08/07/22 第5回雇用・能力開発機構のあり方検討会議事録    第5回 雇用・能力開発機構のあり方検討会 日時 平成20年7月22日(火) 17:00〜 場所 厚生労働省省議室 ○庄山座長 定刻になりましたので、ただいまから「雇用・能力開発機構の あり方検討会」第5回会合を開催いたします。本日は、大変お忙しい中をご 参集いただきまして誠にありがとうございます。事務局サイドに異動があり ましたのでご挨拶をお願いいたします。 ○草野局長 11日付で、職業能力開発局長を拝命いたしました草野です。審 議官をやっておりましたので、引き続きよろしくお願いいたします。 ○杉浦審議官 後任の審議官になりました杉浦です。よろしくお願いいたし ます。 ○庄山座長 引き続きよろしくお願いいたします。本日は、大久保委員、住 田委員、高本委員が所用のため欠席です。議事に入ります。本日の議題は前 回に引き続き、民間教育訓練機関と地方自治体からのヒアリングを行い、次 に検討会としての中間取りまとめに向けてご議論いただきます。本日のヒア リングにつきまして事務局から説明をお願いいたします。 ○姉崎課長 本日は、前半の1時間でヒアリングを行います。千葉委員、佐 伯委員からそれぞれ15分ずつお話をしていただき、その後30分間議論をし ていただき、全体として1時間ということで進めさせていただきます。資料 No.2-1は千葉委員にお願いしたヒアリング項目、資料No.2-2は愛媛県の佐伯委 員にお願いしたヒアリング項目です。資料No.3-1は千葉委員から、資料No.3-2 は佐伯委員から本日報告していただく資料です。資料No.4は前回も配付させ ていただきました、ヒアリングに係る参考資料です。 ○庄山座長 ヒアリングに入ります。日本工学院八王子専門学校の千葉委員 からお話をしていただきます。 ○千葉委員 資料No.2-1の民間教育訓練機関からのヒアリング項目に沿って お話をさせていただきます。1の(3)の辺りについてお話をさせていただき ます。資料No.3-1「日本工学院八王子専門学校 電子・電気・CAD科 ヒアリ ング項目に対する回答」をお配りしております。  学科名としては、電子・電気・CAD科を今回のヒアリングに対応する学科 として取り上げました。これ以外にも、機械制御系の学科から派生したロボ ット学科もあり、こちらもものづくり系の学科と言えますが、今回のヒアリ ングに対してはこの学科を例にお話を進めていきます。  電子・電気・CAD科の中には、コース名として電子工学、電気工学、電気 工事士、機械設計・CADというコースに分かれています。高等学校の卒業以 上又は同等の知識を有する方を対象に、修業年限2年間での教育を行ってい ます。ここには型どおりの書き方がしてありますけれども、ほとんど100% が高等学校を卒業した方たちになります。そして、新卒が主な対象者になり ます。  次に科目構成・科目数ということですが、これは別紙ということでその後 のところに、それぞれのコースに対応したカリキュラム・履修科目が載って います。ここに一般科目、専門科目等々、1年次、2年次に分けて記載してお りますので、その中身については後ほどご覧ください。  それぞれのコースの履修科目の一番最後には、進級及び卒業条件が書いて ありますが、それを単位に換算してあります。我々専門学校の場合には、大 学の単位制に対して時間制という形の教育制度になっています。例えば、電 子工学専攻の学生の進級条件としては、年間840時間以上に相当する科目の 合格をもって進級できる形になります。卒業までは、同じく1,770時間以上 ということでの卒業条件になっています。電気工学については6頁で、進級 条件が990時間以上という科目に合格すること。卒業条件としては1,800時 間以上という形になっています。  我々日本工学院では、東京工科大学も設置していますので、そちらの情報 系の学科の授業時間数を、実際に授業を行う時間で計算しますと、4年間で の授業時間数はおよそ2,400時間になります。それに対して日本工学院八王 子専門学校では、いまお話をいたしましたように、2年間での授業時間数が 1,800時間以上という形になりますので、4年間に換算すると3,600時間ぐら いということで、大学に比べると1,200時間ぐらい多い授業のカリキュラム が組まれているのが現状です。  しかしながら、雇用・能力開発機構でやっている教育機関の授業時間数は、 さらにこれよりも長い時間になりますので、その中間にいるのが我々専門学 校の教育制度ではないかと思われます。  元の頁に戻りまして、受講者数は、入学定員が160名、2年課程ですので 総定員は320名となります。入校に関しては、基本的には100%受入れをし て、我々は2年間でその生徒たちを社会に出られるだけの知識と技術と資格 を身に付けさせて卒業させる形になっておりますので入校率は100%です。  就職率は、大学進学、自営を含めて、すべてのコースにおいて100%とな ります。これについては、実際にはこういう分野を学ぶ学生が年々減少して いる傾向から、1人当たりの求人数は30社あるいは40社ということで、強 烈な人手不足になっております。入学希望者自体は伸びないというのが、こ こ10年ぐらいの傾向です。  学費は2年間で223万5,170円です。雇用・能力開発機構でやられている、 新卒を対象としたポリテクカレッジ等々では38万円という金額になってお りますので、大変高い金額ということになります。  教育目標は、電子工学では電子の全般的な技術・知識を身に付けて、通信 運用関係の会社、あるいは通信機器メーカーへ就職することを目標に、技術・ 知識・資格の取得に励んでまいります。電気工学においては、発電所、変電 所、あるいはビルの電気管理の仕事に就くことを目途としたカリキュラム、 そして資格取得に向けての教育になります。電気工事士の場合には、電気工 事の資格取得が中心で、これに家庭電化製品の修理技術等々が入ってきます。 機械設計・CADについては代表的な所は自動車メーカー等々ですが、そうい う所の機械設計・CADを中心に、建築系も含めた、いわゆる機械製図の技術 を身に付けるコースになっています。  教育ニーズの把握、あるいはカリキュラムの見直しの頻度と方法について は、在校生のアンケート及び教育サポート企業、主に卒業生がお世話になっ ている就職先等ですが、こういう所の関係者、あるいは関係省庁へのヒアリ ングを通して、変化する産業界の求める、即戦力となる人材を養成するため に、ほぼ毎年カリキュラムの見直しを行っているのが現状です。  専任の教員については資格を取得するための学科認定があり、それに見合 った総務省、経済産業省、国土交通省等々の関連の国家資格保有者、及び関 連企業での実務経験を有していて、「ものづくり」関連の専門的な実務経験を 有する教員を専任教員として用意し、それに加えて我々はこの辺りが非常に 重要だと思っているのですが、現場の第一線で活躍する講師を教育サポート 企業等より招聘し、専任教員と非常勤の教員が協力をし、現場での知識・技 術をしっかり身に付けさせることを実現していると思っております。  教員の確保についてはそこに書いてあるとおりで、企業等々、あるいは卒 業生の中から優秀な方たちを、一定の実務経験を経た後に入職させる形にな っております。  教員の再研修についても、社会の変化に対応し、頻繁に行っております。 新たな国家資格等々への取得ということに関しても、教員もまずそれを取っ てから学生たちに教育をするようにということで指導しているところです。  指導方法の特徴としては、実社会での職業を踏まえた実技重視の実践的カ リキュラムをベースとして、理論で学んだことを実習で確認していくことが 中心となります。また、我々は実務教育・職業教育ですので、学生1人1台 の実習機材を用意し、少人数で行っています。  あとは、クラス担任制を用意し、学生一人ひとりの進捗状況に目を配り、 あるいは将来の目標に向けてのお手伝いをするという意識で、中途退学者を 最低限にし、すべての学生を就職まで導くということを、教員全員の意識と して持って教育に当たっているところです。  運営に関わる課題としては、入学者数の確保です。先ほど申しましたよう に、年々希望者が減っている状況の中で、入学者数の確保が第一で、次に専 門教員の確保、職業能力開発大学及び四年制大学との競合が対策として挙げ られています。  在校生1人当たりのコスト試算は、学費の223万5,170円に対し、教育経 費、人件費を中心とした教育経費として40%、教育管理経費として25%、募 集経費として25%程度ということで、利益率としては10%程度というのが私 どもの学校の現状です。  国が行っている教育機関との関係についてですが、短期の講座も含めて 我々の学園として受け入れた経験はほとんどありません。蒲田の学校で電気 工事士の教育を少しやったことがありますけれども、基本的に我々としては 国からの教育についての受託をしたことがありませんので、その辺の実態に ついては私にはよくわかりません。  国の行っている職業教育に対し、我々のような学園が、民間で代替して継 続的に実施することが可能なのだろうか、あるいは機構又は都道府県の委託 訓練を実施する立場としてどのような点で機構・県に期待するかというとこ ろにお話を移させていただきます。我々の行っている教育と、機構が行って いる教育の内容は若干違うということは、今回の視察を通しても理解いたし ました。それは、実習が中心となったカリキュラムであること。また1年間、 あるいは卒業までの教育時間が大変長いこと。そういうところが我々の教育 機関との違いだと思います。  パンフレット等を拝見したポリテクカレッジ等々の、ものづくりの高度な 人材養成をする。この理念については同様だと思っていますが、その教育の 中身については若干違いがあります。その違いの原因というのは、やはり我々 は私立学校ですので、いただける学費、受講生の方々が納入することのでき る入学金・授業料といったものに見合った教育をしなければいけないという ことが私学の宿命としてあります。そのときに、機構が行っているような少 人数教育をやっていたのでは、我々は220万何がしの学費で賄うことはでき ません。また、カリキュラムの中でも、講座というのは例えば40人、80人 一緒に教育することはできますけれども、実習は少人数で、その機材も用意 しなければいけない、実習室も用意しなければいけないということで、講義 に比べると実習はお金のかかる講座になります。  