08/07/14 第15回医薬品・医療機器等対策部会議事録 08/7/14 第15回 医薬品・医療機器等対策部会の議事録について 第15回医薬品・医療機器等対策部会 日時 平成20年7月14日(月) 16:00〜18:00 場所 東海大学校友会館「望星の間」 ○ 事務局  開会に先立ちまして、傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たりましては、 既にお配りしております注意事項をお守りくださいますよう、よろしくお願いいたします。 定刻になりましたので、ただいまから「第15回医薬品・医療機器等対策部会」を開会 いたします。本日の部会は、従来の取扱いと同様、公開で行うこととしております。カ メラ撮りは議事に入る前までとさせていただきますので、マスコミ関係者の方々にお かれましては、ご理解とご協力のほどをよろしくお願いいたします。  本日ご出席の委員の先生方におかれましては、ご多用のところご出席いただき、 誠にありがとうございます。本日は、本部会委員13名のうち、9名の出席をもちまし て部会を開催させていただきます。なお、稲垣委員、木下委員、原田委員、外委員 は、欠席とのご連絡をいただいております。前回、11月の部会以降、3名の委員に 変更がありましたので、五十音順でご紹介いたします。日本製薬団体連合会の吉澤 委員に代わりまして、大澤総弘委員です。日本薬剤師会の岩月委員に代わりまして、 木村隆次委員です。日本看護協会の菊地委員に代わりまして、永池京子委員で す。  また、委員の所属の変更がありましたので、ご紹介いたします。本日ご欠席でいら っしゃいますが、外委員が北里大学から九州大学に所属が変更になっております。 望月委員が共立薬科大学から慶應義塾大学に所属が変更になっております。  さらに、事務局に変更がありましたので、紹介させていただきます。医薬食品局安 全対策課の森安全対策課長です。 ○ 安全対策課長  森でございます。今回、安全対策課長を拝命いたしまして、こちらの部会にも出さ せていただくことになりました。私はこの医薬品関係のところでは、審査あるいは開発、 治験相談という業務で長いことやってきておりますが、安全対策を中心とした業務に ついてはどちらかというと、まだ初心者というところで、しっかり勉強させていただこう と思っているところです。どうかよろしくお願いいたします。   ○ 事務局  委員の交代もあったことですので、この医薬品・医療機器等対策部会の役割とい いますか、守備範囲について、参考資料に沿って簡単に説明させていただきたいと 思います。この部会の目的ですが、1.の「設置目的」に医療安全の専門的事項に関 する審議を行うため、医療安全対策検討会議の下に医薬品・医療機器等対策部会 を設置するとあります。この「医療安全対策検討会議」については、参考資料の3頁 に「医療安全対策検討会議設置要綱」を付けております。検討事項として、2番目に ありますが、(1)医療安全の基本方針に関する事項、(2)医療機関の人的又は組織 的要因に係る安全管理対策に関する事項、(3)医薬品・医療機器等の物の要因に 係る安全管理対策に関する事項、(4)その他医療安全に関する事項ということで決 められております。この検討会議というのは、3番目にもあるように、医政局長及び医 薬食品局長の私的懇談会ということで、検討会議設置要綱という形になっておりま す。  その中で、4番目の「組織等」ですが、(3)の(2)に医薬品・医療機器等対策部会が あります。これは字で追うよりも絵で見ていただいたほうがいいと思います。2頁です が、先ほど説明させていただいた医療安全対策検討会議、いわゆる医政局長と医 薬食品局長の私的懇談会が、この上にある「医療安全対策検討会議」です。そして、 この医薬品・医療機器等対策部会ですが、その下にある物の要因に係る安全管理 対策の検討ということで、ここが本日開催されている対策部会の趣旨です。1頁に戻 って、物の要因に係る安全管理対策に関する事項をこの検討会で検討していただく というのが趣旨です。簡単ですが、この資料について説明させていただきました。  以後の議事進行は、桜井部会長にお願いしたいと思います。 ○ 桜井部会長  桜井でございます。お暑いところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ま ず、資料の確認をお願いいたします。   ○ 事務局  資料の確認をさせていただきます。いちばん上に、「第15回医薬品・医療機器等 対策部会議事次第」があります。その後ろに、本日の配付資料一覧を付けておりま す。次に、この対策部会の委員の名簿を付けております。資料1は「第21・22・23回 ヒヤリ・ハット事例等収集結果(医薬品)」ということで、この資料1に別添1として横 長のペーパーで「医薬品の安全使用に関する製造業者等による対策が必要又は可 能と考えられた事例」、別添2として「製造販売業者等により既に対策がとられてい るもの、もしくは対策を既に検討中の事例」というものです。その後ろに、参考1という ことで、表紙に「インスリン製剤販売名変更に関して」ということで、参考の資料を付 けております。別添3ということで、「ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因す ると考えられた事例(第9回事故)」と書いてありますが、これは表紙の番号で、これ が別添3ということで付けております。別添4はA4横書きで、「情報不足のため製造 販売業者等による対策が困難と考えられた事例」を付けております。この別添4まで が資料1です。  資料2ですが、「抗リウマチ製剤メトトレキサート製剤の誤投与(過剰投与)に係る 医療安全対策について」ということでまとめているものです。  資料3は、表紙に「第21・22・23回ヒヤリ・ハット事例等収集結果(医療機器)」と書 いてあるものです。先ほどの医薬品と同じような形で、別添として4つ、別添1から別 添4までを付けております。別添1が「医療機器の安全使用に関して製造販売業者 等による対策が必要又は可能と考えられた事例」、別添2が「製造販売業者等によ り既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例」ということです。 これについても、参考資料として、参考1-1ということで医療機器の添付文書が付け られています。別添3として「ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考 えられた事例」を付けております。別添4は、先ほどの医薬品と同じで「情報不足の ため製造販売業者等による対策が困難と考えられた事例」を付けており、ここまでが 資料3です。  資料4は「人工呼吸器回路における人工鼻と加温加湿器の併用事例に係る添付 文書の改訂等について」というものです。  資料5は「報告事項」ということで、資料をいくつか付けております。  最後に、前後してしまいましたが、先ほど参考資料ということで説明させていただい た本部会設置要綱です。資料については以上ですので、不足等ありましたら、事務 局のほうまでお申し付けください。 ○ 桜井部会長  よろしいですか。最初の検討課題、「医薬品についてのヒヤリハット事例」をご説明 願います。   ○ 事務局  資料1は、第21・22・23回のヒヤリ・ハット事例等収集結果の医薬品です。今回検 討いただく範囲は、日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等報告書の第9 回・第10回で公表されている内容の記述情報等についてです。医療事故に関して は、平成19年1月1日から10回報告書の6月30日までの期間、ヒヤリ・ハット事 例については、平成18年8月15日から平成19年5月21日の間に報告された事 例です。全242件の検討をいただき、その結果が3番目に書かれてあります。それを 今回4つの調査結果として分けております。いちばん上の「医薬品の安全使用に関 して製造販売業者等による対策が必要又は可能と考えられた事例」が、合わせて3 件。「製販業者等により、既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の 事例」として、第9回4件、第10回4件、合わせて8件ありました。  今回、皆様方にご検討いただくのは、この調査結果のこの医薬品の安全使用に関 して、製造販売業者等による対策が必要と考えた事例です。詳細は資料2で説明さ せていただきます。また、この検討の中で、ヒューマンエラーやヒューマンファクターに 起因すると考えられた事例については224件ありました。それから、情報不足のため 製造販売業者等による対策が困難と考えられた事例が合わせて7件ありました。  次頁ですが、その内訳です。対策が必要と考えられた事例は、抗リウマチ剤のメト トレキサート製剤の服用方法を間違えた事例についてです。それから、製販業者等 により既に対策がとられている、もしくは既に対策を検討中の事例として、医療事故 関係でいうと、インスリンの販売名の取り間違い、注射薬の投与方法の間違いの事 例です。