08/07/16 平成20年7月16日中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会議事録 08/07/16 中央社会保険医療協議会          第123回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成20年7月16日(水)11:02〜12:29 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 遠藤久夫小委員長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員 前田雅英委員       対馬忠明委員 小島茂委員 北村光一委員 高橋健二委員 松浦稔明委員 竹嶋康弘委員(代 中川) 藤原淳委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員  山本信夫委員       坂本すが専門委員        <参考人>       田中滋医療機関のコスト調査分科会長 西岡清DPC評価分科会長       <事務局>       水田保険局長 榮畑審議官 佐藤医療課長 宇都宮医療課企画官        小野保険医療企画調査室長 他 (4)議題  ○診療報酬調査専門組織医療機関のコスト調査分科会からの報告について       ○DPCについて       ○その他 (5)議事内容  ○遠藤小委員長  それでは、委員の皆様、御着席ですので、ただいまより第123回中央社会保険医療協 議会診療報酬基本問題小委員会を開催したいと思います。  まず、委員の出欠状況でございますけれども、本日は竹嶋委員の代理で中川委員がおみ えになっておられます。  それでは、議事に移らせていただきます。  まず、医療機関のコスト調査分科会からの報告について議題としたいと思います。診療 報酬調査専門組織医療機関のコスト調査分科会の田中分科会長より御説明をお願いしたい と思います。よろしくお願いします。 ○田中コスト調査分科会長  コスト調査分科会、田中でございます。医療機関の部門別収支に関する調査研究の調査 研究結果について御報告申し上げます。  資料はお手元の中医協、診−1−2です。これが本編でそのほかに資料編がついており ますが、今日は本編に基づいて報告させていただきます。  統計が細かくて途中で飛ぶところもあるので、御承知くださいませ。  初めに、1ページから2ページのところをごらんください。  この研究は、既にもう平成15年度より始まっております。平成15年度より診療科別 の収支計算方法を確立するために行ってまいりました。慶応大学の池上教授が中心となっ て実際の調査を実施してきました。作業委員会及びその調査委員会の名簿は2ページに載 っております。目的は、繰り返しますが、収支計算方法の確立にあります。平成19年度、 昨年度はその前、平成18年度までの調査研究の成果を踏まえて一般原価調査、特殊原価 調査、アンケートヒアリング調査の3つの調査を行いました。果たしてこの調査研究が実 用に向けられるかどうかの最終段階だと考えます。具体的には本調査研究に協力する病院 の負担軽減や調査結果の活用方法、利用方法を検討すると同時に、診療科の区分、それか ら等価係数と言いますが、手術等の費用を診療科に割り振る際の配賦の係数についての検 討に重点を置いて行いました。  次に、この調査研究における診療科別の収支計算方法について御説明いたします。  計算方法については既に昨年もその前も説明していますが、テクニカルで複雑なので、 簡単に御説明させていただきます。  4ページをごらんください。  4ページの下に図表2−2−1がございます。これが入院部門、外来部門の診療科別収 支を把握するための計算方法の流れ図であります。初めに、一次計上としまして入院部門、 外来部門、中央診療部門、それから補助・管理部門の4つの部門に収益、費用の計上を行 います。この際、病院内の4つの部門で実際に発生する費用のうち、直接把握できる費目 については該当部門にその値を出して直接積み上げる直課を行います。直接結びつけられ ない費目については、いろいろな基準値を用いて按分いたします。その値を按分する方法、 配賦と言いますが、配賦を行ってまいります。  次に、二次配賦としまして補助・管理部門の費用を入院部門、外来部門、中央診療部門、 中央診療は主に手術、検査、画像診断ですが、ここに配賦を行います。  最後に三次配賦としまして、中央診療部門の収益、費用両方をそれぞれの値を用いて入 院部門、外来部門に配賦いたします。この際、中央診療部門のうち手術、検査、画像診断 部門の費用については、後ほど説明いたします特殊原価調査で得られた等価係数なるもの を用いて配賦を実施いたします。  その結果どうなったかを御説明申し上げます。今度は飛んで17ページをごらんくださ い。  平成19年度調査は、病院の収支を計算するための一般原価調査を次のような対象で行 いました。DPC対象病院、DPC準備病院の中から88病院を対象に実施しました。最 終的にデータがきちんと集まりましたのは、このうち74病院でありました。17、18 ページに対象病院の表が載っております。  少し飛んで20ページをごらんください。  20ページ、これは箱ひげ図と言いますが、箱ひげ図で入院、外来別の医業収支差額比 率の分布が病床規模別に示されております。上が入院、下が外来で、左にいくほど小さい 病院、右に行くほど大きい病院になります。真ん中の太い線が中央値を示しています。本 調査研究の計算方法によれば、病床規模による大きな違いはなく、入院部門は外来部門に 比べて収支が良好という傾向が見受けられます。上下を見比べていただくと、規模の差を 問わず、入院のほうが収支差がいいほうにありました。逆に言えば外来のほうが収支差が ゼロを下回るところにあることが分かります。  32ページをごらんください。  こちらは診療科別に同じように示しております。同じく箱ひげ図を使っておりますが、 上が入院、下が外来になります。真ん中の太い線が中央値、その前後の箱の形をしている のが75%と25%の間、全体の50%がこの箱の中に入ります。これを見ていただくと、 次のページとあわせて、32ページが入院、33ページが外来です。今度は上下ではなく て、左右を見比べていただきますと、同じ診療科目でやはり入院部門は外来部門に比べて 収支が良好、あるいは外来部門は入院部門に比べて収支が悪いという傾向が見受けられま す。  なお、これらの入院、外来別、診療科別の収支の傾向は平成18年度の調査結果とおお むね一致しております。  なお、ここでの診療科目について多少説明が必要ですので、飛んで恐縮でございますが、 56ページをごらんください。  ちょっと小さくて見えにくいんですが、これは入院、外来別のレセプト診療科と標榜診 療科の対応関係が示されています。本調査研究ではレセプト診療科単位で収支を計算して おります。しかし、実際に調査協力病院で標榜診療科とレセプト診療科がどのように対応 しているかが分からないといけないので、ここに対応表が示されております。対応を細か く見てみるとお分かりのように、状況は病院によって異なっています。計算結果を表示す る際には、レセプト診療科ごとの収支に加えて、内容が類似する診療科をまとめて再集計 しなければなりません。そのほうが有効であると考えまして、今回は一部の計算結果につ いて診療科をくくっております。そのくくり方が55ページ、内科系合計、外科系合計、 産婦人科系合計と書かれていますが、このような形でくくって先ほどの27、29、31 ページに内科系合計、外科系合計、産婦人科系合計という形で集計を示しております。  次に、先ほど指摘しました特殊原価調査について御説明申し上げます。  特殊原価計算は三次配賦で使用する等価係数を計算するための調査です。たびたびとん で申しわけありません。36ページをごらんください。  等価係数を全部の病院で調べるのはなかなか難しいのですが、8割、9割の等価係数を 調べることができます。相対的に等価係数の存在する割合が低かった手術部門に限定して、 昨年度は5病院を対象とした特殊原価調査を実施いたしました。平成19年度の調査結果 と平成16、17年度の調査結果をあわせて新たな等価係数を作成した結果、19年度調 査で発生した手術の実施件数や総点数のうち、おおむね9割程度をカバーすることができ ました。  今度は65ページをごらんください。  私どもの分科会で担当しております調査のために使う等価係数が果たして妥当かどうか ほかのデータと比べてみました。等価係数のデータ取得方法の検証のために外保連、外科 系学会社会保険委員会連合が実施された手術等の難易度及び時間に係る調査のデータと比 較分析を行いました。具体的には70ページに結果が載っております。  外保連調査とコスト調査分科会での調査の両方にかかわる医師数、看護師数、手術時間 が比較されております。医師数、手術時間においてはおおむね共通した傾向が見られまし た。看護師数においては外保連のほうが人数が多い結果となっております。