08/07/30 平成20年7月30日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 議事録         日 時:平成20年7月30日(木)14:00〜16:55 場 所:三田共用会議室 講堂 1 開 会 2 審 議    議 事:1 議題       (1)食品の規格基準の一部改正について       (2)食品添加物の指定の可否について (3)食品中の農薬等の残留基準値設定について        2 報告事項       (1)亜塩素酸ナトリウムの評価書の改訂について (2)L−アスコルビン酸カルシウムの評価書の改訂について   (3)平成19年度食品からのダイオキシン類一日摂取量調査等の調査結果に ついて   (4)平成20年度輸入食品監視指導計画について   (5)輸入加工食品の自主管理に関する指針(ガイドライン)について   (6)食品衛生法施行規則の一部改正等について   (7)特定保健用食品に係る新開発食品調査部会の審議結果について   (8)「健康食品」の安全性確保に関する検討会報告書について   (9)特別用途食品制度のあり方に関する検討会報告書について     (10)消費者行政推進基本計画について   (11)中国産冷凍食品による薬物中毒事案について 3 閉  会 ○佐々木補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会食 品衛生分科会を開催いたします。本日は御多忙のところ、御参集いただきまして厚くお礼 申し上げます。  まず、会議に先立ちまして、7月1日付で委員の辞職と新委員の就任がございましたの で御報告いたします。  神田委員におかれましては、5月に全国消費者団体連絡会事務局長を退任されました。 これを受け7月1日付で当審議会委員を辞職の申し出がありましたので、それを了承とい う形で辞職されました。神田委員のこれまでの多大な御尽力につきまして、この場をかり て厚くお礼を申し上げます。  次に、7月1日付で当審議会委員に就任され、当食品衛生分科会委員に指名されました 阿南委員を御紹介申し上げます。 ○阿南委員 阿南でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○佐々木補佐 阿南委員におかれましては、就任を御了承いただき、誠にありがとうござ います。御多用のところとは存じますが、食品安全行政の推進に御支援のほどよろしくお 願いいたします。  また、7月11日付で事務局の異動がございましたので、紹介いたします。  食品安全部長に石塚が就任いたしました。  企画情報課長に中垣が就任いたしました。  異動関係につきましては、以上でございます。  それでは、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。  本日は内田委員、岸委員、鈴木委員、西島委員、廣橋委員、宮村委員、山内委員、渡邊 委員から御欠席との連絡を事前にいただいております。また、児玉委員がちょっと遅れる という御連絡をいただいております。  現在、分科会総数19名のうち、現時点で10名の御出席をいただいており、出席委員が 過半数に達しておりますので、これをもって本日の分科会が成立いたしますことをまず御 報告いたします。  それでは、開会に当たりまして、食品安全部長の石塚から一言御挨拶を申し上げます。 ○石塚部長 先ほど御紹介ありましたように、7月11日付で前任の藤崎の後を受けまして、 食品安全部長を拝命いたしました石塚でございます。今後ともよろしくお願い申し上げま す。  本日は大変お暑い中、分科会のほうへ御出席賜りまして本当にありがとうございます。 また、日頃から食品安全行政の推進に当たりましては、委員の先生方には格別の御理解と 御支援を賜っているところでございまして、重ねて御礼を申し上げる次第でございます。 既に御案内のように、食品安全行政を取り巻く問題としましては、輸入食品の安全性の問 題でありますとか、ポジティブリスト化されましたことによります農薬の問題であります とか、また健康食品、新開発食品、GMOといったようなさまざまな課題があるというとこ ろでございます。特に本年1月に発生しました中国産の餃子問題ということにつきまして は、さまざまな課題が浮かび上がったところでございます。まだ最終的な結論は得られて おりませんが、私ども食品安全行政にかかわる部分ということにつきましては、発生から 半年を過ぎまして、これに関するもろもろの問題点、課題についての検証作業を進めてき たところでございまして、本日は議題の中でも報告事項として、この検証作業の結果につ いて御報告を申し上げる次第でございます。  現在、政府の施策の方向性としましては、消費者行政の重視、とりわけ国民の安心・安 全というものを第一に考えていくことをスローガンに掲げているところでございますが、 特に消費者行政の中でも食品安全にかかわる分野というものはその中でもとりわけ大きな 柱となっていると受けとめております。そういう意味で、それぞれ専門の立場からの先生 方の貴重なる御意見を賜りまして、今後の私どもの食品安全行政の推進に大いに役立てて いきたいと考えている次第でございます。  本日は資料のほうも膨大なものがございますし、また長時間にわたるこの暑い中での議 論でございますけれども、よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げまして、冒頭の 挨拶にかえさせていただきます。何卒よろしくお願い申し上げます。 ○佐々木補佐 それでは、本日の議事でございますが、お手元の資料の上に議事次第がご ざいます。また、その下に本日の資料の一覧が2枚にわたってございます。議事次第にご ざいますように、議題につきましては、(1)食品の規格基準の一部改正について、(2)食 品添加物の指定の可否について、(3)食品中の農薬等の残留基準値設定について、御議論 いただきます。  また、報告につきましては、11案件について御報告を申し上げます。  資料の一覧がございますが、こちらをごらんいただきまして、規格基準につきましては 1剤、添加物につきましては5剤、農薬及び動物用医薬品につきましては23剤の御審議を いただきたいと思っております。  資料につきましては、その下にございますので、現段階で資料の説明等は省略いたしま すが、審議中に資料の過不足等があった場合は、恐縮ですが、お手を挙げていただければ、 事務局がすぐに対応いたしますので、よろしくお願いいたします。  なお、委員の先生方におかれましては、資料が多いこともございますので、お手元に2 種類の資料の抄録・アブストラクトがございますので、そちらも併せてごらんいただけれ ばと思います。  それでは、以後の進行につきましては、吉倉分科会長にお願いいたします。 ○吉倉分科会長 それでは始めたいと思いますが、大体この議事の数で4時半まで2時間 半ですが、大体割り算しますと、1題当たり3分ぐらいなんです。そんな調子ですから、 要するに要点を押さえてうまく説明していただいて、効率よくやりたいと思います。  それでは最初の寒天からお願いします。 ○西嶋補佐 まず議題の1番、寒天でございます。資料は1−1、1−2「寒天の規格基 準の一部改正について」でございます。  寒天につきましては、告示の中で、成分規格としてホウ素(ホウ酸)として1g/kg以下 ということで成分規格がございます。あわせてホウ酸の試験法(滴定法)も規定されている ところでございます。滴定法については、昭和38年以降改正が行われていませんでしたが、 今般、ICP法が開発されたということですので、その導入について食品規格部会で議論を いたしました。基本的にはこの寒天のホウ素の規格基準そのものは変えるものではござい ませんで、その試験法を変更するものです。  主な審議内容の1つ目としましては、さはさりながら、従来行われてきた滴定法につい ては、これ自体に特段の不備がないということなので、引き続きこれ自体を行うことは差 し支えない。  2つ目としては、その上で新たに開発された機器分析法を導入することについては問題 がないとされております。  また、同等以上試験法を認める際には、ガイドラインをきちんと定める必要があるとい うことで規格部会の中で御審議をいただき、以降のページにもございますように、ガイド ラインを作成をしたところでございます。  5ページの3番でございますが、日々進歩する分析技術に迅速に対応するためには、告 示というよりは通知に落として適宜対応していくことが適当だろうとされております。  6ページをお開きいただければと思いますが、食品の規格基準を変更する際には、食品 安全委員会に健康影響評価を諮問するところですが、今般は規格基準そのものは変更せず、 試験法のみの変更ということですので、資料の15ページにもございますが、健康影響評価 を行うことが明らかに必要でないと、食品安全委員会から御返答いただいておりますので、 あわせて申し上げておきたいと思います。  7ページ以降が今現在の告示の内容、8ページ以降が、今回新たに御審議をいただきた いと思っております機器分析の方法の内容になっております。  なお、同等以上の試験法を示すときのガイドラインをあわせて通知でお示しをしたいと 思っているところでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 今の説明ですが、いかがですか。これは簡単に言うと、今後、告示から 通知に落とすということなんですが、告示と通知の違いを簡単に説明していただけますか。 ○西嶋補佐 告示の改正となると、所定の手続で比較的時間がかかったりしますけれども、 通知に関していえば、分析法の開発がどんどん進めば適宜通知を発することで新たな機器 分析の導入が迅速に行われるという観点から通知のほうがいいだろうということでござい ます。  また、農薬の試験法等についても、同様にかつて告示法から通知法に落として迅速な対 応ができるという体制を整えていることでございますので、それにならってやっていきた いと思っているところでございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。今、特に見なければいけないのは、7ページの寒天は、 「試験法はつぎのとおりとする」、ここのところですね。それとあと、告示から通知に落と すと。よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、次、お願いします。L−グルタミン酸。 ○小山田専門官 それでは、食品添加物4品目につきまして説明をさせていただきます。 本日、御審議いただく4品目につきましては、欧米では既に食品添加物として汎用されて いるもので、我が国においては未指定添加物というものでございます。国が自ら安全性に ついて、食品安全委員会へ食品健康影響評価を依頼し、その評価結果に基づき、本分科会 にて指定の可否の御審議をいただくものでございます。  それでは資料2−1をご覧になっていただきたいと思います。5ページになります。  品目名「L-グルタミン酸アンモニウム」、用途としては調味料でございます。  次のページ、6ページ、我が国での使用状況でございますが、我が国ではL-グルタミン 酸ナトリウム、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩が既に食品添加物に指定さ れ、カルシウム塩を除き使用基準は設定されず、調味料として広く食品に使用されている ものでございます。  また、食品添加物としての有効性といたしまして、風味増強剤として、うま味を呈する、 だし昆布の重要な呈味成分であり、また、うま味のほか特異な味を併せ持つことから、ナ トリウムを含まない代替塩、減塩食、味の特徴を活かした各種加工食品向け調味料として 有用と考えられているものでございます。  7ページですが、食品安全委員会における食品健康影響評価の結果でございます。  L-グルタミン酸アンモニウムが添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がな いと考えられ、ADIを特定する必要はないと評価されております。  次、8ページでございますが、摂取量の推計でございます。  2000年の調査における加工食品由来のL-グルタミン酸としての平均摂取量としては年 齢別に比較したものですが、一番少ない量としては、1-6歳が924mg/ヒト/日、一番多い20 〜64歳が1,900mg/ヒト/日という報告がされてございます。  また、生産量統計に基づいた食品添加物の摂取量の推計、これは平成16年の厚生労働科 学研究でございますが、L- グルタミン酸類の1人当たりの平均の1日摂取量は、L-グルタ ミン酸として約1,290mgと推定されておりまして、その99%以上がナトリウム塩という報 告がございます。  9ページの使用基準でございますが、使用しないという使用基準でございます。ただし、 その添加は、食品中で目的とする効果を得る上で必要とされる量を超えないものとするこ とが前提であり、その旨を関係業界等に周知することとしております。  10〜15ページにつきましては、成分規格でございます。これは記載のとおりでございま す。  答申案といたしましては、17ページをごらんになっていただきたいと思いますが、L-グ ルタミン酸アンモニウムについては、食品添加物として人の健康を損なうおそれのないこ とから、指定することは差し支えない。  なお、指定に当たっては以下のとおり、成分規格を設定することが適当である、とされ ております。  成分規格につきましては、記載のとおりでございます。  以上、説明です。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 今のようなことですが、いかがですか。特にないですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、この17ページの答申案で答申したいと思います。 それでは、次、お願いします。 ○小山田専門官 次は資料2-2をごらんになっていただきたいと思います。「ステアロイル 乳酸ナトリウム」でございます。 品目名は5ページ、用途といたしましては、乳化剤並びに安定剤等という用途がござい ます。 5ページの概要につきましては、ここに書かれてありますEU のグループADIという用語 の説明でございますが、このものは個々にADIを設定せず、類似の物質を1つのグループ としてADIを設定するものという位置付けでございます。我が国ではステアロイル乳酸カ ルシウムが既に指定されており、パン類、菓子類、めん類等に使用基準を設けた上で、よ く使用されているものでございます。  6ページでございますが、添加物としての有効性でございます。  小麦グルテンタンパク質を可塑化し安定性、弾力性を改善することから、パン等のベー カリー製品の乳化剤、生地改良剤、品質改良剤として有用であるとされております。また、 水溶性が高いことに加え、親水性の乳化剤(HLB値21)であって、水中油型の安定な乳化液 をつくるという特性を持つものでございます。  また、食品安全委員会における食品健康影響評価の結果でございます。  これはラットを用いた1ケ月間反復投与毒性試験でございます。無毒性量といたしまし ては、4%に当たる2000mg/kg/体重/日。安全係数は100として、ステアロイル乳酸ナトリ ウムの一日摂取許容量(ADI)として20mg/kg体重/日としております。  次に9〜10ページにかけての摂取量の推計でございます。  成人407mg/ヒト/日ということで、対ADI比としては40.7%に相当いたします。  また1〜6歳の摂取量でございますが、306mg/ヒト/日ということで、これも対ADI比 97.4%ということになります。  なお、この推定は使用基準に含まれる食品全てにこの物質であるステアロイル乳酸ナト リウムが最高使用濃度で使用されるとする過大な見積りであることから、本品目はADIを 超えて摂取される可能性は低いと考えられるものです。  次に10〜11ページでございますが、使用基準案としては、既に認められておりますステ アロイル乳酸カルシウムと同基準を考えております。  次に12〜14ページには、成分規格案として記載のとおりでございます。  答申案は、19ページをごらんになっていただきたいと思います。  ステアロイル乳酸ナトリウムについては、食品添加物として、人の健康を損なうおそれ がないことから、指定することは差し支えない。  なお、指定に当たっては、以下のとおり使用基準及び成分規格を設定することが適当で あるとされております。  以上、説明でございます。御審議をよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 いかがですか。19ページに答申案が出ていて、そこに使用基準が出てお ります。というわけですが、この答申案でよろしいですか。  