の給与水準の比較指標でございます。対国家公務員で見ますと、先ほど申し上げ ましたが109.8、前年度から3.2ポイント低下しております。なお、対他法人でご ざいます。全独立行政法人の平均給与との比較をした場合の指数でございますけ れども、102.4、これにつきましても前年度から2.8ポイント低下をしております。  17ページは、給与水準の比較指標について参考となる事項についてでございま す。ただ今ご説明いたしましたように、指数の状況、それから国に比べて高くな っている定量的な理由、水準の適切性の検証、それから講ずる措置。以上でござ います。  次のページでございますが、総人件費について、それから19ページは総人件費 の参考となる事項ということでございまして、人件費の削減の取組内容あるいは 見直しの方針、取組の進捗状況について記載をしております。  以上が給与の関係でございます。  最後に、21ページの随意契約等の状況についてでございます。(1)の平成19年度 の実績、全体についてでございます。25ページに18年度の実績がございます。こ れと比べていただきますと、随意契約の件数でございますが、6,295件というの がございますが、これが19年度には5,610件、685件減少しております。  (2)の同一所管法人、(3)の同一所管法人以外の者というのは、(1)の内訳でござい ます。説明は割愛させていただきます。  22ページの(4)でございます。随意契約の見直し計画の実施状況についてでござ います。随意契約の情報については、競争契約により締結した内容も含めまして ホームページ上に掲載しております。なお、随意契約によることができる場合を 定める予定価格の基準につきましては、既に国の基準と同じにしております。  (5)の随意契約見直し計画の達成へ向けた取組状況についてでございます。(1) の下にございますが、本部から全施設に対しまして通知を行うとともに、全国所 長会議や課長会議、この場におきまして指示・説明を行うとともに、次のページ になりますが、具体的な事務手続の内容や留意事項を記載しました事務マニュア ル等を本部で作成いたしまして、施設に配布いたしました。また、取組を徹底さ せるために、施設から競争入札等への移行、このスケジュール等を提出させまし て、これを工程表といたしまして、本部においてその内容をチェックいたしまし て、取組の進捗管理を図ることとしております。  (6)にあります関連法人に対する実績といたしまして1件、368億7,000万円がご ざいます。これにつきましては、(7)にございますように、雇用促進住宅の管理運 営業務を財団法人雇用振興協会へ委託したものでございます。  次のページでございます。(8)にございますが、雇用促進住宅の管理運営業務に つきましては、20年度の契約から企画競争へ移行させております。さらに、(9)の (2)にもございますが、随意契約の件数で過半を占めます民間教育訓練機関への 職業訓練の委託、これにつきましても平成20年度分の契約から企画競争へ移行さ せております。したがいまして、金額の大きい契約、契約件数の大きい契約、こ うした取組による成果が、20年度分の実績から数値としてあらわれるものと考え ているところでございます。  説明は以上でございます。 ○井原部会長  ありがとうございました。  委員の皆様は評価シートへの評価等の記入をお願いいたします。質問等があり ましたらご発言をお願いいたします。 ○今村委員  最後のところの教育業務の外部委託の件なんですが、ちょっと気になるのは、 随意契約だと毎年更新ということで、ある一定の、経済的に言うと取引コストの 軽減というんですか、あるんですけど、企画競争だと毎年切れるということで、 その立ち上げまでのタイムラグみたいなコストというのは発生しないんでしょう か。取組体制と書いてあるので、その辺も含めて取り組まれるということだと思 うんですが、その辺はどういうふうに対応されているのか教えていただければと 思うんですが。 ○雇用・能力開発機構業務推進部長  教育ということで、委託訓練をお話しすればいいと思うんですけど、私どもは、 委託訓練につきましては、今、約40項目の委託訓練の評価書をつくっております。 それに基づきまして実際に選定していくという格好です。それも、コースが五千 数百コースと多うございますので、これは年度の前半・後半とか、地域または介 護とか経理とか分解してやっているんです。それをそれぞれに、評価書に基づき まして内部で評価委員会をつくって、見直していくという格好をしております。 そのときには、当然ながら委託訓練がうまく走るように、我々として、プロセス 管理セミナーといった情報提供、それから我々のつくったコース、これを提供し ながら、各民間の教育訓練機関が円滑にコース設定できるように後押しをしてい るというのが現状でございます。 ○篠原部会長代理  2点質問したい。  1つは、しつこいような目的積立金なんですが、ここに経営努力によって生じ たものではないと、第1期の中期計画終了においては、恐らく残った部分は国庫 納付されて、そのうちの一部は我々としても経営努力の結果生まれたんだろうと。 2期目で経営努力をしてないよということは、余り金額的にはしっかりやってな いよと判断されてしまうんです。