08/07/17 第5回有期契約労働者の雇用管理の改善に関する研究会議事録 「第5回 有期契約労働者の雇用管理の改善に関する研究会」議事録 日  時 平成20年7月17日(木) 10:00〜 場  所 厚生労働省14階職業安定局第1会議室 出 席 者  ・参集者(50音順)   梅崎委員、奥田委員、佐藤委員、諏訪委員(座長)、原委員、藤川委員     ・オブザーバー   明治安田生命相互会社 古賀人事部次長、労働基準局監督課 黒澤監察官、   雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課 石垣補佐、   職業能力開発局総務課 玉田企画法令係長  ・事務局   太田職業安定局長、及川審議官(職業安定、援護担当)、宮川総務課長、   水野職業安定局雇用開発課長、本間職業安定局雇用開発課長補佐、   佐藤職業安定局雇用開発課長補佐 議  題  1 報告書(案)及びガイドライン(案)について  2 その他 配布資料  資料1 報告書(案)(概要版)  資料2 ガイドライン(案)(概要版)  資料3 報告書(案)   議  事 ○諏訪座長   ただいまから、第5回有期契約労働者の雇用管理の改善に関する研究会を開催いたし ます。議事に先立ち、7月11日付で事務局およびオブザーバーに人事異動があったとい うことですので、これをご紹介いただきたいと思います。 ○本間雇用開発課長補佐   7月11日付で厚生労働省の人事があり、事務局メンバーおよびオブザーバーが交代し ておりますので、紹介させていただきます。はじめに、大臣官房審議官職業安定援護担 当の及川です。 ○及川審議官   及川でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○本間雇用開発課長補佐  職業安定局総務課長の宮川です。 ○宮川総務課長  宮川でございます。よろしくお願いします。 ○本間雇用開発課長補佐  同じく、職業安定局雇用開発課長の水野です。 ○水野雇用開発課長  水野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○本間雇用開発課長補佐   省内のオブザーバーとして参加いただいている、雇用均等・児童家庭局短時間・在宅 労働課課長補佐の石垣です。 ○石垣雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課課長補佐  石垣でございます。よろしくお願いいたします。 ○本間雇用開発課長補佐  以上です。 ○諏訪座長  どうぞよろしくお願いします。なお、藤川委員は少し遅れていらっしゃるということ ですので、これから議事に入ります。本日の研究会では前回、報告書、骨子素案および ガイドラインの素案について、皆様からご意見をいただいた点などを踏まえて、事務局 において報告書案を準備していただきました。これをたたき台に意見を集約して、報告 書およびガイドラインとして取りまとめたいと考えております。そこで最初に事務局か ら、資料1ないし資料3について、ご説明をお願いしたいと思います。 ○本間雇用開発課長補佐  議事次第の1枚目をめくりますと、資料1、資料2、資料3とありますので、ご確認くだ さい。前回、第4回の研究会においては、骨子案について説明しております。基本的に は前回の骨子案に基づいて、若干の修正を加えております。資料1と資料2については、 後ほど本文のほうと対照して、ご確認いただきたいと思います。  それでは、資料3をご説明したいと思います。表紙の次の目次を見ていただきますと、 Iが「検討の経過」、IIが「有期契約労働者に関する現状及び課題」、IIIが「有期契約 労働者の雇用管理の改善に向けて」ということで、報告書の本文としてはここまでにな っております。その後は別添資料として、ガイドラインという形で8頁以降に付けてお ります。さらに、その後は21頁以降に、これまで第1回の研究会から各会に参考資料と して付けていたものを、それぞれ参考資料1から8という形で、55頁まで付けております。  それでは早速、本文についてご説明いたします。全体的な概要は前回、それぞれご説 明申し上げておりますので、今回は骨子案から大きく変わったところをご説明したいと 思います。細かい表現や文末の言いぶりなどは、全体的には若干変更になっております が、その点についてはご容赦願いたいと思います。  最初に、Iの「検討の経過」です。ここは前回の骨子案から見ますと、少し変えてお ります。内容的には基本的に変わっておりませんが、表現が少し変わっておりますので、 ご覧いただきたいと思います。最初に、「いわゆる非正期労働者にはパートタイマー、 派遣労働者、契約社員等があり、近年、若年者層を中心に増加しており雇用が不安定で あることや職業能力の蓄積がなされない等の問題が指摘されている」となっております。 「このうち、パートタイマーや派遣労働者については、それぞれの関係法令に基づき、 雇用管理の改善のための措置が講じられており、また制度の見直しも行われているとこ ろであるが」という形で、若干この辺の言いぶりを変えております。  あと、今回の研究会のメインとなっております一週間の所定労働時間が、通常の労働 者と同一な有期契約労働者については、「フルタイム有期契約労働者」という、という ことで定義しております。それについては「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する 法律(パート法)等に基づく関係施策において、支援措置等の対象として位置づけられ ておらず、雇用管理の改善への取組が十分に行われていない状況にある。そこで、平成 20年2月より研究会を開催し、パートタイマーを含めた有期契約労働者に関する共通の 課題を踏まえながら、特にフルタイム有期契約労働者の雇用管理の改善が図られるよう、 事業主が講ずべき必要な事項や配慮すべき取組を、ガイドラインとして示すことを目的 として検討を行ったものである」という形にしております。  続いてIIの「現状及び課題」の1として、「有期契約労働者を取り巻く状況」という のを今回、新たに加えております。これは前回の第4回研究会において、委員の先生か らご意見が出ました。前回は「人件費の削減と雇用調整」という形で、非常に単純化し て書いていたところ、背景なども踏まえて少し内容的に膨らませて、以下のようにして おります。  パートや派遣、契約社員等の非正規労働者数は、1993年の986万人から2007年の1,731 万人と、745万人も増加し、このうち、契約社員と嘱託も2002年の約230万人から2007年 の約296万人と、5年間で約66万人の増加となっていることから、統計上の数字はないが、 フルタイム有期契約労働者の数も増えているものと推定できる。こうした有期契約労働 者の増加の背景としては、グローバル化や技術革新の進展等により競争が激化し、将来 の不確実性が増大したことに対応するため、企業において人件費のコストを削減し、変 動費化を図るとともに、一方で労働者側の多様な働き方のニーズへ対応したものである と指摘されている。  また、量の拡大とともに、有期契約労働者の職務の質でも変化が起きている。例えば、 有期契約労働者に関する調査において、職務の専門性や責任において、正社員と同等又 はそれ以上とする事業所が多くあることから、有期契約労働者が、これまで正社員が担 ってきた管理業務や指導業務などを担うようになってきており、基幹労働力化が進んで いるものと考えられる。  2の「フルタイム有期契約労働者の数」については、変更を加えておりません。3の「 フルタイム有期契約労働者のイメージ」も、若干の変更はしておりますが、基本的な書 きぶりは変えておりません。  4の「現状及び課題」の(1)「契約期間・更新」については、前回の骨子案のとおり、 そのままにしております。  3頁の(2)の「労働条件・処遇」の(1)の前半、有期雇用にする主な理由が人件費の節 約とか、内容としては退職金、賞与、昇進・昇格制度のない割合が高いといったこの辺 の言いぶりは、基本的に変えておりません。