グループということになると、今回「ステアロイル乳酸ナトリウム」になっているんだ けど、カルシウムとかなんか、いちいち審議をやるんですか、グループで1回やったとき に。 ○小山田専門官 基本的にはグループでナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、 全て同じ1つの包括的な基準ということで評価をいただいているという理解でございます。 ○吉倉分科会長 そうすると、今後は、例えばカリウムとかアンモニウムとか、出てきた ときは審議するのですか、しないんですか。 ○小山田専門官 その場合は、また安全性の評価について安全委員会に依頼して、結果が 出た際には御審議をいただくと考えております。 ○國枝課長 物としての指定は、法律上しなければなりませんので、指定ということであ れば塩が違うだけでも、行う必要があります。従って、食品安全委員会でそのグループの 中に、その塩違いの追加のものも含めてよいというう評価であれば、その評価結果に基づ いて、新ためてこちらの食品衛生分科会の方でご審議頂くことになります。 ○吉倉分科会長 大体わかりました。要するにグループに入っているかどうかを食品安全 委員会に判断もらうと、そういう理解でいいですか。 ○小山田専門官 EUではそのグループADIで評価されているということです。 ○吉倉分科会長 この答申案でいくということで。 次、お願いします。 ○小山田専門官 次に資料2−3をごらんいただきたいと思います。 5ページでございますが、品目名といたしましては「イソバレルアルデヒド」。 用途として、香料でございます。 また、概要につきましては、果実、野菜等の様々な食品に香気成分として天然に存在す るほか、酒類、茶葉、乳製品等の加工食品にも含まれ、発酵、加熱などにより生成するも のでございます。 また、食品安全委員会における食品健康影響評価の結果でございますが、本品につきま しては、香料として使用される場合に限定して、食品健康影響評価が行われたことから、 このものにつきましては、食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと評価 されております。 摂取量の推計でございますが、我が国で認可されているものと同程度の摂取量の情報と いうことから、一人一日当たりおよそ155μgから197μgの範囲になると想定されており ます。 6ページの使用基準案でございますが、着香の目的以外に使用してはならないとされて おります。 また、7〜13ページにつきましては、成分規格案が記載されております。   15ページをごらんになっていただきたいと思います。答申案でございますが、イソバ レルアルデヒドについては、食品添加物として、人の健康を損なうおそれがないことから、 指定することは差し支えない。  なお、指定に当たっては、以下のとおり使用基準及び成分規格を設定することが適当で あるとされております。 使用基準は、着香の目的以外に使用してはならない。 成分規格は、ここに書かれているとおりでございます。 以上、説明です。御審議をお願いいたします。 ○吉倉分科会長 15ページのとおりですが、よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 ではこの答申案でいきます。 次、お願いします。 ○小山田専門官 次に資料2−4をごらんになっていただきたいと思います。 これも先ほど説明いたしましたイソバレルアルデヒドと同じ香料でございます。 5ページ、品目名としては「バレルアルデヒド」。 用途としては香料でございます。 概要につきましては、先ほどと全く同じですので割愛させていただきます。 食品安全委員会における食品健康影響評価の結果でございますが、これもまたイソバレ ルアルデヒドと同じように、食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念がないと評 価されております。 また、摂取量の推計ですが、一人一日当たり、おおよそ8.83μgから86.4μgの範囲に なると想定されているという報告がございます。 6ページでございますが、使用基準案といたしましては、着香の目的以外に使用しては ならないとされております。  成分規格案でございますが、7〜12ページに記載のとおりでございます。  答申案といたしまして、15ページをごらんになっていただきたいと思います。答申案、 「バレルアルデヒドについては、食品添加物として、人の健康を損なうおそれがないこと から、指定することは差し支えない。  使用基準といたしましては、着香の目的以外は使用してはならない。  成分規格は記載のとおりです。  指定に当たっては、以下のとおり使用基準及び成分規格を設定することが適当であると とされております。  以上、説明でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 先ほどのイソバレルアルデヒドと似たような感じだと思います。よろし いですか、この案の答申でいいですか。  これはパブリックコメントその他はどうなっているんですか。 ○小山田専門官 今後のスケジュールでございますけれども、パブリックコメント並びに WTO通報による意見聴取期間を経まして告示の手続を行う予定にしております。 ○吉倉分科会長 それでは、その次、デンプンをお願いします。 ○小山田専門官 資料2−5をごらんになっていただきたいと思います。  5ページです。品目名といたしましては「アセチル化アジピン酸架橋デンプンほか11品 目ございます。たくさんありますので割愛させていただきます。  8ページをごらんになっていただきたいと思います。用途としては、糊料、乳化剤、増 粘安定剤等でございます。  また、概要につきまして、我が国ではデンプングリコール酸ナトリウム及びデンプンリ ン酸エステルナトリウムが昭和30年代に既に指定されておりまして、この上記11品目に つきましては、食品として取り扱われてきたものでございます。  9ページをごらんになっていただきたいと思います。食品添加物としての有効性でござ います。加工デンプンは化学的な修飾を導入することで、水への溶解性、糊化温度、加熱 溶解時粘性の安定性、物性安定性を改善し、デンプンの持つ欠点を補うと共に、様々な機 能性を増強・付与し、さらに、食品の調理加工性を改善する点で有用性があると言われて おります。  12〜13ページをごらんになっていただきたいと思います。食品安全委員会における食品 健康影響評価の結果でございます。評価の対象になった11品目の加工デンプンが、食品添 加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと考えられ、ADIを特定する必要 はないと評価されております。  なお、厚生労働省に対して、乳幼児向け食品について使用のモニタリングを検討するこ ととされていることから、このものが指定された後は、使用実態につきましてモニタリン グを実施する予定でございます。また、調製粉乳につきましては、厚生労働省の承認が必 要とされているものでありますことから、モニタリングは可能であると考えております。  次に14ページの摂取量の推計でございます。  1〜3歳におきましては、4.90〜6.31g/ヒト/日、4歳以上は8.19g/ヒト/日という推計が されております。  使用基準案でございますが、設定しないという使用基準案でございます。  ただし、その添加は食品中で目的とする効果を得る上で必要とされる量を超えないもの とすることが前提であり、その旨を通知の際には関係業界等に周知したいと考えておりま す。また、食品安全委員会の評価結果を踏まえ、食品添加物としての指定後、調製粉乳及 び離乳食に対する加工デンプンの使用実態を調査整理した上で、改めて食品安全委員会に 報告したいと考えております。  次に15ページでございます。類似する指定添加物についてということですが、既に指定 されているデンプンリン酸エステルナトリウムについては、今回指定対象のリン酸化デン プンとの成分規格が重複しており、これが2つ指定されることによって混乱を招くことと、 流通実態の調査結果により使用実績がないということでしたので、このものについては指 定を削除したいと考えております。  16〜52ページにかけて成分規格案を記載しております。  答申案でございますが、55ページをごらんください。  答申案、アセチル化アジピン酸架橋デンプンほか11品目につきましては、食品添加物と して、人の健康を損なうおそれがないことから、指定することは差し支えない。  なお、指定に当たっては、以下のとおり成分規格を設定することが適当である。  成分規格としましては、部会報告書の別紙に書かれているとおりでございます。  以上でございます。御審議をよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 いかがでしょうか。今までデンプン、ほかにかなり使われていたみたい なんだけど、55ページの表にはそれは入ってないんですね。 ○小山田専門官 はい。 ○吉倉分科会長 そうですね。あと、インファントフォーミュラーの話なんですが、これ はEUでしたか、インファントフォーミュラーで上限かなんかを…… ○小山田専門官 5%という上限です。 ○吉倉分科会長 これはどういう理由なんですか。 ○小山田専門官 理由は明確ではございませんが、乳幼児の消化とか、そういったことも 含めて5%という上限を設けているようでございます。 ○吉倉分科会長 このモニタリングは一体何をメルクマールにして、指標にしてモニタリ ングやるんですか、モニタリングはいいんですが。 ○小山田専門官 先ほど説明したように、調製粉乳につきましては、厚生労働省が承認し ているものですから、その栄養成分につきましては、随時その内容を把握することができ ると思います。また、離乳食等につきましては、関係団体を通じまして加工デンプンの使 用割合、これをモニタリングして、5%を超える場合につきましてはその調査を行いたいと 考えております。 ○吉倉分科会長 調査というのは乳幼児の健康調査なんですか。 ○小山田専門官 業界を通じまして、どのくらいの割合で、使用実態、どういうふうなも のにどのくらいの量が含まれているかといったものを調査したいと考えております。 ○吉倉分科会長 簡単に言うと含有量と使用実態、それについてモニタリングする。 ○小山田専門官 はい。 ○吉倉分科会長 答申案は55ページのとおりですが、いかがでしょうか。よろしいですか。 先生、どうぞ。 ○大野委員 非常に細かいことなんですけれども、添加物の報告書の全体を見渡してみて、 ミリリットルのところですが、mlのところを、エルを大文字で書いてあるところと小文字 で書いてあるところがあって、添加物の分野で、最初はmlは小文字で書いてあったので、 添加物の分野は(ml)小文字かなと思ったら大文字(ML)で書いてあるところもあったので、 添加物の分野は、mlで小文字で書くということにこだわらないのだったら大文字で統一し たほうがよろしいかなと。リットルのところも小文字で書いてあるところと大文字で書い てあるところもあったので。 ○小山田専門官 実は企画基準改正の際に、いわゆる第8版公定書の記載のミリリットル でございますけれども、手続上は本来はIUPAC命名法に従いましてエルを大文字にしなけ ればならないところですが、8版ではエムエルのエルは小文字にしております。単体のエ ルは大文字で書かれておりますが、9版の際にはエムエルのエルを大文字に訂正していき たいと、考えております。 ○吉倉分科会長 それでは、55ページ答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 これもパブリックコメントをやるんですか。 ○小山田専門官 これは既にパブリックコメントは終了してございます。 ○吉倉分科会長 次は農薬、「アミトラズ」からお願いします。 ○小木補佐 それでは、農薬13剤の説明に入らせていただきます。資料3−1、ページは 5ページです。  品目名としては「アミトラズ」。  分類用途としては農薬/殺虫剤、動物用医薬品/外部寄生虫用剤及びミツバチ寄生ダニの 駆除に用いられるものということになってございます。  作用機構としては、オクトバミンレセプターに作用してcAMPの過剰生産を引き起こす というものです。  今回の御審議の対象ですけれども、薬事法に基づく動物用医薬品の製造販売の承認申請 に伴う残留基準の設定及びポジティブリスト制度導入時に設定をいたしました基準値の見 直しということでございます。  資料1枚めくっていただきまして6ページになりますが、適用作物/適用病害虫です。  こちらはみかん、かんきつ、りんご、なし/ミカンハダニ、リンゴハダニ等に適用される ものですし、それから(2)になりますが、動物用医薬品といたしましては、牛、豚、羊、み つばち/外部寄生虫、寄生ダニというものへの適用ということが表にまとめてございます。  残留試験のほうがずっとありまして、13ページに行きます。  こちらが食品安全委員会からいただきました食品健康影響評価の結果です。2年間の慢 性毒性試験、イヌの結果に基づきまして、無毒性量が0.25mg/kg体重/day。安全係数100 からADIが0.0025mg/kg体重/dayという結果を回付いただいております。  我が国の農薬の状況なのですが、先ほどのとおり、みかん、かんきつ、りんご、なしに 農薬登録がされておりまして、動物用医薬品としては承認は現段階ではされていないもの です。  諸外国の状況なのですが、ADIの下のところに書いてございますが、国際基準は、おう とう、綿実、牛の筋肉等の農畜産物に設定されてございます。米国において、なし、ホッ プ、牛の筋肉等に、カナダにおいて、なし、りんご、牛の肝臓等に、EUにおいて、アーモ ンド、りんご、肉等に、オーストラリアにおいて、りんご、綿実、乳等の農畜産物に基準 値が設定されてございます。  基準値をまとめましたものが35ページからになります。  表の網かけがしてある部分が暫定基準が設定されておったもので、この部分、基準を見 直したということの表の記載になってございます。網かけの部分の隣のところに数字が入 っておりますのが、今回の基準値案というところです。それから、網かけの隣の部分に登 録の有無とありますが、こちらに印が入っているものが国内で登録されている部分になり ます。参照基準値は国際基準値と外国の基準値で基準値の大きいものをここに書いてござ います。一番右側の欄が作物残留試験成績ということで、作物残留試験を実施した結果の 要約をここに書かせていただいていると、そういった表のつくりになってございます。  基準値(案)としては、農作物名、食品名の隣のところが農産物になりますが、基準値と して36ページ以降のところにみかん等の基準が置かれているのが認められるかと思いま す。  そういった基準値を置かせていただきました結果の推定摂取量なのですが、これが38〜 39ページにかけての部分になります。表が横になっていますが、起こしていただきますと、 推定摂取量という表題がありまてし、基準を置かせていただく食品群が左側の欄に縦に並 んでございます。隣の欄が基準値案です。暴露評価に用いた数字がその隣にありまして、 国民平均、幼小児、妊婦、高齢者等の推定摂取量の計算の結果になってございます。一番 下のところが合計欄になりますから、こちらが暴露評価の結果になります。  今回の評価の結果なのですが、残留試験の結果を加味した形での推定摂取量の換算を行 っておりまして、結果としては、国民平均のEDIのところをごらんいただきたいのですが、 40.1μg/人/day、幼小児で29.6mg/kg体重/day、妊婦で43.2mg/kg体重/day、高齢者で37.2 mg/kg体重/dayという摂取量になっております。  対ADI比ということでございますが、その下のところがADIに占める割合ということで ございますので、国民平均でいきますと、30.1%、幼小児におきましては74.9%、妊婦に おいては31.0%、高齢者におきましては27.5%を占める形で推定摂取量のほうを計算させ ていただいたということでございます。  意見聴取の状況ですが、今回の基準値案については、平成20年3月24日に1回目の在 京大使館への説明を実施してございます。その後、7月28日、先日なのですが、再度また 在京大使館への説明を実施しております。今後、パブリックコメント及びWTO通報の手続 を予定しております。  41ページが、今回基準値を置かせていただくものをとりまとめました答申案の一覧表に なってございます。  説明としては以上でございます。御審議のほうをよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 いかがですか。どうぞ。 ○品川(森)委員 ADIの評価というところで、イヌを使っているわけですね。0.25mg/kg体 重/dayとなっているのですが、57ページのところで、ヒトのボランティアのほうですと、 0.25mg/kgという形で、これはヒトのほうでは症状が出ているわけですね、ここのところ。 