そういう意味で我々の学園では、必要最小限の実習というところを通して、 教室での授業も併せて、必要な技術・知識を身に付けさせるということをや っているというのがその違いの原因であります。我々のような専門学校が、 機構の行っている訓練を全くできないかというと、それは条件が整えばあら かたできるのではないかというのが私の感触です。  機構のポリテクカレッジは、地方の大都市にもありますが、北海道、東北、 九州、関西といった大都市の専門学校においては、その条件さえ整えば、あ る程度の教育訓練はできる、そういうノウハウは持っているのではないかと 思いますが、現状で行っていないのは、そのコストの点が障害になっている からであるということを私から申し上げておきます。私からの報告は以上で す。 ○庄山座長 ありがとうございました。続きまして愛媛県経済労働部長の佐 伯委員からお話をしていただきます。 ○佐伯委員 資料No.3-2は、資料No.2-2の地方自治体からのヒアリング項目に 沿って作られておりますので、この資料に沿って説明させていただきます。 県の職業能力訓練というのは、どうしても県のあり方、あり様、政策、産業 構造にかなり制約をされてまいりますので、最初に愛媛県の概要を説明させ ていただきます。色塗りで地図を入れておりますが、下から緑、黄、赤とな っています。赤の右側が徳島県で、緑の下側が高知県という四国の状況の中 で愛媛県が並んでいます。  愛媛県は、四国の北西部に位置していて、県の産業構造の歴史的な特性を 踏まえて、県域を通常3つに分けています。東から、東予が赤やピンクのゾ ーンで、黄が中予、緑が南予と呼んでいます。産業についても、これらの地 域によって様相がかなり違います。  雇用失業情勢についても、全体として改善基調にはありますが、愛媛県の 産業構造の地理的な制約から、地域間にはかなりの格差があります。ピンク の東予地域のうち四国中央には、日本を代表する紙の関連産業が集積してい ます。新居浜は、住友化学鉱山発祥の地であり、新居浜・西条は、機械鉄工 と先端素材関連産業が集積している重化学工業地帯です。今治は、日本でも 有数のタオルの地場産業の集積地です。繊維、造船も日本で有数の集積地と なっています。東予地域は、全体的に製造業中心で、現在の求人倍率は1.12 倍と高く、県全体の平均を上回って、県の平均倍率を引き上げるという感じ です。  中予地域は、県庁が松山市にあります。道後温泉のあるところですが、臨 海部には帝人とか東レといった化学工業が集積しています。このほか、商業、 金融、サービス、道後温泉といった観光産業などの第三次産業の集積地域に なっています。  黄から緑は峠があり、この峠を越えると様相が一変します。第一次産業、 農林水産業に特化した地域で、現在では柑橘農業、養殖漁業といった第一次 産業が中心です。公共投資が落ちて、経済の下支えをしておりました建設産 業が弱体化しております今日、経済、インフラ基盤がかなり弱くなっており ます。企業誘致は進めておりますが、なかなか難しいということで、高齢化、 人口減少が進んでいて、求人倍率は東予の半分以下の0.52倍です。  県立職業能力開発校については黒いポツで示しておりますが、ピンクのと ころの新居浜市、今治市に1つずつ。それから松山市に1つ、緑の宇和島市 に1つということで4校配置し、地域の産業動向や、人材ニーズの把握に努 めながら、各地域における人材育成の拠点としての役割を担えるよう、それ ぞれ特色のある訓練を行っております。また、松山市には雇用・能力開発機 構の愛媛センターが配置されていて、中予地区を中心に訓練が実施されてい ます。  2頁です。このような県の情勢の中で、県立職業能力開発校の現状をまと めたものです。先ほどご説明いたしましたとおり、愛媛県では4つの高等技 術専門校を配置していて、平成20年度を取ってみますと、施設内訓練、これ は学卒者訓練が8科で165名、離職者訓練が4科で115名、在職者訓練が80 コースで1,080名ということで、4校全体で12科80コースで1,360名の訓 練を計画・実施しております。  訓練指導員は37名、非常勤が15名と約4割を占めています。  平成20年度の予算規模は、全体で4億5,880万円余ということで、人件費 を除く事業費は約1億5,000万円となっています。近年、県の財政状況が厳 しいことから、平成19年度からは普通課程の入校料・授業料の徴収を始めて います。平成20年度からは、在職者訓練の受講料の徴収範囲も拡大するとい った財源の確保を行っています。  3頁は、平成18年度から平成20年度の訓練科目の見直し状況をまとめた ものです。各地域の求人動向や、企業の人材ニーズに対応できるよう、民間 の教育訓練機関の状況や、訓練生の就職状況を踏まえ、適宜科目の改廃を行 っております。例えば、(1)平成19年度今治校に設備エンジニア科を新設、 平成20年度には繊維エンジニア科を新設ということで、要望があれば新設対 応をしております。宇和島校も、介護ヘルパー科とか、ソーイングオペレー ション科の新設を行っております。(3)平成18年度に今治校にタオル技術科 を新設しておりますが、状況を見て平成20年度には廃止しております。この ように、状況を見ながら見直しを行っております。  4頁では、平成17年度以降の入校状況と就職状況、それから専門校の運営 上の課題をまとめたものです。運営上の課題として、県の財政状況が非常に 厳しいということで、国からの委託金や交付金を除いた県の予算は毎年削減 せざるを得ない状況になっております。平成20年度は平均30%のシーリン グを設定しておりますので、対前年で7割の予算の状況です。このような状 況の中で、平成19年度から普通課程の授業料の徴収をスタート、また平成 20年度からは在職者訓練の受講料の徴収範囲を拡大するといった工夫をして おります。  東予地区の雇用情勢の改善が進んでおりますので、改善がされると若い人 の地場産業離れが進むということで、入校率が低下しております。また、就 職率は、訓練中から就職支援に努めておりますが、雇用情勢が厳しい南予地 域において就職率は伸び悩んでいて、離職者を中心に今後は低下すると見込 んでおります。企業在職者の訓練については、地元産業界の要望に応じ、資 格取得や技能向上を図るための訓練を実施しております。これについては受 講料を取るようになっておりますので、一層充実強化に努めたいと考えてお ります。  厳しい雇用情勢や財政状況の中で、指導員の新規雇用が抑制されておりま すので、この点では再任用職員や非常勤職員での対応を余儀なくされており ます。指導員の取得資格の点から、硬直化はやむを得ず、あるいは機動的な 科目再編や、訓練内容の充実強化がかなり困難な状況になっております。  5頁は、訓練生1人当たりの訓練コストを試算したものです。平成19年度 の実績を基に、受講生の人数、訓練時間数により按分を行い、訓練職種ごと に算出したものです。離職者訓練が83万3,000円、在職者訓練が1万3,000 円、学卒者が139万5,000円という金額が出ております。  6頁は、職業訓練事業の運営に当たっての本県の特色をまとめたものです。 各種政策と連動した職業訓練の実施状況です。雇用政策との連携という意味 で、ほかの自治体と同じように、公共事業費が大幅に削減されるということ で、建設業の経営、雇用環境が悪化しております。特に南予地区では、これ に加えて基幹産業である農林水産業の低迷とか、中堅企業の撤退等の状況が あり、建設業の離職者を対象とした訓練を実施するということ。雇用・失業 情勢の厳しい南予地区対策については、県が特に力を入れているものです。 宇和島校に離職者対象の訓練科目を新設し、短期委託訓練についても、重点 配分を考慮しております。  7頁は、福祉政策との連携です。母子家庭の母、児童扶養手当受給者、生 活保護受給者を対象とした基礎的な訓練の実施。それから、広く障害者を対 象とした訓練に取り組んでいます。障害者訓練をスタートさせた平成16年度 からは、知的障害者の訓練、平成17年度からは精神障害者の訓練の実施をし ております。本年度はこの7月から、発達障害者を対象とした訓練も開始し ました。  短期委託訓練についても、企業での就労への移行支援の必要性の高まり、 就職希望者の増加を踏まえて定員の増加や、訓練コースの新設を行っており ます。なお、各専門校における就労支援体制の強化をすることで、いずれの 専門校も、全国平均を上回る就職率になっております。  8頁は、産業政策との連携についてまとめたものです。地域の産業界の動 向や、地域ニーズの把握に努めながら、地域の地場産業に対応した訓練科目 の設定を行っております。特に、新居浜校には機械や鉄工業関係の産業が集 積しておりますので、メカトロニクス科とか溶接エンジニア科を設置してお ります。今治はタオルを中心とした繊維産業や、造船業の集積地域ですので、 今治校に繊維エンジニア科や、設備エンジニア科を設置しております。  また、在職者訓練についても新居浜校ではメカトロニクス科、今治校では 繊維エンジニア科を中心に数多くの訓練を計画しております。また、今治校 では、地元の四国タオル工業組合と連携を図り、実践型人材養成システムを 活用した在職者訓練を実施しております。  9頁は訓練の仕上がり像、訓練ニーズの把握方法をまとめたものです。仕 上がり像については、専門校の施設内訓練では、基礎的な知識・技能を習得 させ、企業が求める知識水準を仕上がり像としております。具体的に就職に 役立つ資格の取得を目標に掲げ、パンフレットにも明記しております。  10頁です。まず訓練ニーズの把握方法ですが、各専門校の職員による、企 業や事業主団体への訪問、それからハローワークが主催する連絡会議等へ出 席の際の情報交換等により把握に努めております。指導員の確保については、 先にご説明いたしましたように、新規指導員の採用が抑制されているため、 再任用職員を活用しております。また、指導員の質向上の取組みについては、 職業能力開発総合大学校で行われます、技能・技術実践研修や一般研修に派 遣しておりますほかに、指導訓練科目の幅を広げるということで、職種転換 研修を行っております。なお、国の職業訓練基準を超えた要件・基準の設定 というのは行っておりません。  11頁は、カリキュラムの見直しの頻度・方法についてまとめたものです。 3頁で、近年の訓練科目の見直しをお示ししましたけれども、企業訪問等に より把握した訓練ニーズ・求人・就職状況などを踏まえて訓練科目の見直し を行っております。