08/07/14 第10回障害児支援の見直しに関する検討会議事録 第10回 障害児支援の見直しに関する検討会 日時 平成20年7月14日(月)15:00〜17:00 場所 厚生労働省9階省議室 ○柏女座長 定刻になりましたので、ただいまから第10回「障害児支援の見直しに関 する検討会」を開催いたします。各委員の皆様方におかれましては、ご多忙の中をお集 まりいただきまして本当にありがとうございます。まず、事務局から本日の進め方、資 料等の確認をお願いいたします。 ○障害福祉課長 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをご出席いただ きまして誠にありがとうございます。事務局からも重ねて御礼申し上げます。  7月11日付で厚生労働省の人事異動がありましたので、新メンバーを紹介させてい ただきます。障害保健福祉部長の木倉です。 ○障害保健福祉部長 木倉です。大変ご熱心な検討を続けていただいておりますことを 心より御礼申し上げます。 ○障害福祉課長 企画課長の蒲原です。 ○企画課長 蒲原です。引き続きよろしくお願いいたします。 ○障害福祉課長 障害保健福祉部企画官の鈴木です。 ○障害保健福祉部企画官 鈴木です。よろしくお願いいたします。 ○障害福祉課長 雇用均等・児童家庭局保育課長の今里です。 ○保育課長 今里です。よろしくお願いいたします。 ○障害福祉課長 家庭福祉課長の藤原です。 ○家庭福祉課長 藤原です。よろしくお願いいたします。 ○障害福祉課長 私は、障害福祉課長の藤井です。どうぞよろしくお願いいたします。 以上新メンバーになりましたが、今後ともよろしくお願いいたします。本検討会も報告 書を取りまとめる段階に入っております。委員の皆様方におかれましては引き続きよろ しくお願いできれば幸甚に存じます。  本日は坂本正子委員、坂本( 之輔)委員、中島委員から欠席のご連絡をいただいて おります。  本日の進め方については議事次第をご覧ください。本日は、前々回と前回の論点整理 を踏まえて作成した、報告書の素案について議論をお願いいたします。取りまとめも大 詰めに向かっておりますので、今回の会議で余さず議論を出し尽くしていただきますよ うお願いいたします。時間配分ですが、冒頭事務局より20分程度説明をさせていただ きました後に、会の終了までの1時間半程度自由にご意見をいただくといった段取りで 考えております。  配付資料の確認をお願いいたします。議事次第のほかに、資料としては「報告書 (案)」を配付しております。委員の皆様方におきましては、次回の出欠確認票を配付 しております。 ○柏女座長 議事に入ります。障害福祉課長の話にもありましたように、できましたら 本日と次回で報告書の取りまとめを行いたいと思っております。本日は、皆様のご意見 をあらかたお出しいただき、それらを踏まえて次回には最終報告書の案についてご検討 いただくという流れで進めてまいりたいと思っております。是非ご協力をお願いいたし ます。「報告書(案)」について事務局から説明をお願いいたします。 ○障害福祉課長補佐 障害福祉課の矢田貝です。「資料」と書いてあるものが、座長と ご相談いたしまして、事務局のほうでこれまでの議論を踏まえて作成いたしました報告 書の素案です。資料につきましては、委員の方々から提出していただきました参考資料 1から参考資料3と、知的福祉協会から提出された、白表紙の実態報告が追加で配られ ております。  報告書(案)についてご説明いたします。1頁が「目次」で、2頁からが本文です。 I.として「見直しの背景」です。1つ目の○に、少子化が進行する中、社会全体で子 どもの育ちと子育てを支えることにより、子どもが健やかに育ち、安心して子育てがで きる環境づくりに取り組んでいくことが必要になっている。これは、障害のある子ども やその家族についても同様であり、障害のあることが大きな負担にならないよう必要な 配慮を行い、子どもの育ちと子育てを支えていくことが必要となっている。  2つ目の○として3行目にありますとおり、平成18年に障害者自立支援法が施行さ れている。その附則において見直しを行うこととされ、特に障害児支援は検討項目とし て明記されている。次の段落で、平成17年には発達障害者支援法が施行される。平成 19年には特別支援教育を推進するための改正学校教育法が施行されている。  3つ目の○で、このように障害児を取り巻く環境が変化している状況を踏まえ、本検 討会では、飛ばしまして、障害児支援全般についての見直しを行い、今後の障害児支援 のあるべき姿と具体的な方策について検討を行ったものである。こういうことを見直し の背景として記載しております。  II.として「見直しの基本的な視点」です。障害児は他の子どもと異なる特別な存在 ではない。他の子どもと同じ子どもであるという視点を欠いてはならない。子どもとし ての育ちを保障していくことに加えて、障害があることについて専門的な支援を図って いくべきものである。障害のある子もない子も様々な子どもが互いにふれあいながら育 っていくことは、すべての子どもにとって有益なことと考えられる。  2つ目の○で、こうした基本認識の上に立った上で、次の4つの基本的な視点をもと に検討を行ったということで、3頁に4つの視点が出ています。1点目は、子どもの将 来の自立に向けた発達支援ということで、3行目からですが、特に障害のある子どもは、 子どもの時期から適切な支援を行うことが将来の自立と自己実現につながっていくこと を踏まえ、子どもの将来の自立に向けて発達を支援していくという視点が重要である。  2点目は、子どものライフステージに応じた一貫した支援です。2行目からですが、 支援を必要としている障害児については、入学や進学、卒業などによって支援を中心的 に行う者が変わるため、支援の一貫性が途切れてしまうことがある。子どものライフス テージに応じて一貫して支援を行っていくという視点が重要であるとしております。  3点目は、家族を含めたトータルな支援です。3行目からですが、最も身近な存在で ある保護者が子育てに大きな不安感や負担感を抱き、悩み苦しんでいるとしたら、子ど もの育ちに何らかの影響を及ぼすおそれもある。子どもの育ちの基礎となるのは家族で あり、家族を含めてトータルな支援を行うという視点が重要である。  4点目は、できるだけ子ども・家族にとって身近な地域における支援です。3行目か らですが、子どもの頃からできるだけ共に学び、遊び、育てていくことが大人になって からも共に暮らし、共に働く共生社会の実現につながっていく。○で、また支援を受け る場合にも何時間もかけて通うということではなく、できるだけ生活の場から近い所で 支援を受けられるということが望ましく、できるだけ子ども・家族にとって身近な地域 で支援を行う。この4つを基本的な視点と整理しております。  4頁でIII.「今後の障害支援の在り方」から各論ですが、これはこれまで9回にわた ってご議論いただきましたところのもの、特に前回、前々回の整理を踏まえて作成した ものです。大きな柱の1.「障害の早期発見・早期対応策」です。(1)その取組の強化 として、1つ目の○で、障害については出産前後、乳幼児期に分かる場合。2つ目とし て、1歳半健診、3歳健診などで分かる場合。3つ目として、保育所等での「気付き」 で分かる場合がある。  2つ目の○で、それぞれ発見から診断まで、もしくはそこから親の受入れ、サービス に至るまでの過程は異なると考えられるが、いずれの場合にも関係機関の連携により、 なるべく早く親子をサポートしていくという体制を目指していく必要がある。  以下具体的に3つのパターンに応じて、まず出産前後、乳幼児期に分かる場合は診断 は早い場合が多いと思いますが、親の心理的ケアを含めて、医療機関、母子保健、福祉 の関係者が確実に連携していく。  2つ目の○の、健診においても母子保健と福祉が連携していく。特に確実にフォロー を行い、必要に応じて福祉につないでいく体制を作っていくことが必要であり、このた め障害児の専門施設が、保健センター等を巡回して支援していくという連携策が考えら れる。また、健診を受けていない子どもについても、市町村によって個別の確認を促し ていく必要があるとしております。  3つ目の○は、発達障害などの場合については、保育所等での気付きによって発見さ れることが少なくない。それをそのままにしておくことなく、適切な支援につなげてい くために、例えば健診の実施を促すなど、保育所などにおける取組に加えて、こちらも 障害児の専門機関が保育所などにも出向いていって巡回支援していくことが考えられる。  5頁で、このように関係機関の連携を強化し、早期発見から早期取組につなげる体制 を作っていく必要がある。このため後ほども出てまいりますが、市町村の地域自立支援 協議会などで、関係機関の連携を強め、体制を整備していくことが考えられる。小さな 町村においてもそうした体制を作っていくことが求められるとしております。  (2)「気になる」子どもへの対応ということで1つ目の○で、なるべく早くから専 門的な支援を行うことが、子どもの発達支援の観点からも大切と考えられるが、明確な 障害があると判断できないケース、障害があるけれども親がそれを受け入れられていな いケースなどで、十分な支援につながっていない場合があり、このように気になるとい う段階から親子をサポートできるような仕組みが必要である。  そのためには、親にとって身近な敷居の低い場所で支援を受けられるようにしておく ことが必要である。例えば、障害児の専門機関を行きやすい場にしていく。又は障害児 の専門機関が、保健センターや親子の集う場所などに出向いていくということで、身近 で支援を受けられるようにしていくことが考えられる。  3つ目の○で、診断の確定前から支援を受けられるようにする。例えば親の心が揺れ ているような段階から、発達支援のサービスを体験利用できるようにすることも考えら れる。お試し利用という言葉がありましたが、ここでは体験利用という言葉にしていま す。このように、親の気付きを大切にして、親の気持に寄り添った支援を行っていき、 連続性をもって重層的に対応していくということが書いてあります。  5頁のいちばん下の2.「就学前の支援策」についてです。6頁で障害児支援のあり方 です。1つ目の○で、現在就学前の障害児については、障害児施策における支援、それ と一般施策においての支援が行われています。  2つ目の○で、将来的な在るべき姿として、障害の有無に関わらず保育所等において 一体的に支援を行うことを目指していくべきという意見が出された。そのすべての過程 において、必要な支援体制を整えた上で、障害のある者とない者ができるだけ共に過ご せるようにしていくことが大切なことと書いてあります。  3つ目の○で、一方、例えば障害の重い子どもにとっては、障害児の専門機関、教育 機関において専門的な指導・支援を受けることも必要である。また、一般施策で受け入 れている場合にも、専門機関による支援をいま以上に強化していくことが求められてい るのが現状としてあります。  以上の3点を踏まえ、障害児の専門機関である障害児通園施設等の機能を拡充してい くとともに、子どもの育ちに必要な集団的な養育のためにも保育所等における受入れを 促進していく、というふうに基本的な考え方を整理しております。  (2)保育所等での受入れの促進です。1つ目の○は、現状として保育所での障害児 の受入れが年々増加している、もしくは交付税措置の拡大などについて記載しておりま す。  2つ目の○で、保育所等での受入れをさらに促進していくために、障害児の専門機関 が、保育所等を巡回支援していくことが考えられる。もしくは、そのスタッフが保育所 等に出向いていって、療育支援を行うことで、これまで障害児で通園施設のほうに通っ ていた子どもが、並行してなるべく多く保育所へ通えるようにしていくことが考えられ る、ということで受入れ促進について記載しています。  3つ目の○で、さらに親子で集う、通う場である地域子育て支援拠点においても、専 門機関との連携を図っていくことが必要ということで書いてあります。  7頁で(3)障害児通園施設等の機能の充実です。1つ目の○は、現在のそれぞれの施 設の数を記載しております。  2つ目の○で、これらの施設については、機能を拡充していくことが求められる。通 所機能を基本として、地域の実情に応じて、保育所等への巡回など、外へ出ていって支 援する機能、もしくは障害児や発達支援が必要な子どもにとっての相談支援を行う機能 を果たしていくべきである。こうした機能について、人材・財源を確保するよう個別給 付の活用を含め、検討していく必要があるということ。ここでヒアリングを含め、各委 員から出された、いまある専門機関の機能の強化を記載しております。  3つ目の○も大きな見直しの1つですが、これら障害児の通所施設について重複化へ の対応、身近な地域で支援を受けられるようにするため、障害種別による区分をなくし、 多様な子どもを受け入れられるようにしていく方向で検討していくべきということで、 現在も相互利用がされておりますが、この一元化、一体化について記載しています。そ の際、診療所併設型なども踏まえたやり方を検討していくことが必要ということで、見 直しの大きな方向の2つ目がここに書いてあります。  4つ目の○では、現在の予算事業で実施している重症心身障害児の通園施設について の支援の充実ということから、法令上の位置付けを含めて検討していくということを記 載しております。  3.「学齢期・青年期の支援策」です。(1)放課後・夏休み等における居場所の確保 です。1つ目の○は、その支援が必要になっている、重要になっているということを記 載しております。  2つ目の○で、現在の支援策として日中一時支援事業、もしくは経過的な児童デイサ ービスがあります。また、一般施策においては、放課後子ども教室、放課後児童クラブ、 児童館における受入れなどが実施されています。3つ目の○の特に後段ですが、放課後 や夏休み等の対応は重要なものであり、教育機関、一般の児童福祉施策、障害児福祉が それぞれ連携して対応強化を図っていくことが必要である。  3つ目の○が、ここでの大きな提言になっております。