だけど、おまけにここの文章を見ますと、ボランティアの場合は、ほかの実験動物より感 受性が高いのだと、人のほうが、ということになっているわけですが、この問題は無視し てしまってもよろしいのですか、ADIを決定する際に。その後のほうで、また、ヒトのほ うの成績が出てきているのですけれど、新たにですね。 ○小木補佐 私どものほうといたしましては、安全性の評価を食品安全委員会のほうに諮 問をいたしまして、その評価結果ということで、こちらのほうに御連絡をいただく形にな ってございます。したがいまして、45ページのところにございますけれども、アミトラズ、 農薬動物用医薬品評価書ということで、2007年5月に安全委員会からこちらのほうに回付 をされました評価書がつけてございますけれども、評価結果といたしましては、71ページ のところに総合評価ということで評価結果が取りまとめられてございます。この結果、す なわちこのADIをもとに私どものほうとしては基準値のほうの設定を行ったということで ございます。 ○品川(森)委員 それはわかっているのですが、そうしますと、ここの委員会では何をし たらよろしいかということになると思うんですよ。食品安全委員会のこのあれが適当なの か、要するに十分理解できないということなんですね、私としては。 ○國枝課長 先生、57ページのヒトのところというのは、体重kg当たり0.25mgですね。 体重73〜90kgの方ですから、例えばまるめて100掛けますと25mgになります。単位が違 うのでは。 ○品川(森)委員 違うんですか。 ○國枝課長 食品安全委員会のほうでは、こういうものも含め全部総合的に評価した上で、 ADIを設定しておりまし、また農薬・動物用医薬品部会でもしっかりチェックを頂いてお ります。 ○品川(森)委員 このADIのところではイヌを使った場合は0.25mg/kg体重/dayですよね。 それで、今、57ページのほうは、0.25mg/kg体重/dayかどうか、そこまで書いてないんで すが、ここは、これはどういうふうに単位が違って。 ○國枝課長 イヌの場合には全く影響が出なかったのが0.25mg/kg体重/日というので、こ れは慢性的毒性試験としてやっているものですけれども、それについて100の安全係数を 用いてADIを出しています。ご指摘のヒトの部分については、確かに体重的にいうと、こ れですと…… ○品川(森)委員 単回投与のところですぐ急性の症状が見られると書いているわけですよ ね。 ○大野委員 69ページのところに、その他の試験というのがありますけれども、ヒト志願 者による二重盲検定とありますね。そこのところで無毒性量は0.125mg/kg/日となってい ますね。この値そのものは、イヌは0.25で、イヌの無毒性量より低いです。人間以外の動 物の結果に基づいてADIを決めるときには無毒性量の100分の1が普通ですね。しかし、 ヒトのデータに基づくときにはセーフティーファクターはもっと小さくてもいいわけです ね。10分の1でもいいということになっていますので、そういう意味では、ヒトの結果を もとに設定するよりも、動物の結果をもとに設定したほうがより低い値になるので、私は これでいいのではないかと思います。 ○品川(森)委員 そうですか。私はあまりこのあれよくわからないものですからね。 ○大野委員 一応セーフティーファクターは種差の部分が10、個人差の部分が10として いて、ヒトのデータに基づくときには種差は考慮する必要がありませんので、10か、もち ろん毒性の症状によっても違いますけれども、一般的にはそういう値で表示されていると 思います。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。基本的には食品安全委員会リスクアセスメントの機関 ですから、リスク管理に当たる省庁のこういう審議会ではリスク評価の結果については一 応、要するにリスク評価機関とは完全に独立したものであると、そういう理解で食品安全 委員会の評価結果に基づいてどういうぐあいに残留量を決めるか、そういうスタンスなわ けですけれども、大野先生の説明でもありましたが…… ○品川(森)委員 たくさんありますので、後からまたちょっと教えていただこうと思いま す。 ○吉倉分科会長 ほかにも、代謝産物が出てきて、残留量の測定の問題とかちょっと面倒 なことがあるんですが、41ページの答申案でよろしいかと。基本的にはADIに対しての摂 取量のADI比が100以下になればいいという、その辺のクライテリアで判断されればいい と思います。よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは次、お願いします。 ○小木補佐 資料3−2の「エトキサゾール」に移らせていただきます。5ページをごらん ください。  用途分類といたしましては、農薬・動物用医薬品で殺虫・殺ダニ剤です。  作用機構といたしましては、オキサゾリン環を有する殺虫・殺ダニ剤で、キチン生合成 阻害によって、脱皮不全という作用基準になってございます。  今回の審議の対象でございますけれども、薬事法に基づく動物用医薬品の製造販売の承 認申請に伴う残留基準の設定及びポジティブリスト制度導入時に設定した基準値の見直し ということでございます。  1枚めくっていただきまして、適用作物/適用病害虫等が表にまとめてございますけれど も、みかん、かんきつ、りんご、なし、もも、ぶどう、びわ等のハダニ類に適用される農 薬ということでございまして、もう一枚めくっていただきまして、8ページの上のところ が動物用医薬品としての使用方法ということでマダニということが記載されてございます。  残留試験の結果がずっと書いてございますけれども、19ページに行っていただきまして、 安全性の評価結果です。食品安全委員会から回付されました食品健康影響評価に基づきま して記載させていただいているものですが、無毒性量といたしましては4.01mg/kg体重 /day、動物種ラットで、慢性毒性/発がん性併合試験(ラット)の2年間のもので、安全係数 としては100を乗じまして、(ADI)0.04mg/kg体重/dayという結果を回付いただいておりま す。 我が国の状況ですけれども、先ほどのとおり、みかん、かんきつ、りんご等に農薬登録 がされておりまして、牛に対して動物用医薬品としての承認がされているものです。  諸外国における状況なのですけれども、11のところ、下の段になりますが、国際基準は 設定されておりませんで、米国においておうとう、ホップ等に、オーストラリアにおいて りんご、綿実等に、基準が設定されております。  これらをまとめましたものが29〜30ページにかけての部分なのですが、記載の仕方につ いては先ほどのものと同様でございます。網かけの部分のところは暫定基準が置かれてい たもの、白抜きで現行のところに基準値が入っていたものはもともと基準を持っていたも のということでございます。基準値(案)のところから抜けているものは今回基準を削除 したものということで表を見ていただければ結構かと思います。  推定摂取量の表なのですが、31ページに記載してございます。国民平均といたしまして、 TMDIで93.4μg/人/day、幼小児といたしまして68.8μg/人/day、妊婦:94.2、高齢者106.0 ということになりまして、ADIに占める割合としては4.4、10.9、4.2、4.9とそれぞれ算 出がされまして、対ADI比として、この程度の比を占める形で基準値のほうを置かせてい ただいたということでございます。  意見聴取の状況でございますが、平成20年7月28日に在京大使館への説明を実施して ございます。したがいまて、今後パブリックコメント及びWTO通報の手続を予定しており ます。  答申案ですが、2枚めくっていただきまして34ページが、今回基準を置かせていただき ます基準値の一覧表になってございます。  説明といたしましては、以上でございます。御審議のほう、よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。特に御質問なければ、この答申案で。これはパブリッ クコメントその他は。 ○小木補佐 実施する予定にしております。 ○吉倉分科会長 「オキソリニック酸」。 ○小木補佐 「オキソリニック酸」、資料3−3になります。5ページをごらんください。  品目名「オキソリニック酸」。  分類用途といたしましては、農薬/殺菌剤、動物用医薬品/細菌性疾病に対する治療及び 予防で用いられる薬剤でございます。  キノリン骨格を有する殺菌剤ということでございますので、DNAの複製を阻害すること によって作用するということでございます。  動物用医薬品としては、大腸菌、サルモネラ等への疾病に対して予防・治療効果を有す るものということでございます。  今回の御審議の対象でございますが、農薬取締法に基づく適用拡大の申請及びポジティ ブリスト制度導入時に設定をいたしました基準値の見直しということでございます。  1枚めくっていただきまして6ページからが、同様に適用作物/適用病害虫の一覧表にな ってございます。稲の細菌疾患、もも、うめといったような農作物への適用がされていま す。この表の中で四角い枠囲いがされている部分が今回適用拡大が申請されている農作物、 使用方法といったような形の記載の仕方になってございます。  参考ですけれども、9ページに動物用医薬品としての使用方法が続いて表に記載されて ございます。牛、豚、鶏、魚等の細菌性疾病に対する適用でございます。  残留試験の結果がずっと書かれていますが、22ページをごらんください。こちらが食品 安全委員会から回付をされました食品健康影響評価の結果なのですが、無毒性量としては 2.18mg/kg体重/dayということで、ラットの繁殖毒性試験2年間のものから安全係数の100 を乗じましてADIとして0.021mg/kg体重/dayという結果の回付をいただいております。  我が国の状況としては、稲、なし、はくさい、だいこん、きゃべつ、ばれいしょ等に、 農薬等の登録がされておりますし、牛、豚、鶏、魚等に対して動物用医薬品としての承認 がされているものです。  諸外国における状況が下から書かれていますが、国際基準は設定されておりませんが、 EUにおいて畜水産物に基準値が設定されてございます。  基準値(案)が38〜39ページにまとめてございます。  表のつくりとしては同様の記載のつくり方になってございます。同様に見ていただけれ ば結構かと思います。登録の中に「経」という文字が入っているところがありますが、こ れは資料を最初に回付いただいたときにはデータが収集中だったということを意味してい るもので、データのほうが集まってまいりましたので、基準値を置かせていただいたとい うふうに見ていただければ結構かと思います。  40ページのほうが、この剤の推定摂取量の一覧表です。  同様にTMDIの推定摂取量の計算を行っておりまして、国民平均として262.6、幼小児で 112.3、妊婦で225.9、高齢者で277.7ということになりまして、対ADI比といたしまして は23.5、33.8、19.3、24.4%という形での占有率で基準値を置かせていただいたという形 になってございます。  意見聴取の状況でございますが、こちらは平成20年5月15日に在京大使館への説明を 実施してございます。したがいまして、今後、またパブリックコメント及びWTO通報の手 続を予定しております。  1枚めくっていただきまして、42ページが今回基準値を置かせていただく予定としてお ります答申案の一覧表になります。  事務局からの説明といたしましては以上でございます。御審議のほうよろしくお願いい たします。 ○吉倉分科会長 はい。よろしいですか。いかがですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 42ページの答申案で、次、お願いします。 ○小木補佐 資料3−4になります。薬剤としては「シロマジン」です。5ページをごらん ください。  用途/分類ですが、農薬・動物用医薬品の殺虫剤です。  作用機構といたしましては、トリアジン系の殺虫剤で、幼虫に対する脱皮阻害作用、蛹 に対する変態阻害作用によるものと考えられております。  今回の審議の対象ですが、農薬取締法に基づく適用拡大の申請、薬事法に基づく動物用 医薬品の製造販売承認申請に伴う残留基準の設定、ポジティブリスト制度導入時に設定を した基準値の見直しを行っております。  1枚めくっていただきまして6ページからですが、同様に農薬としての使用方法が表に まとめてございます。ミニトマト、メロン、チンゲンサイ等のハモグリバエ等に適用がさ れるものです。四角い枠囲いが適用拡大を申請されているものです。羊、鶏等、動物用医 薬品の用途としては、ハエの幼虫の駆除に用いられているということが記載してございま す。  残留試験の結果がずっと書かれておりまして、13ページをごらんください。  11番目のところにADIの評価ということで、食品健康影響評価を回付いただいた結果が 記載してございます。無毒性量としては、1.81mg/kg体重/day、動物種はラットで慢性毒 性/発がん性併合試験2年間のもので、安全係数100乗じましてADIとして0.018mg/kg体 重/dayという評価結果を回付いただいてございます。  我が国の状況としては、しゅんぎく、セロリ、トマト、なす、かぼちゃ等に農薬登録が されておりますし、畜舎・鶏舎への噴霧が動物用医薬品として承認を受けている部分とい うことになります。  諸外国における状況なのですが、12.のところに記載してございますが、国際基準につい ては、本年のコーデックス残留農薬部会において、セロリ、きゅうり等の残留基準を設定 することが合意をされまして、この7月の総会で採択をされてございます。米国において、 ブロッコリー、ねぎ等、カナダにおいて、セロリ、ほうれんそう等に、オーストラリアに おいて畜産物、ニュージーランドにおいて畜産物に基準値が設定されてございます。  文章記載のほうなんですが、表の下のほうの記載、後ほど述べますが、記載と合わせる 必要がある部分がございますので、表の脚注のほうで見ていただく形で結構かと思います。  基準値(案)のほうをごらんください。25〜27ページにまとめてございます。 ○吉倉分科会長 ごめんなさい、今の表、どの表なのか。 ○小木補佐 お配りしている資料の12.のところなんですけれども、表現としてはこうい う形に確定したというか、決まりましたのでよろしいかと思うのですが、(注)の記載との 対応の関係を今お話をさせていただきました。お配りをさせていただいている資料のほう は、「2006年JMPRにおける毒性評価が行われ、ADIが設定されている。国際基準はセロリ、 きゅうり等に設定されている」という表現になっているかと思います。 ○吉倉分科会長 簡単に言うと、どこに(注)が書いてあるのかわからない。 ○小木補佐 説明します。25ページからの基準値の一覧表がございます。今、対応してい る(注)の部分の御説明なのですが、国際基準というところの数字の置いている部分なんで すけれども、27ページがその脚注がついている部分なんですけれども、国際基準であるコ ーデックス基準においては、本年のコーデックス残留農薬部会においてシロマジンに係る 残留基準がstep5/8に進めることで合意されたが、その後、本年のコーデックス総会にお いて採択をされたという(注)の記載になってございますので、表現上、先ほどの表現と合 わせていただくという意味ではそういった形で読んでいただければという意味で申し上げ ました。 基準値の表の御説明ですけれども、表のつくりとしては、先ほどと同様、網かけ部分が 残留基準値を見直した部分、白抜きの部分で基準値が置かれている部分はもともと基準が あった部分。基準値(案)のところで基準値が抜けている部分は基準を削除した部分という ことでございます。登録のところに「○」というのが登録されている部分で、「申」という 形で漢字が入っている部分が申請をされた部分ということでございます。 表の見方としてはそういう形になりますが、推定摂取量の一覧表が28〜29ページにかけ て載ってございます。横になってございますので、立てていただきますと、EDIでシロマ ジンの推定摂取量の計算表を出させていただいておりますが、国民平均といたしまして、 EDI231.2μg/人/day、幼小児で110.7、妊婦で164.7、高齢者で268.0。対ADI比としては、 24.1、38.9、16.5、27.5%を占めるというような形で摂取量の推定をさせていただいてお ります。  意見聴取の状況ですが、こちらにつきましては、平成20年6月17日に在京大使館への 説明を実施いたしました。今後パブリックコメントとWTO通報の手続を予定しております。  2枚めくっていただきまして、32ページが今回答申をさせていただくということでまと めました基準値の一覧表になってございます。  説明としては、以上でございます。