08/07/07 第4回議事録(薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会) 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政 のあり方検討委員会(第4回)議事録 日時:平成20年7月7日(月)15:02〜18:33                   場所:共用第7会議室              ○寺野座長 定刻になりましたので、ただいまから「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のた めの医薬品行政のあり方検討委員会(第4回)」、これは、第3回で終わるかどうかという ことだったんですけれども、まず、議論が紛糾しておりますので、ともかくもう一回やりま しょうということで今日開くわけで、お忙しいところをお集まりいただきありがとうござい ます。  後で、舛添厚労大臣も御出席になりますが、ちょっと遅れて御出席いただけるということ で、40分ぐらい御出席ということです。それは、そのときまた紹介します。  それでは、早速議事に入りたいと思うんですが、まず、資料の確認、そして事務局からの 連絡事項をお願いしたいと思います。 ○医薬品副作用被害対策室長 お手元の配付資料でございますけれども、議事次第、座席表、 名簿、それぞれ1枚紙のほかに、資料としまして、資料1と、資料2。資料1が、前回から の修正を見え消しで表示したものです。資料2は、それを溶け込ませたものの「中間とりま とめ(案)」ということであります。  そのほかに、参考資料という横長でホチキスで止めてある資料、それから、委員の皆様か ら文書で意見を提出していただいものがございます。それをつづりました18ページまでの資 料がございます。  あと、委員の皆様には、その他、前回までの会議の資料をつづりました赤いファイルを机 の上に置かせていただいております。  資料で不足のものがありましたら、御指示いただければと思います。よろしくお願いいた します。 ○寺野座長 それでは、議事に入りますが、本日は、前回に引き続きまして、中間とりまと め(案)、つまり概算要求のために必要であるということで、短期間ではありましたけれど も、議論をまとめていただくということで、「中間とりまとめ(案)」について議論をして いきたいと思います。  先週の議論を踏まえまして、事務局に資料の修正をさせておりまして、そして、委員の皆 様にこれをお送りしたということですが、また委員の皆様から御意見をいただいてもおりま す。  あと、資料を事務局の方から御説明された後で、議論をどういう形で進めていくかを御説 明したいと思いますので、まず最初に、事務局の方から資料の御説明をお願いいたします。 ○安全対策課長 それでは、簡単に御説明いたします。まず、資料の1につきましては、委 員の先生方に先週の金曜日の段階で、先週の月曜日の議論等を踏まえて修正した案というこ とでお送りしたものでございます。多分、先生方、見ていただいていると思いますので細か い説明は省かせていただきますが、ただ、先生方に金曜日にお送りした後で、2カ所ほど修 正をしておりますので、その点だけ御説明いたします。  資料1の11ページの上から2行目のところですが、「300人は少な過ぎであり、……最低 2,000人」と前は書いてあったかと思います。これは花井委員からの前回の御意見を踏まえて 書いたところでございますが、委員の趣旨は、審査も併せてということだったということで ございますので、ここはそういうふうに直させていただきました。  また、12ページでございます。12ページの3行目の後ろの方から、「また、組織を守るロ イヤリティーではなく」となっています。これは、皆様にお送りした段階では「ロイヤリテ ィーを抑え」という表現になっていたかと思いますが、趣旨を明確にするために「ロイヤリ ティーではなく」と変更させていただいているところでございます。  以上でございます。  あとは、本日、参考資料としてお送りさせていただいた資料でございますが、これは、福 田委員から事前に御指摘いただいた中に、特に、血液製剤の製造時の安全対策についての御 質問がありましたので、その関係の資料を準備させていただきました。  1ページ目が「血液製剤等に係る安全対策等」ということで、これは、一度この会議にも お示しした資料でございますけれども、現時点における平成14年の法改正を踏まえての製造 販売から市販後に至るまでの安全対策をまとめたものでございます。特に、原料段階の安全 対策につきましては、2枚目にありますが、生物由来基準によって原料の安全確保を図って います。  具体的には、3枚目以降に生物由来基準、細かい字でいろいろ書いてありますが、このう ちの枠の部分をまとめたのが2ページ目の表でございます。輸血用血液製剤の原料に用いる 血液について、血清学的な検査、あとはNAT検査が義務付けられておりまして、適合しな いものは使えないということや、分画製剤につきましても同様な検査等が求められていると いうことです。  以上でございます。 ○寺野座長 前回の議論に基づきまして、そして更に御意見をいただいたことを参考にして、 資料の中間とりまとめ(案)の修正をしていただいたんですね。それについて御議論いただ きたいんですけれども、実は本日が、前半というか、夏の前の最後ですので、この回で基本 的に中間とりまとめ(案)をまとめたいということでございます。したがって、かなり文章 的なものまで議論していただいて、できるだけこの委員会で詰めていただいて、その後、ど うしてもここで文章としてできないというような場合は、事務局に直していただいて、そし て私の方でチェックさせていただくということでお願いしたいと。  どうしてもそれでは納得できないということだと、もう一回やらなくてはいけなくなりま すので、これは今日で一応とりまとめ案としては終わりという前提でお話しいただければと 思います。  今、説明がありましたけれども、御意見をたくさんいただいているんですね。委員の方々 からたくさんいただいておりますが、初めに、御意見いただいた方に御説明いただこうかと 思ったんです。というのは、僕も時間がなくて、これは今朝来た意見もあるそうで、よく読 めておりませんので、そう思いましたが、全体の進行としましては、先ほど事務局から説明 がありましたように、目次でいうと1、2、3と4、5、と分けて議論していく必要がある と思いますので、まず、前半について、第1、第2、第3ということについて御意見を伺い ますので、御意見をいただいた方も、それに関するところにおいて御説明いただきたい。前 半と後半が錯綜すると困りますので、発言を何回されても結構ですから、いつものとおり、 できるだけ簡潔に御発言いただくということで、一応、前半、後半を認識して御発言いただ ければと思います。  そういうことで、ただいまの事務局の資料の説明について御質問、御意見を伺いたいと思 います。先ほど言いましたように、具体的に、ここはこう修正すべきであると御指摘いただ ければ大変ありがたいですし、その修正点をめぐって、その修正ではだめだという方もいら っしゃると思いますので、その点は率直に御議論いただいて、できるだけ委員会としてこの とりまとめ案の内容を詰めていきたいと思います。最後、やむを得ないときには事務局の方 に頼むしかないと思いますが、そういうことで進めたいと思いますのでよろしくお願いいた します。  それでは、御質問いただきますけれども、前回も申し上げましたが、前半と後半というこ とにさせていただきますと、前半の方は、概算要求のために是非必要な内容のようでありま す。したがって、これははっきりさせなければいけない。ただ、後半の組織体制という問題 については、これは、先日までの御意見を伺っていると、到底本日意見の一致を見ることは、 僕の感じとしてはあり得ないのではないかと思うんです。ですからそれは、あり得ても勿論 結構なんですけれども、十分議論していただいて併記するような形になるかと思いますので、 一応そのことを前提として御議論いただければと思います。  では、前半に関して、この中間とりまとめ(案)に関しまして御意見のある方、どなたで も結構ですのでお願いいたします。大熊先生、何か、この間、「はじめに」がどうこうとお っしゃっていましたが、どうですか。 ○大熊委員 大変丁寧に書き込んでいただいてありがたいんですけれども、2つほど修正し ていただきたいところがございます。  1ページ目の真ん中あたりの「本中間とりまとめにおいては、緊急の課題として、特に市 販後の安全……を論じることとした」というところを、事実に即して、「本中間とりまとめ においては、事務局の提案による緊急課題」としていただいて、この委員会で自発的にこれ ら全部をしたのではないんだという、事実どおりの記述にしていただけたらと思います。  それから、2ページ目の最後のところですけれども、「薬害根絶の碑」のことを入れてい ただいたのは大変ありがたく思っておりますが、そこにちょっと余分なものがついているよ うな気がいたします。最後から2行目のところの「医薬品行政を目指し」の後の「、本中間 とりまとめの提言の実現に」というのは、削除していただきたいと思います。きちんとした 医薬品行政を目指して最大限努力してほしいというのはそのとおりなんですけれども、この 中間とりまとめには、もっといろいろなことが書き込まれておりまして、そこまではこの委 員会として厚生労働省に「実現に努力してね」とは言っていないと思いますので、その2つ の点をよろしくお願いいたします。 ○寺野座長 大熊委員から今2点、「はじめに」のところの1ページと2ページに関して、 真ん中あたりに、「事務局の提案、緊急の課題」、括弧の中でしょうか、「……の課題とし て」という点と、それから、2ページの一番最後から2行目ですが、「本中間とりまとめの 提言の実現に」というのは削除してほしいということですけれども、御修正の趣旨はおわか りだと思いますが、どなたか御意見ございますか。花井委員どうぞ。 ○花井委員 今、大熊先生が指摘されたことは、全く私も同意見で、つまり、この薬害根絶 誓いの碑に記された銘文を引用して、それを「本中間とりまとめの提言の実現」で受けると、 これは、例えば薬害根絶のこういった被害を軽視する形になってしまうので、シンプルには 大熊先生の訂正でいいと思うんですが、私はちょっとそこを、どうせここまで長大に書いた のであれば、私の意見書の7ページの上をちょっと御参照いただけましょうか。  ここまで冗長な文章が必要かどうかは知りませんが、大熊先生の趣旨を更に強化して、こ のような表現、すなわち、しっかり以下を、「しっかり守ることができる医薬品行政をめざ すべく・二度と薬害を再発させないことを目標とする抜本的組織改革に着手されたい。」と。 更に、この中間とりまとめはいろいろなことが含まれているという大熊先生の指摘ですが、 その趣旨は「本中間報告書を医薬品行政における抜本的組織改革の第一歩である。この報告 書の提言の履行は抜本的改革を射程に入れたその一段階、ロードマップの一段階である」と いうことの位置付けがなければいけないのではないかと。表現は先生方にお任せしますけれ ども、もうちょっと強化して書いていいのではないかと。  それから、最後の段ですが、これは大臣に前回私確認しまして、つまり、私たちは薬害が 起こるたびにこの委員会を結構傍聴したりしているんですが、そのたびにマイナーチェンジ をずっと薬事行政はやってきたんですが、今回、被害者が5人いるんだから、今回はマイナ ーチェンジですか、それとも違うんですか、政府としてどうですかと問うたところ、大臣は、 これは首相の支持だとおっしゃったので、その趣旨を反映して、いわゆる政治的イニシアチ ブを反映していることをもうちょっと強化するために、国も政府全体としてこの改革に取り 組むべきであると。つまり厚生労働省が主語ではなくて、主語を「国」にもう一回戻して、 取り組むべきと書いた方がいいのではないか。  これは、厚生労働省の事務局は普通書きにくいんですね。だけど、ここはもう委員会で、 検討会ですので、大臣のイニシアチブでつくられたとすれば、もう委員会の検討会の先生方 が合意すれば、これは政府でやれとこの委員会として書くことは問題ないのではないかとい う意見です。御検討ください。 ○寺野座長 花井委員の意見書の7ページになりますが、そういうことで、大熊委員のカッ トというよりも、もう一歩進めてこういうものを入れたらどうかということです。  それから、これは、ここにこういう文章を入れろ、こういうふうに直せと言われても、私 も今いろいろあちこち頭を回していますのですぐ文章にならないので、今の御議論を聞いて、 皆さんの大体一致したところを事務局の方でこの会議が終わるまでに最大限文章化するとい う約束になっております。まとまらないときはしようがないですよ。まとまれば、それを最 後に事務局の方から、これでどうかということを言ってもらいますので、それぞれの意見を 出してもらって結構なんですが。  大平委員。 ○大平委員 「はじめに」の1ページの真ん中の段落で、「医薬品行政のあり方の検討につ いては」というところで、その先の方で「医薬品による健康被害の防止のためには医薬品の 開発、承認、市販後等、様々な段階における対応を検討する必要があるが、」となっており ますけれども、これまでの薬害再発防止の取組みの中では、こういう医薬品行政における健 康被害の問題というのは再三議論されてきたわけですが、今回、やはりもう少し抜本的にや っていただく中では、前に私の方もお話ししましたが、ここに疫学的調査ですとか、そうい う医療に関してのニュアンスが少し入ったものがあって初めて健康被害の防止というものに つながっていくのではないかというところを感じておりまして、ここに何とかそういう、薬 だけではなくて、薬に携わる人たちの問題、それからまた医療の問題としてきちんと位置付 けていただいて、薬害再発防止につなげていただく、そういう多分段階的なところというの がそこにも入るのではないかと思いまして、何とか何か考えていただければありがたいと思 います。 ○寺野座長 なるほど。市販後等というところをもうちょっと具体的にという話になります ね。 ○大平委員 そうですね。 ○寺野座長 そこに医療、大平委員は初めから人ということをかなり強調しておられるんで すが、実際の診療、医療を入れてほしいということです。確かに、医薬品だけの問題ではな いということはそうですね。  具体的な文章として何かありますか。 ○大平委員 ちょっと、そこはもう事務局の方で考えていただいた方がいいのかなと思うん ですが、適切な文章がちょっと浮かんでこないものですから。 ○寺野座長 そこは、医療のあり方ですから余り細かくは書けないと思うんですけれども、 医薬品だけではなくて医療の問題を入れるような文章をちょっと考えてください。これは、 僕はあっていいと思います。皆さん、これは異議ないですね。この点に関してはね。それは わかりました。  そのほかありますでしょうか。友池委員どうぞ。 ○友池委員 医療の問題というのは大変いろいろな局面を含んでいるので、医療の問題と書 いていただいて、☆印でもつけて、脚注を付け加えては如何でしょうか。「医療の問題」に は、診療現場に解決策をいかに早く定着するかという問題もありますでしょうし、薬剤の選 択に当たっての利益相反的な問題もあるでしょうし、たくさんの問題を含んでいるので、 “医療の問題”と書いてしまうとあいまいになりやすいと思います。  それから、もう一つよろしいですか。 ○寺野座長 どうぞ。 ○友池委員 私、意見書の中に書かせていただきましたけれども、医療機器については、そ れに伴う副作用、不具合がございます。最後の方にちょっと1項目だけ出てまいりますが、 やはり冒頭から、「医薬品・医療機器」としていただいた方がいいのではないかと思います。 ですから、1ページ目ですと、「医薬品行政の見直し等について」とありますが、「医薬品 ・医療機器行政」と並列にしてはいかがかと思います。 ○寺野座長 全体の組織を見るときは、これは医薬品も医療機器も、今のPMDAはそうな んですが、医療機器が入ってまいりますよね。そこへ医療機器というものを入れるか、今回、 薬害肝炎事件を中心に考えてこのとりまとめ案ができているので、そこに医療機器が入るの が妥当かどうかというのは、御意見があるところではないかと思うんですね。  どうぞ、水口委員。 ○水口委員 私は、入れていただくことに賛成です。なぜかと申しますと、医療機器と医薬 品は、今、判然と区別しにくい範疇のもの、例えば薬剤溶出性のステントですとか、医療機 器だけれども薬剤が溶出するような形になっているものも既に出ておりますし、これから薬 害を防止していくという観点に立ったときに、今、友池委員の御指摘のあった観点は、非常 に重要なところではないかと思っております。 ○寺野座長 全体の組織から見ますと、確かにPMDAの組織でも、今、医療機器が非常に 弱いと言われておりますから、そこの辺にタッチせざるを得ないんですが、どうですか、皆 さんの御意見、反対がなければ、ここへ「医薬品・医療機器行政」という形で入れたいと思 いますけれども、よろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○寺野座長 では、そのようにしてください。  それから、医療の問題、真ん中のところ、「市販後等」のところ、多分これは薬害が中心 になっているので、市販後のところの次に入るかと思いますけれども、医療の問題というこ とを、言葉はちょっと選択しますが、その後で、その中の、医療の問題といってもいろいろ あるんだから脚注をつけるべきではないかという御意見が友池委員から出されました。これ はいかがでしょうか。  これは、僕もわかるんですけれども、「はじめに」というある程度抽象的な文章なんです よね。だから、余り脚注をつけるのはどうかなという気も、僕の意見ですが。 ○花井委員 大平委員の指摘と友池委員の指摘で、医療の問題を入れるということですが、 ここで入れるのであれば、今度、医薬品が主語になって、これ全体が、デバイスでも医薬品 でも物で、物ベースであることを大平委員は、ずっと物行政だ、ということで批判されてい たわけで、僕は同じ考えなんですが、だから、2つ考えられると思うんですね。  提案としては、1つは、「医薬品」の主語をそのまま「医薬品行政」に変えて、「医薬品 の医療現場での使用のあり方を含める」と具体にそのまま書いてしまうか、もしくは一回文 を切って、「医薬品行政のみならず医療行政全般にかかわる問題である」ともっとふろしき を広げてしまうか、この2つの方法だと思うんですね。後者の中には、先ほど友池委員が指 摘されたいろいろな医政局なり、健康局なりの所掌も関係します。ただ、ここはいわゆる医 薬局なので、越境はしにくいからという部分はあると思うので、それは検討会のイニシアチ ブで、どちらを選択するかによって決定したらいいのではないでしょうか。つまり広く医療 行政そのものもここで問うのか、もしくは医薬品行政のコンテクストに乗りながらも、そこ の医療行政のありようを医薬品行政のコンテクストで見るんだという意思なのかということ を明確にすれば、おのずと文章は明らかではないかと思います。 ○寺野座長 そうですね。  どうぞ、清水委員。 ○清水委員 今の問題、私は、市販後の調査の中に全部入るのではないかという理解でいた んですけれども、確かに、適応上の問題ということになりますと、フィブリノゲンにしても クリスマシンにしましても、本来の適応が本当にあるのかということが盛んに産婦人科等で 使われた、あるいは肝疾患で使われたときにも、一部には疑問の声は出されていたんですね。 ただ、それが専門家集団でなかったところから出ていたということで、余り積極的に問題視 されるような形で取り上げられなかったということがありますものですから、もしここに入 れるならば、余り漠然としたということよりは、むしろ限定して、適応上の問題というよう な形にぴしっとしてしまった方が、より今までの薬害と称するような観点からは明確に位置 付けられるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○寺野座長 「医療上の問題」と具体的に書く方が「医療の問題」という漠然としたものよ りもいいだろうという御意見ですけれども、ここでこれをやるとまた1日つぶれてしまうの で、何かの形でまとめたいですね。いかがですか。 ○大平委員 花井委員が補足していただいて、大変わかりやすくしていただいたんだろうと 思いますけれども、私としてはここで、「はじめに」の中で、「緊急課題として、市販後の 安全対策の強化について論じることとした」と限定的な今回の中間報告のとりまとめの前に、 「医薬品行政のあり方の検討については」というところから始まっているので、そのところ でもう少し間口を広げた物の見方というのを、薬だけに限らず、医療も含めて、新たな薬害 再発防止の取組みというものに焦点を合わせたらいかがかなと。「はじめに」という本当に 漠然としているんですけれども、そういうことから第1ラウンドが始まるのではないかと思 ったわけです。