それに併せてカリキュラムの見直しも行っております。  カリキュラムについては、国の定めた基準によって作成しております。教 材については、関係団体が作成したものを使用しているほか、工業高校の教 科書を参考に、企業のニーズを反映させた内容の教材を指導員が作成するこ とをしております。  12頁は、国の役割分担に関して、県から見た機構との違いを訓練の職種ご とにまとめた一覧表です。施設内の離職者訓練について、県では求人倍率の 低調な南予地域を重点とした地域ニーズに合わせた訓練、機構の訓練と差の ないものは、地域の棲み分けを行い、より高度な資格取得を目指す訓練を実 施しております。機構では、中予地区においてものづくり分野を中心に、民 間には実施できないものに限定をした訓練を実施していただいております。 民間委託による離職者訓練につきましては、訓練内容等の重複を避けるとい うことで、県ではある程度高度な訓練で一部の職種に特化した訓練、それか ら南予の雇用対策などで施策的に意義のある訓練を実施しております。機構 のほうでは、市場の大きな汎用的で雇用の受け皿の大きい職種の訓練を実施 していただいていて、役割の分担を行っております。  在職者訓練については、県では東予地域を中心に、産業界のニーズに応じ た訓練を実施しており、資格取得に対応した訓練拡充をしております。機構 では、中予を中心に民間補完の観点から、ものづくりの分野で真に高度な訓 練に限定をして実施することになっております。  学卒者訓練については、地域の産業動向や、人材ニーズの把握に努めなが ら、訓練科目やカリキュラムの見直しを行い、地元産業界のニーズに合った 人材の育成につながる訓練を行っております。なお、本県の機構では学卒者 訓練は実施しておりません。  最後に役割分担の考え方です。訓練施設の所在地や、地域の雇用対策等に よる棲み分け、離職者の委託訓練での訓練内容の重複を避けるための役割分 担は表に示したとおりですが、このような考え方は関係機関による連絡会議 等の場において、協議・調整をされたものですので、今後とも適切な役割分 担を行いながら、効率的な訓練を実施していく必要があると考えております。 また、現行機構が担っております訓練を愛媛県が担うこと、これを継続的に できないかという点については、県の置かれた現在の厳しい財政状況、指導 員等の人材の確保といった観点を踏まえますと極めて困難ではないかと考え ております。以上です。 ○庄山座長 ありがとうございました。千葉委員、佐伯委員からの説明につ いて、ご質問、ご意見をお願いいたします。 ○山田委員 民間のほうのことについて、もう少し詳しく知りたいので千葉 委員にお聞きします。入校率は、実際に定員の何人ぐらいが入るのか。就職 率は100%ということですが、中退はどれぐらい出るのか。もう1点は、機 構がやっている事業を、民間が代替えできるかどうかということで、条件が 整えばというお話がありました。それは、離職者・在職者も含めて条件が整 えばなのか、その条件というのは何なのか、あまり詳しくない人間にもわか りやすく教えてください。 ○千葉委員 入学定員については、社会のニーズといいますか、高校生のニ ーズに合わせて見直しをしているという性質のものです。現在の入学定員160 名、総定員320名というのは、現在の需要に合わせた人数ですので、これの 90〜100%と考えていただければいいかと思います。進学率、卒業率について は、概ね92〜93%ぐらいが卒業率になります。  条件が整えばというところの話ですが、先ほど申し上げましたように、我々 私立の教育機関というのは、いただける学費に合わせて教育をしていくこと になります。いただいた資料によると、ポリテクカレッジ等々の新卒者の教 育のところでは、年間の経費が300万円かかっています。我々のような私立 学校の3倍ぐらいの経費をかけて養成している状況です。我々もそのぐらい の経費をかけて教育をしていいということになれば、それについての対応と いうのは、授業時間数についても延ばすことができますし、実習比率も高め ることができます。  それから、離職者・在職者については、全くケース・バイ・ケースという 形になります。愛媛県のタオルの技術者の養成といったところまで対応でき るかというと、甚だ自信がないというのが正直なところです。その辺につい ては、県であるとか教育の内容によって違いがありますので、私は東京の専 門学校の立場でお答えするべきだと思います。全国のことについては専門学 校の支部が各県にありますので、そういう所に現在機構として要望する教育 内容について、対象者について教育できるのかできないのか、ということを 問い合わせていただければ明確に答えが出てくるのではないかと思います。 ○山田委員 大雑把で構わないのですが、もし機構から民間に移ることにな ったときに、専門学校の方々のノリと申しますか、離職者や在職者もうちで やるぞと前向きなのか、それとも困ったなとあまり前向きではないのか、と いうのはどんな感じですか。 ○千葉委員 非常に難しい質問だと思います。喜んでということにはなかな かならないかと思います。そのような依頼があれば、我々の施設職員を利用 してやることも可能ですというところではないかと思います。 ○渡辺委員 実習用の設備に関して、お二人に伺います。実習設備の更新や 設置を行わなければならないと思います。特に、日本工学院の場合は私立で あり、利益率が約10%ぐらいだとおっしゃっていました。その場合の設備投 資について教えてください。愛媛県の場合には、県の予算でそういうものを 賄えるのかどうかを教えてください。それから、年間でどの程度の設備投資 をしているのかを教えてください。 ○千葉委員 それについては、決算書が公開されていますので見ていただけ ればおわかりいただけると思います。しかしながら、その中身については、 電子工学でいくら、電気工学でいくら、電気工事でいくらという内訳につい ては我々としても十分に把握していない状況です。我々の学部には大きく分 けて、ITテクノロジー、あるいは芸術系等々もありますが、それら個々につ いては戻って調査をしないとわかりません。  しかしながら電子工学、電気工学、あるいは機械設計等々については、比 較的導入をした実習機材が長年にわたって使えるものが多くあります。テス ター等々については数十年使えることになるかと思いますので、国が定めた 減価償却の期間よりは長く使える性質の学科ではないかと理解しております。 こういう実習機材の導入については、ここにお示ししている電子・電気・CAD というところではあまりそのような状況から、毎年毎年新しい機材を導入す る、あるいは毎年毎年機材の更新をするといった性質の学科ではありません けれども、国や都からの助成金を利用して更新することもときにはあります。 十分なお答えにはなりませんでしたけれども、もし時間をいただけるのであ れば、個々にもお答えできるかと思います。 ○佐伯委員 2頁に、平成20年度の当初予算ということで、予算額と財源内 訳が書いてあります。予算額が4億5,800万円余。そのうち人件費が3億円 で、ご質問の機材整備費は8,975万4,000円となっております。内訳として 国庫支出金が1億9,000万円余、県費が2億3,000万円余ということで、基 本的に訓練校の機材更新というのは、県の一般財源で行われています。財政 危機になる前は、一般財源にもかなりの余裕がありましたので、更新時期に 沿って、あるいは新しい訓練コースによって機材を購入していたと覚えてい ます。  ただ、平成16年の三位一体改革により、地方財政がかなり苦しくなってか らは、一般財源は十分な量を確保できなくなっておりますのはどこの県でも 同じだと思います。県も、施設の整備が必要だからといって、そのときにそ の分だけの一般財源は確保できなくなっておりますので、定期的な更新はで きなくなっております。  どういうときにできるかというと、例えば県の場合には、電源関係の交付 金が余ったようなとき、ほかの機材を買わないで、こちらの訓練校の機材を 買えることになったときに更新をするという形で、捻出しないと基本的にで きません。捻出についても、一般財源での捻出はシーリングがかかっており ますので現在はできない状況になっています。一般の方は、どこかからお金 が出るのではないかと思っている方もいるのですが、お金が出ない状況にな っていることをご理解ください。 ○古賀委員 千葉委員のレクチャーに関連して、厚労省も含めて現下の情勢 について確認させていただきます。私の認識が間違っていれば大変申し訳な いのですけれども、機構の行う訓練というのはどちらかというと、中小企業 の高度な技術養成、技能者の育成みたいなイメージがあります。専門学校は、 どちらかというと大学と同様の、その種の特化したものではなくて、一定程 度幅広いというイメージがあります。その辺の感覚、あるいは実態というの はどうなのかを千葉委員にお伺いします。  2点目は厚労省、事務局サイドと言ったほうがいいと思うのですが、離職 者訓練とか在職者訓練については、各機構能開の施設から半径40km圏内にお いて、民間教育訓練機関等と競合がないように確認しているということがず っと言われてきています。能開大とか、それに附属する短大などの学卒者訓 練については、そのような民間との関係での確認は全く行っていないのでは ないかという印象があるのですがその辺はどうなのか。もし仮にそうであれ ば、学卒者訓練についても地域の民間との競合状況の確認が必要ではないか。  3点目は少し飛躍した議論になるかもわからないのですが費用の点です。 先ほど、千葉委員からは受講料のお話があったように、民間の教育訓練機関 の受講料と機構の受講料の額にはかなりギャップがあります。そのギャップ はギャップとしても、例えば機構の能開大とか、附属短大に入学する学生の 家計の状況、どちらかというと家計にゆとりのない人がそちらに入学してい るのかどうか。その辺のことは教育や訓練の機会均等ということからすれば、 家計のゆとりが非常に少ない人が能開大や短大に入り、そして技能を磨く、 技術を勉強するというのは、一面では1つの方法として取れると思うのです。 その辺りの調査・状況を調べたことがあるのかどうかをお聞かせください。2 点目、3点目は千葉さんというよりも厚労省、事務局サイドへの質問になり ます。 ○千葉委員 大学の卒業生の場合には、電子工学を出ても、そうでない就職 先が多いというのは我々の持っている大学の状況を見てもそのとおりです。 