今回、第2段落目の「この点について」か ら、「正社員は長期の雇用を前提としてキャリアを保障していくという雇用形態である 一方、有期契約労働者については一定期間、特定の仕事に活用する雇用形態であり、両 者の雇用のあり方がそもそも異なることから、労働条件・処遇面においても異なる取扱 いとされているという指摘もある」という形で加えております。  (2)は第1段落目の「しかし」の後半のほうで、若干の書きぶりを変えている所はありま すが、基本的に前回からの意味の変更はありません。今回は「なお」以下の第2段落目 を加えて、「有期契約労働者が増加した背景、理由を踏まえると、企業において有期契 約労働者の処遇の改善に取り組むに当たっては、労使で十分に話し合い、正社員の働き 方も含めた人事・処遇制度の全体のあり方についても、総合的な検討を加えることが必 要となる場合もあるものと思われる」というのを入れております。(3)は若干の修正を加 えておりますが、基本的に骨子案と同じ形で変えておりません。また(4)(5)(6)も、基本的 に骨子案のままになっております。  4頁の(3)の「正社員登用について」も、(1)(2)(3)に変更はありません。(4)の前半では、 「多様な働き方へのニーズに対応して、正社員を希望する人には正社員として登用され る機会を、希望しない人にはその職務や能力に応じて、処遇の向上が図られるような方 策を検討することが有意義」としております。そして第2段落目では「さらに」という ことで、「例えば正社員の中に職務や人事異動の範囲が限定されるものの、期間の定め がない雇用区分を設けることにより、有期契約労働者から正社員への移行の円滑化を図 ることも有意義であると思われる」というのを入れております。  (4)の「能力開発について」は、(1)も(2)も特に変更はしておりません。 6頁の(5)の「その他」も、(1)(2)(3)で若干の表現ぶりを変えている所はありますが、大 きな変更は加えておりません。今回は新しく(4)を加えております。「有期契約労働者は、 今働いている会社や職場に対して様々な意見や要望を持っているので、賃金や福利厚生 等の処遇のみならず、キャリアパス教育制度、雇用の安定性等の多様な要望事項を、事 業主へ伝える機会を設けることが有意義であると思われる」としております。IIIの「有 期契約労働者の雇用管理の改善に向けて」は、若干表現を変えてはおりますが、その意 味するところは基本的に変えておりませんので、割愛させていただきます。  7頁の2の「今後検討すべき課題」について、前回は(2)と(3)というように分けて いたものを、今回(2)に1つにまとめて、「中小企業事業主への総合的な支援の検討」 という形にしました。内容的には特に大きな変更はありません。前半の所では、社会保 険労務士等の専門的な人材による相談などを的確に行っていくということが1つありま す。後半については、中小企業雇用安定化奨励金というこの4月から開始されている助 成金を拡充して、雇用環境の整備に関する措置の支援を検討していくべきだとしており ます。  (3)(4)については、前回の骨子案等変えておりません。報告書の方は以上です。  続いて8頁からが、ガイドライン(案)です。1の「趣旨」は、報告書の「検討の経過」 と基本的に同じ形で変更しております。2の「対象者」についても、特に大きな変更は加 えておりません。3の「有期契約労働者の雇用に関し留意しなければならない項目」の第 2段落目を、今回加えております。「なお」ということで労働基準法以下、それぞれの法 律で、本文中該当する箇所は太字としております。それについては「有期契約労働者に 対しても当然に適用されるものであること」ということで、一応注意的に入れておりま す。あとは以前はその後ろにあったものを前に持ってきて、パート法の趣旨が考慮され るべき旨が、パート指針にも述べられているということを入れております。  9頁の(1)が、「安定的な雇用関係に配慮した雇用環境の整備」です。実はここの (1)アの「契約期間の明示」に、前回は労働基準法しかなかったのを、今回は職業安定法 を入れております。職業安定法は「労働者の募集を行う者は」ということで、募集に当 たっての労働契約期間の明示を謳っております。これにはある程度条文的なものがあり ますので、それを少しわかりやすくということで、今回は骨子案にはなかった四角い点 線の中で、「募集を行う場合には、書面の交付又は電子メールによって明示しなければ ならない」という解説を加えております。(イ)は前回と同じように基準法の条文と、 四角の所に若干の解説を入れております。9頁のいちばん下の所は、「更新の有無及び 判断基準の明示」ということで、雇止め告示の1条が出ております。この解説は、明示 すべき更新の有無の具体的内容については自動的に更新するとか、そういった判断基準 の具体的内容についても、それぞれこういったものがあるということが、例示として挙 げられております。10頁の(ウ)の「労働者の理解の促進」は、契約法の所です。ここ も「例えば」という形で、「労働者に労働条件を説明することが考えられる」という若 干の解説を入れております。(エ)の「書面の確認」も例として、「労使で話し合った 上で、労働条件を記載した書面を労働者に交付することなどが考えられる」というのを 入れております。  (2)は「契約期間についての配慮」です。(ア)の「目的に照らした配慮」についても、 四角の中に例示として「例えば」ということで入れており、参考にしていただくような 形になっております。  その後、(3)の「雇用契約の遵守」のアには、「契約期間中の解雇」というのがありま す。ここについても例示として、「契約期間中であっても一定の事由により解雇するこ とができる旨を、労働者及び使用者が合意していた場合であっても、当該事例に該当す ることをもって『やむを得ない事由』があると認められるものではなく、実際に行われ た解雇について『やむを得ない事由』があるか否かが個別具体的な事案に応じて判断さ れる」という形で入れていきたいと思います。11頁のイの「退職に関する事項の明示」 については四角の中に、「退職に関する事項は、書面の交付によって明示しなければな らない」というのを入れております。ウの「解雇の予告」も、「30日前に予告をしない 使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない」という解説を入れており ます。エや(4)については、特に変更はありません。  (2)の「労働条件等の改善のための事項」の(1)、「労働条件の明示等」に今回、新 しくアを加えております。これも職業安定法第5条の3に基づき、「募集に当たっては、 労働条件等を明示しなければならないこと」と、具体的に定められております。今回、 12頁の2行目から、「労働契約の期間に関する事項、就業場所、従事すべき業務の内容、 始業・終業の時刻、賃金の額、健康保険の適用に関する事項については、書面の交付又 は電子メールにより行わなければならないこと」というのを入れております。これに伴 い、(イ)の基準法については別途、「労働契約の締結に際し」という形で、それぞれ 定められたものをここで列挙させていただいております。また、前回は一緒になってい たものを(ウ)として独立させて、「パート法6条参照」ということで定められている ものを入れております。そして前回、委員のほうからご指摘のあったイの「待遇の決定 に当たって考慮した事項の説明」も、1つ項目を起こして今回、(パート法13条参照) という形で入れております。ウの「労働者の理解の促進」についても「例えば」という 形で、「労働条件を説明することなどが考えられます」という解説を入れております。 エの「書面確認」についても、13頁のいちばん上にありますように、例示として、「労 使で話し合った上で、労働条件を記載した書面を交付することなどが考えられます」と いうのを入れております。  (2)の「就業規則の整備」のア「作成及び届出」については、解説として、「ここで言 う『労働者』には、有期契約労働者も含まれます」というのを入れております。