そこを活かしていただければいいと思いますし、また、今、清水委員から御 指摘の限定的なということになるとかなり限定されていて、それはもう本当に医薬食品局と いうか、ここの範囲の中の所掌の問題の中で解決する話になってしまうので、もう少し広い 視野でこの薬害肝炎の問題とかそういうものをきちんと見ながら、薬害再発防止の取組みに きちんと何かこの「はじめに」というところで触れていただきたい、そういう思いを込めて 発言させていただきました。 ○寺野座長 これは、大平委員が最初から一貫して言われていることなので重視したいとは 思うんですが、文章を変えて、この医薬品開発云々のところは、それはそれとして、のみな らずというか、更にというか、その上に医療、適応ということで限定するかどうかというの はあるんですが、医療上の問題、デバイスとしてはいいんですかね。機器は最初に入れたけ れども、薬害そのものを直接というあれではないから、そこに医療上の問題についても検討 することにしたというふうな文章をその次につけますか。それが一番妥当かもしれませんね。 「はじめに」ですから、余り細かく具体的になるというのも、ちょっと格調の問題もありま すので、ちょっとどうかなと。  間宮委員どうぞ。 ○間宮委員 薬害の発生ということを考えると、市販後の安全対策というのも大事なんです けれども、開発段階とか、そういったところでかなり怪しい部分というのがたくさんあって、 その段階で見つけられるとか防げるということは、今までの薬害のことを考えるとあったと 思うんですね。そうすると、そのあたりのこともきちんと少し書いていただけるとありがた いなと思いまして。  今回、抜本的にやるということであれば、やはり日本にある医薬品全体ということを考え ていただけないかなということなんですね。それはどういうことかというと、例えばイレッ サなんかの問題で言えば、未承認の段階から夢の新薬であるというようなことを言われてい たわけです。患者さんもお医者さんたちもそれを信じてしまって飛びついたというようなこ ともありますので、それでまた、今は個人輸入の問題なんかもたくさんありまして、個人輸 入で薬を使っていますけれども、その個人輸入の薬を単品で、単剤で使っているわけではな くて、実際にもう承認されている薬と一緒に使われているということがありますので、そう いう意味では、同じレベルというか、患者さんには使われているということがあるわけです から、ここには医薬品の開発ということは書いてありますが、もっと日本にある医薬品の安 全というものをきちんと、そういう意味で、全体で安全対策をするんだというところを何か 書いていただけるといいなと思うんですけれども。 ○寺野座長 なかなか表現が難しいところで、やはりこの医薬品の開発承認というところは ちょっと漠然とし過ぎるかもしれないけれども、その中には、今、間宮委員が言われたよう なことが入ると。 ○間宮委員 入るんですけれども、未承認薬という意味で言うと、言ってみれば、未承認薬 が患者さんのところに行くまでの間ということで考えると、全く普通の製薬企業が介在しな い中で使われるということも、提供されるということが今あるわけですね。いわゆる輸入代 行業者とかというのがあって。ですけれども、それは、その薬が実際に医療現場に入ってい って一緒に使われているという現状があるわけですから、それについてもやはり抜本的な安 全対策という意味では、そちらの方も、要は開発だけではなくて、そういった使われ方とい うことも含めて対策を練っていただきたいという意味であります。だから、医療現場で実際 に使われているということですから、そのあたりを何かうまく、大平委員がおっしゃってい たことにも少しかかわるとは思うんですけれども。 ○寺野座長 それに関連したことですね。 ○大熊委員 私は、花井さんがおっしゃった2番目の「医薬品行政のみならず医療行政全般 にかかわる問題である」という部分が大局的で、秋に向けての議論を根本的にするのはとて もいいと思います。そこまで広げれば、薬害を繰り返すことがかなり防げるのではないかと 思います。 ○寺野座長 今の文章の続きのところですか、それとも最後のところの話ですか。 ○大熊委員 真ん中。 ○寺野座長 真ん中のところに「のみならず」という文章を入れるべきだ、「医療情報等」 を入れるということですね。 ○大熊委員 はい。 ○寺野座長 わかりました。  それは私も、座長が余り発言するとまた怒られるんですけれども、何かまとめなければい けないので。  さっき花井委員から提案された、もう一つ文章を付け加えるという形、「更に」でも「の みならず」でもいいから、それに医療上の問題も検討することとしたということで、確かに そういう議論をしているわけですから、今後の課題としても、その辺にしたらどうかなと僕 も思うんですね。  花井委員どうぞ。 ○花井委員 間宮委員からの提案もあったので、確かに「はじめに」を冗長にすることは避 けたいという座長のお気持ちはわかるんですが、もう改行して2ページにわたっていますの で、ここは、大平委員の指摘は明らかに、これはやはり医療全体もきちんとしなさいという 意味だから、ここに載せると確かに清水委員の指摘になるので、清水委員の指摘になったオ フラベル使用等は今後非常に心配なところなので、そこはこの中に、市販後等に含んでちょ っと書き足してもいいのではないかと。  いわゆる間宮委員の指摘は、これは、未承認薬となると法的枠組みから言うと非常に難し いですよね。そうすると、そういった問題と、それから医療の問題は、これは別に立てて、 もう一つ文章をつくった方がわかりやすいのではないかと思います。長くはなるけれども、 論理的整理からすれば、医薬食品行政を外れた健康医療全体にも言及しなければ薬害はなく せないんだという指摘と、それから、例えば医薬品の使い方のありようそのもの、そういっ たもの広く見ていかなければやはり無理なんだというところの両方の指摘だと思うんですが、 今の薬事法上で、これをぎちっと書き込むのは難しいと思うので、もうきちんと文章を立て てつくるというのを提案いたします。だから、医薬品のあり方の検討については、この中で はなくて、どこかのシラバスのところの段落の、この段落をもう一つ増やす形、その方がき れいだと思います。 ○高橋医薬食品局長 さっきから事務局として伺っていますが、話はそこの1ページの医薬 品行政のあり方の検討についてはとこう行って、その2つ目の文なんですね。「医薬品によ る健康被害の防止のためには、……検討する必要があるが、」と、つまりこれまで検討した ことではなくて、これから検討することについてどういうふうに検討していくべきかの方に 今話が行ってしまっているので、私どもは、これまでの4回のものをまずまとめるのが第一 にやっていただくことなので、これからのことについては少し簡略に書いていただいて、今、 御議論の出た、例えば医薬品になる前の話、あるいは未承認のものはどうなるんだという話、 あるいは医療現場でどういうふうに適応されているのか、そういう話については、今の文は そのままにしておいて、注か何かで、そのほかに未承認のものとか医療問題における適応と いった問題についてもあるので、それも更に検討していきたいということでさらっと加える という格好でいかがでしょうか。そうでないと、ここに全部入れ込もうとすると膨大になっ てしまうものですから、整理の問題として一つ、参考意見です。 ○寺野座長 泉委員。 ○泉委員 高橋局長が今お話になったことで言えば、確かに、「はじめに」の文章が格調高 く、短くなるかもしれません。しかしながら、この文章自体は、この委員会が提示した文で はないですよね。最初、これは事務局の方から私どもがいただいている文章であります。つ まり、厚生労働省がこれをおつくりになって、私たちに出されている文章である以上、委員 会の意見は、この「はじめに」も含めて検討し、変えていただきたい、そういうふうに思い ます。 ○寺野座長 それは勿論了解しているんですよ。これは一応事務局でつくりましたけれども、 今、この中のだれかがまとめてつくれないので、便宜上つくってもらっているわけで、事務 局の方も、勿論この委員会の中でこういう修正をすべきだということになれば、当然これは 修正していく。皆さんの御意見の一致があればね。  ただ、「はじめに」という序文的なものの性格上、また秋以降に議論することについては 余り細かく書くのではなくて、そのことは議事録としては取っておいて、秋以降の議論の中 にそれは必ず入れましょうと。今の間宮委員の意見なんかは入れましょうということで、一 つに全部入れてしまうと、これは本当に大変になるので。 ○高橋医薬食品局長 私は、注ぐらいに落としたらどうかということで、議事録に落とすと は申し上げていません。 ○泉委員 そうであれば、大体4回でこれをまとめるということ自体が乱暴なんですよ。や はりもっともっと考えていただきたい内容が入っているわけですね。そうすると、それぞれ の委員が今言われたことは、一つひとつとしてやはり検討の余地があるとしたら、今後どこ に入れるかというところを考えずに、「はじめに」の文章がこれだけではという格調だけの 問題で提示されるのはいかがかなと思います。 ○寺野座長 語弊があります。格調だけで言っているわけではない。  どうぞ。 ○森嶌座長代理 座長の代理として座長をお助けするためにというか、申し上げますけれど も、まず、この委員会が何のために設置されたかというと、一番最初の3行に書いてありま す。それで、今、泉委員がおっしゃったように、たった4回で何をやっているのかというこ とですけれども、それは、事務局が言ったかどうかはともかくとして、我々はまず、予算を 厚労省が出すために、それのサポートをするということの、当面、中間とりまとめであるわ けです。これで、中間とりまとめではなくて、たった4回で本委員会が冒頭に書いてある3 行を全部やってしまって、これであとは、厚労省はこの後、2ページに書いてあるようなこ とを実現に最大限努力されたいといっておしまいにするのでしたら、私は、泉委員だけでは なくて、皆さんがおっしゃるように、こんなことでごまかされるのはおかしいということ、 全くおっしゃるとおりです。  ですから私は、ここでやること、しかも座長がおっしゃるように、今日でできるだけまと めたいと。なぜ中間とりまとめをここでまとめるかというと、予算編成に間に合うように厚 労省をサポートする。これは何も厚労省をサポートするためにやるのではなくて、そのこと が今後、再発防止のための医薬品行政の一つのワンステップのために人員を強化する、そし てそのための機構改革にまずワンプッシュをするという、その目的に多分プラスするであろ うからということですね。  その意味で、この2段目、そこで、我々は今まで何をやってきたかというと、第1の薬害 肝炎事件の検証というのは秋以降に、これは後でやりましょうと。作業としては後でやりま す。そして、再発防止のためのこれこれのあり方の検討ということについても、まだ、今全 面的に展開しているわけではありません。2番目についても全面的に展開しているわけでは ありません。そして、これはちょっと途中を抜かしますけれども、そこで4回までに何をや ったかというと、これは、3番目に書いてありますが、医薬品行政のあり方の全部をやった わけではなくて、これについては、今年度末をめどにこれこれをやりますということですが、 そこで何を4回までにやったかというと、これは大熊委員の言う、事務局に言われたかどう かはともかくとして、取りあえずは、特に市販後の安全対策の強化。安全対策の強化という のは、結局、人員の増強を中心としてどうするかということを議論しましたと。逆に言うと、 それだけのことしか今やっていないということなんですね。そこで、そのことを我々として はまず、座長の言われる前半部分をここではっきり言うということです。  そこで、私はむしろ2ページのところで政府や厚生労働省に対してこれからしっかりやっ てくれということを中間とりまとめで要望するのではなくて、むしろ我々としては、中間と りまとめでこれだけしかやらないのだから、これからこの委員会としてはこの後、何をやる のか。そこで、先ほどから出ております医療の問題についても、これからどこまで踏み込む つもりか、それから、検証をいつまでに、どこまでやるつもりか。そして最後に、厚生労働 省、それから政府に対してどこまで物を申すつもりかと。  要するに、国民に対して委員会としてどこまでの責任を問うつもりかということを、むし ろ、厚生労働省に対して最大限努力されたいではなくて、我々はこの中間とりまとめで予算 の問題を議論したけれども、それだけのことしかまだやっておりません。それで、これは先 ほどから花井委員とかいろいろな方が言われたんですけれども、厚生労働大臣は、抜本的に 安全対策のことをやるとおっしゃっているのだから、我々は、この委員会としてはそのため に働きますということを皆さん言っているわけですから、我々のロードマップをここで何行 でもいいです、そんなに美辞麗句を並べる必要はありませんから、我々は中間とりまとめで はこれだけしかきちんとしたことは具体的になってこないけれども、これから各般のことを やりますと。ここに、後ろにおられる方に対して、我々はこれだけの責任を負います。だか ら、厚生労働省も途中で、予算を出したら、あと、よくやってくれました、おしまいなんて いうことを決して言うな。大臣も抜本的にやるぞと言ったんだから、厚生労働省もそれだけ のことを我々にやらせろと。我々は責任を持ってそれだけのことはやりますよ、厚生労働省 は嫌かもしれないけれどもと。それを我々が誓うことこそが、私は中間とりまとめで、しか も今まで議論していないことをここでやることが中間とりまとめの役割だと思うんです。  それはあくまでも中間とりまとめですから、ここで皆さんがおっしゃるように、あれも入 れよう、これも入れよう、これもやって、そして大臣にお願いしようなんていうのは、私は 中間とりまとめ、たった4回で我々のやることではないというのは、座長代理でやや越権か もしれませんが、前回申しましたが、私がいろいろな委員会でやってきて、どこまでをその 委員会がやるかということをはっきりしないまま、当面、厚生労働省が用意されたことをま とめて出した途端に終わってしまったために抜本的な改革ができなかったということで、い ろいろな座長をやってきて、それなりの貢献はしたつもりですけれども、結果的には、後は また次から別の形ですが出てきたということがありますので、むしろ私は、せっかくこれだ けの皆さんが集まってこれだけの委員会ができているわけですから、委員会が責任を持つと いうことを中間とりまとめで宣言することこそがここの仕事であって、そして今日は、座長 に協力をして、前半部分をともかくまとめて、厚生労働省に対して、300人か2,000人か知り ませんが、ともかくきちんと予算を増やさないと市販後の安全対策ができないのではないか。 少なくともこれだけのことは大臣の後押しをして、国会に持っていけということを我々とし ては今日まとめて、時間的に間に合うようなことをやるということが大事ではないかと私は 考えます。皆さんの御意見を伺って、そう付け加えさせてください。 ○寺野座長 ありがとうございました。非常に座長が苦労していることを御理解いただいて、 ありがとうございます。  森嶌委員おっしゃるとおりで、これは、大熊委員からも言われましたけれども、この委員 会そのものが、壮大な内容のものを4回ぐらいで解決できるとか結論を出せるとは初めから 思っておりません。それは最初から申し上げていることです。ですから、一応これは中間と りまとめといいましても、特に概算要求に必要なものを急いでまとめてくださいということ でやっているという限界は御理解いただかないと、ここで完璧なものを出すというわけには いかないということなんです。  ですから、いろいろと皆さんの御意見があって、これもやってもらいたい、これもやって もらいたいというのはありますが、これは必ず議事録の中に書いて、そしてまた、これは整 理させていただいて、僕は秋口と言っているんですが、秋から冬にかけてその議論をして、 そしてその中のものを政府、厚労省の方に提示するという形になるんだと思うんです。です から、そこら辺は、余り細部にわたってすべて載せられないという限界は御理解いただかな いと、今日は収拾がつかなくなってまいります。  ですけれども、一つは、医療上の問題を加えたいという大平委員の御意見は、私ももっと もなことだと思いますので、そこは文章として付け加えていただきたいというのが一つです ね。  そしてもう一つは、一番最後のところで、今、森嶌委員が言われたように、今後の委員会 の方向性というものをやはり何らかの形で出すべきではないか。検証も含めまして、どうい うものを今後やっていかなければいけないかということ、それを何らかの形で入れてほしい と思います。森嶌委員の意見を込みでね。 ○森嶌座長代理 よろしいでしょうか。つけていただきたいではなくて、この委員会として はつけるので、事務局はそのように文章をまとめるとおっしゃらないと、泉委員のようなこ とになりますので。これは、事務局が持ってきたのではなくて、我々が事務局にまとめさせ ただけなんですよ。事務局は事務局なんです。ですから、その誤解がないように、別に座長 をたしなめるわけではないですが、そうおっしゃらないと事務局にお願いして、事務局の方 からこういうものが来て、我々の方はそれをいただくような感じになりますから、そうでは なくて、事務局にこういうものを書け、これを入れろ。入れるについては、できればこうい う文章に書けと言えるといいんですが、なかなかこれだけいろいろな人がいると、こういう 文章にしろというのはなかなか難しいので。勿論アイデアがあれば、ここで文章にしていた だいて座長のところへ持っていっていただいたら、座長はその場でぱっぱっとして、こうい う文章にしなさいとおっしゃると大変いいんですけれども、なかなかこれだけいるとできま せんから、文章まではともかくとして、是非そうおっしゃっていただいた方が誤解がなくて いいと思います。 ○寺野座長 はい。  ですから、この辺、「はじめに」のところをまとめなければ収拾がつかないんですけれど も、今の森嶌委員のお言葉は誠にそのとおりだろうと思うので、私ももう少し高姿勢に出て もいいのかもしれないですが、それはともかくとして、今、実は文章をこの場でつくります。 僕が示してもいいんですけれども、それで、最後にまたそれを検討しますので、そういう意 味で私は申し上げているわけですから、それはちょっと御理解いただいて、事務局のものを そのままのんでくださいと言っているわけではないということは御理解いただきたいと思い ます。  ただ、少し言いますと、2ページのところの今後の方針というところは、まずこれを、今、 森嶌委員が言われたように、9月以降、組織の制度のあり方等と具体的な再発防止の案と、 そういうものを具体的に提言すべく、委員会としては、委員会も最大限の努力をするわけで すよね。そういうことを書きなさいと言うんですかね。  そして、やはり我々の限界もあるわけですから、何でもできるということではないという ことなんですが、そういう方向で行く。  そして、最後のところは、やはりこの厚生労働省において云々という以下のところも、大 熊委員の、本中間とりまとめ云々は削るとしても、花井委員が先ほど言われた意見の7ペー ジにありましたような意味では、やはりこれは厚生労働省だけではなくて、政府的にという こと、これは表現が非常に難しいので、「政府」というものが入るんでしょうかね。 ○花井委員 文章はこのまま見たとおり、「政府全体として」と。 ○寺野座長 「政府全体として」でしょう。だから、「政府・厚生労働省」という表現にな るかもしれませんが、そこで最善の努力をされたいということは、もうそのとおりだと思い ます。  そういうことでこの文章をつくらせますので、今考えてもらって、後で御提示いたします。 ○水口委員 今の点で非常に重大な関係がある論点について確認させていただきたいのです が、副座長がおっしゃった、私たちはこれをやるぞということを明確にするということは、 私も大賛成です。その際、確認させていただきたいのですが、私たちが、薬事行政全般にわ たる抜本的な改革の提案をここでやることについては、もう、みんなそういう意気込みでこ こに来ているわけですね。  それとの関係で、組織のあり方について前回議論したわけですが、この組織のあり方につ いても私どもが提案するということは、これはよろしいのでしょうか。  これは、今日の7月6日付の私の意見書の配付資料の15ページにも書かせていただきまし た。今回配られている案では、文章を読むと、後の方になるのですが、今のこの検証会議の 守備範囲との関連が非常に大きいので確認させていただきたいと思うのです。、厚生労働省 においては、前回出たこういう意見を留意しつつ、「組織のあり方について早急に検討し、 実現を図る」というとりまとめになってしまっているのですね。これを普通に読むと、「意 見は聞いた、でも、あなたたちは提言しなくてもいいですよ。