しかしながら、日本工学院のこれまでの実績と現状を見てみますと、電子工 学を勉強した人たちは、いわゆる弱電のメーカー、あるいは無線通信を取り 扱う職業現場に就職するのが95%になります。電気であれば、もちろん設備 関係、電気関係の仕事に就く人たちが95%という状況です。  その理由というと、我々は資格教育に大変力を入れてやっていて、工学系 の学生が蒲田と八王子を合わせると約1,500名いますが、その者たちが年間 に取得する資格の数は7,000を超える状況です。電子工学においては、無線 通信関係の資格を必ず取得させます。そのような資格を持ってその現場へ就 職していきます。電気工学の場合には、電気主任技術者という、いわゆる電 検を頂点とした電気関係の資格を取らせ、その道に進ませていく形になって います。このような形になっていますので、専門学校に関しては、その学ん だ専門分野に就職する人たちが大変多い教育機関であることをご承知おきく ださい。 ○美濃課長 1点目の、機構の能開大の卒業生については、全体の6割を超 える方が中小企業に就職している状況です。  2点目は委員ご指摘のとおり、離職者訓練、在職者訓練については、訓練 計画専門部会で競合状況について確認させていただいております。ただ、学 卒者訓練については、本年度からモデル的に競合の確認を行っていこうとい うことで進めているところですが、まだ形としては正式に検証されていない のはご指摘のとおりです。  3点目のご質問は家計の関係ですが、恐縮ですが、そうした調査は現在ま で行ったことがございません。学費の関係などを考えますと、そうした家庭 の方で機構の大学校などに入校されている方は多いのではないか、と受け止 めております。 ○清成委員 千葉委員に伺いたいのですが、運営にかかわる課題を3つ指摘 しておられます。最初は入学者の確保ですが、かつてはかなり多かったよう に思います。いつごろからどのような形で減少してきたのか、今後の展望を 含めてお伺いできればと思います。  もう1つは、4年制大学、専門学校課程のご指摘がありましたが、具体的 にはどのような現象を指しておられるのか、この2点を伺いたいと思います。 ○千葉委員 まず入学者数の確保における学生ニーズの移り変わりについて お話します。私どもは毎年入学生に対して、大学受験履歴があるかどうかを 長年にわたって調査をしております。平成4年、5年以前は、大学を受験し たが、大学に入れなかったので専門学校へ来ましたという不本意入学に近い 人たちが、大変多かった時代が長年にわたって続いておりました。ですから、 我々の学生募集のピークは、11月の学生願書の受付開始の時期と、もう1つ は大学の試験が終わった2月、3月の時期に大きな山があったのが、昔の学 生が潤沢にいた時代の1つの傾向です。  平成4年、5年を境にして、大学受験経験のない入学生が大半を占めるよ うになってまいりました。現在では、大学を受験したあとに、我々の学園に 入ってくるという工学系の学生たちは1割、2割ぐらいの数字に落ちている のではないかと思います。  そういう意味で、学生たちのニーズが、平成4年、5年以前の、いわゆる 不本意入学者というか、そのようなニーズがどんどん減ってきたことが、専 門学校へ入学する学生が減少してきている1つの原因であると思います。  しかしながら、その時代とは我々の教育も変わってきておりまして、先ほ ど申し上げましたが、1,500名で7,000個以上の資格ということになると、 学生一人当たり5個以上の資格を取って卒業していくという大学とは違う教 育の成果を、我々が示すことによって、大学を受験しない工学技術を身に付 けたいという若者を、こちらのほうへ入学していただこうという方策をとっ ているところです。  それから4年制大学の専門学校化は、これまで専門学校が教育をしていた 分野に大学が近年参入をしてきています。これはものづくりの分野だけの話 ではありませんが、近年3、4年の状況を見ますと、新しくできる大学あるい は新設される学部については、医療技術と子供に集約されていると思います。 医療技術については、看護師をはじめ、リハビリテーション、検査技師、放 射線技師といった教育についても、これまではほとんど専門学校が教育をし てきた教育分野です。そこに大学が次々とそういう学部を設置するという流 れが1つ起きています。  あとは保育関係、幼稚園教諭関係といった子供を対象にした教育について も参入してきています。ものづくりのところとは若干関係がありませんが、 最近はパンづくりの大学までできているような状況で、我々専門学校からす ると、専門学校の好調な分野に次々と大学が学部を設置しているなと見てい ます。  工学部についても今までの学術・研究というところから、ものづくりとい う、いわゆる現場の技術者の育成に枠を広げてきているのかと感じているわ けで、このように書かせていただきました。 ○上原委員 関連ですが、千葉委員のような工科系について、御社はいろい ろやられているようですが、比較的こういうのを中心にした専門学校は日本 にどのぐらいあるのか。  今のお話の専門学校の許認可は、文部科学省がやられているのだろうと思 いますが、その辺のことと、入校者を集めるのが難しいということで、日本 の産業構造の変化とも関係があるのだろうと思います。昨今の若者の職業選 択の志向というか、汗を流すよりはIT系みたいなことがあるのかと思うので すが、その辺についてご意見を伺いたいと思います。 ○千葉委員 工業系の専門学校は、昭和51年に専修学校制度が発足したわけ ですが、それ以前は、いわゆる服飾系あるいは簿記・会計系が中心でした。 昭和51年に専修学校法ができて、そのあと次々と工業系の学部ができて、工 業分野の中の情報処理の教育を始めたということではないかと思います。  その当時は、札幌にもいくつかありましたし、宮城県にもありましたし、 東京にはもちろん大手の学校がいくつかありましたし、名古屋にもあり、大 阪にもありました。博多にも、北九州にもありました。いま委員がご指摘に なったように、若者たちのニーズが、こつこつとものづくりをやっていく、 あるいは教育のベースとして物理あるいは数学が必要になってくる。このよ うな教育分野への若者たちの関心は急速に薄れており、以前あった理系クラ スが、昔はどこの高校にもありましたが、それがどんどん学生を減少させ、 姿を消しているという状況ですので、そういう意味では、そのような学科を 開設していても、学生が集まらないということで、工業系の専門学校は、い つしか情報系の専門学校に様変わりをして、現在は情報系の学生も減少の一 途をたどっております。  私は、専修学校協会でやっている情報系の資格試験の委員もやっています が、そこで将来の需要予測もしなければいけないので、しておりますが、現 在、専門学校の情報処理科で学んでいる学生が3万4,000人ぐらいおります が、3年後には2万3,000人ぐらいになるだろうという予測に基づいて、い ま資格試験の企画を行っているところです。  そのようなものづくりのところから、情報に流れて、一息ついたところが、 今度は情報も減り出してきているという状況が、若者たちの科学離れ、もの づくり離れが大変大きく影響しています。もう1つ加えて、大学の敷居が低 くなってきたといったところで、ものづくり型の教育は、非常に危機に瀕し ているというのが私の感想です。 ○上原委員 許認可は文科省がやっていますね。 ○千葉委員 許認可については、文科省というよりも、各都道府県に移管さ れており、そちらで申請を受け付けて、文科省にお伺いを立ててというので しょうか。そういう形で許認可をしております。それについては、そうハー ドルの高いことではありません。最近は公社公地も借用でもいいという形に もなってきておりますので、そういう意味では新しく開設することに当たっ てのハードルは低くなっているかと思います。 ○上原委員 もう少し端的にいうと、機構がやっている機械系や電気系があ りますが、あれと全く競合するような専門学校の数は、現状で大体どのぐら いですか。 ○千葉委員 全専各連の秋葉委員がおられますから、秋葉委員からお願いし ます。 ○上原委員 10とか、20とかというのか、何百というのか、その辺のオーダ ーを教えていただければと思います。 ○秋葉委員 分野によって大変難しいところなのです。工業分野という統計 はあるのですが、ものづくりそのものはあまり具体的ではなくて、おそらく 10以下というのでしょうね。自動車整備みたいのは残っています。自動車整 備は、逆にいうと、いまカスタマイズがオーケーですから、板金などもだい ぶやるようになっています。そういう意味での学科が残っていますのは、い わゆる千葉委員の所の電気工事とか、そういう類はほとんどなくなり、少し あるのですかね。 ○千葉委員 そうですね、東京で5校ぐらいはあるのではないかと思います。 全国で見れば10ということはないですが、それに近いです。 ○秋葉委員 だいぶほかの学科の中に埋もれていますよね。 ○千葉委員 ええ、そうですね。 ○上原委員 もう1つ、御社はホームページを見ると、北海道などに展開さ れていますよね。私も驚いたのですが、大変幅広くて、スポーツとか、そん なことまで教えるのかというぐらいにあるのですが、そういう意味では、需 要の変化に対して、もちろん民間ですから、学科の編成とか、需要度が非常 に高いわけです。そういうマーケットの需要を見て、いろいろやられている わけですよね。わかりました。ありがとうございました。 ○庄山座長 雇用そのもの、あるいはものづくりという母集団の人材不足が あちこちで話題になっています。私は産業界に身を置く者として、もっと産 業界のこういうものづくりに対する素晴らしさを、もっとPRするべきだと言 われています。専門大学校もそうですが、就職率はみんないいのです。とい うことは、ものづくりにかかわっている人材は、あちこちでみんな要望視さ れている。しかし、なかなか入ってもらえないという問題が、実は工業高校 においても同じことが言われ、専門学校でも言われ、大学でも工学部の人が どんどん減ってしまっていると言われております。これは共通認識として、 ものづくり国家である日本が、この辺はいろいろな意味での力を、民も官も 一緒になってやらなければならないという問題提起だとずっと思っています。  これが非常にここにきて急激に、本当のハードっぽいものづくりからITに 変わったかと思ったら、それがまた、さらにどんどん減ってしまい、本当の 人材難になっていくのかな、という危機感を私なども肌で感じています。