御審議をよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 何か御意見ありますか。27ページの羊の脂肪、その他について、0.4と いうので、どこよりも高いように思うんですが、これはどういう理由なんですか。 ○江島専門官 羊の脂肪と、あと陸棲哺乳類の脂肪が0.4となっておりますけれど、残留 試験が行われておりまして、その結果で0.26、±0.06という値が出ていますので、残留試 験の結果から0.4という値を置いております。 ○吉倉分科会長 わかりました。ほかに何か御意見ありますか。 それでは、32ページのこの答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 次、お願いします。 ○小木補佐 資料3−5にまいります。「エチプロール」です。同じように5ページをごら んください。 品目名「エチプロール」。 用途としては、農薬の殺虫剤です。 フェニルピラゾール系殺虫剤でして、クロライドイオンチャンネルに結合して不活性化 して、クロライドイオンの流れを止めるということが作用機序と考えられてございます。  審議の対象でございますが、農薬取締法に基づく適用拡大の申請、ポジティブリスト制 度導入時に設定した基準値の見直し及び魚介類への農林水産省からの基準設定の要請がご ざいましたので、それに伴う基準の設定を行ったということでございます。  1枚めくっていただきまして、6ページからが適用の表でございますけれども、稲、大豆、 えだ豆、リンゴ、茶のウンカ類、カメムシ類等への適用されるものです。四角い枠囲いの 大豆、えだ豆が適用拡大を申請している部分になってきます。使用時期のところにも枠囲 いがされていますから、使用方法についても適用の拡大がされたという申請でございます。  残留試験の結果が書かれていますけれども、11ページのほうに行っていただきまして、 ADIの評価結果が回付された分を転記してございます。無毒性量といたしましては、 0.5mg/kg体重/day、ウサギの発生毒性試験23日間のものから、安全係数100を乗じまし て、ADIとして0.005mg/kg体重/dayという評価結果を回付いただいております。  我が国の状況といたしましては、先ほどの表のとおり、稲、りんご、茶に農薬の登録が されてございます。  諸外国における状況なのですが、国際基準は設定されておりません。米国、カナダ、EU、 オーストラリア、ニュージーランドのいずれの国及び地域においても基準値のほうは設定 されておらないものでございます。  基準値(案)ですけれども、14ページからの表になります。表のつくりとしては、先ほど と同様でございます。登録の有無の欄に「申」と書かれている部分が今回適用拡大の申請 のあった部分になってきます。魚介類のところ、16ページになりますが、農林水産省から の基準の設定の要請がございましたので、今まで現行基準欄空白で置かれてなかったわけ ですけれども、0.09ということで、基準値のほうを置かせていただいたということでござ います。  その隣の表に行きまして、推定摂取量なのですが、17ページ、EDIの推定摂取量の算出 結果ですけれども、国民平均といたしまして30.5、幼小児で19.3、妊婦で28.8、高齢者 で33.7ということで、対ADI比といたしましては、11.5、24.5、10.4、12.5という占有 率になってございます。  意見聴取の状況でございますけれども、5月15日に既に在京大使館への説明は実施して ございます。今後、パブリックコメントとWTO通報の手続を予定しているものでございま す。  2枚めくっていただきまして、20ページが今回答申をさせていただく予定の基準値の部 分を一覧表にまとめましたものでございます。  説明といたしましては以上でございます。御審議をよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 いかがですか。よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 では、この答申で、次、お願いします。 ○小木補佐 続けてまいります。資料3−6、「オリサストロビン」です。5ページをごら んください。  品目名といたしまして「オリサストロビン」、分類用途は農薬の殺菌剤です。  ストロビルリン系殺菌剤でして、植物病原菌内のミトコンドリアで行われる呼吸を阻害 するといった作用機序によるものと考えられています。  審議の対象ですが、魚介類への農林水産省からの基準設定の要請に伴う基準の設定が今 回の審議の対象でございます。  1枚めくっていただきまして、6ページに農薬の適用作物/病害虫が書いてございますが、 稲のいもち病等に用いられる薬剤ということでございます。  残留試験の結果等が書かれていますが、12ページ上のところに安全評価の結果が記載し てございます。無毒性量といたしまして5.2mg/kg体重/day、動物種(ラット)で、試験の種 類は慢性毒性/発がん性の併合試験2年間のもので、安全係数100を乗じてADIとして 0.052mg/kg体重/dayという結果を回付いただいております。  我が国の状況は、したがいまして、稲に農薬の登録がされているものです。  諸外国における状況ですが、国際基準は設定はされておりませんし、米国、カナダ、EU、 オーストラリア、ニュージーランドのいずれの国及び地域においても基準値は設定されて おりません。  15ページに基準値の表が載ってございますけれども、お米に適用されるものですので、 現行基準値として0.2という基準値を置いておりました。作物残留試験の結果も提出され ておりまして、この結果からも現行基準値でよいと、0.2という基準値を置くことで差し 支えないと考えられましたので、この基準値が記載されてございます。魚介類についても、 0.2という基準値を置かせていただくということで、現行基準値空欄から基準値案のとこ ろが0.2という数字が入ったということでございます。  推定摂取量の表が次の16ページでございますけれども、TMDIで国民平均55.8、幼小児 で28.1、妊婦で46.8、高齢者で56.6ということで、対ADI比で国民平均2.0%、幼小児 で3.4%、妊婦で1.6%、高齢者で2.0%という形での基準値の占有率になってございます。  意見聴取の状況なのですが、こちらも5月15日に在京大使館への説明を実施してござい ます。  19ページ、1枚めくっていただきました次のページになりますが、答申案ですが、新し く基準値を置かせていただきます魚介類の基準値か載ってございますが、0.2ということ で基準値を置かせていただく表になってございます。  事務局の説明としては、以上でございます。御審議のほうよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 これは農水の魚介類の基準値、残留基準は魚介類だけですね。 ○小木補佐 具体的には魚介類への基準設定の部分が今回の御審議の対象ということにな ります。 ○吉倉分科会長 これは要するに11ページに水産動植物被害予測濃度、ここのところで算 定されたものですね。 ○小木補佐 おっしゃるとおりでございます。算定の根拠といたしましては、7.の魚介 類への推定残留量という項目のところに記載させていただいた形で算出をいたしまして、 基準値0.2ppmということで基準値を置いたということでございます。 ○吉倉分科会長 あと、外国はこれを使われていないということですか。 ○小木補佐 基準値の設定状況なのですが、先ほどの諸外国における状況のところの基準 値の設定のところを見させていただきますと、参照いたしました米国、カナダ、EU、オー ストラリア、ニュージーランドにつきましては、基準値が設定されていなかったというこ とでございます。 ○吉倉分科会長 要するにそこでは使われてないと、そういうことですか。必ずしもそう ではないんですか。 ○小木補佐 使用と残留の関係を先生はおっしゃっているのだと思うんですけれども、私 どものほうとしては、基準値の設定という形で見ておりますので、外国のほうで基準値が 設定されているかどうかというところで確認をさせていただいたものということでござい ます。 ○吉倉分科会長 それではよろしいですか、この答申案で。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 次、お願いします。 ○小木補佐 資料3−7になります。「ベンフレセート」です。2枚めくっていただきまし て5ページです。  分類/用途といたしましては、農薬の除草剤です。ベンゾフラニルアルキルスルホン酸系 除草剤でございます。炭素数が18以上の長鎖の脂肪酸ということで、脂肪酸の合成阻害と いう作用機序と考えられてございます。  審議の対象は、先ほどの剤と同様でございますけれども、魚介類への農林水産省からの 基準設定の要請に伴う基準の設定ということでございます。  1枚めくっていただきまして6ページが農薬の適用作物等を書いたものですが、同様に 稲に適用されるもので、水田一年生雑草等に用いられるものということでございます。  残留試験の結果が載っていますが、11ページをごらんください。こちらが食品安全委員 会から回付いただいた食品健康影響評価の結果を転記してございますが、無毒性量といた しましては、2.63mg/kg体重/day、ラットの慢性毒性/発がん性試験、2年間の長期のもの で、安全係数100を乗じましてADIとして0.026mg/kg体重/dayという結果を回付いただ いております。  したがいまして、我が国の状況としては稲に登録されているという形になります。  諸外国における状況なのですが、国際基準は設定されておりませんし、米国、カナダ、 EU、オーストラリア及びニュージーランド、いずれの国・地域においても参照基準国の基 準値は設定されていない状況でした。  14ページが基準値の一覧表でございます。現行基準値欄のところで、0.1、お米という ところがありますが、作物残留試験の成績を確認いたしまして基準値(案)として0.05とい う基準値を置かせていただいております。  綿実につきましては、0.1ということなんですが、脚注に書いてございますように、作 物残留試験のほうが確認できなかったところから、基準値を削除してございます。魚介類 については、先ほどと同様に算出いたしまして0.07ppm を基準値(案)として置かせていた だいているという表のつくりになってございます。  推定摂取量が15ページの隣の表に載ってございます。TMDIで算出してございますけれ ども、国民平均で15.8、幼小児で7.9、妊婦で13.6、高齢者で16.0ということから、対 ADI比としまして、1.1、1.9、0.9、1.1といった形で算出されまして、占有率としてはそ ういった形の占有率になっている使用方法だということでございます。  意見聴取の状況でございますが、こちらも5月15日に在京大使館への説明を実施してご ざいます。今後、パブリックコメントとWTO通報の手続を予定しているということでござ います。  1枚めくっていただきまして、17ページが今回新しく基準値を置かせていただく一覧表 になってございます。  事務局の説明としては以上でございます。御審議のほうよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 17ページの答申案でよろしいですか。どうぞ。 ○長尾委員 14ページのテーブルで、「(♯)これらの作物残留試験は、申請の範囲内で試 験が行われていない」と言って、0.01ppmと書いてあるのですが、どういう濃度でして、 0.01ppmなんですか。 ○小木補佐 作物残留試験の結果につきましては、別紙の2のほうでは、代表例として残 留値のみの記載となっております。前をめくっていただきまして、13ページが実際に作物 残留試験を実施したものの試験条件の一覧表になってございますので、この剤につきまし ては、1番目のカラムのところで見ていただきますと、水稲(玄米)で、2つの圃場を使って 2%粒剤をこの使用方法、10a当たり3kg/2回用いて経過日数65日、89日で残留を調べた というような形の表のまとめになってございます。  実際のこちらの表の試験の記載につきましては、前の9ページのところから、作物残留 試験の結果として水稲(玄米)を用いた作物残留試験(2例)において……という形で記載さ れております。こうした結果が出ておりますので、その辺を勘案したということです。  あと、関係機関等調整をいたしまして、この基準値(案)で差し支えないだろうというよ うなことで置かせていただいたものです。 ○吉倉分科会長 何かわかったような、わからないような話なんですが…… ○國枝課長 すみません、6ページから適用の粒剤のパーセンテージが書いてありまして、 2%のものがないので、恐らく今日本で登録されているものには2%のものはないけれど も、類推をして問題ないだろうということだと思います。 ○吉倉分科会長 私、申請の範囲内の意味がよくわからなかったんだけれども、結局濃度 の話ですか、「申請の範囲内で」というのは。 ○小木補佐 これはいろいろなケースがあるものですから、この「申請の範囲内で」とい う表現自体が適当であるのかどうなのかというのがあるのですが、条件としてはこういう 条件でやっているけれども、試験結果のバラツキとしてこういうものも評価対象に組み入 れましたよという部分で対応させていただいている部分もあるので、先生おっしゃるよう に、表現の部分は今後似たような剤があれば、検討したいと考えます。 ○吉倉分科会長 さっき國枝さんが説明されたのだとよくわかるんだが、そういうことで いいんですか。もう少し、説明いただきたい。 ○國枝課長 今、確認しましたところ、私の説明でいいということでした。 ○吉倉分科会長 そういうことで、それだったら非常によくわかる。 ○小木補佐 済みません。 ○吉倉分科会長 それで推定して、TMDIとADI比はこの範囲内ということですか。  それでは、この答申案でお願いします。 ○小木補佐 資料3−8、「ベンチアバリカルブ イソプロピル」です。5ページをごらんく ださい。  農薬/殺菌剤です。  アミノ酸アミド誘導体殺菌座でして、ホスファチジルエタノールアミンN−メチルトラ ンスフェラーゼを特異的に阻害し、細胞膜主要構成成分であるホスファチジルコリンの生 合成を阻害することによって、殺菌作用を示すという作用機構によるものと考えられてお ります。  審議の対象は、農薬取締法に基づく適用拡大の申請です。  1ページをめくっていただきまして、6ページから使用方法の表になってございますが、 適用作物/病害虫といたしましては、きゅうり、はくさい、メロン、キャベツ、ねぎ、大豆 等/べと病。ミニトマト、ばれいしょ/疫病等。なす/褐色腐敗病等といった形で用いられる ものです。  四角い枠囲いがされている部分が適用拡大されている部分ということでございます。  残留試験の結果がずっと書かれていますが、11ページのほうに行っていただきまして、 食品健康影響評価の部分ですが、無毒性量として6.9mg/kg体重/day、ラットの繁殖試験2 世代のもので、安全係数100として(ADI)0.069mg/kg体重/dayという算出結果を回付い ただいております。  我が国の状況としては、ばれいしょ、はくさい、たまねぎ、きゅうり、ぶどう等に農薬 の登録がされてございます。  諸外国における状況がその下に書かれていますけれども、国際基準は設定されておりま せんで、米国において、ぶどう及びトマトに残留基準が設定されている状況です。  基準値(案)ですけれども、15ページ、2枚ほどめくっていただいたところに基準値の 表がございます。同様な表のつくりになってございますけれども、(申)と書かれているも のが適用拡大の申請に当たってきている部分ということでございます。  摂取量の計算ですけれども、その裏側になりますが、16ページですけれども、TMDIとい たしまして、国民平均で148.4、幼小児で75.2、妊婦で118.3、高齢者で142.9というこ とで、対ADI比としては、4.0、6.9、3.1、3.8とそれぞれ占める形での占有率で基準を置 かせていただいたものということでございます。  意見聴取の状況なのですが、5月15日に在京大使館への説明を実施してございますので、 今後パブリックコメント及びWTO通報の手続を予定しているものです。  19ページが基準値をまとめました一覧表で答申をさせていただく予定のものになりま す。  御審議のほうよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 この19ページの答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 どうもありがとうございました。ちょっと時間がだんだん詰まってきて いるので、がんばってやりましょう。 ○小木補佐 資料3−9をごらんください。同じく5ページから説明させていただきます。 「ジメトモルフ」になります。  用途といたしましては、農薬/殺菌剤です。  