現在行われている日中一時支 援事業、経過的な児童デイサービスについては、放課後等における居場所の確保が求め られていること、また、中学時などで活用できる施策がほとんどないことを踏まえ、充 実を図っていくことが必要。このため、これらの事業について見直しを行い、単なる居 場所ではなく、子どもの発達に必要な訓練・指導など療育的な事業を実施するものにつ いては、放課後型のデイサービスとして新たな枠組みで事業を実施していく。これに当 たらないものは市町村の実情に応じてやっていくということで、放課後型のデイサービ スとして、新たな枠組みの事業で実施していくことを検討する、ということを打ち出し ております。  4つ目の○では、一般施策である放課後児童クラブについて専門的な対応を図ってい くため、専門機関の巡回支援ということが書いてあります。  8頁で(2)は卒業後に向けた連携です。学校卒業後に円滑に地域生活や就労への移 行を図っていくよう連携を図っていくことが必要。9頁の1つ目の段落のいちばん下で、 高等部の卒業時から、就職する者を増やしていく方策が求められている。2つ目の○で、 例えば夏休みなどに、体験的に就労移行支援事業などを利用していくことが考えられる。 さらに卒業後へのつなぎという点で、これも検討会で意見が出されておりましたが、知 的障害を伴わない発達障害者等の就労支援が必要との指摘。親が元気なうちから、親か ら独立した生活を目指していくべきという指摘、養護施設に入所している障害児につい ても、退所後の支援へのつなぎについて検討が必要との指摘。これらの指摘についても 適切に対応していくべき、ということが記載されております。  4.「ライフステージを通じた相談支援の方策」です。(1)市町村を基本とした相談 支援体制です。1つ目の○で、子どものライフステージを通じた相談支援について一層 の充実が必要。中心的な役割を果たす機関としては、平成17年度から児童福祉につい ての一義的な相談窓口が市町村に移ったこと。大人の障害者については市町村がやって いることを踏まえれば、市町村がその役割を担うべきであると整理しております。3つ 目の○で、その上で都道府県が市町村を支えていくべき。段落を変えて、さらに障害児 支援施設等の専門機関が市町村の支える機関としての役割を果たしていく。段落を変え て、このように市町村を基本とした重層的な相談支援体制を、地域の実情に応じて構築 していくことが適当と整理しております。  10頁で、特に専門機関がこれまでやってきたように、保育所等の巡回支援などをや っていく、もしくは相談支援を行うということで、地域全体の相談支援の充実を図る。 また、相談支援については、障害児の親子にとって身近な敷居の低い場所で行うことが 必要であり、気になるという段階から相談支援を受けやすいようにしていくために、障 害児の専門機関が出向いていったり、あるいは名称を気軽に行きやすいものに改めたり という工夫が考えられる。最後の○では、小規模な町村においてもそういう体制を作っ ていく、ということを記載しております。  (2)関係者の連携の強化です。1つ目の段落で、そのために地域自立支援協議会の 活用。例えば子ども部会の設置などにより、関係者の連携を図っていく。その際、要保 護児童対策地域協議会、特別支援教育のための協議会と連携を図っていく。次の段落で、 特に節目の部分については切れ目が生じないよう、関係者の連携の強化を図っていく。 例えば、保育所・幼稚園から小学校、特別支援学校につなげていくときに、交流、情報 共有などに努め、積極的な連携を図っていくことを記載しております。  (3)個別の支援計画づくりです。障害児について、さまざまな各支援者がどのよう な役割分担のもとで支援していくかの「個別の支援計画」づくり、関係者の支援会議の 開催を進めていくことが必要である。  11頁で、今後、障害児のサービス利用決定の際などに、個別の支援計画などを実施 していくことが必要である。その際には、サービス利用計画作成費を活用するなどによ り、特に節目において重点的な支援を行っていくこと。また、学齢期において個別の支 援計画、学校等が作成する個別の教育支援計画について、それぞれの連携により作成し、 運用していくということで連携を強化していく。  さらに最後の段落で、一貫した支援のために、例えば支援の情報をファイルしたもの を保護者が所有し、更新していくなどにより、情報を共有していくべきということを記 載しております。  5.「家族支援の方策」についてです。(1)家族の養育等の支援です。1つ目の○で、 家族を含めたトータルな支援を行っていくことが必要ということ。また、男性も女性も 共に働き、共に子育てする男女共同参画を踏まえた支援が必要ということで、具体的に は親御さんが障害を受け入れること、その後の養育の能力を高めていくことを支援する ために、次のような支援を検討していく必要があるということで、12頁に5つのこと が書いてあります。  心理的なケア・カウンセリングというのは、これは保護者に対して関わりを持ってい る機関の専門機関が心理的なケア・カウンセリングを実施するものです。1つ目の養育 の支援というのは、子育ての方法によって障害の状態や、親子関係が悪化するなど、二 次障害の予防などの観点から、専門機関が家庭における養育方法を指導していくペアレ ント・トレーニングなどの支援を図っていく。3つ目は家庭訪問をして養育の支援をし ていく。4つ目は保護者同士の交流ということで、経験のある親の話を聞いたりなどの、 ピア・カウンセリングの機会を充実させていく。5つ目はきょうだい支援も促していく。 また、親が障害児以外のきょうだいに関わる時間を持てるようにしていくということが 書いてあります。  12頁の(2)レスパイト等の支援として、1つ目でレスパイト支援が必要と書いてあ ります。2つ目に具体的施策として、特にショートステイについて、単独型のショート ステイ、あるいは医療的なケアができるショートステイなどについて、看護師などの人 材の確保も含めて充実を図っていくことで検討していくべきと書いてあります。  (3)経済的負担等として、1つ目の○で利用者負担の軽減について引き続き継続実 施すべき。2つ目の○で、さらなる経済的支援について幅広く検討していくべきという ことを記載しております。  6.からが前回の議論で「入所施設の在り方」についてです。(1)入所施設の役割と して1つ目の○は、現在の数を書いています。2つ目の○は前回いろいろご議論いただ きましたが、入所施設が必要な理由として、手厚い支援を行う場としての役割、あるい は保護者が養育困難となった場合の支えとしての役割ということで5つ記載しておりま す。  14頁で、同時に入所施設はこれらの役割のほか、地域の資源として地域の支援、家 族への支援としての役割をいまも果たしており、この役割を一層充実していくことが求 められるとしております。  14頁で、児童養護施設等との関係です。1つ目の○で、現在虐待を受けた子どもが障 害児施設に入っている、もしくは逆に児童養護施設に障害の子どもが入所しているとい う状況がある。2つ目の○で、障害が濃厚な医療などが必要な場合には、障害児の施設 で対応となっていますが、親の理由で入っている場合には、それぞれの障害の状況に基 づいて、それぞれの施設に入所している。3つ目の○で、こうした状況の中、障害のあ る子もない子も一体的に対応していくことが、共生社会の観点から望ましいという意見 がありました。前回も、養護施設との一元化ということで検討すべきという意見があっ たかと思います。それに対してそれぞれの施設において、専門性を生かした対応が図ら れている等の現状を考えた場合、一元化してしまうことには課題が多いという意見もあ りました。当面ということで、それぞれの施設において、障害施設においては虐待を受 けた子どもへの対応、養護施設においては障害児への対応などの、それぞれの施設にお ける機能を充実させていくことが必要ということが書いてあります。また、それぞれの 施設で、地域へのつなぎということを5つ目の○で書いてあります。  (2)入所施設の機能・類型についてです。15頁の2つ目の○からですが、例えば支 援の場面においては、夏休みはずっとその施設の中にいることなく外で過ごしたり、同 じ1日の中でも重症心身障害児について、ちゃんと昼夜を区別して支援していくなどが 必要であると書いてあります。  他方、制度面においてはということで2つ書いてあります。入所施設については、家 族代替の機能を提供する必要があり、機能を大人のように分けることは難しいこと。も しくは、子どもは放課後、夏休みがあるなど昼夜を明確に分けることが難しく、また学 校に行く場合が多いことから日中活動を選べるというメリットが乏しい。これは年齢に よって違うのかもしれませんが、多くの子どもは学校に行っているということですので、 機能や昼夜で分けることは難しいという意見が出されたということで、支援面と制度面 において、こうした現状を踏まえた対応が必要と整理しております。  障害種別による類型についてです。1つ目の○で、大人の施設についての共通化、ま た学校における複数の障害種別を対象とすることができる特別支援学校の制度への転換 ということ。2つ目の○も報告書案の大きなポイントですが、施設についても、障害の 重複化等を踏まえれば、基本的な方向としては一元化を図っていくことが適当であると しております。その際、医療型の施設と福祉型の施設に分けて考えていくこと。  15頁のいちばん下の○で、他の障害を受け入れられるようにしつつ、主に対象とす る障害の種別を示せるようにするなど、それぞれの施設の専門性を維持していくことが 可能となるよう配慮が必要と考えられる。例えば、重症心身障害児について手厚い配置 が可能となるようにするなど、基準等について検討していく。併せて重症心身障害など の障害種別の法令上の位置付けについても検討していく。これらの点を含め、具体的な 制度設計について検討を進めていくべきであるということで、入所施設についても、一 元化という方向でここに書いているさまざまなことに配慮しながら検討していくべき、 という方向でまとめております。  (3)在園期間の延長についてです。肢体不自由児施設・知的障害児施設について、1 つ目の段落で現状を書いています。2つ目のところで、今回制度見直しを行うに当たり、 歴史的な経緯も踏まえ、機能的には支援の継続性を確保しつつ、制度的には子どものほ うの入所定員を確保する一方、18歳以上のいわゆる加齢児の方については受け皿づく りなどを進め、障害者施策として対応していくことについて検討すべきとの意見が出さ れました。そして、こうした見直しを行う場合には次のように支援の継続性を確保する ための措置、現在入所している者が退所させられることがないようにする措置など十分 な配慮が必要ということで、1つ目は児者の施設が併設できるようにする。2つ目に、 そのための経過措置を設ける。3つ目に、現在入所している者については退所させられ ることがないようにするという配慮を書いております。17頁は前回委員からあったも のですが、障害者福祉計画においてもそうしたことが進むような配慮が必要という意見 を書いております。  17頁の重症心身障害児施設についてですが、1つ目の○にあるとおり、新たに18歳 児の者が入所することも可能となっている。2つ目の○で、このような同様の見直しを 行う場合には、上の(1)から(3)に掲げた配慮を踏まえ、児者一貫した支援の必要性を踏ま え、(4)として医療・福祉面での継続性が保たれるよう、小児科医、小児神経科医や、本 人をよく知る保育士等が継続的に関われるようにする。(5)として、療養介護の基準等に ついて、その特性に配慮した受入れが可能となるように検討する。(6)として、設備の共 用など一体的な支援のための柔軟な運用を可能とするよう検討する。(7)として、その他 現場の実情を踏まえた必要な措置を講じるなど、児者一貫した支援の必要性、現在入所 している者の継続入所について十分な配慮が必要である。  最後に、以上のように見直しに当たっては、入所者やその家族に負担が生じないよう きめ細やかな対応を検討していくことが必要であるとまとめています。  17頁のいちばん下の在宅支援についてですが、先ほども触れられておりましたが、 現在支援を必要とする心身障害児が増えており、在宅での支援施策についても充実させ ていく必要がある。短期入所、訪問介護、通所事業の充実などについて検討すべきとな っております。  18頁の(4)入所施設のあり方です。1つ目の○は多くの委員から出されておりまし た、小規模の単位での支援が可能な施設のあり方についての検討。「また」以下で、障 害児のファミリーホーム制度や、専門里親制度についての検討をすべきとの意見。こう した意見を踏まえ、障害児の入所施設における支援の在り方について検討を進めるべき としております。なお、グループホームという提案もありましたが、大人のグループホ ームの、自分で家を借りてというものとの区別をしなければいけないということで、こ こではファミリーホーム制度という言葉で、そうしたものを受けて書いております。2 つ目の○で、障害児の施設について地域との関わり、もしくは地域への支援、短期入所 の実施などの地域での役割を書いております。  18頁で最後の大きな塊であります「行政の実施主体」です。1つ目の○に、現状都道 府県の事務とされていると書いてあります。2つ目の○には、保育所等の施策、障害者 施策との並びから、市町村の役割を高めていくことが必要と書いています。18頁のい ちばん下の○で、他方障害児施設は数が少ないこと、専門的な判断が必要なこと等を踏 まえると、都道府県の関与も必要とされています。さらに児童養護施設等への入所措置 が都道府県の事務とされていることに配慮が必要と書いてあります。  19頁の最初の○で、こうしたことを踏まえ、今後の障害児支援の実施主体について は、身近な市町村としていくことを基本としつつ、以下のように考えられるということ で整理しております。通所については、現在、在宅の支援施策、児童デイが既に市町村 でされており、実施主体は市町村としていく方向で検討していくことが考えられる。こ の場合、数が少なく広域調整が必要になるため、都道府県による支援が必要。