また、ヒヤリ・ハットについては、こちらに挙げている内服薬の販売名の類似、 インスリンの販売名、これは医療事故の1の(1)と同様です。また、注射薬の販売名 の類似による事例と二層バッグの隔壁、未開通。「未開通」の「通」の字が間違って おりました。訂正させていただきます。  個別事例を紹介させていただきます。別添1ですが、こちらはあとで資料2で詳しく 説明させていただきます。いずれもメトトレキサート製剤の投与間違いということでし た。  別添2ですが、最初に医療事故事例で掲げられた事例です。紹介いたしますと、第 10回の医療事故事例で掲げられております。こちらはヒューマリン製剤のヒューマカ ートR注とヒューマリンR注の変更指示について、投与量を間違ったというものでし た。  そのあとの参考資料ですが、現在、ヒューマリン製剤の販売名については、バイア ル製剤、カートリッジ製剤、キット製剤という3種類の製剤について、それぞれ販売名 に書かれている文言や数字等を、ご覧いただくとおわかりかと思いますが、なかなか 統一がされていない部分がありました。今回、インスリンの販売名については、バイ アル製剤についてはmL当たりの単位を記載すること。カートリッジ製剤については、 カートリッジであることがわかる表記と、過去に40単位と100単位というインスリンが あった関係で、それを識別するために、また容器が1.5cc、3ccあった関係で300と いう総単位が付いているものがありますが、そちらの紛らわしい数字をすべて、現在 はmL当たり100単位に統一されておりますので、それらを加味し統一することといた しました。  事例として、別添2の2番目です。こちらは持続静脈注射でゆっくり投与すべき薬を ワンショットで静脈注射してしまったという事例です。医薬品の直接の容器被包に書 かれている施用部位表示については、それを持続注入とわかるような表示に変える ようにしました。これはあとで報告させていただく通知の中で、日薬連とともにそのよ うな変更をさせていただいております。  次頁ですが、これは第9回ヒヤリ・ハットで掲げた事例です。この事例はアクトスCA という販売名が紛らわしいということで、間違いやすいということでした。こちらについ ては一般名称に変更することを予定しております。また、ヒヤリ・ハットの2件目として は、以前から対策等とられてきている品目ではありますが、アルマールとアマリール の類似名称について間違ったという件です。3件目・4件目については、先ほどのイ ンスリンの対応と同様です。5件目は、ステロイド剤のサクシゾンとサクシンという筋 弛緩剤を間違えたという事例です。こちらは参考資料の2番目として付けさせていた だいております注意文書を、以前、両メーカーが共同で注意喚起を行っていただきま したが、今回も同様にもう一度リバイスしていただき、注意喚起を行うことといたしま した。6番目のアミノフリードの未開通防止の件も、製販メーカーにアミノフリーのオー プンチェッカー等を付けていただいて、未開通防止を図るような対策をとられている 品目です。  別添3は、検討の中で、こちらがヒューマンエラーに起因するのではないかと考えら れた事例で分けさせていただいております。  別添4については、公表されている情報が、それだけの情報では製販業者等によ る対策が困難と考えられた事例で、別添4の1番目は、報告者が報告されている薬 自体が、実はこういう薬がないということでした。2番目については、どういう理由でこ のように10倍量にセットしてしまったのか、そのような状況がちょっと分からないとい うものです。3番目も同様に、どのようにしてアラームの解除後に薬剤が空になって いたのか、その原因が不明であるということで、これだけの情報で製販業者等にどの ような対策がとれるかというのは、難しいのではないかと考えております。  続いて、ヒヤリ・ハットのほうで情報不足のために製販業者等に対策が難しいと考 えられた事例です。1番目は、報告者はタキソールを使うときにはPVCフリーのルー トを使わなければいけないということを書かれておりますが、調査の結果、DEHPフリ ーのものを使ってはいけないと勘違いされているものについては、実際はそういうこと はないと。また、それが使えない理由としては、エアーが発生するからではなくて結晶 ができてしまうためということなので、報告の内容は正確ではないということでした。 次の事例はペプシドの点滴ですが、こちらも非吸着ルートで行わなければならないと いう報告ではありますが、実際はそういう必要はないということでした。3番目は、報 告されているリン酸水素二ナトリウムという薬剤はなく、これを仮にリン酸二カリウム として考えれば、現在はミネラリンとリン酸塩製剤での混合は、添付文書の使用上の 注意の項で混合しないようにという記載がされております。4番目は検温時の緩下剤 が降圧剤に似ているというご指摘ですが、その降圧剤がどのようなものなのかの記 載がないために、何に似ているのかというのが評価することが難しいということで、製 販業者等による対策が困難と考えた事例というように分けております。  続きまして、資料2をご覧下さい。本日ご検討いただきたい抗リウマチ薬メトトレキ サートについてです。こちらの薬は本剤1カプセル2mgを初日から2日目にかけて12 時間間隔で3回経口投与し、残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返 すという服用方法の薬です。今回の第10回の報告書以前も、事例1、事例2、事例 3、事例4とありますように、第3回、第7回、第9回等の報告書でも同様に続けて 飲んでしまうということが報告されております。  また、右下の通し番号11頁は、2007年1月に日本医療機能評価機構が抗リウマ チ剤過剰投与に伴う骨髄抑制というアラートを出しているという状況があります。これ 以降もそういう状況がありますので、今回、ものに対する対策として何かとれないか ということで、検討をいただいております。  通し番号3頁に戻って、調査の結果、過剰投与の要因になっているとして、以下の 7項目が考えられております。まず、報告された事例のほとんどが、他の疾患により 入院された際に、持参薬として患者が持ち込んだ薬を病院管理に変更したことによ るということです。それから、PTPの包装シートに設けられた服薬日時等の記載欄が 利用されていないということです。  前後して申し訳ありませんが、通し番号7頁に実物の写真を付けております。現在、 メトトレキサートの製剤は7社から出ておりますが、この写真にあるとおり、包装シー トから取り出して使用されることが可能な製剤や、またそこに投与される日時を記載 するような包装になっているものです。実際はこのようなものがあまり利用されていな いではないかということもあります。  通し番号3頁の調査結果の3番目に戻って、PTPが容易に分離できてしまう、簡 単に取れてしまって中身の薬だけが独り歩きしているのではないかということ。調査 結果の4番目として、包装シートを利用しないで、PTPを切って使用してしまっている という実態なのではないかということ。5番目として、前項と関連しますが、いろいろな 包装形態、これは1シートあたり2錠、3錠、4錠、12錠の製剤があって、そのすべて の包装形態が病院において採用されていないために、それぞれ切ってしまうのでは ないかということ。6番目として、持参薬に関して、薬剤師が関与していないのではな いかという点。7番目として、当該薬剤に係る処方せんや紹介状の記載要綱が不明 確ではないかということでした。  通し番号4頁です。医療機関に関しては、それぞれどのような対策が必要かという ことを検討しておりますが、今回は特に製販業者の関係企業に対して、ものの改善 としてどのようなことができるかということで2)です。(1)として、包装シートとPTPシー トが離れてしまう製剤というのはいかがなものか。やはり説明書きがきちんとくっつい ている必要があるのではないかということ。(2)として、包装シートに書かれている注意 書きですが、1週間のうち決められた日のみ服用すべきということと、1週間のうち休 薬を必要とする日がある薬剤である、この2つのことをきちんと書いていただく必要が あるのではないかということ。(3)として、実際切られて使われている実態もありますの で、なるべく包装シートを切れないような構造にしてはどうかということ。(4)として、もし 切り離すとしたら、切り離される場所の線のデザインや抜き文字などの分かりやすい 表示をするということ。(5)として、必要なケア表示やプラ表示というものはきちんと付 けるということです。  通し番号6頁が現在発売されている7社の製剤の販売名です。実際の具体的な 変更案としては、通し番号13頁です。こちらが、今度変更するためのPTPの包装シ ートのデザイン案です。通し番号14頁が今回のデザインのイメージ案です。14頁に 載せているのは2錠のシートデザインです。ご覧いただいたとおり、真ん中の部分で 切り離すと、それぞれ1錠ごとに説明が書いてあります。必須注意表示として、注意 表示は赤文字とすること。字のポイントの指定は特にいたしませんが、患者への視 認性についてメーカーごとに十分配慮いただきたいこと。