あとは自分たちがこれを踏ま えて、あとはお任せください。」というふうにもちょっと読める文章だったものですから。 そういう文章が2カ所にわたって出てきているのです。今、副座長がおっしゃった、私ども がどこまでやる気でいるのかというそこの守備範囲を明確にする意味でも、この点は、冒頭 の部分の文章のつくり方にも関係しますので、確認させていただきたい。  確認したいというよりは、私としては、やはりせっかく前回あそこまで議論したわけです し、この際、本当に抜本的に、二度と薬害が起きないようにするにはどうしたらいいかとい うことを考えたいと思っています。  そのために、やはり組織のあり方というのは避けて通れない問題で、この委員会がきちん と責任を持って提案すべき課題であると思っておりますので、ほかの委員の先生方も、そう いうことで同じ認識を持っていらっしゃるのであれば、是非そこの点を、今、副座長がおっ しゃった、私たちはこれをやるぞという宣言の中にきちんと入れていただきたいと思ってお ります。 ○寺野座長 後半の部分についてはまた議論するとしても、確かに「はじめに」のところは 後半部分も全部含んだものですから、後半部分の組織体制の変革についての委員会としての 態度というものが出ていないのは確かだと思います。ちょっと前半に偏っているので、その 点を最後の、医薬品行政を目指すということに関係しているのでしょうけれども、やはりこ れは具体的に書く必要がありますね。組織体制について、後半部分のそれについて明確にし ておくということですから、その中の2ページの最後の部分の2行の間に、先ほどの森嶌委 員の言われたような、今後の本委員会としての方針と、それから組織体制の変革について、 これも本委員会として検討し、実現するということについて加える。いいですね。  そして最後に、政府・厚生労働省については云々というのがありますけれども、それで 「最大限努力されたい」。「たい」としか言いようがないんだけれども。  どうぞ、友池委員。 ○友池委員 先ほど、花井委員も言われたことですが、最後のところ、「厚生労働省において は」というのを「政府・厚生労働省」と言い直されましたが、この場合の主語を何にするか 一度議論していただいた方がいいのではないか。というのは、後半を見られるとわかります が、例えば2ページ目は、国も承認審査を通じて云々かんぬんとあります。政府と国とは 違いますので、そこはやはりきちんと定義して書くべきではないかと私は思いますが。 ○寺野座長 そうすると、具体的にどうなりますか。 ○友池委員 私は、やはり「国」ではないかと思います。 ○寺野座長 「国及び政府・厚生労働省」。勿論、国といったら政治も全部入ってきますの で、全行政のことをここのページに書けるかなという問題はあるんですね。それぞれの首長 はいずれも違いますからね。「国」という表現、これは大臣いかがですか。 ○厚生労働大臣 ちょっといいですか。友池委員がおっしゃるように国でも構わないと思い ますけれども、第一義的には厚生労働省であり、そして政府でありと思うんですが、組織論 をやったときに、いかなる形を取るのであれ最終的な責任は厚生労働省にあるということは、 私が付け加えたので、そこは絶対責任があるんですね。外郭団体がやったから大臣に責任が ないという形であってはならないと思っていますから、それは、政府でも厚生労働省でも国 でも、基本は変わらないと思いますので、それは皆さんの御判断で構わないと思います。 ○寺野座長 そうですね。主語については、「努力されたい」と言っているのは勿論我々で すから、それは全部に通じるところの問題ですから、それはいいのかなと思いますけれども、 「国及び政府・厚生労働省」としますか。そうすれば、広いと言えば広いですが、余り中身 があってどうこうという問題でもないと思います。 ○清水委員 私は、国と言っても実態がないんですね。だれが責任を取るのかという実態が ない。政府とか厚生労働省と言えば、総理大臣とか厚生労働大臣とかという実態があります ものですから、おっしゃることは私もわかるんですね。国と政府と厚生労働省はそれぞれ違 った意味がある。だけど、では、何か問題が起こったときに、国と言ってだれを問い詰める のかといったときに、漠然としていて実態がないようになってしまう。そういう表現はでき るだけ避けて、責任の所在が明確になるような表現に徹した方がいいのではないかと思いま す。 ○寺野座長 私もそう思いますね。国という表現は本当に漠然としていて、責任主体は確か にないわけで、政府ということでよろしいのではないでしょうか。よろしいですか。「政府 ・厚生労働省においては」ということで、その間に先ほど申しました2点を文章化して付け 加えるということで、細部についてはいろいろあると思うんですが、先ほどの1ページの真 ん中あたりで、「医療上の問題」というのは、僕はあった方がいいと思うんですね。これは 「のみならず」で結構ですが、それについても検討することとしたということで、それを付 け加えていただく。  それから、最初の医療機器を、「医薬品」だけではなくて「医療機器」ということで加え た方がいいということは御承認いただきましたので、それを加えた形。  いろいろ御意見をいただきましたけれども、時間的な問題もございますし、それから、 「はじめに」というものの性格もありますので、余り細部にわたっての具体的な問題ではな く、ある程度そういうものを含んでいるんだということ、そして、今後、我々が議論し提言 する内容については、こういうことをやるべきだということが今、御議論の中に出てきまし たので、それは勿論明確にした上で、「はじめに」という文章はこの程度の文章ということ で御了解いただきたいと思うんですが、よろしいでしょうか。  それでは、前半のお話ということで今進んでおりまして、第2、第3の「医薬品行政の基 本姿勢と市販後安全対策の重要性」、それから「市販後安全対策の現状と課題」というとこ ろに関して、このとりまとめ案に関してどなたか御意見ございますでしょうか。 ○厚生労働大臣 ちょっとその前に、水口さんに参考に答えてよろしいですか。 ○寺野座長 どうぞ。 ○厚生労働大臣 済みません、私があと15分ぐらいで中座しないといけませんので。  先ほど、水口委員がおっしゃった件ですが、実は、自民党、与党のPTの方も、組織につ いてはこういう組織がよかろうというのを、それはそれで安全委員会のような、そういうも のを御提言なさっていますし、いろいろなところが御提言なさると思いますけれども、やは りこの委員会でどういう議論があって、最終的にこの案だって皆さんの御意見が一本化する かどうかわかりませんし、2つ、3つ併記になるかもしれませんが、ここできちんと議論し ましたよというのは非常に重いと思いますので、したがって、こういう議論を踏まえて、こ の委員会としては厚生労働大臣、政府にこうしなさいという形での御指示でよかろうかと思 っています。 ○水口委員 ありがとうございました。 ○寺野座長 大臣があと15分ぐらいしかいられないということですので、我々としての議論 は前半として進めているんですけれども、後半の、今まで議論が集中していた安全対策を担 う組織・体制の充実・強化等々について、これは多分概算要求にも影響してくると思うんで すが、その辺の御意見をお帰りになる前にひとつ聞けるだけ聞いていただければありがたい と。 ○厚生労働大臣 いや、どこでも構いません。どの分野でも構いません。 ○寺野座長 では、その第2、第3のところを当面の議論の対象として、御意見どうぞ。水 口委員。 ○水口委員 意見書を配っていただいております。とりまとめ案に対する意見の15ページの 私の意見ですけれども、1の方は、今申し上げた組織論の話を書かせていただきました。2 が、まさに第2の文章に関連するところです。第2の文案の最初の○の一番最後の3行の文 章についてです。これだけ見ると非常に美しい文章のですが、実は、今までの私たちの国の 薬害の歴史を見てみますと、科学の名のもとに医薬品と被害との間の因果関係について、科 学的な証明が足りないと言って、厳格な証明を求めて、危険性を示すシグナルを軽視して積 極的な対応を取らなかったということがあります。これが、過去の薬害に共通する一つのポ イントだと思っているのです。  意見書に、参考までに、サリドマイドのときの当時の厚生労働大臣の国会でのコメントや、 スモン訴訟における福岡地裁判決が、まさにその点を指摘していたということを引用させて いただきました。  そこで、もう二度と薬害をここで起こさない制度づくりをするんだということを踏まえて、 改めてこの文案を見ますと、もう少しきちんと書いた方がいいのではないかというのが私の 意見です。具体的な修正案を、16ページに書かせていただきました。多少表現についてはい ろいろ御意見があるかと思いますが、申し上げたいことは今申し上げたようなことです。副 作用のことについては緩やかに判断して、安易に因果関係を否定することなく、最悪のケー スを想定して対応するという、ここの点をもう少し明確にする文章をお願いしたいと思って おります。 ○寺野座長 なるほど。これは、結局、明確に文章化したいと。  椿委員どうぞ。 ○椿委員 今おっしゃられたとおりだと思うんですけれども、それに関連しまして、同様に、 原稿の見え消し版の3ページですが、「情報の分析・評価、評価結果に基づく安全対策措置 を確実に行うことによって」という、この「確実」という意味は、勿論非常にすばらしい意 味を含んでいると思うんですけれども、この中に「タイムリーかつ有効である」ということ が含まれていないと意味がないということなんだと、今、先生がおっしゃられたことはそう いうことだと思うんです。やはり先回も申し上げましたけれども、タイムリーというところ に今まで欠けていた部分があるために、必要な人員を確保する必要が、この場合、安全対策 には明らかにあるんだろうと考えております。 ○寺野座長 3ページの一番下ですね。 ○椿委員 タイムリーという言葉はくだけていて大変申し訳ないんですけれども、タイムリ ーかつ有効に実施するという、タイムリーさと有効さが入っていただければ、意は伝わるの ではないかと思います。 ○寺野座長 確実にということの内容ですね。それは、タイムリーという言葉を別な言葉で 言いますかね。その点、これはよろしいですか。「確実に」では確かに漠然とし過ぎている かもしれません。 ○厚生労働大臣 迅速でもないのか。迅速はクイックだからね。 ○寺野座長 時期を得たということなんでしょう。 ○清水委員 ちょっと一言よろしいですか。「時期を失することなく」ぐらいではないです か。 ○寺野座長 「失することなく有効に」。いいですか、そこは。  水口委員の言われた内容だとおっしゃったんですけれども、水口委員の方は、どこをどう 修正したらいいか具体的に提案できますか。 ○水口委員 ですから、具体的な文章案を意見の16ページに御提案させていただきましたの で、最初の○の最後の3行をそっくりこの文章に変えていただいてはどうかということを提 案させていただきます。 ○寺野座長 どうぞ。 ○友池委員 水口委員の御指摘、ポイントを突いていると思います。「最新の科学の的根拠」 とありますが、「最新の臨床知見と科学的根拠」と言ったほうが適切と思います。 ○寺野座長 最新の情報ですね。 ○友池委員 はい。 ○寺野座長 この点いかがですか。ほかの御意見がございましたら。堀内委員どうぞ。 ○堀内委員 先ほどの医療の問題を入れるということと関連しますけれども、ここに臨床あ るいは医療との関係が具体的に出ていると思いますが、これではまだ弱いと思います。ここ に記載されている「医薬品行政に携わる者は、医師、薬剤師等の医療関係者や患者が果たす べき役割や現在置かれている状況等を十分に理解し」は抽象的すぎると思います。やはり医 療現場との連携をもっと強くしないと、副作用あるいは薬害は防げないと思います。行政だ けの問題ではないと思いますので、そこをもう少しわかるような文章にしていただければあ りがたいと思います。  それから、科学的根拠は極めて重要ですので、これはきちんと入れておいていただきたい と思います。 ○寺野座長 今の堀内委員の御意見は、3ページの初めの方ですけれども、これではやはり 足りないですか。 ○堀内委員 特にここの「患者が果たすべき役割」というのは、どういう意味でしょうか。 もう少し文章を。 ○寺野座長 患者がというのはあれですか、何をしたらいいか。これは消しましょう。この 「患者」というのはね。それは消します。  それはそれで、そのほかには「状況等を十分に理解し」というのがよくわからんというこ とですけれども。 ○堀内委員 本当のポイントは、もっと医療と密接な連携を取ってというのをきちんと入れ ていただけると。 ○寺野座長 これは、その後の連携だけでは足りないですか。もっと強調するんですか。科 学的根拠というのは、確かに入れなければいかんと思うんですね。科学的根拠を重視すると いうことに関しては、この文章の中には必要なので、「科学的根拠に立脚して」ということ は言葉としてございますけれども、これをもうちょっと強調したいということかな。  どうぞ、森嶌委員。 ○森嶌座長代理 水口委員がこれを外されたのは、多分、私も法律家ですので、薬害訴訟に 当初からかかわってきましたし、それから、スモンとか最初のころのあれですけれども、科 学的根拠というのは、常に因果関係を否定することに使われていたわけです。ですから私は、 科学的根拠が重要だということは百も二百も認めますけれども、科学的根拠が常に対策の立 ち後れの原因になってきたわけですから、もしも書くとすれば、科学的根拠に立脚すること は重要であるけれども、それに籍口して先入観を持ったり、命の尊さ、重要さということを 忘れた行政が行われかねないということが今まで問題だったわけですから、私は、これは行 政も企業も、そんなことをおっしゃっているわけではないのでしょうが、しばしば科学的根 拠がまだわかっていないではないか、わかっていないではないかと。これは、私が専門にし ている公害でも、常にそのことが、結果的には公害患者をもたらし、あるいは薬害患者をも たらしてきたわけです。  私は、特にこれは行政ですから、行政のところで科学的根拠を強調されるということには、 むしろ害の方があってプラスの方は少ない。そんなことを言わなくても、これはもう、医学 者や何かで科学的根拠を無視する人がいないことは当然です。そんなことをすれば、お医者 さんや薬学者は自殺すると同じことですから、あって当然です。ですから私は、もしも入れ るとすれば、「科学的根拠に立脚して評価に当たることは当然のことであるけれども」とお 書きいただきたいと思います。 ○寺野座長 どうぞ。 ○清水委員 後で言おうと思ったんですが、今、話が出たので、確かに科学的根拠だけをい うと、今おっしゃられたとおりだと思うんですね。それで、「エイズと血液供給」というの がIOM報告として出ているんですが、その中に、「不確実性のある場合には患者の利益に」 というリコメンデーションがあるんですね。したがって、そういうような表現を入れられる というのが、今、森嶌委員の言われたことと、私は全く同意見でございます。 ○寺野座長 どうぞ、間宮委員。 ○間宮委員 やはり科学的根拠というのは人が判断する話で非常に危ういんですね。だれが 判断するかによって。サリドマイドの場合は、先入観として、薬剤が胎児に影響を及ぼすな んていうことはあり得ないということで、まずは論じられたわけです。その後で、ドイツの レンツ博士のところに調査に行って、少ししか話を聞かないで帰ってきて、科学的根拠はな いという判断を下して、それによって回収などが遅れて被害が拡大したということがありま すので、科学的根拠というのは、しっかりしたものがあれば勿論いいんですけれども、未知 のものに対しては、やはり人が判断することですから非常に危ういということがあります。 やはり何かが起きたときに、その原因薬である可能性があるということだけで回収、出荷停 止ということができるようにしていただきたいと考えます。 ○寺野座長 今までの薬害等を考えると、確かに根拠がはっきりするまではということで引 き延ばしにあったという感じは、当然のことながら被害者としてはあるんでしょうね。だか ら、科学的根拠万能ということにはいかないのでしょうけれども、最終的には、科学的根拠 がなければ、判断というのは、あとは政治的な判断は別としてあると思いますよ。 ○間宮委員 ですから、その判断が遅れてしまうというのが一番問題なんですね。ですから、 科学的根拠を待たないといけないとか、この薬剤を回収すると社会不安が生じるんだという ようなことを行政側は言うんですよ。ですけれども、そんなことは実際ないわけであって、 そこで、やはりこの科学的根拠を待つまでに、先ほども言いましたが、原因薬というものが、 それらしいものがあるのであれば止めるという勇気が必要だということなので、科学的根拠 に、やはり森嶌先生がおっしゃったようなことを書いていただきたいと思います。 ○寺野座長 どうぞ。 ○森嶌座長代理 私は行政の話をしているわけですから。 ○厚生労働大臣 済みません、ちょっとまだいたいんですけれども、公務で失礼いたします ので、よろしく御審議の方をお願いいたします。ありがとうございます。 ○寺野座長 ありがとうございました。  大臣がせっかく来られているので意見を聞こうと思ったんですけれども、議論が沸騰して その時間がなくなってしまって誠に申し訳ないんですが、ちょっと座長も大変当惑している 点もあるんですが、具体的に、今の科学的根拠の評価というのは非常に難しいところがある ことはよくわかります。それで、はっきりした根拠が出るまで、回収とかそういう具体的な 行動に出ないことに問題があるということもよくわかっておりますが、本委員会で最終、委 員会として文書をつくらなくてはいけないわけですね。そこの点をどういうふうに、先ほど 森嶌委員の方から、科学的根拠に立脚しようとすることは当然であるけれども云々というこ とで、その後の表現を考えなさいということになっておるんですが、その辺なんでしょうか ね。  先ほどの清水委員の確実にということも、当然これは今の議論の中で出てくることですよ ね。タイムリーにということも、当然この問題ですし、そこの文章を整理して工夫するしか ないと思うんですね。  どうぞ、神田委員。 ○神田委員 今回は中間とりまとめということですので、こういった性格も考えますと、こ こでは基本姿勢について語っているのだと思います。ですから、副作用等の分析評価の際に はということですので、これは、やはり基本姿勢としてはあくまでも最新の科学的根拠に立 脚してというのが重要なポイントだろうと思います。  もろもろ、私はいろいろなことは知りませんけれども、これから勉強したいと思いますが、 そのほかのことについては、どういったことが科学的な根拠に基づいて評価してきたことの 弊害があったのかということは、今後の検証の中で見えてくる問題だろうと思いますので、 今回のこの中間とりまとめの中の基本的な姿勢というところにおいては、この表現でいいと 思います。 ○森嶌座長代理 先ほどから申しているように、これはサイエンスを議論しているのではな くて行政を議論しているわけですから、医薬品行政をするときにどうするかということを話 しているのですから、繰り返し申します。私は、サイエンスで厳格作業が必要だと言ってい るのではなくて、行政をやるときにどういうことが必要かということを申し上げているだけ です。これは誤解のないようにしたいと思っております。 ○大平委員 もう議論を重ねるのはおかしいんですけれども、私は、森嶌先生のそういう御 見解でまとめていただきたいと思います。  あと、それと、先ほど患者が果たすべき役割というところで、そこを消した方がいいだろ うということで、ここは一文になっていたのでつながりがおかしいのではないかと思うんで すね。「医薬品行政に携わる者は、医師、薬剤師等の医療関係者や患者が果たすべき役割 や」というところで、そこの中に患者が入ってしまっているわけですが、ここは、せっかく 「患者」という文言が入っているところでは、患者の現在置かれている状況を強調していた だいて、患者が普通に病院の医療にかかわっているだけではなくて、社会生活している患者 としてきちんと置かれている現状を見ることが大事だろう、そういう認識を持っていただき たいということときちんと分けて書いていただければ、ここに「患者」があるということは、 意義のあることではないかと思います。 ○寺野座長 ちょっと先ほどの話で「患者」を消したんですが、ここは、医療関係者が果た すべき役割や、実際、これは、患者さんが置かれている状況というのは、逆にこうではない んでしょうか。 ○大平委員 そうですね。 ○寺野座長 だからここへ、「患者の現在置かれている状況等を十分に理解し」ということ で、そこに患者さんのことを入れるということで、全部ではないですけれども、ちょっと表 現できるかなと思います。  どうぞ。 ○椿委員 先ほどの科学の議論なんですけれども、この「科学的根拠」という言葉を「科学 的知見」というぐらいにしていただいたらどうかと思うんですが。