こ れは皆さん方共通の問題で、何とかしなければいけないと思ったりしている ところです。  いろいろご意見をいただきましたが、今回はいろいろな形でのまとめもあ りますので、次に移らせていただきたいと思います。ヒアリングについては 以上です。前回と今回とご説明いただきました6名の委員の皆様方には、資 料作成を含めて、多大なご負担をいただきましたことを改めて感謝申し上げ たいと思います。  それでは続きまして、本日までいろいろ重ねてまいりました議論を踏まえ て、本検討会として、中間整理を今後行ってまいりたいと思っております。 まず事務局から中間整理に当たっての案について説明していただき、そのあ と先ほどのような形でいろいろご議論いただければと思っている次第です。 それでは、中間整理(案)についての説明をよろしくお願いいたします。 ○姉崎課長 それでは、資料No.5-1が中間整理評価編、5-2が中間整理資料編、 5-3があり方のシミュレーションとなっています。時間の都合もありますの で、資料編は省略するかもしれません。  最初に資料No.5-1「評価編」です。下の○にありますが、閣議決定を踏まえ て、これまでに重ねてきた議論を中間的に整理することにしたということで す。2頁は大きく3つです。職業訓練の現状についての評価、民間との役割 分担、都道府県との役割分担ということで整理をしております。  3頁です。職業訓練の現状については4点の視点から整理をしており、最 初の(1)で、雇用のセーフティネットとしての訓練に係る評価ということで す。雇用のセーフティネットの重要性については異論がないのではないか、 職業訓練という役割がもっと再認識されていいのではないかというご意見が ありましたが、一方で、内容については平均的でもう少し高度なことができ るのではないか、非正規労働者に対する訓練を積極的にしていくべきではな いか、年長フリーター・女性・障害者等に配慮した職業訓練の強化が必要で はないか、といったご意見だったかと思います。  4頁です。ものづくり訓練に係る評価ということで、機構が行う高度なも のづくり分野を支えるための訓練を中心に実施する必要性ということは認め られるということで、最初のポツにありますが、特に中小企業の基幹労働者 育成に当たっては、国の関与、公的職業訓練が不可欠ではないかということ です。我が国のものづくり基盤を維持するためには、さらにまたいろいろな 取組が必要だということで、下のほうにありますが、もう少し先端的な中小 企業と組む、あるいはほかの機関、施策との連携を図っていくことが必要な のではないか、というご意見だったかと思います。  5頁です。指導員訓練などの職業訓練の基盤に係る評価です。指導員の養 成・再訓練の機能ですが、これについては社会的役割・意義について概ね評 価をされていますが、個別の意見が4つ目のポツ以降にありますが、総合大 の卒業生のうち、平成19年度卒業者で見ますと、指導員になっている人が2 割、総合大が開発した訓練カリキュラム等の開放の問題、訓練機器・設備に ついては、もっと効率的に使用できるのではないか、大学、高校、高専との 連携・コラボレーションは重要ではないのか、というご意見がありました。  6頁です。訓練の現状全体に対する意見で、特に財源、コストの問題等が いろいろ議論になり、個別の意見ですが、訓練の財源は雇用保険料の事業主 負担分で、それが失業の予防や、能力開発のために使われるということは、 どの事業主も納得する話なのだろう。ただ、事業主側も認識をしてない部分 があるので、もっと認識を高めるPRをしていくべきだ。一方では、基本的に は効率的に使っていくことが大事ですので、訓練にかかる一人当たりコスト の検証等をきちんとしていく必要があるということでした。  あとは機構がやっている職業訓練業務自体のPRが非常に不足しているの ではないかということで、もっとPRをきちんとしていく必要があるだろうと いうご意見だったかと思います。  7頁は、民間教育訓練機関との役割分担の関係です。これは民間で対応で きないもののみ国で行い、それ以外は基本的に民間に任せるという姿勢が必 要ではないか、という意見が多かったのではないかと思います。  そういう中で、2つ目のポツにありますが、すべて民間に任せてしまうと なると、社会的に弱い立場の人が訓練を受けられなくなってしまうのではな いか。あるいは費用面、施設面で育成困難な人材は、公が担う必要があるの ではないか。特にものづくり分野等については、国で担うべきではないか、 というご意見がありました。先ほど古賀委員からもご意見がありましたが、 学卒者訓練における棲み分けが必要なのではないかということです。  8頁は、都道府県との役割分担のあり方です。現在の役割分担に係る評価 ということで、都道府県と国では、国は高度で、設備にコストがかかる訓練 という意見が多かったということです。3つ目のポツですが、国は高度、県 は基礎という役割分担がなされているのではないかということです。  9頁です。国から都道府県に職業訓練業務を移管できるかということです が、都道府県で国が担っている機能を代替する前提として、財源を含めて訓 練の継続的実施を担保する措置は必須であろう。ただ、それなりの担保が付 されたとしても、高度で、施設・設備にコストのかかる訓練が本当に可能か どうか。あるいは都道府県のパイの大きさの問題、財政力の力量等によって 大きな差が生じ、小さい県ではなかなか難しいのではないか、というご意見 もありました。以上が評価の関係です。  資料No.5-2の「資料編」は、これまで委員の皆様方に見ていただいたもの ですが、今回、新しく付け加えたものが10頁の「ものづくりの訓練の現状」 ということで、中小零細企業がものづくりの基盤技術を支えているわけです。 11頁にありますが、中小企業では人材確保が困難、人材育成が困難というこ とで、非常に厳しい状況になっていて、ものづくり基盤技術振興法等の法律 ができているという概況の説明です。  13頁の特に右側ですが、技能系正社員に求められる能力ということで、近 年では生産工程を合理化する力、設備の保全あるいは品質管理ということで、 技能者に求められる知識・技能も高度化しているという絵です。  15頁で機構の能開大の行う職業訓練と工科系の高等教育の比較で、キャリ アルート等も含めて技能者と技術者の違いを整理したものです。  26頁には前回も出した専門学校の関係があります。26頁では県によって民 間教育訓練機関の数にだいぶ違いがあるということで、今回新しく出しまし た。あとは基本的にこれまで出した資料が中心です。  資料No.5-3は、雇用・能力開発機構の今後のあり方のシミュレーションで す。あり方としては、いちばん左側にある機構が担っている職業訓練業務に ついて、社会的に必要がない。必要がないというご意見は、この検討会では なかったわけですが、その機構の行っている業務を民間に移管して実施する。 都道府県に移管して実施する。機構を改革しつつ、機構で実施をする場合の あり方ということで、それぞれごとに論点、解決すべき課題ということで整 理をしたものです。  (2)の民間に移管して実施する場合には、例えば、施設・設備の移管をどの ように行うのか。セーフティネットという観点からは、失業者等に訓練機会 が十分に提供されるのだろうか。事業の継続性について、制度的担保ができ るのか。ものづくり分野の訓練となると、民間教育訓練機関が東京で5つ、 全国的には10ぐらいかという話がありましたが、地方で受け手が見つかるの かということを、きちんと検証していく必要があるだろうということです。  都道府県に移管して実施をする。これについても財源、人をどのようにす るのか。セーフティネットのところでは、各都道府県によって離職者訓練の 実施規模に相当大きな格差がありますので、全国にわたり、セーフティネッ トの担保がきちんとできるのか、あるいはすべて都道府県の判断に任せた場 合に、国の雇用対策として必要な対策を実施するときに、国全体として取り 組む必要があるものについての実施が担保できるかどうか。石川県からもあ りましたが、特に規模の小さい県の負のスパイラルの懸念がないのかという ことです。  機構のあり方の関係ですが、まず組織の形態としては、失業者あるいは地 域の中小企業事業主のニーズをもっと反映できるような組織、運営形態が考 えられないのか。  訓練内容についても、能力形成の機会の乏しい人に対する訓練が現状では 不十分ということで、もっと取組ができないのか。指導員の就職の割合の問 題、施設・設備の合理化がもっと必要なのではないかということを、きちん と詰めていく必要があるということで整理をしたものです。資料の説明は以 上です。 ○庄山座長 それでは、この中間整理(案)について、皆様方からご意見を 頂戴したいと思います。どなたからでも結構ですので、よろしくお願いしま す。 ○千葉委員 これは本当は秋葉委員の立場の話だと思いますが、資料No.5-1 の5頁の青いポツの3つ目の「委託訓練においては、専修学校の講師は、そ の分野の指導には長けているが、就職支援の技術等は十分でなく、指導員の 再訓練は必要な機能だと思う」ということが書いてあるのですが、これにつ いては就職率が良くないということを、こういう書き方をしているのだと思 います。委託をしている教育分野の原因もあるわけで、専修学校の講師の就 職支援の技術が十分でないということだけが原因ではないのではないかと思 うので、秋葉委員、応援をお願いします。 ○秋葉委員 委託訓練の場合、委託されると本務教員というか、正教員がや っているかどうかという問題が非常に大きいのです。3カ月に1度ガラガラ ポンをやられますから、どうしても周辺の非常勤講師にお願いする場合が多 いのです。もちろん専門家ですから、専門的な教育をやるわけですが、就職 というところの観点が少し落ちるのです。ですから、書き方が非常に難しい のですが、教える内容については、非常に長けている人が教える。  ただし、委託訓練の場合は、非常勤という立場もあったり、いろいろ難し い問題があって、就職まではタッチしないで教えている場合が多いことは事 実です。ちょっと言葉のずれはありますが、そういうことをどう書き足すか は、大変難しい書き方になるのではないかと思います。 ○清成委員 先ほどヒアリングが終わったところで、座長がご指摘になった ものづくりは、非常に重要なことです。機構はこれまで一定の役割を果たし てきていたと思います。しかし、果たしてなかったことも、実は大きいので はないか。