特に町村 についてのバックアップということを記載しております。  入所については3案書いてあります。1つ目の○で、入所について市町村とする第一 案が考えられるとしております。2つ目の○で、第一案については、3行目からですが、 市町村といたしますと障害児施設と児童養護施設等への入所措置の実施主体が異なる、 という課題などがあるということを整理しております。  19頁のいちばん下の○で、これは前回の1.5案ということで何人かの委員から言わ れた、措置については都道府県、契約については市町村という、ここでは第二案として おりますが、こういう案が考えられる。この場合、措置と契約で実施主体が異なること による混乱が生じるおそれがあるという課題があるというふうに整理しております。  20頁で、第三案として当面は都道府県とする一方、市町村の関与・役割を高めてい くということが書いてあります。例えば、市町村が障害児とその家族の状況を確認し、 相談に応じなければならないなどの市町村の関与を強める仕組み。市町村の財政負担の 在り方についても検討と書いてあります。第三の場合には、将来的に実施状況を踏まえ て市町村にしていくということが書いてあります。こうしたことを踏まえて、実施主体 については、都道府県などの意見を踏まえながらさらに検討していくべきと書いてあり ます。  措置と契約については前回もご議論いただきましたが、1つ目の○で、社会福祉基礎 構造改革などにより、利用者が自らサービスを選択する仕組みにするための改革が行わ れてきている。2つ目の○で、障害児施設は虐待などの場合は措置、それ以外の場合は 契約となっています。3つ目の○で、まず入所決定を行い、入所が必要かどうかの判断、 そして措置か契約かということが必要となっていますが、この点についてということで、 ここは前回これまでに出された意見で4つ、医療目的以外は措置とすべき、2つ目に国 は子どもの健全育成の責任を負っているなどのことから、行政措置にすべき、3つ目で 未収金があるため措置にすべき、4つ目に子どもは最後は行政が育てるべきとの意見が ありました。  また、これは前回保護者側の選択と行政の責任とを両立させる制度を検討すべきとの 意見があった。これに対してということで、1つ目の○で、すべて措置に戻せばいいと いうものではない、2つ目の○で養護性のある障害児についての措置とすべき、3つ目 の○で家族が追い込まれる前に契約で利用できるようにすべき、4つ目の○で対等な関 係に立つべき、5つ目の○で障害種別で措置というのは不適当などの意見が多く出され た。さらに、未収金があるから措置ということではない。原則子育てをすべきは親であ る。親が利用料を払わないということでは社会に支えてもらうことはできないなどの意 見があった。  入所か措置かの判断についてはいちばん下で、以上のような議論を踏まえて社会福祉 制度全体の改革の動向、利用者と事業者との対等な関係づくりなどに十分配慮しつつ、 基本的には現行の枠組み、つまりすべて措置とか、すべて契約ということではなくて、 そのケースによって措置と契約を両立させていくという現行の枠組みをベースに、さら に検討していくことが必要であると整理しております。  22頁で、現在この措置と契約の判断については、都道府県によって差が生じている という指摘がある。このため、全国的に適切な判断が行われるよう、判断が難しい事例 等について調査等を行った上で、上記の様々な意見も踏まえ、判断基準をさらに明確化 していく作業を進めていくことが必要である。柴田委員からは、本来措置であるはずの 事例まで契約になっているというご紹介がありました。こうした検討結果をもとに、国 においてガイドラインを作成していくことが求められると整理しております。  22頁は「法律上の位置付けなど」についてです。1つ目の○は、児童福祉法に位置付 けていくことを基本とすべきということが書いてあります。2つ目の○は、仕組みの見 直しとともに、サービスの提供の体制整備も必要だということを記載しております。最 後の共生社会を目指す取組は、小学校6年生の体験の例をもとに、そうした取組も必要 ということが書いてあります。  23頁で「おわりに」ということで、2つ目の○に、この検討結果を踏まえ、必要な改 正を行うべきである。その際には厚生労働省、文部科学省との連携を強化していくこと は不可欠であること。3つ目の○で、現場の関係者の意見などを十分踏まえて、また国、 地方を通じた財源の確保にも留意しつつ、きめ細やかな検討をしていくべきということ を書いております。  長くなりましたが、先ほど言いましたように、これにつきまして本日意見を出してい ただき、具体的にどのような報告書にすべきかということでご議論いただければと思い ます。 ○柏女座長 前回までの、私たちの幅広い意見を踏まえて、報告書の形で出していただ きました事務局のご苦労に心より敬意を表します。特に後半部分では意見の温度差など があり、取りまとめについても案1、案2、案3という形になっています。あるいはこ うした意見があった、その一方でこうした意見があった、という形の書き方になってい ます。とても苦労して、私たちの大層の意見を反映してくださったのかと思います。  これについて議論をしていきたいと思います。議論の仕方として、これまで前半と後 半という形で分けてやってきましたので、今回もできたらそのようにしていったほうが、 頭の中の整理がしやすいかと思いますので、13頁の5の終わりのところまでで一度切 って、そして6、7、8を次の塊として議論するということでよろしいでしょうか。  30分程度ずつ議論をして、15分ほど残ると思いますので、その中で総括的な意見を いただくということで進めさせていただきます。それでは前半のところで、目次はさて おき、2頁から13頁までの間でご意見を頂戴いたします。 ○田中委員 意見を述べさせていただきます。座長が言われますとおり、大変苦労をし てまとめていただきまして事務局の皆様ありがとうございました。そのように感謝しつ つ、今回の議論の立て方として、まず事務局から出された基本的な視点ということで、 1から4の項目を起こしていただきました。地域支援のあり方ということで、基本的に 項目を立てて進んできた背景の中で、障害者自立支援法の設立に当たり、措置から契約 に切り換えることにおいて、児童においてはあまり具体的な検討をされずに進んできた ということを、もう一度見直す際に、いくつかある課題の中で措置という枠組みで、本 来児童の養育権が親権に守られていて、そこから発生する問題を受け止める装置が入所 機能であるという柱がありますので、そういう流れは非常に重要かと思います。  措置という判断が、契約に大きく振り子が揺れすぎたということを、この度の検討会 では深く掘り下げすぎたのではないかと思っております。本来は、措置から契約に向か うべき方向はよしとする。その流れの中で、措置として残すべき課題については整理す る。そして、本来は1から4の課題について、具体的に検討していくということが大き な流れでありました。そのような流れにおいては、全体のまとまり方が不十分だと言わ ざるを得ないということで、ご苦労いただいた事務局の皆様には申し訳ありませんが、 そういう視点で見直しをしていただきたいということでいくつか項目を挙げさせていた だきました。  1番は後半の部分になりますが、入所機能に代わる新しい住まい方の提案については、 先ほどファミリーホームという、あまり説明もないままの弱い立場で表現されてしまっ たことについては非常に残念に思っております。そのことについては後半の議論でまた させていただきます。大きな視点で言えば、いまお伝えしたようなことが、この検討会 全体において欠けている視点だと思っております。  まとめ方において、これだけに文言が整理されてしまっていますので、いまお伝えし たことの挽回がどの程度効くのかということについては非常に危惧をしております。基 本的には契約を取り結ぶ上でのいろいろな仕組みの構築ということについて、もっと留 意して仕組みを整えていってほしいという思いがあります。  具体的に資料として参考資料3という形で、私たち全国地域生活支援ネットワークの 意見をまとめてまいりましたので、順次説明をして、いまお伝えした立場においての発 言であるということを確認してもらいつつ、具体的な提案をさせていただければと思い ます。  4頁で、IIIの1の(1)障害については出産前後や乳児期に分かる場合のところで、 発達障害についてはこの3つでも分からない、気付かない場合がありますので、多様な 発達相談、発達健診の場の拡充、5歳児健診の導入にまで言及すべきということで、用 意されている1の出産前後や乳幼児期の場合。1歳半健診や3歳児健診の契機。保育所 などの日常生活の場での気付きに加えて、2つの項目を入れていただきたいということ になります。  4頁のIIIの1の(1)の2及び3のところです。障害児の専門機関が保健センターを 巡回支援、障害児の専門機関が保育所などを巡回支援ということで、専門機関による巡 回は1つの方略でありますので、基本は障害の発見が、生活モデルに基づくチーム支援 に結び付けることが重要である。具体的には、障害児療育等支援事業が中心になる特別 支援学校の教育相談が中心になる。幼児通園が中心になるなど、地域にそれぞれ機能が 置かれておりますので、そのネットワークを構築していくということで、児童期におけ るコーディネーターを市町村配備で是非用意していただきたいと思っております。  特に、学齢期において特別支援教育の中に置かれたコーディネーターが、これらに関 わっていくことを考えた場合に、その枠組みにおいて位置付くことが、乳幼児期からの 流れと、さらに卒業後の就労に向けてということで役割を橋渡ししていくことがありま すので、そのような機能をきちんと位置付けるためにも、現状では都道府県の役割に、 地域療育等支援事業を振り、そこで広域的な対応で都道府県がいまはカバーしていると いう実態があります。この報告書のままでいってしまうと、この梯子も外されて、市町 村にこの新しい支援の体制が根付く機会がなくて、雲散霧消してしまう危険性があると いうことにおいて、冒頭にお話させていただいたような、契約に基づく体制の基盤整備 が視点として欠けている、ということでここは強く求めてまいりたいと思っています。  5頁のIIIの1の(1)の3つ目の○で、このように医療機関(産科、小児科等)母子 保健、児童福祉、障害児の専門機関等関係機関の連携を強化し、早期発見から早期対応 につなげる体制を作っていく必要がある。ここにおいての具体的な策として、先ほどの 児童期コーディネーターの配置もそうですが、基本的に今回の基盤整備においては、仕 組みに関わる人たちをたくさん増やしていく。町の中で考える人たちがたくさん増えて いくことが非常に重要ですので、それを作り出す機能として、地域自立支援協議会とい うものがありますので、この枠組みの中にライフスタイル全般を見て取り込んでいくと いう発想があります。それぞれ就労部会とかいろいろ置かれるわけですが、児童部会を 必置という形まで強く求めて、特に入所施設などを結果として使わざるを得ないように 追い込まれてしまう前に、地域の中で問題を対応する要保護児童対策地域協議会という ような名称で働きかけられる機能が置かれるべきだ、というところまで踏み込んで書い ていただければと思っております。  5頁のIIIの1の(2)の2つ目の、親にとって身近な敷居の低い場所で支援が受けら れるようにしていくことが必要である。例えば、障害児の専門機関を行きやすい場にし ていくという件ですが、障害児の専門機関がこの際の書きぶりでは不明瞭だということ で、地方自治体が独自に展開してきた機能も視野に入れて、専門的な内容の機能を明示 すべきだと提案したいと思います。  6頁のIIIの2の(1)、障害のある者とない者が、できるだけ共に過ごせるようにし ていくことは大切なこと。一方で、例えば障害の重い子どもにとってはと両論併記にな っておりますが、単なる両論併記ではなく、コミュニティづくりを前提とした、市町村 域における共生を目指していただきたいと思います。その具体的な形として、いま教育 分野では養護学校という位置付けが明確になっているわけですが、特別支援教育で、そ れがより強まるのか、地域に対しての支援体制が整うのかということについては、方向 感としては地域を目指しておりますが、現状としては分離的な要素があるということで すので、それらの背景をここに書き連ねながら、目指すべき方向として、この委員会で 冒頭に掲げた内容に沿った書き方にしていただきたいと思っております。  6頁のIIIの2の(1)の4つ目の○で、こうしたことを踏まえ、障害児の専門機関で ある障害児通園施設や児童デイサービスの機能を拡充していくとともに、ということに おいても、単に機能の拡充を行うことが、通園施設や児童デイサービスを、障害がある 方はすべてそこに行かざるを得ないというような仕組みになってしまうことを危惧して います。ですから、通園施設や児童デイサービスの機能を、通所を主体にしたものから、 保育所などとの併用を前提にしたものに転換し、さらに保育所の一般施策を外部から支 援する機能を拡充していくとして、先ほどの専門的な支援の内容の中に、保育・教育的 支援と書き連ねていただきたいと提案しましたが、そこに結び付けられるような流れを 作っていただきたいと思います。  6頁のIIIの2の(2)、保育所での受入れを促進するため、障害児の専門機関がとい うことで、ここにおいても同じ視点で、続きまして7頁のIIIの2の(3)で、これらの 障害児の通所施設はということも、専門性においてどのような役割を果たして、そして どこに専門性が位置付くのかということが明確になるようにしていただきたい。これに ついては、利用する方の暮らしぶりの支援の中で専門性が活かされるようにしていただ きたいと思っております。  8頁のIIIの3、学齢期・青年期の支援策ということで、項目全体についてお伝えいた します。就学前、学齢期、青年期と分けるだけではなく、就学前から学齢、学齢から青 年期といった暮らしぶりが本人においては当然として進んでいくことを前提に、そのよ うな仕組みづくりを捉えていってほしいと思っています。