科学的な推論に関しては、 今問題になっているのは、その根拠、エビデンスを検証するということが、安全性対策に関 しては非常に問題だ。一方で、科学的推論においては、ファインディングということで勿論 科学的な方法によって行うことができる。今回、マイニングのことがいろいろこの報告書に は書かれていますけれども、マイニングという立場は、必ずしも検証ではなくて発見という ことに非常に主眼を置いている方法論なわけです。確かに、従来の有効性においては科学的 な検証ということを審査において要求していたことは間違いないんですが、安全性において は、科学的知見の発見において初動段階のアクションを起こすことが重要になっていること は言うまでもないことで、ただ、科学の立場を行政においても否定するということは全く必 要がないので、ここは恐らく「根拠」という言葉が非常に誤解を呼ぶ言葉だと。であれば、 「科学的知見」というぐらいに弱めていただければ、今のような趣旨で物事が進むのではな いかと考えます。 ○寺野座長 これは、森嶌先生どうですか。 ○森嶌座長代理 言い出した手前、私、文章を考えますのでちょっとお待ちください。それ で、後で、10分以内に文章を提案いたします。 ○寺野座長 どうぞ。 ○水口委員 今の点で、仮に「科学的な知見」ということを入れる場合ですけれども、そう であれば、「科学的知見と過去の薬害事件の教訓を踏まえ」というのを入れていただいて、 そして有効性云々という私の提案した文章にしていただければ、皆さんのおっしゃる趣旨が 漏れなく入るのではないかということで、一応意見を申し上げます。 ○寺野座長 過去の薬剤行政。 ○水口委員 「医薬品の評価に当たっては、科学的知見と過去の薬害事件の教訓を踏まえ、 有効性の認定に際しては」云々という、あと御提案申し上げた文章を使っていただくという ことではいかがかと思います。 ○友池委員 いろいろな判断とか実施に当たっては必要だと思いますが、キーワードとして 「患者の利益を優先」という1行があればいかがでしょうか。 ○寺野座長 「患者の利益優先」と言うとちょっとまた語弊が生じるのではないでしょうか。 ○友池委員 臨床研究の判断のときに、科学的な点を優先するのか、患者さんの利益を優先 するのかというときには、どこかの宣言か忘れましたが、それにもきちんと「患者の利益が 優先」という文言が普通の文章にありますので、世俗的な意味ではなくて、常套句としての 意味があると思います。 ○寺野座長 それを議論すると、これは大変な議論になってくるんですね。ですから、一応 ここの段階としては、そこを深く突っ込む余裕がありません。本当はやらなければいけない んですけれども。患者さんに関しての問題は、先ほど言いましたような、利益を考えている わけですが、「患者の現在置かれている状況」というところで表現させていただくしかない のかなと先ほど言ったんですけれどもね。 ○花井委員 今の論点はそういう話ではなく、先ほどの水口委員が指摘された、つまり経験 科学と行政との関係というのは森嶌座長代理の提案の話であって、今の友池委員の話で行く と、清水先生がIOMを引用して指摘された話だと思うんです。だから、そういうことから 言えば、水口先生が出されている修正案の「常に最悪のケースを想定して」と。ところが、 「最悪のケースを想定して」というのは割と散文的表現なので、ここに今言った趣旨を入れ れば、まさに清水先生の意見と友池先生の意見がどんぴしゃりはまると考えますが。つまり、 この「常に最悪のケースを想定して」というのは、いわゆる散文的表現で、オフィシャルな 文章では「疑わしきは患者の利益へ」という表現でやるということになれば、ぴしっとはま ると思うんです。 ○寺野座長 水口委員の16ページにある文章というのをこれにするかどうか、今ちょっと森 嶌委員に文章を考えていただいているので、それと比較して、おっしゃっていることはみん なわかるんです。ただ、具体的な文章を考えなくてはいけなくて、これは単純に事務局だけ のお仕着せではいかんという御意見ですので、我々が考えなければいけないんだけれども、 ここは皆さんの意見を全部入れてというのは非常に難しいんです。おっしゃっていることは みんなわかっているんですよ。ただ、具体的に考えるとね。  小野委員どうぞ。 ○小野委員 安全性評価の話としては今までの議論ということになるんでしょうけれども、 ドラッグラグなんていうのは、皆さん大変な問題だと思っているわけですよね。お薬が手に 入らなくて死にそうになっている患者さんが目の前にいるんです。今の議論を突き詰めてい くと、ドラッグラグはひどくなります。だから、医薬品安全性の話と、それからもう一つ上 の、お薬が医薬品行政の基本姿勢みたいなところはちょっと書き分けておかないと変なこと になる可能性が出てきますから、とにかく国民を幸せにすることが大事だというのをきちん と前段で書いて、その先に今の安全性の話にしていただくというのが私の提案です。 ○寺野座長 どうぞ。 ○高橋医薬食品局長 森嶌先生が起案されているので、事務局として一言、実際に行政をや っている立場からちょっと申し上げなければいけないと思いますが、水口委員の修正案、お 気持ちは本当によくわかるんですが、ただ、言葉として、有効性の認定に際しては「厳格に」、 副作用の認定に際しては「緩やかに」と、ここは漠然とした一般的な散文的な話としてはい いんですが、実際にこれはどういうことなんですかと詰めていくと、私ども、今、小野委員 もおっしゃっていましたが、厳格にというと、物すごいエビデンスの集積がないとだめだ、 安全性の方は、そこはエビデンスは相当緩くていいんだという話になると、そこは私もかな り違和感があるんです。そこは、エビデンスのものとしては、安全性の方もある程度のエビ デンスは必要なので、ただどこかでもう少し別に、最悪のケースというのは、エビデンスと はまた別に、ある程度、予防的な措置も頭に入れながらの措置を取るということになるので、 全く同じベクトルで厳格に、緩やかに、そういう判断にはならないのではないかと私ども思 います。 ○水口委員 その議論はやるんでしょうか。根本的な見解の相違があるので、多分、この議 論はやっていくとまとまらないと思います。ドラッグラグの評価についても、基本的な理解 は違う部分があると思いますし。  ただ、私のこの文章は、スモンの福岡地裁判決の文章をそのまま使わせていただいたとい うことだけ、申し上げておきます。 ○寺野座長 なるほど。ただ、確かにこれをまとめるのは、今、森嶌委員に座長代理で書い ていただいているのを後で御紹介していただきたいんですが。 ○森嶌座長代理 まだやっているので、皆さんの意見で直してもいいんですけれども、いろ いろ御意見もおありでしょうからあれですが、もとの文章をそのままにして、先ほど小野委 員の方からまた別のファクターが入ってきていますので、一つの議論をするときにいろいろ なファクターを入れてくると議論が混乱しますから、これはまたこれで別のときに別の議論 をすればいいんですが、ここでは、用語が不確実なときに、どこで不確実性等を取って判断 すると、結果として重大なことが起きたときにどうバランスを取るかという議論ですから、 お薬が入らなくなった人をどうするかというのは、またこれは別の話ですから外します。  もとの文章、3ページのところですが、「命の尊さと最新の科学的……」、これは「知 見」にいたします。根拠というと、何が根拠かというのはまたあれですから、「知見に立脚 して評価にあたることが重要である」、これはこのままにいたします。「しかしながら、」 にいたします。またではなくてしかし。「しかしながら、薬学の進歩が」、これは知見がい いのかどうかわかりませんけれども、「不確実性を伴うことから、常に最悪の」、これも中 に入れた方がいいのかもしれませんが、「常に最悪のケースを想定して、予防原則に立脚し て、安全対策の立案・実施に努めることが必要である」。予防原則というのは今、少なくと もいろいろなところに入っています。これは不確実性のときには、よくわからないときには、 重大な結果が起きないように、いろいろな行政とか施策を取るべきだという原則に立脚する。 これも、何が予防原則かというのはちょっと問題があるんですけれども、ここではそんなぎ りぎりの議論ではなくて、要するに基本的な姿勢ということですから。その意味では、これ は私は法律家ですので、安易に妥協すると怒られるかもしれませんが、科学的な根拠ないし は知見に立脚するということは私は重要だと思うんです。ただ、そのことのために、危ない ことがあるかもしれないけれども、それを理由にして命がなくなってはいけないので、そこ で予防原則というそれはきちんと押さえて、繰り返して言いますが、これは行政ですから、 行政はそういうスタンスでやるべきだと。私は何も一般的なサイエンスの話をしているわけ ではありませんので、その辺でどうでしょうか。 ○寺野座長 今、森嶌委員からの御意見ですけれども。 ○森嶌座長代理 もう一度読みます。「命の尊さと最新の科学的知見に立脚して評価にあた ることが重要である。しかしながら、薬学の進歩は知見の不確実性を伴うことから」、その 辺が、急速な進歩がということを示しますが、「薬学の進歩は知見の不確実性を伴うことか ら、常に最悪のケースを想定して、予防原則に立脚し、安全対策の立案・実施に努めること が必要である」と。 ○堀内委員 一つだけ、「薬学の進歩」というのがありましたけれども、これは「医学・薬 学の進歩」だと思います。 ○森嶌座長代理 まあ、そういうことです。 ○寺野座長 これ、実を言うと、水口委員のような提案もありますし、皆さんの意見を十分 拝聴しておるわけですけれども、まとめなければいけないということになりますと、今の森 嶌副座長におっしゃっていただいた内容、僕もこれ、非常に御苦労されて短時間でよくつく っていただいたんですが、そういう文章で、勿論問題点、予防原則等々はございますでしょ うが、こういう表現しか、今の皆さんの意見を集約するとないのかなという感じがいたしま す。  ですから、いろいろな御提案はいただいてありがたいのですが、御意見もありがたいので すが、今のような形でまとめさせていだくと。ただし、勿論秋の議論の中では、この議論の 中に今からやらなければいけないことがこの中に含まれておりますので、当然、現在の皆さ んの御意見は議事録に入っておりますし、それはまた整理いたしますので、それは必ず議論 するという前提で、このような文章でここのところをこのとりまとめ案の文章にしたいと。 これは座長の権限なんて言いませんけれども、座長から皆様への要望としてお願いしたいと 思うんですが、よろしいでしょうか。  一つひとつについてはございますよ。だけれども、そこら辺は少しおおらかに考えないと、 これはとてもじゃないけれどもまとまらないと思いますので、よろしいですね。 ○水口委員 「過去の薬害事件の教訓を踏まえ」というのを入れていただくのは難しいでし ょうか。 ○寺野座長 「薬学的知見と過去の薬害行政の」。 ○水口委員 今の森嶌副座長の御提案にそのままきれいに入るかなと思うのですが。「知見 の不確実性を伴うことから」と「常に」の間に、「過去の薬害」、でも、ちょっと違うな。 意味が違ってしまうので。わかりました。 ○森嶌座長代理 私はそれを踏まえたつもりですけれども。ちょっと私はそれも考えたんで すが、それを頭に入れて先ほど発言しましたが、それを前提にしてこれを入れたので、でき れば、ほかの御意見もありますので、同じ立場で今の提案は撤回していただきたいと。私は この際、これは代理の方で、代理としてお願いいたします。 ○水口委員 はい。 ○寺野座長 ありがとうございます。 ○清水委員 原則としてはそれでよろしいんですが、私はこの文章を読んでいて、前から 「最悪の事態」というこの「最悪」という言葉がどうしても引っかかるんですね。最悪でな くても最悪になる場合もあったりするというところがありますものですから、何か、ほかに 適当な言葉はないのでしょうか。 ○森嶌座長代理 なるべく手を入れないようにしたんですけれどもね。 ○清水委員 後でまた議論していただいても結構です。ここはこれでもいいかもとは思うん ですが、ただ、最悪ということについてはちょっと抵抗があるということだけは申し上げて おきたいと思います。 ○森嶌座長代理 座長ではないからここまで言うのはあれですけれども、なるべく、そうで ないと、もうあと20分しかないわけですが、座長代理ですから代理として申し上げますが、 これで決定的でないのは、もうこの際、もっと最悪のことがあるのかもしれませんから、最 悪ぐらいはまあ最悪でないとして、議事録に残してのんでいただければと。座長代理として お願いいたします。 ○寺野座長 ありがとうございます。非常に座長をサポートしていただきましてありがたい と思います。皆さんの意見を入れていると文章にならないわけなので、このところは、先ほ ど言いましたように、先ほど、森嶌委員に御提案いただきましたような文章で、確かに最悪 の事態とか、用語原則とかあるのでしょうが、そこは、この辺はとりまとめ案の問題ですか ら若干抽象的になるかもしれませんが、この辺は御理解いただきたいと思うんです。  また、この議論の内容は十分記録しておきますから、はっきりこの議論の中でしっかりし ていただく。そして、委員の皆さんがこの問題点を共有していただければいいのではないか と思います。  ですから、このところは、時間的な関係もありますので、今、森嶌委員に提案していただ きました文章ということで、清水先生、最悪の事態というのはよろしいですね。一応、それ は入れさせていただくということでよろしいでしょうか。 ○友池委員 次のところでよろしいですか。 ○寺野座長 では、次に行ってください。助かります。 ○友池委員 ○の2つ目ですが、「しかしながら、承認段階で得られる情報には限界があり」 ということですが、過去3回で副作用報告が徹底できなかったとか、解析できなかったとい う御意見が何度も出ていますので、「承認段階とその後の自発的な副作用報告で得られる情 報には限界があった。」で、「さらに」と続けてはいかがでしょうか。 ○寺野座長 ちょっともう一回文章を。 ○友池委員 「承認段階とその後の自発的な副作用報告で得られる情報には限界があった。」。 それは、過去3回でそういう結論が出たように思いますので。 ○寺野座長 「さらに」というところがありますね。「市販後」というのは、これはその後の という、おっしゃることではないですか。 ○友池委員 「さらに」というのは、ここの意味するところは、承認段階のときではある特 定の母集団に薬剤を投与して有効かどうかで判断しますが、その後、適用が広がるとか、小 児に使われることもあるとか、そういう意味で、いろいろな患者さんに広範に使用されると いう文意だと思いますので、これはそのままでよろしいのではないかと思いますが。 ○寺野座長 いや、その「さらに、市販後は」というところに、今、先生がおっしゃった趣 旨のことが入らないのかなと思うんですね。 ○友池委員 そうですね、そうすると入りますね。範囲が広範になるから、承認段階だけで 得られた情報には限界があったということですね。 ○寺野座長 はい。だから、先生、ここはどうしても抽象的になるんですよ。大まかに、か なり広いところを縛ってしまうものですから、その点はちょっと御理解いただきたいと思い ます。 ○友池委員 そうですね。失礼しました。 ○寺野座長 そのほかはよろしいでしょうか。まだ3ページしか行っていないんですよ。  4ページいかがですか。4ページ以降ですね。まだ後半の方もありますのでね。後半はこ の間、随分議論したところです。  福田委員どうぞ。 ○福田委員 5ページの2の「ファーマコゲノミクスの活用」と書いていますけれども、こ れについて、私たちはよく知らないわけですし、ここの委員会で出てきた話でもなく、なお かつ何の議論もしていないので、今回の中間とりまとめでこれを入れるのはどうなのかなと 思いますし、十分にこれが本当に役に立つのかどうかというのも、私たちは判断を全くして いないと思うんですけれども、どうでしょうか。 ○寺野座長 確かに、ファーマコゲノミクスは出ていないかもしれないですけれども、堀内 委員どうぞ。 ○堀内委員 私はこの分野の研究をやっていましたが、最近やはり遺伝子あるいは遺伝子関 係の問題が、人に対する効き方とか、副作用の現れ方に大きく影響することがわかってきて おります。イレッサの場合でも、EGFRの遺伝子の変異と有効性の関連がわかってきてお ります。専門でない人は必ずしも十分に御理解いただけないかもしれませんが、安全な医薬 品の使用という観点から見ますと大変重要なことだと思っております。。最近は、新薬の承 認審査等でも、遺伝子多型の情報を出すことが求められるようになってきております。薬の 有効性、副作用を分析・評価をする場合には重要な一面だと思いますので、できればこれは このまま入れておいていただければありがたいと思います。 ○寺野座長 そのとおりなんですが、福田委員のおっしゃるのは、今まで議論してこなかっ たではないかということと、何か内容がわからないということは、それはしようがないとこ ろなんですが。 ○堀内委員 もし必要でしたら、幾らでも説明はします。 ○寺野座長 福田委員、これは重要なものなんですね。本来議論の中に、ちょっとここでは 入れられなかったんですけれども、それが突如出てきたのでおかしいとおっしゃるのはわか るんですが、これは今からの薬効あるいは副作用を見る場合に遺伝子的な研究は非常に重要 なので、今後の課題として、議論はしてこなかったけれども、今からやろうということで御 理解いただければ、これは入れておいてもいいかなと思うんですが。 ○福田委員 今回の中間とりまとめに入れなければいけないのでしょうか。議論した上で入 れるのではいけないんですか。よくわかっていないからあれですけれども、今入れなければ いけない理由が何かあるのかなと思ってしまうんですが。 ○寺野座長 どうぞ。 ○清水委員 今のお話、確かにそのとおりなんですが、私は、こういう新しいことがあるか ら人が要る、専門家が要る、そういう理解でここのところを受けて、その次の4番の新しい 組織体制につなげる、そういう意味合いで受け止めたんですね。  今のお話は、そういう意味では、ここの手法がどうだということを細かく論じているわけ ではありませんので、これはこのままでいいのではないかと私は思うんです。要するに、項 目が上がっているだけというような感じでですね。  それを受けた形で、むしろその次の4番のところに、こんな程度で本当に人が確保できる のかということになると、私が査定する立場だったら、こんなでは根拠がないよということ になってしまうのではないかと危惧するんです。そこで、むしろここのところには、その次 の11ページにありますところで、何でそういうことが必要なんだということをもうちょっと 具体的に、11ページの前半にある(1)のところのコアになる部分を4番のところなりに持 ってきて、だから、こういう新しいことをやっていかなくてはいけないし、今でも足りない 上に、こういう新しいことをもやらなくてはいけないし、そういうことを考えていきますと、 副作用の報告件数とか欧米の従事者の人数と比較したら余りにも少な過ぎるのではないかと。 だから、専門家を養成していく人材養成ということがあるから、取りあえず300人ぐらいでま ずは我慢するというような表記にしておきませんと、何か説得力がないような感じがします。 今回の最大の眼目がそこにあるということについては、この1から3までのところでは余り インパクトを感じないという印象を持つんですけれども、いかがでしょうか。 ○寺野座長 ファーマコゲノミクスは入れさせていただいていいですか。 ○水口委員 私も意見書を出させていただいたんですが、これが安全対策にどれだけ活用で きるかというのは、これからの話だと思うのですね。そういう意味で、今の段階で本当にこ れを入れなければいけないのか。これを入れるか入れないかで人数が変わってくるのかとい う印象を持っておりまして、私もここで無理して入れる必要はないと思っております。  特に、5ページだけではなくて、9ページで、調査研究を促進すると、積極的に評価する のだというかなり踏み込んだ書き方があり、5ページの注では期待されると書いてあります。 やはり新しい手法というのは、いろいろ内在的な見解や危険性やいろいろなものがあるわけ で、そのあたりが余りにも楽観的過ぎるというか、そういった記載であると思いますので、 私もどちらかというと福田委員に同じ見解を持っております。 ○寺野座長 実際、今までの議論の中で、これはA案、B案というようなことで後で出る、 それに関していろいろ議論した中では、なかなか人材の確保とか質等々の問題が議論されて いて、どちらだとどちらがいいんだということを実質上、科学的な根拠で余り議論していな いのは事実なんですよ。だから、本来ならばそこの段階で、ファーマコゲノミクスにしても、 データマイニングにしても、そういう科学的な根拠が非常に必要なんだ、だからこういう人 が必要なんだという議論をしてこなければいけなかったということは、確かにそうだと思い ます。それがちょっと足りなかった。