これは看護師 数のカウントの仕方であって、実態としての差ではないという分析も具体的には上がって おりますが、多少外保連のほうが数値が大きくなっております。現時点では本調査研究の 特殊原価調査の対象病院数はさほど多くありませんが、規模の大きい調査を行っておられ る外保連の調査結果とおおむね傾向が一致していることから、データ取得方法の妥当性が 確認できたと考えております。  続きまして、アンケートヒアリング調査について御説明申し上げます。  平成19年度調査では、調査協力病院での原価計算の実施状況や部門別調査の利用、活 用方法、そして部門別調査の意見を伺いました。今度は44ページにそれが載っておりま す。  44ページ、図表3−3−14に計算結果が出た病院について、この計算結果が病院の 認識と一致するかどうかをお聞きしました。半数以上の病院が「一致する」または「ほぼ 一致」と回答をいただいております。「判断できない」と回答した病院を除くと8割程度 が「一致する」、「ほぼ一致する」に当たっております。したがって、本調査研究による 計算結果は診療科別収支の傾向を実感としてもあらわしていると考えられます。  次に、この本調査研究の病院における利用、活用の可能性を調査いたしました。すると、 他の病院の計算結果を自院と比較したいという要望が多く上がってきました。また、本調 査研究の計算方法や等価係数を自分のところの原価計算、いわば管理会計に使いたいとい う意見もございました。これらの病院のニーズを踏まえた上で、病院の調査協力メリット を考えて調査を実施していくことが協力病院数をふやし、回答率を向上させ、また回答の 正確性を高めることにつながっていくと考えられます。  最後に調査の総括について御説明いたします。80ページをお開けくださいませ。  総括です。平成19年度調査においては診療科別収支計算結果は、平成18年度の調査 結果とおおむね共通した傾向が得られ、また、病院の認識と一致しておりました。このこ とから本調査研究の計算方法の安定性が確認されたものと考えられます。等価係数につい ては、外保連調査と比べて妥当性を確認し、また安定性を向上させる方向性が示されまし た。それから、調査協力病院のインセンティブを高めるような調査実施方法を考える上の 有益なデータが得られました。これらの検討結果を踏まえますと、本調査研究は、医療の コスト把握、原価把握のために有効な調査として活用可能な段階になったと考えられます。  一方で、本調査研究は単純なデータ提出、集計ではなく、それぞれの病院固有のデータ の持ち方もあることから、今後も調査実施に対してはさらに判断や改善を要することは言 うまでもありません。今後は引き続き調査の精度向上を目指しながら、本調査研究のこれ までの研究成果を用いて、次回の診療報酬改定の基礎資料を整備することを目的として調 査を実施することが望ましいと考えられます。  以上が医療機関の部門別収支に関する調査研究の研究結果の報告になります。  続いて、今年度、20年度の調査について、よろしゅうございますか。 ○遠藤小委員長  続けてお願いいたします。 ○田中コスト調査分科会長  私どもの分科会において平成20年度に予定しております調査研究(案)について御説 明いたします。資料は中医協、診−1−4でございます。1枚紙です。  平成20年度は医療機関の部門別収支に関する調査の実施を考えております。これは、 今御報告いたしました19年度までに確立、検証された手法を用いて病院における医業経 営の実態を診療科別に把握し、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的 として、一般原価調査、特殊原価調査をさらに試行的に実施しようとするものです。  調査の対象につきましては、病床種類が主に一般病床で構成されるDPC対象病院、D PC準備病院のうち、レセプトデータをレセプト電算処理フォーマットで提出できる病院 またはDPC導入の影響評価に係る調査のEファイルを提出できる病院とし、調査対象施 設数は一般原価調査で140程度、特殊原価調査で15施設程度を考えております。  以上が今年度に予定しております調査研究(案)になります。こちらにつきましては、 この基本問題小委員会で御了承いただければですが、直ちに調査研究に取りかかりたいと 考えております。  私の担当する報告は以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの御報告に関しまして、御質問、御意見あればいただきたいと思い ますが、御自由にどうぞ。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  まず、5年間非常に膨大な資料を作業も大変だったというふうに思うんですけれども、 きちんと整理していただいたことに対しまして、田中分科会長を初めまして、関係者に御 礼を申し上げたいというふうに思います。  中医協の基本小委として医療経済実態調査ですと、なかなか特に病院の収支、部門別収 支なんかは分かりにくいと。また、外来、入院ごとの収支も分かりにくいということです から、こういったことが実用化されますと非常にまたいろんな見方、一つの材料としても 非常に有効なんじゃないかなと、こういうふうに思います。  ただ、ちょっと気になりますのは、関係者大体収支なんかもこういうことじゃないかな と半分ぐらいとか8割の方がと、こう言われているんですけれども、ちょっと私ども日ご ろ聞いている話とそうかなというところもあるんですけれども、例えば先ほど御説明があ りました32ページ、このあたりはむしろ診療側といいますか、入院側の方に聞いたほう がいいのかもしれませんけれども、これは32ページ、入院ですね。入院の収支を見ます と、かなり高いところに位置しているのが上の表で言いますと真ん中あたりに外科とか整 形外科、このあたりが非常に高いんですよね。そしてまた、下の表、これも同じ科別です けれども、高いのが産婦人科、こういったところが高めに出ているんですよね。そういっ たところは私ども日ごろかなり厳しいんじゃないかというふうに伺っているのとの関係。  それから、その次の33ページ、これは外来なんですけれども、外来の中では相対的に は私ども伺ったのは比較的いいんじゃないかと言われた、ここで言うと下の表ですね。下 に真ん中から左側に皮膚科というのもありますし、あと眼科とか耳鼻咽喉科とかあるんで すけれども、このあたりが低めに出ているんですよね。ですから、通常私どもがよく聞か されている話と余り合わないような感じもあるんですけれども、そのあたり、これは分科 会長にお伺いしたほうがいいのか、それとも事務局にお伺いしたほうがいいのか、ないし は診療科の先生に伺ったほうがいいのかちょっと分かりかねるところがあるんですけれど も。 ○遠藤小委員長  どういたしましょうか。確かにそういうような、対馬委員の言われているようなことと いうのは何となく理解できるところもあるんですが、これはサンプリングのせいなのか、 そもそもの原価の配賦の問題に起因するのか、あるいは実際にこういうものなのか、その 辺のところがよく分からないということだと思いますので、何かヒントになるようなこと があれば。  では、田中分科会長、お願いします。 ○田中コスト調査分科会長  絶対的な正解はないと思うんですが、私の考えで一つは対象病院の特殊性ですね。DP Cをめぐる病院が対象であるということがあげられます。それから、経営が厳しい、院長 として経営が大変だとおっしゃる理由のうち、人の採用が難しい、医師の獲得が難しい、 維持が難しいという話と、収支あるいはコストなどの会計上の話は多少違っていて、医師 が獲得できていればどうなるかがこちらに載っているわけですね。実際にそもそも科目と して開設するのが難しい、医師が獲得できないケースと、治療を提供できる病院の会計上 のデータが多分ずれているんだと思います。  それから、もう一つはこれコスト調査でありますから、部門別収支だけではなくて、収 支はいわゆる収益、費用だけではなくて、部門の配賦を行ってみたコストを見るとこうい うふうになっている。ゆえに、直接の現金の出入りだけの感覚とは管理会計上のデータは 多少違う。以上3つの点で違ってくるのではないかと考えます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。ほか何か2号側ございますか。  西澤委員、どうぞ。 ○西澤委員  田中先生とほとんど同じ意見なんですけれども、やはりこの客体によっての違いが出て いるんだろうなというのをまず印象として持ちました。また、その配賦の方法はここから 見えないんですけれども、やはりその方法がどうなのかというのもちょっともう一度検証 みたいなものはぜひお願いしたいなと思っています。  それと、やはりこういうものはすごく大事で、今回これを使って自分の病院と比較した いというふうな協力してくれた病院からあるんですが、場合によってはもうちょっとこの データというのを協力していない病院のほうにも出してみて、そういうところで、こうい うところでやった調査でおたくと比較したらどうかとか、そういうものももしできれば非 常にいいんじゃないかなと思います。