08/06/27 第4回議事録(雇用・能力開発機構のあり方検討会) 第4回 雇用・能力開発機構のあり方検討会         日時 平成20年6月27日(金)         10:00〜         場所 中央合同庁舎7号館共用第2特別会議室 ○庄山座長 おはようございます。皆さんお揃いですので、ただいまから雇 用・能力開発機構のあり方検討会の第4回会合を開催したいと思います。本 日は大変お忙しい中、皆様方にお集まりいただきまして、誠にありがとうご ざいます。  議論に先立ちまして、新委員の方をご紹介したいと思います。日本経済団 体連合会の常務理事の川本裕康様です。 ○川本委員 川本です。よろしくお願いします。 ○庄山座長 また古賀委員の代理として、日本労働組合総連合会総合労働局 長の長谷川様です。 ○古賀委員(長谷川代理) 長谷川です。よろしくお願いします。 ○庄山座長 なお、本日は佐伯委員と千葉委員が所用によりご欠席となって おりまして、もう一方、高本委員は飛行機が遅れておりまして、後程、ご説 明までにはお出でいただけるものと思います。  それでは、早速議事に入りたいと思います。本日の議題は、民間教育訓練 機関と地方自治体からのヒアリングということですが、その前に行政減量・ 効率化有識者会議への対応について、事務局より説明をお願いしたいと思い ます。 ○姉崎課長 それでは大変恐縮ですが、資料No.3-1、3-2のうち、特に3-2を ご覧ください。これは、既に第2回の検討会で説明させていただいています が、4月10日に開催された行政減量・効率化有識者会議の議事の概要と、主 な委員からの意見です。下から2つ目のところで、「本日の議論を踏まえて、 次回、機構を廃止した場合のシミュレーションを提出してほしい」という意 見が出ていますが、先般、行革事務局から連絡がありまして、7月24日に有 識者会議を開き、改めてこの廃止のシミュレーションを提出してほしいとい う話がありました。  この廃止のシミュレーションの意味については、発言をされている各委員 の方にどういうことなのかを聞かないと、正確には分からないところがあり ます。仮に雇用・能力開発機構がなくなった場合に、どういう問題が生じる のかということもあるのですが、雇用・能力開発機構の組織をそもそも廃止 というか解体して、その後必要な業務をどのようにしていくのかということ を検討すべきだということも、この廃止のシミュレーションの中に含まれる ということですと、廃止を前提としたという形になりますので、委員の皆様 にこの点についてどうするかを議論していただかなければならないだろうと 思っています。7月24日の有識者会議におきましては、本検討会におけるそ こまでの検討状況等について報告をすることとしたいと思っているのですが、 組織を解体して、それからどのようにしていくかということについて、今後、 どのように有識者会議に対応していくのか、委員の皆様方にご意見等を賜れ ばと思っている次第です。 ○庄山座長 それではただ今の件について、前回も皆様方からこの「あり方 検討会」の議論を踏まえていただくようにという意見を多々いただいたと思 いますが、今の説明に対して何か質問や意見はありますか。 ○住田委員 前回もこの件に関しては少しお話をしたと思いますので、私が 口火を切らせていただきます。この有識者会議が、行政全体の減量・効率化 を図るために検討されているのは、それはそれで一般論として結構なことか と思います。一方、この「あり方検討会」は、まさに雇用・能力開発機構そ のものについて、職業訓練についてどう見るかということで、この会議の構 成員は訓練のプロであります民間教育機関の方や教育訓練機関の方や地方自 治体の方、その他、学識者、専門家にお集まりいただきまして、実際の現場 を見てまいりましたし、現場の声をくみ取りながら、我が国のこういう方向 性についてどう考えようかということです。もちろんその中では、存廃も含 めて最終的には検討されるのであろうかと思いますが、この組織に特化して 検討している会議だと考えています。  そうすると、法律用語でいいますと、一般法は特別法が破るものでありま す。特別法は一般法に優先するものでありまして、これは別に法律の世界に 限らず一般論としても妥当するものだと思います。そうしますと、政府全体 の無理無駄を省くためにも、この会議の意見は、特化したものとして当然優 先され、尊重されるべきであろうと思っています。そちらの有識者会議での 検討は少しこちらの議論を待っていただいてからやっていただくのがよろし いのではないでしょうか。何らかの申し入れをできれば書面で、明確に、で きれば座長のお名前で提出していただいたほうがいいのではないかと思いま す。  この有識者会議のヒアリングも、どの委員がどのように仰っているのか、 会議全体の意向なのか、ちょっとこれだけでは明確ではないのですが、少な くとも事務局にそういう申し入れがきたとすれば、私どもとしてはそういう 形でお返しするのが筋ではないかと考えています。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。そのほかに何かありますか。 ○大久保委員 この全体の行政減量・効率化有識者会議のほうは、1つの論 点を提示しているのだと思っています。いわゆる、雇用・能力開発機構とい う存在や、やっている中身自体に、それは廃止や民間委託などいろいろ可能 性があるのではないかという問い掛けをしているのだと思います。我々はど ちらかというと、その前提の下に反対側から、個別の1つ1つの中身を見な がら、そのことの有効性や必要性を十分に議論していくということだろうと 思います。ですから、結果的に積み上がったものが、最終的にはそれに対す る回答、それに部分をまとめて全体として回答していくことになると思うの です。  特に、我々はこの中で、職業能力開発について包括的に議論しているわけ で、おそらく全体のトーンとしては職業能力開発が一定範囲において社会的 に存在しなければならないものだと思いますし、今日からの時間の中でそれ が民間委託で済むものなのか、あるいは地方の県単位の機関に移管すること で済むものなのかどうなのかということを、皆さんから報告いただくという スケジュールになっているわけです。それが終ったあとに、本来であればそ ういうことに対する適切な回答を得るものだと思いますので、それをスケジ ュール的にはきちんと認識していただくと同時に、先ほど住田委員も仰った とおり、地に足の付いたところから検討するために作った会議ですから、そ の手順を尊重していただくことが大変重要なのではないかと、私も思います。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。そのほかにいかがですか。 ○古賀委員(長谷川代理) 私は、この検討会は我が国の能力開発がどうあ るべきかで、雇用・能力開発機構が何を担うのかということを、この間の機 構がやった政策を検証しながら、今後どういうことが課題なのかということ について、この間検討してきたと思っています。そういう一貫の中で、今日 もヒアリングが行われるわけでして、北海道から沖縄を見た場合に、私ども 連合は全国組織ですので、訓練のあり方は東京と地方は違うわけですから、 やはり今日のようなヒアリングを重ねながら、この委員の皆さんは各方面の いろいろなことに深い方々が参加しているわけですから、そういう人たちの 意見を聞きながらここが取りまとめを受けて、この検討会の取りまとめを聞 いたうえで、有識者会議をどう考えるかが必要なので、私は逆転していると 思うんですね。  ここでこういう検討会をやっているときに、横からいきなり機構を廃止し た場合のシミュレーションという、これは非常になぜ、今、こんな検討をし ているのに、私たちに対して何ということなのだろうと、私はここに参加し ている人たちに対する非常な侵害だと思っています。したがって、是非この 検討会の名の下に、有識者会議に対して申し入れをするなり、毅然とした態 度で臨むことが必要なのではないかと思います。何のためにやっているのか ということが、本当に問われます。  それともう1つは、能力開発は本当に北海道から沖縄まで様々ですので、 やはりきちんと見ながら改めるものは改めていくことが必要ですので、私は この検討会の中でじっくりと検討していただきたいと思います。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。 前回も、後半で一部いろいろ座長に対する応援演説をされた方もおられまし たけれども、今日皆さんからお聞きした意見でもそうだと思いますが、やは り折角こういう専門家が集まって現場主義的にやっているものを大事にしな いというのは、これはいかがなものかと私も思います。この前どなたかが言 っておられたかもしれませんが、若干この機構のあり方や何かに対するPRが 足りなかったというような思いもないではないのですが、こういうことをチ ャンスに視察やヒアリングを通じて議論を重ねてきていますので、こういう ことは尊重してやっていくべきではないかと思います。  また、今もご意見がありましたが、話が後先逆になって、まず廃止ありき だと言われると何となく議論も貧弱になる可能性もあると思わなくもないの で、そういうことのないように最終的にどうするかは、皆さんの合意で決め ることになると思いますし、このように廃止を前提というのはいかがなもの かとも思っています。これは、今日お集まりいただいている皆様方の総意だ と思いますので、書面にするかどうかはいろいろ考えさせていただきます。 とにかく、いろいろな形でアピールだけはしなければいけないと思っていま すが、よろしいでしょうか。  本件については、今後も続けて検討会やヒアリング等を行いながら、この 有識者会議にいろいろな意見、真意を伝えていくということにしたいと思い ます。その中で適宜ご報告いたしますが、その進め方については私に一任い ただけますでしょうか。 ○渡辺委員 質問ですが、やはりこの検討会で皆様仰っていただいているよ うに、どうなるべきかを検討している最中ですので、是非そういう点でご一 任申し上げたいと思っています。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。それでは、今後の進め方につ いては、いくつかのチームが他にも動いていますので、その辺りともよく連 携して、実状とこの検討会の意義というものをよくアピールするようにして いきたいと思っています。それでは、ヒアリングに移りたいと思いますが、 よろしいでしょうか。 ○上原委員 私たちの全国中央会の傘下から、資料No.7-2として添付してあ るのですが、地方の雇用・能力開発機構の地方組織及び、職業訓練機能の学 校等がありますが、それに対する存続への要望がきています。いまお手元に 出ているのが、大阪の中央会と島根県の中央会から、それぞれ舛添大臣と庄 山座長宛に存続の要望書が出ていまして、それを一応添付して参考までにお 付けしました。大阪のほうでは、大阪のポリテクセンターなり、近畿職業能 力開発大学校、結局中小企業の町大阪がやはりものづくりが基盤になってい まして、それを実践的な人材の育成、供給というのは、やはり大阪の中小企 業の活性化を支えているというベースがあるわけですね。これから話がある と思いますが、是非、地方組織及び職業訓練機能の存続を要望しているとい うことです。  一方島根県は、人口がもともと少ないのですが、現在でも県内中小企業へ の産業人材の育成確保が大変課題となっているところです。職業能力開発促 進センターが、県内中小企業の就職率を98%及び、島根県の職業能力開発短 期大学校の県内企業への就職率が5割ということで、地域のものづくりを担 う中核的な実践的技術者の排出、中小企業への技術支援などで、産業基盤を 強化する重要な役割を担っているということで、これも地方組織及び職業訓 練機能存続を訴えています。  