同様に、下の注意事項も赤 字とすること。これは決められた日だけ服用するということと、必ず休薬期間が必要 だということを、2つ書いていただくということです。この場合は2錠用のシートデザイ ンですが、1錠ごとに半分に切ったときに、変なところで切られないように、きちんと1 錠シートで切れるようにすること。間違ってヒートシートごとに飲んでしまうことがない ように、現在、通常のPTPは2錠で切れるようになっておりますので、それぐらいのサ イズとしていただきたいということです。  通し番号15頁は、裏面の表示のイメージ案です。リサイクル等ができるプラとか紙 などという表示のものと、これは「おしだす」と書いてありますが、ヒートごと飲まないよ うに、必ず取り出して飲んでくださいという表示を付けていただいております。これが2 錠ヒートのデザイン案です。  通し番号16頁には、3錠シート用のデザイン、4錠シート用のデザイン等を考えて おります。これらについて、先生の皆様方のご意見なりご検討をいただければと思い ます。説明は以上です。 ○ 桜井部会長  ただいまのご説明に関して何かご発言はありますか。   ○ 土屋委員  メトトレキサートについては、実際、持参薬で重大事故が起きたということで、当時 から持参薬の問題と、カプセルが普通のPTPではなく、特別のシートになっているの に、これがどうして破られることになったのか、不思議だったのです。あとから聞いて みると、取り外せるようになっていたというのは分かったのですが、今回、注意という ことでいちばん必要な決められた日に飲むのだという話で、休薬期間があることを設 定するという意味で、今回の表示が1個、1個に、情報の単位として書くことが大事だ ろうと思います。ですから、たとえ飲み方などで間違った指示がきても、物で気が付く ようにするという意味での対策としては、非常に重要だと思います。  ただ、4頁で「医療機関等に対して」というのが(1)から(4)まで書かれているようです が、このことは医療機関、あるいは薬局に対して徹底していく必要があるだろうという 気がします。この(4)の所で、先ほど調査でも処方せんの書き方があったのですが、私 どもは、今、処方せんの記載方法を医療安全上どうしたらいいかという厚生科学研 究をやっております。一昨年度のところでこのメトトレキサートについての書き方をア ンケート調査したところ、回答数の種類だけ書き方があって、まさにこのことはさまざ まな書き方がされているために、受け取る側もなかなか難しい。事故そのものが起き たときは、リウマチ科の先生が出された同じ病院で、そのカルテを見た他科の先生が 4日間と書いてあった。4日連続投与してしまったという事例ですので、この書き方に ついてもルールを決めなければいけないのか、というのがあります。今年もその検討 班が続いており、検討班のほうでもともと標準案を出しておりますので、この薬につい ては早急に検討を行って、書き方のルールもきちんと決めることがいいかなと。「医 療機関等に対して」の(4)については、検討班で提言するのもいいのではないかという ことを、いま考えております。 ○ 石川委員  土屋先生のいまの所なのですが、逆に上の(2)、(3)の所は「可能な限り」と書いてあ るのですが、ここは「マスト」とか厳しくしない理由は何か、やはり現場ではどうしても、 そうでは無いことも起きる、ということなのでしょうか?   ○ 土屋委員  おそらく今回のような包装になれば、(3)のことは、たとえ3シートがあっても、切って も大丈夫ということで、(3)は防げると思うのです。(2)の「服薬日時記入欄」というのは、 書くことにすることを医療機関、あるいは薬局のほうで徹底していく必要があると思い ます。ここについては、結局、今度は書くと、それでない物を、例えば今日の朝と夕と 明日の朝というときに、書いていないのを明日の物を今日飲んだからといって、間違 いではないので、書くことのメリット・デメリットもあるのですが、少なくともそこのところ をきちんと説明しながら出していくことが必要かなという気がします。   ○ 木村委員  14頁のシートのイメージでいったときに、先ほど説明があった4頁の包装シートが 切られて使用しているという実態でいくと、例えばこのモデル案でいったときに、左側 にカプセルがあって、きちんと何月何日の何曜日の朝・夕飲むという形になりますが、 縦に切ってしまう可能性があるやもしれないのです。ですから、今回入れようとする 「この薬は、1週間のうち決められた日だけ服用してください」というのを、切ったとし てもカプセル側に残るような表示にしていただきたい。最近、服薬支援をしていくとき に、薬局での薬剤師の調剤だけではなくて、ヘルパーなどいろいろな人たちが手を加 えていくこと等があるのです。そのときに、薬が単独になってしまうというか、薬の部 分だけを残して切って服薬支援をやっていく可能性もあるものですから、もうひと工 夫必要と考えます。このモデル案の状態で患者に渡して一つひとつ飲みなさいという のがベストですが、薬剤師以外の別な人たちが関与してきたときにまた事故が起こら ないように、そういう包装の作り方も検討していただければと思います。   ○ 桜井部会長  そういう方法は可能ですか。   ○ 事務局  いま先生が言われているのは、資料2の14頁なり裏面の15頁の話だと思います。 ご指摘のとおり、この薬は1週間のうち決められた日だけ服用してくださいという部分 を、例えば真ん中の辺りでバッと切ってしまうということですよね。そういうことが起こ ったときに。   ○ 木村委員  赤字の所が、カプセルのある所に残るようにしてもらったほうがいいかなということ です。   ○ 事務局  先生がご指摘のとおりだと思います。できれば、これはこのまま患者に渡されて使 われるのがいちばんいいのだと思いますが、いま先生からありましたようなご意見も 踏まえたような形で、メーカーのほうともどのような形がいいのか協議して、適正な表 示になるように考えていきたいと思っています。   ○ 望月委員  教えていただきたいのですが、メトトレキサートの投与量は、1日8mgまでとなって おりますよね。上限8mgまでですかね。実際にもし8mgを出す場合には、どういう形で 服用するようになるのでしょうか。   ○ 事務局  例えば資料2の8頁ですが、リウマトレックスなどについては、先ほど先生から言 われた8mgまで服用できるような形で4錠ヒートのものがあったり、3錠になっている ものなど、そのような形で、いま現行2錠入りの物から4錠入りの物、ほかのメーカー のものだともっと多いヒートシールになっていたりしています。現行こういう2錠、3錠、 4錠みたいな形でやっております。2錠なり4錠というものをイメージとしてお出しする と、このペーパーの16頁ですが、例えば3錠のものであれば、このような形で出させ ていただくと。4錠のものであれば、16頁の右側の所のような形でご交付いただける ような形でやるのがいいのかなということで、一応考えております。   ○ 望月委員  そうすると、1回2mgを、6mgの場合は12時間間隔で3回ですが、8mgの場合は 12時間間隔で4回などという、そこを確認したかったのです。常に1回2mgなのです か、というのを確認したかったのです。実際には、いま8mg上限でも、メトトレキサート は個体差がすごくある薬なので、実態としてはすごい幅で使われていると思うのです ね。ケースによっては、10mgまで使われているケースも日本でもないわけではない可 能性もあると思うのです。そのときに、これはカプセルと錠剤と出してらっしゃるメーカ ーがあって、たしか1mgにできたのもあったような気もしたり、いま記憶を辿っていると ころなのですが、いろいろなタイプがあったような気がするのです。必ず2mgでない形 で使われるケースもあって、半錠にできたのもあったり、いろいろしたような気がする。 その辺りはどうだったでしょうか。記憶なので不確かかもしれません。   ○ 事務局  事務局からお答えいたします。まず、1週間当たり最大8mgの飲み方ですが、8mg を投与する場合は最初に4mg、それから12時間おきに2mg、2mgと飲んで、8mgとい う飲み方です。  通し番号6頁が現行出ているメトトレキサート製剤で、委員の言われるように剤型と してはカプセルと錠剤があります。いずれもリウマチの適用が通っているものは2mg の容量です。これ以外の製剤では、ご存じのように抗がん剤として使われている2.5 mgのメトトレキサートがあります。例えば2mgの錠剤ですと、割ることが可能と思いま す。 ○ 望月委員  その辺りのことも考慮した包装になっているのでしょうか。今回2mgできれいに飲み 分けられる場合は、これはとても良い包装だと思うのですが、いまのようなフレキシブ ルにしなければならないケースも、特にこういう用量調節がとても重要な薬なので、あ り得ると思うのです。それといまおっしゃっていた、実際にはリウマチの適応は取って いないのですが、2.5mgのメトトレキサートの錠剤はとても値段が安いので、そういっ たところに配慮するドクターが、それを処方されると。