今年度また調査するということですけれども、そう いう視点も踏まえながらやっていただいて、結果としてやはり今回といいましょうか、こ の診療報酬改定の本当の資料となり得るもの、そういうものにしていくような一つの流れ になってくれればなと期待しております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。事務局、何かございますか。  それでは、どうぞ。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  本データの件につきましては、どういった病院さん、調査の客体さんのほうにいろいろ 目的を説明しておりますので、その説明の範囲での制約というのはあるかと思いますけれ ども、本日この場で紙でお出ししているもの以上のもので出せるものがあれば、また検討 してまいりたいと思っております。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いいたします。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  今後20年度の調査もされるようですから、その中で今申し上げたようなことも問題意 識として含めてやっていただければ大変ありがたいと思います。 ○遠藤小委員長  では、よろしくお願いいたします。 ○田中コスト調査分科会長  かしこまりました。 ○遠藤小委員長  ほかにございますか。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  大変自信のある調査研究手法のように見えますけれども、私ども多くの委員がここでは それが妥当かどうか分かりにくい部分もあるかと思います。似たようなこういった研究が あるのかどうかということと、この症例数がそんなに多くないということが私、直感的に 見ていいんだろうかなという部分があります。  それから、もう一点はDPC病院のこれは調査研究なんですけれども、これは一般病院 にも敷衍して考えていいのかどうか。そして、それがまた次期の改定につながるようなも のになるのかどうか。そのあたりの一連のことについてお聞きしたいと思います。 ○遠藤小委員長  これを次期改定にどう関連づけるかというのは、まさにここで決める話でありまして、 分科会長に御質問することではないかと思いますけれども、基本的に類似のものがあるか どうかというようなお話ですが、私の記憶ではかつて公私病院連盟がたしか病院を対象に して診療科別の収支を出されていたということがありますけれども、現在はたしかもうや っておられないと思いますけれども、ほかにあるかどうか、事務局、もし御存じならお聞 きしたいと思いますけれども、一連の例えば藤原委員からあったことで事務局でお答えで きることをお願いしたいと思います。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  その他の調査があるかどうかということについては、今私のところでは承知しておらな いところでございます。また、今の遠藤先生おっしゃられたように、これをどう使うかと いうことは、まさにこの次の調査をしてまた結果を御報告した上で、先生方の御意見をい ただければというふうに考えておるところでございます。 ○遠藤小委員長  藤原委員、よろしいでしょうか。 ○藤原委員  症例数については、この程度のもので、しかも、いろいろな機能というか病院の形態が 違うんですけれども、そういったことを丸めて言えるのかどうかという部分ではどうでし ょう。 ○遠藤小委員長  これは田中分科会長がここで御報告いただくたびにおっしゃっていただいているわけで すけれども、あくまでも手法の開発ということが主たる目的であるということで、この結 果そのものについて点数とどう関連づけるかということについてまではまだ言及されてい ないわけでありますので、今回はしたがいまして、サンプルを少しふやそうと、その調査 の新しい提案をされているということであります。ですから、当然このサンプルをふやし た段階で出てきた結果を見ながら、またその議論が行われると、そのように私は理解して おりますけれども、藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  これは別なんですが、19ページから20ページにかけてなんですが、外来は赤字傾向 で入院は黒字傾向というような結果が出ているのではないかと思いますけれども、これは 基本診療料、つまり初診料、再診料ですね。そういったことの影響とかいうことについて はどう考えるんでしょうか。要するにこれからまさに基本診療料のことがこの場でも検討 されるという方向で行くわけなんですが、病院で見てみますと、外来のほうは赤字だとい うようなことでございますが、これは専門家の方が研究されているので私ごときが申し上 げるのもなんなのですけれども、ちょっとファジーな部分の外来診療部門の費用をどう配 分するかによって、ひょっとしたらその辺の外来の数字というのは大きく影響されるので はないかなとちょっと考えてしまうんですが、そういったことについてはいかがでしょう か。 ○遠藤小委員長  では、田中分科会長、どうぞ。 ○田中コスト調査分科会長  藤原委員のおっしゃるとおり、これは費用をどう配賦するかによって外来を黒字に見せ ることも可能です。ただ、ここでは客観的に等価係数をとらえています。個別組織におけ る管理会計では。どの数値が一番絶対的に正しいとは言えませんけれど。今現在、相対的 に把握できる方法によって配賦すると、外来は実は病院の費用をけっこう多く使っている。 ゆえに収入と比べると赤字になるという結果になります。管理会計は最後、院長が自分の 病院に対する経営上の意思決定をするときには、どういうふうに配賦しても勝手な話だと 思いますので、いや、外来は最後の現金収支だけだと見れば、外来は黒字に見えるところ を重視しても構わない。しかし、現実には病院の資源あるいは医師の労働をそこに投入し ているわけですよね。これは標準的とすると、今の日本の病院、少なくともDPC適用、 あるいは適用に近いような病院においては外来は赤字であると書かれております。 ○遠藤小委員長  よろしいですか。  小林委員、どうぞ。 ○小林委員  実態とこれがどのぐらい反映しているのかという意味で、44ページのところのヒアリ ングといいますか、意見のところで、ここでは回答があったところ、半数以上の病院が 「一致している」、「ほぼ一致している」と回答したというふうに結論されているんです が、「一致していない」というふうに回答されたところがどういう理由で一致していない と考えているかということについての調査はあったんでしょうか。 ○遠藤小委員長  事務局、お願いします。 ○事務局(小野保険医療企画調査室長)  私どものほうで調査をしておりますけれども、今ちょっと手元に用意はございませんの で、また必要があればお示ししたいと思っております。よろしくお願いします。 ○遠藤小委員長  小林委員。 ○小林委員  一致していないところと、そこがやっぱり意識の乖離があると思うんですね。ですから、 そこについての情報をぜひ出していただければというふうに思います。 ○遠藤小委員長  では、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。  ほかにございますか。  この調査は先ほど対馬委員がおっしゃられましたように、病院部門の部門別の収支とい うのはなかなか医療経済実態調査では分かりませんでしたので、その辺を明らかにすると。 あるいは特殊原価調査であれば、手術の収支なども出しておるわけでありますから、そう いう意味で技術の適正な点数づけという一つの方法をつくることができるということであ りますので、非常に多くのことが期待できる、そういう研究だと思いますので、それだけ に非常にまた慎重な対応も必要かと思いますので、今日お話ありましたような内容を反映 しながら、また研究を進めていただければと思いますが、ここで一つ審議事項としてあり ますのは、先ほど田中分科会長からお話のありました調査の案が出ておりますが、このよ うな調査を行ってよいかどうかここで決めなければいけませんけれども、この案にある内 容で調査を実行していただくということでよろしゅうございますでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤小委員長  それでは、基本問題小委といたしましては承認をいたしましたので、ぜひ大変お手数だ と思いますけれども、よろしくお願いいたします。 ○田中コスト調査分科会長  かしこまりました。 ○遠藤小委員長  ほかに何かございますか。よろしいですか。  それでは、これをもちましてとりあえず本日の議論は終了したいと思います。田中分科 会長におかれましては、長時間どうもありがとうございました。  それでは、引き続きましてDPCの在り方についてを議論したいと思います。DPCに つきましては、平成20年度の診療報酬改定において、DPC制度の在り方や調整係数の 廃止に伴う新たな評価係数等について速やかに検討することとされております。