今回、仕組みを考えていく際 に、誰がこのいろいろな判断をしていくのかということにおいては、これも後段の話に なりますが、市町村がベースにしていくといった際の、機能としてそれぞれのライフス テージが輪切りになるのではなく、つながるような仕組みを作っていただきたいという ことを書いていただければと思います。そのような形でいくつか連ねさせていただきま したが、少し長くなりましたので端折ってお伝えしていきます。  9頁については、先ほどお伝えしたIIIの3の(2)の3つ目の○で、現状のサービス についての拡充を謳っているということで、今後のあり方としてグループホームないし ファミリーホームのような地域資源を強く書いていただくためにも、特に先ほどお伝え した養護性の高い児童の虐待などに機能できるような、そういう役割を重視してこの位 置付けに盛り込んでいただければと思っております。  同じく相談機能においても、先ほどお伝えしたようなつながりがある部分において、 自立支援協議会、もしくはそこに専門のコーディネーターを置くことを前提に、この枠 組みを作っていただきたいということで、IIIの4の(1)の2つ目、3つ目、5つ目の○ という形で、これらを受け止めていただければと思っております。  10頁で、個別支援計画づくりにおいて、資料の4頁で、特に学齢期の子どもの関わ りが児童期という枠組みを考えたときに、非常に質も量も時間帯も長いわけですので、 特別支援教育で行われる個別の教育支援計画と、福祉サイドの個別支援計画のすり合わ せについても異なる部分はあるわけですが、活用するものとしてこれらを重ねていくの かということについて、機能として自立支援協議会を具体的に挙げてきましたが、これ らをコーディネーターも置いて、ホストセンターとして位置付けていくとすると、その ような位置付けの相談機能が、学校に置かれます特別支援教育コーディネーターの方と も、明確な役割をもって進んでいけるような立ち位置を書いていただきたいと思ってお ります。  12頁の家族支援のところにおいては、家族の負担ということと背中合わせで、利用 する方と関わったときには、本人の社会参加の支援となる切り口がこのレスパイトサー ビスにはありますので、家族支援に重きを置いて項目を立てたときには、家族の負担感 を取り除くことは重要ですが、レスパイトサービスという形で、サービスを提供する運 びになったときには、本人への、特に日常生活を大きく損なわないということで、いわ ゆる箱物で対応するしかないショートステイの枠組みとは、本人視点において今回の目 的に沿っているということで加えていただければと思っております。時間が長くなって 恐縮ですがこれで終わります。 ○柏女座長 いただいたご意見につきまして、書面でいただいたものについては欠席者 のご意見も含めて事務局のほうで精査し、採用の採否を検討していただくことにしてお りますので、できましたらポイントを簡潔にお願いできればと思います。柴田委員から もご意見が文書で提出されておりますが、恐縮ですが簡潔にお願いできればと思います。 ○柴田委員 全体的にはよくまとめていただいていると思います。後半の入所に関わる ところについてのまとめ方としては、これでは大変不十分と思っております。そこにつ いては、後半でしっかりお話をさせていただきたいと思います。本日は、参考資料2に 沿って説明させていただきます。  6頁のいちばん上の、障害児の支援のあり方というところです。障害児通園施設、児 童デイサービスが並列されているわけですが、現状においては通園施設とデイサービス の果たしている役割は違います。特に、通園施設は地域が広く、療育圏を中心にして、 専門的な対応を強めている。一方、児童デイサービスのほうは市町村を単位として、身 近な利用になっているという違いがありますので、そこは書き加えていただきたいとこ ろです。  7頁の(3)の障害児通園施設と児童デイサービスの機能の充実のところに、上から ○が3つありますが、その4つ目辺りに通園とデイが今後果たしていくべき役割は違う と思いますので、そこについては書き加えていただきたいと思います。  参考資料2の8頁では、前回宮田委員から出されたものと大体一致しているところで すが、通園施設については障害児保健福祉圏域に1、2カ所あって、専門的な役割を果 たし、児童デイサービス、あるいは学齢期の支援事業については、市町村を中心に療育 支援、家族支援等の機能を果たしていくという役割の違いを提案しております。そのこ とについて報告書の7頁のところに加えていただきたいと思います。  参考資料2の1頁に戻ります。本日の報告書の8頁からの「卒業後の就労」のところ で、9頁の上から2つ目の○のところで、「親が元気なうちに、親から独立した生活を 目指していくべきという指摘」とありますが、ここに自立体験のための青年期のホーム というようなものを入れていただければと思います。  報告書の13頁の「経済的負担等」のところのまとめは、現在のサービスの利用料軽 減を継続するようにという提案になっています。児童の権利条約23条に、「障害児が 特別の養護についての援助を受ける場合には、父母等の資力を考慮して可能な限り無償 で与えられるものとする」という定めがあります。この定めは非常に重要でありまして、 権利条約というのは、児童福祉法にある国際的な条約であり応能負担をここでは定めて いるわけです。現在、一部契約により定率負担になっているわけですが、これについて は応能負担の原則に戻していただきたいというお願いしているところです。この点につ いては経済負担のところに加えていただいて、両論併記という形にしていただきたいと 思います。報告書の13頁までは、以上の修正をお願いします。 ○柏女座長 ありがとうございました。君塚委員、お願いします。 ○君塚委員 この背景とか、基本的な視点の中において、すでに各障害の一元化という のが了解のもとにすでに背景にあるかと思います。入所機能については15頁に障害の 一元化を目指すと。通所については、総合発達支援センターというのがありましたが、 そういう形で各障害の一元化ということを明記して、それによって例えば難聴障害児が 早期発見されることによって、機能を確保して自立ができるという形を網羅できる。そ ういう意味で、前のほうの背景や基本的な視点において、各障害の一元化の方向性とい う言葉を項目立てしていただけたらありがたいです。  難聴障害について見ると、いま産科での新生児の早期発見が進んでおりますし、人工 内耳とか、言語聴覚士によるその対応は進んでおりますが、まだまだ不十分だというこ ともありますので、障害の一元化ということで、それらが漏れてしまうようなところも 救っていけるのではないかと思いますので、是非検討していただきたいと思います。以 上です。 ○柏女座長 ありがとうございました。続いて、宮崎委員、山岡委員、渡辺委員、お願 いします。 ○宮崎委員 よく取りまとめをいただいてありがとうございます。まず、2頁の「見直 しの背景」に続いて、「見直しの基本的視点」というところで、最初の○の所は考え方 としてはすごく納得するのですが、障害児支援の見直しに関する検討ということだった ので、最初の書き出しというのは、障害児の支援についてまず書かなければいけないの ではないかと思ったのです。障害児の支援は、障害のあることによって専門的な支援を 図っていくという必要性がある。特別な配慮が必要なお子さんたちですので、そのこと がまず書かれて、その上で、他の子どもと異なる存在ではないのだと。他の子どもと同 じであるという視点は変えてはならないということに加えて、その下にある、相互にと いうところに続けていくほうがいいのではないか。これでは、特別な存在でなければど うして支援をしなければいけないのかという話になってしまうので、ここは障害児の支 援という視点で、最初の○はしていただくと分かりやすいのではないかと思いました。  早期発見のところは、私も田中委員と全く同意見です。5頁のところに、「気になる 子どもへの対応」については、例えば「気になる子」とか「気掛かりな子」とか、様々 な言われ方があるのですが、この点は、私も適当な言葉が出てこないのですが、これは 少し留意する必要があるのではないかという気がいたしております。その次の○に「身 近な敷居の低い場所での支援を受けられるようにしていくことがある」ということで、 例えば、いろいろな機関のことがあるのですが、出向くことだけは考えてあるのですが、 親御さんたちが小さいときにどこにいるかということを、やはり念頭に入れて場所を書 いていくほうがいいのではないか。例えば、子育ての支援で集まる場所。身近な所では 教育センターや保育に関わるさまざまな保健センターなど、集まる場所などでできるだ けそこに出向くという仕組みがあったほうがいいということを、親御さんたちから聞い ているわけです。そういうことをより中身として入れていただくとありがたいと思いま した。  8頁に「卒業後の就労・地域生活に向けた教育福祉・就労施策の連携」の最初の○の ところに、「特別支援学校高等部の卒業生が就職している者は23%に過ぎず」となっ て、現実なのですが、実はこれも都道府県によってだいぶばらつきがあったり、障害種 別で違いがあるのです。東京などの例では、さまざまな関係機関が連携をすることによ って、就職率がかなり上がっていっています。平成19年度は36%近い状況まできてい ます。これももし書き込んでいただく場合には、状況によってかなり各学校が職業教育 の充実に取り組んでいる上での対応とか。それから、就職したくてもなかなかできない 子どもたちがいることも現実です。これも障害種別によって違います。その辺りのこと も少し含んで記述をしていただくと大変ありがたいと思いました。  10頁、「関係機関の連携」、「個別の支援計画づくり」が出ています。これはあと のこととも関係するのですが、関係機関が連携をする。障害児においての関係者の支援 が重要であるということは頭出しで書いていただいていますが、問題になるのは、11 頁の3つ目の○の「個人情報の保護に留意しつつ云々」と書いてありますが、実はここ のところですごく問題が生じております。個別の教育支援計画を作成する場合、個人情 報の扱いが妙にこじれてしまっている問題があるのです。関係機関が同じ情報を共有し つつ、なおかつ、個人情報の保護に留意をするというのが支援の本義であって、支援の ために個人情報保護があるから、これは出せないんだという話になると、何の支援にも ならない。そういったようなことが少し気になっていることとして、いま動きつつある ものですから、その辺りも今後の大きな課題になっていくような気がしていますので、 その点も相互の連携を深めるときの対応として考えておいていただくといいかなと思い ました。なおかつ、個別の支援計画を考えたときに、乳幼児期で、例えば、保育所では 保育計画があり、学校では教育支援計画があり、それに基づく個別の指導計画などを整 備しています。就労時期になると、就労児の支援計画といったようなものがあるので、 こうしたものの連携が切れないような仕組みというのは、先ほど田中委員からも出てい ましたが、そこのところが今いちばん重要な問題として整理されていかなければいけな いと思いました。13頁のところまでは以上です。 ○柏女座長 ありがとうございます。それでは山岡委員、お願いします。 ○山岡委員 6頁のところからお願いします。「障害児の支援のあり方」について、3 つ目の○の3、前回も申し上げたのですが、例えば、「障害の重い子どもにとって、専 門機関や教育機関において専門的な支援」と書いてありますが、一般的に軽いと思われ ている障害のある子どもにとっても、専門的な支援、あるいは教育では特別の場での支 援が必要ですので、ここは「障害の重い子ども」ではなく、「障害のある子ども」と変 えていただけないかというのが1点です。  2点目は、(2)保育所等での受入れの促進というところですが、これまで議論はし ていませんが、新たに1つ入れていただきたいことがありご提案です。ここにおいて、 保育に欠けるという条件が保育所の入所の条件になっております。保育所において障害 児を受入れ、それに対する支援策が充実することがここで語られているわけですが、障 害がある子どもの受入れについて、「保育に欠ける」という条件を外せないかというの が1つご提案です。ここは法律の改定等も伴うところですので大きな提案です。あるい はこの中で実態に応じて都道府県の判断でこういう運用ができるとか、できないとかと いうことです。一般に障害児のお子さんを持つと、母親は育児に専念をして、そのため に保育所に入れないということがあり、悪循環のようなことになります。幼稚園と保育 所を比べた場合、療育、あるいはお子さんの療育を考えたときに、保育所のほうがふさ わしいとしても、そこの時点で入れないということがあり、これらのことが入れられな いかというのが2つ目です。  次に10頁です。これは細かいことですが、「関係者の連携の強化」の○の1つ目、 最後から2行目ぐらいのところで、「特別支援教育のための協議会との連携を図ってい く」となっておりますが、特別支援教育において協議会は、名称は地域によって異なり ますが、どちらかというと施策を検討する協議会のイメージが強く、実働部隊は専門家 チームと言ったり、いろいろな名称で使っているところで、「協議会等」にしておくの か、「専門家チーム」としておくのか、それらが適当かと思います。  10頁の(3)、これは何回も申し上げたかと思いますが、「個別の支援計画づくり」 というのは非常に抵抗があり、計画を作ればいいというふうに捉えられる。(3)の全 体がそういうふうに少しなっているところがありますので、「策定と活用」とか「作成 と運用」とか、計画は作るためのものではなく、それを実行してチェックをして、再度 そこをモニタリングして繰返していくことは大事ですので、そこのトーンを入れていた だきたいと思います。  12頁、くだらない語句の修正まで言って申し訳ないですが、(1)心理的なケア・カウ ンセリングで、「ケア・カウンセリング」という言葉があるのかなと悩んだのですが、 「ケア」や「カウンセリング」なので、誤解のないように中黒ではなく、句点にしてい ただくか「や」を入れるかにしていただきたいと思います。