特にリウマチの患者はこのごろ バイオロジクスも含めて、とても高額医療になってきているので、そういうケースもあ るということも少しご配慮いただく必要があると思います。つまり、常に今回提案され た包装で対応できるとは限らないということです。  それと一見すごくプリミティブな話なのですが、私は最近言葉遣いにちょっと敏感に なっておりまして、14頁のカプセルのデザインの包装のデザインの所で、「休薬期間」 という言葉を使っていただいているのですが、これが患者に分かりやすい言葉かどう かを含めて、少し一般の方のわかりやすい言葉を何か考えてもらったほうがいいと思 います。私たち医療関係者は休薬期間という言葉で通じるのですが、折角ここに表 示されるのだったら、一般の方のご意見を聞いてもらったらいいかなと思います。 ○ 事務局  貴重なご意見をありがとうございました。現行のメトトレキサート製剤に書かれてい る文言については、現在は「この薬は1週間のうち、決められた日だけ服用してくださ い」と書かれています。今回あえてもう1つ、休薬期間を必要とすることを入れたのは、 決められた日だけということの注意と、必ず休むのだということが必要だということで、 「休薬期間」という言葉を入れさせていただきました。ただ、ご指摘のとおり、これが一 般の服用される方によく分かる言葉なのかどうなのかということが1つと、このヒヤリ・ ハット事例で主に問題になっているのは、持参薬を患者が持っていった医療機関の ほう、入院された医療機関のほうで、これを毎日飲んでしまうということですので、持 参薬を持ち込んだ先の医療機関のほうが分かる言葉であることも必要ではないかと いうことです。一般の患者がわかる言葉ももちろんですが、まずは医療関係者の方 がよくわかる言葉も必要なのではないかということで、こういう言葉とさせていただい ております。   ○ 土屋委員  まさにいま説明がありましたが、患者が飲む日は、そこの朝・夕の所の何月何日と いうことを、医療機関あるいは薬局がきちんと書くことによって、そのエラーの防止を 図るということ。いままで起きている事故は、みんな医療機関側が分からなくて、普通 の薬のごとく出してしまったと。要するに、こういう防止策を考えるときは、誰のどのエ ラーを防止するための方策かということを分けないと、両方ともやると冗長になってし まうので、今回のこの赤い字の所は、むしろどちらかというと、医療関係者が持参薬 として持ち込んだときに、勝手にエラーを起こさないように。そして、患者は実はその 事故事例のときも、日曜日に飲むのだとご存じだったのです。ところが、入院したので、 飲み方が変わったと患者が思われたところに、事故の原因があったものですから、そ こは何月何日ということを、医療機関あるいは薬局が徹底して書いていくということで 防止できることにしておかないと、おそらく両方をすべて両立させる話は難しいです。 やはり目的を明確にして、まずそういう薬があるぞ、この薬はそれに当たっているぞと いうことを、医療関係者が間違えないようにすることも重要ではないかと思います。   ○ 望月委員  おっしゃることは、とてもよく分かりました。ただ、例えば「飲まない期間がある」とい うのを括弧付きで入れるぐらいはできるかもしれないかなと思います。   ○ 事務局  先生、ありがとうございました。その辺はどういう書き方をするかというものについ て、また検討して、メーカーのほうとも話をして、どういう表示がいいのか考えて、先生 方にご報告させていただきたいと思っています。   ○ 永池委員  いまの記載の方法のところですが、表と裏というのは、患者はすぐ見たら分かりや すいのでしょうか。もし裏を先に見たことを考えると、裏面には「裏」などということを書 いて、言葉の所に「表の飲み方の記載を参考に、1週間のうち決められた日に」とか、 少し文言も表と裏を変えるといった配慮はいかがでしょうか。そこまでは不要でしょう か。   ○ 事務局  いまのご指摘の点ですが、表にも裏にも、やはりこの薬が1週間のうちに決められ た日にだけに服用するものなのだということと、休薬期間が必要なのだということをき ちんと書く必要があるということから、このような記載を統一して書かせていただいた という次第です。   ○ 永池委員  私の提案は、2つ書いたらどうでしょうか。表の記載の「1週間のうち決められた日 に」という所と、両方文言を入れたらどうでしょうか。そうすると、分かりにくくなってし まいますか。   ○事務局  ご指摘は分かりました。どういうやり方ができるのか、また検討させていただきたい と思っております。   ○ 桜井部会長  こういう事例は、ほかにもいっぱいありますか。あまりないですか。   ○ 土屋委員  おそらく、やはり重篤な結果を出すという意味で、この薬が特色的なところがありま すので、実際守っていないというか、間違った事例というのはあると思いますが、この 場合は薬効的に見て、これがもともと抗がん剤として使われていたものが、リウマチ のほうで使われたということで、むしろ同じ成分でありながら、名前を変えている製品 でもありますので、そういったことがあるのかなという気がいたします。  それから、先ほどの話は、私は前から言っているのですが、本当は「おしだす」とい うのを押し出されるほうに書くのはいかがなものかというのがあって、普通押し出すと きは、押し出すほうに「おしだす」というマークを付けるのですが、業界のほうでこれは 裏に付けるというルールになっているらしいので、変わった業界だなと思っております。 一応それは何か業界標準らしいので、その辺は少し考えられたらいかがかなという のは、ついでにこの際、ちょっと申し上げておきたいと思います。 ○ 大澤委員  これは実は平成12年に医療事故防止対策として出された935通知の中に記載 方法を謳ってありまして、特に錠剤やカプセル剤の入ったPTPシートの場合は、錠剤 等が見えます表側の表示面積が非常にありませんので、やはり裏に書くしかないだ ろうということで、いま裏に書かせていただいております。   ○ 桜井部会長  ほかになければ、2番目の医療機器に関するヒヤリ・ハットをお願いいたします。   ○ 事務局  次の資料にいく前に、いま先生方からいただいたご意見を事務局のほうでも整理 して、対応を検討していきたいと考えております。ご意見ありがとうございました。   ○ 事務局  資料No.3は、第21・22・23回のヒヤリ・ハット事例等収集結果の医療機器のほうで す。「検討対象の範囲」としては、第9回・第10回の報告書を合わせて、医療事故に 関しては平成19年1月1日から6月30日まで、ヒヤリ・ハットについては平成18 年8月15日から平成19年5月21日までです。こちらも医薬品と同様に、検討結果 の3番目です。今回対象となった医療機器関連の事例は、186件の事例がありまし た。その中で、医療機器の安全使用に関して、製販業者等による対策が必要、また は可能と考えられた事例は、第10回の報告書で報告されている1件でした。製販業 者等により既に対策がとられているもの、もしくは対策を既に検討中の事例としては、 合わせて4件でした。ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられ た事例が全部で170件でした。また、情報不足のため、製販業者等による対策が困 難と考えられた事例が合わせて11件でした。  次頁の調査結果の内訳です。こちらは、対策が必要と考えられた事例については 資料No.4で説明いたします。製販業者等により既に対策がとられている、もしくは対 策が既に検討中の事例としては、医療事故関係としては低圧持続吸引時におけるド レナージチューブ接続外れの事例が1件。ヒヤリ・ハット事例の関係では、シリンジポ ンプからのシリンジ外れの事例が2件、金属部分を含むドレーンバックのMRI施行時 の磁場による接続外れの事例が1件です。  詳細は別添の資料2です。 ○ 事務局  別添2は、第9回の事故情報で報告された内容です。具体的な内容としては、ト ロッカーアスピレーションキットを8Frで挿入して持続の低圧吸引を行っていたところ、 体位変換したときに延長チューブと逆流防止用のアスピレーションバルブの接続が 外れていたということでした。調査の結果、これが外れた原因は不明ですが、参考資 料1、トロッカーアスピレーションキットの添付文書の禁忌・禁止欄に、低圧持続吸引 あるいは自然排液移行時には、アスピレーションバルブを使用しないこと、という注 意を記載しております。  別添2の通し番号6はヒヤリ・ハットで報告された内容です。第10回のヒヤリ・ハッ ト報告の中で、シリンジポンプからのシリンジ外れの事例について2件の報告があり ました。平成15年の医薬食品局通知において、シリンジポンプには押し子外れ警報 を装備することとしておりますので、当該機器はその対象前に製造された機械ではな いかと考えられます。  3番目は第10回のヒヤリ・ハット事例で報告されたものです。これはJ-VACにてド レナージをしていた患者が、急遽MRI施行となり、輸液ポンプ類などは延長し、金属 類を全て取り外して検査室へ向かった。ただ、MRIの機械の中に患者が入ったところ、 J-VAC内に金具があったため引っ張られた状態となり、手でつかんだものの接続が 外れてしまったという事例です。