作用機構としては、ケイ皮酸誘導体殺菌剤で、菌体の細胞壁の形成阻害という作用機構 によるものと考えられております。  審議の対象は農薬取締法に基づく適用拡大の申請、インポートトレランス制度に基づく 要請でございます。  1枚めくっていただきまして、使用方法等を一覧表にまとめたものがございますが、ば れいしょ、トマト等/疫病、きゅうり、たまねぎ、レタス等/べと病、なす、みかん等/褐色 腐敗病に適用されるものという形で用いられるものということになってございます。  残留試験の結果がずっと書かれていまして、13ページの下のところに9.としてADIの 評価結果が示されていますが、2年間のラットの発がん試験から無毒性量11.3mg/kg体重 /dayということで、安全係数100を乗じまして0.11mg/kg体重/dayという結果を回付いた だいております。  我が国の状況といたしましては、ばれいしょ、トマト、きゅうり等に農薬の登録がされ ております。  国際基準につきましては、先ほどありました剤と同様なんですが、コーデックスの残留 農薬部会において、ブロッコリー、キャベツ等の残留農薬基準をStep5/8に進めることで 合意がされて、その後、総会のほうで採択されてございますので、そういった形になりま す。  同様に、先ほどの注釈の記載と同様になってまいりますが、21ページのところの(注)の 下のところですが、「国際基準であるCodex基準については、本年のコーデックス残留農薬 部会において、ジメトモルフに係る残留基準がStep5/8に進めることで合意されたが、そ の後、本年のコーデックス総会において採択された」ということでございます。  その他、参照国ですけれども、米国において、ぶどう、レタス等、オーストラリアにお いてブドウ、ねぎ等、カナダにおいて、ばれいしょ、ニュージーランドにおいて、ぶどう に基準値が設定されてございます。  それらをまとめましたものが20〜21ページにかけての先ほどの表になります。表の見方 は同様で、適用拡大の申請がされたところにつきましては(申)で記載されている部分です。  摂取量のほうなんですが、1枚めくっていただきまして、22ページ、同様ですが、TMDI で 国民平均で692.0、幼小児で397.5、妊婦で548.9、高齢者で676.0、対ADI比としては、 11.8、22.9、9.0、11.3%の占有率ということで基準を置かせていただいているものです。  意見聴取の状況としては、6月17日に在京大使館への説明を実施しました。今後、パブ リックコメントとWTO通報の手続を予定しているものです。  25ページが今回答申をさせていただくという形で取りまとめました基準値の一覧表に なってございます。  説明といたしましては、以上でございます。御審議をよろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 よろしいですか、25ページの答申案で。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、次、お願いします。 ○小木補佐 資料3−10、「ハロスルフロン メチル」です。5ページをごらんください。  品目名として「ハロスルフロン メチル」で、用途は農薬の除草剤です。  スルホニルウレア系除草剤で、アセトラクテートシンターゼの阻害によって生長を停止 させ、枯死させるという作用機序によるものと考えられております。  今回の審議の対象は、ポジティブリスト制度導入時に設定した基準値の見直しです。  1枚めくっていただきまして、6〜8ページにかけての部分なのですが、適用作物等を まとめてございますが、さとうきび、稲等の一年生広葉雑草等に適用される剤ということ でございます。  残留試験の結果が書かれていますが、11ページにADIの評価結果ということで、安全委 員会からの食品健康影響評価の結果を転記させていただいております。1年間の慢性毒性 試験(イヌ)で、無毒性量10.0mg/kg体重/dayということから、安全係数100を乗じまし て、ADIとして0.1mg/kg体重/dayという結果を回付いただいております。  我が国の状況としては、先ほどの表にあります米、さとうきびに農薬登録がされていま す。  12ページに諸外国における状況を記載してございますが、国際基準は設定されておりま せんで、米国において、アーモンド、アスパラガス等、オーストラリアにおいて、とうも ろこし、綿実等、ニュージーランドにおいて、とうもろこしに基準が設定されているとい うことでございます。  基準値(案)をまとめましたものが、17〜19ページにかけての部分でございますが、基 準の見方としては、今までの剤と同様でございます。  摂取量のほうなんですが、20ページにまいります。TMDIの算出結果を示してございます が、同様に一番下の計のところですが、国民平均として32.0、幼小児で18.2、妊婦で25.7、 高齢者で33.3ということになりまして、対ADI比といたしましては、それぞれ0.6、1.1、 0.5、0.6といった占有率で基準値を置かせていただいた形になってございます。  意見聴取の状況なのですが、6月17日に在京大使館への説明を実施しております。今後 パブリックコメントとWTO通報の手続を予定している剤ということになります。  22ページが答申案ということで、基準値を置かせていただきます食品につきまして一覧 表にまとめたものでございます。  御説明としては以上でございます。御審議よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 22ページの答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 次、お願いします。 ○小木補佐 資料3−11、「ブプロフェジン」です。5ページをごらんください  同様に、農薬/殺虫剤です。  チアジアジン環を有する殺虫剤ということで、脱皮異常による殺幼虫作用及び卵に対す る不孵化による殺卵作用を有することによって作用すると考えられているものでございま す。  今回の審議の対象でございますけれども、魚介類への農林水産省からの基準設定の要請 がございましたので、それに伴う基準の設定、ポジティブリスト制度導入時に設定した基 準値の見直しということでございます。  1枚めくっていただきまして、6ページから同様に使用方法の表がまとめられてござい ます。稲/ウンカ類幼虫等、みかん等/ヤノネカイガラムシ若齢幼虫等、トマト、きゅうり 等/オンシツコナジラミ幼虫等の適用といった形で用いられる剤ということでございます。  残留試験の結果がずっと載ってございますが、29ページになります。ちょっとページが 飛びます。29ページの下にADIの結果ということが書かれていますが、無毒性量としては、 0.90mg/kg体重/dayということで、ラットの慢性毒性、発がん性試験2年間のものから安 全係数100を乗じまして、ADIとして0.009mg/kg体重/dayという結果を安全委員会のほう から回付いただいております。  我が国における状況といたしましては、稲、小麦、トマト、なす、きゅうり等に農薬の 登録がされております。  諸外国における状況が30ページに書かれてございますけれども、国際基準はきゅうり、 オレンジ、トマトに設定されてございます。米国においてあんず等、オーストラリアにお いてかんきつ類果実、ぶどう等、ニュージーランドにおいてかんきつ類果実、ぶどう等に 基準値が設定されております。  基準値を一覧表にまとめましたものが42〜44ページにかけての部分になります。網かけ がされておりますのがポジティブリスト制度を導入時に設定した基準値がございまして、 これらも併せて作物残留試験のところにいっぱい書かれておりますが、こういった確認を させていただいて、基準値のほうの見直しを行ったということでございます。  それから、44ページの下のところに魚介類0.2ということで、現行基準値欄は空欄にな ってございますので、新しくここに基準値を置かせていただいたという形でございます。  推定摂取量の表でございますが、45ページからの表になりまして、46ページに合計欄が ございます。横にして見ていただきますと、残留実態を加味したEDIの算出になりますが、 国民平均として170.8、幼小児で91.6、妊婦で168.2、高齢者で178.3μg/人/dayという ことになりまして、対ADI比で35.6、64.4、33.6,36.5といった暴露評価の結果が得られ ております。  意見聴取の状況としては、7月28日に在京大使館への説明を実施してございます。  48〜49ページにかけてが、今回基準値を置かせていただく一覧表ということでまとめま した答申案の表になります。  事務局からの説明としては以上です。御審議よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。どうぞ。 ○長尾委員 同じ問題なんですが、先ほどは申請の範囲内で試験が行われてなかったとい うのですが、今回は使用方法の範囲内で試験が行われてないというふうにわざわざ書いて あるんですね。使用方法が違うというのだったら、データが、何のためのデータかよくわ からないのですが、先ほどの御説明では、使用方法は規格どおりで、剤形が違うというお 話…… ○國枝課長 濃度が2.0%という粒剤がなくて、たしか1.8というので、ですから申請の 剤形のものがなかったと。 ○長尾委員 剤形が違って、使用方法は合っていたわけですよね。 ○國枝課長 2回散布だったと思いますけれども。 ○長尾委員 この今のテーブルの脚注には、使用方法が範囲内で試験が行われてないと書 いてあるんです。剤形がと書いてなくて使用方法、ちょっと変じゃないですか、使用方法 が違ったら。 ○國枝課長 これは恐らく回数の制限とかが使用方法で、例えば6ページ以降をごらんい ただくとあるのですけれども、これが例えば回数がもう少し多いとか、そういうふうにな りますと、若干残留量が過剰に見ることになりますので、そういうことではないかと思い ますが。 ○長尾委員 そういうことでしたら……。 ○國枝課長 これの件については、海外の作残データを使っていましたので、海外で認め られている使用回数というのは、別途日本とは違う形であるので、その範囲内でというこ とだと思います。 ○長尾委員 要するに残留量というものの意味が、意味がある数字が出ているのかどうか だけなんですけれど、残留量と使用条件とがどういう関係にある数字が出ているのかがわ からない。 ○國枝課長 実際には、国内で登録され使われたた場合と、海外で使われていて、それが 日本に輸入される場合があります。もちろん海外では、気候条件も違いますから、使用回 数だとか、剤形も少しずつ違うわけですね。我が国における作物の残留基準というのは、 それぞれの国が登録の内容をきっちりちゃんと守っていた範囲内であれば、一定量の残留 値以下であるという前提で、その範囲で基準値を定めて、それが最終的にトータルのADI の8掛におさまるかどうかということで評価をしています。例えば海外であれば、使用方 法とか剤形は微妙に違うわけですが、それぞれに基本となるデータがあれば、それをもと に妥当であれば、それを認めましょうという形になりますし、国内であれば、国内のもの を見てやることとなります。そのどちらもあるということであれば、高いほうの分を採用 するという形にしているということになります。  先生の御質問への回答とは違いますでしょうか。 ○長尾委員 でもここに書いてある使用方法は、日本で使用する場合の試験条件ですね、 これは。ちょっと意味が、これは試験したときの条件。 ○國枝課長 実際には、登録になる前に、圃場の試験をやっていますので、最終的な登録 されたときの条件と場合によっては若干違う場合もないわけではないと思うんです。それ は国内であっても同じですけれども。 ○長尾委員 ここで言っていることは、こういう使用条件では、こういう残留量であった ということで…… ○國枝課長 そういうことになります。 ○長尾委員 実際に使うときは違う条件で使うということを意味しているんですか、この テーブルの意味は。 ○國枝課長 例えば海外などでも作残データとして提出されたデータの条件というのが、 実際の海外での登録の条件と違う場合があるわけですね。そういったときには、そのまま 単純に残留試験を利用する場合と、それは参考にして、少し例えば回数が5回投与されて いるけれども、4回に制限をした場合にどういうふうに考えるかというのは、それはそれ ぞれの条件を見ながら登録機関が考えたりしてやっていたと思いますけれども、そういう のを斟酌しながらこちらの残留基準をつくるときに考えているということだと思いますけ ど。 ○吉倉分科会長 結局ここの6ページあたりから使用方法がざっと出ているわけですね。 一応それを前提にしているわけですね、残留量の決定は。ただ、データはここにあるよう に、今、長尾さんがおっしゃったように完全に同じではないかもしれないけれども、その データを利用すれば、一応この残留量で妥当なところだろうと、そういう話です。試験は 同じでなくても、推定はこの使用法で、この残留量でうまくいくという、そういう判断だ と思うんです。 それではよろしいですか。この答申案どおり、48ページ、49ページでいこうと思います。 時間どおりやろうと思うと、あと1件1分ずつぐらいでやらなければいけないのですが、 なるべく効率よくやりましょう。 ○小木補佐 資料3−12、「フェン アミドン」です。  用途は農薬/殺菌剤で、イミダゾリノン系の化合物になります。5ページを読んでいます。 病原菌のミトコンドリア内でのリン酸化の阻害ということで、エネルギーの生産を阻害す る作用機作ということでございます。  審議の対象でございますが、インポートトレランス制度に基づく要請とポジティブリス ト制度導入時に設定した基準値の見直しです。  1枚めくっていただきまして、同様に農薬の使用方法がまとめられてございますけれど も、ぶどう、はくさい、きゅうり、メロン等のべと病に適用されるということでの使用方 法になってございます。  残留試験の結果がずっと書かれていますけれども、10〜11ページにかけてのところです が、健康影響評価の結果です。2年間の慢性毒性、発がん性併合試験(ラット)のもので、 無毒性量が2.83mg/kg体重/dayということで、安全係数100を乗じまして、ADIとして 0.028mg/kg体重/dayということでございます。  我が国の状況は、はくさい、たまねぎ、きゅうり、すいか等に農薬登録されてございま す。  諸外国における状況がその下に書かれていますけれども、国際基準は設定されておりま せんで、米国において綿実、ねぎ等、カナダにおいてばれいしょ、ニュージーランドにお いてねぎ、ばれいしょに基準値が設定されてございます。  基準値をまとめましたものが、19〜20ページにかけてのものですが、表のつくりとして は同様でございますが、登録の有無の欄に「IT」とこの資料では書かせていただいていま すが、インポートトレランスということをわかりやすくする意味で、この資料、今回から 「IT」という形で記号を入れさせていただいたというだけです。表のつくりとしては、先 ほどと同じです。  推定摂取量の部分ですが、TMDIでの評価結果になっておりまして、ADI比のところだけ 読ませていただきます。国民平均として25.6、幼小児で40.5、妊婦で22.7、高齢者で21.5 という占有率で基準値を置かせていただいたという形になってございます。  意見聴取の状況ですが、7月28日に在京大使館への説明を実施してございます。今後パ ブリックコメントとWTO通報の手続を予定しております。  24ページが答申をさせていただくということでまとめました基準値の一覧表になって ございます。  説明としては以上です。御審議よろしくお願いいたします。 ○吉倉分科会長 24ページの答申案でよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、次、お願いします。 ○小木補佐 農薬としては最後の剤になりますが、3−13、「ジクロルミド」です。5ペー ジをごらんください。  「薬害軽減剤」という表現がされていますが、除草剤と混合して用いられるsafenerで す。 グルタチオン S-トランスフェラーゼを阻害しまして、除草剤のグルタチオン抱合を促進 することにより適用作物の除草剤の解毒作用を促進するという作用機作によるものと考え られております。 審議の対象はポジティブリスト制度導入時に設定した基準値の見直しです。 1ページめくっていただき、6ページが適用病害虫の範囲及び使用方法ということで、本 剤の使用の仕方を記載させていただいたものですが、とうもろこしに適用されるもので、 発症後14日までに適用されるものです。  食品安全委員会からの安全性の評価結果ですが、無毒性量として5mg/kg体重/day、イヌ の亜急性毒性試験で、期間90日ということから、安全係数300を乗じましてADIとして 0.016mg/kg体重/dayという結果を回付いただいております。  