本小委員 会におきましても、診療報酬調査専門組織のDPC分科会とともに連携しながら議論を深 めていく必要があることからも、本日は西岡DPC分科会長にも御出席をいただいており ます。ありがとうございます。  事務局からこれまでの経緯等につきまして資料が提出されておりますので、その説明を まずお願いしたいと思います。お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  それでは、資料、中医協、診−2をごらんいただきたいと思います。  今、小委員長のほうからお話ありましたように、DPC制度の在り方や調整係数の廃止 に伴う新たな評価係数等について速やかに検討するという中医協の決定を受けまして、今 回この議題を出させていただいております。事務局としてこの資料のように整理させてい ただきました。  まず、第1、DPCについてでございますが、これまでの経緯等についてまとめさせて いただいております。まず、一番最初にこのDPC制度とは平成15年に閣議決定された 急性期入院医療を対象とした包括評価のことであると、ここの部分をきちんとおさえると いうことが一つございますが、この経緯ですけれども、参考の下のほうにございます。D PCの導入に先立って平成10年11月から10公立病院等において1入院当たりの包括 制度の試行を実施したと。その後の検討において同じ疾患であっても、患者によって入院 期間のばらつきが大きく、1入院当たりの包括評価制度と比較して1日当たりの包括評価 制度のほうが在院日数がばらついていても、包括範囲点数と実際に治療にかかった点数と の差が小さいことや、1日単価を下げるインセンティブが存在すること等があったという ことでDPC制度として実施することとしたというふうになっておりますが、別紙2とい うところをごらんいただきたいと思います。  ページ数でいきますと、10ページなんですが、右下のほうの小さい字がちょっと10 ページは上のほうに動いてしまっていて、ちょっと分かりにくいんですけれども、別紙2 −1という横長になってございますが、グラフが2つございます。それをごらんいただき たいと思います。1入院当たり包括評価と1日当たり包括評価の比較ということでござい まして、これは肺がん、手術なし、副傷病なしのデータを使っております。この左側のグ ラフが1入院当たりの包括評価、右側が1日当たり包括評価ということでございますが、 まず、左の1入院当たりの包括でごらんいただきますと、このプロットされております点 がそれぞれ在院日数とその入院ごとの実際にかかったコストということになります。これ を1入院当たりの包括評価ということにしますと、黒い横棒ですね。太い線があると思い ますが、例えばここで線引きをすると。大体5万点ぐらいになるでしょうか。そうした場 合に、この横棒よりも上側のプロットは皆赤字ということになりますので、当然医療機関 のインセンティブとしては、なるべく在院日数を短くしてコストを下げて赤字にならない ようにというようなインセンティブが働くということでございます。それがいわゆる粗診 粗療の懸念ということにつながると思うんですが、これを右側の1日当たり包括評価にし ますと、ラインとしてはこの斜めの右肩上がりの太い線になりますけれども、こういう設 定にいたしますと、少なくとも在院日数を短くしようというインセンティブはそれほど働 かないと。ただ、この線の上側が赤字になりますので、1日単価を下げるというインセン ティブが働くということになると思います。  ただ、この場合、ゼロ、ゼロの原点のそばに楕円で丸がございますが、要は短期間にそ の医療資源を投入して短く、なるべく早く家に帰してあげようというような場合に、この 斜めの線より上側にありますと赤字になってしまうと、こういう問題があるということで、 それを補正する、そういうことのないようにする対策というものがその次の11ページの ほうの右側の図でございまして、左の基本形に対して、在院日数を加味した形ということ で、放物線のようなラインが引かれておりますが、在院日数が短いうちは高い点数、長く なると低めの点数というようなこういうラインにしますと、今申し上げたような短期間に 資源を投入して早めに帰すというような場合も救われるという設定になっております。  実際にはこういった滑らかなラインはなかなか難しゅうございまして、次のページの1 2ページでございますが、実際のDPCといたしましては、この12ページの別紙2−3 というところに書いてございますように、3段階ほどに階層を分けて短期間の場合が高い 点数、それより長くなると少し点が下がるというような設定にさせていただいております。  この一番下の(7)のほうに書いてございますが、基本的にはこの平均在院日数が25%タ イル値でとってございますけれども、さらに悪性腫瘍に対する化学療法のような短期入院 のある場合とか、あるいは脳梗塞、外傷など特に短期のほうに集中するようなものについ ては、さらにこの高い部分を左側に寄せるような形の設定をしておるというのが現在のD PCの点数設定の現状であります。  そのまま次の13ページのほうをごらんいただきたいと思いますが、こういうやり方で DPCを導入したわけでございますけれども、別紙3というところに書いてございますよ うに、一番右側の計というところをごらんいただきたいと思います。平成15年度のDP C対象病院、特定機能病院ということで82病院から始まりまして、16年度は62病院 さらに加わったということで、今回の改定の20年度に当たっては、358病院ふえまし て、現在718病院ございます。そのほかに19年度準備病院として710病院控えてお りまして、合計といたしまして1,428病院ございます。ただ、このほかに20年度に 新たに準備病院となったところ、手を挙げているところが149ほど今ございますが、た だ、例年このあと脱落する病院が幾つかございますので、まだ数値が確定していないとい うことで、こちらには数字を出させていただいておりません。ですから、一応確定として 1,428ということでございますが、一つ飛んでその下の表でございますけれども、算 定病床数でごらんいただきますと、DPC対象病院の小計が28万8,610、準備病院 が16万8,691ということで合わせまして45万7,301ということで、全一般病 少数の半数を占めるようになってきておるという状況でございます。  そして、もう一回一番上の表に返っていただきたいと思いますが、15年度対象病院、 一番最初に始まったときには特定機能病院ということで、すべてが500床以上の病院で ありましたけれども、16年度、18年度と下ってくるにしたがいまして、300床未満 とか200床未満あるいは100床未満といった小規模の病院がふえてきているというよ うな状況がございます。  それから、失礼いたしました。これまでの経緯について6ページのところでございます けれども、ちょっと先に病院数のほうを申し上げてしまいましたが、6ページ以降、これ までの対象病院に関する考え方の経緯ということで、15年度改定時は先ほど申し上げた ようなことで、まず特定機能病院から始まったわけでございますが、16年度改定時には さらに当時の調査協力医療機関のうち、一定の基準を満たすもの、このときにデータ病床 比という考えが導入されておりますが、これが3.5以上あるいはデータの質が確保され ているというようなこと、こういった条件を満たすものをさらに加えて、一番下に書いて ございますが、合計144医療機関となったということでございます。  続きまして、次の7ページですけれども、18年度改定時にはこの対象病院に看護配置 基準10対1というものを入れまして、あるいはその次の診療録管理体制加算を算定して いる、または同等の診療録管理体制を有する。それから、標準レセ電マスターに対応した データの提出を含め、7月から12月までの退院患者に係る調査を適切に参加できると、 こういう条件を設けまして、さらに対象病院を拡大して合計360医療機関となったとい うことでございます。このときにさらに望ましい基準としてこちらに5点ほどございます が、特定集中治療室管理料算定、救命救急入院料算定等、こういう5点も示されたという ことでございます。  続きまして、8ページでございますが、今回の平成20年度改定時に当たりまして、昨 年度3月に御議論いただいたところでございますけれども、18年度の基準についてはそ のまま満たすということを条件にすると。それから、一定期間のデータ提出については2 年間、1年目の7月から12月、2年目の7月から10月の合計10カ月分のデータを提 出していただくと。それから、適切なデータ提出としては提出期限の厳守、正確性等々こ ういったものを守っていただく。それから、データ病床比につきましては、先ほどの4カ 月間が10カ月に伸びたということで、3.5が8.75になっておりますが、こういう 基準を設けたと。それから、急性期についての先ほど15年の閣議決定で急性期を対象と するというのがございましたが、今回19年度については、まず急性期の定義について改 めて御議論いただきまして、急性期とは患者の病態が不安定な状態から治療によりある程 度安定した状態に至るまでというこの定義を御確認いただいた上で、ではどこまでをDP Cの対象にするのか。