このように、地域で機構なり職業訓練に対するニーズというのは極めて高 くて、産業基盤、ものづくり基盤を支える重要な存在となっています。した がって、この他の県でもこのような要望が広がるのではないかと思いますが、 一応書面で出ていますので、添付して概要を説明させていただきます。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。このようなことも参考にさせ ていただきたいと思います。それでは、次へ進んでよろしいでしょうか。本 日は、民間教育訓練機関や、地方自治体における訓練の現状や、国との関係 などについて、秋葉委員、本田委員、志治委員、高本委員の4名の方からお 話を伺うことにしています。まず、本日のヒアリングの進め方について、事 務局から説明をお願いします。 ○姉崎課長 いま座長からお話がありましたように、4名の委員の皆様から それぞれ15分以内で報告をいただければと思います。資料No.4-1が、事前に 秋葉委員と本田委員にヒアリング項目ということでお願いした資料です。資 料No.4-2が、高本委員と志治委員にお願いをしたものです。資料No.5が、それ ぞれ各委員から説明をいただく資料です。時間の都合がありますので、報告 に対する質疑は4名の委員の皆様方全員の説明が終わったあとに、まとめて 時間を取らせていただければと思っていますので、よろしくお願いします。  ヒアリングに入る前に大変恐縮なのですが、事務方の資料で若干説明をさ せていただきます。資料No.6ですが、本日のヒアリングの参考になる資料と いうことで、これまで出してきたものが中心なのですが、49、50頁に愛知県 の雇用・能力開発機構の訓練状況についての資料が付いています。それから、 51〜54頁までは、石川県の雇用・能力開発機構の訓練状況について、簡単に まとめさせていただいたものです。68頁ですが、前回座長から雇用・能力開 発機構の実施している事業の財源についての整理ということで、川本委員か らも説明があったところですが、雇用・能力開発機構の平成20年度の予算で す。雇用開発、能力開発の関係の業務については、自己収入を含めて事業予 算規模で1,230億円あります。国からの予算は左側に線が延びていますが、 労働保険特別会計雇用勘定というところから、運営費交付金、補助金という 形で合計1,115億円の予算が出ているところです。これは、労働保険特別会 計雇用勘定です。これは一体何かというのが、次の69頁に書いてあります。  この雇用保険制度の概要ですが、雇用保険料については大きく2つに分か れていまして、別々の勘定になっています。1つは、上のほうにあります失 業等給付で、これは失業した方に失業給付という形で払われるものです。そ の保険料は、労使折半ということで、賃金の6/1,000ずつ事業主と労働者の 方に負担をしていただいているもので、ここには国庫負担が入っています。 国庫負担というのは税金です。  もう1つの別勘定が、二事業です。これは、保険料は事業主だけが負担し ている部分で、賃金の3/1,000ということです。二事業については、事業主 負担の保険料だけで運営をされていまして、国庫負担はありません。要は、 税金は投入されていないということです。この事業主負担の保険料を基に、 雇用安定事業と能力開発事業の2つの事業がありまして、これを二事業と呼 んでいまして、この能力開発事業に基づくものが雇用・能力開発機構の予算 ということです。70頁に、平成20年度のそれぞれ予算規模が書いてありま すが、雇用安定事業のほうが1,995億円、能力開発事業のほうが1,296億円 ということで、この能力開発事業のほとんどの部分は雇用・能力開発機構に 対する支出というような財源になっています。  それから恐縮ですが、次の所に「都道府県における職業訓練の実施状況に 係る調査結果速報」ということで、これは47すべての都道府県についてそれ ぞれの県における訓練の実施状況等について、アンケート調査をさせていた だいた結果を速報的に取りまとめたものです。時間の都合もありますので、 説明は簡単にさせていただきます。例えば施設内訓練ですと、いちばん最初 のマルはコースの改廃状況がどうなっているかということで、平成20年度改 廃をした県が29県あったということです。  それから3つ目のマルで、対象者を特化した訓練で、例えば年長フリータ ー向けの訓練では、そうした訓練を実施していますかということで、実施し ている県が13県、あるいはその次の頁で民間との競合排除、民間との調整を どんなコースについて行っていますかという質問で、大体4割ぐらいの県で 実施をしています。あるいは、委託訓練については、企画競争入札でやって いる県がほとんどであるということです。  次の頁は、最初のマルで雇用・能力開発機構が行う委託訓練との役割分担、 調整方法がどうなっていますかということで、ほとんどすべての県で調整を きちんとしています。それから、指導員については、約8割の都道府県がき ちんと実施をしているということで、総合大学校への研修派遣といった所が 多くなっています。次の頁の4番では、いろいろな企業のニーズ等の把握で すが、多くの所で訓練ニーズの把握等を行っているということです。最後の ほうの頁には、その他として国に期待することといったことを、フリーでお 答えいただいているところです。  次の大きな資料で、諸外国の職業訓練の比較というのがありますが、時間 の都合もありますので、2枚目をご覧ください。下のほうに主な訓練実施機 関として、それぞれの国ではどんな所で失業者等の職業訓練を実施している のかを整理したものです。アメリカにおいては、2つ目のマルにありますが、 コミュニティーカレッジという、日本で言うところの短期大学のような所で す。基本的には、州政府が運営をしていまして、全米で約1,000校公立のコ ミュニティーカレッジがあるということです。アメリカの場合には、教育と 職業訓練は一緒にこのコミュニティーカレッジでやっているということです。  イギリスについては、継続教育機関465校があります。これは株式会社の 形態で、そこで職業訓練をやっていて、国が財政支援をしているということ です。この継続教育カレッジについては、19世期以降ギルドという職種別組 合員によって行われていた職業訓練の伝統が発展をして、各ギルドごとに専 門学校のようなものが設立をされています。それが、現在に至って株式会社 の形態になってきたという歴史的な背景があるということだそうです。  フランスにおいては、国の直轄で全国に約130の職業訓練のセンターがあ りまして、そこで訓練を実施しています。その上にありますが、国の財源に 加えて使用者、事業主からも職業訓練のための財源を取っているということ で、事業主と国の負担によって行われているということです。  ドイツにおいては、失業者等については国が民間教育訓練機関や職業団体 等に委託しているわけです。その下に学校形式と書いてありますが、ドイツ は若年者の訓練については、デュアルシステムということです。デュアルシ ステムについては、企業内の訓練については事業主と事業主団体が負担をし ています。学校教育のほうについては、職業専門学校と書いてありますが、 これは地方政府が運営をしているものですので、事業主と地方政府の負担に より訓練が行われています。  韓国については、韓国ポリテク大学40校等と書いてありますが、これも国 が設置をした施設等で職業訓練を実施し、必要なものについては民間教育訓 練機関に委託をして実施しています。それから財源のところは、雇用保険制 度による職業能力開発事業で、事業主のみの負担ということで日本と同じよ うな制度になっているということです。資料の説明は以上です。 ○庄山座長 それではいま、いろいろご説明いただきましたけれども、全体 のヒアリングをした後に、いまの件も含めてご質問いただきたいと思います。  まず全国専修学校各種学校総連合会理事の秋葉委員にお話をお願いしたい と思います。よろしくお願いいたします。 ○秋葉委員 秋葉です。専修学校、各種学校、民間教育機関としての教育訓 練の状況をお話したいと思います。今日欠席の千葉先生も専修専門学校を運 営しておられます。専修学校、専門学校は、民間訓練機関として資料No.4-1 という、大変重い宿題を出されまして、それを理解するためには、専門学校 全体のご理解をいただかないと大変難しいだろうということで、少し専門学 校、専修学校についての制度のことをお話しさせていただきたいと思います。 資料はA4でカラー刷りになっていますけれども、それをご覧いただきたいと 思います。また、皆様方の机の上に専修学校、各種学校調査統計資料、専修 学校教育白書を用意いたしました。お帰りになりました際にお読みいただけ ればよろしいと思います。  資料の2頁目です。我々の学校群は大変新しい学校群です。33年ほど前に 制度化された学校群です。我々のもともとの学校群というのは各種学校とい うことで、明治時代から各種学校の中に小学校、中学校レベルの学校もあり ましたし、企業内の学校、また、和裁洋裁の学校もあったと。そういうもの が戦後、各種学校という形で全部集まりまして、33年ほど前に専修学校制度 ができたということです。  2頁目を見ていただくとわかりますように、高等課程、専門課程、一般課 程と3つの課程に分かれます。専門課程を持っている学校を専門学校と称し てよろしいというのが専門学校の定義となります。時間からいいますと1年 以上、800時間以上です。800時間以上というのは大学より少し多い時間数だ と思っております。指定養成機関というのでしょうか、理美容とか自動車整 備は、それぞれの時間が決まっていまして、1,000何百時間と、とんでもな い時間数の学校もあります。学校の数は、約3,000校ということで、大変多 いわけですけれども、大小非常にばらつきがあるというのが現状です。現在 では40人を切っている学校もいくらもあるというのが現状です。  3頁目にいきまして、高等課程、専門課程、一般課程の学校数、生徒数で すけれども、これを見てわかりますように、専門課程が圧倒的に多いわけで す。それも、62万7,000という数字ですけれども、ほとんどが2年制と了解 してよろしいかと思います。しかし、1年制もあれば4年制もあります。  4頁目です。33年間様々な運動をしておりまして、専門士という称号を付 与できることになりました。そして大学編入学の資格をいただきました。ま た、つい3、4年前でしょうか、4年制の専門学校の卒業生に対しては、高度 専門士という称号を付けてよろしいとなりました。そして、大学院入学資格 が付与されています。そういう意味では短大、大学なみになってきたといえ ます。法律的には学校基本法の124条で規定されています。1条ではない学 校が1条校の学校に編入学、または大学院の入学資格、我々が頑張った成果 ということになるかと思います。  5頁目です。我々の学校群は、職業教育、繰返し訓練、学習によって熟練 度を高める教育を行うということになるかと思います。いま言ったように、 大学編入学、大学院入学資格ということで、我々としては、いままでは小、 中、高、大学、大学院という単線型な教育制度な訳ですが、その横に、職業 教育の1つの体系を作ろうということを目指して現在運動をしております。 そして、現在では、我々専門学校は大学院を持つ学校もいくつか出てきてお ります。例えば、美容の専門学校で大学院を作っております。美容師になる には2年で国家試験を受ければ取れるわけですが、それは専門士というレベ ルの教育ということになります。そして、4年制の高度専門士の課程を設置 し、資格取得の試験を取るだけで汲々としているのではいけないので、技術 を磨くためには4年制で、取った後2年間でちゃんとやりましょうというス タンスです。さらに、美容経営を教えるための大学院を作ったということで す。これだけ言うと、現実的には複線化はできているようなことになるかと 思いますけれども、そういう現状です。  在籍学生数についてはお話ししましたが、入学者については6頁に出して おります。