我が国においては登録はございません。  諸外国における状況ですが、国際基準は設定されておりませんで、米国において、平成 20年12月31日まで適用される期間限定の基準ということで、現実的には「定量下限値」 ですけれども、これがとうもろこしに設定されています。  8ページ、1枚めくっていただきましたものが、今説明申し上げました部分の参考基準値 の記載の部分になります。基準値の現行としては0.05という基準がございますが、こちら については作物残留試験の21例の結果が6ページのところにも記載してございますけれど も、残留実態を勘案して基準値を削除し、一律基準を適用することでも差し支えないので はないかということで、このような表のまとめになってございます。  暴露評価の結果は、したがってついてございません。  意見聴取の状況でございますが、平成20年7月28日に在京大使館への説明を実施して ございます。今後、パブリックコメントとWTO通報の手続を予定しております。  したがいまして、10ページになりますが、答申案といたしましては、ジクロルミドにつ いて食品中の残留基準を設定しないことが適当である、という記載文にしてございます。  事務局からの説明といたしましては以上でございます。御審議よろしくお願いいたしま す。 ○吉倉分科会長 簡単に言うと、これは一律基準になるわけですか。 ○小木補佐 そうでございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか、この答申案で。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 次、お願いします。 ○江島専門官 それでは、資料3−14「トルトラズリル」になります。  牛、豚、鶏等/コクシジウム病の予防及び治療になります。  適用動物/適用疾患ですが、6ページになります。牛、豚、羊、鶏等/コクシジウム病に なります。  審議の対象ですが、薬事法に基づく動物用医薬品の製造販売の承認申請に伴う残留基準 の設定になります。  食品安全委員会における食品健康影響評価結果ですが、10〜11ページにありますとおり、 許容一日摂取量(ADI)0.01mg/kg体重/日になっております。  我が国の状況ですが、5〜6ページにありますとおり、動物用医薬品としては承認され ておりません。  諸外国の状況ですが、11ページにありますとおり、国際基準は設定されておりませんが、 EU、オーストラリア及びニュージーランドにおいて残留基準が設定されております。  基準値案は、18ページにあります。  暴露評価は、この基準値案に基づいたADI比が、国民平均で12.5、幼小児で35.9%、妊 婦で11.8%、高齢者で12.3%となっております。  今回、牛、豚に対して経口投与による使用及び休薬期間について申請がなされておりま す。  今回、食品安全委員会において、再度評価がなされましたが、ADIの変更は行われてお りません。  あと、休薬期間が6ページに書かれておりますが、日本よりも短い休薬期間の国がある ことから、既にある残留基準は休薬期間を守れば満たすことができると考えております。  答申案については、21ページにありますとおりです。  御審議のほどお願いいたします。 ○吉倉分科会長 そうすると、基準現行、ここのところをそのままにすると、そういう意 味ですか。 ○江島専門官 そうです。21ページに答申案がありますとおり、トルトラズリルについて は、現行の食品規格を変更しないことが適当であるという答申案にしたいと考えておりま す。 ○吉倉分科会長 現行のやつはもう一回確認すると、18ページのものですか。 ○江島専門官 はい、18ページです。 ○吉倉分科会長 わかりました。よろしいでしょうか、この答申で。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 次、お願いします。 ○江島専門官 「ピルリマイシン」になります。 用途ですが、5ページにありますとおり、泌乳期の牛乳房炎の治療になります。 適用動物/適用疾患については、5〜7ページにありますとおり、牛の乳房炎の治療です。  審議の対象ですが、薬事法に基づく動物用医薬品の製造販売の承認申請に伴う残留基準 の設定です。  8ページに、食品安全委員会における食品健康影響評価結果がなされております。許容 一日摂取量として0.008mg/kg体重/日となっております。  我が国の状況は、5〜6ページにありますとおり、動物用医薬品としては承認されており ません。  9ページに諸外国の状況があり、国際基準が牛の筋肉及び乳に設定されております。あ と、米国、カナダ、EU及びニュージーランドにおいて残留基準が設定されております。  基準値については12ページにありますとおりです。  暴露評価については、13ページにありますとおり、ADI比では、国民平均で10.6%、幼 小児で47%、妊婦で12.9%、高齢者で10.4%となっております。  今回、牛/泌乳牛に対して申請がなされました。6ページにありますとおり、用法、休薬 期間が示されております。既に基準値がありまして、食品安全委員会において、再度評価 がなされていますけれど、ADIは変更されておりません。  このことから、用法・容量を守っていれば、残留基準を満たせると考えております。  答申案は、15ページにありますとおりです。  御審議のほど、お願いいたします。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。 (「異議なし」と声あり)  それでは、次、お願いします。 ○江島専門官 「豚オーエスキー病(gI-,tk-)生ワクチンです。  用途/適用動物は、5ページにありますとおり、豚のオーエスキー病の発症予防です。  本剤の概要は、5ページにありますとおり、強毒オーエスキー病ウイルスNLA-3株由来 の2.4-N3A株を弱毒化したBegonia株を主剤としております。  審議の対象ですが、5ページにありますとおり、薬事法に基づく動物用医薬品の製造販 売の承認申請に伴う残留基準の設定です。  食品安全委員会における食品健康影響評価結果は、6ページにありますとおり、オーエ スキー病は人畜共通感染症とはみなされておりません。また、添加物についても問題はな いことから、当生物学的製剤が適切に使用される限りにおいては、食品を通じてヒトの健 康に影響を与える可能性は無視できると考えられるとされております。  我が国の状況は、5ページにありますとおり、本ワクチンは承認されておりません。  諸外国の状況は、5ページにありますとおり、欧州等で承認されております。  残留基準案は、6ページにありますとおり、食品安全委員会における評価結果を踏まえ、 残留基準を設定しないこととしております。  答申案ですが、8ページにありますとおり、豚オーエスキー病(gI-,tk-)生ワクチンに ついては、食品規格を設定しないことが適当であるとしたいと考えております。  御審議のほどお願いいたします。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。この8ページの答申案で。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 次、お願いします。 ○江島専門官 「アスコルビン酸」です。  用途/適用動物は、5ページにありますとおり、ビタミンC欠乏症の予防及び治療、ビタ ミンCの補給です。  本物質の概要は、5ページにありますとおりL-アスコルビン酸及びその塩類となってお ります。  審議の対象は、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づく飼料添加物の 指定及びポジティブリスト制度時に設定した食品衛生法に基づく人の健康を損なうおそれ のないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質(対象外物質)としての見 直しになります。対象外物質は、農薬等として使用されたものが食品に残留した場合であ っても、その食品を摂取することによって人の健康を損なうおそれのないものが明らかで あるものについては、残留農薬等に関するポジティブリスト制度の規制の対象とすること は適当でないという観点から対象としない物質に対する規定を設けております。65物質が 指定されております。  7ページに、食品安全委員会における食品健康影響評価があり、L-アスコルビン酸が動 物用医薬品及び飼料添加物として適切に使用される限りにおいて、動物に残留したL-アス コルビン酸及びその代謝物が食品を介して、ヒトの健康を損なうおそれがないと考えられ るとされております。  我が国の状況は、6ページにあり、動物用医薬品及び飼料添加物において承認・指定さ れ利用されております。  諸外国の状況は、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)では、食品添加物あるいは L-アスコルビン酸の栄養補助剤として使用されるという条件では「ADIを特定しない(not specified )と評価されております。あと、ADIでも同様の評価がなされております。  7ページにありますとおり、対象外物質としての設定は、食品安全委員会における評価 結果を踏まえ、L-アスコルビン酸及びその塩類をアスコルビン酸とし、対象外物質として 設定することといたしたいと考えております。  答申案は、9ページにありますとおり、アスコルビン酸については、食品衛生法11条第 3項の規定により、ヒトの健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして定め ることは妥当であるという答申にしたいと考えております。  御審議のほどお願いいたします。 ○吉倉分科会長 よろしいですか、この答申案で。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 この調子だとちょっと5時近くまでになりそうなんですが、次、お願い します。 ○江島専門官 それでは「タウリン」になります。  用途は、5ページにありますとおり、飼料の栄養成分、その他の有効成分の補給になり ます。  本剤の概要は、5ページにありますとおり、水産資源の激減等から魚粉が枯渇している 状況にあるため、魚粉低減飼料の開発が取り組まれているが、魚粉代替タンパク質源であ る植物由来タンパク質では飼料中のタウリン含量が不足することから、飼料の栄養成分及 び有効成分の補給を目的として飼料添加物としてタウリンを使用するとなっております。  食品安全委員会における食品健康影響評価結果が、7〜8ページにありますけれど、タウ リンが飼料添加物として適切に使用される限りにおいては、食品を通じて人の健康に影響 を与える可能性は無視できると考えられるとされております。  残留基準案は、6ページにあり、食品安全委員会の食品健康影響評価において言及され ているとおり、魚体中のタウリン含量量はある一定レベルで飽和に達し、それ以上蓄積し ないことが確認されているものの、魚種及び発育段階においてタウリン要求量の違いによ り一般的な指標として天然含有量を範囲として規定することは困難であると考えられる。  一方、各種毒性試験において、特に問題となる毒性影響は認められておらず、これまで の長年の食習慣の実績を有しているところである。  以上のことから、食品衛生法第11条第3項の規定により、人の健康を損なうおそれのな いことが明らかであるものとして取り扱うことを検討することが適当であると考えられる となっております。  それで、答申案ですけれど、タウリンについては、残留基準を設定せず、食品衛生法第 11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして取 り扱うことを検討することが適当であるという答申案にしたいと考えております。  このタウリンの残留基準設定について、薬事食品衛生審議会に対して諮問を行っており ます。それで、本日は、残留基準設定をするのではなく、対象外物質としての取り扱いを 検討するようにという形での答申案にしたいと考えております。今後食品安全委員会に対 して再度対象外物質としての評価依頼を行い、食品安全委員会の評価結果をふまえアスコ ルビン酸のような形で、薬事食品衛生審議会に審議をお願いする予定にしております。  御審議のほどお願いいたします。 ○吉倉分科会長 今の説明なのですが、この答申案で、10ページなんですが、タウリンに ついては、残留基準を設定せずとなると、それで終わりなんですね。そういうので、今、 後で説明されたのと整合性が合わないので、代案があれば。 ○江島専門官 今からお配りしたいのですけど、当初の答申案とちょっと違う形で、修正 案という形でお示ししたいと考えております。当初の答申案に、「タウリンについては残留 基準を設定せず」となっておりますが、「残留基準の設定はできず」ということで修正をし たいと考えております。 (資料配付) ○吉倉分科会長 要するに、現在のところは、残留基準の設定はできないと。そういう状 況の中で、次の検討することが妥当であると、そういう答申案にしたいということですか。 よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 どうもありがとうございます。それではこの修正案で。  次、お願いします。 ○江島専門官 次は、「プロピオン酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸一水素カルシウ ム及び酸化マグネシウム」です。  品目名は、今申し上げたとおりです。  用途/適用動物について、5ページにありますとおり、牛の乳熱の予防です。  審議の対象ですけれど、5ページにありますとおり、薬事法に基づく動物用医薬品の製 造販売の承認申請に伴う残留基準の設定です。  食品安全委員会における食品健康影響評価結果ですが、5ページからにありますとおり、 本製剤が適切に使用される限りにおいては食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性 は無視できると考えられるとされております。  残留基準案は、7ページにありますとおり、食品安全委員会における評価結果を踏まえ、 残留基準を設定しないこととしたいと考えてます。  それで、答申案は、9ページにありますとおり、プロピオン酸カルシウム、塩化カルシ ウム、リン酸一水素カルシウム及び酸化マグネシウムについては、食品規格(食品中の動物 用医薬品の残留基準)を設定しないことが適当であるとしたいと考えております。  それで、本剤は、カルシウム及びマグネシウムについては対象外物質となっております ので、カルシウム、マグネシウムについては、今後食品安全委員会に対して評価依頼を行 い、薬事食品衛生審議会で再度審議を行うことになっております。  御審議のほどお願いいたします。 ○吉倉分科会長 9ページの答申案ですが、よろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 次、お願いします。 ○江島専門官 その次、「トリレオウイルス感染症生ワクチン」になります。  用途/適用動物については5ページにありますとおり、鶏のトリレオウイルス感染症の予 防です。  本剤の概要は、鶏胚細胞培養弱毒トリレオウイルスP100株を主剤としております。  審議の対象は、5ページにありますとおり、薬事法に基づく動物用医薬品の再審査申請 に伴う残留基準の設定です。  6ページに食品安全委員会における食品健康影響評価結果があり、このトリレオウイル スについては人畜共通感染症ではないとされております。当生物学手続製剤が適切に使用 される限りにおいては、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視できると考 えられるとしております。  残留基準案として、6ページにありますとおり、食品安全委員会における評価結果を踏 まえ、残留基準を設定しないこととする。  答申案は、8ページにありますとおり、トリレオウイルス感染症生ワクチンについては、 食品規格(食品中の動物用医薬品の残留基準)を設定しないことが適当であるとしたいと考 えております。  御審議のほどお願いいたします。 ○吉倉分科会長 答申案どおりでよろしいですか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 それでは、次、お願いします。 ○江島専門官 「マイコプラズマ・ガリセプチカム感染症凍結生ワクチン」です。  用途/適用動物は、5ページにありますとおり、鶏のマイコプラズマ・ガリセプチカム感 染に伴う産卵低下の軽減です。 本剤の概要は、弱毒化されたマイコプラズマ・ガリセプチカムts-11株を主剤としてお ります。 審議の対象は、薬事法に基づく動物用医薬品の再審査申請に伴う残留基準の設定です。 