その後、 13頁については前回の骨子案のとおり、それぞれ変更はありません。  14頁(5)の「年次有給休暇」については、前回の研究会の中で、年次有給休暇も意外と 知られていないというご指摘がありましたので、今回、新しく加えております。解説と ともに、週所定労働時間や週所定労働日数、1年間の所定労働日数など、それぞれの区 分に応じて日数を表にしたものを入れております。ここにも解説というか、「『継続勤 務』の要件に該当するかどうかについては必ずしも反復して使用する場合は、終期と始 期の間に短期間の間隔を置いたとしても、それだけで当然に継続勤務が中断することに はなりません」というのを注意的に入れております。  (6)の「育児休業・介護休業等」については、特に変更を加えておりません。15頁の (3)の「キャリアパスへの配慮等(正社員登用)」についても、そのまま(パート法 12条第1項参照)という形で、変更は加えておりません。(4)の「教育訓練・能力開発 の機会の付与」も、(パート法10条1項、2項参照)という形で、これもそのままです。 (5)の「法令の遵守」の(1)も、特に変更は加えておりません。(2)の安全衛生法の所も、 前回と同じです。(3)の社会保険関係、労働保険関係には注を入れており、「雇用保険に ついては1週間の所定労働時間が20時間以上であり、1年以上引き続き雇用されることが 見込まれる場合、社会保険については適用事業所の従業員であれば、一定の要件(1日 又は1週間の所定労働時間および1月の所定労働日数が、通常の就労者のおおむね4分の3 以上である場合など)を満たせば被保険者になります」という形にさせていただいてい ます。(6)の「法令等の周知」については、特に変更を加えておりませんが、四角の 点線の中に、一応注意的に法令の遵守、「(5)に書いてあるものについても周知する ことが望ましい」というのを入れております。4は、「有期契約労働者のよりよい雇用 管理に向けて」です。(1)は前回と同じで、再就職に関する支援を行うことが望まし いという形になっております。  今回、(2)の(1)を加えております。これも注意的なものですが、「労働者が納得し て就職できるよう、募集・採用に当たり、労働条件について十分な情報を明示すること が望ましいこと」というのを入れております。(2)(3)は前回と同じです。  (3)の「キャリアパスへの配慮等」の(1)(2)(3)(4)は、前回と同じ文言になっております が、(5)は表現を若干変えて、「有期契約労働者から正社員への移行を円滑化するため、 職務や人事異動の範囲が限定されるものの、期間の定めがない雇用区分を設けることを 検討することが有意義であること」というのを入れております。18頁の(6)(7)については、 前回と同じようにしております。また、前回はもう1つ(8)として、有期から正社員への 移行と逆に正社員から有期へ戻る行き来ができるというのがありました。それについて は前回、委員からご指摘がありまして削除しております。  (4)の「教育訓練・能力開発の機会の付与」については、前回と同じように、(1)か ら(5)まで変更を加えておりません。  (5)については表題を「法令の遵守のための体制の整備」という形で、若干変更を 加えているだけで、内容は変えておりません。以上がガイドラインです。  あと、19頁、20頁は前回と同じように、雇用管理改善に関する取組事例で、特に変更 は加えておりません。21頁以降が参考資料1から8で、これまでの開催関係の資料を付け ております。特に24頁の参考資料4以降を見ていただきますと、52頁までは厚生労働省 の官房統計情報部等で作ったデータを基にした表が載っております。参考資料6という ことで、53頁に本研究会における有期契約労働者の範囲、54頁に労働者数の推計につい ての(試案)、参考資料8として、ヒアリングの際に聞いた内容から一部を抜粋して載 せております。以上が今回の報告書の内容となっております。 ○諏訪座長  ただいまの資料および説明について、ご質問、ご意見等はありますか。 ○佐藤委員  いろいろと意見を盛り込んでいただいて、どうもありがとうございます。細かい表現 はあるのですが、それは時間があればということで、いくつか申し上げます。まず1頁 の「検討の経緯」についてです。有期だけを取り出すという背景には、パートと派遣に はいろいろな手当てや雇用管理の改善があるけれど、フルタイムの有期にはないという ことで、そこでこれがということになるわけです。これはもうこれでいいのですが、8 頁の下のほうの「おって」の所は、パート労働法は短時間勤務の労働者だけれど、指針 ではその趣旨をフルタイム有期についても考えてくださいと書いてあります。後ろにそ う書いてありますから、できれば1頁でも、ちょっと触れたらどうかと思います。  つまり、パート労働法の指針のほうでは、フルタイム有期についてもその趣旨を考え るというように言っていますから、後で突然出てくるより、そのことを書いておいたほ うがいいのではないでしょうか。そういう意味で、もちろん手当てはないけれど、そう いうこともあるということは、これを検討する上では少しの支えになるのではないかと いうことは、ちょっと言っておいたらどうかというのが1つのお願いです。  あと、1頁のIIの1の3段落目の「また」の所です。有期契約労働者に関する調査で、 以下では言及しない限り、それを使うというように書いてありますよね。そこで確認い たします。これは契約、嘱託、その他パート、短時間パートというようになっている集 計ですが、31頁を見ていただくと、ここでは一応フルタイム有期を取り上げるといった ときに、有期契約の人でも短時間に入っているのです。つまり、中で言及するデータは どれを使っているのだろうかということです。契約社員だけで取っているのですか。 ○本間雇用開発課長補佐  いや、契約社員だけではなくて、契約社員を中心に、その他パートなども一応踏まえ て、この表現などを使っています。 ○佐藤委員  それが分かるように。読み手からすると、後ろのデータを参照というときに、契約社 員だけを見ているのかなと思う可能性もあるのです。それと、もう1つは契約社員のす べてがフルタイム有期ではないわけですよね。私はしょうがないと思うのです。契約社 員のほうが、ある面ではフルタイム有期が多いと言うのですか。その辺はどこか注か何 かで書いておいて、何を使ってどこを見ているのかが分かるほうがいいのではないかと 思います。これが2つ目のお願いです。  3つ目が、5頁の(4)能力開発についてです。ここでは、有期契約労働者というのは、 ある面でコスト削減や限定的に活用するところから、事業主はなかなかOFF-JTがやりに くいので、支援をしましょうというぐらいしか書いていないのです。ところが後ろのほ うに行って15頁を見ると、パート労働法をやる必要があると書いてあるのです。そうす ると前の書きぶりも。ほかの所は結構、必要のあるものはやる必要があるというように 書いてあるので、少なくとも職務が同じような社員についてやっている教育訓練は、有 期契約にもやる必要があるということは、前にも書いておいたほうがいいかと思います。 前はもうちょっと強めに書いてもいいのではないでしょうか。ほかの所の書き方より、 すごく弱くなってしまっているというのが、能力開発の印象なのです。少なくともいま の仕事に必要な能力開発をしてくださいというのは書いても。特に同じ仕事に従事して いる社員にやっているものは、有期についてもやってくださいというのが書けるのでは ないかというのが3つ目です。  最後に、18頁の(7)です。ここにはフリーター、職業能力形成機会に恵まれなかった者 については、事業主が正社員登用について配慮しろというように書いてあります。これ は結構難しいのではないでしょうか。登用でエントリーしてきたAさん、Bさんとします。 例えばAさんには能力があるけれども、恵まれなかったBさんを採れということなのでし ょうか。それを社会的にどうするかというのはいいけれど、企業内でそれはちょっと。 