(2)養育の支援の1行目、言 葉にこだわってしまいまして、「保護者が世話をする」ということで、非常に違和感を 感じます。支援者よりも、「保護者が接する時間のほうが長い」としたほうがいいのか なということです。  12頁の(2)レスパイト等の支援の1つ目の○ですが、どうも文章がまずいかなと思 いまして事務局には修正案を提案しておりますので、この文章は変えられたほうがいい と思います。以上です。 ○柏女座長 ありがとうございました。続いて、渡辺委員、お願いします。 ○渡辺委員 6頁、先ほど田中委員からご指摘があった4つ目の○の部分で、私は少し 違う考えがありまして、むしろ、障害通園施設や児童デイサービスの機能を拡充してい くということが必ずしも無意味なサービスの誘導につながることにはならないと思って います。むしろ、それよりはきちんとニーズや必要性に応じてサービスをつないでいく ようなケースマネジメント的な機能をしっかりしていれば、それが大事であって、必ず しも現行の専門機関の障害児通園施設、あるいは児童デイサービス等の機能を拡充して いくことは必要不可欠だと思います。  2つ目は全体を通してのことですが、私自身はこの報告書を読んですぐ思うのは、 「障害児」という言葉がどこまでの範囲を表しているか、ということが箇所箇所によっ て非常に不明確であるということです。いわゆる従来からの心身障害児部分を指してい るのか、それとも発達障害児を含んでこの用語を使っているのか、場所場所によってど うも違うようなニュアンスを感じたり、感じなかったりするので、それが全体の報告書 の中で不明確です。例えば、発達障害児に対してどこまで支援を広げていくのか、とい うことが報告書の中では見えにくいということがあって、これについてはきちんとして いかなければならないと思います。  3点目については、7頁目、(3)の4つ目の○のところで、「重症心身障害児等」の ことが出てくるのですが、これもここの中では「障害児通園施設と児童デイサービスの 機能の充実」の中にこれが入っているのですが、まさに生命の尊厳であったり、人格の 尊厳にかかわるところで、ギリギリのところで生活をされていらっしゃる医療依存度の 高い重度の障害児や、そのご家族への支援というのはきちんと別立てで強調しておく必 要があると思います。必ずしも通園施設との絡みということではなくて、集中的な医療、 在宅の医療であったり、介護サービスの包括的な提供を含めた部分で、もっとも家族全 体が危機に陥りやすい状況にある方々への在宅支援というのは、きちんと強調して含め ておかないといけないと思います。  12頁、(2)養育の支援というところで、「ペアレント・トレーニング」という表現は、 いまは子育て支援とか、一般的に使われている、いわゆる「親教育(ペアレント・エデ ィケーション)」という表現のほうが、「トレーニング」という表現よりもそちらのほ うがよいかなと思います。「養育方法を指導する」というよりは、「養育を支援する」 というふうに、少し指導的でないような表現に変えたほうがいいかなと思います。  それと絡めて言うと、市町村や都道府県の相談支援体制というのは、ソーシャルワー クの中で言うと、個別援助に少し傾斜している部分がある。そういった意味で言うと、 相談支援の中にきちんと親御さんたちに対するグループワークをしっかり位置付けてい ったり、あるいは、ケースマネジメント的な機能といったものをしっかり相談支援の中 に制度的にも位置付けていく必要があるのではないかと思います。以上です。 ○柏女座長 ありがとうございました。それでは宮田委員、お願いします。 ○宮田委員 今回のまとめについては、我々通園施設の申し上げた意見を多く取り入れ ていただいて非常に感謝しております。先ほどの田中委員のご意見には、総論的に賛成 しております。我々通園施設の立場としては、普遍性こそ通園の専門性というふうに考 えておりますので、今後、通園施設はまず障害種別の壁を外して、報告書にもあります 一元化の方向性と児童デイサービスとの壁を低くしていって、そして保育所との壁も低 くしていく。そういった意味では、方向性としては東松山のいまの状況というのは、流 れとしては目標にしたいと思っています。やはり、その過程としての施設の枠を外した り、敷居を低くする制度の創設という部分がいるだろう。  この中で、通園施設に対しては、地域への派遣や訪問ということが何回も出てくるわ けです。その方策としての相談支援事業や障害児等療育支援事業、その部分が一般財源 化されていて使いづらいということであれば、新しい仕組みというものが創設されなけ ればならないという一文をいただきたいと考えております。  「機能拡充」というところにこだわられていますが、この文章の流れから言うと、地 域支援機能を膨らませるための機能拡充と我々は理解しております。いわゆる施設の中 に子どもたちを集めていくのではなくて、施設が地域の一般的な保育園等を支援できる ような機能を持ち得る流れがいると理解しております。  9頁の相談支援の部分については、最初のころに、25億円プロジェクトの中の相談支 援事業全国連絡協議会の報告書で示しておりますが、障害児に特化した相談支援のあり 方というものが検討されるべきだと思います。田中委員からの検討案の中にも出てきま したが、子どもに対応するコーディネーターの配置。我々は「発達支援コーディネータ ー」と名前を付けて要望しておりますが、こういった部分がいるのではないかと考えて います。  最後に、柴田委員がお示しになった入所、通所、児童デイサービス、保育所の関係図 については、私も少し見せていただいており、全面的に賛成をしております。以上です。 ○柏女座長 ありがとうございました。それでは、松矢委員、お願いします。 ○松矢委員 事務局には、大変たくさんの意見が出される中で、とにかくまとめの形に 入ってくださったことを感謝します。  これからの障害児の支援のあり方という点で、基本的には田中委員が出された点を賛 成しております。また、通園施設等、療育センターが果たしている役割も、拡充がそこ だけにという心配を田中委員が述べられましたが、そこはやはりセンター的な役割で、 個別的な支援が進んできたということは事実で、これから保育所や幼稚園で並行利用を していき、さらにその保育所や幼稚園で発達支援コーディネーターが配置されるべきだ と思うのですが、大体、子どもが主として生活している所でコーディネーターがいてと いうふうに移行がきちんと図れて、子どもがより良く共に育っていくというところでコ ーディネーターが機能するような構図を進めていくのがふさわしいだろうと思います。 従来の療育センター、通園施設等の役割もきちんと書いたほうがいいと思います。しか し、地域、市町村で発達支援のコーディネーターを人材として育成していくというのが 新しい行き方なので、この点は地域支援ネットワークというか、従来、療育等支援事業 でセンターを作りながら、地域に密着した支援のあり方を追究してきた考え方からすれ ば、やはり地域に密着した発達支援のコーディネーターが配置されていく。これは特別 支援教育でも、特別支援コーディネーターの配置というのは小中学校、これからは幼稚 園まで進んでいくだろうと思いますが、そういう構図ですので、市町村にも配置してい く。  もう1つ思いますのは、発達障害のあるお子さんを考えていくと、やはり気付く段階 で悩んでいる親御さんが勇気を持つというか、そういう提言でありたいと思うのです。 つまり、障害があるからということで抱え込まれてしまうのではなくて、より良い相談 支援が受けられて広がっていくという支援のあり方だと思うのです。ですから、個別の 支援計画のところでは、3頁の子どものライフステージに応じた一貫した支援のところ でもいいですし、個別の支援計画のところでもいいのですが、こういうような趣旨のも のを入れたらどうかと思います。要するに、本人主体というのは、障害者基本法と障害 者基本計画の基本的な考え方ですよね。本来は、子どもも本人主体というのはあるべき ですが、子どもの権利を守っていくのは保護者だと思うのです。そうすると、保護者が 主体的に動いていただくという一文が必要なのではないか。例えば、「保護者は子ども のライフステージに応じた相談支援を含めて一貫した支援システムを利用することがで きるように、関係機関に連携に基づく個別の支援計画の作成と活用を求めることができ る」というような一文を入れておけば、他に出てくる連携であるということが、保護者 の主体的な希望に沿って進んでいくということがはっきりするのではないかと思います。  ですから、気付いたときに、いちばんより良い相談がA機関、B機関とかいろいろ聞 けますよと。そしてそれは一般の保育所だって、幼稚園だって支えてくれるのですよと いうような気持の広がりで、保護者がより良い個別の支援が得られるような、活用でき るようなものを一文入れたらどうかと思いました。  放課後のところもきれいに整理していただいて、子どもの発達に必要な訓練や指導な ど、療育的な事業を実施するものについては云々ということで、市町村の実情に応じた 創意工夫した取組が引き続き実施されるべきと考えられる。これはまさに発展系ですね。 やはり、いろいろなより良い形が作られていくべきだと思っているのです。ですから、 これはデイサービスだけではなくて、子どもの発達に必要な訓練や指導ということで、 放課後の部分についても、あるいは長期休暇のところについても、創意工夫が進んでい くことが望ましいと思っています。1例ですと、私は応援をしているのですが、倉敷市 でこれは放課後活動でもあり、またキャリア教育を兼ねて、全体としては地域を作って いくコミュニティの地域作りでもあり、倉敷市インクルージョン事業というのをやって いるのです。これは週1回1時間、放課後に自分の好きなお店とか、会社に行って働け ると。そのときにガイドヘルパー・プラス・ジョブサポーターということで、要するに ガイドヘルパーが一緒に行って働けて、それがボランティアなのです。子どもと一緒に 働いてくれるので、お店の人も、会社の人も安心して1時間の職場体験、働く体験をし ていく。それが1校の中学校から始まって、いまは7校まで増えていって、中学区域で お店、地域住民がみんな協力して進んでいるインクルージョン事業なのです。これは放 課後活動、長期休暇、夏休みもやります。そうすると、ジョブサポーターは、地域住民 なのです。前後入れて2時間か3時間の子どもの支援をしていくというシステムです。 地域全体の協力で、7中学区で広がっています。もうほとんど全域です。それが市の事 業、市の予算でやっている。本当にわずかなお金で、ジョブサポーター、有償ボランテ ィアという形であるのです。  こういうようなことは国、都道府県、市町村が応援していくということがないといけ ないと思います。コミュニティの地域全体の地域作りに結び付くようなことも実際には 必要で、発達障害のお子さんたちもそういう中で包摂されていくという地域作りみたい なものでも、やはり、この中に入りくるわけで、いろいろな形があるということです。 その点を入れていただきたいと思います。ここではかなりより良く表現されてきたと思 います。以上です。 ○柏女座長 ありがとうございました。副島委員、お願いします。 ○副島委員 まず、学齢期・青年期の特に放課後の取組ですが、いま松矢委員が言われ た内容は、特に我々は当事者としても大変ありがたい意見だと思っていますので、是非、 そのことは取り上げていただきたいと思います。この内容についても、当事者である我 々の意見をよく入れていただきまして、まとめられていることに対しては感謝いたしま す。  13頁、経済的負担のところで、あまりにも簡単に書かれ過ぎているのではないかと いうことで、確かに障害児を抱える家族というのは、療育機関への送迎、そういうとこ ろでの交通費の負担とか、さらには支援サービスの利用料負担で確かに貧窮しておりま す。さらに、いままでもらえていた特別児童扶養手当が、どうしても自分の子どもには 入所施設を利用しなければいけないとなった場合、その扶養手当が止まり、そしてサー ビスを利用するための負担金がそこに発生するということになると、入ってくるものが 止まり、出ていくものが増えるということになると、やはり、そこに対しては子どもを 育てている親にとってはひどい負担の状況になると思うのです。そういうところも、ど ういうような検討の方法があるのかまだ分からないのですが、是非、1つ検討の中に入 れていただきたいと思います。以上です。 ○柏女座長 ありがとうございました。それでは、末光委員、お願いします。 ○末光委員 重症心身障害児の関係者として、細かな文言につきましては若干あります が、大筋で重症心身障害児、そして重症心身障害児施設の果たしてきた役割、今後につ いて、的確な文章にしていただいていることに感謝申し上げたいと思います。  私の立場で1つだけ、7頁、3.の「学齢期・青年期の支援策」、放課後、夏休みにつ きまして、積極的な取組の提言をいただいておりますが、その前に本体部分の特別支援 教育についてはかつて申し上げましたが、昭和54年の養護学校義務制によって、障害 児教育は世界でも我が国はこの方面は高い評価を受ける状況になっており、その中に重 症心身障害児も含まれている。しかし、影の部分がないわけではないということで、重 症心身障害児の中で、学校教育の機会に浴することなく成人に達した方もたくさんおら れるということです。もう1点は、在宅の重症心身障害児で目の前に特別支援学校があ りながら、そこへ通うことができないという方がおられる。いわゆる訪問教育につきま しては、是非、解消できるようにお願いできたらと思います。その点だけです。 ○柏女座長 ありがとうございました。それでは、市川委員、お願いします。 ○市川委員 確か、田中委員からお話があったと思いますが、私は5歳児検診を新たに 作るというよりは、いまの1歳半検診、3歳児検診を充実させて、そのフォローをちゃ んとしていく。それから、保育所等で気付いていくというほうが現実的ではないか。5 歳になって発見したのでは遅いのではないかという気がいたしております。  あとは細かい点です。