食品安全委員会における食品健康影響評価結果が5ページからあり、このマイコプラズ マ・ガリセプチカムは人畜共通感染症ではありません。当生物学的製剤が適切に使用され る限りにおいては、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視できると考えら れるとなっております。 残留基準案は、6ページにありますとおり、食品安全委員会における評価結果を踏まえ、 残留基準を設定しないこととする。 答申案は、8ページにありますとおり、マイコプラズマ・ガリセプチカム感染症凍結生 ワクチンについては、食品規格を設定しないことが適当であるとしたいと考えております。 御審議のほどお願いいたします。 ○吉倉分科会長 よろしいですか、この答申案で、8ページ。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 次、お願いします。 ○江島専門官 次は、またマイコプラズマ・ガリセプチカム感染症のワクチンですが、今 度は株が違って6/85株生ワクチンです。 用途は、5ページにありますとおり、鶏マイコプラズマ・ガリセプチカム感染に伴う産 卵低下の軽減です。 本剤の概要は、5ページにありますとおり、弱毒化マイコプラズマ・ガリセプチカム6/85 株を主剤としております。 審議の対象は、薬事法に基づく動物用医薬品の再審査申請に伴う残留基準の設定です。 食品安全委員会における食品健康影響評価が5〜6ページにあり、当生物学的製剤が適切 に使用される限りにおいては、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無視でき ると考えられるとなっております。 残留基準については、6ページにありますとおり、食品安全委員会における評価結果を 踏まえ、残留基準を設定しないこととする。 答申案については、8ページにありますとおり、マイコプラズマ・ガリセプチカム感染 症(6/85株)生ワクチンについては、食品規格(食品中の動物用医薬品の残留基準)を設定し ないことが適当であるとしたいと考えております。 御審議のほどお願いいたします。 ○吉倉分科会長 よろしいでしょうか。 (「異議なし」の声あり) ○吉倉分科会長 では、この答申案で確認したということです。 次、お願いします。 ○江島専門官 「マイコプラズマ・ガリセプチカム感染症G210株生ワクチン」です。 用途/適用動物については、5ページにありますとおり、鶏マイコプラズマ・ガリセプチ カム感染に伴う産卵低下の軽減です。 本剤の概要については、5ページにありますとおり、弱毒化マイコプラズマ・ガリセプ チカムG210株を主剤としております。 審議の対象については、5ページにありますとおり、薬事法に基づく動物用医薬品の再 審査申請に伴う残留基準の設定です。 食品安全委員会における食品健康影響評価結果が、5〜6ページにあり、当生物学的製剤 が適切に使用される限りにおいては、食品を通じてヒトの健康に影響を与える可能性は無 視できると考えられるとなっております。 残留基準案については、6ページにありますとおり、食品安全委員会における評価結果 を踏まえ、残留基準を設定しないこととする。 答申案については、8ページにありますとおり、マイコプラズマ・ガリセプチカム感染 症(G210株)生ワクチンについては、食品規格を設定しないことが適当であるとしたいと考 えております。 御審議のほどお願いいたします。 ○吉倉分科会長 はい。今の答申案でよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○吉倉分科会長 どうもありがとうございました。これで審議の部分が終わりですね。 今度は報告に入りますが、報告の中にはかなり大事なものもありますので、また要領よ くお願いします。 ○小山田専門官 それでは、報告事項を説明させていただきます。報告資料1をごらんく ださい。これは、亜塩素酸水の評価に伴いまして食品安全委員会より通知をいただいたも のでございます。語句の一部が修正になっておりますので御報告いたします。 次に報告資料2の2ページをごらんになっていただきたいと思います。これも同じよう に、食品安全委員会からの通知でございますが、アスコルビン酸の評価に伴いまして、L- アスコルビン酸カルシウムの評価書の語句が下線のとおり修正になっております。 以上、報告を申し上げます。 ○吉倉分科会長 これは文言の修正ということです。コメントありますか。今のところは よろしいですか。 それでは、報告3、お願いします。 ○加地課長 報告資料3でございます。毎年、御報告させていただいておりますが、平成 19年度のダイオキシン類等の有害物質による食品汚染実態の把握に関する研究というの がまとまりましたので、報告資料3として提出させていただいております。 端的に言って、結果的には表1を見ていただきますと、下げ止まりでございまして、非 常に低い値で安定をしているということでございます。 それから、3ページ目をめくっていただいて、個別の食品で、食品中のダイオキシン類 の濃度として高かったものが、例えば、そこにありますように、健康食品の中での鮫の肝 油が例年どおり高く出ておりますが、いずれにいたしましてもTDIを下回っておりまして、 今後、これらの若干高いものについては自治体を通じて情報提供をしているところでござ います。 以上です。 ○吉倉分科会長 特に御質問なければ、次に行きたいと思います。お願いします。 ○道野室長 報告資料4に基づきまして、平成20年度の輸入食品監視指導計画について御 報告させていただきます。 輸入食品の監視指導計画につきましては、資料4の1番目にありますとおり、輸入時の 検査・輸入者の監視指導等を重点的、効果的かつ効率的に実施することを推進し、輸入食 品等の一層の安全を図るという趣旨で、毎年度パブリックコメント等を経て、厚生労働省 で定めております。 内容的には、基本的な考え方、重点的に監視指導を実施すべき項目、これは資料のほう は、「実施結果」となっていますが、「項目に関する事項」とご訂正をいただければと思い ます。内容的には検査計画であるとか、輸出国における衛生対策の推進ということで、二 国間の協議や査察、そういった内容について定めております。  具体的内容につきましては、資料の2ページ、3ページのほうに資料をつけさせていた だいておりまして、下線部分が主な今年度の改正要領ということになっています。  本件につきましては、3月31日に官報に掲載をさせていただいております。  以上です。 ○吉倉分科会長 訂正するようにとおっしゃったのはどこでしたか。 ○道野室長 1ページ目の四角で囲んだ1.2.3の3番目の「重点的に監視指導を実施すべ き項目の実施結果」ではなくて、「重点的に監視指導を実施すべき項目に関する事項」にご 訂正をお願いします。 ○吉倉分科会長 よろしいでしょうか。こういう計画を公表したと、そういうことですね。 ○道野室長 はい。 ○吉倉分科会長 それでは、次、お願いします。 ○道野室長 続きまして、報告資料5に基づきまして、輸入加工食品の自主管理に関する 指針(ガイドライン)についてということで、本件も公表したということにつきまして御報 告申し上げます。  本年の1月に発生いたしました中国産冷凍餃子の薬物中毒事件事案がございました。再 発防止策ということで、輸入者の責任を明らかにしていくというような課題がございまし て、特に輸入加工食品の安全確保策の1つとして、輸入者自身が輸出国段階での管理をし っかりやってもらうということを目的にしまして、本ガイドラインを定めたものでござい ます。  本件につきましては、有識者による検討会、国民からの意見募集を経まして、6月5日 付で公表、関係機関への通知ということをしております。  内容につきましてですけれども、本来は輸入者の自主管理に関する事項に関しては、先 ほどの輸入食品監視指導計画の中に、基本的な事項は既に明示をしてございました。今回 はこのガイドラインの中に具体的な内容を明示しようということで、国内の関係の管理運 営基準であるとか、コーデックスの関係のテキストであるとか、そういったものも含めて 具体的な内容を明示したというようなものでございます。  本件につきましては、6月16日〜27日の間、検疫所と社団法人の輸入食品安全推進協会 の共催によりまして、全国13カ所で説明会を実施しているほか、関係の業界団体に対して の説明を順次実施しております。  具体的な内容といいますか、概要につきましては、これも2ページ、3ページのほうに 書いてございますが、具体的な内容としては、第4の確認事項ということで、政府による 監督、原材料の受入れ段階、フードチェーンに従って製造・加工段階、保管・輸送、さら に問題があったときには回収・廃棄、その他ということで、具体的な内容を定めておりま す。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 御質問ありますか。ちょっと質問なんだけど、第4の確認事項の1に、 輸出国政府による監督等というのが書いてあるんだけれども、輸入加工食品の自主管理、 輸入者に対する指針ですよね。輸出国がどうなっているか、よくわからない。なぜ、こう いう項目になっているのか。 ○道野室長 これは輸出国政府との関係でございまして、国によって輸出企業に関して特 別な規制をとっているところもあります。要するにダブルスタンダードにしておいて、輸 出製品に関しては厳しい規制を行う。それから、輸出手続もそういった形で厳しく国内に 流通しているよりも厳しく行うというような国もございます。  それから、もう一つは、制度はあるけれども、実施体制が十分でないような国もあるし、 そうでない国もある、十分なところもあるというようなこともありますので、そうした輸 出国の規制の内容や実施状況も十分踏まえて輸入者のほうでのチェックということをやっ ていってほしいという趣旨で「輸出国政府による監督等」という項を設けてございます。 ○吉倉分科会長 これは簡単に言うと、輸入業者は輸出国政府による監督等についてチェ ックしろと、そういう意味ですか。 ○道野室長 はい。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。では、次、お願いします。 ○加地課長 報告資料6でございます。先ほどに引き続いて、中国産餃子に関連してとっ た措置の1つで、4月22日付で通達を出しておりますが、これは食品衛生法に基づく施行 規則の一部改正とガイドラインの改正をこの中に含めております。  6ページを見ていただければと思いますが、参考として、食品衛生法の第58条、これが 食中毒を探知したときに、各自治体から厚生労働大臣に報告しなければならない条項とい うのがこの3項でございます。この中に、今回の餃子事例を見ますと、速報がなされなか った。また、後で御報告があると思いますが、その件で、1枚戻っていただいて、5ページ 目でございますが、これまで速報対象の病因物質というのを別表第十七、この改正案の上 のところにありますが、別表十七というところに、一から九号まで、サルモネラ・エンテ リティディスが例示されておりますが、食中毒微生物がここには載っていたのですが、残 念ながら今回のようなメタミドホスのような農薬が速報対象になっていなかったという反 省に立ちまして、ここに十号として「化学物質」を追加したというのが1つでございます。  それから、最後のページの7ページを見ていただきますと、これはガイドラインという ものでございまして、これは食品衛生法の50条に基づいて各自治体が営業施設で衛生管理 上構すべき措置を条例で定めることになっておりまして、その条例のガイドライン、条例 のいわゆる見本といいますか、それに食品事業者、輸入者も含めて、製造、加工、輸入し た食品を取り扱う事業者が消費者からの健康被害(医師の診断を受け、当該症状が製造、 加工又は輸入した食品等に起因する又はその疑いがあると診断されたもの)を受けた場合 に、それを保健所のほうに通報するという規定を新たに追加をしたというところでござい ます。  以上です。 ○吉倉分科会長 よろしいでしょうか。5ページの七十三条の頭の一項は五十人とすると 書いてありましたね。2はどう読むのか、重篤な患者が五十人という話ではないと思うん ですが、条文の読み方はどうなっているのか。 ○加地課長 それは次のページの参考の五十八条のところを見ていただきますと、3項の ところでは、「食中毒患者が厚生労働省令で定める数以上発生し」というところが50名に なっております。  それから、重篤なというのは、死亡例プラス重篤なということで、今、申し忘れました けれども、死者以外にも重篤な症状というのを追加したというところでございます。  化学物質のほうは、その他、厚生労働省令で定めるところが別表第第十七のところであ ります。 ○吉倉分科会長 わからないのは、五十人というのはどういう意味なのか。 ○加地課長 6ページの第3項の「食中毒患者等が厚生労働省令で定める数以上発生し」、 ここの数が50名、「又は発生するおそれがあると認められるときその他厚生労働省令で定 めるときは……」、その他厚生労働省令で定めるときが、先ほどのこちらの5ページ目の七 十三条の「法第五十八条第三項の厚生労働省令で定める数は五十人とする。」というのが1 項で、2項のところが、「その他の厚生労働省令で定めるときは、次のとおりとする。」と いうことでございます。 ○吉倉分科会長 わかりました。なかなかわかりにくいですね。1又は2なんですね。両 方という意味ではなくて。  よろしいでしょうか。次をお願いします。 ○玉川室長 報告資料7、特定保健用食品に係る新開発食品調査部会の審議結果について 御報告いたします。  本年6月12日に開催されました同部会におきまして審議を行った結果、2ページにござ います1製品について、特定保健用食品として認めることとして差し支えないと判断され たものでございます。商品名は「マルハフィッシュソーセージ」でございまして、当該製 品はカルシウムを関与成分といたします疾病リスク低減表示の特定保健用食品でございま す。この製品についての表示内容といたしましては、「この食品はカルシウムを豊富に含み ます日頃の運動と適切な量のカルシウムを含む健康的な食事は、若い女性が健全な骨の健 康を維持し、歳をとってからの骨粗鬆症になるリスクを低減するかもかもしれません。」と いうものでございます。  本製品は、3ページの表にございます区分5に該当するものという関係で、当分科会に 報告するものでございます。  以上でございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか、この報告。  次、お願いします。 ○玉川室長 それでは報告資料8、「健康食品」の安全性確保に関する検討会について概要 版に基づいて御報告させていただきます。 健康食品につきましては、これまで一般に飲食に供されることがなかったもの、あるい は特殊な形態なもの、こうした様々なものが流通しております。そうした中で、より安全 性の高い食品を供給するためということで、本分科会の大野委員を座長といたしまして、 昨年7月以来9回にわたって検討会を開催し、今月の4日に報告書を提出いたしました。  検討会の報告書の柱といたしましては3本ありますけれども、そのうちの一番メインが、 製造段階における具体的な方策ということでございまして、錠剤、カプセル状等の食品に ついては、従来から原材料の自主点検のガイドラインや適正な製造工程管理に関するガイ ドラインということで、事業者の取り組みを促していたところでございますけれども、そ れが消費者にとっても把握できるようなものとなるべきということで、さらに次のような 点に留意することが適切ということを指摘しております。  1番目は、原材料の安全性の確保で、文献検索、さらには、それで不十分な場合には毒 性試験の実施、2番目といたしましては、適正な製造工程管理ということでございます。 また、これらの実行性の確保を増すためということでございまして、今回原材料の安全性 及び製造工程管理の確保について、その実施状況について、第三者が確認をする仕組み、 これを設けることによって、より高い製品を消費者が選択していけるような、あるいは製 造事業者にとっても、それによって安全性の向上がより一層進むことを期待しております。  具体的な第三者の仕組みは2ページにございますように、認証機関、学識経験者、消費 者、製造事業者等からなる認証協議会というものを組織して、実際の認証機関の指定であ りますとか、基準の設定、指導監督ということを行って水準を確保していく。  その際には厚生労働省も情報交換、連携ということでつながりを持っていくと。さらに は、認証を受けたことを示すマークをこの協議会において統一していく、こうした取り組 みが提言されております。  また、2番目の柱としては、被害情報の収集及び処理体制の強化ということでございま して、こうした被害情報の収集等ということが被害拡大防止や再発防止に有益であるとい ったことから、重篤でない場合も含め、より積極的に情報収集を行っていくということを 指摘されております。