重症の急性期に限るのか、あるいは軽症の急性期入院も含めて対象 とするのかという御議論をいただいた上で、最終的には軽症の急性期入院医療も含めて対 象とするということで合意いただいたということでございます。  それから、その次の丸でございますが、既に対象となっている病院が新たに設けられた 事項を満たしていない場合について一定の経過措置を設けた上で、満たすことを求めると。 そうでない場合には外れるような、そういうようなことも決めていただいたということで ございます。こういったものを踏まえて、先ほど申し上げましたように、20年度の対象 医療機関は718となったということでございます。  そして、その次の9ページでございますが、調整係数の廃止と新たな機能評価係数の設 定ということで、調整係数については20年度改定までは存続するけれども、それ以後、 廃止するに当たって御議論いただいたところは、まず1つ目として先ほどの望ましい要件 という5つについては、むしろ係数として評価することを検討したほうがいいのではない かとか、あるいはその下に書いてございます社会的に重要なものとか、救急医療体制整備、 高度な医療とかこういうものを係数として検討すべきではないかというような、これは決 めたというよりもこういうことを検討してはどうかというところでとどまっておりますが、 こういう議論をしていただいたというところでございます。  そして、すみません、2ページのほうに戻っていただきたいと思いますが、1ページの ほうの御説明は今したとおりでございますので、2ページのほうに戻っていただきたいと 思いますけれども、この一番上の(2)にありますように、先ほどの急性期の御議論を踏 まえて合意をいただいたという上で、この第2も今御説明したとおりでございますので、 第3でございますが、今回の在り方の議論について、議論いただくに当たって大きく3点 ほどに分けて整理をさせていただきました。  まず1つ目、DPCの評価等についてということでございますが、これ別紙5と書いて ございます。申しわけないんですが、別紙5と6の2つでございます。6が抜け落ちてお りますので、加えていただきたいと思います。別紙5については資料の16ページ目にご ざいます。この16ページに19年度の影響評価に関する調査結果及び評価ということで、 DPCの西岡分科会長におまとめいただいたものでございますけれども、この結果、数値 がいろいろ出てございますが、まとめとしては、その一番最後にございますけれども、2 4ページでございます。  24ページの上から書いてございます平均在院日数が減少傾向であると。ここで救急車 による搬送や緊急入院や他院からの紹介の患者数が増加傾向だということで、重症度の高 い患者を避けるような患者選別の傾向が見られておらず、診療内容に悪影響は認められな いということ。それから、退院時転帰の状況において、治癒及び軽快を合計した割合が一 定であるものの、治癒の割合は減少傾向ということについては、急性期としてある程度病 態が安定した時点までの入院医療を反映していると考えられ、つまり治すべきものを治さ ないで追い出すということではなくて、ある程度安定したところまでという急性期の在り 方として適切な医療が提供されているというふうに考えられると。こういったことから、 DPCにより質の確保はされつつ、医療の効率化は進んでいるものと考えられるという評 価をいただいております。  また、再入院率、これがふえておりますけれども、これにつきましては昨年度DPCの 特別調査、ヒアリングを行って、そういったものを踏まえて同一疾患での3日以内の再入 院については認めないと、1入院として扱うということとか、そういうことを今回の改定 においてルール化したということであります。  それから、次のページ、別紙6のほうに移りたいと思いますが、25ページです。  こちらに横長のグラフがございますが、前回入院と今回入院の病名同異別・退院症例に 対する再入院事由比率ということで、左側が前回入院と同一病名、右が前回入院と異なる 病名となっております。一番上の平成15年度DPC対象病院で見ていただきますと、平 成14年という一番上のグラフで見ていただきたいと思いますが、2.8%というのが同 一病名で計画的な再入院、それからその次の0.7%が予期された再入院比率ということ であります。その次の0.4%が予期せぬ再入院比率、これが大体退院していただいたけ れども、また何か病気が増悪したとか、そういうことで入院したというケースに当たると 思うんですけれども、この前回入院と同一病名あるいは異なる病名どちらについても、こ ういった予期せぬ再入院比率については、DPC導入の前後あるいは導入後についてもこ の平成15年度対象病院では0.4%、0.5%ぐらいでほとんど変わらない、あるいは 異なる病名でも1.12%で変わらないとか、大体こういうような状況があるということ も含めまして、その質の低下ということは特にないのではないかというような評価をいた だいたということであると思います。  そして、資料のまた2ページに戻っていただきたいと思いますが、2ページ、3ページ、 今御説明したようなことが文章として書かれてございます。そして、3ページの真ん中よ りやや下ぐらいに参考2として指導監査で明らかとなった適切でない請求例ということで ございますが、これにつきましては、以前の中医協においてこの指導監査で明らかとなっ たこういう事例について資料を出すようにというお話をいただきましたので、これは昨年 の8月8日の基本問題小委員会で出させていただいたものでございますけれども、事例と してはこういうものがあるということでお示しさせていただきました。こういうことで、 まず1つ目の論点としては、この評価についていろいろと今年度においても御議論があっ たところでございますので、改めてどのように考えるべきかということを論点としてあげ させていただいております。  それから、その次の(2)でございますが、対象病院については急性期入院医療を対象 としてDPCが行われということですけれども、次の4ページでございますけれども、こ ういったある程度以上の重症な急性期ではなくて、すべての急性期を対象とするべきと、 昨年度なされて、それ以前から含めまして先ほどごらんいただきましたように、中小の病 院が大分参入してきたという中で、必ずしも急性期専門病院ということではなくて、慢性 期の病床を併設している病院、いわゆるケアミックス型の病院も多く含まれているという ことが示唆されていると。  ここで別紙6と書いてございますが、これ別紙7の間違いでございます。申しわけござ いませんが、訂正していただけますでしょうか。別紙7でございます。  別紙7は資料の26ページのほうにございますけれども、まず、26ページは病床算定 の規模別の病院数で、これは先ほどごらんいただきました表と同じでございます。100 床未満、100床、200床、300床それぞれに分けて書いてございますが、15年度 はすべて500床以上であったのがだんだん小さい病院が入ってきているということでご ざいます。  次の27ページでございますが、これはDPC算定病床数割合別病院数割合ということ で、例えば一番上の15年度対象病院であれば、82病院のうち80病院、つまり97. 6%がDPC算定病床数が90%以上であると。2病院については80%以上90%未満 というようなことでございます。これでごらんいただきますと、16年度は対象病院がち ょっとDPC算定病床数の割合が低くなっておりますが、18年度やや盛り返したものの、 また20年度対象病院はDPCの算定病床数の割合が90%以上のものが62.8%とい うように低くなっていると、こういう感じで、中にはDPC算定病床数が5割未満という ものもけっこう入ってきておるというような状況が分かると思います。  次の28ページ、最後のページでございますが、これは横軸がDPCの算定病床数で、 縦軸がDPC算定病床数の割合ということになっております。つまりDPC算定病床数が 大きい病院ほどDPCの算定病床数の割合も高いと。算定病床数が少ない病院ほど病床数 の割合も低いような、全体としてそういうような傾向が見られるというようなことでござ います。  資料の4ページに戻っていただきたいと思いますが、こういった状況を踏まえた上で、 論点2としまして、こういった急性期を担うDPC対象病院の中でもケアミックス型病院 を含めたさまざまな特徴のある病院が参加しており、今後も同様な傾向となると考えられ る中で、DPCの適用がふさわしい病院についてどのように考えるべきかという論点を上 げさせていただいております。  それから、(3)につきましては、運用に係る見直しということですが、これは先ほど お話しましたように、調整係数が廃止されるということで、それにかわる新たな機能評価 係数について検討することとなっているということでございますけれども、まず、論点3 −1として、新たな評価係数についてどのような観点から評価するべきものと考えるかと。 