恵まれなかった層はどこかというのは、かなり主観的ですよね。かつ、そういう人を正 社員登用機会のときに教育訓練も配慮しろというのは、企業としては結構。逆にそんな ことをやったら、極端な言い方をすれば、Aさんからすると不利益扱いではないか、仕 事は私のほうが能力があるのにということになります。  ですから考え方としては、採用するときの能力向上養成のときに、フリーターである かどうかにかかわらず、実際にどういう意思や能力があるかを見て採ってくださいとい うことならあり得ると思うのです。正社員であったか、パートであったか、フリーター であったかということではなくて、今どういう能力があるかをきちんと見て、例えば年 齢などではなく、能力で採ってくださいという言い方はあり得ると思うのです。あるい は登用のときも、フリーターであった人ということではなくて、どういう能力があるの かをちゃんと見て登用してくださいという言い方はあると思うのです。おそらく私だけ なのかもしれませんが、そういうところで(7)の書き方がちょっと気になったのです。で すから(7)を落としてしまうか、どうするかです。結局、この4つです。 ○諏訪座長  まずは質問にわたる部分からお願いします。 ○本間雇用開発課長補佐  まず最初に、いまの18頁の(7)については、佐藤委員のおっしゃる考え方も当然あると は思いますが、私どもで考えたのは、ある程度の年長フリーターみたいな方で、就職に 恵まれなかった方たちが結構な層いらっしゃいますから、その方たちを採用の際に、い ま普通に正社員として働いてきた人たちと同じ物差しで、能力や経験で採用するとか判 断するとなると、逆に言えば非常に不利な状態に置かれているのではないかと思います。 そういう意味では下駄をちょっと履かせないと、そこの部分のギャップが埋まらないの ではないかということで、「配慮することが望ましい」というような表現を使ったわけ です。その辺はいろいろな考え方がありますので難しいとは思うのですが、全く同列に 並べてしまうことがいいかどうか。 ○太田職業安定局長  若干補足します。政府の成長戦略の中に、年長フリーターについては特別の配慮をし ていきましょう、そういう中でできる限り応募機会の拡大を図っていきましょうという のが、政府全体の方針で、事業主団体にも要請しましょうということで、経団連あるい は商工会議所、中央会、大臣、副大臣、私も含めて、お願いをしているわけです。その ときの言い方としては、特に年長フリーターの場合は就職氷河期で、なかなか能力形成 機会に恵まれなかった。したがって、そういう面についても配慮した上で、できる限り お願いしたいと。例えば国家公務員ですと再チャレンジ枠という形で、そういう人たち を対象に年齢層を広げて、40歳未満に特別枠を150ぐらい設けてやっているのです。そ ういうことも参考にした上で、できる限り配慮してくださいというお願いをしていると ころです。  当然ながら、能力のない人を採ってくださいと言うわけにはいかないので、能力を見 ながら採る配慮をしてくださいということになります。ただ完全な能力本意ですと、例 えば中途採用などで正社員で働いてきた人とフリーターでやってきた人とを比較すると、 それはなかなか難しいので、フワッとした言い方ではありますが、その辺については配 慮してくださいという形でやっております。ですから、その辺を少し盛り込んだ形で整 理したということではあるのです。 ○佐藤委員  しかし、これが採用のこととは読めないのです。採用の段階の話と、採った後、いま 従事している仕事についての能力開発、機会付与の問題と、登用という3つがあって、 このそれぞれをどう考えるかですよね。特に登用について言うと、能力の足りない者に 下駄を履かせるというのはやめたほうがいいと思います。ただし、例えば正社員転換を 希望しているので、その人にそのための能力開発機会を提供してくださいというのはあ り得ると思います。しかし、その結果として能力の足りない人まで転換しろという言い 方は、私はやめたほうがいいと思います。  例えば、フリーターの人でも正社員転換の希望をしていたと。そういう意味ではいま の仕事についても能力開発機会が限られていたということもあるので、もうちょっと積 極的能力開発機会を与えなければいけないというのは、私もあり得ると思うのですが、 その結果として、その人が足りない分まで上げろというのは、どうかなという気がして います。ですからポジティブアクション的に、能力開発機会の提供というのはあり得る と思います。また採用の段階で言うと、フリーターだからということだけで見る、ある いは年齢制限みたいな問題は取れということはあり得ると思うのです。あと、入口のと ころについては、公的にある程度、助成金みたいなものでやるという仕組みはあると思 うのですが。 ○太田職業安定局長  確かに正社員登用の機会というのは違うかもしれませんので、我々も採用を中心に、 あるいは教育訓練などを中心にお願いしています。そこら辺は文言等を整理して、また ご相談させていただきたいと思います。 ○原委員  教育訓練と正社員訓練の機会が並列的に扱われているので、そういう誤解が生じるの かと思うのです。 ○太田職業安定局長  そこは確かに整理が必要ですね。 ○原委員  これまで職業能力機会の形成に不利な立場に置かれてきた人たちが、それだからとい っていま現在、教育訓練の機会が与えられないということは望ましくないので、その点 は私は書いたほうがよろしいかと思います。 ○諏訪座長  同感です。同じように書いてあるから、ちょっと違和感が残るのです。 ○太田職業安定局長  その辺はよく整理してご相談します。 ○諏訪座長  機会といっても、片方は相当積極的に、もっと推していく機会であり、もう片方は、 いわゆる逆差別にならないように慎重な配慮をしつつ、佐藤委員もおっしゃるとおり、 いままでの経歴が何だからということで、最初から排除するようなことはやめなさいと いう趣旨に、どうしてもなるだろうと思います。そこは書き方の問題だと思いますが、 ほかの先生方はいかがでしょうか。  よろしいですか。佐藤委員はほかにも3点おっしゃっていましたね。いちばん最初の ところは、1頁と8頁で書き方にずれがあって、8頁の後ろで出てくるぐらいなら、前の ほうにも書いておいたほうがいいのではないかということだったと思うのです。ここは 少し考えてみるということでいいですか。 ○本間雇用開発課長補佐  はい。 ○諏訪座長  その次が、本文で言っているときに資料は、一体どの資料を参照しているのか、もう ちょっと分かるようにしてほしいということですが、これは資料番号を付けるとか、そ ういう形でいいのかと思います。 ○佐藤委員  全体を見て、これでは契約社員を採っているように誤解すると思うのです。それも厳 密には、ここで言う定義には対応しないけれども、多くはそれで分かるだろうというも のを、ちょっと書いておいたほうがいいかなという感じです。 ○諏訪座長  それから5頁の能力開発の部分は、15頁のガイドラインのパート法の記述と、少し平 仄が合うような配慮をしてくださいということでした。それは検討していただくという ことでよろしいですね。それでは、それ以外の点でご質問、ご意見をお願いいたします。 いかがでしょうか。 ○藤川委員  いまの佐藤委員のご質問で、5頁の能力開発と、パート労働法で義務づけられている 能力開発の平仄が合わないのではないかというところです。もう座長は締められたよう ですが、私はちょっと疑問があって、平仄は合っているのではないかと思うのです。な ぜかというと、(2)の果たすべき義務のところで、5頁、6頁は現実的になかなか難しいと。 要するに有期契約労働者で、パート労働法で義務づけられている部分については、確か にパート労働法上、その義務があるわけですよね。しかし、その実現は実際に有期契約 労働者の場合には難しいと。なぜかというと、今回の研究会でも出たように、能力開発 支援のインセンティブが低くなる、その理由は人件費の節約等であるからだと。特にそ ういう難しい状況については働きかけを行うべく、行政の施策としても支援するものな ので、私は後退した表現というわけではないと思うのです。 ○佐藤委員  私は、後退しているので(2)を直せという意味ではないのです。後ろで出てくるほかの 所の書き方が、これはやるべきだとか、やったほうがいいと書いてあるのです。それが、 ここには何もないというだけの話です。例えば(3)を作るとか、同じ仕事に従事している 社員に有期がいて、社員についての能力開発、つまり今の仕事に必要な能力開発につい ては、やる必要があるということを前のほうに書いてもいいのではないかということで す。ほかの所の書き方として、そういうことが書いてあるというだけの話です。ほかと のバランスというだけの話です。ほかにも書いていなくて、全部後ろにやれというのが 載っていれば、私もそういう書き方でいいと思うというだけの話です。 ○藤川委員  わかりました。私のほうがもっと正確に理解すべきだったのですね。要するに、(2)自 体を直せということではないのですね。 ○佐藤委員  そうではなくて、例えば(1)と(2)の間に書くかという、その程度の話です。ですから、 少なくともいまの仕事に必要な能力開発を社員についてやっていれば、有期についても やることが望ましい、ということを書いてもいいのではないかというだけの話です。(2) を削れという意味ではありません。 ○藤川委員  わかりました。私は特に(2)の最後の2行は重要だと思っておりますので、これがなく なると、と思ったのです。 ○佐藤委員  そういう意味ではありません。 ○藤川委員  了解です。 ○佐藤委員  後ろに出てくる一部については結構、こういうことをやってくださいというのが書い てあるというだけの話です。 ○藤川委員  あと、3点目の18頁の(7)の話です。教育訓練と並列にしているのが適切でないという のは、原委員のおっしゃるとおりで異論はありません。ただ、この(7)の表現をどう変え るかというところでこだわりたいのは、私はこういうカテゴリーの方々に、「正社員登 用機会の付与」という言葉を用いてもいいのではないかと思っています。というのは2 つの意味で、やや強めのアファーマティブアクションではないかと思うからです。つま り、この研究会報告書のメッセージとして、この報告書で取り上げている有期契約労働 者に対する雇用管理改善自体が、不合理な逆差別やクオーターなどは論外ですが、特に このカテゴリーの人たちだけを優遇するということで、この法律やこの施策自体が、私 はやや強めのポジティブアクションだと思うのです。そのときにここまで踏み込んだ表 現をしてもいいのではないかというのが1つです。  2つ目はカテゴリーとして、こういう方々に対する支援施策が国家全体の課題である 以上、それを受けた形で、やや強めのポジティブアクションというメッセージを出すた めにも、私はこれは残していただきたいと個人的に思ったのです。佐藤委員が危惧され ているようなことは、この表現では起きないと思うのです。それが私の意見です。 ○諏訪座長  あくまでも機会の付与ですから、読み方は両方可能だろうと思います。ただ気になる のは、そういう国家戦略的にやるときの主体は、まずは国家が政策的資源をそちらにか なり振り向けるということには理由があります。問題は、事業者にも要請することには 意味があるだろうけれど、そこからさらに踏み込んで一定の法的な根拠や何かがないま まに、強いポジティブアクションみたいなものを求め得るかというところだろうと思う のです。 ○藤川委員  そこで言うと、「配慮することが望ましいこと」という程度にとどめていることと、 委員がおっしゃったように、行政のリソースとして対応すべきであるという点について は、18頁の(7)などを基にしながら、最終的に7頁の「今後検討すべき課題」の(1)か ら(2)に繋げるような意味を持っている部分だと思うのです。確かに(7)自体は、行政 のリソースを直接使うものではありませんが、将来的にそういうところに持っていく布 石の前提として、(7)のような表現でも十分ではないでしょうか。また、私の先ほどの話 に戻りますが、委員が危惧されている法的根拠なくして行う強い義務づけ事項ではない ので、手段としても適正ではないかというのが私の意見です。 ○諏訪座長  これは配慮と言った上で望ましいということですから、そういう意味では私も、直接 義務づけたものだとは考えておりません。ほかの先生方のご意見もお伺いして、どんな 形で表現を確定するかを考えてみたいと思います。いかがでしょうか。 ○奥田委員  具体的なイメージとして、いちばん最初の報告書から書いてあるように、特に有期の 若年層が増えてきて、その若年層の中には、こういう機会に恵まれなかったフリーター もいるということが念頭にあります。それはこの研究会でもずっとやってきたことだと 思うのです。例えば30代とか、職業能力形成機会に恵まれなかったフリーターの有期契 約労働者を、正社員登用などにおいて配慮していくというときに、それ以外となると、 有期契約として長く勤めてきた人たちよりもということになるのか、その辺りの具体的 イメージが湧かないのです。例えば、50代ぐらいで有期をずっと重ねてきて経験はすご くあるけれど、その人たちはこういうフリーター層には念頭に置いていなくて、それよ りもということなのでしょうか。その辺りの具体的なイメージが湧きにくいのです。文 言としては何となく、30代のフリーター層というのがイメージとしてあると思うのです。 では有期契約の中でほかの人との比較となると、どうなのかという疑問があるのです。 ○諏訪座長  そこまで詰めて、どうのこうのというわけではないのだろうと思いますが、おっしゃ るとおりだろうと思います。したがって国の課題としてある一定の方向を、国の政策と して優先順位を付けて行うというのは、これはこれでよろしいけれども、事業主にそう いうものが曖昧なままにくると、かえって問題を派生しかねないという懸念は、おそら く奥田委員も佐藤委員も私も共有しているところです。この程度の表現ならば、さほど 問題は起きないのかもしれませんが。 ○佐藤委員  やはり採用と、教育訓練と、正社員とに分けて書いてもらって、その上で正社員登用 についてどう書くかだと思うのです。採用についての書き方は、先ほどので書けると思 います。教育訓練については、例えばいまの仕事については同じように、AさんとBさん がやって、Bさんはフリーターをしている、しかし次の仕事の教育訓練をしたら、Aさん はわりあい早くマスターしたけれども、Bさんはできなかったと。それでも同じだけね と言ったら、もうちょっと教育訓練をしてくださいということがあると思うのです。正 社員登用についての機会付与というと、フリーターだけに正社員登用で、こちらの人に は教えないのか。極端な言い方をすると、フリーターの人だけに正社員登用の機会を付 与しているのですから、その人だけに「登用してください」と言って、こちらの人には 「あなたたちには関係ないよ」と。登用するかどうかはその後でもいいですよという言 い方はあるかもしれないけれど、機会の付与では、私はちょっとどうかなという気がし ます。登用というのは、社員に採用することですからね。 ○原委員  その議論を混乱させるかもしれませんが、私も佐藤委員と同じ意見です。法律の専門 家の方が、機会の付与において配慮することが望ましいというのは、強い表現ではない とおっしゃっているので安心は安心なのですが、やはり能力の異なる者、能力の低い人 が来たときに、その人がフリーターであったからという理由で、あえて正社員にしなけ ればいけないというように読み取れるところがあって、事業主から見たら厳しいのでは ないかという気がしました。  もう1つはちょっと論点がずれるのですが、「フリーターと職業能力形成機会に恵ま れなかった者」というのは、いままで恵まれてこなかった、ストックできた人たちとい うのが、問題が大きいと思うので、その部分にも強く配慮しているということを書かれ たらよろしいのではないかと、全体の部分で思いました。 ○諏訪座長  梅崎委員、いまの論点についてはいかがでしょうか。 ○梅崎委員  この文章がよく分からなかったというところがあるのです。