ちょっとでなく足りなかったことは反省すべきことで すけれども、かといって、ではそういうものが不要かというと、ちょっと幻想ではないかと いうこともありますが、今、堀内委員が専門委員的な立場からいって、今後のこういう領域 において、こういう遺伝子的な応用というのは非常に重要だという、これは医学も薬学も常 識と言えば常識なのであって、そこは専門家だから、専門家の言うことは、今まで議論して いないんだから入れる必 要はないという御議論は、私はちょっと、座長として変ですが、 納得できないんですよね。 ○山口委員 私も座長の御意見に賛成でして、確かに細かい議論はしていないと思います。 なのでここは、堀内先生と私も疫学とか統計を専門にしておりますけれども、専門的な立場 からこの委員会に参加しているというのもございますので、そういったところは、現状の課 題と現状で不足しているところ、これから安全対策を行っていくにつれて必要な部分という のは、細かいことは議論していませんが、現状として、実際、うそを言っているわけではご ざいませんし、欧米とかの現状を見ますと、先ほどのファーマコゲノミクスの話にしても、 実際に専門家がいるわけですね。それで有効活用されているわけですので、こういったとこ ろは是非このまま含めておいていただければと思います。 ○高橋委員 私も同じ意見で、やはり今、遺伝子解析というのはかなりどんどん進んでいて、 その検討が今されてきています。その遺伝子がないことによって副作用が起きやすいという ようなことも出ていますので、この部分については、安全対策の意味でも十分検討していく 必要があると考えています。 ○寺野座長 友池委員。 ○友池委員 ファーマコゲノミクスで大事なのは、恐らく医学、薬学を研究している人には そうだと思いますし、私も一端はかじっているからそうは思いますが、このこと自体に対す る危惧の念が出たということは、議事録にきちんと残しておいていただきたいと思います。 本当にこれが必要なのかどうか。究極の個人情報とも言われているわけですから、その活用 に当たっては、ヨーロッパで全部使われているから日本もやりますと右ならえに行けるよう なものではない。やはり薬剤の使用に当たっての、あるいは治療に当たってのゲノミクスの 使い方というのは、それぞれの場所できっちり議論した上で進んだ方がいいと思いますので、 議事録にはきちんと残しておいていただいた方がと思います。 ○寺野座長 問題点については私も理解しているつもりでありまして、今まで十分議論して いないことをとりまとめ案に出すのはどうかということも一つと、それから、実際、一般に はわからないことではないかということですが、一応、専門家委員会の中では、こういう手 法というのは非常に重要であり、そのためには相当の予算、人材が必要であるということも 事実なので、ここはかなり、概算要求という予算を確保する意味でこの点は非常に重要なん ですよね。  それで、そのほかではデータマイニング等についても十分議論はしていないわけで、これ を全部議論していないと外されてしまうと何もなくなってしまう可能性があるんです。  間宮委員。 ○間宮委員 私も、ファーマコゲノミクスというのは何だかわからないんですね。私は、委 員としてこの場に座らせていただいているわけですから、これを入れるかどうかという判断 というのは、私もしなくてはいけないと思うんです。そのためには、やはりこれが何なのか というのは、何らかの形で勉強会とか、これはこういうものなんですよという説明を受けな ければ判断できないと思うんですよね。データマイニングについてもそうです。それは今、 機構の方で20年度からやるという話ですけれども、それも実際どう役に立つのかというのは わからないわけですね。ですから、今、山口委員がおっしゃっていまして、有効活用されて いるということであれば、どう有効活用されているのかというのは説明していただかないと 判断できないということだと思います。 ○寺野座長 大熊委員どうぞ。 ○大熊委員 まだ7月も初めなのに、ぽんと9月に飛んでしまうというのはもったいないと 思います。今のようなことについての、例えば機構を見学するとか、勉強会をするとかとい うようなものを設けていただけるといいのかなと思っています。  私、機構のホームページをみたんですけれども、ファーマコゲノミクスを応用して添付文 書を修正した薬の例が1つだけ載っているんですが、同じ薬について3つのページにただ漫 然と載っていて、役にたちそうもない、一生懸命やっているとは思えないような気がいたし ました。 ○寺野座長 勉強会とか見学を入れるかどうかというのは、夏休み中はちょっと無理だと思 いますけれども、将来的には考えてもいいと思います。たった4回でこんな議論をしている んですから、すべてを議論に入れられるわけではないので、その限界は最初から申し上げて いるつもりなんですが、これを一つひとつ全部入れなくてもいいと言っていきますと、概算 要求の根拠というのがなくなってくるんですね。全然ではないけれども。僕はそう思うので、 ここは入れさせていただかないとまずいのではないかと思うんです。  泉委員。 ○泉委員 今の座長のお話であっても、このゲノム検査、つまり人権問題にも関係するよう な遺伝子的な問題を含んでいるものをここで中間で入れるかどうかというのは、私的には、 福田委員と同じように、後で勉強会をして、必要であれば入れるのはいいですけれども、少 し外国の文献も読んでみましたが、私にもわかりません。そして、外国もまだ発達段階とい うか、全部が解析されているわけではない。であれば、もし日本でこれをやるとしたら、こ の組織をつくる以外にももっともっと膨大なお金が必要であるはずで、私たちが危惧するの は、私の場合ですけれども、このいわゆるゲノム検査の対象になるのは、薬害の実績に合っ た、薬害に遭ったその人たちのいわゆるデータも検討されるということもないとは言えない とすれば、この中に、今ここに入れなければいけないというのは、堀内委員が、専門家とし ては有効性、あるいは山口委員が必要である、有効性があるということを言われたけれども、 もう少し勉強してからでも遅くはないのではないかと。ですから、今回はこのところは外し ていただきたいと私は思います。 ○寺野座長 別な表現というのもあるんでしょうかね。薬剤・疫学的手法や遺伝子学的手法と か、そういうふうなちょっと漠然とした表現にすればよろしいんですか。 ○泉委員 それはあり得ると思いますし。 ○寺野座長 ファーマコゲノミクスというのが、やはり何だかよくわからん。 ○泉委員 科学的にはもうそういう時代に入っているのは十分にわかります。 ○山口委員 済みません、ファーマコゲノミクスだけの話になっていますけれども、そうい う話をし始めると、例えば薬剤疫学というものにきちんと理解があるのかどうか、そういう 議論になってしまうと思うんですね。なので、ちょっとその辺は少し緩和考慮していただき たいと思います。 ○寺野座長 友池委員、何か。 ○友池委員 薬剤に対する感受性という程度のことでいかがでしょうか。 ○寺野座長 堀委員。 ○堀委員 多分、今後こういう薬剤の再発を防止して、あるいは早期にそういう薬害が起き たときにそれを検出したり、万が一起きたときには対応して、こういう会議をやっていると きに、確立されたことだけを取り入れようとやっていたら、多分いつまでも後追いになって しまうと思うんですね。多分これは文章の書き方でどうにかなるのかもしれないですが、一 般的に今、全世界的に期待を持って見ているある学問の分野の例示だと思うんですね。別に 全患者さんの遺伝子を取ってきてとかそういう話をしているわけでは決してないので、私は、 未確立だから入れないというような感じでもし思われている方がいたら、それは誤解がある のではないかと思うのが一つ。  ファーマコゲノミクスもまだ全然限界があって、それは日本だけではないんですね。何で ここでファーマコゲノミクスが出てくるかというと、例えば有効性が最初からないあるいは 有効性が薄いと思っているような人にはお薬を使わない、あるいは安全性に関して問題がす ごく高そうだと思っている人には、患者さんによく説明して、使うか、あるいは使わないか、 そういう判断をする。そういうところで患者さんを守れるから、最近はこういうところに注 目が集まっていて、ある学問の一例としてやっているんだと思うんです。だからそこは、余 りにも遺伝子的な話をここでやると、それでもう議論が一つの検討会になってしまうので、 私としては入れてほしいなと思って聞いていました。 ○泉委員 堀委員がおっしゃられることは十分にわかりますし、そういうふうに論文発表さ れています。素人であっても、それは今後有効性を考えるには必要だとは思いますけれども、 堀委員がわかっていることを私たち全員がわかっているかというと、わかっていないんです。 だから、わかりたいんです。そのために、わかる前に入れてもらうというのはどうであろう かと。一応、勉強したいというその時間がないのかどうかということです。ですから、これ を全く否定しているということではなくて、先生方がおっしゃるようなことというのは十分 あり得るだろうということは、もう世界的にそういう傾向になっていますし、わかります。 ですが、私たちはここで、この委員会でやらなければ、今やらなければいけないことなのか どうか、それを考えたいんですね。ですから、今はそれを外してもらいたい。まだ検証委員 会もずっと先にありますし、中間発表の中に、わからないのにそのまま入れるということ自 体、委員会のあり方としてはどうかなと思うんです。 ○寺野座長 時間がもう来ているので。 ○森嶌座長代理 何か年中割り込んで申し訳ないんですけれども、我々の中間とりまとめの 段階の仕事は何か、役割は何かというと、いいか悪いかは別として、我々は、取りあえずは 再発防止のための行政がどういう仕組みをつくっていくか、しかも中間取りまとめの段階で は、概算要求をするために、いいか悪いかは別として一定のものをサポートするわけですね。  今の泉委員のお話ですと、それをブロックすることを意味するわけです。つまり、それが 出るまでは出すなということ。そうではないでしょう。 ○泉委員 はい。 ○森嶌座長代理 だとすれば、もしも我々が検討した結果、やはりそういうことはやる必要 はないのではないか、その段階で我々として、専門家はそうであっても、一般の人たちとし ては、そういうことはもう日本でやらなくてもいいのではないかということは、後でやって もいいわけですが、取りあえずは、そういう予算要求、これは、予算要求したからといって、 財務省が通してくれるかどうかわからないわけですけれども、それをブロックしてまで今の 段階でおっしゃるつもりなのかどうかということをまずお考えいただきたいというのが第1 です。  私としては、この間から繰り返し言っていますけれども、役所というのは、さっきも言い ましたように、終わってしまったら、後でこれで打ち切りにしないでくれというのをさっき から言っておりますが、まず、予算要求したいのだったら、我々としては、そういう要求を した方がいいのかどうかということは、ここで皆さんお決めになって、出すものは出してい ただく。その後、我々として、それをサポートした上で、薬事行政をどうやっていくかとい うことをこれから検討していけばいいわけです。その手前で、今の泉委員のおっしゃってい ること、これを今やるなとおっしゃって、これを書くな、書くなとおっしゃると、結局、結 論としては、よくわかりませんが、それがなくても、こういう項目がなくても概算要求でき るというのならいいんですが、どうも座長のお話ですと、なくなるとどうもできそうもない ということであればですが、もしも質問をなさるとすれば、我々がこの部分についてはわか らなければ困る。だから、それを出さなければ概算要求のところに差し支えるのかどうかと いうことをお確かめになって、それで構わないというのならば、それならもう少し待ってく れと。構うというのなら、取りあえず出させておいて、そして議論をしたらどうかと、私と しては、代理としては申し上げたい。時間もたっていることですから。  それともう一つ、こういう委員会をつくった以上は、厚生労働省としては、私もこの話は よくわからないです。素人と専門家とが同じ場でやる以上は、せめて我々素人に対して、こ れは何だということを、別にこんな大規模な委員会でなくてもいいですけれども、少し勉強 させて、場合によっては洗脳してわかるようしてもらわないと、ここでやって、専門家はこ う思うと言われたって、大体、言葉自身、何とかノゲンとかなんとか言われたってわからな いので、それはせめてギャップを埋めてくださるように、夏休みだからみんな無理だなんて 言われたって、それは無理ですよ。それで、急にやって、予算はやらなくてはならないんだ からやってくれと言ったって無理ですから、そこはきちんと役所の方でも我々の、私の無知 を是非何とかギャップを埋めるような機会を設けていただきたいと思います。委員会を開く 必要はないですから、せめて無知な者、ここに集まれとやっていただいて、教育をしていた だきたいと思います。  そこで、もとに戻りますと、泉委員に対しては、ブロックする気がないのでしたら、これ は、もっと勉強したら、後でどうするかは決めるけれども、今日のところ、予算要求という 点ではこれで認めるかどうかということ。それは、泉委員が今言ったことがわからない限り のむつもりはないということをおっしゃるのでしたら、それはそれで認めますけれども、そ うでなければ、私は、そこはひとつお考えいただきたい。我々は何をしているかということ を考えていただきたい。 ○泉委員 まず、これが絶対に入っていなければ概算要求ができないのかというその話に戻 ってしまうと思うんですね。ブロックするつもりもないです。ただ、全くわからないから、 自分でも一生懸命調べてみたけれども、それでもわからない。厚生労働省の方でわかってい る方がいたら、あるいは専門家の方に少し話を聞いて、現状の日本がどうなのか、そういう ような形を知りたいと。ですから、今、委員がおっしゃられた話の後半部であります。 ○寺野座長 時間が限られておりまして、最後はちょっとまとめが必要なんですね。その時 間も必要なので、議論が十分できないのはわかっておりますが、ただ、こういう委員会の限 界というのはやはりあるんだと思うんですよ。それは、当然、専門家も入っておりますし、 行政関係の人もいますし、そして被害者の皆さん、更にその弁護士の方もいらっしゃる。そ ういう中で、一つひとつのことを全員が納得して、十分に理解して物事を進めていくという のは、こういう委員会の限界であって、僕はできないと思うんですね。  ただ、確かにおっしゃることはわかるのは、このファーマコゲノミクスという言葉は初め て聞いたんだぞ、これは一体何なんだということを言われるのはわかります。しかし、それ は今、専門委員の方からこういうことで必要ですという梗概を御説明いただいたわけで、そ れが、勿論この言葉がなければ概算要求ができないとは言いませんが、後で事務局から説明 してくれるかもしれませんけれども、ただ、概算要求をするときには、できるだけこっちが 要求したものを全部取りたいんですね。できるだけたくさん取りたい。というのは、予算と いうものが薬害の再発防止に決定的に重要なものであろうと思うからです。その予算がなけ れば組織も何もできないわけですから、そういう組織を固めるために予算が必要である。そ の予算の根拠となるもの、まさにさっき言ったエビデンスに近いわけですが、それを出すた めに説得力が当局に対してあるかどうかということを言っているわけで、我々が中で、全員 が、この委員が100%理解するなんて不可能なんですよ。  ただ、福田委員が言われるように、初めて聞いたのよ、何よと言われると、確かに、今ま での議論でなかったのは申し訳ない。それは座長からの弁明になりますが、そういうことを 理解していただいた上で、この言葉がどうしてもいけないということ、あるいはもう遺伝子 という言葉が出たらいけないんだということを言われますと何も出せなくなってしまうんで すね。ですから、そこら辺はちょっと、個人情報云々なんていう話までしてしまうと切りが ないわけなので、できればこのまま認めていただくか、あるいは先ほど友池委員から言われ た、薬剤感受性試験的なもので表現するかということなんですね。 ○大平委員 考えを言うのをちょっとちゅうちょしていたんですけれども、これまで4回目 の中で、いかに再発防止のためのいろいろなデータを集めて、そして、またそれを分析・評 価して、そして再発防止にどういうふうにつなげていくかというところでは、このデータベ ースをどういうふうに使うかとか、それからまた、新しい手法をどういうふうに導入するか ということは、ここの検討会の中で、個々の詳しい情報については出てきませんでしたが、 あったと思うんですね。実際、私も、HIV治療の中では、薬剤の有効性を図るために遺伝 子レベルのいろいろな解析をしながら、その人に合った薬剤を投与していく、そういうこと というのは、いろいろなところでもう既に行われているわけです。  こういう手法がきちんと薬剤のいろいろな安全管理のために必要とか、それからまた、そ れについていろいろな倫理的な側面とか、いろいろな問題も含めながら、どういうふうに活 用していくかというところをここの中に、これは、活用は不十分であると書いてあるのは多 分お金の問題なんだろうと思うんですが、これをいかに活用するかどうか、それについてこ この検討会で検討するし、またそれは時代の要請としては十分検討していく価値があるので はないかということをここで明記してもいいのではないかと私個人は思います。  そうしないと、結局、ではその先、この薬害再発防止のためのいろいろな検証をするため のベースとしてのデータというのは、どこで、どういうふうに、だれが集めてくるのかとい うところは、何もないまま、またずるずると走っていくという形になるので、いかにここで、 いろいろな議論はあると思いますが、抽象的ですが、そういう国が関与した形でのいろいろ な責任体制のもとでこういう評価をしていく姿勢というのは、そういう手法を新たに開発し ていくことも含めて必要なのではないかとここに書いてもいいのではないかと思います。 ○福田委員 もう時間が余りないと思うので、このファーマコゲノミクスというのは要らない のではないかと言っているわけではなくて、何の議論もされないままここに書かれていると いうことを議事録に一応残していただいて、今後の委員会の中できちんとした議論をしてい ただきたいという意味で申し上げたんです。ただ、議事録として残していただければ、今後 に生かせるかなという思いもあるので。 ○寺野座長 大変御理解のある御発言をいただいて。  どうぞ。 ○総務課長 今、いろいろな御意見がございましたので、そういう勉強会とか、それから機 構の見学とか、そういったものも、座長との相談でありますけれども、また企画したいと思 っております。 ○寺野座長 それと、ファーマコゲノミクスとかデータマイニングについて、わかりやすく 解説した資料があれば、やはり委員に、今まで議論できなかったので、それをお配りすると いうことで御理解いただいて、質問があれば質問していただくということでお願いしたいと 思います。 ○水口委員 もし残すということであれば、注4のところに、ただ「期待される」というこ とを書いて終わるのではなくて、「内在的な限界や倫理的な問題について十分配慮して対応 することが必要だ」というコメントを一緒に書いていただきたい。単に、よくわからないこ とが書いてあるというだけで申し上げているわけではないので、そういったことについて注 に加えていただきたい。それから、9ページに「調査研究を促進する」となっております。 先ほどの座長の御提案ですと、「これから更に検討すればいいではないか」ということだけ れども、この表現はそれをちょっと超えた表現になっていますので、ここを「検討する」と するとか、もう少し表現を工夫していただくということをお願いしたいと思います。 ○寺野座長 9ページに関しては、これは調査研究、検討でいいのかな、表現を変えること は可能ですけれどもね。「促進」ということがやはり刺激的ですか。やはりこれは進めなけ れば話にならないので、そこのところは、「検討」ではちょっと弱いかなと僕は思うんです けどね。  どうぞ、審議官。 ○黒川大臣官房審議官 事務局として、安全対策を何回かやってきた人間から、少し感想め いたことになりますけれども、現在、このファーマコゲノミクスなどの手法は、米国などで 医薬品の添付文書などに反映されているわけですね。SJSという病気、抗てんかん薬で起 きますが、こういう方々がハイリスクであるということが実際応用されていることがありま す。  私ども、FDAでこうやっているのに、どうして日本でできなかったのかということでお しかりを受け、臍をかむ思いをしてきております。したがって、何とか機会があればキャッ チアップしていきたい、そういうような気持ちでございまして、先ほど総務課長から、これ から機会をつくって是非知っていただくような努力を最大限するということでございますの で、促進という部分も含めて御理解いただければというのが、実際に携わってきた人間の気 持ちになります。 ○寺野座長 ありがとうございます。  それから、水口委員の言われた5ページの注4につけることに関して、それは個人情報の 問題にしろ、いろいろな問題が、他形を調べる遺伝子の問題に常についてくるんですけれど も、この委員会という、この薬害防止という観点でこういう手法を使うということを言って いるわけで、ネガティブというかデメリットの面を一つひとつ書く必要があるのかなと。お っしゃっていることはわかるけれども、それを一つひとつ書く必要があるのかということを ちょっと思うんですね。  遺伝子というとアレルギーがあるのはわかりますけれども、これはあくまでも検査として、 個人情報としては関係があるんですが、要りますかね。 ○花井委員 遺伝子に対してアレルギーがあるという表現は非常に雑駁な表現なので、つま り私どもの理解は、ゲノミクスというのは、ファーマコゲノミクスも実は僕はどんどんやれ ばいいとは思うんですが、ただ今回これだけが、本当はプロテオームの方が重要で、表現形 の方が重要だけど、ゲノミクスの方は記号化で非常に実装がやりやすいので、FDAとかE Uも実装しやすい手法として使っているのではないかと素人としては推論するわけです。  それで、今回このように急に唐突に出てきて、後の方の9ページにも、これだけはやるん だみたいな話になっているので、何かこれはおかしいのではないかと見えるわけであって。 だから、そのネガティブな面ということよりも、やはりこういう新しい手法であるのであれ ば、どのような論点があるかということについては、きちんと事務局の方から提案していた だき、僕もちょっと今ここではいろいろ出せませんが、一応こういうものに対しては、アメ リカなんかでもきちんと倫理的な論点というのがそれなりに出ていて、議論も尽くされた上 で、やはり実装という方向に来ていると思うんですよね。そういうものを出していただけれ ば、多分ヨーロッパなんかは特にそういうものは非常に踏み込んだ議論をしてやる話ですか ら、やっていただきたい、そう言っているのにすぎなくて、別に遺伝子だからそれで何か番 号をつけて管理されるといった、そこまで素人っぽい人は、ここには多分いないと思うんで すよね。倫理的な論点についてもきちんとあるんだよということを、こういうふうにわかっ ているんだよねということを多分おっしゃったと思いますけどね。 ○寺野座長 だから、これは、考えてみれば当然と言えば当然で、今の遺伝子的なもので国 民的理解の中では、花井委員が今言われたようなことはわかっていると思うんですよね。だ から、あえてそこをこれに関してのみ加える必要があるかということを僕は聞いたわけです。 ○清水委員 遺伝子のことにつきましては、実際の医療現場等においては、必ず個人のイン フォームドコンセントを取っているんですね。それからまた、そうでなくて調べる場合には、 そのほかのことには使いませんということをインフォームドコンセントの中に記載してやっ ておりますものですから、私は、そういう現状を踏まえますと、このままでよろしいのでは ないかと思いますけれども。 ○寺野座長 水口委員どうですか、それを付け加えなければだめですか。この議論の内容は、 当然、勿論記録しておきますよ。 ○水口委員 私は付け加えていただきたいという意見を申し上げたということで、議事録に 残していただければ。 ○寺野座長 それは残しておきます。もっともな御意見であることはわかっております。  では、それはそれで。さっきの「促進」も、一応それを更に進めるということで、ほかに 適当な言葉というのが、「促進」ということはいいですか。よろしいでしょうか。  では、そのほかの件について、もう時間が大分過ぎてしまったんですが。 ○友池委員 ちょっとよろしいですか。「促進」というワードは残るんでしょうけれども、 審査、安全対策、欧米並みというと莫大な予算が予測されるんですよね。その上でファーマ コゲノミクスがヨーロッパ、アメリカで行われているんですけれども、日本の今の現状で、 頭でっかちのイージス艦を買って、ほかの、港は整備されていない、兵隊さんもきちんと養 成されていない段階で果たして所期の目的が達せるかという、その辺の内部での検討もオー プンにしていただく必要があるのではないでしょうか。研究者としては絶対欲しい、アメリ カに負けたくないというところはあるでしょうけれども、そこだけに重点を置き過ぎると、 本来の審査あるいは安全対策に人手が回らないとか、あるいは人材が確保できないというこ ともきっとあると思うので、このところは、やはりステップ・バイ・ステップという考えも 必要ではないかと思いますが。 ○寺野座長 それはまた今後の検討とさせていただきますが、これは「ファーマコゲノミクス などの活用」と「など」を入れますか。そうすると、余りファーマコゲノミクスだけが大事 に見えますので。 ○友池委員 などというのは多過ぎますよ。本気でやるのだったら、しっかり予算を投入し ていただかないとできない。 ○寺野座長 わかりました、わかりました。しかし、「促進」という言葉と、ここの部分は こういう形でさせていただくと。議論の内容は十分に記録しておりますということでここは 終わらせたいと思いますが、よろしいでしょうか。  その他の点について、まだいっぱいあるんだと思うんですけれども、特に6ページの4、 組織・体制の問題と後半の問題というのは非常に密接に結びついておりますので。後半はま だ議論していないんですけれども、ここの4以降の後半の部分も入れて、短時間ですけれど も、問題点がありましたらお願いしたいと思います。 ○水口委員 8ページの(4)安全に関する情報収集の充実・強化、ここに医療機関報告が非常 に少ないという問題意識があるのだと思うのですが、「報告者の負担軽減」と書いてあるん ですね。これは、前は「調査報告書の簡素化」と書いてあって、「簡素にするのが本当にい いのかということはきちんと議論した方がいい」ということを私は意見として書面で申し上 げたのですが、この報告者の「負担軽減」というのは、簡素化ということとイコールなんで しょうか。どういう意味で書いていらっしゃるのか。もし簡素化ということが、医療機関報 告を今より簡素化するということであれば、私は議論が必要だと思っておりまして、ここに 安易に書くべきではないのではないかと思っておりますので。 ○寺野座長 そこは事務局どうですか。この負担軽減。我々の報告書なんだけれども、ここ の表現は、多分、今言われた議論の末に出てきた言葉だと思うんですね。簡素化ではまずい ということだったので。 ○安全対策課長 直接的に簡素化を念頭に置いて書いた記載ではなくて、一例として考えてい たのは、例えば今、インターネットで報告するe−Governmentという政府全体で電子化を推 進しているシステムの中で報告をいただいていますけれども、報告に手間がかかるとの指摘 もあるので、そういったところも含めて考えていた、そういったことを念頭に置いて書いた 表現でございます。 ○水口委員 そうすると、報告書を簡素化するという趣旨ではないということでよろしいで しょうか。 ○安全対策課長 直接、現在その点を念頭に置いて書いたわけではございません。 ○水口委員 わかりました。 ○寺野座長 そのほかありますでしょうか。すべて、全部を通じてで結構です。特に後半で すね。  福田委員。 ○福田委員 9ページの新たな分析・評価手法の活用というところで、一番上の○の最後に 「組織・体制の強化を図るとともに、データベースの構築に向けて検討する必要がある」と いう、このデータベースというのは、だれでもアクセスできるような形を取っていただける のかどうかというところを確認したいと思って。一部の専門家が情報を独占するのでは、や はり薬害はなくならないのかなと思うので、だれでも見られるようにできるのかというとこ ろを確認したいと思います。 ○寺野座長 これは、データベースの内容の非常に詳しいところまですべて公開するのかど うかという問題としても、データベースに基づいての薬害の防止に役に立つ、関連するデー タべース、これは公開されるから、だれでもアクセスできると思います。ただ、本当に専門 的なこと、僕だってわからないくらいのものがいっぱいあるわけですから、それをすべてと は言いませんけれども、それは福田さんが言われたとおりだと僕は解釈しますけれどもね。 ○福田委員 私たちが見てもよくわからないかもしれないですけれども、日本中にはいろい ろな知識を持った人たちがいるので、いろいろな立場から見ることによって、薬害というの はどこかで防止できるのではないかという思いがあります。 ○寺野座長 それは原則公開ということでよろしいですね。山口委員、詳しいですから。 ○山口委員 私もこの文面には賛成でして、今、機構の方のは多分自発報告のデータベース であると思います。自発報告のデータベースだけではなくて、そこに上げられているように、 例えば、今度2011年に使われるようになると言われているレセプトのデータとか、あるいは 病院情報のデータとか、いろいろなそういうデータを包含するような形で、もうちょっと大 規模な安全性情報のデータベースが最終的に、ただし、使用に関しては多分一定のルールを 設けないと、だれがだれでもというわけでは、多分個人情報なんかも入ってくる可能性もあ りますので、そういう一定のルールを設けて使えるようになっていくべきではないかと思っ ています。 ○寺野座長 ありがとうございます。  それはよろしいですね、福田委員。  どうぞ。 ○清水委員 11ページですけれども、上から2節目で「本委員会としては」というところが あるんですが、「大幅に拡充する必要があるとの認識」、これはちょっと弱いのではないか。 「共通の認識の下に」ぐらいにしてもらえればいいのではないかということが1点。 ○寺野座長 ちょっと待ってください。「安全対策に係る人員については、大幅に拡充する 必要がある」、そこに「共通」と入れる。 ○清水委員 「共通の認識」と。 ○寺野座長 「あるとの共通の認識」。 ○清水委員 「あるとの共通の認識」ですね。  それから、ちょっと上に戻るんですが、ここの上から4行目だけの表現では、いま一つ根 拠が不明確なんですね。したがって、むしろこの副作用の報告件数や欧米当局の人数との比 較からしても、やはり300人は必要ではないかとか、それから、専門性を必要とするから当面 は300人ぐらいで我慢しておく、将来的にはもっと必要になるのではないかという、それは今 後の検討課題である、そういう表現をした方がインパクトがあるのではないかと思うんです ね。今回の中間報告の最大の眼目が多分ここにあるんだろうと思いますものですから、ここ の表現を、事務局としてはちょっと遠慮して書いていたのかもしれませんが、もっとインパ クトのある表現にすべきではないのかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○間宮委員 今のに関連してなんですけれども、いいですか。ちょっと戻るんですが、4ペ ージの安全性に関する情報の収集及び分析・評価等というところの(3)のところに、機構 で「分析・評価というのは、薬学を専門とする20名程度の職員が中心に行っており」と書い てありますが、その後で、要は、「外部の専門委員に頼っている」と書いてあるんですが、 これの人数とかをここに入れて、更に、勿論その人数にもよるんでしょうけれども、それを またこっちに持ってくるということでもいいのかなという感じがしますが。 ○寺野座長 これは、ここら辺が具体的であれば説得力を増すということですね。 ○間宮委員 何か、一説によると800人とかなんとかという話も聞くし、どうなんでしょうか。 ○寺野座長 それは一つの考え方ですよね。だから、これがわかればわかるんでしょうけれど も、そうしたら、そこの部分を、確かにこれぐらいの人数が必要であるということの根拠に はなりますね。 ○清水委員 ちょっといいですか。今の4ページのところと11ページの上の方のところをもう ちょっと、6ページですか、それから、要するに人数のことについて、ここの11ページの上 の方に集約的に再掲したような形でもいいのではないかとも思うんですね。もうちょっとイ ンパクトのある表現が必要ではないかなと、今、繰り返し読んだときにそう思った次第です。 ○寺野座長 確かに、ここではこういう意見かあったと大分控え目に出されていますよね。 「意見があった」、「意見があった」と。根拠としては確かに弱いのかもしれませんね。 ○泉委員 以前出された意見書の椿委員の中に、体制を強化するときに、人数だけではなく て倫理性をというような表現があったと思うんです。質の問題がこちらの方には、11ページ の6行目に「質の高い人材を」とは書いてあるんですけれども、できましたら、倫理性とい うようなことも踏まえたものをどこかに入れていただければと思います。 ○寺野座長 これもあくまでこういう意見があったとしか書いていないんですよね。だから、 これはもうちょっと、本委員会の、これはそれぞれの意見を皆さんが納得されれば、これは 本委員会の見解としてコンセンサスだと。これに反論があれば別です。今の倫理性を備えた ということでもいいんでしょうけれども、それを入れてもいいですが、これだけが根拠だと いうことでいいのかどうかちょっと疑問もないわけではないけれども、これは意見があった ということではなくて、これは本委員会としての見解であるといって、皆さん反対がなけれ ば、ここはそうした方が強いと思います。  どうぞ、総務課長。 ○総務課長 高い倫理性の話ということでありますと、13ページの(4)の資質の確保のと ころの4行目に書いておりまして、一応整理としては、あるいは文言としては13ページに入 っているということでございます。 ○寺野座長 ごめんなさい、今はどこのことですか。 ○総務課長 13ページの(4)の資質の確保の4行目に、そういった問題についてはここで 全部まとめて書いておりまして。 ○福田委員 (4)に切り離して書いてあるんですけれども、数と質というのは切り離せな い話だと思うので、今、人員、人員と言っていますが、数と質を同率にやってほしいという ところもあります。  あと、11ページの○本委員会としてはで、「安全対策に係る人員については」と書いてい ますが、ここを「人員及び体制については」に変えていただければと思います。 ○寺野座長 ただ、これは大幅に拡充する必要があるということにかかってきているので、 これを「体制」としますと「体制の拡充」かな。ここはまだちょっと、体制についてはまた 別に書いていますから、ここは人員の事情になっているので、それは人員とせざるを得ない のではないかと思うんですよね。おっしゃることはわかりますよ。  それから、先ほどの倫理観という、質の問題としては、確かに13ページに資質の確保とい うところが1項ありますから、これはここで切り離されてはいますけれども、ここに書かれ ているので、「質の高い」ということでいいかもしれない。「倫理性を備えた」って要りま すか、そこの。いいですよね、それは13ページにありますから。  ただ、そこの全体の11ページの4行目の「また」から下は、確かに根拠としてというので、 意見が出たというのではなくて、本委員会としての考え方であるというふうに強く出てもい いのではないかと思います。  この人員体制は、福田さん、いいですね。人員体制の問題はね。納得できないですか。 ○堀内委員 議論の進め方でよろしいですか。  11ページ、12ページのところには、前回出た意見がそのまま出ていますね。矛盾した意見 や反対の意見等もそのまま出ていて、これをどうするのかよくわかりません。意見がいろい ろ出ていますから、それに対しては反論も幾らでもあると思いますが、それをやるのでしょ うか。これではまとまりようがないように思いますが、できればまとめる方向で考えたらい かがでしょうか。 ○寺野座長 この人数、体制重視とかということで人員を言っておりますが、現行の職員数 ということに関しては、やはりこれだけ、300人なのか、2,000人なのかという人数の差はあ りますけれども、これを増やす必要があることに関しては、本委員会としては、僕はコンセ ンサスがあると思っているんですね。ただ、その根拠としていろいろ言われているので、た だ単に根拠の意見だけを並べているのでは弱いのではないかと言っているわけで、ここの点 は結構議論したように私は思っているんですけれども。 ○堀内委員 増やすということについては全体のコンセンサスがあると思います。人数がど のくらいかというのはまたあるとしても、大幅に増やすということについては一致している と思います。  それともう一つ、(2)のA案、B案をどうするかが一番大きな問題だろうと思いますい が、特に12ページのようにかなりいろいろな意見が出ていると思いますが、これをどう扱う かについてはきちんと議論をする必要があると思います。このまま文書に載せることに対し ては、やはり疑義があると思います。 ○寺野座長 実はこの部分が今まで議論した中の中心でありまして、かなり議論はある程度 されてきたかなと思う形でこれを並べてありますが、少なくても、今までの議論の中で、座 長としては、A案とB案、意見が相半ばいたしまして、これがどちらであるという結論をこ の委員会でとりまとめるのは現在の段階では不可能であると。ですから、それはもう、ここ の概算要求をする段階としては両論併記というしかないのかなと思うんですね。この両方と もないということは、もう全く進歩がなくなりますので、このA案かB案か問いたいという ことは皆さんの御意見ですけれども、A案かB案かというのは、これは本委員会としてはま とまらないわけですから、本当を言えば、今日時間があれば、これをしっかり議論をもう一 度し直すこともあれですが、ちょっとこの間までの議論で相当意見が出ておりますので、そ れを並べている。メリット、デメリットというか、それぞれを並べているということです。  前も言いましたように、この問題というのはかなり政治的なものも含まれておりますので、 少なくともここで問題点を出していただいて、秋以降で議論する。そして一定の見解、我々 が出した見解になるのかどうか、これは全く政治状況でありますので、政治の場に入ってい きますとどちらになるか全くわかりませんから、お互いにいいと思われる、A案がいいと思 われる、B案がいいと思われる、それぞれの見解をしっかり出しておいていただくことが必 要だと思います。これが、結局は、そういう政治状況の中に入ったときにも、このまとめ案 というのは重い形で出ますので、そこの中に必ず意見を出していただくという具合に、ちょ っと本委員会として、では、A案にします、B案にします、A案が好ましい、B案が好まし いという結論は、今の段階では私は出せない。だから両論併記と私は考えています。 ○堀内委員 両論併記は良いですけれども、その後に、例えば12ページにいろいろな意見が 出ていますね。相反する意見等が出ておりますが、それをこのままこの中間まとめとして出 すのでしょうか。 ○寺野座長 どうぞ。 ○清水委員 私は、これは今後議論していく課題だと思いますので、このままでいいのでは ないかと思うんですね。ただ1点、(1)の人員要求のときに、(2)以下でこんなに議論 が沸騰しているのにそんなに人を増やす必要が本当にあるのかというような逆手に取られる 危険性がありますので、むしろこの(2)のところを、以下のような議論はあるけれども、 人員の増については必須な状況であるというような文面を(1)の方に何らかの形で入れて おく必要があるのではないかと思います。  それから、ついでに申し上げますと、12ページの下から7〜8行目でしょうか、「審議会 は形骸化しており、不要である。」という意見があるんですが、これはやはり人選のあり方 が大きな問題でありますので、審議に緊張感が保てるような委員会の運営をすべきであろう ということが必須だと思うんですね。1つの提案ですけれども、「そのためには、一部公募 制を導入するなどの対策等を検討する必要もある。」というようなことを掲げておいてもい いかなとは思うのでございますけれども。私はそのように思います。 ○寺野座長 最初の御意見で、人員について、以上の人員が必要なことについて、(2)に あるような議論はあるけれども、ともかくこれだけの人員が必要であるということは、確か に入れておかないと、こんな議論ばかりやっていてということになるかもしれませんね。そ れは入れてください。そこはね。  それから、後の審議会の問題というのは、こういう意見が出たということで、出たことは 事実なのでありまして、それを審議会はどうあるべきかということに関しては、まだ余り議 論にならなかったですね。だから、こういう表現でいいかどうか。 ○堀内委員 審議会については大分議論があったと思います。 ○寺野座長 ありますね。 ○堀内委員 何人かの意見があったと思いますし、相反する意見がかなりあったと思います。 ですから、これが不要であるというのと、それがそのまま出るというのは、私としては余り 認めたくはありません。 ○堀委員 形骸化と言った張本人からお話をすると、私は、この前お話をしたときに、この 一文だけを言ってはないはずなんですね。