それと、国立大学法人は期間進行基準が原則な ものですから、実は目的積立金が驚くほどあります。それを利用してないという 文句が評価委員から出るくらいの状況です。今回も恐らく1期目でも、私どもと しては経営努力の部分があるじゃんと。何で費用進行基準を採用しないのと。そ れは従業員に対する還元措置にも使えますのでね。  2点目が、先ほど言った総務省の政策評価の大きな3つのうちの1つがワーク・ ライフ・バランスなんですね。今、恐らく独法の職員は昔と比べればいいことな いと。ばんばんやらされて、それは世の中のあれでしょうがないかなと。僕も国 立大学法人の教授で50代の人に聞いて、「どうですか」と言ったら、「いいこと なんか何もないよ」と。恐らく末端の方はそうなんで、かなり努力もされてるん で、ワーク・ライフ・バランスという厚生労働省が言ってる観点から、従業員に 対して給料が下がってる状況でどんなものですかという調査ということは、され たんでしょうか。 ○雇用・能力開発機構企画部長  1点目でございますが、目的積立金につきましては先生おっしゃるとおりでご ざいますが、第1期計画が終わった昨年でございますが、44条3項のいわゆる目的 積立金としては積みませんでした。ただ、業務上必要な繰越積立金という形で、 44条1項の積立金につきましては、3つの勘定でもって積み立てさせていただいて、 第2期の業務に充てるというふうにしております。第2期につきましては、少し頑 張って、理事長の方向の下で検討なりをさせていただきたいというふうに思って おります。 ○雇用・能力開発機構理事長  じゃ、2点目の従業員のモラールアップといいますか、そういうことなんです が、確かにおっしゃるとおり、さっきご説明しましたように、ラスパイレスが 109という、ある意味では急激に下げてきてる。これは単純に言うと、今までの 昇給幅、一定の昇給幅があったのを4分の1しか上げない。ということは、今まで の1年の昇給幅が4年かかるというぐらい、単純に言うとですね。そういうことで 急速に落としているわけですが、ラスパイレスというのは本当に正しいのかとい うのは、私自身も前から、民間におったころから疑問に思ってたところなんです けど、それは一つの方向としてやるんならばいいんですが、これは隣にいる総務 部長にも何遍も宿題を出しているんですけれども、余りにも一律過ぎるんです。 上げ幅を全員下げる。ということは、ある意味ではみんなで我慢するという形で、 一つのあれにはなるんだけれども、もう少し個人業績あるいはチーム業績。うち のチームといったら、各地区のポリテクセンターが一つのチームですが、個人業 績、チーム業績に応じた、要するに業績に応じた報酬なら報酬の配分を工夫しな いと、余りにも一律的で、我慢するときもみんなというのはいいんだけど、物す ごく創意工夫をやってるセンターも、普通どおりやってるところも、同じ扱いと いうのはやっぱりインセンティブが働かない。これはうちの機構の課題だという ふうに思います。  労使協議会でも私、そういう発言をしましたし、あるボリュームをもって、一 気には難しい面もあるんですが、考えていくべき中期的な課題だというふうに認 識しております。 ○井原部会長  あとはよろしゅうございますでしょうか。  それでは、評価シートへの記入が進んでいると思いますけども、委員の方で、 本部会が終了した後に会場にお残りになって記入したい、それから評価シートを お持ち帰りになって記入したい等ご希望される場合は、本部会終了後、事務局に お声をおかけしていただければと思います。よろしくお願いします。  それでは、本日の議事は以上となります。  政策評価官室から次回の部会の日時等についてお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  次回の第49回労働部会の開催についてご連絡いたします。  日時は8月18日、月曜日の13時から19時まで、場所は省議室において、議題は 総合評価となっております。繰り返しになりますが、評価シートへの書き込みが まだ終わられていないという方がいらっしゃいましたら、評価シートはお帰りに なるまで回収いたしませんので、引き続きここでご記入いただいて結構です。ま た、お持ち帰りになって記入されたいという方がおられましたら、この後、事務 局までお声かけください。  以上です。 ○篠原部会長代理  ちょっといいですか。総合評価に向けて、評価を各担当者というのを2人ずつ 全部反映したんですが、それは今年は必要ないということですか。 ○政策評価官室長補佐  起草委員のことでしょうか。例年どおりです。 ○篠原部会長代理  去年と同じ担当者ということでしょうか。 ○政策評価官室長補佐  そうです。特に変更というのは聞いておりません。 ○井原部会長  去年と同じ組み合わせですね。  それでは、あとはよろしゅうございますか。  それでは、本日は以上とさせていただきます。長時間にわたり熱心なご審議を いただきまして、どうもありがとうございました。 (了) 照会先:政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係 連絡先:03−5253−1111(内線7790)