その際、実際に診療に当たられる医師等への情報提供ということを より積極的に進めていくとともに、食品安全行政機関においても、各機関が絡みますので 十分な連携を図っていく。さらには製造事業者において、一部市販後の調査といった取り 組みがなされているところがありますので、そうしたことにも期待をしていくというもの でございます。  3番目の柱でございますが、消費者に対する普及啓発ということでございまして、製造 事業者において、適切な摂取目安量、注意喚起の表示といったことを従来から行っており ますし、今回、安全性の確保のためということで、実際にどういうことをやったかという ことをあらわすわけですが、そうした取り組みに加えまして、健康食品一般に関する知識 の普及ということで、アドバイザリースタッフといったものが、一定の水準を確保しなが ら働きを行っていくことが重要とされております。  報告書の提言の内容は以上でございます。 ○吉倉分科会長 何か御質問ありますか。医師からの情報提供というけれども、ほっとい ても来ないかもしれないですが、どういうメカニズム考えられているのか。 ○玉川室長 健康食品による被害情報の収集及び処理体制の強化というのが資料の7ペー ジにございますが、こちらが現在被害情報が上がってくるまでの概念図でございます。消 費者が食品をとった結果、具合が悪くなった場合、医療機関に受診をして、あるいは消費 者自身が保健所に行くこともございますし、医療機関から情報提供が上がってくるという こともあるわけでございます。こうした際に、消費者が最初に受診された医療機関のとこ ろで、これは健康食品によるものかということがまず頭に浮かばないというようなことも 考えられますので、あるいは患者さんの方が健康食品の摂取について切り出しがたいとい った雰囲気があるような場合も考えられます。一方、結構健康食品自体はよくとられてい るといった摂取実態もある程度ありますので、そうした状況とか、今までの事例といった ものを医師向け、薬剤師とかそういうところに向けて情報発信をしていって、今も既存の スキームがあるわけですけれども、そうしたものの情報収集の感度を上げていきたいと考 えております。 ○吉倉分科会長 医師会かなんかに言って徹底するわけですね。そんなような話ですか。 ○玉川室長 具体的に事例などを踏まえたようなものの情報提供を含めまして連携図って いきたいと思っております。 ○吉倉分科会長 何か御質問ありますか。よろしいですか。 それでは、次、お願いします。 ○玉川室長 引き続きまして報告資料9でございます。特別用途食品制度のあり方に関す る検討会について、概要版に基づき御報告いたします。  特別用途食品というのは、乳幼児とか妊産婦、病者、こうした者の発育、健康の保持・ 回復等に適するというものでございまして、特別用途表示の許可の制度でございます。こ れは実は栄養改善法のときに定められた枠組みが30年ぐらいそのままになってきたとい うこともありまして、近年のこうしたものを取り巻く状況等の変化を踏まえ、見直すとい うことでございまして、本分科会の田中委員を座長といたしまして、昨年11月から7回に わたって検討を加えてきました。報告書は7月4日に公表されております。  報告書の中で、新しいニーズに対応した特別用途食品の役割ということで、こうした食 品は通常の食品では対応が困難な特別の用途を表示するものということであって、対象と なる方に十分認知されれば、それは適切な食品選択を支援する有力な手段と指摘されてお ります。  今後、高齢化が進展する中で、在宅療養というのが1つ大きなところでありまして、そ の際の適切な栄養管理を持続できるような体制づくりといったことを特別用途食品でも対 応していかなければということが提言されております。併せまして、許可の対象となる食 品の範囲について、こうしたものでなければというところに重点化を図ることによって、 その食品自体の認知度を高めていきたいとされております。  具体的な対象食品の見直しでございますが、総合栄養食品、いわゆる濃厚流動食を病者 用食品の一類型として位置付けること。  病者用単一食品と栄養強調表示との関係を整理するということで、高たんぱく質、低カ ロリー、低ナトリウムについては、一般の方をも対象として適用されています栄養強調表 示のスキームで代替的役割を期待しようというものでございます。  それから、組合わせ食品については、宅配食品栄養指針というものが別途出されていま すが、こちらで統合していこうとされております。  高齢者用の食品として、現在、そしゃく・えん下困難者用食品とそしゃく困難者用食品 と両方あるのですけれども、単なるそしゃく困難については許可の対象から外すとともに、 「高齢者用」という言い方をやめて「えん下困難者用食品」に変更しようというもので、 整理した図については4ページに掲載をしております。  それから、次の柱といたしましては、対象者への適切な情報提供ということで、こうし たものが的確に選択されるためには、栄養管理の段階でしかるべき者から適切な助言指導 が受けられるべきということでございまして、こうした制度の認知度を高め、必要な流通 確保を図るため情報提供を拡充していこうと提言されております。  また、実際に表示されている内容が正しいかどうかということで、収去試験の適正な実 施にも努めるということも指摘されております。  また、審査体制のあり方といたしまして、特に個別評価型のものについては、最新の医 学、栄養学的知見に沿ったものとなるようということで、その体制の強化を図るというこ とを提言されております。  説明は以上でございます。 ○吉倉分科会長 よろしいですか。 では、次、お願いします。 ○田中補佐 続きまして報告資料10をごらんください。いわゆる消費者庁の創設を内容と する消費行政推進基本計画の概要を簡潔に御報告申し上げます。  1ページ目でございますが、消費者・生活者の視点に立つ行政の転換につきましては、 昨年10月、福田総理が所信表明演説で打ち出しました。それを具体化するため、自由民主 党政務調査会消費者問題調査会が本年3月の最終取りまとめにおいて、内閣総理大臣主宰 の消費者行政推進会議が本年6月の取りまとめにおいてそれぞれ消費者庁の創設を提言し たところでございます。  これらを受けまして、本年6月、消費者行政推進基本計画が閣議決定となりました。そ の概要は次のとおりでございます。  第1に、消費者行政の新組織は「消費者を主役とする政府の舵取り役」として、消費者 にとって便利でわかりやすい、消費者・生活者がメリットを十分実感できる等の原則を満 たす必要があることとされております。  第2に、地方の消費生活センター等をすべての消費者のために一元的な相談窓口と位置 付ける等とされています。  2ページ目でございますが、第3に、内閣府の外局として消費者庁を設置し、消費者庁 に対して消費者の安全に関する情報集約分析機能や司令塔機能を付与するとともに、消費 者に身近な表示、取引及び安全に関する法律を消費者庁に移管する等とされています。  詳細は3ページにございますが、食品衛生の分野では、食品衛生法及び健康増進法の規 定に基づく表示基準の企画立案及び執行が消費者庁に移管される等とされております。  2ページ目に戻ります。第4に、法律の移管等に伴いまして必要な組織、定員や予算を 各府省庁から消費者庁へ移し替える等とされています。  第5に、平成21年度からの消費者庁の発足に向けて、内閣官房に設置された消費者行政 一元化準備室を中心として準備を進めまして、関連法案を可能な限り次期臨時国会に提出 する等とされております。  以上です。 ○吉倉分科会長 御質問ありますか。この添付資料で、消費者行政推進基本計画、これは どこが書いたものか、書いてないんだけれども。 ○田中補佐 これは閣議決定でございます。内閣としての決定ということになります。 ○吉倉分科会長 次、11番お願いします。 ○田中専門官 それでは、お手元の資料11−1と2をごらんください。  今般、中国産餃子問題につきまして、公衆衛生の観点から当該問題を総括するために2 つの資料の取りまとめを行いました。まず、簡単に本事案の概要を御説明させていただき ます。資料11−1の2ページをごらんください。本事案につきましては、昨年12月28日 に千葉市で1家族2名、本年1月5日に兵庫県高砂市で1家族3名、本年1月22日に千葉 県市川市で1家族5名、合計3家族10名が中国産冷凍餃子を喫食後に有機リン中毒を発症 したというものでございます。  いずれの原因食品も中国の同一製造者が製造した冷凍餃子が原因であるということが判 明いたしましたのが、1月30日になります。根本的な原因究明につきましては、事件と食 中毒の両方の観点から警察と衛生部局がその対応に当たっておりますけれども、警察の分 析によりますと、その結果、被害者が喫食した餃子の残渣、もしくはパッケージなどから 高濃度のメタミドホスが検出されているとの報告を受けております。  続きまして、2月18日の本分科会で設置について御説明いたしました実態把握に関する 検討会の中間報告書について御報告いたします。  資料11−2をごらんください。まず、19ページをお願いいたします。この検討会では3 点の実態について御検討のほどいただきました。  1点目は、19ページの中ほどの表の左にございますいわゆる確定事例の10名、この臨床 経過が検討されております。  2点目といたしましては、その隣の20ページの表の最下段にあります。医療機関を受診 した有機リン中毒が否定された5,900事例のうち約1,000名の事例について御検討いただ きました。  3点目はその次の21ページになります。回収された製品の検査状況について御検討をい ただきました。なお、御検討いただいた委員の方々につきましては、26ページをごらんく ださい。本分科会の委員でもあります品川(邦)先生、大野先生をはじめまして、7名の先 生方に御検討いただきました。なお、個人情報を取り扱うことから、本検討会は非公開で 開催をさせていただきました。  次に7〜8ページをごらんください。まず、確定症例についてのポイントとなりますけれ ども、ここに記載がありますとおり、一般的な農薬による症例と比較して、重症度の指標 であるコリンエステラーゼの回復が極めて速く、臨床症状も退院時には基本的には改善、 消失という状況であったということが報告されております。  次に相談報告事例についてですが、特に御議論いただいたのが、有機リン中毒を否定し た判断の妥当性についてです。11ページをごらんください。  11ページの下にありますような疑いのケース、もしくはその次の12ページにあります ような入院したケースにつきましては、必要に応じて自治体に紹介を行うなど再確認を行 いました。その結果、必ずしも必要な情報が全て収集できたというわけではありませんけ れども、これまで確認ができた範囲においては、次、13ページをごらんいただければと思 いますけれども、13ページの下のほうの結論にありますとおり、既に確定事例とされてい る10例以外に確定患者を疑わせるような事例は認められず、各都道府県等の判断は妥当な ものであったと考えられるとの確認をいただいております。  次に14〜15ページにかけての表をごらんください。回収した製品に対しての検査が行わ れた結果についての表があります。患者が発生した3製品及び14ページの1)にあります ようなジクロルボスが検出した事例、これらについては、既に報道等でもありますとおり、 残留農薬では考えられない高濃度の農薬が検出されております。  逆にそれ以外の製品に関しましては2)及び3)にありますとおり、残留農薬と考えられる 程度の農薬の検出状況ということになっております。  このような状況を踏まえまして、16〜18ページにつきまして、それぞれまとめというこ とで記載させていただいております。  次に行政及び事業等の対応の検証と改善について御説明させていただきます。資料11− 1の12ページをごらんください。  まず検証に当たりましては、本事案における行政の対応、事業者の対応及び医療機関の 対応に焦点を当てて検討を行いました。以下、主な点を御説明させていただきます。  12ページの行政対応についてですが、中毒発生時に事業者が保健所と連絡をとることが できず初動対応が遅れたとの事案が見受けられたことを踏まえまして、保健所等における 24時間・365日対応の確保など健康危機情報を迅速に把握できる体制を図るよう都道府県 等に2月に要請しております。  また、輸入食品を原因とする健康被害につきまして、都道府県等から厚生労働省への報 告がなかったという事案が見受けられましたので、食品衛生法に基づく報告の遵守を徹底 するような同じく2月に都道府県等に要請しております。また、これにつきましては、先 ほど御説明ありましたとおり、食品衛生法施行規則の改正等も行っております。これは4 月になります。  さらに今回のメタミドホスを検出したのが警察ということもありまして、事件と食中毒 の両面から対応する場合に衛生部局と警察との情報共有が重要であるという点にも触れて おります。  続きまして16ページをごらんください。昨年来、薬品異臭の苦情が散見されていたもの の中毒発生後の輸入者や販売者が問題の共通性を認識できなかったということがありまし た。結果的に複数の中毒が発生したことを踏まえまして、食品等事業者が実施すべき管理 運営基準のガイドラインを改正したこと、また先ほど御説明させていただいたとおり、輸 入者が生産段階にまでさかのぼって安全管理の確保等の向上を図るように輸入加工食品の 自主管理に関するガイドラインなどを作成させていただいております。  続きまして18ページをごらんください。医療機関における対応ですが、中毒事案発生時 に医師から保健所への食中毒の届出がなかった事案が見受けられたことを踏まえまして、 食品衛生法に基づく食中毒の届出の遵守を徹底するよう医師会及び都道府県等を通じまし て医療機関等に2月に要請をしております。  以上、御報告を終わらせていただきます。 ○吉倉分科会長 何か御質問ありますか、あまり時間ありませんが。検査体制というのは、 各都道府県万全なんでしょうか、万全というか、そういう問題はないんでしょうか。 ○田中専門官 実際に問題の起きました都道府県等にも意見を聞いておりますが、例えば 兵庫県ですと、そういった加工食品に対しての残留農薬の検査体制を整備すると、衛生研 究所の検査体制の強化というのを行っていると聞いております。 ○吉倉分科会長 感染症だと感染研がネットワークつくって、地方衛生研究所と研修とか 標準化とかやっているのですが、これは国立医薬品食品研究所のほうはどうですか、地方 衛生研究所のネットワークがたしか医薬品食品研究所やっていらっしゃると思うんですが。 ○大野委員 日常的にいろいろ連絡はとって、試験法の開発を行っています。また、情報 交換はやっているんですね。ただ、こういった事例について情報が入ってくるかというの はちょっと把握していません。 ○吉倉分科会長 わかりました。 ○國枝課長 今、大野先生からお話がありましたように、技術的な支援ということで、分 析法などについては個別に自治体からの依頼があった場合には国立衛研のほうでも協力し て行っております。試験法の開発については、従来はどちらかというと原材料のほうでし たけれども、中国産ギョーザ事案以降加工食品の分析法の確立について、国立衛生研の食 品部を中心に研究を行っております。ただし、個別の中毒事案について実際の検体を国立 衛研で具体的に分析するというよりは、それは各自治体がまずはやって、そのときに難し い場合には国立衛研のほうに相談したりして、いろいろ技術的な支援をしているという形 になっております。 ○吉倉分科会長 基本的には中央衛生研究所と国立感染研、医薬品食品研究所でネットワ ークつくっていますから、そういうところで技術的な普及といいますか、やっていただけ るといいと思います。  それでは、これで議事は全部終わりですか。 ○佐々木補佐 はい、以上でございます。 ○吉倉分科会長 それではどうも御苦労さまでした。大分長くなりました、失礼しました。 ○佐々木補佐 事務局から委員の先生方に2点事務的な御連絡をいたします。  1点目が、資料きょう大部にわたりますので、机の上に置いていただければ送るなり何 なりいたします。  2点目が持って帰っていただきたい資料が机の上にございます。結構20ページぐらいの ボリュームですが、本日の日付で審議云々のお願いについてというのが卓上に配付されて いるかと思います。これはお持ち帰りいただきまして、後ろ3枚FAX 8月8日までにいた だきたいと思っております。不明な点がございましたら、右下の連絡先に御連絡いただけ ればと思います。  以上でございます。 照会先:                   厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課                   TEL:03−5253−1111(2449)