当然、文章の文字の制限があるんですけれども、 さすがにこの一言だけ言ったわけではないです。この後、例えば、たしか花井委員もおっし ゃっていたみたいに、専門協議と呼ばれる機構の中での外部専門家の活用の仕方なんかも含 めて、今は審議会という名称になっていますけれども、そこの果たすべき役割、あるいはだ れがやるのか、それから、何も過去と同じ時代をやることはないと思うので、今になってみ たときにどういう組織形態がいいのか、そういうものを議論する必要があるという意味で形 骸化と言っただけであって、この一言だけを書かれるのは困るので、今日、メモというか、 資料の何番かわからないですけれども、委員の意見のところで一応文章を補足はしてありま すので、そこは御理解いただきたいと思います。 ○寺野座長 それは、確かにそれだけだと、しかも必要説、不要説が簡単明瞭に書かれ過ぎ ているのかもしれませんね。そこの点をちょっと工夫してください。  どうぞ水口先生。 ○水口委員 今、清水委員がおっしゃった公募の話は、私、前回の会議で発言させていただ いていますので、やはり重要な指摘として、もしこういうふうに列記するのであればきちん と残していただきたいと。私は、こんな議事録のようにしてまとめの文章に書く必要がある のかなと根本的な疑問を持っておりますが、この形で書くのであれば、公募の指摘は前回さ せていただいていますので、反映させていただきたいというのが意見です。  それと、先ほど大臣がおいでになったときに確認させていただいたこととの関連なのです が、こうやって列記した最後のまとめが、「厚生労働省においては、これらの意見に十分留 意しつつ、早急に検討して実現を図るように求める」という、もうあとは「厚生労働省頑張 ってね」という表現になっていますので、ここは、先ほどの前文と同じように、「本委員会 においては、薬害が二度と繰り返されることのないよう、再発防止に向けて抜本的な組織の 見直しが必要であるという認識のもと、具体的な組織のあり方について引き続き検討し提言 する」ということをはっきりと、ここでも確認のためにうたっていただきたいと思っており ます。 ○寺野座長 ここの文章は確かに我々の方から厚生労働省に対して求めるというのがちょっ と受け身的かもしれませんね。今、水口委員が言われたような表現で皆さんの異議がなけれ ば、私も本委員会としての態度というのはここで出した方がいいかもしれないと思いますね。  今の表現は、私個人は非常にいいのではないかと思うんですけれども、いいですか。 (「賛成」と声あり) ○寺野座長 では、事務局、今のを。 ○森嶌座長代理 よろしいですか。  今の御意見でいいんですけれども、ここだけが、先ほどどなたかがおっしゃいましたよう に、議事録みたいになっているんですね。実を言いますと、このA案、B案というのはほと んど議論していないですね。最後の方になって、いろいろな方がいろいろなことをおっしゃ ったのでまとめようがなくて議事録になってしまったと思うんですが、実は、法律家の目か ら見ますと、これはこういう独立行政法人なのか、公務員型の行政なのかという事柄の本質 はほとんど議論していないんですね。つまり責任のあり方で、国が、厚生労働大臣が最後に 責任を負いますということは実は、政治的にはそうかもしれませんが、では、どういう、例 えば薬害再発防止に対して、本当にどういう責任があるのかというようなことは、どなたか がおっしゃいましたけれども、最後に起きたときに何とかしましょうという意味では責任が あるかもしれませんが、行政の中でどういうことがあるのかという、日常的にどういうふう にやっていくのかという点では、大臣が責任を負っているということは、現実に負っている のでしょうけれども、負っていないのと余り変わりがないですね。  その意味では、むしろ2つに、行政そのものではないところがアウトソーシングしたとき に、具体的に、日常的にどういう責任体制を取って、どことの関係で、どういう責任あるい は命令系統がきちんとできているのかということは、行政機関としての責任、あるいはアウ トソーシングされたときに、アウトソーシングされたところから行政機関との関係でどうい う責任を負うのか。例えば非公務員の場合、今のところ例えば国家賠償法の適用があるので しょうけれども、今後、国家賠償との関係でどうなるのかとかいろいろな問題があるんです が、実は前回、ほとんどそんな議論はしていないんですね。  ですから、やはり秋以降、これは事務局にきちんと問題点を整理してもらって、みんなで 議論しないと、A案とB案の違いがちょこっと書いてあって、いずれにしても厚生労働大臣 が最後には全責任を負いますという話では、法律家の目から見るともう全くずさんそのもの でしかないわけです。ですから私は、A案とB案が出ていろいろ議論しました、そして、秋 以降にまた議論をしますということで、皆さんそれぞれ意見を述べられたという、その中間 とりまとめで十分だと思います。皆さんいろいろな御意見があった。それから、審議会なん かに対するいろいろな評価の違いもあったということを簡単にまとめていただければいいの ではないかと私は思います。ですから、これを、それこそ事務局にぱっとまとめていただけ ればいいのではないかと。  まして、いわんやまとまっていないものを、これを体して厚生労働省がきちんとやれと言 ったって、やりようがないか、あるいは勝手にやれと言っているのかどっちなのかというこ とになりますが、私は、むしろこれは書かない方がいいのではないか。それで、先ほどどな たかがおっしゃったように、300人というところを、ともかく我々としてはサポートしてや ればいいので。  300人は、多分これ、公務員の定員を増やすこととしての300人ですか。この300人という のは。 ○寺野座長 どうぞ。 ○総務課長 まさに、組織のあり方の議論とそこのところは一緒なので、どういうような形 で実現していくかというのは、これからの課題だということになっておりますので。いずれ にしても、増やすということについては、共通の御認識をいただいたということだろうと思 います。 ○森嶌座長代理 ですから私は、仮に、A案、B案でなくても、厚生労働省の中で300人増や すということを考えておいて、300人で足りないところで、例えば安全なら安全のところだけ を出すとか、そして全部責任を持つのは、300人をマキシマムとして厚生労働省で全部、そこ は厚生労働省は行政公権力として全責任を負う。そこの300人をどういうふうにして厚生労働 省の中でやるのか、そういうことを今後議論するのかどうかと。そこは、どこをどうするか というのは今後検討しなければいけないんですけれども、我々としては、先ほどいろいろお 聞きした、300人というのは、いろいろな点で。 ○総務課長 済みません、私の説明がちょっと舌足らずだったんですけれども、国家公務員 として増員するかどうかというのは、ここでの組織のあり方との関係もありまして、私ども として、必ずその方向で措置をするということでは、今の段階ではございません。 ○森嶌座長代理 私はそういうふうに理解していたんです。ですから、300人というのは、 どっちに行ったって、取りあえずこれは予算の枠としての300人と承っていたと思うんです ね。しかし、予算を請求するからには、国家公務員の定員とした方が予算の請求はしやすい でしょうけれども、取りあえずこれは切り離して考えて、あとのA案にするか、B案にする かというのは、これはやはり国の直接の責任はどういう形で持つのか、公権力を持っている 役所として、しかも国民に対してきちんとレスポンスしなければならないところとしてどう いう責任を取って、それと機構としてそれに対して国との関係でも責任を取る、国民に対す る責任をどういう形で取らせるか、それはきっちりここでも議論しないと、私は簡単にこの 間の議論みたいなことで済まないと思うんですね。そういうことを秋以降やりますというこ とを書いておけば、私は、A案、B案が出ております、皆さん、取りあえず意見を述べたと いうことでまとめておけば、(1)の方も、人員の話、質の話だけきちんとまとめておけば いいのではないかと思います。 ○寺野座長 今、総務課長が言ったことは、勿論、森嶌委員は十分お詳しいわけですけれど も、結局、A案、B案によって、公務員型、非公務員型というのでかなり大きな差があるの で、そこの辺で下の関係はあるんですが、これは公務員でなければ予算が取れないとかそう いう問題ではないんですね。そこら辺はどうなんですか。公務員型、非公務員型で、つまり 300人という枠を、その予算を取るんだと。一遍にでなくてもね。そういうことであれば、 A案であろうと、B案であろうとそれは通用する問題だと理解していいですね。 ○堀内委員 関連していいですか、ちょっとだけ。  12ページの一番上の・のところに、「どうすれば二度と薬害を繰り返さないという目的が 遂げられるかを先ず考え、また、組織を守るロイヤリティーではなく、国民に対するロイヤ リティーのみによって医薬品行政を行うという観点から、公務員組織とすべきか、非公務員 組織とすべきかを考えるべきである。」という、これは極めて矛盾した文章になっています。 国民に対するロイヤリティーのみによって医薬行政を行うという観点から考えれば公務員型 にするに決まっていると思います。国民に対するロイヤリティーを行政がやるんですから。 だから、この文章は、今みたいに両論併記でやるのだったら、これはカットしておかないと、 極めて矛盾した文章だと思います。 ○寺野座長 どうぞ、小野委員。 ○小野委員 先ほどはフィロソフィーの話でこうならなければいけない、国民の側を守るた めになんていう議論を何ページか前に大分したはずなんですけれども、そういうメンタリテ ィーを持って働くようにする議論が全く今抜けているじゃないですか。何か箱の中に300人ぐ らい放り込んで、それで仕事をすればいいと思っているような議論になっていませんか。300 人を確保するというところが本質ではなくて、300人を国民のために働かせる、働いてもらう ということをここに書かなければいかんのではないですか。  そう考えると、例えば、これは先ほど来ずっと申していることですが、人材を確保するの ではなくて、「人材を働かせる適切な環境を与える」とか、そういう記載がここに一切書い てくれないんですけれども、なぜ書かれないのかなというのが、それは書きにくいという気 持ちは、私は大蔵省の予算要求にそれが使えるかどうか微妙だから書かないというのはわか りますが、しかし、そこは根っこのところで、はっきりそれを、少なくともこの11ページの 頭のところに書いていただきたい。300人、300人といって、箱の中に放り込んで、がしゃが しゃっと、働けよ、働けよということで動くのだったら、今までの行政だって十分働いてい たはずだし、今まで公務員が悪意を持って、国民を傷つけてやろうなんて行政をやってきた わけではないんです。それでも今、この薬害がたびたび起きているのはなぜかという議論を しているわけですから、その観点が根本的に抜けているというところを、私は是非きちんと 書いていただきたいと思います。 ○寺野座長 具体的に、どこにどういう文章を入れるか。 ○小野委員 端的には、質の高い人材を確保するだけではなくて、ここに、質の高い人材を 確保し、また、そこで働く人材が国民のためになるように働けるような業務環境、採用環境、 教育訓練環境、人事の環境、そういうものをきちんと整備して、国民のために働けるような インセンティブを持たせる。そうすることによって、先ほど何ページか前に細かく議論しま したよね。フィロソフィーがこうあるべきだと。あそこであれだけ議論していたのに、中で 働く人が働けるような議論を一切していないというのは、まさに片手落ちではないかと思い ます。 ○寺野座長 なかなか文章として難しいですが、おっしゃることはわかります。 ○小野委員 1行か2行、今のような環境をきちんと整備すると。 ○寺野座長 「人材を確保し、良好な環境を整備する」と。 ○小野委員 妙なインセンティブが働かないような環境を整備する。場合によっては、終身 雇用が妙なインセンティブになっているのだったら、終身雇用だって見直す。あと、ローテ ーションが山ほどありますから、ころころ人事が変わりますよね。これから何人かこの委員 会の人がかわると思いますけれども、そういうところもきちんと見直すと。例えばそういう こととセットできちんと書いてくれないと、これは何かいけないのではないですかね。 ○寺野座長 良好な環境を整備するのは予算に関係あるかもしれませんからそこのところは 書いてもいいと思うんですが、ここのところの表現はちょっと入れましょう。「質の高い人 材確保」だけではなくてね。  それはともかくとして、大事なところでしょうが、今、森嶌委員も言われたように、こ の・の各意見を出すかどうかですよ。これはこれだけの、今、堀内委員からも矛盾した表現 があるとかいろいろ、審議会がどうだというような、いっぱいこの中には問題があるのはわ かっておるんですけれども、これは一つひとつ出さないで、「議論を行った結果、委員から は、両案についてさまざまな意見が提示された」というふうな表現にしてしまいますか。 ○森嶌座長代理 その辺はある程度まとめて、これについては8月以降か7月以降か知りま せんが、きちんと検討するということで、今後やると。中間とりまとめの段階ではこのこと についてはあれして、一度議論は行ったということでいいのではないでしょうか。 ○寺野座長 どうぞ。 ○堀委員 確かに、ここの部分は、我々に送られてきた時間も遅かったし、とりまとめも大 変で、ここの部分だけ文章が明らかにまだ練られていないんですね。さっき堀内先生がおっ しゃったロイヤリティーの問題も、多分これ、同じ文章を見て、これは公務員だねと思う人 と、これは非公務員だねと思う人と分かれると思うんです。すごく文章があいまいで、確か にこのまま出すのはまずいんですが、かといって、今この段階で稚拙な文章だからカットす るのではなくて、意見が対立して当たり前なので、これだけ意見が出てきたという論点とい うものを明確にまとめて、それだけは何としても報告書とりまとめ案に入れていただきたい と思います。両方賛成、反対あるということを入れていただかないと、何のためにこんな時 間を割いて議論しているのかわからないので、文章の稚拙さを直すのが難しければ、あるい は各発言した人にこれでいいかというのをやる時間がなければ、せめて論点だけでもきちん とまとめて公開してほしいと思います。  私個人の発言した部分とかに関しては、今回、メールでお送りしたのを事務局の方がメモ にしてくださいましたけれども、こういったことも皆さんがやられているかわからないです し、まず論点だけでも洗い出してきれいにしていただきたいと思います。 ○寺野座長 清水先生どうぞ。 ○清水委員 私も、こういう中間報告という形にはちょっとなじまない文章の形態だと思う んですけれども、今、森嶌委員が言われたようなことをやって、附属文書的にこういうもの を書いておいていただいた方が、後で議論するときに非常に役に立つということは言えると 思うんですね。議事録に書いてあるからいいのではないかと言えば、確かにそのとおりなん ですけれども、議事録というのも結構、何十ページもありまして、それをまとめ的に読むと いうのはなかなか大変なことです。したがって、こういうような論点で主な意見があったと いうようなことを羅列しておいていただきますと、ああ、そうかというような形で次の議論 への発展のためには非常に役に立つ、有用であるということは言えるかと思いますので、こ のままでいいかどうかはともかくとして、もうちょっとまとめた形でも構いませんので、こ ういう形式のものは残しておいていただいた方が、後々の議論に役立つということで、是非、 できれば残しておいていただきたい。 ○寺野座長 椿委員。 ○椿委員 勿論、これは手段を問われたので非常に立場が分かれるわけですけれども、どう いう機関が望ましいかという要件につきましては、先般大臣が、専門職として非常に独立な 判断ができる、政治、財政、その他利害関係からの独立の判断ができるということをおっし ゃられていたわけで、このために専門職集団としてどちらの組織がいいかということに関し ての判断が分かれているということであって、原理原則の中である程度のコンセンサス、ど ちらがいいか、勿論国民の立場に立つ、患者さんの立場に立つというものがどちらがいいか ということに関しては、それほどの意見の相違はなかったのだろうと理解しております。こ の点に関して、その種の意図が伝わるような形で残していただくという意味では、原理原則 は一致しているが、手段においてはこのように意見の相違があったということが見えておく ことが望ましいかと思います。  関連して、先ほど人のことがあったんですけれども、私ちょっと、第4の8ページの安全 対策措置の透明化ということとか、フォローアップの充実・強化ということ、これは非常に 重要なことで、ただ、概算要求にとって重要かどうかということとは別問題なんですが、安 全対策措置の透明化というのは、基本的には、この安全対策措置にかかわるプロセスという ものが、必要に応じて第三者が検証可能となるものだと信じております。そのために文書 等々が公表されるんだろうと考えておるので、これもどちらかというと手段が出てきてしま って、本来の目的、プロセスを第三者の検証可能なものにする、場合によってはそれをやる。 人が間違っているのではなくて、プロセスの一部に間違いがあったから修正を行うというよ うな形になる。人も間違うということがあるから、今まで隠す体制になっていたと思うので、 プロセスが間違っている、プロセスの一部が間違っているということが場合によって見える ということにしていただきたいと考える次第です。  それから、講じた安全対策のフォローアップの充実・強化についても、この「確認す る。」という言葉ですべてが終わっているんですが、この確認というのが、いわゆるチェッ クに当たるもの、やっていなかったらチェックがつかない、やられていなかったらチェック がつかないから一つのアクションを起こすということになるのでしたら、この確認という言 葉で結構ですけれども、確認という言葉は、必要に応じて必要な指示を行うということも含 んでいるものであるかどうかということに関しては是非、もしそういうものでなかったら、 そういうふうにしていただきたいと考えます。これは、恐らく医薬品食品局を超えて、全省 である程度協力をしなければ必要な指示というのは行えないのかもしれませんが、そういう ことに関して判断をいただければと思います。  あと、先ほどの倫理的な問題に関して、実は、データベースを扱って分析をするという立 場になりますと、最終的に、統計的なり、あるいはマイニング的にこういう問題が危ないと いうことがわかるだけではなくて、レセプトデータないしは電子カルテに基づいて行うとい う場合は、個人情報というものに対してどういう判断をするかということを考えれば、どな たが危ない、この方が危ないという、現在危ない状況になっているということを、個人情報 は守らなければいけない、一方で命は守らなければいけない、この2つの倫理的な相反とい うのが必ず生じるはずです。これは今回の議論ではないかもしれませんが、秋以降、どなた が危ないということが分析者がわかる、あるいはこういう集団がわかっている場合に、ある 程度個人情報までリンケージしてその方を助けるということがあってもいいのではないか。 その辺のことに関しても今後議論していただければ。これは、今日、個人情報のこと、遺伝 子のことが出てまいりましたので、勿論それを守ることは絶対的に大切なことですけれども、 もしその方の命が危ない、あるいは健康状態が不可逆的な状態になることがわかっていた場 合には、当局はどう判断するかということに関しても、いろいろな議論を行っていただけれ ばと思います。 ○寺野座長 1つの問題で、結局、この議論を、これはとりまとめ案をまとめなければいけ ないわけでありまして、ここの羅列されている議論を並べるかどうか。これは、森嶌委員が 言われていましたように、「委員からさまざまな意見が出され、委員会としては、今後慎重 に検討する。」という文章を入れて、あとはここは、注というか※にして、あとの意見を並 べるという、本文というよりもそういう形で出した方がいいのかなと僕は思うんですね。こ れは出してほしいという意見が強いわけですから。一つひとつの意見ですね。ただ、一つひ とつの意見については議論がありますからね。 ○森嶌座長代理 これも、さっき堀委員が言われたように、やや論点として掲げて、それを やや整理をした形、だらだらと言うと語弊がありますが、出てきたものをそのまま並べて、 先ほどのあれではありませんが、もとの意見を見ると、なるほどこういうふうにまとめたの かなと思うんですが、そうではなくて、一応それを離れて、論点を整理して、こういう意見 があったとまとめて、そして、具体的な議論は秋か夏か知りませんがやるという前提で、そ のための論点整理をするという形で、先ほどどなたかがおっしゃいましたけれども、基本的 には、最終的な判断はそれぞれ違うかもしれませんが、こういうことは問題だということに ついては、多分ほとんど論点は共有しておられると思います。  