11頁のいちばん下のところに、「障害を受け入れる」という ことが書いてありますが、こんなことにこだわっていてはいけないのですが、やはり、 受け入れるか、いないかではなくて、ほとんどの方が気が付いているが認められない別 の事情があるというのが現状なので、この書き方はどうなのかなと思います。  もう1点は、12頁の「養育の支援」のところで書いてある「二次障害」という言葉 は、私が知っている二次障害というのは1つの障害があって、それが変わったり、併発 するときに書くもので、子どもさんの外側の親子関係を二次障害と呼ぶというのは、ち ょっといかがかなと思うので、これは考えていただければと思います。以上です。 ○柏女座長 ありがとうございました。時間の関係もありますので、次に移りまして、 その中で柴田委員、先ほど後半でもご発言をいただけるという話でしたので、前半の部 分についても補足をいただきながら後半に進めていただきたいと思います。それでは、 後半の部分はいかがですか。田中委員、柴田委員、お願いします。 ○田中委員 今回は児童養護施設との関係ということで、14頁のIIIの6の(1)の部分 について障害児施設と児童養護施設との融合的な再編ということでは、もう少し踏み込 んだ考え方を、障害児施設の児童養護施設への包摂、その上で、なお必要な障害児施設 の専門的役割ということで、ソフトランディングが必要なのではないかということをも う少し書いて、方向感をそちらへ向けていくことを強調するべきと思っております。  私の資料の5の16頁のIIIの6の(2)、例えば重度の知的障害ということで、いちば ん上の部分について言及しているのですが、資料として電書ファイルで入った文書が落 ちてしまいましたので、簡単に読み上げて、また事務局のほうに提出し直したいと思い ます。16の右端が空欄になっていますが、そこには「国が構築した重症心身障害児福 祉の蓄積と、その拡充を踏まえつつ小児神経科医の育成、訪問看護の充実、在宅訪問診 療の報酬単価の検討、医療行為の整理などを進め、重症心身障害児に安心、かつ充実し た暮らしを保障できるようなケアホームや、積極的居宅、生活の可能性を議論する必要 がある」ということで現状をさらに地域志向に向けて、重症心身の在宅において欠けて いる部分についてを充実してほしいということを述べております。  最後に、18頁のIIIの6の(4)、入所施設のあり方については、施設のあり方という ことで強くこのように位置付いておりますので、障害児の入所施設をどのような方向で 見直すかをもう少し明確にしていただきたい。特に、現状維持のままでいくような流れ に見えてしまいますので、ファミリーホームと書いてあるようなことがもう少し既存の グループホーム、ケアホームに結び付く。地域で親に欠けるような状況、もしくは年齢 が一定に達すれば学齢と言われる子どもというふうに位置付く年齢が15歳、18歳と区 切りがいろいろありますが、その辺になった段取りの中で、グループホーム、ケアホー ムを志向するような流れを含めて、入所施設とは切り離して地域における入居機能をど のようにするか、ということについて具体的に明示していただきたいと思います。以上 です。 ○柏女座長 ありがとうございました。それでは、柴田委員、よろしくお願いします。 ○柴田委員 特別支援学校の寄宿舎について、先ほど資料をいただきました。平成19 年度の寄宿舎入居児童生徒数が幼稚部は20人、小学部が913人、中学部が1,856人、 高等部が7,440人、合わせて1万229人ということだそうです。小中を合わせて約 2,000人、高等部で7,000人、合わせて1万人ということで、やはり、非常に多いとい う実感がいたします。いまここで議論している福祉の入所施設とそっくり同じぐらいの 児童数が寄宿舎にあるということについて、寄宿舎を利用せざるを得ない状況にあるこ と自体の改善も必要ですし、現に利用せざるを得ない状況があるわけですので、そうい う寄宿舎にいる子どもへのさまざまな支援、卒業後の移行支援をどうしていくのか、と いうことを議論しないと、議論の一方がポッと抜けているような気がいたします。  報告書の後半につきましては、実は私どもは困っているところです。参考資料2の2 頁から入りたいと思います。今日の報告書案の14頁の第4の○について、児童自身が 養護施設に行ったり、障害児施設へ移ったりということがあり得ますので、その弾力的 な変更が可能となるようにするために、両施設の制度や利用者負担を共通化することを 検討するという文書を入れていただきたいと思います。  報告書の18頁の(4)、「障害児の入所施設における支援の在り方」の、上から4行 目に、「障害児のファミリーホーム制度」が出てきます。これはここへ入れていただい てありがたく思います。もう1つ、養護施設で取り組んでいる地域小規模施設制度も、 障害児施設でもこういうものが展開できるように入れていただきたいと思います。  18頁の下のほうの「行政の実施主体」の第3の○で、「他方障害児施設は数が少な く、広域調整が必要なことや、入所の必要性などについて専門的な判断が必要なこと等 を踏まえると、都道府県の関与が必要と考えられる」ということですが、そこに「特に 小さな町村においては、障害児への対応に困難な場合が多いこと等を踏まえると」を加 えていただきたいと思います。  報告書の19頁の「通所について」の1番目の○で、通所については、基本的には実 施主体を市町村としていく方向ということが述べられていますが、その後に「また、障 害児通園施設の広域における機能を重視するために、実施主体を都道府県とする意見も あり、両面から検討することが必要と考えられる」と、両論併記にしていただきたいと 思います。  20頁、第一案、第二案、第三案が示されていますが、私どもは第三案に賛成してい るわけです。第三案の後ろ、「第三案とする場合には、その実施状況を踏まえて、将来 的に実施主体を市町村とすることを検討していくこととなる」と書いてありますが、こ のまとめ方には私どもは反対です。現在の町や村のような小規模な自治体で、それが実 施できるかどうかについては非常に疑問を持っております。町村合併が進んで、全部町 村が市に統合されていけばそういう展望はあろうかと思いますが、現状が進まない中で、 将来的な展望として市町村を実施主体という方向にいま変えてしまうことについては、 私どもは反対です。削除をしていただくか、ないしはそれに反対であるという意見もあ ったということを書いていただきたいと思います。  参考資料2の3を見てください。報告書の20頁の下から3つ目の○で、「障害児施 設の利用についても」と書いてありますが、「利用」という表現は契約に関連する言葉 で、私としては措置をお願いしておりますので、ここは「措置」と「契約」の両方に適 する言葉として、「入所」を用いて、「障害児入所施設への入所についても」に変えて いただきたいと思います。  さらにその後ろに、次のもう1項目を立てていただきたいと思います。「知的障害児 施設では、87%を措置とした県がある反面、100%を契約とした県があるなど、措置とす る条件の解釈は都道府県により、大きく異なる。また、親のネグレクトにより、兄は児 童養護施設に措置入所したが、弟は親が契約に同意したことを理由に知的障害児施設に 契約入所とされた。しかし、親は定率利用料、日用品費、小遣い、学校経費を未納して いるという事例もあるなどの報告がされた」という項目です。これは前回の報告のとき に申し上げたことです。そのときに提出した資料を、今回は整理をしてお配りしました。 たくさんの事例が寄せられていたのですが、その初めの4頁分だけを取り出しておりま す。さまざまな事例がありまして、上から2つ目の事例が、いま言った事例です。やは り、現実は、どう考えても措置でしか成り立たないようなものが、たくさん契約にされ ているわけです。その実態については、なかなかご理解をいただけないだろうと思いま す。ここに新聞記事をコピーして付けております。そこには本当に目を覆うばかりのさ まざまな事例が報告されております。真剣に取材をしてくださった記者の方に、本当に 心から感謝をしたいと思います。この中で、未収金5,700万円という数字があります。 負担増で退所が108人、これは、毎日新聞社が独自に調査をされたわけです。私たちも これだけの全体調査は十分できていないのですが、すごい数がそこに出されております。  記事を見ますと、「滞納している入所者は、427人」ということで、全入所者の16 人に1人の割合で6%という数字が出されております。おそらく、この数字では427人 ですが、全部を合わせると、600人ぐらいになるのではないかと思います。その滞納と いうことが、前回は保護者の責任であると意見が出されました。しかし、いくら払って くださいと施設がお願いをしても払っていただけないという現実があるわけです。そう いう現状に対してどうするのかというときに、契約ですから施設はその人たちについて 出て行ってくださいと、施設では見られませんというふうに言えるのかというと、それ は現実にはできないことですので、施設としては本当に歯を食いしばって赤字に耐えな がらも、この人たちの支援をしているわけです。これはどう考えても、親の責任だとい うことで済まされることではなくて、児童福祉法第2条により、行政の責任を明確にし ていただきたいと思います。  参考資料2の3頁の上から2つ目の黒丸に移ります。検討会報告書の20頁の「措置 と契約について」の第3の○です。「障害児施設への入所については、入所の支給決定 が必要かどうかの判断を行い」と書いてあります。「支給決定」という表現自体が、こ れは契約に対応する言葉であり、先ほどの入所施設の利用という言葉もそうですが、あ くまでも契約を前提に、いろいろな所で言葉が散りばめられているわけです。やはり、 言葉は正確に使っていただきたい。私どもの意見を取り上げて、両論併記とするとして いただきたいし、そうするならば、言葉も契約ということを前提に偏らないように表現 をしていただきたいと思います。  やはり「措置と契約について」のところで、20頁のいちばん下、「この点につい て」から、21頁の次の○、「また」とか「これに対しては」とか「さらに」とか、4つ ○がありますが、ここについては論点が整理をされていないと思います。例えば、契約 制度であるべきだとおっしゃった意見の中には、通所についておっしゃったのかなと私 は受け取っていた発言も、ここに組み込まれております。入所について措置とするのか、 契約にするのかについては、もう一度きちんとした時間をとって議論をしていただきた い。おそらくこのあと30分しかないという中で、このような結論を出すことについて は、非常に無理があると思います。私どもの意見は再度申し上げます。  21頁のいちばん下のところで、私どもとしては、知的障害児施設については入所施 設の福祉型ということで共通すると思いますが、知的障害児については短期入所は契約 でもいいと思いますが、それ以外は措置にしていただきたいと強く望んでいます。そう いう点で21頁のいちばん最後のまとめで、「基本的には現行の枠組みをベースに、さ らに検討していくことが必要である」という、「基本的には現行の枠組みをベースに」 というところは、削除していただきたいと思います。  22頁の最後の上の○につきましても、現状を前提としたまとめとなっております。 措置と契約のばらつきが多いということも問題ではありますが、単にそれだけの問題で はなくて、私どもはやはり基本的に子どもの権利という点に立ち返るならば、子どもの 権利条約の原則から考えていきたい、措置をしていただきたいという主張です。両論併 記に改めていただきたいと思います。  私どもの考え方を整理しましたのが、参考資料2の5頁目です。障害児の支援に関す る検討会の意見要点です。前々回も申し上げましたが、よく理解をしていただけなかっ た、私の説明も少し混乱した説明だったかというふうに思います。改めて説明をさせて ください。5頁目の入所施設の援護の実施方法についてです。児童福祉法第27条は、 措置の開始を「要保護児童を発見した者による通告による開始」、これは25条に規定 してありますが、これから始まることになっています。つまり、保護者が施設に入れた い、施設を利用したいということではなくて、誰かが要保護児童を発見したもので始ま るということで、ここには子どもの権利条約に述べられているように、父母の申込みに よる開始とか、あるいは父母による利用の選択ということが含まれていません。27条 に新たに、父母等の申込みによる開始、あるいは父母等による利用選択というものを加 えて、27条を修正をしていただきたいと思います。そうすると、27条は措置とはいい ますが、契約的要素を持つわけです。仮にこれを契約的措置と言いたいと思います。以 後私どもが措置と言うのはこのような契約的な措置です。入所施設について、福祉型と 医療型と分けるならば、福祉型については契約的措置としていただきたい。医療型につ いては、ご意見があるようですので、当協会としての見解は差し控えさせていただきま す。ただし短期入所については、従来どおり契約を基本として、必要に応じて措置が実 施できるような形でいいと思います。  理由ですが、第1に家族と共に暮らすことが子どもの権利であり原則であります。そ れを基本に考えていただきたい。それができないから入所になるわけです。それについ ては児童福祉法の2条で「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身 ともに健やかに育成する責任を負う」という行政責任を明確にしております。そういう 点で私どもは基本的には行政責任である措置と考えます。  第2に、一方、父母の意思や施設選択を尊重することも重要です。児童の権利条約の 23条は、障害児は特別な養護についての権利を有すること。そのための父母の援助は 父母の申込みに応じて与えられることを定めています。そのため、児童福祉法の27条 を契約的措置に改正する必要があると思います。  第3に、児童権利条約23条は、父母の負担を無償又は所得に応じた負担というふう にしております。その点で現在の契約制度は定率負担になっておりまして、定率負担と いうのは、障害が重くなれば重くなるほど負担が増えるとか、様々な問題を持っていま して、実際は定率負担は児童権利条約23条に違反すると考えます。