参考資料3、J-VACドレナージシステムの禁忌・禁 止項の併用禁忌欄に、J-VACドレナージシステムのリザーバーに使用されているス プリングが磁性体であるため、MRI検査機器等の使用時にはこれを使用しないこと、 とされております。報告をされた方は、金属類はすべて外したと思われていたのです が、実際はそれ以外にもまだ金属類があったという事例です。  別添3は、ヒューマンエラー、もしくはヒューマンファクターに起因されたと考えられる 事例です。  別添4は、情報不足のため製販者等による対策が困難と考えられた事例です。事 故事例といたしましては第10回の1番目の事例です。これは気管カニューレの先端 を気管内に残したまま浮き上がっていたもので、人工呼吸器の機種名はわかってお りますが、どのような原因で浮き上がったかについては、情報が足りなくて検討でき ないということでした。  第10回の2番目の事故事例といたしましては、アラームが鳴って「HW FAULT」と 表示がされているというものでした。この表示自体、通常は報告の中で言われている ことではなくて、人工呼吸器本体の内部温度が上昇した場合に出る表示・警告です ので、この表示だけで、どのような対策が必要なのかということの細かい情報が不足 のため検討が難しいとされた事例です。3番目の事例も、事例概要だけでは十分な 対策が難しいというものです。4番目、5番目、6番目につきましても同様です。  通し番号61番は、ヒアリ・ハットの事例から収集されたものです。これは第10回の 1番目の報告で出されているものですが、これにつきましてはメーカー名が不明なた め、どの機種なのかということが特定できず対応が難しいというものです。  2番目については、人工呼吸器名は分かっており、それがいつの間にか動いてしま っているということですが、当該機器のダイヤルのつまみにはISO規格に準拠し、誤 操作に対する保護としてダイヤルに摩擦抵抗負荷が加えられておりますので、すぐ にガラガラ回ってしまうというものではないという状況です。動いた原因は不明であり、 この情報だけで対策をとるのは非常に難しいと考えております。3番目についても同 様に、詳細が不明です。4番目につきましては、どこのシリンジポンプなのかが分から ないので検討は難しいというもの。5番目は、血漿分画製剤を使う輸液ポンプで、そ の添付文書に、輸血に使用しないことと書かれておりますが、流量の異常警報の原 因がどういうものであったのかが分からないので検討が難しいということでした。医療 機器については、製品名、型番、それから購入年月日等の情報が非常に重要です ので、報告を公表している日本医療機能評価機構に、そういう情報を入れていただく ようにお願いしている状況です。  資料4は、今回対策が必要ではないかと考えられた事例です。通し番号の2番目、 「人工呼吸器回路における人工鼻と加温加湿器の併用事例に係る添付文書の改 訂等について」です。まず具体的な事例を紹介するため、報告事例を「具体的内容」 に挙げております。長期間人工呼吸器を使用している患者で、排痰のため加温加湿 器を使用していた。夜間、呼気吸気ともに回路内に水滴が溜まるために頻回に排出 していたが、勤務者交替後、医師が回路に人工鼻が付いていることを発見したという ものです。人工鼻は人工気道とライン内で接続して患者の呼気の熱と水分を捕捉し、 これらを利用して吸気のガスを加温加湿する装置のことですが、加温加湿器から出 てくる湿気が人工鼻というフィルタに水滴となって詰まってしまって回路が低圧になる という事例が起こってしまうということです。  これについての調査結果として、一部の人工鼻及び加温加湿器の添付文書にお いて、お互いの製品を併用禁止とする記載等がないもの、または併用禁止との記載 があるが、併用することによる閉塞などのリスクなど併用禁止理由が明確に記載さ れていないものがあったという状況です。  次は通し番号3番、今後の安全対策措置案について。まず、当該機器を取り扱う 製販業者に対して、以下の通り添付文書の自主点検を行わせ、添付文書の改訂及 び医療機関への注意喚起を実施させることが必要と考えております。まず1.加温加 湿器、又は加温加湿器の加湿チャンバを一部構成品とする人工呼吸器や麻酔器等 を取り扱う製販業者は、当該医療機器の添付文書の併用禁止欄に、「人工鼻」が記 載され、且つその併用禁止の理由として[人工鼻のフィルタは、加温加湿器との併用 により閉塞し、換気が困難となるおそれがある。]旨、記載されていることを確認する こと。同様に2.人工鼻、又は人工鼻を一部構成品とする人工呼吸器や麻酔器等を 取り扱う製販業者は、当該医療機器の添付文書の併用禁止欄に、「加温加湿器」 が記載され、且つその併用禁止の理由として[加温加湿器を併用した場合に人工鼻 のフィルタが閉塞し、換気が困難となるおそれがある。]旨、記載されていることを確 認することとしております。また1.及び2.による確認の結果その記載がない場合には、 速やかに添付文書の改訂を行うと共に、医療機関に対して、適切にその改訂内容 について文書により注意喚起を行うとしております。当該対象となる医療機器と医療 機器メーカーは4頁に記載されているとおりです。資料4についての説明は以上で す。 ○ 桜井部会長  医療機器の問題ですが、いかがでしょうか。   ○ 目黒委員  私は臨床工学で医療機器を多く扱うものですからコメントをしたいのですが。我々 臨床工学が取り扱う部分で、人工呼吸器のように、目の前にある機械については非 常にコメントしやすいのですが、今回のように、ドレーンその他については、情報収集 して、その製品の材質その物の構成部品やら何やらすべてを臨床工学が扱うことは、 幅が広すぎて、それに対してコメントできる立場ではないのです。最近医療法の改正 もありまして、「医療機器のすべて」という書き方で、医療機器安全管理責任者という 立場で臨床工学技士が安全管理を行えというような書き方があるのですが、医療機 器となればガーゼやピンセットから、構成される医療機器すべてということになります。 それらの機器を全部安全管理あるいは医療機器の情報について管理する体制はま だ出来ていない、体制確保はできないような状況だと思います。  今日のこの中にありますドレーン関係の部分について、我々も、その細かなところ まではすべからく分からない部分があります。今後はこういうところに対してコメントや 情報を収集して臨床の現場に提供する、あるいは臨床の現場から情報を収集する ような体制を確保しないと、きちんとしたコメントができないような状況でありますので、 そこら辺については今回、私のコメントはできないと思うのです。  今日気がついた点を述べさせていただきます。人工呼吸器の最後の人工鼻との関 係ですが、これは以前より起こり得る可能性があるということです。当施設において は、人工呼吸器が集中的に管理されないということもありまして、いま現在、使うこと をあまり推奨しておりません。人工鼻を使う場合には、周知徹底しないと、使う側の 看護師や先生たちを含めて、このように加湿によって人工鼻が詰まってしまうような 状況があるということを院内の全員に周知徹底していただかないといけない。これを 安易に推し進めて使って事故が起こった場合には非常に困るということで、当センタ ーではICUでは使うことができるようにしてあるのですが、いまのところ、あまり使わ れていないのが現状です。ただし、最近臨床工学関係の学会等で、スタッフが多い 所では、各病棟の周知徹底をするために勉強会を開いて、どういう条件で問題が起 こるかということを皆さんに周知徹底して、それで使うという方策をとっている所は 段々増えてきております。当然水だけではなくて、適用もいろいろあります。フィルタ があるわけですから、痰が詰まってしまうと呼吸もできない。そういうことで、使い分け についてきちんと周知徹底できない所でいろいろ問題が起こっているのではないかと 思います。ですので、その対策として、回路関係のメーカーを含めて、全部のメーカ ーに今一度このように周知徹底するのは非常にいいことではないかと思います。  人工呼吸器関連のトラブルが多いのですが、私が非常に興味があったのは、「ヒュ ーマンエラー」に合わせて出てくるのが人工呼吸器が多いことです。「換気量が変わ る」というところでニューポートというメーカーの機械が多く、それは何か機械に特有な 原因があるのかどうかというのが気になっています。 ○ 寺井委員  私も目黒委員と同じように、現場への周知徹底は非常に大切だと思うので、メーカ ーからの情報も十分いただきたいと思いました。  ちょっと別の意見を申し上げます。別添3に、ヒューマンエラーやヒューマンファクタ ーに起因すると考えられた事例がまとめられておりますが、今回4つに分類したうち、 ヒューマンエラーやヒューマンファクターに起因すると考えられた事例がかなりたくさ んあります。別添3の1ページ目は人工呼吸器の事故に関連した事例です。例えば 2番ですと、ウォータートラップの水を捨てて、カップ取付後に換気量が減って患者さ んが顔面蒼白になったという事例です。