それで、これは私が言うことではないかもしれませんが、ここは座長代理として申します と、もう一回この会議を開いて、一つひとつまた言葉からやりますと、もう一回がまたもう 一回になりますので、これを言い出した手前、私は法律家ですので、水口さんもそうですが、 法律家というのはこういうときにまとめる仕事が商売ですので、私の方でまとめます。事務 局ではなくて私の方でまとめて、事務局を通じてなるべく早い時期に皆さんにお送りして、 どうしても反対だとおっしゃる方はその旨あれをして、そして、その最終判断は座長にお任 せいただくということにさせていただきたいと思います。まとめるのは私の方でまとめます。 自然科学者よりも、そういうまとめは法律家の方がうまいですから。それで、最終的に御意 見を取るか取らないかは、座長の責任でやっていただきます。  それで、いろいろな問題点は残るかもしれません。しかし、それは、これは最終とりまと めではなくて中間とりまとめですので、これ以降でまたぶり返してやっていただければと思 います。厚生労働省から言えば、ともかく概算要求をするための文書をつくってほしいとい うことですから、我々もせっかく4回も出てやったわけですから、それぐらいのことは、厚 生労働省は何をやっているか、きちんとやれとあれだけたたいたわけですから、それぐらい のサービスはしても、我々としてはよかろうと。それから、これからもっと秋にかけていろ いろ厚生労働省には文句をつけるわけですから、それぐらいの恩は売っておいても、この際 いいのではないかと思いますので、座長代理の案としてはそういうことで、私の方で、先ほ どから議論したものを文章としてまとめますので、それをなるべく早い時期に、1週間ぐら いのうちには皆さんにお送りしますので、それを読んでいただいて、いろいろ文句があるか もしれませんが、これはどうしても困るというものは座長に連絡していただいて、座長の方 で取捨選択をさせていただきます。それでも不満があれば、秋以降に議論を再開していただ くということで、越権ですけれども、今回はこれで一応中間とりまとめということでいかが でしょうか。これは座長にも伺いますけれども。 ○寺野座長 ありがとうございます。  堀さん、簡単にお願いします。 ○堀委員 お願いしたいのは、論点の洗い出しはきっとどなたかがやらないといけないので、 先生がやっていただけるのであれば、それはとてもうれしいんですけれども、その論点で、 今度きれいになり過ぎてしまって、各委員の意見が出なくなっても、また何のために議論し たのかわからないんですね。今は、何か論点だって箇条書きになっていないのでわかりづら いんですけれども、論点を立ててもらって、それに対する案がきちんとわかるような形でそ こはやはり残していただきたいし。 ○森嶌座長代理 私は、議論は後にしていただくということを申し上げました。 ○堀委員 かつ、発言した人の、結局そういう意味で発言していないという場合が多分この 中にあるので、そこも確認するところまで取っていただきたいと思います。 ○森嶌座長代理 私はそこまでは申し上げておりません。これは中間とりまとめですから、 論点を整理いたしますので、そこで、論点としてまとまっていないという場合にはそう言っ ていただきたい。それから、論点ですから、秋以降に議論するときにそれを言っていただけ ればいいのではないか。そうでないと今の段階では終わりません。 ○堀委員 ほかの委員からも、論点以外に、生のこの箇条書きの部分も残してほしいという 意見もありましたよね。 ○森嶌座長代理 それはこのまま、別に資料として残されればいいのではないかと思います。 ○堀委員 ここがわかるような形で、多分論点だけでこんなになってしまったと。 ○森嶌座長代理 そこまでは私は引き受けられません。こういう状態でそこまでやれといっ たって、そこまで私はできません。 ○堀委員 それは先生にではなくて、事務局の方なんでしょうけれども、先生が論点をとお っしゃっていただいたので、箇条書きの部分は残してくださいという意見は何人かからも出 ているので。 ○森嶌座長代理 ですから、それはそのまま、今のままをそのまま記録として残されればい いのであって、私が今申し上げているのは、中間とりまとめの報告書として今つくらなけれ ばならないですね。それをどういう形でやるかというときに、今、事務局にそれをそのまま 渡すのではなくて、私が、私のできる限りで、ほかの文章も含めて、座長代理ですから、座 長にかわってまとめます。これについては論点整理という形でまとめますということですの で。しかし、それはなぜ論点整理で止めてしまうかというと、秋以降に議論するチャンスが あるからだと。その記録として残したいのでしたら、今日出ているものでまとめたらいいと。 それ以上に私に、また発言された趣旨まで再現できるようなものを残してくれといっても、 私はそれは、短期間でそこまでやって皆さんに確認を取ってくれと、そこまで私としてはや る気はありません。 ○寺野座長 簡単にお願いします。 ○堀内委員 私は、森嶌先生がまとめて下さる論点を残せばいいだろうと思います。箇条書 きになっているのは必ずしも正確な表現にはなっていないと思いますので、もし本当に必要 だったら議事録を見ればいいので、それでいいのではないかと思います。 ○山口委員 それをこちらにも回していただけるわけですよね。それで、こちらでコメント して、これはこれだとできるわけですよね。 ○森嶌座長代理 はい。先ほど申し上げましたように、その論点である程度こういうことを 問題にしたということで回しますので、是非とも、それでは納得できないという場合には座 長に出してください。それで、座長の方でそれについて、これは座長代理が言うのは権限踰 越ですけれども、座長の責任で取捨選択をして、最終的にとりまとめると。それしか今の段 階で時間的にないのではないかということを私としては考える。  そして、もしもこれが中間とりまとめではなくて最終とりまとめだとすれば、私はそんな ことは申しませんけれども、前半部分で、今回どうしてもきちんとしておかなければならな い部分はかなり議論されたと思うんですね。ただ、秋に議論するであろう部分についてかな り問題が残っているわけですから、それについては秋か夏か知りませんがに議論をするとい うことを前提にして、先ほども言いましたけれども、今回はここでまとめてしまって、事務 局に、概算要求に間に合うようにしたいというのが私の提案であります。 ○寺野座長 もうこの辺にしたいんですが。最後の意見。 ○水口委員 今の御提案で結構です。その際、他の方がお寄せになった意見も見られるよう にしていただきたいというのが1点。先ほど小野先生が言った、「養成」と「環境の整備」 の論点は何かちょっとうやむやになってしまったので、きちんと入れていただきたいという こと。3点目は、先ほど出ましたこの秋までの夏の有効活用について、是非この場で「それ は積極的に検討します」ということを確認させていただきたいと思います。 ○森嶌座長代理 それは私の案です。 ○寺野座長 森嶌委員に大変なお仕事を押し付けてしまうことになるかもしれないんですけ れども、座長として、森嶌先生にサポートしていただいて非常に助かっておりますが、やは りこのままの羅列ではまずいだろうと思うんですね。「国防を民間にアウトソーシングして」 云々とか、そういうものもありますし。そういうのではなく、やはり論点を、こういう議論 があったということで、それを詳しく見たい場合には、これも資料としてあるかもしれませ んが、議事録もあるわけですから、ここの概算要求に直接大きな影響を持つわけでは多分な いので、これは秋以降の議論として問題点を整理していただく。  そして皆さん、各委員が自分の言った論点について言い足りないということがあれば、勿 論出していただいて結構ですが、それを一つひとつ詳しく述べられても、それを採用するこ とは多分できないと思います。それは論点として出すのであって、もし出すのであれば、別 の資料として出さざるを得ないと僕は思いますので、そういう形で整理させていただくかも しれません。何らかの形で自分たちの主張を残していただきたいという皆さんの意見はよく わかるんですよね。わかるんだけれども、これがとりまとめ案として一人一人の意見を全部 出していくというのはそれにふさわしくない。それは森嶌委員がおっしゃったとおりなので、 ここは森嶌委員にその整理をお任せというかお願いして、各委員が見て、そして私が最終的 に判断させていただきますが、趣旨は、私はやはり論点を出すというのがここの基本的な姿 勢であって、その中の詳しい議論の内容というのは、必要であれば、それは別資料として出 すということしかないと思います。  そういう形でまとめさせていただきたいと思いますが、事務局の方、その形で進んでくだ さい。 ○医薬品副作用被害対策室長 ありがとうございます。今の論点のところは、森嶌先生から そういう御発言をいただきましたので、そういう形でお願いします。  そのときに、合わせて前の方の1、2、3ページですとか、そのあたりにいろいろ修正の 点がございました。そこも含めて森嶌先生と御相談させていただいて、先生の指揮の下で委 員の皆さんに流すという形でということでよろしゅうございましょうか。 ○寺野座長 今日最後に、時間が大分過ぎて、座長のまさに不手際で申し訳ないんですが、 非常にたくさんの議論が出たということ自身は意味があるんだと思うんですけれども、これ、 最初に約束したのは、大急ぎで事務局でまとめてもらって、ここで最後に提示しますと言っ たんですが、とてもこの状況ではできません。ですから、これは、これまでの議論を、録音 もしてあるわけですから、それを見ていただいて、議事録もできるでしょうから、それに基 づいてこれを直していただいて、そして皆さんにお配りしてそれを見ていただくという形で 進みたいと思います。そうでないと、また次やりましょう、次々というさっきの御意見とい うことになりますので、一応、この中間とりまとめ案の検討会として、最初に申し上げたと おりの趣旨でありますので、第4回で、この会議においてはこれを最後の会にする。そして、 いろいろ問題点があるところは十分わかっておりますので、それは秋以降、堀内委員の検証 ということが同時進行しますけれども、それ以外の体制等々についての議論をしていくとい うことで、最後にはまた提言するということになります。そういう形で進みたいと思います ので、御了解をお願いします。 ○森嶌座長代理 それから、事務局にお願いがありますけれども、私もそうなんですが、さ っき、泉委員から、それから福田委員からもありましたが、これもまたそれぞれ違うかもし れませんが、いろいろな勉強会を、全部集まってやるか個別にやるかはともかくとして、そ れから、機構の見学に行くのも、ぞろぞろっと行くのか、個別に行くのか、それはともかく として、少し実情を調べたり、あるいはこういうものがありますとばんと持ってこられたっ て、それは専門家はわかるのかもしれませんが、ちょうど皆さんに判決文を持っていって、 こういう判決があるじゃないかと言ったって、それは皆さん、お医者さんに判決文を見せた ってみんなわからないと思うんですね。それと同じで、素人に見せたってわからないわけで すから、たくさん資料がありますなんて言っていないで、わかるように何らかの形で説明を してください。それは私も含めて、夏のうちに、秋の陣が始まったときには、みんな、下手 すると非専門の医学者や非専門の薬学者に医学的な講義を私ができるぐらいに、ひとつ素人 の人たちに、満足するまではできないかもしれませんが、少なくとも初歩的な説明はしてく ださい。今日みたいな話にならないように、また初めて聞く話を今になってしないでくれな んていうようなことにならないように、ひとつよろしくお願いいたします。 ○寺野座長 ありがとうございます。ただ、なかなか勉強会というのを夏休み中に実行する ことの可能性は大変難しいかもしれませんけれども。 ○医薬品副作用被害対策室長 難しいかもしれませんけれども、何とか企画をして、それで うまく皆さんの都合がつくかどうかというのがあるかもしれませんが、そういった勉強会で すとか、あるいは機構の見学会とかを企画して、それでどうかということは努力をしたいと 思います。  あと、お手元にお配りしました資料について御説明させていただければと思いますけれど も、夏はそういった勉強会があるとして、9月以降にこの検証の委員会での議論をするとい うことでございます。それにつきましては、一応、毎月1回ペースだとするとこういうこと ではないかということで、日程表をつけてございます。9月末には、そもそもこの事件はど ういうことだったのか、経過とか問題点について、これは判決の指摘を踏まえた説明という のをその研究班の方からと。  合わせて、製剤の使用実態、感染実態等の状況につきまして、ここに「検証2」と書いて いますのは、第1回の会議の資料で参考につけたものを引用しておりますけれども、これは、 厚生労働省の方でいろいろ調査しておりますので、それを報告したらどうかと。  10月は、各時期における制度関係施策の状況等につきまして、これも厚生労働省からの説 明ということにしております。  あと、11月に検証3、4の部分、12月に5の部分というのを研究班からの報告をもとに議 論ということにしてはどうかということでございます。  こういった議論をする中で、先ほど、秋以降に積み残しとなった論点を常に意識していた だきながら御意見をいただければと思っております。その上で、1月以降につきましては、 その段階でどういう進捗になっているのかというところがございますけれども、年度末を目 途に、また提言ということであれば、1月ぐらいからは、更なるその全体の取りまとめとい うことになるのではなかろうかと思っております。これも、夏の勉強会とか、あるいは秋以 降の始まり方などを見て、逐次またこういう進め方でいいかということは御相談させていた だきながらと思っております。  なお、2ページに検証の体制ということで、これは第1回のときにお諮りしましたことを 改めて書いてございます。本委員会は、第三者機関による薬害肝炎事件の検証と、医薬品行 政のあり方の検討。この医薬品行政のあり方の検討の方は、引き続き厚生労働省の方から、 資料の作成、説明ということになりますけれども、(1)の部分については、第三者機関である 本委員会が研究班、堀内先生が主任研究者ということでございますけれども、そこからの報 告を受けなから、必要に応じて厚生労働省に指示していただいて、説明せよということもや っていただきながら、その内容の確認・検討することで検証を行っていくということですが、 研究班の先生方だけでは大変難しいところがありますので、民間の総合研究所、野村総合研 究所がこの作業に当たるというような体制で進めていきたいと思っております。  以上でございます。 ○寺野座長 堀内委員、補足意見をどうぞ。 ○堀内委員 今、御説明がありましたが、これは班会議としてはかなりイレギュラーな班会 議だと思っています。しかしながら、研究班としては、できるだけサイエンティフィックに 検証していきたい。したがって、いろいろ御意見があると思いますが、最終的な検証項目、 これは第1回のものが大まかなものが出ておりますが、それらについては、できるだけ早く まず第1回の班会議をやって、そこでどのような検証をやるか検討して、それから始めたい と思っています。  ここに9、10、11、12月と出ていますけれども、これがそのままの形でできるかどうかち ょっとわかりませんが、できるだけこれまで出てきた項目について検討したいと思っており ます。  班会議についてですが、できるだけ小回りがきくように小さな班会議にしたいと思ってお りまして、私が主任研究者、私は臨床薬理学が専門ですので、その立場から参加します。分 担研究者としては、先ほど薬剤疫学がどんなものかわからないという議論がありましたけれ ども、薬剤疫学の専門家を入れる必要があると思いまして、津谷喜一郎東京大学大学院薬学 系研究科の医薬政策学の教授です。もう一人、肝疾患とか肝臓代謝の専門の方を入れる必要 があると思いまして、私のよく知っている群馬大学大学院の医学系研究科の病態制御内科学 の准教授の高木均先生を入れたいと考えています。  それから、学術振興会の特別研究員で東京大学法学部の三瀬朋子先生です。学術振興会の 特別研究員は分担研究者になれないということですので、研究協力者としてやっていただき たいと考えております。専門は生命倫理です。  そのくらいの人数でやっていきたいと思います。いろいろな方にまた御協力いただかない といけないと思いますけれども、その専門の領域のところでお願いしたいと考えております。  以上です。 ○寺野座長 ありがとうございました。  検証体制について、今からやって、御質問があるかと思うんですけれども、時間の関係で 省略しますが、ともかく本委員会でいろいろ議論していますが、実際の根本的なところ、肝 炎の薬害の防止ということが中心でありまして、秋からこの検証作業を本格的にやっていた だいて、我々もそれを見ながらこの委員会は運営していきたいと思っています。  そういうことで、今日はもう、私の頭の中は真っ白になっているんですけれども、なかな か難しい議論でありました。確かにまとめるというのは大変なことなんだということがあり ましたが、森嶌座長代理のサポートのもとで何とかこういう形になりました。いろいろ御不 満はあると思うんですけれども、ともかく概算要求をしなければいけない、予算がなければ 何もできないということですから、まずそれはある程度優先はやむを得ないと考えていただ いて、そして、問題点は随分出ておりますので、これをまた整理して秋以降の議論というこ とで、何らかの形で最後、提言ということに行ければいいと思います。  大熊委員、何か。 ○大熊委員 今の班研究の話ですけれども、何度か申し上げたように、今回の薬害肝炎のこ とだけに特化するのではこれから起こる薬害を防ぐことにはならないので、これまで繰り返 されてきたのはなぜかということも非常に重要なポイントだと思います。そうすると、班員 に予定されている三瀬何とかさんという人の実力がわからないので、この方がすごい力を持 っていらっしゃれば話は違うんですけれども、薬学とか医療、医学の方の方中心にやったの では、なぜ繰り返されたかということの解明につながらないと思います。私が前に申し上げ たのは、例えばここに、実際に非常に不幸な体験をされた5人の委員がいらっしゃるので、 そういう方も班員に加えてくださるようにと申し上げたのが生かされていないのはちょっと 残念なので、再検討いただきたいと思います。例えば、花井さんなどは、非常に学識も深く ていいのではないかと思います。 ○寺野座長 堀内先生、何か意見ありますか。 ○堀内委員 先ほどもお話ししましたように、基本は、今回のものについては、薬害肝炎に ついての検証をやるということだと理解しております。それで、とてもすべての薬害につい て、なぜ起こってきたかについて検証するとなると、とても短期間では難しいと思います。 短期間で検証する能力があるとは思っておりません。  ですから、今回のこの薬害肝炎について、これだけでもかなり難しい仕事だと思っており ますけれども、できるだけ精いっぱいやりたいと考えております。 ○寺野座長 最後に。 ○医薬品副作用被害対策室長 研究班はこの事件の検証をということで、それを踏まえたこ の薬害再発防止のための検証を行う第三者機関というのはこの委員会という仕分けですので、 事件の検証をするという班研究の作業をベースにして、この検討委員会の場で、それはまさ に被害者の方々に入っていただいているわけですけれども、ここでどうあるべきかというこ とを議論いただければと思います。 ○寺野座長 一応そういう形で検証作業を進めたいという前提になっておりますので。この 委員会が、今、大熊委員が言われたことをやらなければいけないんだと思います。それもま た膨大な内容なので、なかなか十分それができるかどうかわかりませんけれども、こちらは、 それと同時に体制をつくるということですので、実際に委員の中に入るとか、多分これはこ っちでやるべきこと。ここにせっかく参加していただいているわけですから、そこで議論す るということですね。  大体もう議論も、時間が大分過ぎましたのでこのあたりにしたいと思いますので、御了解 をお願いします。  それでは、これでこの委員会の第4回、当面、概算要求までのとりまとめという形では最 後になりますけれども、先ほど言いましたように、森嶌委員に整理していただいたものにつ いて、皆さんのそれぞれのコメント、御意見をいただくということにしたいと思いますので、 よろしく御協力をお願いいたします。  全然時間がオーバーしまして、座長のまさに能力を疑われると思うんですけれども、僕は 今までいろいろな座長を山ほどやっていますが、こんな難しいのは珍しいですね。  そんなことを言いまして、これで終わりたいと思います。御協力ありがとうございました。    (了) 連絡先: 厚生労働省医薬食品局総務課 医薬品副作用被害対策室 TEL 03-5253-1111