高等学校の新卒が114万7,000人程度です。その内、大学進学者 が50万5千人強、専門学校進学者が19万3千人になります。一方、大学入 学者が61万3千人強、専門学校入学者が28万2千人ということです。その 差はおそらく浪人したりということになるかと思います。これは昨年の数な のですが、一昨年はもっと簡単で、高等教育入学者は大学60万人、専門学校 30万人、短大9万人と説明しやすかったのですけれども、なんとなく専門学 校が弱くなってきておりまして、こういう数字になりました。専門学校の入 学者が28万2,000人おりますけれども、そのうち2万人程度、7.4%でしょ うか、大学等の卒業者と。大学等を出てから専門学校に入ってきます。教育 にお金のかかる社会になってきているのだなというのが私の感想です。  7頁目は、就職率の推移です。14年ほど前には短大と同等だったのが、景 気の変動によっていろいろ変わっていますけれども、現在では10ポイント程 度離れて、専門学校は就職のための学校といってもいいのだろうということ です。  8頁目です。専門学校は8つの分野に分解して考えられます。統計等がそ ういう形で出ています。これは前回この会議でもご説明があった数字なので すが、内容的には大変難しくて、例えば衛生の中に美容、理容があり、栄養、 調理、製菓というのもあります。工業も土木建築、自動車整備、機械、電子、 通信も一緒になっています。8つに分けた以上こういうことになるのでしょ う。医療系がいちばん多いことになります。医療系は看護、歯科技工衛生士、 理学作業療法士などの養成となります。  年度別の推移が9頁です。工業系がものづくりということですが、大変落 ち込んでおります。かつてはラジオ、テレビ、情報処理だったのですけれど も、だんだん落ち込んでいます。商業実務系も落ち込んでいることがおわか りだと思います。年度で見るとこういう具合いに推移しているということで す。  10頁目に、昨年10月に技能五輪が沼津で行われましたが、専門学校所属 としては、上のほうに4名の方が金メダルを筆頭に取ったということです。 洋菓子とかいろいろあります。下のほうに書いてあるのは、確認できた専門 学校出身者ということになります。その中の上の3名は日立製作所に専修学 校がありまして、その出身者が金メダルということで、大変優秀な専修学校 もあるということをご紹介しておきたいと思います。  11頁に、ものづくりといっても、訓練施設を見ますと、どうしても金属加 工や建築なのですけれども、実は調理、宝石、さらに美術そのものはいいの ですけれども、修復もものづくりではないかなと思います。ただ、高校生が あまり応募してくれなくなってきています。格好、待遇が悪いのかというと ころになってくるのだろうと思います。この中で伸びているのはおそらく製 菓が大変伸びていると言えます。課題にあります教員の確保ということです けれども、我々の学校群は、教師は専門的な知識、技能が必要で、ある先生 がしつけの学校だと言われたのですけれども、指導力が必要な学校と言える かと思います。教員の属性としては、指定養成機関ですと、いろいろ要件が あって、医者でも臨床系のどこどこの医者じゃなければいけないとかいろい ろ規程があります。それ故に、業界出身卒業者というのが、教員になる例が 多いです。研修については、いろいろ手を尽していますけれども、十分とは とても思えません。我々の学校群は、業界との連携を非常に大事にしたい。 ご意見を聞きながら、いろいろ改善していきたいわけです。問題点は、指導 力ある優秀な教員はどこでもほしいわけです。  我々の学校群は個人のもありますけれども、ほとんどが学校法人です。全 体の63%、2,000校余りです。ちゃんとやっているところは学校法人になっ ているわけで、質の保証というのはお上頼みかもしれませんけれどもあると 思います。設置基準があるわけです。その中でも指定養成施設、理美容とか 調理とか、自動車整備はさらに厳しい設置基準があります。さらに、知事認 可ですので、学事課の指導が入り検査も何年おきかに入るわけです。学校教 育法で学校評価は去年の末に義務化されておりますので、今後学校評価は行 われてくるということです。当然いままでも自己点検はいろいろやっていた のですが、義務化されて、もっとよくなるだろうと思います。さらに文科省 が施設補助とか、委託事業をやっていまして、応募している学校については、 かなりそういうところもチェックが入っているということです。  第三者評価機関についても、NPO法人を1つ立てまして、具体的に始まっ ております。企業関係者、識者も評価委員に加わって、評価を行っておりま す。  14頁です。これが私の学校の3年間に実施した教育訓練の例です。いろい ろ依頼されてやっている場合があります。千葉では古かったものですから、 県の職員に簿記を教えてほしいとか、いま警察が経済犯をつかまえるために 簿記を知らなきゃいけないというので、警察官が簿記を習いにくると。残念 ながら事件が起きるといなくなるので、ちゃんと学んだのかどうかわかりま せんけれども、そういうことをやっていました。現在ですと、パソコン教室 をやってくれという要望が多くあります。どうしても施設が必要ですから、、 夏休みなどにやらざるを得ない。我々の正規の学生もおりますし、教師の問 題があって、夏季休暇中は多くなります。本来は独自講座、付帯事業という のは、できるかもしれませんが、集まらないとダメージが大きくなるので、 なかなかできないのが現状です。こういうこともやっているという紹介です。 この中でおもしろいのが、右側で580人。これは千葉市の教員に対してのパ ソコン講座です。これは委託訓練以外にいろいろな教育訓練を実施している 例です。  次頁、訓練コストということで、大変難しいわけですが、たぶん皆様方の お手元に専修学校・各種学校の調査統計資料の76頁に学費が出ているかと思 います。これがいちばんわかりいいのだろうということで、こういう金額で やっていると、約120万ぐらい。大学とほとんど同じと了解していただいて よろしいかと思います。我々の学校群は補助金は全くきていないという状況 です。この中では製菓がいちばん高い、パティシエの教員が高いということ です。財務状況については、110頁以降にいろいろアンケートを取っていま して、平均値なので、なかなかわかりづらいところですけれども、ご覧いた だきたいと思います。  訓練コースからいいますと、16頁にございますが、全国を見ますと、公共 のうち民間に委託されているのが5,700程度あったのですけれども、そのう ち専修学校、各種学校が1,153です。20%程度を我々専門学校、各種学校で 受けています。千葉で見ますと、14%程度だという統計になっております。 我々がなぜ20%ぐらいで甘んじているのかというと、やはり本科生、正規の 学生がおりますので、それへの教育がまず第一で、余裕がない、空き教室が ないとか、教員の手当てができないということだろうと思っております。内 容的には事務系が多くて、分野がだいぶ限られてしまう。提案はするのだけ れども、競合もあって他の民間が多いということになっています。本当は我々 の学校群は委託訓練をやるのは、付帯事業として学則に載せなければいけな いのが、緊急的なところで逃げていますので、本来は付帯事業にきっちり書 いてやるのが正式なので、なかなかやりづらいこともあります。  19頁ですが、問題点等がいくつか書いてあります。少し訂正をしたいので すけれども、上から4番目の「定員が確保」という中に、補充されないと書 いてありますが、現在は補充されるようになりました。ついこの間直された ものです。教育訓練途中で就職しても、就職したとカウントされていなかっ たのですけれども、ついこの間、カウントされるようになったということで す。ついこの間ということを強調しておきたいと思います。  次の頁にも問題点が書いてありますが、面接時にどうしてもインセンティ ブがあるために、就職しそうな人を面接で採用していくために、ニート、フ リーターを本当につかまえているかどうか疑問があります。その辺が20、21 頁に書いてあります。本当にニート、フリーターじゃなくても、就職できな さそうな人のモチベーションを上げて、社会人基礎力をつけて、カウンセリ ング、指導、相談をしてやらないといけないだろうと思っております。  22頁です。これは別のものとして、教育訓練給付制度というのがあります。 前は8割程度給付されていたのですけれども、現在は20万ほど補助を出すと いう制度があります。専門学校での講座、328校が受けていまして、739講座 が指定を受けています。  23頁を見ますと、10カ月以上、11カ月というのは、ほとんど1年を削っ ただけだと思うので、10カ月以上のデータにしてますけれども、これだけの ものがあった。これは本科を登録しているものがあるのだろうということで す。実際に利用できるかどうかはわからないということです。  役割分担として考えなければいけないのは、整理しなければいけないこと がいっぱいある。我々が教育としてやっている部分と訓練としてやっている 場合とずれがある。我々はちゃんと考えなければいけない。指定養成施設の 制度において、2重行政で2つのところから指導が入っていますが、その辺 をどうするか。さらに、いままで緊急という形で委託してきたわけですけれ ども、安定的な運営ができないか。一度受けた教育で一生食べられる時代で はなくなったのだろうと思うわけで、そのためには継続的な安定した就職を 考えていなければいけないのだろうと思います。  25頁に、いままでは失業者対策、もともとは炭坑の労働者をどこに持って いこうという話になったのですけれども、中長期の人材計画、どういう人が どこに必要かということをきっちり考えて計画立案していくことも必要だろ うと思います。そのためには我々はニーズの分析、そういう情報の共有が必 要でしょう。セーフティーネットという問題は、公の問題だろうと思います けれども、運営は我々に任せていただいてもいいだろうと思います。育成困 難な人材は政策的に公が行うべきだろうと思っています。受ける立場として は、やはり教育期間は3カ月は非常に短かいでしょう。先ほど言いましたよ うに、1年2年の給付制度がありますから、正科でやるほうが大変いいとい うことを我々は思っています。あと、質の維持向上、3カ月ごとに提出して いって、採択されるかどうかわからない。明日がどうなるかどうかわからな いところでは、なかなかやりづらいというところがあります。質を維持でき る安定した運営体制が整えられるようお願いしたいと思っております。さら に、教育訓練については、民間との意見交換が非常に重要だということが28 頁に書いてあります。さらに29頁に、継続的にできるかを記しておきました。 全体像の策定、具体的な計画は公でやっていただきたい。いろいろな線引き、 対応できないものをきっきり検証しなければいけないのだろうということで す。  29頁に、やはり多様な民間訓練施設をうまく使うことは非常に大事だと記 させていただきました。そのためには情報収集、分析が非常に大事でしょう。 やはり離職者、在職者、学卒者、対象ごとの検証が必要だろうと思います。 長期的な展望がほしいと思っております。  いちばん最後ですけれども、どうしても我々、指定養成講座というのがあ って、そことのギャップがいつもあって困っているわけです。そこにはニー ズもあるわけで、それをうまく規制緩和をしていただきたいと。そういうこ とをきっちりやって、安定したものができれば、引き続き民間で、機能的か つ効果的な訓練計画が可能になるということをもって終りにしたいと思いま す。どうもありがとうございました。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。それでは続きまして、全国産 業人能力開発団体連合会、専務理事の本田委員にお話いただきたいと思いま す。