平成19年度の論点として、先ほどちょっと触れましたものが例として挙げられておりま す。また、例えば医療計画が定めているように、地域における医療の必要性を踏まえた病 院機能の役割を評価するというような、そういったものについてもどのように考えるかと いうことも挙げさせていただいております。  それから、3−2として係数を廃止するに当たって、一度に廃止してしまうのか、ある いは段階的に廃止すると何か経過措置ということを設けていくのか、こういったことにつ いても御議論いただいてはどうかということで示させていただいております。  説明は以上でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございました。ただいま事務局からDPC導入係る経緯であるとか、あるい は内容、あるいは昨年度の中医協で取りまとめられました事項について説明をいただいた わけでありますけれども、本日大分時間が予定を過ぎておりますけれども、フリートーキ ングを考えておりますが、今後この問題は個別に議論していくことになるかと思いますが、 本日第1回目ということでありますので、余り個別の論点を詳細に取り上げるということ ではなくて、DPC全体の方向性を高い視点から御議論いただければというふうに思って おります。  それでは、そういう視点から何か御意見などあればお聞きしたいと思います。  それでは、中川委員、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  昨年からDPCについての議論は基本小委でも、時には総会でもされているわけですが、 光の部分を強調するといいますか、もしくはDPCに光を当てようという議論が主体にな ってしまっているのではないかと思います。昨年の12月12日の基本小委で竹嶋委員か らこのような趣旨の発言をしたということをまず確認させていただきたいと思います。  まず、DPCというのは支払い方式の選択肢の一つであって、急性期病院の要件ではな いということが第1。それから、今後も出来高払いを採用する急性期病院を適切に評価し ていくということが第2。3番目に急性期病院の診療報酬の在り方全般について新たな議 論を開始するということ。それから、新たな具体的なルールが決まるまでの間、準備病院 だけでなくて、対象病院であっても自主的にDPCから出ると、辞退することができるよ うにするといったことを発言し、確認したと思いますが、今日は総論的な大局的な議論を しなさいという会長からの御指示ですので、せっかく西岡分科会長がいらしていただいて いるので確認したいのですが、治癒率と再入院率について5月21日の基本小委で分科会 長から説明がございました。治癒率ということに関して、治癒の割合は減少傾向であるこ とについては急性期としてある程度病態が安定した時点までの入院医療を反映しているも のと考えられ、急性期として適切な医療が提供されているものと考えられる。以上のこと から、DPCによりその確保はされつつ、医療の効率化が進んでいるものと考えられると いうのが議事録にあります。  また、患者が帰るときには大学では決して治癒という言葉は使わないということ。だか ら、この治癒が入っていること自体のほうが問題というふうな御発言があったと思います が、本日の資料の通算の21ページのところに表7というのがございます。平成15年対 象病院と16年対象病院、私どもの考えとしては、DPCというのは特定機能病院、大学 病院に適用するというのは、これはその性格からいってそうであろうと思いますが、15 年度対象病院は特定機能病院ですが、16年の対象病院、これを見ると平成15年の治癒 の割合が9.62%、平成19年が3.6%と明らかに毎年低下しているわけですよ。そ して、同時に15年度、16年度対象病院の再入院も明らかに増加傾向を示しているわけ です。このことについてどういうふうに解釈するのかということをまず確認させていただ きたいんです。15年から19年の調査期間の間に、この治癒の定義とか調査方法が変わ ったのかどうかということがまず1つ。  DPC導入前後で医療の質が変化したことはないとは思いますが、一体何がこの治癒率 の低下と再入院率の上昇に寄与しているのかということをもう一度恐縮ですが、御説明い ただきたい。 ○遠藤小委員長  かなり詳細な話にもう踏み込んでしまっておりますけれども、もし分科会長、お答えが 可能であるならば御発言の確認も含めてお答えいただければと思います。 ○西岡DPC評価分科会長  西岡でございます。今の御質問に対して的確な答えになるかどうか分かりませんが、特 にこの平成16年度のDPC対象病院での変化ということでお答えさせていただきます。  これは医療の中身が変わってきたのだというふうに考えられます。その中身と申します のは、それまでの医療形態というのは病院において入院いたしますと、ほとんど十分回復 してしまうまで入院させておられたというのが現状であったんじゃないかと思います。そ のために病床占有率も非常に高くあったし、稼働率も非常に高かったという形ではないか と思います。その中で、本来の医療の入院の在り方というものがDPCの議論の中で進め られていっておりますので、不必要な入院は避けようという形が一番大きいこの数値の動 きではないかと考えられます。  実際の治癒と軽快の定義というものは、特に変化はしておりません。日本の医療文化は 委員もよく御存じだと思うのですが、一度入院すれば完全に治るまで病院にいたいという のが患者さんの御要望でございました。医者側も同じような形でそういった形で、ずっと ほとんど医療行為もしないのだけれども、入院されるというようなことが起こっていたと 思います。実際の医療行為もなされていない入院というのがここで短くなっていったとい うことだと思います。そこが軽快という形のところで退院されていくということです。  それともう一つは、急性期医療、これはDPCは急性期医療ではないと言われたら非常 に困るんでございますが、一応このDPCをスタートするとき、急性期医療を対象として 行うというふうに最初の閣議決定をいただいておりますので、一面では支払い方式ではあ りますが、急性期医療を保つという形のものでございます。急性期医療の場合は、ある程 度、先ほど定義がございましたように、回復されてくれば、そこで退院していただくとい うことになるわけでございます。その結果、今までの病院での治癒が減少してくることに なります。入院治療での医療文化がやはり変わってきつつあるということではないかと思 います。そんなのでお答えになりますでしょうか。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  中川委員、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  平成15年度対象病院、16年度対象病院。16年対象病院について今お答えいただい たと思いますが、この平成15年度から19年度の間に医療の形態が変わったというふう なお答えでちょっと今驚いたんですが、先ほどの事務局からの説明の中に25%タイルま では評価が高いわけですよね。どうしてもこの制度自体が平均在院日数を短縮しようとい うインセンティブが自動的に医療機関の経営上は働くわけです。そことの関係で医療の形 態が変わったということは多少なりともあるんでしょうか。 ○西岡DPC評価分科会長  それはございます。実際にはこのDPCの支払い方式では、やはり日本の医療というの は入院ベッドが非常に多過ぎるということと、在院日数が非常に長過ぎると、これは国際 的にも指摘されているところでございます。その中で在院日数を短くなることによって、 一つのインセンティブが出てくるというこの制度の中で、やはりその医療の形態が変わっ てきつつあると思われます。これは粗診粗療という形での医療の形態の変化ではなく、医 療の効率化という面で変わってきているというふうにとらえていただければ非常にありが たいと思っております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。中川委員。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  今日はそういう時間もないのは承知してもう一つだけお願いします。  前回総会で私がこのDPCの病院に関する昨年の8月8日の基本小委で提出された資料、 いわゆる指導監査で明らかになった適切でない請求例とありますね。前回なぜさらなる資 料の提出をお願いしたのかというと、DPCという制度自体がこういう問題を引き起こす ような問題を秘めているのではないかという心配があったので、さらなる具体的な資料の 提出をお願いしたいんですが、昨年と同じ資料のままでこれ以上は出せないという意味で しょうか、事務局。 ○遠藤小委員長  これについて事務局、お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  この昨年度お出しさせていただいた資料以降、特段集中指導監査のようなものをしてご ざいませんし、現時点ではそれ以降、新しい情報というものは特にございません。