経営者側からすると、恵 まれなかった人をあえてというのは、あまり説得力のない言い方になってしまいますの で、飛ばして読んでしまうのではないかと思いました。 ○佐藤委員  もう1つ、恵まれなかった者というのは、客観的には判断できないですよね。 ○原委員  「恵まれてこなかった」という形にすればいいかと思います。 ○佐藤委員  フリーターであったこと、イコール恵まれなかったわけではないでしょ。 ○原委員  それはそうです。 ○佐藤委員  フリーターだからといって、能力開発機会がないわけではない。ある人もいれば、な かった人もいる。ただ、比較的なかった人が多かったということです。しかし、いまの 能力はわかるけれども、それは客観的にはなかなか難しいですよね。 ○藤川委員  いま我々が議論している(7)の、能力形成機会に恵まれなかった者というカテゴリーに ついて、政府などでよりマイルドかつ適切な、そして誤解を招かない言葉というのを、 どこかの役所で使っていないのですか。もしくは、このカテゴリーの方々を表す言葉と して、しかも、それについて国家的な戦略としてメンションのある文章において、別の 表現はないのですか。 ○太田職業安定局長  一般的には年長フリーターという定義を使っています。25歳から34歳層が就職氷河期 にぶつかって、正社員機会や能力形成機会に恵まれなかったというのは、政府では使っ ています。その方たちがもう30代後半になりつつあるので、この方たちも含めて対象と しなければいけないということで、政府としてみれば、20代後半から30代ぐらいの方た ちを政策の対象として考えています。「フリーター」という形で使ってしまっています から、もう少しそういう形で表現を整理するということはあると思います。 ○梅崎委員  それだったら年齢とか、「若年者」というように直接書いてしまっては駄目でしょう か。つまり若い人は、これから働く期間も長いですし、教育訓練に関しては企業側にも 十分回収の余地はあるわけですから、長期の訓練計画を立ててほしいということだった らわかると思うのです。それをフリーターで、しかも能力形成機会に恵まれていなくて、 今の時点では能力が低い者をあえてというのは、やはりおかしいと思います。ただ、若 者というのが入ってくれば、訓練機会とその後、もしそこで長く勤めてもらえればとい うメリットが、経営者にも説得できると思うのです。 ○太田職業安定局長  フリーターの定義自体、政府では35歳未満の若者というのが入っているのですが、確 かにこれだと読めないものですから、その辺をいわば「年長フリーター」と言っていま す。特に就職氷河期などで正社員になかなかなれず、かつ能力形成機会に恵まれなかっ たという形で整理した上で、一定の配慮をするということで整理したいと思っておりま す。ですから採用や教育訓練などについては、そういうことが言えると思いますが、正 社員登用についてどう考えるかというのは、もうちょっとご議論いただいて、詰めさせ ていただきたいと思います。 ○佐藤委員  ここでの有期契約労働者というのも、初めのほうである程度絞って議論し始めている のです。それと年長フリーターは、たぶん相当程度重なっているのです。そして17頁か ら見るとちゃんと、いまの仕事の能力開発をケアし、将来のキャリアパスで能力開発を し、正社員というようにずっと書いてあるのです。それでずっと来て、また(7)でなぜ出 てくるかというと、唯一言っていないのが採用のところなのです。ずっと書いてあるこ とで(7)が極端なことではなくて、採用のことだけちょっと改良すれば、(7)は全部入って しまうのではないでしょうか。上で書いてあるような気もするのです。ずっと行ってか ら出てくると逆に(7)は、また下駄を履かせろというのだなというイメージになってしま います。 ○藤川委員  私は、下駄を履かせるというのは何かというと、内容の問題だと思うのです。このカ テゴリーについて私は個人的に、広い意味で下駄を履かせるというメッセージは出して もいいと思っています。では、その下駄の内容とは何かというと、先ほど原委員がご指 摘されたように、能力が足りないから足りない人にもということは、(7)には書いていな いのです。これは法律家として読まなくても、日本語の現代文の解釈としても原委員の 読み方は、メッセージとして受け取ってしまうのかなというのは、私は個人的に疑問で す。先ほどは太田職業安定局長のほうから説明があっただけで、能力のない人に点を貸 せとは別に(7)にも書いていません。あくまでも機会の付与における配慮ということです から。 ○原委員  しかし機会に恵まれなかった人というのは、蓄積が進んでいなかった人ということに なるので、やはりそういうように読めるとは思います。機会に恵まれなかったというこ とは、実際に蓄積もなされてこなかったということで、ニアリーイコールになるところ がありますから、読める人は読めると思います。 ○佐藤委員  しかし前半で、正社員登用機会を付与しなさいと言っているのです。ただ、付与に配 慮しろというのが何か。前にもずっと、そういう機会を設けなさいと書いてあるわけで す。その中でわざわざ付与しろと言うと、その人だけに付与するのかということに。 ○藤川委員  蓄積機会がないことイコール能力がないというように考えるのは、やはり人的資源管 理の専門家の方ではなくて一般の方は、蓄積機会がないというのはたまたま不運な状態 だったり、長くいること自体、ちょっと配慮しなければいけないという別のオルタナテ ィブファクターを設けようというように考えると思うのです。それはそれで私は、また ヒューマンリソースマネージメントの世界なのかという気がしていますが、こだわりま せん。 ○諏訪座長  ここは古賀人事部次長からも、参考意見としてどのように受けとめられるかを率直に お話ください。 ○古賀人事部次長(明治安田生命)  見てみますと、前回も私は全然気にしていませんでした。私の会社はということかも しれませんが、今回も事前に送られたものを気にしていないところを見ると、そうは気 になりませんでした。というのは、当社は中途入社等も少ないのですけれども、いま国 のほうでも、ここで言うフリーターを採用しなさいということを強く訴えられておりま すので、その一環かというように素直に読めました。  佐藤委員がおっしゃるとおり、正職員登用の機会の付与において2人いて、1人がフリ ーターではなくて1人がフリーターだったら、フリーターを優先しなさいというように 読めることは確かに読めます。しかし言われて初めて気付いたことで、そう違和感はあ りません。ただ、これを基に地方の安定局長がここに来て採用しているかと言われると、 またつらい部分がありますが、ガイドラインの性質いかんによると思うのです。強く訴 えられれば。 ○諏訪座長  いかがでしょうか。いまのような意見もありましたし、これを読んでみると、このガ イドラインの名宛人は雇用管理の改善で事業主ですよね。ですが、恵まれなかった者一 般は、その当の事業主との関係では、直接責任がある場合もあるし、責任がない場合も あり得るだろうと。教育訓練などに関しては、むしろ国などが政策的に強い配慮をする 必要があるし、それに対しては国民もおそらく支持するし、我々も支持をするところで ある。そうなりますと、国がやるべき部分に関してはどこに書くかというと、むしろ報 告書の中のどこかに書いておくべきことであって、事業主に関してはそういうことが行 われているのだから、そうして養成されてきたような人たちに関しては、仮に経歴が正 社員型で来たわけではないといっても、そのことによって排除するとか、採用の際に二 の足を踏むようなことはしないようにしてください、そういう機会付与という意味なの だということが、両方を読んでわかるようにしてほしい。(7)を読むと、これは誰が名宛 人なのだろうかと思うのです。前半は国が名宛人のような書き方で、後半は事業主にや れと言っている。その辺が違和感を生んだ原因かもしれません。そういうことを踏まえ て、ご趣旨を踏まえて書き方を少し工夫させていただくということでよろしいでしょう か。