できれば、この要望のほうに時間を取ってと思いますので、よろしくお 願いします。現状につきましては、別途資料のほうでご説明いただくことに して、どういうところが要望であるということをお話いただければと思いま す。 ○本田委員 大変難しいテーマをいただいておりますし、また、限られた時 間の中ですから、十分に役割を果せるかどうかは、いささか不安ではありま すが、いまの秋葉委員のほうから、説明があったように、私ども民間教育団 体ですので、重なるところもままあると思いますが、その辺のことはご理解 いただきたい。そして、専修学校のように、大量な資料は準備しないで、は なはだ申し訳ありませんが、黄色い資料を同封させていただきました。正式 には、この名称は社団法人全国産業人能力開発団体連合会という、大変重々 しく、長い名称でございますが、これを略して、日常的には全産能連と呼ん でおりますけれども、全産能連は何をやっているところなのかというのが大 方のご意見だったので、この春から、仕事を明確にやっているのだというこ とで、能力開発連合ということで、頭の名称に呼称でございますから、登記 名簿は社団法人全国産業人、これにつきまして、社団が設置された背景を少 しご説明したほうがいいかと思います。これは昭和62年7月に、中高年労働 者等受講奨励金制度というのが施行されました。この施行された段階では、 民間の株式会社が経営、運営をしている教育団体が、これに適用されなかっ たわけでございます。それが、民間の中でもすばらしい教材を持って、すば らしい教育を担っているのだけれども、認められないのは、ちょっと不本意 であるということの活動の中で、いろいろな約束事をご理解いただいて、こ れが認められない最大の要因だったのは、多分、今もお話に出ましたように、 多種多様であって、その実態が把握仕切れないというのが、行政の見解だろ うと思います。しかしながら、学校教育だけに委ねていれば、このあとまた お話に出るであろうと思いますが、生涯職業能力開発のシステムの推進とい うことにたって、やはり民間の担い手、協力を得ないと、推進しづらい面が あるだろうということです。ではどなたかが、民間教育訓練機関の各企業を 大同団結をさせて、自主規制をすると同時に、自浄作用が発揮できるような、 信頼できる運営をできるならば、この団体を認めようということで、認めら れた団体でございます。そして、ネーミングも、最初は社団法人全国社会人 教育団体連合会という申請をいたしましたが、教育という文言は、文部科学 省の専管事業で、厚生労働省管轄の団体で教育を使用してほしくないという クレームによりまして、教育を外して、現在の全国産業人能力開発団体連合 会という大変長がったらしい名前になったのが現実です。  本題に入りますが、要望されております、箇条書きに、ヒアリングのイメ ージをされておりますけれども、冒頭から申し上げて大変失礼ですが、もの づくりに特化したという話で、この3回ぐらい進んでおりますので、いささ か民間の私どもにすれば、座学中心の文系的な教育訓練がほとんど100%と 言ってもいいくらい、ITが入っているぐらいで、あとはものづくりとしては、 遠いのかなという観点ですので、取りまとめた中で雑駁ですが、説明をさせ ていただきます。まず、加盟法人の近年の動行というのはどうだろうという ことです。これは率直に結論から申し上げますと、年々減少をしております。 これは、いま申し上げましたように、中高年の労働者等の受講奨励金制度が、 今度は平成10年の12月1日から、現在の名称の教育訓練給付金制度として 実施されると同時に、中高年労働者等の受講奨励金制度で、我々の団体が設 立された段階では、給付金の申請は、この団体を通さないと行政に申請がで きないシステムでありました。それが教育訓練制度が施行されると同時に、 この規制緩和の方針が打ち出されました。平成10年の12月、この規制緩和 の方針に基づいて、直接厚生労働省に口座指定の申請が可能になったことに 加え、先ほども出ておりましたが、給付率におきましても、設立当初、最大 80%の給付をいただいておりましたが、現在はこれが20%の給付率に下がっ たということ。それに加えて、社会背景の変化ということがあります。当時、 多いときに我々の団体も加盟企業が130社、給付金の指定講座が、約3,000 講座ありました。それが現在は、いま申し上げた規制緩和、あるいは社会情 勢の変化等々ありまして、これが現在は大変悲しいことに、68社になってい ます。講座数も3,000から400講座と、年々減少傾向にあります。  そういう中でモノづくり分野の訓練の実施ということで、直接的には関係 がございませんが、もともとそういう給付金制度の恩恵をよくして出来た団 体ですので、民間企業としての訓練の質や、保証すべきカリキュラムに対す る取り組みには極めて厳しく、倫理考慮の策定はもちろんのこと、小さな団 体ですが、この団体に入会する入会審査も、大変厳しいものがございます。 そして入会審査ばかりではなくて、認定を必要とする行政に申請する講座の 内容チェックまで、各分野の委員によってチェックをされているわけです。 こういうことをこの場で申し上げるべきかどうかはわかりませんが、端的な 例がいま今日的に社会で話題になっているNOVAがそうです。  今から約10年前に、NOVAからこの団体に加盟申請がありました。当時私 はここに在籍をしておりませんが、すでに10年前に現状のように、役所に申 請すべきにはちょっと言葉は不適切ですが、いい加減なのかなと。今のキャ ッチフレーズでもそうです。「いつでも好きな時間に学べます」、こんなこと はあり得ないわけですね。ですから、大半の人たちが適切な倫理観だとか認 識を持たれているのですが、ごく一部の人に安直な、ちょっと海外に行くた めには英語がいいのかなという方々が、こういうところに引っかかっている のかなという気もしますが、いずれにしてもそういうふうなことが、10年前 にそれがどうだったかと言われましてもちょっと説明に窮しますが、いま出 ている中では幸いにして、こういう大きな企業でも小さな団体の審査には入 れなかったというような実情もございます。これが、いまの私どもの現況で す。  あと頁のいちばん裏に、分野として一応独自に4分野68社400講座という ように分類をさせていただいています。第1分野が経営、財務、経理とか、 第2分野が土木、建築、工学、不動産、第3分野が語学や国際となっていて、 その企業名も下に会員一覧として出ております。賛助会員というのは、スポ ンサーである広告企業が、賛助会員として名を連ねていただいています。こ ういう企業ですが、課題の国と地方公共団体の関係についてということです が、そんなに深い認識がありませんので軽々にものを申すことはできません が、いただいたヒアリングの参考資料等々を読ませていただいたり、2つの 施設を見学させていただいた中で、大変素晴らしいことを実施されていると 思います。  しかしいま座長がお話になったように、これが一般国民にアピールされて いるかというと、それは必要のあるごく一部の方は存じているかもしれませ んが、私もここに出席をさせていただくまで、全国にこれだけ多くの訓練施 設があるということは、正直不勉強で分かりませんでした。だからそういう ことも含めて見ると、職業能力開発促進センターをはじめ61施設だとか、短 大を含めて23だとか、開発校が都道府県では178と、大変多くの数があるわ けです。こういうものを含めて、これから国と地方公共団体、あるいは民間 がよく連携をしてそれぞれの役割分担をし、民間ではどうしても、どんなに 頑張ったところでなし得ない事業というのがあるわけです。それはやはり国 の力で国の仕事として訓練をきちんとして、特にこれからは大変だろうと思 いますが、そういう先端技術をはじめとするモノづくり分野に特化して、そ ういうことをやっていただければと思います。  委託を実施する立場として、どのようなことに留意をしているかですが、 受ける側として、私は現在事務局にいますので、個々の現場がどのような思 いで受けているかは正確に把握はしていませんが、要求をされるほうではカ リキュラムはどうである、あるいは仕上り像はどうであるということのほう に力点が置かれているようですが、委託をされて教育訓練を行う立場とする と、当然責務において就職をいかにしてさせてあげられるかということです が、訓練をされている受講者の思いが、必ずしも受けている訓練項目とフィ ットしているかと。  この委員会でも何度か清成委員から出されていたように、非常に教育の低 下というのは、否めないと思うのです。これが社会人であっても、一時から 見ると下がっているような気がします。そういうことを含めて、この内容を やることはもちろん当然の義務としてあるわけですが、もう少し就職をする ための心構えであったり、特に中高年の再就職となった場合は、非常に難し い面がいろいろと表に出ていない。精神面、あるいは経済的なものや環境、 そういうものに特化していくためには、訓練だけやっていれば就職ができる かというと私は決してそうは思わないし、多くの部分の時間にヒューマンス キルというか、人間関係をどう構築していくかという教育が、少し時間的に 足りないのかなと。これはまず人とふれあうことができるようにならないと、 何事においてもできないことだと思います。  もう1つは、いただいた資料の中に、民間に渡すと資格一辺倒のような訓 練が多くというように書いてありますが、まず資格を1つでも取らないこと には、人間は自信はつかないのではないかと思うのです。例えば何々をやり ました。その成果は、試験は受けておりませんが昔やりましたという評価と、 忘れましたがこれを持っていますということで、そういう訓練を受けた証と して資格が大切であろうということを、ここで力を込めて申し上げておきま す。  最後ですが、機構が実施している公共職業訓練を今後離職者、あるいは在 職者、学卒者を含めて、民間に代替して継続的に実施できるかどうかという 大変大きな課題ですが、これはこれから推進していくであろうというニート 対策、あるいはフリーター対策、強いてはこれから出てくる諸外国とのISO 等を含めまして、これをどう考えていくかというと、公的職業訓練というの は不可欠であることは、誰しもが認識するところであると思います。よって、 民間だけで高度な先端技術を確保することは非常に困難だと思いますので、 そういう分野においては国が司って、そして2箇所の見学をさせていただい た中でも、ここまで国がやらなければいけないのかと、私の個人的な私見で 思うような講座も実はあります。  都道府県で、いま石川県と愛知県はこれからヒアリングがありますが、私 も長年簿記・会計を担当した人間として、例えば愛知県の製産経営実務学科 6カ月コースにおいて、主な訓練内容という所に、私からすると途轍もない 膨大な勉強、訓練が入っている。果たしてこれは6カ月でできるのかと。こ れは各都道府県共通しています。財務管理、生産管理、労務管理、情報管理、 マーケティングの技能及び関連知識を修得する。やるだけだったらここまで できると思うのです。特に事例研究を通して分析、企画するというものとか、 あるいは中には税務申告まで出ている所もありますが、簿記の知識がなくて 税務申告は到底できないわけですから、そういうことに関連して、あまり建 前論に走らないで実学で訓練をされることを望んで、私の意見を終わりにし たいと思います。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。引き続きまして、石川県商工 労働部長の高本委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○高本委員 石川県の職業能力開発校の現状につきまして、資料No.5-2に基 づきまして、ご説明したいと思います。  まず1頁ですが、本題からはちょっと外れるのですが、最初に石川県とい ってもちょっと知名度の低い部分もありますので、まず石川県はどんな所か を少しご説明してから、こういうことをやっていますという説明をしたほう がいいのかなと思いまして、いちばん最初に「石川県の現状」を付けました。 