3番目は「エビタ(EVITA)」という人工呼吸器 で、8分間スタンバイモードにあって換気がなされなかったという事例です。私がいち ばん申し上げたかったことは、事故という大きな出来事の場合、どんな事故でも人・ 物・環境という要因があると思うのです。これを事務局ではヒューマンエラーとヒュー マンファクターに分類されておりますが、この中の「物」の要因を見て、少しでも「物」 の要因があるようであれば改善するということが重要ではないかということなのです。 例えばウォータートラップについて、今回事例はそんなにないのですが、過去もずっと 見ますと度々出てきております。そうした意味で、ウォータートラップという「物」には目 をつけて、改善が必要なのではないかと思います。  3番目の事例について、これは「エビタ(EVITA)」という人工呼吸器の特殊性かもし れませんが、ヒューマンファクターに起因すると分類したとしても、メーカーから使って いる医療機関への周知は重要なのではないかと思うのです。特にこの事故事例につ いて、物の要因が少しでも関わっている場合には「物」を中心に考えるのがこの部会 の使命ではないかと思うので、その点をもう一度ご検討をお願いしたいと思います。 私から見ると、ウォータートラップはどうしても「物」に見えます。もし、分類の指標など もありましたら教えていただきたいと思います。 ○ 事務局  委員の先生がご指摘のとおり、この中でどんな事例だったのかというのは、本日 詳細のものを持ってきておりません。当方といたしましては、まず全体の事例をまっさ らの形で見た上で、これは明らかに物が原因なのだろうというものを、先ほど説明い たしました資料3の分け方をします。もしかしたら、一義的にはヒューマンファクターと して考えられるようなものも、物を改善することによって事故が避けられるというような 分類に入れて対応をとっています。別添3の中に、これは物が原因なのだろうと考え られるものがあるのであれば、当方としてはこのもの部会できちんと議論していただ いて、検討をするというのが筋かと考えております。ちょっと回答になっておりません が、別添3の細かい事例のものを今回持ってきておりませんので、精査して、今後も 物に関係するというものについては、できる限りこの検討会にきちんと上げて、検討 していただくという方向でやっていきたいと考えております。   ○ 石川委員  寺井委員がおっしゃることはよく分かっているつもりです。実を言うと、業界のほう は、特に別添3の資料は「宝の山」で大事な所なのです。それで、そこを全然見てい ないわけではなくて、それぞれがここをちゃんと見るようにと、業界の中では指導をし ているつもりです。業者の方もおられるこのような部会ですので、明確にお話をしたほ うが良いと思いますが、それなりのクライテリアがあった上で、見ていますが、我々と してはこれが「宝の山」です。なにも物だけではなくて、使い方というのも物に起因して いるかもしれない。そのためには、ひょっとしたら情報が足りないかもしれないと、そう いう目で見ようとしておりますので、逆に、ここはどうだろうかというふうに、いろいろな ところでおっしゃっていただいたほうが助かると思います。  逆に言うと、これは90何パーセントは、どちらかというと「人」のほうの影響ではない かとなっていますが、いままで添付文書の改訂とか、安全情報を出すとか、若干の 改良をするとか、いろいろな手だてをとってはいるのですが、それでも同じことが起き ているということのほうがちょっと疑問で、それはどうしたらよいのでしょうか。例えば、 添付文書を改訂したことで、どれだけヒヤリ・ハットが減っているのかという検証法が、 実を言うと出来ていないので、どれだけ効果があったかというのを私も言えないので すが、この中から、例えば添付文書にも出ているけれども起きているとか、そういうも のも分析していただいた上で、さらに物のほうの改良をしたほうがいいのではないか というようなご意見をいただけるとありがたいと思います。 ○ 目黒委員  いま寺井委員からウォータートラップの件で出ましたが、当院でも接続不良あるい は、きちんと入っていない状況はよく見受けられます。このような接続が人工呼吸器 ではかなり頻度が高いので、人工呼吸器を扱う場合の接続に関しては、再度注意す るような標語なり注意喚起する文章を何か考えて、周知徹底するような対応を一回 とってもいいのではないかという気がします。  1つ付け加えますと、日本の場合には、一般病棟で、いろいろな所に、人工呼吸器 がばらばら置かれています。そして、各病棟の使い慣れない看護師さんたちが人工 呼吸器の前に立っているという現状はあまり良い状況ではないと私は思います。で すので、呼吸療法を専門にやる方々が院内にいて、それに対応するというシステム を作っていかなければいけないのではないかという気がします。臨床工学技士会を 含めて、呼吸療法関連学会から呼吸療法のための専門認定の方々が輩出されてい ます。でも、実際に目の前に立っておられるのは看護師さんなのです。そして、その 看護師さんたちも、ずっと長くいるわけではなくて、替わったり辞めたりということもあ ります。数が減っているようには思えないので、そういうことも念頭に置いて呼吸のこ とについては対策をとる。ここは物のところですが、物ではなくて、もう少しトータルに 人のことも考えながら対策をつくっていかなければいけないのではないかと思いま す。 ○ 桜井部会長  こういう事故が起こるのは、物と人と情報と環境と、いろいろミックスして起こるわ けです。だから、たぶんこれだけと、単発に原因があるというのは珍しい経緯かもしれ ないわけで、その辺の分析はしなければいけない。私が不思議に思ったのですが、 情報が足りないということです。足りないと、それでやめてしまうわけですか。   ○ 事務局  申し訳ございません。ちょっと言い訳のような言い方になりますが、先ほど石川委 員からございましたように、いろいろな事例の中から、物を改善することによって安全 管理につながるようなものを拾い出してきてご検討をいただくというのがこの会の趣 旨です。いま桜井座長からご指摘がありましたように、もう少しこういう情報があれば というようなジレンマが我々のほうにあるのも事実です。例えばご報告いただくときに、 今回の別添4の中には、どこのどんな製品なのかというのが分からなくて、それ以上 の情報がこちらのほうから積極的に取れなかったものがあります。少なくとも、どこの 何という製品だというのが分かれば、不具合報告で少しはフォローができると思って おります。そういう情報をもう少し、ご報告をいただける医療機関からもいただけると、 先ほど寺井委員が言われましたような、もしかしたらヒューマンエラーだったかもしれ ないようなものの中から、あるいは情報不足で対応がとれませんということになって いるものの中から、この部会でご検討いただけるようなものが出てくるのではないか と考えているところです。   ○ 寺井委員  私は医療機関で実際に事故事例やヒヤリ・ハット報告をする立場にもあるのです が、医療機能評価機構からはよく問合せが来ます。質問をいただいて、それを報告 するということになっているので、そのときに、物の場合にはそうしたことを聞き返すよ うにしていただけると大丈夫だと思います。必ず期限が付きまして、いついつまでに 返答するようにというような連絡を書面でもいただいております。  私は桜井部会長と同じように思っております。別添4の薬のところを見ますと、いち ばん上の紙の事例の3番目が死亡事例で、輸液ポンプを使用した事例なのです。死 亡事例を、情報不足ということでこのままにしていいものか、コメントしなくてはいけな いものかと迷ったわけですが、輸液ポンプは広く使われておりますし、こういうところ は情報収集をしていただいて、何らかの原因究明と周知徹底が必要かと思います。 ○ 石川委員  この元々のデータが評価機構の情報収集活動から出ているものなのでどういう場 面で使われたのか、その時使っていた方々がどうだったのか、それから、その時の機 械の状態がどうだったのか、それは今までどのように使われていたものなのか、そう いった環境がないと真の原因というものは分析できない、また断定できないというの が事実だと思うのです。  ただ、寺井委員がおっしゃるように死亡事例の場合、これはちゃんと見ないといけ ない事例なのです。死亡事例の報告は、細かいところで若干違います。本来はそれ だけではなくて、ヒヤリ・ハットも、それなりのデータがあると本当は分析しやすいので しょうが、そこに限度がある中でやっているという作業、限られてはいるが、今までこ こまでいろいろなことで対策をとったりしているということ、それはそれで評価すべきだ と私は思っています。いかんせん、レポートをされる方も時間があって細かく書くわけ にはいかないだろうと思いますので、レポートの仕方も少し考えないといけないのか なと思っています。何しろ、書く人は大変です。1日に何件もあるわけでしょうから、そ れを細かいところまで書くというのは確かに大変な作業だと思います。 ○ 土屋委員  これは薬も機器もそうなのですが、現在厚労省がやっているこの作業がそもそも 二次資料でやらざるを得ないような状況になっているわけです。