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  新しい資料を提出していただきたいと申し上げたのではなくて、もう少し具体的な例、 個人情報はもちろんそれは必要ありませんが、具体的な内容が分かるものを提出いただき たいという意味でお願いしたんですが。 ○遠藤小委員長  事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  例えばそれはこの傷病名とかそういうものをもう少し具体的に出してということでござ いましょうか。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  分かりやすくです。これは言ってみればレジュメみたいなものですから、この資料とい うのは。 ○遠藤小委員長  それはちょっと、どうですか。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  分かりました。個人情報とかそういうものに触らない範囲でどのようなものが出せるか 検討させていただきたいと思います。 ○遠藤小委員長  よろしくお願いします。  それでは、藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  一応高い視点だと思って発言させていただきますが、今DPC病院を目指す医療機関と いうのは後を絶ちません。単純に考えて、これは経管的に有利だからだろうと思います。 先ほどの総会でも申し上げましたけれども、2007年の診療行為別の調査結果でも7. 5%増ということになっております。一方で、もちろん質の担保であるとか、あるいは仕 組みがよいと評価している意見もあるんですけれども、今私が懸念しているといいますか 心配しておりますのは、今日の論点2でも出てきておりますけれども、特定機能病院と一 般病院とは最近になって機能が異なるというような言い方で切り離す動きが少し出てきつ つある。そういった意見があるということに対して不安を感じているわけであります。と いいますのは、一方でこの制度の中で包括の中にこのDPCを採用すると、あと下りられ ないという形があるわけですね。今の議論は特定機能病院を切り離してしまって一般病院 は残すと。その中で、あとは行政の思うような形でというか、管理ができるような形で一 般病院を1つの枠の中に残してしまうと、これ非常に何か二段ロケット式の制度のような 気がして、そこに対して非常に不安を感じるんですが、残された病院はどうなるんだろう かなと。特定機能病院は恐らく基幹病院としてずっと生き残るあるいは高点数でずっとや れるだろうと思うんですが、そこのところが今見えつつあるということに対して心配して おりますけれども、下りられる形をつくっていただきたいと。そうすれば医療機関が自由 にDPCを選択して、自由にどうぞご参加を、というようなそういうスタンスができるん ですけれども、そこのちょっと乗せてしまって下りられない形をつくりながら切り離して いくという仕組みが大変私には不安に思うんですが、いかがでしょう。 ○遠藤小委員長  これはちょっと私のほうから確認ですが、脱退するかどうかということもここで決める んではないですか。と思いますが。 ○藤原委員  決めるのではなくて、今現行はそうなっていると申し上げているわけです。基本的には 下りることはできないですよ。 ○遠藤小委員長  では事務局、どうぞ。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  確かに現行では自分から下りるというルールはございません。それについてはやはりこ この中医協の場で御議論いただくことだと思っております。ただ、先ほどちょっと説明さ せていただきましたが、基準を満たさない病院について経過措置は設けますものの、その 間に基準を満たすことができなければ外れるというようなことには今回の改定でなったと いうことであると思います。  それから、二段式とかそういうお話がございましたが、そのようなことについても、こ ちらで特に何も言っていることではございませんで、やはり中医協の中で御議論いただい て決めていただくことだというふうに思っております。 ○遠藤小委員長  私もそうだと思いますので、今後そういう議論が必要であればしたいというふうに思っ ております。  ほかにございますでしょうか。牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  すみません、お時間がないところ。私は4月からなったものですから、皆さんの場合に は共通知識として、情報としてあるのでしょうけれども、これから時間をかけてDPCに 関して議論していくわけで、その前提としての情報を教えていただきたいのです。まず、 中医協関係で今日、西岡DPC評価分科会長がいらしていますが、この診療報酬調査専門 組織DPC評価分科会以外に中医協関係でDPCに関して、あるいはDPCの影響とか何 かそういうことを検討しているところはあるのかどうかということがまず第1点です。  それから、中医協の場合には当然エビデンスを前提としていろいろ考えていくというこ とですが、このDPCに関して、限定的に広がってきたわけですが、既に行われてきたそ のことに関して、特に私は医療機関側というよりも患者さん側に関してどういう評価とい うか感想というか、そのことが知りたい。それが中医協関係で実際に調査が行われたかど うか、また行われることが今後あるかどうかということです。それが、2点目です。あわ せてこの間の後期高齢者医療制度のところでも、患者さんというか普通の方々に情報が十 分伝わっていないという広報上の問題が指摘されました。このDPC、始まりは小さかっ たと思いますが、普通の方々に対してどういう広報が行われてきたか、そういう点をもし 教えていただければということが3点目です。以上です。 ○遠藤小委員長  すべて事務局ということでよろしいですか。では、事務局、お答えできる範囲でお願い します。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  まず、中医協の中でほかに検討するような組織があるのかということですけれども、そ れについてはこの基本問題小委員会と西岡先生の分科会のみでございます、検討について は。ただ、研究班などがございまして、それはむしろ研究班のデータを分科会のほうに出 していただいて、それを分科会で御議論いただくというような形になってございます。  それから、患者さんからの評価というお話ですけれども、これについては西岡先生、こ れまでやっていないと、やってございましたっけ。失礼しました。では、それはあとで西 岡分科会長からお答えいただきたいと思いますが、あと普通の方に対する広報ということ でございますけれども、この導入に当たってちょっとポスターのようなものをつくってと か、そういうのはございましたけれども、確かに大々的にこういうものをPRというとこ ろまでは正直申し上げてやっていないというところでございます。  あとは、では分科会長のほうからお願いいたします。 ○遠藤小委員長  お願いいたします。 ○西岡DPC評価分科会長  患者さんに対する満足度等の調査は、DPCを導入いたしまして我々の分科会が始まり ましたときから、調査を行っております。それから患者満足度と、それから職員の満足度 と、それからまた、後方病院の満足度等をまとめて2年にわたって調査させていただいた のをかつて報告させていただいております。患者満足度に関しては、療養生活の支援につ いて満足しているかどうかというのをその当時のデータでお伺いいたしましたところ、8 6.3%の方が満足しているというふうな形でのお答えをいただいております。それから、 患者さんの退院の時期について適切であったかどうかというのもそのときに調査させてい ただいていますが、75.8%の方が適切であるというふうなお答えをいただいています。 職員の入院目的ですが、それに対する自分としての達成度はどうかというのをお伺いしま したら、これに関しては72.4%の方が達成できたということを報告しておりますし、 退院に関する納得度、これはDPCが始まってまだ間がなかったときでございますが、そ のときの達成度は60.4%の方が達成できたと、そういうデータをいただいております。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  牛丸委員、どうぞ。 ○牛丸委員  ありがとうございます。それは導入してすぐというときですか。 ○西岡DPC評価分科会長  導入して、はい。 ○牛丸委員  今後また同じような調査を行う予定というのは、こちらが決めるのか分かりませんけれ ども。 ○西岡DPC評価分科会長  よろしいでしょうか。むしろこちらでやれとおっしゃっていただければやりたいと思っ ているんですが、今このDPCの制度に入って、対象病院の比較的大きな病院では毎年患 者満足度調査を実施されてございます。