つまり、機構が果たしたことだけではなくて、日本社会そのもの が、必要な仕組みを用意していなかったということが、企業にしても政策に してもあると思います。  先ほど千葉委員がお話になったように、平成4年から5年の転機、実は平 成4年というのは18歳人口のピークなのです。それまでは急増期で、専門学 校等にも、大学にも人が集まったということで、教育の中身はそれまではあ まり真剣に議論しなかったということがあって、ものづくりの点でも、そこ の段階であまりきちんと議論をしていなかったのではないか。たぶん教育を 所管する文部科学省にしても、ものづくりには全く関心がなかったのではな いか。  ところが、今は公的な関与がなければ、ものづくり基盤を確保することは できないことが明らかです。したがって本来、機構には今まで以上の役割が 要求されているのではないか。そこを目をつぶってしまって、これまでやっ てきたものはここまでだから、整理しろとか、そういう議論に流れてしまっ ていると思います。そうではなくて、もっと国としてやらなければならない ことがあるのではないか。その場合に機構にはいま果たし得ることがあるの ではないかということなのです。  戦後の高度成長期に中小企業の基盤技術が非常に進んだわけですが、これ は国が育成したわけでも何でもなく、中小企業の業界の中で人が移動するこ とによって多能工になっていき、最後は自分が会社を興すという形です。し たがって、中小企業は中小企業の従業員の学校の役割を果たして、中小企業 は自己増殖的にどんどん増えていったのです。これが止まってしまい、平成 4年の18歳人口のピークのころから、全く縮小傾向に入ってきているわけで す。ですから、国が関わって、新しいデュアルシステムみたいなものを構築 しなければいけないということを、厚生労働省はきちんと主張すべきではな いかと思うのです。そういう役割があると思います。  世界のどの国を見ても、成熟段階において中小企業のものづくり基盤を確 保するための職業訓練で成功した国というのはまだないのです。だからこそ、 新しい仕組みを考えなければならない。日本以上に製造業比率が高い先進国 はドイツです。ドイツを見ると、職業訓練の制度がきちんとしています。所 管が日本の文部科学省に相当する教育研究省なのです。毎年白書も出してい ますが、2003年ごろから政策転換があるのです。職業訓練の中で、特定の職 種、特定の地域を重視するようなイノベイティブな政策という言い方をして いますが、それが発動されているのです。その効果があったかどうかはよく わかりませんが、少なくとも訓練の希望者が減少傾向にずっとあったのが、 踏みとどまっているのと、ものづくり分野でそれが踏みとどまっているとい う事実があるわけです。ですから、どの政策が、どう効いたのかは現段階で は必ずしもはっきりしません。  連邦の教育研究省の政策です。積極的な政策という表現以上に、攻撃的政 策という名前を使っているのです。そのぐらいやらないと食い止められなか ったということなのです。だから、国としても、そのぐらいの決意、覚悟を 持って仕組みづくりをやることにしないと、先ほど座長がご指摘のような基 盤は確保されないのではないかという感じがするのです。  その場合に重要なのは、インセンティブなのです。雇用がインセンティブ にならないということは明白です。つまり、就職率が非常にいいわけですか ら。そうすると、所得保障と処遇が非常に重要なのです。つまり、技能工を 志望するという人たちに対して、一定の所得保障をきちんとやる。それは大 企業へ勤めても、大企業の中での処遇という問題につながってくるわけです。 ですから、そういうインセンティブを強く出すことです。  最近は理工系の大学では、どこも志願者確保ということから、初等教育の ところまで下りていって、科学や技術を理解してもらうということをやって いますし、その辺は今後も非常に重要なことですが、それだけでは駄目だろ うと思います。やはりインセンティブを目に見える形で出していく。それが 昔流のドイツのマイスター制度では駄目だということがはっきりしています。 それから日本のものづくり大学も失敗だと思うのです。ここは質の高い専門 学校であるとか、非常に技術の高い中小企業とか、そういう所のコラボレー ションで全体的に新しい仕組みを作って、全体を引っ張っていくような仕組 みをどこかで作る。全体の制度設計をやるべきではないかと。そういうこと をやらないで、機構を潰すとか、潰さないという議論は、かなり偏っている のではないかと思っています。  では、具体的にどういう点をするのかというのは、もう少し仔細に検討し なければならないと思います。差し当たり以上です。 ○上原委員 特に中小企業は、ものづくりをして、職業訓練では国の関与が 必要だと思います。その立場からお話するのですが、中間まとめの中にもあ ったのですが。雇用保険料のうち事業主負担で実施する雇用保険二事業で行 われているというところのアピールが非常に弱い。しごと館が典型ですが、 税金の無駄遣いみたいなアピールがあって、そこだけ見ると、もっと効率よ く、ちゃんと使えるという話になってしまうのです。それは悪いところはも ちろんありますが、その辺の是正が要るのではないか。したがって、もう少 しそういうことを正確にアピールしていく必要があります。特に目に見える 形で何か考えて提案していくことが非常に重要なのかと思います。一般的な 事業の雇用保険料率15/1000のうち、事業主負担分9/1000そのうち二事業分 は3/1000ぐらい負担しているはずなので、そこのところは前提としてあると 思います。そういうことが必要だというのが1つです。  二つ目としてあり方の議論を厚労省の建物の中でやっているわけだし、仕 組みとしても、こういう場でやっているわけですから、どちらかというと内 側の議論に見られがちです。ですから、そこをどう払拭していくかというの は非常に重要だと思います。厚労省にはもちろん統計のデータも山ほどあり ますし、独立行政法人で労働政策研究・研修機構という立派なレポートを出 している組織もあるわけで、そういうものを動員して、しっかりしたデータ を出す必要があります。内側の議論ではなく、国のデータに基づいて、ある べき方向を検討するのだという強い意志が必要だろうと思います。  三つ目としてまとめの中の1つのたたき台であり方をどうするのかという ことがあるわけです。仮の話ですが、無駄だからやめようということになっ たとして、仮に清成委員がお話になったようなことに対応するのに、機構を 廃止してこれからまた何か新たに作ることになった場合、どのぐらいのコス トがかかるかも併せて検討する必要があります。  4つ目に、まさにいま清成委員がおっしゃっている話と全く同質で、本質 的な問題なのですが、そのような制度を再設計して、機構に新しい役割・機 能を与えることも必要。そういう中で仮に3年とか、5年とかというもう1 回スタートを切っていく中で、現状ならすべていいということではなくて、 いろいろ効率等問題を指摘されている部分があるわけです。そういうものに ついて厳しく棚卸しをして進めていくことが非常に重要なのではないか。そ ういうことをしていくことが、国民なり事業主の理解を得られるのではない かと思いました。以上、4点です。 ○本田委員 整理がついておらず、先にお話をされた方と重なるかもしれま せん。まずこの膨大な資料を拝見するだけでは、何も廃止する必要はないの ではないかというぐらい素晴らしいことをおやりになっています。  しかし、3月から始まった行政減量・効率化有識者会議において、4月上旬 にあたかも廃止が決定したようになっています。ならば、これを12月まで 営々と会議を続ける必要があるのかどうか、いささか疑問な気もしますし、 一体この会議は何なのかという思いもしております。  私は個人的には、前にも申し上げましたように、2カ所の施設を見学させ ていただき、素晴らしいことをやっている反面、ここまで国がやらなければ ならないのかという部分も私なりに感じましたので、それらを棲み分けして、 どうもがいても採算の取れない膨大な設備投資があってということ等をよく 吟味した中で、もう一回ゼロベースに戻って、どのような経費の削減ができ るかということ。もしこれが廃止の方向に行くなら、現在4千数百名いらっ しゃる職員が、今後どのような方向で行くのか。ただ、この機構を、別の名 に変えた中でやっていくというならば、あまり変わることに意義もないわけ ですし、いま上原委員が言われたように、ある施設をよく検討した中で、も し新しいものをつくるといくらかかるか。これはやはり膨大にかかると思い ます。いまは立派な施設があるわけですから、そういう施設の中で、どう縮 小するのか、あるいはそのまま使うのかを、もう一回よく精査する。やると するならどことどこを廃止するとか、隣の県と2つを1つにした訓練施設に する。誰が見てもいい事をやっているのだけれども、PR不足で、こういう立 派な施設で、立派なことをやっているのだということを、一般に国民がわか らない。そうすると、無駄な所だけをピックアップして、しごと館がどうだ とか、小田原の施設がどうだとかということだけが一人歩きするように思い ますので、是非、そういう所をもう一回見直していただきたいと思います。  中間整理(案)の7頁の真ん中ぐらいに「民間機関は学生側のニーズを見 ており、企業側のニーズとはミスマッチがある」とあります。それは完璧で はないかもしれません。私も40年ぐらい職業教育に携わってきましたが、学 生に就職をさせる立場として、将来の方針を、行き先を確認だけして就職の あっせんはしておりません。企業とヒアリングをしながら、例えば建築の経 理なら、どのような卒業生を求めているとか、商社ならば、どういうところ まで求めているとか、全て理想的に行きませんけれども、年月はかかります が、柔軟に対応しつつ、就職指導をしてきたように思いますので、あながち ミスマッチだとは思いません。  もう1つは、セーフティネットという言葉が出てきますが、どこまでをセ ーフティネットの責任にするのか。ただ漠然としているような気もします。 いま就職の求人倍率云々ということで、特に私は事務系の団体が多いもので すから、こちらに目が行ってしまうのですが、いまの社会の風潮としては、 人はあまり努力はしたくない、苦しみたくない。しかし、一定のものが欲し いという反面、あまりお金は稼げなくてもいいが、自分の世界があるから、 あまり構わないでくれという、いくつか分かれがあって、前のように何が何 でもがむしゃらに働いて、家庭のためにとか、家族のためにというのではな くて、若いうちは特に放っておいてほしいという人が非常に多く見られるの ではないかと思います。  