昔PMDAで直接集 めていたときは、全件の生データが公開されたものですから、研究者もそういうデー タを別の面から解析するということができていたのですが、機能評価が収集団体にな って、それから生データが一切出なくなったのです。いつも機能評価で評価されたデ ータが出てきて、それを更にこういう所で評価する。つまり、そこで一回フィルタがか かってしまっていることが、先ほどのクライテリアが、どうのこうのという話でも問題に なってくるのではないかという気がするのです。それは公表できないとおっしゃってい るようですが、生データが折角そういう形で集まっているのにアクセスできないという のはどうなのか。そういうことを専門に分析している工学部の先生方も、10何回目ま では分析ができたのに、今は生データがない。評価されたデータしか出てこなくなって しまったので、それは問題だということを論文にもお書きになっているのです。むしろ、 厚労省でやっていたときには公開されていたものが、手を離れたら公開されなくなっ たというのは、1つ大きな問題であろうと思います。  それから、1回向こうでやったものがこちらに来るということで、そもそもタイムラグが あるのです。私が申し上げたいのは、大変だというのは分かりますけれども、新薬で ドラッグラグが問題になるのと同じように、こちらも9回目、10回目のものについて、 たしか6月に、もう13回目の報告が出ているのです。そうすると、折角物で対応をと ろうとするときに、いま9回、10回ということは、この間発表になった13回目のものが、 ここに出てくるのは一体いつになるのかなということがあるのです。安全対策課長は 審査管理課でドラッグラグのことで一生懸命フォローされたと思うのですが、こちらで も是非、このタイムラグというものを早く直せばエラーが防げる、これも重要なエラー 防止対策、安全対策なのです。それには人が必要だということは分かりますが、やは り、そこにも十分力を入れていただかないと、結局、現場で防げ得たのに知らなかっ たから、あるいは物が変わっていなかったから防げなかったというようなことが起きる わけです。時間差というのは両方にとって問題だと思いますので、是非そこのところ は。新薬のほうはいろいろ体制が出来たように聞いておりますが、こちらのほうはあ まり対策がとれていないのかなという気もすることから、そういうことについては十分 配慮をしていただく。例えばリウマトレックスも、もし物を変えることによって防げたら、 それはすごく大事なことなのです。その間余分な被害者を出さないということを考える ことは極めて重要だと思いますので、是非ご検討いただきたいと思います。 ○ 安全対策課長  非常に貴重なご指摘をいただいて、ありがとうございました。折角ご意見をいただ いて何も言わないというのも失礼だと思いますので申し上げます。  いま土屋委員や寺井委員からご指摘いただいた点は、私が若干この資料を事前 の検討で見ていたときに素朴に疑問に思った点と共通するところが確かにございま す。一方で、こういう膨大な資料をどういうシステムで処理をしていくのかということに ついて、時間と精度、あるいは内容の重大さを兼ね合わせて、現実に役に立つよう な形でうまく改良できないかということで、ご意見をしっかり受け止めて検討させてい ただきたいと思います。ただ、医療評価機構の直接の所管というところもまた役所的 にはありますので、こちらは関係するセクションとよく連絡をとって対応したいと思って おりますので、その点はご理解いただきたいと思います。 ○ 永池委員  いまの点で少しご発言をお願いしたいと思います。ここの会だけで何か問題を解 決する、あるいは新たな方向性を見出していくということには限界があるかと思いま す。例えば、いま診療行為の死因究明に関することで医療事故調査委員会(仮称) が動いていますし、そのときに発生した病院で原因を究明していくような委員会が開 設されようという案もいま動いているところです。そこで、ではここの会では死亡に関 してどういった扱いにするかというような、全体を見渡した上でのこの会のあり方とい うものもご検討いただければと思います。   ○ 桜井部会長  1つには、提言の評価というものがあまり我々に返ってこないのです。こういう発言 をいまなさったわけですが、これをこういうふうにしたというようなフィードバックが、今 までほとんどないのです、委員の先生も古いからご存じだろうと思いますが。それか ら、縦割でなくて非常に効果的に、安全ということに目を向けた対策を速やかにやる ということが大事だと思うので、今いろいろ批判を受けている厚労省がそれから脱皮 するという1つの試金石になるのではないかと思うわけです。私が言おうと思ったら 土屋委員が言ってくださったのですが、1年経ってようやく出てくるというのは、何か死 んだ両親の墓参りをしているような感じがするのですが、もう少し早くアップ・ツー・デ ートのデータが出てくればいいと思います。  もし、ほかにご発言がなければ、最後の「報告事項」をお願いします。 ○ 事務局  資料5を見ていただきながら、前回の部会からこれまでに、主に通知等で示された 内容について報告いたします。最初は、気管切開チューブに装着する器具に関する 取扱いについて。通し番号の3番目ですが、昨年の10月、11月に、気管切開チュー ブに装着するスピーチバルブ等の誤接続で死亡事例があり、早急に対策をとる必要 から通知等を出しております。昨年12月の暮れにメーカーに対して構造の改善を、1 月になりまして、医政局総務課と連名で、医療機関等に対して注意喚起の通知を出 しております。  4頁は、今年の3月25日に、医療用医薬品の類似名称の検索システムが出来て 公開いたしましたので、その内容を情報提供いたしました。これにより、医療機関に おいては無料で、既存の医薬品の販売名について類似性を検索することができるよ うになりました。本システムは、新たに院内で採用する薬を選択する際に、既採用薬 との名称類似性を指標の数値で調査することができる等の利用ができます。  通し番号5番目は、このもの部会の下に医薬品類似性WGがありますが、日本製 薬団体連合会と共同で、注射薬の容器への施用部位等の表示について検討してい ただいております。その内容は前回の部会で報告させていただきましたが、その内容 を通知いたしましたのでご紹介いたします。  具体的な内容は通し番号の8頁に記載されております。これまで施用部位を表示 することとなっていた注射容器への自主表示なのですが、施用部位だけではなく、点 滴等の行為、それから用法・用量等の文言も書かれるようになってきましたので、そ の辺を整理したという点です。  それから9頁の4番目。現行では禁止事項と施用できる部位が両方書かれている ような部分がありましたので、禁止部位があるものについては禁止部位だけを表示 することとしております。  続いて通し番号の10頁、資料番号5-4、インスリン製剤の販売名の取扱いについ てです。医薬品類似性WGで検討していただいた内容を前回の部会で報告いたしま したが、その内容をパブリックコメントにかけまして、実際にこのようにする内容を通 知したものです。実際の販売名でご覧いただきますと、資料1の別添2の後にある参 考1に、インスリンの販売名の変更について、変更を予定している案を載せておりま す。現在、インスリンの製販業者が揃って同じタイミングで切り替えていただくため、 医療事故防止のための販売名変更の代替新規申請を4月にしていただきました。9 月末以降に順次切り替わっていくようになると思います。報告事項は以上です。 ○ 桜井部会長  それぞれについて宛先が違うのですが、これは何か基準があるのですか。団体と か、「会長殿」とか、みんな違うのですが、どういう基準で宛先がバラバラになるの か。   ○ 事務局  例えば資料5-1の場合、医政局総務課との連名の課長通知の場合は大体、医政 局主管部局長宛という形で出しております。   ○ 桜井部会長  要するに、前例があるわけですか。素人にはなかなか分かりにくいのですが。全体 を通してご意見、ご質問がございますか。   ○ 土屋委員  ちょっと確認したいのです。先ほどの医療機器等のところも、添付文書には書いて あるけれども、現実としてなかなか守られていない。最近話題になったものでも、そう いうものがあるのですが、いま、医薬品すべてではないとは思いますが、かなりのも のが電子化ファイルとして一応は出てきている。それで、医療機器も早く100%にす べきである。医薬品もそうですが、あそこに載っていない製品がまだあるということは 一体どういうことなのかということは、きちんとしないといけないのかと。要は、PMDA のところに添付文書が載っていないものは、逆に言えば使うなと、そういう形でないと、 情報を入手しようにも入手しにくい。医薬品はまだ何とかなりますが、医療機器とな ると、添付文書があることも知らない人も中にはいる。そして医薬品のほうは、添付 文書に「添付文書を熟読すること」という警告が載っている薬まであるわけですが、 添付文書の中で警告をいくらしても、読んでいない人には何の警告にもならないと私 は思います。