そういう点で、応 能負担に戻していただきたい。  第4に、一般児童施策である児童養護施設は措置でありまして、その負担は応能負担 です。したがって、障害児もそれに合わせて、措置及び応能負担に戻していただきたい。 ○柏女座長 すみません。長時間になり過ぎていますので、短かくお願いします。 ○柴田委員 第5に、児童福祉法27条を改正する契約的措置は、実は保育所が現在同 様の実施方法を取っておりますので、実際に法的には可能であります。  第6に、先ほど申し上げました、児童の利用料未納が大変多い。それは父母の責任で あって、行政責任ではないということが、前回発言がありました。しかし、もし施設が 契約解除をすれば、当該児童は完全に路頭に迷うことになります。そこは、児童福祉法 の2条により、行政による責任ということを明確にしていただきたい。未納が出る最大 の理由は負担額が増えていることです。あくまでも子どもの権利を基本において議論し ていただきたいと思います。父母が定率負担に応じるか否かで契約と措置に分けるとい うのは、実際にはできません。したがって、児童の知的障害児の入所については、短期 入所以外はすべて契約的措置としていただきたい。  児童通園・デイサービス等の援護の実施方法ですが、児童通園・デイサービスにつき ましては、基本的には保育園と同じやり方にしていただきたいと思います。これは、父 母による行政との契約、父母による事業所の選択、行政による事業者への措置委託とい う方式を取っていただきたい。居宅支援は従来どおり契約でいいと思います。それが措 置か契約かということです。援護の実施主体についても、入所施設の実施主体は都道府 県でお願いをしたい。通園施設については都道府県ということを主張しております。こ れは通園施設の実際の圏域が、障害保健福祉圏域に拡大しているためです。ただしデイ サービス等は市町村でもいいわけですが、小さな市町村については都道府県が代行する 等の支援策が不可欠である。  それから、この議論では、大事な議論が抜けておりました。利用者負担と事業経費に ついての議論です。これも議論をすることになっていたはずですが、いままでの議論で は十分になされていません。繰り返しになりますが、児童権利条約によって、利用者負 担は応能負担とすべきであって、定率負担は同条約に反すると私たちは考えております。 今度は月額かどうかということですが、入所施設につきましては、これは一部契約とい うことが。 ○柏女座長 時間がなくなってしまうので、資料は参考にさせていただいていますので、 本文に則したものについてのみお願いしたいと思います。 ○柴田委員 行政負担は月額制としていただきたい。通園、児童デイ、学童デイ等につ いては、利用者負担を応能負担として、利用計画に応じた日額制としていただきたいと 思います。行政負担については、事業所の基礎経費を月額制としていただきたいと思い ます。居宅、短期入所については従来どおりであります。  最後に相談事業につきましては、既に提案されておりますので、省略をしたいと思い ます。以上、特に措置と契約、援護の実施、利用者負担についてこの書きぶり全体を再 度大きく改めていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○柏女座長 では君塚委員、お願いします。 ○君塚委員 入所施設として4点ほど提案をしたいと思います。まず14頁の上の3行 なのですけれども、この文言自体間違っていないし、受け入れなことなのですけれども、 地域の支援のところを取り上げると、通所あるいは児童デイサービス以上に、現実には 行っていると考えています。これにもかかわらず、前段のほうでの入所機能ということ に絞られてしまって、専門機関という言葉があるのですが、前段のほうでは、いろいろ 言葉が混り込んでいて、統一されていないということが1つ。  2番目に、15頁目のいちばん上の○です。パジャマ、プレイルームと具体的で分かり やすいのですけれども、報告書の中では少しあまりにも卑近過ぎて格調が低いのではな いかと。学齢前の子どもへの児童保育、あるいは高卒後の入所児の大学機能などを行っ ているというのは、書いてもらったほうが格調が高くなると思っています。  3番目は、18頁です。(4)の支援の在り方のところで、家庭的な雰囲気とあります けれども、実際にコーディネーターということもありますけれども、私たちが担ってい る現場としては、コーディネーターとか、あるいは家庭的な雰囲気というのは間に合わ ないと考えています。もっと専門的な臨床心理士とか、療育ノウハウを持った経験の深 いセラピスト。市町村で人材を育成するという言葉がありましたけれども、やり方とす れば、専門的なスタッフの育成というのを優先すべきであると考えています。  最後の4点目です。23頁の「おわりに」の○3ですけれども、「また国、地方を通じ た財源の確保にも留意しつつ」というところを、もっと強調してほしいと考えています。 障害児の福祉というものは、国の根幹の福祉ですので。それから障害児の福祉の比率が 低いということが分かっておりますので、留意するということをもう少し強調して、 「目指して」とかそういう形にしながらということ。これに関係して属人化という形で 施設給付費の話をしていたのですけれども、現に厚労省においては、各施設の収支状況 調査が進んでおりますし、総合発達センターでは、知的障害と肢体不自由の相互乗り入 れで単価がそれぞれ個別に出されているということで、今後、障害が一本化されたとき に、どのように給付をしていくかということを検討するとともに、属人化に応じた対応 の検討が望まれるということを、明記していただきたいと思います。そうしないと、こ れはどうなっているのかというのが全然見えないです。以上です。 ○柏女座長 ありがとうございました。末光委員、渡辺委員、宮崎委員、市川委員お願 いします。 ○末光委員 冒頭にも申し上げましたとおり、重症心身障害児に関わる要望を十分にく み取って文書にしていただいているので、発言しないつもりだったのですけれども、田 中委員のご発言について、1つだけお願いしたいと思います。田中委員の資料の5頁、 本日の資料の16頁にかかわるものです。本日の資料の16頁も同時にご覧いただいたら と思います。そこの「例えば重度の知的障害と、重度の肢体不自由が重複して云々」と いうところで、先ほど田中委員は文章が落ちているので改めて事務局に提出されるとお っしゃられましたので、正確ではないかもしれませんが、口頭でご発言された中の前文 については私ども感謝をしております。重症心身障害児の福祉について、高い評価をい ただいている。その中で在宅の重症児のための医療を含む総合的な家族支援がいるとい うことを述べておられたように思います。最後に重症心身障害児のケアホームの検討と いうことをおっしゃられました。この部分につきましては、既に私どもが4月25日の 第3回の検討会で日本重症児福祉協会の理事会の公式見解として、重症児グループホー ムというようなことについては、軽々しく使ってもらっては困るということを明言させ ていただきました。特に重症心身障害児の用語については、正しい理解、使用をお願い したいと申し上げてきたところです。そのような意味で、将来的には重症児ケアホーム ということを視野に入れる必要があるかと思いますが、現段階では我々は容認しがたい と思っております。その前に、最重度の肢体不自由、重度の肢体不自由者のケアホーム 等々を整備すべきです。その先に重症児ケアホームであればわかりますけれども、この 時点でその文章を取り上げられ、また、事務局のほうで文書化されるとしますと、私ど もはそれは承認しがたい、拒否させていただくということを明言させていただきます。 ○柏女座長 ありがとうございます。渡辺委員、お願いします。 ○渡辺委員 私たちは1点のみです。これまでいろいろご議論があって、この委員会の 中で結論が出せないところは併記するしかないと思っています。正確に併記をする形で 報告を出すしかないのではないかと思います。  1点だけ。私が気になっているのは、実施主体であったり、財源負担であったり、将 来的に、3つの案が出ているのですけれども、これも併記という形になると思うのです けれども、どうなっていくにしても、都道府県の位置付けをはっきりさせていかなけれ ばならないことだろうと思っています。高齢者分野、障害者分野でも、結局市町村とい う形になっていくのですけれども、これは結局都道府県がスルーになっていて、都道府 県の位置付けが弱まっていくというのはあまり良くないと。これは社会的養護について も協議されていると思うのですけれども、人格の基礎が出来上がってくる児童期につい ては、市町村に実施主体が移っていくことになったとしても、都道府県が何をするべき かということについては、はっきりと明記して、都道府県の責任性を明らかにしておく 必要があると思います。そういった意味で言うと、こんなことを言うと児相の方に怒こ られると思いますが、どちらかといったら判定機関になってしまっているのだけれども、 やはり児相の機能の中には、はっきりと市町村支援という機能があるわけですから、や はり専門的な観点から、市町村をバックアップしていく機能を、しっかり明記しておく 必要があると思います。また、もう1つは、実際の障害児のケースといっても、そこに 養護性が絡み合っていたり、場合によっては非行性が絡んでいる場合もあったりとか、 いろいろな問題が複合的に絡んでいる場合が非常に多いわけですから、こういったとこ ろにおける、特に重篤なケースに対する、児相の相談支援機能、あるいはコーディネー ト機能をしっかりと位置付けていく必要があると思っています。同様に法律ができたの だけれども、まだ内容がはっきりしていない。発達障害者支援センターについても同様 だと思いますので、都道府県機関の果たすべき位置付けというものを、きちんと明記し ていただきたいと思います。 ○柏女座長 ありがとうございました。宮崎委員、お願いいたします。 ○宮崎委員 すみません、時間がない中で。先ほど漏らしてしまったのですが、前回学 校の放課後活動の問題が取り上げられておりまして、8頁に細かく書いてくださってい るのですが、障害のある子どもの放課後活動の促進に関する調査研究というのは、全国 のPTAと、特別支援学校で、知的障害の、一緒に放課後子どもプランについて、具体的 な検討などを進めておりまして、実践例などを各地に広げております。そういった事例 なども書き込んでいただくとありがたいと思います。文部科学省もこのことについては 努力しているところです。  15頁に、障害種別による類型についてという書込みがあります。皆さんのご意見で 障害の重複化等を踏まえれば、基本的な方向として一元化を図っていくことは適当と考 えられると。これは、こんな方向でたしかによろしいと思うのですが、少なくとも、こ の中身というのが、一元化は何を指すのかというのが、あまり明確ではないのです。や はり複数の障害にきちんと対応できるような仕組みを作らなければいけないので、そう いったことを明らかにしなければいけないと思います。その点での一元化でしたら私は 賛成します、ただ入れればいいということではなくて、その辺りを明確にしておく必要 があるのではないかと思います。  18頁の行政実施主体の話なのですが、柴田委員や渡辺委員がおっしゃったことと私 も関係することで申し上げます。障害児施設の実施主体はどこなのだという問題がある と思うのです。障害児施設の入所、通所については、数が少なくて、非常に広域の調整 が必要になるということは事実だと思います。例えば特別支援学校は個別の支援計画を 作成するときに、5市町村とか、相当広範囲に渡っていて具体的に資源が様々なのです。 調整に苦労することがすごく多いのです。こういった中で渡辺委員からありましたよう に、入所等については、児相がかなり関与するわけですが、そこでは専門的な判断と具 体的な支援の枠組みがなされなければいけないのですが、医師とか心理士といったよう な人たちがきちんと間に立たなければいけない。現在の市町村の体制で、こうした新た な事業を移管するということが本当に可能なのかという問題を考えておかないといけな いし、市町村で専門職を増員するということは難しいので、都道府県が障害児施設につ いて、きちんと関与する仕組みを作らなければいけない。これがなく、ただ市町村に移 管すればいいという話にはやはりならないのだろうと私も思います。そういう意味で私 もこれを読ませていただきながら三案なのかなというふうに思いました。そのときに、 具体的に書いてあるような中身で私は検討していただくことが望ましいのかなと思いま した。  措置と契約の話ですが、これは要望ですが、いま、児童福祉法などについてご意見が あったのですが、国や地方公共団体が、子どもの健全育成に責任を持っているというこ とは事実で、児童養護施設、児童の自立支援施設ですとか、乳児院などと同様に、障害 児施設にしても一元的に検討する必要性があるのではないか。そうしたことが、います ごく重要なのではないかなと思いました。 ○柏女座長 ありがとうございました。市川委員お願いします。 ○市川委員 私のほうは一点だけです。13頁の下から4行目。濃厚な医療、発達支援 等が必要というところに、重症心身障害児や、重度の行動障害ということを入れていた だいたということは、私としては前回もお願いしたところなのです。ただ、これは私が 理解している限りは、知的障害を持っている発達障害の方々であって、いわゆる強度行 動障害と言われている方々を考えているのだと思いますけれども、後のほうをいくら読 んでも、中身がどこにもないなという気がします。おそらく医療型施設といっても、肢 体不自由を中心にしか話が出ていないように思いますので、これは是非国として、受け 皿を考えていただかないと、書いてあってもどこもできないという話ではまずいわけで すので、すぐには無理かもしれませんが、少なくとも各県に1つぐらい、ここに書いて くださった、濃厚な医療ができる知的障害の方々を中心とした治療のできる医療機関を 設置するようなことを是非考えていただきたいと思います。以上です。 ○柏女座長 ありがとうございました。