ありがとうございます。それでは、これ以外の部分でお気付きの点をお願いします。 ○古賀人事部次長  1頁の1行目に「いわゆるパートタイマー、派遣労働者、契約社員等」とありまして、 IIの1に「パートや派遣、契約社員等」とありまして、その次に「契約社員・嘱託」と あります。非正規労働者の区分をいろいろ中に書いてあるのですが、読むほうとしては 非常に読みづらく思います。1つ非正規と定義すれば、いろいろなものがあるというこ とがわかるはずなのです。特に「契約社員・嘱託」というのは、どうしてこういう区分 になるのか。その辺を少し整理していただければと思います。  それから、10頁です。契約期間中であっても解雇制限等があるのはわかりますし、事 例ごとに判断するというのも非常にわかるのですが、例として「一定の事由により解雇 することができる旨、労働者」云々とあります。個別具体的事例で判断するというのは わかるのですが、その趣旨が少し読みづらいので、ここももう少し整理していただけれ ばと思っています。  次に、12頁です。ウのところで、「例えば労働者に労働条件を説明すること」という のはそうなのですが、労働条件を説明するとはどういうことかということを、もう少し 具体的に書いていただければと思います。対応する際にどのようなことを対応すれば労 働契約以上のものの説明になるのかが、非常にわかりづらいと思います。 ○諏訪座長  後ろの2つは、もう少し現場の人に親切に書いていただけないかというご趣旨だろう と思います。確かに、我々法律家なら何のことかわかるのですが、現場の人はなかなか わかりづらいだろうと思いますので、もう少し補足して例を挙げるとか。あまりガイド ラインが長くなりすぎるのもよくないのですが、わからないというのも困りますので、 そこを考えてほしいということだろうと思います。最初の1頁の部分は、説明をしてい ただいたほうがいいかと思います。読みづらい、もう少し整理ができないかということ なのですが。 ○本間雇用開発課長補佐  ここは、後ろの24頁に参考資料4がありますが、これに基づいて記載しているところ なのです。確かに、これだけ見るとわかりにくいのかなと思います。「契約社員・嘱 託」も、このうちの1つの区分としてありまして、その人数などを書かせていただいた 経緯があります。それでこういう1頁目の表現になっているということで、参考資料4 を見ながら見ていただくとわかるかなと思っていたのです。 ○古賀人事部次長  確かにわかりますが、特に「や」というのはどういう意味なのか。どうして「パート や派遣」という書き方になっているのか。1行目と意味が違うのか。「パートタイマー、 派遣労働者、契約社員」と「パートや派遣、契約社員」とは何か意味が違うように読め てしまうのです。確かに契約社員・嘱託の図はあるかもしれませんが、図は図として、 同じように「契約社員、嘱託等」とすれば、非常にイメージしやすくなると思うのです。 嘱託だけなぜここに急に出てくるのか。図を見ればわかりますが。 ○諏訪座長  わかりました。まず「パートや派遣、契約社員等」は「パート、派遣、契約社員等」 にすればいい。もう1つ、「契約社員・嘱託」というのは、統計上これしか見付からな いから書いているので、まずは非正規が増えたということで切って、その次にフルタイ ムの有期契約労働者だけをうまく出す、統計はないけれども、契約社員と嘱託と合わせ るとこういう数字になっているという書き方をすれば、わかりやすくなるということで すね。 ○古賀人事部次長  そうですね。 ○諏訪座長  上のほうには嘱託は入っていないのに、ここで嘱託が入ってきたりしている。なぜこ れを一緒にするかというと、いままで統計をとってきた過去の経緯条項を書いているだ けなのですが、普通の人から見れば、なぜ嘱託を一緒にしなければいけないのかという ことになるのだろうと思います。 ○太田職業安定局長  文言ですが、上が「パートタイム」で下が「パート」になっていますし、「派遣労働 者」と「派遣」になっていますから、それも合わせたほうがいいと思います。 ○諏訪座長  はい。そうすれば要らざる疑問は減ると思います。ありがとうございました。重要な ご指摘だと思います。 ○佐藤委員  IIの1の2つ目の「こうした」のところに「将来の不確実性が増大」とありますが、将 来は不確実なものですので、「市場環境の不確実性」などと少し具体的に書いたらどう かと思います。  それから、4頁の上の(5)の評価制度のところに「ない」が多いと書いてありますが、 後ろのデータを見ると、この評価制度というのは、32頁の(5)を見ると(昇格・昇進)と 書いてあるのです。私は調査票はわかりませんが、もし昇格・昇進に伴う評価制度だと、 昇格・昇進の仕組がなければ、ないのは当たり前なのです。つまり、日ごろの働きぶり の評価とか能力の評価と聞いた質問ではないとすれば、それが悪いというわけではない のですが、4頁の(5)の書き方は仕事の働きぶりとか能力伸張の評価という意味で使って いるので、それがないと私は少し問題だと思うのですが、昇格・昇進の評価制度という 質問であるとすると、ちょっと違うかなと思うのです。  3つ目ですが、6頁の(5)の(4)の「議論」のところの「雇用の安定性等」というのは ちょっとどうかなと思いました。「雇用の安定性の要望」というのはちょっとどうかな、 「雇用契約や更新」のほうがいいかなと思いました。  最後に、9頁のイの下の「更新判断基準ですが、「労働者の能力により判断」という のはどうでしょうか。能力というと一般的すぎますから、「職務遂行能力」などとして はどうでしょうか。これを何かで使っていれば別なのですが、労働者を能力一般で判断 されては困るわけです。これは何かから持ってきたのですか。 ○本間雇用開発課長補佐  基準局で作ったパンフレットがありまして、そちらのほうから。 ○佐藤委員  「労働者の能力」と書いてあるのですか。 ○黒澤監察官(労働基準局監督課)   解釈通達上はそのように書いてありますが、意味するところは佐藤委員のおっしゃる ところと違いはないと思っています。 ○諏訪座長  いまの2点目に言われていたことが技術的なことだと思いますが、本間補佐、いかが ですか。 ○本間雇用開発課長補佐  あとで確認します。 ○諏訪座長  いずれにしましても、調べて確認をしておくということにしたいと思います。不適切 な言及だとよろしくないと思いますから。ありがとうございました。その他の点は事務 局で検討させていただくということにしたいと思います。ほかにお気付きの点はありま すか。 ○梅崎委員  非正規の有期契約社員の人が労働条件に不満を持って、それを経営側に訴えるときの プロセスなのですが、3頁では、まず労使で十分に話し合って、正社員との均等処遇に ついていろいろ検討したほうがいいと報告書に書いてあります。そして、4頁の(4)では、 「処遇については、労使で話し合う機会や窓口などの整備を促進することは有意義であ ると思われる」と書いてあります。もちろんそれでいいと思うのですが、それに対応す るのがガイドラインの17頁の(2)の(2)で、話し合う機会と相談窓口、そして個人面談 を行いなさいということが書いてあります。これは、もう少し強く書けないのでしょう か。苦情処理委員会をつくりなさいとか、労使協議制に参加させなさいとか、そういう 具体的なことを挙げないと、話し合ったほうがいい、窓口を設けなさいとガイドライン で言ったとしても、具体性が少し足りないのではないかと思いました。  あと、組合に入っている人数が非常に少ないのです。契約社員でも20%いっていなく て、13%ぐらいなのです。組合に入っていない人たちが多いということも、どこかで触 れておいていただければと思います。発言のパスがないということと関係するのではな いかと思いました。 ○奥田委員  いま第1点でおっしゃった点は、14頁に「苦情処理体制の整備」というのが1つ入って います。これも含めて考えるのかなとは思っています。 ○諏訪座長  わかりやすい例示ということで少し検討させていただきたいと思います。