そういう人たちが、これから話の中に出てくるであろうけれども、フリー ターとか、ニートというほうにそういう数が多いのだろうと思います。それ はいちがいにこのような会議の中で解決ができるか。最終的には教育の向上 というところに行き着いていくのだろうと思います。親も子も社会的に仕事 とは何だろうということを、きちんと小さいうちからしごと館ではないが、 教えていかなければ内容がわからないのです。  私は長い間経理学校におりましたが、入学してくると税理士になれると錯 覚をしてくるわけです。全国の合格者85%とパンフレットに書いてあります。 確かに合格専有率は85%ありますが、入ってきた人がみんな合格するかとい うと、そうではないのです。そのぐらい甘い考え方で職業選択をしている面 もあるものですから、なかなか一筋縄ではいかないのではないかと感じてお ります。 ○秋葉委員 雇用能力開発機構の今後のあり方ということになりますと、資 料No.5-3みたいに、民間に移管したりという話になるのでしょうが、もっと 大事なことがあって、離職者、在籍者、学卒者で、いちばん大事なのは離職 者ということになるのだろうと思います。制度問題をかなり考えなければい けないのではないか。3カ月、4カ月で本当にいいのかどうか。雇用保険をも らえるだけもらってという人も入れて、3カ月というのだったら、そういう 人たちを教育せざるを得ません。しかし、それを1年なりでちゃんと資格を 取らせる。そして就職をさせる。それが必要だろうと思います。  先ほど愛媛県で介護ヘルパーに教えているというのがありましたが、出し てももう一回離職者になるような人を育てても駄目なので、覚悟を決めてき っちり介護をちゃんとやるのだというのなら、介護福祉士の資格を取らせる。 業界の問題はいろいろありますが、そういうことをちゃんと意識づけること が大切で、そのためには1年、2年という教育期間、訓練期間は相当大事な ことだろうと思います。それが民間にいく流れですが、民間がそれを受ける のならば、専門学校としては全部受けられます。  問題は、いまのような競争入札で、いまの場合は3カ月、4カ月で競争入 札ですから、取れるか取れないかわからないようなものを、教室を開け、講 師を用意しながらやっているのでは、専門学校も手を引かざるを得ません。 現在いる学生をちゃんと教えることが我々としては本当の使命ですから、犠 牲にすることはできません。資格とか、いろいろな教育として、1つの単位 としてきっちり教えていますから、そちらへ誘導することが非常に大事な作 業で、離職者の意識も明確になるだろうと思います。  そのようにもう少し考え方を、単なる機構をどうするのではなく、もっと 制度的な問題を考えていかないと、また同じ話がもう一度出てくるのではな いかという気がしています。 ○川本委員 繰り返しになるかもしれませんが、上原委員からも雇用保険2 事業から出ているという話がありましたが、なぜ事業主のみが負担する雇用 保険2事業でこの機構が賄われているかといえば、まさしく失業予防のため の能力開発であり、一方、失業が出れば、それに対する手当てをしていく。 あるいはそのためにものづくり基盤をきちんと整備するというところであろ うかと思っています。  資料No.5-3のシミュレーションを見ますと、あまりにも後向きというイメ ージがして、私はここの議論を通して思っていますのは、機構がそれなりに 重要な役割を果たしていると認識しているところです。例えば、下から5つ 目の○で「失業者や地域の中小企業云々、ニーズを反映できる組織」とあり ますが、その頭に「年長フリーター問題など、社会的に国による能力開発の 重要性が一層増していく中で、失業者や地域の云々」と書くとか、あるいは 「離職者訓練や在籍者訓練のより充実や拡充が求められている」というよう な文言が入ってもよろしいのではないかと思います。一方で見直すべきとこ ろは見直すべきところで、こういうご意見があったので、もちろん書いてお いていただいて結構ですが、それがあるかと思います。  それから先ほどの前の資料でもPRという話が随分ありましたが、これが入 っていませんね。最後の機構のあり方の改革のところに、PRということもも っと訴えておいてもよろしいのではないかと思います。雇用保険2事業から 予算が回り、機構でこれだけの充実した設備を持って、失業者あるいは在籍 者の皆さんに無料あるいは非常に低廉な授業料でやっているというところが いちばん大事なところで、そのためにはそういうニーズがある方たちで、実 はこういう組織を知らないのであれば、それがいちばんもったいない話です ので、よりPRに努めていくことも、是非入れておいていただければと思う次 第です。 ○志治委員 資料No.5-1の中間整理(案)について県の立場から発言させて いただきます。8頁、9頁の県との役割分担についてですが、8頁で、国は高 度、県は基礎という役割分担ということで整理されておりますし、9頁で、 現実に県が機能代替できるかということについて、財源等の継続的担保の措 置の話、人材等の問題等、現実的にはなかなか難しい部分があるのではない かということで、県との役割分担等についての整理は、私どもも基本的にこ ういう整理でいいと思っています。  あと加えますと、先ほど来、ものづくり訓練の評価についてですが、私ど もでも学卒者訓練や在職者訓練について中小企業の方々と話をすると、公共 でものづくり訓練をしっかり担ってほしいという声が強く、現実に就職率も 100%となっております。一方で、入校者が非常に減ってきているというミス マッチの問題がある中で、ものづくり訓練を機構、県が相俟って公共でしっ かり担っていく必要があるのではないかということです。  また、今日はあまり発言に出ていませんが、5頁で、県の立場からすると、 総合大学校の指導員の養成再訓練の機能が重要とされていますが、これは私 どももそうで、今日も愛媛県の話もありましたが、各県とも総合大学校でし っかり再訓練をしている状況ですので、この機能の維持は大切だと思ってお ります。 ○渡辺委員 皆様方が言われるように、機構というのはおそらく必要である と認識しております。例えば、資料No.5-3の(4)についてですが、たぶん一般 の国民の意識として、いま言われたような、事業主がこれを負担していると いうことの理解がいただけていないので、それをPRしていただきたいと思い ます。  もう1つは、事業がすべていい事ばかりではないので、経費の節約は絶対 に必要であると思っています。したがって、いまの機構の中で、いかに無駄 を排除して、それをきちんとやっていくかという、いわゆる費用対効果に関 して、シミュレーションをしていただくと、より皆様にご理解いただけるの ではないかと思いますので、是非よろしくお願いいたします。 ○今野座長代理 資料No.5-3のまとめ方の問題で、(1)と(2)ですが、もしこれ で(1)から(2)がイエスになると、都道府県も要らない、公共は要らないという ことだと思います。つまり、たぶん(1)とか(2)というのは、こういう訓練分野 を公共としてやる必要があるのか、ないのかという議論であって、それを受 けてもしイエスだったら、(3)か(4)なのかなという話なのです。ですから、(1)、 (2)は雇用能力開発機構の今後のあり方というのではなくて、本来は実質上は、 公共訓練のあり方なのです。たぶんここでの議論もそういう形でこの辺の分 野はあったと思います。これは整理し直したほうがいいのではないかという のが私の意見です。  もう一度繰り返しますが、もしこれで(1)、(2)のシナリオをとったら、ここ に書いてあることは、もしかしたら全部県も一緒だと。そうすると、県も要 らないということになってしまうので、そこを少し整理したほうがいいので はないかと思います。わかっていただけましたか。 ○姉崎課長 今野委員のご趣旨はわかったのですが、どのように整理をすれ ばいいのかが、にわかに思い付きませんでした。 ○今野座長代理 (1)は公共の訓練は要らないということで、(2)は公共は要る が、公共全部を民間に移管できるという話ですね。 ○草野局長 論理的にはおっしゃるとおりだと思います。ただ、都道府県ま で広げてしまうと、公共訓練全体がテーマになってしまうので、一応書き方 としては、こういう形で書いて、その中で議論させていただく。都道府県の 訓練の存廃まで広げてしまうと収拾がつかないので、できるだけこういう書 き方でさせていただければと思います。 ○今野座長代理 考えていただきたいのですが、論理的にはそうなってしま いますよという話です。 ○佐伯委員 先ほどあまり詳しく言わなかったのですが、私は個人的にはも のづくり産業の育成とか、セーフティネットが必要だと考えています。ただ、 この検討会の流れが先に行政改革とか、行政のスリム化を前提として、かな り議論がなされていて、資料No.5-3も都道府県に移管して実施というのが、 大きな項目として挙がっていることには、かなり違和感を覚えております。  都道府県に移管してということを先ほどもお話しましたが、国の行政改革、 行政のスリム化をやっておりますが、地方自治体のほうが厳しく行われてい ると認識しております。愛媛県でも「選択と集中」という言葉で、毎年厳し い歳出削減をしておりますし、言葉でいえば、聖域なき削減ということで、 どの分野にかかわらず、カットをしております。そういう意味で都道府県に 移管されても、ものづくり産業の支援やセーフティネットというものに、夢 のある未来があるのかというと、疑わしい。ものづくりの支援は必要ないの かとか、セーフティネットは要らないのではないかという前提というか、あ る意味が含まれているような感じを持っております。  このような行政改革、行政のスリム化の流れの中で議論されるのなら、都 道府県の移管に際しても、何を残すのか、何を削るのかを、ある程度書き込 んでいただかないと、移管された瞬間から聖域なき削減の俎上に上がって、 斬り込まれ続けますので。清成委員が言われたような日本のものづくり産業 の支援という面からはかなりマイナスの感じがしております。 ○古賀委員 まとまっていないのですが、大小とり混ぜて、清成委員が言わ れたことが非常に頭に残りました。いま現実問題として、目の前にある雇用・ 能力開発機構だけをみて、その評価とか、これがどうだ という議論をして いると、大きな幹みたいなものを見失う感じがするのではないかと思います。 