そういうことも含めて、添付文書というものは一体どういうものなのだと いうことについて、もう一回きちんとする。医療機器はこうで、医薬品はこうなっている ということについて厳しく言っていくことが必要なのではないか。裁判になれば、いつ も、添付文書を読んでいるか、読んでいないかという話になるのですが、そうではなく て、読むものなのだということをきちんと言っていかないといけないのではないか。そ して、それがどこでも見えるようにするためには電子化されて入手しやすくしておくと いう環境を早く作ることが必要なのではないかと思います。   ○ 事務局  いま土屋委員からご指摘のありました医療機器の添付文書の電子化の話ですが、 計らずも、医療機器の添付文書の電子化を進めてほしいと。これは医療機器のメー カーが医薬品機構のホームページに載せるような形になりますので、それに対するご 協力をお願いしたいという通知を本年3月に出させていただいた次第です。土屋委 員がご指摘のとおり、医薬品に比べて医療機器の添付文書が電子化されて機構の ホームページに載っている数がまだ少のうございますので、そこはメーカーにも、きち んとした形で載せていただきたいというお願いをしたところです。   ○ 望月委員  いま桜井委員から、いろいろな部局に対する宛先があってというお話がありました。 私はいつも、情報が行く先のことを申し上げるのですが、先般ここで確認したときに、 都道府県のこうした部局長宛のものというのは、各病院なりの施設の安全管理の責 任者にはその部局長から行く、という形がとられているのかどうかというのが1点で す。   ○ 事務局  そのように認識しております。   ○ 望月委員  医薬品の場合の添付文書のお話が出ましたが、医薬品の添付文書で、いわゆる 使用上の注意が改訂になりますと、リーフレットのようなものを各社が医療機関に直 接、大体医薬品情報室などがありまして持っていかれるのです。医療機器の場合は、 ある程度のレベルの機器になりますと、臨床工学士の方が責任者になっていらっし ゃるところにそういう情報が企業から行くような形が今とられているのかどうか、よく分 からないのです。医薬品は、少なくとも薬事法77条の3でそのようになっていたので すが、医療機器もたぶん薬事法77条の3でなっているのではないかと思いますが、 そうしますと、添付文書の重要事項の変更について、こうした部局宛のものを通じて ではなくて、企業が医療機関に提供する仕組みが1つあってもいいのかなと思いま す。小さな部品の場合、1つの企業がそういうところまで全部いけないというのがある のかなと思います。医薬品の場合、使用上の注意をまとめて、Drug Safety Updateと いう形で解説文書を医療機関に流しているものもあるので、そうしたいろいろなツー ルを考えていくことは可能ではないかと思います。  今回、サクシゾンとサクシンのリーフレットがとても画期的だと思ったのは、別々のメ ーカーが一緒のリーフレットを作成し、配付をするという形をとっていますよね。です から、似たようなもので、1つでまとめて流せる場合に、企業間で連携をとって、そして リーフレットなりを作って流すということも可能な仕組みかなと思います。とにかく、部 局長みたいなところに行っていて下まで行かない。結局エンドユーザーまで行ってい ないというのがいちばん心配なのです。医薬品は必ずMRを通じてエンドユーザーま で行くような形がとれていますので、医療機器に関してもそういう仕組みがあってもい いのかなと思います。あるのだったら、すみません。 ○ 石川委員  仕組みがあるか無いかについては、あります。77条の3、そのとおりです。さらに医 療機器の場合は新しく出来た省令があって、我々はGVP省令と言っていますが、そ の中の第2章で医療機器の情報担当者というのが定義されておりまして、それが医 薬品のMRと同じ役目をするということになっておりますので、仕組みとして、各社に そういう担当がいるはずです。その方々が、添付文書の改訂があったり、回収等が あった場合、使用上の安全性を確保するため等の情報提供をするという役目を負っ ています。残念ながら、医薬品ほど制度が行き届いているかどうかは別にしても、各 会社でそういうものを置くようにということになっておりますので、皆さん方がどのよう に認識するかは別ですが、仕組み上いるということにはなっています。  添付文書が薬とちょっと違うのは、ご存じのように、医療機器の場合はどんどん改 訂されていく。今回もありましたが、古い機械であったために使用法が違っていたと いうのが、最近顕著になっています。それはなぜかというと、添付文書制度というの は買った時に付いているもので、買わなければ新しい情報は行かないというのが原 則になっているのです。しかし、それだと、こういう事故が起きるだろうということは分 かっているので、何とかしなければいけないということで総合機構といろいろ話をして、 いろいろな仕組みがあります。これは後で総合機構から説明していただいたほうがい いと思うのですが、分かりやすい形をとったほうがいいということで、例えばスピーチ バルブのことが前に出ましたが、どのメーカーの、こんな形のものがこうだというよう に、絵と物と会社の名前を付けた形でのアピールをしていただいていると思うのです。 受け取る側が誰かという問題が確かにあり得ますが、今回、医療法が改正になって いるので、医療機器安全管理責任者の方に、きちんと見ていただければいいと思う のです。業界側としてはそういう仕組みがあるということです。あとは私が言うより総 合機構から宣伝されたほうがいいと思うので、よろしくお願いします。 ○ (独)医薬品医療機器総合機構安全部長  いま石川委員からご紹介いただいたのはPMDAの医療安全情報で、厚生労働省 から出た安全対策の通知、あるいは一度安全対策を講じても繰り返し起きてしまうよ うなミスについて、添付文書ですと基本的に文字が主体ですが、イラストを多用しま して、目で見て分かるようにする。それも頁数をあまり増やさないようにして、見開き4 頁という形になっています。これは私どものホームページから、カラーのきれいな写真 としてダウンロードできるようになっております。伺いますと、これを薬剤部やナースス テーションや医局等に貼っていただいて注意喚起に利用していただいているというこ とです。現在までに5つ作成していますが、今回ございましたメトトレキサートについ てもいま作成中です。   ○ 望月委員  よろしくお願いします。   ○ 目黒委員  いまの関連で。医療機関側の末端まで行かない問題なのですが、ドレインやら細 かい医療機器がたくさんある。もともと材料と言われていたものもあります。結局、カ テーテルやら何やら全て含めて、医療機器というのが皆さんにきちんと理解されてい ないところがあるのです。そういう器械すべてを窓口で安全管理し、情報を収集する、 厚労省やメーカーから来たいろいろな情報がきちんと実際に使っている方々にまで 行くシステムはまだきちんと動いていない。医療安全管理責任者も、つい最近出来 たばかりなので、薬剤のように、まだきちんと機能しているとは言いがたいような状況 ではないかと思います。我々も、限られた人数の中でそれをやるということはとても大 変なので、すべからく全部できない、当施設の場合にはそういう状況になっていま す。  もう1点。各関連団体の活動としては、医科器械学会が、医薬品の場合のMRのよ うに、医療機器に関して情報提供できる人を認定する形を今後つくろうという動きが あります。ですので、今後メーカーからの情報が行き渡るような体制が少しずつ出来 てくるのではないかと思います。 ○ 桜井部会長  そのほかに何かございますか。事務局からはいかがでしょうか。   ○ 事務局  平成19年12月19日と平成20年3月19日に日本医療機能評価機構から、医 療事故情報等収集事業の第11回及び第12回の報告書が出まして、評価機構のホ ームページ上で公表されていることを、この場を借りて報告させていただきます。この 公表の際には、医政局総務課長と医薬食品局の安全対策課長の連名通知というこ とで、都道府県や関係団体に公表について連絡し、それとともに、同様の事例の再 発防止、また、発生の未然防止のために報告書の内容を確認し、共有すべき事故 情報等の内容に留意されるとともに、注意喚起を促すように周知を依頼しているとこ ろです。さらに、この11回と12回の報告書の中のヒヤリ・ハットの事例や事故事例に つきましては、この記述の情報の中から今回と同じような形で、物に起因する観点か ら専門的な評価、対策の検討を加えた報告書を次回のこの部会でご審議いただき たいと考えております。  なお、次回の部会の開催予定については、委員の先生方の日程を調整し、ご連絡 させていただきたいと思います。また、本日の議事録の案につきましては、後日委員 の皆様方に送付させていただきますので、内容をご確認のほど、よろしくお願いいた します。最終的には厚生労働省のホームページに掲載いたしますことを、よろしくお 願いいたします。 ○ 桜井部会長  長時間にわたり、ありがとうございました。本日の部会をこれで終わります。 照会先 医薬食品局安全対策課安全使用推進室 電話 03-5253-1111(内線2751)