1カ所以外 には書いてはいけないというわけでもありませんから、読む側がわかりやすいように、 ご趣旨を踏まえて検討させていただきます。ありがとうございました。組合に入ってい ないという部分に関しても、どこかで表現は工夫をさせていただくということで。ほか にいかがですか。 ○原委員  4頁の(3)の(1)の4行目の「また」から始まる文章ですが、これは日本語がよくわか らない気がするのです。これは、仕事に意欲的に取り組む上で重要なことに関する調査 においても、調査名があって、調査においても、正社員を希望するタイプでは「正社員 登用機会があること」をもって仕事に意欲的に取り組むために重要とする人が9割以上 という意味でしょうか。ちょっと日本語としてよくわからないので、教えていただきた いと思います。  5頁の(4)では、能力開発について書かれています。OFF-JTと自己啓発については丁 寧に記述がされていると思います。OJTについては、いろいろと定義が難しいところは あるのですが、せめて計画的OJTぐらいは書いてほしいと思いました。データとして能 力開発基本調査にはないところもあるかもしれないのですが、文章として書く分につい てはOJTについても言及されたほうがいいのではないかと思いました。非正社員の能力 開発については、職場を離れた部分ではなくて現場での部分も大きいので、あえてそう いう用語を入れないという選択はないのかなというのが感想です。 ○諏訪座長  前のほうは、原委員がおっしゃったような意味ですよね。 ○本間雇用開発課長補佐  はい。 ○諏訪座長  それでは、もう少し文章をわかりやすく書くということにして、後ろのほうは、計画 的なOJTその他、OJTに関してももう少し積極的な、当然なことだろうと思いますから、 少し表現を工夫するということで対応させていただこうと思います。ほかにいかがです か。よろしいですか。それでは、大変短期間ではありましたが、皆様に積極的なご参画 をいただきまして、議論を進めてきました。細かな表現、あるいは一部分の文章につき まして、さらに修正しておくべきところは残りましたが、全体の大筋としては大体こう いう線でいいということで処理をさせていただこうと思います。よろしいでしょうか。 ありがとうございます。そうした線に沿って報告書およびガイドラインを取りまとめさ せていただこうと思います。細かな修正内容等については、今日が最後という予定です ので、私と事務局に一任させていただければと思います。よろしいでしょうか。                   (了解) ○諏訪座長  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただくということで議題の1 が終了しました。議題の2は「その他」です。研究会全体を通じて何かご意見等があり ましたら、ご発言いただきたいと思います。 ○佐藤委員  このあとはどうなるのでしょうか。 ○本間雇用開発課長補佐  このあとは、今回の意見を踏まえて修正を加えまして、今月下旬を目処に公表したい と思っています。ガイドラインについては、全国の各労働局宛に通達を出しまして、こ のガイドラインをもとに各事業主に周知・啓発を行っていただいて、相談にも応じてい ただくような体制を各労働局のほうで整えるということを考えています。加えて、周知 ・啓発については、全国で、説明会等を行うようにも各労働局に通知したいと考えてい ます。来年以降も継続的に行っていけるよう、そういった体制も来年度の予算要求に盛 り込んでいきたいと思っていますし、パンフレットについても、事業主向けのガイドラ インのパンフレットとともに、労働者向けにも、この裏側という形でパンフレットを作 成して、有期契約労働者の方にも読んでいただけるような配慮をしていきたいと考えて いますので、より良い雇用管理改善に向けて全国的に取組みが始まると考えています。 ○佐藤委員  働いている人向けのパンフレットというのは、非常にいいことだと思います。その中 に、全体の量によると思うのですが、ガイドラインの内容だけではなく、正社員転換と いうのはその会社だけとは限りませんので、訓練や職業紹介の情報、つまりキャリアア ップのために最低限必要な情報がわかるようにしてあげたほうがいいのではないかとい う気がします。折角そういうものを作るのであれば、ご検討いただければと思います。 ○本間雇用開発課長補佐  はい。 ○諏訪座長  ほかに、ご質問、ご意見ございますでしょうか。よろしいですか。それでは、以上で 我々の研究会の課題を一応解かせていただいたことになると思います。委員の皆様には、 本年の2月から計5回にわたりまして、大変活発にご議論をいただきますとともに、明治 安田生命人事部の古賀次長には、今年の4月から4回にわたってオブザーバーとしてご参 画いただきまして、大変ありがとうございました。今後は、いま本間補佐からのお話に もありましたとおり、報告書の公表に向け作業を進めるということになります。そして、 公表後の対応も積極的に取りはからっていくということですが、公表の際には事務局か ら委員の皆様方および古賀様に対して連絡をさせていただくということにしたいと思っ ています。それでは最後に、太田職業安定局長から挨拶があるということです。よろし くお願いします。 ○太田職業安定局長  一言、御礼のご挨拶を申し上げます。委員の皆様方におかれましては、本研究会にお きまして、有期契約労働者の雇用管理の改善を図るために、今年の2月から本日まで5回 にわたって、大変熱心なご議論をいただきました。心から御礼申し上げる次第でござい ます。また、明治安田生命の古賀次長におかれましては、ヒアリングにも対応していた だきましたし、オブザーバーとしてもご参画いただいたわけでございまして、合わせて 心から御礼申し上げる次第でございます。  今回の研究会ですが、ずっと議論がありましたとおり、パート法あるいは派遣法など の関係法令において必ずしも支援措置が講じられていなかったフルタイムで働く有期契 約労働者の雇用管理の改善ということについて焦点を当てまして、現行法制度の下で事 業主が遵守すべき項目、あるいは、より良い雇用管理の実施を図るために一定の配慮を すべき項目におきまして、ガイドラインとして整備して統一的な形で取りまとめていた だいたわけでございます。合わせて、報告書のほうでは中長期的な課題も整理していた だきまして、今後の施策の方向性や具体的な対応策についてもご提言をいただいたとこ ろでございます。  いま佐藤委員からご質問がありまして、本間補佐のほうからお答えしたとおり、今後 の取扱いですが、まず報告書やガイドラインについては、本日いただいたご意見等を踏 まえまして、諏訪座長とご相談の上で、最終的な取りまとめや今後の公表手続きを、今 月中を目途に進めてまいりたいと考えています。  ガイドラインについては、これから取りまとめた上で、全国各地のセミナー等の開催、 ハローワークの担当職員による事業所訪問等を通じて周知・啓発を行って、有期契約労 働者の雇用管理の改善に向けた事業主の取組みの促進を図っていきたいと考えておりま す。合わせて、働く人々に対しても、これだけの体系的な整理というのは大変重要な情 報ですので、いまいただいたご意見も踏まえてパンフレットを作成し、十分な周知を図 っていきたいと考えております。さらに、報告書の中でご提言いただいた対応策につい ては、今後、予算要求も含めまして、その実施に向けて努力をしていきたいと考えてい るところです。  最後になりますが、委員の皆様方、短い期間ではありましたが、大変精力的にご議論 いただいたことに対して改めてお礼申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。 どうもありがとうございました。 ○諏訪座長  ありがとうございました。以上をもちまして研究会をすべて終了させていただきます。 いろいろな意味でご協力いただきまして、大変ありがとうございました。 ○本間雇用開発課長補佐  ありがとうございました。 照会先  厚生労働省職業安定局雇用開発課雇用管理係    TEL03(5253)1111(内線5805)