まず日本地図が付いていまして、ちょうど石川県は日本海側のほぼ真ん中に ありまして、南北に非常に長いと。能登半島という半島部を持っています。 また、金沢を中心とした加賀地域からなっています。また石川県は、概ね1% 県とよく言うのですが、面積、人口なりいろいろなものが大体1%と。いろ いろなデータがありますが、うちの分はどれくらいかなと見るときは、とに かく1%としておけば、そんなに差はないという県です。しかしながら鉱工 業の生産は指数でいうと131ということで、コマツさんが元気ということも あるのですが、全国3位ということで、非常に元気な県の1つです。  次に2頁の産業構造ですが、いわゆる一次、二次、三次という分け方をし ますと、二次産業の就業者、生産額の割合が、やや高いという形です。比較 的モノづくりの県というイメージが、石川の場合は皆さんから見ると薄いか と思うのですが、大変モノづくりが盛んだということです。  例えば先ほど言いました小松製作所は、石川が発生の地です。小松に粟津 工場、小松工場を置いて、いま金沢にも工場ができまして、大変順調で大き くなってきています。もともと大きいですが、伸びてきているというもので すし、産業機械や工作機械、繊維機械など、モノづくりというのが非常に集 積している。また中でも比較的ニッチトップと言いますか、非常にユニーク な企業が、結構小さいけれども多いと思います。  例えば澁谷工業は、ビン詰機械では非常にシェアが高いですし、石野製作 所というのは、回転寿司のコンベアを作っているのです。皆さんはあまり回 転寿司は食べられないかもしれませんが、回転寿司の9割以上が、実は石川 県の石野製作所と日本クレセントで作られているという実態ですので、回転 寿司はほとんど石川県ということです。  また、伝統工芸品も非常に多くあります。これは非常に厳しい状況ではあ りますが、伝統産業も盛んということで、九谷焼や輪島塗、山中塗、また加 賀友禅等があるということです。  3頁は、雇用失業情勢です。いまの経済の現況を見ますとちょっと停滞気 味という形になってきているのですが、雇用情勢につきましてもちょっと弱 含みですが、まだ1.26ということで1を超えている。全国平均0.93という ことですので、田舎の県のわりにはまだ雇用情勢はいいというように理解を しています。ただ先ほど言いました能登半島の部分と金沢を中心にした部分 で、相当地域間格差というのはずいぶん昔から言われているのですが、出て いる状況でありまして、能登地域では0.80に対して、加賀地域は1.23で、 これは原数値1.15で見た場合にこのような開きがあるということですし、若 年者の失業率は7.9ということで、全体が2.9ですから、全国同様非常に高 い状況にあるというのも1つの課題になっています。  ここからは本題です。公共職業能力開発施設の設置ということで、石川県 は一応ブロック別に県立校は4校ございます。ここに太字でブロックしてい ますが、まず中心だと金沢に1校、南加賀の小松に1校、それに口能登と言 っている能登地域の入口である七尾に1校、奥能登と言っている半島部の本 当の先端部分ですが、そちらに1校ということで、4校ございます。そして 雇用・能力開発機構のほうに2校設置していただいておりまして、ポリテク センター石川がありますが、これは金沢校のすぐそばというか、本当に横隣 の所にあるのですが、金沢に1校。そして北陸能開大の附属の石川短大とい うことで、穴水という所にポリテクカレッジ石川を設置していただいており ます。以上、県立校4校、能開校2校、全部で合わせて6校が設置されてい るということです。  科目についても、例えば金沢校の工芸デザインコースというのは加賀友禅 のコースを持っていたり、いろいろ地域特色もあるコースも持っているとい うことですし、いま現在、右下のほうにちょっと書きましたが、県立校4校 で職員58名、これは庶務の職員も入れてトータルで58名ですが、うち指導 員38名で、年間定員ベースですが、525人の訓練を実施しているという実態 です。  5頁の訓練科目の見直しの状況ですが、施設内デュアルシステムという訓 練を平成16、17、18年にわたってやっていました。平成19年度にデュアル システムを平成18年度に七尾校でやった計測制御技術というのが非常に業 界というか、地域のニーズにも合致していることで、これはサンケン電気さ んというのが誘致企業であるのですが、そこが大きな従業員の求人のもとに なっているのですが、そういったところの要望もあり、七尾校の計測制御科 というのを正式に1年コースの科目にしたり、また(3)にありますように、 離転職者については、いわゆる低調であまり入ってこない科目を平成19年度 に2つ廃止しています。そういった状況で改廃も、その都度状況を見ながら やっているということです。  6頁は、県立校の予算等です。予算はご多分に漏れずどこの県でも同じだ と思いますが、大変財政状況が厳しいということで、予算もここの表にある ように、非常に毎年減額という厳しいシーリングという形で受けている中で、 いまやっている状況です。  入校状況ですが、若年者については入校率はちょっと最近、特に平成20年 度はちょっと落ち気味です。ただ就職率は非常に高いです。離職者について も入校率は、若干低下気味の横這いということです。就職率について平成19 年度に低くなっているのは、※で書いてあるように修了2カ月時点のもので すが、もう少し上がるのではないかと思っているところですが、7〜8割とい う状況です。在職者訓練はここにあるとおりです。  職員数については、先ほど申しましたように58名ということで、ただ正規 職員数が年々厳しくてあとの補充ができなくて、再任用や嘱託で対応してい る部分が相当あるという実態です。  7頁の訓練生1人当たりの訓練コストですが、離転職については標準6カ 月の分で計算して93万1,000円、若年者につきましては1年と2年がありま すが、1年訓練当たりで261万3,000円、在職者訓練については3日間とい うことで見ると2万5,000円ということで、これは平成18年度の実績ですが、 このような状況になっています。  8頁に産業政策としての能力開発と書いてありますが、いわゆる訓練の部 分は、逆に言うと、業界のどういったニーズに対応して人材対策としてやっ ていくか、という問題もあります。そういったことで、本県ではいわゆる人 材対策として、産業政策の面からアプローチしておりまして、人材をどう育 成していくか、人材をどう確保していくか。また最近少子高齢化人口減少と いう中で、本県の経済を維持していくためには、もう1つ裾野の拡大という こともありますし、確保でもUIターンもやらなければいけないという形で、 こういう施策体系のもとにいちばんベースになるのは、産業技術専門校のモ ノづくりの人材育成がベースになって、施策体型の中で施策を推進している というものです。  9頁は、産業界のニーズに応える人材育成の取り組みということで、いわ ゆる在職者訓練については、結構いろいろな部分を業界の声をお聞きしなが らやっております。特に小松の産業技術専門校では、在職者セミナーを非常 にたくさんやっております。例えばレディーメイド型訓練ということで、こ ういった訓練またはオーダーメード型訓練をしています。  10頁はモノづくり技能継承塾という形で、いわゆる熟練技術者の技をいか に若手に引き継いでいくかということで、3カ月かけまして月、火、水は施 設で、あと木から土までは企業に戻ってという形で、かなり熱心にやらせて もらっています。  4番目に今年新規にモノづくり基礎力向上セミナーということで、これは 金沢の技術専門校でやるわけなのですが、中小企業の若手に対して、非常に 基礎的な部分があまりないままにモノづくりの所に入ってくる方も。最近モ ノづくりという所は求人が多いので、結構あまり専門的でない人が入ってい る部分もあるので、そういった基礎のところを少し教えてほしいというニー ズもありますので、そういったところもやっていくというものです。  11頁は、効果的訓練実施のための取り組みです。科目コース設定について は受講者のアンケートはもちろんですが、企業のアンケートをいろいろやっ ておりまして、そういった検討をしながらニーズを把握しておりますし、カ リキュラムについては国の基準を基本として、資格取得も重視しながらやっ ているというところです。また指導技法の向上につきましては、職業能力開 発総合大学校または民間の技能研修等々を活用しながらやっているというこ とで、いかにしたら効果的な訓練になるかということに意を注いでいるつも りです。  12頁は、本県の県立校と機構立校の役割分担という部分で見ますと、離転 職者訓練につきましては機構の雇用のセーフティネットということで、大き な形で機構がまずベースでドンとやっていただいているということですし、 年4回入校時期もありますし、非常にこれは充実しております。県立校では、 機構のすぐそばにある金沢校はあまり離転職の部分は力を入れていません。 むしろ地域的に遠い小松、七尾、能登の3つの訓練校のほうで、なかなかポ リテクへ通えないということで、離転職をやっているという現状です。  在職者訓練については、機構に非常には高度な部分をやっていただいてい るのに対し、うちのほうは先程も申し上げたように、地元の中小企業ニーズ、 こんなことをやってほしい、あんなことをやってほしいというものを基礎を 中心にいろいろとやっているという実態です。また学卒者については、機構 さんのポリテク短大につきましては、高度な形で2年間みっちりというか短 大ですし、当方はもともと例えば総合建築学科のような所は中卒者も対象、 中卒者も可ということですし、そういった形では1年間という所も相当ござ います。2年の分につきましても、比較的そういった地域特性も踏まえなが ら、ハイレベルという部分ではない部分かなという思いもちょっとあります が、そういった取り組みでやっています。  委託訓練については、我々のほうでも母子家庭だとかほかの福祉政策も含 めて、いろいろ委託訓練もやっている状況です。そんな中で右の吹出しに書 きましたが、連携なり協力をより強化してやっていくことがいちばん大事な のかなと私は思っております。  「県央地区モノづくり人材育成構想検討委員会」、これは金沢の専門校をど のような形で機能強化していくかという話を、実はいま県で議論しています。 そういった中にもポリテクセンターの所長さんも一緒に入ってもらって議論 もしていますし、逆にポリテクセンターの運営協議会に県も参加させていた だいております。また県の技能まつりもポリテクセンターを会場として使わ せていただいたりして、いろいろと有機的に連携しながらやっている状況で す。いろいろな機能の中で地方分権の名のもとに、分権の中で例えば国の分 を地方に渡せばどうだという議論はありますが、私としては例えば地方には まず財源の問題があるのです。地方も先程言いましたように、財政当局から 絞られて、その中でどうやっていこうかという中で、国の部分がそういった 形で、例えば地方分権という形でくるのであれば、議論があるのであれば、 やはりそれは、金なりそういったもの、まず財源の話やいろいろなものをき ちんとしてもらわないと無理ですし、それ以前にまず人の問題やいろいろな 問題で、我々としてはいま機構が担っている部分を例えば県に云々と言われ ても、それはちょっと難しいだろうというのがはっきりした思いです。  難しいだろうというのは、県によって財政力的に力のある県とない県とい う形で、いくら財源補填という話がありましても、やはりその分の制度とい うのはきちんといまやっていた分がくるという形にはなりづらい部分もあり ます。先ほど言いましたように、本当に来るのかという部分もありますので、 力のある県はどんどんできる。  例えば大きな県で、税収もしっかりした県はできるでしょう。