ほとんどのところが同じスケールで患者満足度調 査を実施されまして、それで他の病院と比較するといったような活動をやられております。 ただ、すべての病院がやられているかどうかではございませんで、大体500床以上ある いは300床以上の病院でそういった活動が行われて、各病院のホームページ等にもその 結果の概要だけを出されているというのが現状でございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。牛丸委員、よろしいですか。 ○牛丸委員  その前の調査結果をまたいただければありがたいと思います。お願いいたします。 ○遠藤小委員長  それでは、中川委員、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  今のことについてですが、分科会長、今お話になった結果ですが、2006年4月27 日の中医協で御報告されていますが、それは入院中の療養生活に対して、「全く不満はな かった」、「余り不満はなかった」を合わせて86%という表現ですよね。要するに不満 がなかったのは満足しているという表現に変わっているんですよ。これはちょっとどうか なと思いますし、DPCに限らず、入院医療全般に対する調査でも同じく八十六、七%の 同じ結果なんです。そしてもう一言言えば、不満がややDPCのほうが多いという結果だ ったと思います。その辺についてもDPCだからいいんだということではなくて、変わら なかったという表現にとどまるのかなというふうに思っておりますが。 ○西岡DPC評価分科会長  私たちのこの調査をやりましたのは、DPCがよかったというための目的ではやってお りません。むしろこれは粗診粗療が起こっているかということで、前回のときも御指摘が ございましたように、救急入院の搬送状態だとか重傷者の受け入れといったようなことが 低下していないかどうか。それを一連の形での粗診粗療が起こっていないということを知 るための調査です。それの実際の答えとしてはどうかというのはそれぞれの委員で御解釈 いただければありがたいと思いますが、実際に出てまいりましたときには、患者さんがそ ういったことで療養生活の支援に対して満足しているか、していないかと、これはやや満 足している人も入れての答えで、不満の人を除いております。今申し上げた数値ですね。  それから、このときに非常に貴重なデータだと思うんですが、以前に同じ病院に入院さ れて、またDPCになってから入院された方に両方の医療についての医療内容や入院期間 の変化についてはどうかという御質問をさせていただいています。これによると、前後で 「変わらない」というのが35.6%、「余り変わらない」が22%、「どちらとも言え ない」が26.2%ということで医療の内容自身は患者さんにとりまして、DPC前とD PC後では大きく変わってはいないという傾向が見られているということでございます。 ○遠藤小委員長  ありがとうございます。  それでは、ほかに御意見ございますか。  では、対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  DPCですからかなりどうしても激しい意見の応酬になるというのは、それはそれでや むを得ない面があるのだろうと思うんですね。ただ、私自身聞いていてなかなか心にスト ンと落ちないのは、「日医としては」という言葉が再三出てくるんですよね。そのあたり はどうなんでしょうか。私にも健保連の専務理事としての立場があります。それを再三こ ういった場で、医療全体、病院全体についてどう考えるかという委員としての見識であれ ば十分聞きますけれども、日医としてと再三強調されると、非常に私どもとしてはどうな のかという感じがいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  失礼しました。ちょっといいですか。  対馬委員のおっしゃること、ごもっともです。日本医師会というのは診療所の団体でご ざいませんで、すべての経営形態の医療機関に所属する医師の入会する団体でございます ので、そういう意味で日医としてはという表現を使ったので、ちょっと耳障りだと思いま すので、これから気をつけたいと思いますが、データの分析集計という作業をうちの日本 医師会という組織でやっているものですので、御理解をいただければと思います。  それから、遠藤小委員長、お願いなんですが、今回このDPCを今日取り上げるという ことでいろんな資料を準備いたしました。分析収集して、例えばDPCの公立病院と国立 病院、これ地方公営企業年鑑と、それから情報公開法に基づく財務諸表、DPCの320 病院の経営状態を分析したんですが、今日は資料を提出することができませんでしたが、 できれば中医協でどういう議題をいつ取り上げるのかということをできれば早めにお知ら せいただければありがたいんですが、いかがでしょうか。 ○遠藤小委員長  データの提出云々ということはともかくとして、スケジュールですね。できるだけテー マのスケジュールを早めに出すということがどこまでできるかということですけれども、 では、事務局お願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  今回に限らず、大体前の週ぐらいになってしまうんですけれども、いろいろな議題があ る中でどれを取り上げるのか、あるいはそのほかの状況があって、どうしてもなかなかぎ りぎりになってしまって、そこは大変申しわけなく思っております。  ただ、今御意見いただきましたので我々としても公益側会長と御相談しながら、できる だけ早くお示しできるように努力したいと思います。 ○遠藤小委員長  特に今年度は改定のない年ですから、ある程度自立性を持ってスケジュールが立てられ る可能性が高いと思いますので、そのように対応していただきたいと思います。そのよう に対応します。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  よろしくお願いします。 ○遠藤小委員長  ほかにありますか。  それでは、どうぞ。 ○松浦委員  ちょっと私、対馬委員の言われたことに関連してなんですが、これお医者さん全体の意 見としてたまたま中川先生がおっしゃったことが出てきているのか、お医者さんの中では 相当意見がばらつくと、こういうことなのか。私もそれが起こりはしないかという立場か ら一遍私のところの私立病院にちょっとDPCを見合わせたらどうかということを進めた ことがあるんです。そういう意見を吐きますと、非常にDPCの利点も強烈に反論として 返ってくるわけですね。ですから、そういうことは、これはむしろ専門家内できちっとこ のDPCに対する評価、考え方をまとめられたほうが聞きやすいように思いますね。です から、その辺をはっきりしてもらいたいと思います。  以上です。 ○遠藤小委員長  お願いいたします。基本的に団体推薦ではないということになっておりますので、そう いう中で団体名を出された御発言をされているわけですから、どういうような位置付けな のかというのは確かに不明瞭なところがあるというのは実態でありますので、そこのとこ ろはある程度はっきりという意見だと思いますので、よろしく御対応いただきたいと思い ます。  ほかに何かありますか。よろしゅうございますか。  それでは、いろいろな御意見、最初からかなり出てまいりましたけれども、本日の御意 見を事務局でまた整理をしていただきたいと思います。また、必要な資料等があれば、そ の作成も行っていただきたいと思います。今後これらの議論を深めていきたいと思います。  それと、先ほど論点3−1にありました新たな機能評価係数の設定でございますけれど も、これにつきましては、私もかつて申し上げましたように、これは急性期病院の在り方 そのものを決めるというある意味で政策的な課題でもありますので、本小委員会で積極的 に議論をするべき課題だというふうに理解しておりますが、一方で非常に技術的な検討も 必要となりますので、DPC分科会におきましても、並行して検討していただきたいと思 いますけれども、そのような段取りでよろしゅうございますでしょうか。つまりDPC分 科会でもこの機能評価係数についての御検討を開始していただくと。我々とある意味でキ ャッチボールをしながら話を進めていくと、そのような形で考えておりますけれども、よ ろしゅうございますか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤小委員長  それでは、そのようにさせていただきたいと思います。西岡分科会長、よろしくお願い いたします。  それでは、本日の小委員会、このあたりで終了したいと思います。  次回の日程につきまして、事務局からお願いします。 ○事務局(佐藤医療課長)  現時点では予定日も場所も未定ではございますが、先ほどの議論にもありましたように、 できる限り早急に委員の皆様方にもお伝えをしたいと思います。 ○遠藤小委員長  それでは、本日の診療報酬基本問題小委員会、これにて閉会にしたいと思います。どう もありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)