では山岡委員お願いします。 ○山岡委員 2点です。まず19頁の入所についてというところで、第一案、第二案、 第三案となっているのですけれども、ロジカル的に非常に分かりずらく書いてあります。 これは第一案、第二案、第三案と項立てしていただいて、その中身を書いて、そのあと 付けていただいたほうがいいのではないかと思います。どれが第一案なのか分かりづら いということだけ申し上げます。  21頁です。これは意見として出てきたということで書いてあるのですが、上から5 行目。子どもは最後は行政が育てるべきであり、知的障害児の入所は措置によるべきと いうところは、前回もこれについてはご意見が出ていたのですが、発言された方が本当 にこうおっしゃったのか、育てるべきとおっしゃったかどうかというところがよく分か らなくて、行政が最後は責任を持つとか、何か「育てる」という言葉はここに書かれる ことについて抵抗感があります。発言された方に聞いていただいて、こう表現していい ものかどうかというところだけです。以上です。 ○柏女座長 ほかに、副島委員。ほかにございますか。30分には終えたいと思っては いるのですけれども。 ○副島委員 先ほどから議論が出ている、子育ての責任というところです。前回のとき にも子育ての責任はやはり親にあるべきだというお話はしたと思うのですけれども、今 日は、児童福祉法第2条の内容を聞かせてもらって、直接な子育てというのはやはり親 にあると思います。しかし、子育てをするための環境整備とか、もし障害がある状況に あったとすれば、それに対する専門機関を用意するとか、子育ての条件がそろわなくて、 親では子育てができない状況だと判断したときには、国の力を借りないといけないと思 います。これが契約か措置かということになるのですけれども、やはり措置の部分と契 約の部分、両方あってしかるべきではないかと思います。選択すべきものも必要だと思 います。結局障害のある子どもであっても国民ですから、子育てに関する国の責任とい うのは絶対ないとは言えません。必ずあります。そこのところは明確な判断をしておか なければいけないと思います。すべて、親が責任を持たなければいけないということに ついては、やはり少しは中を訂正しなければいけないと思います。 ○柏女座長 ありがとうございました。 ○柴田委員 行政が育てるというのは違いますよね。副島委員がおっしゃったように、 基本的には子どもは親が育てるのが第1原則であって、子どもは家庭にいるのが原則で あって、どんなに障害が重くても親の愛情の下で、親の愛情を受けて育つのが原則であ ります。私は成人施設で、幼児期から施設で育った人を何人も見てきましたので、その 寂しさ、心の底にある寂しさを身にしみて経験しています。やはり子どもは親の下で育 つべきであると思います。でもそれが現実にできないときにどうするかというところに、 行政も責任があるということを明確にしていただきたいと思います。 ○柏女座長 ありがとうございました。そこの文はおそらく子どもは最後は行政が責任 を持って育てるべきであるというような表現に変えたほうがいいですか。 ○柴田委員 そうですね。 ○田中委員 冒頭にもお伝えしましたが、措置という枠組みと、現実の、例えば医療の 問題であるとか、非常に難しい問題を前提にあるべき論を語ることについては、市町村 の現状があまり機能していないということに憂いがあったとしても、基本的にはこの提 言書は、あり方論を求めるべきだと思っております。あるべき論として書いた上で危惧 すべきことは、このような手順があるということで進めていきたいと思っております。 ですので、先ほど末光委員からご指摘がありましたことについては、具体的な制度設計 について検討を進めていくべきであるということにつきまして、医療面で欠ける要素が 強いというご意見をたくさんいただいておりましたので、そこを強めて、重症心身障害 の方でも望む暮らしが保障できるように、可能性を議論する必要があるということでお 伝えしました。可能性について議論する必要がないということについて言及されるので あれば、そのような、かつてご発言があったことについて支障だと思いますが、あるべ き論としてそのような体制を作るべきだということについては、現実的なことを一足飛 びに飛ばして、夢物語りではなくて、意見を言わせていただきましたので、そのように 受け止めていただければと思っております。同じように措置に関しても、措置という形 で対応がこぼれる部分が契約上行われているのであれば、そのことについてどうするべ きかということについてを、もう少し整理して、私が先ほど述べさせていただきました ような、市町村における仕組作りに、柴田委員が繰返し伝えている部分を反映させるべ きであろうと思っていますので、そこを飛ばして措置施設が常にすべての問題を引き取 らないと、問題が解消されないという議論の立て方ですと、冒頭にお伝えしたように、 いまの仕組みを現状維持するということで、全く前に進んだ議論にならないと思ってい ます。そのことが繰り返されるのは、時間の無駄だと思っております。 ○柏女座長 ありがとうございました。 ○末光委員 先ほどの田中委員から私へのことですが、私が申し上げているのは、いわ ゆる夢を語ってはいけないということではありませんが、やはり、まず現実に根ざした ものであってほしいと思います。特に前回申し上げましたのは、重症心身障害でない方 を重症児と言い、その方々をグループホームでやっているからということについては、 容認しがたいということを申し上げたわけです。そこにおられる方は、最重度の肢体不 自由です。したがいまして、身体障害に対するグループホーム、ケアホームが不十分な ので、その部分をまず整備する。その中でやれる方はちゃんとやっていただいて、その 上でなお重症児のケアホームが必要であれば、その次のステップとして議論をしていた だきたいということです。 ○柴田委員 そのあり方として、私どもはファミリーホームというふうに申し上げたの ですけれども、できれば里親制度をもっと拡充して、両親に代わるような形で家庭で育 てられるということが、いちばんこれからの方向としては大事だと思います。その次に、 ファミリーホームのような形が必要だろうと思います。しかし、現実は知的障害の場合、 児童入所施設に10,000人の入所者がいて、そのうち6,000人は子どもなのです。その 子どもについて、先ほど縷々申し上げたので言いませんけれども、悲惨な状況が現在進 行しているわけで、これを変えてほしい。きちんとしてほしい。これだけの赤字を抱え ていて、それぞれの施設長は歯を食いしばってやっているわけですよ。だけれども、こ れが1年2年続いたら、施設はもう保たないです。この子どもたちを放り出すしかない。 放り出すなんていうことはできないですよね。ではどうすればいいのですか。そこを変 えていただきたいのです。現状維持の話ではないのです。これだけ新聞等コピーしてお 渡ししましたので、まず現実に目を向けて、理想も大事だけれども、現実を何とかする。 そこから議論をしていただきたいと思います。 ○柏女座長 よろしいでしょうか。30分になろうとしていますので、この辺で切りた いと思いますけれども、よろしいでしょうか。たくさんのご意見をちょうだいいたしま した。  まずは細かいところで言えば言葉の使い方の問題、理念、あるいは視点の追加、修正 などについてもご意見があったかと思います。さらには、書かれていることについて、 充実させる方向でのご意見もございました。また、新しい提案もあったように思います が、これについては、議論が十分ではないところもあるので、書き加えるかどうかにつ きましては、事務局のほうと相談をさせていただきたいと思います。提言の修正につい てもご意見がございました。これについては特に両論併記、行政の実施主体、施設の在 り方等についてのところでは両論併記を求める意見がありました。この場は多数決を取 る問題ではないと思いますので、それについては事務局のほうと相談をさせていただい て、案の1、案の2、案の3となるかは別として、正確に議論を反映させた報告書にさ せていただきたいと思います。  特に子育ての責任の果たし方の問題について、公的責任なのか、あるいは保護者を中 心として、そして行政が公的にバックアップしていくのか、この辺についてのニュアン スの違い、そういったところがたくさん出ていたかと思います。その辺についてもまと め方を事務局に工夫をお願いしたいと思います。議論の進め方が十分ではなかったせい もあって、議論が最後のところでもしかしたらこのまま瓦解するのかなと思いましたけ れども、ご意見を出していただきましたので、私からの提案ですけれども、次回取りま とめ案、最終案についてのご意見をちょうだいして、できれば来週におまとめをすると いうことで考えさせていただいてよろしいでしょうか。  ありがとうございます。そのようにさせていただきます。私からの提案ですけれども、 2頁の「見直しの背景」の3つ目の○のところですけれども、田中委員、柴田委員、副 島委員などのお話を伺っておりまして、今後の方向というものを、本当ならば今後の障 害児支援のあるべき姿を求めるはずであったのが、現状で自立支援法の改訂に伴う、児 童福祉法の改正、その他が行われて、この2年の間に課題が多過ぎたということがあっ て、しかもそれについて、問題を抱え過ぎているために、あるべき論が十分議論できな かったということは、率直に認めなければならないのかなという思いもしております。 それは少し座長として申し訳なかった、残念だと思います。ただ、そうは言っても、多 くの方々に真剣にご議論に参加していただきましたので、是非これを次のステップの土 台となる報告にしていきたいと思っています。  ○のいちばん上のところなのですけれども、今日のお話で子どもの権利保障の視点が 出てきておりました。例えば3行目のところですが、「取り組んでいくことが必要とな っている」、そのあとに、保護者支援ということだけでなく、子ども自身が大事だとい うことで、いま藤井課長もお見えになっていますが、藤井課長の元で社会的養護の子ど もたちの検討をしたときに、最初に1文を入れたことを覚えています。「子どもは次世 代を担う社会の宝であり、子どもの権利条約にもあるように、子どもは心身ともに健全 に育つ権利を保障されるべきものである」と入れたように記憶していますけれども、子 どもの権利の視点というものを少し入れておくことが適当なのではないかなと思いまし たので、座長として提案をさせていただきました。  それではその他ご意見ありますか。 ○柴田委員 次回にまとめということなのですが、それはできれば望ましいと思います。 しかし、まだ本当に議論が十分ではないと思うのです。私は両論併記でもしようがない と思うのですが、きちんと意見は意見として載せていただきたいと思います。次回でま とまらなかった場合は、もう1回の議論をお願いしたいというふうに思います。 ○柏女座長 わかりました。では、もう1回あり得るべしとしながら、是非次回でおま とめをいただけるようにお願いをしたいと思います。そのほかご意見はよろしいでしょ うか。ありがとうございました。それでは、企画課長のほうからお願いします。 ○障害保健福祉部企画課長 本当にありがとうございました。これから座長ともよく相 談しながら、おっしゃっているようにいろいろな総論にあるような、方向観というか、 そういうところをきちんと丁寧にやりつつ、一方で具体的な提案がありました。もちろ んできるだけ反映したいと思いますけれども、考えていきたいと思っています。大まか には合意ができつつあると思います。例えば行政の実施主体、措置、契約のところがい くつかありました。行政の実施主体のところでは、将来的な市町村という方向観と、も ちろんそうは言っても、なかなか当面はできないというのがあると思います。そこは少 し皆さんのこれまでの意見を踏まえながら整理していきたいと思います。措置と契約に ついては、今日詳細なる意見が出ました。一方で、これまで各障害種別の団体だとか、 当事者からいろいろな意見がありましたので、最後のほうは時間がありませんでしたが、 全体の意見をよく精査した上で、座長とも相談した上で各委員に事前にきちんと意見を 伺う、とりわけ、先ほどおっしゃった両論併記になりそうなところについては、ご発言 のあった委員の方々と調整して、できれば案を出したいと思っています。 ○柏女座長 ありがとうございました。それでは次回の日程等につきまして、事務局の ほうから、ご説明をお願いいたします。 ○障害福祉課長 本検討会におきます議事内容につきましては、できるだけ速やかに作 成をいたしまして、資料を含めてホームページ等で公表させていただきます。また、議 事録につきましては、ご指摘の委員の皆様に、例によってご確認をいただきました上で 公表することといたしますので、委員の皆様方のご協力をよろしくお願いいたします。  次回、第11回になりますが、7月22日火曜日、15時から、航空会館の501、502会 議室において開催をさせていただきます。次回は先ほどお話がありましたように、報告 書の取りまとめをいまのところお願いできればと考えておりますので、よろしくお願い いたします。進め方といたしましては、企画課長からもございましたように、本日の議 論を踏まえまして、報告書(案)をお示しとすることとしまして、特に変更部分につき まして、ご議論をいただいた上で取りまとめをいただければと考えています。冒頭申し 上げましたように、第11回の検討会につきましては、出欠確認表を配付しております ので、可能でしたら本日確認の上で席上に残していただければ幸いです。もしお持ち帰 りになってご確認が必要な方は、ご確認いただいた上でファックスでご返送いただけれ ばありがたいと存じます。事務局からは以上です。 ○柏女座長 ありがとうございました。それでは今日の検討会はこれで終了したいと思 います。35分ほど定刻を過ぎてしまいまして申し訳ございませんでした。ありがとう ございました。 【照会先】 〔障害児支援の見直しに関する検討会事務局〕   厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課   TEL 03-5253-1111(内線3092)