しかしなが ら小さい地方の雇用対策と言いながら非常に経済が疲弊している所が、余計 疲弊するもとのような話になってしまうのではないかということを、大変危 惧するわけなのです。ですからそういったことで、そういうとあれですが、 地方分権の議論の中でそういう議論というのは、ちょっともう少し考えてい ただきたいというのが私のお願いです。以上でございます。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。引き続きまして、愛知県産業 労働部労政担当局長の志治委員にお願いしたいと思います。よろしくお願い いたします。 ○志治委員 愛知県の志治です。資料No.5-3をご覧ください。ヒアリング項 目に沿って、資料を用意させていただきました。  1頁は、愛知県内の職業訓練体系のイメージ図というのを用意させていた だきまして、説明の冒頭、愛知の公共・事業主を併せた訓練全体の体系の特 色について、触れさせていただきたいと思います。学卒者と離職者、在職者 という訓練の対象者別に県内の職業訓練機関の役割を表したものです。まず 上のほうは、在職者に対して事業主等が行っている認定職業訓練校、これは 事業主団体等が設置するものが45、事業主が単独で設置するものがトヨタグ ループをはじめ51、合わせて96施設あります。認定校は全国施設数約1,300 と聞いておりますので、7%強とかなりの割合を占めていると思っています。  下の公共の部分ですが、県立の高等技術専門校が6校、雇用・能力開発機 構の中部職業能力開発促進センターと名古屋港湾分所がありまして、その他 いちばん下にありますが、離職者の委託訓練を行う機構の愛知センターがあ ります。  なお、本県では昭和63年から職業能力開発校を高等技術専門校と称してい ます。また県内には職業能力開発大学校や短期大学校はございません。ここ で少し公共の部分の訓練の実施状況の特色をお話させていただきます。  学卒者訓練については、そこにありますように県立校と中部センターの分 所で行っていますが、分所のほうは港湾関係に特化した訓練を行っています。  離職者訓練についてですが、県立校は6校で、普通訓練として施設内委託 訓練を実施し、機構のほうが同じく普通訓練として中部センターで施設内訓 練、愛知センターで委託訓練を実施という形になっています。  在職者訓練は、県立校は6校で普通レベルの訓練、中部センターは高度訓 練を実施されています。特に中部センターで実施される高度で専門的な在職 者訓練、これは全国的に見てもハイレベルなもので、私ども県立校と中部セ ンターの最大の違いになっていると思っています。  それでは、2頁から県立高等技術専門校の現状について、簡単に説明しま す。  施設数はトータル6校。科目、定員、指導員は6校合わせて、平成20年度 の計画は、そこにあるとおりです。その内訳として、離職者訓練は、施設内 訓練として左の表の真ん中にありますが、機械・金属系をはじめとして、モ ノづくり系の訓練を中心に26科、1,150名。委託訓練は民間教育機関等に委 託して、事務サービス系を中心に26コース、465名ということで実施してい ます。在職者訓練は、そこにあるとおりです。  学卒者訓練については4科、180名ということですが、このうち高卒を対 象としているのがメカトロニクス系など3科でして、中卒対象は建築系のう ちの1科という形で、いずれも訓練期間は2年間で実施しています。  次に予算の状況ですが、平成20年度の人件費を除く事業費予算、国からの 委託事業も含めて、2億9,000万余円となっています。  3頁の入校状況、就職状況については、その表にあるとおりです。表を見 ていただければわかりますが、離職者訓練の右のほうの就職率、施設内訓練 に比べまして、委託訓練の就職率がやや落ちる傾向が見られます。  次に最近の改廃状況ですが、まず左の表のいちばん上の施設の改廃を見て ください。平成17年度に名古屋市内に重複されて設置されていた専門校2校 のうち1校を廃止しまして、名古屋高等技術専門校に統合して、その結果、7 校がいま6校になっております。  訓練科目の改廃等については、そこの表、あるいは右の表にありますとお り、平成16年度から19年度まで、たまたま平成20年は該当はありませんで したが、毎年見直しを行ってきております。  いちばん下の運営上の課題ですが、ここには指導員の高齢化による訓練科 目の硬直化ということを書いてあります。その他先ほど石川県のお話にもあ りましたが、実は私どもも元気な愛知と言われているのですが、実情はなか なか厳しくて、県財政逼迫化する中での事業費予算の確保、あるいは施設設 備がいずれも老朽化しているという課題もあります。  4頁の訓練生1人当たりの訓練コストの試算はご覧のとおりでして、離職 者の施設内訓練は、1人当たり73万2,000円、在職者訓練が9,000円、学卒 者訓練で142万9,000円という状況です。  次頁からは、職業訓練事業の運営にあたっての愛知県の特色です。まず雇 用政策との連携ですが、緊急に雇用失業情勢が悪化した県内の最近の事例と してそこに書きましたが、平成16年に三菱自動車岡崎工場を閉鎖するという 方針が発表されまして、岡崎工場は従業員5,400人のうち1,500人を削減、 これは他県の工場へ異動されることも含めました人数ですが、この際に離職 者の施設内訓練の定員を急遽1割増やして、受け入れる対策を講じておりま す。今後緊急にこうした雇用情勢が悪化した場合には、離職者の施設内や委 託訓練の定員増などにより対応していきたいと考えております。  平成20年度の雇用政策と連携した職業訓練として、2つ例を挙げています。 私どもは日系ブラジル人を中心とした外国人労働者数が6万人と全国一であ りまして、今年度から全国に先駆けまして、定住外国人を対象とした離職者 の委託訓練を実施します。それからフリーター等若年者を対象とした短期集 中型の委託訓練を実施することとしています。  次頁は福祉政策との連携で、今年度実施するものの例として、母子家庭の 母等に対して実施するものや、真ん中のマザーズビジネス科の話ですが、出 産等で離職後1年以上経過して再就職を希望する女性に対して、1日の訓練 時間を午前の3時間だけとした形の訓練を実施したり、発達障害者の就労支 援ということで、これは昨年度から全国に先駆けて、こうした訓練を開始し ているところです。  産業政策との連携ですが、本県は製造業を中心とした産業構造で、中でも 輸送用・一般機械、金属製品、窯業・土石製品の構成比が高く、また窯業等 の地場産業がありまして、これらに対応した訓練として、表にあるようなも のを実施しております。機械・金属系の訓練、あるいは陶磁器、建築、造園 関係の訓練を行っております。中でも陶磁器関係のところですが、県内には 瀬戸物ということで有名な陶磁器産業がありますので、陶磁器製造を専門と する窯業高等技術専門校、これは私どもと京都だけのようですが設置してお りまして、ここには陶磁器業界での就業を希望する訓練生が、全国から集ま ってきている状況です。  次頁からは、訓練の仕上がり像等についての状況です。まず訓練の仕上が り像については、基礎的な知識、技能を付与するとしまして、その枠の中に ありますが、機械エンジニア科にあっては(1)〜(3)のとおりの仕上がり像とい うものを設定しています。訓練目標として、いちばん下の枠にあるような資 格取得を掲げているところです。  訓練ニーズの把握方法は、ほぼ他県と同じだと思っていますが、企業訪問 活動は、各職員がそこにありますように、年間500〜600件企業を訪問してい たり、あるいは真ん中ですが、事業主団体や企業等を構成員とする産業人材 育成会議、あるいはハローワーク担当者との連絡会議を介在して、訓練ニー ズの把握に努めているところです。  指導員の確保については先ほどもちょっと触れましたが、私ども愛知県の 指導員の平均年齢は50歳と高齢化しておりまして、一方で新規採用が県の行 革の人員削減ということで、あまり大きな声で言いたくないのですが、平成 11年度以降ストップしております。定年退職後の再任用の活用により、対応 しております。レベルアップにつきましては、その枠の中にあるように、職 業能力開発総合大学校の研修等に派遣して、資質向上を図っているところで す。  あと国の職業訓練基準を超えた要件・基準の設定や、カリキュラムの見直 しの頻度・方法、カリキュラム・教材の作成については、そこにあるとおり です。  ここからは国との役割分担の話ですが、まず県から見た国との違い、役割 分担・連携の現状及び考え方等です。訓練の種別ごとに説明します。まず離 職者訓練についてです。離職者の施設内、あるいは委託訓練のいずれも、機 構や県において実施する訓練科目やその内容程度については、さほど大きな 差はないと考えております。ただ、ちょっとここには書いていませんが、施 設内訓練については冒頭で説明した中部センターで行う在職者訓練が非常に 高度な内容の訓練を実施していることもありまして、この施設内訓練でも私 どもの県立校に比べると、比較的高度な内容のことを実施していると感じて います。いずれにしても、同じ内容の訓練科目の実施時期は、ずらすように 調整しているところです。  施設内訓練については、中部センターは愛知県内の北部に位置しておりま す。しかも必ずしも交通の便がいいという所ではなくて、実際に施設内訓練 だと何カ月も訓練生が通うということから、通学範囲がセンター周辺の居住 者に限られています。したがって、県立6校と中部センターの7校トータル で、実施地域の役割分担がなされているのかなと思っています。離職者訓練 全体として、訓練対象者がより身近な場所で多くの訓練機会が提供されるこ とが、県民にとってプラスであるのかなと考えています。  在職者訓練については先ほど来説明していますが、本件においての機構と 県との最大の違いは、これだと思っています。中部センターではモノづくり 系の訓練科目に特化して、充実した施設設備やスタッフを有して、全国トッ プレベルの内容の高度な訓練が実施されております。  一方私ども本県は、モノづくり系に加え事務系等についても基礎的な内容 の訓練を実施していまして、国は高度、県は基礎という明確な役割分担がな されていると思っています。本県は製造品出荷額全国一のモノづくり県です が、最近では航空機産業など新分野の産業展開も進めておりまして、産業界 からは製品の高付加価値化等、より高度で専門的な知識を有する人材が求め られています。中部センターが実施する高度で専門的な在職者訓練、こうし た産業界の要請に応え、本県のモノづくり人材の育成に大きな役割を担って いただいているものと考えております。本県産業の維持、発展にとっては、 今後もこうした高度で専門的な在職者訓練を継続実施していただくことはも とより、さらなる充実強化が重要であると考えていまして、私ども愛知県と しても国、機構に要望しているところです。  最後に学卒者訓練についてですが、機構では冒頭ちょっとお話しましたが、 名古屋港湾分所という所で普通課程として港湾荷役科を実施しておられまし て、私どもはこうした職種を実施しておりませんので、役割分担は明確にな っているのかなと考えています。時間もだいぶまいりましたので、以上で説 明を終わります。 ○庄山座長 いま4人の委員の方々からご説明をいただきまして、本当にあ りがとうございました。  それでは、残り時間も20分ぐらいですが、いままでのご説明、ご報告等々 を通じまして、皆様方からご意見、ご質問等をいただきたいと思います。ど なたからでも結構ですので、どうぞよろしくお願いします。 ○上原委員 秋葉委員にお聞きしたいのですが、教える側の資格というのは、 何か特にあるのですか。 ○秋葉委員 教員については専修学校設置基準で定まっています。  あと、指定養成施設ですと、かなりもっとどういう資格を持っている人を この科目に当てなさいという厳密な規定があります。