非常に難しいことだと思いますが、検討に関わる論点を少し膨らませながら、 まさにこれからの日本の能力開発や雇用面について、きちんともう一回整理 する。どちらから見ても一緒なのですが、その中で国が果たす役割という順 序での組立て方も1つ必要ではないかと思います。  2つ目は、今野委員がおっしゃったとおりで、私もそれが言いたかったの ですが、資料No.5-3はあまりにも短兵急な事象だけがボンボンと並んでいて、 もう少し練ってシミュレーションをやり、項目も精査しなければならないの ではないかと思います。例えば、これを違う角度から言えば、民間と公的な ものとのコラボレーション、官民協同みたいなこともどう描いていくのかと いう視点もあるのです。そんなことも含めたシミュレーションの項目立てに していただくのがいいのではないかと思います。  それから具体的なことについて2点申し上げたいと思います。1点目は、 雇用のセーフティネットが非常に重要な課題だと思います。これは日本の社 会のみならず、世界全体を見渡しても、雇用のセーフティネットをどう整備 するかということが問われています。特にいわゆる就職弱者と言われるよう な方々については、きちんと国が責任を持つことを明確にしていいのではな いかと思います。  2つ目は、民間の教育訓練機関との役割分担のあり方についての項目です。 日本は狭い国ですが、北海道から沖縄まで、その県によってかなり状況がさ まざまです。したがって、地方によっては民間に任せたいと思っても、受け 手となる民間の訓練機関の数が非常に少ないとか、まったくないということ もあると思います。そういうことからすれば、そういう地方において、例え ばものづくり以外の分野についても、訓練を受ける機会が全くなくなってし まうとか、そういうことでは課題があるのではないか。もちろん民間に任せ るものは任せるという基本的なスタンスに立った上で、しかし、やはり地域 によって状況が、非常に大きく異なることをきちんと認識して、それらの役 割分担のあり方について考えるべきではないか。具体的な2点を提起してお きたいと思います。 ○川本委員 資料No.5-3ですが、(1)の社会的に必要なしのところがどうして も気になるので、1つ入れていただきたいと思います。ここは機構が社会的 に必要なしという結論になったらという場合で考えているので、精算のあり 方で売却をどうするかとか、再就職あっせんと書いてありますが、「失業者、 それから中小零細企業の在籍者の能力開発、訓練を誰が、どこで、何を財源 としてやるのか」を書いていただきたいのです。 ○庄山座長 皆様方からいろいろご意見をいただきまして、誠にありがとう ございました。今までご意見をいただいたのを、中間的にまとめていただき ました。これは今日の皆様方のご意見等も含めて、中間整理(案)をある段 階でまとめなければいけないと当初からお話し申し上げて、こういう形にな りました。  今日、皆様方のご意見をお聞きしますと、これでは誤解を招く恐れもある かなと思うところもありますし、もっとこうすべきではないかというご意見 もたくさん頂戴いたしましたので、私と事務局で、もう少し見直しをして、 また皆様方のご意見を拝聴するようにしたいと思います。先生方にも相談に 乗っていただきますが、よろしいでしょうか。 ○草野局長 とりあえず24日に有識者会議があって、そこでシミュレーショ ンを出してほしいということになっております。ですから、今日のいただい たご意見を最大限取り入れてシミュレーションの修正をしたいと思います。 明後日ですと、会長とも十分協議する時間もないという形になりますが、そ の辺は最大限今日のご意見を取り入れさせていただいて、事務局で対応する ということでよろしいですか。 ○庄山座長 確かに資料No.5-3をパッと見た瞬間、今までの経緯を見ないと、 どうぞ、どんどん畳んでしまってくださいとも読めなくもないのです。その ように誤解されない形で、今日のご意見なども、もちろん必要なことは国と してやらなければいけないということは皆さんが言われていることだし、た だ無駄はいけないということで、そのようなことがあったということを前提 で。この資料は。 ○草野局長 これをベースとして、今日いただいたご意見を。 ○庄山座長 今日の意見でこういうことがいろいろ出ているということを、 きちんと。 ○草野局長 24日ですので、対応せざるを得ないということで、仮に事務局 にお任せいただければと思います。今後のことについては、おっしゃったよ うな非常に本質的問題、コラボレーションとか、雇用のあり方、訓練のあり 方、ものづくりなどと関連しますので、9月以降になると思いますが、その ときはそういう方面からの見方を踏まえて、機構をどうするかという視点で ご議論いただけるように準備したいと思います。 ○庄山座長 その辺はよく配慮しながら、事務局のほうで。明後日、行政減 量・効率化有識者会議でお話していただくことにしております。この前から の皆様方のご意見もありましたので、座長には、私から明日短時間ですが、 お話いたします。先ほど「もう決まっているのか」と言われましたが、そん なことはないわけです。折角こういう形で検討いただいているわけですから、 尊重いただくように、こちらのあり方委員会の意見を、座長には私からも、 今日の雰囲気も含めてお話したいと思っております。  それでは、最後の資料の、機構の施設である「私のしごと館」について、 ご説明をお願いします。これは本検討会とは別の検討会を設けてご検討いた だいているところですので、その検討状況についてポイントだけお願いしま す。 ○高野課長 私のしごと館を担当しております。資料No.6に沿って、私のし ごと館のあり方検討会の検討状況について、ご報告いたします。1頁です。 私のしごと館についてはご案内かと思いますが、中学生、高校生を主な対象 として職業意識の形成を図るために職業体験などのサービスを提供しており、 毎年30万人以上の方にお越しいただいている施設です。建設費用が多額だっ たことと、毎年多額の運営費交付金がかかるということで、マスコミから批 判を頂戴しております。  2頁です。私のしごと館については、昨年末の独立行政法人整理合理化計 画において、運営を包括的に民間に委託し、第三者委員会による外部評価を 実施し、その結果を踏まえて、1年以内に存廃を含めそのあり方について検 討を行うことになっております。そこで、これを踏まえて経済界、教育界等 の有識者からなる、私のしごと館のあり方検討会を設置しております。  メンバーは3頁に載せておりますが、富士電機ホールディングスの相談役 の加藤丈夫様に座長をお願いしています。この検討会については、本年3月 以降、3回開催しており、また委員の皆様には、しごと館、さらには似たよ うな施設だと言われているキッザニア東京の視察もしていただいた上で、議 論をしていただいております。  4頁に紹介しておりますような、民間委託を行う際に当たっての視点・考 え方といったものをとりまとめております。1つには、民間事業者に委託す る以上、裁量の範囲はできるだけ広くする。中核をなす職業体験については 必須だが、それ以外の事業については広範な裁量に委ねるということですし、 収支については、5年後目途のあるべき姿として、収支率5割を目指すとい う方向を打ち出しています。  この考え方としては、職業体験とそれ以外を分けて、職業体験は国の施策 として行う必要があるであろう。一方、それ以外については自前ということ も可能であるという考え方から、こういった考え方が打ち出されております。  委託期間については、いろいろ議論がありましたが、結論的には2年間で、 関係機関はバックアップを行う。評価については、本年末は、委託期間終了 時の目標を展望した着実な努力を実施しているかという点をチェックした上 で、その結果を基に存廃を含めたあり方を検討するということです。このよ うな考え方をとりまとめていただいたわけです。2頁に戻って、この考え方 を5月21日に開催された行政減量・効率化有識者会議の場においてご説明し ましたところ、委託を進めることについてご了承をいただいております。  それを踏まえ、6月16日に入札公告を行い、7月11日までの締切りとして いましたが、2社に応札いただいております。外部有識者等による企画審査 を行った上で、開札し、落札を決定し、1カ月強の引継期間を経て、9月1日 から民間委託を行う予定にしているところです。  5頁は、直接この検討会とは関係がありませんが、舛添厚生労働大臣にお かれては、先般7月2日に私のしごと館の現地視察に行っておられます。そ の概要をご紹介いたします。以上です。  ○庄山座長 よろしいでしょうか。時間もすぎましたので、特になければ、 今日の会議はこれでお開きにしたいと思います。今後のスケジュールについ て、ご説明をお願いします。 ○姉崎課長 資料No.7として「今後のスケジュール」を付けております。次 回の第6回目については、9月を予定しております。改めて日程調整をさせ ていただいた上で、本日までのご議論を踏まえて、具体的な組織のあり方等 について、ご議論いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいた します。 ○庄山座長 明後日はともかくとして、中途段階で成文できたところを9月 までの間に、皆様方にお配りして、ご意見を事前にいただくような形で、少 し前倒しすることはできますか。 ○草野局長 このペーパー自体は中間的とりまとめですので、意見をいただ くことにしたいと思います。ただ、問題はこれから先、どういう議論をする か、つなげていくかということですので、今日は本質的な議論をいただきま したので、全体の能力開発、ものづくり、セーフティネットをどうしていく か。そういう中で機構のあり方を探る。機構のあり方という狭い範囲ではな く、というご議論もありましたので、残された回数はそんなにありませんが、 できるだけ努力して、全体像の中で能力開発をどうしていくか、その中で機 構をどうするかという議論ができるように精一杯努力したいと思います。 ○庄山座長 それでは、よろしいでしょうか。 ○庄山座長 それでは、これをもちまして本日の会議を終了したいと思いま す。長時間にわたり、ご協力ありがとうございました。 (照会先)職業能力開発局総務課   TEL:03-5253-1111(内線5948)      03-3502-6783(直通)   FAX:03-3502-2630