ただ委託訓練について は一般的にはありませんで、特に我々の大きな分野ですと、ある程度資格を 持って教えられればよろしいという形になろうかと思います。以上です。 ○大久保委員 国と県の役割分担のところについて、両県にお聞きしたいの ですが、いま愛知、石川両県のご説明を伺っていると、国と県の役割のいち ばん根幹的な違いは、国が高度で県が基礎的なことを行う。もう1つは、国 が設置している拠点、ポリテクセンターの数は県より少ないですから、当然 地域的にカバーしていない所を県がカバーすると、その2つの要素が強いの かなと、いま伺いながら感じました。そこで行政、現状の会議のほうからも 質問が出ているポイントにどう応えていくかというのは、非常に難しいとこ ろがあると思います。  1つは、要するに財源とか人という問題をセットにすれば、それは県が全 部をやるとか国が全部をやるとか、つまり重なっているところを組織的にい えば、どちらかに寄せたほうが効率化するのではないかという質問が出てい るのだと思いますが、この問題にどう答えるのかが、1点目でお聞きしたい ところです。  もう1つは、国は高度、県は基礎といったときには、おそらくセーフティ ネットということを考えると基礎的なところの訓練がより多くの人たちに提 供されるのが自然なような感じがするわけです。これも行政、現状の会議の ほうに、セーフティネットというのをどういう意味で、どういう範囲で使っ ているのかという指摘がされていて、その関係で言うと、より県のウエイト のほうが、財源の問題があることは十分承知しているのですが、サービスの 基礎のところのウエイトが高いほうが、いわゆるセイフティーネットの機能 としては自然な感じがするのですが、そこはどのようにお考えになっている か、この2点をちょっとお聞きしたいのですが。 ○志治委員 まず基礎か高度かという話で、在職者訓練について、私は先ほ ど特に愛知県の特性として、中部センターは非常に全国トップレベルにある と言いました。では、在職者訓練の高度なものを県が担えるかということだ と思うのですが、非常に技術、技能が急速に進化しておりますので、それに 対応して高度で専門的な訓練を求める企業ニーズに応じた訓練を都道府県レ ベルできちんとやっていけるかということについては、施設設備面の問題も ありますし、訓練のカリキュラムを開発するといったソフト面からいっても、 現実的には県で担うことは非常に難しいのではないかと考えています。それ が1点目です。  離職者訓練についてはセーフティネットということからして、きちんとし た体制が整えば一元的にというお話かと思うのですが、ちょっと答えになら ないかもしれませんが、先ほども12頁のところでお話したのですが、セーフ ティネットという観点からしても、訓練を受ける方からすると身近なところ でいろいろな機会が提供されるというのは、プラスだと思うのです。県に一 元化されたとして、いま行われているようなボリュームや科目をきちんとそ のまま継続できるのかという部分に非常に不確かな部分もありますので、ど うかなと考えているような状況です。 ○高本委員 あとのセーフティネットの話ですが、先ほどもちょっと触れま したが、例えばその部分を県へ片寄せして、県でセーフティネットを全部や りなさいということになればどういうことが起きるかというと、貧乏な県は 離職者も多くなって、非常にそういう地域問題というのはたぶん出てきてい るのです。そこに対して、貧乏な県は財政的にも厳しいからなかなかできな いという話がありますね。いろいろな住民需要にどこまで応えられるかとい う話は、やはりそういう基本的な非常に大事な部分、そちらはむしろ国がと いう話が、我々の思っているセーフティネットを例えば地方に寄せるという 話は、逆向きではないかなという感じはするのです。 ○大久保委員 財源をいま国が全体を持っているわけで、そこの部分をいま おっしゃった形にならないように県にうまく適用をしていくという前提の議 論をこれはしているので、たぶん財源の問題では回答にならないような感じ がするのです。 ○高本委員 いま言いました財源の問題はそのままくるという話があります が、それはどういう配分の仕方になるかということは、いままで非常に地方 が。こんな言い方は悪いかもしれませんが、地方分権の名のもとに財源も渡 しますよという話の中で、いろいろなものが流れてくる中で大体なってくる のは仕事はくる、権力もくる、だけど財源はというと、財源は行ったよとい う話になるのですが、県によってまたそれがバラつくのです。  例えば交付税ですれば当然のことですが、交付税は算定の1つの基準です から、行ったことにしているという感じが我々地方からとったら、財源もと いうのは財源も行ったことになっているという話になっているだけで、本当 はきていないのではないのという話になってしまう。それが例えば交付税で くると、交付税というのはもともと一般財源ですから、その分は特定財源で こないのです。だから入っている県によってもきちんとバラつく。だから地 方財源の補填というのは、たぶん大変難しいのです。それなら逆にその分で すよと国庫補助か何かで明確にその分に使いなさいという形でくれる話であ れば、それは財源として、その分の財源に当たるわけです。だからそういっ たところは、それは地方が地方がというだけではなくて、地方財政の中でそ の分は財源がくればというのはちょっとそこは1つの言葉のまやかしだと思 うし、そこはもっと精緻な議論で、どういうふうにして補填して、それはだ からくればという話なので、それがきていないのが現実なのですよ。そうい うことがあることを少しご理解いただきたいなと。  この議論でものすごく乱暴な議論は、財源が行けばいいでしょうという話 になるのですが、財源がくる仕組みがどうもピッタリきていないという感じ が、我々の思いからするとする。そうすると、きたと言うが、地方が疲弊し ているときに地方は余計セーフティネットが必要であるにもかかわらずでき なくなるという事態が生じるのではないのということを申し上げているので、 もちろん財源があればという話はあるのですが、そういうところももっとど ういうふうにしたらくるのかという仕組みを議論しないといけないのではな いかという思いがあるということなのです。 ○大久保委員 逆に言うと、問題は財源だと仰っているというふうに思って いいのですか。 ○高本委員 先ほど申し上げたように、財源だけではないと思います。人の 問題が、まずあります。  例えば先ほど愛知県からもありましたように、訓練ニーズというのは変わ ってくるのです。ところが持っているパイが小さいと、都道府県にするとパ イが小さくなっているわけですね。パイというのは人材のパイです。だから 我々の所でいうと、訓練の指導員というのは38名という話ですから、38名 の中に新たに対応できる部分がなかなかなくなって、民間からいろいろなお 願いをしたり、そういう対応もしなければいけないということなので、それ は例えば全国で大きなパイであれば、いろいろなニーズに対応しやすいと思 うのです。  そうは言いたくはないですが、指導員の能力の差というのも非常にあると 思うので、では、それをいま機構の部分をぶつぶつに切って、いま例えば石 川県にいる機構の人を石川県の職員にしますから人はどうぞと言っても、そ の分の人というのは、今度はそこで固定化されてしまうわけでしょう。そう すると、また新たなニーズに対応するというようななかなか難しい話が出て きますから、そういう意味ではパイが大きい中で流動化していっていただけ れば、いちばん我々としてはありがたいと。だから人をどうするのかという 問題ももちろん出てきますし、財源だけではない、財源も人も施設もですが、 施設をそのままもらうという話もあるのかもしれません。だからそこは非常 にもうちょっと精緻な議論をするか何かしないと、実態的にそれを見たとき に、行けばいいでしょうという話ではないような気がします。だからせっか く大きいきっちりした人的なパワーがあって、そのパワーがそれだけのパワ ーを持っている大きさがあるというのはあると思うのです。それをぶつ切り にして40いくつに区切って、40いくつというのは各学校にすればもっと小 さくなります。そういう感じで区切ってしまって、はい、どうぞと言われて も、なかなか訓練ニーズにも対応できない部分が出てくるだろうし、そうい った意味では難しい問題というのは人的な問題でも出てくるのではないかな と思います。 ○渡辺委員 石川県と愛知県の現状をご説明していただき、大変よく理解さ せていただきました。と言いますのは、私は、商工会議所から参加させてい ただいていますので、いわゆる地域の実情、あるいは事業主のニーズといっ たものを踏まえて、こういった議論をずっとやっていただきたいと思います し、さらにもっと違うところの県の実情も教えていただけると、大変勉強に なるのではないかと思っています。  資料7-1ですが、これは九州の商工会議所連合会として、座長及び厚生労 働大臣宛に要望書が出ていますが、やはり地方の実情によって状況は異なり ますが、こういった国の職業訓練に対する施設が必要であるという要望です。 そういう意味で、今後とも地方の実情をきちんと踏まえた中で、ご議論いた だければ大変ありがたい、という意見です。 ○庄山座長 どうもありがとうございます。はい、どうぞ。 ○上原委員 先程の大久保委員の話と関連するのですが、国と地方の線引き で、国は国家として産業構造等の変化を踏まえて、職業能力向上の戦略を立 てると言うか、そういう作業は絶対必要だと思うのです。それを具体的に例 えば人、もの、金、設備をもって、運営するかどうかというのはまた別の問 題ですけど、そういう役割が必要だと思います。そうでないと日本全体の世 界の中での競争力と言うか、特にモノづくり白書等で報告されているように、 どちらかというとモノづくり立国と言うか、そういうスタンスにあるわけで すから、そこが1つ必要なのかと。では具体的な指導員をどうやって、例え ば教育するのだとか、それからセーフティネットとして答えるために離職者 にどういう対応するのかとかをいろいろ考えていったときに機構との関連が どうなのかと、全く新たに作るよりは、機構のあり方の改革が必要だと思い ます。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。 ○本田委員 私のところは得意な委託訓練ということよりも、給付金が中心 になっているところですのであまり細かいことはわかりませんが、この2つ の事例の石川県と愛知県のご説明は大変よくわかりましたし、大変なすばら しいことをおやりになっているのはいいのですが、そうではない産業が非常 に少ない県がございまして、そう言ってしまうとどうなのかわかりませんが、 例えば青森であるとか、岩手であるとか、沖縄であるとかこういうところは どういうふうになっているのかと、むしろ愛知県というのは素晴らしいと思 うし、石川県も私の出身県でございますが、輪島塗を始め、その郷土産業は 昔からあるわけですが、そういう意味のモノづくりというのはあるところと、 そうではなくて産業が非常に少ない県というのをバランスがどういうふうに なっているかというのも大切なことの1つだろうと思うのです。以上です。 ○庄山座長 この件はまたレポートを上げていただくようなことをお願いし ようかと思っておりますけど、現状を、どこかに資料があったかもしれませ んが、整備していただくようなことをお願いしようと思います。どの県とい うとこれはまた揉めますからいろいろなところへお願いしなければいけない と思います。 ○草野審議官 県の産業状勢とか、雇用状勢は全然違いますので、ご指摘を 踏まえて全国47都道府県どういうふうな、一応分類と言いますか、特色をも つか、ということは少し可能な限り整理させていただきたいと思います。  アンケート調査では、先程お配りしたような形で全体的には出ているわけ ですが、非常に多様ですので、国として見た場合には全国を捉えてある程度 の水準ということになるわけで、そこにおける都道府県の跛行性の大きさと いうのを国としても見て、対策を立てていく必要があると考ており、そこら 辺は可能な限り整備させていただきたいと思います。 ○庄山座長 それではよろしくお願いします。 ○今野座長代理 国と県との分業の問題ですが、先ほど大久保委員が言われ ていたのは非常に重要かと私も思っていますが、在職者訓練と離職者等セー フティネットとの分野によって違うと思いますが、離職者等については結局 地方ができないというのは離職者の再訓練のサービス・ニーズが変動するの でそれに対して県としては柔軟に供給する体制が取れないので、それは全国 でやってもらって全体として一種の供給の変動を全国でプーリングしてと言 うか平均化して供給体制を取ってもらったほうがずっと柔軟な体制ができる んだ、というのが石川県のご主張だと思うのです。そのときのもう1つの意 見はそんなに県ごとで需要の変動があるのだったらそれに対して供給側を柔 軟にもってくるには、民間に任せなさいと言う議論が片方であるのですね。 そのときに需要の変動に対して民間が提供したよりか、国が全体でプーリン グしておいたほうが人材面もお金の面も非常に柔軟な供給体制ができるとい うことが明確でないと、石川県の方が言われたことの説得力が少し落ちるの ですが、その辺は民間では無理だろうかどうかということです。  もう1つ在職者訓練についても結局同じことが言えて、高度な訓練は人材 の育成についても、あるいは技術の開発についても、カリキュラムの開発に ついても大変開発のコストがかかる。従って、全国でやって一種の規模の経 済性を出してあげたほうが非常に効率がいいと、こういう議論なのですが、 それだったら、民間はそういうことができる人材をもっているのではないで すかと。そういうところも民間で供給はできないのですかと言われたときに それに対して違うということをどう考えられているかを、ちょっとお聞きし たいと思います。  石川県の方と愛知県の方とそれぞれ、すみません。 ○高本委員 民間でできないかという話がありますが、前もちょっと発言し たと思うのですが、これは民間の専修学校とかにちょっと失礼なのかもしれ ませんけど、我々はやっぱり業界のニーズなり、そういったニーズがどうだ ということでむしろ訓練とか、特に先ほどの在職者訓練などというのは非常 にご用聞きみたいなところも結構あるのですよ、オーダーメードだったりい ろいろな部分だったり、その中で非常に鈍くさいモノづくりの部分というの はいま一番ベースにあるのは我々モノづくりの部分をどうするかではないか と理解しています。いまITだ、例えば簿記だとかいう話もありますけど、そ の部分は多分民間でと、そう言ってしまうと問題になるかもしれませんが、 我々のところにはもちろんそういったコースは少ないのですが、多分、中身 によってできるとことできないとこがあると思うのです。だから一概に在職 者訓練だからどうのという話ではなくて、在職者訓練の中の職種とか、どこ をターゲットとして、何を目指してやるのかという部分が随分とそこで、業 界ニーズはあるけれども、石川県でいま一番問題になっているのは何かとい うと、ミスマッチの問題で、モノづくりへ人がいかないということです、は っきり言って。有効求人倍率1.3いくつ、有効求人倍率が1を切っても、モ ノづくりの場合は1以上です、事務のほうは0.5です。だから逆にITだ何だ というのも非常に大事なのですが、そういう事務屋さんを一生懸命養成する ようなことを県ではあまり、その業界ニーズとしては高くない。モノづくり の分野へどうして人を行かそうかといろいろ施策がそっちのほうなのです。 だからそういった意味で要はその中身によって、例えば民間でできるか、じ ゃ民間で旋盤をおいて、その使い方はどうだとか、そんなことをやってくだ さいますかと言ったら多分コストもかかるしフレッキシビリティーがない、 何かその辺が。多分民間さんはニーズとはどっちのニーズだと言ったら、学 生さんのニーズなのです多分。学生が入りたがっている、やりたがっている ことは何かということで見ているのがここで、高校でも一緒です。だから工 業高校をもっと大事にしなさいということを言っているのですが、あまりこ んなことを言ったらいけませんが、どっちかというと親は皆さん普通高校へ いかせたがる。そんな世の中の中でいまの部分で、モノづくりをどうしてい こうかというのが我々も石川県の一番あれだし、モノづくりの、旋盤溶接と か、溶接工のみんなは民間でやっていただけますかと言ったら多分ないでし ょう。  だから専修学校のニーズがどこのニーズを見ているかと言ったら生徒さん のニーズを見ている。我々のニーズを見ているのはどこかと言うと、企業の 方々は何を、どんな人材を欲しがっているかを見ているので、そこのミスマ ッチになっている部分があるのだろうと思います。だからもうちょっとこの 議論は離職者がどうの、何とかだからどうの、という話ではないような気が します。 ○志治委員 まず離職者訓練については石川県の方と同じで、ちょっと私の 認識が不十分かもしれませんが、民間に任せられる情報や事務サービスを始 めとした部分はすでに機構でも私どもの県でも委託訓練のほうにどんどんシ フトしておりまして、石川県の方が言われたように施設内訓練のほうはモノ づくり系にこれからもっともっとシフトしていくのではないかと思っていま す。在職者訓練の話は、実は、私がお聞きしていますのは、ポリテクセンタ ーでも関東、関西、中部が62の中でもエリア的にも内容的にも高度なものを やって見えるというふうに私ども認識していますので、ポリテクセンター62 の中でもいまの3つとそうでない役割分担がされているのかと。その中部が 行っておられるのは高度な部分、これは県でも民間でも、とても担いきれん なと。私ども県の固有の事情のことでご説明させていただきました。以上で す。 ○住田委員 時間がありませんので簡単に意見だけを申し上げます。まず官、 民の分担で言うと、民が対応できない公共性、採算性等において問題になる 分野、例えばセーフティネットにかかわる部分、そういう具体例が何かとい うことを今後出して、説得性をもたせていただきたい。  それから地方と国との分担で言えば地方独自にやらなくてはいけないこと は、財源の問題があるかとは思いますが、なさると思いますので、その地方 において国が何をやらなくてはいけないかということに関して申し上げます と、先程、場所の分担のお話がありましたが、私は場所の分担、これは今後 はあまり意味がなくなってくるだろうというふうに思います。それよりも、 中身の分担、どのようなものを国に期待するかということだろうと思います。  そうするといくつか考えられると思いますが、やはり将来見据えた長期的 な視点からの高度な、専門的なものに対しても期待されるでしょう。国がい ろいろな情報を集中した中で指導員の質を高めるなどの、言わば頭脳機能、 そういうものを国がもってそれを地方に広げていくということもあるでしょ う。ノウハウとか、教材とか、指導員の質とかでの、これまでの実績とかを きちっとお出しいただいて、今後もそれは地方には賄えないのだということ をおっしゃられたら、それはそれで理解されると思いますので、あくまでも 具体的な事例をいくつか集めていただくことをお願いしたいと思います。以 上です。 ○庄山座長 ありがとうございました。 ○山田委員 最後に発言させていただきます。資格の本が途中、回覧で回っ てきましたけれども、あれを拝見しましても、本当にモノづくりという分野 が少なくて、結局モノづくりという分野がいまミスマッチがおきていて、企 業のニーズはあるけど学生のニーズがないとだから国や公共団体がやるべき ではないかと、そこで効率化の面からしたらどうしたらいいかと言うと、効 率化と言えば規模の経済というのが一番効率的なので一元化したほうがいい と、いうならば機構に一元化したほうがいいという話の流れが大枠なのかと いうふうに今日伺って感じました。その辺りのところを効率化会議の方々に でもちゃんと伝えるのが必要かと。機構がPR不足とよく言ってますけど、 我々機構のあり方委員会自体がPR不足のような気もしてなりません。私も頑 張りたいと思います。以上です。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。他、特によろしいでしょうか。 ○上原委員 今日ニュースで、四川の大地震で農民が農業ができなくて困っ ているということがありました。一方の都市部、例えば上海とかは人手不足 で困っていると。それで農民を工業に対応させる教育訓練機関がこの別表で 付けてくれたものには中国はでてませんけれども、多分もってないのだろう と思います。それで大変まさに自然災害での離職者の吸収に国が困っている という報道がラジオであったという事実をお知らせしたいのが1つです。  また、雇用保険二事業で能力開発事業というのは行われているのだという ことでありますから、その使用者側に本来は年次アニュアルレポートとか、 そういうのは報告すべきだろうと思います。私も何人か聞いたのですが、皆 さん知らないんですね。意見がいっぱい出ていますから、そういうのを何か 工夫して知らしめるということが使用者側の自覚も高まるのかと、こういう ふうに思ったものですから、意見として発言しました。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。今日いろいろいただきました ご意見で、さらに調査を進めることなどありますが、これは事務局のほうで、 また1つアンケートを取るなり、あるいはヒアリングをするなりして、次回 またもう少し充実させていただきたい。具体的な例をもう少し入れたほうが 良い、というご意見もございましたので、是非よろしくお願いしたいと思い ます。それでは本日の議論はここまでとさせていただきまして、次回の会合 につきまして、事務局より説明をお願いします。 ○姉崎課長 次回第5回の日程ですが、日時、場所を含めまして事務局から 追って連絡をさせていただきます。次回は民間教育訓練機関の千葉委員、そ れから地方自治体の佐伯委員のほうからそれぞれご報告をいただいた上で、 これまでに議論していただいた全体についてご議論をしていただきたいと思 っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○秋葉委員 最後に皆さまのお手元にこの検討会とは関係ない資料として千 葉県仕事の学び場というチラシを入れてあります。これは我々の協会が高校 生、中学生に職業教育の体験をしてもらおうという企画です。ニート・フリ ーターを減らすにはその辺から押さえないととても無理だろうと考え実施し ているもので、インターンシップもありますけれども、自動車整備などです と、インターンシップで企業へ行っても全然お客さまの車をいじるわけには いきませんので、学校でしたらそれができるということで、そういう企画で す。そこの中で、本田委員からも今日ありましたが、社会人常識というか、 基礎力と言うのでしょうか、この中で高校生辺りに伝えたいというのがジュ ニアB検という冊子を入れてあります。こういうものを使って早いうちから 職業人への基礎力をつけさせていこうというためのものです。どうぞご一読 いただければ幸いでございます。 ○庄山座長 どうもありがとうございました。それでは、第5回次回の検討 会においては機構が行うこの職業訓練の必要性について、その評価に関わる 論点につき、ご議論をいただくということでありますけれども、論点に当り ましては、たたき台を学識経験者委員を中心にご覧いただき、いろいろなア ドバイスとご協力のほどをお願いしたいと思います。  また、事務局と相談してご連絡してまいりますので、よろしくお願い申し 上げます。それでは本日の会議をこれにて終了いたします。皆さま方、ご協 力ありがとうございました。 (照会先)職業能力開発局総務課   TEL:03-5253-1111(内線5948)      03-3502-6783(直通)   FAX:03-3502-2630